約 2,567,169 件
https://w.atwiki.jp/tasdouga/pages/183.html
タイトル(コピペ用) ロックマンX1 ジャンル ACT このページを編集 海外タイトル Mega Man X 発売日 1993/12/17 動画を追加 シリーズ ロックマンシリーズ TASVideosForum 現行最速 -表示 海外版 ここを編集 記録 33 58.87 追記回数 126805 Player dezbeast TASVideosページ http //tasvideos.org/2187S.html TASVideosStatus published 転載元 分割リンク マイリスト 備考 Movieファイル 100% 解説 海外版 ここを編集 記録 29 57.88 追記回数 58651 Player FractalFusion TASVideosページ http //tasvideos.org/1370S.html TASVideosStatus published 転載元 分割リンク マイリスト 備考 Movieファイル 解説 海外版 ここを編集 記録 41 41.43 追記回数 14432 Player DeHackEd TASVideosページ http //tasvideos.org/750S.html TASVideosStatus published 転載元 分割リンク part2,part3 マイリスト 備考 Movieファイル 解説 その他 -表示 過去最速 +表示 海外版 ここを編集 記録 30 43.92 追記回数 10601 Player DeHackEd TASVideosページ http //tasvideos.org/568S.html TASVideosStatus obsoleted 転載元 分割リンク マイリスト 備考 Movieファイル 解説
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/7170.html
今日 - 合計 - ロックマンX サイバーミッションの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 16時29分39秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/comeback_rockman/pages/19.html
第壱章~誕生~ 第弐章~突入~ 第参章~過去~ 最終章~別離・・そして・・~前編 最終章~別離・・そして・・~後編
https://w.atwiki.jp/vip_rockman/pages/15.html
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 15 22 04.00 ID aICqBPyB0 『エックス……』 北極の端。 戦闘終了から三時間後。エックスを迎えに来たヘリが着陸し、回転翼を回す。 ヘリの乗務員が救急キットやら、エネルギータンクをてきぱきと設置し、仮設のテント型待機所を作った。 エックスに声をかけるのは、その設備の一つである無線からだ。 「アイちゃん………」 『エックス。大体の話は、戦闘中の無線で把握している……その、なんだ……』 声の主、ライトは言葉を紡ぎづらい。 『彼女は……何者かの手によって、イレギュラーにされてしまったんだな………』 「その前に……人間が先にアイちゃんに酷い事をした……!! そうだろ!?」 エックスは自身の沈黙を、大声で破った。 『あ、あぁ……その事については、本部に問い合わせてる。ケイン博士も尽力をつくしてくれるそうだ』 エックスの怒りに、ライトの声は沈痛なものになった。 『その、彼女なんだが……彼女から、妙なチップを確認してな』 「…………………」 興味無いとばかりに、またも沈黙するエックス。 『どうも、まとも思考を分断したり、遮断したりする物らしくて……』 ライトは、気にせず続ける。喋るしか、何もないというのが本当のところなのだろうが。 『<怒り>と<憎しみ>のプログラムを解除する物でも、あるらしいんだ』 「まさか……」 『もともとは、極地基地の人間が彼女に暗い闇を植えつけたのだろう。だが、しかし……』 「アイちゃんから聞いたのは、『至極まともな事』を言ってるレプリロイドだと思ったけど?」 エックスらしくなく皮肉げに言った。 至極まともな事――薄汚い人間に復讐する事という事だろう。 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 15 39 20.77 ID aICqBPyB0 『そんな、エックス………』 ライトが悲しげに呟いた。 「はっきり言えば、ボクだってそのレプリロイドに賛同したいぐらいだ!」 エックスは、自分のやりきれない思いをライトにぶつけた。 「あんた達みたいに、小さな女の子によってたかって乱暴する奴らに尽くすぐらいならね!!」 「だいたい――」 『………グスッ………ヒック……そんな事……言わないでよぉ……ヒック……』 エックスの主張を妨げたのは、ライトのすすり泣く声だった。 「は、博士?」 エックスは怒鳴るのをやめ、落ち着きが無くなる。 『ひどいよぉ……そんな事……グスッ……いわれたらぁ………』 「あ、いや、その確かに……博士は悪くないですよね……その他の人間だって」 少し不本意な意見ではあるが、博士を取り持つエックス。 『ちゃんと説明してるのにぃ……ヒック………わたしだってぇ』 「ごめんなさい! ごめんなさい! ほら、ブーブーですよ! 泣くのはやめてくださぁい!」 映像通信では無いのだが、エックスはどこからか自動車の玩具を取り出し、自らの手のひらで動かした。 「落ち着きましたか? ボクは落ち着きました」 『すまん。取り乱した』 半時間ほどエックスは、泣き出すライトと格闘して、やっと勝利を収めた。 「チップの話を聞きましょう。それが本当なら、そのレプリロイドも許せない」 心を入れ替えエックスは険しい顔をし、虚空を睨んだ。 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 16 08 52.69 ID aICqBPyB0 『チップの形は、Σの文字に似た型でな。本部に検証を急がせているが、とにかく非合法の物であるのは確かだ』 シグマ。一瞬、何かがよぎったがエックスは気にしなかった。 「それで、みんなを操っていると……ヴァヴァもかな…………」 エックスは、この世界のどこかに居る同僚を思い出した。 『解らん。だが、高速道路の事件でも、すべてのイレギュラーにこのチップを確認した』 「という事は……解決しなければならない事は二つあるんですね」 エックスは玩具の自動車を放り投げ、無線に向き合う。 「アイちゃんに酷い事をした連中の処分――こちらは博士に任せます……本当は自分でやりたいけど」 『あぁ、任された』 ライトは厳粛に、その願いを聞き遂げた。 「もう一つは、チップの真意を緑のレプリロイドに聞く事」 『あぁ』 「ボクは、まだアイちゃんに声をかけておきながら、チップを使って操る意味が解りませんが――」 女性にも見える中世的なエックスの顔が、大きな決意に染まる。 「人間だって良い人はいる。それを皆殺しにするなんて酷い事は、ボクがさせません」 『エックス……』 「とにかく、本部に帰ります。――もう、泣かないで下さいね?」 エックスは子供にするような笑いを浮かべ、言う。 『…………バーカ』 ライトもふてくされながらも、どこか笑うような響きのある答えをした。 ヘリに乗り込むエックスの背に、ライトの独り言がテントに響く。 『一つ、疑問がある。情報部はアイシー・ペンギーゴが第13極地部隊の隊長を殺したと報告した』 『だが話によれば、実際に奴を殺したの緑のボディのイレギュラーだ』 『別に……それがどうこうって訳では無いんだが。どうも……」 46 名前:Irregular's Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 16 40 48.63 ID aICqBPyB0 北極の海を逆戻り。 エックスはハチ型ヘリに揺れ、冷たい北極が小さくなるのを眺めている。 迎えに来たヘリは三機。エックスは三号機に搭乗していた。 残りのヘリは護衛の意味とEタンクなどの物資が積まれている。 「それ、なんですか?」 ヘリのパイロットが、エックスが弄ぶ何かを見止め、声をかけた。 正方形の小さなチップ。ペンギーゴの記憶と記録、そして彼女自身だ。 「お守りです」 エックスは遠景から顔をそらさず、短く答えた。 「お噂は聞いています、エックスさん。B級でありながら、すごい活躍だとか」 「どう……でしょう? 活躍どころか、取り返しの付かないものを失ってると思いますが」 北極の海を抜け、大陸に差し掛かる辺りでまたも声をかけてきたパイロットに、エックスは自嘲するように言った。 「謙遜なんかしないで下さい。俺、エックスさんに感謝がしたいんです」 後半の部分は聞き取れなかったのか、パイロットのレプリロイドは朗らかに感謝の意を述べた。 「感謝、ですか……?」 エックスは予期せぬ言葉に目を白黒させながら、返答する。 「えぇ、高速の事件ですよ。あそこに俺の一人娘が居ましてね。あの駐車場でエックスさんが撃退しなければ、娘が居る道路までイレギュラーが来たって言うじゃありませんか」 「は、はぁ……」 撃退したのはゼロではないだろうか、とエックスは頭をよぎるが、パイロットの口は止まらない。 「家内を戦争で失っていましてね。俺にとって、娘はかけがえのない大切なレプリロイドなんです」 「そう……ですか」 かけがえのない、という所でエックスは身を引き裂かれる思いをした。 ヴァヴァ、ペンギーゴ。彼女達は何故、自分の敵になるのか。 「心から感謝します。エックスさん」 パイロットは操縦してる身でありながら、コクピットでお辞儀をした。 47 名前:Irregular's Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 17 07 55.52 ID aICqBPyB0 ヘリのルートは、森林の上を通過する形になっていた。 ロボット工学が進む現代に、今だ残る大自然。多種多様な木々と緩やかなカーブを描く川が美しい。 「Aランクも夢じゃないですよ――おっと通信」 パイロットは後ろのエックスに微笑みかけながら言い、操縦席の無線を受けた。 『三号機、聞こえるか』 「感度良好。おや、これはケイン博士。いかがいたしました?」 老体でありながら、威厳を全く損なう事のない声。険しい顔をしたケイン博士が映像通信に出た。 『諸君らの真下にある森林で問題が発生した』 針葉樹などの大木による緑の絨毯が地平線まで続く。 『どうやら森林を捜索していた部隊が遭難したらしい』 無線を良く聴く為、エックスは操縦席に身体をさし入れた。 『連絡が全く取れない状況で、本部は非常に困惑している。エックス君を向かわせてくれ』 「ご冗談でしょう? エックスさんは怪我をした状態で、その本部に帰投するんですから」 パイロットのレプリロイドは、少し憤慨したように反論した。 行きのヘリとオペレーターに比べ、かなり感情が豊かなレプリロイドである。 「ケイン博士」 エックスが声をあげた。 『怪我は北極の所であらかた修理したな。どうだろうか?』 「えぇ、問題ありません。部隊が遭難してるんですね」 エックスは両肩を竦め、青いボディを晒した。 『救助班を編成するにはイレギュラー事件も重なり、かなりの遅れがでている』 「行きましょう。ボクは構いません」 エックスは頷いた。パイロットは何かを言おうとしたが、結局、言葉としては出なかった。 『すまん。無理を言うつもりはないのだが』 表情の変わらないケインが言う。エックスは険しい表情しか見た事が無い。 「そうですか……解りました。全機、問題発生現場までルートを変更」 パイロットは諦め、機体を右方向に旋回させた。 51 名前:Irregular's Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 17 38 45.46 ID aICqBPyB0 「良いんですよ」 疑問気に見上げるパイロットに、エックスは笑みを返した。 ローターを鳴り響かせ、本部のルートを反れる森林の奥に向かう三機のヘリ。 『ここら辺だな』 巨大な滝を抜け、真下に熱帯林を控える所で二号機からの通信が入る。 『現場付近に到着』 先行していた一号機が前進を停止し、三機共にその場でホバリングする。 『探すったって、どこから――』 一号機の愚痴は、乱入した緊急通信によって遮られた。 『た、助けてくれ!! イレギュラーが……クソっ!』 切羽詰った声が、操縦席に響く。 「調査班か!! おい、大丈夫か!?」 『俺達………捜索隊は、洞窟付近の草原に……早く』 パイロットの声が聞こえないのか、遭難者は自分等の居場所を苦しげに呟く。 「急ぎましょう!」 ブツンと鈍い音を立て切れる通信に、エックスは焦った声で叱咤した。 三機は高度を下げ、慌ててその草原とやらに発進する。速度を上げて突き進むハチの影。 すぐにその草原というのは確認できた。 山を抉る洞窟の前に、大きく開ける草原。手付かずの遺跡の痕跡が、黄緑の広場に散らばっている。 『攻撃を受けている様子は無いが……』一号機が呟く。 『辺りを捜索――っ!?』 「遭難者は無事でしょうか……」 エックスは心配げに、パイロットに問いかけた。 「大丈夫ですって、いざとなったらエックスさんが――」 『三号機!! 高度を上げろ!!』 パイロットの言葉を絶叫で遮断した二号機は、空中で爆発し、破片と炎で草原を真っ赤に染めた。 57 名前:Irregular's Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 18 07 21.53 ID aICqBPyB0 突然の事態に、驚く三号機の二人。 『――こいつは! 三号機、直ぐに――』 一号機は三号機に注意を促し、そして下方から飛来した『棘』に貫かれた。 貫通し、一瞬だけ全ての動きが止まるヘリ。遅れて爆発しながら重力に引かれ、二号機と同じ運命を辿った。 「な、なにが………」 『間抜けがノコノコやってきた! 馬鹿を引き連れ、やってきた! いやっほう!!』 呆然とするエックスに、緊急通信がかかる。 『救助の通信をしたのは、この俺様さ! 天才的な俺様さ! きゃっほう!』 『第9レンジャー部隊所属、スティング・カメリーオを確認』 『あれあれ、何か悩んでる? お悩みかい? だが、安心しな――』 洞窟から、歩んでくるレプリロイド。その姿はカメレオンの様をしていた。 『死んだら、全て解決するぜぇ!! いっーやっほう!!』 カメリーオは予備動作無しに跳躍し、なんとヘリの操縦席に張り付いた。 「こんちは!!」 左右非対称に回す両目を持つメットが、フロントガラスいっぱいに広がる。 濃緑のカラーのボディの下に、機嫌良く揺れる尻尾。その尻尾の先には無数の棘があり、これでヘリを撃墜したのだろう。 「エックスさん、降りて!!」 前に居るパイロットが叫ぶ。 「え!? あ、あなたは!?」 「俺は大丈夫です! ヘリのパイロットのプロですよ? さぁ、先に下りて!!」 エックスの疑問の声にこの状況でも笑いかけ、レプリロイドは機体を斜めに揺らした。 急激に傾く機体。エックスは足元を取られ、機体から身を投げ出される。――数メートルの落下。 「パイロットさん!?」 落下し、地面と接触と同時に回転しながら止まるエックス。 エックスの問いは、三号機の爆破で答えられた。 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 19 24 34.16 ID aICqBPyB0 機体の破片が散乱し、全てが分解。 火炎と一緒に、焼け焦げたヘリとパイロットの残骸が草原に降り注いだ。 「………なんて酷い事を!」 先ほどまで喋っていたパイロットを思い出し、エックスは空に向かって怒鳴った。 「はーい!!」 能天気な声と共に、濃緑でカラーしたレプリロイドが降ってきた。 「やっほー、元気ー?」 「ふざけないでください!!」 一喝し、カメリーオの馬鹿にした挨拶を一蹴した。 「あーあー、これ? 俺様の戦果の事? 仕方ないじゃないか、君と二人きりになりたかったんだからさぁ!!」 戦闘用の腕がカメレオンのメットが取り、普通のレプリロイドよりかはボケた感じのする少女の顔が現れる。 「きゃー言っちゃった、言っちゃった!」 ニヤリでは無く、意外にも可愛らしくニンマリとしながらカメリーオははしゃぐ。 それと一緒に、髪型のポリシーなのか右だけにある小さな三つ網が揺れた。 「は、はい?」 意味が解らず、この状況の中でエックスは困惑する。 「俺様ことボクは、エックス君。君に用があったのだ!! いやっほう!」 三つ網と尻尾が揺れる。カメリーオは、倒れるエックスを見下した体勢から、飛び跳ねながら踊った。 着地から、身体を地面に引き剥がす事が出来ないエックス。下手に動けば、どうなるのであろうか。 「ボクことワタシは、第9レンジャー部隊! きっての実力者!!」 三つ網が揺れる。 「なのに本部はこう言った! 泣き出すワタシに、ハンター組織はこう言った!」 踊るのをやめ、カメリーオは大人になれない顔を近づける。 「野心家で毒舌! 狡猾な性格! 人望が薄い嫌われ者! 隊長になる資格は無いってさ! ひゃっほい!」 「自分を評価しなかったハンター組織へ復讐するために、イレギュラーになったと?」 自分にある喜劇を話したいのか、悲劇を話したいのか解らないカメリーオにエックスは疑問をぶつける。 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 20 32 46.24 ID aICqBPyB0 「そういう事さ! よくある事さ! いつだって! 誰だって!」 時計の振り子のように、揺れる小さな三つ網と武器である尻尾。 「ありません!! ボクに用があるなら、ボクだけ呼べばいいじゃないですか!!」 「憎むべき組織!! 憎むべき隊長!! こいつらには、一泡ふかせなければならないね!! だよね!」 エックスの怒れる顔から離すと、またも踊りだすカメリーオ。 「そのためには、エックス!! 君が、必要だい!! 必要不可欠なんだい!!」 踊りの最中で、カメリーオは回転し、同時に尻尾を振り薙ぐ。 ボディに引かれる尻尾。その先から無数の棘――カメレオンスティングが発射された。 エックスは地面を蹴り上げ、慌てて伏せの体勢から飛び上がる。 高速で飛来した緑に光る棘は、地面を虚しく貫いた。 エックスは跳びながら射撃。カメリーオの頭部に向けるが、カメリーオも逸早く跳び下がっていた。 「本部から評価されている、お前を殺せば!! 本部も納得!! 納得した本部を、俺様が壊滅!!」 遺跡の一部であった柱だけの建造物に逃げ込んだカメリーオが、叫びながら射撃。 「一人称を定着して下さい!!」 間合いを取る為、カメリーオから離れるエックスが、それを撃ち落としながら叫んだ。 「ちょっと傷ついた!! ボクの涙の分だけ、死ね!!」 傷ついたといいながら、微笑むカメリーオはカメレオンスティングを草原に撒く。 矢尻状に飛ぶ棘を、エックスはバスターを連射し、軽々と全てを弾く。 「これでレンジャー部隊? なんだか手ごたえが無い気が……」 呟くエックス。またも急接近する凶器をエネルギー弾が弾いた。 弾いたそばから、棘が降りかかる。 エックスは急旋回し、目標を失い地面に刺さるスティングを無視して、カメリーオに向かって走った。 数百メートルの距離を駆けるエックス。撒かれるスティングはジグザグに走行し、いとも簡単に避けた。 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 21 09 03.79 ID aICqBPyB0 「うわぁ、愛の突進だ!!」 カメリーオは飛び上がり、立ち位置から離れようとするが、もう遅い。 エックスは、ダッシュ中にチャージされたバスターをカメリーオに向け、放つ。 遺跡の柱も爆散させながらも、エネルギー弾は突き進み、カメリーオのボディに当たった。 「……いたいいたい」 カメリーオは吹き飛ばされ、地面に転がる。 「こんなはずじゃ………マンドリラーの姐さーん!!」 脇腹の被弾箇所に手を当てながら、カメリーオは助けを呼んだ。 「馬鹿が……自分で殺ると言っておきながら。とことん使えん奴だ」 不機嫌な声が聞こえたと、意識する前にエックスはカメリーオから離れた。 何かが降り注ぎ、辺りを爆撃する。 吹き上がる土くれ、捲れあがる地表。 エックスは我武者羅に逃げる。 「面倒だから、早めにカタを付けるぞ。恨むな、エックス」 ハスキーな声がかかり、大きな人影が現れる。 『第17部隊所属特A級ハンター、スパーク・マンドリラーを確認』 ピンク色の電撃を両腕に纏いながら、突き進むレプリロイド。 マンドリル型のイレギュラーが、同僚のエックスに向かってエレクトリックスパークを放った。 「お姉さん――ぐっ!!」 雷の球体は、反れる事無くエックスに真っ直ぐ飛び。驚愕していたエックスに直撃した。 『機体異常を報告。ボディ、動作不能。再活動まで――無線サービスダウン』 「簡単だったな。面倒じゃなくて良かった」 満足したのか、マンドリラーの胸部部分が開き、中からピンクの長髪で片目を隠した女性が現れる。 「森林は大嫌いだ……暑くて面倒だからな。クーラーの効く発電所に戻りたい」 継続して雷が纏う青いボディを見つめながら、マンドリラーは右手で自らの顔を扇いだ。 148 名前:Irregular’s Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 21 40 34.76 ID aICqBPyB0 「おなかが減ったから、電気だ。――おい、使えない奴。電気だ」 「えぇ!? ここ、熱帯雨林!! 電気なんか、ねぇ!! ……………な、ないですよ!!」 こちらも余波で倒れていたカメリーオが、飛び跳ねながら抗議する。 「本当に使えない……暑い」 マンドリラーは失望したように言い放ち、扇がない腕でボディを探ると、団扇を取り出した。 「死んではないな。だが、悪いがここをお前を打ち倒せと命令を受けた」 マンドリラーがボディの両腕に力をこめ、エレクトリックスパークを溜める。 「弟のような奴だったが、それ以前に私は17部隊のレプリロイドだからな」 特に感情のこもらない顔で、マンドリラーは言った。 「さらばだ」 「待ちな」 突然、上空からかけられた声に、凍ったように動作を急停止するマンドリラー。 マンドリラーが空を見上げる前に、何かのタンクが投げつけられる。名称には『液体窒素』と表記されていた。 やっ、とマンドリラーがらしくなく小さく悲鳴をあげるまえに、上からのバスターがタンクを貫通。 そして、物理的に凍る。 「うぉぉぉ!! やっぱり凍った!!」 『バラストタンク、オイルタンク、共に凍結。動作不可能』 「黙れ! そんな事は解っているんだ! 馬鹿AIめ!」 ガチャガチャと操縦桿を振り回すが、マンドリラーのボディは微動だにしない。 「二対一とか、卑怯だぜ? イレギュラーさんよ」 混乱するマンドリラーを馬鹿にした声が、空から降りた。 「お前は…………ゼロ!?」 凍りつき、指一本すら動かせないボディに入る少女が乱入者の名を叫んだ。 『動作不可能』 「黙れ!!」 叫ぶ、マンドリラー。だが、ゼロに遅れ降り立った鷲型のレプリロイドの姿にまたも凍りついた。 170 名前:Irregular’s Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 22 19 56.28 ID aICqBPyB0 「もう、やめてやってくれ。マンドリラー、カメリーオ」 『第7空挺部隊元隊長、ストーム・イーグリードを確認』 羽ばたきながら、地面に降下したレプリロイド。 ワシの形のメットの下にある藍色をしたポニーテールが風に揺れ、金色の二つの瞳が悲嘆に揺れた。 「イーグリード!! 貴様!!」 マンドリラーが尚も操縦桿を振り回しながら、激しく詰問する。 「――デスログマーはどうした!? 与えられた計画は!?」 疑問を目前のイーグリードに叩きつけるが、その本人は地面にうつむき答えない。 その態度がマンドリラーの怒りを誘い、操縦桿を更に動かした。 「なるほど……そうか。貴様等は友人関係だったな!」 合点がいったのか、マンドリラーは勝ち誇ったように、自分の推理を叫んだ。 「ゼロめ!! どこまでも、私らの邪魔をしおって!!」 「おいおい。俺が悪いのかよ……」 腕を組み突っ立つゼロが呆れたように呟いた。 「たぶらかし、そちら側に引き込むとは――ふざけおって!!」 怒り狂ったマンドリラーは、団扇を二人に投げつけるが、形状のせいか届かない。 「女が女をたぶらかして、何が楽しいんだよ。たぶらかすなら………なぁ?」 意味ありげに笑い、顔を倒れるエックスに向ける。 「ゼロ……」 感電から、若干復活したエックスが苦しげに答える。 「無事かよ、お人よし。……全く無茶しやがって。俺がいなきゃ駄目だな、お前は」 流れる長髪をかき上げながら、ゼロはニヤリとした。 「ボクを忘れないで!! といいながら、暗殺!!」 事態を伺っていたカメリーオが、飛びながら緑に光る棘を発射した。 高速の凶器。それら全てが、巻き上がる竜巻に吹き飛ばされた。 「弱点なのに………ブーメルさんみたいに、うまく暗殺できないね!! だね!!」 188 名前:Irregular's Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 22 51 53.59 ID aICqBPyB0 「やめな、カメレオン。俺は容赦しないぜ?」 「まだ、メットの舌って攻撃があるよ!! でも、やめる!! ………や、やめます!!」 事の渦中にいる4名から離れ、倒壊していない遺跡の柱に張り付くカメリーオ。 それに向け、ゼロは笑いながらバスターの照準を合わせた。 「殺れ、カメリーオ!! 死ぬまで、攻撃しろ!! 動けぬ私の代わりに!!」 『動作不能』 「何故だ!!」 操縦桿と無線と格闘するマンドリラーは気付かない。 自分の顔を。自分の身体を。そして、この大草原を覆う黒い影。 「ぬにに!! 姐さん!! 姐さん!!」 「何だ、電波!! 私は忙しい――」 マンドリラーは、辺りが薄暗くなっている事にやっと気付く。 慌てて胸のスイッチを押し、ボディに並ぶライトを光らせた。 ペカペカと、赤、青、黄に移り変わる景色の真上。 ゼロが勝ち誇ったように、右手の人差し指を挙げた。 「お前の言ってた奴だよ。これ見て、帰りなダイナモ女」 旗艦デスログマーがその常識を超えた巨大さで、全てを覆い隠していた。 エックスが驚く。マンドリラーが、悔しげに唸る。 突風に揺れるポニーテールを抑える、イーグーリードはずっと悲しげだった。 唸りにも聞こえる突風の中で、舌打ち。 カメリーオだけが、普段の姿とは思えぬ険しい顔し、本当に忌々しげに舌を打った。 「どうするよ、スパーク・マンドリラー。まだ、やるのか?」 ゼロの背中に、降下してきたデスログマーのハッチが垂れ下がる。 イーグーリードは、悲しげにマンドリラーを見ながら、エックスを抱き上げた。 200 名前:Irregular's Elegy[] 投稿日:2006/10/07(土) 23 21 21.64 ID aICqBPyB0 「………行け。どこへでも……クソッ、忌々しい私のボディ」 首を逸らし、ふてくされるようにマンドリラーは吐き捨てた。 「では、お言葉に甘えて」 その言葉に満足したゼロは、いち早くハッチに乗り込む。 「マンドリラー……私は」 エックスを抱きかかえるイーグーリードは、未練ある顔でマンドリラーに声をかけた。 「覚えていろ」 そんなイーグリードに気にせず、短く怨嗟の言葉を紡ぐ。 「今度会ったときは、私の電気がお前の神経回路を犯しつくす」 マンドリラーの侮蔑は、イーグーリードを深く傷つけた。 「機械に生まれた事を後悔しながら、死ね。イーグーリード……裏切り者め」 最期の呪いの言葉を背中に受けながら、イーグーリードは段々と上昇するハッチに身を入れた。 「いや、助かったなぁ。エックス、イーグリードに感謝しておけよ? あと俺にもな」 高度2万メートルの世界。旗艦デスログマーは、夜の闇を悠然と突き進む。 「ありがと、ゼロ。イーグリードさんも、どうもありがとうございます」 中にある遊覧室で、三人は円形のテーブルをソファで囲んでいた。 エックスは、ふてぶてしく寝転びながらクッキーを齧るゼロに微笑んだ。 エックスの礼に、イーグリードは言葉にはせず、右手を挙げて答えた。 「ゼロ………」 イレギュラーのはずの、イーグリード。それが、何故かゼロの仲間になっている。 エックスは説明を求めるように、ゼロに視線を向けた。 「ん? あぁ、イーグリードの事か?」 ゼロはその本人の目の前だと言うのに、説明しようとする。 「俺とイーグリードは親友。それだけさ」 寝転び天井を見るゼロは、脚を組み替えながら、簡単に答えた。
https://w.atwiki.jp/vip_rockman/pages/34.html
3 :Irregular’s Elegy:2006/10/21(土) 17 34 36 「エックス………」 廊下に出ると、待ち受けたのは、白衣を着た小柄な少女だった。 腕を組み、思案顔で壁にもたれかかっていた。 少年の良き理解者――Dr.ライトだ。 「ライト博士……こうやって、顔を合わせるのは、結構久しぶりですね」 どこか無理をする微笑をし、エックスは少女に近づく。 ライトのは疲労と、他の感情か何かで、幼い顔立ちはやつれていた。 自分の顔も同じなんだろうな、と思いながら、少女の隣に立つ。 「あぁ、久しぶりだ。4日……いや、5日ぶりぐらいか」 顎を引きながら、ライトが頷く。 高速道路の事件。そして、イレギュラー事件発覚から、今までの期間はそう長くは無い。 「長く感じるもんだな、一週間も経っていないのか」 年不相応な言葉を紡ぎながら、少女は苦笑する。つられて、エックスも苦い笑みを浮かべた。 「いろいろ、ありましたから………」 その声には、少年の心には、いったいどれほどの感情が篭められているのか。少女には計り知れない。 どんな言葉をかければ良いのだろう。そう自問したが、答えは易々と出ない。 「――そうだな……」 結局、ライトは頷く事しかできなかった。 「また、どこかに飛ぶんだろ? 折角だから、食堂で一緒に食事でもするか」 せめて、その重みを軽くしようと思ったのだろう。エックスを食事に誘う。 少年は蔭のある顔を、頷き、薄く笑う事によって振り払った。 4 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 36 09 気持ちを軽くさせようとしたライトだが、会話は結局この事件の事になる。 「シグマの事は聞いたんだな…………。ケイン博士と話していたという事は」 ご飯と焼き魚――普通の昼食セットを前に、白衣の少女が口を開いた。 きちんと手を合わせて、食事に取り掛かる。 「君が帰還する前に、私も話をしたんだ。――正直、おどろいたよ」 エックスにも同じ物が配膳され、焼かれた魚に箸を突き入れた。 「まさか、本部があんな事を………」 信じられない、と少女は続ける。 ライトの顔色を伺いながら、エックスは黙って箸を進めた。大きな後悔を顔に映した老人を思い出す。 「シグマが討伐後、受けたカウンセラーの情報を見た」 コップに注がれた水を喉に傾け、小さな口を潤す。 雪のように白い髪をかき上げながら、ライトは呟いた。 「―――徐々に壊れていると、私は推測している。…………結果を見て、そう印象を受けた」 手を止め、顔を料理ではなくエックスに向ける。 緑の瞳は黒の瞳とぶつかった。 「レプリロイドのAIは、人間と同じく、一度バグが起きると致命的な所まで〝堕ちる〟事例がある」 顎をさすり、物憂げな表情を作るライト。 エックスは言葉を介せず、黙って頷いた。 「複雑な機構で〝作られた〟心は、その造型故に、ドミノ倒しのように崩壊する可能性を秘めているんだ」 人気の無い食堂に、暗く沈んだ少女の声だけが小さく通る。 「大きな心の傷というバグは、莫大に繁殖するウィルスのような物…………」 少女のような顔から目を逸らし、ライトの首は虚空に回る。 「彼女が討伐後、そしてイレギュラー事件発足後、そしてアイシー・ペンギーゴに接触した時………」 瞳は遠くへ。 5 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 38 07 「そして………今現在の奴の心理状態が、当時と同じものだとは思えない」 緑の光は現実へと戻り、再び、エックスに向けられた。 「というと?」 疑問の意を首に宿し、少年は横に傾げる。 「彼女は何の信念もなく、人間を滅ぼす事だけに執着しているのでは無いだろうか」 簡単には受け入れられない事実。 だが、エックスも薄々とは気づいていた。 狂気をみせるイレギュラーに、そしてシグマの態度。 「第17部隊隊長、シグマ。あれほどの指揮官が、途中で自分の考えに少しでも疑問を持たないのはおかしい」 マンドリラーに処刑を命じたと思えば、クワンガーに戦闘の手ほどきを行うよう命令する。 そして、最近ではオクトパルドを使い、自分の元へと向かうよう迎えを出した。 「もしかしたら、もう………」 ライトの憂慮は、杞憂で終わるような、無にもつかない物ではないのだろう。 少女の表情と言葉が、それを裏付けていた。 「――どちらにせよ、僕は隊長の所へ行きます。そうするしか、他にありません」 エックスは、これで話は終わりだ、とばかりに打ち切った。 顔色をほとんど変えず、少女もその言葉に頷いた。 「あぁ、それしかないな。…………奴の居場所については、現在調査中だ。おって連絡する」 「えぇ」 少年の使命――それは世界を救う事。 その結果は誰が喜べるものとなるのか。 救われるのは人間か、レプリロイドか、それともイレギュラーか。 自分という存在と生を捨ててまで、何かに固執したイレギュラーに救いがなければ、なんと悲しい世界のだろう。 6 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 39 32 異端の哀歌。 銃声と砲撃と怒号で奏でられる協奏曲は、イレギュラーの絶望と狂気で紡がれる。 そして、その曲の終わりには、世界の終わりか、異端の死しかない。 「治療ができない……? どういう事ですか!?」 白い部屋で、中性的な声が響く。 ケインとライトとは違う〝白衣〟を着たレプリロイド達に、エックスは詰め寄った。 医務室、手術室を備えた医療練。手術室の一つに、少年は居た。 詰問する横には、ガラス張りの小部屋があり、そこにベッドが置いてある。 そこに眠るのは赤きレプリロイド――ゼロ。 エックスはライトと別れた後、少女の様子を見に来たのだ。 「電力の問題です。ここ最近、世界全土で電力不足が………」 医師のレプリロイドが重い口を開ける。 「おそらく、イレギュラーが発電所を乗っ取った事が原因でしょう」 隣の医師も言葉を引き継ぎ、前に立つエックスに説明した。 「こればかりは………我々の手には…………」 レプリロイドは、申し訳なさそうに頭を下げた。 「ゼロの調子はどうなんですか……?」 医師の行為を手で制し、エックスは眠りにつく少女の顔を見ながら、容態を問う。 もう一人が首を振った。 「芳しくありませんね。受けた損傷は大きいし、何より傷口から海水が入ってしまっている」 持っていたカルテファイルを揺らしながら、医師のレプリロイドもゼロを見つめる。 7 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 43 31 「電力を使わない応急的な治療はしているのですが、あまり効果は出ないでしょう」 お手上げだ、という感情が二人の医師から漏れる。 「そう、ですか………」 エックスは二人に礼を言い、足早に手術室を出た。 「確かに……! 飛ぶんだろ、とは言ったよ!!」 吹き荒れる、作り出された風。 本部後部にあるヘリポート。ハチ型ヘリが出発の時を待ち、背中のローターを回す。 「だが、今日だとは知らなかったな!? ………ひゃう!?」 白衣が風によって翻り、ライトは慌てて裾を押さえた。 前方を青いボディがヘリに向かって歩く。その後ろに続く少女。 身体と同じ色の空が、二人の真上に広がっていた。 「ゼロが危ないんです」 少年は後ろを振り向き、自らが戦地に向かう理由を教える。 「あぁ、そうらしいな! 本当にお前は忙しい奴だ!!」 ローター音と、耳を掠める風音がうるさい。故に少女の声は、大きなものになる。 エックスはヘリに乗り込み、少女が機体の横に立つ。 「気をつけろよ。お前はいつだって、優しいやつだ」 決意を宿した顔を横から覗き込み、囁くライト。 8 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 46 54 「それが、仇となる時がある。――仲間が敵だと解ったら…………もう躊躇うな」 青い肩を優しく叩き、見送る。 できれば一緒に行きたいのだが、邪魔と言う名の役にたつだろう。 「新調した無線だ。あと、オペレーターの性格も人間味があるように再設定したよ」 取り付ける型の黒い通信機を渡し、最後にライトはニヤリと笑ってみせる。 気付けの言葉にエックスも微笑んだ。 「無事だけを祈る。またな、ロック」 もう一つ、ピンクのハンカチーフで包まれた箱を渡し、ヘリの操縦者に手を振る。 操縦の命を司ったレプリロイドは頷き、操縦桿を引き下げた。 エックスが箱の内容を聞く前に、ライトに背中を向けられ、乗り込んだヘリも上昇する。 結局、基地が小さく見える所まで上昇した際に、その箱を開けた。 中には、紙片に可愛いらしい文字で〝夕飯だ〟と表記された――お弁当だった。 115 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 26 36.01 ID Gs1tqUN70 「ルート42進行中。問題無し」 『――本部了解。発電所までの航路を維持せよ』 目下に広がるのは、何時ぞやの大森林。 緑の絨毯が広がる平地を5つの黒い影が突き進む。 エックスを乗せたハチ型ヘリ等は、問題の発電所に向かっていた。 アイシー・ペンギーゴとの戦闘後に通過した森を青き少年は、無感情に眺めていた。 そこでカメリーオとマンドリラーに奇襲される。 発電所を占拠し、国家的被害を引き起こしたのは片割れのイレギュラーだろう。 エックスはこれから起こる戦闘に、嘆息した。 「ルート43進行中」 斜陽が全ての光景を赤に。 早朝に本部に付き、昼過ぎに出発した少年が飛ぶ空は、西に沈みつつある日によって染められていた。 夕日を眩しそうに目を細めながら、鉄の座台に深く腰掛けるエックス。 「夜までには、発電所に着くかと思いますがね」 随時本部に進行状況を連絡する操縦者が、後ろを振り返って言い放つ。 エックスはそれに頷き反し、直ぐに夕方の森へ視線を戻した。 116 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 28 59.62 ID Gs1tqUN70 「ルート47進行中」 『了解。航路を維持せよ』 ライトは何を夕食にしているのだろうか――そんな事を弁当を開きながら、エックスは考える。 蓋を開けると、半分をご飯で満たした普通のメニューだった。 「愛妻弁当ですか?」 操縦士がからかうでもなく、単なる疑問か世間話として投げてくる。 「いえ、餞別……かな」 歯切れ悪く言い、料理に手を合わせて箸を持つ。 本部にいる夕飯の作成者に感謝し、エックスは取り掛かった。 「ルート48進行中。特に問題は――何だ?」 状況報告を単調に続けたパイロットが、初めて怪訝な声をあげる。 『どうした? 1号機。何か問題でも』 操縦桿の横に備われた無線から疑問が放たれ、エックスも玉子焼きを掴む箸を止めた。 「高速で移動している熱源を確認したんだ。――誰かが追われて……いるのか?」 言葉尻をあやふやに、パイロットは森林の異変を告げた。 エックスが機体の両横に空いているハッチから身を乗り出す。 赤い木々の間。 操縦者の言葉通り、確かに大柄な影が複数の何者かに追跡されていた。 118 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 32 47.66 ID Gs1tqUN70 二つの小さな青の炎を吐き出しながら、森林を疾走する巨大な影。 ブースターで移動するライドアーマーの群れだった。 それが大きな人影を追い詰める。 もっとよく見ようと更に身体を傾けるエックス――彼の頭部を紫電の放流が掠める。 目を見開き驚愕するエックスの視線が、桃色の電撃の先を見、そして発せられた森に移る。 「クソっ!? 何だ今のは!!」 罵声を放つパイロットによってハチ型のヘリは大きく傾く。 下方から電撃が連続して放たれる。 こちらを狙っているのかと思ったが、森林に吹き荒れる爆発からそうではないようだ。 腕が電糸に毟り取られ、ライドアーマーの一つが吹き飛ぶ。 ライドアーマー達が、連続する電撃の合間を縫いながらブーストする。 またも巨体が雷の洗礼を受け、軽く宙に浮いて爆発する。散乱した破片が木々を焦がした。 電流の球体や滝が次々に吐き出される――その最中。 ピンクの明滅によって、大柄な逃亡者の姿がやっと露になった。 「マンドリラーのお姉さん!?」 逃亡者の名をエックスが叫ぶ。 今、彼女の元に向かっていた少年に、予期せぬ状況でマンドリル型の女性が現れた。 突然の登場に白黒する間もライドアーマーが倒れ伏す。 119 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 35 28.49 ID Gs1tqUN70 「スパーク・マンドリラー? 奴はイレギュラーだろう。どうして、敵が敵に追われているんだ」 エックスの言葉にパイロットが困惑して、ヘリを揺らす。 黄色でペイントされた機体は、前進する戦闘現場から離れるつもりのようだ。 爆裂する紫電。粉砕される森と大地――そして敵。 エレクトリックスパークを受けた土木作業用の機械が、巨体の胸に大穴を空けられ四散する。 夕暮れの森は爆発と騒音に溢れかえっていた。 「逃げるが勝ちって言葉は、レプリロイドの辞書にも載ってるんだぜ」 「待ってください。僕、降ります」 ガスマスクのようなメットの操縦者の肩に手を置き、エックスは逃走に待ったをかけた。 追跡劇の意味は解らないが、とにかく状況を確認しよう。そんな思いが少年の胸裏に生まれる。 「俺はここで死ぬような器じゃな――え?」 ぶつぶつと呟くパイロットが独白を止め、後ろの信じられない言葉を吐く人物に振り返る。 「降ります。ちょっと高度を下げてください」 青き少年は、真面目に言ってるとばかりに頷いた。 「あぁ、戦争時の冗談ですか。俺だって知ってます。昨日やってた映画で――」 下から響く轟音をBGMに、パイロットの方が冗談と取れる発言をして場を濁す。 エックスはそんな彼に眉根を寄せた。 「何言ってるんですか。早く高度を下げてください」 溜め息をつき、顎で降下を促す。 爆音は激しくなり、とうとう火柱も上がった。 120 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 38 06.84 ID Gs1tqUN70 「冗談じゃ――」 尚もしぶる操縦者に呆れ、エックスは蹴りを放ち、操縦桿にブーツの裏を叩き込む。 「うおおおおおおおお!?」 機体が激しく揺れ、一瞬の重力異常。少年の身体が少しだけ浮き上がった。 ハチ型ヘリはエックスの意思通りに急降下する。 「それじゃ、行ってきます」 木々の高さと同じぐらいまで降りる機体。 挨拶するエックスはハッチの淵に指をかけ、着地場所を見極めた。 戦闘場所から数十メートルという所で、その身を空へと投げ出す。 「おおおおお!? い、行ってらっしゃいませぇぇええぇ!! 畜生ぉおぉ!!」 その背中を、機体を安定させようと奮闘するパイロットの罵声が叩いた。 飛び降りるエックス。 真下の木の幹に片足を突き出す。 木片を散らし、煙をあげて降下速度を緩める。 大木を滑るようにして、地面に着地。 むっとした青臭い匂いと薄暗い緑の光景が、視界と鼻腔に飛び込んできた。 爆発音は止まない。右辺から響く戦闘の証。 同僚だった女性の事を思い、エックスは緑色の世界を駆け出す。 122 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 42 35.56 ID Gs1tqUN70 すぐに彼女等は見つかった。 移動しながらの攻防を繰り広げる、マンドリラーと数体の巨体な影。 「お姉さん!!」 エックスが先行する大きなレプリロイドに大声をかける。 「……お前は!? ――しつこいぞ!!」 丸いマンドリルの瞳が驚きを帯びるが、右手から急襲したライドアーマーに電撃を浴びせる余裕はあった。 「単刀直入に聞きます。どうしたんですか!?」 バスターで援護射撃しながら、エックスは足を止める彼女に近づく。 頭部部分が操縦席の巨体。 そこに座るアーマーソルジャーの頭部を、ばら撒かれたエネルギー弾が貫通した。 「忙しいから後でいいか!! いいな!?」 両手に桃色に光る電撃を溜め、周囲へ一気に放つ。 エレクトリックスパークの嵐が、ブーストで迫り来る敵と森を席巻する。 三体のライドアーマーが消し炭になり、操縦者も同じ運命を辿って絶命した。 「いいですよ!! でも、これだけ聞かせて下さい!!」 ライドアーマーは、遠距離武器が無いのが弱みである。 声を張り上げながらエックスは射撃し続け、間合いを詰める敵を攻撃。 「――敵ですか?」 少年の言葉には悲哀。 バスターを撃ちながらも痛切な瞳が、横に立つ女性のメット部分に向けられた。 123 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 46 13.07 ID Gs1tqUN70 その思いに飲まれたのか、マンドリラーの一瞬の逡巡。 「違うよ……多分な。――しつこい、と言っただろう!!」 腕から電流の唸りを放つ彼女の曖昧模糊な言葉。 しかし、エックスには充分だった。 優しさを感じさせる笑みを浮かべ、マンドリラーを果敢に援護する。 ライドアーマーは一撃も見舞う事無く、数を減らし続けた。 「随分と手間をかけさせてくれる……」 突如響き渡る、鋭い声。 凶悪な圧迫感を纏った存在が、二人の前に木々の間から悠然と現れる。 大型の犬――そうエックスの目には映った。 マンドリラーが荒々しく舌打ちし、両手を構えて身構えた。 「私が、自ら手を下した方が得策か」 とことこと前に進む紫紺のボディ。 二人の敵意に満ちた視線を、牙を剥き出しにしたメットが打ち払う。 四足のレプリロイド。エックスの記憶には無かった。 間合いを大きく作るのか、途中で歩みを止め、犬型がぱっと立ち上がる。 ――眩い光。 瞬きほどの光の放射から、仁王立ちする少女が出現する。 124 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 50 04.71 ID Gs1tqUN70 犬を模したメットは帽子のように上げられ、パープルカラーの頭髪が肩まで垂れる。 女と少女の中間に位置する、綺麗に整えられた顔が晒された。 「あんたが、わざわざ出張るとはな……」 狩猟を行う犬の瞳――緑の視線が、両腕に電撃を纏うマンドリラーに向けられる。 エックスは訳がわからず目前に立つ少女を見つめた。 全身だった彼女の装甲は肩と手足に留まり、小ぶりの胸元に布の帯を何重にも巻いた装い。 下半身にはベルトとショーツで構成された衣類――ガーダーベルトを身に着ける。 どちらかと言えば幼い目鼻立ちに、その服装は倒錯感を少年に与えた。 「こうなるのは予定外だが――」 彼女が鼻面を獣のように寄せ、こちらも戦闘態勢を取る。 マンドリラーはいよいよ緊張し、エックスもそれに合わせてバスターの銃口を向けた。 「わふっ! ――スパーク・マンドリラー。シグマ様に叛旗を翻したその罪――」 またも光り、濃厚色の装甲に身を包んだ猟犬の姿を再現。 「死で償ってもらおう」 前足から爪が飛び出し、大きな影が獲物に飛び掛った。 303 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 50 03.77 ID Gs1tqUN70 紫紺の身体が疾風となる。 その速度は、対峙していた間合いなど意味をなさない。 マンドリラーの太い首筋に、鋭く生えた牙が喰らいつかんとした。 左右に跳ぶ二人。 大きく空いた空間を犬型の前足が粉砕する。散らばる土塊。 エックスは跳び下がりながら、エネルギー弾を連続して放つ。 猟犬はその場で回転。 数十に列を成すエネルギーは、旋回するボディに弾かれ跳弾した。 鋭角に吹き飛ぶ銃弾が、木々に撃ち込まれるなどして周囲を貫いた。 「馬鹿が。よく考えて戦え」 慌てて伏せ、それを避けるエックスと、罵声を吐いて両腕で弾くマンドリラー。 防御と回避を同時に行った猟犬が、旋回の速度をそのままに、悲鳴をあげる少年に突進する。 矢のように飛び込む犬型。 前方から銃撃が、後方から網のような電撃が迫るが、器用に宙で回転して避ける。 「わふっ!」 嘲りを牙が乱立する口元に――犬型はエックスの顎に回転する前足を叩き込んだ。 打ち払われ、ボールのように身を投げ出す青いボディ。 308 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 53 06.08 ID Gs1tqUN70 少年の身体が地面に激突するよりも速く、猟犬はマンドリラーに接敵する。 マンドリルの太い腕が振るわれ、紫紺色の犬に雷の嵐が降り注ぐ。 津波のような電撃を放つ異端。 しかし――その一本、一本の電糸の隙間を、地面を跳ね続けて避ける異端も存在した。 エレクトリックスパークの牽制は無に還り、猟犬の接近を許す。 「死ね」 目と鼻の先で死の宣告を送り、今度こそ首元に牙を向けた。 が、何を思ったのか攻撃を中止し、素早く後退した。 犬型のメットを光弾が掠める。 「解せんな、マンドリラー」 空中で回転する身体。 器用に四足で着地し、犬型が言葉をかける。 「何がだ」 マンドリラーは返答しながら電撃を放ち、猟犬を遠ざけようとした。 桃色の電流が空を焼き、付近の地面を粉々にする。 彼女の思惑通り、紫紺の身体は回避に専念し、間合いを大きく取らざる負えなくなった。 「シグマ様、クワンガー……その少年に何かを期待しているようだが、私には何も感じない」 首を少しだけ捻り、猟犬は地面を所在無く引っ掻いた。 エックスは顔に困惑の色を広げ、バスターを構えたまま行動を起こさない。 309 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 55 23.12 ID Gs1tqUN70 しかし一人頷くと、右腕のバスターをチャージする。 後ろ足で地面を蹴り、凄まじい力が猟犬を空へと飛ばす。 その足元を撫でるように、溜められたチャージショットが通過した。 「わふっ! シグマ様の命だからこそ、この反乱分子に牙を剥かないが、私は納得する事が出来ない」 マンドリラーは何も答えず沈黙する。 着地する猟犬は疑問を吐露するのを続けた。 「マンドリラー、貴様も何かを期待している。何故だ――私には理解できない」 沈黙は継続する。 夕日は既に落ち、辺りは暗闇に満ちてきた。夜虫がこの状況に関せず、思い思いに鳴きだす。 「最強たるシグマ様の部隊に歯向かってまで、期待すべき事なのか」 ひらりと身を捻る猟犬の足元に、電気の槍が突き刺さる。 語る最中での不意打ちも、彼女には意味が無いようだ。 「お前には理解できんよ。――命令に従う事しか出来ない、お前には」 更に間合いを広げた犬型に、マンドリラーは馬鹿にするでもなく、どこか哀れそうに言った。 沈黙。 マンドリラーと紫紺の犬が黙り、虫も鳴き止む。 何を言っているのか解らないエックスも、事の進行を黙って見守った。 312 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 58 32.11 ID Gs1tqUN70 「……承知した」 事件の首謀者に仕える狗は、一体その言葉を受け何を思ったか。 エックスとマンドリラーには解る筈もなく、猟犬自身のAIで自己完結する。 そして短く返答し、再び闘いに挑む。 唸りをあげる四つの獣足。 マンドリラーは、エレクトリックスパークを地面に叩きつけ、爆裂と紫電の煙幕を作り出す。 「わふっ!」 「おおおおおおっ!!」 犬型が中空でボディを前回転させる。 白とピンクの帳から巨大な両腕を死角から突き出し、掴みかかるマンドリラー。 電撃を纏った二つの丸太腕と、回転刃となった身体が激突する。 闇の森を、散らばる火花が黄色く彩る。 数瞬の拮抗の後、両者は磁石の両極のように離れた。 「その巨体――伊達では無いらしいな」 「お互いな」 賛美とは取れない皮肉の応酬。 狗の皮肉に注ぐ光弾の雨。 エックスのショットが五月雨のように撃たれ、猟犬の周囲に着弾する。 だが光の雨も、紫紺のレプリロイドの機動力には敵わず、虚しく自然を打ち壊しただけに止まった。 315 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 21 01 25.03 ID Gs1tqUN70 ちらりと犬型は少年に獣の瞳を向け、素早くマンドリラーに直る。 「どうやら、無傷で倒すのは難しいらしい」 互いの力量を見極めた上での判断。 「分が悪い。ここは退かせて貰おうか」 数ある選択肢の中で、裏切り者を狩る猟犬は撤退を選んだ。 マンドリラーが腕を降ろし、攻撃の体勢を解いた。 しかしメットの瞳は、未だ警戒と敵意を宿している。 「だが反逆者、スパーク・マンドリラー。命永らえると思わぬことだ」 森へと踵を返す犬型が振り向き、辛辣な言葉を吐いた。 「直ぐに、貴様を御しやすい処刑部隊を編成する」 全身を震わせるエックス。 嫌な想像――無惨に破壊されるマンドリラーの姿が脳裏に広がる。 腕を組む当の本人は、鼻を鳴らしただけで取り合わない。 「わおんっ! 別れは早いうちに済ませておけ」 一声唸り、疾風となる猟犬は二人の前から掻き消えた。 「大きなお世話だ、いぬっころ」 マンドリラーの啖呵が森の奥へと放たれ、鈴虫の声と同じく拡散した。 319 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 21 03 57.36 ID Gs1tqUN70 猟犬が去り、場の空気が弛緩する。 エックスは力尽きたように膝をついた。 「助けられたな」 『援護に感謝いたします』 開閉される胸部の装甲。漏れた女の声と電子音声。 マンドリル型のボディから、桃色の髪をした女性が現れた。 白い指を持つ両手に、操縦桿が握られている。 少年が困った顔をする。 「僕、あんまり援護できませんでした」 「いや、助かったよ」 エックスの憂慮を払拭するように、口元に薄い笑みを浮かべたマンドリラー。 「僕は……。いえ、それよりもお姉さん……どうして――」 上空から今まで培ってきた疑問を、ぶつけようとする。 しかし、それはマンドリラーの背伸びと、艶のかかった声によって阻害された。 「あー、疲れたぞ。話は腰を落ち着ける所ででも良いか?」 「そう……ですね。うん。――えぇ、構いません」 自分にも重く圧し掛かる疲労に、エックスは彼女の提案に同意した。 321 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 21 07 19.39 ID Gs1tqUN70 何処で話すか。 マンドリラーに背中を向け、考え込む。 ハンター本部が最適なのだろうと考えていた所で、自分が何でやって来たかを思い出す。 ハチ型のフォルム、冗談を言うパイロット。 「あ、ヘリ」 二人の空には、無限の数を持つ星達と、白く綺麗な月。 ――5機のヘリコプターは影も形も無かった。 「………………僕ね。乗り物とか、女性に恵まれた事無いんです」 暗く沈んだ顔を振り向け、人生の不満をぶつけてみるエックス。 「………………そうかい」 『同情いたします』 対する応えは、どちらも冷たかった。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/2490.html
登録日:2011/03/24 Tur 03 55 02 更新日:2024/07/14 Sun 00 18 15 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 2004年 7人の勇気で戦え! CAPCOM GC PS2 RPG カプコン ゲーム ゲームキューブ コピーチップの真相はどうした? コマミソ コマンドミッション シナリオを除けば神作 ニンテンドーゲームキューブ パラレルワールド ロックマンX ロックマンXコマンドミッション ロックマンシリーズ 人間不信になれるゲーム 公式キャラ壊し 劇場版 壊せなかったタメライ 女盗賊の乳揺れ 情熱セツナ 撃墜数ハンパないゼロ(される的な意味で) 最強武器「ねこぱんち」 櫻井エックスのデビュー作 殺意の波動に目覚めた狐 滅殺波動拳 続編マダー? 裏切りの連続 野中藍と神田朱未の共演 金髪ロリのナース アクション(ロックマンX)を、コマンド(RPG)する ロックマンXコマンドミッションは2004年7月29日に発売されたRPGである。 ハードはPS2とGCの2種類が同時発売された。 PS2版→X8体験版 GC版→トレジャーコインフィギュア 等、特典が異なっている。 CM ※推奨BGM:情熱セツナ 7人の勇気で戦え! エックスがRPGを変える!! ROCKMANX COMMAND MISSION 2つのハードで新発売! ナレーションは中田譲治氏が担当している。 ●目次 【ストーリー】 【概要】◆時系列 【登場人物】◆パーティ ◇リベリオン その他 【ストーリー】 西暦22XX年……。小惑星の落下と共に、未知の鉱物である『フォースメタル』が採取された。フォースメタルには多大なエネルギーが秘められており、これによってレプリロイド工学は革新を迎える事となる。 この貴重なフォースメタルを採掘すべく、政府は人工島『ギガンティス』を建設し、運営は順調に進んでいた。 ───が、イプシロンと名乗るレプリロイドが反乱を起こす。その圧倒的な戦闘力でギガンティスを占拠したイプシロンを、政府はイレギュラーと断定しエックスたちイレギュラーハンターを派遣する。 激しい雨の中、ギガンティスに潜入するエックス達を待ち受ける運命とは!? 【概要】 ロックマンXシリーズ初のRPG。 グラフィックも美麗で操作性も良い。 イラストのタッチもロックマンゼロを意識したタッチとなり、より格好良くなっている。 オープニングムービー&主題歌『情熱セツナ』もシリーズ屈指の出来と云えるレベル。 随所にBOFシリーズを彷彿とさせる演出がある。 ◆時系列 時系列はX7から数年後の22XX年。 恐らくX7、8が219X年、本作が220X年と考えられる。 設定を考えるとX7とX8の間と見るのが妥当なのだが、今までロックマンシリーズをまとめていた稲船敬二氏は書籍『R20 ロックマン ロックマンXオフィシャルコンプリートワークス』にて「「ロックマンXでRPG作れ!って言われたんやけど、Xはアクションゲームだからこそって思ってたし、「やら ん」と。だから、これは俺はやらんで、お任せです」と述べており、不参加。 そのこともあってか厳密にはストーリーには矛盾がいくつか存在する。 ①アクセルが仲間になっている ②コピーチップが新世代型レプリロイド研究の産物だと判明していない 以上の二点から、X7~X8間にあたる物語となるはずなのだが、何故か年代は西暦22XX年、つまりX8より未来となっている(X8は西暦21XX年) なのでX7から派生したパラレルワールドと言うべき作品だが、X8を抜きにしてもまだ矛盾が残る。 ※後述のアクセルの項目を参照。 スタッフインタビューにて「初期の構想から大分掛け離れた」と言われており、おそらくはコマンドミッションは元々X8への繋ぎ的な構想だったのが、構想が膨らむ内にシリーズとしての繋がりより本作単品としての出来を優先するようになったのでは無いだろうか?(インタビューでは実際にこれまでのシリーズらしさよりRPGとしての見映えに重点を置いている発言をしている) アクセルの出生に中途半端に触れているのは初期の構想の名残だろう。 今作から設定の矛盾が目立っており、所謂『劇場版』的な番外作品となっている。 【登場人物】 パーティ加入メンバー(◆で示す)は、バトル中に数ターン限定でパワーアップするフォームチェンジコマンド「ハイパーモード」を使用できる。 詳細は該当項目を参照。 ◆パーティ ◆エックス CV 櫻井孝宏 数々の難事件を解決して来た伝説のS級ハンター(*1)。 本作からは声優が櫻井孝宏氏に交代しており、性格も本編のようにウジウジ悩むタイプではなく周りを引っ張っていくリーダータイプで、RPGとして見映えするように意図的に変えられている。 結果、かつての青臭さがすっかり抜け落ち、仲間の為に全力で戦う等、芯のしっかりしたハンターに成長したと言える。 本作では収集要素として作中に登場するキャラクターなどのフィギュアを集めることができ、 ストーリーをある程度進めれば自室で眺めることができるようになるため二次創作ではフィギュアオタク扱いを受けている。 それはそれとして、ノーマル時の新型アーマーが非常に格好良く、背から伸びる光の翼のようなビームマフラーがスタイリッシュ。 ◆ゼロ CV 置鮎龍太郎 噛ませ犬。 前述通り、エックスが周りをグイグイ引っ張っていく役割となったためか、これまで周りを引っ張っていた役回りの彼がその煽りを受けた。 どんな酷い扱いかと言うと エックスの目の前で敵幹部に袋にされる(エックスは静観) 単身ボスに挑んで返り討ちにされかける 今更一度裏切られただけで仲間不信となる 仲間に賞金稼ぎや盗賊が居ると知って平気で軽蔑するような発言をする しかし、それだけ軽蔑しておいて庇ってもらっただけで意見を撤回。なんだお前… 衝撃の真実を突き付けられて放心状態となり棒立ちで敵の攻撃を受ける このようにストーリーシナリオでかなり情けない感が拭えない。エックスと並んでハイパーモードが2つあるなどバトルにおける扱いはまともな方だが。 …それでも本作をプレイして彼の扱いに納得いかなかった方はX8をプレイする事をオススメする。 ◆アクセル CV 高山みなみ 無邪気であるが故の残酷さを持ち合わせるハンター。コピー能力も健在。 今作でコピーチップはギガンティスで作られたという事実が明かされたのだが、設定上ギガンティスは西暦22XX年以降に作られたはずなので、西暦21XX年には既に生まれているアクセルの出生とは辻褄が合わない。 今回のキーであるはずだが目立った活躍はX7に比べて控えめ。 ◆スパイダー CV 神奈延年 エックスを付け狙う賞金稼ぎだったが、かつての相棒であるエールが命懸けでエックスを守り、意志を託したと知りエックスと共に戦う道を選ぶ。 戦いの中で仲間たちのまとめ役となっていくが… ◆マッシモ CV 川津泰彦 『鋼鉄のマッシモ』の異名を持つ、リベリオンに虐げられるレプリロイド達に英雄として崇められる巨躯の戦士。 しかし、当の本人は臆病さが目立つ。 何か秘密があるようだが…? ◆マリノ CV 鈴木麻里子 口は悪いが、心の優しい女泥棒。一匹狼が信条で常に一人で行動しているが、それは仲間に迷惑をかけたくないがため。 フォースメタル技術やコピーチップに目を付けている。 ハイパーモード「クイックシルバー」では肌色が増してお尻が出ている姿に。 ◆シナモン CV 野中藍 天然ロリ顔とヲタク受け間違い無しの美少女レプリロイド。 ガウディル博士の造り出したフォースメタルジェネレータ内蔵型のレプリロイドであり、彼女を仲間にすると使用可能となる。 また両手に医療ユニットを搭載しているため、ダメージを受けた仲間を修復できる回復要員。 ◇リベリオン ◇イプシロン CV 堀之紀 ギガンティスで反乱を起こした「リベリオン」の総統。 超フォースメタルの器として開発されたレプリロイドであり、それが原因で反乱を起こしたと思われる。 その点ではウィルスの後押しで反乱を起こしたシグマとは似通う点があり、第二のシグマとも云える存在である。狂った様子はなく、エックスもその事について言及している。 ◇スカーフェイス CV 増谷康紀 巨大なツインビームランスを操るリベリオン幹部。 イプシロンに忠誠を誓い、彼の右腕として活躍する。 無益な殺生を嫌い、エックス達に決闘を挑んだ際には民間人に被害が出ないよう気配りを見せる良識人である。 設定上ではイプシロンのプロトタイプであり、仮面の下は彼と同じ顔。 そのためかイプシロンに対して肉親の情のようなものを持っているらしく、リベリオンの思想に惹かれたというより弟を護りたいという意志で働いていた節がある。 ◇フェラム CV 小山裕香 大型の翼と鞭で戦う、サディスティックな雰囲気を感じさせる女性型レプリロイド。 リベリオンの幹部で、元は研究施設の警備を担当していた。 その鞭で我等がゼロを幾度にも渡り痛ぶってくれるも、エンディングでは健気でしおらしい雰囲気へと一転、最後の最後でメインヒロイン級の活躍を見せる。 彼女を救えなかった事に、本作では悩まなくなったエックスさえも声を張り上げて嘆いた。 その他 ◇ナナ CV 神田朱未 本作のメインヒロイン。 性格は明るく、オペレーターとしての腕も超一流であり、エックスたちをサポートしてくれる。 …どこぞの金髪オペレーターのように声無しでは男性と見紛われるような事は無い、文句無しの美少女。 正直、彼女を本編のヒロインに格上げしてもいいんじゃないかと思える程。 エックスに想いを寄せる節があるが、エンディングでは… ◇シャドウ CV 高塚正也 エックスと共にギガンティスに派遣されたイレギュラーハンター。 コイツが序盤で裏切ったせいでゼロが仲間不信となる。 性格的にはかなり小物だが、彼の裏切りにゼロがショックを受けていた辺り、それなりに死線を潜り抜けてきた仲だったのかも知れない。 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] スパイダーを最後まで使ってみたかった…。 -- 名無しさん (2014-01-21 22 51 24) エックスの代わりにゼロが人間臭くなってる。 -- 名無しさん (2014-01-22 07 23 07) ↑×2スパイダー好きすぎて話が全く進まん…。 このゲーム、パーティメンバーのファンがちらほら出てくるのが面白い。目の前の本人に気付かなかったスパイダーファンや、熱血シナモンファン、サインを希望するゼロファン等…。 -- 名無しさん (2014-01-22 10 47 01) アクセルのハイパーモードも二つにして欲しかった… -- 名無しさん (2014-01-25 04 42 54) ↑シナモンのハイパーモードも2つ・・・にしたらゲームバランスが崩れるなw -- 名無しさん (2014-04-30 12 23 20) ずっとマリノのターン!で無双してた思い出 -- 名無しさん (2014-04-30 13 33 23) 動画見るとレジスタンスとか理想とか単語が出てくるとロクゼロのセリフ出てくるね -- 名無しさん (2014-10-23 17 10 56) 続編出て欲しいな -- 名無しさん (2014-10-23 17 11 12) もしかしてスパイダーとリディプス、いつの間にか入れ替わってたんじゃないか? -- 名無しさん (2015-01-06 23 42 50) ↑本物のスパイダーがいて、リディプスに殺されて成り代わられた可能性はなくはない。 -- 名無しさん (2015-01-06 23 49 26) ナナ巨乳大正義 -- 名無しさん (2015-01-07 00 40 05) エンシェンタスが中の人も相まってもろアシュラマン -- 名無しさん (2015-01-11 22 37 49) ↑3エール絡みの話とか演技って感じしないし、本物がいそうって感じだよなぁ -- 名無しさん (2015-01-11 22 51 52) Dr.サイケがいないだと!?くそったれ、どういうことだ!! -- 名無しさん (2015-01-14 06 40 51) 個人的にもスパイダーは本編のどこかで入れ替わったと思ってる -- 名無しさん (2015-01-31 16 10 43) 本編って2200年だっけ?最初ロクゼロと何か関係あるかと思ってた。 -- 名無しさん (2015-03-02 06 42 13) ↑多分ロクゼロとはパラレルだと思うけど、もしかしたらロクゼロの世界でもフォースメタル落下があってエネルギー不足が解消され、ZXやDASHにつながるのかも…とかちょっと想像した。 -- 名無しさん (2015-05-15 21 37 07) ナナのところで悲惨ってあるけどそうなのか? -- 名無しさん (2015-12-15 21 09 32) 新世代型の変身にはモデルが必要、恐らく本物のスパイダーは既に死んでいて、それを知っていたエールを殺害する事でリディプスが潜入出来たんだろうな。 -- 名無しさん (2016-01-21 03 08 30) モデルが必要となると、リディプスって自力で第二形態のDNAデータ準備して、その戦闘形態を実現できるほどのエネルギーとして超フォースメタル利用したわけだよな -- 名無しさん (2016-05-06 19 55 58) X8の新世代型が最初からシグマのDNAデータ持ってたように、リディプスも最初からスパイダーのDNAデータ持ってたんだろうな、と思う -- 名無しさん (2016-09-12 20 25 44) ニコニコにある動画で結構ロクゼロ関連の単語があって驚いたわ -- 名無しさん (2016-10-28 18 52 03) リディプス大佐のCVデスマスクだよ。んでスパイダーのCVはカミュで、エックスは紫龍で、ゼロはサガ カノン -- 名無しさん (2016-12-24 16 11 54) 今は亡き郷里御大演じる通報レプリロイドが好きだな -- 名無しさん (2016-12-24 16 18 07) ↑待ちな、お前イレギュラーだろ?悪いが通報させてもらった -- 名無しさん (2017-10-24 20 08 18) ラスボスはスパイダーと大佐のデータを奪った第三者って考えたけど、ぽっと出のボスに魅力もクソもないわな。 -- 名無しさん (2018-06-16 02 45 59) 一番↑、CVが槍兄貴だからな -- 名無しさん (2019-10-21 09 15 27) シナモン作中で泣いてなかった? -- 名無しさん (2021-02-04 20 18 36) XDiveではフェラム優遇されているのにスパイダーは未登場。まあ仕方ないか。 -- 名無しさん (2021-07-20 19 32 41) これ主題歌目当てで買った記憶がある -- 名無しさん (2022-12-24 23 32 16) あくまでシナリオ担当の個人的解釈という前置き付きだけど、サントラのミニノベルではスパイダーでもリディプスでもない何人もの姿を奪ってきた野良コピーレプリロイドの成れの果てだったラスボス -- 名無しさん (2023-07-18 08 49 19) HDリマスターかSwitchオンラインで遊んでみたいエックスのアーマーはコマミのが一番かっこいい -- 名無し (2023-12-28 05 50 40) 登場人物紹介、ストーリーでの立ち回りだけじゃなくて簡潔でも良いからバトル性能も書かれるべきだと思う -- 名無しさん (2024-01-14 08 31 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/24463.html
登録日:2011/03/27 Sun 02 50 26 更新日:2024/08/25 Sun 20 02 46 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 1997年 CAPCOM ONE_MORE_CHANCE PS SS X4 アイリスは天使 アクション アプリ エックスの扱いが不明瞭 カプコン ゲーム コンボキャンセルの破壊力は異常 セガサターン ゼロ主人公化 ゼロ編の明らかな優遇 ダブルヒーロー ヒーローはそれぞれの戦いを選んだ ロックマンX ロックマンX4 ロックマンシリーズ 仲間由紀恵 傑作 名作 負けない愛がきっとある 部下ファンの聖地 震源地 鬱展開 鬱展開の嵐 オカラダノホウハ… サスガダァ… タイチョウ! タイチョウミズカラガ…? 1997年8月1日にプレイステーション、及びセガサターン用ソフトとしてカプコンから発売された横スクロールアクションゲームで、『ロックマンX』シリーズの第四作。 携帯アプリ版も配信中。 当時バンダイから展開されていたフィギュア玩具「メガアーマー」が同梱された限定版「スペシャルリミテッドパック」も同時発売。(*1) CM ROCKMAN 10th ANNIVERSARY ※推奨BGM:負けない愛がきっとある エックスのパワーか、ゼロの技か。 俺は…俺は… 一体、何のために…… 戦っているんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!! 選べるヒーローはひとりじゃない。 ROCKMANX4 ダブルヒーロー型で新登場! ●目次 【概要】 【あらすじ】 【キャラクター】◇イレギュラーハンター ◇レプリフォース ◇その他の人物 ◇8大ボス密林のゲリラコマンダー ウェブ・スパイダス 廃墟の小悪魔 スプリット・マシュラーム ネットワークガーディアン サイバー・クジャッカー 大空の参謀長 ストーム・フクロウル 爆炎の武道家 マグマード・ドラグーン 極北の暴れん坊 フロスト・キバトドス アクアデストロイヤー ジェット・スティングレン 鋼の破壊王 スラッシュ・ビストレオ 【パワーアップ】◆特殊武器 ◆ラーニング技 ◆アイテム ◆パワーアップパーツ ◇隠し要素 【余談】 【概要】 ゲーム開始時にエックスとゼロのどちらかを選択し、選んだ方を全編プレイヤーキャラとして進む。途中変更は不可。 エックス編とゼロ編でストーリーが微妙に異なる。 前作では制限付き操作キャラだったゼロが、今作から完全にもう一人の主人公としてプレイヤーキャラになった。 遠距離主体のエックスと近距離主体のゼロ、それぞれ異なる戦闘スタイルが楽しめる。 ただし元々ゼロが主人公として企画されていたシリーズだけあってシナリオや演出に関しては明らかにゼロ優遇。 何せゼロ編の方が挿入されるアニメーションも使用されるBGMも多いし……。 逆に難易度は8ボス全てに弱点を付ける上にアーマーが使えるエックスの方が簡単。 媒体がCD-ROMに移った事でグラフィックも進化。更にアニメーションやボイスも入り、演出が大幅に強化された。 90年代後半のアニメだけあってやや粗が目立つが、要所要所をドラマチックに盛り上げてくれる。 これは、プロデューサーが岩本佳浩氏の漫画版に触発され、「原作ゲームから熱い展開にしたら、漫画版はどれだけ凄いものになるだろう」と思ったことがきっかけである。 …その漫画版X4が、コミックボンボンの路線変更のせいで打ち切りになってしまったのは皮肉としか言いようがない。 オープニングテーマ『負けない愛がきっとある』 エンディングテーマ『ONE MORE CHANCE』 どちらも歌っているのは仲間由紀恵。なお、『ONE MORE CHANCE』は元々、アニメ『みすて・ないでデイジー』のエンディングテーマとして使用されていた。 【あらすじ】 空中都市スカイラグーンが何者かに襲撃され、市街地に墜落する事件が発生。 現場に居合わせたカーネル率いるレプリフォース部隊に犯人の疑いがかかる。 疑いを晴らすべく、エックス(ゼロ)はレプリフォースに武装解除と調査を要求するが、カーネルはこれを拒否。 それをきっかけとして部隊から組織全体へと不信感が広がり、レプリフォース全体にイレギュラー化の嫌疑がかかってしまう。 そして、遂にレプリフォースは人類からの独立を掲げイレギュラーハンターに宣戦布告。全面抗争へと突入した。 エックスとゼロはこの反乱に疑問を抱きながらも、事件の真相を探るべく、イレギュラー認定された彼らとの戦いに身を投じる。 【キャラクター】 ◇イレギュラーハンター エックス CV:伊藤健太郎 主人公。イレギュラーハンター第17精鋭部隊隊長。 これまで同様エックスバスターを武器に戦うが、今作からチャージ速度が上がったうえ、デモ中にもチャージ出来るように。 シリーズ主人公なのだが、この作品からゼロを主人公にしていくという流れが始まったためゼロに比べてみるとシナリオ面では影が薄く、アニメーションにはOPとEDにしか登場せずゼロ編を選択した場合はEDで通信モニター越しにちょろっと出るだけ。 この作品以降これまでの敵に対する容赦の無さが鳴りを潜め始め戦う事に悩んで主人公なのに段々扱いが悪くなっていく。 明確に声優が声を演じるようになったが伊藤健太郎氏が演じるエックスはこの作品のみで次作の時点で変更される。 ゼロ CV:置鮎龍太郎 第0特殊部隊隊長の特A級ハンター。元はエックスと同じく第17部隊に所属していた。 今回からは完全にプレイヤーキャラとして、ゼットセイバーを武器に戦う。前作では両手バスターが使えたが今回はエックスと差別化を図る意味合いでバスターが使えなくなっている。 一応前作で動力炉が破損したため使えなくなった(その際に使っていたビームサーベルをエックスに託した)、という理由がある。 岩本佳浩氏の漫画版では、このあたりの経緯を描いている。 ただ今作のエックスが使っていない為、セイバー自体は返してもらった上で出力を切替えて使っているのかもしれないが。 エックスがボスから特殊武器を獲得するのに対して、ゼロは必殺技を習得していく。 直接攻撃だけでなく、エックスのパーツのような機能追加/強化も含むため一部ボスの弱点がエックスとは異なる。 シナリオ面では優遇されている一方で完全な近距離特化型な上にアーマー無し、一部弱点を突けないボスがいる等から攻略難易度は高め。 操作に慣れると凄まじい火力で瞬殺できるようになるので爽快だが。 ダブル CV:松本保典 エックスの部下として配属された新米ハンター。 太っちょな体系にドジな性格で、「~デシ」が口癖。 エックス編でオペレーターを務める。 ◇レプリフォース レプリロイドで構成された軍隊。陸・海・空・宇宙軍がある。 平時は災害救助などを主な仕事とし、イレギュラーハンターとは協力体制のもと研修生交換なども行なっていた。 ジェネラル CV:大友龍三郎 レプリフォース全軍を統括する総大将。大組織のトップだけあって図体もすごく大きい。 協力してハンターを倒すようシグマに唆された際はその誘いを跳ね退けるものの、僅かな不信感を偽装工作に利用されて結局ハンターと対立させられる。 レプリフォース全体がイレギュラー認定された後はクーデターの大将となり、最終的にはファイナルウェポンで待ち受ける。 「お引き取り願おう」 「君とは戦う運命にあったようだ」 エックス達とは桁違いな巨体を誇るが、戦闘では鈍い移動とちまちまとした小技しか使わない。 弱点はエックスではツインスラッシャー、ゼロでは地上通常攻撃一段目。ロケットパンチに乗ってダッシュキャンセル連打すると瞬殺可能だったり。 カーネル CV:山野井仁 レプリフォース陸軍士官。 剣の達人で、ゼロとは長い付き合い。プログラムの大半がアイリスと共通のものが使われている。 誇り高い武人だが頭がかなり堅く、偶然居合わせたハンター側の(嫌疑とはいえ)一方的な物言いにブチギレて疑いを解かずに帰ってしまう。ぶっちゃけるとレプリフォース壊滅の原因を作ったのはこの人の短気とハンター司令部の早とちりと言っても過言ではない。 「手加減無用だ。本気で来い!」 エックス編では8ボスの半分を倒した時に闘う事になり、剣撃や阿修羅閃空、瞬間移動からのサーベルで攻撃してくる。ちなみにゼロ編ではムービーが流れて引き分けになる。 8ボス撃破後にて本気の彼とバトル。スピードが増している他、サーベルに雷を落として地面に拡散させる技百円ライターや、HPが減ると地面を伝う衝撃波を繰り出してくる。 弱点はエックスではフロストタワー、ゼロでは氷烈斬。行動パターンを察するに頭上からの攻撃を苦手としているようだ。 アイリス CV:水谷優子 カーネルの妹にあたるレプリロイド。ゼロ編ではオペレーターを務める。 シグマが放ったイレギオンによってスカイラグーンへ攫われ、カーネルとイレギュラーハンターが鉢合わせる囮に利用されてしまう。 兄とゼロが刃を交えなければならない事に心を痛め、可能な限り二人の戦いを回避させようとする。 ゼロの任務に協力していく中で、次第にゼロに想いを寄せ始めるが…。 ◇その他の人物 Dr.ライト これまで同様、エックスにパワーアップパーツを授ける。 ゼロ編ではパーツカプセルが出ないので登場しない。 シグマ CV:麦人 またしてもラスボスを務める史上最強のイレギュラー。 前作で完全消滅したはずだったが、何事もなかったかのように復活。(今回は理由も説明されていない) ジェネラルにクーデターを誘いかけたり、スパイを送り込むなど、今回も様々な形で暗躍する。 ゼロ編ではイレギュラー化する前の彼の過去が明らかになる。 「地獄に旅立つ準備はできたかね?」 「とびきりの恐怖を味わってくれたまえ」 「宇宙の塵になるがいい!」 今回は死神風に黒装束と鎌を装備した第一形態、黒装束を脱いだ第二形態、巨大化 分裂した第三形態と三段階にパワーアップする。 部下 CV:吉野裕行 シグマの回想に出てくる、当時のシグマの部下。真の主役達 あちらの扉の中にいる赤いイレギュラーことゼロの様子を窺っていた時に「どうだ様子は?」とシグマが合流。 これ以上犠牲が出ては困るというシグマの判断から、ゼロとの一騎打ちに向かうシグマの後ろ姿を見送る。 隊長であり当時最強のハンターであったシグマに全幅の信頼を置いており、戦闘後にシグマが出てきた時には「サスガダァ…流石だ、隊長に敵うレプリロイドなどいるわけが…」と嬉しそうだった。 しかし、シグマが片腕を失うほどの損傷を負っていることに気付いた時には狼狽しながらも「隊長、お身体の方は…?」と心配するが、プライドも打ち砕かれ心身ともに傷だらけのシグマに「うるさい!」と一蹴された。 ガルマ イレギュラーハンターの一部隊長だったと思われるが、会話を聞く限りは既に殉職したか。少なくとも部下共々『赤いイレギュラー』の討伐に失敗してボコボコにされた模様。元ネタは赤繋がりでこの人だと思われる。 「ガルマの部隊を全滅させた、赤いイレギュラーはどこだ?」 ◇8大ボス 各地で反乱を起こした8体の軍属(一部例外あり)レプリロイド。 それぞれ倒すと特殊武器、もしくは必殺技(カッコ内)を獲得できる。 体力ゲージのアイコンがレプリフォース所属の者なら「R」、今回の反乱を期にレプリフォース側に加わった者ならシグマの「Σ」となっている。 なお、今作からボスとの戦闘前に『WARNING』と表示されるようになった。 また、今作から空想上の生物をモデルにしたボスが登場するようになった。 密林のゲリラコマンダー ウェブ・スパイダス (ライトニングウェブ/雷神撃) CV:二又一成 この攻撃… かわせるかァ!? ここを通す訳にはいかんのだあ! 蜘蛛型レプリロイドで、レプリフォースゲリラ部隊の隊長。元イレギュラーハンター第0特殊部隊(別名:忍び部隊)所属でゼロとは同期。説得はできなかったものの、それなりに親しかった様子。 画面上部に引っ込み、ランダムに落下してきては追尾する蜘蛛の巣や地を這う子蜘蛛を放つ。蜘蛛の巣に当たると拘束され、位置をサーチして落下してくる。 HPが減るとステージ中央に巨大な蜘蛛の巣を張り、以後そこを移動するように。 絡め取ってくれるわっ! エックスでの弱点はツインスラッシャー。斜めの軌道が当てやすく、偶に糸を切って地面に落として追加ダメージを与えられる。 ゼロでの弱点は疾風牙だが、まず当てられない(というか地上でしか出せないので無理)ので、高いダメージの龍炎刃となる。 廃墟の小悪魔 スプリット・マシュラーム (ソウルボディ/空円斬&空円舞) CV:まるたまり ヒーローごっこしよう!君が悪者ね 早く遊ぼうよお 弱い友達は、要らないからね! 元はラボラトリー管理の役目を終えて廃棄されていたキノコ型レプリロイド。暗躍するシグマが手駒として蘇えらせた。 性格は無邪気で遊び好きな子供そのもの。ただシグマに変なスイッチを入れられたのか、戦闘すらも平然と楽しむ危険な人格と化している。 左右の壁に張り付いてサイケデリックなソウルボディを無数に放ち、その後は上空で回転して分身を作って画面を走り回る。 ソウルボディはこちらをサーチするので避け難い。HPが減ると攻撃した時に毒の胞子をトラップとして放つ。 弱点はライトニングウェブ 雷神撃。どちらもソウルボディをかき消せる上、ヒットさせると痺れて壁に張り付くので、そこに再び当てる、を繰り返せばハメ殺せる。 アッアッアッアッアッひゃぁ! ネットワークガーディアン サイバー・クジャッカー (エイミングレーザー/落鳳破) CV:二又一成 私の相手をするなんて、10年早いわッ! 醜いものは滅びておしまいッ! お仕置きの時間よ 孔雀型のオカマレプリロイド。 …厳密にはセキュリティプログラムだったのをシグマが攻撃プログラムとして書き換えたもの。どうやらハンターの任務はネットワーク上のマルウェアにまで及ぶらしい。 CVはスパイダスとの兼任のサブちゃんなのでオカマっぽく思えるのは仕方ない。 瞬間移動を駆使し、位置をサーチして羽を広げて攻撃する。これでどう! HPが減ると、空中に止まって高い追尾性能の羽を一本ずつ撃ってくる。逃がさないわよ! エックスでの弱点はソウルボディ、ゼロでの弱点は龍炎刃。当てると砂嵐になって消える。ひどいわッ! このボスとマシュラームはゼロの通常ジャンプ斬りが空円舞よりも大きなダメージが入る。 大空の参謀長 ストーム・フクロウル (ダブルサイクロン/天空覇) CV:岡和男 我々を敵に回した報いを受けよ! 目標捕捉! 五分以内に撃破する! ひよっこめが、地面にへばりついていればいいものを レプリフォース参謀本部所属のフクロウ型レプリロイド。戦略を練らせればレプリフォース随一らしい。本人はカーネル並に短気なのだが大丈夫だろうか…。 画面を飛び回るため捕捉し辛い。時折突進してきて爪で掴んで叩きつけたり、風のエネルギーを単発、若しくはばら撒いて固定させた後に収束させたり、 横斜め上空にレーザーを放ったりと多才。HPが減るとこちらの位置をサーチして巨大な竜巻を3本発生させてくる。 弱点はエイミングレーザー 落鳳破。当てると「ホオーッ!」と叫んで画面外へ退避。どちらも多段ヒットするので上手く当てると速攻で沈む。 爆炎の武道家 マグマード・ドラグーン (ライジングファイア/龍炎刃) CV:長嶝高士 命がけで戦ってこそ意味がある 今日こそお前に勝つッ!! 力こそが全てだ!! ドラゴン型レプリロイド。元々はイレギュラーハンター第14特殊部隊の隊長を務めていたが、 エックスと本気で戦いたい、ゼロを超えたいという願望を燻ぶらせていたところをシグマに利用されて寝返った。 スカイラグーン襲撃事件の真の実行犯でもある。 エックス編では身勝手な動機で大惨事を引き起こし、最後は怒り狂ったエックスに倒されたことにすら満足して死んでいくというあんまりなヤツであったが、 ゼロ編ではシグマの誘いに乗ったことに少なからず後ろめたさを感じており、倒された後にはそれを後悔して謝罪の言葉を残すなどだいぶまともな人物として描かれている。 因みに初めて登場したモチーフが実在しないレプリロイドである。 左右を即死するマグマが設置されたステージでのバトル。 マグマの淵を移動しながらそのまんまなモーションと台詞の波動拳と昇龍拳を繰り出しまぁ作ってる所同じだからね、時折飛び蹴りや口から炎を吐いたり、マグマにエネルギーを放って炎の壁を作ったりとめちゃくちゃ優遇されている難敵。 HPが減ると、波動拳の回数が3回になり、更に全身をドーム状のエネルギーで包んで炎を降らしてくる。 エックスでの弱点はダブルサイクロン。ヒットさせると必ずマグマの淵に移動するので、そこを追って再び当てればハメ殺せる。 ゼロでの弱点は雷神撃だが、ダメージが高いだけで怯ませられないので正攻法で戦うしかなく、かなりの強敵になる。 一方で、他のボスと比べてダメージを与えた後の無敵時間が半分程度になっており、ゼロの雷神撃が出しっぱなしで2ヒットしたりと防御力に脆さを抱えていたりもする。 これは意図的な弱ボスとしての調整が入ったイレハンのオクトパルドと違い、オマージュ元である豪鬼の「攻撃は苛烈だが打たれ弱い」というキャラクター特性を反映したものと思われる。 極北の暴れん坊 フロスト・キバトドス (フロストタワー/氷烈斬) CV:岡和男 氷のベッドでおねんねしな 根性叩き直してやるぜえ! ぶっ潰してやる! 覚悟しなッ! レプリフォース陸軍所属のセイウチ型レプリロイド。 その巨体を生かして滑ってきたり、氷の塊を作って四方に結晶として撒き散らしてくる。 HPが減ると、結晶が床のトラップになる。 弱点はライジングファイア 龍炎刃。当てると大きく仰け反った後、ゆっくり滑ってくる。あづぃぃ~ 弱点武器を使わずとも普通に倒せる典型的な見掛け倒しの弱ボスだが、ゼロの連続斬りが効かないなど防御面は何気に優秀だったりする。 アクアデストロイヤー ジェット・スティングレン (グランドハンター/飛燕脚)CV:細井治 クラゲの方が、まだ手応えがありそうだ 軍の誇りにかけて、貴様を倒す! さらばだッ! 海の藻屑と消えるがいい! エイ型レプリロイド。レプリシーフォース(海軍)所属。イケボ。 2画面分の半分水中ステージでバトル。左右の水面から弧を描いて突進し、壁→床に溜まる子エイを放ってくる。これでも喰らえ! HPが減ると、水中に降りてきてこちらを吸引して突進してきたり、子エイが赤くなってパワーアップしたり、画面を縦横無尽に突進しまくる。 弱点はフロストタワー 氷烈斬。当てると凍った後、上の画面外まで飛んでいく。イ゛ェアアアアア!でやあああああっ!。 降りてきた所に再び当てる、を繰り返せばハメ殺せる。 こいつの場合どちらかと言うとステージ攻略の方が難関かもしれない。 鋼の破壊王 スラッシュ・ビストレオ (ツインスラッシャー/疾風牙) CV:長嶝高士 超特急であの世に送ってやる! 嬉しいぜぇ、久々の闘いがっ! 小僧! ちっとは楽しませてくれんだろうなぁ! レプリフォース陸軍所属のライオン型レプリロイド。 大ジャンプを繰り返し時折落下してくる他、ツインスラッシャーを脚から発射し突進攻撃を放ってくる。 HPが減ると、エネルギーをチャージして掴みかかり、壁に叩きつけてくる。 エックスでの弱点はグランドハンター。当てると爪が折れてしまい、その後突進を確定で放つので、ジャンプして再び当てればハメ殺せる。 ゼロでの弱点は雷神撃だが、やはりダメージが高いだけ。 攻撃は派手だが隙も大きいため、慣れると非常にテンポよくライフを削っていける。 【パワーアップ】 ◆特殊武器 ヘッドパーツの性能に合わせたためか、本作の特殊武器はこれまでと比較して燃費がかなり悪く、結構癖のある武器が多い。 プラズマチャージのせいで使われることも少ないものの、使い方さえ覚えればまあまあ使えるものがほとんど。一部産廃もあるにはあるが。 ライトニングウェブ - スパイダスから入手 通常:電気を纏った弾を発射。発射後に一定距離を進むと蜘蛛の巣状に展開し、壁蹴りして足場に利用することができる。 一部の中ボスやギガデスといった体力の多い敵に有効だが、見た目に反して多段ヒットせず連射性もゼロなため、速攻で処理することが不可能。しかも大半の敵にはノーチャージバスター1発にも満たないダメージしか与えられず、燃費も非常に悪い。はっきり言って産廃同然の性能。 ステージ攻略での用途はもっぱらアイテム回収で、たまにショートカットに使える程度。 チャージ:網を発射した後、その網を中心にさらに8つの網が展開し、最後に散開していくというもの。 いかにも多段ヒットしそうだが、実際に攻撃判定が生まれるのは発射時、8つに網を展開した時、そして散開時のみという詐欺紛いの代物。攻撃力もやはり低く、足場にも使えないため使う価値はほぼゼロ。 ソウルボディ - マシュラームから入手 通常:目の前にエネルギーの塊である分身を生み出す。位置は自分の2キャラ前辺りに固定され、一定時間経つと消える。 多段ヒットするため攻撃力は高く、これを撃って進むだけで進路上のほとんどの雑魚敵を蹴散らせる強力な武器。ただし燃費の悪さは本作随一であり、加えてエックスがダメージを受けると消えてしまう。 チャージ:分身を生み出し、操作できる。一定時間経つか穴に落ちると消える。 分身はチャージ不可のバスターしか撃てないが完全無敵で、激しい弾幕や避けづらい攻撃をする雑魚敵を安全に倒すことができる。ただし発動中は画面がスクロールせず、本体は身動きが取れないので解除直後に隙が生まれる。 エイミングレーザー - クジャッカーから入手 通常:エックスの前に照準が展開し、捉えた敵をロックオンする。その状態で攻撃ボタンを押すと、相手に必中するレーザーを一定時間放つ。 照準は上下キーで動かすことができ、同時に3体までロックオン可能。レーザーの威力はそこそこあり、安全圏から一方的に敵を叩くことが可能。しかし被弾するとその時点で発動キャンセルされ、ロックオンも剥がれてしまう。 また、エックスのすぐ目の前に居る敵にはロックオンできないため隙が生まれてしまう。 チャージ:前方に凧形に近い形状のレーザーを照射する。上下キーで向きを変えられる。 射程は短いが当て続ければ多段ヒットし、中ボスのHPもモリモリ削れる。だが、通常版と同じく被弾すると解除される上、レーザーの根元部分には攻撃判定が無い。使いこなすには慣れが必要。 ダブルサイクロン - フクロウルから入手 通常:斜め上へ上昇する風の弾を前後に発射。敵に当たるとしばらくの間そこに留まり、連続ダメージを狙える。 パッと見では使いやすそうだが横方向への射程が短く、発射時に硬直するせいで隙も大きい。 しかも特性が最も活かせそうな高耐久の敵に限って無効なことが多く、敵に囲まれる場面が少ないため後方に撃てる利点も活かせないと使いどころに恵まれない残念な武器。連射性が低い点も地味に厄介。 チャージ:敵を貫通してまっすぐ進む竜巻を前後に発射する。 通常版と比べ威力と射程が強化されたものの、弾が画面から消えるまで身動きがとれない上に被弾すると消滅するという欠点を抱えている。 通常版と同じく高耐久の敵には無効で、後ろに撃てる特性もほぼ活かせないと残念な点もそのまま。 ライジングファイア - ドラグーンから入手 通常:自身の真上に炎を発射。発射時にはエックスの前後にも少しだけ攻撃判定が生まれる。前には撃てないが上方向への攻撃手段として非常に便利で、威力が高く貫通性にも優れた強力な技。連射性は低いが様々な場所で活躍でき、マシュラームステージなどはこれがあるだけで難易度が劇的に下がる。特定の物を燃やせる。 チャージ:エックスが炎を纏って斜め上に飛び上がり、頂点に達したところで炎を打ち上げる。炎を纏っている間はほぼ無敵。モーションがまんま昇龍拳。 その火力は破格の一言で、雑魚敵はもちろん中ボスすら一瞬で倒せるほど高威力。空中で使えば二段ジャンプのようにもなる。 ただし強力な分燃費も悪いので、使いどころは慎重に選ぶ必要がある。 フロストタワー - キバトドスから入手 通常:エックスの体を覆うように巨大な氷塊を生み出す。氷塊は一部の敵弾を破壊でき、時間経過で消滅する。 どちらかというと攻撃より防御用の武器で、氷塊の中でギガデスやホバーガンナーの攻撃をやり過ごしつつバスターで倒すといった使い方ができる。また、こちらに迫ってくる敵を倒すのにも有用。 空中で撃てば地面に落下するので、真下への攻撃技としても使える。 ドラグーンステージの火球や炎を凍らせることが可能。 チャージ:画面内に貫通性能のある巨大な氷柱を大量に落とす技。氷柱は1個、2個、3個、4個と増えていく。 攻撃範囲は画面のほぼ全域に及び、複数の敵に大ダメージを与えられるド派手な技。 グランドハンター - スティングレンから入手 通常:斜め下へ滑空していくエイ型メカを発射。地面に当たると地形に沿って進み、壁に当たると真下へ進む。 攻撃力は低いが連射が可能。発射後に下キーを押せばその時点で地面に落下し、動きの早い敵や足元の敵を安全に処理することができる。 チャージ:敵や地形を貫通するエイ型のエネルギー弾を発射。発射後に上または下キーを押すことで、弾から上下に小さなエイ型の弾が放たれる。 攻撃力はそこそこ高く、進路上の敵を一掃できて使い勝手が良い。だが、小さい弾を5回出すと消滅してしまう点に注意。 ツインスラッシャー - ビストレオから入手 通常:斜め上と斜め下に斬撃を発射。射程はやや短い。 攻撃範囲が広く連射性に優れているが、肝心の威力が低いためひたすら連打しなければ倒しきれない。ヘッドパーツが無ければ弾切れ必至。 正面には弾が飛ばないので隙が生まれることにも注意が必要。 チャージ:斬撃が巨大になり、威力と射程が増大する。また、一部のブロックを破壊可能。 通常版から大きく使い勝手が向上しており、前方の敵を一瞬にして粉砕する様は爽快感抜群。隙間もあるにはあるがほとんど無視できるレベル。当たれぇーッ! だが、燃費はかなり悪いため乱用は禁物。 ◆ラーニング技 ゼロはボスを撃破すると、主にコマンドによって様々な技を繰り出せるようになる。 ほとんどはエネルギーを消費せずに使えるが、エックスの特殊武器と異なりあくまで通常攻撃の補助的な面が強い。 初めて登場したこともあってか、本作では若干使い勝手に難があるものがちらほら。 また、移動用の技もあるせいで一部のボスに弱点が突きづらくなっている。 雷神撃(らいじんげき) - スパイダスから入手 地上で必殺技ボタン。前方に電気を纏ったセイバーを突き出して攻撃する。 多段ヒットして敵に大ダメージを叩き込める優秀な技だが、発動時のモーションが大きく発動中も隙だらけになる。 通常振りに続けて出すと少し出が早くなる。 使用中にジャンプすればキャンセルできる。 空円舞(くうえんぶ) - マシュラームから入手 空中ジャンプや二段ジャンプができるようになり、空中攻撃が自動で「空円斬」という回転斬りになる。 通常のジャンプ斬りよりも攻撃範囲が広いが、クジャッカーなど一部のボスには普通のものと比べ与ダメージが減ってしまう。 空円斬は空中で一回転するモーションの関係上、前半部分は前方、後半部分は背後を攻撃する形になる。 モーション中にも向きを変えることができるため、前半部分の終わり際に反対方向を向く事で前方の敵に後半部分の攻撃を当てることもできる。 特にフクロウルステージのジェネレイド・コア等、多段ヒットが有効な中ボスに絶大な効果を発揮できる小技。 落鳳破(らくほうは) - クジャッカーから入手 地上でギガアタックボタン。拳を地面に叩きつけた後、9つのエネルギー弾を扇状に発射する技。 発動するとエネルギーを消費し、何かしらの回復アイテムを取るかダメージを受けると回復する。 高い威力と攻撃範囲を誇り、接近して撃てばほとんどの雑魚敵を一度に倒すことが可能。発動中は無敵。 ところがボスには効きづらく、「究極必殺技」の割に有効でないボスには悲しいほど低いダメージしか与えられない。 雑魚敵相手に使うのが主な運用方法か。 天空覇(てんくうは) - フクロウルから入手 セイバーで一部の敵弾が切れるようになる、後の作品で言うショットイレイザー。 それだけの変化だがこれ以降は紫色のセイバーを振るうゼロを拝むことになる。 龍炎刃(りゅうえんじん) - ドラグーンから入手 地上で上+技ボタン。セイバーに炎を纏わせ、斜め上に跳び上がりつつ斬り上げる。 主に上方向の敵に有効で、攻撃力が高く扱いやすい技。連続斬りの2段目から続けて発動することができ、特定の物を燃やせる。 氷烈斬(ひょうれつざん) - キバトドスから入手 空中で下+技ボタン。氷を纏ったセイバーを下向きに構えながら落下する。使用中に二段ジャンプでキャンセル可能。 多段ヒットするが攻撃力は低めで、足元の敵を散らすのが主な使い方。ただし、薄い床なら貫通して下の敵にも届くことがある。 ドラグーンステージの火球や炎を凍らせることが可能。 飛燕脚(ひえんきゃく) - スティングレンから入手 エアダッシュができるようになる。それだけ。 エックスにおけるフットパーツの代用品…というより下位互換。 次回以降は体当たりを兼ねるようになったりと少しずつ強化されるようになる。 疾風牙(しっぷうが) - ビストレオから入手 ダッシュ中に技ボタン。前方へ滑り込むようにセイバーで斬りつける技。使用するとダッシュがキャンセルされる。 セイバーの刀身が赤くなり、通常攻撃よりも威力が上がる……わけではなく、実際の威力は通常斬りとほぼ変わらない。 そもそもゼロはダッシュ後即座に攻撃することができるのでわざわざ使う意味は薄いが、一応ダッシュ後にセイバーを振るよりも攻撃範囲は若干広い。 チャージツインスラッシャー同様に一部のブロックを破壊できる効果も持つが、こちらでは全く役に立たない。 ◆アイテム ハードの進化により、出現時・放置時のアニメーションが付いた。 ○ライフエネルギー ライフを回復。 新たにフル回復の特大サイズが登場。 ○武器エネルギー 消費した武器エネルギーを回復。 ライフ同様にこちらもフル回復の大サイズが登場。 ○1UP 毎度おなじみ生首 …ではなく、今回は球体と使用キャラのヘルメット型が交互に入れ替わるようなアニメーションで表現されている。 ○ライフアップ Xシリーズおなじみ、ライフ最大値アップ。 例によって一部は特定の武器が無いと取れない。 ○サブタンク こちらもシリーズおなじみ、予備エネルギー貯蔵タンク。 今回から武器エネルギー用のタンクが登場。代わりにライフ用が4個→2個へ減少。 エネルギー貯蔵の仕様も見直されており、前作まではライフ満タン時にライフエネルギーを取得しなければ溜められなかったが、 今回からはライフが満タンでなくともライフエネルギー取得で溜まっていく形式になった。 さらに、前作まではライフ最大値32に対して、エネルギー満タンでも28しか回復しないという難点を抱えていたが、 今回からはエネルギー満タンでフル回復できるようになっている。 ○EXアイテム 取得すると次回から初期残機が+2されるようになる。 ◆パワーアップパーツ エックスよ、この戦いはあってはならない戦いじゃ。 なぜ、同じ志を持つレプリロイド同士が戦う? 平和を守る者同士がなぜ戦わなければならないのか? きっと何かの間違いじゃ。 エックスよ、このカプセルに入るがよい。このパーツをつけて真相を突き止めるのじゃ。 前作からさらに戦闘向けに発展している。 8ボスのステージ中に全部で4つのカプセルがあり、それに入ることで入手できる。 当然ながらゼロ編では登場しない。 本作での名称は相変わらずノーマルアーマー。フォースアーマーと呼ばれるようになるのは次回から。 ■ヘッドパーツ ヘッドパーツはエックスの特殊武器能力の質を改善する。 これにより特殊武器の使用エネルギーをほぼゼロにできるはずじゃ。 特殊武器を存分に使うがよい。 クジャッカーステージ前半の3つ目の関門でSランクを取ると行ける空間に設置。 特殊武器をチャージしない限り、武器エネルギーを消費しなくなる。 おかげでエネルギーを気にせず特殊武器を湯水の如く撃てる。頭突きやらレーダーやら衛星やらに比べたら断然使い勝手が良くなった。 恐らく弱点武器での攻撃でしか倒せないシグマ第一形態戦での詰み防止のためだろう。 ■ボディパーツ 敵からのダメージやアイテムのエネルギーを吸収し、ボディパーツに蓄積する。 そのエネルギーが満タンになれば…無敵のノヴァストライクが使える。 ただし、一度使うと全てのエネルギーを消費するので、本当に危険な時だけ使うがよい。 ドラグーンステージ後半の、チャージツインスラッシャーでしか壊せない壁の向こうに設置。 ダメージが半減、ノックバックも小さくなる。 またダメージを受けると専用エネルギーを蓄積し、満タンになると無敵状態での体当たり攻撃『ノヴァストライク』が使える。 が、エネルギーを溜めるのに結構な被弾が必要な割に1回しか使えないしそこそこの威力しかないと滅茶苦茶使い勝手が悪いのでこのアーマーでお世話になることはほぼない。 ■アームパーツ 今回は2種類。フクロウルステージ後半の、ライトニングウェブを足場にするトゲ縦穴の上に設置。 どちらか一方を選んでも後からカプセルに入れば何度でも交換できる。また、どちらを装備しても特殊武器がチャージ可能になる。 ●ストックチャージ このアームパーツは一度に最高4発までチャージショットが溜められる。 溜めるのに時間がかかるが、チャージショットを好きな時に撃てるのが強みじゃ。 手前側のカプセル。チャージショットを最大4発分チャージしておける。 ライト博士の説明の通り、フルチャージまでの時間が若干長くなってしまうものの、チャージさえ完了してしまえばチャージショットを任意のタイミングで発射可能になる。 ボス戦には強力な反面雑魚散らしには使いにくい。 カラーは腕部分が白、手が青となり、後のフォースアーマーではこちらのカラーが採用されている。 ●プラズマチャージ このアームパーツは強力な敵に対して有効なプラズマショットが撃てる。 ショットが敵に当たるとプラズマが生じて、敵に追加ダメージを与えることができる。 奥側のカプセル。チャージショットが当たったその場に一定時間プラズマが残って連続ダメージを与える。 耐久力の高い敵に有効。プラズマはショット1回につき3個まで発生。 ストックチャージと違ってチャージ時間が長くなったりはしないので使い勝手はノーマルのまま。 雑魚散らしに便利な一方で無敵時間の発生するボス相手にはプラズマによる追加ダメージはほぼ無意味なものになる。 カラーは腕部分が黒、手が赤となる。後のフォースアーマーではこちらのチャージショットが採用されている。 ■フットパーツ フットパーツを付ければ、空中でもう一度ジャンプする事でホバリングが可能になる。 前後に動くことができ、しばらく滞空できる。 高い所にいる敵や危険な場所を落ち着いて移動するのに有効じゃ。 スパイダスステージ最初の滝の右側に設置。 エアダッシュと『ホバリング』が可能になる。 空中でジャンプボタンを押すとその場に一定時間浮かび、同じ高さを前後にゆっくり移動する事もできる。前後移動をしていなければホバリングからエアダッシュなんてことも可能。 ホバリング中はその場に留まっていれば5秒ほど滞空できるが、前後移動をすると約1秒ほどで解除されてしまう。 上に向かってのエアダッシュはできなくなった。 一刻も早く無駄な戦いを止めるのじゃ、エックス。 ◇ライドアーマー・ライデン&イーグル ライドチェイサー・アディオン 各地に配置されている、乗り込んで操縦するメカ。 今回のライドアーマーは、レプリフォースが戦闘用に設計開発したものである。 詳しくはライドマシンを参照。 ◇隠し要素 ■アルティメットアーマー 今作のチート級隠し要素。 キャラ選択画面でコマンド入力後、エックスでゲームを開始。 開始時点ではノーマルエックスだがカラーリングが微妙に変化しており、それからどこかカプセルに入るとフルアーマー装備する。 能力は通常アーマーと一緒で、チャージショットはプラズマチャージで固定。 そして特筆すべきはギガアタックで、ノヴァストライクがなんと無限に使える。 ただでさえ攻撃力が高い上に無限とくれば、ひたすらノヴァストライクで往復しているだけでボスにも楽勝できてしまう。 ■ブラックゼロ キャラ選択画面でコマンド入力後、ゼロでゲームを開始。 従来の赤い姿から、黒を基調とした姿に変化する。(X2に登場したコピーゼロとは多少配色が異なる) エックスと違い、カラーリングが変わるだけで性能の変化は特になく、完全にオマケ要素。 ステージセレクトやムービーではいつもの赤いアーマーであり、ダッシュ時の残像も赤のまま。 次回作からは基礎能力の底上げという形でパワーアップし、残像も黒っぽく色調調整されるようになる。 以下ネタバレ ダブルの正体はシグマの送り込んだスパイ。真の姿はエックスより一回り大きく、凶悪な面構えに似合う残虐な性質を持つ。 エックスが最も心を許すであろう性格を装い、監視として身近に潜り込んでいた。 その身体は液体金属で構成されており、ひとたび本性を表せば本来の姿へと変形する。 イレギュラーハンターがレプリフォースを追って宇宙に上がる直前にシグマからの指令を受け、「コラー!まーたドジったなー!」と叱った量産型の先輩たちを惨殺した。 「へっへっへ、うちの飯でやるぜぶちのめしてやるぜエックス」 「待ってたぜ…お前を切り裂くこの時をな!」 戦闘では液体金属を刃にして突進攻撃を繰り返し、時折回転させた刃をトラップとして設置してくる。 HPが減るとX2のアジールのような巨大な衝撃刃をぶっ放す。 弱点はダブルサイクロンだが、当てると液体金属が雑魚敵と化すので鬱陶しく、バスターで倒すのが無難。 カーネルとアイリスは、元々一体の「強い力と優しさを兼ね備えた究極のレプリロイド」として開発されていた。 が、実験段階で失敗。二体に分割されて完成した。 そしてその力を引き継いだのがカーネルで、優しさを引き継いだのがアイリスである。 兄を失ったアイリスはゼロを追って宇宙に上がり、自身にカーネルのパーツを組み込み、完全体となってゼロに戦いを挑む。 「ごめんなさい…ゼロ」 「兄さん…私を守って…」 「……行きます」 戦闘形態の見た目はライドアーマー・イーグルに似ている。如何なる攻撃でもダメージを与えられないうえ雑魚敵を再現なく生み出すが、一定回数攻撃するとコアが露出するのでダメージを与えられるようになる。 戦闘後、物言わぬアイリスを抱えたゼロの「俺は!俺はっ!!一体なんのために戦っているんだあああああっっっ!!!」の叫びは必聴。 シグマを倒した時、既にファイナルウェポンはシグマによってセットされ、地球に向けて発射体制に入っていた。 ジェネラルはエックス(ゼロ)に謝罪すると、部下達を死なせた責任を取るべく、身を抵してファイナルウェポンを停止・爆発させる。 脱出し、地球に帰還するロケットの中で、エックスは『自分もイレギュラーになりうるのか』、ゼロは『本当の自分自身』に思いを馳せる。 それはいずれ、二人の背負う因縁が戦いに導く時、明らかになる。そう遠くない未来で… 【余談】 あるボスとはライドアーマーに乗ったまま戦えてしまう。今までのシリーズで「ライドアーマーでボスと戦えたら…」というファンの望みが叶ったが、動きが鈍いために攻撃が避けづらく、たいてい相手の体力を1/3程度削ったところで壊れてしまう。頑張れば倒せないこともなく、「ロックマンXアニバーサリーコレクション」では実際に乗ったまま撃破するというミッションもある。 プレイステーション版のソフトにはプレミアがついており、古さに不相応な高さで取引されている。 この作品が発売された1997年、奇しくもX4というバイクがホンダから発売された。同年度の売上はなんと国内登録台数累計1位を獲得。根強いファンが未だ多いものの、いつしか新作が出る度に人気が先細りしていき生産終了という歴史まで似ている。 ソーシャルゲーム、ロックマンXDiVEにおいて今作から、あるいは今作初登場の物の出典がやたら多い。どれぐらい多いのかというと、プレイアブルキャラは7人(*2)、ステージは6つ(*3)、ボスは8体(*4)、モチーフにされた(と思われる)武器は7つ(*5)と結構な数である。 目標捕捉!5分以内に追記修正する! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ゼロのドラグーンとビストレオはマジ鬼門だった(特にボスラッシュ時) -- 名無しさん (2013-10-21 23 29 55) エックスだとなかなかうまくいかなかったんだけどゼロの方だと一回もゲームオーバーにならないでクリアぐらいには上達したんだよね -- 名無しさん (2013-10-21 23 32 46) ゼロの3段斬りの1段目キャンセルが難しかったなぁ。鬼火力だったけど。 -- 名無しさん (2013-10-22 19 49 14) ドラグーンは歴代ボスの中でも最強だよな。贔屓とクズ具合がだが。 -- 名無しさん (2013-12-14 20 49 24) ゼロの優遇は正直どーなのさ? -- 名無しさん (2013-12-15 11 18 00) アイリスのライドアーマーみたいな形態(ゼロ戦時)の公式イラストって無いのかな -- 名無しさん (2013-12-15 11 21 22) フォースアーマーのプラズマとストックの切り換えが出来れば更に良かった。 雑魚と中ボスは多段ヒットのプラズマチャージショット。 ボスはチャージショットをストック出来るストックチャージショット。 -- 名無しさん (2014-01-12 12 41 27) 裏切り者の虐殺者が武人面しているアレか -- 名無しさん (2014-01-25 03 59 41) 4からの、エックスがスタート時に一瞬でアーマーを纏う演出は当時かなり感動した。ドット技術は流石カプコンだと思った。 つまり7以降は… -- 名無しさん (2014-01-25 09 25 29) 強さと優しさを兼ね備えたレプリロイドってまんまエックスのことでは・・・・・・ -- 名無しさん (2014-05-12 18 21 11) リメイクして出してくれないかな。5 -- 名無しさん (2014-05-31 11 43 47) レプリフォース大戦のきっかけはダブルとシグマ -- ブルー (2014-08-10 22 34 02) 一番難易度の低いX作品だと思う -- 名無しさん (2014-08-11 22 26 47) OPのアニメはキャラ達の笑顔が多くて、悲劇的な本編とのギャップを感じるな -- 名無しさん (2014-08-11 23 23 30) PXZでついに運命に打ち勝つ。実に15年越しの負けない愛 -- 名無しさん (2014-08-12 07 00 00) 正確には、レプリフォース大戦の大元は「イレギュラーの定義」…シグマはそこを突いたのだと思う。それと、エックスとゼロはレプリロイド開発者の目標とも言える存在で、彼らを超えるレプリロイドの創造が目的化したが故の悲劇と考えると興味深い。 -- 名無しさん (2014-08-12 08 55 12) ボンボンのインタ記事で「シグマ以上の『悪』はいないと思う。だから今回は正義対正義の構図にしようと、軍隊を敵に持ってきました」と語られた。しかしその直後に「OPデモで、謎の人物がジェネラルを勧誘しようとするシーンがドキドキものなのだ!」なんて書かれてて、「あ、それどーせシグマなんだろ」と、発売前から見破られちゃいましたとさ。 -- 名無しさん (2014-08-12 13 06 43) 8体のレプリロイドって書いてあるけどクジャッカーはレプリロイドじゃないよ -- 名無しさん (2014-08-12 16 50 44) ↑3そうだったのか・・超えようとした目標って発想はなかったわ・・これじゃ、のび太のように、エックスが「爆弾をくれ!ゼロを殺して、俺も死ぬ」とか言いそう・・ -- 名無しさん (2014-08-12 18 09 43) イレギュラー時代のゼロにフォルテの面影を感じる -- 名無しさん (2014-08-21 13 46 54) ロックマンの格闘ゲームのフォルテEDでワイリーがゼロを作ってるのを見てるんだっけ? -- 名無しさん (2014-10-15 23 02 12) ただ、アイリスの「平和」ってのは「レプリロイド中心」のそれでエックスの「悩む機能からくる物」とは完全に別物。だから、エックスを友とするゼロと彼女がすれ違うのは「遅かれ早かれ来る」ってのがpixivのアイリスのページ、それを示すアイリス対戦時の動画内のやり取りでハッとした。 -- 名無しさん (2014-10-15 23 21 32) ボンボン版だとシグマの反乱でなんでレプリフォースが動かなかったのかの補完がされててよかったな -- 名無しさん (2014-10-15 23 41 58) オープニングボスをデカいだけのザコだろww と舐めまくって体力ゲージギリギリで倒した思い出 -- 名無しさん (2014-10-15 23 51 57) 漫画版がより熱いストーリーになるように、ゲームのほうもストーリー重視にしたみたいだが、当の漫画版が打ち切られるなんて夢にも思わなかっただろうな… -- 名無しさん (2014-12-27 01 00 46) 発売前からアルティメットアーマーと黒ゼロはボンボンでばらされていた。多分当時の読者の多くは、ギガアタックの往復だけでクリアしていただろう。 -- 名無しさん (2014-12-27 07 10 42) 「隊長、お体の方は?」の部下達が地味に好き -- 名無しさん (2014-12-27 07 20 13) 岩本版だとゼロとアイリスがお互い心が通じ合えてるというか、理解し合えてたんだよな。アイリスとの戦いも漫画版だと『アイリスを救うため』だったし。それだけに結末が同じ分、ゼロの救われなさが増してたが……。 -- 名無しさん (2015-02-11 01 44 35) ↑×6 逆に言えば、イレギュラーハンター(特に上層部)の落ち度が露呈されたよね -- 名無しさん (2015-07-29 12 17 24) 8大ボスは半分くらいシグマ側じゃなかった? -- 名無しさん (2015-07-29 19 02 59) ボンボン版は何故キバトドスのステージで3のバッファリオが氷付けになっていたのか?というストーリーの補完がしてあって良かった。つくづく打ちきりになったのが惜しいマンガだわ -- 名無しさん (2015-07-29 19 36 52) 部下とかガルマの追記とか、正直悪意しか感じないぞwサスガダァ… -- 名無しさん (2015-12-17 22 59 25) 「一緒にレプリロイドだけの世界で暮らしましょう…?」の問に対して間髪入れずに「レプリロイドだけの世界なんて幻だ!」とバッサリ切り捨てる所にゼロらしさを感じるし、アイリスとのすれ違いは決定的なのも納得出来る -- 名無しさん (2015-12-17 23 36 46) ゲームだとゼロがアイリスに恋愛感情までは抱いてなかったと思うんだよな、ただ「もしかしたら…」気持ちに応える未来もあったかもしれない的な。とはいえ、×11、と↑言うように、エックスを親友としてるゼロの価値観とアイリスには致命的なズレがあったわけだけれど。…だからこそOPの歌詞が凄く刺さる -- 名無しさん (2016-03-01 07 55 08) アーカイブスで久しぶりにやったけど、ストーリーもアクションも本当に素晴らしい。 -- 名無しさん (2016-03-18 22 23 00) ↑×5 ゲームだと3で撃破した後の残骸がそのまま放置されてる扱いっぽいが、漫画版だとエックスの仲間になってたからな。 そのぶん余計に物悲しく見える -- 名無しさん (2016-03-31 14 06 57) 主役であるはずのエックスの扱いが悪いのは何故? -- 名無しさん (2016-03-31 14 08 09) ↑そもそも生みの親の稲船氏が当初新シリーズの主人公としてデザインしたのがゼロ。ただ『ロックマン』としてはあまりに革新的すぎるという批判を受けてサブキャラにせざるをえなかったという経緯がある。ゆえにゼロを主人公に据えたいという想いが消えずに昂じていった結果、どんどんストーリー内の比重が増えていったわけだ。 -- 名無しさん (2016-05-09 00 21 17) エックスルートにもアイリスはいて欲しかった…。 -- 名無しさん (2016-05-09 01 29 33) 強さと優しさを備えたロボット≒ロックマンなら、その後継機であるエックスとカーネル/アイリスがいっぺんに出会ってしまったらなんというか…対消滅しそう -- 名無しさん (2016-05-09 01 48 25) 部下の追記サスガダァ… -- 名無しさん (2016-06-17 17 38 02) シグマはカーネルの性格を計算した上で作戦を立てたんだろうな。もしジェネラルがカーネルにシグマの存在を告げていたら少しは怪しんだかもしれないが -- 名無しさん (2016-06-23 11 14 48) ↑×6 X4は「人気キャラクターゼロ本格参戦記念作品」としての側面があるからX4でのゼロ優遇は当然とも言える。 -- 名無しさん (2016-09-04 13 18 26) アニメや漫画によくある「サブキャラやライバルキャラにスポットが当たる回」みたいな物さw -- 名無しさん (2016-09-04 13 28 04) 漫画版でゼロがバスター使えなくなった理由は、精神的なものだと思う。魔女の宅急便でキキが力を失ったくだりによく似ていた。 -- 名無しさん (2017-08-03 11 51 34) 漫画版はエックスにとっちゃきつい展開だらけだったなあ。レプリフォースは反乱起こすわゼロには切られて出ていかれるわ友人は殺られるわで、あれじゃ発狂してもおかしくないわと思った -- 名無しさん (2018-01-13 21 07 39) フクロウルとキバトドスの必殺技ボイスを追加よろ -- 名無しさん (2018-05-28 00 11 28) ↑3さてはアンタ番外編を読んでいないな -- 名無しさん (2018-05-28 09 06 38) 部下の声が新人時代の吉野裕行氏だとは・・・。 -- 名無しさん (2018-06-20 12 21 41) かわいいけど原作版アイリスはぶっちゃけララァみたいな面倒でヤバい女というか…… -- 名無しさん (2018-06-24 09 18 35) ゼEROのせいで見損なったぞカーネル!ってフレーズが広まり、そこからそもそも見損なうところもないような無能って知られるという流れは草 -- 名無しさん (2018-07-22 16 47 47) Xシリーズの中でもステージ選択→ボス登場画面が音楽といい溜め→フラッシュといいさり気ないテロップといい凄く格好いい。異論は認める -- 名無しさん (2018-07-27 20 49 55) ゲームとしてはおもしろいけど終始鬱シナリオで後味の悪いEDを迎えるんだよな。続編を確定していたとはいえよくこの内容で通したもんだ -- 名無しさん (2018-07-27 22 12 02) ↑オープニングのムービーの最後で「エックスの仲間達が全員集合」みたいな絵面で集まる面子が、実は全員敵で全員死ぬっていうのがね・・・ -- 名無しさん (2018-07-27 22 48 41) ↑×3 ステージスタートの演出はBGMも良かったしシリーズでも屈指の恰好良い演出だと思う。 -- 名無しさん (2019-02-21 05 56 08) リメイク希望! そしたらVAVAモードと同じくアイリスの支店から始めるアイリスモードも追加希望 -- 名無しさん (2019-05-31 22 01 47) ↑3、おまけに内2人は黒幕だしな -- 名無しさん (2019-07-17 12 01 55) なんかライドアーマーが云々書かれてるが普通になれた人ならドラグーンを蹂躙できる。ボス部屋までもっていくのが難しい上にすぐ壊されるのはx8のパンダステージの奴だろ正直。 -- 名無しさん (2020-05-17 21 52 44) 正直、Xはこのあたりでシグマを完全退場させて畳んでおくべきだったと思う。シリーズごとに「どうせバッドエンドだろ」みたいに思うようになってしまった -- 名無しさん (2020-05-31 01 04 06) ↑そうすればX5でゼロとの対決で綺麗に締め括れたしな -- 名無しさん (2021-08-25 07 47 26) マクマードドラゴーン xdiveでもプレイアブルとか贔屓されてんな~アイリスが贔屓されるのはまだわかるがこいつは正直ゲーム版でもあんな奴じゃなく岩本版(完全版)の元ネタの豪鬼を性格面までしっかり踏襲した求道者の方が良かった気がする -- 名無しさん (2021-11-07 07 10 49) あとドラグーンのライドアーマー戦って慣れた人なら無傷とはいかなくとも半分か瀕死くらいにまでは追い込めるよ -- 名無しさん (2021-11-07 07 12 09) タイチョウ!追記修正の方は…? -- 名無しさん (2022-02-22 23 07 22) み っ と も 無 い -- 名無しさん (2022-07-02 18 37 12) 兄妹の製作者は強さとか優しさ以前に冷静な判断力を持たせるべきだった。あと人の話を聞く能力 -- 名無しさん (2022-07-13 14 26 08) ゲーム性は良く出来てるがストーリーがアレな為に一番荒れる作品。体制vs体制と後イレギュラー数名と言う珍しい作品 -- 名無しさん (2022-10-16 22 45 54) OPとかUIとか演出がかなりスタイリッシュなんだよね 以降の作品はどうしてあなった -- 名無しさん (2023-01-09 15 37 41) ヘッドパーツ前提のせいでシリーズ1爽快感のない特殊武器や8ボス以降のステージが全体的にかなり短めだったりと欠点がかなり痛い作品ではある。ストーリーは言わずもがな -- 名無しさん (2023-01-13 22 01 19) ゼロもゼロでドラグーンの弱点はせめて疾風牙にできなかったのかね。よりによってスパイダスとジェネラルとかいう殆ど当てられないような奴らばかりだし(エアダッシュ中に使えるならともかく) -- 名無しさん (2023-01-30 23 46 14) ストーリーの評価が高いんだか低いんだか分からない作品。 -- 名無しさん (2023-12-27 06 46 01) 昔は知らんけど2024年現在だとプレミア化してるのはサターン版ですなー -- 名無しさん (2024-08-25 20 02 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rockman_x/pages/40.html
ロックマン 特殊武器 ステージ ボス 参考サイト ロックマン 攻略・解析
https://w.atwiki.jp/vip_rockman/pages/40.html
448 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 10 26.48 ID EVsBXzyI0 「――同じ部屋で良い」 高級感を漂わせる装飾と、機能美を感じる設計をされた広い空間。 中央に女性の裸婦像が置かれたホール。 赤い絨毯を敷き詰めたロビー――森林を抜け、近隣に存在した街のホテルに二人は居た。 カウンターに笑顔で立つ従業員のレプリロイドに、マンドリラーが当然とばかりに言い放った。 時刻は深夜。 訪ねるには非常識な時間だが、宿泊場所は別である。 バレッタで髪を纏めた少女のレプリロイドが、かしこまりましたと答え、端末を操作する。 「同じ部屋って……」 腕を組むマンドリラーの後ろに立つエックスが、彼女の背中に困惑した顔と声を投げた。 「何か問題があるのか?」 横目で少年の顔を受け止める。 マンドリル型の巨大なボディは、玄関付近で鉄色のカーゴに乗せられていた。 丸型な数体の運搬用メカニロイドによって移動されている。 「いや、一応、僕は男なんですけど……。そんでもって、お姉さんは女だし……」 胡乱な瞳を真正面からは受けれず、視線を逸らすエックス。 次に映ったのは、全裸の女性の彫像。 頬を赤らめ視線を引き剥がし、最終的に少年の視界は、真紅の引き物に落ち着いた。 451 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 11 59.47 ID EVsBXzyI0 「意味が解らん。お前は節約という言葉を知らないようだな」 エックスの言葉に片眉を曲げ、マンドリラーが呆れる。 そこでカウンターの少女が、後ろの棚から鍵を取り出し、客である彼女に手渡した。 「どうも」 「ごっゆくり」 軽い応対を終え、釈然としない顔をするエックスを促し、与えられた部屋に向かった。 「はー、やれやれ」 小さなボストンバックを寝台に投げ、マンドリラーが溜め息をつく。 果物の入ったボウルが置かれた机が居間の窓際に。 その両端に配置される椅子に、どっかりと座り込んだ。 「――何をやってるんだ」 空色をした長袖の首元を緩めながら、玄関でそわそわする少年に声をかける。 「いや……良いのかなぁ、って」 エックスは躊躇しながらも、しかたなく部屋の奥へと足を進める。 「もう2時か……」 マンドリラーは、壁にかけられる時計の針に辟易した。 そして自分のシャツに手をかけると、突然、少年の前で脱ぎだす。 当然、ぎょっとするエックス。 454 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 14 24.29 ID EVsBXzyI0 酸欠したかのように口を開閉するのを尻目に、腰からベルトを引き抜く。 「疲れたなぁ、もう」 ジーンズのズボンを脱ぎ捨て、ピンクのショーツも引き下ろした。 下半身には何も纏わなくなった。 淡く生えるピンクの恥毛から、エックスは慌てて顔を抑える。 豊かな乳房を覆う下着も剥ぎ取り、一糸纏わぬ女性が居間で完成した。 「シャワー浴びてくる。――何やってんだ、さっきから」 「こ、こ、こっちのセリフです……!」 両目を手で覆い右往左往する少年。 マンドリラーは珍獣でも見たかのような顔をし、風呂場に向かった。 白い足が脱衣所を横切り、浴室のタイルを踏む。 シャワーのノズルを捻って、お湯の奔流を精練された身体に浴びせた。 蛇口から吹き出るシャワーが床を叩く音は、リビングにまで届く。 居間に突っ立つ青き少年は、今度は耳を押さえ、煩悩を制御するよう努めた。 「ありえない」 常識の無い女性に対する呟きを漏らし、彼女の帰還までテレビを観賞している事に決めた。 シャワーは、深夜のバラエティ番組の音で聞こえなくなる。 456 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 15 52.28 ID EVsBXzyI0 バナナを口にしながら、エックスは椅子に座り、机に肘を突いてくつろいだ。 湯浴みは意外に早く、数十分もしない内に全身に湯気を漂わせるマンドリラーが戻ってきた。 「予想はしてましたけど、ね」 嘆息するエックス。 マンドリラーは肢体にバスタオルこそ巻けど、衣服を着ないまま現れたのだ。 「何だ」 「いえ、なんでも」 疲れに目頭を押さえ、両手を挙げる。降参のようなポーズで出迎えた。 半裸の女は首を傾げながら、髪をもう一つのタオルで乾かす。 「お姉さん……」 急にトーンを落とし、真面目な顔をしたエックスの瞳が、まともにマンドリラーへと向けられた。 「――解ってるよ。私の事だろ」 巻かれたバスタオルを剥がし、髪と同じ色の乳首が載った乳房が零れる。 生まれたままの姿のままベッドに向かい、シーツを纏って寝転んだ。 「私は本をよく読むんだ。――意外かもしれないがな」 少しだけ頬を染め、恥ずかしそうに呟いた。 粗雑な性格と、非常識極まる行動からは、とても想像できない趣味だ。 458 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 17 48.65 ID EVsBXzyI0 「今の電子化されたのじゃなくて、紙媒体の本が好きだ」 ベッドに投げられたバッグから、大判の本を取り出す。 可愛い絵の載る表紙から察するに、絵本のようだった。 「私の力は大きすぎて、制圧や捕縛向けじゃない。ハンターの頃は、だいたい待機任務だったよ」 絵本をめくり、マンドリラーは苦笑する。 エックスは、彼女とあまり任務をこなしていなかった事を思い出した。 「それで、暇を持て余すのに読書をしてた」 絵本を閉じてバッグに戻す。 「イレギュラーが今回の事件に蜂起した時も、絵本なんか読んでたね」 桃色の長い髪をかき上げ、マンドリラーは過去への光景に目を細める。 エックスは事件という単語に、幻痛を胸の奥で感じた。 「――数日前にアルマージが、採掘場からかなり古びた本を持ってきた」 再び鞄をまさぐり、白い腕は本を掴み取る。 先ほどのそう古くない絵本とは違い、えらく年季の入った本がエックスの視界に現れる。 「内容は、現実にはありえない物でな。――まぁ、ファンタジーに分類される〝小説〟だと……思ってた」 時の流れに沿り、黄ばむ表紙を撫で上げる。 埃や虫ですら出そうな本を、思案顔で見つめるマンドリラー。 その彼女の言葉に、少年は違和感を覚えた。 461 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 20 52.04 ID EVsBXzyI0 「思ってた?」 「これは小説じゃなくて、日記……いや、調査記録なんだよ」 シーツを抱き寄せ、マンドリラーが視線を窓に移動する。 カーテンを引いてないガラスの戸からは、漆黒の空と、この街の煌びやかな生活光が見える。 「青いレプリロイドが世界を何度も救う……何かの伝説、もしくは誰かの妄想としか考えられないな」 自分の言葉に苦笑しながら、彼女はこの本の見解を述べた。 青いレプリロイド。 話の人物と同じ色であるエックスの顔は、怪訝なものだった。 「事実、そんな世界的な事件は聞いたことも無いし、本部のデータベースにも存在していなかったしな」 マンドリラーは事も無げに言って、話を一旦切る。 寝台の背もたれに寄り掛かり、両手を下腹部の辺りで組んだ。 「隊長は間違っていない」 再開した時には、マンドリラーの話は本の考察から離れ、内容が変わる。 「人間の汚い部分は良く知っている。本を読むだけにな」 またも、胸に痛みが走るエックス。 軍服を着込んだ少女の事を思い出した。 「レプリロイドだけの世界に、私は惹かれた」 「お姉さん……」 ――イレギュラー達の目標。 異端と化した同僚たちの顔が思い浮かび、自分を罵倒する。 462 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 23 54.64 ID EVsBXzyI0 俯くエックスは、泣き出しそうな顔をした。 膝に置かれ両手に力を込め、涙するのを必死に堪えた。 「安心しろ。敵ではない、そう言ったろ」 マンドリラーは少年に笑いかける。 その言葉で、エックスは幾分安堵した。ほっとした顔を床から上げる。 「私は騙されていた。――クワンガーにな」 笑みが消え、忌々しげな表情。 「採掘場。あそこで、人間と離別した形のレプリロイドの世界を〝建設〟する。――そう聞いていた」 「…………え?」 「オクトパルドが死んで、やっと隊長に〝久しぶりに〟会えた」 聞き覚えの無い話。 少年は困惑し、マンドリラーは話を続ける。 「世界中の人間を虐殺して作り上げる……私はそんな事は聞いていない」 彼女の怒りをたたえた双眸が、虚空を睨む。 合点がいく。確かに彼女は騙されていたのだろう。 エックスはマンドリラーの心情を考えると、居たたまれなくなった。 「それ……で」 「――問い詰めた。結果が、あのワン公がキレて、森で追いかけっこだ」 自嘲する。 結局、彼女の求めた答えは得られなかったのだろう。 寝転ぶ女の態度が、エックスをそう結論付けた。 463 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 25 35.44 ID EVsBXzyI0 「隊長は……隊長なんだろうか……」 ―――徐々に壊れている。 ライトの言葉が真実味を帯びてくる。 無意識に、隊長、とエックスは心の中で呟いていた。 「話を本に戻そう」 握られた本を揺らす。本当に埃が舞った。 「確かに、隊長の思惑と私のが食い違ったのが、一番の理由だが――」 思慮深げなマンドリラーの瞳が、一世代を超えていそうな本の表紙に移る。 「それを後押ししたのは、この本なんだ」 彼女はいったん躊躇い、そして言葉を吐く。 「これに書かれているのは、事実なんじゃないか……」 「……? どういう、ことでしょう?」 少年は首を傾げる。 「青いレプリロイドが世界を救う」 夢物語の一節を紡ぐ、マンドリラーのピンクの唇。 世界を救う――エックスには願ってもない事だ。 「最後のページだ」 マンドリラーが、触れば分解してしまいそうな本を放り投げる。 エックスは慌てて椅子から立ち上がり、放物線の先を受け取った。 464 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 28 02.19 ID EVsBXzyI0 彼女に従い、本の最終ページを開いた。 <調査対象DRN.001ロックマン> 「……馬鹿な」 頭をハンマーで殴打された感覚。 少年の口から漏れたのは、事実否定の声。 「お前が普通のレプリロイドでない事は、入隊時から薄々感じてはいた」 自分の名が書かれた本。 空想である筈の、青いレプリロイドが世界を救う物語。 ――自分は一体何者だろうか。 そう考えた所で答えは出ない。 音を立てて回る思考による頭痛だけが、少年に返ってきた。 「妙にハンター本部からの待遇がいい。何故か、隊長やクワンガーが固執する」 完成には程遠いパズルのピースが少しだけはまる。 「そして、特Aだったイレギュラーを三人屠った――その力」 ――その力は、自分が求めたものではない。 愛情を感じていた同僚を破壊し、救えた者は誰一人として居ない。 466 :Irregular's Elegy :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23 30 51.11 ID EVsBXzyI0 「確信……とはいかないが、伝説のレプリロイドがお前であるとは思っている」 「僕は――」 「――ただの、下らん悪戯かもしれないがな」 マンドリラーの珍しい茶化したような物言い。 沈痛な顔が掻き消え、思わず鼻白むエックス。 「だが、本当にそうなのであれば、この混沌とした世界を救えるだろうな」 彼女は天井を仰ぎ見、何かに希望を見出していた。 「人間はそこまで好きじゃない……しかし、隊長の作戦は間違っている」 決意を宿した顔が、まともにエックスにぶつかる。 本を手にしたまま立つエックス。 その首が縦に振られた。 「私はそれを止める。それが〝部下〟であった私の使命だ」 片手を拳にし、マンドリラーは自分の力を誇示するように、天に力強く向ける。 「お前が伝説のレプリロイドじゃなくても良い」 屈強な態度とは反対に、とても優しげな笑みを浮かべるマンドリラー。 「間違いを正す……ハンターの初歩的な任務――どうする? 受けるか?」 姉のような存在。 差し伸べられた選択肢は、自分が何であるかなどの疑問を二の次にする。 マンドリラーの問いに、エックスは彼女に負けないぐらいの笑顔で応えた。 535 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 03 09 42.91 ID kIjG+1N10 与えらた一室。 寝台がある居間など、一般的には狭いイメージがあるが、この部屋はその例から漏れる。 ダンスでも踊れそうな広さを持つリビングが、窓から射し込む朝日に照らされる。 「うわぁー」 目覚めたエックスの最初の言葉は、時節の挨拶ではなく、部屋に対する驚愕だった。 気づくのが遅いが、裸になるマンドリラーや驚くべき事実などで、そこまで及ばなかったのだ。 「おはよう……」 「うわぁー!!」 驚愕の次は悲鳴。 理由は隣のベッドから抜け出てくる。 両腕を挙げ背筋を伸ばす裸の女が起床。豊かな乳房が風船の様に揺れた。 腕でシーツを煩わしそうに打ち払い、シミの無い白い肢体がエックスに挨拶する。 「お前は朝からうるさいな」 「――お姉さんが、朝からおかしいんですよ」 ぼりぼりと髪を掻きながら、不愉快げな表情をするマンドリラー。 エックスも気分を害する。 彼女は立ち上がると、その足で部屋の備え付け冷蔵庫に向かい、牛乳が入った瓶を取り出した。 536 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 03 12 22.39 ID kIjG+1N10 「これも料金の内だよな。――飲むか?」 「いえ」 片手で誘いを断る。 マンドリラーは肩を竦め、乳白色の液体を飲みながら椅子に座った。 「服着てくださいよ」 「何で?」 とても、昨夜に元気付けてくれたレプリロイドと、目の前の非常識の塊が同一人物とは思えない。 朝から痛む頭を振り、エックスはシーツを再び被ると、夢の世界へと旅立った。 「歩いては帰れないものな」 二度寝の終着点は、時計が12を指す昼時。 机に地図を広げ、思案顔をしたマンドリラーが最初に視界に入った。 さすがに服を着ており、黒いシャツに男物のジャケットを羽織っていた。 自分より様になる彼女の服装に、エックスの心情は軽い鬱となった。 「どうにかして足を探さなければ。当てはあるか?」 横に振られる少年の首。 逃走したヘリは何処へやら、どうしたものかとエックスも倣って悩やむ。 顎に手を当て、考え込むマンドリラー。 力強さも、知性も感じるその姿に、エックスは尊敬の意を再認識させられる。 537 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 03 16 26.11 ID kIjG+1N10 「参ったな。あまり公共の機関を使用したくない」 断続的に地図を指で叩きながら、口を開く彼女は本当に困っているようだ。 昨日の犬型が口にした、処刑部隊というのが気になるのだろう。 自分の危険よりも、大量の人が居る場所で戦いたくない、そんな思いを彼女の横顔から感じ取った。 唐突の来訪者を知らせる音。 部屋の扉が、穏やかにノックされた。 「はい? あ、僕が行きますね」 立ち上がろうとするマンドリラーを手で制し、エックスがベッドから降りて、玄関に向かう。 ニスを塗られた木で出来た、鮮やかな扉に魚眼は無い。 だが、敵が自分の存在を知らせる行動を取るだろうか。 「はーい」 エックスは自分の問いを否定し、とりわけ警戒もせずドアを開けた。 「こ、こんにちは」 入り口の向こうには、腰の低いレプリロイドが揉み手をしながら立つ。 自分の記憶に無く、エックスは訝しげな目で、前に立つ人物の身体を上から下まで眺める。 だが、ガスマスクのようなメットで彼の存在を思い出した。 538 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 03 20 25.85 ID kIjG+1N10 「――あ。パイロットさんか」 「そ、そうです……! パイロットさんです」 彼は、エックスが追われる身のマンドリラーと出会った際に、搭乗していたヘリの操縦士だった。 置いてきぼりにした、というのでバツが悪いのだろう。操縦士は顔を床に、チラチラとこちらを見てきた。 「どうかしたんですか?」 あの状況では仕方ない――エックスは特に怒りをぶつける積もりも無く、操縦士に疑問を投げた。 怒っていないと気づいたパイロットは、少年に聞こえるぐらい安堵の息をつく。 「いえ、その、エックス様はどうしてるのかなぁ、と逃げ出した手前……気になりまして」 その態度に微笑する少年に、操縦士はここを訪ねた理由を話し出す。 「そしたら、近くのホテルでエックス様のカードが使われてるって、本部から連絡が来たものですから……」 「なるほど。――どうぞ」 自分の居場所が知れた理由に合点がいったエックスは、扉を全開にし、他の話を聞くため部屋に入るよう招く。 操縦士は頭を下げて礼をし、居間へ進む。 「誰だそいつは」 彼を出迎えるもう一人のレプリロイド。 リンゴを齧るマンドリラーが、エックスに尋ねる。 「イ、イレギュラー!?」 彼女の姿を目にしたパイロットの悲鳴は、少年の説明よりも速い。 驚きに飛び上がりながら、腰から無骨な自動拳銃を引き抜いた。 隙無く銃口をマンドリラーの頭部に向ける流れは、腐っても彼がハンターの一人であるのが解った。 539 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 03 22 25.26 ID kIjG+1N10 「待って下さい! お姉さんは違うんです!」 自分のボディを射線に挟み、エックスは声を張り上げて抗議する。 青の装甲越しに銃を向けらている当のマンドリラーは、緊張感に欠けた欠伸をした。 「ち、違う? スパーク・マンドリラーは、イレギュラーに認定されて……」 エックスの言葉に、操縦士はあたふたと面白いように慌てる。 それに合わせて拳銃の銃口が、海を漂うクラゲのように揺れた。 「違うんです!!」 拳銃を叩き落し、エックスは必死の形相で彼の行動を阻害する。 結局二人のもみ合いは、説明せんと、マンドリラーが口を開くまで続けられた。 「そう、だったのですか……」 穏便に収まる場。 イレギュラーの説明を真に受けるのは、ハンターとしての力量を問われるが、この状況では歓迎すべき事だ。 古書からエックスの名が出たという所だけ省き、マンドリラーは操縦士に全てを打ち明けた。 「混乱させて、すまなかったな」 「いえ、こちらこそ銃なんか向けまして……」 お互いの非を詫びあう二人。それを胸を撫で下ろし、見つめるエックス。 541 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 03 24 58.47 ID kIjG+1N10 「君はヘリのパイロットらしいな。ここにはヘリで来たか?」 「勿論ですよ。一度他のところで給油してから来ました」 マンドリラーがリンゴを再び齧り、和解したパイロットに尋ねる。 彼は頷き、窓に向け指をさす。 黒い手袋に覆われた人差し指の先に、彼の回転翼機が見える訳ではないが、とりあえず二人は納得する。 「そりゃ良かった。生憎と、本部までの交通機関で悩んでいたんだ」 得心顔のマンドリラー。 用が無くなった地図をたたんで、ジャケットの内ポケットに入れる。 「あぁ、なるほど。お安い御用です。直ぐに、本部へお送りいたしますよ」 彼女の説明を受けたパイロットが、処刑部隊の事を加味し、本部への送迎を快く引き受けた。 お任せくださいと力強く頷くパイロットに、エックスとマンドリラーは顔を見合わせ笑う。 「なら、急ぎましょうか」 パン、と手を打ち合わせ、ヘリの操縦士はいそいそと部屋を後にしようとする。 「昼飯……どうするかな」 その背中で、マンドリラーは己の満たされない腹をさすりながら、ぼそっと呟いた。 それを聞きとがめたエックスが微笑し、彼女の肩を叩く。 544 :Irregular's Elegy:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 03 30 18.32 ID kIjG+1N10 「何処かで買って、機内で食べましょうよ」 「ジャンクフードは嫌だからな」 エックスはますます笑みを広げた。 操縦士の腕が扉のノブにかかる。 廊下へと出るドアは押し開かれる前に――部屋へと吹き飛んだ。 蝶番がもぎ取られ、茶色の扉と一緒に宙へ投げ出されるパイロット。 マンドリラーが舌打ちし、エックスが姿勢を低くしながら右腕をバスターに変える。 「な、何だ……お前等……」 圧し掛かる扉をどけながら、ガスマスクのレプリロイドが呻く。 マスクの楕円形の視界に、蹴りを放った体勢の人影が入る。 人影は紫色をしていた。 その後ろに、対極な背丈を持つ二人。 「よぉ、こんな所に隠れてたのかぁ……。えぇ!? ――エックス!!」 「ヴァヴァ……!」 パープルカラーのレプリロイド――VAVAが残忍な笑みを浮かべて、部屋へと踏み出した。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/41896.html
登録日:2019/04/25 Thu 02 18 07 更新日:2024/08/22 Thu 02 16 45 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 イレギュラー コピー能力 ラスボス レプリロイド ロックマンX ロックマンX8 新世代 新世代型レプリロイド 進化 野田順子 私たちが撃てますか? 『ロックマンX8 -PARADISE LOST-』に登場するキャラクター。 CV:野田順子 ●目次 【概要】 【本編の活躍】 【能力】 【関連人物】 【概要】 扇状に広がった紫色の髪と胸部のクリスタル、そして中性的な容姿が特徴的なレプリロイド。男性型か女性型かは明言されていない。 作中に登場する新世代型レプリロイドの中でも最高傑作と評される存在で、自らの形を変えずにコピー能力が発動できる機能を持つ。 作中では、頑丈なボディを持つシグマの能力をコピーする事で、軌道エレベーターの超高度からコンテナごと地上に落下しても無傷ですませていた。 【本編の活躍】 その優れた能力を買われて軌道エレベーター「ヤコブ」の管理を任されていたのだが、VAVAに拉致されてしまう。 これによりエックス達は彼を取り戻すために奔走することになるのだが…。 以下、ネタバレ。 エックス「君は、ルミネ……! 無事だったんだな」 無事? もちろんですよ……。 皆さんも、シグマを倒せて満足でしょう? おかげで、計画もここまで順調ですよ。 アクセル「あんた、シグマに連れ去られて利用されたんじゃ、ないの?」 利用……? 違いますね。 彼は、役目を果たしただけです……。 私達、新世代型を目覚めさせ、世界を変える、という役目をね! その正体は、本作のラスボス。新世代型レプリロイドとして自らの意思でイレギュラーとなっていた。 彼ら新世代型レプリロイドの機能を司るコピーチップは、数多くの旧世代型のデータを生まれ付き保有し、その中にはシグマも含まれるのだという。 そのためルミネを始めとする新世代型レプリロイドは、いつでもシグマのように自分の意思でイレギュラーになれるらしい。 ただし、ここで言う「イレギュラー」はエックス達の視点で見た場合の話で、 ルミネはこれを「レプリロイドの進化」と語り、Xシリーズにおける「イレギュラー」の存在自体を丸ごと否定している。 そして、ルミネの目的は、人類、レプリロイドを含めた旧世界の破滅。 世界は変わったのです! 生命が、より進化した生命に取って変わられるのは自然の摂理です……。 おとなしく、滅んでおしまいなさい! レプリロイドの在り方が、生命の在り方が変わったのです……。 新しい世界に、もはやあなた方は必要ないのですよ。 と豪語し、エックス達と激闘を繰り広げ、そして敗北した。 ぐふ……愚かな……。 私一人を倒した所で、もはや流れは戻らない……。 アクセル「お前みたいにおかしな奴が出てきたら何度でも倒してやるよ」 くくく……本当に何も見えていないのですね……。 まあいい……いずれ分か……。 エックス「…………」 ルミネのイレギュラー化を受け、政府はコピー能力を持つ新世代型レプリロイドの初期ロットを破棄し、コピーチップの製造を中断した。 しかし、宇宙開発のさらなる隆盛から高性能な新型レプリロイド開発の要請は尽きず、数年後、厳重なプロテクトを施し、コピーチップの製造を再開したという。 【能力】 ●形態変化 第一形態 人型。そのコピー能力で八ボスの必殺技を贅沢に繰り出してくる。 ……が、こちらからしてみれば「一度見た攻撃」であることには変わりないので、そこまで脅威ではない。その時使っている技の持ち主の弱点が、そのままルミネ本人の弱点になる。 第二形態 シグマと違って巨大化しない。翼のようなパーツが展開され、全体的に金色になり、ステージの雰囲気と相まってとても神々しい。 悪魔のような姿で登場する本作のシグマとは対照的である。 残り体力が一定値を切ると、最終的に強制ミスになる必殺技「パラダイス・ロスト」を繰り出してくる。 種族不明 魔王「」ガタッ 【関連人物】 エックス 無限の可能性を持つが故に、ルミネの言い分が理解できてしまい、倒すか否か悩んでしまう。 ルミネを倒した後も、「オレたちのやっている事は、一体何だろう……」と悩んでいた。 ゼロ 旧世界を滅ぼそうとするルミネに対し、「滅べと言われて、大人しく滅んでやるつもりは、ない…!」と返す。 ルミネに倒した後は、悩むエックスに対し「シグマみたいな奴ばかりになるのが……進化などで、あってたまるか」とルミネの発言を全面的に否定した。納得の理屈である。 アクセル 本性を現したルミネを「悪いやつ」「敵」「おかしな奴」と酷評する。 自身のエンディングでは、ルミネの攻撃により何か影響を受けたかのように描写されるが……? そのまま10年以上直接の続編が出ていない…。 シグマ ルミネたち新世代型レプリロイドが進化する足掛かりとなる。 ルミネによれば、シグマもまた狂ったのではなく自らの意思でイレギュラーになったという。 ナンバリングタイトルでのシグマを見ていると「おまえは何を言っているんだ」と言わざるをえない。 しかしイレギュラーハンターXでのシグマは「レプリロイドの新たな可能性」を求めて反乱を起こしたため、確かにルミネたち新世代型レプリロイドに近くはある。 ルミネの生え際が怪しいのはシグマの子だからだろうか VAVA ルミネを拉致した張本人……なのだが、ルミネの真意を知っていたかどうかは不明。 一応、ルミネのことは丁重に扱っていたらしい。こいつと一緒にいたせいでルミネは過激な思想に目覚めたのではなかろうか。 ロック・ヴォルナット/ロックマン・トリッガー Xシリーズから数千年後の世界が舞台であるDASHシリーズの主人公。 事情はまったく異なるが、結果的にはルミネの「生命が、より進化した生命に取って変わられるのは自然の摂理」という思想を達成した、ロックマンにして史上最大のイレギュラーである。 ただし彼自身は正義感の強いバリバリの正統派主人公であり、悪としての側面は一切無い。(一応プレイ次第では真っ黒になれる) ある意味ではルミネを含めた上記のレプリロイド達を肯定すると同時に否定した存在と言える。 ロックマン・ジュノ 『ロックマンDASH 鋼の冒険心』のラスボス。 紫色の髪、白を基調としたカラーリング、中性的な容姿、丁寧な口調、管理職、と、ルミネとの共通点が多い。 しかし、ルミネが「新世代のために旧世界を滅ぼそうとした」のに対して、 ジュノは「旧世界を再興させるために新世代を管理していた」という、真逆の行動を取っている。 ふふふ、wiki篭り…追記・修正できますか? △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] エックス「きみは ゆうかいされた ルミネじゃないか」 -- 名無しさん (2019-04-25 10 27 38) 「ベリアルシグマ」って名前ソースあんの?聞いたことないしググっても出てこないんだけど。 -- 名無しさん (2019-04-25 11 14 28) 機械という観点からすると次世代モデルの登場=旧世代の一掃 という図式は成り立つな 最古のモデルであるエックスと特別なゼロは抜きにしてもアクセルは完全に旧型(正式には試作モデル)だし -- 名無しさん (2019-04-25 11 28 28) こいつとのバトルでは第1形態も含めて苦戦必至だわ。 -- 名無しさん (2019-04-25 14 40 41) よくよく考えると、8ボスの武器をチェンジしながら使ってたり、第二形態がアーマーっぽいしで、悪の側のエックスって感じよな。ライトの技術もここにきて漸く解析が進んだって事か。当人は草葉の陰で嘆いてると思うが -- 名無しさん (2019-07-15 08 46 30) TEPPENのカード解説に『彼女』って書いてあったんだが…… -- 名無しさん (2020-10-20 07 47 07) ホロんでおしまいなさい! -- 名無しさん (2020-11-26 19 17 22) 名前 コメント