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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/壊れかけの超電磁砲 御坂がこんなに可愛いわけがない お互いの名前を呼び合うようになってから一ヶ月が経とうとしていた。俺と美琴は何て言うか・・・ 勘違いかもしれないが俺の知識だと恋人っていう関係に近いのかもしれない。でもキスとかはしてないぞ? でもその・・・腕組んで歩いたりするのって恋人がやることだろ?好きじゃなかったら女の子は して来ないよな?でも美琴はしてくる。一人で外出して帰ってくると 「おかえりぃ!」 と言って俺に飛び掛る勢いで抱きついてくる。俺が知ってる美琴じゃなく新しい美琴になったと言ったほうがいいのかもしれない。 普段の美琴は・・・うん、最初と比べると凄く元気になった。前よりも活発になったとも思う。 例えば俺がソファーでウトウトしていると 「寝ないで私の相手しなさーーーーーーーーーい!!!」 「うぼぇあ!!!」 見事に俺の腹にボディプレスをかまして来たり、 例えば食事を取っている時 「それちょうだい!」 「ん?同じヤツじゃん」 「違う、アーンしてほしいの!」 「/////////////////////////////ほれ」 と心も体も色んな意味で満身創痍な訳なのです。上条さん理性が良く保ってくれていらっしゃる。 それくらい何かとじゃれてくる。俺はというと・・・嫌ではない。ていうか嬉しいに決まっている。 最初はどうなるかと思った美琴との生活だが十分満喫できている俺がいた。 でも俺は一つ大事なことを思い出した。忘れていたわけではないが・・・ 美琴の「自分だけの現実」のことだ。 俺からすれば最初の美琴と今を比べると天地の差。笑顔が絶えないし色んなことを話してくる。 これは・・・元に戻ったんじゃねえか? そう思って美琴に聞こうとするが 「美琴、お前の「自分だけの現実」のことだけど・・・」 「あ、トイレ」 「おう・・・」 そう言って美琴は2時間トイレから出てこない。おいおい、いくら大きいのだからって 長すぎですよ?2時間も経てば俺も「自分だけの現実」のことを話そうとしていたのを忘れてしまっている。 それで美琴が寝た時に「あっ!!」と思い出す。その繰り返し。 でもですね、最近美琴の気持ちを多少なりともわかった気がする上条さんはある疑問が浮かんだのです。 もしかして話をされまいと逃げているんじゃないか・・・と。 そう思ってから色んなタイミングで話そうとしても美琴はさすがレベル5。俺が上手く「自分だけの現実」についての話題に持っていったとしても 巧みな話術と行動であやふやにされる。何でもない普通の会話の時は笑顔を見せてくれるのだけど・・・ 仕方ない・・・一番やりたくなかった最後の手段を使うしかない。 ここでの生活で俺はソファーに座っていることが多くなった。なんていうか、俺が一番落ち着く位置だろう。 美琴は手が空いてると最近は必ず俺の隣に座ってくる。そして俺の右腕堪能タイム。 ギュっと抱きついてきてその仕草が可愛い。 「えへへっ」 そしてこの満足そうな笑顔である。上条さんの特殊能力に美琴属性が備わったのは確実だろう。 たまにその時俺が漫画本を読んでいたらそこから 「何読んでるの?」 と頭をにゅっと伸ばしてくる。その位置は俺の顔のちょうど真下。髪の毛のいい匂いがするのは言うまでもない。 俺はこの一連の動作は嫌いじゃない、むしろ好きなくらいだ。美琴の気持ちを多少なりともわかった気がする俺の考えだと きっと美琴もこの時が好きなのだろう。 「触れ合っているだけで守ってもらっている気がする」 ともいつか言ってくれたっけ。だから拒まなかったし拒む必要もなかった。 美琴に悪いがその心の隙を狙うしかない。全てをはっきりさせるために。 その日は朝からずっとソファーに座ってテレビを見たり雑誌を読んだりしてひたすら美琴が 隣に来るのを待つ。しかし美琴は料理をしたり洗濯、掃除をしたりしてなかなか来ない。 いや、必ずチャンスは来る!それまで待つんだ上条当麻!! 一通り家事をこなした美琴は・・・よし!こっちに来た!! 「えへへ、隣いい?」 「あぁ」 美琴は自然な流れで俺の隣に座る。そしていつものように俺の腕に抱きつこうとするが 俺はそれを許さず 「今日は俺が美琴に抱きつく番だ!」 「えっ!?ちょ・・・きゃ!」 わずかな抵抗を見せてきたが構わず美琴の全身を両腕で包んだ。右手で美琴の頭を俺の方へ寄せ、 左手でガッチリ捕まえた。 「ふふん、たまにはやり返さないとな?」 「わ、私がしたかったのに・・・」 「これで俺からは逃げられないな?」 「うん、当麻に捕まっちゃった。えへへ」 このセクハラ!て言われないだろうかと心配したがその反対、喜んでくれたようだ。でも俺は この後美琴を傷つけてしまうのだろう。でも美琴のため。そう信じて心を鬼にした。 「この生活には慣れたか?」 「うん、毎日楽しい!最初どうなるかと思ったけど」 「お前、俺に謝るだけだったもんな」 「うん。あの時の私は本当にどうかしてた」 「今はどうだ?」 「もうあんなことにはならないと思う。当麻と一緒にいられるっていうことがこんなに 幸せだってわかったから」 俺の腕の中でモジモジしているのがわかる。そこがまた可愛らしいのだが・・・ 「ならさ・・・もうこの生活はいいんじゃねえか?」 「・・・え?」 腕の中の美琴の全部が固まった。まるで石を抱いているみたいだった。 「これで美琴の「自分だけの現実」は元に戻ったかそれ以上になっているハズだ。俺はそう思っている。 だからもうこの部屋を出る時が来たと思うんだ?それに美琴の「自分だけの現実」が回復するまでの期間だけだし これじゃお互いダメになると思う」 きっと俺の言葉は耳に届いていると信じて話し続けた。美琴の耳にしっかり届いていたが癇癪を起こしだした。 「やだやだ!ずっと一緒にいるの!!」 「いや、二度と会えない訳じゃな・・・」 「アンタはいつもどこかに消えて、気づいたら大怪我して帰ってくるし・・・そんな事がたくさんあるアンタなのに 何故そんな簡単に二度と会えない訳じゃないって言えるの!?アンタを離したくない! もう嫌なの・・・アンタが私の前からいなくなるのが・・・」 「でもここを出ないとお前のためにはならない!」 「嫌!アンタがここから出たら・・・もう私の前に現れない!!」 「んな訳ないだろ!!」 「いや、いや・・・・」 美琴は俺がいなくなるということを恐れていた。でも何故そこまで俺に執着する? なら俺は美琴のことをどう思う?俺は・・・・・・ 「美琴、俺はお前と約束したハズだ。美琴を守ると」 「そんな約束、叶うハズない!」 「何が何でも叶えてやる。だってさ・・・」 「好きな女の子との約束を守る事って当然のことだろ?」 静まり返った部屋の中で美琴の「え?」と言った音がやけに響いていた。 「い、今なんて・・・」 「もう恥ずかしすぎて言えません・・・」 俺の決死の告白に腕の中の美琴は石みたいになっていた体の硬さが取れた。 しっかり聞こえていたクセに聞き返すのはやめてください・・・ 「う、嘘・・・信じられない・・・ねえ、私のためだからってそんな嘘つかないでいいのよ?」 「嘘じゃねえ。お前のためというよりこれは・・・俺のわがままだ」 美琴は俺に抱きしめられているため身動きがとれない。その顔の距離がやけに近い・・・ これは・・・まさか「アレ」のフラグですか~~???? そう舞い上がっていたけど 「うっ・・・う・・・えぐ・・・」 いつ以来の美琴の涙を見ただろう。でも何故か心が痛まなかった。いや、サディスティックではありませんよ? その涙は今まで見た涙より綺麗だと思えた。 「美琴・・・すまん」 「何でアンタが謝るのよ。何で私が泣いてるかわかる?」 「・・・悲しいから?」 「アンタの頭の中には嬉し泣きという単語がないのかしら?」 「・・・えと、つまり俺の事好きってことでしょうか」 「もっと早くに気づいてよ!!ていうか最初に気づけ!!この鈍感!バカ!アホ!! ・・・・・・・・・・・・うわあぁぁぁぁん!!」 美琴は顔をぐしゃぐしゃにして俺のシャツを濡らした。それを止めようとは全く思わず右手で美琴の細い手を握った。 この手は絶対に離さない。 だって美琴と本当に、やっと心が繋がったと実感したから。 あれから俺と美琴はすぐ部屋を出て、それぞれの戻る場所へ戻った。インデックスは小萌先生の家で散々贅沢をさせてもらったのが原因で 俺の寮に戻るのを相当ためらっていた。それを考えると・・・くそ、美琴とは正反対だぜ。 美琴はというと能力判定テストを再び受けて見事超能力者の力を見せ付けた。でも寮に戻ると 白井に散々尋問されたらしい。こんな長い期間の療養なんて絶対怪しいですの!と・・・ 誤魔化さないで俺たちの関係教えたら?と言ったら 「あの子は当麻と直接会った時に伝えないと意味がない」とのこと。なんとなくわかる気がする。 美琴ゾッコンLOVEの白井から奪ってしまったもんなぁ。 そして肝心の俺たちの関係は・・・ 順調というか以前と変わらない関係かもしれない。でも恋人になったということは間違いない。 俺は美琴、美琴は俺のことを当麻と下の名前で呼ぶ所は継続している。順調にも思えていたのですが・・・ 「ア~ン~タ~は~!!私がいるというのに他の女の子と下校ってどういうことよ!!!」 「はいぃ!?何を言っているのですか美琴さん??」 「その隣にいる!その女の子!!」 「ち、違うんだ、さっき財布拾ってあげただけで・・・」 「・・・・・・・・・へ?」 「勘違いさせてしまってすみません彼女さん!!」 「か・・・・かの・・・///////いえ、私こそ取り乱してごめんなさい」 「では失礼します」 「・・・な?違うだろ?」 「ふん!私がいないとすぐこれなんだから。行くわよ!」 「おわっ、待てって!」 俺の右腕に抱きついて器用に俺を目的も決まっていない行き先へ引っ張った。 「やっぱり当麻と一緒にいるだけで幸せ」 「じゃあ、何もしなくていいんじゃね?」 「そうかもね?えへへ」 前言撤回、やっぱり順調でした。今日は俺の部屋へ招待してみようか?インデックスはさぞかし驚くことだろう。 インデックスもきっと美琴の話を聞いたら喜んでくれるに違いない。 なあ美琴、俺はお前を守れているか? 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/壊れかけの超電磁砲
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある10人のハロウィンパーティ The_secret_meeting. 3 美琴と上条が一緒に料理を作っている頃、佐天の部屋には初春と白井が来ていた。 こちらもメールにあった通り、料理を作っていたのだ。 「初春そっちはどう?」 「ラザニアはもうちょっとですね。うーん、いい匂いがします」 「そっか。サラダももう出来るから、後は明日まで冷やせばいいだけだよ」 キッチンに立つのは佐天と初春。白井の姿はそこにない。 「白井さーん。そっちはどうですか?」 サラダの入ったボールにラップフィルムを掛けながら、佐天が白井に問い掛ける。しかし。 「あー、白井さんなら顔ドラムの真っ最中だから答えられへんよ」 答えた声は野太いテノールであった。 現在、佐天の部屋には同じ手料理班の2人以外に、青髪ピアスと土御門が来ていた。 パーティグッズを買いに行った帰りに、佐天を訪ねてきたのだ。 「顔ドラムって、白井さんどうしたんですか?」 キッチンでオーブンをチェックしていた初春が、白井たちが囲んでいるテーブルの方へと戻る。 「いやー舞夏と電話中なんだけどにゃー」 そう答えるのは土御門。確かに片手には携帯電話が握られている。 「俺が話すと新鮮味が薄れちまうから、良かったら初春さんが直接聞いてみればいいと思うぜい」 「そうなんですか?」 よくわからないまま、初春は土御門から携帯電話を受け取った。 「もしもし? 初春ですけど……」 『おー盛夏祭の時以来じゃないのかー? 久しぶりだなー!』 「あ、お久しぶりです。覚えていて下さったんですね」 『御坂や白井からもよく話に聞いてるからなー。最近は兄貴からも聞かされてたし』 「そうなんですね。ところで、白井さんが顔ドラムしちゃうような話って何ですか?」 『おー単刀直入だなー。いいぞー君にも話してあげよう!』 「……、ほう。……ほほう」 以下、土御門舞夏の話をまとめるとこういうことらしい。 いつものように兄貴の夕食を作りに、部屋を訪れた舞夏。 合鍵で入って調理を始めた舞夏だが、料理人としての嗅覚が反応した。 匂いの源は隣人、上条当麻の部屋。 推測するにおそらく肉じゃが。しかも相当な作り手の肉じゃがとみた! ベランダを使って隣の部屋を覗き込むと、部屋の主である上条はベッドに寄り掛かって寝ているではないか。 そして、キッチンから顔を覗かせているのは、鼻歌まじりに調理している御坂の姿が。 これは乱入するよりもここから見ていた方がいいと判断した舞夏。 そのまま美琴が帰るまで秘かに覗き見し続け、また兄貴の部屋に戻ってから電話を掛けて今に至る。 ベランダから覗き見って犯罪ですよね……と思った初春だが、最後までツッコミを入れることはなかった。 電話の向こうの土御門舞夏は言う。 『あの御坂の恋する乙女ぶりは、カメラを回したくなる画だったぞー。肉じゃが作り終わった後も、書き置きのメモを何度も書き直してたしなー。 顔が真っ赤だったから、きっと御坂にとって恥ずかしい言葉を綴ろうとしてたんだろうなーあれは。まぁ、結局は諦めたみたいだけどなー』 つまり、その御坂の可愛らしい様子の詳細を聞かされて嫉妬が爆発した結果、白井は顔ドラムしているようだ。 その後、サラダの調理を終えた佐天が初春と電話を代わり、全く同じ話を耳にした。 結局、人数分の計5回も同じ話を繰り返した舞夏であったが、本人は自分の楽しみを共有出来たことが嬉しいらしく、 最後に兄の土御門と会話してから機嫌良く通話を終えたようであった。 「ということは、作戦は大成功ってことですね」 「みたいだにゃー」 「あの類人猿め…お姉様の手料理なんてこの黒子でさえ滅多に食べることは出来ませんのに……」 「まぁまぁ白井さんも落ち着いてーな。おでこ冷やそ?」 「白井さん、上条さんに危害加えたらダメですよ」 にっこりと笑い、やんわりと白井に告げる初春。 しかし、そんな初春の笑顔に、彼女をよく知る白井と佐天は『黒春』を垣間見た。 ラザニアも仕上がった後、5人は小さなテーブルを囲んで話し合う。 「あーいよいよ明日が本番ですね。明日で何とか2人をくっつけたいんですけど……」 「コスチューム選びや胃袋作戦で、いくら鈍感なカミやんといえど多少は御坂さんを意識し始めてるはずと違う?」 「そうですよね。だから、あとは御坂さんが告白出来るよう、私たちで背中を押すことさえ出来れば……」 「いや、背中押すのは御坂さんじゃなくてもいいと思うぜい」 すると、土御門がニヤリと笑って口を挟んだ。 「カミやんを押すのもありじゃないかにゃー?」 「押すって土御門さん、それは上条さんも御坂さんを想ってるってことですか!?」 思わぬ土御門の言葉に、佐天が勢い良く食いつく。 「どうかにゃー? もちろん本当のところはわからないが、揺さぶりをかけるのは有りだと思うって意味ぜよ」 「揺さぶり、ですか?」 「そうだにゃー。たとえば、」 と、言葉を区切った土御門は突然、周囲を驚かす行動に出た。それは、 「白井さん。俺、実は君に一目惚れだったんだぜい」 「「「なっ!?」」」 なんと、土御門が隣に座っていた白井の肩を抱き寄せて囁いたのだ。 「な、何しよんねんつっちー!? 白井さん抱きしめるなんてーっ!?!?」 しかし、当の抱きしめられている白井は、土御門に向かって極めて冷静に告げる。 「離してくださいな、土御門さん。あなたの意図はわかりましたので」 「「「へ? 意図?」」」 「つまり、私たちがお姉様の後押しをする一方で、あなた方殿方がお姉様にちょっかいを掛け、上条さんの嫉妬を引き出そうという魂胆ですの。ですわよね?」 「さすが白井さん。察しがいいにゃー」 つまらなさそうな白井を、土御門が怪しい笑みを返しながら開放した。 その様子を見て、佐天はケラケラと笑いながら言う。 「なーんだ。もうビックリさせないで下さいよー。応援が必要な人が増えたかと思ったじゃないですか」 「悪かったにゃー。でも、さっき白井さんが言った通りぜよ。カミやんに揺さぶりをかけるのも有りだと思うんだにゃー」 「それには私も賛成です。名案だと思います。まぁ、さっきのはやり過ぎですけどね」 「お姉様にむやみやたらに抱きつこうなどお考えでしたら、この黒子が串刺しに致しますのでご覚悟下さいな」 スッと白井が金属矢数本を取り出して牽制する。 「もちろんわかってるよ、白井さん。ボクらもまだ死にたくないしね。そうやろ、つっちー?」 「もちろんだにゃー」 「じゃあ、話も一段落ついたことですし、明日新しいカップルが誕生することを祈って乾杯しませんか?」 「いいね、初春! あ、新しいジュース取ってくるよ」 そして、5人全員にジュースを回してから、佐天が音頭を取る。 「御坂さんの恋が成就することを願って! 乾杯!」 「「「「乾杯!」」」」 いよいよ明日は10人合同ハロウィンパーティ当日。 応援隊最後にして最大の作戦が幕を開ける。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある10人のハロウィンパーティ
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/ログ 26スレ目ログ ____ ________________ 26-009 我道&くまのこ(25-499) こぼれ話 10 御坂と御坂の周りの世界を守るこぼれ話 前編 26-029 謎野郎(26-026) 小ネタ どちらが不幸? 26-034 謎野郎(26-026) 小ネタ どちらが不幸?セリフver. 26-038 トワノハテ(23-319) 記憶鮮明! 9 26-045 くまのこ(17-598) 擬似恋愛【ギャルゲープレイ】 第4弾 26-054 みっことん(26-054) 小ネタ (無題) 26-060 謎野郎(26-026) 幸運な勝負 前編 26-063 くまのこ(17-598) ギャルゲー実況プレイ 第4弾 26-074 トワノハテ(23-319) VR奮闘記 1 26-079 コスモス(22-047) 小ネタ 私はこうして上琴にはまった 26-086 謎野郎(26-026) 幸運な勝負 中編 26-089 くまのこ(17-598) フェブリがくれた贈り物 26-094 我道&くまのこ(25-499) こぼれ話 11 御坂と御坂の周りの世界を守るこぼれ話 中編 26-113 トワノハテ(23-319) VR奮闘記 2 領土戦編 26-122 トワノハテ(23-319) 記憶鮮明! 10 26-132 くまのこ(17-598) 手にする為の代償は 26-143 ・・・(22-517) くっつく 8 離れない 26-151 ・・・(22-517) とりっくおあとりーと 26-158 はりねずみ(23-141) 小ネタ とある美琴のいたずら 26-162 謎野郎(26-026) 小ネタ 色んな作品を上琴に変えよう 26-165 久志(18-529) 小ネタ とある二人の十月末日 26-169 コスモス(22-047) 小ネタ 私はこうして上琴にはまった 続 両親編 26-173 謎野郎(26-026) 幸運な勝負 後編 26-177 くまのこ(17-598) 第1回 チキチキ御坂さん争奪クイズ大会 26-187 我道&くまのこ(25-499) こぼれ話 12 御坂と御坂の周りの世界を守るこぼれ話 後編 26-205 くまのこ(17-598) 私とアイツの日曜日 26-213 久志(18-529) 小ネタ とある夫婦の霜月祝日 26-229 くまのこ(17-598) 上カミコト琴ガタリ語 みことニャンコ 26-241 くまのこ(17-598) アマガミコト 26-247 久志(18-529) 小ネタ 上条夫婦が○○にお出かけです 26-263 はりねずみ(23-141) とある2人の再会秘話【プロローグ】 1 26-268 ・・・(22-517) ショッピング 26-274 くまのこ(17-598) 小ネタ 偽りだらけのラブレター 26-275 くまのこ(17-598) 小ネタ コートは一つ、体は二つ 26-276 くまのこ(17-598) 小ネタ ある平凡なカップルの朝の風景 26-284 びぃ ◆K7dCoes7VE とある二組の夫婦事情 26-303 ・・・(22-517) 育児日記 1 子守唄1 26-313 くまのこ(17-598) とある三種の恥写真集【フラグブック】 26-323 ・・・(22-517) 育児日記 2 子守唄2 26-332 はりねずみ(23-141) 学舎の園脱出作戦 1 26-342 くまのこ(17-598) 上条+ゲコ太=美琴ホイホイ×2=ツン<デレ 26-348 くまのこ(17-598) 不治の病を治す薬は 26-353 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 16 16章 帰省2日目 ただ隣りに 26-386 はりねずみ(23-141) 学舎の園脱出作戦 2 26-398 久志(18-529) 上琴歴史狂想曲 1 プロローグ~未来から来た謎の少年~ 26-405 くまのこ(17-598) 全国一斉上琴テスト 期末編 26-416 はりねずみ(23-141) 学舎の園脱出作戦 3 26-425 くまのこ(17-598) 上条の恋人作戦1224 26-435 ・・・(22-517) 小ネタ とびっきりの 26-438 ・・・(22-517) 育児日記 3 子守唄3 26-444 はりねずみ(23-141) 御坂美琴のプレゼント 26-453 久志(18-529) 大掃除でアルバム見つけちゃうというド定番から始まる上琴物語 26-460 はりねずみ(23-141) 学舎の園脱出作戦 4 26-467 はりねずみ(23-141) 小ネタ 上条美琴の年納め 26-474 くまのこ(17-598) その二人は美琴最大の敵だった 26-479 コスモス(22-047) 上琴・アート・オンライン 26-484 ソーサ(14-457) 上琴の奇妙な体験 5 26-496 ・・・(22-517) 育児日記 4 うちの子1 26-503 くまのこ(17-598) ビリビリ・エマージェンシー 26-513 はりねずみ(23-141) 学舎の園脱出作戦 5 26-522 風花(19-114) みこにゃんの日常 じゅうにっ! 能力覚醒!ぴんちにぱんちっ 26-547 くまのこ(17-598) ミニミニ当麻きゅん事件 26-561 ・・・(22-517) 育児日記 5 うちの子2 26-568 ツキサカ(15-321) 消えゆくあいつの背中を追って 4 26-579 くまのこ(17-598) 小ネタ 第六章合間 『次』の脅威は趣向が違った 26-588 ・・・(22-517) 育児日記 6 うちの子3 26-595 はりねずみ(23-141) 小ネタ 上琴昔話 26-601 くまのこ(17-598) 無料アプリにはご注意を 26-619 くまのこ(17-598) 小ネタ 鬼は内に? 26-626 くまのこ(17-598) 小ネタ 新米カップルのイチャイチャ研修録 26-628 くまのこ(17-598) 小ネタ 悪条さんの悪戯 26-639 シラボネX(26-639) 小ネタ 上条美琴のバカップル一発芸 26-643 はりねずみ(23-141) 猫耳美琴のペットな生活 1 26-651 シラボネX(26-639) 小ネタ 上条美琴のバカップル子供のあやし方 26-654 くまのこ(17-598) 最近、御坂妹のようすがちょっとおかしいんだが。 26-661 はりねずみ(23-141) 猫耳美琴のペットな生活 2 26-666 ・・・(22-517) 育児日記 7 公園デビュー1 26-673 はりねずみ(23-141) 猫耳美琴のペットな生活 3 26-679 シラボネX(26-639) 小ネタ 上条美琴バカップルでドOフのあのコントをやってみた 26-682 我道&くまのこ(25-499) 御坂ミコトの暴走~とある上条の永久夏休【エンドレスエイト】~ 26-704 くまのこ(17-598) お客様、店内でのそういったプレイはお止めください 26-719 ・・・(22-517) 小ネタ 次回は4回戦目だ 26-723 はりねずみ(23-141) 小ネタ 服が違うだけでも人って結構変わるよね 26-726 くまのこ(17-598) 本日のチュウ 26-735 26-734氏 小ネタ わたしの場所 26-737 はりねずみ(23-141) 猫耳美琴のペットな生活 4 26-741 シラボネX(26-639) 小ネタ 上条さんがメ○ルマッ○ス4をプレイして 26-746 一哉◆F/bQYgopwk(21-497) 小ネタ 上条当麻の暴走 26-759 くまのこ(17-598) 美琴のバレンタインミッション 26-764 ・・・(22-517) 小ネタ 上琴いちゃスレ!! バレンタイン!! イチャイチャ祭り!! 26-768 ましろぷーど(26-767) (無題) 26-777 はりねずみ(23-141) 小ネタ 2月14日「結局はいつもの上琴話」 26-788 一哉◆F/bQYgopwk(21-497) 恋する乙女の決戦日 26-805 くまのこ(17-598) 鳥頭なんて言わせない 26-815 ・・・(22-517) 小ネタ 甘さの秘訣 26-819 シラボネX(26-639) とある男の王道物語 26-831 はりねずみ(23-141) 小ネタ お義父様はまだ早い! 26-852 くまのこ(17-598) パパの日常はママの異常 26-888 シラボネX(26-639) 小ネタ 上条さんの不幸とラッキースケベとスルーが同時かつ極端に出た場合こんな事になりそう 26-892 くまのこ(17-598) ママの日常はパパの異常 26-902 はりねずみ(23-141) オリジナルじゃないけどママでもない! 26-907 くまのこ(17-598) 佐天の日常は美琴の異常 26-915 ・・・(22-517) 小ネタ 雛壇 26-921 一哉◆F/bQYgopwk(21-497) 携帯電話 26-937 くまのこ(17-598) 夫婦の日常は白井の異常 26-947 ・・・(22-517) 小ネタ ホワイトデーよね? 26-954 シラボネX(26-639) 小ネタ 上琴バカップル合体攻撃 26-957 くまのこ(17-598) 母親の日常は子供の異常 26-965 くまのこ(17-598) 未来の日常は上琴の異常 26-975 久志(18-529) 小ネタ もし「とある」のキャラが『心の声が聞こえるペンダント』入手したら 26-978 シラボネX(26-639) 小ネタ 箱の中身は何だろな~? 26-982 ましろぷーど(26-767) 痛くても大丈夫 26-988 はりねずみ(23-141) 彼女と居る時は携帯に気を付けよう 26-993 ・・・(22-517) 小ネタ 第一声 ▲ 編集 Back
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 御坂美琴の朝は早い。 時刻は午前五時三十分、まだ誰一人起きてはいないであろう女子寮で1人、身支度を整えていた。 半袖の白いブラウスにサマーセーター、灰色のプリッツスカート、名門常盤台中学の制服である。 肩まである茶色い髪に、愛用しているヘアピンを装着、鉄壁ガードの短パンを履き、よしっ、準備完了! 足音を立てないようにドアへと移動し、隣で眠るルームメイト(変態)を起こさぬようにそっと部屋を後にした。 こんな朝早くからどこへ何をしに行くのかというと、とある学生寮に住むとある幼馴染を起こしに行くためだ。 ―――――――――――――――とある幼馴染の超電磁砲 レールガン ―――――――――――――――― 慣れた手つきで鍵を開け、未だ眠りの中にいる幼馴染の元へと向かう。 薄暗い部屋で寝息だけが聞こえる、よく眠っているようだ。無論、すぐには起こさない、時間はたっぷりとある。 というのは美琴が早起きするのは、この寝顔を見るのが特権であり、日課であり、密かな楽しみだからである。 そうして、今日もじっくりと幼馴染の寝顔を見る。心なしか無防備なその寝顔はニヤついてるようにも見える。 (ニヤニヤしちゃって、どういう夢見てるのかしら?ほんっっっと鈍感で、フラグ体質で、ちょっとは私の気持ちに気 付いてくれてもいいと思うんだけど、バカ当麻!つついちゃえ、えいえい!) 思わず頬をつつくと、うーんと少し顔をしかめ、つんつん攻撃を回避しようと、顔をそむけようとする仕草がたまらない。 (…………ちょっと可愛いかも♪) 美琴はひとしきり寝顔を堪能すると、少々名残惜しいがエプロンを着け台所へと向かう。まさか寝顔を見る為だけに来た のではない。半分はそうなのだが、もう半分は朝食とお弁当を作るためだ。冷蔵庫の中身を確認し、献立をささっと組み立 て調理に取り掛かった。 トントントントンと子気味良い音がする。 しばらくすると美味しそうな匂いが漂い、とある幼馴染こと上条当麻の意識は急速に覚醒へと向かう。 目を開けると、ちょうど朝食を運ぶ美琴と目が合った。 「あっ、起きた?おはよっ!」 「お、おう…おはよう」 目が合った事に気恥ずかしさを覚えたが、対する美琴の方は、特に気にすることもなく朝食の準備をしているので、何故だか 負けてしまったような気がしてならない当麻だったが、そんな気持ちを誤魔化そうと、リモコンを手に取りテレビの電源を入れる。 流れるニュースをBGMに気持ちを切り替え、顔を洗いに洗面台に向かう。ちらっと美琴の方を見ると、朝食の準備は終わったよう でお弁当の盛り付けに入っている。毎朝の当たり前の光景なのだが、いい加減ひとり立ちしなければとも思う。 美琴のいる女子寮はそれはもう規則が厳しいとのことであり、朝早くから抜け出してここに来ることがそもそもダメではないのだ ろうかと言ってみたことがあるのだが、本人曰く刀夜さんと詩菜さんに面倒を任せられてる手前、アンタに何かあったら困るというこ とで暖簾に腕押し、柳に風といった具合で全く聞き入れてもらえず慣性の法則のごとくずるずると続き今日に至る。 「はぁ…なんだかなぁ」 「どうしたの?」 「いや、なんでもありません」 「そ、ほらちゃっちゃと食べて、ご飯冷めちゃうでしょ」 へいへーいと生返事をし、朝食に手を付ける。勿論、いただきますと食べる前に言うのは忘れない。 ちなみに今日の献立は、キャベツと卵を炒めたものと大根の味噌汁、晩御飯の残り物の肉じゃがである。 「ご飯おかわりいる?」 「おう、頼む」 はい、と美琴からご飯をよそった茶碗が渡され、受け取るときにたまたま指先が触れ合う。 妙に意識してしまい、心拍数は一気に跳ね上がる。それを打ち消すかのように慌てて大根の味噌汁を飲み干し、気持ちを落ち着ける。 ほんのささいな接触なのだが、上条当麻にとって美琴という存在は幼馴染以上恋人未満であり、異性であり、気になる相手であり、と にかく健全な男子高校生としては、その一挙一動に悶々としてしようがないのである。 (ぐぁぁぁあ、落ち着け落ち着くんだ落ち着くんですよ俺の心臓ーーーーー) そんな思春期特有の複雑な心境をしってかしらずか、美琴はテレビに目を向けていて、最近騒がれている爆弾魔事件をみて物騒な 世の中ね~とつぶやいているのだから、なんだか自分だけ振り回されているような気がしてならない。いや、確実に振り回されてるのだ が、そう思いたくない葛藤というのか、プライドというのかそういうものが含まれてたりするのだ。 「ごちそうさまでした」 「はい、お粗末さまでした」 食べ終わった食器を流し台へと運ぶ、作るのは美琴の役目で、洗い物は当麻がするという暗黙のルールがある。 しばらくゆったりとした時間が訪れ、時折カチャカチャと洗い物の音が聞こえてくる。特に面白いニュースもないので美琴はテレビの電源を 切り、ちらっと時計を見る、そろそろ寮に戻らないとまずい時間なのだがもう少しだけここにいたい。当麻と共有する時間が長くなればと思う。 いつまでも幼馴染以上恋人未満で満足できるわけではない。むしろ想いは募る一方で、素直になれない自分に自己嫌悪することもしば しば、けれど今の状態から一歩踏み出す勇気がないのも確かだ。付き合いが長いだけに、越えられない壁というものが出来てしまったとい うか存在するわけで、その壁をぶち壊してくれるような幼馴染では無いから苦労するのである。 (ここで帰りたくないって言えば…って帰れって言われるのがオチよね、はぁ~リアクション一つ起こした ところで、結果が目に見えてると言うのか、バカ当麻には伝わらないのよね、鈍感にも限度ってもんがあると思うわ) さらに言えばフラグ体質で、超がつく鈍感、本人は無自覚すぎるし、その度に相手をけん制し、手を伸ばす方の身にもなってほしいものだ。 無論、そんな乙女な心境をこれっぽちも知るはずもない当の本人は、お前そろそろ戻らないとまずいんじゃねーの?とそっけなく言うのだか ら、ついつい電撃をお見舞いしてしまって、素直になれない気持ちは先延ばし、思っていることと言う事はまるっきり逆になる。 「ちょっ、何を怒ってらっしゃるので美琴さん?おわっ電化製品が死ぬから!ビリビリすとっぷぅう!」 「わかってるわよ、いつ戻ろうが私の勝手でしょ!それで何?早く帰れだなんて、気が利かないにもほどがあるわよー!」 「はぁ?早く帰らないとお前、朝食の時間決まってるんじゃ?それに寮監に見つかるとまずいだろ。 えっ、違う?俺なにか地雷を踏んだ?踏みましたか?踏んだのですね?の三段活用って、ぎゃぁあああ!」 こうして今日も、幼馴染二人の日常は平和に?始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「はい、これ当麻の分のお弁当ね」 にこやかな表情でお弁当を渡すこの少女が、数分前に電撃を放っていたのとは同一人物と思えないほどの変わりようである。 非常に理不尽な話だが、電撃をお見舞いしたことですっきりしたらしい。先ほどの剣幕はどこへいったのやら、穏やかだ。 当たられた方は不幸だと思わず口に出そうになるが、口に出すとまた厄介な事になりそうなので口を噤む。口は災いの元なのだ。 寮に慌てて帰って行く美琴を玄関先で見送ると、やれやれといった感じで学生服を手に取る。美琴が帰ってから、服を着替えるのも暗黙の ルールの内の一つである。それもそのはず、上条当麻は一度失敗しているのだ。 かつて一度だけ、美琴がいる前で着替えを始めてしまったことがある。別に全裸になるわけではないし、学ラン、Tシャツ、ズボンと着るだけの 作業。それがダメだったらしい、顔を真っ赤にして、アンタ、なっ何してるのよ!アタシがいるのにちょっとは恥じらいなさいよ!とぎゃぁぁっと騒が れ、その時はまだ意識していたわけでも無く、幼少の頃に風呂にも一緒に入ったことがあるくらいのある意味、裸の付き合い?的なものがあった わけで、当麻からしてみれば肉親や妹に近いそれだったのだが、ああこいつもお年頃なんだなぁ…と再発見。 今思えば御坂美琴という幼馴染を、1人の女の子として見るようになった決定的な出来事だったかもしれない。 しばらく物思いに耽っていると、ピピッとメールの着信音、相手は勿論、美琴だ。内容は、セブンスミストで服を買うから付き合えとのこと。 断ると後が大変なので補習がなければ付き合うと返信し、そろそろ学校へ行きますかね~ってな具合で部屋を後にする。 二人の関係に微妙な変化が訪れるのは、空からふってきた少…もといベランダに干されていた少女と遭遇するところなのだが、それはまた別の機会に話すとしよう。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説 3日目 第22学区 地下市街 フレンドパーク前 御坂と上条は入り口に着いた。 普段の御坂なら、電磁波を利用して10メートル後ろで佐天と初春が後をつけている事など分かるはずなのだが、 テンパっているせいか気づいていない。 初春はさっきから唸っている。 「どしたの初春? 便秘?」 「ち、違いますよ! いや、よく考えたら打ち止めって聞いたことがあるような気がして……」 「じゃあその人も知り合いなの? 初春は何でも知ってるなぁ~」 「何でもは知りませんよ。知ってることだけです。 ここまでは出掛かってるんですけど…」 「まぁそれは後でいいんじゃない? それよりどうすんの? 盗聴器はもう使えないんでしょ?二人の会話聞けないよ?」 「それなら大丈夫です。フレンドパーク内にも盗聴器がありますから。 昨日のうちに色々仕掛けたって言ったじゃないですか。」 当たり前のようにさらっと恐ろしい事を言う初春。 さすがの佐天も若干ひいた。 夜神総一郎もこんな気分だったのだろう。 そんな事とは知らず、上条たちは中に入って行く。 受付のお姉さんにチケットを渡すと、変わりにカードを出された。 余談だが、このお姉さんも都市伝説の被害者らしく、上条を見て顔を赤くしたのだが、 隣の彼女を見て落ち込んだ。常盤台のお嬢様が相手では勝てないと思ったのだろう。 カードの中にはチップが埋め込まれているらしく、ゲームをするときに画面にかざすと100円を入れずにプレイできるようだ。 ちなみに、乗り物に乗るときは係員にカードを見せればいいらしい。 外の人間から見れば十分ハイテクなのだが、中の人間からしたら、しかもこの未来未来した第22学区ではなんとも時代遅れな代物だ。 だが上条にとってそんな事はどうでもいい。とにかくタダがうれしいのだ。文句などあるはずがない。 普段の上条はこんな所に来ない。 補習やら買い物やらで時間がないのもそうだが、基本的にお金のかかる遊びはしたくないのだ。 RPGの中でさえ「ぜになげ」はしないくらいである。 なので今日の上条は若干テンションが高い。 対して御坂は挙動不審のようである。 さっきから、もじもじそわそわふらふらキョロキョロしている。 そんな様子に気づいていないのか、上条は追い討ちをかける。 「な、なな何で手とか繋ぐわけ!!?」 「いや、結構人多いし離れたら面倒だろ?」 佐天はまたモヤが掛かった気がした。 中はわりと賑わっていた。 遊園地やゲーセン特有のガチャガチャした音や、雑踏【モブキャラ】の声が聞こえてくる。 「ひょうか!次はこのぷりくらで撮ってみるんだよ!」 「で…でもこれ以上変な格好は……」 「なー兄貴ー本当にこのUFOキャッチャー取れるのかー?」 「まかせろ!俺はゲーセン界の課長と呼ばれた男だぜい!? それに舞夏の為なら、たとえ火の中水の中草の中あの子のスカートの中だにゃー!」 「ど、どうして結標ちゃんは乗れるのに先生はダメなのですか!? 先生のほうが年上なのですぅ!!」 「だって小萌は身長足りないし……」 「何してるじゃん鉄装!! こういう所にバカは集まるから見回りはしっかりしないといけないじゃんよー!」 「ま、待ってください黄泉川先生! せめて一回だけ! 1プレイだけストⅣやらせてください!!」 「あれー? なにコレ。イチゴ味? 頼んでたのと違うんだけどな~?」 「さすが浜面。超使えないです。」 「いや、ねーから! シャケ味のアイスとか売ってねーから!!」 「大丈夫。私は役に立たなくてもはまづらを応援してる。」 「うわ~い! 今度はアレをやってみたい、ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」 「ウロチョロすンじゃねェクソガキィ! ちゃンと手ェ繋いでねェと迷子になンだろォがァァ!!」 「キャハハハ! じゃあ代わりにミサカが第一位と腕を組んであげるよ。」 最近のモブキャラは随分個性的な様で……ていうか平気かここ? 一触即発っぽいメンバーがうようよしているのだが。 しかし上条も御坂も他の連中も、どうやら気づいていないようだ。 もはや奇跡である。 学園都市の技術は外に比べ20年は進んでいるが、なぜかゲームはレトロな物が多い。 上条は15年以上前のゲームを指差した。 「コレやってみよーぜ!面白そうだし!」 「ふぇ?……あ、あぁうん……」 御坂はまだドキドキしているらしく、何だか生返事だった。 そんな事とは知らず、上条は 「どうかしたのか? あ、ひょっとして負けるのが怖いのか~?」 などと要らん事を言う。 御坂も御坂で、 「な! そんなわけないでしょ!? アンタに負けるなんてありえないし!!」 と、言い返した。 少しいつもの御坂に戻ったかな?と、さらに上条は挑発する。 「いやいや、無理しなくてもいいんですよ? プライドをズタズタにされたくなければ尻尾巻いて逃げたって……」 言いかけて上条はハッとした。 どうやらやりすぎたようだ。 御坂からなにやら、ゴゴゴゴと音がする。 そして御坂は指を突きつけこう言った。 「いいわよ! 受けて立とうじゃない! その代わりに負けた方は罰ゲームだからね!!勝った方の言う事何でも聞くんだから!!」 上条は激しく後悔した。 勝負は三本勝負。3つのゲームで戦い、先に二本取った方の勝利だ。 「つーか御坂。能力使ってズルすんなよ?」 「しないわよそんな事! アンタこそ『負けたのは不幸のせいでした』なんて言い訳しないでよね!!」 両者の間でバチバチと火花が散る。 ちなみにこれは比喩表現であって、御坂の能力ではない。 第1ラウンド モンスター系格闘ゲーム ……ファイ デモンクレイドル ジゴクヲアジワエ…… ……ズッダーン ドッカーン オバーチャーン ウエーンウエーン…… 上条 WIN! 「はっはっはー! まずは一勝!」 「く…なによ最後の! でっかい猟師2人も出して! 卑怯じゃない!!」 「…そういう技だし…」 第2ラウンド 同じ色4つで消える系パズルゲーム ……イテ ヤッタナー ゲゲゲ…… ……エイ ファイヤー アイスストーム ダイヤキュート…… 御坂 WIN! 「うぅ…俺の大連鎖が……」 「でかいの一発狙おうとするからでしょ? せめて相殺用の中連鎖くらい用意しときなさいよ。」 「ていうか、頭を使うゲームで上条さんが勝てるわけがありません!」 「威張るな!!」 次のゲームで勝負がつく。泣いても笑ってもラストだ。 だがどうにも嫌な予感がする。こんなときこそ不幸が発動するのが上条だ。 しかも不幸を負けた原因にするなと釘を刺されている。 負ければ罰ゲーム。絶対にめんどくさいこと請け合いだ (神様、仏様、デンデ様! なにとぞ今だけは力を貸して下さい!!) 敬虔な十字教徒でもないくせに、こんな時だけ神頼みする日本人丸出しの上条。 アーメン・ハレルヤ・ピーナツバターだ。 最終ラウンド 太鼓を叩いて達人になる系リズムゲーム ……キョクヲエラブドン…… ……キーミーガーイタナーツーハートオイーユーメーノナカーーアーー…… いい勝負だが、僅かに上条の方の点数が高い。しかもここから上条の得意な、黄色の連打ゾーンが来る。 さらに点差を広げてやる!と、意気込んだ所で先程の嫌な予感が的中した。 変に力が入ったのか、手がすべりバチを落としてしまう。 慌てて拾う上条だがもう遅い。数秒のタイムロスなど音ゲーでは致命的だ。 もう取り返しのつかないほど点差が開いていた。もちろん逆転されて。 折角の祈りも天には届かなかった。 神も仏も、立川のアパートでバカンスを楽しんでいるのかもしれない。 そうでなくても神の加護など、自分の右手で粉砕・玉砕・大喝采しているだろうに。 この瞬間、上条が罰ゲームを受ける事が確定した。 御坂 WIN! そんな様子を見守る【のぞく】影が二つ。 「うーん…なんかこう…もっとこういい感じになりませんかね?」 「そうだねー…最初は良かったんだけど、途中から普通の友達っぽくなっちゃったね。 あんまりカップルっぽくないっていうか……」 「ボッスンとヒメコのデートを見てるみたいです……」 「でもまぁここからじゃない? 上条さんが罰ゲームを受けるわけだし、 何でも言う事聞かなきゃいけないわけだしね。」 「何でもって……ぬっふぇ!!? まま…まさか御坂さん!!」 「…何を想像してるのかは知らないけど、そこまではいかないでしょ。御坂さん、意外と奥手っぽいし。」 上条はビクビクしていた。さっきから御坂が不気味なほど沈黙している。 きっととんでもない事を要求されるに違いない。 あらゆる最悪な可能性を覚悟する上条だが、御坂が口にしたのはわりと呆気ないものだった。 「…名前……」 「え…?な、なんでせう……?」 「あたしの事、これから先…な、な、名前で呼びなさいよ!!!」 キョトンとする上条。初春達はおお!と、盛り上がっている。 この一歩は周りからは見れば小さな一歩だが、御坂にとっては偉大な一歩である。 「あー…何だ。 そんなことでいいのか? つーかお前だって俺の事『アンタ』って呼んでるだろ。」 「あ、あたしはいいのよ!勝ったんだから!」 本当は御坂も「当麻」と呼びたい所だが、そんなことをしたら確実に漏電する。すでにギリギリなのだから。 今この幸せな時間を、気絶なんかしたら勿体無い。 上条は頭をぽりぽり掻いた。気負っていたわりには(上条にとっては)あまりにも拍子抜けな罰である。 「じゃー、次は何する?…《美琴》」 「~~~~~!!!」 言葉にならないほどうれしい御坂。 その様子を見ていた佐天はボソリとつぶやいた。 「……もう帰ろうか初春。」 「ええ!? これから面白くなりそうなのにですか!?」 「さすがにこれ以上は悪いしさ。」 「…そうですね。後は若いお二人に任せますか。」 「あはは! あたし達の方が若いって!」 軽口を叩く佐天だが、心の中は益々ざわついていた。 あんなにうれしそうな御坂を見て、なんだかんだで楽しんでいる上条を見て、 胸がギュッと締め付けられ苦しくなる。 何故かは分からないが、ここから離れたかった。 この感情は何なのだろう………? 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/わたしのヒーロー 3.素直な自分として過ごせる日々 今日もアイツを待ち伏せ、出会う。 当麻「げっ…ビリビリ…」 美琴「ビリビリ言うな!御坂美琴って素敵な名前があるんだから覚えなさいよ! アンタ!レベル0なんですってね! なんでレベル0なのにそんなに強いのか説明しなさいよ!」 当麻「うっ…(なんで俺がレベル0だって知ってる…いつものハッタリがばれたか?) お…俺はレベル6だぞ?(キリッ!」 美琴「嘘ね!わたし、ちゃーんと知ってるんだから~。ニヒヒ。 とりあえず、今日の新技くらいなさい! 電磁力で加速してそのままビリビリ帯電キーック!」 当麻「うわーーー!あぶねえな。そのスピードでビリビリ付きの蹴りくらったら 病院送りどころじゃすまねえぞ!?」 美琴「ふん!レベル6なんじゃないの!?それにどうせいつもみたいに 効かないんでしょうが!わたしの相手しろーーーっ!」 当麻「(う、めんどくせえ。とりあえず、ハッタリかましとこ)キリッ! 俺が本気だせばお前のビリビリを永久に封じることもできるんだぜ?」 美琴「えっ…(びくぅとした表示になって) わたしのこの数年間の血のにじむような努力の結晶が消えてしまう? 将来への夢もいっしょに…嘘…いや…それだけはやめて…」 当麻「えーっと…もしもしー。御坂さん?突然泣かれても上条さん困っちゃうんですけど… あはは…参ったなこりゃ。泣かれちゃうと、こっちも悲しくなってくる。 そういう顔はみたくないな。 いつもみたいに怒ったり、高笑いしてるほうがお前らしいぜ?なあ」 美琴「ひぐっ…え?今、御坂さんっていった?(ビリビリから格上げ?うれしいかも… それに今の駄々っ子をあやす困ったような優しい顔、 癒されたな…ドキっとしちゃったかも?)」 当麻「なんだ…こいつ。突然、赤くなってニコニコしだしたぞ。大丈夫か? (あ…でも、いつも怒ってこっちを睨み付けているガラの悪い顔か、 不敵な笑みか高笑いカマすそんな顔しかみたことなかったけど ちゃんとした笑顔初めてみたな。意外とかわいいかも?ドキドキ!)」 美琴「あ!そうだ!アンタやっとわたしの名前覚えたわね? よかったらわたしの友達にしてあげてもいいわよ! この美琴センセーの友人様になれるなんて、またとない光栄なことなんだからね? じゃ手始めに携帯番号をば…」 当麻「で、ビリビリよぉ。俺はせっかく名前おぼえてやったのに なんでお前はアンタって呼び方のままなわけ?」 美琴「あーーーっ!またビリビリに戻ってる(ガックシ)うっさいわね… アンタはアンタよ。(ほんとは当麻ってよびたいけど、 いきなり親しすぎる気もするし、年上だからさんか君づけしたほうがいいかな? いやいやアンタはわたしの友達になる資格があるんだから わたしは親しみをこめて呼びたい。でも気恥ずかしい… 上条当麻ってフルネームで呼ぶ?それも変だ。 えーい!やっぱアンタでいいや!)」 と、当麻の呼び方をあーでもない、こーでもないと考えているうちにアイツは消えていた。 ちょーっ!どこいったのよ! その微笑ましげなやり取りを、横から見ていた者たちがいる。初春と佐天である。 初春「これは要チェックです!」 佐天「あの…あのあたしたちといるときは、イケメンぶり発揮しまくり、 お姉さまオーラ全開の御坂さんが… 怒ったり、わめきちらしたり、泣いちゃったり…まるでキャラが違う! 極めつけは泣いたあとの笑顔!白井さんがベタボレになるのもわかるわ~。」 初春「御坂さんていつもクールビューティか熱血してるかのイメージしかなかったですが、 あんなかわいい一面もあったんですね。びっくりです。」 佐天「それより、御坂さんをあんな丸裸にしちゃうあの人は何者なんだろう?」 初春「御坂さんとわたりあっていたから、きっとレベル5なんでしょうね。」 佐天「あーあ、レベル5か。うらやましいなあ、二人とも… ん?そういえば、御坂さんわたしの友達にしてやる!って言ってたよね?」 初春「どうみても、既にお友達な雰囲気にしか見えなかったですけど、 まるでジャレているようにも見えなかったというか。」 佐天「まさか…御坂さん…恋しちゃってます? これはおもしろいことになってきたかも!?うひひひ」 場面は美琴に戻る。 あう。今日もお友達になる作戦失敗。携帯番号くらい聞きたいなあ。 気分を取り直して、マンガでも立ち読みに行こう。 マンガなんて読むとアホになると先生に言われて 自分に厳しく生きていこう!と決めた幼少の日から読むのをやめていた。 思えば小学生の頃は、マンガは一冊も読んだことがない。 こういうところも、わたしとみんなの間に壁を作ってしまって 疎外感が生まれていた原因なのかもしれないな… レベル5に達してしまったこと、そしてレベル6は到達不可能という現実。 そして、本当にわかりあえる、心を許せるような友人とめぐり合えないこと。 表面的には、まわりは「お姉さま」「御坂様」と慕ってくれては いるけど、わたしが求めているのはそういう関係じゃない。 生まれついてのカリスマ性がそうさせてしまうのかな?(って自分でいうな) そう思って、男みたいな汚い言葉遣いや、普段のガサツな態度もその裏返しで わざと自分を下げてみたりもしてるけれど、 それも逆効果で「イケメンぶりが素敵です。」 「ちょっと不良っぽいところもまた・・・(ポッ)」 とこのような展開になってしまう。 女の子ってちょっとワルっぽいヤツが好きって本当なのね。 あしたから、ブリブリのキャラになろうかな。 「当麻おにいちゃ~ん、美琴たん、会えなくてさびしかったんだから… うるうる…」あー!!!!ダメだ、こんなのわたしのキャラじゃない! と、もろもろと悩みを抱える思春期なわけで、いろいろ疲れている。 でも、自分はレベル5。まわりの期待に答えなくてはならない 存在だから、弱みは見せられない。 自販機に蹴りを入れてしまうのもそんなストレスのはけ口かもしれない。 勉強も小学生のときほど身が入らず、ゲームセンターに入り浸ったり、 マンガにはまるようになった。 こんなお姉さまキャラになるために、 いろいろ頑張ってきたわけじゃないんだけどな・・・ さ!マンガでもよんでリフレッシュしよっと! マンガは先生方がすすめてくる活字の本より、ストーリーは幼稚かもしれないが、 キャラクターがラブリーだ。特にこのゲコ太…最高! ゲコ太にであってからマンガの立ち読みはわたしの重要な趣味の一つになった。 幼かったあの日に失ったものを取り戻すかのように、 わたしはマンガのキャラクターに夢中になった。 黒子に「お姉さま、少女趣味すぎませんこと?」 とよくジト目でつっこまれることがあるが、 かわいいものはかわいい。 とある人気漫画のキャラクターがかっこよくて最近のお気に入り。 ドラドラボール。主人公の必殺技が自分の決め技であり、 通り名でもある超電磁砲にソックリで親近感を覚える。 実はこの作品、学園都市に入学する前にみたことがある。 いまだに連載してるんだ。と、感心。 昔みたときは、主人公は幼くてヒロインの女の子よりずっと小さかった記憶がある。 それがこの掲載号ではなんと!結婚してしまったのだ。 ヒロインだと思っていた子ではなく、これも昔ちょっと見たことのある 脇役っぽい女の子と結婚していた。 この主人公、髪型がツンツンヘアーである。 あ…これって、アイツの髪型に似てるかも…。 新婚の二人は空を飛んでアツアツの雰囲気。 主人公がアイツで、このお嫁さんはわたし… そこで、美琴の妄想癖が爆発した。 当麻「お前があんときの子だって、最初あった時は全然わからなかったぞ。」 美琴「なんでこんな美少女のこと忘れるのかしら?死刑よ!死刑!」 当麻「はっはっは。あんときは、お前チンチクリンのガキだったもんな。」 美琴「何よ!アンタもでしょうが!」 当麻「わりぃわりぃ。結婚ってうまい食いモンのことかとおもって もらえるならもらっとこうと思って、適当に返事しちまったこと覚えてる。」 美琴「え…そんな…結婚の意味もわからないのにわたしといっしょになったの?」 当麻「ちげぇよ。今のおれは結婚の意味、ちゃんとわかってんよ。」 美琴「良かった…。じゃぁ今のわたしのことどう思う?」 当麻「拳を交えれば、相手がどんな奴だかわかる。お前は熱いハートをもってる。 腕っぷしも強いけど、心の強さの方に正直たまげたな! 頑張り屋さんで、正義感、責任感が強くて・・・ 自分を犠牲にしてでも他人のことを優先してしまう優しすぎる人間。 そんな奴といっしょになれて幸せじゃないなんて言ったら罰があたるな。ははは」 美琴「そんな…ちょっと買いかぶりすぎかな? でも、アンタが昔と変わってない真っ直ぐなやつで安心したよ。 背は高くなったけどね。あの時からもう心に決めてたんだから…」 当麻「うーんっと…でも、お前は昔と変わったな。」 美琴「えっ…?」 当麻「いやぁ、見違えたというか。う・・・うん、そういうことだ。言わせるなよ…(赤くなる)」 美琴「嬉しい…当麻ぁ…一生、わたしはあなたのものよ…」 空中でデートを心から楽しむ二人であった。 エヘヘヘ…空中デート、ロマンチック… コンビニの店員が怪訝そうな顔でこっちをみているような気がしたが、 この幸せな気分にもう少し浸っていたかったので無視。が、しかし… なんと!佐天さんと初春さんが横でニヤニヤしているのに気づいて、 顔から火が出そうになる。ちょっ!いつからそこにいたの!? 外にいる人もこっちを振り向くくらいにでかい声で絶叫してしまう。 自分はかなり恥ずかしい緩んだ表情していたに違いない。 佐天「ちょっとー。御坂さん、どうしたんですか?顔赤いですよ(笑)」 美琴「な…何いってんのよ!今日、暑いわね~」 なんだかいつもと違って冷静な思考ができない!なんでよー!!! 佐天「え?店内クーラーガンガン効いてますけど」 美琴「えっ…そ、そうね。おかしいなぁ。わたしのとこだけ風こないのかな、アハハ…」 佐天「あらら、そのマンガ、ドラドラボールですね。今週号あたしも見ましたけど、 主人公、結婚しちゃうんですよね。ビックリしました。」 初春「あ、この主人公ってそういえば、さっきの公園で御坂さんといっしょに いた人にかなり似てますね。」 美琴「アンタたち、あの公園の一件みてたの!?」 元に戻った顔がまたカァーッと赤面する。 佐天「ハハーン…この主人公ねぇ。どうしてさっきから御坂さんが幸せそうな 顔してたかわかったような気がします。ふふっ。」 御坂「ど…どういう意味かしら~~~???」 もうこの場から逃げたい。人一倍、羞恥心が強い性格な為、 頭から湯気がでそうなほど顔が熱くなってきている。 電磁力ダッシュで飛び出そうと思ったが、 それではまわりの商品がメチャメチャになりそうなのでやめた。 美琴「はーぁっ…あのやり取り見られちゃったか。 あの時のわたしってアンタたちがいつも見てるわたしとちょっと違ったかもね…」 初春「いや…ちょっとどころというか…すごいかわいい一面みちゃった気がします!」 美琴「え?かわいい?」 かわいいなんて、ナンパ師以外から言われたの超ひさしぶり。 女の子からじゃなくてアイツにも、そんなふうに言われてみたいかも?エヘヘ… 佐天「もしもーし。どこいっちゃったんですかー??? でも、御坂さんの素顔って実はあっちのほうなのかもしれませんね。 何かに対する責任感や、使命感みたいのがあって、 それが周りに壁をつくったりしてるのかな? そんなふうにしてると疲れちゃいますよね。楽にしてくださいよ。 そうだ、あたしたちにもあんな風に接してくれるとうれしいなあ。」 美琴「…(佐天さんって実はすごい子よね。うちの盛夏祭にきた時も、 なんでもできちゃうこのわたしより刺繍がうまかった気がするし、 今もちょっと心の中、のぞかれた気がする… レベル0なんて、努力しないで遊んでるバカなやつって 軽蔑してたこともあるけど、気になるアイツもレベル0だし。 認識が改められるわ、ホント…) うーん、でも、わたしはアンタたちより先輩だし。 やっぱり頼りになるアネゴポジションでいたいかな…」 佐天「そうですか…でも!白井さんのこと黒子!ってよんでますよね。 すぐにジャレあう仲にとはいかないかもしれないけど… 手始めに初春とあたしをファーストネームでよんでください! いつか、御坂さんがほんとに心を許してくれるのを待ってるんですから!」 美琴「あ…ありがとう(じーんと涙目)そうね!じゃあ、涙子、飾利! 今度からそう呼ぶね!」 初春「よろしくお願いします!あ、でも今の笑顔かわいかったです!」 佐天「うんうん、かわいいのぅ。」 美琴「ちょろっとー。年上をからかうもんじゃないわよ!」 佐天「でも、あの男の人には、自分から友達にしてやる!っていきまいてましたよね。 妬けちゃうなあ(ニヤニヤ)年上趣味なんですね。御坂さんって! やっぱ、同年代や年下には御坂さんと対等につきあえる 器をもった人っていないんだな。きっと」 美琴「ちちち、違うって。アイツはバカなくせに、キザでかっこつけで ふざけた態度で人を馬鹿にして、金にいじきたなくって おせっかいで、強くて、優しくて、あれれ?とにかくムカツクのよ!」 早口でまくしたてたが、なんかフシギな感情がわいてきて 最後のほうは正常な思考ができなくて変なこと口走ってしまった。やばい! 初春「最後のほう褒めてません?」 佐天「ふふーん。まぁ、いいでしょう。ツンデレごちそう様でした。」 美琴「ツンデレって…あの木山先生もそんなこといってたわね… それって、冷たい態度とってるけど、実は好きってやつよね。 でも、本当にアイツとはなんでもないんだから! ちゃんと話もしたことがないくらいだし… だから、アイツがどんなやつかよく知らない。 優しくて強いやつだっていうのはわかるけど、 実はド変態の浮気野郎とかかもしれないし、それだったら許せない! だいいち、向こうもわたしのこと、気にも留めていないみたいだし… 何回も名前で呼べっていってるのにビリビリ中学生!とかふざけた呼び方。」 佐天「ふーん、まだその程度の仲かー。 でもでも!御坂さんって男嫌いだと思ってたのに、 あの人だけには気を許してますよね。あーーー、一途な御坂さんかわいい!」 初春「お嬢様の恋物語。憧れです~。」 御坂「もーーーー!!!そんなんじゃないって!!!」 こうして、彼女たちとの絆も深まった。アイツとの距離は縮まったのかな… とにかく、楽しい一日だった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/わたしのヒーロー
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説 1日目 「新しい都市伝説ですよ!」 その日は珍しく風紀委員の仕事もなく、4人は久しぶりに遊ぶこととなった。 例のファミレスに入り、「とりあえずビール」的な感覚でドリンクバーを注文した矢先に、佐天が話をふってきた。 「佐天さん…貴方まだそんなものにお熱でしたの?」 「フッフッフ…今回のネタは信憑性高いんですよ!うちの学校でも実体験した人結構いるんですから!」 若干あきれる白井に対して佐天は興奮気味に答えた。 「それで?どんな噂なの?」 基本的に好奇心の高い御坂はこういった話はわりと嫌いではない。 だがこのわずか数十分後、「あのとき、くいつかないで別の話題をふっとけば良かった」と彼女は後悔することになる。 「おっさすが御坂さん!ノリがいいですねー!実はこの辺りの女の子が次々に 助けられる っていう事件が増えてるんですよ!」 「?? 襲われるんじゃなくて?」 学園都市の治安はお世辞にもあまり良いとはいえない。 スキルアウトの能力者狩りや強盗。置き去り。違法な人体実験などの噂も絶えない。 (もっともそういったものから一般市民を守るために風紀委員や警備員がいるのだが、風紀委員第177支部は今日お休みである。) 当然「襲われる」事件はよく耳にするが、「助けられる」事件?というのは聞いたことがない。 「そのことについては私から説明します。」 初春は持参した小型のノートパソコンを立ち上げながら話しだした。 ちなみにその前にはいつの間にか注文していつの間にか空になったジャンボパフェの容器【なきがら】が置いてあるが、もはや誰もツッコもうとはしない。 「白井さんは知ってると思いますがここ最近、第7学区の犯罪数が減少してきてますよね。」 「まぁ…おかげ様でこのようにお暇をもらっている訳ですし…」 「でも実際には犯罪数そのものはあまり変化はしていないんです。ただ何者かが風紀委員に連絡を入れる前に事件を解決しているらしいんですよ…っとこれですね。」 初春はノートパソコンをみんなに見えるように向けた。 画面は幻想御手事件のときに見た都市伝説に関するホームページ。そこには 『 不 幸 な 王 子 様 』 というふざけた幻想のようなタイトルとその内容が書かれていた。 「お…王子様…ですの?子供っぽいというか…メルヘンチックというか…正直首筋が痒くなってきそうなタイトルですの…」 「まあまあ、それには理由があるんですよ!ココです!」 佐天は画面上にある内容の部分を指でさしながら得意げに話しだした。 この子はいつでもテンションが高いなぁ。 「その人はどこからともなく現れて、困っている女の子を助けちゃう。ていうのはさっき言いましたよね。 で、王子様の由来なんですけど、助けられた女の子は高い確率でその人のこと好きになっちゃいらしいんです。 ほら、ちっちゃいころってピンチのときに王子様が助けてくれてそのまま恋に堕ちる…な~んて憧れたじゃないですか。 そのシチュエーションと重なって、そう呼ばれ始めたみたいですよ? …まぁ今時王子様ってどうよ。って思わなくもないですけどね。」 佐天の最後の言葉に「好きなタイプは白馬に乗った王子様」を地で行く、頭の上も中身もお花畑な初春は軽くショックを受けた。 「悪いことではありませんが、初春が言うには本来風紀委員が出動するような危険な現場にも首を突っ込んでいるのですわよね。 怪我をする前に、そのお方には厳重注意しなければなりませんと。」 「ね、ねぇ佐天さん?その『王子様』の部分はわかったんだけど…その、ふ、『不幸な』ってどうゆう意味なの…?」 御坂はものすごく嫌な予感がしていた。 都市伝説の内容にハンパないデジャブを感じるし、「不幸」という単語にも聞き覚えがありすぎる。 「あぁ、別にそこはたいした理由じゃないんですよ。ただその人口癖でよく 『不幸だぁー!』って叫ぶらしいのでそこからついたみたいです。」 99%の予感は100%の確信へと変わった。 世界広しといえどそんな口癖を言うやつは『アイツ』しかいない。他にいてたまるか。 (あ・の・バカ!なに噂になってるのよ! どんだけフラグ建てれば気がすむのよ! そんなに女にモテたいわけ!? だったら何であたしのことはいつもスルーすんだゴルァー!!) と、頭に浮かんだ『アイツ』に向かって理不尽な怒りを撒き散らす御坂。 本人に代わってあえて言ってあげよう。不幸であると。 ちなみに彼の名誉のために言っておくが、彼はモテたくて女性を助けている訳じゃない。 単純に男女関係なく(といってもなぜか圧倒的に女性が多いが)困っている人を助けているだけなのだ。 さらに不幸を呼び寄せる彼の体質によって、他人の不幸に巻き込まれることも度々ある。 つまり 不幸発動→巻き込まれる→誰かが困っている→助ける という連鎖を何度も繰り返すうちに 『不幸の王子様』という恥ずかしい称号を承っちまったのである。 仕方ないさ、十何連鎖もすればおじゃまぷよだって王冠ぷよに進化する。 まぁ彼はまだこのことを知らないのだが… 「…ぇ様。聞いていますの?お姉様。」 「ぅえ!?…な、なに!?」 白井に話しかけられているのに気づき、御坂はあわてて返事をする。 「どうかなさいましたの?ご気分が優れないようでしたら黒子が人間ベットとなって …ハァハァ…お姉様を抱擁しつつアビャビャビャビャ!!!!ウボァー!!」 みことの10まんボルト こうかはばつぐんだ! ……おや!? くろこのようすが…… おめでとう! くろこは まっくろこに しんかした! 「あの…本当に大丈夫なんですか…?」 「平気よ初春さん。これくらいいつも慣れてるから。」 「いえ白井さんではなくてですね…(いや白井さんも十分心配なんですけど)」 「そうですよ!なんか変でしたよ?御坂さん。ぶつぶつ言ってると思ったら急に顔が赤くなったり。」 「え、エェーー!?さ、佐て天さんまでへんなこといわないデヨー! 別に?あたし?さっきまでと?かわんないし? …いやーそれにしても今日はいい天気ねぇ…」 ひょっとして今のは誤魔化したつもりなのだろうか。 佐天と初春は(絶対)(何かある)とアイコンタクトして、「「ナンダーナニモナインデスカー。ヨカッタヨカッタ。」」と あえてゆさぶりをかけず、とりあえず誤魔化されてみた。ちなみに今日は曇っている。 御坂としても言える訳がない。 頭に浮かんだ『アイツ』に向かって怒りを撒き散らした後、 ひともんちゃくあって仲直りし、 すったもんだあって付き合うようになり、 なんやかんやあって結婚することとなり、 あれがなにして子供に恵まれるところまで妄想していたなどと、言える訳がない。 余談だが御坂曰く、3人目の子供が生まれるときに、白井の「…ぇ様。」が聞こえてきたらしい。 しらんがな。 そんな御坂の様子を、復活した白井はちらりと横目で見て、色々と察したらしく、 「あぁ…例の王子様とやらはあの類人猿ですの… と、ぼそりとつぶやき …………………………チッ!!!」 と、盛大に舌打ちした。 「ぇえ!?白井さん王子様の知り合いなんですか!?」 「えぇまぁ…非っっっ情に不本意ながら知り合いと呼べなくもなくもなくもないですわ。」 「…てことは…」 「御坂さんも…」 「「ですか!?」」 ここぞとばかりに、佐天と初春はふたり同時にゆさぶりをかけた。質問攻め【じんもん】開始。 余談だが御坂曰く、このときのふたりは青くトガった弁護士に見えたらしい。 しらんがな。 御坂は明後日の方角を見ながらわざとらしく鼻歌を歌っている。 LEVEL5は頭がいいはずなので、これは御坂の心理戦略か、もしくは超天然なのだろう。 しかし知り合いの話をするのにここまで拒むだろうか。 ひょっとして何か弱みでも握られてるんじゃないだろうかと初春は心配になってくる。 御坂本人としては『アイツ』の話をして、先ほどの未来予想図【もうそう】をポロっと喋るのを懼れているだけなのだが… 初春とは対照的に佐天はイライラしていた。 「あーもー白井さん!その王子様ってどんな人なんですか!?」 シビレを切らした佐天は御坂をあきらめ白井に話をふった。 計画通り!!……なのだろうか。 「どんな…と言われましても髪型以外はパッとしませんわねぇ…それに王子と言うより類人猿ですの。」 「る、るいじん…?さっきも言ってましたけど何なんですかそれ。 王子で猿で髪型に特徴って…きたねぇ花火を打ち上げる人ですか?」 「いいえ、戦闘力はせいぜい4か5程度…ヤムチャ位しか倒せませんの。 そうですわね、口で説明するより…初春、ちょっとカミジョーさんという方を調べてくださいな。」 「はぁ…カミジョーs あ、でました。」 「早っ!…ってこのひとLEVEL0ですよ!?」 ノートパソコンのディスプレイにはとある高校の生徒情報が写し出されていた。 (本来、一般生徒にはアクセスできないはすなのだが、初春にとってはググる程度の作業と大差ないようだ。) そこには 上条当麻 LEVEL0 と書かれていた。 「う~ん意外ですね。都市伝説になるくらいですからてっきりLEVEL7はあるかと思ってました。」 「それでは『脱ぎ女』の木山先生もLEVEL7ですわね。あと13上がれば賢者に転職できますわ。 …どうしましたの初春。なにやら難しい顔して。」 「…この人どこかで…あ!思い出しました!連続虚空爆破事件のときセブンスミストにいた人です!」 「えー初春も知ってるの?あたしだけかー会ったことないの。」 「…アレ?…あたし会ったことあるって言ったっ…け…?」 誰だってわかります(わ)よ 3人は心の中で同じタイミング、同じ言葉でツッコんだ。 「じゃあ今度は御坂さんから聞きましょうか。」 「そうだね。この上条…え~と当麻さんてどんな人なんですか? もう誤魔化せませんからね。さっき、会ったことあるって認めたんですから!」 「ど…どんな…別に…ふ…普通よ…」 御坂の歯切れの悪い答えに、このふたりが納得するはずもなかった。 だって普通の訳ないもの。 顔真っ赤だもの。 なんかもじもじしてるもの。 まさかの大当たり。ふたりは内心ニヤリとした。 女子中学生にとって友人の恋愛話ほど面白いものはない。 この後御坂は、下校時間になるまで二度目の質問攻め【じんもん】されることとなる。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/壊れかけの超電磁砲 御坂がこんなに可愛いわけがない アイツとの生活が始まる前の私はひどかった。アイツを考えるだけで頭の中が真っ白になるし 男子高校生にスキルアウトから助けてもらったという後輩の話を聞いただけでその後輩を妬んでしまい、 黒子が「あの類人猿め」と呟いたら 「何?アイツと会ったの?どこで!?教えて!!」 と恐喝するように情報を求めてしまったりと精神的にもおかしかった。 アイツのことを考えるだけで理性が吹っ飛ぶといっても過言ではない。 そんな時期に能力開発テストがあり、結果はボロボロ。心配した教師たちは何かの間違いだろうと 口を揃えて言ったが寮監だけは違った。 「御坂、お前何か悩みがあるな?ごまかそうとしても無駄だぞ」 この人に前から思っていたが嘘は通じない。もう胸に引っかかっている事全て寮監にぶちまけた。すると寮監は 「ふむ、お前が悩んでいる事は今回の開発テストの結果が優れなかった事と大きく関係しているな」 「え?」 「可愛い恋愛感情なら開発テストの結果など落ちん。でもお前のその感情は莫大にでかすぎる」 「はあ・・・」 「恐らく「自分だけの現実」が崩れている可能性がある。しかもお前のその「思い人」がお前の 「自分だけの現実」の大きな一部となっている可能性も高い」 図星をついていると私は思った。そこまで私を普段から見ていたなんて・・・ 「では私から学長に言っておこう。お前の「自分だけの現実」のために」 それからの常盤台の行動は早かった。上条当麻の確実な確保、生活の保障、それに私自身の解決策、 常盤台が出した最善の解決案は 「御坂美琴の「自分だけの現実」を取り戻すために上条当麻と御坂美琴が恋人になることが一番早い解決策」 と断定。 他には「上条当麻との生活によって元に戻るのをただ待つのみ」 これが大人の考える最善案なのか・・・ でもこのことは誰にも口外してはいけないと言われた。 「ねえ黒子、こんな事態になったけど・・・どうしよう?」 「お姉さまの悩みは黒子の悩み。私のことは気にせずゆっくりしてきてくださいな?」 「ごめんね黒子・・・初春さんと佐天さんにも伝えておいて」 黒子にはしばらく療養が必要になったと言ってごまかしたが頭の良いこの子のことだがら 何かしら感づいているかもしれない。 そして当日、トランクに必要な荷物を入れ、言われたマンションに向かった。 玄関先にはアイツが・・・どうしよう、何て説明すればいいか・・・説明も何も、 「アンタが好きでどうしようもなくなったからこんな事態になったのよ!」 なんて言えない・・・ もうどうにでもなれ!!チャイムを押した。数秒すると当然アイツが出てきた。 (うぅ・・・目の前になると緊張して何も言えないしできない///) 私の様子が変だと気づいたアイツは気遣ってくれたのだろうか、トランクを持ってくれた。 その優しさがたまらない程嬉しい。 「ほら、この部屋にあるもの好きに使っていいらしいから座って話そうぜ?」 「・・・・・・・・・うん」 事情を説明してほしいのはアイツも当然のこと。でも正直になんて言えない。どうやって 誤魔化し、しかもちょっと気づいてくれそうに説明しようか・・・ 必死に考えていたら・・・ 「??」 アイツが私の様子を伺うように見ていた。その視線と目が合った。 「っ・・・・・・」 視線が合うだけで私の体の中に電流が走ったように何かが流れる。体がとても熱い。溢れてきそうな何かを 抑えようとしても抑えきれない。 「み、御坂!?」 アイツは私の頭に手を乗せようとしてきた。大好きなアイツとアイツの右手。でも私の心とは逆の行動をとってしまう。 「嫌!離して!」 「バカ!ここで手を離したら部屋がめちゃくちゃになっちまうぞ?」 そうか・・・私漏電していたんだ。だから右手を・・・ 「ごめん」 「謝るなって、「自分だけの現実」が回復するまで俺とここで生活しないといけないんだぞ? そう考えたら早く治したいだろ?少しの辛抱だから頑張れ御坂!」 「・・・・・・・・・・・・」 いつもこれだ。自分のことを棚にあげず相手のことを心配してくれる。それに今は私だけを見てくれている。 でも「自分だけの現実」が回復するまで俺とここで生活しないといけないんだぞ? って私がアンタといることが嫌だと思っているの?そんなことないのに・・・ 違うと否定したいけど声が出ず、変わりに涙が出てきそうになった。 それからというもの、アイツは恐いくらい優しすぎて何でも私のおねだりを聞いてくれる。 「自分だけの現実」が崩れてよかったかもと我ながらとんでもない事を思う。 でもこれが幻想なのかもしれないと恐怖も感じる。 夢なら覚めてもいいや、これが現実ならこのままでいい。とふっきれた。 アイツの腕に抱きついても 「落ち着くまでそうしてていいから」 と言ってくれ、それに甘えまくった。でもアイツの顔を見ると相変わらず体中に電流が流れた感覚に陥る。 何回も「顔が赤いけど大丈夫か?」と心配して右手を頭に乗せてくれるけどこれで私の気持ちに気づいてくれないなんてよほどバカ・・・ でもそんなバカを好きになった私もバカなんだろう。 そんな日々が続いていたけど、私にとっては大きくて、アイツにとっては些細な出来事が起きた。 「御坂、ちょっとコンビニ行ってくるわ~」 「わ、私も一緒に行く」 「あ~・・・すぐ戻るから留守番してくれ。上条さんにも女の子には言えない用事もあるんですよ」 「・・・そ、そう」 あからさまに私は悲しい態度を取ったがアイツは「んじゃ」とだけ言って出かけていった。 よくよく考えるとこの生活が始まってから、アイツが初めて私のお願いを断った気がする。 絶対これには何かあるに違いない。そう考えるといてもたってもいられなかった。 追跡しよう。 コンビニへ行くと言っていたのに足はコンビニに向かっていない。歩いているだけで女の子に フラグを立てている所はさすがとしか言葉がない。今の私はそのいきさつを見たら怒りよりも悲しさが先に 出てしまう。やっぱり私じゃダメなのかな、と・・・ 散々フラグを立ててアイツが向かった先は・・・普通の本屋。まあ本屋ならいいか。コンビニみたいに 立ち読みできる数は少ないがそのへんは問題ない。 アイツは雑誌コーナーをウロウロして物色する。雑誌をパラパラとめくっては別の雑誌を手にとる。 ずっとその行動を繰り返していたがある所に気づいた。 最初男子専門雑誌を一冊見たかと思ったらさっきから女性専門の雑誌しか見ていない。 読者モデルのグラビアや漫画ページとかではなく人気作家などのコラムページだったり 占いコーナーや悩み相談のページ。どちらかと言えば私はあの部類の雑誌は読まない。 初春さんが好きそうなものだとは思っていたけど・・・ そしてアイツはある雑誌のあるページに目が行き、「んん?」と顔をしかめ必死に読んでいる。 しかもメモ代わりなのか、開いているページを携帯の写真に撮っていた。 当然その行動は違反であり、見つかった店員さんに怒られ結局アイツは慌ててそれを買って店を出て行った。 アイツが出て行ったのを確認してアイツが読んでいた雑誌を手にとって読む。恐らく読んでいたであろうページを開くとそこには・・・ 『女の子が悩んでいる時に男の子に言ってもらいたい一言ランキング』 『落ち込んでいる時男の子に何をしてもらいたいかランキング』 『男の子にどんな料理を作ってもらったら嬉しいかランキング』 など女の子の理想と妄想が織り交ざったコーナーだった。 始めの頃、よくアイツは「何かしてほしいことあるか?」と聞いてくれていたけど・・・ いやいや、あの鈍感が気遣ってくれるのは嬉しいけどまさかここまで・・・ありえないでしょ。 きっと違うページを見ていたのよ・・・そう思って他のページを見るがあとは読者モデルのグラビアと 土御門舞夏が好みそうな漫画しか掲載されていなかった。 確かにアイツはこの雑誌を買って行った。アイツは兄妹でドロドロになる漫画を好んでいるはずもない。 ていうかそうあってほしくない。そして女の子の理想と妄想がぎっしりコーナーのページ。 これって私を思って行動してくれてるのかな?もしそうだったら、いや、そうでなくても・・・ 今すぐアイツの傍にいたい!それだけが私の心を績めていた。 マンションに帰宅するとアイツはソファーに座り例の雑誌を読んでいた。私の存在に気づいたアイツは 何事もなかったようにお尻に敷いて隠す。いや、バレてるから。 「どこ行ってたんだよ。鍵くらいかけろよな?」 「あっ・・・あ・・・」 確かに鍵はかけ忘れたけど問題はそこじゃないのよ。なんでアンタはその雑誌を買ったの? そう聞きたいのに勇気がいる。声が出ない。足がすくむ。顔が熱くなっているのがわかる。 何も言い返せない私をアイツは黙って返事を待ってくれている。でも声が・・・ 「あ~、気にするな。別に怒ってないし。それにほら・・・」 何か言いたそうだが言葉を選んでいるようだ。怒るなら怒ってよ。今の私はアンタが何していたのかさえ聞けないんだから。 「俺が傍にいてやるから・・・大丈夫だよ。・・・あ~恥ずかしい!」 あ・・・この言葉、さっきの雑誌にあった一つだ。多分一番下のほうに書いてあったヤツだっけ・・・ 棒読みでも何でもいい。目の前のこの人に言われるだけで何故こんなに安心するのだろう、嬉しいんだろう? 安心と嬉しさで心がいっぱいになった時、自然と涙がこぼれて来た。 「おわ、み、御坂!?」 アイツは泣き出した私を見て驚き傍に来てくれた。でも私は泣くのをやめなかった。 「わ、悪かった。今のは撤回するから!すまん!忘れてくれ!!」 「違う・・・そうじゃない・・・」 「え?」 「もっと言ってよ」 「え、え~っと、何を言えばいいのでしょう・・・」 「女の子が悩んでいる時に男の子に言ってもらいたい一言ランキング」 「うっ・・・・お前・・・・・知ってたのか?」 「尾行してたから・・・ごめん」 「謝らないでくれよ。で、でも何を言えばいいのでせう?」 「アンタがその本の中に書いてあったので一番今の私に言いたいこと・・・言ってほしい」 無理難題な要求をしたと思った。でもアイツは一瞬ためらったようにも見えたが『女の子が悩んでいる時に男の子に言ってもらいたい一言ランキング』と 『落ち込んでいる時男の子に何をしてもらいたいかランキング』の1位を同時にしてくれた。 「美琴は俺が守る」 と耳元で言い私を優しく抱きしめてくれた。 アイツの腕の中で私の心は爆発しそうなくらいに脈を打つ。 「い、今、私のこと、み・・・美琴って・・・」 「お前には御坂美琴って名前があるんだろ?」 「・・・ずるいよ、私だけこんな・・・」 「ずるくたっていいさ。それでも美琴は美琴だ」 「・・・当麻?」 「お?始めて名前で呼んでくれたな。美琴」 「これから何度だって呼んでやるわよ・・・バカ当麻」 「バカは余計だと思いますが?」 「・・・・・・・・当麻」 「ん、よろしい」 結局当麻はまた私が腕の中を心まで満喫し終えるまで抱きしめてくれた。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/壊れかけの超電磁砲
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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白 不安と嫉妬 「もう嫌、もう当麻の事信じられないっ!!」 「美琴っ!!」 この部屋の家主である上条当麻と学園都市が誇る第3位の御坂美琴が付き合い始めて早くも3カ月が過ぎた。 クリスマスイブに想いを伝えあい、そのままの勢いで恋人達の階段を最終地点まで駆け上がった2人。 この3カ月の間に、上条は美琴のお陰でぎりぎり進級を果たし2年生になる事が決まり、 美琴は『自分だけの現実』に上条当麻を組み込むことに成功し、漏電することもなくなった。 今では自分から上条に甘える事も、まぁ多少は出来るようになった。(まだ、恥ずかしいみたいではあるが…) 「おっそいわね~。何してんのかしら…」 暦は3月24日となり、上条の高校も常盤台中学も今日から春休みとなる。 美琴は何日も前からこの日を待ちわびていた。 というのも春休みに入ってから2週間の間、寮監が休暇という名目で寮からいなくなるのだ。 一応、常盤台中学の教師が代理を務めるのだが、今年その役目を任されたのが常盤台中学卒業の教師なのだ。 『窮屈すぎるのは教育上よくない。いくら頭が良くて能力が優秀でも、箱入りのお嬢様で一般常識やコミュニケーション能力がないと社会にでても通用しない』がその教師のモットーだそうだ。 どうやら経験から生まれたもののようである。 そのため、普段なら罰せられるはずの門限破りや、外泊なども多少多めに見てくれる。 もちろん限度はあるが。 生徒にとっては夜遊びをする絶好の機会であり、美琴もそれにあやかって上条の部屋に泊まる予定だった。 「美琴。悪い、遅くなった。」 「やぁっと来たわね。…って何でそんなに汗だくなのよ?」 「ちょっと学校でいろいろあってだな…」 「…また、女の子にフラグを建てたとか?」 「うっ…」 「それを土御門さんに見られて、クラスの男の子全員に追いかけ回されたとか?」 「うぅ…」 「それで放課後になって、うっかり今日からの予定をバラしちゃって今度はクラス全員に追いかけ回されて遅れたと…」 「美琴たんは何時からテレパシー能力を使えるようになったんだ!?それともテレポートでどっかから見てたのか!?」 寸分違わず今日の学校で起こったことを言いあてられて、焦る上条。 もっとも、美琴が多重能力者になったわけではなく 「アンタね、これが何度目だと思ってんのよ。バレンタインもホワイトデーも似たようなもんだったじゃない。あと、『美琴たん』言うな。」 「その話はやめてくれ…。上条さんにとっては忘れたい過去なんです………」 バレンタインでもホワイトデーでも、放課後に美琴とのデートがあったため待ち合わせをしていたのだが、両方ともクラス全員に追いかけ回されて、捕まった後、クラス裁判という名の魔女裁判にかけられた上条。 もう、トラウマになりつつあるあの光景は思い出したくもないのだ。 「とにかく、早くしないとスーパーのタイムセール終わっちゃうわよ。ほら、行きましょ?」 そう言って何のためらいもなく、左手を差し出す美琴。 そうだな、と上条もその手を取り2人でスーパーへと向かう。 しっかりと繋がれた手は、2人が恋人である何よりの証拠だった。 「しっかし、間に合ってよかったなぁ。まさか、トイレットペーパーまで買えるとは思ってなかった。」 「と言うか、ちょっと買いすぎちゃったかも?」 ぎりぎりタイムセールに間に合った2人は生活用品と食料を買い込んだ。 両手に買い物袋を持った上条の顔はとても嬉しそうであり、美琴もそんな彼氏の顔を見て頬を緩めている。 「美琴の作る料理は美味しいからちょっとくらい量が多くても問題ないですけどね。」 「ありがと。じゃあ、今日は何が食べたい?」 「上条さんは久しぶりに美琴たん特製ハンバーグが食べたいです!!」 「だから、『たん』言うな。じゃあ、今日はハンバーグに決定っ。」 「よし!楽しみにしてるな。」 「まっかせなさい!」 そう言って上条の腕に抱きつく美琴。 うわっ、と上条は驚いたが別段文句を言うわけでもなくそのまま歩いていく。 「今日から泊まっていくのか?」 「そのつもりだけど…、ダメ?」 「いや?確認したかっただけ。」 イブの一件以来、美琴は週1で上条の部屋に泊まっている。 本来であれば冬休みのように毎日泊まっていたいのだが、学校が始まってからはそうも言ってられなくなり、上条と話し合った結果、週1で泊まることになったのだ。 上条もまんざらではなく、美琴と一緒にいる時間が増える、と喜んでいた。 「なら、もうちょっと嬉しそうにしなさいよ。春休みの間ずっと、こんな可愛い彼女が部屋に泊まるんだから。」 「十分嬉しいに決まってんだろ。つーか、美琴さん?さっきから腕に…」 「?」 成長期真っ只中の美琴は、同級生と比べると出るところが出てきていた。 このまま成長すれば母親である美鈴のスタイルにも匹敵するだろう。 (無自覚かよ!!言った方が良いのか?いやでも、言ったらもう外では組んで歩いてくれなくなるかもしれないし…) もうすでに『純情少年』とは名乗れない『中学生に手を出した凄い人』も、身長が伸びている。 そのため、美琴は腕を組んで肩に頭を乗せて歩くことが出来なくなってしまったが、その分、力強さの増した後ろ姿が好きだった。 「当麻?」 (なんだかんだ言って俺も腕組んで歩くの好きなんだよなぁ。ただ、理性が…。こう、何て言うかガリガリ削られて行くんだよなぁ、不幸だ…) こんな事で不幸なんて言っていたらデルタフォースの残り2人を筆頭にクラス全員からタコ殴りにされそうである。 上条は美琴の顔をジッと見つめた後、はぁ。ため息をついた。 「何よっ!言いたい事があるならはっきり言いなさいよっ!?」 腕に伝わる柔らかい感触が上条を悩ませる毒であることに気が付いていない美琴。 説明するのも恥ずかしいので、早々にこの場を切り上げたい上条は、とりあえず、さっさと部屋に帰ろうぜ。と言って歩くスピードを速める。 「ちょっと、早いってば!ねぇ!!」 美琴はそれに引きずられるようにして、付いていく。 「「ただいま~」」 上条の部屋に着いた2人。 上条はそのまま冷蔵庫に向かい、買ってきた食材を詰めていく。 美琴はリビングに向かい女物の服を手にして、今度は脱衣所に向かう。 上条が冷蔵庫の扉を閉めると同時に、部屋着に着替えた美琴が出てきた。 すると、入れ替わるように上条がリビングに行き、部屋着を手に脱衣所に向かう。 美琴は手に持っていた自分の制服と上条の制服をハンガーにかけ、エプロンを着用しキッチンに向かう。 冷蔵庫の中からハンバーグに必要な材料を取り出していく。 脱衣所の扉が開き、部屋着に着替えた上条が出てくる。 そのままリビングに向かい、鞄から勉強道具を取り出して机に向かう。 阿吽の呼吸で動いている2人には自覚はないが、他の人から見ればお前らもう結婚しろよと言いたくなるような連携っぷりである。 「美琴、ここってどういう意味だ?」 「どこ?」 「ここ。」 「これは、前にもやったことあるわよ。前のノート見て、それでも解らなかったらもう一回声かけて。」 「うぃ~。」 実はこの春休み、上条には補習がない。 というのも、というか今の連携を見たら分かると思うが、美琴は上条の勉強スタイルと生活習慣の改善をしてきた。 上条本人の努力もあり、成績も下の下に近かったところから一気に中の中まで伸びた。 まぁ、そのお陰でカンニング疑惑が持ち上がり、その誤解が解ければ美琴とのことを詮索され、クラス裁判。と中々に不幸なことは起こっている。 「おっ、出来た!よし次、次っと…」 リビングから聞こえる愛しい彼氏の声を聞きつつ、美琴は料理を作っていく。 「よ~し、今日の分は終わりっと。美琴、何か手伝う事あるか?」 「こっちももうすぐ出来るから、お皿出してテーブル拭いてくれる?」 「サー、イエス、サー」 「なにそれ。もうっ。」 そう言いつつも美琴も上条も笑顔である。 「出来たわよ。」 「待ってました。ほほぅ、今日はまた一段と手が込んでますなぁ。」 上条の前に出されたのはハートの形をしたハンバーグとポテトサラダ、ミネストローネ風のスープ。 「今日からしばらくは泊まるんだし、最初くらいわね。」 「もう食べていいよな、いいですか、いいですよね、いっただきま~す。」 「あっ!もうっ、しょうがないわね。」 子供のような上条の行動。本来であれば、マナーが悪いと怒るべきなのであるが幸せそうにハンバーグを頬張る上条を見て、まぁいいか。と思いとどまる。 (こういうのを幸せっていうのかな…?) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ふぃ~、食った食った。御馳走様、美琴。」 おなかいっぱいになるまで美琴の料理を堪能した上条はゴロンと横になる。 「お粗末様。行儀悪いわよ、当麻。」 悪い悪い、と言いつつ立ち上がり、2人分の食器を持ってキッチンに向かい洗い物を始める。 美琴はテーブルを拭いた後、テレビを点けて面白そうな番組を探す。 ちょっと面白そうな話題を取り上げていたバラエティ番組を暇つぶしに見ていると、上条が戻ってきた。 「ねぇ、当麻。ちょっと気になってたんだけど…」 「どうした?」 「当麻って腕組むの嫌いなの?」 ずっと気になっていたのだ。 普段から腕を組んで歩くことは多いのだが、その度に特に最近になって上条がそわそわしているのだ。 周りを見たりする回数も増えるので、もしかしたら見られたくないのかな?と美琴は思っていた。 「嫌いじゃないけど…」 「けど、何よ?」 「………」 ジーーーーー 美琴は上条の目を見ようとするが、上条はまったくこっちを見ない。 更に身体を乗り出していく美琴、それに対して上条も少しずつ距離を取る。 『ヴーーー、ヴーーー』 そんな時、テーブルの上にあった上条の携帯が鳴った。 上条は携帯のディスプレイを確認した後、そのまま元の位置に戻した。 その行動を見て、スッと美琴の目が細められる。 「…出ないの?」 「土御門からだし、後でかけ直すからいいよ。」 「いいわよ、気を遣わなくて。出たらいいじゃない。」 「いいって。今は美琴との時間の方が大事なんだ。」 上条にしてみれば正直な気持ちを言っている。 まぁ、その心配はないのだが… 「嘘ね。」 「何が嘘なんだ?」 「土御門さんじゃないでしょ?」 「っ、何で嘘つかないといけないんだよ?」 (どこで見抜かれたんだ?) そう。電話の相手は土御門ではない。 「じゃあ、何で出なかったのよ。前のデートのときは普通に出てたじゃない。」 出来れば、美琴の前では出たくはないところからの電話ではある。 「それは、上条さんにも事情がありましてですね………」 「何よ事情って?…まさか、他の女の人!?そうなのね!!?」 「そんな訳ないだろっ!俺が好きなのは美琴だけだっ!!」 間違っても他の女の子ではない。 ばれても全然問題はないのだが、せっかく前から計画していたのだから計画通りに進めたいのだ。 が… 「嘘、信じられないっ。当麻はいつも嘘ばっかりだもんっ!」 「それは…」 心当たりは多々ある上条。 だから何も言い返すことが出来ない。 「…何も教えてくれないのね、もういい。」 「美琴?」 美琴が俯いてしまい、上条からは表情が見えなくなってしまう。 どうしたものかと考えている上条だったが。 「別れる…」 「!?」 美琴の言葉に驚く上条。 顔をあげた美琴はボロボロ泣いていた。 「もう嫌、もう当麻の事信じられないっ!!」 制服も持たずに部屋を飛び出す美琴。 「美琴っ!!」 上条も部屋から飛び出して美琴を追いかけたが、ついに見つけられなかった。 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者 第6章 ①衣替えの季節 「それでねー、あの人ったらレトルト食品か外食ばっかりで最初の内は別に良かったんだけど最近は流石に…って ミサカはミサカは毎日こんなに美味しいものを食べてるヒーローさんに軽い嫉妬を覚えながら文句を言ってみる」 妹達の中でも末妹である打ち止めはフォークを休めることなく口に運び続けている。 「まあ確かにこんな美味い料理を毎日食べられる上条さんは幸せだと思うぞ」 「ナチュラルに惚気られたことにミサカは驚愕しながらも、頬を染めているお姉さまにお代わりの催促をしてみる」 「駄目よ、もう三杯もお代わりしたでしょ。 これ以上食べるとお腹壊しちゃうわよ」 「うー、でもお姉さまの作った料理をもっと食べたい」 「それなら、来たい時にいつでも遊びに来て構わないぞ」 「本当!!」 「ああ、打ち止めは美琴の妹なんだから俺の妹も同然だ ただ分かってるな?」 「うん、一人で出歩いちゃ駄目なんだよね」 「そうだ、何処か出掛ける時は必ず一方通行と一緒に出掛けること」 「…ねえ、今度あの人も連れてきていい?」 「…」 「ご、ごめんなさいって、ミサカはミサカはお姉さまに向かって無神経なことを言ったのを謝ってみる」 「…わよ」 「え?」 「いいわよ。 緊急事態だもの、今度打ち止めが来る時は一緒に連れて来なさい」 「うん!!」 その時、打ち止めの持つ携帯電話が鳴った。 「あの人からだ、下まで迎えに来てくれてるって!!」 「そうか、それじゃあ俺と一緒に下まで行くか」 上条と打ち止めは立ち上がると部屋の玄関に向かう。 そして打ち止めは美琴の方を振り向くと大きく頭を下げて言った。 「…お姉さま、色々とありがとう」 美琴が返事をする前に打ち止めは玄関から外に向かって出て行ってしまう。 打ち止めを一方通行に預けた上条は部屋に戻ると、何処か浮かない顔の美琴を背中から抱きしめる。 「…偉かったな」 美琴は上条の言葉に黙って頷く。 美琴にとって一方通行は悪夢の象徴そのものだ。 前に向かって進んでいても過去が消え去るわけじゃない。 美琴は呟くように言った。 「私はアイツのことを死んでいった子達の分まで決して許しはしない。 でも打ち止めのためにも、いつか憎しみを消し去りたいな…」 上条は美琴を抱きしめる腕に力を加える。 「そう思えるのは美琴の優しさと強さだ。 俺はこの件に関して美琴に何も無理強いすることは出来ない。 でも美琴のその気持ちを俺は尊重してあげたいと思う」 「ありがとう、当麻…」 上条の方へ顔を向けた美琴と上条は軽い口づけを交わすのだった。 「そういえば明日から衣替えか。 美琴は制服買え替えたりするの?」 「私は去年一年で大分身長が伸びて四月に買え替えたばかりだから特にその予定はないかな?」 「それじゃあ明日は午前中授業だし何処か遊びに行くか?」 「何だか最近、私達遊んでばかりじゃない?」 「美琴が嫌なら仕方ないんだけど… もうすぐ中間テストも始まるし、出来ればその前に遊び納めしておきたいかなって」 「うっ、その誘惑に勝てない自分がいる」 「なあ、美琴。 それで出来れば明日にも…」 「却下!!」 「…」 「今度はあっちから攻めてくるんだから自衛でしょ? それなら私も力になることが出来る」 「でも!!」 「あのねえ、この間だって本当は当麻を助けたかったのに泣く泣く陰からのサポートに徹したのよ。 当麻は自分の身の安全よりも学園都市全体を守る決意をした。 そして卑怯な言い方かもしれないけど、私よりもより多くの命を救う選択肢を選んだ」 「…悪い」 「ううん、当麻を責めてるんじゃないの。 当麻は私のことを周りの世界も含めて守ろうとしてくれてる。 だから私も当麻と当麻の周りの世界を守るために戦いたい」 神の右席、その構成員のヴェントと呼ばれる女性が近い内に学園都市に攻め込んでくるらしい。 ヴェントの実力は分からないが、その纏う雰囲気から只者ではないことは分かっていた。 誰かに警告して抵抗するものが増えたら、その分犠牲になる人間が増えると上条は脅されている。 しかし完全に準備をすることなくその日を迎えるわけにもいかず、上条は周りの人間に危機に備えるよう警告していた。 カエル顔の医者は患者のことだけは何があっても守ると約束し、 一方通行はもしもの時は命を懸けて学園都市内の妹達と打ち止めを守り抜くと言ってくれた。 学校の友人にも魔術師という単語は伏せて危機が迫っていることを伝えたが信じてもらうことは出来なかった。 友人の一人である土御門だけは柄にもなく妙に神妙な顔をしていたが… そして最後に上条は美琴に学園都市を出るように説得を続けていた。 大事な人だけ外に逃がそうとする行為に上条は少し恥を感じたが、それでも美琴のことが何よりも大事だった。 しかし美琴が首を縦に振ることはなかった。 「無理はしない。 まだやらなくちゃいけないこともあるし、当麻と一緒に帰ってこなくちゃ意味がないもの。 だから私も当麻の隣で戦わせて!!」 「…分かった」 「当麻!!」 「俺は必ず美琴の隣で美琴のことを守ってみせる。 だから何かあったら必ず俺の傍から離れるなよ」 「うん!!」 美琴は返事をすると上条に抱きつく。 イタリアでの一件で美琴は上条に対する過度なスキンシップは抑えると宣言したものの、今はすっかり元に戻ってしまっていた。 美琴が言うには何かあった時は覚悟を決めているらしく、彼女としてのスキンシップにシフトチェンジしたらしい。 上条としては美琴に手を出す気はまだ無いので、再び生殺しの状態に戻っただけだった。 割と上条から美琴にソフトなスキンシップを図ることはあるのだが、上条は美琴からのスキンシップに妙に弱かった。 さっきも自分から美琴の背中に抱きついたくせに、今は美琴に抱きつき返されて顔を赤くしている。 そうして平和な時間は何事もないように過ぎていく。 しかし上条も美琴も自覚していた。 この心地よい平穏な時間が制限時間付きのものだということを… 大きな戦いへと繋がる事件が起こる前日の夜は静かに更けていくのだった。 「それで何でアンタがここにいるの?」 「リハビリを兼ねた外での生活訓練だとミサカ懇切丁寧にお姉さまに説明します」 「ううん、そんなことを聞いてるんじゃないの… 何でアンタが当麻に抱きついてるのよーーーー!!!!」 この場には美琴と同じ顔をした少女がもう一人いる。 少女はミサカ10032号…通称・御坂妹。 現在その呼び名はあんまりだということで上条と美琴が一万人の妹達の名前を捻り出している最中である。 しかしながら取り合えず今は御坂妹と呼ばれていた。 そして御坂妹は美琴の目の前で上条の左腕にピッタリと抱きついているのだ。 「お姉さまは普段からこの方と生活を共にしているのだから、偶にはミサカが甘えたっていいじゃないですか? この方はミサカたちにとってもヒーローなんですから…」 「それはそうだけど…」 美琴もそのことは分かっている。 上条はみんなのヒーローで独占されるべき人物ではないことを… だから上条が五和に優しくしても美琴は上条のことを責めるようなことはしなかった。 しかし上条に必要以上にくっ付くことは別だ。 それは美琴にだけ許された恋人の特権だった。 美琴は上条の隣は自分のものだと言わんばかりに右腕に抱きつく。 (これは外から見たら幸せな状況なんだろうが何となく嫌な予感が…) 上条が空を見上げながら不幸とは決して口に出せないが不幸な状況に億劫としていると、目の前で何かが地面に落ちる音がした。 上条が顔を下げると、嫌な予感が当たったことに頭を悩ます。 目の前で青髪ピアスが信じられないものを見たという様子でワナワナと震えてる。 落ちたものの正体は青髪ピアスのカバンだった。 「カミやんが御坂ちゃんとラブラブなのは知ってたんやけど、まさか色んな意味で家族ぐるみの付き合いだったなんて… …カミやん、明日は覚悟しといた方がええで」 上条が弁解をする前に青髪ピアスは奇声を上げながら走り去ってしまう。 明日は少しばかり過激な一日になりそうだった。 「…当麻、大丈夫?」 「…明日帰ってきたら、いつも以上に優しく出迎えてもらえると嬉しいかな?」 「…うん」 そんな感じで魔術師という脅威よりも明日のクラスメイトによる裁判の方に目が向き始めた上条だったが、 今は恋人である美琴を誘った本当の目的を果たすの先である。 治療の調整があると言って病院に帰っていった御坂妹と別れ、上条と美琴は学園都市内の喫茶店でお茶を飲んでいる。 「いやー、助かったよ。 この間19090号に会った時にどの子か分からなかったら悲しい顔をされちまってさ。 本当は見ただけで分かれば一番いいんだけど、流石にそれはまだ難しいからな。 取り合えず今は何か見分けがつくプレゼントをしたいと思ってな」 上条のカバンの中には四つの小包が入っており、それぞれ違うペンダントトップが付いたネックレスが入っている。 先ほどまで足を運んでいたアクセサリーショップで購入したものだ。 今度病院を訪れた時にでも学園都市にいる妹達にプレゼントするつもりだった。 「当麻って思ったよりもそういう点に気が利くわよね。 きっとあの子達も喜ぶと思う」 そう言いながらも美琴の心境は複雑だった。 自分はまだ上条からアクセサリーといった感じのプレゼントをされたことがない。 醜い嫉妬だとは思いつつも、妹達にどうしても妬みを感じずにはいられなかった。 しかし次に発せられた上条の言葉に美琴の心は晴れやかなものになる。 「それで実は美琴にもプレゼントがあるんだ」 上条はそう言うと学生服のポケットから小さな箱を取り出した。 妹達へのプレゼントが長方形の箱だったのに対して美琴へのプレゼントは正方形に近い箱だった。 美琴は胸が高鳴るのを感じた。 「開けてみていい?」 美琴の言葉に上条は黙って頷く。 中に入っていたのは一組のペアリングだった。 小さなダイアモンドがあしらわれており、シンプルながらも美琴好みの可愛らしいデザインをしている。 「前にさゲーセンで取ったゲコ太のぬいぐるみをプレゼントしたろ? あの時から美琴にはちゃんとしたプレゼントをしたいと思ってたんだよ。 本当はイタリアに行った時もプレゼントを探してたんだが、流石に桁が違くてな。 学生は学生らしく身分相応なものを買うことにしたんだ。 まあその中でも無能力者の俺が買える程度のもんだから、本当に大した値打ちがあるもんじゃないけど…」 「ううん、そんなことないわよ…凄く嬉しい。 ねえ、当麻から私の指に嵌めてくれる?」 美琴はそう言って上条に指輪を手渡す。 「ああ」 上条が美琴の左手の薬指に指輪を嵌めると、美琴は嬉しそうに指輪を撫でる。 しかし晴れやかな気持ちの二人とは対照的に、空は徐々に曇り始めていた。 学園都市に流れる空気は何処か嵐が来ることを感じさせるのだった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者