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魔法学園☆作ろうについて。 魔法学園をテーマに、好きなように設定を練ったり、 キャラクターを作ったりして遊べる、ネタの共有所です。 魔法学園ネタを、一緒に考えましょう♪ 詳しくは、チュートリアルにて。 ※世界観設定は、このwikiを基に作る場合は、必読。 詳しくはmixi、にて。 お気に入りに追加 @2009.2.24開始 @wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 無料で会員登録できるSNS内の@wiki助け合いコミュニティ @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください @wiki助け合いコミュニティの掲示板スレッド一覧 #atfb_bbs_list その他お勧めサービスについて 大容量1G、PHP/CGI、MySQL、FTPが使える無料ホームページは@PAGES 無料ブログ作成は@WORDをご利用ください 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください お絵かき掲示板は@paintをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください 無料ソーシャルプロフィールサービス @flabo(アットフラボ) おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
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ルビー魔法女学園(女子校) 首都ショコラート 女子:ワンピース ルビー校長→ルビア。年齢不詳のヴェールをかぶったおばさん? ルビー魔法学園(女子校)の天井には、炎(もしくは闇?)の精霊の上位が住んでおり、 その火・闇?力は、各世帯へ運ばれている。 炎の力が少しだけ強い。 発掘術(ダウジング)を教えている。 男は、女を守るのが当然との考えで、ダウジングした場所を掘るのは、精霊か男の役目。 女尊男卑くさい。 プラチナVSルビー
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プラチナ魔法学園(男子校) 首都マシュマール 男子:白学ラン? プラチナ校長→シロガネ。ゴツイ戦士タイプのオヤジ。 プラチナ魔法学園(男子校)の地下には、炎(もしくは光?)の精霊の上位が住んでおり、 その火・光?力は、各世帯へ運ばれている。 光の力が少しだけ強い。 プラチナVSルビー
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【解説】 トリステインの国立魔法学院。 三年制の学院で、同じ学年でも年齢が違う生徒は沢山居る。 中央の本塔を取り巻くように五つの塔が並んでいる。 それぞれが火の塔、水の塔、風の塔、土の塔で、最後の一つが生徒達の寮塔。 正門から入り本塔を挟むように反対側にあるのが火の塔。
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魔法使い MP増加 同じく仕様変更だがHPと違い深刻ではないだろう テレポートマスタリー テレポート移動距離、テレポート先の敵を300%*6体気絶。オンオフ切り替え可能 全体魔法 全部再使用待機時間30秒、エヴァンは20秒 マスターマジック 魔力30増加、バフ時間1.5倍 カンタム爆発 6体*5(!)*290% 速度が全部よくなってる 聖3 ホーリーフォーカス 聖関連のクリティカル50%up 聖4 Aレイ 4体*720%(!)
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紋章:印を結ぶ手の背後に後光 種別・分類:魔法学院/魔術ギルド(地域的) 属性:秩序にして中立 規模:地域/一地方 背景、目標、理想 アルデバランに位置する巨大な魔法学院。 学院長は翠の杖アルバクロウで、副学院長は万物の鍵ルテアノである。 この魔法学院ではエリートを育てる為に、幼稚部、初等部、中等部、高等部、大学部、大学院にコースが別れている。 これらは年齢も考慮されるが、魔法の実力によっては飛び級もお構い無しである。 敵と味方 王国の庇護下にある為、王国の敵は全て敵となる。 陣営値に関する条件:秘術の心得がある者ならば誰でも。 条件 陣営値修正 キャラクターレベル +PCレベルの1/2 専門家ウィザードである +2 〈呪文学〉10ランク以上 +1 《秘術の学究》特技を持つ 1回修得するごとに+4 3レベル以上の秘術呪文を発動可能 +2 5レベル以上の秘術呪文を発動可能 +4 学院の特別依頼をこなす +2 学院の備品を破壊もしくは紛失する -1 新呪文を考案および認可される 呪文1つにつき+2 魔法のスタッフを持つ +4 製作部に1000GP(以上)の魔法のアイテムを寄付する。 アイテム1つにつき+2 毎年3つまで 使い魔を持たない。 -2 使い魔を死なせる。 -5 〈知識:神秘学〉のランクを持たない -10 1年につき最低1カ月をキャンパスで過ごす事をしない -20 称号:利益と義務 陣営値 称号 利益と義務 3以下 一員ではない 特になし 4~10 新入生または落第生 学院の図書館にいる間、〈知識〉技能判定に+2 11~17 一般生徒 魔法の訓練場を利用できる。各月ごとに10枚の秘術呪文用の羊皮紙が支給される 18~23 優等生 魔法のアイテムを作成する祭、専用の場所と器具を借りる事ができる。各月ごとに、200GP以下の任意の秘術呪文の巻物を請求する事ができる 24~29 研究助手 魔法のアイテムを作成する祭、大学で材料を漁る事ができ、コスト削減10%、各月ごとに400GPの研究資金が支給される共に、400GP以下の任意の秘術呪文の巻物を請求する事ができる 30以上 専任講師 各月ごとに800GPの研究資金が支給されると共に、750GP以下の任意の秘術呪文の巻物を請求する事ができる 主なメンバー 校長アルバクロウ 教頭ルテアノ 幻術講師グレーチェン 召喚術講師サルティーヌ 死霊術講師ベッケル 心術講師タノ 占術講師パウシーニ 変性術講師モンサルパチェ 防御術講師モニエ 力術講師パインヒル 図書館司書モグダム 学院守衛オメガ
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前ページトリステイン魔法学院Z 第三話 「穢れなき教師 その名はギトー」 その日の朝、バーニーとペイトンの二人が目覚めて真っ先に感じたものは、酷い頭痛であった。その痛みに顔をしかめつつも、 「…おはようバーニー」 「ああ、おはようペイトン。…やっぱ、夢じゃぁないよな」 「あたぼうよ。夢であってたまるかい。それにしても、頭が痛いぜ。飲みすぎた…」 「全くだね、声がガンガン響いてるよ、ペイトン。だけど…」 「ああ、最高の朝だな!」 ペイトンのその言葉と共に、二人は二日酔いの頭痛を感じつつも高らかに笑いあった。こっちの世界…つまり、トリステイン魔法学院で生活するようになって最高の目覚めであった。 なにより、椅子を寝床にし、食事を恵んでもらう生活からやっと解放されたのである。これほど痛快なことは無い。多少の頭痛がなんであろうというのか。 笑い終えたペイトンは、咳払いをし、真面目な顔を作ると気取った声で 「さて、我々はこうして最高の目覚めを迎えたわけだが…残念ながらその気分に水を差す任務が待ち受けている」 「ルイズを起こしに行くミッションですね、分かります」 「その通り!だが、昨日までとは違い、我々にはベッドがある!食事の心配も無い!ここは一つ、寛大な心で相手をしてやろうではないか!」 「Sir Yes Sir!」 芝居がかった調子でバーニーが敬礼を決めると、再び二人は腹の底から笑いあったのであった。 自室に来るまでにそんなやりとりがあったと知るわけも無く、いつもの通り使い魔に起こされたルイズは、二人が妙に上機嫌なのを診て訝しく思った。 「…何か怪しいわね、なんでアンタらそんなに嬉しそうなのよ?…はっ、もしかして寝ている私に何か悪戯を」 「しないしない。するわけない」 ルイズが喋り終わる前に、声を揃えて否定する二人であった。 「…そう全否定されるとそれはそれで何か腹が立つわね…ま、まぁいいわ。着替えを頂戴。」 「…本当、難儀なご主人様だなぁ…ほい、じゃぁ、俺達はいつもどおり外で待ってるよ」 「…怪しい…」 溜息とともに退出した二人を見送ると、ルイズは念入りに自分の姿を鏡でチェックしながら身支度を整えた。 本人たちは否定したが、やはりあの態度はおかしかったからだ。 だが、本当に何もしていない以上、当然異常が見つかることもなく、ルイズは首をひねりつつ、食堂へと向かうことになった。 そこでやっと、二人のあの態度の意味を知る事になったのである。 いつもどおり、使い魔に引かれた椅子に腰掛けたルイズだったが、予想もしなかった言葉に面食らう事になった。 「所でルイズ、僕たちの食事は別に用意してもらう事になったから、これからはもうスープもパンも用意する必要はないよ」 「そうそう、そういうわけで、食事してくるからまた後で」 そう言い残すと芝居がかった調子で恭しく礼をすると二人はすたすたと立ち去ってしまった。 「え?ちょ、それは一体?」 問いただそうとしたルイズだったが、しかしタイミング悪くブリミルへの感謝の祈りが始まってしまった。 自分一人だけしないわけにもいかないので釈然としないまま祈りを捧げている間に、二人の姿は既に消えていた。 「…どゆこと?」 ルイズの呟きに答えるものは、誰もいなかった。 「いやぁ、傑作だったな、あのルイズの呆気に取られた顔!」 「全くだね。これだけで食事が進むってもんさ」 してやったり、と言う表情でルイズのところから立ち去った二人だったが、ここに至って一つの問題にぶつかった。それはつまり 「なぁバーニー、ところでだ…その俺達の食事はどこに用意してあるんだろうな?」 「…どこだろうね?浮かれてないでもっとしっかり聞いておくべきだったな。夕食は部屋に用意してあったからなぁ」 自分たちの食事がどこに用意してあるかわからない、というものだった。本来ならこういう件は(一応)彼らの主人であるルイズに連絡が行っているべきなのだが、どうも先ほどの反応からして知っていた様子はない。 ルイズが知らないのだから、当然キュルケも知らないだろう。彼女には知り合ってから色々と助けられているが、この件に関しては、残念ながら当てに出来なさそうであった。 若干後悔しつつも二人は食堂を歩き回ってみたが、どうにもそれらしい物が見当たらない。やはり、誰か事情を知る物に聞かないとどうにもならないだろう。となると、誰が知っているか、と言う事になるのだが… 「…取り敢えず聞いてみようよ。ああ、ごめんね、そこの君」 バーニーはちょうどそこを通りかかったメイドを捕まえて尋ねた。振り向いた顔を良く見れば中々の美少女である。 こっちでは殆ど見られない黒髪とソバカスが特徴と言えるだろうか。アジアン…それもチャイニーズやジャパニーズっぽい顔立ちだなぁ、まぁどっちもここにはいないだろうけど、などと、どうでもいいことを思った。 「今日から食事を用意してもらえる話になっている筈なんだけど、なにか聞いてないかな?…ああそうだ、言い忘れてたけど僕はバーニー。で、こっちがペイトン」 「あ、はい!ミス・ヴァリエールの使い魔のバーニーさんと、ペイトンさん、ですよね?承ってます。もう用意は出来てますよ、厨房へどうぞ」 「厨房?厨房に入って良いの?ええと…」 「あ、すみません、私はシエスタと申します。えぇ、勿論普段厨房への立ち入りは控えてもらいたいんですけど、私たちが賄いを頂く所ですね。そこに用意してありますんで」 厨房はピークの時間こそ過ぎたものの、昼へ向けた仕込や下げられてきた食器の洗浄などでコックやメイドがあちこちを飛び回っていた。 そんな中をシエスタに先導されて付いていった二人は、厨房の一角にある小ぢんまりとしたテーブルに案内された。 何もかもが豪華なここトリステイン魔法学院ではあったが、さすがにここのテーブルは食堂の意匠をこらされたそれとは違い、あくまで実用本位の素っ気無いものであった。 とはいえ、二人にとってはどんなテーブルかよりもそこにどんな料理が並ぶか、が遥かに重要な問題である。そこには既に、生徒達が食べているのと全く同等の食事が並べられていた。 それを眺めて、二人は昨日自分達の為に用意された部屋に足を踏み入れたときと同じ感激をかみ締めていた。 「ああ、やっぱりいいよなぁ…俺達専用の食事が用意されてるってのはよ」 「ああ、全くだね。キュルケとの食事は悪くないけど、いつも分けてもらってばかりってのは内心男として情けないものがあったからね」 「全くだ。しかしアメリカにいたころは想像もつかなかったぜ。日々の食事がこんなにありがたく感じるなんてよ」 「全くだね。そういう意味じゃぁルイズには感謝するべきなのかもしれないな。したくも無い経験だったけどね。さて、ここでこうして馬鹿みたいに突っ立っていても仕方がない。早速食べようぜ、ペイトン」 「おうよ、お預けプレイは趣味じゃねぇしな」 嬉々として着席し、早速手を伸ばそうとした二人であったが、それは不意にかけられた不審声にさえぎられた。 「なんだあんたら?部外者はここに入ってもらっちゃ困るんだが。おいシエスタ、お前が連れてきたのか?」 「ちょっと待ってくれおっさん。彼女が悪いんじゃないぜ」 「すいませんマルトーさん、この人達が例の…」 「ああ、そういうことか。不躾な事を言っちまって済まなかったな。…ん?あんたらは…」 それだけで話が通じたようで、納得した様子のマルトーと呼ばれたコックであったが、すぐにその表情が怪訝そうなものに変わった。 しかしバーニー達の方には全く面識がなかったのでそんな反応をされる理由がまるで分からなかった。なのでその疑問を恐る恐るそのまま口にした。 「え…?すみません、僕たちが何か不味いことでも…?」 「いやいや、そうじゃねぇよ。驚かせて悪かったな。誰かと思えばお前さん達だったんだな。食堂で寝てたのを見かけたんで気にはなっていたんだが…」 そこまで言うと、マルトーはちょっと黙って、所在無さげに鼻の頭を書きながら、気まずそうに声のトーンを落として続けた。 「…その、何もしてやれなくて悪かったな。情けない話だが、迂闊な事をして貴族様に睨まれると後々面倒なんでな」 「別に良いさ。おっさんにはおっさんの事情があるよ」 「そうそう、変に恨みを買ってもいいことなんてないのは良く分かってるよ。気にしないでいいさ」 二人の返答を聞くと、マルトーは安堵したような表情を浮かべた。 「そう言って貰えると助かるぜ。ま、罪滅ぼし代わりと言っちゃなんだが、食べたいものがあったらいつでも遠慮なく言ってくれ。 腕によりを掛けて作ってやるぜ。自惚れるつもりは無いが味の方は期待してくれて良いぜ。 っと、言い忘れてたな。俺はマルトー。見てのとおりここでコックをやってる。そして俺はここの料理長だ」 「なるほど、あんたがここのボスってわけだ。そりゃ心強いな!なんでも良いのかい?」 「ああ、勿論材料に都合が付けば、だがよ」 「OK!こりゃぁ楽しみが増えたぜ。ま、そうはいっても出てくる物皆文句の付けようがないほど美味いしな。まぁ、今日のところはこれで充分さ。そうだ、バーニーは何かあるのか?」 「僕も特に無いけど…ああそうだ、ハンバーガーが食べたいね。本当はコーラも欲しいところだけど、流石に無いだろうし」 「ハンバーガー!ああ畜生!何で忘れてた!前言撤回だ!そうだよ!俺達アメリカ人はハンバーガーを食わないと死んじまうからな。 そういうわけでマルトーさんよ、俺達の希望はハンバーガーだ。ビッグサイズで頼むぜ」 「ええ!そうなんですか?すみません、気が付きませんで」 素っ頓狂な声を出すシエスタに、ペイトンは気まずそうに 「あー、ごめん。ジョークだからね?」 「シエスタ。そりゃぁアルビオン人がまずい料理を食わないと気が済まないってのと同じ類のジョークだろ。 おいあんたら、この娘は良い娘だが純真なんだ、あんまりからかわないでくんな。…ところでよ、ハンバーガーってなんだ?」 マルトーのその質問は浮かれていた二人を気落ちさせるのに充分だった。 しかし考えてみればこのマクドナルドもウォルマートも無いこのファンタジーな世界で都合よくハンバーガーが存在しているというのも虫の良い話である。 「あー、なんて言ったら良いのかな…僕たちの故郷の料理なんだけど…おいペイトン、詳しい作り方…わかるか?」 「俺がか?言えるわけないだろう!あー、おっさん、要はパンでハンバーガーステーキを…いや、これじゃ通じないんだよな、Hh.…」 そこでしばし言葉を捜していたペイトンは、 「ああそうだ、パティやレタス、トマトにピクルスなんかを挟んで食べるんだが」 「パティといっても色々あるぜ。何を使うんだ?」 「え…色々あるのかよ」 その言葉に二人は顔を見合わせて、ぎこちなく笑った。料理などした事も無い二人である。 詳しく作り方を尋ねられても、100%の牛挽肉を使っている、と答えるのが精々である。 いかにマルトーの腕がよくとも、そしていかにペイトンが楽観的とはいっても、これでは満足のいくものが出来るわけがないのは明白だった。 「ああ、すまない。うん。忘れてくれよ。俺達の故郷の料理だから、知らなくて当然だよな。リクエストは別なものにするよ」 気落ちして答えたペイトンに、しかしマルトーは食い下がった。 「ちょっと待ちな。知らないままに引き下がっちゃ料理人の名折れってもんよ。 それにあんたらの反応からすると、美味いもんなんだろ? そのハンバーガーとやらをもうちょっと教えてくんな。俺の意地にかけて美味いものに仕上げて出してやるぜ」 「いや、俺達も詳しい作り方を知ってるわけじゃないんだが…。まぁいいか。パティには牛挽肉を使うよ」 「ふぅん?で、それをパンに他の具と挟むんだから…えぇと、こんな感じか?」 二人の話を聞いて、暫く考えを巡らせていたマルトーだったが、どうやらハンバーガーのイメージが纏まったらしく、 「よし、昼を楽しみにしていてくれや。そのハンバーガーとやらを作ってみせるからよ」 そう言い切ったのであった。 「では授業を始める。知っての通り私の二つ名は疾風。疾風のギトーだ」 さて、その日の最初の授業は、ギトーが受け持ちだった。黒い長髪や漆黒のマントから漂う陰気な雰囲気と、 どうにも隠せない陰険さから生徒からは総スカンを食らっているが、本人はまるで気にしていない。 「最強の系統とは何かね、ミス・ツェルプストー」 「虚無じゃないんですか?」 「伝説の話ではない、現実的な答えを言いたまえ」 回りくどく尊大な言い方にキュルケは不快を覚えたが、質問自体には素直に答えた。 「…火ですわ」 「違うな。論より証拠だ。私に君の得意な火の魔法をぶつけてきたまえ。なに、遠慮はいらん。大した事にならんのは分かりきっているからな。 それとも、その有名なツエルプストー家の赤毛は飾りかね?」 あからさまな挑発である。 キュルケは優雅に溜息をつくと、むしろ笑顔で髪をかき上げた。 「仕方ありませんわね。治療費ぐらいは出して差し上げますわ。治療できれば、ですけれど」 言い終わるが早いか、キュルケが詠唱を始めた。直径1mはある炎の玉が完成し、正確にギトーをめがけ直進する。 だが、ギトーは避けるそぶりも見せず、腰に差した杖で剣を振るようになぎ払った。烈風が巻き起こる。 それは炎の玉をかき消し、そしてその向こうにいたキュルケを吹き飛ばした。 「いけない!」 咄嗟にそれを見たバーニーが超能力を発動させた。目的は、勿論キュルケを助ける事だ。かなりの勢いで壁へと吹き飛ばされたキュルケであったが、 バーニーの狙い通り、超能力によって急減速し、何事もなく着地することができた。 …いや、何事もなく、ではなかった。何分咄嗟の事で美味く加減が出来ず、スカートがマリリン・モンローの如く見事に捲れあがり、下着が見えてしまったのである。 とはいえ、流石にバーニーもペイトンもその眼福を楽しむだけの余裕はなく、ただキュルケの無事を安堵した。 ほっとしたように、バーニーの肩を叩きながら、ペイトンが呟いた。 「流石だ。でかしたバーニー」 そして、同時にギトーへの怒りが湧き上がった。 二人とも基本的に脳天気な馬鹿であるが、女に手を上げるとは最低、という典型的なアメリカンである。 ましてやキュルケはこっちに来てから何かと世話になった恩人でもある。それだけに、怒りを買うには充分であった。 「…おい、見ろよバーニー。かわいそうに、女の子には優しくしろって小学校で習わなかった奴がいるぜ」 「言ってやるなよペイトン。我がアメリカじゃぁただのクズだが…ここじゃぁ違うかもしれないだろ?」 茶化した調子ではあるが、声には怒気がみなぎっている。無論、ギトーがそれに反応しないはずも無い。 「…ふん、平民の使い魔風情が良く吼える。ヴァリエールの躾がなってないようだな。まぁいい。そんなに意見があるなら貴様等が答えてみろ。さぁ、最強の属性とは何だ」 指名こそしたが、ギトーはまともな返答を期待していたわけではない。よりにもよって自分の授業に使い魔だからとはいえ、平民が紛れ込んでいるのが気に入らなかったのである。 精々的外れな返答を罵倒してやろう、そういう魂胆だった。 だが、彼は間違っていた。彼らを侮ってはならなかったのだ。 バーニーは素早くギトーの腹を読んだ。…恐らく、コイツは自分の属性…つまり風こそが最強だと言わせたいのだろう。 今の態度からしてそれ以外は聞く耳持つまい。だが、わざわざこんな奴をおだててやるのも癪に障る。 そう思っていたところに、ペイトンが口を開いた。勿論、答えを知っていたわけではない。勝算などない。 だが、ペイトンはそこで黙っているような殊勝な性格では決してない。 ほんの僅かな時間考えてから思いつきのままにその言葉を継いだ。こういうものは、詰まったら負けなのだ。 そして、彼の答えは誰一人として予想していないものだった。 「さて先生、そいつぁ簡単だ。何時だって、愛が最強さ」 「あ、あんた、なんて馬鹿な事を言うのよ!少しは私の体裁という物を考えてくれない?」 悲鳴のようなルイズの叫びであった。…まぁ、ルイズならそういうよなぁ…と内心溜息をつきつつ、ペイトンはギトーの出方を伺った。 「…愛だと?馬鹿馬鹿しい」 まともな解答など最初から期待していなかったギトーではあったが、この答えは完全に馬鹿にしたように聞こえたので、立腹するには充分な理由となった。 しかもそれだけではない。 「さすが我らが英雄!」 「そうだ!愛だ!」 「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ!」 何故かこのふざけた答えが男子から猛烈に支持されている。それがますます気に入らず、 「…下らんな。愛など所詮欺瞞に過ぎぬわ」 ギトーは吐き捨てるように言ったのだった。皆が辟易した表情を浮かべる中、ペイトンは肩をすくめると、 「ああそうですか?まぁ、人それぞれですからどう思おうが別に構いませんがね。ところで俺の故郷での体験から言わせて貰えば、 その台詞はモテない童貞が良く使う負け惜しみなんですがね。まさか先生に限ってそんな事はないとは思いますが実際どうなんですかね?」 「どっ…」 ギトーは絶句した。予想外の返しと、いきなりの下品な展開に呆気に取られ、咄嗟に返す言葉がなかったのである。 まともな会話は不可能と判断し、ギトーは授業に戻ることにした。 「…話にならんな。まぁ、貴様ごときに回答させた私が愚かだったか。まぁいい。授業を続ける」 吐き捨てるように会話を打ち切ったギトーであったが…彼は気づいていなかった。既に彼は致命的なミスを犯していた事に。 絶句したのは余りにまずかった。 「お前、童貞だろ」 この質問に絶句した男がどういう目で見られるか、多くを語る必要はないだろう。 僅かなうちに教室の雰囲気は一変していた。冷ややかな目、同情するような目。忍び笑いを漏らすものも少なくない。 最初、教室の雰囲気の変化に怪訝な顔をした彼だったが、その意味を悟ると流石に表情が変わった。 ギトーは普段生徒の反感など微塵も気にしないのだが、そんな彼にもこの生暖かい反応は堪えた。 「な、何を馬鹿な事を!私は童貞などではない!言い掛かりは止せ!」 思わぬ侮辱に喋らずにはいられなかった彼だが…こんな反論は火に油を注ぐようなもので黙っていた方が遥かにマシだとは諸君は良く知っているだろう。 ご多分にもれず、教室の雰囲気は「ああやっぱりね」といったものであった。 焦ったギトーはますます墓穴を掘るような発言を繰り返し… そこへ芝居がかった調子でペイトンは立ち上がり、両手を広げつつ優しい調子で言った。 「まぁ皆落ち着きたまえ。童貞は罪ではない。それにメイジとしての実力にはなんら関わりのないことだ。そうでしょう先生?」 「そ、そう。そうな…うん?」 パニックになりかけていたギトーは助け舟と見てこれに飛びついたのだが…これでは私は童貞です、と自白したも同然である。 ギトーがそれに気づいたときにはもう手遅れであった。 勿論、童貞である事は人間としての価値を些かも貶めるものではない。だが、それが何よりも重大な関心となる時期がある事も事実である。 それはバーニーたちの故郷アメリカでも、我等が日本でも、そして魔法が実在するここハルキゲニアでも同じであった。 さて、そういう者達にとって普段尊大な態度で自分達にあたるものが実は童貞でした、となったらどうなるか。 言うまでも無くそれはもう地の底までも評価は落ちる。 先ほどとは比較にならないほどの遠慮ない野次や、哀れみや生暖かい同情を込めた視線がギトーを襲った。 生徒の反感など微塵も気にしないギトーであったがこれは非常に堪えた。 「僕は青銅のギーシュだが…先生はなるほど清童でしたか」 この野次が止めであった。「後は自習!」と言い残し、逃げるようにギトーは去っていった。 それを見届けるとバーニーはニヤリと笑ってサムズアップした。ペイトンも満面の笑みでそれを返す。 だが、その笑みが困惑顔に変わった。キュルケがやって来たのだ。その表情はいつものような余裕あるものではなく、不自然に無表情であった。 「…貴方達の仕業ね?」 言われて、二人は言葉も無かった。あの場合仕方が無かったとはいえ、下着が丸出しになったと言うのはやはりまずかった。 「…その通りだ」 「初めて握手した日のこと、覚えてるかしら?調子に乗るなと言っておいたはずよね?」 「勿論覚えてるさ。言い訳はしないよ」 「そう?潔いわね」 そういうが早いか、キュルケはバーニーの顔を思い切り張った。そして、打たれた頬を押えるバーニーの手の上から両手で包み込むようにバーニーの顔を押えた。 と、キュルケは悪戯っぽい笑みを浮かべ、熱烈なキスをした。 「!?」 突然の事に呆然とするバーニーであった。たっぷり30秒ぐらいはそうしていただろうか。ようやく離れると、 「ふふ、助けてくれてありがとう。言い訳しないなんて、格好いいじゃないの。本気で惚れそうよ?」 熱っぽい視線で礼を言うキュルケに、 「ふっ、いい男は手柄を誇らないもんだぜ。所で…なぁキュルケ、俺は?そりゃあ直接助けたのはバーニーだが、俺だって同じくらい心配したんだぜ?」 「分かってるわよ。貴方にも感謝してるわ。両方熱烈なのと、両方軽く済ませるのとどっちが良いかしら?」 「…そうきたか。勿論、一番アツイ奴で頼むよ」 「あら?良い事言うわね。良くってよ?」 言うが早いか、バーニー以上の閃光の様な平手打ちがペイトンに炸裂した。そして、これまたバーニー以上の熱烈なキスが交わされたのだった。 違ったのは目を白黒させていたバーニーに対し、こちらは始終至福の表情を浮かべていた事であろうか。 ここが教室である事など全く気にしないようなその様子に周囲は大いに盛り上がり、ルイズなどは怒りで顔を真っ赤にしていたが、三人にはそんな事はまるで目に入っていなかった。 ようやく離れると、 「それにしても貴方達、本当に面白いわね。あのギトーを涙目にするなんて貴方が始めてだわ」 感嘆した調子でキュルケが言った。キュルケにとっても今のは相当に痛快だったようである。 「そりゃあどうも。けど、半分以上あいつが自爆しただけさ。大した事じゃない。しかしあいつも人望無ぇなぁ。そこだけは同情してやるぜ」 全く同情しているようには聞こえない口調で言ったペイトンであったが、実際教室を見渡してみても、ギトーのことを気遣うような生徒はまるで見当たらなかった。 振り返ってみれば一応止めに入ろうとした生徒も皆無であっし、これには自分のした事とはいえ、ちょっとやりすぎたかと思わないでもなかった。 だが、キュルケはもはや哀れなギトーの事などどうでも良かったようで、 「そういえば…貴方達今朝はどうしたの?朝食の時会わなかったけど…」 と、まるで別のことを言った。 「実はついに昨日から念願の寝床と食事を手に入れてね。もう食事を分けてもらいに皆を回る必要は無くなったんだ」 「あらおめでとう。でもどうやって?あのルイズがそこまで態度を変えるなんて、一体何をやったのか興味があるわ」 「ははは、ルイズに頼んだんじゃないんだなぁ。これが。学院長に直訴してね」 「…?ねぇペイトン、貴方一体何をやったの?確かに貴方はユニークな人だけど、それだけでオールド・オスマンがそこまでの待遇を与えるとは思えないし…」 「ははは、まぁ、それは…」 と、言いかけてペイトンはこの件は出来るだけ伏せておいた方がいいと判断した。 見た目はセクハラ爺とはいえ、学院長に一杯食わせたというのがどう思われるか判断できなかったからだ。 「秘密って事で。ま、学院長か、コルベール先生に聞けば教えてくれるかもよ?まぁ、バーニーの力と」 そこでペイトンは、人差し指でバーニーを指してから、親指で自らの頭を指しつつ 「俺のココの勝利、ってとこかな。さてそれより、今まで食事を分けてくれたお礼をしたいんだ。 もし良かったら昼食を一緒にとらないか?マルトーの親父が俺達の郷土料理を作ってくれることになっているんだ。 まぁ、どこまで再現できているかはちょっと不安だけどさ。勿論タバサも一緒で良いよ」 果たして、昼、期待と不安の入り混じった表情で再び厨房を訪れた彼らを待っていたのは。 「どうだい、初めてにしちゃちょっとしたもんだろう!これらの具に合うソースを作るのはなかなか苦労したんだぜ!」 「あ、ああとても美味しいよ」 「そうだろそうだろ。しかしこりゃなかなかいけるなぁ。改良すれば食堂のメニューにも加えられそうだなぁ」 褒められてご満悦なマルトーとは裏腹に二人の表情は微妙だった。 出てきたものは、確かに彼らが説明したとおりのものだったし、文句なく美味であった。 だが、それはどう見てもハンバーガーではなかった。 手づかみで喰らい付くハンバーガーとは違い、ナイフとフォークで切り分けて頂く…敢えて言うなら、ミートボールサンドであった。 「中々美味しかったわよ。ご馳走様、お二人さん。でも、余り嬉しそうじゃないわね?」 「あーそれは…期待していた物と違っていたと言うか…まぁ、俺達も作り方を良く知らないものを再現してもらおうって言うんだから、間違っていても仕方ないんだけどさ」 「あら、これでも間違ってるの?じゃぁ、本当はもっと美味しいってことなのかしら?」 「!…完成した暁には、是非。助力が必要なら協力もする」 キュルケの言葉にタバサは余程心動かされたようで、バーニーの手を取り、真剣な表情でまたの同席を要望してきた。 勿論、彼らに断る理由も無いので多少気圧されつつも快くOKする。 「…凄いわね貴方達。タバサにここまでさせるなんて」 それを見て愉快そうに笑うキュルケにタバサは少し頬を染めながら 「…美味しいのが悪い」 とだけ言うのだった。その表情は、彼女のような幼女体型は守備範囲外のペイトンもどぎまぎさせるような可愛らしさを持っていて、 ああなるほどキュルケが可愛がるわけだなぁ、と妙に納得したのだった。 と、そこでペイトンの頭に閃くものがあった。指を鳴らすと、 「良い事を思いついたぜ。ここでQOH団の旗揚げと行こうじゃないか」 「QOH?」 キュルケやタバサは当然のこと、バーニーも何の事か分からなかったので一斉に聞き返すと、 「Quest of Hamburger。つまり、我ら一丸となってここで始めてのハンバーガーを誕生させようってわけだ。」 「いいね、乗ったよ」 美味いハンバーガーはバーニーも大いに望むところである。一も二もなく頷いた。 「協力する、とさっき言った。だから乗る」 「あら?じゃぁタバサが乗るなら私も乗るわ。ふふ、面白い事になりそうね。…けど、貴方達のご主人様はどうするの?多分…いえ、間違いなく嘴を突っ込んでくるわよ?」 悪戯っぽくキュルケは笑った。 「ふむ。まぁハンバーガーを作ろうってだけだから妨害はされないと思うが…もし妨害しようとしたらどうするかね?」 「その時は実力行使も辞さない」 真剣なタバサの即答だった。 「ち、ちょっと待てって。まだそう決まったわけでなし。まぁ、俺達に任せておいてよ」 「勿論そのつもりよ。貴方達のご主人様だものね」 「やれやれ、気楽に言ってくれるぜ」 苦笑いしながらさて、どうやってルイズを言いくるめるか…と思案するペイトンであった。 こうして、厨房の一角での昼食会は過ぎていったのである。 前ページトリステイン魔法学院Z
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マシュルン(SR)-菇孢孢 基本情報 属性 霊 タイプ 補助 攻撃方法 遠距離魔法 性格 いい人止まり?(英霊ダメージ+5%、英霊ダメージ軽減+5%) 入手方法 英霊召喚(離星の願い、鏡月の願い)英霊巻物・マシュルン スキル 通常攻撃(固有スキル CD0秒) 敵にマシュルン魔法攻撃90%のダメージを与え、同時にプレイヤーと英霊のHPを回復力90%回復する。 Lv1 同時に主人と英霊を回復力の90%のHPを回復する。 Lv2 回復力を100%に増加 Lv3 回復力を110%に増加 Lv4 回復力を120%に増加 Lv5 回復力を130%に増加 Lv6 永久に自身の全元素強化+15 毒薬の胞子(固有スキル 無双スキル) 「無双消費:200」接地で爆発する薬剤を投げ、4m以内の敵に「毒性胞子」を4秒付与し、11%の回復弱化を与える。(最大4スタック) Lv1 「毒性胞子」は11%の回復弱化を付与する。 Lv2 回復弱化強度を15%に増加 Lv3 「毒性胞子」状態で回復を受けると、1スタック増加。 Lv4 回復弱化強度を15%に増加。 Lv5 死亡時、「毒性胞子」が4スタック付与されている場合、20秒間復活されない Lv6 永久に自身の全元素強化+15 傷蝕毒(固有スキル パッシブ) 「毒性胞子」が付与されていると毎秒マシュルンの魔法攻撃6%の霊元素ダメージを受ける。 Lv1 「毒性胞子」は毎秒6%の霊元素ダメージを与える Lv2 継続ダメージを毎秒8%に増加。 Lv3 継続ダメージを毎秒10%に増加。 Lv4 「毒性胞子」の効果で目標の霊元素耐性-50 Lv5 霊元素耐性減少効果は100 Lv6 永久に自身の全元素強化+15 タレント 特質 効果 解放条件 元素の力 戦闘特質 永久に自身の全元素強化+12 マシュルンを連れ傘村錬金工房に向かい、英霊逸話を完了する。マシュルンとの好感度が冒険仲間Lv2に到達 暴烈の力 戦闘特質 永久に自身の会心率+3.5% 前の特質(元素の力)を解放白虎霊眼1つをLv5までUPマシュルンとの好感度が冒険仲間Lv4に到達 生機勃発 生存特質 永久に自身のHP+3% マシュルンを連れ蘇蘭の町の居酒屋前に向かい、英霊逸話を完了する。マシュルンとの好感度が冒険仲間Lv2に到達 ブロックマスター 生存特質 永久に自身のブロック率+4.5% 前の特質(生機勃発)を解放主人の生活知識「生物」が30点突破マシュルンとの好感度が冒険仲間Lv4に到達 生機・主 防御特質 永久に主人のHP+20 マシュルンを連れ、蘇蘭の町外の海辺の鳥居をくぐるマシュルンとの好感度が冒険仲間Lv2に到達。 清聴・主 防御特質 永久に主人のサイレンス耐性+1.5 前の特質(生機・主)を解放薬剤を累計30回作成マシュルンとの好感度が冒険仲間Lv4に到達。 威風群雄 最終特質 スキル発動時、50%の確率で目標の攻撃力-13%、4秒継続。 全特質を開放マシュルンとの好感度が以心伝心Lv1に到達 ※「威風群雄」解放後、「奇妙な薬剤」を入手可。 奇妙な薬剤 使用すると、風物獲得:奇妙な薬剤マシュルンが錬金師になる前に作った最初の薬剤。誰にも使用されず、現在まで保存されている。マシュルンにとっての宝。 物品で使用後、冒険手帳から確認できる。
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前ページ次ページトリステイン魔法学院Z 第二話 「寝床を手に入れろ!」 トリステイン魔法学院の食堂は、朝を迎えていた。まだ朝食の時間にはなっていないものの、まもなく訪れるその時間に対応すべく、厨房は既に戦場のごとき様相を呈しており、 食堂もまた、その準備で人がひっきりなしに行きかっていた。そんな中で、その慌しい物音で起こされた明らかに場違いな二人がいた。 バーニーとペイトンであった。 「…おはようバーニー」 「…ああ、おはようペイトン。…やっぱり、夢じゃないんだよなぁ…」 「言うなよ、悲しくなる」 あの後、終始怒りっぱなしだったルイズに簡単に使い魔の仕事を一方的に説明された後、寝るから後はまた明日、とばかりに彼らは部屋から締め出されたのだった。 どこで寝ればよいのか、と抗議してみたが、扉越しの返答は「食堂ででも寝れば?」という実に慈悲深いものだった。 ま、RPGでお馴染みの馬小屋よりはマシだよな…と半分やけくそで彼らは食堂の椅子を並べ、その上で寝たのであった。 不幸中の幸いというか、椅子が上等な物だったのでそんなの即席のベッドでも床に寝るよりは余程快適であった。 「…とりあえず、ご主人様を起こしに行かなきゃ、だな」 「…だねぇ…」 時間を確かめようとして、携帯を取り出したペイトンは、しかし時刻の表示がまるで当てにならないことに思い当たると、溜息を一つ吐いて、ご主人様-…つまりルイズの部屋へと歩き出した。 その後をのろのろとバーニーがついていく。 「何時だった?」 「…ここが我が愛しのアメリカなら十時半ってとこだな。ま、ここじゃどうか分からんがな」 「そうか…ペイトン、もしかして昨夜かけてみた?」 「…電話か?言わなくても分かるだろ。圏外で繋がりゃしねぇよ…っていうか、いくら魔法があるってったってここは出鱈目な世界すぎないか?お前も見たろ!何で月が二つあるんだよ! …ああ畜生、椅子で寝たせいで体が痛いぜ…っと、ここだよな?」 愚痴りながらペイトンは昨夜のうちに渡された合鍵を取り出し、解錠した。 中に入ってみると、カーテンが閉められ、明かりも点けられていない部屋はまだ暗闇に包まれていた。 起きていてくれれば手間が掛からなくて良かったんだがなぁ、との彼らの期待をあっさり打ち砕く現実であった。 「寝てるみたいだな」 「まず寝てるね…じゃ、やろうか」 「…だな。おいバーニー、カーテン開けてくれ。…サンキュ。…で、ベッドは…と。お、いたいた。全くこっちの気も知らんで幸せそうに寝やがって…」 「…こう黙ってりゃ可愛いんだけどなぁ…」 「黙ってても駄目だろ。あのパンチ、かなり効いたぜ」 「それもそうだね。じゃ、黙っていて、暴力を振るわなければ可愛いって事で」 「HAHAHAバーニーもひどいな。つまりは全然駄目だって事じゃないか?まぁ同感だがな!」 彼らはひとしきり笑うと、再び深い溜息をついた。今の笑い声でも起きないあたり、中々手間が掛かりそうである。 「…それはさておき問題だ。どうやって起こす?」 しばし思案した後、バーニーは決断した。 「…仕方ない、ペイトン、呼びかけ続けてくれ」 「あいよ。おーい、起きて下さい、ルイズ様―」 ペイトンの声をバックに、バーニーは精神を集中させた。すると、ルイズの包まっている毛布の一端が宙に浮き上がり、ゆっくりとルイズからはがされていく。 バーニーがサイコキネシスを使用したのだ。別に毛布を取るくらい超能力を使うまでも無いのだが、昨日見た目にそぐわぬ凶暴性を身をもって味わった彼らである。 どこぞでよくある展開のように、迂闊に揺り起こして起きたルイズと目があって変な誤解をされ魔法が飛んできたら堪ったものではない、と慎重になるのも無理はなかった。 毛布を取られたことや差し込む日光のせいだろう、程なくルイズが目覚めた。ふにゃふにゃになりながらも、二人の姿を確認すると、 「だ、誰よあんた達ッ…って、…ああそうか、使い魔にしたんだっけ」 寝ぼけているのが明白な第一声をあげた。 「…朝から随分な挨拶ですねぇご主人様。それで、要望通り起こしたわけですが、次の仕事は何ですか?」 「着替え。クローゼットに入ってるから」 皮肉交じりのペイトンの質問には全く動じず、ルイズは鷹揚に指示を出した。 「で、どれ?ああ、右端ね。はい、どうぞ。…え、下着も出すの?…どうぞ。いいえ、変な目で見てませんって。 …ったく、誰がんな子供みたいな…いえ、何も言ってませんよ?他に仕事は?無い。じゃあこの後は…ああ、食堂ね。分かりました。では、後ほど」 若干本音を漏らしながらも、どうにかこうにか初仕事を終え退室した彼らは扉を閉めるなり今朝何回目か分からぬ深い溜息をついた。 「…もしかして俺達、召使と思われてるんじゃないか?」 「奴隷じゃないだけマシかもね、ペイトン。…参ったね、この先の扱いが大体見えたよ」 「全くだ。実に楽しい未来図じゃないか、えぇ?」 同じ結論に達した彼らが、先程より深い溜息をついたとき、ルイズの部屋の隣のドアが開き、女生 徒が現れた。 見事なプロポーションを持つ褐色の美少女である。もし現代アメリカで街を歩いていても男達の注目を浴びるだろう。 まぁ、ルイズも美少女ではあるのだが…こちらの方は現代アメリカで迂闊に声を掛けようものなら逮捕されるのがオチであろう。 その美少女が、思わず口笛を吹いたペイトンに反応してこちらを振り向いた。 「…あら、ルイズの所の使い魔じゃないの」 「は…はは…昨日はごめん」 流石に昨日の事があり、怯えながら挨拶したバーニーを見て、苦笑しながら、その美少女は安心させるように笑いかけた。 「ふふ、そんなに怯えなくていいわ、昨日の事はもう怒ってないから」 「え?そうなの?」 「えぇ、きっちりお返しはさせてもらったから、ね。何かねぇ…こんな目に合うの初めてじゃないしねぇ。ま、良い女は恨みを買いやすいのよねー」 「ははは、確かに君は魅力的な女性だね。他の女の子も君みたいにさっぱりした性格だと助かるんだけどな」 「残念、そこは諦める事ね。それと、昨日の事は許してあげるけど…だからといって調子に乗らない事ね。良い女の裸は安くはないわよ。拝みたかったら実力で、ね」 「それは、俺にも君を口説くチャンスがある、と期待しても良いのかな?とにかく、改めてよろしく、俺はペイトン」 「僕はバーニーだよ」 そう言いながらペイトンが片手を差し出し握手を求めた。バーニーが続き、それに彼女は応えた。 「キュルケよ。しかし貴方達も災難よね。この国は堅物が多いけど、あの子は特に難物よ」 「ははっ、有り難い事に身をもって体験してるよ」 こうして、三人は固く握手を交わしたのであった。だが、そこへ不機嫌な声が飛んできた。 「ちょっと!何キュルケなんかと握手してるのよ!」 驚いて振り向けば、何時の間に出てきたのか身支度を終えたルイズが仁王立ちしていた。 「何って…仲良くなったら握手ぐらいしたって可笑しくないだろ?」 「だから、何でキュルケなんかと仲良くしてるのよ!」 「何で…って…何か問題あるの?それと、なんかって酷くない?キュルケさん良い人じゃない」 その言葉に、キュルケは少し驚いたような顔をすると、愉快そうに続けた。 「あらあら、賢い使い魔さんじゃない。良かったわねルイズ。貴女には勿体無いくらいの当たりみたいよぉ、ルイズ?」 「…っ!もういいわ!先に食堂に行ってる。アンタ達は好きなだけそうやってればいいわよ!」 怒りで顔を真っ赤にしてそう言い捨てると、ルイズはぷりぷり怒りながら去っていってしまった。 「…わけがわからないよ。何でルイズはあんなに怒るんだ?」 「一応ね、私の家とルイズの家は因縁があるからねー。だからああ怒るのも解るのは解るんだけどねー」 「え?そうなの?」 「そうそう。昔っからあそこのところの男どもをご先祖様が誘惑しちゃってねー。それでなくても国境挟んで隣同士だから、戦争のたびに真っ先に殺し合いよ? ま、そういうわけだから、これに関してはルイズじゃなくても敵視してもおかしくはないわね」 「俺としちゃ、その男達に同情するわ。ワイフがルイズみたいな性格だったらそりゃ逃げるよ。 相手が君みたいな魅力的な女性なら尚更さ」 「あら、ありがとうペイトン。中々お上手ね。でもそっちのバーニーも中々のものね。良い人なんて言われたの初めてよ?」 キュルケは軽くあしらいながらも満更でもなさそうだった。 「そうなの?本当に良い人だと思うんだけどなぁ。ところで君は、そういう割には別にルイズを憎んではいないようだね?」 「あら、良く分かるのね。ま、殺し合いといっても、顔も知らないようなご先祖様の話しだし。 大体、どうせ身を焦がすなら憎しみの業火よりも恋の炎の方が良いじゃない。だからといって仲良くする気も無いけどね。向こうはこっちを憎んでるみたいだし」 「憎しみより恋って下りには全面的に同意するけどね。うーん、できればルイズに優しくしてやって欲しいかなぁ。でないと俺らにとばっちりが来る」 「ふふ、言うわねぇ。でもそろそろ、あの子を追いかけた方が良いんじゃない?余り一人にしておくと、また癇癪が爆発するかもよ?」 「それもそうだな。ご忠告どうも、キュルケ、じゃあ行くぞ、バーニー」 「待てよ!ああ、ありがとうキュルケさん。じゃぁ、またね」 慌しく礼を言うと、彼らは食堂目指し走り始めた。 こっちへ来てから始めて、それもキュルケのような美女にまともに接してもらったこともあり、彼らの気分は随分上向いていた。 なんだかんだで、こっちでも案外楽しくやれるかもしれない。何となく、そう思った。 「…気のせいだったな」 「…気のせいだったねぇ…」 彼らは、先程までの自分を呪っていた。床に座らされた彼らの前に置かれたのは硬いパンが二切れ申し訳程度に乗せられたスープである。 まぁ、床に座らされるのは我慢も出来る。だが、若い男の食事にしては明らかに量が足りない。 流石にこれは耐えかねたので、せめて量だけでも何とかするように、しつこく懇願していたら、根負けしたか、固そうなパンが増えた。 …が、それだけである。肉を要求したが、癖になるから駄目、とにべも無かった。いや、肉だけではない。ルイズが食べている美味そうな物は何一つ貰えなかったのだ。 落胆しながら食事を終えた彼らは、食堂の壁にもたれながら不満をぶちまけていた。 「…ったく、何が特別な計らい、だよ。ダイエットでもさせようってのかね」 「周りが豪華な食事な分余計惨めだよね…イギリス人だってもっとマシなもんを食べてるよ、きっと。いっそもう、ストでもするかい?」 「ハンストでもする気かよ。まぁ、こんなんじゃ食べてないのと大して代わらないけどよ…ああもう、仕方ねぇ、恵んでもらいに行こうぜ」 「それしかないだろうね…まぁ、昨日の反応から考えれば、男子を回れば誰か分けてくれるだろ。それに期待しようか」 「ヘイ、待てよバーニー。どうせなら綺麗所と食事としゃれ込もうぜ」 「おい待てよペイトン、そんなあてなんかないだろ!」 「あるだろ、ついさっき知り合ったばかりのあてがよ。駄目元だ、行ってみようや」 「それで?あたしのところに来たってわけ?」 食事中、突然やって来た彼らに最初キュルケは不審な顔をしていたが、理由を説明する内に段々その表情は崩れてゆき、最後には必死に笑いをこらえていた。 「貴方達、大胆すぎて面白いわねー。良いわ。もう手を付けちゃってるから、あんまり残ってないけど、それでも良ければ、だけど」 「とんでもない!ありがたく頂くよ、なぁバーニー!」 「勿論さ。ありがとう、キュルケさん!」 「ちょっと、正気なのキュルケ!なんでこんなのに!」 近くにいた女子からは一斉に非難の声が上がったが、キュルケはまるで気にしなかった。 「貴方達には頼んでないわよ?別に良いじゃない。まぁタバサが駄目というならちょっと考えるけど。別に構わないでしょ?」 その問いかけに、猛烈な勢いで食事をしていた少女が、僅かに手を止め、 「了承」 とだけ言うと再び轟然と食事を詰め込み始めた。 「タバサからも同席の許可がでたわ。ま、もっともこっちは分けてはくれないでしょうけどね」 「構わないよ、正直、白い目で見られないだけでもほっとする」 こうしてキュルケと話している今でも、周りの女子からの敵意の篭った視線がビンビンに突き刺さってきていた。 それだけに、普通に接してくれるキュルケ、放って置いてくれるタバサは非常にありがたかった。 こうして、彼らは何とか食事にありついたのである。そしてこれは、暫く続くこととなったのであった。 「おお、我等が英雄のお出ましだ!」 朝食が終われば、いよいよ授業が始まる。教室に入った彼らを出迎えたのは、そう熱烈に歓迎する男子と、 「………」 氷点下以下の侮蔑の篭った視線でこっちを睨む殆ど…というか、ルイズ、タバサ、キュルケ以外の全ての女子であった。 食堂の時の反応から予想は出来ていた事だったが、だからといってそれが慰めになるわけも無い。流石にこう露骨に敵意をあらわにされると逃げたくもなった。 面白そうな顔で手を振ってくれたキュルケが唯一の救い、といったところだろうか。彼らはせめて居心地の悪さを出来るだけ感じないようにした。 そして、その敵意はルイズに対しても向けられていた。そのせいで不機嫌を前面に押し出した顔をしていたルイズにペイトンは気になっていたことを尋ねた。 「…ところで、来いというから授業について来たけど、俺達は何をすればいいんだ?まさか俺達にも魔法を習わせる気か?」 「まさか!この授業は、使い魔を連れてくる事になってたから、というだけの話よ。アタシだって何を好き好んであんた達みたいなトラブルの種をわざわざ… はぁ、もういいから。黙ってそこに突っ立ってればいいわよ。とにかく、余計な事は一切しないで。他には何も望まないから」 「へいへい、有り難い御配慮に感激して涙が零れそうですよっと」 「おいペイトン、挑発するなよ…僕だって我慢してるんだ」 愚痴をこぼしながら、彼らがルイズの後ろに控える格好になると、いい加減耐えかねたか、女子達から一斉に非難の声が上がった。 「ルイズー?あんなの連れてくるんじゃないわよー?今すぐ出て行かせなさいなー」 「そうそう、またやったら今度はアンタも只じゃ済まさないわよー」 自業自得とはいえ、相変わらずの反応にすっかり彼らはゲンナリした。男子共もあんだけ持て囃すならちっとは擁護してくれても良いのに…と内心思ったが、 この状態で擁護したら最後、女子からどういう扱いをされるかは火を見るより明らかである。擁護ゼロなのは無理もなかろう。 だが、幸いな事にほどなくその声は途切れた。ふくよかな中年の女教師が入ってきたのである。 紫のローブに身を包んだ彼女は、教室を見渡すと満足そうに口を開いた。 「皆さん、春の使い魔召喚は成功に終わったようで何よりですわ。このシュヴルーズ、様々な使い魔を見るのがこの季節の一番の楽しみなのです。 生徒達の成長を実感できますしね。ところで…」 そこで、シュヴルーズは言葉を切ると、彼らを見て 「貴方達ですか、ミス・ヴァリエールの使い魔というのは。…えぇと、平民の身で使い魔となっては色々戸惑う事も多いでしょうが、だからといって変な事はしないように。 くれぐれも頼みますよ。ミス・ヴァリエール。貴女もしっかり監督するように心がけて下さい」 その言葉で我が意を得たとばかりに、中断された非難の声が再び飛んでくる。 「先生!私は反対です!あのルイズにこの使い魔を制御できるとは思えませんわ!」 「この平民にそんなこと期待できません!ああ、思い返すだけで腹立たしい!」 その声にルイズはひたすら耐えるばかりで、その様子は散々な扱いを受けた彼らも少しは同情したくなるほどであった。 彼らは反論するわけにも行かず、しばしそれを黙って聞いていたが、収まりそうもないので立ち上がると 「あー、ルイズ。悪いが俺達は席を外すよ。周りの反感が凄いもん。正直、君だって辛いだろ?」 「そうそう、次は出るからそれで許してよ。すいません先生。どうも授業の邪魔になるようですから僕たちは失礼します。構いませんね?」 「本当は使い魔は一緒にいて欲しいのですが…まぁ、こう空気が悪くては仕方が無いですね。 退室を認めましょう。えぇ皆さん。彼らも反省しているようですし、禍根は…まぁすぐに忘れろというのも難しいでしょうが、何時までも引きずらないように。よろしいですね?では授業を始めます」 ルイズは、唇をかみ締め彼らを睨んだが、結局何も言わなかった。彼らも肩を竦めこそしたが、結局無言で出て行った。 その少し後、教室から凄い爆発音が響いた。かなり遠ざかっていた彼らが思わず振り返るくらいの大きなものであった。 「…何だ、今の?」 「おいおい、俺に分かるわけないだろ?ま、何かの魔法だろうな。さすがファンタジーだ。きっと派手なのをぶっ放したんだろ」 再び肩を竦めると、彼ら歩き出した。よもや、それを起こしたのがルイズだなどと知る由も無かった。 そうと知ったのはルイズに呼びつけられて惨憺たる教室の片づけを命じられた時であるが、それはまぁ余談である。 そんなこんなで数日が過ぎた。流石にルイズも慣れてきたか、初日の不信感丸出し、といった様子もなくなり、彼らを前にしても露骨に不機嫌になることはなくなっていた。 そういう意味では随分進歩したと言えよう。言えるのだが…彼らの待遇はまるで代わっていなかった。 どうやらそれは嫌悪感や罰によるものではなく、ルイズの使い魔と主人では扱いに差があって当然、という意識によるものらしい、 という事が彼らにも分かってきたのだが…当然、彼らがそれで納まるはずも無い。その日もまた、愚痴っていた。 「ああ!もう我慢出来ねぇや。俺達はいつまでこんな生活しなきゃなんないんだ?」 「そんなの僕に分かるわけ無いだろ。未来予知は専門外さ」 「まあ、ルイズが魔法を使えるようになるのが一番ハッピーなんだけどな。今のままだと、コッチが割を食うばっかだ」 「だね。…とはいえ、魔法の事なんかわかりゃしないしなぁ…協力したくてもしようが無いよ」 「だよなぁ…こうなったらアレだ。抗議しないか、抗議」 「ルイズに…じゃないんだろ?どこにだよ。FBIか?CIAか?それに何て言うんだよ。労働基準法違反とでも言う気か?」 「まぁ俺もどこに文句ぶつけたらいいか分からないけどさ…おお、そういえば、ほら、俺達が最初に出会った先生いたじゃん。 ちょっと頭の寂しい。あの人はどうよ。結構話せそうな感じだったし」 突然の訪問にもコルベールは嫌な顔を見せず対応していたが、彼らの話を聞くと、困ったような顔で、頭をかきつつ答えた。 「はぁ、まぁ…君達の要求は分かりますが…正直君達は最初にちょっとその… 不味い事をしでかしたわけですし、ある意味しょうがないでしょう」 「それはそうですが、ルイズはまるで聞く耳持たないので…せめて、それとなく仲裁に入ってもらえないかな、と」 「多くは望みませんが、せめて食事だけでも何とかしてもらえませんか。贅沢は言えませんが二人で食うには量が、その…」 「私としては、もう少し日にちがたてばミス・ヴァリエールも冷静になって待遇を改善するのでは、と思いますがねぇ。 そこへ私が下手に口を出して依怙地になっては逆効果ですし…というわけで、もう少し我慢していただけませんか? 彼女はもともと頭の良い生徒ですから、きっと落ち着いて話せば分かってくれますよ」 「駄目じゃん!正論だとは思うけどなんの救いにもならねぇよ!」 「言うなよペイトン…そうだ、こうなったら駄目元で、先生の更に上に掛け合ってみようぜ」 「上?つまり誰だ?」 「ここの、校長さ」 人に何度か場所を尋ね、やっとたどり着いた学院長室の前で、彼らは躊躇していた。 「じ、じゃぁ、行くぞ」 緊張の余り、震える手でドアノブに触れる。ここの魔法使いを束ねる存在となれば、それ相応の実力を持つはずである。 まさか御伽噺にあるように、ちょっと機嫌を損ねただけで呪いを掛けられ蛙にされてしまった、等という事は無いだろうが… 大丈夫、迂闊な振る舞いをしなければ問題ない。そう言い聞かせて胸に沸き起こる悪い想像を押さえつけながら、ついに扉を開けた。そこで彼らは見た。 「全く!お尻を!触るなと!何度言えば!」 「触って何が悪い!大体、君のお尻が魅力的なのが悪いんじゃ!尻の引力に魂が惹かれたんじゃ!」 学院長らしき人物が、秘書らしき美女に蹴り倒されていたのを。 無言で扉を閉じた彼らは顔を見合わせ、同時に溜息をついた。見たまんまなのか、そういうプレイなのか状況が良く分からなかったが …とにかく、まるで当てにならないことは確実だったからだ。 「駄目だなこりゃ。本当に怒りが収まるのを待つしかなさそうだ」 「…その日まで敬謙にすごせ…ってか?この調子だと審判の日が来る方が早いかもな。 そうなったら凄いな。俺でも神父様になれそうだぜ…いや、待てよ…今のは上手くすれば…」 「…?おいペイトン、何を考えてるんだ?」 「うん?面白い事を思いついたんだ。題して、プレゼント作戦!耳かせ、耳」 ペイトンの作戦は単純なものだった。が、バーニーは難色を示した。 「…やだよ、バーナデッドから始めてもらったメールがあるんだ。コイツは墓場まで持っていくぞ!」 「純情だなぁ…わかったよ、俺のを使うよ。貸し一つな。その代わり色々俺のアドレス帳のを登録してもらうぜ」 「何でだよ、全然分からないんだけど!」 不審の声を上げながらも、バーニーは結局ペイトンの案に乗った。他に妙案も無い以上、それに賭けるしかなさそうだったし、何だかんだでペイトンの事を信頼しているからである。 「…おや、君達は…」 再び尋ねた学院長室には先客…コルベールがいた。彼は彼らを見て若干狼狽した様子だった。その手には二枚のスケッチがあり、 良く見ればそれにはバーニーの手に浮かぶ文様と同じものが描かれていたのだが…彼らはそんなものには全く注意を払わなかった。それよりも優先されるべき事項があったからだ。 「始めまして。学院長先生。ルイズの使い魔になりましたバーニーです」 「同じくペイトンです」 「そうかそうか、君達じゃったか。わしが、学院長のオールド・オスマンじゃ。こっちの、コルベール君とは面識はあるな? それとこちらの美人はミス・ロングビル。わしの秘書をやってもらっておる。して、何用かな?」 「実は、学院長先生に見せたいものがあります。多分、ここではまず見られない珍品ですよ?」 そういって、ペイトンはにやりと笑った。 「実は…ああすみません、その前に窓が開いていた方が都合が良いんで、ちょっと窓を開けてもらって良いですかね?」 「…ふむ?」 怪訝そうにオスマンがロングビルを見やると、彼女は頷き、立ち上がると窓へ向かった。 その動きに合わせ、ペイトンが懐から携帯電話を取り出す。ペイトンがバーニーを小突いたのはその時であった。 それを合図に、バーニーが精神を集中する。すると、窓を開けに向かったロングビルのスカートが風も無くふわり、と捲れあがり、同時にカシャリ、と音が響いた。 現代人なら瞬時に誰に、何をされたか理解し、ペイトンは吊るし上げを喰らっていただろう。 だが、生憎とロングビルはいつもの事…つまり、オスマンのセクハラだと解釈し、報復に出た。振り向きもせずに、無造作に手を振った。 ほぼ同時にオスマンの呻き声が響いた。 狙いたがわず、手に持っていたペンがオスマンの顔面に命中していたのだ。 「すげ…ニンジャみたいだ」 ぼそりとペイトンが呟いた。 「オールド・オスマン、悪戯はいい加減にして下さいね。用事を思い出したので少し席を外させてもらいます!」 にっこりと、凄みの篭った微笑をオスマンに投げかけると、鼻を晴らしてロングビルは退室していった。 ロングビルが退室したのを見届けると、ペイトンは仕切り直しというように二、三回咳払いをしてから 「さて、これはですね、色々機能がありますが…まぁ簡単に説明するとですね、 この枠内に映ったものを写真…ああ、絵として保存しておくことが出来るのですよ、このように」 と、ペイトンが携帯を操作する。すると、先程捲れあがったロングビルのスカートの中身が見事に激写されていた。ちなみに、赤であった。 「…とまぁ、このような品、恐らく興味を引かれるのではないか、と思うのですが…如何です? ああ、この絵については気にしないでくださいね。窓から見える景色をとって見せるつもりでしたが、たまたま、偶然、不運にもこんな物が撮れてしまいまして」 「お、おお、うん、これは実に、その、興味深い!」 「全くですな!これは、一体どういう仕組みになっているのですかな?」 「でしょう!そう仰ると思っていました。それで…しばらく使ってみますか?勿論興味がお有りなら、の話ですが」 「勿論じゃ、勿論じゃとも!」 興奮して身を乗り出してくる二人に、極簡単に撮り方、見方だけを教えてペイトンは携帯を手渡した。 「はい、どうぞ。後で解らない事があったら気軽に聞いてくださいね。 ああ、念を押すまでも無いでしょうが、他じゃまず手に入らない代物ですんで、丁寧に扱ってくださいよ?」 「勿論じゃとも!」 力強く頷く二人を見ると、ペイトンは満足そうに頷き、 「それでは、これで失礼します。存分に研究して下さいよ。戻るぞ、バーニー」 「え…?おい、ちょっと、まだ話があるだろ」 「いいから来いって。いいんだよ、これで」 そういうと、ペイトンは無理矢理バーニーを引きずって退室した。が、爛々と目を輝かせている彼らには、その様子は最早写ってはいなかった。 彼らはこの携帯をどうするかにもう夢中だったのだ。 コルベールは、これを隅から隅まで研究してみたいという欲求で。 オスマンは、これで隅から隅までロングビルを激写したいという欲求で。 さて、収まらないのはバーニーである。余りにすんなり引き下がったので、退室するなりペイトンに食って掛かった。 「…おいペイトン、どういう事だ?」 「ん~、どういう事って?」 「待遇改善してもらうんだろ?なんで携帯渡しただけですんなり引き下がるんだよ!」 「ふっふっふ、まぁ見てなって。後数日の我慢だ。俺の読みが正しけりゃぁ、そうすれば愉快な事になるぜ」 「…?」 果たして、数日後、ペイトンの言ったとおりになったのである。 そろそろ良いだろ、とのペイトンの判断で彼らは再びオールド・オスマンに面会した。 が。面会自体はすんなり適ったが…彼らを迎えたオールド・オスマンとコルベールの様子がおかしいのだ。 「あ、ああ、君達か。何の用かな?」 「賢明なる学院長殿にはご推察だと思いますが?そろそろこの前渡した携帯を返していただきたいのですが。もう充分研究なさったでしょう?」 「い、いや…あれは実に興味深くてな、もう少し貸しては貰えんじゃろうかなぁ」 「まぁ、それならそれで構いませんが…まさか、壊したりはしてませんよね?」 「はははいやいや、まさか、そんな、なぁ!コルベール君」 「ええ、勿論ですとも!ただ、まぁ興味が尽きないので、もうしばらく!何卒!」 「ですよね!まさかそんなはずないですよね!いやいや失礼しました!」 「いやいや、君がそう心配するのも、うん。もっともじゃよ。じゃが、その、安心してくれんか」 動揺しすぎな彼らを見てバーニーにも大体事情が飲み込めた。無論、それを合えて口にするほどバーニーは空気の読めない男ではない。 「そうですか、ところで話は変わるんですが、ああ、コルベール先生には相談したんですけど。俺達初日にやらかしたせいもあって、未だに食堂で寝てるんです。 食事もキュルケや他の男子から分けてもらっているようなもんだし、もうちょっと、衣…はともかく食住の環境をですね」 「ああ、わかったとも!男子寮に空室があったはずじゃから、そこに移れるようにしよう!食事に関しても厨房に取り計らっておこう。その代わりといっては何じゃがな」 「…ふぅ、わかりましたよ。もう暫くお貸ししておきます。でも、気が済んだら必ず返して下さいよ?」 それだけ言って彼らは退出した。ドアが閉まるなり、満面の笑みで彼らはハイタッチを交わした。 「やりやがったなペイトン!これを狙ってたのか!」 「そうさ、あの秘書さん、結構過激みたいだし、あの爺さんが調子に乗って盗撮でもすればもしや…と思ったんだ。 それに、珍しさからいじり倒せばどの道すぐに電気切れになるだろうって…と」 そこでペイトンは指を立てて「静かに」のジェスチャーをした。怪訝に思いながらもバーニーが黙ると、 「だから私はあれほど彼女の下着を狙うのは止めろと…」 「どんな影響があるか分からんから固定化はやめておこうといったのは君ではないか!大体…」 と激しく言い争う声が聞こえてきたので、彼らは笑いをこらえるのに必死だった。 「それじゃぁ、俺達の新しい城に!」 「我らの再出発に!」 「「乾杯!」」 その夜、彼らは与えられた部屋で存分に祝杯を挙げた。話を聞いた幾人かの男子達もお祝いにやってきて彼らは大いに意気投合した。 そして、久々に満ち足りた気分で、ふかふかのベッドで眠りについたのであった。 前ページ次ページトリステイン魔法学院Z
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レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 レベル1 狂戦士のルーン(Rune of Berserking) 祝福魔法 コスト 鉱石1クリーチャーは次の近接攻撃時に同じ対象に対して2回攻撃を行う(このルーンをかけるには、その部隊のクリーチャーが最低1体以上、事前に敵に倒されていることが必要)。その時に最初の一撃で敵スタックを倒した場合、ルーンの効果は続行する。 突撃のルーン(Rune of Charge) 祝福魔法 コスト 木材1クリーチャーのスピードはターン終了まで2倍になる。 レベル2 解呪のルーン(Rune of Exorcism) 祝福魔法 コスト 硫黄1そのクリーチャーのすべてのマイナスの効果がディスペルされる。Lv3までの闇魔法の呪いやその他のマイナスの効果が取り除かれるが、解毒はできない。 魔法支配のルーン(Rune of Magic Control) 祝福魔法 コスト 宝石1クリーチャーは攻撃時に敵のプラスの効果を盗むことができる。次の近接または射撃攻撃時にその敵にかかっている光魔法の祝福魔法をランダムにひとつ、自分の部隊に移すことができる。盗むことができる効果がない場合はルーンの効果は失われる。 レベル3 耐性のルーン(Rune of Elemental Immunity) 祝福魔法 コスト 水銀1クリーチャーは戦闘終了までランダムに2つの属性(火・水・風・地)への無効化を得る。ルーンが部隊に使用されるごとに新しい属性が2つ選択される。 幽体のルーン(Rune of Etherealness) 祝福魔法 コスト 水晶1クリーチャーはターン終了まで幽体の能力(50%で物理攻撃回避)を得る。 レベル4 復活のルーン(Rune of Resurrection) 蘇生魔法 コスト 鉱石1+宝石1その部隊の倒されたクリーチャーの40%が復活する。 雷鳴のルーン(Rune of Thunderclap) 祝福魔法 コスト 木材1+水銀1クリーチャーは攻撃または反撃時に雷鳴の効果(対象はイニシアチブを失う)がつくチャンスを得る。このルーンは雷鳴が発動するまで持続する。発動確率はクリーチャーの能力と同じで、戦士の幸運(Soldier s Luck)によって確率が上昇する。 レベル5 怒りのルーン(Rune of Battle Rage) 祝福魔法 コスト鉱石1+水晶1クリーチャーは次の近接攻撃時に、周囲の敵を反撃を受けずに攻撃できる。次の攻撃時に隣接するすべての敵を同時攻撃可能。このとき狂戦士のルーン(Rune of Berserking)がかかっていると複数の敵に対して2回攻撃が行われる。 竜化のルーン(Rune of Dragonform) 祝福魔法 コスト木材1+硫黄11ターンの間、クリーチャーの攻撃力と防御力は2倍になり、魔法ダメージ軽減50%がつく。この修正はクリーチャーの基本値に対して行われる。例えば、Bear Riderは常に攻撃力+5, 防御力+10になる。このルーンはドラゴンには効果がない。