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ブルース・R・コーデル つまりこういう事だと思う。 コーデル「俺がザボーガーだ」
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ウォーマー・ブルース ――――Warmer Bruce CV:岡野浩介 基本情報 Age : 20歳 Height : 176cm Favorite: 農作業 Dislike : 空腹 Ability : 地質調査、農作業 リングウェポン: 槍 アリオストと同じ、ブローニュ村(今作登場せず)の出身。 時空制御塔の警備員をしている。ウォルフガングによる時空制御塔占拠の際に身を隠し、その後ゲーヴァス復活事件でウェイン達と出会った。以後行動をともにする。 警備員の仕事は? モブ顔 グローランサー3において時空召還された際、不毛の大地を見て自分の農作技術が必要とされていると感じ、そこに骨を埋めることを決めた。
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2017年クロブラ06 クロブラ05 クロブラ04 2017年 クロブラ06 有効回答数29 クロブラは何度目の参加ですか 今回のクロブラの感想を教えて下さい 今回のクロブラで良かったことを教えて下さい 会場内での呼び出し音量がちょうどいい大きさだった トーナメント ルフレが並み居る強キャラをバッタバッタと斬り伏せたこと サブイベのきのこたけのこ戦争 ステージ選択権 サブイベントが面白かったことと、フリー対戦台が常時確保されてたこと 予選進行がスムーズだった、フリー台数がちょうどよかった。 フリー台の常設 スマ4とDXが同じ空間にあることでどちらの観戦、フリーもしやすかった 配信が行われたこと、決勝とクルーバトルが盛り上がったこと 実況 全体的に盛り上がっていた 安定して開催出来ていること 場の雰囲気 フリー対戦スペース ボードゲームも用意されていたこと 今後も配信できると良いと思います。 bクラスもしっかりやっているところ。サブイベントがクルーバトルで上手い人同士の対戦が多く見れた。 サブイベ 盛り上げがしっかりしていて、他の大会とは違うクロブラらしい面々が出てきていた所 色んな対戦を配信していたこと。ルール表などなど 会場の雰囲気が修羅ブラに近づきつつある 自然と4とDXの交流会のような雰囲気があった。4の面白さも見れてよかった。別室のフリー部屋が3つほどあるのもよかった。 どの部門もGFがとても盛り上がってた サブイベントが団体戦だったのがよかった。そこまでガチ目な大会ではないと思っているのでわいわいやりつつ本気でできるような団体戦で楽しめた 今回のクロブラで改善してほしい点を教えて下さい DXの2.3番台の間をもう少し開けてほしい サブイベント 配信された動画に「キーキー」というキツめの金属音のようなものが流れていた 特になし BO5にするのが早すぎる 18時までにトーナメント終了とあったものがかなり遅れていたので、その点についてだけ。 サブイベントを全員参加できるようにしてほしいです。 DX勢がDXを占領していて、DXをやってみたい4勢がもしいたらやりづらいように思えた。 予選表の試合順が怪しかったのでそこの改善 台の置き方を前に戻してほしい フリー対戦部屋の使い方 BO5 今後開催してほしいイベントを教えて下さい ライラットクルーズについて教えて下さい クロブラ05 有効回答数27 クロブラはどのように参加しましたか クロブラは何度目の参加ですか 今回のクロブラの感想を教えて下さい 今回のクロブラで良かった点を教えて下さい 人数に対する本体の数がちょうどよく、フリーにも入りやすかった。 bクラストナメもダブルエリミで沢山試合できた 初めての参加でもみんな優しく面白くて良かったです 騒がしい 実況面白かったです 雰囲気がとてもアットホームな感じで楽しかったです! 試合数が多く出来て良かった dx決勝配信、解説も良かったです 進行が割とスムーズ、別部屋のフリー対戦スペース グランドファイナルの実況・解説が面白かった 鳥貴族 サブイベ、懇親会と最後まで残る価値がある点。そのおかげで活気があった。 DXが4台もあった サブイベが面白い 雰囲気が良かった 常設のフリー台、実況 フリー対戦専用の台が多く、本戦敗退後も楽しめた。 予戦、本戦共に進行がスムーズに進んでいて良かった。 フリー台が多かったところ 今回のクロブラで改善してほしい点を教えて下さい ステージ拒否がルールに欲しい 1ステージ拒否制度欲しいです。それとポート権だけでなくキャラ後だし権も加えてください もうちょっとフレンドリーにしてほしいなー イスの硬さ デスブロつら。。。 予選の勝敗が同じ時、直接対決を最優先して欲しいと思いました。 荷物用の机をもっと下げるなりはじに寄せるなりして観戦用の椅子を増やしてもいいと思いました ステージ拒否権が無いとじゃんけん勝者が圧倒的に有利になってしまうので、スターターに村と街を加えポート側が1ステ拒否出来るようにして欲しい。 2戦目以降も同様に勝ち側が1ステ拒否したい。 サブイベ前提なら更に進行を早くする工夫(Bクラスを優先するか考慮の上 ステージ拒否はやはり欲しいです フリー対戦の斡旋 ジャンケンに負けた時のステージ拒否権が無いのが辛かったので、どこかしら拒否する権利は欲しい。 休憩スペース?的な所にもDXが欲しいと思いました 進行の遅さ 進行がやや遅かった、拒否ステの有無、直接対決優先など、ルールはウメブラなど関東の主要ルールに合わせてもいいと思った(ステージ自由選択は面白いのでそのままでいい) 参加人数の上限 ステージ選択で拒否が無いためじゃんけんでのアドバンテージが多かったように感じました。 サブイベント、タイム制で大人数だと状況が分かりづらくプレイヤーも観戦者も盛り上がりにやや欠けるのではと思いました。 今後開催してほしいイベントを教えて下さい クロブラ04 有効回答数28 クロブラはどのように参加しましたか クロブラは何度目の参加ですか 今回のクロブラの感想を教えて下さい 今回のクロブラで面白かった点を教えて下さい スマブラサッカー 100 突然、実況に駆り出されるきみさん スマブラサッカーが盛り上がっていたところ スマブラサッカー(サブイベント) スマブラサッカーでの会場の一体感。きみさんすこすこ デラックス サブが楽しすぎた DXとfor両方あったところ チーム数の割に台数が多くてとてもフリーができました。ありがとうございますm(_ _)mこれからも応援してます。 参加者数が程よく、フリーが充実していた DX優勝出来た事 サブイベが思ったより楽しかった 生でDXの動きを見れたり新鮮で興奮しました。また、自然に声が出てしまうほど楽しかったです。 合意があればステージ選択が自由な所 チーム&サブイベント 小規模なところ 雰囲気がよかった DXのフリーが出来たこと サブイベ 今回のクロブラで改善してほしい点を教えて下さい 前回はよかったのでサブイベをどうにかしてほしかった。相方ランダムチームなどのある程度ガチで戦いつつ楽しめるものだとなおよかったと思います やはり配信環境が欲しいところ 今のところありません。 DXもスクリーンで観たいです。 スマブラサッカーに興味がない方はすぐ帰る人が少なくなかったのでランダムチームや何かしらかの乱闘の方が敷居が低いと感じた。 サフイベの進行はまだ早く出来たと思います。 予選の場所がひと目でわかるホワイトボードがあればよかったと思います サブイベがつまらない スマブラサッカーの時にクロマキさんがつきっきりで配信してたので進行が遅れたかなと思いました。誰かに進行を任せられたら良かったですね。 デスブロックがあるので実力を均等にしたほうが良いと思った WiiUボコボコにされた事 個人的な要望ですが、メイン、サブイベでのクロブラの様子を配信出来るようにしてウメブラとは異なる雰囲気を皆に伝えてほしいと思いました。 トナメ後半の待ち時間がちょっと長くて手持無沙汰だった 今後開催してほしいイベントを教えて下さい
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セツナブルースター 活動期間 1998年~2008年、2017年、2018年 メンバー 倉島 大輔(くらしま だいすけ、Vo./Gt.) 全曲の作詞作曲を担当。現在は長野県でミュージックラウンジを経営し、ソロで弾き語りライブを行っている。 島田 賢司(しまだ けんじ、Ba.) 中学時代は長野南シニアで野球をしており、全国大会に出場し神宮球場でプレーをした経験がある。 宮下 裕報(みやした ひろふみ、Dr.) 活動休止後もTHE NAMPA BOYSのサポートやmy funny hitchhikerなどでドラマーとして活動。 ディスコグラフィー (シングル) 少年季(2002年6月12日) 1.少年季[PV] 2.君に宛てる手紙 Apple Music 涙の成分について(2004年2月20日) 1.涙の成分について 2.うたかたは今 Apple Music メロディ (2007年10月31日)※自主企画【咆哮とサイケデリックVol.5】にて配布 この夜をこえて (2008年2月6日)※自主企画【咆哮とサイケデリックVol.6】にて配布 (アルバム) エヅラ・ガラ・セツナ(2001年4月18日) 1.帰り道[PV] 2.夢 3.ソリッド 4.シャバ・ダ 5.CHICKEN 6.少年A 7.あすなろ Apple Music 『二十歳』より (2001年12月19日) 1.六月の朝 2.悲しみのバラード 3.ヒマワリ 4.雨音 5.靨のない男[PV] 6.散歩 7.紫色のマフラー 8.十二秒 Apple Music キセキ(2002年12月11日) 1.なないろ[PV] 2.死んで行く僕らの目に 3.少年季[PV] 4.みんなの歌 5.四度目の青春 6.かけら 7.車窓から 8.エレジー[PV] 9.菫に似ている 10.心臓 Apple Music 青写真(2005年5月18日) 1.かさぶた 2.雀と心根 3.はるか 4.拝啓、あの日の君へ 5.その約束に イツカ・トワ・セツナ(2006年4月18日) 1.星空の夢の終わりに 2.のらねこ 3.マラソン 4.才能 5.屋根がない 6.記念 7.抑止力 動画 リンク コメント 名前 コメント
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『カラフル・モノクローム』 ――ナイトメア。角を持ち、寿命を持たず、生まれながらに穢れを背負った、ルミエルの忌み子。 うちの両親はリルドラケンで、ナイトメアだからって気にするような種族じゃないから、そのへんは助かったといえば助かったんだろうけど。 ただ、オレが育ったのは、多種族がごった返してる、ロシレッタの街で。人間やエルフ、ドワーフには、ナイトメアを忌避する傾向があるって話だから、オレも外に出る時は、帽子やバンダナで角を隠して、人間のフリをしなきゃならなかった。家族以外の他人と、あんまり関わりを持てなかったといえば、そうかもしれない。ナイトメアってばれたら、近所の子供と遊ぶこともできなくなっちゃったし。 でも、同じようにロシレッタに住んでるリルドラケンの子は遊んでくれたし、歳は離れてるけど兄ちゃんも二人いるから、まあ寂しいってことはなかった。 それに、人間の友達も、ぜんぜんいなかったわけじゃない。 最初に出会ったのは、イーサっていう男の子。オレより一つか二つ年下。ぼさぼさの黒髪に、くりくりした黒い瞳。 イーサも他の友達の輪に入れずにいて、海辺で一人で遊んでることが多かった。小さな蟹とかの捕まえ方を教えてくれたりして、そのうち仲良くなった。 後で聞いた話だと、イーサは『継っ子』だったらしくて、それで他の子に爪弾きにされてたらしい。そういうの、よくわからない。 本人は明るくて、あっけらかんとしてて、よく笑う子だった。そのあたり、ちょっとリルドラケンっぽかったかもしれない。頭がよくって、年下なのに、すごく大人びて見えた。 次に出会ったのは、ヨナっていって、イーサの兄貴。オレより一つ年上。背はあまり高くない。茶色がかったさらさらの髪に、濃い青色の瞳。 ヨナは、イーサとは逆に、あまり笑わなくて、たいていむすっとした顔してた。オレたちと一緒に遊んでても、ずっと仏頂面で、楽しくなさそうに見えたけど、イーサに言わせると、「ルッツィーと遊んでる時は、兄ちゃんも楽しそうな顔してる」らしかった。 イーサとヨナは本当の兄弟じゃなかったけど、仲良くしてた。皮肉屋で無愛想なヨナも、イーサには優しかった。 ヨナの上にはもう一人兄ちゃんがいたらしいけど、こっちの兄貴は、イーサやヨナとは仲が悪かったらしくて、オレは顔を見たこともない。元々貰い子のイーサとは、もちろん血が繋がってないし、ヨナとも母親が違うらしくて、家の後継争いとか、なんだか色々あったらしい。 ヨナの母親は亡くなってて、周りに味方が少なかったみたいで、だからかな、ヨナは、まだ子供なのに、無理して大人になろうとしてた。 多分、イーサもそれが見てらんなくて、よく外に引っ張り出して、無理やり遊びに混ぜたりしてたんだと思う。 一緒に遊んでる時でも、ヨナはたいてい黙ってたけど、イーサとオレの話はちゃんと聞いてくれてた。何かわからないことがあると、答えを出してくれることもあった。頼れる、ってほどじゃないけど、いい友達だった。少なくともオレは、そう思ってた。 二人の家は、セイルザート商会っていって、ちょっと大きな商会だった。もとは材木商だったのが、イーサとヨナの父ちゃんの代から、造船業とか水運とか色々な方向に手を伸ばして、それがすごくうまくいってたらしい。 うちのバルカローレ商会は、小規模の貿易商だから、船を出すとき共同出資したりして、いい協力関係だったとか。 商売相手ってだけじゃなくて、オレの父ちゃんと、イーサとヨナの父ちゃんは、種族は違うけど、なんとなく仲が良かったみたいだ。 「彼の考えることはわからない」って、父ちゃんはよく言ってたけど、それでも友達だったんじゃないかな……。 リルドラケンから生まれたナイトメアの子供と、ややこしい人間の家の二人の子供。 三人が、ロシレッタの浜辺で、一緒に遊んでいられた時間は、あんまり長くはなかった。 オレが十三になったくらいのころ。突然、イーサが亡くなった。 食中毒、だったらしい。衰弱が激しくて、治療が追いつかなかったそうだ。同じ症状で、ヨナもしばらく寝込んでたけど、こちらはなんとか助かった。 知らせを聞いた時、とても信じられなかった。身の回りに死者が出るのは初めてじゃなかったけど、だって、あんまり突然すぎた。 「ルッツィー……」 呆然としてたオレに、父ちゃんが声をかけた。 「……わかんないよ。父ちゃん、人間って、こんなに早く死んじゃうの?」 もちろん、リルドラケンだって、みんながみんな大人になれるわけじゃない。でも。 「…………」 父ちゃんは、オレが初めて見るような、すごく苦い顔をしていた。 イーサの葬式。人はまばら。 セイルザートの家族で出席していたのは、イーサの養父の商会長と、ヨナだけみたいだった。 一緒に来てくれてたオレの父ちゃんは、商会長にお悔やみを言うと、そのまま二人で何か話し始めた。 ヨナは、病み上がりでげっそりしてたけど、思ったよりもしっかり、立って、イーサを見送ろうとしてた。 こういうとき、こいつはホント、無理するんだ。 「ヨナ」 オレが声をかけると、ヨナはゆっくり振り向いた。いつもの無愛想な顔が、もっと無表情になってて、まるで仮面みたいだった。 「お前は……大丈夫なの?」 「……まあ、生きてる。俺は、運が悪いからな」 本音、なんだろう。 「イーサは……」 ヨナが顔を伏せる。その横に立って、棺桶の中を覗き込む。 青白い、小さな顔。細い手足。花に埋もれて窮屈そうなイーサ。小さな体が、もっと小さくなったように見えた。 ――誰でも、死ぬと、小さくなるんだな。 じいちゃんの死に顔を、思い出した。 花と一緒に、小さな網を入れた。浜辺の潮だまりで、いつも遊んでいたように、どこか遠くで、遊べるように。手を合わせて、目を閉じると、こんなことになる前の、イーサの元気な顔が浮かんで、辛くなった。 「……ちょっといい? 終わってからで、いいから」 喪服の袖で涙を拭いながら、ヨナに話しかけた。 「……ああ」 ヨナは、泣いてなかった。泣くのはもう、終わってたのかもしれない。 イーサの棺は堅く閉ざされ、深い穴に埋められた。上から土が被せられて、やがて見えなくなった。 ライフォスへの祈りが響く。 ――父ちゃんが、突然、セイルザート商会長の胸倉を掴んだ。 「君は一体、何をしているんだ。子供を死なせてまで――!」 誰も止めなかった。止められなかった。 セイルザート商会長――イーサの養父、ヨナの実父。掴みかかられても、彼は無表情を崩すことなく、ただじっと父ちゃんの目を見つめていた。 その仕草が、なんだかすごく、ヨナに似ていた。 ――やがて、神官は鎮魂の仕草とともに祈りを終える。葬儀は終わった。 父ちゃんは、商会長を掴んでいた手を離すと、オレのほうに来て、一言だけ囁いた。父ちゃんは、そのまま、振り向きもせず、共同墓地を後にした。 オレとヨナは、墓地を出ると、浜辺のほうに向かって、ゆっくりと歩いていく。 「なあ……お前さ」 横を歩いているヨナに言う。 「……うちの子になんない?」 ヨナのほうを見ないまま。 「……何だ、それは」 しばらくの沈黙のあと、無表情な声が返ってきた。 「あー……だからさ。その……オレの、兄ちゃんになる気ないかなって。部屋くらい作れるし」 「……お前は時々、わけのわからんことを考えるな」 ヨナが、ふうっと息をつく。 「オレじゃないよ、父ちゃんがさ、その方がいいんじゃないかって」 『あの子はセイルザートにいるべきじゃない――うちに来る気がないか、聞いてみてくれないか』 「……あり、なんじゃないかな。ほら、オレだってもとは養女……だし」 「……養女、ね」 抑揚のない声に、ちょっと焦った。 「……じゃ、ないけど。その、だから」 うまく話ができなくなった。 また、しばらく、二人とも黙ったまま。 「……お前も、それがいいと思うのか?」 ぽつんと、ヨナが言った。 「……と、思うよ。オレ、お前のこと嫌いじゃないし」 「嫌いじゃない、か」 陽の沈みかけた空。北向きの浜辺は、もう、一面の藍色に塗り潰されている。 しばらく、海を見ながら、二人で、立ち尽くしていた。 「……俺の弟は、イーサだけだ。これからも」 ヨナが言った。表情は見えない。 「ん……」 海風が、通り抜けて行った。早く帰れ、とでも言うように。 その時、ヨナがどこまで決めてたのか。 ……もう、かなり踏み込んでたんじゃないかと思う。 ヨナと後継者争いをしてた兄貴と、その母親が、突然姿を消したのは、それから一月も経たないうちだった。 オレには、その時その意味はあんまり飲み込めなかったけど。父ちゃんが、ため息をついてた。 「馬鹿な子だな。本当に、馬鹿な子だよ」 うん、それはオレもそう思う。 そんなわけで、結局、ヨナは正式に商会の跡継ぎに決まった。イーサが生きてたころは、ずっと嫌そうな顔してたのにね。 もう、遊ぶ時間もなさそうだった。たまに、商売の話でうちに来ることはあったけど。大人らしい態度も、すっかり身について、変わらないのは、愛想のない顔だけ。 それでも、たまに押しかけていって、忙しそうなヨナを引っ張って、港を見に行ったり、色んな話をしたりした。イーサが生きてたら、そうしてただろうから。 時は過ぎて――イーサが亡くなってから、二年くらい経ったころ。 今度は、ヨナの父ちゃんが亡くなった。急死。 人の家のことだ、あんまり知りたいとは思わない。ヨナが話してくれるなら、聞きたいけど。 きっとあいつは、自分が悲しいとか、辛いとか、そういう話は、してくれない。 でも、会いには行った。友達なんだから。 正式に家を継ぐことになったヨナは、それまでよりも更に忙しそうだった。会える時間が取れるまで、何カ月もかかった。 でも、ヨナはちゃんと会ってくれた。 部屋の扉を開けたら、正装のヨナがいた。 大きな商談とかよくあるんだろうし、ちゃんとした格好はした方がいいんだろうけど、それにしても格好つけすぎな気がする。 そして、顔には眼鏡。これまでヨナが眼鏡をしていた所なんか見たことない。 「何それ、目悪くしたの?」 「伊達だ。少しは歳嵩に見えるだろう」 「似合わねー」 思わず指さして笑ってしまったけど、ヨナは怒るでもなく、バルコニーのテーブルにオレを誘った。 手すりから身を乗り出して見渡せば、きちんと手入れされてはいるが、どこか面白見のない庭と、暮れかけた空が目に入る。 テーブルの上には、高そうなワインとチーズ、クラッカー。 「飲んでいいの?」 「ああ」 ヨナの方がとっとと席に着いたので、対面の椅子に座る。魔法の布がかけられていて、冬の夕暮れだっていうのに、寒さを感じない。 ヨナは手慣れた手つきでワインのコルクを抜き、テイスティングしてから、二人分のグラスにそれぞれ注いだ。 「お前、偉くなったんじゃなかったっけ。そういうの、使用人に任せるもんじゃないの?」 「自分でやらんと、何があるかわからんからな」 ……イーサの死のことを思い出した。 「お前……巻き込まれてるのか、何なのか、オレにはよくわからないんだけど……本当に、大丈夫?」 「大丈夫とは言い切れん」 「それって、どうにかならないの?」 「努力はしている。あとは……まあ、俺は悪運だけは強いからな」 「……何だよ、それ」 少し、腹が立った。 「あんまり無茶するなよな。お前に何かあったらやだよ」 「……そうか」 ヨナは、表情も変えないまま、ワイングラスを口につけた。 「オレにできることなんて、そんなにないけど。なあ、お前が困ってたり、辛いならさ、言ってくれよ。オレにでも、何かできることがあったら……」 「……できること、か」 ヨナは、一息でほとんど空になったグラスを、静かにテーブルに置くと、改めてオレの方に向き直った。 「……ルッツィー。お前、確かもう十五になったんだったな」 唐突に話が飛んで、ちょっと面食らった。 「え? えーと……うん。先月。なんだよ、誕生日憶えてたんなら、祝ってくれたらよかったのに」 「悪かった、暇がなくてな」 「来年は期待してるよ……少しは、落ち着くといいな、そのころには」 「来年……で、十六か。リルドラケンの成人は、三十くらいだったか?」 「そんなもんだね。あ、人間は十五だっけ。早いよな」 「さすがに三十までは待てんな」 「人間はさー、気が早いから」 「ルッツィー」 ヨナは、テーブルに手をついて、頭を下げた。 「俺と、結婚してくれ」 しばらく、呆然とした。言葉の意味が、頭まで伝わってこなかった。 「は……?」 「結婚してくれ」 姿勢を変えないまま、もう一度ヨナが言った。 「……なあ、それ、何の冗談?」 「冗談でも何でもない。結婚してくれ」 「いや、あのさ?」 「ルッツィー」 ヨナが顔を上げて、オレの目をじっと見つめてきた。 「あ、あの。えーと、あの……」 頭が混乱している。 「……と、とりあえず落ち着いて。オレも落ち着く。……問題を整理するところから始めるよ?」 オレが言うと、ヨナは素直に頷いた。 「まず……言ったことなかったけど、お前、どうせ知ってるよね、忘れてるかもしれないけど。あの、こう見えてもオレ、リルドラケンなんだよ?」 「知ってる。忘れるか。馬鹿にするな」 「いや、わかってる? だって……」 ……人間に近い姿に見えても、オレはリルドラケンだ。リルドラケンは、人間との間に子を成すことができない。 「判っているし、問題だと思っていない。わざわざ言わせるな」 「や、でも……だって、お前、その……跡継ぎとか必要なんじゃ?」 ……こほん。ヨナが、小さく咳ばらいをした。 「……セイルザート商会は、俺の一代をかけて縮小する」 ヨナは、きっと誰にも話したことのない本意を、静かに、でもはっきりと口にした。 「儲けは少なくとも、胡乱な連中の蔓延ることもない、誠実で、小さな商会に。――そのうち、俺がくたばる頃になったら、幹部の中から、害のなさそうなのを適当に選んで、後継者に指名する」 「そんなの、だって、簡単にできることじゃ……」 「身内で争うよりはマシだろう。……多分な」 弟と父の不審死。ヨナが失ってきたもの。そして、ヨナが自分の意思で行ったであろう異母兄の追放……。それを思えば、言ってることはわからないでもない。 「でも、だからって、オレがお前と、その……」 「好きなんだ」 ヨナは、まっすぐ俺の目を見て、そう言った。 ――その視線に、なぜか、苛立ちを覚えた。 「……どうして、オレなんだよ」 「好きなんだ。理由なんて、ない」 「……理由なんて、いくらでも用意できるよ。言ってやろうか?」 苛立ちのままに、言葉を続ける。 「イーサのことや、お前の父ちゃんのことや、兄貴とその母ちゃんのこと……。お前はもう、血の繋がりとか、家族ってものが、嫌になったんじゃないのか」 ヨナは、黙ってオレの言葉を聞いている。 「お前のこと、お前にあったこと、全部は知らないよ、聞いてないから。でも、想像はつくよ。 ――お前の父ちゃんの周りには、財産目当てで寄ってくる連中がいっぱいいた。どいつもこいつも、自分のことしか考えずに、そのうち争いが始まった。商会の中でも、家族の、中でも……」 ヨナがどんな思いをしてきたのか知らない。何があっても、いつだって、ヨナは何も言わなかった。言ってくれなかった。 「……あの時、本当は、お前が死ぬはずだったんだろう。でも、死んだのはイーサだった……」 イーサは――先代の気まぐれで引き取られた、愛妾の忘れ形見は、後継争いに利害関係を持たず、利用価値も持たなかった。巻き込んでもどうということはなかったんだろう。 でも、ヨナにとってだけは、違った。ヨナにとって、イーサは大事な、たった一人の弟だった。二人は仲がよかった。……同じ皿から分けあって、食事をするくらいに。 「イーサは、死んだ。毒を盛ったのは……お前の兄貴と、その母親なんだろ? ……お前はもう、家族とか、女とか、そんなの、うんざりしてるんだろう。 ……だから、だから、異種族のオレと、こんな中途半端な女と、結婚したいなんて言い出したんだろう……!」 オレは、テーブルに手をついて、立ち上がって、ヨナを睨みつけた。 「お前は、ただ、自分が一番ラクな相手を選ぼうとしてるだけだ!」 ヨナは、無表情のまま、口を開いた。 「……あまり見くびるな、馬鹿」 声音は、少し、怒っている。 「お前にだけは、それ、言われたくないよ!」 テーブルをどんっと叩く。ワイングラスが倒れて、テーブルクロスを赤く汚した。 「だってさ、だってさ! お前、オレのこと、考えてないだろ! お前にそう言われて、どう思うか、全然考えてないだろ! オレは……!」 「……じゃあ、黙っていれば良かったって言うのか? 本音を隠して、ただの友人の振りをしていれば良かったって言うのか? ただ適当に愚痴でも聞かせてやって、頼れる友人だと思ってる振りをしていれば良かったって言うのか?」 「……そうだよ! そうしておけば……!」 「……俺は、ただ」 ヨナは、静かに言った。 「誠実で、いたいだけだ」 「そういうのは、バカ正直って言うんだよ!」 もう一度テーブルを叩いた。 ――それから、少しの間、沈黙が続いた。零れたワインが、ぽたぽたと、床に落ちる音がする。 ヨナが、呟くように、口を開いた。 「……時間が、もう、どれだけあるのか、わからない」 冷たい手で、心臓を、掴まれたような気がした。 「ただの友人を……何年続けていればよかったって言うんだ?」 ヨナが椅子から立ち上がる。小さなテーブル越しに、あまり変わらない背丈で睨み合う。 「俺が十六で、お前が十五。歳だけなら、一つしか違わない。だが、お前が俺と同じ位置にいるのは、今だけなんだ」 ――ヨナは、すぐに大人になるだろう。五年もすれば、一人前の商会長に。十年もすれば、押しも押されもしない大商人に。 でも、オレは、十年経っても、二十年経っても、きっと、今のまま変わらない。 「……それで、いい。一緒に歳を重ねるなんて、望まない。ただ、ほんの一時でいいんだ」 ヨナは、レンズのない眼鏡越しに、暗い色の目で、じっとオレを見つめた。 「……五十年。いや、三十年。いや、この立場ならそんなに持たんだろう。俺が死ぬまで」 ――血の気が引く音がした。恐怖と、怒りで。 「頼む。お前の人生の、ほんの一瞬でいい。一緒にいてく……!」 意識もしなかった。気が付いたら、殴ってた。 「寿命を盾にすんな、卑怯者っ……!」 ヨナの眼鏡が壊れて、顔の端が切れてた。レンズは元々入ってないから、たいした怪我にはなってない。 眼鏡を外すと、ヨナの顔は歳よりずっと幼く見えて、もう見ていられなくなって…… オレは、バルコニーから部屋に戻り、そのまま扉を蹴り開けて、門の外まで走っていった。 海岸沿いの道を走って、自分の家まで辿り着くと、そのまま二階に上がって、自分の部屋に駆け込んで、上着だけ脱いで、そのままベッドに潜り込んだ。 眠れるわけがなかった。 それから、三日くらい後。 オレは、ヨナの執務室の扉を叩いた。 この間よりは地味な服を着たヨナが出てきた。眼鏡は新しくなってた。今度はレンズも嵌ってる。度のない、ただのガラスだろうけど。 「気が変わったか?」 「いや、いろいろ、考えたんだけどさ……」 そりゃもう、人生で初めてってくらい、ひたすら考えた。どうしてヨナのためにオレがこんなに悩まなきゃいけないのかと思うと、腹は立ったが。そのうち、結論は決まった。 「旅に出る、ことにした」 「……旅?」 「武者修行。とりあえず五十年くらいかな」 「…………」 ヨナは、無表情のまま、黙り込んでしまった。 「心配すんな。お前が死ぬ頃には、迎えに来てやるよ。あんまり早く死ぬなよ、戻って来れないかもしれないから」 そう言って、ヨナの胸を軽く叩いた。 「……だから、さ。 せいぜいさ、かわいい奥さんもらって、子供たくさん作って、孫も生まれて、幸せな爺ちゃんになってろよ。 その時になったら、この前お前が言ったこと持ち出して、みんなで笑ってやるからさ」 オレがそう言うと、ヨナは、表情を変えないまま、オレを見据えて、言った。 「……お前の期待通りにはなってやらん」 「今だけだ、ほざいてろ、ばーーか!」 あっかんべーをしてみせて、そのままくるりと背を向けて、ヨナの前から立ち去った。 「……待っている」 ヨナの声が、耳に届いた。 振り返らずに、そのまま、走って行った。 そんなのが、オレの旅の始まりだった。
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うんこ
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SN0272 ジェニー・ドント・ユー・ルーズ・ハート ブルース・スプリングスティーン 2005/03/12 赤羽 函館 SN0310 ジャージー・ガール ブルース・スプリングスティーン 2005/07/09 赤羽 リッキーズ バー SN0536 シェリー・ダーリン ブルース・スプリングスティーン 2007/03/17 赤羽 ミュージック・バー・アポロ SN0893 サンタクロース・イズ・カミン・トゥ・タウン ブルース・スプリングスティーン 2009/11/14 高田馬場 カフェ・アルバート