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空戦兵器 - その他 空戦兵器一覧 名称 年代 活動 力 運用 費 行動 入手 方法 備考 フィアットCR42 1938 78 22 上昇↑、下降↓、格闘戦(B 回数8)、一撃離脱(B 回数8) 鹵獲 雑魚敵 サヴォイアS.79 1934 330 42 上昇↑、下降↓、防御機銃(B 回数2)、水平爆撃、航空魚雷 鹵獲 雑魚敵 モラン=ソルニエ・タイプN 1914 30 6 上昇↑、下降↓、格闘戦(A 回数5) 鹵獲 雑魚敵 ミラージュⅢ 1960 239 600 上昇↑、下降↓、ドッグファイト(15回)、水平爆撃、空対空ミサイル 鹵獲 雑魚敵 ミラージュ5 1967 250 280 上昇↑、下降↓、ドッグファイト(15回)、水平爆撃、空対空ミサイル 改修 ミラージュⅢの改修(Lv15) MC205ベルトロ 1943 100 42 上昇↑、下降↓、格闘戦(C 回数14)、一撃離脱(C 回数14) 鹵獲 雑魚敵 アミオ143M 1934 120 14 上昇↑、下降↓、防御機銃(A 回数2)、水平爆撃 鹵獲 雑魚敵 MS.406 1938 80 22 上昇↑、下降↓、格闘戦(C 回数13)、一撃離脱(C 回数13) 鹵獲 雑魚敵 クフィル 1975 273 700 上昇↑、下降↓、ドッグファイト(26回)、水平爆撃、空対空ミサイル、対地ミサイル 改修 ミラージュⅢの改修(Lv15) ユーロファイター 2003 278 1400 上昇↑、下降↓、ドッグファイト(8回)、水平爆撃、空対空ミサイル 鹵獲 メイジ神宮 J-10 2005 300 1120 上昇↑、下降↓、ドッグファイト(15回)、水平爆撃、空対空ミサイル、対地ミサイル 鹵獲 雑魚敵 名称 年代 活動 力 運用 費 行動 入手 方法 備考
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ミラージュのように臭いものに蓋をせずちゃんと仕事をこなす副管理人。 素直にお疲れ様を言いたい一人。 ブログでは少々痛いものの、認定では指折り数えられるほどの人数しかいない良識人。 のちに復帰したりっちーはジェダイを快く迎いいれ、 ミラージュには彼の功績を丸ごと自分のものの様に語られ、 りっちーには功績を評価されず、ミラージュに裏切られたともいえ、 ジェダイには硝子と共にもっとももっとも逆恨みされている人物であるが故に りっちーの判断によって増長したジェダイに、ここぞとばかりに叩かれてしまった。
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新資源を巡る企業間の抗争。 ミラージュの圧倒的な軍事力の前に、新興企業ナービスは苦戦を強いられていた。 そんな折にクレスト本社にて、重役会議が開かれた。 「明日ミラージュの駐屯地攻撃するんだけど、責任者にさせられちゃったよ。」 「それは聞いた。おめでとう。」 「気が重いよ。」 「まあ、そうだろうな。しかしお前の実力なら難しい任務じゃないだろう。」 「プレッシャーかけないでよ…もう。」 「すまない。」 「別にいいけど…」 「そうか。とにかく頑張ってくれ。」 「うん、じゃあまた。」 「アグラーヤ。」 「なに?」 「死ぬなよ。」 「…うん。」 恋人との束の間の会話を終えた彼女は、携帯電話をたたみ戦闘訓練を再開した。 ミラージュ駐屯地で最初に異変を感じたのは名もない兵士だった。 「おい、なんだあれは。」 「どうした?」 「あれを見てみろ。」 「あれは……赤い彗星か!」 「俺は出撃命令を出す! お前は本部に応援を要請しろ!」 「わかった! 本部に要請! こちら第一駐屯地! クレストの部隊が侵攻してきた! 赤い彗星だ! 至急、援軍を寄越せ!」 「クレストの赤い彗星が侵攻してきた! 総員、出撃しろ!」 ミラージュ駐屯地は先程と一転、戦場と化した。 「くそっ! 速すぎる。こんなんじゃ歯がたたねぇ! 応援はまだなのか!」 「こちらヘリ部隊! 速すぎて捉えられない!」 「…うあぁぁぁぁぁぁあぁあ! くそ、これまでか。」 ミラージュ駐屯地は瞬く間に壊滅状態となった。 応援部隊が到着したころには、もう人の気配はどこにも無かった。 クレストの重役会議が再び開かれた。 「まあ、お前の実力なら大丈夫だろう。」 「そうね。早く済ませて戻ってくるね。」 「なぁ、アグラーヤ。」 「うん?」 「この争いが終わったら…結婚してくれないか?」 「うんっ!」 ベイロードシティ屋上にジオハーツが立っていた。 空の向こう側からやってきた大型ヘリコプター。 それはACを投下して空の向こう側へと消えていった。 クレスト専属AC消去 終わり
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ミラースケジュール ミラーといっても、4画面選手のプレーを映してわいわい見ようぜといった感じですので、解説などはありません。 11日(金) 0:00~2:00 あるともんて ドキッひとりぼっちのセーラームーン総合コミュ(仮) 11日(金) 2:00~4:00 ベコーン 岩蔭|]_・)っ思うことがあるので。 12日(土) 18:00~20:00 あるともんて ドキッひとりぼっちのセーラームーン総合コミュ(仮) その他、有志によるゲリラミラーがあるかもシレン
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金獅子ラージャン (コンジシラージャン) モンスター・星9・光 獣族・融合/効果 攻撃力3000/守備力2000 「破壊と滅亡の申し子」の効果でのみ融合召喚することが出来る。相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃をする事ができる。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。このカードが相手プレイヤーに1000ポイント以上の戦闘ダメージを与えた時相手の手札を一枚ランダムに捨てる。
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一人の女が、絶望の底にいた。 ただ希望だけを求め、彼女は足掻く。しかし現実は無慈悲で、彼女が救われる事は無かった。 誰も彼女を助けなかった。 誰も彼女を許さなかった。 死ねばその時点で、哀しむ者はおろか、憶えている者さえいなくなる。 彼女は、そんな存在だった。 だからその男は、ここにいる。 そんな、この世界が許せないから、ここにいる。 男は憶えていた。 彼女が最期に口にした言葉は―― ロードは、必死に思考した。 脳裏に浮かんだロックマン・エナミスの死に顔。彼女が死ぬ前に呟いた言葉。その意味が、目の前の存在へと収束している。 「(ずっと忘れていたのに…何故、今になって…)」 彼は頭を抱えたくなるのを必死に堪えて、今しがた名乗りを上げた存在を見据えた。 ロックマン・ジーザスは名乗りを上げた後、しばし眼を瞑り、深呼吸をしていた。 やがて彼を眼を開けると、静かに言葉を紡ぐ。 「いい香りだ。煙と血の匂い…ようやく思い出した。これが…戦場だ」 そして彼はまず周囲の兵士達へと視線を向け、その眼を細める。 その仕草だけで、その場の全員に彼の意図を読み取る事ができた。 『邪魔だ』と言っているのだ。 意図を察し、兵士達は次第にドームから姿を消していく。ミラージュとロードによって20人近くの兵士が斬られてその場に横たわっていたが、それでもまだ無数の兵士がいた。 やがて兵士達が去り、ドーム内を静寂が包む。 そしてようやくジーザスは、テスタメント、ミラージュ、ロードへと順に視線を向けた。 その視線に、ロードは生唾を飲み込む。 剣を握り直し、いつでもジーザスへと跳びかかる準備は出来ていた。だが、身体が動かない。 決して動けないわけではない。だが、仕掛けようという気になれなかった。 この羽根のせいだ。 ドーム内の全域に舞い散る羽根。おそらく、フードを被った自分の身体にも付着している筈だ。 これはただの羽根ではない。自分の本能がそう言っている。 横を見ると、ロックマン・ミラージュも今の自分と同様の様だ。ジーザスへ向けて殺気を放ってはいるものの、踏み込めないでいる。 ジーザスは、まずそんな自分とミラージュを眺めると、言った。 「賢い選択だ」 そしてジーザスは、軽く片手を振った。 次の瞬間、ドーム内に散る全ての羽根が、金色に輝いた。 「(…!!?)」 その光に見覚えがある。そんな結論は出したくなかったが、認めざるを得ない。 先程、アーマーを纏う前のジーザスが指から射出していたモノと同じ。 この羽根は全て、ビームサーベルだ。 ロードは、身震いした。視界をビームサーベルの光が覆い尽くしている。 彼には信じられなかった。ビームサーベルには、射出口が必要な筈だ。だがこれは、ビームサーベルの刀身だけが、羽根と同じ軽さで宙に浮き、空間を覆い尽くしている。 フードを被らなければ、確実に頭部にも接触していたろう。幸いマントとフードのビームコーティングで防御し切れる出力のビームサーベルだった様だ。 だが、動けばマントで覆っていない箇所のアーマーに確実に接触する。事実上、ロードは身動きできない状況に立たされた。 一方で、テスタメントは涼しい顔をしていた。身体の表面にビームシールドを張っていたのだろう。周囲のビームサーベルは、一瞬彼に接触すると、弾かれて遠くへ飛んでいく。 ロックマン・ジーザスは、三人を観察していた。そんなジーザスに対し、唯一動く事のできるテスタメントが、右手を広げ、彼に向ける。 だが、その腕に内蔵されたバスターをテスタメントが発射しようとする前に、状況に変化が起きた。ミラージュが、左腕のエネルギーシールドを前面に展開しながら、ジーザスへ向けて突進してきたのだ。 前面に展開されたエネルギーシールドによって、ビームサーベルの羽根が次々と弾き飛ばされていく。ジーザスは、突進してくるミラージュを見据えると、右腕のビームサーベルを起動させた。 ミラージュはジーザスを間合いに収めると、前方に向けてエネルギーシールドを展開していた左腕を横へと移動させ、同時に右手に持った刀で斬りかかる。 ジーザスもそれに応じ、右腕に内蔵された幅の広いビームサーベルで刀を受け止めた。 「その眼は、見覚えがあるぞ。ロックマン・ミラージュ」 次の瞬間、刃を押し切られ、後ろへと跳ぶミラージュ。そんなミラージュを、ジーザスは指差した。 「っ!!?」 途端に、無数のビームサーベルと化した羽根が、ミラージュへと殺到していく。ミラージュは反射的にエネルギーシールドを構えたが、その体勢のまま動く事ができなくなった。 「あの絶望の底からここまで来たのは賞賛しよう。だが…まだ浅い…!!」 そう言うと、ジーザスは右腕をバスターに変形させ、身動きの取れないミラージュへと向ける。 だがそこで、即座に彼は視線を横に向けた。遂にテスタメントが動き出し、ジーザスへと迫っていたのだ。 テスタメントのアーマーが変形し、今まで露出していた頭も黒い鎧に覆われていく。そして彼の片腕が変形し、バスターの様な射出口が形作られた。 その射出口から高出力のビームサーベルを発生させ、テスタメントはジーザスに斬りかかる。ジーザスも応戦し、右腕のビームサーベルを射出した。 「随分と懐かしいな…3千年ぶりだ」 「無駄口を叩く暇など、与えん…!!」 そう言うと同時に繰り出されたテスタメントの一閃をジーザスが防御し、続けて放ったジーザスの一撃をテスタメントが防御する。二人の接近戦での攻防が展開され始めた。 ロードは素早く動き出すと、そのジーザスの背に飛びかかった。 テスタメントと攻防を繰り広げるジーザスの隙を突いたのだ。ジーザスの、翼の中央に位置している背に向かって、彼は剣を振り下ろそうとする。 「…甘い…!!」 不意にジーザスの呟きがロードの耳に届いた。その途端、無数の羽根がロードへと殺到する。 「(…!!?)」 次の瞬間、殺到した羽根がロードのアーマーを切り裂き、更には羽根の一枚一枚が全て、小規模の爆発を起こした。 「がはぁっ!!?」 その衝撃に吹き飛ばされるロード。マントとアーマーで致命傷は免れたが、彼は必死に起き上がると、戦慄した。 「(あの羽根が死角を全てカバーしているのか…!!)」 視線を上げると、ロードと同じように今度は居合いで側面からジーザスに奇襲をかけたミラージュも、無数の羽根に吹き飛ばされるのが見えた。 テスタメントは未だにジーザスとビームサーベルによる打ち合いを演じている。両者一歩も退く様子は無い。 周囲に浮かぶ羽根型のビームサーベルは減る気配を一向に見せず、それもロードとミラージュにとっては十分な脅威となっている。 ロードは必死で思考した。 「(考えろ…!幾ら体内にアーマーと武器を内蔵していると言っても、それだけではこの異常なエネルギー量は説明が付かない。どこかから補給しているか、これから補給を行う筈だ…!!)」 だが、ジーザスの戦いぶりを見る限り、これから彼がエネルギーを補給するようにはとても見えない。 現在のところ、ロードはジーザスとテスタメントが攻防を続けている様子を側面から見る形となり、ミラージュは彼らを挟んで反対側にいる。そのミラージュは、再び立ち上がって走り出そうとしていた。 「(いいだろう…次はあの羽根、全て叩き落してやる…!!)」 ロードも意を決した。 そして、ミラージュに合わせ、彼もジーザスヘ向かって突進を開始する。 途端に、無数の羽根がロードへ向かって殺到していく。彼は前方の羽を剣の一振りで舞い散らせるが、流石に全ての羽根を吹き飛ばせず、幾つか肩や腰に接触し、爆発を起こした。 「ぐぅ…だがぁ!!」 それでも、頭や胴に食らわぬよう剣をもう一度振り回し、ジーザスへと突撃する。 そして遂にジーザスを間合いへと納めた彼は、全力を振り絞って剣を振り下ろした。 甲高い音がドーム内に木霊した。 「!!?」 次の瞬間、ロードは自分の眼を疑った。 彼は『ミラージュと』鍔迫り合いを演じていたのだ。ミラージュの方もこの事態に目を見開いている。 視界の端に、テスタメントが上に向けて掌を掲げているのが見えた。ロードも状況を察して、ミラージュとほぼ同時に頭上を見上げる。 その瞬間、本日何度目かの、背筋が凍りつくあの感触を覚えた。 天井付近まで浮遊したジーザスは、右腕をバスターに変形させ、三人へと向けていたのだ。 「浅はかだ」 無感情なジーザスの、その声もまたドーム内に木霊する。 途端に、凄まじいエネルギーの奔流がロード、ミラージュ、テスタメントの三人を飲み込んだ。 「私の目的は…人という種が、あの星の呪縛から解き放たれる事なのです」 モニター上での戦いを眺めたまま、ただただ淡々と、タナトスは呟いた。 「この3千年…ヘブンという文明の栄枯盛衰を眺め、そして私は一つの結論を下しました」 一拍の間を置き、タナトスは語る。 「人の文明は、既に地球という星に拘らない方が進歩する事ができると」 「…理由が知りたいわ」 デウスの言葉に、タナトスは僅かに微笑みながら、続けた。 「ヘブンの支配者達が行ってきた事を思い出して下さい。デコイの環境適応の度合いを調べ、いずれ本物の人類が地球に住めるよう、環境の改善を進めていく。それを数千年という単位で行い続けてきたのが、彼らです」 そこまで言ってから、溜め息を一つついて、タナトスは言った。 「しかしその行動は、紛れもなく停滞なのです。デコイという人類の代替品を犠牲に築かれた平和。それを引き換えに、ヘブンという文明はその技術的進歩の速度を、時を経る毎に緩やかにしていきました」 「何が言いたいの?」 僅かに表情を曇らせたデウスが、眼を細めて尋ねる。タナトスは言った。 「分かりませんか?全ては地球という星の浄化に拘ったからこそ、ヘブンは…人という種は、歩みを止めてしまったのですよ。挙句の果て、事実上ヘブンを支配していたマザー達は、ヘブンに残る優れた文明と技術さえ捨て去り、あまつさえ人類の代替品であった筈のデコイと共存をしようとしている…」 「勿体無い…とでも言うつもり?」 タナトスは、そこでモニターに目を向けた。 モニターに映る、ロックマン・ジーザスを。 「あれを御覧下さい。3千年前でさえ、ヘブンはあれほどの破壊力を持った『兵器』の製造を可能としたのです。その技術力を、地球環境の再生という目的にのみ用いた結果が今の状況にあるのならば…」 そこまで言って、ようやくタナトスは結論を口にした。 「人という種にはもはや、地球という母星など、必要無いのではないでしょうか?」 デウスは、ただ静かにモニターに映る光景を見据える。 「ぐっ…」 閃光が晴れた時、テスタメント、ミラージュ、ロードの三人はまだ健在だった。 テスタメントがジーザスのバスターを防ぎ切ったからだ。 だがその影響からか、テスタメントがその場に片膝をつく。 そんな彼の姿に、ミラージュとロードが一瞬気を取られたのが間違いだった。 ミラージュは突如現れたビームサーベルの閃光に、咄嗟に刀で防御するのが精一杯だった。 そのまま押し切られ、かなり遠くの壁まで叩きつけられる。 同じようにロードも、突然目の前に現れたジーザスの足先が胸の中央に直撃し、吹き飛ばされた。 そうして二人を吹き飛ばしたジーザスが、目の前のテスタメントを見下ろした。 「テスタメント。まだ先程の、貴様と1対1だった時の方が手応えがあったぞ。あの時はまだ眼が覚めていなかったという事もあるがな…」 「ぐ、うっ!!」 それでも尚、右腕にビームサーベルを射出させ、テスタメントはジーザスに斬りかかった。 ジーザスはその場から一歩も動かずに、右腕のビームサーベルで受け止める。彼は無表情のまま、冷徹な視線をテスタメントに向け、言葉の続きを紡いだ。 「今度は、お前の目が覚めていない様だな」 「な、にぃ…!!」 テスタメントがそう言った瞬間、彼のビームサーベルにかかっていた圧力が増す。たまらず彼は、サーベルを弾くと同時に地面を蹴って後退した。 「くっ!!?」 だが、その動きにジーザスはついてきた。 テスタメントが体勢を完全に立て直す前に、ジーザスは彼の至近距離まで接近し、再度サーベルを振るう。 体重をかけるのは困難だったが、テスタメントは咄嗟にサーベルを横に薙ぎ払った。 「今のお前は…」 だが、ジーザスは地面を蹴り、サーベルどころかテスタメントすら飛び越え、空中で一回転し、彼の背後へと着地していた。 振り向き様に、ジーザスがビームサーベルを振るう。 だが、テスタメントもかろうじてまだその動きについていく事ができた。ジーザスが自分を飛び越えたのを察知した瞬間、薙ぎ払ったサーベルをそのまま勢いを殺さずに背後まで振り切ったのだ。 再びの鍔迫り合い。ジーザスは、再度口を開く。 「殺意を隠し切れていない。殺したいのは、私だけではないのだろう?」 その言葉に、テスタメントは一瞬硬直した。 ジーザスは、やはり無表情のまま続ける。 「手に取るように分かるぞ。この場に至ってもまだ、私以外の者への殺意を殺し切れていないのが…なぁ!!」 そう言うと、ジーザスは鍔迫り合いを行っているサーベルを勢い良く上へと弾いた。 「ぐうっ!!」 やられる。そう確信したテスタメントは、すぐに上へと弾かれたサーベルを、ジーザスへと振り下ろした。 だがその一撃は、ジーザスの左腕の、5本の指先から射出されたサーベルに阻まれていた。 それを確認すると、即座にジーザスは、右腕のビームサーベルをテスタメントへと振るう。 だが、ここに至ってテスタメントは、左腕からもビームサーベルを射出し、ジーザスの一撃を受け止めていた。 両腕を使った鍔迫り合い。互いに退く事無く、ジリジリと続いてゆく。 そして、次の瞬間。 ジーザスの頭部から生えた翼が、テスタメントのビームサーベルごと、その右腕を斬り落としていた。 「ぐっ…がああああああぁぁぁ!!」 後退しながら消失した右腕の傷口を抱え、テスタメントが叫ぶ。彼はそれでも、かろうじてジーザスから距離を取る判断はできたのだが、ジーザスにとっては彼のそんな行動など何の意味も無く、すぐにでも首をはねる事ができた筈だ。 だがジーザスはそうはせず、代わりに一言呟くと同時に、振り返った。 「その腕が代償だ。今度は、私がお前の目を覚まさせてやる」 ロードは、ジーザスとテスタメントの闘いを観察しながら、素早く動いた。 悔しいが、彼一人では――否、テスタメントとミラージュの三人がかりでも、ジーザスには勝てない。そうロードは判断した。 だがそれでも、ロードはこの手でジーザスを打ち倒したかったのだ。 ロックマン・エナミスが死ぬ間際にその名を呼んだ。恩人であったプロキオンは彼に裏切られた。それらの事実もあるが、何よりロードは、初めて会った時からリゲルが――ジーザスが、気に入らなかったのだ。 そして、事この場に至り、圧倒的な実力差を目の当たりにしても、いや目の当たりにしたからこそ、ロードは自分の手で彼を葬る事を決意した。 ロックマン・ミラージュと同じだ。自分の手で決着させなければ、この先、前には進めない。 たとえ、どんな手を使ってでも。 テスタメントの腕が斬られ、ジーザスが無慈悲な言葉を紡ぐ。 「(頭部の翼であんな事が可能とはな…あれでは副腕と変わりが無い)」 そう考えつつ、ロードはその瞬間にジーザスの背後へと、剣を構えて飛びかかった。 「(だが…これで終わりだ!!)」 腕を斬られた以上、テスタメントはもうこれ以上ジーザスと対等に渡り合う事は不可能だろう。 つまり、奇襲をかけるのは、これが最後のチャンスだった。 ジーザスは、その瞬間に振り向いた。 今まさに、ロードがジーザスへと飛びかかった、まさにそのタイミングで。 「こいつを…殺す事でな」 ジーザスは、ロードの思惑など完全に予想していた。それをロードが悟るには、全てが遅すぎた。 「く…おおおおぉぉぉぉ!!!」 ロードは、それでも構わず剣を振り下ろす。たとえ予測されていたとしても、ジーザスが振り返った時には、既に彼はロードの間合いに入っていたからだ。 だがジーザスは、そんなロードに対して、ただ右手の人差し指を向けただけだった。 たったそれだけの動作に、ロードの脳が急速に反応する。 その瞬間、彼の脳裏に、その人生の全てが超高速で再生された。 「さよなら」 次の瞬間、ロードの身体が木の葉の様に吹き飛ばされる。 更には空中で無数のビームサーベルに彼の身体はズタズタに切り裂かれ、最後には大理石の壁に激突した。 壁が砕ける。それだけでなく、壁に入ったヒビは大きくなり、遂にはその一部が崩壊して倒れ伏したロードの身体の上に降り注いだ。 ロードはピクリとも動かない。 動かなくなったロードに、テスタメントは、愕然とした。 腕を斬られた事もそうだが、何より自分の心の底までジーザスに見抜かれた事も彼に衝撃を与えていた。 確かに、最初にこの大聖堂でリゲルと戦った時は、今とは違い1対1だった。 だが、今は違う。この場には――彼の主を殺した、ロックマン・ロードがいた。 ロードも含め、今ここにいる三人が纏めてかからねば、ロックマン・ジーザスを打倒するのは難しい。テスタメントはそう割り切っていた筈だった。 だがやはり、心の底では、憎しみを抑える事などできなかったのだ。その事実から眼を背け、戦いに望んだ結果がこれだ。 未だにジーザスは無傷。 まさに、絶望的と言う言葉が生温く感じられる状況だった。 「こうなる事を、望んでいたのだろう、テスタメント」 「ジー…ザス…!!」 向き直り、再びジーザスはテスタメントを見下ろした。テスタメントは歯を食いしばり、ジーザスを睨む事しかできない。 ジーザスはしばらくそのまま、眼を細めていたが――次の瞬間、その場から飛び退いた。 「…ほう」 飛び退いたジーザスの頬が僅かに切れ、血が流れる。 彼は、前方を見据えた。 「光学迷彩…形振り構わなくなってきたな、ロックマン・ミラージュ」 そこに、何も無い筈の空間からロックマン・ミラージュが現れた。 ジーザスの言う通り、光学迷彩で姿を消したまま、彼はジーザスに奇襲をかけたのだ。 とは言え既に満身創痍で、肩で息をしているが、その眼には殺意が衰える事無く漲っている。 「何が古き神々だ。何がロックマンだ。貴様も…ただの人間だ…!!」 そう言ったミラージュの刀は、今しがた付けられた、ジーザスの頬の僅かな切り傷へと向けられていた。 その切り傷から、赤い血が一筋、ジーザスの頬を流れ落ちる。 ミラージュの言葉に、ジーザスはしばらく無言だった。 だがやがて、ゆっくりと溜め息を吐くと、彼は平然と答える。 「…そうさ、その通りだ。この3千年、それが分かっていない者ばかりだった」 そして、ジーザスは右腕のビームサーベルを起動した。 ミラージュも、刀を構える。 「だがお前は、果たしてこれから…」 「ロックマン・ジーザス…」 ロックマン・ミラージュとロックマン・ジーザスは、同時に言い放った。 「ただの人間でいられるかな」 「貴様は俺が殺す」 そして両者が地面を蹴ったのは、ほぼ同時の事だった。 第五章へ 黙示録の天使達・目次
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オプティカルカモフラージュ/ Optical Camouflage マナコスト (3) タイプ アーティファクト レアリティ アンコモン オプティカルカモフラージュを生贄に捧げる:あなたがコントロールするパーマネント1つを対象とする呪文か起動型能力1つを対象とし、それを打ち消す。 参考 カードセット一覧/東方地霊殿
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デッキブラシ 掃除に使う道具。 信じれば、飛べるはずさ! ※以下、ロワ内でのネタバレ +【アイテム追跡メモ】 【アイテム追跡メモ】 [支給された参加者] ミラージュ [所有者] ミラージュ(7話) ↓ ビウィグ(7話、44話、68話) ↓ ロキ(68話、79話、100話) ↓ クラース(100話、101話(前)(後)、105話(前)(中)(後)、112話) ↓ フェイト(112話、120話(前)(後)、126話(前)(後)) ↓ ? [メモ] 44話でミラージュがビウィグに奪われる。 68話でビウィグがロキに殺され、ロキが回収。 100話でクラースがロキから逃走する際に盗んでいく。 112話でクラースからフェイトに手渡される。 126話でフェイトの手を離れてD-05南部エリアから南西の方角へ飛んでいった。 ある意味キュア・ブラムスを生み出したアイテム。 支給品一覧に戻る
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喉が渇く。 身体中が軋みを上げている。 口中には鉄の味しかしない。 視界はぼやけ、見上げれば木々の間から月の無い夜空が見える。 彼の周囲にはかつての仲間達が、身体中を血に染めて、倒れ付していた。 鮮やかな鮮血が、彼らを取り囲むように、地面を染めている。 それでも彼は立っていた。 片手には、酷使し続けてバチバチと異音を上げるビームサーベルを持ち。 その眼は、すぐ先にいる男に向けていた。 「見事だ、小僧。立ち上がってみせるとは」 男は、彼を見つめ、静かにそう言った。 「何故そこまでして闘う。ヘブンが、それほどの忠誠に応えるのか?」 彼は男を睨み、言った。 「ヘブンなど関係無い。お前は敵だ。だから斃す」 彼の応えに、男はほんの少し口元を歪めると、言う。 「名乗れ、小僧」 彼は震える手でビームサーベルを構えると、言った。 「ロックマン・ロード」 「ロックマン・ロード。気に入った。お前も刻め、私の名を」 そう言うと、男は傍らの地面に突き刺していた幅の広い大剣を抜き、ロックマン・ロードと名乗った者へ、その切っ先を向けた。 「ロックマン・シュミットの名を」 ロックマン・ロードは懸命に命令した。自分の身体に。 だが腕は上がらない。目の前の敵は、もうその得物を振り上げているというのに。 相手を懸命に睨みつけるが、身体は動いてくれない。 戦うだけの、空虚な人生だった。何も残さぬまま死ぬのかと、彼は思った。 「(まぁ、いいか。救いの無い世界だって、分かっていたのだから)」 全ての発端が、自然と彼の頭の中で甦る。 あの日、任務を終えて帰還したロックマン・ロードは、他の粛清官数人と共に早々にマザー・セラに呼び出された。 「ロード、招集がかかってるぞ」 「ああ、分かってる」 仲間の粛清官の声に、鏡の前で顔を洗っていたロードが答える。 彼は鏡に映った自分の顔を見た。人間で言えば20代前半といった年齢だろう顔には、疲労の跡がありありと見て取れる。短く切られた銀髪は少し汚れていた。 疲労が少しでも軽減される事を期待して顔を洗ったが、少しも効果は無いようだ。 そして、彼はマザー・セラに召集された部屋へと向かった。 「この中にはつい今しがた任務を終えた者もいると思うが、今からお主達に新たな任務を与える」 ホログラムに映し出されたマザー・セラの前で横に整列し、跪いた粛清官達。ロードは彼らの顔を見た。これまで共に任務をこなした者もいれば、そうでない者もいる。 窓も無い白い壁と床の室内に並んだのは6人。全員が一等粛清官だった。 やがて褐色で緑の短髪、赤い瞳の小柄な少女の姿をしたマザー・セラのホログラムは、粛清官たちの前に立つと、先程の言葉を皮切りに任務説明を始めた。 「今からおよそ10時間前、地上で任務遂行中だった粛清官5名が姿を消した。当初はイレギュラーによる奇襲かと思われたが、1時間後に1名がヘブンの施設に逃げ延びた。その者はそれから間も無く生命活動を停止させたが、その証言によれば…どうやら3名の粛清官がイレギュラー化し、1名を殺害、1名に重傷を負わせて逃走した様だ」 この時、ロードは任務を終えたばかりだったせいか、面倒だという思いが大半を占めていた。 その為か、ここまでの説明を聞き、「早く終わらせよう」と思っていたのは事実だ。 だが、その説明の続きを聞き、彼は一気に気を引き締める事となる。 「6時間前に4名の一等粛清官と2名の二等粛清官を派遣した。が、その全員が4時間前に消息を絶った。我々はこの事態を重く見て、新たにお主達6名を派遣する事を決定した。以上だ」 続けてマザー・セラは「質問はあるか」と全員の顔に視線を走らせ、言った。 そこで、一人の粛清官が腕を上げ、言った。 「イレギュラー化した粛清官の名を訊いてもよろしいでしょうか、マザー」 その質問に、セラは傍らに待機していたジジへと視線を向ける。 セラと同じ褐色の肌に腰まで伸ばされた緑の長髪、眼鏡をかけ、赤い瞳と額に第三の瞳を持つ高位のリーバード・ジジは、片手に持った端末で電子画面を展開すると、粛清官の質問に答えた。 「イレギュラー化したのは…『ロックマン・シュミット』、『ロックマン・カーティス』、『ロックマン・エナミス』の三名です」 ジジの言葉に、数名の粛清官が息を呑むのがロードには分かった。 「詳しい説明はお主達の電子端末に送る。それを読め。以上だ」 どうやら受け付ける質問は一つだけだったらしい。ジジの説明が終わると、セラはそう言った。 その言葉を受け、粛清官達は弾かれた様に部屋を出て行った。 シャトルポートへと向かうエレベーターの中、一人の粛清官が口を開く。 「やばいな…」 その言葉に、近くにいた粛清官が答えた。 「ああ、やばい」 「イレギュラー化した粛清官、そんなにやばい奴なのか」 電子端末で任務の情報を眺めていたロックマン・ロードは、そう訊いた。 最初に口を開いた粛清官が答える。どうやら彼は誰かに話したかったらしい。 「ロックマン・シュミットな…奴は教官として何人もの粛清官に剣を教えてた。この中にも彼に教わったという奴、いるんじゃないか?」 「他の二人はともかく、おそらくロックマン・シュミットという名は結構な数の粛清官が聞き覚えがある筈だ」 「どちらにしろ、先に消息を絶った奴らの生存は絶望的だな」 彼らの話を聞きつつ、ロードは任務の詳細を電子端末で眺め続けた。 だが、ある項目を見た瞬間、彼の思考は中断させられる事となる。 それは、先にイレギュラーの処分に向かい、消息を絶った粛清官達のリストだった。 ■一等粛清官 ロックマン・エッジ ロックマン・クレイス ロックマン・ミラージュ ロックマン・ブレイク ■二等粛清官 ロックマン・ライン ロックマン・シード ロードの様子に、近くにいた粛清官が声をかけた。 「おい、どうした?」 「いや…見知った名を見つけただけだ」 その粛清官がロードの電子端末を見て、心配そうな声をかける。 「消息を絶った奴らの中にか…」 「ああ。以前何度か任務で一緒だった」 ロックマン・ミラージュ。彼が既に死んでいる可能性が高い事を知り、一瞬ロードは胸中で呆然となったが、次の瞬間には益々気を引き締めていた。 やがて地上へと向かう船に乗り、船は出発した。 ロクに休む暇さえ貰えずに受けた命令。ロードは疲労を感じつつも、船内に座る他の粛清官達を眺めた。 他の5人の粛清官。まだ一等になったばかりで、明らかに若い者もいる。そうかと思えば既に幾度も任務をこなしたベテランもいた。 リーダーとなったのはロックマン・グリップという粛清官で、現状の戦力と相手の戦力をすばやく分析し、作戦を立案する能力に長けている男だった。 そんな彼が、まず最初に殺された。 先に部隊が行方不明となった森。そこに入ってしばらくしてからの出来事だった。 木々の間から突如飛んできた刃が、ロックマン・グリップの頭を薙ぐ。全員がそれに気づいたのは、続けて四方八方から攻撃が飛んできた後だった。 悲鳴。怒号。 その中で次にロードが見た光景は、多数の木々と共に高出力の荷電粒子砲に飲み込まれる仲間のうち二人の姿だった。 その時点でロードは撤退を決め、残った二人と共に急ぎ脱出しようとする。だが、もはや遅すぎる判断だった。 最初にロックマン・グリップの首を飛ばしたカッターがロードの背中を掠め、傍にいた粛清官の胸に直撃し、そのまま木に磔にする。 最後に残ったのは負傷したロードと、まだ一等になったばかりの粛清官だった。 敵の姿すらまだ一人も視認できない状況で、4人もの粛清官が瞬く間に命を奪われる。そんな光景を、背中からの激痛と共にロードは徐々に実感する。 「ここは食い止める。お前だけでも…」 最後まで言えなかった。 森の奥から突如出現した影が、手にした細長い棍棒のようなもので、新米の一等粛清官を串刺しにしていたからだ。 無造作に投げ捨てられる骸と化した粛清官の身体。それを気にも留めず、その影は腕を振り上げ、その棍棒をロードに叩きつける。 悲鳴すら上げられぬまま、ロードは背後の木に叩きつけられた。背中にできた傷を抉るように、枝が突き刺さる。 それでも咄嗟にビームサーベルを起動し、防ぐ事はできた。 そして今の一瞬で、相手の使っていた武器が鉄製の大剣だった事もロードは把握した。 だがたったそれだけだった。5人の粛清官を犠牲にして手にできた情報は。 叩きつけられた木から自然と体が離れ、ロードは地面に吸い寄せられるように倒れ付す。 だが、彼は立ち上がった。そして目の前の影を見た。 月も見えない森の中だったが、既に暗闇に眼が慣れていたため、相手の顔も把握できた。 ヘブンの粛清官が着用する白いアーマー。ただし、その全身に血痕と傷跡が散見される。 片手には鉄製の幅の広い大剣。その顔には深い皺が刻まれている。おそらく、年齢は40代を超え、50代半ばと言ったところだろう。頭髪は短く刈り揃えられており、口の周りには髭が生えていた。 その眼は、不気味なほどの鋭さを纏っている。 「見事だ、小僧。立ち上がってみせるとは」 「ロックマン・ロード。気に入った。お前も刻め、私の名を」 目の前の大男――ロックマン・シュミットが、腕を振り上げる。 「ロックマン・シュミットの名を」 回避か、反撃か。どちらかを行おうとする意思とは裏腹に、身体は動かない。 「(終わるのか?俺は、ここで…)」 そして、今にもロックマン・シュミットが腕を振り下ろそうとしていた時。 突如飛び込んできた影が、シュミットへ一撃を見舞った。 が、その一撃は直前で察知し、構えを変えたシュミットの大剣に阻まれる。 影は次の瞬間に飛来してきた大型のカッターを避けると、再びシュミットに飛びかかり、鍔迫り合いの形となった。 そこでようやく、ロードは飛び込んできた影の正体を見た。 「おやおや、あのまま気絶していれば良かったものを」 シュミットが挑発するように呟く。影は手にしたビームサーベルに力を込めたようだったが、シュミットの腕は全く押されはしなかった。 「なぁ、ロックマン・ミラージュ?」 今のロードや目の前にいるシュミットと同じく、ヘブンの粛清官が着用する白いアーマー。 ロードと同じ位の20代前半の年齢。彼よりも鋭い顔立ちをした、黒い短髪の男。 ロードは彼に声をかけようとしたが、その途端背中の傷が激しく痛み、声を出せなかった。 「お前達、手を出すなよ」 シュミットは背後の森の中へ向けて、そう声を上げた。 そして、ミラージュのビームサーベルを弾くと地面を蹴り、一旦後ろへと退いた。 だが、ロックマン・ミラージュは止まらなかった。 後ろへと退いたシュミットへ向けてビームサーベルを振る。だが一瞬遅く、彼の身体に傷一つ付ける事無くビームサーベルは空を掻いた。 そこでできた隙を、シュミットは見逃さない。即座に地面を蹴ると、サーベルを振ったばかりのミラージュの腹を蹴り上げた。 「がはっ!!?」 そんな様子を、ロードは冷静に見つめていた。そして彼は、ミラージュがいつもと様子が違う事がすぐに分かった。 いつもならば自分よりも何倍も冷静に行動する筈のロックマン・ミラージュが、明らかに焦っていたからだ。今も、無理に追撃を行おうとして反撃を食らっている。 やがて地面に倒れ付した彼を、シュミットは見下ろした。 「言った筈だ。刃に感情を持たせれば、必ず隙ができると」 いつのまにか、シュミットの両手に武器は握られていない。一旦ミラージュから離れた時、地面に刺していたのだろう、彼の遥か後方の地面に大剣は突き刺さっていた。 「今のお前など、素手でもこの通りだ」 呻き声を上げながら、ミラージュがビームサーベルを取り落とし、地面に両手を着く。だがその光景を見つめるロードには、若干の心理的余裕が生まれていた。 死んだと思われたミラージュが生きて現れた為だろう。 そして彼は冷静にシュミットの様子を眺める。彼は今、ミラージュに視線を向けており、こちらに注意を払っている様子は無い。既に戦闘不能だと思っているのだろう。 先程傷を負った背中からは定期的に痛みが襲ってくる。おそらく先程のカッターはアーマーを切り裂き、その奥の生身にまで達している筈だ。 ロードは、まだ自分がビームサーベルを握れている事に感謝した。 とはいえ、この状態でも不用意に斬りかかれば迎撃され、即座に斬り捨てられる事は目に見えている。 彼は覚悟を決めた。 「残念だ、ロックマン・ミラージュ。私自ら一から剣を教えたお前が、私に付いて来ないとは」 シュミットはミラージュを見下ろし、呟く。 「先程はすぐにお前を殺す事もできた。なのに私は殺さなかった。分かるだろう、私の情けが。それでも私の意思を汲み取る気は無いか」 ミラージュはしばらく息を整えていたが、やがてはっきりとした声で言った。 「命を賭けるに足る、己の信念を見出せ」 ミラージュの言葉に、シュミットは僅かに目を細めると、言う。 「覚えているぞ。かつて私がお前に言った言葉だ。だが…お前の見出した信念が、これか」 やがてミラージュは顔を上げた。シュミットへ向けられているせいで、ロードにはその顔が見えないが、はっきり発せられたその声は全て聞き取れた。 「俺の存在意義は、ヘブンを守る事だ。俺は…それに従う」 しばらく、シュミットはミラージュの顔を睨んでいた。 ミラージュもそうだっただろう。 「…救い難い奴だ、ロックマン・ミラージュ」 溜め息と共に、シュミットはそう呟いた。 「せめてもの情けだ。やはり貴様は、私がここで葬ってやろう」 そう言うと、彼は背後の地面に刺してある大剣を引き抜くため、振り返った。 その時を待っていた。 振り向いたとはいえ、こちらに注意を向けているのは変わらない。だがロードは、注意が自分には向いていない事を利用した。 スイッチが切れていたビームサーベルを起動させ、それを――投げつけた。 ビームサーベルが空気を切り裂き、ロックマン・シュミットへ向けて飛んでいく。 「ぬっ!!?」 その音を察知したシュミットは、振り向きながら体勢を崩す。 切っ先が僅かに彼の左肩を掠め、背後の木へと突き刺さった。 「ミラージュ!!」 激痛に耐えながら身体を動かし、ロードは吼えた。 その意図を察し、ミラージュは振り向くと同時に自身の持っていたビームサーベルのスイッチを切ると、ロードへと投げ渡す。 ロードはそれを受け取って起動させると、ミラージュの肩を担ぎ上げた。 そして、力いっぱい引き上げて立たせると、見当をつけておいた森の入口の方角へ向けて一気に走り出す。 途端に空気を斬り裂く音が聞こえた。 「っ!!」 背後から飛んできた、先程ロックマン・グリップを仕留めたカッター。ロードは振り返り様に、それをビームサーベルで叩き落した。 同時に、森の奥に一瞬閃光が走るのをロードは見て取る。幸いにも、これは肩を担いでいるミラージュも見ていたようだ。 「伏せろ!!」 どちらが先に言ったか。それを考える暇も無いまま、ロードとミラージュは足を縺れさせながら地面に伏す。 途端に、彼らの真上を極太の荷電粒子ビーム砲が駆け抜けていった。 だが、それを避けたからと安心する暇など無い。 ロードは地面に伏せた時、自分達の方へロックマン・シュミットが走ってくるのを感じ取った。 即座にロードは、近くの木へ向けてビームサーベルを薙ぎ払う。 「何!?」 その行為に対し、シュミットが声を上げた。木は熱で溶解し、根元から倒れ始める。それを見て取ったロードは再びミラージュを担ぎ上げ、走り出した。 背後を一瞥すると、倒れた木に一瞬道を阻まれたシュミットが立ち往生しているのが見て取れる。 後の問題はカッター。だがこれは周囲に気を配り続けていれば対処できる。荷電粒子砲は先程放たれたので再チャージには時間がかかるだろう。その間に姿を消す必要があると、ロードは分析した。 それから森を抜けるまで、ロードもミラージュも生きた心地がまるでしなかった。 倒れた木に足をかけ、ロックマン・シュミットは二人の影が走り去った方向を見つめた。 「ロックマン・ロードか…」 右手には大剣が握られ、左手には先程ロードが投げたビームサーベルを持っている。 そんな彼の背中に言葉を投げかける者があった。 「逃がしたのか」 森の奥から響いた声。だが、その声はシュミットの方へ近づいていく気配は無かった シュミットは振り返り、その声に向かって頷く。 「エナミスは?」 「荷電粒子砲のエネルギーがとうとう尽きた様だ。最後の一発が誰にも当たらなかったとは、あいつも運が無いな」 「そうか」 向き直り、その声の方へ向かって歩く。 「とりあえず、死んだ粛清官の装備を貰っていくぞ。このままではジリ貧だ」 「これからどうする?」 声のする方とは別の方向の森の奥から、一つの影が歩いてきた。その影は、シュミットよりも大分背が低い。 その影を一瞥しつつ、シュミットは言った。 「ここから北に30キロ。そこにある施設に行く」 「徒歩では難しい距離だな。デコイに移動手段でも借りる他は無いか。そこに何がある?」 シュミットは一泊の間を置くと、言った。 「ヘブンの施設だ。普通の施設とは、少し違う」 森の奥から響く声は、呆れた様子でシュミットに言う。 「とりあえずシュミット、お前さんはその酷いアーマーを何とかしろ。粛清官にもデコイにも目立ち過ぎる」 シュミットは苦笑しつつ答えた。 「白いアーマーという時点で、目立つのは変わらなかろう。まぁいい、しばらく移動した後、川沿いで休もう」 そこまで言ってから、シュミットは小柄な影の肩に手を乗せ、それから森の奥に視線を巡らせてから、言った。 「よくやってくれた。カーティス、エナミス」 数時間後、ヘブン。 「以上が報告内容となります」 跪き、ロックマン・ロードとロックマン・ミラージュが順番に報告を行うと、それを見計らったジジが感情の無い声でそうマザー・セラに言った。 任務を伝えられた時とは違い、今回は直接マザー・セラが二人の前に立っている。 「一等粛清官が8人、二等粛清官が2人。僅か三人に、これだけの者達がやられるとはな」 ジジと同じく何の感情もない声で、セラはそう言った。 「イレギュラーは?」 セラの問いに、ジジが電子端末で情報を確認しつつ答える。 「つい1時間前まではエデンからの監視で居場所が特定できていましたが、その後姿を消しました。どうやら空から見えないように移動しているようです」 「粛清官達を相手にしたのが森の中だったのもエデンを警戒してか。あの三人はこちらの出方を熟知しておる様だな…厄介だ」 顎に手を当てて思案するセラ。やがて彼女はロードとミラージュに視線を向けると、言った。 「お主達、奴らと直接会ったのだろう?奴らの目的などが推測できるか?」 「いえ…」 「見当も付きません」 ロードとミラージュが口々に答える。 その答えに失望の色を隠そうともせず、不快感を含んだ声でセラは言った。 「分かった、もうよい。下がれ」 「死んだ奴らに一言も無し…か」 ロードは静かにそう呟く。胸中に、自然とロックマン・シュミットの言葉が甦る。 隣を歩くロックマン・ミラージュは相変わらず無言だ。 そんなミラージュに、ロードは言った。 「あのロックマン・シュミットに剣を教わったのか」 ミラージュは無表情で前を見据えたまま、答えた。 「ああ、殆ど全て。今の俺があるのはあの男のお陰と言っていい」 「なら、奴が何の目的で今動いているか、分かるか」 ミラージュはしばらく思案していた様子だったが、やがて言った。 「いや…分かるなら報告しただろう。正直、今は見当も付かない」 会話はそこで途切れた。そのまま二人は、応急処置で済ませていた傷を完全に修復する為、回復カプセルのある部屋へと向かった。 その数時間後、二人は再びマザーセラに呼び出される。 同時に、二人の耳に驚愕の情報が伝えられる事となった。 エデンが乗っ取られた、と。 第二章へ 血に洗われし仮面の涙・目次
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◆h8sFAV3kjo 執筆作品一覧(1) 007 あなたならどちらを選ぶ? 【氏が書かれたキャラ】 キャラ名 登場回数 ミラージュ、ビウィグ、ガンツ 1回 ミラージュとガンツの出会いだけに終始せず、ビウィグの襲撃、さらにガンツがどう動くかというとことでのバトンパスと、序盤から続きが気になる引きをしてくれた書き手さん。それにしても今思えばミラージュはガンツやクリフに心配されてばかりだし、わりとヒロインみたいなことになってたんだなあ…… -- 名無しさん (2009-05-10 23 49 02) 名前 コメント