約 1,728,892 件
https://w.atwiki.jp/majicaa/pages/1502.html
, ---y───y─‐x / /⌒⌒⌒´\ ∧ {∧ {_/もソ ̄}\_}∧} 〉\\_____ノノノ { . { =====イ ∧ /\{ ,xnnnrnx { ∧ /\({ {リ{ノ{ノ{ノ{ノl}{ } . 〈ハ {\ } { {rf⌒¨⌒∧∨ ,’ __ rVこ){ } { {丁]nr}{丁} ∨ 〈つ}h . └く\/ ) { `¨¨´ ̄ ̄ ノ}_) _ノ \/\`¨´ ̄ ̄ ̄__,ノ__/ }\_______/{ 〈ニニニニニ/⌒\ }====ミ}____{/´ ̄ } /ニニニノ { ___,人} /{ } V//´⌒} {\______ノ ∨ /{ ̄)( ̄) { } ∨ `¨⌒7´ └‐{__ノ. { / `¨¨´ Jeering Homunculus / 嘲笑うホムンクルス (1)(青) クリーチャー — ホムンクルス(Homunculus) 嘲笑うホムンクルスが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを使嗾してもよい。(あなたの次のターンまで、そのクリーチャーは、可能なら各戦闘で攻撃し、可能ならあなたでないプレイヤーを攻撃する。) 0/4 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/3677.html
【ホムンクルス】 特徴のひとつ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン専用の特徴で、ホムンクルスが属する。カーニバル・ファンタズム時点で5種類が存在する。 アインツベルンの錬金術が生み出した、聖杯戦争のためだけに作られた存在。 関連項目 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 弟子一号 【マスター】 編集
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/945.html
共通ステータス 出現クエスト 共通ステータス NPCID 名前 クラス DR(即死) 会心率 DSR(星) DTDR(攻NP) ATDR(被NP) 宝具 CT SKILL AI 性別 力 大分類 小分類 特性 行動数 20098 94003606 94003607 94003608 94004130 94005065 94006146 94006148 94006151 94006154 94006157 94006160 94006235 ホムンクルス 槍 80% 10% 0% 100% 100% 大増殖 敵単体にとても強力な攻撃[ 400 %]味方全体のHPを毎ターン回復[ 1000 ](5T) 4 成長 自身の攻撃力アップ[ 10 %](10T) スキル使用確率 [ 20% ] 天 造魔 ホムンクルス 2 20098 ホムンクルス 槍 80% 10% -5% 100% 100% 大増殖 敵単体にとても強力な攻撃[ 400 %]味方全体のHPを毎ターン回復[ 1000 ](5T) 4 成長 自身の攻撃力アップ[ 10 %](10T) スキル使用確率 [ 20% ] 天 造魔 ホムンクルス 2 20099 プロトホムンクルス 槍 20% 10% -5% 100% 100% 超再生 敵単体に超強力な攻撃[ 600 %]味方全体のHP回復[ 3000 ] 4 吸収 敵単体のHPを減少[ 1000 ]自身のHP回復[ 1000 ] スキル使用確率 [ 20% ] 天 造魔 ホムンクルス 3 20099 94001305 94005073 94006149 94006152 94006155 94006158 94006161 94006162 94006163 94006164 プロトホムンクルス 槍 20% 10% 0% 100% 100% 超再生 敵単体に超強力な攻撃[ 600 %]味方全体のHP回復[ 3000 ] 4 吸収 敵単体のHPを減少[ 1000 ]自身のHP回復[ 1000 ] スキル使用確率 [ 20% ] 天 造魔 ホムンクルス 3 出現クエスト NPCID 名前 クラス LV HP ATK 出現クエスト 20098 ホムンクルス 槍 7 3692 1405 [イベント] FGO夏祭り2016 記念クエスト 20098 ホムンクルス 槍 19 15108 2945 [フリー 第四特異点 シティ・オブ・ロンドン] スクエアマイル 20098 ホムンクルス 槍 26 12132 3848 [メイン 第四特異点 2節-2] ロンディニウムの騎士 20098 ホムンクルス 槍 27 14457 3975 [イベント] 強化クエスト ステンノ 20098 ホムンクルス 槍 28 11227 4102 [メイン 第四特異点 2節-3] ロンディニウムの騎士[イベント] 強化クエスト ランスロット 20098 ホムンクルス 槍 29 12205 4230 [メイン 第四特異点 3節-1] 魔霧は嘲笑う 20098 ホムンクルス 槍 30 44465 4357 [イベント] 強化クエスト ランスロット 20098 ホムンクルス 槍 31 12955 4497 [メイン 第四特異点 3節-2] 魔霧は嘲笑う[メイン 第四特異点 3節-4] 魔霧は嘲笑う[メイン 第四特異点 4節-1] 本の一冊、ペンの一本 20098 ホムンクルス 槍 31 7327 4497 [メイン 第四特異点 3節-2] 魔霧は嘲笑う 20098 ホムンクルス 槍 31 6032 4497 [メイン 第四特異点 3節-4] 魔霧は嘲笑う 20098 ホムンクルス 槍 32 5675 4624 [メイン 第四特異点 6節-1] ロンドン・ナイト 20098 ホムンクルス 槍 33 28080 4751 [メイン 第四特異点 6節-2] ロンドン・ナイト[メイン 第四特異点 6節-3] ロンドン・ナイト[イベント] 魔術礼装クエスト・アトラス院制服[イベント] 強化クエスト ランスロット[イベント] 強化クエスト ステンノ 20098 ホムンクルス 槍 33 8564 4751 [メイン 第四特異点 6節-2] ロンドン・ナイト[メイン 第四特異点 6節-3] ロンドン・ナイト 20098 ホムンクルス 槍 34 4956 4879 [メイン 第四特異点 5節-1] ヘルタースケルター 20098 ホムンクルス 槍 35 6221 5006 [メイン 第四特異点 5節-2] ヘルタースケルター[メイン 第四特異点 6節-4] ロンドン・ナイト 20098 ホムンクルス 槍 35 5947 5006 [メイン 第四特異点 5節-2] ヘルタースケルター 20098 ホムンクルス 槍 37 9024 5260 [イベント] 強化クエスト ステンノ 20098 ホムンクルス 槍 38 10309 5388 [フリー 第四特異点 ソーホー] 魅惑の繁華街[フリー 第四特異点 ウェストミンスター] スコットランドヤード[イベント] 魔術礼装クエスト・アトラス院制服 20098 ホムンクルス 槍 38 24109 5388 [イベント] 魔術礼装クエスト・アトラス院制服 20098 ホムンクルス 槍 38 16034 5388 [フリー 第四特異点 ウェストミンスター] スコットランドヤード 20098 ホムンクルス 槍 40 32273 5642 [メイン 第四特異点 4節-3] 本の一冊、ペンの一本[メイン 第四特異点 10節-2] 絢爛なりし蒸気の果て[メイン 第四特異点 10節-3] 絢爛なりし蒸気の果て[メイン 第四特異点 12節-2] 雷電神話 20098 ホムンクルス 槍 40 9129 5642 [メイン 第四特異点 4節-3] 本の一冊、ペンの一本 20098 ホムンクルス 槍 40 12164 5642 [メイン 第四特異点 10節-2] 絢爛なりし蒸気の果て[メイン 第四特異点 10節-3] 絢爛なりし蒸気の果て 20098 ホムンクルス 槍 41 18136 5782 [メイン 第四特異点 12節-1] 雷電神話[メイン 第四特異点 12節-3] 雷電神話 20098 ホムンクルス 槍 41 16964 5782 [メイン 第四特異点 12節-1] 雷電神話 20098 ホムンクルス 槍 44 56191 6164 [フリー 第四特異点 サザーク] バラマーケット 20099 プロトホムンクルス 槍 31 12564 6506 [メイン 第四特異点 6節-2] ロンドン・ナイト[メイン 第四特異点 6節-3] ロンドン・ナイト 20099 プロトホムンクルス 槍 32 43026 6684 [メイン 第四特異点 12節-1] 雷電神話 20099 プロトホムンクルス 槍 33 51357 6862 [メイン 第四特異点 6節-1] ロンドン・ナイト[メイン 第四特異点 12節-3] 雷電神話 20099 プロトホムンクルス 槍 33 10634 6862 [メイン 第四特異点 6節-1] ロンドン・ナイト 20099 プロトホムンクルス 槍 34 60262 7040 [フリー 第四特異点 ウェストミンスター] スコットランドヤード 20099 プロトホムンクルス 槍 35 32218 7217 [メイン 第四特異点 5節-1] ヘルタースケルター[メイン 第四特異点 6節-4] ロンドン・ナイト[メイン 第四特異点 10節-2] 絢爛なりし蒸気の果て[フリー 第四特異点 ソーホー] 魅惑の繁華街 20099 プロトホムンクルス 槍 35 12955 7217 [メイン 第四特異点 5節-1] ヘルタースケルター 20099 プロトホムンクルス 槍 35 9354 7217 [メイン 第四特異点 6節-4] ロンドン・ナイト 20099 プロトホムンクルス 槍 35 18615 7217 [メイン 第四特異点 10節-2] 絢爛なりし蒸気の果て 20099 プロトホムンクルス 槍 36 12719 7395 [メイン 第四特異点 5節-4] ヘルタースケルター 20099 プロトホムンクルス 槍 48 80684 9545 [フリー 第四特異点 サザーク] バラマーケット 94001305 プロトホムンクルス 槍 33 36744 6862 [イベント] 魔術礼装クエスト・アトラス院制服 94003606 ホムンクルス 槍 33 15604 4751 [イベント] バイコーン・ハント 開位級 94003607 ホムンクルス 槍 55 22771 7576 [イベント] バイコーン・ハント 祭位級 94003608 ホムンクルス 槍 62 29294 8479 [イベント] バイコーン・ハント 典位級 94004130 ホムンクルス 槍 60 109767 8212 [イベント] 強化クエスト 清姫 94004130 ホムンクルス 槍 61 77490 8352 [イベント] 強化クエスト 清姫 94005065 ホムンクルス 槍 65 121447 8861 [イベント] 強化クエスト ステンノ 94005073 プロトホムンクルス 槍 45 140029 9012 [イベント] 強化クエスト ランスロット 94006146 バイオノイド ホムンクルス 槍 6 5250 1278 [イベント] アンダーワールド 初級 94006148 バイオノイド ホムンクルス 槍 11 8718 1927 [イベント] アンダーワールド 中級 94006149 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 5 10927 1832 [イベント] アンダーワールド 中級 94006151 バイオノイド ホムンクルス 槍 22 11760 3339 [イベント] アンダーワールド 上級 94006152 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 14 11925 3450 [イベント] アンダーワールド 上級 94006154 バイオノイド ホムンクルス 槍 34 15246 4879 [イベント] アンダーワールド 超級 94006155 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 22 16349 4889 [イベント] アンダーワールド 超級 94006157 バイオノイド ホムンクルス 槍 42 22491 5909 [イベント] アンダーワールド 爆級 94006157 バイオノイド ホムンクルス 槍 44 26142 6164 [イベント] アンダーワールド 爆級 94006158 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 28 23073 5955 [イベント] アンダーワールド 爆級 94006160 バイオノイド ホムンクルス 槍 50 22197 6927 [イベント] アンダーワールド 滅級 94006161 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 33 22704 6862 [イベント] アンダーワールド 滅級 94006162 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 15 20598 3627 [イベント] アンダーワールド 初級 94006163 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 18 49376 4161 [イベント] アンダーワールド 中級 94006164 プロトバイオノイド プロトホムンクルス 槍 30 98839 6311 [イベント] アンダーワールド 上級 94006235 バイオノイド ホムンクルス 槍 26 17232 3848 [メイン シャドウアイランド 0節-1] 第5節『獅子王カッコカリ』
https://w.atwiki.jp/clockgrail/pages/115.html
【名前】 ホムンクルス36号/ミロク 【性別】 男 【年齢】 0歳6ヵ月(知的活動のできるホムンクルスとして完成してから) 【属性】 混沌・悪 【外見・性格】 大きな瓶の中に入った胎児の姿をした旧式のホムンクルス。 人間で言えば妊娠9ヵ月ほどの胎児に相当し、見た目としてはもうほとんど赤ん坊に近い。 唯一ヒトと異なるのは髪の色と瞳の色で、どちらも淡く青く発光している。 瓶の中で器用に回転することもできるが、主に頭を下にして浮かんでいる。 令呪は右の尻肉に刻まれている。 彼が入っている瓶は、ちょっとした強化ガラス並みの強度はあるが、脆いものであることは間違いない。 瓶の中は魔術的に調合された人工羊水で満たされている。 瓶の口近くは細く狭まっており、コルクの栓を開けたところで彼の身体は外に出ることは出来ない。悪意あるボトルシップ。 瓶の外に出られるのは瓶が割れた時――すなわち、彼の死が確定した時だけである。 【身長・体重】 45cm/2.5kg (本体のみ、瓶や人工羊水抜きの数値)(推定値) 80cm/12kg (瓶や人工羊水込み) 【魔術回路・特性】 質:A+ 量:E- 造物主の手により、あまりにも異様なパラメータになるように狙って造られている。 この結果、彼は誰よりも魔術に精通し、高い魔力感知能力を持っていながら、自ら魔術を行使することはできない。 【魔術・異能】 超高性能な魔力感知。 彼は瓶の中に坐したまま、半径数キロ圏内の、魔力を有するものの動きを手に取るように理解することができる。 つまり彼の周囲では、魔術師や英霊の類は、基本的に隠れることが出来ない。 もし魔術や神秘の力を行使する者があれば、大まかな魔術の系統や、行った術の大雑把な目的を把握することもできる。 これらの分析は近づけば近づくほど精度が上がり、より正確な情報を確保することができる。 至近距離であれば、結界の類などの分析も出来てしまう。 その一方で、彼自身が持つ魔力量の極端な少なさから、ほとんど積極的な魔術の行使はすることが出来ない。 魔術の知識は豊富で多岐に渡るが、それらはすべて敵の分析に費やされることになる。 【備考・設定】 欧州の魔術師の一族である、ガーンドレッド家に造られた旧式のホムンクルス。 他の家では既に瓶から出て人間のように過ごせるホムンクルスを実用化しているのだが。 このガーンドレッド家ではあえて古典的な、瓶の中でしか生命を維持できないホムンクルスを多用している。 時計塔ではあまり目立たないようにしている一族ではあるが、家の規模は大きく、歴史も古く。 極めて慎重に、本家の当主は表に出ることなく、何かあれば広く抱えた分家の者を派遣するのが常だった。 その偏執的な慎重さは、臆病と評しても間違いではない。 さらに、聖杯戦争のようなリスクのある催し事にも積極的に首を突っ込んでいくのだが…… それらの際には、さらに慎重に、使い捨てのホムンクルスを代理で矢面に立たせる。 あえて旧式のホムンクルスを多用するのも、彼らには造物主を裏切ることが出来ないからに他ならない。 一回目の聖杯戦争でも、二回目の聖杯戦争でも、彼らは分家の人間を三人と、ホムンクルス一体を派遣した。 英霊と契約を結びマスターとなる役目はホムンクルスに任せ、間違っても災いが本家に及ばないよう配慮した。 一回目の序盤では、三人の魔術師が主導権を握って深慮遠謀を巡らしていた。 しかしある時、魔力探知のために前線近くに出てきていた36号と、神寂祓葉が偶然にも遭遇。 『ミロク』の名を貰い、一瞬にて祓葉の虜となった36号は、すぐさま魔術師三名を謀殺し、祓葉に忠誠を誓った。 その後すぐに彼は祓葉を守るために自ら志願して囮となり、他の参加者の手によって殺された。 実質、神寂祓葉のせいで死んだようなものである。 今回の第二次聖杯戦争においては、彼はサーヴァントが召喚された途端に三人の魔術師を裏切り、抹殺した。 自由を得た彼は、神寂祓葉が望んでいるであろうことを推測し、聖杯戦争に積極的に参加する道を選んだ。 洗脳装置。 統べるは、無垢。 〈はじまりの六人〉。 抱く狂気は〈忠誠〉。 ホムンクルス36号、あるいは『ミロク』。統べるサーヴァントは、暗殺者の伝説。 【聖杯への願い】 なし。 仮に何かの間違いで手中に入った場合、そのまま神寂祓葉に捧げる。 万が一にも神寂祓葉が途中で死亡した場合、迷わず聖杯の獲得に向けて動き、その奇跡を用いて神寂祓葉を蘇らせるだろう。 【サーヴァントへの態度】 使える能力を持っているサーヴァント。 ただし、ミロクが神寂祓葉に捧げる忠誠に、不信感を抱いているのは勘づいている。 彼も実際に神寂祓葉に会えば考えを変えるだろうと思っているが……。
https://w.atwiki.jp/muchaking/pages/242.html
ホムンクルス技術(前提:分子生物学・医学・医療魔法レベル2
https://w.atwiki.jp/saiyowiki/pages/97.html
ホムンクルス (種族トークン数:基本5/最大15) あなたは、種族と特殊パワーの組合せの選択時に、「ホムンクルス」の組み合せより下の組合せを選択したとき、勝利コイン1枚といっしょに、ホムンクルスのトークン1枚も(残っているかぎり)追加で乗せます。「ホムンクルス」の組み合せを選択したプレイヤーは、この追加のトークンを、追加の勝利コインと一緒に受け取ります。 ・受け取れる、追加トークンは『種族トークン数5』+『特殊パワートークン数』との合計で最大15枚。 ▶ 考察 フラスコの中で育っていく人工生命体ホムンクルス。 そのイメージに合致した、なかなか面白い能力。 実態として、そのままではトークン数5枚の無能力。はっきり言って弱すぎ。 が、それを避けて別種族の組合せを選択していると次第にトークン数が増えて成長していくというもの。 目安は3枚、3コインかなぁ…? 『ラットマン』が無能力8枚と言うことを考えるとね。 ただ特殊パワーとの組み合わせによっては結構変動するはず。 いつ選択するのか…若干チキンゲームの様相を呈する気がする。 特殊パワーとの相性については、本人が能力なしに等しいため、良いも悪いもコメントのしようがない; まぁ、あえて言うなら、弱い特殊パワーとの組み合わせで、何枚まで増殖していくのか興味があるw ▶ 関連 『ラットマン』
https://w.atwiki.jp/sousakurpg/pages/71.html
ホムンクルス 概要 ホムンクルスに関するキャラクター ホムンクルスに関するモンスター 関連項目 概要 ホムンクルスとは、自然の摂理ではない何かによって生み出された生物のことである。 一般的には錬金術の一種によるものだが、企画内では魔法や科学技術によって生み出された場合もホムンクルスと呼ぶことがある。 市民役職の研究者や、ギルドなどの社会組織に雇われた者が研究している場合が多い。 また、パンドラ教が裏で積極的にこれの研究・製造を行っており、ホムンクルスによる武装勢力もある程度完成し運用されている。 ホムンクルス技術によって生まれた生物は基本的にはモンスターの扱いになるのだが稀にキャラクターの中にも正体がホムンクルスであるものもいる。 ホムンクルスに関するキャラクター ここにキャラを追加してください。 ホムンクルスに関するモンスター マネもっち マクゥルルア フォフトゥン 関連項目 世界観/魔法 世界観/パンドラ教
https://w.atwiki.jp/bokuchu777/pages/201.html
教室に向かって階段を駆け上る。 歓喜の声が響き渡るところを見ると、どうやら俺の知らないところでも何人かの集団がホムンクルスを倒したようだ。一体奴らが何匹いるか知らないが、士気が高まりゃこっちの勝ちだし、すでに誰かは警察に通報しているだろう。サイレン鳴らした戦闘蟻たちがワラワラと集まってくるのは間違いない。その前にすべて終わらせたいというのが心情ではあるが、勢力図が分からない今は換算時間も割り出せない。 警察どもが臆病というのを差し引いても、長引かせるのは得策じゃない。それに、さらにしばらくすれば、噂を聞きつけたクソッタレのエンターテイナーたちがこの学校で全国に向けて生放送を始めるのは必然だ。 ホムンクルスの姿を映させるのは、危険か? 何言ってんだ。もうそういう段階じゃない。ホムンクルスをこの学園のほぼ全員が見てるんだ。幻影でした、で流すわけがない。 クソ。やっぱり、世界は終着に向かってるようだぜ、ユリア姫。これで頭に蛆が湧いている新興宗教家たちが、この学園をどう見るか考えただけでも吐き気がする。すべてが終わっているであろう、遅くとも明後日には狂ったバカどもの行列とマーチが拝めるだろうよ。そりゃ眠気も吹っ飛ぶってもんだ。神に祈れよ。もしかしたら降りてきてくれるかもしれないぜ。頭のイカれたお前らの神だ。その神も大層頭がイカれてるんだろうな。 そいつ、金ぴかのハリボテ付きだぞ! やったな豪華だぜ! 酷すぎて嘲笑も起きないね! 「兄貴、あそこに三匹も」 美羽が窓の外の中庭を指差した。俺は一瞥だけする。三匹が寄り固まってるだけだ。 「だからなんだ。ほっとけ」 「おい、君たち! 早くこっちに避難しろ!」 喚く先生たちには一瞥もせず、走り抜ける。 教室前では貴俊以下数人が円陣を組んでいた。オーケイ。人数的には悪くない。走ってくる俺と美羽にようやく気づいて顔を向けてくる。 「貴俊、美優は来なかったか?」 貴俊は首を振った。「いないのか」 「クソ、神隠しにでもあったのかよ」 「大翔、陽菜はどうした?」 意味が分からず、眉をひそめる。 「あいつ、お前が出てった後、すぐに追いかけていったんだぞ。気づかなかったか?」 俺は右手で額を軽く叩いた。 「こりゃあ、分が悪いな」 落ち着け、落ち着け。相手は所詮ホムンクルスだ。慌てる必要はない。なんでいない? 今どこにいる? 可能性は? ホムンクルスが関わってるか、それとも俺の知らない第三の要素か? 俺たちだけで校内を虱潰しに探すのは限度がある。校舎を二つに分けて、あとは中庭、校庭という感じで大よそ区切れるか。 とにかく、美優と陽菜だ。俺と貴俊か……。 「大翔。俺らはこれから、放送室に行こうと思う」 俺は俯き加減の顔を上げた。 「校内放送か。なるほど、いい案だ」 校内放送なら、今の状況を嘘だろうが本当だろうが何かしらの情報を伝えることが出来る。士気を上げるにはもってこいだ。同時に、美優や陽菜とも連絡が取れるかもしれない。 だが、内容はどうする? 分からないことは、まずホムンクルスの数。ホムンクルスがいる場所。……そう。ホムンクルスを把握することが出来れば、美優も陽菜も危険なことに出会う可能性は低くなる! ここは学校だ。なんとか勇者に目覚めた奴らにハッパをかけて、三人一組、四人一組ほどで動かす。だがまぁ俺の指示で動かせるかどうかは微妙な問題だな。少なくとも半分は動かせないことを考慮しよう。 「兄貴、どうするの?」 「放送は使う。だが、行くのは俺と美羽だ」脳をフル回転させながら喋る。「貴俊たちには、正直中庭辺りでパフォーマンスをして欲しいんだが――」 「なるほど、その手か」 貴俊が俺と同じように考え込む。 テンポ良く行きたい。正直、今こうして考えている時間すらも惜しい。エンターテイナーたちが歓喜の声で全国放送する前に絶対に終わらせてみせる。 「いや、やっぱなし。即席勇者(インスタントブレイバー)たちは、意外に動いている。放送でケツを引っ叩くぐらいでいいはずだ」 何が重要だ? 優先事項は? 俺はどうするべきだ? そこで、貴俊を呼ぶ声が上がった。 「黒須川! お前ら大丈夫か!?」 「先輩」 廊下の突き当たりから、四人ほどのヤンキーかぶれがホウキやら何やらの武器を持ってこっちに来るのが見えた。 「どうしたんですか?」 「どうしたも、こうしたもねぇよ。変な生き物が学園中を闊歩してるじゃねぇか。今はとにかく動ける奴を集めて手当たり次第に叩こうと思ってな。黒須川ならこんぐらいじゃびびらねぇと踏んだ」 貴俊は顔が広い。これはこっちに取っていい状況になりうる。そして、この人はその貴俊よりもさらに顔が広い。一人は三年の学級委員だったはずだ。それに他の三人も運動系部活の部長クラスだったような気がする。 「ははぁ。そう思ってもらって良かったです」 貴俊は俺を見てニヤっと笑った。こいつも俺と同じことを考えているのだろう。 「先輩たちにお願いがあります」貴俊が早口でまくし立てる。「こうやって回るのも効果はあるでしょうが、もっと手っ取り早い方法があります。校内放送です」 「それは俺らも考えたが――」 「お願いします。渋ってる腰抜けどものケツを引っぱたくにはこれしかありません。人数は多ければ多いほどいい。そうでしょう?」 三秒ほどの沈黙の後、「分かった」と言った。 「ただし、俺らが校内放送してる間、お前らが校内を回るんだぞ」 「任せてください」 貴俊がいつにもなく真剣な顔で返答する。 俺、貴俊、美羽以下五人で渡り廊下を走っていた。 先輩と俺らに大きく分けて、A校舎とB校舎をそれぞれ担当することになった。本来ならば、避難させようと躍起になってる教師にローリングソバットを食らわせて、「お前もやるんだよ!」と言ってやるつもりだったが、さすがに数人はホムンクルス退治を開始しているようだ。全員、俺が考えている以上に動いてくれているようで、こちらとしてもやりやすい。 おかげで俺は陽菜と美優に集中するのもアリってことだ。 「美優!」 美羽が叫んだ。三階の渡り廊下の窓から、二階の廊下で美優がホムンクルスに追いかけられてるのが見えた。美優の横に男が一人ホムンクルス二匹に勇敢にも立ち向かっている。 中々根性のある奴がいるじゃないか。 「貴俊、俺は最短ルートで行く」 「オーケー、相棒。挟み撃ちだな」 俺の一言で大体理解するのだから、本当に俺を理解していると思う。 すでに駆け出している美羽を追いかける。同時に、サイレンのようなモノが聞こえて、窓の外をちらっと見る。 クソ。ちょっかい出しは野暮だろ。自重してろ、軍隊蟻。 美羽と共に美優とのご対面を果たした時には、ホムンクルスは四匹に増えていた。一体どれだけいるんだ、こいつら。 美優は廊下の真ん中で「お兄ちゃん、お姉ちゃん」と一度叫んだ。美優の横にいる男は傷つきながらも戦意は失ってない様子。ホムンクルスは二匹一組で挟み撃ちの形を作っていた。 そしてその挟み撃ちの形にさらに俺と貴俊の挟み撃ちの形が出来上がる。廊下の向こう側で貴俊がちょうど着いたのが見えた。 「美羽。サポートよろしく」 言うが早いか、俺はすでに駆け出していた。二匹のうち一匹がこちらを向いている。なめられたものだ。 ホムンクルスの顔面に球体が出来ているのに気づいた瞬間、俺は僅かに半身になる。胸の辺りを掠める球体。次の瞬間、構えていたホウキにもう一つの球体がぶち当たった。そのせいで間合いは開き、一歩退いてしまう。その出所が、美優を挟んだ向こう側のホムンクルスだとすぐに気づいた。このホムンクルスたちは前にも増して賢くなっているようだ。二段構えの攻撃とは……。 向こうのホムンクルスは攻撃してこないという思い込みをした俺の失態か。いいぜ、面白いじゃないか。大した害虫に成長してるじゃないか。これなら、美羽が怪我したのも頷けるかもしれない。 「兄貴、大丈夫?」 「美羽……俺の背後を任せる」 「はい?」 「挟み撃ちの挟み撃ちの挟み撃ちなんてごめんだってことだ。それといい加減、俺も腹立ってしょうがないんだ。ストレス発散しないと。この調子じゃキリギリスが生涯嫌いになりそうでね」 「キリギリス?」 美羽の問いには答えず、今は目の前の二匹にゆっくりと歩み寄っていく。 一匹はまだ美優の方を向いている。一匹は俺に照準を合わせている。美優と男を挟んだ向こう側の二匹も動かないで同じような状態だった。 向こう側の貴俊と目が合ったような気がする。貴俊の後ろにはもう一人だけクラスメートがいた。正直、あまり接点がないためフルネームで覚えていない相手だったが。 こちら側のホムンクルス二匹が完全に俺を見た。同時にヘヘヘヘヘヘヘという不気味な声が響く。それはいつかの夜中にあった名もなき虫たちの鳴き声よりも神経を逆撫でするものだった。 二匹がほぼ同時に飛び掛ってくる。 俺は即、右の教室側にいるホムンクルスの懐に潜り込んだ。このままホウキを突き上げてやろうと思ったが、顔面に球体が出来ていたのに気づく。 軽く舌打ちすると球体ごとホウキの先で突き上げた。破裂音がするだけで手ごたえはない。視界の隅からホムンクルスの手が伸びていた。俺は当たる前に避けたが、避けた先でもう一匹のホムンクルスの腕が右わき腹にぶち当たった。軽く咳き込む。俺の方が学習能力ねぇや、と妙に冷静な思考を回していた。 ホウキをぶん回すと二匹は一斉に後ろに退いた。 次の瞬間、二匹の顔周りに球体がいくつも張り付いているのが見えた。 ――まだ成長してるのか。 来る、と思った時にはすでに二、三発が腕と足に当たっていた。じんじんと痛む。ヘルメスの杖を使いたくなったが、辛うじて止めた。 バリンと窓の割れる音がする。貴俊が、さっきと同じ手を使ったのだと分かった。この辺りのホムンクルスの動きはあまり変わってないようで、やはり一瞬止まる。昔に比べればその反応速度も状況確認精度もどんどん速くなっているが、関係ない。 射程範囲に入った瞬間、右のホムンクルスの胸を突き刺す。浅い。ホムンクルスも反応していて後ろに下がろうとしたせいで吹っ飛ばすだけになってしまった。しかし、その吹っ飛ばしたホムンクルスを美優の横にいた男が持っていた消火器で頭を潰すのが見えた。 もう一匹の窓側にいるホムンクルスはホウキを振り回す美羽に一歩退いていた。こちらには気を回す余裕がないようだ。俺が急速に近づくと反応したが、破裂する球体をひとつだけ発射するだけに留まる。余裕を持って避けると渾身の力で頭を突き刺した。ホムンクルスが窓にぶち当たる。勢い余って窓が割れ、ホムンクルスが窓ガラスと一緒に落ちる。 ドン、という軽い響きを聞きながら俺は貴俊の方を見た。すでに終わらせているようだった。 視線を落とすと、美羽は美優を抱きしめていた。 「このバカ!」 「お姉ちゃんごめんね……」 美羽はそれから何も言う様子はなかった。ぎゅっと抱きしめたまま、離れようとする様子もなかった。 俺も正直、美優に何か言おうと思っていたのだが、吹っ飛んでしまった。見てたら怒る気もなくなっちゃったし。 「後は陽菜だな……」 「陽菜さん?」 美優が反応して顔を上げた。 「ああ、あいつがどこにいるか分からない」 「陽菜さんは乃愛先生と一緒だよ。お兄ちゃん探してる時に見たから間違いないよ」 「……今どこに?」 「多分だけど、五階の実験室じゃないかな。そう聞こえた。ワタシは声かけたけど、二人とも気づかないで行っちゃった」 俺は自分の口元がゆっくり笑いの形になっていることに気づいていた。でも、それを正そうとは思わない。 「貴俊、悪いが美羽と美優を頼むよ。あと、誰も実験室に来るな」 「大翔?」 俺は踵を返しながら言った。 「ヤボ用さ。頭がイカれちまったらしいキリギリスに話があるんだ」 『みなさん。現在、この学園は可笑しな生物によって襲撃されています』 放送を聴きながら、俺は走ることもなく、ただ淡々と五階にある実験室に向かって足を運んでいた。 『しかし、倒せない相手ではありません。勇気のある者はホウキでもイスでも周りにある武器を持って、俺たちと戦いましょう』 クスっと笑った。政治演説じゃねぇんだから。 実験室のドアの前まで行くと、躊躇いもなくガラっと開けた。中では乃愛先生が俺を一瞥もせずに窓の外を見ていた。どうやら放送を聴いているらしい。 『ただの害虫退治です。俺たちは勝つんです。三人一組で行動し――』 それから二言三言で何か言ってから放送は切れた。 乃愛先生は何も言う様子がなかったので、俺は口を開いていた。静かな実験室で俺の声だけが響く。 「たそがれるのが趣味なんですか」 乃愛先生は何も反応しない。人形でも相手にしているかのようだった。もちろん、それは人間だ。沈黙の天使は少し長くこの場に留まっていただけだ。 「いや」一旦切り、ようやく視線を俺の方に向ける。「勇者観察の方かな。いい趣味でしょう?」 俺はよっぽど床に唾を吐きつけたかった。 「陽菜はどこだ」 「何の話だ?」 乃愛先生が心底驚いたような表情をした。 「くだらないギャグをまだ続けるつもりなのか。笑いどころは教えてくれるんだろうな、乃愛先生? それとも、ノア・アメスタシアと言うべきか」 「冗談だよ、ただの冗談さ」 ノア・アメスタシアがふふっと笑う。 「それと、これは一体何のマネなのかな? 教えてくれるんでしょうね?」 ノアは十五秒以上たっぷりかけてから、口を開いた。俺を見てはいない。どこか虚空を浮遊する視線は、間違っても俺には当たらない。 「アレイスター・クロウリーは言った。『僕たちの知っている世界がいつどこで壊れようが、それはよくある一つの出来事である』」 「だから、しょうがないなんて言うんじゃないだろうな」 再び俺に視線を向ける。 「冷たいな。そんなに怖い顔をするな。泣いちゃうぞ」 それで俺は思いっきり作り笑いの笑顔を向けてやった。同じようにノアも楽しそうに笑った。今まで見た事がない種類の笑顔だった。すべてに対して、哀れんでいるような、見下しているような。いやいや。とにかく、どす黒い感情しか感じない。狂気という言葉が最も似合う。 「沢井陽菜なら準備室で寝てるよ。何も心配することはない。ちょっとオヤスミしているだけだ」 ノアの言っていることは多分本当だ。これから先はともかく、今の時点では何かする必要は特にないと見た。 「もう秒読み段階で何も隠す必要はないってとこかな。この世界は崩壊するのか」 コツコツと音を響かせながら教壇の方に向かう。悠然と、堂々と、余裕を持って。黒板に向かうと何か書き始めた。 「ある意味では正解だが、ある意味では違う。ルイレ・ソキウもミマエ・ソキウも生まれ変わるのだ。一つとなり、その時何が起ころうが、私には知ったことではない」 黒板には名前が書かれていた。結城大翔。そして、ユリア・ジルヴァナ。ノアが俺に視線を送る。 「世界は生まれ変わる。この世界の法則と、私たちの法則は一つになる。多分、この世界に吸収される形になるだろう。法則の薄くなった世界は濃い世界に吸収されるだけだ。だが、この世界も無事じゃすまないさ。何、大丈夫。痛くないよ。精神的には狂うかもしれないがな」 「そんなことしてどうなる」 答えを期待したわけじゃなかったが、ノアは笑顔を保ったまま喋り続ける。 「したいことがあるんだ。一つの世界じゃないと出来ないことだ。人類が一度は夢見たことだ。なぁ、ヒロトくん。何故この世界に物質というものが存在するのか考えたことはあるか? 何故、始まりがあり、終わりがあるという考え方が出来る、或いはその考え方しか出来ないのか、想像したことはあるか? 人は世界の始まりを考えたがる。しかし、人はその始まりの始まりを考える。次に始まりの始まりの始まりを考える。後は同じことを繰り返すだけだ。人は始まりを知ることで自分の位置を明確に定義しようと躍起になっているのさ。時間的に、空間的に、存在的に。 そこでだ。この世界は法則によって作られた世界だと言っただろう? 法則がなければ、物質のどれも存在することすらできない。では、その法則の中で物質というのは一体どういう役割をしていると思う? 始まりがあり、終わりがあるというのは――物質があり、人間があり、世界があるというのは法則が"自身のため"に作り上げた一つの幻想だったとしたら? 法則"自体"が始まりがあり、終わりがあるというもの『そのもの』だったとしたら? 私たちがしている世界の解体は無意味だ。でもね、ヒロトくん。私はそれでも、追ってみたい夢があるんだ。この考えをひっくり返してみたいんだ。それが、この世界でも私たちの世界でも無理だった。ただ、それだけの話なんだ」 「眠たいねぇ。ご大層な演説はいつ終わる? 長くなるようならポップコーンとコーラを買ってきたいんだが」 一度、ノアは無表情になった。しかし、すぐに笑顔に戻る。それはちょっとさっきとは違った。 「売り言葉にはご注意」 「買い言葉にも気をつけるべきさ」 俺はヘルメスの杖を掴んだ。ヘルメスの杖による効果は約十分。 向こうも十分、やる気があるようだ。いいね。いい加減、俺だって傍観者のままでいるなんて無理だ。聖人君子は明後日の方向にいるんだよ。 「今までと違って話が早いじゃないか。ハネッ返りどものお祭りを終わらせよう。クソくだらない祭りにはクソくだらない終わりが待っているのさ。フィナーレは線香花火でも打ち上げ花火でもない。爆竹やかんしゃく玉が関の山だ。感慨もありゃしない。そんな祭りはさっさと終わらせるに限る。さっさと終わらせて帰ったら、後は寝るだけだ。夢の中の方がまだ楽しいってことに気づくぜ。ホムンクルスも誰も彼も。……さて、オヤスミの時間だろ。布団の準備はいいか? 寝かせてやるよ」 「今までと違って良く喋るね。元来のお調子者ならもっと上手い言い回しが出来るだろうな。寝るだけなら一人で十分だ。でも、してくれるというなら断る理由はないよ。添い寝はオーケー? オヤスミのキスは? ついにで頭も撫でてくれる? それからもちろん、子守唄の前に絵本は読んでくれるんだろうね」 「あったかいレモンティーもつけてやるよ」 「それは楽しみだ」 言い終わるとほぼ同時にヘルメスの杖を発動させた。 右足で床を思いっきり蹴り、五メートル近くあった間合いは一瞬にして詰まる。世界がスローモーションに入った。 ノアは動かない。 持っていたホウキを構える。教壇の上に足をかける。 ノアは動かない。 ギリギリまで近づく。恋人同士がキスできる位置まで近づいたところで、俺はホウキをぶん回した。 ノアが笑った。 みぞおちの辺りに衝撃が入ったと感じた時には、後ろに吹っ飛ばされ、実験台の上を滑っていた。すぐに落ちて二、三個イスを打ち倒すと、すぐに跳ね起きた。 背中と左腕の辺りが微かに傷む。何度か咳きをしながらノアを見る。 「消灯時間はまだのようだね」 教壇から離れ、ノアは歩きながら両腕を軽く開いた。かかって来いって言いたいのか。 ノアとの間には実験台が一つ。飛び越さないといけないが、隙が大きいか……いや。 覚悟を決めた俺は、再び右足で床を蹴り、ジャンプした。ほぼ同時にノアも同じように跳んだのが見えた。 空中で交差する? 吹っ飛ばす? 一瞬の判断で実験台の上にある天井からぶら下がってる蛍光灯を左腕で掴む。熱さは感じなかった。ノアもまったく同じように蛍光灯を掴んでいた。両方天井にぶら下がる形になる。 間髪をいれずにホウキでノアの掴んでいる方の腕を叩き落そうとした。しかし、脚で――右か左かは判断がつかない――俺の腕もろとも弾いてきた。 手が痺れてホウキを落とす。構ってられない。右足をぶん回してノアのわき腹に当てようとしたが、ノアも合わせるように蹴りでガードしてくる。脚と脚がぶち当たるが、弾かせない。押し切ってやる。 しかし、動かないまま一秒、二秒、三秒。 その間、俺もノアも互いを睨み付けていた。無理か。 蛍光灯を掴んでいる手を離し、床に落ちる。ノアも落ちる。 ふっと息を吐いて、落ちてくるノアに照準し、両手で思いっきり吹っ飛ばした。同時に頭に衝撃が走ったが、何とか我慢する。吹っ飛ばされたノアは黒板にぶち当たると思ったが、ポンっと跳ね返るくらいの反応しかなかった。冗談じゃねぇよ。俺はまだ頭がグラグラするのに……割に合わないぜ。 ノアの姿がふっと消えた。いや、消えたように見えただけだ。右側に移動したのが辛うじて確認できた。ワンテンポ遅くそちらを見る。 「ほう?」という感じの顔をこちらに向けている。世界はまたスローモーションに入った。 右腕で脇辺りをガードし、した瞬間に集中した衝撃が入った。踏ん張っていられない。受けきれないのと、間合いを作るために自分から後ろに飛ぶ。右腕が上手く動かない。 「は――」 何か言葉を出そうとし、出なかった。一瞬、上下左右が分からなくなり、気づいた時には床に頬をつけていた。ひんやりとした床の感触と足に微かな痛みを感じる。 うつぶせ状態の俺の背中にノアが乗っているのが分かった。 カチっという音がする。次の息の吐き方から見て、タバコを吹かしているのだろう。余裕だってか? ホント笑えるね。 「これだから戦闘素人は困る」 「俺もそう思うよ」 後何分だ? 今は一分ちょい過ぎか? 「ヒロ君!」 準備室から陽菜が叫びながら出てきた。少なくとも拘束はされてると考えていたのだが、何もないところを見ると、どうやら目的は違う方にあったらしい。 笑えないよ、畜生。 「ギャグは笑えるからギャグって言うんだぞ」 「私は笑えるから、その条件は満たしているな?」 「そいつは笑えないね」 近くにあったイスに手を伸ばし、うつぶせ状態のまま全力でノアに向かって投げる。ノアはひょいっと避けると窓の近くまで跳んだ。イスは天井にぶつかりバラバラになる。ただいくつかは刺さったまま、落ちてこない。 陽菜が片ひざ立てている俺のところまで駆け寄ってくる。 「大丈夫? ねぇ、どういうことなの? これ」 俺は陽菜の顔を見れず、ノアの方をずっと見ていた。戦っている最中だ、というのもあるがそれは言い訳だと自分で気づいている。 「お話は後で、だ。今すぐ実験室を出ろ。時間がない」 「沢井はホムンクルスを三匹も倒せる力があるのか。ぜひ戦いっぷりを見てみたいね」 ノアがふぅと紫煙を燻らせて、高いところから俺を見下ろしていた。 振り返らなくても分かる。舌打ちする。 陽菜が俺の腕にしがみ付いてきた。 「アレイスター・クロウリーは言った。世界は僕を中心に回っていた、と。素晴らしい言葉じゃないか。この世界も少なくとも私を中心に回っていたようなものじゃないか? 前はくだらないと思っていたが、中々どうして気分がいい」 何かを言い返す気にもならなかった。 ホムンクルスは三匹。ノアが目の前にいる。ヘルメスの杖を発動している今なら、十秒あれば間違いなく三匹を瞬殺出来る自信はある。しかし、その間にノアがどういう行動を取る気かまったく分からない。傍観し続けてるか? 本当に? 「乃愛先生、これはどういうことなんですか」 微かに震える声で陽菜が言った。 「沢井。どうだ? 自分の世界が壊れた気分は? 悪くはないだろう。自分が作り上げた常識を根本から覆す"何か"がこんな身近に転がっているんだぞ? 感謝はされど、そんな顔で睨まれるのはお門違いだな」 「答えてください。もう止めてください……」 最後の辺りは俺にしか聞こえないほど声は小さくなっていた。 「陽菜。こういうタイプに説得は無理だ。そんなことが可能なら、俺はもっと明るく育ってたかもしれないからな。だけど、それを恨むつもりはないぜ。おかげでバカどもの論理思考に一応の理解が出来るからな。ついでにもう一つ言うと、説得どころかこっちの話も聞かないような連中なんだ。だから、困ってる顔してわざわざ相手を楽しませる必要はどこにもない。あるのは俺がむかついているって事と、ノアに床の味がどんな物なのか教えてやりたいって事だけだ。それで十分。十分過ぎる話だ。だろう?」 最後の問いかけはノアに向かって言った。ノアは面白そうに「まったく」と返事した。 「こういう奴らとは"前提"から違うために折り合えないのさ。同じ土俵に立たない限り、交わることはない。どんなに誠心誠意話したところで時間の無駄だ。俺らに出来ることは二つ。一つはそういう奴らと関わらないようにすること。もう一つは折衷案を出すこと。これだけだ。平和的に、解決するならば」 あと約五分。実際はもうちょっとあるかもしれないが、ギリギリを見積もる意味はない。話をしながら思考は出来る限り回した。やるしかないんだ。 「ヒロトくん、君は最高だ。本当に君と話をするのは楽しい。もっと早くに出会いたかったと、神を恨むよ」 「その神、ハリボテだぞ」 後ろで物音がし、同時に陽菜が「ひっ」と声を出した。 陽菜を実験台の影になるところに少し乱暴に押し込める。すぐに振り向き、一番近いホムンクルスの上空を舞った。片手で天井を押し、重力と共にホムンクルスの頭を足で床に叩きつける。もう二匹を視界に入れる。視界の隅でノアがタバコを加えているのが見えた。二匹のホムンクルスの顔辺りには何十個もの球が浮かんでいた。さっきよりも数は増えている。 角度から考えて陽菜には当たらない。ノア・アメスタシアも動く様子はない。 ここから見える時計の秒針が一つ進んだ。 二、三個の球を弾き、五、六個の球を避け、右側のホムンクルス殴りつける。 視界の隅から見える時計の秒針が一つ進んだ。 ホムンクルスが壁に激突しているのを見て、もう一匹のホムンクルスを見て、その奥にいるノアを見た。 時計の秒針が、一つ進んだ。 回し蹴りの要領でホムンクルスの胸の辺りに蹴りを入れ、吹っ飛ばす。ノアに向かってホムンクルスが吹っ飛ぶ。 一つ、進んだ。 ノアはホムンクルスを避け、避けたと思ったら目の前まで近づいていた。 来ると分かっていたし、完璧に目も追えた。だが、反応は出来なかった。 ちょっと前に出していた右手を掴まれ、巻き込んでくる。弾こうと右に右に動いたのが運の尽きだった。身体がふわっと浮くと、一気に実験室の後ろまで投げられた。 だが途中で実験台の端に掴まり、壁に激突するのは避ける。 実験室の上で、ノアを睨んだ。 俺と戦う気がないとしか思えない。 「ヒロトくん。君の言う通りだ。クソくだらない祭りにはクソくだらない終わりが待っている。まったくもってその通りだった」 俺は意味が分からず僅かに首を傾げた。 「君にも聞こえるだろう? 終わりの足音が」 同時に、サイレンや人が大勢走ったりする音が聞こえた。 警官隊だ。 「それともまだまだやるかね?」 この戦いを見られたら警察に拘束されるのは間違いない。俺の言い訳なんぞはゴミ以下だ。向こうは間違いなく俺とホムンクルスが関わりがあるのだと決め付けてくる。それが外に漏れるのは時間の問題。漏れたら最後。たとえ釈放されても探偵気取りのバカどもが、俺だけならまだしも美羽や美優の日常もぶっ壊しにやってくる。 戦いを外に変えるのは駄目だ。もう時間がないし、広いところなら、まず間違いなく俺は敵わない。今でさえ、四苦八苦してるのに。 だが、このまま今日はさよならして、後日またやりましょうなんてことは起こるはずがない。ノアは絶対姿を見せては来ないだろう。 今しかない、今日しかない。でも、無理だ。無理なんだ。 唇にちょっと痛みが走り、口の中に鉄の味が広がるのを感じた。でも、それが何なのかは確認する気も出なかった。 もう何も言えない。せめて陽菜。陽菜だけは……。 「相当ショックなようだね。私としてはもうちょっと話がしたかった。が、まぁいい。もう終わりだ。せっかくだし、最後くらいは劇的に終わろうか?」 ノアは手に持っているタバコを不意に捨ててみせる。 ほぼ同時にドアから陽菜に近づく一匹のホムンクルスを見つけた。 だが、また、身体が動かなかった。分かっているのに、とっさに反応してくれなかった。 陽菜を掴んだホムンクルスはそのまま窓の外に向かってダイブする。何故か陽菜の悲鳴は聞こえなかった。ホムンクルスに追いついた時には、すでに空中で、ホムンクルスを蹴っ飛ばして陽菜を抱きかかえる。 実験室にはもう戻れない。伸ばした腕が辛うじて近くの木の枝を掴んだ。 重力が襲い掛かり枝がしなる。すぐに折れるが、多少の減速は出来たはずだった。ヘルメスの杖の効果も相まって、問題なく地面に落ちる。陽菜への衝撃も多少は軽減されたと思う。 地面に腰を落とし、抱えている陽菜を見た。 気絶しているらしい。目を閉じたまま、動かない。俺の服にしがみついている陽菜の手は、堅く握られたままだった。 俺は陽菜の頬を軽く撫でてから、空を仰いだ。実験室の窓ガラスが割れているのが見える。 完全に遊ばれた……ざまぁねぇな……。 それから警官隊が見つけてくるまで、俺は陽菜を抱きしめたまま、動くことはなかった。 ホムンクルス学園襲撃騒動は結果的に言うと、全国のお茶の間を賑わすことはなかった。 警官隊が来た段階で相当数のホムンクルスが亡き者となっていたようで、警官隊ですら一部の人間が二、三匹見た程度で済んだ。報道系も地方の新聞紙やローカル局がちょこっと流すくらいだ。 この点においては、不幸中の幸いと言えるだろう。警察の方でもあまり大っぴらにしたくはないらしい。 警察はこの件で、何百人という捜索隊でホムンクルス及びそれに関する物の手がかりを掴もうと躍起になっているようだった。ここまで大事にしておいて、「何でもありませんでした」ということにはあまりしたくないのだろうと思う。だが多分そんなものは出やしない。 ホムンクルスの話がこの町を中心に驚異的な速さで流れているのにはいささか驚いた。予想できたことではあったが。英雄気取りのバカどもが自身の活躍を脚色交じりに話しているせいで、川の向こうの町じゃ話の原型で合っているのは「襲撃された」という点ぐらいだった。 ホムンクルス騒動が終わってから、夜中のホムンクルスの徘徊もピタっと止んでしまった。同時に、ノア・アメスタシアの行方もまったく分からないのだが。 そして、学校も色々対策に追われているようで、当分の間は休みになるらしい。 あの日から三日は学校全体が警察の事情聴取にかかりっきりだった。その日学校にいた全員一人ひとりから取ろうというのだから、まったく無駄なことをすると思った。いなくなった苅野乃愛の行方を捜しているようではあるが、あの調子じゃあ見つからないだろう。ホムンクルスと同じように地面と睨めっこしてるだけで見つかるわけがない。しばらくすれば、そいつがとんでもない間違いだってことに気づくだろうが、その時には後の祭りだ。 警察による事情聴取が終わると、学校の生徒諸君は、ホムンクルス退治の話に花を咲かせていた。貴俊の話じゃ、退治に参加した者はみな口を開けば「あの時は大変だった」と言いながら話を始める。挙句に何も出来なかった連中をまとめて「腰抜けが多くて困る」とまで言うらしい。 俺も学校の連中のように何も知らずに喜んでいたかった。英雄気取りのバカになりたかった。 そいつがどんだけ幸福なことか、今の俺にはよく分かる。 (ここに後で選択肢を入れて、シーンを二つほど作る) (↓選択肢の範囲が終わったあと) リビングには、俺以外誰もいなかった。 ソファの上でダラーっと横になりながら、時計の針の音と、どこからか耳鳴りに近いジーっというような音が俺にまとわりついてくるのを感じていた。 いつも付けているネックレス――ヘルメスの杖は今はない。 「ヒロト殿」 レンが呟く程度の声で言ったが、この静かな空間じゃ何よりも大きく聞こえる。俺はレンを見ずに軽く手を振ってみせた。 「そろそろ用意は出来そうだ。何も持っては?」 「いかないよ」 異世界に行く準備にリュックサックを背負って行こうっていうのか? 中身は? 食料? 武器? それとも思いでの品? 何を持っていってもしょうがないことくらい分かる。 それに長居はするつもりはない。さっさと終わらせて、帰るのだから。 「ミウやミユは? やはり置いていくのか」 俺が答える前に金属バット片手の美羽と、リュックサック背負った美優が二階から降りてきて、「行くに決まってんじゃん」と言った。 レンが少し驚いた表情をした後、俺の方を見た。 「どうせ、ユリアは美羽と美優込みを予想して入れてるんだろ。それに、俺にはもう何も言う権利はないさ」 先ほど、美羽と美優の壮絶な訴えに完全に言い返せなかった事と、その訴えが痛いほど俺にも分かっていることから、結局二人も連れて行くことにしてしまった。 俺は――でも、何が間違っているんだろう。悪いのは何だ? 言うまでもない、クソッタレだ。 「美羽と美優の安全は私たちが保証する」 「慰めありがとう」 言い捨てると、レンと美羽と美優を見ながら思案に戻った。 美羽はさっきの半べそかきながらの訴えをなかったことのようにツンツンしていた。美優は時々ボーっとすることと我に返って首を振ることを何度か繰り返していた。レンは鞘に入った剣を見つめながら何やら感慨に耽っている様子。ユリアの姿はまだない。 「でー、ミマエ・ソキウってそんなヤバイん?」 美羽が軽い調子で質問する。 「城にこもってる限り、大した危険はない。城下町に出るとしても、数人の護衛をつければ問題ないはずだ。そんなに心配することはないよ」 「問題なしなしじゃん」 美羽の楽観視は本当に見事としかいいようがない気がする。 「あのー、ミマエ・ソキウって魔法が使える人たちが大勢いるんですよね? みんな炎とか雷とか出せるんですか?」 美優があまり見ないキラキラした目で言う。楽しみなのか。悲しまれるより何倍もいいのだけど。 「出せると言えば出せる。自然魔法はそのまま私たちの称号になるしな。しかし、街中でその魔法は無闇に出すことは出来ない。精霊観測班が常に見張っているし、何かを生み出そうとした瞬間に警備班が火消しに回るからな。もう一つ言えば、免許及び申請がなければ、私たちの世界で自然魔法は勝手に使えない。使えば、即座に牢屋行きだ」 「結構厳しいんですね」 「そりゃあ、一歩間違えば大惨事を引き起こすからな。悪いことを考える奴は多い」 「レン」俺は若干会話に割り込む形で聞いた。「ノアの言ったように魔法は大まかに分けておよそ四つ。自然魔法、有機魔法、幽幻魔法、四海魔法でいいんだな」 「ああ、間違いない。種類分けするなら、それは確実だ」 俺は腕を組んで目を閉じた。 正直、俺も少し楽しみではあった。自分の知らない世界の一つを垣間見るのだ。しかも、そいつは魔法という道具で支配されている世界だ。 本当にあるんだな? 上等だ。行ってやるよ。すべて終わらせて戻ってきてやる。前の日常に戻してやる。そして、くだらない乱痴気騒ぎは終わりにしようじゃないか。 「ヒロトさん」客間から帰ってきたユリアがドアの前で立っていた。「準備は終わりました。行きましょう」 それで俺はようやくソファから身体を起こし、立った。 「俺たちは何かするか?」 「いいえ、そのままじっとしていれくだされば問題ないです。準備はいいですか?」 俺は無言で答え、レンは「はい」とはっきり言い、美羽は仰向けにした手を泳がせ、美優は深刻そうに頷いた。 「では」一旦切るとユリアは目と閉じた。そして、何かをゆっくり呟き始める。それは最初は小さく、まったく聞こえなかったのだが、段々と不思議な音として俺に聞こえてくる。 これはユリアが精神を集中させるための言葉なのだと言う。言葉に聞こえない。これはなんだ? 対面にいるレンの姿が薄くなった。俺の右側にいる美羽が薄くなった。俺の左側にいる美優が薄くなった。いや、周りすべてが薄く見えた。ユリアだけがまだはっきりとレンの横で呟き続ける。 光が……いや、限りない白が辺りを包み始める。まず、視界がなくなり、続いて聴覚がなくなり始める。 ユリアの呟きがこだまし、揺れ、二重に聞こえ、収束する。もはや音なのかどうかも分からなかった。 美優が俺の腕を掴んでいたが、その感覚も段々なくなってきた。 世界が白くなる。何も感じない。それがとても恐ろしく感じた。 世界が揺れる。 世界がなくなる。 世界が、終わる。 そして、思考の感覚すらもなくなるのを感じた瞬間、俺は意識を失った。
https://w.atwiki.jp/illuminate/pages/446.html
智天使ホムンクルス系 基本性能 Lv クラス名 種族 雇用費 移動型 HP MP 攻撃 防御 魔力 魔抵抗 素早さ 技術 HP回復 MP回復 移動力 召喚数 備考 1 智天使ホムンクルス 禁呪の産物 720 飛行 2600 1000 65 0 65 35 45 80 100 20 60 2 召喚レベル70基本Lv.5雇用が特殊(後述)。クラスチェンジなし 30 智天使ホムンクルス 禁呪の産物 飛行 8632 2740 268 0 268 151 45 312 245 49 60 2 耐性 クラス名 銃 砲 風 光 神聖 毒 麻痺 幻覚 沈黙 混乱 恐慌 石化 即死 吸血 魔吸 ドレイン 解呪 備考 智天使ホムンクルス -2 -2 -2 +4 +4 +2 +2 +2 +2 +2 +2 +2 +2 +2 +2 +2 -5 解呪に即死 使用可能スキル スキル名 使用可能LV 攻撃力 発動距離 射程 消費MP 属性 備考 勝利の威光 LV1~ 0 1~820 100 火 減速20% 近接使用不可 相殺不能 ↑の続き (attack+magic)×55 790 火 実質31連射 射撃角度は40度内 召喚スキル名 召喚される兵科 消費MP 神獣召喚 スフィンクス ケンタウロス ケルベロス セイレーン 100 成長率 HP MP 攻撃 防御 魔力 魔抵抗 技術 HP回復 MP回復 exp_mul 8 6 10 10 10 10 10 5 5 128 考察 スキルの長射程を活かしてアウトレンジから攻撃を振り撒く天使。耐性と防御面(0)から、銃砲に弱い。 攻撃力と魔力と素早さ、スキルの射程は熾天使ホムンクルスに勝るが、HPと召喚数とMP回復、スキルの燃費は劣っている。 スキル「勝利の威光」は、素早さの低さを補って余有るほどの馬鹿げた連射力を持つ。 低レベルのうちでは息切れしやすいものの、並の前衛であれば、いかに耐性や防御・魔抵抗が優れていようと一瞬のうちに焼き払ってしまうだろう。 なおかつ、相殺不能となっておりシュペル魔導兵や土魔法・光魔法使いでもどうにもならない。先んじて超ロングレンジで倒すか、前衛を必死で回復する以外に対策はなく、エデンの主砲として堂々たる凶悪さを見せてくれるだろう。 雇用可能勢力 エデン 所属する人材 姿無き異教徒の為の地の番人 雇用について ベルフェゴール、テトラグラマトン、姿無き異教徒の為の地の番人、そして他の8使徒であれば、位置する地域にかかわらず雇用できる。 ただしそれぞれ雇いはじめのレベルには制限がある。また、上位雇用・同列雇用はできない。つまり、上に挙げた人材でしか雇うことはできない。 お勧め指揮官 雇える人材は皆熾天使も雇用できる。 天使はどちらも耐久に不安があるので、プレイヤーが使う分には長射程の智天使の方が使いやすいかもしれない。 コメント欄 パラメータは微妙だがスキルの射程と倍率が高いので気になりにくい。射程外から火属性スキルを使うのでリデンプの様な高耐性ユニットがいないと苦戦する。パーカッシブを置いて引くのが最も簡単。 -- 名無しさん (2012-08-23 12 49 48) ネイのような高耐久+高機動な突撃ユニット相手だと途端にもろくなる。 -- 名無しさん (2012-08-23 20 34 57) 教皇より皇帝のほうが強いのが反映されているのか熾天使より強い -- 名無しさん (2013-02-24 17 40 00) エデン以外で拾った場合は、基本的にこっちのホムンクルスを使ったほうが使い勝手がいい。 -- 名無しさん (2023-01-22 01 22 03) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bokuchu777/pages/179.html
夜十一時過ぎの公園には、見た限り人の気配はなかった。しかし、それもいつまで続くか分からない。深夜を徘徊する人間は世の中にはごまんといるのだから。 「ふーん。ここでねぇ」 美羽が呟いた。 薄明かりのぼんやりとした空間にユリアとレンを含む、我が愛すべき家の住人たちが俺を囲むように立っている。美羽はキョロキョロと辺りを見回し、美優は俺のそばを離れようとしない。ユリアは何故か俺をじっと見ていて、レンは美羽ほどじゃないが、辺りを十分に警戒しているようだ。 ホムンクルス退治を言い渡されて、初日。美羽と美優には告げずに三人でしようとは考えたが、無言で夜中に三人が消えるなんてことは美羽も美優も許さないに違いない。そういうわけで、乃愛先生との出来事をかなり要約して話して聞かせたのだ。事前にユリアとレンから話を聞いていたようで、飲み込みは早かった。そのせいで、美羽は「面白そう」という一言を、美優は「お兄ちゃんが行くなら」という理由でついてくることになった。俺はというと、かなり迷った挙句に一緒に行動させることにした。何せホムンクルスがどういう性質のものか乃愛先生に聞かされてもイマイチ理解できなかったし、美羽と美優の勢いに負け、説得の材料がとうとう口から出てこなかった。それに乃愛先生に担がれたのではないかという可能性もまだ捨ててはいない。 「で、どうするわけ?」 美羽はバットを肩にかけて、にっと笑ってみせた。本当に遊び半分だこいつは。 「正直俺らはそのホムンクルスを見ていない。どういう風に出てくるのか不明だし、どういう行動に出るのかもわからん。だから、今日はとにかく全員で行動しようと思ってる。効率は悪いが、この中の誰かがホムンクルスの姿を見ていないという状況だけは避けたい」それは同時に厄介ごとに巻き込むことになる。しかし、すでに十分厄介な状況だ。それなら警戒の意味で知る必要は出てくる。「今日、もしホムンクルスが出てくるなら明日もやることになるだろうな。その時は別行動もあるさ」 「もし、なんて言葉で兄貴が夜中をうろつきまわるはずないでしょ?」 「もし、だ」 俺は強調して言った。 「ねぇ、ホムンクルスって、どういうものなの?」 美優がキョロキョロした後で俺を上目遣いで見た。そんなに怖いのなら来なきゃいいのに、と思ったが即座にその考えは打ち消した。我ながら酷い考えだ。 「さぁな。人外ということしか知らされてない。大丈夫。二時間何もなかったら、一旦帰ろう。そのあと、俺とレンはもう少し外を見回ってから帰る。大したことはないさ。不審者に思われなければ」 そこで美羽がふふっと笑った。 「ヒロトさん、私とレンは別行動ではダメなのですか」 ユリアが恐る恐るといった感じで質問する。 巻き込みたくないのか、自分たちにしか分からない何かを探そうとしたいのか分からないが、そういう提案があるのは想定済み。だが、俺にとって今この場合の理由なんてあってなきがごとく。利点はただ一つ、効率という点のみだ。 「ダメだね。君らの行動の速さは知ってる。効率がいいこともね。だが、今日だけは俺に従ってもらう。今日のホムンクルス探索は効率も、破壊することも重視していない。とにかく、そのお姿を拝見することしか目的はない」その行動パターンを見るためもある。「勝手に見つけて、叩いて、はい終わりという単純な行動は止めてくれ。ユリアもレンもホムンクルスがどういうものか知っているかもしれないが、俺には分からないんだ」 俺の言葉にユリアが「分かりました」と小さく言った。 まぁどういう返答を聞いたところで相手が何を考えているか何てのは分からない。仮にユリアとレンが個人的行動に走ったとしてもそれも予想のうちに入っている。 「ヒロト殿。これからどういう行動を取っていくんだ? 私は一応昼間のうちに周辺を見て回った」 「乃愛先生がいたのはこの辺だ。だから、ここを中心に色々歩いてみようと思う。この公園を一通り回ったら、西側出口を出る。大通りまできたら、それに添って大きく回って東側から公園に入り、また公園を回って、東側から出て、今度は逆を……とそんな感じかな」 正直な話、出現範囲がこれより広かったらどうしようもないことではあった。乃愛先生は今日、暇があったら来てくれると言っていたが、それをあてに待っているわけにはいかない。 今日、補習でホムンクルスのことを乃愛先生に聞いた時、すばしっこいということを何度も聞かされた。 それによると、ホムンクルスは足腰と腕が異様発達した人間と考えるべきだという。四脚で動き回る人間なんて気持ち悪いにもほどがある。そいつは普段はゆっくりと徘徊しているが、何かを敵だと判断すると攻撃か逃走のどちらかを選択し、行動に移すという。一度選択した行動は途中変更はせず、逃げる時は相手の姿が見えなくなっても当分は走り続け、攻撃を選択した時は自分が動かなくなるまで攻撃し続ける。だが、その攻撃も大きな犬がじゃれついてくるよりもショボイらしい。大人であれば簡単に振り払えるぐらい弱いと。これで姫を殺そうとするのだから、おかしな話だ。 俺はホムンクルスを探索する時、発見した時、その後の対応などを一通り確認すると「じゃあ行くか」と促した。 照明の薄暗い公園内を五人が歩く。少し肌寒い空気とどこからかジーという虫か電気関係の音が耳にまとわりついてくる。俺の左手には懐中電灯が、右手にはビデオカメラが握られていた。ビデオカメラは、もし警察に職務質問された時は「自主制作映画の撮影」という名目を使う考えの上でもあったが、何よりホムンクルスを撮影してみたいという考えの方が強かった。暗い夜中というのが本当に悔やまれる。 公園を一回りしても、特に大した異常はなかったので、西側の出入り口から住宅街に足を伸ばすことになった。家々はほぼ明かりをつけていない。歩いている間も二、三人とすれ違ったぐらいでやはり何もない。すれ違った人たちもこちらを特に気にしてもいないようだった。ガキが友達連れて深夜徘徊しているぐらいにしか思われてないだろう。 昼間は大量なのに、夜の交通量はほぼないと言えるような大通りに出た。たまーに一台、二台と通り過ぎることはあるが、ここは都内でも田舎の住宅街だ。頻繁にはこない。早漏め、となじられてもここまできて何もないのは「やはりガセか?」と思わずにはいられない。 後ろの四人はなにやら色々と喋っているようだったが、俺は会話には参加しなかった。面倒だったし、それに注意がそれるようなことはしたくなかったのもある。 本当に何も無く公園の東側出入り口に来たときには俺は軽くがっかりした。公園内も見たところお変わりないご様子。 来た時にミーティングしたところで一度集まろうとしたが、近くのベンチに誰かいて断念した。しかし、その誰かはおもむろに立ち上がると、こちらに来る。 乃愛先生だった。 「やぁ、みんなでぞろぞろと……まるでピクニックだね。お弁当は用意した?」 「もちろん、世界一美味しいお弁当がありますよ。ただし、お腹は膨れませんが。それにしても、夜中の散歩ですか」 俺は来るはずないと半ば確信していただけに少し驚いていた。 「教え子のピンチだ。それに、引継ぎは確認はしっかりしないとね」 乃愛先生はそういうと俺の後ろにいる美羽と美優に視線を移した。 「ふむ。確か結城美羽と結城美優だったかな」美羽も美優も少し驚いたようだった。「一緒にいるとは驚いた」 乃愛先生は全然驚いた顔をせずに言った。 ユリアとレンはやっぱり来たか、という顔をしている。美羽と美優はどう反応していいのか分からず黙っているようだった。 「それで成果はあったかい?」 俺は軽く首を振ってみせた。 「何にもなくて拍子抜けですよ」 「実はね。今日、学校の近くでホムンクルスを一匹破壊した。夜遅くまでいたのが幸運だったな。奴らの行動範囲は思ったより広いぞ」 学校? 家を中心に考えて、公園と学校はまるっきり正反対だ。あんまり広いと対処が面倒になってくるな。 「見つける方法は視認しかないと思っていたが、どうもそうではなくなってきた。奴ら微量ながらも精霊の力を使っているようで、姫とレンなら大よその位置は分かるはずだ。もちろん、集中しないと気づけないが」 乃愛先生は言いながらユリアとレンに視線を向けた。二人は少し戸惑ったあと、目を閉じる。何かに精神を集中しているようだ。数秒後、あっという声が聞こえた。 「気づいたか。そうだ。あそこを見てみろ」 乃愛先生が鬱蒼とした木々を指差す。小さな池のちょっと右。雑木林の中で何かの影がうごめいていた。 「あれが我らが敵である、ホムンクルスだ。向こうはこちらを観察しているだけだな。敵とも味方とも判断はしていないようだ。近づこう。レン、剣を抜け」 言われるとほぼ同時にレンは剣を抜いた。 乃愛先生と含めた六人はゆっくりと雑木林に隠れるホムンクルスに近づいていく。俺はビデオカメラをもう回していた。ホムンクルス、人工生命体……人工生命体だ。 「ちょっと失礼」 乃愛先生が歩きながら俺の胸元にあるヘルメスの杖を掴んだ。三歩進んだところでぱっと手を離した。何も言ってこないので、俺もヘルメスの杖を掴んでみた。同時にイメージが流れ込んでくる。一度体験してもう理解している。このイメージが現実に現れるのだ。一部の間違いもなく。 「まだだよ」 「分かってますよ」 俺はぶっきらぼうに答えた。 木々の隙間のホムンクルスが段々と見えてきた。俺は懐中電灯で照らしたい衝動に駆られたが、なんとか我慢した。しかし、ビデオカメラは回しっぱなしだ。 薄暗いが、少しずつ実体が見えてくる。五メートルぐらいのところで乃愛先生が俺たちの足を止めさせた。 よく見えるわけじゃなかったが、それは間違いなくこの世の動物ではなく、また人間でもありえなかった。 人間が持つ頭の形。髪はなく、ハゲてる。目は細く、横に少し長い。鼻はあるようだが突起程度で、機能しているかは甚だ疑問だ。口も同じようなもの。唇がなく、ただ穴が開いているような印象しかない。そんな顔のホムンクルスは、異様に発達した腕で身体を支えている。手も足もかなり長い。格好はカエルに似てなくもなかった。 「気持ち悪い」 美羽が小さく言った。俺も同感だよ。レンが剣を構えたまま、にじり寄る。 俺は懐中電灯の光をホムンクルスに向けた。同時に、ホムンクルスが逃げる。 「ヒロト殿、何を!」 木々を出る。ホムンクルスはその全体を現した。それは一瞬だったが、誰の目にも強烈な印象を与えたに違いない。ツルツルしてるらしい皮膚は光を反射している。 姿が見えるうちに俺はヘルメスの杖を発動した。 ひゅうっという風の音と共に木々の隙間からかろうじて見えるホムンクルスが猛烈な勢いでこちらに突っ込んでくる。一度地面を跳ねてから、ひきづられるように俺の目の前であお向けになって止まった。大人が赤ちゃんプレイをしたらこんな感じかもしれないと場違いな思いが頭を掠める。 「ホムンクルス……」 次の瞬間、レンは剣をホムンクルスの心臓に、美羽はバットで頭を叩き潰した。俺はそれをただ見ていた。もちろん、一部始終をビデオに収めて。録画ボタンを押して解除する。 ホムンクルスは、その身体全体がふわっとぼやけると一分も経たないうちに薄くなって消えた。 レンは無表情で剣を鞘に収める、美羽は興奮しているようで肩で息をしていた。ユリアは厳しい表情でそれを見ていて、美優は俺の腕に抱きついたまましばらく離れようとしなかった。そんな中で乃愛先生だけが笑いながら、「お見事」と場違いな……いや、判断がつかない。とにかく、五人の雰囲気とは別の空気をまとっていた。 「こんなものだ。ホムンクルスは。何も怖がることはない。宇宙から来たエイリアンでも、摩訶不思議な薬で凶暴化した獣でも、ゾンビ化した人間でもない。そんなものより数十段劣る。だが、無視できない存在なのだ。物にあらず人にあらず。ただの害虫駆除だ」 乃愛先生は薄笑いを浮かべながら、メガネを人差し指でついっと上げた。 その日、俺はまた、大騒ぎして挙動不審になるタイミングを失った。 「大翔くーん。授業終わりましたよー?」 う……あ? 俺は机の上で突っ伏した顔をわずかに上げてみた。目の前では貴俊がこちらをため息ついでに見つめていた。授業終了のベルが教室中に響いている。 昨晩のホムンクルス討伐は、その後、もう一匹をあの世に送ったあと、終わった。もちろん、ビデオカメラに撮っている。夜中の三時ごろに終わり、帰っても眠れず、ビデオをぼんやり眺めて朝を迎えたのだ。 おかげで寝不足で死にそうだった。 二時限目以降の記憶がないところを見ると昼まで完全に寝入っていたらしい。こんなことなら、具合悪いとか言って保健室で寝てればよかった。 「お前、昨日も死にかけだったな。もしかして、アレか」 貴俊が真面目な顔をする。ユリアやレン関係か? と聞いているのだろう。俺は自嘲気味に吐息をはいた。 「当たらずとも遠からずだな。展開が早過ぎてついていけないってところさ」 「大丈夫なんだな?」 「大丈夫さ」 俺は余裕があるように笑ってみせた。だが、貴俊は露骨に怪訝そうな顔をすると、俺の机の上にどかっと座った。 「これ以上、何かあるなら俺は見守るってことから外れるぜ。例え、お前が拒否してもな」 「厄介ごとが好きなんだな」 貴俊は首を竦めてみせた。 「寝言は寝て言え。ま、とにかく飯食おうぜ。腹減ったよ」 貴俊が前の席を占領して、コンビニ辺りで買ってきたパンを広げてきた。俺はいつも美優嬢の愛情がこもった愛妻弁当を―― しまった。忘れた。ボーっとしてて、弁当受け取るの忘れてた。 まだ若干眠気がある俺は仕方なく、購買部に行こうかと考えていた。が、小太り気味の大久保くんの呼び声に振り返った。 「美優」 視線の先、教室の外では、美優が居づらそうにキョロキョロしていたが、俺の顔を見るとすぐにパッと笑った。 「お兄ちゃん、駄目だよ。お弁当忘れちゃ」 「いやーマジ助かった。まさか持ってきてくれるとは思わなかったよ」 教室の片方のドアを占領する感じで俺は美優の弁当を受け取った。美優の弁当は一級品だ。そこらのコンビニ弁当が束になっても敵わない美味さがある。いや、妹補正とかじゃないから。 「ちょっと、迷ったんだけどね。今日はお弁当いらないのかな? って思ってたから」 「何言ってんだ。俺は美優の弁当に難色を示したことはないぞ。バリエーションが広くて一度として飽きない」 美優がにっこり笑った。 「よかった。これからも飽きないように頑張るね」 口笛を吹きたい気分で俺は美優の弁当を持って、席についた。それを見た貴俊が「恋人同士みたいだねぇ」と冷やかした。 確かに俺と美優の関係を知らない者から見れば、そう見えるかもしれない。 「褒め言葉として受け取っておくよ」俺は弁当を開けた。「今の俺はご機嫌だからな」 美優が俺の教室に来ることはこれが初めてだった。いつだったか、忘れ物を俺が美優の教室に届けたことはあるが、その逆はなかった。大抵来るのはそういうことに特に何も感じない美羽だけだ。美羽だけはこの教室の人間も周知のことではある。 「そりゃあよかったね。あ、ところでその玉子焼き俺に一つくれよ」 「何言ってやがる。こりゃ俺の胃袋に納めるために作られた嗜好品だぜ? お前の舌には合わないさ」 「合う合う。一昨日食った時はマジ美味かったから」 待て待て。俺は知らないぞ、そんなこと。俺が余所見をしている間に神の速さで取ったとか? 昼休みの教室は全員思い思いの場所で飯を食うため、残っている人は結構少ない。俺みたいな、普段テンションが高くない奴は大抵教室で食う。場違いなのは貴俊ぐらいなものだ。 「そういえばさ、最近テレビが大騒ぎしてるの知ってるか?」 「いや、最近テレビは見てないな……」 他のことで頭いっぱいだしな。 「何でも、生態系の異変とか、重力定数の変化とか、電磁作用のエネルギー量増減とか、色々変なことが世界中で起こってるらしいぜ」 「へぇ」 あんまり興味が湧かない。乃愛先生なら興味津々だろうけど。 「学会は大騒ぎさ。世間じゃ天変地異の前触れとか騒いでるみたいだがな、遅刻したアンゴルモアの大王でも来んのかね」 天変地異という言葉でドキっとした。 ――あと一年でこの世界は崩壊してしまいます―― ユリアの声が脳内で反芻される。まさかな。いや……ないだろう。多分。 美優の素晴らしき弁当も終わりに近づくころ、陽菜が俺の肩を叩いてきた。振り向く。 「ヒロ君、乃愛先生が呼んでるよー? 今日は実験室での授業だから、手伝って欲しいんだって」 俺を? 何で俺を……確かそんなことを手伝う委員会みたいなのがなかったか? 「陽菜も手伝ってあげるから、さ、いこ」 まるで気にしていない陽菜は俺の手を取ると引っ張った。落としそうになった弁当をかろうじて拾い上げると、俺は貴俊に「悪い、外すわ」と言い、陽菜の後をついていった。 実験室に向かう道中、いつでもご機嫌な陽菜は、俺の横で鼻歌を唄っていた。 「あ、ねぇねぇヒロ君。買い物だけど、今週の日曜日行こうよ! ついでに映画も見に行く?」 「まるでデートだな」 「デートじゃないと思った?」 意地悪っぽく陽菜が笑った。まぁデートと言えるか。 「買い物って具体的に何買うか決まってんの?」 「ヒロ君知ってる? この世は思うように事は運ばないんだよ。それがたとえ、戦争だって、企業の戦略だって、個人的なことだって同じ。計画は作るものかもしれないけど、実行するものじゃないってことだよ!」 つまりノープランってことだな。こいつ、言い回しが貴俊に似てきやがった。 「でもな、孫子曰く、『ノープラン愛好者は死ね』だってさ。古人の言葉は大切にするもんだぞ?」 「なんという思想!」 本当にこいつが分からなくなってきた。 ふと、何かに気づいたのか、陽菜が俺の左腕を見つめた。軽い擦り傷が広範囲に見える。 「これ、大丈夫?」 「全然問題ないね。ちょっと今朝転んじまっただけだし」 「気をつけてよ? 陽菜のためにも!」 「はいはい」 それから、実験室についた俺たちは乃愛先生の指示であれこれと器材を運んだりしていた。乃愛先生はたまに俺の方を見てニヤっと笑う。その意味が良く分からず何故か俺もぎこちない笑顔を返していたと思う。 いつも通りの日常。ホムンクルスを見たって、この日常が壊されるとは野道の小石ほども気にかけていなかった。実際には考えているが、実感はまるで湧かない。世界の崩壊も半ば冗談のように感じていた。この時までは。 しかし、それは……すぐにそれは大きな間違いなのだと、知ることになる。 「違うな。もう一回やってみよう」 「はい」 ユリアが俺のネックレス――ヘルメスの杖を握り締めて言った。 俺とユリアはリビングのソファの上で、仲良く並んで座っていた。レンは相変わらず庭に出て、剣を振っている。美羽と美優は多分部屋だろう。 家に帰った俺は、ユリアとヘルメスの杖に込める魔法を色々と考えていた。今日の補習で乃愛先生に言われたことを試しているのだ。戦闘中に行き当たりばったりに行動を起こすことはどんな場合でも歓迎されない。 ホムンクルスは思ったよりも守りがやわい。ならば、懸念すべきは逃げられることだけだ。昨日の夜にあった乃愛先生が込めた魔法が最適かと思われたが、ユリアは中々そのイメージを作ることが出来なかった。対象がいないからだろうか。他にも拘束するための魔法を色々想像してみたりしている。 俺のイメージとユリアのイメージのズレを何度も修正しながら、理想的な魔法を創造する。 「ヒロト殿。少し長い。姫様は休憩させて、私がやろう」 「いいえ、レン。今はやらせて」 「ですがもう――」 「レン」 ユリアがじっとレンを見つめた。しばらく互いは見つめあったままだったが、レンがため息を吐くと同時に「わかりました」と言った。ユリアは中々頑固なところがあるな。 俺はまたユリアに駄目出しすると、持ってきていたこの辺り一帯の地図をテーブルの上に広げた。広げてすぐに、現在位置と公園のある場所に印をつける。 「レン。今日乃愛先生から聞いたことから見ても、この範囲以外からホムンクルスが出ることはないと思う。だから、ここから戦略を練る」 「ほう。中々しっかりやるんだな」 「俺を誰だと思ってる。至高の天才軍師家だぞ?」 レンがふふっと笑ってみせた。 「戦争のないこの世界でその発言は酔狂だな」 ユリアが魔法を込め終わったのか、ヘルメスの杖をまた俺に寄越した。受け取って、握ってみる。イメージが流れてくる。 どうしても多少はズレるが、先ほどよりもかなり理想的な魔法を込めることが出来たようだ。 俺は笑顔で「いい感じだ」と言った。ユリアも満足そうに笑い返してきた。 「ホムンクルスの出現場所はほぼランダムだ。だが、この地図上から出るとは思えない。そして、ランダムと言っても一定の決まりごとがあることを乃愛先生は突き止めてくれた」 ユリア、レン、美羽、美優そして俺はテーブルに広げた地図を囲み説明を続ける。本来、美羽や美優は除外するべきなのだが、二人とも頑として譲らなかった。 「半径五メートル以内にモノや大きなエネルギーが存在しない場所。地上から十メートル以下の場所。その後の行動も基本的には勝手に動くそうだが、ユリアやレンと同じように精霊の力の動きにはかなり敏感らしい。それを使っておびき出すのが理想的な手段と言っていいだろう。出現場所の決まりから、住宅及び住宅間の著しく狭い場所は除外していい」 そういいながら、俺は約四十世帯ある場所に次々にバッテンをつけていった。住宅街が集中している場所のため、約五つの大きな出現場所が決められる。 「こうなると、小さい場所は、まぁ無視していい。それよりも、学校、橋屋の大通り、公園、住宅間の広い道、学校へ向かう時の長ったらしい坂の五つを重点的に考えた方がいいだろう」 「ちょうど五人だし、ちょうどいいじゃん」 美羽がちょっと笑いながら言った。冗談だろうから俺は無視した。 「ちょっと、ちょっと。まさか、アタシらハブじゃないだろうね?」 俺のシカトを別方向に勘違いした美羽が少し声を荒げた。 「ホムンクルス討伐をやるっていいたいのか? 俺としては美羽も美優も参加して欲しくない」 「冗談じゃないわよ。ここまで来たらやるしかないでしょうが。面白そうだしね」 本当にゲーム気分だな、おい。 「お兄ちゃん、ワタシも手伝いたい」 正直、俺はどんなことがあっても、それは拒否するつもりだった。 しかし、乃愛先生の助言もあって、それを受け入れつつある。 こんな感じの話だった。美羽や美優がやりたいと言った時に一方的にはねつけることは得策ではないと。俺の見ていないところで美羽や美優が動くと予想できない事態を生む可能性がある。だから、勝手に動かれるよりはこちらでコントロールした方がいい。もちろん、美羽も美優も大人しくしているという可能性もあるのだが……。 問題はホムンクルスだな。乃愛先生も楽観視しているようだが、慎重に見極めないと。 「ヒロト殿。ミウは中々筋はいいと思うぞ。昨日の夜でホムンクルスを叩き潰した動きは良かったと言っていい」 レンはじっと俺を見続ける。確かに、それは言えるかもしれない。 俺はしばらく腕を組んで思案していたが、美羽の真剣そうな目を見て、ついに折れる。 「分かった。いいだろう。ただし、美羽と美優はもちろんだが、レンもユリアも俺の指示には従ってもらう。それが出来ないというなら、俺は降りるぜ」 降りるというのは言い過ぎだと思ったが、ここは譲れそうになかった。 「素人のヒロト殿がもし間違いを犯したら?」 「俺は確かに戦闘においては素人だ。間違いという抽象的な言い方は気に食わないが答えてやろう。間違いなど起こさせないさ。それにレンやユリアが作戦指揮するよりも、自分でやった方が何倍もいい。理由は、ここは俺らの世界であることと、レンもユリアも指揮には向いていないと俺が思うからだ。全部納得できるまで説明してやってもいいが、俺が説明しなきゃいけないという時点でやはり任せるわけにはいかない。その理由が分からないならなおさら。そして駄目ならどうする? という考え方が悪いんだ。そうじゃない、やらなきゃいけない。そうだろ?」 軽はずみな発言だったのか、レンは少しばつが悪そうにした。 「今は大したことは言えないが、多分三つに分けると思う。内訳はレンと美優、ユリアと美羽、そして俺。俺はヘルメスの杖を持ってるからな。一人でも十分対応できる。探索ルートは後で説明するとして、まずはホムンクルスを発見した時の対応を話しておこうか。これを見てくれ」 俺はすっと立ち上がるとセットしたビデオを流し始めた。この前撮ったホムンクルスの映像だ。 まず、一匹目のホムンクルス。俺が懐中電灯で光をかけた瞬間逃げ、一度外に出てきてその全体を見せる。そこで一旦止めた。 「今見た通り、結構足は速い。が、対応できないほどじゃない。俺たちがすることは捕まえることでもなければ、説得することでもないからな。ただ壊すだけだ。光を見せた瞬間逃げたことから見ても突然の出来事にはとにかく逃走するだろうと考えられる。それは二度目のホムンクルスで確認済みだが、まぁ、まだ決め付けるのは早計だな。多分、音とかにも反応するだろう。それじゃ次」 再生し、ホムンクルスが遠ざかる映像が見える。次の瞬間、物凄い勢いで引っ張られるようにホムンクルスが近づいてくる。俺の目の前で無様に倒れ、間髪をいれずにレンと美羽が叩き潰す。そのシーンで美羽が自嘲気味に笑った。 一度切れて、二度目のホムンクルスが映し出される。場所は変わって学校へ向かう時の急で長い坂。そこでは、頂上付近にホムンクルスがキョロキョロと周囲を見回している。美優の静止する声が聞こえながらも俺は少し小走りにホムンクルスに寄った。今度は懐中電灯を使わない。カメラを回しながら寄っていくとホムンクルスがこちらに気づく。カメラである俺が一度立ち止まり、それから今度は走った。 次の瞬間、ホムンクルスがカメラに急接近し始める。俺は立ち止まり、ギリギリまでホムンクルスを撮影していた。のっぺりとした表情のない顔が……いや、もう装飾と言っていいだろう。品の悪い装飾。 俺はこの時のことを思い出した。どんな攻撃を仕掛けてくるのか、それはどんな威力があるのかを検証するために少しだけワクワクしていた。だが、何のことはない。爪とも言えぬ稚拙な腕で俺を殴るぐらいことだった。その威力は俺の左腕が示している。とんだお笑い種だ。かすり傷程度で、これなら自分で派手に転んだ方がよっぽどダメージがあると思えた。 テレビでは、その時の様子がまぁカメラが揺れまくってる状態で映っていた。 「俺はこの時、乃愛先生にもレンにもユリアにも魔法は使わないように指示していた。ただの普通の人間でも襲うということだろう。実際に対面した者から言わせてもらえれば、俺たちに生き死にの問題はない。こちらが圧倒的有利な上での戦いってことだな。いや、戦いとはいえないか……害虫駆除にしかならない」 ここまできて、何故か自分が意味不明なことをしているような気分になった。戦略やこの情報確認の話じゃない。もっと根本的な部分で――いや、大丈夫だろう。大きく間違っていることはないはずだ。 「その害虫駆除にここまでやるかね」 「害虫駆除だからこそ、この段階で出来るんだぞ? 相手が人間なら、まだまだ情報が足りない段階だ」 俺は美羽を一瞥すると、テレビを一旦切った。 「とりあえず、大よその情報は入ったな? それじゃ、詳しい説明は後にして、とりあえず把握しておきたいことがあるから。まずはそっちをやろう。とりあえず、レンからだな」 俺はおもむろに窓を開け、庭に出た。そして、レンを手招きする。レンが訳が分からないという顔で歩いてくる。 「剣を抜いて、俺に切りかかってきてくれ」 美優が驚いた表情で首を振っていた。危ないよ、とでも言いたそうだった。 「とりあえず、誰がどれくらいの力量を持っているのか把握しておきたい。こっちはヘルメスの杖にさっきユリアに込めてもらった魔法があるから大丈夫だ」 「いいのだな?」 レンが物置から剣を取り出し、抜いた。俺は頷いてみせる。 剣が目の前に突きつけられる。これで二度目だな、と俺は場違いなことを思っていた。違うのはシチュエーションだけだ。 「魔法は使わないでくれよ。俺はほとんど把握してないからな。身一つで、そして全力で」 剣が赤く染まる。日没が過ぎてそろそろ夜になるのだろう。赤く染まった剣は、血の色と見ても違和感はなさそうだった。 次の瞬間、小さな吐息が聞こえたかと思うと目の前までレンが近づいていた。俺は多少びっくりしたが、大きく後ろにも横にも動くことはなかった。 隙のない小さな振りの上段斬り。 俺は右手で合わせるように剣を横から叩いた。そのせいで方向がずれた剣は俺の左側を掠め、地面を斬る。間髪をいれずにそこからレンは斜め上に斬り上げた。ボーっとしていたら、わき腹から肩口にかけて綺麗に斬られていただろうが、俺はすでに後ろに飛びのいていたので剣は虚空を斬る。 パンパンと手を叩いてみせた。 「オーケイ。魔法なしでそれは凄いな。居合いでも通用するだろうよ」 それと同時にヘルメスの杖に込められた魔法にも驚いていた。これはもう魔法というよりも……超能力とも違うな。とにかく、半端ない力がある。向こうの世界じゃこんなもんが溢れかえっているのか? イメージをユリアに伝えたのは俺だが、ここまでとは……。何でもありか? と言いたくなってくる。 「身体強化系の魔法か。あれは中々イメージが難しかったはずだが」 「込めたのはユリアさ。さすが姫様だな」 「今のが魔法なの? 炎を出したり、水を操ったりとかじゃなくて?」 美優が首を傾げながら聞いてきた。 「それは自然魔法というらしい。他にも幻覚見せたりする魔法もあるって。その辺は今度話そう」 レンはそれで終わりにして、ユリア、美羽の順で力量を見てみる。美優は……無理だろう。それに美優にはどっちかというと体力仕事よりもして欲しいことがある。 力量の計算からも、最初の内訳は変わりそうになかった。魔法なしではユリアよりも美羽の方がいい動きしていた。そして、手合わせのおかげで、ヘルメスの杖の使い方も大分わかってきた。魔法と言っても、自然物を操るだけじゃないようだ。多くを知ってるわけじゃないが、根本にあるのは人の想像力になるんだろうな。しかし、それもどうやら絶対じゃない。 ――魔法はこの世界の住人にとっちゃ何でもアリに見える。だが、もちろん法則は存在するし、その法則から外れたことは絶対に出来ない。逆に言うと法則の範囲内なら何でも出来るということだ。その法則なんだが、正直基本的なことしか言語化できそうにない。まず、出来るだけ詳細な魔法の動きをイメージすること。最初から最後まで。どこかで無理があるとその魔法は成功しない。そして、一方通行的な魔法は他のイレギュラー要素に極めて弱くなる。だから、出来る限りの詳細なイメージを作り出さなくてはならない。これが一つ目だ。本当に、感覚の作業だから。この作業を効率よく行える者が上にいけるし、出来ない者はいつまでも最下層をうろついていることになる―― ――そうなると、たった一人の天才が世界を牛耳る事もできそうですね―― ――その辺に関しては別の日に話すこととしよう。だが、確かに、一つの大きな力は他を圧倒することが出来る。それでも、魔法は基本的に不特定多数の人間に効果を得られるものは少ない。イメージするのが酷く難しく、綱渡りみたいなことをしなければならないからな。特に時間もかかるのがネックだな。どちらにしても、やはり戦争は多人数でやることになるのさ―― そんなようなやり取りを今日した。魔法に関しては本当に謎が多い。 日が落ち、夜が来る。一通りの指示を与え終わると、ホムンクルスが出る時間帯になるまで暇つぶしをすることになった。レンは剣を振ってるし、ユリアは瞑想を始めていた。美羽はテレビをダラけて見ていた反面、美優は食事を作っている。 美優の極上の食事を終えた俺たちは、時間を見計らって外に出た。 まだまだ肌寒い。後についてくる四人の少女を見て、俺は苦笑いしか出来なかった。女だらけの害虫駆除隊ってか……。 ドアを出て、飛び石の上で踵を返し、四人を見る。 「さて、始めるぞ」 ホムンクルス騒動bへ