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火球を発射し命中すると爆発、広範囲にダメージを与える ボタンを押した後、火球の発射までに一定の溜め時間が必要溜め時間は武器ごとに異なる。溜め始めたらボタンは放していい 溜めている間は移動不可で中断や武器切り替えもできないが、照準と視点は動かせる 火走りの杖は溜めが必要なく連射が可能 炎系の武器のみ自分や味方もダメージも受ける。誤爆に注意敵との距離が近い場合は天井や壁に誘爆させるなどの工夫が必要。逆に、あえて障害物に当てることで効率的に群れを巻き込むこともできる。 炎の杖に限らず爆発攻撃はガード出来る。敵の攻撃と同じ扱いで、前方向・二つ以上に巻き込まれない場合のみ。オンでは味方が爆発をガード出来ると知っていると使い道が広がるかもしれない 編集はこちら 武器名 ダメージ 範囲 射程 消費 溜め DPS DPM 入手方法 派生 備考 炎の杖LV1 70 15m 720m 12% 1s 5.83 稲妻の魔弓LV1エイルの弓LV1マナ50 大剣LV2 炎の杖LV2 100 20m 720m 18% 1.5s 5.56 火炎の弓LV1マナ400 土15 破裂の王笏LV1 爆炎の杖LV1 140 50m 720m 40% 3s 3.5 必中の火炎弓LV1雷光の槍LV1マナ500 土15 光の杖LV2 大型雑魚をダウンさせる 火走りの杖LV1 45 8m 720m 2.5% - 18 獣の大剣LV1マナ350 風300 大鎚LV1 連射速度は4発/秒ほど 炎の杖LV3 200 16m 720m 12% 1s 16.67 速射の弓LV2命を吸う魔剣LV4マナ1200 風150 雷光の槍LV3雷槍ルオンンノタル 爆炎の杖LV2 300 50m 720m 33% 3s 9.09 破裂の王笏LV2雷光の槍LV4マナ200 魔200 - 大型雑魚をダウンさせる 火走りの杖LV2 120 10m 720m 3% - 40 神速の魔剣LV1タングノスト土30 魔180 招雷の王笏LV3 連射速度は4発/秒ほど放物線を描いて飛ぶ 炎の杖LV4 1100 20m 720m 23% 2s 47.83 氷弾乱撃の杖LV2土50 炎1000 オーディンの槍LV3 灼熱の杖LV1 3400 20m 1440m 39% 4s 87.18 シンドリの大鎚LV1マナ2000 土75 星15 凍結の王笏LV4ウルの剣LV1 弾速が速い大型雑魚を吹っ飛ばす 炎の杖LV5 1400 15m 720m 17% 1s 82.35 速射の弓LV4吹雪の杖LV2マナ4000 風750 長剣LV4 火走りの杖LV3 220 5m 720m 2% - 110 ヘルモーズの大剣LV1必中の弓LV4土50 闇1200 シンドリの大鎚LV3 連射速度は7発/秒ほど 灼熱の杖LV2 4500 30m 1440m 50% 5s 90 怒濤の大鎚氷結の宝剣LV1炎1300 光130 フレイヤの大剣LV6飛燕の太刀LV4ディースの弓LV1 弾速が速い大型雑魚を吹っ飛ばす 炎の杖LV6 1000 12m 960m 12% 1s 83.33 シンドリの大鎚LV4土270 炎5500 ヘルモーズの大剣LV3光舞の王笏LV3 火走りの杖LV4 350 10m 720m 2% - 175 槍LV5吹雪の杖LV4マナ7000 風900 絶対無敵の鎚 連射速度は5発/秒ほど 炎の杖LV7 2100 16m 960m 12% 1s 175 速射の弓LV5必中連射の弓LV2マナ12000 風2000 剛力の剣LV3スヴァントビート吹雪の杖LV5 爆炎の杖LV3 3000 50m 1440m 35% 5s 85.71 クラウソラス氷河の杖LV3闇3000 魔400 トールの剛弓LV4招雷の宝剣LV2 大型雑魚を吹っ飛ばす 火走りの杖LV5 900 10m 720m 1% - 900 クラウソラス招雷の宝剣LV2炎5500 嵐の火炎弓LV3稲妻の魔弓LV4 連射速度は4発/秒ほど 炎の杖LV8 3400 25m 960m 12% 1s 283.33 風刃の杖LV3土1200 炎22000 バルドルの神槍LV2 力なき杖 200 1m? 250m? 15% 3s 13.33 稲妻の魔弓Lv4炎50000 火走りの杖LV6紅蓮の杖リアファル赤き杖ラウリーン破裂の王笏LV7 弾速が遅い 紅蓮の杖リアファル 6000 60m 2000m 30% 5s 200 力なき杖光6000 - 弾速が遅い近くで爆発させて自分はガードすることも可能大型雑魚を吹っ飛ばす 火走りの杖LV6 990 14m 1440m 0.7% - 1414.29 力なき杖星1200 - 連射速度は5発/秒程度 赤き杖ラウリーン 3500 30m 960m 10% 1s 350 力なき杖炎25000 星300 - 武器名 ダメージ 範囲 射程 消費 溜め DPS DPM 入手方法 派生 備考
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アルモー アルモの別名。
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それぞれの『意思』 ヘルモーズが、沈む。 全長20キロの巨大戦艦が、凄まじい炎と共に落ちていく。 炎はやがて大地に激突し、地獄の業火となって周囲の全てを焼き尽くした。 それは大地だけに飽き足らず、空をも血のような紅い色に染め上げる。 その光景は、世界の終焉を思わせるほど壮絶なものだった。 ラミア・ラヴレスは一言も発することなく、その一部始終を見届けていた。 落下場所から数十キロ以上離れた、彼女のいる場所からでもはっきりと見えた。 私の行為は正しかったのか。 ラミアは自らに問いかける。 自分の行為が正しいと確信している人間などいない……ミオ・サスガはそう言った。 そして、それでも生きている自分達は動かなければならない、と。 だからこそ……問わずにはいられない。 私は、何をしているのだろうか。 そして、何をすればいいのだろうか。 「ラミアちゃん」 不意に声をかけられ、我に返る。ブラックサレナからの通信……ミオの声だ。 「一旦降りよ。いつまでもここにいても仕方ないし」 「……ああ、わかった」 ブラックサレナに連れられるままに、ラーゼフォンは地面へと降りていった。 ヘルモーズを脱出した4体の巨人は、E-5の地へと降り立った。 そこは既に禁止エリアに指定されている場所である。 もっとも、首輪の枷から逃れた彼らには、今や意味のないことではあるが。 「全員、無事に脱出できたようだな」 ジ・Oに乗るシロッコはそう言うと、自機以外の3体のロボットを一瞥した。 ミオのブラックサレナ。フォルカのソウルゲイン。そして…… (ラミア・ラヴレスか……) ラーゼフォンに視線が移ったとき、表情は自然と険しくなる。 結局、彼女が自分に見せたユーゼスへの反逆の意思はフェイクだった。 当初から薄々勘付いていたとはいえ、シロッコが彼女への警戒を緩めないのは当然だろう。 ヘルモーズの共闘は一時的なもの、あくまで成り行きでしかない。 『共通の敵』の存在があって、初めて成立した関係に過ぎないのだから。 それはフォルカ・アルバークについても同じことではあるが。 「ラミア……答えは出たのか」 フォルカがラミアに切り出す。 「そう簡単に……割り切れるものでは、ない」 「……そうか」 ラミアの回答に一言返すと、フォルカはそれ以上を問い詰めようとはしなかった。 「……君達だけで話を完結させられても、困るのだがな」 しかし事情のわからないシロッコとしては、勝手に話を進められるのは面白くはない。 空気を読まないことを承知の上で、シロッコは彼らの中に割って入った。 「一先ずの危機は脱した。ここらで互いの情報を交換したいと思うが…… 機体から降りて話をしたい。構わんな、フォルカ・アルバーク」 「ああ、俺は構わないが……」 「ラミア・ラヴレス……君もだ」 シロッコの鋭い視線がラミアを貫いた。向けられたプレッシャーに、ラミアは気圧される。 脆い。少し前までの彼女と比べると、あまりにも脆すぎる。 (さて……何があった?その真意、確認させて貰うぞ) それぞれの機体から降りて集まるシロッコ、ラミア、フォルカ。 ミオだけは、シロッコの指示でブラックサレナの中に残ったままである。 周囲への警戒は勿論だが、何と言っても彼女は現在イレギュラー的立ち位置にある。 ゲッター線を通じて多くの真実を知る、言うなればキーパーソン。 その上、彼女は未だユーゼスがその生存を把握していない可能性がある。 ラミアの真意が判明するまでは彼女の前にミオの姿を晒させるのは危険―― シロッコは石橋を叩き、そう判断した。 実際はヘルモーズで両者は既に接触していたが、それはあくまで通信機越しのこと。 彼女の重要性を考慮すれば、用心するに越したことはない。 ラミアは一言も発することなく、沈んだ面持ちで俯いたままだった。 少なくとも、シロッコと共に行動していた時からは考えられない姿である。 (私と別れてから今に至るまでの間、彼女の中に何らかの変化があったことは間違いない。 それも、彼女の価値観を壊しかねないほどの大きな変化が、だ) そこまで察していながらも、シロッコは決して彼女に同情的な感情は抱かない。 何せ彼女は、元はユーゼスのスパイである。いや、未だ現在進行形である可能性も否定できない。 哀れみすら誘う今のこの姿すらも、こちらを欺くための演技であったとしたら? かと言って、必要以上の疑心に囚われない点は流石というべきか。 あくまで心をニュートラルに保ち、シロッコはラミアの本心を探ろうと試みる。 「君は私やフォルカと共に、あの人形と戦ってくれた。 それは、君を信用していい……と受け取って構わないかな?」 鎌をかける。信用など初めからありはしなかったが。 それに対するラミアの答えは、シロッコの予想に反するものだった。 「信用……しないほうが、いい」 「……ほう」 憂いを帯びた瞳で俯く女の姿を、シロッコは素直に魅力的だと感じた。 「ラミア……?」 「勘違いするな、フォルカ・アルバーク。確かに……私はお前達と共に戦った。 自分が人形であるということを否定した。だが……そこに、それ以上の意味はない」 重苦しい表情のまま、ラミアはフォルカに自分の意を告げる。 「私は今でも、ユーゼス様の部下だ。私の忠誠に変わりはない。 主であるユーゼス様を……裏切ることは、出来ない」 「それが……お前の選んだ道なのか」 「……どうだろうな。実際に私が取った行動は、主への裏切り以外の何でもない」 そう言って、ラミアは自虐的に笑った。酷く痛々しい微笑だった。 ――本当に彼女はラミア・ラヴレスなのか? フォルカにそう思わせるほどに、彼女には覇気がない。 ヘルモーズで共闘した時に感じた強い『意思』が、今の彼女からは感じられない。 (ラミア……お前は) 「……話を続けるぞ」 シロッコは二人の会話に割って入る。これ以上蚊帳の外に放置されてはたまったものではない。 しかし今のやり取りで、ラミアの精神が如何なる状態にあるかは、彼にも把握は出来た。 だが、事は精神論で片付けられるような段階ではない。 「ラミア、君がどういう考えに至ったかに関わらず…… 君に対しては、然るべき対応を行わなければならない」 「……そうだな」 『然るべき対応』――シロッコの口から出たその言葉は、酷く不穏な響きを持っていた。 妙に素直に肯定するラミアとは対照的に、フォルカは眉間にしわを寄せて聞き返す。 「……どういうことだ?」 「彼女はユーゼスの創造物……それを抱え込む危険を、理解できないわけでもあるまい」 シロッコの目の奥が光る。それが何を意味するかを読み取れないほど、フォルカは鈍くはない。 「待ってくれ!もう少し……猶予をくれないか」 シロッコが下そうとしている判断が、一概に否定できるものではない現実も承知はしていた。 それでも、フォルカはその選択を良しとしなかった。 「フォルカ、だったな。我々同様、君もユーゼスに抗うべく行動しているのだろう? ならば、後顧の憂いは今のうちに完全に断たねばならん」 「わかっている。俺がいかに甘いことを言っているかも。だが、彼女の戦いに嘘は……」 「……この場合、彼女の意思など問題ではないのだよ」 シロッコは、フォルカの言葉をあっさり一蹴した。 別に疑念に取り込まれているわけではない。ある程度疑ってかかってはいるものの、 ヘルモーズにおけるラミアの行動は状況から考えれば、信用とまではいかずとも、 自分達を欺く演技である可能性は薄いと考えていた。 しかしシロッコの着眼点は、そもそもそんな場所には存在しない。 問題なのは、ラミアがユーゼスの人形であるという事実と、そこから導き出される可能性。 「彼女を通じて、こちらの情報がユーゼスに漏れていたら?」 「まだ、彼女がスパイ活動を行っているというのか?」 「言っただろう。ここでは彼女の意思は問題ではないと」 意を解せぬといった表情のフォルカに、シロッコは一から説明を始める。 「忘れたか。彼女は人造人間……いわば、ユーゼスが造り出した人形」 シロッコが『人形』という言葉を発した時、ラミアの表情が一瞬曇った。 男達はそれに気付かない。シロッコは話を続け、フォルカはそれに耳を傾ける。 「彼女の見たもの、聞いたもの、感じたもの…… それら全てが、そのままデータとしてユーゼスのもとに流れていたら?」 シロッコはそう言うとラミアの方向に向き直り、鋭い眼光で彼女を射抜いた。 「そう……あのエルマというロボットが、そうだったのではないかな?」 「エルマ、だと!?どういう意味だ」 突然飛び出した名前に、フォルカは思わず目を見開く。 「君もあのロボットを知っていたか。ならば話は早い。 そもそも、『ユーゼスが用意した支給品』である、あの自律型AI搭載のロボット…… その存在自体が不自然だと思わんかね?」 「……言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれ」 回りくどいシロッコの物言いに、フォルカは苛立ちを覚える。言葉の語尾に僅かに怒気が感じられた。 緊張感が走る。それを物ともせず、シロッコは単刀直入に切り込んだ。 「エルマはユーゼスの監視カメラの役割を果たしていた。私はそう推測する」 「馬鹿な!エルマがスパイだったというのか!?」 短い間とはいえ、エルマもまたフォルカの仲間だった。 今は亡き彼に嫌疑をかけるようなシロッコの言葉に、フォルカは憤りを表に出す。 「もっとも、私はあれが動いているところを直接見たことはない。 あのロボットについては君のほうがよく知っているのではないか」 「ああ。彼がそんな行動を取っていたとは思えない……!」 「そう。そこが盲点となり得たということだ」 「エルマが俺達を欺いていたと言うのか!?」 「いや……むしろエルマ自身すら、それに気付いていなかったのではないかな」 「……シロッコの推測とおりだ」 感情を昂ぶらせるフォルカに、ラミアが静かに肯定の声を発した。 「エルマのカメラが映し出した映像は、逐次ヘルモーズに送られる仕組みになっていた。 あれは、ユーゼス様の送り込んだスパイ……そして、エルマのAI自身も、その事実を知らない」 「な……それでは!?」 「あのロボットは自分の与り知らぬ所で、ユーゼスに利用されていた……ということだ」 ラミアの説明に、シロッコが補足を付け加える。 愕然としつつも、フォルカはシロッコが何を言いたいのかを理解する。 ――ラミアもまた、エルマと同じである可能性がある、ということだ。 だが、現実は彼に更なる衝撃を与える。 「エルマだけではない。あのマイ・コバヤシという参加者にも、同様の疑惑がある」 「ッ……!?」 立て続けに取り上げられる自分の仲間への疑惑に、フォルカは動揺を隠しきれない。 「一つの器に、明らかに異なる二つの人格……しかし、あの感覚は不自然すぎる。 あの、レビと名乗った好戦的な人格……あれは後天的に植え付けられたものではないか? 恐らくは、ユーゼスの手で」 「……お前の推測している通りだ。マイの中のもう一つの人格、レビ・トーラーは…… ユーゼス様が植え付けたものだ。殺し合いを促すために、な」 淡々と続く二人の会話の中で、次々と判明する事実。 フォルカは自分の周囲で、様々な悪意が渦巻いていたことを思い知った。 そして、それに気付けなかった自分自身の無力さに、悔しさが込み上げてきた。 「彼女達だけではない。クォヴレー・ゴードンの記憶喪失、木原マサキの凶暴性…… 彼らの精神への干渉も、全てユーゼス様が仕組んだことだ」 (まさか……アクセルの記憶喪失も、ユーゼスが……?) フォルカの握った拳に、力が込められる。 ちなみにアクセルの件だけは違うが、本人が死んだ今となっては、その是非にはもはや何の意味もない。 「そう……私とて例外ではない。 シロッコの言う通り……私にも、どんな罠が仕込まれているかわからんな?」 「ラミア……お前は……」 再びラミアに視線を戻した時――フォルカは一瞬、背筋を寒くした。 正視することすら憚られるほどに痛々しい、虚ろな目で薄笑いを浮かべている女の顔がそこにあった。 「もうわかっただろう、フォルカ。我々はお前達の運命を弄び続けてきた…… 信用などするな。憎まれこそすれ、信用を受ける価値など私にはない」 あまりにも見るに耐えない――フォルカは思わず目を伏せる。 ラミアは視線をシロッコに移す。シロッコは真っ直ぐに彼女の目を見ていた。 「シロッコ、私の処遇はお前に任せる。殺したくば殺すがいい」 「ラミア!自暴自棄になるんじゃない!」 フォルカは思わず声を張り上げていた。 「語弊があるようだが……私は別に、ここで君を殺すつもりはない」 シロッコもまた、理性的にラミアの言葉を否定する。だが。 「どの道、同じことだ。お前の言った危険を防ぐなら、私を消すのが最も有効な手段だ。 後顧の憂いを断ちたいのだろう?」 抑制のない口調で淡々と述べる。まるで以前の人形の彼女に戻ったかのように。 いや、無理してそう振舞っていると言ったほうが正しい。 (……傷心の女性にかける態度ではなかったか。それにしても、これは重症だ) 自虐、いや自己破壊的とすらいえるラミアの態度。 シロッコは、彼女の精神が極限まで追い詰められていることを悟った。 「落ち着くんだ……お前は本当に望んでいるのか」 「望み、など……人形にそんなものは存在しない」 フォルカの声も、もう届かない。目を据わらせ、まるで自分に言い聞かせるかのように唱える。 「人形、だと……?お前はそれを、自分で否定したんじゃなかったのか!?」 「そんな思考も行動も、所詮はプログラムの一環でしかない。 意思も、望みも、感情も……そんなものが、私に存在するはずがない……!」 「ラミア!」 「黙れッ!!」 響き渡ったラミアの叫びに、場の空気が凍りついた。 気圧されるフォルカ。シロッコも、突然の出来事に口を挟めないでいた。 「知った風な口を利くな、フォルカ・アルバーク……お前に何がわかる!? 自分に向けられた悪意にも気付かなかった男が……!」 ラミアの、かつて誰一人として聞いたことがないような、感情的な叫びが木霊する。 何故だか、無性に目の前の男が苛立ってしょうがなかった。 この男の、他人を気遣えるだけの余裕が、とにかく癇に障った。 「一つ教えてやる。フェルナンド・アルドゥク……いや、アルバーグは。 お前を最も憎悪していた時間軸から、この世界に召還した……」 だから彼女は、真実を話し始める。彼に対してあてつけるかのように。 「な……!?」 「何を驚いている。まさか同姓同名の別人などと、おめでたい考えでも持っていたか。 我々はあの男を、お前に殺される前の時間から召還していたのだ」 ラミアの中に、どす黒い感情が芽生え始めていた。 それは人間こそが持ちえる闇の一つであることは、彼女はまだ知らない。 「お前を殺すためなら、どんな手段や犠牲も厭わぬ頃を選んで、あの男を呼んだ…… ここまで話せば、お前にもその意味がわからんわけではあるまい……!」 醜く表情を歪ませ、言霊を刃にしフォルカに向けて斬りつける。 「そもそも……お前は、この戦いで何をしていた? フェルナンドどころか、一体どれだけの参加者と遭遇した?どれだけの悪意を見てきた?」 斬りつける。何度も何度も、斬りつける。 「もし、お前とあの修羅が遭遇し、殺し合う状況に追いやられていたら……! いや……お前が、少しでも現実が見えていたら……!」 何度も、何度も。 自分が知っている限りの惨劇と、可能な限りの悪意を、毒としてその刃に塗りこんで。 「人が疑い、狂い、壊れていく姿を!殺しあう光景を、少しでもその目にしていたら!! 本当の恐怖や絶望を、お前が少しでも感じていたら……!!」 斬って斬って、斬りまくる。 「それでもお前は、そうやって正常を保てるのか……!!」 まるで、自分の中の闇に呑まれるかのように。 「そんな軽口が叩けるか!!お前はッ!!」 「……ッ!!」 言葉がなかった。返すことができなかった。 フォルカは知らない。バトル・ロワイアルの、本当の恐ろしさを。 マイやアクセルといった混乱する人間を抑えて。 デビルガンダムやユーゼス、ゼストといった、明確に敵である相手と戦って。 ……それだけだった。幸いにも、彼は遭遇することはなかったのだ。 誤解。憎悪。狂気。疑心暗鬼。死への恐怖。それらから生み出される――破滅。 殺し合いにおいて曝け出される真の恐怖を、彼は目の当たりにすることがなかった。 一頻捲し立て終わると、気まずい沈黙が場を支配した。 あまりにも重苦しい空気が、その場にいる者達に圧し掛かる。 「……すまない」 暫しの沈黙の後、ラミアはばつが悪そうに謝罪した。 「話が逸れたな。シロッコ、私の処遇はお前に任せる。この場で殺してくれても構わん」 「……先程も言ったが、私はそういう手段に出るつもりはない。君にはまだ、聞きたいことがある」 「……そうか。そうだな」 シロッコの言葉に何かを納得したかのように呟くと、ラミアは二人に背を向けた。 「しばらく席を外させてくれ。私がいてはし辛い話もあるだろう。 ラーゼフォンには戻らん。ユーゼス様への報告も……行うほどのものはない。 我々がヘルモーズから生還したことくらいは、ユーゼス様も把握しているからな」 普段の淡々とした口調に戻る。ただし口数は不自然に多い。 今となっては、それが虚勢であることは誰の目にも明白だった。 「怪しい動きを見せれば、遠慮なく攻撃してくれても構わない」 そう言って、ミオが乗ったままのブラックサレナを見上げて…… ラミアは二人から離れていった。 「ラミア……!」 追いかけようとするフォルカを、シロッコは手で制した。 「……今の彼女にこれ以上踏み込むのは、あまりにも無粋だ」 河の方向へと消えていくラミアを見届けて、シロッコは遠い目をしながら言った。 フォルカは膝を折り、拳を地面に突き立てる。己の無力さを呪うかのように。 「俺は……何もわかっていなかった。この3日間、何が起きていたか…… それを理解することすらできずに……俺はどの面を下げて!!」 「……運が良かったのだよ、君は。それは責められることではない」 「しかし……!!」 「そういうものだ。全てを理解できるほど、人は万能にはなれんよ」 そう言って、シロッコはフォルカの肩を叩く。彼なりのフォローだったのだろうか。 「ここで項垂れていても仕方がない。我々には一刻の猶予もないのでな。 まずは、互いの情報の交換を行いたいと思う。……構わんか」 それでもあえて事務的な口調を心がけ、シロッコはフォルカに持ちかけた。 下手に相手の感情に踏み込むのは、彼にとっても辛いことだろうと判断して。 「……わかった」 フォルカに返事に一つ頷くと、シロッコはメモとペンを取り出し、話し始めた。 * * * * * * * * * * * ラミアは歩いていた。フォルカ達から、少しでも離れるために。 今はあの二人とは顔を合わせたくはなかった。 彼らと話していると、現実に向かい合わなければならなくなる。 次第に足早になり、いつしか彼女は走り出していた。 何故、フォルカにあれほどまでに辛く当たってしまったのか―― あの時、彼に浴びせた罵声。その際に自分の中に生まれた、どす黒い何か。 あれは何だったのか。何故あんなものが自分の中に生まれたのか。 ――やはり、おかしい。自分が、わからない―― どれだけ走っただろうか。もっとも、時間にすれば数分に過ぎないが。 いつしかラミアは、河のほとりまで辿り着いていた。 陽の光が水に反射し、きらきらと輝いている。 その光を、ラミアは眩しいと感じた。 ――結論から言ってしまえば、彼女にとってフォルカは眩しすぎたのだ。 羨ましかった。 自分の意志をあれほどまでに純粋に貫くことができる、彼を。 その意志の力で、修羅の世界に新たな未来を示した彼を。 それと同時に、彼女は自分とフォルカを比較して、激しい劣等感を抱いた。 何故なら、彼女は意志を貫くことも――そもそも自分の意思というものが何であるか、 どれを指すかすらもわからない、ただの人形でしかないのだから。 それらは彼女の無意識が抱いた感情であり、故にラミアは自覚することができなかった。 その理解不能な思考により、ラミアの思考回路に狂いが生じていく。 彼女は人形であることを拒んだ。自我を選択した。……そのつもりだった。 だがゼストを倒した時――即ちユーゼスの目論見を阻んだ時、彼女の中に後悔が込み上げてきた。 主を裏切ったという背徳感が、彼女を締め上げた。 ユーゼスへの忠誠心。あるいは、依存心も含まれるのかもしれない。 それらが自分の中に強く根付いていることを、ラミアは自覚する。 同時に彼女は、自分の思考と行動に存在する決定的な矛盾に気付いてしまった。 (……どこまで行っても、私は壊れた人形) 目覚めた自我と、刻み込まれた忠誠心。相反する二つの間を不安定に揺れ動く。 その癖、フォルカのように自分の意志を貫く術すら知らない、中途半端な存在。 それが、今のラミア・ラヴレスという存在。 (どれだけ自分が人形であることを拒んだとしても……人形である現実は、変えることは出来ない) エルマやマイのように、自分の知らない何かが組み込まれている可能性。 それをシロッコから指摘された時、自分の中の熱い何かが、急速に冷めていくのを感じた。 自我を選んだところで、決定された現実は変えられない。 今のこの自分の思考すらも、組み込まれたプログラムの一つでしかないかもしれない。 そこに辿り着いた時――ラミアは自分の内に巣食う悪魔を抑えられなくなった。 ヘルモーズでフォルカと戦う前、彼女を蹂躙した無意識の破壊衝動。 それが再び顔を出し、今度はヘルモーズの時とは全く逆の切り口から、彼女を壊し始めた。 決して変えることの出来ない現実と共に、彼女を負の極地に向けて追い込んでいく。 皮肉なことに、これらは全て、自我が生まれたからこそ発生したものだった。 そして考えれば考えるほど、深みへと嵌っていく。 私は――何をしているのだ? 主を裏切って、敵の下でおめおめと生き延びて。 何故、私は生きている? 私はユーゼス様から、死を命じられたというのに―― * * * * * * * * * * * (光の巨人、ゾフィー……か) フォルカと情報交換を行ったシロッコは、彼の体験に興味を示す。 意外なことに、その内容に対する驚きは少ない。 「……随分とあっさり受け入れるのだな」 「ミオの情報もある。それに、ここまで来れば多少のことでは驚かんよ」 立て続けに押し寄せる超常現象の波に慣れ始めていることを、シロッコは自虐的に笑った。 一方で、頭ではそれらの情報を冷静に整理・分析する。 驚くべき適応力である。いや、そうせざるを得ないと言うところか。 (彼のゾフィーからの情報は、ミオのもたらした情報と符合する点がいくつもある。 こうまでこちらの情報と一致すれば、嫌でも受け入れざるを得まい。全く……) 持ち寄ったパズルのピースが集まり、一つの絵を形成していく。 出来上がろうとする絵は、想像以上にオカルティックで、現実離れしたものだった。 ただ、この非常識な真実を緩和させたのが、ユーゼス本人の驚くほどの人間臭さである。 人間に絶望しながら、未だ自分が人間であることを捨てきれぬまま、神への道を模索する男。 その姿は、シロッコから見れば滑稽でしかない。 (ユーゼス・ゴッツォ……奴も所詮は俗物だったか。これでは、神の器には程遠い。 だが、ゼストの力は興味深い。然るべき人物がその力を使えば、あるいは……) 口元がつり上がる。ほんの僅かにではあるが。 それをフォルカに悟られないよう口元を手で隠し、シロッコは話をまとめにかかった。 「では、ここまでの情報を総合するにあたって……む?」 そこで、シロッコは一旦言葉を切る。 思い詰めたような表情で俯くフォルカを、目に留めて。 ――今の俺に、ラミアの生き方に如何こう言える資格はあるのか? そして……ユーゼスの行為に口出しできるような資格は……? 人の持つ闇を見てこなかった俺が、人間に失望したあの男を説くことなど―― (……心ここにあらず、か。よくない傾向だな) 恐らく、ラミアの言葉が後を引いているのだろう。 フォルカの精神の乱れは、シロッコに取っても他人事ではない。 彼の戦闘力は高い。乗機であるソウルゲインとの相性も良く、ユーゼスとの決戦において の主戦力になりえると、シロッコは考えていた。 そんな強力な『駒』である彼に、今迷いを抱かせるのは避けたい。 彼をユーゼスにぶつけ、心置きなく戦って貰うためにも、そうした感情は禁物だ。 ユーゼスは人の負の感情を力とするのだから。 「フォルカ……この世界に呼ばれる前の君がどういった人間だったか、私には知る由もない。 しかし、たかだかこの二日三日で否定されてしまうほど、君の半生は薄いものか……?」 シロッコはここで初めて、彼の内面に一歩だけ踏み込んだ。その声にフォルカが面を上げる。 「要はどれだけ心を平静に保てるか、だ。どんな境遇に置かれようともな」 立ち上がると、シロッコはフォルカに一つの質問をする。 「フォルカ……君がヘルモーズで、彼女に求めたことと同じことを尋ねる」 「……?」 「君の『意思』は、何処にある?」 まるで相手を試すかのような目で、シロッコはフォルカを見下ろす。 「君が現実を見えているかどうかは、ここでは別に置いておく。 そうだな……ラミア・ラヴレスに対して、今、君はどう考えているか。 そしてどうしたいと考えているか、答えてもらいたい」 フォルカにとって、これは試練だ。この狂ったゲームを終わらせるための、試練のひとつ。 これまでゲームの中で起きてきた出来事を考えれば、きっと取るに足らない壁だろう。 しかしこの壁を越えられなければ、全てを終わらせることなど出来はしない。 フォルカもまた、自分自身を見つめ直す時が来た。 シロッコの問いに対する彼の答え、それは―― 「俺は……彼女の生き様を、見届けたい」 例え打ちひしがれていようと、彼の根本に揺らぎはなかった。 「彼女がしてきた罪は、決して許されるものではないことはわかっている。 だが、ラミアは今、自分の足で歩き出そうとしている…… 本当の自分の生き方ができるかもしれないんだ」 ラミアが聞けば、甘い戯言だと罵られるだろう。 結局は、何も知らない人間の勝手な押し付けに過ぎないのかもしれない。 それを承知してなお、フォルカは希望から手を離そうとはしなかった。 「人間になったピノキオが、幸せになれるという保証ないぞ? 現に今の彼女の自我は、現実に押し潰されようとしている」 シロッコはその芯の強さを試すように、客観的に現実を述べる。 「だが……それでも俺は、彼女を人形のまま終わらせたくはない…… でなければ……あまりに悲しすぎる」 「……成程」 フォルカの揺らがぬ信念に、シロッコは彼の甘さと、そして強さを感じ取った。 それは、過去何らかの壁を乗り越えた人間のものか。 ラミアが言ったような真の恐怖を味わったとしても、その意志は折れることはないように思えた。 しかし、だからこそ……彼では、ラミアの説得は難しいとも感じた。 フォルカはあまりに生真面目すぎる。ラミアと正面から向き合ってしまう。 ……今のラミアに、それは酷と言うものだ。 シロッコもまた、ラミアの抱く感情の正体を漠然と察していた。 「ラミアは今、一つの壁に突き当たっている。だが、我々がそれに対してできることはない。 その壁を超えることができるのは、彼女自身しかいないのだからな」 「ああ……それはわかっている。だから俺は、それを見守りたい……」 (超えられればいいが、な。 今の彼女では、その前に……自分を破壊しつくしてしまうかもしれん) そんなことを考えながら、シロッコはラミアの向かった河の方角に目を向けた。 * * * * * * * * * * * 『死ぬことを許す。もう会うこともないだろう』 ――そう。私が選ぶべき道は――死。 葛藤の果てに、ラミアはその選択肢に辿り着いた。 ここにいては、自分は主を裏切り続けることになる。 シロッコは自分の持つ情報を求めている。フォルカとて、突き詰めれば同じことだ。 彼らにとって、自分の存在価値などその程度でしかない。 それ以上を、求めてくるはずがない。そんなことはあってはならない。 何故なら私は、ユーゼス様の忠実な僕なのだから。主と敵対する彼らとは、決して相容れない。 もし、私が彼らを受け入れれば。そのまま、主の情報を彼らに流せば…… それは主への裏切りに他ならない。 そうなれば――自分は、これ以上自分を許せなくなる。 そんな事態を引き起こす前に――自ら命を絶つ。 ユーゼス様は、死を許可した。今さら躊躇うことはない―― 彼女が乗り越えるべき壁は、あまりにも大きかった。 せっかく産声を上げた自我が、再度崩壊してしまうほどに。 だが、今の彼女の行動は、単なる『逃げ』でしかない。 ラミア本人の体内にも、ユーゼスの手で自爆装置は取り付けられている。 それを発動させれば、全ては終わる。 本来ならば、自爆の際にフォルカ達をも巻き込ませるのがベストな選択だ。 しかしラミアはその方法を選ばず、一人で死ぬことを選ぶ。 彼らと、特にフォルカとは顔を合わせたくない。 合わせれば……きっとまた、迷う。さらにおかしくなる。そして、判断を鈍らせる。 そうなる前に……ここで独りで、全てを終わらせよう。 彼女の全てを終わらせるコード。 今、それを発動させる。 ――ユーゼス様、どうかご武運を―― ASH TO ASH――― 「おいっす!」 場違いにも程がある少女の声が、その発動を遮った。 「!?」 その声に振り返ると、そこには青髪のツインテールの少女が立っていた。 ラミアは驚きを表情に出す。どうやら少女の存在にも気付かぬほど、ラミアの精神は疲弊していたらしい。 「お前は……」 「あーほら、照れないの!映っているのは背中だけよ!」 「……は?」 ラミアの口から出た声が、酷く間抜けに響いた。 それぞれの『意思』(2)へ
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名称についてはアストリアの住民による識別ネームでしかないことは留意。 また、七次元人模倣体については今回省略としている(数がたいへんなことになるので)。 宇宙名 惑星名 該当人物 補足 ビッグバン(Big-Bang) アース(Earth) 蓮 結城寧のいた世界と同一 ラグナスール(Ragnasul) アストリア(Eastria) バルドゥール、ヘズ、ヘルモーズ、クジュラ、オランピア *RAYD= {Cielenica};の舞台。また「世界樹の迷宮」の舞台としても設定 エクサピーコ(EXA_PICO) アスガード(Asgard) アリエス、ガーロット Unison Lyrics by Playersの舞台。宇宙についてはパロディ元の世界観と同一 クォーツィア(Quartzwia) ブルードット(Blue_Dot) セオドア FF4の「青き星」のこと。厳密にはセオドアの"マスター"の出身 サクラメント(Sakrament) アース(Earth) 啓人、ハルピュイア 戦詩絶唱リリデジフォギア、及び人キ雷贋戦譜Absolute_Z/Xenonの舞台。二人の出身は6軸違いとなっており同一ではない ヴィブシレア(Vibcirea) テレスフィロウ(Telesphilow) シェゾ 「魔導物語」の舞台として設定。フィーバー以降とは別 ボトムクランチ(Bottom CRUNCH) マゴリア(Magoria) キャラ 「UNDERTALE」の舞台として設定。宇宙・惑星ともに命名はキャラ本人 ライウルイ(Raiului) アース(Earth) ジーク 「Fate/Apocrypha」の舞台として設定 クヴェルドリーヴァ(Kveldrifa) シュチャルナ(Stjarna) イムカ 「戦場のヴァルキュリア」の舞台として設定
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ヘルモルトサンセイ(ヘルモルト3世) ドイツのザクセン公の系譜に登場する人物。 シュヴェリーン伯。 関連: マルガレーテ(20) (妻)
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http //www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium illust_id=21046855 テイマー 宮村彩 パートナー リヘルモン +進化先 リヘラモン(通常進化) アヴィドモン(アーマー進化) デジメモリー +... シルトモン アスタロモン イベント参加回数: 現状3回 参加報酬 追加報酬 E005 1 - E010 1 2 E011 2 0 使用IP 0 合計IP 6 宮村彩/みやむらひかり 性別:女 年齢:14歳(中学3年) パートナー:リヘルモン +宮村光 設定 デジモンインフィニティーL&Dに出てくる鈴木六華の友達。 極度の方向音痴のため、まともに目的地に着いた覚えがない。(地図・コンパス在り) また、極端な知識欲の塊でもあるため、無謀な事でも知識を得るためなら、 挑戦することが多々あり、良く六華に止められている。 無限旅行にて、まともに戦ったのが片手で足りるほどしかなく、戦闘面では大分未熟。 基本的に島をグルグルと回ってるだけの、散歩しかほぼしてない。 知り合い以外には、ドライな性格のため『命のやり取り』をしても無関心。 唯、知り合いや友達となると異常なまでに過保護になりやすい。 リヘルモン 成長期・パペット型・データ種 必殺技:プチボルト 得意技:プチらいおたっくる +リヘルモン 設定 遠目からはよく分かりにくいが、ちゃんとしたぬいぐるみ生地のぬいぐるみデジモン。 羽もちゃんと縫われてくっついてる為、外れたりしない。 基本的には、おしゃべりなのだが、彩のパートナーであるリヘルモンは割りと喋らない。(と言っても、愚痴は結構こぼしている) 余りの小ささに、頭に載ること、肩にくっついてる事などが多く、マスコット的に居る。 大分気が弱く、争いを好まない為か、戦った事が殆どないと言う状態。 必殺技・得意技 技は両方とも、体内で作り出した静電気を使う技の為、充電の為に彩にくっついている事が多い。 プチボルト:口(?)の辺りから雷の玉を吐き出しての攻撃。 プチらいおたっくる:体中に静電気を帯びる状態の攻撃だが、自分もダメージを食らう為、滅多に使わない。 +通常進化 リヘラモン 成熟期・パペット型・データ種 必殺技:つよいばんかー 得意技:てーるあたっく リヘルモンが進化した姿。元々が子供のおもちゃに対するデータの為なのか、少々子供っぽさが前面に出てる。 進化したことにより、少しだけ好戦的に成ってはいるが、それに比例して馬鹿な子度合いが強くなってる。 右腕に装着されたリヘラパイルバンカーを主武器として戦う。 見た目はヌイグルミそのままだが、巨体に似合わずかなりの速度を有する。 技を使った後は、反動で自ら後方に吹っ飛ぶ事が良く確認される。(ヌイグルミだし、軽すぎるし) 大きさは、グレイモンといい勝負だが、中身が余りないのか軽い。 割と自ら死亡フラグを立てやすく、墓穴も掘りやすいし、隠し事も苦手になってる。 必殺技・得意技 必殺技:つよいばんかー:リヘラバンカーによる杭打ち攻撃。反動で自ら後方に吹っ飛ぶ程度。 得意技:てーるあたっく:ヌイグルミ生地の尻尾による攻撃。同じ成長度合いだと、脅威にもならないダメージ。 +アーマー進化 アヴィドモン 成熟期(アーマー体)・地竜型・ウィルス種 必殺技:ライオバスター 得意技:ライオボルト 強欲のデジメンタルで、リヘルモンが進化した姿。知能は上がり、群れで行動するデジモンである。 ただ、見た目がどう見てもサンドワームなどに近い為か、友好的な性格で草食系である事を知る者は少ない。 砂漠は我が物顔で砂にもぐりながら進んでいけるが、其の他の地域では土が固いからなのか動く事すら間々ならない。 一応、短時間なら水の中でも潜って行ける。潜った後2時間は甲羅干ししないとダメだが。 大きさは、ダークタワーと同程度。 砂漠の移動のときは、ほぼこの姿にされる。しかし、テイマーが方向音痴のため、速度が上がった迷子になる。 一応だが、技の強さも上がり通常のアーマー体とはいい勝負を繰り広げられるが、広域の技の為 周りの被害が酷い欠点があったりもする。 必殺技・得意技 必殺技:ライオバスター :一直線上に口から放つ雷のレーザー砲。拡散しやすい為水場は厳禁。 得意技:ライオボルト :周囲に雷を降らす事での攻撃。森の近くでやれば、火災の原因になる。 デジメモリーのデジモン +シルトモン シルトモン 成熟期・地竜型・ウィルス種・DR,UK所属 必殺技:焔竜水詠刃 得意技:水竜焔詠断 レゥモンが進化したデジモン。 ウィルスに侵食され禍々しいオーラを放っているが非常に温厚で繊細なデジモン。 ただし君主を守るためならば暴れ狂う竜の如く、すさまじい力を発揮する。 火山地帯のエリアにいるといわれ、初めて見つかったのは火山観測所のパソコン内部からとされている。 硬い外皮に覆われ多少の攻撃や炎ではびくともしない。 高温の炎を操ることができ、炎のフィールドならば無類の強さを発揮する。 更に炎だけでなく水の力も扱うことができる。 必殺技・得意技 右腕に水、左手に炎を力を宿らせ相手を無数に切り裂く「焔竜水詠刃」 自分の正面に水と炎の二つの力で盾を作り出し相手の攻撃を遮断する「水竜焔詠断」 +アスタロモン アスタロモン 成熟期(アーマー体)・堕天使型・ウィルス種 必殺技:サーガラブラスト 得意技:サーガラキャノン レゥモンが『怠惰のデジメンタル』によって進化するデジモン。 自分より強いものや、弱いものに対しては全く戦う気も起きず、だらけている。 食事の前などは気がたっており、近寄らなければ何もしない。 安眠妨害は問答無用で喧嘩を売る。例え格上の相手だとしても。 睡眠時間は毎日18時間以上。まさしく怠惰の名を欲しいままに寝ている。 基本的に夜行性。稀に昼間にも行動するのが見かける。 必殺技・得意技 サーガラキャノン:右腕に装着されたキャノンから打ち出す連射可能の弾。 サーガラブラスト:サーガラキャノンを収束させ、直線状に放つ技。 ▼デジクロス □リヘラモンxシルトモンxアスタロモン = リヘラモンGB(ガードブラスター) 成熟期(クロス体)・パペット型・データ種 必殺技:リヘラバンカー 得意技:サーガラキャノン +リヘルモンGB 設定 リヘルモンの背中から、シルトモンの腕が生え防御が格段に上がり、 アスタロモンのサーガラキャノンが左腕に付いた事で、攻撃力も格段に上がっている姿。 ただ、エネルギーの消費が激しいため、注意が必要。 必殺技・得意技 リヘラバンカー:杭打ち攻撃。反動で自ら後方に吹っ飛ぶ事がなくなっている。 サーガラキャノン:左腕に装着されたキャノンから打ち出す連射可能の弾。 登録テイマー名簿に戻る
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Jean Mermoz (1901/12/9 - 1936/12/7) フランスのパイロット。1926年のサハラ砂漠での不時着と生還は同僚のサンテグジュペリの小説の題材になった 最初の切手/出身国最初の切手(1937年、フランス発行)
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作戦 「あ、あんたは一体…。それは何の真似だ?」 ダイアナンAから降りてきたのは立体映像だった。 フォッカーはダイアナンの操縦席にまだ人がいるのかと上を見上げるが、誰もいないようだ。 代わりに目の前の立体映像(博士のような中年オヤジだ)が口を開いた。 「まず、こんな形で挨拶する非礼を詫びよう。私は司馬遷次郎。見てのとおり人間ではない」 「に、人間じゃないって…俺には人間以外の生き物にも見えないが…」 「そう、私は機械なのだ。正確には、司馬遷次郎の人格を移植されたコンピューターだ。 本来ならば日本のビルドベースの中で、マシンファーザーとして機能していたのだが、いつの間にかあの戦艦の中にいた。 それもなぜか小型のマシンに移植されてな。あのユーゼスという男がやったのだろうが…」 目の前の立体映像のオヤジが、「司馬遷次郎」という人間の姿なのだろうとフォッカーは思った。 立体映像は、器用なことに腕を組んで考え込んでいる。 フォッカーが切り札の事を尋ねようと口を開きかけたと同時に、司馬遷次郎が話しかけてきた。 「それで、さっきの切り札の件だが…どうかな、協力してくれるつもりはあるかね」 「今、同じことを言おうと思っていたところなんだが…いえ、敬語を使うべきですかね。変かもしれませんが、年齢的に。 それで、切り札のことですが…話を聞かないことにはどうとも言えませんな」 「しかし君が敵に回ると……いや、その心配は杞憂か。こうして機体から降りて話をしてくれる人物だ、信用しよう」 そう言い終ると、立体映像が消えた。 フォッカーが戸惑っていると、ダイアナンの操縦席から何かが浮かび上がった。 「それ」はホバリングしながら徐々に高度を下げ、フォッカーの前に着地する。 そして、正面(と思われる)モニターに先ほどの立体映像の顔だけが映った。 「これが私の本体だ。さっきも言ったようにユーゼスの手によってかなり小型化されているがね。 それで、さっそく話を始めよう。いいかね?」 「…あ、あぁ」 司馬遷次郎の話を要約すると、以下の通りである。 この本体には、中に入れた物体を分析する機能が備わっている。 そこで、首輪をどうにかして手に入れて分析し、解除方法を調べる。 解除できれば、爆破される心配なくヘルモーズを攻撃できるというわけだ。 だが、そのためには『誰か』の首輪を手に入れなければならない…つまり『誰か』を殺さなければならない。 どうしても殺さなければならないなら、ゲームに乗っている殺人狂を殺すしかない。 それを殺す手伝いをしてもらいたいというわけである。 司馬遷次郎自身の首輪は他とは隔絶された部分に組み込まれているため、分析することができないらしい。 ちなみに、この話は全てモニター上に文章で映し出された。話がユーゼスに筒抜けである可能性を考慮してのことだ。 「そうですか…やはり誰かを殺すしかないですね」 (ロボットに乗って戦えば、パイロットごと機体が吹き飛ぶことも多いだろう。死体からの回収は難しいからな) 司馬遷次郎も文章で答える。 「ま、向こうが明確な殺意を持って襲ってくれば、その時は戦うことに迷いはありませんがね」 フォッカーはそう言うと立ち上がり、ヘルモーズを見上げる。 「それに…柿崎の仇を打たにゃならんしな」 (では、決まったな。首輪を手に入れると同時に、ユーゼス打倒のための仲間を集める) 二人はそれぞれ機体に乗り込むと、まずは北へと向かった。 【ロイ・フォッカー 搭乗機体:アルテリオン(第二次スーパーロボット大戦α) パイロット状態:良好 機体状況:良好 現在位置:A-5川辺 第一行動方針:首輪を手に入れる(マーダーを逆に殺すか、死体から回収) 第二行動方針:ユーゼス打倒のため仲間を集める 最終行動方針:柿崎の敵を討つ、ゲームを終わらせる】 【司馬遷次郎(マシンファーザー) 搭乗機体:ダイアナンA(マジンガーZ) パイロット状態:良好 ※小型化マシンファーザーで、立体映像投影機と、内部に入れた物体を解析する機能がある。一応自力で動ける。 機体状態:良好 現在位置:A-5川辺 第一行動方針:信用できる仲間を集める 第二行動方針:首輪を手に入れて解析する 最終行動方針:ゲームを終わらせる】 ※…二人は、首輪の盗聴機能を常に警戒しています。 ※2…首輪の解析が成功するかは不明です。小型のボディはユーゼスが用意したものなので。 前回 第57話「作戦」 次回 第56話「鬼に追われて・・・」 投下順 第58話「その手に掲げるは悪魔」 第55話「ジョシュアの予想」 時系列順 第62話「卑劣な超闘士」 前回 登場人物追跡 次回 第43話「川の辺で」 ロイ・フォッカー 第82話「近くて遠くて」 第43話「川の辺で」 司馬遷次郎 第82話「近くて遠くて」
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ナチュラルハイな状態で偶然生まれた造語。 「エロい」+「面白い」=「エルモー」 意味:エロくて面白い
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限りある永遠の中で(3) 「が……はァッ!」 ユーゼスが、目覚めた。 今まで自分を満たしていた水分を、喉からかき出す。 「フォルカ・アルバーグ………まさかここまでやってくれるとは………」 自分の手を見る。そこにあるのは、老人の腕、ではない。 若々しい張りのある肌。それは……若者のそれだった。 運が、よかった。 いくら、記憶を封入したナノマシンがあるとはいえ…… 自らの『魂』が還ってこないのでは、この肉体もイングラムや、クォヴレーのような存在になってしまう。 元々、『あの世界』と同じようにゼストには、事前に調整、強化した完全な肉体で融合する予定だった。 これは、あくまでそのための器のつもりだったが…… 「緊急用に、記憶の随時ダウンロードを行っていたのが、功を奏したな」 ふらふらと立ちあがり、そばに置いてあった仮面と衣服をつけようとする。 鏡は、ない。なぜなら……自分の姿を見てしまうからだ。 ユーゼスの顔は、イングラムと全く同じだった。 当然だ。イングラムは、元をたどれば……彼のクローンなのだから。 しかし、そのクローンは一つの人格をもつことで暴走し、イングラムという自分の怨敵となった。 この顔は、自分の顔であると同時に……呪われた顔でもあるのだ 手慣れた――当然だ、中身は同じなのだから――手つきでキーを叩き、現状を表示させる。 『魂』は、十分な数値をたたき出していた。8割……いや9割再回収している。 しかし深刻な異常もあった。それはCPSの破損。 空間転移などは可能だが、肝心の因果律操作に関してのプログラムが破損、消失している。 それ以前に調整したヴァルシオンは影響を受けないとはいえ、あまりよいとはいえない。 修繕は可能だが、1週間はかかるだろう。 とはいえ、ゼストを完成させるためのパーツはそろった。 それは、後々修理し組み込みなおせばいい。大局には、ほぼ影響はない。 「結果的に、成功……とはいえるか」 フォルカ・アルバーグの妨害もあったとはいえ、かなり良好だ。 ……これで、ほぼゼストの降臨は確定。 そのためなら、早期にジュデッカとズフィルードを失ったことは、些細な問題だ。 最悪、CPSで強化したヴァルシオンは用意してある。CPSで強化してないとはいえ、幾ばくかのマシンはある。 会場は、さらに良い状態だ。 強念者と修羅、皇帝が落ちた。 ディス・アストラナガンは、クォヴレー以外ならいまさらあわてて乗ったところで力を引き出せるわけもなく。 脅威となりえるのは、姿を消したグランゾンと、ブライガー程度。 そう、良好のはずだ。だが、ユーゼスの頭には、こびりついて離れない。 あの時の戦いで、ウルトラ6兄弟の攻撃で同じ現象、CPSの破損が起こった果てに………… その不安を、頭を振って打ち消す。 ユーゼスから出るのは、達成感からくる歓喜の声ではなく、くたびれた老人のような安堵のため息だった。 「ついに……ここまで積み立てた」 そう、ここまで積み立てたのだ。溶け落ちて混ざり合う時間の中、必死に積み立ててきた。 崩れるたび、何度となく築き上げてきた。だが、ゼストの降臨が成功したのは過去一回だけ。 あの時から、因果律に飲み込まれ、はや幾歳。一度も成らなかったゼストの降臨は目の前だ。 管理室から通路へとユーゼスは出た。 もう、ヘルモーズにいる必要もない。ヘルモーズは……この肉体を守るための卵だったのだから。 むしろ、今守るべきは、D-6にある地下施設―――アースクレイドル。 あそこには、ダイダルゲートの中枢がある。 あの外殻が、そうそう簡単に破壊されるとは思わないが、最悪の事態はあり得るのだ。 クォヴレーが、その側にいるのも、懸案事項となりえる。 ヴァルシオンで、ヘルモーズと、アースクレイドルの両方は守れない以上、至極当然の判断といえた。 さまざまな機能の本体は、異相空間に移してあるのだ。 ゼスト絡みも、すべてアースクレイドルでもできる。 通信で周囲のパルシェムたちに、最低限要件を告げると、ユーゼスは、ヴァルシオンに乗り、転移装置に入る。 終わりを、告げるために。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:ヴァルシオン(CPS強化) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:D-6 アースクレイドル内 第一行動方針:アースクレイドル内で、ゼストの調整 最終行動方針:ゼストの完成】 ――――フォルカ! (誰だ……俺を……呼ぶのは………) ―――――フォルカ! 耳を叩く、か細い……少女の声。 「マイ……か?」 言葉とともに、眼を開く。 何も、ない。 文字通りなにもない。 遮蔽物一つなく、空には太陽も星も存在しない。 ただ、白い平面がどこまでも広がっている。 「ここがユーゼスの言っていた……因果地平の果て……か?」 (違う……ここは、残骸の世界。かつてユーゼスが生みだし、ほどけ、打ち捨てられた世界) 跳ね返るものが何もない世界で、反響した声が響く。 「お前は……どこにいる? 名前はなんだ?」 (わたしに……今、体はない。 かつて、神となったユーゼスと戦い、失われた 名は……ゾフィー。かつて、ユーゼスと同じ力を手にし、帰る術を失ったウルトラの戦士) 「ユーゼスと同じ力……?」 ウルトラの戦士を名乗る男の声が、厳かな声で言った。 (そうだ。それは……因果を操作する力。 わたしは、ヤプールを倒し、ユーゼスの力を中和するべくその力を使った。 しかし、それにより私は他の兄弟と違い、因果の糸により元の世界にたどり着くことなく、 ここにいる。 わたしは、待っていた。 いつか、また動きだしたユーゼスを止めるため…… 誰かがここを訪れるのを) ゾフィーの声には、悲哀がこもっていた。 (すべては、私たちウルトラ一族が招いたこと……君に伝えよう、ユーゼスの始まりと、 目的を) ゆっくりとした口調で、ゾフィーは語った。 かつて、宇宙刑事と、人造人間と、光の戦士と、ガンダムがともにいる世界があったと。 そして……その世界で起こった悲劇を詳細に語っていった。 (ユーゼス、彼も決して真に邪悪な人間であったのではない……) 「……そうか」 フォルカは、何も言葉をはさまなかった。相槌を打つことすら忘れ、ゾフィーの話に耳を傾けた。 「つまり……やつは、完全な平和のための神となろうとした。そして、その為に永劫をさまよっているのか」 なんという皮肉だろう。 誰よりも、何よりも大きな規模で平和を守ろうとした男が、逆に手のつけられない邪悪となる。 大きな人々の命を救うために、とっている行動は正逆の人殺し。 フォルカは修羅王を思い出していた。 修羅王もまた、同じ思いで次元の壁を破ったのだ。……ありとあらゆる咎を受け入れる覚悟で。 (ユーゼスを……止めてほしい。 願わくば……彼に魂の救済を) 目の前に霞が集まり、銀と赤の巨人を作った。 身長は、40mか60mか………機体に乗っていないフォルカには途方もないほど大きなものに見えた。 (ここには、先ほど取り込まれず、残った魂がある。それと……私の力を君に預ける。 無論、因果律を操作する力以外を、だが) 靄が、フォルカの体に吸い込まれていく。見かけに、変化があるわけではない。 しかし……何か大きな力の塊が染み入るのを感じていた。それだけではない。 (君が光の巨人になれるわけではないが、君の移し身にそれに近い力を与えることはできる。 それと……君の体は君の体であって君の体ではない) 「おれの体ではない?」 フォルカが自分の手を見る。しかし、それは間違いなく自分のものだ。 どう見ても、他人のそれとは思えない。 (君は、極度に消耗しており、その状態でここに来た。故に、因果が解けてしまったのだ。 それを補強し持ち直させたのは、私ではなく、ともにあった『魂』だ) 全身を、触ってみる。―――その時、気付いた。自分には、首輪がないことに。 まさかさっきの声は……… そっと、何かが手を触る。 ――――フォルカ 「やはり……マイ……なのか?」 言葉には、力が宿るという。それが定かか知らないが……確かに舞いは、フォルカの前に姿を現した。 マイだけではない。リュウセイと呼ばれた青年や、手を合わせた赤髪の男もいる。 その後ろには、険しい顔つきの、ウェーブ状の髪の男もいた。 ――――フォルカ 声は、聞こえなかった。けれど……口は確かにそう動いた。 全員が、フォルカに手を重ねた。 ――――ワ・ズ・カ・ダ・ケ・ド 声は聞こえない。だが、フォルカには澄み切った声で彼らの声が聞こえる。 微細な声のトーンも感じ取れる。 ――――イ・ッ・シ・ョ・ニ 「一緒に……」 ――――タタカウ フォルカの頬を、涙が伝う。 彼らは、言った。修羅たる彼に戦えと。 修羅に……他者を救うために戦えと。守るために戦えと。 ――――そのために共に、ある それが、どれだけ温かい言葉か……フォルカは改めて知った。 他者の想いは『背負う』ものではない。『共にある』ものなのだ。 手を通して、彼らの力が流れ込んでくる。一緒に彼らの願いも。 「………聞かせてくれ。なぜ、俺を選んだ?」 (あまり良くないこととわかっていたが……因果がほどけたさい、君の過去を見せてもらった。 そして、彼女たちから、君がどのような男かも) フォルカは空を見上げた。何もない、空っぽの空。 そこに、青年の、若き修羅王の咆哮が響き渡った。 ゾフィーがその様子を見てうなずく。 (飛ばす場所は、ユーゼスの戦艦の内部。あせらず、戦う力を手に入れるのを心掛けてほしい。 君が望むものが、きっとあるはずだ) ゾフィーの力で作られた『門』が開く。 フォルカは、その中に飛び込んで行った。 (頼むぞ……若き勇者……私にできることは……きっとここまでだ…… あとは、その世界の者が切り開かねばならない……『運命』を……) 【フォルカ・アルバーク 搭乗機体:なし パイロット状況:完治 、全快、首輪なし 機体状況:なし 現在位置:ヘルモーズ内部 第一行動方針:ユーゼスと会う 最終行動方針:殺し合いを止める 備考1:フォルカは念動力を会得しました。 備考2:ゾフィーの力により機体の神化が可能となりました 備考3:ユーゼスの目的を知りました】 【8時30】 前回 第248話「限りある永遠の中で」 次回 第247話「草は枯れ、花は散る」 投下順 第249話「マサキとシュウ」 第246話「超重次元戦奏曲」 時系列順 第249話「マサキとシュウ」 前回 登場人物追跡 次回 第246話「超重次元戦奏曲」 木原マサキ 第249話「マサキとシュウ」 第246話「超重次元戦奏曲」 イキマ 第251話「闘鬼が呼んだか、蛇神が呼んだか」 第246話「超重次元戦奏曲」 ラミア・ラヴレス 第250話「糸の切れた人形」 第245話「されど白竜は蒼天に舞う」 マイ・コバヤシ - 第246話「超重次元戦奏曲」 ユーゼス・ゴッツォ 第252話「命あるもの、命なきもの」 第245話「されど白竜は蒼天に舞う」 フォルカ・アルバーグ 第252話「命あるもの、命なきもの」