約 1,271,985 件
https://w.atwiki.jp/gamcho/pages/115.html
カーラー見習いスキップ日記 カーリング協会日本カーリング協会 北海道カーリング協会 札幌カーリング協会 妹背牛カーリング協会 苫小牧カーリング協会 伊達カーリング協会 常呂カーリング倶楽部 釧路カーリング協会 名寄カーリング協会 海外WCF
https://w.atwiki.jp/gods/pages/62386.html
アルフォンソリゴリ(アルフォンソ・リゴリ) キリスト教の守護聖人。 教会博士の一。 カトリック教会の司教。 8/1の聖人。 別名: アルフォンソデリゴリ (アルフォンソ・デ・リゴリ) アルフォンソマリアデリゴリ (アルフォンソ・マリア・デ・リゴリ)
https://w.atwiki.jp/spas/pages/1086.html
塩江温泉をお気に入りに追加 くちこみリンク #blogsearch2 報道 高松で「塩江温泉鉄道 ガソリンカー展」 実寸大型模型の展示も(みんなの経済新聞ネットワーク) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 燕三条工場の祭典 今年の舞台は『廃工場』!“ものづくりの町”ならではの工夫も【新潟】 - goo.ne.jp 香りに誘われ - 読売新聞 逆さまにしたことでん路線図 関西の大手私鉄にそっくり 「個人的世紀の大発見」「神戸線なんか特にそっくり」|まいどなニュース - 神戸新聞社 塩江の観光鉄道「ガソリンカー」 よみがえれ往時の姿 - 朝日新聞デジタル 四国人:/144 一般社団法人トピカ代表理事 村山淳さん(31) 塩江をもっと「幸せ」に /四国 - 毎日新聞 少女らの夢の舞台、今は足湯に 消滅した「四国の宝塚」 - 朝日新聞デジタル 企画展「塩江温泉鉄道」:ガソリンカー、模型で復元 窓に町の風景表現 高松 /香川 - 毎日新聞 ガソリンカーの全容紹介 原寸大アートや資料 塩江美術館で企画展 | COOL KAGAWA - 四国新聞 塩江ホタルまつり 6月8日に開催 | COOL KAGAWA - 四国新聞 【菜湯紀】香川県高松市・塩江温泉郷の「ヴィラ塩江」と地産地消の和洋コース料理 - ZAKZAK ガソリンカー、3Dで復元 香川高専高松生 設計図元に模型 - 47NEWS 「栗林公園」で恋が叶う!? 空海ゆかりの塩江温泉や話題のパウンドケーキを楽しむ香川の春旅 - 地球の歩き方 高松・塩江温泉の樺川荘が破産開始決定、負債1.2億円 | 観光産業 最新情報 トラベルビジョン - トラベルビジョン 「ガソリンカー」軌跡たどる 戦前の塩江温泉鉄道を走行 高松で企画展 - 産経ニュース 企画展:思い出のガソリンカー 塩江温泉鉄道、路線図や切符100点 高松で /香川 - 毎日新聞 成分解析 塩江温泉はすべて勇気で出来ています。 ウィキペディア 塩江温泉 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 香川県/塩江温泉 このページについて このページは塩江温泉のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される塩江温泉に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/yournotepad/pages/53.html
ドッソリーノ・クスーネ(Dossorinno Kusuune、1977年 - )は、 アクションゲーム『メタソリのシリーズ』に登場する埼玉県出身の実在の人物 データ 身長 185cm 体重 74kg 血液型 B 年齢 38(さんぱち) 来歴 3歳の頃より、イタリア人の父親からサバイバルの知識を教わり 20歳の頃に実際の戦地(上柴中央公園 深谷市)にて 「サバイバル活動(サバ活)」と称し、野生のスズメや飼い犬などを捕獲。 一部野生の鳥などは食料としていたが、それ以外は勝手に「同士」と称し、 餌付けをすることで「チームドッソリ」を結成。日夜行動を共にした。 2011年、東日本大震災を機にチームドッソリを解散。 その「同士」は現在、本人が経営するペットショップで販売されており、 売上の全額を東北3県へ寄付している。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/37343.html
登録日:2017/07/29 Sat 15 20 55 更新日:2021/08/26 Thu 19 07 10 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 CNG LPG自動車 LPガス エコカー タクシー バイフューエル 圧縮天然ガス 自動車 LPG自動車とは液化石油ガス(LPG)を燃料にして走る自動車である。特にタクシーではよく見られる。 概要 日本において自動車の燃料といったらガソリンと軽油が挙げられる(*1)。だが知名度が低いだけで、意外と普及しているもうひとつの燃料がある。それがLPG…液化石油ガスである。 LPG車のエンジンとガソリンエンジンに基本構造の差はほとんどない。燃料タンクから燃料を吸い出し、気化させた燃料と吸気した空気を混ぜた混合気を作り、点火プラグが発生させた火花を爆発的に燃焼させることで動く。ただし燃料タンクはガソリン車やディーゼル車と異なり、ボンベである。中に入ってるのは液体だけど。最初からメーカーがLPG専用車として販売していたり、ガソリン車やディーゼル車から改造したりしてLPG車とする。 Co2や煤煙、PMなどの排出量が少なく、クリーンなエネルギーでもある(家庭のガスコンロで使われていることを考えれば当然だが)。 何故タクシーにはLPG車が多いの? 一言で言おう。安いからである。 タクシーというのは走ってナンボ。コンスタントにお客を拾えれば良いのだが、散々走ってお客0人なんてことも有り得る。このため燃料費というのは非常にバカにならない経費である。しかもガソリンや軽油はガソリン税やら軽油取引税やら税金が多く課せられており、1リッターあたりの値段は100円を割ることはまずありえない。一方LPGにかかる税金は消費税と石油ガス税ぐらいである。このため1リッターあたりの値段はLPGは100円を切るか、110円ぐらいととにかく安いのである。 タクシー以外にも、バスやトラック、ゴミ収集車などにも一部採用されており、LPG自動車は割と身近に走っている。中にはタクシーの中古車を購入して自家用車にしている人や自家用車をLPG対応にしている人もいる。 制度や取り扱い上の主な違い ガスボンベを積んでいる関係上、6年に一度ボンベを点検する必要がある。これは容器再検査と言って、自家用車であれば新車購入から車検を2回受けた後に受ける。費用はおよそ5万円から。またボンベの製造から20年(*2)を超えると再検査の間隔が短くなるためタンクの製造から19年目を迎えたらボンベを交換することになる。 また気密試験(*3)をすることも義務付けられている。 自動車用ボンベは専用の強化ボンベを使うことになっており、安全面についてはガソリン車と遜色ないレベルが確保されているとされる。 燃料がガスというと少し不安になるかもしれないが、最近取り上げられることが増えた水素燃料電池車も可燃性のガスを積んでいる(*4)し、LPG車のほうがより古くからあるので過敏になる必要はないだろう。 車検はガソリン車と同じ間隔で行われるが、ガス車に対応した整備工場に頼む必要がある。わからない場合は車を購入した販売店に聞けば教えてもらえる。 性能面で見ると、LPGはガソリンに比べて爆発力が若干低く、少しだがパワーが落ちる傾向にある(*5)。 そのためLPGのみを使うタイプだと、満タンからの航続距離はガソリン車より短いことが多い。ただし最近の新車に関してはガソリン車と遜色ないレベルになっているようではある。 自家用車でLPG車が欲しい! まず自宅の近くにLPガス補給スタンドが存在するか確認しよう。全国LPガス協会の「LPガススタンドマップ」というサイトで調べることができる他、LPガス協会が補給スタンドの地図冊子も販売している。 あるいは自宅周辺で営業しているタクシーの運転手さんに聞いてみるのもアリ。この時は個人タクシーではなく、法人タクシーの運転手さんに聞こう。 そして市販のガソリン車をディーラーや改造工場などへ持ち込み、LPガスで動くように改造をしてもらう。このような改造をレトロフィットと言う。改造内容は燃料供給装置を変更して点火時期の調整など。 この改造作業は特定の業者でなければできない。 ちなみにディーゼル車の場合、エンジンのサイクルをガソリン車と同じオットーサイクルへ変更し、タンクや燃料供給系統をLPG用とするだけでなく、点火プラグを追加するなどエンジン本体も改造する必要がある。 レトロフィット改造が終わったらそれでLPG車を使うことができる。燃料が少なくなったら近くのLPガススタンドで補給すれば普通のガソリン車のように使うことができる。補給の単位はリットルなので燃費計算はガソリン・ディーゼル車同様に出来る。 LPGスタンドは給油のみ行っており洗車などはしてくれないが、洗車やタイヤ交換など燃料系に関わらない整備は通常のガソリンスタンドに行けば頼めるので必要ならそちらへ。 ちなみにバイフューエルエンジンというのもある。これはガソリンとLPG両方の燃料を切り替えて動かすエンジンで、LPGスタンドが近くにない地域などではよく見られるものだが、LPGスタンドが近くにある地域でも航続距離を伸ばすとか、もしもの時のためにバイフューエルエンジンを選ぶ例がある。 燃料補給はガスボンベの容量に対して85%までと決められている。例えば容量が50リットルのボンベには42.5リットルまでの燃料しか入れられない。ガソリン車のように本当の意味で燃料タンクいっぱいまで入れることは出来ない。またLPGスタンドにセルフの店舗は無い。これはオートガスをボンベに入れる行為が「高圧ガスの製造」という行為に該当するためである。 中にはバイフューエルのハイブリッド車なんてのもあり、燃料を満タンにすると1000kmを越えて走れるものもあったりする。 天然ガス自動車 LPG車同様、燃料にガスを利用する自動車に天然ガス自動車がある。 こちらは圧縮天然ガスや液化天然ガスを利用して動く自動車で、主にトラックやバスに多い。エンジンの仕組みはLPGエンジンと同じ火花点火式。 電気式ハイブリッド自動車が普及する前は、排ガスに含まれる有害物質が少ない低公害自動車として路線バスや運送会社の市内輸送トラックを中心に多くの台数が導入されたが 値段が高い ボンベの製造から15年が経過したらボンベを交換しないといけない 車庫にガスの充填設備を設置するか、車庫とは別のガスステーションまで燃料を入れに行く必要がある そもそもガスの値段も高い など問題が多く、天然ガス仕様車が新車で用意されている車種は非常に少ない。 追記・修正はレトロフィット改造を受けてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] LPG自動車は事故ったらやばくない? -- 名無しさん (2017-07-29 16 03 13) ↑事故った時の危険性はどの燃料でもほぼ同じだと思う。むしろ爆発する危険で言えばガソリンのほうが上かも。 -- 名無しさん (2017-07-29 17 39 56) うーんちょっと薄くないか? 3分ってなってるけど文字数1000超えて無いし。 -- 名無しさん (2017-07-29 18 26 58) ↑加筆して1400字あまりにはなった。最低ラインは越えたかと思うが… -- 名無しさん (2017-07-29 20 55 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tara100/pages/21.html
https://w.atwiki.jp/wiki14_ridatu/pages/10.html
https://w.atwiki.jp/houseofhero/pages/983.html
アブソリュートセイバー ザイン=ストレンジャーが愛用していた伝説の剣の一つ。 複数の種族が共同で作っており、技術力の高さが伺える。 接着面の分子結合を破壊する事によって、 事実上、斬れないものは存在しないとされる。 (同じアブソリュートセイバーの刀身は例外) かなりの長刀であり、後にやや刀身を短くして 両刃になったアブソリュートソードという マイナーチェンジ版が存在する。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39649.html
登録日:2018/05/31 (木) 16 31 47 更新日:2024/08/27 Tue 17 52 27NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 エンジン ディーゼル ディーゼルエンジン 自動車 軽油 鉄道 ディーゼルエンジンとは燃料を燃やして動くエンジンの一つである。 名称は開発者のドイツ人技術者ルドルフ・ディーゼルに由来。 ディーゼルエンジンを含めて、内部で燃料を燃やして直接運動エネルギーを得る機関の事を「内燃機関」と呼ぶ。(*1) 内燃機関といえばガソリンエンジンを思い浮かべる人も多いだろう。 ではディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違いは何か。 使う燃料が違うといえばそう。ガソリンエンジンはガソリンを燃料にして動く。 一方ディーゼルエンジンは基本的に軽油を燃料にして動くが、古い仕組みがシンプルなタイプであればある一定の発火点を満たした液体であれば何でも使用できる。それこそ植物油とか料理に使った後の天ぷら油でも動く。 このことをかつての日本のディーゼルエンジン研究第一人者であった関敏郎は何でも食べる豚になぞらえ、「豚の胃袋」と評した。 ただしガソリンを入れると暫くの間は動くけど確実に壊れる。また、軽油以外を入れると…(後述) + そもそも「軽油」って何? 軽油なんて名前だが決して軽自動車用の燃料では無い。軽自動車の燃料も普通車と同じガソリンである。ややっこしくなるからヤンマー・ポニーのことはしばらく忘れろ (後述するエンジンの仕組みの違いを考えると、軽自動車とディーゼルエンジンの相性はむしろ最悪) 掘り出した原油はそのままでは使えないので、蒸留して成分を分離させる必要がある。 勇者エクスカイザーで徳田さんが油田から原油を貰って灯油代わりに使おうとして呆れられるシーンとかありましたね。 そのときに底に貯まる重い成分が重油で、蒸発して集まる軽い成分が軽油。 ちなみに軽油よりも軽いのがガソリン、灯油、ガスとなる。重油より重い成分は道路を舗装するアスファルトの原料になったりする。 つまり、重油よりは軽いから軽油。なお、ガソリンスタンドで扱われる油で一番重いのが実は軽油だったりする。 名前が紛らわしい上、軽自動車に間違えて入れる事故も多いので近年は「ディーゼル油」と表記するスタンドもあるそうな。 ハイオク、レギュラーときて軽油を安物のガソリンと誤解する気持ちはまあわからんでもない。 ちなみにハイオクはというと、一応普通のガソリンではあるがレギュラーの高級版とかではなく特定の車種用のもの。詳しくはオクタン価で検索。 沸点(液体と気体の境目)は軽油は180℃~350℃。ガソリンは30℃~220℃ ガソリンの方が低い温度で気体にすることができる。そのためエンジンも作りやすいのだが、扱いが難しいのもガソリン。 ついでに融点(個体と液体の境目)はガソリンが-40℃、軽油は5℃~-30℃と規格が細かく別れており、寒い地方で融点が高い軽油を使うと凍ってしまう。 ガソリンスタンドで軽油(ディーゼル油)のほうが安い理由は、日本ではガソリンの税率が高いため。別に製造工程で軽油のほうが作りやすいわけではない。 別に日本ローカルというわけでもなく、先進国でガソリンの税率が軽油とあまり変わらず軽油よりガソリンのほうが安い国はアメリカくらいだったりする。 では軽油の利点は?というと……この項目の続きをどうぞ。 仕組みもガソリンエンジンとディーゼルエンジンで大きく違う。 大きな違いは点火プラグの有無だ。 ガソリンエンジンは圧縮した燃料を気化させた気体と吸い込んだ空気を点火プラグが起こした火花で爆発的に燃焼させることで動く。 一方ディーゼルエンジンは吸い込んだ空気を圧縮させ、そこに燃料を噴射し、自然発火させる事で動いている。 自然発火するほどの圧力をかける必要があるため、アイドリング時の騒音と振動はガソリンエンジンよりも凄まじい。近年はマシになっているが、それでもガソリンエンジンと遜色が無いとはいい難い。 発生させる動力の特性も大きく異なる。 ディーゼルエンジンは回転域が狭く、どちらかと言えば低回転寄り。ガソリンエンジンは回転域が広い。 ディーゼルエンジンは回転域が狭い分、低回転で高トルクを得られる。 基本的にディーゼルエンジンは大きな物を、低速で動かすことに長けている。 熱効率もガソリンエンジンに比べていい上、軽油の価格もガソリンに比べて安いためダンプやトラック、バスなどの大型商用車、鉄道車両、船舶、発電機などに広く使われている。 ただしディーゼルエンジンは燃焼の特性上、二酸化炭素の排出量はガソリンエンジンに比べて少ないがNOx(窒素酸化物)やPM(すす)といった有害物質を排出してしまう。 このため特に台数が多い自動車用ディーゼルエンジンについては厳しい排出ガス規制がかけられており、今も年単位で改訂が行われている。 20年近く前、某自治体のトップが記者会見ですすの入ったペットボトルを記者の前で振ったパフォーマンスを覚えている人もいるかもしれない。 この自治体トップは国の規制とは別にディーゼル車規制を条例で制定。ある一定の基準に満たないディーゼル車は指定されたエリアでは車検の通過・新規登録を不可(*2)とし、エリア内への乗り入れも不可とした。(ただし通過はOK) この規制と国の排ガス規制強化に合わせたメーカーの努力により、現在のディーゼル車の排気は昔に比べてかなり綺麗になっている。古いトラックだと排気管から目立つほどモクモクと排気ガスを吐いていたが、今となっては目を凝らしてよく見ないと排ガスが出ていることが分からなくなっている。 このように排気ガスに厳しい規制がかけられている関係上、ディーゼルエンジンには排ガスの浄化に以下の補機が使われる。 DPFディーゼル微粒子捕集フィルターといい、排気ガスに含まれるすすを大気中に排出する前にフィルターでキャッチする。定期的に再生といってフィルターに付着したすすを除去する必要がある。(*3) 尿素SCR触媒による還元作用を利用して窒素酸化物を大気中に排出しないよう防ぐもの。燃料タンクとは別に尿素水のタンクを設置し、排気ガスに尿素水を噴射。噴射した液体に含まれる尿素は排ガスの持つ熱でアンモニアに変わり、アンモニアは窒素酸化物と反応することで窒素と水に分解する。最近はほとんどのディーゼルエンジンを動力とする商用車に尿素SCRシステムが付いている。 EGR排気再循環のこと。排気をもう一度吸い込むことで吸気中の酸素濃度を下げ、すすの発生を抑える。 上記の補機と組み合わせる形で燃料を高圧で細かく噴射するコモンレール方式を採用している。 またディーゼルエンジンは専用のエンジンオイルを入れる必要がある。 これは通常のエンジンオイルだとエンジンシリンダー内に残った燃えカスがエンジンオイルと結合して沈積物が出来上がり、ピストンの動きを邪魔してしまうため。 ディーゼル車の場合はこの事態を避けるのと燃料に含まれる硫黄による酸化を防ぐため、専用の添加剤が入ったオイルを入れなければならない。 ここでケチると後で痛い目に遭いますよ。 尿素SCR搭載車の場合、尿素水を定期的に補給する必要がある。もし尿素水が切れてしまうとエンジンを再始動することができなくなる。補給は大型トラックに対応したガソリンスタンドやディーゼル車の販売を行っている自動車メーカーのディーラーで行おう。 間違っても小便を入れるなんて真似はしないように… ディーゼルエンジンは排気系統を閉じてしまうことで大きな負荷を生じさせ、強力な制動力に変換する排気ブレーキが装備されていることが多い。 フットブレーキとは別の補助ブレーキとして使われ、長い下り坂を下る時の抑速ブレーキとしての役割を持つ。 なお、ディーゼル車に灯油を入れても一応走ることは出来るらしいが、少なくとも日本では税率が違うので灯油で公道を走ると脱税になってしまう。警察は勿論のこと、ある意味警察より厳しいと噂の税務署の人にも取り締まりされるので絶対にやらないように。 また、A重油と呼ばれる重油を入れても動くがこれも税率が違うので脱税。やっぱり警察と税務署に怒られる。 でも燃料タンクに灯油を入れたって見た目が一緒だからバレないのでは?と思われがちだが、灯油を入れた状態で走るとマフラーから猛烈な白煙が排出される上、ストーブを消した後みたいな灯油臭さが漂う。 こんな車が公道を走っていたら否応でも目立つし、検問をやっていたら間違いなく止められて燃料を調べられる。 また、灯油には識別剤としてブラックライトを当てると黄色く発光する薬剤「クマリン」が入っており、灯油が入った状態でブラックライトを当てるとすぐにバレる。 で、苛性ソーダや濃硫酸といった化学薬品を使って何とかクマリンだけ取り除こうとする所謂「クマ抜き」を図る良からぬ輩はいるようで、これを行った灯油などで水増しされたのが悪名高い「不正軽油」。見つかったらどうなるかは言うまでもない。 ちなみに灯油からクマ抜きを行う場合は「白抜き」、同じく重油からクマ抜きをする場合は「黒抜き」とか呼ばれているらしい。 更にその過程で不正軽油製造の重大な証拠となる「硫酸ピッチ」を始めとした有害物質も産出し、大抵は野山に不法投棄される為に環境汚染も引き起こす。 そもそもそうした不正軽油は品質管理も衛生もクソもない所で粗雑に密造されている可能性が高いので、使えばエンジンを始めとした各機関の寿命をマッハで削る。いくら安いからと言ってストーブの中身を車に混ぜたらまともな結果にならない位は想像してもらいたいところである。 製造元のバックにはヤの付く自由業が関わっている事もあるので、資金源になるのを防ぐ為にも安い軽油があるからとか話を持ち掛けられても買ったりはしてはいけない。 寧ろ話を出されたらすぐに警察に相談しよう。 ちなみにディーゼルエンジンは回転数で下記のように大ざっぱに分けることが可能である。 特性 使用燃料 主な使用用途 高速ディーゼルエンジン 小型で高回転だが燃料効率が悪い 軽油もしくはA重油 自動車や鉄道車両、高速船艇 中速ディーゼルエンジン 高速と低速の中間、使い勝手がよく需要が大きい 軽油もしくはA重油 旅客船、軍艦、ディーゼル機関車、施設の非常用発電機等 低速ディーゼルエンジン 大馬力で燃料効率は非常に良いが巨大で場所をとる C重油 大型の貨物船、島嶼用の常用発電機等 追記・修正は間違えずに燃料を入れてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] じゃけんクマ抜きしましょうね〜 -- 名無しさん (2018-05-31 19 57 17) 某ゲームのせいで出力は高いけれど壊れやすく繊細というイメージが浮かんでしまう… -- 名無しさん (2018-05-31 19 58 48) というかきかんしゃトーマスで悪役にされてるのは何故だ? -- 名無しさん (2018-05-31 20 41 36) DMH17の構造から脱却できなかった国鉄のエンジン。そのせいで山岳路線用のはずだったキハ181は出力不足に・・・。結局貨物は電気式DLになっちゃったし、国産の大出力鉄道用エンジンは作れないのかな。 -- 名無しさん (2018-05-31 21 47 20) 現在アニメ4期が放送中の某ロボットラノベにはこれを動力源とする機体が割りと一般的に存在する。 -- 名無しさん (2018-06-01 10 04 27) ↑3 原作が描かれた頃のディーゼル機関車は最新式だけに信頼性が低く、トラブルが後を絶たなかったことが影響していると聞いたことがある。そう言えば「ごろごろ言いながら走っていった」というのもエンジン音由来だろうね。 -- 名無しさん (2018-06-01 13 36 47) ガソリンエンジンと比べたときのトルク量はすさまじい。2,000ccで25kgmとかザラ。坂道を半クラッチやクリープ現象で登っていけたりするし。 -- 名無しさん (2018-06-02 10 40 53) ↑3ガソリンエンジンを使うザブングルと比べたらディーゼルエンジンを軍用ロボットに積むのはまだ現実的な設定だと思う。 -- 名無しさん (2018-06-02 22 02 46) ♪ちいさな物からおおきな物まで、動かす力だヤン◯ーディーゼルーぅ -- 名無しさん (2021-01-16 14 02 59) 機械の話苦手だけどほんのちょっと興味持って調べてみようと思った程度だと、読みやすいアニヲタwikiがほんと助かる。wikipediaとか読めねえよ。 -- 名無しさん (2021-05-16 16 40 10) 0-70km/hあたりは加速はやっ!てなるけど、110km/hあたりからうーんて伸び悩んで、125km/hあたりからムリでーすてなる そんな感じ -- 名無しさん (2022-11-20 20 33 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mbmr/pages/329.html
ソリトン ◆wgC73NFT9I 泣いていたんだ。と思う。 真っ白な中で膝を抱え、アタシは一人でふるえていた。 「あ、レイナ! どうしたんだそんなとこで」 ふと、聞き覚えのある声がする。 目を開けると、空気が沁みてひりひりした。 戦隊ヒーローのプリントシャツ。 長い黒髪。 力強い笑顔。 ――南条光だった。 「一緒にヒーローごっこしようよ! さっき、きらりさんにも遊んでもらったんだけど、すごかったよ! 猫みたいに体柔らかいしあの人――」 「のんきに遊べるわけないでしょ! あんなライブの後で!」 ロケット弾のように、叫びをぶつけていた。 しんとした事務所の中に何回か跳ね返って、その声は消える。 もう、他のアイドルたちは出払っている時間帯だった。 午前中がオフなのは、今日はアタシと南条くらいのはずだ。 たじろいだ南条の顔を見て、その空きの理由をイヤでも思い出す。 昨日、アタシと南条光は、一大ステージにあがっていた。 「夢のLIVEフェスティバル」と銘打たれたアイドル達の競演会で、アタシたち“ヒーローヴァーサス”は、観客どもと他のユニットを圧倒させ、ひれ伏させるはずだった。 でも――。 「……まあ、殺陣(たて)を忘れたのはまずかったと思うけど」 南条光は、困ったように頬を掻いている。 アタシたちは、ヒーローショーのような華麗な戦闘シーンと歌を交えた、まったく新しいライブ演出を試みていた。 だが、アタシはその最中に、組み手の動作を取り違えた。 「……そんなのじゃ、ないわよ」 それは、スピーカーの配線につまづいてこけたからだった。 今のをやられた演技にして、以降で辻褄を合わせればいい――。 咄嗟に、そうは考えた。 でも、そのショックは、アタシの頭から以降の歌の歌詞を吹っ飛ばしていた。 ずれたダンスと殺陣のタイミングも戻せなくて、立ち尽くした。 終いには、苦し紛れにアドリブで入れたトークで、むせた。 脇でまごつきながら必死にフォローする南条の姿が眼に残って、お腹の辺りが引き裂かれそうに苦しかった。 アイツ……プロデューサーは、「あれはあれでお客さんに受けたから、気にするな」とかほざく。そしてその慰労の午前半休。 このレイナサマに、あんな失態があっていい訳はない。 悔しさとやるせなさがこみ上げてきて、どうしようもなかった。 今日だって、事務所にくるのだけで精一杯。 ろくに寝付くこともできず、あのまま家に閉じこもっていたら、頭がぐちゃぐちゃに潰れてしまいそうだった。 応接間のソファーで休んでたっていいだろう。南条なんかにとやかく言われる筋合いはない! 南条光は、アタシの噛みつきそうな視線から目をそらす。 その口から出た呟きは、いつもよりもいくらか低い音に聞こえた。 「……そんなに思い詰めてるんなら、なおさらここで立ち止まってはいけないんじゃないか」 「なによ! アンタには関係ないことでしょう!」 「言わせてもらうけど、レイナは、絶対的にレッスンが足りなかったと思うよ」 南条は、岩みたいに硬い言葉を、私の前に置いた。 のどまで出かかった罵声は、その大岩にすくんで胃の中に落ちていた。 「トレーナーさんの振り付け指導、途中で投げ出してただろ。歌は、家で何回くらい暗唱した?」 「な、な……。だって、ダンスは、アタシできてたじゃない! それを何度もあの分からず屋姉妹がケチ付けるから!」 「レイナが今つかんでるクオリティより、もっと高いものが必要なんだよ。これからのアイドル活動をしていくには」 ひとつひとつ、南条光は壁のように言葉を積み上げていった。彼女の目は、積みながら沈んでいく。 だってあいつらが注意してくるのは、指の先とか体重の置き方とか胸の張りだとか、そんな細かいところばっかりだった。 ステップ自体は完璧だったし、歌詞だってソラで言えるくらい暗唱した。 レイナサマにはそんな馬鹿げた指摘なんて、必要ないのよ! 南条光の言い分を否定しようとして、でも、返す言葉は掠れて震えていた。 「……は、はは。本当に南条はイイ子ちゃんね……。あんなセンスない奴らの言葉を真に受ける気なの」 「レイナは人を見てない。センスもクオリティも、人から学ばなきゃ身に付かないよ。 発声と肺活量、体力も鍛えなきゃ、むせる癖も抜けないだろう。 菜々さんは駅の階段で通勤しながら腿上げしてるそうだし、きらりさんなんて、イベントごとにプロデューサーさんとスタドリ飲んで走り込みしてるって言ってたよ」 見上げるほどに高くなった岩壁の隙間から、水が染み出してくる。水かさはどんどん増して、高波のようにアタシをさらう。 ぼたぼた、音が立つくらい大粒の涙を流してたことを、アタシは覚えていた。 ――アタシはこの時なんて言ったんだっけ。 南条光のことを、バカバカ罵りながら、アンタにアタシのことが解る訳ない、って、事務所の外へ逃げたんじゃなかったっけ。 でも、今は、光の手を取って。 違うことを言いたかった。 光は顔を伏せて、震えていた。 こんな南条光の様子、この時は気にも止めなかったような気がする。 逃げたから。アタシに向けてずっと溜めていた言葉を、光は投げかけてくれていたのに。 「……ねぇ、ヒーローなら、アタシのミスをなんとかしなさいよね……。アタシは、アンタじゃなきゃ……」 光は、顔を上げて、ゆっくり首を振った。 「それは、できないよ。だって……」 鈍い音がした。 光の悲しそうな笑顔が、地面へ落ちてゆく。 「……次は、レイナがヒーローになるんだから……」 足元に水が跳ねた。 静かな環が、そこから広がっていく。 倒れ伏した光の頭は、パックリと割れていた。 アタシが流した涙の中にうつぶせに倒れて、動かない。 頭から、真っ赤な血が脈打って流れていた。 足首まで浸かる涙の中に、その血が緩やかに波紋を広げていく。 寒気を感じて眼を上げれば、目の前には背の高い女が一人。 影になって顔の見えないその女は、腕を南条光の血に染めて、薄っすらと笑っているようだった。 「あ、アンタ……。光に、何をしたのッ!?」 薄い笑みから見える白い歯だけが、アタシの叫びへの返事だった。 女はくるりと後ろを向き、歩き去ろうとする。 「……くそッ! 待ちなさい!」 追いすがろうとした。 それも束の間で、アタシの全身は壁のようなものに真正面からぶち当たる。 痛みに呻き、見上げた。 触れているのは、大きな岩だった。 それは壁としてアタシの前に立ちはだかり、その高さも、長さも、果てが見えない。 女はこの壁の向こうへ、去ってしまった。 南条光の投げかけた言葉が固まって出来た壁。 小関麗奈が築いてしまった壁。 今まで、直視することなく過ごしてきた壁。 ――アタシにはあの女を追いかけることができない。 自分の心の前で、小関麗奈は立ち尽くすしかできなかった。 ふと波を感じて、眼を落とす。 振り返れば、腰まで水嵩の増した涙が、南条光の体をゆっくりと流し去ろうとしていた。 「ま、待って! 待って、光っ!」 必死に追いかける。 もう水は肩まで埋めている。 抵抗で足が地につかない。 泳ぐ。 型はめちゃくちゃに崩れる。 焦りだけが水を掻く。 波だけが騒ぎ立つ。 遠く。もう光の姿は見えない。 ――泳ぎの練習なんてしてない。 水着の仕事なんて掛からなかった。 クラス対抗水泳大会なんて、体力バカが出とけばいいとしか思ってなかった。 「届かないよぉ……! ひか……ッ! ゲボッ!!」 口へ水が入る。 水はあまりに塩辛く。 むせた。 胸の中へ津波が押し寄せる。 肺の奥へ奥へ。 細小気管支の一本一本まで、肺胞の一つ一つまで、波は丹念に破壊する。 沈む。 動けないまま、仄暗い水の深くへ、小関麗奈はどんどんと沈んでいった。 ~~~~~~~~~~ 「ひかるッ!!」 跳ね起きた拍子に、倒れた椅子が地面に乾いた音を響かせた。 荒い息を肩先に揺らしながら、小関麗奈は辺りを見回す。 多くの座席が並んだ店の中。 西部劇にでも出てきそうな年季の入った取り合わせの家具類。 ジュークボックス。 コーラの自販機。 ソファー席に横たわる古賀小春の寝顔。 「……小春」 思い出した。 アタシと小春は、このダイナーとかいう店の中で休もうとしてたんだ。 二人で大泣きして、店に戻って。そこで二人して、疲れて眠りこんでしまったんだ。 ……嫌な夢だった。 記憶と悪夢が交じり合った、人生最悪の夢。 はっきりと思い出せることに腹が立つ。 立ち尽くした背に、首筋に、ぷつぷつと冷や汗が玉になって浮く。 ただの夢なのに、体が竦んでいる。 「こ、こんな堅い椅子でうとうとしたのがいけないのよ。ははっ」 カラカラに乾いた口で笑って、倒れた椅子を元に戻す。 その椅子に手をついたまま、麗奈はしばらく動けなかった。 「……にしても。あんなのが、南条との最後の仕事になっちゃったの、よ、ね」 夢の中で繰り返された惨憺たるライブの記憶。 あれも、光の言葉も、私が逃げたことも、事実だ。 ……光が死んだことも、事実。 もう、一緒にヒーローごっこなんてできないし、ライブでの失態を巻き返すチャンスもない。 体の半分がボロボロに崩れて、液体になって口から溢れそうだった。 ――アイツの死を受け入れたアタシは、今度は、それを乗り越えて生きなければ。 重い気持ち悪さをかろうじて引き止めて、思い出す。 光はあれ以来、普段通りにアタシに接した。 小春や千佳、ウサミン星人とか、紗南とかと一緒に遊ぶ日々だった。会議室のテレビ使ってゲームしてたら、たまに莉嘉とかニート女とかが混ざってきて、楽しかった。 ――結局、光の言葉なんて、アタシは忘れていたんだ。 「……レッスン、か」 目的のためならなんだって努力する。それがレイナサマ。 プロデューサーだって、そんなアタシを褒めた。 ――裏を返せば、アタシは目的のためのことしかしてきてなかった。 台本でも、振り付けでも、進行に必要なら完璧に覚えてやった。 でも、必要ないと思ったことははっきり切り捨ててきた。 だから、アタシは、アドリブに弱いのかも知れない。 完璧な計画の足元は、スピーカーの配線一本で掬われる。 どだい、足元を掬う要素を片っ端から事前に取り除くなんてできっこない。 だからアタシは、より計画を完璧に、洗練されたものにしようとしてきた。 レッスンといったって、イベントまでの限りある時間で雑多な要素を訓練しているヒマはない。 だから、あのライブの時だってタイムスケジュール通り完璧に体を動かせるよう、努力した。 「……なんで、それで、上手くいかないのよ」 いつもいつも。 歌番組で、手作りと言って店のおにぎりを差し入れしてやった時。 怒り狂ったのは、競演してた金髪の女ひとりだった。さっきまであくびしてた寝ぼけヅラが見る間に歪むのは覗いてて面白かったが、部屋の全員が驚くかと期待していたのに拍子抜けだった。 共演者の控え室にカエルを放っておいた時。 後で見に行っても、何故か誰もそのことに気づいていなかった。カエルはいつの間にかいなくなっていた。部屋にいたやつ全員に訊いたのに、本当どこに消えたんだか。 あのきらりとかいうデカ女の靴に画鋲を仕込んだ時。 普通に歩き回っていた。どうしてかと次の日覗いたら、画鋲の針が根元からへし折れていた。 サマーライブでライバルユニットへ下剤入りしるこドリンクを差し入れておいた時。 ……誰も飲んでなかった。糖分はすぐエネルギーになるから絶対に飲むと思ったのに。 ほとんど成功していない。入念に計画を練り上げても、大抵何か予想外のことが起きてしまう。 あらゆる危機を想定してきたのに。 この島でだってアタシは、「さすがレイナサマ」と言われておかしくない、逞しい想像力を使ってきたはずだ。常にプランを練り、最善策を探そうとしてきた。 だが、この島は予想もつかないことばかりだった。その度に完璧な計画はボロボロに崩れた。 その中でも一番、アタシの計画を崩したのが。 ――南条、光。 アンタよ。わかってる? 『レイナは人を見てない』 記憶の中の光は、静かにそう言うだけだった。 目の前には岩の壁がある。 地響きのようにその壁が、足元の水面に波を立てる。アタシをも流し去ろうとする。 もう会うこともないのに、どうしてアイツの言葉だけがこんなにも重いんだろう。 「……わかったわよ! 南条、見ればいいんでしょ見れば。色々見てやるわよ!」 回りつづける思考に嫌気が差し、小関麗奈はぶっきらぼうに椅子へ座った。 向かいには、ソファー席で穏やかな寝息を立てる古賀小春の姿がある。 あのトカゲを胸に抱えたままだ。小春の柔らかな髪とお餅みたいなほっぺたは、あのトカゲの質感に却って引き立たされているようでもある。 あいにく空は、いつの間にか降り出していた雨で真っ暗だったが、月明かりでも差していたらどれほど絵になっただろうか。ブロマイドにして売り出そうとするやつが出てもおかしくない。正直言って、かわいい。 灯台では、アタシだってイタズラしたくなった。まさしくお姫様然とした、安らかで愛らしい寝顔だ。 ……守ってやりたい。 「……はい。見たわ。 ……で、こんな想像が生き残りの役にたつかっての! バカ南条!」 叫びながら、何故か顔面が熱くなるのを感じた。 頭に浮かんだ小っ恥ずかしい考えに苛立って、麗奈はガンベルトに差した拳銃を引き抜く。 「アンタは、どうせそんなつまらない指摘に頭をひねってたから死んだんでしょ。 アタシは違うわ。きちんと武器を取って、戦って、小春と、生きてやるんだから!」 口に出すたびに、眼が冴えていく。 そうだ。アタシは光なんかとは違う。生き抜くためなら、なんだってしてやる。 この鉄の色合い。 これは、そのための銃だ。 ええと、名前は……。 「ピーワイティー……。 いや、ピ? ピートホン? 『ピーチョン357』? ……意外と可愛い名前してたのね」 暗さに慣れた眼でかろうじて読める刻印。 一丁が1キログラム以上となる重厚な蛇の銃身には、『PYTHON357』と書かれていた。 コルトパイソン。 職人が一丁一丁を手作業で仕上げた、高い命中精度を誇るリボルバーの逸品である。 総身の青みがかった漆黒の輝きからは、爬虫類のような冷たい怜悧さが匂い立つ。 その口から放たれる0.357インチマグナム弾は、さながらうわばみの牙の如く、標的を過たず噛み砕く。堅牢にして高威力、故障しにくく的を外さない。 加えて、麗奈が持つのは取り回しやすさを高めた4インチモデル。 自分の言うとおりに動いてくれる手乗りの蛇、といったところだろうか。 戦うには、うってつけの相棒と言える。 ――撃てるならば。 ~~~~~~~~~~ 銃を持つ手は震えていた。 ――アタシに、このピーチョンを撃つことが、できるのか? 小春やアタシに襲い掛かってくる相手に。光を殺したような相手に。 夢で見た、女の薄笑いが思い出される。 手に力が篭る。 撃てる。――とは、言い切れなかった。 真夜中に会ったあのデカ女にも、灯台で寝てた小春にも、撃てなかった。 これから会う奴らだって、アタシたちと同じように、アイドルとして張り切ってた女の子ばかりだ。第一、アタシたちはここへ、殺し合いをしない連中と合流したいがために降りてきたんだ。 やっぱり、人を撃つなんて、正気の沙汰じゃない。 そして、人を殺すのは、さらにその上を行く狂気だ。 『――やめろよ、レイナ。お前は悪党だけど、人を殺したり死なせたりなんかしないはずだ!』 こんなセリフ、実際に南条光は言ってたっけ。 あれは、そうだ。お手製のスペシャルバズーカで学校の奴らを脅かしてやろうとしてた時だ。アイツは、バズーカを本物の武器だと勘違いして、本気でアタシを説得しようとしてた。逃げるのに苦労したわ、あの時は。 結局、バズーカは忍者気取りの女に叩き折られて、挙句に暴発したんだけども。 あれは、景気付けに紙ふぶきが出る、ただの驚かしアイテムだったのにさ。 「――そうよ。アタシは人を殺したりなんてしない。驚かす。動きを止める。それだけで十分。 一度優位に立ってしまえば、誰だってこのレイナサマに、ひれ伏さないヤツはいないわ!」 力が漲ってくる。 恐怖や畏怖は、人心を掌握する最も手近な手段だ。放たれた矢や銃弾が自分の頬をかすめてみろ。アイドルといえど女の子なんて、それだけでへなへなと腰が抜けてしまうだろう。 このピーチョンでちょっと威嚇してやる。それで、アタシに敵わないんだってことを他の奴らに教えてやるのよ! カチリ。 舞い上がる心と裏腹に、手元から無機質な音が響いた。 「ん……? って、おひゃあ!?」 思わず声が裏返る。 自分の右手の中で、蛇が鎌首をもたげていた。 コルトパイソンの撃鉄が、いつの間にかひとりでに上がっている。 そのまま指がもう少し力を込めていたら、間違いなく自分の左手か、もしくは膝の辺りが弾け飛んでいただろう。 ――オマエなどの言いなりに、誰がなるか。 膝元の蛇は、そう言っているように見えた。 恐る恐る、震える指で撃鉄をつまみ、ゆっくりと元の位置へ戻す。 髪の生え際からだらだらと汗が垂れてきた。息が浅くなって、背中がバランスをとるように丸くなる。 傍から見れば酷く滑稽な光景だったろうが、これは寸毫のミスも許されない慎重な作業であった。 結んだ口の下に、梅干みたいなしわが寄る。 撃針を勢い良く戻してしまったら終わりだ。銃口の向く先に確実に穴が開く。 とりあえず人差し指を引き金から外して、銃本体を取り落とさないように慎重に。 利き手でない左で戻さねばならないのが非常に恐ろしかった。 ――わかった。このピーチョンは、引き金を引くと自動的に撃鉄が上がるんだ。 そしてそのまま力を込めれば弾が出る。自分で撃鉄を上げることもできるみたいだけど。 二動作する時間で命中力を取るか、力を振り絞ることで速射を取るか、そういうのが選べる銃なのだ。 知らなかった。撃鉄が下がっていれば安全なものだとばかり思っていた。 小関麗奈は、なんとか牙を納めた蛇に安堵する。 もし仮に、あの時、諸星きらりや古賀小春に向けて引き金を引いたとしても、あの力の込め方ではただ撃鉄が上がっただけだったか、もしくは予想外の硬さに引けていなかっただろう。 ……そもそも、もし当初の考えどおりだとしたら、むしろ引き金引くだけじゃ撃てないじゃない。なんで気づかなかった。 お互いがあっけにとられるだけ。 そしてもしそれが、自分たちを殺そうとしている相手に向けてだったら。 一拍開いた変調の間を突いて、相手は即座にアタシの胸を叩き割っているだろう。 完璧な計画は足元を掬われる。 転げ落ちる先はステージの床ではなく、死、だ。 薄ら寒い感覚と共に、小関麗奈は確かな充足感を得る。 完璧な計画を邪魔する足元の石を、まずは一つ拾い上げることができた。 ――これが、『見る』ってことかしら……。光? 「……れいなちゃん?」 「ひゃあ!? ……って、小春?」 突然の声に、体が椅子から浮く。 拳銃に落としていた視線を上げると、隣には眠そうな目をした小春が立っていた。 起こしてしまったようだ。あれだけ騒いでたら、起きるのも当然か。 素直に、小春には申し訳ないと思った。 「ああ……なんか悪かったわね。起こしちゃったみたいで」 小春はそれを聞いて、しばらくキョトンとしていた。 そして何故か、急にくすくすと笑い始める。 「な、なによ気持ち悪いわね……。一体なにが可笑しいのよ」 「ううん。れいなちゃんが、すごく格好よかったから~」 一瞬、その言葉の響きに体が熱くなる。照れる。 内心の嬉しさをどう取り繕って返そうか。と考えて、麗奈はある点に気がついた。 「あ、アハハッ……って。そういえば、アンタ……いつから起きてたの? ……もしかして」 「ええとー。れいなちゃんがなにか大声出して、銃を触ってたときかな~」 熱くなっていた顔がもっと熱くなって、それから一気に冷えた。 水風呂に放り込まれたみたいに、血が下へ落ちていくような気がした。 ――アタシの恐怖を、見られた。 小春には、いくらか自分の地をさらけ出してはいた。『アタシがアンタを守れて、アンタはアタシを守れて万々歳計画』まで話した。一緒に大泣きまでしたんだ。 でも、アタシはその後も自分の威厳はしっかり保っていた。小春を守るものとして、光よりも適任なんだって思わせたい張り合いもあった。 ――恥ずかしかった。 「フ、フフフハハハハッ! ハァーッハッハッハ……ガッ!? ゲホッ、ゲホッ!」 「だ、だいじょうぶ!?」 思わず笑い出して、大笑いしすぎて、むせた。 差し伸べてくる手を振り払い、精一杯の威厳をかき集めて、堅い声で小春を刺す。 「アタシはね! アンタには及びもつかないような高等作業をしていたのよ! アンタには関係ないんだから、勝手に晩御飯でも作って食べて寝なさい!」 言うだけ言って、ダイナーの中に電気を点そうと立ち上がる。小春の横を大またですり抜けて、わき目も振らずスイッチを入れに行った。 壁に向かって歩きながら、小関麗奈は恥ずかしさを収めようと、深呼吸を繰り返す。 ――恐怖や畏怖は、人心を掌握する最も手近な手段。 本当にその通りだわ。 ――恐がっているのはアタシだ。 あの時、腐ったトマトみたいに破裂する人の頭を見たときから。 諸星きらりにも。 古賀小春にも。 ピーチョンにも。 南条光にも、アタシは何かしらの恐怖を抱いている。 見たくない。 アタシは、そいつらより優れていなければ、恐怖で潰れてしまう。 他人がアタシより優秀だなんて、認めたくない。 アタシは、いつだって強大な悪のカリスマ、レイナサマでいたいのに。 それに、気づいてしまった。 目の前の壁。 波立つように揺れるその大岩は、足元を掬う石くれの群れは。 ――アタシの恐怖心だ。 「……こんな恥ずかしい姿、見られたくないわ……」 その呟きすらも、誰にも聞こえないように。 アタシは自分の波を殺して、誰にも気づかれまいと、努めた。 ~~~~~~~~~~ からんから~ん。と、扉のベルが陽気な音を鳴らす。 太陽はガラス戸とショウウィンドウから誇らしげに差し入る。それはこの地域のトレードマーク。 真昼。 九州の春の日差しを逆光にして、麦藁帽をあみだにかぶった少女が一人。 ちょうどその少女の笑顔のように、それは地元の誇りであった。 小太りの店主が、ケージの動物たちに餌をやっていた手を止めて振り向く。 「おお、いらっしゃい! 小春ちゃんじゃなかか! ライブ、がばい良かったばい!」 「おじさん、ありがとうございます~! ヒョウくんのご飯、やっぱりおじさんのが一番いいみたいです~」 涼しげなワンピースの胸にグリーンイグアナを持ち上げて、古賀小春はふわふわと笑った。 店主の顔も、娘を見守る父親のような優しい笑みとなる。イグアナと少女の頭を一緒に撫でて、朗らかに声を上げた。 「嬉しかこつば言ってくるっばい。 小春ちゃんも、佐賀ん誇りのアイドルだけんね!」 古賀小春と脇山珠美は、長崎と福岡と熊本に挟まれて忘れられがちな佐賀県が輩出した、大きな希望であった。一時期とある芸人の歌により全国的な知名度を上げたものの、長続きはしなかった佐賀県にとって、彼女たちの活躍は県民の感嘆だ。 店内にも、さりげなく目立つ位置に、彼女たちが先日行なったライブのポスターが張り出されている。 「そっで、ヒョウくんの餌っていうと、またあれね?」 「ええと、そうなんです~。やっぱりヒョウくんが一番食べてくれるのは、おじさんのでー……」 そるは困ったぁ。 店主は苦笑いする。先ほど店内の動物にやろうとしていた餌のタッパーが、まだ脇にあった。 乾いた紙をこすり合わせるような音が、かすかにそこから聞こえている。 足をもいだコオロギが、タッパーの中に何十匹も犇いていた。 店内の通路の両脇には。 イグアナ、パイソン、コロンビアボア。サビトマトガエル、ステリオアガマ。 トカゲモドキにササクレヤモリ、オビタマオヤモリ、サラマンダー。 極彩色かつ異様な形態をした爬虫類・両生類の飼育ケージが所狭しと並んでいた。 爬虫類通ならばきっとこの店は知っている。ここはそんな、全国でも有数の異端なペットショップであった。 「ヒョウくんも、もう大人じゃろもん? グリーンイグアナは元々草食だけん、消化機能が揃ってきたら虫ば喰わすっといかんって」 「お野菜食べさせなきゃいけないのは、わかってるんですけど~。ヒョウくんの幸せな顔、やっぱり見たいんです~」 「あっはっは! 小春ちゃんな、ヒョウくんの気持ちば分かるとかい? そるはスゴかなぁ」 少女は、申し訳無さそうな顔まで可愛らしい。 地方ライブのついでに、わざわざ店にまで足を運んでくれたのだ。県の誇りの頼みを、無下にして帰すわけにもいくまい。 今までも、なんだかんだ言って結局はコオロギやミールワームを持って帰ってもらっていた。 「わかった。持っていきなっせ。折角アイドルが来てくれたんだけん、お代は良か。 そるにしたっちゃ、帰りは新幹線? 飛行機? 持っていけるかね?」 「本当ですかぁ、ありがとうございます~! 持ち運びは慣れたので大丈夫ですぅ。いつもの筒ダンボールで、100匹くらいお願いしますね~」 晴れやかな笑顔に、扉のベルが再び重なる。 「おーい、小春。そろそろ出ないとバスに間に合わんぞー」 「小春ちゃん、地元に帰って嬉しい気持ちは分かりますが、少々巻くのですよ!」 髭を伸ばしたスーツ姿の男性と、小春と同年代に見えるショートカットの少女だった。 古賀小春と同じく佐賀出身の脇山珠美。高校生には見えない外見と、剣道で培った溌剌さのギャップは県民にも大人気だ。 「おお、珠美ちゃんも居んなはったっかい! プロデューサーさんも!」 「店長さんには、昨日のライブにもご足労くださって、かたじけのうございます!」 「そがんこつは当然たい! こるからも、みんなで頑張ってくんしゃいよ!」 「いつも応援して下さって有難うございます。よし、それじゃ行くぞ、小春」 有明佐賀空港行きのバスは、一本逃したら3時間は来ない。よくよく事情のわかった店主は、手早く活コオロギをつめた箱をビニール袋に入れて手渡す。 「小春ちゃん。そん、みぞか笑顔ば、忘れんごつな。そるが俺たちの希望だけん!」 「はい~! どうもありがとうございました~!」 古賀小春たちは、店主へお辞儀をしてペットショップを後にする。 外で待っていたのは、同じプロデューサーの下で働く、4人のアイドルたちだった。 みんな素性を隠すため、それなりに普段と違う格好をしてはいるが、その輝くようなオーラは遠目からでも窺い知れる。 「雫さん、まゆさん、みりあちゃん、仁奈ちゃん、お待たせしました~」 「大丈夫ですよ~。発車までもう少しは余裕あるかと~」 「好きなものには一心不乱になるものねぇ。まゆにも分かりますよぉ、その気持ち」 「お客さんの評判も改めて上々だったみたいだね! 良かった良かった」 「何買ったんでやがりますか? 可愛かったら仁奈も見てーでごぜーます」 「この袋? ヒョウくんのご飯……あの、虫だよぉ?」 7人で連れ立って歩きながら、近くのバス停まで歩く。全員から、喜びを誇るような充実感が溢れている。地方公演といえど、地元出身のアイドルが二人もいて、ファンの熱狂具合は自分たちにも伝染する程だった。 プロデューサーが、ふと小春に声をかけてくる。 「……そういえば、店長さんは、小春に最後なんて言ってたんだ? 訛りが強すぎてよく解らなくてな」 「『その、かわいらしい笑顔を、忘れないようにな』って言ってました~。えへへ~」 「そうか、みぞか、っていうのは、かわいらしいって意味か……」 プロデューサーの顔は、なぜか一瞬、とても悲しそうに見えた。 でも瞬きをした後には、その翳りはもう、伸ばした髭に隠れて見えなくなっていた。 いつも以上に明るい声で、プロデューサーはみんなに呼びかける。 「そう言えばみんな。お前たちに、結構大きな仕事が入ったそうだぞ。お前たち全員が出るし、事務所のアイドルたちも大半が出演するみたいでな」 「本当ですか~! 光ちゃんとか、れいなちゃんともお仕事できるんですかぁ?」 「ああ、そうだと思う。お前たち、ちゃんと準備しておけよ?」 楽しげな期待に、胸が膨らんだ。プロデューサーは、小春の問いかけに、にっこりと微笑む。 6人のアイドルは、お互いに顔を見合わせて、きゃあきゃあと浮かれたった。 本当に、楽しかった。 「……ファンが『かわいらしい』って、『希望』だって言ってくれる、その笑顔。お前たち、絶対に忘れるんじゃないぞ――」 でもなんで。プロデューサーの首には、あの変な首輪がついてるんだろう。 笑顔が、すごく遠いように見える。 周りのみんなも、小春も、同じ首輪をしていた。 地面がぬかるむ。 べったりと体にまとわりつくように地面が這い上がってきて、腕となってみんなの首輪を掴む。 「珠美ちゃん! みりあちゃん! まゆさん! 雫さん! 仁奈ちゃん!」 次々とその体の自由を奪われて、液状化した地面に幽かな波紋だけ残して連れ去られる。 小春も、足首はもう地面に呑み込まれて動けない。 ヒョウくんの入ったペットケージにも地面は這い上ってきて、それを奪い去ろうとする。 「や、やめて! ……きゃあっ!」 泥のような腕に後ろから首筋を掴まれた。口の中に、気持ちの悪い苦味が入ってきて、息ができない。 霞んでいく視界の奥に見えるプロデューサーへ手を伸ばす。 もうプロデューサーの顔もわからない。遠い。 伸ばした指先が震える。 「た、助けて……。~~さ――」 彼の名前を叫ぼうとして、小春はついにぬかるみに呑まれた。 ――そうだ。もう、みんな、死んじゃったんだ。 あの光ちゃんさえも。 遠くに行って、もう届かない。 プロデューサーさんにも、きっと、小春は、届かないのかも。 ――ごめんなさい。 『――アタシは違うわ』 沈んでいく心の中で、はっきりとそんな声が聞こえた。 『きちんと武器を取って、戦って、小春と、生きてやるんだから!』 視界を覆う暗い泥濘が、真っ二つに切り裂かれる。 小春の体は、力強い腕に抱えられていた。 その感触には覚えがある。 いつも一緒に遊んでくれた、南条光。そのヒーローのような力。 見上げたその先の顔。 真昼の日差しの逆光を宿して、まっすぐに結んだその口元。 ――力強い笑顔。 その両腕には、鉄のような青い輝きの蛇が二匹。 太く、逞しく絡みついて辺りを睥睨する。 二人を囲んだ泥の腕は、その眼差しに射竦められて、石となったように動かない。 小春は、石化した地面に降り立った。 その足元から波が広がる。 同じ地点から放たれる、二人分の高まり。心が震えるその波紋は、自分たちを囲む腕をことごとく崩してゆく。 隣に佇むその蛇使いへ、小春はもう一度向き直った。 「あ、ありがとうございます~」 いつもの不敵さとはちょっと違う、照れたような、はにかんだような笑みが返ってくる。 『――誰だってこのレイナサマに、ひれ伏さないヤツはいないわ!』 恥ずかしさも恐怖も飲み込んだ、輝く笑顔。 そのヒーローは、とっても格好よく見えました。 ~~~~~~~~~~ 『――、――!?』 麗奈ちゃんが、何か大声で叫んだような気がする。 目を開けたら、周りは薄暗い部屋だった。 しとしとと、微かに雨の音。それと、押し殺した息遣いが聞こえる。 寝そべっていたソファーから体を起こすと、テーブルの向こうに麗奈ちゃんが座っていた。 何か真剣な表情をしている。 胸に抱いたヒョウくんと一緒にそっと立ち上がって、邪魔にならないように脇に立った。 麗奈ちゃんは、銃を手に持っていた。 この島で麗奈ちゃんと会った時に向けられた、かっこいい拳銃だ。 おでこの汗が光っている。今まで見たことないような真剣な顔で、麗奈ちゃんはゆっくりと銃を動かしている。 夢で見たヒーローみたいに、まっすぐに口を結んで。 カキン。 聞こえたかどうかも定かではない小さな音がして、麗奈ちゃんは大きく溜め息をついた。 「……れいなちゃん?」 「ひゃあ!? ……って、小春?」 声をかけるタイミングを待っていたけれど、びっくりさせてしまったようだ。 麗奈ちゃんはそれでもすぐに冷静になったみたいで、落ち着いた声で返す。 「ああ……なんか悪かったわね。起こしちゃったみたいで」 その眼差しは、夢の中のヒーローに、そっくりだった。 恐怖を知り、それでも立ち向かうような、光ちゃんがしていたような眼。 ううん、それよりももっと。 格好よく見えた。 なんだか嬉しくて、思わず笑っていた。 「な、なによ気持ち悪いわね……。一体なにが可笑しいのよ」 「ううん。れいなちゃんが、すごく格好よかったから~」 「あ、アハハッ……って。そういえば、アンタ……いつから起きてたの? ……もしかして」 「ええとー。れいなちゃんがなにか大声出して、銃を触ってたときかな~」 言った瞬間、どうしてか麗奈ちゃんの顔が固まる。 ああ、せっかく格好よかった眼が消えちゃった。 「フ、フフフハハハハッ! ハァーッハッハッハ……ガッ!? ゲホッ、ゲホッ!」 「だ、だいじょうぶ!?」 そして、急に大声で笑い始めて、むせた。 差し出した手を振り払われる。 麗奈ちゃんの顔は、怒ったような、悲しいような、変な顔だった。 「アタシはね! アンタには及びもつかないような高等作業をしていたのよ! アンタには関係ないんだから、勝手に晩御飯でも作って食べて寝なさい!」 小春を押しのけて、麗奈ちゃんは大股で歩いていってしまう。 いつもの麗奈ちゃんらしいといえば、らしいセリフだ。 でもおかしいよ。いつもみたいに強い悪役だったら、なんでそんなに、苦しそうなの? 麗奈ちゃんは壁を向いて佇んでいる。 ゆっくりと、その肩に手を伸ばす。 「来ないでっ!!」 振り向きざまに、強く手をはたかれた。 麗奈ちゃんのその動きに押されて、ダイナーの電灯が一斉に明るくなる。 壁に荒い息の背を預けて、振り抜いた右腕は、拳銃を構えていた。 麗奈ちゃんは今にも崩れ落ちそうだった。 灯りに照らされて、その顔はシルクワームみたいに真っ白に見える。 蛹になれず、脱皮もできず苦しんでいるような。すぐにでもトカゲの餌になることを悟ってしまったような――。 自分の手に持った蛇に食べられることを恐れて震えているちっぽけなカイコの幼虫。 小春とヒョウくんには、麗奈ちゃんがそんな風に見えました。 ~~~~~~~~~~ ――また、逃げるのか? アタシは。 小春は、怯えてはいなかった。ただただ驚いているようだ。 肩に伸びてきた手を、怒声とともに思わず叩いてしまった。 一斉についた明かりに慣れてきた眼は、自分の手が震えながら拳銃を構えていることに気づく。 アタシは、弱さを見られる恐怖へ、恐怖で対抗しようとしている。 「……いいから、あっち行きなさいよ」 「行かないよ、れいなちゃん。誰も食べないから。平気だよ」 撃つ気なんてさらさらないことを、見透かされたか。だが、即座に返ってきた返答は微妙にずれている。ここで晩御飯の話……? 小春は、真っ直ぐアタシの目を見たまま言う。いつものふわふわした、世間知らずの姫みたいな顔じゃない。 いくつもの死を見てきた特撮番組の主人公みたいに、静かな顔をしていた。 「小春もヒョウくんも、れいなちゃんを食べたりしないよ。一緒に頑張る、完璧な計画なんでしょ?」 水面が波立った。 大きな振動だった。岩壁を背にした私の心が漣立つ。 眼を上げられない。 アタシは自分の恐怖心に挟まれたのだと思った。 その時、手に暖かいものが触れる。 小春が、アタシが構えた手を、両手で包み込んでいた。 目と目が合う。 小春は、にっこりと笑った。 「れいなちゃんは、ちっぽけな虫なんかじゃないよ! アイドルだもん。怖がる必要なんて、ないよ」 「小春……」 水面に降り立っていたのは、小春だった。 アタシの涙に子鹿のような足取りを踏み入れて、今、アタシの目の前に。 自分と壁以外見えなかった水の中に、暖かな笑顔を放つプリンセスがいる。 王子様が、ヒーローが、焦がれてやまない輝きは、アタシの手の震えを止めていた。 「……ありがとう」 自然と、その言葉が口をついた。 小春は、安心したようで更に顔を緩ませる。おしるこに伸びきったお餅みたいだ。 アタシも、たぶん笑っていた。 普段なら恥ずかしすぎて、すぐうやむやにしたくなるようなセリフ。でも、この暖かみが手に触れていると、そんな感情は実につまらないものに思えた。 「元気になってくれたみたいで、よかったぁ~」 カラカラカラ……。 ダイナーの天井についていた大きな扇風機みたいなものが、ゆっくりと回りだす。 乾いた音だった。 私の背中にぶつかっていた岩壁が、そんな音を立てて一枚剥がれ落ちていた。 「でも、危ないからピーチョンから手は離しなさい。暴発するかも」 「……この銃、ピーチョンっていうのー? かわいい名前だね~」 「そーよほら。離して。ここに書いてあるでしょ?」 うまいこと小春の手を銃から外して、銃身を見せてやる。引き金に入っていた人差し指も、勿論抜いた。 「……これ、『パイソン357』って読むんじゃないかな~」 「はぁ? アンタお子ちゃまねー。英語も読めないの。Aの音もSの音もないじゃない」 「でも『PYTHON』はパイソンで、ニシキヘビって意味だよ~。ヒョウくんのいたお店でよく見てたもん」 「え……」 意味のある単語だったの? ただの銃の愛称じゃなくて? にしき蛇? 気づいたら、銃を取り落としていた。 繰り返す失態の恥ずかしさに、頭がミルクのように吹きこぼれているような気がする。 何が「アンタお子ちゃまねー」だ。アタシがバカみたいじゃない。 「でも、パイソンはパイソンでも、ピーチョンはピーチョンでしょ~?」 アタシの痴態をよそに、小春は落ちた拳銃を拾って、変わらぬ笑みで手渡してくる。 「……どういう意味よそれは」 「ヒョウくんは、グリーンイグアナだけど、ヒョウくんです~。ピーチョンも、パイソン拳銃だけど、れいなちゃんはピーチョンって名前にしたんでしょ? かわいいね~」 「え、あ……。あー、そーよそーよ! うん。そのつもり! アタシたちは人を殺すつもりなんてないから、せめてカワイイ名前をつけようとね!」 「ヘビだったら、ヒョウくんとも親戚だよ~。嬉しいね~」 焦って取り繕うアタシを気にせず、小春の言葉は胸のイグアナに言っているのか、アタシに言ってるのかいまいちわからない。 「……じゃあ、小春は、れいなちゃんの分も晩御飯作るから。一緒に食べようね!」 もう一度目を合わせて笑った後、小春はキッチンへと駆け出していく。 結局小春は、アタシの感情を、取り乱している理由を、まったく尋ねてこなかった。 それでいて、彼女は怯え震えていたアタシの水面を、鏡のように鎮まらせた。 思えば今まで島で一緒にいて、ずっとそうだった。 物言わぬイグアナともコミュニケーションできるように、アタシの心もすっかりわかるのだろうか。 ――なら、アタシが必死で保とうとしてきた『レイナサマの威厳』なんて、どれだけ薄くて意味のないものだったんだろう。 「きゃっ! コップが割れてます~」 「あ、しまった! 小春、大丈夫!?」 「大丈夫です~。れいなちゃんは待っててくださいね~」 キッチンから聞こえた声で、アタシはあの放送のときの割れたコップ類をそのままにしてたことを思い出した。 だが、小春がそういうのなら大丈夫なのだろう。先ほどの席に戻って座ることにした。 「……小春でさえ、アタシより凄いところ、いっぱいあるじゃない」 呟いた言葉は、さっき剥がれた岩壁の一部だ。 アタシが泣くまで泣かないと決めた精神力。 アタシやイグアナの心を見抜く洞察力。 ファンもヒーローも惹きつける、その暖かい笑顔。 どれも、アタシにはない。それらは、小春が今までの人生で『レッスン』してきた事柄だろうから。 ――じゃあ、アタシには何がある。今まで一番アタシが『レッスン』したことは。 「『いたずら』。しか、ないわよね」 呟きながら、アタシは即座に窓のブラインドを降ろした。 ボックス席側は全面が窓ガラスで包まれたこのダイナー。夜中に煌々と電気を点していれば、中は丸見えだ。アタシがここを襲撃するなら、バカ正直にベルのある入口からなんて入らない。 外からでも標的が見えたなら、窓から銃でも石でも乱射して入り込むだろう。 雨が降ったから自分たちが今日ここに泊まることはほぼ確定だ。 だけど、放送で言われたように、この期に乗じて襲い掛かろうとするヤツもいて当然。 ――1階で眠ってしまうのは危険だ。 防衛するなら全部のブラインドをおろし、その隙間を縫ってタコ糸を通し、入口のベルと繋げて鳴子にする。2階にいても気づくように、ベルを増量する必要があるかもしれない。 さらに地の利を活かして襲撃者を止めるなら、上で回ってる扇風機の羽根に、椅子の足でもくくりつける。トラップだ。壁際のスイッチさえ押せば、勢い良く入口に向かって椅子がすっ飛ぶように作れるはず。 暗ければ顔面ヒットも狙えるだろうし、当たらなくても驚かせるには十分。 紗南が前に言っていた用語を使えば、初見殺しというやつだ。 階段や通路にも、フライパンだの引き糸だので罠はいくらでも作れる。 いままで、成功に乏しかったアタシのイタズラだけど、今度こそ上手く、やってみせる! ブラインドを全て降ろし、アタシは息巻いてキッチンに入った。 床のガラス片陶器片は綺麗に端に寄せられ、そこには甘い匂いが立ち込めている。 玉ねぎが、炒められている匂いだ。 「あれ、れいなちゃん。待っててくれていいのに~」 小春はミルクの鍋の隣にもう一つ鍋を置いて、色々な野菜やらなんやらを炒めているようだ。小麦粉と調味料が脇においてある。 イグアナは火から絶妙な温度加減の位置取りをして、ボリボリきゅうりをかじっていた。 「ああ、アタシたちの身を守る為に、いくつか『いたずら』を仕掛けようと思って。道具があるか探しにきたのよ」 小春は、そう言うアタシの顔を見て、「かっこいいなぁ~」と微笑んだ。 「れいなちゃんのイタズラは、きっと上手くいくよ~。小春もびっくりしたもん」 「へ? アタシ、アンタに何かしたことあったっけ?」 「前、ライブの時のお部屋にカエルさんを置いておいてくれたの、れいなちゃんだったんでしょ? 後でみんなが話してるの聞いたんだ~」 「カエル……って、もしかして。アンタもあの控え室だったの……」 「あの時、ヒョウくんはお家でお留守番してて、小春、すっごく不安だったんだ~。 その時、一番乗りしたお部屋にかわいいカエルさんがいっぱいいて、裏口に出して遊んでたら、元気が出てきたの。」 ありがとう、れいなちゃん。 ファンを虜にするような笑顔で、小春は言う。 「だから今度も、れいなちゃんの素敵なイタズラは、絶対上手くいくよ~!」 光が見えたような気がした。 果てが見えなかった岩壁の上から、光明が。 アタシの右手には、まだ子鹿のような温もりが残っていた。 「……え、ええ、そうに決まってるわ! レイナサマのいたずらで、感動して驚かないやつなんて、いないってのよ。 ……プリンセスが言ってくれるんだから、間違いないわ!」 目の奥が熱くなった。 自然と、口角が上がっていく。 足元に落ちた波紋は、二人分だ。 アタシ一人じゃない。どんどん波は高まる。 あのイグアナのヒョウの分も、ピーチョンの分もだ。 千佳の分も、菜々さんの分も、紗南の分もきらりさんの分も、高まってほしい。 南条光が見えるまで、衰えるな。 プロデューサーが見えるまで、衰えるな。 この岩壁を越えられるまで、高まれ。 津波のように衰えない波で、何度でもぶつかってやる。足りない高さは、他の奴らから盗んでやるってのよ。 ――レイナサマの足場になれるんだから、誇りに思いなさい、愚民ども! 弛まない目的への努力と、逞しい想像力こそが、アタシの持ち味なんだから! 小春は、アタシが少し吹きこぼしていたミルクを、鍋から鍋へ移して炊き上げた。 「古賀流、特製ホワイトシチューです~。お母さんのレシピなんですよ~」 味見してみて下さい~。 そう言って、小春は手招きする。 手に持っていたピーチョンを流し台において、替りにスプーンを掴む。 ゆっくりと、啜った。 小春は、味見するアタシの顔を見て、ふわふわと笑う。 「……美味しいわ、小春。フフ……、でもこれ、ちょっとしょっぱくない?」 「でも、れいなちゃんは、すっごくかっこいいよ~」 自分の顔が見れないのが、ちょっと残念に思う。 ……でも、小春の笑顔も、イグアナの顔付きも、拳銃の色合いも、きっとアタシ以上に、格好いいんじゃないかな。 スプーンの小さな水面に、高まり始める波紋が、また一滴広がった。 【B-5 ダイナー/一日目 夜中】 【小関麗奈】 【装備:コルトパイソン(6/6)、コルトパイソン(6/6)、ガンベルト】 【所持品:基本支給品一式×1】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:生き残る。プロデューサーにも死んでほしくない。 0:小春と一緒にいる。 1:小春とアタシの身を守るために、ダイナーにトラップを仕掛けてやるわ! 2:放送を待って南へ移動する予定だったが、雨が降ったので中止の予定 3:小春はアタシが守る。 【古賀小春】 【装備:ヒョウくん、ヘッドライト付き作業用ヘルメット】 【所持品:基本支給品一式×1】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:アイドルとして、間違った道を進むアイドルを止めたい。 0:麗奈ちゃんと一緒にいる。 1:あったかーいシチューで、麗奈ちゃんにも元気になってもらいましょ~ 2:放送を待って南へ移動する予定だった(雨が降ったから中止?) 3:麗奈ちゃんが悪いことをしないように守る。 ※着ている服(スカート)に血痕がついています。 前:ヒトコロスイッチ 投下順に読む 次:彼女たちからは近くて遠いサーティシックス 前:ヒトコロスイッチ 時系列順に読む 次:彼女たちが塗れるサーティー・ライズ 前:カナリア 小関麗奈 次:彼女たちがその熱にうなされるサーティセブンポイントトゥー 古賀小春 次:彼女たちがその熱にうなされるサーティセブンポイントトゥー ▲上へ戻る