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594 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/01/01(火) 15 06 53 …………何だっけ? えっと、思い出さないといけない筈なんだけど……うーん、全然出てこないな。 「シロ~、早く行きましょうって。いつまでも女を立たせたまま待たせるなんて、ちょっと無粋じゃなくて?」 バタコの催促の声が固まろうと努めていた思考を急速に瓦解させていく。途端、さっきまで意味のない危機感に慄いていた自分が馬鹿みたいに思えてきた。 「ま、別にいいか。どうせ大したことじゃないだろうさ」 そう自らに言い聞かせ、前を歩くバタコに追いつこうと小走りに駆ける。 とりあえず街に入ったらコーネリアさんやグンパ、シドに会いに行こう。ここの門からは商業区と繋がっているから、まずはコーネリアさんから訪ねてみるか。 バタコに先導され門を潜った先には、果たしてかつて見知った街の風景が広がっていた。 ************************** クォン大陸南のグスタベルグ山脈にその拠点を置く工業国家、 バストゥーク共和国。 伝統ある騎士団を持つサンドリア、 魔法大国ウィンダスなどに比べると、 その歴史は浅い新興国である。 しかしその高い技術力と豊富な鉱山資源が、 バストゥークの勢力を前記二国に比肩するまでに拡大させた。 バストゥークの人口の約半数は技術力に長けた種族、ヒュームが占める。 商業、工業、政治の実権は彼らが握っており、 彼らのその産業に対する嗅覚が発展をもたらしたと言える。 また、人口の約3割は、600年前、南西のゼプウェル島から移住してきた種族、ガルカである。 彼らの強い力は、 バストゥークの数々の鉱山開発に大いに貢献することとなった……。 ************************** ……整然と並べられたタイルに、中世ヨーロッパ風の建築物の群れ。せいぜい一ヶ月にも満たない期間だったが、ここは俺の暮らしていたバストゥークに間違いなかった。加えて、ある一人の少女と暮らした思い出も。 「懐かしいなぁ。ここも何だかんだで半年ぶりなんだよな」 「えっ? アンタ、バストゥークに来たことがあるの? ……そういえば、よくよく考えれば私とアンタが最初に出会ったのって、この近辺の港町だったわね」 「うん。短い期間だったけど住んでいたこともあったんだぞ。いやあ、いい所だった! また魚でも釣りながら住みたいって思えてくるね」 意気揚々と、ここの素晴らしさを伝えたい一心で彼女に語りかける…………が、当の彼女は俺の意に反して暗い表情に変化し始め、何故だか怒りの形相すら醸し出していた。あまりに理不尽な展開に、背中から冷や汗が流れ落ちる。 「アンタ……。ば、馬鹿っ!! 私達の任務を忘れたの!? それじゃアンタ顔知れ渡ってるじゃない!? ……ええ、貴方のことですから、ご近所付き合いも欠かさなかったのでしょうよ」 ますますわからない。 いくら考えてもどうして彼女が怒っているのか辿り着けないので、単刀直入に聞いてみることにした。 「えと、バタコさん? 何で貴女がそんなに怒っているのか、俺には皆目見当もつかないのですけれど……。あ、ちなみにご近所付き合いは盛んだったぞー。ここで俺の名前知らない人なんていないんじゃないかな? 何たって俺はれっきとしたバストゥーク国民だからな!」 ――その言葉を皮切りに、いよいよ彼女の堪忍袋の緒が切れた。青ざめていた顔は一気に赤く染まり、狂犬の如くこちらに噛み付くように食いかかってくる。 「バカッ! バカッ! バカッ! この鈍感! どうしてわからないのよ!? 顔知れ渡っているとか国民とかマズイでしょうが! いいっ!? 私達に課せられた仕事、そのにぶちんの頭でもう一回よく考えてみなさい! もし私が指摘しなけりゃ、私達牢屋に入っているとこだったのよ!」 「え、と?」 仕方ないのでもう一度整理してみよう。 えーと、任務の内容が、身元不明、もしくは国籍不明である俺達が二国の市井調査を行うこと、で間違いはないよな? それでまず初めに各国のウィンダス領事館へ赴き、その旨を報告。そしてそこでも仕事を手伝わされる可能性があり、その時は速やかにそれを達成すること、であるから……? 「えーと、うーんと……あっ、そっか。国民が自分の国をスパイしてちゃ世話ないよな? ははは、ゴメンゴメン。忘れてたよ」 「アンタって人は……。もう、ホントに頼むわよ」 肩を落とすバタコを慰めようと身を屈むが、ふと辺りを見れば自分達が奇異の視線を集めていることに気付く。そりゃ門の前でこれだけの言い合いをしていたら嫌でも注目されるか。 「とりあえず早くも怪しまれてるっぽいし、移動しようか。今回に関して俺は無理みたいだから、悪いけどバタコに任せる。という訳で申し訳ないんだけど、俺は世話になった知人の所を訪ねることにするから。巻菜の件はこっちに任せといてくれ」 「馬鹿……。言われなくてもそうする以外道はないでしょうが。これは貸しだから覚悟しときなさいよね!」 そう言い、小柄な体をぷりぷり怒らせてバタコは去っていった。多分、領事館とやらに行く気だろう。我ながら間抜けな失敗をしたものである。 「貸しは大きいかなぁ。返せないくらい大きかったら困るなぁ……。ま、いっか」 記憶にある彼女はいつも広場にいのでその辺を歩き回ってみるが、中々捕まらない。やむを得ず適当な通行人に尋ね、ようやく彼女の家の道順を聞きだすことができた。早速向かってみることにしよう。 「シロウ君、お久しぶりねえ。冒険にでも出かけていたのかい?」 「いやあ、ちょっと野暮用で」 道を歩けば表を掃除しているおばさんに声を掛けられる始末。やはりバタコの言った通りに、迂闊に調査なんてすれば拙かったかもしれない。 そうしてとうとう教えられた道順をクリアし、コーネリアさんの家へ到着することができた。予想だにしなかった豪勢さに一瞬たじろぐも、口内の唾を飲み込み、覚悟を決めて呼び鈴を鳴らした。だが……。 「どちら様でしょう?」 出て来た人物は俺の知る若い女性ではなく、僅かに歳を重ねた、ぷっくらとしたおばさんだった。その細めの目がジロリと胡散臭げにこちらを一瞥した。 「えと、コーネリアさんはいらっしゃいますか? エミヤシロウと申しますが……」 Ⅰ:「お嬢様はご在宅です。こちらへどうぞ」 Ⅱ:「お嬢様はいらっしゃりません。中に入ってお待ちください」 Ⅲ:「貴方のような怪しげな男にお会いさせる訳にはいきません」 投票結果 Ⅰ:2 Ⅱ:0 Ⅲ:5
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965 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/01/02(水) 20 09 07 「貴方のような怪しげな男にお会いさせる訳にはいきません」 「………………」 予想外の言葉に思わず唖然となる。よもや否応なく拒否、とは……。 呆然と佇む俺を尻目におばさんはさっさと扉の内側へ帰っていき、門前にはポツリとむさい男だけが残された。そんな俺を虚仮にするかのように、砂を含めた突風が顔面を叩く。 突如として白紙となった予定に対応が追いつかない。意気高らかに会えることを前提にして向かったというのに、これは出鼻を挫かれてしまった。久しぶりの再会を楽しみにしていたこともあってか、受けた衝撃は深く重い。 とにかくこのまま立ち尽くしていても仕方があるまい。コーネリアさんは後で会うとして、まずはグンパを訪ねることにしよう。確か鉱山区に居を構えていた筈だ。 「でも鉱山区って行ったことないんだよな。ガルカの居住区だっけ? どんな場所なんだろ?」 涎に入り混じった砂を吐き出し、歩を彼方に掛かってある橋の方へと向ける。川から反射された紫外線が肌を軽く焼いた。 そうして微かな期待を抱いてゲートを潜った先には、しかし先ほどの商業区の余裕と趣向を併せ持った造りは一切存在せず、いたって簡素な、ともすれば貧乏と形容されても仕方のないみすぼらしさが広がっていた。粗悪な木造りの家に、古ぼけたなタイル。そして作業場と思しき足場が住居のすぐ傍に建てられているではないか。思わぬ現実に真珠となった目が戻らない。 「小僧。お前、ヒュームか?」 いきなり呼びつけられた声に慌てて体を向けると、岩のような巨体が日を遮りながら立っていた。ガルカだ。深い皺を刻んだ顔に、つるはしを抱えた圧倒的筋肉。泥塗れの体から発せられた覇気は警戒を促すのに十分な迫力であり、こちらも呼応して体内の魔力回路を起動し身構える。 「今日は嫌な日だな、オイ……。ここにヒュームなんぞが迷い込んで来るんじゃねえ! 身ぐるみ剥がされたくなかったらとっとと出て行きやがれ!」 男の怒号は一方的であり、口調には俺に対する蔑みすら含まれていた。 訳がわからない。俺がバスに住んでいた頃は、こんなこと起こらなかったのに。どうすればこの場合ベストなのか。 混乱して動けずにいる俺を挑戦と捉えたらしいガルカは、大木と見紛う巨足を前へと踏み出した。マズイ、喧嘩になっちまう。 こちらもやむを得ず拳を構えた時。 「まあまあ、そんなカッカしなくてもいいじゃん」 すぐにも殴り合いが始まろうとする剣呑な空気は、割って入った少年によって四方へと掻き消された。少年の小さな顔と声は、俺の探し人の一人と一致していた。 「お前、グンパ……」 「なんだグンパ? ヒュームの肩持とうってのか?」 「そんなんじゃないけどさ。ガルカの猛者ダイドッグがこんなペーペーを相手にしなくても、と思ってね」 半年間鍛えに鍛えた俺をペーペーと評する彼に苦笑する。妙に小生意気な口調は俺の知っているグンパのそれであり、おかげで頭を占めていた緊張は霧散し改めて帰ってきたのだという実感がふつふつと湧き上がった。 「ふん、相変わらず調子のいいガキだ……。まあいい、今後は気をつけることだな」 小賢しい態度に目の前のガルカも毒気を抜かれたらしく、決まりの悪そうな顔をして何処へと去っていった。 巨体が壁を曲がり見えなくなってようやく固まった筋肉は弛緩し、回路に流れていた魔力は正常量にまで治まる。強化を使えば勝てない相手ではなかったにしろ、それでも誰かを無闇に傷つけることがなくて本当に良かった。 「ありがとう、グンパ。お礼を言いに来たってのに、出会い頭で助けられちまったな」 「フ、兄ちゃんが元気だってわかっただけで儲けものだよ。久しぶりだね。手紙もくれないものだからみんな心配していたんだよ?」 思わぬトラブルに見舞われたものの、それでもかつて情を分け合った者との再会は、暖炉とシチューの組み合わせに勝るとも劣らぬ温かみを与えてくれる。知らない世界に放り出されたからこそ、この貴重な出会いを噛み締めるように味わった。 「とにかく僕の家に行こう。また絡まれたら面倒だしさ」 少年の案内に沿い、小さな古ぼけた小屋へと招待される。やはりここも他の家と同じく簡素な木造りの家で、贅というものが微塵も感じられなかった。先ほどから感じていた戸惑いが、ここにきてますます確かなものへと変化していく。 「なあ、グンパ。俺はバストゥークで大体一ヶ月くらい生活していた訳だけどさ、ここ鉱山区ってどういうトコなんだ? 俺の知っているバスとは違和感が離れないんだが……」 「それは…………」 閉ざされた口は重く堅く。自分達以外の種族に語るべきか。俯いた顔は何も答えない。 はぐらかす、という意味ではないのだろうが、ドアを開けた手は恭しく先を示し、客人をもてなすべく道を譲っていた。とりあえず入れということか。 軽く鼻息を吹き出し、ありがたく上がらせてもらうことにする。 「お邪魔しま……――――――――っ!?」 途端。 暗黒が全身を冒し尽くす。 それは『この世全ての悪』とは似て非なる別種の闇。 悲しみ、憎しみの底にある業……。誰もが抱える負の心を背負うことが義務付けられた存在。 振り返らない。省みない。 ――――決してその先に希望はない。 「……はっ、はっ、はっ、はっ…………」 見ればいつの間にか片手には螺旋剣が握られ、周囲の景観は3秒前よりも1メートル弱ズレていた。頭からは大量の汗が流れ落ち、口内にあった水分は一瞬で蒸発した。 俺はこの螺旋剣で何をするつもりだったのだろう? ――――誤魔化すな、わかっている。 俺は………………■られる前に、■■。 強化した眼で中を覗けば――――全身を『黒』で包んだ異形の騎士が佇んでいた。 Ⅰ:我が骨子は捻れ狂う Ⅱ:逃げる Ⅲ:ご愛読ありがとうございました! プリンセス士郎 投票結果 Ⅰ:0 Ⅱ:5 Ⅲ:1
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777 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/03/03(月) 23 44 19 一旦決意した以上、それまでの不明は嘘のように晴れ、後の立ち上がりは自身でも意外なほど、こざっぱりとしたものであった。 事前に買い置きしておいた薬品類、そしてクリスタルを使い古された鞄に詰め込み、寝間着からカレンに縫って貰った旅装へと着替える。続いて丹精込めて削っておいた鏃のチェックをし、厨房にてコックの目を盗んでコップ一杯分の水を飲み込めば、もう旅の準備は完了していた。 「――さて、と」 ふっと息を吐き出して小さく纏めた荷物を右肩に背負いこみ、既に薄暗い廊下を抜き足差し足で極力音をたてぬように歩く。傍目からコソ泥と見間違われる可能性は無視できないが、何故だか周囲の気配は皆無に等しく、未だヒトが起きている時間帯だというのに、とりわけ理由のない静けさは、一種の不気味さすら感じさせた。……まるで、これからの旅路を暗喩しているかのように。 行くのは俺一人のみ。 俺が行きたいのだから行く。たったそれだけのコト。故にカレンらの許可など請う必要もなく――――ましてや、仰々しい挨拶など必要あろう筈がない。ほんの、近隣を散歩する程度の気分。 何度でも言おう。『俺は一人で行くつもりだった』。なのに―――― 「……まるで他所へ泥棒にでも行くみたいよ、貴方……」 振り向けば、呆れ顔に加えて微かな蔑みを混ぜた、冷たい金色の瞳。 一番厄介な奴に見つかったことで稚拙な計画は一瞬でご破算となり、同時に寝起きの荒れた胃壁をジクジクと痛めつける。 「一応聞いとくけど、みんな揃ってる?」 「ええ、揃っているわ。所在も私も。たった一人を除いては、ね」 やはり……。 不思議と身体が驚愕に包まれることなど皆無であった。だが、今更後悔したところで何がどうなるという訳ではないものの、それでもあの夢を見た今朝方にすぐ行動を起こさなかった自身の愚鈍が、ただひたすらに苛立たしいのは事実である。 「……ま、そういうことだから。探しに行ってくる。もう暗いし、多分今日中に帰るのは無理かもしれない。悪いけど、しばらく巻菜と一緒に待っててくれ」 「…………」 「? じゃ、行ってくる」 俯きながら何も語らぬ彼女を不審に思う傍ら、一方で一秒たりとも惜しい俺にとっては些細事に過ぎず、取るに足らぬ差異と断じ、通り過ぎようとしたその時――――。 ……重ねて言うが、俺は一人で行くのだと決め込んでいた。危ない目に遭うのも、そのせいで深い傷を負うのも、俺一人で良い。それが誰かの肩代わりになるというのなら、むしろ喜色すら感じる。 そう、思っていた。 弱々しい握力で服の裾を掴む、白い指を目にする瞬間までは。 「お、おいおい。離してくれ。歩けないってば」 「……イヤ」 震える指は、果たして古傷のせいなのか。 白い頬を赤く染め下唇を噛むその仕草は、痛みを堪えているせいなのか。 「私も――――」 止せ、聞くな。聞いてはいけない。衛宮士郎に彼女を受け止める手段なぞ持ち得ない。 漠然と渦巻く危機感焦燥感。聞くな、聞くな、聞くな。聞いてはいけない。聞いてしまえば最後、俺はもう、見知らぬ誰かを救い続ける正義の味方でなくなってしまう。 必死で理性の面持ちを取り繕うも、それは外面だけの紛い物。脳裏をジューサーの如く掻き混ぜる苦悩と混乱は、衛宮士郎の短い生涯に於いて、解決策が浮かばないくらいに、信じられないくらいに、激しいものだった。 「――――連れて行きなさい、士郎」 「はあ、っ……」 ああ……聞いてしまった。俺はもう、戻れない。 「貴方は貴方の成すべきことを。貴方が力無き誰かを守るというのなら、私は捨て身の貴方を守ってみせる。手が空いていなければ手の代わりを、足が空いていなければ足の代わりとなって、共に地獄の橋を渡ってあげる」 「カレン……。すま、ない」 「謝らないで。……『負い目を持つな』。あの娘にも、言われたことでしょう? それに、最初に離さないって言い出したのは、貴方よ?」 そう言い、滅多に見せない微笑でトドメを刺す聖女の庇護。 ああ、ああ、終わった。今、誰かを平等に救い続ける正義の味方は彼方へと霧散した。もう俺には、公平な救いなど、期待出来ない。 ごめんなさい、切嗣。ごめんなさい、■■に残された皆。ごめんなさい、セイバー。 だがせめて――――せめて、神様。この醜く歪んだ俺達に、祝福を。 「…………」 「ん……」 それは身に備えられた本来の用途とは、遠くかけ離れた行為。しかし俺達が人である何よりの証拠で、人として在る以上、恒常的に存在する愛情表現。 そして、雑多な御託をいくら並べようとも、カレンは際限なく――――この上なく、熱かった。 やがて互いに短く息を吐き出し僅かな隙間を空けた直後、まるでグラウンドを十周したが如くの疲労感が全身を襲う。初めて知った。人を愛するって、こんなにもエネルギーを使うものなのか。 見れば彼女も肩で息をしている有様で、まるで風邪にでもかかったかのように、細い震えがカレンを握り締める手を伝って俺に流れ込んでくる。 「……ひどい、男」 「ダメな、女……」 腕の中の女はひたすらに小さく、聖杯戦争やこの世界で目にしてきた強者達と比べれば、問題にならないくらい繊細で弱々しくて――――反面、炎を抱いているのかと錯覚してしまうくらいに、熱い。 俺は……。 Ⅰ:カレンと一緒に行く Ⅱ:巻菜も誘う Ⅲ:行くのは自分一人 投票結果 Ⅰ:2 Ⅱ:6(over kill) Ⅲ:0
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864 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/01/22(火) 02 20 16 「その教会ってどこにあるんだい? 是非とも行ってみたいね」 「おう、そうかいそうかい。お主は教会派かいの。なに、そんな難しいトコに建っとらんからすぐに見つかるじゃろうて。……それはそうと」 「ん?」 それまで穏やな口調で語っていた臓硯翁だが、突然端と異様な雰囲気を纏いだし、一種の慎重さを含めた言い草へと改める。今し方快活に話していた只中だというのに、その変化の様はむしろ不自然さを感じさせない滑らかなものであり、不思議と眼前の老人の本性が垣間見えたような気さえするではないか。 互いに心許した関係と自負していたギルガメッシュだけに、老人の変貌には少々の不気味さと、微かな落胆を感じずにはいられなかった。 「な、なんだよ……」 「ふぇっ、ふぇっ。いや、のぅ。半年前まではあそこも立派な教会じゃったが、そこに住んでいた神父は二代に渡って不可思議な死を遂げ――――後任としてやってきたシスターも原因不明の失踪で姿をくらました、曰くつきの場所じゃてのう。果てさて、だというのにお主はそこへお参りに行きたいという。それが可笑しくてのぅ……」 「………………ゴクリ。――い、いやいやいや、何言ってんだよ爺さん! んなアテのないモン、悪い偶然が重なったに過ぎないじゃねえか! ええい、もう行くからなっ、俺は! じゃあなっ」 「ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ!」 実際に湿っぽい空気を手荒く扉を開閉することで新鮮な空気に換気させ、陰湿な翁にせめてもの仕返しを施す。とはいえそんな稚拙な復讐で背中に虫が這うかのような怖気が取り払われる筈もなく、そこは精一杯の虚勢を張った大股歩きで間桐邸を後にすることで、どうにか萎縮した己を景気付けることにした。 ――まったく、あの翁の時折見せる怪物めいた仕草には勘弁してもらいたいものだ。 「ま、あのおっかない魔女よりかは遥かにマシだけどな。何が時間圧縮だ、あのクソババアめ。おかげでまた違う世界に飛ばされちまったじゃねえか」 出来る限りの怨みを込めて呟くも、胸に渦巻く鬱屈した気分はいくらも晴れてくれない。こうなればいよいよ拠り所は神様しかあるまいとそう結論付け、武芸者は教会への足を速めるのだった。 ――さて、夕暮れ前の道中、よりにもよって武芸者は商店街のど真ん中を教会へのルートとして選んだ。勿論件のお気に入りの一張羅を纏って、だ。 荒れ狂う怒号。泣き喚く子ども。職質の嵐。何を勘違いしてか、サイン色紙とペンを取り出すオバちゃん達。――それでいて尚、平然と威風堂々を崩さぬ尊大さ。間違いなくこのギルガメッシュも強者の一人であった。数ある平行世界を旅してきた図々しさは、元からの人一倍アレな性格を増長させ、とりわけ根拠のない不動の自信を築き上げるまでに到っていた。 そうして予定していた時間よりやや遅れて教会へと辿り着き、空には既に赤みが差し始めた頃。 「お、立派な教会じゃねえか。ったく、爺さんが余計なこと言うもんだからどんなおどろおどろしいヤツが出てくるのかと思っていたが、別段驚く程でもないな」 とか言いつつ、蝶番が錆びて重くなった扉を開ける際は、ついつい腰が引けてしまうのは業の成せる業であろうか。いくらお調子者の彼とはいえ、自身の都合の悪いことに蓋をする性格でない故に、まったくの無自覚という訳ではなかったが。 「お、お邪魔しま~す。誰かいますか~? 参拝者ですが~……」 口内に溜まった唾を一飲みしてから、思い切って力を前面に押しやる。すると蝶番はギギ、と嫌な音を鳴らし、木造の簡素な、しかし建造物に見合って豪奢な大きさをした扉がゆっくりと左右に分かたれていった。 ――正体不明というものは得てして怖い。事前に知識を得ていない不明を暴くという行為は、目隠しをして細道を歩く行為に等しく勇気を必要とし、真実を白日の下に晒そうとするには、時に己の身を差し出す蛮勇すら求められるだろう。見えないものは怖い。……そう。例え、中身が一切害意のない、チャラついた軟派神父の笑顔であったとしても。 「はぁい、いらっしゃいませ~! 一名様ご案内~!」 「…………」 ――彼、ギルガメッシュが常識と知っている教会とは、まず静かで、不思議と厳かであることが挙げられる。理由は、原色が鏤められた美しいステンドグラスから透けた光が神々しいこと、敬虔な参拝者が沈黙を尊ぶこと、祈る対象の神様が喋らないこと、そして決め手に……。 「へへ、募金する気あります?」 ――教会の主である神父という存在が、神の徒の模範生であること。 一巡して落ち着いた思考から離れ、焦点を目の前の神父へと移し、こめかみを押さえながら改めて神父の身形を観察する。まず目に入るのが男の耳に大胆にぶら下げられた金色の耳飾りだ。金独特の油断ならぬ輝きが神聖なる祭殿を照らし、ただそれだけのことだというのに、男を神父の役職から遠ざける役割を果たしている。 軽薄そうな口元は言わずもがな。本人は着こなしたつもりであろう黒服も、体現すべき静粛さは欠片も用を成さず、ただ逆に水と油を強引に混ぜ合わせたかのような不自然さばかりが際立っていた。整髪剤でピンピンに逆立てた髪もやはり減点であろう。 ふむ、と腕を組みながら息をついてみる。武芸者はどうしたものかと再度思考に耽った。 Ⅰ:ツッコミを入れる Ⅱ:そんなことより奥に居る子どもの姿の方が気になった Ⅲ:とりあえずお祈りを済まそうと思ったけど、態度の悪い参拝者が気になった Ⅳ:オチなしで本編に戻る 投票結果 Ⅰ:5 Ⅱ:1 Ⅲ:0 Ⅳ:0
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390 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2007/12/21(金) 23 50 49 投票してくださった皆様、集計してくださった方々、ありがとうございますo( _ _ )o おかげで続きを書くことができます。感謝! ――Interlude side Shantotto 世界がざわめき始めた。勢いを増した戦火がウィンダスを包みこむのも、もはや時間の問題であろう。焼け出されたチョコボがすぐ横を通り抜け、何処かへと走り去っていく。 想い人は遂にわたくしを見てくれなかった。――星の神子。女神の生まれ変わり。ウィンダスのシンボル。戦争。召喚士。 所詮は叶わぬ恋。最初はいい気味だと思った。せいぜいわたくしに振り向かなかったことに後悔しながら、一生を過ごせばいいと思った。――だがそれを言うならわたくしも同じ。所詮は叶わぬ恋。 耐えられなかった。届かぬ想いを胸に秘めたまま2人の間に立つなんて、気が狂いそうだった。だから消えた。前院長を適当に半殺しの目に遭わせ、国外追放という汚名を敢えて被って。 本来なら由緒正しい家系出身、しかも院長がそのような重罪を受けるなど前代未聞だったが、むしろわたくしは天の采配に感謝した。これで堂々と胸を張って去ることができる。簡素な旅支度に身を包み、旅人帽を目深に被り、表門から出て行った。月の綺麗な夜である。 それきり故郷に帰るつもりなどあろう筈がない。愛国心がなかったといえば嘘になるが、しかしその時のわたくしにとってはさしたる問題に挙がらなかった。この件でウィンダスの戦力は確実に落ちたであろうが、自分の他にも優秀な魔道士はたくさんいる。 ――それでも、他国領内に旅立って尚、想い人の影は付きまとう。 夜になって、辺りが静まると、そっとジュノの近くにある丘へ出向き、祈る。 恨んでいた筈なのに。頭の中に住み着いた、忌々しい幻影から逃れるために国を捨てたのに。気付けば再び1人の人間のことを考えている。 呪った。口汚く罵倒した。さりとてずっと胸に抱いていた想いは、どんなに貶めようとも色褪せてくれなかった。 その想いがどれだけ尊いものだったのか。あの人から逃げて、ようやく気付くことができたのだ。 もう戻ることはできない。 ならばせめて、無事を祈りたい。 毎日寝る時間を押して、祈る。朝晩、暑さに身悶え、もしくは寒さに凍えながら、心身を賭して、祈る。 途中、寒暑に耐え切れずに我が身を抱くが、そうした己を叱咤激励し、再度祈る。 カラハバルハは全魔道士の中で唯一の召喚士だ。召喚士は人には聞こえぬ幻獣の声を聞き分けるという。ならば、わたくしの声なき想いも届くのが道理。否、届いて欲しい。届くべきだ。 ――――こういう風に幾度かの季節を祈りに費やし、夜の目も寝ずに心配していた想い人は、とうの昔に国を守るために殺されていたのである。 数ヵ月後、そんな悲しい報せを風の噂で初めて知った。 「――――……」 頬が、濡れていた……。 「最低、ですわ……。こんな……この、わたくしが……」 涙を流すなんて、何年ぶりか。 もうふっきれたと思っていた。とうに二十を越える歳月を経たというのに、まだ自分はあの悪夢に囚われているのか。 「まるで呪い、ですわね。……こんなみっともない元老院首席、誰にも見せられませんことよ」 途端、トン、トン、と明確な意思を持った音がこちらに向かって響く。ほぼ反射的に、悟られまいと瞼を強めに拭う。しかし扉は開かれず、訪問者は姿を見せずに対話を試みた。 「シャントット博士。俺だが……」 「アジドマルジド……。こんな朝早くに何の用です? 生憎わたくし目覚めが悪くって。くだらない用件でしたらブチ切れますわよ」 「……クリスタルのことなのですが」 一瞬、寝覚めの身体に緊張が走る。 クリスタル? 一体クリスタルに何があったというのか――――。 「いや。別に何が、って訳ではないのです。ただ、ヒュームの小僧に渡す、という話を小耳に挟みまして。本当かどうか確認しに来たのでして」 「まだ渡すと確定してはおりません。可能性はある、ということでならそうでしょうが」 「真ですか? 能無しのヒュームに一角のクリスタルを渡すだって? 信じられないな……。神子様は何と?」 「依存はないそうです。元々あの少年が持っていた物なのですから、我々が必要以上に口をだすことは罷りなりませんことよ。……オホホ、もしや貴方怯えていますの? 他のタルタル同様?」 「……冗談はよしてください。俺はただ納得していないだけです」 扉を挟んで、僅かに気の乱れを感じる。やはりアジドマルジドをおちょくるには挑発が一番である。 「……で、それだけでして? こんな朝早くから淑女の部屋の前を侵したというのに、三文以下の価値しかありませんわよ」 「いえ、続きがあります。先程ミスラ本国から罪狩りミスラが到着しました。スカリー……何だったかな。1人で来ているのです」 罪狩り……。あの処刑人どもが、今更ウィンダスに何の用だというのか。 「貴方何でそれを先に言わないの! やはりブチ切れることにします」 「待った待った! いえ、ね。得意面で押しかけてきた奴を棒立ちで待たせるのも一興かな、と思って。悪くないと思いますが……」 ――――! 「……オホホ。なるほど、悪くないですわね。よくやりました、褒めて差し上げます。……さて、どうせならあと1時間くらい待たせてみるのも面白いでしょうね」 短い沈黙を置き、扉の奥から意地の悪い笑い声が響いた。 ――Interlude out. Ⅰ:――Interlude side Saber Ⅱ:――Interlude side Gilgamesh Ⅲ:その頃士郎達は……
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506 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2007/12/28(金) 02 03 56 「い、いてっ!」 甲に巻いた包帯の下から、鋭い痛みが呼び起こされる。もしかしたら化膿しているのかもしれない。当然の処置として消毒はしたものの、動物のくちばしや爪に付着している雑菌は想像以上に厄介なのだ。 「士郎?」 「あ、ああ。大丈夫だ。こんな傷、放っとけば治るよ。俺よりもチョコボの方を気にしててくれ」 よりにもよって、令呪の上にとは……。まったく、油断した。 心配して声をかけてきた巻菜に素っ気無く応えたのも、やはりよろしくない。 ――話の成り行きはこうだ。 ジュノに到着した俺達は、早速チョコボに乗るべくチョコボ厩舎を訪ねた。しかし何でもチョコボに乗るには免許なるものが必要らしく、例え料金を払おうとも騎乗は許可してもらえなかった。 せっかくここまでに来たのにと一時はがっかりしたものだったが、そんな俺達を見かねたオヤジからある提案が出されたのだ。曰くチョコボに懐かれてみろ、と。 勿論何の取っ掛かりもない状態に比べれば、遥かにリアリティがある。否も応もなくその条件にのることにしたのだが、問題は対象となるチョコボだった……。ボサボサな毛の間に隠れた、血の滲んだ傷痕。痩せこけて浮き出た肋骨。潤んだ瞳。 思わずむっとなってオヤジに問い質したのだが、虐待を加えたのはオヤジなのではなく、どこかから逃げて来たものを保護したということらしい。当のチョコボはすっかり人間への信頼が消え失せ、餌を食べてくれず、したがって傷薬も口にしないから、かなり危険な状態であるらしい。こうなるともはや免許云々以前の問題だ。いちもにもなく、俺は世話をする決意をした。 二十四時間交代で世話をし、三日目にはとうとう餌を口にするまでに到ったのだ。ああいう喜びは、中々得難いものである。 「とはいえもう五日目、か。交代で四六時中付きっ切りだったおかげか、少しは信頼を取り戻してきているが……」 「俺はとんだとばっちりを喰らわされた気分だけどな。結局近道をするつもりが、回り道をしちまっている。深刻なタイムロスだよ」 「悪かったよ……。でもさ、放っとけないだろ? あんな目で見つめられちゃさ……」 「バカ。そこがゆとっているってんだよ、お前は。ああいう条件は適当に蹴って、別の手を模索すりゃ良かったんだ。それを一週間近くも……」 巻菜に言われるまでもない。 だが正義の味方を志す身にとって、あの状況はどうしても見過ごす訳にはいかなかったのだ。 微妙なムードが立ち込める中、バタコの眠そうな声が割って入った。 「ふわぁ~あっ、お待たせ~。今度はシロウが休憩する番よ~」 「相変わらず、寝起きはよくないのな。ま、頑張ろうぜ」 「もう餌と薬草はやったから。よろしく頼むな」 樽の上に腰掛ける2人を後にし、扉に手を掛ける。途端、薄暗い厩舎とは明らかに違う、太陽の閃光。そしてそれが反射して輝く海。ここ最近ですっかり時間の感覚が狂ってしまったせいか、もう昼になっていたとは思いもよらなかった。 「――さて。適当にモグハウスに篭もって寝るか。時間もそんなにないしな」 大勢の人ごみを分け、目的の寝床へと向かう。すれ違う人々の中には明らかに人間と違った容姿。バタコと同じく三頭身の小人(タルタル)、俺の背より二回りも巨漢である熊男(ガルカ)、ウィンダスで世話になった族長やセミ・ラフィーナと同じ猫女(ミスラ)。 そしてバストゥークやウィンダスでは見たこともなかった、長身で耳が尖っている人達(エルヴァーン)。気のせいか首が普通よりちょっと長く見える。勿論中には俺や巻菜と同じ姿の人達もいた(ヒューム)。 元の世界は人種の差といえば肌の色やら髪の色、もしくは僅かな顔つきの相違であったが、ここはそんなものを吹き飛ばすくらいにぶっとんで違う。こう言っちゃ失礼に値するのだが、彼らが俺と同じ人間と判別されているのが不思議に思えてくる程に。 だがそれすらもジュノで数日を過ごす内に気にならなくなった。何故かって、ここは人と敵対している筈の獣人ですらが商業権を有しているのだ。表を通っている時に声を掛けられたことがあったが、あの時は本当にたまげた。 とにかくジュノはそんな国なのだ。三国の中央に位置することが関係し、多種多様な種族が入り乱れる街となっている。その上多くのことを受け入れる懐の深さを併せ持ち、おかげで三国を圧倒するくらいに豊かなのだとか。実際に店に並んでいる品の豊富さを見ればわかる。 「ホント凄い国だよ……。ここを創ったカムラナートって人は偉大なんだな……」 しかも驚くべきことに、ほんの30年前まではジュノは漁業を糧とする寒村でしかなかったのだ。それをカムラナート大公の出現により、たった10年の時を以ってここまでの大国に成り上がったのであるらしい。空飛ぶ船――飛空挺の開発。三国を纏め上げる政治手腕。全く、現実離れしている……。 「とはいえ、こうも人がいちゃ、移動するのも一手間だな。……っと、ん?」 唐突に、雑多とした人ごみの中で見覚えのある頭を発見する。あの赤い頭巾。間違いない、あれは……。 「ギルガメッシュ! ギルガメッシュだろ? 奇遇だな!」 英雄王の名をここまで軽々しく呼べる奴は他にいない。あの事件の後だから、実に半年振りの再会である。 全く役にたっていなかったが、それでも我が身を省みずに助けに入ってくれたことに関して、俺は彼に少なからず好意を抱いていた。 直後気だるそうに振り向いた顔には…………歌舞いた隈取に浮かんだ涙。いや、えと、な、何故……? 「よぉ、あの時の坊主じゃないか……。元気そうだな。あんなことがあった後だから、安心したよ……」 「そういうアンタは元気そうじゃないのな。どうした? せっかくの再開だってのに、そんな顔をされちゃ堪らないよ」 察してくれという合図なのか。ギルガメッシュは自らの右肩を、ゆっくりと労わるようにさすった。 「ついてねえ……。畜生、この右肩の傷さえなけりゃあ、ジュノの親衛隊入りの試験に合格したってのによぉ……。くそ、あんな決闘受けるんじゃなかったぜ」 「は、はあ」 「おかげで無職のプーさ。ギルもないし、これからどうすりゃいいってんだ……」 何とも妙な展開になってきた。 果てさて、一体どうしたものやら? Ⅰ:「それは残念だったな。じゃあな」 Ⅱ:「いいですとも。俺達の用心棒になってくれますとも」 Ⅲ:「役に立たぬ奴め! 次元の狭間へ行くがいい!」
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ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト シングルプレイ攻略 ├ 信じる力 ├ 鬼火 ├ 街へ ├ 約束の時 ├ アルと一緒に ├ 破壊の塔 ├ 冒険へ ├ 森に暮らすもの ├ 王の受難 ├ レラ・シエル ├ ミースと一緒に ├ テテオの法衣 ├ 罪と罰 ├ 死者と生者と過去への再会 ├ レラ・シエル崩壊 ├ 討伐 ├ 繋がる世界 ├ クリスタルレコード └ 運命の輪 マルチプレイ攻略 └ クエスト アイテム ├ 武器 | 剣 | 杖 | 弓 | 槌 | ├ 防具:頭 ├ 防具:体 ├ アクセサリー ├ レシピ | 武器 | 防具:頭 | 防具:体 ├ 素材 ├ ポケットパネルのアイテム ├ しずく ├ ポケット・ポーチ └ 食べ物 レベルアビリティ ├ クラヴァット族 ├ ユーク族 ├ セルキー族 └ リルティ族 その他 ├ 小ネタ ├ そうび特殊効果 ├ マジックパイル ├ 種族について ├ 地名について ├ 状態異常について └ クリア後について 名前 コメント すべてのコメントを見る カッコいい!興味をそそりますね(^m^) -- (http //www.middleeastmanagers.com/) 2012-11-15 01 48 14
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96 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2008/03/16(日) 00 39 55 ――Interlude それは信じられない出来事だった。 広間に季節ごと到来した、大気を漂よう雪の結晶も。 凍てつく寒さも。髪に纏わりつく霜も。 剣を握る指先は既に感覚を失い、 長年の宿敵を前に昂ぶる血潮は最早流動を止め、 生命の息吹が翳りをみせていても。 短いとはいえ確かに耐え抜いた今生の中で、 最も死を連想させる恐ろしき相手を前にしても。 ――――この衝撃には程遠い。 会いたかった? 否、違う。 喩えどれだけ否定されようとも。 不動の誓いを課せられようとも。 私は彼に会いたくなどなかった。求めてなどいなかった。 ――恐らくは、眼前で命を賭けた決闘に臨む、 そして私と同じく、驚きに目を二回り程大きく見開く彼女も。 脳裏に浮かんだ感情は、ただひたすらに原始的な、『何故』の疑問符。 もう、とうに袂を分かち、決別した人なのに――――? 「あ……」 冷えて薄氷がこびり付いた剣が、どうしてか急に重く両手に圧し掛かり、 つい、耐え切れずに暗く濁った地面へと落としてしまう。 それは決定的過ぎるほどの油断。 相対する『敵』に問答無用で切り伏せられようとも、 何の文句も赦されない腑抜けの所業。 「……ブリザドⅡ」 私と同様彼と懇意であるというのに、流石の彼女もこの隙を見逃してなどくれなかったらしく、 召喚した神獣を操り、一種の呆れすら呪法を紡ぐ声に込め、容赦なく氷の飛礫を浴びせてくる。 ――氷の女王。彼女にはとある逸話が存在する。 かつて存在した南方の小国に即位していた女王シヴァ。 しかし大国に内通していた公爵の裏切りに遭い極北の地に追放され、 国を奪われるという悲劇に見舞われる。 後に祖国を失った忠臣が救出に向かったものの、 そこには既に生前の美しい彼女の姿はなく、 冷たい氷に閉ざされた彼女の亡骸だけがあった。 彼女の死に深く慟哭した忠節の騎士達はその場で命を断ち、 それから数年後、彼女の怒りの顕現か、 南方の大国には、それは激しい雹の雨が降るようになった。 シヴァの怒りと恐れた大国の王は、 その怒りを鎮めるため、彼女を祭る神殿を建てたとされる……。 眼前に佇む女は、伝説にまで昇華された神の化身。 ああ、だというのに、 これほどの相手を前にして尚、 この感情が、この感情が、この感情が、この感情が、 この感情が、この感情が、この感情が、この感情が、 ――――本当に、余計だ。 「だけど、シロウ――――」 自らの意思に反して浮かび上がる涙が、拭うよりも先に冷たい氷片へと変わる。 死の淵に立たされて尚、熱く火照るこの想い。 十数年に及ぶ長き時に渡って胸の内に居座り続けたこの感情こそ、 掛け替えもなく優しい真実だと思いたいから。 ――Interlude out. 「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!」 願うよりも先に。 いらぬ思考に時を費やすよりも先に。 重く鈍い魔術回路は流れる河川の如く滑らかに起動し、 自身が保持する唯一の防御宝具の設計図、 トロイ戦争を駆け抜けた英雄アイアスの盾を投影していた。 空中に描かれる円環は、完璧には程遠い四枚の花弁。 だがそれでいい。 重要なのは、目の前の少女を如何にして守れるかという事実。 花冠は傷つき蹲る彼女を優しく包み込み、 襲い来る雹、つらら、吹雪の脅威から完全に寸断していた。 「莫耶!」 「…………」 とりあえずは目前に迫った脅威を逃れ得たことに胸を撫で下ろし、 息をつくより先に、探し人であった彼女の元へと駆け寄る。 蹲る彼女は疲弊しきっているのかこちらの返事には応じず、 加えて視線を向けようとすらしない。 悪い予感が脳裏を駆け抜けるも、深く彼女の様子を窺い見れば、 冷えて白い肌こそ痛ましいものの、それでも確かに“生”の温かみが見受けられた。 「――――無事で良かった。急にいなくなるものだからさ、心配したんだぞ」 「…………」 「? おい、莫耶?」 喋っている間もずっと下を睨んでいた莫耶の目が徐々に細まり、 心なしか、眉間には苦しそうに堪える縦皺が刻まれていく。 不思議と、それが憤怒の表情というよりも、 俺にはむしろ、内に秘める苦悶に耐える仕草として映った。 「……何故……」 「……え?」 「……何故、ここへ?」 「何故……って? いや、お前が心配だから……」 その言葉を引き金に、 それまで無表情を取り繕っていた顔が一気に豹変し、 鋭い視線を以って俺の瞳を射抜く。 ……その目には、信じられないことに、 俺に対する憎悪の感情すら篭められていた。 「貴方に……」 「ばく……や?」 「貴方に、私の何がわかる?」 「!」 「思い上がらないで欲しい。貴方程度の人間に、私の何がわかるというのだ。 心配、だと? 一人では生まれたての魔物すら倒せない未熟な狩人に、心配される謂れなどあり得ない。 ふん。それほどの成長など、貴方には望むべくもないだろうが」 「謂れって――――俺は、ただ……!」 「……貴方は自分の命が勘定に入っていない。 そのような人間に、こんな処まで守られに来る覚えなどない。 自分より他者の命を優先させる、生きた屍……。 自身の命の価値すら理解できぬから、のこのことこのような場所にまで来られる」 「お前、莫耶……」 「気に障ったと? ならば早く最寄の街に帰るといい。 貴方には帰りを待っていてくれる人がいるのだろう? 頼むから戻ってくれ。貴方では足手纏いにしかならない」 頭を中心にして、沸々と体温が上がっていくのを自覚する。 撃鉄がガチャリと重い音を響かせ、所定の位置に嵌まり込む。 にべもなく宣言できる。 目下の俺は、この上なく怒っているのだと。 俺は……。 Ⅰ:キレて帰る Ⅱ:堪える Ⅲ:カレンが歩み寄ってきた 投票結果 Ⅰ:0 Ⅱ:0 Ⅲ:5
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中見出し 2ちゃんねる上のファイナルファンタジー7(以下FF7)総合スレッドに関連するwikiです。 基本的に、スレッドの書き込みを元に攻略・考察等を行う目的に使用します。 【注意事項】 Wikiの更新は各個人の自由ですが、編集した内容に関しての権限は利用者全てに存在します。 どなたでも編集可能ですが、悪質な更新は永久追放 プロパイダに通報となります。 間違いなど見つけた場合は、修正をお願いします。 また、意図的に間違った情報を書き込むのはお止め下さい。 検索 【スレッド履歴】 <現行スレ> FF7総合スレ Part100 http //wktk.2ch.net/test/read.cgi/ff/1416749043/ <過去スレ> 【テンプレ】 FAQ レアアイテムまとめ 【攻略サイト】 ・携帯用 http //f-fannet.sakura.ne.jp/ http //w7.abcoroti.com/~ffguidepost/ultimania.php ・FINAL FANTASY VII Data FAQ http //www.geocities.co.jp/Playtown/4494/ff7.html ・Final Fantasy 7 DataBase http //www19.big.or.jp/~usb/zion/ff7/ff7.html ・Nemax式FF FF7インターナショナル版攻略(マップお勧め) http //nemax.mygamesonline.org/ff7/ ・FF7攻略サイト http //www.syumimania.com/ff7/ ・FINAL FANTASY VII 完全攻略 http //www.ffdq.com/ff7/ ・FF7系小ネタ 後でできない事を知らせるゲーム攻略サイト(コンプ系にお勧め) http //www3.pf-x.net/~rv/ff/ff7info.htm 【コメントフォーム】 テスト -- 127Pちゃん (2007-04-05 00 28 37) 2get -- 名無しさん (2007-04-05 04 32 19) 3get -- 名無しさん (2007-04-07 13 28 36) 最近ネットラジオやり始めたので、やるときゃここで告知します -- 127Pちゃん (2007-06-01 21 18 43) つーわけで今夜23時より放送開始。場所は2chのなんでも実況V -- 127Pちゃん (2007-06-01 21 27 00) 今夜12時半よりラジオを予定しておりましたが、やるかどうか微妙なところです。反応があったらやろうかと。 -- 127Pちゃん (2007-06-03 00 02 48) やってほしいですよー -- AVさんのファン (2007-06-03 00 07 26) じゃあ、ちょっと雑用済ませるので1時くらいから予定。場所とスレタイは前回と同じで -- 127Pちゃん (2007-06-03 00 14 32) 放送開始しました。スレタイ「童貞の集まるラジオ127MHz」 -- 127Pちゃん (2007-06-03 01 20 50) 今夜11時ラジオ放送予定。場所は前回と同じ。127で検索かければ出てくるはず。 -- 127Pちゃん (2007-06-08 17 42 20) 都合により、1時間ずらして0時より放送開始 -- 127Pちゃん (2007-06-08 22 55 59) 今夜11時より放送予定。場所とスレタイはいつもどおり。 -- 127Pちゃん (2007-06-15 19 00 55) 突然携帯がぶっ壊れたので、今週末にネトラジをやるようなら、参加出来ません -- 携帯 (2007-06-20 14 59 39) 今日の放送は未定です。ギリギリまでちょっとできるかどうかわかりません。 -- 127Pちゃん (2007-06-22 18 07 44) 楽しみに待っているので、可能ならお願いします -- DT (2007-06-22 20 19 07) すいません。都合により今日は放送できなくなりました…。代わりといってはなんですが明後日に放送予定します。 -- 127Pちゃん (2007-06-22 21 13 56) 携帯買い換えたので、復活しました。放送は今日ですか? -- 携帯 (2007-06-24 18 31 26) 深夜1時より放送開始します。場所、スレタイはいつもどおり。 -- 127Pちゃん (2007-06-24 23 14 01) 深夜1時より放送開始。場所、スレタイは上に同じ。 -- 127Pちゃん (2007-06-29 20 25 08) 聞き逃してしまったorz 今夜も出来ればお願いします -- 名無しさん (2007-06-30 10 40 44) 今日は都合により放送なしです。今月は忙しいので放送回数少ないかもです…。 -- 127Pちゃん (2007-07-06 17 17 00) 今週金曜22時より放送予定です。ゲームプレイ実況はもうちょい先になりそうです。 -- 127Pちゃん (2007-07-12 03 13 43) 魔女の宅急便実況の影響を考慮して11時半放送に変更します -- 127Pちゃん (2007-07-13 21 17 17) 大ッッッッ変長らくお待たせしました!ゲーム配信環境整いました!テスト配信も無事クリアしたので都合付き次第配信日お知らせいたします -- 127Pちゃん (2007-09-05 19 54 40) もうやらないのかと思ったw -- 名無しさん (2007-09-05 22 01 49) 今日22時キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! -- 名無しさん (2007-09-10 13 33 54) 22時に何があるんだ?ネトラジ? -- 名無しさん (2007-09-10 16 45 54) 今夜22時、何でも実況Vにてゲーム配信やります。スレタイはFF7で検索すれば出てくるはずです。 -- 127Pちゃん (2007-09-10 17 03 11) 携帯からでも参加おk?迷惑になるようならやめるけど。 -- 名無しさん (2007-09-10 17 43 19) 18日、23時より配信予定。場所はいつもどおりなん実V -- 127Pちゃん (2007-09-16 23 17 50) すいません、まだ出先にいるので時間を24時にずらします… -- 127Pちゃん (2007-09-18 22 46 37) キャプボとヘッドフォンマイクの不調により中止になりました…本当に申し訳ありません。次回はなるべく今週中に間に合わせる予定です -- 127Pちゃん (2007-09-19 01 33 16) 今夜23時より放送予定。場所とスレタイは前回同様。 -- 127Pちゃん (2007-09-22 15 35 24) 避難所→ttp //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/34346/1190485586/ -- 名無しさん (2007-10-01 02 04 56) 何か放置しっぱで申し訳ない -- 127P (2008-03-17 19 23 43) 新たに「デートイベント(オールキャラチャート)」のページ作ったんだけど どうもトップに載せれないので 代わりに載せて頂けませんか -- 名無しさん (2009-12-03 21 46 24) 名前 コメント
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今日 - 合計 - ファイナルファイト・ガイの攻略ページ アクション ベルトスクロール 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2017年06月19日 (月) 08時14分42秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して