約 4,251,925 件
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/398.html
+ セリフ一覧 Grand summon 召喚 「トリック・オア・トリート! 自己紹介は不要よね? 鮮血魔嬢エリザベート・バートリー、 あなたの熱いエールに応えて、とっておきのドレスで参上したわ!」 Synthesis レベルアップ 「ありがと。まだ強くなるわよ、マスター?」 霊基再臨 1 「え? 私 (アタシ)、着替えないわよ? だってこの衣装、もう完璧なんだもの」 2 「箱の大きさが変わったかしら?」 3 「あともう少しね、ご褒美をあげるからがんばりなさい」 4 「一夜限りのお祭りだったけど、最高に楽しかったわ。ありがとう、マスター。お礼はライブで、殺人級のナンバーで返してあげる。さあ、フィナーレよ! みんなー! 死ぬ気で応援しちゃってよね!」 Battle 開始 1 「トリック・オア・ブラッド! お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!」 2 「ハロウィンだもの、ポップでキュートに血祭りね!」 スキル 1 「真っ赤なゼリーを分けてあげる」 2 「あら、夜はまだこれからでしょう?」 コマンドカード 1 「うふふふ……」 2 「期待に応えるわ」 3 「いっちゃう?」 宝具カード 「メインディッシュね、昂ぶるわ!」 アタック 1 「強く」 2 「甘くっ」 3 「痛々しく!」 エクストラアタック 「ディナータイムね!」 宝具 「はぁい、とっておきのスペシャルコラボよ! 兎みたいに飛び跳ねてね! 『 鮮血特上魔嬢 (バートリ・ハロウィン・エルジェーベト)』!」 ダメージ 1 「あづっ、あづづづづづづ!」 2 「んもぅ!」 戦闘不能 1 「ごめんなさい、フェスはここまでね……」 2 「お気に入りのドレスだったのに……」 勝利 1 「ごちそうさま。次の夜までお休みなさい」 2 「楽しかったわ! カボチャのブタども、ありがとー!!」 My room 会話 1 「ほらほら! 早く行きましょ? あっちのステージで、かわいいブタたちが 私 (アタシ)を待ってるんだから!」 2 「 私 (アタシ)が主でアナタは執事……なんだけど、このドレスの時は特例ね。感謝なさい? スペシャルなサーヴァントとして、アナタを満足させてあげる」 3 「契約を破ったりするのは駄目よ? 信用には、信頼で応えてね、マスター?」 好きなこと 「好きなお菓子? 私 (アタシ)はケーキよりプディング派だけど……赤くて、熱くて、刺激的な味なら、なんでもいいわよ」 嫌いなこと 「嫌いな食べ物? んー……強いて言うなら、オクトパス? 嫌いというより、苦手なのよね、アレ」 聖杯について 「聖杯について? ああ、ちょっと前に拾ったわよ。『主役になりたい』って願ったら、キラーって光って、消えちゃったけど」 絆 Lv.1 「言っておくけど、普段の 私 (アタシ)がどんな英霊なのかって話題は、キャンセルの方向で。イヤってわけじゃなくて、よく思い出せないっていうか……とにかく、今の 私 (アタシ)だけを見ていればいいの!」 Lv.2 「ハロウィンにもいろいろあるのねぇ。 私 (アタシ)の国のハロウィンは静かに祝うものだけど、カボチャのランタンだけは共通ね。まぁ、ウチのカボチャはそんなに甘くもないし、美味しくもないんだけど」 Lv.3 「っ……! たまに頭が、ズキズキするのよね。無理をしているわけじゃないんだけど、なんていうか、アナタの隙だらけの背中を見ていると、ぶっ刺したくなるっていうか。こんな姿になっても所詮は、反英雄なのかな、 私 (アタシ)……」 Lv.4 「なぁーんてっ! いつ裏切られるかとゾクゾクしてくれたかしら? してくれたわよね!? でも安心して、なんか慣れちゃった。アナタが信頼してくれた、おかげかしらね」 Lv.5 「あ~あ、まさか先に 私 (アタシ)の方がまいっちゃうなんて。一夜のハロウィンはおわっちゃったけど、 私 (アタシ)達のロマンスはまだ続くみたい。アナタが夢中になってくれている限り、地獄の底まで付き合ってあげるわ、マスター!」 イベント開催中 「! シークレットライブの気配……! 特設会場は、あっちかしら?」 誕生日 「ハッピーバースデー! ひとつオトナになったんだから……今日ぐらいは、いつもより激しくいっちゃう?」 + イベント関連ボイス Event 復刻:歌うカボチャ城の冒険~マッドパーティー2015~ライト版 1 「元祖ハロウィンショップへようこそ~! やっぱりこっちの方が、落ち着くわね!」 2 「あら、また来たの? 復刻版なのに飽きないのね。 私 (アタシ)は嬉しいけど♪」 3 「はい、どーぞ♪ もったいぶらずに、ガンガン使ってね!」 4 「交換ルートに、輸血パックを入れておくべきかしら……ううん、我慢よ、エリザ!」 5 「中々の回収ぶりね! 次の交換も、期待しているわ!」 6 「最重要アイテム、それがティンクルキャンディー! それだけは忘れずに、全部集めるのよ!?」 7 「カボチャのフェスタは、これでフィナーレ! まだイベントは続くようだけど、こっちのアイテム交換も忘れずにね♪」 8 「ハロウィンは楽しんでくれた? そうであったのなら、 私 (アタシ)もちょっと嬉しいわ。次はいつになるかわからないけど、またいつか、コウモリの城で会いましょう!」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1550.html
町れいむシリーズ 冬編1 ・ハロウィンが明日だと思ってた餡子脳です。 しかもネタを次々先読みされたので、制作時間は半日以下。誤字が少ないといいなぁ。 ・まあ、せっかくなので、「町れいむ~」シリーズ、冬編にしてみます。 とはいってもれいむ一家が主役の話ではないですが。 暦的には秋なんですが、寒い時期=冬編というくくり方をあえてやらせていただきました。キリがいいので。 ・『町の赤ゆの生きる道』、『ちぇんの素晴らしきゆん生』 などで出てきたゆっくり、舞台が登場してます。 ・たぶん前作までを読まなくても大丈夫だとは思いますが、一応そんな感じです。 『ゆっくりしたハロウィンさん』 D.O 空気も冷たくなり、秋も本格的に終わりへと近づいてきた。 今日は、人間さんの社会では『ハロウィン』と呼ばれている日である。 ハロウィンと言えば、この国ではクリスマスやバレンタインと較べると、 どうも定着度が低い行事としておなじみであるが、ここ、虹浦市内では意外なほど立派な祭りが行なわれていたりする。 理由はと言えば、町の名産『ゆっくり』が、なんとなくジャックランタンに似てる、というだけだ。 余りにも馬鹿馬鹿しい理由で後押しがされているハロウィンだが、 町会、学校、役所などが協力して、いわゆる秋祭りの一つとして、結構本腰を入れて取り掛かっているので、 年中行事としてはなかなかの賑わいを見せており、一応成功してはいた。 町中は、ジャックランタンやオレンジ色に塗られたゆっくり提灯で午前中から飾られており、 小中学校も午前中で授業は終わりとなる。 さすがに夜中に子供達を仮装させて出歩かせるというのはよろしくない、という大人たちの配慮だ。 というわけで町では、まだ真昼間だというのにお化けの仮装をした子供達が路上をうろつき、 「とりっくおあとりーと!」「お菓子くれなきゃイタズラするぞー!」との声がそこかしこから響き渡る。 その合言葉が聞こえるたび、町会員宅や公共施設では、子供達にお菓子が配られていた。 「ゆがーん。」 「あまあま・・・」 「わがらにゃいよー。」 そのような光景を見て、目を丸くして驚いている者達がいた。 町中にうろつく野良ゆっくり達である。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「まりさー!」「まりさせんせー!」「ゆっくりしないで、でてきてねー!」 ここは、入口に『餡生物個体数調整地』と看板の立てられた空き地、 要するに人間が研究のため、意図的に作ったゆっくり生息スペースである。 無論ゆっくり達にとっては関係ない事情であり、町一番のゆっくりプレイスとしてのみ知られていた。 敷地内には自動で水位が調整されている人口泉や各種植物が取り揃えられ、 ゆっくりが住み着きやすいように、床下を高く作ったプレハブ小屋まで並んでいる。 雨風から守られるその床下には、現在ゆっくりによるゆっくりのための公共施設が作られていた。 えーりんによるゆっくり医療施設『びょういん』 ゆっくり警察と言ってよい、みょん自警団の集まる『みょん警本部』 そして、町ゆっくり達の孤児院『ほいくえん』 いきなり大声で呼び出されたのは、この『ほいくえん』の園長、保育まりさだ。 「ゆぅぅ~、なんなのぉ?ゆっくりできない声出さないでね。」 お昼寝中だったこの保育まりさは、極わずかなアメと、非道なまでに過酷なムチを駆使して、 親を亡くして孤児となった赤ゆっくり達を、町で生き延びれる程度にまで育て上げることを仕事としている。 まもなく10歳になる保育まりさに、これまでお世話になった赤ゆっくりは、総数5万匹を超えるであろう。 手段はともかく、一応赤ゆっくり達を飢えさせず、生存術を叩き込んではいるので、 その手腕は高く評価されており、町ゆっくり達の間では高い信頼を得ていた。 「むきゅぅ!むっきゅっ!!ま゛・・・まりじゃ、げふげふっ!むきゅ・・あまあま・・・ゆべぇ・・・!!」 「ぱちゅりぃぃいいい!ゆっぐぢめをさましてぇぇぇぇええ!」 「お、落ち着いてね!ゆっくりしてないよ・・ゆゆっ!?何でこんなに集まってるのぉ!?」 保育まりさがぱちゅりーの余りの興奮の仕方に驚いて周囲を見渡すと、 『ほいくえん』の外には、100家族以上、ざっと500匹以上のゆっくりが集まっていた。 見たところ、成体ゆっくり達はいずれも見覚えがある、『ほいくえん』ゆっくり達である。 このままゆっくりしていてもらちが明かないので、最前列のちぇんが代表として口を開く。 「まりさせんせー!わからないよー!おしえてよー!」 「なんなのぉ~?(ゆぅぅ、めんどくさいよ。)」 200匹以上の赤ゆっくりを常時育てている、大忙しな保育まりさではあったが、 10年も町で生き続けているゆっくりなど珍しいため、相談事はどうしても多く集まる。 『ほいくえん』の出身者は、わからないことは大抵保育まりさに聞きに来るのだ。 うんざり気味ではあったが、保育まりさ自身も近所の知恵袋として使われることには慣れていた。 「にんげんさんがあまあまで、いたずらがおちびちゃんなんだよー!!!」 「ゆゆっ!?それは『はろいん』だよ!」 「わからないよー!へろいんさんはゆっくりできるひとー?」 「ゆぅ、人間さんのお祭りだよ。おちびちゃん達がお化けさんになって、 『あまあまくれないとイタズラするよ!』って言って、群れのみんなからあまあまをもらうんだよ。」 「ゆがーん!そんなのゆっくりしてないよー!」 「ゆぅん。おままごとさんだよ。お化けさんが怖いよーって振りして、おちびちゃん達にあまあまをたくさんあげるんだよ。 いっつもあまあまはあげられないから、今日だけはたくさんあまあまをあげるんだね!ゆっくりしたお祭りだよ。」 「ゆわー!ゆっくりしてるよー!」×500以上 「・・・でも、人間さんのお祭りだから、まりさ達には関係ないよ。わかったらさっさと帰ってね。」 「わからないよー・・・。」×500以上 そんなわけで、意気消沈してすすり泣くゆっくり達の集会を解散させた後、保育まりさは助手みょんにぽそりとつぶやく。 「ゆぅぅ。せっかく育てたチビ達なのに、またみんな死んじゃうよ。」 「まりさはゆっくりしてみょん。きっとみんな、まりさのいうこときいてくれるみょん。 にんげんさんに、あまあまをおねだりしたりしないみょん。」 「みょんは本当にそう思ってるの?」 「みょーん・・・。きっと、だいじょうぶだみょん・・・。」 保育まりさは気づいていた。 些細な出来事に過剰反応して、ここに集まって来るようなゆっくり達は、 まず間違いなく人間さんにあまあまをねだりに行くであろう事を。 先ほどの忠告など無視するか、そもそも聞いてすらいないかはともかく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 『ほいくえん』卒園生の集会が終わって30分ほど後。 場所は、町中の広場、その中の公衆便所の裏にある、古ぼけた木箱の中。 集会の中にいた内の数家族が、近所で一番のけんじゃ(笑)のぱちゅりーを囲んで、 全員が中に入れる広さの、れいむ一家のおうちに集まっていた。 無論、このゆっくり達の関心ごとは、『はろいん』さんのくれる『あまあま』である。 「あまあまさん・・・ほしいねー・・・。」 「・・・とっても、とかいはだったわ・・・。」 まるで目の前にあまあまがあるかのように、ゆっくりとした表情を浮かべているのは、ちぇんとありすのつがい。 2匹とも飾りが無く、さらにちぇんは両耳と尻尾を、ありすに至っては顔面の半分ごと左目を失っている。 野生ゆっくりであれば激しく迫害され、もうとっくに命は無いであろう。 お帽子の代わりに卵の殻をかぶった赤まりさや、 カチューシャ代わりにマヨネーズキャップをかぶった赤ありす、 おリボンの代わりに消火器を頭に載せた成体れいむなど、 お飾り無しのゆっくりが珍しくも無い町中だから、こうして生きていられる。 とはいえ、やはりゆっくりした生活など送っていないのだろう、 その瞳にはゆん生に疲れ果てた様子が見て取れる。 「おきゃーしゃん、れいみゅ、むーちゃむーちゃしちゃいよ。」 「あみゃあみゃしゃん、たべちゃいよー。」 「れいみゅ、わがままいったら、みゃみゃがゆっくちできにゃいわ。 しょんなの、ときゃいはじゃにゃいわよ。」 「ゆーん、ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×2 「ごめんね、おちびちゃん。でも・・・あまあまさん、ほしいね。」 こんなやり取りをしているのは、母親がれいむ、長女が赤ありすで、後の2匹が赤れいむのれいむ一家だ。 ちぇんとありす程ではないにしろ、ゆっくり出来ていないのは、慢性的な食糧不足のためである。 この母れいむは母親とは言っても、実質は成体一歩手前と言った感じであり、 実のところ『ほいくえん』を卒園してからそう時は経っていない。 経験不足はいかんともしがたく、子育て、特に食料集めには四苦八苦しており、一家はいつも飢えに苦しんでいた。 「ゆっへん!まりさたちはとってもゆっくりしてるから、きっとにんげんさんもあまあまをくれるよ!」 「きゃわいくってごめんにぇっ!!!」 一方、まりさ親子はそれほど深刻な雰囲気を漂わせていない。 母まりさの記憶は、母れいむの頭上に生えたツタにぶら下がっていた頃、突然町を襲った竜巻に巻き込まれた時から始まっている。 生まれおちる前にツタから引きちぎられて、家族とは永遠に離ればなれとなった。 おそらく姉妹達は、落下して潰れていっただろうが、まりさだけは上手く風が弱まるまで宙を舞い続け、お帽子を失うことすらなく草むらに着地した。 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!!!」 「ゆ!?お空からおちびちゃんが生まれてきたよ!!」 生まれて初めて元気よく挨拶したとき、目の前にいたのは、さすがに驚きを隠せずにいた保育まりさであった。 そんな特殊な経緯もあってか、保育まりさは他の赤ゆっくりにはまずやらないほど丁寧にまりさを育ててくれた。 意外と信心深いのかもしれない。 その後独立して、ちょうど独り身がさびしいと思っていた時、現在育てている赤まりさに出会った。 赤まりさの素性は、母まりさには知ることもできないが、『捕食種用餌ゆっくり・まりさ種』。 人間さんが箱で購入した内の一匹を、たまたま落してしまっただけである。 親を知らない赤まりさは、なんの抵抗もなく母まりさに懐いてくれた。 狩りに出れば、必ず総菜屋や弁当屋の廃棄ゴミと遭遇し、腐ったゴミなど触れたこともない。 命の危険どころか、ケガをしそうな場面にすら直面したこともない。 おそらくは、同時期に生まれたすべてのゆっくり分の幸運を、一身に集めて生まれてきたのであろう。 親子揃ってどこまでも幸運に守られた、町では希少な、正真正銘の餡子脳であった。 そんな3家族を冷めた目で見回しているのは、まちのけんじゃ(笑)こと、ぱちゅりー。 その左右には赤ありすと赤ぱちゅりーが一匹づつ寄りそっている。 やがて母ぱちゅりーは、ゆっくりと他の3家族に語り始めた。 「むきゅん。まりさはああいってたけど、あんなのはうそよ。むきゅむきゅ。」 「まりさはうそつきだったのー!?」×8 「きっとあのまりさは、みんなにうそをついて、あまあまをひとりじめするつもりなのよー!むきゅっ!」 「ゆゆっ!?ひとりじめはゆっくりできないよ。」 「むっきゅっきゅ・・・、こんなにかわいいおちびちゃんたちが、 おばけさんのかっこうまでして、にんげんさんのところにいってあげるのよ。 にんげんさんもゆっくりして、ぜったいあまあまをくれるはずだわ!」 「しょーなのじぇ、まりしゃたちはゆっくりできるのじぇ!」 「れいみゅだってゆっくちしちぇるよ!」 「ときゃいは!ときゃいは!」 「ゆーし!それじゃあおちびちゃんがおばけになって、たくさんあまあまをもらうよ!」 「えいえいゆー!!!」×11 「みゃみゃ・・・」 ぱちゅりー一家以外の3家族がそれぞれ行動を開始した後、 ぱちゅりーの子供の赤ありすが、ぱちゅりーに話しかけた。 「にんげんしゃんは、ゆっくちできにゃいっていってたにょに。どうちて・・・?」 「むっきゅっきゅ。あのれいむたちがいなくなったら、このおうちも、 くささんやはっぱさんも、ぜんぶぱちぇたちのものになるのよ。」 「しょ・・・そんなのときゃいはじゃにゃいわ!」 「むきゅ!?おちびちゃんはまだちっちゃいからわからないのよ。 しょせんこのよは、けんじゃがおばかさんたちをふみつけていくものなのよ。」 「しょんにゃ・・・ときゃいは・・・」 赤ぱちゅりーの方はニヤニヤしているあたり、母ぱちゅりーの性質をよく受け継いでいるようだ。 しかし、赤ありすの方はそこまで割り切れないらしい。 それも無理はない。 赤ありすは、体の弱いぱちゅりー達と違って、ご近所の赤ゆっくりたちと一緒に遊んだことも多い。 お人好しな赤まりさには、たまご焼きさんや、ぱしたさんまでごちそうになったことがある。 頭は悪いが性格は善良そのものと、野良としては天然記念物モノの赤まりさに対して、実はひそかに想いを寄せてもいた。 れいむ一家の長女ありすとは、真の都会派を目指してペニペニをしごき合うライバル同士でもあったし、 赤れいむ達には、長女ありすと一緒に都会派コーディネートを教えてあげたこともある。 ゆっくりできていないちぇん夫妻には、まるで自分たちの娘でもあるかのように優しく接してもらってきた。 要は、このぱちゅりー一家で、赤ありすが一番周囲の社会に溶け込んで生きてきたのである。 それが野良の生活で不要だと言うのであるならば、赤ありすは、間違いなく野良の劣等生なのであろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.しあわせーなまりさ親子のハロウィン ここは、ゆっくり達が集会を行っていた広場の近所にある学校、湯栗学園。 その広大な校舎内には、古い合宿所を改修して作られた、職員(ゆっくり)用宿舎がある。 現在住んでいるのは、施設管理を担当している2匹、ゆうかりんとふらん、 家庭科教師の優宇河先生、そして彼女の飼いゆっくりであるまりさ姉妹だ。 その台所では今、優宇河先生と弟子のゆうかりんによって、カボチャ料理が次々と生み出されていた。 「ゆうかりーん。カボチャ煮えたー?」 「もう少しみたいです。お皿の飾り付け、やっておきますね。」 「うん、そうしちゃって。」 一方、部屋の方ではふらんとまりさ姉妹が飾り付けの真っ最中。 「うー!カボチャの提灯さんはこっちに飾るの。」 「ゆっ!だめなのぜ!こっちのほうがかっこいいのぜ!」 「うー・・・」「ゆぅぅー・・・」 「ゆぅん。それじゃあ、あいだをとって、まりさのぺにぺにに・・・」 「ばかなの!?しぬの!?」×2 「ゆふぅん!そんなにおこられると・・・すっきりー。」 今日は、優宇河先生以外、ゆっくり全員にとって、初めてのハロウィンパーティーだ。 保護者代わりの優宇河先生も気合が入ろうものである。 仮装の方も、優宇河先生がデザイン、作成したオリジナルだ。 まりさ姉妹はお帽子にれみりゃのコウモリ羽を取り付けた吸血鬼。というか、れみりゃ。 ゆうかりんは、オレンジのひもをサッカーゴール程度の目の粗さに編みあげたボディストッキングのみ。 オレンジの猫耳もつけてキャットウーマン、のつもりだったらしいが、 緑の髪の毛と合わせてカボチャにしてしまおう、ということになった。 ふらんは黒のとんがり帽子と黒マント、オレンジと黒のストライプのニーソックスのみで、魔女の仮装。 そうこうしている間に、料理もお菓子も準備完了、あとは優宇河先生がケーキを持ってくれば、パーティーのはじまりだ。 まりさ姉妹だけでなく、涼しそうな格好のふらんやゆうかりんも、視線はお菓子に釘付けとなっていた。 全員が半ば放心状態で、口の端からよだれが垂れている。 しつけの行き届いているはずの公務ゆっくり達でも、甘いものには目がない、という意味では、やはりゆっくりであった。 『コンッ!コンッ!』 ちょうどその時である。 宿舎の入り口からノックの音が聞こえてきた。 「うー。だれ?」 『ゆっくりしていってね!』『ゆっくちしちぇっちぇにぇ!』 ガチャリ・・・ 「まりしゃたちはふらんだじぇ!ゆっくちあまあまよこすんだじぇ!」 「あまあまくれないといたずらしちゃうよ!」 玄関に向かったふらんがドアを開けると、足元には木の枝をお帽子にくくりつけて、ふらんに仮装したまりさ親子がいた。 数十分前。 「ゆゆーん、それじゃあおちびちゃん。おばけさんになってね!!」 「ゆぅ?まりしゃ、おばけしゃんってわきゃらないのぢぇ?」 「ゆっ!まりさにまかせてね!」 数十分後、赤まりさのお帽子には、2本の木の枝が括りつけられていた。 「ゆわー。おきゃーしゃん、しゅごいのじぇ!」 「おばけさんはこわいこわいなんだよ。こわいといったら『ふらん』だよ!」 母まりさが選んだのは、噂でしか聞いたことのない、ゆっくりふらん。 お化け=怖いもの=捕食種=ふらん、ということらしい。 無論、人間さんに同じ理屈が通じるかは不明である。 「ゆわーい!まりしゃはふらんなのじぇ!ゆっくちちにぇ!なのじぇ!」 「ゆぅーん!ふらんがきたよー、こわいこわいだよー。」 「ゆっへん!おきゃーしゃん、ふらんじゃなくちぇ、まりしゃなのじぇ!」 「ゆふーん、ぜんぜんわからなかったよ。おちびちゃんはえんぎじょうずだね!すーりすーり。」 「しゅーり、しゅーり、ゆっくちー!」 そして現在。 「・・・・・・。うー。」 「「ふっ・・・ふっ、ふっ、ふらんだぁぁぁあああ!!!」」 「ふらん何もしない。落ち着け。」 「ゆひぃぃぃいい!おっ、おちびちゃんはまりさのおくちにはいってね!いそいでぇぇええ!」 「ゆぴぃぃぃ!ゆっくちりきゃいしちゃよぉぉ!!」 赤まりさが、お帽子に付けた木の枝を母まりさの歯に引っかけながら、たっぷり2分ほどかけてお口の中に入っていく。 「なにもしないから・・・ゆっくりしろ。」 「お、おちびちゃんはまりさがまもるんだよ!ぷくー!!!」 全く話は聞いてもらえず、おまけに母まりさ渾身のぷくー!がふらんに炸裂する。 さすがに温和なふらんも機嫌が悪くなってきた。 「ゆっくりどっかいってね!ぷっくー!!」 「・・・ぎゃおー。」 「ゆびぇぇぇえええ!!たべないでぇぇぇ!!」 母まりさの恐怖は早々に限界に達し、すでに涙とおそろしーしーが垂れ流され始めている。 それでもぷくーを止めないのは、赤まりさへの愛情という支えがあってのものか。 これだけの騒ぎが玄関で起こっていると、さすがに居間まで聞こえてくる。 不審に思ったゆうかりんとまりさ姉妹も駆けつけてきた。 「どうしたの?ふらん。」 「うー、このまりさ達が・・・」 「ぷくー!ゆぁぁぁああ!ぷくっ・・・!ゆっくりどっかいってぇぇぇ!」 この頃になると母まりさは、恐怖のあまりしーしーだけでなく、うんうんまで漏らし始めていた。 「ふらん・・・何したの?」 「ゆ、ゆうか!?ふらん何もしてない!」 「そうだよ!ふらんにいじめてもらえるのは、まりさだけなんだよ!」 「ふらん・・・」 「うー!まりさは余計なこと言うなー!」 「どこのまりさかしらないけど、ゆっくりするのぜ。このふらんはゆっくりできるのぜ。」 姉まりさも余りにゆっくりしていない母まりさを見て声をかける。 だが、母まりさの視線は、まりさ姉妹のお帽子に取り付けられた、れみりゃ羽に釘付けになっていた。 「ゆっ、ゆっ・・・、れみりゃだぁぁぁあああ!!!」 「まりさたちはれみりゃじゃないよ!よくみてね!」 「ゆひぃ!ゆひぃぃぃ!れみりゃとふらん、ごわぃぃいいいい!!!」 「(・・・ゆうかも捕食種なんだけど。)」 別に危害を加えるつもりもないので、どうしたものかと顔を見合わせる飼いゆっくり達だったが、 考え込んでいる間に、母まりさの恐怖は勝手に暴走していき、気がつけば 「どっがいっでぇ!だずげで・・ぷく!ぷくっ・・!!『モリュモリュモリュ!』ゆぎぇ・・・」 母まりさはうんうんの出しすぎで出餡多量、危篤状態になってしまっていた。 「おきゃあしゃーん!ゆっくちしちぇー!」 「ゆ・・ごべんね・・・・おぢびぢゃ。ゆっぐぢ・・・・・・。」 「おきゃあしゃーん!」 「おちびちゃん。お母さんを早く治療してあげ・・・」 「おきゃーしゃんにちかづかないでにぇ!ぷっきゅー!」 うつぶせに倒れた際、自分のうんうんに顔をうずめて気を失った母まりさ。 赤まりさは、母まりさを守ろうと、れみりゃ2匹とふらんを相手に、決死のぷくーを炸裂させる。 「うー・・・、そうじゃなくて、早く・・・」 「ゆぴぃぃいいいい!!!ぷきゅー!ぷきゅー!」 「どうしよう・・・。」×4 結局、パンプキンケーキも出来上がったのに、いつまでたっても戻ってこないゆっくり達の様子を見に、 優宇河先生が玄関までやってきたときには、ひどい有様になっていた。 自分のうんうんに顔をうずめて「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」と痙攣を続ける母まりさ。 それを守ろうと、恐怖に白目をむいて、涙としーしーを垂れ流しながらぷくーを続ける赤まりさ。 誤解を解こうと、お帽子にマジックテープで固定されたれみりゃ羽を外すのに手こずるまりさ姉妹。 不当に怖がられてしまい、罪悪感で半泣き状態のふらん。 全員をなんとかなだめようと必死なゆうかりん。 「な、何があったの?」 「ゆぴぃぃいいい!!やざじぞうなにんげんざんだぁぁぁ!!ゆびぇ・・・。」 「あら、嬉し。」 「・・・優宇河先生、この子気絶してる。」 「ん?何で?」 最後は何が何やらわからなくなっていた赤まりさが、新たな刺激に耐えられず気を失ってしまい、決着はついた。 こうして、お化けになってあまあまをもらう、というまりさ親子の計画は大失敗に終わった。 ただ、優宇河先生のゴキゲン取りには成功したらしく、介抱してもらった上、 一緒にハロウィンパーティーに参加させてもらえたのであった。 後日談ではあるが、小学校の飼育ゆっくりが先日永遠にゆっくりしたとの理由もあり、 このまりさ親子は学校の飼いゆっくりとして受け入れられることになる。 さらにのち、学校でたっぷりとゆっくりしたまりさ親子は、揃いも揃ってドスまりさに成長し、 町生まれのドスまりさ一号・二号として日本中に名を知られるようになった。 こうして以降三十年以上にわたって、まりさ親子は学校の生徒たちに愛され続けたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2.薄幸なれいむ一家のハロウィン 「はーあ、みんな付き合い悪ーい。」 むきゅんちゃんは湯栗学園中等部の2年生。 来年はいわゆる受験生である。 とはいっても、この手のお祭り事については積極参加するタイプであり、 当然同級生のみんなも参加するものだと思って準備していたのだが・・・ 『ごめんねー、今日塾。』 『もう仮装パーティーって歳でもないでしょ。』 『うにゅー、うにゅにゅー。』 『あ・・あきゅんっ・・・・!』 お友達たちは、午前で学校が終わるのをいいことに、ほかの用事を入れてしまっていた。 さすがに小学生たちに交じってご家庭訪問、というのも気が引けて、 事前に準備していた狼耳と尻尾、首輪だけを着用して家から飛び出してはきたものの、行くあてもない。 「やっぱり優宇河先生のパーティーに入れてもらおうかなぁ。」 そんなことを考えながら、河川敷で腰を下ろし、ぐったりとうなだれるむきゅんちゃん。 と、そんなところに人間とは微妙に質の違う声が背後からかけられた。 「ゆっくりしていってね。」 数分前。 れいむ一家は途方に暮れていた。 「ゆーん。おばけしゃんってどんなにょ?」 「ありしゅもわきゃらないわ。ごめんにぇ。」 「ゆぅ。れいむもわからないよ。ごめんね。」 そう、れいむたちは、人間さんがどんなお化けを怖がるかわからなかったのだ。 というより、お化けって何だろう?という感じである。 「ゆあーん。おばけしゃんじゃにゃいと、はろいんしゃんにあえにゃいよー。」 「ゆ、なかないでね。ゆっくりしてね。ゆぅぅ、だめなおがあざんでごべんねぇぇ。」 「みゃみゃ、なかないでにぇ。ぺーりょ、ぺーりょ。」 「おちびちゃん、ありがどぅ。」 「ぺーりょぺーりょ、・・・しょーだわ!とっちぇもときゃいはな、かんがえがうかんだわ!」 「ゆゆっ!!」×3 長女ありすが、目を輝かせながら言った。 「にんげんしゃんにきけばいいにょよ!」 そして現在。 「おねーさん!れいむは、ゆっくりおねがいがあるよ!」 「私?まあいいけど。何?」 「おちびちゃんを、おばけさんにしてほしいんだよ。」 「・・・お化け、ねぇ。理由は見当つくけど。うーん、どんなのがいいの?」 「おばけさんならなんでもいいよ。」 「ゆっくちおねがいしましゅ!」 「そうは言ってもねぇ。うーん、ちょっとまって。」 むきゅんちゃんは、お尻に装着した尻尾型ポーチの中を漁る。 取り出したのは、一本のペンだった。 「どんなのでもいいんでしょ。この子でいいのよね。」 「いいよ!このおちびちゃんは、すえっこのとってもゆっくりしたおちびちゃんなんだよ。」 「了~解。はい、描き描きっと。」 末っ子れいむの全身に、隙間なくびっしりと唐草模様が描き込まれていった。 「は~い。ヒトダマの完成!」 「ゆゆっ!?ひとだまさんはゆっくりしたおばけさん!?」 「そうね。人間さんなら誰でも知ってる、とっても有名なお化けさんよ。」 「ゆわーい!やっちゃー!」 「とっちぇもときゃいはなもようさんね!」 「ゆっくりありがとー!」×4 「じゃーねー!あー、こうしてみると、ゆっくりもかわいいものね~。」 夕日に赤く染まる河川敷を、ぽよんぽよんと元気に歩いて行くれいむ一家の姿に、 自分も一匹くらいゆっくりを飼ってみたいな、などと考えるむきゅんちゃんであった。 「さてと、んじゃ先生に電話~・・・あ、このペン、油性。」 「れいみゅ、よかっちゃにぇ!」 「ゆっくちー。」 「おばけさんになって、よかったね。それじゃ、ごはんさんをさがしにいこうね!」 「えいえいゆー!」×4 このあと、れいむ一家はパン屋の裏のごみ置き場からパンの耳を手にいれ、 3日ぶりにお腹いっぱいご飯をむーしゃむーしゃしたのであった。 なお、末っ子れいむが、体の模様が水浴びしても取れないことに気付いたのは、この三日後のことである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3.不幸なちぇん&ありすのハロウィン ちぇんとありすは、パッと見ゆっくりしていないように見えるが、 ちぇん達なりにはゆっくりした生活を送っていた。 全身はひどく傷つき、チョコやカスタードもひどく傷つき劣化している。 あんよはもはや、這う程度の機能しか残しておらず、手に入れられる食料は、わずかな雑草のみ。 お飾りもないので、迫害こそされないとはいえ、仲良くしてくれるゆっくりも少なく、 声をかけてくれるのはご近所の数家族くらい。 だが、ほっぺを互いにすりよせ、体を支え合わなければ歩くこともできない状況は、 このつがいの絆を、この上なく深くしていた。 どちらかが命を落とした時点で、もう一方の命運も尽きる、という認識は、 わずかに手に入れた雑草すら半分に分けあうほどの、濃密な関係を築いた。 『ゆっくり』するために必要なものに、「食糧」「住居」に並んで「家族」がくるゆっくりにとって、 このつがいのあり様は、ある意味では恵まれた環境にあると言えるかも知れなかった。 「ちぇんたち・・・・おちびちゃんじゃないよねー。」 「でも、あまあまほしいわね。」 「ゆーん。やっぱりあまあまさん、もらおうねー。」 「・・・もらえるかしら?」 「そのときはそのときだよー。」 それなりにゆっくりした生活は送っている。 とは言え、ちぇん達にも「あまあま」という高級嗜好品を追い求める理由があった。 「ちぇんたち、たぶんふゆさんは・・・」 「そうね・・・。」 日々、確実に寒くなっていく中で、ちぇんとありすは、 自分たちの時間がそう長く残されてはいないことを悟っていたのである。 どうせ何日か生きられる日数に差が出る程度ならば、わずかなチャンスにすがろうというのであった。 たまたま目についた一軒家。 ちぇんとありすは、自分たちの運を試すことにした。 ぽゆんっ、ぽゆんっ。 ドアに何度か体当たりをする。 中で人間さんの足音が聞こえ、ドアがゆっくりと開いた。 「・・・なんだ。ゆっくりか。」 「ゆ、ゆっくりしていってねー。」 「・・・用がないなら閉めるぞ。」 「ま、まって。ありすとちぇんのおはなしをきいて。」 「「と・・とりっくおあとりーと!」」 「・・・・・・意味わかってる?」 「ゆ・・・あまあまくれない、と・・いたずら・・・」 「で、どんなイタズラすんの?」 「わ、わきゃら!?」 「してもらおうじゃねえか。」 ちぇんもありすも緊張と恐怖で、先ほどから目が回っている。 よりにもよって、実に怖そうなお兄さんを引き当ててしまった。 下手なことをすればどんな目にあうか。 しかし、このまま黙っていても、やはりひどい目にあいそうである。 2匹は、これまでやろうと思ったことすらない、だが思いつく限りのイタズラを実行するしかなかった。 「ちぇんがやるよー。」 そういうと、ちぇんはのそのそとお兄さんの足もとに這い進み、 履いていた運動靴の靴ヒモを、シュルッとほどいた。 「・・・・・・で?」 「わかったよー。かたほうじゃたりないんだねー。」 シュルッ もう片方もほどく。 「・・・・・・それから?」 「わきゃらな・・・!?」 「ゆぅ、わかったわ。ありすにも、とかいはないたずらをさせて。」 「ああ、やってみろよ。」 続いてありす。 のそのそとお兄さんの足もとに這い進むと、先ほどほどかれた両足の靴ヒモを口にくわえ、 もしょもしょと口の中で舌を絡ませる。 再び口から吐き出された靴ヒモの4つの先端は、しっかり一つに結ばれていた。 「・・・・・・。」 「と、とってもとかいはないたずらでしょ?」 「・・・みだ。」 「「ゆ?」」 「地味だ。地味な上に妙にムカつくイタズラしやがって!!来いっ!!」 「わぎゃらないよぉぉ!」「とがいはじゃないわぁぁぁ!」 「いいかっ!ハロウィンのイタズラってのはこういうのを言うんだよ!!」 ベチャン! 「ときゃいべぶっ!」 ありすの顔面に生卵がぶつけられる。 ベチャッ!! 「わきゃぷぺぴっ!」 ちぇんの顔面には皿一杯に広げたホイップクリームが飛んできた。 「あとはこういう奴がハロウィンのイタズラなんだよぉ!!」 「ゆわぁぁぁぁ、へんなのまかないでぇぇぇ。」 トイレットペーパー、ではなく清潔なゆっくり包帯で、ありすの顔左半分の大けがをクルクル巻いて行く。 「わかったら出てけ!」 お兄さんは、やりたい放題ちぇんとありすにイタズラした挙句、 2匹をポイッと外に投げ捨て・・・たりせず、そっと歩道の芝生に置いて家に帰って行った。 「ちぇん、よごれてるわ・・・ぺろっ。!?」 「どうしたのー、ありすー。ぺろ・・・ゆぅん、あまあまぁ。」 ちぇんの顔面にはりついたホイップクリームは、甘さ控え目な、お菓子としてはイマイチな物ではあったが、 わずかな雑草以外口に入れない2匹にとっては、十分にゆっくりできるあまあまだった。 「このぐるぐるさん、あったかいわ。」 「とってもすべすべだねー。わかるよー。」 卵白で貼り付けられたゆっくり用包帯は、ゆっくりの肌の素材と質感を持ち、下の皮膚と同化して傷を塞いでくれる。 失った左目は戻ってこないが、深く傷ついたありすの肌は、すーりすーりすると優しく押し返してくるくらいに弾力を取り戻していた。 「「・・・おにーさん、ありがとー。」」 「うるせぇ!とっとと失せろ!」 「ゆぅん・・・とかいはだねー。」 「うふふ・・・わかるわ。」 ゆっくりしていなかったちぇんとありすのつがいは、この日、いつもより少しだけゆっくりできたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3つの家族が、それぞれにゆっくりできたりできなかったりしていた頃。 ここは、虹浦町の地下で細々と営業しているゆっくり家具・虐待専門店『ゆんテリ屋』。 店内では、店長がハロウィン向け商品の売れ残りを見て溜息をついていた。 「やっぱ、ぱちゅりーじゃないよなぁ。まりさかれみりゃだもんなぁ、定番て言やぁ。」 「むぎゅ・・・!!むぎゅぎ・・・!!!」 店長の前には、公園で3家族を陥れた母ぱちゅりーがいた。 そのあんよは黒く焼かれており、また、口は限界まで開いた状態で金具により固定されている。 お口の中ではオイルキャンドルが点火されており、ぱちゅりーの上あごをじっくりとあぶっていた。 『ゆック・リー・ランタン(ゆックランタン)』。この商品の名前である。 「それにしてもあのまりさ、ランタンにぴったりだと思ってたんだけどなぁ・・・」 ぱちゅりー一家が標的になった理由、それは、店長が以前から目をつけていた、 あのまりさ一家が姿を消していたからであった。 ぱちゅりー一家は、大分質が落ちる代用品としての価値しか見られていない。 「それとも、野良はやっぱまずかったかねぇ。」 これも正論ではある。 ゆックランタンの正しい使い方は以下のとおり。 まず口の中に点火、目で楽しむ。 次に頭頂部を切り開いて、中の餡子等をお菓子として楽しむ。 最後にカボチャと中身を混ぜて、ゆっくりの種類次第の多様なカボチャ料理の材料となる。 生ゴミが常食の野良では食欲が進まない。 「ま、今日売れ残っちゃったんだから、もう俺が楽しんで終わり、しかねえよな。」 「むっぎゅりっ・・・!!」 母ぱちゅりーの目の前には、赤ありすと赤ぱちゅりーが並べられている。 どちらもすでに加工済みだ。 「むきゅ・・いぢゃいのやめぢぇ。」 赤ぱちゅりーは、あんよから貫通した釘状の棒が、脳天に鈍く輝いていた。 商品札には、『ゆっくりキャンドルスタンド:ぱちゅりー』と書かれている。 「ごめんにゃしゃい・・ごめんにゃ・・・」 ありすは、金属の棒が体内を垂直に貫通している点では、赤ぱちゅりーと同様であるが、 頭上にオイル皿が取り付けられている。 商品札には『ゆっくりアロマキャンドル』。 「ん?なんで謝る?恨まれて当然だと思いながらやってんだが。」 「ありしゅたち、いなかものだかりゃ・・・。」 「へぇ、よく話、聞かせてくれよ。」 「なーるほどね。そりゃ、あのまりさ親子もいないはずだ。」 「ごめんにゃしゃい・・・ごめんにゃしゃいぃぃ・・・」 「よかったな、ありす。」 「ゆぅ?」 「悪いことした償いが、こんなに早くできるんだから。」 赤ありすの頭上のオイルキャンドルに火が灯された。 その炎の熱は、キャンドル中央にわざわざ作られた、 熱を伝えやすい金属軸を伝って、ありすの体内を温めていく。 「ゆっ・・・!?ゆぎぃ、ぃ、ぃぎぃぃいいいいいい!!!」 「お前はこのくらい酷いことをあのまりさ達にやったんだから、しっかり味わえよ。」 「あじゅぅぅぅぃいいいい!!まりしゃぁぁ、ごめんにゃしゃいぃぃいいいい!!!」 「謝り続けて、いつかあのまりさが許してくれたら終わりにしてやるよ。」 「ゆびぃ、ゆ、ゆひぃぃぁぁああああ!!!」 「そんでお前たちの方だが。」 「むぎゅ・・、ぱちぇとおきゃーしゃんを、はやぐにがじでね。」 「却下。」 「おしおきはありずがうげでるでじょぉぉおお!」 「ゲスまりさやでいぶは虐待してると面白いが、アホなぱちゅりーなんぞ胸糞悪いだけだな。とっとと済ませるか。」 「ぱちぇはけんじゃなのよぉぉぉぉおお!!」×2 「あっそ。」 母ぱちゅりーは口内をバーナーでしっかりあぶられ、口をきけなくしてから電球をねじ込まれて、 提灯として店の入り口にぶら下げられた。 それから2週間後、店長は干物となり果てたぱちゅりーが絶命したのを、確認することすらせず、 何のためらいもなく、まだ息のある母ぱちゅりーを生ゴミの袋に放り込んで処分した。 赤ぱちゅりーは、即座に全身の皮を剥がされ、キャンドルからたれ落ちるロウに全身を包みなおされて、 『ゆっくり解剖模型:生存中』として販売されたが、結局売れることなく、 3日後に全身の痛みに苦しみながら、自分の何が悪かったのかすら理解できずに餓死した。 ちなみに赤ありすは・・・・・・ オイルキャンドルに飽きられたあとも、成長抑制剤を使って赤ありすのまま手厚く扱われ、 体内に香辛料を詰め込まれたり、パチンコ玉やビーズなど様々な異物を出し入れされ続け、 少しでも触れると激しくもだえる『ゆんテリ屋』の新マスコット、 『痛がりありす』として末永く愛され続けたのであった。 「いじゃいぃぃいい!まりじゃ、だじゅげじぇぇぇえええ!!」 「ほら、謝んないと、許してもらえないだろ。」 「ごめんにゃしゃい、ごめんにゃしゃいぃぃいいい!!」 ちなみに、この赤ありすが謝り続けているまりさは、 同じ頃に町のみんなに愛されるドスまりさとして、小学生たちと楽しく遊んでいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆふぅ。今年は上出来だよ。」 ハロウィンの終わった夜。 ここは、赤ゆっくり達が寝静まった後の『ほいくえん』。 保育まりさは、自分のお帽子の中をのぞいてニンマリしていた。 「これでしばらくは、あまあまさんが足りなくなることはないね。ゆふふふ。」 保育まりさの横には、今日の小道具が置かれていた。 お祭りで使われるようなプラスチック製のジャックランタンのお面。 どこかで拾ってきたのであろう、銅バッジがついた別まりさのお帽子。 野良と悟られないために体を洗うのに使った、ゆっくり石鹸の欠片をゴミからかき集めたモノ。 「ゆぅ。お祭りだから、入り込むのは簡単なんだけどね。」 しかし、長く生きてきた分、どのゆっくりよりも人間の恐ろしさを知っていた保育まりさは、 あえてこれだけの偽装をして、ゆっくり向けハロウィンパーティーの会場に潜り込む。 よほどのことをしない限り、叩き潰されたりまではしないことがわかっていても。 そして、手に入れたあまあまは、土を掘って石まで敷き詰めた、 保育まりさ専用の貯蔵庫に保管され、周囲のゆっくり達に振舞われることは絶対にない。 自分のマネをするゆっくりが現れ、ボロを出されたとき、自分が巻き込まれるのを防ぐため。 そう、ある意味では確かに、保育まりさはあまあまを独占していたのであった。 「まりさー、あしたはほんとにあまあまがてにはいるみょん?」 「多分だよ。でも太陽さんが3回くらいお顔を出すまでには、たくさん見つかる日があるはずだよ。」 「みょーん。まりさはものしりだみょん。それに、あまあまがてにはいったら、おちびちゃんたちもよろこぶみょん。」 それに、他のゆっくりに隠していたことはもう一つある。 ハロウィンの翌日以降、残飯の中にはケーキやカボチャ料理をはじめとして、 大量のあまあまが含まれているであろうことをだ。 「そうだね。喜ぶだろうね。」 「みょーん。まりさ、おやすみだみょん。」 「お休み、みょん。」 保育まりさは、それを悪いことだとは思っていないし、 心を痛めたことも一度だってない。 当然であろう。 保育まりさはゲスなのだから・・・ 実はここだけの話、下の作品一覧なんですが 町れいむシリーズに入れてないものも、舞台や時期はほぼ共有しています。 なので正確には 「町れいむ一家の四季」 「町れいむ一家の四季・後日談」 「町れいむ一家の四季・設定集」 になるんですが、ネタばれもアレだし、今後もシリーズに入れる入れないは流動的だったり。 本編完結までは、と数作品は別枠に分けていたんですが・・・ Wikiでもこの分け方でやっちゃってるみたいだし、どうしたものやら。 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. 本作品 翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) おまけ ゆっくりこがさと儚井さん 儚井さんは、市役所の職員、所属は『ゆっくり対策室』。 対策室とはいっても、初期こそ対策中心であったが、今では市内のゆっくり関連業務全般を担当している。 そんなわけで、今日も儚井さんは残業中であった。 「ふぁぁ、ようやく一つ書類片付いたぁ。おーい、こがさ。そっちの報告、まだ届いてないぞー。」 「ゆふふ・・・とりっくおあとりーと!」 「はぁ。今日は幼稚園でハロウィン教わってきたのか。お菓子より先に、報告よこせ。」 公務ゆっくり:こがさは、児童福祉の分野で活用が進んでいる、やや特殊なゆっくりだ。 別に他のゆっくりより母性が強いだとか、器用だということはないのだが、 種族としてイタズラ好きという困った本能をうまく使うと、 ケガの原因となるような子供のイタズラや、集団に溶け込めないでいる幼児の察知など、 実に多様な点に気配りができるようになる。 そんなわけで、現在試験運用が進められている、第一号がこのこがさだ。 「はかないさーん。こっちむいて!」 「まったく、今日は付き合ってられ・・・何やってんだ!」 「ゆわーい!おどろいたー!」 儚井さんが振り返った先には、一糸まとわぬこがさが立っていた。 「何してんだ!」 「だって、はろいんさんは、ゆっくりがにんげんさんにいたずらして、よろこぶおまつりなんでしょ?」 「断じて違う!色々とな!」 「ゆふ、それじゃぁ、にんげんさんが、ゆっくりにいたずらする?」 「おい、もうやめ・・・」 「きょうはおまつりなんですよ。たのしくおどろかせてあげますね・・・」 挿絵:儚いあき
https://w.atwiki.jp/aiueomama/pages/24.html
ゴマちゃん ゴマフアラザシの赤ちゃんであるゴマちゃんはマンガ「少年アシベ」に登場するとっても愛らしいアニマル。 フワフワのつぶらな瞳を見てるだけで癒されますね。
https://w.atwiki.jp/hachinai_nanj/pages/1387.html
Trick or Treat! ハロウィンイベント2019 開催期間 【初回】2019/10/21(月)17 00~2019/11/1(金)12 59 メイン報酬 画像 カード アイテム名 備考 ハロウィントリート いたずらトリート 初心者の方の優先度 【難易度】C2~B1(恒常ステージ)、F2~A1(期間限定ステージ) 【オススメ度】最優先 1日1回は最低でも回そう。(2戦目以降は石が必要 消費個数 1個、1日最大6戦まで) +ハロウィントリートに関して ハロウィントリートに関して 入手方法 当イベントで稼ぐかハロウィンで見つけた自由画のBonusステージ(累計報酬)で稼ぐとよい 少量であればログインボーナスでも獲得はできる 使用方法 『購買部』の『アイテム変換』より交換できる(2019/11/15(金)23 59まで) 画像 アイテム・選手 必要数量 交換可能回数 【琴音色のワンダーランド】天草 琴音 (一) ×1 890 5回 絆の結晶(超) ×1 89 1回 絆の結晶(大) ×2 39 10回 絆の結晶(中) ×3 9 35回 絆の結晶(小) ×6 9 20回 ソウルストーン(花) ×2 39 5回 ソウルストーン(芽) ×10 9 20回 ソウルストーン(種) ×25 9 20回 おこづかい ×300 9 10回 部費 ×10000 1 ∞ ※また、いたずらトリート89個からハロウィントリート1個に交換することも可能 イベント構成 ステージ名 相手評価 初回報酬 消費元気 対戦ボーナス ドロップアイテム Trick G1 ×5 3 +0.0% ×89 × Treat G1 ×5 +0.0% ×10 Q.彡(゚)(゚)「んで、どのステージがおすすめなんや?」 A.(´・ω・`)「一発の大きさを狙ってTrickステージを選ぶか、安定を求めてTreatステージを選ぶかは自由でしょう」 コメントフォーム 名前
https://w.atwiki.jp/k-onvip/pages/857.html
このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 3』というスレに投下されたものです http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1253346269/l50 899 名前:ハロウィンゆいあず1/3[sage] 投稿日:2009/11/01(日) 03 31 57 ID CJ8fPe1q 「とりっくおあとりーと!」 なんですか、そのひらがな発音は。覚えたての言葉を嬉々として連呼する子供みたいですよ。 まあ、そこがかわいいところではあるんですけどね、唯先輩は。 「えへへ~あずにゃーん。お菓子くれないといたずらしちゃうよ?」 そう言って、じりじり私ににじり寄る唯先輩。その両手は、今にも私に抱きつこうと、うずうず動いてる。 にっこりと、本当に子供みたいな笑顔を浮かべた唯先輩は、思う存分「あずにゃん分補給」ができる口実を見つけたってそんな顔。 だけど、甘いですよ、唯先輩。 ひょいっと手を伸ばし、その右手を捕まえる。ほよっと表情を変えた唯先輩に、にこりと出来得る最高の笑顔を浮かべてみせた。 「はい、お菓子です」 そして、ぽんとその手のひらに、あらかじめ用意しておいた飴玉を置いてあげる。 オレンジ味の大玉のキャンディー。それを目にして、唯先輩はがくぜん!とでも言いたげな表情を浮かべた。 ふふ。先輩の考えることなんて、お見通しなんですから。 「食べないんですか?」 「うぅ、食べるよぅ。あずにゃんの意地悪~」 これくらいで、意地悪呼ばわりは心外ですね。 「美味しいですか?」 「おいしいけど、涙の味がする……」 先輩はそういいながら、本当に少し涙目になってる。先輩の目論見では、本来なら今ぎゅーっと私を抱きしめられてるはずだから。 だけど今はお預け状態。それが悲しいよ、寂しいよ、ってそんな表情。 別に駄目って言った訳じゃないんですから、かまわず抱きついてくれてもいいんですけど。 だけど、先輩は私がちゃんとお菓子をあげたから、悪戯できないってそう思い込んでいる表情。 本当に先輩は、可愛い。本当に可愛すぎて、そう、食べちゃいたくなるくらいに。 「それじゃ先輩、次は私の番ですね」 「ほぇ?」 声をかけると、先輩はきょとんとその様相を変化させた。私の番ってどういうこと?って首を傾げてる。 さっき先輩が使った手ですよ。まさか、自分だけが使えるなんて――そう思っていたんですよね、唯先輩のことですから。 む~と考え込み始めた唯先輩に、その言葉を投げかけてあげる。その、とびっきりの魔力を持った魔法の言葉を。 「Trick or Treat?」 ぴたり、とのその動きを止める唯先輩。一瞬の間を置いて、サーっとその顔から血の気が引く音が聞こえた。 「あ、あいべぐゆあぱーどぅん?」 無理して英語で返さなくてもいいんですよ。つまりは、ちゃんと聞こえてるということですよね。 「さあ、お菓子ですよ、お菓子。なければ悪戯しちゃいますからね?」 「うぅ、お菓子なんて持ってないよ…あ、かばんの中に」 「手元にないと駄目です。猶予期間は無しですから」 「うー!あずにゃんのおにーあくまー!」 酷い言われようだ。 まあ、なんとでも言ってください。負け犬の遠吠えをいくら聞こうとも、痛くも痒くもありませんから。 先輩はしょんぼりと肩を落とす。くーんとうなだれる子犬みたいで、その様子も可愛い。 ああもう、それは食べていいってことなんですよね。 「じゃあ、悪戯ですね」 「うぅ、本当なら私があずにゃんにいたずらするはずだったのにー」 「往生際が悪いですよ?」 「ふーんだ!いたずらするなら、すればいいもん!」 先輩はぷーと膨れて、すねましたって表情。 もう、そんなにすねないでくださいよ。それに、そんなに膨らましたら伸びちゃいますよ? 両手を伸ばして、そのほっぺたに両手を当てる。膨れた分だけきゅっと押して、先輩が頬を膨らませるのを阻止してみる。 先輩はそれでも頑張って頬を膨らませようとするけど、さすがの先輩の肺活量でも、私の両腕の力には及ばない。 むーむーと唸り声のような声を上げるだけ。 さあ、そろそろ大人しくしてください。これからは悪戯時間ですから。 900 名前:ハロウィンゆいあず2/3[sage] 投稿日:2009/11/01(日) 03 33 52 ID CJ8fPe1q 「え?」 再び頭上にきょとんを浮べた唯先輩に、私はゆっくりと顔を近づけた。 両手を先輩の頬に当てたのは、別に膨れ顔阻止のためだけじゃない。ただ、その角度をあわせるため。 私より背の高い先輩は、少し下を向けて。先輩より小さい私は、少し上を向けて。そのベクトルが、丁度ぶつかり合うように。 何を、とか。何のために、とか。そんなの考えるまでもないこと。 例えば、この光景を傍観者的視点に切り替えたとしたら、まるでドラマのワンシーンの、まさにその一歩手前そのものだろうから。 きっとそんな絵になっている。それくらいに、私の動きは自分でも驚くほどにスムーズで、淀みがない。 先輩がそれに気付いて、何らかの行動を起こす前には、既にそれは触れ合えていると確信できるほどに。 当たり前ですよ、そんなの。だって、この光景は、この瞬間は、今まで何度も何度も夢見て、そして恋焦がれていたものですから。 実践するのは、これが初めてですけど、ね。 その寸前、ようやくそれに気付いた先輩の目は大きく見開かれ、私はそれに微笑みかけるような一瞥を残して、最後の距離をゼロにした。 瞬間、まるでマシュマロのようにふわりと柔らかくて、ほんのり甘くて、やさしく包み込まれるような感触が、一瞬にして私の意識を白く塗り潰してしまう。 私がずっと思い描いていたのと同じ、ううん、それよりもずっと気持ちよくて心地よくて素晴らしくて。 どんな言葉や表現を尽くしても、この感動を表す術なんて、私は思い浮かべられない。 そもそも、そんな余裕なんてどこにもない。冷静に分析できる私なんて、もうどこにも残ってない。 私に残るのは、真っ白に埋め尽くされた世界の中、それでも鮮やかに浮かび上がる唯先輩だけ。 触れあっているのは唇、ほんのちょっとの面積のはずなのに。 きゅっと手を繋いだときよりも、ぎゅーっと強く抱きしめられたときよりも、その他今まで先輩から与えられたどんなスキンシップだって、この瞬間には敵わない。 こんなに鮮やかで深くていっぱいな唯先輩を、私は他に知らない。 「あ、あずにゃ…んぅっ…」 何か言おうとした唇を、啄ばむようにして遮る。 その刺激に少しずつ慣れてきた唇が、貪欲さを帯びていく。 もっと、唯先輩を感じていたい。これくらいじゃ、まだ全然足りない。もっともっと、強く、深く。もっと―― 唯先輩を感じたい。そして、私を唯先輩に感じて欲しい。 背中に手を回し、ぎゅっと抱きしめる。 太腿の間に太腿を差し入れ、ぎゅっと絡めとる。 くたりと先輩の体から力が抜け、床に崩れ落ちそうになのを確認して、私は一度唇を離した。 ほわ、と先輩の唇から声が漏れる。至近距離、だけど少し距離を得たその顔は、おそらくは無意識にもう終わり?という言葉を浮べていた。 大丈夫ですよ。心配しなくても、まだ悪戯は終わってませんから。もっともっと、してあげますから。 とんとソファーの淵に右手を着いて、倒れる方向を調整し、丁度覆いかぶさるような体勢で、二人してふかふかのクッションの上に倒れこんだ。 支えに立てた肘と二の腕の長さ分だけ下にある唯先輩を、そのままじっと見下ろす。 いつもの見慣れた顔。だけど、これからもずっと見飽きることはないだろうと予感できる、先輩の顔。 それはほんのりと赤くなって、とろんと熱を帯びた瞳で私を見上げていた。 「あ、あずにゃ…」 何か喋ろうとしたその口に、ぺしと人差し指をのっけて遮る。 「まだです」 「はわ…ぁ」 私の短い返答、その意図を察したのか先輩は更に赤くした顔で、更に熱をこめた眼差しで私を見上げた。 正解です、なんて小さくつぶやいて、再び唇をあわせる。 ソファーに強く押し付けるような強さで、ぎゅうっとその体を抱きしめる。 強く、強く、壊してしまうくらいに強く。それが私と先輩の境界をなくして、一つになってしまえばいいのにと願うように。 901 名前:ハロウィンゆいあず3/3[sage] 投稿日:2009/11/01(日) 03 34 26 ID CJ8fPe1q 「は…んぅ…」 耳を打つ、甘くかすれるような声。薄く開けた瞳に移る、熱にうなされるような切なげな先輩の目元。 息苦しさからか先輩の口が僅かに開かれて、まるでそれに導かれるような自然さを持って、それをこじ開けようと私の舌が動く。 くいっと上あごを押し上げると、一瞬の硬直の後、それを受け入れようとするかのようにふわりとその力が抜けてくれた。 ゆっくりと差し入れられた私に、先輩のそれが触れる。おそらくは反射的に、絡めあうように私を捉えてくる。 その感触は、与えられるその感覚は、私を何度溶かしつくしても冷め切らないほどの高熱。 声にならない声が喉の奥からあふれそうになって、だけど私は懸命にそれを押し殺した。 絡みつく舌をゆっくりとおびき寄せ、ぱくりと唇で挟み込んで吸い上げる。私の中に引っ張り込まれたそれを、ツンツンと舌先でなぞってあげる。 瞬間、先輩の体がぴくんと跳ね上がり、だけど覆いかぶさる私はその動きを許さないようにぎゅうっとまたクッションへと沈み込ませて、封じ込めた。 堪えるように、ぎゅうっと私の背中、ブレザーを握り締める先輩の手。ふるふる震えて、ぴくぴく震えて、それでも私を離さないその手。 だから私も離さない、離してあげない。生まれた嗜虐心に忠実に、私は先輩を貪っていく。もっと強く、もっともっと深くまで。 そう、まだ終わりません。これくらいじゃまだ駄目ですよね。先輩が本当に満足するまで、終わらせてあげませんから。 ですよね、唯先輩―― 完全にその体から力が抜けたのを確認してから、私はひょいっと舌先でそれを掬い上げ、口に含むと、唇を離した。 漏れる吐息と、細い光の糸を一瞬だけ作った唾液に、最大限の名残を残しつつも、私はソファーの上身を起こして、まだ横たわる先輩を見下ろす。 私の口の中には、先輩とのキスの味――今先輩から奪い取ったオレンジキャンディーが転がっていて、私はそれを見せびらかすように舌先にひょいっとのっけて小さく開けた口元から覗かせて見せた。 「お菓子、もらえたから、悪戯は終わりです」 ぐったりと、呼吸を整えながら私を見上げていた先輩の目が、きょとんと丸くなる。 その顔は、すっかりそれを忘れていたと言う顔。あんなにしちゃったから、無理もないですけど。 「もう、こんな悪戯、反則だよぅ」 「いやでしたか?」 「まさかぁ」 そう言うと、先輩はむくりと上体を起こして、私と同じ高さ、視線を合わせてきた。 「だけど、やられっぱなしは嫌だよ」 先輩はふわりと両手を伸ばして私を抱きしめると、押し倒すように私ごとソファーに倒れこむ。丁度、さっきとは正反対の体勢。 そして耳元で小さく、優しく囁いた。もう既に、答えの分かっているその言葉を。 ええ、次は先輩の番ですから。 だから、ちゃんと悪戯してくださいね、唯先輩。 (終わり) すばらしい作品をありがとう
https://w.atwiki.jp/yuiui/pages/440.html
312 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 02 12 54.58 ID zo9zEUR90 憂「小さい頃お姉ちゃんは、ハロウィンのことをハローウイだと思っていました」 唯「はろーういー!はろーういー!」 憂「なーに?」 唯「今日ははろーういだからね、ういにはろーって言うんだよ!」 憂「は、はろー?」 憂「それが今では、んまでつけるようになって…」 唯「ねぇねぇ、はろー憂」 憂「はろーお姉ちゃん」 唯「ん!」チュッ 憂「///…くすぐったい現在です」 感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/garougarou/pages/651.html
検索 カントリーハロウィンプリンセスB 表示色[黄] 交換可 Copyright(C) GCREST, Inc. All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/hpmywiki/pages/223.html
【イベント】Halloweeeeeeek!!!~ハロウィンパーティーライブ~ ※タイムスタンプは動画概要欄へ。動画は予告なく削除する場合があります。 ※イベント配布、イベントガチャのカード詳細についてはこちら。 ストーリー ハロウィンを前に、ナゴヤの街もお祭りムード。 今まで興味を持たなかった空却も、楽しそうな雰囲気に心惹かれていた。 ある時、街中で偶然ハロウィンパーティーライプの開催を 知った空却は、十四と獄を誘い、バンドを結成することに。 仮装をキメた3人による、一夜限りのステージがいま開幕する! (ヒプマイARB公式Xより引用) 概要 登場キャラクターは空却、十四、獄。 日常系シナリオ。空却を軸にとハロウィンイベントをテーマにしたシナリオ。 空却の父、波羅夷灼空(しゃっくう)が立ち絵付きで登場する。 + 補足・一部ネタバレ 十四がイベントを企画したり、服を自作したり、十四と獄の楽器事情が分かる。 ストーリーははちゃめちゃではあるものの、Bad Ass Temple好きにおすすめできる良シナリオ。 衣装は各自ハロウィンテイストではあるものの、自分に関係するモチーフがあるなどこだわりが見える。 衣装は獄の手元にも注目。 入手方法 ポイント獲得(イベント期間中のみ) トレードチケット交換(ショップ) 周年イベント交換(3月期間限定) ▲ページ上へ戻る/イベント一覧へ戻る ▼コメント欄(※コメント欄利用ガイドを必ず読んだ上でご利用ください) 名前
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/13165.html
このページはこちらに移転しました 規制解除されて嬉しいけど書き込む度にあの画面が出てきそうでビクビク 作詞/ミヤコ(613スレ107) 作曲/トパ(613スレ208) もう一度やり直そう、と 君から心を開いてくれた のに 僕はまだ君を疑い続けている 確かに嬉しいのは嬉しいよ 君と向き合える日々は至福なんだ だけど気まぐれな君の事さ きっとまた僕を裏切って あの画面で“サヨナラ”を言うんだろ 『規制サレテイマス』 書き込む度に君の優しさに怯えてる 書き込む度に僕の指が震えてる どうしたら どうしたら 僕は君を信じられる? 音源 規制解除されて嬉しいけど書き込む度にあの画面が出てきそうでビクビク 規制解除されて嬉しいけど書き込む度にあの画面が出てきそうでビクビク(歌:ミヤコ) 規制解除されて嬉しいけど書き込む度にあの画面が出てきそうでビクビク(歌:G屋)
https://w.atwiki.jp/puyoque/pages/1355.html
ハロウィンカーバンクル レアリティ ☆5 カードタイプ こうげきタイプ・単体 スキル能力 フィールド上のハートBOXを5個プリズムボールに変換 Lスキル能力 味方全体の全能力を1.5倍 Bスキル能力 コスト量 16 解説 2019/10/11開催の「ぐっぐーぐぐぐ♪ハロウィンキャンペーン」でログインボーナスとして配られた。 ステータス スキル フィールド上のハートBOXを5個プリズムボールに変換 必要ぷよ消し数は40個。 リーダースキル 味方全体の全能力を1.5倍にする コンビネーション 「初代メンバー」「ボス!?」「ふんいきトーク」 デッキ考察 評価 ★6の本家および初代ぷよシリーズよりも強力なリーダースキル効果を持つが、 ★5のみのカードのためステータスは低く、リーダースキルによるステータスアップ効果も1.5倍どまりなのが難点。コンビネーションもやや生かしにくく、現状では本家カーバンクルのスキル上げに使うのが現実的だろう。 備考 赤属性のカーバンクルはこちらが先に登場しており、蒸気都市のカーバンクルが後に登場している。