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「はぁっくしゅっ!」 ゲホゲホと咳き込むマコト。 よしよしと頭を撫でてやるノゾミ。 窓の向こうは冬の風が舞っている。 薄い青をした冷たい空。 冷たいガラスを通り抜ければ昼下がりの陽射しがゆっくりと部屋を暖める。 床にペタンと座るノゾミはようやく咳が治まったマコトの額から濡れタオルを取ると、ざばっと洗面器に突っ込んだ。 ザバザバザバ。 「ごめんね…。のんつぁん」 「何が?」 「んぁ…。遊べなくって」 こーら。訓練じゃないの? カオリかリカがいれば確実にそう言われたであろう言葉に、ノゾミはちょこっと首を傾げた。 「いいって。しょーがないじゃん」 そう言われてしまうとどう返していいかわからないものである。 マコトはむーっと唇をへの字に曲げて、熱のせいもあって情けなく潤んだ瞳を隠そうと布団を鼻先まで引き上げた。 「それにさ、いい休暇じゃん?」 疲れてたんだよ。 ノゾミがギューッとタオルを絞る。 ザバーッ。 吸い込みきれなかった水が洗面器の薄い水面をにぎやかに叩く。 「治ったらさ、めいっぱい遊んでもらうから」 だから、訓練は? またしてもそんな声が聞こえてきそうである。 「んーーーっ…!」 さらにぎゅうっとタオルを絞り込む。 ポタリポタリと落ちる雫。 「…ぅん。でもさぁ、退屈でしょ?」 ポツリとマコトが呟く。 そんなに絞るとタオル、ぬるくなるんじゃないなかなぁ…。 とは、とても言えないほど一滴残らず絞ろうと耳まで真っ赤にしてタオルの水分と格闘するノゾミ。 「んんーっ! っがぁぁぁっ!」 ポタッ。 まだかすかに波打つ水面にふわーっと広がった一滴の波紋。 ノゾミはふぅっと肩を揺らすと、満足げにタオルを広げた。 「マコト」 「…ん?」 「楽しいよ」 「…は?」 「んー。だからさ、こうして、マコトの看病してるのも」 パンとタオルを伸ばすと、 「あ、ぬるい」 と、結局また洗面器につけてタオルを今度は少し弱めにきっちりと絞りなおす。 「それにさ、熱下がったり、ちょっと食欲出てきたり、そういうのがわかると…」 パン! タオルをぴしっと広げる。 「うれしい」 へへっと笑って、てきぱきとタオルを折ると、ぽんとマコトの額に置いた。 やわらかいタオル地からひんやりとした冷たい感触。 「それにさ…アイちゃん、心配しちゃうじゃん」 「ぁ…」 「アイちゃんのことだからさ、もぉすっごい落ち込んじゃって、暴れだすかもしんないじゃん」 「えー…アイちゃんに限って…」 あるかもしんない。時々何考えてるのかわかんないこと言い出すし…。 「うーん…」 「マコト…」 否定しなよ。ちょっとは…。 「それにさ、あんま長引くと……ぅん。のぉもさ、その……待ってるキモチは…ぅん。わかるから…」 「…」 眩しい空。 やんちゃな太陽。 陽炎揺れる夏の日。 ノゾミとマコトの間に嵐を呼んだ、少し切ない色をした空色の手紙。 「なんてーかさ、ぅん。さびしいのって…イヤじゃん」 マコトのほんのりと赤いもちっとしたほっぺをうりうりと突くノゾミ。 ちょっと照れくさいのか、視線は少しだけ床に落ちていた。 「いたっ…くすぐったいって。のんつぁん」 「うん」 ふにふにと相変わらず突き続ける。 「…早く治してさ、手紙書いてあげなきゃ」 「…」 「だから、少し寝なよ」 「…あぁ、そうだね。うん」 マコトはちょっと目尻を押さえると、少し咳き込みながら横を向いていた頭の位置を正面に置き直した。 なんとなく布団をパシパシと叩いて整えてやると、ノゾミはよいしょと立ち上がった。 「じゃ、またご飯の時来るね」 「うん」 「じゃ」 「うん…」 マコトが目を閉じる。 それを見届けて、ノゾミはドアに向かって歩き出した。 きしっきしっと床が鳴く。 「のんつぁん…」 「んー?」 ノゾミの足音が止まる。 「…」 はぁ…。 言葉の代わりに聞こえたのはため息。 「大丈夫だって」 ノゾミは明るい口調でそう言うと、ベッドに引き返してちゅっとマコトの頬にキス。 「マコト、おやすみ」 「…ぅん」 パタパタパタ。 ベッドから離れて行く足音。 キィ…。 パタン…。 ドアが閉まって、小さくなっていく足音を聞きながらマコトは目を開けた。 「…」 天井の木目のうねりをなんとなく眺めて、ぼんやりと吐き出した重いため息。 朝からなんか体が重いなぁ。寒気するし…。セキは出るし…。 そう思ったおとといの昼下がり。 食欲もなくて、 『マコト? 顔赤いよ?』 カオリに言われて、熱を測ったら38度5分。 別にシャワー室で遊んだわけでもなく、寒いカッコをしていたわけでもなく…。 何でこんなときに……。 ごろりと横を向いて、小さく軋む床板の音になんとなく耳を澄ました。 キシ。 キシ。 ゆっくりと階段を下りていく。 ノゾミはぼんやりと床を見つめたまま階段を降りきると、ぺたりと階段の上に座り込んだ。 「はぁ…」 零れ落ちたのは湿った重いため息で、ひざを抱えて唇を尖らせて床を見つめる。 明後日は出撃予定。 大丈夫って言った。 でもそんなものは気休めにもならない。 だからマコトも言わなかった。 言えばノゾミが気にするから。 そして、返ってくる答えだって、わかっていたから。 でも、言った。 それでも少しぐらい気持ちが晴れるかもしれないから。 大丈夫じゃない、なんてシャレじゃ言えない。 だって、大丈夫じゃないからマコトは寝てるんだ。 だから、大丈夫。そう言った。 「…」 ノゾミは立ち上がると、食堂のドアを開けて中に入った。 窓辺のテーブルで読書にふけるカオリ。 レイナとサユミはつまんなそうに軍学で出されたレポート制作。 リカとミキはとりあえず七並べ。 静かな静かな昼下がり。 いつもに比べたら何か足りない。 ノゾミは相変わらず唇を尖らせたまま、なんとなくとてとてと歩き出すと、カオリの隣に座った。 「…のんちゃん?」 「…ぅん」 どこか思いつめたようにじーっとテーブルを見つめるノゾミ。 カオリはマニアックでサイケな恋愛が綴られた文庫本を閉じると、頬杖をついて顔を覗き込んだ。 「ん? どうした?」 ポンポンとあやすように背中を叩き、そのまま抱き寄せる。 ノゾミはゆっくりと視線を上げて上目遣いにカオリを見つめた。 「ぅん…」 どこか思いつめているような目。 カオリがよしよしと頭を撫でる。 リカもノゾミが気になるのか、盛り上がらない七並べをやめてカードをまとめると、ミキの手を取ってカオリとノゾミの向かいに座った。 サユミとレイナもまだ日があるから…とレポートを切り上げてテーブルにやってくる。 ノゾミはじーっとカオリを見つめたまま。 「…」 「…」 「…」 「…」 そんなノゾミをじぃっと見つめるリカ、ミキ、サユミ、レイナ。 「のんちゃん?」 カオリがもう一度声をかける。 「ぅん」 ノゾミが顔を上げた。 「ねぇ、カオリ」 それからしばらくして、ジープが基地を飛び出し、兵舎の倉庫ににぎやかな音が響き渡った。 * 目が覚めたら、カラスが鳴いている声が遠くに聞こえた。 すっかり暗くなった部屋。 なんだかまだ体がずしっと重くて、少しぼんやりとしたまま天井をじいっと見上げる。 いつもならおなか減ってしょうがないのになぁ…。 腹の虫も熱のおかげでずいぶんとおとなしい。 なんとなく額の上に乗ったタオルを取ったら、すっかりとぬるくなっていた。 「今…何時だ…」 あんまり静かなのもさびしく思えて、なんとなく自分と会話を試みる。 窓から射すわずかな明かりでベッドサイドの小机の上の目覚まし時計に手を伸ばす。 「んー…。5時かぁ」 ちょっと過ぎた頃合を示す時計の針。 目覚まし時計が机に置いた小さな衝撃でカチンと鳴った。 マコトはうーと腕を伸ばして、窓を見上げた。 星がちらちらと部屋を覗き込んでいる。 はぁ…。 なんとなくため息をついて、ぼんやりと星と見つめあう。 星はちかちかと瞬いていて、熱と寝起きでけだるい体。 藍色に染まった部屋にぽつんと一人。 机の上の写真立ても藍色の中に溶け込んでいて、中で笑っている仲間の姿は見えなかった。 4人で肩を組んでおっきな口を開けて…。 眩しい笑顔のリサ。 くしゃくしゃな笑顔のアイ。 写真から飛び出すんじゃないかって勢いで馬鹿笑いするマコト。 目を細めて笑ってるアサミ。 ポーズを決めて撮った後、ノゾミとアイに思いっきり笑わされて、そのすきにとヒトミが撮った1枚。 後ろには青い空。 「はぁ…」 アイちゃん…何してるかなぁ? ごろりと転がって、また一つため息が零れた。 アサミちゃん、今日は何食べたのかなぁ? ガキさん、元気かなぁ? 向こうは…今日、何食べるのかなぁ? あー。今日、こっちはみんな…何食べるんだろう…? トントン。 イイダさん、やさしいから…今日かぼちゃ料理とかってことはないと思うけど…。 トントン。 あーあぁ。たいくつだなぁ…。 「はぁ…」 トントン。 「はぁ、そーいえば…なんか静か?」 一人ごちって、ようやく…。 トントン。 ドアがノックされているのに気がついた。 向こうでなんかボソボソと声が聞こえる。 “まぁこぉとーっ。はーやぁくぅーっ!” “もぉ! ののっ!” “ツジちゃん、しーーっ!” んん? なんだなんだ? マコトは少しだけよっこらしょと体を起こした。 「はぃ?」 ごほごほと咳き込みながら返事をすると、 ぎいっ…。 ドアがゆっくりと開いた。 「あれ」 誰もいない。 なんかぼそぼそと声が聞こえたし、よく耳を澄ますとギシギシと床板の軋む音もする。 なのに開け放たれたドアから誰かが入ってくる気配はない。 と、思ったら…。 「ふぇ?」 ひょこっとドアの下の方から顔を出したのは一匹の少し不恰好なカーキ色のタヌキのぬいぐるみ。 「…わぁ…」 ひょこひょこと手を動かしてるタヌキは、なにやら軍支給のジャケットやシャツなど古着を寄せ集めて作られたものらしい。 それによく見るとタヌキの着ぐるみをかぶった人形という方が正しいようで、大きく開けた口の間から覗く簡単な刺繍で描かれた顔は誰かに似ている。 「…ぁれ? のんつぁん?」 『んー。のん、なにかなぁ?』 『そうねぇ、のんちゃんは…タヌキかな?』 『でもなんか、それってポンちゃんっぽい気もすったい』 『うん。そうねぇ。でもほら、のんちゃん、よくおなか叩いてるしね』 『そうそう。ごはん食べた後にね』 ってリカが笑って、てへへっと笑うノゾミ。 「こんばんはぁ」 ちょっと機械みたいなだみ声でタヌキがぺこりと頭を下げるから、マコトも慌てて頭を下げた。 「あぁ、こんばんはぁ」 「キミィ」 わざとだみ声にしているらしくて、ドアの向こうから、ミキが笑いを押し殺す声が聞こえる。 「あ~はぃはぃ」 「キミィ、さみしくないかね?」 「え…?」 「一人でずーっと寝てるだろ?」 「あぁ…うん…」 「だから、トモダチを連れてきたんだ。一緒に遊んでくれるか?」 ちょっとだけ高めのだみ声で妙な命令口調でそう言うと、タヌキは後ろを向いてひょこひょこと手招いた。 パッと現れたのはネコのぬいぐるみ。 「んにゃぁ!」 『レイナはいいでしょ』 『なんで? みきねぇ』 『いや…だってねぇ、いいじゃん。ねぇ、リカちゃん』 『え? あー。うん。やっぱネコだよねぇ』 『うん。ネコよねぇ。かわいい子ネコ』 とカオリ。ノゾミがけってーとノートに書き込む。 『やっぱネコなんかぁ…』 なにやらフクザツそうな顔をするレイナの頭をよしよしと撫でるリカとサユミ。 「レイナ!」 「ち…ちがうっ! ちがうっちゃ!」 「でも、口の中の顔、どー見てもタナカちゃんだし」 マコトが指差すと、ネコがむーっと体を丸める。 後ろの方ではくっくっくっ…と相変わらず笑い声を押し殺すミキの声と、一緒になってこらえながらミキをなだめるリカの声が聞こえる。 「でも、かわいい」 えへっとマコトが笑ったら、ネコは照れくさそうに頭をかいて、 「なら…よか。にゃぁ、マコっちゃん」 「うん? なぁに?」 「まだトモダチおるとよ。おーい!」 「はーい!」 「あっそびっましょっ!」 ひょこっと現れたのはサンドカラーと遠目には黒っぽく見えるオリーブカーキの2匹のウサギ。 『私、うさちゃんがいい!』 『あたしもー!』 『サユはともかく、リカちゃんはもーウサギってゆーんでもないんじゃない?』 『じゃあ、何がいいの? ミキちゃん』 『えー…。うーん…なんだろ』 『ネコ、ダメですか? イシカーさん』 レイナがきらきらした目でリカに向かってちょこっと首を傾げて見上げる。 ムッとミキが微かに眉を顰めた。 『あぁ、やっぱいいんじゃない。ウサギで。ほら、リカちゃんそればっか描くし』 『そうねぇ。ネコも捨てがたいけど、サユとリカは雰囲気も似てるしね』 とカオリが後押しして、にやりとレイナに向かって笑うミキ。むっと睨み返すレイナ。 そんな二人をよそに大喜びでうさちゃんピースをするリカとサユミ。 ちょっと耳の長い黒ウサギが、 「マコト、まだお熱下がらない?」 甘ったるい声で心配そうに尋ねてちょこんと首を傾げる。 「さびしくってもぉ、うさちゃんたち、みんなそばにいるよ?」 白ウサギがよしよしって黒うさぎの頭を撫でると、2匹はきゅっと肩を寄せ合ってマコトに向かって大きくうなずく。 「だから、元気出して?」 「ね。マコト。ほらぁ、何泣きそうな顔してるのぉ?」 黒ウサギがへにゃっと口をへの字にして目の端を拭うマコトの頭を撫でようと、ふにふにと手を振る。 「そうだぞー。泣いてんじゃねぇ」 がーっと黒ウサギの隣から現れたオオカミが両手を大きく広げて怒ったような仕草を見せた。 「だ…だって…フジモトさん…」 「…」 ピタッと固まったオオカミ。 ネコがくすくすっとおなかを押さえて笑っている。 『ミキティはオオカミ』 『えー…。まぁ、そーくるとは思ってたけどね。もー少しかわいいのがいいかなぁ、なんて』 『なんて』と言ったリカと顔を見合わせて笑うと、すぐさまノゾミが一言。 『トラ』 『ええっと…。ツジちゃん。それってかわいい?』 『かわいいじゃん。シマシマが。んーじゃなきゃぁ…ライオンとか?』 『っていうかミキ、あくまでも肉食獣なんだ』 『だってミキティ、肉大好きじゃん』 『たしかにねぇ、ミキちゃん…肉食だもんね』 リカにまでそう言われると、もう反論しようもない。 そこに、 『ふふっ。もうウサギ一匹、食べちゃってるしね』 とカオリが微笑んで、真っ赤になるリカとミキ。きょとんとしているノゾミとサユミ。少し唇を尖らせたレイナ。 ミキはそのウサギに時々食べられてるんですけど…とは、言えなかった。 「あー。まぁ、とにかく、ほら。ね? だって…じゃなくってさ。てーか、泣くな!」 「だって…そんなこと言ってもさぁ」 ぐすぐすと鼻をすすっているのはもはや風邪のせいだけでもないようで、目尻を拭って困ったように笑って見せる。 「こーら。オオカミさん。あんまり困らせちゃダメよ」 オオカミの上から現れたのはキツネのぬいぐるみ。 「うれしいんだもん。ねぇ」 『じゃあ、次はカオたん?』 『イイダさん…うーん。なんだろう』 サユミが首を傾げる。ノゾミはその横でぽつりと呟いた。 『ロボ』 『…』 しんと静まり返って、それは沈黙という名の同意。 カオリは鉛よりも重いため息を吐くと、みんなに背を向けて膝を抱えてイスに座った。 『…カオも…動物さんがいい…』 呟きにようやくはっとリカが我に返った。 『あぁ! かっ…カオたん! ね、こっち向いて? ごめんね? もぉ! のの!』 『え…あ、だって…それしか浮かばなくって…あぁ、ごめんね? カオリ!』 『あー、えっとぉ、どうしよ!』 それから10分後。 『カオたん、スラッとしてるからキツネってどうかな?』 『スレンダーでなんか奇麗な感じだよね』 なるほど、とミキがうなずく。 『でしょ? それに、お話に出てくる銀色のキツネって、かっこいい感じもするし』 「いつもマコトがみんなを元気にしてくれるから、今度はみんながマコトが元気になるようにって、ね?」 キツネが下にいる仲間達に『ね』とうなずきかけると、みんなもこっくりとうなずき返す。 「だから、ほら」 キツネのぬいぐるみを手にカオリは部屋に入ると、廊下に向かってキツネの手を使って招くように振った。 「ほーら。また泣くー」 「マコト、泣かないの。笑って」 オオカミをだっこするミキ。黒ウサギの手を小さく振るリカ。 「オガーさん。ほらっ」 「まこっちゃん! えいっ!」 サユミとレイナはぱたぱたとベッドに駆け寄ると、マコトのほっぺに白ウサギとネコを押し付けるように抱きついた。 「わぁっ! おーもいってぇ!」 ちょっと泣き笑いだけど、明るい笑い声にカオリ、リカ、ミキから零れた微笑。 ノゾミがつんつんとリカの足を突くと、リカがミキの手を引っ張ってまた部屋を出て行く。 カオリはそれを見ると、ベッドの傍らにしゃがみ、まだくっついてきゃあきゃあと騒ぐマコトとレイナ、サユミの頭を撫でた。 「マコト、あっち見てごらん。まだお友達、いるから」 「へ?」 マコトがポカンと口を開ける。 サユミとレイナは顔を見合ってくすっと笑うと、廊下に向かって声をかけた。 「おーい!」 「みんなー!」 「はーいっ!」 ノゾミの声とともに入ってきた仲間たち。 「あっ!」 リスにパンダ。そして、サル。 ノゾミ、リカ、ミキに抱かれた3つのぬいぐるみ。 「あの…これ…!?」 「へへへっ。だから、お友達」 ノゾミがサルのぬいぐるみをマコトに渡すと、リカとミキもリスとパンダをマコトの膝の上にそっと置いた。 マコトはサルのぬいぐるみをじっと見つめた。 シンプルな線で刺繍された顔は、けっこうよく雰囲気が出ている。 「アイちゃん…」 カーキ色のジャケットを使ったぬいぐるみ。口の中から覗く顔はにかっと笑っている。 パンダは黒っぽく見えるオリーブカーキとカーキの二つの生地から。刺繍された顔はちょっとばかりシニカルだけど、まん丸な顔と軍支給の薄手のマフラーで作ったほっぺのピンクが愛らしい。 「こんこんだぁ」 きゅっと抱きしめると、くるっと巻いたしっぽがかわいいカーキ色のリスを抱き上げた。 「ははっ。ガキさんガキさん!」 ぎゅうっと抱きしめると、もう一度サルのぬいぐるみを手にしてじいっと見つめた。 にかっと笑ってるサルのぬいぐるみ。 マコトは顔をうずめるように抱きしめて、へへへへっと笑った。 「アイちゃんだぁ。へへへへっ」 サルのぬいぐるみがちょっと照れくさそうに笑って見えるのは、はたして気のせいなんだろうか。 カオリはそんなマコトの頭をそっと撫でると、ノゾミにうなずいて見せた。 「ほら。マコト」 「え?」 顔を上げたマコトの前でほんわかと笑っている耳の垂れたイヌのぬいぐるみ。 「これ…」 受け取って、ちょっとへたれな笑顔の刺繍のぬいぐるみを見つめる。 「やっぱさぁ、4人じゃん。いつも」 「…あぁっ!」 たぶん、これは自分なんだろう。 …かわいい…。 「ぁ…ありがと」 ぐずっと鼻をすすって、ぎゅうっと4つのぬいぐるみを抱きしめた。 ポンポンとあやすように背中を叩くカオリ。 よかったねぇ…と、リカとミキが顔を見合って笑う。 レイナとサユミがノゾミと一緒にぐすぐすと泣き始めたマコトの頭をやさしくやさしく撫でる。 『ねぇ、カオリ』 『ん?』 『あさって…いつもどおりなんだよね?』 出撃の予定は変わらない。 マコトがいなくても隊は戦場に赴く。 そうなるとここにはマコト一人。 たぶんダメって言っても知ったら彼女は来るだろう。 でも向こうはこっちよりもスクランブル出動率も高い。 だからさくらの方からだれかに来てもらうわけにもいかないし…。 『うーん…』 カオリが視線をテーブルに落して口元に手を置いてなにやら考え始める。 息を呑んで見守るノゾミ、リカ、ミキ、レイナ、サユミ。 ポン。 カオリが手を叩いて、5人がぐぐっと身を乗り出す。 『そうだ。お人形さん、作ろっか?』 「これでさ、さびしくないでしょ?」 「…ぅん。たぶん」 マコトは涙に濡れた目を腕で擦りながら顔を上げた。 「なんだよぉ。たぶん…って」 「だって、みんな…行っちゃうじゃん」 「…」 ノゾミがふ…とやるせなさそうに唇を噛んで目を逸らす。 マコトはそんなノゾミにちょっと申し訳なそうに眉毛を下げて笑った。 「ごめん。ごめんね。のんつぁん。でも…大丈夫。大丈夫だから」 「マコト…」 「ありがと」 「…うん」 ちょっと照れくさそうに小さくうなずくノゾミ。 マコトはうれしそうにぬいぐるみを抱えると、 「でも…これ、大変だったじゃ…」 「んー。まぁねぇ」 ノゾミがタヌキの手をうりゃうりゃと動かしておどける。 リカとミキは街まで綿を調達に。 レイナとサユミとノゾミは倉庫で古着や着れなくなったボロを探しに。 カオリはささっとデザインを書くと、今度は事務室から方眼紙を何枚か持ってきて型紙作りに悪戦苦闘。 『あっ! これどこぉ!』 『しまった! ヘンなトコ切ってた!』 『えー! このミシンどうやるのぉ!』 『イタッ!』 『あぁーっ! 布が足らんっちゃ! レイナ探してくるっ!』 『ちょっとぉ! これの片側どーこー!』 ある意味、それはまさしく戦場で、なんだかんだと11個。 型紙さえ作れれば、縫っていくのはキチンと分類しておけばなんとかなるもの。 仮縫いを済ませたら、 ダダダダダタ…。 倉庫に響くミシンの音。 それでも兵舎の中にあった二つじゃ足りないから、他の兵舎のミシンを借りて…。 カオリはその間を縫って夕飯作りに。 出来上がる頃には夕日も沈んで、ゆっくりと空が藍色に染まり始めていた。 「でも、思ったより早くできたよね」 とリカが言うと、ミキもうんうんとうなずいた。 「ね。なんとかなっちゃったよね」 「めっちゃ楽しかったっちゃ!」 「うんっ! すっごくかわいくできたもん!」 とレイナとサユミ。 「それだけ、みんな気持ちが籠もってた。一つになってたって証拠だよ」 カオリはそう言うと、 「乙女隊に、不可能という文字はありませんから」 と、一人一人の顔を見回した。 そんな隊長に力強くうなずき返す隊員達。 それぞれの手の中いる森の仲間たちも力強く笑っている。 ちょっと不恰好だけど、それはどれもとても愛嬌が合って素敵な表情で、心がふわっと温かくなる。 マコトは腕の中の仲間たちを見つめると、ゆっくりと顔を上げて一人一人を見つめた。 ノゾミがもらい泣きしてるのか、指を押し付けるように目頭を拭っている。 隣を見ればレイナの瞳も潤んでいた。 じわっとあふれ出して頬を伝っていく涙。 「ごめんなさい…。ごめんなさい…」 ぐっと布団を握り締めてうつむくマコト。 「あたし…こんなときに……」 厳しくなる戦況。 一人抜ければ、どれだけ負担が圧し掛かるのか…。 悔しい。 「ごめ…なさい……っ…」 自分がいたって、全員が生きて帰って来れるとは限らない。 だからといって、じゃあ、いなければいいのかというものではない。 そんなことわかってる。 わかってるから、悔しい。 そして同じ辛さ、苦しさを分かち合えないもどかしさ。 思うほど悔しさとふがいなさがこみ上げる。 一人少ない。 その負担のせいで、もし…誰かが……。 「…っく…ごめん……なさ…っ……ぃ」 「マコト」 カオリはふわりとマコトを包み込んで頭を抱き寄せた。 「大丈夫だから。乙女隊はね。無敵だから。でしょ?」 はぃ…と涙で声を詰まらせながら答えると、 「うん。だからね、泣かないの」 カオリはゆっくりと背中をさすって、こつんと額をあわせた。 「マコトが笑ってくれると、みんな元気が出るから」 「…はぃ」 「だから、今はゆっくり休みなさい。病気の時はね、うんと甘えていいんだよ」 「イイダさん…」 「ね?」 カオリの包むようなあったかい微笑に小さくこくりとうなずくマコト。 カオリはキツネのぬいぐるみをマコトの隣に置いた。 「みんな…そばにいるから。ね」 「そうだよ。マコトの笑顔、だいすきだよ」 リカが黒ウサギをキツネの隣に置くと、ミキはその横にオオカミを置いた。 「そうそう。元気出るからね」 「まこっちゃんの分もがんばるっちゃ」 リカに寄りかかるようにネコを置くレイナ。 サユミは白ウサギをネコの横に置いた。 「だから、ゆっくり休んで、早くよくなって」 森の仲間たちも涙でくしゃくしゃなマコトにやさしく微笑んでいる。 マコトは愛しそうに一匹一匹の頭をなでると、えへっと笑った。 「ありがとう」 笑顔のその一言だけで、もう十分。 当日は、自分達がちょっと頑張れば済むこと。 だって、戦うのは一人じゃない。 ここでたった一人で待つマコトと比べれば、苦しさはまだ分け合える。 待つということの辛さほど、たぶん苦しいものはないだろう。 「さぁ、ご飯にしようか」 カオリがそう言うと、ノゾミが思い出したようにおなかを押さえた。 「あぁ…そういえば腹減った…」 そしてどっと部屋中が明るい笑いに包まれる。 その日、マコトの夕飯はかぼちゃの牛乳粥。 牛乳のほんのりとした甘さにかぼちゃのやわらかい甘さが妙に引き立つ。 ちょっとお菓子のような不思議な味。 「あは。おいしぃ~!」 なんか、明日にでも熱が下がって治るんじゃないかって、そんな気がした。 ■ ■ ゆっくりと目を覚ましたら、窓の向こうはすっきりしない曇り空。 ミキは少し鼻をすすって、ごろりと横に転がった。 セミダブルのベッドに一人だとやけに広く感じる。 けだるい重さとすっきりとしない頭。 熱っぽいのに包まった布団の中でも少し寒く感じる。 「っ…くしゅ!」 昨日から熱を出して今日も仕事はおやすみ。 うつすとよくないから…と、リカはリビングで寝ている。 だからなんだか物足りない。 時計を見たらそろそろリカの出かける時間だ。 『あたしも休もうか?』 昨日からずっとそう言うリカに大丈夫だから…とは、言ったものの…。 「はぁ…」 零れ落ちたため息。 どたどたと近づいてくる足音に、ミキは慌ててドアに背を向けた。 「ミキちゃん」 「んー」 「どう?」 ベッドの前に座ってミキと目の高さをあわせると、リカはミキの額に手を置いた。 ひんやりと冷たいリカの手のひらに気持ちよさそうにミキが目を閉じる。 「うーん…。まだ熱いね」 「…うん。ちょっと寒いし…体重い」 「…そっか」 そっとリカが額から手を離すと、ちょっと名残惜しそうに目で追うミキ。 「ねぇ、ほんとに大丈夫?」 「うん。大丈夫だから…」 離れた手を捕まえて、なんとなく揉んでいじるように握り締める。 リカは包むようにもう片方の手を添えた。 ミキはその手に頬を寄せると、心配そうに見つめるリカを覗き込むように上目でちらりと見上げた。 「なんかさぁ…懐かしい夢見た」 「夢?」 「うん。ぬいぐるみ」 「あぁ…。ふふっ。懐かしいね」 結局、軍特製の薬もしぶとい流行病の風邪は難敵で、当日になっても熱は下がらなかった。 マコトは布団の中でぎゅぅっと仲間たち抱きしめていた。 無事に帰ってきますように…。 ただひたすらに思いを込めて。 帰ってきたポンコツトラックの音で飛び起きて、足音が階段を上がりきったときにはもう涙で顔はぐしゃぐしゃだった。 ドアが開いて、 『おがえ゛りーーっ!』 うわーんって泣いて……。 みんなに代わる代わる抱きしめられて、撫でられて…。 それから3日後。 マコトの熱は無事に下がり、乙女隊に広がる元気な笑い声と騒々しい足音。 帰ってきた騒がしい日常。 「大事にしてくれてるみたいだしね」 おととい届いた手紙の中に入っていた写真には、ベッドに並んだ森の仲間たちに囲まれて幸せそうなマコト。 「うん。でもさ、たしか何匹かはさくらに行ったんだよね」 「そうそう。ネコとイヌと白ウサギ」 アイとエリ宛に届いたマコトからの小包。 アイにはイヌの、そしてエリにはネコと白ウサギ。 『カメちゃん、向こうじゃ一人だから』 一人じゃないけど、一人だから。 自分はこっちに同期がいないけど、ね? カメちゃんはそうでしょ…って笑ったマコト。 『へへ。自分の代わりに…そばにいてほしいなぁ…って』 アイちゃん、あれでけっこうさびしがりやだから。 サルのぬいぐるみを抱きしめて、顔をほんのりと赤く染めて笑うマコト。 アサミとリサには4匹と一緒に撮った写真。 それから更に数日後。 マコトの元に着いた手紙はどれもうれしさで字が躍っていた。 「そういえば…その後、結局全員作ったんだよね」 リカはそう言って、自分の手を撫でたり揉んだりして遊ぶミキに愛しげに目を細めた。 「うん。なんだかこれじゃさびしいからって。よっちゃんさんがクマで、ヤグチさんがパグ。で、アベさんもタヌキだっけ?」 「そう。たしか。カメちゃんとあいぼんがネコ」 「うん。そうそう。ははっ。懐かしいよね」 「ねぇ。ちょうど今くらいの頃だよね」 リカの手がミキの髪をいじる。 穏やかに過ぎていく冬の朝。 ちらりと時計を見たら、もう出かける時間が迫っていた。 だけど手を放す気配のないミキ。 リカはそっと鼻先にキスをすると、ミキの手を解いて立ち上がった。 「あぁ、ごめん」 「うぅん」 「…いってらっしゃい」 「うん」 安心させるようにふんわりと微笑むと、リカは寝室を出て行った。 遠くなる足音。 ミキは小さくため息をこぼすと、ごろりとドアに背を向けて丸くなった。 あーぁ…。 気持ちがなんだか青く沈んでいく。 退屈で、でもだからって何もできることがなくて、はがゆくて…。 熱のせいでだるいのになんとなく落ち着かない。 それでもゆるゆると落ちていくまぶた。 たぶん、あの日のマコトもこんなだったんだろう。 ミキはまた一つため息をついて目を閉じた。 キィ。 ドアが開く。 足音が近づいて、ベッドの隣に座ったらしい。 ほどなくして、そっと髪に触れた指先。 梳くように撫でられて、ミキはその指先を捕まえると体を転がして振り向いた。 「リカちゃん…仕事は?」 「ん? 休んじゃった」 「ぇ…」 「ユイちゃん、おだいじにって。治ったら焼肉ランチサービスしてくださいねーって。あとエリカちゃんが早くよくなってくださいね、だって」 「…ぅん。でも…」 どうして? 「だって、心配なんだもん」 ずっと手、離そうとしないし、なんか…さびしそうだから。 「この方があたしも安心できるし」 「…」 どう言っていいのか戸惑うミキの赤い頬にリカの冷たい手が添えられる。 「ごめんね…リカちゃん」 言葉の代わりにふわりと重なった唇。 「風邪、うつるよ」 「いいよ」 そしたら、しばらく一緒にいれるよね。 いたずらっぽく笑って見せるリカにミキはむっと頬を膨らませた。 「何言ってんの…もぉ」 心配させないでよ。 ミキはリカの首を抱き寄せると、唇を奪ってそのまま抱きしめた。 「…ありがと」 「うん…」 リカは頬にキスをすると、少しだけ体を起こした。 「ねぇ、ミキちゃん。病気の時は、うんと…甘えていいんだよ」 「…そう。そうだったよね」 ミキの腕が少しだけ離れたリカを抱き寄せようとするから、リカはベッドに入って熱ったミキを抱きしめると、また梳くように髪を撫ではじめた。 「リカちゃん」 「ん? なぁに?」 「かぼちゃと牛乳のおかゆ…食べたい」 「うん。わかった」 カオたんからレシピももらってるし、後で準備しないとね。 リカはちらりと時計を見てまだ時間に余裕があるのを確認すると、ミキをよいしょと抱きなおした。 しばらくしてリカの耳に聞こえてきた穏やかな呼吸。 しっかりと抱きしめていた手からわずかに力が抜ける。 白い光が照らす静かな部屋。 時間がいつもよりゆっくりと進んでいくのを感じながら、リカは夢の中へと遊びに行ったミキの額に口付けて目を閉じた。 (2005/3/12)
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* COMIC ino. 2008年06月号 Vol.01 滑空? みなすきぽぷり きりりん? ゴージャス宝田 伊佐美ノゾミ ハッチ KEN がたやん? やみなべ? 北河瑞樹? てっちゃん? しんいち? 山下クロヲ? こけん? まおまお? * COMIC ino. 2008年07月号 Vol.02 田倉まひろ? 伊佐美ノゾミ ゴージャス宝田 犬星 不二河聡? がたやん? まおまお? みやはらみみかき? やみなべ? 北河瑞樹? サケマス? KEN 高永浩平? エンゾ円蔵? * COMIC ino. 2008年08月号 Vol.03 きりりん? 犬星 滑空? ゴージャス宝田 こけん? がたやん? KEN やみなべ? 北河瑞樹? 大川田ナン? みやはらみみかき? サケマス? ぬきやまがいせい? ぶるマほげろー? 幅ヒロカズ? * COMIC ino. 2008年09月号 Vol.04 伊佐美ノゾミ ゴージャス宝田 ハッチ がたやん? KEN 山下クロヲ? 不二河聡? やみなべ? サケマス? みやはらみみかき? まおまお? 北河瑞樹? 村田電磁? * COMIC ino. 2008年10月号 Vol.05 いぬぶろ? 滑空? ほしのふうた がたやん? てっちゃん? こけん? KEN ゴージャス宝田 やみなべ? サケマス? みやはらみみかき? 高永浩平? ぬきやまがいせい? エンゾ円蔵? 北河瑞樹?
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POP地点 アル・タユ(F-12) ???に第2の聖徳、無貪の善根、上質なゾミト器官の3つをトレード 第2の聖徳…Jailer of Fortitudeがドロップ。 無貪の善根…ル・メト1階のIx aern(暗)がドロップ。 上質なゾミト器官…アル・タユの雑魚ゾミト系モンスターが稀にドロップ 使用アビリティ あやつる(PC魅了) 特徴 本体はゾミト系特殊攻撃を使用し、魔法は使用しない。 魅了時間は120秒程度。 Qn xhomitを約30秒おきに召喚する。最大6匹まで増殖。雑魚のQn xhomitは忍者タイプ。微塵がくれを使用。 雑魚のHPは少なく、4系精霊2発で沈む程度。微塵までの時間は30秒程度。 本体と雑魚は相互にヘイトが連動している模様。 周囲のxhomitはリンクしない。ただし誤爆注意。 スリプル× ララバイ× バインド? グラビデ? パライズ? スロウ? ブライン? 戦闘方法 まず雑魚のイカを連続して倒せる火力とスタミナのあるメンバーを固めます。 メリポPTが2つあれば余裕だと思います。(戦戦戦赤白吟等) 戦闘時は雑魚と本体をやる位置を明確にし、雑魚担当PTが本体の位置から沸いた雑魚を即座に引っ張りすぐに倒すのが重要です。 ですが、基本的に本体殴りつつ雑魚わいたらタゲ移してWSぶち込めば余裕だと思います。 また魅了された人は申告し、吟が達ララで寝かすようにしましょう。 ドロップアイテム ジャスティスソード:片手剣◆D34 隔236 STR+7 ヴァルチャストーン装備時時々2回攻撃 赤シナ Lv73 RaEx ジャスティストルク:首◆防0 STR+5 両手鎌スキル+7 両手刀スキル+7 AllJobs Lv73 RaEx 第4の聖徳(Jailer of Loveのトリガー) NM・戦利品
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ノゾミの価値が決まりつつある。まずいと思う。 -- (名無しさん) 2008-12-09 23 28 10 だんだんノゾミが噛ませキャラに… -- (名無し) 2008-12-10 22 34 49
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BiS 新生アイドル研究会 wikiにようこそ 4人組アイドルグループ BiS(新生アイドル研究会)の情報をまとめています。 wikiは誰でも気軽にホームページ編集できるツールです。 BiS研究員の皆さんの参加をお待ちしております。 現在携帯からの編集は出来ません。 PCやスマートフォンからの編集をお願いします。 BiSって何?プー・ルイ ヒラノ ノゾミ テラシマ ユフ ナカヤマ ユキコ ヨコヤマ リナ DISCOGRAPHY ライブ活動報告 エピソードエピソード〜2011 エピソード2012 口上(コール) ライヴでの定番行為の研究 BiS紹介サイト OTOTOY 映像・音声 リンク集 リンク 公式ページ Wikipedia(BiS) メンバーBlog プー・ルイ(ameba) ヒラノ ノゾミ テラシマ ユフ ワキサカ ユリカ プー・ルイ(syncl) Twitter オフィシャル プー・ルイ ヒラノ ノゾミ テラシマ ユフ ミチバヤシ リオ ワキサカ ユリカ コメント ご意見などありましたらコメントをお願いします。 -- (ぶぶ) 2011-05-12 19 38 40 名前 コメント すべてのコメントを見る カウンタ トータル - 今日 -
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空飛ぶ少女たち 画像募集中 1.夜間飛行向きの壁 2.夜間飛行向きの床 3.クマ乗りエルフ♀ 4.地図確認のキッキ 5.先導役のフェアリー♀ 6.ペンギン乗りエリル 7.猫乗りノゾミ 8.ノゾミの使い魔 9.ネズミ乗りメイド 10.隼乗りウィッチ 11.マッハで飛ぶリセ 10.イルカ乗りココア 週がわりクエストにて入手 画像募集中 8.メカドッグライダーアイン G購入にて入手 画像募集中
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アグネスフォンエスターライヒ(2)(アグネス・フォン・エスターライヒ) オーストリア公の系譜に登場する人物。 関連: ハインリヒニセイヤゾミルゴット (ハインリヒ2世ヤゾミルゴット、父) テオドラコムネナ(4) (テオドラ・コムネナ、母) イシュトヴァーンサンセイ (イシュトヴァーン3世、夫) ヘルマンニセイ(7) (ヘルマン2世、夫)
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元が縦書きなのでラノをおすすめします part.3をラノで読む 第三話 〈キャスパー・ウィスパー侵略:part.3〉 人の心を侵食し、意のままに操る力をもつ魔女、キャスパー・ウィスパーこと西野園ノゾミは、巣鴨伊万里の心の奥深くにまで潜っていった。 ノゾミの精神体が伊万里の心の海を泳いでいく。伊万里の思念にノゾミは触れ、彼女の過去や、想いなどがノゾミの精神体に流れ込んでくる。 (これが死の巫女の精神世界、あまり他の連中と大差ないわね――) ノゾミは彼女の奥底に埋まっている部分を覗く。それは伊万里のトラウマと呼べるもの、伊万里の両親の死の記憶であった。 黒く不気味な服を着た見知らぬ親戚や両親の知人、それらの人々に囲まれて、一人泣きじゃくる小さな赤毛の女の子。それは幼き日の伊万里である。 自分の能力で両親の死を予知するも、無力で幼い伊万里にはそれを止める方法はなかった。それが今の強さを求める伊万里の人格の原因でもあった。 (ふぅん。ヒトのために強くあろうなんておこがましい女よね。なんでも護ろうなんて神にでもなったつもりかしら。いえ、私は神をも越える存在になるのよ。そのためにこの死の巫女の力が必要――) ノゾミはさらに奥深くの、伊万里本人でさえ忘れている記憶の海を潜っていく。そこに何か伊万里の心を支配できる何かが存在するはず。 しかし、ノゾミはそこにありえないものを見た。 真っ暗な闇に包まれた心の海の奥底に、僅かに光が見えている。それは有り得ないことである。ノゾミが今まで見てきた人の心の深海は、唯ひたすらどす黒い、星の無い宇宙のような暗黒が広がっていた。 だが伊万里にはまるで小さな星が輝いているような、そんなわずかな光がこの心の暗黒に煌々と輝いていた。それはまるで、 (まるで希望の光じゃないか――そんなものがこの残酷で不条理な世界に存在なんてするもんか) そうノゾミは吐き捨てるように心の中で呟く。 異能の力を得て、スティグマにやってきたノゾミはずっと人の心の闇しか覗いてこなかった。希望も愛も夢も何もかもが彼女にとっては疎ましい存在でしかなかった。 そんなノゾミはまるで光に魅かれる蛾のようにその光に向かっていった。伊万里が心の闇の中で、忘却しながらも心の支えにしているその小さな輝きに触れていく。 それは同じく両親の葬式の日の記憶。 彼女の親友である藤森弥生が彼女を慰めている姿が見える。 「伊万里ちゃん、泣かないで。私がいるから、私が伊万里ちゃんを護るから!」 同じく幼い弥生は、泣きじゃくる伊万里に向かってそう言っていた。微笑ましい光景ではあるが、今弥生はノゾミに操られ、護るべき伊万里を襲っていた。 (友情なんて、私の能力の前では無力でしかないわ) ノゾミは目の前の光景を見て邪悪な笑みでほくそ笑んだ。彼女からすればこのような茶番などいつでも壊せてしまうのだ。 (なに、こんなものが巣鴨伊万里の心の支えなの? 下らない) ノゾミはそれに落胆していた。そんなものが闇を照らす光になるとはとても思えなかったからだ。 (しかし、この光の記憶はまだ先があるようね――) ノゾミは記憶の続きを見ようと光の中を進んでいく。やはりその記憶も葬式の日で、先程の弥生との会話の少しあとのようである。 やがて弥生も家に帰り、通夜の中、部屋の片隅で膝を抱えて伊万里はまだ泣いていた。 伊万里は自分に死を見る能力が無ければ自分も一緒に両親のところに行けたのではないのか、一人こうして残されるくらいなら一緒に死んだ方がマシだった、などと考えていた。 彼女は自分のこの異常な力が恐ろしかった。 これから一生人の死を見続けなければならないのか、ずっとその死を止めることもできずに見殺しにしていくのかと。 そして何よりこの人の死に慣れてしまうんじゃないか、そうなることが彼女にとって一番恐ろしいことであった。 伊万里が顔を伏せながら泣いていると、周りがざわざわと騒ぎだした。 「おいおい誰だここの場所教えたの」 「あの子の親はいないのか、何してるんだ」 「まぁやだ、孤児ですってあの子。だから教育がなってないのね」 「よく出てこれるな、まだ子供だとはいえ自分がしたことくらいわかるだろ」 「まるで死神ね、縁起でもない。帰ってもらいましょうよ」 そんな声があちこちで上がる。ニュアンスとして彼らが言う“あの子”とは自分のことではないと伊万里はわかっていた。じゃあみんなは誰のことを言っているんだろう、そう思って伊万里は伏せていた顔を上げる。 そこには可愛らしい顔をした男の子が立っていた。 伊万里と同い年くらいであろうが、喪服ではなく、なんだか薄汚れた服を着ている。手や足に痛々しい擦り傷があり、その表情は曇っていた。 「あ・・・・・・」 伊万里は直感で理解したようだ。 彼が伊万里の両親の死の原因。 親戚や警察から聞かされていた、両親はこの少年を庇うために死んだのだと。 伊万里の両親は、自動車で祖母の墓参りに出かけている時に事故にあったのだが、それがこの少年に原因があったからだ。この少年はボールを追っかけて道路に飛び出し、慌ててハンドルを切った伊万里の両親はそのまま道路の崖から落ち、即死してしまった。 偶然と世界の不条理と少年の不注意が生んだ悲劇。 そしてその少年が伊万里の前にやってきた。 伊万里と少年はお互いに目を合わせるが、何を喋ったらいいのかわからなかった。 「あ・・・・・・あの・・・・・・」 伊万里が何かを言わなきゃ、言葉にならない言葉を呻く。伊万里は彼に対しての感情を決めかねていた。憎悪を持てばいいのか、どう接すればいいのか。 伊万里がぼんやりしていると、少年は突然その場にうずくまった。 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・・・・・・・・・」 少年は謝罪の言葉だけをひたすら呟いた。 彼もまた、幼く、無力な子供だ。謝るしか彼にできることはなかった。それがどんなに周りから浅はかな行為だと思われても、少年にはそれしかできなかった。 無力な少女と無力な少年。 彼らの出会いは決して幸福なものではない。それでも伊万里はこの泣きながら謝り続ける少年に、伊万里は怒りや憎しみを抱くことはなかった。 ああ、彼も不条理な世界の被害者なのだと、そう感じていた。 「そんなに、泣かないでよ。泣きたいのは私のほうだよ・・・・・・」 伊万里は少年の頭にぽんと手を置いた。 「うう・・・・・・だって僕のせいでキミの・・・・・・お父さんやお母さんが・・・・・・僕のほうが死んだらよかったんだ・・・・・・どうせ僕なんて誰も悲しむ人なんていないんだから・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 伊万里は少年の両頬を手で思い切りつかんだ。 「泣かないでって言ってるでしょ!」 激しい伊万里の叱咤に、少年一瞬びくっと震えたが、少しだけ笑った顔になっている伊万里の顔をみて唖然としていた。 「泣かないでよ、あんたがそんなこと言ったら私のパパやママがあんたを助けた意味なくなっちゃうじゃない。泣かないで! 強く生きてよ!」 後半伊万里もボロボロと涙を流しながら少年にしがみついていた。少年も伊万里もその場で大泣きしていた。 周りにいる大人たちは伊万里と少年が喧嘩しているのではないかと迷惑そうな顔をしていた。少年を伊万里から引き剥がそうと少年の腕を引っ張り、追い出そうとしていた。 「早く出て行けよガキ。伊万里ちゃんが可哀想だろ!」 「まったく常識のない子供ね。恩人の通夜の席で泣き散らかして」 どんどん引っ張られ、少年は何も抵抗できずにいた。しかし、その時伊万里が回りの大人たちを睨み、 「やめて! その子を離して!」 と一喝した。 呆然とする大人たちをよそに、伊万里は少年に近づき、何かゴツゴツしたものを少年に手渡した。少年はわけがわからずきょとんとしていた。 「これ・・・・・・」 「それ、パパがいつも使ってたやつ・・・・・・」 それはヘッドフォンであった。真っ赤な派手なもので、子供が使うには大きすぎるかもしれない。ちゃんとプレイヤーも一緒についている。 「プレイヤーの中にはママが好きだった歌手の曲が入ってるの」 「え・・・・・・そんな大事なもの・・・・・・」 「だから、よ。絶対パパとママのこと忘れないで。それを見ていつもパパとママに助けられたことを忘れないでよ、忘れたら許さないんだから!」 伊万里は半ば押し付けるようにヘッドフォンを少年に譲った。少年はそれをぎゅっと抱きしめていた。 「僕、絶対に忘れない。僕がキミの両親の代わりにキミを護る。絶対に、たとえ世界がキミの敵になっても、僕はキミを護る!」 「な、何恥ずかしいこと言ってんのよ! 弥生もそんなこと言ってたけど、私はそんな護られるってガラじゃないわ。ううん、強くなりたいのは私のほうよ」 伊万里は少年の真っ直ぐな言葉が恥ずかしいのか、少しつっけんどんにそう言った。 「だったら一緒に戦おう」 だが、少年はそう言った。一体何と“戦う”のか、それは具体的には少年自身にもわからないであろう。しかし、これから二人に襲い掛かる過酷な運命や困難、それを暗示しているかのようであった。 やがて少年も帰り、また伊万里は独りになっていた。しかしその顔にもはや涙はなく、強くあろうとする意志と、自分を護ってくれる存在に出会ったことによる充実感に満たされていた。 両親の死は彼女にとって辛く悲しいものではあったが、彼女の心に残ったのはそれだけではなかったのである。 その後伊万里は双葉学園に入学し、その孤児の少年もそれからどこかに引き取られたというのを風の噂で聞いていた。 (何よこれ――気持ち悪い。こんなのが心の闇に輝いてるなんて) ノゾミは伊万里の記憶に触れ、嫌悪の表情をしていた。これは彼女が嫌いなものの一つである。 (こんなの、ただの初恋じゃない――!) ノゾミは虫唾の走るようなその伊万里の光の記憶から脱出し、さらに深く黒い部分に迫っていく。この光を越えた先に、伊万里の心の闇の核心部分が待っているのだ。 しかし、両親の死以上のトラウマが伊万里にあるのだろうか、ノゾミは少し不審に思っていた。 (なんだか闇が深すぎる気がするわ・・・・・・まるで人間の精神じゃないみたいな) やがて心の海の最深部に辿りついた。 それは、何と形容したらいいのかわからない。 伊万里の心の最深部にあるものは混沌そのものであった。黒く不気味な軟体動物の触手のようなものがぐるぐるとトグロを巻き蠢いている。 人間の精神がこのような形をしている姿を、ノゾミは初めて見た。 (これじゃまるで化け物じゃない・・・・・・まさかこれがクローリング・カオスの言っていた“彼女”なの――?) ノゾミがその触手から遠ざかろうと身を引こうとした瞬間、その触手がノゾミのもとまで伸びてきた。タコやイカのような吸盤のついたその触手は、何本もノゾミに絡みつき、彼女の精神体を拘束していく。 その触手は彼女の精神体を侵食し、汚染していく。 「馬鹿な、この私が逆に取り込まれると言うの? こ、こんな化け物が人間の力で制御なんてできるものか! クローリング・カオスは一体何が目的なのよ!」 やがてノゾミの精神が黒く染まっていく。 ノゾミが最後に見たものは、伊万里の心の闇の、封印された記憶であった。 その記憶の映像はノイズが激しく、何が映っているのかよくわからない。しかし、白い部屋と白い服を着た大人たち。それを取り囲む少女がそこにいた。 『・・・・・・やはりまだ早い・・・・・・これは・・・・・・』 「やめて・・・・・・苦しい・・・・・・」 『この異能は・・・・・・・”彼女“とのコンタクトを・・・・・・可能・・・・・・』 「いや、痛いの・・・・・・もういや・・・・・・」 『しかしこれは超宇宙法則の・・・・・・精神体が・・・・・・』 「もう私の・・・・・・頭を・・・・・・いじらない・・・・・・で・・・・・・」 『これは・・・・・・ラルヴァ・・・・・・上級Sの5・・・・・いや、もしくはそれ以上の・・・・・・』 「やめて、やめて、やめて!」 『こんな希少な実験体・・・・・・手放すわけには・・・・・・・しかし・・・・・・』 「パパ・・・・・・ママ・・・・・・助けて・・・・・・!」 「うアアアアアアあああああああああああああああ」 突然目の前の西野園ノゾミが発狂したように叫びだして伊万里は呆然としていた。 頭を両手で押さえながらのた打ち回っている。喉が引き裂かれんばかりに口からわけのわからない言葉を喚いている。 一体何が起きたのか。それは伊万里にはわからなかった。しかし、まともではないということはノゾミの苦しみ姿を見ていればわかる。 「な、何よ。突然どうしたの!」 ノゾミの顔には今までの美しい表情はなく、苦悶と苦痛により、歪みきっていた。 伊万里が驚いてどうしたらいいか迷っていると、ふと自分を縛っている縄が緩んだ。その縄を持っていた弥生の意識が突然失われたように倒れたのだ。 「弥生!」 伊万里は身体をぐりぐり動かして縄を解いた。 弥生を抱き上げると、どうやらノゾミの集中力が切れたせいなのか、能力の支配下から開放されたようだ。 (弥生が無事でよかったわ。でもこの西野園先輩・・・・・・一体どうして、私の心を覗いてこうなったの?) まるで精神が破壊されたかのようなノゾミの行動に伊万里は恐怖を覚えていた。しかし、真の恐怖はこれから始まることになる。 突然ノゾミの身体に異変が起きた。 ノゾミの身体が痙攣をはじめ、どんどん身体が黒く染まっていく。 やがて腕が形を崩壊させ、まるで軟体生物の触手のような形になっていき、腕から身体全体に何かが浸食していくように人間としての形が崩れていく。 「な、なによこれ! 何が起きてるの!?」 伊万里は恐怖で身体が動かなかった。 目の前の人間がそうでなくなっていく光景は、何よりも不気味で恐ろしい。 ノゾミの上半身は黒く巨大な物体に覆われ、そこからは無数の触手が生えていた。彼女の人間としての部分はスカートから覗く真っ白で綺麗な足だけである。それが逆に不快感を煽るようなギャップを醸し出している。 「な、何なのよ・・・・・・これじゃまるでラルヴァじゃない・・・・・・」 その黒きモノは触手を鞭のようにしならせ、当り構わず振り乱している。空を切るように伸びる触手がこの廃研究室の機材を次々と破壊していく。その触手が伊万里の横を通り過ぎ、機材を触手で絡めている。それの機材は触手と一体化して、黒きモノの本体に取り込まれていく。どうやら回りにあるものを無差別に食らっているらしい。それを見て伊万里は背筋がぞっとしていた。 「弥生! 起きて! 逃げるわよ!」 伊万里は弥生の頬をぺちぺちと叩いた。 「・・・・・・ん、ここは・・・・・・伊万里ちゃん?」 弥生は意識を取り戻したようで、焦点の合っていない目で伊万里を見上げていた。どうやら今までの操られていた記憶は飛んでいるらしい。 「弥生・・・・・・よかった。さあ早くここから逃げるわよ、あの化け物に食われる前に」 「え、化け物・・・? あ!」 弥生は寝ぼけた頭で目の前の光景を直視する。それを見た弥生は思わず大声で悲鳴を上げてしまった。思わず伊万里にしがみついてしまっている。 「な、なにあれ伊万里ちゃん! 何なの!?」 「わからないわ。ただ突然西野園ノゾミ先輩があんなラルヴァに変身したのよ」 「に、西野園さんが・・・・・・嘘でしょ!」 「本当よ、あの人は異能の力で弥生や他の人たちを操ってたの。一体何が目的だったのかわからないわ。でも、あのラルヴァな間違いなく西野園ノゾミよ」 二人は目の前のラルヴァを睨みつけるが、その黒きモノは構わずに破壊にいそしんでいた。そのうちこの廃研究室も崩壊するだろう。 さっきよりも黒きモノの身体は膨れ上がっていた。 廃研究室がどんどんボロボロになっていき、黒きモノはそれらを飲込み続けているのにも関わらず、見た目は変わっていない。 あれほどのものを飲込みながらもどうやら質量そのものに変化はないようである。 一体どういう理屈かはわからないが、その得体の知れなさも彼女達に恐怖を与えていた。 廃工場の上空に人影が浮いている。 まるで見えない足場があるかのように空中に立っている男がいた。 存在感が希薄なのか、その男には顔が無いような印象をうける。彼はクローリング・カオス、聖痕の構成員の一人である。 彼は空中から西野園ノゾミの変身と破壊を眺めていた。 「自分の力を過信して、深淵を覗こうとするからこうなるのだ。深淵に触れたものは深きものに取り込まれるというのに」 研究室の天井を突き破り、触手が外にも伸びていく。その触手が一瞬丸く膨れ上がったかと思うと、破裂し、あたりに飛び散る。 飛び散った破片たちは、まるで意志があるように蠢きながら這っている。 「巣鴨伊万里の中にある“彼女”の触手に触れただけであれほどのものになるとは。“彼女”の本体は一体どれほどの力を――」 彼が呟いていると、灰研究室の反対側に赤いマフラーを首に巻いた少年が目の前の光景に唖然としていた。 「連中もここにいるのか。まだ連中と会うのは得策ではないな」 そう言って彼はまるで夜の闇に解けるように消えてしまった。 「な、なんだよこりゃあ!」 思わず早瀬速人はそう叫んでしまった。オフビートが向かって行った方向から巨大な触手が天に向かって伸びたかと思えば、それが爆ぜて何やら黒い物体が大量に街に向かって這ってきている。その黒い物たちは当たりの瓦礫などを取り込んでこちらに向かってきている。あれに触れたものは取り込まれるようだ。 一体何が起きているのか早瀬にはわからないが、あの黒い物体が街に迫ってきたら大変なことになる、そう肌で感じていた。 「こいつらはラルヴァなのか・・・・・・?」 大量に迫ってくる黒いラルヴァの群れを見て早瀬は恐怖を感じていた、わけではなく、なぜか不適に笑っていた。 「ラルヴァ・・・・・・か。なら俺の出番じゃねえか!」 早瀬は赤いマフラーをなびかせて、ラルヴァの群れに向かって駆け出した。一切の迷いもなく、ただ真っ直ぐに、ひたすら直進していく。 「第一加速!」 早瀬の駆けるスピードがぐんぐんと速くなる。 「第二加速!」 F1カーの如くスピードになり、周囲の空気が切り裂かれていく。 「第三加速!」 もはやまともに視認できぬほどのスピードになり、本来なら服も身体も摩擦熱で燃え尽きるほどのスピードであるが、早瀬は身体付近に逆加速をかけ、それを防ぐ。 「最終加速、全力疾走!!」 音速を超え、早瀬の周りにソニックブームが発生し、周りの瓦礫などを吹き飛ばしていく。もはや彼を止めることは何者も出来ない。 早瀬はそこで一度地面を蹴り、低空での跳躍をし、右足を前に突き出した。超スピードの慣性の法則により、早瀬の身体はそのまま超速で黒いラルヴァの群れに突進していく。 「必殺、零式スーパーソニックオーバーキィィィィィィィィィィィィィィィック!!」 激しい摩擦熱の光により、一瞬だけここ一帯の夜の闇が明るく照らされ、凄まじい衝撃波により黒いラルヴァたちは吹き飛んでいく。 崩れた廃工場の瓦礫の山の一角に早瀬は着地し、息を切らしていた。 「ふぅ、やっぱ能力全開でいくと疲れるな。だけどこれであのラルヴァたちは・・・・・・」 だが早瀬は吹き飛んだラルヴァたちを見てぎょっとした。 ボロボロに千切れとんだはずなのに、それらはまた動きだした。いや、千切れた分だけ増殖してしまったようだ。 「なんだよこれ、どうしろってんだ! こいつらには“死”がないのか!?」 黒い物体たちは一斉に早瀬に向かって飛び掛ってきた。 体力がもはや限界になっていた早瀬は、それらを避ける余裕がなかった。 早瀬が身を硬くした瞬間、どこからかバイクのエンジン音が聞こえてきて、巨大なオートバイが早瀬の視界を遮り、黒いラルヴァたちを纏めて空中で轢いていく。 空中を駆けたバイクは着地すると、ぎゃりっと半回転して停止する。そのバイクには二人の人物が乗っていた。それを見て早瀬は安堵の表情を見せる。 「ルール先輩、加賀杜先輩!」 大きなオートバイに乗っていたのは醒徒会のエヌR・ルールと加賀杜紫穏であった。加賀杜がハンドルを握り、それを後ろから覆いかぶさるようにルールが乗っていた。 「あー、なんかお二人ともそんなくっついてやらしいですよ」 早瀬はくっついてバイクに乗る二人を茶化す。半ば羨ましいと感じているようである。 「仕方あるまい。非常事態だ」 「そうだよー。アタシの能力でバイクの性能を引き上げたから間にあったんだから感謝してよー。アタシがハンドル握らないと能力浸透しないんだから仕方ないんだから」 「そうだ、それにぼくには幼女趣味なんてない」 「どーゆー意味かなエヌルン」 加賀杜はこめかみの血管を浮かせてルールを睨んでいる。ルールは青いサングラスのせいでわからないが、どうやら目を逸らしたようだ。 「い、いや。それよりこの黒い物体・・・・・・ラルヴァたちをどうにかする方が先だろう」 ルールは誤魔化すように周りに飛び散ったラルヴァたちを見やる。それらの物体はさっきバイクで轢かれたにも関わらず、やはりダメージを感じていないかのように蠢いている。 「どうしますルール先輩。こいつらどんだけ攻撃しても駄目ですよ、下手に破壊しても分裂しちゃうだけですし」 「そのようだな。だが、それは中途半端な攻撃の場合であろう」 ルールは両手の骨をポキポキと鳴らした。 ゆらり、と身体をラルヴァたちに向け、両手を構えた。 「何も残らないほどに消し飛ばしてやればいいのさ」 ルールは飛び掛ってくる黒い物体たちを両手で薙ぎ払った。 すると黒いラルヴァたちはまるでかき消されるように身体がもぎ取られていく。彼の両手に触れるものはまるで砂のように分解され空中に消えていく。これぞ彼が持つ最強と言われる異能“ザ・フリッカー”である。 「うわぁ、久々に見ましたけど相変わらず卑怯臭い能力ですよね」 早瀬は次々とかき消されていくラルヴァたちを哀れに思いながらこの異常な敵が駆逐されていくのを見て安堵していた。しかし、 「何を気を抜いているんだ早瀬」 「いや、だって。もうラルヴァは・・・・・・げっ!」 早瀬が目の前を見ると、廃研究の中心から巨大な触手が伸び、そこからまた黒いラルヴァたちが生み出され増殖していく。もはや数え切れないほどの大群と成していた。 「ふん、どうやらこいつらを全員消すのは骨が折れそうだな。だが、やるしかあるまい」 「そうだねエヌルン。はやはやも気合入れたほうがいいよー」 「ま、マジっすか~」 「この化け物分裂してるの!?」 伊万里は目の前の黒きモノが触手を天に伸ばし眷属たちを増殖させているのを見て、驚愕していた。まるでこの世の終わりのような光景である。あんなものが増えてしまったら一体どうなってしまうのだろうか。 「い、伊万里ちゃん早く逃げようよ!」 「うん。だけどこのラルヴァを放っておくわけには――」 「駄目だよ私たちじゃこんなの相手に出来るわけないよ!」 弥生はまた伊万里の悪い癖が出始めていることに気づいてそれを止めようと彼女の肩を掴み、揺すっている。 伊万里はまたも目の前の敵と対峙しようとしていた。 だがどうあってもこの黒きモノ伊万里が勝てるとは思えない。弥生はそれを危惧して伊万里をこの場から離そうと必死である。 二人がまごまごしていると、その目の前を触手が通り過ぎる。 「ひぃ、あ、あれに取り込まれたらどうしようもなくなっちゃうよ! 伊万里ちゃん逃げよう!」 「わかったわ。行こう弥生!」 二人は出口の扉に向かって駆け出した。だが触手の攻撃により次々と天井が崩れだし、扉が瓦礫で埋まってしまう。 「そんな!」 唯一の退路を絶たれ、伊万里と弥生は立ちすくむ。恐るべき黒きモノとこの空間に閉ざされてしまった。天井は穴が開けられているが、とても登れるものではない。 「ごめん弥生、私が早く逃げないから・・・・・・」 「そ、そんな謝らないでしょ伊万里ちゃん。もし下手に出口に向かってたら下敷きになってたかもしれないし・・・・・・」 二人はそう言うが、現実は非情である。彼女達のすぐ後ろにはあの黒きモノが触手を蠢かせている。 「でもあの化け物って目が見えてないのかな。手当たりしだいに攻撃して取り込んでるけど、私たちを狙うってことはしてないみたいね」 「う、うん。多分視覚がなくて感覚で動いてるんじゃないのかなぁ」 「なるほどね、あんまり高度な感覚じゃないみたいね」 「ど、どうするの伊万里ちゃん・・・・・・?」 伊万里は足元に落ちている鉄パイプを拾い、それを黒きモノに向けて構えている。 「私がこいつを挑発して攻撃をしかけさせるわ。それでこいつの攻撃でこの出口の瓦礫を破壊してもう、ってのはどう?」 「そんな、伊万里ちゃんが囮になる気!?」 「うん、だって西野園ノゾミは私が目的だったみたいだしね。弥生はちょっと下がってて」 そう言って伊万里は黒きモノの触手に向かって鉄パイプを叩きつけた。 「さあ怒りなさいよ化け物! 私が目的なんでしょ!」 伊万里の位置を感知した黒きモノの触手が伊万里を目掛けて薙ぎ払われた。伊万里はバックステップでそれを避けるが、鉄パイプは触手に触れ、取り込まれて消え去ったしまった。 「うわ、こんなのに食べられたらどうなっちゃうのかな」 伊万里は黒きモノの恐ろしさを痛感した。だが今さら後には引けない。伊万里は触手を挑発するように出口の扉まで引き寄せる。 しかしその時伊万里の足元に何かが当たる。それは崩れた瓦礫の破片であった。 伊万里はそれに足を引っ掻けてバランスを崩してしまう。 「伊万里ちゃん!」 「しまっ――」 伊万里はそのまま転んでしまった。 それを感知した黒きモノは触手を容赦なく伊万里のもとに振り下ろした。黒い触手が伊万里の身体を覆い、伊万里はその場から消えてしまった。 「伊万里ちゃああああああああああああああん!」 弥生の悲痛な叫びも虚しく、伊万里は触手に丸ごと取り込まれてしまった。 「そんな・・・・・・伊万里ちゃん・・・・・・」 弥生は自分の無力さに愕然として膝を地面についた。地面にはぽつぽつと水滴がこぼれる。それは弥生の瞳から流れ落ちた涙であった。 「護るって・・・・・・私が伊万里ちゃんを護るって約束したのに・・・・・・」 弥生はその場に泣き崩れ、どうしたらいいのかわからなくなってしまった。 唯一の親友を失い、彼女はもう全てがどうでもよくなっていた。自分もあの黒きモノに取り込まれてしまおう、それが一番楽だ、そう考えていた。しかし、 「伊万里!」 突然閉ざされた扉の向こう側からそんな声が聞こえてきた。 part.4につづく トップに戻る 作品投稿場所に戻る
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無印・W川村アミ 花咲ラン ジェシカ・カイオス 古城アスカ 三影ミカ 矢沢リコ 山野真理絵 北島沙希 真野昌子 霧野紗枝 檜山真実 アリス フラン その他 ウォーズ鹿島ユノ キャサリン・ルース 笹川ノゾミ 波野リンコ 篠目アカネ 金箱スズネ バネッサ・ガラ シャーロット・レイン その他 無印・W 川村アミ 1-18 川村アミ監禁調教恥辱シリーズ ~手始め編~(調教) 1-53 ディテクター構成員のストレス発散法(調教・1-18の続き?) 1-107(小ネタ) 1-298(自慰・小ネタ) 2-154 ワン・マン・アーミー(カズ×アミ) 2-440 オンリー・マイ・アミ(カズ×アミ・2-154の続き) 2-537 メリー・マリー・クリスマス(カズ×アミ・2-440の後日談・ウォーズ時代) 花咲ラン 1-4(バン×ラン) 1-315(ユウヤ×ラン) 1-395 微笑みの繋ぐ世界(ユウヤ×ラン) 2-34(ユキ×ラン) 2-47 花咲ランと格闘H(凌辱) 2-287(ヒロ×ラン) 2-578(ユウヤ×ラン) ジェシカ・カイオス 1-120 奴隷ジェシカ(調教) 古城アスカ 1-95(小ネタ・1-97の予告) 1-97 ふたなり少女(?)・古城アスカの受難(凌辱・バン×アスカ) 1-228(アスカ×ヒロ) 1-376 早くオトナになってみたい(ヒロ×アスカ) 1-635 アスカにゃんのお兄ちゃんになろう!(アスカ?) 三影ミカ 1-605 月影慕情(郷田×ミカ) 矢沢リコ 2-4 Temperance(仙道×リコ) 山野真理絵 2-397 仮面の世界(山野夫妻) 北島沙希 1-137(沙希×バン) 真野昌子 2-182 時の流れに身をまかせ(八神×真野) 霧野紗枝 1-122(拓也×霧野) 檜山真実 1-359(拓也×真実) アリス 1-179(ユウヤ×アリス) フラン 1-436 絶たれる望み(フラン×ヒロ) その他 1-48(ヒロ小ネタ) 1-151(ミネルバ×北島店長) 1-416 オタクロス、世界を救う?―渋音キクゾウの暴走―(オタクロス×イブ) 2-465(ハンター×クノイチ・2-440のおまけ) ウォーズ 鹿島ユノ 1-756(アラタ×ユノ) 2-89 慰安任務の演習授業 鹿島ユノ(猿田×ユノ) 2-93 LBX学園 入学身体検査 鹿島ユノ(羞恥) 2-248 predation(輪姦) キャサリン・ルース 2-382(ヒナコ×キャサリン) 笹川ノゾミ 2-506(キヨカ×ノゾミ) 2-557 分かれる道、繋がる心(タダシ×ノゾミ) 波野リンコ 2-210(ノゾミ×リンコ・小ネタ) 篠目アカネ 2-169(小ネタ) 2-375(アカネ×リクヤ) 金箱スズネ 2-242(キョウジ×スズネ・小ネタ) バネッサ・ガラ 2-144(イワン×バネッサ) シャーロット・レイン 2-360(シャーロット×アラタ) 2-458(シャーロット×アラタ・2-360の激しいVer.) その他 2-601 序盤「同棲開始」(美都博士・小ネタ)
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POP条件 アル・タユF-11 ???に第二の聖徳と無貪の善根と上質なゾミト器官をトレードするとPOP ドロップ品 ジャスティスソード(片手剣 D34 隔236 STR+7 ヴァルチャストーン装備時時々2回攻撃 Lv73~ 赤シナ) ジャスティストルク(首 STR+5 両手鎌スキル+7 両手刀スキル+7 Lv73~ All Jobs) 第四の聖徳(Jailer of Loveのトリガー) NM情報 ゾミト族、獣使いタイプ 使用アビリティ:あやつる(PC魅了) 本体はゾミト系特殊攻撃を使用し、魔法は使用しない。 魅了時間は120秒程度。 Qn xhomitを約30秒おきに召喚する。最大6匹まで増殖。雑魚のQn xhomitは忍者タイプ。微塵がくれを使用。 HPは少なく、4系精霊2発で沈む程度。微塵までの時間は30秒程度。 本体と雑魚は相互にヘイトが連動している模様。 外部PTでも雑魚は討伐可能な為、人数が多ければ別に外部PTを作っても良い。 どちらにしても継続して雑魚を倒すことのできる火力が必要。 ちなみに、周囲に最初からいる雑魚のイカはリンクしない。ただし誤爆注意。