約 1,551,227 件
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1265.html
デュエルマスターズバトルロワイアル本編 デュエルマスターズバトルロワイアル本編SS目次・時系列順 デュエルマスターズバトルロワイアル本編SS目次・投下順 デュエルマスターズバトルロワイアルキャラ別追跡表 デュエルマスターズバトルロワイアルの参加者名簿 デュエルマスターズバトルロワイアルの死亡者リスト デュエルマスターズバトルロワイアルのルール&マップ
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/4975.html
「どんなに酷い大会でもバランスは大事。 そう思っていた時期が僕にもありました。」 解説 良く言えばPCに優しめ、悪く言えば地味(?)な神周辺の キャラたち42名を集めてランセレバトルロワイヤル。 正確に言うと大魔法禁止の神キャラ大会。 ルール TIME60秒,2ラウンド先取 組み合わせはランセレ 3敗で脱落(引き分けは負けに含む) 最後まで残ったキャラが優勝 バランスは投げ捨てるもの(キリッ 出場条件 神クラスの相手と有る程度戦える性能であること 撃破条件が設定されているか、撃破・判定勝ちが容易であること 大魔法を使わないこと(大魔法の基準は元のキャラにない技で、全画面を覆いアニメーションする物) 出場キャラ + 出場キャラ紹介 神速久那妓(12P) Solitary-ZERO(12P) Berserker-M(7P) HIジェネラル(12P) GEL(12P) ハイパージェネラル バランゾ XX2(12P) 神七夜(12P) 殺神貴(7P) オニワルド(12P) 神ワルド(12P) waruid Psycho Shredder(3.0) 村人J(12P) ケルト(8P) スーパーメカゲニ子(12P) Aユウキ(12P) ルガガガ!!(12P) 先代巫女(12P) 闘神(12P) シーン(7P) MirrorCubeSquare(10P) 四条雛子(12P) 葬志貴(12P) 名前の長いKFM(LV100) 擬似レアアクマ Gゆっくり魔理沙(12P) STGf0394(12P) 「 」(5P) スーパー兄貴(1P) HyperKFM(2P) ファントム(10P) Dustman(5P) ASHLA(12P) The Pacifier オズワルド・アベリー(12P) 808080(12P) Crimson Jack Joker(11P) 紫レン(12P) ブラフマー 吸血飢(12P) 鬼巫女R(5P Life30) レジェンドゴジータ(V2.9) コメント 作成乙。バランスェ… -- 名無しさん (2010-08-15 08 05 41) なん・・・だと・・・? -- 八式特攻人形 (2010-08-15 19 46 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3535.html
作者・ ◆YJZKlXxwjg 本編 俺得キャラクター・バトルロワイアル本編SS目次・時系列順 俺得キャラクター・バトルロワイアルの参加者名簿 俺得キャラクター・バトルロワイアルのネタバレ参加者名簿 俺得キャラクター・バトルロワイアルの死亡者リスト 俺得キャラクター・バトルロワイアルの支給品一覧 地図 1 2 3 4 5 6 A 森 森 浜 森 森 港 B ゲ 神 学 市 森 浜 C 森 図 商 遊 森 森 D 役 秋 墓 桜 館 森 E 森 駅 斜 森 公 浜 F デ 森 森 浜 浜 港
https://w.atwiki.jp/dbrp/pages/7.html
バトルロイヤルR設置サイトのリストです。 まだ情報不足なので、追加等自由にどうぞ。 また、「自分のバトロイ載せるな」等あったらご自由にどうぞ。 []内は題名がバトルロイヤルR以外の物の題名です。 但し設置しているだけで、別にサポート等はしてないので注意。 アイコンデフォルト サイト名 URL 登録枠 試合間隔 初期LIFE 優勝戦名 優勝戦出場条件 LIFE回復連勝数 備考 Marinonet. http //marinonet.org/battle-r/battle.cgi 30 6分 10ないし12 D-BR杯 5勝 2連勝 ひんこのページ2 Extreme QX9770 http //hinko.s14.xrea.com/battle/battle.cgi 13 3分 5 D-BR杯 2勝 3連勝 abc1234のページ NEO http //abcneo.com/game/battle-r/battle.cgi 13 3分 5 D-BR杯 2勝 3連勝 STADIAM http //team-aone.com/ 25 12分 5ないし7 A-ONE杯 2勝 3連勝 画像がちょっと特殊? game.www12.net http //game.www12.net/ 23? 3分 5 MHNMC杯 3勝 3連勝 ※URNは該当サイトTOPページ バトルロイヤルR of 広場 http //ribia.net/battle-r/battle.cgi 13 5分 5 D-BR杯 2勝 3連勝 みんなあつまれ!バトロイ大会!? http //battleasian.atspace.cc/battle-r/battle.cgi 60 3分 10 決勝大会 5勝 2連勝 2016.10.27完成 バトロイR最新作。家族や友達みんなで楽しめるバトロイ。 Connecting With you バトルロイヤル!? http //connectingwithyouteruzuki.atspace.cc/battle.cgi 13 3分 10 LastWar 5勝 3連勝 名前欄の限界が全角14文字に、バトロイRとしてはネーミングが異質。ネームコンセプトは「闘え、その力を尽くすまで」。 サイト名 URL 登録枠 試合間隔 初期LIFE 優勝戦名 優勝戦出場条件 LIFE回復連勝数 備考 ひらお電鉄?[バトロイ研究室] http //www20.tok2.com/home/akihira26/exercise/battle.cgi(閉鎖) 8 1分 5 データ決勝戦 2勝 3連勝 作者対抗トーナメント対抗戦 http //www20.tok2.com/home/akihira26/mybatoroy/battle.cgi(閉鎖) 8 3分 5 決勝杯 3勝 3連勝 BOSSキャラがいます LIFE50バトルロイヤルR http //www20.tok2.com/home/akihira26/mybatoroy-r/battle.cgi 40 3分 50 再戦 15勝 3連勝 LIFEがおかしい。 OverDriveバトルロイヤルR 閉鎖 30 3分 10 D-BR杯 5勝 2連勝 能力がおかしい。 ノヒタのホームページ[バトルロイヤルN] http //www48.tok2.com/home/kirin33/roiyai/battle.cgi 10 2分 4 N-BR杯 4勝 1連勝 音楽がうまく鳴らない Limiter Cut Battle Royal http //s1534.cs.land.to/ba-ro-/battle-r/battle.cgi 99999 3分 1 D-BR杯 2勝 無し 制限が殆ど無い アイコン変更、追加あり サイト名 URL 登録枠 試合間隔 初期LIFE 優勝戦名 優勝戦出場条件 LIFE回復連勝数 備考 ポケモンチャンピオンリーグ~セキエイ高原~ http //w10.oroti.net/~hak/rakisuta_frame/battle.cgi 13 10分 5 マスターボールカップ 5勝 3連勝 2015/7/30 6時頃多重登録被害発生。 最近過疎気味? ポケモンバトロワ杯 http //w4.oroti.net/~ikuseiron/cgi-bin/batoframe/battle.cgi 13 4分 10 ポケモンリーグ 4勝 ?連勝 ひらお電鉄 http //www20.tok2.com/home/akihira26/battle-r/battle.cgi(閉鎖) 20 3分 20 再戦 トータル15勝 2 名称不明[帰ってきたロワイヤル(嘘] http //hpcgi2.nifty.com/cyberdude/battle.cgi 天下一武道会~バトルロイヤル~ http //lonsroom.k1.xrea.com/battle-r/battle.cgi 13 5分 3 天下一武道会 決勝 3勝 http //myhome.ryuhoku.jp/brr/battle.cgi こっちは連続登録不可。 http //r-style2.sakura.ne.jp/cgi-bin/battle.cgi ver1.17と1.32をログで再配布。 http //gew6.web.fc2.com/
https://w.atwiki.jp/kskani/pages/256.html
【書き手諸氏でバトルロワイアル】 スレNo. レスNo. タイトル 作者 主催者 登場人物 備考 12 138-146 kskロワ書き手バトルロワイアルその1 名無し カヲル君 名無し、称号がある書き手諸氏 166 無題 名無し カヲル君 ◆U85ZpF.SRY氏◆4etfPW5xU6氏 【紹介文その2】の設定 677 無題2 名無し カヲル君 ◆S828SR0enc氏、◆qYuVhwC7l氏 S82q氏は書き手紹介1設定、qYu氏は紹介2設定 709-716 kskロワ書き手バトルロワイアルその1 たぶん続かない 名無し カヲル君 ◆321goTfE72氏、◆qYuVhwC7l.氏、ロイリン 817-819 冷酷と熱血の間で ◆NIKUcB1AGw カヲル君 ◆NIKUcB1AGw氏、◆0O6axtEvXI氏 【紹介文その2】の設定 656-658 kskロワ書き手バトルロワイアルその1 おそらく続かない 名無し ◆321goTfE72氏、◆qYuVhwC7l.氏、◆bD004imcx.氏、◆EFl5CDAPlM氏 321go氏、qYu氏は紹介2設定? 16 448 無題3 名無し カヲル君 ◆Fe3NifTDyM氏 紹介文1の設定 18 834-835 シト新生 ◆NIKUcB1AGw カヲル君 ◆NIKUcB1AGw氏 冷酷と熱血の間での続き 841-842 体の中に入りし異物 名無し カヲル君? ◆Fe3NifTDyM氏、◆EFl5CDAPlM氏 上記のおそらく続かないの話と無題3の続き
https://w.atwiki.jp/kakiterowa4/pages/133.html
全開バトルロワイアル 書き手紹介 3267 :やってられない名無しさん:2013/02/17(日) 00 06 45 ID ???0 【渾名】全 【所属ロワ】全開バトルロワイアル 【トリップ】◆uBeWzhDvqI 【投下数】15 【代表作】「怪物攻略戦」「人の命ってなに?」 全開ロワのスレ立て人、全開だぜ! 【渾名】開 【所属ロワ】全開バトルロワイアル 【トリップ】◆Zi/dWEr9fQ 【投下数】18 【代表作】「アルティメット・バウト」「巨人討伐戦」 全開ロワのトップ投下書き手、全開だぜ! 3358 :やってられない名無しさん:2013/03/02(土) 12 57 40 ID ???0 全開ロワの双璧を紹介するぜ! 【名】◆uBeWzhDvqI 【称号】全を司る伝説の始まり 【投下数】15 【代表作】「怪物攻略戦」「未現物質は砕けない」 色んな意味で有名な全開ロワのスレ立て人であり伝説の始まりである。 氏は全開と言うよりもロワ寄りの作品を投下しロワの形を整えている。 また収集させるべく早期に放送も投下した。 だが最近は虚化させたり参加作品ではないワードを登場させたりと全開よりになっている。 主に垣根帝督とほむほむを得意としている 【名】◆Zi/dWEr9fQ 【称号】開を司る伝説の創設 【投下数】21 【代表作】「アルティメット・バウトシリーズ」 全開ロワの象徴でありトップ投下数を誇る全開な書き手。 海水トラップや魔法少女勇次郎に支給人など様々な全開を得意とする。 まどか山から始まりラジオを経てより全開になった。 ドラゴンボールならでぇじょうぶだ。 最近は神を倒し宇宙へ進出した模様。主に魔法少女系列を得意としている。 停滞していたが感電氏によるラジオで全開度を増して復活した。 このロワは本スレに感想が来ないことでも有名。 しかし至る所で感想が見られるという謎の現象が起きている。 そしてこの双璧は新しい伝説をたくさん創ることになるだろう…… 242 :ナナシサン・ゾルダート:2013/04/07(日) 12 57 11 ID t/ZdzJAk0 乗るしか無いこの全開なビッグウェーブに… 【名】◆uBeWzhDvqI 【称号】全を司る伝説の始まり 【代表作】「怪物攻略戦」「未現物質は砕けない」 色んな意味で有名な全開ロワのスレ立て人であり伝説の始まりである。 氏は全開と言うよりもロワ寄りの作品を投下しロワの形を整えている。 また収集させるべく早期に放送も投下した。 だが最近は虚化させたり参加作品ではないワードを登場させたりと全開よりになっている。 そしてついにトリコを喰人状態にするというネタをぶっこんだ 主に垣根帝督とほむほむを得意としている 【名】◆Zi/dWEr9fQ 【称号】開を司る伝説の創設 【代表作】「アルティメット・バウトシリーズ」 全開ロワの象徴でありトップ投下数を誇る全開な書き手。 海水トラップや魔法少女勇次郎に支給人など様々な全開を得意とする。 まどか山から始まりラジオを経てより全開になった。 ドラゴンボールならでぇじょうぶだ。 最近ワンピースが休載になったのはあのキャラがロワに来たからだとか… 最近は神を倒し宇宙へ進出した模様。主に魔法少女系列を得意としている。 全開な人達が全壊と共演する可能性も微レ存か?
https://w.atwiki.jp/also_little/pages/70.html
緋黒の書く、カンマス住人でバトルロワイヤルをする小説。 舞台はカンマス校(小中高の区別は無視)。 メンバーはカンマス住人のみなさん。(バトルオールスターズのメンバーを基本とする) 生徒名簿 出番 名前 あだ名 特徴 1 蒼井龍也 アオイ ケンカ強くて、クールで、女に弱いってか優しい。らしい。BR容認派。 2 赤井浩幸 アカイ 無気力をあたりに撒き散らす新型兵器。BR容認派。 3 阿児軍曹 アゴ 死人に顎有り。 4 有重洲緋黒 ヒクロ 時たま明後日の方向へ進んでいく。BR容認派。 5 江井二郎 @2 へぇ…頭いい!BR容認派。 6 嘉荒伊留 ライル ハゲてない!僕はハゲてない! 7 砂州圭 サスケ お前は月じゃない。BR容認派。 8 宗谷斗夢 トム 時たま機転を利かせることが有る。BR反対派。 9 鳥肉 チキン チキン。BR容認派。 10 戸琴湖仏 とことこ 武器もって気が大きくなるタイプ(小)、根はあんま悪者じゃないかも。BR肯定派。 11 味噌汁 シルー 副管理n…もとい副委員長、頭は良い方。BR容認派。 12 魅仁知空利取 リトル 管理人、その場のノリで暴走したりもする。BR反対派。 13 御堂蛮 ヴァン @2と行動をともにしている、小心者?↓え?が得意技。BR反対派。 14 山根田中 ヤマーネ 死人に口無し。 15 山本遼太郎 わらい 16 悪悪路酸 アクア 環境適応力が高め、マイペースだがナイーブ(矛盾。BR容認派。 17 荒木久美子 くみ 18 内田早紀 うさぎ 19 番守黎渡 ヴァンス 僕っこだそうです。BR反対派。 20 大空由美 ゆみ 運動神経高洲クリニック、ムクと仲が良い。BR肯定派。 21 岡本按奈 あんな 明るくていい子、だがちょっとボケてる。だぶると百合。BR反対派。 22 古賀希代子 きよこ みほと仲が良い、たぶんショートヘア。あと関西弁。BR反対派。 23 小日向はやみ はやみん 24 剛田椋 ムク ゆみと仲が良い、ついでに人柄も良い。BR反対派。 25 田中美穂 みほ きよこと仲が良い、たぶんロングヘア。BR反対派。 26 拿葡屡ダブ子 ダブル ゆまあんだぶるで百合百合。BR反対派。 27 尾藤由麻 ゆま いつもは普通の明るい子、でも時々スイッチ入ると病んでしまう。百合。BR反対派。 28 星野夕映 ゆえ ロングで低身長、翠星石とは関係がない。BR停止派。 29 未羅彫明日 ミラボレアス 黒髪ロング、レイアと仲が良い、父親が銃器マニアで多少知識があるらしい。BR反対派。 30 里織澪亜 レイア 金髪のショート、兄がいる、ミラボレと仲が良い。 上記のものは実在の名称・人物・団体等とは一切関係ありません。 どこか似ていたとしてもそれは他人の空似です。 最重要事項 この小説を完成させるまで私は逃げも隠れもいたしません。 今までブン投げ小説の多かった私ですがコレは何があっても完結させます。 とのことです。
https://w.atwiki.jp/heiseirowa/pages/96.html
『こーしてオレはバトルロワイヤルを堪能した』 [登場人物] コースケ、只野仁人、早坂愛 七月七日は文豪・斎藤茂吉が亡くなった日(茂吉忌)だ。 すなわち、彼に倣って、愛読者であるオレも今日死ねと言いたいのか。 オレは今バトル・ロワイアルというくだらない遊びに付き合わされている。 茂吉は生前、うなぎの蒲焼ばかり食っていたそうだが、財布の枯渇ぶりが原因で昼飯を抜いたオレは、このタイミングで──────…、 「ハラ、減ったな……」 空前絶後の空腹に苦しめられていた。 ◆ 『衣食住』という言葉は真に秀逸だと思う。 要はポルノビデオを普通のビデオ二つで挟み隠し、レンタルするのと一緒で。 マジに生死に関わる『食』を、別になくても生きていける『衣』『住』で挟むことで、さもこの三つが同格の存在かのように表している。 数日前、オレのカノジョが僅かばかり帰郷したいと家を出ていった。 別に喧嘩別れだとか痴話喧嘩の末ではないのだが、カノジョ曰く「一人の時間がほしい」らしい。 カノジョの外出期間は一週間弱との話だが、ここで紐づけられるのは『人間』の不食活動期間限度も一週間であることだ。 どんなしみったれたクソ田舎に帰るのかは知らんが、金も置かずして消えるとは…。 金づるの唐突な消失に、オレは背後から『死神』の気配を察した。 ビンボー人であるオレ。 ゆえに、冷蔵庫に買い置きするほどの金なんぞ持ち合わせていない。 奇跡的に保管していたマヨネーズをちびちびご飯にかけ、初日はなんとか過ごせたが…まさかこの食生活が何日も続くとは。 十二食連続のマヨネーズご飯登板となった瞬間は、さすがにもう箸を置きざるを得なかった。 それからの毎日は、空腹にひたすら苦しみ、天井の木面を回る目で眺めるという、この世の地獄たるや。 あぁ、早くカノジョ来い……。カノジョが恋しい………。と脳内はそれしか考えることのできない。 五日目の夜、マヨネーズの容器をゴキブリがズリィズリ啜る音で目が覚めた。 …我ながらあのときのオレの行動は恐ろしかった。 空腹という限界を超えて、オレは一種の境地に達していたのかもしれない。 (あぁ、……美味そうだな。ゴキブリ丼ってのも──────) …結局カノジョと再会することはなかった。 言わずもがな、このバトル・ロワイヤルにぶち込まれた為、会うことなどできないのである。 空腹に苦しめられること七日目の出来事だ。 渋谷というナウい街を、己のプリケツブンブン振り回して歩くこと数分。 フラフラ千鳥足で入った店は『松屋』という飲食店だ。 ビンボー人であるオレは無論、渋谷に来たことなどほとんどない。 したがって、松屋たる店…どんな料理が出て味はどうなのか…と全く予想ができなかったのだが。 …これが半と出るか、丁と出るか………。果たして。 「すみませーん。何でもいいからくださーい」 …………… 「?? すみませぇーーん!! じゃあ、味噌汁定食一つーー!!」 …………… 「…すみまっせえーーん!!!!!!」 ………………………。 オレは虚を突かれた思いをした。 二十四時間営業が看板文句のこの店。 席について待てども待てども、店員の一人すらも来やしない。 渋谷という街の特色から、ある程度常識外れな店とは予想していたが、こんな酷過ぎる接客方針は考えもつかない。 普段温厚なオレだが、すっからかんの腹がフツフツと沸いてくる感覚に襲われてしまった。 「……………」 「……あっ、食べ残しがある……」 仕方ないので、オレは前方カウンター席にある他人の丼を拝借することにした。 先客の食残し……、すなわち数分前までは店員がいた証になるが、いやはやもう少し早く着いてれば……と後悔させられる。 「……………」 食べ残しといっても、どんぶりに米粒が十数個張り付いてるだけのものだ。 …ずいぶん育ちの表れた食い方である。 まぁ、その品のない食事のお陰で、オレは晩飯にありつけたのだからあまり文句は言わないこととしよう。 オレはその僅かな米を、一粒一粒手に取っていく。 「…七粒、八粒、九粒、十粒、十一粒、十二粒………」 …ふと見渡したら、テーブル、隣の椅子、壁、床………いたるところに米粒が張り付いていた。 この食残し先客…、もはや山賊の作法である。 久しぶりに、心底ドン引きする感覚を味わった。 だが空腹には敵わない。 飛散した米粒も丁寧に全部手の中へ丸めていく。 「…五十一粒、五十二粒、五十三粒……………」 「…よし」 全部回収した後、手中に握った米粒の軍団──おにぎりをポーンっと口の中に放り込んだ。 ……もぐっもぐ。 うむ。サイズは小さいが、ほのかに甘みがありそれがまた美味い。 締めに、どんぶりについたタレをベロベロ舐め回せば、もう空腹から開放だ。 幸腹とまではいかないが、久しぶりにまともな食事にありつけ満足したオレだった。 ────ゼイタクは敵だ!! 世のビンボー人諸君同士よ。世間の目なんか気にするなっ!! これが、0円で外食を堪能するビンボー生活マニュアルなのである…! まぁともかく。 店を出て、歩きながらわかばに火をつけ吸煙中…。 つかの間の一服を終えたオレは、改めてこの渋谷で何をすべきか思い悩んだ。 …どうやら最後の一人になるまで殺し続けなきゃならないのだが、これはどう為すものだろう。 一応、日雇い派遣で体力仕事をし、懸垂三十回を軽くこなせるオレだ。 タイマン勝負となれば、プロレスラーでない限り殺し切る自身はあるのだが……、相手が集団だったり銃火器を装備していたら話は別である。 ならば、と。強者相手に取り入って腰巾着をやるのも手だが…、上手く立ち回らないと最終的にはオレが殺される羽目となる。 「悩ましい、実に悩ましい……」 思わず、声に出るほど思い詰めるオレだったが。 そんなオレが初めて参加者に出逢ったのはちょうどこのときだったかもしれない。 … …… 「あ、僕只野仁人です。…どうかよろしくお願いします…!」 「………………」 「特技は空気を読むこと。……なーんちゃって。あはは…!」 「…………………」 「………。あ………あのー……、コースケさん………、なんとか二人で協力しましょうね…!」 「…………………」 「…………えーと……。こっコースケ…さん………? 何故さっきからスルーを…?」 トサカみたいなアクセサリー以外、特にこれといって特徴のない男子学生と行動することになった。 …こいつはさしずめ『隣の学生』とでも呼ぶことにしよう。 「……………………………………………ども」 ◆ 近頃の文化発展は息もつかせぬ勢いだ。 俗世から離れた生活を送るオレにはとーてい追いつくことなどできない。 「コースケさんも、よかったらどうぞ…!」 隣の学生が渡した紙袋にはたくさんのパンが入っていた。 話を聞くようには、『無人販売店』というノゥ接客のパン屋があるらしく、そこで買ったものらしい。またもや虚を突かれてしまう。 カレーパン、ピロシキ、アンパン、メロンパン……、作り置き感は気がかりだが、ビンボー人の俺にとっては宝物に見えた。 紙袋をバクリッと奪い、オレはあるがままにドカ食いを始めた。 バクバクッ、ガツガツッ ガツガツッ、モシャモシャ ハムハムッ、ゴクンっ 「あ、あのコースケさん……僕の分はーー……」 うむ、美味い。 十個ほどあったパンはあっという間に胃袋の中だ。 …実のところ、松屋のおにぎりじゃ腹なんて満たされなかったので、食に飢えていたのである。 改めて、このパンという芸術品を生み出した無名の職人たちに感謝をしたい。 ありがとう……。と。 「…えーー…。残さず全部食べたんですか……。…まぁいいですけども………」 ……すぱ、すぱ。 ふはぁーーっ!! どんっ。 食後の一服を嗜みながら、オレは隣の学生と街角を歩き続けた。 夜だというのにネオン光喧しいこの渋谷は、とてつもなく蒸し暑い。 背中やケツが蒸れて仕方なく、行儀悪いことは分かっているがボリボリ掻くことを止むを得ない。 隣の学生の後をただ追ってるだけのオレだが、奴め…。 一体どこを目指して歩いているというのだ。 涼しい喫茶店かなんかに連れてってもらいたいものである。 「…あのー、ところでなんですが……、古見さんっていう女の子見かけませんでしたか?」 「…………………………あっはい」 「えっ?! あのすっごく美人で可愛すぎる女生徒のことですよ! ど、どこにいましたか?!」 「……………………いや……………、………見てない」 「……。ど、どっちなんですかぁ~…」 「………………………………」 「……まぁいいや……。…古見さんは僕の友達で……、彼女もまた殺し合いの参加者にされてるんですよ──」 「──古見さんはなんというか~…、一人にさせちゃいけない子でして。だから、彼女探しをしたいんですがーー……、コースケさん協力してくれますかね…?」 「…………………」 「あっ、もしかしてコースケさんも誰かお知り合いが巻き込まれてる…とか? なら、そっちを優先して探しましょうか…!」 「…………………」 「…え~~~~と。その沈黙は『YES』の意味でしょうか? と、とにかく人探しを──…、」 「埴谷雄高の『死霊』みたいですねっっ!!!!!!!!!!!!」 「うおわっ!!??? び、びっくりした…! …コッ、コースケさんいきなり大声どうしたんですか……?!」 「……………いや。殺し合いって、埴谷雄高の死霊三巻のエピソード……みたいだな………………。そう思っただけス………………。ども………」 「は????? は、はぁ………。そ、そうですね…………。ははは……コースケさん…」 …明らかな引き笑いをする隣の学生に内心苛立ちを覚えてしまう。 こっちは探し人なんかいないし、古見とやらも興味がないのだ。 だからオレが文学的教養を交えたブルジョアトークを差し込んでやったというのに…逆に会話が途切れてしまった。 全く愛想のない…、言い方はあれだがガキンチョ野郎なことだ。 「…あっ、コースケさん怒ってますか……? す、すみません………」 「………………………」 謝られたらこちらが悪いみたいになるからやめてほしいものである。 礼儀の知らない学生だことだ。 心底呆れ返った。 パンも平らげたしコイツは用済み…。 もう切り捨て時かな、って思った矢先のことである。 オレらは、新たに第三の『参加者』と出逢った。 「………あっ!──」 「──あのォーー!! 僕達は殺し合いに乗ってないんですーー!!! ですからァーー、」 「「……………あっ」」 目の前にて、徐々に近づいてくるそいつ。 奴は紅一点というべきだろう。 金髪サイドテールの、全体的にムチムチしたメイド女だった。 「嘘だろ……、ま、マジ………? コ、コースケさん…………」 その女は何が不満なのか、ぶすっと仏頂面で可愛げもない。 「ちょ………、コースケさん……」 うーむ。 そいつは『支給武器』をギュイィィィィンンンッと近所迷惑に鳴らす様から…、 さしずめこう呼ぶとしよう。 「コースケさんまずいです!!! 逃げましょうっ!!!!!!」 ──『チェーンソーメイド』と俺は奴に名付けた。 ブオンッ ギュイイィィィィィィィィィィィィイイイイイイイィイィイイイインンンンッッッッ───────!!!!!!!!!!! 「ひぃいいやぁぁぁぁぁああああああああああああああっっ!!!!!!!!! 追いかけてきたぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!」 「…………………っ!!!」 大絶叫は全て只野から────。 殺人鬼女とオレら二人の鬼ごっこが唐突に始まった。 ダッ、ダッ、タタタタタタタタタタタタタタタタ ギュイィィィィィンという血の気が引く機械音から、オレの脳内では今デスメタルが流れている。 捕まれば命はない…どころで済むならまだマシなくらいだろう…。 腕筋、脚筋、そして肺活量。 全てを最大限に駆使して、オレは全力で逃げた! 松屋、コンビニ、わけわからん店……、歩いてきた通りにある店が一瞬で流れていく。 はぁ……、はぁ………ぐっ………。 走って数秒も経たないというのに、凄まじい息苦しさと吐き気で悶える。 …捕まったら終わりという『命の危機』が、身体を無駄に苦しめてくるのだろう。 ブオン、ブオン ギュイイィィィィィィィィィィィィイイイイイイイィイィイイイインンンンッッッッ 背後から迫る切り裂きの魔が、徐々に大きく耳に伝わる。 これだけ全力疾走しているというのに、チェーンソーメイドは確実に距離を縮めているのだ…! 男女の差というのは顕著に現れるものなのだが、ヤツは一体………?! 「はぁ…! はぁ…!! がはっ……! ひぃぃいぃいぃいぃー!!!!!」 それよりも、驚きなのは隣の学生の体力だった。 奴もまた華奢な体の割には、肉体派であるオレのスピードにピッタリついてきている。 火事場の馬鹿力…というやつか。 それとも普段オレがぐーたらしているツケが来たというのか。 タタタタタタタタ、タタ、タタ、タ…ギュイイィィィィィィィィィィィィイイイイイイイィイィイイイインンンンッッッッ …どちらにせよ、このまま並走していたら追いつかれた際共倒れになるだろう。 なんとか。 なんとか生き抜く術を編み出さねば……。この一瞬で…! 「はぁはぁはぁ……、ごっ、ゴースゲさん…!! ま、曲がり角……!! まっすぐ先は曲がり角れすっ……!!!! ひぃはぁはぁ…!!」 「………………ハァ……、そ、それが……なん…スカ………。ハァ…」 「ふっ、二手に分かれまじょうっ…!!! このままでは……はぁはぁ……、二人揃って終わりで…げほっ………!! ……ですっ!!!」 「………………………!! …はぁ、はぁ」 こやつ…。 頭が回らなそうな凡人かと思いきや、オレと同じく共倒れのケースを考えていた。 何たるシンクロっぷりに驚かされたが、同時に関心もした。 ただ、だ。 隣の学生は「二手に分かれよう」などと提案したが、一番最悪のパターンを考えた場合だ。 分かれた先、チェーンソーメイドがどちらを追うか悩んだ末……、片方が助かる一方で犠牲になるヤツもいる。 …隣の学生が今、「僕は右を曲がるんでコースケさんは反対を~」だのごちゃごちゃ喋ったが、ならもしメイドが左を曲がった場合どうなんだ? オレが追いつかれて殺される結果だろう?! 生き残る確率はフィフティーフィフティーで一見高そうだが、打率5割が18打数9安打と考えると全く高くない。──たった9安打分しか可能性がないのだ。 そんな生きるか死ぬか運次第の提案を、こいつはしやがってきた……。 「はぁはぁはぁ……、がっ、はぁはぁはぁ……!!! コ、コースケさん…! 命運を祈りますよっ……!!!! はぁはぁ…!」 …そう考えるとだ。 俺は『100%』生き残りたい。 絶対に逃げ抜きたい。 第一、チェーンソーメイドがオレに標準を狙ってきた場合…、こんなごみのような学生の為に命を捨てたくない。 ギュイイィィィィィィィィィィィィイイイイイイイィイィイイイインンンンッッッッ 曲がり角まであと四メートルばかり。 「コースケさん…はぁはぁ、あとで…会いましょう!! ぜ、絶っ対…!!!」 呼吸乱れる学生はこちらに顔を向け、ファイト!!のエールを飛ばしてきたが……、 ────オレはそうはいかんぞっ…。 「……………………ハァハァ」 隣の学生に近寄ったオレは、爆発しそうな肺を堪えながら必死に手を伸ばす。 手を伸ばした先は、学生の首。 ──厳密に言えば喉仏だ。 飛び出ている小さなそれを、ギュッと二本指で摘むと…、 「…………っ??!!! ゴッ、ゴースゲさ……、」 そのままぎゅいぃぃ~~~っと上にねじり上げた後、カシュッ────と潰した。 「っっぐっげっっっっっっッ」 指の圧であっさり砕け、ほろほろした感触が残る喉の骨。 …そういえば、小さい頃親父が食わせてくれたブタのノドナンコツ。 炭火焼にしたそいつを塩で食うのが最高だった……。 子供の頃はあんなにでかかった親父の背中はいつの間にか小さくなり、今では墓前で一言も話せない。 …これが終わったら、ノドナンコツをお供えに墓参りでもしようと。オレは決意した……─────。 「☆▽✕◇▽▲○◀▲✻△~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!!!!!!!?」 オレの視界からフェードアウト…、そして倒れる音と共に奇妙な叫び声をあげる学生。 …すまない、だがお前の態度もかなり悪かったと個人的に思うぞ。 まぁ、これも『ギブアンドテイク』ってことでご容赦してくれ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【ギブ・アンド・テイク】…とは。 コースケ→テイク・アンド・テイク 隣の学生→ギブ・アンド・ギブ 二人合わせてギブアンドテイクという精神なのだ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ブオン…ブイン… …ギュイイィィィィィィィィィィィィイイイイイイイ…………… 右に曲がって、走ること数分。 徐々に、遠ざかっていくチェーンソーの音に心が安堵していく。 ふぅ…、疲れた……。疲れすぎた……。 「ハァハァ…………、ハァ……、フハァーー………」ドンッ …しかし、間接的に未成年の子供を犠牲にしたのもまた事実だ。 オレは意図せずして、殺し合いに乗ってしまったのだ…。 この町中で居心地の悪さを感じながら、渋谷での過ごし方をどう考えたらいいのかオレは自問し続けた。 【1日目/D4/街/AM.02 30】 【コースケ@大東京ビンボー生活マニュアル】 【状態】疲労(軽) 【装備】??? 【道具】??? 【思考】基本:【優勝狙い】 1:隣の学生(只野)が気の毒だ 2:チェンソーメイド(早坂)に警戒 3:何としてでも絶対生き残る ◆ 「………死んでる…」 殺すつもりで追いかけた男二人組。 最低どちらか片方でも…、とチェーンを焚き上げた矢先、片方の男が転倒した。 いや、転倒というより突然苦しみだしたというか。 打ち上げられた魚のようにビタンッビタンともがく彼は、数秒後。 真っ白な目をひん向いて涎を垂らしながら…動かなくなった。 喉を引き千切らんとばかりに抑えて。ぐったりと。 おでこの膨れ上がった青筋と、白目にて亀裂のように走る血管が、彼の苦しみを物語る。 この制服…、私には見覚えがある。 恋ちゃんと同じ伊丹高校の男子制服だった。 「…誰だか存じませんが……、お悔やみ申し上げますね。一応…」 彼が何故突然死して、そもそも名前すら知らないのだが。 私は手を合わせて鎮魂を祈った。 同時に、彼はこんなことで片付けられるべき人物ではないのでは…?と何故だか思ってしまう。 …何故だろう。本当に。 【只野仁人@古見さんは、コミュ症です。 死亡確認】 【残り68人】 【1日目/D3/街/AM.02 30】 【早坂愛@かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~】 【状態】健康 【装備】チェンソー 【道具】??? 【思考】基本:【奉仕型マーダー→対象︰四宮かぐや】 1:かぐや様、古見硝子以外の皆殺し(主催者の利根川含む) ※:マーダー側の参加者とは協力したい →同盟:山井恋 2:かぐやとのいち早い合流 前回 キャラ 次回 008:『ゆりこん』 010:『ゲーセンで出会った不思議な子の話』 コースケ 早坂 只野
https://w.atwiki.jp/allstarrowa/pages/17.html
一般人たちのバトルロワイヤル 美樹さやかはごく平凡な少女だった。 いや、現在もそうと言えばそうなのだが、とにかく彼女は最近になって非日常の領域に足を踏み入れた。 社会の裏に潜み人々を死に追いやる魔女、それと戦う魔法少女。 魔法少女になる際にどんな願い事もひとつだけ叶えてくれるアニメのマスコットのような契約の使者、キュゥべぇ。 親友の鹿目まどかと共に魔女の結界に巻き込まれ、絶体絶命の窮地に陥ったところを魔法少女であり、自分達と同じ見滝原中学校に通う巴マミに助けられ、キュゥべぇに魔法少女としての資質を見出された。 それからしばらくの間マミの魔女退治に同行する形で魔法少女体験ツアーに参加していたのだが、その時間は唐突に終わりを告げた。 巴マミの死という、最悪の形で。 彼女の無残な死に様は一度はさやかを打ちのめしたが、ある出来事から魔法少女になる確固たる理由と願いを見出し、今まさにその願いをキュゥべぇに告げようとした時、急に意識が遠のき気付けば殺し合いを強要されていた。 「何がどうなってるってのよ…」 あまりに急激な状況の変化についていけず、その場に蹲って頭を抱える。 今さやかがいる場所はどこかのビル街の裏路地らしきところだ。 通りを見れば、雑踏を行き交う人々の姿が見える。 「実はドッキリだったなんてオチは…あるわけない、か…」 脳裏を過ぎるのはつい先ほど、主催者に逆らったミストという青年が殺された光景だった。 つい先日マミが似たような死に方をしたためか、さやかは自然とそれを現実と認識出来ていた。 「マミさんさえ生きてたら、あたしが魔法少女なら、あんな奴の好きにさせないのに…!」 殺し合いを愚かな事と言い切ったあの青年は間違いなく善良な人間だったはずだ。 決して死なせて良い人間ではなかった。 自分があと少し早く決断し、魔法少女になっていればあるいは助けられたかもしれないのだ。 だが現実は非情だ。 この身は未だただの一般人。この殺し合いを打破するどころか自分の身を守ることすら覚束ない。 そこでようやく既に殺し合いが始まっていることに気が付いた。 「と、とにかく荷物を確認しなきゃ…」 いつの間にか足元に置かれていたデイパックを拾い上げ、中身を確認し始めた。 まず自分が今いる場所を把握しようと地図を取り出したのだが… 「こんなんでわかるわけないじゃん…」 「えーっと、ごめん。学校で会った事あったっけ? いや、何かすっごいどこかで会った気はするんだけどいまいち名前が出てこないっていうか…」 「あ…すいません。最近転校してきた暁美ほむら、です…」 「………はい?」 暁美ほむら?暁美ほむらと言ったかこの眼鏡っ娘は? あの才色兼備のスーパー転校生であり、キュゥべぇを傷つけた冷血魔法少女とこのいかにもな文学少女が同一人物だと? さやかがそんな思考を展開しながらその場にフリーズしてしまったとしても誰にも責められまい。 目の前の少女はさやかの知る暁美ほむらと一致するところなぞ無きに等しいのだから。 「…ごめん、もう一回言ってくれる? 何か今すごい空耳が聞こえちゃったみたいなんだよね」 「あ、暁美ほむらです…」 「いやいやいやいやいやいや、有り得ないから。 こんな状況だし偽名で誤魔化したくなるのはわかるけど、もうちょっとマシな嘘つこうよ。 そんなんじゃこのさやかちゃんだって騙せないからね?」 「ぎ、偽名じゃありませんし嘘もついてません!」 「いや、そんな真顔で言われても…。 ん~、じゃあ聞くけどキュゥべぇとか魔法少女って何か知ってる?」 暁美ほむらの偽物なら絶対に知らないであろう質問をぶつけると、暁美ほむら(仮)の目が驚きに見開かれた。 「ど、どうして美樹さんがそれを知ってるんですか!? もしかして美樹さんも鹿目さんや巴さんと同じ魔法少女なんですか!?」 何故かいきなり目を輝かせながらさやかの眼前に迫ってくる。 先ほどまでの消え入りそうな雰囲気から一転した態度に思わずたじろいでしまう。 というかこの暁美ほむら(仮)は今聞き捨てならないことを口走らなかったか? 「ちょっとあんた、今まどかが何て…」 「あ~君達、ちょっといいかな? 多分、二人とも参加者だよね?」 「「!?」」 突然声を掛けられ、後ろを向くと茶色のスーツを着た冴えない雰囲気の男性がデイパックを翳しながら立っていた。 さやかとほむら(仮)の警戒を見て取ったのか男性はデイパックを置いて両手を挙げた。 「怯えるのはわかるけど、僕はこんな殺し合いになんか乗ってないよ。 嘘だと思うなら僕のデイパックの支給品を見てみてよ」 言われてさやかが恐る恐る男性のデイパックの中から支給品と思しきものを取り出していく。 入っていたのは現金(諭吉が二十枚ほど見えた!)に双眼鏡、そして何故かキャベツが丸ごと一玉だった。 「あー…確かにこれじゃ人殺しは無理っぽいね」 「でしょ?お金と双眼鏡はまだわかるけどさ、キャベツだよ? こんなので一体全体どうやって殺し合えっていうんだろうね? あ、自己紹介しておくね。僕は足立透。稲葉署勤務の刑事です。 って言っても手帳は没収されちゃってるから信じてほしい、としか言えないんだけどね」 刑事という肩書きのわりに妙に砕けた、良く言えば親しみやすい話し方の足立に自然と二人も警戒の度合いを落とした。 するとほむら(仮)がおずおずと前に出てきた。 「あの…刑事さん、どうして私達が参加者だってわかったんですか?」 「そりゃあ自分が持ってるのと同じデイパックを持ってる人間がいれば、誰でも同じ参加者だって気づくよ。 で、少しの間この双眼鏡で様子を見させてもらってたってわけ。 趣味が悪いのはわかってるけど、僕も命がかかってるんだしこれぐらいは許してよ。 そんなことより君達、何か込み入った話をしてたみたいだけど、そういうことは場所を移してからの方が良いんじゃない?」 「どこかアテでもあるんですか?」 「もちろんさ。まあ僕を信用してくれるなら、って前提だけどね」 足立の提案に二人はしばし迷ったものの、頼りないが悪い人間ではなさそう、ということで意見が一致し、簡単に名前だけ自己紹介をした後彼と行動を共にすることにした。 足立が選んだ場所はさやか達でも知っている有名なカラオケチェーン店だった。 足立は受付を済ませると割り振られた部屋に二人を案内した。 「ここなら内緒話も安心して出来るし夜も明かせる。 ホテルは高いし他の参加者も目をつける可能性が高いからね。 何より年頃の女の子が野宿ってのはまずいでしょ」 そう言って肩をすくめる足立に促されるままさやかとほむら(仮)はソファーに座った。 緊張が解けたせいかどっと疲れが押し寄せてきた。 「疲れてるところ悪いんだけど、ここらでお互いの支給品を確認しておかない? って言っても僕はもう見せたから君らの分を見せてもらうことになるけど」 「それもそうですね。じゃああたしから、凄い支給品よ来い!」 勢いよくデイパックから手を引き抜いたさやかの手に握られていたのは、燦然と輝く黄金の剣だった。 一瞬だが場の空気が凍った。 「って本当にきたああああああっ!? っていうか重い、重いよ!!」 西洋剣というものは一般的に重さで叩き切るものである。 それはさやかに支給されたこの剣、エクスカリバーも例外ではなかった。 よってただの女子中学生に過ぎないさやかが剣の重量に耐え切れず、床に落としてしまい、そのまま床に突き刺さってしまったのも自然な流れだった。 「あ、ああ…床が…」 「…あー、ここはバーチャル空間らしいしね。 大丈夫大丈夫、僕らは悪くない。多分、きっと」 「そこは言い切ってくださいよ!? っていうか何でこんな重い剣があたしのデイパックに入ってたの!?」 明らかに物理法則を無視した現象に足立もほむら(仮)も目を丸くする。 結局エクスカリバーは足立とさやかが二人がかりで持ち上げてデイパックに仕舞い込んだ。 「じゃあ気を取り直して…これだ!」 決めポーズを取りながら出したのは腕に巻くタイプのアクセサリーのようなものだった。 「あ、こっちは説明書がありますね。 えーっと、『チャクラリング』っていうみたいです。 『ペルソナのスキルを使用した時の精神力の消耗を抑えます』?」 「…何それ?自称霊能力者のインチキ商品か何かなのかな?」 「そこ!インチキとか言わない!あたしの支給品なんだから!」 不穏な事を口にする足立とほむら(仮)を睨みつけながら最後の支給品を取り出した。 出てきたのは、恐らくこの場の全員にとって最も有用な代物だった。 「じ、銃だ…!これ、本物だよね? 何かやけに重いし、薬莢とかついてるし!これ、実弾なのかな?」 べたべたと銃身を弄るさやかの手から、いきなり銃が離れた。 いつの間にか回り込んだ足立に取り上げられたのである。 「ちょっと何するんですか!」 「あのね、僕が刑事だってこと忘れてない? 扱えっこない剣ならともかく、銃を民間人の、それも子供に持たせるわけにいかないでしょうが。 これは僕が預かります。ほら、薬莢も出して」 渋々といった様子で薬莢と付属の説明書を足立に渡す。 どの道さやかが使うより足立が使う方がまだマシだというのはわかっているからだ。 すると今度はほむら(仮)が若干張り切りながら自分のデイパックに手を突っ込んだ。 柔らかい感触に違和感を覚えながらも勇気を振り絞って中身を引っ張り出す。 そして誰もがその場に凍りついた。 「………」 「………」 「………」 「やあ」 出てきたというべきか、あるいは現れたと形容するべきか、ほむら(仮)の手には耳や頭や尻尾に女性用の下着を引っ掛ける格好になったキュゥべぇが握られていた。 流れる沈黙。 一瞬とも、永遠とも思える時間が流れた。 「い、いやああああああああっ!!!」 顔を真っ赤にしながらキュゥべぇを壁に投げつけるほむら(仮)。 とても最近まで入院していた少女の腕力から繰り出されているとは思えないほどの剛速球(?)だったという。 「うわ、何かいっぱい下着出てきた…。 っていうかこれ、どれもこれもまどかが体育の授業の日に着けてたのと同じやつな気がするのはあたしの気のせい?」 その答えは神のみぞ知る。 「まったく、いきなり僕を壁に叩きつけるなんてどうかしてるよほむら」 「ご、ごめんなさい…」 しばらく後、全員が落ち着いたのを見計らって足立が切り出した。 「えーっと、美樹さんと暁美さんはこの、キュゥべぇ君だっけ? この子について何か知ってるの?」 「足立さん、キュゥべぇが見えるんですか!?」 「え?そりゃ見えるからこうして聞いてるんじゃない」 当たり前のようにキュゥべぇを視認できる足立にさやかとほむら(仮)は困惑し、視線を当のキュゥべぇに向ける。 そのキュゥべぇは思案しているのかしばらく間を空けた後、こう答えた。 「それは多分この空間のせいだろうね。 本来僕が見えるのは魔法少女の資質を持つ少女だけなんだけど、この空間では誰でも僕の姿が見えるようだね。 というかほむら、僕にもわかるように現状を説明してくれないかい? 気付けば君の荷物の中に入れられていたからね、状況が全くわからないんだ」 「おーいキュゥべぇ、あたしとの感動の再会は?」 「…?君は誰だい? 魔法少女の資質はあるようだけど…ほむら、君の知り合いかい?」 「あ、その…クラスメイトの美樹さんなんだけど、どうしてか話が噛み合わなくて…」 「ちょっとキュゥべぇ!あたしのこと忘れちゃったの!? っていうかそうよ!思い出した! あんたさっきまどかが魔法少女だとか言ってたけど、あれってどういうことよ!?」 「まあまあ落ち着いて。何か話が込み入ってるみたいだし、ここは一度お互いの情報を出し合ってみようよ」 足立の仲裁でさやかも一旦引き下がり、改めてさやかとほむら(仮)が交互に自身の知っている情報を話すということで落ち着いた。 ほむら(仮)の話した出来事は、そのほとんどがさやかの記憶と一致しなかった。 半年の入院生活を終え、見滝原にやって来たものの勉強でもスポーツでも他の皆に遅れを取る自分。 大きなコンプレックスを抱えていたある時、魔女の結界に取り込まれたところを魔法少女になったまどかとマミに助けられた事。 それからさやかと同じくキュゥべぇに素質を見出されたこと、そしてこれまたさやかと同じくまどか、マミの魔女退治に同行する日々。 まどかが契約した理由を聞いたところで、さやかが腕を組んで唸りながら感想を漏らした。 「何それ…って言いたいとこだけど妙にリアリティある気がするのよね…。 そこにあたしが含まれてないのが納得できないけどね」 「なら君の話を聞かせてほしいな。 その上でどこが何故食い違っているのか検証するのが一番効率の良い解決策じゃないかな?」 「う~ん、それもそうか」 確かにキュゥべぇの言う通りかもしれない。 考えてみれば当たり前のことと思い込んでいただけに、自分の事情を話そうとはしていなかったように思う。 それにこのままでは最悪自分の方が嘘つき扱いされかねない、という危機感もあった。 「…大体こんなところかな? やっぱり一番わからないのが転校生の違いなんだよね。 まどかやマミさんとかは、仮に作り話だとしたって十分有り得そうな気がするんだけどね」 「うーん、見事に話の内容がずれてるね。 あ、暁美さん大丈夫?顔色が良くないよ」 さやかが話している間、ほむら(仮)は声を張り上げるのを堪えるように俯き、両手でスカートを掴んでいた。 あまりにも違いすぎる自分自身(そもそも自分は魔法少女になってもいない)、そして何よりもマミの戦死。 いけないとわかっていても、反論せずにはいられなかった。 「いい加減なこと、言わないでください…! 私がキュゥべぇや巴さんにそんな酷い態度をとるわけありません! それに、巴さんが…死んだなんて……!」 涙ながらに抗議するほむら(仮)の姿に、さやかはある事に気がついた。 先ほどの自分は彼女の言うことを頭ごなしに否定し、まともに取り合おうともしなかった。 信じられないような内容、という意味ではどちらにとっても変わりないにも関わらずだ。 足立やキュゥべぇの仲裁が無ければ最後まで聞こうともしなかったに違いない。 (ダメだなあ、あたし) 思い返せば自分はいつも思い込みが激しい気がする。 とにかく、まずは彼女を、目の前の暁美ほむらを否定せずに受け止めよう。 そうしなければきっと何も始まらない。 「ごめんね、酷いこと言って。でもあたしにとってはこれが真実。 でも、あんたが言ってるのもきっと本当のことなんだと思う。 だからさ、何でこんなに違っちゃってるのか一緒に考えよう」 「美樹さん……」 「二人とも、その事について僕なりの考えがあるんだけどいいかい?」 キュゥべぇに言われてそちらに振り返る。 それからキュゥべぇはやや間を空けてから説明を始めた。 「君達が言うところの並行世界、それがこの事態を説明する上で一番大きい可能性だと思う。 何かのきっかけで枝分かれした二つの世界からほむらとさやかは連れてこられたんじゃないかな。 その場合でもほむらの人物像の乖離や、史上最強と言われるほどのまどかの素質についてはまだ不自然さが残るけど、現状ではこの考え方で問題ないと思うよ」 「おお、さすがキュゥべぇ。あたしにはちっともわからないけどね!」 「いや、そこは威張るとこじゃないでしょ…」 「美樹さん…」 呆れ顔のほむらと足立から目を逸らして口笛を吹くさやかだったが、ふと思いついたように口を開いた。 「それで、これからあたし達どうします? あたしはこんな殺し合い、認めたくないし何とかしたいけど使える武器が銃だけじゃちょっと…」 足立が返事に困って言い淀む中、ほむらがおずおずとデイパックから冊子らしきものを取り出した。 「あの、これ参加してる人の詳細な名簿らしいんですけど、今は何も書かれてないんです。 これを何とか活用できないでしょうか?」 「…暁美さん、それ使えるよ。ただ、少し時間が要りそうだけどね」 「どういう事ですか?」 さやかの疑問に足立は悪戯を思いついた子供のような笑みで答えた。 「二人とも、確か僕らに普通に支給されてる名簿も今は白紙だったよね? でもって、何故かラジオもセットになってる。この二つを見て僕はピンときたね。 きっとあのやらない夫とかいう主催者は、あと何時間かしたら僕たち参加者に何かしらの連絡事項を伝える気でいるんだと思う。 そしてそれを伝えるための手段がこのラジオなんだ。 僕が思うにあの主催者は典型的な劇場型犯罪者だね。恐らく最初に放送をするタイミングで名簿の情報を公開する気なんだろう、演出の一環としてね。 言い換えれば僕らは誰にも会わず、ここでじっとして放送の時間を待ってればそれだけで他の参加者よりも多くの情報が手に入る。 ここを出るのはそれからでも遅くはないさ」 「おお、さすが現職刑事!っていうかもしかして足立さんって頭良い?」 「もしかしてって…君は僕を何だと思ってるの? こう見えてもね、僕は最近まで本庁勤めだったんだからね!」 「まさかのエリート!?」 「ちょっと、君さっきから僕に対して風当たり強くない!? あんまりひどいこと言うと東京案内してあげないよ!?」 子供のような漫才を繰り広げる足立とさやか。 それを見るほむらの表情も自然と綻ぶ。 「あ、やっと笑ったねほむほむ」 「えっ?っていうかほむほむって何ですか!?」 慌てるほむらを見てさやかもまた悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「いやー、そんだけ萌え要素満載してるんだから素敵なあだ名でも考えた方が良いかなーって。 あ、もしかしたらあたしの世界の転校生にも意外な萌え要素があるのかも? よし、この戦いが終わったら思いっきりからかってやろう!」 「はいはい、あからさまなフラグを建てないの。 僕はちょっとトイレ行ってくるから荷物見ててね」 そう言って軽い足取りでトイレへ向かった。 足立が部屋を出たのを見計らったかのように、キュゥべぇが二人に話しかけた。 「ほむら、さやか、わかってるだろうけど君たちには魔法少女としての素質がある。 普段とは明らかに違う状況だから無理強いはしないけど、その気になったらいつでも僕と契約してくれて良い」 「そんなこと言われても、やっぱり私に戦いなんて無理…」 「あたしも、願いはあるけど今はそれどころじゃない、かな? あんまり詳しく言えないけどこの願いは譲れないからさ、絶対に叶うって時にしたいんだ。 並行世界とか何とか絡んでくるなら、もうちょっと慎重に考えて決めたいから」 「そうかい、僕はいつでも待っているよ」 そう言ったきり、無言になったキュゥべぇ。 本来なら近い未来に魔法少女になるはずだった二人。 彼女達を待ち受けるのはいかなる運命か。 【1日目・深夜/I-7 中央区カラオケ店】 【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】 【状態】健康 【道具】支給品一式、キュゥべぇ@魔法少女まどか☆マギカ、まどかの下着@魔法少女まどか☆マギカ、参加者詳細名簿@オリジナル 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗らずに元の世界に帰りたい 1:さやか、足立と共にカラオケ店に留まる 2:戦いなんて無理… 3:違う世界の私って…? [備考] ※参戦時期は一週目の世界、まどかとマミに助けられてからマミ死亡までの間です ※本編世界の状況を(さやか視点で)把握しました ※キュゥべぇの参戦時期はほむらと同時期です 【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】 【状態】健康 【道具】支給品一式、エクスカリバー@Fate/stay night、チャクラリング@ペルソナ4 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗らずに元の世界に帰りたい 1:ほむら、足立と共にカラオケ店に留まる 2:キュゥべぇとの契約はしばらく保留 3:まどかのことが気がかり [備考] ※参戦時期は本編第四話、キュゥべぇと契約する直前です ※一週目世界の状況を(ほむら、キュゥべぇ視点で)把握しました 「やれやれ、ガキのお守りも楽じゃないよ。 まあ一人でいるよりはマシかもだけどさ」 トイレの個室の中、足立透は誰にでもなくそう呟く。 その表情は先ほどまでの剽軽な若手刑事とはまるで違う、とことん無気力な人間のそれだった。 未来への希望などというものは、こんな殺し合いに招かれるまでもなくつい最近絶たれたばかりだ。 仕事上の些細なミス(足立視点)で本庁から片田舎の署に左遷された時点で自分の出世街道など閉ざされたも同然だ。 なので足立には元の世界に帰りたいという渇望はそこまで無い。 だからといってここであっさり殺されたいかというとそんな事もないのだが。 (そりゃ都会に戻りたいとは思ったさ。刺激は欲しかったさ。 でも…だからってこれはないでしょうよ) 思い返すのはこの殺し合いに招かれる直前の出来事。 稲葉署での相棒であり上司である堂島と共に外回りをしてから疲労困憊で帰宅し、テレビをつけると密かに応援していたテレビ局の女子アナウンサー、山野真由美の不倫報道にショックを受けてそのまま不貞寝していた。 ところがその後不思議なことが起こった。 時計の針がちょうど深夜零時を指したところで電源を切っていたはずのテレビが何故か突然映りだしたのだ。 何事かと思いテレビに手を伸ばすと、何と自分の手がテレビの中に入り込んだのだ。 慌てて引き抜こうとしたところで強烈な眩暈に襲われ意識を失い、気が付けばあのやらない夫とかいう、どこぞの巨大掲示板の創作キャラクターのようなふざけた名前の主催者に殺し合いを強要されていた。 もし過去に戻れるなら好奇心に負けた先ほどの自分をぶん殴ってやりたい。 「にしても、魔法少女ねぇ…」 先ほど知り合った二人の少女、美樹さやか(どちらが苗字で名前なのか紛らわしい)と暁美ほむら。 そしてほむらのデイパックから出てきたキュゥべぇなる珍生物。 二人と一匹の口にした魔法という存在は、まあ恐らく実在するのだろう。 そう考えればこの異常事態の連続にもある程度は納得がいくというものだ。 そして彼女らの話が真実(途中で平行世界がどうとかいう話題になったが別にどうでもいい)ならば、さやかとほむらは魔法少女とやらになる素質があるということだ。 この事実は足立の身の安全を確保する上で大いに活用できる。 足立が考えたこの殺し合いを生き抜く方法、それは隠れることだ。 まずは当面このカラオケ店に籠城し、他者との接触を避けて戦闘をやり過ごす。 そしてもしこの状況を打破できる参加者が存在するなら詳細名簿の情報を手土産にそちらに合流し、殺し合いの打破が不可能ならば極力他人を殺さず生き延びて、(やりたくはないが)最後の一人だけを懐にしまった銃で殺して優勝を狙う。 勿論最初から最後までそこまで上手くいくとは思っていない。 さやかの言う魔法少女とやらが実在するなら尚更だ。だがそこであの二人が魔法少女の契約ができるという点が活きてくる。 生命の危機ともなれば契約をしない、という選択肢は無くなるだろう。 そして殺人者に襲われた土壇場で契約したとなれば、引率者である足立の評判が低下することは避けられる。 自分より一世代は年下の少女に殺人者と戦わせることに良心の呵責を感じないわけではないが、やはり自分の命が一番である。 (大体こんなところで法も正義もあったもんじゃない。 弱い僕が強い奴に守ってもらって何が悪いってんだ) 客観的に見てとても警察官とは思えない駄目人間丸出しの思考だが、足立なので仕方ない。 別段夢や情熱を持って生きているわけでもないが、人を殺して平気でいられるほど図太くなく、さりとて潔く死ぬ決心もつかない以上、なるべく人を殺さず生き延びることに力を尽くすしかない。 「まあ、思ってたよりかは良い出だしかもね…」 さあ、そろそろ戻らなければ。 無論、お調子者な刑事の仮面を付け直すことを忘れずに。 【1日目・深夜/I-7 中央区カラオケ店】 【足立透@ペルソナ4】 【状態】健康 【装備】ニューナンブ@ペルソナ4 【道具】支給品一式、現金二十万円@現実、キャベツ一玉@現実、双眼鏡@現実 【思考・状況】 基本行動方針:自己の保身を最優先。主催者打倒が可能な参加者がいるならそちらに合流、無理なら隠れながら優勝を狙う 1:放送があるまでさやか、ほむらと共にカラオケ店に留まる 2:魔法少女には警戒しておく 3:さやか、ほむらが契約を望むなら止める気はない [備考] ※本編開始前からの参戦です ※魔法少女まどか☆マギカの世界観についてある程度把握しました ※今後ペルソナ能力に目覚めるかどうかは後の書き手さんにお任せします 006 XX-weakness 投下順 008 FEARLESS HERO 時系列順 START 暁美ほむら START 美樹さやか START 足立透
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/11.html
作者・◆YcpPY.pZNg氏 お気に入りキャラ・バトルロワイアル本編 お気に入りキャラ・バトルロワイアル本編SS目次・時系列順 お気に入りキャラ・バトルロワイアル本編SS目次・投下順 お気に入りキャラ・バトルロワイアルキャラ別SS表 ◆YcpPY.pZNg氏の参加者名簿 ◆YcpPY.pZNg氏のネタバレ名簿 ◆YcpPY.pZNg氏の死亡者リスト ◆YcpPY.pZNg氏の支給品一覧