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アニメキャラ・バトルロワイアル3rd アニメに登場するキャラクターでバトルロワイアルを行うリレー小説企画の第3弾。 参加作品はアニメキャラ・バトルロワイアル、アニメキャラ・バトルロワイアル2nd同様、純粋なアニメ作品だけではなく漫画、ラノベ、ゲームを原作とした作品も混じっている。 しかし参戦作品が近年のものに偏っているため、1st、2ndに比べカオス感は薄めである。 参加作品は12作品。参加者は64名。 現在、投票によって52名までの参加キャラクターが決定し、企画が開始された。 合計64人の予約が、予約合戦スタートわずか30分、合計35の予約で全て埋まり、順調なスタートを切った。 特色として、このロワから書き手を始めたという生え抜きの書き手が多く、彼らが企画の中軸を担っているというがことが挙げられる。 またロワの中では比較的新しいものであるため、読み手にも新規層が多く、手探りで企画を運営している感じが強い。 負の面として悪質な読み手や問題作の扱い、外部からの荒らしで何度も大きく荒れるなど環境の悪さが指摘されていた。 しかしそれら全てを吹き飛ばすほどの凄まじい勢いを持った稀有なロワであり、諸事情による予約凍結時以外で停滞したことはまだ(2010年5月末日時点)なく、企画自体は順調に進んでおり、環境面も少しずつではあるが改善されつつある。 住民はかなり多く、人が多いことの良い面と悪い面がはっきり出ているロワである言えるだろう。 作品自体の展開としては、逆境無頼カイジ Ultimate Suvivor出展の通貨「ペリカ」による武器や情報の購入、それを求めての各地に置かれたギャンブルゲームや、途中で加わった首輪換金ルールが引き起こす戦乱が挙げられる。 最近そういった首狩りを厭わず、優勝狙いや危険人物を抱えてでも主催を倒そうとするいわゆる危険対主催チームと、王道的な熱血対主催チームとの衝突による「対主催チームvs対主催チーム」という世にも珍しい事態が生まれつつある。 加えて主催陣は各作品の重要人物を擁した多国籍軍であり、独自の行動を取る者がいるなど一枚岩ではない様子。 これらを踏まえると終盤はかなりの内輪揉m…もとい大乱戦になることが予想される。 また当初からマーダー不足が懸念されていたが、マーダーが総じて強キャラだったこと、それらに対処できる対主催メンバーがのきなみ討ち取られたり外的要因でマーダーに転向したりしたこと、更に主催側からのテコ入れもあって、パワーバランスは拮抗している。 2010年1月頃より諸事情で、アニキャラ総合板から避難所にて進行。 2010年4月、第三回放送に到達。 ここで主催の元締めであるリボンズが初お目見えとなった。 第五回放送以降は書き手の話し合いのうえで進められることが発表される。 第六回放送後、長期に渡り停滞していたが、2013年8月より投下が再開されている。 そして2015年2月、ついに最終章の投下が開始されることになる。 3月15日に最終回の投下が開始される予定。 主催者 帝愛グループ@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor そして、リボンス・アルマーク@機動戦士ガンダム00など 参加者 6/6 咲-Saki- 竹井久 / 天江衣 / 福路美穂子 / 池田華菜 / 加治木ゆみ / 東横桃子 6/6 新機動戦記ガンダムW ヒイロ・ユイ / デュオ・マックスウェル / 張五飛 / ゼクス・マーキス / トレーズ・クシュリナーダ / リリーナ・ドーリアン 6/6 Fate/stay night 衛宮士郎 / セイバー / アーチャー / バーサーカー / ライダー / キャスター 6/6 けいおん! 平沢唯 / 秋山澪 / 田井中律 / 琴吹紬 / 平沢憂 / 中野梓 6/6 戦国BASARA 伊達政宗 / 真田幸村 / 織田信長 / 明智光秀 / 本多忠勝 / 片倉小十郎 6/6 とある魔術の禁書目録 上条当麻 / 御坂美琴 / 白井黒子 / 一方通行 / 月詠小萌 / 海原光貴(偽) 5/5 空の境界 両儀式 / 黒桐幹也 / 浅上藤乃 / 荒耶宗蓮 / 玄霧皐月 5/5 ガン×ソード ヴァン / レイ・ラングレン / カギ爪の男 / ファサリナ / プリシラ 5/5 化物語 阿良々木暦 / 戦場ヶ原ひたぎ / 八九寺真宵 / 神原駿河 / 千石撫子 5/5 コードギアス 反逆のルルーシュR2 ルルーシュ・ランペルージ / 枢木スザク / C.C. / アーニャ・アールストレイム / ユーフェミア・リ・ブリタニア 5/5 逆境無頼カイジ Ultimate Survivor 伊藤開司 / 利根川幸雄 / 船井譲次 / 安藤守 / 兵藤和尊 3/3 機動戦士ガンダム00 刹那・F・セイエイ / グラハム・エーカー / アリー・アル・サーシェス 64/64 外部リンク 支援サイト アニメキャラバトルロワイアル3rd@wiki アニメキャラ・バトルロワイアル3rd したらば新館 現行スレッド アニメキャラ・バトルロワイアル3rd Part21
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千葉県の某所で、2機のモビルスーツが激戦を繰り広げていた。 かたや赤い異型のMS、アルケーガンダム それを駆るのは殺意と闘争本能のままに戦う男、アリー・アル・サーシェスだ。 かたや赤い騎士のような風体のMS、ガンダムエピオン。 それを駆るのはライトニング・カウントの異名を持つ亡国の王子、ゼクス・マーキス。 勝利の女神は、果たしてどちらに微笑むのだろうか。 「くたばりなぁ!!」 アルケーガンダムはライフルを敵のガンダムに向けて放つ。 それは正確な射撃だったが、ガンダムエピオンは軽々と避けてしまう。 これはもう30分以上も繰り返されてきた光景だ。 ガンダムエピオンの動きを見ただけで、サーシェスは相手が只者ではないと悟る。 だが、それはサーシェスにとって望む所。 弱者をつぶすのも戦争の醍醐味だが、強者との戦いもまた戦争の醍醐味。 サーシェスは歓喜に目を大きく開き、攻撃を続行する。 「そうそう!そうゆう相手を待ってたんだよ、俺はなぁ!!!」 サーシェスはライフルを放ちながらも、別の武装、GNファングを展開する。 ライフルとファングの同時攻撃でガンダムエピオンを仕留めるつもりだ。 「……お前のような男に!」 ゼクスの声と同時にガンダムエピオンの瞳が光る。 まるで主の闘志に答えようとしているように。 次の瞬間、ガンダムエピオンは変形し、鳥のような姿へと変わる。 ガンダムエピオンのモビルアーマー形態だ。 その並外れた機動性とゼクスの技量により、ガンダムエピオンはアルケーガンダムの攻撃を回避しながらアルケーガンダムへと接近していく。 その美しい様は、逃げようとしていたLとベルナドットが思わず見とれてしまうほど。 「くるかァ!!」 自分の攻撃が全て回避されたというのに、サーシェスに焦る様子はない。 目の前のMSは確かに高い性能を持っており、パイロットの技量も自分に匹敵するものだ。 それでも、サーシェスには敵を倒す絶対の自信があった。 「貰った!」 ガンダムエピオンのクローが大きく展開される。 すれ違いざまにアルケーガンダムに一撃を加えるつもりなのだろう。 2機の距離はどんどんと縮まっており、ガンダムエピオンが標的を引き裂くのは時間の問題のように思えた。 「詰めが甘いぜ、ガンダムさんよ!」 ガンダムエピオンの行く手を阻むように、4機のGNファングが展開され、一斉射撃を行う。 これはガンダムエピオンが突撃してくることを読んだサーシェスが予め配置しておいたもの。 その射撃精度は先ほどのそれとは段違いだった。 前回の攻撃の際、サーシェスは相手の油断を誘う為手を抜いていた。 今度の攻撃はサーシェスの本気の一撃。 新型ナノマシンで闘争本能が強化されていることを加えれば、サーシェスの生涯最高の一撃といえるかもしれない。 「捕らえたぜ!!ガンダム!」 そして、ガンダムエピオンの居た場所にGNバスターソードが振り下ろされる。 この一撃で、ガンダムエピオンは無残に撃墜される。 筈だった。 「何ィィィ!?」 そこには何も無く、サーシェス渾身の一撃は空しく空を切っていた。 そして、アルケーガンダムの背後には無傷のガンダムエピオン。 すでにモビルスーツ形態に戻っている。 ガンダムエピオンが静かにビームソードを振りかぶる。 サーシェスは必死で回避を試みる。 それにより、致命的なダメージを負うことは避けられたが、左腕を綺麗に切断されてしまう。 「ぐぅぅ!!!」 「仕留め損ねたか…だが!」 再度ビームソードを振りかぶる。 だが、アルケーガンダムから放たれていた全てのGNファングが一斉に突撃してきた為、その一撃は空を切る。 ガンダムエピオンがGNファング達を全て破壊したときには、既にアルケーガンダムは離脱していた。 「これ程とはな………。」 ガンダムエピオンのコックピットの中で、荒い息を吐きながら一人呟く。 その顔にはいくつもの汗が流れている。 操縦の際に訪れる殺人的な加速や、ゼロシステムの精神的負担により彼は気力・体力共に消耗していた。 結果的に無傷で勝てたとは言え、ゼクスにとっても楽な戦いではなかったのだ。 コックピットに常備された携帯飲料を口にしながら、ゼクスは眼下の人影を見下ろす。 アルケーガンダムに追われていた男達、Lとベルナドットだ。 彼らをどう扱うべきだろうか。 二人の男を見ながら、ゼクスは静かに考える。 「あのデカブツ…俺達を護ってくれた、んだよな?」 「………そうですね。少なくても敵意は見えない。」 一方で、Lとベルナドットもまた、ガンダムエピオンへの対応を決めかねていた。 【一日目・16時20分/日本・千葉県】 【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】 【状態】疲労(中)、精神的疲労(中) 【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW 【道具】支給品一式 そのほか不明 【思考】基本:バトルロワイヤルを止める 1:目の前の男達への対処を考える 【ピップ・ベルナドット@HELLSING】 【状態】健康 【装備】自動式拳銃 M16 【道具】支給品一式 【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る 1;あのデカブツ(ガンダムエピオン)は味方なのか? 2:逃げそびれちまった 【L@DEATH NOTE】 【状態】健康 【装備】自動式拳銃 【道具】支給品一式 手榴弾×25 【思考】基本:バトルロワイヤルを止める 1:あのロボット(ガンダムエピオン)と接触する? あれ以上戦っても、サーシェスに勝ち目はなかっただろう。 闘争本能が増大しているサーシェスも、不利な時はさっと引くのだ。 この状況判断の的確さが、彼が多くの戦場で生き残った強者である証といえるだろう。 「はぁぁ……、はぁぁ………。ちくしょォォ!!」 まんまと逃げ切ったサーシェスだったが、その顔は屈辱にゆがんでいた。 必殺の一撃を軽々と避けられた上、大きなダメージまで負ってしまった。 「次会った時は…必ず堕とすぜぇ、赤いガンダム!!」 【一日目・16時30分/日本・千葉県】 【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】 【状態】疲労(中)、強い屈辱 、ヒゲがない 【装備】アルケーガンダム@機動戦士ガンダム00 (左腕無し、GNファング全機喪失) 【道具】支給品一式、熱線銃 【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ 1:参加者は片っ端から虐殺 2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱する ※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。 ※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました
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【名前】神谷薫(かみやかおる) 【性別】女 【年齢】作中初登場17歳、京都編終了時18歳? 【容姿】身長155cm、体重42kg 幼さが少し残る快活とした少女、長い黒髪をよく後ろで結っている。 【一人称】私 【流派】神谷活心流 【剣術以外の特技】不味い料理を作る。 【性格】明るく朗らかで時に頑固。 【作中の行動】 神谷活心流師範代で、東京では「剣術小町」と呼ばれる。 神谷道場の土地を奪われそうになった事件で緋村剣心と出会い、 その後、幾多の事件を経て剣心との絆を深めていく。 また、黒笠事件の折に鵜堂刃衛に捕らえられ「心の一方」をかけられるも、 剣心を人切りに戻らせない為に、術を自力で打ち破るといった一面も見せる。 志士雄真実の乱を経て、京都編終了「剣客バトルロワイヤル」に参戦。
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12 31 ◆.pKwLKR4oQ 四方を青々と広がる海と空に囲まれた絶海の孤島。 世が世なら推理小説の舞台になりそうな島では現在推理小説も真っ青な殺し合いが行われている。 そしてこの島には人口密度の割に多種多様な建物が存在していて、中にはこの島には似つかわしくないものもある。 その一つが島の北西部のB-2にあるレンタルビデオ店。 絶海の孤島という最悪な立地条件にもかかわらず、有名洋画からB級ホラーまで幅広いジャンルの品揃えを誇っている。 ただし残念ながら所々レンタル中なのか空っぽのケースも見受けられる。 特にアニメコーナーでそれが顕著に見て取れて、いくつもの作品がシリーズ丸ごと空っぽという状態だ。 さらに残念な事にそんな意外と穴場なレンタルビデオ店のカウンターは現在無人なのでレンタルする事が出来ない。 とは言うものの、カウンターにはいないだけで奥のスタッフルームには一人の女性がいる。 しかも悠々とパイプ椅子に座りながらテレビで店の商品を流していた。 だが決して店番をサボっているわけではない。 レンタルビデオ店員にあるまじき派手な七色スーツを羽織った黒髪の少女――高嶺響は殺し合いに参加している一人なのだから。 響がこの場所に辿り着いたのは今から約1時間前の事。 裏切り者のカン=ユーを始末した後、響はどこかで休もうと思い立って一番近場だったレンタルビデオ店に来たのだった。 12時の定時放送が流れたのは店内の捜索が粗方終了した頃だった。 そこで昼食にしようとスタッフルームで見つけたカップ焼きそばを準備しながらDVDを再生していたのだ。 最初からデイパックにあったコッペパンだけでは少々味気ないと思っていたので僥倖だった。 ちなみに今再生しているのは『バトルロワイヤル』というタイトルの映画で、ちょっと気になったので流している。 あと元々誰かが見ていたのかDVDがセットしたままだったのも理由の一つではある。 「あ、もうそろそろかしらね」 ちょうど画面は説明ビデオを見せられている最中に生徒が一人殺されるシーンだった。 そこで無造作にリモコンの一時停止ボタンを押して、カップ焼きそばの湯切りのために席を立った。 人によってはこれから食事と言う時に見たくない映像だが、響には関係なかった。 響の最終目的はこのロワの主催を殺して新たな主催と成り代わる事だ。 そのためなら何人犠牲を払おうが構わない。 寧ろ主催になれば自ら参加者全員を死に追いやる事に相違ないから一々気にするはずがない。 (でも今はその前にレナ、カムパネルラ、kskロワ住人、この3人だけは絶対に私の手で血祭りに上げてやる!!!) 手早く湯切りを終えた麺に濃厚なソースを絡めてあらかじめ切れ目を入れておいたパンに挟めば、即席焼きそばパンの完成だ。 この焼きそばはボリュームが結構ある上にソースが2種類あって両方の味が楽しめるものらしい。 だがあまり悠長に味を楽しむつもりはないので、適当に混ぜて美味しく頂く事にした。 そんな濃厚なソースな匂いを嗅ぎつつ、響はこれからの事に考えを巡らせていた。 幸いな事に12時の放送の段階で3人の生存は確認できた。 もう既に韓国料理店で3人と別れてから4時間以上が経過しているから口封じの意味はもうない。 だが自分をここまで振り回した奴らを生かしたままにするのは気に食わない。 新たな主催に成り代わる前に必ずや相応の報いを受けさせなくてはならない。 「でも闇雲に探しても見つかる可能性は低いわよね。 どうにか方法を考えないと――って、よく見たらあの時計12時31分で止まったままじゃない!」 DVDデッキのデジタル表示は12分31秒再生したところで止まっている。 スタッフルームで一番目に付く場所にある時計は再生し始めた時と変わらず12時31分のままだった。 どうも在庫といい時計といい施設の手入れがいまいちな気がする。 そんな些細な疑問を頭の隅に追いやりつつ即席焼きそばパンにかぶりつきながら響はどうすれば効率良く3人を探しだせるか考えた。 そしてふと思い出した。 自分のデイパックの中に一度確認したまま使わずに放置していた支給品の存在を。 「最初は使う時なんてあるのかと思っていたけど、案外早く使う事になったわね」 響がほくそ笑みながらデイパックから取り出したのは誰もが一度は目にした事のある数字が並んだ冊子――つまり電話帳だ。 ◆ ◆ ◆ 一件の新しいメッセージがあります。 午後12時31分。 こんにちは、私は高嶺響という者です。 実は人を探しています、一緒にいたのですが逸れてしまって。 竜宮レナさん、カムパネルラさん、kskロワ住人さん。 以上の3名を探しています。 竜宮レナさんはオレンジの髪で白いワンピースを着た元気な女の子。 カムパネルラさんは猫さんですけど、きちんと二本足で歩いて話も出来るお利口さんです。 kskロワ住人さんはロリっ娘とモフモフが大好きな方です。 誰か行方を知っている方がいれば教えてください。 もちろんお礼として何かしたいと思います。 バトルロワイヤルと七並べの事も少しなら分かります。 今はB-2のレンタルビデオ店から電話を掛けていますが、もしかしたら来てもらっても私はいないかもしれません。 その時はメモか何か残しておいてください。 では皆様が無事にこの殺し合いを生き延びる事が出来る事を祈っております。 メッセージは以上です。 ◆ ◆ ◆ とりあえずこれでいいだろう。 相手に警戒されないように優しそうに話したが、もしかして却って逆効果だったか? まあそれはこの後の結果次第。 ああ、お礼なんてするつもりないからどうでもいいか。 これがバトルロワイヤルだという事は確定だが、七並べが関連しているかは分からないからな。 同じオススメコーナーにあったから言ってみたけど、誰か食いつくのかしら? さて、全部はさすがに骨が折れるから後は――。 【1日目 日中/B-2 レンタルビデオ店 スタッフルーム】 【高嶺響@テラカオスバトルロワイアル】 【服装】七色スーツ 【状態】健康 【装備】古青江@School days、ピアノ線@金田一少年の事件簿、電話帳@オリジナル 【持ち物】基本支給品一式×4(アリオト、恋、響、ルーファス)、H K XM8(29/30)+予備弾薬90発(箱型弾倉×3)@現実、手榴弾×2、七天七刀@とある魔術の禁書目録、テトリス携帯機@テトリス、ライオットシールド@踊る大捜査線、毒針の束@バジリスク、1080@シャーマンキング、ランダム支給品0~1(確認済み) 【思考】 基本:主催を殺して主催になる。 1:レナ、カムパネルラ、kskロワ住人を探し出して殺す。 2:3人の行方を探るためにいくつかの施設に留守電でメッセージを残す。 【備考】 ※テトリスは100面までクリアするといいことがあるかもしれません。 時系列順で読む Back あいつも、俺だ Next 飛影 投下順で読む Back あいつも、俺だ Next 飛影 触れ得ざる声也 高嶺響 一杯のかけそば+α
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良き時も、悪き時も。 富める時も、貧しき時も。 病める時も、健やかなる時も。 共に歩み、他の者に依らず、愛を誓い、 貴女のみに添うことを誓います。 死がふたりを分かつまで―― ▼ ▼ ▼ 波止場のコンクリートを叩く靴音が、やけに大きく響いて聞こえる。 内藤桃子は、その靴音の主である女性を、信じられない思いで見つめていた。 「久しぶりね、桃子」 「先生……?」 その女性、隼砥教子(はやと・きょうこ)は、桃子が最後に見た時より元気そうに見えた。 モデルみたいな長身とすらりとしたプロポーションのおかげで、 昔から籠目女学校の生徒達には人気があった彼女。 そのくせ性格は無邪気で奔放、ちょっとしたことではしゃいだと思えば、 ちょっとしたことですぐ拗ねて、自分より十も年上とはとても思えない。 ついでに貯蓄下手の浪費家で、私生活はだらしないし、まるで手が掛かる子供のようだ。 それでいて意外と傷つきやすくて繊細かと思えば、時おり年上らしい顔をしたりして。 そして、自分にとっては確かに大切な存在だった、と思う。 彼女は一時期とはいえ、確かに自分、内藤桃子の恋人だったのだから。 でも、彼女はやはり、桃子と付き合っていた頃とは違うように見える。 正直なところ、出会い頭に抱きついてくるんじゃないかとさえ思ったのだ。 いつも桃子のことを振り回して、困らせて。そんなところも嫌いではなかったが。 その子供じみた様子が息を潜めている理由は、言うまでもなく。 「私ね、ずっと桃子に会いたかった。たとえこんな時でも」 「……私は、会いたくありませんでした。出来ればこんな時には」 自分が、自分達が巻き込まれたこのバトルロワイアル。 最後に生き残れるのは唯一人の、狂気じみた殺人ゲーム。 どうしてこんなことになっているのか、桃子の頭の中では未だ整理が付いていない。 自分は少なくともそういう血腥い事柄からは無縁の人生を送っていると思っていたのに。 そして、そんな状況での彼女との再会。 どうしてそれが素直に喜べるというのだろうか。 それなのに、彼女はそれでも嬉しいと言う。いつもの明るさは翳りを見せてはいるが、それでも。 人の気も知らないで。 「それにしても桃子、前に会った時よりちょっと太ったんじゃない?」 「むっ……それを言うなら先生だって、」 少し痩せ過ぎなんじゃないですか、と思わず言いそうになって、咄嗟に口を噤んだ。 彼女、隼砥教子は、あの日突然ベッドで血を吐いた。 それが重い病気だと分かって、教職も辞めなければならなくなって。 遠い病院で療養するために、彼女は桃子のそばから離れていった。 桃子の世界から、いなくなってしまった。 そんな彼女に体のことで冗談を言うなんて、桃子にはできなかった。 そういえば、ドナーは見つかったのだろうか。病気は快方に向かっているのだろうか。 それを訊こうとして、今度は別の理由で言いとどまる。 (なんで私、今になるまで訊かなかったんだろう) あの日、二人の関係は限りなく自然消滅に近い形で終わりを迎えた。 別れの言葉がなかったわけではない。 それでも後味が良かったかというと、それは別の話で。 そもそも桃子が教子と付き合うに至った過程にも、後ろめたさは少なからずある。 桃子は当時、単なる同級生だと思っていた藩田思信から告白されて。 自分の中の気持ちを、どう整理していいのか分からなくて。 そんな時に教子と付き合い始めたのは、ある意味では思信への当て付けでもあったが、 人とどう接していいか分からなくなっていた当時の桃子にとって、 彼女の存在が心の拠り所として都合がよかったからではなかっただろうか? そういう罪悪感めいた実体の無い感情に決着をつけられないまま、ここまで来てしまった。 それを精算できる機会が、よりによって今だなんて。 唇をぎゅっと噛み締める。 今こうして二人で話している事自体が、どうしようもない絶望だというのに。 「私ね、あの時からずっと桃子に言いたかったことがあって」 なのに先生は、あえて明るい声を出そうとしているようで。 それが締め付けられるぐらいに歯がゆくて。 そんな世間話がしたいんじゃない。そんな状況じゃないことは分かっているはずなのに。 何か場違いなことを言おうとし始めている彼女を制止スべく桃子は口を開いて、 「私、隼砥教子は、内藤桃子と、ずっと一緒に生きていきたい。 病める時も健やかなる時も、苦しい時も楽しい時も、一緒にいたいって」 そのまま開いた口が塞がらなかった。 こんな時に言うことがそれなのかとか、それはもうプロポーズなんじゃないかとか、 ごちゃごちゃした感情が綯い交ぜになって言語化出来ない。 そんな桃子の様子を見た教子のほうまでもが、何故だかあたふたし始めた。 「あ、あれ、私なにか変なこと言った!? カッコ悪かった!?」 「全部変ですよ全部っ!」 「ええーーっ……」 いっそ清々しいぐらいのしょげっぷりを見せる教子。 一方の桃子はまだ突然の告白の真意を掴めないでいた。 「先生はいつもそうやって……だいたいなんで今、こんな時に」 そうだ。なんでこんな時にそんなことを。 生き残れるのは一人。それは教子自身も理解しているのだろうに。 この状況で永遠の愛を誓ったって何の意味も……。 ずきり、と胸の奥に楔が打ち込まれたような痛みが走る。 恐らくは、二人揃ってこの地を離れることはない。 その事実を改めて自覚して、桃子は底無し沼のような絶望感に襲われた。 恐らくは表情まで悲痛さを増していたのだろう、教子はそんな桃子の顔をまじまじと見、 それからふと、寂しげに微笑んでこう言った。 「だって、今言わないと、もう次はないかもしれないじゃない」 ハッとした。 危機感がないのではない。彼女は、隼砥教子は既に観念してしまっている。 自分がこの殺し合いで最後の一人になれはしないだろうということも、 恐らくは、生きるためにに桃子を殺すことなど出来ないだろうということも。 「……なんでそんな時だけ、大人なんですか」 絞り出した言葉は、桃子自身も驚くぐらい小さかった。 自分は、そういうところで達観できるほど十分には生きていない。 だから桃子には、彼女の語る言葉を、ただ聞いていることしか出来なかった。 「あのね、私、ちゃんと倹約するよ。無駄遣いしないし、新しいマンションも安いところにする。 なんなら車も手放してもいいかなって……最近、あんまり乗れてないし」 もしかしたら有り得たかもしれない、幸せな生活。 「料理も頑張るから。いっつも桃子に任せっきりだといけないし…… あっ、桃子の作るご飯が美味しくないってことじゃないからね!?」 それを語る彼女の横顔は、本当に幸せそうで。 「一緒に朝ご飯食べて、一緒に学校に行って、家に帰ってからも一緒で。 何が起こるわけでもなく、ただ一緒に生きていくのが嬉しいような、そんな生活」 自分もそんな幸せな夢を、一緒に見てしまいたくなる。 「……そんな日々が、本当に来なくてもいい。でも、答えだけは訊いておきたいの。 それさえ聞かせてもらえれば、私、きっと何があっても後悔しない」 真っ直ぐに自分を見据える視線。 しかし桃子は、彼女の言葉に答えることに躊躇した。 こんなに想いをぶつけられて、嬉しくないはずがない。 それでも勢いに乗せられて頷いてしまうのは、あまりにも不誠実な気がした。 ようやく、思信への想いを自覚し始めたというのに。 その想いに蓋をしてしまうのは、自分にも教子にも裏切りだ。 かといって、教子の願いを無碍にしたくない気持ちは同じぐらい強い。 叶うかも分からない想いよりも、今眼の前にいる彼女を大事にすべきではないのか? 「死がふたりを分かつまで、私と共にあることを誓いますか……どうかな、桃子?」 頭の中がぐちゃぐちゃになって考えがまとまらない。 それでも何か、何かを彼女に伝えないといけないと思って、桃子は。 考えるより先に、口を開いて。 「先生、私――――――――」 後にして思えば。 状況を理解していなかったのは桃子の方かもしれない。 夢を見ている限り、時間は永遠。 だけど夢から覚めるときは、一瞬なのだと。 そのことをちゃんと理解していれば、こんなことには。 桃子が口を開いたその時、100m遠方から放たれた一発の5.56×45mmNATO弾が隼砥教子の左側頭部に着弾した。 それは彼女の側頭葉から小脳・間脳・脳幹までを破壊し撹拌しつつ右頭部へと貫通し、 直後に血と肉と脳髄とリンパ液の離乳食めいた混合物を間欠泉のように噴出させた。 教子の体はマリオネットめいてビクリと一回痙攣し、そのまま重力に任せて崩れるように倒れた。 月光を反射して妖しくぬらめく赤黒い血溜まりが、瞬く間に広がっていく。 まるで赤いベルベットの寝具に横たわっているようにすら見える。 そう、その光景は、あまりにも、冒涜的なまでに現実感がなくて。 そのせいで、桃子はその時、悲しみも、絶望も、原始的な恐怖すら感じなかった。 ただ、自分にとって大事なものが欠け落ちた、そのことだけを頭の何処かで理解していた。 ▼ ▼ ▼ 鳰旦蕗と書いて、にお・あさふき、と読む。 僅かに数十分ばかり時間を遡って、改めて彼女、旦蕗の話をしよう。 「こんな、こんなことって……!」 波止場に積み重ねられたコンテナの上で、旦蕗は両肩を抱いて震えていた。 傍らには一丁の銃。M-16スナイパーカスタム、狙撃仕様に改造された突撃銃だ。 決して狙撃向きの銃でない反面、パーツの取り外しで白兵戦にも対応できる。 ちなみにとある劇画に登場することで有名な銃だが、旦蕗の知るところではない。 ともかくこのバトルロワイアルに於いて狙撃が可能な銃は、その精度を別として、 それだけで充分以上のアドバンテージを確保しうるものである。 ならば彼女は、それを理解した上で、この優位性を的確に運用すべく 拠点として高所を確保した上で狙撃を敢行しようとしているのか。 あいにく、それは全くの的外れだ。 そもそも鳰旦蕗という高校三年生の少女に、そのような発想は相応しくない。 むしろ、彼女の考えは真逆。自分の支給品が狙撃銃であると理解した瞬間、 彼女は「自分もどこかから狙われているかもしれない」という事実を、 確かに実感できる恐怖として思い知った。 このコンテナ群に紛れれば、少なくともぼんやり歩いているよりは安心なはず。 身長170センチの恵まれた体格に似合わない彼女の小心で慎重な部分が、 結果として狙撃に適したポイントを確保させたというだけに過ぎなかった。 「死にたくない……死にたくないよ……」 もはや譫言めいて繰り返される言葉は、しかし切実な願いに違いない。 元より旦蕗は、決して積極的な性格ではないのだ。 限りなく逃避に近い行動に出たとして、それだけで責められるべきではないだろう。 幸いと言うべきか、M-16のオプション装備には暗視スコープもあった。 赤外線を光学的に変換して緑と黒の二色で表示するこの装置は、 意外なほど鮮明に夜の闇を千里眼めいて見通してくれる。 もっとも、この波止場の開けた空間では元々月光を遮るものは少なく、 視界が全く確保できないなどということは有り得ないのだが、 不安な時ほど文明の利器に頼りたがるのは現代人の性である。 旦蕗はコンテナの上で潮風に震えながら、何か物音や気配を感じるたびに 慌てて暗視スコープを覗き、何事も無いことに安堵すると共に、 また新たに込み上げてくる孤独に怯えるということを繰り返していた。 そんなことを続けてどれくらいの時間が経っただろうか。 旦蕗はその緑黒ツートンの視界に、初めて自分以外の人間の姿を捉えた。 「ひっ……! い、嫌……」 脳裏にあの教室での惨劇がフラッシュバックし、旦蕗は反射的に全身を強ばらせた。 しかし、視線の先の人物の足取りには、どこか既視感のようなものがあった。 旦蕗はその理由に思い当たると同時に、危うく叫び声を上げるところだった。 「(内藤ちゃん……!?)」 内藤桃子。 現在三年生の鳰旦蕗の一つ下、二年生の風紀委員で、旦蕗と同じ寮に住んでいた少女。 住んでいた、というのは、少し前に校内で暴力事件を起こして、彼女は転校してしまったからだ。 しかしそれまでの時間、旦蕗はずっと桃子のことを見つめてきた。 彼女のことは何だって知っている。香水の種類も、好みのリップも。 だからこうして離れていても、緑色のスコープを通して見ても、彼女のことはすぐに分かる。 その事実に、旦蕗はこの状況からはおよそ場違いな誇らしさすら感じた。 ああ、自分が秘め続けた恋心が、こうして二人を巡り合わせてくれた。 自分が抱き続けた恋心は、決して無価値なものではなかったのだ、と。 彼女が転校するまで、旦蕗は結局なにひとつ言い出すことは出来なかった。 自分の想いは届くことなく朽ちていくんだと、諦めもした。 それでもこうしてまた会えた。そのことがただ嬉しくて、旦蕗は荷物を抱え立ち上がろうとして、 そのまま全身を凍らせた。 (私は、いったい、どうするつもりだったの……?) 今に至って、ようやく旦蕗は、現実の何たるかを思い出したのである。 今、自分達は、殺し合いを強制されている。 自分、鳰旦蕗と、彼女、内藤桃子は、殺し合わなければならない間柄なのだ。 それなのに「内藤ちゃん、久しぶりー!元気してた?」なんて軽々しく出て行って、 どうして信用してもらえると思えるというのか? もちろん、旦蕗は桃子のことを、軽々しく人殺しに走るような人間ではないと信じている。 だが、その信頼が一方通行なものではないと、どうして言い切れる? 確かに桃子は旦蕗にとって、数年来の想い人だ。 だが桃子にとっては、彼女は同じ寮で生活している先輩の一人にすぎない。 かつて桃子が同じ学校の教師である隼砥教子と付き合い始めた時も、 藩田思信を巡るトラブルで転校せざるを得なくなった時だって、 旦蕗はついぞ彼女に向かって自分の想いを打ち明けることが出来なかった。 そんな自分を、彼女がどうして受け入れてくれると言うんだろうか。 (嫌……内藤ちゃんに拒絶されるのだけは、絶対に嫌……!) そう考えてしまうと、もはや旦蕗は身動きが取れなかった。 転校してもう二度と会えないかもしれないという状況に至ってなお、 告白する勇気が持てなかった旦蕗だ。 この場面で自分から姿を晒すなど、出来るわけがない。 今までずっとそうだったように、今の旦蕗に出来るのもまた、手をこまねいていることだけだ。 しかし幸か不幸か、その諦め混じりの傍観は長くは続かなかった。 桃子に近付く人影を確認した瞬間、旦蕗の全身にアラートが駆け巡ったのだから。 この方角と位置関係ではスコープで拡大しても顔は確認できないが、 長身の女性ということは十分に分かった。 あの教室で見たような軍人めいた服装ではなく、どこにでもいるような姿だ。 何か桃子と話しているようだが、こちらには集音器などという物はない以上、 何を話しているかなど旦蕗には分かるはずもない。 ただ、桃子が何か困惑しているような仕草を見せているのが気に掛かる。 何か酷いことを言われているのだろうか。それとも口八丁で丸め込まれている? あるいは初めから危害を加える目的で、信頼させようとしてるとか…… 旦蕗の中をいくつもの嫌な考えが駆け巡る。 一度指向性を与えられた想像はもはや止まらず、それどころか更なる加速を持って 彼女自身のネガティブな部分を刺激していった。 もしも、桃子がこのままあの女に傷つけられるとしたら。 いや、傷つけられるなど生ぬるい。死んでしまう。殺されてしまう。 嫌だ。それだけは絶対に嫌だ。 想いが伝わらなくてもいい。片思いのままでもいい。 それでも、目の前で彼女を失うのだけは、絶対に嫌――! 「守らなきゃ……私が内藤ちゃんを……私が!」 口に出した言葉に、自分自身がドキッとした。 しかし、その意志を行動に移すまでにはそう長い時間は必要ではなかった。 M-16の銃把を固く握り締める。無機質なその硬質さが、今は頼もしくすらある。 当たらなくていい。すぐ近くを撃てば追い払うぐらい簡単なはずだ。 そう、自分になら出来る。いや、今は自分にしか出来ないのだ。 「出来る……ううん、やらなきゃ……!」 コンテナの上に寝そべり、見よう見まねの狙撃体勢を取る。 それから改めてスコープを覗き込んで、すぐ近くを掠めるように狙いをつけた。 銃爪に指を掛けるに至っても、彼女は抵抗感はおろか高揚すら感じていた。 その時の旦蕗を突き動かしていたのはある種崇高な使命感であると同時に、 自分が桃子にとってのヒーローになるんだという子供じみた英雄願望でもあったのだから。 そして、悲劇は起こる。 そもそも彼女の狙撃体勢は昔見たサスペンス映画の物真似に過ぎず、 銃身の微妙なぶれを抑えようとかそういう初歩的な配慮などまるでなかったし、 だいたいにして体勢自体がひどく不恰好で非能率的なものだった。 自分の手が緊張と恐怖とで小刻みに震えていることを自覚していないのもいけなかったし、 引き金を引く時に反射的に目をつぶってしまったのは致命的だった。 最も拙かったのは、銃爪を引くことに対する彼女自身の軽率さに外ならないのだが。 ただ、放たれた銃弾は隼砥教子の頭部を貫通し即死に至らしめた。 それだけが事実であり、偶然か必然かを論じるのは無意味かもしれない。 かくして何の心の備えも無しに突然殺人者になった旦蕗は、 その事実を目の当たりにした瞬間、数瞬ほど思考ごと全身を停止した。 それからゆっくりと現実を認識し、慄然し、狼狽し、怯懦し、恐慌した。 「嘘、違うっ、私、そんなつもりじゃ」 それは誰に対しての言い訳なのか。 桃子か、死者か、それとも自分自身か。 こんなはずじゃなかった。ただ追い払うだけのつもりだった。 そう弁解したところで、人一人を物言わぬタンパク質の塊に貶めた事実は揺るがない。 己の手を血に染める覚悟すらなしに、命を辱めた事実は変わらない。 「あ、ああ、ああぁ……」 鼓動が速い。体内の血が、彼女自身を責め苛むように全身を駆け巡る。 呼吸が荒い。自分自身を落ち着かせなければいけないことは、分かっているのに。 思考が重い。認識しなければならない事実を、精神の全てが拒否したがっているのだ。 ほとんど錯乱寸前の旦蕗を前に、しかし現実はなおも残酷だった。 旦蕗の視線の先で、桃子がよろよろと歩き出した。 歩みを進める先は、血の海に横たわる女性の骸。 それをスコープ越しに確認した瞬間、旦蕗の全身が総毛立った。 なぜなら桃子の心ここにあらずな様子はまるで、目の前で大切な人を失ったような―― 「やめて、やめてよ内藤ちゃん。私、貴女を助けたくて……!」 震えで合わない口元から、必死の願いが漏れる。 その一方で、旦蕗の冷静な部分がこう告げる。 自分は本当に、本当に、本当に、取り返しのつかないことをしてしまったのではないか? もしも桃子に迫っていたのが非情な殺人狂だったとしたら、 旦蕗の勇気ある行いが想い人を襲う残虐なる運命を打ち破ったのだとしたら、 彼女を襲う責め苦は幾分和らぎ、あるいは誇りにすら変わったかもしれない。 しかし歯車は願い通りには噛み合わず、どこまでも空転するばかり。 暗視スコープが映すのは、死体の傍に辿り着くやいなや膝をついてへたり込む桃子の姿。 そこから僅かに視界をずらせば、旦蕗が射殺した人間の顔が見えるはず。 見てはいけないと分かっているのに、引き返せなくなるだけと知っているのに、 鳰旦蕗は、結局、自分を抑えることが出来ず、スコープをそちらへ僅かに動かした。 そして彼女自身も知る女性を、桃子にとってどういう存在かも知っている女性を、 その成れの果てを、自分自身が終わらせた現実を、その視界に収めた。 「――――――――――――――――――――――ッ!!!!」 今度こそ旦蕗の精神は臨界を迎えた。 彼女は自失の様相の桃子からも自分が射殺した桃子のかつての想い人からも目を背け、 コンテナの端から上体を乗り出すと、そのまま全身をよじって嘔吐した。 ▼ ▼ ▼ 「先生……先生っ……!」 桃子は必死だった。 こんなところに先生を置いて行ったら、また撃たれてしまう。 早く先生を、安全なところに連れて行かないと。 でも動かない。教子の体は、土嚢のように地面にしがみついて動かない。 彼女の細い体が、こんなにも重たいはずはないのに。 「どうして……動いて、動いてよ……!」 力任せに引っ張った両手が、生ぬるい血で滑ってすっぽ抜け、 桃子はその場で尻餅をついた。 その痛みが、いつもの冷静さを失っていた桃子を冷たい現実へと引き戻した。 桃子はよろめきながら立ち上がり、転がるように段ボール箱の山の陰に身を隠した。 無造作に積み上げられたそれの陰なら、襲撃者から撃たれることもないだろう。 だが、教子は置いてきてしまった。連れてこようと思っていたのに。 だって気付いてしまったのだ。気付きたくなかったことに。 もう、桃子の言葉は、彼女に届くことはない。 彼女は、隼砥教子は、最後に託したたったひとつの願いすら叶えられることなく、 今度は永遠に、桃子の元を去っていってしまった。 もう二度と、二度と、二度と帰っては来ない。 「う、うう、あああっ……うあぁぁ――――――――」 そのことを理解して初めて、ようやく、内藤桃子は声を殺して慟哭した。 【隼砥教子@少女セクト 死亡】 【一日目・深夜】 【F-3/波止場・ダンボールの山のそば】 【内藤桃子@少女セクト】 【状態】健康、強い精神的ショック、後悔と喪失感 【装備】なし 【所持品】基本支給品、ランダム支給品1~2 【思考・状況】 1.死にたくない 2.先生を置いて行きたくない ※思信の存在には気付いていません。 ※具体的な行動指針はまだ決まっていません。 【F-3/波止場・コンテナ群】 【鳰旦蕗@少女セクト】 【状態】健康、強い精神的ショック、パニック寸前 【装備】M-16スナイパーカスタム(暗視スコープ装備)@現実 【所持品】基本支給品、光学スコープ 【思考・状況】 1.人殺しなんてしたくなかった 2.内藤ちゃんだけは死なせたくない ※雪華の存在には気付いていません。 ※支給品はM-16スナイパーカスタム一式のみです。 ※隼砥教子の支給品一式は、死体のそばに放置されています。 011 へべれけさんと知りたがりの道化 投下順 013:Two moons and two results. 011 へべれけさんと知りたがりの道化 時系列順 013:Two moons and two results. GAME START 内藤桃子 [[]] GAME START 鳰旦蕗 [[]]
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アニメキャラバトルロワイアルEXTRAまとめwikiへようこそ キャラの死亡、流血等人によっては嫌悪を抱かれる内容を含みます。閲覧の際はご注意ください。 メニュー 本編SS目次・時系列順 本編SS目次・投下順 開始前議論スレ 現在の本スレ 暫定予約まとめ ◆Aw36we/sEA [sage] 2013/12/30(月) 00 28 56 ID HFgmIBLc0 衛宮切嗣、不動遊星を予約します 未登場・未予約キャラ 1/7【スマイルプリキュア!】 ○ジョーカー 2/6【ケロロ軍曹】 ○ドロロ兵長/○ギロロ伍長 1/6【ジョジョの奇妙な冒険】 ○ワムウ 2/6【Fate/Zero】 ○ウェイバー・ベルベット/○ライダー 1/6【北斗の拳】 ○トキ 1/6【ボボボーボ・ボーボボ】 ○ソフトン 1/6【魔法少女まどか☆マギカ】 ○暁美ほむら 3/5【刀語】 ○とがめ/○宇練銀閣/○真庭鳳凰 2/4【サイボーグクロちゃん】 ○ミー○/剛万太郎 1/4【未来日記】 ○来須圭悟 1/4【遊戯王5D s】 ○ブルーノ 1/2【TIGER BUNNY】 ○イワン・カレリン 17/70
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ロリショタバトルロワイアル 本性を晒け出せ! 衝動をぶち撒けろ! 欲望を解き放て! 情熱を、燃やせ! ここは真性の漢共(女性可)が集まり、 ジャンルを問わないロリショタキャラでバトルロワイアルを行う、 あまりにもCOOLなスレです。 紳士淑女の心を忘れず冷静に逝きましょう。 現行スレ ロリショタバトルロワイアル27 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1283666935/ 前スレ ロリショタバトルロワイアル26 http //namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1277112367/ 避難所したらば http //jbbs.livedoor.jp/otaku/8274/ まとめwiki http //www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa ページ最上部へ
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なまこぶしがマリノに参戦した過去を語るページです 2011年 チャンピオンリーグセキエイ高原の過去の記録からサイトを発見し、マリノ初参戦!体力堅守高速(30,10,30,30)がほとんど 2012年 wikiでの活動開始!キャラの能力変更!しかし、マイページは何者かに荒らされてはキャラを使用されては問題だらけ...「ハイパーマサル」といった一文字変えた偽物の出現にて、メンタル崩壊の年であった。 2013年 荒らしはさらにエスカレート...「(キャラ)登場するな」などの中傷目的のコメントの対処に悪戦苦闘。BBSにて、感情的になり、八つ当たりモードへ...5月に違う名義に改名!しかし、精神的に不安になり、10月に引退を決意... 2014年 この時、活動休止...かなりの多忙で、疲れはてた1年、アプリや3DSに夢中になり、バトルロイヤルのことが忘れてしまった... 2015年 この年も活動していない。去年よりかなり多忙であった。娯楽が少ない1年であった。 2016年 8月に復帰!艦これ関連キャラの登場開始!ここからスマホ活動が開始!しかし、本物名乗る偽物がどこかに現れた。かなりの不安でバトルロイヤルやめたいという気持ちであったが、管理人に対処してくれたことでバトルロイヤルをより楽しめた。しかし、この先ないと思った「(キャラ)登場するな」などの中傷目的がキャラとして現れた。何度も続き、問題に...12月にようやく「なまこぶし」に改名!この時、スマホが故障中であったので、PCで登場することに...年末前にスマホ復旧!ここで新たな道を歩んだ。 2017年:一部のキャラが高記録、最高防衛回数とかなりの幸運、WBRついに参戦!しかし、一部のバトルロイヤルにて、偽物による妨害行為による、偽物駆逐と伴い、鮫擬きへ改名
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バトルロイヤル(仮) TED様の管理されているサイト「TED s WebSite!!」に設置されているCGIゲーム。 バトルロイヤルRとは違い、1対1でバトルを行う。キャラクターにはそれぞれ異なる必殺技や行動傾向を設定することができ、幅広く個性付けをすることができる。 ~ トップページメニュー ~ ~キャラクターを登録する~ 「新規登録(詳細)」と「新規登録(簡易)」があるが、とりあえず早く戦いたいという人は簡易版でもいい。 「キャラクター名前」「プレイヤー名」「password」が記入されていれば、とりあえずは登録完了となる。 キャラクター情報は後から修正が可能だが、キャラクター名だけは変更できないので注意。 ~ キャラクターメニュー ~ ~ バトルに参加する ~ 「勝ち抜き勝負」いわゆるランクマッチ。最下位から始まり、自分の1つ上にいるランカーと対戦し、勝つと順位が上がる。 勝ち抜き勝負の参加可能回数は1プレイにつき10回までとなっており、"「勝ち抜き勝負」最終参加時間"から6時間が経過すると参加可能回数が10回まで回復する。 ランダム対戦既に登録されているキャラクターの中から対戦相手をランダムで選んで対戦する。 何度でも参加することができ、ランクには影響しない。 指名して対戦既に登録されているキャラクターの中から対戦相手を任意で選んで対戦する。 こちらも何度でも参加することができ、ランクには影響しない。 ~ 戦いに備える ~ キャラクターのデータを訂正・削除 届いているメッセージを閲覧 ~基本戦術~ 通常攻撃頻度・必殺技使用頻度・防御(ガード)頻度の3つがある。各行動は0~6の7段階で行動頻度をそれぞれ設定でき、キャラクターの行動傾向を割合で色付ける。 (例1) 攻撃3・必殺0・防御2 (例2) 攻撃6・必殺0・防御4 (例3) 攻撃0・必殺1・防御0 (例1)の場合、必殺技を0としたので使用しない。攻撃を3/5(60%)、防御を2/5(40%)の割合で使用する。 (例2)の場合も必殺技は使用しない。攻撃を6/10(60%)、防御を4/10(40%)の割合で使用。 全体数に対しての割合で計算するので、例1と2はどちらも攻撃60%・必殺0%・防御40%の戦術。 (例3)の場合、必殺技を100%使用する。なお、このように一つの行動の発生確率を高めると、後述のクリティカル発生率が上がる。 「クリティカル」 いずれかの行動が高い確率で発生する戦術にすると、その行動のクリティカル発生率が高まる。 攻撃に特化させることで攻撃時のクリティカル発生率が高まり、防御を上げれば防御のクリティカル発生率、必殺なら必殺のクリティカル発生率が高まる。 攻撃を当てたり防御した際にクリティカルが発生すると、相手は体勢を崩して1ターンの間行動不能になる。 「気絶」 攻撃を当てたり防御した際に、低確率で相手を気絶状態にすることがある。発生条件は調査中。 気絶してしまうと、持続系の必殺技効果が消去される。例えば、必殺技「狂戦士化」を発動した相手を気絶させることで「狂戦士化」効果を掻き消すことができる。 気絶状態になると、ターン毎に復帰判定を行い、ランダムで気絶から回復する。運が良いとすぐに目を覚まし、運が悪いとずっと寝てしまう。 攻撃を受けることでも気絶から回復する。 「何もしない」 攻撃・必殺・防御すべてを0にした場合に取る行動。何もしないをする。 何もしないくせに回避はする。 また、必殺技を2つとも「使用しない」にすることで、攻撃と防御の合間に「何もしない」をすることがある。 ~応用戦術~ 戦況が指定した条件に当てはまった場合、もうひとつの戦術に作戦変更する。 応用戦術を活用することで、戦況に対応できる幅が広がり、柔軟な戦法を取ることができる。 「命中率70%以上」 自分の命中率が70%を超えている場合、戦術変更。 相手の命中率が30%を下回っているということでもあるので、防御を捨てて攻撃特化・必殺特化にすることで、戦況をぐっと優位に持ち込むことができる。 「命中率55%以上」 55%版。相手は命中率45%以下。 少しでも有利ならそれでいい、というあなたに。 「命中率45%以下」 自分の命中率が45%を下回っている場合、戦術変更。 45%を下回っていると同時に、相手の命中率が55%を上回っているという不利な状況でのスイッチ。 被弾地獄を警戒してガードを固めるもよし、ガードを捨てて神風特攻するもよし。 「命中率30%以下」 30%版。相手は命中率70%以上。 本格的にヤバくなるまで攻撃はやめないぜ!というあなたに。 命中率70%以上で攻撃特化に変えてくる相手には、ここでガードを使えないと厳しいか。 相手が必殺技「ガード不可」に特化している場合は、ガードさえしていなければ回避できる可能性はあるので、あえて防御を固めない方が良い場合もある。 「ライフ75%以下」 自分のライフが75%を下回っている場合、戦術変更。 必殺技「ライフ回復」を使ってライフを回復しない限り、以後はずっと応用戦術で戦うことになる。スイッチするかは慎重に決めよう。 へっ!?もう戦闘始まってるんスか!?というお寝坊さんなあなたに。 「ライフ50%以下」 50%版。あと半分で死にます。切羽詰まった戦況でのスイッチ。 命中率が有利か不利かに関係なく、自分のライフが50%を切った時点でスイッチが入るので、多少危険な賭けになる。 他のスイッチと組み合わせて使い、最後の悪足掻きとして攻撃特化にするのも手か。 我が全身全霊を賭して戦おうではないか!というラスボス気質なあなたに。 「ライフ25%以下」 25%版。お前はもう死んでいる。自分のライフが25%を下回ると、相手がフィニッシュ技を発動します。 自分の体勢が崩れていないことを祈って、玉砕覚悟の攻撃特化にするか、フィニッシュ反射を狙って必殺技「必殺技反射」特化にするか。ここまで来たら、運の要素が強い。 最後に勝てばいいのさ。ヒーローは遅れてやってくる。という博打好きなあなたに。 「ガード成功直後」 相手の攻撃をガードした場合、次のターンのみ戦術変更 ガードしたことで命中率が増加している。攻撃に切り替えて反撃に出るのがセオリーか。 「起き上がり(ガードのみ可)」 クリティカルを受けて1ターン休んだ場合や、気絶・束縛からの脱出、フィニッシュ技発動後などの「行動不能」から復帰した場合のみ、その場で戦術変更。 基本的には、行動不能状態から復帰した場合は「何もしない」状態であり、防御はガラ空き(回避はできる)になる。 ただし、行動をランダムで決定する際にガードが選ばれた場合のみ、ガードを行うことができる。 防御特化と組み合わせることで、復帰する際に確実にガードを選べ、なおかつ高確率でガードクリティカルを狙えるというおトクなスイッチ。 この程度で屈するものか!という鉄壁なあなたに。 「補助系効果が持続中」 自分に「怪力」「俊足」「オートガード」「ライフ回復」「効果消去」が発動している間のみ、戦術変更。 どれも優れた効果を発揮し、戦局を覆せる可能性が大きい。多少大胆に出ても、リスクをリターンが上回るだろう。 ※注意※ 「狂戦士化」も補助系必殺技だが、これが発動中は強制的に攻撃のみになる。狂戦士化直後の派生技と、フィニッシュ技はできる。 ※注意※ 「相手が行動・回避不能状態」 その名の通り、相手が行動不能・回避不能状態の場合、戦術変更。 攻撃も防御も回避もしないことをいいことに、やりたい放題ができる。何もしないで見守るのもよし。 君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!というドSなあなたに。 「条件のすべてを満たす場合のみ適用する」 指定した条件にすべて当てはまった場合のみ、戦術変更。 これにスイッチできる戦況は大幅に限られるが、ピンポイントで指定する戦術に誤りがなければ、大きい信頼性を得ることができる。 好機さえ見逃さなければ私の勝ち、という知性派なあなたに。 ~その他~ ~裏情報?~ どこの世界にも、闘技場というものには「真のチャンピオン」の存在が噂されるもの。 戦士達の間でまことしやかに囁かれるソイツの正体なんて、だ~れも知らない。 だけどここには、本当に居るみたいだ。そのチャンピオンとやらが。 単に1位を取って安心するようなヤツの前には現れない。 ひたすらに最強を目指す、強者を求めるヤツの願いに応えて…アレは姿を現すのさ。 1位になる…それは、アレへの挑戦権を獲得したに過ぎない。 ほら…今に聞こえるぞ、あの背筋が凍りつくような冷たい声が。 「challenge me?」 . . . 東條日光「だるだる。説明ってムズイ」 青森太助「お前何もしてねぇだろ(カタカタカタ」 東條日光「読みにくい」 青森太助「装飾は後だッ」 東條日光「ここさ~、もうちょいこーゆーふーにさ~」 青森太助「 」 東條日光のツッコミ - 回
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とある少女の性書目録 ◆mfN0eC9miI はぁ……疲れた。 薄暗い山道を照らす月明かりを浴びながら、俺――高須竜児は心の中で溜息を落とす。 現在の時刻は午前0時40分。御坂と出会い、街へ向かって出発してから30分程が過ぎていた。 本来ならC-2にある神社についていてもおかしくは無いはずだが、先ほどから視界に映る景色は森、森、森。 山道を照らす月明かりもその全てを照らすには力及ばず。真っ暗な視界の中、風に揺られてガサガサと揺れる木の葉は正直怖い。 加えて、視界が悪い山道のせいか普段以上に体力を消耗してしまい、たった30分程の行程でヘトヘトだ。 無論、俺より年下の女の子が平気で歩いているのにそんな事は言えない、が。 「なぁ、御坂の知り合いもこのゲームに参加させられてるのか?」 疲労を訴える全身の叫びを無視するように、前方の少女に声をかける。 「まぁ……何人か、ね。アンタの方は?」 「俺も、ダチが何人か連れて来られてる。……ったく、あの女達は何を考えてんだろうな。バトロワがしたいなら自分達でやっとけばいいだろっ」 「んな事、私に言ってもしょうがないでしょーが。グチグチ言ってる暇があんなら足動かしなさい、足。」 「お、おおぅ。それはわかってるんだけどよ……納得できないと言うかなんと言うか」 「それはわからないでもないわよ……でも、今の私達にはあいつらのところに行く方法は無い。 この忌々しい首輪を外さないと、逃げ出すことも出来ないしね」 「首輪か……外そうにもどうすればいいかさっぱりだししなぁ」 「アンタの知り合いにいないの? 何か首輪外せそうな機械に詳しい人とか」 「んな都合のいいやついたら苦労しないだろ。御坂の知り合いにはいないのか?」 「ちょっと、厳しいわね……私ならもしかしたら外せるかもしれないけど、構造も何もわかんない状態じゃちょっと無理かも」 「おぉ……これが前途多難って奴か……。ん? そういや俺、まだ支給品のチェックしてないんだが」 会話を進めるたびに絶望的になって行く状況。 ともすれば鬱になってしまいそうな心を切り替えようと、別の話題を振ってみる。 が、それが間違いだった。 「ハァ!? 馬鹿じゃないのアンタ? もしかしたら滅茶苦茶良い物が入ってるかも知んないのよ!?」 言った途端、烈火の如く目を吊り上げた御坂に怒鳴られる。 なんだろう。俺はそんなにも悪い事をしてしまったのか? 「い、いや、それはわかってる。だけどいきなり御坂に会って、すぐに移動ってなったから確かめる暇が無かったんだよっ!!」 うん。その通りだ。いきなり御坂に連れられたせいで確認できなかったわけで、俺は悪くな―― 「それならそうと言いなさいよっ!!」 悪いらしい。 確かに、支給品を確認しないのは大きな失敗だが……そこまで怒鳴らなくてもいいと思うのは俺だけか? 「な、何よ!? そんな目付きしたって悪いのはあんたでしょーが!」 いや、全くそんなつもりは無いんだが……。どうやら御坂には、俺の目付きが殺人者の目付きに見えたらしい。 ハハ、こんなのには慣れてるさ。慣れてるけど……やっぱり傷つくぞ。 「ほら、そんな怖い顔してないでさっさと確認しなさいよ!」 「……おぅ」 願わくば、荒みきった今の俺の心を癒すものが出てきて欲しい。 切に、そう願う。 とりあえず立ちっぱなしもなんなので、木陰に腰を下ろすことにした。 疲れたように顔をしかめながらデイバッグを漁る俺の方に、好奇心たっぷりの視線が飛んでくる。 コイツ……どんだけ楽しみにしてるんだ。 その視線に、図らずともプレッシャーを感じながらデイバッグの中を覗く。 中に入っていたのは水、ランタンやコンパス、紙、ペン、菓子パンがざっと三日分。 とりあえずこれがあいつらの言っていた基本支給品らしい。問題は、次だ。 御坂じゃないが、どうやら俺もワクワクしているらしい。席替えのくじ引きを引く時の小学生のように緊張しながら、デイバッグの中に手を伸ばす。 「何だ……これ?」 「……さぁ?」 出てきた物を見るなり、思わず首を傾げる。 それは古ぼけたファイルだった。ぱらぱらと適当にめくってみる。 「宇宙人に寄生虫か……オカルトチックだな」 「はぁ……これが何の役に立つってのよ。次、次行くわよ」 まぁ、俺にもこれが役に立つとは思えない。 気を取り直してデイバッグを探してみると、次にでてきたのは、ナイフだった。 「お、おぉ……ナイフか。これは結構役に立ちそうだな」 「まぁ、当たりっちゃ当たりね。他には入ってないの?」 っと、言われてまたデイバグを探すがどうやら二つしか入ってなかったらしい。 意味のわからんファイルとナイフか……一応武器が入ってた分だけマシだったのかもな。 「そういや、御坂の支給品は何だったんだ?」 「え? あ、ほら、さっき見せたでしょ? あ、あのコインよ?」 露骨に焦りだす。怪しい、こんなキョドッた姿を見せられて怪しまないとでも思ってるんだろうか? 「いや、それは無理があるだろう。いいから見せてみろよ」 「あ、ちょ……っ」 多少強引だったが、御坂からデイバッグを奪い取る。 基本支給品は無視。まず出て来たのはぎっしりとコインの詰まった布の袋。 これはさっき見せてもらったからよし、と。次は……ん? 「お前……これは」 「違うっ!! これは、勝手に入ってただけであって私が望んだわけじゃ……っ」 顔をこれでもかというくらい真っ赤に染めて、御坂が怒鳴る。 御坂のデイバッグから出て来たのは、やけに胸の大きい煽情的な格好をしたスタイルのいい女性が表紙の雑誌――所謂、エロ本と呼ばれるものだった。 「いいから、返しなさいよっ!!」 先ほどまでとは完全に立場が逆転。 羞恥に頬を染めて、瞳を潤ませながらこっちを睨みつけてくる御坂は、その……グッとクルものがあった。 第一印象からして、健康的で可愛いだった。そんな少女が、顔を真っ赤にして涙ぐんでいる。 ……先に言っておくが俺はロリコンではない。ロリコンではないが―― 「……ふぇ?」 そお、体の一部分が反応してしまうのは仕方が無いだろう? 生物は死の危険が迫ると生存本能が働いて、種を残すために性欲が上がるらしい。 今の、俺もそんな感じの状況なんだと思う。 しかも目の前には可愛い少女がいて側にはエロ本があるんだ!! これで興奮しない男がいるだろうか? いやない! 「あ、あ、あ、あ、あ、あ……」 パクパクと口を開け閉めしながら御坂が俺を見る。 そこで気付いたが、どうやら俺の思考はダダ漏れだったらしい。 さっきで限界だと思っていたが、それ以上に顔を赤くしながら俺を睨みつけてくる。 「この――変態っ……いっぺん死んどけゴルァァァァァァ!!!」 誤解だ! その四文字を言いきる余裕もなく、御坂の髪から雷撃の槍が放たれる。 おぉ……何だこれ。超能力って本当にあったんだな。 これは帰ったら櫛枝に教えてやんねぇとな……ってアイツも参加させられてるんだっけ? 早く、早く会いたいなぁ……。 そこで 俺の意識は 闇に消えた 【D-2 山の中/1日目・深夜】 【高須竜児@とらドラ!】 [状態] 気絶、微かに体が痺れている、軽く興奮 [装備] 朝倉のコンバットナイフ [道具] 支給品一式、34号文書 [思考・状況] 1:なんつーか、ごめんなさい 2:知り合いを捜しても良いが、なるべく人と会いたくない 【朝倉のコンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱】 朝倉涼子がキョンを殺害する為に使った凶器。 シンプルながら白銀色の刃が冷たい印象を与える片手用コンバットナイフである。 【34号文書@ひぐらしのなく頃に】 鷹野三四からレナに渡されたファイルの一つ。 園崎家の陰謀や寄生虫こそがオヤシロさまの祟りの真相であるなどの情報が書かれている。 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 [状態] 健康 、極度の羞恥 [装備] 布の袋 [道具] 支給品一式、エロ本 [思考・状況] 基本:対主催 1:何でこんなもんが支給品なのよっ!!? 2:北の市街地へ行き、知り合いを探す 【エロ本@現実】 何の変哲もないただのエロ本。 表紙にはスタイルのいい女性が映っている。 29 Banjo Frenzy 時系列順 31 真夜中の病院で何を思う 29 Banjo Frenzy 投下順 31 真夜中の病院で何を思う 10 びりドラ! 高須竜児 42 交錯~crosspoint~ 10 びりドラ! 御坂美琴 42 交錯~crosspoint~