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名称 価格 重量 容量 追加出力 備考 3式背包 140 10 4 - 5式力組装 200 10 - 30
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名称 価格 重量 容量 追加出力 備考 3式背包 140 10 4 - 5式力組装 200 10 - 30
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【中篇】 掃除を始めてから三時間ほど経った頃か。 バックパッカーはまだ掃除をしていた。 「あー、掃除って止め時がわかんねえよなー。 もう床は十分に綺麗といえば綺麗だけど、まだ気になるところもあるし。 むしろ床が綺麗なせいで他の汚れが際立って目立つというか」 『ピカピカ!ピカピカね!そんなに掃除が好きなの!?あははは!』 「いや、別にそんな好きってわけでも……。 話は変わるけどさ、お前はいつまで付いてきてくれるんだ?」 『陸までよ!死体になっても何が起こっても! 陸まで連れてくのが私の決めた一つのルール!あはははっ!』 そんな会話を続けていると、打ち切るように、 ガンガンガン! と鐘の音。 「なんだ? 昼飯の合図とかか?」 『昼飯?あははははっ! そうね!そろそろ掃除は止めにしてもいいんじゃないかしら!』 「そうだな。今日はこのくらいにしとくか。プルーノさん報告しなきゃなー」 この鐘の音を聞いて暢気にしているのはバックパッカーだけだった。 船をピリピリとした空気が包みだす。 ドタドタドタと足音が。そして声が響き渡る。 「敵襲だ!」「マジか!」「ひゃっはー!」「唄えい野郎ども!」 「矢を用意しとけ!」「第三隊しゅうごーう!」「どこいきゃいいんだ?」 「ひさびさの戦だぞ!」「勝つぞ」「血が滾るっ!」「俺の剣がねえ!」 ものものしい雰囲気に、ただごとではないと、流石のバックパッカーも悟る。 どうしたものかと見渡せば、ちょうど甲板に飛び出してくる一団が。 バックパッカーが声をかけようとしたその時だ。 ツルテンッ! そんな擬音と共に、海賊共が、こけるこけるこける。 「なんじゃこりゃー」「床がめっちゃすべるぞッ!」「転ぶな邪魔だクソが!」 「って俺もこけた!」「なんだこの床は!」「血をよこせ!」「邪魔だあっ!」 「ちげえよ!床が悪いんだよ!」「くそったれ!」「暑苦しい!」「バカめ!」 怒声と罵声のコーラス、冷や汗たらすバックパッカー。 「………やべっ、ワックス忘れてた。 あっはっはっはっ」 『あははははははははっ!愉快!愉快ね! ねえ!これからどうするの!?』 「………逃げるか」 バックパッカーは踵を返し、こけてる一団から離れたところへ。 ところが自分もツルンと転び、たまたまあった箱の中。 落ちた衝撃、箱を揺らして、バタンと閉じて真っ暗に。 バックパッカー頭をうって、意識もまた闇の中。 「……あたたた。何があったんだ?」 『すべってころんで箱の中!まぬけね!あはははははっ!』 「……うっせー。 そうだ、外だ、外はどうなってるんだ?」 蓋を開けようとしたが、鍵が偶然かかったか、それとも歪んでしまったのか、 どう力を込めても開きはしない。 とりあえず耳を澄ませてみると、外は怒号と悲鳴と戦歌ばかりが聞こえてきた。 戦場は始まったばかりのようだ。 「……ほとぼりが冷めるまでこの中にいよう」 『いいの?本当にいいの!?』 「外は危ないだろ」 『この中も危ないわよ?あはははっ!』 「戦いの中を歩き回る勇気はないんだよ。 残念なことにな。 つーか開かないから仕方がないだろ。 …………ん!?……うわっ!!」 急な加速度に浮遊感。バックパッカーは思わず悲鳴をあげる。 プルーノがいらない空き箱を牽制に敵船へ投げつけたのだった。 その空き箱にはバックパッカーが詰まっていたとは露知らずに。 「どっっこいしょっーー! ふぅっ……やけに重いかんじだったなー」 「あ、あわ。な、な、なんだー!?」 『飛んでる!飛んでるわ!投げ飛ばされたのよ!あははははっ!』 「ど、どうなるんだ!?」 『そろそろ船にぶつかるわね!きっと痛いわよ!すっごく! どうしましょっ!?あははっ!』 「脱出っ!!助けてくれ!!」 『おっけー!』 バックパッカーの周り薄皮一枚を残して、 水が箱の中を満たしていく、速く疾く急速に爆発的に! ドゴンッッ! ついに木箱は爆発四散。おりしも敵船真上のところ。 轟音と破片が敵海賊共に突き刺さる。 悲鳴と混乱の嵐が甲板を荒らしまわった。 そしてバックパッカーにはいかなる奇跡が働いたのだろうか。 空中で三回転半ひねり、華麗なポーズまで決めて着地。 ただし足元から骨の砕けるような音と共に。 バックパッカーの足元には、豪奢な服装をした子鬼が、首をあらぬ方に向けて泡を吹いていた。 はっとバックパッカーが回りを見渡すと、そこは地獄の中心であった。 『あははっあはははははっ!びっくり!びっくりね!!』 ガーフの船から歓声と怒号が上がる。 「おう!おう!おう!新入りが!一番槍だ!!てめぇら遅れるなぁっ!!!!」 「やるじゃねえかっ!」「痺れたぜ!」「俺たちも殺すぞ!」 「負けてらようか!」「突っ込むぞ!」「血だ!血だ!血だ!」 「殺せ!殺せ!」「ひゃぁ我慢できねえ!」「いきりたってきたぁっ!!」 バックパッカーはその歓声に気付かない。それどころではない。 周りには海賊たちが、怒りに目と刃をギラつかせていたのだ。 「あ、あははは、ふ、不幸な事故でしたね。 俺は、よ、用事があるので、ちょっと失礼させてもらいますっ」 脱兎のごとく走りだすバックパッカー。目指すは海だ。 しかし、すんなり逃げられるわけがない。 こんなことされて許すような海賊はいない。いるわけがない。 「「「逃がすかよぅっ!!」」」 「ひぃっ」 剣を持って四方八方から飛び掛ってくる海賊たち。 悲鳴をあげて逃げ出すバックパッカー。 順当にバックパッカーは殺されてしまうのだろうか。 いや、ここでもバックパッカーの悪運が悲劇を、または喜劇を巻き起こした。 さきほどの爆発四散からいまだに呻きのたうつ海賊に、 バックパッカーは足を引っ掛けられバタンと転倒する。 目前から急に消えた敵に、頭に血を上らせた海賊は対応できなかった。 剣はバックパッカーの上をすり抜け、互いに斬りつけあい刺しあうことに。 うずくまるバックパッカーに、バシャリと血が降りかかる。 「ひ、ひひ、血が、血がぁっ、ひ、 ひぃっ、ひぃっひっひっ!ひぃひひっ!ひははははははははは!!!」 やっとのことで立ち上がったバックパッカーは、あまりのことに笑うことしか出来ない。 『あはっ!あははははっ!あははははははははははははは!!!』 水の精はいつものように笑っている。 【【ふはっ!ふはは!ぐはははっ!!ぐわっはははははははははははははは!!!!】】 その様子に海賊たちは急に怯え出した。 剣雲を潜り抜けた凶運に?血をあびて笑う凶人に? どちらも違う。 海賊たちが怯えているのは最後の笑い声。 その笑い声の主は……。 「「「「戦神ウルサが降臨されたぞッ!!!!!」」」」 戦場が加速していく。 「終わりだッもう泥沼だッ」「げひゃひゃひゃひゃ!」「エルバが狂った!!」「すっげー切れる!」 「ダメだ!皆死ぬ!終わる!」「急に筋肉がっ!?」「ごめんよ母ちゃん…」「弾幕うすい!」「唄え!」 「許して神様!」「矢を放て!」「ウルサ様の御許で死ねるとは望外の幸運!!」「助けて!」「テンションあがってきたぜー!」 「いやだ!いやだ!」「戦歌を唄え!」「はははははっ!楽しいなあ!」「切り殺せっ!」「戦え!戦え!」 「かかったな!そいつは罠だ!」「うははははは!」「第三隊突撃!!」「この裏切り者め!」「これこそ愛だっ!」 「火をかけろ!」「最後にとっておっきの干し肉くっとこうぜ」「うひゃひゃひゃひゃ!」「血だ!血だ!血だ!血だ!」 「いまがチャンスだ!」「俺最強!俺無敵!」「ヒャッハー!!」「戦争だ!」「戦だ!」「戦だ!」 戦場が加速していく。 精霊たちもウルサに中てられ狂奔している。 海も風も荒狂っては凪いでいる。 火の玉がそこらじゅうを飛び回り、燃えてはすぐさま鎮火する。 空に海に船に土くれが沸きだし、石が降り注いでいる。 ある場所は目が眩むほど明るく、ある場所は真っ暗だ。 楽しげな恐ろしい笑い声が響き渡っている。 上空がやけに騒がしい。 何匹もの竜がいた。争っていた。 そこに鳥人の操る飛行船が狂った速度で突っ込んで行った。 楽しげな恐ろしい笑い声が響き渡っている。 水柱がいくつも上がった。 幽霊船である。船尾に海竜を食いつかせているのもあった。 あわれないくつかの幽霊船は悲鳴をあげて日光の中に掻き消えた。 幸運ないくつかの幽霊船はたまたま強大な闇の精に、または多くの闇の精に守られた。 楽しげな恐ろしい笑い声が響き渡っている。 海面が七色に染められた。 微生物が、藻が、栄養を根こそぎ独占しようと数を増やしたのだ。 それを餌とする魚や鳥が集まり、戦いを繰り広げている。 楽しげな恐ろしい笑い声が響き渡っている。 海中もまた戦場だ。 海面は藻に覆われ日光は一切届かない。 しかし狂乱して光の精と火の精によって明るく照らされていた。 飼いならした水生生物に曳かれた船がぶつかり合っている。 何隻も何隻も。 乗員は船から飛び出し戦闘を始めた。 水爬虫人、人鳥人、魚人、さまざまな種族が入り乱れている。 楽しげな恐ろしい笑い声が響き渡っている。 海の向こうから船団が集まってきた。 戦場はまだまだ加速している。 楽しげな恐ろしい笑い声が響き渡っている。 バックパッカーは泳ぎ逃げていた。 混乱の中うまいこと船を抜け出せたのだ。 藻が絡み付いてうまく泳げない。が、そんなことはかまわない。 逃げろ逃げろとバックパッカーは必死に泳いでいた。 「死ぬっ!死んでしまうっ!! なんだ!何なんだ!アレは!!俺はアレから逃げ出せるのか!!?」 『あはははっ!残念なお知らせがあるわ!!』 「なんだ!?何が起こっても驚かんぞ!」 『さっき血を浴びたでしょ!その臭いに惹かれて大魚がやってきたの!! それもあの時と同じ魚よ!すっごい偶然ね!あははっ!』 「ははは。そりゃすごい。すごい偶然だな」 そう言って、バックパッカーは泳ぐのを止めてしまった。 水の精は訝しげに理由を尋ねる。 『逃げないの?諦めちゃったの!? 死体はどうしよう!?スラヴィアにもっていこうか!??あははははははははっ!』 「アンデッドにはならねーよ。 いいか。聞けよ。これは幸運なお知らせなんだ」 『あはははっ!どうして!?気でも狂った!?絶体絶命の大ピンチよ!!』 「あの戦場で生き残れる自信はない。 だがな、大魚の飲まれて生き残る自信はある。 なんたって今のところ、生還率100%なんだからな。 ふふっ、ふはははははははははははははは!」 『あはっ!あはははははははっ!本当だわ!!あはははっ! お腹の中って安全なのね!あははははははははははははっ!』 「『はははははははははははははははははははははははははは!!!』」 バクン!ゴックン! 一人のバックパッカーと水の精霊は大魚に飲み込まれてしまった! 精霊はともかく、人間の生存は絶望的であろう!残念無念極まりないことである! 箱のまま投げられた後から戦神の登場で巻き起こる阿鼻叫喚は壮絶でした。それにしても付き合いのいい水精霊ですね -- (名無しさん) 2013-04-13 19 21 11 名前 コメント すべてのコメントを見る -
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【前編】 なんたる悲劇か! あてなき異界の海に放り出されるとは! 大魚の一口に飲まれるとは! バックパッカーの生還は! 絶望! 不可能! 夢物語! 奇跡でもなければありえない!! だが! だがしかし! ここはどこだ!? そうだ! イレブンズゲート! 神々の住まうところ! 神はいる! 奇跡はある! 奇跡は! あるのだ!! 一隻の船が波に揺れ、海を行く。 その船の上で一人釣り糸を垂らしている者が。 彼はムーミントロール、名をプルーノという。 服装は、バンダナ、厚手のジャケット、丈夫そうなズボン。 見るからに海賊という格好をしていた。 「いい天気だー…………」 プルーノはうつらうつらとしていた。 半目、こくりこくりと動く頭、半ば夢の国へと旅立っているようだ。 バンッ! 「うひゃっ」 背中への衝撃にプルーノは急速に覚醒する。 「な、なんだぁ…? …ってワンドか。やめてくんなよぉ、心臓にわるいじゃないか」 プルーノが振り返ると見慣れた樹人――ワンドがいた。 服装はプルーノと同じもの。彼もまたこの船の一員である。 そのワンドはカラカラと笑って返した。 「それは申し訳ない。 ですけどこんなとこで眠るのはどうかと思いまして。 海に落ちてしまいますよ?」 「おりゃ鈍いが。そこまでドジじゃねっぞ」 フンッと鼻息荒く海の方向くプルーノに、ワンドは笑みを絶やさない。 「ははっ、どうですかね」 「こんだけのいい天気だよ。 いい気分にならんとラー様に失礼だ」 「はいはい。 それにしても本当にずっといい天気で。…平和で。 なんだか飽き飽きしますね。 嵐や戦が欲しいと思いませんか?」 「おめぇは樹人のくせに相変わらずだな。平和でいいじゃねーか」 「だったら森なんて出ませんよ。プルーノだってそうでしょう?」 「半ば無理矢理に連れてこさせて、何いいくさってんだ……。 おれのこっちゃいいから、油うってねーで仕事しとけ」 「寝ぼけてる人に言われたくありませんよー」 そう言ってワンドは笑いながら手を振り去っていった。 プルーノもふりむかず、面倒そうに手を振った。 「あせって釣れるもんなら、いくらでも急ぐっつーに。 樹人のくせに、どーも気が速くていけねーや。」 「んん? おおっ…。かかった、かかった。って重い。 重い!めったでかいぞ!」 ぐんっと竿引けば、どばっと水しぶき。 現れたのは驚くほどに大きな魚だ。 甲板であばれる魚の尾を掴み、プルーノは船横に叩き付ける。 たまらず気絶し、静かになって、そっと甲板に横たわる。 プルーノは一息ついて、一人つぶやく。 「ひゃー。でかい。でかい。 こりゃー…おれしか釣れんもんよ。この船ん中じゃ」 魚の周りをまわりながら、まじまじと魚を見ていると、ふと気付くことがあった。 口の辺りが不思議と動いているのだ。 なんだろうかと覗いてみれば。なんと口の中から人が現れた。 『きゃー!外よ!外!あっかるーい!』 「気持ちはわかるが、うっせーよ。 よーし出口だ。あと少しだ。 つーかよく今ので死ななかったなー俺」 ぶつくさと呟くバックパッカーと、仰天するプルーノの、目と目があった。 「…………ん? あっ、えーと。どーも、口の中から失礼します」 バックパッカーの挨拶はプルーノの驚きを鎮めるのには役に立たなかったようで、 「あわわ。 人が魚の口ん中から出てきおったぞ!!」 と一声叫んで、プルーノは走り去っていった。 あとに残されたのは、バックパッカーと水の精霊と大魚だけ。 バックパッカーは陽光と潮風に、纏わりつく生臭さを洗い落とされた心地で、 思わず目を細めた。 万感の思いをこめて息を吐き、呟く。 「……生きてたなー」 『驚きね!とりあえず溶かされなかったのは、わたしのおかげよ!わたしのおかげだから!』 「ああ、うん。ありがとな。実のところ、お前には超感謝してるよ」 『あはははっ!素直な子は好きよ!惜しみなく感謝していいわ!あははっ!』 「ところで、さっきの奴はなんだったんだろうな? なんかすっげーデカくて丸いの」 『あれはムーミンね!』 「ムーミン!? ムーミンなのにデカいぞあれ!」 『ムーミンよ! ムーミンだから大きいのよっ!』 「えー……。俺のムーミンはもっと可愛かった……」 『俺の!?なになに!ムーミントロルの恋人でもいたの!?』 「ちげーよ。そういう意味じゃなくってだなあ……」 『あははっ!異種族間の恋っていいわよね!わたし困難にあえぐ人を見るの大好きだわ!』 「はぁ……。楽しそうだよな、おまえ……」 なんかやと話していたら、どこからか陽気な歌声が聞こえてきた そちらを見てみたら、 そこには狗人樹人ムーミントロルの三人組。 先頭にいた狗人が手をあげると歌声は止み、 ガーフは大声でバックパッカーに呼びかけた。 「よお、よお、よお! ずいぶん愉快な客人だ! 腹から出てきたばかりってのに元気で結構!」 バックパッカーは急なことに目を白黒させながら、 おそるおそる尋ねてみた。 「ええと…。 どなたですか?」 その問いに、狗人は胸を張り、朗々と吼えあげる。 「よぉぉぉくぞ聞いたぁぁぁ! 俺の名はガァァァァフ!トゥゥゥゥルムノーフィィィィン・ガァァァァァフ!!! そうだ!そうとも!かのトゥルムノーフィン氏族の出だ!!」 ガーフの名乗りはアオーンと響き、ガンガンと頭を揺らす。 バックパッカーは辟易とし、内心に愚痴っている。 (うっせー……。 なんだろう、この世界の海には喧しいのばかりか?) ガーフはさらに続けて吼えあげる。 「おうさ!不思議だろうよ! 鉄血の!王佐の!誉れ高きトゥルムノーフィンが!!海賊家業に身をやつしていようとは! ………………………………? ……ふむ?むむ? 反応が鈍いなあっ!もうちょい驚けよ!つまらんだろうに!」 「あー。申し訳ない。 ちょいとそっちのことは疎いもんで……」 『この子にとってこの世界は海だけなのよ!海しか知らないの!あははっ!』 「海だけしか知らないか……。 うむ。うむ!いい響きだ! そう!海の男は軽々しく陸の時代を語らない! よしよし!気分がのってきた!気に入った! 今日からお前は俺たちのファミリーだ! よーし!ついでに名前もつけてやろう!ひょろいからヒョローだ! ヒョロー!歓迎しよう! プルーノ!ヒョローの教育は任せたぞ!」 「えっ?」 ガーフは言いたいことを言いたいだけ言って、どこかへとすぐに行ってしまった。 バックパッカーは突然な展開についていけない。 気の抜けた声を出すばかりだ。 「よろしく、ヒョロー。 私はワンド。見ての通りの樹人です。 これはお近づきの印ですよ」 「あ、おいし」 ワンドは胸の洞から取り出した果実をパックパッカーに渡す。 かじってみると思わず感想がもれる。 それを聞いたワンドは少し嬉しそうにして、去って行った。 「おりゃプルーノだ。 おめも大変だと思うが、まあ、がんばるんだよ。ヒョロー」 「あっ、どうも」 プルーノからデッキブラシとその他掃除用具を渡される。 終わったら声をかけてくれ、とプルーノは言い残しその場を離れていった。 他にやることも行くところもなし、 バックパッカーはとりあえず掃除を始めるのだった。 【後編】 あの終わり方でまさか生きていたのにはびっくりしました。海賊らしい海賊の面々とテンションの相変わらずな精霊に生きているということを感じました -- (名無しさん) 2013-04-05 18 08 18 名前 コメント すべてのコメントを見る
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名称 価格 重量 容量 追加出力 備考 BX090 600 50 8 - BPT9MAX 800 30 - 90
https://w.atwiki.jp/frontmission3/pages/1203.html
名称 価格 重量 容量 追加出力 備考 6式背包 300 30 6 - 5式力組装 200 10 - 30
https://w.atwiki.jp/frontmission3/pages/1227.html
名称 価格 重量 容量 追加出力 備考 6式背包 300 30 6 - 5式力組装 200 10 - 30
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/1434.html
イストモスのひたすら広い草原をバックパッカーが歩いていると、 向こうのほうから草を揺らして緑色のノッペラとした小人達がステップ踏み踏みやってきた。 目鼻のない彼らはバックパッカーのことに気づかないのか、どうもこのままぶつかってしまいそうに思えた。 しかもその小人達ときたらお手々を繋いで横一列となって、どうやら東の地平線の向こうから西の地平線の向こうまで。 バックパッカーは避けるにも避けれず、ならば飛び越えようかとも決意しかけたが、 ひとまずとりあえず挨拶を交わしてみることにしたのであった。 「こんにちは」 『こん』『やぁ』『にちは』『奇遇』『何か用か』『な』『だね』『誰?』 緑色の小人たちは一斉にと言えなくもない程度には同時に喋り始め、 リレーのようにというにはやや乱雑に次々に言葉を放ち、 意思を共有してるようでしないようで、 バックパッカーはとりあえず言葉尻にかろうじて捕らえた〈誰?〉に答えることにした。 「ぼくは、日本から来たバックパッカーだ。……バックパッカーとはたぶん旅人のことだ」 バックパッカーは実のところバックパッカーとは何かがよくわかっていなかった。 そのために翻訳加護の曖昧な混乱があるような気がして、補足を付け足したのだった。 『なるほ』『ど』『ぼくたちも』『バック?』『旅するものだ』『旅人です』 『俺は』『北から』『北より』『草原を』『これはご丁寧』『はじめまして』 ざわざわと草原を波打たせて答える彼らは、北から来た旅人たちだ。 いったいこんな大勢でどこへいくんだろうか? そのようなことを口にしたから、彼らは答えた。 『わたしは』『あれは』『生まれた』『来た』『草原で』『競った』『走るよ』 『イストモスの草原で』『草を舐め』『ケンタウロスと』『騎士と』『駆けた』 『どどどど』『足音は砂を』『どどどど』『ぼくは孕んだ』『ひそやかに大地に口づけた』 『砂が舞った』『われわれは』『土の子を孕んだのだ』 『南へ行こう』『あたしは』『山を駆け上る』『雪の冠を』『なんだっけ?』『煙を見た』 『南へ行く』『クルス』『炉だ』『この子を』『ベルクの山脈を』『産み落とす』『土の精の産声を』 『山を少し高くしに行こう』『炉と交わる』『ほてったよ』『山脈高く』『かなづちの音』『火とおどる』 『どうくつの』『また孕んだ』『奥深く』『土の精を吹き込み』『炎を孕みました』 『南へ行こう』『ぼくは』『砂漠』『冷たく乾いた俺たちは』『すなばかり』 『南へ行く』『熱い炎の精を孕んでいる』『ラ・ムールだ』『産み落とす』『焼くのだ』 『干物を』『猫のひげをさわり』『魚を』『乾かす』『ぼくたちはまた土を孕む』 『また南へ行こう』『何がある?』『海だ』『かこまれた』『明日に』 『海に潜る』『南へ行く』『魚人達の』『産めない』『わたしたちは』『魚の体を通る』 『生みたい』『溺れている』『また孕んで』『しまったのだ!』『パンパンだ』 『水の子を孕んだ』『ぼくたちは』『双子がおなかの中に』『いる』 『また南へ行こう』『緑』『自分の』『森を見る』『木々を』『大きな』 『雨を』『産む』『二つ子を産む』『雨を』『わたしは』『樹人を』『なめる』 『双子は森を育てる』『風だけになる』『花を咲かせた樹人を』『いだき』『木々を』『孕ませる』 『軽くなって』『花の粉』『はらまずはらませる』『南へ過ぎゆく』『わたしたちの子だ』 『また南へ行こう』『海だ』『広い海だ』『拙者は』『何も持たず』『ふくらんで』 『俺は処女になった』『海流に』『若くなった』『弄ばれる』『運ばれる』『ミズハ?』 『肉を分け与えてしまう』『さかなたちの』『おさかなひとの』『体を通りぬける』 『海の流れはくるくる』『すぐに戻る』『そして孕んだ』『水の子を孕んだ』『南へ』 『また南へ行こう』『大地に』『延に』『登り』『われわれは』『産む』 『水を産み落とす』『ここが宿ね』『稲を撫で』『もこもこ』『雨を降らす』『けむくじゃら』 『山を越え』『麦をゆらそう』『ひとやすみ』『終着点』『しかし』 『私は』『僕は』『旅立つ』『ゆこう』『行かねばならぬ』『南へ』 『南だ』『南だ』『南だ』『南だ』『南だ』『南だ』 『果てにたどり着く』『終わりの南だ』『ふかくへ』『南の奥深く』 『おちるわ』『落ちねばならぬ』『はらませる』『ほんとうのみなみ』『旅の終わり』 そんなことをしっちゃかめっちゃかに言うものだから、バックパッカーは混乱するしかなかった。 とりあえず、妊婦がいるようなことを言っていたので、丁重に扱うべきかと思った。 「お母さんになる人がいるんですね」 『そう』『そうだよ』『産みに行く』『南へ行こう』 『さらば』『さようなら』『また会う日まで』 そういって彼らはまた足を進める。バックパッカーを通り抜けてすり抜けて。 強い風が吹いてバックパッカーは目を閉じ、彼らを見失った。 雲がすこし、南へと動いた気がした。 風の精の一団か。季節風みたいなものだろうか? -- (名無しさん) 2013-07-04 20 24 47 雲の精霊さんかな?面白い表現だし雰囲気いいね -- (名無しさん) 2013-07-05 00 26 29 身上をユーモラスに伝える伝言ゲームか、その土地に伝わる伝承の歌なのか、ともすれば今日明日明後日の天気予報にも受け取れる不思議な小人の言葉。 不思議と出会える異世界の旅はやはり面白い -- (名無しさん) 2013-07-05 04 33 41 この不可思議な雰囲気にふとハピカトルを思い出した。旅の終わり頃にまた出会いそう -- (としあき) 2013-07-05 22 40 25 どれもが誕生へつながる自然のパースが深い。もしくは翻訳加護により分かるからこその深読みなのか。本当は何も特別ではない自然の循環なのかも -- (名無しさん) 2014-08-15 03 14 40 広い草原が雪に埋まることがあるのだろうかイストモス。もし雪の中で窮地に陥っても耳をすませば精霊や星の助言が聞こえてくるのだろうか -- (名無しさん) 2014-11-26 18 24 42 異世界の自然の中で遭遇する不思議な出来事というどこか神秘めいた雰囲気いい -- (名無しさん) 2017-03-18 07 11 22 名前 コメント すべてのコメントを見る
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名称 価格 重量 容量 追加出力 備考 BX090 600 50 8 - BPT9MAX 800 30 - 90
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名称 価格 重量 容量 追加出力 備考 BX002 140 10 4 - BPT3A 200 10 - 30