約 3,949,431 件
https://w.atwiki.jp/ahouyo/pages/38.html
西村齊の面白語録。 https //twitter.com/HitoshiOfficial/status/905007079286464513 魚拓 https //archive.fo/pHSAd ネットの反応 https //twitter.com/anti417okayama/status/905289494835990534 https //twitter.com/ronettes29/status/905363796524384256 https //twitter.com/miyomi34/status/905315129704587264 https //twitter.com/itokenichiro/status/905296688998490113 https //twitter.com/haramino1/status/905295649675018244
https://w.atwiki.jp/gakkouikitakunai/pages/62.html
通信制高校に行く Aさんの場合 ( ^o^)<底辺全日にはほとほと嫌気が差しました。 Bさんの場合 ( ^o^)<単位足りなくて留年確定したオワタ。 Cさんの場合 ( ^o^)<もう進学校にはついて行けない…。 Dさんの場合 ( ^o^)<現在 不登校中 です。 Eさんの場合 ( ^o^)<自分の時間がもっと欲しいです。 Fさんの場合 ( ^o^)<高校とか最初から進路希望に通信を選びます。全日哀れw そんな君達の為に一つの道を用意してあげた。 指定校推薦が糞?底辺ワロス?それが何だ!高校生活の安寧を手に入れられるのならば、そんなの関係ねぇ!! 現在中学生の君も必見だ! さあ、今すぐ君も通信高校ライフを送ろう!(当然ながら親の許可が必要です) 通信制高校の選び方 通信制高校(以下通信と略す)は全日制の課程と違い、毎日学校に登校する必要はない。 とは言ってもその詳細は多岐にわたる。 実は一括りに通信と言っても各々が、月に一~二回、二週間に一~五回、一週間に一回~三回等と違うものだったりする。 そして俺は一週間に二、三回登校が出来る通信をお勧めする。 理由はいわずもがな、お分かり頂けるだろうか。 そう、一人で勉強するというのはとても大変なものなのだ。地頭が良い奴は別として。 授業数は当然、全日と違って格段に減る。嬉しいですね。 しかし、その減った分の授業数を補えるものは何処にもない。金がある奴は塾、予備校、サポート校にでも行けば解決する事だが。 (サポート校については後述する) 全日の頃のタイムスケジュールをあまり崩したくない君は、なるべく週の登校回数が多い通信を選ぼう。 それとPC(Webカメラ)で個別授業を受けるタイプのハイテク気取りの通信は絶対にやめとけ。 理由は費用が掛かることもあるが(面倒臭いので中略)ということもありせっかくの少ない外出の機会も失うことになる。 Webで出席日数・レポート点数を確認出来るとかの通信なら別におk。 言うまでもないと思うが、当たり前の様に、 公立は安く、私立は高い。登校しないタイプであれば安く、登校するタイプは高い。 これは1単位あたりにいくら掛かるかが目安になる。 公立では数百円/1単位であるのに対し、私立では6000円~10000円/1単位など大きな差がある。 その他に施設費などがかかる場合もあるのでチェックしておく必要がある。 また、転入や編入でたくさん落とした分の科目を履修しなければならない場合は、学費も増えることを覚悟しなければならない。 サポート校について サポート校とは、俺の頭で本当に単位取れるの?通信卒業出来るの?と不安な奴の為の予備校もどき。 レポート提出の管理から進路指導までしっかりとやってくれる便利屋的な存在。実は指定校推薦もあったりする。 (詳しくは知らないので各自近場のをググってくれ。) 大多数の奴は必要がなく、金がある奴だけ行けば良いという認識である。 ただ中学の復習からやってくれる所も在るので、中学不登校の奴には良いかもしれない。 それと、行く予定がある奴はこれが一番重要だからしっかり理解してくれ。 サポート校は通信高校と提携してサポートを行っているので当然通信の役割も担っているが、 そうなると本校にも籍を置く必要が出てくるので、学費がもの凄く掛かる。 (サポート校だけに所属出来るという勘違いも多い、もはや詐欺に近いというかどう見ても俺のことです本当にry) 二校に所属する必要が有るのでもちろん学費は糞高い、具体的に言うと百万一歩手前。 ちなみに規模の大きいサポート校では殆ど費用に大差はない。 繰り返し言うが必須ではないので金に余裕がある奴だけ行けば良い。 つまりサポート校に行く=提携している通信高校にも行く、という事なのです。 正に一番↓の広告の通信がそれだったりする。 余った時間に何をするべきか 受験勉強をしましょう。 エロゲ、ネット、オナニーも良いけど勉強をしようね。 時間は有り余ってるんだ!検定・資格取得も良いと思うよ! 勉強が苦手という君は弧男勉学部に入ろう。 大学生活ではリア充ライフが送れるかもという希望は捨ててね。 ぼっち大学スレが君を待ってるよ!! 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/izakayakime/pages/161.html
居酒屋3309店舗 80安価SS 『なるほどなー邪魔なヤツは占うのももったいないから即吊るすべきかと思ってたわやってない勢はセオリー知らなくて困る 』 東風谷早苗が爆発した。 前後の状況はともかくとして、彼女は唐突に盛大に爆発したのだ。 袖とか色々ボロボロである。 「……何やってんだ、お前?」 そこに降りてきたのは霧雨魔理沙。 通りすがりのようだ。 突然の爆発に、少々彼女は驚いている。 「げふ」 咳き込みながら立ち上がる早苗。 大して怪我とかはしてないようだ。 埃を払い、彼女は首をふるふる振った。 「おほん」 それから咳払いを一つ。 早苗は話し始めた。 「実はですね、これには訳がありまして」 「無かったら驚くぜ」 早苗は滔々と喋る。 「ええ、実は私は最近、弾幕ごっこに凝っておりまして」 「うむ」 「勝負の駆け引きを熱くする為、色々工夫してるんです」 「はあ」 「まあ、つまり今回の原因に限って言いますと、おみくじ爆弾です」 「産廃ボムか」 「貴方の技と一緒にしないでください。私は真剣なのです」 「いや、まあ分かった。要するにお前、自爆したんだな?」 早苗は頷く。 「……ええ。弾幕ごっこ用に持っていた爆弾が誤爆しました」 「馬鹿だな、お前」 魔理沙は呆れた顔をした。 「い、いや、でもおかしいのです!」 「え」 早苗が首を振り、魔理沙に詰め寄る。 「これは勝手に爆発するような代物ではない筈だったのです。投げる前から爆発したりはしない物なのです」 「はあ」 「これはアレですよ、魔理沙さん!」 「はあ?」 「異変です!どうせ妖怪の仕業に決まっています」 魔理沙は欠伸をした。 それから回れ右して、去ろうとした。 が、早苗に襟首をつかまれた。 「おい、何をする」 「一緒に解決しましょう、この異変を」 「えー?」 ずるずるずる。 魔理沙は引きずられていった。 「……で?」 所かわって、ここは香霖堂。 店主の森近霖之助がそう口を開いた。 「つまりですね、店主さん。異変の犯人をぱぱっと発見する道具を貸していただきたいのです」 早苗は単刀直入である。 後ろにいる魔理沙は肩をすくめている。 「異変の原因なんてのは、毎度、何となく見つかる物ではないのかい?勘とかで」 霖之助はそう言うのだが、 「いえ、私は新参者ですから。あらゆる手を尽くさなければならないのです」 「はあ」 「とにかく、貸してください」 「いや、でもねえ」 「お金はちゃんと払いますから」 早苗の言葉に、霖之助は少々驚いたようだ。 「…ほう、君は意外に常識人だね」 「不本意ながら、いまだ常識人です」 「よし、貸そう。これだ」 霖之助が取り出したのは水晶玉。 「占いに使えるらしい。ずいぶん前にこちらに来た代物だが」 「ふむ、よし。それを借ります」 「はい、まいど」 早苗は一礼し、魔理沙を引き摺ってどこかへ去っていった。 「うむ」 早苗はまず、空に飛び上がった。 片手に水晶玉を持ち、片手に魔理沙の袖を掴んでいる。「別に逃げやしないぜ?」と魔理沙は言っているが、早苗は聞き入れる様子がない。 早苗は水晶玉を覗き込む。 店主の話によればこれはただの水晶玉ではなく、これを通して何かを見ると、何らかの予兆とか、隠れた真実を看破できる代物らしい。 そう言われれば、これを通して見た景色は何となく神秘的だ。気のせいかもしれない。 「あら」 早苗が声を上げた。 見知った顔がちょうど通りすがったのだ。 「小傘さん、でしたっけ」 「ありゃ?いつぞやの巫女、と魔女」 振り向いたそいつは多々良小傘。 早苗とも魔理沙とも面識がある。 「ん、どうした早苗」 魔理沙が早苗の様子がおかしいのを感じ取り、振り向く。 早苗は水晶を通して小傘を見ている。 なんかにやりと笑っている。 「むむ、なんかおかしい!気がします!この水晶が、そう言っています」 「はあ」 「?」 小傘が首をかしげる。 早苗は躊躇無く、彼女に向けてぶん投げた。おみくじ爆弾を。 「ぐぼぇ」 唐突に理不尽に爆発させられた小傘。 吹き飛んでどこかへ行ってしまった。 「……うわぁ」 魔理沙は眉をひそめている。 今の早苗の行動には、ルールも何もあったものではない。非常識だ。 「ふむ。今のが犯人だったようですね」 「話も聞かずに何を言ってるんだ、お前」 「水晶による占いの結果です。それに、妖怪は人間にとって邪魔な存在ですよね?なら問題ないはず」 「……それ、普通に間違ってるからな」 「え、そうなのですか?」 魔理沙は腰に手を当てる。 「まず、だ。幻想郷における妖怪退治には一種の美学がある」 「えっ」 「まずは相手ときちんと会話すること。それと、お互い楽しむこと」 「お互い、楽しむ?」 「そう、人間と、妖怪が、お互いに楽しむ。それが異変であり、スペルカード戦だ。常識だぜ?」 「なるほどー」 「さっきのは、ちと反省すべきだな、早苗。大体その水晶、効果あったのか?」 「いや、正直分かりません」 「ふむ。そもそも効果の無いマジックアイテムなのかもしれないが…お前、それを使いこなす気もなかったんじゃないか?」 「……ええ。実のところ、さっさと妖怪退治をしたくて、たまらなかったので」 早苗は肩をすくめた。 要するに、さっきの水晶占いもどきは、ただのジェスチャーだったというのである。 魔理沙はため息をついた。 「それはいけないぜ」 「なるほど…いや、邪魔な妖怪は占うのも勿体ないと思ってしまって」 「はあ」 「即吊るし上げにすべきかと思っていました」 「……非常識な」 「ええ、…普段から妖怪退治をやってない私はセオリーを知らなくて困ります」 「まったくだな。まあ、次から気をつけることだな」 「はい」 しばらく後。 早苗は魔理沙の家に招かれた。 「せっかくだから茶でも飲んでいけ」と、誘われたのである。 「お邪魔します…おお、雑然としてますね」 「一言多いぜ。ま、適当に座っててくれ」 魔理沙が部屋の奥に入っていった。 早苗は一人、ソファに座りこむ。 なんとはなしに、持っていた水晶玉を覗き込んだ。 「ん?」 曇っている。 さっきまで曇っている様子なんてなかったのに。 「…これは…!?」 この占い用っぽい水晶を通して見ると、隠れた真実を看破できるという。 この、明らかに禍々しい雰囲気! 「これが異変の源!?」 早苗は叫び、立ち上がった。 水晶玉を通して、曇っている部分を見つめる。 「え」 鏡越しの自分だった。 霧雨邸にある、姿見。 そこに移る自分の姿が、禍々しく曇っているのだった。 「え」 異変の原因は早苗にあった。 いや、正確には早苗の持ち物なのだった。 彼女は、外の世界から去る時、記念がてらに色々と買い物をしていたのだ。 特に便利そうな物を見繕い、外の世界のコンビニで買い物をし、それを幻想郷に持ち込んでいたのだ。 その一つがライターであった。 百円ライター。 幻想郷には無い物で、便利。 それをたくさん買い込んで、神社に保存してある。 もうかれこれ一年以上になろうか。 長い間、放置しておいたものである。 そのうちの一つを取り出し、早苗は携帯していたのだが…。 長い間放置されていた物には意思が宿る。 付喪神というやつである。 ぞんざいに扱われる宿命の百円ライター、それがずっと埃をかぶるまま放置されて。 それが軽く意思を持ったとしたら。 軽い恨みを…そう、「ちょっと悪戯したいなー」という程度の恨みを持っていたとしたら。 「あ」 早苗は、何となく理解した。 袂に入れていた百円ライターが、いや、ライターの付喪神が、「いまだ!」と言わんばかりに飛び出していって、 それから、 魔理沙の部屋の一角を占める産廃の山に突っ込んでいった。 その日、幻想郷で何度目か分からない大爆発が起こり、霧雨邸の屋根とか壁とか早苗とかが派手に吹っ飛んでいくのが各地で目撃されたという。 おわれ
https://w.atwiki.jp/toronikka/pages/279.html
よいこのかがくブックスシリーズ 「くうきってなあに?」その2 遊戯王OCGに興味のある龍亞くん「うわあ、テレビ東京系で火曜深夜2時05分から絶賛放送中の『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ バトル・シティ編 HDリマスター版』は面白いなあ! でも放送時間が遅いからオレみたいな良い子は録画してみているので健康とかへの配慮もバッチリだ! 特に海馬とブルーアイズ・ホワイトドラゴンはすごい格好いいや!やっぱり攻撃力の高いモンスターがドドーン!と出てババーン!って感じなのが一番だよね! オレも現在発売中の最新ブースター「シャイニング・ビクトリーズ」を8ボックスガイして「ブルーアイズ」関連のレアカードをモリモリ当ててブルーアイズデッキを作りたくなってきたぞ! あッ、それから2016年4月23日発売の「Yu-Gi-Oh! THE DARK SIDE OF DIMENSIONS MOVIE PACK」もバリバリ剥いて「真青眼の究極竜」を必ずゲットしてエクストラデッキに3枚積みしなきゃ! 「ところでテレビ東京系で火曜深夜2時05分から絶賛放送中の『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ バトル・シティ編 HDリマスター版』を見ているといつも思うんだけど、本田はバトル・シティ編でも相変わらず存在感がないなあ。 それに御伽ってヤツも新しく出てきたけど、コイツも特に何かしてる様子がないぞ? 特に意味もないのにずっと遊戯たちについて来て、こいつら別にいらないんじゃないかなぁ? ???「久しぶりだね龍亞くん」 龍亞くん「あッ、この声はチーム・ユニコーンのブレオ!」 ブレオに声の似ている三沢おにいさん「違う、デュエル・アカデミア ラー・イエロー主席の三沢大地だ」 龍亞くん「なーんだ、町に詳しい山田五郎並に空気に詳しい三沢おにいさんか、なんか用?」 三沢おにいさん「一般財団法人『空気キャラクター救済ネットワーク』の空気キャラ探知機がこの付近から強い空気キャラ反応を感知した。この辺りに空気になりかかっている人物は居ないかな」 龍亞くん「えっ、ひょっとして…龍可のことかも…?」 空気キャラとは何か 三沢おにいさん「龍亞くん、空気キャラとは何だと思う?」 龍亞くん「うーん、なんてゆーか『存在感が薄いキャラ』?」 三沢おにいさん「合っているとも言えるし、違うとも言える。例えば龍亞くんは、遊戯王デュエルモンスターズGX第14話においてウィジャ盤を使いサイコ・ショッカーの精霊を召喚してしまったアカデミア生徒の事を覚えているかな?」 龍亞くん「全然わかりません」 三沢おにいさん「そうだ、多くの人はそうだろう。なぜなら彼は脇役であり、その1話以外に登場せず、作品全体のストーリーにも全く関わらないからだ。そういうキャラの存在感が薄いのは当たり前で、別に問題のあることじゃない。 問題はその作品のメインキャラクター、つまり主人公チームの一員とか、宿命のライバルとか、主人公を思慕するヒロインとか、恐るべき敵組織の幹部とかでありながら、それに見合った存在感がないキャラクターだ。 「遊戯王デュエルモンスターズ」の本田ヒロトは、主人公・遊戯の親友、つまり主人公チームの一員だ。だからほぼ毎回画面に写っている。 しかし彼は原則としてデュエルはしないし、なにか特殊な能力を持っているわけでもない。 男子高校生の平凡な日常を淡々と描くものです、過度な期待はしないでくださいという作品ならともかく、バトル漫画である遊☆戯☆王においてこれは致命的だ。 必然的に彼は個性を発揮する機会が少ないので、存在感が薄くなり、空気キャラとなってしまうんだ。 龍亞くん「そっかー、じゃあ『いつも居るけど、何もしてない』キャラが空気ってこと?」 三沢おにいさん「それはあくまでもパターンの1つだね。我々『空気キャラクター救済ネットワーク』では、おおまかに空気キャラを3パターンに分けている」 パターン1 いつも居るけれど、何もしていないキャラ 三沢おにいさん「主人公チームや敵組織などの重要な組織に属していて、そのためにコマに描かれたり画面に写ったりする事は多いんだけど、特に何もしていないキャラクター。 特にバトル漫画において、非戦闘員はこのパターンに陥りやすいね。 本田や御伽をはじめとして、遊☆戯☆王シリーズでは非常に発生しやすいパターンだ。 戦闘できるキャラであっても、仲間が増えれば増えるほどこれが発生しやすくなるので、戦った敵がどんどん見方になっていく「魁!!男塾」的な漫画でもよく見られるぞ。 画像:「もしも『魁!!男塾』が連載40万回続いていたら」という設定の同人誌。 強敵をどんどん味方に引き入れ続けると、こうなる。 パターン2 何もしていないわけではないが、キャラが薄いキャラ ちゃんと戦ったりしてはいるんだけれど、個性とか能力が地味で印象に残らないキャラクター。 俺もこのパターンで、デュエル回数自体は他のキャラと比べて目立って少ない訳じゃないが、なぜかそれが評価してもらえないというとても悲しいパターンだ。 このパターンに一度嵌ると読者からの人気が落ち、すると作者もそのキャラを出さない方向に向かい、パターン1と併発してますます影が薄くなるという無限ループに陥りやすい。 無難な性格の主人公がコレを発症することもよくある。 画像:「ゆるゆり」より、ひたすら空気としていじられるキャラ、赤座あかり。 極めて善良で毒気のない人物は友人には良いかもしれないが、キャラクターとしては薄すぎる。 パターン3 設定上重要なんだけど、全然出てこないキャラ とても重要なキャラのはずなのに、なぜか全然物語に絡んでこず、読者から「空気」と呼ばれるキャラクター。 終生のライバルとか、倒すべき宿敵とか、超えるべき目標とか、何か主人公との重要な因縁のあるキャラと語られているのに、出番は全然なくて存在感がないというパターンが多いかな。 星飛雄馬が大リーグボールを習得すると花形満が血の滲む特訓でこれを破り、力石徹を目指して矢吹丈がボクサー街道を駆け上がるとジョーと戦うために力石が死の減量に挑んだように、主人公の活躍があった時にそれに対応するライバルの活躍があってこそライバルキャラは輝く。 主人公が必死に戦っている間にライバルが本拠地であぐらをかいて寝ていてはライバル失格なんだ。 「ニンジャスレイヤー」より、主人公の妻子を殺した宿敵・ダークニンジャ。 作品中盤まで登場回数が異様に少なく、正ライバルのくせに人気投票で36位だった事がある。} 龍亞くん「うわあ!随分研究されてるなあ、まるで空気博士だ!」 空気博士の三沢お兄さん「龍可ちゃんは『5D’s』の劇中でどのくらいデュエルしたかな? 龍亞くん「えーっと、フォーチュンカップの初戦はオレが変装して出たから、龍可が戦ったのは1回だけ、ディ…ディグダとかなんとか言うダークシグナーの時は精霊世界に行ってたから、ほとんどオレがデュエルしたし、あと遊星にデュエルボードを作ってもらってオレと一緒にルチアーノとデュエルして、あとは脚本の都合とか考えるともう1回くらいWRGPが終わった辺りにデュエルするんじゃないかな?(諸事情によりWRGP途中くらいの時間軸となっています) 三沢おにいさん「これは大分少ないな。同時期の俺より少ないんだからかなり少ない。遊戯王シリーズではデュエル回数がキャラクターの活躍度に直結するから、デュエルしていないキャラはそれだけでかなり不利だ。 それから龍可ちゃんはどんな子かな? 龍亞くん「オレと違って成績優秀だし頭もいい、すごくいい子だと思うよ」 三沢おにいさん「なるほど、これはタイプ1と2を併発しているようだ。 龍亞くん「つまり、画面に写ってはいるけれど何もしてなくて、しかもキャラが無難ってこと? 三沢おにいさん「その通り。それではこの結果を踏まえて、龍可ちゃんをより具体的に分析してみよう」 なぜ空気化が発症するのか? 三沢おにいさん「さっき分類したのは、キャラクターが空気化した結果の部分だ。その原因はもっと多岐にわたる。代表的なものを幾つか挙げてみよう。 戦闘要員ではない 「バトル系の作品では、戦闘に参加できないキャラは非常に空気化しやすい。 原作の本田や杏子はデュエルしないのでこの典型例と言える。 作者側は意図的に空気にしようとしているのではなく、『戦闘以外の存在意義のあるキャラクター』としてあえてその立場を設定しているのだろうが、作者がそれを描ききれなかったり、あるいは読者がそう受け止めてくれなかったりすると、空気呼ばわりは避けられない。 「主人公が守るべきヒロイン」みたいな立場だと特に起こりやすいな。 「とある魔術の禁書目録」より、メインヒロインのインデックス。 主人公の日常の象徴であるが、それゆえに主人公は彼女をできるだけ事件から遠ざけようとする。 かくして作中では目立つ機会がとにかく少なく、エアヒロインの代表的存在扱いされることに。 「ボボボーボ・ボーボボ」より、ビュティ(左下)。 戦闘力のないヒロインだが存在感を全く失っていない例。 ツッコミというギャグ漫画の最重要要素を一手に引き受けており、彼女が居ないと漫画が成立しない。 龍亞くん「龍可はデュエルできるから、これは違うなあ そのキャラに関するストーリーが完結している 「キャラクターが初登場した時には、同時にそのキャラのバックボーンが語られる事が多い。 それは多くの場合そのキャラの生きる目的であり、作品内におけるそのキャラの存在意義でもある。 逆に言えば、初登場からの一連の話でそのバックボーンに関するストーリーが完結してしまうと、それ以降そのキャラは作品における存在意義を失ってしまう。 存在意義を失ったキャラを仲間にしても、空気にしかならない場合が多いな。 「遊☆戯☆王」より、ご存知綺麗な背景こと御伽龍児。 彼のバックボーンは「父によって吹きこまれた武藤双六への復讐」というものだが、それは初登場したDDD編で完全に終了してしまった。 それが仲間になったところで、ストーリーに絡むことはできないだろう。 天城カイトは第1期では遊馬と敵対し、第2期では仲間になったキャラクターだ。 第1期の行動目的は「ハルトの病を治す」というものだったが、 第2期では「ハルトと父の人生を歪めたバリアンを倒す」と行動目的が無理なく変化し、またミザエルというライバルも登場した。 彼をめぐるストーリーに1つの決着をつけつつ、存在意義を失わせないままに味方に引き入れることに成功した例と言える。 龍亞くん「龍可は精霊世界とエンシェント・フェアリー・ドラゴンに関するストーリーがあったけど、ディゴングとかいうダークシグナーからウナギ竜を取り戻した時点で話が終わっちゃった。 これ以上は話が広がらないなあ。 能力がほかと大差ない 「RPGでパーティに同じ職業のキャラを複数連れて行くことはほとんどない。仕事が被ってしまうからだ。 これと同じように、ほとんど同じ能力・技しか持たないキャラが複数存在すると、実力が下の方から存在感が薄れていく。 「ドラゴンボール」は基本的に、強いキャラはよりすごいパンチやすごいビームが出るという火力勝負の作品だ。 戦闘方法での個性化が難しいため、パワーインフレについていけなくなったキャラクターは下の方から徐々に出番がなくなっていく他ない。 それでも印象に残らないキャラが少ないのは、鳥山明が天才であるからと言わざるをえないだろうが。 blankimgプラグインエラー:ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 「弱いヤツは下から尻尾切りにされていく」という宿命を変えたのが「ジョジョ」を始めとする能力バトルモノだ。 それぞれのキャラに個性的な「能力」を持たせることで、あるキャラが別のキャラの下位互換になる事態は格段に減った。 この手法は本来個性付けの難しかった他ジャンルでも有効で、「テニヌ」「超次元サッカー」「能力麻雀」などの亜種を次々と生み出している。 三沢おにいさん「遊戯王シリーズの場合、デッキの内容に特徴があると他キャラとの差別化がしやすいな。 やたらとギャンブルカードが当たったり、最弱の『おジャマ』を操ったり、手札が0になってからが本領発揮だったりと、特徴的なデュエルをする方法は色々ある。 龍亞くん「うーん、確かに龍可のデッキは妖精デッキって触れ込みだけど今ひとつ統一性がないし、戦略的にも特徴があるわけじゃないね。ゲームでは仕方なくシモッチバーンとか使ってるけど。 でもでも、龍可は『精霊と話ができる』っていう他にはない能力があるよ?」 三沢おにいさん「その場合、問題はこっちかもしれないな」 能力が世界観と合わない 「『空が飛べる』事は普通ならすごい能力だけど、誰でも空が飛べるのが当たり前の世界観なら個性にならない。 ハッカーキャラはコンピューターが普及した世界観なら有能だけど、核戦争で文明が滅んだ世界では何の役にも立たない。 これは能力が世界観と合っていないからだ。 龍可ちゃんの『精霊と話ができる』能力は、オカルト要素が跳梁跋扈する『DM』や『GX』なら役だったんだろうけれど、サイバーパンクを下敷きとした『5D’s』の世界観とはかなり相性が悪い。 せっかく特異な能力を持っていても、これでは活用が難しいね。 龍亞くん「あー…これは確かに。精霊世界の話って今ひとつ誰に向けたアピールなのか分からなかったし」 三沢おにいさん「それから、これも影響しているんじゃないかな」 路線変更についていけなかった 「漫画やアニメなどの創作作品にはしばしば『路線変更』が発生する。 原因は色々だが、ギャグ漫画がいつの間にか格闘漫画になったり、序盤はシリアスな作風だった特撮が中盤から急にギャグ怪人だらけになったりする。 すると序盤の作風を前提に作られたキャラクター達は作風に合わなくなり、空気化したり消えてしまったりする事がよくあるんだ。 非常にわかりやすいのが『遊☆戯☆王』原作の本田だ。 初期の『遊☆戯☆王』は闇遊戯が悪人を闇のゲームで裁くという内容だったが、毎週ロクデナシが出てくる都合上非常に喧嘩のシーンが多く、本田は城之内とならぶリアルファイト要員として大活躍していた。 だが原作がカードゲーム漫画に転換するとリアルファイトの機会は格段に減少、城之内と異なりデュエル要員にならなかった本田は背景になってしまったんだ」 図:原作序盤の本田は輝いていた 龍亞くん「ちょっと待って、5D’sは最初から最後までカードアニメでしょ?」 三沢おにいさん「だが敵組織が大きく変わった。1期の敵は古代南米文明の邪神というオカルトなもので、ゴドウィンが属しているイリアステルという組織も「数千年続いてきた神官の組織」みたいな雰囲気を漂わせていた。龍可ちゃんが精霊世界に行ってゼーマンに支配された世界を云々みたいな話も、敵組織にオカルト要素があるからできたことだ。 しかし第2期の敵は歴史の修正を目論む未来人で、イリアステルも未来人が歴史改変のために生み出した組織ということになった。完全にSF的な世界観となった5D’sには、精霊なんて非ィ科学的なオカルトグッズの介在する余地はなくなってしまったんだ」 龍亞くん「僅かに残ったオカルト要素である赤き竜の話も全然出てこないしね…結局アイツなんだったんだろう」 三沢おにいさん「タクシーだよ」 人格が無難 「君はどんな人と友人になりたいだろうか?嫁LOVEモクバLOVEワハハハハな社長とか愛とは互いに傷つけ合うことだと主張するはんぶんこ怪人とか満足を旗印にデュエルディスクを爆破して回る犯罪者とかファンにファンサービス(物理)するのが大好きな狂人とか覆面してLDSを探しまわる不審者とかと友人になりたいだろうか? 多分なりたくないだろう。そんな人は実際隣りにいたら迷惑極まりないからだ。 だがこれらの人物を画面の向こうからキャラクターとして見ている分にはとても面白い。彼らがどんなに迷惑をかけても、視聴者に火の粉が振りかかることはないからね。 これはまた逆も真なりで、現実に存在したらありがたい堅実な人物は、フィクションにおいては退屈な人物に見えてしまう。 たいへん理不尽なことに、こうしたキャラクターは影が薄いとか、特徴がないとか、作者からは逆に動かしづらいとか言われ、空気となりがちだ。 主人公が空気化して「主人公(笑)」になったり、メインヒロインが空気化してエアヒロインになったりする場合、主な原因はコレだな。 正義感が強いとか、頑張りやで一途とか、メインキャラであるがゆえに冒険していないキャラ付けをすると、エキセントリックな性格の脇役などに人気と出番と活躍を奪われてしまう事が多々ある。 「おそ松くん」というタイトルで始まったマンガだが、 徐々に主役はおフランス帰りの奇人へと移っていった。 龍亞くん「龍可は『病弱だがしっかり者の天才デュエル少女』みたいな事がキャラ紹介には書かれてるね」 三沢おにいさん「うーん無難だ。実に無難だ。これはよくない。 最低でも『黒薔薇の魔女を自称する厨二病サイコデュエリストSM趣味つき、頭にドリルが刺さってるあと巨乳』くらいの個性がないと、遊戯王シリーズのどろり濃厚ピリ辛レモン味なキャラクター陣の中では生きていけない。」 龍亞くん「龍可にそれやれって言っても絶対できないよ…とくに最後の」 三沢おにいさん「天才というのもよくないな。こういう頭脳戦系の作品で「天才」は非常に表現しにくい。 なぜなら作品を作っている人々自身は大抵の場合天才ではないからだ。 作者の知力を超えた行為は絶対にできない、それがキャラクターの宿命だ。 これがスポーツとかリアルファイト系作品なら、すごい魔球とかワザとかを出させて「やはり天才か」って言っておけばどうにでもなるんだが、カードゲームではそうもいかん。 オレも壁一面に数式を書いたりして天才感をアピールしてはみたんだが、結果はご存知の通りだ」 龍亞くん「普通それやれば十分変人奇人ワクでキャラが立つんじゃないの?」 三沢おにいさん「無理だ。俺の1年後輩は語尾に『ザウルス』がついてた。どう考えても勝てん。 それから性別が良くない。なぜか遊戯王シリーズは女性キャラの性格が安定しないという不思議な伝統がある。 神代璃緒なんかは1年くらい出てたのに高飛車なんだかお嬢様なんだかブラコンなんだか良く分からないまま退場してしまった」 ???「めらぐおばさんまじこそく」「誰だ今の」 三沢おにいさん「とにかく、現実にいたら役立ちそうなキャラはフィクションにおいては無難とか無個性とか言われて空気扱いされてしまう。視聴者というヤツはなぜか社長や怪人や犯罪者や狂人や不審者をもてはやし俺のように堅実な人間を馬鹿にするんだ!真面目で何が悪い!堅実で何が悪いと言うんだ!視聴者のバカヤロー!!カードのカドに頭をぶつけて●んでしまえーッ!!」 龍亞くん「わわっ、三沢おにいさんが突然積もり積もった恨みを爆発させて新橋駅周辺を終電直前にうろついてるサラリーマンみたいな事を口走り始めたぞ!でも視聴率に致命的なダメージを与えそうな部分は偶然通りがかった邪神アバターの影に隠れたので問題なかった!よかったね!」 空気キャラと言う前に 三沢おにいさん「ハァーッ!ハァーッ!すまない、俺としたことが空気キャラについて語りすぎてついエキサイトしてしまったようだ」 龍亞くん「まったく、隣の人が『宮下さん!大丈夫ですか宮下さん!!』って言いながら駆け込んできて大変だったんだよ」 三沢おにいさん「キミ宮下って名前だっけ?」 龍亞くん「違うよ?」 三沢おにいさん「とにかく、龍可ちゃんの空気化が進んでいるのは間違いないようだ。明日からは1日3回食後にこの『ソンザイカンフエール』を飲み、存在感体操を行い、『1日100回ニギニギすると存在感が増える大リーグ存在感養成ボール』をニギニギするといい」 龍亞くん「うわあ、なんだか深夜にやってる誰が見てるかわかんない通販番組で胡散臭い外人が売ってるダイエットグッズみたいなのをもらっちゃった~!ありがとうおにいさん!」 三沢おにいさん「そうだ、1つ言い忘れていた。一見空気キャラのように見えても、実は意図して空気キャラに見せているだけな場合があるんだ」 龍亞くん「ええっ、どういうこと!?」 三沢おにいさん「君にはこのキャラクターがどのように見えるかな?」 龍亞くん「えーっと、なんか突然現れて親友を名乗っているけど、なんか妙にキャラとか友情描写が薄っぺらで、『良かれと思って』という無意味な口癖が活かせてなくて、初登場回にゲストとして出てきたcv宮野真守の『ン熱血指導だァ』の方がよっぽど印象深いキャラって感じ?」 三沢おにいさん「そうだね。彼のことを視聴者は『多分ブルーノのポジなんだろうけどキャラがうすっぺらすぎ』とか半年間散々に言っていたんだ。…そう、あの日までは。 龍亞くん「そ…そんな…キャラが薄っぺらいとは思っていたけど、妙に安いキャラは極悪人が善人の仮面をかぶっているからで、無意味な口癖も最後の最後に最高のタイミングで正しい使い方をするためだったなんて…!!」 三沢おにいさん「そのとおりだ。キャラが薄いということ自体が製作者によって仕込まれた精巧な伏線という、極めて珍しいパターンだ。他には『ウルトラマンネクサス』や『BLOOD-C』などで用いられた例がある。 龍亞くん「大変だ!じゃあ龍可は本当はイリアステルの手先でオレは龍可と双子の兄妹という偽の記憶を植え付けられてて龍可が突然本性を表して遊星とかを倒してオレしか戦えるキャラが居ないのに『龍亞は私のこと傷つけられないよね』とか精神攻撃を仕掛けてきてオレは非情な決断を強いられるんだ!オ、オレどうしよう!」 三沢おにいさん「たぶんないから大丈夫。それから、空気だったキャラがまっとうに活躍しだして、空気の汚名を返上するというパターンも十分ありうる。 上の方で挙げたインデックスやダークニンジャはその後作者の当初の想定通りに活躍の舞台が与えられ、現在は空気キャラとは言えなくなっている例でもあるんだ。 インなんとかさんとかダーク36位=サンとか呼ばれることはなくなったし、もしそう呼んでいる人が居たら作品を十分読んでいない人ということになる。 名誉回復の可能性は初期プロットから存在するキャラクターほど高いので、龍可ちゃんの場合…」 \ピンポーン/ 龍亞くん「あれ?誰か来たみたい。はーい」 デュエルチェイサー227「どうも、セキュリティです。こちらで見知らぬ男がアニメの視聴率に悪影響を及ぼしそうな言葉を叫びながら暴れていると付近の方から通報がありまして…あッ、お前は以前逮捕して留置場にブチ込んでおいたのにいつの間にかドロンしていた住居不法侵入および未成年者誘拐未遂ならびにわいせつ物陳列犯ではないか!今度こそ御用にして昇進確定だ!」 三沢おにいさん「げっ、セキュリティ!クッ、ここでは逃げ場がない…奥の手を使うしかあるまい!ステルスミサワ・モード!!」 龍亞くん「あッ!三沢おにいさんに辛うじてキャラクター性を与えていた黄色いデュエルアカデミア制服を脱いだ瞬間におにいさんの姿と存在感が一瞬にして消え失せた!!」 227「おのれ!どこへ消えたんだ!出てこい!御用だ!御用だーッ!!」 ⇒よいこのかがくブックスシリーズ 空気ってなあに?3へ続く なんでや!赤座あかりは脱空気キャラになったやろ!? -- 名無しさん (2016-04-01 02 15 35) 六つ子も続編(おそ松さん)で空気じゃなくなったな -- 名無しさん (2016-04-22 22 01 04) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/59969.html
【検索用 はてないみち 登録タグ 2024年 GUMI Synthesizer V Yab. ちー は 曲 曲は 殿堂入り シャフ。】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:Yab.・ちー 作曲:Yab. 編曲:Yab. イラスト:シャフ。(pixiv) 唄:GUMI(Synthesizer V) 曲紹介 曲名:『果てない道』(はてないみち) ボカコレ2024冬ルーキー参加楽曲。 歌詞 (動画概要欄より転載) 泣いてばかりいて 誰も信じずに 自分だけが愛しい 私 それを変えたのは あなたの愛と みんなの笑顔と 想い いつも明るく 素直でいたい 振り向けば 笑顔がある 私を変えた 優しさがある 私を変えた あなたの愛 肌の温もり 肩寄せ合う二人 側に居たなら きっと 幾千もの夜を 超えて行く 恐がらないで 行ける この胸に 希望(ゆめ)を抱いて 歩き出す 果てない道 この道を 行けばそこに 新しい 私がいる 両手広げ 光浴びて 明日へと 歩き出そう いつか見た 夢で聴いた この歌を 口ずさんで コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/toronikka/pages/280.html
よいこのブックスシリーズ くうきについて その4 三沢おにいさん「誰だ?」 龍亞くん「誰?」 トロン「僕はトロン、トロン一家の家長にしてこのtoronwikiのあるじだ! 普段は『影が薄い』『空気』『背景』『4人目は犬』とかさんざんに言われている僕だが、1年に1日くらいは主役になってもいい、そういう企画のはずだった! なのにどういうことだ!喋ってるのはほとんど三沢、話題の中心はよりにもよって人気者の鬼柳京介、トロンの話なんかトの字も出てこないじゃないか!!」 三沢おにいさん「いや、だってトロンが誰かに優しく解説してる所って想像できないし、だいたいお前が優しく話しかける時って99%よからぬことを吹き込んでいる時だろう。そんな奴にこの役割はさせられん。 そもそもトロンの話だけじゃwiki管理人のモチベーションが持たん」 龍亞くん「トの字くらい言ってるよね、『デュエリスト』とかで」 トロン「黙れ黙れ!だいたい三沢!キミの分析には大いに疑問がある!キミの分析に従えば、僕は今頃空気になってるはずないじゃないか!」 龍亞くん「へっへーんだ!どこの馬の骨とも知れない負け犬の凡骨デュエリストが遠吠えしてるよ三沢おにいさん」 三沢おにいさん「いや…彼の言うとおりだ。俺の計算式が正しければトロンは空気ではないことになる」 龍亞くん「ええっ、そんなバカな!」 トロンの空気度分析 ※該当する項目が多いほど空気になる確率が高い。 戦闘要員ではない:No。 ストーリーが完結している:ZEXAL1期の時点で空気扱いされていたのでNo。Ⅱでも息子たちと同様にバリアンとの戦いに参戦することもできたはず。 他と違った能力がない:No。記憶強奪やハルトロンなどの様々な特殊能力を持つ。 能力が世界観に合っていない:No。バリアン世界由来の能力はバリアンとの戦いでも役だったはず。 路線変更の影響を受けた:良く分からない 無難な性格:どう考えてもNo。近くに居たら迷惑ってレベルじゃない。 トロン「どうだ!僕が空気になる要素はどこにもないじゃないか!」 三沢おにいさん「数値の上ではそうなるが…もう1つの分析もしてみるか」 トロンの存在感分析 ※該当する項目が多いほど存在感のあるキャラになりやすい。 初登場時のインパクトが大きい:No。Ⅳの「悔しいでしょうねぇ」と同じ回に初登場してしまい、インパクトをすっかりそっちに持って行かれた。ちなみにこの回でトロンはペガサスが見そうなカートゥーンを楽しそうに見ていたので【トゥーン】使いか!?と疑われ、一時期トゥーン強化の期待が高まったのも今は昔。 わかりやすい口癖がある:No。 デュエルが特徴的:Yes? メインデッキの紋章獣自体は平凡だが、ゲノム・ヘリターのカード名強奪能力は割りと独特だった。 デュエルが強い:Yes。ZEXAL劇中でカイトに勝った唯一の人物。 すごい顔芸:Yes。通常の顔芸(余談だが、顔芸が『通常』になっている辺りが遊戯王だと思う)に加え、ハルトロンという他に類を見ない芸当も ストーリーが面白い:No。評判の良くないデュエルコースターから参戦したのはマズかった。 壮絶な最期:No。WDCとバリアン世界の2度の退場を経験したが、どちらも他キャラの退場が頻発している時期に行われている。こうした状況下では、ブラックホール・月面・白き盾・電撃SMプレイのやりすぎによる心臓病など、よほど派手な死に方をしないと目立てない。 中の人の熱演:Yes。國立幸さんの名演が光る。 格好良さとネタ性の両立:No。人間離れしすぎているし、汎用性のあるネタ台詞に恵まれなかった。 三沢おにいさん「主観的な部分はあるだろうが、概ねこんな感じだろう。実力自体は評価されておりZEXALの強さ議論などで上位に来ることは多いが、人気キャラとなるのは難しいといった所だ」 トロン「くっ…たしかに人気となる要素は決して多くはない…でも最後のには異論があるぞ。僕は顔以外普通の人間だ、バリアンとかユベルの方がよっぽど人間離れしているじゃないか。 三沢おにいさん「バリアンの連中は外見はアレだが人間臭いんだよ。 ユベルは外見は怪人で中身は狂人だが、何しろ行動目的が『愛』だ。ホモやらヤンデレやらで弄りようがあるし、ツボに入った人はとことんハマる。 君は言動が人間離れしすぎていて感情移入しづらい一方、行動目的が『復讐』と微妙に平凡だ。何よりネタ台詞がなかった。 『悔しいでしょうねぇ』みたいな使い途が多くて改変もしやすいセリフが1つでもあれば良かったんだが…流行り文句というのは狙って作れるものじゃないから、こればかりは仕方ない。」 トロン「だ…だが、たとえ人気キャラと呼ぶのは難しくとも、空気ということはないはずだ!」 三沢おにいさん「存在感というのは相対的なものさ。地元では『クラス1の美人』だった娘も、上京して芸能事務所に入り『1000人に1人の美人』たちに囲まれればたちまち目立たなくなる。君の周りに居たのは…」 トロン「Ⅲ…Ⅳ…Ⅴ…」「あと犬」 三沢おにいさん「Ⅳは当時一番人気のキャラ、Ⅴも通常なら空気化要素となる『デュエルしない』事がセリフと奇跡的に噛み合いニートネタでフィーバーした。Ⅲは遊戯王シリーズでも珍しい正統派な美少年で固定ファンが多かった。犬は知ら管」 トロン「それじゃあ家族の存在が…僕の存在感を薄くしたというのか…?」 三沢おにいさん「その通りだ」 Ⅲ「あっ、トロンこんな所に居たんですね!もう4月1日が終わりますから元のトロンスレに帰りますよ!ごめんなさいね、この子は僕の父…いや甥っ子なんだけど、いつも仮面をかぶってるちょっと変わった子なんだ。ほら暴れないで」 トロン「嫌だ!ここは僕のwikiだ!トロンスレは僕のスレなんだ!それが三沢なんかに!やめろ!やめろーッ!!」} 龍亞くん「行っちゃったね」 三沢おにいさん「可哀想だが、今後何があってもトロンスレがトロンのスレになることはない気がするなぁ。 時には空気化を受け入れ、それこそを自分の一番の強みにすることが必要なんだ。 俺は空気であることが散々ネタにされた結果、GXのキャラの中でも逆に高い知名度を得てしまった。そういう生き方もある」 龍亞くん「いや、オレは存在感のあるデュエリストの方がいいな…」 そういえばさっきのお姉さんみたいなお兄さん『4月1日が終わる』って言ってたけど、いつの間にか真夜中になってたんだ。文字だけだから全然気づかなかったよ」 三沢おにいさん「そうだ。エイプリルフールが終わる前に、俺もあるべき時間に帰らなくてはならない」 龍亞くん「行っちゃうの?」 三沢おにいさん「俺は本来ここにいてはいけない人間なんだ。 …そうだ、これだけは伝えておこう。 君にはもうすぐ大いなる試練と、新たな力と、大きな別れが訪れる。 それは君にここ1年の不遇を吹き飛ばすような活躍の機会を与えてくれるだろう」 龍亞くん「どういうこと?」 三沢おにいさん「伝えてしまえばタイム・パラドックスが起きる。これ以上は言えない」 龍亞くん「…そっか、オレ頑張るよ。 頑張って初登場時のインパクトが大きくてわかりやすい口癖があってデュエルが特徴的かつ強くてすごい顔芸をしてストーリーが面白くて壮絶な最期を迎えて中の人が熱演していて格好良さとネタ性を両立したデュエリストになる」 三沢おにいさん「それを聞いて安心した。来年のエイプリルフールに、また会おう」 龍亞くん「バイバイお兄さん!またね!」 ⇒よいこのかがくブックスシリーズ 空気ってなあに? 完 読み応えあったよ乙 -- 名無しさん (2016-04-02 14 33 53) ガッチャ!いいSSだったぜ -- 名無しさん (2016-04-07 13 22 44) 面白かったがトロンがとてもかわいそうでした乙 -- 名無しさん (2016-05-12 08 17 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ltltgtgt/pages/194.html
《やらないか》 2ch系セリフネタのひとつ。 元ネタは山川純一のゲイ漫画「くそみそテクニック」にて使われている言葉。 最初はふたばちゃんねるでこの漫画の最初の2ページがうぷられてたことから知られ、それが2chで大ブレイクし、最終的にこの漫画の復刻がされるほどの有様となった。 くそみそネタで有名なものに「ウホッ!いい男…」もある。 「ウホッ!」だの「やらないか」だの入れていれば、大体そいつはねらーと見てほぼ間違いはない。 またこれとセットで使われることがある「アッー!」は、多田野数人(TDN)出演ホモビデオ「真夏の夜の淫夢」から。 時々「うほっ」とひらがなで登録している者もいるが、大体はくそみそ(と2ch)をよく知らない者が面白半分に入れているか、あるいはわざとそう見せかけているのかも知れないが、そのごく一部は横光三国志ネタでこの言葉を登録しているというネタの猛者もいる。 こちらの場合の元ネタは、横光三国志1、2巻ぐらいで悪徳官僚が綺麗どころを招き入れて酌をさせようとするシーンから取られたものと思われる。またこの場合「ひうひう」や「げーっ!」といった言葉とセットで使われる。
https://w.atwiki.jp/outway/pages/36.html
プリンにかけろ!(癖毛爆弾の個人的な手記 それは、些細な出来事からきっと始まったことなのだろう。 「てめ、お前! 俺のプリンに何てことしやがる!」 「うっせー! こうしたほうがうまいだろうが!」 私が夕方の街角で見かけたのはそんな光景だった。 二人の学園生が近所の空き地でなにやら掴み合いをしている。 片方はブレザーを崩して着ているちょっと不良チックな男子学生。 もう一人はブレザーをきちっと着ている、どちらかといえば真面目そうな学生である。 「? おい、きみた・・・」 「あんちゃん、いいから放っておきなさいって。どうせ、すぐに勝負はつくから」 私が思わず声をかけそうになったところで、通りすがりのおばちゃんに窘められた。 「だいたいなぁ! プリンにそれは邪道なんだよ!」 「お前の為にわざわざ買ってきてやったんだろうが! 文句を言うんじゃねえ!」 会話と二人のテンションは天井知らずでどんどん声が大きくなる。 とうとう、不良チックな学生が真面目そうな学生の襟首をつかんだ。 今にも殴りかからんとする勢いだ。 私とおばちゃん以外の野次馬もやってきた。どうやら、みんな「どうなるんだろう、わくわく」的な雰囲気らしい。 「どーしても、謝る気はねーんだな?」 「ねーよ、バーロー」 つかみかかった不良が凄みを利かせて、捕まれた方の学生が不気味に笑った。 「ほ、本当にとめなくていいんですか?」 「いいのよー、どうせ『いつもの事』なんだから」 「・・・いつも?」 「んぶっ! ってーなー!」 私が視線をそらした瞬間にどうやら事態は動き出したらしい。 不良っぽい学生が思わず手を離し、額の一部を抑えている。 「いいぞー、やれやれー」 「右だ、左だ、パンチだ、フックだ!」 「やられっぱなしでおわんじゃねーぞー」 野次馬たちが好き勝手に野次を飛ばしている。 「てーめー、このヤロー!」 不良のほうの学生が思いっきり殴りかかろうとする。その時、真面目なほうの学生が不敵に笑った。 「喧嘩の王道とは・・・肉体を・・・否!」 ブン、と音がするほどのパンチ、これをぎりぎりで避ける。 「骨を断たせとぅえっ!」 ガキャ!、ともう一発のパンチが当たった瞬間、真面目そうな学生は後ろではなく、前に、相手に向かって一歩前進した。そして。 「肉を切る!」 バキャッ! 数瞬遅れの・・・見事なクロスカウンター。両者の頬が拳によって変形している。 「く・・・やるじゃない・・・」 「お前も・・・な・・・」 二人はその姿勢のまま、にやりと笑うと・・・バタン、と倒れた。 それを終わりと見て取ったか、野次馬たちがぞろぞろ帰っていく。 ちなみに、二人の心配をしていそうな人物はいない。 「今日の勝負は引き分け。これで12勝7敗57分けだねぇ」 私の隣にいたおばちゃんが懐から取り出したメモに書き込んでいる。 「ずいぶん多いですね・・・」 「あの子達は休暇で帰ってくるときに毎回やるからね。暇つぶしに戦績つけてるんだけど、やっぱり引き分けが多いねぇ」 ちら、と覗いてみると「決まり手 クロスカウンター」という文字が見えた。 「・・・ちなみに、どっちが勝ってるんですか?」 「ん、あぁ、あのきちっとした服の方の子ね。人間見た目ではわかりものよねぇ」 「ほほほほ」と「ふふふふ」の間の音で笑いながら、そのおばちゃんは居なくなった。 * 「で、喧嘩の原因はなんだったんだい?」 二人が起き上がるのを待って、私は尋ねた。 「・・・これだよ」 不機嫌そうに不良っぽい生徒は私にソレを突きつけた。 それは、生クリームの乗ったプリンである。 「? これが?」 「コイツ! 俺のプリンに生クリームかけやがったんだよ!」 「・・・はぁ?」 思わず変な声が出た。 「ふん、そんなに気に食わないなら、クリームをどかして食えばいいだろう?」 「あぁ! そうさせてもらうさ!」 ニヤニヤ笑っている真面目そうな学生に言われて、ぷんぷんと怒る不良そうな学生は器用にクリームのついてない部分をスプーンで器用にすくうとソレを口に運び。 「・・・・・・・・・・・なんじゃ、こりゃあああああああ!!」 やおら立ち上がり、絶叫する。 「ど、どうした!?」 「こ、このプリン・・・甘くねぇっ!」 驚愕の瞳でソレを見ている男子学生。 「・・・お前、間違えて甘くないのを買ってたから、親切でつけやったんだよ。わかったか、バカ」 「お、おお・・・なんだ・・・すまねえな・・・」 ニヤニヤ笑う真面目そうな学生。 なんか微妙にばつの悪そうな不良そうな学生。 「・・・あー、気づいてたんなら、何で言ってやらなかったんだ?」 思わず、思ったことが口から出た。 「あん? そりゃ、あんた・・・その方が、面白そうだからに決まってんじゃん」 「・・・・・・ソウデスカ」 あっさりきっぱり断言した真面目そうな学生のまたいい笑顔である。 なんか、色々どうでも良くなって、私はとりあえず、二人に別れを告げた。 「いやー、やっぱ持つべきものはダチだな、親友って書いてダチ、って奴だ!」 「ははー、そうだな。やっぱり、持つべきものは(俺にとって)面白いダチだよな!」 なんか、二人の笑い声が聞こえる。 なるほど・・・二人を近隣の人たちが止めなかったのがなんとなく判った。 あの二人は特上の頭が悪そうな人間なのだ。 最も、真面目そうな学生はずいぶんな腹黒ッぽいが・・・ 振り返れば、人工的な夕日に照らされ、肩を抱き合う二人の姿。 ・・・二人の未来に、さちあらんことを願う。 (5/16 癖毛爆男 (文:癖毛爆男) 要点・頭が悪そう アイドレスへ
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/1326.html
眠いから 作詞/42スレ314 小さな雲 流れ 風の 中で 消えて 咲いた 花の 光 子供 遊び 心 たまに かえり 昔 笑い そして 吹き抜ける夢の風にゆられ流れ遠くまで in sleep あー眠いバイバイなにこれ
https://w.atwiki.jp/trinanoss/pages/66.html
×キン肉マン「果てない夢を追いかけて」 ミッドチルダに数多ある廃棄都市は、多くの場合犯罪の現場として利用される。 住んでいる者といえば野良猫や野良犬が精々で、建造物も荒れ果ててはいるものの、大抵原型が残っているのだ。 時に時空管理局の見回りがあっても隠れる場所には事欠かず、魔法を持ってしても都市一つを完全に把握するのは不可能に近い。 時空管理局が最も注意を払っているのは、ロストロギアの不法取引だった。 一般人が使用しても無害な物は、時空管理局が認めた上で市場に出回る。 が、光の当たらない闇の市場には、まかり間違えば街一つ、世界一つが消え去るロストロギアが横行していた。 売り手は犯罪組織。買い手も犯罪組織。 需要と供給という図が成り立つ以上、投じられる一石などありはしない。 取引の場に横合いから殴り込み、末端を掻き乱すのが関の山だった。 第三廃棄都市。 その端に位置する打ち捨てられた工場に、銃声が響いた。 「くっ……」 埃が降り積もり、二度と動かない作業機械の陰に隠れながら、ティアナ・ランスターは歯噛みした。 何年、いや何十年もモップの感触を知らない床を転げ回ったため、白を基準としたバリアジャケットは黒く汚れてしまっていた。 少し顔を出して様子を窺うと、黒いスーツの男が機関銃の銃口をこちらに向けていた。 銃弾が米神の辺りを掠めて行き過ぎる。 ティアナは慌てて顔を引っ込めた。 (まずい……このままじゃやられる!) ミッドチルダで暗躍する犯罪者は、全てが魔導師ではない。 魔力のない人間が、違法で手に入れた銃火器などの質量兵器で武装している場合もある。 小口径ならば、バリアジャケットでもどうにか受け切れる。 だが、それを超えて強力ならば、貫通はせずとも衝撃で内臓が破裂し、死に至る。 無論、貫通して穴だらけになって死ぬ者もいた。 このままいけば、ティアナもそのどちらかになるのは明白だ。 今回の件には執務官補佐として関わったティアナだったが、今のところ助けが来る様子はない。 敵は十人。 その内四人を受け持ち、二人を倒し、残るは二人。 オプティックハイド、フェイク・シルエットを使っての奇襲は有効だったが、二度は通用しないのが奇襲である。 オプティックハイドで背後に回ろうにも、床を覆い、立ち回りで舞い上がった埃が、ティアナの動きを教えてしまう。 それで危うく射殺されそうになったのは、古い記憶ではなかった。 フェイク・シルエットによって自身の虚像を作って囮にしようにも、幻像の魔法が使えることは既に相手に知られていた。 幻像と逆側から飛び出しても、掃射を受ければそれで終わる。 手詰まりだった。 その時、何か固い物が床を転がる音がした。 音は、ティアナの隣で止まった。 深緑の、でこぼことした球体。 これは――――― (手榴弾!!) ティアナが跳んだ次の瞬間、手榴弾が爆発した。 爆風によって、鉄片が四方八方に飛び散る。 ティアナのバリアジャケットの防御力で手榴弾を受ければ、ただでは済まない。 しかしそれは、この場においては手榴弾に限ったことではなかった。 立ち上がろうとしたティアナに、銃口が二つ、突き付けられる。 顔を上げると、二人の男が笑っていた。野蛮な笑みだった。 銃口とティアナの間の距離は、五センチメートルもない。 男達の人差し指が少し動くだけで、バリアジャケットは容易く貫かれ、一秒後には穴だらけの死体が転がる筈だ。 さあ、とティアナの顔から血の気が引いていく。 腕を上げ、クロスミラージュの銃口が魔力の弾丸を吐き出すより、機関銃の銃声が遅いとは思えない。 (もう駄目だ!) ティアナは目を瞑ろうとした。 自分の血が飛び散る瞬間を見たくはない。 だが。 男達を薙ぎ倒した黒い稲妻は、瞼が下りるよりもずっと速かった。 半ばから切断された銃器が、床に落ちて甲高い鳴き声を上げた。 一秒遅れて、男達が崩れ落ちる。 何が起きたのか、ティアナの反射神経では捉えることができなかった。 だが、誰の仕業かは予想できたし、その予想は外れていないだろう。 金髪を揺らしながら、黒衣の女性がティアナの前に舞い降りる。 「大丈夫? ティアナ」 彼女の名は、フェイト・T・ハラオウン。 執務官である。 長柄の戦斧の形状をしたデバイス・バルディッシュを優雅に旋回させ、フェイトが手を差し伸べてきた。 こうして助けられたのは、一度や二度ではない。 捜査はともかくとして、こういった鉄火場では補佐するどころかまるで足手纏いだった。 それに関して、フェイトは何一つ愚痴を零さない。嫌な顔一つしない。 それが、かえってティアナを惨めな気持ちにする。 実力の差、資質の差というものを、否でも実感させられるからだ。 そして、この後に及んでそんなことを考えてしまう自分を嫌悪する悪循環。 「……ありがとうございます」 努めて平静を装い、ティアナは差し述べられた手を取った。 もはや馴染んだ感触は、自分の弱さの象徴のようだった。 「回収するロストロギアは?」 「ええと……あ、あれです」 気絶した男達をバインドで拘束するフェイトを尻目に、ティアナは床に転がっていた銀色のスーツケースに寄った。 埃に塗れてはいたが、銃痕などの傷は見当たらない。 ロストロギアの暴走を防ぐため、頑丈な容器に収納するのは当然だった。 中身を確認するため、ティアナはスーツケースを開けた。 捜査を攪乱するための偽物ということもあり得るからだ。 スーツケースの中には、衝撃吸収材がみっしりと詰まってた。 その中心に、くすんだ黄金色の懐中時計が嵌め込まれている。 白い文字盤には数字がなく、短針も長針も微動だにしなかった。 時計としての機能はとっくに失われているか、そもそもそういった目的で作られたものではないのかも知れない。 (これがロストロギア?) 一見したところでは、ただの古びた懐中時計だった。 だが、見た目にで判断するのは愚かである。 掌に納まる程度の宝石が、次元震を招き世界を崩壊させることだってあるのだ。 ティアナは慎重に時計を手に取った。 金属の冷たさが指に突き刺さる。 表面は滑らかで、スイッチなどは無いようだった。 何に使うのか、いや使えるのか? 利用方法の見通しのない時計は、まるで自分のようだった。 いや、ロストロギアという箔がない分、時計の方が格上だろう。 思考は、巡り巡って同じ所に行きつく。 (ああ、こんなこと考えてる時点でダメなのよね) 鬱々とした思考を追い払うため、ティアナは頭を軽く振った。 その時だった。 突如、手にした時計が震え始める。 「!?」 泡を食ったティアナは、時計を床に落としてしまった。 何か、ロストロギアの発動の条件を満たしてしまったのか? 時計の震動は止まらない。むしろ一秒ごとに強くなってゆく。 どうやって動く物なのか分からないのに、止め方が分かる筈もなかった。 見れば、短針と長針までもが激しく回転し、異常をさらにさらに強調する。 ティアナの背骨を冷や汗が舐めた。 もはや、自分の手に負える事態ではないようだった。 「フェイトさん! これ」 声が、フェイトの耳に届く寸前。 時計の放った眩ゆいばかりの閃光が、ティアナを呑み込んだ。 一瞬の後には、時計もティアナの姿も、廃工場からなくなっていた。 消えた気配に、フェイトは振り返った。 「……ティアナ?」 当然、返事は無かった。 東京都は田園調布のとある空地には、一人の超人が住んでいる。 超人とは、簡単に言えば地球を襲う怪獣や宇宙人に対抗する力を持った人間のことだ。 それが宇宙の果てからやってきた正義の味方や、アメリカのテキサスから来た賞金稼ぎ紛いでも、大衆は構わない。 怪獣を倒して自分たちの命を守ってくれて、ついでに見た目がかっこよければそれで良いのだ。 そして、その点に関しては………彼は最低の超人と言わざるを得なかった。 「ウルドラマン、レッドキングを倒し街を救う……」 狭くて汚い部屋の中で、彼は新聞を広げていた。 その一面は、日本の代表的ヒーローウルドラマンの活躍についてだった。 白黒写真の向こうで、ビルと同じ身長の巨大ヒーローが怪獣と格闘している。 それだけならまだ良かった。 文の最後に、この一行がなかったら。 「……キン肉マン、レッドキングのパンチ一発で気絶。やっぱりダメ超人!」 逞しい腕が、新聞を一瞬にして引き千切ってしまった。 ばらばらと細かい紙切れが部屋の中を舞う。 「ヌオオー! 私だってがんばったんだぞー!!」 彼は古びたちゃぶ台に片足を乗せ、低い天井に向かって吠えた。 継ぎ接ぎだらけのパンツこそ貧相だが、鍛え抜かれた筋肉は男なら誰でも羨むだろう。 その腕は岩さえ一砕きにしてしまいそうだし、その足から繰り出される蹴りにはどれほどの威力があるのか。 腹筋は鋼のようであり、胸板は銃弾でさえ貫き通せまい。 だが、神はまるでバランスを取るかのように、彼の悩みの大部分をその頭部に集約させた。 まず、彼には髪の毛がなかった。禿頭である。 代わりに、鶏の鶏冠のような物がお情けとでも言うように生えていた。 目つきは常に不機嫌であるかのように悪く、その上に眉毛はなく酷く不気味である。 鼻は、まるで豚のそれを切り取って移植したかのような形だった。 分厚い唇も、タラコを二つ並べているのと同じである。 額に刻印された「肉」の文字は、彼のエネルギーメーターだ。 筋骨逞しい不細工。彼の名はキン肉マンといった。 自ら名乗ったわけではない。 彼の姿を見た人々が何時しかそう呼ぶようになり、それまで名前の無かった彼はそれに甘んじるしかなかった 「くうー……あそこで車に足を滑らせなければ……」 その力強い名と外見に反して、キン肉マンの戦績は芳しくない。 やる気だけはあるのだが、それが見事に空回りしている状態だった。 いの一番に怪獣に突進しては、吐き出される光線や火炎に撃墜される。 いざトドメという時には、何も無いのにすっ転び逆転を許す。 焦って手足を振り回せば、物は壊れる。 次第に、人々がキン肉マンを呼ぶ声には失望と嘲りが含まれるようになった。 あだ名もついた。 何の捻りもなくストレートに、ダメ超人というあだ名が。 見た目が悪いのも災いした。 せめて顔が良ければ、彼の熱意を認める者も現れただろう。 温かい応援の一つや二つ貰えたかも知れない。 だが悲しいかなキン肉マンは、豚小屋で豚に混じっても気付かれないような容姿をしていた。 弱くて醜くいヒーローなど、誰も相手にしない。 彼の悲劇は、存在した瞬間から始まっていると言えた。 垂れた眼尻から、一滴の涙が零れる。 それを右手で拭い、そのまま人差し指を天井に向けた。 「だが、私はいつか必ずスーパーヒーローになってみせる! あの空に輝くヒーローの星に誓っ」 台詞を最後まで言うことができなかった。 ばりっと音を立てて、薄い屋根が破れる。 直後何かが顔面を直撃し、キン肉マンは星が飛び散るのを目にするのだった。 「オアー!!」 悲鳴を上げて、背中から板間に倒れる超人。 その顔に、異装をしたツインテールの少女が腰を降ろしていた。 辺りには、突き破った屋根の破片が散らばっていた。 「あいたたた……どこよ、ここ……?」 遅れて、少女の傍に金色の懐中時計が落ちてきた。 ティアナ・ランスターを、昭和五十四年の日本に導いた時計が。 ――――後の世の人々は知る。 ダメ超人と呼ばれていたキン肉マンが、世界一のヒーローに成長することを。 残虐、悪魔、完璧超人達を下し、地球に平和をもたらすことを。 だが、この時のキン肉マンはあくまでその資質を秘めているだけであり、正真正銘のダメ超人である。 そんな英雄足り得ぬ彼と、自らに悩むティアナを引き合わせた運命の悪戯。 それがもたらす物とは。 やけにぼろ臭い家。 失礼とは思いながら、一度頭に浮かんだ感想を消すことはできなかった。 その上、ついさっきティアナが屋根に穴を開けてしまったものだから、灰屋寸前と言っても過言ではない。 見渡せば、ちゃぶ台にやたら大きなテレビに小さな台所、そしてトイレと隔てる扉しかないのである。 六課隊舎にある自分の部屋の方が、はっきり言って格上だろう。 「はーいおまたせー。森永のココアさんだよー」 古びた盆に欠けたカップを乗せてやってきたのは、継ぎ接ぎだらけのパンツ一丁の男だった。 しかもその顔ときたら、喋らなければ豚と間違える自信のある程の不細工である。 この家にしてこの家主あり、といったところだろうか。 さらには名前も変だった。 この世界ではどうか知らないが、少なくともミッドチルダには子供にキン肉マンと名付ける親は存在しない。 今すぐにでもこの家を出て、繋いだばかりの縁を断ち切ってしまいたかった。 ………帰る目処が立っていれば、そうしていた。 「ありがとうございます」 失礼にならない程度に声を落とし、ティアナはカップを手に取った。 焦ったところで、どうしようもないということは分かっている。 時空移動艦はないし、自分をここに連れてきた時計はうんともすんとも言わない。 クロスミラージュも、今居る位置の特定さえできていない状態だった。 盆を片付けたキン肉マンが、ちゃぶ台を挟んでティアナの前に座した。 「それにしても、ティアナちゃんが降ってきた時は驚いたのう」 わははと、キン肉マンが厚い唇を曲げて笑った。 顔には、ティアナが尻に敷いた痕が痛々しい。 それでも怒った様子を見せないのは、心が広いのか鈍いのか。 「管理局にロスト……なんとかだったか」 「何か分かることがありますか?」 「いやぜんぜん」 ティアナはがっくりと頭を下げた。 管理外世界では、例えばロストロギアの反応でも無ければ、時空移動艦や魔導師が干渉して来る可能性は少ない。 過度に期待を寄せていた訳ではないが、これで頼れるのは自分だけになった。 といって、その自分さえ大したことはできない。 八方塞がり、とは正しくこのことだった。 ………これがもし、高町なのはだったら。 これがもし、フェイト・T・ハラオウンだったら。 これがもし、八神はやてだったら。 あるいは、話は変わっていたかも知れない。 管理局の傘の下から離れれば、エースでもなければレアスキルもない自分など無力に等しかった。 何処にいようと同じ所に行きつく思考に、ティアナは自嘲の笑みを浮かべた。 「なーに! 来れたんだから帰る方法もあるさ! 大丈夫、大丈夫」 キン肉マンが、胸をそびやかせて言う。 彼の言う大丈夫に、根拠はないのだろう。 だが、きっと自分を元気づけるためであろう言葉は少しだけ、胸に温かさをもたらした。 その時、時計のアラームがけたたましく鳴り響いた。 金属と金属が断続的にぶつかる音は、ティアナの持つロストロギアではない。 キン肉マンの私物である、見るからに壊れかけの目覚まし時計が、午前十一時を知らせたのだ。 「おお……もうこんな時間か」 キン肉マンが座を立った。 首から下の鍛え抜かれた筋肉は、やはり見事だ。 首から上がそれを打ち消して余るほどの問題だが。 「どうかしたんですか?」 「パトロールの時間でのう。ティアナちゃんも来るか?」 キン肉マンの申し出に、ティアナは少し考えて、頷いた。 この家でじっとしていても始まらない。 少しでも情報を得るために、この世界を見て回るのもいいだろう。 その道すがらに、もしかしたら帰る手立てが転がっているかも知れない。 キン肉マンと共に家を出たティアナは、ふと振り返った。 田園調布の住宅街は風靡さに定評があり、平成三年には都市景観百選を受賞している。 そんなことは知る由もないティアナだったが、空地に建つキン肉マンの顔をした掘立小屋は、やはり異物であるように思えた。 周囲の住宅街の麗しさと比べれば、月とすっぽんという比喩さえおこがましい。 (低所得……にも程があるわ) 生活保護という概念はないのだろうか。 首を傾げながら、ティアナはキン肉マンの後を追った。 地球人として、日本人としての国籍のないキン肉マンに、生活保護は受けられない。 役にも立たないヒーローにかけられる情けは、日本に住ませているというだけで使い果たされていることを、ティアナは知らなかった。 駅を越えると、ビル街が見えてくる。 といって、クラナガンのように天を突く高層ビルでは無く、大きくてもその半分以下の建物が道路の左右に立ち並んでいた。 平日なのか、道行く人はまばらだった。 「この前の「さよなら多摩川園」の時は、もっと賑やかだったんだがのう」 歩道を狭そうに歩きながら、キン肉マンが呟く。 家でも外でも、彼は継ぎ接ぎだらけのパンツ一丁だった。 (……よく平気で外を歩けるわね) 人として当然のモラルに、ティアナはキン肉マンから少し離れて歩いていた。 何時戻れるか、いや戻れるかどうかさえわからない以上、彼と別れる訳にはいかない。 どうせ二度と来る世界ではないのだから、多少の恥ずかしさは我慢するべきだろう。 しかしティアナの覚悟とは裏腹に、町を行き交う人々の反応は薄かった。 時折、傍を通る人が舌打ちし、侮蔑の視線を向ける程度である。 舌打ち侮蔑の理由はわからないが、この世界ではキン肉マンのような人物は、居て当然のようだった。 ちょうど、かつて同僚だったキャロ・ル・ルシエが翼竜フリードリヒを連れていてもだれも驚かないように。 「今この時は平和でも、いつ怪獣や宇宙人が侵略しに現れるかわからないからな……まあ、私がいる限りそんなことはさせんがのう」 がははと、キン肉マンの大笑声が響く。 怪獣? 宇宙人? ティアナは怪訝に眉根を寄せた。 その時、キン肉マンの足元で、ぎゃんと悲鳴が上がる。 道で寝ていた野良犬の尾を踏み付けてしまったのだ。 薄汚れた灰色で、肋骨の浮いた貧相な野良犬の目に、狼然とした光が宿った。 鋭い犬歯を剥き出しに、地を這うような唸りが辺りを回る。 ―――バウッバウッ!! 「オアー!!」 目に涙を浮かべ、キン肉マンは逃げ出した。 野良犬はがちがちと牙を噛み鳴らし、長い口で彼の尻に噛みつこうと駆けた。 双方とも、自動車も真っ青なスピードである。 あの筋肉があれば野良犬なんて相手じゃないだろうに、と思いながら、ティアナは彼の背中を追う。 通行人やゴミ箱を蹴散らしながら、奇妙な追いかけっこは、しばし続いた。 道を右に折れ左に曲がり、むちゃくちゃに逃げ回ってやっと野良犬が諦めたのは、時計の長針が七を指し示した頃である。 野良犬の尾を踏んだのが十一時五分。実に三十分間も逃げ回っていたのだ。 「フェー、なんとか逃げ切れたぞい」 「はあ……はあっ……」 キン肉マンが手で汗を拭っただけに終わったのに対し、ティアナは激しく肩を上下させていた。 前線で戦う以上それにふさわしい体力はあるが、三十分も全力疾走すれば尽きるのは当たり前だった。 追い続けた野良犬と、それで汗一筋のキン肉マン。感心するところか、呆れるところか。 「こういう普段の鍛練が、明日の勝利を作るんだ」 「……そうですか」 ティアナには、ただのおっちょこちょいにしか見えなかった。 まさか、外に出る度に毎回野良犬の尾を踏んでいるのだろうか。 真の被害者は、もしかすれば野良犬の方なのかも知れない。 ティアナの喘鳴を、間の抜けた腹の音が押し抜けた。 見れば、キン肉マンが恥ずかしげに額を掻いていた。 どうも、緊張感というものに欠けた男である。 「わはは……そろそろお昼だし、牛丼屋にでも行くかのう」 ティアナは深い溜息で返した。 見た目――首から下の――に反して、彼はいまいち頼りにならない。 ここで別れて自力で帰る方法を探すか、他の人に最初から事情を説明して協力してもらった方が良いように思えてきた。 傍にある電気店のショーウィンドウの向こうで、何処となくレトロなテレビが二人組の女性歌手を映していた。 流れる陽気な音楽は、しかしティアナの心に触れることはない。 だが、突如としてそこに混じった地響きには、流石に心動かさざるを得なかった。 「な、何!?」 揺れる地面に足を取られつつも、ティアナは相棒のクロスミラージュを抜いた。 町のあちこちから悲鳴が上がり、歩道道路関係無しに人々が逃げて行く。 それぞれの顔に浮かぶ必死に偽りはなく、大規模な避難訓練や性質の悪い冗談ではないようだった。 それらを見ていなければ、ビルの影から乗り捨てられた車を踏み潰しながら現れた存在を、ティアナは信じることができなかっただろう。 その輪郭は、人の形をしていた。 ただし手足が妙に長く、つるりとした体表は鏡のように磨かれている。 顔には目も耳も鼻もなく、口にあたる部分には横一門字の赤いスリットがあるだけだった。 鏡の巨人が一歩足を踏み出すと、再び地面が揺れた。 しばらく魂消ていたティアナだったが、巨人との距離が百メートルもないことに気づくと、すぐに我に返った。 このまま踏み潰されるのを拒む程度には、場数は踏んでいるつもりだった。 「キン肉マンさん、あれは一体!?」 顔を振り上げ、隣のキン肉マンに向ける。 彼は先程、宇宙人、怪獣と口にしていた。 聞いて知らないと首を振ることはないだろう。 そしてたしかに、首を振ることはしなかった。 それどころか、首を動かしてさえしていない。 つい今しがたのティアナと同じく、魂消た表情で鏡の巨人を見つめていた。 「……キン肉マンさん?」 「ん、おお……あ、あれはミラージュ星人!」 取り繕うように、キン肉マンが巨人を指刺した。 すると、逃げ惑う人々をからかって遊んでいたミラージュ星人が、そのつるりとした顔を彼に向ける。 怒っているのか笑っているのか、見ている分には判ずることができない。 「そういうお前は、ダメ超人で有名なキン肉マンじゃないか。聞いた通りのブサイク面だな」 ビルの窓硝子を震わせて、ミラージュ星人が抑揚のない声で言った。 それとはまるで正反対に、キン肉マンが顔を真赤にして怒る。 「何をー! こののっぺらぼうめ、お前なんて私にかかればちょちょいのちょいだ!」 どこからともかく、キン肉マンの手に数個のニンニクが現れた。 武器か何かを出すならともかく、この状況で何故ニンニクが必要になるのか。 「面白い。切り刻んで焼き豚にしてやる」 キン肉マンの挑戦を受け取って、ミラージュ星人が長い腕を振り回した。 ビルの角や壁を削り、コンクリートの破片が宙を舞う。 この距離なら、ティアナ達にまで累が及ぶことはない。 その時だった。 「わああー!!」 破壊音を貫いて、少年の悲鳴が耳朶を打つ。 見るとミラージュ星人の足元に、齢五つほどの少年が倒れていた。 巨人が一歩踏み出しただけで、彼は無残な死を遂げるのは間違いない。 足を怪我しているらしく、少年の恐怖と焦りは、小さな体を芋虫のようにもがかせるに終わっている。 ミラージュ星人がその存在に気付いていないのは、はたして彼にとって幸か不幸か。 (ここから走って……ダメ、体を動かされたらそれだけで危ない) あの巨体では、クロスファイアとて針で刺された程度にも感じまい。 隣のキン肉マンは、きっと役に立たない。 冷や汗が頬を伝って顎から落ちる。 錯綜する思考は何処にも辿りつかず、少年は未だに倒れたままだった。 そんなティアナを嘲笑うかのように、ミラージュ星人の足がアスファルトを離れた。 少年に気付いた訳ではない。 ただ、一歩だけ前に踏み出そうとしているだけだ。 その一歩で、確実に消える命が、ティアナの目の前にあった。 もはや一刻の猶予もない。 間に合うかどうかは未知だったが、ティアナは駆け出そうとした。 キン肉マンに、僅かに遅れて。 「坊や、危ない!」 ミラージュ星人の足は、既に少年の頭上にあった。 だが、キン肉マンは速かった。 野良犬に追い掛けられた時と同じく、いやそれよりもずっと。 数歩たたらを踏んで止まったティアナの目には、彼がまるで炎を背負っているように見えた。 無論、それは幻である。 だがその炎の作用か、ミラージュ星人が少年を踏み潰すより早く、キン肉マンは彼の襟首を掴み自らの背後に放り投げた。 これで、少年が踏み潰される心配はない。 だが、奇跡には代償が必要だった。 ずん、と音を立ててミラージュ星人の足がアスファルトを穿ち、ゴワ、とキン肉マンがその下に消える。 助けられた少年は、横合いから走ってきた母親に連れられ、異星人の足の裏とは無縁の場所に逃げていった。 息子を助けられた母親も、自身の命を助けられた少年も、彼に感謝を一言でも述べることはなかった。 「キン肉マンさん!」 いくらキン肉マンの筋肉が見事でも、あれだけの質量に踏み潰されて無事ということはあり得ない。 呼びかけたところで、はたして聞く事の出来る状態であるかどうか。 「はっはっはっはっ。口ほどにもないとはお前のことだ。どれ、このままこの星を……」 言い掛けて、ミラージュ星人は空を見上げた。 次の瞬間、天空から光輪が降り、ミラージュ星人の首を切断した。 巨大な仮面のような頭部が地面に落ち切る前に、その体が爆発する。 巻き込まれた頭部も砕け散り、鏡の巨人は完全にこの世から消えてしまった。 まさしく、あっという間の出来事だった。 何が起きたのか分からず、唖然としてミラージュ星人の立っていた空間を見つめるティアナの耳に、誰かの声が届いた。 「あ! ウルドラマンだ!」 逃げ惑っていたサラリーマンが、空の一点を指さしている。 ちょうど、ミラージュ星人が見ていた位置だった。 顔を振り向けると、空に第二の巨人が仁王立ちしていた。 ミラージュ星人とは違い完全な人型で、スリムな体は赤と銀で彩られている。 「たく、これから法事で星に帰らなきゃいけないんだから、侵略なんてしないでよね」 疲れたような声が降る。 ウルドラマンは爪先を揃え、両腕を上に突き出すと、光の矢となって空の彼方に消えていった。 出現が唐突なら、退去も唐突。 先程までの悲鳴が、ウルドラマンへの歓声に代って町中を満たした。 被害もビルが幾つか半壊した程度で、巨人が暴れたにしては、多少地味である。 迅速な退治の賜物だろうか。 「ありがとうウルドラマン!」 「僕らのヒーロー!」 「かっこいい!」 道路で歩道で、はたまた無傷なビルの窓から、人々がウルドラマンの消えた空に手を振る。 キン肉マンの名を呼ぶ者は、誰一人いなかった。 存在にさえ気付いていないのではないか。 ミラージュ星人を打ち倒すことは叶わなかったが、その身を呈して掛け替えのない命を救ったのだ。 「キン肉マンさん!」 ティアナはミラージュ星人の足があった位置に向かった。 もう手遅れかも知れない。 それでも、そのままにはできなかった。 「ううーん……」 ティアナの声に引かれたように、突如としてアスファルトが盛り上がる。 虚を突かれて立ち止ったティアナの前で、暗灰色の塊からキン肉マンが現れた。 道路の欠片が剥落していく肉体は、ほとんど無傷だった。 頭を振って砂利を払い落すと、キン肉マンはティアナに顔を向けた。 少女の無事を確認してか、分厚い唇を笑みの形に曲げる。 「おおティアナちゃん、無事だったか。ミラージュ星人はどこだ?」 どうやら、気を失っていたらしい。 今は亡きミラージュ星人の姿を探し、キン肉マンが四方に目を配る。 あの巨体を見失うのは、雪原の中、剥き出しになった土を見逃すよりも難しいだろう。 ただ一言、ウルドラマンが退治してくれたと言えば良い。 だがティアナには、何故かそうすることができなかった。 その時、彼の背後から風を切って飛び来る物があった。 「あいだっ!」 キン肉マンの後頭部で、鈍い音が上がる。 アスファルトに空いたキン肉マン型の穴の中に転がったのは、拳大の石だった。 投石の軌跡を辿ると、歩道で三人の男達がこちらを見て笑っている。 蔑みのみで構成された、いやらしい笑みである。 「よーダメ超人! その筋肉は飾りかー!?」 「日本の恥さらし! さっさと出ていけー!!」 「ウルドラマンだけで十分なんだよ、このブタ肉マン!」 口汚い言葉が、容赦なくキン肉マンに降り注ぐ。 ティアナの瞳に、怒りの炎が灯る。 結果は、決して芳しいものではない。 だからといって、彼の賭けた命を嘲笑うのは、絶対に許されることではなかった。 クロスミラージュのグリップを握る手に、力が籠る。 「あなたたち……っ!」 だが、ティアナが反論する前に、満足した彼等は何処へやらと走り去って行ってしまった。 まさか、その背中を撃つ訳にもいかない。 怒りを自身に閉じ込めたまま、ティアナは見送るしかなかった。 後頭部を擦りながら、キン肉マンが肩に手を置く。 大きく、そして存外に暖かい手だった。 振り返り見上げた顔は、依然笑顔のままだった。 「ま、とにかく危機は去ったし、牛丼食べにいくかのう!」 少しニンニクの匂いのする呵呵大笑に、ティアナは怒りを溜息と共に霧散させた。 本人が気にしていないのなら、自分が怒ったところでしょうがない。 歩道に戻り、先を行く彼の後頭部には、痛々しくたんこぶが膨れていた。 U字型カウンターの右側に並ぶ座席に、キン肉マンとティアナは腰を下ろした。 狭い店内は、厨房から漂ってくる肉やタレの香りが充満している。 ティアナの腹が、鳴りはしないものの空腹を訴えてくる。 何処に居ようと、腹は減るものだ。 「親父! 大盛りツユ少なめ二つで!」 キン肉マンが、威勢の良い声でカウンターの中の店員に注文する。 「そういうセリフは、ちゃんと金払ってから言いやがれ。しかも、今日は二人分だしよ」 厳つい顔をした中年男性が、舌打ちを交えて返した。 丼に飯を盛られ、その上にタレに漬けられた牛肉と玉ねぎが手際よく乗せられていく。 口の悪さは、馴染みの深さと比例したものだろうか。 「まあ、お前みたいなダメ超人から金もらっちゃ、ウチもお終いだがな。ほら」 「おお……すまんのう。はいティアナちゃん」 自分の分の丼を受け取り、ティアナはカウンターの上に置いた。 隣を見ると、キン肉マンは既に猛烈な勢いで牛丼を口の中に掻き込んでいる。 食欲は、体格に正確に比例しているようだ。 ティアナは割り箸を割ると、慎ましく牛丼を口に運んだ。 食事をしながら、ティアナは考えていた。 ミッドチルダに帰還する方法ではなく、キン肉マンについて、である。 (ダメ超人……か) 先程から、過剰なほどに飛び交う言葉。 これはどうも、キン肉マンを語るには外すことのできない要素らしい。 直接聞いた訳ではないが、ティアナはここがどういった世界なのか、少しだが分かってきた。 まず怪獣・宇宙人。 この世界―――この星と言った方が正しいか、定期的に侵略者が現れては暴れ回るらしい。 あのミラージュ星人も、その中の一人なのだろう。 そして、超人。 怪獣や宇宙人への対抗存在。 彼等は世界各国に存在するらしく、この日本という国にはウルドラマン、そしてキン肉マンの二人が駐在している。 キン肉マンがダメ超人と呼ばれているのは、その対抗存在としての役割を果たしていないからだった。 先程のように、怪獣や宇宙人に踏み潰されたことも少なくはないのだろう。 ダメ超人というあだ名以上に、人々のキン肉マンへの蔑みは、より熾烈であるに思えた。 (やる気は、すごくあるのに) 侮辱された怒りもあるだろうが、それだけでは自分の何十倍もの大きさの相手に戦いを挑むには、少しばかり足りない。 事実、少年が踏み潰されそうなった時の剣幕は、目を見張るものがあった。 あれを戦闘で出し切れたならば、きっと怪獣や宇宙人など敵ではあるまい。 出し切れれば、だが。 ティアナには、キン肉マンが他人ではないように思えてきた。 使命感が燃えるばかりで、空回りし結果には響かない。 姿形が違うだけの、まるで鏡映しである。 「………あの、キン肉マンさん」 「ん?」 キン肉マンが牛丼を食う手を止める。 丼の中は、既に八割が彼の胃の腑に消えていた。 ティアナは一拍間を置いて、再び言の葉を紡ぐ。 「あなたは、なんで怪獣と戦ってるんですか?」 「なんでって」 「辛くないですか? がんばってもがんばっても報われないで、あんなに馬鹿にされて……」 それは、ティアナ自身への問いでもあった。 鏡映しを通して、自らに語りかけているのだ。 報われることのない戦いに、意味はあるのか、と。 いっそ、やめてしまえば楽になれるのではないか、と。 キン肉マンは、少し、ほんの少し考えてから答えた。 「私は幼いころ、地球に捨てられたのだ」 その時の驚愕を、ティアナは生涯忘れないだろう。 たらこ唇が語り出す、それは悲劇だった。 「親の顔も故郷の星も、私は知らん。だからこの地球は、私にとって無二の故郷なんだ」 だから、命に変えても守らなければならない。 そう言って、キン肉マンは牛丼の残りを食べた。 ウルドラマンは、法事で自分の星に帰ると言っていた。 だが―――キン肉マンはここだけだ。 捨てられた忌まわしき場所である地球だけが、ただ一つの故郷なのだ。 だが、それだけでは納得がいかなかった。 自分を馬鹿にするだけの故郷を、どうして守らなければならないのだろう。 辛いことばかりの筈の星である。 ティアナだったら、とうの昔にこの星を出て新天地を目指していたかも知れない。 疑問を察したかのように、口元を拭ったキン肉マンは、満面の笑みを見せた。 「それに、がんばっていればいつかはスーパーヒーローになれる日が来ると、私は信じとるからのう!」 がんばっていれば、いつかはスーパーヒーローになれる。 いつかは、皆に認めてもらえる、と。 聞き入っていたティアナは、その言葉が心に深く刻み込まれるのを感じていた。 口にするだけならば誰でもできる陳腐さも、体を張ってそれを証明しようとしてる男は噛み砕いて消してしまうのだろうか。 これまで受けた千の励ましを押し退けて、ティアナの内部を占めるようだった。 その時、天地どよもす轟音と共に、牛丼屋が大きく揺れた。 「な、なんだ!?」 椅子から転げ落ちたキン肉マンが、新たに膨れ上がったたんこぶを撫でながら立ち上がる。 ティアナも座を立ち、窓に駆け寄った。 硝子の表面が、断続的に震えていた。 そしてそれは、一秒ごとに強まっていく。 まるで、巨大な何かが地表を歩いているかのようだった。 ………巨大な何か。この世界では、心辺りがあり過ぎた。 (まさか、怪獣?) ミラージュ星人が退治されてから、まだ一時間も経ってはいない。 侵略者たちの予定を知っている訳ではないが、立て続けに何度も、ということはあるのだろうか。 キン肉マンに尋ねようとしたティアナは、振り上げようとした頭を窓の外に向けた。 突如、震動が止んだのだ。 牛丼屋の車道を挟んだ正面は、貸しテナントを募集しているビルである。 一体、何が何処にいるのか。 思う間もなく、赤い閃光がティアナの視界を満たした。 直後、先程より音量を増した轟音が鼓膜を貫く。 「くっ!?」 ティアナはとっさに腕を上げて目を保護し 、キン肉マンはオアーと言ってひっくり返った。 閃光はすぐに消えた。 そして正面のビルもまた、見る影も無く消滅していた。 凄まじい威力の破壊光線である。 僅かに残留したコンクリートと鉄骨の破片を踏み締めたのは、鏡のような色をした、細く巨大な足だった。 形状は、人間のそれに酷似している。 立ち昇る黒煙を突き破り、足の主が全貌を現した。 鏡のように磨き抜かれた体表の、不気味に痩せた人型。 目も鼻も無い、ただ口に当たる箇所に赤いスリットがあるだけの顔。 「ミ、ミラージュ星人だと!?」 上半身を起こしたキン肉マンが驚愕に叫ぶ。 立て続けに二度が、その上同じ侵略者である。 同種が復讐に馳せ参じたか、何らかの理由で蘇ったのか。 とにも、地球征服の野望は変わらないままのようだった。 キン肉マンが泳ぐように外に飛び出し、ティアナもその後を追った。 「やいミラージュ星人! お前、ウルドラマンにやられたんじゃなかったのか!?」 目の前で喚くキン肉マンに気づき、ミラージュ星人が少しく愉快げな声で答えた。 「俺達は生涯に一度、自分と全く同じ分身を生み出せるのだ。本体はやられたが、地球侵略は俺が引き継いだ」 同種どころか、同一の存在である。 かつてスカリエッティはナンバーズの胎内に自らのクローンを仕込んでいたが、ミラージュ星人はその上を行っていた。 時空の海は、まだまだ広い。 「今、ウルドラマンは自分の星に帰っている。その隙に、まずは日本をいただきだ」 街は、再び悲鳴に満ちていた。 ミラージュ星人の言うとおり、今、日本の守護者はキン肉マンしかいないのである。 少しでも侵略者から離れようという人々に、希望は無いも同然であった。 ―――かくなる上は、自分が。 勝てる筈がない。 だが、人々が避難するための手助けにはなるだろう。 ティアナはクロスミラージュのグリップを握った。 しかし、それを制すキン肉マンの左腕。 「こいつとは、私が戦う」 「でも……っ!」 勝つ見込みがないのは、ダメ超人と呼ばれる彼も同じ筈である。 事実、少年を庇ってのこととはいえ、キン肉マンはミラージュ星人に敗れたばかりなのだ。 いやそもそも、この体格差では戦いにもならない。 せめて、ウルドラマンと同じ背ならば。 キン肉マンは、何処からともなくニンニクを数個、取り出した。 まるで、前回そのままだった。 再びミラージュ星人の足に潰されるキン肉マンを幻視したティアナだったが、今回はここからが違った。 キン肉マンが、ニンニクを口の中に放り込む。 噛まず、丸飲みである。 彼の喉がぐびりと動き、ニンニクは胃の腑に落ちたようだった。 直後起きたことに、ティアナは我が目を疑った。 姿はそのままに、キン肉マンが巨大化していく。 それこそ魔法のように、見る間にミラージュ星人と真正面から顔を向け合う巨体となった。 昼を僅かに過ぎ、西に傾き始めた日輪の輝きを受け、二体の巨人が対峙する。 「トオッ!」 先手はキン肉マンだった。 雄々しく気合いを発し、拳を突き出す。 が、ミラージュ星人はひょろりとした体型には見合わぬ怪力で、それを軽々と受け止めた。 逆に振り出された鏡色の手に顔面を殴打され、キン肉マンの鼻から血が滴った。 怯まず、ミラージュ星人の顎に向けて爪先を放つ。 距離を見誤ったか見事に空を切り、転倒しそうになった挙句、再び顔面に平手を喰らう。 肉が弾ける音が鳴る度に、キン肉マンの顔は腫れ上がっていった。 巨大化して戦闘の条件が同じになると、今度は地力の差が透けて見えるようだった。 つまりキン肉マンは、本当に弱いのである。 「ヌオオ……」 蓄積したダメージに、キン肉マンの足がふらつき始める。 表情のない筈のミラージュ星人の顔に、笑みが浮かんだ気がした。 肘を背中側に引くと、指を槍の様に束ねる。 そしてキン肉マンの胸目掛けて、一息に突き出した。 「!!」 ティアナの目が見開かれる。 避けられる一撃とは思えなかった。 しかしキン肉マンは、左右から挟み込むように手首を掴み、薄皮一枚の所で止めていた。 間一髪、である。 そのまま腕を上半身ごと横に振り、ミラージュ星人を投げ飛ばす。 「そりゃあ!」 ミラージュ星人の巨体が、広い車道に倒れた。 アスファルトが罅割れ、破片がそこかしこに撥ねる。 それを避けると同時に、ティアナは両者から離れた。 自分が邪魔となり、ただでさえ弱いキン肉マンが実力を発揮できなくなる事態を防ぐためである。 ビルの影は、いつ崩れてくるか分からない。 ティアナはキン肉マンの後方、車の打ち捨てられた車道をどこまでも駆けた。 振り返ってみると、ミラージュ星人が立ち上がろうとしていた。 投げられた程度で終わりなら、そもそも地球侵略など企てまい。 「おのれ、キン肉マン。貴様如きにやられては種族の恥だ」 ミラージュ星人の顔に刻まれたスリットが、赤く発光し始めた。 おそらく、先程ビルを粉砕した破壊光線を放つつもりなのだろう。 車道脇に逃げるのが安全かも知れない。 進路を変えようとしたティアナの耳に、多分に恐怖を孕んだ叫び声が聞こえてきた。 どうやら、逃げ遅れがいるようである。 首を振り向けた先には、知った顔が三つばかり並んでいた。 「あれは……!」 それは、紛れもなくキン肉マンに投石し、侮辱した三人組だった。 三人とも土埃に塗れ、服には血が滲んでいた。 ビルの爆発に巻き込まれたらしく、互いに肩を貸し合い、亀の速度ではあるがどうにか歩いている。 キン肉マンがミラージュ星人と闘っている間に、逃げようとしていたのは明白だった。 が、致命的なまでに位置が悪かった。 三人組は、キン肉マンのほぼ真後ろに来ている。 もし彼が破壊光線を避ければ、命が三つ、消し飛んで無くなるかも知れない。 「キン肉マンさん!」 ティアナは来た道を走って戻りながら、キン肉マンに呼び掛けた。 侮辱の償いを、命で支払わせようとは思わない。 振り向き、そして後ろの三人組に気づいたか、肉の文字が刻まれた額に皺が寄った。 「隙ありだ!」 ミラージュ星人の顔のスリットから、閃光が迸る。 大気が熱を孕むのを、ティアナは肌で感じた。 光線は、直撃せずとも至近距離にいれば、人間など余熱でどうにでもできる威力のようだった。 「ぐおおおおっ!」 キン肉マンが腕を突き出すが、赤光は無情に皮膚を焼いてゆく。 それでも、彼は破壊光線の威力をを僅かでも自身の後ろに及ばせることはなかった。 その証拠に、三人組は熱がってはいるものの生きている。 キン肉マンの死力を、無駄にすることはできない。 三人組に駆け寄ると、ティアナはその体を支えた。 「あ、あんたは……」 「はやく逃げなさい! あの人の邪魔になる!」 喝を飛ばし半ば引き摺り、比較的三人組を戦火の及ばない場所に連れて行く。 キン肉マンが地響きを立てて崩れ落ちたのは、閃光が消え、ティアナが戻ってきたのとほぼ同時だった。 腕の皮膚は焼け焦げて白煙を上げ、胸にも痛々しい火傷がある。 人間ならば接触するまでもなく消滅していた、それはやはり超人の肉体だった。 だが、痛くないということはないのである。 ティアナはか細い苦鳴を上げるキン肉マンに駆け寄った。 足音に気づき、瞳が動いて少女を捉える。 「おお、ティアナちゃん……危ないから、離れてるんだ」 この後に及んで、心配はティアナへのものである。 キン肉マンは、優しすぎる程に優しかった。 ティアナは奥歯を噛んだ。 これから紡ぐ言葉は、彼の覚悟の否定になるかも知れない。 「キン肉マンさん、ここは一旦退きましょう」 「……?」 「このままじゃ殺されてしまいます。体力の回復を待つか、ウルドラマンを……」 皆まで言う前に、キン肉マンは苦しげに首を振った。 横に、だった。 「ティアナちゃん、それはできない」 肘と手をアスファルトにつけ、キン肉マンの巨体が起き上がる。 それだけで風が起き、ティアナのツインテールを弄んで逃げた。 「ウルドラマンが帰ってくるまで、ミラージュ星人は暴れるだろう。そうなったら、たくさんの人が死んでしまう。それを見て見ぬふりをするなんて、私にはできない」 足裏が地を踏み、曲がった間接が伸び、キン肉マンを立たせる。 膝に、震えが著しい。 体力の消耗、死への恐怖、あるいは両方か。 とにも、キン肉マンは立ち上がった。 ミラージュ星人と戦うために。 その姿は醜い容姿と合わせ、汚れに塗れて決して美しいものとは言えない。 だが、そこには美醜を超越して輝く何かが在った。 命ぎりぎりの所にしかない、何かが。 「遺言はそれで終わりか?」 冷酷そのものの声が降る。 見上げたミラージュ星人のスリットに、再び赤光が灯っていた。 弱った獲物に、止めの一矢を撃ち込むつもりだろう。 そしてこのままでは……それはおそらく、成功する。 ティアナは、クロスミラージュの引き金に指を掛けた。 「やるわよ、クロスミラージュ」 渾身の力を掻き集め、両足で立つキン肉マン。 スリットにエネルギーを蓄積させるミラージュ星人。 誰かの声が、両者の間を割った。 「あっ! ウルドラマンだ!」 誰よりも早く反応を示したのは、ミラージュ星人だった。 ウルドラマンは不在で、残りは弱いキン肉マンしかいない。 その万全を以て、二度目は無い命で地球侵略を引き継いだのである。 万全が崩れては、本体が犠牲になった意味がない。 ミラージュ星人はつるりとした頭を振り、ウルドラマンの姿を探した。 傷ついたキン肉マンなど、後でどうにでも料理できる。 赤と銀の超人が、威風堂々と仁王立ちしているのは、ミラージュ星人の後方の空だった。 何の感情を示してか声を発することなく、侵略者を瞳の無い目で見降ろしている。 「おのれ! もう戻ってきたか!」 ミラージュ星人の顔面部のスリットから、破壊光線が放たれた。 周囲の大気を焼き焦がし、真紅の一条がウルドラマンに向かう。 キン肉マンがあっと悲鳴を上げるのと同時に、ウルドラマンの胸を破壊光線が貫いた。 赤と銀の超人は身動ぎもせず、声の一つも上げぬまま、まるで風船のように破裂した。 しかし風船と違って音もなく、破片さえ残らなかった。 手応えのないことに、ミラージュ星人が戸惑う。 その細い顎に、光弾の群れが衝突した。 「むっ!?」 光弾は、ミラージュ星人から見れば豆粒以下だった。 通用などしないが、飛び回る蝿とは、うっとおしいものである。 ミラージュ星人が顎を引くと、足元に二丁拳銃を構えた少女がいた。 フェイク・シルエットは、幻影を作り出す魔法である。 それは自分自身の似姿のみではなく、見たことのある物で記憶に鮮明ならば、生物無生物関係無しに作り出すことができた。 しかしそれがウルドラマン程巨大になると、魔力の消費は比例して大きい。 ミラージュ星人の顎を騒がせた魔法弾は、残った魔力をどうにか掻き集めた数発だった。 ミラージュ星人の敵意がこちらに向いても、大した抵抗はできない。 落ちてる石を投げ付けるのが精々だろうか。 「それでも、かまわない」 例え万全の状態であっても歯が立たないだろう巨人に、ティアナは壮絶な笑みを浮かべて対峙していた。 逃げようとは、もう思わない。 自暴自棄になったわけでもない。 ただ、最後まで諦めないだけだ。 その果てに芽吹くかも知れない何かのために、真剣に命を賭ける男がいる。 だから、ティアナも信じてみることにしたのだ。 がんばっていれば、いつかスーパーヒーローになれると。 「おのれ、毛の無い猿め!」 思わぬ攻撃に激昂したミラージュ星人が右足を上げた。 キン肉マンが耐えられたからといって、自分が無事に済むとは思えない。 妥当な所で、アスファルトの染みか。 不思議と、ティアナの心に恐怖は無かった。 足の裏を一刺ししてやれば驚くくらいはするだろうか。 そんなことを思っていた。 しかし、ティアナは染みにもならなかったし、足の裏を刺す必要もなかった。 ミラージュ星人の胴を、突如後ろから伸びた二本の腕が抱き締めた。 キン肉マンの腕だった。 ミラージュ星人の細い腰が、みしりと軋む。 「ぐっ……どこにそんな力が!」 ミラージュ星人が肘を頭に打ちつけようと、どれだけ暴れようと、キン肉マンは拘束を解こうとはしなかった。 まるで荒波の中に突き出た岩のように、微動だにしない。 単純な力においても、キン肉マンはミラージュ星人に劣っていた筈である。 先程までのキン肉マンとは、何かが違う。 巨人の足から逃れたティアナは、再び彼の背から燃え上がる炎を幻視していた。 焼き尽くす灼熱では無い。 皮膚を突き抜け、魂にまで熱を伝導させる命の爆熱。 ――――火事場のクソ力。 四十八の殺人技の一つキン肉バスターと並び、キン肉マンの代名詞となる能力である。 超人ならば誰にでも眠る、戦う本能の発露。 キン肉マン……キン肉スグルを始めとし、キン肉族はそれを操ることに長けた種族だった。 だがこの頃のキン肉マンは、その名称さえ知らない。 自身にそんな能力が眠っている事実さえ知らない。 ただ、自分の体に力が漲っている。 ティアナを救えた。 それだけが重要だった。 「屁のツッパリは……」 ミラージュ星人を両の腕で抱き締めたまま、キン肉マンの背が反れる。 「いらんですよ!」 弧を描いて、ミラージュ星人の頭がアスファルトと散らして地面に叩き付けられた。 ジャーマン・スープレックス・ホールド。 ティアナも、知識としては知っている技だった。 プロレスの試合ならばこのままフォールするところだが、ここはリングではなく審判もいない。 キン肉マンはすかさず拘束を解くと、ミラージュ星人の前に回った。 プロレスについて素人であるティアナの目にも、キン肉マンのジャーマン・スープレックスは見事だった。 致命傷では無いにせよダメージは大きいらしく、立ち上がろうとするミラージュ星人の動きは鈍い。 「今だ!」 キン肉マンの腕が逆十字を形作る。 ティアナは、両者からより遠くに離れた。 ウルドラマンがミラージュ星人を倒した時と同じ気配を感じたのだ。 「くらえ! キン肉フラッシュ!」 逆十字の交差点から放たれた閃光が、ミラージュ星人の全身を包み込む。 鏡の表皮は、光を撥ねることなくみるみる内に罅割れていった。 皹から命が抜け出ていくようにも見えた。 「なぜ……こんな、ダメ超人に!」 断末魔さえ、光の中に消えてゆく。 ミラージュ星人がキン肉マンに劣る部分を探すのは難しい。 ただそれでも、彼は諦めなかっただけだ。 そしてそれが何にも勝る武器であると、キン肉マンは証明してしまった。 罅割れがスリットにまで及んだ瞬間、ミラージュ星人の体が粉々に砕け散った。 無数の鏡の破片が舞い飛び、地に落ちる前に消えていく。 まるで粉雪のようだった。 都会に似合わぬ、いや都会だからこそ映えて見えるのか、幻想的な光景は地球がキン肉マンを祝福しているかのようだった。 「キン肉マンさん!」 戦いは終わった。 ティアナが駆け寄ると、キン肉マンの体が元の身長に縮んだ。 間近で見ると、やはり鼻血の跡、火傷が痛々しい。 しかしそれは同時に、勇士の勲章でもあった。 キン肉マンが、誇るように厚い胸板を拳で叩く。 どんと中身の詰まった鈍い音がした。 「わっはっはっ! 楽勝、楽勝!」 下手をすれば、命を落としていた窮地である。 それでもなお豪快に笑いを響かせるキン肉マンに、ティアナも釣られて口辺に笑みを寄せた。 彼には、人を惹きつける何かがあるように思える。 それに気付いているのは、まだ自分だけのようだが。 「でも、ティアナちゃんもすごかったのう。女の子なのに宇宙人に立ち向かうなんて」 「いえ。私だけの力じゃありませんから。クロスミラージュと、それに……」 言葉の最後を、ティアナは微笑みでぼかした。 キン肉マンが怪訝に目を丸くする。 言わずもがなであることは、彼の後ろに立つ三人組が教えてくれるからである。 「あの……キン肉マン」 中心の一人に声をかけられ、キン肉マンが振り返る。 その時肩が大きく震えたのは、石をぶつけられたのを忘れていないからだろう。 怪獣を倒した後にただの人間に怯えるのが、実にキン肉マンらしいとティアナは思った。 出会って一日も経っていないというのに、彼という男はどこまでも心に染み渡る。 自分には無い資質を、以前なら嫉妬していたかも知れない。 三人組は、少し恥ずかしげな様子を見せると、揃って頭を下げた。 「助けてくれて、ありがとう」 キン肉マンは、一瞬固まった。 普段言われ慣れていない言葉は、理解するのに時間が要るのだろう。 しかし、ティアナは確信していた。 何時の日か必ず、キン肉マンはスーパーヒーローになる。 彼に降り注ぐのは、罵倒では無く大歓声となるだろう。 それを見届ける時間は、ティアナに残されていなかった。 ふと振動を感じて体を探ると、懐中時計の針が激しく回転していた。 クラナガンの廃工場からこの世界にやって来た時と同じである。 ミッドチルダに戻されるのだと、ティアナは何故か理解していた。 「ティアナちゃん……帰ってしまうのか……」 察したキン肉マンの声が、寂しさを孕む。 ティアナは頷いて返した。 管理外世界である以上、今回のようなことがない限り、訪れることはないだろう。 ほんの数時間居ただけの世界が、やけに名残惜しい。 目尻を下げていたキン肉マンは、首を振って何かを追い払うと、男臭く笑った。 「私はティアナちゃんのこと忘れないぞ。ミッド……なんとかでもがんばれ!」 「はい。私も、絶対忘れません」 涙の別れは、きっと彼には似合わない。 自分の体が光の中に消えるまで、ティアナはキン肉マンの笑顔を胸に刻み込んでいた。 行くにしても帰るにしても、自らを取り巻く世界が一瞬で変わる奇妙には慣れない。 薄暗く、埃っぽい空間に放り出されたティアナは周囲を見流した。 薄汚れた埃塗れの床に、錆び付いた鉄パイプと罅割れたコンクリートが絡み合った壁。 ティアナは廃工場に戻ってきていた。 それもおそらく、最悪の状況の中に。 背には、今はもう動かない作業機械。 その向こうには、殺気だった気配が二つ。 ティアナが、キン肉マンの世界へ飛ばされる直前の構図である。 懐中時計には世界を超えるだけではなく、時間さえ巻き戻す効果があったのだ。 同じままに時が進むのなら、じきに手榴弾が投げ込まれる筈だった。 (あ、でも、フェイトさんが助けに来てくれるんだ……) 直後に、ティアナは甘い考えを頭から追い払った。 どうせ助けてもらえる? 唾棄すべき、である。 自ら戦うことを諦めろと、キン肉マンから習った覚えはない。 このまま、自ら何の手も打たず 記憶の筋書き通りにしてしまえば、自分にクロスミラージュを握る資格などないのである。 ティアナは、相棒のグリップを固く握り締めた。 (弱い考えは、もうやめよう。スーパーヒーローには、きっと似合わないから) ティアナが決意を固めた、その時である。 何か固い物が床を転がる音がした。 音は、ティアナの隣で止まった。 深緑の、でこぼことした球体。 それは分かれ道だった。 「やるしか、ないわね」 ティアナは引き金を絞った。 銃口から飛び出した威力低めに光弾が、手榴弾を弾く。 と同時に、ティアナは伏せた。 爆発寸前だった手榴弾は宙に浮き上がると、一秒後に爆炎と鉄片を撒き散らした。 頬や耳を掠める痛みに奥歯を噛みながら、ティアナが立ち上がる。 男達の注目は、まだ爆発に寄せられている筈である。 爆発の残滓とは逆の方向に跳び、両手の拳銃型デバイスを構える。 作業機械の影から出ると案の定、男達は固まっていた。 一度筋書きを変えた以上、この機を逃せば、待っているのは十全の死であるかも知れない。 ティアナが引き金を四度引いたのと、気付いた男達が機関銃の銃口を向けてきたのは、ほぼ同時だった。 最初の二発が、機関銃を破壊し鉄屑に変える。 待つほどもなく、残りの二発が男達の顔面を粉砕した。 といって、非殺傷設定である。 二人の男の命に別状はなく、鼻を顔の中に埋めて気を失うだけで済んだ。 ティアナは黒いスーツを手で探り、武器となりそうな物を没収すると、男達が完全に気絶していることを確認した。 バインドは使えないが、フェイトに拘束してもらえばいい。 とりあえず、この場は片付いた。 突如、ティアナの膝が折れる。 クロスミラージュのグリップを握る手が、今になって震えていた。 敵の無力化は、時間にすれば一分にも満たない。 ただし、極限まで張り詰めた一分である。 過ぎれば緩むが当然だった。 (まあ、でも……巨大宇宙人よりは楽だったかも) 「大丈夫? ティアナ」 振り向くと、駆け付けてきたフェイトの心配げな顔があった。 変わらない言葉に、ティアナは苦笑を漏らす。 ティアナの体に傷のないことを確認したフェイトは、気絶した男達に目を向けた。 片手間にバルディッシュ 「がんばったみたいだね。あれ、その時計は?」 声はティアナの足元を這った。 見れば、古びた懐中時計が床に転がっている。 何かの拍子に落ちたのだろう。 拾い上げ、息を吹きかけて纏わりついた埃を追い払う。 針が少しでも動くことは無かった。 あの時、何故このロストロギアが作動したのか。 その条件は一体何なのか。 持ち帰って調べてもらえば分かるかも知れない。 それでもきっと、再びキン肉マンに出会うことはできないのだろうけど。 「スーパーヒーロー……は、ちょっと恥ずかしいけど。私なりに夢に向かってがんばります」 怪訝に首を傾げたフェイトに、さてどう説明したものか。 作者ページへ 短編目次へ