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(自分の他のクリーチャー1体にクロスハートするには、クリーチャーの下に交差させて重ねる。クロスハートされたクリーチャーに、このカードのXH能力を与える。クロスハート中、このカードはクリーチャーとして扱わない) クリーチャーをクロスギアのように扱えるシステム。永雄編においてはクロスギア・マスコットが持つ。 クロスハートしていない間はサバイバー同様、XH能力を持っているクリーチャー自身が使える。 また、クロスハートはジュバクロスや共有クロスなどと同様にクロスカテゴリに入るため、種族にクロスギアさえ持っていればアクセル能力などのクロス時効果を使うことができる。 作者:切札初那
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クロスベル市 Crossbell City 基本情報 クロスベル市 Crossbell City クロスベル市全景(1204年) 碧の軌跡より 略名 クロスベル 国 - 地方 - 州 クロスベル自治州 人口 約500,000人 行政 行政官庁 クロスベル市役所 首長 クロスベル市長ディーター・クロイス 起源 中世以前 関連組織 クロスベル自治州政府 クロスベル自治州 クロスベル市(-し、Crossbell City)とは、クロスベル自治州中央部に位置し、同州の中心となっている都市である。 都市名の由来は州名と同じく『鐘が交差する地』を意味すると思われる。 概要 人口50万人を抱える大陸有数の大都市であり、巨大な交易・金融都市として栄えている。 クロスベル市を超える規模を持つ都市は大陸西部の二大国であるエレボニア帝国の帝都ヘイムダルか、カルバード共和国の首都ぐらいの模様。 なお、市街地の地下にはジオフロントと呼ばれる巨大な地下施設が建造されているが、市の予算の関係上、一時的に計画は中断されており現状では市の管理があまり行き届いてはない。 行政区分 中央広場 クロスベル市の中心部。 百貨店やオーバルストア等の商業施設が充実している。 行政区 市役所や警察本部、市立図書館等の行政機関やそれに関連する施設が多い。 クロスベル市の政治的中心部。 港湾区 IBCやクロスベル通信社等の企業が事業所を構えるオフィス街。 保養地ミシュラムへの水上バスが出る桟橋もこの区にある。 歓楽街 劇団《アルカンシェル》やカジノ、高級ホテルが軒を連ねる繁華街。 観光客が多い。 住宅街 市民の中でも上流階級の人々が多く住む高級住宅街。 旧市街 市の開発から取り残された旧市街。 住民の多くが貧困層であり、治安が悪い。 西通り 主に中産階級の市民が多く住む通り。 高級住宅街である住宅街とも近いため、クロスベル市内でも治安が比較的良い。 東通り カルバード共和国をはじめとする東方からの移民が多い通り。 その為、街並みも東方風となっている。 駅前通り クロスベルの玄関口。 裏通り 中央広場と歓楽街を結ぶ裏通り。 マフィアの本拠地があったりと治安は良くない。 政治・行政 治安維持 市内・行政区に本部を置くクロスベル警察によって担われている。 遊撃士協会の支部も東通りに存在しており、所属する遊撃士も一流揃いである。 経済 企業 IBC(クロスベル国際銀行) クロスベル通信社 劇団《アルカンシェル》 クリムゾン商会 ルバーチェ商会 黒月貿易公司 交通 鉄道 道路 主要街道 航空 海運 市民 宗教 教育 文化 食文化 文学 音楽 祝祭日 スポーツ クロスベル市の店の一覧 中央広場 百貨店《タイムズ》 《リジョンフード》 《雑貨コーナー》 ブティック《ルッカ》 アクセサリ《ベイカー》 《ハンソンシューズ》 オーバルストア《ゲンテン》 《ジロンド武器商会》 カフェレストラン《ヴァンセット》 行政区 クロマのジューススタンド 港湾区 麺処《オーゼル》 歓楽街 《ホテル・ミレニアム》 カジノハウス《バルカ》 ソフィーユのアイスクリーム屋 旧市街 交換屋《ナインヴァリ》 修理屋《ギヨーム工房》 西通り ベーカリーカフェ《モルジュ》 《タリーズ商店》 東通り 釣公師団・クロスベル支部 釣皇倶楽部 《龍老飯店》 《工芸屋クロンク》 《フレッシュ・ディンズ》 駅前通り 裏通り オルキスタワー IBC クロスベル市のキャラクター 出身の人物 ハロルド・ヘイワース レン・ブライト 市民 クロスベル自治州(キャラクター)/クロスベル市内 このページに登録されているタグ クロスベル市 クロスベル自治州 地名 都市
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クリーチャー側 ■パラドクロス(このカードはクロスギアの下にパラドクロスしてもよい。そうしたら、そのクロスギアにこのクリーチャーの能力を追加し、1枚のクロスギアとして扱う。) クロスギア側 ■パラドクロス(このカードはクリーチャーの上にパラドクロスしてもよい。そうしたら、そのクリーチャーの能力をこのクロスギアに追加し、1枚のクロスギアとして扱う。) 作者:切札初那
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な、何よ!言っとくけどね、私に酷いことしたら、兎の霊ちゃんたちが黙ってないんだからね! ラビットネクロマンサー PP3 ブロンズレア 進化前 ラストワード:相手のリーダーに2ダメージ。 3/2 進化後 5/4 概要 ネクロマンサーの隠れたぶっ壊れカード。呼称はおマンサー等々。 3/3/2という前のめりなスペックも優秀だが、特筆すべきはラストワード:相手リーダーに2点ダメージ。 無視すれば3点の攻撃力、フォロワーで討ちとっても2ダメージを受けた上に盤面をほぼ確実に減らされるという理不尽。 このせいで実質的なスペックは3/5/2と言ってもよい。正直ネクロを消費せずに使っていい効果じゃないとおもう コストが3という部分も地味に大きく、後攻で生き残れば進化して5点を叩きこむ流れをスムーズに行える。 ウルズとの相性も抜群によく、リーダーを殴る→ウルズで破壊&再生→進化して敵フォロワーと相打ちで合計7ダメージを叩きこむ残虐コンボがあったりする。 3コストのフォロワーが与える威圧感で言えば杉田のプリズンドラゴンといい勝負である。この子ブロンズレアっすよね…? だいたいどんなデッキにも2積み以上されていることから優秀さが伺い知れる。 欠点はラストワード持ちに共通するバウンス・消滅・変化。 とは言っても元々のコストが安いため、除去する側は貴重な札を「切らされた」という印象を持つことが多い。 他のカードに使うべきだった除去札を吸い込む避雷針としても優秀だと言える。 イラストは3匹のおまんゴーストを使役している。微妙に顔がこわい 進化後もおまんゴーストは共通だが本人の表情がやや明るくなっている。 一匹一匹は小さくても、くっつきあえばこぉんなに大きくなれるのよ!兎の霊だからって、舐めてると痛い目見るからね! 名前 コメント
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ネクロマンサーレベル1 僕「こんにちはゾンビのおねーさん!僕ネクロマンサー!」 屍「死にたいの、ボウヤ?」 僕「ううん、おねーさんを仲魔にしにきたんだ」 屍「身の程知らずね」 僕「まだLV1だけど、お師匠から教わったオフダもあるし!」 屍「そう」 僕「えいっ!くらえっ!」 屍「…………」 僕「……効いた?」 屍「全然」 僕「ええ?どーして?」 屍「どーしてじゃないわよ。その御札、字が間違ってるわ」 僕「え?どこ?」 屍「まったく…ほら、ここ」 僕「あ…ホントだ!ありがとうおねーさん!」 屍「うるさいわね。殺すわよ」 僕「じゃあ、こんどこそ!」 屍「…………」 僕「…………」 屍「…どうしたの」 僕「ううん、やっぱりいいや」 屍「何が」 僕「僕、魔王退治に行くんだ」 屍「無謀ね」 僕「うん。そんな危ない所におねーさんを連れていけないよ」 屍「LV1のくせに何様のつもり?」 僕「大丈夫だよ。僕、もっと強くなるから!」 屍「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」 僕「じゃあね!ありがとうおねーさん!」 屍「……あああ…私、なんでこうなるかなあ……」 僕「えへへ。負けちゃった」 屍「そりゃそうでしょうよLV1」 僕「だれも仲魔になってくれなかったし」 屍「ネクロマンサーの才能ないわね」 僕「うぐ…で、でも!お、オフダもあるし!」 屍「また間違ってる」 僕「え?どこ?」 屍「ここ」 僕「あ、そっか」 屍「バカじゃないの」 僕「うぐっ…だ、だって、お、お師匠、死んじゃったし…」 屍「…………」 僕「ほ、ほかにだれも…もう、い、いないし…っ!」 屍「…………」 僕「ぐすっ…えぐっ…」 屍「そんなの、言葉にした瞬間にボウヤの負けよ。…ああ、もしもし?私」 僕「ケータイ?だれ?」 屍「負け犬に構ってられないの。あっち行って」 僕「う…ご、ごめんね。ごめんね、おねーさん…」 屍「まったく……あ、こっちの話よ、魔王」 魔「あ、姐さん、ど、どのようなご用件で?」 屍「いますぐ体育館裏に来い」
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データ集 > アイテムデータ > 裁縫作成品 > 革鎧-クロス [← データ集 に戻る] 革鎧-クロス アドオン:証書状態で作成され、その証書をWクリックすることによって設置 インテリアデコレーターによって回転できます ※全て2Dクライアントでの画像です。 名称(日本語表記)名称(英語表記) 画像 高さ 補足 クロスアーム クロスシャツ クロスレッグ クロスキルト クロスアーム クロスシャツ クロスレッグ クロスキルト [← データ集 に戻る]
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前ページ次ページなのはクロスの作品集 『コード:NANAYA』 あの満月の夜、俺は彼女を見殺しにした。 全部終わったら、もう一回無駄なことをしようって約束したのに――――。 別れる前にもう一度こうして会おうって約束したのに――――。 俺が弱かったから―――。俺が守れなかったから―――。 彼女は俺の目の前で逝ってしまった。 アレから何年たっただろう? 彼女の遺志を継いだ俺は、彼女の代わりに蟻のように湧いてくる化け物どもを殺しまくった。 殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して 殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して 殺して殺して殺して――――。 『殺人貴』なんて面白くもない呼び名まで貰って、報われることのない殺戮劇を踊り続けた。 そして今、俺は血反吐を吐きながら空を見上げている。 あれから十数年もたつ。 元々弱かった体を酷使し続けてたんだ、こうなることはわかっていた。 やり残したことも、やるべきことも残ってない。 そろそろ退場の時間かな――――。 これでようやく――――彼女の元へ逝ける――――。 ああ---気がつかなかった。 こんやはこんなにも つきが、きれい――――だ―――――。 『コード:KIRUSURESU』 ・・・・・・これで、ようやく僕は死ねる。 無色の派閥から呪詛を受けたあの日、僕の運命は決まってしまった。 いつ起きるかわからない発作に苦しみながら、死ぬことが叶わない体。 生きていても仕方がないと、何度命を絶とうとしただろう。 刃物、毒・・・ありとあらゆる物を試した。 その度に、僕は死の苦しみを味わって―――何事もなかったようにベットで目を覚ました。 この運命を閉じる方法に気付いたのは、紅の暴君を手に入れたときだった。 魔剣を扱う適格者はもう一人いる。 この苦しみを終わらせるにはそいつに殺してもらうしかない。 ただの人間じゃどうやっても無理だ。同じだけの力を手に入れたあの女じゃないと。 それだけのために僕は島の皆を裏切って、あいつを剣の意思に飲み込ませた。 遅かった。 気付いたときには全てが手遅れで、あいつを庇った姉さんは僕らに殺され、 姉さんを殺した僕らもあいつに殺された。 間に合わなかった。 僕が怨んでいたのは、あなたじゃない。 必要のなくなった自分だと告げることも出来ずに、僕はあの人を逝かせてしまった。 後は、静かに滅んでいくだけだ。 望んだ未来と違ったとしても、もう引き返すことはできなかった。 そのつもりも無かった。 自分から居場所を捨てた僕に、何かを手にする資格はないのだから。 ・・・・・・ようやく、これで終わることが出来る。 でも、暴れまわる先生は、この島の皆はこれからどうなってしまうんだろう。 それだけが・・・僕の・・最後の・・・・・・ 『コード:A-TU』 失ったものは二度と帰ってこない。 理解はしてたさ。どうしようもない、仕方のないことだってのもわかってる。 世界を秤にかけるべき時に大事な人を選んでも、きっと彼女たちは喜ばなかっただろうから・・・。 でも、愛した人が隣にいない。 時がたつごとに、顔も、声も、思い出も、暖かさも頭から消えていく。 その寂しさは・・・・とても言葉じゃ言い表せなかった。 あれから幾歳月を経ようとも、失った心の傷はいえない。 こうして最後のときを迎えようとしている今も、頭をよぎるのはあのころの思い出だけだ。 帰ってこれる日常があった、あの頃の・・・・。 例え、どんな禁忌でもいい。輪廻の鎖から外れてもかまわない。 一目だけでいい。 生きている間に、もう一度だけでいいから会いたい。 ステラ、グリューネさん。 あなた達を守れなかった俺に、あなた達の傍へ逝く資格があるんでしょうか? 『コード:ZYENOBA』 俺、英雄になれたのかな? エリアスのことも、セフィロスのことも全部あいつに投げっぱなしだし。 お袋たちとも結局会わなかった。 シスネの本名も聞き忘れたまんまだ。 ・・・・・結局、全部中途半端か。 アンジール、ジェネシス・・・悪いな。 俺はまだ、そっちへはいけそうにない。 呼んでる奴がいるんだ、力が欲しいって。想いを途切れさせたくないって。 そいつなら、もしかしたら俺の心残りを満たしてくれるかもしれない。 だから、賭けてみたいんだ。 俺が、俺の信じた英雄でいるために・・・。 シン編第六話 『 セ イ オ ウ ノ ツ ル ギ 前編』 いつからそうしていたのだろうか。 気がつけば、何もかもが白い部屋で、シンはただ一人地面に座って『それ』を見ていた。 ふわふわと自分の周りを浮かぶ、小さなモニターに写る『夢』を・・・。 見知った人々が命を削りあう、幾つものモニターに写る『悪夢』を・・・。 いつから見ているのかもわからない。いつまで見ているのかもわからない。 シンはそこに座り、延々とそれを見続けていた。 それは現実であり、真実である夢。 それは世界の断片であり、世界の本来の姿。 シン「・・・・・なんだよ」 それはシンが機動六課にたどり着かなかった『歴史』であり、本当の意味でのなのはたちの『現実』。 それはスカリエッティが欲望のまま生き、管理局の腐敗は闇へと消えた、血と涙と戦いの『未来』。 シン「・・・・・何なんだよ!」 機動六課と地上本部は陥落し、ナンバーズとティアナ達が殺し合い、ギンガさんが操られ、ルーテシアとキャロたちが争い、 フェイトが傷つけられ、はやてが苦しみ、なのはがヴィヴィオを撃ち倒す『世界』。 そしてそれは、ドゥーエとゼスト、レジアス中将が命を落した『運命』。 シン「何なんだよ、これはぁっ!!!」 悔しさに拳を固めるシンを尻目に、画面内の彼女たちは一人また一人と傷つき倒れていく。 日常を一緒に過ごした人々が・・・この手で守ると誓った人々が、自分の手の届かないところで互いに殺し合っている。 なのに、そこには最初からシン・アスカは存在しない。 笑いあった日々も、泣いた日々も、励ましあった日々も、始めから存在していない。 幾ら声を荒げようと、画面に写る彼女達の苦しみは一向に止む気配がない。 叫び声も、嘆く声も何一つ変わらず流れ続けている。 その無言の答えを前に、シンの感情を溜め込むダムはあっけなく決壊した。 シン「くそ、もう・・・もうやめろおおおおっ!」 平常心を失ったシンは、固めたこぶしを映像を写す画面に向ける。 それが平行世界の現実なのか、それとも単なる作り物かなどどうでもいい。 ただ許せなかった、そんな現実があるという可能性が。 嘘でも真でも、彼女達が苦しむ世界など認めるわけにいかなかった。 何とかして映像を止めさせようとモニターに挑みかかるシンだったが、拳はモニターをあっさりすり抜けてしまう。 もんどりうって倒れかけた彼に宙に浮く画面たちはもう一度向きなおった。 まるで無力を見せ付けるように。 シン「何が! こんな『壊れた世界』を俺に見せて、一体何がしたいんだ! 俺じゃあ歴史は変えられないって、リインフォース一人すら守れないって ・・・そういいたいのかよ、ちくしょおおぉ!!」 拷問にも等しい悪夢を押し付けられながらも、力なき自分をかみ締めることしか出来ないシン。 ところが、誰に向けたわけでもない彼の叫びに答える声があった。 ?「『壊れた世界』?・・・違うね。そっちが『正常』なんだよ、シン・アスカ。彼女達の歩むのは『そっちの歴史』のはずだったんだから」 シン「・・・な!?」 聞いたことのない誰かの声が白い空間に響いたかと思うと、一瞬のうちに世界がひっくり返った。モニターは消え、白かった部屋が真っ暗に塗りつぶされていく。 シンの体も宙を舞い、気がつけば今まで天井だった場所に真っ逆さまに落下していた。 考える前に体が動く。 とっさに体を丸め、着地の瞬間に前転をすることで衝撃を前に分散させた。 何回か地面を転がったあと、ようやく衝撃を打ち消し終えたシンは痛む体を無理やり起こす。 シン「痛・・・まさかあんな訓練が役に立つなんて、帰ったらシグナム隊長にちゃんと御礼しとかないと。 それにしても・・・・どうなったんだ?」 恐る恐るまぶたを開いたシンの目に映ったのは、光源となるべきものが何一つない、周りの視界全てが闇に包まれた空間だった。 天井も壁も何一つ確認できない。 声も反響しないし、霧のせいで視界もきかない。 真っ白で光に満ち溢れていたさっきまでの部屋とは何もかもが逆さまだ。 シン(落とされた。いや、飛ばされたのか・・・・・!?) 何が起こったのかわからないまま呆然としていたシンは、背中に誰かの気配を感じて振り返った。 いや、正確に言えば気配ではない。 シンにはまだ武道の達人のような人の気配を感じる力はない。 もっと別の・・・口では言い表せない何かが、本人も気付かないうちにシンをその方向に導いたのだ。 ?「そして、君が消えた後起こる『必然』でもある」 そこから、あの部屋から飛ばされた時と同じ声が聞こえてきた。 やはりこの声の主がシンをここへ招きいれたのだろうか? シンは目を凝らして声がした方向を必死に探ろうとする。 しかし、誰かがいるのはわかるのだが、光すら遮る暗い霧のせいで人間であるかどうかでさえ掴めない。 シン「俺にあの映像を見せたのはあんたか。誰なんだ、あんたは!?」 ?「俺かい? 俺は君だよ、シン」 声の主が答えると同時に、彼の周りにある黒い霧が晴れていき、その姿がくっきりと浮かび上がってきた。 目に古そうな包帯を巻き、どこかの高校の制服を着ている自分と同年代くらいの男。 一見どこにでもいそうな普通の青少年のように見えるが、包帯の奥に隠された狂気とその身にまとう威圧感は まさに『死』そのものだ。 シン「あんたは・・・・『遠野 志貴』。・・・ってなんで!」 シンは自分の口にした答えに愕然とした。 これまで、ザフトや管理局で多くの人間と出会ったが、『遠野 志貴』という人物など聞いたことがない。 なのに、シンの脳裏に勝手にその名が浮かんできたのだ。 何の脈絡もなくである。 志貴「なんで『見たことも会ったこともない俺の名前がわかるのか?』かい?」 シン「・・・・・・・!!!」 志貴「そう驚かないでくれ。別にとって食おうって訳じゃないんだからさ」 シン(どうなってるんだ? そうだ、俺は『闇の書の闇』と戦ってたはずじゃ・・・ これは・・・・夢・・・なのか?) 志貴「ああ、それとあの映像は俺じゃないよ。もっと別の奴からの助言代わりの贈り物さ」 見たことも聞いたこともない人間が自分の名前を呼び、そいつの名前が勝手に頭の中に浮かんできたことにシンは少なからず動転する。 しかし、疑問は湧くものの不思議と恐怖は感じなかった。 むしろ、長い間離れていた家族と久々に再会したときのような安心感さえ感じていた。 ザックス「そうそう、あんまり真面目にやりすぎると肩がこるぜ? イスラみたいによ」 イスラ「僕に言わせれば、君はもう少し頭を使ったほうがいいと思うけどね、ザックス」 シン「・・・ザックス。・・・イスラ」 セネル「おいおい、俺も忘れないでくれよ」 シン「・・・セネル」 志貴と同じように声のした方向の霧が晴れ、シンを囲むように三人の男が姿を現した。 一人は大柄で自分の身長ほどもある大剣を背負った黒髪で青い瞳の男。 一人は小柄で女の子のような顔をした黒い髪と眼の赤い魔剣を手にした少年。 一人は奇抜なカッコウをし、白い髪とエメラルドのような目をした顔にダイヤ型の傷を二つもつ少年。 シン(どうなってるんだ。悪い夢でもみてるのか、俺は) 冷静さなんて、当の昔に吹き飛んでいる。 これだけ考えがまとまらないのは、CEから飛ばされてきた時以来だ。 シン(何がどうなってるんだ、くそ! ・・・・・ん?) ここにきてようやくシンはあることに気が付いた。 彼らの体が例外なく薄く透けているのだ。 シン(体が透け・・・幽霊!? 死にかけた人間の夢に死人が出てきたってことは・・・まさか、俺をあの世に迎えにきたのか!) ならば、彼らはシンの魂を狩るために、わざわざ三途の川を越えて死神気取りで迎えに来たということになる。 くだらない映像を見せたのも、シンに話しかけたのも、シンを目覚めさせたくないからと考えれば納得がいく。 そうやって、シンの肉体が『闇の書の闇』に消されるのを待っているのだろう。 迎えに来たのがマユでもステラでもなく、見知らぬ男達だったのは甚だ遺憾だが この際それはどうでもいい。 シン「く、まだ誰も守れてないのに連れて行かれてたまるか!!」 リインフォースを救えないまま『闇の書の闇』と決着を付けることも出来ずに死んでいく。 その方がシンにとってはよほど重要だ。 自分が夢に現を抜かしている間、意識の外ではデス子が一人で闇の書と対峙しているはずだ。 こんなことをしている場合ではない。早く目覚めなければ、これまでのみんなの頑張りも全て水の泡になってしまう。 シン(それにはまず、目の前のこいつらを俺の夢から叩き出す!) シンは半分錯乱したまま、一番近くにいた志貴という男にCQCを仕掛けようと挑みかかっていった。 間合いは3メートル。少々遠いがやってやれない距離ではない。 志貴「まったく・・・まいったね。どうも」 腕をつかみ、間接を固め、技が決まったと思った瞬間、志貴の姿が僅かにぶれた。 シン「・・・・・あっ?」 気がつけば、反転する視界の中でシンの体は宙を舞っていた。 何をどうやったのか、胸、腹部、腕、足にそれぞれ一発ずつ、合計して四発の打撃つきだ。 シン「・・・ぐうっ!(・・・・なんだこいつ、速い!?)」 吹き飛ばされはしたが、なんとかシンは空中で体勢を立て直し軟着陸する。 当て身にしては威力が軽い。十中八九、けん制だ。 追撃が来るとシンは身構えるが、志貴は「まいった」とでも言いたげに頭の後ろを掻いているだけだった。 シンの身体的なポテンシャルはひ弱そうな外見とは異なりかなり高い。 アカデミーでもナイフ戦でトップを取り、教官であったナイフのレッドとも戦って勝利している。 ティアナにナイフ戦の基礎を教えたのもシンだ。 それなのに、殴る動作どころか殴られた瞬間でさえ、視界に捉えきれなかった。 シン(もしかすると・・・フェイト隊長と並ぶくらい・・・・!?) 機動六課であれほど動体視力を鍛えたというのに。 志貴という男の速さはコーディネイターと比べても人間離れしすぎている。 残りの三人にも目をやるが、誰も彼も纏っている闘気というかオーラが桁違いにでかい。 最終決戦で戦ったアスランなど、こいつ等の前では霞んで見える。 (まぶしいな意味ではなく) 機動六課に在籍していることでシンはこれまで多くの強者を見てきたが、この四人の威圧感は彼らに勝るとも劣らない。 志貴 「何を勘違いしてるのかは知らないけどさ、いきなり殴りかかるのはひどいんじゃないか? 」 セネル「もしかして、幽霊だからって何か勘違いしてるんじゃ」 イスラ「君を連れて行くつもりならとっくにそうしてるよ。 少し落ち着いて僕たちの話を・・・・」 シン「そんな悠長なこと言ってられないんだよ! 早く目覚めないとはやてが、リインフォースが・・・! これが夢じゃないって言うんなら早く俺をここから解放してくれ! 俺は一刻も早く奴を倒して帰らなくちゃならないんだ!」 間に合わないかもしれないという焦りが、シンを駆り立てている。 ――――――いや訂正しよう。 彼を駆り立てているのは焦りだけではない、恐怖だ。 また守れないかもしれないという恐怖が、シンの焦りを何倍にも増幅させているのだ。 イスラ「そしてまた無様に負けるつもり? 第一、あれほどの敵を前に、君に勝ち目なんて万に一つもないんだよ。 違うかい?」 セネル「CEで学ばなかったのか。どれほど頑張っても一人で出来ることは限られてる。 今行ったって殺されるだけだ」 時間がないと焦るシンに、イスラとセネルの言葉が突き刺さる。 シン「う・・・それは・・・。でも!」 正論を前に言い返せないシン。 彼らの言っていることは何一つ間違っていない。 そのことは実際に奴と戦った彼が一番よくわかっている。 膨大な魔力を背景にした火力と攻撃範囲、四重結界と自己再生能力に裏打ちされた鉄壁の防御力。 そんな化け物相手に、ようやく魔法を使えるようになったばかりのシンが レリック無しで勝つのは現実的に考えて不可能だ。 シン「それでも、俺は・・・。俺にしかあいつらを助けられないなら・・・・」 しかし、リインフォースを救うためには『闇の書の闇』に勝つしかない。 勝つためには、戦わなければならない。 例え思いが届かなくても、力が足らなくても、守りたいなら向かっていくしかない。 シン「・・・・外で待ってる皆と約束したんだ。今度こそ守るって。死んだ皆と誓ったんだ、もう約束は破らないって」 リインフォースは言っていた。短い間だったが、はやてや自分達と一緒にいられて幸せだった。だからもう何の後悔もないと。 だが、そんなもの命が助からないと決め付けた自分への言い訳だ。 『どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろう』 救えなかった親友のためにも、もう二度と許すわけにはいかない。 生きたいと願っている人の命を理不尽に奪って行く奴等も。 そいつ等に負けて、大切な人を失う自分も。 シン「だったら、引くわけにはいかないだろっ!! どうしても退かないって言うなら力ずくでも・・・・!」 セネル「混乱するのも無理はないと思う。だけど、まずは話を聞いてくれないか」 直情的になったシンに、あくまで話し合おうとするセネル。 シン「・・・・でも、時間が!」 イスラ「焦らなくても大丈夫だよ。外の時間はそれほど進んじゃいないから。 ここでの時間の進み具合は外の時間の0.0023%に過ぎないからね」 そんなシンの焦る気持ちを汲み取ったかのようにイスラが話しかけてきた。 今度は先ほどのように辛らつな口調ではなく、言い方も穏やかだ。 シン「何でそんなことをあんたが? ・・・そもそも、あんた達はいったい何なんだ!?」 外の世界とのズレを正確に知っていること、既に死んだ人間であること。 自らをシンと同じといい放ち、それに納得してしまいそうになる可笑しな感覚。 そして、機動六課の面々と比べても全く見劣りしない圧倒的なまでの強さ。 どれをとっても現実離れしている。 それとも、まともじゃないのは自分のほうで、この世界も目の前の彼らも、死ぬ間際に自分が見ている 妙にリアルな夢に過ぎないのだろうか? 前ページ次ページなのはクロスの作品集
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ホースデータ 降臨馬 ガチャ馬 ドロップ馬 イベント限定 タマモクロス(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 地 - スタミナ 芝 L☆6 26 レベル スピード スタミナ 根性 適性(重/芝/ダート) 距離/ベスト 1 304 810 101 普通/得意/苦手 2,000m~3,200m/3,200m 99 1215 4050 304 スキル/強化型 地のエンパイア(全てのブロックを地属性ブロックに変化、1ターンの間、地属性ブロックの出現率小アップ)/- Lスキル/強化型 地を割る稲妻(地属性とスタミナタイプの全能力2.5倍、スタミナ65%以上の時、アタックされても1で耐える)/- 進化素材1段階 タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) 進化素材2段階 タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) 入手方法 名馬の蹄跡~タマモクロス編~ イベント限定。 タマモクロス(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 風 水 スタミナ 長距離 SL☆7 42 レベル スピード スタミナ 根性 適性(重/芝/ダート) 距離/ベスト 1 508 1354 169 普通/得意/苦手 2,000m~3,200m/3,200m 99 2030 6768 508 スキル/強化型 風と水のハーモニー(全てのブロックを風と水属性ブロックに変化、1ターンの間、火属性アタックを無効)/- Lスキル/強化型 稲妻のスタミナ(スタミナタイプの全能力3.2倍、全ての敵馬のスピードが0.8倍)/- 進化素材1段階 天皇賞春 宝塚記念 天皇賞秋 レジェンド像 レジェンド像 進化素材2段階 レジェンド像 レジェンド像 レジェンド像 超レジェンド像 超レジェンド像 入手方法 ガチャ
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「大丈夫?」 追い詰められていた自分達を助けてくれた――そうして自分が追い詰められた――少女に駆け寄って 声をかけながら、エステル・ブライトは内心首を傾げていた。 面識の無い女の子だった。高町なのはという名前も今は知るべくも無い。 見た目十歳にも満たないだろう年齢。白い着衣も馴染みの無い、一風変わったデザインのもの。 聞くには何百年と封印されてきたはずのこの場所である。 今回の事件の関係者には到底思えないが、だからといってずっと昔からこの場所にいたという道理はありえない。 他にも、先程放った見たことも無い攻撃も気に掛かる。 導力魔法(オーバルアーツ)に似てはいるが、戦術オーブメントは見当たらない。違うのだろうか。 それら、幾つも湧いてくる疑問を意識の片隅まで追いやって、少女の顔を覗き込むと、 ぺたん。 「ちょ、ちょっと!?」 その途端にその場にへたり込んだ相手の様子に、エステルは思い切り泡を喰った。 自分も膝を落としてもう一度改めて様子を窺って、その憔悴した面に気が付く。 目端に浮かんだ涙と、小さく震えている細い肩。心の中に押し込めていたものが一気に噴出したのだろう。 もっとも―――今は気を抜かれるにはまだ早い状況なのだが。 「エステル!」 馴染み深い声に強く呼ばれて、はっと顔を上げる。 数歩前に立っているのは、黒い双剣を手にした黒髪の少年。ヨシュア・ブライト。エステルとは同い年の“おとうと”。 そして、ヨシュアが半身に立ちながら目線で指し示す先には、 彼に叩き落された腕の先を引き戻す機械獣―――《環の守護者》の姿があった。 じゃキん、と一々耳に響く音を立てて、切り離されていた爪が接ぎ合わされる。 掴んではめこむのではなく、だからといってワイヤーの類で引き戻すわけでなく。 自前で空中に浮かび上がって動くという出鱈目ぶりではあったが―――まぁ割と今更。 ―――機動端末として胴体部分と別個で行動・戦闘まで行ったことを思い返せば、驚くことでもない。 「―――来る!」 警告の声があがるのと同時にトロイメライの頭部装甲がスライドし、現れた四連装の砲門が火を噴いた。 立て続けに吐き出された砲弾が放物線を描き、三人の立つ位置めがけて殺到する。 咄嗟にエステルは少女の身体を抱き寄せると、その場から大きく跳び退った。 地面に触れた砲弾が爆裂し、巻き起こった爆風が髪をなぶる。 着地。素早く自分とは別方向に跳んだヨシュアを目の隅で確認し、抱えた少女を床に降ろすと、 「走るわよ!」 さらにその手をとってその場から駆け出した。 なおも撃ち込まれる砲撃。胸部からのミサイル攻撃まで加えたそれが、追い縋る様に二人の走るすぐ後ろで爆発していく。 出せる限りの全力、掛け値なしの全力疾走に息は瞬く間に上がっていた。 後ろ手に手を繋いだ少女は時折足をもつれさせかけながらも必死で引き摺られないようについてきている。 あまり運動の類は得意ではないのか、加えて年齢による体格差も考えれば無理からぬところであったが、 それを気遣って足を緩める余裕はあいにくと無い。 止めろ止まれと訴える足を無理矢理走らせながら、どうにか状況を窺う。 不意の介入で束の間の休息こそ得たものの、もとより限界寸前の体力は底を付くには遠くなかった。 戦術オーブメントを見れば先程の爪の一撃を止めるのに使ったアースガード ――岩壁を巡らせ、敵の攻撃を一度だけ無力化するアーツ――で完全にエネルギーを切らしている。 もとよりこの走りっぱなしの状況では、他の行動は取ろうにも取れないところがあったが。 (マズ……) 連戦に次ぐ連戦を経てきたことを思えば、それも止むを得ない状況と言えたが、 こうなる前にどうにか対処出来なかったことをエステルは呪った。 この場に居合わせるほかの仲間達も状況は大差無いはずだ。アレと真っ向から打ち合うのは間違いなく手に余るし、 アーツにしてもあの装甲に有効打となる水準のものを放つには一度導力を補充するのは避けられず、 加えてアーツの駆動にそれなりの時間を要することになる。そしてそれを許すほどこの敵は甘い相手ではないのだ。 あとは――――。 ぎゃいん―――――――ばぁん!! 「え…?」 「あ」 視界の片隅で僅かに捉えた一閃がそんな思索を不意に打ち切った。 研ぎ澄まされた金の月輪が宙を舞い、トロイメライの頭部で炸裂する。 「……させんっ!!」 体を傾がせた機械獣を鋭く見据え決然とそう言い放ったのは、エステルにとって思いもよらない人物だった。 年の頃は三十半ばの手前ほどか。黒い軍服を纏い、手には朱塗りの鞘に納めた一振りの太刀を持った青年である。 「た、大佐!?」 ヨシュアも同感なのだろう。彼もまた、呆気にとられた声を上げていた。 さもあらん。アラン・リシャール大佐。彼が行おうとしていたことを食い止めにきた自分たちを、何故助けるのか。 「ここは私が引き受ける。…君達はここから逃げたまえ!」 「で、でも!」 「君達は最早限界だろう。私のほうはもう動けるようになった。――時間を稼ぐくらいのことは出来る!」 早口にそう言い捨て、巨体目掛けて踏み込んでいく。 対するトロイメライも度重なる闖入に苛立ったのか、リシャールに対して正面に向きあっていた。 ごうっ―――ばきゃっ!! 繰り出される剛腕。空をうねらせ、大岩をも打ち砕く一撃は、しかし標的を捉えず空しく床を穿っただけだった。 その影から躍り出る黒い軍服。鋼爪の軌道を正確に見切ったリシャールが、その身を深く沈めさらに加速することで、 放たれた一撃を掠らせもせずに掻い潜ってのけたのである。 結果、双方の間合いは半ば眼前にまで詰まっていた。 「はぁっ!!」 跳躍。そして鞘走る銀光。 見目鮮やかに煌くそれが白い装甲に吸い込まれ、さらにトロイメライの体躯を揺るがせる。 しゃ、がいんっ! 先制の、そして渾身の一太刀。しかしそれを放ってなお、剣戟は緩まない。 閃く白刃が立て続けに放たれ、そのどれもが狙い過たず軌跡を刻む。 これが人相手であったなら、受けた者は瞬く間に視界を覆うほどの血煙を上げて、そして絶命したに違いない。 対して、懐に入られ、それを振り払おうと荒れ狂う腕は何れも空を斬っていた。 円を描くような体捌きから放たれた剣閃で、脇を過ぎ去った爪の横っ面を引っ叩き、 或いは跳んでかわした勢いのまま腕上を駆け抜け肉迫し、その顔面に迅雷の如き太刀行きを走らせる。 「…す、凄い」 その様を見るエステルの声には、紛れも無い感嘆の念が込められていた。 実際、武芸に覚えがある者が見れば、大半はその太刀捌きにも足運びにも魅入られるに違いない。 覚えが無い者であろうとも、人一人が自身を遥かに上回る異形の巨体を圧倒するかといった様には心を躍らせるだろう。 「でも…」 だが、幾太刀斬撃を浴びたところで、トロイメライの巨躯は小揺るぎこそすれ動じない。 対する青年の動きには、時を経るにつれて僅かずつではあるものの、鈍り、揺らぎが見え始めていた。 彼もまた、つい先ほどまでの自分たちと状況は変わらないということだ。 圧倒的な攻撃力や耐久力、持久力の差。それを前にして出来ることは言葉通り『時間稼ぎ』でしかなく、いずれ追い込まれ屠られる。 言うなれば、いずれ落ちるのが確定した綱渡りも同然である。その当人がそれを理解していないわけが無く、 「何をしている!早く――――」 それでいてなお、「行け」と告げる声を、染み入る様に澄んだ音が遮った。 しゃあああぁぁぁん。 「え」 「な…」 床に灯る桜火。幾重もの円と二つの正方形、それに見たことの無い奇妙な文様が描く魔法陣。ぎょっとして、その場から数歩退く。 その中心に立つのはすぐ傍らの白い服の少女。その面差しに浮かぶのは、大きな恐れと、それを上回る強い意志だった。 掲げる両手。灯る蛍火。それは術者の魔力に呼応して、みるみるうちに膨れ上がる。先の一撃の比ではない。抱えきれない、という表現ですら足りない。 少女の半身を覆い隠すほどにまでに成長した光球は、破裂間際の風船を思わせるように張り詰めていた。 理解出来ないものであっても、それが解き放たれればどれほどの力を持つのか、漠然となら想像するのは難くない。 だが―――。 果たしてそれが起死回生の一手と成りうるのか、それは術者たる少女―――なのはにとっても分からなかった。 なのはの十八番にして、手持ちの魔法の中では二番目に位置する威力の魔法ではある。 だが、相手はシューターの直撃を何事も無く耐えた化け物である。一撃で倒せる保証など出来るものではない。 そして、倒せなければ逆に倒される―――死ぬのは自分のほうである。 それは嫌だ、と思う。ここから逃げ出してしまいたくなる。しかし、それは全力で心の奥底に押し込めた。 かつて聞いた父の言葉。『助けを求めている人が居て、自分にその力があるのなら助けなくちゃいけない』。 自分もまたそのようにあろうと思うそれに、恥じることが無いように。 かつての失敗。助けられるはずの人を助けられなくて、後悔をすることが無いように。 決意で心を強く固め、術式を進めていく。球に架かる環状魔法陣。同様のものをその前にも重ねていく。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ。 集束に告ぐ集束。一点突破による貫通を狙わなくては、あの装甲は貫けない。 「おおおぉおぉぉぉぉぉっ!!」 が、ぎぃ―――――キン。 黒服の男の一刀。閃光もかくや、といわんばかりの居合いが傀儡兵の顎――といっても口は無いが――を強烈にかち上げる。 宙に舞う銀。耐え切れずに刀身が折れ飛ぶのは、どれほどの衝撃だったのか。白い巨体もまたその上体を大きく仰け反らしていた。 (―――今!!) あちらもまた自分を脅威と認識していたのか、いつの間にやら正面に向き直っていた。その上で胴体ががら空き――――絶対の、好機。 「ディバイイイイイイィィイィン……バス、タ――――――――――――――――ッッッ!!!!」 弾ける光球。輝きが堰を切って迸る。 祝聖の砲火。本来大きく荒れ狂うはずのそれは真っ直ぐに宙に線を引き、 ――――寸分の迷いも無く《環の守護者》を捉え、その腹の砲門をブチ貫いた。 沈黙。 誰もが固唾を呑み、或いは呆然と魅入られていた。 どてっ腹に見事に開いた風穴。動きを止めたトロイメライに。 ぼん。 静寂を破ったのは、そんな破裂音。 ぼん、ぱん、ぼ、どどどどん。 開いた風穴の周りに散る火花が誘爆しているのか、ところどころからささやかな爆発音を響かせ、煙を上げる。 自壊するのは遠くあるまい。内側からの爆発のためか、それまで鉄壁の守りを誇った装甲も、ところどころ歪みを見せ始めていた。 ―――――だが、それでいてなお。白い龍機は動くのだ。 ギン、と音を立てて灯る双眼。突きつけるように伸ばされたのは、左の青い爪。 自分に向けられたそれに言い知れぬ予感を覚え、なのははそこから離れようと―――して、出来なかった。 (っ!!―――バインド!?) 視覚に映るものは何も無いのに、縫い付けられたようにその場から動けない。歩いては勿論、飛行魔法類による機動さえも不可能だった。 床を踏んでいた足が宙を蹴る。目に見えない何かに縛られたまま、ふわりと身体が浮かんでいた。 数メートルの高さへと持ち上げられ止まってしまえば、手足を振り回したところでどれも虚しく空気を掻くばかり。 真っ直ぐに指した腕が下がり、腰溜めに構えられる。それになのはが感じたのは今日一番の恐怖と戦慄だった。 尻を引っ叩かれた馬のように、出来る限りのスピードで防御陣を展開する。残っている魔力を片っ端から注ぎ込んだ、最高強度のラウンドシールド。 かの千の雷槍を受けてさえ罅も歪みも生まないであろう光の盾を、しかし解き放たれた死の一撃は粉々に打ち砕く。 「――――――――!」 拮抗は僅かな間。魔力の守りを破って、桁外れの熱力が襲い掛かる。 上がった悲鳴さえ、殺到する衝撃と灼熱に呑まれて消えた。意識が途切れなかったのは幸運だっただろう。 緩やかな放物線を描いて落下。生身で落ちれば馬鹿にならない距離と高さ。 地面に叩きつけられる紙一重で立て直し地面に叩きつけられずに済んだのは、奇跡と言えたかもしれなかった。 全身を経験したことのない痛みが埋め尽くす。制服はその大半が一瞬で焼け落ちており、全身に火傷を負っていた。 短時間ながら、シールドでかなりの威力を減衰させてなおこれである。守りが無かったら子供一人、四肢くらいなら消し炭になったかもしれない。 痛覚以外の感覚全てが遠い。熱ささえ感じない。思考は纏まり無く、繋ぎ止めた意識もところどころ切れては繋がるのを繰り返す。 音が光が遠ざかる。視界は暗く閉ざされ、聞こえる音も言葉として伝わらなくなっていく、絶望と諦念に染まる世界のなかで、 「やれやれ…。諦めなければ必ずや勝機は見える―――。そう教えたことを忘れたか?」 その言葉は、何故かはっきりと耳に届いた。 心の闇が瞬く間に晴れていく。聞いたことも無い声なのに、何故か安堵せずには居られない。 どんな窮地でも、誰であっても絶対に安心出来る、大海のように大きく全てを包み込むような存在感。自分の父にだって無いそれがその声には在った。 傍らを何かが駆け抜けて行く。流れる風。霞んだ目で見たのは、断ち切られて宙を舞う、傀儡兵の赤い腕。 その光景にもう大丈夫だということを理解して、なのはは掴んでいた意識を手放したのだった。 前へ 目次へ 次へ