約 376,391 件
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/300.html
あー、パチュリーに言われてお届け物だ。 中身はクッキーだったかな。 「本に書いてある通りに作ってみた。甘い方がいいだろうから砂糖は大目よ」 だとさ。横で作るの見てたんだが、一掴みくらい入れてたか、砂糖。 まあ、いいだろ? 恋は甘い方がいいに決まってる。お菓子だってそれさ。 受け取ってくれよ 9スレ目 269 ─────────────────────────────────────────────────────────── 霧に煙る朝の湖。 こんな日くらい、湖岸の散歩を楽しんでも良いじゃないか。 そう自分に言い聞かせる。 単にパチェに貰った飛翔の呪符の更新を怠って、 他に手段が無いという切実な現実はあえて忘れよう。 借りている薄めの一冊の本の他、大した荷物もないし、 それにもう間もなく着くはずだ。彼女の住む館へ。 「あ、○○さん。おはようございます。珍しいですね、歩いてこられるなんて。」 「おはようございます。美鈴さん。朝から大変ですね。」 紅魔館の門番、紅美鈴さん。始めてきた時に、パチェが図書館を始めたという話を 聞いてなかったらしく、通す通さないで散々揉めたのを思い出す。 そういえば、図書館を始めたという話は誰に聞いたんだったか……。 解決しない思考を振り払って館に入ろうとすると、 「あ、ちょっと待ってください。」 呼び止められた。 近くに来て真面目な表情でじっと見つめられる。 「んー、やっぱりいよいよですか。頑張ってくださいね。」 にやり、と笑って門へと戻っていく。 良く解らない人だ。悪い人ではないのだが。 大図書館の大きな扉の前。そこで意外な人が待っていた。 紅魔館の主レミリア・スカーレット嬢、朝方とはいえ、 日が出てる間に活動してるのを見るのは稀だ。 「まったく、なんでこんな奴が……。」 小声でそう呟くのを聞いた時、突然思い出した。 パチェが図書館を始めたのを伝えにきたのはこの人だった。 そのときも「まったくなんでこんな奴が……」と呟き、そして手書きの チラシを1枚渡して帰って行ったんだ。 「あの……。」 なんと言おうか考えてるうちにレミリア嬢はふい、とそっぽを向いて霧になって消えた。 何が言いたかったんだろう。微かに苛立ちを覚えないではないが、相手が悪すぎる。 大図書館、いつもの場所でパチェは本を読んでいた。 とりあえず、本を返し、新しく一冊の本を借り、 本を読むパチェの隣で読み終わるのを待つ。 パタンと本を閉じ、次の本を取ろうとするパチェの手を掴み、 意を決し今日来た一番の目的を告げる。 「パチェ……。」 振り返るその顔を正面から見つめ、言う。 「パチェのことが好きだ。」 しかし、パチェはスッと目を細め、そして何事も無かったかのように 本を手に取り読み始める。 色々な反応を予想してはいたが、これはまったく予想外の展開だ。 「えっと……「それで。」 言いかけたのを遮ってパチェが言う。 「○○は、それでどうしたいの?」 本から顔を上げずに続ける。 「人が人に好きだというのは大きく分けて二つの意味があるわね。 一つは相手への揺さぶり。その発言によって相手に動揺をもたらし、 釣り橋効果で自分への好意を引き出そうとする利己的な物。 もう一つは宣言。自分は相手が好きだと宣言した以上、相手に対する行為は その宣言のもとに許されるという傲慢。いずれにしても美しい物ではないわ。 大体、あなたは人間、私は魔女。魔女の存在は人の隣にありながら常に妖怪を指向する。 けして交わる事の無い平行線。死する運命を持つ物に永遠は理解できない。」 早口で言い、そして更に続けようとするパチェを制して言う。 「解った。ごめん。」 それだけ言い残し、大図書館を去る。 深夜、パチュリーは紅魔館の主のもとを一人、訪れる。 「レミィ、私……。」 「それ以上言う必要は無いわ。」 夜の王は言い放つ。 「何が起きたのかも何を思っているのかもこれからどうなるのかも、 すべて知っているけど私の言うべき事は一つね。 貴女が思い感じたとおりに行動しなさい。運命は人の意思が作るべきもの。」 「うん…………。」 パチュリーの去った部屋でレミリアは一人呟く。 「まったく、なんで私が恋愛相談なんかに……。」 「嫉妬ですか?」 咲夜の声が答える。 「貴女、何時からそこに居たのよ。」 「最初から控えておりました。」 「まぁいいわ。それにしても私なんて500年も生きているのに、 パチェはまだ100年かそこらのひよっ子じゃない。なんか悔しいわね。」 「あら、この場合年は関係ないかと思います。それに……。」 「それに何よ。」 苛立った声でレミリアは問いただす。 「レミリア様には私が居ますわ。永遠に。そういう運命ですもの。」 「咲夜、運命という言葉を軽々しく使うのは」 「人の意思の作るもの、そうでございましょう?」 「ふん」 馬鹿にしたように、しかし何処か嬉しそうにレミリアは笑った。 翌日、昨日借りた本を結局持ってきてしまったことに気付く。 気は進まないが、返さないわけには行かないだろう……。 義務感から紅魔館を訪れるが、門番の姿はおろか妖精メイド一人すら見かけない。 多少不気味ではあるが、しかし誰にも顔をあわせずに済むなら寧ろその方が好都合か。 そっと図書館に本を返し、帰ろうとしたその時、 「○○っ。」 パチェの声がしたように思った。おそらく幻聴だろう。 まったく未練がましい自分が嫌になる。 振り返るのも癪なのでそのまま帰ろうとしたら、今度は袖を掴まれた。 「待って、○○。」 必死の形相で引き止めるパチェを胡乱げに見つめる。 「あの……私○○に酷い事を。あの時私、嬉しくて、恥ずかしくて、どんなキモチで ○○が言ってくれたのか解ってたのに、私……卑怯だ。もう、○○はこんな私のこと 嫌いかもしれないけど、それでもこれだけは言わせて。私、○○の事が好きだった。 ずっと前から好きだったの。」 そう言うパチェの肩に手を置いて、答える。 「―――――――――――」 一羽の蝙蝠が、音も無くその場を離れていった。 9スレ目 442-443 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「・・・」 「・・・」 2人きりの空間に2人がページをめくる音だけが響く。 「・・・」 「○○。 本取って来て頂戴。 ××の棚の△△っていうタイトルの」 「分かった。 ちょっと待ってろ」 奥に本を取りに行く。 「これで良いんだよな?」 「ありがとう」 再び2人、それぞれの本のページをめくる。 「失礼します」 咲夜さんが入ってくる。 「パチュリー様、お茶を御持ちしました」 「悪いわね」 「咲夜さん、お疲れ様です」 咲夜さんが退室した後、お茶を飲みながら、再び静かに時が過ぎて行く。 紅茶に落とした角砂糖が溶けるように、ゆっくり、ゆっくりとした、 それでいて甘い時を過ごす。 2人に言葉は必要ない。 お互いにそこにいるだけで良い。 今日も紅魔館の一室に、甘く静かな時が流れる。 9スレ目 490 ─────────────────────────────────────────────────────────── 最近心が不安定になっている 本を読んでも内容が入ってこないし 魔導書を書こうと思っても思うように書けない 理由は分かってる 彼と……○○と出会ってから私は不安定になってきている 最初に会ったのは魔理沙が何時もの様に 本を借りると言う名の強奪をしに来た時だ なんでも外の世界から来た魔法使いだそうで 魔理沙の話を聞いてここに興味を持ったらしい まるで子供のような顔をしてきょろきょろと図書館を見るその姿を見て 呆れるよりも何故か微笑ましく思った 思えば一目ぼれだったのかもしれない だから今は言えないけど近い将来私は必ず貴方に伝えるわ 「○○、私は貴方のことを愛している」って 9スレ目 561 ─────────────────────────────────────────────────────────── 最近、○○が他の女と一緒にいる時の事ばかりが頭に浮かんでは消えていく。 「お嬢様はいつも御綺麗ですね」 何故? 「咲夜さん、今日もお疲れ様です」 そんな事を言うの? 「よお中国。 頑張ってるな。 差し入れ持ってきたけど食うか?」 どうして? 「小悪魔も少し休憩したらどうだ? 仕事は俺が代わりにやっとくから」 私以外の女を気にかけるの? 優しくするの? 褒めるの? 小さな嫉妬がやがて、大きな強迫観念となって私に襲い掛かってくる。 ○○とほんの少しでも関わった女達が私の頭の中で融合し、1人の女になって私から○○を奪おうとする。 彼の心を私から離れさせようとする。 だから…… 私は…… 「どうして他の女を褒めたり、他の女に優しくしたりするの?」 パチュリーが無表情、冷たい視線で訊ねてくる。 まるで研ぎ澄ませた刃物のように、鋭い口調で俺の心に切りかかってくる。 「俺は別に……普通にしてるつもりだが」 「○○はいつもそうよね。 今までに私を褒めてくれた事があった? 私に優しくしてくれた事があった?」 当然褒めてもいるし優しくもしている。 でも、今は何を言っても無駄な気がした。 冷静に問い詰めているようでも、パチュリーは正気を失っている。 直感的にそう思った。 「この前魔理沙とアリスが来た時だって……2人と凄く楽しそうに話してた。 私と一緒にいてあんなに楽しそうにしてる事なんて無かったわ」 その言葉に、さすがに我慢できずに反論する。 「そんなこと無――」 だが、反論は言い切る前に遮られた。 「どうして私だけを見てくれないの!?」 パチュリーが珍しく声を荒げる。 「どうしたんだよいったい? 少し落ち着け。 今日のパチュリー変だぞ?」 「変?…そうよ!! ○○のせいで私は変わった!! 全部○○のせいよ!!」 声を荒げているというより、それはもう怒声だった。 喘息持ちで辛いだろうに、かすれた声で休みなく続ける。 「もうここで1人だけで本を読み続けるのは嫌なの!! ○○がいつも傍にいてくれなきゃ駄目なのよ!!」 溜め込んだ感情を吐露するパチュリーに、俺は罪悪感のようなものを感じ始めていた。 自分がもっと彼女を理解できていれば……。 彼女がどう思っているのか考えていれば……。 ズキリと胸が痛んだ。 「私はもう○○の物なのに……どうして○○は私の物になってくれないの……」 怒りは既に無くなり、怒声が嗚咽と懇願に変わっていた。 今、目の前にいるのは膨大な知識を持った魔女なんかじゃなくて、嫉妬と強迫観念に駆られ、ただ泣く事しかできない1人の女の子だった。 俯いて涙を流す彼女に、俺も自分の思いを言葉にする。 「俺は……お前を愛してる。 俺は好きだとか愛してるとか、そういうことはパチュリーにしか言わない。 解るよな?」 彼女は泣きながら俺の言葉に耳を傾けた。 「俺ももうパチュリーの物なんだから、下らない事で嫉妬なんかするなよ。 ずっと傍にいるから」 次の瞬間、突然パチュリーが抱きついてくる。 その体は驚くほど細くて、軽くて、俺は優しく抱き返した。 「もっと強く」 「?」 「もっと、壊れそうなぐらい強く抱いて頂戴」 「でも――」 「良いから、○○になら壊されても良いから。 お願い」 絶対に離さないという意思を示すように、彼女の華奢な体を強く抱きしめる。 パチュリーもそれに答えるように俺を抱き返してきた。 「○○……」 「ごめんなさい」 「へ?」 何を言ってるんだろう? 「やっぱり私、これだけじゃ満足できない。 だから……」 パチュリーが流麗に、俺が今まで聞いた事も無い言語で何かを唱える。 どんな詩よりも叙情的に、どんな歌よりも美しく詠みあげていく。 同時に、俺の体を紋様が走った。 それは苦痛と快楽が綯い交ぜになったようで、酷く嫌な感覚だった。 肉体から自分の意思が、力が抜けていくような……眠りにつく寸前のような心地良い感覚。 それでいて頭だけ起きているような、不気味な感覚に支配されていく。 どれだけ抗おうとしても眠りについた肉体は俺の意思を受け付けない。 腕の中にいるパチュリーの匂いも、感触も、徐々に遠ざかって行く。 「ごめんなさい」 そう聞こえたのを最後に、俺の世界が閉ざされていった。 そこはパチュリーしかいない世界。 でも、姿は見えるし声も聞こえるのに、自分から触れる事は出来ない世界。 2人だけの歪んだ楽園……。 一週間後の魔法図書館。 はて? あの青年は何処へ行ったのだろう? 「パチュリー様、○○さんはどうしたんですか? 最近見ませんけど」 「○○には別の仕事を任せてあるから当分は帰ってこないと思うわ」 「えっと……そうなんですか」 別の仕事とは何だろう? ここでの仕事といったら本の整理ぐらいしかない筈だが……。 まあ2人は恋人同士だし色々あるのだろう。 訝りながらも私は主を信じて仕事に戻った。 同日。 魔法図書館、隠し部屋。 「ごめんなさい。 ちょっと読書に夢中になって今日は来るのが遅れちゃったわ」 うなだれて椅子に腰掛けていた青年が顔を上げて微笑みかける。 彼は私の声だけ聞いてくれる。 彼は私だけのために笑ってくれる。 彼は私だけを見てくれる。 そう、私だけ……。 一見するとただの洗脳のようでも、ちゃんと自我は残っている。 心も、体も、私のものになっただけ。 「今日は何をしましょうか?」 訊ねても、微笑むだけで彼は何も答えない。 仕方がないので隣に座り本を開く。 解っている。 ○○は壊れていくのだろう。 いずれ自我も崩壊して、本当に壊れてしまうのだろう。 でも、それでも良い。 何故なら、これで○○は私だけのものになったのだから。 そう考えると、彼が壊れていくのも嬉しい。 私はそっと、○○にキスをした。 動きたくても体は自由に動かない。 言いたい事は山ほどあるのに口も開かない。 見ている事しかできない。 パチュリーが俺のせいでどんどん壊れていく。 それがとても悲しかった。 だが、同時にそれが嬉しくもあった。 自分がそれほどまでに彼女に愛されているのだと実感できたから。 そう考えると、彼女が壊れていくのが嬉しかった。 いつか渡そう。 そう思って、肌身離さずシャツの胸ポケットに入れて持ち歩いていた安物の指環の軽い感触も、とっくに消えていた。 間違っているのは解っている。 けれど、もうどうでも良いような気がする。 愛し合っていることに変わりは無いのだから。 ○○が パチュリーが 壊れていく。 それは見ていて、愉快だった。 だけど、楽園の終わりはすぐそこまできていると、この館の主が紅茶を飲み干して笑っていたことを、 俺は 私は まだ知らない。 10スレ目 96 ─────────────────────────────────────────────────────────── 紅魔館の大図書館に住む魔女、パチュリー・ノーレッジ 彼女の仕事に最近、幻想郷の出版物の検閲が追加された。 何故かって? 本人が言うには蔵書に閻魔帳が欲しかったから、だそうな。 そんなわけで紅魔館には一足早く新聞が届く。 「そうか、明日は快晴なのか……。」 隣で楽しそうに閻魔帳をめくるパチェに話を振る。 「せっかくいい天気なんだし、たまには外に出かけてみないか?」 「…………?」 そんなに変な物でも見るようなジト目で見なくてもいいじゃないか。 「晴天は外出の誘引にはならないわ。レミィやフランのような特殊体質なら 雨の日は外に出たくないという意味で曇りを避けるかも知れないけれど、 寧ろ私は肌や髪が荒れるから曇天の方が外出日和ね。」 そういえば前にそんな事言ってた気もするな。 「そうか……解った。図書館だと何時も小悪魔が居るしたまには二人で、と思ったんだが。」 そう言って新聞を戻そうと立ち上がったら、 「あ……。」 袖を掴まれた。 「やっぱり行く。晴れの日はハレの日だから外出日和だ、って本に書いてあったし。」 あっさり前言を翻すとは魔女失格じゃないのか? 「肌や髪が荒れるんじゃなかったのか?」 「いい、魔法で何とかする。」 まあ、本人がそう言っているんだから大丈夫なのだろう。 何はともあれ明日が楽しみだ。 翌朝、予報通り突き抜けるような快晴。 「パチュリー様、無理をなさっては……」 「くどいわ。使い魔なら使い魔らしく主に従いなさい。」 珍しく二人が口論をしている? 「おはよう。」 「あ……おはよう、○○。」 この様子は……昨晩全く寝てないのか? 「○○さんからも言って下さい。こんな状態で外出なんて無茶です。」 小悪魔の言ってる事は正しい気もするが。 「規定値以上の陽光を遮る魔法もかけたし、大丈夫よ。さあ、早く…………」 「パチュリー様! 」 相当無理してたんだろうな……さて、どうしたものか。 「パチュリー様は夜を徹して魔道書の執筆をなさっていて…」 「ん、どんな内容? 」 「耐火、耐水、耐衝撃、耐魔法、耐巫術、耐人形操術……の結界を張る魔法です。」 そりゃまた豪勢な。 「せっかくだし、行くか。」 「パチュリー様はどうするんですか。」 「背負っていく。後、その魔道書も……」 「これをもって行かれるのですか? 」 怪訝そうな顔で小悪魔が取り出した本は優に10000ページはありそうな…… 「圧縮してる時間が無いからと一気に書き上げられてました。」 これを持って行くのはちょっと、辛いかもな。 「私が持って行きます。大丈夫、お邪魔はしませんから。」 そんなわけで、今パチェを背負って山登り(丘登り?)をしている。 規則的な寝息を立てて丸くなってるパチェは以外にも暖かいし、柔らかい。 空は今も変わらず快晴。天高く馬肥ゆる秋、だね。 ふっ、と息を吐いて丘の頂を仰ぎ見る。 小悪魔の話では丘の上に魔道書と飲み物、そしてお弁当が置いてあるそうだ。 道中にも飲み物を置いてもらうべきだったかと少し考えるが、 やはり楽しみは頂上まで取っておくべきだろう。 「ん……」 背中のパチェから小声が漏れる。どうやら目を覚ましたらしい。 「あ……」 降ろしてくれと言うように体を捩る。 そっと降ろして、そして振り返る。 「○○……大変だったでしょ、ごめんね。」 「せっかく誘っいに応じてくれたんだからな……。これくらい大したこと無い。」 「そう……」 呟いて空を仰ぐ。 「……空凄いね。」 「そうだな。」 「風、気持ちいいね。」 「そうだな。」 「二人っきりだね。」 「ああ。」 はにかみながら目を閉じるパチェ。 そっと、その肩を抱いて唇を寄せて…… 10スレ目 107 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「おいパチュリー、この本借りるぞ」 「ええ・・・」 紅魔館の図書館、俺は主に魔法関連の本をあさっていた パチュリーは紅茶をちびちびと飲みながら本を読んでいる 俺の分の紅茶はとうに冷めていた、冷めても飲めればいいしな 「ねぇ○○・・・」 「ん?どうした?」 本を読みながら目を合わせずに、パチュリーが話しかけてきた 図書館でパチュリーから話しかけてくるのは非常に、珍しい 「明日なんだけど・・・何か予定はあるかしら?」 「明日?・・・・・・悪い、アリスと実験する約束が・・・」 「そ、そう・・・アリスによろしく伝えといてね」 「ああ・・・何かあったか?」 彼女がなぜか、悲しそうに見えたから 「いいえ、気にしないで」 それから会話はなく、俺は借りた本をもって家路を歩いた ~翌日~ 「・・・ちょっと!」 「うぇ!?あ、ああ悪い」 俺は約束通りアリスと実験をしている 「全然集中できてないじゃない!怪我するわよ!」 そうなのだ、前々集中できていない、なぜか寂しそうな彼女の顔が、頭をよぎるのだ 「・・・今日は終わりにしましょう」 「え?いや・・・まだ昼前だぜ?」 「実験は後回しに出来るけどね、ヒトの心は後回しには出来ないのよ」 「え?あ、ああ?」 「何か大切な事があるんじゃないの?今しなきゃいけない事があるんじゃないの?」 「アリス・・・ありがとな!」 それじゃあ、と手を振って彼は走っていってしまった 彼が持って来た実験道具やら本やら、いろんな物を忘れていった 「・・・はぁ、何でいつもこうなんだろう・・・ねぇ上海?」 「パァァァチュゥゥゥウリィィィィィイ!!!げふげふ」 むせながら図書館へ、重いドアを開け放ち、彼女のもとへ 「○○!?え?え?」 「ようパチュリー、待たせたな」 驚き戸惑っているパチュリー、そりゃあそうだ 「え?今日はアリスの」 「今日は切り上げてきた、パチュリーが・・・気になったから」 「あ・・・」 赤くなって俯くパチュリー、まるで少女のように、初心な感じで・・・少女パチュリー略してパチュ子 「それで・・・なんか用が有ったんだろ?ほれほれ、遠慮せずに言ってみろ」 すこし、間をおいて、彼女は言った 「あ、貴方と一緒にいたいな、と思っただけだから・・・きにしない「パチュリー!」 俺はか細い両肩を掴んで、彼女をこちらに振り向かせた 「な、なに?」 「・・・そういうことを言うと・・・勘違いしちまうぜ?・・・勘違いしていいなら、目閉じて」 半分冗談ぐらいで言ったつもりなんだが、パチュリーはゆっくりと目を閉じた、ちょっと上向いて、唇を・・・ 「あー・・・うん、えっと・・・」 とりあえずキスはまだ早い、キスは結婚してからだ、うん とりあえず優しく抱きしめた、やっぱりすごく、細い 「・・・でも抱き心地いいな」 癖になりそうだ 「・・・き、キス、は?」 「んーまた今度な、まぁゆっくり、な?」 ゆっくりゆっくり歩いていけばいい、走る必要は無いのだから そーして最後にキッスでしめるのさー そうだな、帰り際にキスしようか、驚く彼女が目に浮かぶようだ 何かワクワクしてきたぞ! ~終~ 10スレ目 204 ─────────────────────────────────────────────────────────── パ「この本を読んでほしいのよ」 俺「え?俺にですか?」 パ「そう」 渡されたのは一冊の絵本。 俺「…では後で読んでおきます」 パ「違うわ、いま私に読んでほしいのよ」 俺「え?」 パ「いやなの?」 俺「と、とんでもないです!」 パ「お願いね」 パチュリー様の顔からはなにも窺えない、とりあえず椅子に座り本を開く。 俺「では…」 パ「それでは見えないわ」 そう言うとパチュリー様は俺の身体と本のあいだに割り込むように ももの上にちょこんと腰を掛けた。 俺「ち、近いです…」 パ「読んで」 俺「…はい。むかしむかし、あるところのオーロラの先にたくさんの雪だるまが」 逆らえない雰囲気に押され、絵本を読み進める。 俺「さようならなの…だッ!?」 突然パチュリー様が背中に腕を回し、服をきゅっと掴んだ。 そして俺の胸に顔をうずめるようにゆっくりと抱きついた。 俺「あああ、あの…」 パ「…」 俺「…」 パ「…どきどきしているのね」 俺「…はい」 パ「…そう」 下目に少しだけ嬉しそうな顔が見えた。 そのとき遠くから足音が近づいて来るのが聞こえ凍りつく。 俺「パチュリー様!だ、誰か来ましたよ!?離れてください!」 パ「…」 小「パチュリー様ぁ~、なにかお飲みモノッ…!?」 俺「…は、はは」 小「…」 パ「…」 微動だにしないパチュリー様、しがみついたまま… 小悪魔さんは無言でふらふらと立ち去って行く、完全に目が死んでいた。 俺「見られましたね…」 パ「それより」 俺「はい?」 パ「『様』はやめてほしいわ」 俺「そういうわけには」 パ「パチェと」 俺「レミリア様に怒られてしまいます…」 パ「早く」 俺「…パ、パチェ」 パ「聞こえないわ」 俺「パチェ」 パ「そう」 俺「…」 パ「…」 また力強くきゅっと抱きつかれる。 俺「…あ、本の続き読みますね」 パ「いいわ」 俺「そ、そうですか?」 パ「まだ、どきどきしているのね」 俺「うっ、ひきょうですよ…」 パ「そうね」 俺「…」 パ「…なら、あなたも確かめてみて」 俺「え!?」 パ「早く」 俺「…」 パ「早く」 俺「は、はい」 , , ! \ \ , _,,.. -‐ "´ ̄`" ト、.,_. ,,--,┐ \ ヽ / \ \\ r-、 ァ ´ _ト、.,__ノ ノ `ヽ,ヘ, // / ! < ∠______ ノヾ、rァ __,ゝ‐i"`y __]` ー、 / ` t,// / ! / / \\ ` (__!r-‐i__」-‐ "´,i ` ー、」ー-ヘ、イ "´.! ||||| / \ (___ \ r‐ァ ´]-‐ / ! ハ /!ィ i ` ー 、/ゝ | ||||| ;t 、 ミ _______ ` 、 ヽ7´ ! !/!メ、!」 レ-rァ iT7 iヽ」`i´! !!!」 ノ ! i / ´ i´ヽ. | .! ! !-rァ T 、,_,ノ !__トr┘i r 、` ´ ; \ 、,_____ (`ヽ;、 `ヽr、. └‐ `ゞ、ハ. 、_ノ ⊂⊃ ! ;./ ; ゝ.,二二7i < ,.-`ヽ i_,!`ヽ、 /| !⊃ r‐-、 /! ! ヽ._」 / ! / ー┼- `ー‐ァ (´__,ノ! | `7! .i >,、.,__ --‐ ,..イ! i ̄´ノ! | / ー┼- ーri´ヽ_/7 〈 V7「ヽ7i ̄´ ノ ! .、 、 、 ; \ r-iー、 --─ ! | // r-、,ゝ、!__j ; トー i i , `ヽ.、 / \ `ー 、ゝ ン___,,...->ア`ー- 、 , i | i i | ヽ. ヽソ` ー--‐ / --─ァ ヽヽ  ̄ く ./___」_ ;/ ! | ! ! ! i ,ゝ-‐ ンヽ. く / rソ´`ヽ、` ァー-‐ ,.イ/ , , ! , く_」`7´ハ 〉 、___ _r ー--‐ "´ / ; i i ,ハ ヽ !_/ヽ!__L/ く i // -イ /! ; / ム \ \. ├‐ rン_,,.. - / / ; !レ ´ i `ヽ. < r-iー、 `ト、 ! 〈 i ; / ,ハ ヽ. r、 / `ー ノ.ノ __ ノ i V / / /! ., _r ヘ / l 7 l 7 i_| V / ハ./ ; i i 、 }><{ ン´/!/ \ |/ .|/ ヽヽ ∧ / ; i , ヽ、 i r "ン / / o o パ「ひとつ約束してほしいわ」 俺「はい」 パ「毎日わたしに会いに来なさい」 俺「はい」 パ「それとずっと私のそばにいなさい」 俺「はい」 パ「毎日好きだと言いなさい」 俺「はい」 パ「それと絶対に私に逆らってはダメよ」 俺「…はい」 パ「あとは…えーと」 俺「あの、全然一つじゃないんですけど…」 パ「ふふ、そうね」 彼女はとても満足そうに笑った。 11スレ目 463 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「パチュリー様?大丈夫ですか?」 ひゅうひゅうという音、顔色も悪い 「・・・発作が出ておられるようですね・・・白湯をお持ちします」 「だい、じょうぶ・・・すぐ治まるから」 とても大丈夫そうには見えない とりあえず埃の多い図書館よりも部屋の方がよかろう そう判断した俺はとりあえずパチュリー様を移動させる事に 「・・・失礼しますよ」 「えっ!?ちょ、ちょっと」 「大人しくしていてください、発作が悪化します」 「・・・」 俺はパチュリー様を抱えて(そこはもちろんお姫様抱っこで)パチュリー様の部屋へ向かった 「ベットに横になって・・・膝を立てて腹式呼吸を・・・そうです、すぐに白湯をお持ちしますので」 「あり、がと・・・永琳から貰った薬があ、るからすぐにおちつくか、ら」 棚から小瓶を取り出し小さな薄いオレンジ色の錠剤を取り出す しょうがないので白湯を取りに厨房まで行くことにした 「・・・まぁこれぐらいでいいだろ、あんまり熱くてもかなわんからな」 熱いポットとカップをお盆に載せて・・・後は何もなかったかな? 「また発作?」 「あ、メイド長」 はろーと軽く手を振られる、もう夜なんだが・・・ 「この季節になるとどうしても辛いみたいね・・・まぁ辛さはわかりようがないけど」 「・・・とても辛いと思いますよ、あのパチュリー様が弱気になるほどですから」 「へぇ・・・引き止めて悪かったわね、それじゃあ」 コツコツと足音が遠ざかっていった メイド長も心配してるんだな、わざわざこんなところまで 「パチュリー様?」 「○○、ありがと・・・だいぶ良いわ」 「そのようですね・・・今日は早めにお休みください、ここで油断すると悪化しますよ」 顔色もさっきと比べればまぁ良い、呼吸も今は落ち着いている 「・・・ねぇ○○、一緒に寝ましょう?」 「なななな、何をおっしゃてるんですか!?わ、私も一応男ですので・・・」 「○○は喘息の発作で苦しんでいる私相手に欲情できるような人じゃ無いでしょ?それぐらいは知ってるわ」 「いや、しかし・・・」 「夜中に発作が出たらどうするの?アナタの部屋までとてもじゃ無いけど行けないわ、大声も出せないでしょね」 「・・・」 「お願い、あなたがいると安心できるの・・・お願い○○」 「わ、わかりました・・・喜んで」 「ふふ・・・ありがと」 辛そうだが、とてもいい笑顔に見えた 結局ベット脇に毛布に包まって寝た、同じベットで寝るというパチュリー様の提案を却下して そしてその夜、発作が悪化したパチュリー様を抱えて永遠亭まで走ったのだが・・・それはまた別の話 end 10スレ目 400 ─────────────────────────────────────────────────────────── (軽く三日ほど、日の光を浴びてない…)○○はぅぅぅと微かな呻り声を上げながら内心で愚痴ってみるが、同じ図書館内にいる己の上司は取り合ってくれなかった。 いつも通り本を読んでいる。彼女の考えていることは分かりづらい、間抜けな呻り声を上げる自分を馬鹿にしているんだろうかなどと彼は考える。 考えて、上司の顔をじーっと睨んではみるのだけれど、やはり反応が返ることは 無い。 「どう考えても仕事、多過ぎじゃないですか?パチュリー様。」 今度は内心ではなく口にして○○は訴えてみる。 「…あなたにこなせる程度の量だけれど、具体的には小悪魔の半分ほど。」 言いたいことは先程の呻り声で十分伝わっている、と言わんばかりに一蹴された。 自分の前にある本の山とパチュリーの机とを見比べて、お互いの顔が辛うじて見える山がいくつも並んでいることにまた○○は呻る。 こうなっては、ここ最近顔を見れない程度に離れたところで仕事をしている小悪魔の控えめな気遣いが恋しくなって来る気がした。(最初のころは悪魔って聞いてとにかく怖かった、けど!) 一向に減らない整理しなければならない本、本、本。(仮眠する時だって、図書館を出てない!) 目を離すとまた増えている気がするパチュリーの机の本の山と戻さなければいけない読み終わった本。(気のせい?ホントに気のせい?!) (ずっと本とパチュリーしか見てない。ずっとパチュリーとしか会ってない。ずっとパチュリーの声しか聞いてない!) 悲鳴の様な心の叫びを上げて○○は図書館の入り口を見やる。 ここ一週間ほど役目を果たす機会のない扉に憂鬱な溜息をついてみたけれど、やはりというか案の定パチュリーは取り合わず、ページを滑らせる音だけが 響く。 (…寝よう。目が覚めたらせめて小悪魔と同じ仕事にかかれますように) ・ ・ ・ ・ 「そう、それじゃあその仕事も彼にまわすわ。 ……彼の仕事が多過ぎだって?良いのよ。少しくらい働きすぎでも、私が彼の顔をいつでも見れるのだから。」 11スレ目 670 ─────────────────────────────────────────────────────────── 本を読んでいたパチュリーが唐突に口を開いた。 「何かくれなきゃ悪戯するぞー」 「……」 「……」 唖然、とはこういう事を言うのだろう。 俺と小悪魔はかける言葉が見付からない。 黙り込む俺達に、パチュリーは真っ赤な顔で抗議する。 「何か言う事は無いの? 恥ずかしいじゃない」 なんか可愛い……。 パチュリーってこんな事もするんだ。 しかし、いくら今日がハロウィンで素で魔女だからってこれはどうなんだろう? 「可愛いな」 「可愛いですね」 「むしろ悪戯されたいな」 「されたいですね」 言ってにやつく俺と小悪魔に、パチュリーは更に顔を赤くして 「馬鹿! ○○と小悪魔なんてもう知らない!」 そう言って再び本に視線を戻した。 今日も図書館は平和だ。 10スレ目 438 ─────────────────────────────────────────────────────────── あなたとみる世界はとてもうつくしくて、あたたかくて、しろくて、とうといのだ。(そう、それはまるで、あなたのように。) 「おっしゃっ出来たぞー!パチェ、ちょ、来い!!」 「・・・はーい(声おおきいわねぇ)」 「遅せぇーぞ!早く来い!パチェ、はやく!」 「わかってるわよ、今行くからっ!」 きゃんきゃんと子犬のように(あんなに大きいのに、子犬。雪にはしゃいでいる、可愛らしい犬ね)大声を上げ続けている○○に叫び返したら、彼の動きが一瞬止まった。 が、すぐまたぶんぶんと腕を振り回しだす。 ・・・こんな寒いのに、元気なこと。 久しぶりの外は冬景色で、私はただ歩くだけで凍て付くような冷たい風に変わる外気に震えながら、首までずり落ちていたマフラーを引っ張って鼻先まで上げた。 まだ少し距離が遠くてきちんと表情は見えないけど、たぶん彼はにこにこ笑ってるんだろうと思う。 真っ黒のロングコートには、ところどころ雪がくっついている。 キラキラと光を放ちながら、さらさらと溶け出すそれは、私が前に○○にあげたマフラーくらいに真っ白だった。 編み物なんて知識はあってもした事はなかったから全然上手に出来なくて、自分で見ても歪だったから、つけなくてもいいと言ったのに。 つけないどころか、洗濯しないの?って聞いても絶対にマフラーを手放さない彼の姿をふと思い出して、少し苦笑した。 苦笑と言っても苦しいから笑ったわけじゃなくて、幸福だから漏れた笑い。 私は自分の笑った顔がそんなに気に入ってなかったけれど、この時の顔だけはなかなかいいんじゃないかと自惚れている。 だって、○○もこんな顔でよく笑っているのだ。 (幸福そうな、幸福そうな。私よりも、もっと綺麗で、純粋で、あたたかいけれど) 「なに、どうしたの」 「見せたいものがある」 「見せたいもの?」 「おう!」 ぜってぇ驚くぞ!!○○がけたけたと大声で笑う。 色白の頬は赤く染まっていて、真っ白な景色に柔らかく色をつける。 夏の激しさが嘘だったように、優しく降りそそぐ太陽の光を浴びた黒髪は、輝きを失うことなく揺れていた。 伸ばされた手は厚い手袋に包まれていて私の一番好きな手のひらとは少し違う様子だったけど、握ってしまえばいつもと変わりが無い。 大きくて、心地の良い温度。 絡めた指先は○○の手袋と私の手袋とに阻まれてごわごわしていたけど、いつもより強い力が加わっていたので悪くない、と思った。 葉を落とした茶色い木の枝に乗っかる冷たそうな塊。 歩くたびに響く、かき氷にスプーンを突っ込んだときみたいな、ざくざくという音を聞きながら、ふたり並んで歩く。 ○○は上機嫌に鼻歌を歌っていて、私はそれを黙って聞いた。 聞いたことないから、たぶん外の世界の歌だと思う。 今真面目に聞いて、覚えて。後で歌って驚かせてやろう。 そう思って内心ほくそ笑んでいたら、○○が唐突に「あ」と言った。 「どうかしたの?」 「あのな、・・・パチェ」 「何、○ま る、って最後まで言い切る前に、抱きしめられて押し倒された。(ええええええええ!?) ぼふんって音がして、雪が私たちの周りをもう一度舞った。 空を見上げたら青くて眩しくて、視界の端に貴方が見えた。 髪の毛を通り越して頭皮とか首周りとか、きちんと皮膚の部分に触れた雪は、私の体温で少しずつ溶けて水になる。 長いスカートから出ていた足の下の雪は直接当たって、冷たかった。 まだ熱を持っているのは、○○に握られたままの指先だけ。 倒れる前に微かに見えた、雪上に引かれた下手なラインは、確かに相合傘のかたちで。 (見せたかったものは、これか)(ああどうしよう、なんて、なんて。) 「なにするのよ○○」 「相合傘、作ったんだ。線引いて」 「だから?」 「俺とパチェがその上に乗ったら、完成するだろ。これ」 ぎゅうと手を握る力がもっと強くなる。 上半身だけ起こしてみたら、相合傘の形の上の私と○○。 どこの漫画よ、と思わず笑ってしまいそうな光景だけど、とろけそうな顔で微笑んでいる、○○の優しい視線に笑うことも出来なくなる。 うそ、こんなに嬉しいなんて。 どきどきと早く動きだす私の心臓は、私と同じくらい愚かだ。そして恋をしている。 頭にハートの形のついた、同じ傘の下にいる彼に。 服はじわりと水を吸ってきていたけど、もう気にならなかった。 「すげーだろ」 「うん すごい」 「驚いた?」 「ええ とっても」 「・・・ほんとにそう思ってんの?」 思ってるわよ。本当かよ。思ってるって。いやでもパチェ、 まだ何か言おうとする○○のマフラーを掴んで引っ張って、そのまま頬にキスをしたら、彼の頬は私の唇が冷たかったせいでない(と思うのは自惚れじゃない?)赤に染まる。 もうコートにくっついているどころか、乗っかってしまっている雪を掃ってやりながら、私は笑った。 そうそれは貴方と同じ幸福そうなあの笑顔。 赤い頬のまま笑いあう私たちは、つめたくてあたたかい雪の中で、本当に相合傘の一部になってしまったよう。 「パチェ」 「なに、○○」 「俺たちもうこれで永遠だと思わない?」 「相合傘に守られてるから?」 「・・・パチェがこんなに傍にいるから」 どこの漫画よ、笑う前に騒ぎ出す私の心臓をさらに騒がせるのは、頬だけにじゃない貴方のくちづけ。 12スレ目 356 うpろだ818 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――それじゃ、また。 そう言って彼は帰っていった。あとに残されたのは静けさが支配する本の寝所。 気のせいか彼がいなくなったことで温度が少しだけ下がったような気がする。 だから、だろうか。 私は読んでいた本から顔をあげ、席を立った。そして、さっきまで彼が使っていた椅子に意味もなく座ってみる。 ……あったかい。 あ、やっぱりダメだ。頬がにやけてしまうのが押さえられない。こんなところ誰かに見られでもしたら余裕で死ねる。死因はきっと喘息の発作。 ほんとうに、私はいつからこんなになってしまったのだろう。魔女である私が、たかだか人間ひとりの事でこんなにも心を揺さぶられるなんて。 彼こと○○との出会いに特筆すべきことは何も無い。 命を救われたとか、殺されかかったとか。そんなことは一切無い、ごくごくありふれた出会いだった。 ……まああれを“ありふれた”で片付けてしまう自分の思考にすこしばかり危機感を覚えるのだけれど。 ○○は魔理沙に連れられてやってきた。例によって例のごとく魔道書を強奪しにこの図書館に来たときに。 魔理沙は「私はここらで一番大きい図書館を紹介しにきただけだぜ」と言っていたが結局何冊か持って帰ったのだから同じことだ。 もってかないでって言ってるのに、もう。 と、それで○○のことだけど。 魔理沙曰く、○○は“外”の人間らしい。服装からしてなんとなくそんな気はしていたのでさほど驚くことではなかったが、自分の目で外の人間を見たのはこれが初めてだったので少しだけ興味は湧いた。 彼は幻想郷に迷い込んだものの、こちらの世界が気に入ったらしくこっちで永住することに決めてしまったらしい。 ○○自身のことは魔理沙も詳しくは知らないそうだが、その事で話をしにいった先の霊夢も「まあ、それならそれでいいんじゃない」とあっさりOKを出してしまい、今では神社近くの里で暮らしているらしい。 こうしてめでたく幻想郷の住人と化した○○だが、しばらくして魔理沙に「どっか図書館とかないのか? 最近暇なんだ」と漏らしたらしい。 ……あとはもう想像に難くない。 実験の手伝いとその期間の食事の世話という対価を要求した魔理沙が、○○をこのヴワル魔法図書館につれてきたというわけだ。 本を折らない曲げない汚さない破らないもとの場所にちゃんと戻す貸し出し禁止。 以上のことを守るならば好きに読んで構わないと私は許可を出した。その時○○は「それは普通じゃないのか?」と言っていた。 ……○○、それを守れない輩が約一名いるのよ。具体的にはあなたをここに連れてきた張本人が。 それを言うと彼は苦笑していた。 それから○○はここに通うようになった。 とはいえ里での仕事もあるのだろう、毎日という訳ではなかったがそれなりによく通ってきていたと思う。 門番とレミィには話を通しておいたので問題ないのはわかっていたが、紅魔館まではどうやってきていたのだろうと思って以前気まぐれに聞いてみると魔理沙がいるときは魔理沙に頼んでつれてきてもらっていたらしい。 もちろん対価は要求されたそうで。魔理沙がどうしても都合が付かない時は霊夢に護符もらって走って駆け抜けているとのことだった。 ともあれ。 ○○はここにいる間は無駄に話かけてもこなかったし、ほとんど無言のまま本をひたすら読み漁っていたので悪い印象は抱かなかった。 本の扱いも丁寧だし、彼がここに来るようになってから最初は小悪魔以外の誰かがいるというのは違和感があったけどそれもすぐに消えて言った。 ――だから、私の中での○○の在り方が大きく変わったのはそんなある日のこと。 その日は何故か○○は魔道書とにらめっこしていた。 いつもとは違い、隣にいた小悪魔に何度も質問しつつ眉間に皺をよせながら少しずつ読み進めていた。 そんな○○と小悪魔の様子がたまたま目端に入って、少しだけ私も興味をそそられて覗いてみたんだった。 本そのものはなんのことはない、初心者向けの魔道書だった。理論も簡単なものしかのっていない。 きっとそれすら読めないのだから○○は魔道の才能はないのだろうなあと思い、けどそれでも必死になんとか理解しようとしている○○を見て興が乗ってその本に載っている指先に小さな灯りを燈す魔法を目の前でやってみせた。 ……その時浮かべた○○の表情を私はいまでも忘れられない。 ○○はそれを、まるで子供のように目を輝かせてみていた。 人間からすればどうということのない事なのかもしれない。些事なのだろう。でも、それでも。 永き時を生きてきた者からして見れば彼の浮かべた表情は胸をつくような、締め付けつけるようなものだったのだ。 少なくとも私はそう感じていた。 その後、彼は当然のように私に教えを請い、私もそれを承諾した。そういえば小悪魔がやけに驚いていたっけ。 普段の私をよく知っているのだからその反応も当然といえた。……だって他ならない私自身が承諾してしまったことに驚いていたんだから。 そして私は○○に魔法を、とりあえずあの指先に灯りを燈す魔法を教えることになったのだが。 なんというか。教え子として○○はどうみても落第だった。 はっきり言うと才能の「さ」の字もなければ、資質の「し」の字も無い有様だった。 それでも引き受けたからにはこのままでは魔女の名が廃る。 様々な手を尽くして、もうこれ以上どうしようも無いというところまでやって、二年という歳月を消費してようやく――彼は灯りを燈す程度の魔法を使えるようになったのだった。 あの時の妙な達成感は思わず小悪魔と手を取り合うぐらいに大きいものだった。 そんな私の側に○○が寄ってきた。まだ魔法を使えたという興奮が冷め遣らないのだろう目にはあの時の輝きが宿っていた。 そして私と目をあわせるなり、本当に嬉しそうな声で○○は言った。 『ありがとう。パチュリー』 ……――ああ、私のバカ。 ○○に魔法の才能がないなんてどうして思ったんだろう。 そんなわけないじゃない。だって彼はずっと前から魔法を使っていたんだから。 私がそれに気付かなかっただけ。そして気付かぬまま彼の魔法にかかってしまっていただけなのに。 この胸に宿る熱が、鼓動が、ふとしたときに○○を追うようになっていた視線が、その証。 自覚してしまえばもう止められない。人間と妖怪という避けて通れない壁もあるけれど、今はとりあえず保留にしよう。 だって。私、パチュリー・ノーレッジは 間違いなく、○○に恋してるのだから。 「はあ……」 ○○の遺した熱を感じながら私はまた彼のことを考えてしまっていたようだ。 最近はいつもこうだ。おかげで○○がいるときも、いないときも読書に身が入らない。 ○○のことを考えるだけで胸が熱くなる。 ○○のことを思うだけで胸が痛む。 ○○のことを見つめるだけで胸が張り裂けそうになる。 ほんとうに、重症だ。でも、それが別にいやじゃないと感じてるのだから困ったものだと思う。 ふと視線をやると、その先にあった暦はもうすぐ如月を指そうとしていた。 ……そういえば。○○が毎年外の世界では如月の月になると――。 「小悪魔、いる?」 「はい? どうかなさいましたかパチュリー様」 「探してほしい本があるの。外の行事について詳しく載っている本を持ってきてちょうだい」 「はい。その行事について名前とかわかりますか? わかればそれだけみつけやすくなりますけど」 「そうね……確か『バレンタインデー』だったかしら?」 私がこんな風に、貴方無しではいられなくなってしまったのは全部○○の所為。 だからちゃんと責任をとって? ――貴方がかけた、恋の魔法の。 12スレ目 643 うpろだ863 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1月5日 新しい研究テーマを立ち上げることにした。 基礎理論は既に構築しているので、そう苦労せずに結実を見ることが可能だろう。 今日は朝から妙にメイドたちが浮き足立っていた。 もともと騒がしい連中なのに、更に落ち着きがないとなったら、大変な目障りだ。 小悪魔によると、昨晩保護した行き倒れの人間の男が、中々の男前だとの事。 実にどうでもいい理由だった。 小悪魔がニヤニヤしながら「気になりますか? 気になりますか?」とやかましかったので、アグニシャインで燃やしておいた。 1月7日 小悪魔に伴われて、人間の男が図書館にやってきた。 先日助けた行き倒れだとの事。 メイドたちが騒ぐほどの美形ではないように思う。 何か挨拶をしてきたが、面倒なので適当に目礼を返しておいた。 そのまま放っておいたらおもむろに禁書を開こうとしだしたので、慌てて止めに入った。 普通の図書館と魔法図書館の区別がついていないらしい。 結局そのまま図書館を案内することになってしまった。 別に面白くもおかしくもなく済んだが、終始おとなしくしていてくれたのはありがたかった。あまり喋るほうではないらしい。 ただ、魔法についての話をするたびに、一々驚いていたのが印象的だった。 彼が帰った後、小悪魔がニヤニヤしながら「いやあお疲れ様でした」などと言い出したので、あんたの仕事でしょうとエメラルドメガリスで潰しておいた。 1月8日 昨日の男がまたやってきた。 帰らなくていいのかと思ったが、小悪魔によると外界からの迷い人であるとの事。 魔法についての知識がない理由に納得する。 帰る方法が見つかるまでここにいることにしたらしい。 紅魔館は普通の人間が生きていくには少々厳しい環境であるように思うが、一体何が気に入ったのか。 まあ別に私には関係のないことだ。 図書館の使用許可を求められたので、騒がないこと、私の邪魔をしないこと、勝手に本を持っていかないことなどを条件に許可した。 それはわざわざ言うほどのことなんですかと不思議そうな顔をされた。悲しい。 彼は本を持ってきて、読んで、帰っていった。 去り際にまた来ますね、と言ってきたので、そう、と適当に返しておいた。 私としては、私の邪魔にさえならなければ、いてもいなくてもどうでもいい。 小悪魔がニヤニヤしながら、「恋の予感ですか?」とよくわからないことを言ってきたので、プリンセスウンディネで頭を冷やしておいた。 2月13日 今日は特筆すべきことはなかった。研究も引き続き順調に推移している。 無理をして一点挙げるとするなら、○○の姿を今日は見なかったことだろうか。 このところは毎日来ていたように思うが、あまり注意していなかったので本当にそうだったかはよく分からない。 聞いてもいないのに小悪魔が、彼が風邪を引いたらしいということをしつこく言ってきた。私にどうしろと言うのか。 それを問うと、ニヤニヤしながら「またまたあ。わかってるくせに」と意味不明なことを言ってきたので、マーキュリポイズンで沈没してもらった。 2月14日 今日は朝から妙なことを言われ通しだった。 まず起き抜けに顔を合わせるなり小悪魔が「部屋は二階の掃除用具入れの隣ですよ」と言い出した。誰の部屋だ。 朝食の席に行こうとすると廊下で門番と出くわし「酷い風邪だそうで。このたびは大変でしたねえ」と慰められた。なぜ私が大変なのか。 席に着いたら着いたでレミィが「そういえば、あいつの容態はどうだ?」と聞いてきた。私が知るわけがない。 挙句の果てに咲夜が「薬膳を作ったのですが。持っていっていただけますか?」などと言って怪しげなスープを押し付けてきた。自分で持って行けと思った。 妙な臭いに辟易しながら持っていくと、○○はベッドで眠っていた。確かに風邪のようで、高潮した頬や湿っぽい吐息がその症状を伝えていた。 ベッド脇に土鍋を置くと、その音に反応して、一瞬だけ薄目を開けたように見えたが、消耗しているのか、すぐにまた眠りに落ちていった。 看病など柄でもないのですぐに立ち去ろうと思ったが、せめて床に散乱しているシャツくらいは椅子にでも掛けておいてやろうかと手に取ると、 「おう、風邪引いたんだって? 調子はどうだ?」と言いながら扉を蹴破るようにして魔理沙が入ってきた。 しかし魔理沙はシャツを持つ私を見ると急に頬を赤らめ「あー、すまん。これを渡しに来ただけだから。義理だから全然心配しなくていいぜ」と 早口で言いながら、私に小さい箱を押し付けるやいなや「じゃあお前から渡しておいてくれよ。まあなんだ、邪魔したな」と、 困惑する私を尻目に去っていった。 意味が分からないので箱を開けると、「義理 Marisa.K」と白文字で大書されたチョコレートが入っていた。 そういえば、これまでは女所帯なので大して気に留めることもなかったが、今日は確かそういう風習がある日だった。 もっとも、男がいたとしても気には留めなかったと思うが。 それも土鍋の横において部屋を出る。なんだかよく分からないが、まだ朝だというのに異様に疲れた。 図書館に戻ると、小悪魔がニヤニヤしながら「看病イベントですね! これでフラグが立ちましたよ」とこれまた意味不明なことを言ってきたので、 ジンジャガストで薙ぎ倒しておいた。 2月16日 驚愕の事実が判明した。 どうも周囲からは、私と○○が両想いの仲だと思われているらしい。 通りで先日は皆から妙なことを言われると思った。 実際には、私と○○は会話することすらあまり無いのだが、確かに図書館の外から見ると、私に会いに足しげく通いつめているように見えるかもしれない。 良い悪いという以前に困惑せざるを得ない事態だ。実験にも身が入らない。 考えていると、間の悪いことに当の本人がやってきた。もう大丈夫なんですか、という小悪魔の質問に、ええおかげさまで、などと呑気に答えている。 こちらの身にもなってほしいものだ。 ○○がこちらを向いて、パチュリーさん一昨日の朝に来てくれましたよね、と言ってきた。あいまいにうなずくと、きっとあのスープが効いたんです、 ありがとうございますと頭を下げた。 あれは私じゃなくて咲夜が作ったものだと言おうと思ったが、小悪魔がさえぎるように「いやーそうなんですよー、パチュリー様ったら慣れない料理を 一生懸命、○○さんのためにですね」とよどみなく嘘を並べ立てた。○○はそれを聞き、よりいっそう感謝の念を深めたようだった。非常に困る。 彼はまた帰り際に改めて礼を言い、お返しには期待しておいてくださいね、と笑顔を残して去っていった。 小悪魔に目線で非難を送ると、悪びれずにニヤニヤしながら「だって本当に両想いになったほうが面白いじゃないですか」とうそぶくので、 セントエルモピラーで爆破しておいた。 2月28日 どうにも先日以来、○○が来ると調子がおかしくなって困る。 それもこれも、あの両想いだとか何とかいう噂のせいだろう。 何度か否定してみても、誰もが「またまた照れちゃって」という顔をする。まったく信じてくれないのはどういうことだろうか。 小悪魔によると、○○と私は「静かで本好き」という共通点があるため、きわめて「お似合い」であるのだそうだ。意味が分からない。 その○○は今日もテーブルの隅でページをめくっていたが、こんな状況ではその様子が気になって何度も目を向けてしまう。 一度は○○がそれに気づいて目が合ってしまい、慌てて視線をそらしたほどだ。まるでこれでは本当に恋仲のようではないかと、我ながら呆れてしまう。 そういえば○○はこの噂を知っているのだろうか。知っているのだとしたら、それについてどう思っているのだろうか。以前なら気にも留めなかっただろう 些細なことが、なぜか今はとても気になった。 あと小悪魔がニヤニヤしながら「いやあ青春っていいですねえ」と言ってきたので、エレメンタルハーベスターで削っておいた。 3月13日 本を読んでいる○○の元に狐の式神が訪れた。 そろそろ春、隙間妖怪が目覚める時期なので、それにあわせて外界に帰る算段をつけたいとの由。 ようやくと言うべきか、これで私の精神にも平穏が訪れるというわけだ。 しかしあろうことか、○○は狐に、帰るつもりはありませんと言った。 私の心臓はなぜか跳ね上がり、狐も当然驚いたが、私を見ると急ににやつきだし、何かを納得した様子で帰っていった。 そしてまた図書館は静かな状態に戻ったが、私はどうしても気になったので、なぜ帰らないのかと尋ねた。 ○○は驚いたように顔を上げたが、すぐに満面の笑みを浮かべると、僕がここに通うようになって初めてじゃないですか、パチュリーさんのほうから 話しかけてくれたの、などと言い出した。 私はそれを聞くと急に○○を見ていられなくなって、馬鹿じゃないの、と小声で言い、本に視線を落とした。 そのページに何が書かれていたのかは、あまり覚えていない。 後で小悪魔がニヤニヤしながら「あーあパチュリー様ばっかりいいですねー。私もときめきたいですー」と言い出したので、ノエキアンデリュージュで 押し流しておいた。 3月14日 そういえば結局昨日はなぜ帰らないのか聞いていなかったということに気づき、改めて今日聞いてみた。 ○○は悩んでいるようなそぶりを見せたあと、もともと帰るところなんてなかったんです、と少し寂しそうに笑った。 それを聞いて初めて、そういえば私は○○のことを何も知らないということに気づいた。知っていることといえばせいぜい名前くらいだった。 それに気づくと、私は急に○○へ質問がしたくなった。 外界では何をしていたのか。どんな本を読むのか。好きな食べ物は。そのような、まったくどうでもいい疑問は尽きることなく湧き続け、その答えを 得るたびに、私のどこかにある空白が埋まっていくように感じられた。 今日は随分と喋った気がする。今まで○○と喋った分、その数倍を今日一日で喋っただろう。 その間、本は脇に置かれたままだったが、ありえないことに、それはあまり気にならなかった。 最後に、○○は「先月のお礼です」と言って袋包みのクッキーを置いて帰っていった。 おそらく手作りだろうそれを前に私がぼんやりしていると、小悪魔がニヤニヤしながら「いらないんですかー。私が食べちゃいますよー」と 言ってきたので、ラーヴァクロムレクで撃ち抜いておいた。 3月25日 いつになく真剣な目つきの○○がやってきて、何かと思ったら愛の告白をされた。 正直○○本人よりも、「ついにやった!」という顔の小悪魔のほうが強く印象に残っている。 返事は少し待ってほしい旨を告げると、○○は分かりましたと言って、本は読まずに帰っていった。 ○○のいないテーブルは、少し広く感じた。 なんで即断即決じゃないんですかー、と不満そうな小悪魔は無視し、私は考えた。 ○○とは誰か――紅魔館の前で行き倒れていた外の人間。毎日のように図書館へ来る。 私はそれが嫌か――嫌ではない。 では、それは好ましいことか――今はそのように思える。 愛の告白を受けて、どのように感じたか――嬉しかった。 つまり……おそらく、私は○○のことが好きだ。 本当は、こんな問答を行うまでもなく、自分の答えはわかっていた。 ただ、それを認めてしまうのは、少し怖かったのだろう。 何しろ、知識以外の物事に自らをゆだねたことは、いまだかつて全くなかったのだから。 きっと、私には自分から踏み出す一歩が必要なのだと思う。 そう決心して腰を上げると、小悪魔がニヤニヤしながら「行きますか? 行っちゃいますか?」とやたら楽しげに言うので、サイレントセレナで 少し黙らせておいた。 3月26日 小悪魔がニヤニヤしながら「ゆうべはおたのしみでしたね」と言ってきたので、ロイヤルフレアで蒸発させておいた。 6月30日 6月の花嫁は幸せになるという俗説がある。それになぞらえたのかどうかは知らないが、とにかく今日、私と○○の結婚式が執り行われた。 わずか半年前、過去に戻って「お前は来年の6月に結婚する」と言ったら信じるだろうか。とても信じまい。実に隔世の感があった。 ただ隣にいる、慣れない礼服に辟易した様子の○○の存在が、これは夢ではないということを告げていた。 控え室で○○が、言ってなかったけど、ここにお世話になることに決めた理由は、パチュリーに一目ぼれしたからなんだよね、とぽつりと言った。 私はそれに、今更そんなことを言われても困ると思った。これから本番だというのに、恥ずかしくて新婦が新郎の顔を見れないというのでは式にならないから。 結婚式の様子については、多く語ることもない。館のメイドたちやそれなりに多くの人妖が私たちを祝福し、私たちはその祝福を受けた。 式は西洋の作法にのっとって行われた。もちろん神父などというものを呼ぶはずもないが、代わりに紅魔館のエントランスに設けられた高台にレミィが立ち 「おいお前、パチュリー・ノーレッジを妻とし、病める時も健やかなる時も、生涯愛することをこの私に誓え」とものすごく偉そうなことを言っていた。 ○○は私の目を見て笑みを浮かべると、レミィに向かい、誓います、と言った。 その言葉だけで、私は幸せになれた。 ことはそう単純ではない。そもそも寿命も異なるし、今後どうしていくのかということも不透明だ。 ただそれでも、その言葉を聴けただけで、今の私は、これはきっと間違いではなかった、と思えた。 次いでレミィが私にも問いかけた。私もまた、レミィに誓った。 ありきたりな言葉だけれど、きっとその誓いが、二人で生きていくということなのだろうと思う。 そのあと、小悪魔が泣きながら米粒を投げてきたので、花束を叩きつけておいた。 9月30日 今日で結婚から3ヶ月経ったことに気づいたが、生活が何か変わったかというと、実のところそれほど変わったようには思えない。 私は相変わらず図書館で本を読んでいるし、○○もまた、館の仕事をこなしては図書館へとやってくる。 今日、唯一つ違ったのは、○○と二人本を読んでいると、小悪魔が知らない男を連れてきたことだった。 聞けば、彼もまた、○○と同じように外界から来た行き倒れだという。 彼は○○と違ってよく喋り、また屈託なく笑ったが、馬が合ったのか三人で歓談していた。 やがて部屋を案内すると言って男二人は出て行ったが、小悪魔がなんとなく落ち着かない様子で、そわそわと立ったり座ったり、ちらちらと 扉に目線を送ったりしていた。 私はピンと来るところがあり、ニヤニヤと笑みを浮かべながら小悪魔に言った。「恋の予感かしら?」 反撃はなく、ただ小悪魔は酷く赤面した。 12スレ目 853 うpろだ896 ─────────────────────────────────────────────────────────── 退行したぱっちぇさん。 「ねぇねぇ○○」 「どうしたのパチュリー」 「あのね、お本読んで~」 「あ・・ぁ良いよ、ささ、ベッドに行こうね」 「○○~」 「なあに?」 「お本てね、食べられるの?」 「美味しくないよ」 「じゃあ食べない」 「うん」 「・・・でした、おしまい」 「ありがと~○○~」 「今日のお話は面白かった?」 「ん・・・わかんない、でも」 「でも?」 「○○が読んでくれたから、面白かった気がする~」 「そうかい、それはよかった・・・ ところでパチュリー」 「?」 「ぎゅってしたいのは良いが腰に抱き着くとポジション的に」 「そ、そ、そ、そそそそそこまでですぅ!」 12スレ目 887 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「うう……」 口から言葉が漏れると同時に無意識で本を開く手が止まった。 集中して読んでたはずなのに、思わず呻いてしまうようなこの匂い。 いや、匂いそのものはまったくもって問題ない。 甘くていい匂いだ。 ……だから問題なのはその量。甘い匂いがこれはありえんだろうというくらいに充満している。それも紅魔館中に。 そもそもこのヴワル図書館にまで届くような匂いってどういうことだ。 しかし本来このことにお怒りになられるはずであろうパチュリーはというと、今回はこの匂いを生産する側。 お嬢様、妹様、中gもとい美鈴さん、咲夜さんも同様だ。 加えて紅魔館で働くメイドの数を考えれば……いややっぱありえない。どう考えてもおかしい。 一体どれだけの数の『チョコレート』がこの紅魔館にあるというのだろう。 想像することすらもはや不可能っていうか想像したくない。 流石は悪魔の館というべきなのか。なにか間違ってる気がするけど。 ――今日の日付は2月14日。つまるところ完全無欠にバレンタインデーだった。 「つってもなあ」 一体なんで幻想郷に外の世界の行事なバレンタインデーがあるのかとかはこの際おいとく。 しかしこっちであるからといっても俺にはさほど関係が無い。 確かにこっちに来て女の子の友人がやたら増えたが、まあ義理チョコ一個くらいもらえれば御の字と思ってるし。 本命? ははは、ばかだなあ。そんなの天地がひっくり返ってチルノが⑨じゃなくなるくらいありえない。 もう期待すらできなくなった俺の外での経験に涙がでそうだ。 く、くやしくなんかない! ……でもパチュリーが生産する側ときいたからちょっとだけ期待もしてたりもする。 どっか矛盾してるけどしょうがないよね、だって男の子だもん。 本を片手にニヤニヤしながらそんな事を考えていると、扉を開ける音が俺の意識を妄想から引き上げた。 目を向ければそこにはパチュリーと小悪魔の姿。 ……と同時に、館に充満していたであろう甘いをとおりこして甘ったるいチョコレートの匂いが襲ってきた。 「あががががが」 「○○? どうしたの」 「あ、いやなんでもない」 「? ……そう。じゃあ小悪魔、準備して」 「はいー」 平素状態そのままに、そう言って奥に飛んでいく小悪魔。 つかなぜこの強烈な匂いに気付かないんだ皆。感覚が一時的に麻痺してんじゃと思わざるを得ない。 救いといえば、パチュリーが後ろ手に持っているものからの匂いはここまで強烈ではないこと。 「…………」 「…………」 そして小悪魔が準備している間。 その間ずっと身体をソワソワしさせているパチュリーから断続的に俺に視線が飛んできていた。 視線が合うとそらされ、だけど恐る恐る戻して、しかしまた合うとそらす。 普段では絶対にお目にかかれないパチュリーの姿に俺はもう狂喜乱舞しそうです。キャッフー。 これはいいんですよね、期待してもいいんですよね!? 少なくとも義理はもらえるはず! しかしそんなことはおくびにも出さず平静を装う俺。 そして気付いたときにはすでにお茶会セットは準備完了しており、俺とパチュリーは向かい合うように席についていた。 とりあえず、目の前の適温に温められた紅茶を手に取り一口飲む。 ……嗅覚の影響をうけたのか、なんだか甘い。 「あの、これ……」 お互いに紅茶を飲んでいたがやがてパチュリーの方がカップをおいた。 陶器がかち合う音と同時に、すっと俺の方に小さな包装された箱が差し出される。 「あ、これチョコ?」 「ええ。……今日は、そういう日なんでしょ? 貴方は整理とか手伝ってもらってるし、本の扱いも丁寧だし、もってかないし……」 言葉を探しながら色々と理由付けしようとするあたり、らしいといえばらしい。 可愛いなあと思ったがどこぞのギャルゲー主人公のように口にだしたりはしないぜ。 「食べてみても?」 「……うん」 顔がニヤケるのを必死で抑え込みながら、包装を丁寧に剥がしていく。 この包装もところどころ曲がってたりしていたが手作り感がまた非常にグッドです。 箱を開けてみると中に入っていたのは一個のチョコレート。 ……しかしですねパチュリーさん。ハート型ってのは、こう、気恥ずかしいです。はい。 向こうもそうなのか俺が箱を開けた瞬間に俯いてしまった。耳まで真っ赤にして。 とりあえずこのハートのチョコを真っ二つに割ってしまうというバッドエンドフラグを回避すべく、端っこを少しだけ割る。 そして口の中に放り込んだ。 ……。 …………。 ………………。 「どう……?」 無言でいた俺に不安を抱いたのだろう。 恐る恐るといった感じで聞いてきたパチュリーに、俺は新たに割ったチョコの欠片をパチュリーの口の中に突っ込むことでその返答とした。 「んむ!?」 最初は一体なにを! と眉がつりあがっていたが咀嚼するにつれてだんだん眉がさがっていく。 俺の言わんとしていたことがわかったのだと思う。 そうして、こくりと喉を小さく鳴らした後 「ニガイ」 言ってから紅茶に手をつけた。 それを確認してから、俺もまた紅茶に手をつける。 チョコそのものの出来は全然問題ない。むしろかなり良いと言っていい。 しかし如何せん、苦すぎた。ビターというよりはド・ビター。つまり凄く苦い。 まあ、この甘ったるい空気の中なので俺には普通のビターより少し苦いくらいにしか感じなかったのだが。 同じものを食べたパチュリーの感想は違っていたようで。 「ごめんなさい……」 ひどく申し訳なさそうに言ってきた。 ついでにちょっと涙目。 俺の冷静な部分は「涙目のパチュリー。なんてレア……!」とか思ってたりもするが大部分では大慌てだ。 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!? その時。 8割がたパニックになりかけな俺の目に飛び込んできたのはティーセット一式。 ――これだっ! そのひらめきのままに、新たに注ぎなおされた紅茶に多めの砂糖とミルクを入れる。 パチュリーの紅茶にもおなじことをして例のチョコを割り、二欠片つくって片方をパチュリーのソーサーに置く。 そして俺の奇行に向けられるじと目はとりあえず無視してチョコを再び口に放り込んだ。 「あ……」 小さな声が聞こえたような気もしたけどそれも無視。 口の中で砕かれたチョコが熱でゆっくりと溶け、苦味が広がっていくところにさっき作った甘めのミルクティーを含む。 すると二つの味がちょうどいいかんじに混ざり合っていって―― 「ん。うまい」 素直な感想が口から出た。 俺がそう言うと、確かめるようにパチュリーもおなじようにしてチョコを食べる。 するとこちらも少しだけ驚いた顔で 「……おいしい」 と言った。 まあやった事といえば、苦ければ甘いので打ち消せいいというそれだけの事なのだけれど。 今回の場合はそこにミルクが加わったことで、砂糖の尖った甘さがマイルドになったのだ。 チョコの出来はいいんだし。口当たりの良さは抜群だった。 ともあれ、僅かな変化ではあるがパチュリーも笑顔を浮かべてくれているみたいだしよかったよかった。 涙目なパチュリーも可愛かったけれど。 やっぱり……その、好きな人には笑っていて欲しいし、そっちの方が断然イイ。 改めてそう思いながら俺は手に持っていたカップを静かに置いた。 「チョコ、ありがとな」 「どういたしまして」 はにかみながらも笑顔を向けてくれたパチュリーに、思わず赤面しながらそれを誤魔化すためにまたチョコを一欠片口に入れる。 口の中に広がる苦味を感じながら思った。 ――まあ、こんなバレンタインも悪くないかな。 ……後日、図書館中に染み付いたチョコの匂いにパチュリーが遅れて激怒した。 12スレ目 970 うpろだ925 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「―ゴホッ、ゴホッ」 「……やれやれ、またか」 ここ何日か、パチュリーが俺をつけ回してる。 いわゆるストーカー、なのだが…… 「また発作だな?ほら、背中さすってやるから」 「ゴホッ……あ、ありがとう……」 「なあ、もうやめたら?俺は絶対浮気なんかしないし、 何よりパチュリーにはストーカー向いてないって」 「……だって、貴方を他の誰かに取られたらと思うと、私……」 体力がなく、動き回るのになれていないのに 外をついてくるもんだから、 発作を起こしたり日射病で倒れたり。 何度介抱したことか。 「せめて、小悪魔に代わってもらうとか……」 「……あの子が一番心配なのよ、ゲホッ、ゴホッ……」 こりゃ図書館に住み込むしかないかな、などという俺の思いをよそに、 今日もパチュリーはついて来るのだった。 13スレ目 216 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「……エヘヘ……○○とこんな感じでこう」 「なあ、パチュリー、なに読んでるんだ?」 「ちょ、見ちゃ駄目!……ハァハァ」 「寂しいなあ……。?……鼻血!おい、マジでなに読んでたんだよ!」 「証拠を……隠滅しなきゃ……」 「そんなことより早く安静に!ただでさ「大丈夫。ちょっとくらっと来ただけ……あれ?」 「どうした」 「本がない……」 「大事なものだったのか?よし、探してきてやる!」 「あ、ちょっ」 「ここにありますよー!!!!!」(小悪魔) 『放課後の淫魔な図書館』 「え?なにそ「そ、そこまでよッ!!!」 13スレ目 221 ─────────────────────────────────────────────────────────── じー…… パチェ「…………(読書中)」 むにっ パチェ「……………何?」 いやなんでも パチェ「…そう……(読書再開)」 むにむに パチェ「…………」 愛してるぞ 「……そう」 パチェ可愛いよパチェ 13スレ目 239 ─────────────────────────────────────────────────────────── ふと思った 身長180オーバーの俺からしたら、幻想郷の女の子はみんなちっちゃいのだ 勿論想像だが、イメージ的に長身なのは師匠やこまっちゃんぐらいなものだと思う そこでその体格差を最大限に活かし、パチュリーを膝の上に座らせたい 椅子の上に座った俺の膝の上に、パチュリーが腰掛けるのだ 「これ1冊しかないから・・・」とかわざわざ言って俺の上に腰掛けてくるパチュリー 座ったはいいものの慣れない据わり心地にもぞもぞするお尻から伝わるバイブレーション 視線を下げればすぐそこにある絹糸のような紫の髪とそこから漂うフレグランス じっと見ている視線に気づいて「何よぅ」と見上げてくる不機嫌そうな瞳 それを塞ぐようにぎゅっと抱き締めて、半ば強引にその唇を・・・ ・・・どうしてパチュリーは現実にはいないんだ ヤらしいこととかしなくていいから、一日中腕に抱いて過ごしていたいよぅ 13スレ目 255 ─────────────────────────────────────────────────────────── 図書館にて―― パ「また来てたの?」 ○「ああ、ここには面白い本がたくさんあるからね。ほとんど読めないけど」 パ「そう。はい、コーヒー」 ○「お、ありがと」 パ「…………ぼそっ(日符『ロイヤルフレア』)」 ゴボゴボゴボッ ○「うあっちぃ!?」 コトッ パ「えー?」 ○「ふーっふーっ、あー熱かった。てかなんで急に熱くなったんだ?」 パ「なんでこぼさなかったの?」 ○「本のある場所で飲物をこぼすようなことはしないって。それよりいたずらしたのパチュリーだろ」 パ「ここにある本は飲物くらいかけられても問題ないしズボンにこぼしたコーヒーを拭きながら だんだんとアレな雰囲気になって○○とそこまでよ! なことしたかったのに」 ○「それが目的か」 パ「えーと、積極的に○○とアバンチュールする方法は……」 ○「おーい、そこは消極的にだろー」 13スレ目 335 ─────────────────────────────────────────────────────────── ものすごい轟音と共に現れた普通の魔法使い 「パチェ~。今日も借りに来たぜ~っと。○○じゃないか」 パチェはやれやれ。といった目つきで魔理沙を眺める。 が、特に動く気は無いらしい。いつもの事。といった感じで。 「魔理沙。パチュリーの…というか紅魔館の苦労も考えような」 「いやいや○○。これは私の道だ。邪魔はさせん」 そう言って魔理沙は俺の頭を撫でる 「邪魔をする気は無いがなぁ。パチェの苦労を考えたら、一声掛けといたほうがいいな、と」 「○○。魔理沙は基本的には何を言っても無駄よ。何かを言って帰るようなら苦労はしない」 その言葉に魔理沙が食いつく 「また私を馬鹿みたいに言いやがって」 「違うの?」 「私は馬鹿じゃないぜ。図書館に寄って本を借りる勤勉な魔法使いだ。なぁ○○?」 あながち間違えでは無いが、借りるってとこがどうもパチェには気に食わないらしい。 「借りる借りるって、いつ返すのよ。そろそろ取り立てに行くわよ?」 「別にいいぜ?返却する義務はいつも課せられてないからな。お前が捕まるだけだ」 「何よそれ。勝手に取って行ってる貴女が言えるセリフなの?」 ピリピリした空気が流れる。そして俺空気。 「な…なぁパチェ。少し落ち着け。魔理沙も。な?」 「それもそうだな。○○に落ち着けと言われて、落ち着かなかったら良いことが起きない」 「いつも落ち着かないで事を悪いほうに進めてるのは貴女だけどね」 「なんだと」 更にピリピリとした空気が流れる。なんだ?今日はパチェの機嫌が悪いのか? 「パチェ。落ち着けって。なんか今日変だぞ?」 「…○○。魔理沙の事を追い返しておいて。私はちょっと自分の部屋に行くから」 「俺に任されても…」 「いいから」 「…はいはい」 これはさっさと魔理沙を帰してパチェと話す必要がありそうだな… 「なぁ魔理沙。今日は勉強もいいが休む日にしないか?いつも勉強詰めじゃあ疲れるだろ」 なんとなく変な空気と分かった魔理沙は今日は食い下がる 「…あぁ。分かった。今日は勉強と趣味を慎む日にするぜ。じゃあな」 そう言って素直に帰る魔理沙。小悪魔はドアの修理に早速取り掛かっている 「小悪魔?」 「なんでしょうか」 そう言ってこっちを見る 「パチェ、今日機嫌悪かったみたいだけど…なんか知ってる?」 「いいえ。なんででしょう?魔理沙さんが来るまでは、いつもどおりの用に見えましたが」 「だよなー。まぁちょっとパチェのところに行ってくるわ。いつもすまないが修理頼んだ」 「はいはい。パチュリー様の部屋に行ってもお話だけにしてくださいよ」 「なんだそのジョークは」 俺は苦笑いし、ドアの修理を小悪魔に任せてパチェの部屋に向かう。 「どうしたんだろう…」 本当に何なのか分からないままパチェの部屋の前に止まる。 そして一呼吸置いてノックする。 「誰?」 「○○だけど」 「…いいわよ」 そう言われ俺は部屋に入る。 パチェはベットに寝転がっている。その横に腰を掛ける 「で、何よ?」 「いや、今日どうしたのかな。って」 「別に何でも無いわ」 「そういうときに限って絶対なんかあるんだよな」 そう俺が言うとパチェが黙る 「どうしたんだよ。言ってくれなきゃわかんないぞ?」 「あんまり言いたくない…というか、ちょっと考えれば分かるわよ…」 そう言われ、俺はパチェの機嫌が悪くなったと思われる行動が、何かあったか考える 今日は図書館に来て、そろそろ図書館を仕舞おうかなー。 って思ってるときに魔理沙が来て、俺が注意して、魔理沙がさり気なく反論しながら俺の頭を撫でて 俺が微妙に突っ込みを入れた後パチェが怒って… …そういうことか、パチェ。可愛いやつめ 俺はパチェの頭を撫でる 「あぁもう可愛いなぁパチェは。俺が魔理沙に撫でられたくらいで怒って」 パチェは顔を赤くして枕に頭を埋める。やはり図星か。 「だって…私の大好きな○○が魔理沙に撫でられたら…」 「ちょっとしたことでヤキモチを焼くのが、お前のまた可愛いところなんだなぁ。パチェ。好きだぜ」 そう言うとパチェはのっそりと起き上がり、俺に抱きいて、ベットに一緒に倒れる 「今日はなんか凄い積極的だな」 俺は笑いながら言う 「だって久しぶりに○○が好きって言ってくれたんだもん。私も大好きよ。○○」 パチェも笑顔で返す そんな甘甘ムードの中ベットで二人が寝転がっている 俺がパチェの顔を見つめると目を横に反らす そこで顔を徐々に近づけて… コンコン 二人ともビクリと体が動く ガチャリ 「小悪魔です。パチュリー様。ドアの修理が終わりました…っと」 俺が小悪魔の顔を反射的に見ると、この世のものと思えないほどニヤニヤしている 「へぇー…へぇー。お取り込み中でしたか。へぇー。」 いやらしく笑いながら小悪魔は言う。 「では、失礼致します。パチュリー様」 パチェは口をパクパクさせ、目は泳いでいる。 小悪魔が帰ろうとするが、後ろからでもニヤニヤオーラが出てるのが分かる。 そりゃ、あんなシーンを見せたらな。 ガチャリ。とドアを閉め、小悪魔が出て行った 「…はぁ。見つかっちゃったな」 小悪魔にばれたらちょっかいを掛けられる。と常々言わていたが、まさかこんな所を見られるとは。 「でも、まぁ見つかっちゃったんだから、これからは堂々と図書館でもイチャイチャできるわね。しないけど」 「ま、そうだな。見つかったんだからしょうがないな」 俺とパチェは楽しげに笑う。 「○○。さっきやろうとしてたことは、結局無しになったの?」 パチェは目を閉じて言う 「いやいや。そんな分けないだろ」 そう言ってキスを交わす 「もうせっかくだしこのまま寝ちゃう?」 「う~ん。まぁそうだな。時間も時間だし」 魔理沙が趣味を働く時間は大抵真夜中だ。 「じゃあ髪縛ってるのはずしてくるからちょっと待ってて」 「あ、俺はずすよ」 そう言ってパチェを後ろに向かせてそれをはずす 「はい。とれたよ」 「有難う」 「相変わらず、髪。凄い綺麗だな」 「○○に撫でてもらえるように髪を綺麗にしてるから…」 「そんなことをしなくても、パチェは可愛いさ。俺もお前にもっと好かれるように、格好良くならなきゃな」 「大丈夫よ。○○は、世界で一番私の好きな人だし、世界で一番格好良いから」 二人とも、ウフフ。と遠慮がちに笑う 俺はパチェの髪を撫でながら眠りに付く。 朝起きて、腕が痺れててもまぁ良いか。それは幸せな痺れだと分かっているから。 うpろだ1304 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/855.html
PREV:チュリンの謎 前編 NEXT:チュリンの謎 後編 ストーリー わ、プレイヤー!本当に来た! 自然の守護者 チュリン え、いや…ほら、うちって割と森の奥の方にあるから 自然の守護者 チュリン なかなかたどりつかないってか結構途中で諦める人とか多いんだよね 自然の守護者 チュリン 道に迷ったりしてさまぁ、帰り道はほら、試練の塔が見えるから 自然の守護者 チュリン アレを基準にして動けば帰れはするんだけど… 自然の守護者 チュリン グレンなんて初めて来た時、遭難しかかってたからね 自然の守護者 チュリン 三日ぐらいサバイバルして自力でうちにたどり着いて最初に何て言ったと思う? 自然の守護者 チュリン さぁデュエルだ! だからねもうボロボロのボロなのに笑っちゃったよね 自然の守護者 チュリン だから君がボクんちに来るって言い出した時とかはちょっと不安だったんだけど 自然の守護者 チュリン …大丈夫そうだね?虫刺されとかも大丈夫?この辺夏になると多いから 自然の守護者 チュリン そっかそっかそれならいいんだけど 自然の守護者 チュリン あ、折角来たんだし、近くの川とか行こうか 自然の守護者 チュリン 今日みたいな暑い日は気持ちいいよー 自然の守護者 チュリン …え? 水着?いいよいいよ、裸で他に誰も見てないしさ 自然の守護者 チュリン 冗談だって~そんな顔を赤くしないでよー 自然の守護者 チュリン っていうか、服のまま入っちゃえばいいんだよ 自然の守護者 チュリン どうせ出たらすぐ乾くし 自然の守護者 チュリン …そう?じゃー、とりあえず今はデュエルにしておこうか 自然の守護者 チュリン 勝利時 ダメだー!負けたー!暑いいぃー! 自然の守護者 チュリン ……………… 自然の守護者 チュリン って事で、川に行っちゃおうか 自然の守護者 チュリン えーだって、今日暑いよ? 自然の守護者 チュリン 絶対気持ちいいからね、ほら早く! 自然の守護者 チュリン 敗北時 はい、ボクの勝ち! 自然の守護者 チュリン やっぱうちに来るまでに疲れてるんじゃな~い? 自然の守護者 チュリン どうする?少し仮眠とかしちゃう? 自然の守護者 チュリン 風通しのいい木陰があるんだボクのお気に入りのね 自然の守護者 チュリン そこ、ホントは内緒だけど特別に案内してあげるよ 自然の守護者 チュリン ほら、おいで 自然の守護者 チュリン PREV:チュリンの謎 前編 NEXT:チュリンの謎 後編
https://w.atwiki.jp/tamakagura/pages/167.html
コダマ名 HP 攻撃 防御 特攻 特防 速度 合計 属性1 属性2 攻撃属性 弱点 耐性 スキル1 スキル2 必要アイテム ちびパチェ 65 20 60 120 105 60 400 理 - 理炎水樹 虫霊闇 闘理 動かない大図書館 - パチュリーカード Nパチュリー 80 30 75 125 150 85 545 理 樹 理樹(炎水雷地) 虫炎氷毒風霊闇 水雷樹闘地理 動かない大図書館 火水木金土日月を操る程度の能力 霊珠 Aパチュリー 80 30 65 150 140 80 545 炎 水 炎水雷樹地 雷地岩 炎氷鋼虫 動かない大図書館 魔法を使う程度の能力 力の霊珠 Dパチュリー 100 30 110 120 155 30 545 地 雷 地雷炎水樹 水樹氷地 雷毒風岩鋼 動かない大図書館 魔法を使う程度の能力 守の霊珠 Tパチュリー 100 60 85 125 115 60 545 理 鋼 理鋼炎水樹地 炎地 毒理無樹氷風岩神鋼 動かない大図書館 魔法を使う程度の能力 技の霊珠 ※太文字のみは禁呪、青文字は属性一致、赤文字は重複弱点、緑文字は重複耐性、灰色は無効、(括弧内)はスキル効果あり ちびパチェ Nパチュリー Aパチュリー Dパチュリー Tパチュリー スキル 1.動かない大図書館(Lv25習得) 相手のスペルが急所に当りません。 2.火水木金土日月を操る程度の能力 全ての属性のスペルが属性一致扱いの威力になります。 2.魔法を使う程度の能力(Lv50習得) 特殊スペルでダメージを受けると、ダメージの1/8だけ自分のVPが回復します。 スペル スペル名 属性 分類 威力 命中 消費 詳細 ちびパチェ Nパチュリー Aパチュリー Dパチュリー Tパチュリー アグニシャイン 炎 特殊 70 100 5 20%の確率で、相手を火傷させます。 初期 初期 初期 初期 初期 プリンセスウンディネ 水 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の命中を1段階下げます。 15 15 15 15 15 シルフィホルン 樹 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の特攻を1段階下げます。 20 20 20 20 20 レイジィトリリトン 地 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 - 30 30 30 30 メタルファティーグ 雷 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の速度を1段階下げます。 - 35 35 35 - サイレントセレナ 理 特殊 100 100 20 20%の確率で、相手を混乱させます。 レンタル限定 40 - - - サテライトヒマワリ 樹 特殊 100 100 20 数ターンの間、相手のHPとVPに継続してダメージを与えます。 - 60 - - - ロイヤルフレア 炎 特殊 100 100 20 20%の確率で、相手を火傷させます。 - 禁呪 - - - アグニレイディアンス 炎 特殊 100 100 20 20%の確率で、相手を火傷させます。 - - 40 - - ベリーインレイク 水 特殊 100 100 20 30%の確率で、相手の命中を1段階下げます。 - - 60 - - フロギスティックピラー 炎 特殊 120 100 40 20%の確率で、相手を火傷させます。 - - 禁呪 - - トリリトンシェイク 地 特殊 90 100 20 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 - - - 40 - シルバードラゴン 雷 特殊 100 100 25 30%の確率で、相手の速度を1段階下げます。 - - - 60 - エメラルドメガリス 地 特殊 120 85 30 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 - - - 禁呪 - サンシャインリフレクター 鋼 特殊 90 100 25 30%の確率で、自分の特防が1段階上がります。 - - - - 35 賢者の石 理 特殊 90 100 30 30%の確率で、自分の複数の能力が1段階上がります。 - - - - 40 ジェリーフィッシュプリンセス 水 変化 - - 20 先攻で使用します。使用時のVPにより、使用ターンのみ回避率が上昇します。(3/4以上:+1000、3/4未満:+2倍、1/2未満:+20) - - - - 60 フォトシンセシス 樹 変化 - - 0 味方全員のVPを30%回復します。 - - - - 禁呪 カード効果 アイテム名 装備時効果 契約コダマ 入手(金額) 備考 パチュリーカード 特殊スペルで与えるダメージが16%上昇します。 ちびパチェ 紅魔印の福袋美月堂(3,000,000)
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/602.html
パチュリー5 530 紅魔館地下に設けられた書斎は、大量に収められた本の匂いで満たされている。 その中にたまに紛れ込むのは、紅茶の香りであったり、コーヒーの香りであったり、弾幕の衝撃であったり。 「うーん…………」 ぺらり、と音を立てて、新たなページが知識を運んでいく。 今日も今日とて、その書斎の主、パチュリーは調べ物に余念がない。 彼女が読む本に、ジャンルの壁などは存在しない。 魔女らしく魔術書を読むこともあれば、外界の歴史書や雑誌を読むことだってある。 だが、幻想郷に外界の本が来ることはごく稀で、当然ながら外界の知識は限られたものになってしまう。 最近彼女が求めているのは、とある外界の知識である。 「ねえ小悪魔。そっちは?」 「あまり、芳しくありません……」 普段は自分だけで読んでいる彼女だが、今日は小悪魔も動員しているようだ。 広い机の上には十数冊もの本が散らばり、後でこれを片付けることになるであろう小悪魔は、既にげんなりしていた。 「やっぱり向こう側の常識は、本に記されることが少ないのかしら?」 「パチュリー様。やっぱり○○さんに聞いてみれば……」 「何度も言っているでしょ。今回ばかりは、それじゃ駄目なのよ」 小悪魔の提案は、即座に却下された。 パチュリーの恋人である○○は、元は外界から来た人間である。 本ではどうしても調べられない知識は、彼に聞いて得ることが出来たのだ。 もちろん、彼が知っている範囲の知識に限られるのだが、外界の常識として浸透しているはずの知識なら、彼が知らないはずがない。 それでもパチュリーは、その方法を選ばなかった。 「内緒にしなきゃ……駄目なのよ」 夜の霧雨亭。 魔法の森の奥に建っているその家は、静かではあるのだが、その主に至ってはその限りではない。 それでも弟子を迎えてからは、以前に比べれば大人しくなった方である。 「そうだ、○○。ちょっと思い出したんだが」 「……師匠が言うと、とんでもなく不穏当に聞こえるんですけど」 そんな霧雨亭での夕食の席。 彼は魔理沙の茶碗にご飯をよそいながら、眉を寄せた。 魔法の稽古はつけてもらっているが、今の彼を見る限り、とても弟子には見えない。 エプロンと言う名の、薄いブルーの戦闘服に身を包み、頭には純白の三角巾。 それはまさに、家庭を預かる戦士の姿だった。 「おいおい、恐い顔するなって。 そんな顔してると、パチュリーに嫌われるぞ」 「……師匠。自分の胸に手を当てて、心辺りがないか思い返してみません?」 彼とて、伊達に長らく魔理沙の弟子をやっているわけではない。 彼女が切り出す話は、彼にとって危ない橋を渡らせる類のものであることが多かった。 もちろん、それは悪意あってのものではなく、結果が吉と出ることもあるのだ。 例えば、以前彼がパチュリーを紅魔館まで送って行った時のように……。 「もちろんないぜ。なんにもないからな。 大したことじゃないから、そんな顔しないでまず聞け」 「……それならいいんですけど。 なんにもないなら、話自体なかったことになりません?」 「師匠の教えは聞くもんだぜ」 一抹の不安を抱えながら、彼は魔理沙に茶碗を手渡し、向かいの席につく。 「お、ありがとな。んじゃ早速頂きます」 「師匠……話があるんじゃないんですか? あるなら、食べるか話すかどっちがでお願いします」 「面倒だから食べながら話すぜ。人の一生は短いんだ」 魔理沙の話を簡単に要約すると、休日をやると言うことだった。 魔理沙は久し振りに魔法薬の実験をやりたいのだが、危険性が高く、相当集中しなければならない。 そのため、家はなるべく静かな方が好ましく……。 「……つまり、ここ以外で時間を潰してろ、ってことですか」 「そんなところだぜ。 お前なら、迷わずパチュリーの所に行くんだろうけどな」 的を射た彼女の言葉に、彼はやっとのことで、 「べ、別に……いいじゃないですか」 とだけ返した。 「ああ、別にいいぜ。パチュリーもああ見えて、意外と寂しがりやだからな」 「そうねぇ。あの娘も最初は、対応こそツンツンしてたのに、今はもうすっかりあんな調子だしね」 そっぽを向く彼に、前と下から連携した冷やかしが飛ぶ。 視線を落とせば、彼の空っぽの茶碗から、顔だけにょきっと生えたスキマ妖怪が。 「○○。寂しがらせたなら、ちゃんと慰めてあげなさいな。 ああいった内気な娘は、少し強引に押し倒して……」 ぐわしっ!! 「まあ、師匠が昼夜抜く覚悟なら、俺は別に構いませんが」 「うわ、紫を手掴みか。やるようになったな、お前も」 茶碗から湧いて出た紫を、○○はアイアンクローで迎え撃つ。 「あらあら、あの娘に続いて私かしら?こういうのも『手が早い』って……」 ぎりぎりぎり……。 「お、おい。何か頭の形が変形してないか?」 「気のせいです」(キッパリ) 少し慌てた様子の魔理沙に、彼は動じる事なく断言する。 加えて、紫のことは完全に無視である。 以前なら律義に『口より先に手が出る、の間違いです』とでも返したものだが。 彼も慣れたということだろうか。 「ふふっ。その程度じゃ、まだまだ私は倒せないわよー♪」 「……藍の奴も、苦労してるんだろうな」 「そうですね。師匠に拾われて、本当に助かりました」 「あらあら。今度は魔理沙かしら? 全く、呆れるくらいのプレイボーイなんだから……」 ガタンっ!! 倒れる椅子には目もくれず、彼は立ち上がると近くの窓を開け放つ。 「あ、あら?」 「とりあえず……紫さん」 「私の魔砲で、白玉楼まで送ってやるぜっ!」 茶碗ごと、彼は全力投球で紫を夜空へ放り投げる。 そして―― 魔砲『ファイナルスパーク』 ――夜空を切り裂く光芒が、魔法の森の上空に弾けた。 恐れるべきは魔理沙の狙撃力か破壊力か、師弟のコンビネーションか。 夜空に向けられたはずの魔砲は、あまりの威力に森の一部も巻き込んで……。 「あれ、師匠。あっちって、アリスさんの工房じゃ……?」 「知らないぜ」 「……まあ、明日は俺もいませんし、何かあっても師匠の仕業ですから、いいんですけどね」 「ああ、飯の作り置きだけは頼むぜ」 「はいはい、了解了解」 ぺらりぺらりと、ページがめくられていく。 探しても探しても、目当ての知識は見つからない。 あるのは、断片的な情報ばかり。 それでも、その僅かな情報を手掛かりに、パチュリーは探し続けていた。 それは、甘い物だということ。 それは、黒い色をしていること。 それは、主に四角い形をしていること。 それは、砂糖や豆を材料にして作ること。 「……なるほど、ね」 パタン、と彼女は本を閉じる。 「見つかったんですか?」 「いいえ。でも、それが何を指しているのかは、やっと解ったわ。 これは多分、呼び方が変わっているだけで、私達がよく知っている物だったのよ」 小悪魔の問いに、自信を持って断言するパチュリー。 それなら後は片付けて、ゆっくり休もう……そう思っていた小悪魔に、パチュリーからメモが渡される。 「はい、これが材料よ。支度して厨房に行くから、先に集めておいてね」 「は、はいぃ……」 紅魔館の夜は長い。 未だ寒さの残る幻想郷の空には、煌々と輝く紅い月。 「月もこんなに紅いしね。今夜は、作るわよ……!」 (パチュリー様……そんなだから、お身体もよくならないんじゃ……?) 紅魔館は吸血鬼の治める館。 夜こそが、活動時間なのだ。 小悪魔が眠れるのは、まだ当分先の事になりそうである。 翌日、昼前の紅魔館―― 「…………」 彼は、言葉を失って立ち尽くしていた。 いつも見慣れた彼女の書斎が、今日ばかりは異空間に見えていたのだ。 小悪魔が頑張って整理し、魔理沙が荒らした後以外は、常に整然としている本棚が、所々乱雑になっていた。 それだけではない。 机には、栞がはさまったままの本が数冊、開きっぱなしの本が十数冊散らばっていた。 後者に関しては、パチュリーの性格からして、有り得ない状態である。 「参ったな……」 広い紅魔館内でも、ようやく迷わずに移動出来るようになり、先日から案内を断った矢先の出来事なのだ。 彼以外には誰もいない。 少なくとも、見える範囲にはであるが。 「あ、れ――?」 不意に訪れた既知感。 見慣れないはずの、この状況を知っているという、矛盾。 目を凝らしても、見えるものは変わらない。目を向けるべきは、彼が何故そう感じたか――。 (ああ――そうか) 彼は気付いた。 程度の差こそあれ、散らかった部屋なら、見慣れている。 魔理沙の蒐集物で圧迫された部屋も、またしかりである。 そして、そんな部屋に対して、彼がやるべきことと言えば、もはや1つしかない。 「……片付けよう」 原因が解った所で、現状が改善される訳ではない。 そんな理屈を抜きにして、まずは目の前の惨状をどうにかするべく、彼は手近な本を手に取る。 (これは……料理の本?それに、あっち側の……?) 幻想郷にある本と外界の本は、様々な違いがある。 紙質もその1つではあるが、外界の本は比較的カラフルである。 彼が手にした本も、そうだった。 机に散らばっている本も、見た感じでは、大低が外界の本らしい。 幸いにも、外界の本が纏められている本棚は、彼も知っていた。 小悪魔ほどの効率ではないにせよ、丁寧に確実に、あるべき場所へ納めていく。 そして彼は、いつもと違うもう一つの点に気付いた。 微かに感じる、甘い香り。 僅かではあるものの、紅茶やコーヒーなどとは違う風味。 「お菓子……かな」 何となくではあるが、彼はそう感じていた。 他ならともかく、紅魔館なら十分な材料があってもおかしくない。 だが、仮に今誰かが作っていたとしても、この場所までその香りが漂うとは考えにくい。 カチャリ。 彼が首を傾げると、答えはドアを開けて、自らやって来た。 「あ、○○……来てたのね」 「おはよう、パチェ。 勝手に片付けさせてもらってるよ」 近くのドアが開き、現れたパチュリーの手には、あまり見映えはよくないものの、一生懸命にラッピングされた箱が握られていた。 「で、この大きな箱は何なのよ?」 「あいつの作り置きだぜ。一人じゃこんなに食べ切れないからな」 正午過ぎの博麗神社。 珍しく手土産を持参した魔理沙は、縁側でそれを開ける。 中には、クッキーやら大福餅やら、茶菓子の類が所狭しと詰まっていた。 「彼の作り置き……ねぇ」 「以心伝心ってやつだろ。私の弟子なんだからな」 彼が作り過ぎたという可能性は、既に魔理沙の頭にはない。 師の気遣いは、しっかり弟子に気付かれていたのである。 霊夢は、箱の中に無造作に手を突っ込むと、苺大福を取り出した。 「パチュリーじゃなくて、魔理沙が相手だったら面倒がなくて済みそうよね。 ……あ、美味しい」 「よせやい。私はそんな目的で、あいつを拾った訳じゃないぜ。それに……」 大福を頬張る霊夢の横で、魔理沙は煎餅をかじり、空を見上げる。 珍しく晴れた、冬の幻想郷の青空は、彼女には少し眩しく映った。 「……端から見てて、やきもきすることもあるけどな。 あいつらが幸せそうに笑ってるの見ちまうと、割って入る気もなくなっちまうぜ」 帽子のつばを下げ、彼女はぐいと茶を煽る。燻した香りが目に染みた。 「まあ、魔理沙だしね。あんなに集めてるんだし、いずれ人まで拾うとは思ってたけど。 牡丹餅も美味しいわよ。食べる?」 「ああ、頂くぜ。残さず頂いてやるぜ」 「それじゃあ幽々子みたいじゃないの……って、言ってるそばから来そうよね」 茶菓子に限った話ではないが、食べ物が大量にある所に、冥界のフードファイターは現れる。 茶菓子は2人でも十分な量なのだが、幽々子の食欲の前には風前の灯だろう。 加えて、紫と組んでスキマを抜け、至る所に現れることまであるので、余計にタチが悪い。 「あいつが死んだら、幽々子の所で菓子職人になりそうだな」 「作るのは……桜餅かしらね」 「そうだな、私に似て和食派だし」 幻想郷の青空に1つ、星が流れる。 それを目にしたのは、霊夢だけだった。 「チョコレート、作ってみたんだけど……」 あらかた片付け終わり、一息ついた所でパチュリーは切り出した。 料理書を片手に、一晩中かかって作り上げたのだ。 もちろん一人で出来ない作業は、小悪魔にも若干手伝わせたものの、彼女自身に料理の心得はあまりない。 場慣れしていないせいもあるのだろう。差し出す彼女の白い手は、所々赤くなっている部分があった。 「確か、バレンタイン……って言うのよね」 「そうなんだけど……何だか、食べるのが勿体ない気がするよ」 世界的には、男性から女性へあげるケースが大半で、逆なのは日本くらい----。 思わずツッコミそうになるのを押さえ、彼は差し出された箱を見つめる。 向こうでも、ラッピングは人の手で行われているが、どれも見栄えよく画一的なものだ。 それに比べると、見劣りこそするものの、適度に崩れた部分が手作りであることを強く思わせる。 手の赤みもだが、書斎がこんなになるまで調べ、作ったことを考えれば、確かに食べてしまうことも躊躇われる。 「あまり、日保ちしないと思うわよ? その……出来れば、美味しいうちに食べて欲しいし、感想とかも……」 「そっか……それもそうだね」 食べて欲しいから作る。 これは、料理をする彼にも解る気持ちだ。 勿体ないからといって、駄目にしてしまっては、それこそ本末転倒だろう。 彼はパチュリーから箱を受け取り、もう一度しっかり見詰める。記憶に刻み込むように。 「術式展開スペルセット・対象解析アナライズ・接合解除リンクカット……」 テープの代わりに、魔力で接着されたラッピングを、一箇所ずつ丁寧に切り離していく。 全ての接着箇所を切り離すと、花が開くように、ふわりとラッピングがほどけた。 「綺麗だな……」 後に残るのは、シンプルな白い箱。 彼の隣で、パチュリーは固唾を飲んで見詰めている。 蓋を開ければ、甘い香りが周囲に溢れ出す。 (これは……) それは、彼がずっと感じていた香りである。その源が、パチュリーの渾身の一作なのだ。 「どう……?」 「よく出来てると思うよ。まあ、見た目はだけど……」 「……意地悪」 食べずに彼が言えるのはそれくらいなのだが、やはり彼の一言は余計だろう。 「味見はしたから、失敗じゃないとは思うわよ?」 「ごめんごめん。それじゃ頂きます」 怒ったようなパチュリーをかわして、彼は一切れ口に運んだ。 角を引っ込めたパチュリーは、黙って彼の反応を伺っている。 料理書を何度も確認しながら作り、何度も味見しているとはいえ、不安は拭えない。 念には念をということで、小悪魔やレミリアにも味見してもらったのだが、味覚というのは十人十色である。 それは、人も魔女も妖怪も悪魔も、変わりはない。 「……パチェ、そんな顔しなくていいよ。普通に美味しいから」 「ほ、本当?」 彼の言葉に、パチュリーは――珍しいことに――驚きの表情も隠すことなく、身を乗り出して尋ねた。 「自信持って。何なら、パチェも食べる?」 「う、ううん……貴方に食べて欲しくて作ったから、私はいいわ」 「でも、独り占めするのもちょっと……」 そう言って彼は、箱に視線を落とす。 次に彼が聞いた囁くような声は、とても近くから聞こえた。 「じゃあ……一口だけ、ね」 「え……?」 普段の彼ならば、咄嗟に反応することも出来ただろう。 だが、油断していたためか、安心しきっていたためか、彼は動くことさえも出来なかった。 それは、完全な不意打ちで、直撃だった。 零距離からの、恋の魔法―― 「ご……ごちそうさま」 どちらともなく身体を離した時、仕掛けた側も直撃した側も、顔を赤く染めていた。 結果を見れば、相打ちだろうか。 「……パチェの方が、美味しいな」 「馬鹿……チョコも、ちゃんと食べてよね」 「そりゃ食べるけどさ……」 彼が返す言葉は、少し歯切れが悪い。 言うべきか、言わざるべきか迷っていたのだ。 だが、根本的な間違いなら、やはり指摘するのは早い方がいい。 まだ顔は赤かったが、彼は意を決して、口を開いた。 「パチェ、チョコレートと羊羹は別な物だからね」 「え……チョコレートって、羊羹の別名じゃなかったの!?」 ―――後書きの原材料は、小豆と砂糖と、ほんの少しの糸寒天――― 性格も積極的な方ではなく、常に我が道を行く。ただ、好奇心は高く 知識に関しては積極的に取り入れる。全て本に依る物だが間違いも多い。 東方萃夢想の上海アリス通信、パチュリーの項目より抜粋。 つまり、知識に関してはパーフェクトだと思われがちなパチュリーも、実は間違った知識を? それがオチでもあり、今回の動機です。前の続きというか、補完も兼ねてますが。 バレンタインとチョコレートが、幻想郷行きになる日はいつになるんでしょうね。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 383 今日も俺は図書館にやってきた。 外は雪がちらつく空模様。図書館の中もすこし肌寒い。 暖炉の近くの安楽椅子に深く腰掛け、読みかけの本を手に取る。 「今日も来たのね」 ――うん、いろいろと読んでみたい本が多いしね。 「好きにしていいとは言ったけど、来たなら一言あってもいいんじゃない?」 ――邪魔しちゃ悪いと思ってさ。 「気遣いするような性格じゃないでしょ」 ――確かにね。 パチェの手を引いて膝の上に座らせ、そのまま抱えるように抱き寄せる。 「ちょ、ちょっと!」 ――本の解説してほしいんだけど、寒いから風邪ひかせたくないし。 「こんな体勢じゃなくても解説するわよ。それに暖炉があるから大丈夫っ…」 ――パチェは温かいな。 「な、何を言って…」 ――この温かみを感じられる奴は幸せだな」 「………………ッ、(………貴方だけよ)」 パチンッ! パチェの呟きに暖炉の薪の爆ぜる音が被った。 ――もう一回。 「……聞こえてたくせに…」 うらめしそうな顔で睨んでくるパチェ。 今夜はまだまだ冷え込みそうだ。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 461 パチュリーの隣で、図書館の奥魔法の本を読んでいる。 借りていこうとして席を立つと、そっと袖を掴まれた。 「たまには……ここで読んでいかない?忙しいなら、無理にとは言わないけど………」 袖を引っ張っりつつ、向こうを向きながらもじもじしているパチェ。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 844 読書中 「なあ」 「・・・・・・・・」(読書中) 「なあって」 「・・・・・・・・」(読書中) 「もしもーし」 「・・・・・・・何か用?」(顔を上げる) 「いや・・別に用事は無いけど」 「用が無いなら話しかけないで・・・・・」(読書に戻る) 一転してデレ状態 「なあ」 「・・・・・・・・」(読書中) 「なあって」 「・・・・・・・・」(読書中) 「もしもーし」 「・・・・・・・何か用?」(顔を上げる) 「いや・・別に用事は無いけど」 「・・・・・・・・・・・・そう」(読書に戻る) ああパチュリーに後ろ向いてから振り返りながら「大好き」って言わせてEEEE!! ─────────────────────────────────────────────────────────── 避難所 9 時々騒がしくなるが、普段は薄暗く静かな図書館 俺がここに来てからかなりの月日が立っていた。 「なあ」 「なに?」 「俺がここに来てから結構立つよな」 「そうね」 「なんかお祝いみたいのってないのか?」 「ないわ」 「即答かよ・・・」 「必要ないもの。費用もかかるし、大体何に対して祝うのよ」 「俺が今まで幻想郷で生きてこれたことに対して」 「・・・まあ、確かに稀ではあるわね」 「じゃあさ、二人で祝わないか」 「・・・何で私なの」 「他に祝ってくれるような人がいるか?」 「その祝う人の中に私が入っているのが疑問なんだけど」 「まあ、それは捨て犬のような俺を拾ってくれたご主人様なわけだし」 「人間の使い魔を持った覚えはないわ。それに、あれは捨て犬じゃなくて半死体よ」 「・・・ところで、喋っている時ぐらい本から顔を上げないか?」 「必要ないわ」 「・・・外でピクニックなんかいいな」 「まだやるなんて言っていないわよ。それに如何してわざわざ外なんかに」 「普段、日陰にいるんだからたまにはいいだろ?それに日向に出ないと健康に悪いぞ」 「いいのよ、知識と日陰の少女だから。健康に関しては否定できないけど・・・」 「それなら丁度いいだろ。今やっている研究もないみたいだし」 「それはそうだけど・・・ 何で研究がないことを知っているの」 「いつも見ているからな。それに、ほとんど実験体のようなものだろ?俺」 「そう、そうね。 まあ、いいわ祝ってあげましょう。」 「おっし。じゃあ明日は・・・多分、というか絶対黒白が来るだろうから明後日だな。」 「そうね」 「弁当は任せておけ!今までで最高な物を作って見せる」 「それは楽しみね。あなたの料理美味しくて食べやすいから、でも普通私が祝うんじゃないの?」 「細かいことは気にしない!それと、あ~なんだ、その・・・ ピクニックのときに大事な話がある」 「大事な話?」 「ああ」 「そう・・・」 「・・・気に成らないのか」 「明後日になったら聞けるのでしょう?」 「そりゃ、まあ」 「だったら待っているわ。楽しみにしてね」 「そう、待っているわ。」 「貴方が言ってくれるまで、いつまでも いつまでも・・・ね」 薄暗く静かな図書館 されど少女の声は誰にも聞こえず、届かず・・・ ただ、少女の読んでいる本だけがそれを見ていた。 顔を朱に染めとても幸せそうに微笑んでいるその顔を・・・ 執筆、投稿ともに二回目!初執筆の物と似ているところが多いな~と自分で思うが 直せる腕がない罠!ただ、言えることは私の中のパチュはこんな子です。ということだけです。 ちなみに、料理の感想は実際の言われたことのある言葉です。作った相手は男だったけどね! ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 420 ええと、効率よく仮眠をとる方法は……。 ――○○、ちょうどいい所に、ちょっとここに座って頂戴。 ……何で警戒してるのよ。失礼ね、実験なんかじゃないわ。 普通に座ってていいのよ。私の方じゃなくて、テーブルの方向いてて。 ……別に失礼でも何でもないから、気にしなくていいのよ。変な所で律義なんだから。 そうそう、そんな感じよ。後は動かないで、目を閉じて楽にしてなさい。 よい……しょっと。 ……緊張することないじゃない。心地いいんだから、誇ってもいいくらいよ。 そうね、レミィが起きる辺りに起こしてくれるかしら。 ――変な事、しないでよね。 …………。 ………。 ○○さん、何をなさってるんですか? 枕……ですか。 ふふ、やっぱり恥ずかしいですよね。 でも、パチュリー様がそんな風に甘えられるのって、○○さんくらいなんですよ? まぁ、甘えてるようには見えませんけど……素直じゃないんですよ。 ……ええ、それを聞いて安心しました。私は仕事が残ってますから、向こうにいますので。 ――あ、はい。そうですよね、毛布でしたらすぐお持ちします。 ない物はセルフで補給すればいいってことでパチェ分補給。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 616 ……そう言えば貴方、毎回どうやって入ってくるのよ。 逆立ちしたって、貴方じゃ小悪魔にも敵わないでしょう? はぁ……呆れたわね。そんな方法があったなんて。 ええと、それって何て言ったかしら……食糧責め? ……買収って、流石に言い方が悪くないかしら。 まあ、別に邪魔じゃないからいいけど。 でも、貴方も変わり者ね。わざわざこんな所まで来るなんて。 ……確かに本は沢山あるけど、それだけで来るような場所でもないでしょ。 ――本当に、それだけ? …………。 ………。 ――な、何?借りていくの? ……本の管理は小悪魔の仕事だから、一声掛ければ大丈夫よ。 貸出期限?……別に、ちゃんと返しに来るならせっかちなことは言わないわ。 ええ、それじゃ、またね。 …………はぁ。 最後のパチュリーのため息が誰に向けられたかで、脳内補完の方向が変わりそうですが。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 781 怒ると危ないお嬢様とメイド長の人にやっと放してもらえた僕は、美鈴さんに会いたくて門に向かう 元の服に着替えたけど、メイド長の人に渡された鞄の中に巫女服とメイドさん達が着る服が入ってる メイドさん達が着ている服は返そうとしたら、メイド長の人がまた着させようとしたので受け取った 着ないのに、洗って美鈴さんから返してもらおう 「美鈴さん! 」 「あれ? 遅かったわね」 「あ、ごめんなさい」 「別に怒ってるわけじゃないんだけど、どうしたの? 」 僕は、何故か美鈴さんに聞いて欲しくてさっきまでの事を話した 美鈴さんは驚いたような顔をした後、苦笑しながら僕の頭をなでてくれた 「あちゃー、私の部屋に置いて行ったのは不味かったわね」 「えっと、その」 「それより、どうだった? 」 「え? 」 美鈴さんが、突然ニマニマと変な顔をして僕に聞く 僕の胸を軽く指で突付きながら、美鈴さんはムフフーと言う 「お嬢様と咲夜さん、あのお二人の事だから相当凄かったでしょう? 」 「あ、う」 「照れない照れない、それよりどんな風にしたの? やっぱり巫女服で? 」 美鈴さんの言葉に、僕は怒りを覚えた 何で? 理由は分からないけど、それしか思いつかないぐらい怒っていた 「美鈴さんの馬鹿ー! 」 「ほへ? 」 これ以上美鈴さんと話ていたくない 僕は美鈴さんから逃げる為に、出てきた館に逃げ込んだ 「はぁ」 僕は溜息を止めないで館の中を歩いている 美鈴さんに、馬鹿なんて言っちゃった それに時々立ち止まって後ろを振り返っても、美鈴さんは居ない やっぱり馬鹿なんて言ったから追いかけてくれなかったんだ 「うぅ」 何でだろう、涙が出てきた 涙が眼から零れ落ちようとしたとき、僕の視界に長くて紅い髪が眼に入る 「美鈴さん? 」 紅い髪が、一つの扉に吸い込まれるように消えるのを僕は呆然と見ていた 慌てて追いかける その扉に急いで僕も入ろうとしたら、扉を開けた途端に僕は暗い場所に吸い込まれた 吸い込まれる前に紅い髪の人が見えたけど、美鈴さんじゃなかった あぁ、僕は美鈴さんに謝らなきゃいけない 何も見えない暗い中、僕は柔らかい何かの上に落ちた 驚いて立ち上がっても、暗くてなにも見えない だけど本当に暗いわけでもなかった見たいで、眼が慣れてくると普通に見えるようになった 「むきゅー」 「うわ! 大丈夫ですか!? 」 多分、僕が落ちたときに下敷きにしてしまった人が倒れていた 倒れたままなのが心配になって上半身を起こしてみたけど、特に怪我は見当たらない事に安心する 少し顔色が悪いのは暗いからじゃないと思って、なんとか引き摺らないよう近くにあった椅子に座らせた でも、どうしよう? あたりを見渡しても誰もいないみたいで、本が一杯あることに僕は気づいた 「図書館、かな? 」 「う、うぅ」 気絶した人をどうすれば良いのか書いてある本を探しに行こうとしたら、下敷きにしてしまった人の眼が醒めたみたいだ 「痛い、ゴホッ」 「大丈夫ですか? 」 僕が話しかけると、その人が僕を見て急に苦しみ始めた 「うぅ、苦しい! 死んでしまう! 」 「えぇ!? ど、どうすれば!? 」 慌てる僕が誰か呼びに行こうとしたら、その人に腕を凄い力で掴まれた 「私を助けなさい! 」 「ど、どうすれば良いんですか!? 」 「これ、これをつけて! むしろ私がつける! 」 掴まれた腕を引っ張られて、その人に抱きかかえられた それで頭に変なのが乗せられた気がする 「えっと? 」 「後はコレとコレとコレ! 」 「うわぁ!? 」 その人は僕を凄い勢いで動かして、僕はそれに眼を回した 手と足に変なのがつけられた感じがする 「か、完璧よ。あぁ、なんて高い猫度なのかしら」 「猫度? 」 「見なさい」 その人が何処から取り出したのか、僕の全身が映るぐらい大きな鏡を目の前に置いた 其処に映っていた僕は、変な格好をしていた 手と変な手袋みたいなのをつけて、足にも似たような物をつけてる 頭の上に猫の耳と同じ形をした耳がつけられてる、意識してみると何でかピクピク動いた こんな変な格好をさせた人は、僕の方を見詰めながら元気そうにしてる さっきまで、苦しそうにしてなかったっけ? 「えっと、これは? 」 「最後は、これをつければ完成よ」 そう言ってその人は、先っぽに細長い棒の付いた猫の尻尾みたいのを持って僕をまた引っ張る 驚いている僕に(隙間による検閲が入りました。見るには『パチェ萌え』と絶叫してください ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 915 某国際展示場駅前で約4時間待ってる間に妄想してた恋愛シミュレーション的パチェ。 頭悪いが今更なのでキニシナイ。 「痛っ!」 「どうしたの?」 「本の金具で指切ったみたいだ。おーいてぇ」 血ぃ出てきたー、とぼやきながら切れた人差し指をパチュリーに見せる。 するとパチュリーは、 # 好感度16以上の場合 「そう。本が汚れてないなら良いわ」 と呟くと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度32以上の場合 「そう。そんなことで一々騒がないで」 と不機嫌そうに言うと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度48以上の場合 「そう。ほっとけば治るわ」 と言うと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度64以上の場合 「そう。大丈夫?」 と聞いてきた。 ああ、と返事をすると、そう、と一つうなずいて、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度80以上の場合 「あら、大丈夫? 中には血を吸ったりする本もあるから、注意してね」 「レミリアみたいな本だな」 「違いないわね」 そう言ってクスッと笑うと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度96以上の場合 「大丈夫? すぐに手当てした方が良いわね小悪魔すぐに包帯持ってきて」 「や、そんなたいした傷じゃないんだけd 「えいっ」 ぐるぐるぐるぐるぐる 「ふぅ、これで安心ね。○○、怪我には気を付けなさいね」 「あ、ああ……ありがとう」 「うわ! ○○どうしたのその包帯? 骨折でもしたの?」 「……レミリアか。いや、指の先っちょ切っただけ」 「……怪我したのは頭なのかしら?」 「俺にも分からん」 # 好感度128の場合 「大丈夫? 治そうか?」 「ああ、ま、これくらないなら舐めてりゃ治るかな」 「ええっ!? あ、ああ、貴方が舐めるのね」 「? なんだと思ったんだ?」 「なななななんでもないっ! な、なんでもないわっ!」 顔を真っ赤にして手をわたわたとさせながら言うと、読んでいた本に顔を隠すかのように、ばばっとうずめた。 (省略されました。小悪魔を登場させるには小悪魔合同誌のP126を踊りきってください) ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 948(うpろだ 0050) # パチェ好感度128かつ小悪魔イベントを二つ以上こなしている場合 「大丈夫!? 痛くない?」 「ああ、ま、これくらないなら舐めてりゃ治るかな」 「ええっ!? あ、ああ、貴方が舐めるのね」 「え…なんだと思ったんだ?」 「なななななんでもないっ! な、なんでもないわっ!」 顔を真っ赤にして手をわたわたとさせながら言うと、読んでいた本に顔を隠すかのように、ばばっとうずめた。 と、 「あら何でもないんですか? 残念ですぅ」 「うおっ、小悪魔!? どっから現れた?」 いきなり背後から声をかけられびっくりする。さすが紅魔館にいるだけあって神出鬼没な司書さんだ。 後ろから肩口を覗きこむように抱きつかれ、ケガした指を両手で包み込んでくれる。 「ふふっ、パチュリー様がやらないのでしたら私が代わりに舐めてさしあげましょうか?」 「ダッ!? ダメ! ダメよ! 何言ってるのよこの子!」 「あの。どゆこと? 何の話?」 一人話の流れについて行けてないぞ俺っ。 しかしそんな俺はステキにスルーされるのであった。おおっとルーミアくんのナイトバード! 「えぇ~、どうしてダメなんですかぁ?」 「ダメったらダメ! え~と、ほら、図書館倫理規定に引っかかってるからよ! 今作ったけど」 「図書館倫理規定の例外なんですよ」 「大体! そのっ…恥ずかしいじゃない!」 「あら、私は○○さん好きですから、恥ずかしくないですよ?」 んあ? 小悪魔さん? しかし瞬間、パチュリーの顔から色が消える。 「私もっ! 私だって、好きだったのに!!」 え、とその言葉の意味を理解するより速く、詠唱無しで撃たれた火の玉が足下に着弾していた。 巻き起こる爆風、烈風、熱風。 「小悪魔と○○の、莫迦ーーーーーーーッッッッッッ!!!」 ヽ/ ひぇぇ、と情けない悲鳴を上げる小悪魔もろともに吹き飛ばされる視界の隅で、 本棚の角を曲がって走り去るパチュリーの姿が見えた。 「……っ、パチュリーっ」 瞳を潤ませていたように見えたのは、気の所為では、きっと、ない。 「あいたたた…はぅぅ、ひ~ど~ぃ~」 「小悪魔」 煤を払って、立ち上がる。とたんに小悪魔が、げっとした表情に変わり、しりもちをついたままで手をすりあわせる。 「あ、あのあの、ごめんなさぁ~い。えーと、その、ちょっとしたアレのつもりだったんですけど……」 「行ってくる」 短く、しかしはっきりと。意志を込めた一言を告げる。それで、通じてくれる。 ぱぁ、と小悪魔の表情が明るくなる。 「はい! パチュリー様をよろしくお願いしますね!」 向日葵のような笑顔を背に受けて、パチュリーを追う。 もしあの笑顔が俺一人に向けられていたなら――また別の物語があったかもしれない。 そういう意味でも、ごめん、そしてありがとう。そう心の中で小悪魔に感謝しながら俺は本棚の谷を走った。 走り去ったパチェは驚くほどあっさりと見つかった。 と言うのも、本棚を二つ曲がったところで倒れていたからだ。 「パチュリー!? パチュリー! どうした、大丈夫か!?」 慌てて抱き起こすと、ゼィゼィと荒い呼吸を繰り返すパチュリーは 「ぜ、喘息が……ゲホゲホゲホッ、ハァ、ハァ」 ……ま、そりゃ普段運動しないわ魔法で移動するわのところをいきなり全力疾走すりゃあなぁ。 安心したような、気が抜けたような。 「ど……して…」 「え?」 「どう、して、来たの? 小悪魔の、こと、好きだっ、た、んじゃ、ケホッ、ないの?」 あーー。何か知らんが勘違いされっぱなしか。どう説明したものか。 俺は空いている方の手でぽりぽりと頬を掻くと、ぼんやりと見つめてくる滲んだ紫色の瞳を避けて視線を彷徨わせる。 ちょっと考えたが、口だけで説明するのも面倒だ。 体中を奮い立たせて一つ決心をすると、いまだに半開きでヒューヒューと音を立てて苦しそうに息を吐いているパチュリーの口に自分の唇をすっと重ねた。 「――――。!?!?!!?」 「うわ、ちょっ」 パチュリーは一瞬呆けた目をした後、俺の腕の中でバタバタと暴れだし、胸を突き飛ばして立ち上がる。 「パチュリー!」 がし! と、また逃げようとした肩をつかんで無理矢理振り向かせ、そのまま真っ直ぐにパチュリーを見つめる。 細い肩。細い身体。濡れた瞳。不安そうな眼。上気した頬。――俺が濡らした、形の良い唇。 「全てが――お前の全てが好きだッ! 小悪魔よりもずっとずっとお前の方が好きだッッッ!!!」 言った! 言い切った! と、つぅ、とパチュリーの頬を涙が伝ったかと思うとそのまましゃくり上げ始めた。 「…っっぐっ………っぇぐ…っく……」 「パチュリー……」 今さらじゃ、遅かった、の、か? 不安という耐えきれない重圧だけが襲いかかってくる。 「…がぃ、…って」 「え?」 「も゛っかい゛、言っ゛て…?」 後から思い出すに、このとき滑稽なほどぶんぶんとうなずいていた記憶がある。 「何回でも言う! 好きだ、パチュリー好きだ、大好きだ、誰よりも誰よりも誰よりも愛してる!」 パチュリーは。しばらくぼーっとしていたが、やがて うん、うん、と涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔をふっと笑顔に変えてうなずくと、胸の中に飛び込んできてくれた。 それを、壊れ物を扱うようにやさしく抱きしめる。体全体で、愛する人を感じる。 薬草の臭いがパチュリーを余計に近く感じる。 「ねぇ、もう一回。もう一回言って」 「好きだ。ずっとずっと、愛してる。きっと出会ったときから、愛してた」 「もう一回」 「いつでもどこにいても誰よりも愛してる」 「……ありがとう。 うん、ありがとう。 もう、口滑らせちゃったけど。あなたが好き。大好き。どんな本より愛してるわ」 潤んだ瞳が俺を見つめる。 そうして、ゆっくりと二人の唇と唇が距離を縮めてゆく。 一度目は、お姫様を解き放つキスだった。 「んっ……」 「あむっ……ん………」 二度目からは、ゆっくりと。お互いを感じ合うためのキス。 「ん…ぷはっ……あ…ねぇ、○○、もっと…もっとして……」 「うん、俺もしたい。ちゅ…ん…」 「うん…んぐ…ちゅっ……」 「んむ……むぁ……」 「はぁっ……んっ……ちゅろっ…」 「んぅっ!? …ん、ん。じゅろっ…………」 …………… ……… … 長い間、ずっとそうして二人でお互いを、そして幸せを感じあっていた。 「あ~あ。咲夜さぁん、見事に○○さんパチュリー様に取られちゃいました」 「奥手なパチュリー様を焚き付けて本音を引き出すきっかけを作る、かぁ。 何て言うのかしらこれ? 雨降って縁固まる、だったかしら」 くっくっ、と喉の奥で笑うと、まさに小悪魔、と呟いて二つ手を叩くメイド長。 円卓に置いた水晶で成り行きを見守っていた二人は、軽口をたたき合って紅茶のカップを一つ啜る。 「めでたしめでたし……と、言いたいところだけど」 「はい?」 「冗談っぽく言ってるけど。あなたも、結構本気で○○のこと好きだったんじゃないの?」 心の奥を見透かそうとするようなメイドの視線を受けて、もう一口、小悪魔は紅茶を口にして言った。 「咲夜さんは…レミリア様の幸せとご自分の幸せと、どちらを選ばれますか?」 「両方。私がお嬢様を幸せにして差し上げれば良いのですわ」 「こぁぁー、残念。その手がありましたねぇ」 「あなたぜんっぜん残念そうじゃないわね。むしろ幸せそう」 あついわぁ、と半分苦笑の半分あきれ顔になって手をぱたぱたと泳がせる。 きっともうすぐ二人で帰ってくるだろう。 今日も、そしてこれからも。笑顔で二人を「おかえりなさい」と迎える権利は自分にしかないのだと考えると、 小悪魔はとろけるような幸福感に満たされるのだった。 パチュリーGoodエンド01 (お読み頂きありがとうございました。もし“別の物語”も読んでやろうという方は花映塚MatchLunaで3分間粘って下さい)
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/600.html
パチュリー3 415 ――――妖怪は人間を襲う。 ――――人間は妖怪を退治する。 ――――そう、当たり前の事。 ある日、いつも通り本を読んでいたら魔理沙が来た。 だが今回は、もう一人変わった少年を連れてきた。 その少年は妖怪が好きらしい。…そんなことはどうでもいいが。 咲夜が四人分の紅茶を持ってきて、二つを私と魔理沙のところに置く。 その後、少年(りりと言うらしい)に近づいて、 「りり君、あなたのことを待っている方がいるの。来てくれる?」 その声に少年が少しおびえた顔をした。 「大丈夫…たぶん何もされないわよ」 すると魔理沙が口を挟む。 「待ってるって誰なんだ?」 誰かが待っている。それは私も興味があった。 「お嬢様です」 その答えに私は少し驚いた。レミィが興味を示す事は滅多に無いのだ。 「あー…ダメだな。私はそいつを守れと言われているんだ」 流石に魔理沙でも人を見殺しにはしない。これは普通の事である。 だが、今の私にはレミィが何に興味を持っているかが気になった。 「魔理沙…きっとお嬢様はなにもしないわ」 それに、お客として呼んでいるのだ。それを殺すことはレミィのプライドが許さないだろう。 「そうは言ってもな…りりどうする? お前が決めろ」 少年は行くだろうとは思うが、一応は見てみる事にする。 「わ、わかりました。その…お嬢様に会います…」 その言葉に咲夜は少年を連れて出ていった。 <ここから、自作部分です> 「……大丈夫かな。あいつ」 パチュリーに何もしないといわれても気になることは気になる。 「大丈夫よ、レミィはよほどの事が無い限り、お客様を殺すなんて失態はしないわ」 「よほどの事って、どう言う事だ?」 「そう、例えば…」 そう言ったと私に指を指して。 「あなたが本を百冊借りたまま返さないとか」 「おいおい、百冊も借りてないぜ?」 「今、八十三冊目よ」 そんなに借りていたとは知らなかった。 と、そろそろ少し返してやろうかと考えていたとき、 「にゃー」 …猫? 「おー、パチュリー。随分上手い声真似じゃないか」 「私じゃないわよ、この子よ」 そう言って膝に乗せていた(座っているので死角)から猫を取り出した。 その猫は全身紫色で、はっきり言って変わった猫だった。 「ついに猫イラズじゃ敵わなくなったのか」 「猫イラズは代用品。この子が里帰りしている間の」 冗談めかしていったつもりだが、パチュリーは真面目に返してきた。 というか、猫が里帰りなんて聞いた事が無い。前に回転する尻尾が二本の黒猫なら見たが。 「でも、アレルギーとかしつけとか色々大丈夫なのか?」 「この子は特別よ。一応使い魔のようなものだし」 「使い魔、ねぇ…。便利なのか?」 「まぁ、実験台とか魔力増幅装置みたいなものね」 「それじゃあ戦闘には使えにくいんじゃないのか? 落ちたりすると危ないし」 「飛べるからそこらへんは問題無いわ」 流石はパチュリーだ、極悪非道だぜ。 これ以上聞くと、この猫が可哀相になってきたので話を変えることにする。 ちなみに猫はパチュリーの膝の上に帰還していた。 「そ、そういえばさ」 「何?」 「パチュリーは弟子とか取らないのか? あの薬師みたいに」 「もう弟子なんて取らないわよ」 まぁそう答えるだろうとは考えていたが、一つの言葉が頭に引っかかった。 「もう? ってこは、取った事あるんだな」 「ええ、一人だけ」 「パチュリーが弟子なんて取るなんてな」 「悪い?」 悪くは無いが、ありえないと思っていた。 「…その話し、詳しく聞きたい?」 「ああ、聞きたいぜ」 ネタになることは間違い無い、反射的に身を乗り出しす。 「それは、むか~しむかしのことじゃった…」 「まてパチュリー。その言い方だとおじいさんが桃を割って中から出てきた人間が鬼を退治しそうだ」 鬼といえば、あの鬼はどうしたのだろうか? 「仕方が無いわね…」 そう言うとパチュリーは話し始めた…。 「それは、そう。30年くらい前でね、ここで起こったのよ…」 ――――人間が妖怪を食べる? 無茶ね。 30年前にも図書館に住んでいた私は、いつも通り本を読んでいた。 ちなみに、その頃は誰もいなくて、一人で黙々と読んでたわ。 でも、それが一つの出来事によって壊され始めたのよ…。 「…? 誰かしら?」 突然の気配。しかも図書館の奥から。 無論メイド達は近づいてこないし、ありえない事だ。 「……面倒だけど、読書の邪魔になるし…」 そう言うと少し浮かんで気配のほうに近づいていった。 「で、そこには誰がいたんだ?」 「一人の少年よ。背丈は私より小さいわ」 「おいおい、随分小柄だな」 その少年は、周りの本棚を呆然と見ていただけだった。 「あなた、誰? どこから来たのかしら?」 いきなり殺すのも悪いだろうと思って、その少年に話しかけた。 「…えっと、僕は○○です。村から来ました。…それ以前にここはどこですか?」 いきなり話しかけてきたのに答えるとは変わった人間だ。 というか、進入してどこか知らないと言うのもおかしな話しである。 それに、普通の人間なら湖の真ん中にさえ近づけないはずである。 「ここは、図書館よ。あなた、何でここに来たのかしら?」 「えーっとですね。…頭の上で指をくるくる~っと回したら、何時の間にかここに来てしまいまして」 正直ありえない。魔法も何も唱えずに指を頭の上で回しただけでここについてしまったのである。 「あなた、回す前に何か考えてた?」 「たしか、大量の魔法の本が読みたいって、微かに」 なるほど、つまりは念じている最中に術式か何かが出来あがってしまって、ここに来たわけである。 だが、移動呪文はかなり高度な呪文である。それを適当にやって出来るのだろうか? それに、私は彼に興味があった。 「…あなた、魔法を使いたいと思う?」 何故かは解らないが、なぜかこの少年には魔法を教えても良いかもしれない、という考えが生まれていた。 「魔法ですか? 使いたいですよ」 「親は?」 「…居ません。………前に妖怪に殺されました」 それなら好都合である。 「そう。じゃあ、ついてきて」 そう言ってもとの場所に戻った。 「で、若き○○はダークサイドに落ちたのか」 「何の話よ」 「まあそれはともかく、なんで弟子なんかにしたんだ?」 「才能がね、あったのよ。彼の目を見たら解ったわ」 「勿論、それ以外の理由もあるんだろ?」 「……………胸キュン?」 「イメージ崩れるぞ」 「余計な御世話。それで、彼は私の事をなぜか先生と呼んだのよ。理由はわからないけど」 「まぁ、悪い気はしなかっただろ?」 「まぁ…ね」 「…ここまでが基礎の基礎。わかった?」 「解りました」 うん、私が教えた事をすぐに飲み込んでくれるので正直教えがいがある。 「さて、次は……。…ついてきて」 「? はい」 理由も聞いてこないので、いちいち説明する必要が無くて楽である。 その割に質問は良くする。変わった子だ。少し抜けているところも少々。 二人が着いたところは本棚の境目である。 「この本棚をパッと見渡して。周りのよりも明るい本があったらそれを取る。解った?」 「はい。…でも、なぜですか?」 「周りよりも明るい本はあなたの得意魔法。とりあえず得意のからやるべきだから…。まぁ、私は全部だけどね」 それで納得したのか、順順に見渡していく。 …が、全然目にとまるものが無いらしく、一つ二つと取りに行かずに通る。 (この子には、得意魔法が無いのかしら…?) そう思いかけたとき、 「あ、ありました!」 やっと見つけられたためか、喜び勇んで取りに行った。 そうして戻ってきたときには四冊の本があった。 「何の本だったんだ?」 「光、闇、日、月よ」 「じゃあそれが得意属性だったんだな」 「しかも、最後の地点にあったのを取ってきたからね、随分嬉しかったんじゃないかしら」 「でも、得意属性の本が一冊ってのはありえないじゃないか? ここは魔法図書館だぜ?」 「元々、その四つの属性については少なかったから。それだけしか目に入らなかったのかもしれないわね」 レミィと○○の出会いはそれはもう変わったものだった。 「え~っと日の呪文…は、こうやって…」 ああ、どうして彼は普段難しい属性が得意なのだろう…。 暴発が恐くて仕方が無い。本を読んでる暇さえないのだ。 「わっ!」 と、いきなり部屋が眩しくなった。 「ど、どうしたの!?」 「呪文が発動しちゃって」 「どんな呪文!?」 「えっと、たしか…ロイヤルフレア」 「ロイヤルフレア!? まさかあなた、本を右開きしたでしょ!」 「ええ、まあ」 ○○は眩しくないのか? こっちは眩しすぎるが。 「魔道書は左開き! それじゃあ高位呪文から覚える事になっちゃうじゃない!」 「えーっと、これを解く方法は…」 なんて暢気に探してる。やっぱり眩しくないようだ。 と、 「パチェ? 入るわよー」 レミィが入ってこようとしてきた。…拙い、吸血鬼に日光は死と同じである。 「レミィ! 入ったら死ぬわ!」 「何言ってるのパチェ? そんなわけないじゃない」 死にます。灰になってお終いです。 それならばと思って○○の方を向くが、眩しくて全然見えない。 「○○! 闇の魔法で相殺!」 もうなんど大声を出したか。それを聞いた○○は、 「あ、はい。えーっと、オリエンタルダークブライトは、こう…」 暢気に読んでいる。あー、もう。 「早く!」 と、術式が出来たのか。今度は真っ暗になってしまう。 それなのに○○は本を読んでいる。暗くて読めなくないのか? ―――ガチャ 「うわ! 全然見えないじゃない!」 間一髪、レミィが生還しました。ってそういう場合じゃない。 「○○、なんて書いてある…?」 恐る恐る尋ねる。 「えーっとですね。一度空間を包み込んで闇にしたあとに大爆発。です」 あーなるほど、それでロイヤルフレアを包み込んだと。って、 「また右開き!?」 「ええ、負けるとダメだと思って…」 「左舷から開くの! なにやってんの!?」 今、なにか電波が入りました。大変結構でございます。 じゃなくて! このままだと全員死んでしまう。 「○○! 範囲を極限まで小さく出来る?」 「やってみます!」 そう言うと、一部を除いて元の明るさに戻った。 「そのままの状況で維持!」 「はい!」 そして呪文を唱え、○○が小さくしたところを包み、圧縮して、固める。 「もう、良いわよ…はぁ」 ここまで、疲れたのは始めてだ…。 「そうですか?」 「何が何だったのかしら…」 「二人とも能天気過ぎるわよ…」 「それはともかく…、この玉どうしますか?」 「それ? それは閃光弾として使えるけど…、今使ったらレミィが灰になるわ」 「というか、あなた誰?」 「っていう感じでね、それはもう大変だったんだから…」 「パチュリー、愚痴っぽくなってるぞ…」 「でね、そのころはまだ私弾幕のこと教えてなくて…」 「酒、入ってんのか?」 「酒といえば、○○は酒もダメでね…。悪酔いはしないんだけど苦手で…」 「おーい店主! 酒一本追加!」 「店主とはな……アチャー!(ヘッドバット」 「???」 「でね、そのころはまだ私、くわしい弾幕の事教えてなくて…」 「いかん、ループしてきた…」 「まさか、中国に負けたのよ?」 なぜか○○は来ない、散歩に行ってくると言ったっきり全然。 心配になってきたので、最近雇ったらしい門番のところに聞きに行く。 つもりだったが、 「ちょ、聞いてくださいって!」 「貴様のような人間、見た事も聞いた事も無い!」 元凶だった。 ○○は最近外に出ないため、○○のことが門番の耳に入っていなかったのだ。 この門番、得意技が体術のために、私達のような魔法使いには相性が悪いのだ。 そういえば、スペルカードについて教えるの忘れていたのも関係しているのかも。 (あ、詠唱中に止められた。…まぁ、そうでしょうに) と、そろそろ助けに行ってあげようとしたところに。 「なっ!」 門番が出した突きをかわして掴み、前のほうの足を払った。 しかもその行動中にも詠唱を続け、終わらせる。 「ふるいけやかはすとびこむみづのをと!」 視界が一瞬眩しくなった。 直視はまぬがれたため、すぐに目が元に戻る。 と、そこ居たのは。 目を回している門番が一人。 …○○は逃げたらしい。 (まぁ、あの子らしいわね。あまり危害を加えないあたり) 思わず苦笑してしまう。さて、戻るか。 「なんでそいつは攻撃しなかったんだ?」 「まぁ、紅魔館の人だからというのが理由ね」 「……そのころから中国は負けてたのか…」 「その後にスペルカードとか色々教えたわ。あの子は弾幕ごっこの素質もある見たいだったし」 「ほぉ、一度戦ってみたかったな」 「う~ん、自分から仕掛けるタイプじゃなかったけど…。やるときはやる子だったわ。強さは…そのころは普段の私と同じぐらいね」 「そうなると、そろそろパチュリーのほうが弱くなるんだな」 「…喘息のせいよ」 「っていうか酔いは醒めたのか?」 ――――人間が妖怪を食べる? まぁ、鳥なら良いんじゃない? 出会ってからほぼ一年。○○はメキメキと力をつけていった。 そしてあくる日、いつも通り(?)起きる…が○○の気配が無い。 と、置手紙があった。 『先生へ、 少しばかり出かけてきます。 ○○』 なぜか、悪寒がした。 さすがに普通の妖怪程度なら簡単に倒せるだろうとは思うが、何故か心配になった。 それも錯覚と思い、とりあえず本を読む。 一日目、帰ってくる気配が無い。まぁ里帰りでもしているのだろうと思い気にしないでおく。 二日目、やっぱり帰ってくる気配無し、流石に少し心配になってきた。 そして三日目、 いつも通り本を読んでいたらレミィが来た。 「パチェ」 「何?」 「あの子、死ぬわよ」 「え…?」 突然の言葉に声を失う。 「今日の夜、死ぬ運命にあるわ」 「そう…」 何が悪かったんだろうか、やっぱり三日も空けると魔力が尽きるのだろうか? 「そうじゃないわよ。あなた、殺したくないでしょ?」 「…当たり前よ」 内心、とても焦っている自分がいる。しかしそれを必死で押しとどめる。 「だったら、なんで何もしないのかしら?」 「…運命、なんでしょう?」 「……パチェ、あなたが知らないとは思ってもいなかったわ」 「なにを、かしら」 「運命はね、それがわかっていたら変えられるのよ。過ぎたものなら変えられないけど、まだ過ぎてもいないものなら変えられるのよ。 知っているのに変えないのは、それがいい事かバカだからね」 「………」 「なんで、何もしないのかしら?」 「もし、助けられなかったら?」 「たとえ、助けられなくたって別の道がある。足掻かないでいるのは、バカな証拠よ」 「………」 「…パチェだから、教えてるのよ」 「……それは、友人だからかしら?」 「それもあるけど…、パチェが悲しんでる姿なんて見たくないし」 そう言い終えるとレミィは出ていった。 (運命は変えられる…か。…でも、もし死んでいたら) 『たとえ、助けられなくたって別の道がある』 『足掻かないでいるのは、バカな証拠よ』 気がついたら、外に飛び出していた。 外はもう夜。それでもパチュリーは探しつづけた。 『運命はね、それがわかっていたら変えられるのよ』 (変えて、みせる!) しかし、外は暗闇である。どこを探しても見つからない。 (魔力で探そうにも…、たぶんいつもの魔力じゃないからわからない…。 …○○が、日か光の魔法をつかってくれれば…) そう思い、辺りを見まわすがその類のものは見当たらない。 と、 ――――ズガンッ!! 大きい破裂音がした。その後、激しい閃光がパチュリーを襲う。 (これは…!) 前に、ロイヤルフレアをオリエンタルダークブライトで包み込んだものを固めた記憶がある。 (…たしか、その後○○に渡した気がするわ) しかし、光は一瞬で音も感知しづらい音だった。 (でも、微かに魔力はある) その魔力の元に向かってパチュリーは駆けた。 「○○!!」 そこにいたのは、満身創痍の倒れている○○と、妖怪の群だった。 「先生!? あ、危ないです!」 「大丈夫よ。…今日は、喘息の調子が良いから」 そう言い、二枚のスペルカードを取り出す。 「木&金符『エメラルドメガリス』」 魔法が妖怪達を襲う。 が、 「無傷…?」 「この妖怪は、全ての属性に、対して…耐性を持っています……」 それでは倒せない。心の中で舌打ちをしながらもを解決策を探る。 妖怪達は徐々に迫っていき、逃げ場が無くなってきた。 「……先生。僕に考えが」 「なに?」 「…先生の全てのカード、貸してください」 その一言でパチュリーには全てが読めてしまった。 「まさか、○○! あなたまさか………!」 「……そうです、全ての魔力を解き放てば、倒せるはずです」 ○○は マ○ンテを となえた! ぼうそうした まりょくが てきをおそう! なんてちゃちなものではない。下手をすれば体ごと吹き飛んでお終いである。 「ダメよ! そんなことで、命を捨てるの!?」 「しかし、このままだと先生まで!!」 ○○は自分を助けようとしてそんなことを言っている。それは解るが、納得が出来ない。 「でも!! あなたが…」 「大丈夫です、1%でも生きる確立があるなら、それに僕は賭けます。 このまま、一緒に死ぬくらいなら…、それくらい、賭けても良いんじゃないですか?」 「………だったら、私が」 「駄目です、あなたにはまだやることがあると思います。それに、死ぬなら自分だけで良いんです!」 「なぜ…そこまでするの…?」 「先生、僕の親は妖怪に殺されたと言ってましたよね?」 「…ええ」 「それ以来、僕は心を閉ざしていました。他人にあまり接せずに、暮らしていました。笑うなんてそのころは一度も無かったです。 でも、ここに来て変わりました。笑うなんてほぼ毎日あります。それに、親のいない僕にとって先生は親のようでした。 …………だからもう、大切な人を失うのはごめんです!!」 「テテッテ、テテーテーテ♪(マリオ」 「真面目に聞きなさいよ」 「湿っぽいのは嫌いなんだよ」 「…先生が無理ならいいです。四枚でも目くらまし程度にはなるでしょう」 「………いえ、全部あなたに託すわ」 「……ありがとう、ございます…」 そう言い、カードを11枚持ち魔力を、解き放つ。 「火水木金土月日闇光符『幻想夢物語』」 それは、美しいようで、儚く。 それは、儚いようで、晴々として。 全ては一人の思いとなり、妖怪達を襲う。 ――――ドガァァァァァァァン!! 敵が死んだかもわからない、砂埃の中。 二人がいた。 「…○○?」 「すみません、全部放出するほど勇気が無くて…」 その答えに、パチュリーは砂埃の服を気にせず一筋の涙を流し、笑った。 「それが、普通よ」 その答えに、○○も笑った。 しかし、 「え…!?」 「………無傷!?」 そこにいるのは、無傷の妖怪達であった。 「ここまで、効かないとは思いませんでした…」 と、一匹の妖怪が振りかぶった。 「!」 「せ、先生!?」 驚く○○をよそにパチュリーは○○を守るべく、妖怪の目の前に立ちはだかる。 「くっ!」 攻撃される。 それでもその場所を動かない。 「先生! なぜ、そんなことを!!」 「…私は、図書館でずっと一人で本を読んでいたわ。たまにレミィがくるけど、ほとんど一人で。 でも、あなたが来てそれは無くなった。時には実験をして、時には失敗して、そして笑いあった。 そして何時しか気付いたわ、あなたの事が好きだと。それには自分だって驚いた。 でも、それよりも強いものがあるのよ………。もう……、もう、あんな所に一人で居るのは嫌!! そのためなら、運命だって変えてみせる!!」 「!! 先生!」 「!」 また妖怪がパチュリーを貫こうと振りかぶった。 ――――ザシュッ!! 貫かれたのは、パチュリーではなくその妖怪だった。 一本の槍が、その妖怪を貫いていた。 「この、槍は…!」 「レミィ…!?」 「こうなるとは思っていたわ。とりあえず、間に合って良かったわ…」 その後、レミリアは妖怪達の方を向き。笑みを浮かべた。 「……さて、雑魚妖怪達、覚悟はいいかしら?」 一匹、また一匹と槍で貫かれる。どんなに逃げ惑おうと槍が逃がさず貫く。 そして、妖怪達は全員死んだ。 「…まさか、レミィが来るとは思わなかったわ…」 「大切な友人のためよ? これくらい当たり前」 「……そうね、ありがとう」 「先生。無茶し過ぎです…」 その言葉にパチュリーは普通に返す。 「あなたほどではないわ」 「……そうですか? …それは兎も角、ありがとうございました。…あなたに会えて本当に良かったです」 そこで唐突にレミリアが割って入った。 「パチェ……正直、この調子だと確実に死ぬわ。…ここ以外で、血が出過ぎてる。その上、魔力も殆ど無い」 「……え!?」 「やっぱり、ばれてましたか」 「…当たり前よ」 「……先生、死ぬ前に渡しておきたいものが…」 「待って! 死ぬなんて、言わないで!」 「パチェ、ここは訊くときよ…」 「この三日で見つけたものです…」 そう言って懐にあったものを差し出す。 「これは…グリモア……?」 「そうです、あると便利かと思いまして…」 「そのために、命をかけてまで?」 「……ええ」 「…無茶過ぎるわ、そんなので命を捨てるなんて!」 「…でも」 「でもじゃない! こんなグリモアなんかよりも、本なんかよりも、あなたが重要なの!」 「………しかし、もう無理です」 「くっ…!」 「最後に、一つだけ。…あなたが、好きです」 そう言うと、○○は目を閉じた。 「……○○」 「へぇー大変だったな」 「……あなた、途中から全然聞いてなかったでしょ」 「まあな。で、そいつはまだ生きてるのか?」 「普通は、死んでるわよ…」 「念のためだ、念のため」 そこで一旦話しが切れる。 「パチュリー様、何かする事は?」 と、小悪魔がやってきて聞いてきた。 「じゃあこの本とこの本、元の場所に戻してきてくれる?」 「はい」 そう言うと、小悪魔は指定された本を持って歩いていった。 「…しかし、小悪魔も大変だな。あいつ、ここの全部一人でやってんだよな?」 「まあ、そうなるわね」 「たしか、パチュリーが召還したんだよな?」 「…それ以外に誰がするって言うの?」 (……まさかね) 「さて、それじゃあ本を貰って帰る準備するかな?」 「もってかないでー」 「もってくぜ」 少しして、あの少年が戻ってきた。 結局、魔理沙から本を守る事は出来なかったが。 「お、もういいのか?じゃあ帰るか」 「その本ちゃんと返しなさいよ」 一応忠告としては言って置く。 「気が向いたらな」 結局こう返されるのだが。…八十四冊。 「さて、もういいわよ?」 そう言うと、膝の上の猫が飛んだ。 そして魔法を猫自身が自分でかける。 魔法をかけると、その猫は光に包まれ、光が解けた頃には一人の少年になってた。 紫色の髪の、パチュリーより小さい少年だった。 ただ、猫耳と尻尾を除いて。 「はぁ、久しぶりに元に戻れました」 少年は少し伸びをした後、パチュリーに向かって。 「っていうか先生、なんで猫なんですか?」 「なんとなく、よ」 「さいですか」 毎回思う疑問をとりあえず捨て、パチュリーに聞く。 「先生、なぜ本当の事を伝えなかったんですか? 本当はグリモアが只の本になって、そのかわり僕が猫になって助かったってことを」 「まあ、良いじゃないの」 「良くないです…。また隠す必要があるじゃないですか」 「それより…、あの子、どうだった?」 「……妖怪と人間が共存できる、と言ってました」 「それについて、どう思ってる?」 「…随分無茶を言っています。でも、そう考える気持ちもわからなくないのです。 それに、思う気持ちは十分過ぎます。…あの子はきっと凄い事をしますよ」 「…で、もしかして助けるつもり?」 「さあ? どうでしょう?」 「……一週間お昼ご飯禁止」 「あ、ピンポイント攻撃ですね?」 ――――思いが強ければ何にでもなる。 ――――たとえ、運命が決まっていても。 End ~~~あそ(び)がき~~~ どーも、こんにちわこんばんわ。めどいからA氏です。 パチェです、主人公猫です、むきゅーです(なにそれ 書いていて羨ましいやらなんやら…。 っていうか猫耳です。ああ、自分で書いていてなんだが主人公かわr(幻想夢物語 今回は399氏のりり君を後ろに友情出演。無駄に繋がれる。 ええ、ありがとうございます! さてさて、今回もハッピーエンド? ですが改造シーンを。 改造、1 『先生へ、 少しばかり呪ってきます。 ○○』 なぜか悪寒がした。 カーン、カーン、カーン… 改造、2 「無傷…?」 「この妖怪は、全ての属性に、対して…耐性を持っています……」 「だからって…………どくばりじゃ無茶よ! 相手のHPは一桁じゃないわ!!」 「経験値が………欲しかったんです! 魔法使いでも倒せると証明したかったんです…」 メタルキングは にげだした! 改造、3 「魔道書は左開き! それじゃあ高位呪文から覚える事になっちゃうじゃない!」 「………でも、これ巻物ですよ?」 「どこから持ってきたのそれ!?」 「入るわよー」 駄目だスネーク!未来が変わってしまう!タイムパラドックスだ!
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/862.html
PREV:チュリンの森 中編 NEXT:チュリンの能力 前編 ストーリー …うーん…むにゃむにゃ…… 自然の守護者 チュリン ………………………… 自然の守護者 チュリン …………………………ん? 自然の守護者 チュリン …【プレイヤー】の匂いが…するような… 自然の守護者 チュリン …………………これ…好きな匂い 自然の守護者 チュリン …うーん? 自然の守護者 チュリン …………………………ん? 自然の守護者 チュリン ……え? 自然の守護者 チュリン …………えぇ? 自然の守護者 チュリン …【プレイヤー】? 自然の守護者 チュリン …………………… 自然の守護者 チュリン 何で君またここにいるの!?っていうか、ボクのお昼寝スポットにどうして!? 自然の守護者 チュリン いや、君ね当たり前に会いに来たって言われたって… 自然の守護者 チュリン ここ、フツー人が来ないような場所だからお昼寝スポットに選んでるわけで… 自然の守護者 チュリン …君、たまに常軌を逸した行動力を発揮するよね…? 自然の守護者 チュリン え、なに?寝てていいって言われても…目が冴えたよ… 自然の守護者 チュリン だいたい君が苦労してボクに会いに来てくれたのにボクが爆睡って…変でしょ? 自然の守護者 チュリン …もー思いっきり寝顔も寝言も……ちょっとハズいよ… 自然の守護者 チュリン あーダメ!何か考え出したら負けな気がする! 自然の守護者 チュリン 【プレイヤー】!デュエル!とりあえずデュエルしよう! 自然の守護者 チュリン 勝利時 あーもう!寝起きで君に勝てるかー!! 自然の守護者 チュリン やっぱり【プレイヤー】って強いよね… 自然の守護者 チュリン 慣れない森にも平然と踏み込んで来るぐらいの気合いがあるせいなのかなー 自然の守護者 チュリン だって、結構かかったでしょここまで来るの 自然の守護者 チュリン ボク、学校とか行かずに通信教育だけど、その理由がこの道の悪さでさ 自然の守護者 チュリン 普通の人なら何時間かかるかわからないし、天候次第じゃ命に関わるっていうから 自然の守護者 チュリン 学校側から通学はちょっと…ってなっちゃってね事故があると責任問題になるって 自然の守護者 チュリン まぁ、おかげで束縛はないしこうして平日の昼間から君とデュエルもできるわけだし 自然の守護者 チュリン 結構気にいってるんだよ 自然の守護者 チュリン だから… 自然の守護者 チュリン まぁ、遊びに来てくれるのはすっごく嬉しいけど… 自然の守護者 チュリン 無理はしないでね 自然の守護者 チュリン 連絡くれれば、ボクがちゃんと君を迎えに行くからさ 自然の守護者 チュリン 敗北時 フゥー 自然の守護者 チュリン 人が寝ているところに忍び寄るような奴には敗北がお似合いだよ…まったく 自然の守護者 チュリン ボクだって子供ってわけじゃないんだからね 自然の守護者 チュリン 次からは事前にちゃんと連絡してよ 自然の守護者 チュリン …森の外まで迎えに行くからさ 自然の守護者 チュリン PREV:チュリンの森 中編 NEXT:チュリンの能力 前編
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/856.html
PREV:チュリンの謎 中編 NEXT:第6話 前編 ストーリー あの駅前からここまでが屋台エリアになるんです! ルピコ ベタなお祭り料理は当然、申請のあったものの中には…虫料理のお店も… ルピコ …えぇ、…これはパスしましょう ルピコ ヤッホー何してんの? 自然の守護者 チュリン あ、これはチュリンさん! ルピコ 今、プレイヤーさんと今度の夏祭りの下見というか下調べをしてました ルピコ 下調べって、何の…? 自然の守護者 チュリン 食べ物の屋台のです!私、外から来る人のためにガイドもする予定なので ルピコ 自由時間が少ないので、先手を打っておこうかと思いまして ルピコ …屋台が並んでからで良くない? 自然の守護者 チュリン それにプレイヤーまで巻き込まないでも… 自然の守護者 チュリン こういうのは誰かとわくわく妄想しながら予定を立てるのがいいんです ルピコ お腹もお小遣いも有限ですから、効率的に夏祭りを楽しまないと! ルピコ まぁ、それもそうか… 自然の守護者 チュリン チュリンさんは何をしていたんです? ルピコ テキトーに街にいる人にデュエル申し込んでる 自然の守護者 チュリン 辻斬りじゃないですか!? ルピコ 大丈夫強そうな人だけだから 自然の守護者 チュリン ってわけで、プレイヤー借りていい? 自然の守護者 チュリン え、えぇ…一人で下見は…ちょっと… ルピコ すぐ終わるからさーいいじゃーん 自然の守護者 チュリン わ、わかりました…じゃ、一回だけですよ? ルピコ では、私はデュエルの間、向こうの通りを見てきますので… ルピコ 終わったら連絡してくださいねそれでは ルピコ はーいじゃ、プレイヤー、始めようか 自然の守護者 チュリン 勝利時 ぐっはぁ…!つ、つよい… 自然の守護者 チュリン やっぱ強いよねぇホント、君も守護者になればいいのに… 自然の守護者 チュリン え、あ、もう行っちゃうの?…ルピコが待ってるから? 自然の守護者 チュリン うーん… 自然の守護者 チュリン …ね、もう一回だけ、しない? 自然の守護者 チュリン ちゃちゃっとやっちゃえばルピコにはバレないって 自然の守護者 チュリン いいじゃん、しようよー内緒の一回 自然の守護者 チュリン ね?そうしよ? 自然の守護者 チュリン 敗北時 よっゆー! 自然の守護者 チュリン デュエル、ありがとねーじゃボクは…あ、ルカだ 自然の守護者 チュリン …何?こっちをじろじろ見て 闇の守護者 ルカ ルカー、デュエルしようよー! 自然の守護者 チュリン あ、プレイヤー、またねー 自然の守護者 チュリン PREV:チュリンの謎 中編 NEXT:第6話 前編
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/854.html
PREV:森の小悪魔 後編 NEXT:チュリンの謎 中編 ストーリー わりぃ!遅れちまった! 火の守護者 グレン 10分遅刻だな 水の守護者 カイト めっずらしー、グレンがデュエル会に遅刻するなんて 自然の守護者 チュリン あら、チュリンさんグレンさんだって人間ですから遅刻ぐらい当然ですよ 光の守護者 エレナ いやなに路上で勝負ふっかけられてよこれがまた自信たっぷりな奴で 火の守護者 グレン ついつい相手しちまってな 火の守護者 グレン まったく…で、勝敗は? 水の守護者 カイト 俺がそこらの奴に負けるかよ 火の守護者 グレン フン、なら遅刻ぐらいは許してやろう次からは注意しろ 水の守護者 カイト ヘイヘイ…アレ? やっぱりルカは来なかったか 火の守護者 グレン つるむのが好きじゃないからねー 自然の守護者 チュリン それで代理にプレイヤーに来てもらった十分だろ? 水の守護者 カイト おう、十分過ぎるなとはいえ、ルカともやりたかったが… 火の守護者 グレン まぁ、そのうちアイツの家に押しかければいいか 火の守護者 グレン あらあら 光の守護者 エレナ さらっととんでもない事言ってない…? 自然の守護者 チュリン しっかしアッチィな…走ったせいで汗かいちまったぜ 火の守護者 グレン カイト、遅れたついででわりぃんだけど軽くシャワー借りていいか? 火の守護者 グレン …お前という奴は…まったく…早く行ってこい 水の守護者 カイト サンキュー! 火の守護者 グレン 前みたいに全裸で出てくるなよ今回は女性陣もいるんだ 水の守護者 カイト そんな趣味はねぇよ女性陣はこっちに背中向けてデュエルしててくれ 火の守護者 グレン 全裸で出て来る気だ!? 自然の守護者 チュリン はいはい 光の守護者 エレナ 着替えがそっちの棚にあってな 火の守護者 グレン 持ち込めばいいだろ… 水の守護者 カイト その手があったか 火の守護者 グレン 当然みたいに言ってるけどカイトのところにグレンの着替えがあるんだ… 自然の守護者 チュリン なんだかんだよく来るからなんじゃ脱衣所に服持ってくわ 火の守護者 グレン 初めからそうしろ 水の守護者 カイト とはいえグレンだ念のため女性陣はあちらに背を向けておいてくれ 水の守護者 カイト はいはい 光の守護者 エレナ ったく、人を何だと… 火の守護者 グレン …………………… 火の守護者 グレン アレ、グレン固まって…どうかした? 自然の守護者 チュリン ……いや…… 火の守護者 グレン そういや、チュリンお前… 火の守護者 グレン 性別どっちだ? 火の守護者 グレン え!? 自然の守護者 チュリン あら? 光の守護者 エレナ おい、グレン…同じ守護者だ、しかも別に昨日今日の関係じゃない 水の守護者 カイト 性別ぐらい当然… 水の守護者 カイト …………………… 水の守護者 カイト …言われてみれば、一度も明確に性別を確認した覚えがないな… 水の守護者 カイト だろ!? 火の守護者 グレン えー…何かすっごい今更じゃない…? 自然の守護者 チュリン そういえばチュリンさんの性別ってちゃんとした書類でも頻繁に間違われてますよね 光の守護者 エレナ デュエマシティ外への広報では男性二人女性三人の守護者となってる事が多いですけど 光の守護者 エレナ デュエマシティ内の広報では男性三人女性二人の守護者となってる場合が多いですね 光の守護者 エレナ 恐らく参考にしている資料か担当者が違うせいなんだと思うんですが… 光の守護者 エレナ え、そうなの!? 自然の守護者 チュリン 普段お前そういうの読まないから気がつかなかったんだな 火の守護者 グレン エレナはチュリンの性別を知っているのか? 水の守護者 カイト えぇ、もちろん 光の守護者 エレナ まぁ…エレナんちとかでお泊まりとかした事あるしね 自然の守護者 チュリン なるほどそれでエレナ…チュリンは、どっちなんだ? 水の守護者 カイト それは…こういうご時世ですからご本人からで 光の守護者 エレナ えー、何か今更で嫌だなぁお前に興味なんてないって言われてるみたいで 自然の守護者 チュリン お前のこの間のデュエルの時のデッキ構成は全部覚えてるぜ?出したカードの順番もな 火の守護者 グレン それは逆に凄いです… 光の守護者 エレナ プレイヤーは当然わかるよね? 自然の守護者 チュリン …だよね!ほら、フツーはわかるんだよ見た目だけで 自然の守護者 チュリン …うーん…こうして改めて見てみると… 火の守護者 グレン だ、だからって、急に、そんなじっくり見ないでよ… 自然の守護者 チュリン ふむ、私はわかったぞ 水の守護者 カイト …あぁ、俺もだ一斉に言おうぜ 火の守護者 グレン …いいだろう 水の守護者 カイト せーのっ 火の守護者 グレン 女! 火の守護者 グレン 男! 水の守護者 カイト …………………… 火の守護者 グレン …………………… 水の守護者 カイト あらあら 光の守護者 エレナ もー 自然の守護者 チュリン …少し考察する必要があるな 水の守護者 カイト ちょっとシャワー浴びてる場合じゃねぇな 火の守護者 グレン いや、浴びといでよ汗クサいよ… 自然の守護者 チュリン 少し待てチュリンの性別に関連しそうな過去の行動をリストアップする 水の守護者 カイト じゃ俺はちょっと観察するわ 火の守護者 グレン …めっちゃくちゃ凝視されてるんだけど… 自然の守護者 チュリン …………………… 火の守護者 グレン もういいよ!プレイヤー、エレナ先にデュエルしよう! 自然の守護者 チュリン もうあの二人、ダメだよ! 自然の守護者 チュリン では私は今のうちにお茶の準備をしておきますね 光の守護者 エレナ 勝利時 負けたぁーーーー! 自然の守護者 チュリン あら、随分と早かったですね 光の守護者 エレナ 無理だよ!こんな嫌な視線向けられてる中で集中なんてできないもん! 自然の守護者 チュリン ……じー…… 火の守護者 グレン 男か、女か…選択肢はこの二つしかない… 水の守護者 カイト …いや、本当にそうか?ひょっとして第三の選択肢が存在する……!? 水の守護者 カイト もうどっちでもいいからさー早くみんなでデュエルしようよ… 自然の守護者 チュリン 敗北時 はーい、ボクの勝ちー…そっちは終わった? 自然の守護者 チュリン …あのまとう雰囲気は男…いや、しかし筋肉の付き方は女か…? 火の守護者 グレン フム、なるほどな過去のカードの出し方に性別判断可能な偏りが… 水の守護者 カイト クソッ、成長期前のガキじゃわかんねぇ! 火の守護者 グレン これは統計学から導き出された完璧な理論だ…確定可能だな 水の守護者 カイト …いっそ服を剥ぎ取るか… 火の守護者 グレン あとはチュリンの対戦データを1000回分入力すれば… 水の守護者 カイト お茶が入りましたよー 光の守護者 エレナ …………………… 自然の守護者 チュリン …ここ、怖いよ… 自然の守護者 チュリン PREV:森の小悪魔 後編 NEXT:チュリンの謎 中編
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/955.html
ふおんコネクト! キャラクター コメント ざら先生による4コマ漫画作品。『まんがタイムきらら』にて、2006年3月号より2010年8月号まで連載。 キャラクター ヤドラン:境ふおん バオップorピィ:英夕 ルカリオorヒヤッキー:三日科交流 チュリネorヤナップ:三日科通果 ジャノビー:松下華 チャオブーorコジョンド:白金やわら キルリア:元巻さん コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る キャラクターとだけ書かれた荒らしコメントを削除 -- (名無しさん) 2018-02-20 16 16 18
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/889.html
PREV:探偵チュリン 中編 NEXT:パワフルチュリン 前編 ストーリー 終わった~!ね、ボクは犯人じゃなかったでしょ? 自然の守護者 チュリン ええ、疑って本当に申し訳なかったのだわ…… コットン え? そこまで謝らなくたっていいよ、ボクも疑われるようなところがあったかもしれないし 自然の守護者 チュリン それでも犯人でないのに申し訳なかったのだわ コットン そういえばコタロウに謝るのを忘れていたのだわ!今度謝らないと! コットン とにかく今回の償いをさせてほしいのだわ! コットン う~ん、じゃあ、何か美味しいもの食べさせてよ! 自然の守護者 チュリン 【プレイヤー】とルピコも一緒に 自然の守護者 チュリン そんなことでいいのなら、私が美味しいと思うケーキ屋さんでいいかしら? コットン いいね、大賛成~!さっそく行こうよ! 自然の守護者 チュリン あの、コットンさん、本当に私達もご一緒していいんですか? ルピコ 二人にも迷惑をかけたから遠慮はいらないのだわ! コットン ありがとうございます!四人でお茶するなんて楽しみです ルピコ わ~い、ショートケーキだ!いっただきま~す! 自然の守護者 チュリン おっ!このホイップクリーム、かなり好み! 自然の守護者 チュリン ほっ……気に入ってもらえてよかったのだわ コットン でも本当にこんなことで償いになるのかしら…… コットン なるなる! 美味しくってペロッと食べちゃった!ごちそうさま! 自然の守護者 チュリン なんか美味しい物を食べた今なら君とデュエマしても勝てる気がするな~ 自然の守護者 チュリン 【プレイヤー】さん待ってましたとばかりにデッキを取り出しましたね! ルピコ それでこそ【プレイヤー】だよじゃ、デュエマ・スタート! 自然の守護者 チュリン 勝利時 おっかしいな~勝てる気がしたんだけど…… 自然の守護者 チュリン ま、楽しかったからいいや! 自然の守護者 チュリン ………… コットン コットンさん、どうしたんですか? ルピコ チュリンはとても優しいのだわ犯人だと疑った私をすぐに許しちゃうし コットン でも……だからといって私がしたことは許されることではないのだわ…… コットン もー、なんでそんなに自分を責めるの?間違いなんて誰にでもあるよー 自然の守護者 チュリン 犯人でない人を疑ったそんな自分が許せないのだわ コットン 私にはまだまだ信仰が足りないのだわ…… コットン コットンは頑張ってるよ 自然の守護者 チュリン 平和を実現するため自分にできることをしてるんでしょそれでいいんじゃない? 自然の守護者 チュリン そ、そうかしら? コットン 私もそう思います ルピコ えっ、【プレイヤー】も同感? コットン みんな……感謝するのだわ コットン それじゃ、お言葉に甘えて平和を実現するため言わせてもらうのだわ! コットン う、うん……? 自然の守護者 チュリン チュリンは子ども達におやつをたかるのやめたほうがいいと思うのだわ! コットン ええ!?それは無理だよ! 自然の守護者 チュリン いいえ、そういうわけにはいかないのだわ!まずは努力をして―― コットン うぅ…コットンを励ましたつもりが、なんでこうなるの~!? 自然の守護者 チュリン ふふ、コットンさんはチュリンさんにとって少々手強い相手かもしれませんね~ ルピコ そんな~! って、【プレイヤー】もすぐデッキの調整始めないでよ! 自然の守護者 チュリン 二人のうち、一人くらいボクをフォローしてくれてもいいんじゃないかなぁ~っ!? 自然の守護者 チュリン 敗北時 やった~やっぱり勝てた! 自然の守護者 チュリン フフーン!美味しい物を食べて本気になったボクの強さがわかった? 自然の守護者 チュリン お?悔しそうだねいいよ、もう一戦してあげる! 自然の守護者 チュリン PREV:探偵チュリン 中編 NEXT:パワフルチュリン 前編