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ポーンエンディング2 エンドゲーム1を見たみなさんはいかにチェスのエンディングが難しいか理解したかと思います。 盤面にはキングと数個のポーンしかないのにあそこまで難解なのです。 もし質問があれば遠慮無くどうぞ。 地雷(Mined Squares) ある場合に対応しあうペアのマスを「地雷」と表現します。 その地雷のマスには決して最初に足を踏み入れてはなりません。その場合、ツークツワンクに陥ってしまうからです。 そのマスの横で待機するか、地雷を避ける必要があります。 以下の2つの例、図1・図2を見てください。 図1 ここで、白は「アンタッチャブルポーン」つまり、不可触ポーンと呼ばれるものを持っています。 白キングはb3,c3,d3の間を行き来し、黒キングはc7,b7,a7を同様に行き来します。 この局面ではc4及びb6が地雷になっているために、お互いにポーンをアタックすることができません。 図2 白先 この局面ではe6とc5が地雷となっています。 白は相手に強制的に地雷を踏ませることで勝つことができます。 1. Kf6! Kb5 どのようなディフェンスも望みはありません。 1...Kc7 2. Ke7 Kc8 3. Kxd6 白キングはd6のポーンを奪いとり、同時にd5ポーンの重要なマスを支配します。 2. Ke7! Kc5 3. Ke6+- 図3 黒先 白の唯一の勝ち筋はキングによってd6のマスを奪うことにあります。 クイーンサイドにおける反撃を維持するために、黒キングを遠ざけつつキングを動かすことが重要です。 a6とb4とが対応しあうマスだということに気づくことができるでしょうか? 1... Kb7 2. Kb3! Ka6 3. Kb4! Kb7 次にどうするかが最大の鬼門かもしれません。 d4とb5によるツークツワンクには十分警戒しなければなりません。つまり、d4のマスが地雷だということです。 d4を回避しながら手をすすめる必要があります。 4. Kc4 Ka6 5. Kd3!! Ka5 6. Ke4! Kb5 7. Kd4 Ka4 8. Ke5 Kxa3 9. Kd6+- 図4 白先 Alekhine - Yates Hamburg 1910 1. Kd4? Ke6=; このように、d4とe6は地雷です。 1. Kb4? としても、1...Ke6 2. Kxb5 Kxe5 3. Kxa4 Ke4 4. b4 Kxe3 となり、クイーンとルークポーンVSクイーンの局面になりますが、理論的にはドローです。 1. Kd3 Kd7 (1...Ke6? 2. Kd4+-) 2. e4! f4 3. Ke2 Ke6 4. Kf2!! 黒投了 e4の白ポーンと黒のf4ポーンがあるということは、最初の方でも説明した通り、f3とe5が地雷となっています。 白キングは先にf3に入ることを避け、一手待ちます。 ついでに言っておけば先にe4をついても問題はないです。1. e4 f4 2. Kd3 Ke6 3. Ke2 図5 白先 Kobese - Tu Hoang Thai Yerevan ol 1996 このポジションはドローですが、白は最後のトラップを仕掛けます。(この局面がドローであることはビショップキングルークポーンVSキングにおける基礎知識があれば理解できると思います。8列目のマスの色とビショップの存在するマスの色が違えばドローとなります) そして、それは成功しました。 1. Bd1+!? 2. Kh4?? 1....Kg6! が必要です。h5からg4を突くのが狙いの手です。 2. Bg4 h5 3. Kf5! hxg4 hxg4 黒投了 1. Bf5 には 1...g4! 2. hxg4 Kg5 白が次に何をしても 3...h5 があり、ドローになります。 トライアングレーション(Triangulation) トライアングレーションはキングのテンポを遅らせる目的で使います。 図6 白先 d5とd7のマスがそれぞれ対応しています。これが黒の手番であれば白の簡単な勝ちになることはわかると思います。 白はc6のポーンをつくことでブレイクを狙っていますが、黒のキングがそれを防いでいます。 しかし、黒キングの動きは制限されているので、白のキングのテンポを遅らせることで簡単に勝つことができます。 1. Ke5! 1. c6? はミス。1...Kc8! (1...bxc6? 2. Kc5 Kd8 3. Kd6!+-) 2. Kd6 Kb8! 3. Kd7 bxc6= 1...Kc6 2. Kd4 Kd7 3. Kd5 これで白は目的を達成しました。図6と同じ局面ですが、手番が逆になっています。 このように、キングが三角形をつくるように動くことからトライアングレーションと言います。 3...Kc8 4. Ke6!(オポジションを取ります) 4...Kd8 5. Kd6 Kc8 6. Ke7 Kb8 7. Kd7 Ka8 c6+- このようなポジションは非常によく出てきます。 図7 Fahrni - Alapin 1912 キングはd5とc8に存在していますが、チェス盤を用意してポーンだけをおいて見てください。 まずは対応するマスについて論じることにします。 d6-d8およびc5-c7がそれぞれ対応するマスであることは明らかです。d6, d5, c5、黒の場合はd8, c8, c7が対応するマスとして機能します。 このようにして、明確な対応から新たな対応関係を把握していきます。 白キングがd4かd4にいくことで、黒にc7かc8のポジションにいくことを強制し、対応するマスを奪うことで白が勝つことが可能になります。 1. Kc4(Kd4)! Kd8 2. Kd4(Kc4)! Kc8 3. Kd5! Kd8 4. Kd6 Kc8 5. c7+- 図8 白先 Find two wining plans. このプロブレムにおいて、作者は以下の手順を示しています。 1. Kd4 Kc6 2. Kc4 (2. g5? fxg5!=) 2...Kd6 3. Kb5! 敵を側面から追い詰め、このポジションは勝ちとなります。しかしながら、この作戦はややリスクが高いとも言えます。 読む変化も多くなってしまいます。 3...Ke5 4. Kc6 Kf4 (4...h5 5. gxh5 Kxf5 6. Kd5!+-) 5. Kd6 Kxg4 6. Ke6+- 3...Kd5! 4. Kb6! 白は再びオポジションを取り返します。h4-h5の手があるおかげで、白はこのテンポを保つことができます。 4...Kd6 5. Kb7 Kd7 6. h5 Kd6 7. Kc8 Ke5 8. Kd7 Kf4 9. Ke6+- さて、実を言えばこのポジションは多くの勝ち筋があるのですが、そのいずれもd5のマスが鍵となっています。 もし、h5が既に突かれている状態であれば、鍵は6ランクすなわち、c6, d6, e6となります。 ポーンストラクチャーが変化したとき、それに呼応してキースクエアも変化します。対応するマス(corresponding squares)も同様です。 他の勝ち筋としては、1. Kf4 Ke7 2. Kf3 Kd7 Ke3! Kd6 4. Ke4! Kc6 5. Kf4 Kd6 6. g5+- などがあります。 図9 黒先 Yudasin - Osnos Leningrad 1987 このポジションで黒が勝つことは可能でしょうか? 1...Ke4 2. Ke2 f4 3. Kf2 f3 4. Kf1 Kf5! 5. Ke1 Ke5 6. Kf1 Ke4
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編集中 ミドルゲーム2 弱点とは何か? チェスにおける弱点とは、大抵の場合ポーンの事です。 どのようなものが弱点になるのか、大別すれば以下の三種類です。 アイソレーテッド・ポーン ダブルポーン ポーンチェーンにおける一番下のポーン(何らかの名称があるかもしれませんが、私は知りません……) 他にも、ナイトポストやピンされている駒などを弱点という場合も多いです。 これらについて、具体例を交えて解説したいと思います。 アイソレーテッド・ポーン 簡単に言うと、両隣にポーンが存在しないポーンの事です。 以下の図を見てください。 図1 上の定義から言えば、緑色で囲んだところがアイソレーテッド・ポーンとなります。 自身を支えるポーンが存在しないため、相手から狙われやすいです。 ダブルポーン 図2 このように、ポーンが駒を取る事で重なってしまっているポーンのことです。 下のポーンが進み難く、また、弱点になることが非常に多い形なので、可能な限り避けましょう。 ポーンチェーンの一番下 図3 上のように、支えあっているポーンの一番下にあるポーンが無防備です。 これも、相手から狙われやすいポーンです。 弱点をどのようにして作るか
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掲示板代わりみたいなものです。 常識の範囲内で自由にどうぞ。 名前 コメント すべてのコメントを見る ありがとうございます。 そう言っていただけると頑張ったかいがあります。 相変わらずの亀更新ですが、よろしくお願いします。 -- (管理人) 2011-09-13 04 16 17 ソコリスキーオープニングのところ 8.exd5- 8.cxd5と思うのですが。 (講座等全部見させていただきました。 まだ編集中のところもあるようですが。 2011/6/26に始めたばかりの初級者なの で、定跡の選び方がとても参考になり、 手書きで写させていただきました。 中盤戦の基礎、がんばってください!) -- (ny0500) 2011-08-28 16 30 46 指摘どうもです 修正しました -- (管理人) 2011-08-28 11 04 08 ダブルアッタク図1の解説で Rxf7#- Rxf8#と思うのですが。 -- (ny0500) 2011-08-28 08 04 40 ありがとうございます まともに更新しないまま一年過ぎてしまいましたが、まだ編集は続ける予定です -- (管理人) 2011-08-23 09 25 01 定跡選び大変参考になりました。 名人が使っていた歴史など、すごく 興味深いです。 応援してます。 -- (プレコ) 2011-07-17 14 37 43 名無しさんどうもです どうも最近モチベーションが上がらないので 自分が書きたい記事から書いてます…… ところで、「あ」さんは何が言いたいのでしょう? たしかに遅筆というレベルを超えて超遅筆ではありますが、そのへんは大目にみていただけると助かります -- (管理人) 2011-07-04 19 37 33 おれは良い意味で良い。 おまえ悪い意味で悪すぎ。 -- (あ) 2011-06-25 23 58 24 仕事忙しくてチェスどころじゃないのでたまにですがみてますよー! -- (名無しさん) 2011-06-17 18 50 51 なるほど…てっきりチェックのマークだと勘違いしてました。 回答ありがとうございました。 -- (mutsuki) 2011-03-04 21 55 39 どうもです。 あれは白勝勢のマークなんです。 たしかに分かりづらいですね……どうしようww -- (管理人) 2011-03-02 17 34 33 先日はお世話になりました。 質問なんですが、初級者の章のダブルアタックで例1ですが、白のQc4で何故チェックになるのか分からなかったです。 -- (mutsuki) 2011-03-01 00 03 18 そういうのは、質問してくれて全然おkです 他の人がどういう手で疑問を持つのかよく分かるので -- (管理人) 2011-02-12 18 13 25 たまになんでこの手なんだろうって思いますけど、一手一手じゃ大変でしょうしおまかせいたします -- (kkk) 2011-02-11 15 39 00 はい。抗鬱剤でも飲んで頑張りますw ところで、初心者のみなさんは一手一手に解説をいれた方がいいのかな? -- (管理人) 2011-02-09 03 28 31 待ってましたー!少しずつでいいんで頑張ってください。という無責任な私 -- (kkk) 2011-02-08 23 28 01 長い間放置してました。 別に死んだわけではないのでw -- (管理人) 2011-02-07 05 52 30 更新楽しみにしています。最近始めたもので右も左もわかりませんので助かります。 -- (名無しさん) 2011-01-06 18 39 55 ああ、ありがとうございます。 放置していてすみません。実は最近になって鬱症状が出てきまして…… まず、自分がベンコーを選んだ理由としては白が 1.d4 をしたときの定跡をどうするかで悩みました。 最終的にはベンコー・アルビン・ブタペストが出たのですが、簡単に紹介するなら方針が立てやすいベンコーかなと。 ただクイーンサイドアタックをするだけですし、R1300前後のプレイヤーには一番いいかなと。 -- (管理人) 2010-10-10 14 36 20 これからの成長が楽しみなサイトですね! ただ気になる点が幾つか。奇襲戦法にBenko s Gambitがありますが、BenkoはBenoniの派生系で割とメジャーな定跡だと思いますので、Halloween Gambit(1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Nc3 Nf6 4.Nxe5) Philidor Gambit (1.e4 e5 2.Nf3 d6 3.d4 f5)の方がより奇襲戦法らしいかと思いますが、どうでしょうか? -- (Nesty) 2010-10-05 02 20 11
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中盤の指し方 無責任な言い方になるかもしれませんが、中盤戦というものはチェスの感覚というものが結構重要になってくるものです。感覚そのものは経験によってしか得られないものであり、当然ながら複雑で難しい中盤を多く経験した人が有利となります。 中盤戦では考えることが非常に多くあり、先に紹介した基礎的な手筋を使うのはもちろん、その手筋を有効に使うための局面にもっていく力が必要です。 管理人も、特に長い持ち時間がなければ今までの経験と勘に頼って指します(考えても失敗するのですがw)。 中盤は最も時間を使う場面です。経験とマスターの実践譜から学ぶのが一番ですが、普通の人はそこまで多くの時間を割くことはできません。 今回は初級者の章なので、簡単な中盤の方針を書くことにします。 中盤における詳しい指し方は中級者、あるいは上級者の章で書くことにします。 どこからが中盤なのか? 厳密な定義はありません。目安としては13手を過ぎれば中盤と考えてみてもいいでしょう。 お互いのマイナーピースが展開し、キャスリングを終えてからが中盤と考えれば大体合ってると思います。 駒を取る、取られる手を考える これだけは最低限やっておきましょう。 どの駒がどの駒に当たっていて、取られた後にどうするか。あるいはタダになっていないか。取り返すことはできるか。 特に持ち時間がある場合は全パターンを読んでもいいくらいです。 「下手の考え休むに似たり」という言葉がありますが、実際その通りです。 考えることはもちろん大切なことなのですが……。無駄なことを考えたくはないでしょう? これだけでもやっておけばすぐに負けるようなことはないと思います。 相手の弱点を突く 最も弱いところから崩していくのは兵法の基本です。相手の弱点を発見し、そこに駒を集中させましょう。 弱点になり得る箇所は、「他のポーンの支えが無い、孤立したポーン」が最も狙いやすい弱点でしょう。 図1 白先 緑の○がついたところがこの局面における弱点です。 白先なので 1. Rb1 と指すのがもっとも効果的だと思います。 他に考えられるのは とりあえずビショップを追う 1. h3 ルークをオープンファイルに回す 1. Re1 など。 自分の弱点を気にする 守ると断言しなかったのは、守らないという手段もあるからです。 弱点を犠牲にして、もっと大きなアドバンテージを取りにいくのは有効な戦術の一つです。 そこらへんはしっかりと天秤にかけましょう。 攻撃の基点はポーンの交換 ポーンを突いて交換することで、オープンファイル(縦の筋)やダイアゴナル(斜めの筋)ができます。 そこにルークやビショップを置いて攻撃します。 そのため、攻撃側はポーンをできるだけ交換し、守備側はできるだけ交換を避けます。
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ミドルゲーム1 チェスにおいて通らざるをえないミドルゲームの指し方について書きます。 中盤の指し方において簡単な説明はしましたが、あれだけでは説明不足だと思います。 ここでは具体例も交えて書こうと考えているので、分かりやすくなっているはずです。 ポジションの重要性 チェス初級者の章で紹介したいくつかの手筋は、当然ですがあのようなポジションを取ることでしか成しえなかったことです。 ポジション上の優位に立つことが勝利への鍵となることは間違いありません。 ポジション上の優位に立つとは、つまり相手に多く弱点があり、それらを攻撃する態勢が整っているということです。 では、その形にもっていくためにどの手を指すのがいいのでしょうか。 ナイトポスト ナイトポストは、ナイトがポーンに追われないような位置のことを指します。ほとんどの場合、相手のポーンが前に出てきているときにぽっかりと空いたようにできます。 ナイトポストにいるナイトは非常に強く、場合によってはルーク以上の価値があります。 そこに存在しているだけで、十分すぎるほどの威力を発揮します。 そのようなナイトがどれだけ強いか、実際に見せましょう。 e5 の位置にいるナイトがとても強いです。f7 にいるポーンでナイトを追いたいところですが、f6にナイトが存在しているために突くことができません。さらにこの場合は d3 のビショップがキングに効いています。 1. Nxd5! exd5 2. Nxd7 Qxd7 3. Bxh7+ Kh8 4. Bf5++- 仮に d5 のナイトを取らなかったとしても、局面は絶望的です。 このような局面になったときに 1. Ne5 は視野にいれてもいい手です。 仮に 1...Nxe5 でも 2. dxe5 Nd7 3.f4と、キングサイドで強い形を作ることができます。 その後、d4 がナイトポストとなり、Nf3 から Nd4 と入ることができます。黒にとっては e4 がナイトポストになるでしょう。 局面はほぼ互角です。 オープンファイルの支配 オープンファイルはポーンの無い縦のラインのことで、そこにルークを置くことでポジション上の優位に立てます。 特に、二つのルークが重なると破壊力は抜群です。 以下の実践譜は1972年に指されたフィッシャーとスパスキーの試合です。 [White "Fischer, Robert James"] [Black "Spassky, Boris V"] 1. c4 e6 2. Nf3 d5 3. d4 Nf6 4. Nc3 Be7 5. Bg5 O-O 6. e3 h6 7. Bh4 b6 8. cxd5 Nxd5 9. Bxe7 Qxe7 10. Nxd5 exd5 11. Rc1 Be6 12. Qa4 c5 13. Qa3 Rc8 14. Bb5 a6 15. dxc5 bxc5 16. O-O Ra7 17. Be2 Nd7 18. Nd4 Qf8 19. Nxe6 fxe6 20. e4 d4 21. f4 Qe7 22. e5 Rb8 23. Bc4 Kh8 24. Qh3 Nf8 25. b3 a5 オープンファイルを支配するにはオープンファイルを作らなければ始まりません。 当然、作る際には本当に支配できるかどうかを考える必要があります。 26. f5! exf5 27. Rxf5 Nh7 28. Rcf1+/- ルークを二つ重ねてfファイルを完全に支配しました。 28...Qd8 29. Qg3 Re7 30. h4 Rbb7 31. e6 Rbc7 32. Qe5 Qe8 33. a4 Qd8 34. R1f2 Qe8 35. R2f3 Qd8 36. Bd3 Qe8? 37. Qe4+- Nf6 途中で白は余計なことをしているようにも見えますが、黒の反撃手段を封じ、黒が悪手を指すことを狙っています。 そして、36手目の黒に決定的なミスが出ました。 37. Rf7 がおそらく最善手ですが、37. Qe4 でもまったく問題ありません。白勝勢です。 38. Rxf6! gxf6 39. Rxf6 Kg8 40. Bc4 Kh8 41. Qf4 残り7手以内でメイトできます。 黒はここでリザインしました。 白の勝因はやはりfファイルに二つ重ねたルークです。あまりにも強力すぎたために、黒は全く成す術がありませんでした。 このようにオープンファイルを使った攻撃は強力なので、ぜひ、実戦でもやってみてください。 セブンスルーク セブンスルークは7段目にいるルークのことで、実戦ではかなりの頻度で出てくる上に非常に強力な攻撃ができます。 7段目にいることによるメリットは非常に大きく、 相手の弱いポーンを次々と食べれる 相手ポーンを後ろから狙える 相手キングの動きを制限し、キングを直接狙える ことがあげられるでしょう。このセブンスランクを支配することができれば大きなイニシアティブを握れるため、積極的に狙ってください。 下はセブンスルークがいることによって勝った典型的な例です。 1. Rxh7+ Kxh7 2. Qh5+ Kg8 3. Qf7+ Kh8 4. Qxg7# ビショップの優劣 ルーク、クイーンがない。またはオープンファイルが少ない局面において、ビショップの位置が局面の優劣に大きな差を与えることになります。ここでは話を分かりやすくするために、エンディングの局面を持ち出してみることにします。 白先 駒の損得は同じですが、ビショップの位置の差が大きく白優勢です。 1. Bc6 Nc7 2. Nd6+ Kd8 3. Kd4 図のように黒のビショップが自分のポーンに閉じ込められ、活用するには矢印のように三手必要です。 しかし、白キングがb6に入ることを阻止する有効な手段がなく、パスポーンを作られてしまいます。 ビショップは盤面の半分しか動けないので、いかにして多くのマスを支配するかが大きなポイントです。 黒のビショップのように、自陣で身動きがとれなくなっているビショップを「バッドビショップ」と言います。
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KBBvsK ここでは、自分がキング一個とビショップ二個持っている場合のメイトの仕方について解説します。 メイトの手順 次の図1を見てください。 図1(左下がa1です) 相手はキングのみ、自分はキングとビショップ2個を持っています。 クイーンやルークは最終段に追い詰めるだけでよかったのですが、ビショップによるメイトは隅でのみ可能です。 メイトのコツは、二つのビショップで斜めの壁をつくることです。 では、実際にやってみましょう。 1.Kd3 Ke5 2.Bg3+ Kf5 3.Bf3 (図2) 図2 二つのビショップをキングの前に置いて、壁を作ります。 キングを端に追いやるまで、この動作を繰り返します。 3...Kf6 4.Ke4 Ke6 5.Bg4+ Kf6 6.Bf4 Ke7 7.Ke5 Kf7 8.Bf5 Ke7 9.Be6 Kd8 10.Kf6 Ke8 11.Bc7 (図3) 図3 端に追い詰めた後は、キングの横の動きを制限します。 もちろん、キングを端から出してはいけません。 11...Kf8 12.Bd7 Kg8 13.Kg6 Kf8 14.Bd6+ (図4) 図4 いよいよ大詰めです。 白のキングが黒キングの前を塞いでいるので、キングはあっという間に隅に追い詰められます。 14...Kg8 15.Be6+ Kh8 16.Be5# (図5) 図5
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KRRvsK ここでは、自分がキング一個とルーク二個持っている場合のメイトの仕方について解説します。 メイトの手順 次の図1を見てください。 図1(左下がa1です) 相手はキングのみ、自分はキングとルーク2個を持っています。 クイーンによるメイトはキングの助けが必要でしたが、ルークを二個持っていれば、キングを使うまでもなく、メイトできます。 メイトのコツは、二つのルークで壁を交互に動かすことです。 では、実際にやってみましょう。 1.Rc4 (図2) 図2 ルークによる壁を作ります。これで、キングは4段目より上の範囲でしか動けなくなります。 1...Kd5 (図3) 図3 相手がルークを取ろうとキングを近づけました。 しかし、壁を下げないようにルークを移動すればいいだけです。 2.Rh4 Ke6 3.Rb5 Kd6 4.Rh6+ Kc7 5.Rg5 Kb7 (図4) 図4 このように二つの壁を作って、交互に動かせばメイトです。 6.Rg7+ Ka8 7.Rh8# (図5) 図5
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ソコリスキーオープニング 1. b4 別名「オランウータン」。ソ連のGMソコリスキーにちなんだ名前です。 白は最初からクイーンサイドの勝負を企てています。決してオープニングの原則に背く手ではありません。 1...e5 1...d5 と指す人はあまりいないと思います。他に考えられる手は 1...Nf6 。 2. Bb2 他には 2. b5 がある。この定跡ではよく見る手で、黒のナイトの出を防いでいます。 狙いは c4 d4 a4 を突いてのポーンラッシュ。 2...Bxb4! 昔はセンターポーンと端のポーンを交換するので悪いと言われていました。しかしながら、現在ではソコリスキーに対抗する最善の手であると考えられています。 3. Bxe5 Nf6 3...Nc6?? に対しては 4.Bxg7+- 実は、これで勝負が決まってしまった実戦譜がいくつかあります。 4. c4! ポイントの手。遅かれ早かれ c4 は突かないと白にとって勝負になりません。 他には 4. e3 や 4.Nf3 があります。どちらも悪い手ではありません。 4...O-O 5. Nf3 Re8 6. e3 Nc6 7. Bb2 7...d5! ここで黒にはいくつかの候補手がありますが、これが最も強力です。他の手では後手をとってしまいます。 8. exd5 Nxd5 9.Be2 Qd6=/+ 黒はキングサイドを狙い、白はキャスリングから d4 とポーンを突いてクイーンとルークで黒のクイーンサイドを攻撃します。 黒のナイトの位置が良く、この局面は若干黒がいいですが、勝負はこれからといったところです。 今ここに書いたのは黒が最善に受けた場合であることを忘れないでください。 このオープニングがなかなか侮れず、b2 のビショップが上手く働くと手がつけられなくなります。 実践例を紹介しましょう。 1958年に行なわれたソコリスキーの試合です。 White "Alexey Sokolsky" Black "Strugatsch" 1. b4 e5 2. Bb2 f6 昔は f6 が最善だと思われていました。ビショップの効きを止め、e5 のポーンを守る一石二鳥の手です。 そのかわり、キングサイドが弱くなります。 3. e4!? Tartakower Gambit と呼ばれるバリエーションです。弱くなったキングサイドにアタックをしかけます。 3...Bxb4 4. Bc4 Nc6 5. f4 exf4 6. Nh3 Nge7 7. Nxf4 Na5 非常に難しい場面です。Qh5+ が常に見えていて、黒は慎重に指さなければなりません。 8. Bxf6?! 鬼手。決して良い手ではないが、相手に与えるショックは相当なものだと思います。実戦的な一手。 8. Qh5+ が最も無難な手です。以下 8...g6 9. Qb5! Nxc4 10.Qxc4 a5 11.Bxf6+/- 8...Rf8 8...gxf6?? に対しては 9. Qh5+ Ng6 10. Nxg6 で白の簡単な勝ち。 9. Nh5 Nxc4 9...Rxf6 も可能な手ですが、深く正確な読みを要求されます。 10. Nxg7+ Kf7 11. O-O Kg8 12. Qh5 次の狙いは当然 Qg5。 12. Qg4 では 12...Ng6! 13. Nh5 (13. Bxd8?? Bc5+ 14. Rf2 Rxf2 15. c3 Rf4+-+) c6-/+ 12...Rxf6? ここでは非常に発見しにくい好手がありました。 12...d5!! 13. Qg5 Ng6! 14. Bxd8 Bc5+ 15. Rf2 Bxf2 16. Kh1 Kxg7-/+ 13. Rxf6 Ng6 14. Rxg6! hxg6 15. Qxg6 Kh8?? 15...Ne5 が最善手。 以下、16. Qg3 Kh7! 17. Qxe5 Qh8= 16. Ne8! 他の手では、クイーンによる守りがあります。 16...Qe7?? 17. Nf6 1-0 受けを間違えた黒が潰れてしまいました。白がかけるキングサイドへの圧力に黒がパニックを起こしてしまっている状態です。 このように、激しい攻撃は相手の精神状態を著しく不安定にさせます。チェスは盤上だけでなく、心理戦でもあるのです。 こうなってしまっては、どうしようもありません。
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ピン ピンは最も基本的かつ効果的な手筋です。 このせいで試合が決まることはマスターの試合でも多いのです。 ピンは日本語で「釘付け」と訳される場合も多く、その名の通りに相手の駒と駒を串刺しにして相手の駒の動きを制限します。 例1 次の図1を見てください。 図1 白先 勝負は終盤。 駒の点数は黒の1点得。ルーク対ビショップの場合はルーク側のほうが指しやすくはありますが、勝ちきるのが難しくドローになることが多いです。 この局面の場合、黒先なら 1...Kc8 で引き分けですが、白先だと一瞬で勝負が決まります。 1. c5!+-(図2) 図2 どうしようもありません。 ルークでピンしているので、ビショップは動くことができません。 どうやってもビショップが次に取られてしまいます。 次はちょっと複雑な局面にしてみます。 実戦譜ではなく、自分が即興で作った局面ですが。 例2 図3 白先 駒数では圧倒的に黒が有利です。 しかし、これは圧倒的に白が有利です。 1. e6! やはりキングがピンされているために、ビショップでクイーンを取ることもできません。 仕方なく、キングが動きます。 1...Kc8 2. exd7+ Kb7 3. dxe8Q Rxe8 4. Qxe8+- (図4) 図4 白が駒数で圧倒的に上回りました。 例3 図5 これは簡単ですね。 1.Qxh6# 白のビショップが二つとも上手く働いています。 注意点 このようにピンは非常に強力なのですが、注意すべきことも多くあります。 図6 ビショップが間接的にクイーンに効いているために、ナイトが動けないように見えます。 しかし、本当にそうなのでしょうか? 1. Bxf7+! ビショップを捨ててしまいました。 1...Kxf7 2. Ng5++- (図7) 図7 ナイトが動いたためクイーンを取りたいところですが、チェックではそうはいきません。 キングが逃げるしかありませんが、ビショップを取られてしまいます。 白のポーン一個得。駒の働きも白のほうが良いので、白勝勢といっても差し支えない局面です。 特にクイーンを狙っているときは、このような返しが起こることがあります。 確かにピンは強力ですが、絶対的なものではありません。
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棋譜記号1 盤面のマスにはそれぞれ記号があり以下のように表します。 白から見て左下が a1 になります。 また、駒の種類を以下のように表します。 キング K クイーン Q ルーク R ナイト N ビショップ B ポーン 無し(特に記述する必要があった場合はPとします) たとえば 3.Bf4 は、3手目に白のビショップがf4のマスに動いたということを意味します。 11...Rh7 は、11手目に黒のルークがh7のマスに動いたということを意味します。 また、駒を取ったことを表すのは x で、4.Nxe4 のように表します。 キングサイドへのキャスリングは 0-0 クイーンサイドキャスリングは 0-0-0 と表します。 ポーンのプロモートは 12.a8Q のように表し、動いたマスの後になった駒の記号を入れます。 棋譜記号2 以下の記号を解説で用います。 チェック + メイト # 好手 ! 妙手 !! 疑問手 ? 悪手 ?? 注目手 !? 奇手 ?! 白勝勢 +- 白優勢 +/- 白やや優勢 +/= 互角・引分 = 黒やや優勢 =/+ 黒優勢 -/+ 黒勝勢 -+ 形勢不明 ∞