約 2,840,879 件
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/680.html
「…霧切さんって、気になっている人とかいないの」 唐突に降って湧いた問いだったので、彼の目をまじまじと見てしまった。 お手製のパスタを二人で食べ終えて、私にソファーを譲り、流し台の向こうから彼は問うた。 「……、苗木君でも、その手の話題に興味はあったのね」 思わず、思ったことをそのまま素で返してしまう。 馬鹿にされていると捉えたのか、苗木君は眉を寄せて、洗い物の手を一瞬止めた。 適当に回したチャンネルは、どこも週末の天気について語っている。 日本一律、概ね快晴。絶好の行楽日和になるらしい。 桜は過ぎ去り、新緑の季節。そろそろ長袖もお蔵になるだろう。 今日とて暖かかったので、先日舞園さんと一緒に買ったチューブトップを着て遊びに来たら、何故か苗木君に怒られてしまった。 私をお嬢様か何かだとでも思っているのだろうか。…満更でもないけれど。 「一人身の女の子が不用心だよ、あんな…」 「……どうせ、襲ってくる度胸なんてないもの」 「そりゃ霧切さんは、護身も出来るんだろうけどさ。だからって」 微妙に噛み合ってないというか、相変わらずこちらの意図が通じることもなく。 私の八つ当たりの矛先は、彼に無理やり羽織らされたシャツに向かう。裾を伸ばしてダボダボにしてしまおう。 「石丸君じゃあるまいし、破廉恥な、とか言い出さないでしょうね」 「そ、そこまでは、言わないけどさぁ…」 歯切れの悪いまま、洗い物に逃げる苗木君。言いたいことがあるならはっきり言えばいいのに。 「…それで。何故それが、私の気になっている人の話になるのかしら」 「うん? …好きな人の一人でも出来たら、落ちつくかなって思って」 ―――よし、もっとダボダボにしてやろう。 「それはつまり、私は落ち着きのない女だと…、…貴方はそう言いたいのね?」 「や、そうじゃなくって、だから…拠り所があれば、安心するじゃない」 「へえ、そう…ふぅん」 「だ、だから! そういう格好は、そういう人の前で、っていうか…!」 食器を仕舞い終えると、冷蔵庫を手早に探る苗木君。 最近お気に入りらしい缶チューハイを二つ取り出して、一つをこちらに投げて寄越す。 どうも彼は最近、私には飲み物を与えておけば良い、と思っている節がある。 …あながち間違っていないのが、また腹立たしい。 いっそ、今晩は困らせてしまおうか。 プルタブを引くと、プシ、と景気の良いスプラッシュに、柑橘系の爽やかな匂いが乗って、鼻孔に届く。 出来心と言ってしまえばそれまでだけれど、そういえば最近彼をいじめていなかった。 こっそりと前のボタンを外し、裸の足を組ませて、私はゆったりと笑みを作った。 「…いるわよ、気になる男の人なら」 へ、と空気の抜けたような声。 次に、ゴン、という鈍い音がして、フローリングの床に缶が転がった。 蓋を開けていなかったのは幸いで、慌てて苗木君が缶チューハイを追う。 「…あら、どうしたの?」 「え、あ、いや、」 笑いを押し隠して、さも気にしていない体を装う。 よほど面喰らったのだろう、苗木君は缶を拾って、所在なさげに棒立ちしている。 ソファーを横にずれて、席を叩いて示すと、やや気まずそうに腰かけた。 「…貴方が聞いてきたんでしょう?」 「や、うん、そうだけど…ほら、ビックリして」 「これでも一応、妙齢の女よ。思う人の一人や二人、いたって珍しくは無いでしょう」 そう、そうだね、と、今度は苗木君が落ちつかない様子で、目を合わさずに間の抜けた相槌を打っている。 そのままプルタブに指をかけると、先程落とした缶から、炭酸が勢いよく泡を吹いた。 「うわ、わ、」 「……、…」 ぶしゅー、と、止めるすべもなく吹きこぼれる様。 顔を背け、必死で笑いをかみ殺す。 ああ、学生時分以来、久しい。 あの頃も私は、事あるごとに苗木君をからかって遊んでいたっけ。 どうしてか、他のクラスメイトには言えないような話も、彼を相手になら打ち明けていた。 もう幾年も経ったけれど、変わらずこの関係に在れたことに密かに喜びを覚えながら、私も缶チューハイに口を付ける。 「…ね、どんな人?」 フローリングに零れた酒を拭きながら、上目がちに苗木君が尋ねた。 はて、と首を傾げる。 どんな人、とはつまり、その『私が気になっている男の人』のことだろう。 じとり、と苗木君の目は、私の表情を見据えていた。疑っている、というサイン。 気に入らない。苗木君のクセにナマイキだ。 けれどもここで下手に誤魔化せば、余計に疑われてしまうだろう。 「……そうね。パッとしない人よ」 「…そうなの?」 「ええ。基本的に鈍いし、なのに無駄なところで勘が良い…どこにでもいるような、冴えない人」 思いつくままに、特徴を並べてみる。 苗木君は罰が悪そうに、目を逸らして頬を掻いた。 「そ、そんな悪し様に言わなくても」 「…いいの、どうせ本人には聞こえないんだから」 相手が誰であれ、私が人を悪し様に言う時、苗木君は必ず相手の肩を持つ。 そもそも私自身、他人の目の届かないところでその陰口を言う行為は、見えないところから石を投げるようで、ホントは好きじゃないのだけれど。 卑怯な行為だと分かっていても、それでも苗木君が相手の味方になるのは、ちょっと気に入らない。 ぐび、と一口、チューハイを流し込む。 甘みの中に少しだけ渋みのある、柑橘系の香りが喉を流れていく。 「…けど、じゃあさ」 「……何よ、まだあるの?」 「その人の、どこが良いのかな、って」 今度は苗木君は、私の目を見なかった。疑ってはいない、ということだろう。 何処が良いか、だなんて、そんなの。 数えたことも無いのに。 「……、優しい、ところとか」 言って、頬が燃えた。 「……」 「…とか?」 「……あとは、そう…いざという時に、その、意外と頼りになったり…」 何でこんな話を、苗木君相手に正面からしなければいけないのか。 ああ、暑い。 きっと春が過ぎたせいだ。あるいは、このお酒の。 じとり、と居心地を悪くするような汗が、背に滲む。 止めておこう、この話を続けるのは。 私ばかりが語り続けなければならないのは、不公平だ。 「…そういう苗木君はどうなのかしら?」 「え?」 唐突に話題が自分に向いたので、苗木君はまた目を見開いた。 「学生の頃から、女の子には人気があったでしょう。 …特定の子との付き合いは、無かったようだけれど」 「な、なんでそんなこと、知ってるのさ」 「…言っているでしょう。私の稼業は探偵なのよ」 その理屈でいくと、同級生全ての恋愛事情を知っていなければならないことになるだろうが、まあ蓋をしておこう。 「…まさかその歳で、思う人の一人もいない、なんて言わないでしょうね?」 仕掛けたこっちがまさかの割を喰ったので、もう一つおまけにからかってみる。 苗木君は困ったように笑い、ソファーに座り直した。 「……うん。いるよ、ずっと」 「……、…」 「…結構前から。片思い…みたいなんだけどね」 「…そう。それは、」 それは、の続きを紡げず、私は再び缶に口を付ける。 底の方に溜まっていた果実の粒が、一気に口の中に飛び込んできた。酸っぱくて、苦い。 「…辛いわね、片思いは」 「ううん、いいんだ。高嶺の花っていうか、魅力的な人だから…僕じゃ釣り合わないって分かってるし」 そういう、自分を過小評価して諦める所は嫌いだ。 人には必要以上に励ましてくるクセに。 苗木君はプルタブを引いたっきり、缶チューハイに口を付けようとしていない。 私が飲むから、合わせて自分も持ってきただけなのだろう。 その缶を奪って、新しく一口飲む。特に文句は言われなかった。 「…どんな人?」 別に聞きたくはないけれど、まあ、礼儀や話の流れというものがあるだろう。 苗木君もさっき、私に同じ質問をしたのだし。 「…頭の良い人かな。ちょっと理屈っぽいところもあるけど」 「……そう」 「ホントはすごく優しいのに、それを表に出すのが下手っていうか…結構不器用でさ、素直じゃないんだ」 愛おしそうに、苗木君は笑った。 自分の愛犬を紹介するかのように、穏やかな、保護者のような、友人のような。 「それで、」 「―――似合わないわ」 ああ、きっと本当に、酒を飲んでしまったからだろう。 さっきから、思った言葉を素のまま吐き捨ててしまうのは。 「似合わない、苗木君にそんな、……そんな女の、」 「…霧切さん」 「……、…」 酔っているはずなのに、肌寒さを感じる。春は過ぎたのではなかったか。 頭に鈍痛が奔った。冷えか痛みか、一瞬判断に迷う。 今日は随分悪い酒になってしまった。こんな、柄にもない話をしたからだろうか。 「……ごめんなさい」 私が悪し様に言えば、必ず苗木君は相手の肩を持つ。 「飲みすぎた?」 「…かもしれないわ。泊っていっても、いいかしら」 「いいけど…寝巻きとかは」 「…このシャツを、頂戴。今度、新しいものを返すから」 苗木君は許すように笑って、寝床の準備をしに向かった。
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/347.html
霧切「苗木君一緒に花火をしないかしら。」 苗木「えっ?霧切さん。花火ならこないだみんなでやったよね?」 霧切「あの時の余りよ。ホラ。」 苗木「これは、線香花火?そっか、そういえばやってなかったね。」 霧切「こないだの時は、最後にいきなり桑田君がドラゴンとか派手なのを買い足して来たから、結局できなかったのよ。」 苗木「そっか、じゃあみんなも誘って。」 霧切「・・・これは、私たちだけでやりましょう。みんなでワイワイやる花火でもないし。これだけしか無いもの。」 苗木「そうだね。じゃあ、放課後に二人でやろうか。」 ~放課後~ 苗木「いいよね。線香花火って、なんかこの光をみているとしみじみするというか。」 霧切「花火の儚さを一番感じさせてくれるものね。一番好きな花火かもしれないわ。」 苗木「なんとなく、寂しい雰囲気になっちゃうんだけどね。」 霧切「苗木君せっかくだから、勝負をしましょう。シンプルに、先に落ちた人の負けね。相手に触ったら反則よ。」 苗木「よし、やろう!一緒につけるよ。せーの!」 霧切「・・・・・・。」 苗木「・・・・・・・・。」 霧切「・・・・・・・・・・・。」 苗木「・・・・・・・・・・・・・。」 霧切「なかなかやるわね・・・・。」 苗木「霧切さんこそ・・・・・。」 霧切「苗木くん?」 苗木「うん?何?」 霧切「言い忘れてたけど、私、あなたの事が好きよ。」 苗木「ブフッ!?っえ?」 霧切「あら、私の勝ちね。苗木くんは期待通りの反応してくれるわね。」 苗木「ちょっとやめてよ、霧切さん。そういうのも反則でしょ?」 霧切「触って、はいないもの。最初に言ったでしょ?触ったら反則って。貴方も条件は同じよ。」 苗木「そ、それならもう一回勝負しよう。せーの!」 霧切「・・・・・・・。」 苗木「・・・・・・・・・・。」 苗木「霧切さん。僕、き、君の事が好きだよ。」 霧切「そう。ありがとう。私もよ。」 苗木「!?う、っつ。ほんとだよ今だって、線香花火より霧切さんの顔に見とれてるんだよ?」 霧切「私も苗木くんの顔をずっと見てるわ。」 苗木「・・・・霧切さん。僕の目を見て聞いてくれる?僕本気なんだよ。こんな勢いで言っちゃうけど、ねえ!」 霧切「え?・・・・・そんな・・・苗木くん本当に?」 苗木「あ、僕の勝ちだね。」 霧切「酷いわ苗木くん!勝負のために私の心を弄んだのね。本当にうれしかったのに。」 苗木「ご、ごめん。霧切さん。そんな、傷つけるつもりじゃ。」 霧切「ふふ、やっぱり苗木くんの反応って期待通りね。」 苗木「ちょ、ちょっと霧切さん?!今僕の心を弄んだよね?」 霧切「さあ、何の事かしら。さて、花火もなくなったし、これでおしまいにしましょう?」 苗木「むぅ。まあ、いいか。楽しかったし。誘ってくれてありがとう。」 ~後日~ 霧切「これ、この間の花火代よ。」 桑田「あん?ああ、この前のか。いきなり追加で花火を買って来てくれなんて言うから焦ったぜ。」 霧切「桑田君のおかげで楽しい時間を過ごせたわ。」 桑田「みんな盛り上がってたからなあ。アンタが派手な花火好きってのは意外だったけどな。」 霧切「ふふ、そうでもないわ。思った通り楽しかったわ。」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/229.html
舞園「うわー、流石ですね、山田君。絵がすっごく上手です。漫画絵だけでなく、こういうリアルな画風もこなせるんですね!」 山田「ふふん、伊達に超高校級を名乗ってはいませんぞ!ていうかこれしか取り柄がありませんからな、僕ちん」 舞園「そんなことないですよ。山田君、そういう趣味の割に社交力もありますし。私改めて感心しちゃいました」 山田「いやいやそれほどでも~!なんなら、リクエストなどしてみませぬか?舞園さやか殿の望むもの何でも描いてさしあげますぞ」 舞園「わー、良いんですかー!なら‥」 江ノ島「十神×苗木のヘタレ攻めで」 山田「あ、あのぅ、江ノ盾子殿? リクエストは舞園さやか殿からで、ていうか実在の人物をモデルにしてそのシチュはどうかと‥」 江ノ島「あれ? おかしかった?みんな好きでしょ、こういうの」 舞園「じゃ、その江ノ島さんのリクエストでいきましょう!山田君お願いします!」 山田「ぶぇええええ!? ちょ、ちょっと良いんですか、舞園さやか殿!?確かに僕なら描けなくもないですが!!」 舞園「私こういうのパっと思いつきませんし、それに苗木君が出てくるなら、ちょっと見てみたいかなって思って」 ??「話は聞かせてもらったわよ!あんたたち、私の白夜様の肖像権を無断で使用して何しでかそうとしてるのよ!!」 舞園「この声は、腐川さん!? いつからそこに!?」 江ノ島「えー、良いじゃん、十苗。腐川も一緒に楽しめば良いじゃん!」 山田「まぁまぁお二人とも、ここは腐川冬子の言い分お方が正しいですから、一端従って‥」 ジェノ「十苗だぁぁ!?アホか!! 白夜様は受けに決まってんだろうがよぉ!!腐った常識的に考えて!!」 山田「って、ジェノサイダーかよ!? ちくしょう、助け舟が来たと思ったのにこれじゃ状況が変わらねぇ!!」 江ノ島「苗十ねぇ、一理あるわね。苗木の奴、一見お人よしでたまにしれっと毒吐くとこあるし」 舞園「じゃ、そっちで良いんじゃないですか。 ところで‥この『×』ってどういう意味なんでしょう?」 山田「ああ、さっきからやけに流され気味かと思ったら、このアイドル全然知識がなかっただけだ!」 ジェノ「ああ、簡単に説明するとね。どっちの棒が挿して、どっちの穴に入れるかって意味で‥」 山田「やめろ、ジェノサイダー!彼女を汚してはいけない!!」 霧切「説明するより、直接見てもらった方が早いわね。山田君、さっそく仕事に取り掛かって頂戴」 山田「そして何時の間に現れましたか霧切響子殿!? しかもなんで貴女までやる気満々なんですか!?」 霧切「別に‥、深い意味はないわ」 戦刃「我々には気にせず作業を始めてくれ」 山田「また一人増えてるぅぅ!?」 ジェノ「ごちゃごちゃうっせーな!ひふみんは黙ってペンを動かしてくれればそれでいーの!!リビドーに突き動かされるままにね!」 江ノ島「まさか、ここまで期待させといて、『できない』なんて言わないっしょ?」 舞園「良く分からないけど頑張ってください、山田君。私、応援してます」 霧切「昼休みが終わるまで後20分弱しかない。ここまで言えば分かるわね、山田君(キリギリッ)」 戦刃「(ワクワク、ドキドキ)」 山田(こ、この状況‥!本当に描けというのか!学友が絡み合う姿を艶めかしく!? 僕にその手を汚せというのか!?) 山田(僕は‥ 僕は‥ いったいどうすれば――) ―バシャ 山田「ふぇ‥? 熱、あっつぅぅー!!!?」 舞園「山田君の頭にティーカップが!?」 セレス「山田君。先ほどあなたが煎れてくれたこのロイヤルミルクティー。全然ダメダメですわ、とても咽を通りません」 セレス「悪いのですが、一刻も早く煎れなおして頂けませんでしょうか?」 山田「え‥、でも僕は今ちょっと取り込み中でして、その‥」 セレス「良いからさっさと煎れて来いって言ってんだよ!この豚がぁぁああ!!」 山田「ひ、ひぃぃぃぃぃいい!畏まりました、ご主人様ぁあああああああ!!」 山田「す、すいません、皆さん! この話はこれまでということに!ぶひぃぃい!」 舞園「あー、これじゃ仕方ありませんね。それじゃみなさん、解散みたいですよ?」 江ノ島「っち、あと少しだったのに。余計なことしてくれちゃって」 ジェノ「覚えてろよ!このゴスロリ女! 仕方ねーから本物の十神様の顔でも見てリフレッシュするとすっか」 霧切「まぁ、別に私は構わないわ。最初からそれほど興味があった訳でもないし(溜息)」 戦刃(しょんぼり) 舞園「‥‥それにしても」 セレス「何ですか、舞園さん」 舞園「セレスさんも山田君に対してけっこう優しいところ有りますよね」 セレス「何のことだかまるで分かりませんわ」 舞園「つまり、多恵ちゃんはツンデレってことです」 セレス「あらまぁ、一体どこの誰のことなのでしょうね?その多恵ちゃんとやらは?」 舞園「山田君が帰ってきたら、山田×多恵子でもお願いしちゃいましょうかね、ウフフ」 セレス「おい、そういう冗談はマジでやめてくださいね、この腐れアイドルが」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/538.html
僕は再び舐め取る作業を再開させた。服の中に頭を滑り込ませ、おへそから胸へと少しずつ上昇し始めた。 また抵抗されるのも嫌なので、ブラを剥ぎ取るのは諦めて谷間部分に顔を埋めた。 凄く甘い香りがした。うなじや鎖骨よりももっと濃い、理性を消し飛ばす強い香り。 同時に不思議と落ち着く。赤ちゃんは母親の心音を聞いて落ち着くらしいけど、僕もそんな心境になる。 頭の片隅に『何をやっているんだ』と思う自分がいる。いるけれどそれ以上に彼女が欲しい。 頭と同様に両手を服の中に入れ、背中を滑らせる。左手で背中を撫でて、右手は腰に向かって下りブルマの手前で止まった。 口での抗議も手で抑え付けてくることも無かったが、少し身体が震えている。 僕はそんな震えを抑える為に一度愛撫を止め、服から頭と手を抜き出した。 頭を引きずり出して見上げたときに彼女の抗議するような視線を感じた。但し、その眼は途中で止められたことに対する抗議の意味合いの方が強かった。 目つきは厳しいけれど、確かにその瞳が強く訴えていた『止めないで』と。 口にも態度にも表していないけれど瞳を見れば分かる。――あまりにも可愛く。素直じゃない生意気な態度に僕の中の何かが切れた。 僕は両手で彼女を抱き寄せ、僅かな隙間も無いように密着し。 少し驚いた顔の――眼は悦楽の色を映し出しているその瞳をキスで閉ざし。 すぐさま耳を甘噛みし、左手で強く身体を引き寄せ、同時に右手で罰を与えるように柔らかく且つ弾力のあるお尻を強く揉みしだいた。 僕の指から溢れるお肉。ブルマの上からでも僕の手に吸い付いて離さない。鍛えてある故に張りもあるけれど、僕の指でその形は自由自在に変化する。 ただでさえ赤くなっていた顔がまるで茹でタコのよう。 彼女が言葉を発しようとする度に、僕は指先に力を込める。魅力的過ぎるからいけない。僕をその気にさせてしまうから――。 身じろぎをしようとする度に耳を舐め、左手に力を込めて抱き寄せる。ここまで密着していたら抵抗は出来ないだろう。 徐々に僕にかかる重みが増してきた。そうだよ、素直に僕に身を委ねて。 いよいよ邪魔なブルマという隔たりを剥いで、直接肌に触れようとしたその時に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。 何より規則を遵守する彼の声が――――。 「――そうなんだ、霧切さんがちょっと気分が悪くなったみたいで……」 彼はもうすぐ授業が終わるというのに戻ってこない僕らを捜しに来たらしい。 彼にはランニング途中で急に気分が悪くなってしまったと伝えた。『少し休んだら大丈夫だと思ったからここで休憩していたんだ』と。 事実、その通りに彼には見えているだろう。彼の声が聞こえる直前に、身体を小刻みに震えさせてだらしなく僕にもたれ掛かっていたんだから。 邪魔が入らなければなぁ……そう思う反面、よく来てくれたとも思っていた。 あのまま我を忘れても、それはそれで良かったかもしれないが、さすがに彼女の痴態を他の誰かに見せるようなことはしたくない。 響子は僕の――僕だけのものだから。万一にも彼女の素肌を見る奴がいたら、僕はそいつをただじゃ済まさない。 自分でも少しばかり歪んでいるとは思うが、これも愛ゆえ。 ともかく先導する彼の後を追うように僕は歩いている。脚に力が入らない彼女を背負って。 肩を貸そうか、と提案する彼を断って僕がおんぶしている。僕の方が背は低いが、他の誰にも触れさせたくない。 それに、一人だけ愉しんだ彼女にオシオキしないと。 道中彼が何か声をかけてくれている。おそらく彼女の体調についてだろう。僕が代わりに適当に相槌を打っている。 僕は勿論、彼女も上の空だからだ。 彼女の腕が僕の肩にまわされ身体を預けている。無論僕は落ちないように両手で彼女を支えている――両手を受け皿にして。 背中に感じる二つの膨らみよりも、僕はこの手の重みの方が好きだ。 歩くたびに振動で手のひらから零れそうになるのを抑えながら、僕の手で無限に形を変え、僕を虜にしてやまないこの温もりが。 徐々に彼との距離が開いていく――。僕が自分の望みどおりに変形させるたびに首筋にかかる熱い吐息。もう肩にかけられた腕に力は入っていない。 艶かしい吐息がかかる度に足を上げる速度が落ちる。自然歩く速度も落ちる。 彼女を背負っているせいで前かがみになっていることにも原因はある。 彼女がこの終わりの見えないオシオキに終止符を打つため、僕の耳を噛んできた。が、全く力が入っておらず逆に僕の指先に力が入った。 いかなる抵抗も無駄。僕の背中は、彼女と密着している為に汗でびしょびしょだ。折角舐め取ってあげたのにね……。 とうとう抵抗することを諦めた彼女は、僕に全身を委ねることにしたみたいだ。一気に心地よい重さが増した。 始まりがあれば終わりもある。このオシオキも終わってしまい、皆が集まっているグラウンドに着いた。 だけど、僕は彼女を連れて保健室へと向かった。 何故なら、先に着いていた彼が大げさに説明したみたいで、皆にすぐ保健室へ向かうよう説得されたからだ。 確かに傍から見れば彼女の容態は悪いように見える。目は虚ろだし、脱力しきっているし、息遣いもあらいし、何より顔が真っ赤だ。 仕方なしに彼女を再び負ぶって、保健室へ連れて行った。 後から朝比奈さんが着替えを持ってきてくれるそうで、養護教諭に嘘の事情を説明して、保健室のベッドに寝かしてもらうことになった。 僕がまいた種とはいえ、離れ離れになるのは辛い。ベッドに横たわる彼女の手を握り締めて、教諭の目を盗んで素早くキスした。
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/436.html
二枚目:梅に鶯 ホーホケキョ、ケキョケキョ。 隣の庭の梅の木がお気に入りらしい鶯は、今日も変わらず喉を鳴らす。 窓から覗き、綺麗なオリーブ色の羽毛を見て、昼はパスタでも作ろうかなどと思い至る。 「ん…」 時計の針が十二時を過ぎた頃、ようやく眠り姫が寝室からのそのそと這い出てきた。 瞼をこする仕草がなんとも色っぽい。 「おはよ、霧切さん」 「…あなた、またソファーで寝たわね」 爽やかな朝の挨拶は、ジト目でもって跳ね返された。 霧切さんが僕の家で寝てしまうことは、実は頻繁にある。 仕事の疲れからウトウトと、とか、お酒で酔いつぶれて、とか。今日は後者だ。 彼女が言うには、自分の家よりも落ち着いて、どうも気を抜いてしまうそうだ。 「お客様をその辺に寝かせるわけにはいかないでしょ。まあ、僕のベッドも上等とは言い難いけど」 「寝心地は最高だったわ。…けれども、どうして家主を追い出して、私がベッドを占領するのよ…」 霧切さんはまだ眠いようで、起きてきたばかりなのに、再びソファーに横になってしまった。 「適当に転がしておけばいい、と、いつも言っているでしょう…」 とは言っても、それは無理な話。 何せ彼女は、寝返りを打つたびに服を肌蹴るんだから。 目の毒だし、そのまま放置して風邪を引かれても困る。 ホント、ベッドに運ぶまで大変だった。主に理性が。 「文句があるなら、今度からは飲みすぎないでね」 「…普段はないのよ、酒に呑まれることなんて。どうしてあなたの家では…」 昨日の酒盛りを思い出す。 確かに、お互いに飲み過ぎというほど飲んだわけじゃない。 「僕の家なら別にいいけどさ。他の人の家では、絶対にやっちゃダメだよ? 特に男の人の家」 「その心配はいらないわ。どういうわけか、あなた以外には縁が無いのよ」 ヒラヒラ、と、ソファーの上で手を振る。 まあ、僕の家では安心して眠ってしまうということは。 つまり、それだけ僕が男として意識されていないということだろう。 職業上、身の危険には人一倍敏感な霧切さん。 その彼女が落ち着けるというのだから、危険とすらみなされていないんだ、僕は。 彼女の心を休める止まり木になれているのなら嬉しいけれど、男としては幾分複雑である。 「…あなたの部屋、鶯の囀りが聞こえるのね。お陰で目を覚ましたわ」 「春告げ鳥の谷渡り、だね。目覚まし代わりにしては風流じゃない?」 「まあ、そうね…ただ、風流を感じるには、まだ頭が起ききっていないかも…」 ゴソゴソとソファーの上で丸くなる姿は、寒がりな猫そっくり。 「…良い匂い。何を作っているの…?」 ソファーから届く声に、まどろみが混ざる。 「ただのパスタ。ニンニクを炒めてるだけだよ」 「あと何分で出来るかしら…」 「十分くらいかな。サラダも合わせれば、もう少し」 「…私はもうひと眠りするわ。御飯が出来たら起こして頂戴」 少しして、寝息が聞こえる。 春眠暁を覚えず、にはまだ少し季節が早いと思うのだけれど。 三鳴鳥の目覚ましも、彼女の休息を妨げるには役者不足のようだ。 【続く】
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/306.html
霧切「苗木君、あなたに手伝って欲しいことがあるの」 苗木「うん、いいけど。それって、また探偵の仕事?」 霧切「その通りよ。引き受けてくれて助かるわ」 苗木「それで、今度は何をするの?」 霧切「潜入捜査というやつよ。 私が調べている事件の関係者があるパーティーに出席するのだけれど、そこに潜り込むのにあなたもついてきて欲しいの」 苗木「パーティーって、どんなパーティー?」 霧切「議員の主催する、よくあるものよ。まあ、それなりに大規模なものだれけどね」 苗木「それは……なんだか緊張するなあ。ボクなんか思いっきり場違いな気がするんだけど」 霧切「私がついているんだから、心配しないで。……いえ、むしろ自然な潜入を果たすためにはあなたの協力こそ必要なのよ」 苗木「そ、そうなの? ボクなんかで大丈夫かな」 霧切「ええ。不審を買わず会場に紛れ込めるよう、私達は若手実業家とその妻に扮して……」 苗木「ちょ、ちょっと待って。その設定、少し無理があるような……。ボクが若手実業家?」 霧切「そうかしら。私には何の問題も無いように思えるけれど」 苗木「ていうか本当に必要なのその設定?」 霧切「苗木君、私が今まであなたに必要の無いことを頼んだことがあったかしら?」 苗木「うーん……。無い……と、思う。多分」 霧切「そうよね。だから今回も疑問を挟むことはないのよ。いいわね?」 苗木「わ、わかったよ」 霧切「わかって貰えて良かったわ。それじゃあ、パーティーに備えて少し練習しておきましょう」 苗木「練習?」 霧切「そう、夫婦を演じる練習よ。『ねぇ、あなた?』」 苗木「う、うん? え?」 霧切「『響子さん』よ」 苗木「あ、ああ……。『何だい、響子さん?』」 霧切「そうね……さん付けでは少し硬いわね。『響子』にしましょうか。『ねぇ、あなた?』」 苗木「えーと、『何だい……響子』」 霧切「『愛してるわ』」 苗木「!!?? ボ、ボ……『僕も愛してるよ』……!」 霧切「よろしい。その調子でやってくれれば問題ないわ」 苗木(霧切さん……いつものポーカーフェイスで『愛してるわ』なんて言うんだから……ドキッとしちゃったよ) 霧切「当日もよろしく頼むわ。じゃあね」 苗木(そしていつも通り素っ気無く行っちゃった……でも何だか凄く嬉しそうに見えたのは気のせいだろうか) ・ ・ ・ 霧切「……ッシャァ!(ガッツポーズ)」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/778.html
左右田「日向、お前七海とどこまでいったんだよ」 日向「なんだよ急に。何の話だよ」 左右田「とぼけんなよ、お前と七海って付き合ってるんだろ?」 日向「……別に俺は七海と付き合ってないぞ」 左右田「は? はああああああああ!?」 左右田「う、嘘だろ!? だってお前ら毎日一緒に居るじゃねえかよ!?」 日向「それでどうして俺と七海が付き合う理由になるんだよ」 日向「俺はただ──」 七海「日向くん、今って平気かな?」 日向「ああ七海。左右田と喋ってただけだから、問題ないぞ。何か用事か?」 七海「うん、よかったらこの後一緒におでかけしないかな?」 日向「いいぞ。今日は“あそこ”でいいか?」 七海「うーん、昨日遊び尽くしちゃったし、別のとこがいいな」 日向「じゃあ“あれ”にするか?」 七海「日向くんと恋愛ものはたくさん観たし、他にいいのは上映してないと思うよ」 日向「だったら“いつもの場所”に行くか」 七海「いいよ。日向くんとお昼寝すると気持ちいいし」 日向「決まりだな。すぐ行くからロビーで待っててくれ」 七海「分かった」 日向「で、左右田なんの話だっけ?」 左右田「もうお前なんて友達じゃねえ」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/219.html
苗木「江ノ島さん、お風呂沸いたから先に入っていいよ」 江ノ島「はーい。あ、そうだ。どうせなら苗木も一緒に入る?なんちゃって……」 苗木「うん!わかったよ!」 江ノ島「は?いや、冗談に決まって」 苗木「それならボクは先に入って待ってるよ!」 江ノ島「え……なに?なんなの……?」 苗木「まだかな、江ノ島さん……」 江ノ島「苗木?じゃ、じゃあアタシも入るから……」 苗木「うん!遠慮しなくていいよ!」 江ノ島「なんでそんなに元気なの……ほら」 苗木「ちょっと待ってよ!どうしてタオルを身体に巻いているの!?」 江ノ島「はぁ?当たり前でしょ?なんであんたが喜ぶような事をアタシがしなきゃいけないんだよ」 苗木「それはおかしいよ!タオルを湯船に入れるなんてマナー違反じゃないか」 江ノ島「うぷぷぷ、必死だね苗木クン。見れなくて絶望した?」 苗木「それは違うよ!タオルで身体を隠すって事は、その見えない部分に人は希望を持つんだ!」 江ノ島「え……?じゃあ、見せなかったらアンタはこのまま希望を持ち続けるの?」 苗木「そうだ!それにボクが期待通りに絶望しないなんて、江ノ島さんにとっては凄く絶望的だよね?」 江ノ島「アタシが絶望する?……最高じゃない!!」 苗木「キミがタオルを取らない限りはボクは絶望したりなんかしないし、希望を持ち続ける……これがボクの答えだ!」 江ノ島「……わかった。あんたに見せてやるから、それで思いっきり絶望しな!」 苗木「うん、江ノ島さんの裸は絶望的だよ(訳・饅頭怖い)」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/43.html
まずは、オードソックスに自己紹介から始めたいと思う。 ボクの名前は苗木誠だ。 訳あって、休日にとある人物と二人きりでいるんだけど… 「ねぇ、霧切さん?」 ボクが呼んで振り向いたのは、霧切響子。 実は、ボクと彼女はなんやかんやで付き合うことになったのだが… 「何?」 ごらんの通り、彼女は無愛想な人だ。 「いや、あのさ。本当にここでいいの?」 ボクたちがいるのは、市立図書館。 はっきり言って「あれ」には向いていない場所だ 「どういう意味?苗木君が『どこか好きなところに行こうか』と言ったんでしょう?」 「そうなんだけど…」 ボクはデートのつもりで言ったんだけどな… 言い方が悪かったか、と一人後悔していると霧切さんが言った。 「ねぇ、もしかして図書館が嫌いなの?」 「え、ち、違うよ!そんな事ない!ボクも小学校の頃からよく使ってたし…」 「そう」 そう言うと霧切さんは図書館に入ろうとする。 「あ、ちょ、待って!」 待って、と止めたのは別にいい。 けど…止め方は別にあっただろう。 でも、ボクは慌てて霧切さんの腕を掴んで思い切り引き寄せた。 そう、お分かりだろうか。 「…」 「…」 どっちがどっちの3点リーダーだったかは分からない。 ただ、お互いずっと黙っていた。―抱き合うような体形で。 「―――ごめんっ!!」 ボクは慌てて体を引き剥がす。 そして、これでもかというほど頭を下げる。 ……しばらく頭を下げていたけど、何も反応がない。 おそるおそる頭を上げるとそこには… 「き、霧切さん…?」 ボクの目の前にあったのは、顔を真っ赤にした…なんていうのは嘘で、 そこには無表情の霧切さんの姿があった。 「えーっと、霧切さん…?」 あまりにも微動だにしない霧切さんに不安を覚えて、ボクはそっと霧切さんに触れようとした。 が、触れるその瞬間。 「――!」 霧切さんは何かを叫んで、走ってどこかへ行ってしまった。 呆気にとられたボクは「追いかける」という選択肢が思い浮かばずに、ただ立ち尽くすのみだった。 ―どれだけ時間が経ったのだろう。 我に返ったのは、すでに夕刻の時だった。 そんなにずっと立ってたのかと自分の精神力に関心しつつ、携帯に目をやる。 そこには、1通のメールが来ていた。 誰からだろう、と見るとそこには「霧切さん」という名前が映し出されていた。 慌ててないようを確認すると、そこにはこう書かれていた。 (今日はごめんなさい。 どこに行くかというのは、 あなたの意見も聞いておくべきだったわ。 でも、あなたもあなたよ。何とは言わないけれど。 また、日にちを調整して二人で出かけましょう。 またね。) と。 「…返事、しないとな。」 ボクはそう言いながらも、あの時の霧切さんを思い出す。 あの時、霧切さんは何かを叫んでいた。 何を…? ボクの記憶力と推理力を合わせて導き出された答えは… 「ばか」 そんな訳ないと思いつつも、あらゆる推理をしても答えは同じだった。 あの時、霧切さんは「ばか」と叫びながら逃げたのだろうか。 「―っ!」 みるみるうちに自分の顔が赤くなるのを感じ取った。 そして、ボクは慌てて携帯で電話をかける。 その相手は、言わなくても分かるよな。
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/413.html
562 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/23(水) 00 42 17.03 ID yTnulCPw この二人の結婚式はやっぱりキリスト教式だろうか 神道式も案外似合いそうな気もする 霧切「で、あなたは洋式と和式どっちがいいの?」 苗木「え? うーん……和式はやっぱり体勢がきついから洋式の方がいいかな」 霧切「誰がトイレの話をしたの。私が言っているのは、結婚式のことよ」 苗木「け、血痕!?」 霧切「そういうのはいいから、真面目に答えなさい」 苗木「ご、ごめん。でも霧切さんの口から結婚なんて言葉が飛び出してくるなんて思わなくて……」 霧切「どういう意味かしら。さすがに失礼よ」 苗木「えー……うーん、そうだなぁ」 苗木(結婚か……この年でそんなの考えたことないけど……うーん、やっぱり霧切さんは 洋風のドレスの方が似合うかな。 あ、でも和服も霧切さんのクールな雰囲気と合ってて綺麗かもしれないし……) 霧切「人の顔をジロジロ見てどうしたの?」 苗木「いや霧切さんにはどっちが似合うかなって」 霧切「? ちょっと待ちなさい。どうして私を着せ替え人形にしているの? 勘違いしないでちょうだい」 苗木「ご、ごめんっ。そうだよね、勝手にボクの相手にされたら嫌だよね……」 霧切「そうじゃないわ。ウェディングドレスだろうと着物だろうと、着るのはあなたなのよ苗木君」 苗木「うんごめ……えっ?」 霧切「安心しなさい。あなたは私が『超高校級の嫁』として幸せにしてあげるから」 苗木「ちょっと何言ってるか分からない」