約 579,145 件
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/301.html
文:7-606さん
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/428.html
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/593.html
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/211.html
%B0%DC%A4%EA%CA%D1%A4%EF%A4%EA.PNG
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/402.html
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/463.html
~小ネタ~ アーンの定義~朝食編~(7-857さん) [[]]() [[]]() [[]]() [[]]() [[]]() ~SS~ もしも君が死んだら 前編(122さん) もしも君が死んだら 後編(122さん) メロメロン(122さん)「もしも君が死んだら」の翌朝話 アーンの定義 (7-857さん) 甘い日(561さん)バレンタインネタ 明日への標(◆.vsXKndqJKsuさん)ED直前の話 お花見でやらかした(701さん) 最強乙女(739さん) 夜に咲く桜(739さん)最強乙女続編 かわいくなんかない(860さん) オレの上着(900さん) 彼の上着(900さん)
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/427.html
猫化シリーズ便乗ネタ
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/367.html
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/349.html
「……ふざけんなよ」乱暴に席を立ったククールはそう言い捨てて、部屋を出て行ってしまった。ククールを怒らせた。…みたい。最初はいつもの理由も思い出せないような口喧嘩だったんだけど。ある一言を口にした途端、ククールの機嫌が明らかに悪くなって…口をきいてくれなくなった。あんなに怒るなんて思わなくて。あっけにとられて、追いかけもできなかった。口をきいてくれないから、謝るタイミングが掴めなくて、きまずい雰囲気のまま…私は戦闘でケガをした。 *「い…ったぁ…もう、最低…」右足全体に痛みが走って、うまく立てない。多分むち打ち状態になってるんだと思うけど、なんとかなるかなと1,2歩 歩いてみたものの痛すぎてうずくまってしまった。エイトやヤンガスが大丈夫かと声をかけてきてくれるのに大丈夫とは言えなくて、苦笑を返す。…チラリとククールに目を向けた。私たちから距離を置いて、無言でレイピアの汚れをぬぐっている。まるで私のことなんか目にも入っていないように。いつもならケガをしてなくたって、戦闘が終わると真っ先に駆け寄ってきて、なんだかんだとかまってくるくせに。もしケガをしてたら、どんな小さなケガでも、いいって言っても、有無を言わさず必ず完全に回復するくせに。……私が立てないでいるの、気づいてないはずないのに。「ごめん。ホイミでいいかな?ちょっとMPあやしいから」「え?あ、あぁ、いいよ私こそごめんね。MPもったいないし、上やくそうでなんとかなったら…」エイトの声に我に返る。「やくそうじゃ無理だよ。ケガじゃなくて打ち身だろ?これ。魔法じゃないと」「そ、そうよね…」もう一度ククールを盗み見る。…やっぱりこっちを見すらしてない。私はあきらめて小さくため息をついてから、笑って顔を上げた。「…ありがと。回復お願いできる?」「うん。痛いのは右足だけ?どこらへんが一番痛いかな」回復魔法はむやみやたらと唱えても効果が薄れるだけで、術者がちゃんと患部を意識して、できればしっかり触れながら魔法をかけないと、思うように治せないのだそう。…前にククールが説明してくれたことがある。「んんと…全体的に重たくてじんわり痛いんだけど…やっぱりふとももかな。多分ここにぶつかられたのよね、覚えてないんだけど」足の付け根からふともものあたりをため息混じりにさする。エイトがうなずき、「じゃあちょっと触るよ?」そう言って手を伸ばした。――――――瞬間。「きゃあ!!!!!!!!!!」唐突に身体が宙に浮き、私は悲鳴のような声をあげていた。何が起こったのかと慌てて頭を巡らすと、ククールの顔がすぐそこにある。「な…っ!?」彼に抱きあげられてるんだとわかったけど、狼狽している私に全くかまわず、ククールはあっという間にルーラを唱えて私をその場から連れ去ってしまった。「ちょっと!ククール!」ズカズカと廊下を進み、部屋にたどり着き、扉を乱暴に開けて、私をベッドの上に…それはもう丁寧に、腫れ物を扱うようにおろしてくれる間も、私の呼びかけにククールは一言も答えなかった。「何勝手に戻ってきてるのよ!今日はもう次の街に行くって…」開いたままの扉を閉めて再び私のそばに戻ってきたククールは、ベッドのわきに立ってひどい無愛想で私を見下ろした。その物言いたげな目つきに、イライラが爆発する。「…あのねぇ。言いたいことがあるなら言いなさい!何すねてるのよ子供みたいに!!」――――――!!!!いきなりバサリとスカートをまくりあげられ、私は声にならない声をあげていた。そしてハッと我に返ると、ククールの向こう側の壁が焦げてブスブスと煙をあげている。…無意識にメラをぶっ飛ばしたらしい。それを寸前で避けたククールは、まだ動揺を抑えきれない私になどおかまいなしで懲りずにスカートをめくろうとするから、私は顔を真っ赤に染め、必死でそれを手で押さえて阻止しようと。「なっ、なっ、なにしてるの、よ!!バカッやめてよッ」ほんとなんなのよ、バカ!暴走するにしてもちょっと脈絡がなさすぎるんじゃない!?相変わらず何も言わないままだし、何考えてるのかわかんないわよこのスケベ僧侶!!!!スカートが破れんばかりにお互い引っ張り合っていたら、そのうちククールが低い低い声で(それは彼が相当 機嫌の悪い時の声なのだけど)「・・・・・・・・・・・・エイトなんかに触らせようとしやがって」ボソリと呟かれた言葉に、私は一瞬目がテンになった。そしてその意味を理解すると同時に、むくむくと怒りが湧き上がる。「な…っっ!!何いってんのよ!?そもそもアンタが治そうともしてくれないから悪いんでしょ?! 知ってたくせに無視してたじゃない!それでエイトを恨むなんてお門違いもいいとこよ!!」「男に平気で足触らせようとしてんじゃねぇよ!!考えなしにもほどがあんだよお前は!!」「はぁ!?親切で言ってくれてるのに何よソレ!エイトはそんなヤラシイこといちいち 考えてないわよ、軽薄なアンタと違って!!」――――――――あ…私、また、いけないこと言った…昨日の夜、ククールを口もきいてくれないほど不機嫌にした私の言葉。「アンタみたいな女たらしのうぬぼれ屋さんより、エイトの方が何百倍もかっこいいわよ!!」でも、気づいた時にはもう遅かった。カッと頭に血を昇らせたククールに、私はあっという間に押し倒されていた。「…っ、ご、ごめん…クク…」見上げた彼の表情は私を怯えさせるには充分で、蚊の鳴くような声で謝るしかできない。…でも、ククールがどこか悔しそうに顔を歪め、「…………マジでムカツク……!」と絞り出すように言うから、私もなぜか泣きそうになる。「…バカ…!」足の付け根がズクンと痛む。「私だって、私だって本当は…ククールが…」触れてほしいのは。本当は。「ククールじゃないと、イヤなんだから…!いくらエイトだって、ヤンガスだって、 触られるの恥ずかしいに決まってるじゃない…!ククールじゃないと、わたし…」何言ってるんだろう、高ぶっていく感情が制御できない。涙が浮かぶ。「あ、アンタが、無視するから…っ!だからじゃない、バカ…!!」そうよ、寂しかったんだから。子供みたいなヤキモチで無視なんてしないでよ、私の騎士のくせに。彼の指が目じりの涙をぬぐう。そして困ったように眉をしかめて わりぃ、と誤った顔は、いつものククールだった。私ももう一度きちんとごめんね、と謝る。どうしても逆らえない何かに流されて、私達はそのままキスをしそうになって…寸前でククールが動きを止め、尋ねてきた。「……なぁ、エイトよりオレのがかっこいい?」思わず吹き出しそうになった。ククールはかっこ悪いのを自覚しているのか、ぶすっとした顔で返答を待っている。私は少しのいたずらもこめて答えた。「エイトだって素敵よ?女たらしじゃないしイカサマはしないし定職持ちだし、ね」ククールが苦虫をかみつぶしたみたいな顔をするので、私はこらえきれず笑いだしてしまった。――――でも、と付け足して。「でも、私は、ククールがいちばん好きよ。かっこよくても、かっこ悪くても」一瞬ククールは時がとまったように硬直した。それから脱力したような笑みを浮かべて、ゆっくりと口唇を重ねてきた。激しくなくて、穏やかで優しいキス。私たちはいつまでもそれをやめることができなくて。そのうち頭の中がぼぅっとしてきて、もうなんにも考えられなくなってきた時。口付けを解かないままにククールの手が今度こそスカートの中に入りこみ、ひざのあたりからふとももへじっくりと撫で上げてくるのを感じて、私はびくっとして咄嗟にその手を止めようとした。だけど予想されていたのかすぐに片手で捕まえられてしまう。いたずらな指先はくすぐるように私の足をたどり、足の付け根のあたりで留まると、そこに手の平をそっと押しつけてきた。それでやっと思い出す。これは愛撫じゃなくて…「…ん」お互いの舌をからませたまま呪文を唱えるから、舌を軽く歯でかまれて、目線だけで非難したら、間近で交わしたククールの瞳が楽しそうに眇められた。足の痛みが引いていくのを感じる。あたたかい光。ククールの回復魔法は、他の誰のものより、どんなやくそうよりも、私の傷を癒してくれる。それが愛情と慈しみによるものだと気付いたのはつい最近のことだ。どれくらい交わしていたのかわからない口づけをようやくほどいて、でもまだ時折口唇が触れ合うくらいの距離のままでククールが囁く。「……治ったか?」未だスカートの中にある彼の手の平は、熱をもっているみたいに熱い。見上げた瞳からは隠しきれない切なさがにじみでている気がした。あぁ…何やってるんだろう、私たち。仲間を放り出して、昼間から何やってるんだろう。理性がため息をついた。でも、私のくちから出てきたのは「―――-――-まだ、だよ」私の言葉にククールが目を見張る。「…治るまで、離さないで。もっといっぱい触って、ちゃんと治してよ…」 *回復魔法は、傷に触れた状態で唱えないと、完璧には治せない。私にそう教えたのはククール。だから。ククールにしか触れてほしくない。ククールのホイミじゃなくちゃイヤ。いつからかそう考えるようになっていた。本当はいつだってそう思ってるのよ。言葉に出しては言えないけれど。つまんないヤキモチなんか、妬かないでよね。私の体でククールが触れてないところなんて、もうどこにもなくなってしまった。だから私の身体に傷はない。痣のような赤い跡は、いつでもどこかにあるけれど。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/450.html