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2013/01/04(金) PABC/B-maxBowl太田ウィークリーPABC級戦 時間: 20時 10分 ~ [主催] B-maxBOWL [開催日] 毎週金曜日 [参加費] ¥1,000 [開催時間] 受付・練習 19:00~ 試合開始 20 10~ 敗退後 ~24:00まで練習可能 (24:00までに全ての試合が終了予定) [試合形式] 予選:9ボール Wイリミネーション テキサスルール 決勝:10ボール Sイリミネーション ローカルルール採用 テキサス・コール無し [ハンデ] P=3,A=3,B=3,L=3,C=3 [備考] 賞典は1位のみ 興行目的の外国人プレイヤー参加可能 [問い合わせ先] TEL 0276-40-2266 住所:群馬県太田市植木野町266 駐車場1500台 北関東自動車道太田桐生ICより10分 http //www.msk.gr.jp/bmax/ ABCL/グリーンパレス百草園マンスリーABC級戦 時間: 21時 00分 ~ 毎月第一金曜日開催 21:00開始 fee:\1,500- SA6 A5 B4 C3 1回戦ダブル 東京都日野市落川993 ℡042-593-6060 (京王線百草園駅徒歩1分) 無料駐車場完備 http //greenpa.exblog.jp/ PABC/ブレイカーズ我孫子マンスリーPABC級戦 時間: 21時 00分 ~ BREAKERSマンスリー 10ボールトーナメント 毎月第一金曜日 21時スタート (20:30から練習可) 10ボール シングルイリミネーション プッシュアウトあり セルフラック コールショット P:6 A:5 LP5 B:4 C:3 エントリー\2,000-(女性\1,500-) 賞典:Best4 ※参加人数により変動あり 定員24名 住所:千葉県我孫子市並木6-13-8 ℡:04-7165-2171 http //www.breakers-abiko.com/ 無料駐車場完備 BCL/セスパ東大宮マンスリーBC級戦 時間: 21時 00分 ~ 毎月第一金曜日開催 20 00練習可 21 00開始 fee:\2,000- B4 C3 一回戦Wイルミ,以降Sイリミ (人数によってシングルに変更有) 埼玉県上尾市原市4154 ℡:048-723-0727 (無料駐車場完備) http //playing-horse.com/ PABC/リスク高円寺ウィークリーPABC級戦 時間: 21時 00分 ~ リスクウィークリートーナメント 毎週金曜日開催 20 30集合(練習可) 21 00開始 Fee \1500- P/SA- 6 (相手ワンセットダウン) A-6 SB-5 B-4 C-3 ビギナー (JPAスキル2以下)-2 ビリヤード&ダーツ リスク 166-0003 東京都杉並区高円寺南4-29-9 第3穴吹ビル2F 03-3315-3579 http //pool-risk.com/index.html ABCL/メイプルハウス梶ヶ谷マンスリーABC級戦 時間: 21時 00分 ~ 毎月第一金曜日開催 21:00開始 fee:A\2,500- BCL\2,000- 1回戦ダブル:A4 BCL3 (敗者1セットダウン) 決勝:A5 BCL4 神奈川県川崎市高津区向ヶ丘68 ℡:044-888-7988 http //blog.livedoor.jp/maplekajigaya/archives/cat_26420.html Event 錦糸町ルパンJPAルールマンスリー 時間: 21時 00分 ~ エントリーフィーはSL4以上が1500円、 SL3以下は1000円です!! 予選はダブルイリミネーション、 最低2試合できますよっ♪♪ ルパンの常連さんならJPAに 参加してないプレイヤーも参加可能ですo(^-^)o 他店からのプレイヤーは現JPAセッションに 参加中の方のみとさせていただきますが、 みなさまこぞってのご参加をヨロシクお願いします!!! そして目玉はなんと!! 大会参加者は試合後1000円で 突き放題orゲーム代1時間400円(30分単位)やっちゃいます♪♪ 土曜日休みの方は是非ともいっぱい練習して スキルアップを目指しましょうp(^^)q 毎月第1金曜日に開催予定、 新しいマンスリーにしていきたいと思っております♪♪ 東京都墨田区太平1-12-15 高橋ビル4F,5F ℡:03-3625-3795 http //mblog.excite.co.jp/user/lupinblog/?_s=0fcf6fd99df6dbbc025407aea660d12e PABC/ルーキー都筑ウィークリーPABC級戦 時間: 21時 00分 ~ 21 00~スタート (20:30から練習可) エントリーフィ¥2000 (1ドリンクつき) 試合形式 USナインボール テキサスルール ハンデ戦 シングルイリミ P、SA=5セット A=4セット B=3セット C、L=2セット 賞典 優勝、準優勝 神奈川県横浜市都筑区仲町台4-1-5 マッシュアベニュー2F 045-941-8035 http //www.geocities.jp/billiard_rookie/ PABC/ビリヤード98辻堂ウィークリーPABC級戦 時間: 21時 30分 ~ ■日程:毎週金曜日21:30~抽選・試合START ■ルール:WPAナインボール方式 (毎月最終金曜日のみテンボール方式)/1回戦ダブル ■ハンデ:P-7、A-6、B-4、C-3(※Lハンデなし) ■賞典:優勝~2位まで Billiards 98 〒251-0861 神奈川県藤沢市大庭5404-7湘南エスパス1F TEL.0466-88-9865 http //billiards-98.com/ PABC/パル高尾ウィークリーPABC級戦 時間: 21時 30分 ~ 21 00集合 21 30開始 参加費1500円 P7 SA6 A5 B4 C3 ナインボール シングルトーナメント 所在地 東京都八王子市狭間町1728-1 TEL 042-667-6044 交通 JR高尾駅より徒歩15分 駐車場 20台完備 http //pal.oops.jp/ BCL/AFARBLEウィークリーBC級戦 時間: 22時 00分 ~ BCウィークリー 毎週金曜日 22時スタート (21時半より練習可) FEE \1,500- ナインボール セルフラック シュートアウト無し ダブルヒット有り 1回戦ダブル ハンデ:SB4 B3 C2 (決勝シングルより1setアップ) 神奈川県横浜市都筑区大熊町411 TEL.045-477-3211 無料駐車場30台完備 http //www.geocities.jp/afarble PABC/ミッキー ネプチューン一之江ウィークリーPABC級戦 時間: 22時 00分 ~ 【開始時間】PM10 00より 【エントリーフィー】1,500円 【試合内容】Sイルミメーション P6 A5 B4 CL3 プロとA級との対戦時に B級以下は1セットダウン。 例)P対Bは6-3、A対Bは5-3 B対Bは4-4。 ADDRESS 東京都江戸川区一之江8-4-3 フラットセゼッション2F TEL 03-3652-9912 http //ameblo.jp/mikey-neptune 最寄駅:都営新宿線一之江駅徒歩1分 (環七通り葛西方面新大橋通り交差点の 手前50m酒のカクヤスさんの2階) ABCL/ホワイトハウス座間ウィークリーABC級戦 時間: 22時 00分 ~ 【ホワイトハウスウィークリー】 毎週金曜日夜10時スタート ナインボールハンディ戦 Aクラス3ゲーム Bクラス2ゲーム先取 シングルイリミネーション 参加費1000円 (ワンドリンク付) 優勝者のみご褒美がでます テーブルが3台しかないので アマチュアさんだけの ミニトーナメントというか プチトーナメントです。 住所 神奈川県座間市ひばりが丘4丁目18-3 ホワイトハウスビル 3F TEL 046-256-9584 http //www.whitehouse-billiard.com/
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第16回トーナメント:決勝① No.5405 【スタンド名】 フローレンス・アンド・ザマシーン 【本体】 奏 璃乃(カナデ リノ) 【能力】 様々な「香り」を生み出す オリスタ図鑑 No.5405 No.5858 【スタンド名】 アイス・エイジ・4 【本体】 阿須名 彗(アズナ ケイ) 【能力】 対象の物体を一定時間無敵にした後、消滅させる オリスタ図鑑 No.5858 フローレンス・アンド・ザマシーン vs アイス・エイジ・4 【STAGE:レジャー施設】◆pFj/lgiXE. トーナメント二回戦の敗退者、ネプティス・アヌヴィッシュが目を覚ましたことを奏璃乃が知ったのは、二回戦に勝利してから一週間後のことだった。 璃乃は電話相手である遠見妃奈子という運営側の人間に対し、「それは本当なのですか?」と訊いた。 妃奈子は「……私も上層部から聞いたので、正確には分からないのですが」と言って話した。 「実は、あの試合から数日後、二回戦の立会人である宇喜田が目を離しているうちに、トーナメント運営の新人がネプティスさんの寝ている部屋に入り込み、あろうことかネプティスさんを起こしてしまったらしいのです」 「その新人は二回戦の試合内容を上層部から聞いていなかったのか、それとも聞くのを忘れていたのか、はたまた聞いていたけど忘れてしまっていたのか、私にはわかりません。しかし、その新人はネプティスさんが試合を放棄して居眠りをしていると勘違いし、彼女を物理的に叩き起こしてしまったそうなのです」 「悪夢の迷宮から強制的に脱出させられたネプティスさんは、夢から覚めても自分がまだ迷宮の中にいると思い込み、その新人に襲いかかったようなのです」 「宇喜田が部屋に入った時には、その新人がネプティスさんに襲われていたらしく、宇喜田は新人を助けるためにネプティスさんを止めようとしたのですが、宇喜田は彼女にコテンパンにされてしまったそうです」 「その後、ネプティスさんは部屋から抜け出して、施設にいたトーナメント運営の人間達を襲い、結果、死者は悪夢の迷宮を作り出したスタンド使いを含めた五人、重軽傷者は宇喜田と新人を含めた十六人。合計二十一名の死傷者を運営側は出してしまったのです」 「私は上層部からこの話を聞いて、そして、同じ運営側の人間であり、かつ、今回のトーナメント決勝進出者である貴方に一刻も早く話そうと思い、連絡しました」 妃奈子の話を聞いた璃乃は「それで、ネプティスさんは今どこにいるの?」と訊いた。 「はい。施設から抜け出した今のネプティスさんは現在、各地の施設を手当たり次第に破壊し、多数の死傷者を出しています。おそらく彼女は夢と現実の区別が付いていない。『自分は今、外の世界のように見せかけたダンジョンの中にいる』と勘違いしているはずです。だから、向かってくる相手のことを『ダンジョンに潜むモンスター』としか認識していない」 「そして、自分を捕まえようとする人達を、彼女が倒せば倒すほど、彼女のスタンドも進化する。おそらく、ネプティスさんのスタンドの現在のヴィジョンは、おぞましいものへと変化しているでしょう」 「このままネプティスさんを放っておいては、多数の犠牲者が増え続け、トーナメントの今後の運営にも支障が出てしまいます。最悪、トーナメント自体が無期限休止になることも考えられます」 「そして、下手をすれば、ネプティスさんが決勝戦に乱入してくる可能性もある、かしら?」と璃乃は訊いた。 妃奈子は「はい」と答えた。 「ですから、私達は過去のトーナメントに出場したスタンド使いやその関係者を集め、『ネプティス・アヌヴィッシュ討伐部隊』を作り、現在ネプティスさんを追跡しています。けど、もしかしたらネプティスさんが決勝戦の行われる場所にやって来るかもしれないので、その際は私が今言う電話番号をかけて下さい」 璃乃は「わかったわ」と返事をして、妃奈子が言う電話番号をメモ帳に記した。妃奈子は「では、よろしくお願いします」と言い、電話を切った。 璃乃はため息をついた。 「困ったことになったわね。まさかネプティスさんが悪夢の迷宮から、強制的にとはいえ脱出しただなんて…。決勝戦に彼女が現れなければいいんだけれど…」 阿須名慧は後悔していた。 二回戦の際に自身がスタンドの能力で消滅させた五体の異形は、ネット上で噂になっている、『迷宮電器店に潜んでいた幽霊達』だったことを、運営側の人間である緑柱石という男性から電話で聞いた。 幽霊達は『迷宮電器店をなんとしてでも守りたい』という願いを持っていた。その願いを自分の対戦相手である少女に叶えてもらおうとしていたのだという。 慧はそんな幽霊達を魂ごと消滅させ、さらに対戦相手の少女を見殺しにしてしまった。 柱石は『絶対に貴方と春奈さんを許すもんか』と言って、電話を切った。 彼の言う通りだ、と慧は思った。 あの時、自分が異形の幽霊達と戦わずに立会人である春奈・モーティマーの下へ向かっていれば、幽霊達が消滅することはなかった。 あの時、自分が階段に駆け足で向かい、彼女の腕を握っていれば、彼女は命を落とすことはなかった。 彼女と幽霊達を殺したのは、紛れもない自分だ。 「そう、あの人達を殺したのは、間違いなく私だ」 慧は、自分の部屋の机に突っ伏していた。 「そして、慧ちゃんが殺した一人である私は、幽霊となってここにいる」 幽霊の少女・蘇亜橋真座利が背後でそう言うと、慧は深いため息をついた。 「……まさか、背後霊となって私に付いてくるなんて、思いもしなかった」 「成仏したと思った? 残念! 私は背後霊になってました!」 真座利は笑いながら言った。 トーナメント二回戦で死亡した蘇亜橋真座利は、試合後、慧に付きまとう『背後霊』となっていた。 慧は近くの神社に行ってお祓いしてもらおうとも考えたが、それはあまりにもかわいそうすぎると思い、真座利をしばらく自分の側にいさせるようにした。 それ以降、慧と真座利は同居する関係となった。 だが、幽霊と生活するということは、他の幽霊とも出会う可能性があるということであり、慧は外へ行くたびに幽霊達の姿が見えることに悩んでいた。 今まで幽霊が見えなかった慧であったが、あの試合の後、背後霊となった真座利の影響を受けたためか、幽霊の姿がはっきりと見えるようになった。 「……まさか、幽霊がこんなにたくさんいるとは思わなかった。しかも、人の姿をしている霊もいれば、色々な動物や植物と合体したような異形の姿になってる霊もいるとは…。完全に戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズに登場する怪人のそれじゃあないか。三日前に外で見た幽霊なんて、ゴセイジャーや仮面ライダーオーズで見たことあるぞ」 「それは多分、この世に未練があったり、憎しみや悲しみに囚われているからだと思うよ。そういう怪物みたいな姿になっちゃうのも、仕方が無いって」 真座利のこの言葉を聞いて、慧は自分が消した五体の異形の幽霊達のことを思い出した。 ツチノコと合体したような異形・無来檻。 ハリセンボンと合体したような異形・無理条変太。 豹やライオンなどの肉食動物と合体したような異形・増暮儀式。 ゾウと合体したような異形・報道院帝都。 二匹のタコと合体したような異形・刈出部算任。 悪気はなかったとはいえ、慧はあの時、真座利と絆を結んでいた迷宮電器店の幽霊達を、二回戦の立会人である春奈・モーティマーと共に(お互いのスタンド能力が、悪い意味で相乗効果を発揮してしまったことが原因で)消滅させてしまった。 慧は「あの時のこと…まだ恨んでる?」と真座利に訊いた。 真座利は「うん」と頷いた。 「立会人の春奈っちとあの時の慧ちゃんに悪いは無かったことは分かっている。でも、目の前で大切な人が消滅するのを見て、恨まないわけがないよ」 「だから、真座利はそんな姿になっているというわけか」 慧はそう真座利に言った。 幽霊となった真座利の今の姿は、パンダの半獣人という異形であった。 もし霊感の強い人間が今の真座利を見たなら、露出の多いコスプレをした変質者のように思うかもしれない。 完全なパンダの獣人に変身していないのは、自分と春奈に悪気はなかったことを真座利自身が分かっているからなのだろう、と慧は思った。 「それにね」と、真座利は話を続ける。 「お父さんやお母さん、農円先生や迷宮電器店を守ってるギャングの人達のことも心配で、成仏したくても出来ないよ」 「そうか……。というか、真座利は幽霊だけでなく、反社会的組織の連中とも友達になっているのか?」 「うん。一回戦で知り合いになってね。その時に迷宮電器店の幽霊達と仲良くなったんだ」 真座利の話を聞いて慧は、トーナメント一回戦で一体何があったんだろうと思いながら、真座利に対して唐突な質問をした。 「……ところで話は変わるけど、真座利。君は私に『友人の霊達を消された』という恨みの念を、無意識にぶつけてはいないか?」 慧の突然の質問に真座利は首を傾げた。 「…? 一体なんで」 「いや、君が私の背後霊になってから、私とアイス・エイジ・4に何やら変化が現れているんだよ」 慧はそう言うと、自身のスタンド「アイス・エイジ・4」を発現させ、さらに、自分の着ている服を脱いで、灰色のフロントホックブラとショーツの下着姿になった。 アイス・エイジ・4の皮膚は、まるで脱皮寸前のヤモリのようにシワシワとなり、背中には裂け目が出来ている。そして、慧の身体にも変化が訪れていた。 「御覧の通り、アイス・エイジ・4の肌がシワシワになっていて、さらに背中には裂け目がある。今までこんなことは一度も無かったのに、君と同居してから徐々にこうなっていった」 「私の身体も徐々に変化してきている。胸の先端辺りがムズムズし始めて、しばらく掻きむしっていたら、両胸に小さなしこりが出来て、そのあとに胸が少しづつ大きくなってきた。ウエストもだんだんとくびれて、髪も肩甲骨のあたりまで伸びてきた」 「最近はお尻も丸みを帯びてきて、ショーツのサイズが合わなくなってきている。見ろ。私が今穿いているショーツ、お尻を完全に包み切っていないんだぞ!」 慧は真座利に自分の後ろ姿を見せた。真座利はどれどれと言わんばかりに、慧の臀部を見た。確かに、灰色のショーツは装着者である慧の臀部を包み切れていない。 「これは真座利、君が自分の恨みや憎しみを無意識に私にぶつけているために、私や私のスタンドに変化を与えているような気がするんだが? もしくはスタンドの能力を使ってるのではないか?」 「……いやいやいや。私はスタンド能力を使ってないし。おそらく、これはただの二次性徴だと思うよ」 「二次性徴で私のスタンドも一緒に成長するのか!? 私のスタンドの成長性はCだぞ!? Aでもないのに成長することがあるのか!?」 「多分、本体に何らかの成長が見られれば、スタンドも成長することもあるんだと思う。実際、慧ちゃんは私と一緒に生活するようになってから、見えなかった幽霊が見えるようになったじゃない」 「う、うむ…。それはそうだけど……」 「だから、そんなに気にすることも無いと思うよ。実際私が慧ちゃんに恨みや憎しみをぶつけてるんだったら、今ごろ慧ちゃんは身体じゅうの穴という穴から血を噴き出して死んでるよ」 「……さらりと恐ろしいことを言うのは止めてくれ」 「あ~ごめんごめん」 慧は真座利と会話をした後、下着姿のまま再び机に突っ伏した。 (本当に、私のスタンドが成長してるのかな……?) 慧はそう思いながら真座利に訊いた。 「そういえば、トーナメント運営側から、決勝戦の試合の内容を伝える手紙はまだ来てないのか?」 「あ~、そういえば今日の朝、郵便ポストに入ってたな。それを渡すのを忘れてた」 「そういう大事なことは、ちゃんと私に言ってくれ。この間も私宛てに届いた手紙をポストから出して、勝手に読んだだろ」 「ごめんね。以後気を付ける」 「まったく。……で、手紙に決勝戦の場所はどこだと書いてあるんだい?」 真座利は手紙を取り出し、手紙に書いてある決勝戦の場所を読んだ。 「えっと~。決勝戦の試合の場所は、『F県F島市・四季の町公園』だって」 F県F島市・四季の町公園は、A妻小富士の麓にあるレジャー施設で、食とF県の伝統文化が融合したアミューズメントパークである。 園内には古き良き時代の日本の情緒漂う水車小屋や、爽やかな香りがあふれるハーブ園、こけしやガラス細工などの工房を備えた工芸館等の施設があり、 毎年季節ごとに大きなイベントが催されている。 時刻は午後22:00。 開館時間はもうとっくに過ぎている。が、園内に一人の少女と一人の幽霊がいた。 阿須名慧と蘇亜橋真座利である。 「決勝戦の舞台が、まさかレジャー施設だとはね」 「いや~、流石はF県最大のレジャー施設だね~。設備もかなり充実しているよ~」 「かなりはしゃいでいるな、真座利」 「だって、生きている時に一度言ってみたかったんだもん。自然とはしゃいじゃうよ~!」 真座利は笑顔でそう言った後、「本当はあの迷宮電器店を、ここの園内を凝縮したようなアミューズメントパークにしたかったんだけどね」と、暗い表情で言った。 慧はその言葉を聞いて胸が痛くなった。 以前真座利が言っていた話によれば、もし自分が二回戦で敗北したら、迷宮電器店を自分の代わりに買い取ると、一回戦の出場者であり、かつ、対戦相手であったショスコム・ウィステリアという名のギャングのリーダーが約束してくれたという。 真座利はもし自分が負けた時の保険をかけておいたのだ。 しかし、そのギャングのリーダーが真座利とかわした約束をきちんと守るだろうか? 真座利が二回戦で敗北したことをまだ知らないのかもしれないし、仮に約束を守っていたとしても、K山市の市長が外国のギャングの要求を呑まないかもしれない。 現に今は、各都道府県で暴力団排除条例が施行されている、良くも悪くも潔癖すぎるご時世である。 もしかしたら命の危険を感じたK山市の市長が警察に連絡し、ショスコムを逮捕してしまった可能性も考えられる。そして、買い取り主も悪霊も消えた迷宮電器店は、近いうちに解体されてしまうだろう。 そうなった場合、真座利はどうするのだろうか。 慧がそう考えていると、向こうから対戦相手がやってきた。 奏璃乃は向こう側にいる対戦相手の背後に、パンダの半獣人の異形である少女が浮かんでいることに気づいた。 あれはいったい何なのだろう、あれが彼女のスタンドなのだろうか? それにしては妙に表情が豊かだ。もしかしたらあの少女にとり憑いている怨霊なのだろうか? 璃乃は歩を進め対戦相手の近くに行き、自己紹介をした。 「初めまして。奏璃乃と言います。あなたは?」 「私は阿須名慧だ」 「そうですか。ところで貴方の背後にいるその人はなんなのですか? それがあなたのスタンドですか?」 「いや。彼女は背後霊の蘇亜橋真座利だ。二回戦の対戦相手で、今は命を落として私の背後霊となっている」 「どもども。蘇亜橋真座利で~す」 真座利は先ほどの暗い表情から一変して、明るい笑顔を璃乃に向けた。 璃乃は幽霊の存在を信じてはいなかった。テレビなどで時々やっている心霊写真や心霊画像のほとんどが合成であることに気づいていたからだ。 しかし、目の前にその幽霊がいることに璃乃は衝撃を受けた。 真座利は璃乃の顔を見て「おやおや~」という声を出した。 「璃乃さん、もしかして『こいつ、本当に幽霊なの? もしかして自我を持ったスタンドなんじゃないの?』って言いたそうな顔をしていますね~? でも残念、幽霊って本当にいるんですよ~! 心霊スポットやお墓やお寺や神社、国会議事堂にいっぱいいるんですから!!」 「そ、そうなの……」 心霊スポット・墓場・寺・神社はともかく、国会議事堂にいてはダメだろう。その幽霊達は国会にいる政治家達に対して何か怨恨とかあるのか、と璃乃は心の中で思った。 その時、決勝戦の立会人が現れた。 立会人は、水色のショートボブの髪型をした、見た目小学校五年生くらいの少女であった。 「え、えっと、か、奏璃乃さんと阿須名慧さんですね。け、決勝戦進出、お、おめでとうございます。け、慧さんの背後に、へ、変なのがいますけど、た、多分、だ、大丈夫ですよね。わ、わたしは決勝戦の立会人を、つ、務めさせて、い、頂きます、ア、『アイリーン・A・G・ノートン』と、も、申します」 アイリーンと名乗る少女は二人の少女と一人の幽霊を見た。三人は今までの立会人とは違う格好をしているため「こんな女の子が決勝戦の立会人を務めるのか」と思っていた。 三人の視線にアイリーンは涙目になった。 「う、ううう…。そ、そうですよね。こ、こんな、あ、明らかに、へ、変な喋り方してますから…、う、生まれつきの、き、き、吃音症だから…、い、い、言ってることが、き、き、き、聞き取りづらいですよ、ね……。う、うぐぅ……。で、で、でも、わ、私は私なりに、が、頑張ったてるんですよぉ……。そ、そ、そ、そんな目をし、しなくでも、いいじゃあないですかぁ……。うわああああああん!!」 アイリーンはその場で泣き出してしまった。三人は涙を流すアイリーンをなだめた。 「ああ、泣かないでくださいよ! 別に私達は変質者だと思ってないですから!!」 「私達はあなたみたいな小さな女の子が、決勝戦の立会人を務めるのかと思っただけだ!」 「そうそう、それに吃音症だからって落ち込むことは無いよ!」 「……ひっぐ、ひぐ、も、申し訳ございません……。こんな、と、豆腐メンタルな立会人で……」 アイリーンは涙を拭いて気を取り直すと、璃乃と慧に試合内容を説明した、 「で、では試合内容を、せ、説明します。ル、ルールは『相手を倒した方が勝ち』という、か、簡単なものです。で、でも、なるべく早くケリをつけて下さい。な、長引いたら警察の人達が来てしまうかもしれないし、そ、それに、ち、近頃、と、通り魔事件が、お、起こってますから…」 「通り魔事件って、ここ最近起こってる無差別連続通り魔事件のことか?」と慧は訊いた。 「そ、そう! それです!! う、噂によれば通り魔はF県にも出没したとのことで、わ、私達トーナメント運営側も、け、決勝戦にその通り魔が、ら、乱入してくることを考えて、と、通り魔対策を立てましたから」 「あ~、例の通り魔事件ね。私も幽霊ネットワークで聞いてるわ」 「ネットワークって、そんなのが幽霊の世界にあるのか…?」 「うん。私も幽霊になってしばらくしてから初めて知った」 慧と真座利が会話をしてる中、璃乃は(その通り魔の正体はネプティスさんだ)と思った。 (多分、ネプティスさんは自分に立ちはだかる人間や、自分を捕まえようとする人間を次々と倒しながら旅を続け、F県にやって来たんだ。だとすれば、あの遠見という立会人が言っていたように、決勝戦に乱入してくる可能性も十分にありうる。それなら私は……) 璃乃がそう考えていると、アイリーンが「そ、そろそろ準備はよろしいですか?」と訊いてきた。 「え? ああ、はい。準備はいつでもOKです」 「こちらも準備は出来ている」 「私はトーナメントに敗退した身だから、邪魔にならない程度に見ているよ~」 「わ、わかりました。で、では、トーナメント決勝戦、か、開始です!」 かくして、トーナメント決勝戦が開始された。 ネプティス・アヌヴィッシュは、長く続く道路をふらふらと歩いていた。 ここは一体どこだろうか? ダンジョンを攻略すればするほど、新しいダンジョンと新しい敵が現れる。 室内のダンジョンを彷徨っていたら、今度は白い施設のようなダンジョンが突然現れ、そこには『人間のようなモンスター』がいた。 ネプティスはそのモンスターを全員倒し、ダンジョンの扉を開けて外へ出た。すると今度は『外のように見せかけたダンジョン』が現れた。 違う。ここも出口ではない。本当の出口へと続く扉は別の場所にある。ならば、それを探さなければならない。 彼女は本当の出口を探すために色々なダンジョンを周った。だが、出口へと続く扉はまだ見つかっていない。 それどころか、今度は人間に似たモンスターや、スタンド使いまで現れた。 この前は警察官の服を着たモンスターが大勢現れ、昨日は『来栖真輝斗』と『ビーヴィオ・ベルトット』というスタンド使い二人が、そして今日は『信田信夫』『多田光太郎』『二義誠』というスタンド使い三人が襲ってきたが、全員返り討ちにした。 ネプティスのスタンド『ネクスト・アルカディア』は、五体のスタンドと対峙したことで進化をした。彼女は自分のスタンドが更なる進化を遂げたことで、自分も強くなったと感じた。 「そう……、わたしはこのしあいにかって、もっともっとつよくなる。たちふさがるてきをたおして、でぐちをみつけて、すべてをのりこえるちからをてにいれる……」 ネプティスはそう呟きながら、歩を進めていた。 だが、彼女は気づいていない。 自分自身が二回戦でとっくに敗退しており、悪夢の迷宮からとっくに脱出していて、現実の世界に戻ってきていることに。 その事実に気づかないままフラフラと歩いていると、ネプティスの目に堅く閉じられた門が映った。 ここが出口の扉だろうかとネプティスは思うと、ネクスト・アルカディアに門をこじ開けさせた。 ネクスト・アルカディアのヴィジョンは、五人のスタンド使いを倒して進化したことにより、本来の姿とは似ても似つかないほどの異形と化していた。 試合が始まると、璃乃は踵を返して後方へと走った。 「あっ、逃げた!!」と真座利が声を上げると、慧は「いや。逃げたんじゃないよ」と返した。 「おそらく、逃げるふりをして私を自分の方へおびき寄せるつもりなんだよ」 「と、いうことは、璃乃さんは何かを仕掛けているの?」 「そういうことになる。こういう時は『追いかけない』というのが正解だけれど、ここはあえて彼女を追うことにしよう」 慧はそう言って璃乃が走っていった方へと向かった。真座利も「あ、待ってよ~」と言って、慧の後を追った。アイリーンも「わ、私も~」と三人を追いかけた。 璃乃は、園内の広場『元気っ子広場』に着くと、自身のスタンド『フローレンス・アンド・ザ・マシーン』を発現させると、地面に転がっている小石を数個集め、自分の背後に立つスタンドに手渡した。 「フローレンス・アンド・ザ・マシーン。この小石に『入眠作用のある香り』を付けなさい」 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは主の言う通り、手渡された小石数個に、入眠作用のある香りを付けた。 (この香りは一回戦の際に勝負の決め手となった、ラベンダーとカモミールをベースにした香り。この香りを嗅いだ相手は、たちまち眠りに付いてしまう。慧さんがこの広場ににやってきたら、すぐにこの小石一個を投げ付ける。石が自分の方へ向かってくるのを知った慧さんは、受け止めるか回避するかを選ぶ。もし慧さんが受け止めれば小石に着いた入眠作用の香りを嗅いで眠りにつく。回避したなら、もう一個の小石を投げ付ければいい。回避されても予備の小石を投げればいい。やがて慧さんの周りには入眠作用の香りを放つ小石が転がって、眠気に耐えられなくなった慧さんはその場で眠ってしまう……) 璃乃はそう思考しながらスカートのポケットに手を入れると、ポケットの中に入れた折りたたみナイフを撫でた。 (あとは慧さんの動脈を斬るなり、腹部を裂くなりすればいい。まさかあの背後霊が試合の邪魔をするなんてことはしないでしょうし、もし邪魔をしてきても、私の、いいえ、志保の願いの邪魔は絶対にさせるモノですか……) 璃乃は既に、道徳・倫理を踏み越える覚悟をしていた。 自分は友人である菊谷志保の願いを、彼女の代わりに叶えるためにトーナメントに代理出場すると決めた。 志保の願いを叶えるためなら、どんな業も背負っていく。たとえそれが、人として許されないことであっても。 「私はこのトーナメントで優勝する。そして、志保の願いを叶える」 璃乃がそう呟いた時、慧・真座利・アイリーンの三人が広場にやってきた。 璃乃と慧との距離は、数メートル離れている。璃乃は「さあ、私に向かってらっしゃい」と慧を挑発するかのような表情で立っている。 そんな彼女を見つめる慧に、真座利が小声で訊いた。 「ねえねえ。璃乃さんを見つけたのはいいけどさ。私が見たところ、璃乃さんは絶対何かを仕掛けているよ。これはやばいんじゃあないの?」 「ああ。私もそんなことを考えていた。私達がやってきたというのに、堂々と自分のスタンドを出して立っているということは、何かを仕掛けてくるのは間違いない」 「じゃあ、このまま璃乃さんが痺れを切らしてこっちに向かってくるのを待つ?」 「それではこっちもあっちも相手が来るのを待ち続けて、気が付いたら朝になって、立会人のアイリーン共々警備員に捕まるという、つまらないギャグのような結末になる。それは私も璃乃さんも避けたい」 「それじゃあどうするの?」 「なあに。簡単なことさ」 慧は真座利に小声で耳打ちすると、「なるほど。それはいい考えね」と真座利は笑顔で言った。 「だろ」と慧は微笑むと「それじゃあ行こうか」と言い、璃乃の下へ歩を進めた。 計算通りだ、と璃乃は思った。璃乃は自分のスタンドに命令する。 「フローレンス・アンド・ザ・マシーン! 小石を一個慧さんに投げつけなさい!!」 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは小石を一個右手に持つと、それを慧に目掛けて投げた。 小石からは、入眠作用のある香りが漂っていた。 さあ、どう来る? 受け止めるのか、回避するのか? と、璃乃は思った。 慧は自身のスタンド『アイス・エイジ・4』で投げられた小石を受けとめた。 やった! と、璃乃は心の中で喜んだ。これで慧は眠りに着くと思っていた。だが、慧は小石から漂う香りを嗅ぎながら璃乃に言った。 「……小石から妙な香りが漂っているな。あなたのスタンドはモノに変な香りを付けるね。おそらく貴方のスタンド能力は『精製した香りを物体に付着させる』能力。 そして、この香りは嗅いだ人間を眠らせる効果を持つ。あたりでしょ?」 当たりだった。だが、璃乃は自分の計算が狂ったわけではないと思っていた。なぜなら、慧のスタンドは小石を受け止めているからだ。あと数十秒すれば、慧はその場で眠りにつく…はずだった。 慧がため息をつきながら「残念だけど」と言うと、アイス・エイジ・4の手の中にあった小石は、跡形も無く消滅した。 「私のスタンド能力は『触れた非生物を数十秒後に消滅させる』能力なんだ。こんな小石では私を仕留めることは出来ないよ」 慧は再び璃乃の下へ歩を進める。璃乃は「まだです!」と叫んだ。 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは小石をまた一つ右手で握ると、それを慧に投げつけた。 璃乃はまさか慧のスタンドが「触れたモノを消し去る能力」だとは思っていなかった。しかし、だからといって彼女の計算が完全に狂ったわけではない。 肝心なのは「慧を眠らせること」である。それさえ出来れば、自分に勝利の女神が微笑むのだ。 璃乃はフローレンス・アンド・ザ・マシーンに命令する。 「フローレンス・アンド・ザ・マシーン!! 小石を全部慧さんに投げつけなさい!!」 フローレンス・アンド・ザ・マシーンは、主の命令通り、小石を全て慧に投げつけた。 「いくら触れたモノを消滅させる能力でも、これだけの数の小石をすべて消し去ることは出来ないでしょう!!」 慧のスタンドは投げた小石を受けとめようとした。 だが、璃乃が言ったように、全てを受け止めることは出来なかった。 フローレンス・アンド・ザ・マシーンが投げつけた小石のうち、アイス・エイジ・4が消したのは最初に消したのを含めて3個で、地面に落ちたのは4個であった。 「よし!」と璃乃は思った。これで慧は地面に落ちた小石の香りを嗅いで眠りにつき、硫黄臭のする池で倒れる。そう確信した。しかし…。 「『地面に落ちた小石から漂う香りで慧は眠り、自分は慧にトドメを刺すだけ』と、そう思ったよな。でも、それも私には通じない」 慧は慧は真座利にアイコンタクトをとった。真座利は「了解!」と返事をすると、慧の左肩に噛みついた。慧は悲鳴を上げるのをぐっとこらえた。 璃乃は驚愕した。自分の相方である背後霊に、自分を噛ませるだなんて、信じられない。 璃乃が目を見開いて驚いている中、慧は璃乃に言う。 「私は背後霊である真座利にさっきこう言ったんだ。『私が璃乃に何か投げつけてきたら、容赦なく私の肩を噛みつけ』ってね」 「そ、それって、協力者に頼んだってことじゃない! 一対一の戦いに第三者を割り込ませてくるのは、ルール違反にならないの!?」 璃乃は慧にそう言うが、それに答えたのは立会人であるアイリーンであった。 「け、慧さんはルール違反をしていませんよ。た、戦いに、ちょ、直接介入したのは、ま、真座利さんですし、そ、それに、ま、真座利さんが、お、お二人を倒そうとしていたわけではありませんから」 「そ、そんなのアリッ!?」 「立会人がそう言ってるなら、そうなんだろう。そもそも真座利は私に恨みを抱いている亡霊。心のどこかで私を痛めつけてやりたいと思っているはずだ。だから、これで少しは真座利の気が晴れるってもんだろう!」 真座利は慧の左肩の肉を少し引き千切ると、それをもぐもぐと咀嚼して飲みこんだ。 「う~ん。人間の肉は美味しくないね。毒にも薬にもなりゃあしない」 「るろうに剣心の志々雄真実のようなことを言うなよ。これで私に対しての恨みも少しは晴れただろう?」 「まぁ少しはね」 「そうか」と慧は言うと、歩を進めながら璃乃に言った。 「これで私の身体はしばらく痛覚神経が支配する。故に、香りを使った攻撃は通じない。そして、私はあなたのすぐ近くまでやってきた。あなたが取るべき行動はただ一つ……」 璃乃は乾いた笑いをして慧に言った。 「殴り合いで貴方を倒すしかない……ということでしょ?」 「正解」 慧はそう答えた。 フローレンス・アンド・ザ・マシーンはアイス・エイジ・4を見ながら構えを取る。アイス・エイジ・4も拳を握った。 「まさか、幽霊で計算が狂うとは思ってもいなかったわ…。でも、ここで負けるわけにはいかない! このトーナメントで優勝するのは私よ!」 「いいや、それは私だ。私にだって叶えたい夢がある」 「いいぞいいぞ~! どっちもがんばれ~!!」 真座利が応援する中、二人のスタンドが殴り合いを始めようとしたその時、入り口の門が外側から破壊された。 ネクスト・アルカディアで門を破壊したネプティスは、園内を見まわした。 なんだ、ここも出口ではなかったのか。だが、ここは色々な建物がある。 もしかしたらこのダンジョンにある建物の中に、出口へつながる扉があるのかもしれない。一体どこにあるのだろうか。 ネプティスはそう考えながら、入り口の前方にいる二人のスタンド使いと、パンダの半獣人を見つけた。 今度はあの二人のスタンド使いと、宙に浮いているパンダの半獣人が相手か。 しかし、二人のスタンド使いのうちの一人はどこかで見たことがある。 ああ、思い出した。あの迷宮の中にある闘技場で、自分が殺した奏璃乃だ。 なんで璃乃がまだ生きていて、このダンジョンにいるのだろうか。 ネプティスは数秒思考し、一つの結論に至った。 ああそうか。璃乃はあの闘技場で死んだあと、ゾンビとなって甦ったのだ。 だとすれば、どうしてあそこに璃乃がいるのかも説明が付く。 ならば、あのスタンド使いとパンダの半獣人と一緒に、璃乃のゾンビを倒すだけだ。 そうすれば、自分はもっと強くなる。なにもかも乗り越える力を手に入れることができる。 ネプティスはそう思いながら、三人のいる方へ向かっていった。 「あ、あああああ、あれは、ネ、ネネネネネネネプティ、ティ、ティティティティティティティティティス・アアアアヌヴィッシュだああああああッ!!!!」 アイリーンは自分達の方へ向かってくる恐怖に身体を震わせながら、その場にへたりと座り込んだ。 「ああ、ネプティスさんがここへやってくるなんて!!」 璃乃がそう言うと、慧が訊いてきた。 「ここへやってくる? 璃乃さん、あなたはあの乱入者のことについて何か知っているのか?」 「は、はい。話せば長くなるのですが……」 璃乃は二回戦でのことと、試合前に遠見が電話で語っていたことを慧と真座利に詳しく話した。 「成程。そういう試合内容だったのか。その宇喜田という立会人は非常にタチが悪いな。まぁ、宇喜田は新人と共に重傷を負ったから、既に罰を受けているが」 「となると、幽霊ネットワークとかで噂になっていた通り魔の正体は、ネプティスさんと言うことになるわね」 「はい。運営側はネプティスさんを捕まえるための部隊を作ったとのことですが、私の予想では既に何人かが倒されているでしょう」 「だろうな」 璃乃達がそう会話をしている中、アイリーンは慌てながらスマートフォンで電話をかけていた。 「も、ももももしもし、ア、アイリーンですけど、大変です!! ネネネーネ・ネーネネ、ネプティス・アヌヴィッシュが、け、決勝戦の試合会場へ侵入してきました!! ははは、早く討伐部隊を、ここここ、こちらによこしてください!!」 「立会人はすっかりパニック状態に陥ってるな…」 慌てふためきながら電話をしているアイリーンを横目に、慧は璃乃に言った。 「どうだろうか。ここは一時休戦して、三人でネプティスを捕まえようじゃあないか。どうせあいつを倒さなきゃ、試合の続きは出来ないわけだし」 慧に続いて真座利も言った。 「そうそう。ここはみんなで力を合わせて、ネプティスさんの暴走を止めようよ」 「…………」 璃乃は数秒考えると、慧に「お断りするわ」と返した。 慧と真座利は「えっ?」と声を漏らした。 「そもそも、ネプティスさんがあの悪夢の迷宮でしばらく彷徨う羽目になったのは、私が彼女を見放したから。先にネプティスさんを無理やりにでも脱出させていれば、彼女が壊れることはなかった。だから、ネプティスさんの暴走を止めるのは私の役目。自分が蒔いた種は、自分で何とかしなければならない。この件に関わりのないあなた達を巻き込むわけにはいかないの」 「…………」 「申し訳ないけれど、ここは私一人でやらせてもらうわ」 璃乃はネプティスの方へ向かおうとした。しかし、慧と真座利がそれを制止した。 「悪いけど、一人でやらせるわけにはいかない」 「『この件に関わりのない』って、私達は璃乃さんとネプティスさんのことについてもう聞いちゃってるんだから、関わりのない人間じゃあないよ」 「で、でも……」 璃乃が何かを言おうとすると、慧が微笑んだ。 「大丈夫。ネプティスのスタンド能力が何なのかが分かれば、対策を考えることもできる」 「…………」 「だから、教えてくれ璃乃さん。彼女のスタンド能力はなんなんだ?」 慧の問いに対して「…ネプティスさんの能力は」と璃乃が答えようとすると、ネプティスが奇声を上げて三人に飛びかかってきた。 「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 「まずい、璃乃さん、真座利! 離れて!!」 慧は二人を突き飛ばすと、ネプティスの蹴りを両腕で防いだ。 ネプティスの蹴りの衝撃が慧の両腕に響く。慧は「ぐっ!!」と呻いた。 ネプティスは自分の蹴りが防がれると、今度はネクスト・アルカディアで慧に拳の連打を食らわせようとした。 「キシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャアッ!!!!」 ネクスト・アルカディアのヴィジョンは、悪夢の迷宮のミノタウロス、警官隊、ネプティス討伐隊として選ばれた五人のスタンド使いと戦って進化したことにより、身体中に無数の目が付いた怪物と化していた。 慧はネクスト・アルカディアの攻撃をアイス・エイジ・4で相殺しようと、蹴りの連打を繰り出した。 「シュララララララララララララララララララララララララララララララララララララァッ!!!!」 二体のスタンドの拳と蹴りがぶつかり合う。慧はネプティスと戦っている最中、アイス・エイジ・4の皮膚が徐々に剥がれていくのを感じた。 (これは一体何だ? まさか、私のスタンドが…?) 慧がそう思った瞬間、ネクスト・アルカディアの拳がアイス・エイジ・4の額を捉えた。慧の額から赤い血が流れる。 「慧さん!!」「慧ちゃん!!」 璃乃と真座利は慧の名を叫んだ。 二人の声を聞かずに、ネクスト・アルカディアはそのままアイス・エイジ・4の腹部に強い蹴りを入れた。 アイス・エイジ・4と慧はそのまま遠方へと吹っ飛び、そのまま動かなくなった。 慧が倒されたのを見て、ネプティスは「阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!!!」と笑った。 「壺れ出、壺れ出私ハモット強ク鳴る!! 私ハ全てを乗リ越L力を手に入レル!! 阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!!!」 ネプティスが高らかに笑う様を見て、真座利は怒りの頂点に達した。 慧とは絆を結んだ幽霊達を消滅させられた恨みと、見殺しにされた憎しみがあった。でも、背後霊として暮らすうちに、少しずつ慧との絆が生まれてきた。 その絆をネプティスがたった今踏みつけた。『全てを乗り越える力を手に入れる』という、わけのわからない理由で平然と踏みにじった。真座利の心の中に、ネプティスへの殺意が生まれた。 「許せない…。慧ちゃんを傷つけたお前だけは、絶対に許せない!!うあああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 真座利が叫び声を上げると、彼女の獣毛の生えていない部分に、白と黒の毛が生えてきた。顔も徐々にパンダの顔へと変わっていく。 真座利は慧を傷つけられたという怒りで、パンダの獣人へと変身した。 璃乃は真座利の変身を見て身体を震わせた。もし自分が慧を眠らせて、スカートのポケットにしまっていたナイフを突き立てていたら、自分はパンダの獣人と化した真座利に殺されていたかもしれない。さっきの自分の計算は、狂うことになって正解だった。 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 真座利はネプティスに向かって突進をした。ネプティスはニヤリと笑う。 「噴ッ! パンダ乃半獣人が本物乃獣人と化舌カ! 陀蛾、弧乃私ニ勝ツ事ハ出来ナイ!!」 ネプティスはネクスト・アルカディアで突進してくる真座利の顔面を殴りつけた。その瞬間、真座利は自分のスタンド『プラスチック・スマイル』を発現させた。 プラスチック・スマイルは、ネプティスに息を吹きかけ、ネプティスの身体を膨らませようとした。だが……。 「宝、お前藻幽波紋使いカ!! 歯科死、所詮獣ハ獣!! 人間デアル私ニ勝ツ軟手、無理無理無理無理ィ!!」 ネクスト・アルカディアはプラスチック・スマイルの中央の顔に拳を強くめり込ませた。 パンダの顔面と化した真座利の鼻が、ゴキリと折れた。 さらにネクスト・アルカディアは、真座利の身体を連続で殴りつけ、最後にかかと落としでノックダウンさせた。 真座利はネプティスの足下でうつぶせになって倒れた。真座利の身体はパンダの獣人の姿から半獣人の姿へ戻った。 ネプティスは二度の勝利の快感に酔いしれた。 その瞬間、ネクスト・アルカディアの姿はゴキゴキと音を立てて変化をし始めた。 身体中に無数の目が付いた異形の姿のスタンドは突然四つん這いになり、銀色の皮膚が紫色に染まり、背中から大きな瘤のようなものが生えた。 右肩を中心に生えていた機械のような羽は全て千切れ、頭部だった部分はイソギンチャクのような形に変わり、身体も大きくなっていく。 スタンドの変化と同時に、ネプティスの身体も変化した。 短かった髪が瞬時に肩甲骨まで伸び、胸が大きくなり、お尻もズボンの中でパンパンに膨らんだ。 さらに背丈もぐんぐんと伸び、ネプティスは大人の女性へと変身した。 璃乃はネプティスの身体が急成長したことに驚いた。 「そんな、スタンドと共に本体まで成長するなんて……!!」 「分刈ル、分刈ル輪、私ガ丼丼強苦ナッテ入ル乃を…」 ネプティスは成長した自分の姿に喜ぶと、璃乃の方に目を向けた。 「殺阿、次ハオ前ダ。ゾンビの璃乃算」 璃乃は自分を襲おうとしているネプティスに向かって言った。 「…いいわ。かかってきなさい。私があなたの暴走を止めてあげる」 ネプティスはニヤリと笑い、奇声を上げて璃乃に襲いかかった。 その時、ネプティスの左肩に何かが刺さった。ネプティスが自分の左肩を見ると、数本のナイフが刺さっていた。 ネプティスはナイフが空から投げられたと直感で判断して空を見ると、そこには、白鳥の羽を背中に生やした異形の女性に乗った、両手がハエトリ草になった異形の男性がいた。 ハエトリ草の異形の男は白鳥の異形の女に言った。 「おい、ちゃんと飛べよお姫さまよぉッ! 『マイシクル・ティアーズ』の投げたナイフの照準がずれちまったじゃあねえか!!」 「そんな~。私はちゃんと飛んでますよ~幻十郎さ~ん」 「お、お前ラハ一体誰陀!!」 ネプティスがそう怒鳴ると、白鳥の異形は地面に着地し、ハエトリ草の異形を下ろして、自己紹介をした。 「初めまして。私はあなたを捕まえるためにトーナメント運営から派遣された『リリス・クド・カラオストロ』といいます」 「俺は桐木幻十郎。このお姫様と同じく、お前を捕まえるためにやってきた。わけあって今はこんな異形になっちまっているがな」 璃乃は空から下りてきた二つの異形を見て、この二人は真座利と同じ幽霊の類だと理解した。 おそらく、この二人はこの世に未練があって、その結果、あんな姿に変貌してしまったのだろう。 璃乃がそう思っていると、ネプティスは幻十郎に言った。 「私を…捕魔L…陀斗?」 「その通り。お前が倒した来栖、ビーヴィオ、信田、多田、二義の五人も、お前を捕まえるために派遣されたスタンド使いだ」 「そして、貴方を捕まえるためにやってきたスタンド使いは、私達だけではありません」 リリスがそう言うと、璃乃、倒れている真座利、ネプティスの周りには、いつの間にか多くのスタンド使いが取り囲んでいた。 『バロック・ホウダウン』のスタンド使い、五百旗頭実はネプティスに向かって言った。 「貴様がネプティス・アヌヴィッシュだな! この国を守る多くの警官達を傷つけた罪は到底許されるものではないッ!! よって貴様をここで拘束するッ!! 神妙にお縄につけェイッ!!」 璃乃は自分達の周りにいるスタンド使い達を見て「まさか、こんなに集まるなんて信じられない」と思った。 アイリーンは涙を流しながら「や、やった! と、討伐部隊が来てくれた!」と喜んだ。 ネプティス討伐隊を率いる若い女性、遠見妃奈子はメガホン越しにネプティスに言った。 「ネプティスさん、もうあなたは二回戦で敗退したんです!! あなたがどんなにダンジョンの出口を見つけようと頑張っても無理ですよ! ここは現実の世界、悪夢の迷宮じゃあないんです!!」 「敗退舌陀斗…? 出口を見津蹴ルノハ無理陀斗…? 壺壺ハ現実乃世界陀斗…?」 妃奈子の言葉を聞いたネプティスは激怒した。 「嘘ヲ言う名!! 私ハマダ負ケていナイ!! 私ハモット強苦ナル!! 強クナッテ、全てを乗り子L力を手にいレル!! 壺壺で負ケルわけニハ行かないン陀!!」 「どうやら、説得するのは無理みたいだね~」 と、『エリミネーター』のスタンド使い、八坂巡子は言った。妃奈子は「仕方ないですね」と言い、スタンド使い達に命令した。 「こうなれば力づくで捕まえるだけです。皆さん、一斉にかかってください!!」 スタンド使い達はネプティスに一斉に襲いかかった。 ネプティスは異形の怪物と化したネクスト・アルカディアを使い、迎撃した。 スタンド使い達とネプティスの激戦が繰り広げられている中、璃乃は真座利をフローレンス・アンド・ザ・マシーンで引きずりながら、広場から離れた。 「ここまでくれば、もう大丈夫でしょう。真座利さんが巻き添えを食らうのは、慧さんに悪いですからね」 璃乃がその場で座って一息をつくと、禿頭の筋骨隆々の大男と、派手なスーツを着た男性と、バニースーツを着た銀色の髪の少女と、胸が豊満のポニーテールの少女がやってきた。 璃乃は四人を見て、真座利の知り合いだろうかと思った。 筋骨隆々の男が璃乃に訊いた。 「すまないが、貴方が連れてきたそのパンダの半獣人は、蘇亜橋真座利と言う名前か?」 「は、はい。そうですが」 「そうか。俺は真座利の担任である安倍農円と言います」 農円に続いて、他の三人も自己紹介をした。 「俺はウィンディバンク。北欧のギャング組織『ガルガ・ファルムル』の構成員だ」 「そして僕はそのガルガ・ファルムルのリーダー、ショスコム・ウィステリア。本当は男性だけど、わけがあって今はこんな女の子の姿をしているんだ」 「私は春奈・モーティマー・降星学園6年女子で、真座利さんの試合の立会人をしました」 「我々はネプティス・アヌヴィッシュ討伐部隊のメンバーに選ばれ、ここにやってきました。もしかしたら、真座利が決勝戦の試合が行われる場所にいるのではないかと思って…」 「そうですか…」 璃乃が農円の言葉にそう答えると、真座利が目を覚ました。 「う~ん…、あ、璃乃さん! それと…、あ、先生、ショスコムさんにウィンディバンクさん! それと、春奈っち!!」 「おお、目が覚めたか真座利!」 「久しぶり、農円先生! 風邪は治ったんだね!」 「久しぶりだね、真座利ちゃん!」 「ショスコムさん、お久しぶり! まだその姿なんだね!」 「うん。とても気に入ってるんだ~」 「二回戦で命を落としたと柱石の旦那から聞いた時はショックだったぜ、真座利の嬢ちゃん!」 「ウィンディバンクさん、心配してくれてありがとう! イザドラさんとステイプルトンさんは元気?」 「まぁ元気だよ。嬢ちゃんの死を聞いた時は『嬢ちゃんと幽霊の連中の仇を討つ!』と言っていたよ」 「うわ~、ちょっとだけ顔見せに行けばよかったな~」 農円、ショスコム、ウィンディバンクが真座利との再会に喜ぶ中、春奈だけは真座利に声をかけようかかけまいかと迷っていた。そんな春奈を見て真座利が言った。 「春奈っち、久しぶりだね~」 「そ、そうですね、お久しぶりです……」 春奈はそう言って礼をした。 かつて春奈には霊感が無かった。しかし、二回戦においてカサブランカの能力を使ったことにより、二回戦以降、春奈にも幽霊の姿が見えるようになった。 故に、真座利の姿と声を認識していた。 真座利はそんな春奈を見て「へ~幽霊が見えるようになったんだ!」と喜んだが、春奈は浮かない表情をした。 「ん~、どうしたの? もしかして二回戦でのこと、まだ気にしてる?」 「は、はい。私がカサブランカを発現させなければ、貴方の友人である幽霊達が消えることも無かったし、貴方が命を落とすことも無かった…。私はとんでもない悪党です」 「いやいやいやいや、悪党ってそんな。別に春奈っちも慧ちゃんもわざとやったわけじゃあないんだから……」 真座利が慧の名前を出すと、春奈は「そうだ!」と声を上げた。 「慧さんは!? 慧さんは一体どこにいるんです!?」 「そうだ! 慧ちゃん大丈夫かな!? さっきネプティスさんにやられて、あっちの方へ吹っ飛ばされたんだ!」 真座利はそう言って慧が飛んでいった方向へ顔を向けると、そこには、服がビリビリに破れた慧が立っていた。慧の額からは赤い血が流れている。 「慧ちゃん!」「慧さん!」と真座利と春奈は叫んで、慧の側へ寄った。 「大丈夫慧ちゃん!? 額から血が出ているよ!?」 「大丈夫だ。心配ない」 「お久しぶりです慧さん! あの後真座利さんとはどうだったんですか!?」 「ああ、今では真座利が家に居候しているよ」 二人の問いに慧は答えると「ところで、あの三人は?」と璃乃に訊いた。 「ああ。あの三人は真座利さんの知り合いだそうで」 「どうも慧さん、安倍農円だ」 「ショスコム・ウィステリアだよ」 「ウィンディバンクだ」 璃乃の時と違い、三人は慧を睨みつけるような目で見つめた。やはり自分は恨まれているかと慧は思い、「私は二回戦で勝利した阿須名慧といいます」と言うと、三人に頭を下げた。 「迷宮電器店の幽霊達を消滅させ、さらに、真座利を見殺しにしてしまって、すいませんでした」 「…………」 「…………」 「…………」 「言い訳をするつもりはありません。許してほしいと言うつもりもありません。ただ……」 慧が言っているところへ、三人が口を開いた。 「わざとではないのは俺達も分かっている。」 「悪気があってやったわけじゃあないんだよね。それは分かるよ」 「ただ、消滅させた幽霊達は戻ってこないぞ。それについてはどう責任を取るつもりだ?」 ウィンディバンクがそう言うと、真座利は一瞬悲痛な顔をした。そんな真座利を見て慧は「責任を取る方法はあります」と言った。 「えっ?」と真座利が反応すると、「へぇ。それはどんな?」とショスコムが訊いた。 「それは後で分かります」と慧は言うと、「ところで、あのネプティスはどうなった?」と璃乃に訊いた。 「ネプティスさんは今、討伐部隊と戦っています」 璃乃がそう言ってネプティスと討伐部隊の方に顔を向けると、討伐部隊はネプティスの猛攻に苦戦していた。 「くそっ、なんなんだよあいつはッ!? 大勢でかかってるのに全然倒れねぇッ!!」 幻十郎は息を切らしていた。まさかあの女がここまで強いとは思ってもいなかった。 彼の周りには、ネクスト・アルカディアの攻撃をくらい、三名のスタンド使い達が気絶していた。 『エンヴィー』のスタンド使い、茜。 『テンポラリー・プレジャー』のスタンド使い、マルコ。 『イエスタデイ・エンパイア』のスタンド使い、畔上藍。 この三人はネプティスのスタンドに強い打撃を与えたのに、当の本人は全くダメージを受けていない。 この女は本物の化け物かと、幽霊の身でありながら幻十郎が思っていると、「まだまだぁッ!」と本結久良來は、リボンのスタンド『フィール・ソー・ムーン』で、ネプティスの右腕を縛る。 「この人は私が降星学園へ転入させるんです!! この可愛いスタンドを持っている人と、私は友達になるんですッ!!」 「いや、可愛いかあれ」と、幻十郎は心の中で突っ込んだ。 ネプティスは自分の右腕に巻き付いたリボンを左手で引っ張ると、そのまま久良來ごとリボンを振り回し、久良來を地面へ叩きつけた。久良來は血を吐いて気絶した。 久良來に続いてネプティスを襲ったのは、『フェイセズ・イン・ザ・クラウド』のスタンド使い、寿=ガブリエラ=コジョカルだ。 寿はネプティスの背後から接触し、ネプティスの体内の水分を自身のスタンドで吸い取り、ネプティスを干からびさせようとした。 この作戦は寿が考えたモノではない。遠見妃奈子が寿に教えたモノだ。 「あはは~。このひとをつかまえたら、きなこおねえさんにケーキをごちそうしてもらうのだ~♪」 寿は妃奈子にケーキをたくさんご馳走してもらうことを想像していた。しかし、その想像が現実となることはなかった。 背後に敵が近付いていることに気づいたネプティスは、瞬時に寿の右腕を両手で掴み、力一杯入れてへし折った。 右腕が折れた痛みに寿は絶叫する。 「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 「私の後ろヲ取ろ鵜など斗ハ、考え蛾甘井ゾ、餓鬼ガ!!」 ネプティスはそのまま寿の身体を片手で地面に叩きつけ、そのまま寿の細い身体を何度も踏みつける。 何度も、何度も、何度も、何度も。 「いやだ、いやだ、いやだぁッ!! いたい、いたい、いたい、いたいよぉッ!!」 寿は大粒の涙を流しながら悲鳴を上げるが、ネプティスは踏みつけることを止めない。 「幼い少女になんてことをッ!!」 『アストロ・ブライト』のスタンド使い、西獅子星司郎は小石を地面に置き、星座の形に並べた。小石で書いた星座は『ヘラクレス座』。ギリシャ神話に伝わる戦士・ヘラクレスを描いた星座だ。 ヘラクレスは真っ先にネプティスの下へ向かい、彼女の頭部に棍棒を振り下ろそうとした。が、棍棒の打撃はネクスト・アルカディアによって防がれた。 ネクスト・アルカディアはヘラクレスから棍棒を奪うと、その棍棒を星司郎へと投げつけた。棍棒は星司郎の身体に当たり、星司郎は気絶した。と、同時にヘラクレスも消滅した。 あれほど泣き叫んでいた寿も、気を失っていた。 討伐部隊として集められたスタンド使い達は決して弱くは無い。だが、悪夢の迷宮で睡眠学習し、自身のスタンドが成長したネプティスには敵わなかった。 幻、実、巡子、リリス、そして、他のスタンド使い達は、疲労困憊の状態となっていた。 「阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇、阿ーーー覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!!!」 高らかに笑うネプティスを見て、運営側の人間であるアイリーンと妃奈子、トカゲの異形で、かつ『オホス・デ・ブルッホ』のスタンド使い、ロロ・ロサーノは恐怖に震えた。 「こ、これだけのスタンド使いがいるのに……」 「全く歯が立たないなんて……」 「も、もうダメだ…。あんな奴に勝てっこないよ…。あいつは『邪神』だ。ボク達はあの邪悪な神に服従するしかないんだ……」 慧がネプティスに苦戦するスタンド使い達を見て、「成程。彼女のスタンドは進化そのものってことか」と言うと、璃乃は「はい」と答えた。 「ネプティスさんのスタンド、ネクスト・アルカディアの能力は『敵の能力に合わせて進化する』能力なんです。ですが、彼女もスタンドも姿が変貌するなんて。敵の能力に合わせて進化してるとは思えない……」 「おそらく、悪夢の迷宮で成長し続けた結果、スタンドの能力が『敵を倒すたびに進化する』能力へと変化したんだろう」 二人がそう会話していると、真座利も話に入ってきた。 「でも、あれって進化とか成長とかって言えるのかな? どう考えても突然変異にしか思えないんだけど」 「変異であっても進化は進化だよ」と慧は言った。 「でも、彼女を見て倒す方法は思いついた」 「えっ、それ本当!?」 「一体どうやって!?」 真座利と璃乃が訊くと、慧は、 「それに答える前に、真座利の友人である迷宮電器店の亡霊達…。それを消滅させた責任を取って『幽霊達を復元させる』」 と言った。 真座利、農円、ショスコム、ウィンディバンク、春奈の五人は驚いた。 「ふ、復元させる!?」 「そんな馬鹿な!?」 「消滅したモノを元に戻すだなんて、出来っこないよ!」 「そんなことが出来たら、それこそ奇跡だ!」 「本当に…できるんですか?」 「そのためのスタンドだろう」 慧はそう言うと、『アイス・エイジ・4』を発現させた。 アイス・エイジ・4は以前の姿とは違う、水色のレオタードを着た、グラマラスな女性の姿へと変わっていた。 「綺麗…」と真座利は声を漏らした。 「私のスタンド『アイス・エイジ・4』もネプティスのスタンドと一戦交えたことによって、身体の皮膚が全て剥けて成長した。そして、ここにいるスタンド使い達がネプティスの方に目を向けている間、成長した自分のスタンドの能力を試した。すると、一回戦で消滅させた『水』と、二回戦で消滅させた『スマホ』が復元された」 「じゃあ、慧さんのスタンドも、成長したことで変化した…?」 「そう。私のスタンド『アイス・エイジ・4・ミッシングリンク(堂々とまかり通るご都合主義)』の能力は、『一回消滅させたものを復元する能力』だ」 慧がそう言うと、アイス・エイジ・4・ミッシングリンクは両手を前にかざした。 「アイス・エイジ・4・ミッシングリンク。二回戦で消滅させた五体の幽霊達を復元しろ」 アイス・エイジ・4・ミッシングリンクの両手から、まばゆい光が放たれる。その数秒後、五体の異形の幽霊達が光の中から現れた。 ツチノコの異形・無来檻。 ハリセンボンの異形・無理条変太。 豹やライオンなどの肉食動物の異形・増暮儀式。 ゾウの異形・報道院帝都。 タコの異形・刈出部算任。 真座利は一筋の涙を流した。あの時消滅した五体の幽霊達が、再びこの世に甦ったのだ。 「あ、あれ?」 「俺達は一体何を…?」 「ていうか、ここ何処?」 「高層ビル出ないことは確かだゾ」 「ここはあの世なのか? 我々は成仏したというのか?」 五体の幽霊達が困惑していると、真座利が泣きながら駆け寄ってきた。 「みんな~~!!」 「ま、真座利ちゃん!?」 「な、なんで泣いてるんだよ!?」 「というよりも、なんでパンダみたいな姿になってるわけ?」 「もしかして真座利。お前も…」 「命を落とし、幽霊になったと言うのか!?」 「うん。でも、嬉しい! こうやってみんなとまた会えるなんて、奇跡だよ!!」 真座利は涙を流しながら、迷宮電器店の幽霊達との再会を喜んだ。幽霊達は未だに状況が呑みこめないでいる。が、真座利の笑顔を見て、何故だか嬉しく感じた。 農円、ショスコム、ウィンディバンクの三人は、真座利と五体の幽霊達を見て、顔をほころばせた。 「良かったな、真座利」 「良かった。本当によかったよ」 「奇跡って、本当に起こるものなんだな」 刈出部は泣きじゃくる真座利の頭を撫でていると、対戦相手であるはずの慧と、立会人であるはずの春奈を見つけた。 「お、お前は真座利との対戦相手と立会人の…」 「阿須名慧といいます。こちらは元立会人の春奈・モーティマーです」 「ど、どうも。春奈・モーティマーです」 「こちらこそ。そんなことより、これは一体どういうことだ。二回戦は一体どうなったんだ?」 「その話はあとです。今は私に協力してください」 慧はそう言うと、ネプティスとネクスト・アルカディアのいる方へ指差した。 「私と共に、あのスタンド使いを倒してほしいのです。このままでは大勢の被害者が出てしまいます。…お願いします」 慧の真剣なまなざしを見て、刈出部は「わかった」と答えた。 ネプティスは自分が強くなっていることに実感を感じていた。 自分のスタンドは進化している。それと同時に、自分の身体も成長している。 全てを乗り越える力に、確実に近づいている。 ここにいるスタンド使い達を倒せば、自分はさらに強くなる。 そして、きっと出口へと繋がる扉が現れる。 その時こそ、自分が決勝戦へ進出し、このトーナメントを優勝することになるのだ。 ネプティスはヤドクガエルの異形の幽霊であり、かつ『ザ・ヴァ―ヴ』のスタンド使い、賀苅緋紋に近づいた。 「次ハお前陀、覚悟白」 緋紋は恐怖で身動き一つ取れないでいた。 ダメだ、こんな怪物に勝てるわけがない。 今の自分はさながら、蛇に睨まれたカエル。死の覚悟を準備する間も与えられずに、蛇に捕食される運命にある哀れなカエルだ。 自分もそんなカエルと同じように、こいつに蹂躙されるのだ。 ネクスト・アルカディアのイソギンチャクのような頭部の触手が、緋紋の身体に絡みつこうとしている。 「いやよ、いやああああああああああああッ!!!!」 緋紋が悲鳴を上げたその時、耳をつんざくような音が響いた。 ネプティスは悲鳴を上げて耳をふさぎ、ネクスト・アルカディアの触手が緩んだ。緋紋はその瞬間を逃さず、触手から抜け出した。 「な、なに、今の音!?」 「さっきの音はどこで鳴ったんだ!?」 「一体誰が鳴らしたんだよ!?」 スタンド使い達は口々に叫ぶと、向こうから慧、璃乃、真座利、農円、ウィンディバンク、ショスコム、そして、五体の異形の幽霊達がやってきた。 「け、慧さんに璃乃さん!? なんで来てるんです!! ここは危ないですから安全な場所へ避難しててください!!」 「と、というより、そ、その幽霊達は、な、なんなんです!?」 妃奈子とアイリーンがそう言うと、慧と璃乃は二人に言った。 「すいません。でも、ネプティスを倒す方法を思いついたんです。この五体の幽霊達は、私がかつてスタンドの能力で消滅させた幽霊です。さっき、成長した私のスタンドで復元させました」 「慧さんは復元させた五体の幽霊やスタンド使いの皆さんと協力して、ネプティスさんを討伐したいと言ったんです。お願いします、私達にもお手伝いをさせて下さい!」 「お願いします!!」 慧と璃乃は二人に頭を下げた。妃奈子とアイリーンが「う~ん」と唸りながら考えていると、『ディメンション・トリッパー』のスタンド使い、三船重兵衛が口を開いた。 「いいんじゃあないんですか? その慧という人が、ネプティスを倒す方法があると言うなら、俺達はそれに従うまでだ」 他のスタンド使いもうなづいた。妃奈子はため息をついて「仕方ないですね。わかりました」と言った。 「で、そのネプティスさんを倒す方法はなんですか? 教えて下さいよ」 「ふふっ、簡単です。ネプティス・アヌヴィッシュを倒す方法は……」 慧はネプティスの方へ向かうと、アイス・エイジ・4を発現させ、ネクスト・アルカディアの背中に生えている巨大な瘤を思い切り殴った。 「ただひたすらに、戦って戦って戦う! それだけだッ!!!!」 アイス・エイジ・4はそのまま拳の連打をネクスト・アルカディアに浴びせた。 「シュララララララララララララララララララララララララララララララララララララァッ!!!!」 アイス・エイジ・4がネクスト・アルカディアに攻撃する様を見て、妃奈子は頭を抱えた。 「ええええええええええええ~ッ!? そんな無謀な方法がありますか!! どんなに攻撃しても倒れなかったのに、さらに攻撃をしまくるなんて、無理ですよ~~!!」 「でも、それ以外に奴を倒す方法が無いというなら!!」 「とことんやるしかないでしょ!!」 泣き言を言う妃奈子を余所に、重兵衛や他のスタンド使い達はネクスト・アルカディアへと向かった。 重兵衛のスタンド『ディメンション・トリッパー』と、イェルズェラ・ムラージョのスタンド『ウォームハンド・コールドハート』が、ネクスト・アルカディアに拳の雨をお見舞いする。 「ディララララララララララララララララララララララララララララララァ!!!!」 「ムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラァ!!!!」 続いて、藤島六郎のスタンド『クレセント・ロック』が地面を殴り、そこから数本のロケットを生やす。 「クレセント・ロック、ロケット点火だ!!」 クレセント・ロックはロケットを点火した。点火された数本のロケットは、ネクスト・アルカディアへと向かって行った。ロケットはネクスト・アルカディアに命中した瞬間、爆発した。 「やったか!?」と六郎は声を漏らすが、ネクスト・アルカディアはまだ倒れてはいなかった。 「ドウ舌!? ソレ出御仕舞カ!?」 ネクスト・アルカディアの巨大な腕が、慧、重兵衛、イェルズェラ、六郎の身体を薙ぎ払った。四人が遠方へ吹っ飛ばされると、五百旗頭実が上着を脱いだ。実の腹部には、彼のスタンド『バロック・ホウダウン』が潜んでいた。 バロック・ホウダウンは実の「やれッ」の命令を聞いて腹部から飛び出すと、ネプティスの動きを止めようと強烈な光を浴びせようとした。 が、ネプティスはバロック・ホウダウンの光をかわして実に瞬時に近づくと、実の身体に飛び蹴りを喰らわせた。実の身体は、上半身と下半身に分かれ、地面に倒れた。 「ぐぅ…、無念だ…」 「軍人ヲ気取ってイテも、所詮こ乃程度カ!!」 ネプティスが実を見下しながらそう言うと、『クリスタル・ピース』のスタンド使い、新房硝子が「まだ終わってません!!」と叫び、左腕をネクスト・アルカディアに向けた。 ネプティスは硝子の左腕から何かが発射されると直感で見抜き、実を倒した時と同じように硝子に瞬時に近づいた。硝子はすぐさまクリスタル・ピースを発現させようとしたが、手遅れだった。 硝子の左腕の義手はネプティスの手によってもぎ取られ、硝子はネプティスに顔面を殴られた。脳を揺さぶられた硝子は、その場に崩れ落ちた。 「四人ともいくぞ、一斉攻撃だ!!」 「「「「おう!!!!」」」」 刈出部達五体の異形の幽霊は、同時にネプティスに攻撃を仕掛けた。 檻と無理条は右方向から超音波と毒針を同時に発射し、儀式と報道院と刈出部は左方向から近づいて、ネプティスを攻撃しようとした。 「誰陀お前羅ハぁ!!」 ネプティスはそう言うと、左方向から近づく刈出部達三人を蹴りつけて倒し、右方向から長距離攻撃を仕掛けようとする檻と無理条を、ネクスト・アルカディアで捕まえた。 ネクスト・アルカディアの巨大な手で掴まれた檻と無理条は身動きが取れない。ネクスト・アルカディアはそのまま檻と無理条を地面に叩きつけた。 「よくも皆を!!」 真座利はパンダの獣人に変化し、再びネプティスに襲いかかるが、ネクスト・アルカディアは左手で真座利の身体を叩き潰した。 真座利と刈出部達は幽霊だから死なないものの、再生には少々時間がかかった。 ネプティスとネクスト・アルカディアの、『快進撃』ならぬ『怪進撃』は止まらなかった。 『マイシクル・ティアーズ』のスタンド使い、桐木幻十郎。 『サンバ・テンぺラード』のスタンド使い、リリス・クド・カラオストロ。 『エリミネーター』のスタンド使い、八坂巡子。 『ザ・ヴァ―ヴ』のスタンド使い、賀苅緋紋。 『オホス・デ・ブルッホ』のスタンド使い、ロロ・ロサーノ。 彼らも懸命に攻撃したが、全員ネプティスによって倒されてしまった。 残るのは『フローレンス・アンド・ザ・マシーン』のスタンド使い、奏璃乃。『ヴァルハラ・ダンスホール』のスタンド使い、ショスコム・ウィステリア。 『カサブランカ』のスタンド使い、春奈・モーティマー。運営側の人間である遠見妃奈子とアイリーン・A・G・ノートン。 そして、普通の人間である安倍農円とウィンディバンクの七人であった。 ネプティスは璃乃達を見ると、クククと笑った。 「これ出残るハ七人…。コイツラヲ倒せ場、私はモットモット強くナル…、阿覇覇覇覇覇覇覇!!」 璃乃はそんなネプティスに向かってフッと鼻で笑った。 「それはどうかしらね?」 「…? 同言ウこと陀?」 「まだ貴方に倒されてない人がいるわよ」 璃乃はネプティスの後ろを指差した。ネプティスが振り向くと、そこには服がぼろぼろになった慧と半獣人の形態に戻った真座利、そして、迷宮電器店の亡霊達がいた。 「…魔だ生キテ板のカ」というネプティスに向かって慧は言った。 「ああ、生きているよ。それにしても、どうやらお前はこれだけの攻撃を受けながら、多くのスタンド使い達や幽霊達を倒したようだな」 「ソウだ!! 私ハこれ出さらに強い力ヲ手にいレルことが出来ル!! 何も加茂ヲ乗り越L力に又一歩近づクことがデキタンダ!! 次ハお前達を倒シテ、モットモット強くナルン陀!!」 そう言うネプティスに慧は「そうか」と言うと、「じゃあお前はもう終わりだ」と言い放った。 「オワリ陀斗!? 馬鹿メ!! ミロ!! 私乃スタンドが進化スル様ヲ!!」 ネプティスは自身のスタンドを指差した。慧達が目を向けると、異形の怪物の姿であるネクスト・アルカディアが、さらなる変化を始めた。 背中に生えた瘤が巨大な胴体へと変化し、そこにグロテスクな頭部と無数の腕と触手が生え、腹部には男女の顔が六つ現れた。 身体に付いていた眼球はさらに増え、元々の腕と脚はさらに太くなった。 皮膚の色もどす黒くなり、元のヴィジョンの面影は、全く見当たらなくなった。 真座利はさらなる異形へと進化したネクスト・アルカディアを見て「うわぁッ!! まるでファイティング戦士アベルの最終形態みたい!!」と言った。 そんな真座利に対し慧は「そのネタ知ってる人あんまりいないだろ」とツッコミを入れた。 農円やショスコム、幽霊達も「う~ん」と頭を悩ませた。 そんな慧達を余所に、ネプティスは高らかに笑い声を上げる。 「阿覇覇覇覇覇覇覇覇!! タマゲタカァ~!? これ出私はサラナル成長ヲ遂げルこと蛾出来る!! 阿覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇覇!!」 ネプティスの身体がゴキゴキと音を立てて、変化をし始めた。アイリーンは恐怖した。もしかしたらネプティスもあのような化け物へと変化するのではないか? そうなればここにいる人間は、皆殺しにされてしまうのではないか? 「い、いやあッ!! ま、まだ死にたくないぃッ!!」 アイリーンはそう叫んで頭を抱えてうずくまった。そんなアイリーンの頭を、慧は優しくなでた。 「安心しろ。あいつはもう『終わった』」 「お、終わった…?」 「ああ、見ろ」 慧はネプティスの方を指差した。 ネプティスは目・鼻・耳から血を流していた。 「なっ…!? コ、これは一体…!?」 ネプティスは突然の事態に戸惑うが、さらなる異変が彼女を襲う。 彼女の両腕と両足が、強い音を立てて折れたのだ。 「ぐ、ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!?」 ネプティスはその場で崩れ落ちた。 「えっ? こ、これは、どういうことなんですか?」 妃奈子がそう言うと、慧は黙って倒れているネプティスの方へ向かった。 ネプティスの身体は痙攣を起こしていた。 「なっ…、腕と…足が、折れて…。な、なんで…?」 自分の身体の異変に何が何だか分からないでいるネプティスに、慧は倒れている彼女を見下ろしながら言った。 「簡単なことだよ。君のスタンドが相手を倒して『進化』した分、君の身体も成長した。そして、あのスタンドが更なる進化を遂げた瞬間、君の身体は成長に耐えきれず、『限界を迎えた』んだよ」 「げ…限界?」 「そうさ。君のスタンド『ネクスト・アルカディア』は、夢の迷宮で進化し続けたことで『敵を倒せば倒すほど進化する』能力へと変わっていた。おそらく、その分本体の身体も成長する特殊な能力に変化したんだろうね。きっと、夢の中では君と君のスタンドは無限に成長して、見るに堪えない姿になっていたんだろう。でも、現実の世界ではそうはいかない。夢の中では無限に進化し成長を続けることができても、現実の世界では必ずその進化に限界が来る。君は夢と現実の区別が付かないまま、スタンドを使い続けて進化させていった結果、身体が成長に追い付けなくなり、自滅したというわけさ」 慧がため息をつくと、璃乃が話の交代をした。 「真座利さんがさっき言っていた、『ファイティング戦士アベル』の話と似てますね。あの話の主人公であるアベルは、次から次へと現れる強大な敵との戦いに備えるため、過酷な修行を重ねた結果、人間の面影も見当たらない異形の怪物となってしまった。あなたは『全てを乗り越える力』を手に入れるためにスタンドを戦わせて進化させていった結果、自らの破滅を招いた。でも、あなたはアベルのような怪物にならずに済んだ。もうあなたの戦いはこれで『終わった』のよ」 この璃乃の言葉をネプティスは受け入れることができなかった。 「『終わった』ですって…? まだ、まだよ!! まだ私は終わってなんかない…!!」 ネプティスは倒れた身体を何とか起き上がらせようとするが、身体の中で胃と腸に激痛が走った。 「あああああああああああああああああああああッ!!!!」 ネプティスは更なる悲鳴を上げた。慧はそんなネプティスの胸倉を掴むと、 「いい加減にしろ。お前はただの『負け犬』だ。夢と現実の区別が付かないまま、『自分はまだ負けていない』と見苦しく喚き散らす、弱くて哀れな『負け犬』だ」 と言い放ち、掴んでいた胸倉を離した。 ネプティスはその場に崩折れると、自分はトーナメントで敗退したこと、自分はもう全てを乗り越える力を手にすることができないこと、そして、自分はみずぼらしい『負け犬』であることを悟り、 「……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」 涙を流して、泣いた。 「ねえ? あんなこと言っちゃって大丈夫なの?」と真座利は慧に訊いた。 「いいんだよ。夢と現実の区別が付いてなくて、かつ、自分はまだ負けてないと言い張る人間には、これくらい言わなきゃわからない」 慧は冷たく放つと、妃奈子に目を向けて言った。 「あなたは確か、討伐部隊のリーダーでしたね」 「は、はい!」 「もうネプティスさんは再起不能だ。どこか病院へ連れて行った方がいい。両手両足の骨が折れていて、多分内臓もダメージを受けていると思うから」 「わ、わかりました!!」 妃奈子はまだ動けるスタンド使い達と共に、ネプティスを担いで公園の外へ連れ出した。 その際、動けるようになった幻十郎は「オラッ! キリキリ歩けッ!」と言って、ネプティスのお尻を蹴飛ばし、ロロは「や~い! ざま~見ろ~!」と舌を出してネプティスを馬鹿にした。 それを遠目から見ていた檻と農円は、「……嫌な人達」「さっきは怯えてたくせに、調子のいい幽霊共だ」と、呆れた顔で言った。 慧は長いため息をつくと、璃乃の目を見た。 「それじゃあ、さっきの戦いの続きを始めようか」 「…………」 慧の言葉を聞いた真座利達は「えっ!?」と驚いた。 「いやいやいやいや! 慧ちゃんはまだ身体にダメージが残ってるんだよ!? まだ戦いを続けるつもり!?」 「ああ。ネプティスさんの件は解決したが、私と璃乃さんの戦いはまだ終わってない」 「…………」 璃乃は黙っていた。慧は璃乃を見て話を続ける。 「あなたのフローレンス・アンド・ザ・マシーンは、香りを作り出す能力。最初のように入眠作用のある香りを私に嗅がせれば、貴方の勝利となる。だけど、私の今の身体はネプティスさんの攻撃を受けて、あちこちがズキズキと痛んでいるんだ。生物の身体に張り巡らされている神経で、脳が素早く感応するのは痛覚神経。身体中に痛みが走っていれば、当然脳は痛みを素早く感知し、他の感覚は鈍く感知してしまう。私は現在そんな状況だから、嗅覚は全く通じない」 「…………」 璃乃は何も言わずに、フローレンス・アンド・ザ・マシーンを発現させた。慧もアイス・エイジ・4・ミッシングリンクを発現させる。 「そうなると、貴方は最初の時と同じように、スタンド同士での殴り合いで勝負しなければならないが、成長した私のスタンドに、貴方のスタンドが到底勝てるとは思えない」 「…………」 「さらに、アイス・エイジ・4・ミッシングリンクは、貴方が投げた入眠作用のある香りを放つ小石を復元することもできる。もしそれを復元し、あなたにそれを嗅がせれば、貴方は眠りについて再起不能となるだろう。つまり、今のあなたに勝機は『一つも無い』んだ」 「…………」 「この勝負、私の勝ちだ」 アイス・エイジ・4・ミッシングリンクがフローレンス・アンド・ザ・マシーンに向かって拳を振り上げた瞬間、慧はその場に座り込んだ。アイス・エイジ・4・ミッシングリンクも姿を消した。 璃乃と真座利は慧が座り込んだことに、目を丸くした。 「……と、言いたいところだけど。残念ながら私はネプティスさんのスタンドに受けたダメージで、もう喋れることしかできない。さっきまではなんとか身体を動かすことができたけど、もう限界みたいだ」 「げ、限界って…、じゃあ」 「そうさ真座利。私はこの試合を放棄する」 「え~~!! 慧ちゃんはそれでいいの!? もう少しで夢が叶うんだよ!?」 「よしんば身体をまだ動かせて、璃乃さんを倒せたとしても、後々後遺症が残ったら、夢が叶っても嬉しくないよ。現に、真座利に噛まれた際の肩の傷、まだ痛むんだよ」 「あ~、それはごめん。勢いでつい噛む力を入れすぎちゃった…」 「いいさいいさ。優勝できないのは残念だけど、真座利と違って私はまだ生きている。自分の夢はゆっくりと叶えるさ」 そういう慧に璃乃は「ふざけないでください」と言った。 「私は先の二回戦で『リスクを負う覚悟』をして勝ち進んだんです。私はさっき貴方に重傷を負わされることを覚悟して、何とか勝機を作ろうとしていた。なのに貴方はそんな私の覚悟を無碍にした! 試合放棄をして、貴方は本当に納得してるんですか!? 私は到底納得できない」 璃乃の言葉に慧は微笑みながら答えた。 「納得できなくてもいいじゃあないか」 「えっ?」 「リスクを負う覚悟をしなくても、勝負に勝つことだって稀にあるってことさ」 「そんな…。そんな、棚から牡丹餅が落ちてきたみたいな勝ち方なんて…」 「そういうものさ。人生ってのは」 慧は璃乃に言うと、立会人であるアイリーンの方を向いて「そういうことでいいかい、アイリーンさん」と言った。 アイリーンはあたふたしながら、 「は、はい! こ、今回の決勝戦は、あ、阿須名慧さんの試合放棄により、か、奏璃乃さんの勝利とします!」 と高らかに言った。 深夜0時35分。 璃乃達は四季の町公園の近くにある総合病院にいた。 総合病院には、ネプティス・アヌヴィッシュや、重傷を負った討伐隊のメンバーも担ぎ込まれた。 そして、傷を負っていない者や、幽霊達もやって来たため、病院の中はまるで宴会のようなにぎやかさであった。 璃乃は慧、真座利、農円、ショスコム、ウィンディバンク、春奈、そして、迷宮電器店の幽霊達と共に広い病室の中で語り合っていた。 刈出部はため息をついて肩を落とした。 「そうか。真座利は二回戦で命を落とし、我々も慧さんに一度消滅させられたのか……」 「あの時は本当にすいませんでした」 「私達はてっきり貴方達のことを幽霊だなんて思ってなくて……」 慧と春奈は幽霊達に頭を下げた。 檻は二人に「まあまあ、そんなに気にしないで」と言った。 「私達だって二回戦の記憶は途中から消えちゃってるし」 「そうそう。気づいたら四季の町公園にいたからなぁ」 「私達は何が何やら、分からなかったわよ」 「ここで詳しい説明を聞いて、状況は呑みこめたがな……」 「しかし、これで我々の望みも叶わぬことに……」 幽霊達は深いため息をついた。真座利は幽霊達を見て悲しくなった。そんな時ショスコムが口を開いた。 「大丈夫だって! 迷宮電器店は僕が大金払って買い取ったからさ」 「買い取った…、ああ、確かショスコムさん、一回戦が終わった後、私とそういう約束したっけね」 真座利が思い出すと、慧が訊いた。 「でも、ちゃんと買い取ることができたんですか? ただでさえ、蒼き清浄なる世界のために、暴力団やマフィアをこの世界から排除しようと声高に叫ぶ潔癖症な連中が多いご時世なのに」 「大丈夫大丈夫。K山市の市長をはじめとしたお偉いさん方とは、きちんと話をつけてきたから」 「話って、まさか拳銃を突きつけて……」 「違う違う。僕の組織に所属している女の子達をバニーガールにして、大人の接待をしてあげたんだよ。もちろん、僕もこの姿で接待したんだよ」 「大人の接待…」 慧、真座利、農円、檻、儀式、報道院、刈出部は顔を真っ赤にした。 璃乃もショスコムの話を聞いて、顔を赤らめた。 なんということだ。世の大人達というのは、女の色香で陥落してしまうほどのダメ人間の集まりなのか。 もしや、衆議院や参議院選挙前の票集めも、裏でこんな酒池肉林が繰り広げられているのではあるまいな。 璃乃がそう考えていると、刈出部が咳払いをしてショスコムに言った。 「ということは、迷宮電器店は安泰なのだな?」 「うん。来年からアミューズメントパークに改装するための工事を行う予定だよ」 「やったー!! これで迷宮電器店は安泰だーー!!」 「「「いやっほーーーー!!」」」 真座利、檻、無理条、儀式は飛び上がって喜んだ。その際、天井を突き抜けて上の病室へ入ってしまったため、そこにいた入院患者が悲鳴を上げた。 「おい、そんなにはしゃぐな!! 他の患者に迷惑になるだろ!!」 「嬉しいのは分かるが、他の患者も入院してることを忘れるな!」 「もっと静かに喜べないのか!」 「周りに迷惑をかけてはならんと、いつも言っていたろう!」 農円、ウィンディバンク、報道院、刈出部が注意をした。真座利達は「す、すいませ~ん」と、四人と上の病室の入院患者に謝った。 「とはいえ、俺も真座利が慧さんの家で幽霊生活を送っていることがわかったし、今日は討伐部隊としてここに来て良かった」 「僕達は真座利さんの安否と、慧さんがどういう人なのかを調べるために参加したんだよね」 「幽霊の旦那達を消滅させた奴がどんな奴なのかを一度拝見して、もしどうしようもないクズだったら、イザドラとステイプルトンに代わってブチ殺そうかと思っていたが、礼儀正しい奴で良かったよ」 「皆さん、すいません。私が自分のスタンドを使ったことで、あんなことに…」 「いやいや、もう過ぎたことだ」 「過去のことは水に洗って、これから先のことを見据えながら、今日はゆっくりと語り合おうではないか」 「は、はい!!」 春奈は涙を流しながら笑顔で言った。 病室が笑い声で包まれていると、璃乃は病室の扉を開けた。 「どこへ行くんだい?」と慧が訊くと、「ネプティスさんのいる病室です」と答え、病室の外へ出た。 璃乃は病院の廊下を歩きながら、四季の町公園で立会人のアイリーンに、自分の、否、志保の叶えようとした願いを言ったことを思い出した。 「と、『トーナメントを終わらせたい』…ですか?」 「はい。これが私の、いえ、私の友人、菊谷志保の叶えたい願いです」 璃乃はアイリーンにそう言った。 「私は、このトーナメントが何のために行われているのか、何を最終目的としているのか、上層部でないから分かりません」 「でも、このトーナメントは明らかにおかしい」 「これまで数多くの死者を出しているのに、運営は平然としてトーナメントを続行させ、そして、一部の敗退者を『処理』している」 「さらに、これまでの出場者の中には、犯罪者や裏組織の構成員や幹部である人間もいた」 「志保は、こんな歪な企画を打ち立てている運営側に、一矢を報いようとしていたんです。『トーナメントに出場し、優勝して、このトーナメントを完全に終わらせたい』と、志保は私に語っていました」 「でも、その願いを運営上層部に知られてしまったのか、志保は粛清されてしまいました。私は志保の死を聞いて、大声で泣きました。そして、その後決意したんです」 「本来出場する予定だった志保の代わりに私がこの血を血で洗うトーナメントに出場し、優勝しよう。志保の『トーナメントを完全に終わらせる』という願いを実現させようって」 「だからお願いです! 今すぐ『トーナメントは二度と行わない。トーナメントは無期限休止にする』と、約束して下さい!!」 志保の言葉を聞いたアイリーンは「う~ん」と呻った。 「そ、そんなこと言われても、わ、私はどうすれば……」 アイリーンが悩んでいると、「みなさ~ん、お疲れさまでした~」と言いながら、妃奈子がやって来た。 アイリーンは先輩である妃奈子が戻って来たことに安堵して、「せ、先輩~」と近寄った。 「ど、どうしたの、アイリーン?」 「じ、実は、か、かくかくしかじかでして…」 アイリーンは右手に将棋の角の駒を、左手にシカのぬいぐるみを持って説明した。 「成程…、『トーナメントを終わらせる』ことが、璃乃さん、いや、璃乃さんの友人であった志保さんの願いだったというわけですか…」 「そ、そうなんです~。ど、どうしましょ~?」 「さあ、叶えるんですか、それともしらばっくれて叶えないのですか? はっきりして下さい」 璃乃がそう言うと、妃奈子はこう答えた。 「あなたがその願いをアイリーンに言わなくても、トーナメントは無期限休止になることが、既に上層部の会議で決定しました」 「えっ」 妃奈子の答えに璃乃は驚いた。 「無期限休止が既に決定したって…どういうことですか!?」 「いやですね。ネプティスさんが『自分はまだダンジョンの中にいる』と勘違いして、各地で大暴れしたせいで、多くの一般人や警察官が被害に遭ったんですよ。んで、ネプティスさんが指名手配されたと同時に、警視庁のお偉いさん方がネプティスさんのことを調べていくうちに、トーナメントの存在を嗅ぎつけてしまって、これ以上トーナメントを続ければ、警察もしくは政治家、はたまた自衛隊と全面戦争になる可能性が高くなったのです。運営側から犠牲者が出るのも嫌だし、トーナメント運営の存在が表沙汰になって、テレビや新聞で連日報道されるような大事件になるのを避けるために、運営上層部はトーナメントを無期限休止することを決めたのです。まあ、後一回くらいやる予定みたいですけれど」 「そ、そんな…。じゃあ私が決勝戦で勝っても負けても……」 「はい。志保さんの願いは無事叶えられたのです」 妃奈子ははっきりと言った。 「まあ、その願いが叶うきっかけとなったのは、運営側のヘボ新人とネプティスさんだったというのは、皮肉でありますけどね」 「それじゃあ私は一体何のために…、何のために…」 璃乃がその場に座り込むと、慧が璃乃の肩に手を置いた。 「いいじゃあないか。その願いは違った道のりだったけど無事叶ったんだし。志保さんもきっと喜んでいるはずだよ」 「…そりゃあ、願いが叶ったのは嬉しいです。でも、こんなことってないよ……」 璃乃は両目から涙をぽろぽろと流した。 その後、璃乃達は捕まったネプティスや重傷者達と共に、運営側が用意した車に乗り、近くの総合病院へと向かった。 璃乃は廊下を歩きながら思う。 確かに、自分の、否、志保の願いは違った形で叶えられた。でも、それは自分の力で叶えられたものではない。 様々な偶然が重なった結果、たまたま叶っただけにすぎない。自分は最後の最後で、きまぐれな偶然の女神に助けられたのだ。 『運も実力のうち』という言葉がある。しかし、璃乃はその言葉を否定する。 (あの戦いの本当の勝者は、自身の引き際を見極めることのできた慧さんだ。私はただ、自分の力を使わずに、偶然の女神におんぶに抱っこしてもらって、形だけの勝利を手に入れた、『敗者』だ。そんな敗者が出来ること。それは……) 璃乃が廊下を歩いていると、車椅子に乗った実が彼女に訊いてきた。 「そこの娘よ、ひとつ訊きたいことがある。迷宮電器店の幽霊達は今どこにいるか知っているか?」 「え? それを私に聞いてどうするんですか?」 「いやな。五年前、赤毛連盟というネット右翼の集団が狼藉を働いたことを、日本男児として謝罪したいのだ」 赤毛連盟が引き起こした事件は、璃乃も知っていた。 「そうですか…。それなら、その幽霊達は慧さんの病室にいますよ」 「そうか。教えてくれて、感謝する!」 実はそう言って、車椅子を高速で動かし、慧の病室へと向かって行った。実を目で見送った璃乃は、目的地へと向かう。果たして、そこに着いた。 璃乃が向かっていた場所は、ネプティスがいる病室だった。その病室の扉の前に、眼鏡をかけた女性が立っている。新房硝子である。 「すいません、あなたはたしか…」 「ああ、さっきはどうも。新房硝子です」 「こちらこそどうも。あなたもネプティスさんに用があって来たんですか?」 璃乃の問いに硝子は「はい」と答えた。 「私、ネプティスさんと話がしたいんです。私は彼女の『全てを乗り越える力を手に入れたい』という気持ち、良く分かるんです。私も『強くなりたい』と思ってましたから……」 「そうですか。でも、ここは私と彼女二人だけにしてくれませんか? 私、今回のトーナメント二回戦で、彼女と会ったんですよ」 「えっ、そうだったんですか?」 「ええ。だから、今夜は彼女と色々話がしたいんです。落ち込んでいる敗者を慰められるのは、あの試合の本当の勝者である慧さんではなく、本当の敗者である私ですから」 「そうですか…。なら、私はお邪魔ですね。いいですよ、先に入っても」 「ありがとうございます」 硝子に礼を言うと、璃乃は病室の扉を開けた。病室には、ベッドの上でネプティスがまだ泣いていた。 「うああああああああああ……あああああああああああああッ!!!!」 璃乃はそんなネプティスの頭を撫でた。 「ほら。もう泣かないでください」 「うああっ、あ、あなたは……」 「また会いましたね。奏璃乃です」 璃乃の顔を見ながら、ネプティスは涙と鼻水を垂れ流す。 「璃、璃乃さん…、わ、わたし、私は……!!」 「いいの。もういいのよ」 璃乃はネプティスの涙と鼻水を拭きながら、彼女の身体を抱き寄せた。 「今日は飽きるまでいっぱい話をしましょう。あなたの話を、私に聞かせてちょうだい」 ★★★ 勝者 ★★★ No.5405 【スタンド名】 フローレンス・アンド・ザマシーン 【本体】 奏 璃乃(カナデ リノ) 【能力】 様々な「香り」を生み出す オリスタ図鑑 No.5405 < 第16回:決勝② > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ トーナメントとは? 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■印象 ■イメージワード ■歴史 ①デザイナーはジョン・ガリアーノ(John Galliano) 本名:ホアン・カルロス・アントニオ・ガリアーノ(Juan Carlos Antonio Galliano) 1960年11月28日 スペイン・ジブラルタル生まれ。 自他ともに認める天才。クリスチャン・ディオールのデザイナーも務める。 John Gallianoは彼のオリジナルブランド。 パリのモエヘネシーグループ(LVMH Mot Hennessy)が総括。 ②ジョン・ガリアーノ(John Galliano)は1960年、イギリスの植民地、ジブラルタル生まれ。本名はホアン・カルロス・アントニオ・ガリアーノ。父親はジブラルタル出身でロンドンで配管工を営む。母親はスペイン人。6歳でジブラルタルから父の働いていたロンドンに移住。 ウィルソングラマースクールを卒業後、セントマーチンズのテキスタイル科入学(途中テキスタイル科からモード科に移籍)。84年、セントマーチンズのモード科を首席で卒業。卒業制作のコレクション「アフガニスタンとヨーロッパの理想」がロンドンのサウス・モルトン・ストリートのブティック「ブラウンズ」のショーウィンドウを飾り、好評を呼んだ。 これがきっかけで、ブティック「ブラウンズ」のジョーン・バーンスタイン(Joan Burstein)がガリアーノと5年契約を結ぶ。デビュー当初はジャケットをボトムに使った「さかさまの服」、ジャケットを逆さまにそして裏返しにしに着たデザインなど、アヴァンギャルドさが話題を集めた。 85年、ロンドンコレクションでデビュー。 当初はデリケートなバイアス・カットガウンと、オーダーメイド・スーツは人気を博した。 しかしその後は必ずしも順風満帆な出だしではなかった。投資者とデザインの問題でトラブルを起こしたり、あまりにも革新的過ぎて「売れない服」という烙印を押されたりした。当時、ファッションの主流はグランジとミニマリズムで、対して50年代風の華やかなテーラリングにこだわり続けたガリアーノの服は「売れる服」という意味では受けが悪かった。資金難でコレクションを開くことができなかったこともあるという。しかしその手法・創造力は高く評価されており、後にジバンシィのデザイナー抜擢に繋がることとなる。 89年 A/Wパリ・オートクチュール協会の招待でコレクションを発表。 91年 パリ・コレクションの正式メンバーに加入。コレクションの発表の場をロンドンからパリに移す。 パリに移ってもロンドン同様に資金難で友人の家で寝泊りしながら、何度も断られながらも何度も投資家に頭を下げて資金の工面に走っていたと言う。また生地が買えず、作品数は17着、黒の生地のみなのですべてカラーは黒、モデルも有志で参加といったコレクションもあった。このようにして何とか苦難を乗り越え、90年代半ばにいよいよ転機を迎えることとなる。 95年 ユベール・ド・ジバンシィが1995-96AWオートクチュールコレクションを最後にジバンシィを引退。後任として、ガリアーノが96年S/Sからジバンシーのデザイナーに大抜擢される。LVMHが大抜擢する形ではあるが、この抜擢は始め大きな波紋を呼んだ。この年、3度目の「ブリティシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。 96年、ジャンフランコ・フェレの後を継いで、クリスチャン・ディオールのデザイナーに就任。 ガリアーノによるジバンシィは96S/Sと96-97A/W2回のみで、次期からはアレキサンダー・マックイーンがジバンシーのデザイナーに就任した。 97年S/S、オートクチュール・コレクションにからクリスチャン・ディオールのデザイナーとしてデビュー。 ガリアーノは現代版ニュールックを発表。胸を強調し、細いウエスト、スカートは現代風にミニになった。ちなみに、このときのテーマは「マサイ族」。この年、97年にも「ブリティシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。 (通算4度目) 現在ガリアーノの活躍もありクリスチャン・ディオールのプレタポルテ部門の売上げは驚異的に伸びている。
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第18回トーナメント:準決勝① No.7156 【スタンド名】 ディメンション・トリッパー 【本体】 三船 重兵衛(ミフネ ジュウベエ) 【能力】 触れたものを急加速させる オリスタ図鑑 No.7156 No.6579 【スタンド名】 アルファベティカル26 【本体】 八重神 宝(ヤエガミ ホウ) 【能力】 アルファベットが繋がって『単語』になったものに変化する オリスタ図鑑 No.6579 ディメンション・トリッパー vs アルファベティカル26 【STAGE:冷凍倉庫】◆iL739YR/jk 「ごめんなさい…………ごめんなさい………………」 少女の亡骸に対して、八重神宝は謝罪の言葉を繰り返す。 泥の中を這いずるようにして、宝はその亡骸の元へと向かった。 握った手の平から伝わる冷たさを実感した宝は胸の奥からこみ上げてくるものをすべて泥の中に吐き出した。 ふと気付くと、すぐそばの泥の上に、見覚えのある封筒が浮かんでいることに気付いた。 震える手でその封筒を開くと………… ジリリリリリリリ! けたたましい目覚まし時計の音に八重神宝は目を覚ます。 「またこの夢か……」 そう呟くと、宝は汗ばむ自らの手のひらを見つめ、その温かさに現実を感じていた。 「さむっ!?」 重く堅い金属製の扉を開けると、とたんに冷気が全身を包み込む。 三船重兵衛は思わずその寒さを口に出す。 恐る恐る足を踏み入れると、背後の扉が大きな音を立てて勝手に閉まった。 「終わるまで出るな……ってことかな?」 重兵衛は大きなリュックを一旦その場に降ろし、目の前の机に置かれていたもはや見慣れた赤い封筒を手に取る。 そしてその封筒を開き、その中身に目をやる。 『三船重兵衛様へ。 優勝者トーナメント、2回戦への進出おめでとうございます。 それではこの試合の内容を説明させていただきます。 舞台はこの冷凍倉庫全域、勝利条件は相手を戦闘不能にすること。 途中棄権は認められず、制限時間終了までに決着がつかなければ引き分けとします。 それ以外に特にルールはなく、また勝敗が決するまで立会人が干渉することはございません。 尚、制限時間は…………』 重兵衛がそこまで手紙を読んだとき、机の隣に並ぶ冷凍庫の扉が静かに開いた。 「……グレッグさん!?」 重兵衛は手紙を落とし、慌てて冷凍庫から倒れ込んだ男性へと駆け寄る。 冷たい床に落ちた手紙。その文章の末尾はこう締めくくられていた。 『尚、制限時間は冷凍庫に眠る方の命が尽きるまで。 それではどうぞ最後まで、凄惨な死闘をお楽しみください』 「まだ脈はある…けど…弱弱しい。体温も下がり切ってる……」 重兵衛は閉ざされた倉庫の扉に向かって拳を振りかざす。 「『砲弾(キャノン)』っ!!」 「ディメンション・トリッパー」の能力により加速された拳を、何度も、何度も、皮が裂け、グローブの内側で血が滲もうとも叩き込み続ける。 「開けろよ! 俺の負けでいい!! 早くここを開けないと、グレッグさんが!!」 しかし、堅く閉ざされた扉は微動だにしない。 「(立会人のスタンド能力か……? 何があっても棄権はさせないつもりか……!)」 そのとき、重兵衛に向かい、猛烈な勢いで近づいてくる巨大な影。 「……対戦相手か!?」 額に『WALRUS』(セイウチ)と印されたその巨体が、与えられた命令そのままに突進してきた。 もう一人の対戦者、八重神宝は倉庫の隅に乱雑に積まれた荷物の影で息を潜めていた。 これまで、宝はトーナメントの多くを変則的なルールの試合で勝ちぬけてきた。しかし、いずれも強敵たち。真正面からのスタンドのぶつかり合いでは勝ちの目は薄かっただろうと分析していた。 (私の『アルファベティカル26』は、応用力だけはたいしたものだと自負してるんだけどね……やっぱり近間での戦いとなるとどうしてもスタンド自体の脆さと、思考時間込みの遅さがネックになる……!) アルファベティカル26は、確かに可能性こそ無限大ではあるものの、問題は『組みあがるまではなんの力も持たない』ということ。 発現し即攻撃、あるいは防御に移れる他のスタンドとは異なり、発現から単語として組みあがる行程を経て初めて有用な形を成す自身のスタンドでは、近距離での殴りあいは圧倒的に不利である。 (だからこそ、私はアルファベティカル26のもう一つの強みを活かす!) それは『戦闘をある程度アルファベティカル26に委任する』というものである。 アルファベティカル26により発現した生物は、基本的には本体の言うことに従う。 逆に言えば、それらの知性はあくまで『高度に調教された生物』というレベルであるということだ。 他のスタンドのように自分の手足のように動かすことは出来ないものの、それゆえにある程度自身で判断し、攻撃、防御が可能となる。 (幸い、私のスタンドの射程距離は10メートルや20メートルじゃあない! 本当は熊さんやライオンさんにやってもらうところだけど……ここは冷凍倉庫。寒さに強い動物の出番! 『対戦相手を死なない程度に戦闘不能にする』って言っておいたセイウチさん に任せて物陰から一方的に攻撃を仕掛けることだって出来る!) アルファベティカル26の群生型としての本体へのダメージのフィードバックが少ないという特性と、生物を生み出したときのみ適応される自立行動型のような特性、そしてこの身を隠す場所が多いうえに冷気で相手の自由を奪える冷凍倉庫という環境が噛み合い、宝のこの戦法を可能としていた。 「それで…どういうつもりですか…『血塵の(レッドミスト)モイスチャー』……?」 冷凍倉庫から遠く離れた高層ビルの屋上。 風を受け、一人で佇む紳士『血塵の(レッドミスト)モイスチャー』に向かい、ある男が話しかけた。 「来ていましたか。『沫坂』さん……」 「この試合はすぐに中止にすべきです。貴方もご存じの通り、我々は既に目をつけられている。事実、第2試合の会場には敵勢力が現れたとの報告が……」 「関係ありません」 レッドミストモイスチャーはそう断言すると、沫坂へ強い視線を向ける。 「このトーナメントは何があっても完結させなければなりません…それが…『あのお方』の意思です。貴方もご存じでしょう?」 「……」 黙ってしまった沫坂へと畳みかけるように言葉を続ける。 「貴方も『あのお方』の意思によって、この世界へ帰ってくることができたのでしょう? 邪魔をすべきではない。今なら1回戦の身贔屓は不問としましょう……」 「……断る!!」 沫坂は自らのスタンドを発現し、勢いよく飛びかかる。そして、その拳はレッドミストモイスチャーの顔面へと叩き込まれる。 「それが貴方の答えですか……」 レッドミストモイスチャーがそう呟くと、沫坂は既にその場から消えていた。 殴られたはずの顔面にも一切傷はなく、まるで初めからその場にはレッドミストモイスチャー一人しかいなかったかのような静寂が訪れていた。 「残念です……沫坂さん……」 「(時間がない……こうなったら全力疾走で突っ走るのみ!!)」 決意を固めた重兵衛は、腰を低く構え、自らに迫りくるセイウチの巨体に相対する。 「『砲弾(キャノン)』っ!!」 セイウチの顎先を狙い、アッパーカット気味に下から拳を叩き込む。 その勢いに思わずセイウチも仰け反る。 「『連射(マシンガン)』っ!!」 そして曝け出された腹部へめがけ、拳いっぱいに握りしめたベアリング弾を投げ込む! 無論、そのすべてが「ディメンション・トリッパー」の能力により急加速されている!! 「『砲弾(キャノン)』、『砲弾(キャノン)』、『砲弾(キャノン)』っ!!」 ダメ押しとばかりに拳の連打を腹部へたたき込むと、セイウチの姿は消え、W・A・L・R・U・Sの文字列へと戻った。 「セイウチさんがやられたか……」 距離を取り、隠れていた宝がスタンドへのダメージを感知し、そう呟く。 敵の正体は掴めないが、恐らく『W・A・L・R・U・S』(セイウチ)が倒されたとなると、似たような特性を持つ冷気に強い獰猛な動物を呼び出したところで結果は変わらないだろう。 「(となると……)」 宝は即座に次の単語を思い浮かべる。 『W・A・L・R・U・S』をベースに、違う角度からの攻撃手段…… 「……『V・I・R・U・S』(ウィルス)か」 ウィルスならば確実に対戦相手を戦闘不能に持ち込める。 その毒性によっては一瞬で死に至らしめることさえ容易だ。 「(これなら勝てる!)」 そう宝が思ったとき、その脳裏に浮かぶのはまた別のヴィジョン。 月明かりの下。泥にまみれた二人の少女。 「(いやだ…………死にたくない………………)」 宝は許しを請い、助けを求めようとするも、口から漏れるのは苦しい呼気のみ。 口の端から泡を吹きながら、宝は必死で這いずりながら後ろへ逃げようとするも、もう一人の少女はそんな宝の腹に容赦ない蹴りを受ける。 そして、その少女は宝へと向かうと、その首を両手で掴んで持ち上げた。 しかし、宝を持ち上げる少女の体の泥を雨が洗い流す。その無数の雨粒には『RAINS』の刻印が浮かび上がっていた。 宝は力なくすすり泣いている。 『RAINS』の文字列は『SARIN』へと変化し、少女の体を蝕み、そして、少女は毒に侵されて事切れていた。 「嫌だ!…嫌なんだぁ!!」 最早見慣れた、それでもなお忘れたい、いや、こんな事実は存在していない、ただの、そう、ただの悪夢。 その悪夢のヴィジョンがフラッシュバックし、宝は思わず大声で叫ぶ。 その声が消えたとほぼ同時、一つの小さな、小さな白球(BB弾)が彼女の額に炸裂し、宝は静かに目を閉じた。 「……『狙撃・改』(ニュー・オーダー・ライフル)……」 スコープを覗き、ボルトアクションライフル型のエアソフトガンを構えながら、重兵衛はそっと囁いた。 「結論から申し上げますと、リチャード・モイスチャーは『正規の』立会人ではありません」 コンクリートの壁に一人分の声が響く。 壁と、机と、黒電話と、幽かなノイズを発する蛍光灯しかない無機質な部屋である。 立会人の間で通称『電話室』と呼ばれるビルの一室であり、緊急の際に『運営』と連絡を取ることの出来る数少ない手段の一つでもある。 「今試合の立会人、リチャード・モイスチャー。試合では主に単純な武力による決着を好み、特に互いに死力を尽くしての死闘を好むため通称『血塵の(レッドミスト)モイスチャー』などと呼ばれている人物です。ただ…………」 電話口から顔を離し、不安に脈打つ動悸を悟られないように一つ深呼吸をする。 「我々沫坂班が、秘密裏に調査していたところ、トーナメント運営記録に改ざんの痕跡が発見されました……極めて巧妙に隠蔽されていましたが」 一切のレスポンスが帰ってこない電話口に向かって、努めて平静を装い淡々と報告を続ける『正規の』立会人____濱修治(はま・しゅうじ)____はその袖口で静かに額を拭った。 脇の下に嫌な汗をかいているのを感じながら、修治は心の中で舌打ちをする。 (……しまった、『極めて巧妙に隠蔽されていましたが』なんて付け加えるとは、まるでガキの言い訳じゃあないか) 稚拙な報告に嫌味さえ帰ってこない無言の電話が、逆に修治の焦燥を煽る。 「…………えー、それによると改ざんは外部ではなく内部から行われており、15時間前に首謀者と思われる人物『リチャード・モイスチャー』が発覚しました。我らが班長『沫坂』氏がすぐに現場へ向かいましたが……」 修治は一息つけ、言葉を続ける。 「我々、実働部隊が現地に到着したときには既に勝敗は決しており、回収できたのは極度の体温低下によって瀕死の重体となっていたグレゴリー・ヘイスティングス氏と、頭頂部へ強い衝撃を受けて気絶していた八重神 宝氏のお二人。 勝者である三船重兵衛氏から聞き取り調査を行うも、現場には立会人リチャード・モイスチャー、沫坂班長ともに姿を見せておらず、現在行方を捜索中でございます」 冷や汗が頬を伝う。 この場所を教えてくれた先輩立会人の言によると、何かレスポンスが返って来るまで決して電話を切ってはいけないという。 電話を切るとどうなる? などと聞ける雰囲気ではなかったが、今それが分かった気がした。 電話を切ろうにも、あまりの緊張に受話器と手がまるで一体化したように、それを掴んで放せない。 それからどれだけ経ったのだろう。 老人のような、少年のような、奇妙な声色で電話越しにその相手は一つだけ尋ねてきた。 「…………『沫坂』とは誰のことだ?」 「はっ……? 我々の班のリーダーの……」 「君が『濱班』のリーダー、『濱修治』だろう?」 「……!? ……はい……」 「………………報告、ご苦労」 その言葉を聴き、ほとんど反射的に叩きつけるように受話器を置いた。 痺れ始めた手足だけが、時間経過を物語っていた。 何かに追われるようにそのビルを後にし、妙に興奮した感情を抑えようと街をそぞろ歩く。 「(忘れろ…深入りすべきじゃない。どうせ後1試合で、この企画も終わりだ……)」 そう自分を言い聞かそうとするも、なお、胸の騒めきが収まることはなかった。 ★★★ 勝者 ★★★ No.7156 【スタンド名】 ディメンション・トリッパー 【本体】 三船 重兵衛(ミフネ ジュウベエ) 【能力】 触れたものを急加速させる オリスタ図鑑 No.7156 < 第18回:準決勝② > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ トーナメントとは? ] [ オリスタwiki ]
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お疲れ様です。 いつもすっごくお世話になっています。 ありがとうございます。 95の気術っぽいのが出たんで報告させて頂きます。 名称 :キーボード 種別 :武器 分類 :覇者キーボード (肩に掛けて演奏できる、小型の電子鍵盤楽器です。) 設定 :一般的な形状のキーボード。 装備部位 :両手 レベル :96 イニシアチブ :67 攻撃力 :86/143/211 装備可能ジョブ :フリッカースペード,真フリッカースペード 入手場所 :ゴーストタウン「<忘却博物館>エンドレスメビウス」 ついでに15系のアクセがまだっぽかったんで 名称 :腕輪 種別 :アクセサリー 分類 :腕輪 (腕につける装飾品です。) 設定 :一般的な形状の腕輪。 レベル :94 修正値 :15/0/1 入手場所 :第198回学園黙示録 既出ならすみません これからもよろしくお願いいたします -- (名無し) 2011-01-27 23 38 52 名無しさん、属性、並びにアクセサリの情報、ありがとうございます。 早速、該当ページに反映させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-01-28 21 51 56 いつもお世話になります。 今回は確認です。 来訪者「ナイトメア」の項目にある『ナイトメア ビーストの組織「最悪の最悪(タルタロス)」』 ですが、説明文を読む限り『バビロンの獣』のこと のように思えるのですが(揺り籠の君に率いられる、 聖杯戦争で交戦、生き残りが独自の活動をするなど) この項目がもし『バビロンの獣』のことなら、『最悪 の最悪』の項目も別に立てた方がよいように思います。 -- (ルシア・バークリー) 2011-02-05 07 14 23 書き漏らしです。 『最悪の最悪』のひとりで能力名不明の「祭葉・蕾」 ですが、『ファイナルナイトメア』では「いやらしい 匂い」という称号(?)で登場していました。 これが能力名ではないかと思われます。 追記、お願いいたします。 -- (ルシア・バークリー) 2011-02-05 07 26 06 ルシア・バークリーさん、いつもご指摘やご意見頂き、ありがとうございます。 早速、該当ページの更新を行わせて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-05 16 52 41 ナイトメア関連の編集、おつかれさまです。 続けて、いくつかご指摘させていただきます。 まず、「組織としての遍歴」表の2011/01/24及び 2011/01/30で、ジャック・マキシマムとするところ がアレックス・ラインになっています。 それと、颯爽菱子の襲撃も表に入れておいた方がよい のではないでしょうか。 あと、『最悪の最悪』の一覧表で蕾の部分で表が崩れ ています。直された方がよろしいかと思います。 -- (ルシア・バークリー) 2011-02-05 18 38 54 ルシア・バークリーさん、再度のご指摘、ありがとうございます。 更新時のミスが多くて申し訳ありません… ご指摘頂いた箇所は、直ちに修正を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-05 21 47 05 wikiの管理・運営ありがとう。 こちらの情報にはいつも助けられているわ。 判明していない95属性が出たようなので、報告させてもらうわね。 名称:神主服 種別:防具 分類:黒夢伝承聖魔神主服 (神主が身につける、日本の伝統的な衣装です。) 設定:一般的な形状の神主服。 レベル:98 HP/CP:166/903 回避ボーナス:神秘 入手場所:ゴーストタウン「<北関東セメント工業>白き追憶」 シミュレーションと照らし合わせたところ、95CP属性「聖魔」だと思うわ。 既に出ている情報だったら、ごめんなさいね。 -- (淵叢・雹) 2011-02-11 01 15 07 淵叢・雹さん、属性の情報、ありがとうございます。 早速、頂いたデータを追加させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-11 21 16 17 初めまして、先ほど閲覧したのですがメガリス【ヤヌスの鏡(2)】ですがファイナルナイトメアで破壊されています。確認をお願いします -- (御剣・火影) 2011-02-11 23 22 22 御剣・火影さん、ご指摘ありがとうございます。 申し訳ありません。その部分の変更を忘れておりました… 直ちに修正を行わせて頂きたいと思います。 また何か気になる所がありましたら、ご指摘頂けると助かります。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-12 21 39 41 こんばんは。 メガリスのページの「発生中のメガリスゴースト」一覧 ですが、『さまよえる舵輪』は入れなくていいのでしょうか? 依頼では見かけなくなったとはいえ、GTでは健在です。 -- (ルシア・バークリー) 2011-02-14 02 15 09 ルシア・バークリーさん、何時も貴重なご意見、ありがとうございます。 「さまよえる舵輪」のメガリスゴーストに関してですが、 ゴーストタウンの特性上、そのメガリスゴーストが 「メガリス破壊後に出現した」のか、 「メガリス再生前に出現した個体が残存していた」のかを判断する事ができない事、 そして、「聖杯戦争」以降に「依頼での発生が確認されていない」事から、 発生中ではないという扱いにさせて頂いております。 今後、依頼での出現が確認できましたら、 その時に改めて「出現中」に表記を改めさせて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-14 22 56 15 いつもお世話になっております、GT「ヒーローは眠らない」に関しての報告です。 「第5工場北西区画」エリアの固定戦闘は、友軍ゴーストが生存していても発生します。 前のマップでメンバーの誰かが扉を開けるイベント後、2階控え室へ向かわずそのまま北西区画へ向かうことが条件のようです。 部屋のTVにも残留思念が1つ出現します。 またこの固定戦闘の後にあらためて2階控え室へ上がり、生存メンバーの会話イベント後に北西区画へ向かえば、 メンバー生存時の残留思念3つも取得可能でした。 何度も試したのでおそらく条件に間違いはないと思いますが、検証していただけると助かります。 編集お疲れさまです。 -- (風使い) 2011-02-16 00 37 44 風使いさん、貴重な情報、ありがとうございます。 こちらでも再現を確認しましたので、 マップ更新時に反映させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-16 22 17 27 こんばんは。 いつもお世話になっています。 攻撃力計算フォームで処刑鞭を計算した場合の報告です。 利手と逆手では「射撃(気魄)」と表示されますが、 結果欄には「射撃(術式)」と表示されます。 既出でしたらすみません。 -- (香月・風音) 2011-02-19 23 24 43 香月・風音さん、不具合の報告、ありがとうございます。 早速、修正させて頂きましたので、 また何かおかしな所がありましたら、ご指摘頂けると助かります。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-20 19 43 28 こんにちは、いつもお世話になっています。 GT「ヒーローは眠らない」で未登録の固有アイテムを拾ったので報告します。 名称:ジオセイバーロボ 分類:おもちゃ 設定:ジオセイバーの操る巨大ロボットの模型。予算の都合で本編未登場。 私のコレクションの「GTコレクション(一番下)」にも公開してあります。 既に出ている情報でしたら、失礼しました。 -- (時守・癒太) 2011-02-21 12 27 47 時守・癒太さん、固有の詠唱兵器に関する情報、ありがとうございます。 早速、データベースに追加させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-21 21 16 12 いつもお世話になってるわ。 レベル100の属性を拾ったから報告させてもらうわね。 名称 :女性冬服 種別 :防具 分類 :硝子魔骸天空女性冬服 (一般的な女性の冬服です。) 設定 :一般的な女性の冬服です。 レベル :100 HP/CP :495/589 回避ボーナス :気魄 入手場所 :ゴーストタウン「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」 計算してみたところ「天空」はレベル100のCP属性みたいね。 既出情報だったらごめんね。 -- (御剣光) 2011-02-24 21 11 19 御剣光さん、どうもありがとうございます。 早速、追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:古鷹成美) 2011-02-25 20 21 42 いつもお世話になっています。 Lv100属性をご報告致します。 名称 :輪廻打楽器 種別 :武器 分類 :輪廻神速打楽器 (タンバリンやカスタネット等、小ぶりな打楽器の形をした武器です。) 設定 :一般的な形状の打楽器。 装備部位 :片手 レベル :100 イニシアチブ :230 攻撃力 :190/59/159 装備可能ジョブ :フリッカーハート,真フリッカーハート 入手場所 :第206回学園黙示録 ご確認いただけましたら幸いデス。 -- (出雲崎夏野) 2011-02-27 23 16 38 出雲崎夏野さん、属性の情報、ありがとうございます。 早速、属性のページに反映させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-02-28 20 09 56 うっす!100属性みつけたぜーというわけで 報告!何時もサンキュな! 名称 :詠唱ライフル 種別 :武器 分類 :女神魔石詠唱ライフル (魔法の弾丸を射出する、ライフル銃です。) 設定 :一般的な形状の詠唱ライフル。 装備部位 :片手 レベル :101 イニシアチブ :95 攻撃力 :104/211/80 射撃攻撃力 :0/211/0 通常攻撃ボーナス :射撃(術式) 装備可能ジョブ :クルースニク,真クルースニク 入手場所 :ゴーストタウン「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」 -- (カイト・クレイドル) 2011-03-15 15 56 29 カイト・クレイドルさん、 こちらこそ、いつも貴重な情報をありがとうございます。 今回頂きました属性の情報も、 早速、反映させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-03-15 21 39 20 失礼、時限トップらしきものが出ているので報告するよ。 私が確認したのは15時40分頃。それより更新は早いだろうね。 以下、内容 画像:夜・森背景+「人狼十騎士」狼使いローラ ~ポーランド森林地帯・ローラの塔~ ここは、狼使いの森と呼ばれる場所にある、人狼騎士ローラの塔。 洗脳を解かれ、密かに銀誓館に味方する彼女には、万一に備え、幾人かの護衛がついていた。 「状況的に、銀誓館の学生が出入りする訳にはいかんからな」 スープの入ったコップを手に、螺旋剣ズィーベンがローラに話しかける。 「ありがとう、みんな」 「ローラは素直で可愛いですね。それに比べて」 「何でこっちを見るんですか、フォーヘンミアさん!?」 「アガテが可愛いのは、ガムテラの前だけですものね。残念です」 「な……! そ、それのドコが悪いんじゃボケェ!」 「まぁまぁアガテ、その辺にして」 小太りの男『時計騎士ガムテラ』は、この場にいる人狼騎士『狼使いローラ』『螺旋剣ズィーベン』 『麗しの月フォーヘンミア』『西風のアガテ』を見回した後、ズィーベンに話しかける。 「ところでズィーベン、十騎士の誰がいわゆる『異形』なのか、手がかりは無いのかい?」 「う~む。俺とローラ、アリスは除くとして……。確実に『異形』と判明しているのはカリストだけ、だな。皆と同じく、俺の過去の記憶は、ネジで改変されたものと考えるのが妥当だろう」 ヨーロッパ人狼騎士団を統括する『人狼十騎士』のリストを眺めながら、ズィーベンは唸る。 「何か手がかりがあれば、銀誓館の助けになるかと思ったんだけど、そう上手くはいかないか」 「まぁ、仕方がありませんね。……そういえばズィーベン、ヤドリギの村に顔は出しました? ラプンツェルさんがあなたを探しているそうですけど」 「む、どうにも、あの女人は苦手で……」 「いい人なのに」「意気地の無いひと」「バカな男ねぇ~」 第1席 大騎士長ビスマルク 第2席 無血宰相トビアス 第3席 清廉騎士カリスト 第4席 鈍色のシュルツ 第5席 背徳のラダガスト 第6席 紫煙公エリザベート 第7席 狼使いローラ 第8席 聖女アリス 第9席 水晶剣ルルモード 第10席 螺旋剣ズィーベン しかし、和やかな雑談は長くは続かなかった。 次の瞬間、一同は一斉に塔を飛び出し、森へと躍り出た。 塔の外から、尋常ならざる殺気を感じたからである……! ここまで 尚、第一席から第10席の名は表として横に挿入されていてカリストの部分が赤、ローラ、アリス、ズィーベン(状況的に異形ではない)が濃い青の帯になっている。 -- (風月・陽炎) 2011-03-17 15 56 46 済まない、続報だ。 確認時刻、15時58分 画像:夜の森+無血宰相トビアス(熊のパーカーの顔部分が脳味噌、腕は洗濯バサミのような詠唱兵器) ~ポーランド森林地帯・ローラの塔~ 「そ~れ、『グレイプニル』~♪」 そう言った『異形』の放った長い紐にローラは絡め取られ、引き寄せられてしまった。 『異形』が現れて1分足らず。瞬く間に、戦場は地獄と化していた。 殺気を感じ塔を飛び出したローラ達を待ち受けていたのは、自らが殺害した人狼騎士『先駆けのヴィッシュ』の首を持った、まさしく『異形』であった。 あどけない声で話し、クマをかたどった可愛らしいパーカーを着用した『少女』。 だが、パーカーに覆われた頭部は、その全てが『脳』であったのだ。 人狼騎士達が何かを問いただすより早く、『異形』は装備しているライフルを手に、圧倒的な力量差による殺戮を実行したのである。『異形』は、人狼十騎士第2席『無血宰相トビアス』と名乗った。 ライフルをおろし、トビアスが再び少女の声で言う。 「裏切るなんて駄目だよローラ~? 一緒に帰ろうね~♪」 既に事切れたズィーベンとフォーヘンミアの上で、ローラを抱えたトビアスが踊る。 「本当は吸血鬼とやりあうつもりだったんだけど、誰かさんのせいでフェンリルが足りないからね。 ギンセイカンが相手でも別にいいんだけど、とりあえず目の前のあいつら殺そ~っと!」 ライフルを生き残りのガムテラとアガテに向けたトビアスは、しかし意外な方向から反撃を受ける。 背後から突如現れた何者かが、剣でトビアスの後頭部を刺し貫いたのだ! 「「レオンハルト……!」」 「行け、ガムテラ、アガテ! 銀誓館に伝えるのだ!」 「『名も無き者レオンハルト』か、面倒だなぁ♪」 脳を刺し貫かれ、更にはローラを抱えたまま、人狼騎士レオンハルトと戦い始めるトビアス。 その僅かな隙を縫って、ガムテラとアガテは逃げ延びたのだった……。 ここまで -- (風月・陽炎) 2011-03-17 16 03 36 風月・陽炎様につづけて失礼いたします。トップ画像URLを取得いたしましたので参考までに。 時限1・狼使いローラ ttp //t-walker.jp/sr/img/sce/main/win_npc_62_70.jpg 時限2・無血宰相トビアス ttp //t-walker.jp/sr/img/main_ill7/main_26_tobias.jpg -- (風使い) 2011-03-17 16 08 36 風月・陽炎さん、風使いさん、貴重な情報をありがとうございます。 早速、追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:古鷹成美) 2011-03-17 18 57 49 いつもこちらの情報にはお世話になっているわ。 判明していない属性が出たみたいなので、報告させてもらうわね。 名称:氷炎絵筆 種別:武器 分類:禁忌無敵氷炎絵筆 (先端から氷と炎を出すこともできる、戦闘用の絵筆です。) 設定:一般的な形状の氷炎絵筆。 装備部位:片手 レベル:100 イニシアチブ:153 攻撃力:54/83/159 通常攻撃ボーナス:魔炎100,魔氷100 装備可能ジョブ:コミックマスター,真コミックマスター 入手場所:ゴーストタウン「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」 シミュレーションの情報と照らし合わせたところ、100レベル属性「無敵」(気術)になると思うわ。 -- (淵叢雹) 2011-03-18 00 59 35 淵叢雹さん、貴重な情報をありがとうございます。 早速、追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:古鷹成美) 2011-03-18 10 31 10 新しい情報の早い反映ありがとう、お疲れ様。 ゴーストタウン「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」 において、興味深い現象が発生したので報告させてもらうわね。 A.2階控え室のジオセイバーイベント発生 B.第5工場北西区画にてジオセイバーイベント発生 C.第5工場北西区画ジオセイバーの残留思念を獲得 D.その後、思念や戦闘終了時に入手する詠唱兵器は全て「Cで最後に取った思念に応じた種類」になる(TEなら武器、TSなら防具、TFならアクセ) 3回しか検証できていないけれど、その全てで上記現象が発生したわ。 -- (淵叢雹) 2011-03-19 02 04 21 淵叢雹さん、とても面白い現象の情報、ありがとうございます。 ボス戦後に同様の現象する事は確認できておりましたが、 他の残留思念などにも反映される事は確認できていませんでしたので、 早速、調査を行い、現象の再現性を確認でき次第、 内容の更新を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-03-19 20 57 37 こんばんわ、お尋ねがあってお手紙しました。 竜巻導眠符に、限界が書いてないけど、このアビは限界は無いのかな?誤植かな? 重箱の隅をつつくみたいで、ごめんね。 もし、本当に限界が無いのなら、ジョブチェンジしようかとも思ったもので。 -- (参九朗) 2011-03-29 17 20 34 参九朗さん、ご質問有難うございます。 確認を行いました所、当wiki内での表記が「誤っている」ようですので、 該当箇所の修正を行わせて頂きたいと思います。 この度はご迷惑をお掛けする事となり、申し訳ありませんでした。 -- (管理人:葉月玲) 2011-03-29 23 43 19 判明していない100属性が出たので報告するわね。 名称:魔道書 種別:武器 分類:神速邪神魔道書 (魔力を秘めた驚異の書物です。) 設定:一般的な形状の魔道書。 装備部位:両手 レベル:101 イニシアチブ:60 攻撃力:80/251/140 装備可能ジョブ:魔弾術士,真魔弾術士,コミックマスター,真コミックマスター 入手場所:ゴーストタウン「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」 シミュレーションの結果と照らし合わせると気神属性「邪神」と思われるわ。 -- (淵叢雹) 2011-04-01 17 36 35 淵叢雹さん、属性の情報、ありがとうございます。 早速、該当ページに追加させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-01 21 15 54 こちらのwikiにはいつもお世話になってます。 100属性が出たのでご報告に参りました。 名称:英雄和服 種別:防具 分類:英雄黒夢永遠和服(フォーマル) (羽織袴など、格式ある場で着用する和服です。) 設定:一般的な形状の和服。 レベル:101 HP/CP:468/682 回避ボーナス:術式 入手場所:バトルカーニバル211 既に既出でしたら申し訳ありません。 -- (周防すみれ) 2011-04-02 23 10 05 幸運度/裕福度の説明部分なのですが、情報の訂正をした方がよいと思います。 『「呪殺(幸運度で回避可能)」効果を持つ攻撃の回避率』 ↓ 『「幸運度で回避可能」効果を持つ攻撃の回避率』 今は、呪殺符に幸運度回避は付いていませんし、幸運度で回避するアビは バッドステータスのある範囲攻撃が主になっています。 アビリティの説明のところでも「幸運度で回避」の説明部分に「呪殺」の文字もないですし。 -- (水菜渡里) 2011-04-03 17 22 00 水菜渡里さん、ご指摘ありがとうございます。 申し訳ありません、ご指摘頂きましたように、 該当箇所の情報が古いままとなっていたようです。 早速、該当箇所の更新を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-03 19 44 13 初めまして、いつも利用させていただいてます。 『マヨイガ結社』についての情報です。(現時点での) ・結社の紹介文等に記載がない限り所属団員以外はその結社がどの地域の入り口を守っているか分からない。 (所属していると結社のキャッチフレーズの上に地域が表示される、友好団員すら見ることはできない) ・マヨイガ結社の団長が以前結社を運営したことがある場合、そのとき作った結社アイテムは自動で引き継がれる模様。 乱文、失礼しました。 -- (雛月朔) 2011-04-07 20 23 28 雛月朔さん、いつもご利用ありがとうございます。 マヨイガ結社に関する情報、ありがとうございました。 こちらで確認を行いました所、マヨイガ結社の「所在地」につきましては 「入団しておらず、友好も結んでいない状態」でも表示される事を確認しましたので、 これに関しては修正の上、記載させて頂きました。 また、結社アイテムに関しては、他の系統の結社でも可能との事でしたので、 こちらも併せて結社のページに反映を行わせて頂きました。 また何かございましたら、いつでもご連絡下さい。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-07 20 38 23 Lv100属性のご連絡をば ■ 名称 :蛇鞭 種別 :武器 分類 :囁き聖域根源蛇鞭 (良くしなる強靭な鞭で、遥か遠くまで伸ばす事が可能です。) 設定 :一般的な形状の蛇鞭。 装備部位 :片手 レベル :101 イニシアチブ :86 攻撃力 :70/221/124 射撃攻撃力 :0/221/0 通常攻撃ボーナス :射撃(術式) 装備可能ジョブ :霊媒士,真霊媒士,フリッカークラブ,真フリッカークラブ,ブロッケン,真ブロッケン 入手場所 :ゴーストタウン「<忘却博物館>エンドレスメビウス」 ■ 名称 :英雄高校女子夏服 種別 :防具 分類 :天罰無限英雄高校女子夏服 (銀誓館学園の高校生女子用制服(夏服)です。) 設定 :銀誓館学園の高校生女子用制服(夏服)です。 レベル :102 HP/CP :995/173 回避ボーナス :神秘 入手場所 :ゴーストタウン「<忘却博物館>エンドレスメビウス」 既出でしたら申し訳ございません。 ご確認いただけましたら幸いです。 -- (出雲崎夏野) 2011-04-10 00 53 51 出雲崎夏野さん、属性の情報、ありがとうございます。 早速、反映させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-10 15 09 49 こんばんは。 『マヨイガ結社』の所在地表示に関する追報です。 マヨイガ結社所属・友好状態が共に無い当方キャラ2名で確認した所、 キャッチ上の所在地表示がされる場合とされない場合がありました。 どうやら結社枠が全て埋まっているキャラでは表示されず、 枠がまだ余っているキャラでは正しく表示されているようです。 ここからは推測ですが、所在地表示の隣に入団ボタンが配置されているので、 所在地表示と入団ボタンの表示・非表示が連動してしまっているのかもしれません。 それでは、情報まで。 -- (通りすがり) 2011-04-11 18 51 34 通りすがりさん、貴重な情報、ありがとうございます。 特定の条件を満たしたキャラクターのみ表示されない… となると、仕様上の問題の可能性も考えられますので、 一度、公式に問い合わせを行い、確認をお願いしようかと考えております。 今回お寄せ頂きました情報は、返答があり次第、 マヨイガ結社のページに反映させて頂きたいと思いますので、 申し訳ありませんが、しばらくお待ち下さい。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-11 21 06 32 今更基本的なことを伺いたいのですが―― 結社の「規模」については、結社のページに 記載がないですよね? 公式の結社のところ にも載っていませんし。 できましたら、「規模」がどのような基準で 決まるのか調べていただけたらと思います。 -- (ルシア・バークリー) 2011-04-14 22 16 55 ルシア・バークリーさん、貴重なご意見、ありがとうございます。 お恥ずかしい話ながら、記載済みとばかり思い込んでおりました… 一部の例外を除いて、ある程度の法則性は掴めておりますので、 早速、更新を行わせて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-14 22 58 49 レベル100のHP属性を拾ったので報告させてもらうです。 名称 :レベル105最強女子スクール水着 種別 :防具 分類 :最強勇猛女子スクール水着 (銀誓館学園の女子スクール水着です。) 設定 :銀誓館学園の女子スクール水着です。 レベル :105 HP/CP :850/252 回避ボーナス :術式 入手場所 :ゴーストタウン「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」 確認宜しくお願いしますなのです。 -- (伊弉諾尊りおん) 2011-04-18 21 05 33 伊弉諾尊りおんさん、属性の情報、ありがとうございます。 早速、反映を行わせて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-18 21 16 49 連続投稿で申し訳無いです。 レベル100の「気術」属性も拾ったので報告させてもらうです。 名称 :詠唱マント 種別 :武器 分類 :武神詠唱マント (翻すと裾から幾本もの刃が飛び出す、戦闘用のマントです。) 設定 :一般的な形状の詠唱マント。 装備部位 :背中 レベル :101 イニシアチブ :50 攻撃力 :100/262/40 装備可能ジョブ :貴種ヴァンパイア,真貴種ヴァンパイア 入手場所 :ゴーストタウン「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」 確認宜しくお願いしますなのです。 -- (伊弉諾尊りおん) 2011-04-18 21 30 45 伊弉諾尊りおんさん、引き続きの情報提供、ありがとうございます。 こちらの属性も、早速、反映させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-18 21 52 46 特殊なキャラ作成で、複数人が希望をしていた時の抽選は、 そのシナリオを作成したMSに一任されているようです。 (緋翊MSの雑記参照) -- (水菜渡里) 2011-04-27 17 30 54 平素より此方の情報には大変ありがたく使用させて頂いております 報告が来ているだろうと思いつつも こちらで確認が取れたのでアクセサリーの修正値に関しての報告です 修正値「16」はレベル100からを確認しました GT産アクセサリーではなく屋上の強化から 16修正値作成が可能になりましたので それにて確認致しました -- (王仁丸六説) 2011-04-28 09 09 05 水菜渡里さん、特殊なキャラクターに関するメールの情報、ありがとうございます。 対応が遅くなってしまい申し訳ありませんが、直ちに反映を行わせて頂きたいと思います。 王仁丸六説さんは、新しいアクセサリの修正値の情報、ありがとうございます。 こちらも、早速、反映を行わせて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-04-29 00 38 10 いつもお世話になっております。 本日GTを探索したところ、一部ゴーストに関して アビリティの強化や仕様変更を確認致しましたので報告します。 ・「神岡鉄道切雲谷駅」の地獄車掌(合計戦闘力7497) 列車突入の命中率が◆となっており、64Lv成功も出ていました。 ・「<北関東セメント工業>ヒーローは眠らない」のインプラントマン(合計戦闘力9318) 超麻痺→超石化となっておりました。 地獄車掌に関しましては、命中精度ランクの存在しない敵ゴースト限定の措置かもしれません。 ほかのゴーストの▲アビについては未確認ですが、検証の上修正・加筆いただけると嬉しいです。 -- (風使い) 2011-05-10 20 26 17 風使いさん、ゴーストタウンに関する情報、ありがとうございます。 地獄車掌に関しては、神岡鉄道切雲谷駅「以外」の全てのゴーストタウンで、 命中精度が「▲」になっている事を確認しました。 神岡鉄道切雲谷駅でのみ、命中精度が向上している現象が見られますので、 一度、公式に問い合わせを行ってみたいと考えております。 インプラントマンに関しては、確認が出来次第、反映させて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-05-10 21 19 35 風使いさんへ 問い合わせを行いました所、 神岡鉄道切雲谷駅の地獄車掌のデータの修正を行った との回答を頂き、命中精度が「▲」になっている事を確認しました。 これに伴って、一時的に記述させて頂いております 神岡鉄道切雲谷駅でのみ命中精度が「◆」になる という記述を削除させて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-05-11 20 56 25 いつもお世話になっています。 某所で「特殊な状態異常」が発見され話題となっています。 こちらにもお伝えしておくべきと思い、ご連絡いたしました。 「このキャラクターは現在行方不明です……。」という 状態異常が数名に見られます。 Googleで上記の文章と「site t-walker.jp/sr」で検索 していただければ、見つかるはずです。 某所発の情報は扱われないのでしたら、この発言ごと削除 願えればと存じます。 -- (名も無き冒険者) 2011-05-24 20 42 01 名も無き冒険者さん、貴重な情報、ありがとうございます。 こちらでも該当状態のキャラクターの確認ができましたので、 隔離の一例として、追記させて頂きたいと思います。 -- (管理人:葉月玲) 2011-05-24 21 42 43 ~京都西陣~ 汝に手向けるは「葬」の一文字。滅せよ、黄泉還り! ……………………。 やれやれ、ようやく片付いたか。 それにしても、ここ数日の鳴子の騒ぎようは、一体どうしたことか。 まるで、「不滅の災い」が永き時を経て舞い戻らんとでもしているかのような……。 時限だと思われるので念のため。 -- (名無しさん) 2011-06-07 10 22 11 名無しさん、投稿ありがとうございます。 TOPが変更されておりますので、時限のようですね。 該当ページに追加させていただきますね。 -- (編集スタッフ:古鷹成美) 2011-06-07 13 28 13 いつもお世話になっております。 以前は、【組織・勢力】のページを作成して頂き、ありがとうございました。 ■以下が内容です。 本日、本物のIGCが届いたのですがIGCの裏面が、 漫画版銀雨の『イグノートゥスカード』の裏面と同じ渦模様でした。 何か意味があるのかなぁーと思ったので、投稿させて頂きます。 -- (吸血姫) 2011-06-20 00 27 09 吸血姫さん、投稿ありがとうございます。 コミック版の絵柄を2話、3話で確認しました所、 当方で所有しているイグニッションカードと同一の絵柄である事を確認しましたので、 コミック版との何らかの関わりがあるものでは無いのではないかと考えております。 また、現在進行中で連載中の作品である事と、 PBW上では情報がオープンになっていない事件である事。 そして、著作権保護の観点より、これまでのTRPGリプレイや小説版に習って、 当wiki上でのコミック版の取り扱いは、最小限とさせて頂きたいと考えております。 申し訳ありませんが、ご理解頂けますよう、お願い申し上げます。 -- (管理人:葉月玲) 2011-06-20 20 36 38 先日の依頼ではお世話になりました。 さて、今回はダブルフェイスについてです。 『憑き纏う刃』で死人嗅ぎにいつ反応が出るかを 調査していたところ、ゴーストの人格が出た直後に 反応があったように描写されています。 サンプルが少ないので断定は難しいですが、人間の 人格の時は死人嗅ぎに反応しないという特徴を持って いるのではないかと推定できます。 では、追記されるかどうかのご判断、よろしくお願い します。 -- (ルシア・バークリー) 2011-06-22 19 18 01 ルシア・バークリーさん、貴重な事例の報告、ありがとうございます。 ナンバードでも同様の事例が確認されておりますので、 ダブルフェイスに関しても、同様の事が言える可能性はあるものと思われます。 そのような事例があるという形で、掲載させて頂きますね。 -- (管理人:葉月玲) 2011-06-22 21 36 56 早速の反映、ありがとうございます。 続けて、運命予報士のことについて、いくつか追記 と要望です。 今回トビアスが漏らしていたように、運命予報には 「回避する方法」が存在するようです。 それから、ナイトメアビーストの襲撃の時のように 行動を起こす直前まで常識的に振る舞っていれば、 予知されるのを防ぐことが出来るというのも重要な ことかと。 あと、運命予報士のことが「能力者」のページの末尾 にあるのは、見つけづらい上にページの趣旨から外れて いるように思います。 出来れば、項目として独立させてはどうかと思いました。 以上、勝手なことを色々並べてみました。 ご一考のほど、よろしくお願いいたします。 -- (ルシア・バークリー) 2011-06-22 23 33 25 時限トップがきていましたので、取り急ぎ。 【画像】ttp //t-walker.jp/sr/img/main_ill7/main_33_tobi.jpg 無血宰相トビアス ~神戸モザイク~ はむはむ。クレープっておいしいね。 何となく名前が気に入ったから来たけど、よく考えたら僕ここに用事ないね。 いや~、それにしても困ったなぁ。 鳳凰堂でドラゴントライアングルを殆ど全部使ったのに、銀誓館のせいで「不滅の災い」以外はあんまり蘇らせられなかったし。平家は平家で、平家だけの都を作り上げちゃうし……。 しかもその都に、僕を入れてくれないなんて! 「平氏にあらずんば人にあらず」なんて、人をバカにしてるよね。 ……まぁいいや、気持ちを切り替えよう! 平家の作った「福原京」は、なかなかダーティで面白そうだし。 最悪、不滅の災いだけ持って帰れればいいしね。 さーてそうと決まれば、めいっぱい平家のお手伝いしちゃおうかなっ★ とりあえずその辺のカップル殺しまくってゴーストにしよーっと。 -- (風使い) 2011-06-24 16 32 05 ルシア・バークリーさん、いつも貴重なご意見をありがとうございます。 運命予報士の扱いに関しては、少し、考えを纏めて見たいと思いますので、 もう暫く時間を頂ければと思います。 風使いさんは、時限トップに関する情報、ありがとうございます。 早速、反映作業を行わせて頂きました。 -- (管理人:葉月玲) 2011-06-24 21 17 33 ゴーストタウン「神岡鉄道切雲谷駅」のサブ「碓氷峠ミステリー下り急行の女」にて [駅舎]のMAPの座標(x6,y17)付近で大きな音による戦闘が発生 (詳細な座標はちょっとわからないが概ねそのあたりの筈) -- (御神・深月) 2011-07-02 10 36 04