約 4,200,125 件
https://w.atwiki.jp/suka-dqgaesi/pages/1079.html
236 :名無しさん@HOME:2008/01/29(火) 23 24 13 O 今日産後初めて義実家に子供を見せに行った そしたらウトに「こんだけ立派ならさぞかし孫子も大きくなるだろ」 と 乳を揉まれた。 びっくりした私はウトの顎のあたりに渾身の右ストレートを 食らわしてポカンとするウトを放置して泣きながら(フリだがw)帰宅 玄関を出るときウトのいたリビングの方が騒がしかったので 旦那(大柄&マッチョ)に殴り飛ばされたのだろう 旦那はすぐに追いかけてきて帰り道にひたすら謝られた 家についてからトメから土下座する勢いの謝罪電話がかかってきたので 近いうちにトメだけ招こうと思う。 夫婦で暴力はDQだと思うのでこちらで。 238 :名無しさん@HOME:2008/01/29(火) 23 30 55 0 236 GJ!オマエ(ウト)の為の乳じゃねぇ! 240 :名無しさん@HOME:2008/01/29(火) 23 41 52 0 236 GJ! 気持ちの悪いEROおっさんに触られたんだ、反射的に手も出るさ! 241 :名無しさん@HOME:2008/01/29(火) 23 42 20 0 ウトはトメの乳でも揉んでろっての 嫁の乳は旦那と子供の物なんだから 242 :名無しさん@HOME:2008/01/29(火) 23 43 59 0 236 GJ! 即座に渾身右ストレートを繰り出すとはやるね。 245 :名無しさん@HOME:2008/01/30(水) 00 36 30 O 236 うわ・・・ウト最低 セクハラどころか強制わいせつじゃん 261 :名無しさん@HOME:2008/01/30(水) 09 38 05 0 キャッなんてかわいく恥らってるから面白がってるんだなその糞ウト 10キロ太って股おっぴろげてアラやっだウトさんも入ります?って言ってみ 二度と覗かれないから 263 :名無しさん@HOME:2008/01/30(水) 09 47 07 O 喜んで入ってきたらどうすんの… というか、うちのウトならそうするよ。 ガリガリの皺皺な自分の妻より、若い息子の嫁がいいと言い切った糞だったから。 267 :263:2008/01/30(水) 09 57 28 O 半袖の生腕触りながら言われましたが? 気色悪くて振り払ったら、失礼だと怒鳴られビンタされた、婚約当時。 セクハラ通り越した異次元色ボケ爺も世の中にはいるんですよ。 268 :名無しさん@HOME:2008/01/30(水) 09 58 55 0 婚約時代にそんなこと言われたら結婚しない 271 :名無しさん@HOME:2008/01/30(水) 10 02 15 0 267 そのジジイにDQ返ししてからこのスレにきてくれ。 そんなジジイ付でなんで結婚したんだか・・・ 273 :263:2008/01/30(水) 10 09 21 O 色ボケしてるからセクハラするんじゃない? 普通なら理性が押さえるけど、欲が先に立つというか。 婚約は一回破棄して、慰謝料貰ったよ。 支払い渋った爺の給料差し押さえたら、リストラされたらしい。 夫はウトメに激怒してくれたし、ウト殴って絶縁して、一人息子だけどうちに婿養子に入った。 あっちには私たちが結婚したことも、孫かいることも知られてない。 寂しい老後を送らせているのがDQ返しと言えなくもない。 277 :名無しさん@HOME:2008/01/30(水) 10 16 37 0 263 まあ、 273に関してはGJ! でも、最初からそのように書いておけばもっとGJだったね。 279 :名無しさん@HOME:2008/01/30(水) 10 16 54 0 273 なんというグッジョブ! 次のお話→281
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1444.html
前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ アルヴィーズ食堂の厨房にて。料理長のマルトーは、一仕事終えて小休止していた。 そこへメイドが戻ってくる。 「おう、シエスタか。どうやら配膳は済んだかな? いつも悪いな。 って…お前の後ろにいる坊主はどうした? 知り合いか?」 「ええと、そのことでお願いしたいことがありまして…」 シエスタが簡潔に事情を説明してくれる。人脈は便利だ。 「…がはははは、坊主も災難だな! 貴族ってやつはやっぱり性根が腐ってるぜ! 俺がせっかく作ってやっている料理を、いつも『まずい』だの『味付けが下品』だの 『量が多すぎる』だのと抜かしては残しやがって! しかもたまにその分の材料費を少ねえ給料からさっぴきやがって! 厨房の奴らに伝染病が流行ったときも、治療費補助の申請がちょびっとしか通らねえし!」 かなりストレスが溜まっているようだ。勝手に激昂してきた。 「お互いに劣悪な労働環境ですね。労災認定が出そうなくらい」 「んん? ムツカシイ言葉を知ってんな坊主。なんだローサイってのは? まあ、今は昼飯時で忙しいし、大したモンは作れねえが我慢してくれ。 すぐできるからちょっと待ってな」 「朝のサンドウィッチは簡単だが美味かった。あなたの腕は相当なものだと思うよ」 「がははっははは、有難いねえお褒めの言葉。客はボンクラ貴族ばかりでも、 この料理長マルトーは料理の腕は抜かないぜ。それが『平民』の誇りだからな」 『平民の誇り』か。労働者の鑑だ。ぼくが政権をとったあかつきには、是非表彰してあげよう。 その前に選挙対策委員に任命してみようか。王国に政権選挙はないだろうが。 「ほおれ、パンとシチューだ。余ってた食材も入れたからな、具もたっぷりだぞ」 「いただきます」 素朴な賄い飯だが、あの粗末な囚人以下食と比べれば雲泥の差だ。 「ああ、実に美味い」 「ははは、満足してもらえたみたいだな。 また食いっぱぐれたらここにきな。適当に何か作ってやるからよ!」 「有難う。まあきっと毎日お世話になるよ」 中年親父と8歳児に、奇妙な友情が生まれた。 場面変わって、悪しき労働環境の根本的原因の部屋。 今日もお盛んなトリステイン魔法学院の長、オールド・オスマンであった。 「オールド・オスマン! いい加減にセクハラを止めて下さい。労働管理局に訴えますよ」 「ふぉふぉふぉふぉ、よいではないかミス・ロングビル。 なんじゃそのナントカ管理局というのは。白い悪魔でもおるんかい」 そこへ冥王様、もといコルベールが息を切らせて飛び込んでくる。 「た、大変ですぞ!オールド・オスマン!」 「おお、ミスタ・コナキジジイ。いいところを邪魔して何用だね」 「私の名前はコルベールです! いかにこんな頭でも……。 ええい、それよりこれを見てください」 「む?」 「ミス・ヴァリエールの呼び出した使い魔の『右手』にあらわれたルーンの写しです。 気になっていたので調べてみたのですが…」 持ち出したのは『始祖ブリミルの使い魔たち』という古書。 ちなみに著者は「アリャマタ・ド・コリャマタ」である。 「なるほど…席を外してくれるかな? ミス・ロングビル」 「はい、よろこんで!」 「ふーーーっ…では、詳しく話したまえ。ミスタ・スネコスリ」 「コルベールです! コしかあってません! …端的に申し上げますとですね、彼は『ヴィンダールヴ』です」 「…あの伝説の? 何かの間違いではないのかね?」 「私も最初そう思ったのですが、他のどのルーンにも該当しませんでした。ほぼ間違いないと思われます」 「では、それを召喚したミス・ヴァリエールは…『虚無』の担い手だというのかね?」 確かにルイズは、四系統のどの魔法も、簡単なコモンマジックさえもまともに使えない。 『サモン&コントラクト・サーヴァント』が成功したのが、学院七不思議の一つになったぐらいだ。 では、残る系統…『虚無』こそが彼女の系統なのでは? そして『虚無』魔法の担い手は、始祖ブリミルと同じく四人の『使い手』の一人を得るのだというが…。 「…そこまでは。ですが」 「…今はまあ、保留じゃな。おぬしはこのまま、引き続き調査にあたってくれ。 当然ながら、このことは一切他言無用じゃ。 わかったの、ミスタ・テナガアシナガ」 「もうどこもあってねえYO!」 コルベールのつっこみが、悪の元凶を打ち倒した。 松下はマルトーに気に入られ、以後いつでも食事や食材をおごってもらえる事になった。 人脈はとても便利だ。 (腹もくちくなった事だし、図書館でも行ってみるか…) と、食堂の方から何か言い争う声がする。 「違う、誤解だ、誤解なんだモンモランシぃいいイイイイーーー!!」 (メメタアァ ドグチァッ) 「ごばっ!!」 三行で色男がどてっ腹をぶち抜かれて死んだ。…あ、生きている。 一瞬あのオンモラキとかいう女の拳から、火花が散ったように見えたが…あれも魔法なのか? 女はそのまま「ギーシュの馬鹿! 男なんてーーーーー!!」と叫びながら走り去った。 「ラ…ララララ…」 歌? きでもくるったか? 「く…くそう! そこのメイド! 君が気をきかせて 香水壜のことをスルーしてくれなかったせいで、 二人のレディの心が傷ついたんだぞ! どうしてくれるんだ!!」 よくわからないが、ぼくの恩人のシエスタが、あのギーシュとかいう、 馬鹿貴族のボンボンの色男の甲斐性なしの二股膏薬の隠れゲイの八つ当たりで責められているらしい。 これは助けなくてはなるまい。 「おお、なんという悲劇なの」 「ど、どうしてくれるんだ!? どないしてくれるんだ!?」 シエスタはうつむき、ふてくされたように話し始める。 「……あなた方のような、幸運にめぐまれた、 鼻の下の長いお方には分からないかも知れませんが… 不幸な人はより不幸になり…貧しい人はより貧しくなる…というのが現実なんです」 「僕はきみの人生観をきこうとしてるんじゃない! 膝をついて謝るんだ!」 そこへ松下が割り込む。 「まあまあ、世の中を理解してないなあ。この貴族はなってない」 「なってないのは君たちの方だ!!! なんだこの子供は!!」 「たかが女の子二人に振られたからって、そんなに金切り声をあげることはないでしょう」 「言うなあこの餓鬼! 振られたとか言うなあああ!!」 ギーシュは、仲裁しようとした松下の頬をつねり上げた。 「あ、いちち…痛ぇ……この野郎!!」 びりっ 「ぎゃーーーーーーーーーーっっ!!」 松下は、お返しとばかりにギーシュの左側頭部から『何か』をむしり取った。 「お、おい、ギーシュに何をした!? 何だそれは!」 「これだよ!」 ぽい、と投げて寄こされたのは、ギーシュの『左耳』であった。 「ひーーーーーーっ、みみみみみみ」 「ひいひい、痛い痛い」 うずくまり、涙目で耳のあったところを押さえるギーシュ。血が指の間から流れ出る。 水の治癒魔法ですぐ治せばくっつくだろうが、これでは面子は丸潰れのままだ。 もう腐ったトマトを20メイル上空から落としたぐらいに。 「おい、確かこの餓鬼は『ゼロ』のルイズの使い魔だぜ」 「マジか? さすが躾がなってないな、貴族に手を上げるなんてさ」 周りのギャラリーがさらに騒然とする。 ギーシュは脂汗を拭い、耳を押さえて松下に向き直る。顔が真赤だ。 「はあはあはああああああ、けっ、決闘だ! 使い魔君! 今すぐ僕と決闘したまえ!!」 「よかろう。どこでやるのだ?」 「あっさり受けてくれるとは嬉しいね! ヴェストリの広場ならちょうどいいだろう。正々堂々このギーシュ・ド・グラモンと戦え!」 「ああ、わかった」 「よーし! ならば僕は先に行って待っている。絶対逃げるなよ!?」 すごい勢いで決闘が決まった。食べ終わったギャラリーがギーシュの後をついて行く。 「ま、待ってください! 貴族と決闘なんて…危険です! やめてください! いくらマツシタさんが子供でも、ひょっとしたら、こ・殺されてしまいます!」 正気を取り戻したシエスタが震えだした。そこへルイズも駆けつける。 「あんた! 人の護衛もせずに勝手になにやってんのよ!!」 「きみに昼飯抜きにされたので、厨房でご馳走になってきた」 「ああ、そう… で、あんたが多少強くても、相手はドットだけどメイジよ? 勝算はあるの?」 「何を繰り出してくるかにもよるが、実戦経験はある」 敵戦力の把握は必須だ。同級生のルイズに聞くとしよう。 「あいつは『青銅』のギーシュ。『土』のドットメイジで、等身大の青銅の人形を操って戦うそうよ」 「初戦の相手としてはまずまずだな」 「危なくなったら逃げるのよ? あいつ名うての馬鹿だから」 「まさか。まあ、少しいろいろと準備をしておこうか」 鴨がネギを背負ってやってきたな。さくっと降伏させて下僕にしてやるか。 (つづく) 前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ
https://w.atwiki.jp/harme/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/alucard/pages/3.html
虚無の魔剣士
https://w.atwiki.jp/legendtodenko/pages/83.html
概要 結婚を前提にお付き合いをしていた男が嫌になった電子は、元彼との浮気を隠すために、自分はAとレズ関係であるとねつ造した。 そんな悪の所業をAは優しく許してくれたと言う、聖女?聖人?Aを褒め称える話。 Aと鏡を持ち上げて讃頌するためには、かつて交合した相手も、昔は愛していた人も陥れます。 Aと鏡は、残念ながら誰かと比較したり相手を陥れたりしないと持ちあがりません。 単体では持ち上げる要素がないからだと思われます。 2009年6月11日電子 2009年6月12日電子 2009年6月14日電子 2009年6月21日電子
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9367.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第百十八話「シエスタの恋」 酔っぱらい怪獣ベロン 登場 帝政ゲルマニアの首都ヴィンドボナ。この街は現在、混乱の真っ只中にあった。 『うい~! ひっくッ!』 身長五十メイル以上もある大怪獣が、街を我が物顔で横切っているのだ。人々は皆口々に 悲鳴を発し、怪獣に踏み潰されないように必死に逃げ惑っている。 怪獣は典型的な恐竜型。体色は緑で、下を向いたヘラジカのような角が頭部の左右から 生えている。ここまでは特に変わったところではないが、鼻はひどく赤らんでおり、目の 焦点も足取りもおぼつかない。片手で巨大なひょうたんを引きずり、裂けた口からは鳴き声 ではなく明らかな言語が発せられる。そのひと言がこれ。 『う~い! 酒持ってこ~い!』 絵に描いたような酔っぱらい! この怪獣の名はベロン。名は体を表すというべきか、怪獣なのにお酒が三度の飯より大好き という超変わり種。悪意はないのだが常日頃からべろんべろんに酔っぱらっており、酔いに 任せてふらりと惑星に降り立っては滅茶苦茶な行動を取る、これ以上ないほどの迷惑者なのだ。 ハルケギニアに侵入したこのベロンは、ヴィンドボナで何をやっているかと言うと……。 『酒~! 酒~! ここか~!』 千鳥足で進行しながら、酒の匂いを嗅ぎつけて一件の酒場に目をつけると、屋根を引っぺがして 貯蔵されているワインの瓶や酒樽を根こそぎすくい上げ、中身を口の中に流し込んだ。 「あぁ~! うちの商品がぁ~!」 酒場の店主がどこかで悲鳴を上げた。 「このヤロォー! 金払いやがれーッ!」 そんなことを言ってもベロンは聞く耳持たず。手で口を拭うと、鼻をクンクン鳴らして 次の酒を探し始めた。 ベロンは手持ちのひょうたんに入っていた酒を呑み尽くしたため、ハルケギニアの人々から 次々酒を奪い取っているのだった! 酒場に留まらず、王宮、貴族の屋敷、小さな村にまで…… とにかく酒が置いてあるところにはどこだって現れ、片っ端から盗んでいくのだ。こんな迷惑な 怪獣が今までいただろうか! ベロンがヴィンドボナ中から酒を奪って飲み干す度に、人々の悲鳴が起こる。 「あぁーッ! ビール盗られたぁーッ!」 「楽しみに取っておいた年代もののワインがぁーッ!」 「林檎酒まで全部ッ!」 「こんちくしょーッ! 飲みすぎだぞお前ーッ!」 当然ながら、そんな暴挙がいつまでも許されるものではない。ゲルマニアの竜騎士隊が出動し、 ベロンに杖を向ける。 「攻撃開始ーッ!」 竜騎士たちの杖から次々と種々の魔法攻撃が放たれ、ベロンの鼻先を刺す。 『いてててッ! いでぇよぉ~!』 ベロンは押し寄せる魔法に対して、頭を抱えて姿勢を下げる。 「このままヴィンドボナから追い出せッ!」 相手の反撃がないので、竜騎士隊は勢いづいて攻撃の手を強めるのだが……。 『どろんぱ~』 突然ベロンが白い煙を発して姿を隠したかと思うと、次の瞬間には巨体が忽然と消えていた! 「何ッ!? ど、どこへ行った!」 「隊長、我々の後ろですー!」 慌てふためく竜騎士隊の背後で、ベロンは何食わぬ顔でまた商店から酒瓶を盗んだ。 「お、おのれ! 総員反転ッ!」 竜騎士隊がUターンしてベロンを追いかけるが、するとベロンはまたしても煙とともに 消えてしまう。 『どろんば~』 またも別の場所に瞬時に現れ、竜騎士隊は散々翻弄される。 「く、くっそ~! 馬鹿にしおって~!」 これぞベロンの忍法、瞬間移動。竜騎士隊はベロンに振り回され、すぐに疲労困憊になってしまった。 そこに駆けつけたのはグレンファイヤー! ベロンの真正面に降り立って拳を握り締める。 『こんにゃろう! 今日こそは逃がさねぇぜ!』 『おおぉぉうッ!?』 すかさずグレンファイヤーはベロンに飛びかかったのだが、ベロンが消える方が早かった。 しかも今度はどこにも現れない。ヴィンドボナから別の場所に去っていってしまったようだ。 『あッ、くそぉ! また逃げられた! 悔しいぃ~!』 プルプル震えて地団駄を踏むグレンファイヤー。ベロンは敵意を持たない怪獣で積極的な 破壊行動を取らないが、それが逆に厄介。このように危険を感じるとすぐに忍法で逃げて しまうのだ。そのためウルティメイトフォースゼロもひどく手を焼かされているのであった。 果たして、ベロンは次にどこに現れるものか……。 それはひとまず置いておいて、場所は変わり魔法学院のルイズの部屋。畳の上に正座して ちゃぶ台に肘をつき、物憂げにため息を吐いているのは、最近出番がご無沙汰のシエスタ。 その視線の先には、ちゃぶ台の上に置かれたハート型の壜がある。紫色というのが絶妙にいかがわしい。 この壜の中身は、何と惚れ薬。これを飲んだ者は一日の間、最初に見た相手にぞっこんに なるという代物。それを何でシエスタが持っているのかと言うと、実家家からの春野菜を 『魅惑の妖精』亭に届けに行った際、従妹のジェシカから、貴族の客から取り上げたこれを 無理矢理押しつけられたのだ。ルイズと才人の関係に配慮して最近一歩引き気味のシエスタに対し、 そんなことではいけない、既成事実作ってでも才人をものにしなさいと叱咤されたのだった。 「うーん……惚れ薬かぁ……」 ぼやくシエスタ。正直に言うと、才人が自分に、いつだったかのルイズみたいな感じで メロメロになるというのは、すごく魅力的ではある。 しかし迷っていると、ジャンボットに咎められた。 『シエスタ、一応言っておくが、そんなものを使うことは断じてならないぞ。薬で人の心を 操作しようなどと、言語道断! 惚れ薬など、今すぐ捨ててしまうのだ』 「そ、そうですよね。魔法で好きにさせようなんて考えが、そもそもの間違いですよね」 ジャンボットの忠告により、シエスタは惚れ薬を捨てるために手を伸ばす。 しかし指が壜に触れる前に、扉がものすごい勢いで開かれた。そしていつになくキツい顔の ルイズが、大きなボロ雑巾みたいなものを鎖で引きずりながら入ってきた。 シエスタは面食らって尋ねる。 「ミス・ヴァリエール! それ、何ですか?」 「使い魔よ」 言われてみて、よく確認すれば、それは才人だと分かった。逆に言えば、よく確認しないと 分からないような状態に才人はなっていた。 「何したんですか?」 「一昨日、あんたが出かけた日に、お風呂を覗いたのよ」 「まあ」 「その上、ちち、ちちち、小さい子に……。わたしより、小さい子に……」 「まあまあ」 ここで、ティファニアをトリステインに連れ帰ってから今日までの経緯をざっと説明する。 トリステインに到着したティファニアは子供たちとミーニンをアンリエッタに預かってもらうと、 自分はアンリエッタの口利きで魔法学院に編入した。彼女の美貌と、何より大きな胸は学院中の 男子を魅了したが、ベアトリスというクラスメイトの嫉妬を買い、ハーフエルフという素性を晒す 羽目になった挙句に彼女に異端審問に掛けられそうになった。それはルイズたちの活躍で阻止されたが、 ティファニアは男性の視線が自分の胸にばかり向くことに戸惑いを覚え、自分の胸が他の人のものとは 違うのではないかとズレた疑いを抱き、才人にこう頼んだ。 「わたしの胸がホンモノか――触って、確かめて」 思わずその言葉に飛びついてしまった才人だったが、ティファニアの胸に触っているところを ルイズに目撃された。ルイズは過去最大に憤怒し、信じられないくらい才人を痛めつけて反省を 強要したのだった。 自分も悪かったとはいえ、今度ばかりはルイズの無慈悲な仕打ちに逆上した才人はルイズと 大喧嘩したのだが、それが後から哀しくなって落ち込みに落ち込んだ。するとオンディーヌの 仲間たちが才人を励まそうと、何と女子風呂の覗きにつき合わせた。励ましとはほぼ名目で、 八割以上は自分たちの欲望のための行動だった。 だがちょうど覗きをしている時にルイズが入浴中だということに気づいた才人が、彼女の 生まれたままの姿を他の男たちが見ないように妨害した。その際の騒音で覗きが気づかれてしまい、 才人は制止したにも関わらず自分が窮地に。が、そこを救ったのは服を着る暇すら惜しんだタバサ。 彼女のお陰で、怒り狂う女子生徒たちから逃れることは出来た。 しかし、神はつくづく才人に厳しいらしい。裸のタバサといるところを、よりによって ルイズに見られた。そしてお察しのことが起こり、今に至る。 ルイズの才人への仕打ちに、ジャンボットが苦言を呈する。 『ルイズ、またもサイトにこのようなことを! 君は、少しは寛容さを身につけるべきだと 何度も言っているだろう! 相変わらず分からないな』 「何よ! こいつだって悪いでしょうが! 何かにつけては、他の女の子にセクハラを働いて…… 今回は特にひどかったわよ!」 『確かに覗きは犯罪ではある。しかしさすがにこれはやりすぎだろう! いくら何でも、 こんな惨い私刑は初めて見るぞ!』 「それもこれも、こいつがまるで学習しないからよッ!」 叱るジャンボットに、感情の昂るままに言い返すルイズ。一方で、シエスタはボロ雑巾の ような才人、略してボロ才人を見下ろして、彼が不憫になってきた。 才人はいつもルイズのために命を張っているのに、ルイズのお返しはあまりにひどい。 才人とルイズの間に深い絆があるのは認めるが、さすがにこれを見せつけられては、ここまで やらかすルイズに才人を任せていいのか? という疑念が湧いてきた。 そこでシエスタは神妙な顔でルイズに告げた。 「ミス・ヴァリエール」 「何よシエスタ」 「そろそろサイトさんの一日使用権を行使させていただきます」 才人の一日使用権とは何か。それは仮装舞踏会の時の賭けで、シエスタが得たものである。 あの時シエスタは、才人がルイズを見つけられたらすっぱりあきらめる、見つけられなかったら 一日だけ才人を好きにさせてもらう、という賭けをしていたのだ。 「舞踏会は不測の事態で中断されたんだから、賭けも無効よ!」 「賭けの勝敗の決定は見つけられるか見つけられないかという部分だけで、舞踏会の中断とかは 元より考慮されません」 ルイズの訴えを論破し、シエスタは権利を手に入れた。そして今、とうとうそれを使用したのだった。 こうしてシエスタは一日の間、才人を好きに出来ることになった。シエスタは才人に『新婚さん ごっこ』をやる、と宣言した。元々寝泊まりしていた使用人宿舎で、その新婚さんごっこなるものを 行うのだ。 しかしジャンボットが抗議の声を上げたので、才人を宿舎に連れていく前にルイズの部屋で 二人きりの状態になって、話し合いを行っていた。 『いかん! いかんぞシエスタ! 遊びでも結婚の真似事をしようなどとは……君とサイトには 早すぎるッ!』 「そんなうるさく言わなくてもいいじゃないですか。単なるお遊びなんですから」 『いや、君のことだ。これを機に、サイトに何かふしだらなことをしようなどと考えてるのではないか?』 うッ、とシエスタは言葉を詰まらせた。そういう意図がない訳ではない。 『図星だな! 全く、君は変なところで才人に対し過激なことをする。ルイズもルイズだが、 シエスタ、君も淑女(レディ)なら慎みを持たねばならんと何度も』 「わ、わたしは貴婦人(レディ)じゃないですよ。平民のメイドです」 『そういうことを言ってるんじゃない。いや百歩譲ってそれをよしとしても、よもや惚れ薬を サイトに飲ませようとたくらんでいるのではあるまいな』 シエスタは再度言葉を詰まらせた。ルイズがあまりに才人にひどいことをするので、薬を使ってでも 才人を自分のものにしようという悪い考えが鎌首をもたげていたところだったのだ。 『そうなのか! ああ、何と嘆かわしい! 君がそんな悪い娘になってしまうとは、私はササキに 顔向け出来ん!』 「そ、そんな大袈裟な! いいじゃないですか! ミス・ヴァリエールがあんなにサイトさんを 好き勝手にするんだから、わたしだってたまにはサイトさんの目を釘づけにしても!」 『いや、許さん! 恋路を薬に頼ろうなどという情けない考えは! いいかねシエスタ、 何も私は君の恋の邪魔をしようというつもりではないのだ。だが安易な手段で得る愛など、 長くは続かないものだ。本当にサイトを愛するというのなら、もっとじっくりと時間を掛けて、 自身の本当の魅力で勝負をだな……』 ジャンボットがあまりにくどくど説教するので、シエスタはいい加減イライラしてきた。 一日という時間には限りがあるのだから、ジャンボットにばかり構っているつもりもない。 そのためシエスタは、しゃべり続けるジャンボットを無視して腕輪を外し、ちゃぶ台の上に放置した。 『お、おい! ずるいぞシエスタ、置いていくんじゃない! おーいッ!』 焦るジャンボットに振り返りもせず、シエスタはルイズの部屋から飛び出していった。 一連の様子を立てかけられた壁から見ていたデルフリンガーがぼやく。 「相棒と娘っ子も大概だが、こっちもめんどくさいもんだねえ」 しばらくしてから、ルイズが部屋に戻ってきた。かなり不機嫌そうに、ぶつぶつとつぶやき続けている。 「全く、あの犬め……。テファやタバサに留まらず、メイドにまでセクハラしようってなら、 今度こそ命の無事を保証しないわよ」 何とも危険なことを独白していたルイズは、ちゃぶ台の上の腕輪に気がつく。 「あらジャンボット。シエスタに置いていかれたの? そうよね、あなたこそ堅物すぎて 口うるさい時があるし。自分こそ慎ましやかさを覚えたらどうかしら?」 イライラのままにきつい言葉を投げかけるルイズだったが、ジャンボットはそれには構わずに ルイズに告げた。 『ルイズ、大変だぞ! シエスタが惚れ薬を持ってサイトのところに行った!』 「へ? ほ……惚れ薬ぃ!? 何でシエスタがそんなの持ってるのよ!?」 ジャンボットはシエスタがジェシカから惚れ薬を渡されたことを話す。それを聞いたルイズの 顔色が青になったり赤になったり忙しなく変化した末に、怒髪天を突いて踵を返した。 「メイドぉぉぉぉぉぉ――――――――ッ! そこまで許した覚えはないわよぉぉぉぉぉぉぉ ――――――――――――ッ!」 大絶叫して、使用人宿舎へ向けて全力疾走していく。 『あッ! だから、私を置いていかないでくれーッ! おーいッ!』 その頃、シエスタは以前自分が使っていた部屋で、惚れ薬とワインの瓶を両手にして うんうんうなっていた。 先ほどまでシエスタは、ここで才人を相手に「新婚さんごっこ」を行っていた。使用人仲間の 友人たちにはやし立てられる形で、エプロン一枚とニーソックス、カチューシャだけという過激な 格好になって才人を誘惑した。シエスタのすさまじい攻勢にすっかり頭が茹で上がった才人は、 一旦クールダウンするために席を立ってトイレに行っている。 彼の目がない間にシエスタは、惚れ薬をワインに盛ろうとしたのだが……壜を手にしたところで、 思い直したのである。 ルイズの所業で頭に血が昇り、ついこんなことをしてしまったが、やはり惚れ薬なんてものを 使うのは卑怯だ。さすがにルイズに申し訳ないし、才人にも軽蔑されるかもしれない。 「やっぱり、これは捨てよう」 そしてジャンボットの言った通り、正真正銘自分の魅力で勝負しよう。シエスタは改めて 惚れ薬を捨てる決心をした。 だがその時! 窓の外にぬっと巨大な影が現れる! 『酒ぇ~!』 「えッ? きゃあああッ!?」 思わず悲鳴を上げるシエスタ。窓の外に、巨大怪獣がいて部屋の中を覗き込んでいるのだ! 怪獣の正体はベロン。グレンファイヤーに追われてゲルマニアからトリステインまで逃げてきて、 酒の匂いを嗅ぎつけて忍法でこの魔法学院に音もなく侵入してきたのだった。 「どうしたシエスタ!? うわぁッ!?」 シエスタの悲鳴を聞きつけて戻ってきた才人も、四角い窓の中にベロンの顔がどアップに なっているのを目にして仰天した。 当のベロンは窓から宿舎の部屋の中に手を突っ込み、指でシエスタの手に持っているワイン瓶を ひったくった。 「きゃッ!? ワインを取られた……!」 ハッと青くなるシエスタ。なくなっているのが、ワイン瓶だけでないことがすぐに分かったからだ。 もう片方の手で持っていた、惚れ薬もなくなっている。 「まさか……!」 窓に駆け寄ってベロンを見上げるシエスタ。ベロンは、シエスタから奪ったワイン瓶の中身を 口に流し込んでいる。 同時に惚れ薬も流し込んでいた! ワインと一緒に持っていたので、酒と勘違いされたのだ! 「あぁーッ!?」 惚れ薬を飲んだベロンは視線を落とし、シエスタの顔をじっと見やった。 一気に血の気が失せるシエスタ。ま、まさか……。いや、相手は人間の何倍もある巨体の怪獣だ。 人間用の魔法薬の効果が全身に行き渡るとは思えない。きっと何事も起こらないだろう。いや、 起こってほしくない……。 そんなシエスタの思いとは裏腹に、ベロンの目の形がドキーン! とハートマークになった。 『好き~♪』 「きゃあああああああ―――――――――――ッ!?」 そして再び手を窓に突っ込んで、手早くシエスタを捕まえたのだ! 効果は覿面だった。 「シ、シエスター!?」 「いやぁぁ―――――――! 放してぇ―――――――!」 シエスタを捕らえられて絶叫する才人。シエスタはベロンの手の中で必死にもがくが、 惚れ薬のせいでシエスタにすっかり惚れ込んでしまったベロンは絶対手放そうとはしなかった。 怒り狂った様子で中庭を突っ切っていたルイズだが、ベロンが出現すると彼女も驚愕させられて 我に返った。 「か、怪獣! こんなところに、いきなり!」 その上ベロンがシエスタを片手に握っていることに気づくと、反射的に杖を抜いた。 「こらー! シエスタを放しさなーい! さもないと爆発を食らわせるわよッ!」 杖を振り上げてベロンを脅すルイズ。つい先ほどまではシエスタに大激怒していたが、 それとこの状況は別だ。シエスタは才人を取り合うライバルではあるが、友人であり恩人 でもある。彼女を助けない訳にはいかない。 しかしベロンの方はシエスタを放そうとせず、かと言ってルイズに攻撃しようという素振りもなかった。 『どろんぱ~!』 代わりに全身から煙幕を発すると、この場から忽然と消え失せた。ルイズが何かする前に、 忍法で魔法学院を立ち去ったのだ。 シエスタも連れて。 「あぁぁ―――――――ッ!? シ、シエスタぁぁぁ―――――――――――!!」 絶叫するルイズ、才人。シエスタがベロンに誘拐されてしまった! 果たしてシエスタの運命や如何に! 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6256.html
「皆さん! 静粛に」 草原に、少女の勝ち誇ったような声が響く。 トリステインの生徒達が遠巻きに見つめる先には、青い甲冑で武装した騎士の一団、 そして、両腕を縛られた大きな胸の少女と、得意げに周囲を見回す小さな胸の少女の姿があった。 「これより、クルデンホルフ司教ベアトリスの名において、異端審問を執り行います」 「異端審問だって!」 少女の口から飛び出した物騒な言葉に、辺りが騒然となる。 勿論、上級生である水精霊騎士団の面々には、この茶番が、審問の名を借りた深刻なイジメである事は判っている。 だが、相手はトリステイン国内でも最大の実力を誇る、クルデンホルフ大公国の令嬢・ベアトリス。 更に、いかに形だけの者とはいえ、異端審問は、異教徒を粛清しブリミル教徒の団結を図る為の厳正な裁判、 下手に横槍を入れようものならば、その者もまた異端者と見なされ、最悪、一族にまで累が及ぶ危険があった。 加えてまずい事に、審問に掛けられている少女・ティファニアが、 人類の仇敵であるエルフの血を引いている事は、動かしがたい事実であった。 居合わせた一堂は、今はただ、この馬鹿げた騒ぎが本当の惨劇にならぬよう、固唾を呑んで見守るしかなかった。 「審問の方法を説明するわ。 まずは、あの煮立った釜の中に……」 「待ちやがれッ!」 少女の説明を遮る怒声に、皆が後方を振り返る。 そこには、大きく肩で息を付く、黒髪の少年の姿があった。 「ヒロキ……」 ティファニアが、思わず安堵の涙を流す。 その、パーカー姿の冴えない眼鏡の平民こそ、ティファニアの使い魔にして最初の友人、狩谷広樹であった。 「お前等! 何をやってるんだ?」 怒りに震える両肩を隠そうともせず、ずんずんと広樹が進む。 その前に、級友のギーシュがずいっ、と立ち塞がる。 「ヒロキ、気持ちは分かるが、今は堪えるんだ」 「何だと? 何を言ってやがる ギーシュ!」 「これは異端審問だ 異教徒を庇えばその一族は……」 言いかけてギーシュが気付く、この男は天涯孤独の身だと。 異世界から召還されたという広樹の言葉を信じている訳ではなかったが、 少なくとも彼の身内は、大公国が手出しをできる場所にはいない。 妙に得心の言った風のギーシュをどかすと、広樹は騒ぎの中央、ツインテールの少女の眼前へと立った。 「今すぐ、このバカ騒ぎをやめろ」 「……フン、流石はエルフの使い魔。物の道理を分かってらっしゃらないようね?」 「何だと?」 「言いこと? エルフは始祖ブリミルの時代以来の人類の仇敵よ! 彼女を生かしておけば、我々の未来に禍根を……」 「フザケた事を抜かしてんじゃあねぇッ!」 草原に響き渡る少年の咆哮に、ビクン、とベアトリスが一つ震える。 少年の凄まじい怒りの前に、さしもの歴戦の空中装甲騎士団すらも、ただならぬプレッシャーを感じとっていた。 「テファが人類の敵だと? ふざけるな! フザけんじゃねぇ! こんな 最 高 の お っ ぱ い の持ち主が、人類の敵なワケあるかァ!」 「………… ………… ………… …………え?」 ……。 …………。 ………………時間が、止まった。 恐ろしいまでのマヌケ面で、あんぐりと口を開けるベアトリス。 涙目で顔中真っ赤にしながら、その革命的な胸部を隠そうと、必死で身をよじらせるティファニア。 呆れを通り越して、ある種の畏敬の念まで感じてしまっている空中装甲騎士団の皆さん。 「ヒロキだ」「ああ、いつものヒロキだ」と頷き合う水精霊騎士団の面々。 この世に神は居た!とばかりに、何故かまぶしい視線を広樹に向けるマリコルヌ。 欲望の一切を隠そうともしない漢の叫びに、思わず胸がキュンとなるキュルケ。 ないない、アレは無い、とタバサ。 その場に居合わせた者たち全てが、生まれて初めて、本物のバカと言うものに遭遇していた。 ・ ・ ・ 「こッ この! ヘンタアアァァアアァァイッ!」 胸元が残念な桃色頭の少女が、広樹めがけて拳大の石を投げ付ける。 それを契機として、凍り付いていた周囲の時間が動き出した。 「死ね! エロヒロキッ」 「このおっぱい魔人ッ!」 「セクハラ大王ッ!」 「何考えてんのよッ! アンタは?」 「や、やめろ! お前等ッ!? 今のは物の弾みデュおわッ!」 (主に胸元の寂しい)女の子たちから次から次へと投石を浴びせられ、たちまち広樹が血まみれとなる。 そんな眼前で繰り広げられる喜劇を、しばし呆然と見つめていたベアトリスだったが、 やがてハッ、と正気に返ると、コホン、と一つ咳払いをした。 「皆さん、静粛にッ!」 少女の声にギャラリーの動きが止まり、たちまちその場に緊張が戻る。 「――やれやれ、主も主なら、使い魔も使い魔よね 本当にお似合いのコンビだわ あなた達」 「何だと!」 「いいことッ!」 ベアトリスが、人差し指をピシリと突き立てる。 「貴方が彼女に召還されたという事実こそが、彼女がメイジでは無いという何よりの証よ! 何故なら普通のメイジは、平民の使い魔を召還したりはしないもの ましてやその使い魔が、異世界から来たなんてのたまう狂人とあってはね!」 「ぐっ……」 「……だいたいねェ、たかが胸の大きさで、何が分かるって言うのよ」 ジッ、とベアトリスはテイファニアを睨み付けると 彼女の容姿の中でもっとも気に入らない部分である、その、たわわな果実へと片手を伸ばした。 「痛ッ! は、離してッ!」 「フン! こんなモンはねぇ、単に重いだけの脂肪の塊よ!」 「や、やめろおおおおおおおォォ――――ッ! テファから手を離せッ!」 「大方、貴方の大好きな『メグ姉』さんとやらも、こんな脂肪の塊なんでしょうね おお、やだやだ、汚らわしいこと……」 その言葉を聴いた瞬間、プツン、と、広樹の中の何かが音を立てて切れた。 広樹の放つただならぬオーラに、思わずひっ、と級友達が後ずさる。 普段の広樹は、乳の事さえなければ気の良い友人であったが、 彼の前でやってはいけない事が二つある事を、彼らは長い付き合いで知っていた。 ――ひとつは、『メグ姉』『タチバナ』を侮辱する事。 ――もうひとつは、おっぱいを侮辱する事、である。 世間知らずの大公国の少女は、先の不用意な一言で、自らの死刑宣告に判を押してしまったのだ。 「キサマッ! もう一度言ってみろォ――!」 「なッ! 何よッ やってしまいなさい! 空中装甲騎士団ッ」 「クソッ! こうなったらやるしかない! 行くぞ、水精霊騎士団! あのバカを死なすなッ!」 広樹の叫びを契機に、たちまち周囲が大乱闘の場と化す。 敵は、トリステイン最強とも噂される、クルデンホルフ空中装甲騎士団の精鋭である。 寄せ集めの少年騎士団では、本来ならば太刀打ちできる相手ではない。 ――が、 「うおおおおおおおおおおおおおおお――ッ!」 「な! なんだ、このプレッシャーはッ!?」 「コイツ! 本当に単なる平民かッ?」 裂帛の気合を放つ黒髪の少年に、歴戦の騎士団が思わず怯む。 その一瞬の隙を突いてギーシュ達が前線へと飛び込む。 戦場に突如開いた大将への一本道を、凄まじい勢いで少年が駆ける。 「メグ姉のおっぱいが脂肪の塊だとォ~~ッ!」 「ヒッ、な、何だって言うのよ? クルデンホルフ大公家に楯突けばどうなるか……」 「そんな事をほざく乳は、こうしてくれるゥ―――ッ!」 「イッ、イヤアアアアアアァァァアアアァァ――ッ!」 ・ ・ ・ ぷにょん。 その瞬間、取っ組み合いを続けていた両騎士団が動きを止めた。 やった。 やってしまった。 冴えない平民の使い魔が、あろう事か、トリステイン随一の貴族、 クルデンホルフ家の箱入り娘の、その、ささやかな乳を揉みしだいたのだ。 あのバカは打ち首だ。 いや、アイツだけを死なせはしない。 その時は、自分も共に腹を切ろう。 水精霊騎士団の団長を務めていたギーシュは、咄嗟にそんな事まで考えた。 ――が、 「イヤッ! は、離して!」 それまでの高飛車な態度とは打って変わった可愛らしい悲鳴をあげ、 ベアトリスが広樹を突き飛ばした。 予想外の反応に、一同がおや?と首を捻る。 今の悲鳴は、決して本心から嫌がっている感じの「イヤッ!」ではない。 むしろ今のは、本当にやめたら却って失礼になる感じの「イヤッ!」だった。 広樹のヤツ、単なる巨乳好きの童貞だと思っていたのに、どこでそんなテクニックを身につけたのか。 ゴクリ、と、悪友達が生唾を飲み込む。 だが、本当に驚愕していたのは、他ならぬベアトリス自身である。 眼前の平民の汚らわしい手が胸元に触れた瞬間、彼女が感じたのは、溢れんばかりの『幸福』だった。 この人は、本当におっぱいの事を愛しているんだと思った。 こんなにもおっぱいを愛している人とめぐり合えるなんて、自分のおっぱいは、本当に幸福なおっぱいだ。 そんな馬鹿げた事まで考えてしまっていた。 自らの感情を否定する、圧倒的な幸福感に、ベアトリスは、胸元が締め付けられるような苦しみを感じた。 いや……。 「え……? きゃっ!」 締め付けられるように、ではない。 本当に締め付けられているのだ。 どくん、どくん、と言う心臓の鼓動に合わせ、ささやかだった筈の膨らみが革命を起こし、 小さめの制服を内側から押し上げていく。 Yシャツは既に限界まで伸びきり、双丘は痛いぐらいに圧迫されていたが、それでも革命は止まらない。 やがて…… ブチィッ、 と言う音と共にボタンが爆ぜ、見事な谷間が大衆の前に飛び出した。 「み、見ろ! お前等ッ!」 「お、お嬢様のおっぱいが……!」 「あらゆる魔法を使い、あらゆる秘薬を飲み、あらゆるマジックアイテムを試し それでも尚、一向に成長の兆しを見せなかった、お嬢様のおっぱいが!?」 「あんなにも、ご立派なお姿になられて……!」 「これが……私? わたしの、おっぱい……」 半ば呆然と顔をあげ、穏やかな声で、ベアトリスが広樹へと声をかける。 「あなたは一体…… 私に、何をしたの?」 「証明したのさ」 「え?」 ゆっくりと、広樹が顔をあげる。 「ティファニア・ウエストウッドが召還したのは、ただの人間じゃない こんなイカレた能力を持つ奴、この星の生物ですらない だから、人間じゃない生物をテファは、ただのメイジだ…… そうだろ?」 「……あなたは? あなたは何者なの?」 広樹は大きく辺りを見回し、やがて、その問いを発した。 「なあテファ、それにキュルケ。 お前等、少し変だと思ったことは無いか? 『なんで自分は、こんな冴えない平民の少年を、本気で好きになってしまったのか?』ってな」 「……ッ!」 「なッ!」 呆れるほどに傲慢で自信過剰な台詞に、思わず二人が顔を上気させる。 (……でも、悔しいけれど、彼の言う通り。 私は彼が好き。 今まで様々な色男を手玉に取ってきたこの私が まともに声をかける事もできない。 目を合わせる事もできない。 恋文一つ渡す事すらできやしない。 こんな事は、物心付いた時から、今まで一度たりとも無かった。 まるで初心な少女みたいに臆病になってしまうほどに 彼の事が好きで好きで堪らないなんて……。) (何故なのヒロキ? 貴方は何故、そんなに悲しい瞳をしているの? できる事ならば、貴方の抱いている悲しみの全てを 私の胸で、優しく包み込んであげたい……) 「ちょ、ちょっと待ちなさいよッ!」 何事か考え始めた二人に代わり、胸元が絶望的な桃色頭の少女が声を上げる。 「それじゃあナニ? 触っただけでおっぱいを大きくできるのも 一部の女の子がアンタにぞっこんなのも、みんな、アンタが宇宙人だからだって言うの? バカも休み休み言いなさいよ! 一体ドコの星に生まれれば、そんな能力……」 そこまで、口にしたところで、ルイズがはたと気付いた。 彼女自身の言葉の中に、ハッキリと答えはあったのだ。 改めてルイズが思案に耽る。 彼に熱を上げていたのは、ティファニアやキュルケだけでは無かった筈だ。 ――テファが呼び出した使い魔を、まるで本物の弟のように溺愛していたフーケ。 ――右も左もわからない少年を、実の母親のような優しさで庇護し続けたカトレア。 ――主が止めるのも聞かず、種族を超えた執拗なアタックをかけ続けていたシルフィード。 ――冴えない平民の彼に、伝説の勇者の姿を重ね合わせていたアンリエッタ。 逆に、彼を毛嫌いしていたのは誰だったか? ――モンモランシー、タバサ、そして自分……! 「――気付いたか、ルイズ?」 「……ヒロキ、アンタ、まさか?」 「ああ……」 ・ ・ ・ おもむろに、広樹が眼鏡を外す。 深い悲しみを宿した瞳から、熱いものが一筋、頬を伝う。 「お前の想像の通りさ 俺は…… オレ、狩谷広樹は…… 『 お っ ぱ い 星 人 』 だ !」 … …… ………お …………っ ……………ぱ ………………い …………………星 ……………………人。 …………………………実在したのか。 そんな、呆然とした考えしか、一同は思い浮かばない。 同情して泣いてやればいいのか? それともこれは、思い切り笑い飛ばすべき事態なのか? それすらも判断がつかない。 辺りが水を打ったように静まり返る中、広樹の独白が続く。 「――たまに、巷にいるだろ? 『いあ~ オレっておっぱい星人だからさ~』みたいな軽いノリで あらゆるセクハラが許されてしまうナンパ野郎が ああいう奴らって、実は全員『本物』なんだぜ ハハッ! 笑っちまうだろ……」 ……まったく笑えない。 眼前で繰り広げられている一人芝居は、悲劇にしては冗談が過ぎ、喜劇としては余りに衝撃的過ぎた。 「ヒロキが…… おっぱい星人、ですって……?」 かろうじてキュルケが呟く。 彼が相当なおっぱい星人である事は、早い段階で分かっていたが、 まさか、本当に『本物の』おっぱい星人であろうとは、思いもよらない事態であった。 「本当に、おっぱい星人……なの? ヒロキ……?」 「正確に言えば、おっぱい星人の父と、地球人の母との間に生まれたハーフさ ハハ テファと同じだね」 「そんなの……」 そんなのと一緒にされても困る。 と、喉まで出掛かった言葉を、かろうじて飲み込む。 だが、おっぱい星人の血を引く人間が日常に溶け込んでいた事を思えば、 エルフの血を引いている人間が居た事なんて、本当にどうでもいい事かも知れない。 その場に居合わせた者達は、皆、その見解で一致した。 「……出来れば、この事は誰にも知られたくなかった ただの平民のフリをしながら、つつがなく日々を過ごして その内に、元の世界に戻る方法が見つけられればって、そう思っていた……」 だが、もう平民の日常には戻れない。 最高のおっぱいと引き換えに、彼は、平民としての日常を失ってしまったのだ。 これからは良くも悪くも、おっぱい星人としての日々が始まってしまうのだ。 彼は孤独だ。 喜劇と悲劇は紙一重、とは良く言ったものであるが、 何を言っても喜劇にしかならないという悲劇が、現在の彼を孤独にしていた。 大好きだったメグ姉も、かけがえの無い理解者であった立花も、この世界にはいない。 「そんな事は無いわ ヒロキ! 私は…… 私はあなたの事を……!」 「君が俺の事を思ってくれるのは、俺がおっぱい星人だからなんだぜ? テファ……」 「! そ、そんな……」 捨て鉢な広樹の言葉に、ティファニアが絶句する。 嗚呼。 せめて彼が、適当でナンパな男であったなら良かったのだ。 それならば、世界は幸福だった筈だ。 彼も、ハルケギニアも、そこに住まうメロンちゃん達も、 幸福なファンタジー世界の日常を続けられたであろうに……。 だが、彼は誠実で繊細だった。 誠実ゆえに悩み、繊細ゆえに傷つき、大きく道を間違えた果てに……、 彼は、ハルケギニアの世界を揺るがす選択をした。 「……フ、フフ、そうさ、そこそこに幸福で、そこそこに不幸な平民の日常は、今日で終わりだ……」 「ヒ、ヒロキ……?」 キッ、と、広樹が顔を上げる。 強大な決意と覚悟に満ちた、本物の野獣の目をしていた。 「これからの俺は、本物のおっぱい星人として生きるッ!」 「え え え え え え え え え え え え――――ッ!」 ・ ・ ・ 言葉の意味は良く分からない。 だが、本能的に嫌な予感を感じ取った二つの騎士団は咄嗟にタッグを組み、 脳みそが煮えまくった広樹の前へと立ちはだかった。 「よ、よ、よせッ! 少し頭を冷やすんだ ヒロキ! 今のお前は、どう見ても人としての軸が……」 「どけえぇぇェ―――ッ!」 友人・ギーシュの必死の忠告を遮り、広樹が獣の如く大地を蹴る。 直後、その胸元に、記すのも憚るほどにおぞましい形のルーン文字が浮かび上がる。 「うおおおおおおぉぉぉおおおぉぉッ! もう、ハルケギニアの未来なんぞ知ったことか――ッ! ど い つ も こ い つ も 巨 乳 に し て や る ぅ ―――!!」 「な! 何だ!? コイツのパワーは!」 「魔法が! 魔法が利かない!?」 「バカなッ! トリステイン最強を誇るクルデンホルフ空中装甲騎士団がッ! ただのおっぱい星人ごときにィ~~~!?」 「やめるんだ! ヒロキッ! 小ぶりなおっぱいだって、それはそれで魅力的だヴァアァァァアアッ!!!!!」 「ギッ! ギィシュウウゥゥゥ――ッ!?」 「近づくなレイナール! 今のアレはヒロキじゃないッ!」 「早く、今のうちに女生徒を! 特に貧乳な娘を優先して逃がすんだッ!」 「ダ、ダメ…… あんなに野獣めいた瞳に見つめられたら、私、は……」 「早く逃げてタバサ! あんなのに掴まったが最後、たちまち見事なボインちゃんにされてしまうわ!」 「見事な…… ボインちゃん……」 「おっぱい! おっぱい!」 「自重しろマリコルヌゥ―――ッ!!」 「メグ姉の…… 立花の居ないこんな世界なんてェ――ッ! お っ ぱ い で 埋 め 尽 く し て や る ッ !!」 ・ ・ ・ ――以上が、ハルケギニア全土に一大おっぱい革命をもたらす契機となった事件、『ベアトリスの乳審判』の顛末である。 騒ぎの中心人物であるティファニア・ウエストウッドの使い魔、ヒロキ・カリヤについては 未だに解明されていない部分も多く、その正体は謎のヴェールで包まれている。 革命の拡大に合わせ、彼の名前は瞬く間に各地へ伝播し、様々な『伝説』として語られるようになった。 ――曰く、ジョゼフⅠ世の使い魔を篭絡し、ガリア戦役終結の立役者となった。 ――曰く、トリステイン-ゲルマニア百年戦争の火種となった。 ――曰く、自力でサモン・サーヴァントを習得し、異世界の恋人二名を召喚した。 ――曰く、ハルケギニア初のブラジャーを考案した。 ――曰く、エルフと乳の因果関係を調査するためサハラに渡った。 ――曰く、竜の羽衣に乗って故郷へ帰った。 ――曰く、当時の女性の平均バストサイズが、約20cm増加した。 など、彼に関するこれらの伝承は、事件より千年の時を経た現在も尚、ハルケギニア各地で散見される。 トリステインのアカデミーに残る人名録には、彼の業績について、ただ一言【記す事憚る】、とだけ記述されている。 尚、予断ではあるが、彼を取り巻く女性達の中で、友人のルイズ・フランソワーズのみが 生涯ささやかな胸部を守り抜いた事で知られている。 虚無の影響が豊胸を阻んだとも、強大な魔法の使いすぎでエネルギーを奪われたとも 一部の騎士達の知られざる闘いがあったとも、元々無いものは増やしようが無かったとも言われるが、真相は定かではない。 いずれにせよ、この歴史的事実が、後世の聖女信仰における、メロン派とレモン派の深刻な対立を生み出すのである。 両派閥の和解には、更に三百年の時を待たねばならなかった……。 終 『僕と彼女のホント』より、狩谷広樹を召喚
https://w.atwiki.jp/uadnee/pages/529.html
456億ウォン(約44億円)の賞金がかかった謎のサバイバルゲームに参加した人々が、最終的な勝者になるために命をかけて極限のゲームに挑戦する話を描くNetflixシリーズ「イカゲーム」は、8月11日に予告ポスターと予告映像を公開した[韓国ドラマ 人間失格 DVD]。公開された予告ポスターは、「456億、大人たちの童心が破壊される」というフレーズと、「イカゲーム」を象徴する丸、三角、四角が描かれた土地の上に倒れている緑のジャージ姿の男、彼を引っ張っていくピンク色のユニフォームの男、そしてピンク色のリボンがついた大きな箱で視線を奪う。幼少期の思い出を象徴する遊びが、韓国ドラマ ホンチョンギシリーズでどのように大人たちを窮地に追い込んでいくか、作品に対する情報が公開されるたびに好奇心が高まっていく。同時に公開された予告編第1弾は、命をかけてゲームに臨む参加者たちの様子で緊張感を高める。崖っぷちに立たされて、どこなのかも分からない場所に集まった456人の参加者は、1日1つのゲームで456億ウォンに向けて突っ走っていく。ゲームに失敗した代価は、それぞれの命であり、最後まで生き残ったたった1人だけがすべてを勝ち取ることになる。様々な年齢、職業、事情を持った彼らが、どのようにゲームに参加することになり、[韓国ドラマ 海街チャチャチャ]この巨大なゲームを開催する者は果たして誰なのか、好奇心がくすぐられる。また、ビビッドな色と親しみ深い空間、そして参加者たちの阿鼻叫喚が織りなす強烈なコントラストが、「イカゲーム」が披露するユニークなビジュアルとストーリーに期待を高めている。「イカゲーム」は、「天命の城」「怪しい彼女」「トガニ 幼き瞳の告発」などのジャンルを行き来する様々な物語と、深いテーマの作品で認められてきたファン・ドンヒョク監督が演出を務め、無限競争に追い込まれた現代社会を、子供時代の思い出の遊びと結びつけて、大胆な想像力で新しいストーリーを繰り広げる。また、イ・ジョンジェ、パク・ヘス、オ・ヨンス、ウィ・ハジュン、チョン・ホヨン、ホ・ソンテら、多彩な俳優たちが命をかけたゲームに参加せざるを得なかったキャラクターの心理とストーリーを生々しく描き、大胆な設定への没入感を高める[D.P. -脱走兵追跡官- DVD]。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1755.html
前ページ次ページゼロの大魔道士 『炎蛇』のコルベール。 彼はトリステイン魔法学院の学院長オスマンの片腕として知られている一教師。 火系統の魔法を得意とするトライアングルメイジで、その腕前は見たものこそほとんど皆無ではあるものの、凄腕だと噂されている。 そして、魔法の更なる活用法を発見しようと日夜研究している変人としても名が知れ渡っている。 教師としての評判はそれなりに悪くはない。 権威や主義に凝り固まった教師の多い中、コルベールは時折自分の世界に入り込むことを除けば気さくな大人だったからだ。 「…と、いうわけです」 そんな彼は今、学院長室にいた。 本日行われたサモン・サーヴァント及びコントラクト・サーヴァントの結果報告のためだった。 しかし、その表情は暗い。 原因は言うまでもなく、その左手の甲に刻み込まれているルーンの紋様にあった。 (ああ、何故こんなことに…) ううむ、と唸るように考え込む表情を見せるオスマンを前にしてコルベールは真っ青な表情で立ち尽くす。 謎の平民の少年に刻まれたはずのルーンが自分に刻み込まれる。 しかもその原因と思われる少年は逃走。 残ったのは自分の手に浮かぶルイズの使い魔の証であるルーン。 (始祖ブリミルよ。私が一体何を……) したというのですか、とは繋げられなかった。 過去を掘り起こせば十分自分はこんな目にあうにふさわしい所業をなしてきたのだから。 これも贖罪なのか… コルベールは今更ながら真剣に自分の過去を悔やんだ。 「ふむ、大体の事情はわかった」 ギシ、とオスマンの座る椅子が軋む。 身を乗り出すようにして自身を見つめるオスマンにコルベールは冷や汗をかく。 どう考えても今回の事件は学院設立上最大の汚点となる事件である。 オスマンがどういった判断を下すのかは不明だが、最悪の場合はクビも覚悟せねばなるまい。 ぐびり、とコルベールは緊張に生唾を飲み込んだ。 「で、柔らかかったかね?」 「は?」 オスマンの第一声は意味不明だった。 柔らかい? 何が? 「またまた。お主がミス・ヴァリエールの使い魔になったということは…したんじゃろ、唇と唇をぶちゅっと!」 このこのっ。 ニヤけた表情で自分をつついてくる老人にコルベールは呆然となる。 が、すぐにその表情は憤怒へと変化する。 この老人は、自分が真剣に悩んで報告をしたというのに、ロクに話を聞いていなかったのだ。 「…オールド・オスマン?」 「なんじゃ、そんなに照れ……ぬおっ!」 ゾッとするような声がオスマンの耳に届いた。 やばい、流石にやりすぎた!? 自分に恐怖を与える男に、オスマンは場を和ませよう作戦が失敗したことを悟った。 なお、オスマンがコルベールをなだめるのに要した労力は普段秘書に行っているセクハラの謝罪の三倍くらいだったという。 「こほん。しかしまたとんでもないことになったもんじゃの」 「はい。情けないことですが、正直私も途方に暮れていまして…」 項垂れるコルベールにオスマンはさもありなんとばかりに頷く。 突然自身の生徒の使い魔になってしまったなど、想像を絶する事態である。 しかも主である相手はゼロのルイズことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 もしも自分が彼の立場だったらと思うと、羨まし…ごほん、耐えられるものではないだろう、色々と。 「ところで、ミス・ヴァリエールはどうしたのかね?」 「それが…逃亡した少年に向けて一通り罵声、あ、いや、叫んだかと思ったらふっと気絶してしまいまして」 「まあ、無理もないがの…」 契約しようと思ったドラゴンは逃げた。 更に、契約を交わしたはずの平民は契約を解除してやはり逃げた。 これでショックを受けない方がおかしい。 「しかしどうするんじゃ? 件のドラゴンと少年は逃亡したまま。 このままじゃとお主がミス・ヴァリエールの正式な使い魔ということになるが…」 「……」 オスマンの問いにコルベールは答えられない。 サーヴァントの儀式は始祖ブリミルに祝福された神聖な儀式である。 つまり、主側も使い魔側もお互いに結果に対して異議を唱えてはならない。 だが、今回のこれは通常とはとても言いがたい事態だった。 「…まずは、ミス・ヴァリエールの目が覚めるのを待つことにします」 「まあそれしかないじゃろうな…しかしコルベール君。もしもミス・ヴァリエールが君を使い魔にすると決めたらどうするのかね?」 「……彼女の意思に従います。立場としては私の方が従なのですから」 ともすれば溜息が漏れそうな表情をしながらも、コルベールはキッパリとそう宣言した。 過程がどうであろうと、結果がこうなっている以上、決定権はルイズにある。 それに、元はといえば自分の油断が招いたミスなのだ。 「ふむ、そこまでの決意ならば止めたりはせんが…しかしドラゴンのほうもじゃが、逃亡した少年が気にかかるところじゃの」 「はい。あまりの事態にデティクトマジックを使うことすら忘れていましたが…」 思い出す。 少年は確かに空に浮いて逃亡した。 しかも気がついた範囲では詠唱の声は聞こえなかったし、杖も持っていた様子はなかった。 「詠唱なし、杖なしでの魔法行使。その上コントラクト・サーヴァントの解除」 「できるものなら是非話を聞いてみたいものじゃが…」 それは無理だろう、と二人の男はそれぞれの理由で溜息を漏らすのだった。 男二人が顔をつき合わせて溜息をついていたその頃。 「ああっ、ジャン…っ!」 とある一室で赤い髪の女性がベッドの上で転げまわるという奇態を披露していた。 彼女の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。 通称『微熱』のキュルケ。 燃えるような美貌とグラマラスな肢体で数多の男を魅了する彼女は今、たった一人の男に恋焦がれていた。 その男の名はコルベール。 先程の儀式で彼女の仇敵たるルイズの使い魔になってしまった男である。 「ああ、貴方のことを思うと胸が熱くなる…そう、これが…私の微熱!」 バッと起き上がり、両手を胸の前で拝むように組む。 頬は朱に染まり、その頭からはハートマークが乱舞している。 キュルケという女性は惚れっぽい。 それゆえにこういった行動に出ることは珍しいことではなかった。 だが、今度は相手が相手である。 相手は一回りどころか二倍以上の歳上、しかも容姿的にも良いとは言えず、パッと見はうだつのあがらない中間管理職。 いかにキュルケといえども惚れる要素が全くないような相手なのだが… コルベールがマザードラゴンの羽ばたきに吹き飛ばされたあの瞬間。 キュルケは彼をその豊満な胸で受け止めていた。 いや、厳密には受け止めたのではなく受け止めさせられたのだが、そこは割愛する。 とにかく、コルベールを受け止めた彼女はその瞬間に恋に落ちた。 意外にガッシリした体躯。 胸を焦がす熱い体温(胸に突っ込む形になっていたハゲ頭が太陽熱で熱されていただけ) 猛禽のように前方を睨みつける凛々しい眼差し。 多分にフィルターが入ってはいるものの、キュルケはそれらを感じ、落ちてしまったのだ。 勿論、最後まであの場に残っていたのはコルベールを見つめていたからである。 まあ、ルイズが心配だったという点もなきにしもあらずなのだが。 一方、そんなキュルケの奇態を一顧だにせず黙々と本のページをめくる少女がいた。 キュルケの親友にして『雪風』の二つ名を持つタバサである。 彼女は、キュルケの様子を全く気にすることなく(というか慣れただけ)本に目を落とし続けていた。 だが、その頭に文字は入っていなかった。 彼女は別のことを考えていたのだ。 それは逃亡したルイズの使い魔のこと。 彼は杖もなしにフライに似た浮遊をし、かなりのスピードで逃げ出した。 しかも、詠唱をしていた様子も見られなかった。 (先住魔法…?) エルフが使うといわれる杖を必要としない魔法。 少年が使っていたのもそれだったのかと考えるが、すぐにその思考は打ち消される。 少なくとも少年の見た目はエルフには見えなかった。 擬態しているという可能性もあるが、彼の立ち振る舞いを見た限りではそうとも思えない。 無論、エルフを見たことがあるわけではないのでタバサとて断言はできないのだが。 (それよりも) だが、タバサが注目しているのはそこではなかった。 誰も使用の瞬間を見ていなかったと思われていたポップのシャナク。 彼女はそれをハッキリと見ていたのだ。 知る限り、コントラクト・サーヴァントを解除する方法は使い魔の死しかありえない。 にもかかわらず、あの少年はそれを生きたまま成し遂げた。 これは控えめにいっても異常である。 しかしタバサはポップに対し恐怖を覚えたというわけではなかった。 むしろ向けた感情は興味だったといえる。 何故ならば、彼は自分の望みをかなえてくれる存在なのかもしれなかったからだ。 自分の知らない魔法(?)を扱う少年。 彼ならば、あるいは… 「なんとしても、探し出す」 タバサは、決意の瞳で本を閉じた。 前ページ次ページゼロの大魔道士
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/41446.html
登録日:2019/02/20 (水) 00 38 15 更新日:2024/01/09 Tue 15 06 02 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 PT追放されましたが、魔女や淫魔と暮らせて幸せです エルフ耳 セレネ 半人半魔 悪魔 魔女 そういえば、まだ名前を教えてなかったのう わしの名はセレネ 今日からおぬしの師匠になる引きこもりの大魔女じゃ セレネはエロライトノベル『PT追放されましたが、魔女や淫魔と暮らせて幸せです』のメインヒロイン。 【概要】 エルフのように耳の尖った、金髪に海のように蒼い瞳を持つ女性。 300年以上昔に悪魔を体に取り込み悪魔に喰われるわけでも克服するわけでもなく混じり合った半人半魔という異例の存在となっており(*1)、自身が造ったダンジョンの奥に籠もっている。 半ば伝説の存在となっており人間世界だけでなく魔界にも名が轟いている。 【活躍】 ダンジョンに挑み、保身に走った仲間達を逃がすために一人残り見捨てられ死の淵を彷徨う主人公アステルの前に姿を現し、体質的に不向きにもかかわらず盾職として体を鍛えた彼の努力の方向性を否定し、魔法の弟子に取ると告げて治療を施した。 方向性は否定しているもののアステルの努力自体は認めており、彼を見捨てたPT連中のことや、アステルが自身を卑下した際には我が事のように怒りを見せている。 弟子に取って数日は、魔力に慣らすために雑用をさせていたが本来は数年続けさせる必要のあるところを短縮のために性行を行い処女を散らし、単に儀式として行ったつもりがアステルによってまるで恋人に対してのもののように接せられ、長く孤独に生きていた自身が他者との触れ合いを欲していたことを自覚、アステルに対して愛しいと感じるようになる。 そのまま、破瓜の血などを触媒に悪魔召喚の儀式を行い、諸々の手続きを仲介しアステルと淫魔の姉妹カルディアとアルマを契約させた。 「主様はお優しいお方……本当のことを知っているのであれば、あなたとあのように気軽に接していられるわけがありませんわ」 カルディアからは、アステルに対して嘘を付いていると見抜かれ警戒されたが一括し黙らせている。 「心配せずとも、おぬしたちの主はわしの弟子だ。弟子に無茶はさせん。そこは、信用してくれると嬉しいのう」 続いて魔力に反応して光るランプを手渡し、三時間灯し続けるように指示を出すと眠りについた。 目覚めた頃にはアステルもランプを点灯できるようになっており、雑談する中で拾った理由を問われ、 はじめは侵入者などどうでも良かったが、仲間を護るために必死なアステルと、それを当たり前のように道具としてしか見ていないPTを見て気が変わったと魔女らしくなさを自嘲し、 課題を達成できれば褒美を出すことを決め、見捨てたPTの首や道具などを提案するも、性行を望まれお茶を吹き出しテンパりながらも真っ直ぐに迫られ承諾。 「……わし、ちょっとチョロすぎではないか……?」 先述の嘘からカルディアからは一定の不信感を抱かれているものの、はみだし者同士良好な関係を築いており、アルマに対しても人間の使う魔法を手解きするなど楽しい数日を過ごすうちに、アステルが課題を達成。 照れながらも撤回はせずに体を与え、アステルから真っ直ぐに愛を伝えられ、自身もその言葉に喜びを感じていることを伝えるが、 「ーーーー無理なのだ」 「……すまんな……アステルわしは、お前の命を……救ったかも、しれんが……心までは、救ってやれんかも……」 セレネの体は半人半魔。奇跡的なバランスで成り立っており、 死の間際の人間を生き長らえさせるという荒業を実行した結果、そのバランスは魔側に大きく傾き、いつ悪魔が目覚めてもおかしくない状態となっていた。 そのことはセレネ自身も自覚しており、自身の死を代償にしてまでアステルを助けた理由、それはセレネ自身も、捨てられた人間だったから。 家族に売られ魔法使いに生贄として買われ、生き延びるために目を盗み魔法を独学で習得し、儀式を書き換え悪魔を宿すことで魔法使いを殺し自由となり、 強大な悪魔の力から、他者に狙われ続けた結果、ダンジョンに独り隠れ身を守っていたのだった。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] は? -- 名無しさん (2019-02-20 20 46 45) 名前 コメント