約 4,200,027 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6349.html
前ページ次ページゼロの視線 第四話 ごりごりごり 「あら・・・・・あなたは確か・・・・・・ミス・ヴァリエールの使い魔さんですね?」 「ええ、甲賀眩乃介と申します」 「コウガ・・・・・・・ゲンノ?」 「眩之介でけっこうです」 「ではミスタ・ゲンノスケ。このような朝早くから何をされてるのですか? あ、わたくしはロングビル。 オールド・オスマンの秘書をしておりますわ」 なにやら植物を、おそらくコルベールあたりから譲り受けたであろう鉢に入れ すりこぎのようなものですり潰している。 「薬を作っているのですよ」 その言葉に眉をひそめるロングビル。 「薬?ではあなたは水のメイジなのですか?」 「めいじ・・・・・というと術使いのことですね。 いいえ、わしはあなた方の言うめいじとやらではありません」 「ですが・・・・・・」 とここで頭をひねり、ちと考える眩之介。 「物にもよりますが、薬を作るのには術などいらないのですよ」 その言葉に驚愕するロングビル。 「そ、そんな馬鹿な!」 「そうですね・・・・・・この草が見えますか?」 「それは・・・ヴァルヌ草ですね。 実を齧るとお腹を壊すといわれてますわ」 「わしの故郷では違う名で呼ばれているのですがね、こう考えてみてください。 食べるとお腹を壊すのなら、ごく少量服用すれば便秘や解毒の薬になるのだと」 「!」愕然とするロングビル。 「どうやらこちらでは術師の能力が優れている上一般的になり過ぎていて 術師を介さないで何かをする、という考えがあまり無いようですね」 「ええ・・・・・・・・・」 「他にも、これをご覧ください。 これはわしの地ではチョウセンアサガオと呼ばれています。 マンダラゲとかキチガイナスビともいいますが。 この花を摩り潰すことで眠り薬が作れるのですよ」 「花から作り、魔法を使わない眠り薬・・・・・・・」 「他にも一時的に痛みを消す薬や毒を消す薬などがあります」 「それが広まればメイジの権威など朝日の前の霧のように掻き消えてしまうでしょうね」 今度、それらの作り方を教えていただけますか?」 「かまわぬが」 「そんな薬の作り方を知れば、故郷の妹たちも多少は自力で稼げるようになるでしょう。 あの子達のために稼ぐのを苦労とは思いませんが、自分の足で立つ事も覚えさせないと・・・・・・」 そうつぶやくロングビルを、ひどく優しい目で見つめる眩之介だった。 しばらく話をした後それでは、と去っていくロングビル。 その後姿を見送った後妙な気配に見ると、青い羽の生えた竜らしき生き物が 興味深そうに彼の手元を覗き込んでいた。 たしか、たばさなる娘の傍にいた。 「きゅいきゅい」 「興味があるのか」 「きゅいぃ・・・・・・きゅきゅい」 少々退屈だけど見ておきたい、そう言っている風に見受けられる。 ほいっと花を、その竜の口に放り込む。 「きゅい?」 驚いたようだが、少しすると笑顔(らしきもの)を浮かべて噛み始める。 「その花の蜜は甘いだろう」 「きゅい」 そろそろ時間だ。 ご主人様とやらを起こさねばなるまい。 時は昼。 主人を起こし、身支度を整えた後授業とやらに送り出した後裏庭でまた薬を作り始めた眩乃介。 「子供が働く事無く学べる、か。平穏でよき地のようだな」 子供が学問に入れ込むなどごく一部の贅沢でしかなかった日の本を想う眩乃介。とその時 「何者!」 自らに向けられた気に飛び跳ね、腰の小刀に手をやる。 見ると、青い髪の少女が居た。 「君はたしか・・・・・・・たばさといったね」 こくりと頷くと「聞きたい事がある」と問いかけてくる。 答えられることなら、と答えると返事をする眩乃介。 「まず、私たちメイジは普通使い魔の見たもの、聞いた事を知る事ができる」 そういえばるいずどのもそう言っていたな。 「その上でシルフィード ー先ほど貴方に蜜をあげた青い竜の名らしいー から聞いた。 貴方は解毒の薬を作れるのだとか。 それはどのような毒でも消せるの?」 残念だがおそらく否、と答える。 「某の住む地は貴公らほど術が発達していない。 貴公らの術を持って作られた毒はおそらくだが某の薬では消せないだろう」 「そう」 表情も態度も全く変わらないのに物凄い勢いで脱力したように感じさせるたばさなる少女。 とその時、巨大な轟音が大地を揺るがす。 見ると巨大な -おそらくは10丈(約30メートル)ほどー 人型が少し離れた場所に建っている 石作りの塔を殴りつけていた。 何事、などと一瞬も躊躇したりはしない。 即座にその塔めがけて走り出す。 数瞬遅れてタバサも走り出す。 「急がねばならんだろうな」 鍛えぬいた眩乃介の耳が、あの人型の足元でご主人様とやらの声を聞きつけたのだから。 「何があったのか知らぬが、全くいらぬ事をする」 かつての部下であり友人でもあった、やたら騒ぎを起こす丸っこい男の事を思い出しながら主人の下に駆けつけるのだった。 たどり着いてみると、巨大な土の山の傍にルイズと・・・・・キュルケといったか? 赤毛の少女が佇んでいた。 「何事」 タバサの問いにキュルケが答える。 「このゴーレム -人型のくぐつをこの世界ではごーれむと呼ぶらしい そういえば昨日のぎーしゅもそう言っていたな ー が宝物庫に穴を開けたのよ! マントを羽織った人影が逃げていくのも見えたわ! おそらく『土くれのフーケ』よ」 その名は何かと聞くと、貴族のみを狙う義賊気取りの泥棒だ、とのこと。 石川五右衛門のようなものか。 背に大筒を背負った小太りの男の姿がなぜか思い浮かんだ。 どの地であっても似たようなのはいるのだな。 その時ようやく、年長者が数名駆けつけてくるのが見えた。 事情とか状況とかを説明せねばならないだろう 「ふうむ」 学園長の執務室で、ルイズ達の話を聞くオスマン。 調査で、宝物庫から「破壊の杖」が無くなっている事が判明している。 すでに時は夕方。 後片付けやらなんやらで、ひどく遅くなってしまった。 「『土くれのフーケ』、か」 なにやら思案を練っているように見えるオスマンは実は次のセクハラの手段だの 美人の下着の色だのを考えてるに決まっていると女性陣に陰口を叩かれていた。 「そういえばミス・ロングビルは?」 コルベールの言葉に「数時間前から姿が見えんのじゃ」と答えるオスマン。 とその場にうわさをすれば影、とロングビルが駆け込んでくる。 「どこに行っておったのじゃミス・ロングビル。 必要な時に姿が見えんでは色々と」 「それより学園長、フーケの足取りが掴めました!」 「なんと! するとミス・ロングビルはこの調査をしておったのだな」 「はい、まあそんなところです。 で、フーケについてですが近在の農民に聞き込んだところ少し前に近くの森の廃屋で 黒ずくめのローブの男を見たそうです。 恐らくその男がフーケかと」 「そこは近いのかね?」 「はい。徒歩で半日、馬で4時間といったところでしょうか」 「すぐに王室に報告しましょう! 王室衛士隊に頼んで、兵隊を差し向けてもらわなくては!」コルベールが叫んだ。 「ばかもん、その間に逃げてしまうわい。第一、降りかかる火の粉を己で払えぬようで何が貴族じゃ。 魔法学院の宝が盗まれた、これは即ち魔法学院の問題じゃ。当然我らで解決する! では、捜索隊を編成する。我は戸思うものは、杖を掲げよ」 誰も杖を掲げない。困ったように、顔を見合わすだけだ。 「おらんのか? 我こそフーケを捕まえんいう貴族はおらんのか!」 「私が参ります!」 前ページ次ページゼロの視線
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5977.html
【メイジと使い魔が織り成す大河メルヒェンファンタジー ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの聖戦 虚無の担い手・伝説の使い魔】 暗黒の時代――虚無の担い手がついに誕生し世界は戦乱の渦へと呑み込まれた……。 だが! そんなある日、混沌の闇の中より新たな光を求め、一人のメイジが立ち上がったのだ!! ――という英雄物語を夢見たりしていたルイズが、いよいよサモン・サーヴァントしちゃいます。 使い魔カタストロフ!! (実は↑がホントのタイトルです) 第1話 これがルイズの使い魔だ! 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール! 五つの力を司るペンタゴン! 我の運命に従いし"使い魔"を召喚せよ!」 幾度かの失敗のあと、ルイズは今度こそという気持ちでサモン・サーヴァントを唱えた。 するとそれに応えるように、彼女の前に銀光の鏡が現れる。 他の生徒達が使い魔を呼び出した時に現れたものと同じ、まさしくゲートであった。 ――や、やった! 杖を握る手にぎゅぎゅっと力がこもる。 苦節16年。 ついにルイズはやりました、魔法を成功させました。 ルイズの様子を笑いながら見ていた生徒達は、予想外の事態に静まり返る。 いやまさかそんなどうして"ゼロのルイズ"の魔法が成功しているのさ。 しかし、彼等はすぐに思い直した。 ゼロのルイズがいったい何を召喚するのか? それはきっと、すでにこの場に召喚された使い魔のどれよりも劣るものに違いない。 嘲笑の準備が完了した。 さあ出て来い! ゲテモノ使い魔! ルイズと他の生徒達、正反対の期待を高めながらゲートを潜り抜けてくる影を凝視する。 それは人の姿をしていた。 胴体から手足が生え、頭部にはフサフサの髪もある。 シルエットから女性だろうと判別できるのは、球体の如きたわわな胸。 しかしそれは人間ではない。 人間であるはずがない。 そもそも人間が使い魔として召喚された事例など、学院の教師達ですら聞いた事がない。 そしてそれはまさしく人間ではなかった。 人間というには小さすぎた。 人間の頭よりちょっと小さいくらいの身長。 そして頭部から生える一対の触角、噂に聞くエルフの如く伸びた耳。 さらに特徴的なのは、彼女の背中から生えるアゲハチョウの翅。 「妖……精……?」 ルイズが呟いたその単語こそ、まさにその少女を形容するに相応しいものだろう。 赤い髪に青の服に身を包んだその妖精は、まるで可憐な花のような美しさを感じさせた。 驚きが広がる。 あのルイズが妖精を召喚した? しかもすごく可愛いぞ。馬鹿な、ありえない。 逆に、ルイズは歓喜に打ち震えていた。 亜人が召喚される――というケースも聞いた事はない。 しかし妖精といえば基本的に物語の中に出てくる存在で、その姿を目撃した者は少ない。 そんな希少価値の高い妖精が自分の使い魔になるだなんて、何という幸福だろう! 「……あなたが私を召喚したご主人様?」 愛らしい声色で妖精は問い、ルイズは満面の笑みで答える。 「そ、そうよ。私があなたを召喚したの。さっそくだけど契約してもらうわ」 「はい、ご主人様」 可愛くて従順――ルイズは心の中でガッツポーズ。 今日から真ルイズ・フランソワーズのメイジ物語が始まるのだ。 明日からはきっと系統魔法だって成功しちゃったりして、家族も諸手を上げて大喜び! 長き冬が終わり、永久に続く春が訪れたと確信する。 ――始祖ブリミルよ、ありがとうございます。 感謝の祈りを捧げたルイズは、コホンと咳払いをしてから詠唱を始める。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 ルイズの小さな唇が、さらに小さな妖精の唇に重ねられる。 すると妖精の胸元が輝きだした。 「キャッ……いたたたたっ!」 「お、落ち着いて、大丈夫よ。使い魔のルーンが刻まれてるだけだから、すぐ終わるは」 「……本当だ、もうおさまった。でもこんな所に刻まれなくても……」 妖精とはいえやはり女の子。 ルーンは上から覗き見る事ができる部分の乳房にくっきりと刻まれている。 ともかく、これで二人は正真正銘コントラクト・サーヴァントを終えたのだ。 「ふーむ、珍しいルーンだ。スケッチしておこう」 と、二人の間に顔を突っ込んでくる教師コルベール。 彼は妖精の乳房をまじまじと見つめながらスケッチを書き……。 「い、いやー!!」 妖精は恐怖とおぞましさのあまり、全身を輝かせると、コルベールに閃光を浴びせた。 「どわー!」 哀れコルベールはこんがり焼けて地面に倒れてしまった。 そして、召喚し契約したばかりの妖精も――。 「ちょ、ちょっと!? どうしたの、ねえ、大丈夫!?」 「も、申し訳ありません……あれが私にできる唯一の攻撃、自らの生命力と引き換えに――」 「そ、そんな! せっかく、せっかく召喚したのに!」 もうルイズはパニック状態だ。幸福の絶頂からいきなりどん底に叩き落されてしまった。 コルベールのセクハラに対する怒りが介入する余地がないほど混乱し、絶望している。 また新しい使い魔を召喚すればいい、だなんてルイズには思えない。 魔法が成功した喜びを、召喚できた喜びを、契約できた喜びを、 初めて分かち合った相手こそまだ名前も聞いていない使い魔の妖精なのだから。 まだ出逢って数分も経っていないけれど、ルイズにとってはもう、かけがえのない存在。 あまりにも早すぎる別れ――。 「で、でも安心してください。妖精は一生のうち、6回生まれ変わるの。 それがちょっと早くなっただけですわ……。 それより……ご主人様、私が召喚の呼びかけに応えたのはあなたの力になるため……。 漠然とだけと感じるの、あなたの未来に待ち受ける数多の試練、数多の死闘が……」 「え、ええっ!?」 「さあ、涙を拭いて……私は大丈夫ですから……どんな苦難にも負けないでください」 「わ、解った。試練だろうが死闘だろうが、私、負けないから……しっかりして!」 情に流されて、勢いで言ってしまっているのだとルイズは自覚していない。 けれど、一度口にした言葉、それを破れるルイズではない。 だからこの約束と決意は、絶対に破れる事はないだろう。 「……よかった」 妖精は安堵の笑みを漏らすと、再びその身体を発光させる。 「私は今! 新たなる希望を得て究極の妖精へと生まれ変わります!! そして……ご主人様と共にすべてを懸けて戦いましょう!!」 光はさらに強まり、ルイズの視界が白に染まる。 これが、妖精の生まれ変わり……究極の妖精への進化……。 ある種の感動がルイズの胸中で渦巻いた。 そして、光が消え去ると同時に妖精の姿が変化する。 ――私達の物語は、今度こそ真の始まりを―― 「あらよーっと!」 ぽよ~ん、と気の抜けるような音を立てて現れたその姿、宙に浮くフグだった。 魚介類のフグだった。 毒があるというフグだった。 丸くふくらんでいるフグだった。 「あ~身も心もすっきり」 打って変わって軽い口調のフグ。さっきまでの可憐さなど微塵も残っていない。 「あ、あ、あ……」 あまりの落差に、ルイズは世界がガラガラと崩れて行くかのような錯覚を感じた。 何かの間違いであって欲しい。 けれどフグの胸、というか口の下あたりには使い魔のルーンがくっきりと。 「可愛らしい妖精が……私の使い魔が……ふぐ……フグ……河豚……」 「何を失敬な」 むっとした表情を浮かべたあと、フグは自慢げな表情で解説する。 「あっし達妖精は成長に応じて姿や名前が変わるんでやんす!」 ナターシャ ↓ ヴィヴィアン ↓ カトリーヌ ↓ ステファニー ↓ 【究極の妖精 ハチ】 「強く美しく成熟したあっしはアネさんの心強いパートナーとして――」 もう何も聞こえない。 外見どころか性格まで変わり果ててしまった己の使い魔を前に、茫然自失のルイズ。 コントのような出来事を一部始終見ていた生徒達も、あまりの不憫さに何も言えないでいる。 こうして――。 ゼロのルイズと究極の妖精ハチによる英雄物語が――始まるのか? オマケ ルイズの疑問 「ちょっとハチ。あんたついさっきまで女の子だったわよね? 今はどう見ても(人格が)男なんだけど」 「なーに、自然界じゃよくある事でやすよ! 魚でもクロダイやベラなんかも成長に合わせてメスからオスへ性転換するでやしょ?」 「やっぱり魚介類か……」 「その証拠にホレ!」 ハチは白子を見せた。 魔法学院に爆音が響いた。 ど完
https://w.atwiki.jp/anikaru/pages/59.html
当wikiに対して濱澤卓司氏から名誉毀損の申し立てがなされました まとめwikiの情報開示請求がありました かねてからお知らせしていた通り、下記の件において濱澤卓司氏から、こすぴッとに関する記事が名誉毀損であるとして申し立てがなされました。 ただし会社名がこのwikiに掲載していないものであり、初耳の会社名であったため、偽者からなされている可能性も考慮する必要があります。 まとめwiki管理側としては、情報はコスプレ地域振興研究会のFacebook及びブログからの引用に過ぎず、名誉毀損は事実無根であることなどを説明する予定です。 なお場合によってはこのwiki自体が鳥取県もしくは濱澤卓司氏によって強制削除される可能性もあるため早めの保存をしておかれることを推奨します。 2013/1 当wikiに対して濱澤卓司氏から警告が送られてきました コスプレ地域振興研究会会長の濱澤卓司氏から"こすぴッと"の記事について事実無根の内容があるという指摘がありました。 また、実名などが掲載されていることへの苦情もありました。 改めて記載しますが、当wikiは、ソースのない情報は掲載していません。 また、中傷の目的はなく、あくまでも鳥取県の税金の使い方ならびに関連団体に対する疑問を呈するwikiです。 実名なども、インターネット上に公開掲載されている情報を引用、もしくは言及したものです。 誰もが見られる情報についての批判、言及を"中傷"といわれるのは誠に残念です。 自分で確認したものか、寄せられた情報についてはそれが必ず確認できるものがあることを確認しての掲載をしております。 一方的に事実無根と指摘され、無関係な企業が中傷された、といわれるのは心外であります。 年内に返信がなければしかるべき手段をとる、法的手段も辞さないとのことでしたが、返信が届かなかった可能性も考え、また、基本的に寄せられた情報は公開しておりますので、こういったことがあったとお知らせしておきます。 もちろん【こすぴッと】の件に関しまして、事実無根の箇所があれば訂正はいたしますので閲覧者の皆様もあらかじめご了承ください。 鳥取県及び関連団体の【まんが博】への取り組み体制の疑問点、ならびに補助金や復興予算の使い道など明らかにおかしな資金の流れを指摘してきましたが、こういった形で脅しをかけられることをはなはだ遺憾に思います。 閲覧されている方の知恵をお貸し願いたく思います。 問題解決の折には、このページを削除いたします。 2012/12
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8922.html
前ページ次ページデュープリズムゼロ 第三十三話『ミントとルイズの家族』 「はぁ~…」 「あの…溜息なんて吐かれてどうかなされたんですかミス・ヴァリエール?」 多くの生徒及び関係者がそれぞれ故郷や実家に帰る魔法学院の夏期休暇も半分が過ぎた。もう二週間もすれば再び学生として勉学と友人関係に奔走する日々が溜息を漏らしたルイズにとっても始まる事になる。 そんなルイズを心配そうな目で見るのは学園に残って仕事に勤しむシエスタだった。夏期休暇が始まると同時にミントと共に何処かに行っていたと思えばつい先日、何やら酷く疲れた様子で戻ってきたルイズ。 中庭で何やら重要そうな羊皮紙の束を手にしたままシエスタが煎れた紅茶を口に運んだと思えばルイズはしばらくその味と香りを吟味した後で眉をしかめたままティーカップを空にした。 「シエスタ。」 「は、はい。」 唐突に呼ばれ、シエスタはドキリとした…傍目から見てルイズのご機嫌は悪いと言える。具体的に言えばそれは何かに悩んでいながらその解決策も分かっているのに現状どうしようも無い状況に置かれて居る様な… 「紅茶、おいしかったわごちそうさま。」 「いえ、そんな…お粗末様です。」 ルイズから掛けられた意外な言葉にシエスタは目を丸くする。学院に勤めて居る以上貴族の子息の世話を長い事しているが紅茶一杯にこんなはっきりとした感想を与えられた事など初めてかも知れない。 そんな事を考えるシエスタを他所にルイズは再び難しそうな表情で書類をめくる…いけない事だと思いながらもついつい視線を向けたシエスタの視界の隅、その書類には王家の刻印が映されていた。 それを見て動揺しているシエスタに気づきながらもそれを気にした様子も無く、ルイズは書類をめくりながら独白気味に呟く… 「つい最近ね、色々あって初めて自分でも紅茶を煎れてみたわ。知識としては正しい紅茶の煎れ方は知ってたけどいざ自分でやってみると全然駄目ね。香りは飛ぶわ味はしないわ…改めて思うけど私達はいつもあんた達に助けられてるのね。感謝してる…」 「そんな…ミス・ヴァリエール…勿体無いお言葉です!」 果たしてこの言葉を聞いたのがマルトーだったらどうなっていた事か…ルイズのそこらの傲慢な貴族ならば絶対にしないであろう発言にシエスタは感激の余り、両手で口元を押さえて両の目を涙で潤ませた。 「シエスタ、ここだけの話、近くトリステインはゲルマニアとの連合軍でアルビオンに攻め入ることになるわ…戦争が始まるの。私が今読んでるこれはね、私とミント…だけじゃ無いでしょうけど私達が調べ上げて姫様が捕らえた裏切り者の売国奴のリストなの。」 と、まるで何でも無い様に言うルイズの言葉にさっきまで感動でむせび泣いていたシエスタが硬直する。とてもじゃないが一平民のメイド風情が耳にしていい話では無い。 「いくらメイジとしての才に恵まれようと、いくら名門の家柄に生まれようと貴族にもどうしようも無い屑がいるものね。そうそう、今言った話はまだ秘密だから誰にも言っちゃあ駄目よ。」 「解りました。あ、あの…ミス・ヴァリエール…この数日にあなたに一体何があったのですか?」 ルイズの発言に戸惑いながらもシエスタは問い掛ける。明らかにここ数日でルイズの身に何か価値観すらひっくり返る様な出来事があったはずなのだ… そのシエスタの問いにルイズはまさかこんな質問をされるとはと、一瞬驚きはしたが余裕を持った微笑を浮かべて答えるのだった… 「別に、何も無いわ。ただミントと一緒にね、平民のおっさんにセクハラされながらお酌して、お皿を洗って、失敗して、怒って、笑って、寝て、食べて、そんな誰でもやってる当たり前の事をちょっとだけ経験してきただけよ…」 ルイズはそう言って思い出し笑いなのか屈託無く笑う…シエスタは困惑気味に首を傾げたがルイズが皮肉気味に「これ以上は平民が知ろうとする様な事じゃないわ。」と言うとハッとした様に慌てて姿勢を正したのだった。 ____ 魅惑の妖精亭を中心とした諜報活動の結果、大勢の貴族の不正の実体やアンリエッタへの評判、戦争への平民視点での意見等々非常に多くの有益な情報をルイズはアンリエッタへと届ける事が出来た。 徴税官の一件でミントには不正を行う貴族を懲らしめてくれる貴族というイメージが定着しているのかその手の情報が勝手に向こうから寄ってくる上、スカロンの情報網は平民関連に関してはこのまま国の機関としてもやっていけるのではと思える程の物だった。 結果として、あくまで知識としてしか知らなかった平民の暮らしを実体験した事はルイズにとっては貴重な経験となっていた。 また、ルイズとミントがそんな事をしている間にアンリエッタは銃士隊を効果的に指揮を執り、また自身を囮にする事で高等法院長リッシュモンという大物の逆賊を捕らえる事に成功していた。 結果として二人の諜報活動とアンリエッタのネズミ狩り作戦の成功から得られた様々な情報を吟味したアンリエッタはアルビオンへの侵攻作戦を行う事を決定した。 ____ 魔法学園 ルイズが丁度午後のティータイムを楽しんでいる時間、魔法学園の正門前に2台の馬車が到着していた。 平民とは思えぬ程、何処に出しても恥ずかしくない立派な身なりをした御者が引く馬車に刻まれているのはヴァリエールの家紋。必然、その馬車に乗っている人物の素性は極限られた物となる。 「…全く…おチビったら夏期休暇になっても帰って来ないどころか連絡も寄越さないだなんて良い度胸してるわ…これはきつ~いお仕置きが必要ね。」 馬車から降り立った女はそう愚痴りながらも長くウェーブの掛かった金髪を掻き上げると久しぶりに訪れた懐かしき学舎を見上げながら不機嫌に厳しく吊り上がった目を細める。 「御者、ルイズを連れて戻りしだい直ぐに真っ直ぐヴァリエール領に向かうわ。出発準備をしておきなさい。」 「は!畏まりました、エレオノール様。」 毅然とした口調での命令を受けて御者は女、ルイズの実の姉であるエレオノールに姿勢を正して答えたのだった。 人が極端に少ない魔法学園の中、しばらくルイズを探してエレオノールがツカツカと石畳の上を歩いているとふとエレオノールは視線の先に一人の少女の姿を発見した。 服装はメイドでは無く中々仕立ての良さそうな、かといってマントを羽織っている訳では無く杖も持っていない。その姿にエレオノールは学園関係の私服の平民なのだろうと当たりを付けて声をかける事にした。 「ちょっと、そこの平民。ルイズ・フランソワーズを探しているんだけど、どこに居るか知らないかしら?」 エレオノールとしてはいつも通り、他人からすれば高圧的な物言いに声を掛けられた少女はキョロキョロと周囲を見回して誰も居ない事を確認するとようやくエレオノールの言う『平民』が自分を指しているのだと認識して少女ミントはエレオノールに向き直る。 「何?ルイズに何か用?あいつならさっきから中庭でお茶してたわよ。あたしも今からルイズの所に行くつもりだったから何なら案内してあげるけど?」 ミントはいつもと変わらぬ態度でエレオノールに数歩歩み寄る。ハルケギニアに来てから平民に間違われた事等もはや数えてすらいないいつものなので今更気になどしない。 エレオノールはミントの気安い態度に露骨に眉を寄せて厳しい視線を無言でぶつける。 まぁ常識的に考えてこの態度、やはり目の前の少女は私服に着替えた学園の生徒だったのだろうとそうエレオノールは結論づけた。平民呼ばわりされた事で怒っているのだろうか、でなければ目上の貴族に対するこの不遜な態度は説明がつかない。 「あなた…ルイズの友達?…まぁ良いわ、折角だから案内して頂戴。」 「オッケ~、じゃあ付いて来て。」 「あ、こらっ待ちなさい!!」 貴族として余りに態度の悪いミントの様子に魔法学園の品位の失墜を感じたエレオノールが額に手を当てていると、そんな事は構う物かとミントが踵を返して走り出した。 エレオノールはしょうが無いので慌ててミントを見失わない様に追いかけるのだった… ____ 魔法学園 中庭 「お~いルイズ~、あんたにお客さんよ~。シエスタ、あたしにも紅茶煎れて頂戴。」 程なくして学園の中庭に辿り着き、ルイズ達を発見してミントはその傍に駆け寄ってシエスタに紅茶を要求する。シエスタもそれを了承し、慣れた手つきで紅茶を煎れるとついでにミントの言うお客さん用にもう一杯を直ぐに注げる様に支度する。 「客?いったい誰なの…げげっ!!!」 ミントの言葉に手にした書簡から視線を起こしたルイズはミントから遅れてこちらに向かってくる人物、エレオノールの姿をみとめて思わず上擦った声を上げる。 エレオノールも同時にルイズの姿を発見したらしく、歩くスピードを一気に上げるとドシドシという効果音が付く様な力強い歩調でルイズ達の元に歩み寄った。 「お久しぶりね、ちびルイズ。実家にも帰って来ずに随分と夏期休暇を堪能しているようね~。」 「エ、エレオノールお姉様……い、痛い痛いれふぅ!!ごめんなしゃいっ!」 久方ぶりの姉妹の再会はエレオノールがルイズの頬を抓り上げ、ルイズがそれに涙目で許しを請うという形で果たされた。 ミントはその二人のやり取りをみてエレオノールが以前ルイズから聞いていた自分の苦手な姉なのだと察し、シエスタは自体が飲み込めずオロオロとしていた。 頬を赤く染め、涙を両目に浮かべるルイズの姿に威厳は既に無く、ついさっきまで名家の有能な貴族然としたカリスマを放っていた筈のルイズの姿が途端に幼い少女の物となる。 そうしてエレオノールはようやくルイズを解放すると相変わらず涙目のルイズに二言三言小言を言うと直ぐに自分がここを訪れた訳を説明したのだった。 エレオノールの話を要約すればルイズはミントを召喚してから一度も実家に顔を見せて居らず、アカデミー勤めのエレオノールが実家に戻るついでにルイズを回収に来たのである。 「さて、それじゃあ正門に馬車を待たせているから早速行くわよ。それとそこのメイド、あなた道中のルイズの身の回りの世話係りとして一緒に来なさい。」 「えぇ!?わたくしがですか?」 突然のエレオノールの命令にシエスタは目を丸くする… 「何かしら?何か文句がおあり?」 「い…いえ、とても光栄です。」 「そう、良い心がけだわ。」 エレオノールの有無を言わせぬ迫力にシエスタは唯納得するしか無い。まぁルイズの身の回りの世話は自身としても願い出たい所ではあったが。 「さて、後は…ルイズ、貴女が春に召喚した使い魔を連れてきなさい。話位には聞いているわ、何でも随分変わった使い魔だそうね。」 終始エレオノールのペースで進められるやり取りの中、遂に使い魔に関する話題が飛び出した事でルイズの身体が緊張でビクリと跳ね上がりそうになる。ルイズが実家に送った手紙では使い魔についてはまさか異国の王女とも言えずあくまで異国のメイジだとしか伝えていない… 家を離れているエレオノールの耳に届いている情報がどんな物かはルイズには分からないが先程の言いぐさからは本当に珍しい使い魔だと言うぐらいしか聞いてはいないのだろう。 「あ、それあたしの事よエレオノール。」 と、ここで黙って一連のやり取りを見つめていたミントは話題がルイズの使い魔の事に移行したので早速エレオノールに名乗り出たのであった。 「なっ!!??」 ____ 街道 「それにしても…突然でしたね。」 「全くよね…それにしてもあのルイズのお姉さん、ルイズに輪を掛けてきつい性格してるわね~、あれは絶対行き遅れるタイプよ。」 ヴァリエール領への街道を行く揺れる馬車の中、肩を竦ませて言ったエレオノールを表するミントの一言にシエスタは吹き出しそうになるがそれを何とか堪えて肩を震わせ顔を赤くする。 結局あの後、自分を呼び捨てにしたミントに対して烈火の如く怒り、怒鳴り散らしたエレオノールは結局そのままの勢いでメイジが召喚される訳は無いという根拠の無い確信からミントを平民だと思い込んだまま学園を発っていた。 エレオノールとルイズ、ミントとシエスタという組み合わせで乗り込む事になった馬車の中でルイズは非常に気まずい心持ちのまま苦手な姉エレオノールの対面で小さくなっていた。 「全く、使い魔への礼儀作法すら仕込めていないだなんてあんたはそれでもヴァリエールの家名を背負う者なの?」 「申し訳ありません。」 最早本能的にエレオノールに逆らえないルイズは項垂れる様にエレオノールに頭を下げる。 (あぁ…今更言える訳が無いわ…ミントが異国の王女で凄腕のメイジだなんて…それにあのお母様は何と仰るか…) 「聞いているのおチビっ!!!」 「ひゃいっ!!申し訳ありません!!」 目の前に迫る切実な大問題にエレオノールの説教を聞き流していたルイズの耳にエレオノールの怒鳴り声が響き、結局ルイズの中で渦巻く問題は一切解決の目処を見せぬまま、馬車はヴァリエール領へと辿り着いたのであった。 ルイズの実家であるヴァリエール領は隣国ゲルマニアとの国境沿いにあり、またヴァリエール家は王家と祖を同じくするトリステインの中でも最高位の名家である。 その本邸ともなればそれは最早立派な屋敷と言うよりは城と言った方が正しい程であった。 「「お帰りなさいませ。エレオノール様、ルイズ様。」」 一行が玄関をくぐりホールへと足を踏み入れるとそこには無数の従者が一切の乱れなく整列し、一斉に頭を垂れてエレオノールとルイズを出迎える。無論、その直ぐ後ろにいたミントとシエスタもそれぞれ客人として長旅の労をねぎらう様に声をかけられたのであるが。 と、そんな使用人の花道の先にある階段から一人の女性がゆっくりとルイズ達の元に近寄ってきているのにミントは気づき自然と視線はその女性へと向く。 「久しぶりですねエレオノール、ルイズ。」 鋭い眼光、厳しく威厳に満ちた中に見え隠れする優しげな声色。この女性こそルイズ達の母親であるカリーヌであった。 「お久しぶりでございます母様。戻るのが遅くなって申し訳ありません。」 言ってルイズは完璧な所作で傅いて母親へと挨拶を返す。ミントからすれば何とも堅苦しい母親との挨拶に久しぶりにここが流石に異世界であると言う事を強く感じる。 「えぇ。長旅で疲れたでしょう?晩餐の時間までゆっくりと休みなさい。…所で後ろのお二方はどなたなのかしら?一人はメイドのようですが?」 カリーヌの視線を受けてルイズが一瞬たじろぎ、シエスタはあまりの緊張に完全に固まってしまっている… かたや、はっきりと視線を交差させたミントはルイズの母カリーヌから凄まじい力の様な物を感じながらも怯むのは癪なので戸惑う事はせずむしろ堂々とした態度をとり続ける。 「紹介致します。このメイドは学園のメイドで普段私の身の回りの世話をよくしてくれているシエスタです。道中の連れ添いの為に連れてきました。」 ルイズはまずシエスタを簡単に紹介した。それに合わせてシエスタも多少ぎこちないながらもスカートの裾をつまみ淑女として恥ずかしくない態度で頭を下げる。 「そして、彼女が私が春の使い魔召喚の儀式で呼び出しました…遙か異国のメイジのミントです。」 緊張でカラカラになった喉から絞り出す様にルイズは母に事実を伝える… 母は昔からルイズへのお仕置きにはその強大な魔力から放たれる圧倒的な風の魔法を使用してきたのだがそれは最早ルイズにとってのトラウマでしかなかった… 一方母カリーヌはそのルイズの言葉に対して驚愕で目を僅かに見開くともう一度堂々とした態度で自分を見上げているミントを見つめ返す。 (成る程…彼女があの噂の…) 「はぁっ!?あなたメイジだったの?杖も持っていない上にマントも纏っていないじゃない!!」 詰め寄るエレオノールの驚愕の声と共に当然ヴァリエールの使用人達の間にも響めきがあがり驚いた様子が覗えた… 「お止めなさいエレオノール、それがヴァリエールの家の人間の振る舞いですか。ミス・ミント、あなたの複雑な事情はわたくしも陛下から公爵を通じ聞き賜っております。」 カリーヌの言葉にルイズとミントは驚いた表情を浮かべた。カリーヌの言い方であればどうやらミントの素性は既に伝え聞いている上でここでは無闇な拡散を防ぐ意図があるようだとミントは判断する。 「えぇ、事情を察してくれているのなら助かるわカリーヌさん。」 ミントは軽くおどけるように言って肩を窄めると微笑んだ。 「ちょっ!?」 同時にルイズはミントの母カリーヌに対しての「さん」付け呼称に肝を冷やす… 「あの、母様ミントは遠い国から来たもので少々礼節がなってないと言うか…何というか…」 「………うっさいわね…」 「ルイズ、それは文化の違い故でしょう?問題ありません…」 カリーヌはミントの砕けた態度に一瞬驚いた様子を見せたが意外にも寛容な反応を示す…が、それは気のせいだった。 「…折角ですからミス・ミントにはこれから数日、わたくしの指導の下、トリステインの貴族としてのマナーを学んで頂きますから。」 微笑んだカリーヌの言葉にミントは純粋な面倒を感じ、ルイズは幼き日々のスパルタ教育のトラウマを想起してしまうのであった… 前ページ次ページデュープリズムゼロ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1530.html
前ページ次ページゼロの答え ギーシュとの決闘に決着がついた後、ルイズはデュフォーに駆け寄ろうとしたが、出来なかった。ルイズが駆け寄るよりも早く、観戦していた生徒たちがデュフォーに押し寄せたからだ。 人波によって外に追い出されて、ルイズは離れたところからデュフォーを見ていた。 自分の使い魔が浮かべている表情はメイジに勝った喜びや信じられないことが起きた驚きでもなく、いつもと変わらない表情。 それだけであの使い魔にとって、メイジに勝ったことは奇跡でもなんでもないとわかった。わかってしまった。 歓声が広場を揺らしていた。あの平民すげー!とか、平民に負けるなんてギーシュ情けねー!とか、色々な声が怒涛のように響く。 午後の授業が始まっても、そこら中でヒソヒソと決闘のことが話されていた。そしてその話題の中心になっていたのはデュフォーについてだった。 ついさっきまであの平民は魔法の使えないただの平民というだけだったのに。 だけど今は違う。魔法は使えないけどギーシュに勝った平民。それが今のあいつの評価だ。 魔法の使えないメイジと、魔法は使えないけど『ドット』メイジよりも遥かに強い使い魔。 見返そうとして失敗した自分と、自らの有能さを周囲に見せ付けたデュフォー。 どれだけ努力しても魔法を使えない自分と、魔法が使えなくてもメイジであるギーシュにあっさり勝ったデュフォー。 ……デュフォーと比べてみて、自分が勝っているところが何も見つけられなかった。 そんなことを考えていたら、ふとあることに気がついた。 (あれ?でもアンサー・トーカーってあいつが言うには『答え』を出す能力よね。もしかしてその能力なら……) 結局、その日の午後の授業は何も手につかなかった。 授業が終わるとルイズはデュフォーと一緒に自室に戻った。 今から夕食までは部屋で二人きり。聞くなら今しかない。 「ねえ、デュフォー……」 「何だ?」 深呼吸を一度する。緊張で胸が高鳴った。 本命の質問をする前に、まずはこいつの能力の確認からだ。 「昼の決闘ってアンサー・トーカーとかいう能力によるものなの?」 「お前、頭が悪いな。意味がないかどうかは見ていればわかると言っただろう」 ビキッと顔が強張るのを感じた。緊張は一瞬で消えた。沈んでいた気持ちも怒りで浮上する。 「そそそ、そうだったわね。ででででで、でもどうやったらその能力であんな芸当が出来るの?」 「お前、本当に頭が悪いな。どうすれば躱せるかの『答え』も出せるから、アンサー・トーカーだろ」 怒りが全てを凌駕した。少し前までデュフォーに対して感じていた劣等感とか色々な感情が全て頭から吹き飛ぶ。 ―――もしかして、どうすればわたしが魔法を使えるようになるのかに対しても『答え』を出せるの? そんなことをデュフォーに聞こうなんて考えていた自分を頭の中で叩きのめした。 (ぜっっっっっっっっっっっっっっっったい!こいつの力なんか借りないで魔法を使えるようになってやる!!) 同じ頃。学院長室で二人の男が頭を突き詰め合わせて悩んでいた。片方は学院長である老人、もう片方は頭がさびしいことになっている中年の男性教師である。 二人が悩んでいたのは昼に行われた決闘の件に関してであった。 昼ごろ、中年の男―――コルベールがデュフォーの左手に刻まれていた使い魔のルーンが伝説の使い魔『ガンダールヴ』のものと同じであると学院長に報告しに来たのだ。 ちなみにその時、学院長であるオスマンは秘書であるロングビルという女性にセクハラしていた。 その後、ロングビルを退室させ、オスマンとコルベールがガンダールヴのことについて話し合っていると、退室していたロングビルから、ギーシュと件の使い魔が決闘するという報告が届いた。 その報告を聞いた瞬間、オスマンとコルベールは顔を見合わせてアイコンタクトを取った。 (これは……まさにグッドタイミングじゃ) (その通りです、オールド・オスマン。彼が本当に『ガンダールヴ』なのかどうか確認する、またとない機会です) オスマンとコルベールは一瞬でお互いの意思疎通をこなすと、『眠りの鐘』の使用許可を即座に却下し、『遠見の鏡』でヴィストリの広場を映し出した。 そして彼らは見ることになる。ギーシュが呼び出したゴーレムが『ガンダールヴ』と思われる平民の使い魔に触れることすらできなかったのを。 ギーシュが降参し、決闘が終わるまで彼らはその光景から目を離せなくなっていた。 あまりにも決着までの流れが自然だった。襲い掛かる七体のゴーレムなど障害にすらなっていない。 全てが終わったところでやっと二人の硬直は解けた。 「……あの平民、勝ちましたね」 「……うむ」 そう呟いたところで、コルベールとオスマンはお互い魂を抜かれたような表情になっていることに気がついた。それくらい衝撃的な光景だった。 頭を振り、気を取り直すとコルベールはオスマンへと話しかけた。 「あれは、一体なんだったんでしょう?伝承では『ガンダールヴ』はあらゆる『武器』を使いこなし、敵と対峙したとあります。ですが彼は……」 「……素手じゃったな」 「はい。それに、あれは、あの戦い方はなんというか『ガンダールヴ』とはまったく別物のように思えて仕方がありません」 彼がただの人間であることは既に『ディテクト・マジック』で確かめてある。確かめた結果、彼は正真正銘の平民であった。 だから彼に何か特別な力があるとすれば『ガンダールヴ』であるからとしか考えられない。それでもあれが『ガンダールヴ』の力だとは思えなかった。 「そう、じゃな……あれはまるでチェックメイトまでの道筋が確定したチェスを見ているかのようじゃった」 昼の決闘を思い返してオスマンは軽く身震いをした。 確かにギーシュは一番レベルの低い『ドット』メイジである。だがあの戦いは相手が『ドット』だったこととは無関係に思えた。 単純な力の差ではない別の何か。それがあの戦いにあったように思えてならなかったのだ。 「それでオールド・オスマン。彼のことは王都に報告して指示を仰ぎますか?」 「それには及ばん」 オスマンは重々しく頷いて、そうコルベールに告げるとこう続けた。 「第一、何を報告する気かね?彼が本当に『ガンダールヴ』なのかどうかですらまだ確証を得られていないのに」 「で、ですがあれを見れば」 「―――確かに彼のやったことを考えればただの平民の使い魔とは思えん。だが現状で彼が伝承にある『ガンダールヴ』と共通しているのは左手のルーンの形だけじゃ。それだけでそう決め付けるのは早計かもしれん」 それにとオスマンは付け加えた。 「王都のボンクラどもに『ガンダールヴ』などを引き渡したらまたぞろ戦を引き起こしかねん。例え彼が本物の『ガンダールヴ』でなくとも伝説の使い魔との肩書きをつけることができれば十分じゃからの。だからこの件は私が預かっておく。他言は無用じゃ」 前ページ次ページゼロの答え
https://w.atwiki.jp/llss/pages/494.html
元スレURL 海未「あ、PASMO忘れました」 概要 交通費が足りず、弓道の試合をズル休みした海未ちゃん。 家にも帰れないでいたところ、ことりちゃんとばったり会い… タグ ^園田海未 ^南ことり ^μ`s ^恋愛 ^ほのぼの ^[[ことうみ]] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/lls_ss/pages/875.html
元スレURL ダイヤ「閉じ込められましたわ!」 概要 出られないって分かると案外退屈だよね タグ ^ダイかなまり ^短編 ^コメディ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/japan_dorama/pages/1254.html
amazonで探す @楽天で #離婚弁護士 を探す! 木22フジ 2004.04.15~2005.01.06 13.7% wikipedia 前 白い巨塔 次 人間の証明(2004) TVerは放送終了から次回放送日までです。 3月13日(火) 23 59配信終了 Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 裏切られた女 2004/04/15 13.8% 2 慰謝料1億円の女 2004/04/22 14.7% 3 この子は渡さない 2004/04/29 12.8% 4 16才と18才の離婚 2004/05/06 12.9% 5 対決!ストーカー 2004/05/13 13.2% 6 愛と憎しみの遺産相続 2004/05/20 13.6% 7 内縁の妻と本妻 2004/05/27 14.5% 8 父と娘と不倫の慰謝料 2004/06/03 12.5% 9 忘れられない男 2004/06/10 12.4% 10 セクハラされた女 2004/06/17 15.0% 11 セクハラ社長 VS 戦う女 2004/06/24 15.5% 新春スペシャル 2005/01/06
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1864.html
前ページ次ページテスト空間/ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐ 虚無の曜日、トリステイン魔法学院に帰ってきたタバサは自分の部屋で本を読んでいる。 あの後、発狂寸前のイザベラがタバサに与えられた任務の内容はオーク鬼の大群の討伐であったが、タバサは何もせずに学院に戻っていた。 今頃、タバサの指示に従いギャオス達がオーク鬼達を一匹も残さず骨ごと食い尽くしているだろう。 ギャオスが召喚されてからも、世界の流れに特に変化はなかった。 タバサに与えられる任務の数が激減したり、 平民と二股の決闘を見物していたギャオス達が真似をして学院が半壊したり、 ハルケギニア中の吸血鬼達がどこかへ逃げ出したり、 コルベール先生が実験のためと卵を勝手に持ち出し超音波メスの雨を浴びたり、 ガリアのリュティス魔法学院が謎の巨大鳥の襲撃に会い壊滅したり、 ギャオス達の食べっぷりにマルトーが歓迎したり、 近くの森から生物が消えたり、 他の生徒の使い魔達が失踪する事件が相次いだり、 オスマン氏のセクハラが過激になったり、 ギャオスの群れの総数が200匹を超えたりというようなことはあったが、タバサの日常には変化がなかったため特には問題はない。 サイレントによって周囲で暴れてるギャオスの幼体達の鳴き声を意識から消し、タバサは読書を楽しんでいる。 タバサにとって、この時間は至福のときである。 ―― 始祖ブリミルが、お前の名は何かとお尋ねになると、それは答えた。我が名は ―― 次のページへ進もうとすると、部屋の扉がゆっくりと開かれた。 タバサは侵入者に気付いたが本から目を離さない。 見知らぬ人物が入ってきたら超音波メスで帰ってもらうように指示しているからだ。 しかし、入ってきたのはキュルケであったため、超音波メスは放たれない。 その様子に気づき、タバサはしかたなくサイレントを解く。 「タバサ。今から出かけるから早く支度してちょうだい」 キュルケは小声で話しながらタバサの手から本を取り上げる。 あまり大声で騒ぐと幼体達が暴れだすからだ。 「虚無の曜日」 タバサは短くぼそっとした声で自分の都合を友人に述べ、それで十分であると言わんばかりにキュルケから本を取り返そうと手を伸ばす。 だがキュルケは高く本を掲げる。 背の高いキュルケがそうするだけで、タバサは本に手が届かなくなる。 「わかってるわ。あなたにとって虚無の曜日がどんな曜日だか、あたしは痛いほどよく知ってるわよ」 その理由は、実際に一度超音波メスを受けているからなのだが。 「でも、今はね、そんなこと言ってられないの。恋なのよ、恋」 タバサは首を振った。 どうしてそれで自分が行かねばならぬのか、理由がわからない。 「そうね。あなたは説明しないと動かないのよね。 ああもう!あたしね、恋したの!でね?その人が今日、あのにっくいヴァリエールと出かけたの!あたしはそれを追って、二人がどこに行くのか突き止めなくちゃいけないの!わかった?」 タバサは首を横に振る。 まだ理由がよくわからない。 理由がわからない以上受けるわけにはいかない。 それは失礼というものである。 「出かけたのよ!馬に乗って!あなたの使い魔軍団なら追いつけるのよ!助けて!」 そう叫んでキュルケはタバサに泣きつき、ついでに幼体達も騒ぎだした。 ようやくタバサは頷く。 ギャオス達じゃないと追いつけないなら仕方がない。 「ありがとう!じゃ、追いかけてくれるのね!」 タバサは再び頷く。 キュルケは大切な友人である。 友人が自分にしか解決できない頼みを持ち込むならばしかたがない。 面倒だが受けよう。 タバサは窓を開け、口笛を吹く。 それ聞き、すぐに学院のあらゆる場所からギャオス達が飛んでくる。 「……いつ見ても、あなたの使い魔軍団は凄いわね」 ギャオス達に囲まれ姿が見えなくなったタバサを眺めつつキュルケが呟く。 ふと、疑問に思ったことがある。 「そういえば、こいつらに名前あるの?」 その疑問にタバサはすぐに答える。 「この子はシルフィード」 タバサが目の前のギャオスに視線を向ける。 「この子はアベル」 そのまま隣のギャオスに視線を向ける。 「あの子はコーウェン」 さらに他のギャオスに視線を向ける。 「その子はポルタン、そっちの子はツクヨミ、その下の子はピアデゲム、あの三匹はアマテラスとパルパレーパとスティンガー、その隣の子はジェイデッカー、向こうの子はメガトロン、そこの群れは右からヒルメ、ピサソール、マイトガイン、ゴルドラン、ゾヌーダ、タケハヤ」 「よ、よく見分けがつくわね……」 そんな二人を乗せ、シルフィードと呼ばれたギャオスは飛び上がった。 「馬二頭と人間二人、絶対に食べちゃだめ」 タバサは「絶対に」を強調しつつ目的を伝える。 ギャオス達はタバサに了解の意を伝えると、その翼を羽ばたかせ、巨大な群れ全員で目的の二人、ルイズと才人を探し始めた。 その後、トリステイン城下は大パニックに陥るのだが、町にいる間『イーヴァルディの勇者王』を読んでいたタバサには関係のない話である。 前ページ次ページテスト空間/ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/7831.html
関連スレ セクハラ発言は心の病気のせい 858 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/12/11(火) 20 07 10.26 ID O9y3sgz30 337スレの278(精神病んでるセクハラと愚痴魔PLの話)だが、進展があったので報告 あれからまた誰かと揉めた様で「行く先々でケンカを売られるのに疲れ果てました」と言い残して自主入院するそうだ かまってちゃんオーラ全開だったが、誰も「いつ退院するの?」って聞かないのはさすがに笑った これで平和になるといいんだがなぁ アドバイスくれた奴サンクスコ 864 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/12/11(火) 20 44 32.19 ID 7+2q4Yba0 858 何か具体的な対策とったなら参考のために書いてほしい 866 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/12/11(火) 20 54 49.32 ID O9y3sgz30 864 対策っていうか、サークルの主催と被害にあった人(特に酷かった人)を交えてみっちり会議したらしい 「僕は病気だから配慮しろ」の一点張りでどんな正論も聞かない奴だったそうで、仕方なく主催に出てきてもらって直接全員の言い分を聞いたんだと その直後に自主入院するのでこれから来ませんとか言い出したわけだから、周囲に好かれてないことにようやく気付いたのかもしれんなぁ 何にせよ、病気だからとか性格だからってのは、サークルでも社会でも迷惑かけていい理由にはならないしな 867 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/12/11(火) 20 57 26.33 ID 7+2q4Yba0 なんというか、本当にお疲れ様です スレ342