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元ネタ:ゴスペル・プラウ(原題Gospel Plow Bob Dylan) 作:ヤジタリウス Many terrors agree with enough stain Every stain is specious claim Keep alert eyes on that throe, keep on Oh guard, oh guard, keep your guard up keep your shadow, keep on Many marks back bounds known All sleazes processed your mode and moan Seek your bounds of that throe, keep on Oh hard, oh hard, keep you hard for long enough, keep on Well, I ve never been to be naive But I ve been told stain scrubbed before Is confined to the shadow On common ground for your shadow, keep on Old guard, old guard, keep terror still in wont hollow, keep on Oh hard, oh hard, keep you hard for long enough, keep on No one, no one would see it so keep your shadow, keep on... 検索タグ Bob Dylan その他ネタ フルコーラス ヤジタリウス 洋楽 メニュー 作者別リスト 元ネタ別リスト 内容別リスト フレーズ長別リスト
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もしかして:日産 シルビア K’s Type S(S14) 94
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ミスター・スペル 名前:Mr. Spell デビュー:『トイ・ストーリー』(1995年) 概要 アンディ・デイビスの所有するキーボード機能付きのおもちゃ。1970年代に有名なテキサス社製の教育用玩具。運動時に消費カロリーを表示することができる。『2』と『3』の間にアンディの手を離れた。顔のないおもちゃなので忘れられがちだが、しゃべることもできる。 『トイ・ストーリー2』では、バズ・ライトイヤーと協力してウッディの誘拐犯の隠されたメッセージを解き明かす重要な役割を果たす。 テーマパーク 「スリンキー・ドッグ・ダッシュ」ではゴール地点に登場する。 登場作品 1990年代 1995年 トイ・ストーリー 1999年 トイ・ストーリー2 2010年代 2018年 スリンキー・ドッグ・ダッシュ ※ディズニー・ハリウッド・スタジオ 2020年代 2020年 フォーキーのコレって何? 声 ジャック・エンジェル(1995年) 石井隆夫(1996年)
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カスタノスペルマル 産駒重賞成績
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生没年:757年~815年(享年58歳)誕生日:黄金蝶の月17日所在:エルメキア王国・エルメキアクラス:市民系使用武器:神聖術肩書き/通称:エルメキア皇妃 エルメキウス8世の皇妃。 エルメキア帝国の名門貴族クランバレル家の出身。 エルメキウス(後のエルメキウス9世)の母だが、夫のエルメキウス8世がプジャト女王クラレンパティーナを側室に迎えた頃から疎遠になる。そして495年には、正式に離婚させられてしまう。 エルメキウスの乱の後、エルメキウス9世がエルメキア帝国の皇帝に即位すると、再び王宮に招かれ、平穏な生活を送った。 所有AF:
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自演売名厨 売名のために特定の人物に罪を着せ自演行為を働いていたがだんだんボロが出てき始めて精神疾患を患ってしまった (自分への叩きレスが全て上記の特定人物からによるものだと思い込むetc・・) ニコニコ動画やツイッターのアカウントを非公開にして自己顕示欲が無いという割には本人アピールしだしたりするなど支離滅裂である twitterやニコニコ動画のアカウントによると長野県在住の高校生らしい(恐らく見栄) しかしニコニコ動画には1997年生まれで登録しているようだ(多分事実) さらにキオスクとの対談では信州大学と言い張ったり虚言癖も持ち合わせているようだ 3月から働くらしい 中卒おちゅ^^ ニコニコ動画アカウント:http //www.nicovideo.jp/user/23108196 twitter:http //twitter.com/Yayurem 役割論理AAwiki(笑):http //www48.atwiki.jp/ronriaa/ 本人投稿の動画(消して逃亡) 【じょしらく】 3分間ノリロリ 【ガンちゃん】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18293725 【音声破損】どもれ! 超ロボット生命体トットラットッフォマー http //www.nicovideo.jp/watch/sm17020335 (著作権侵害)
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【検索用 きゃすたすへる 登録タグ 2022年 VOCALOID v flower き ぐちり シシド 暇 曲 曲か 有栖川繭歌 藍瀬まなみ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ぐちり 作曲:ぐちり 編曲:ぐちり ギター:シシド マスタリング:有栖川繭歌 絵:暇 動画:藍瀬まなみ 唄:v flower 曲紹介 「教えてあげようか」 -許されざる呪い- 曲名:『キャスタスペル』 どうも、ぐちりです。呪い返しの話です。(作者コメより) 歌詞 (本人ブログより転載) 浅い眠りに魘されている 酷く惨く暗い夢を見ている 森の奥深く 誘われる 不気味で歪な夢を見ている 嘘吐き猫が口を開いた 「清く正しく素直であれ」と 集う群衆の影 皆揃って唱えている呪いの類い 不正をするよりも受けるがいい。 『キミの番だ』 踊れ踊れ 掌の上 マリオネットが如く夜を舞え ほら御手を合わせて拝む 「神は死んだ、もう救いはない」 泳げ泳げ 蠱毒の群れ 罪に罰を 悪には裁きを下せ 十字を切って ただ祈るだけ 『×××××』 浅い眠りに魘されている 酷く惨く暗い夢を見ている 宛もなくただ迷路を巡る 疲れ果ててやがて目が覚める 時計の針は午前2、3時 寝汗に濡れるはだけた Nightie バルコニーじゃ物足りず 着替え済ませてリフレッシュ 夜の街を歩いてく 夜行徘徊 理想 夢想 幻想 架空の文字列を問う 惑う 明滅を繰り返している信号 歩道 向こうには死霊 思わず駆け出して逃げ込んだ児童遊園には黒い猫 「逃れられると思うなよ」 振り向けば夢で見た影の群れの合唱 視界を閉ざす前にまずその瞳を捧げよ。 無駄口を叩く前にまずその舌を捧げよ。 奪われる前にまずその腕を切り落とせ。 逃げ惑う脚などお前にはもう必要ない。 『震えて眠れ』 走れ走れ 回し車 鼠のように愚かにひたすらに ほら額に手を当て拝む 「神は死んだ、もう救いはない」 眠れ眠れ 孤独に死ね 罪に罰を 悪には裁きを下せ 十字を切って ただ祈るだけ 探していた物はたったひとつだった 忘れられない記憶の欠片 醒めない悪夢を見続けている 朝も昼も夜も 無くしていた物をやっと見つけた それは曖昧な感情だった 故の取り替えせぬ過ちを 悔やみ続けている 眠れ 『茶番は終わりだ』 踊れ踊れ 掌の上 マリオネットが如く夜を舞え ほら御手を合わせて告げる 「神は殺した、救いはない」 嗤え嗤え 冒涜の末 罪に罰を? ならば裁きを下す 十字を切って ただ祈るだけ 探していた物はたったひとつだった 忘れられない記憶の欠片 醒めない悪夢を見続けている 朝も昼も夜も 亡くしていた者をやっと見つけた それは曖昧な感情だった 故の取り替えせぬ過ちを 贖い続けている コメント 名前 コメント
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『サルビアの花(前編)』 *独自設定あり *希少種虐待 序、 「ぴょんぴょんするわっ!」 掛け声と共に一匹のゆっくりが草むらから飛び出してきた。朝露で濡れた緑色の髪の毛が陽の光に照らされキラキラと輝く。 空き地の中を跳ねるそのゆっくりは決して機敏な動きをしているとは言えない。それどころか、街で暮らす他のゆっくりたちと 比較すればその移動速度は遅いとさえ言える。それでも真っ直ぐに前を見つめ嬉しそうに微笑みながらあんよを蹴る姿は、可憐 な乙女のようにも見えた。 少しだけウェーブのかかった緑色の髪の毛と緋色に輝く切れ長の瞳。一見すればプライドが高そうな印象を受けるそのゆっく りの名はゆうか。植物が好きで花を育てるのが得意と言われる数少ない希少種の一匹だ。ゆうか種は総じて草木を愛する半面、 他のゆっくりに対しては冷酷無比な扱いをすることで有名とされている。その主な理由はゆうかが育てた草花を他のゆっくりが 我が物顔で食い荒らしてしまうからであると言う。もちろんそれも理由の一つには違いないのだが、それ以前にゆうか種は自分 以外のゆっくりを痛めつけることを好むという習性を持つ。裏を返せばゆうかは強いのだ。そして、強い者は大抵笑顔である。 そういう意味では決して性格の良いゆっくりであるとは言えない。それでもゆうか種が一般的に好まれるのは、邪魔さえしなけ れば黙々と花を育て街の景観を良くしてくれるという印象の方が強いからである。もっと言えばゆうかは基本的にゴミ箱を漁っ たりしない。基本種が好んでは食べない雑草を、“花壇”の草むしりがてら次々と口の中に入れるからだ。 基本種に比べ希少種が優遇されるのは、大なり小なりの理由が必ずある。だが、ゆっくりたちにはそれが分からないから両者 はしばしば対立することになるのだ。 「きょうもたくさん、くささんをむーしゃむーしゃするわね……っ!」 “花壇”にたどり着いたゆうかがこれからの自分の行動を宣言しながら、ずりずりとあんよを這わせる。全体的にスローな動 きのゆうかは中身の消費が少なく他のゆっくりに比べて燃費が良い。そんなゆうかの中身はあまり知られていないが蜂蜜である。 大多数のゆっくりと同じく痛めつければ痛めつけるほど、蜂蜜は芳醇な味わいへと変化していくらしい。だが、人間に迷惑をか けないゆっくりであるゆうかに対してそんな事をしてまで蜂蜜を食べようとする者はいないだろう。 草についた水滴に小さな唇を這わせ口に含む。朝早くに行動すればこんなに綺麗な水を口にすることができるのだ。雨上がり の水たまりや側溝を流れる泥水をすする必要などない。 昨夜はしとしとと静かな雨が降っていた。背の高い草むらの奥に作った小さな巣穴の中で、ゆうかは一晩中降り続く春雨の旋 律に聞き惚れその心を溶かしていたのだ。 「よかったわ……。 さいきんはあめさんがあんまりふらなくて、おはなさんたちののどがかわいていたから……。 あめさん、 ゆっくりありがとう!」 天を仰ぎ満面の笑みを浮かべ小声で叫ぶ。そのゆうかを電線の上で囀っていた小鳥たちが見下ろし、小首を傾げて飛び去って 行った。上機嫌のゆうかは“花壇”に生えた草を口でちぎり、それを咀嚼する。お決まりの言葉は言わない。決して美味しいと は思っていないからだ。根っこから引き抜くわけではないので、草はしばらくしたらまた伸びてくる。ゆうかにとっては草も貴 重な食料だ。ゆうかの花育ては趣味と実益を兼ねた習性なのである。ゆっくり各種の習性の中では飛び抜けて優秀なスキルであ ると言えるだろう。 野良ゆうかには二種類いる。一つは園芸補助やペット目的として街に連れてこられたもの。もう一つは街の景観のために植え られた色とりどりの花畑に惹かれて自らやってくるもの。このゆうかは後者だった。街と森の境目付近に位置する自然公園の花 畑に心を奪われてふらふらと人間のテリトリーに入り込んでしまったのだ。 ゆうかはそこで一人の女と出会う。その女もゆうかと同じく花が好きでよく自然公園に足を運んでいた。他のゆっくりに比べ て多少の警戒心を持ち合わせているゆうかだったが、意外なことに最初に話しかけたのはゆうかの方である。“にんげんさん、 ゆうかはゆうかよ! ゆっくりしていってね!”との言葉に女は微笑みを浮かべ挨拶を返してくれた。自然公園の端に住みつい たゆうかは女と少しの間共に過ごす。いろんな話をした。花のこと。女のこと。ゆうかのこと。街のこと。森のこと。 ある日、女はゆうかに花の種をプレゼントした。“ごめんね。 しばらく公園には遊びに来れなくなっちゃうから”という言 葉を添えて。少しだけ寂しげな表情を浮かべてしまったことに気がついたゆうかの慌てて取り繕う姿が女の笑みを誘った。つら れてゆうかも笑ってしまう。 翌日から女は言葉通りにぱったりと自然公園に現れなくなった。ゆうかは女から貰った花を咲かせて自慢をしようと種を植え る場所を探し始める。自然公園の中に植えようとも思ったが、辺り一面に佇む満開の花々を見ていると少しだけ気遅れした。そ こでゆうかは自然公園を離れ、現在拠点にしている空き地へとたどり着いたのだ。 「おはなさん、ゆっくりさいてね。 ゆうか、ゆっくりまっているわ」 一、 少しだけ湿った土の上。ゆうかは草の密林の中で狩りに勤しんでいた。巣穴から出てすぐに葉っぱの上を這う小さな芋虫を見 つけたのだ。雑草が主食というわけではない。芋虫や木の実、キノコなどと言った一般的なゆっくりが好む物も同様に食べるの である。もちろん、所謂“あまあま”も大好物だ。野生と野良の暮らししか経験していないゆうかにその味は未知の領域なのだ が。 空は厚い雲に覆われている。まだ梅雨にも入らぬというのに今年は雨が多い。僅かな雨の合間を縫って少しでも多くの食料を 集めなければならないのだ。越冬ほど入念に準備をする必要はもちろんないが、梅雨時期もゆっくりたちにとっては危険な季節 なのである。街を歩けば雨に打たれて溶けたゆっくりの皮や餡子が側溝を流れているだろう。 (どうしてこんなにばかばっかりなのかしら……? ゆうかたちがみずにぬれるとゆっくりできないということぐらい、わかっ ているはずなのに……) 巣穴のすぐ傍を流れる用水路を覗きこみながらゆうかが心の中でつぶやく。そこには泥だらけになった赤いリボンとそれにこ びりついた髪の毛が流れていた。しばらくその場を動かないでいるとまだ完全に溶けきらないままに餡子を流出させて死んでし まったのであろうまりさが、帽子と一緒に下流に流されていく。用水路の向こう岸でも他のゆっくりが悲しそうな顔でそれらを 見送っていた。 「ちびちゃん……ゆっくりごはんさんをさがそうね……。 ここはゆっくりできないよ……」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ……」 「またいつあめさんがふってくるかわからないよ……おうちもさがさないといけないね……」 どんよりと曇る空と同じような表情を浮かべて連なりあんよを動かす野良のれいむ親子。顔も飾りも薄汚れたその姿はお世辞 にもゆっくりしているとは言い難い。 「…………」 水たまりに映った自分の姿を見たゆうかが溜め息をついた。 (ゆうかも……きれいとはいえないけれど……) 「おきゃーしゃん! おきゃーしゃん!!」 先ほどの野良れいむ親子とは別の声が用水路から聞こえてきた。ずりずりとあんよを這わせてそちらに向かう。そこには先ほ ど流されていたまりさのなれの果てを懸命に追いかける赤まりさの姿があった。小さな体で忙しなくぴょんぴょんと跳ね続ける その姿には憐みの感情を起こさせる。何度も体勢を崩して細いアスファルトの上を転がる姿を見ながらゆうかは神妙な面持ちを 浮かべるものの、口元は少しだけ緩めてしまう。他者の苦しむ姿は美しい。あまり知られてはいない“ゆうかの美学”だ。ゆう かは流されていく母親の横を並走し続ける赤まりさを見て悦に入りかけていた。 「ゆんやあぁぁぁ!!!」 夢中になっていたのか、赤まりさの叫び声にゆうかが我に返ったように目を見開く。どうやら赤まりさも誤って用水路に落ち てしまったようだ。餡子の重みでゆっくりと沈みかけていた。ぷかぷかと浮かぶ帽子に噛みついて沈むまいと抵抗を見せていた がいつまで持つかはわからない。力尽きて帽子を離して沈んでしまうのが先か。それとも皮の一部がふやけて破れ、中身を流出 させて死んでしまうのが先か。どちらにしろ、あの赤まりさはもう絶対に助からない。 ゆうかは赤まりさが見えなくなるまでその姿を目で追いかけていた。 「やっぱりおはなさんがいちばんゆっくりしているわね……。 ほかのゆっくりみたいにうるさくないし、たべものをよこどり しようとしたりしないし、あめさんにぬれてもへいきだし……。 ゆうかも、おはなさんにうまれたかったわ……。 そうすれ ばとてもゆっくりすることができたかもしれないのに。」 雨が降ろうが風が吹こうが静かに佇む凛とした姿。 「あんなにたくさんのおともだちといっしょにいるのに、けんかもしないなんてすてきだわ……。 おはなさんとおはなしする ことはできないけれど、ゆうかもおはなさんになれたらいっしょにおはなしすることができるかしら……?」 ゆうかは花に対して憧れのようなものを抱いていた。自分に。いや、自分たちにないもの全てを花々は持ち合わせているよう に感じていたのだ。 翌朝。久しぶりに雲の切れ間から太陽が顔を出した。巣穴から飛び出したゆうかがのーびのーびをして、すぐに“花壇”へと 駆け出す。ゆうかの倍の背丈ほどになった花の茎が伸びている。ゆうかは少しだけ息を乱しながらも、その姿を視界に入れて笑 みを浮かべた。うっとりとした様子で頬を朱色に染める。 まだ花を咲かせる気配は見せない。蕾はしっかりと閉ざされていた。ゆうかはその蕾が美しく開いた姿を早く見たくて仕方が ない。まるで我が子を慈しむかのようにその姿を見つめる。少し幅広の葉に乗った朝露が陽光に照らされる様は、さながら光輝 くドレスをその身に纏っているかのようだ。どんな色の花が咲くのかは分からないが、鮮やかに着飾ったその花のまだ見ぬ艶姿 を想像しては顔を綻ばせた。 「やぁ」 突然声をかけられたゆうかが思わずその場で動きを止めた。小刻みに震えだす。油断をしていた。花に見とれていて周囲に気 を配るのを怠っていたのだ。森の中でも街の中でも今までこんな事はなかったはずなのに。 (ゆっくり……どうしよう……っ) ゆうかは逃げ足が遅い。背後から声をかけてきた人物がゆうかに対して害をなす存在であれば逃げ切ることは困難である。声 の主がゆっくりであれば、何かしら叫びながら寄ってくるはずなのですぐわかる。それがないということは、声の主はゆっくり ではないということになる。街の中でゆっくり以外に言葉を話す生き物をゆうかは一つしか知らない。 (にんげん……さん、だわ……) 顔面蒼白のゆうかに飄々とした声が再びかけられた。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!!!」 かけられた言葉はおなじみの挨拶。ゆうかは反射的に振り返って挨拶を返してしまった。思考や行動全てがキャンセルされて 無防備なゆうかが声の主と向かい合う。 「サルビアかぁ……。 これはキミが育てているのかい?」 その男はしゃがみ込んで葉っぱをそっと手で撫でた。目を丸くしたゆうかが思わず質問する。 「さる……びあ……?」 「ああ。 これはサルビアっていう花でね。 初夏から秋にかけて……って言ってもわからないかな。 とにかくもう少しで綺 麗な花が咲くはずさ。 これはキミが育てているんだろう?」 「そ、そうよ……」 「大したもんだな。 花を育てるゆっくりなんてのもいるのか」 「に、にんげんさん……? おはなさんのことに、くわしいのかしら……?」 「詳しいっていうほどじゃないよ。 なんていうか……たまたまさ。 そう、たまたま」 苦笑しながら男が言葉を繋ぐ。“サルビア”。ゆうかはその言葉を深く心に刻み込んだ。これまで“お花さん”としか呼んで あげることができなかったが、今度からは名前で呼んであげることができる。それが嬉しくて思わず微笑みを浮かべてしまう。 その様子を見た男がクスリと笑った。ゆうかが恥ずかしそうに視線を下に向ける。慌てたゆうかが話を逸らす。 「にんげんさんはどうしてこんなところにいるの?」 「ああ、散歩の途中だったんだけどね。 連れとはぐれちゃってさ。 その辺にいるのは間違いないんだけれど……」 「そう。 だったらはやくさがしにいってあげたほうがいいわ。 だれだかしらないけれど、そのこがさびしがっているかもし れないから」 「そうだね。 ありがとう」 そう言って立ち上がる男の姿を見て、少しだけゆうかが表情を曇らせた。本当はもっといろいろと話がしたかったのだが、ど うしてかそうすることができなかったのだ。 「に、にんげんさんっ!!」 「なんだい?」 「ゆうかは、ゆうかよっ!!」 「ああ、“ゆうか”。 またね。 頑張って花を育ててあげなよ?」 「あ、あたりまえじゃないっ!!!」 「ごめんごめん。 それじゃあ」 右手を上げて空き地から出て行く男の後ろ姿をゆうかはずっと目で追いかけていた。 ゆうかが花に向き直る。 「さるびあさん……」 呟く。サルビアがゆうかに微笑みを返すかのように風で揺れた。それだけで嬉しくなったゆうかは、周囲をキョロキョロと見 渡して誰もいないことを確認すると、サルビアにそっと頬をすり寄せた。儚く。切なく。頬をすり寄せた。 「すーりすーり……しあわせー……」 頬を離したゆうかは何度も何度もサルビアに声をかけた。一度も返事を返してくれることはなかったが、ゆうかはサルビアと の“会話”を長い間楽しんでいた。相手の名前を呼んであげられるようになったことが嬉しかった。名前で呼んでもらえること は嬉しいことだ。 「……////」 “ゆうか”。男に自分の名前を呼ばれたことを思い出し、思わず頬を染める。 「だ、だからなんだっていうの?!」 たった一匹で取り乱しながら誰へともなく言葉をかけた。おかしい。心が何か温かいもので満たされていくのを感じる。溢れ たそれはゆうかの頬を火照らせ、まるで熱に浮かされたかのような錯覚を起こさせた。違う。違うのだ。自然公園で出会った女 以来久しぶりに花の話をすることができたのが嬉しかっただけ。そうに違いない。しかし、あのときはこれほどに心が高鳴るの を感じなかった。様々な思考が頭の中をぐるぐると駆け回る。心地よい息苦しさに戸惑いを覚えながらも、ずりずりとあんよを 這わせて巣穴へと戻った。 「……あのにんげんさんのおなまえは……、なんていうのかしら……?」 名前で呼んであげたら、あの男も喜んでくれるだろうか。そんな下らないことを考えながらゆうかは無理矢理に目を閉じ、眠 りについた。 二、 真っ赤なサルビアの花が空き地の一画にひっそりと咲き始めるまで、そう時間はかからなかった。まだ満開であるとは言えな い。それでもゆうかは満足そうに風に揺れる赤い花を見上げていた。まだいくつか蕾のままのサルビアも残っている。それも直 に美しい姿を見せてくれるだろう。 ゆうか自身が水やりなどをする必要はほとんどなかった。適度に降り続いた雨がサルビアの喉の渇きを癒し、時折姿を見せる 太陽が活力を与える。ゆうかはサルビアの周りに生える草をむしることだけに専念していた。ゆうかが嬉しそうに笑う。ポツポ ツと咲いた赤い花も微笑みを返してくれているかのように感じた。サルビアに見守られながらせっせと食料集めに勤しむゆうか。 何もかもが順風満帆だった。このまま全ての蕾が花開いたら自然公園で共に過ごした女に自慢しなければならない。女の驚いた 顔を想像して、ゆうかが目を細め口元を緩める。 そのとき。 黙々と狩りを続けるゆうかにバシャバシャと水の撥ねる音が聞こえてきた。あんよを止めて後ろを振り返る。草の壁に覆われ ているため、こちらからも向こうからもお互いの姿を確認することはできない。ずりずりとあんよを動かす。緋色の瞳が人間た ちの世界を草の間から覗きこむ。そこには折りたたんだ傘と長靴を履いた小学生たちの姿があった。 「あ、確かこの花は……っ」 ずかずかと“花壇”に入り込んできた少年たちが花に手をかける。 (あ……) 草むらの隙間からその動きを見つめるゆうかが心の中で呟く。少年の右手に掴まれた赤い花弁が音を立てて茎から離される。 花弁のちぎられた音がゆうかには悲鳴のように聞こえた。青ざめた表情のゆうかとは対照的に嬉々とした様子で花弁を口へと持 って行く少年の一人。少年は知っていたのだ。ゆうかが育てているこの赤い花に含まれる甘い蜜の事を。 「この間、田舎のおじいちゃんちに行った時に教えてもらったんだ。 この花の蜜、すっげー美味いんだぜ?」 「ホント?! 俺もやってみよう!!」 後ろで見守っていた少年二人が我先にと荒々しく花を掴んで引きちぎる。茎の真ん中からその鮮やかな顔を失った花であった ものが力なく揺れていた。ゆらゆらと揺れるその茎を見ながらゆうかの表情が悲しみから怒りへと変化していく。目の前にいる のは子供とはいえ三人もの人間。勝てる道理はない。しかし、気がついたときには草むらから飛び出してしまっていた。 「本当に美味しいなコレ」 「だろ? 学校行く道の途中にあってラッキー。 また帰りに食べようぜ!」 「ま、まちなさいっ!!」 突如響いた声に三人の少年が驚いて辺りを見回す。もしかしたらこの花は誰かが育てていたのかも知れない。それまでの高揚 感が急速に冷め、一転して今度は緊張感と恐怖心に囚われる。しかし、声の主はいつまで経っても自分たちの目の前には現れな かった。 「おはなさんに……あやまりなさいっ! すぐでいいわっ!!!」 少年の一人が声の聞こえる方向に目を向ける。草むらを背景に一匹のゆっくりがいた。頬に空気を溜め、少年たちを睨みつけ ている。少し体を震わせながらもゆうかは少年たちから目を逸らさない。 「ゆっくりだ……」 「こいつ、あんまり見かけないゆっくりだな……」 「俺知ってる! こいつ、確かゆうかって奴だぜ!!」 「ゆうか?」 残りの二人が首を傾げる。ゆうかもまた少年の一人が自分の名前を知っていた事に困惑の表情を浮かべていた。 「まぁ、でも……ゆっくりなんだろ?」 ニヤリと笑った少年が一直線にゆうかへと迫る。あまりにも突然の出来事にその場を動けないでいたゆうかを少年の一人があ っさりと捕まえた。髪の毛を掴まれ宙に吊される。 「い……いたいわ!! やめて!! はなしてっ!!!」 声はハスキーな女性のようにも聞こえるが、言葉尻は少女のそれに近い。痛みに涙を流しながら解放を訴えるゆうかの姿に少 年たちは嗜虐心を覚え始めていた。 刹那。乾いた音が響くと同時にゆうかの左頬に刺すような痛みが走った。しばらく呆けていたゆうかだったが、痛みで我に返 り始めると自分が何をされたのかゆっくりと理解していく。 「……どぉしてこんなことするのっ?! あやまりなさいっ!!!」 「他のゆっくりみたいに“ゆんやぁぁ”とか叫ばないんだな」 「面白くないね……」 本当は叫びたくて堪らない。しかし、自分に対しても花に対しても狼藉を働いた人間にされた仕打ちで泣き喚いたりなどした くなかった。そんなことはゆうかのプライドが許さないのだ。ゆうかには目の前の人間を屈服させるだけの力は微塵もない。そ れがわかっているからこそ、ゆうかに残された道は少年たちに口で謝罪をさせることしかなかったのである。だが、ゆっくり如 きに「謝れ」と言われて素直に謝るような人間はただの一人もいない。先ほどと同じような音が数発響く。少年による往復ビン タを執拗に受けたゆうかが、ところどころ顔を真っ赤に腫らしながらぼろぼろと涙を流す。 「謝れよ」 「……?」 痛みに歯を食いしばりながらゆうかが目を丸くした。いったいこの人間は何を言っているのだろうか。ゆうかには皆目見当が つかない。疑念に満ちた視線を少年たちに送っていると信じられないような言葉を叩きつけられた。 「ゆっくりのくせに何が“謝りなさい”だよ。 調子乗んな」 反論しようとしたゆうかの頬を執拗に叩き続ける少年の一人。泣きながら暴れるゆうかを見ていた残りの少年たちは腹を抱え て笑っていた。 (ひどい……っ!! ゆうか、なんにもわるいことしてないのに……っ!! わるいことをしたのは、おはなさんをえいえんに ゆっくりさせたにんげんさんのほうなのに……っ!!! それなのに、ゆうかがあやまらないといけないのっ?! あんまりだ わっ……!!! ゆうかはぜったいに、……ぜったいにあやまったりなんかしないわっ!!!!) 涙を堪えて少年たちを睨みつける。少年が拳を握りしめた。ゆっくりに睨みつけられた事がよほど癇に障ったのだろう。その 拳がゆうかの顔の中心付近に深々と撃ち込まれる。子供の力だ。殴られたとはいえ、致命傷を受けるようなことはない。しかし、 あまりの痛みに止めどなく溢れる涙を抑えることはできなかった。 「……ゆっ、うぇ……っ!!」 吐き出すまでには至らないものの、ゆうかの中身である蜂蜜が下唇から零れだした。焦点が定まらなくなっていく。蜃気楼の ようにサルビアの赤が揺れた。 「もういいよ、こんな奴。 ちっとも面白くないや」 「……っ!?」 「花の蜜食べようぜ。 こんなにたくさんあるんだからちょっとぐらいちぎってもいいよな?」 地面に放り出されたゆうかが朦朧とする意識の中で少年たちの動きを追う。サルビアは一つ、また一つとその鮮やかな赤を失 っていった。ゆうかの目からぼろぼろと涙が溢れる。物言わぬサルビアが無言のままに摘み取られていくのが、可哀想で可哀想 で仕方がなかった。力を振り絞りあんよをずりずりと動かす。 「おね……がい、ゆっくり……やめて……」 痛めつけている最中には見せることのなかった懇願する態度に少年の一人が下卑た笑みを浮かべた。 「……や、やめてよ……っ!!! やめなさいっ!!!!」 「命令口調で喋ってんじゃねぇよ!!!」 少年の振り抜かれた右足がサルビアを根元から薙ぎ倒す。真っ直ぐに伸びていた茎は文字通り“くの字”に折れて力なく垂れ た。一心不乱といった様子でサルビアを蹂躙する少年の姿を見てゆうかが大粒の涙を流しながら叫ぶ。 「やめてぇぇぇぇぇぇぇっ!!! ゆうかのおはなさんがぁぁぁぁぁッ!!!!!」 「お前の花じゃねーだろ!! ゆっくりなんかに花育てられるわけねーもんな!!!」 「はい。 そこまで」 静かな声。三発のゲンコツ音。頭を抱えて膝を折る少年たちがゲンコツを振り下ろした主を涙目で睨みつける。ゆうかは突然 の出来事に呆けていた。少年たちは何やら言葉にならない叫び声を上げながら一目散に逃げ出して行く。大方、このサルビアを 育てていた主が現れたと勘違いをしたのだろう。男はぐしゃぐしゃにされたサルビアの茎を一撫でして溜め息をついた。 「に……にんげんさん……」 「可哀想になぁ。 せっかくゆうかが頑張って育てたのに」 たったそれだけの言葉。それがゆうかの心の奥深くに強く響いた。その響きは波となってゆうかの感情を揺する。一度は溢れ きったと思っていた悲しみが再び堰を切ったように溢れ出す。 「さるびあさんは……なにもわるいことなんてしていなかったわ……」 嗚咽を漏らしながら言葉を繋ぐゆうかの姿は、打たれ続けた頬と相まっていっそう痛々しく見えた。男が泥だらけの顔を隠す ように背中を向けようとするゆうかを捕まえて、持っていたハンカチで汚れを丁寧に拭き取っていく。真っ白なハンカチは瞬く 間に真っ黒に変わってしまった。ゆうかが申し訳なさそうな顔で俯き、“ありがとう”と消え入るような声で呟く。 「ようやく……さくことができたのよ……? いっしょうけんめいにいきていただけなのに……っ! どうして……どうして、 こんなひどいことをされないといけないの……ッ?!」 男がゆうかの頭にそっと自分の手を乗せた。緑色の髪越しに伝わる男のぬくもりと優しさに、ゆうかはついつい甘えてしまう。 ぶつけることのできなかった怒りを男にぶつけるかのように叫んだ。 「さるびあさんがえいえんにゆっくりしちゃったわっ!! みんな、みんな……っ!! ゆうかはさるびあさんをまもってあげ られなかった!!! もういや!! ゆうか、おうちかえるっ!!!!」 常に冷静沈着かつ冷酷無比な言動を取るゆうか種が癇癪を起こすのは非情に珍しいことだ。サルビアを傷つけられた悲しみが、 無力な自分自身への悔しさが溢れ出して止まらないのだろう。男はゆうかの柔らかい髪の毛をそっと撫でた。 「ゆうか」 「……なにかしら……?」 男に撫でられることで落ち着きを取り戻してきたのか、安堵感を得たのかは分からない。かけられた言葉に返事を返すくらい はできるようになったようである。無意識が意識に変わった瞬間、ゆうかが思わず頬を赤らめた。男の掌。体の大きさも手伝っ てゆうかは男に全てを包まれているような錯覚を覚えていた。再び冷静さを失っていく。いつのまにか全身に走る痛みの事など 忘れてしまっていた。 「サルビアはみんな死んでしまったわけじゃないよ」 子供を諭すかのような口調でゆうかに告げる。ゆうかは目を丸くして男を見上げた。踏み荒らされた葉っぱ。へし折られた茎。 赤い花の姿は一つとして見えない。しかし。 「……あ……」 まだしっかりと閉じられた蕾が残っている。開き駆けている蕾もあった。 「さるびあさん……っ!!」 「こんな姿になっても、サルビアたちは生きようとしてるんだ。 それを勝手にみんな死んでしまったなんて言ったら、可哀想 じゃないかい……? ゆうかが一人で育ててきたんだろう? そのゆうかが諦めてしまったら、誰がサルビアたちの面倒を見て あげるんだ?」 「そ、そんなの……っ! ゆうかがみてあげるにきまってるわ!!!」 「そうだね。 じゃあ、泣いている暇なんてないんじゃないかな?」 微笑んだ男がゆうかの頬を伝う涙を指先で拭った。ゆうかが顔を真っ赤にする。他人に涙を拭いてもらったことが。いつのま にか涙を流していたことが。恥ずかしくて恥ずかしくて堪らなかったのだ。ゆうかがあんよをずりずりと這わせてサルビアの元 へと向かった。頬をすり寄せる。ゆうかは、ゆうかにしか分からないであろうサルビアのぬくもりを確かに感じ取った。 (ごめんね……さるびあさんっ! でも、かならずゆうかがみんなをそだててあげるわっ!) キリッとした表情を浮かべサルビアたちを見上げるゆうかの表情は太陽のように輝いていた。そこにボロボロに傷つけられた ゆっくりの面影は微塵も感じさせない。 「ゆうか」 「な、なにかしら?!」 名前を呼ばれるだけでドキドキした。紅潮していく頬。高鳴る鼓動を抑えられない。その鼓動が気づかれはしないかと男の表 情を盗み見る。 「頑張れよ。 ここのサルビアが満開になったら見にくるよ。 楽しみにしてる」 「……ゆ、ゆっくりりかいしたわっ!!!」 三、 ゆうかはサルビアの花を咲かせるため懸命に世話をし続けた。相変わらずゆうか自身にできることは決して多くはない。せい ぜい雑草を引き抜いたり葉っぱについた虫を食べることぐらいだ。ゆうかは毎日毎日サルビアに声をかけていた。雨が降って巣 穴から出られない日は入り口から顔だけ出して叫ぶ。科学的には解明されていないが、音楽や声が植物の成長に影響を与えると 言われている。図らずも、ゆうかはそれと同じことをやっていたのだ。天候にも恵まれ、既に開花時期を迎えていたサルビアた ちの蕾が一つ、また一つと静かに開き始めた。その開花の勢いたるや、当のゆうかをさえ驚かせるものがある。 恐るべしは植物の生命力の高さ。あの日かろうじて折られるまでにはいかなかったものの、茎を曲げられたサルビアも今はピ ンと背筋を伸ばしている。その先端には鮮やかな赤い花を咲かせていた。咲き連なるサルビアが風で揺れる。茎の長さはまちま ちであるがほとんどが一メートル前後で収まっていた。サルビアがゆうかを見下ろして微笑んでいるように感じる。ゆうかは満 足そうにサルビアに頬をすり寄せた。 あの日以来、少年たちはこの空き地にやって来ない。男に鉄拳制裁されたことがよほど怖かったのだろう。ゆうかはサルビア を来る日も来る日も守り続けた。ある日、野良ゆっくりの親子がゆうかの“花壇”に手を出したが、あっさりと追い払うことに 成功した。適度に痛めつけてやるだけですぐに泣いて逃げ出す。我が儘が通らずに泣き喚く姿は見ているだけで癇に障った。 “おはなさんをひとりじめするゲスなゆうかはゆっくりしね!!”などとお馴染みの捨て台詞を残して去っていく後ろ姿はあま りにも滑稽なものだった。人間にも野良ゆにも邪魔をされずに満開を迎えたサルビアの美しさは通りがかった人間ですら足を止 めてしばし眺めるほどのものである。これをゆっくりのゆうかが一匹で育て上げたとは誰も信じまい。 「こんなにたくさんのさるびあさんをさかせたんだもの! きっとおねえさんもおにいさんもよろこんでくれるわっ!」 いつか自然公園で出会った女が目を丸くして驚く姿を瞼の裏に浮かべる。あの男もサルビアが満開になったら見に来ると言っ てくれていた。ゆうかは街で出会った、二人の人間にサルビアを自慢したくて堪らないのだ。共に花を観賞しサルビアの種を与 えてくれた女と、最期までサルビアを育て抜くことを励ましてくれた男。この二人には感謝の言葉もない。だからこそ、このサ ルビアを見てもらいたかった。 空き地の一画に広がる赤い絨毯。赤の深みは日ごとに増していった。それは男と女との再会を望むゆうかの募る思いを反映さ せているかのようにも見える。 ゆうかは男に恋をしていた。その燃えるような想いを体現するかのように咲き乱れる赤いサルビアを見ては溜息をつく。せっ かく綺麗に咲いたサルビアもその感動を分かち合う相手がいないのでは少しだけ物寂しい。 「おにいさん……ゆっくりしすぎだわ……。 さるびあさんがこんなにきれいにさいて、おにいさんがくるのをまっているのに ……」 何日も何日もゆうかは男が来るのを待ち続けた。もし男と再会することができなたら、なんとかしてあの自然公園に連れて行 ってもらうつもりだ。女にもサルビアを見せなければならない。 「ゆぅ……」 今日も夕日がサルビア畑を染める。茜色に照らされた赤はサルビアの別名でもある“緋衣草”の名の通り、その身に艶やかな 深紅を纏っていた。その幻想的とも言えるサルビアの美しさに後ろ髪を引かれながらも、ゆうかが巣穴へと潜り込む。生い茂る 草はゆうかの巣穴を完全に覆い隠していた。 (……いつになったら……ふたりにあえるのかしら……?) 目を閉じ夢現のゆうかが心の中で呟く。 (……あいたいわ……) 翌朝。いつもと変わらない朝だった。巣穴の前でのーびのーびをしてキリッとした表情を浮かべ一呼吸置いてからあんよを踏 み出す。草むしりや葉についた虫を払うようになってから、ゆうかの食料の備蓄はどんどん増えていった。まだまだ先の話では あろうが越冬の季節が巡ったとしても、ゆうかは何とか生き残れるほどの食料を得ることができるだろう。“野生の野良”とも 呼べるゆうかは見事に街の環境に適応したのだ。どちらかと言えば街の環境に手を出さないことで新しい世界を自ら築いたとで も言うべきだろうか。花を育てるのが得意というスキルを持つゆうかならではの適応方法だった。 (……ゆっ?) サルビア畑の一部がカサカサと音を立てている。最初は風に吹かれているのだろうと気にも留めなかったが、他のサルビアを 見る限りその気配は感じられない。ゆうかの目つきが突然鋭く変化した。ずりずりとあんよを這わせて音の元へと向かう。 (…………!!) そこには何本かのサルビアの茎をちぎっている黒髪に赤いリボンのゆっくりの後ろ姿があった。れいむは夢中になっているの か背後に迫るゆうかの存在に気づいていない。一心にサルビアに噛みついてはブチブチとそれを引きちぎるれいむの姿にゆうか は激昂した。 「れいむ!!!」 大声で声をかけられたれいむが飛び上がって振り向く。そして満面の笑みで一言。 「ゆうか! れいむはれいむだよっ! ゆっくりしていッ……?!!」 「ゆっくりしねぇっ!!!」 れいむの挨拶を遮るように声を荒げて体当たりを叩き込むのはゆうか。不意を突かれたれいむが“ゆ~~~っ”と間抜けな悲 鳴を上げて後ろにごろごろと転がる。ようやく体勢を立て直したれいむが涙目でゆうかに訴えた。 「ひ……ひどいよっ! れいむ、なんにもわるいことしてないのにっ!!」 転がっている間にれいむの元へとあんよを詰めていたのか目の前にゆうかが迫る。その表情は冷酷で残虐なゆうかの側面を表 すに相応しい恐ろしい形相だった。身の危険を感じたれいむが冷や汗を垂らしながらあんよに力をかける。 「こ……このゆうかとはいっしょにはいられないよっ!! ゆっくりにげるよっ!!」 「にがさないわよ」 逃げだそうとしたれいむの左の揉み上げをあんよで踏んづけてその動きを制する。れいむは右の揉み上げをぴこぴこと振りな がら必死で抵抗を続けた。 「ゆんやあぁぁぁ!!!」 「ゆうかがそだてたさるびあさんをえいえんにゆっくりさせるゲスなれいむはしになさいっ」 そう言ってれいむの頭頂部に向けて跳躍し踏み潰しを仕掛けるゆうか。うずくまるような姿勢のれいむは顔を地面に押しつけ られたまま“ゆ゛ぶっ”と短く呻き中身の餡子を吐き出す。それを数回も繰り返すとれいむは満足に動くことができなくなった。 ゆうかが冷ややかな視線をれいむに送る。れいむは怯えてガタガタ震えていた。それにも関わらず。 「おはなさんはかってにはえてくるんだよっ! ゆうかはそんなこともしらないの? ばかなの? しぬの?!」 火に油を注ぐれいむ。その言葉はゆうかの逆鱗に触れた。ボロ雑巾のようなれいむの顔面めがけて体当たりを撃ち込む。強烈 な一撃に変形させられた皮によって追いやられ、行き場を失った餡子があにゃるから飛び出した。 「かってにはえてくる……ですって?! さるびあさんだっていっしょうけんめいにいきているのよ!! ばかはれいむのほう でしょっ!? だからゆうかはれいむみたいなゆっくりがきらいなのよっ!!! れいむだって、じぶんのたいせつなものがう ばわれたらおこるでしょっ?! ゆうかにとってはそれがさるびあさんなの!!!」 「ぜんっぜんっ、わかんないよっ!! おはなさんはゆうかのちびちゃんなの?! かってにはえてくるおはなさんがたいせつ なものとかいみがわからないよっ!! かってにはえてくるんだから、ゆうかのおはなさんでもないし、ゆうかがそだてたわけ でもないんでしょぉぉッ?! どぉしてそんなこともわからないのぉぉぉ??!!!」 「…………ッ!!!」 ゆうかの花ではない。 ゆうかが育てたわけでもない。 毎朝早起きして雑草をむしった日々を知っているのだろうか。一度は滅茶苦茶にされたサルビアの姿を見たのだろうか。それ でも鮮やかに咲き誇るこのサルビアを見て、れいむは言ってはならない言葉を三度も口にした。 「……そうね。 かってにはえてくるわね」 「ゆゆっ? やっとりかいしたの? でも、もうれいむは、ゆうかのことはきらいだよっ!!」 「れいむみたいな、ばかなゆっくりはかってにはえてくるんだから、えいえんにゆっくりさせてもいいのよね?」 「な、なにをいってるの……? れいむはかってにはえてこないよっ! おかあさんがれいむをうんでくれるんだよっ!! り かいできる?」 「うるさいっ!!!!」 れいむの側面に体当たりをかます。そのまま揉み上げを噛み千切った。 「ゆぎゃあぁぁぁ!!! いたいよぉぉぉ!!!!」 間近で叫び声を上げらているにも関わらず、ゆうかは狂ったようにれいむを痛めつけ始めた。 「だずげでぇぇ!!! お゛に゛ぃ゛ざぁ゛ん!!!!」 そこからはゆうかの一方的な蹂躙だった。執拗に何度も何度もれいむの頭を踏み抜く。パイ生地のように平べったく潰れてし まったれいむがピクリとも動かなくなっても、攻撃をやめるようなことはしなかった。扁平にひしゃげたれいむの残骸から餡子 が何条にも渡って伸びる。死の間際狂ったように動かしていた揉み上げも千切れ飛んで地面に転がっていた。うつぶせの状態で 事切れたれいむの目玉は飛び出すことなく体内に押し込まれて潰れている。バラバラになった歯がいくつか皮を突き破って顔を 覗かせていた。真っ赤なリボンも漏れ出した餡子の中に沈んでいる。周囲に黒い髪の毛が散っていた。謝罪の言葉すら許さずに、 ゆうかはれいむを徹底的に踏み潰したのである。禁忌とされている同族殺しをゆうかは平然と行ったのだ。れいむの死臭がゆう かに絡みつくが動じない。“そんなくだらない事”よりも、サルビアの花を傷つけられ、サルビアの花と共に過ごした時間を否 定されたことのほうが“重要な事”であった。 れいむが完全に沈黙したのを確認すると、ゆうかはれいむによって千切られたサルビアの茎へと向き直った。ゆうかがそれに そっと舌を這わせる。 「ぺーろぺーろ……さるびあさん……ゆっくりなおってね……」 しかし、根を失ったサルビアに残された道はその身を枯らし朽ち果てる以外にない。れいむを制裁していたときの夜叉のよう な表情が一転して陰りを見せた。ゆうか種は他者に対する好意の向け方が極端なゆっくりである。残虐な性格は先天性だが、そ の反面、自身が気に入った者に対しては強い好意を抱く。ゆうかにとって、れいむは例え殺してしまっても問題として扱われな い程度の存在だったのだろう。それに加え、プライドの高いゆうか種は自身への侮辱を絶対に許さない。れいむはゆうかにとっ て敵として扱う全ての条件を満たしていたのだ。 サルビアがもう助からないことを悟ったゆうかがずりずりとあんよを這わせれいむの残骸へとやってくる。 「れいむ。 ……れいむみたいな、むのうなゲスのせいで……ゆうかのたいせつなさるびあさんがえいえんにゆっくりしてしま ったわ……」 それから何か言いかけた次の瞬間、ゆうかのあんよが地から離れた。視点が高くなったかと思えば顔面に凄まじい激痛が走る。 二度ほどバウンドしたのか強い衝撃を感じながらゆうかは先ほどのれいむのようにごろごろと地面を転がった。 「何を……やってくれてんだよ……」 「ゆ゛っ?! ゆ゛ゆ゛ッ?!」 気を失ってもおかしくないほどのダメージを受けたものの、何が起きたのか理解できず思考が停止する。全身を痛みが蝕んで はいるものの、混乱のあまり“意識を失う”という防衛本能は働かなかった。それ故、ゆうかは自分をこんな目に遭わせたのが 一体誰であるのか気づいてしまう。 「お゛……に……ざ……?」 「れいむ!! しっかりしろ!!! れいむ!!!」 座布団のように変形したれいむの亡骸を抱き上げて男が声を上げた。どこに何があるのかさえ分からない。目も、口も、頭も 判別することができなかったのだ。強いて言えば、土色に変わってしまった皮と思われる場所の中で、少し黒ずんでいる部分が 先行して餡子が漏れ始めた場所と仮定するなら、そこがれいむのいくつかの“穴”のどれかだろう。餡子の中に埋まったリボン を取り出す。そこには銅製のバッジがついていた。 「ゆうか」 「……ゆ゛っ……、ゆぅ゛?」 「お前がやったのか?」 「な゛に……を……」 「お前が、れいむを殺したのかって聞いてるんだ!!!」 「その……れ゛い、む゛は……ゆうかの……さる……びあ、さんを……」 「サルビアを千切ったから……っ!!! だから、れいむを殺したって言うのかッ??!!!」 「……おに……ざんに、みて、もらい……たくて……。 それ、なのに……れいむが……」 立ち上がった男が一直線にゆうかに歩み寄る。そして勢いよく右足を振り抜いた。つま先がゆうかの顔の中心にめり込み宙を 舞う。直線的に吹き飛ばされたゆうかは後頭部を空き地の壁に強打し、跳ね返って地面に落下したところでようやく意識を失っ た。小さなサルビア畑を背景に、肩で息をする男。うずくまって微動だにしないゆうか。一人と一匹は、最悪の形で再会を果た す事となってしまった。 【後編へ続く】
https://w.atwiki.jp/amslracing/pages/17.html
秀丸でのスペルチェック [#feb69389] texの弱点 [#k64f85f5] texはwordに比べて,無駄なストレス無しで,きれいでかっこいい論文を書くことができます. しかし,texにも弱点はあります. それはスペルチェック機能です. wordでは標準で使用できるのですが,tex自体にはこのような機能はありません. 我々のような日本人が英語の論文を書くときにはスペルチェック機能は必須だと思います. 以下では,本wiki内で紹介した秀丸マクロ「祝鳥」を使用してtexを使っている人に向けて,秀丸にスペルチェック機能を付加させる方法について述べます. 秀丸スペル・チェック・マクロ [#lab63d20] はじめに,以下のサイトに行って秀丸スペル・チェック・マクロをダウンロードしてください. http //www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se315229.html (もし,URLが変わっていたら「秀丸 スペルチェック」でググれば大丈夫でしょう) 秀丸スペル・チェック・マクロの説明 「CUI のスペル・チェッカ GUN Aspell と秀丸エディタ、若しくは秀丸メールの送信用エディタ・ウィンドウを橋渡しするためのマクロ、および DLL です。 スペル・チェックが元々秀丸エディタや秀丸メールに搭載されている機能のように使えます。」 だってさ. インストール方法 [#h4256fab] 基本的にはダウンロードしたディレクトリの中のaspell/index.htmを見て,その通りにいろいろやれば大丈夫. 秀丸でのマクロの設定の仕方まで書いてあって,親切ですね.