約 3,621,404 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2698.html
「ARMS」より、高槻涼、神宮隼人、巴武士の三人をそれぞれ召喚 サーヴァント・ARMS-01:第1話 『遭遇』エンカウンター サーヴァント・ARMS-02:第2話 『異界』マジックワールド サーヴァント・ARMS-03:第3話 『授業』スクールレッスン サーヴァント・ARMS-04:第4話 『決闘』デュエル サーヴァント・ARMS-05:第5話 『任務』ミッション サーヴァント・ARMS-06:第6話 『芝居』フェイク サーヴァント・ARMS-07:第7話 『買物』ショッピング サーヴァント・ARMS-08:第8話 『舞踏』ダンスパーティ
https://w.atwiki.jp/mallowaraskill/pages/316.html
スキルガイド導入で、ダメージ増幅効果がちょっとだけ強化。サーヴァントも修行したのかなぁ? 「攻撃のダメージロール」と限定されたが問題ナシ。ダメージ入るのは全て「攻撃」扱いになったし。 なにより「1回の行動手番を消費してしまう」点が痛すぎる。早急に<マスターテイマー>取得を目指したい。 拡張機能は豊富だが、<フライハイ>や<ライドオン>は<コールサーヴァント>と同時使用する必要がある。 うっかり使用を忘れていた場合、<コールサーヴァント>ごとやり直す必要があるので注意すること。 ■サーヴァント所持中に適用可能なスキル [パッシヴ] <オーバーリーチ>:射撃攻撃や魔術(至近・視界内を除く)の射程を+(SL)×5m。 <サポートサーヴァント>:攻撃の命中達成値に+(SL+2)。 <シールドサーヴァント>:【物理防御力】と【魔法防御力】に+(SL)×2。 <ドッジサーヴァント>:回避判定の達成値に+(SL+2)。 <マジックサーヴァント>:「判定:魔術判定」スキルのコストを-2(最低1)。 [マイナーアクション] <サーヴァントブラスト>:直後に使用する魔術のダメージに+(SL)×10。サーヴァント消失。 <ヒーリングサーヴァント>:自身のHPを即座に【精神基本値】回復。 [メジャーアクション] <サーヴァントウェイブ>:範囲(選択)に武器攻撃を行う。ダメージに+(SL)×10。サーヴァント消失。 [ダメージロール直後] <シミュラクラム>:自身の受けるHPダメージを(SL)×10軽減。サーヴァント消失。 [上級クラス/テイマー] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/minasava/pages/293.html
マスターV教授(+フラット君)のサーヴァント講座 三時限目 「むむむ~(ピコピコ)」 「コンコン!先生ー?生徒を代表して講義のお願いにきましたー」 「……チッまたか…フラット。私は今日は休暇だ(ピピピズガチャーン!ピコピコ)どうしてもやりたいのなら資料位は用意してやったから自習でもしろ(ピリカチュババー!ピカチュー!)」 「なっ!?そ、そんなぁ」 「フッ、ついに伝説のPOKEモン、フリーザーゲットだぜ」 「は?」 「いや何でもないこっちの話だ。たまには自分たちで何とかしてみろ。手が空いたら様子くらいは見に行ってやる」 「と言うわけで本日は先生抜きになりました……」 「……ロードが居ないなんて最低ね」 「おいフラット!ロードエルメロイⅡの弟子なら交渉くらいちゃんとやれよ!」 「つか教授無しでどうしろってんだ!?」 「あ、あ、でも先生が資料を用意してくれたと言ってました。それからそれを使って自習をしろとも」 「自習ってもさあ……」 「まあ、とりあえずやってみましょうか?」 ~本当に30分後~ 「だ、駄目だ……全く話にならない!と言うか素でこの面子じゃ話を展開させるのが無理だあああ!!」 「思い付きでやってみたけど全然どう進めれば良いのか思い浮かばない……orz」 「これが名もキャラも無い生徒A 生徒B 女生徒C 生徒Dの実力なのね……それもこれもフラットがアホキャラなのが悪いんだわ!」 「え俺のせい!?いやそもそもマスターV無しでマスターVのサーヴァント講座になるわけが無いじゃないですか! これじゃタイトルに偽り有りですよ!このままじゃ『フラット君のマスター塾!』が始まるじゃないですか!ん……………いや待てよ?」 「いや待ちなさい、それは全然無しだから。少しでも有りかも?なんてこと無いから正気に戻りなさい」 「つかどうするんだよ!?これ間が持たねえって!」 「失って気付く大切さ……うわーん!先生ー!部屋に篭ってないで助けてくださいよぉ!!俺らだけじゃ無理ですよぉ」 「─────気になって様子を見に来てみれば……なんなんだ、この阿鼻叫喚な状況は?」 「「「その声は───マスターVぃぃぃいい!!!」」」 「……お前たち、自習してる筈じゃなかったのか?」 「正直に言いますと先生無しでは筆が全く進みませんでした!」 「はあぁぁ情けない。それじゃライターの力量不足を暴露してるようなもんだろう。まあ事実そんなものは無いがな、ハハハ」 「いやだってそもそも俺は先生の場繋ぎ役ですよ!?言わば相槌や話振りの引き立て役なのに!刺身が無いのにツマだけ有ってもしょうがないじゃないですかっ!」 「判った判った。で資料は?……よし。では三時限目、第三次皆鯖の講義を始めるぞ」 「今日やるのは日本武尊、呂布、ラーマ、ベレロフォン、オデュッセウス、サムソン、クリスチャン・ローゼンクロイツの七体です!」 「……お前たちさっきと違って今はやけに元気だな?やはり私は居なくても───」 「「「無理です!」」」 「……分かった。次に私が不在の時は代わりを用意しておいてやる」 「さてと、今日はいつもとは逆に三騎士を後に回すか。えーとだから、キャスター、ローゼンクロイツから入るぞ」 「あぁ…話が先に進むってなんて素晴らしいんだろう」 「こいつは我々にとってはそれなりに有名な奴だな。私たち人間の魔術師にとっては一段階上の存在だ」 「一段階上、ですか?」 「ああ、神代の魔術師たちのような魔法使いの域にある魔術師、という程ではないが、それでも我々から見ればあまりに遠い。 っと話を戻すぞ。まあ知っての通りこいつは殆ど正体不明の存在だ。秘密結社薔薇十字団の創設者にして魔術師らしいがそれ以外は殆ど謎だ」 「先生、この人そんなんでよく英雄に成れましたよね」 「まあそこがこいつの凄いところなんじゃないか?あるいは世界に後押しされたか、契約したのかもしれんな」 「で能力値だが……まあキャスタークラスの典型だな。至って普通と言った感じか?」 「所有スキルが結構色々と出来そうな感じがしますね」 「まあ伝承が不透明なせいで、一体何が出来るのかがサッパリ判らないのが難点か。こればっかりは召喚してみるまではどうしようもないな」 「召喚してみるまで何が出来るか判らないってのもまた微妙な話っスよね教授ー」 「ああいや訂正だ。他の魔術は不明にしても治癒魔術だけは間違いなく信用出来る」 「ほうほう、先生!その心は?」 「ローゼンクロイツの伝承において治療に関してだけは明確に伝え残っているからだ。こいつは明らかに怪我人の治療やら万能薬の開発やら果ては死者を生き返らせる薬やらの逸話に特化している」 「あ~なるほど~。全体は薄いのにその一点だけはより濃く残っている故に信用出来るってわけですね」 「そういうことだ。で、宝具の方だが───そこの君、どう思うかね?」 「はいプロフェッサー、『世界の書』はズバリ汎用性が高く使い勝手が良さそうな宝具ではないでしょうか?」 「うむ。これを使えばマスターの強化や自身の強化も簡単に出来そうだな。おまけに攻撃用の『勝利の書』とは別と言うのもよい」 「あの先生……この『勝利の書』って一体何が出来るんですか?」 「なんだフラット?空想具現化を見たことが……いやあるわけ無いか。まあ要するに極上の干渉系大魔術とでも思えば良い。 さて、纏めだがキャスターにしては十分使える。大量に持つ引き出しを有効に活用する事が出来れば結構良い所まで食い込めそうだぞ?」 「次はサムソン、バーサーカークラスですね」 「出典元が旧約聖書なだけはあってこいつ実は結構有名だったりするのか?サムソンは狂えるオルランドゥでさり気無く名前が出てきてるんだが」 「どうなんでしょうね?でも旧約聖書ならそれなりには有名なのは間違いないんじゃないんですか?」 「う~む、まあいい。能力の方に入る。これは……凄いのか凄くないのか判断に迷うな……」 「……はい、ちょっと迷いますね………」 「宝具で能力を底上げして狂化でさらに能力値強化か。そこまでやってもこれだからな。さて凄いのか凄くないのか……」 「あの先生。動物使役はやっぱり……」 「───ああ。バーサーカーじゃ宝の持ち腐れっぽそうだな……理性が無いんじゃ流石に使役しようが無い。 これじゃ魔術や魔力の反応が出ない素の動物を使って偵察するという一番有効な動物スキルの活用が出来んな」 「先生……あの正直な話、サムソンはどうすれば良いんでしょうか?」 「負担が大きいバーサーカークラスと言うのもあって、勝算がかなり薄いからな。いや魔力量があるマスターでも薄いが。 そうだなそれでもやるのならば……まず第一に真名の秘匿を徹底的にしないと確実にやられる。他と違ってサムソンの真名バレは致命的だ。 第二に間違っても死体を触らないようにする為に敵マスターや一般人は襲わせない方がいい、と言ったところか?」 「胸をパンチして腕が貫通、人間即死でグズグズしてたら死体に触ってましたとかじゃ笑えませんもんね。他には…?」 「あとは戦闘技能が原始的なのが予想されるな。狂戦士クラス以前にサムソンが元々パワーこそ正義な戦闘スタイルなんだろう。………以上だ」 「…………あのロード?つまりハッキリと言えば決め手にも欠けるサムソンじゃ勝つ糸口は無い、と?」 「参加したマスターが単身じゃまず負けるだろうな。サムソンに送る大量の魔力でマスターは魔術行使も補助もロクに出来なくなる。 つまりサムソンを使って勝ちたいのなら聖堂教会のような魔術師と戦える戦力を複数人用意しないと無理だろうな」 「その時点でなんかもう無理っぽいんですけど、サムソンで敵サーヴァントの足止めをしてその隙に残りの者で敵マスターを倒すって事ですか?」 「ああ。敵サーヴァントが格下でもないと真っ向からの勝負はサムソンは些か不利だぞ。敵の宝具に対抗する手段が全く無いからな。戦闘続行Aに賭けるくらいしかない。 サムソンはなまじ通常戦闘が強い分、敵の宝具の使用確率を上げている、敵を半端に追い詰めると逆に敵の必殺の一撃でやられてしまうと言う訳だ」 「うわあ珍しい……先生が魔力量があるマスターでもお薦めできないと言うなんて……よし、ならあえて俺がマスターに……!(ボソリ)」 「次は皆も知ってる者も多いであろうギリシャの代表的大英雄の一人、オデュッセウスだ。何故かアサシンクラスだが……まあ構わん」 「なんでアサシンなんですかねぇ……?」 「では能力値の方だが、流石は足が速いオデュッセウスだな。敏捷が見事なものだ。攻撃力も中々だが守りが堅いのもいい」 「ギリシャ大英雄にしては微妙にショボく無いですか教授?」 「う~んまあ影の暗殺者クラスだからじゃないか?でもよく見てみれば肉体面も精神面も水準はしっかり越えているんだぞ?」 「そうですよ失礼な!オデュッセウスに謝ってください!」 「フラット静かにしろ。でスキルの方だがクラススキルの気配遮断を始め軍略や千里眼、神々の加護と実に便利かつ有用なスキルを持っているのも嬉しいな」 「そうなんです!これでステータスまで高かったら手の付けようが無いじゃないですか、判ってるんですか生徒Aさん!」 「………おほん!いやそれにしても流石は神々と英雄と人間が入り混じって戦ったトロイア戦争で活躍した智将。軍略は流石のレベルだな」 「ロードエルメロイⅡ、それって凄いんですのやっぱり?」 「ああ。世界を制覇しかけた彼の大王でも軍略Bだった。まあそれでもBランクは一流ランクなんだが、オデュッセウスはさらにその上を行く最高位の戦略家だ。 強いて残念な感想を述べるとオデュッセウス自身が対軍宝具や対城宝具といった宝具を持っていないことかな?」 「確かにそれが惜しいっスよね」 「では次がいよいよオデュッセウスの宝具なわけだが───」 「まさにオデュッセウスと言ったらコレだ!な宝具ですよトロイの木馬は。PCの用語にまでなる程なんですよ!?」 「ぱそこんって…君、絶対魔術師じゃないでしょフラット君……」 「ソイツが魔術師らしからぬところは今に始まった事じゃない。さて『殺戮す十二斧』なんだが、いや宝具の相性が良過ぎて笑えないな」 「相性が良過ぎ、ですか?」 「この弓は矢は標的を変えられ無いという常識なんぞ知ったことかな弓だ。そのため障害物が多い戦場や室内でこそ逆に絶大な威力を発揮する。 そういう場所や状況で戦う時は戦略を司る彼にはチェスでもしているような気分なのかもしれないな。故に戦術戦略で戦うオデュッセウスには最高に相性が良いという訳だ」 「そしてもう一つの宝具、『騙し欺く木馬の姦計』の解説に入るぞ」 「あーーーっ!俺のPCにいつの間にか『konton666.nero』って新トロイが666個も検出されてる何故!?ああ!フォルダ内に動物画像が大量に!?」 「さてこの宝具だがあの伝説通り実に強力な要塞殺しだ。自陣内こそが絶対の城砦と考えるマスターにとっては悪夢以外の何者でもないな。注意点は有名な分使用後に真名がバレる位か、ヤルなら必殺のつもりで臨むことだ」 「ロード質問です。一つお訊ききしたいのですがサーヴァント相手にマスターの工房は効果はあるんですか?」 「もちろん多少の効果はある。まあ英霊が総じて強力な神秘なため人間が扱う神秘程度では打倒は出来ないが上手くいけば消耗くらいはさせられる。 敵陣内でマスター相手に下手に消耗すればそこを敵サーヴァントに突かれ負けかねん。だから普通なら滅多な事ではそんな強行策はしない」 「敵の宝具効果なんかでよっぽど急を要する事態でもないと工房攻略なんて疲れるだけ、っスね」 「よってマスターにとって工房は何よりも気を抜ける場所なんだが、このトロイの木馬の前には無意味だな。いや油断し切っている分逆に危ないか? しかし結界すら無視するとは……下手するとハサンの気配遮断を超えてるんじゃないのかこれは?」 「………あのぅ教授?わたし一つ思ったことがあるんですけど……オデュッセウスはアサシンで呼んでもあまり意味は無いのでは?」 「ああ無い。全くもってその通り、オデュッセウスをアサシンで呼ぶメリットは殆ど無い。いやむしろ皆無と言ってもいい。 酷評になるが運悪くオデュッセウスをわざわざアサシンで呼んでしまったマスターには悪いが愚行としか言い様が無い。 もしそんな勿体無い事をするマスターがいたら私の所へ連れて来い再教育してやる。 流石にこれはヘラクレスをバーサーカーで召喚するのとは訳が違うからな。いやあれも色々と問題があるがアレよりも利点が無い……」 「そ、そんなにメリット無いですか?まあ確かに大英雄だし影の役割よりは三騎士クラスの方が似合ってますけど」 「そもそも気配遮断スキルより強力で有用な木馬があるんだから気配遮断スキルは必要なかろう。おまけにランクが高くない為使い道が殆ど無い。 隠密程度のCランクだと工房全ての結界を突破出来るかが判らんし、ただ敵から隠れるだけにしてもマスターと一緒に木馬で隠れる方がより確実だ」 「それに宝具、スキルの相性も弓兵クラスの方がよい。ならばアーチャーで召喚してより有用な対魔力スキルと単独行動スキルを得た方がオデュッセウスを確実に強く出来る。 特にマスターに攻撃魔術があれば単独行動スキルはかなり使えるぞ?マスターの全力魔術と『殺戮す十二斧』波状攻撃で戦略の幅がさらに広がるしな」 「う、そう言われたら確かにアサシンよりアーチャーの方がお得なような気がして来た……」 「さてと少々長くなったが纏めよう。ギリシャの代表的な英雄の名に恥じないかなりお勧めなサーヴァントだ。ランクにするとB+相当のお薦め度。 戦術戦略面での活躍が期待できるし、宝具戦も軍略Aのお蔭で下手なモノなら何とかなる筈だ。 さらにトロイの木馬は工房戦が主体のキャスターにとっては天敵になる。後はアーチャークラスで呼べば文句無しだ」 「次もギリシャの有名所の英雄ベレロフォン。騎兵クラスだな」 「魔獣キマイラを退治した英雄ですね!カックイイー!」 「ステータスは敏捷と幸運、宝具のステが高い。後は筋力が並と言ったところか?」 「Dランクって並なんですか?」 「言葉の感覚的にはDやCランクが並になるんじゃないの?」 「話ではAランクで超一流、Bで一流、Eが最低ランクと言われている為、等間隔にするならば間に来るのは平均以下と平均以上辺りが適当だろうな」 「超一流>一流>平均>平均以下>最低値ってのも一流と平均と平均以下の間に落差が有りすぎますしねえ」 「さて話を戻してスキルの方だが、対魔力が気休め程度だな。人間の魔術師ならともかくキャスタークラスの魔術になるとまともに受けるのはきつい。 だが仕切り直しスキルを持っているのは嬉しいぞ。これは使えるスキルだからな」 「ん~見た感じベレロフォンは宝具の方が強いタイプですかね?」 「いや、ベレロフォンはマスターによって強さが変動するタイプのサーヴァントだ」 「??……ステータスや出力の話がですか?」 「ライダーの宝具の『黄金の手綱』は騎乗する対象によって威力が変動するんだがベレロフォン自身は幻想種の召喚能力は無い。 となると当然ライダーが騎乗する物はマスターが用意するか現地調達してやらなければならない」 「うわ、効率良いのか悪いのかわからない人ですねぇ」 「不利点はサーヴァント相手には少々攻撃力が不足している事だが、代わりに騎乗物が倒されてもいくらでも替えが効くという利点もあるんだぞ?」 「そっか普通は騎乗物がやられたらライダーはそこまでッスもんね」 「で、ここでマスターがどういう騎乗物をベレロフォンに与えてやれるかな訳だが。普通ならば手に入れやすい馬や牛などの家畜や、虎や狼などの野獣になる。 だがもしここでどこぞの秘境にまだ現存する魔獣を与えてやれたならばベレロフォンを一気にパワーアップ出来ると言う訳だな」 「でも幻想種なんてそう簡単に用意できるものでもないですし……」 「普通は無理だろうな。ああそう言えば噂で聞いた事のあるがネロ・カオスとかいう魔獣を使うらしい死徒なら相性良さそうだな。ま、ありえん話だが」 「死徒のマスターなんかが出てきたらその時点で教会が出てきて戦争になりますわね」 「そしてもう一つの宝具『屠獣熔鉛』だが、これはまあ見ての通り拘束する事に特化した宝具だ。下手に捕まると流体の中からの脱出が困難なのは言うまでも無い」 「では纏めるが質の良い獣や機械類、もしくは幻想種を用意できるマスターは相性が良いので選ぶと良いぞ。 ただし、宝具の性質上一撃の重さは他の解放型の宝具持ちのサーヴァントよりも劣るため連打連打で一気に畳み込む戦術がよいだろう」 「先生!俺、第三次皆鯖ではアーチャー、ラーマが本命だと思いますよ!?」 「フッ。私もそう思うが果たして噛ませ犬の烙印を押されているラーマを活躍させてくれる戦場(SS)は現れるものか……」 「うっ、う、ぐすん……非の打ち所なんて無いのにぃ……」 「さてステータスの方だが───む?全ての能力値がBランク超えしてるな、流石はインド最高位の大英雄だ。能力値もバランスも一流だ」 「ここまで強いのに何故カマセに───やはりムエタイか!?ムエタイが悪いのかぁぁ!!」 「しかし幸運値が高いのが少々意外ではあるが……ではスキルの方を見てみよう」 「各クラスの基本能力値と見比べると確かにサーヴァントって幸運の平均値が低そうですもんねー」 「ん。対魔力も結構強力だな。ただ単独行動スキルがDなため高ランク単独行動スキル持ち程の無理は効かなそうだ」 「えと保有スキルの方は神性に千里眼、透化の三つです」 「神性は無視するとして、千里眼と透化とは随分良いものを持っている」 「やっぱりこの二つは良いスキルですか?」 「ああ。透化は俗に言う無の境地に近いものがあるな。自己を無くし奇跡に手を伸ばす我々には身近なものだろう。これはそれの先にあるモノだ。 その恩恵として精神攻撃に対する抵抗力と気配遮断を得るが、この気配遮断はアサシンとしてのとはまた別だな」 「別……ですか?」 「そうだ。透化の気配遮断で暗殺や敵陣侵入はまず無理だ。もしラーマでこれを使いたいのなら戦場の監視をさせると良い。 戦場の端にこっそり配置させるのでもいいが、千里眼と併用させればまず誰にも気づかれずに監視できるだろう」 「なんかえらい多芸っスね……ムエタイマンのくせに」 「で、もう一つの目玉スキルである千里眼だが、当然だが弓兵は基本的に眼が良い。でないと遠方の敵なんか見つけられないからな。 スキルとして顕現していなくても真っ当な弓の英霊ならば遠くの敵を見る視力は標準装備と言ってもいいだろう。 そういう中でこの千里眼を持っている弓兵はその『眼』が群を抜いてしまった連中なんだろうな。鷹の目だけでなく度が過ぎた動体視力や果ては特殊能力付きの眼などが千里眼になるのだろうか?」 「それでラーマの目に付属してるのが透視と。スキルが透明なだけあってキャラも透明(薄い)というわけッスかww」 「な、なんて酷い事を言うんですか!そんな人は退場ですよ退場!ねえ先生!?」 「さて(無視)宝具の方だが、やたら色々と持っているな。しかも全てロングレンジの攻撃用とはね。 普通なら一つくらい補助系の宝具があるものだが……ここまでキッパリしていると逆に清々しいもんだ」 「先生っ!早く各宝具の解説をして欲しいです!」 「んああすまん。では『神刃』からやるが、ふむ追尾機能とステルス効果か……なんと言うか、まんまミサイルだな」 「………ですよね」 「よほど良い勘をしていないと矢が体に着弾するまで気づかないという事も有り得るかな。ただまあ急所目掛けて飛んでくる訳ではないから攻撃力自体はそう高くは無さそうか? タイプは利器型かな?解放型だったら他の宝具の方が有用度が高いから正直あまり使いどころがなさそうだがな……。 問題点を挙げれば宝具の性質上、矢の照準をちゃんと付けられるのかが判らないところか。まあその変わりに矢が勝手に動く分命中率自体は良さそうだがな」 「利器型の宝具ならこれをメイン武装にして戦う事になりそうですね!」 「もう一個がAランク対軍宝具『天翔る光明』か。さてこの宝具だが、直線状に敵を攻撃する貫通系の軌道かなどうも。直列する敵は良い的だ」 「教授、この特殊効果の対蛇ってことはやっぱメデューサとかはヤバいですか?」 「相性で言えば最低最悪だな。あと蛇に深い因子を持つ英雄も注意しとくに越したことは無い」 「で最後が『創世神の光明』A++ランクの対人宝具だが、いや実に贅沢だな。Aランク対軍宝具が有りながらさらにA++ランクの奥の手とは」 「多分ですけどラーマって皆鯖上一番贅沢なサーヴァントかもしれませんね?」 「太陽の弓『天翔る光明』で撃たれたこの『創世神の光明』はA++ランクの攻撃力とサルンガの追加効果を得る訳だが……これは盾の宝具でも防ぎきれんな」 「無理なんですか?」 「盾のランクにもよるが多分無理だ。なまじエネルギーが収束しているだけあって一点を突破する貫通力が半端じゃないと予想される。 最低でも規模で勝るA+ランクの対軍宝具で威力を削いで耐え凌ぐのに賭けるか、同じくA++ランクの宝具で単純に相殺。もしくは事前に太陽の弓を破壊でもしない限りこれを撃たれれば死ぬな」 「うおーーーーー!なのになんでこいつはカマセなんだろうかーーーー!!?ところで燃費の方はどうなんスか?」 「流石にこの超威力で消費魔力が少ない訳がないだろう。だがまあ、対軍宝具や対城宝具なんかに比べると全然マシだな」 「さてラーマの纏めだが、一応格闘で接近戦も出来はするがわざわざ自らサーヴァントを弱体化するような戦術を取る必要はなかろう。 相手が格下でもない限り剣兵や槍兵と接近戦をしても良い事は無いぞ。それに接近戦はレンジの問題で宝具が封じられる結果に繋がるから旨くない」 「あ、それもそうですよね。どの宝具もレンジ5以上からですし下手に接近し過ぎると逆に宝具使用が難くなるんだ」 「そういう訳だからラーマはアーチャーらしく距離を取って戦うか、長距離狙撃で仕留める方が良い戦果を出せるだろう。 宝具が強力な分の魔力負担はかなり有りそうだが、伝承では戦いの後は平和に国を治めてるし性格は問題なさそうだ。 マスターが宝具使用の際に魔力枯渇させられて死ぬ事はあるまい。扱い易さ、戦力的にも太鼓判を押せる有力株だ。あとはマスターの身の安全に注意すればいい」 「それにしてもおめでとうございますラーマさん!先生から太鼓判が出ましたよ!これでヤムチャからピッコロくらいの進化は出来たかもですよ!」 「ラーマに少々時間を取り過ぎたな。次ランサー呂布だ、サクサク行くぞ」 「この呂布だが第四次や第五次聖杯戦争時にニホンで召喚すれば多少なりとも知名度による強化を得られるだろう。近隣で三国志は人気があるようだからな」 「三国志最強の武将だけはあって攻防敏がBランクと肉体面の能力値が高いですね」 「しかし属性が混沌・悪なのが気になるところだな」 「この組み合わせって良くないんですか?」 「ハッキリ言って最悪だ。混沌の行動方針は自分本位の自由人なケースが多いのだがこれに属性の悪が来るとかなりマズイ」 「ところで教授この属性ってどういうのなんですか?」 「狂戦士のように役割(クラス)によって変動したりもするが、簡単に言えば人間から見て善玉か悪玉かじゃないか? 私の主観ではあるがギルガメッシュやイスカンダル、メディアとかジルとかも本人云々よりも人々にどう見えてるかで決まっているように思える」 「まあ確かにギルガメッシュとかイスカンダルは見方を変えれば暴虐者や侵略者ですし、メディアとかも被害者ですしね」 「では話を戻すが、正直この組み合わせになるくらいなら秩序・悪や中立・悪の方がまだいい。 ちなみにこの属性の代表例はジル・ド・レェだ。これでこの属性がどのくらいマスターにとって性質の悪いものか判っただろうか? 「げっ!その人って先生が補習で言ってた第四次の聖杯戦争の虐殺者じゃないですか……」 「おまけに呂布には裏切りの逸話があるくらいだ。下手をすれば令呪を使ってでも裏切りの対策をする必要がある」 「え?でも先生?令呪さえあればサーヴァントはマスターを裏切れないんじゃないですか?」 「まさか。その気になれば連中は簡単にマスターを裏切れるさ。 ただサーヴァントにも目的がある以上、マスターを失う事は現界するにも戦っていくにも効率が悪いから普通はやらないだけだ。 サーヴァントを失ったマスターがまた新しくサーヴァントを得るのが難しいように、新たなマスターを得るのもそう簡単ではないからな」 「でもそれならやっぱりサーヴァントは裏切りはやらないじゃないですか先生」 「普通は、と言っただろう?要するに呂布は例外と言う事だ。スキルを見れば判る」 「えと呂布の保有スキルは対魔力、騎乗、一気呵成、仕切り直し、単独行動ですね。クラススキルが異常に目立ちますね」 「とりわけこの高い単独行動スキルがある時点でマスターは呂布の裏切りは当然と考えなくてはいけない。でないと───本当に死ぬぞ?」 「…………」 「さて。判っている者もいると思うがこの呂布は宝具の能力的にも保有しているスキル的にも持久戦や乱戦に強い。 『方天画戟』は能力、ランク共にそう強力な物では無いが全ての敵サーヴァントを同時に相手出来るという利点がある。 後は戦闘が長くなればなるだけ命中率が上がる一気呵成と戦闘の建て直しが出来る仕切り直しを有効活用しない手は無いな」 「ロードエルメロイⅡ。では呂布の戦略はどういうものがよろしいんですか?」 「見ての通り呂布は宝具戦になれば敗北は必至だ。能力上『方天画戟』は宝具戦では全く役に立たないからな、ランクも低いし。 よって敵の宝具を封じながら自身に有利な戦いを進めれば良い訳だ。なら、第三者の戦闘に乱入するのが手っ取り早くてよい。 互いの警戒が必要な乱戦ならば一部の奴を除いて宝具はそう簡単に使用出来なくなるし、呂布は乱戦と相性が良いからな」 「なるほど。下手に宝具が飛んでくる一騎打ちよりもバトルロワイヤルの方が強いってわけですね」 「では呂布のまとめに入るが裏切り対策は絶対に必要だ。惜しいが令呪を使ってでもやるべきだな。後は利器型の対人宝具持ちが多ければ良い活躍が出来そうだ」 「ところで弱点とかはありますか?」 「ああそうだった言うのを忘れていた。伝承の通り欲望の強い人物だ。セミラミスのような毒婦タイプには気を付けておけ。最悪絡め取られてコロっと逝くぞ?」 「そういえば呂布って武力は凄いけど頭の方は結構単純でしたっけ……メデューサの『暗黒神殿』も危なそうだなあ」 「全然サクサクやれなかった呂布に続いて最後セイバー、日本武尊だ」 「ヤマトタケルてニホン最強!って意味らしいですね」 「さてこいつはニホンの英雄なだけあって呂布と同様に知名度によるパワーアップが考えられるな。 ニホンではクサナギの剣やアメノムラクモはゲームや小説に出るくらい有名らしいぞ?私もそれで知ったくらいだ」 「インド最強?のラーマと五分の能力値……名前通りに日本最強の英雄?」 「少なくともニホンの英雄の中では上の方だろうな。ニホンの英雄を呼びたいのならこいつの触媒を探すのが良いぞ。見つかればだが」 「属性は問題無しだな。ただ本人の性格にはムラがあるようだから頭に入れておくといい。後で困らんで済むようにな」 「目ぼしいスキルは……うわっ!?対魔力がBランク。神性がB、合気がA。神殺がBランクと一流揃いですよ!」 「合気は良いスキルだ。自然と一体化するとでもいうのか周囲の状況把握が素早く出来れば戦闘だけでなくアサシンの暗殺にも対応し易い」 「対魔力もBランクもあればほぼ魔術に対して無敵ですしね。大魔術や儀礼呪法等でも傷つけるのが難しいくらいなんですし」 「そうだな。で残るは対神性の神殺スキルだが、日本武尊という英雄の特徴を表わしたスキルだな。いや実に皮肉だな」 「皮肉……ですか?」 「神の子が神を殺すと言うのもそうだが、こいつはその力を父に恐れられて飛ばされたのだろう?なら結果を出せば出すだけどうなったか想像は容易だ。だから皮肉だなとな」 「…………」 「いやつまらない話だった、元に戻すぞ。いよいよ宝具だがこの『草薙剣』は武器としても優れているが随分と多様性を誇っているな」 「刀身の隠匿、気配遮断、魔力効果の打ち消しを可能とするとありますね。魔力効果の打ち消しってなんでしょう?」 「刀身の秘匿は見えない剣の『風王結界』と同じ様なタイプだろうな。で気配遮断は霧の幻覚作用による姿の隠匿ってところかな? 最後の魔力効果の打ち消しは───流石にこれじゃ具体的な内容が判らないな……。多分、強化魔術などの効果破棄なんだろうか? まあ、とにかくこの宝具が接近戦で絶大な効果を発揮するのは間違いない。有効性は騎士王が見せてくれたからな」 「う~んどっちにしても何がどこまで出来るのかは実際見てみないとわかりませんね……あ『天叢雲』もお願いします!」 「『天叢雲』だが、これは使う場所を選ばんと大惨事だな……。後はそうだな、レンジ的にも空中から雪崩込む形で落ちてくるのかな? もしそうならばイメージ的には鉄砲水と津波だな。それから多少は軌道操作が可能と考えられる」 「津波や鉄砲水が8も来んのかぁ、うへえそりゃスゲェわ」 「この宝具は発生の性質上、より高い空中で発動させれば日本武尊と宝具軌道が直線に並ばないという利点が出来る。 つまりもし宝具の打ち合いで競り負けても敵の宝具の軌道によっては損傷無しで済む場合もあるという訳だ」 「あのそれってもしかして無敵なんじゃありませんか?」 「いやだが宝具の打ち合いが出来ないサーヴァントにとってはそうでもないぞ。第三次皆鯖では例えば呂布とかな。 そういう連中にとっては逆に前進して間合いを詰めれば助かる可能性が残っているわけだからからどんなものでも良し悪しはあるものだ」 「では纏めに入るぞ。まずはヤマトタケルと信頼関係を結んでしっかり手綱を握る事だそれで性格の問題はある程度解決出来る。 後は『天叢雲』の使用に注意するくらいだな。こいつもラーマと同じく大英雄の格ゆえ、余程ハイレベルな戦いでない限り勝ち残れる。 よってこいつも注意しなければならないのはキャスターやアサシンのマスター攻撃なんだが、対魔力と合気のスキルで結構守りも堅いんだよな……」 「あれ?意外に問題点が少ない?」 「ん。少々つまらんがその通りだ。普通に超お薦めの英霊……というか薦めないのがおかしいレベルだぞ?ラーマと同様にA+ランクのお薦め度でよろしくしよう」 「さて総纏めだ。第三次皆鯖で有力なサーヴァントは日本武尊、ラーマ、オデュッセウスの三名だ。ラーマも良いが特に日本武尊が知名度的にも良い」 「意外なことにヤマトタケル問題点も少なかったですしね。もっと問題があると思ってたのに……」 「まあ使い易さは高ランクの対人、対軍宝具を持つラーマの方が上だ。日本武尊の宝具は強いが少々癖があるからな」 「この三名が共通して言えるのは如何にマスターが足を引っ張らないかだ。ここまで強力だとまずマスターが狙われるからな」 「こればっかりは対策が無いのが残念ですよね」 「ローゼンクロイツならのマスターの超強化が簡単に出来るんだが……流石に奴ではこの三人には勝てないからな」 「戦力差が圧倒的ですもんね……」 「───だが逆を言えばマスターを強く出来るこいつみたいなタイプこそがこの三名の天敵になり得るから注意が必要だ」 「………絶対これみんな意図しないで作ったんでしょうね……」 「……多分な。私も今さっき気づいた」 「ところでハイ先生!あんなに強いラーマや日本武尊がA+相当のお薦め度ならA++レベルのお薦め度は誰ですか!?」 「それはお前イスカン───いや、なんでもない。ではかなり長くなってしまったがこれで第三時限目の講義を終了する」 「ちぇ残念……。先生、それに参加したマスター候補の皆さんもお疲れ様でした!」 「「「お疲れ様でした。教授もありがとうございました!」」」 「さてと、私はこれでようやく───」 「あ、あの!教授!これからお昼でもどうでしょうか?!」 「ちょ!あー!わたしが先に誘おうって言ったんじゃないっ!」 「こういうのは言った者勝ちなの!」 「抜け駆けなんて許さないわよ!」 「いやいやプロフェッサーカリスマは俺たちと飯食うんだっての!女は引っ込んでろよ」 「そうだっつーの。グレートビッグベン☆ロンドンスターもお前らよりも俺たちの方がいいに決まってるじゃん。ですよね教授?」 「あんたたちこそ引っ込んでなさいよ!大体教授は男性なのよ?あんた達みたいなガキとご飯食べても嬉しくないわ。ねえ教授?」 「いや私はだな……」 「「「どっちがいいんですか?!ロードエルメロイⅡ!」」」 「─────頼むから帰らせてくれ……」 ~FIN~
https://w.atwiki.jp/minasava/pages/295.html
マスターV教授(+フラット君)のサーヴァント講座 五時限目 「このSSスレもついに二スレ目ですか。良い事ですよね!ね女生徒Aさん!」 「わたし思うんだけどね。あのSSスレをあんなに早く使い潰した原因ってほぼ貴方よね?正直KB使い過ぎなのよ」 「お、俺のせいですか!?」 「今のうちに皆様に謝っておきなさいよ」 「えー?むしろ謝るのは先生の方じゃ……」 「なにあんた教授に恥をかかせる気!?非公式エルメロイファンクラブ通称エルメロイⅡに抱かれ隊を召集しろって言いたいの?」 「ハイ申し訳ありませんでした教授の人柱としてお詫び申し上げます。あーところでそのファンクラブの人数って何人位ですか?」 「軽く計算しても100人単位」 「……………先生枯れてしまう……逃げて先生ー!」 (がちゃがちゃ、がちゃ) 「ん?あ噂をすれば先生が来た。はーい今ドアの鍵開けますからちょっと待ってて───」 (がちゃがちゃ!ガチャ!!ガンガンガン!!バコーーーン!!) 「ぐはっ!?ドアが破壊されたっ!」 「あ~ららフラットったら見事にドアの下敷きになってるし」 「では授業を始めます。生徒の皆さんは着席してください」 「ちょ!?誰ですか貴女!?ていうかその前に踏み倒したドアから退いてくれないですかね!?貴女にドアと一緒に踏まれてるんですがっ!」 「あ、これは失礼。手をどうぞ。本日限りの臨時講師を務めますバゼット・フラガ・マクレミッツです宜しくお願いします」 「あの……先生は?」 「彼は日本の冬木に居ます。里帰りの真似事して老夫妻を喜ばせるんだとか。その後は魔術協会秋葉原支部で自分探しの研究をするとかなんとか。そんな支部ありましたっけ?」 「……バイト代いくら貰ったんですか?」 「流石はロードエルメロイ二世と言ったところですね羽振りが良かった。これで今お世話になっている家主に家賃を───おほん!授業を始めます!」 「これじゃマスターV教授のタイトルに偽り有りに……」 「今日の私はバゼットではなくヴァゼット先生なので多分頭文字はVです。何も問題有りません」 「多分て……じゃあマスターの部分は?」 「聖杯戦争における最強のマスターですがなにか問題が?」 「判りました納得します!納得するんでそのヤバい球体を仕舞ってくださいごめんなさい」 「宜しい。では改めまして皆鯖第五次の講義を始めます」 「まず皆鯖五次のサーヴァントの特徴ですが被害規模が大きい、無闇に目立つと言う魔術師からしてみれば致命的な欠点が多いです。特に一部が最悪のレベルです」 「はいヴァゼット先生!それが何か問題があるんですか?」 「これらサーヴァントをぶつけ合った場合に想定出来る事項として、その土地のセカンドオーナと監督役を同時に敵に回す危険性が増えます」 「ああなるほど。不要な敵は出来るだけ作らないに越した事は無いって事ですか」 「そういう事です。英雄としての知名度や格はチンギス・ハンとガウェインに分があるでしょうね。では個別の解説に入ります」 「始めは問題サーヴァントその1バーサーカー清姫から行きます。まず結構執念深い、つまりしぶといタイプだと伝承から予想出来ます。 一番の問題になるのはこの体の大きさですね。清姫のマスターは確実に破壊される戦場と彼女の巨体に踏み潰されない為の配慮が必要です」 「踏み潰されるってそんな間抜けな事になりますか?」 「あの巨体で狂戦士クラスの時点で十分に有り得ます。恐らく殆どのマスターは清姫をまともに操作出来ないでしょうから。 おまけに大蛇に相応しく筋力と敏捷が高い。敵味方問わず下手に清姫の足元に居たらかなり危険ですね」 「残念ながら清姫はウ○トラマンとは違うって事ですか……」 「戦闘技術は十中八九皆無の筈です。身体性能に物を言わせて暴れるだけですが、火炎攻撃と持ち前の巨体でかなり広いレンジを持っているでしょうから注意してください」 「最後に宝具『消えぬ情念』ですがストーカーの名に相応しいストーカーフレイムです。追尾するだけでなく纏わり付くとは……。 被弾時の威力は致命的では無いようですが、これを喰らうと聖杯戦争で圧倒的に不利な状態に陥りますね」 「はーいマスターヴァゼット、そこまで言う程厄介な物には見えないんですけど?」 「いいですか?この炎は清姫との位置によってダメージを受け続ける事になり、おまけにこちらの位置の情報が明るみになります。 しかし清姫は狂戦士ですからこの宝具を戦略的に使うのは結構難しいです。となると大体のパターンとして敵に真っ直ぐ向かって来る事が予想できます。 ダメージ+清姫による襲撃。場合によっては別のサーヴァントと戦っている最中に横から清姫…といったケースも有り得る訳です。そういう理由から十分厄介な宝具と言えます」 「篭城策は……相手が大き過ぎるから止めといた方が無難ですね。立て篭もって死んだ山伏さんと同じ運命になりかねない」 「では清姫の解説はこれで終了し次へ行きます」 「おおっ!ちゃんと講義になっている上に今回はサクサク進む!凄いですよ!マスターヴァゼット!」 「お、おほん!戦闘に関してだけは得意分野ですので///」 「次も問題サーヴァントその2のランサーロムロスをやります」 「あ~この人の問題点なら俺でも判りますよ……」 「ええ。想像通りでしょうがまずロムロスの宝具『討ち立てる繁栄の大樹』は使用する場所が酷く限定されます。 森林地帯や山中で使うのが一番無難でしょうね。間違っても街周辺では使わない事ですトオサカと監督役が確実にキレます。 最悪、聖杯戦争の進行妨害者として粛清に乗り出しかねませんね」 「……そこまでして来るもんなんですか?」 「魔術は秘匿すべしと聖杯戦争は暗闘を前提に戦うと言う二つの原則を破っています。 少なくとも土地を管理するセカンドオーナーは絶対に黙っていませんよ。放っておくと管理者が協会に粛清されますから」 「大変なんですねセカンドオーナーって」 「しかし宝具の性能自体はロムロスの戦闘をより有利にするものなので、上手く相手を宝具使用可能な戦場に誘き寄せるなりして積極的に使って行きたいです」 「宝具を使わないで勝つってのは無理ですか?」 「ロムロスの能力値は対魔力を含めて全てセカンドランクを超えているので相手によっては不可能ではないでしょうね。 また相手との相性次第では雨乞いスキルが効力を存分に発揮したり、言語理解スキルを上手く使って諜報活動をしたりといった事もあるでしょう」 「あの核心部分なんですけどロムロスの評価はどうなんでしょうかねヴァゼットセンセ?」 「宝具の運用方法さえ間違わなければそんなに拙いサーヴァントではありません。清姫よりは全然扱い易いものですよ」 「ちなみにヴァゼットセンセー的には?」 「彼との相性は結構良いですね。ロムロスの宝具の使用中は私の魔力を自分の為に総動員出来るのでその間に敵マスターを潰せます」 「「おお凄い自信だぞこの人!!」」 「次はキャスターのアンティオの聖マルガリータをいきます」 「この人って女の人なのに大きいですねえ」 「………そうですね…(私よりも大きいとは……聖マルガリータナイスですb)…彼女はこれだけでお勧めしても良いかもしれません」 「へ?」 「いえ何でもありません。聖マルガリータの特徴としてはキャスターの割には聖霊の加護と耐久値で妙にタフです。あと伝承の属性として悪魔系とは相性が良い」 「どんな魔術使うか判りますか?」 「彼女の背景から考えればカテゴリ的には魔術ではなく代行者が扱うような秘蹟か聖人が扱う奇跡の類でしょう。残念ながら内容は不明としか。 ただ宝具の性能や保有スキルを見ると特定条件下で威力を発揮する限定タイプのサーヴァントっぽいですね」 「でその宝具『産まれ出ずるべき光』ですが『鮮血神殿』や『暗黒神殿』の様な宝具や荒耶マンションの様な胎内封入系の宝具には絶大な威力を発揮します。 特に荒耶マンション系の結界の破壊=本体にダメージが成立する宝具に対しては無敵と言ってもいいかもしれません」 「なんて言ったって悪魔だかドラゴンだかの腹を掻っ捌いた十字架ですもんね」 「あまり強力なサーヴァントでは無いですが、私は好きです。というか私が聖マルガリータと組んだ場合は私が勝たせます」 「あの……マスターヴァゼット?それってサーヴァントを召還する意味が本末転倒になるんじゃ……?」 「次はアーチャーエウロペに入ります」 「……なんか貧弱な感じのステータスですねこれ……そして ま た お ま え か エロ神様」 「伝承からして明らかに非戦闘系の人物ですから。まあ見ての通り完全に宝具ありきのサーヴァントで間違いないでしょう」 「宝具使えないような状況になったら即死でしょうねこの人」 「エウロペの運用時の注意点はそこです。彼女を攻略するなら宝具を使えない状況に追い込めば後は簡単に倒せます。 エウロペのマスターはそういう状態にならないように敵の情報などを出来るだけ多く手に入れた方が良いでしょう。 エンキドゥの様なタイプは特に天敵です。もし何の準備も無く出会ったらその時点で負けと言ってもいい」 「ちょっとエウロペさん駄目駄目じゃないですか!」 「ただし英雄本体が貧弱な分宝具がより強力なものを持っています。 『青銅の守護巨神』は飛び道具持ち18mの巨大ゴーレム。『天星猟犬』は非常に汎用性の高い猟犬。 特に『天星猟犬』はエウロペと相性の悪いアサシンに攻撃に対しての生命線になります」 「あれ?エウロペってアサシンと相性悪いんですか?」 「まず良くは無いでしょうね。英雄達から見れば彼女自身は戦闘に関するスキルは何も持ってないと言っても良いようなレベルですから。 彼女単体の力では高い気配遮断スキルを持つアサシンの奇襲は防げない可能性が高い。そこでこの猟犬の感知力が役に立つと言う訳です」 「つまり撃たれる前に発見して撃ち落す理論ですね!?」 「はい。あと『青銅の守護巨神』の特徴から言っても進攻するのは滅法強いですが座して防衛するのは得意とは言い難い」 「ウルトラマン並に大きすぎますもんね……陣地に引き篭って~とかいってる場合じゃないですね。 仮にウルトラマンタロスを周囲に潜ませておいてもアサシンの攻撃に気付かなければ全く意味が無いですし」 「よってかなり癖のあるアーチャーと言えます。極端に強かったり弱かったりするので上手く戦況を呼んで流れに乗る事が勝敗の分かれ目に繋がるでしょう」 「次はせっかくなのでアサシン、シモ・ヘイヘをやります」 「軍人!軍人!赤軍を蹴散らせー。っていうかこの人死亡時期が聖杯戦争期間ギリギリですね。死んで即召還、アレ俺はなぜ此処にいる?みたいな事になりそう」 「シモ・ヘイヘは先ほど解説したエウロペと天敵関係になるアサシンですね」 「このヘイへさんステータスは最低ランクですけど宝具の能力がかなりえげつないなぁ」 「まずスキルに一切無駄が無い。全保有スキルが彼の宝具『白い死神』の力を補助するのに役に立っています」 「これ正直な話防げるんですか?なんか一見無敵っぽいんですけど」 「危険に対する勘が優れている者や特に防御力に優れている者辺りでないとかなり厳しいと思われます。 仮にサーヴァントが乗り切れてもマスターは無事では済まないでしょう。 戦闘能力だけで言えば全然大した事はありませんが暗殺者としては非常に強力なサーヴァントです」 「ふ~むむむ。ところでエウロペとは天敵同士って話でしたけどあれってどういう意味ですか?」 「防衛力の低いエウロペをヘイへが遠距離から撃つってのは当然の話ですが、 逆にエウロペの『天星猟犬』の気配探知の判定にヘイへが引っかかる可能性もあるからですよ。 ヘイへの欠点としては戦闘力が低いので影から引きずり出してしまえば脅威度は格段に落ちますので」 「ほ~ぅ。あ!もしかして絡め手の得意なキャスタークラスも相性良くなかったりしません?」 「ええ正解です。キャスターとヘイへがと言うよりはキャスターとヘイへのマスターがですけど」 「ヘイへと別行動中にマスターへ攻撃や、仮にヘイへさんがそばに居てもキャスターの魔術攻撃からは守り通し難い、って事かあ」 「マスターの性能が高くないとヘイへを上手に使い切るのは難しいでしょう。正直主従が一緒に行動する利点が余り無いアサシンなので。 ただ第四次聖杯戦争を生き残った衛宮切嗣や聖堂教会の代行者、言峰綺礼のような単独で行動しても全く問題ないマスターとは抜群に相性がいいです」 「最後にヘイへの運用に当たっての注意事項ですが護りに回った時点で負けです。常に攻めて攻めての攻勢で行かないと負けます。では次」 「皆鯖五次の本命の一人、ライダーチンギス・ハンです」 「この人が本命なんですか?てっきりセイバーが本命だと思ってましたよ俺」 「セイバーの方も本命ですが、日本での知名度で言えばチンギス・ハンの方が上かもしれませんね。ガウェインとは違い必ずどこかで耳に歴史人物ですから」 「ステータスはその辺の騎兵クラスよりは上。伝承から考えると敵に厳しく味方に優しいダークヒーロータイプと言ったところでしょうか?」 「なんか属性や方針的にも某征服王と対極っぽそうですねぇ。今此処に先生が居たら何て言ったんだろ?」 「主武装とスキルから考えても騎乗物から下ろして戦わせるよりも騎乗した状態で戦わせた方が断然強い。特に早駆けの乗法スキルが味噌です」 「このスキルの元ってモンゴル帝国がやってた一人に馬数頭を与えて一頭が疲れてきたら別の馬にチェンジってやつでしょう?」 「恐らく。あとさらにカリスマと軍略を持っているので、割と『王の葬列』で宝具戦を即選択するライダーマスターも少なくないかもしれませんね」 「あのーそんな簡単に宝具って使って良いもんなんですかマスターヴァゼット?」 「『王の葬列』の使用は別に問題は無いでしょう。まだ『四駿四狗』と『屍喰らいし天』が残っていますから。 私の見立てでは並大抵の敵ならば『四駿四狗』で戦闘終了になるしょう。それ程に彼のスキルは先のヘイへと同様に宝具と相性が良い」 「幻想種クラスの獣が最大八頭も居ますもんね。幻想種は一匹でもとんでもなく面倒な敵って先生も言ってましたし」 「この対軍宝具の特徴は、宝具を使って段階的にパワーアップさせるという他の宝具には無い特徴があります。 例えば『王の葬列』で500体の兵を召還したらその500体の兵を使って『四駿四狗』を練り上げ、さらにその八頭を使って『蒼の狼』を呼び出します」 「……ぶっちゃけこれってかなり手間なんじゃ?」 「確かに欠点も有る宝具ですけど利点もちゃんと存在しますよ」 「本当に?」 「これだとより戦略的な宝具運用が出来ますから。指揮官であるチンギス・ハンからしてみればベストの宝具と考えられます。 一例ですが1000体兵を召還しその全てを使って『四駿四狗』を全頭作る必要はありません。 500体だけ使って何頭かの『四駿四狗』を作ると言った状況に応じた戦力調節をしてもいいわけです。特に八頭全部の同時運用は魔力負担が非常に大きいですから」 「おおーっ!凄いですよ!ヴァゼットセンセー!!」 「しかしこの宝具にも欠点はあります。『屍喰らいし天』の使用には『四駿四狗』が八頭全てが必要になりますから一頭でも潰されていれば使用出来ません。 ただその分『屍喰らいし天』が発動した時の報酬は大きい。神獣クラスの幻想種が相手では対城宝具かランクの高い対軍や対人宝具でも無いとまず倒せないでしょうね。それから───」 「この宝具を使用する際には場所に十分注意して(四駿四狗の)用量(死屍蒼狼の)用法を守って正しくお使いください。俺との約束だっ!ですよね!?」 「補足感謝します。ですのでこのポイントがチンギス・ハン攻略の分かれ目になるでしょう。如何にして最終宝具にクラスアップする前に『王の葬列』や『四駿四狗』を削れるか。では最後行きます」 「皆鯖五次の本命その二、セイバーガウェインです」 「俺この人知ってますよ。円卓の騎士の一人で有名な騎士ですね?」 「知名度、能力値、伝承から考えても強力な英霊から選抜されるセイバークラスの中でもかなり強力な部類のセイバーです。おまけに非常に扱いやすい」 「うわぁぁあ!つかマジすげえ強いんですけど!!超カッコいいぃぃぃい!」 「強い硬い速いの三拍子加え、魔術や精神攻撃にも強く、非常にタフネス。 彼と真っ向から勝負した場合止められそうなのが皆鯖五次だとチンギス・ハン位しか居ないですね……彼が相手だと私では太刀打ち出来ない……」 「当たり前じゃないですか!この大英雄に勝つ気ですか!?何考えてるんですかヴァゼットセンセー!!?」 「シャラップ!授業中は私語を慎みなさい!────フラガラック───ッ!!」 「──────アーッ!!!!?」 「こほん……少々授業妨害がありましたが授業を再開しましょう。何か質問はありますか?」 「………。(おいおいおい!フラットが星になっちゃったぞ……マジ怖えぇぇぇえ!)」 「…………。(強いて質問するならさっきの凄いビームみたいなのは何だったか訊きたい。でも訊かない、だって死んじゃうもの…)」 「無いようですね。さて宝具の『不滅なる誠の緑衣』ですが一度限りでは有りますがどんな武器の攻撃からも守ってくれる防御宝具となります。 ただランクがCランクなので大きくランクが離れている宝具によるは保障は出来ませんがCランク以下の宝具ならほぼ無敵でしょうね。 魔術に関しては判定外ですがまあ対魔力が強力なので問題ありません。ガウェインの性能が非常に高いので使い方次第ではこの宝具だけでも敵を討ち取れます」 「では彼の切り札である『燦然たる陽光』に入りますが、持ち主の力を聖剣を通して放つエクスカリバーとは逆に、聖剣の力を持ち主に流すタイプの宝具のようですね」 「このガウェインも聖マルガリータと同じくある種の限定タイプのサーヴァントです。 日中は街中での戦闘は原則に引っ掛かるため無理ですが、人の居ない郊外などでならば十分に活用出来るでしょう」 「マスターたちの工夫次第で問題無く使える分まだマシってことか。確かに砂漠のど真ん中で海限定使用の宝具とかよりは全然何とかなる」 「そう言えばラメセス二世も日中に無敵とも言える性能を持っていますが、この二人が戦うと凄いことになりそうですね。 普通じゃまず考えられない回数の真名解放による宝具大合戦になるでしょうからある意味凄く見たい様な見たくない様な戦いですフフ」 「な……なんで、ヴァゼットセンセーがラメセス、二世を知ってるん、ですか?」 「い生きていたのかフラット!しっかりしろ明らかに致命傷だが傷跡は小さいぞぉぉ!」 「それはですねフラット君。私はこの講義に備えて今までの講義の予習してきたからです」 「そ、それは偉い…俺らのベルベット先生にも見習って、ほしいところです、ぐふっ」「さらばフラットォォ!」 「さて肝心なガウェインの攻略法ですがナチュラルに強いのでハッキリ言ってこれと言ったものがありません。 精々早期にガウェインの真名を看破して間違っても日中に彼と戦うなという程度しか助言出来ませんね。残念ですが実力で勝つかマスターを潰しましょう」 「では授業をコンパクトに纏めてみた皆鯖五次の総評に移ります。 皆鯖五次で純粋に強いのはセイバーのガウェインですが基本深夜に戦闘と言う聖杯戦争の特性上チンギス・ハンの方が若干有利かもしれないですね」 「ところでそのチンギス・ハンの蒼き狼は大きい過ぎるんですけど大丈夫なんですか?」 「神狼は使用タイミングを自分で選択出来る分まだ避けられるリスクです。常に大きい清姫に比べた可愛いものですよ」 「順当に戦況が進めば決勝まで残ってるのはガウェインとチンギス・ハンで決まりでしょう。 残念ですがこの二人は英雄としての格が他とは違いますから。時点に神性の高いロムロスと言った感じですか」 「はい質問です。番狂わせは無しですかミス・バゼット?」 「番狂わせが起こるとしたら、アサシンとして非常に強力なヘイへの狙撃と清姫の『消えぬ情念』に注意することですね。 特にヘイへの奇襲は油断しているとマスターが意図もアッサリと死にます。遠距離から攻撃して来ますからマスターでは撃たれるまで気付きようがない」 「ハイ!ヴァゼット臨時教諭~。全く名前の出ないノッポで可愛くないキャスターは駄目駄目なんですか?」 「長身女性蔑視発言禁止フラガラック!!」 「プァアァアアアアァアーッ!???」 「問題ありません。聖マルガリータは私が勝たせます。では以上で皆鯖第五次の講義を終了します。起立、礼! では生徒の皆さんお元気で。(スタスタスタ、ガチャ…あれドアが開かない?ガチャガチャガチャ!…………ドゴーーン!)よし、では皆さん失礼」 「ああ、マスターV早く帰ってこないかなぁ……」 ~FIN~
https://w.atwiki.jp/bokuserve/pages/712.html
【元ネタ】グリム童話 【CLASS】アサシン 【マスター】 【真名】千匹皮の姫 【性別】女性 【身長・体重】160cm・51kg 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力E 耐久D 敏捷C 魔力D 幸運B 宝具C 【クラス別スキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を断てば発見する事は難しい。 三種のドレスによる気配遮断能力。 【固有スキル】 単独行動:B マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。 【宝具】 『千匹皮(アラライラオ)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人 父王から贈られた、千種類の獣の毛皮を使って拵えたマント。その能力は、擬似的な死を迎える事による免罪。 この宝具を纏った状態で霊体化する事により、千匹皮の姫のステータスを召喚時にまで巻き戻し、マスターとの契約を破棄する。 その際、召喚後にかけられた呪いや毒、傷、ステータス変動、令呪の縛りなどは全て破棄される。 宝具発動後、このサーヴァントと再契約したマスターの令呪は三画まで回復する。 ただし、再契約の際にはマスターはサーヴァント召喚時と同等の魔力を消費する必要がある。 【Weapon】 『三種のドレス』 太陽、月、星の輝きに例えられる三種類のドレス。 魔術による気配隠匿・真名隠蔽の効果を持つ。 【解説】 グリム童話「千匹皮」に登場する王女。 王妃に先立たれた王は亡き妻の遺言「再婚するならば私より美しい女性でなくてはならない」を守り、縁談をすべて断っていた。 ある日、王女が王妃に似てきた事に気づいた王は、側近が止めるのも聞かず、王女――すなわち自身の娘との再婚を宣言。 王を諦めさせるべく王女が出した難題「太陽・月・星の如く輝くドレス」と「千種類の獣の皮のマント」も容易く用意されてしまう。 結婚式を明日に控えた夜、王女は三種のドレスと千匹皮のマント、幾つかの宝物を持って森へと逃げ込んだ。 森を彷徨った後、みすぼらしい格好になっていた王女は正体に気づかれず、城の下働きとして雇われる。 城では幾度か舞踏会が開かれ、その度に王女は三種のドレスをそれぞれ着ては参加し、また下働きに戻るという生活を繰り返す。 しかし、とうとう正体がばれ、王と結婚。その後、二人は幸せに暮らしたという。 あ…ありのまま、「千匹皮」のあらすじをまとめてみた感想を話すぜ! 「姫は近親相姦になる父との再婚を嫌がっていたと思ったら、最後は結婚してハッピーエンドだった」 な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれもどういう意図のストーリーなのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…風刺だとか教訓だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ もっと恐ろしいグリム童話の片鱗を味わったぜ…
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/683.html
マスターV教授(+フラット君)のサーヴァント講座 四時限目 「お前たち、待たせたな……。お前たちの大好きなぁぁ…ベルベット先生がぁ、帰ってきた、ゼッ!!YAFUOOOOOO!」 「…………」 「……………」 「………………」 「……こほん。あのエルメロイ教授。ワタクシ、教壇の上によじ登って両手広げてポーズを取るのはどうかと思いますわ」 「ええ。エーデルフェルトさんと同じ意見ってのが少し不愉快だけど私も同感です教授?」 「突っ込む所が違いますよ二人とも!よく見てくださいよアレ!袖にビラビラ付いてるキラキラ服ですよ!?スターですよ!?スター!ちょっと格好良くないですか!?」 「どこがよまったく。そもそもアレ、いつの時代のスターよ?日本のスター錦野アキーラのつもり?」 「プレスリー辺りがしそうな格好ですわね、最も本人プレスリーには程遠いですけどくすっ」 「そんな言い方酷くないですか?久しぶりの出番で先生は少々ばかり混乱してるだけですってば」 「大体ね、今本スレも皆鯖板も慌ただしいのに不謹慎だと思わない?」 「そうですわ。うちの学徒が騒然としてるのにそれを取り締まる立場の講師がこれでは……まったく空気が読めてませんわ」 「先生はきっと汚れ役を自分から買うことで場の空気を取り持とうと───してないですよねーどうかんがえても」 「あれ……?なんか、散々な言われ方してるよ…僕?」 「それで?いったい何のつもりですか教授。私とルヴィアをわざわざこんな所に呼び出して?」 「ミス・トオサカと一緒と言うのが気に入りませんが、ワタクシ教授の指導を受けられると思って少し期待してたのですが」 「そうですよ先生。いったい何事なんですかソレ?いくら夏で暑いからってそれはちょっと……せめてそういう奇行は春の方が良くないですか?時期的に」 「……おほん!いや冒頭のは無しだ。カットしてくれ。あまりに久々だったから自分のキャラを忘れただけだ」 「まあ確かに教授の公式キャラクター像って無いですものね。唯一ある台詞が『君はあの街の事を知っているかな?………ファック!お前は最悪の日本人だ!』ですし」 「そう!ああ、そうなんだよ。ウェイバーベルベットのキャラクタ像とロードエルメロイのキャラクタ像ってやっぱり違うじゃないか。 いやボク的にもね、たまにだがこれでいいのかなあって思う時があるんだよ」 「先生も先生で大変なんですねぇ」 「ああ。だからフラットは少し自重してくれ」 「………」 「さてと。トオサカにエーデルフェルト。君たち二人を呼んだのは他でもない」 「先生ー。なんで今になってミス・トオサカとミス・エーデルフェルトを呼んだんですか?二人が居たら俺の影が薄くなるじゃないですか!」 「いや生徒ABCD出すのが面倒臭くなってだな。講義の進行方法があまりマンネリ化しない為の悪足掻きだから気にするな。 言わばゲストと言ったところだ。いやまあどうやってもパターン化するのは避けられんが何もやらないよりは良いだろう?」 「……先生…色々と考えてるんですね……お、俺少し感動しましたっっ!」 「教えろ!知得留先生!やタイガー道場の様な際立って面白い訳でもなく、だからと言ってつまらない訳でもない。 でもついつい寄り道してフルコンプリートしちゃう……そんな教室の主に───私はなりたい───!」 「うおぉぉおお!先生ーー!お、お、俺!先生にずっと付いて行きますっ!!」 「いや頼むからお前はさっさと私の元から卒業、もとい去ってくれ」 「そ、そんな…酷いorz」 「……ちょっと付いていけませんわ」 「あの教授、話が無いんでしたら私たち帰りたいんですが」 「いや待て。今から講義を始めるからそのままそこに居ろ」 「……。(へぇ。私に魔術の指導はしないって言ってたプロフェッサーカリスマの特別講義か…面白そうね)」 「さて今回やるのは皆鯖第四次だ。フラット、皆鯖四次の面子と特徴を上げてみろ」 「ハーイ。剣兵ディートリッヒ・フォン・ベルン。槍兵ヘクトル。弓兵源為朝。騎兵エドワード・ティーチ。暗殺者張三豊。狂戦士ヘイドレク。魔術師オルフェウスの七名です。 特徴はパワーバランスが結構拮抗していて、各自地味…と言うよりはチョイスが渋いです」 「うむその通りだ。地味と言っちゃいけない、渋いと言ってやるべきだな。ただ魔術師側からすればこういうタイプの方が使い易くて良い」 「今回は折角優秀なゲストが居るんだから少し趣向を変えてみよう。では三人に聞く、君たちはどれを選ぶかね?」 「わたしは勿論セイバーに決まってるわ。サーヴァント中最強のクラスなんだしね」 「ホーッホッホッホ!!やはり所詮は浅ましい未開人らしい考えですわミス・トオサカ!」 「むっ!じゃあルヴィア、あんたは誰を選ぶのよ!?」 「ワタクシは当然ランサーのヘクトルを選びますわ!最強のセイバークラスと言ってもそのセイバーは宝具の打ち合いには向いていませんし。 ゆえに最終的に戦いに勝つのはランサーだと言うのは猿でも判る事ですわね。まあ尤も、ミス・トオサカのおつむでは難し過ぎたようですけどねオーホホホ!」 「フン!何かと思ったらそんな事?わたしがセイバーと契約したら貴女のランサーなんか宝具を使う暇無く斃れるわ。なら大した問題じゃない?」 「なっ……えらく威勢が良いこと」 「……フンだ。その言葉そっくりそのままお返しするわ」 「あー先生……なんかお二人の間で既に聖杯戦争始まりそうな勢いなんですけど…;」 「いつもの事だ放っておけ。でフラットお前はどれを選ぶ?」 「大体あんたっていつもいつも偉そうなのよ!」「ついに本性を現しましたわね!だから貴女は野蛮人なんですわ!」 「ん~そうですねぇ。じゃあ俺はバーサーカーで!」 「「───ッ!!?」」 「ほぅ!これは面白い。何故それを選んだんだ?今までの講義からお前はバーサーカーは避けると思っていたんだがな」 「んー?いや俺こいつの名前を知らないですから多分マイナーな英雄ですよね?だったら俺でも何とかなるかなあとか思ったんですけど───やっぱりハズレですかね?」 「いやいやそうでも無いのはその二人の反応を見れば一目瞭然だろう」 「二人───ヒィ!!先生!なんか俺あの二人に凄い目で見られてるんですけどっ!!?」 「ククッまあそうだろうな。フラットのスペックでこのバーサーカーと組めば厄介な敵になるのは明白だからな」 「あれ?じゃあ俺結構ナイスチョイス?」 「まあ偶然だろうが選択は悪くは無い。お前の才能なら自滅するまでのタイムリミットが並のマスターと比べたら長い筈だ。 となると遅かれ早かれヘイドレクと戦う可能性が高くなるわけだ。あまり歓迎出来る話では無いだろう二人とも?」 「───はい。出来るんであれば遠慮したい相手です。そいつの持ってる魔剣は曰く有り過ぎですし」 「でもマスターがミスタ・エスカルドスですし、ある意味御し易くなっているのではなくって?」 「そう言われればそうよねぇ……。フラットってどことなくどっかのバカ(※士郎君の事ですw)と似た様なトンチンカンな行動パターンしてそうだし……」 「…………それは……ある意味難敵であることには変わりありませんわね……。こちらのペースを乱すと言う意味では……」 「「───ふぅ」」 「あれ?もしかして俺バカにされてたりします?」 「放っておいてやれ。彼女たちにも色々と苦労があるのだろうさ」 「はぁ、そうなんですかねえ……?」 「ではそろそろ個別解説に入ろうと思う。今回はセイバーのディートリッヒから入ろう」 「ディートリッヒの能力は以下の通りだ。筋B耐C敏B魔C幸D宝A。対魔力B。騎乗A。能力値には典型的なセイバークラスのだな。何か気になる点はあるか?」 「いいえ。耐久が基準値と比べた場合若干低目かなと言うくらいです」 「ですけど宝具ステータスがAなんですし許容範囲ではなくって?」 「そうね。スキルも心眼(真)C持ってるし、魔術に対する守りも堅いし」 「あ、あのぅ先生……俺、口を挟む余地が無いんですけど…?(ボソボソ)」 「あの二人が優秀なだけだ。お前は今まで通りやってれば良い。では先に進める。 スキルは今ミス・トオサカが言った様に心眼(真)CとカリスマCを持っている。 まあカリスマはサーヴァントディートリッヒには殆ど不用なスキルだが心眼(真)は良いスキルだ。 様々な武勇伝や戦闘経験値を持つディートリッヒにはまさに鬼に金棒なスキルだと言えるだろう」 「この人って巨人や勇士、それにシグルドとも戦ったんでしたよね」 「では宝具に入るがやはりかなり上質の英雄だな。宝具が三つ、しかも武器と防具をバランス良く持っている」 「攻守良し。案外隙無しね」 「『不尽の巨剣』はBランクの強化タイプの宝具だ。剣の大きさが増えるだけでなく筋力と耐久のステータスもワンランク上がる」 「これ剣の長さは最大で10m近くいきそうですね。燃費もそんなに悪くなさそうな感じですし」 「攻守に続いてレンジまで良し……流石にセイバークラスなだけはあるわ」 「『憤怒の炎』はディートリッヒの噴く灼熱の炎だな。火炎の威力+竜種由縁の防御宝具やスキルの無効化。 注意点は燃費自体は悪くないさそうだが、物珍しい為使うと即真名バレする可能性が大ってところか」 「そして最後は目玉宝具の『不滅の巨兜』の効果だがCランク以下の斬撃を無効化しBランクの斬撃のダメージも減少。 さらに兜に対する攻撃はそのダメージ分のカウンター機能まで付いている。おまけに破壊されても修復するのか……」 「これ本当にCランクの宝具なんですの?」 「仮にだけどAランクあったとしても驚かない性能よねこれ……」 「ところで巨人の兜って事は当然大きいんですよね?被れるんですかねこれって?なんか甲羅とか釜倉みたいになりそう……」 「ミスタ・エスカルドスはちょっと黙っててくださらない?」 「ごめんなさい……」 「まあ取り合えずこの兜だが能力説明からすると鎧の効果もある可能性がある。頭部だけでなく身体も守る兜と言ったところか? ではこの兜の弱点は何だと思うミス・エーデルフェルト?」 「そうですわね……遮断する攻撃の種類が『斬撃』と限定化されている部分、だと思いますわ」 「うむ。『攻撃』ではなく『斬撃』とあるのは恐らく刃物などによる攻撃に対する概念武装だからだろう。つまり……」 「刃物以外で攻撃すればいい。って事ですねエルメロイ教授?」 「そうだ。ただし対魔力がBランクとかなり高ランクだから魔術では効果が無いだろう。 対魔力はCランクでも強力だと言うのにBランクだとほぼ鉄壁だ。大魔術クラスでも傷付けるのが難しいんではなぁ。 よってこの兜には勇猛スキル持ちの格闘技能を持つサーヴァントや射撃を主体とするアーチャーが有効になる。例で言えばべーオ───」 「ベーオウルフやヘラクレス辺りかなぁ?」 「私の台詞を取るんじゃないミス・トオサカ!ファック!相変わらずお前は最悪な日本人だな!」 「ほーっほっほっ!もっとこの野蛮人に言ってくださらないプロフェッサーエルメロイ二世!」 「ルヴィアあんたねぇぇ!」 「あぎゃ!?痛っ痛い!流れガンドが俺にっ!!」 「次はランサーヘクトル。ステータスとクラススキルはこれだ。筋B 耐B 敏A 魔D 幸E 宝C+ 対魔力C」 「流石はトロイア最強の英雄なだけあって筋耐敏が一流だ。幸運はやはりと言った感じか。いやまあ幸運はEランクが割と普通だがな」 「ワタクシが目に付けた英雄である以上一流なのは当然ですわ」 「でも物凄く苦労人よねこのヘクトル……おもに弟のせいだけど。なんか桜を見てるみたいな気になるわ」 「まったくパリスの様な男は一度八つ裂きにされた方が良いですわね!」 「ではミス・エーデルフェルト。ヘクトルの特徴を言ってみてくれ」 「勇猛B、仕切り直しD、心眼(偽)Bと言った保有スキルといい宝具の能力といい真っ向勝負、それも一騎打ちに強いタイプ。 ん~ワタクシからは文句のつける点は特に無いですわ」 「うん、私も特に言うことがない。強いし堅いし速いしでスキルも無駄なものも無いし。戦闘可能レンジも宝具でカバー出来てる。 普通に強くて良いサーヴァントだとしか言えないな……格的にも普通に戦って普通に勝負に勝てる戦闘力だろうし」 「次───行きますか?」 「───うん」 「アーチャー、源為朝のステータスは以下の通り。筋力B 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運E 宝具C。対魔力C。単独行動A」 「で保有スキルは矢よけの加護D、厄除けの加護A、猿臂の射A。筋力B+猿臂の射Aで随分と攻撃力が上がりそうな弓兵だな」 「先生ーこの人アーチャーなのに矢避けの加護持ってますね。活用場面があまり無さそうですけど……」 「弓兵が自分だからな。ヘクトルの投擲を───どう考えてもランク的に無理だな」 「これならまだ味方にも効果を分けられる厄除けの加護の方が出番が有りそうですわ」 「で宝具『弓張月』だが。これ単体はランクもCと正直大したものではない。だが弓の攻撃力を上げる猿臂の射スキルとの相性が良い」 「戦略的には宝具の打ち合いをするよりも、宝具の能力と猿臂の射スキルを使った通常攻撃で削っていく。ってところかな?」 「まあそんなところだろうな」 「ライダー。エドワード・ティーチの能力はっと───」 「はい先生!以下の通りです。筋力C 耐久C 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具C。クラススキルが対魔力Dに騎乗C+です!」 「う、うむ。……まあ判ってると思うがあまりお薦め出来ないな。フラット、その心は?」 「はい!属性が混沌・悪と言う素敵属性だからです!」 「というかそれ以前にこいつが悪党だからでしょ?おまけにあんまり強くはないわ」 「正解。属性もあるがこの履歴の時点でティーチを信用するマスターはただのアホだ」 「略奪上等の有名海賊だものねぇ……あ、でも日本でも知名度は結構あるか玩具にまでなるくらいだし」 「あ!それ俺知ってますよ黒髭ゲームでしょ?樽にナイフ刺して当たりが出たら人形が飛ぶやつ」 「そうそう。パーティーゲームでやるとそれなりに盛り上がるのよねー」 「ああ、それなら私もやった事あるな。ルールや縛りを付けてやるとそれなりに面白くなるぞ」 「「おおーっ玄人だ」」 「…………。(さ、三人が何の話をしているのかさっぱり理解出来ませんわ……一体なんなんですの黒髭ゲームって?)」 「おっと、話が逸れた。保有スキルが恐怖の黒髭C、戦闘続行C、地形適応Eがあるが注意する必要がいるのは恐怖の黒髭Cだな」 「でも先生これ対魔力Cで回避可能じゃないんですか?ならサーヴァントにはあんまり……」 「注意しなきゃいけないのはサーヴァントよりもマスターの方よ。普通はマスターとサーヴァントは一緒に行動するわけだから───」 「マスター対マスターの時に悪影響が出る可能性は十分ですわね。特に宝具との組み合わせはマスターにとって大きな足枷になりますし」 「ではその宝具『復讐の女神』解説だが。やはり帆船な分多少制限は受けるようだが幸いフユキには河も海もある。使用できないという事態にはならないだろう」 「これ、結構エグい宝具ですよね教授?」 「ああそうだな。で、君はどこら辺がエグいと思うのかな?」 「帆船は海の上でこっちは基本的に陸の上。相手に先手を取られると、こちらから仕掛けなければ大砲が飛んで来て、船に侵入すれば平衡感覚を奪われる。 サーヴァントは霊体化して船に侵入すれば良いけどそうなるとマスターは陸の上に取り残される事になる。 よってマスターを守りながら帆船に侵入を試みるならサーヴァントは干渉力の問題で実体化して海を渡るしかなくなる」 「うむ、戦闘中に霊体化しているメリットは殆ど無いからな」 「でもマスターと二人で海を渡るのも相応のリスクがありますわね。マスター共々空を飛べれば話は変わって来ますけれども」 「そんな苦労して船に乗り込んでもハンデがあるのよねえ。陸から吹き飛ばすのが一番良いんだけど、こちらの宝具次第では手こずるのは必至ね」 「うむ。まあティーチについてはこんなところだな。では次に行く」 「ティーチにはもれなく可愛い悪性精霊がついてくるのもお忘れなく!」 「フラット……それは言う必要はあるのか?」 「なに言ってるんですか先生!あるに決まってるじゃないですか!というかマスターによっては選択理由にまでなってるんですよ!?」 「そ、そうなのか───?」 「そうなんです!ですよねえ?全国のちびっ子を愛する諸兄たちよ!」 「次はキャスターのオルフェイス行きませんか先生?」 「ん?それはまあいいが。ステータスはっと…ああこれだな。筋力E 耐久D 敏捷C 魔力A 幸運D 宝具B」 「スキルが陣地作成Cに道具作成C。それに芸術審美B+に神性B、呪歌Aです」 「オルフェイスは歌を媒介に神秘を行うキャスターだ。流石は神代の英雄、ただの歌にも魔力が篭っている」 「魔術師かぁ……あのエルメロイ教授、オルフェイスは本当に魔術師なんですか?」 「ん~。厳密には魔術師ではないが魔術師にカテゴリされるゆえにキャスターとでも言うか……まあゴドーワードみたいなタイプじゃないか?」 「…??ゴドーワードってなんです先生?」 「まあ判る奴には判る。なあ画面の前のマスター諸君?」 「あの……誰に言ってるんですか?」 「おほん。ではオルフェイスの解説に入るが伝承的にも魔術師としてのスキルが乏しそうなため道具作成や陣地作成スキルにあまり過度な期待はしない方が良いかもしれない」 「ただ芸術審美スキルがB+とランクが高いため監視でもいいので積極的に戦場の様子を探ったり諜報活動をしたりした方がマスターにとってプラスになる」 「そして宝具の方だが、これは我々魔術師も持つ、術者強化の補助礼装とタイプが同じだな」 「尤も性能はワタクシたちのソレとは段違いもいいところですわ」 「この宝具で強化されたオルフェイスの歌は『統一言語』と少し似ている部分があるな」 「琴座にもなった知名度と動物や神すらも魅惑する歌。キャスターだからと侮ったら痛い目みるでしょうね」 「キャスターだが敵にすると意外と厄介そうだぞ。では次にいく」 「次はバーサーカー、ヘイドレクだ。うむようやく典型的なバーサーカーが来てくれたと言う感じだな」 「筋B 耐C 敏C 魔D 幸D 宝A 。狂化Bでもこのステータスってのがたまりませんねえ」 「ステータスは筋力と宝具が特に際立っている感じか。正体は北欧神話の狂戦士一族の一人ヘイドレク」 「自分で選択しておいてなんですけどやっぱり聞いたこと無いですハイ」 「まあ有名な逸話がオーディンとの知恵比べと魔剣の話くらいしかないしね」 「だがスキルは中々に良いのが揃っているぞ。蛮勇Bに追撃Dに無謬の叡智Aか。 元々クラスの問題で蛮勇のデメリットは殆ど無いと考えられる上に、宝具がガンガン押し切るタイプだから追撃Dとの相性も良い」 「宝具が強力な分警戒して逃げようとした敵を追い討ちで仕留められる機会がある、か。下手な探りは逆に命取りかな」 「無謬の叡智は知りたい事を相手との問答で算出するスキルだが───ふむしかしバーサーカーの割に似合わんスキルを持っている」 「しかしミスタ・エスカルドスがマスターだとちょっと使えこなせそうにないスキルですわねホホホ」 「………ぐすん」 「さてと肝心の宝具の方だが流石は彼のオーディンも警戒した一品。かなり危険な臭いがするな、敵にとってもマスターにとっても」 「持ち主に栄光と破滅をもたらす『魔剣』の代表例ですし。その手の言い伝えには事欠きません」 「効果は戦闘力の大幅な強化と魔剣による精神支配による無謬の叡智の解禁だ。 この魔剣は呪いの様な美しさでも有名な為、芸術審美スキル持ちは正体の看破がし易い……が逆に魔剣に魅入られて手に取らない様に細心の注意を払っておくことだ」 「こういうのって剣マニアとか危なそうよねぇ。まあわたしの知り合いにそういう奴は───あ……一人、いや二人居たけど……いや流石にアーチャーは…でももう一人の方が……ぶつぶつ」 「あらどうしたんですのミス・トオサカ?またいつもの様に拾い食いでもしてお腹を壊したのでしょう?」 「拾い食いなんかするわけないでしょうっ!!」 「まあヘイドレクは最後まで残れるかは微妙なサーヴァントだが他のマスターにとっては間違いなく障害になるサーヴァントだ注意しろ」 「では先生最後にアサシン張三豊をお願いします!」 「いや毎度の事だが物凄いのがアサシンで来たな。まあそれは良いとして早速能力解説に入ろう。ミス・トオサカステータスを」 「はいどうぞ。筋力D 耐久E 敏捷B 魔力A 幸運B 宝具C 気配遮断B」 「やっぱお爺さん?なだけあって筋力と耐久が低いですねー」 「それは関係ないと思いますわよ?」 「張三豊はアサシンクラスと言うのと東洋の魔術基盤に精通してるだけあって敏捷と幸運それに魔力が高いのが特徴だな」 「先生、この仙人ってやっぱり攻撃って拳法ですかね?」 「太極拳の達人だしやっぱ拳法を使ってくるんじゃないか?宝具も拳法からのモノだし。ただ身長的にリーチはあまり無さそうだが……」 「で保有スキルだが、心眼(真)B、透化A、仙術Cの三つだ。どれも修行の末に身に付けたような張三豊らしい保有スキルだな」 「教授。わたし仙術にはあまり詳しくないのですがどんなものなんですか?」 「うん私も判らん」 「…………全然?」 「そもそも専門分野じゃ無いのだからしょうがないだろう?実物を見ればまだ何か判るかもしれないが」 「つまりデータ不足と?」 「うん」 「………ぁぁ判りました宝具へ行って結構です」 「うむ。張三豊の宝具『元始太極功』は完全に受けの宝具だな。しかも迎撃じゃなく護りの宝具か」 「相手が攻撃してくる事が前提ですものね」 「マナとオドを利用した究極の受け流しの技法か……当然魔術の攻撃も受け流すだろうな」 「防御力が優れている分、いまいち攻撃力に欠ける印象のサーヴァントですわね」 「君は押せ押せの性格だからな」 「ハイ!ところで先生にこんな質問が届いてます!」 「ん?質問か?なんだ言ってみろ。答えられる事なら答えよう」 「では遠慮なく。生徒 228君からの質問です。 マスターV先生、地味チートのホンダム侍とエロ爺仙人の二人が接近戦で戦ったら、どっちが勝つんですか? つーか次の講義マダー?チン!チン!早くしろよロリコン教授ファッキュー!……だそうです。いやぁ世の中命知らずって居るもんですねアハハ」 「……フラットと 228は後で私のところへ来い。いいな?絶対に来るんだぞ?」 「な、なんで俺もなんですか?!」 「楽しげに読んだお前も同罪だ!まあ大方の人間が思っている様にこの両者が戦えば持久戦になるのは必至だ。 だがそれでは面白く無いだろうから敢えて白黒付けるのならば本多忠勝が有利と私は予想する」 「へぇ面白いですね。で教授その心は?」 「両者の敏捷と攻撃レンジの差だ。仮にお互いの保有スキルをスキルで相殺してもこうなるだろう。 蜻蛉切は通常の槍よりさらに長い。本多忠勝は通常の槍兵よりもずっと遠い間合いから張三豊の前進を迎え撃つだけでいい。 一方の張三豊は蜻蛉切を受け流しながら間合いを詰めなくてはならない。だが受け流し中少しでも槍の穂先に触れればダメージ判定を受けてしまう。 さらに張三豊が間合いを詰め切っても敏捷の差で最悪離れられる場合もある。特に本多忠勝は耐久を犠牲にしている分回避率が高い槍兵だからな。 よって以上のことから受けに回るだけでも攻撃が成立する本多忠勝が有利───と思ってたんだが、最近の研究で仙人は超ヤバいと言う事が判明した……」 「あー俺それ知ってますよ。なんか菌糸類の神さまが言ってたやつでしょう先生?」 「ああ。データだけで比べると本多忠勝が有利なのだがその話を考慮した場合だと、 本多忠勝ではどう考えても勝ち目が薄いと言うことになる。下手すると勝ち目自体が無いかもしれん」 「へえなんでですか?」 「『仙人は強すぎる』なんだが問題は最高レベルの英霊が出揃ってる第四次聖杯戦争の面子でも仙人は強すぎるらしいと言う事だ。 やはりこの世界でも当時スレ内で中国では仙人>神様だってと言われてた通り仙人はヤバいらしい……」 「HAHAHA~英雄王、騎士王、征服王、完璧なる騎士が居るのにそれだとどう見積もっても最高レベルのサーヴァントになりそうですよね張三豊のお爺さんって」 「……OhYes。太極拳や少林寺って言ったら誰でも知ってるって位の知名度でおまけにそれ縁の伝説的な仙人では残念だがどう考えても戦国武将が手に負える相手じゃない」 「いやぁ危うく自信満々に勝敗予想して大自爆するところでしたね~先生?俺も後ちょっとでも講義が早かったらと思うと冷や冷やものでしたよ!」 「まったくだ。いや危うく僕も恥かしい思いをしてしまうところだった」 「あのところで教授総まとめの方はよろしいんですか?」 「まあ纏めと言っても皆鯖第四次のお薦めはミス・トオサカやミス・エーデルフェルトが選んだディートリッヒとヘクトルだ」 「あの先生……俺が選んだヘイドレクは?」 「明らかにハイリスクハイリターン過ぎるだろうそいつは。確かにセイバーやランサーにも勝ちかねん魔剣を持っているがそのせいで長く持たん。 そいつの魔剣は小人の呪いのせいでいつか破滅するからそいつよりはオルフェイスの方が全然薦められる」 「ところで教授はこの七騎が戦うとどうなるとお考えですか?」 「順当に行けばと決勝はディートリッヒとヘクトルの一騎打ちになるんじゃないか?もしくは仙人超パワー使用で張三豊の独壇場かだ」 「番狂わせは無しですの?」 「可能性で言えば応用性の高いオルフェイスが決勝まで残っている可能性がある。それとヘイドレクの魔剣に有力候補が潰される可能性も有るかな」 「でもそのヘイドレク自身は残り難いっと……なんだかなあ」 「黒髭自体はそこまでの脅威では無いが誰が戦っても消耗は避けられないから源為朝にも出し抜くチャンスがある」 「う~ん予想通りかなり混戦してるわね」 「この面子で生存競争をする場合は力が拮抗してる分、如何に他者を利用して勝ち残るかの方に重点が置かれる。 駒の質ではセイバーとランサーが圧倒的だからな。よってある意味今までの中で最もマスターの力と采配が問われる戦いになるだろう」 「優れたマスターが残る聖杯戦争か。うんじゃあわたしの勝利で決まりね」 「あ~ら何を寝ぼけているのかしらミス・トオサカは。貴女ごときで勝てる戦いならさぞ猿でも余裕なんでしょうね?」 「ハン何を言い出すのかと思えば過去に聖杯戦争に参加して無様に逃げ帰ったエーデルフェルトじゃ負けは必至なんじゃない?」 「五連敗もしたトオサカに言われたくないですわね?」 「あ、あの二人ともちょっと落ち着いてくださいよ!」 「「うふふふふふ───!!」」 「さて久しぶりでまた長くなってしまったがこれで今回の講義は終了だ。 私は被害を被らない内に撤退することにする。それじゃフラットあとは任せたぞ?」 「え?え?ちょ、ちょっと先生!?待ってあのグレートビックベン☆ロンドンスター!!これどうしろって言うんですかっ?!」 「さあ?仲裁か生贄で4649!協会生徒曰く『トオサカとエーデルフェルトがかち合う授業には出席するな』だぞフラット君?」 「よよよろしくって、ちょ待っ───野生のバーサーカーが、あ、あああアアアあアッーああああ」 「さてと腹も減って来た事だし、後方からの聞こえる気がしないでもない景気の良いBGMでも聞きながら穏やかな昼食を取るとしようかな」 「「■■■■■■■────!!!」」 「せ、せんせぇぇぇええタスケテェェエエ!!」 ~FIN~
https://w.atwiki.jp/pseudepigrapha/pages/24.html
原作サーヴァントを記載する。 オリジナルのサーヴァントについては鯖鱒wikiを見るべし。 セイバー アルトリア・ペンドラゴン(未) sn・Zero 青王 セイバーオルタ(未) sn 黒王 セイバー・リリィ(未) UC 白王 ネロ・クラウディウス(未) EXTRA・CCC 赤王・嫁王 ガウェイン(未) EXTRA・CCC ジークフリート(未) Apocrypha モードレッド(未) Apocrypha ジャンヌ・ダルク(未) Apocrypha 設定上セイバークラスの適正はあるが、大抵ルーラークラスで現界している 鈴鹿御前(未) Fox Tail ランスロット(未) Zero 聖杯戦争スレではセイバーランスロットもよく見かける ランサー クー・フーリン(未) sn ディルムッド・オディナ(未) Zero ヴラド三世(未) カルナ(未) エリザベート・バートリー(未) [[]]
https://w.atwiki.jp/xj1ephkhetn7uaj/pages/36.html
マスター不在の状態で召喚されたサーヴァント。 聖杯戦争が始まってから、一週間まではマスターなしでも活動できる。 単独行動や単独顕現があると更に一日追加。 はぐれサーヴァントと再契約を交わしても追加の令呪は手に入らない。 大きなメリットはマスター枠の願いがないため同盟を組みやすい。 デメリットはマスタースキルや令呪などの恩恵を受けられない。
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/686.html
マスターV教授(+フラット君)のサーヴァント講座 七時限目 これはサーヴァント講座六時限目より前のお話である。(ナレーション) 時系列的に最終回の前のお話である!(大事な事なので二回ナレーションが入りました) 「先生ー先生ー先生ー!! グモーニン、マイティーチャー! 先生センセセンセセンセセセセンンセ!(扉コンコン」 「先生ーーセンセ先生センセ先生先生センセセセセン教授センセーイ!!(扉ガンガン!」 「先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生(扉ズガガガガガガ!!」 「センセ────」 「やかましいぞフラットォッ!! 日曜朝はクァメンライドゥーからプリキュアのダブルコンボを垂れ流しつつゲームするという私の平穏で安穏で安息なゴールデンタイムの邪魔するなぁッ!!(バターン!」 「イ────ぶるあぁぁーーーっ!? お、オゴ…、ド、ドアが顔面に……(流血」 「…………ほら、これでも振り掛けて消毒しとけ(パタン」 「ちょ、ちょっと! 先生待ってくださいよ! ってしかも先生がくれた消毒薬って除菌と消臭のファプリースじゃないですか!! こんなので消毒した人なんて聞いたことないですよ!?(扉ドンドンドン」 「ハァ……寝ても覚めてもうるさい奴だね君は……。(ガチャリ) で、何の用なんだフラット?」 「先生! サーヴァント講───」 「────(パタン。ガチャリ」 「センセェエエエエエエエ!! 無言でドア閉めて鍵まで掛けるなんてどういう了見ですか!? 俺まだ最後まで喋ってないじゃないですかー!」 「やかましい黙れ! オマエが何を言おうとしてるのかくらい最後まで聞かんでも分かるわ! 何年来の付き合いだと思ってる!?」 「駄目です先生! まだ新米の皆鯖マスターさんたちだっているかもですよ! 教鞭を振るう立場の者としてその態度はあんまりでしょう?! うわーーん!それでもプロフェッサー・カリ☆スマなんですか! 今度からロード・エルメロイ二世じゃなくてロード・エロめロリ二世って呼びますよ! いいんですか?」 「あー好きに呼んでくれ。平穏の対価としては安いものだ。 ついでにその渾名にドン引きした生徒達が私の周りを付き纏うのを止めてくれるかもしれんしな。 とにかく私はやらないぞ。ハートを略奪するハサンプリキュアを見るので忙しいからな。それにしても青い子はウザ可愛い」 「しょうがないですね。今回は本当に久しぶりの"ほんのちょっとだけ帰ってきたマスターV講座"なので教授にはイヤでも教壇に立って貰いますよ! さあスケさん! カクさん! やっておしまいなさい!」 「─────は? スケサン? 核酸? 人の部屋の外で一体何を騒いでるんだあの馬鹿者は?」 「よしきた(ドアノブこきゃっ!とな」 「控えい控えい! 頭(ず)が高い、頭を低くしろ!(ドア蹴破り」 「な、なんだーーー!!?(ビクッ!)っていうか誰が背の低いチビだ!!」 「控えおろう! ここに居らせられる御方をどなたと存じ上げるか! この御方こそはかの名高き聖堂王シャル───」 「俺フラット・エスカルドスです。シャルルマーニュ大帝じゃないッス」 「おおっとそうだった! ついいつものクセで。オホン! とにかく、このウイロウが眼に入らぬのかー!」 「印籠ですよ印籠! イ・ン・ロ・ウ! ういろうなんて日本旅行のお土産見せ付けてどうするんですか!?」 「………おいフラット君。その馴染み深過ぎてもはや見飽きた顔はなにかね?」 「スケさんにカクさんです!」 「アホタレッ! 一体どこのジャパンにそんな超絶マッチョで巨漢戦士なスケさんと、金髪碧眼で三枚目騎士風なカクさんがいるか! 大体君のどの辺が水戸黄門なんだ!」 「前振り不要で問答無用! さあ出番ですよファラオ様! モサドのように華麗に拉致っちゃてください!」 「ふははははーー!! 俺様こう見えて釣りも得意だからな! 流石最強ファラオ、何でも出来て格好イイ!(ポイーッとな」 「ちょ、おま、待てーーーーーー! これのどこが釣りだ!? 投げ縄を他人の足に引っ掛けて引き摺ってるだけだろう!! これじゃ市中引き回しの刑じゃないか! っていうか学内でそんな馬鹿でかい戦車を乗り回すな、つか建物壊すなぁぁあ! ええい、もうツッコミ所が多過ぎて間に合わーーん!」 「さあ先生! アジアの端っこの半島にあるらしい"地上の楽園"に連れて行ってあげますよっレッツらゴー!」 「は、離せ! いーーやーーーーだーーーー!!(ズルズルズル」 ~教室~ 「さてようこそ地上の楽園へ!」 「……………」 「───おごッ!? よもや貴様───がっ!? む、無言でグーパンですか!? しかも二度もぶった!」 「…………………(ムスッ」 「さあ先生むくれてないで授業をどうぞ! その教壇は敬愛なる先生の為に用意した美的センス溢れるエレガントな机ですよ! なんとあの建築王が特注で作った一品物! これはプレミア物ですよ~やる気がみるみる湧いて来ないと嘘ですよねっ!」 「………金銀での過剰細工のせいで目が滅茶苦茶チカチカする。クァメンライドゥとプルィキュア見ながらゲームタイム…(ムスッ」 「なんだ貴様王の芸術に対してその無礼は!? 折角俺様が手間暇かけて作ってやったハイパーゴージャススペシャルに文句があると吐かすか!!?」 「先生過ぎたことを悔やんでも仕方がありません! さあさあその不満を講義にぶつけてください!」 「私としてはこの怒り全力でオマエにぶつけたいなあ」 「あ、そういえば言い忘れてましたけど仮面ライダーWとハートキャッチプリキュアは俺がちゃんと録画しておきました! 講義終わったら先生に献上しますね?」 「よし、さっさとつまらない雑事は片付けて録画を見るか(即答」 「そ、そんなに観たかったのだな教授殿………それは申し訳ない事をした」 「さて、至極面倒で仕方ないが今回は皆鯖第七次の講義に入る………ではまずは、オイそこの何食わぬ顔で席に着いてる七騎。お前達にはとっとと退室することを命じる」 「えーーー!!」「な、なんだとーー!?」「英霊差別だー!」 「FateAS本編に帰れっ! さっき私の部屋にローランとベーオウルフが乱入してきてラメセス二世まで出てきた時点で相当嫌な予感はしてたがやはり案の定だ!! 一体何が悲しくてサーヴァントにサーヴァントの講義をしなきゃならんアホ臭い! 大体君達の行動パターンなんてこっちは読めているんだ、自分の方が強い!とかいう主張しかしないだろう! はい退出退出!(ポチっとボッシュート」 「な、落とし穴!?」「ああああああーー落ちるーー!」「人をゴミのようにーーー!」「英霊は滅びぬ何度でも蘇るさーーーー!」 「にどとくんなーーっ! はぁはぁはぁ…! くそ、終始叫びっ放しで喉が乾いたじゃないか……おっ? 麦茶か気が利くなフラット」 「いえいえどういたしまして!」 「で、教授? すごく訊き難くはあるんだけどわたしたちは残っててもいいの?」 「君達はマスターだろう。どうせ居ても居なくても変わらんのだから君達の好きにしたまえ」 「では折角の機会だ。参加させて頂こうか」 「皆鯖第七次の顔触れだが────ふむ、セイバー:エンキドゥ。ランサー:孫悟空。アーチャー:アタランテ。ライダー:坂田金時。アサシン:ジェヴォーダンの獣。バーサーカー:ピサール。キャスター:プテサン・ウィ。以上か。 やれやれ超メジャーから超ドマイナーそれに色物までなんなんだこの品揃えの豊富さは?」 「なんか全体的に皆さん戦闘スキルが少ないですよね」 「スキルが異様に豊富なのが皆鯖第七次の特色でもある。っというかどいつからも物凄い獣臭が風に乗って漂って来るんだが……?」 「なんかみんな野性化してない? 周りにいるの動物ばっかなんだけど」 「本来ならこの辺りでサーヴァントを選ぶ時に参考にしたい三つの条件をおさらいするところだが……面倒なのでカットカットカット!だ。強制労働で残業手当も付かんのだ。各自で復習したまえ。ついでにフラットに復讐してくれる者も随時募集中だ」 「ちょ先生!? 真顔でゴルゴ募集するのやめてください!」 「ではミスター雨生。君がこの皆鯖第七次の中で最も気になる奴はどれかな?」 「ピサール超くーる。(即答)ヤリたいコトもヤれないこんな世の中じゃ──ぽいずん!」 「君のヤリたいコトって解剖だろう。そんなものいつの時代でも駄目に決まってるだろう!」 「……先生先生、雨生さんってばバーサーカーフェチなんですかね?(ヒソヒソ」 「いや…あれは単に血に飢えたスプラッターフェチなんだろう。(ヒソヒソ)ジェヴォーダンカッコイイなどと寝言を絶叫してる君と同じだフラット」 「はあーーーー!? な、何言ってんですか先生! ジェヴォーダンの獣とか猟奇サスペンス風味で超カッコイイじゃないですかっ!」 「本当に同レベルなのね……」 「とは言ってもまあ今回のはメンツを見ただけで結果はほぼ決まってるようなものだがね。知名度と実力が他より頭一つ分は飛び抜けている。 正直私には孫悟空とエンキドゥが一騎討ちしてるビジョンしか見えないのだが、君はどう思うねミス沙条?」 「わ、わたし?! し、指名があるなんて思わなかったわ……ええっと、坂田金時とかはどうかしら? 彼日本じゃかなり有名だし、もしかしたらとかない?」 「金太郎なんて貧坊ちゃま衣装のイメージしかないぞ。俺は坂田金時よりもアタランテの方がまだ使えると思うがね」 「間桐さん貧坊ちゃまに謝ってください! 彼のファッションセンスは時代を先取りし過ぎただけなんですから!」 「個別解説に入ろう。今回はマイナーな順にやることにしようか。 最初はエロいことしようとすれば落雷でお仕置きよ!プリティ☆ウィことキャスター:プテサン・ウィからだ」 「プテサン・ウィ。出自はネイティブ・アメリカン伝承…つまりインディアンのスー族に登場する人物でクラスはキャスター。身長172───172cm!? デカッ!? 172cmとかどこの電柱だこの女?!」 「先生! そこは食いつくところじゃないと思います!」 「自分が"りとるまん"なのを気にしてんだね、ぷろふぇっさー?」 「ファック、連中と同様にボッシュートされたくなったらもう一度その口でクソを垂れるといいぞミスター雨生虎之介。すぐさま下水に流してやる。 ……おほん、では続けるぞ。能力値は筋力D 耐久C 敏捷D 魔力A 幸運A 宝具B。………これは…、驚きだな。超マイナーなのに想像以上にステータスが高いぞ。 なぜこんなに高いんだろう? 女神だったりしたパターンもある位だから生前は相当の力を持っていたのか?」 「え? 別に普通───でもないですね。彼女ってばキャスタークラスにしては凄く能力値に恵まれてますね先生」 「クラススキルは陣地作成:B と道具作成:C 。道具作成は特に動物の骨や皮といった自然物を利用した器具を作ることに秀でている。だそうだ。こちらは特に語る所がないので固有スキルに移ろう。 固有スキルは神性:C 魔術:A で自然干渉系の魔術が得意。命の遺産:Bか。この中で一番の注目すべきは命の遺産だ」 「これって初めて出てきたスキルですよね先生?」 「そうだ。このスキルは一風変わっていて、まあ噛み砕いて説明するとキャスターが死ぬ時にマスターに必要なものを遺産として残す、という感じのスキルだ。消滅の時点でプテサンに残っている魔力が多ければ多いほど遺産の質が上がるのにも注意が必要だぞ。 つまり敵にジワジワと弄られて魔力を削られるよりは、一撃で心臓や首を破壊されて死んでくれた方がマスター的には良いと言えなくもないスキルなわけだ」 「さて、ここまでの解説で質問はあるかね。 同じキャスタークラスのマスターであるミスターソフィアリ、彼女を見て思うことは?」 「………本音で喋っても?」 「ああどうぞ。是非とも思ったことを素直に訊かせて欲しい」 「では忌憚なく述べさせて頂こうか────誰だこの女?」 「うわああああ! せ、先生ー! 先生ーー! 頭で思ってても絶対言っちゃいけない台詞でしょう今のソフィアリさんの発言は!?」 「いやまあ彼がそう思うのも無理はないんじゃないか? なにしろグーグル先生でも情報が殆ど手に入らない位だし、彼女は英霊の中でもマイナー中のマイナーに所属する人物だろうからなぁ。 皆鯖第七次においても知名度ぶっちぎりの最下位っぷり。というかむしろこれ推薦した者はよくプテサン・ウィを知ってたなと感心したくらいだ」 「フン。こんな未開の先住土人どもなんぞ世界の文明人たる我ら英国人が知っている筈がなかろう」 「弱点らしい弱点は伝承自体が少なくて見付けられなかったが、強いて挙げればその知名度のあまりの低さか。 そもそもスー族は19世紀半ばには2万人程度の人口だった部族だ。現在は約7万人まで増えているとは言えそれでもあまりに信仰数が少ない。 こんな少数ではもし仮にアメリカ本国で彼女を召喚したとしても存在の劣化は避けられまい」 「エルメロイ教授。そろそろ宝具解説にも入って頂きたいですな」 「おっとそうだね。あまりキャスターにばかり尺は取れん。 まずは『受け継がれる灯火』だが……聖杯戦争用の皆鯖にしては変わった宝具を所持してるようだな。カテゴリ的には非戦闘系の宝具、アヴェスターのようなタイプの補助系の宝具かな? ただ人の人生の記録を保存し、他者に対して記録を再生出来るという性質上、本来の用途とは違う使用法をすることで悪用出来なくもない。特に特定のトラウマが当たった場合結構な精神的ダメージはなるのではないだろうか。 まあ確率的に考えればそうそう都合良くその人物のトラウマが当たるとも思えないがね」 「まさに人の振り見て我が振り直せ、ですね」 「やれやれ全く役にも立ちそうもない屑宝具ではないか。これではまだウチの屑キャスターの方が利用価値があるというものだ」 「うわあ……ソフィアリさんったら大英帝国上流貴族にありがちな傲岸な態度と選民思想っぷり。御貴族様は違いますね」 「その通りですマスター!(バターン!)これでもボクは皆鯖全キャスタークラスの中でも最高位の万能性を誇るキャス────」 「誰が出ていいと言った帰れーー!(落とし穴ボタンポチっとな」 「────あああああああああーーー!! あ、アイルビーバーーーーーック!!」 「おほん、軽い放送事故が起きたが先に進めるぞ。二つ目の宝具は『聖牛転輪』。これは変身宝具の類か。変化できるのは伝説で登場した白い聖牛。面白いのはこの聖獣が治癒能力を持っている点だね。 こういう類の幻想種変身は普通なら攻撃力の方に比重が傾いてるものなんだが『聖牛転輪』の場合ヒーリングが使える。治癒効果は体力・魔力・状態異常の回復。 体力や状態異常ならまだしも対象の魔力すらも回復してくれる辺りがこの神秘がただの回復能力でないという証か。 レンジ0ということは自身も回復対象に含まれるのかな? ただしどうも有効レンジ内全員に対してこの癒しは効果を与えるようだから使用場所には十分な注意が必要だぞ。でないとあと一息で倒せていた敵を回復させた、なんてマヌケが起きても私は知らないぞ」 「ふむ、白いバッファローの攻撃性能はBランク宝具相当の雷か。平均的な宝具並の攻撃力とは言えど聖牛変身とトータルヒーリングも付いてくることを考えれば目を瞑れんこともないな。一つ目の使い難いにも程があるカス宝具と比べれば大分マシではある」 「………あんまりそんなこと言ってると雷に撃たれて死んじゃいますよソフィアリさん?」 「まあ彼女の聖牛変身宝具はもう一つ重大なメリットがあるんだがそれはまた後で話す事にしよう」 「もう一つのメリット?」 「次はピサールだ。出自はケルト神話。ペルシャ大王ピサールが登場する『トゥレンの息子たちの最期』はケルト三大悲話の一つとされ、ケルト神話の中では割と有名な伝説だろう。 クラスはバーサーカー。狂化Bで能力値は筋力C 耐久B 敏捷D 魔力B 幸運D 宝具A+か。身長体重や耐久値的にタフそうな奴だな」 「この人も中々マイナーな英雄ですね先生!」 「ピサールはむしろピサール当人よりも彼が持ってる魔の毒槍の方が有名なぐらいだからな」 「なあろーど、それって俺のヘイドレクと同じじゃね?」 「そうだな。タイプ的に彼らは色々とダブってる部分も多い。宝具の方が知名度高かったりするところとか、その宝具がやたら傍迷惑な能力だったりするところとか。……マッドガイに超KOOLと賞賛されてるところとか(ボソリ) まあその辺はどうでもいいか。固有スキルは芸術審美:E- だが狂戦士クラスでは無意味も無意味スキルだから次に進むぞ」 「ヘーイぷろふぇっさー、ところでなんでピサールって芸術審美なんて保有してるの? もしかして"これくたーまにあ"?」 「ピサールさんはペルシャの大王だったのでジルドレェさんみたいにきっと魔槍と一緒に宝物も一杯持ってたんですよ雨生さん!」 「ふ~んそういうもんかぁ」 「それじゃ最初は『遮蔽氷鞘』の方から解説しよう。 これはもう完全にメデューサの『自己封印・暗黒神殿』と同系列の宝具だな。対象の能力封印を最重要事項とした宝具だ。ピサールの伝承からも明らかだが毒槍は常にこれで冷却し封をしておかないと命に関わる事態になるぞ。 あと『遮蔽氷鞘』で包んだ武器には冷気によるボーナスダメージが追加される。我々魔術師に身近な表現をすれば変化魔術で武器に冷気を付属させたような感じか」 「でも先生、基本的にこの冷気攻撃ってピサールさん以外の人は使えませんよね?」 「ああ使えないだろうな。なんと言っても基本的に毒魔槍の為の冷却能力だ。他の武器に貸し与えるメリットが殆どないし、冷気属性なんて武器に魔術かけとけば代用出来るんだから」 「ってことは本当に完璧毒槍のためだけの宝具じゃん!」 「だから最初にそう言ったろう。状況次第では『遮蔽氷鞘』が単体で活躍する場面も無いとは言わないがそれは相当稀有ケースだ」 「さあさあ先生先生! そんなしみったれた宝具なんてどうでもよろしい! メインディッシュですよメインディッシュ!」 「そうだそうだ早く毒槍にいけー! はりー! はりあっぷ!」 「わかったわかった。ペルシャ大王ピサールの魔の毒槍『屠殺者』の解説に入ろうか。 この魔槍の何が凄いってもう一次ソースになる伝承からしてもう毒槍のネーミングが凄い。"屠殺者"とか"殺戮者"とかどこの中学二年生なんだ……」 「くぅぅぅうぅううううるっ!! ベェルィィィイィィイイCOOL!!」 「毒槍キタァアアアアアアアアアアアア!!」 「うるさいオマエら! さてこの毒魔槍だがランクがA、種別は対城宝具。レンジ0~99で最大捕捉:1000人というまさに無差別戦略兵器とも言える武器だ。流石にこれは冗談抜きで危険物過ぎるぞ……」 「すげえマジすげえ! バーサーカーも良いけどやっぱこっちのバーサーカーも捨てがたいなあ! 契約したいなぁ!」 「駄目ですよ雨生さん! ピサールさんとは俺が契約します!」 「対城宝具を持つ皆鯖は何人か居たがピサールは極めつきの特例だな。 皆鯖では基本的に対城宝具のような超火力宝具は格の高い超一流所の英雄が持ってる場合が多いんだが、これはもう完全にピサールが神代出身の英霊である要因が大きいだろう。時代が古くなればなるほど宝具が特殊化していくが、これがその典型例だ。 これ一本で町一つを滅ぼせる死の武器、まさに神代の"魔法の魔槍"に相応しい」 「くぅぅぅる! 超COOL! マジで伝承に町一つを滅ぼすとか周りの物や街を溶かすとかあるじゃんっ! ホントにすっげー!」 「宝具能力的には遠野秋葉の"略奪呪界"に酷似した熱略奪能力を持つ。が、最大出力…つまり真名解放では本当に灼熱の瘴気が毒槍から放出されるためこの点が熱を略奪するのみなナイチチとは違う。 多分この毒槍の略奪は『遮蔽氷鞘』から出した時点でオートで発動開始するんだろうなぁ。 そして時間経過と共にエネルギーの略奪範囲が徐々に広がってゆき数日で最大規模か。街のど真ん中で使われていたらこの段階で既に範囲内は半死都化しててもなんら不思議じゃないな。 もはや利器型宝具とかそういう次元の問題じゃない。無差別ってことだからピサールのマスターも当然この毒槍の傍にはいられない訳だから…………ん、待てよ? コイツをバーサーカーで呼んだのは失敗だったんじゃないのか? ランサークラスで呼ぶ方が良かった気がするのだが…?」 「なんかよくよく考えると熱を略奪して溜めるまでがすげえ大変そう……」 「先生!ところで遠野秋葉さんって誰ですかー? 無い父?」 「ぐぐれ(キッパリ」 「そ、そんなぁ・・・」 「う~む…理性の無いバーサーカーが相方だとなかなかその辺の運営が難しいな。 毒槍の持ち主の知恵を借りられんとなると、ピサールと魔槍を分離させて毒槍は街中に置いて槍単独で熱略奪を敢行するか? しかしそれだと他のマスターや監督役なんかに見つかる危険性が上がるしなぁ……理性があればピサール本人に毒槍を見張らせられるんだが」 「それに毒槍を手放させたらバーサーカーの武器なくなっちゃうよね?」 「あ、あれれ? 意外と運営が難しいサーヴァントだったりします?」 「どうやらバーサーカークラスでピサールを運用したいならマスターには能力的な相性が求められるなこれは。 おまけに毒槍の担い手が握ってないと暴走する危険性を孕んでいるのにも細心の注意が必要だ。でないと自爆、なんてもんじゃないぞ。核自爆だ」 「あ、そうだ! ところで先生! この毒槍の略奪を遮断する『遮蔽氷鞘』なんですけど、これって人間に対して使えば毒槍の略奪から守れないですか!? この宝具って大釜が原型らしいですし人ぐらい入るんじゃないですか?」 「フラット……あーなんだ、君は相変わらず発想が奇抜だな。まあ私は止めないよ? 冷水だから生身の人間がやると低体温で死ぬかもしれないけど私は止めない」 「やっぱり駄目ですかねえ。あ、でも霊体のサーヴァントなら……もしかして?」 「なあ、ぷろふぇっさー。アンタん所の弟子面白いね。どういう構造してるのか隅々まで解剖してみていい?」 「駄目に決まってるだろっ! あのバカタレがどこでどうなろうと私には関係ないが見知った人間に野垂れ死なれても目覚めが悪い!」 「ちぇっ。しっかしこのピサールってなんかマヌケだよねー。リンゴで額をカチ割られるとかどんだけ打たれ弱過ぎるってのさ。こんな貧弱さで耐久Bとはおかしくて臍が茶を沸かしちゃうよね」 「それはだな、このリンゴは────」 「いいぜトラノスケ。テメエのその問い、このおれが答えてやろう。 ヘスペリデスの黄金の林檎はトゥレンの息子達ブリアン三兄弟がエリック(償い)として八つの難題を出され、その難題の一つをクリアした際に手に入れた魔法の林檎のことだ。 この黄金の林檎は"投げると必ず的に当たり、相手を打ち殺した後、手元に戻って来る"ってシロモンでな。 言ってみれば宝具も同然っていうか下手な宝具よりずっとヤバイリンゴな訳だが、ソレをピサール改めペルシアのピザ野郎は不意打ち気味に頭に食らってこの毒槍を奪われちまったってわけだ。理解したか?」 「すっげーーー! 流石俺のバーサーカー、超賢者! やっぱりバーサーカーが一番だよぉぉ!」 「……………フン!(ボッシュートボタンをポチっとな」 「おっといけねえ、ついつい神域の叡智を物教える先公の前でにひけらかしちまったぜ。あばよ(ヒューーン」 「先生…、なんか、物凄く満足そうな顔で落下していきましたねヘイドレクさん」 「ファック! なんなんだこの微妙な敗北感は! クソッ! ええい次だ次! ジェヴォーダンの獣をやるぞ!」 「ジェヴォーダンの獣。出自は何の冗談か16世紀フランスで実際に起きた事件が伝説化したものだ。クラスはアサシン。クラススキルは気配遮断A+ 。本職でも無いのにこのランクの高さは流石は獣といったところか? ステータスは筋力D 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運B 宝具C。まあ予想通りな感じかな。能力値はあまり高くは無いがジェヴォーダンの獣はどう考えてもまっとうな英霊にカテゴリされるような奴じゃないから当然といえば当然だ。 というか反英雄に分類されるのかすら怪しい。切り裂きジャック伝説とか幽霊船フライング・ダッチマンとかそっちの系列の存在かな」 「USA!USA!USA!」 「あー少年、もしかしてそれは未確認生物UMAのことを言ってるのかね?」 「あーそれです遠坂さんそれ、ウマです。ジェヴォーダンの獣は狼っぽいフォルムらしいですけどUMAです。それにしても未確認生物なんてロマンですよね! ねっ先生?」 「ロマン……? ああ海風に揺れる一輪の花のことね」 「それマリンじゃないですか! 聞き間違いにしてもヤバイですって、先生心どころか脳が砂漠化してるんじゃないですか?」 「砂漠……? そういえば最近AAAALaLaLaLaLaie!!してないなぁ(遠い目」 「どうやら日曜朝の平穏を奪われた後遺症が今頃現われ出したようだね……大丈夫なのかこんな調子で?」 「……ハッ! 僕今一瞬寝てた…? え、ええと、どこまでやったかな。 ジェヴォーダンの獣は英霊というよりは亡霊や悪霊の類ではあるが実際に多数の被害者まで出た立派な怪奇伝説だ。それにしても流石は中世ヨーロッパ、吸血鬼といい本気で何が潜んでるのか分かったもんじゃない」 「この獣は幻想種なのだろうか?」 「さあてその辺りの詳細は私にも分からない。 固有スキルは自己改造A+。さてさてこいつはまたえらく厄介な怪能力を保有しているものだ。ここまでくるともう自己改造というよりは進化や完全擬態だな。対象の頭部を捕食することで食った相手そのものになれる能力だ」 「凄いですねぇこの能力。オクトパスとかに他の生物のモノマネをして外敵から身を守る動物はいますけどこれは……」 「昨日まで隣に居た誰かがいつの間にか違う誰かに成り代わっている。なんとも怪奇…否、ちょっとした恐怖だね」 「ですよねですよね遠坂さん! 怖いですよね! すっげーホラーチックですよね!」 「もしも仮にこの獣に自分の身近な人間に擬態されでもしたらどうにもならんぞ。外見のみならず記憶や魔術回路などの中身まで丸コピーされるから本物なのか偽物なのかの見分けが容易ではない。 ジェヴォーダンの獣がアサシンクラスで無ければ帯びている魔力で見抜けたりしたのかもしれんが生憎コイツは気配遮断持ちだから魔力の感知による判定には期待できないだろうし…。 これは魂や細胞そのものを鑑定するなどの魔術的な判別が必要になってくるな」 「あの先生? その魂や細胞の鑑定を出来ないマスターは?」 「食われるしかないんじゃない?」 「えらくあっさりとした結論だね……。それにしても随分と恐ろしいアサシンがいたものだ」 「所有宝具は『畏怖されし魔獣』。この宝具もまたスキルと同様に超面倒臭い怪能力だ。宝具と言うよりはジェヴォーダンの獣自身が備えている能力というかジェヴォーダンを生み出す能力というかそんな感じのものだ。 特長として二つあるが、一つがいわゆる不死身能力。マスターの脳内に魔獣の現界核を移植しこれを破壊されない限り死なない。 つまり一度この宝具を発動させてしまえばマスターが死なない限りサーヴァントも死なないという、ミス遠坂が本編で言ってた逆バージョンのタイプなわけだ」 「ミス遠坂…? ロード・エルメロイ二世は私の娘と面識があるのかな?」 「娘と言いますか孫の孫娘みたいなもんなんで遠坂さんは気にしないでくださいね!」 「…??」 「ちなみにこの再復活では以前に自己改造で得たモノを全て失う。もしかしたらコイツはジェヴォーダンの獣Aやジェヴォーダンの獣Bみたいな別物なのかもしれないな」 「ふむ、実際伝承や記録でも複数の魔獣が目撃されているようだね」 「そしてもう一つが魔眼的な視線を媒介にした異能。無論直接接触でも発動する。 眼と眼が合った瞬間に恋に落ちるなんてフレーズは耳にタコが出来るくらい使い古されたフレーズだが、まさか眼と眼が合った瞬間にあの世に堕ちる奴がいるとはなぁ……しかも内側から脳を食い破られて。 殺したと思ったのに生きてたり、脳内を食い破られて殺されたりとコイツは存在がつくづくホラーだよ」 「視線が合うだけでアウトとか…ひぃぃぃいいフラットくん怖いっ!!(抱き付き)先生俺を守っ───べぶらぁ!?」 「フラット、私から可愛い教え子である君に助言だ。機嫌が悪い時の私には一切触れるな。一体誰のせいで機嫌が悪いのかは語る必要はあるまい?(ドドドドドドドドドド!」 「ほ、骨身に染みて、理解…しました……せんせ……ぐふっ」 「この怪能力を防ぐ絶対条件として絶対に独りにならないことだ。魔獣か自分を第三者が知覚してさえいればこの異能は成功しない。 気配遮断持ちのジェヴォーダンの獣を先に発見し知覚するのはあまり現実的とは言えないため、最も手軽かつ確実なのは常時誰かに自分を見張らせておくことが有効な対策として挙げられる。 サーヴァントに自分を見張らせるのも悪くはないがやはり別の者に見張らせる方が懸命だろう。サーヴァントが見張り中に背後から直接攻撃されて万が一にも倒されたら本末転倒だからな」 「さて結論を言うと今まで解説してきた皆鯖アサシンの中でぶっちぎりのキワモノにして最悪のアサシンだ。戦闘能力そのものはさして大したことは無いが能力が怪異なモノが多く訳が分からない内に死んでるというホラー殺人小説展開に陥り易いのに注意したまえ」 「実態がよくわからない正体不明の殺戮者って嫌過ぎる響きですよね!」 「このアサシンと契約したマスターは下手な行動はせずにじっと隠れ家にでも潜んでるのが一番良い戦略かも知れんな。 逆に言うと彼らと敵対するマスターはジェヴォーダンの獣の排除よりマスターの捜索と発見が勝負の鍵になる」 「彼らとの戦いは一風変わった戦いになりそうだな。しかしまあ私のマスター遠坂殿は魔城の弓兵の正体を見破り見事撃破せしめた非常に優秀な魔術師であるからして何も問題は無────」 「君はそんなにマスターが好きかね?(ポチっとな」 「───い。さて邪魔をしたね。ではまた会おう遠坂殿!(親指立てながら爽やかに退場」 「………先生、俺らファイターさんの眼中にありませんでしたよ」 「グギギおのれ、マスターを褒める為だけに戻ってきやがったなアノヤロウ。 あー、私もどっかのデカくて図々しくて自由奔放過ぎるライダーよりもデカイのは我慢するからマスターを立てる事を知ってるどっかの謙虚なファイターと契約したいなあーどっかに落ちてないかなー」 「おっとファイターはやれないぞ? 私が契約した優秀なサーヴァントだからね」 「くそっどいつもこいつも…。 とまあここまで獣を驚異として語ってみたが実はこのジェヴォーダンの獣には一つ明確な弱点…というか欠陥のようなものがあったりする」 「え、それ本当ですか先生?」 「ああ、実は弱点としか思えない特徴あった。なぜだかは分からんがこの魔獣はウシが苦手だ」 「ウシ? ウシってあの牛ですか?」 「そうだ。どうもジェヴォーダンの獣はウシを避ける傾向があるようで実際残っている伝承だと魔獣の攻撃順位が人間>>>>>>牛なのは眼に見えて明らかだ。牛の群を狙わず人を襲ったり、また人を襲おうとして牛に追い返されたりもしている」 「ウシ……そういえば牛と言えば──」 「その通り。まるで狙ったかようにこの皆鯖第七次には聖牛に変身するプテサン・ウィが居る。これがさっきキャスターの解説で語った彼女の持つメリットだ。恐らくジェヴォーダンの獣は『聖牛転輪』を使ったプテサン・ウィには相性的に勝てまい。 彼らがこの驚異的な暗殺獣の天敵になるのではないかと私は予想している。では次は……、アタランテにするかな」 「アタランテ。出自は世界中に知れているギリシャ神話に登場する高名な女傑で狩りの名手だ。ギリシャ神話群でも特に名高い伝説の一つアルゴナウタイの冒険にも参加したという逸話も持つ世界的にも知名度の高い超一流所の英雄である。 クラスは当然アーチャー。クラススキルは対魔力と単独行動。ランクは両方共C。ステータスは筋力C 耐久D 敏捷A+ 魔力E 幸運E 宝具C。"存命する人間の中で最速"と讃えられた俊足の持ち主だ。敏捷が非常に高いのは流石か」 「超一流所の英雄つってもステータス微妙じゃないか。これで一流とは笑っちゃうね」 「英霊のステータスにも数百レスを超えた様々な事情があるのだよ。例えば大したことないマスターと契約して弱体化したりとかね(チラリ」 「契約したりとかですね(チラリ」 「なんか物凄く癇に障る視線を感じるね。なに? 言いたいことがあるならはっきり言えよ!」 「さあて、保有スキルに入ろう。(華麗にスルー) 保有スキルは伝説でも語られてるように男性を惹きつけてやまない美貌の具現である魅了。五感が発達し野生の獣的な感覚を得られる野性。そして戦闘開始ターンに主導権を握れる先制攻撃Bだ。 先制攻撃はこのランクならかなり高い確率で主導権を握れるんじゃなかろうか? 戦闘開始時に主導権を握れればそのまま戦うのも逃げるのも選び易いから飛び道具が主体となる弓兵クラスには頼もしいスキルだ。 保有してるスキルの系統が見事にバラバラで多種多様な場面で活躍が期待できるだろう」 「綺麗な女の人ですねアタランテさんって。これが恋?」 「いやそれはどう考えても魅了の呪力だろうフラット」 「戦闘時には先制攻撃が役に立って、非戦闘時には魅了を上手く活用し、戦闘も非戦闘時にも使えそうな野性で補助か。 アキレウスの親父ペレウスと格闘試合して勝ってるから接近戦もいけるクチなわけだ。なるほど、女だてらに意外と豪傑だね彼女」 「だから一流の英雄だと言っただろうミスター間桐。 ギリシャ神話で勇名を馳せた英雄達の中でも上位に来るであろう戦闘能力はお墨付きだぞ」 「ちっ、この女上位の実力者かよ。糞爺もどうせならあんなマイナーな鈍足移動要塞の駄亀弓兵じゃなくてこっちのオンナの触媒を見つけてくれりゃいいものを……色々な用途で使えただろうにさ」 「…………うわぁ流石のフラット君もドン引きですよこの下衆男!」 「………所詮自己責任だし私は別にヤるなとは言わんがせいぜい事後に殺られんようにするのだな。彼女は押し寄せた多くの求婚者を命懸けの徒競走で射殺した経歴を持つ女傑だ。性欲丸出しでアタランテと接しようものならどうなるかなぞ想像に難くない」 「…………そ、そう言えば俺は暴力的で野蛮な女は好みじゃなかったんだったな、ハ、ハハハ…宝具に進んでくれていいぞ教授」 「そうか、では宝具の解説に入ろう。アタランテの弓宝具『先駆け果たすは乙女の頸弓』だ。能力内容的に考えると利器型かな? 能力は実にシンプルでアタランテの敏捷数値を矢の射出速度に加えるというものだ」 「うわっなんじゃそりゃ。かつて無いほどに微妙な効果の宝具だねまったく。こんな雑魚い宝具でよくもまあギリシャ英雄の中でも上位の実力者なんて言えたもんだよ。 これなら本体はミソカスだが宝具だけはやたら強力なウチの駄亀弓兵の方がまだ使える」 「ミスター間桐、この手の宝具を侮るのは感心しな───」 「がはははーっその通りじゃ燕二! こんなしょっぱいアタランテの弓矢宝具なぞ鈍足のワシにも当たらんてーー! ガハハハハ! なんちゃっ────デ!?(スコン! ばたり」 「うわああああ! オイ今どっからともなく何かが飛んできたぞ!? しかもアーチャーの額に矢が刺さっ……てか死んでる…!?」 「あーあー、だからつい今私が侮るなって言ったばかりだったのに…。 この手の宝具は能力が単純明快であるが故に攻略法が基本的に無い。真っ向から戦って勝つしかないんだからとても油断なんてしていいものじゃないんだ。 特にこの弓矢は地上最速と讃えられたアタランテの敏捷が矢の速度に加わっているんだぞ? 数ある弓矢宝具の中でも最高位の発射速度なのが予想されるんだから普通に考えればまともに矢が視える筈がなかろう。ましてやアタランテは先制攻撃スキル持ちだ。 油断なんてしてたらその瞬間にも名狩人の彼女にアサシンよりも鮮やかな手並みで狩り殺される。というかもう既に約一名殺されてるしね。私が退場させるよりも速く」 「先生、もしかして『先駆け果たすは乙女の頸弓』って 第一印象に比べて実は強力な宝具なんですか?」 「アルテミスが野に放った巨大な魔猪カリュドーンを狩ったのは特に有名な伝説だろう。なにしろこの魔猪はギリシャ全土から集まった屈強な英雄達に犠牲者を出しながら暴れ狂った魔性の怪物だ。こんな危険度大のバケモノを相手に出来る弓矢が弱い訳なかろう」 「それもそうですね」 「あ、そうだフラット。そこの若親父の死体はダストシュートに放り込んでおいてくれー(至極やる気なさ気に」 「ハーーイ(ぽぽぽぽーーい」 「おまえらさり気なくドライな連中なんだな」 「そして次に『自己封印・百獣女王』の解説だ。これは一言で言えば最後の切り札だな。一度使えば後戻り出来ない完璧な片道切符。効果は大地母神キュベレーの聖獅子にアタランテの姿を戻すというもの。 これだけの情報では聖獅子の詳細は読み取れないがまあ十中八九パワーアップするだろうと予想される。獅子になった彼女らにキュベレーの戦車を牽引させたなんて逸話もあるくらいだ。征服王のゴッドブルみたいになってるのが想像付くからな」 「それにしても可哀相ですよねアタランテさん。 別に結婚したかった相手でもないヒッポメネスさんに女神便りの黄金林檎作戦で競争に負けちゃって結婚して、しかもヒッポメネスさんが女神アフロディーテに林檎のお礼をしなかったから女神の怒りを買って最後にはキュベレーに獅子にされちゃったんでしょう? 完全にとばっちりのいい迷惑じゃないですか」 「挑戦者を尽く射殺した彼女も彼女だが美人薄命っぷりには少し同情する。美形が得するとは限らないという例だな。では次の坂田金時に移ろう」 「熊太ろ───おおっと間違えた、坂田金時だ」 「皆さんにも一応言っておきますけど今回は熊太郎さんがメインじゃないですからね? 違いますからね!」 「出自は日本の童話『金太郎』などに登場する日本でも有数の知名度の高さを誇る英雄だ。現代日本でも金太郎の名を知らぬ者はそうそうおるまい。世界的に見れば一つ前にやったアタランテの方が有名なのだろうが東洋に限れば坂田金時に分があろう」 「キンタロウ? いいや聞いた事も無い名だ」 「ゲドゥさんは日本人じゃないでしょう!」 「金太郎と言えば桃太郎と並んで有名な怪力童子だ。下手をすると坂田金時の名より金太郎の幼名の方が知られてるぐらいだし、ましてや彼の殿である日本有数の退魔英雄で酒呑童子退治で勇名を馳せた源頼光よりも知名度は高いかもしれない。 「上司より有名とは皮肉なものだ。それを知った時のライコウとやらの顔を是非拝んでみたいものだな」 「もし坂田金時を召喚したら成人体か少年体のどちらかのパターンで喚べるかも?だ。そっちの趣味のあるお嬢さん方はコイツを召喚してみるといい」 「フィン・マックールさんや李書文さんみたいなタイプかもですか? 前者が爺と青年なのに対してこっちは子供と青年でどっちも若くてピチピチとかお得ですね!」 「魑魅魍魎が跋扈する平安時代。鬼退治で活躍した英雄で源頼光の誇る頼光四天王の一人である坂田金時の戦闘力には十分な期待をしていいだろう。 クラスはライダーでクラススキルは対魔力B と騎乗C。ステータスは筋力A 耐久B 敏捷E 魔力B 幸運C 宝具B。 うん実に良い能力値だ。完璧に筋耐重視の重戦士系で攻撃力防御力が非常に優れている。敏捷が最低値なのがネックだがまあ特に問題あるまい。他で十分補えているだけの性能がある」 「しかし平安時代ってとんでもない時代ですよね! 玉藻さん(大妖狐)といい酒呑童子さん(大悪鬼)といい崇徳上皇さん(大天狗)といいなんだってこんなピンポイントに日本の三大怪物が揃い踏みしてるんですか!?」 「ヒャッハー! さすがヘイアンは地獄だぜーフゥハハ! ………オホン、すまん少し取り乱してしまった…(ポッ) ま、まあとにかくそういう背景のある時代の英雄だから坂田金時が強力な英霊なのは疑いようもない。東洋西洋に限らず基本的に中世の英雄は世界的にも名を馳せた輩が多い」 「我々の組織教会に関係する英雄も高名な者は中世時代の者が多い。シャルルマーニュを中心に第一回十字軍のゴドフロワ・ド・ブイヨン、獅子心王リチャード一世」 「この時代は騎士系の英雄…セイバーやランサーに該当出来そうな人が沢山ですね」 「さて坂田金時の固有スキルは動物使役B。神性C。魔力放出B。 動物使役は山育ちなだけはあってか良い意味でお山の大将じゃないか。魔力放出スキルもありがたいな。これで元が低い敏捷値を一瞬だが補えるし、ただでさえ高い怪力をさらにブーストがかけられる強みもある」 「やっぱり欠点を補うべきですよね! ゲドゥさんもそう思いますよね!」 「使い捨てる魔力で弱点を補うか、長所を伸ばすかはマスターの采配次第といった所か。 悪いが私なら長所を伸ばす方に比重をおく。短所は伸び悩むが故に短所なのだ。伸びないものにコストをかけるだけ無駄。エミヤやクーフーリンの幸運値を頑張って上げても大して意味はないぞ少年」 「ぐぅっ……確かにエミヤさんの幸運は改竄するだけ無駄でしたけど……それでも俺は…!」 「それじゃ宝具解説だ。まず『雷神鉞』からやるぞ。金太郎といえば近年では、鉞担いだ金太郎~♪なわけだがこれはもう完全に常時発動してる利器型の宝具だな。 アタランテの弓と違って利器型である事に疑いの余地もないシンプルさだ。逆にシンプルすぎて吃驚したよ」 「この大斧って攻撃の度に雷撃が発生するんですか!? 見た目はすっごくカッコイイじゃないですか!」 「宝具ランクも単純明快な能力の割には思ったよりも高いようだし、雷神由来の稲妻だから案外強力な雷が放出されるのかもしれないな。 あと坂田金時本人が一流のパワーファイターだから十分に致命傷を与えられる筈だ」 「さあて先生、いよいよ来ましたね……皆鯖のアイドルが……!」 「なあフラット? 君はさっきメインは坂田金時だと言ってなかったか?」 「私も彼がそう言ってるのを耳にしたな」 「何言ってんですお二方ッ正気ですか!? 一皆鯖の金太郎さんと皆鯖生粋のアイドルとじゃ熊太郎さんに軍配が上がるに決まってるじゃないですか! 熊太郎さんが一体どれだけの皆鯖住人の期待と夢を一身に背負った幻想で成り立ってると思ってるんです! 体は夢で出来ている。血肉は獣《くま》で、心はニンゲン。幾たびのSS超えて不滅。この体は無限の夢で出来ていた。ですよ!」 「あー…もう好きにしてくれ付き合ってられん…。 それじゃ『猪鼻嶽大王熊』通称"熊太郎"の解説だ。まあ知っての通りあの金太郎と相撲とってた有名な大熊が英霊化したのがこいつだ。 偉業を為せば動物も英霊化するので熊太郎も十分その資格はあるだろう。 肝心の性能の方だが……なんと二足歩行する。しかも何の冗談なのか相撲や柔術のような組み合い系の体術まで使いこなす。……いやいやコイツ熊じゃないだろう!? 絶対着ぐるみが何かで中に人間が入ってるだろう!?」 「馬鹿言わないでください先生! 熊太郎さんの中に入ってるのは美味しい上質な熊肉と夢や浪漫なんですぅッ!! 人が入ってるなんて異説俺は絶対に認めないぞぉぉうおおおおー!!」 「さらにこの似非熊は生意気にも騎手無し状態でも単独での活動が可能だとさハハハ。 また騎乗した状態なら坂田金時の固有スキルの影響を受けられるため動物使役や魔力放出での強化が可能だ。魔力放出で馬鎧ならぬ熊鎧でも用意してやるといいさケッ」 「解説してみて改めて確信した、違う。コイツは絶対に熊じゃない。熊に似たUMAかナニカに決まってる(ぶつくさぶつくさ」 「いいえ絶対に違いません! ミッキ○マウスだって着ぐるみじゃないオリジナルが実在してるんです!」 「そうか(無視)この坂田金時の最大の特長は騎兵でありながら騎乗物宝具と分離した状態で戦える点だ。 これはライダークラスでも非常に珍しいタイプだな。いや騎兵って普通騎馬に乗ってるから騎兵なんだろうに…」 「ライダーのサーヴァントといえば基本的にウチのバカのように戦車を乗り回して戦う場合が殆どだと思うが、ましてや騎乗物自身が自立行動するなぞ予想外もいい所だな。 おかげでこのライダー、単純に計算しても坂田金時にはサーヴァント二体分の戦力がある事になる」 「その通りだゲドゥ牧───」 「呼ばれた気がしたからこの大王ラメセス戦車に搭乗し華麗に参上!(ドゴーーーン!!」 「うわあっ!? こ、講堂の壁が……歴史ある建物が……」 「世にも珍しい珍獣が此処に居ると聞いてな。それに下々の者もそろそろ俺様の美し~~いご尊顔を拝みたいだろうと思いわざわざ足を運んでやった、たっぷりと有り難く思え。それで熊鍋の材料はどこにいる? おいそこの見知った牧師、熊はどこ───」 「………………(ポチッとな」 「───だ? ぼ、牧師ぃぃぃぃぃ!!(落下)貴様無言でボタン押すとはどういう了見だぁぁーーー、だぁぁぁ、だぁぁ(エコー」 「よし(ガッツポーズ」 「マスターがサーヴァントをポイなんて今までに無いパターンですね……」 「ファック! さっきからぞろぞろと連中の侵入を許して! うまい棒五本で警備に雇った自宅警備員は何をしてるんだ?!」 「先生大変です! 自宅警備員さんが自宅警備員だから何もしてくれません!」 「ならもういい! フラット、ヴァゼット先生改めバゼット女史を呼んで来い! 警備員諸共に馬鹿どもを鉄拳排除させろ」 「ラ、ラジャー! それと自宅警備員さん逃げてー!」 「ところで弱点はないのか?」 「パッと目に付いた気になる点は坂田金時の死因が重度の熱病だったことだ。 対魔力がBと高いとはいえ対竜魔術なら対魔力Aでも通るアルトリアのようにもしかしたら熱病を患わせる類の呪いなら効くかもしれないな。 呪術が得意な魔女系のキャスターは一度くらい試してみる価値はあるだろう。 さてと次に行くか。最後に残った本命の二人だが……まず孫悟空をやろうか」 「孫悟空。えーと出自はDRAGONBALL EVOLUTION。クラスは3-A。内気で苛められっ子な高校生の孫悟空は────ん?」 「あれ? 孫悟空って確か西遊記に登場する頭に輪冠付けた猿の妖怪じゃなかったかしら?」 「先生それ資料に多大なる誤りがあります! グラップラーのサーヴァントカカロットは…っていうかハリウッド版はドラゴンボールとしても誤りがありますよ!」 「…………(ジト~」 「おおっと!? いかんミス沙条が睨んでいる、テイク2だ。 孫悟空。出自は中国四大奇書の一つ西遊記。 四大奇書とはサイボーグ武将呂布や人工対軍宝具を開発した超軍師陳宮で御馴染みの三国志の歴史小説『三国志演義』やゲーム『幻想水滸伝』でお馴染みの『水滸伝』とそのスピンオフ作品『金瓶梅』、そして『西遊記』からなる類稀な名書物だ。 まあ創作書物が出典だということからも分かるように孫悟空は実在した存在ではなく空想上の英雄である。 とはいえ別に英霊に実在や架空の線引きは無意味だ。人間に確固たる存在として認識されていればそれでカタチを持つのだからね。むしろ実在してても人に忘れ去られていれば存在は劣化する。 そういう意味でも孫悟空の知名度は世界的に非常に高いと言えよう」 「先生が言ってた皆鯖七次の本命その一ですね!」 「正直なところ孫悟空は人間ではないからその時点でヒトより性能が上…というかもう幻想種みたいなモノだなこいつは。 クラスはランサー。クラススキルは対魔力C。固有スキルは仙術A、千里眼B、怪力A、神性A。能力値は筋力A 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運C 宝具Bっと。ハイもう文句の付けようが無いほどの超弩級の廃人スペックだ。 さらにおまけとばかりに孫悟空当人は数多くの魔を降伏し、最終的に仏にまでなった経歴を考えるとその実力はもはや英霊の中でも最上位と言っても過言ではないのではなかろうか?と思うほどの実力者だ」 「あーあーどうせなら金太郎の方に参加したかったなぁわたし」 「文句を言うんじゃないランサーのマスターだろう君は。先に断わっておくが何も私は好きで日曜朝の貴重なお楽しみタイムを潰されてまでこんな授業をやりたいわけではないのだからね? その辺の思いやりを持って貰いたいものだ。でないと先生泣いちゃうぞ」 「教授、男性のブリっ子は結構ですのでとっとと先に進めてくださいね?」 「お茶目なジョークも分からんとはやはり日本人は最悪だ………この娘もどこぞのあかいあくまと同じ匂いがする…わたしの平穏を邪魔するあくまの臭気が…」 「まあいい、孫悟空は保有スキル数がやたら多いのでちゃっちゃと進めよう。ん~怪力や神性の説明は別に不要だろう? 千里眼BはCランクの千里眼の効果に加えて透視能力が付属する。これは良く使われる千里を見通すような高視力のことではなく、遠い場所の出来事を知れる本来の意味での千里眼だ。 「辞書には、遠い所の出来事や未知の物事の存在などを直感的に知りうる超能力…とありますから、なるほどこの辺りがAランクの未来視成分になってるのかもですね!」 「こんなスキルを持ってられたら逃げるのも隠れるのも無理じゃない」 「孫悟空相手に逃げ隠れするのは相当ハードルが高いだろうな。おまけに孫悟空は高度な仙術使いだし。 その仙術にしてもどこぞの魔道書持ちや悪魔召喚書のキャスターよろしくこれまた何でもござれだ。 分身の術や金縛り、変化、筋斗雲による飛行等、仙人に弟子入りしてほぼ全ての仙術を習得してるようだな。 うん、こりゃ駄目だ。仙人が出てきた時点でもう駄目だ。諦めてそこで死合終了しろ」 「せ、先生諦めないで(キャス狐さん風に)──痛だだだだだだだ!! すいませんすいません! 沙条さんすいません!」 「うん、すっきりしたから許してあげるね」 「せ、先生ぇ……女子に虐められましたぁグスン」 「今のは君が悪いなフラット。ミス沙条がやらなきゃ私がヤっていた。むしろ彼女は慈悲深いくらいだぞ。ほっぺたをつねるだけで済ませてくれたのだからな」 「………………………。(一体何をされてたんだろう…? 先生キャス狐が可愛いからってルート百回は周ったとか豪語してたけど」 「強い!万能!で笑ってしまうぐらいどうしようもないが、弱点らしい弱点といえば────」 「尻尾です! 尻尾を握ればいいんですよ先生! 尻尾を強く握れば梧空はヘナヘナと顔が濡れて力が出ない状態になります!」 「孫悟空の頭に装着してある『金剛圏』くらいか?(完全無視) この輪っかは三蔵法師が孫悟空の脱走防止に使ったもので、"緊箍呪"という呪文を唱えると頭の輪っかが絞まって頭痛いよ!となる礼装なんだが……これ三蔵法師以外の者でも使えるのだろうか?」 「でも仮に呪文が効き目あったら凄い弱点になるわよね。戦闘中に頭痛とか弱体化は避けられないだろうし」 「孫悟空と契約するマスターはその辺にも一応気を付けておいた方が……多分無理だろうなあ。見た目でまず確実にバレるよなぁ。頭に輪っか付けた二足歩行の服着た人語喋る猿とか呂布以上に正体バレバレだろう……」 「ええ同感です、わたしでも一目で分かると思う」 「いっそ戦闘能力の高さに開き直ってみるのも一つの手かもしれんな。私としては正体隠すのに労力を費やすよりも、暴れん坊な気性をしてる孫悟空を上手くコントロールする方に労力を割いた方がいい気がしてきたよ。三蔵法師ですら始めの頃は手を焼いたからな」 「皆鯖第七次では孫悟空さんが一番扱いが難そうな感じですよね」 「さて宝具についてだが、『如意金箍棒』はこれはまあ有名過ぎて詳しく語るまでも無いだろう。 まあ一言で説明すれば"伸びろ如意棒!"だ。能力はそれ以上でもそれ以下でもない。 まあ尤も、重量が8トンなんて馬鹿げた重さをしているのだから棒というよりはハンマーという認識を持っていた方がよかろう」 「伸びる棒……なんかディートリッヒさんが巨人から手に入れた魔剣『不尽の巨剣』に似てますね先生」 「ああ、だが伸縮という点では圧倒的に『如意金箍棒』の方が優れていると言えよう。なにしろ伸縮可能な長さ太さに上限下限が無いときてる。 一見すると孫悟空の『如意金箍棒』は非常に地味な宝具に見えるが侮るなんてとんでもない。無限に伸縮するということはそれこそ使い方も無限に作れるということだ。 掌よりも小さいサイズにして握り込んでしまえば敵に武器を装備してない風に見せかけ不意打ちする事も出来るし、大樹よりも太いサイズにすれば弾除けの壁にする事も出来る。 おまけに仙術によって孫悟空自身も『如意金箍棒』も数を増やせるからハンニバルのような包囲殲滅戦法を取る事も可能。 さらに千里眼の透視と筋斗雲飛行と如意棒の無限に伸ばせるという特性を組み合わせれば敵の数キロ先から如意棒による超長距離狙撃が可能になるし、 聖杯戦争度外視で最悪の使い方をすれば深山町の面積よりも如意棒を大きくして上空からプチッと──────ああ考えただけでも恐ろしい。 私はあまりこういう単語の乱用は好きではないのだが……敢えて言おう、チートであると!!」 「チート・ジオン!」 「鯖講座やる前は孫悟空って偉名の割には結構地味なサーヴァントだなあって思ってたけどいざ分析してみると全く全然微塵もそんなことなかったわ……こりゃ駄目だ」 「く、熊太郎さんなら…熊太郎さんなら華麗なSUMOUで何とかしてくれますよ!」 「あのクマモドキでもなんとかなると思えんが…というか猿対熊の構図になるのか…。 ここは"緊箍呪"の呪文で『金剛圏』が起動するのに賭けた方が……いや作戦を練ってマスターを排除するのが最も現実的か…? ────ん? 講堂の外が妙に騒がしいな?」 "───うおっ!? なにゆえ拙者に殺気を向ける!? 御主は何者ござるか、名を名乗れい!" "私はバゼット・フラガ・マクレミッツ、警備員です。ロード・エルメロイ二世より侵入者をボコって排除するだけの簡単なお仕事を請け負いました。職務怠慢な警備員諸共に貴方達を撃退しろと" "なるほど新任の警備員が配置されるという話は御主でござったか。されど拙者はそこを押し通るぞ────出番のために!" "────不意打ちフラガラック────!!!" "ちょ待─────(ドッタンバッタン)" 「…………………」 「あー、えーと、なんていうかウチのランサーがゴメンナサイ」 「流石はヴァゼット先生改めバゼットさん! 頼もしい限りですね先生!」 「これで安心だな。さて最後はエンキドゥだ。こいつも本命その2の実力者だぞ」 「エンキドゥ。出自は世界最古の叙事詩であるギルガメッシュ叙事詩に登場する英雄王ギルガメッシュの唯一の好敵手にして親友だ。 日本国内での知名度はともかくとして、もはや皆鯖のマスター候補の諸君でこの名を知らぬものはおるまい。 ギルガメッシュとの決闘で引き分け、神森の番人フンババ、天牛グアンナを退治した文句のつけようもない最古の時代の大英雄」 「キターーーー!! マジチート王のチート親友キターーー!!」 「騒がしくってよ、お静かになさいな」 「う、ゴメンナサイ」 「クラスはセイバー。クラススキルは対魔力Aに騎乗A-。ステータスはほぼギルガメッシュと同等の筋力B 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運A 宝具EXだ。孫悟空にも引けを取らない欠点の無い素晴らしくバランスの取れた能力値ではなかろうか」 「確かこのエンキドゥさんは四月馬鹿企画のFakeエンキドゥ仕様でしたっけ?」 「私の記憶違いでなければそうだった筈だ。なので固有スキルもFakeの劇中を意識したスキルになっている。 言語理解C 気配察知A+ 原始の歌Aの三つだ。 鳥獣の言葉を理解する言語理解は野性味たっぷりな…というか獣臭い皆鯖七次では出番もさぞ多い事だろう。 次に気配察知。これは多分初めて解説するスキルだったかな? まあ名称通り気配を感知する能力な訳だが、意外と効果範囲が広くフィールド上にいる生物の気配感知から、戦闘時に敵の攻撃の気配を察するといった事まで様々な場面でその恩恵を受けることが出来る良スキルだ。 ちなみにエンキドゥのランクなら数キロ離れていても気配を見つける事が出来るので突然の敵襲を察したり、マスターが攫われた場合でもすぐ捜索出来るなんてメリットもある。 またこのスキルのもう一つの利点として気配遮断中のアサシンにさえ場合によっては発見出来ること。A+なら同ランクの気配遮断も判定次第によっては見破れるかもしれん。なんというアサシン泣かせなサーヴァントとなんだ」 「これじゃエンキドゥさんに通常の暗殺や奇襲は通用しませんね先生。それこそ攻撃の気配や殺気が無いような攻撃でもないと」 「はははは、そんな攻撃があってたまるか────とかつては笑い飛ばしていたなぁヤツが現われるまでは」 「書文師範反則過ぎワロタ」 「あのレベルの奇襲・暗殺じゃないとまず通らんだろうな。とは言っても気配遮断中の気配すら場合によっては感付いてくる以上は超中華拳法でも安心は出来ん。 前回の孫悟空の解説で出した如意棒狙撃なんかの超長距離攻撃の類はまず効かんだろうな。距離半ば辺りでもう感付かれてる可能性が高い……というより双方の距離次第では最悪狙撃にスタンバった段階でバレる可能性まであるから洒落にならん」 「今次の面々は思ったよりもずっとハイレベルのようね。ローランではなくエンキドゥにしておけばよかったわ」 「アインツベルンさん、それローランさんが聞いたら泣きますよ?」 「別に構わないわ。いいえむしろ泣いて反省すべきね彼は。アインツベルンが召喚した騎士であると言う自覚がまるで足りてない。あのような魔術師としても最下位の娘を主だなどと──(グチグチグチグチ)」 「あ、あの先生…? 超絶淑女である筈のアインツベルンさんが…ぐ、愚痴を………(ヒソヒソ」 「フラット、君はしばらく彼女の愚痴に付き合え。これは命令だ。それと絶対に愚痴の内容に一切反論するなイエスマンで同意し続けろ、いいな? おとなしいタイプにプッツンされて暴れられでもしたら後が面倒だ。ガンダムWで温厚な奴がキレたら如何に面倒臭いかを私は学んだよ(ヒソヒソ」 「わ、わかりました……」 「貴方聞いていて!?」 「は、ハイィィ! 悪い子ですよねローランさんは! 基本アホの子ですし!」 「そうなの、そこが問題なの。物凄く扱いづらいわ」 「さて、スケープゴートはあいつに任せて先に進めるか。録画を見なくちゃならんしな。 原始の歌。これは現状エンキドゥの専用スキル状態となっている。 心身を癒す歌で、ステータス異常の回復と体力を少回復させる効果を持つ。どことなくコストパフォーマンスが良さそうな印象があるが魔力は使用するんだろうか? 低コストならガンガン活用していきたいところだ」 「そうなんですかぁ、それは本当に…大変だったんですね…うっ、うう…!(マジ泣き)」 「フラットの奴本気で同情してるじゃないか………適当に相手するだけで良かったんだがなぁ。まあどうでもいいか。 そしてエンキドゥを最強足らしめている宝具が『万象輪廻す終焉の泥』の存在だ。これは駄目だ反則だ。英雄王とは違うタイプの英雄殺しだから真っ当なサーヴァントではまず勝ち目がない」 「ロードエルメロイ二世。真っ当なサーヴァント、とはどういうことかしら?」 「それはこの鬼畜宝具の能力と一緒に説明する」 「まずこの『万象輪廻す終焉の泥』の能力だが、存在自体が神の宝具と呼べるエンキドゥに相応しい超抜能力だ。 性質は利器を不要とする太古世界の再現。生物を除いた武具や装飾品や宝具など───つまり俗に言う"道具"に分類される物全てを無力化する宝具だ。 ようするに今から道具の使用禁止な!というのを相手に強要する宝具なのである。 この時点で分かっただろう? 英雄とは宝具とセットの存在。基本的にどんな英霊でも聖剣や魔槍や神弓や愛馬に魔道品などを宝具として所持している。 エンキドゥが弱い英雄であるのならともかく彼は切り札が封じられたような劣勢で勝てる格の英雄ではない。 故に彼は英雄王とはタイプの違う英雄殺し足り得るというわけだ」 「先生……この宝具ってチートって言葉も虚しくなるほどチートですね。戦いようがないんだから問題外じゃないですか!」 「おまけに常時発動している異能だが任意で効果を及ぼす対象を除外可能という部分がエグイ。 相手に道具禁止を強いる癖に自分は平気で武器使うとかキタナイ流石神の宝具キタナイ。前々から感じてたがフラガラックとかブリューナクとかヴァジュラとか神の宝具はズルいと思う」 「それにしてもセイバークラスなのに剣の宝具はないのね」 「それに属する武器なら一応ある。剣の銘は『子獅子の爪』といい薬草を塗った太刀だ。 特殊能力がこれといって無いのはエンキドゥなりの慈悲なのだと解釈しておこう。もしこれが超高火力宝具とかだったら完全にお手上げだぞ……」 「せ、先生! グレートビッグベン☆ロンドンスターならきっと対抗策の一つや二つや三つくらいぽぽぽぽーーん!と出してくれるんですよね!? そうなんですね!(期待に満ちた表情で」 「諦めなさい(ニッコリ」 「マスタァァァブィィィィィイイイ!!!」 「案外役に立たない方ね」 「明らかな失望の視線を向けるな! いや攻略とか無理だろこれ。慢心せずして何が王かと豪語するギルガメッシュみたいに性格につけ入る隙があるようなタイプじゃないし。 セオリー的にマスターを狙うにしても最高ランクの気配察知があるから暗殺も容易にはいかない、というかアサシン泣かせ。 大体まず第一に宝具のせいでエンキドゥを殺す武器がなく。 なら武器無しでも使える魔術で!となっても対魔力Aだから魔術自体が効かない、竜属性持ちへの対竜魔術のような特定の抜け穴もこれといって見当たらない。 彼の死因を考えると神の呪いは通りそうだがこんな神霊レベルの呪いを使える輩などまず居ないと思った方がいいだろう。 うん英雄王よりもパーフェクトっぽくてオワタ」 「え…? 本当に対抗策って何も無いんですか先生?」 「対抗策はない。あるとしたらエンキドゥとまともに戦える相性を持つ英霊であるかどうかだけだ。それらならば何人かいる」 「そんなヒトがいるんですか?!」 「ああいる。というか君も知ってる者が一人いるぞフラット? ミス・アインツベルン無論君も知ってる奴だ」 「そんなサーヴァントなんていたかしら?」 「ここにいるぜマスター!(扉どごーーん!)はぁはぁはぁ…!(流血) オ、オレがその何人かの一人ローラン───」 「待ちなさい! 誰が講堂に入っていいと言いましたか! しねぇ!(フラガラック)」 「ぎゃあああああ! む、胸に穴が開いたぁぁぁ! 背中からおそうとは女と言えども恥を知れ!! 女だから剣は抜かなかったけどもう許さんっ表出やがれオマエッ!(スタスタスタ」 「いいでしょう受けて立ちます。これでも最弱のサーヴァントと共に聖杯戦争を勝ち進んだ経験のある身です。セイバーと言えど勝てない相手とは思いません!(ツカツカツカ」 「いやいや無理っしょヴァゼット先生。初見なのに最強格の相手じゃないですか。そこは負けておきましょうよ人として───ひでぶっ!?」 「………口は災いの元だなフラット。とまあ、ローランのような武器主体のタイプの英霊は論外。 エンキドゥと戦えるだけの条件をクリアするにはまず道具に頼らず戦闘可能なことが第一条件だ。 そうなると全クラス中この条件を最も満たし易いクラスはライダークラスだな。 宝具『万象輪廻す終焉の泥』は生物の無力化は出来ないのだから当然騎乗宝具を牽引する生き物は無力化せずそのまま幻想種としての力を保ったままでいられる。 ただし、ここで注意しなくてはいけないのが宝具によっては真名の解放が出来なくなっているから要注意だぞ」 「え? なんでですか?」 「例を挙げれば『騎英の手綱』や『遥かなる蹂躙制覇』などが良い例だ。『騎英の手綱』は鞭と手綱のセット宝具によって天馬の能力アップし始めて大火力宝具攻撃が可能となり、『遥かなる蹂躙制覇』は宝具戦車『神威の車輪』による蹂躙走法だからだ。 天馬や神牛はそのままだが宝具攻撃の鍵となるモノが無効化されていてはその真価は発揮されない。 逆に宝具そのものが幻想種だったり幻想種を召喚する類ものなら弱体化は避けられる。まあ魔術品などの道具を媒介にそれらを行なわなければという前提でだが。 皆鯖第七次においては坂田金時の宝具クマモドキなら無力化されずに済みそうだな。 タイガー&バニーならぬキンター&クマーのコンビなら対エンキドゥのダークホースになり得るかもだ。 まあ皆鯖七次では私個人は孫悟空が本命の対抗馬だと予想しているがね」 「ただまあこれら幻想種持ちライダーは戦えるだけの条件があるというだけで残念ながらエンキドゥとは相性は良くないと言わざる得ない」 「相性が悪い? それはなぜ?」 「ところでクマモドキじゃなくて熊太郎って呼んでくださいよ先生! みんなのアイドルなんですよ!」 「知るか! 私のアイドルはモニターの中にいるからUMAならぬKUMAなどに用はないわっ。 して質問だったねミス・アインツベルン。相性が悪いというのはエンキドゥの経歴のせいだ。 魔物殺しの英雄である以上怪物や神獣などの幻想種にはどうしても強い。ましてや殺したのは神代の怪物だ。半端な幻想種ではまず通用しない」 「それ駄目じゃないですか…………」 「エンキドゥと最も相性が良いタイプとは彼と同様に、自身や己の肉体そのものが宝具、あるいは当人の技能が昇華され宝具化した英雄だ。 例を挙げると肉体や体の一部が宝具のアキレウスやヘラクレスにサムソンやザッハークなど。 技能が宝具化したのでは武術宝具の張三豊や竜変化魔術のファフニールなどがそうだな。 これらの宝具タイプのサーヴァントに格闘能力が付属していればまともな勝負が出来るだろう」 「格闘能力ってその時点で滅茶苦茶ハードル上がってるじゃないですか!」 「何を言うかフラット、僕らの父ちゃん万能戦士ヘラクレスがいるだろう! ヘラクレスなら……それでもヘラクレスなら勝ってくれる! ところでギリシャ英雄はレスリング競技とか割と肉体派な文化してるから意外と格闘技能持ちはいるのではなかろうか? あと拳法家の張三豊仙人にも期待していいかもしれん。アサシン書文も真っ向から勝負出来るな」 「ところでロードエルメロイ二世? 結局私たちが知っているサーヴァントって誰だったのかしら?」 「なんだまだ分かってなかったのか? ベオウルフだよ。フラットには前講義したし、君なんて直接見てるだろうに……。 まあざっと全皆鯖を見回したがやはりこのエンキドゥと最も相性が良いサーヴァントはベーオウルフがぶっちぎりだった。 素手対剣の闘いを苦にせず、武器で戦うよりも空手で戦う方が強く、逆に『子獅子の爪』を鉄腕宝具破壊で破壊してしまえば立場を完全に逆転させられる。怪物属性も持ってないし、戦闘経験値も引けを取っていない。うむ完璧」 「あーベーオウルフさんですか! 確かにあの人なら全裸で戦っても何の問題もありませんよね! やはり最終的にモノをいうのは筋肉なのか!?」 「そういえば居ましたわね、すっかり忘れていたわ」 「皆鯖以外ならやはりのヘラクレスか。ゴッドハンドと万能宝具ナインライブスがあるからベーオウルフよりも攻守が揃ってさらに相性が良い。 恐らくナインライブスは素手でも出せるだろう多分、盾のナインライブスがあるくらいだからな……なんだよ盾の射殺す百頭って…?」 「なんということだ…あまりに久しぶりで伝説の捕捉情報とか運用法とか気合を入れ過ぎてしまった………気が付けば過去最長かもしれんだと? 日曜朝のゴールデンタイムなんてとっくに終わってるじゃないか……ファック!」 「先生なら総評に入りましょう! そして俺と一緒にクァメンライドゥダボォと妄想心音プルィキュアの録画を観ましょう!」 「いいや君との鑑賞はうるさそうだから遠慮する。アニメ観ながらゲームもしたいし。では皆鯖第七次の総評に入るぞ」 「そんな…先生酷い……ぐすん」 「様々な才能が拝める獣臭プンプンの皆鯖第七次では最終的に残るのはエンキドゥと孫悟空になるだろう予想する。 余程マスターが有能でないとこの結果は変わらないだろうな。よって私はセイバーランサーを七次では薦める」 「やっぱり他の人達が弱いんですかねぇ?」 「いやそれは絶対にない。坂田金時もアタランテも皆鯖第七次でなければどこに出しても通用する…というか十分優勝を狙えるサーヴァントだ。ピサールもバーサーカーでなければ毒槍は非常に脅威になる。 ただ問題は…感覚的な表現をするとギルガメッシュやヘラクレスみたいなのが混ざってるせいでどうにもならないといった感じかな? どんなに優秀な実力者だろうと頂上レベルの怪物がいればどうしても霞む………ディルムッドみたいに……」 「ディルムッドさんは色んな意味で悲劇的でしたね……。間違いなく一流の英雄の筈なのに。セイバークラスにもちゃんと該当出来ますし、フィオナ騎士団最強の英雄なのに……」 「よって皆鯖七次の鍵はマスターにこそあり、だ。まともなサーヴァント戦では残念ながら結果は殆ど見えている。 だから如何にしてマスターがサーヴァントのスキル、戦闘力、動物を上手く活用し、エンキドゥや孫悟空との直接戦闘を避けたまま彼らのマスターをぶち殺し、あるいは命を防護して勝ち抜くかがポイントになる。これが出来なきゃ他の五組は敗退必至だ。 マスターの命を巡る展開持ち込めるか否かが皆鯖七次の勝負の明暗を別ける筈だ。ふう、終わった…」 「おつかれさまでした先生! 麦茶ですどうぞ」 「ああ(ゴクゴク)では七時限目の講義はこれにて終了だ。さあフラット録画したものを渡して貰おうか?」 「それは別にいいですけど、俺が録画したんですから俺にも見せてくださいよ先生~」 「だが断わる」 「ひーーーん!(泣」
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1091.html
■ 第一章『サーヴァント・スミス』 ├ サーヴァント・スミス-1 ├ サーヴァント・スミス-2 ├ サーヴァント・スミス-3 ├ サーヴァント・スミス-4 ├ サーヴァント・スミス-5 ├ サーヴァント・スミス-6 ├ サーヴァント・スミス-7 ├ サーヴァント・スミス-8 ├ サーヴァント・スミス-9 └ サーヴァント・スミス-10 ■ 第二章『吹き抜ける黄金の風』 ├ サーヴァント・スミス-11 ├ サーヴァント・スミス-12 ├ サーヴァント・スミス-13 ├ サーヴァント・スミス-14 ├ サーヴァント・スミス-15 ├ サーヴァント・スミス-16 └ サーヴァント・スミス-17 ■ 第三章『イタリアまでは何メイル?』 ├ サーヴァント・スミス-18 ├ サーヴァント・スミス-19 ├ サーヴァント・スミス-20 ├ サーヴァント・スミス-21 └ サーヴァント・スミス-22 ■ 終章 ├ サーヴァント・スミス-23 └ サーヴァント・スミス-24