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わたしがその不思議なクラブの存在を知ったのは、わたしの友人の井上次郎によってでありました。井上次郎という男は、世間にはそうした男がままあみものですが、妙にいろいろな暗黒面に通じていて、たとえば、どこそこの女優なら、どこそこの家へ行けば話がつくとか、オブシーン・ピクチュアを見せる遊郭はどこそこにあるとか、東京における第一流の賭場《とば》は、どこそこの外国人街にあるとか、そのほかわたしたちの好奇心を満足させるような、種々さまざまの知識をきわめて豊富に持ち合わせているのでした。その井上次郎が、ある日のことわたしの家へやって来て、さて改まって改まって言うことには、 「むろんきみなぞは知るまいが、ぼくたちの仲間に二十日会《はつかかい》という一種のクラブがあるのだ。実に変わったクラブなんだ。いわば秘密結社なんだが、会員は皆、この世のあらゆる遊戯や道楽に飽きはてた、まあ上流階級だろうな、金には不自由のない連中なんだ。それが、何かこう世の常と変わった、 へんてこな刺激を求めようという会なんだ。非常に秘密にしていて、めったに新しい会員をこしらえないのだが、今度はひとり欠員ができたので……その会には定員があるわけだfひとりだけ入会することができる。そこで、友だちかいに、きみのところへ話しに来たんだが、どうだい、はいっちゃ」 例によって、井上次郎の話は、はなはだ好奇的なのです。言うまでもなく、わたしはさっそく挑発《ちようはつ》されたものであります. 「そうして、そのクラブでは、いったいぜんたい、どういうことをやるのだい」 わたしが尋ねますと、彼は待ってましたとばかり、その説明を始めるのでした。 「きみは小説を読むかい。外国の小説によくある、風変わりなクラブ、たとえば自殺クラブだ、あれなんか少し風変わりすきるけれど、まあ、ああいった強烈な刺激を求める一種の結社だね。そこでいろいろな催しをやる。毎月二十日に集まるんだが、一度ごとにあっと言わせるようなことをやる。今どきこの日本で、決闘が行なわれると言ったら、きみなんかほんとうにしないだうが、二十日会では、こっそり決闘のまねごとさえやる。もっとも、命がけの決闘ではないけれどね。ある時は、当番に当たった会員が、犯罪めいたことをやって、たとえば人を殺したなんて、まことしやかにおどかすことなんかやる。それが真に迫っているんだから、だれしも肝をひやすよ。また、ある時は、非常にエロチックな遊戯をやることもある。ともかく、そうしたさまざまの珍しい催しをやって、普通の道楽なんかでは得られない、強烈な刺激を味わうのだ。そして喜んでいるのだ。どうだい、おもしろいだろう」 といった調子なのです。 「だが、そんな小説めいたクラブなんか、今どき実際にあるのかい」 わたしが半信半疑で聞き返しますと、 「だから、きみはだめだよ。世の中のすみずみを知らないのだよ。そんなクラブなんかおちゃのこさ。この東京には、まだまだもつとひどいものだってあるよ。世の中というものは、きみたち君子が考えているほど単純ではないさ。早い話が、あの貴族的な集会所でオブシーン・ピクチュァの映画をやったなんてことは、世間周知の事実だが、あれを考えてみたまえ。あれなんか都会の暗黒面の一片鱗《へんりん》にすぎないのだよ。もっともっとドエライものが、その辺のすみずみに、ゴロゴロしているのだ」 で、結局、わたしは井上次郎に説伏されて、その秘密結社へはいってしまったのです。さて、はいってみますと、彼のことばにうそはなく、いや、それどころか、たぶんこうしたものだろうと想像していたよりも、ずっとずっとおもしろい、おもしろいというだけでは当たりません、蠱惑的《こわくてき》ということばがありますが、まあ、あの感じです。一度その会にはいったら、それが病みつきです。 どうしたって、会員をよそうなんて気にはなれないのです。会員の数は十七人でしたが、その中でまあ、会長といった位置にいるのは、日本橋の呉服屋の主人公で、これがおとなしい商売がらに似合わず、非常にアブノーマルな男で、いろいろな催しも、主としてこの呉服屋さんの頭からしぼり出されるというわけでした。おそらく、あの男はそうした事柄にかけては天才だったのでありましょう。その発案が一つ一つ、奇想天外で、奇絶怪絶で、まちがいもなく会員を喜ばせるのでした。 この会長格の呉服屋さんのほかの十六人の会員も、それぞれ一風変わった人々でした。職業分けにしてみますと、商人がいちばん多く、新聞記者、小説家 それは皆相当名のある人たちでしたーそして、貴族の若様もひとり加わっているのです。かくいうわたしと井上次郎とは、同じ商事会社の社員にすぎないのですが、ふたりとも金持ちのおやじを持っているので、そうしたぜいたくな会にはいっても、別段苦痛を感じないのでした。申し忘れましたが、二十日会の会費というのは少々高く、たった一晩の会合のために、月々五十円〔今の二万円ほど〕ずっ徴収せられるほかに、催しによってはその倍も三倍もの臨時費がいるのでした。これはただの腰弁にはちょっと手痛い金額です。 わたしは五ヵ月のあいだ二十日会の会員でありました。つまり、五たびだけ会合に出たわけです。先にも言うとおり、 一度はいったら一生やめられないほどのおもしろい会を、たった五ヵ月でよしてしまったというのは、いかにも変です。が、それには訳があるのです。そして、その、わたしが二十日会を脱退するにいたったいきさつをお話しするのが、実はこの物語りの目的なのであります。で、お話は、わたしが入会以来第五回目の集まりのことから始まるのです。これまでの四回の集まりについても、もし暇があればお話ししたく思うのですが、そして、,お話しすればさっと読者の好奇心を満足させることができると信じますが、残念ながら紙数に箭限もあることですから、ここにははぶくことにいたします。 ある日のこと、会長格の呉服屋さんがi井関さんといいましたーわたしの家をたずねて来ました。そうして会員たちの家を訪問して、個人個人の会員と親しみ、その性質を会得《えとく》して種々の催しを計画するのが、井関さんのやり口でした。そこではじめて会員たちの満足するような催しができるというものです。井関さんは、そんな普通でない嗜好を持っていたにもかかわらず、なかなか快活な人物で、わたしの家内なども、かなり好意を持って、井関さんのうわさをするほどになっていました。それに、井関さんの細君というのがまた非常な交際家で、わたしの家内のみならず、会員たちの細君連とたいへん親しくしていまして、お互いに訪問し合うような間柄になっていたのです。秘密結社とはいいじょう、別段悪事をたくらむわけではありませんから、会のことは、会員の細君たちにも、言わず語らずのあいだに知れ渡っているわけです。それがどういう種類の会であるかはわからなくとも、ともかく、井関さんを中心にして月に一度ずつ集会を」催すということだけは、細君たちも知っていたのです。 いつものことで、井関さんは、薄くなった頭をかきながら、 エビスさまのようにニコニコして、客問へはいって来ました。彼はデップリ太った五十男で、そんな子どもらしい会などにまるで縁がなさそうな様子をしているのです。それが、いかにも行儀よく、キチンと座ぶとんの上へすわって、さて、あたりをキョロキョロ見まわしながら、声を低めて、会の用談にとりかかるのでした。 「今度の二十日の打ち合わせですがね。ひとつ、今までとは、がらりと風《ふう》の変わったことをやろうと思うのですよ。というのは、仮面舞踏会なのです。十七人の会員に対して、同じ人数の婦人を招きまして、お互いに相手の顔を知らずに、男女が組んで踊ろうというのです。へへへへ、どうです。ちょっとおもしろうがしょう。で、男も女も、せいぜい仮装をこらしていただいて、できるだげ、あれがあの人だとわからないようにするのです。そして、わからないなりに、わたしのほうでお渡ししたくじによって踊りの組みを作る、つまり、ここの相手が何者だかわからないというところが、ミソなんです。仮面は前もってお渡しいたしますけれど、変装のほうも、でさるだけうまくやっていただきたい。一つはまあ、変装の競技会といった形なのですから」 一応おもしろそうな計画ですから、わたしはむろん賛意を表しました。が、ただ心配なのは、相手の婦人がどういう種類のものであるかという点です。 「その相手の女というのは、どこから招かれるわけですか」 「へへへへへ」すると井関さんは、癖の、気味のわるい笑い方をして、 「それはまあ、わたしに任せておいてください。決してつまらない者は呼びません。商売人だとか、それに類似の者でないことだけは、ここで断言しておきます。ともかく、皆さんをアッと言わせる趣向ですから、そいつを明かしてしまっては興がない。まあまあ、女のほうはわたしに任せておいてください」 そんな問答を繰り返しているところへ、おりあしくわたしの家内がお茶を運んで来ました。井関さんはハッとしたように、居ずまいを正して、例の無気味な笑い方で、やにわにヘラヘラと笑いだすのでした。 「たいへんお話しがはずんでおりますこと」 家内は意味ありげに、そんなことを言いながらお茶を入れ始めました。 「へへへへへ、少しばかり商売上のお話がありましてね」 井関さんは、取ってつけたように、弁解めいたことを言いました。いつも、そんな調子なのです。そして、ともかく、ひととおり打ち合わせを済ませた上、井関さんは帰りました。むろん、場所や時間なども、すっかりきまっていたのでした。 2 さて、当日になりますと、生まれてはじめての経験です。わたしは命ぜられたとおり、せいぜい念入りに変装して、あらかじめ渡されたマスクを用意して、指定の場所へ出かけました。 変装ということが、どんなにおもしろい遊戯であるかを、わたしはその時はじめて知ることがでさました。そのためにわざわざ、知り合いの美術家のところへ行って、美術家特有のへんてこな洋服を借り出したり、長髪のかつらを買い求めたり、それほどにする必要もなかったのでしょうが、家内のおしろいなどを盗み出して、化粧をしたり、そして、それらの変装を、家の者たちに少しも悟られないように、こっそりやっている気持ちが、またたまらなく愉快なのです。鏡の前で、まるでサーカスの道化役者《どうけやくしや》ででもあるように、顔にベタベタおしろいを塗りつける心持ち、あれは実際、一種異様の不思議な魅力を持っているものです。わたしははじめて、女が鏡台の前で長い時間を浪費する気持ちが、わかったように思いました。 ともかくも変装を済ませたわたしは、異形の風体を人力車の幌《ほろ》に隠して、午後八時という指定.にまにあうように、秘密の集会場へ出かけました。 集会場は山の手のある富豪の邸宅に設けられてありました。車がその邸宅の門に着くと、わたしはかねて教えられていたとおり、門番小屋に見張り番を勤めている男に、 一種の合図をして、長い敷き石道を玄関へとさしかかりました。アーク灯の光りが、わたしの不思議な格好を長女と、白い敷き石道に映し出していました。 玄関にはひとりのボーイ体の男が立っていて、これはむろん会が雇ったものなのでしょう、わたしの風体をあやしむ様子もなく、無言で内部へ案内してくれました。長い廊下を過ぎて、洋風の大広間にはいると、そこにはもう、三々伍々会員らしい人々や、その相手を勤める婦人たちが、立っていたり、歩いていたり、長イスに沈んでいたりしました。おぼろにぼかした灯光が、広くりっぱなへやを夢のように照らしていました。 わたしは、入り口に近い長イスに腰をおろして、知人を捜し出すべく、へやの中を見渡しました。しかし、彼らはまあ、なんという巧みな変装者たちなのでしょう。確かに会員に相違ない十人近くの男たちは、まるではじめて会った人たちのように、脊格好から、歩きぶりから、少しも見覚えがないのです。言うまでもなく顔面は、一様の黒いマスクに隠されて、見分けるべくもありません。 ほかの人はともかく、古くからの友だちの井上次郎だけは、いかにうまく変装したからといって、見分けられぬはずはあるまいと、ひとみをこらして物色するのですが、わたしのあとからつぎつぎにへやにはいって来た人たちのうちにも、それらしいのが見当たりません。それはまあ、なんという不思議な晩であったことでしょう。いぶし銀のようにくすんだ色の広間の中に、にぶく光った寄せ木細工の床の上に、種々さまざまの変装をこらし、おそろいのマスクをはめた十七人の男と、十七人の女が、ムッツリと黙り込んだまま、今にも何事か奇怪なできごとの起こるのを待ち設けでもするように、ある者は静止し、ある者はうごめいているのです。 こんなふうに申しますと、読者諸君は、西洋の仮装舞踏会を連想されるかもしれませんが、決してそうではないのです。へやは洋室であり、人々はだいたい洋装をしていましたけれど、そのへやが日本人の邸宅の洋室であり、その人々が洋装をした日本人であるように、全体の調子が非常に日本的で、西洋の仮装舞踏会などとは、まるで連った感じのものでありました。 彼らの変装は、正体をくらます点においてきわめて巧みではありましたけれど、皆、あまりにじみな、あるいはあまりに粗暴な、仮装舞踏会という名称にはふさわしからぬものばかりでした。それに、婦人たちの妙にものおじをした様子で、なよなよと歩くふぜいは、あの活発な西洋女の様子とは、似ても似つかぬものでありました。 正面の大時計を見ますと、もはや指定の時間も過ぎ、会員だけの人数もそろいました。この中に井上次郎がいないはずはないのだがと、わたしはもう一度目を見はって、ひとりひとりの異様な姿を調べてゆきました。ところが、やっぱり、疑わしいのが二、三見当たりましたけれど、これが井上だと言いきることのできる姿はないのです。荒いごばんじまの服を着て、同じハンチングをつけた男の肩の格好が、それらしくも見えます。また、赤黒い色のシナ服を着て、ジナの帽子をかむり、わざと長い弁髪をたれた男が、どうやら井上らしく見えます。そうかと思うと、ピヅタリ身についた黒の肉じゅばんを着て、黒絹で頭を包んだ男の歩きっぷりが、あの男らしくも思われるのです。 おぼろなるへやの様子が影響したのでもありましょう。あるいはまた、先にも言ったとおり、彼らの変装がそろいもそろって巧妙をきわめていたからでもありましょう。が、それらのいずれよりも、覆面というものが人を見分けにくくするカは恐ろしいほどでありました。一枚の黒布、それがこの不可思議な、また無気味な光景をかもし出す第一の要素となったことは申すまでもないのです。 やがて、お互いがお互いを探り合い、疑い合って、奇妙なだんまりを演じているその場へ、先ほど玄関に立っていたボーイ体の男がはいって来ました。そして、何か暗唱でもするような口調で、次のような口上を述べるのでありました。 「皆さま、長らくお待たせいたしましたが、もはや規定の時間でもございますし、ご人数もおそろいのようでございますから、これからプログラムの第一にきめました、ダンスを始めていただくことにいたします。ダンスのお相手を定めますために、あらかじめお渡し申しました番号札を、わたしまでお手渡しを願い、わたしがそれを呼び上げますから、同じ番号のおかたが、おひと組みにおなりくださいますよう。それから、はなはだ失礼でございますが、中にはダンスというものをご案内のないおかたさまがおいでになりますので、今夜は、どなた様も、ダンスを踊るというおつもりでなく、ただ音楽に合わせまして、手をとり合って歩きまわるくらいのお考えで、ご案内のないおかたさまも、少しもご遠慮なく、ご愉快をお尽しくださいますよう。なお、組み合わせがきまりましたならば、お興を添えますために、そのへやの電灯をすっかり消すことになっておりますから、これもお含みおきくださいますようお願いいたします」 これはたぶん井関さんが命じたまま復唱したものにすぎないのでしょうが、それにしても、なんというへんてこな申し渡しでありましょう。いずれは気違いめいた二十日会の催しのことですけれど、ちと薬がききすぎはしないでしょうか。わたしは、それを聞くと、なんとなく身のすくむ思いがしたことであります。 さて、ボーイ体の男が番号を読み上げるにしたがって、わたしたち三十四人の男女は、ちょうど小学生のように、そこへいっしょに並びました。そして、十七対の男女の組み合わせができ上がったわけです。男同士でさえ、だれがだれだかわからないのですから、まして相手ときまった女が何者であるか、知れよう道理はありません。それぞれの男女は、おぼろげな灯光のもとに、互いに覆面を見かわして、もじもじと相手の様子を伺っています。さすがに奇を好む二十日会の会員たちも、いささか立ちすくみの形でありました。 同じ番号の縁でわたしの前に立った婦人は、黒っぽい洋服をきて、昔流の濃い覆面をつけ、その上からご丁寧にマスクをかけていました。一見したところ、こうした場所にはふさわしくない、しとやかな様子をしていましたけれど、さて、それが何者であるか、専門のダンサーなのか、女優なのか、あるいはまた堅気の娘さんなのか、井関さんのせんだっての口ぶりでは、まさか芸者などではありますまいが、なにしろ、まったく見当がつかないのです。 が、だんだん見ているうちに、相手の女のからだつきに、何か見覚えのあるような気がしてきました。気の迷いかもしれませんけれど、その格好は、どこやらで見たことがあるのです。わたしがそうして彼女をジロジロながめているあいだに、先方でも同じ心とみえまして、長髪画家に変装したわたしの姿を熱心に検査し、思いわずらっている様子でした。 あの時、蓄音器の回転し始めるのがもう少しおそく、電灯の消えるのがちょっとでも遅れたなら、あるいはわたしは、後にわたしをあのように驚かせ恐れさせたところの相手を、すでに見破っていたかもしれないのですが、惜しいことには、もう少しというところで、一時に広間が暗黒になってしまったのです。 パッと暗やみになったものですから、しかたなく、あるいはやっと勇気づいて、のたしは相手の女の手を取りました。相手のほうでも、そのしなやかな手首をわたしにゆだねました。気のきいた司会者は、わざとダンス物を避けて、静かな絃楽合奏のレコードをかけましたので、ダンスを知った人も、知らない人も一様にしろうととして、暗やみの中を回り始めました。もしそこに、わずかの光りでもあろうものなら気がさして、とても踊ることはできなかったでしょうが、司会者の心づかいで、さいわい暗やみになっていたものですから、男も女も、案外活発に、おしまいには、コツコツというたくさんの足音が、それから、あらい息使いが、天井に響き渡るほども、勢いよく踊りだしたものであります。 わたしと相手の女も、はじめのあいだは、遠方から手先を握り合って、遠慮がちに歩いていたのが、だんだんと、接近して、彼女のあごがわたしの庸に、わたしの腕が、彼女の腰に、密接して、夢中になって踊り始めたのであります。 3 わたしは生まれてから、あのような妙な気持ちを味わったことがありません。それは、まっくらなへやの中です。そこの寄せ木細工のなめらかな床《ゆか》の上を、木の膚をたたいている無数のキツツキのように、コツコツと、不思議なリズムをなして、わたしたちのクツ音が走っています。そして、ダンス伴奏にはふさわしくない、むしろ陰惨な、絃楽またはピアノのレコードが、地の底からのように響いています。目がやみになれるにしたがって、高い天井の広間の申を、暗いためいっそう数多く見える、たくさんの人の頭がうごめいているのが、おぼろげに見えます。それが、広間のところどころに巨人のように屹立《きつりつ》した、数本の太い円柱をめぐって、チラチラと入り乱れているありさまは、地獄の饗宴《きようえん》とでも形容したいような、世にも奇怪な感じのものでありました。 わたしは、この不思議な情景の中で、 どことなく見覚えのある、しかしそれがだれであるかは、どうしても思い出せないひとりの婦人と、手を取り合って踊っているのです。そして、それが夢でも幻でもないのです。わたしの心臓は恐怖とも歓喜ともつかぬ一種異様の感じをもって、はげしくおどるのでありました。わたしは相手の婦人に対して、どんな態度を示すぺきかに迷いました。もし、それが売女のたぐいであるなれば、 どのような無作法も許されるでありましょう。が、まさかそうした種類の婦人とも見えません。では、それを生業《なりわい》にしている踊女《おどりめ》のたぐい ででもありましょうか。いや、そんなものにしては、彼女はあまりにしとやかで、かつ舞踏の作法さえ不案内のように見えるではありませんか。それなら、彼女は堅気の娘、あるいはどこかの細君ででもありましょうか。もしそうだとすると、井関さんの今度のやり方は、あまりにご念の入った、むしろ罪深いわざと言わねばなりません。 わたしはそんなことをせわしく考えながら、ともかくも、皆といっしょに回り歩いておりました。すると、ハッとわたしを驚かせたことは、そうして歩いているあいだに、相手の婦人の一方の腕が驚くべき大胆さをもって、スルスルとわたしの肩に延ばされたではありませんか。しかもそれは、決して媚《こび》を売る女のやりかたではなく、といって、若い娘が恋人に対する感じでもなく、少しもぎこちなさを見せないで、さもなれなれしく、当然のことのように行なわれたのであります。 間近く寄った、很女の覆面からは、軽くにおやかな呼吸が、わたしの顔をかすめます。なめらかな彼女の絹服が、なよなよと、不思議な感触をもって、わたしのビロードの服にふれ合います。このような彼女の態度は、にわかにわたしを大胆にさせました。そして、わたしたちは、まるで恋人同士のように、無言の舞踏を踊りつづけたことであります。 もう一つわたしを驚かせたのは、やみをすかしてほかの踊り手たちを見ますと、彼らもまた、わたしたちと同じように、あるいはいっそう大胆に、決して初対面の男女とは思えないような踊り方をしていることでありました。いったいまあ、これはなんという気違いざたでありましょう。そうしたことに慣れぬわたしは、見も知らぬ相手と暗やみの中を踊り狂っている自分が、ふと恐ろしくなるのでした。 やがて、ちょうど皆が踊り疲れたころに、蓄音器の奏楽がハタと止まって、先ほどのボーイの声が聞こえました。、 「皆さま、.次のへやに、飲み物の用意ができましてございます。しばらくあちらでご休息くださいますよう、お願いいたします」 ド声につれて境のドアが左右に開かれ、まぶしい光線が、パッとわたしたちの目をうちました。 踊り手たちは司会者の万遺漏なき心くばりを感じながら、しかし無言のまま、一対ずつ手をとり合って、そのへやへはいるでした。広間には比ぶべくもありませんが、でも相当広いへやに、十七個の小食卓が、純白のクロースにおおわれて、配置よく並んでいました。ボーイの案内につれて、わたしとわたしの婦人とは、すみのほうのテーブルにつきました。見ると、給仕人はなくて、おのおののテーブルの上に、二つのグラスと二本の洋酒のびんが置かれてあります。 一本はボルドウの白ブドー酒、ほかの一本は、むろん男のために用意せられたものですが、シャンパンなどではなく、なんとも知れぬ不思議な味の酒でした。 やがて、奇怪な酒宴が開かれました。堅くことばを発することを禁じられたわたしたちは、まるでおしのように黙々として、杯を満たしては飲みました。婦人たちも勇敢にブドー酒のグラスをとるのでした。 それはかなり強烈な酒であったとみえ、まもなくわたしは、激しい酔いをおぼえました。相手の婦人に、ブドー酒をついでやるわたしの手が、おこりのように震えて、グラスの縁がカチカチと鳴りました。わたしは思わず変なことをどなりそうになっては、あわてて口をつぐみました。わたしの前の覆面の女は、口までもおおった黒布を片手で少し持ち上げて、つつましく杯を重ねました。そして、彼女も酔ったのでしょう。覆面をはずれた美しい皮膚は、もうまっかになっておりました。 そうして、彼女を見ているうちに、わたしはふと、わたしのよく知っている、ある人を思い浮かべました。彼女の首から肩の線が、見れば見るほど、その人に似ているのです。しかし、そのわたしの知っている人が、まさかこんな場所へ来るはずはありません。最初から、なんとなく見たようなと感じたのは、おそらくわたしの気の迷いにすぎなかったのでしょう。世の中には、顔でさえもうり二つの人があるくらいです。姿勢が似ていたからとて、うかつに判断を下すことはできません。 それはともかく、無言の酒宴は、今やたけなわと見えました。ことばを発するものこそありませんけれど、室内はグラスの触れ合う響き、きぬずれの音、ことばをなさぬ人声などで、異様にどよめいて来ました。だれもかれも、非常に酔っているように見えました。もしあの時、ボーイの口上が少しでもおくれたなら、だれかが叫びだしたかもしれません。あるいはだれかが立ち上がって踊りだしたかもしれません。が、さすがは井関さんのさしずです。もっとも適当な時機にボーイが現われました。 「皆さま、お酒が済みましたら、どうか踊り場のほうへお引き上げを願います。あちらではもう、音楽が始まっております」 耳をすますと、隣りの広間からは、酔客たちの心をそそるように、前とはガラリと変わった快活な、むしろそうそうしい管絃楽が響いて来ました。人々は、その音楽にさそわれるように、ゾロゾロと広間に帰りました。そして、以前に数倍した物狂わしき舞踏が始まるのでした。 あの夜の光景をなんと形容したらよいのでしょう。耳もろうせんばかりの騒音、やみの中に火花が散るかと見える無数の乱舞、そして意味のない怒号、わたしの筆ではとうてい、ここにその光景を描きだすことはできません。のみならず、わたし自身も、四肢《し》の運動につれて発した極度の酔いに正気を失って、人六が、またわたし自身が、どのような狂態を演じたかを、ほとんど記憶しないのであります。 4 焼けるようなのどの乾きをおぼえて、わたしはふと目をさますと、わたしは、わたしの寝ていたへやが、いつもの自分の寝室でないことに気づきました。さてはゆうべ踊り倒れて、こんな家へかつぎ込まれたのかな。それにしても、この家はいったいぜんたいどこだろう。見ると、まくらもとの手の届くところへ、ベルのひもが延びています。わたしはともかく、人を呼んで聞いてみようと思い、そのほうへ、手を伸ばしかけて、ふと気がつくと、そこのタバコ盆のわきに、一束の半紙が置かれ、そのいちばん上の紙に、何か鉛筆の走り書きがしてあるのです。好奇心のまま、読みにくいかな文字を、なにげなく拾ってみますと、それは次のようにしたためてありました。 「あなたはずいぶんひどいかたです。お酒の上とはいえ、あんな乱暴な人とは、知りませんでした。しかし、いまさら言ってもしようがありません。わたしはあれは夢であったと思って忘れます。あなたも忘れてください。そして、このことは井上には絶対に秘密を守ってください。お互いのためです。わたしはもう帰ります。春子」 それを読んで行くうちに、寝ぼけていた頭が、一度にハッキリして、わたしは何もかも悟ることができました。 「あれは、わたしの相手を勤めた婦人は、井上の細君だったのか」そして、言いがたき悔恨の情が、わたしの心臓をうつろにするかとあやしまれました。 泥酔《でいすい》していたとはいえ、夢のように覚えています。ゆうべ、やみの乱舞が絶頂に達したころ、例のボーイが、そっとわたしたちのそばへ来てささやきました。 「お車の用意ができましてございます。ご案内いたしましょう」 - わたしは婦人の手をたずさえて、ボーイのあとにつづきました。 (どうしてあの時、彼女はあんなに従順に、わたしに手を引かれていたのでしょう。彼女もまた酔っていたのでしょうか)玄関には一台の自動車が横づけになっていました。わたしたちはそれに乗ってしまうと、ボーイは運転手の耳に口をつけて、 「十一号だよ」とささやきました。それがわたしたちの組み合わせの番号だったのです。 そして、たぶんここの家へ運ばれたのです。その後のことはいっそうぼんやりして、よくわかりませんけれど、へやへはいるなり、わたしは自分の覆面をとったようです。すると、相手の婦人がアッと叫んで、いきなり逃げ出そうとしました。それを、夢のように思い出すことができます。でもまだ、酔いしれていたわたしは、相手が何者であるかを推察することができなかったのです。すべて泥酔《でいすい》のさせたわざです。そして、今この置き手紙を見るまで、わたしは彼女が友人の細君であったことさえ知らなかったのです。わたしはなんというバカ者でありましょう。 わたしは夜の明けるのを恐れました。もはや世間に顔出しもできない気がします。わたしはこのつぎ、どういう態度で井上次郎に会えばいいのでしょう。また、当の春子さんに会えばいいのでしょう。わたしは青くなって、とつおいつ返らぬ悔恨にふけりました。そういえば、わたしは最初から相手の婦人に、ある疑いを持っていたのです。覆面と変装とにおおわれていたとはいえ、あの姿は、どうしても春子さんに相違なかったのです。わたしはなぜ、もっと疑ってみなかったのでしょう。相手の顔を見分けられぬほども泥酔《でいすい》する前に、なぜ彼女の正体を悟りえなかったのでしょう。 それにしても、井関さんの今度のいたずらは、彼が井上とわたしとの綿密な関係を、よく知らなかったとはいえ、ほとんど常軌《じようき》を逸していると言わねばなりません。たといわたしの相手が、ほかの婦人であったにしても、許すべからざる計画です。彼はまあ、どういう気で、こんなひどい悪だくみをもくろんだのでありましょう。それにまた、春子さんも春子さんです。井上という夫のある身が、知らぬ男と暗やみで踊るさえあるに、このような場所へ運ばれるまで、黙っているとは。わたしは彼女がそれほど不倫な女だとは、今の今まで知りせんでした。だが、それは皆わたしの、えてか・ってというものでしょう。わたしさえあのように泥酔《でいすい》しなかったら、こんな世間に顔向けもできないような、不愉快な結果を招かずとも済んだのですから。 その時の、なんともいえぬ不愉快な感じは、いくら書いても足りません。ともかく、わたしは夜の明けるのを待ちかねて、その家を出ました。そして、まるで罪人ででもあるように、おしろいこそ落としましたけれど、ほとんどゆうべのままの姿を車の幌《ほろ》に深く隠して、家路についたことであります。 5 家に帰っても、わたしの悔恨は深まりこそすれ、決して薄らぐはずはありません。そこへ持って来て、わたしの女房は、彼女にしてみれば無理もないことでしょうが、病気と称してひと間にとじこもったきり、顔も見せないのです。わたしは女中の給仕でまずい食事をしながら、悔恨の情をさらに倍加したことであります。 わたしは、会社へは電話でことわっておいて、机の前にすわったまま、長いあいだぼんやりしていました。眠くはあるのですが、とても寝る気にはなれません。そうかといって、本を読むことも、そのほかの仕事をすることも、むろんだめです。ただぼんやりと、取り返しのつかぬ失策を、思いわずらっているのでした。 そうして思いにふけっているうちに、わたしの頭に、ふと一つの懸念が浮かんで来ました。 「だが、待てよ」わたしは考えるのでした。 「いったいぜんたい、こんなばかばかしいことがありうるものだろうか。あの井関さんが、ゆうべのような不倫な計画を立てるというのも変だし、それにいくら泥酔《でいすい》していたとはいえ、朝になるまで相手の婦人を知らないでいるなんて、少しおかしくはないか。そこには、わたしをして、しいてそう信じさせるような、技巧がろうせられてはいなかったか。だいいち、井上の春子さんが、あのおとなしい細君が、舞踏会に出席するというのも信じがたいことだ。問題はあの婦人の姿なんだ。ことに、首から肩にかけての線なんだ。あれが井関さんの巧妙なトリックではなかったのか。遊里のちまたから覆面をさせなければ春子さんと見違うような女を捜し出すのは、さほど困難ではないだろう。おれはそうした影武者のために、まんまと一杯食わされたのではないか。そして、この手にかかったのは、おれだけではないかもしれない。人の悪い井関さんは、意味ありげな暗やみの舞踏会で、会員のひとりひとりをおれと同じような目に会わせ、あとで大笑いをするつもりだったのではないか。そのだ、もうそれにきまった」 考えれば考えるほど、すぺての事情がわたしの推察を裏書きしていました。わたしはもう、くよくよすることをやめ、先ほどとは打って変わって、ニヤニヤと気味のわるいひとり笑いを漏らしさえするのでした。 わたしはもう一度外出のしたくをととのえました。井関さんのところへ押しかけようというのです。わたしは彼に、わたしがどんなに平気でいるかということを見せつけて、ゆうぺの仕返しをしなければなりません。 「オイ、タクシーを呼ぶんだ」 わたしは大声で女中に命じました。 わたしの家から井関さんの住まいまでは、さして遠い道のりではありません。やがて車は、彼の玄関に着きました。ひょっと店のほうへ出ていはしないかと案じましたが、さいわい在宅だというので、わたしはすぐさま彼の客間に通されました。見ると、これはどうしたというのでしょう。そこには、井関さんのほかに二十日会《はつかかい》の会員が三人も顔をそろえて談笑していたではありませんか。では、もう、種明かしが済んだのかしら。それとも、この連中だけは、わたしのような目にも会わなかったのかしら。わたしは不審に思いながら、しかし、さも愉快そうな表情を忘れないで、設けられた席につきました。 「やア、ゆうべはお楽しみ」 会員のひとりが、からかうように声をかけました。 「なあに、ぼくなんざだめですよ。きみこそお楽しみでしたろう」 わたしは、あごをなでながら、さも平然と答えました。 「どうだ、驚いたか」という腹です。ところが、それにはいっこう反響がなくて、相手から返って来たことばは、実に奇妙なものでありました。 「だって、きみのところは、われわれのうちで、いちばん新しいんじゃありませんか。お楽しみでないはずはないや、ねえ、井関さん」 すると、井関さんは、それに答えるかわりに、アハアハと笑っているのです。どうも様子が変なのです。が、彼らはわたしの表情などには、いっこうおかまいなく、ガヤガヤと話を続けるのです。 「だが、ゆうべの趣向は確かに秀逸だったね。まさか、一あの覆面の女が、てんでんの女房たあ気がつかないやね」 「あけてくやしき玉手箱か」 そして、彼らは声をそろえて笑うのです。 「むろん、最初札《ふだ》を渡す時に、夫妻同一番号にしておいたんだろうが、それにしても、あれだけの人数がよくまちがわなかったね」 「まちがったら大変ですよ。だから、その点はじゅうぶん気をつけてやりました」 井関さんが答えるのです。 「井関さんがあらかじめ旨《むね》を含めてあったのといえ、女房連、よくやって来たね。あれが自分の亭主だからいいようなものの、味をしめて、ほかの男にあの調子でやられちゃ、たまらないね」 「危険を感じますかね」 そして、またもや笑い声が起こりました。 それらの会話を聞くうちに、わたしはもはや、じっとすわっているのに耐えられなくなりました。たぶん、わたしの顔はまっさおであったことでしょう。これですっかり、事情がわかりました。井関さんは、あんなに、自信のあるようなことを言っていますが、どうかしたつこうで、わたしだけ相手がまちがったのです。自分の女房のかわりに、春子さんと組み合ったのです。わたしは運わるくも、偶然、恐ろしいまちがいに陥ってしまったのです。 「だが」わたしはふと、もう一つの恐ろしい事実に気づきました。冷たいものが、わたしのわきの下をタラタラと流れました。 「それでは、井上次郎はいったい、だれと組んだのであろう?」 言うまでもないことです。わたしが彼の妻と踊ったように、彼はわたしの妻と踊ったのです。おお、わたしの女房が、あの井上次郎と? わたしはめまいのために倒れそうになるのを、やっとこらえました。 それにしても、これはまた、なんという恐ろしい錯誤でありましょう。あいさつもそこそこに井関さんの家をのがれ出したわたしは、車の中で、ガンガンいう耳を押さえながら、どこかにまだ一縷《る》の望みがあるような気がして、いろいろと考え回すのでありました。 そして、車が家へつくころ、やっと気づいたのは、例の番号札のことでした。わたしは、車を降りると家の中へ駆け込み、書斎にあった変装用の服のポケットから、その番号札を捜し出しました。見ると、そこには横文字で十七としるされています。ところで、ゆうべのわたしの番号は、わたしははっきり覚えていました。それは十一なのです。わかりました。それは井関さんの罪でも、だれの罪でもないのです。わたし自身の取り返しのつかぬ失策なのです。わたしは井関さんから前もって、その札を渡された時、まちがわぬようにと、くれぐれも注意があったにもかかわらず、よくも見ておかないで、あの会場の激情的な空気の中で、そぞろ心に札を見たのです。そして1と7とをまちがえて、十一番と呼ばれた時に返事をしたのだす。でも、ただ番号のまちがいくらいから、こんな大事をひき起こそうとは、だれが想像しましょう。わたしは二十日会などという気まぐれなクラブに加入したことを、いまさら後悔しないではいられませんでした。 それにしても、井上までがその番号をまちがえたというのは、どこまでいたずらな運命だしょう。おそらく彼は、わたしが十一番の時に答えたため、自分の札を十七番と誤信してしまったのでしょう。それと、井関さんの数字は、7を1とまちがえやすいような書体だったのです。 井上次郎と、わたしの妻のことは、わたし自身の場合に引き比べて、推察にかたくありません。わたしの変装については、妻は少しも知らないのですし、彼らもまた、わたし同様、狂者のように酔っぱらっていたのですから。そして、なによりの証拠は、ひと間にとじこもって、わたしに顔を見せようともせぬ妻のそぶりです。もう疑うところはありません。 わたしはじっと書斎に立ちつくしていました。わたしにはもはや、ものを考える力もありませんでした。ただ焼きつくように、わたしの頭を襲うものは、おそらく一生涯消え去る時のない、わたしの妻に対する、井上次郎に対する、その妻春子に対する、唾棄《だき》すべき感情のみでありました。
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【ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~】【ラノベ】【ファンタジー】【萌え】【アニメ】【2008】【8】 公式 wiki なんとか動画 才人を巡る恋のライバル関係に決着をつけるため、シエスタはルイズに勝負を提案する!! それは翌日催される「スレイプニィルの舞踏会」で、才人がルイズを見つけることが出来るかどうかというもの。ただし、この舞踏会は「真実の鏡」というマジックアイテムで、自分がもっとも憧れる人物の姿に変身して行うという趣向のイベントである。絶対に負けられないルイズは、才人に自分を見つけられたら「この間の夜の続きをしてあげる」という大胆な約束をする。そして舞踏会当日、会場で才人は首尾良くルイズの姿を見つけるのだが・・・。 じじいの美的センスに嫉妬。 ファットも女の子に変身してたけど、もし変身出来るなら女の子になりたいです。 いや、ほんと、本気で、普通に男でも結構いると思うんだ。 ね?(確認 流石、ロイヤルビッチだ。期待を裏切らないぜ。 自分の理想の女の子、その彼氏に手をつけるってのは……。 理想を汚すという背徳心で興奮するタイプですね? ゲェッ!茶番劇だッ! もう虚無とかどうでもいいからサイドストーリーに戻して欲しいわ。 ハゲも生きてたのは嬉しいけど、来週の予告で全く触れてなくて泣いた。 視聴者とスタッフの意識に違いがありすぎる。 名前 コメント
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フーケ討伐-フリッグの舞踏会 ルイズ、キュルケ、タバサの三人は、犯行の目撃者として学院長室に呼び出された。 そこには学院の教師達がほぼ全員集まっていた。 「ふむ……、目撃者は君たちか」 オスマン氏はそう言いながら興味深そうにルイズを見つめた。 ルイズはどうして自分がじろじろ見られるのかわからず、居心地の悪さを感じた。 「詳しく説明してみたまえ」 ルイズが進み出て、見たままを述べた。 巨大な土のゴーレムが本塔の窓を破壊し、黒いローブをかぶったメイジが宝物庫のある五階に 消えていったこと。 しばらくして戻ってきたメイジは『破壊の杖』と思われるものを携えていて、ゴーレムに乗って逃亡したこと。 ゴーレムは最後には崩れて土に戻ってしまったこと。 「それで?」 「後には土しかありませんでした。肩に乗っていた黒いローブを着たメイジは、影も形もなくなっていました」 「ふむ……後を追おうにも、手がかりナシということか」 オスマン氏が長い白髭を撫でた。それから思い出したようにコルベールに尋ねる。 「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」 「それがその……、朝から姿が見えませんで」 「この非常時に、どこに行ったのじゃ」 「どこなんでしょう?」 そんな風にうわさをしていると、そこに当のミス・ロングビルが現れた。 「ミス・ロングビル! どこに行っていたんですか! 大変ですぞ! 事件ですぞ!」 興奮した調子でまくし立てるコルベールを歯牙にもかけず、ミス・ロングビルは落ち着き払った態度で、 オスマン氏に告げた。 「申し訳ありません。朝から、急いで調査をしておりましたの」 「調査?」 「土くれのフーケの居所がわかりました」 「な、なんですと!」 コルベールが素っ頓狂な声をあげた。 早朝から付近で聞き込み調査を行ったミス・ロングビルの説明によれば、フーケらしき人物の目撃談が 上がったのは、ここから馬でほんの4時間ばかりの森の中にある廃屋でのことらしい。 すぐに王室に報告して兵隊を差し向けてもらおうという進言を、オスマン氏は一蹴した。 身にかかる火の粉を己で払えぬようで何が貴族か、そう恫喝するオールド・オスマンは、年寄りとは思えぬ 迫力であった。 しかし、捜索隊の編成を宣言したオスマン氏に向かい、名乗りを上げる教師は皆無だった。 重苦しい沈黙がのしかかる室内で、すっと一本の杖が掲げられた。 ルイズだった。 「ミス・ヴァリエール!」 ミセス・シュヴルーズが、驚いた声をあげた。 「何をしているのです! あなたは生徒ではありませんか! ここは教師に任せて……」 「誰も掲げないじゃないですか」 ルイズはきっと唇を強く結んで言い放った。 ルイズがそのように杖を掲げているのを見て、しぶしぶキュルケも杖を掲げた。 「ヴァリエールには負けられませんわ」 キュルケが杖を掲げるのを見て、タバサも掲げた。 「タバサ。あんたはいいのよ。関係ないんだから」 キュルケがそう言ったら、タバサは短く答えた。 「心配」 そんな三人の様子を見て、オスマン氏は笑った。 「そうか。では頼むとしようか」 当然反対の声が上がる。生徒たちをそんな危険な目に遭わせるわけにはいかない、ということだ。 しかしそんな反対意見に、オスマン氏は取り合わない。 「彼女たちは、敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと 聞いているが?」 教師たちは驚いたようにタバサを見つめた。 「本当なの、タバサ?」 『シュヴァリエ』は王室から与えられる爵位としては最下級のものではあるが、他の爵位が金で領地を 買って獲得することもできるのに対し、シュヴァリエだけはそうはいかない。 いわば実力の証なのだ。 学院長室の中がざわめいた。オスマン氏は、それからキュルケを見つめた。 「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、 かなり強力と聞いているが?」 キュルケは得意げに、髪をかきあげた。 それから、自分の番だとばかりに胸を張るルイズの方を見て、オスマン氏は困ってしまった。 誉めるところがなかなか見つからなかった。 こほん、と咳をすると、オスマン氏は目を逸らした。 「その……ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で、 その、うむ、なんだ、将来有望なメイジと聞いているが? …しかもその使い魔は!」 ちょうどその瞬間、学院長室のドアがノックもなしに開けられた。 「コーホー」 室内の気温が、一気に下がった。 「僕も行くぞ」 開口一番、ベイダーはそう言った。 「ベイダー!」 ルイズが驚いて詰め寄った。 ここにいる教師たちはみな名のある家柄の貴族だ。非礼がすぎるのではないか――不安になったルイズが 肩越しに教師たちの方を見ると、誰もこちらを見て…否、見ようとしていなかった。 「宝物庫の扉を見てきた。一部は魔法で土に変えられていたが、残りの部分はライトセイバーで焼き切られていた。 その盗賊を捕らえればライトセイバーが取り戻せる」 オスマン氏はそんなベイダー卿を上目遣いに見つめた。 「ミス・ヴァリエールの使い魔は、平民ながらあのグラモン元帥の息子である、ギーシュ・ド・グラモンと 決闘して勝ったという噂だが」 オスマン氏は思った。彼が、本当に、本当に伝説の『ガンダールヴ』なら……。 土くれのフーケに、遅れを取ることもあるまい。 コルベールが興奮した調子で、後を引き取った。 「そうですぞ! なにせ、彼はガンダー――ぶるぁッ」 オスマン氏は慌ててコルベールの口を押さえていた。 「むぐ! はぁ! いえ、なんでもありません! はい!」 教師たちはすっかり黙ってしまっていた。 「この三人に勝てるという者がいるのなら、前に一歩出たまえ」 誰もいなかった。 むしろみな、三人というより、その後ろに控えている人影の方を見ようとしない。 オスマン氏は改めてルイズたちに向き直り、高らかに宣言した。 「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」 ルイズたちがさっと直立の姿勢をとる。 「この杖にかけて!」 三人が同時に唱和し、それからスカートの裾をつまんで恭しく礼をした。 「コーホー」 詳しい場所を知っているというミス・ロングビルを案内役に、一行はさっそく出発した。 現地に着くまで魔法を温存するため、移動手段は馬車だ。 ミス・ロングビルが御者役を買って出た。 体格の関係上、ルイズとキュルケが並び、ベイダー卿の隣には一番小柄なタバサが座った。 ルイズは目の前に腕組みをして座るベイダーに、意地悪く言った。 「馬じゃなくてよかったわね」 「黙れ。その首を引き抜くぞ」 ベイダー卿はその背後に控え、腕組みをしたまま仁王立ちしていた。 ルイズがふと視線をずらすと、馬車の上でも本を広げているタバサが、いつもの異様に長い杖の他に、 一振りの剣を携えているのが目に入った。 「タバサ、それ何?」 「その内役に立つかもしれない」 会話はそれで打ち切りだった。ルイズはそれ以上の追求を諦めた。 ルイズにはまだ、タバサとの接し方がいまひとつ把握できていないのである。 ちょうど四時間あまり経った頃、馬車は深い森に入っていった。 昼間だというのに薄暗く、気味が悪い。 いつしか皆無言になり、荷台の中には重苦しい雰囲気が立ち込めていた。 響くのは馬車の車輪の回る音と、風が枝葉を鳴らす音。 ……そして、こんな時でもいやに規則正しいベイダー卿の呼吸音だけだった。 この音が、かえって四人の不安をあおる。 「ここから先は徒歩で行きましょう」 ミス・ロングビルのその言葉に従い、全員が馬車から降りた。 森をしばらく歩くと、一行は開けた場所に出た。 木々の中の空き地といった風情である。 その真ん中に、確かに廃屋があった。 「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」 ミス・ロングビルが廃屋を指差す。 使われなくなった炭焼き小屋だろうか。 盗賊が一時しのぎの隠れ家にするのにはもってこいである。 ただ、人の気配がしない。 「どうする?」 「囮を立てましょう。あの中じゃ巨大ゴーレムは作れないわ」 一同は、小屋からは死角となる茂みの陰に隠れて作戦を立てることにした。 したのだが……。 「見るまでもない。中は無人だ」 ベイダー卿がすっくと立ち上がった。 「わ、馬鹿!」 ルイズが慌ててその頭を押さえようとするが、既に遅い。 木々の合間から差し込む陽光が黒いヘルメットに当たって、ギラリと光った。 小屋の窓から賊が窺っていたら、間違いなく見つかったろう。 だが、やはり小屋の中に動きはない。 「お願いだから先走らないでよ。メイジにはメイジなりの戦い方があるんだから」 ルイズが噛んで含めるように言った。 結局ベイダー卿が囮兼偵察役として、小屋の中に踏み込むことになったのだ。 中にフーケがいたら戦闘を避けて外におびき出すこと。 フーケが小屋から出てきたらみんなで一斉に魔法をぶつけることが確認された。 「いい? 秘宝を隠してる可能性もあるから、間違っても殺しちゃダメよ?」 ルイズが念を押した。 そして、ちょっとだけはにかんだ表情を浮かべて、続ける。 「えっと……、メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー」 一同がハラハラしながら見守る中、ベイダーがろくに警戒せずに大またで小屋の入り口に向かう。 すぐにその姿は廃屋の中に消えていった。 今にもフーケが出てくるのではないか……、最前列に隠れるルイズは、自分の心音がどんどん 大きくなっていくのを止める術がなかった。 そんな、一行の中でも一番緊張していると思しきルイズの背に向かい、キュルケが憎まれ口を叩いた。 「みんなで一斉攻撃なんて、あんた魔法も使えないくせに」 「う、うるさいわね」 「間違っても破壊の杖を爆発させちゃダメよ、ゼロのルイズ?」 「……ッ!」 ルイズがさらに食ってかかろうとするのを、タバサが遮った。 「出てきた」 ルイズとキュルケもハッとして前に向き直る。 その言葉通り、ベイダーが何事もなかったように小屋の戸をくぐって姿を現したところだった。 そしてその手に、不思議な形状の道具が抱えられているのを見て、誰からともなく声が出た。 「破壊の杖」 隠れ家にしていた茂みからルイズたちが出てきたのを確認して、ベイダー卿はその道具を 地面に下ろした。 一同がそれを取り囲み、見下ろす。 「これが『破壊の杖』だと言うのか」 「そうよ。宝物庫見学で見たことがあるから、間違いないわ」 キュルケが頷いた。 「意外とあっけなかったわね」 ルイズが安堵と失望の入り混じった表情を浮かべる。 少し辺りを偵察してくる、そう言って、ミス・ロングビルは木立の間に分け入っていった。 ベイダー卿はもう一度破壊の杖を手にとってみた。 左手のルーンが輝く。 当然ベイダー卿はそれが何であるかは知っていた。 かなり古い形式……というよりほとんどハンドメイドに近い。 だが、この『破壊の杖』を手にした時にどういうわけか頭の中に流れ込んできた情報が、 その隠れた危険性を知らせていた。 「なんでこんなものがここに」 「ベイダー、あんた知ってるの?」 ベイダーが頷く。 そして彼が言葉を接ごうとしたその時、辺りに地鳴りが響いた。 廃屋の背後の土が見る見る盛り上がり、不恰好な巨人の形をとる。 そのひと踏みで、小屋がぺしゃんこになった。 「フーケのゴーレムよ!」 キュルケが悲鳴を上げた。 タバサが真っ先に反応した。 自分の背丈よりも長い杖を一振り。氷雪混じりの竜巻を作り、ゴーレムにぶつける。 だがゴーレムはびくともしない。 続いてキュルケが放った炎がゴーレムを包んだ。 だが、ゴーレムはその身を焼かれてもまったく意に介さず、歩みを進めてくる。 「無理よ、こんなの!」 キュルケが叫んだ。 「退却」 タバサが呟く。 キュルケとタバサは一目散に駆け出した。 残されたルイズは、しかしながらその後を追って逃げようとしなかった。 決死の表情で呪文を唱え、杖を振るう。 巨大なゴーレムの表面で、爆発が起こった。 だが、やはり効果はない。 ルイズはさらに呪文を唱えようとする。 「退却だ」 傍らに立つベイダー卿が、珍しく焦った声を出した。 しかしルイズは耳を貸さない。 「いやよ! あいつを捕まえれば、誰ももう、わたしをゼロのルイズとは呼ばないでしょ!」 目が真剣だった。 ゴーレムが二人を踏み潰さんとして大きく足を上げた。 ルイズは再び杖を振るう。 今度も失敗だ。腰の辺りが弾けたが、巨大ゴーレムにとって、表面が多少抉られようとも痛くも 痒くもないようだ。 ルイズの視界に、ゴーレムの足の裏が広がる。 ルイズは目をつぶった。 だが、ルイズを押しつぶすはずの衝撃は、いつまで経ってもやって来なかった。 ルイズはおそるおそる目を開けた。 ゴーレムの足は、ルイズの頭上四、五メイルの所で止まっていた。 そしてルイズは見た。 その真下で、彼女の使い魔が両手を上に掲げ、のしかかってくる巨大な重量に不可視の力で 抗しているのを。 「早く行け。長くは持たない」 その言葉通り、少しずつゴーレムの足が下がってくる。 これだけの重量を支えるのは、ベイダー卿にとっても楽ではないようだ。 「いやよ!」 しかしルイズはそれでも首を振る。 ベイダーはルイズの方を振り返り、彼女をしばらく見つめた後、顎をくいっとしゃくった。 その動作に合わせて、ルイズが十メイル近く後方に飛ばされた。 破壊の杖が落ちている辺りまで転がり、止まる。 「死にたいのならそう言え。ダークサイドの恐怖をその身にたっぷり刻んで殺してやる。 …だが、今はその時ではない。違うか?」 その声の持つ迫力に、銀河の中で誰が逆らえただろう。 黙って頷く以外に、ルイズに選択肢はなかった。 「ルイズ、ほら早く!」 その頭上から、シルフィードに乗ったキュルケが手を伸ばした。 どうやらタバサが後を追尾させてきていたらしい。 キュルケらによってルイズと破壊の杖が竜の上に引きずり上げられるのを確認したベイダー卿は、 満足そうに小さく頷いた。 既にゴーレムの足は彼の頭上50サント程度まで迫ってきている。 「ベイダー!!」 シルフィードの背から、再びルイズが叫んだ。 その声に反応し、ベイダーが彼女の方を向いた。 そして、ルイズの視線の先で―― 「卿をつけろと言ったはずだ、マスター」 掲げた左手だけを残し、いったん右手をぐっと腰まで下げてから、渾身の力を込めて突き上げる。 片足を下からすくわれる形で、土造りのゴーレムが木々をなぎ払いながら転倒した。 (さて…) ベイダーは腰に佩いた長剣を右手で抜いた。 左手の甲のルーンが光る。 半分機械の体が、羽のように軽くなった。 このルーンのせいか、どうも武器を握ると、フォースの力を借りた時に匹敵するほど身体能力が 上がるらしい。 「悪くはないな」 そう呟くベイダー卿の目の前で、土煙を上げながらゴーレムが立ち上がった。 人間とは思えぬ速度でベイダーの巨躯が駆け出した。 風竜のシルフィードの背で、ルイズたち三人はベイダー卿の戦いぶりを見ていた。 巨大なゴーレムは、ベイダーの動きにまったくついていけず、レイピアでちくちくやられていた。 「相変わらず大したもんね、あんたの使い魔は」 キュルケが目を見張る。 タバサも首肯した。 ただ、ルイズだけは首を傾げる。 「でも、なんだか、いつもと違う気がする」 キュルケが不思議そうにルイズの顔を横目で見た。 「そう? でも、どっちにしろ、あんな剣一本じゃ…」 キュルケがそう呟いた直後、疲労が溜まっていたのであろう、ベイダーが手にしたレイピアが折れた。 「あ!」 ルイズとキュルケが同時に声を上げた。 「あんたがあんな安物買い与えるから!」 「う、うるさいわね!」 口論を始める二人を尻目に、タバサだけが冷静だった。 シルフィードを操り、得物が折れたのを見てゴーレムからやや距離を取ったベイダー卿のそばに寄せる。 「ベイダー卿」 この星に来てから初めてそう呼ばれたような気がして、ベイダーは思わず頭上を仰いだ。 「これを」 タバサが手にした大剣、デルフリンガーを鞘ごと投げ落とす。 「じょ、冗談じゃねえや、貴族の娘っ子!」 インテリジェンスソードが情けない声を上げた。 ベイダーは受け取りざまに鞘を払い、抜き身の剣をまじまじと見た。 「喋る剣…ドロイドか?」 「よ、よお。この先世話んなるぜ、相棒」 「ダース・ベイダーだ」 錆びた剣だが、先ほどのものよりはマシのようだ――そう判断し、ベイダーは再びゴーレムに 向かっていった。 「あれでもダメじゃない」 上空を飛ぶシルフィードの背で、キュルケが絶望的な声を上げた。 新しい得物を手にしたベイダー卿ではあったが、巨大すぎるゴーレム相手には効果的なダメージを 与えられずにいた。 たしかにさっきのレイピアに比べればはるかに打撃力が高く、時には手足を切り落とすのに成功する こともある。 だが、そのたびにゴーレムは再生した。 元が単なる土だけに、痛みも恐怖も感じないようである。 錆びてボロボロの見た目からは想像できないほどの切れ味と耐久性を見せるデルフリンガーであったが、 やはり決定打に欠けた。 何か、一撃でバラバラにするような手段がなければ…… そう思案していたルイズは、ハッとして自分が抱えてる道具を見た。 クロムメッキに塗りつぶされたその道具が、おそらくは数十年ぶりに浴びるのであろう日光を照り返して、 表面を鈍く光らせた。 ゴーレムと立ち回りを演じるベイダー卿の視界の隅に、ルイズがまたしても竜から飛び降りるのが 映った。 しかもその両手で、よりにもよって破壊の杖を抱えている。 「よせ」 タバサにかけてもらったレビテーションで難なく着地したルイズが、ゴーレムの背に向かって破壊の杖を ぶんぶん振るのを見て、ベイダーもさすがに肝を冷やした。 現用のものならありえないことだが、あれはずいぶんな年代ものでしかもおそらく海賊製品だ。 何が起こってもおかしくない。 「何よこれ! 魔法なんて出ないじゃない!」 それでもルイズは破壊の杖を離さない。 慌ててルイズに駆け寄ろうとするベイダーの行く手を、土のゴーレムが遮る。 「邪魔をするな」 ベイダーが思い切り腕を振ると、ゴーレムがまた足をすくわれて倒れた。 その隙に、ルーンの効果にフォースを上乗せして弾丸のように駆けるベイダー。 その手が軽く上がると、破壊の杖がルイズの両手を離れてベイダーの掌に収まった。 「ひっ!」 ルイズはいつの間にか隣にいたベイダーに驚いて悲鳴を上げた。 彼女の動揺が収まるより早く、ベイダーは手にした破壊の杖の準備を終えていた。 無論初めて見るタイプではあるが、元々ベイダーはメカニックの天才である。 その上、左手に光るルーンが、使い方を教えてくれていた。 「上の連中にできるだけ離れるように言え。僕らも走るぞ」 ルイズは頷き、走り出す。ベイダーもその背を追った。 「タバサ! できるだけ離れて!」 『風』系統のメイジは押しなべて耳が良い。 ルイズの叫びを瞬時に理解したタバサが、シルフィードを一気に上昇させた。 さして足の速くないルイズに業を煮やし、ベイダーは手にしたデルフリンガーを森の奥目がけて 放り投げ、片腕に彼女を抱きかかえた。 「うひゃあああぁぁぁっ!」 デルフリンガーの情けない悲鳴を無視し、一気に加速する。 十分距離を取った――広場の切れ目近くに差し掛かったベイダーはそう判断すると、振り向きざまに 破壊の杖の引き金を引いた。 「どうもこいつを倒さねば、賊は出てくる気はないようだからな」 シュポンッ! と瓶の栓を抜くような音が響き渡り、黒い塊が火と煙の尾を引いてゴーレムに向かって いった。 ショック緩衝材と推進剤からなる弾頭が巨体の胸の辺りに吸い込まれる。 ベイダーはルイズを胸の下に組み敷く形で木々の間に飛び込んだ。 爆発―― 閃光―― 核融合反応による想像を絶する熱量が放出され、半径20メートルあまりの空間を塵も残さず 焼き尽くした。 サーマル・デトネーター。 バラディウムの核融合反応による熱エネルギーで、あらゆる物を破壊する爆発物である。 放射能を撒き散らすことはないが、その破壊力と、些細な取り扱いのミスで爆発する危険性から 銀河中で規制され、所持しているだけで死刑判決を受ける星系も少なくない。 『破壊の杖』は、グレネードランチャーの弾頭にサーマル・デトネーターを仕込んだ代物であったらしい。 (どこのならず者がこんな真似を……) 爆風からルイズをかばう形で倒れこんだベイダー卿は、そのままの姿勢で呻いていた。 (ブラックサンの連中か。やはり早めにつぶしておかねば――) 「ちょっと……、いつまで乗っかってるのよ。重いじゃない」 ベイダー卿の思考を中断させる声。 胸の下でルイズがあがいていた。 そこでようやくベイダーも立ち上がり、ルイズを引き起こす。 広場を振り返れば、惨憺たる有様が広がっていた。 ゴーレムの姿は当然跡形もなく消し飛んでおり、溶岩状になった爆心地を中心に、土がめくれて 波のような起伏を成していた。 「こりゃたしかに『破壊の杖』だわ」 ルイズの傍らに、シルフィードからタバサとキュルケが降りてきた。 ベイダーが忌々しい物ででもあるかのように、破壊の杖を地面に捨てた。 爆発するのではないかと思ったルイズたち三人はとっさに地面に伏せたが、破壊の杖は うんともすんとも言わなかった。 三人がおそるおそる立ち上がる。 どうやら大丈夫のようだ。 「ミス・ロングビル」 タバサがふと思い出して辺りに視線を走らせた。 「あ!」 ルイズとキュルケが同時に声を上げた。 「まさか、爆発に巻き込まれて……!」 だとしたら、骨片さえ残っていないだろう。 「どどど、どうすんのよ、ベイダー!」 「コーホー」 「ご心配なく」 不意にかけられた声と共に伸びてきた手が、地面に転がる破壊の杖を拾い上げた。 「ミス・ロングビル!」 三人が驚きと安堵の声を上げる。 しかし、次にミス・ロングビルの取った行動は予想を裏切るものであった。 普段のイメージとは異なるはすっぱな笑いを浮かべながら、破壊の杖の砲口をルイズたちに 向けて構えたのだ。 「どういうことですか?」 ルイズは唖然として、ミス・ロングビルを見ていた。 「さっきのゴーレムを操っていたのは、わたし」 「え、じゃあ、あなたが……」 目の前の女性は眼鏡をはずした。優しそうだった目が吊り上がり、猛禽類のような目つきに 変わる。 「そう。わたしが『土くれ』のフーケ。伝えられている通りとんでもない代物ね、この『破壊の杖』は。 おっと、動かないで。一瞬で蒸発したくなければね。全員、杖を遠くに投げなさい」 『破壊の杖』はぴたりと四人を狙っていた。 しかたなく、ルイズたちは杖を放り投げた。これでもうメイジは魔法を使うことが出来ない。 「コーホー」 ベイダー卿には投げるべきものがなかった。 「わたしね、この『破壊の杖』を奪ったはいいけど、使い方がわからなかったのよね」 ミス・ロングビル、いや、土くれのフーケは、聞かれてもいないのに、冥土の土産とばかりに 語りだした。 「使い方?」 「ええ。振っても魔法をかけても、この杖はうんともすんとも言わないんだもの。使い方が わからないんじゃ、宝の持ち腐れでしょ? そこであなたたちにこれを使わせて、使い方を 知ろうとしたわけ」 自分の計画どおりに事が運んだのがよほど愉快なのだろう、フーケはいやに饒舌だ。 そしてそうやって喋りながらも、その足は一歩ずつ後退してゆく。安全距離を取るつもりだ。 ルイズがぎりり、と歯噛みした。 「それで、わたしたちをここまで案内してきたってわけ?」 「そうよ。魔法学院の者なら知っててもおかしくないでしょ。それにね、わたし、『破壊の杖』を 一目見て確信したの」 フーケはそこで言葉を切り、破壊の杖を構えたまま上衣の裾をめくって見せた。 「そこの使い魔の持ってたこの武器と、『破壊の杖』は同じ技術体系で作られたってね」 裏にこしらえられた隠しポケットから、銀の円筒状の道具が顔を覗かせていた。 「案の定、そこの平民は使い方を知っていたわね。便利ねえ、これ。スクウェアメイジが『固定化』の 魔法をかけた鉄の扉も焼き切れちゃうんだもの」 じりじりと後ろに下がっていたフーケが、そこで足を止めた。 『破壊の杖』を使用するのに、十分な距離を取ったと判断したようだ。 「お別れね。短い間だったけど、楽しかったわ。さようなら」 キュルケは観念して目をつぶった。 タバサも目をつぶった。 ルイズも目をつぶった。 ベイダー卿も目をつぶったかは誰にもわからないが、その代わり、彼は足を一歩前に踏み出した。 「勇気があるのね」 フーケはそれでも余裕の態度を崩さない。 「愚かな。サーマル・デトネーターを仕込んだ弾頭を複数装填できるランチャーなどあるわけが ないだろう。一発目を撃ったショックで全弾誘爆してしまう」 「な、何を言って……」 言い知れぬ不安に駆られ、フーケは引き金を引こうとした。 だがその前にベイダー卿の手が小さく動き、それに応じて破壊の杖は彼女の手を離れた。 フーケは慌てて隠していた魔法の杖を引き抜く。 それとほぼ同時にベイダー卿が破壊の杖をキャッチし、砲口をフーケに向けると引き金を引いた。 「ひっ!」 フーケが悲鳴を上げ、顔を背けた。 だが、先ほどのような爆発は起こらなかった。 「あ……」 気の抜けたような表情を浮かべたフーケに、ベイダーは宣告した。 「わかったろう。これは一発しか撃てない武器だ。だがこれを餌にすれば、必ず賊が釣れると 踏んでいた」 その手が再び軽く動く。フーケの上着の裾の裏からライトセイバーが飛び出した。 「うっ、くっ……」 フーケが呪文を唱え始めるのと、ベイダー卿がライトセイバーを片手で受け止めるのとは ほぼ同時だった。 そしてさらに―― 「お釣りだ」 手にした『破壊の杖』を、フーケ目がけてフォースで放った。 フーケの呪文が完成するはるか以前に、唸りを上げて飛んできた『破壊の杖』がその腹に めりこんでいた。 フーケが無言で崩れ落ちる。 「ベイダー……?」 「卿をつけろと言ったはずだ」 その手に再び、フーケを打ち倒した『破壊の杖』が戻ってきた。 歓声が上がる。 ルイズたちは任務を果たしたのだ。 「おい、相棒! 貴族の娘っ子! まさか俺を忘れてるんじゃ……」 ゆっくりと陽が落ち始めた無人の森の中、一本の木の幹に突き刺さったままのデルフリンガーが 情けない声を上げた。 117 ◆lImSxXZHHg [ 104把握] 2007/05/02(水) 00 12 52.75 ID 5RtRgVVd0 学院長室で、オスマン氏は戻ったルイズたち三人の報告を聞いていた。 「ふむ……。まさかミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとはな……。美人だったもので、 酒場で意気投合した勢いでなんの疑いもせず秘書に採用してしまった」 死んだ方がいいのでは?――口には出さなかったものの、その場にいた全員がそう思っていた。 そんな白けた空気を感じ取ったのか、オスマン氏はこほんと咳をして、話を続けた。 「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ、『破壊の杖』を取り戻してきてくれた」 誇らしげに、ルイズたち三人が礼をした。 「フーケは、城の衛士に引き渡した。『破壊の杖』は、無事に宝物庫に収まった。一件落着じゃ」 オスマン氏は三人の頭を一人ずつ撫でた。 「君たちへの褒章は、追って王室から沙汰があろう。期待していていいぞ」 三人の顔がぱあっと輝いた。 だが、ちょっと考え直した様子のルイズの顔がわずかに曇った。 「オールド・オスマン。ベイダーには何もないんですか?」 「残念ながら、彼は貴族ではない」 オスマン氏は首を横に振った。 それを聞き、ルイズはさらに浮かない顔になった。 今回のフーケ討伐は、ほとんどベイダーの手柄だ。 自分は何もしていないに等しいのに―― すると、朝方もそうであったように、ノックもなしに学院長室のドアが突然開いた。 「かまわない。銀河を遍く支配する今の力以上に望むものなどない」 さも当然の如く、ベイダー卿が室内に姿を現した。 「……そう。まあ、あんたの誇大妄想は聞き飽きたけど、あんたがそれでいいならわたしは何も 言わないわ」 「コーホー」 オスマン氏はぽんぽんと手を打った。 「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。このとおり、『破壊の杖』も戻ってきたし、 予定どおり執り行う」 キュルケの顔が輝いた。 「そうでしたわ! フーケの騒ぎで忘れておりました!」 『フリッグの舞踏会』は、なんということもない貴族趣味丸出しのパーティなのだが、その席で 踊ったカップルは必ず結ばれるとまことしやかに言い伝えられている。 「今日の主役は君たちじゃ! 用意をしてきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」 三人は礼をするとドアに向かっていった。 ルイズはすれ違いざまにベイダーをちらっと見上げ、つかの間立ち止まったが、そのままドアを 開けて退出していった。 部屋にはベイダー卿とオスマン氏だけが残された。 「さて、と。何か聞きたいことがあるようじゃの」 「あの『破壊の杖』とやらをどこで手に入れたか聞いておきたい。あれは極めて危険な代物だ」 オスマン氏は首を振った。 「残念じゃが、わしもよくわからぬ。五年ほど前に、突如として現れ、トリステインの村々を襲って 回った二人の亜人種がいた。彼らは見たこともない威力の武器を持ち、それぞれ一本ずつ 破壊の杖を持っておった。腕利きのメイジが何人も殺されたが、最後にはとうとう、『風』の スクウェアメイジの青年によって倒されたという。『破壊の杖』の一本は使用され、一つの村が 壊滅した。こちらはそのメイジに破壊されたが、もう一本は無傷で手に入り、当学院の堅固な 宝物庫に収められて門外不出の秘宝とされた、というわけじゃ なるほど――ベイダーは小さく頷いた。 自分以前にもこの星に呼び出されたか、ハイパースペース・ドライブの失敗で不時着してしまった 者がいたのだ。 あんなものを持っていたところを見ると、かなり凶悪なエイリアン種の犯罪者か賞金稼ぎの類だった のだろう。 ブラスター銃やサーマル・デトネーターで武装した者が二人もいたら、この星では相当な脅威に なったにちがいない。 「そうそう。その左手のルーンのことなら知っておるぞ。それは始祖ブリミルの伝説の使い魔、 『ガンダールヴ』の印じゃ」 「伝説?」 「言い伝えによると、『ガンダールヴ』はありとあらゆる『武器』を使いこなしたそうじゃ」 ベイダー卿はまた小さく頷いた。このルーンがそうした類のものなら、剣を握った途端フォースの 助けなしに人間離れした動きができたのも、調べてもいないのにサーマル・デトネーターが 装填されていることがわかったのも納得できる。 「参考までに聞いておこう。そのメイジの名は?」 「なんでもその時の功が認められて、若くしてトリスタニアの魔法衛士隊の隊長に任じられた そうじゃ。名を、『閃光』のワルド、ワルド子爵という」 ベイダーはそれだけ聞くと、一礼もせずにオスマン氏に背を向け、学院長室から退出した。 ようやく一人になったオスマン氏は、大儀そうに椅子に身を沈めた。 「ふぅ。あの使い魔と面と向かって話をするのは疲れるわい」 四六時中一緒にいるルイズに、畏敬の念さえ抱いてしまうオスマン氏であった。 「ようよう、相棒! パーティ会場はそっちじゃないぜ」 腰の剣がうるさくがなり立てた。 きっと役に立つから、というタバサに根負けして、ライトセイバーの下に差している。 「興味ない」 「おめえもつれねえ奴だな。きっとあの桃色の髪の貴族の娘っ子、相棒を待ってるぜ。 いや、ひょっとすると他にも――えぶっ」 ベイダー卿がフォースを送って、デルフリンガーを思い切り鞘の中に突っ込んだ。 「シスの暗黒卿が舞踏会だと? 冗談ではない」 口ぶりとは裏腹に、どことなく後ろ髪を引かれているかのような足取りで、ベイダー卿は 自室に向かった。 珍しく、久しぶりに一人で星空を見たい気分だった。 一方、こちらは食堂の上の階の大ホール。ここが今日のパーティの会場だ。 着飾ったルイズの美しさに、それまでゼロのルイズと呼んでからかっていた同級生たちまでもが 驚き、群がってダンスを申し込んできた。 だがルイズはそれを全部丁重に断り、どうにかこうにかバルコニーに逃れてきたところだ。 「……ま、あいつが来るわけないわよね」 思わず口に出して呟いてしまい、ルイズは自分の愚かな考えを振り払おうとぶんぶん頭を振った。 と、その拍子に、驚いたことにバルコニーに先客がいるのがわかった。 ルイズと同じく着飾った、小柄なメガネの少女。 「タバサ!」 ルイズは声をかけた。タバサが振り向く。 「踊らないの?」 着飾ってこのホールにやってきたということは、ダンスをしにきたということだろう。 だが、その質問には答えず、タバサは再びバルコニーの手摺に手をついて上を見上げた。 「星」 「え?」 「星を見ていた」 「……そう」 ルイズもタバサの隣に並んで上を見上げた。 背後のホールから、オーケストラの奏でる音楽が流れてきた。 ざわめきがいくつも起こり、続いて皆が一定のリズムでステップを踏み出すのが、こちらの 足元まで伝わる。 「ベイダーは違う星から来たって言ってたわ。まだ完全に信じちゃいないけど、あの『破壊の杖』の 威力を見せられたら、少しは信用せざるを得ないかもね。……でも、それならあの星のひとつひとつにも 色んな人間が住んでたりするのかな?」 ルイズが明るい一等星を指差す。 「わからない」 その星を見つめたまま、タバサがポツリと答えた。 今にも降り注いできそうな、満点の星空だった。 (お馴染みの星空背景でエンディング) 前のページへ / 次のページへ
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でんきぱれーどのぶとうかい【登録タグ VOCALOID て ネギシャワーp 初音ミク 曲】 作詞:ネギシャワーP 作曲:ネギシャワーP 編曲:ネギシャワーP 唄:初音ミク 曲紹介 こんにちは、ネギシャワーPです。「夜のパレード」をテーマにしたボカロ曲を作りました。 イラストはつちのこ氏が手がける 歌詞 (ネギシャワーPのブログより転載) 偶然の綻び 揺らぐ灯火 必然はテレパシー Don’t you see me? 世界は花色 体裁、隠された傀儡のregret Lilac 秘密を添えて 精悍、スクリーンに映し出されるなら とびきりの笑顔で! 退屈な街の中で踊りましょう Fake out アインツヴァイドライ 曖昧lifeの果ては未来 瞬いて starlight, starlight ムーラン・ド・ラ・ギャレットのように tonight 幽玄の花びら さらさら 澄んだ心の雫 見たいんじゃない? さあ、join us 電気パレード ウォーアイニー 暁の描く篝火 撫ぜるカンタービレ Don’t you see me? 揺らいだ Innocent flowers Dancehall 嘘と電子stepの隙間に やっと零れたanswer Blood moon アンドロイドたちの繋ぐ歌は 霞む空に溶けて 逆説的な回路から抜け出して 往来 ウノドストレス 爪を隠すはnonsense chain 瞬いて starlight, starlight 眩んで上がるボルテージ 未来世界 「夢の果てまで」なんて、まだ 着こなせない言葉さ 今、まだ So, dance all night 電気パレード 瞬いて starlight, starlight 電波に溢れた正解 Party never ends まだまだ 伸ばした手 離さない 瞬いて starlight, starlight ムーラン・ド・ラ・ギャレットのように tonight 幽玄の花びら さらさら 澄んだ心の雫 見たいんじゃない? さあ、join us 電気パレード ツギハギも上等 そう、let me see your smile! 浮き足の影を響かせて 光の中へ コメント 名前 コメント
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機械仕掛けの城での舞踏 ◆6XQgLQ9rNg 低い地響きが、断続的に響いている。それに合わせて城は振動する。 廊下を駆けていたリオウは足を止め、揺れ続ける床の上、壁に手を当ててなんとかバランスを取っていた。 不意の地震にあたりを見回すが、特に何かが落下してくる様子はなさそうだった。 「誰かがこの城を動かしたみたいだね。トカがやったのかな」 リオウと瓜二つの声音と口調のゴゴは、揺れの中でも微動だにしていない。 卓越したバランス感覚を持っているというよりは、この状況に慣れているように見えた。 「動かしたって、どういうこと?」 尋ねるリオウに、ゴゴは頷いて答える。 曰く、この城は機械仕掛けで、地下を潜行し移動が可能らしい。 要するに、物凄く大きく高機能なからくりが搭載されているのだろう。 こんな巨大な城を動かせるなんて、確かに科学というものは魅力的なものなのかもしれない。 「アダリーさんやメグちゃんが見たら、どんな顔するだろ……」 思わず呟いたとき、擦れぶつかるような鈍い音が外から響いてきた。同時に、揺れが一際激しくなる。 硬い壁を握り締めるようにして、しがみ付く。 この強烈な振動はゴゴにも予想外だったようで、リオウとそっくりの動作で壁に触れて全身を支えていた。 強い揺れはすぐに終わる。 すると、ずっと響いていた駆動音や小さな振動も停止した。 不思議に思ってゴゴを見ると、小首を傾げていた。 「とにかく制御室へ行ってみよう。多分、そこにトカがいるはずだよ」 余りにもよく似た動作に苦笑するリオウに、ゴゴが言う。 それに頷いて、二人は全く同じ挙動で床を蹴り、制御室へと向かう。 静かになった城内に、硬い廊下を駆ける靴音が重なってよく響く。 ゴゴの案内があり、揺れが収まったおかげで幾分スムーズに走れたため、すぐ制御室に到着する。 その前で、自然と足が止まる。中の様子を窺おうと、二人が制御室を覗き込もうとしたときだった。 「浮上せず急に止まってしまうとは、我輩の家路の前に立ちはだかりよるのかッ! よもやこれは機械帝国の大反乱!? 行き過ぎた科学は往々にして恵みだけを与えないトカッ!?」 聞こえてきた奇声で、室内に誰がいるのか瞬時に理解する。 リオウは溜息を漏らす。僅かな安堵を大量の不安で希釈したような、奇妙な感情の篭った溜息だった。 気を取り直す。 これからトカとは、手を取り合うための交渉を行わなければならないのだ。 色々な意味で型破りな彼との交渉が、上手くいくとは限らない。 だからといって、やらないつもりはない。 ルカ・ブライトと対峙したときのためにも、魔王オディオの目論見に抗うためにも、多くの力が必要だ。 力をくれるのは、友であり仲間だ。 そしてかつての敵であっても、同じ志を抱ければ、肩を並べ背中を預けられると、リオウは知っている。 一つ深呼吸をする。 ゴゴに視線を向けて強く首を縦に振ると、ゴゴも力強く頷いてくれた。 そして、二人は同時に制御室へ足を踏み入れた。 「だがしかーし、科学という荒馬の手綱を握ることこそ科学者の本懐ッ! さあ、どうどう、どうどう。我輩の声が聞こえますかー? 聞こえたらお返事をしてくださーい!」 魔導アーマーから下りて、機械を撫で回し語りかけるトカゲの後姿に、リオウはゆっくりと近づいていく。 かなりエキセントリックな光景に面食らってしまうが、なんとかリオウは一歩一歩進む。 「……あのー、ちょっと、いいかな?」 トカは声を掛けづらい雰囲気を全身から立ち昇らせている。 トカの声が機械に届くのが先か、リオウの声がトカに届くのが先か不安になりながらも、おずおずと話しかける。 「む? 我輩に何か用ですかな? 優秀な助手なら熱烈絶賛大歓迎……って、貴様らーッ!?」 どうやら、リオウの声は予想以上に簡単に届いたらしい。 トカは回転するようにして慌てて飛び退り、半壊の魔導アーマーのコクピットへと駆け上がろうとする。 だが、彼はそのシートの前で急ブレーキを掛ける。 床に落ちそうになりながらも、なんとかしがみつくトカの視線の先、魔導アーマーのシートは、ゴゴによって占拠されていた。 「い、いつの間にッ!? まさか椅子取りゲーム無差別級チャンプだとでもッ!? えぇーい、負けていられん! たとえ武士が相手でも、不屈の闘志を燃やす背中はとってもカッコイイんだトカ! さぁそこの君、ミュージックスタート!」 突然指を指され、言葉に詰まるリオウ。 思考が停止する。ミュージックと言われて頭にまず浮かんできたのは、アンネリーの澄んだ歌声だった。 脳を流れるその歌声に流されるまま、音楽を口ずさもうとして、気付く。 緑色の亜人のペースに思い切り流されていることに、だ。 頭を振って思考を軌道修正する。 素敵な音楽を提供しに来たわけでも、椅子取りゲームをしに来たわけでもないのだ。 「えっと、音楽じゃなくて申し訳ないんだけど。 その、トカ……さん。あなたに、話があるんだ」 リオウの声に、トカは太い眉根を寄せる。考えるように腕を組むと、ねめつけるようにリオウを見下ろしてくる。 その視線を受け止め、リオウも視線を返す。真摯さと誠意が、その真っ直ぐな瞳には映っていた。 それを一蹴するように、トカは鼻息を吐き捨ててふんぞり返る。 「勇気と希望を与えてくれた魔導アーマーをボッコボコのボッロボロにしておいて、今更お話なんて冗談じゃねぇーッ!」 頭から湯気を出すくらいの勢いで叫ぶトカを前にして、リオウは、ついトカと戦ってしまったことを後悔する。 一度芽生えてしまった不信感や敵愾心を拭い去るのは容易ではない。 しかし、だ。 諦めるつもりなど毛頭ない。 たとえいがみ合っていても、戦場で相対してしまっても。 同じ目的を抱けるなら、同じ未来を見られるのなら、共に歩めると、リオウは信じている。 だから武器を構えずに口を開く。 「ぼくはもう、あなたと戦うつもりはない! それどころか、仲間になって欲しいと思ってる!」 説得の言葉を投げかけた先で、トカが疑わしそうな目でリオウをねめつけてくる。 値踏みするような視線を受けながら、それでもリオウは続ける。 「あなたの力が――知識が、必要なんだ。生きて、自分たちの居場所へ帰るために!」 そっと、リオウは首に巻きついた金属の輪に触れる。 爆弾が仕込まれたこの首輪がある限り、オディオの目論見から逃れられない。 呪われた首輪と呼んでも差し障りのないそれの解除は、打倒オディオ及び元の世界への帰還するための必須事項だ。 とはいえリオウは、首輪を解除するために技術や知識を持ち合わせていない。 だが、目の前のトカゲは違うとリオウは半ば確信している。 リオウの知識の範疇にないからくりを手足のように扱い、頭脳や科学といった単語を連呼していたトカなら、首輪への対策を講じられると思えたのだ。 「科学技術の結晶に優しくない輩に、我輩がすぐ心を許すとでもッ!? 遥か遠い世界の軍師は、三度目の礼でようやくその知識を貸し与えたトカ違うトカ。 あまりのしつこさに辟易したんでしょうな。世が世ならば御用となっていてもおかしくはない所業ですなッ!」 跳ねるように地団太を踏み、ぷりぷりと怒るトカに、リオウとそっくりな声音が語りかける。 それは、魔導アーマーのシートから聞こえてくる声だった。 「もしもしつこいと思われても、ぼくも、諦めないよ。 ぼくは生きて、帰らなきゃいけない。 信じてくれている人たちのために。 大切な人たちのために」 魔導アーマーに座っていたもう一人のリオウは言葉を区切ると、本物のリオウに目を向ける。 奇妙な衣装で全身を包んだゴゴの表情は分からないし、瞳にどんな感情を映しているのか窺えない。 それでも、ゴゴが今どんな想いで言葉を紡いでいるのか、手に取るように分かる。 今のゴゴは、リオウ自身なのだから。 だから、続けられる。 輝く盾の紋章が宿る右手を、強く握り締めて、リオウは言葉を継ぐ。 そうすべきだと、思った。 「――もう、いなくなってしまった人たちの分まで、ぼくは、生きたいんだ」 強く息を吸う。 機械が放つ独特な臭気と熱が、ツンと鼻をついた。 「そのためにも、力を貸してください……!」 告げたのはリオウでもあり、ゴゴでもある。 全く同じ二つの声が完璧なタイミングで重なり合い、響き渡る。 紛れもない本心を込めた言葉には誠意がある。誠意を裏付ける、澄んだ瞳がある。 それを向けられたトカが、口を開きかけた、その瞬間。 「――見つけたぞ、トカゲ野郎ッ!!」 背後から怒号が響き、それに続いて空気が張り詰める。 強烈な気配にリオウが振り返ると、一本の棒を携えた赤毛の男が目に入った。 彼の鋭い目つきが捉えているのはリオウではない。 「真空斬ッ!!」 男が素早く、棒を振るう。 直後、空気が甲高く戦慄いて、リオウの真横を駆け抜けた。 その風は男の三白眼が捉える一点に向けて、愚直にも真っ直ぐ飛んでいく。 そしてそれは、魔導アーマーの上に立ちっぱなしだったトカをあっさりと吹き飛ばす。 細い緑のボディは受身も取れず、べちりと音を立てて床へと落下した。 「大丈夫!?」 心配げな声で呼びかけると、トカはふらつきながら立ち上がる。 「通り魔的犯行に巻き込まれるとは我輩の運気も急転直下気味!? いやはや、物騒な世の中になったものですな。 『優しさ』が得意ジャンルである我輩でなければ今頃――って、はら~~~~ッ!?」 どうやら大丈夫そうなトカに向けて、男は繰り返し真空の刃を繰り出していく。 乱れ撃たれる攻撃を走り回って避けながら、トカはリオウを一瞥し、 「た、助けてーッ! 頼れるおにいさーんッ!」 その叫びにリオウは我に返って、頷いた。 更なる攻撃を仕掛けようとする男の前に、迷わず飛び込む。 制御室から出て行くトカを視界の端に捉えながら、天命牙双で牽制をかける。 男が舌打ちをして、目つきの悪い瞳でリオウを睨んでくるが、怯まない。 連撃が停止した隙をついて、叫ぶ。 「ゴゴ! トカさんをお願い!」 「分かってる! 気をつけて!」 既にゴゴは魔導アーマーから降りていて、トカを追って制御室を後にする。 「この、待ちやがれッ!」 怒声を上げて彼らを追走しようとする男の前に、リオウは立ちはだかった。 「あなたこそ待って!」 「うるせェ! 俺はあのくされトカゲに借りがあんだよ。 あいつの味方をしやがるってんなら、痛い目に遭ってもらうぜ」 男がゆらりと棒を構えると、その肩から淀みのない戦意が立ち昇る。 その隙のない動作に、リオウは背筋を震わせる。 ――この人、強い……。 説得できるのなら、そうしたい。 だがそのために、戦いは避けられそうになかった。 立ち昇る空気や僅かな挙動から、リオウは理解する。 きっとこの男は、言葉よりも戦いを通した方が分かり合えるという人種なのだ。 ――だったら、それに応じよう。 息を吸い意識を研ぎ澄ませ集中させる。男の気迫に呑まれないよう、自分の戦意を確かめる。 手にあるのは、一本だけの天命牙双。 片割れを失っても戦い続けられるのは、きっと、もう片方が戻って来ると信じられるから。 そしてきっと、これを届けてくれた大切な義姉の想いが宿っているから。 「ガキだからって、手加減はしねぇぞ。武器を持って俺の前に立った以上、お前は俺の敵だ」 「ぼくも、手を抜く気なんてありません」 手加減など望んでいない。手を抜くつもりなど毛頭ない。 そんな中途半端な戦いでは、心を通わせられるはずがない。 面白ぇ、と男が口角を吊り上げる。それにリオウは、余裕を見せ付けるように笑い返す。 その頬を汗が伝うのは、その実それほどの余裕などなく、緊張感が溢れているせいだろう。 「じゃあ――行くぜ!」 駆け出す男に相対するように、床を蹴りつける。 駆動音の響く世界で、打撃武器が重なり合った。 リオウは知らない。 対峙している男が、ナナミと行動を共にしていた男――トッシュ・ヴァイア・モンジであることを。 意識の全てをトカに傾けた上、『リオウ』のことを口頭でしか聞いていないトッシュは気付かない。 立ちはだかる少年が、ビクトールの仲間でありナナミの大切な義弟であることを。 それ故に、二つの攻撃は止まらない。 止まるはずもなく、ただ加速していく。 ◆◆ 機械の城はそのシステマティックな構造ゆえに、いわゆる通常の城よりは複雑な様相を呈している。 たとえば、地下にはこの巨大な城を動かすための巨大なエンジンが眠っているし、そこにエネルギーを送るパイプが床にはのたうっている。 また、効率のよい運用及び保守のため、排熱や排気のためのダクトも存在する。 エンジンの稼働中におけるそこは、高温であったりガスが充満していて、とても人の近づけるような場所ではない。 しかし動いてさえいなければ、問題なく通行が可能だ。 そしてそこは、その複雑さゆえに、身を隠すには最適な場所となる。 機械の城には影が潜んでいる。 城の構造を知っているその影は、誰にも気取られず潜んでいるのだ。 影は見る。 黒髪の少年と赤毛の男がぶつかり合い、距離を取り、再び距離を詰めるのを。 影は聞く。 駆動音に包まれた、少年の息遣いと男の足音と木々の衝突音を。 静かに息を潜め、影は思う。 茶番だ、と。 互いが全力であろうことは、傍目にも分かる。 しかしそれでも、少年に殺意は感じられず、男は殺気を放っていない。 この殺し合いの場において、腕試しや試合に似た闘いなど、何の意味もなさないというのに。 微動だにせず身を隠し、影は思う。 そんな茶番劇など終わらせてやる、と。 その代償は無意味な闘いを繰り広げる命だ。 殺傷に迷いはない。殺害に躊躇いはない。 それこそが影の存在意義であり、影の胸にある覚悟と決意の証なのだから。 だが、影は動かない。まだ動くときではない。 闇雲な乱入や真っ向からの戦闘は、影の戦闘スタイルではないのだ。 故に、影は待つ。 自分が舞台に上がるべき瞬間を、刻々と、待ち続ける。 ◆◆ 城の中を、騒々しい足音が反響する。 マントをはためかせ走り回る巨大なトカゲと、それを追う奇妙な衣装で全身を包んだ物真似師。 ある種大道芸のような雰囲気を醸し出しているが、どちらも伊達や酔狂で駆け回っているわけではない。 「トカさん、待って!」 ゴゴの呼びかけに、しかしトカは足を止めない。 「さながらカモシカの如く駆け抜ける我輩の停止、科学技術の発展の停止と同義ッ! 故に我輩、止まれません! 今なら分かりますぞ! 泳ぎ続けなければ死んでしまう、儚くも休み知らずなお魚の気持ちが!」 そしてついでに、そのよく喋る口も止まらない。 口はともかく、ドタドタと床を蹴る足は止めてやらなければならない。 ゴゴは先ほどトカの物真似をしたときのことを思い出し、彼が敏感に反応しそうなキーワードを探し出す。 探すのに時間はかからない。その言葉は、ずっとトカ自身が連呼しているのだから。 「えっと、時には立ち止まってあたりを見回してみてもいいんじゃないかな!? きっと、新たな発見があると思うよ! ……その、科学的な」 とってつけたような科学という単語に、しかしやはり、トカは確実に反応し、ぴたりと立ち止まった。 急停止したその背中と衝突する寸前で、ゴゴも立ち止まる。 「確かに、一理ありますな。がむしゃらに突き進むだけでは、大切なものを見落としてしまうやもしれぬ。 思えば、科学発展へのがむしゃらさのせいで、愛するがまぐちと離れ離れになったような気もいたします。 科学の罪作りっぷりに、我輩惚れ直してしまうのココロ」 奇妙な悦に入るトカを眺めて、ゴゴは改めて興味深さを覚える。 しかし、同時にこうも思う。 先ほど現れた赤毛の男は、いったいどんな人間なのだろうか、と。 様々な人物の物真似をしてみたいと望むゴゴにとって、未知の人物との遭遇は心が躍るような出来事だ。 できるならばすぐに制御室へと戻り、あの男をもっとよく見てみたかった。 「……さっきの男はお前を狙っていたようだが、知り合いか?」 リオウの物真似を止め、念のために尋ねてみる。 「んまッ! 前触れもなくプライベートな質問とはなんて破廉恥なッ! されど質問されると答えずにはいられないのがサービス精神旺盛な我輩の性。 彼とは一度、青春のぶつかり合いを交わした仲だトカ」 一度、ということは恐らく、トカはほとんどあの男を知らないだろう。 ならばやはり、この目で確かめなければならない。 「俺は制御室に戻りたい。来てはくれないか?」 「生きていることの素晴らしさを噛み締めている我輩を死地に追いやろうと!? サイケデリックな覆面の下には非情なマスクが眠っているトカ!?」 「お前は死なない。お前を生かすために、リオウは戦っているのだから」 ゴゴの言葉に、トカはあからさまに視線を逸らす。 「それはほら、彼の善意に乗っかるからこそ、とんずらこくのが最善だトカ違うトカ。 そう、あたかも尻尾を残して遁走するが如く! では、これにて!」 まくし立てると、トカは片手を上げて颯爽と立ち去っていく。 ゴゴはその背中を追おうとしない。ただ、その代わりというようにして、口を開く。 「お前は何も感じなかったか? リオウの瞳を見て、言葉を聞いて、何も感じなかったのか?」 ゴゴは思い浮かべる。 言動、行動、思考、癖、表情、声色といった、リオウという人物を形作るあらゆる要素を。 その全てを、完全に物真似したはずだった。 にもかかわらず、ゴゴの胸には不完全燃焼のような悔しさが強く燻っている。 年端もいかないリオウという少年は、不思議と、人を惹き付けるような“何か”を持っている。 それは、指導者としての資質や才能などといった安っぽい言葉では片付けられない、運命さえ感じさせる“何か”だ。 それを感じ取ったゴゴは当然、その“何か”をも真似て見せるつもりだった。 だというのに。 物真似をし切った達成感や充足感が、湧き上がっては来なかった。 あらゆる人物の物真似を星の数ほど行ってきたゴゴでも、容易に再現できないその“何か”を、トカが感じていないはずがない。 何故ならトカは、リオウの瞳と声と、そこに込められた純粋な想いを、真っ直ぐに投げかけられたのだから。 マントに包まれた緑の痩躯が、立ち止まる。 「我輩の感受性の高さは幼い頃から大絶賛ッ! 真実を映し出す鏡の如き心にかかっては、純真無垢な少年のハートを読み取ることなど朝飯前よッ!」 やはり、トカもリオウの意志を受け止めているようだ。だがそれでも、その心は動いていないらしい。 ゴゴは、思考する。 トカをもっと近くで見てみたいと思っていた。 これほどまでにエキセントリックで不可解な言動と行動を繰り返す存在を、ゴゴは知らない。 強いて言うならば、毒気を抜いたケフカが近いだろう。 そのような濃い人格を、トカが有しているからこそ、ゴゴは心から望むのだ。 もっとよく知り観察し、物真似をし尽くしたい、と。 それだけならば、リオウを捨て置き、この場から離れようとするトカと行動を共にすればいい。 迷わずそうしないのは、ゴゴは、リオウを捨てたくもなかったからだ。 リオウが持つ“何か”の正体を知り、物真似をしたく思う。 リオウが持つ“何か”に、確かに惹かれている自分がいる。 そして。 ――俺は、ナナミの死に立ち会ったのだ……。 それだけあれば、リオウと行動を共にする理由は充分だ。 故に、ゴゴは口を開く。 彼自身の言葉で、トカを説得するために。 ◆◆ トッシュの剣術は、威力や鋭さだけでなく、繊細さをも併せ持っている。 故に彼が振るう掬い上げるような一撃は、素早く正確だった。 なのにひのきで作られた棒は、リオウの身を打てずに空を切る。 舌打ちを漏らすトッシュに、片割れを失ったトンファーが回転し迫り来る。 遠心力が乗った攻撃は、得物を握る右手を狙ってくる。 読めていた。 ならば対処は難しくない。 振り切った腕を引き戻し、ひのきの棒を両手で握る。 間もなく叩き込まれたリオウの攻撃を、真正面から受け止めた。 両掌に痺れが駆け抜けるが、握力をフルに発揮し武器は手放さない。 もしもリオウの両手にトンファーが装備されていたなら、追撃が来ていただろう。 トンファーを押し返し肩をぶつけるようにして、トッシュは前に出ようとする。 応じるように、リオウはバランスを崩すより先に後ろへ跳ぶ。 深追いをせずに踏みとどまると、広い間合いが生まれる。トンファーもひのきの棒も届かない、遠い間合いだ。 しかしだからといって、アウトレンジに逃げられたなどと、トッシュは思わない。 深く息を吸い一瞬止め、解放する。同時にひのきの棒を、一閃させた。 真の一文字を刻むかのような気迫と同時に、不可視の刃がリオウに真っ直ぐ迫る。 狙いは、空いている左手だ。 武器や盾を持たないその手にダメージを負わないようにするには、右手のトンファーで身を守るか避けるしかない。 その結果生まれた隙に、一気に間合いを詰めて攻撃を仕掛ける寸法だ。 しかし。 トッシュは、眉を持ち上げた。 リオウが、防御も回避も選びはしなかったからだ。 左手であえて真空斬を受けながら、彼は逆に、トッシュに向けて突っ込んでくる。 それは、トッシュが防御姿勢を取っていれば容易に見切り反撃できたような、捨て身の動きだった。 トンファーが、トッシュの右手に牙を剥く。リオウの狙いはトッシュと同じようだった。 ひのきの棒の軽さと短さが幸いし、すぐに武器は引き戻せる。リオウの攻撃を再び防御し、今度はトッシュが後ろに下がった。 もう一度生まれた間合いを挟み、睨み合う。 トッシュの予想以上に、リオウは強かった。 こちらが防御の様子を見せれば的確な攻撃を行ってくるし、生半可な攻撃をすれば先ほどのように、痛みを恐れず捨て身を仕掛けてくる。 もしも下手にこちらが捨て身を仕掛ければ、手痛い反撃を受けるかもしれない。 丁寧でいて、かつ思い切りのいい戦い方だった。 面白さを、トッシュは感じていた。 「結構、やるじゃねぇか。まさか突っ込んでくるとはな」 だから、称えずにはいられなかった。 するとリオウは、ひたむきさを感じさせる真っ直ぐな黒い瞳でトッシュを見つめ、答える。 「さっき、トカさんに使ってた技と同じだったから。そのときの威力を考えれば、大丈夫かなと思って。 もっと強い武器で使われてたら、さすがに危なかったと思ってます」 それだけの判断を数瞬で行い、最適な答えを弾き出して即座に行動に移したという事実が、トッシュを驚かせた。 つくづく、面白い。 そう思うトッシュの視線の先には、強い意志が宿った双眸がある。 ふと、疑問が生まれた。 リオウの戦い方は、破壊や略奪のためにあるとは思えなかった。 彼はあくまでトッシュの武器やそれを握り締める腕を狙い、無力化を図っているようだった。 そんな少年が――そう、これほどまでに澄み渡った瞳をした少年が、何故、と、トッシュは思う。 「お前、なんでトカゲ野郎に肩入れしてやがる?」 疑問を口にし、トッシュは部屋の隅に鎮座する壊れかけの魔導アーマーを指差す。 「あの野郎は俺の仲間からそいつを盗んだ挙句、そのまま喧嘩を売ってきた奴なんだぞ?」 するとリオウは、少し困ったように眉を下げた。 「ぼくも、彼には襲われました。でも、そこまで悪いヒトには思えないんです」 何馬鹿なことを言ってるんだと、トッシュは思った。 なのに口を挟まなかったのは、リオウの瞳に宿る意志が、揺らぎを見せていなかったからに他ならない。 「ぼくは彼を仲間にしたい。殺し合ってちゃ、魔王の思う壺だと思うから。 そんなことをしてちゃ、ぼくらは大好きな故郷に帰れない。 ぼくは――」 リオウは一度言葉を区切り深呼吸する。 それはまるで、悲しさを飲み込み苦しさを吐き出す仕草のように見えた。 「――みんなのところに、帰りたいんです。大切な仲間と、友達と、一緒に」 愚直と言ってもいいくらいに、ストレートな言葉だった。 それは甘く温い理想論だ。その実現には無数の困難が立ちはだかる。 だからトッシュは、斬りつけるように口を開く。 理想論は茨の道と同義であると、理解しているかを試すために。 「甘すぎるな。そんな言葉が通用しねぇ殺人狂なんざ、掃いて捨てるほどいやがるぜ」 「……分かってます。決して避けられない戦いなら、迷いも躊躇いも戸惑いもしません」 「だったら、トカゲ野郎がどうしても敵になるのなら、叩きのめせるんだな? この俺がお前とは相容れないのなら、ぶちのめすつもりなんだな?」 リオウは、迷わず首を縦に振った。 やはり瞳は揺るがず、その強靭さと屈強さを主張し続けていた。 トッシュは、表情が緩むのを抑えられなかった。 強さだけではなく、思想も面白いと感じる。 理想論を振り翳しそれに捉われるのではなく、理想を実現するための手段を持っている。 その強さは、実際に武器を交えたトッシュはよく理解できていた。 嫌いじゃないと、心からそう思う。 そう思えれば、充分だ。 リオウの進む道に困難があるならば切り伏せよう。無数の茨は刈り取ろう。 そうするだけの価値を、トッシュはリオウに見出していた。 もはや戦う理由は存在しない。 借りを返すべきはトカゲであり、リオウではない。 そのトカゲも、もしもリオウの仲間になろうと言うのならば、鉄拳一発で許してやらないでもない。 故にトッシュは武器を下ろし、戦意を緩やかに落としていく。 「俺の名は、トッシュ。お前は?」 「リオウ、って言います」 リオウも同様に武器を下ろすと、安堵の表情を浮かべる。 対し、トッシュは驚愕に目を見開いた。 「……そうか、リオウか! なんだよ、早く言いやがれよ!」 言われてみれば、そうだ。 ナナミやビクトールから聞いていた特徴に、目の前の少年は合致する。 トカを発見して激昂さえしていなければ、もっと早く気付けたのだが、基本的にトッシュは一つの物事しか処理ができない男なのだから仕方ない。 不思議そうに目を丸くするリオウに歩み寄りながら、トッシュは微かに顔を伏せ言葉を詰まらせる。 懸念事項は、ナナミのことをどのように伝えてやるべきか、という点だ。 直接彼女の死に目に立ち会ったわけではない。 しかし、確かに行動を共にしていたのだ。伝えないわけにはいかないし、伝えたいと思う。 言うべきことは他にもある。 ビクトールのこと、ルカのこと。自分の仲間のことや、リオウと共に行動をしようと思っていること。 何をどのように話そうか脳内で整理をしようとする。 闘いが終わり武器が構えられていないそこの空気は、弛緩していた。 緩んだ世界の中、駆動音が響いていた。 戦闘中は意識を集中していたせいで気にはならなかった音が、ごとごとと響いている。 それが耳障りで、すぐに考えることが面倒になる。 だからトッシュは、思いのまま話すべく顔を上げた。 瞳に映ったのは、機械仕掛けの城と、リオウと。 その向こう側から音もなく飛び上がった、影だった。 時系列順で読む BACK△073-3 サンダウン、『花』を見守るNext▼077-2 剣豪と影と輝ける星と 投下順で読む BACK△076 “剣の聖女”と死にたがりの道化Next▼077-2 剣豪と影と輝ける星と 070 風雲フィガロ城 トカ Next▼077-2 剣豪と影と輝ける星と シャドウ トッシュ ゴゴ リオウ ▲
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修正中。
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舞踏子 ゲーム絢爛舞踏祭における女PCの事。 3日目・朝 絢爛舞踏祭ルート コースA :ドランジの舞踏子
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【カウンターサイド】リセマラ当たりランキング - カウサイ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 終末のアーカーシャ(終アカ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】最強パーティー編成とおすすめキャラ【転スラアプリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) アイプラ攻略Wiki|アイドリープライド - AppMedia(アップメディア) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【アイプラ】リセマラは必要?当たりキャラランキング【IDOLY PRIDE】 - Gamerch(ゲーマチ) 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ”(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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https://w.atwiki.jp/kamipara/pages/32.html
最初のダンジョンなので異形は大して強くはない。 囲まれないように気を付けつつ、回復アイテムを上手く使っていこう。 また、レッスン03までは5Fで一旦帰還する。 前半 後半10F ボス戦 コメント 前半 1F~5F モンスター名 出現階層 ドロップ チバット① 1~3F コウモリの羽、メガカルビ コボルト① 2~5F ダガー、たなびくマント、メガカルビ ハリリン① 3~5F トゲ鉄球、デスビークル、メガカルビ 後半 6F~9F(一度回路をクリアした後は10Fまで) モンスター名 出現階層 ドロップ 備考 チバット① 6~7F コウモリの羽、メガカルビ コボルト① 6~10F ダガー、たなびくマント、メガカルビ ハリリン① 7~10F トゲ鉄球、デスビークル、メガカルビ ブレイダー① 8~10F ロングソード、 直線2マスすべて攻撃有 10F ボス戦 ボス以外は大して強くないので、ボスの視界に入らないようにしつつ周りの雑魚から殲滅していけばそれほど苦労はしないはず。 もしもボスの視界に入ってしまったら、スリープオーブで眠らせてしまえば良い。 コメント ①って同じフロア内での同じ名前の敵の識別子だろうし入らなくない? - 2013-01-31 02 23 08 それ敵のランクやで - 2013-01-31 13 34 16