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カルソン キリスト教の悪魔。
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imageプラグインエラー 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。 称号:『銀色の暴風魔』、『』、『』 名前『スティーブ・カルソン【Steve-】』性別:男性 種族:人間 種類:元・暴走族のリーダー 通称(愛称) 名前の由来『』特殊能力: 主な武器:棒 色設定:肌:【肌色】普通 髪色:【銀色】シルバー 瞳色:【紫】パープル 一人称:『俺』 相手『お前、君、貴様、あんた』 年齢:27歳 職業1:特殊部隊『ビッグスター』の隊員。 職業2: 階級:元帥 コードネーム『【】』 性格:お調子モノで、キザ。 特徴:元・暴走族のリーダーで女の子好きな難破野郎。 身長:191㎝ 体重: 髪型:ロング(後ろで纏めてる) 好きなモノ:バイク、ドライブ、女の子、遊び 技: 基本台詞:「俺が…彼の有名な暴走族の頭スティーブだぜ!!」 「」 「」 「」 目的:世界の平和、 大切なモノ:仲間、世界 関連人物:『【】』 外伝要素: 登場作品:オリ漫画『ザ・ターゲット:ギア』 『ザ・ターゲット:二つの鼓動』 ≪スティーブの関連情報≫〔説明文〕 まだ編集中…w 色設定:〔使用ネオピコマーカー色〕 [肌色:番号:] [髪色:番号:] [瞳色:番号:]
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デカルシステム概要デカル貼り付け デカルの色を決める 調整 配置 コピー すべてクリア 注意点デカルを重ね張りするときの法則 発光パーツにデカルを貼る場合 デカルシステム概要 武器や装甲に、ゲーム内に用意されたデカル(デカール)を貼り付けることができます。 メカによくある「CAUTION(注意)」などのようなものやアルファベットや数字、幾何学的な模様やエンブレムの素材など、様々なものが用意されています。。 デカルは一つの装甲・武器のパーツごとに最大8枚取り付けることができ、全身の装甲だけでも最大8×38=304個取り付けることが可能です。 アクセサリーパーツを取り付けている場合は、アクセサリーの表面にも貼り付けることができます。 デカルの貼り付けは「デカル」から行います。 装甲、あるいは武器のカスタマイズ画面で、「組み立て」または「塗装」から切り替えてデカルの編集に入ります。 デカル貼り付け 装甲や武器の「デカル」から、「DECAL-ELEMENT」を選択し、「デザイン」を開くとデカル一覧が開きます。 その中から任意のデザインを選んでセーブすることで、貼り付けるデカルを決定します。。 アクセサリーはカテゴリーでタブが分けられています。 カテゴリー 特徴 パーツ数 注意 CAUTIONやWARNINGなど、さまざまな注意喚起のデカールです。 110 ラベル 文字や数字、簡単な英単語などです。 235 グラフィック 様々な模様や、○や△、□などの幾何学的な絵柄などです。 150 シンボル ゲーム内に登場する組織や用語、タイトルやロゴマークなどの他に動物をイメージしたものや、事前のクラウドファンディングで支援者にリターンとして権利が与えられた、ユーザーデザインのデカールなどです。 74 デカールは最初から全種開放されているため、新たに取得する必要はありません。 デカルの色を決める デザインを選んでセーブしたら、次にデカルの色を決めます。 色相環と明度・彩度を選びます。メタリック感や光沢感は貼り付けるパーツの設定を引き継ぎます。 模様や発光は設定できません。 調整 「調整」を選んでパーツの貼り付けたい場所をクリックすることで、実際に選んだデカルが貼り付けられます。 クリックした場所が中心となります。 水平軸・垂直軸の調整で位置を微調整したり、回転や比率(サイズ)を調整します。 「左右に反転します」をオンにすると、デカルの左右が反転します。 「ラップ」をオンにすると、段差や曲面を超えてデカルが表示されます。 オフの場合、段差や角度がつくとデカルが途切れてしまいます。 配置 配置は、他のデカルに位置を揃える機能です。 「コピー」と「対称化」の2つの機能があります。 「コピー」は、ソースに設定されたデカルと位置を揃えます。 位置、回転、比率のそれぞれについて、コピーを行うかどうかのオンオフを切り替えられます。 「対称化」は、ベースとなるパーツの中心を原点として、ソースに指定されたデカルのちょうど反対側にパーツを配置する機能です。 対称化する「軸」を選ぶことで、どの方向の反対側に置くかを選べます。 軸の色 方向 赤 上下方向 緑 前後方向 青 左右方向 左右対称にデカルを配置する場合は、「青」軸を選んで対称化しましょう。 なお、左右反転やラップのオンオフを指定することもできます。 対称化するとデカルは左右反転するので、文字のあるデカルを使っている場合は気をつける必要があります。 コピー コピー機能は、空いているスロットに既に設置されたデカルの複製を作る機能です。 コピー元に増やしたいデカルがあるエレメントを、コピー先に空いているエレメントを設定します。 全く同じ場所に、全く同じデカルが、全く同じ角度とサイズで、全く同じ色の物が作られます。 すべてクリア 今選んでいるパーツに取り付けられたデカルを、全て削除します。 注意点 デカルを重ね張りするときの法則 デカルは、番号の大きいエレメントほど上に貼られます。 1番と2番を重ねて置いた場合、まず1番が貼られて、その上にさらに2番が貼られる格好になります。 発光パーツにデカルを貼る場合 発光が明るすぎるとデカルが隠れてしまいます。 明度を抑えて、光を暗くすることでデカルが表示されるようになるので、パーツの色を調整するとよいでしょう。
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国名:立憲王政アーカルソン=リペルニア(合同立憲王政アトリオン) 英名:Constitutional Kingdoms of Arkalson-Lipernia (Union of Atrionish Constitutional Kingdoms) 地域:北方大陸 国歌:アトリオンの民は大洋を行く 国花:紫露草 通貨:アトリオン・リブラ 公用語:アトリオン語 首都:スタックバラ 政体:複合君主政、立憲主義議会王政、混合政体 元首:アーカルソン=リペルニア女王アン4世 宗教:アトリオン国教会 気候:冷涼湿潤 民族:アーカルソン人、リペルニア人 経済:商工業国 農業:牧畜や混合農業 工業:機械産業が発展 鉱業:良質な鉄鉱と炭鉱が所在 商業:伝統的に海運業が発達 軍事: 文化: 地理 北方大陸に存在するアトリオン島全土を占めている。 アーカルソン王国領 合同立憲王政の中心となっている王国。商工業が発展し、国内外に広く様々なネットワークが行き渡っている。 特産品はタラやサケといった魚、そして羊毛。 スタックバラ(20) アーカルソン王国の首都であり、合同立憲王政全体にとっても首都である。 この地域にアトリオン島の交通網・情報網の結節点が集中しており、商工業の中心地。 機械部品・電気部品といった部品産業、汽船や飛行機といった輸送機械、電話やラジオといった電気製品の製造業に優れる。 リペルニア王国領 合同立憲王政を支えるもう一方の王国。合同以来のアーカルソン資本投下の結果、鉱工業はアーカルソンと同程度まで発展している。 特産品は鉄と石炭。 ホイーリントン(24) リペルニア王国の首都。近郊に良質な炭田と鉄山が所在し、鉱工業は盛んだが、海運・金融業はスタックバラ系資本がほとんど支配している。 伝統産業としてガラス製造が広く行われるほか、鉱物資源を活かした製鉄業が発達している。 諸公国領 ウィルキスシャー(25) 諸公国領。アーカルソンやリペルニアのように独自の強力な王権が出現しなかった(あるいは出現を阻まれた)ため、アーカルソン=リペルニアの合同と同時にその支配下に飲み込まれた。 特産品は穀物と木。 オードヴィー(28) 特産品は貴金属と硫黄。 政治 アーカルソン王国、リペルニア王国、その他諸公国からなる立憲君主国による物的同君連合。全土から送られる議員による合同立憲王政議会と君主たるアーカルソン=リペルニア王による混合政体であるというのが伝統的な理解。 保守党と自由党による二大政党制であり、思想的には夜警国家が広く支持されている。 合同議会 アーカルソン議会がリペルニア議会を吸収して成立した合同立憲王政の議会。貴族院と庶民院の二院制。 アトリオン政体では厳密に三権分立はしておらず、最高裁判所は貴族院の付属機関である。 政党 保守党 保守主義。伝統的なアトリオン政体の維持と夜警国家の継続を掲げる。現在の与党。 自由党 自由主義。党内には古典的自由主義と社会自由主義の間で不一致がある。現在の野党第一党。 リペルニア自主党 地方分権主義。リペルニア王国独自の議会の再建と自治権の拡大を求める政党。 労働党 社会改良主義。議会での勢力は必ずしも大きくはないが、民間団体として様々な社会改良運動を行っており、草の根では一定の存在感がある。 王冠合同党 反動主義。合同直後の、まだ海外との交流も進んでおらず、議会による君主権の掣肘も不十分だった時期を理想とし、その時代への回帰を求める党。 なお、流石に王国分立時代以前への回帰を求める反動派は極端なリペルニア至上主義者くらいしかいないらしい。 経済 製鉄、部品産業や機械産業といった鉱工業と海運が発展している。 農業部門では伝統的に牧羊が活発。 軍事 議会陸軍 議会合同によって実質的な統一はなされているが、形式的にはそれぞれの領邦ごとに陸軍が存在することになっている。合同以降大きな戦争に参加したことがなく、近年は士気が今一つ。 王立海軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する海軍。ブルーウォーターネイビーとしての実力を備え、潤沢な予算と装備を持ち、アトリオンのシーレーンを支えている。 王立空軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する空軍。先王の意向で創設されたもので、陸海軍からは微妙な目を向けられているが、マニアックな技術者たちが空中艦隊計画の実現に日々邁進している。なお予算も人員も足りていない模様。 外交関係 伝統的に他大陸との通商とイクファターナ大陸内での勢力均衡を外交政策の主軸としている。 現在はディヴィーカ(ディヴィーカ産の紅茶輸入航路の安全は国防上の最重要問題とされる)やジャーガルク・シャー国を初めとするタヴェリア諸国との通商の維持と、ヤードゴニエ社会主義共和国連邦に対抗してバランシングするためソフィア王国やオルテンシア共和国との協調を図っている。 歴史 上古アトリオン アトリオン島にもともといた人々は、アストラヴィチャニン(よく「アストラ系」と呼ばれる。ヤード語で「島の民」の意。往々にしてアトリオン語の通俗語源で「星詠みの民」と解釈されがち)と呼ばれる人々である。 彼らは占星術的な信仰と文化を持ち、自然と共存した農耕生活を送っていた。この時代の史料には石碑がいくつか残っており、上古アストラ語の解読も進んでいるが、記録は断片的であり、詳細は不明瞭である。 大陸からの征服の波の中で イクファターナの海運の結節点であるアトリオン島は、古代から度々大陸勢力の拡大の目標として征服の対象とされた。特に北部地域には古代ヤード帝国の属州が置かれたことから遺跡が複数存在する。とはいうもののそれらの征服者はアストラ系を支配しつつも彼らの慣習を改変しようとまではしなかった。 しかしイースラント人の大規模な入植はこの状況を大きく変化させた。次第にアストラ系の勢力は山がちで土地の貧しい南西部に追いやられた。イースラント人は勢力を拡大しつつも内紛を繰り広げていたが、ある時アルカルという人物がイースラント人を糾合し、以てアトリオンを完全に平定しようとした。彼は島の6割ほどを支配下におくに至ったが陣中で没し、しばらくアトリオン島は多数の小王国が分立する状態となった。 二王国の成立 イースラント系入植者に抵抗しつづけたアストラ系の諸侯は連合して自分たちの中で最も名声の高かったウィラード1世を推戴し、自分たちの王国を建設した。これがリペルニア王国の成立である。 彼らはイースラント系の内紛に介入し漁夫の利を得ることで勢力均衡を図ったが、ある時リペルニアの同盟者のとある小王国の新王に即位した人物が即位早々に電撃的にほかのイースラント勢力を征服し、自らをアルカルの再来としてアルカル2世を名乗った。アルカル2世はその後すぐに病没するが、彼の長男アーカルソン(アルカルソン)は征服地を安定させることに成功し、アーカルソン王国を建てた。 リペルニア王国にとってこのアーカルソン王国成立は歓迎すべきことではなかったが、国内の安定を実現したアーカルソンに対抗するのは困難と判断したリペルニア王ウィラード2世は自らの娘をアーカルソンの王妃として迎えさせた。以後、アーカルソン王国とリペルニア王国は何度かの王朝交代を経ながらもそのたびごとに姻戚関係を結ぶようになった。 この二王国分立の時代は500年以上にわたって続いたが、時折アーカルソン=リペルニアの人的同君連合を形成することもあった。しかしタニストリー的な選挙王制の伝統を持つリペルニア王国と長子相続であるアーカルソン王国という建国以来の王位継承法の違いからこの時代に同君連合が長続きすることはなかった。 合同立憲王政の成立 王国分立を終わらせた契機はリペルニア王国でのクラリッサ王国との継承戦争である。リペルニア王ヘンリー3世は苦戦の末に諸侯の活躍によってクラリッサ王アドルフ1世を捕虜とし、この戦争に勝利したが、この勝利はピュロスの勝利であり、賠償金は諸侯への報奨に消えた。こうしてリペルニア王はこの時期には次第に北方大陸の通商で存在感を示しつつあったアーカルソン王国に対して劣位に置かれた。 継承戦争の数年後、当時のアーカルソン王ジョン2世が崩御するとヘンリー3世はアーカルソン王位を継承したが、彼は荒廃し諸侯の専横が甚だしいリペルニアに倦んでおり、伝統的にアーカルソン王にしてリペルニア王となった者の王座は両王国の国境付近の街に置かれるという慣習を無視してアーカルソン最大(そしてアトリオン最大)の都スタックバラを居とした。 リペルニア諸侯は次第にこれに不満を募らせ、ついには反乱を起こすが、この反乱はアーカルソン軍によって鎮圧された。ヘンリー3世は反乱の発端となったリペルニア王国議会(国王選出権を持つ)を解散しアーカルソン議会に統合させた。この合同議会の最初の仕事はリペルニアの王位継承法をアーカルソンと同じものにすることであり、この議会合同を以って歴史学的には合同立憲王政アトリオンが成立したとされるが、法的にはこの次の代に女王となるシャーロット1世の即位を巡る混乱に対処するためアーカルソン=リペルニア王位が宣言された時点が合同立憲王政の成立とされている。 海外通商の時代 合同が実現した後、島内の争いが沈静化したアトリオン人は、海外に目を向けるようになり、両大陸の通商に積極的に乗り出した。 ディヴィーカの紅茶を初めとするタヴァリア諸国の物産はアトリオン経済のあらゆる分野に富をもたらした。 工業化の進展 通商の発展が進む中で、アトリオン島から輸出できる物産をさらに多様化すべく、製造業を発展させた。 まず外燃機関の発展により鉄道と汽船が実用化され、陸運と海運が急速に成長した。 大戦の時代 宗教 アーカルソン国王を首長とする円十字教の宗派であるアトリオン国教会が主流。公職に就くには国教徒が望ましいとされるものの、信仰の自由は保障されている。 リペルニアでは古代から続く星詠みの文化が残っているが、円十字教自体はどこでも受け入れられている。
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国名:立憲王政アーカルソン=リペルニア(合同立憲王政アトリオン) 英名:Constitutional Kingdoms of Arkalson-Lipernia (Atrionish Union of Constitutional Kingdoms) 地域:北方大陸 国歌:アトリオンの民は大洋を行く 国花:紫露草 通貨:アトリオン・リブラ 公用語:アトリオン語 首都:スタックバラ 政体:複合君主政、立憲主義議会王政、混合政体 元首:アーカルソン=リペルニア女王アン4世 宗教:アトリオン国教会 気候:冷涼湿潤 民族:アーカルソン人、リペルニア人 経済:商工業国 農業:牧畜、混合農業 工業:機械産業、特に精密機械工業において優れた競争力を有する 鉱業:良質な鉄鉱と炭鉱が所在 商業:伝統的に海運業が発達 軍事:海洋国家らしく海軍主体の軍容を備える 概要 東イクファターナから北グリットにかけての地域に存在する立憲君主国。南グラニツァやいくつかの島嶼に植民地を有する。 星の出づる国。啓蒙と学者の国。天文学と解析学の学舎。(大学を有する国家ではなく)国家を有する大学。空と海の帝国。古き自由なる祖国。 卓越した応用物理学と穏健自由主義を擁し、科学技術の水準においても社会の成熟度においても発達した先進国の一つ。 地理 イクファターナの東に浮かぶアトリオン諸島(アーカルソン島とリペルニア島)全土、さらにその東のグリット諸島北部を領有する。 植民地として海の向こうにグラニツァ南部を領有する。 地域名 中心都市名 番号 政体 気候 特産品 工場 アーカルソン王国 スタックバラ 19 合同立憲王政構成王国 Cfb 畜牛、羊毛、魚 鋼鉄、セメント、弾薬、小火器、汽船団、機械部品、飛行機、電気部品、電話、衣料品、ラジオ リペルニア王国 ホイーリントン 23 合同立憲王政構成王国 Cfb 石炭、鉄 鋼鉄、ガラス、機械部品、蒸留酒、缶詰 グリット諸島 セント・ミカエル 58,59,60 (多様) Cfb~ET 硫黄、貴金属、木 木材、紙、家具、高級家具 ニューリペルニア諸島 ポート・エンジェ 11 王室属領 Cfa 魚、果実 缶詰、ワイン レイズフィル エイレンフィス 72,73,76,77,78 自治領 Dfb~H 畜牛、魚、穀物、木材 木材、紙、家具、蒸留酒 ヴェルレニース ネイフフォード 70,74,79 自治領 Dfb~Cfb 果実、穀物、石炭 セメント、家具、高級家具 ニューアーカルソン ハリントン 69,71,75 自治領 Cfb 綿花、穀物、石油 燃料、機械部品、飛行機、電気部品、電話、衣料品、ラジオ サウスセレントス島 サウスベレエイス 80 王室属領 Cfc/ET 魚、畜牛、石油 燃料 アーカルソン王国領(19) 合同立憲王政の中心となっている王国。商工業が発展し、国内外に広く様々なネットワークが行き渡っている。 主要都市 スタックバラ アーカルソン王国の首都であり、合同立憲王政全体にとっても首都である。 この地域にアトリオン島の交通網・情報網の結節点が集中しており、商工業の中心地。 機械部品・電気部品といった部品産業、汽船や飛行機といった輸送機械、電話やラジオといった電気製品の製造業に優れており、世界の機械工業を主導している。 ウィルミンガム 工業都市。近隣に大規模な炭田が存在することから産業革命期に工業化が進んだ。現在は炭田は枯渇気味だが機械産業を中心に今でも世界有数の工業都市である。 ベレエイス 最初にイスティングが到達した地。リンディスヴァート対岸の都市で、大戦では何度かこの街の付近で海戦・空戦が戦われた。 気候 北限海に近く冷涼だが、サルヴェリア海から北上する暖流が西岸境界流のため近辺を通り緯度のわりには温暖。夏にはしばしば移流霧に覆われる。 政治・法制 合同立憲王政の中心地。 経済・産業 世界有数の工業地帯の一つで、重工業・機械産業が集積している。また、この地域で産出される石炭は無煙炭であり、王立海軍の作戦上も重要な役割を果たした。 農業としては酪農業、混合農業。羊毛生産でも有名。漁業ではサケやタラなどが知られる。 交通 スタックバラを中心に鉄道網が広くいきわたっており、高規格の幹線も多数存在する。海路・空路においても要衝である。 また大戦中に建設された飛行場が無数に点在し、そのうちいくつかは戦後になっても拡張が続けられ国際空港に発展しつつある。 住民 アーカルソン人はもともとこの島に住んでいたアストラ系と外来の征服者であるイスティングの混血によって成立した民族。 文化・宗教 世俗主義が次第に影響力を増しつつあるが、現在でも大多数のアーカルソン人は国教徒を自認する。 対外関係 国名 所感 リペルニア王国 伴侶への敬愛の念をもって、あるいは貴人に対する騎士的忠誠をもって。貴方の学識と理性が守られるに値するものだと、私は良く知っています。 ジャーガルク・シャー国 海の向こうの国。いい物産と産業を備えた交易相手。 清河人民社会主義共和国 共産主義が世界に広まるのを阻止せねばな。 スルガ シンガにおける戦力投射の要であり、蒼海洋における拠点。 リンディスヴァート制憲諸邦同盟 古き紐帯を回復し、北イクファターナを叡智と繁栄の代名詞としよう。 ソフィア王国 南方へ向かった同郷人は、我々とは違う方向のイスティング文化を今でも継承しているようだ。 リントヴルム朝ヤード帝国 神さびた帝国よ、その古さに敬意を表明しよう、そしてその豊かさに驚嘆しよう。その価値は、彼らが失った物よりも高価だと理解している限り、彼らは敵にはならない。 ザルバチ海岸共和国 白人というだけで偉いのでもない、共和政を再現したからといってよい政治なのでもない。 リペルニア王国(23) 合同立憲王政を支えるもう一方の王国。合同以来のアーカルソン資本投下の結果、鉱工業はアーカルソンと同程度まで発展している。 主要都市 ホイーリントン リペルニア王国の首都。近郊に良質な炭田と鉄山が所在し、鉱工業は盛んだが、海運・金融業はスタックバラ系資本がほとんど支配している。 伝統産業としてガラス製造が広く行われるほか、鉱物資源を活かした製鉄業が発達している。 気候 アーカルソン島よりも南に位置し当然ながら温暖。しかし真夏にも暑いと感じるほど温度が上がることは少ない。 政治・法制 合同によって独自の議会は廃止されたが、慣習法の差異は現在も認められており、法域はアーカルソンとは今でも別である。 経済・産業 鉄と石炭を産出する。アーカルソン資本の投資が続き、重化学工業はアーカルソンに近い水準まで発達している。 混合農業により穀物もよく栽培されており、それを加工したリペルニアウイスキーも有名。 交通 アーカルソンに比べると鉄道交通よりも若干道路交通に力点が置かれている。大戦中に多数整備された飛行場が残るのはアーカルソンと変わらない。海運はネットワークの結節点というよりは中継拠点の感が強い。 住民 リペルニア人はリンディシャン・コンクェストの影響をあまり受けておらず、アストラ系の系譜が強い。 文化・宗教 アストラ系の星詠み文化を現在でもよく保存している。リペルニア教会は円十字教を逸脱しない範囲で天界の秩序や自然法といった観念を発達させていった。 リペルニアでは現在でも国教会・普遍教会・改革教会が共存している。 対外関係 国名 所感 アーカルソン王国 世界を股にかけるビジネスに現を抜かすとよい、そうすれば自らの魂の支配者が誰か忘れていられるだろう。…貴方がどこを見ていようと、私は貴方を見ています。 清河人民社会主義共和国 確かに合理的方法や社会改良の精神の重要性を我々は伝えようとした。だが、そういう意味ではない。 スルガ シンガ第一の文明の使徒。しかし、シンガの混沌を昼と夜に分け、輝かしい光の成果を手にするには夜の闇も致し方なし…いや、それでいいのだろうか? リンディスヴァート制憲諸邦同盟 世界の複雑さを知る者、応用と技術に長けた職人よ、人間の複雑さは技術によって御せるものだったかね? カラシュ公国 闇とは光の不在に過ぎぬものなれば、それは消えていくことを自然の理法に運命づけられた夜露に過ぎない。 レオネッサ王国 自らを頼みとするのではなく自然法に従う者こそが最も強いということを分からずにいる。 ソフィア王国 読書を好むその精神やよし。灯台下暗し、という言葉を思い出してくれればなおよいのだが。 リントヴルム朝ヤード帝国 一つの灯篭で四隅を照らすには広大すぎる部屋のように見えるが。 アトリオン領グリット諸島(58,59,60) 近世以降のアトリオンの拡大により最初に合同立憲王政の属領となった地域。先住民としてゲアファルと呼ばれる人々がいる。様々な地下資源が賦存するとされている。 主要都市・地域 ハリエヤール島(58) グリット諸島の北端の島。島の内側は急峻な山岳地であるため、外周の狭い陸地に張り付くように入植者が住んでいる。主要産業は漁業。 ヴェザンランド島(59) アトリオン領グリットの西側の島。ハリエヤールに比べると平地の割合が広いが、北方に位置し冷涼なため農業よりは畜産が主産業。 セント・ミカエル海上城砦(60) アトリオン領グリットのとある島に建造された巨大な城塞都市。リンディスヴァート製の巨砲が備えられ、空軍の滑走路も整備された一大基地。 大型船の造船も可能な軍港でもあり、大洋における合同立憲王政海軍のプレゼンスの源となっている。 気候 アトリオン諸島と異なり西岸強化の恩恵を受けられないこの地域はより寒冷で多雪。 政治・法制 一つの島が一つの広域自治体。グリット法はアーカルソン法・リペルニア法・ゲアファル法が重層的に折り重なり、アトリオンの法曹にとっての悩みの種。 経済・産業 現在までに白金族・石油・アルミニウム・ウラン・錫・チタンなどの賦存が確認されており、「アトリオンの元素博物館」と呼ばれるほど多様な鉱産資源が発見されている。産業的にはみるべきは今のところ白金族と石油が中心。 気候条件から農業にはあまり適しておらず、林業と粗放的な放牧が中心。漁場としては好漁場で、アトリオンの膨張も好漁場を求めて中世アトリオン人が東へ進んでいったことに端緒を持つともいわれる。 工業化は木材の加工や精錬、軽工業を中心に緩やかに進展している。 交通 陸上交通事情はよいとはいえず、主に鉱山から港までの鉄道を除いては整備が進んでいるとはいえない。グリットの中流階級が自らの集落から外へ出るときに使われる移動手段は大抵の場合自家用水上機である。 住民 この地域の先住民であるゲアファルは少なく見積もっても十数万程度存在している。アトリオン人入植者との混血も加えるとアトリオン領グリットの半分近くはゲアファル系である。 文化・宗教 長い同化への抵抗を経ながらも現在ではゲアファルは国教会とアトリオン語を受け入れている(受け入れた者しか生き残らなかったともいう)。しかしリペルニアがそうである以上に独自の風習を今でも保っている。 アトリオン領ニューリペルニア諸島(11) 礼王朝からの租借地であったが、革命により礼王朝が倒れ、軍閥内戦時代になると清河におけるアトリオン人の安全が保障できていないことを理由に自称大統領を主張する清河の親アトリオン地方政権に併合を認めさせた属領。当然のことながら清河人民社会主義共和国は併合を認めていないものの、合同立憲王政も人民社会主義共和国を認めていないのでそのままにされている。 アトリオン船のゴーシュ海航路の拠点、シンガ・西イクファターナ・ゴーシュの交通の結節点であり、港湾や空港がよく整備されている。 産業的にはみるべきものは少なく、ニューリペルニア経済は交易と軍需に依存しているが、一応魚と果物は割と生産されている。 ポート・エンジェ 蒼海洋有数の要港でありニューリペルニアの首都。 ニューアーカルソン自治領(69,71,75) 「アトリオン諸島が世界で最も教養ある貴族のいる場所なら、ニューアーカルソンは世界で最も教養ある農民のいる場所だ」 国教会よりも厳格に聖典のみを参照すべきと主張し、国王からの勅許を得て旧世界の欲と罪から逃れようと新天地へ向かったアトリオン人の一派に由来する自治領。 主要都市 ハリントン(71) ニューアーカルソン最初の都市の一つで、ニューアーカルソンの中心地。ハリントン大学はニュースタックバラ大学と並んでアトリオン勅許大学に匹敵する教育水準にあるといわれる。 気候 概ねアーカルソン王国と同じ気候地域であり、文字通り「新しいアーカルソン」。 政治・法制 アトリオン領の全地域で最も民主的で、完全普通選挙が実施されており、活発にタウンミーティングやレファレンダムを行う直接民主制の伝統もある。もっともその前提としては極端な民族的・宗教的・文化的同質性があるため、政治学者からは例外的地域と捉えられている。 法制度は基本的にアーカルソン法から国王大権を除去する方向に発展した形態をとっている。なお、新大陸における国王による裁判権の不存在は国王自身によってニューアーカルソン植民地創建の勅許で認められたものである。 経済・産業 その知的水準から、南グラニツァにおいて教育水準で卓越しており、精密機械製造技術すら本国に迫る水準にある。旧大陸製の機械を自ら修理するのもお手の物。 一人当たり所得も近年は本国を追い越しつつある。 交通 既に高速道路網の整備が始まっており、モータリゼーションの気配が高まっている。 住民 ニューアーカルソン人は基本的にアトリオン人である。最もゲアファルに対し円十字教が苛烈であった時期に入植を行ったためゲアファルすらも少数。 文化・宗教 改革教会の分派が支配的。普遍教会も国教会もほとんど存在感を持っていない。入植してまず行ったことは何よりも教会・集会場・学校を建てることであったニューアーカルソンの民は、現在でも入植当時の知性主義を失っていない。 それゆえ、アトリオン本国のアカデミズムに対抗する新大陸の知的中心となっている。さらには、一般民衆の教育水準はアトリオン本土よりも高く、論理的文章を書ける農民・労働者が普通に見られる社会である。 対外関係 国名 所感 本国以外の旧大陸全て 我々は新天地に我々の望む国を作り上げる。旧世界が何をしていようと問題ではない。 アババニスタン 邪教の民。いずれ新大陸から駆逐する必要がある。 ピスカ・ハウイカウサイ部族連合 アニミスト。放っておいてもよかろう。 アーカルソン=リペルニア本国 我々の自由と安全を保障するのであれば、彼らの王冠を認めておこう。 ヴェルレニース自治領 多様性と共存、それは要するに無節操と不純という意味なのだが…。 レイズフィル自治領 独立独歩の精神は認めるが、もっと学問に裏打ちされた行動をとるべきだ。 ヴェルレニース自治領(70,74,79) 「アトリオン人もヤード人もソフィア人もジャーガルク人も、生きていくには資金が必要。自由意思による取引、すなわち商業は全ての人々に恵沢をもたらす。」 ゴーシュ海に面する、アトリオン領グラニツァでは最も商業的に繁栄している地域。古くよりリエナやクラリッサからの入植者による入植地も存在し、アトリオン自治領となった現在でも民族的多様性を残している。 主要都市 ネイフフォード(74) リエナからの入植者によって建設された都市。ヴェルレニースでも最も民族的・宗教的に多様で、商業主義的に繁栄している地。都市人口はアトリオン領グラニツァでは最大で、南グラニツァの経済的中心。 気候 概ね温暖だが、南には一部冷帯もある。海に面しており、基本的に年中湿潤。 政治・法制 リエナ系の自治都市の伝統にアトリオンの議会主義・混合君主政を接合して成立した代議政体。法系もリエナ法とアーカルソン法の混合した混合法系。 経済・産業 自由移民のもたらす安価でほどほどの質の労働力により加工業が発達しており、グラニツァの諸産品がここで加工され旧大陸に輸出される。レイズフィルからくる材木を加工した木製家具が有名で、いくつかはブランド化しており本国でも人気。 交通 都市圏の鉄道網は次第に整備が進んでおり、アトリオン領グラニツァでは珍しく通勤ラッシュの光景がみられる。 住民 古くよりリエナやクラリッサからの入植者による入植地も存在し、アトリオン自治領となった現在でも民族的に極めて多様。移民政策もアトリオン領グラニツァでは最も寛容。 アーカルソン系とリペルニア系を足すとアトリオン系が最も多数派だが、分けるとリンディス系のほうが多い。その他、カノミス系やクラリッサ系、ヤード系も一定程度おり、さらにはジャーガルク系・清河系・スルガ系などのコミュニティもある。 亜人もゲアファルを筆頭に多数存在し、アトリオン諸島にいるゲアファルよりもヴェルレニースにいるゲアファルのほうが多いという推計もある。 文化・宗教 宗教的には極めて多様。一応改革教会が最も多数派だが、この改革教会はニューアーカルソン系ではなくリンディス系が中心。国教会・普遍教会はもちろんのこと、メトラや浮屠教、礼教も存在している。 対外関係 国名 所感 清河人民社会主義共和国 革命から逃げてきた清河人も結構うちにはいる。 リンディスヴァート制憲諸邦同盟 リンディス系ヴェルレニース人は多い。とはいえ、もはやリンディス語を話せない二世三世だらけだが…。 レオネッサ王国 レオネッサ系ヴェルレニース人はリンディス系に次いで多い。 アババニスタン 奴隷解放運動家がこの地域に対して熱心に干渉しようとしている。無理だとは思うが…。 ピスカ・ハウイカウサイ部族連合 あまり商業的に熱心ではないが、熱帯木材や天然ゴムを売ってくれる。それに彼らの憲法と多民族共存はなかなか良いものだ。 アーカルソン=リペルニア本国 本国が拡大すれば我々の商業圏も広がるというもの。 ニューアーカルソン自治領 確かに学問も技術も進んではいるが、誰も彼も似たような顔、似たような考え、気味が悪くはならないかね? レイズフィル自治領 彼らのスノビズムは商売相手としては大いに結構なことだ。 レイズフィル自治領(72,73,76,78,79) 「美しきアトリオンの空中庭園。あるいは真の自由の地。」 ニューアーカルソンやヴェルレニースと異なり、南のホーコンソン湾会社と北のリペルニア・エリアン会社という勅許会社によってこの地域の入植は始められた。 リペルニア・エリアン会社はヴェルレニースの現地資本との競争に敗れて拡大に失敗。一方ホーコンソン湾会社は毛皮と木材の輸出で利益をあげ、更なる毛皮を求めて河川を遡上し内陸へ拡大していった。 主要都市 エイレンフィス(76,77) ホーコンソン湾会社によって建設された都市。典型的な港湾都市。内陸部への統治が行き届いていないため、領域の広さに反して政治都市としての役割は意外と小さい。 アンスコム・ハウス(72) レイズフィル最大の農園主であるエルンスト・アンスコムの農園、その中心部にあるカントリーハウスを中心とした一帯。レイズフィル内陸部にはまともに都市といえるものはないが、流石にアンスコムの大農園の中心部ともなるとCDBめいたものが成立しており、レイズフィル内陸部唯一の都市として理解される。優れたアメニティと拡張性・発展性、そして壮麗さを兼ね備えた町で、本国から観光に訪れる人がいるほど人気。 ちなみに、ここの飛行場は南グラニツァ最大の飛行場である。というより、控え目であることを尊ぶアトリオンのカントリーハウス設計にあって、アンスコムのカントリーハウスはそれを無視して壮大なものとして作られており、レイズフィル的建築様式の性格を伺うことができる。 気候 沿岸部は典型的な針葉樹林気候の冷帯。内陸部は冷涼で日較差が激しいが年較差の少ない高地性の気候。 政治・法制 沿岸部はヴェルレニースに似てアトリオン議会政治を模倣した代議制。 内陸部では統治はいきわたっておらず、農園主による王国が散在している状態と表現される。 共通しているのは「人間は生まれながらにして自由」であるということである。年季奉公は一見奴隷契約にも近いが、少なくとも奴隷と違って有期であるし、奴隷身分として継承されることもない。自由意志で自分の自由を売り渡すことすらできても、他人の自由は売り買いできるものでないからである。 経済・産業 沿岸部は針葉樹と毛皮・魚が主産物で、加工もそのままか燻製にするとか製材・製紙といった程度のものを行ってヴェルレニースやニューアーカルソンに輸出することがほとんど。製造業はあまり発達していない。 この内陸部ではアトリオン人は散発的に入植してそれぞれが水運で結ばれつつも孤立し粗放的な大農場と大牧場を構えていった。 しかし近年の農業機械と飛行機械の発展は少ない労働力で広大な農場を経営することを容易にし、レイズフィル内陸の大農場・大牧場は急速に拡大。巨大飛行船による定期航路が開設され、ニューアーカルソンやヴェルレニースとの取引が増加している。 交通 特に内陸部ではほとんど公的インフラの整備は行われていない。ほとんどのインフラは私企業か農園主によって整備され、運用されている。 小河川が多く水利には恵まれており、各農園ごとに河港や飛行場が整備され、水運と空運が主体となっている。 住民 アトリオン人が中心だが、イクファターナ人も一定数存在する。また、住民の間でも農園主と年季奉公人の差が厳然と存在しており、本国の階級以上に明確な階層がある。もっとも、奉公が明けると奉公人もその稼ぎで土地を買い、小農園の農園主になるのが普通。 文化・宗教 リバタリアニズムの土地。一応宗教的には国教会と改革教会が中心で、国教会が最も多数派。 ニューアーカルソンの宗教的信条もヴェルレニースの都市的性格もないこの地域は、独立独行の民の土地であり、彼らは入植して自らの農場を開拓し豊かになることしか考えていない。大抵の場合成功したレイズフィル農場主は巨大飛行船を作らせるが深い意味はない。それが成功の証なのである。 対外関係 国名 所感 アババニスタン 新大陸では自らの土地を力によって守れる者こそ正義。そうであろう、なあ? ピスカ・ハウイカウサイ部族連合 土地を私有するという概念は彼らにはないらしい。 アーカルソン=リペルニア本国 ここは我々の土地だ、なぜならこの勅許状にそう書いてあるから。 ニューアーカルソン自治領 鬱陶しい頭でっかちの連中。 ヴェルレニース自治領 色々売ってる便利なデパート。 サウスセレントス島(80) 王室属領。南限海に位置する亜南極の島。吹き付ける強風と涼しすぎる夏のため穀物栽培すらも困難。放牧と漁労が主産業の最果ての島だが、遠洋漁業の基地としては重要。 政治 アーカルソン王国、リペルニア王国、その他自治領・属領からなる立憲君主国による物的同君連合。 全土から送られる議員による合同立憲王政議会と君主たるアーカルソン=リペルニア王による混合政体であるというのが伝統的な理解。 保守党と自由党による二大政党制であり、思想的には夜警国家が広く支持されている。 政策スライダー(アトリオン本国) 地方分権 ----◆--- 中央集権 合同立憲王政の体制は諸邦の民にその慣習と権利に基づきつつも議会を中心に緩やかに統合している。 貴族中心 ----◆--- 富豪中心 近代以来発展を遂げた金融利害は伝統的な土地利害と連続体を成しつつアトリオンの繁栄を支えている。 農奴制 -------◆ 自由農民 自由の伝統長き国、アトリオンの民よ!世界に汝らの自由を奪いうる者なしと知らしめよ! 保守主義 ----◆--- 革新主義 漸進的に改良せよ。そうして積み上げられたもの、歴史に裏打ちされた理性こそ、社会の繁栄をもたらす。 重商主義 ------◆- 自由貿易 世界の港から原料を買い、世界の港へ加工品を売る。アトリオンの製造業に支えられ、通商の効用はますます増大する。 攻撃主義 ----◆--- 防御主義 大戦後の厭戦感情の中で、戦いに積極的であることは必ずしもよしとはされなくなっている。 陸軍重視 -------◆ 海軍重視 世界の全ての海は我らの濠であり、そして我らの道である。 精鋭 --◆----- 大軍 アトリオン人の血はそんなに安いものではないはずだ。そして女王陛下の軍人は鍛錬を怠ることを許されない。 合同議会 アーカルソン議会がリペルニア議会を吸収して成立した合同立憲王政の議会。貴族院と庶民院の二院制。 アトリオン政体では厳密に三権分立はしておらず、最高裁判所は貴族院の付属機関である。 政党 保守党 保守主義。伝統的なアトリオン政体の維持と夜警国家の継続を掲げる。現在の与党。 自由党 自由主義。党内には古典的自由主義と社会自由主義の間で不一致がある。現在の野党第一党。 リペルニア自主党 地方分権主義。リペルニア王国独自の議会の再建と自治権の拡大を求める政党。 労働党 社会改良主義。議会での勢力は必ずしも大きくはないが、民間団体として様々な社会改良運動を行っており、草の根では一定の存在感がある。 王冠合同党 反動主義。合同直後の、まだ海外との交流も進んでおらず、議会による君主権の掣肘も不十分だった時期を理想とし、その時代への回帰を求める党。 なお、流石に王国分立時代以前への回帰を求める反動派は極端なリペルニア至上主義者くらいしかいないらしい。 経済 産業 農業 伝統的に牧羊が活発。産業革命以来の人口爆発で食料需給は悪化していたが、近年開発の進むアトリオン領南グラニツァで大規模な農園で穀物が栽培されるようになり、合同立憲王政全体では食糧事情は改善傾向にある。 漁業 主にタラ漁を中心に広く行われている。アトリオン近海は世界的にも漁場に恵まれており、これは船乗りの文化もはぐくんできた。 鉱業 本土で良質な鉄鉱石と石炭(無煙炭)が産出する。グリット諸島では貴金属や硫黄といった資源が発見されている。 製造業 アトリオンは実用的な外燃機関(蒸気機関)をいち早く導入した国の一つであり、その長い伝統から重工業が発達している。伝統工業としては繊維産業やガラス産業があるが、これらの分野でも機械技術が積極的に活用されている。 洗練された工作技術により、アトリオン製の工作機械・光学機器・精密部品等はリンディスヴァートと並んで世界最高水準にある。 化学工業では大戦前には技術水準においてリンディスヴァートに追い抜かれつつあったが、大戦後の技術賠償によりいくらか息を吹き返した。 大量生産の導入に関しては流れ作業化は進んでいるものの製品の標準化は東ヤードなどに比べて後れをとっており、生産技術の改善が進められている。 商業 海運業が発達しており、アトリオンの船会社により運行される客船・貨物船は蒼海洋を中心に世界各地で見かけられる。 また、スタックバラは世界中の富の行き交う金融センターの一つである。 企業 アールカース・コングロマリット ウィルミンガムに広大な工場群を構える、アトリオン最大の重工業コングロマリット。自動車や飛行機、ラジオに銃砲まで製造ラインを抱え、製鉄から軍艦までを内製できる大企業で、アトリオン艦の6割はアールカース製。 研究スキル7:航空機試験・火砲・電子工学・一般装備・産業工学・機械工学・艦砲・海軍工学・ロケット工学・弾薬・車両工学・空母設計・爆撃機設計 ライスティン時計工業 リペルニアの精密機械メーカー。もとは時計工房で、現在も時計メーカーとして知られる。しかしこの会社の本領は計量機器にあり、温度計・圧力計・速度計といった部門における世界トップクラスメーカー。 研究スキル8:化学・産業工学・数学・機械工学・技術効率 プリンスフィールド王立科学機械製造所 Princefield Royal Instrument for Science Manufacturer、略称PRISM社。リンディスヴァートのリエナオプティークと双璧を成す世界有数の光学機器メーカー。 国王アダムズ3世が王位継承権二位の王太子であった時期にスタックバラ郊外の工房で行っていた手作業でのレンズ製造に端を発し、現在の本工場も同じ位置に立地している。 研究スキル9:化学・電子工学・一般装備・産業工学・数学・機械工学・技術効率 ディルミナー機械 アーカルソンの工作機械メーカー。リペルニアやニューアーカルソンにも工場があり、ニューアーカルソン工場では工作機械以外にも割と手広く精密機械を扱っている。そのため南グラニツァではアトリオン本国よりもはるかに知名度が高い。 研究スキル8:産業工学・管理・数学・機械工学・技術効率 ヴェルニッツァ輸送機械 ヴェルレニース発祥の輸送機械メーカー。リペルニア・グリット・ヴェルレニースに生産拠点があり、自動車・飛行機等を製造している。航続距離と燃費に優れた飛行機で知られ、グリット諸島ではヴェルニッツァ製水上機がよく用いられている。 研究スキル7:航空学・航空機試験・産業工学・ロケット工学・航空電子工学・車両工学・戦闘機設計・爆撃機設計 メインヘルナ 化学メーカー。アトリオンでは最大の化学工業であったが、近年はリンディスヴァートの化学工業によって斜陽化しつつあった。戦後賠償によりリンディスヴァートの特許と製造技術を手にし、再建を図っている。 研究スキル6:化学・産業工学・弾薬 交通 陸運 産業革命発祥の地として、アトリオン諸島では全土に鉄道網が張り巡らされている。現在では蒸気機関車は姿を消し、電化が急速に進んでいる。 海運 スタックバラを中心に、ヤーディア各地の港へ向かう航路が開設されている。 空運 大戦初期、リンディス軍の空襲を受けてパニック的にアトリオン諸島各地(主に貴族の荘園など)に整備された多数の飛行場と戦後払い下げられた無数の飛行機・飛行船により、過剰ともいえるほど空運産業の下地が用意されていたが、次第に統廃合されつつも主要都市近辺のハブ空港や定期便に集約されアトリオンの航空ネットワークを形成しつつある。 また、元々一家で一隻は小型船を持つのが一般的なグリットやニューリペルニアでは払い下げられた水上機を中流家庭が保有することが一般化し、この文化に本土も影響を受けて量産小型機が次第に中流層に普及しつつある。 アトリオン領グラニツァではヘリウムが産出することから飛行船が主流。 軍事 議会陸軍 アトリオンの陸軍は議会合同によって実質的な統一はなされているが、形式的にはそれぞれの領邦ごとに陸軍が存在することになっている。合同以降大きな戦争に参加したことがなく、近年は士気が今一つ。 王立海軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する海軍。ブルーウォーターネイビーとしての実力を備え、潤沢な予算と装備を持ち、アトリオンのシーレーンを支えている。 王立海兵隊 広義の王立海軍の一部をなす陸戦隊(由来的には敵船への乗り込みが海戦術における王道であった時代の部隊)。大戦においても積極的に作戦に参加している。 王立空軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する空軍。先王の意向で創設されたもので、陸海軍からは微妙な目を向けられているが、マニアックな技術者たちが空中艦隊計画の実現に日々邁進している。未だ発展途上ではあるが、防空体制は比較的よく整備が進んでいる。 外交関係 伝統的に他大陸との通商と勢力均衡を外交政策の主軸としている。 目下のアトリオンにおいて脅威と認識されている勢力はリントヴルム朝ヤード帝国の集権化の進展と清河人民社会主義共和国の社会主義であり、リント朝の地方勢力・ソフィア王国・レオネッサ王国領東タヴェリア植民地・ザルバチ海岸共和国によって前者を、ジャーガルク・シャー国・スルガ・シンファナ=タンクレート共和国連合によって後者を封じ込めようとしている。 国名 所感 ジャーガルク・シャー国 シンガの大国。とりあえず、ムスルマーネン=カリフ国をどうにかしてもらいたいのだが。 清河人民社会主義共和国 我々は永久の敵がいるなどと思ってはいない。だが君たちが我々のことを永久の敵とみなす理屈を信奉しているのであれば、君たちは我々の当座の敵だ。 スルガ 小国だが、進取の精神はある。そして小国ならば、伸びすぎるということもあるまい。 シンファナ=タンクレート共和国連合 革命政府ではある。しかし、世界を赤一色で染めようとする清河よりもはるかにマシだ。 カノミス王国 ほんの数百年前には世界の覇者であった彼らも、今は見る影もない。あのようにアトリオンの繁栄をうたかたの夢としないため リンディスヴァート制憲諸邦同盟 戦塵の中に沈んだ対岸の民もやがては自然の秩序のうちにあるべき地位に戻るだろう。今度は敵にならぬよう、手を打ちたいものだ。 フォンタニエ辺境伯国 運命に翻弄される小国。少なくとも彼らがヤードに飲み込まれることは望まない。だがそれを阻止することに全力をかける価値があるかというとそれは別の話だ。 カラシュ公国 オブスキュアな夜の国。しかし我々もランタンを持って押し入るほど無作法ではない。ただ、かの国から出てくるものには細心の注意を払わねばなるまい。 レオネッサ王国 このファシストという連中は敵とも味方ともつかないな。本国はともかく、南タヴェリアを統治はできるのだろうか? ソフィア王国 前大戦の戦友には、傷が癒えるときまで必要な手助けをしよう。そしてかの国の庶民が戦後世界の平穏を享受できるようにしよう。 トルカーナ公国 彼らにとってソフィア王国は憎むべき相手かもしれない。だが、彼らが世界の全てを憎んで生きるようになってもらっては困る。 リントヴルム朝ヤード帝国 巨大で集権化された隣国というのは落ち着かないものだ。だからといってもう一度大戦をすることを望みはしないが。 ザルバチ海岸共和国 かの国の共和主義はアトリオンの右派、白人至上主義はアトリオンの左派に評判が悪い。とはいえ、地政学上敵の敵たる彼らの存在は有益だ。 ハダカンボ王国 リンディスヴァート領から独立したタヴェリアの部族国家。敵の敵の敵…ということになるのだろうが、ここまでくるともはや敵対ともいえまい。 フィルモア合衆国 カナロア・グラニツァ海峡の門番であり、独立戦争以来の伝統的な友好国。それはおそらく50年後もそうだろう、しかし100年後には分からない。 インティ帝国 油やし、天然ゴム、綿花、茶。インティの物産がカノミスを介さず輸入できるようになったことでアトリオンの工業化は始まったといえる。戦略的にも彼らの勢力拡大は好ましい。 大使派遣国 以下にある国には大使を派遣している。 リンディスヴァート制憲諸邦同盟 隣国。イスティング人に由来するとされ北部イクファターナの共通の政治文化を構成した「古き自由」を守るという点で長らく友好関係にあったが、大戦直前のほんの一時期だけこじれた、というようにアトリオンでは理解されている。 スルガ 礼王朝の近代化政策により招請され清河の地を踏んだアトリオン人の主な勤務の場は二つあり、一つは礼王朝の首都であり、もう一つは海に面し進取の気性の強いスルガ藩である。 礼王朝で内乱が起こるとアトリオン人は都では影響力を失っていったが、スルガ藩ではこの時期までにアトリオン的な学問は広く受容されており、「冷笑派」と呼ばれる勢力が力を持っていた。清河での反アトリオン政権出現の可能性を憂慮したアトリオン人は冷笑派と協力関係を結び、清河における近代化支援のプロジェクトはスルガにおける国家建設支援のプロジェクトへと変わっていった。 独立達成後は通商関係を中心に安定した二国間関係を築いており、清河が社会主義化したことを契機に7614年に防衛同盟を結んでいる。 ソフィア王国 ソフィアの聖女、多数の図書館の存在などの要素がアトリオン人の好感を呼んでいる。一方で、ソフィア社会の抱える様々な社会問題もまたセンセーショナルに報じられてもいる。 ジャーガルク・シャー国 近世に大海原に乗り出したアトリオン人がたどり着いた異国の地。異国の地には当然異国の物産があふれており、イクファターナ東部にこれらの物産を持ち込んだことでアトリオン商人は大きな利益を上げた。 リントヴルム朝ヤード帝国 地政学的理由から公然たる仮想敵国ではあるが、その経済規模の大きさから、アトリオン有数の貿易相手国であるのは確かである。 レオネッサ王国 歴史 (編集中) 古代 上古アトリオン アトリオン諸島にもともといた人々は、アストラヴィチャニン(よく「アストラ系」と呼ばれる。ヤード語で「島の民」の意。往々にしてアトリオン語の通俗語源で「星詠みの民」と解釈されがち)と呼ばれる人々である。 彼らはグリット島に住んでいた先住民ゲアファルから文化的な影響を受けて占星術的な信仰文化を発達させ、自然と共存した農耕生活を送っていた。この時代の史料には石碑がいくつか残っており、上古アストラ語の解読も進んでいるが、記録は断片的であり、今なお研究が進められている。アストリック・デバイスと呼ばれるアストロラーベ的な機能を持つと考えられているオーパーツも発見されており、一定の機械技術の発達を見ていたという見解もある。 大陸からの征服の波の中で アトリオン諸島は古代から度々大陸勢力の拡大の目標として征服の対象とされた。特に北部地域には古代ヤード帝国の属州が置かれたことから遺跡が複数存在する。とはいうもののそれらの征服者はアストラ系を支配しつつも彼らの慣習を改変しようとまではしなかった。 しかし現在のリンディスヴァート北西部を根拠地とするとされるイスティング人の大規模な入植はこの状況を大きく変化させた。次第にアストラ系の勢力は山がちで土地の貧しい南東部に追いやられた。イスティング人は勢力を拡大しつつも内紛を繰り広げていたが、ある時アルカルという人物がイスティング人を糾合し、以てアトリオンを完全に平定しようとした。彼はアーカルソン島全土を支配下においた後リペルニア島への遠征を行ったが陣中で没し、その後しばらくアトリオン諸島は多数の小王国が分立する状態となった。 中世 二王国の成立 イスティング系入植者に抵抗しつづけたアストラ系の諸侯は連合して自分たちの中で最も名声の高かったウィラード1世を推戴し、自分たちの王国を建設した。これがリペルニア王国の成立である。 彼らはイスティング系の内紛に介入し漁夫の利を得ることで勢力均衡を図ったが、ある時リペルニアの同盟者のとある小王国の新王に即位した人物が即位早々に電撃的にほかのイスティング勢力を征服し、自らをアルカルの再来としてアルカル2世を名乗った。アルカル2世はその後すぐに病没するが、彼の長男アーカルソン(アルカルソン)は征服地を安定させることに成功し、アーカルソン王国を建てた。 リペルニア王国にとってこのアーカルソン王国成立は歓迎すべきことではなかったが、国内の安定を実現したアーカルソンに対抗するのは困難と判断したリペルニア王ウィラード2世は自らの娘をアーカルソンの王妃として迎えさせた。以後、アーカルソン王国とリペルニア王国は何度かの王朝交代を経ながらもそのたびごとに姻戚関係を結ぶようになった。 この二王国分立の時代は500年以上にわたって続いたが、時折アーカルソン=リペルニアの人的同君連合を形成することもあった。しかしタニストリー的な選挙王制の伝統を持つリペルニア王国と長子相続であるアーカルソン王国という建国以来の王位継承法の違いからこの時代に同君連合が長続きすることはなかった。 ダルキアンとプロト啓蒙 ソフィア王国の聖女、マリー・ダルクとその事績がアトリオンに伝わったのは、彼女の著書を全て焼くようにという指示によってであった。 これをもとにアンゼロット記念大学で地動説の理論的検証がなされ、得られた結論である「近似計算としては有用である」は、リペルニアでダルキアンな天文学計算を普及させるに十分なものであった。リペルニア文化では天文学計算とはごく日常的に要求されるものであり、複雑化し精緻だが煩瑣な天動説理論は、計算力に優れた人間にはともかく普通のリペルニア人にとっての苦労のもとであったのである。 とはいえ、この時伝わったのは地動説と天体運動理論のみであり、万有引力は伝わっていないとされる。 議会合同と合同王政の成立 (設定調整中) 王国分立を終わらせた契機はリペルニア王国でのクラリッサ王国との継承戦争である。リペルニア王ヘンリー3世は苦戦の末に諸侯の活躍によってクラリッサ王アドルフ1世を捕虜とし、この戦争に勝利したが、この勝利はピュロスの勝利であり、賠償金は諸侯への報奨に消えた。こうしてリペルニア王はこの時期には次第に北方大陸の通商で存在感を示しつつあったアーカルソン王国に対して劣位に置かれた。 継承戦争の数年後、当時のアーカルソン王ジョン2世が崩御するとヘンリー3世はアーカルソン王位を継承したが、彼は荒廃し諸侯の専横が甚だしいリペルニアに倦んでおり、伝統的にアーカルソン王にしてリペルニア王となった者の王座は両王国の国境付近の街に置かれるという慣習を無視してアーカルソン最大(そしてアトリオン最大)の都スタックバラを居とした。 リペルニア諸侯は次第にこれに不満を募らせ、ついには反乱を起こすが、この反乱はアーカルソン軍によって鎮圧された。ヘンリー3世は反乱の発端となったリペルニア王国議会(国王選出権を持つ)を解散しアーカルソン議会に統合させた。この合同議会の最初の仕事はリペルニアの王位継承法をアーカルソンと同じものにすることであり、この議会合同を以って歴史学的には合同立憲王政アトリオンが成立したとされるが、法的にはこの次の代に女王となるシャーロット1世の即位を巡る混乱に対処するためアーカルソン=リペルニア王位が宣言された時点が合同立憲王政の成立とされている。 近世 初期啓蒙と立憲王政の確立 リペルニアで地動説が計算手法として用いられていることは公然の秘密であり、アーカルソン人もそれが異端の係累に属すると知りつつもひそかにこれを活用してはいたが、教会中央からはアトリオンは辺境の地であり、大きな問題にはならなかった。 しかし、この時期にアンゼロット記念大学の哲学教授ランキンが裁判記録を発見、知り合いでリニス大学の数学教授であるアーシャに見せ、彼女が自ら創始した微積分学によって定式化したことにより、解析力学の体系を作り上げた。 ランキンは彼女の成果を称賛、彼女の方法論を人間知性の研究に適用し、生得観念を否定、アトリオン観察主義哲学を創始し、さらには最初期の自由主義思想を唱え、アーカルソン=リペルニア合同時に締約された権利憲章を自然権論により正当化した。 ランキンとアーシャの考えはアトリオンで広く受容され、最初期の啓蒙を形作った。とくにランキンの立憲自由主義は次第に政府にも受容され、立憲王政の確立につながった。 グリットの統合 伝統的に家族より大きな共同体の観念が薄いゲアファルは、アーカルソン王が掲げる「グリットの領主にしてゲアファルの君主」という称号を是認しており、グリット諸島に進出するアトリオン人に対しても住処や漁場を荒らされない限りは特に抵抗してこなかった。アーカルソン王の側も庇護民に過ぎないゲアファルに対しては自らの信仰や文化を押し付けることを目標とはしていなかった。 合同王政の確立もこれをすぐに変化させることはなく、むしろ合同王政がリペルニアの信仰や文化を維持することによって成り立っているために維持する方向をさらに強めた。 しかしながら、シンガ航路の利益がますます増大する中、道中の島嶼に補給基地を設置する必要性がますます増大しつつあった。 ここで登場する「無色透明の王」アダムズ3世は、兄であるアダムズ2世が即位して1年足らずで急死したため、急遽王位についたアーカルソン=リペルニア王である。彼は幼少時から勃興しつつある科学に対して関心を持ち、長男ではない(つまり跡継ぎではない)のをいいことにアンゼロット記念大学で光学を学び、顕微鏡と望遠鏡に関する最新の知識を身につけた、「史上最も高貴なレンズ職人」である。彼の下で世界初の学会といわれる王立学会が設置、それ以外にもさまざまな学術組織が国王の支援を受け設置されるなど最初期の科学革命のアトリオンにおける基盤が整備された。 アダムズ3世は即位以降も統治に対してはほとんど関心を持たず、議会・宮廷・国教会の三者による勢力均衡のなすがままにしていたが、友人の天文学者が異端審問により自説の撤回を余儀なくされたことに衝撃を受け、彼は異端審問の力を弱めるべく行動を起こす。これにより学者の学説への異端審問が厳しく戒められた結果、国教会の異端審問部門はグリットのゲアファルに対し改宗活動を強化していくことになる。 この布教活動は一定の成果をあげたが、次第にゲアファルからの反発も強まり、ついにはゲアファルはグリット諸島近辺を航行するアトリオン船を襲うようになる(第一次ゲアファル戦争)。当時の軍艦はゲアファルの襲撃に対して無力であったため、ゲアファルの襲撃への対応には改宗したゲアファル兵が用いられた。 この戦いが激化すると通商活動への損害も大きくなり、見かねた商人勢力中心の議会はアダムズ3世の暗黙の支持のもとに国教会を封じ込め、異端審問を事実上骨抜きにすることに成功した。第一次ゲアファル戦争はこれにより終息したが、この時抵抗したゲアファルと改宗したゲアファルの対立は後の争点となった。 アダムズ3世の没後、彼の孫であるアダムズ4世が即位した。アダムズ4世は絶対主義を奉じ、統治、信仰、そして家庭をほとんど顧みず学究的生活に身を投じた祖父を国王の模範たりえないとして厳しく否定し、そして「国教会の首長」としての自らの地位を重視していた。アダムズ4世は祖父が骨抜きにしていた異端審問を復活させ、アトリオンとグリット双方で積極的に活動させた。 この政策に関しては、本土での支持は実際のところ悪いものではなかったが、当然のことながらゲアファルからは激烈な抵抗を招いた(第二次ゲアファル戦争)。戦いが長期化すると、第一次ゲアファル戦争と異なりゲアファルは組織化の方向へと向かった。 近代 フィルモア・インティ両国独立の支援 ゴーシュ海において覇権国家であったカノミス王国ではあるが、この時代にはカナロア植民地が独立への動きを加速させていた。 これをカノミスの勢力を大幅に巻き戻す好機であると見たアトリオンはヤードと歩調を合わせてフィルモア・インティ両国の独立を支援した。 なお、この時点ではアトリオンの植民地はグリットとニューアーカルソンだけで、いずれも自立してやっていける地力は全くなかったので自国の植民地独立を心配する声はなく、むしろリペルニアの分離主義が懸念されたようである。 グラニツァ入植の開始 (ヴェルレニースにおけるリエナ・クラリッサとの角逐) 工業化の進展 グラニツァへの入植と蒼海洋貿易の拡大のなかで、、アトリオン島から輸出できる物産をさらに多様化すべく、製造業を発展させた。 まず外燃機関の発展により鉄道と汽船が実用化され、陸運と海運が急速に成長した。この時期になってようやくアトリオンは「世界の果ての、偏屈な学徒の隠れ家」から、一端の国家として認知されるようになる。 現代 礼王朝への進出とニューリペルニアの獲得 航空技術革命 南グラニツァの発展 大戦の時代 文化 大学 アトリオンに存在する大学は中世の間に設立され法的根拠を国王の勅許による大学と近代以降に作られた大学の二種類ある。 勅許大学 儀礼的にはその教員には学問と研究の自由、組織としては不輸不入の特権をアーカルソン=リペルニア国王から認められた大学。アーカルソンに2つ、リペルニアに1つある。全て中世に由来を持つ大学である。 リニス大学 中世盛期アーカルソン王国において、宮廷の貴族が貴族院の円滑な運営のため共同で出資し著名な法学者を招いて自らの子弟に教育させたことを由来とし、その数十年後にはそれまでの貢献によってアーカルソン王から勅許によりアトリオン初の大学として設置されたアーカルソンの勅許大学。 自然法や海洋法を中心に法学研究がよく知られる一方、自然神学的な学問を契機として近世における初期の古典力学発展の舞台にもなった。 エタブリッシェ大学 中世後期のアーカルソン王国で、絶対主義の導入を目指す国王が自らに忠誠な官僚を欲してリニス大学の一部の教員と学生を引き抜いて作った勅許大学。 当時のアーカルソン王がヤード皇帝に対し自らの格を主張するため古典古代研究に力を注いだこともあり、ヤード国外ではトップクラスの古典学研究がなされている。西ヤード分裂時代やイスティングといった歴史に関しても研究が進んでいる。 アトリオン語研究の中心でもあり、エタブリッシェのアトリオン語辞典はアトリオン語辞典の中でも最も精緻な記述で知られる。 中世以来伝統的に天文学研究も活発であるが、これはリペルニアの星詠み文化への対抗の意味が強い。リペルニアにおける国王とは、星を詠み、それに基づいて地上世界で政治・軍事を司る力量の最も高い者であり、天文現象を精緻に予測できない者は権威を認められないからである。 アンゼロット記念大学 系譜的には中世初期の普遍教会修道院である聖天使修道院(リペルニアの修道院文化は円十字教でも特に古い由来を持つ)の付属学校、大学としての成立はその修道院長を務めたとある教会博士の尽力のもとでリニス大学をまねてリペルニア王の勅許を受けたことに由来するリペルニアの勅許大学。 合同後、国教会が圧倒的に優位なアーカルソンと異なり、改革教会が優位を持ち普遍教会の勢力も残るリペルニアにあって、アーカルソン=リペルニア王による改めての勅許により円十字教徒であれば宗派を問題としない姿勢をとった。 リペルニアの周縁的な地位ゆえ、アーカルソンの勅許大学に比べると官界・政界への影響力は見劣りする一方で、本学の卒業生の中には望遠鏡を発明し科学革命への道を開いた者、重商主義を否定し経済学という学問領域を作った者、蒸気機関を初めて実用化し産業革命の端緒を築いた者などがおり、科学技術の分野においてはアーカルソンの勅許大学に勝るとも劣らない存在感を持つ。 階級社会 貴族 アトリオンの貴族は制度的には世襲貴族と一代貴族、法的には依拠する慣習法の異なるアーカルソン貴族とリペルニア貴族の区分がある。ただし大貴族や古い由来を持つ貴族はアーカルソン貴族かリペルニア貴族かはっきりしているものの、中小貴族に関してははっきりしないものも多く、それらは合同立憲王政貴族と呼ばれることも多い。ただしアトリオンの貴族は異なる種類の身分との通婚をあまり忌避しないため、社会的にはアトリオン貴族という一体の存在をなしていると考えられることも多い。 アトリオン貴族たる者の資格は、伝統的に学識と資産であると考えられてきた。これは貴人とは天界の秩序を学び、自然の法則を理解し、それに従って地上を統治する者であるというリペルニアの伝統的価値観と、自らの土地を求めて自弁の武器と共にアトリオンの地を踏んだイスティングの戦士たちの慣習が複合して生じたものである。 一代貴族に叙される目安も勅許大学の教授が務まる程度の学識とカントリーハウス(もちろんある程度の田園を備えることが望ましい)を持てる程度の資産であるとされる。慣習的には一代貴族に叙されることが三代続けば世襲貴族号を付与されるとされる。逆に何の学術的成果もあげずに代替わりした場合、戦死や短命といった事情がない限りは保持する最上位の爵位の継承は認められないことが多い。 現在存在する貴族の特権は「貴族を名乗れること」と「貴族院における参政権」のみである。アトリオンの貴族が持つ爵位は形式的なものであり、実際にはその土地は地域共同体が統治するため、統治権や徴税権は持たない。 学者の国、啓蒙の国 リペルニアでは伝統的に学問が好まれ、自ら新しい学問的成果を作り出すことが貴人の条件とされてきた。中世以来アーカルソン人もこの影響を受け続け、合同以降はアーカルソンと同レベルで学術研究の発展を志向するようになっている。近代以降中流階級が台頭すると彼らはより実学を重視するようになるが、実学といっても100年後に役に立つような基礎科学もまたアトリオン人中流階級にとっての実学である。 そのため、アトリオンでは高等教育機関が古くから発達しており、優れた学識者や学識あるエリートを育成してきた。改革教会の浸透・国教会成立以降は庶民の識字率向上も進展している。 ニューアーカルソンでもこの傾向は受け継がれているが、ニューアーカルソンの場合には学識を身に着けることは貴人の条件とか生活の改善とか立身出世の手段ではなく人間が当然持つべきものとされている。 治安・衛生 アトリオン領の治安・衛生状況は比較的安定しており、本国はイクファターナ随一の低い犯罪率となっている。階級社会ではあるが、民衆の間での疫病の伝播に対する警戒心は強く、行政機関は衛生環境の向上に関しては貧民街であっても積極的に取り組んでいる。 グリット諸島、ニューリペルニア、ヴェルレニースは本国ほどではないが警察機構は有効に機能している。なおニューアーカルソンは重犯罪を見ると本国並みに低いが愚行権を認めず何でも軽犯罪にするため統計上の犯罪率は他のアトリオン植民地と大きく変わらない。レイズフィル内陸部では警察機構が機能していないため統計がないが、沿岸部ではヴェルレニース並みの状況と報告されている。 アトリオンの入国管理や税関は密輸や密航だけでなく防疫にも注意を払っており、特に本国の入国手続の煩瑣さは有名である。 二十則委員会 リペルニア王国に存在する公安組織。内赦執行機関。「外法から自然法を防衛する」ことを趣旨とし、中世リペルニアにおいて聖ルーアンの事件に衝撃を受けたリペルニア王が竜大公の助言に基づき創設した組織。大陸からの吸血鬼や人さらいの類に対する侵入阻止を主な活動目的とし、法運用の厳格さから恐れられてきた。一般には合同以降は形式上の存在に過ぎないとされる。 人名の命名規則 原則として、男性にはミドルネームがなく、女性にはミドルネームがある。アトリオンでは貴人は爵位や称号が長くなる傾向にあり、貴人も複雑で長大な名前を付ける習慣を持たなかった。そのため4単語以上の名前を持つのは基本的に移民のみである。 ゲアファルに関してはもともと古代には個人の名前が希薄で、アトリオン諸島を超えて東進したイスティングから名前の概念を受け取ったとされる。現在でもその名残で名前はイスティング系であり、姓の代わりに父称を用いる。 食文化 伝統的にアトリオン料理といえるものは大したものがない。そもそもアトリオン語では家畜はアストラ系の語彙、食肉はリンディス系やヤード系の語彙が用いられているように、アトリオン人は伝統的に美食の文化を持たなかった。あるのはサンド、ローストビーフ、フィッシュアンドチップス、そんな程度である。グラニツァにおいてもニューアーカルソン人はコーンフレークを禁欲のために食べ(旧大陸ではコーンフレークは砂糖入りのものが普通だが、ニューアーカルソン人は「精力がついてしまう」と嫌う)、ヴェルレニース人は「コメは野菜だからヘルシー」と考えている有様で、レイズフィルにおいては大地主がソフィアやレオネッサから雇ったシェフのフルコースを味わう一方で奉公人は三食オートミールというような世界である。唯一発達しているのはティータイムの文化で、あとはフルブレックファストのしっかりとした食事である。 …が、そのような状況はここ二十年で劇的に変化した。礼王朝末期の政情不安からアトリオン語を身に着けたシンガ系の人々が多数流入し、シンガの食文化を伝えた。とりわけ影響力が大きかったのはスルガである。そして、大戦中に女性が労働力とされるようになると、家庭で料理する時間がなくなったためにシンガ料理店で昼食や夕食を済ませることが恒常化し、戦後になってもその傾向が続いた結果、今となってはアトリオン料理のレストランを見つけるほうが困難である(ティーハウスやパブは現在でも盛況だが)。 思想 リペルニア幾何魔術(星術) リペルニアにおける魔術。ナハト市の魔女と同じように、三角帽子に黒いマントという服装をとることが多く、外見上は類似している。しかしその体系の内容を見ると、大地と生命を扱うナハト魔女と天文と幾何を扱うリペルニア魔女は大きく異なっている。これを共通の由来を持ちながら学問スタイルの違いにより分かれたととるか、まったく無関係ととるかは議論が分かれる。 顕名をむしろ秘匿に失敗したという意味での不名誉とし、また大学のような制度化を行わず師弟関係によって学問を継承するスタイルから、その歴史的実態は詳細が明らかになっていない。 リペルニア王の顧問にはリペルニア魔女出身の人物も多く、近世まで相当の影響力を持ったが、合同以降は表舞台からは姿を消した。しかしその時期には出自不明のリペルニア人数学者・物理学者が多く輩出されており、関連が指摘されている。 アトリオン観察主義哲学 近世に哲学者ランキンと数学者アーシャが創始した、アトリオンの伝統的な哲学の流派。自然をよく観察し、データを収集して分析することを尊重する。 アーカルソン宇宙主義 アーカルソンで自然哲学と国教会教義をもとに発展した思想。自然を制御することによる重力と死からの解放を説く。リペルニアの天文学に対する対抗イデオロギーの側面もあるが、このためにロケット技術がアーカルソンでは発達を見せた。 国民 民族・人種 アーカルソン人 アトリオン諸島に入植したイスティング系に由来を持つ主にアトリオン諸島北部の民。大陸からの優れた戦闘技術・農業技術を持って中世アトリオンを席捲した。外見は銀髪碧眼の典型的な北方系。 古くから子は成人すると親元を離れるのが普通であり、比較的家族単位の独立性が高く、個人主義的な土壌を育んだ。継承法は基本的に長子相続。 リペルニア人 イスティング系に抵抗したアストラ系を由来とするアトリオン諸島南部の民。独特の星詠みの文化とウイスキー醸造などで有名。 タニストリー的な、親族会議により家督相続を決定する慣習がある。 ゲアファル(ゲアファオル) グリット諸島の先住民族たる大型の有翼亜人。彼らは水面効果を活かして海面上を滑空し、また翼を巧みに使って水中でも機動的に動くことができる。また、視力(特に暗闇や動体、立体)に優れ、磁覚をはじめ、人間の持たない知覚能力をいくつか持つ。小家族的な集団で暮らし、きわめて家族に対する情愛は深いと言われる。 本来はノマド的な生活を送っており、南北に広がるグリット諸島を季節に応じて渡り、アニミズム的な信仰の中で海洋と気象に関する優れた理解をもって漁労を中心とした暮らしを営んでいた。 古くよりアトリオン諸島に流れ着いた彼らが自らの地学的知見をアトリオン人に提供することも多く、リペルニア神話によるとリペルニアの星詠み文化も彼らの系譜上にあるとされ、リペルニア貴族の出自の逸話として流れ着いたゲアファルを祖先に持つというモチーフは多くみられる。 しかし、近世以降になるとアトリオン人の勢力拡大のなかで飲み込まれ、異端審問によりアトリオン国教会に改宗させ定住化させるなど同化が推し進められ、ゲアファルの文化は大きな打撃を受けた。 近代以降は彼らの漁業はもはやアトリオン人の近代的漁業に太刀打ちできなくなっており、定住化を受け入れて農耕生活を行う者や近代的漁業を受け入れてアトリオン漁民と変わらない生活を送る者が多いが、高級魚の分野では今でも伝統的なゲアファル漁法を続ける者もわずかながら存在する。 また、その能力を活かして偵察兵・水兵・航空兵などの分野で軍務につくことも多く、家族を養うためなら何でもする習慣もあってアトリオン軍人として戦史に名を残すゲアファルも多数存在する。軍人・学者・貴族仕えなどの道から一代貴族の地位を得るゲアファルは多く、人口比で考えると一代貴族のうちゲアファルの比率は突出している。 エルミーナ 南グラニツァの先住民族たる小型の有翼亜人。夜行性。非力だが器用な種族で、細かい作業を得意とする。超音波を送受信する能力を持ち、エルミーナ同士の会話や反響定位に用いる。そのため長らく元々は言語文化を持たない種族と認識されてきた。 本来はレイズフィル中東部の森の中に住み、反響定位により障害物を認識して小柄な体で巧みに木々の間を自由自在に翔け、小型の哺乳類を捕食して生活していた。 人間とは根本的な価値観が異なるらしく、他者に対する継続的な悪意や敵意を持つことに乏しい。それでも学習を通じてアトリオン語やアトリオン文化を理解するようになり、もともと多様性の高いヴェルレニースでは普通の住民と混ざって職人として暮らすようになったエルミーナも多い。一方、レイズフィルではペットのような扱いになっていることもしばしば。ニューアーカルソンでは彼らの本来の言語が天使の言語なのではないかと研究対象になっている。 つがいはそれぞれ他のつがいとある程度距離をとって生活する習性があり、人間も同胞として認識しているらしく、レイズフィルに入植が進むと人間から距離をとろうとすることで急速に生活圏を拡大、現在はレイズフィルやヴェルレニース全域とニューアーカルソン東部に分布している。入植してきた人間にそれほど害意を持たず、居住圏が接近すると勝手に逃散すること、森の中を飛び回り補足しがたいことから、他の先住亜人と異なり入植が進むほど相対的に勢力を拡大し、やがて入植者にその生態が理解されるようになると南グラニツァの先住民族の代表格として共存するようになった。 宗教 アーカルソン国王を首長とする円十字教の宗派であるアトリオン国教会が主流。公職に就くには国教徒が望ましいとされるものの、信仰の自由は保障されている。 リペルニアでは古代から続く星詠みの文化が残っているが、円十字教自体はどこでも受け入れられている。 人物 王族 アン4世 神と自然法の恩寵によるアーカルソン=リペルニア女王、グラニツァ大陸およびグリット諸島およびニューリペルニア諸島の領主、アトリオンの古き法と自由の擁護者、アトリオン国教会の首長。今代の合同立憲王政の女王。 公正無私の人で、およそありとあらゆる私欲というものを見せない人物。臣民を平等に尊重しており、庶民からは好感をもって迎えられているが、その尊重の裏返しとして他国に対しては冷淡で、外交的にはオフショア・バランシングの立場を推進する。一見して自制と厳格さを持ち、それでいて人付き合いもよく情緒も解する人物であり、国内外問わず一度面会した人の信頼を獲得する魅力を持っているが、実際のところその私欲を見せないありようはそもそも何かを楽しむという観念を持たないところから来ており、付き合いの長い側近にはその人間味のなさをある種恐れられている。アトリオンの民のアトリオンの女王にふさわしく博学だが、本人の専門性というのは希薄で、学問的には実務家的な社会統計学者。 【魅力的な交渉人/Charismatic Negotiator】【強硬な孤立主義者/PIG-HEADED Isolationist】【広い人脈/Well Connected】【厳格/Strict】【慈善家/Benevolent】【貞節/Chaste】【充足感/Content】【公正/Just】 人物評 ベアトリーセ・バーデ・エールリヒ・フォン・リンディスヴァート・アイブリンガー=エスレーベン 名君になるもならぬもお気に召すままに。私は手駒ではなく自律的存在者を配したつもりですが。 クローヴィス・ソフィア・クラリッサ・フェンタジネット ソフィア王よりもリペルニア貴族になったほうが彼には幸せでしょう。とはいえ、君主にとっての幸せとは臣下の幸せですから、あのやり方も間違ってはいない。 ピエール・デュカス 求められているものと必要なものは一致しないという事実を認めることこそ政治屋の条件。それを完璧にこなしている人物ではあります。 アレクシオス・ユスティニアヌス 私に理解され、同情されることなど望まないでしょう? 今川ユーナ 立憲君主制での君主とは偶像であって、その意味では今で充分でしょう。生まれた時から独立国の君主であったわけではないのだから、ある程度は致し方ないものです。 蒼識アローン 個人として合理的であることが社会として合理的である、ふむ、良いことですね。 ホルム・マンカリル 祭り上げられられた人間に自由はありません。それでも祭り上げる人々に自由と平等を認めねばならぬものですが。 アルフレド13世 多くを失っても、すべてを失っていない限り、終わりではない。それが幸せかどうかは分かりませんが。 政界 エドワード・バード 現在の首相。保守党。リペルニア貴族の出身で、家柄としては中堅程度。質実剛健を旨とし、その私生活においては簡素。人間・国家のいずれにせよ関係性の分析に長けた策略家。 【稀代の黒幕/Elusive Shadow】【寡黙な勤勉家/SILENT WORKHORSE】【政治家/Statesman】【盤戯の達人/Game Master】【節制/Temperate】【冷笑的/Cynical】 ウィリアム・スミッテン 自由党党首。父はセント・ミカエル海上城塞生まれ、母はニューリペルニア生まれで本人は船上生まれという海洋国家アトリオンらしい出自の人物。彼自身も海上保険会社を創業したことをはじめ、金融業で財をなした資本家上がり。彼自身は既に経営から手を引いていたものの、世界大戦で彼の興した会社の事業が一時危機に陥ったこともあり、総力戦を嫌っている。ただし平和主義者といえるかと言えば必ずしもそうではなく、植民地戦争には肯定的で、彼の手掛けた事業の中には海軍とのかかわりが深いものも多い。 【金儲けの達人/Fortune Builder】【レッセ・フェール資本主義者/LAISSEZ FAIRES CAPITALIST】【交易商人/Trader】【大食/Gluttonous】【勤勉/Diligent】【社交的/Gregarious】 外交官 クレア・マリー・ウィルソン 駐リンディス大使。文学修士(エタブリッシェ大学)。庶民の出でありながら語学の才能と超人的な努力によって本来貴族の職である大使に上り詰めた才女。 【魅力的な交渉人/Charismatic Negotiator】【イデオロギーの闘士/IDEOLOGICAL CRUSADER】【外交官/Diplomat】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【謙虚/Humble】【臆病/Craven】【社交的/Gregarious】【冷笑的/Cynical】 リチャード・マクダウェル 駐スルガ大使。法学博士(リニス大学)。スルガ人の期待するアトリオン人イメージを崩さぬ教養ある紳士で、スルガ独立以前から外務省で清河政策に携わり、スルガ独立後はアトリオン=スルガ同盟の成立を主導してきた。 彼も天文学の学識と学究的性格を持った典型的アトリオン貴族で、彼の場合はその関心は西方の社会と文化に向かっている。本来の専門は比較法学であるが、しばしばその分析手法は社会人類学的と言われる。冷笑派にとってはアトリオン法学のスルガにおける紹介者の一人でもある。 【影の実力者/Gray Eminence】【偏見ある知識人/BIASED INTELLECTUAL】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【盤戯の達人/Game Master】【学者/Scholar】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【忍耐/Patient】【社交的/Gregarious】【冷笑的/Cynical】 スタンリー・ハクスリー 駐ジャーガルク大使。経営管理修士(ニュースタックバラ大学)、経済学博士(アンゼロット記念大学)。ヴェルレニース生まれでニューリペルニアを拠点に貿易会社を経営してきた経済人。大戦で中央海航路が使えなくなったため東西の大航路の重要性がさらに高まったことからアトリオン政府から招聘を受けて以降スタックバラで通商政策に関与するようになる。 【金儲けの達人/Fortune Builder】【偉大な調停者/GREAT COMPROMISER】【レッセ・フェール資本主義者/LAISSEZ FAIRES CAPITALIST】【交易商人/Trader】【行政家/Administrator】【勤勉/Diligent】【社交的/Gregarious】 キャロライナ・ジュリエット・チャットウィン 駐ヤード大使。文学博士(エタブリッシェ大学)、経済学博士(アンゼロット記念大学)。経済学という学問自体の成立を哲学的に検討すること目的に古代ヤード哲学と近世アトリオン哲学と近代経済学を修めた教養人で、リントヴルムポリス留学経験者。古典哲学の世界から出てきたかのような懐疑主義と禁欲主義の実践者。 戦後のヤードへの外交官に誰を送るかということは大きな問題で、策士、商人、軍縮交渉の実務家、様々な候補があったが選ばれたのは彼女であった。これはアトリオン人の理解では結局のところ問題はヤード帝国の歴史がもたらす彼らの傲慢さにあり、ヤード人に対して外に学ぶべきものがあると知らしめることは戦後体制の延命につながると考えられた、ということを意味する。 【博識な古典学者/Scholarly Classicist】【懐疑主義者/Skeptic】【偏見ある知識人/BIASED INTELLECTUAL】【端麗/Attractive】【学者/Scholar】【禁欲主義/Celibate】【詩人/Poet】【貞節/Chaste】【忍耐/Patient】【謙虚/Humble】【公正/Just】 ノエル・ブライトウェル 駐ソフィア大使。工学博士(ハリントン大学)、数学修士(エタブリッシェ大学)。法的には庶民だが、6代遡るとクラリッサ皇帝に繋がる家系の持ち主で、祖父は信仰のために相続権を放棄しニューアーカルソンに移住したアーカルソン貴族。彼自身も一代貴族の候補になったことがあるが、これは本人が拒絶した。 敬虔なニューアーカルソン改革教会信徒の両親に育てられたが、次第にその価値観に疑問を抱くようになり、技師となるべく入学したハリントン大学で社会工学に出会い、信仰ではなく科学的方法による社会の改良という発想に魅せられ革新主義者となった。両親とも当初は対立したが、現在では彼のよき理解者となっている。以来、アトリオン各地で行政官として働き、社会改良に努めてきた。このように信仰を疑い合理的方法によってではあるものの社会の非道徳は解決されなければならないという態度からは典型的なニューアーカルソン人であると言え、近年のニューアーカルソン革新主義・進歩主義派の旗手である。 如何に行政官として社会問題に向き合ってきたとはいえ、アトリオンのアカデミズムとニューアーカルソンの知性主義の世界で生きてきた彼はソフィア大使に任ぜられて初めて想像を絶する無知・不衛生・貧困の中で暮らすソフィア貧民の生活を知り大変に驚愕している。しかし、彼はそれでもこれまでのキャリアでしてきたのと同じようにソフィア社会の実情を合理的に分析し、彼らの待遇が改善される方策を考え続けている。本国ではあまり主流ではない彼が大使を務めているのは、本国外務省にとってもソフィアの貧困は共産主義者の絶好のプロパガンダ素材とされることが問題視されていることを意味する。 自由党の社会自由主義側の中心的人物の一人。誤解する保守主義者も多いが明確な反共主義者。万人が同じ生活水準を享受できるところまで民衆の生活を引き上げねばならないと考えながらも民衆が自らの力だけで自らを救済できる可能性を否定する、この点でも典型的ニューアーカルソン人。 【真面目な官僚/Dutiful Bureaucrat】【革新主義者/Progressive】【明敏/Quick】【行政家/Administrator】【慈善/Charitable】【勤勉/Diligent】【公正/Just】【狂信的/Zealous】 アーチボルド・ランフランク 駐カノミス大使。神学博士(エタブリッシェ大学)。 礼王朝の氷刹省でアトリオン国教会の宣教師をしていた元聖職者。韓語、スルガ語、カノミス語、シンファナ語、タンクレート語などのシンファナ海周辺の諸言語を流暢に操り、また天文学・数学・機械工学などで教職が務まる程度の学識を持った国教会随一の秀才。清河人、特に対アトリオン取引をする商人に広く人気があった。革命後も親アトリオン軍閥下で布教活動を続けていたが、社会主義者が勢力を増すと、当然のことながら外国勢力で商人と親しい聖職者の居場所はなくなり、少数の信徒と共にどうにか逃げ延びることに成功した。しかし、信徒の多くを守れなかったことがトラウマになり、宣教の際の滑らかな弁舌は失われ、信仰に対しても懐疑的になって聖職者を辞する。その後知り合いの官僚に招かれ西方言語の語学力のある人材を求めていた外務省に入り、ロードレスランド政策の一翼を担うようになった。 【魅力的な交渉人/Charismatic Negotiator】【ストレス/Stressed】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【神学者/Theologian】【禁欲主義/Celibate】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【社交的/Gregarious】【公正/Just】【冷笑的/Cynical】 スティーヴ・ティレット 駐トルカーナ公使。陸軍退役大佐。法学博士(リニス大学)。大戦中にソフィア大使館駐在武官を務めていた人物。実直で厳格かつ勤勉な性格、「古き自由」とアトリオンを中心とした世界の安定を奉じる保守主義者、という典型的アーカルソン貴族出の陸軍軍人であったが、航空戦力の導入や海軍・海兵隊との連携によってアトリオンの安全は保障されると考える柔軟さも持ち合わせた人物で、そのために海軍軍人との協力を求められるソフィア駐在武官に任じられた。 大戦中、地中海に派遣されたアトリオン軍のネットワークの結節点ともいえる役割を果たすと同時に、戦線で度々観戦武官としてソフィア戦線の戦場に出るが、毎度ソフィア軍の過剰な民間人への暴力をめぐって指揮官と言い争うため本国からは何度も左遷を検討されていた。しかし彼の周囲の軍人から「大戦が終わるまで絶対に彼はここに必要」との声もあり、大戦が終わるまでその職にとどまる。大戦後期には何があったか国際法について学びだし、ソフィア休戦協定が結ばれた直後に陸軍を退役、本国に戻りリニス大学で法学を学び、国際法と人道主義に関する論文で博士号を取得する。その後は外務省に勤め、リンディスヴァートの武装解除などで活躍した後、駐トルカーナ大使に就任。トルカーナ人には「よきアトリオン人スティーヴ」として知られるが、本人はそう呼ばれると何とも微妙な顔をする。本人曰く、「自分には何もできなかった無力者」。 【熟練の戦術家/Skilled Tactician】【偉大な調停者/GREAT COMPROMISER】【心理戦科/SCHOOL OF PSYCHOLOGY】【陸空共同作戦論/ARMY AVIATION DOCTRINE】【市街戦/Urban Warfare Specialist】【包囲戦/Encircler】【規律/Disciplined】【ストレス/Stressed】【うつ/Depressed】【行政家/Administrator】【慈善/Charitable】【勤勉/Diligent】【臆病/Craven】【公正/Just】【冷笑的/Cynical】【疑心暗鬼/Paranoid】 研究スキル7:集中実行・諸兵科連合部隊重視・大規模部隊戦術・訓練 学界 エミー・アイザック・ケーニヒスベルガー 物理学者・数学者。物理学博士(アンゼロット記念大学)。リニス大学教授。アトリオンの才媛。波動方程式と相対論的収縮を発見した物理学者であり、量子力学と相対論の双方への扉を開いた。 科学者として天才的であるだけでなく、後進の育成には学界に金を引っ張ってこなければならないことをよく理解し、政財界にも広いコネクションを有している。しかし外面では良識ある人間のようにふるまう一方で、その内実は数学と物理学の進歩以外のあらゆるもの、常識的観念や道徳規範や人間関係の何から何まで無意味であると考えている懐疑主義者で虚無主義者。彼女の下で学ぶ学生いわく、「彼女に常識的にふるまえる能力があることがまず非常識」。本人いわく、「何をすれば他人が自分と同類であると誤解するのか観察するのが趣味」。 【並ぶ者なき物理学者/Mastermind Physicist】【操作可能性の操作者/Handler of Handling】【懐疑主義者/Skeptic】【虚無主義者/Nihilistic】【管理の天才/Administrative Genius】【自然科学者/Natural Scientist】【天才/Genius】【傲慢/Proud】【気まぐれ/Arbitrary】【冷笑的/Cynical】 研究スキル10:電子工学・産業工学・数学・機械工学・核工学・核物理学・航空電子工学 ヘンリー・ウィルミントン 神学者・歴史学者・言語学者。神学博士(エタブリッシェ大学)。エタブリッシェ大学教授。聖書翻訳の歴史を研究している。 人当たりのよい紳士で、多言語能力もあって特に留学生には話しかけやすいと人気。なお、非円十字教徒にも表面上取り繕うだけの度量はあり、高等批評をする自由主義神学者でもあるものの、あくまでも彼自身は敬虔な円十字教徒であることは忘れてはならない。 【博識な人文学者/Scholarly Humanist】【偏見ある知識人/Biased Intellectual】【神学者/Theologian】【禁欲主義/Celibate】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【公正/Just】 シンシア・エイミー・オブライエン 気象学者・雪氷学者。探検家・飛行船航法士。理学博士(アンゼロット記念大学)。リペルニア最大の貴族グウィンドル公爵家分家の当主。アトリオン空軍創設の主導者の一人。ただし本人が持っている軍歴は大気海洋庁士官部隊で観測気球を扱っていただけで、直接空軍軍人となったことはなく、大気海洋庁で航法士になるのは士官部隊を外れてからである。空軍創設後は熱心に空中艦隊構想を推進していたが、近年は空対地攻撃よりも防空に主眼が置かれ、彼女のプロジェクトは下火になっている。そのような状況下で注力する方向を変えた彼女は払い下げられた空中戦艦に自ら乗り込み各地で探検飛行を行うようになる。最も有名な実績として、北極点に着氷して世界初の北極点到達者となったことが挙げられる。 なお、学者としてはケーニヒスベルガー女史を熱烈に崇拝するケーニヒスベルガー主義者。専門は違うものの、どんなに忙しい時でも彼女の最新の研究はフォローしている。 【熟練の航法士/Skilled Navigator】【陸空共同作戦論/ARMY AVIATION DOCTRINE】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【傲慢/Proud】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】 研究スキル6:航空学・産業工学・機械工学・沿岸航法・操船術・技術効率・空挺訓練・空母設計 ナタリア・ユージェニー・カーライル 数学者・暗号学者。レイズフィル在住の農園主を自称する在野の数学者であり、大学に通ったことすらないらしいが、彼女の暗号理論はケーニヒスベルガー女史にも認められ、リニス大学で数学の博士号を与えられた。 あらゆる政治権力を完全に否定するアナキストに近いリバタリアン。表現の自由戦士であれば最も急進的な層、レイズフィル人でも50人に1人いるかいないかという水準の急進的自由至上主義者。 当然、国家が人々の通信の秘密を侵害することを一切容認せず、それがために自らの最先端の研究成果を実際の使い方を含めて公開するため、各国の諜報関係者には随分嫌われている。特に国内情勢の混乱の続くリンディスヴァートでは過激派同士のやり取りに彼女の成果が使われており、混乱に拍車をかけている。暗殺したいと思っている諜報関係者も数知れないが、彼女の住所どころか正体は誰なのかすらケーニヒスベルガー女史ほかごく数人しか知らず、そのやりとりも彼女一流のインテリジェンスを駆使して行われており現在まで追跡されていない。 【不世出の暗号学者/Brilliant Cryptographer】【天才/Genius】【学者/Scholar】【憤怒/Wroth】【嘘つき/Deceitful】【臆病/Craven】【内向的/Shy】【冷笑的/Cynical】【疑心暗鬼/Paranoid】 研究スキル0:(彼女は一国に対して役に立つことを一切拒否する) シグリズル・ベッティドッティル 西岸強化のメカニズムを明らかにした、ゲアファルの海洋学者。理学博士(アンゼロット記念大学)。他のゲアファルからはアトリオン本国で成功した人物として敬意を以て遇されているが、本人の内心では(統計上ゲアファルが知識においてアーカルソン人・リペルニア人に劣るということは特にないのだが)無学な同胞を冷笑している。もっとも、アトリオン人で無学な者に対しても冷笑しているのはほかのリペルニア人学識者とそう変わらないので、その点、もはや典型的なリペルニア学識者である。ただ、夫に対しては人間味のある態度をとるので、そこに関してのみゲアファルらしさを残している。 【博識な海洋学者/Scholarly Oceanographer】【貞節/Chaste】【忍耐/Patient】【内向的/Shy】【冷笑的/Cynical】 ウィリアム・グレイ 分析化学者。化学博士(エタブリッシェ大学)。本業は分光法だが、クロマトグラフィーの発明者でもある。化学者として大戦中の化学戦に心を痛め、毒ガスの成分分析を容易にするキットを開発しアトリオン側の化学戦防護能力を大いに高めた。ただし、彼のキットは新しい化学兵器の開発にも応用されることになったのではあるが。 【真面目な化学者/Dutiful Chemist】【明敏/Quick】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【勤勉/Diligent】【正直/Honest】【公正/Just】 研究スキル7:化学・産業工学・技術効率・医療科学 財界・実業界 アンドリュー・フィールズ 鉄道技術者。工学博士(アンゼロット記念大学)。鉄道の高速化を追求し、高速輸送による動員迅速化のメリットを説いて弾丸列車計画の実現に邁進、既にホイーリントン郊外に実験線を敷設している。 【経済の錬金術師/Midas Touched】【鉄道ロマンチシスト/Railway Romanticist】【資源産業家/RESOURCE INDUSTRIALIST】【軍事技術者/Military Engineer】【悪魔つき/Possessed】【建築家/Architect】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】 研究スキル8:産業工学・管理・機械工学・ロケット工学・技術効率・車両工学 エルンスト・アンスコム レイズフィル最大の農園主で、アトリオン全土を見渡しても有数の大農場経営者であり、その規模はアトリオン三大貴族と比較しても遜色ないほどである。生物学学士(エタブリッシェ大学)。資産では小さいものの学績の大きさからから中堅程度の家格とみなされている貴族の家の出で、彼自身最先端の学問を直感的に理解する能力を持っており学生時代には優秀な化学者として将来を嘱望されていた。しかし彼の父親がナハト系の学問に傾倒し、怪しげな実験を繰り返したことから家は傾き、そして貴族身分を剥奪され一家は離散、彼は年季奉公人としてレイズフィルに出された。しかし奉公人時代にも如才なく勤め上げ、農園主から農園の一部を譲られて以来幾十年、今や押しも押されもせぬ大農園主となった。出自から貴族の家系と学問を心底軽蔑しており、「少し考えればわかることをやたら必要以上にややこしく考えてわからなかった、という話を難しそうにしているだけの愚鈍な連中」というのが彼の弁。一方で緻密な水理学的観察に基づいて設計された彼の農園は芸術作品と評されるほどのもので、彼の農園は優れた造園技術をもって作られた空中庭園と絶賛される。また、仕事でアーカルソンを訪れた時には最新の学術研究を一目見てその欠陥を指摘するなど、往年の才覚は失われていない。 【経済の錬金術師/Midas Touched】【天才/Genius】【建築家/Architect】【庭師/Gardener】【大食/Gluttonous】【勤勉/Diligent】【傲慢/Proud】【冷笑的/Cynical】 貴族 ニューコーム侯リチャード・ホワイトヘッド アーカルソン貴族の中でも貴族中の貴族といわれるアトリオン最大の大貴族ストックトン公爵家の長男であり、ニューコーム侯爵号は伝統的にストックトン公継承者の証である。既に三十路にある跡取り息子、本来であれば更なる家の発展のために結婚して家の管理を担い社交界でも積極的に活動しなければならない身にありながら、異性と交際することすらせず、ただリペルニアウイスキー醸造所を訪れるだけの旅行を繰り返し、そうでないときには自らのカントリーハウスに引きこもって文芸やら庭の手入れやらにだけ注力する放蕩息子。人間の好き嫌いが激しく、側仕えにも気の許せるごくわずかな人間しか置かない。 人間嫌いが高じて、ケーニヒスベルガー女史に吹き込まれた「機械化がますます進展すれば引きこもりながらできる生活の水準はますます向上する」というアイデアを気に入り、機械工学や計算機工学をはじめとした工学の諸分野に対し家が傾きかねないほどの出資を続けており、アトリオン各地の工学教育機関には彼の名を冠した講座や奨学金が多数設置されている。 【世間知らずの甘ちゃん/Indulgent Wastrel】【酒浸り/Drunkard】【庭師/Gardener】【詩人/Poet】【慈善/Charitable】【怠惰/Slothful】【内向的/Shy】【冷笑的/Cynical】【疑心暗鬼/Paranoid】 ペンドラゴンシャー大公/リペルニアの竜大公イグナティウス 竜族。性別は不明(以下では暫定的に「彼」)。アトリオンの象徴として広く知られた竜で、アトリオンの国章にも使われている(国旗そのうち手直しします)。様々な言語で様々な名がついており、神話好きの間では「百の名を持つ竜」「竜大公」だけで通じる。伝承ではアストラ系がアトリオンに住まう遥か以前からリペルニアの空を自由に飛び、火を吐いて敵を焼き殺し、火山と大地を意のままに操っていたといわれるが、実際に空を飛んだり火を吐く姿は今のところ目撃されていない。各地で確認されている竜族の中でも突出して大きく、それだけの年かさを重ねていると推定されている巨竜で、現在はリペルニアの火山の火口に住み、そこからはほとんど外に出ない。彼は自分以外の翼ある者を嫌うので、基本的に彼の下にたどり着くには火山の洞窟を通って火口に向かうことになる。耐久力は高くうろこは銃砲撃を跳ね返してほぼ無傷、寒いときにはマグマに浸かっていることもあるがそれでうろこが融けたりはしない程度の耐熱性も持つ。知性に関しても長い年齢からくる知識、アトリオン語など人語を解する語学力などからは人間と同等以上のものを持っていると考えられている。 性格は傲慢で気まぐれ、特に古代の伝承では理由なく人間を襲ったとされ、中世アトリオンの騎士道物語でも竜を討伐する騎士というモチーフは頻出である。一方でリペルニア的な学識ある権威への敬意は持っており、中世リペルニア王国においてはリペルニア王の権威を認め、形式的には彼に臣従し、大公位を授けられた歴としたリペルニア貴族。リペルニアの守護者を自認し、リペルニア島への侵略者に対してはリペルニア人と共に戦ったこともある。アルカルのリペルニア征服の挫折も彼を避けるため無理な作戦機動をとったためであり、以後アーカルソン王国のリペルニア征服事業が功を奏さなかったのも同じ理由である。リペルニア生まれでないリペルニア王を認めないという理由でシャーロット1世以降しばらく臣従を拒否していた。しかし第二次ゲアファル戦争でのアトリオン国教会のゲアファルへの苛烈な取り扱いを聞いて満足しアーカルソン=リペルニア王を再び認めたという(そしてその際に合同立憲王政は彼に対してのみ特例的に合同以前の特権を認めた)。そのため彼に関しては領地の不輸不入特権・免税特権・国王の親裁なしに処罰されない(現実的には処罰自体困難だが)特権など、百年以上前に一般のアトリオン貴族が失った特権を未だに有している。それほどゲアファルを嫌う理由として何らかの古い確執があるらしく、単に有翼亜人のみならず亜人一般を嫌い、航空機も彼の領地の上空を飛ぶことは許されていない(…が、金を積むと許してくれる)。なお、ゲアファルの神話においてもこの巨竜によってアトリオン諸島にいたゲアファルは滅ぼされたと伝わっている。 彼の領地ペントラゴンシャーは一応彼の許可がないと入れない(通常の貴族において爵位にある土地が実際には統治権がないのとは対極であり、ある意味では彼のための保護区である)が、地代を払えば耕作等も認められる。地代にはかなりがめつく、基本的に金貨など貴金属を求めるが、たまに書物を求めることもある。その巨体で人間の本をどうやって読むのかは謎に包まれているが、内容について話したり、さらに関連する書物を求めたりするので実際に読んでいるらしい。最近は新聞を定期購読したり、ラジオを聴いたり(電波の知覚能力もあるらしい)もしている模様で、時には女王に手紙を出して国政への意見も行う(貴族であると考えると特段変なことではないのだが)。なお、産業技術の振興や勢力均衡の外交政策など、意外にその内容はまともであるため政府も時に参考にしているが、亜人に対する徹底的に酷薄な待遇を毎回必ず要求することには流石のアトリオン紳士たちも微妙な顔をしている。 【竜大公/Grand Duke of Dragon】【竜族/Dragon】【明敏/Quick】【極めて屈強/Very Strong】【盤戯の達人/Game Master】【狩人/Hunter】【学者/Scholar】【貞節/Chaste】【強欲/Greedy】【憤怒/Wroth】【傲慢/Proud】【勇敢/Brave】【気まぐれ/Arbitrary】【冷笑的/Cynical】 軍人 アリソン・ルイーズ・シュテファン 王立海軍大将。アトリオン本国艦隊提督。アーカルソンの零落した貴族上がりで、家格と国威の向上に熱烈な精力を注ぐ。 大戦に際してはミネルヴァスハーフェン上陸作戦と三度のリントヴルムポリス強襲作戦に参加し、特にアトリオン艦隊が大損害を受けた第一次リントヴルムポリス強襲作戦では巧みな機動を指揮し自らの艦をほぼ損傷なく帰投した数少ない艦長として知られる。 なお、自らの家に(一般家庭には容易に手が届かない程度に高価なはずの)機械式計算機を置いて暇があれば最新の弾道学論文の内容を検証し、時には自ら学会で射爆理論について発表する弾道学マニアの側面もある。しかし、そんなものはアトリオン中流階級のありふれた余暇の過ごし方に過ぎない。 【熟練の戦術家/Skilled Tactician】【基地制圧論/BASE CONTROL DOCTRINE】【卓越した戦術家/Superior Tactician】【海軍改革者/Naval reformer】【屈強/Strong】【学者/Scholar】【戦術家/Strategist】【忍耐/Patient】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】 クリストファー・ミドルトン 王立海軍大将。蒼海洋艦隊提督。アッパーミドル家庭の出身で、愛国者である両親の勧めで海軍兵学校の門をくぐり、航海術や語学・軍事史・地理学などではいつも最優等、その他の科目でも五本の指に収まる成績を修め首席で卒業した秀才。 長年にわたりニューリペルニアやグラニツァの植民地艦隊で大きな問題を起こすことなく勤務を続けてきた。しかしそろそろ老後設計を考えだす頃になって大戦が起こり、リントヴルムポリス強襲作戦などで海軍軍人が死亡や負傷により退役した結果、中央海艦隊に戦力を抽出され残滓のような有様となったニューリペルニア艦隊を突如任される。さらにヤード艦隊は西海峡を越えて大艦隊を送ることはなかったためにすることもなく臨検により中央同盟側への密輸を摘発していたところ、ムスルマーネンに送られる奴隷の中からアトリオン人捕虜を発見、解放させたり、礼王国での革命ではいち早くスルガに艦隊を派遣し在留アトリオン人を保護するなどした結果本国での評価が本人の知らないうちにうなぎ登りになってしまった。そんなこんなで人間の評価の当てにならなさをこの歳で改めて実感している。 本人は妻と平穏無事な老後を過ごすことだけを望んでいる。しかし、蒼海洋の航路を預からせると彼の右に出る者はいないというのは国内外の共通理解であり、本国は彼が働ける限り働くことを望んでいる。とはいえ、艦上ではなくニューリペルニアに置かれた司令部での地上勤務ではあるため、軍人としての職務における勤勉さと同じ生真面目さで海軍軍人であるために長年あまり傍にいてやることのできなかった妻との時間を過ごすことはできているようではある。 【気弱な仲介者/Naive Appeaser】【外洋理論/OPEN SEAS DOCTRINE】【封鎖線突破の達人/Blockade-Runner】【索敵/Spotter】【古典派/Old Guard】【海洋探検家/Navigator】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【禁欲主義/Celibate】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【親切/Kind】【謙虚/Humble】【臆病/Craven】【充足感/Content】【冷笑的/Cynical】 ウィルステッド侯アルカン・ラースティン アーカルソン最大の貴族ストックトン公爵、リペルニア最大の貴族グウィントル公爵と並ぶアトリオンの三大貴族、フリーディル公爵家の跡取り。アーカルソン陸軍中将。「ミネルヴァスハーフェンの肉屋」として知られるミネルヴァスハーフェン上陸戦の総司令官。 自らも内心では認める無能、お飾りである。個人としては優れた鷹匠であるなど戦士らしい素質も持ち合わせているのだが、多対多の戦いではその意志薄弱が浮き出てくる。しかし性格は抑制がとれており、能力的な問題は副官のアシュリーをはじめとする側近の助けでカバーし、参加した兵卒には内心はともかく表向きのストイックさから敬意を持って遇された。一方でアシュリー大佐やローズマリー野戦病院院長のように有能な側近たちにとっては状況によっては使いつぶせばよい程度の存在(アトリオンでは大貴族すらも伝統的にそうである)と認識され、ささやかな心の均衡は幼少時から自らと共にあったメイドとの手紙のみによって辛うじて保たれていたという。 戦後には「ミネルヴァスハーフェンの肉屋」の悪名で知られつつも、大戦中数少ない上陸戦と橋頭堡防衛の成功者という戦果は一定の評価がなされ、後方勤務にまわった。この状況は適職であると本人も納得し、心の平穏を取り戻せたようである。 【将才なき戦士/Misguided Warrior】【銃とバター理論/GUNS AND BUTTER DOCTRINE】【鷹匠/Falconer】【忍耐/Patient】【臆病/Craven】【内向的/Shy】【野心的/Ambitious】【冷笑的/Cynical】 アシュリー・グラウクス・ニコルソン アーカルソン陸軍大佐。ミネルヴァスハーフェンの梟。眼鏡で未来を占う預言者。ミネルヴァスハーフェン上陸戦における総司令副官。現在は参謀本部勤務。 一度見たものを細部に至るまで描き起こせる完全記憶能力・11ヶ国語をネイティヴと見分けのつかないレベルで操る言語的能力・断片的な情報から大戦全体の戦局を的確に把握する分析力を備えた天才。その驚異的な才能から、家格を重視する陸軍にありながら庶民としては初めて士官学校に首席で入学、卒業まで常に席次は首席であった。 兵を鼓舞することにも長け、「総司令官殿は望んでおられる」から始まる彼女の演説は厳しい戦局の中でも兵を魅了し、最後まで士気を維持した。 【緻密な策略家/Intricate Webweaver】【兵站の専門家/LOGISTICS SPECIALIST】【心理学科/SCHOOL OF PHYCHOLOGY】【兵站管理/Logistics Wizard】【防勢ドクトリン/Defensive Doctrine】【伏撃/Trickster】【工兵/Engineer】【特殊戦/Commando】【反撃戦/Counter Attacker】【規律/Disciplined】【弾性防御/Elastic Defence Specialist】【陸軍組織者/Army Organiser】【天才/Genius】【盤戯の達人/Game Master】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】 研究スキル8:集中実行・諸兵科連合部隊重視・一般装備・各自の勇気・管理・小規模部隊戦術・技術効率・訓練・機動戦術・弾薬 グレアム・モーズリー 王立海兵隊少将。「議会に属する陸軍だと王のために死ねないが王立海兵隊なら王のために死ねる」という理由で王立海兵隊に入ったアーカルソン小貴族の次男。イスティング時代の武勲詩を愛するあまり現代においてそれを実行しようとした狂人。 しかしながらミネルヴァスハーフェン橋頭堡の確保には彼の(剣と弓を携えての)鬼神のような戦いぶりが大きく貢献し、「彼なしには橋頭堡の確保はなかった」(総司令)、「銃弾はまるで当たらず、弾幕にはまるでひるまずに飛び込んできた」(ミネルヴァスハーフェン防衛にあたったリンディスヴァート軍人)と言われる。 【不屈の軍人/Tough Soldier】【決戦論/DECISIVE BATTLE DOCTRINE】【攻勢ドクトリン/Offensive Doctrine】【伏撃/Trickster】【特殊戦/Commando】【古典派/Old Guard】【レンジャー/Ranger】【奇襲戦/Ambusher】【狂気/Lunatic】【屈強/Strong】【狩人/Hunter】【詩人/Poet】【貞節/Chaste】【憤怒/Wroth】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】【軽歩兵リーダー/Light Foot Leader】 研究スキル7:分散実行・各自の勇気・歩兵重視・訓練・海兵訓練 ハルドル・アルナルソン ゲアファル飛行士による空母飛行隊である第6飛行隊の隊長。大戦においては海軍航空隊である第15航空隊に所属、リンディス海軍やヤード海軍との交戦のため度々出撃し、敵艦21隻と敵機6機を撃破したエース。そのために左足を負傷しているが、本人の弁では「ゲアファルの足は飛行機の足。それを使って歩くわけじゃないんだから、思うように動かなくてもとにかく操縦席に座れさえすればいい」とのこと。 【不屈の軍人/Tough Soldier】【海空共同作戦論/NAVAL AVIATION DOCTRINE】【索敵/Spotter】【夜間航空作戦/Night Flyer】【対艦攻撃/Fleet Destroyer】【海軍改革者/Naval reformer】【傷痕/Scarred】【狩人/Hunter】【貞節/Chaste】【勇敢/Brave】 研究スキル7:航空学・爆撃機戦術・空母戦術・諸兵科連合部隊重視・戦闘機戦術・大規模機動部隊戦術・海軍訓練・操船術・戦闘機設計 ローズマリー・アッカーソン・ヘイソーンスウェイト 陸軍軍医少将。医学者・薬学者・疫学者・衛生学者。医学博士(リニス大学)。リニス大学公衆衛生大学院の創設者。ミネルヴァスハーフェンの女神。白衣の聖母。大戦中のリンディス上陸作戦における橋頭堡であるミネルヴァスハーフェンの野戦病院の院長(実際は前半は副長)に任命されたが、保守的で不衛生な野戦病院の実情に驚愕、その疫学知識をもとに本国に告発した。陸軍省・海軍省・医学界を丸ごと巻き込んだ大論争の末、衛生環境を劇的に改善させることに成功。その功績は非常に有名で、ミネルヴァスハーフェンにおける軍人の誰よりも優れた英雄であるとして賞賛されるが、側近は彼女が自らの超人的な努力を他者にも平然と要求する存在であることをよく理解している。 【不世出の軍医/Brilliant Surgeon】【衛生学の天才/Hygienic Genius】【ミネルヴァスハーフェンの女神/Goddess of Minervashaven】【疫学者/Epidemiologist】【陸軍改革者/Army Reformer】【需品将校/Quartermaster】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【行政家/Administrator】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【正直/Honest】【勇敢/Brave】【狂信的/Zealous】 研究スキル9:分散実行・各自の勇気・管理・数学・小規模部隊戦術・訓練・医療科学 トレイシー・アイアトン 陸軍退役大佐。リペルニア出身の測量家・地図製作者。地学博士(エタブリッシェ大学)。愛国者の両親のもとに生まれ、彼自身も日の沈まぬ国アトリオンの繁栄を奉じる帝国主義者で反共主義者、反共和主義者。 エタブリッシェ大学で地質学と測地学を修めた後、アトリオン陸軍の一員としてグラニツァ各地で測量に携わり、セント・ミカエル海上城砦の拡張工事にかかわるなど築城にも関与する。その後礼王朝に派遣され清河各地の地図を制作した。清河革命が勃発すると流れに流れてスルガにたどり着き、斎藤ダガタールに招かれスルガ国境付近の要塞線の建設と防衛戦術の教授に尽力した。本国では清河革命でアトリオン大使館を守って戦死したと伝わっており、彼を雇った斎藤ダガタールはアトリオンに彼を雇う旨連絡を入れたものの大戦の混乱下で正しく伝達されなかった(元々スルガに派遣していた者を雇い入れる話だと本国は誤解していた)が、戦後に生存が明らかになると帰国。戦死による二階級特進は清河の地図を持ち帰った功績と友好国スルガの防衛に貢献した功績に読み替えられて大佐として名誉除隊した。清河=スルガ戦争でスルガが清河軍を撃滅したと聞いた時には大いに喜んだという。現在はリペルニアで地図会社を営んでいる。 地図を作る傍ら趣味でプラントハンターもしており、清河奥地で生息する植物の学名にはいくつか彼の名前のついたものがある。現在の彼の家にある温室では彼が各地で採取した植物がいくつも花を咲かせているという。 【熟練の測量技師/Skilled Geodesist】【防衛戦科/SCHOOL OF DEFENCE】【静的防御論/STATIC DEFENCE DOCTRINE】【伏撃/Trickster】【工兵/Engineer】【山岳戦/Mountainer】【高地戦/Hills Fighter】【地図製作者/Cartographer】【屈強/Strong】【植物探検家/Plant Hunter】【庭師/Gardener】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【傲慢/Proud】【狂信的/Zealous】 研究スキル7:火砲・分散実行・一般装備・管理・小規模部隊戦術・技術効率・静的防御戦術・弾薬 参考文献 Slack参照。
https://w.atwiki.jp/teamtundere/pages/27.html
生き残るのは…誰だ!? お待たせしましたぁー♪ ツンデカップの詳細をお知らせいたしまーす。 ○ツンデカップとは… 日頃から持て余しているツンデレンジャー達の力を存分に発揮し、鍛錬を積むことを目的としているような、していないような要は、いかにマゾくいかに変態になれるかを競う競技なのである!! ■ ツンデカップ 2006 ├ 第一回 大会 ~愛・覚えてますか~ └ 第二回 大会 ~ピザよ永遠に~
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ムタンデカ 南アフリカのズールー族の神話に登場する人物。 別名: メポ (父)
https://w.atwiki.jp/gods/pages/52774.html
ビデカル 旧約聖書『列王記』に登場する人物。 エヒウの侍従。
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概要 [#e8ed2c6b] 西ヤード海に浮かぶアトリオン島の全域を領土とする立憲王国の連合国家。アーカルソン王国とリペルニア王国その他小公国から成る。首都はスタックバラ。 公用語 アトリオン語 国歌 首都 スタックバラ 最大都市 国王 アン6世 首相 アーノルド・マクガフィン 通貨 歴史 [#pab7aca1] 古代ヤード帝国時代、文明世界の辺境として扱われたアトリオン島は大陸とは異なった民族・文化圏に属していた。 ヤード帝国崩壊後、アトリオンの大地は度々ヤーディシアの覇者の侵入を受け、そのたびに支配者を交代していた。 やがてこれら大陸からの侵入の嵐が止むようになると、今度は島内は数百年の群雄割拠と小国分立の時代に入った。 この時代の終わりは大陸との交易の再活性化であり、商業の復活のなかでアーカルソン王国において指導権争いが始まったことによる。 国王と貴族と市民の入り乱れての内戦と五王国戦争と呼ばれる島内の覇権争いという混乱の末、現在の立憲王国体制が成立した。 かくして他のヤーディシア諸国より遅れつつも形成された立憲王国はそれ自体が外洋に直接接しており大陸情勢の影響を受けにくい優位から後発組として植民地の拡大を進めた。 ヤード暦1500年現在、立憲王国はある程度の植民地を築き、本国経済もそれなりに安定した状況にある。 しかし本土の国力という点では現在でも立憲王国は大陸諸国に比べ劣勢であり、アトリオンの民は常に向こう岸に覇者が成立する危険性について不安感を持ってヤーディシア情勢を眺めている。 政治 [#iff1915a] 五王国戦争の結果成立した立憲王国体制において、王権は憲法により制約され、自由主義者と保守主義者の競争の下にある議会が主導権を握る。 政策スライダー [#c1ef5c5f] 民主的 ―◆――――― 独裁的 「君臨すれども統治せず」、よい言葉です 左派 ―――◆――― 右派 平等も秩序も行きすぎは好ましくないのです 開放社会 ――◆―――― 閉鎖社会 大陸の影響も、まあほどほどに受けたほうがよいでしょう 自由経済 ―◆――――― 中央計画経済 植民地も含めた経済圏を一手で掌握するのは至難の業でしょう 常備軍 ◆―――――― 徴兵軍 海に隔てられたこの島は徴兵制を必要としません タカ派 ―――◆――― ハト派 必要となれば戦い、必要となれば和しましょう 介入主義 ――――◆―― 孤立主義 この国に大陸に深入りする余力はありません 地理 セレントス島 西ヤード海に浮かぶ平穏な島。長らくアーカルソン王の下にある王室属領だったが現在は立憲王国に統合された。 北ヤード海からの寒流を受けてアトリオンよりも更に冷涼であり、広大な牧場が広がる。 セレントス(62) 島の中心都市。 アトリオン島 西ヤード海に浮かぶ、ヤーディシアで最も大きな島。 北ヤード海からの寒流はここにも影響を及ぼしているが、緯度のために比較的温暖である。 (63) 島の北方に位置する中都市。 (64) 「裏口」とか「安全航路」と称される外洋への出口。ここに本拠地を置く外洋艦隊は西ヤード海のプレゼンスには関与せず、植民地への航路の警護を専任する。 スタックバラ(65) アーカルソン王国の首都。 (66) リペルニア王国の首都。南ヤード海方面への航路の拠点ともなる。 概要 [#e8ed2c6b] 西ヤード海に浮かぶアトリオン島を中心とする立憲王国の連合国家。アーカルソン王国とリペルニア王国を始めとするさまざまな領地から成る。首都はスタックバラ(65)。 公用語 アトリオン語 国歌 アトリオンの民は大洋を行く 首都 スタックバラ 最大都市 スタックバラ 国王 ヘレン1世 首相 ジョセフ・ウォルター 政体 制限君主制、同君連合、技術主義 歴史 [#pab7aca1] やど箱3開始まで 古代ヤード帝国時代、文明世界の辺境として扱われたアトリオン島は大陸とは異なった民族・文化圏に属していた。 ヤード帝国崩壊後、アトリオンの大地は度々ヤーディシアの覇者の侵入を受け、そのたびに支配者を交代していた。 やがてこれら大陸からの侵入の嵐が止むようになると、今度は島内は数百年の群雄割拠と小国分立の時代に入った。 この時代の終わりは大陸との交易の再活性化であり、商業の復活のなかでアーカルソン王国において指導権争いが始まったことによる。 国王と貴族と市民の入り乱れての内戦と五王国戦争と呼ばれる島内の覇権争いという混乱の末、一つの君主の下でアトリオンの諸王国は同君連合を成し、現在の立憲王国体制が成立。 かくして他のヤーディシア諸国より遅れつつも形成された立憲王国はそれ自体が外洋に直接接しており大陸情勢の影響を受けにくい優位から後発組として植民地の拡大を進めつつあった。 しかし、現女王の先王であるリチャード9世が子をなさないまま逝去し、立憲王国は各構成王国の継承の慣習の異なりから後継者の決定が捗々しくなく空位状態に突入、王権の混乱が続いた。 最終的に、この混乱は、リチャード9世の曾祖父の血を引くリペルニアの有力貴族がアーカルソン王国議会による権利の憲章を承認することでその支持を得てアン5世としてアーカルソン王に即位、リペルニア王としても認められたことで終結し、立憲王国体制が復活した。 やど箱1開始まで アン5世は勢力均衡を掲げ巧妙な外交政策と北方世界への開拓によって勢力を拡大、フォロノワ帝国の瓦解もあって合同立憲王政を覇権国家に押し上げた。(やど箱3) この後、アン5世が玉座にある数十年の間、合同立憲王政は大洋の支配者、覇権国家として栄華を極めた。 しかし彼女が崩御して後、アトリオン側の王国とヤーディシア大陸側の所領は王位継承法の違いによって分裂することになる。 やど箱4開始まで ヤード暦1500年、ヤーディシア大陸の所領を失ったものの、立憲王国はある程度の植民地帝国を築くことに成功、本国経済もそれなりに安定した状況にあった。 しかし本土の国力という点では現在でも立憲王国は大陸諸国に比べ劣勢であり、アトリオンの民は常に向こう岸に覇者が成立する危険性について不安感を持ち続けていた。 その不安の中で合同立憲王政は対岸のメリエンヌ共和国と協調を図り、同国の崩壊後は同地に進出、一時的に西ヤード海を取り巻く版図を形成した。(やど箱1) これについては後にメリエンヌ政府が独自の政府を樹立すると合同立憲王政は撤退することになる。 やど箱5開始まで やど箱4の時期については右を参照:アトリオン・プラガヴィア貿易会社(やど箱4) ルーンラント・リーゼンバウム戦争において、合同立憲王政は参戦することはなかったものの、それによる国際貿易活動の低下はアトリオン経済に大きな打撃を与えた。 この事態に対処すべく合同立憲王政は産業力に注力、その一環として貴族院への科学技術人材を参入を積極的に認め、工業技術の向上を図った。 地理 [#k805646d] アトリオン島本土 この島全体でアーカルソン=リペルニア合同王国を形成する。 スタックバラ(65) [#dc780859] アーカルソン王国の首都であり、合同立憲王政全体にとっても首都である。 この地域にアトリオン島の交通網・情報網の結節点が集中しており、商工業の中心地。 ホイーリントン(63) [#d5b78dea] リペルニア王国領。近郊に良質な炭田と鉄山が所在し、鉱工業は盛んだが、海運・金融業はスタックバラ系資本がほとんど支配している。 ベレエイス(64) [#z3835a50] アーカルソン王国領。ウィルキスシャーと同じように諸公国が分立していたが、アーカルソン王の政策により最終的には同化された。 基本的には何のこともない田舎ではあるが、外洋への出入り口として産業の成長が見られる。 ウィルキスシャー(66) [#f95cfc29] 諸公国領。アーカルソンやリペルニアのように独自の強力な王権が出現しなかった(あるいは出現を阻まれた)ため、アーカルソン=リペルニアの合同と同時にその支配下に飲み込まれた。 古代には南ヤード海との交流のためにアトリオンにおける最先進地域であったが、その交流が中世以来ずっと低調なままのため今ではただの田舎である。 ブランデー地方 合同立憲王政はブランデー王権を承認していないので、ブランデー王の称号は持たず、かつて北方世界に付与した「地方」の扱いを行っている。 オードヴィー(3) [#x0470fdf] ブランデー地方の中心都市。リーゼンバウム・ルーンラント戦争の影響で難民が押し寄せ、ある意味では活況を見せている。 アルマニャック(2) ブランデー地方。ルーンラント・リーゼンバウム戦争においてリーゼンバウム領であったため、戦火により損害を受けている。 アルデアル(26) [#fa549034] 大陸の南北を結ぶ重要な交通路、カルパート回廊の南側に位置する都市。カラシュ領であったが、その滅亡後暫定的に合同立憲王政が保護している。 政治 [#iff1915a] 核大戦後の混乱により国際貿易が低迷したため、産業振興が図られた。二院制であり、庶民院は通常の議会政治を重視しているものの、貴族院において一定数を占める科学技術人材は技術主義を主張している。 政策スライダー [#c1ef5c5f] 民主的 ―◆――――― 独裁的 この権利の憲章に基づき、全ての臣民は政府からの自由を持つ。 左派 ――――◆―― 右派 伝統に立脚せずしてこの同君連合は維持できまい…。 開放社会 ――◆―――― 閉鎖社会 大陸の連中にはあまり近寄り過ぎないほうがよかろう…。 自由経済 ◆―――――― 中央計画経済 アトリオンの紳士諸君の努力が立憲王国を豊かならしめんことを祈ろう。 常備軍 ―◆――――― 徴兵軍 ふむ…忠誠な者によって立憲王国は守られる、か…。 タカ派 ―――◆――― ハト派 戦わずに目的を達成できればよい。しかし初めから戦いを放棄してはならない。 介入主義 ――◆―――― 孤立主義 我らの戦場は外交交渉の場だ。我々には擁護すべき諸価値があるのだ。 人物 [#n56ffbd0] アン5世 [#x2ad3203] 合同立憲王政の最盛期(やど箱3)の女王(神の恩寵によるアーカルソン=リペルニア王、ソレイアードおよびマールリンゲン公、アトリオンの諸小公国の盟主、セレントス島領主、エンヘリアおよびファフレリンスク地方ならびにナスコーおよびオードヴィー市の庇護者)。 リペルニアの上級貴族の家の出であり、もちろん前王とも近くはないが親戚関係にある。しかし母方は王家には相応しからぬ下級貴族の家で、そのために彼女の即位に否定的な声もあり、彼女自身にとってもそれはコンプレックスになっている。 能力的には空位時代の混乱を勝ち抜いて女王に即位する程度の美貌と知性は持ち、廷臣は充分掌握できている。 彼女は出自の微妙さを民衆の支持によって補おうと考えており、自由主義に対しては好意的な態度を取る。ただし王殺しのようなものは嫌悪する。 ヘレン1世 現在の合同立憲王政の女王(神の恩寵によるアーカルソン=リペルニア王にしてブランデー地方の庇護者)。アン5世から見て従姪の関係にある。 アン5世と同じくうら若き女王であり、それは国民にとっては期待となっている面もあるが、彼女にとっての重荷となっている面もある。 概要 [#e8ed2c6b] 西ヤード海に浮かぶアトリオン島を中心とする立憲王国の連合国家。アーカルソン王国とリペルニア王国を始めとするさまざまな領地から成る。首都はスタックバラ(65)。 公用語 アトリオン語 国歌 アトリオンの民は大洋を行く 首都 スタックバラ 最大都市 スタックバラ 国王 ヘレン1世 首相 ジョセフ・ウォルター 政体 制限君主制、同君連合、テクノクラシー 歴史 [#pab7aca1] やど箱3開始まで [#ka12c274] 古代ヤード帝国時代、文明世界の辺境として扱われたアトリオン島は大陸とは異なった民族・文化圏に属していた。 ヤード帝国崩壊後、アトリオンの大地は度々ヤーディシアの覇者の侵入を受け、そのたびに支配者を交代していた。 やがてこれら大陸からの侵入の嵐が止むようになると、今度は島内は数百年の群雄割拠と小国分立の時代に入った。 この時代の終わりは大陸との交易の再活性化であり、商業の復活のなかでアーカルソン王国において指導権争いが始まったことによる。 国王と貴族と市民の入り乱れての内戦と五王国戦争と呼ばれる島内の覇権争いという混乱の末、一つの君主の下でアトリオンの諸王国は同君連合を成し、現在の立憲王国体制が成立。 かくして他のヤーディシア諸国より遅れつつも形成された立憲王国はそれ自体が外洋に直接接しており大陸情勢の影響を受けにくい優位から後発組として植民地の拡大を進めつつあった。 しかし、時の国王リチャード9世が子をなさないまま逝去し、立憲王国は各構成王国の継承の慣習の異なりから後継者の決定が捗々しくなく空位状態に突入、王権の混乱が続いた。 最終的に、この混乱は、リチャード9世の曾祖父の血を引くリペルニアの有力貴族がアーカルソン王国議会による権利の憲章を承認することでその支持を得てアン5世としてアーカルソン王に即位、リペルニア王としても認められたことで終結し、立憲王国体制が復活した。 アン5世は勢力均衡を掲げ巧妙な外交政策と北方世界への開拓によって勢力を拡大、フォロノワ帝国の瓦解もあって合同立憲王政を覇権国家に押し上げた。(やど箱3) この後、アン5世が玉座にある数十年の間、合同立憲王政は大洋の支配者、覇権国家として栄華を極めた。 しかし彼女が崩御して後、アトリオン側の王国とヤーディシア大陸側の所領は王位継承法の違いによって分裂することになる。 しかしヤーディシア大陸の所領を失ったものの、ヤード暦1500年ごろになると立憲王国は植民地帝国が再び興隆、本国経済もそれなりに安定を取り戻した。 しかし本土の国力という点ではやはり立憲王国は大陸諸国に比べ劣勢であり、アトリオンの民は常に向こう岸に覇者が成立する危険性について不安感を持ち続けていた。 その不安の中で合同立憲王政は対岸のメリエンヌ共和国と協調を図り、同国の崩壊後は同地に進出、一時的に西ヤード海を取り巻く版図を形成した。(やど箱1) これについては後にメリエンヌ地域に独自の政府が成立すると合同立憲王政は撤退することになる。 なお、植民地帝国の一つとして、アトリオンはプラガヴィアにはあまり面的な拡大を行わなかった。しかし、点としての拠点は存在した。アトリオン・プラガヴィア貿易会社の統治するポート・エンジェ自治領がそれである。(やど箱4) ルーンラント・リーゼンバウム戦争において、合同立憲王政は参戦することはなかったものの、それによる国際貿易活動の低下はアトリオン経済に大きな打撃を与えた。 この事態に対処すべく合同立憲王政は産業力に注力、その一環として貴族院への科学技術人材の参入を積極的に認め、工業技術の向上を図った。 地理 [#k805646d] アトリオン島本土 [#vb15e965] この島全体でアーカルソン=リペルニア合同王国を形成する、合同立憲王政の中核部。 スタックバラ(65) [#dc780859] アーカルソン王国の首都であり、合同立憲王政全体にとっても首都である。 この地域にアトリオン島の交通網・情報網の結節点が集中しており、商工業の中心地。 ホイーリントン(63) [#d5b78dea] リペルニア王国領。近郊に良質な炭田と鉄山が所在し、鉱工業は盛んだが、海運・金融業はスタックバラ系資本がほとんど支配している。 ベレエイス(64) [#z3835a50] アーカルソン王国領。ウィルキスシャーと同じように諸公国が分立していたが、アーカルソン王の政策により最終的には同化された。 基本的には何のこともない田舎ではあるが、外洋への出入り口として産業の成長が見られる。 ウィルキスシャー(66) [#f95cfc29] 諸公国領。アーカルソンやリペルニアのように独自の強力な王権が出現しなかった(あるいは出現を阻まれた)ため、アーカルソン=リペルニアの合同と同時にその支配下に飲み込まれた。 古代には南ヤード海との交流のためにアトリオンにおける最先進地域であったが、その交流が中世以来ずっと低調なままのため今ではただの田舎である。 セレントス島(62) [#y55efc3c] 長らくリペルニア王に臣従してきた地域。数代前の領主が統治権をアーカルソン=リペルニア王に返上したため、現在はアーカルソン王が島の領主になって代官を派遣するという統治形態をとっている。 しかし代官は基本的にお飾りで、実際には島民集会も同然の議会が自治を行う。そのような統治が可能なことから明らかなように人口は多くない。 オードヴィー=カルヴァドス [#j774d119] 伝統的にはテリトワール・ド・メリエンヌの北部地域なのだが、ブランデー、ルーンラント、リーゼンバウム、そして合同立憲王政など歴史上さまざまな勢力が進出してきたことがあり、多国籍的な雰囲気のある地域。 都市の力が強く、オードヴィー・カルヴァドス双方で自治都市的な制度が多く残され、合同立憲王政下でも自由都市の法的地位を持っている。 オードヴィー(3) [#x0470fdf] リーゼンバウム・ルーンラント戦争によって出た難民が多数流入し、その労働力によって産業が発展、大陸側の工業の中心地となっている。 カルヴァドス(4) [#bc7aa16d] 一時はブランデー王国の首都にもなった都市だが、ブランデー王権の崩壊後はルーンラントの下で人口が減少し経済は低迷したものの民会による自治体制が続き、現在の自由都市の地位の権原となっている。 グラン=ダルマニャック地方 [#t7fb4805] アルマニャック(2) [#s4e1d94b] ルーンラント・リーゼンバウム戦争においてリーゼンバウム領であったため戦場となった地域の一つ。現在では除染はかなり進んでおり、農業地帯としての再建が進められている。 ポルトーアルマニャック(1) [#me070145] のどかな漁村だったが、アルマニャック地方の北ヤード海へのアクセスを改善し、地域振興と交易ルートへの参入を目論む合同立憲王政によって港湾が大規模に拡張された。 現時点ではアトリオン本土とユズリアを始めとするルーンラント領沿岸部との交易の中間拠点となっているようである。 北ヤード海諸島 [#gc526a10] 北ヤード海における島々。歴史上長らく放置され、海賊などの巣となってきたが、北ヤード海と西ヤード海の間の航路が安全であることを望んだ合同立憲王政が入植を行った。 ハリエヤール島(59) [#te5bc584] 北ヤード海諸島の北端の島。島の内側は急峻な山岳地であるため、外周の狭い陸地に張り付くように入植者が住んでいる。主要産業は漁業。 ヴェザンランド島(60) [#g7d79cc1] 北ヤード海諸島の南側の島。ハリエヤールに比べると平地の割合が広いが、北方に位置し冷涼なため農業よりは畜産が主産業。 セント・ミカエル海上城砦(61) [#a6c1d438] ヴェザンランド島の南端に位置する陸繋島に建設された巨大な城塞都市。大型船の造船も可能な軍港でもあり、北ヤード海における合同立憲王政海軍のプレゼンスの源となっている。 政治 [#iff1915a] 二院制の議院内閣制国家。庶民院はアン5世以来の自由主義的統治の継続を求めているものの、貴族院において一定数を占める科学技術人材はテクノクラシーを主張している。 政策スライダー [#c1ef5c5f] 民主的 ―◆――――― 独裁的 この権利の憲章に基づき、全ての臣民は政府からの自由を持つ。 左派 ――◆―――― 右派 産業と技術の力によって、アトリオン社会を改善できないだろうか? 開放社会 ――◆―――― 閉鎖社会 大陸の連中にはあまり近寄り過ぎないほうがよかろう…。 自由経済 ◆―――――― 中央計画経済 アトリオンの紳士諸君の努力が立憲王国を豊かならしめんことを祈ろう。 常備軍 ―◆――――― 徴兵軍 ふむ…忠誠な者によって立憲王国は守られる、か…。 タカ派 ―――◆――― ハト派 戦わずに目的を達成できればよい。しかし初めから戦いを放棄してはならない。 介入主義 ――◆―――― 孤立主義 我らの戦場は外交交渉の場だ。我々には擁護すべき諸価値があるのだ。 人物 [#n56ffbd0] アン5世 [#x2ad3203] 合同立憲王政の最盛期(やど箱3)の女王(神の恩寵によるアーカルソン=リペルニア王、ソレイアードおよびマールリンゲン公、アトリオンの諸小公国の盟主、セレントス島領主、エンヘリアおよびファフレリンスク地方ならびにナスコーおよびオードヴィー市の庇護者)。 リペルニアの上級貴族の家の出であり、もちろん前王とも近くはないが親戚関係にある。しかし母方は王家には相応しからぬ下級貴族の家で、そのために彼女の即位に否定的な声もあり、彼女自身にとってもそれはコンプレックスになっている。 能力的には空位時代の混乱を勝ち抜いて女王に即位する程度の美貌と知性は持ち、廷臣は充分掌握できている。 彼女は出自の微妙さを民衆の支持によって補おうと考えており、自由主義に対しては好意的な態度を取る。ただし王殺しのようなものは嫌悪する。 ヘレン1世 [#h2ffb8ea] 現在の合同立憲王政の女王(神の恩寵によるアーカルソン=リペルニア王にして自由都市オードヴィーおよびカルヴァドスならびにグラン=アルマニャック地方の庇護者にして北ヤード海諸島嶼の領主)。アン5世から見て従姪の関係にある。 アン5世の即位時と同じくうら若き女王であり、それは国民にとっては期待となっている面もあるが、彼女にとっての重荷となっている面もある。 国名:立憲王政アーカルソン=リペルニア(合同立憲王政アトリオン) 英名:Constitutional Kingdoms of Arkalson-Lipernia (Union of Atrionish Constitutional Kingdoms) 地域:北方大陸 国歌:アトリオンの民は大洋を行く 国花:紫露草 通貨:アトリオン・リブラ 公用語:アトリオン語 首都:スタックバラ 政体:議会君主政、混合政体 元首:アーカルソン=リペルニア女王アン4世 宗教:アトリオン国教会 気候:冷涼湿潤 民族:アーカルソン人、リペルニア人 経済:商工業国 農業:牧畜や混合農業 工業:機械産業が発展 鉱業:良質な鉄鉱と炭鉱が所在 商業:伝統的に海運業が発達 軍事: 地理 北方大陸に存在するアトリオン島全土を占めている。 アーカルソン王国領 合同立憲王政の中心となっている王国。商工業が発展し、国内外に広く様々なネットワークが行き渡っている。 スタックバラ(20) アーカルソン王国の首都であり、合同立憲王政全体にとっても首都である。 この地域にアトリオン島の交通網・情報網の結節点が集中しており、商工業の中心地。 リペルニア王国領 合同立憲王政を支えるもう一方の王国。合同以来のアーカルソン資本投下の結果、鉱工業はアーカルソンと同程度まで発展している。 ホイーリントン(24) リペルニア王国の首都。近郊に良質な炭田と鉄山が所在し、鉱工業は盛んだが、海運・金融業はスタックバラ系資本がほとんど支配している。 諸公国領 ウィルキスシャー(25) 諸公国領。アーカルソンやリペルニアのように独自の強力な王権が出現しなかった(あるいは出現を阻まれた)ため、アーカルソン=リペルニアの合同と同時にその支配下に飲み込まれた。 オードヴィー(28) 政治 アーカルソン王国、リペルニア王国、その他諸公国からなる立憲君主国による物的同君連合。全土から送られる議員による合同立憲王政議会と君主たるアーカルソン=リペルニア王による混合政体であるというのが伝統的な理解。 保守党と自由党による二大政党制であり、思想的には夜警国家が広く支持されている。 保守党 保守主義。伝統的なアトリオン政体の維持と夜警国家の継続を掲げる。現在の与党。 自由党 自由主義。党内には古典的自由主義と社会自由主義の間で不一致がある。現在の野党第一党。 リペルニア自主党 地方分権主義。リペルニア王国独自の議会の再建と自治権の拡大を求める政党。 労働党 社会改良主義。議会での勢力は必ずしも大きくはないが、民間団体として様々な社会改良運動を行っており、草の根では一定の存在感がある。 王冠合同党 反動主義。合同直後の、まだ海外との交流も進んでおらず、議会による君主権の掣肘も不十分だった時期を理想とし、その時代への回帰を求める党。 なお、流石に王国分立時代以前への回帰を求める反動派は極端なリペルニア至上主義者くらいしかいないらしい。 経済 鉱工業と海運が発展している。 軍事 議会陸軍 議会合同によって実質的な統一はなされているが、形式的にはそれぞれの領邦ごとに陸軍が存在することになっている。合同以降大きな戦争に参加したことがなく、近年は士気が今一つ。 王立海軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する海軍。ブルーウォーターネイビーとしての実力を備え、潤沢な予算と装備を持ち、アトリオンのシーレーンを支えている。 王立空軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する空軍。先王の意向で創設されたもので、陸海軍からは微妙な目を向けられているが、マニアックな技術者たちが空中艦隊計画の実現に日々邁進している。なお予算も人員も足りていない模様。 外交関係 歴史 上古アトリオン アトリオン島にもともといた人々は、アストラヴィチャニン(よく「アストラ系」と呼ばれる。ヤード語で「島の民」の意。往々にしてアトリオン語の通俗語源で「星詠みの民」と解釈されがち)と呼ばれる人々である。 彼らは占星術的な信仰と文化を持ち、自然と共存した農耕生活を送っていた。この時代の史料には石碑がいくつか残っており、上古アストラ語の解読も進んでいるが、記録は断片的であり、詳細は不明瞭である。 大陸からの征服の波の中で 大陸でさまざまな勢力が興亡する中で、アトリオン島もその争いから免れることはできなかった。この時代にアトリオン島で最も大きな脅威となった外部勢力がアルカルという人物を首領とするイースラント人で、彼らは征服により勢力を拡大し、島の6割ほどを支配下におくに至ったが、アルカルの没後は数十年内紛が続いた。 二王国分立 イースラント系入植者に抵抗しつづけたアストラ系の諸侯は連合して自分たちの中で最も名声の高かったウィラード1世を推戴し、自分たちの王国を建設した。これがリペルニア王国の成立である。 彼らはイースラント系の内紛に介入し漁夫の利を得ることで勢力均衡を図ったが、ある時リペルニアの同盟者のとある小王国の新王に即位した人物は即位早々に電撃的にほかのイースラント勢力を征服し、自らをアルカルの再来としてアルカル2世を名乗った。アルカル2世はその後すぐに病没するが、彼の長男アーカルソン(アルカルソン)は征服地を安定させることに成功し、アーカルソン王国を建てた。 リペルニア王国にとってこのアーカルソン王国成立は歓迎すべきことではなかったが、国内の安定を実現したアーカルソンに対抗するのは困難と判断したリペルニア王ウィラード2世は自らの娘をアーカルソンの王妃として迎えさせた。以後、アーカルソン王国とリペルニア王国は何度かの王朝交代を経ながらもそのたびごとに姻戚関係を結ぶようになった。 この二王国分立の時代は500年以上にわたって続いたが、時折アーカルソン=リペルニアの人的同君連合を形成することもあった。しかしタニストリー的な選挙王制の伝統を持つリペルニア王国と長子相続であるアーカルソン王国という建国以来の王位継承法の違いからこの時代に同君連合が長続きすることはなかった。 合同立憲王政の成立 王国分立を終わらせたのはリペルニア王国でのクラリッサ王国との継承戦争である。リペルニア王ヘンリー3世は苦戦の末に諸侯の活躍によってクラリッサ王アドルフ1世を捕虜とし、この戦争に勝利したが、この勝利はピュロスの勝利であり、賠償金は諸侯への報奨に消えた。こうしてリペルニア王はこの時期には次第に北方大陸の通商で存在感を示しつつあったアーカルソン王国に対して劣位に置かれた。 継承戦争の数年後、当時のアーカルソン王ジョン2世が崩御すると、ヘンリー3世がアーカルソン王位に就いたが、彼は荒廃し諸侯の専横が甚だしいリペルニアに倦んでおり、伝統的にアーカルソン王にしてリペルニア王となった者の王座は国境付近の街に置かれるという慣習を無視してアーカルソン最大(そしてアトリオン最大)の都スタックバラを居とした。 リペルニア諸侯は次第にこれに不満を募らせ、ついには反乱を起こすが、この反乱はアーカルソン軍によって鎮圧された。ヘンリー3世は反乱の発端となったリペルニア王国議会(国王選出権を持つ)を解散させ、アーカルソン議会に統合させた。この合同議会の最初の仕事はリペルニアの王位継承法をアーカルソンと同じものにすることであり、この議会合同を以って歴史学的には合同立憲王政アトリオンが成立したとされるが、法的にはこの次の代に女王となるシャーロット1世の即位を巡る混乱に対処するためアーカルソン=リペルニア王位が宣言された時点が合同立憲王政の成立とされている。 海外通商の時代 合同が実現した後、島内の争いが沈静化したアトリオン人は、海外に目を向けるようになり、両大陸の通商に積極的に乗り出した。 工業化の進展 通商の発展が進む中で、アトリオン島から輸出できる物産をさらに多様化すべく、製造業を発展させた。 宗教 アーカルソン国王を首長とする円十字教の宗派であるアトリオン国教会が主流。公職に就くには国教徒が望ましいとされるものの、信仰の自由は保障されている。 リペルニアでは古代から続く星詠みの文化が残っているが、円十字教自体はどこでも受け入れられている。 アーカルソン王国(19) 「通商と航海により栄えよ、アトリオン」 合同立憲王政の中核をなす王国。 リペルニア王国(23) アトリオン王室属領グリット諸島(58,59?,60?) 「全能の神と女王陛下よ、我らが古き法と権利の擁護者よ」 アトリオン領北ゴーシュ(35,36,11?) 「神よ、この自由の地を嘉し給え」 信仰の自由を求めるアトリオン人が勅許を得て開拓した土地。勅許状はゴーシュ全土への入植を認めているが、南部はアトリオン人には暑すぎるため、実際の入植は北部から行われた。 国名:立憲王政アーカルソン=リペルニア(合同立憲王政アトリオン) 英名:Constitutional Kingdoms of Arkalson-Lipernia (Atrionish Union of Constitutional Kingdoms) 地域:北方大陸 国歌:アトリオンの民は大洋を行く 国花:紫露草 通貨:アトリオン・リブラ 公用語:アトリオン語 首都:スタックバラ 政体:複合君主政、立憲主義議会王政、混合政体 元首:アーカルソン=リペルニア女王アン4世 宗教:アトリオン国教会 気候:冷涼湿潤 民族:アーカルソン人、リペルニア人 経済:商工業国 農業:牧畜、混合農業 工業:機械産業、特に精密機械工業において優れた競争力を有する 鉱業:良質な鉄鉱と炭鉱が所在 商業:伝統的に海運業が発達 軍事:海洋国家らしく海軍主体の軍容を備える 地理 イクファターナの東に浮かぶアトリオン諸島(アーカルソン島とリペルニア島)全土、さらにその東のグリット諸島北部を領有する。 植民地として海の向こうにグラニツァ南部、ゴーシュ北部を領有する。 地域名 中心都市名 番号 政体 気候 特産品 工場 アーカルソン王国 スタックバラ 19 合同立憲王政構成王国 Cfb 畜牛、羊毛、魚 鋼鉄、セメント、弾薬、小火器、汽船団、機械部品、飛行機、電気部品、電話、衣料品、ラジオ リペルニア王国 ホイーリントン 23 合同立憲王政構成王国 Cfb 石炭、鉄 鋼鉄、ガラス、機械部品、蒸留酒、缶詰 グリット諸島 セント・ミカエル 58,59,60 (多様) Cfb~ET 硫黄、貴金属、木 木材、紙、家具、高級家具 ニューリペルニア諸島 ポート・エンジェ 11 王室属領 Cfa 魚、果実 缶詰、ワイン 北ゴーシュ エリファネス 35,36 自治領 Am~H 畜牛、穀物、茶、熱帯木材、ゴム、茶葉 缶詰 レイズフィル エイレンフィス 72,73,76,77,78 自治領 Dfb~H 畜牛、魚、穀物、木材 木材、紙、家具、蒸留酒 ヴェルレニース ネイフフォード 70,74,79 自治領 Dfb~Cfb 果実、穀物、石炭 セメント、家具、高級家具 ニューアーカルソン ハリントン 69,71,75 自治領 Cfb 綿花、穀物、石油 燃料、機械部品、飛行機、電気部品、電話、衣料品、ラジオ サウスセレントス島 サウスベレエイス 80 王室属領 Cfc/ET 魚、畜牛、石油 燃料 アーカルソン王国領(19) 合同立憲王政の中心となっている王国。商工業が発展し、国内外に広く様々なネットワークが行き渡っている。 主要都市 スタックバラ アーカルソン王国の首都であり、合同立憲王政全体にとっても首都である。 この地域にアトリオン島の交通網・情報網の結節点が集中しており、商工業の中心地。 機械部品・電気部品といった部品産業、汽船や飛行機といった輸送機械、電話やラジオといった電気製品の製造業に優れており、世界の機械工業を主導している。 ウィルミンガム 工業都市。近隣に大規模な炭田が存在することから産業革命期に工業化が進んだ。現在は炭田は枯渇気味だが機械産業を中心に今でも世界有数の工業都市である。 ベレエイス 最初にイスティングが到達した地。リンディスヴァート対岸の都市で、大戦では何度かこの街の付近で海戦・空戦が戦われた。 気候 北限海に近く冷涼だが、サルヴェリア海から北上する暖流が西岸境界流のため近辺を通り緯度のわりには温暖。夏にはしばしば移流霧に覆われる。 政治・法制 合同立憲王政の中心地。 経済・産業 世界有数の工業地帯の一つで、重工業・機械産業が集積している。また、この地域で産出される石炭は無煙炭であり、王立海軍の作戦上も重要な役割を果たした。 農業としては酪農業、混合農業。羊毛生産でも有名。漁業ではサケやタラなどが知られる。 交通 スタックバラを中心に鉄道網が広くいきわたっており、高規格の幹線も多数存在する。海路・空路においても要衝である。 また大戦中に建設された飛行場が無数に点在し、そのうちいくつかは戦後になっても拡張が続けられ国際空港に発展しつつある。 住民 アーカルソン人はもともとこの島に住んでいたアストラ系と外来の征服者であるイスティングの混血によって成立した民族。 文化・宗教 世俗主義が次第に影響力を増しつつあるが、現在でも大多数のアーカルソン人は国教徒を自認する。 リペルニア王国(23) 合同立憲王政を支えるもう一方の王国。合同以来のアーカルソン資本投下の結果、鉱工業はアーカルソンと同程度まで発展している。 主要都市 ホイーリントン リペルニア王国の首都。近郊に良質な炭田と鉄山が所在し、鉱工業は盛んだが、海運・金融業はスタックバラ系資本がほとんど支配している。 伝統産業としてガラス製造が広く行われるほか、鉱物資源を活かした製鉄業が発達している。 気候 南にアーカルソン島よりも当然ながら温暖。しかし真夏にも暑いと感じるほど温度が上がることは少ない。 政治・法制 合同によって独自の議会は廃止されたが、慣習法の差異は現在も認められており、法域はアーカルソンとは今でも別である。 経済・産業 鉄と石炭を産出する。アーカルソン資本の投資が続き、重化学工業はアーカルソンに近い水準まで発達している。 混合農業により穀物もよく栽培されており、それを加工したリペルニアウイスキーも有名。 交通 アーカルソンに比べると鉄道交通よりも若干道路交通に力点が置かれている。大戦中に多数整備された飛行場が残るのはアーカルソンと変わらない。海運はネットワークの結節点というよりは中継拠点の感が強い。 住民 リペルニア人はリンディシャン・コンクェストの影響をあまり受けておらず、アストラ系の系譜が強い。 文化・宗教 アストラ系の星詠み文化を現在でもよく保存している。リペルニア教会は円十字教を逸脱しない範囲で天界の秩序や自然法といった観念を発達させていった。 リペルニアでは現在でも国教会・普遍教会・改革教会が共存している。 アトリオン領グリット諸島 近世以降のアトリオンの拡大により最初に合同立憲王政の属領となった地域。先住民としてゲアファルと呼ばれる人々がいる。様々な地下資源が賦存するとされている。 主要都市・地域 ハリエヤール島(58) グリット諸島の北端の島。島の内側は急峻な山岳地であるため、外周の狭い陸地に張り付くように入植者が住んでいる。主要産業は漁業。 ヴェザンランド島(59) アトリオン領グリットの西側の島。ハリエヤールに比べると平地の割合が広いが、北方に位置し冷涼なため農業よりは畜産が主産業。 セント・ミカエル海上城砦(60) アトリオン領グリットのとある島に建造された巨大な城塞都市。大型船の造船も可能な軍港でもあり、大洋における合同立憲王政海軍のプレゼンスの源となっている。 気候 アトリオン諸島と異なり西岸強化の恩恵を受けられないこの地域はより寒冷で多雪。 政治・法制 一つの島が一つの広域自治体。グリット法はアーカルソン法・リペルニア法・ゲアファル法が重層的に折り重なり、アトリオンの法曹にとっての悩みの種。 経済・産業 現在までに白金族・石油・アルミニウム・ウラン・錫・チタンなどの賦存が確認されており、「アトリオンの元素博物館」と呼ばれるほど多様な鉱産資源が発見されている。産業的にはみるべきは今のところ白金族と石油が中心。 気候条件から農業にはあまり適しておらず、林業と粗放的な放牧が中心。漁場としては好漁場で、アトリオンの膨張も好漁場を求めて中世アトリオン人が東へ進んでいったことに端緒を持つともいわれる。 工業化は木材の加工や精錬、軽工業を中心に緩やかに進展している。 交通 陸上交通事情はよいとはいえず、主に鉱山から港までの鉄道を除いては整備が進んでいるとはいえない。グリットの中流階級が自らの集落から外へ出るときに使われる移動手段は大抵の場合自家用水上機である。 住民 この地域の先住民であるゲアファルは少なく見積もっても十数万程度存在している。アトリオン人入植者との混血も加えるとアトリオン領グリットの半分近くはゲアファル系である。 文化・宗教 長い同化への抵抗を経ながらも現在ではゲアファルは国教会とアトリオン語を受け入れている(受け入れた者しか生き残らなかったともいう)。しかしリペルニアがそうである以上に独自の風習を今でも保っている。 アトリオン領ニューリペルニア諸島(11) 礼王朝からの租借地であったが、革命により礼王朝が倒れ、軍閥内戦時代になると清河におけるアトリオン人の安全が保障できていないことを理由に自称大統領を主張する清河の親アトリオン地方政権に併合を認めさせた属領。当然のことながら清河人民社会主義共和国は併合を認めていないものの、合同立憲王政も人民社会主義共和国を認めていないのでそのままにされている。 アトリオン船の蒼海洋航路の拠点、シンガ・西イクファターナ・ゴーシュの交通の結節点であり、港湾や空港がよく整備され、蒼海洋におけるアトリオンの海空軍戦力のプレゼンスもゴーシュ大陸よりもこちらに集中している。 産業的にはみるべきものは少なく、ニューリペルニア経済は交易と軍需に依存しているが、一応魚と果物は割と生産されている。 ポート・エンジェ 蒼海洋有数の要港でありニューリペルニアの首都。 アトリオン自治領北ゴーシュ(35,36) ゴーシュ北部の高原地帯に存在するアトリオン人入植地。そのためアトリオン人の居住地は主に内陸に集中しており、沿岸部はあまり開発されていない(地形的にも良港に乏しいという事情もあるが)。 気候 赤道に近いゴーシュ大陸はアトリオン人には過酷な地であったが、北部の高原地帯は常春気候で過ごしやすい。 政治・法制 入植者による自治政府が発足しており、現地におけるアトリオン王の儀礼的な代理人を総督が、実際の統治を首相が務める。王権は本国よりもさらに形式的で、より民主的な体制を持っており、大戦前に既に婦人参政権を認めている。一方で人種意識はザルバチほどではないが本国よりも強い。 経済・産業 穀物生産や畜産業で合同立憲王政の食料事情を支えている。工業化はあまり進んでいないが、近年は食品加工を中心にその萌芽はみられ、近年の冷凍船の発達により畜産部門は成長を続けている。また高地と海に挟まれた傾斜地にはゴムノキ、茶葉のプランテーションが散在しており、本国から流入したアトリオン人が年季奉公人として働いている。 外交 国名 所感 ジャーガルク・シャー国 アトリオン領を除くと最大の交易相手。 清河人民社会主義共和国 目下最大の脅威。 スルガ シンガでは最先進国。住民意識としては微妙なライバル心がある。経済的にはスルガ製品の存在感は大きい。 レオネッサ王国 最も近くに位置するイクファターナ諸国。 ハダカンボ王国 地理的には近いのだが、あまり交流がない。 ニューアーカルソン自治領(69,71,75) 「アトリオン諸島が世界で最も教養ある貴族のいる場所なら、ニューアーカルソンは世界で最も教養ある農民のいる場所だ」 国教会よりも厳格に聖典のみを参照すべきと主張し、国王からの勅許を得て旧世界の欲と罪から逃れようと新天地へ向かったアトリオン人の一派に由来する自治領。 主要都市 ハリントン(71) ニューアーカルソン最初の都市の一つで、ニューアーカルソンの中心地。ハリントン大学はニュースタックバラ大学と並んでアトリオン勅許大学に匹敵する教育水準にあるといわれる。 気候 概ねアーカルソン王国と同じ気候地域であり、文字通り「新しいアーカルソン」。 政治・法制 アトリオン領の全地域で最も民主的で、完全普通選挙が実施されており、活発にタウンミーティングやレファレンダムを行う直接民主制の伝統もある。もっともその前提としては極端な民族的・宗教的・文化的同質性があるため、政治学者からは例外的地域と捉えられている。 法制度は基本的にアーカルソン法から国王大権を除去する方向に発展した形態をとっている。なお、新大陸における国王による裁判権の不存在は国王自身によってニューアーカルソン植民地創建の勅許で認められたものである。 経済・産業 その知的水準から、南グラニツァにおいて教育水準で卓越しており、精密機械製造技術すら本国に迫る水準にある。旧大陸製の機械を自ら修理するのもお手の物。 一人当たり所得も近年は本国を追い越しつつある。 交通 既に高速道路網の整備が始まっており、モータリゼーションの気配が高まっている。 住民 ニューアーカルソン人は基本的にアトリオン人である。最もゲアファルに対し円十字教が苛烈であった時期に入植を行ったためゲアファルすらも少数。 文化・宗教 改革教会の分派が支配的。普遍教会も国教会もほとんど存在感を持っていない。入植してまず行ったことは何よりも教会・集会場・学校を建てることであったニューアーカルソンの民は、現在でも入植当時の知性主義を失っていない。 それゆえ、アトリオン本国のアカデミズムに対抗する新大陸の知的中心となっている。さらには、一般民衆の教育水準はアトリオン本土よりも高く、論理的文章を書ける農民・労働者が普通に見られる社会である。 外交 国名 所感 本国以外の旧大陸全て 我々は新天地に我々の望む国を作り上げる。旧世界が何をしていようと問題ではない。 アババニスタン 邪教の民。いずれ新大陸から駆逐する必要がある。 ピスカ・ハウイカウサイ部族連合 アニミスト。放っておいてもよかろう。 アーカルソン=リペルニア本国 我々の自由と安全を保障するのであれば、彼らの王冠を認めておこう。 ヴェルレニース自治領 多様性と共存、それは要するに無節操と不純という意味なのだが…。 レイズフィル自治領 独立独歩の精神は認めるが、もっと学問に裏打ちされた行動をとるべきだ。 北ゴーシュ自治領 彼らの民主政には学ぶべきところもある。 ヴェルレニース自治領(70,74,79) 「アトリオン人もヤード人もソフィア人もジャーガルク人も、生きていくには資金が必要。自由意思による取引、すなわち商業は全ての人々に恵沢をもたらす。」 ゴーシュ海に面する、アトリオン領グラニツァでは最も商業的に繁栄している地域。古くよりリエナやクラリッサからの入植者による入植地も存在し、アトリオン自治領となった現在でも民族的多様性を残している。 主要都市 ネイフフォード(74) リエナからの入植者によって建設された都市。ヴェルレニースでも最も民族的・宗教的に多様で、商業主義的に繁栄している地。都市人口はアトリオン領グラニツァでは最大で、南グラニツァの経済的中心。 気候 概ね温暖だが、南には一部冷帯もある。海に面しており、基本的に年中湿潤。 政治・法制 リエナ系の自治都市の伝統にアトリオンの議会主義・混合君主政を接合して成立した代議政体。法系もリエナ法とアーカルソン法の混合した混合法系。 経済・産業 自由移民のもたらす安価でほどほどの質の労働力により加工業が発達しており、グラニツァの諸産品がここで加工され旧大陸に輸出される。レイズフィルからくる材木を加工した木製家具が有名で、いくつかはブランド化しており本国でも人気。 交通 都市圏の鉄道網は次第に整備が進んでおり、アトリオン領グラニツァでは珍しく通勤ラッシュの光景がみられる。 住民 古くよりリエナやクラリッサからの入植者による入植地も存在し、アトリオン自治領となった現在でも民族的に極めて多様。移民政策もアトリオン領グラニツァでは最も寛容。 アーカルソン系とリペルニア系を足すとアトリオン系が最も多数派だが、分けるとリンディス系のほうが多い。その他、クラリッサ系やヤード系も一定程度おり、さらにはジャーガルク系・清河系・スルガ系などのコミュニティもある。 亜人もゲアファルを筆頭に多数存在し、アトリオン諸島にいるゲアファルよりもヴェルレニースにいるゲアファルのほうが多いという推計もある。 文化・宗教 宗教的には極めて多様。一応改革教会が最も多数派だが、この改革教会はニューアーカルソン系ではなくリンディス系が中心。国教会・普遍教会はもちろんのこと、メトラや浮屠教、礼教も存在している。 外交 国名 所感 清河人民社会主義共和国 革命から逃げてきた清河人も結構うちにはいる。 リンディスヴァート制憲諸邦同盟 リンディス系ヴェルレニース人は多い。とはいえ、もはやリンディス語を話せない二世三世だらけだが…。 レオネッサ王国 レオネッサ系ヴェルレニース人はリンディス系に次いで多い。 アババニスタン 奴隷解放運動家がこの地域に対して熱心に干渉しようとしている。無理だとは思うが…。 ピスカ・ハウイカウサイ部族連合 あまり商業的に熱心ではないが、熱帯木材や天然ゴムを売ってくれる。それに彼らの憲法と多民族共存はなかなか良いものだ。 アーカルソン=リペルニア本国 本国が拡大すれば我々の商業圏も広がるというもの。 ニューアーカルソン自治領 確かに学問も技術も進んではいるが、誰も彼も似たような顔、似たような考え、気味が悪くはならないかね? レイズフィル自治領 彼らのスノビズムは商売相手としては大いに結構なことだ。 北ゴーシュ自治領 まだニューリペルニア経由の船便のほうが多いが、いずれはここもうちの経済圏に組み込みたい。 レイズフィル自治領(72,73,76,78,79) 「美しきアトリオンの空中庭園。あるいは真の自由の地。」 ニューアーカルソンやヴェルレニースと異なり、南のホーコンソン湾会社と北のリペルニア・エリアン会社という勅許会社によってこの地域の入植は始められた。 リペルニア・エリアン会社はヴェルレニースの現地資本との競争に敗れて拡大に失敗。一方ホーコンソン湾会社は毛皮と木材の輸出で利益をあげ、更なる毛皮を求めて河川を遡上し内陸へ拡大していった。 主要都市 エイレンフィス(76,77) ホーコンソン湾会社によって建設された都市。典型的な港湾都市。内陸部への統治が行き届いていないため、領域の広さに反して政治都市としての役割は意外と小さい。 気候 沿岸部は典型的な針葉樹林気候の冷帯。内陸部は冷涼で日較差が激しいが年較差の少ない高地性の気候。 政治・法制 沿岸部はヴェルレニースに似てアトリオン議会政治を模倣した代議制。内陸部では統治はいきわたっておらず、農園主による王国が散在している状態と表現される。 経済・産業 沿岸部は針葉樹と毛皮・魚が主産物で、加工もそのままか燻製にするとか製材・製紙といった程度のものを行ってヴェルレニースやニューアーカルソンに輸出することがほとんど。製造業はあまり発達していない。 この内陸部ではアトリオン人は散発的に入植してそれぞれが水運で結ばれつつも孤立し粗放的な大農場と大牧場を構えていった。 しかし近年の農業機械と飛行機械の発展は少ない労働力で広大な農場を経営することを容易にし、レイズフィル内陸の大農場・大牧場は急速に拡大。巨大飛行船による定期航路が開設され、ニューアーカルソンやヴェルレニースとの取引が増加している。 交通 特に内陸部ではほとんど公的インフラの整備は行われていない。小河川が多く水利には恵まれており、各農園ごとに河港や飛行場を備えられ、水運と空運が主体となっている。 住民 アトリオン人が中心だが、イクファターナ人も一定数存在する。また、住民の間でも農園主と年季奉公人の差が厳然と存在しており、本国の階級以上に明確な階層がある。もっとも、奉公が明けると奉公人もその稼ぎで土地を買い、小農園の農園主になるのが普通。 文化・宗教 リバタリアニズムの土地。一応宗教的には国教会と改革教会が中心で、国教会が最も多数派。 ニューアーカルソンの宗教的信条もヴェルレニースの都市的性格もないこの地域は、独立独行の民の土地であり、彼らは入植して自らの農場を開拓し豊かになることしか考えていない。大抵の場合成功したレイズフィル農場主は巨大飛行船を作らせるが深い意味はない。それが成功の証なのである。 外交 国名 所感 アババニスタン 新大陸では自らの土地を力によって守れる者こそ正義。そうであろう、なあ? ピスカ・ハウイカウサイ部族連合 土地を私有するという概念は彼らにはないらしい。 アーカルソン=リペルニア本国 ここは我々の土地だ、なぜならこの勅許状にそう書いてあるから。 ニューアーカルソン自治領 鬱陶しい頭でっかちの連中。 ヴェルレニース自治領 色々売ってる便利なデパート。 サウスセレントス島(80) 王室属領。南限海に位置する亜南極の島。吹き付ける強風と涼しすぎる夏のため穀物栽培すらも困難。放牧と漁労が主産業の最果ての島だが、遠洋漁業の基地としては重要。 政治 アーカルソン王国、リペルニア王国、その他自治領・属領からなる立憲君主国による物的同君連合。 全土から送られる議員による合同立憲王政議会と君主たるアーカルソン=リペルニア王による混合政体であるというのが伝統的な理解。 保守党と自由党による二大政党制であり、思想的には夜警国家が広く支持されている。 政策スライダー(アトリオン本国) 地方分権 ----◆--- 中央集権 合同立憲王政の体制は諸邦の民にその慣習と権利に基づきつつも議会を中心に緩やかに統合している。 貴族中心 ----◆--- 富豪中心 近代以来発展を遂げた金融利害は伝統的な土地利害と連続体を成しつつアトリオンの繁栄を支えている。 農奴制 -------◆ 自由農民 自由の伝統長き国、アトリオンの民よ!世界に汝らの自由を奪いうる者なしと知らしめよ! 保守主義 ----◆--- 革新主義 漸進的に改良せよ。そうして積み上げられたもの、歴史に裏打ちされた理性こそ、社会の繁栄をもたらす。 重商主義 ------◆- 自由貿易 世界の港から原料を買い、世界の港へ加工品を売る。アトリオンの製造業に支えられ、通商の効用はますます増大する。 攻撃主義 ----◆--- 防御主義 大戦後の厭戦感情の中で、戦いに積極的であることは必ずしもよしとはされなくなっている。 陸軍重視 -------◆ 海軍重視 世界の全ての海は我らの濠であり、そして我らの道である。 精鋭 --◆----- 大軍 アトリオン人の血はそんなに安いものではないはずだ。そして女王陛下の軍人は鍛錬を怠ることを許されない。 合同議会 アーカルソン議会がリペルニア議会を吸収して成立した合同立憲王政の議会。貴族院と庶民院の二院制。 アトリオン政体では厳密に三権分立はしておらず、最高裁判所は貴族院の付属機関である。 政党 保守党 保守主義。伝統的なアトリオン政体の維持と夜警国家の継続を掲げる。現在の与党。 自由党 自由主義。党内には古典的自由主義と社会自由主義の間で不一致がある。現在の野党第一党。 リペルニア自主党 地方分権主義。リペルニア王国独自の議会の再建と自治権の拡大を求める政党。 労働党 社会改良主義。議会での勢力は必ずしも大きくはないが、民間団体として様々な社会改良運動を行っており、草の根では一定の存在感がある。 王冠合同党 反動主義。合同直後の、まだ海外との交流も進んでおらず、議会による君主権の掣肘も不十分だった時期を理想とし、その時代への回帰を求める党。 なお、流石に王国分立時代以前への回帰を求める反動派は極端なリペルニア至上主義者くらいしかいないらしい。 経済 産業 農業 伝統的に牧羊が活発。産業革命以来の人口爆発で食料需給は悪化していたが、近年開発の進むアトリオン領北ゴーシュで大規模な農園で穀物が栽培されるようになり、合同立憲王政全体では食糧事情は改善傾向にある。 漁業 主にタラ漁を中心に広く行われている。アトリオン近海は世界的にも漁場に恵まれており、これは船乗りの文化もはぐくんできた。 鉱業 本土で良質な鉄鉱石と石炭(無煙炭)が産出する。グリット諸島では貴金属や硫黄といった資源が発見されている。 製造業 アトリオンは実用的な外燃機関(蒸気機関)の発明国であり、その長い伝統から重工業が発達している。伝統工業としては繊維産業やガラス産業があるが、これらの分野でも機械技術の導入が進んでいる。 洗練された工作技術により、アトリオン製の工作機械・光学機器・精密部品等は国際的にもトップクラスとされる。 化学工業では大戦前には技術水準においてリンディスヴァートに追い抜かれつつあったが、大戦後の技術賠償によりいくらか息を吹き返した。 大量生産の導入に関しては流れ作業化は進んでいるものの製品の標準化は東ヤードなどに比べて後れをとっており、生産技術の改善が進められている。 商業 海運業が発達しており、アトリオンの船会社により運行される客船・貨物船は世界各地で見かけられる。 また、スタックバラは資本主義の中心地として世界中の富の行き交う金融センターの一つである。 企業 アールカース・コングロマリット ウィルミンガムに広大な工場群を構える、アトリオン最大の重工業コングロマリット。自動車や飛行機、ラジオに銃砲まで製造ラインを抱え、製鉄から軍艦までを内製できる大企業で、アトリオン艦の6割はアールカース製。 ライスティン時計工業 リペルニアの精密機械メーカー。もとは時計工房で、現在も時計メーカーとして知られる。しかしこの会社の本領は計量機器にあり、温度計・圧力計・速度計といった部門における世界トップクラスメーカー。 プリンスフィールド王立科学機械製造所 Princefield Royal Instrument for Science Manufacturer、略称PRISM社。リンディスヴァートのリエナオプティークと双璧を成す世界有数の光学機器メーカー。 国王アダムズ3世が王位継承権二位の王太子であった時期にスタックバラ郊外の工房で行っていた手作業でのレンズ製造に端を発し、現在の本工場も同じ位置に立地している。 ディルミナー機械 アーカルソンの工作機械メーカー。リペルニアやニューアーカルソンにも工場があり、ニューアーカルソン工場では工作機械以外にも割と手広く精密機械を扱っている。そのため南グラニツァではアトリオン本国よりもはるかに知名度が高い。 ヴェルニッツァ輸送機械 ヴェルレニース発祥の輸送機械メーカー。リペルニア・グリット・ヴェルレニースに生産拠点があり、自動車・飛行機等を製造している。航続距離と燃費に優れた飛行機で知られ、グリット諸島ではヴェルニッツァ製水上機がよく用いられている。 メインヘルナ 化学メーカー。アトリオンでは最大の化学工業であったが、近年はリンディスヴァートの化学工業によって斜陽化しつつあった。戦後賠償によりリンディスヴァートの特許と製造技術を手にし、再建を図っている。 交通 陸運 産業革命発祥の地として、アトリオン諸島では全土に鉄道網が張り巡らされている。現在では蒸気機関車は姿を消し、電化が急速に進んでいる。 海運 スタックバラを中心に、ヤーディア各地の港へ向かう航路が開設されている。 空運 大戦初期、リンディス軍の空襲を受けてパニック的にアトリオン諸島各地(主に貴族の荘園など)に整備された多数の飛行場と戦後払い下げられた無数の飛行機・飛行船により、過剰ともいえるほど空運産業の下地が用意されていたが、次第に統廃合されつつも主要都市近辺のハブ空港や定期便に集約されアトリオンの航空ネットワークを形成しつつある。 また、元々一家で一隻は小型船を持つのが一般的なグリットやニューリペルニアでは払い下げられた水上機を中流家庭が保有することが一般化し、この文化に本土も影響を受けて量産小型機が次第に中流層に普及しつつある。 アトリオン領グラニツァではヘリウムが産出することから飛行船が主流。 軍事 議会陸軍 アトリオンの陸軍は議会合同によって実質的な統一はなされているが、形式的にはそれぞれの領邦ごとに陸軍が存在することになっている。合同以降大きな戦争に参加したことがなく、近年は士気が今一つ。 王立海軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する海軍。ブルーウォーターネイビーとしての実力を備え、潤沢な予算と装備を持ち、アトリオンのシーレーンを支えている。 王立海兵隊 広義の王立海軍の一部をなす陸戦隊(由来的には敵船への乗り込みが海戦術における王道であった時代の部隊)。大戦においても積極的に作戦に参加している。 王立空軍 アーカルソン=リペルニア王の下に存在する空軍。先王の意向で創設されたもので、陸海軍からは微妙な目を向けられているが、マニアックな技術者たちが空中艦隊計画の実現に日々邁進している。未だ発展途上ではあるが、防空体制は比較的よく整備が進んでいる。 外交関係 伝統的に他大陸との通商と勢力均衡を外交政策の主軸としている。ゴーシュ大陸への入植も他大陸との通商の一環である。 目下のアトリオンにおいて脅威と認識されている勢力はリントヴルム朝ヤード帝国の集権化の進展と清河人民社会主義共和国の社会主義であり、リント朝の地方勢力・ソフィア王国・シャルフェンメリア共和国・ザルバチ海岸共和国によって前者を、ジャーガルク・シャー国・スルガ・角・ユルキア王国によって後者を封じ込めようとしている。 国名 所感 ジャーガルク・シャー国 シンガの大国。この国からの物産はアトリオンを大いに富ませた。ムスルマーネン=カリフ国をどうにかしてもらいたいのだが。 角 果たして彼らには清河から自衛できる力があるだろうか? 清河人民社会主義共和国 我々は永久の敵がいるなどと思ってはいない。だが君たちが我々のことを永久の敵とみなす理屈を信奉しているのであれば、君たちは我々の当座の敵だ。 スルガ 小国だが、進取の精神はある。そして小国ならば、伸びすぎるということもあるまい。 ユルキア王国 シンファナの境に存在する国家。民族自決の理念が清河の抑え込みに使えるならば、それは結構なことだ。 シャルフェンメリア共和国 熱烈な反リンディスの精神は、うまく御せればイクファターナ安定に有用である。問題は、それが有用でなくなった時には古き自由の否定という決定的な対立の原因があるということだ。 リンディスヴァート制憲諸邦同盟 戦塵の中に沈んだ対岸の民もやがては自然の秩序のうちにあるべき地位に戻るだろう。今度は敵にならぬよう、手を打ちたいものだ。 フォンタニエ辺境伯国 運命に翻弄される小国。少なくとも彼らがヤードに飲み込まれることは望まない。だがそれを阻止することに全力をかける価値があるかというとそれは別の話だ。 カラシュ公国 オブスキュアな夜の国。しかし我々もランタンを持って押し入るほど無作法ではない。 レオネッサ王国 このファシストという連中は敵とも味方ともつかないな。本国はともかく、南タヴェリアを統治はできるのだろうか? ソフィア王国 前大戦の戦友には、傷が癒えるときまで必要な手助けをしよう。 トルカーナ公国 彼らにとってソフィア王国は憎むべき相手かもしれない。だが、彼らが世界の全てを憎んで生きるようになってもらっては困る。 リントヴルム朝ヤード帝国 巨大で集権化された隣国というのは落ち着かないものだ。だからといってもう一度大戦をすることを望みはしないが。 ザルバチ海岸共和国 かの国の共和主義はアトリオンの右派、白人至上主義はアトリオンの左派に評判が悪い。とはいえ、地政学上敵の敵たる彼らの存在は有益だ。 ハダカンボ王国 リンディスヴァート領から独立したタヴェリアの部族国家。敵の敵の敵…ということになるのだろうが、ここまでくるともはや敵対ともいえまい。 大使派遣国 以下にある国には大使を派遣している(それ以外は公使)。 リンディスヴァート制憲諸邦同盟 隣国。イスティング人に由来するとされ北部イクファターナの共通の政治文化を構成した「古き自由」を守るという点で長らく友好関係にあったが、大戦直前のほんの一時期だけこじれた、というようにアトリオンでは理解されている。 スルガ 礼王朝の近代化政策により招請され清河の地を踏んだアトリオン人の主な勤務の場は二つあり、一つは礼王朝の首都であり、もう一つは海に面し進取の気性の強いスルガ藩である。 礼王朝で内乱が起こるとアトリオン人は都では影響力を失っていったが、スルガ藩ではこの時期までにアトリオン的な学問は広く受容されており、「冷笑派」と呼ばれる勢力が力を持っていた。清河での反アトリオン政権出現の可能性を憂慮したアトリオン人は冷笑派と協力関係を結び、清河における近代化支援のプロジェクトはスルガにおける国家建設支援のプロジェクトへと変わっていった。 独立達成後は通商関係を中心に安定した二国間関係を築いており、清河が社会主義化したことを契機に7614年に防衛同盟を結んでいる。 ソフィア王国 ソフィアの聖女、多数の図書館の存在などの要素がアトリオン人の好感を呼んでいる。一方で、ソフィア社会の抱える様々な社会問題もまたセンセーショナルに報じられてもいる。 ジャーガルク・シャー国 近世に大海原に乗り出したアトリオン人がたどり着いた異国の地。異国の地には当然異国の物産があふれており、イクファターナ東部にこれらの物産を持ち込んだことでアトリオン商人は大きな利益を上げた。 リントヴルム朝ヤード帝国 地政学的理由から公然たる仮想敵国ではあるが、その経済規模の大きさから、アトリオン有数の貿易相手国であるのは確かである。 レオネッサ王国 歴史 古代 上古アトリオン アトリオン諸島にもともといた人々は、アストラヴィチャニン(よく「アストラ系」と呼ばれる。ヤード語で「島の民」の意。往々にしてアトリオン語の通俗語源で「星詠みの民」と解釈されがち)と呼ばれる人々である。 彼らはグリット島に住んでいた先住民ゲアファルから文化的な影響を受けて占星術的な信仰文化を発達させ、自然と共存した農耕生活を送っていた。この時代の史料には石碑がいくつか残っており、上古アストラ語の解読も進んでいるが、記録は断片的であり、今なお研究が進められている。アストリック・デバイスと呼ばれるアストロラーベ的な機能を持つと考えられているオーパーツも発見されており、一定の機械技術の発達を見ていたという見解もある。 大陸からの征服の波の中で アトリオン諸島は古代から度々大陸勢力の拡大の目標として征服の対象とされた。特に北部地域には古代ヤード帝国の属州が置かれたことから遺跡が複数存在する。とはいうもののそれらの征服者はアストラ系を支配しつつも彼らの慣習を改変しようとまではしなかった。 しかし現在のリンディスヴァート北西部を根拠地とするとされるイスティング人の大規模な入植はこの状況を大きく変化させた。次第にアストラ系の勢力は山がちで土地の貧しい南東部に追いやられた。イスティング人は勢力を拡大しつつも内紛を繰り広げていたが、ある時アルカルという人物がイスティング人を糾合し、以てアトリオンを完全に平定しようとした。彼はアーカルソン島全土を支配下においた後リペルニア島への遠征を行ったが陣中で没し、その後しばらくアトリオン諸島は多数の小王国が分立する状態となった。 中世 二王国の成立 イスティング系入植者に抵抗しつづけたアストラ系の諸侯は連合して自分たちの中で最も名声の高かったウィラード1世を推戴し、自分たちの王国を建設した。これがリペルニア王国の成立である。 彼らはイスティング系の内紛に介入し漁夫の利を得ることで勢力均衡を図ったが、ある時リペルニアの同盟者のとある小王国の新王に即位した人物が即位早々に電撃的にほかのイスティング勢力を征服し、自らをアルカルの再来としてアルカル2世を名乗った。アルカル2世はその後すぐに病没するが、彼の長男アーカルソン(アルカルソン)は征服地を安定させることに成功し、アーカルソン王国を建てた。 リペルニア王国にとってこのアーカルソン王国成立は歓迎すべきことではなかったが、国内の安定を実現したアーカルソンに対抗するのは困難と判断したリペルニア王ウィラード2世は自らの娘をアーカルソンの王妃として迎えさせた。以後、アーカルソン王国とリペルニア王国は何度かの王朝交代を経ながらもそのたびごとに姻戚関係を結ぶようになった。 この二王国分立の時代は500年以上にわたって続いたが、時折アーカルソン=リペルニアの人的同君連合を形成することもあった。しかしタニストリー的な選挙王制の伝統を持つリペルニア王国と長子相続であるアーカルソン王国という建国以来の王位継承法の違いからこの時代に同君連合が長続きすることはなかった。 ダルキアンとプロト啓蒙 ソフィア王国の聖女、マリー・ダルクとその事績がアトリオンに伝わったのは、彼女の著書を全て焼くようにという指示によってであった。 これをもとにアンゼロット記念大学で地動説の理論的検証がなされ、得られた結論である「近似計算としては有用である」は、リペルニアでダルキアンな天文学計算を普及させるに十分なものであった。リペルニア文化では天文学計算とはごく日常的に要求されるものであり、複雑化し精緻だが煩瑣な天動説理論は、計算力に優れた人間にはともかく普通のリペルニア人にとっての苦労のもとであったのである。 とはいえ、この時伝わったのは地動説と天体運動理論のみであり、万有引力は伝わっていないとされる。 議会合同と合同王政の成立 (設定調整中) 王国分立を終わらせた契機はリペルニア王国でのクラリッサ王国との継承戦争である。リペルニア王ヘンリー3世は苦戦の末に諸侯の活躍によってクラリッサ王アドルフ1世を捕虜とし、この戦争に勝利したが、この勝利はピュロスの勝利であり、賠償金は諸侯への報奨に消えた。こうしてリペルニア王はこの時期には次第に北方大陸の通商で存在感を示しつつあったアーカルソン王国に対して劣位に置かれた。 継承戦争の数年後、当時のアーカルソン王ジョン2世が崩御するとヘンリー3世はアーカルソン王位を継承したが、彼は荒廃し諸侯の専横が甚だしいリペルニアに倦んでおり、伝統的にアーカルソン王にしてリペルニア王となった者の王座は両王国の国境付近の街に置かれるという慣習を無視してアーカルソン最大(そしてアトリオン最大)の都スタックバラを居とした。 リペルニア諸侯は次第にこれに不満を募らせ、ついには反乱を起こすが、この反乱はアーカルソン軍によって鎮圧された。ヘンリー3世は反乱の発端となったリペルニア王国議会(国王選出権を持つ)を解散しアーカルソン議会に統合させた。この合同議会の最初の仕事はリペルニアの王位継承法をアーカルソンと同じものにすることであり、この議会合同を以って歴史学的には合同立憲王政アトリオンが成立したとされるが、法的にはこの次の代に女王となるシャーロット1世の即位を巡る混乱に対処するためアーカルソン=リペルニア王位が宣言された時点が合同立憲王政の成立とされている。 近世 シンガ大陸航路と新大陸の発見 合同が実現した後、島内の争いが沈静化したアトリオン人は、海外に目を向けるようになり、大陸間の通商に積極的に乗り出した。 ジャーガルクを初めとするシンガ諸国の物産はアトリオン経済のあらゆる分野に富をもたらした。 初期啓蒙と立憲王政の確立 リペルニアで地動説が計算手法として用いられていることは公然の秘密であり、アーカルソン人もそれが異端の係累に属すると知りつつもひそかにこれを活用してはいたが、教会中央からはアトリオンは辺境の地であり、大きな問題にはならなかった。 しかし、この時期にアンゼロット記念大学の哲学教授ランキンが裁判記録を発見、知り合いでリニス大学の数学教授であるアーシャに見せ、彼女が自ら創始した微積分学によって定式化したことにより、解析力学の体系を作り上げた。 ランキンは彼女の成果を称賛、彼女の方法論を人間知性の研究に適用し、生得観念を否定、アトリオン観察主義哲学を創始し、さらには最初期の自由主義思想を唱え、アーカルソン=リペルニア合同時に締約された権利憲章を自然権論により正当化した。 ランキンとアーシャの考えはアトリオンで広く受容され、最初期の啓蒙を形作った。とくにランキンの立憲自由主義は次第に政府にも受容され、立憲王政の確立につながった。 グリットの統合 (執筆中) 伝統的に家族より大きな共同体の観念が薄いゲアファルは、アーカルソン王が掲げる「グリットの領主にしてゲアファルの君主」という称号を是認しており、グリット諸島に進出するアトリオン人に対しても住処や漁場を荒らされない限りは特に抵抗してこなかった。アーカルソン王の側も庇護民に過ぎないゲアファルに対しては自らの信仰や文化を押し付けることを目標とはしていなかった。 合同王政の確立もこれをすぐに変化させることはなく、むしろ合同王政がリペルニアの信仰や文化を維持することによって成り立っているために維持する方向をさらに強めた。 しかしながら、シンガ航路の利益がますます増大する中、道中の島嶼に補給基地を設置する必要性がますます増大しつつあった。 ここで登場する「無色透明の王」アダムズ3世は、兄であるアダムズ2世が即位して1年足らずで急死したため、急遽王位についたアーカルソン=リペルニア王である。彼は幼少時から勃興しつつある科学に対して関心を持ち、長男ではない(つまり跡継ぎではない)のをいいことにアンゼロット記念大学で光学を学び、顕微鏡と望遠鏡に関する最新の知識を身につけた、「史上最も高貴なレンズ職人」である。彼の下で世界初の学会といわれる王立学会が設置、それ以外にもさまざまな学術組織が国王の支援を受け設置されるなど最初期の科学革命のアトリオンにおける基盤が整備された。 アダムズ3世は即位以降も統治に対してはほとんど関心を持たず、議会・宮廷・国教会の三者による勢力均衡のなすがままにしていたが、友人の天文学者が異端審問により自説の撤回を余儀なくされたことに衝撃を受け、彼は異端審問の力を弱めるべく行動を起こす。これにより学者の学説への異端審問が厳しく戒められた結果、国教会の異端審問部門はグリットのゲアファルに対し改宗活動を強化していくことになる。 この布教活動は一定の成果をあげたが、次第にゲアファルからの反発も強まり、ついにはゲアファルはグリット諸島近辺を航行するアトリオン船を襲うようになる(第一次ゲアファル戦争)。当時の軍艦はゲアファルの襲撃に対して無力であったため、ゲアファルの襲撃への対応には改宗したゲアファル兵が用いられた。 この戦いが激化すると通商活動への損害も大きくなり、見かねた商人勢力中心の議会はアダムズ3世の暗黙の支持のもとに国教会を封じ込め、異端審問を事実上骨抜きにすることに成功した。第一次ゲアファル戦争はこれにより終息したが、この時抵抗したゲアファルと改宗したゲアファルの対立は後の争点となった。 アダムズ3世の没後、彼の孫であるアダムズ4世が即位した。アダムズ4世は絶対主義を奉じ、統治、信仰、そして家庭をほとんど顧みず学究的生活に身を投じた祖父を国王の模範たりえないとして厳しく否定し、そして「国教会の首長」としての自らの地位を重視していた。アダムズ4世は祖父が骨抜きにしていた異端審問を復活させ、アトリオンとグリット双方で積極的に活動させた。 この政策に関しては、本土での支持は実際のところ悪いものではなかったが、当然のことながらゲアファルからは激烈な抵抗を招いた(第二次ゲアファル戦争)。戦いが長期化すると、第一次ゲアファル戦争と異なりゲアファルは組織化の方向へと向かった。 近現代 工業化の進展 通商の発展が進む中で、アトリオン島から輸出できる物産をさらに多様化すべく、製造業を発展させた。 まず外燃機関の発展により鉄道と汽船が実用化され、陸運と海運が急速に成長した。 大戦の時代 文化 大学 アトリオンに存在する大学は中世の間に設立され法的根拠を国王の勅許による大学と近代以降に作られた大学の二種類ある。 勅許大学 儀礼的にはその教員には学問と研究の自由、組織としては不輸不入の特権をアーカルソン=リペルニア国王から認められた大学。アーカルソンに2つ、リペルニアに1つある。全て中世に由来を持つ大学である。 リニス大学 中世盛期アーカルソン王国において、宮廷の貴族が貴族院の円滑な運営のため共同で出資し著名な法学者を招いて自らの子弟に教育させたことを由来とし、その数十年後にはそれまでの貢献によってアーカルソン王から勅許によりアトリオン初の大学として設置されたアーカルソンの勅許大学。 自然法や海洋法を中心に法学研究がよく知られる一方、自然神学的な学問を契機として近世における初期の古典力学発展の舞台にもなった。 エタブリッシェ大学 中世後期のアーカルソン王国で、絶対主義の導入を目指す国王が自らに忠誠な官僚を欲してリニス大学の一部の教員と学生を引き抜いて作った勅許大学。 当時のアーカルソン王がヤード皇帝に対し自らの格を主張するため古典古代研究に力を注いだこともあり、ヤード国外ではトップクラスの古典学研究がなされている。西ヤード分裂時代やイスティングといった歴史に関しても研究が進んでいる。 アトリオン語研究の中心でもあり、エタブリッシェのアトリオン語辞典はアトリオン語辞典の中でも最も精緻な記述で知られる。 中世以来伝統的に天文学研究も活発であるが、これはリペルニアの星詠み文化への対抗の意味が強い。リペルニアにおける国王とは、星を詠み、それに基づいて地上世界で政治・軍事を司る力量の最も高い者であり、天文現象を精緻に予測できない者は権威を認められないからである。 アンゼロット記念大学 系譜的には中世初期の普遍教会修道院である聖天使修道院(リペルニアの修道院文化は円十字教でも特に古い由来を持つ)の付属学校、大学としての成立はその修道院長を務めたとある教会博士の尽力のもとでリニス大学をまねてリペルニア王の勅許を受けたことに由来するリペルニアの勅許大学。 合同後、国教会が圧倒的に優位なアーカルソンと異なり、改革教会が優位を持ち普遍教会の勢力も残るリペルニアにあって、アーカルソン=リペルニア王による改めての勅許により円十字教徒であれば宗派を問題としない姿勢をとった。 リペルニアの周縁的な地位ゆえ、アーカルソンの勅許大学に比べると官界・政界への影響力は見劣りする一方で、本学の卒業生の中には望遠鏡を発明し科学革命への道を開いた者、重商主義を否定し経済学という学問領域を作った者、蒸気機関を初めて実用化し産業革命の端緒を築いた者などがおり、科学技術の分野においてはアーカルソンの勅許大学に勝るとも劣らない存在感を持つ。 階級社会 貴族 アトリオンの貴族は制度的には世襲貴族と一代貴族、法的には依拠する慣習法の異なるアーカルソン貴族とリペルニア貴族の区分がある。ただし大貴族や古い由来を持つ貴族はアーカルソン貴族かリペルニア貴族かはっきりしているものの、中小貴族に関してははっきりしないものも多く、それらは合同立憲王政貴族と呼ばれることも多い。ただしアトリオンの貴族は異なる種類の身分との通婚をあまり忌避しないため、社会的にはアトリオン貴族という一体の存在をなしていると考えられることも多い。 アトリオン貴族たる者の資格は、伝統的に学識と資産であると考えられてきた。これは貴人とは天界の秩序を学び、自然の法則を理解し、それに従って地上を統治する者であるというリペルニアの伝統的価値観と、自らの土地を求めて自弁の武器と共にアトリオンの地を踏んだイスティングの戦士たちの慣習が複合して生じたものである。 一代貴族に叙される目安も勅許大学の教授が務まる程度の学識とカントリーハウス(もちろんある程度の田園を備えることが望ましい)を持てる程度の資産であるとされる。慣習的には一代貴族に叙されることが三代続けば世襲貴族号を付与されるとされる。逆に何の学術的成果もあげずに代替わりした場合、戦死や短命といった事情がない限りは保持する最上位の爵位の継承は認められないことが多い。 現在存在する貴族の特権は「貴族を名乗れること」と「貴族院における参政権」のみである。アトリオンの貴族が持つ爵位は形式的なものであり、実際にはその土地は地域共同体が統治するため、統治権や徴税権は持たない。 学者の国、啓蒙の国 アトリオン人は伝統的に学問を好む文化を持ち、自ら新しい学問的成果を作り出すことが貴人の条件とされてきた。近代以降中流階級が台頭すると彼らはより実学を重視するようになるが、実学といっても100年後に役に立つような基礎科学もまたアトリオン人中流階級にとっての実学である。 治安・衛生 アトリオン領の治安・衛生状況は比較的安定しており、本国はイクファターナ随一の低い犯罪率となっている。階級社会ではあるが、民衆の間での疫病の伝播に対する警戒心は強く、行政機関は衛生環境の向上に関しては貧民街であっても積極的に取り組んでいる。 グリット諸島、北ゴーシュ、ニューリペルニア、ヴェルレニースは本国ほどではないが警察機構は有効に機能している。なおニューアーカルソンは重犯罪を見ると本国並みに低いが愚行権を認めず何でも軽犯罪にするため統計上の犯罪率は他のアトリオン植民地と大きく変わらない。レイズフィル内陸部では警察機構が機能していないため統計がないが、沿岸部ではヴェルレニース並みの状況と報告されている。 アトリオンの入国管理や税関は密輸や密航だけでなく防疫にも注意を払っており、特に本国の入国手続の煩瑣さは有名である。 二十則委員会 リペルニア王国に存在する公安組織。内赦執行機関。「外法から自然法を防衛する」ことを趣旨とし、中世リペルニアにおいて聖ルーアンの事件に衝撃を受けたリペルニア王が竜大公の助言に基づき創設した組織。大陸からの吸血鬼や人さらいの類に対する侵入阻止を主な活動目的とし、法運用の厳格さから恐れられてきた。一般には合同以降は形式上の存在に過ぎないとされる。 人名の命名規則 原則として、男性にはミドルネームがなく、女性にはミドルネームがある。アトリオンでは貴人は爵位や称号が長くなる傾向にあり、貴人も複雑で長大な名前を付ける習慣を持たなかった。そのため4単語以上の名前を持つのは基本的に移民のみである。 ゲアファルに関してはもともと古代には個人の名前が希薄で、アトリオン諸島を超えて東進したイスティングから名前の概念を受け取ったとされる。現在でもその名残で名前はイスティング系であり、姓の代わりに父称を用いる。 国民 民族・人種 アーカルソン人 アトリオン諸島に入植したイスティング系に由来を持つ主にアトリオン諸島北部の民。大陸からの優れた戦闘技術・農業技術を持って中世アトリオンを席捲した。外見は銀髪碧眼の典型的な北方系。 古くから子は成人すると親元を離れるのが普通であり、比較的家族単位の独立性が高く、個人主義的な土壌を育んだ。継承法は基本的に長子相続。 リペルニア人 イスティング系に抵抗したアストラ系を由来とするアトリオン諸島南部の民。独特の星詠みの文化とウイスキー醸造などで有名。 タニストリー的な、親族会議により家督相続を決定する慣習がある。 ゲアファル(ゲアファオル) グリット諸島の先住民族たる有翼亜人。彼らは水面効果を活かして海面上を滑空し、また翼を巧みに使って水中でも機動的に動くことができる。また、視力(特に暗闇や動体、立体)に優れ、磁覚をはじめ、人間の持たない知覚能力をいくつか持つ。小家族的な集団で暮らし、きわめて家族に対する情愛は深いと言われる。 本来はノマド的な生活を送っており、南北に広がるグリット諸島を季節に応じて渡り、アニミズム的な信仰の中で海洋と気象に関する優れた理解をもって漁労を中心とした暮らしを営んでいた。 古くよりアトリオン諸島に流れ着いた彼らが自らの地学的知見をアトリオン人に提供することも多く、リペルニア神話によるとリペルニアの星詠み文化も彼らの系譜上にあるとされ、リペルニア貴族の出自の逸話として流れ着いたゲアファルを祖先に持つというモチーフは多くみられる。 しかし、近世以降になるとアトリオン人の勢力拡大のなかで飲み込まれ、異端審問によりアトリオン国教会に改宗させ定住化させるなど同化が推し進められ、ゲアファルの文化は大きな打撃を受けた。 近代以降は彼らの漁業はもはやアトリオン人の近代的漁業に太刀打ちできなくなっており、定住化を受け入れて農耕生活を行う者や近代的漁業を受け入れてアトリオン漁民と変わらない生活を送る者が多いが、高級魚の分野では今でも伝統的なゲアファル漁法を続ける者もわずかながら存在する。 また、その能力を活かして偵察兵・水兵・航空兵などの分野で軍務につくことも多く、家族を養うためなら何でもする習慣もあってアトリオン軍人として戦史に名を残すゲアファルも多数存在する。軍人・学者・貴族仕えなどの道から一代貴族の地位を得るゲアファルは多く、人口比で考えると一代貴族のうちゲアファルの比率は突出している。 宗教 アーカルソン国王を首長とする円十字教の宗派であるアトリオン国教会が主流。公職に就くには国教徒が望ましいとされるものの、信仰の自由は保障されている。 リペルニアでは古代から続く星詠みの文化が残っているが、円十字教自体はどこでも受け入れられている。 人物 王族 アン4世 神と自然法の恩寵によるアーカルソン=リペルニア女王にしてゴーシュ女王、グラニツァ大陸およびグリット諸島およびニューリペルニア諸島の領主、アトリオンの古き法と自由の擁護者、アトリオン国教会の首長。今代の合同立憲王政の女王。 【魅力的な交渉人/Charismatic Negotiator】【強硬な孤立主義者/PIG-HEADED Isolationist】【広い人脈/Well Connected】【厳格/Strict】【慈善家/Benevolent】【貞節/Chaste】【充足感/Content】【公正/Just】 政界 エドワード・バード 現在の首相。保守党。リペルニア貴族の出身で、家柄としては中堅程度。質実剛健を旨とし、その私生活においては簡素。人間・国家のいずれにせよ関係性の分析に長けた策略家。 【稀代の黒幕/Elusive Shadow】【寡黙な勤勉家/SILENT WORKHORSE】【政治家/Statesman】【盤戯の達人/Game Master】【節制/Temperate】【冷笑的/Cynical】 ウィリアム・スミッテン 自由党党首。父はセント・ミカエル海上城塞生まれ、母はニューリペルニア生まれで本人は船上生まれという海洋国家アトリオンらしい出自の人物。彼自身も海上保険会社を創業したことをはじめ、金融業で財をなした資本家上がり。彼自身は既に経営から手を引いていたものの、世界大戦で彼の興した会社の事業が一時危機に陥ったこともあり、総力戦を嫌っている。ただし平和主義者といえるかと言えば必ずしもそうではなく、植民地戦争には肯定的で、彼の手掛けた事業の中には海軍とのかかわりが深いものも多い。 【金儲けの達人/Fortune Builder】【レッセ・フェール資本主義者/LAISSEZ FAIRES CAPITALIST】【交易商人/Trader】【大食/Gluttonous】【勤勉/Diligent】【社交的/Gregarious】 外交官 クレア・マリー・ウィルソン 駐リンディス大使。文学修士(エタブリッシェ大学)。庶民の出でありながら語学の才能と超人的な努力によって本来貴族の職である大使に上り詰めた才女。 【魅力的な交渉人/Charismatic Negotiator】【イデオロギーの闘士/IDEOLOGICAL CRUSADER】【外交官/Diplomat】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【謙虚/Humble】【臆病/Craven】【社交的/Gregarious】【冷笑的/Cynical】 リチャード・マクダウェル 駐スルガ大使。法学博士(リニス大学)。スルガ人の期待するアトリオン人イメージを崩さぬ教養ある紳士で、スルガ独立以前から外務省で清河政策に携わり、スルガ独立後はアトリオン=スルガ同盟の成立を主導してきた。 彼も天文学の学識と学究的性格を持った典型的アトリオン貴族で、彼の場合はその関心は西方の社会と文化に向かっている。本来の専門は比較法学であるが、しばしばその分析手法は社会人類学的と言われる。冷笑派にとってはアトリオン法学のスルガにおける紹介者の一人でもある。 【影の実力者/Gray Eminence】【偏見ある知識人/BIASED INTELLECTUAL】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【盤戯の達人/Game Master】【学者/Scholar】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【忍耐/Patient】【社交的/Gregarious】【冷笑的/Cynical】 スタンリー・ハクスリー 駐ジャーガルク大使。経営管理修士(ニュースタックバラ大学)、経済学博士(アンゼロット記念大学)。ヴェルレニース生まれでニューリペルニアを拠点に貿易会社を経営してきた経済人。大戦で中央海航路が使えなくなったため東西の大航路の重要性がさらに高まったことからアトリオン政府から招聘を受けて以降スタックバラで通商政策に関与するようになる。 【金儲けの達人/Fortune Builder】【偉大な調停者/GREAT COMPROMISER】【レッセ・フェール資本主義者/LAISSEZ FAIRES CAPITALIST】【交易商人/Trader】【行政家/Administrator】【勤勉/Diligent】【社交的/Gregarious】 キャロライナ・ジュリエット・チャットウィン 駐ヤード大使。文学博士(エタブリッシェ大学)、経済学博士(アンゼロット記念大学)。経済学という学問自体の成立を哲学的に検討すること目的に古代ヤード哲学と近世アトリオン哲学と近代経済学を修めた教養人で、リントヴルムポリス留学経験者。古典哲学の世界から出てきたかのような懐疑主義と禁欲主義の実践者。 戦後のヤードへの外交官に誰を送るかということは大きな問題で、策士、商人、軍縮交渉の実務家、様々な候補があったが選ばれたのは彼女であった。これはアトリオン人の理解では結局のところ問題はヤード帝国の歴史がもたらす彼らの傲慢さにあり、ヤード人に対して外に学ぶべきものがあると知らしめることは戦後体制の延命につながると考えられた、ということを意味する。 【博識な古典学者/Scholarly Classicist】【懐疑主義者/Skeptic】【偏見ある知識人/BIASED INTELLECTUAL】【端麗/Attractive】【学者/Scholar】【禁欲主義/Celibate】【詩人/Poet】【貞節/Chaste】【忍耐/Patient】【謙虚/Humble】【公正/Just】 ノエル・ブライトウェル 駐ソフィア大使。工学博士(ハリントン大学)、数学修士(エタブリッシェ大学)。法的には庶民だが、6代遡るとクラリッサ皇帝に繋がる家系の持ち主で、祖父は信仰のために相続権を放棄しニューアーカルソンに移住したアーカルソン貴族。彼自身も一代貴族の候補になったことがあるが、これは本人が拒絶した。 敬虔なニューアーカルソン改革教会信徒の両親に育てられたが、次第にその価値観に疑問を抱くようになり、技師となるべく入学したハリントン大学で社会工学に出会い、信仰ではなく科学的方法による社会の改良という発想に魅せられ革新主義者となった。両親とも当初は対立したが、現在では彼のよき理解者となっている。以来、アトリオン各地で行政官として働き、社会改良に努めてきた。このように信仰を疑い合理的方法によってではあるものの社会の非道徳は解決されなければならないという態度からは典型的なニューアーカルソン人であると言え、近年のニューアーカルソン革新主義・進歩主義派の旗手である。 如何に行政官として社会問題に向き合ってきたとはいえ、アトリオンのアカデミズムとニューアーカルソンの知性主義の世界で生きてきた彼はソフィア大使に任ぜられて初めて想像を絶する無知・不衛生・貧困の中で暮らすソフィア貧民の生活を知り大変に驚愕している。しかし、彼はそれでもこれまでのキャリアでしてきたのと同じようにソフィア社会の実情を合理的に分析し、彼らの待遇が改善される方策を考え続けている。本国ではあまり主流ではない彼が大使を務めているのは、本国外務省にとってもソフィアの貧困は共産主義者の絶好のプロパガンダ素材とされることが問題視されていることを意味する。 自由党の社会自由主義側の中心的人物の一人。誤解する保守主義者も多いが明確な反共主義者。万人が同じ生活水準を享受できるところまで民衆の生活を引き上げねばならないと考えながらも民衆が自らの力だけで自らを救済できる可能性を否定する、この点でも典型的ニューアーカルソン人。 【真面目な官僚/Dutiful Bureaucrat】【革新主義者/Progressive】【明敏/Quick】【行政家/Administrator】【慈善/Charitable】【勤勉/Diligent】【公正/Just】【狂信的/Zealous】 アーチボルド・ランフランク 駐角公使。神学博士(エタブリッシェ大学)。 礼王朝の首都栄都でアトリオン国教会の宣教師をしていた元聖職者。韓語、スルガ語、ジャーガルク語などのシンガ諸言語を流暢に操り、また天文学・数学・機械工学などで教職が務まる程度の学識を持った国教会随一の秀才。清河人、特に対アトリオン取引をする商人に広く人気があった。革命後も親アトリオン軍閥下で布教活動を続けていたが、社会主義者が勢力を増すと、当然のことながら外国勢力で商人と親しい聖職者の居場所はなくなり、少数の信徒と共にどうにか逃げ延びることに成功した。しかし、信徒の多くを守れなかったことがトラウマになり、宣教の際の滑らかな弁舌は失われ、信仰に対しても懐疑的になって聖職者を辞する。その後知り合いの官僚に招かれ西方言語の語学力のある人材を求めていた外務省に入り、対清河封じ込め外交の一翼を担うようになった。 【魅力的な交渉人/Charismatic Negotiator】【ストレス/Stressed】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【神学者/Theologian】【禁欲主義/Celibate】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【社交的/Gregarious】【公正/Just】【冷笑的/Cynical】 スティーヴ・ティレット 駐トルカーナ公使。陸軍退役大佐。法学博士(リニス大学)。大戦中にソフィア大使館駐在武官を務めていた人物。実直で厳格かつ勤勉な性格、「古き自由」とアトリオンを中心とした世界の安定を奉じる保守主義者、という典型的アーカルソン貴族出の陸軍軍人であったが、航空戦力の導入や海軍・海兵隊との連携によってアトリオンの安全は保障されると考える柔軟さも持ち合わせた人物で、そのために海軍軍人との協力を求められるソフィア駐在武官に任じられた。 大戦中、地中海に派遣されたアトリオン軍のネットワークの結節点ともいえる役割を果たすと同時に、戦線で度々観戦武官としてソフィア戦線の戦場に出るが、毎度ソフィア軍の過剰な民間人への暴力をめぐって指揮官と言い争うため本国からは何度も左遷を検討されていた。しかし彼の周囲の軍人から「大戦が終わるまで絶対に彼はここに必要」との声もあり、大戦が終わるまでその職にとどまる。大戦後期には何があったか国際法について学びだし、ソフィア休戦協定が結ばれた直後に陸軍を退役、本国に戻りリニス大学で法学を学び、国際法と人道主義に関する論文で博士号を取得する。その後は外務省に勤め、リンディスヴァートの武装解除などで活躍した後、駐トルカーナ大使に就任。トルカーナ人には「よきアトリオン人スティーヴ」として知られるが、本人はそう呼ばれると何とも微妙な顔をする。本人曰く、「自分には何もできなかった無力者」。 【熟練の戦術家/Skilled Tactician】【偉大な調停者/GREAT COMPROMISER】【心理戦科/SCHOOL OF PSYCHOLOGY】【陸空共同作戦論/ARMY AVIATION DOCTRINE】【市街戦/Urban Warfare Specialist】【包囲戦/Encircler】【規律/Disciplined】【ストレス/Stressed】【うつ/Depressed】【行政家/Administrator】【慈善/Charitable】【勤勉/Diligent】【臆病/Craven】【公正/Just】【冷笑的/Cynical】【疑心暗鬼/Paranoid】 研究スキル7:集中実行・諸兵科連合部隊重視・大規模部隊戦術・訓練 学界 エミー・アイザック・ケーニヒスベルガー 物理学者・数学者。物理学博士(アンゼロット記念大学)。リニス大学教授。アトリオンの才媛。波動方程式と相対論的収縮を発見した物理学者であり、量子力学と相対論の双方への扉を開いた。 科学者として天才的であるだけでなく、後進の育成には学界に金を引っ張ってこなければならないことをよく理解し、政財界にも広いコネクションを有している。しかし外面では良識ある人間のようにふるまう一方で、その内実は数学と物理学の進歩以外のあらゆるもの、常識的観念や道徳規範や人間関係の何から何まで無意味であると考えている懐疑主義者で虚無主義者。彼女の下で学ぶ学生いわく、「彼女に常識的にふるまえる能力があることがまず非常識」。本人いわく、「何をすれば他人が自分と同類であると誤解するのか観察するのが趣味」。 【並ぶ者なき物理学者/Mastermind Physicist】【操作可能性の操作者/Handler of Handling】【懐疑主義者/Skeptic】【虚無主義者/Nihilistic】【管理の天才/Administrative Genius】【自然科学者/Natural Scientist】【天才/Genius】【傲慢/Proud】【気まぐれ/Arbitrary】【冷笑的/Cynical】 研究スキル10:電子工学・産業工学・数学・機械工学・核工学・核物理学・航空電子工学 ヘンリー・ウィルミントン 神学者・歴史学者・言語学者。神学博士(エタブリッシェ大学)。エタブリッシェ大学教授。聖書翻訳の歴史を研究している。 人当たりのよい紳士で、多言語能力もあって特に留学生には話しかけやすいと人気。なお、非円十字教徒にも表面上取り繕うだけの度量はあり、高等批評をする自由主義神学者でもあるものの、あくまでも彼自身は敬虔な円十字教徒であることは忘れてはならない。 【博識な人文学者/Scholarly Humanist】【偏見ある知識人/Biased Intellectual】【神学者/Theologian】【禁欲主義/Celibate】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【公正/Just】 シンシア・エイミー・オブライエン 気象学者・雪氷学者。探検家・飛行船航法士。理学博士(アンゼロット記念大学)。リペルニア最大の貴族グウィンドル公爵家分家の当主。アトリオン空軍創設の主導者の一人。ただし本人が持っている軍歴は大気海洋庁士官部隊で観測気球を扱っていただけで、直接空軍軍人となったことはなく、大気海洋庁で航法士になるのは士官部隊を外れてからである。空軍創設後は熱心に空中艦隊構想を推進していたが、近年は空対地攻撃よりも防空に主眼が置かれ、彼女のプロジェクトは下火になっている。そのような状況下で注力する方向を変えた彼女は払い下げられた空中戦艦に自ら乗り込み各地で探検飛行を行うようになる。最も有名な実績として、北極点に着氷して世界初の北極点到達者となったことが挙げられる。 なお、学者としてはケーニヒスベルガー女史を熱烈に崇拝するケーニヒスベルガー主義者。専門は違うものの、どんなに忙しい時でも彼女の最新の研究はフォローしている。 【熟練の航法士/Skilled Navigator】【陸空共同作戦論/ARMY AVIATION DOCTRINE】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【傲慢/Proud】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】 研究スキル6:航空学・産業工学・機械工学・沿岸航法・操船術・技術効率・空挺訓練・空母設計 ナタリア・ユージェニー・カーライル 数学者・暗号学者。レイズフィル在住の農園主を自称する在野の数学者であり、大学に通ったことすらないらしいが、彼女の暗号理論はケーニヒスベルガー女史にも認められ、リニス大学で数学の博士号を与えられた。 あらゆる政治権力を完全に否定するアナキストに近いリバタリアン。表現の自由戦士であれば最も急進的な層、レイズフィル人でも50人に1人いるかいないかという水準の急進的自由至上主義者。 当然、国家が人々の通信の秘密を侵害することを一切容認せず、それがために自らの最先端の研究成果を実際の使い方を含めて公開するため、各国の諜報関係者には随分嫌われている。特に国内情勢の混乱の続くリンディスヴァートでは過激派同士のやり取りに彼女の成果が使われており、混乱に拍車をかけている。暗殺したいと思っている諜報関係者も数知れないが、彼女の住所どころか正体は誰なのかすらケーニヒスベルガー女史ほかごく数人しか知らず、そのやりとりも彼女一流のインテリジェンスを駆使して行われており現在まで追跡されていない。 【不世出の暗号学者/Brilliant Cryptographer】【天才/Genius】【学者/Scholar】【憤怒/Wroth】【嘘つき/Deceitful】【臆病/Craven】【内向的/Shy】【冷笑的/Cynical】【疑心暗鬼/Paranoid】 研究スキル0:(彼女は一国に対して役に立つことを一切拒否する) シグリズル・ベッティドッティル 西岸強化のメカニズムを明らかにした、ゲアファルの海洋学者。理学博士(アンゼロット記念大学)。他のゲアファルからはアトリオン本国で成功した人物として敬意を以て遇されているが、本人の内心では(統計上ゲアファルが知識においてアーカルソン人・リペルニア人に劣るということは特にないのだが)無学な同胞を冷笑している。もっとも、アトリオン人で無学な者に対しても冷笑しているのはほかのリペルニア人学識者とそう変わらないので、その点、もはや典型的なリペルニア学識者である。ただ、夫に対しては人間味のある態度をとるので、そこに関してのみゲアファルらしさを残している。 【博識な海洋学者/Scholarly Oceanographer】【貞節/Chaste】【忍耐/Patient】【内向的/Shy】【冷笑的/Cynical】 ウィリアム・グレイ 分析化学者。化学博士(エタブリッシェ大学)。本業は分光法だが、クロマトグラフィーの発明者でもある。化学者として大戦中の化学戦に心を痛め、毒ガスの成分分析を容易にするキットを開発しアトリオン側の化学戦防護能力を大いに高めた。ただし、彼のキットは新しい化学兵器の開発にも応用されることになったのではあるが。 【真面目な化学者/Dutiful Chemist】【明敏/Quick】【貞節/Chaste】【慈善/Charitable】【勤勉/Diligent】【正直/Honest】【公正/Just】 研究スキル7:化学・産業工学・技術効率・医療科学 財界・実業界 アンドリュー・フィールズ 鉄道技術者。工学博士(アンゼロット記念大学)。鉄道の高速化を追求し、高速輸送による動員迅速化のメリットを説いて弾丸列車計画の実現に邁進、既にホイーリントン郊外に実験線を敷設している。 【経済の錬金術師/Midas Touched】【鉄道ロマンチシスト/Railway Romanticist】【資源産業家/RESOURCE INDUSTRIALIST】【軍事技術者/Military Engineer】【悪魔つき/Possessed】【建築家/Architect】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】 研究スキル8:産業工学・管理・機械工学・ロケット工学・技術効率・車両工学 貴族 ニューコーム侯リチャード・ホワイトヘッド アーカルソン貴族の中でも貴族中の貴族といわれるアトリオン最大の大貴族ストックトン公爵家の長男であり、ニューコーム侯爵号は伝統的にストックトン公継承者の証である。既に三十路にある跡取り息子、本来であれば更なる家の発展のために結婚して家の管理を担い社交界でも積極的に活動しなければならない身にありながら、異性と交際することすらせず、ただリペルニアウイスキー醸造所を訪れるだけの旅行を繰り返し、そうでないときには自らのカントリーハウスに引きこもって文芸やら庭の手入れやらにだけ注力する放蕩息子。人間の好き嫌いが激しく、側仕えにも気の許せるごくわずかな人間しか置かない。 人間嫌いが高じて、ケーニヒスベルガー女史に吹き込まれた「機械化がますます進展すれば引きこもりながらできる生活の水準はますます向上する」というアイデアを気に入り、機械工学や計算機工学をはじめとした工学の諸分野に対し家が傾きかねないほどの出資を続けており、アトリオン各地の工学教育機関には彼の名を冠した講座や奨学金が多数設置されている。 【世間知らずの甘ちゃん/Indulgent Wastrel】【酒浸り/Drunkard】【庭師/Gardener】【詩人/Poet】【慈善/Charitable】【怠惰/Slothful】【内向的/Shy】【冷笑的/Cynical】【疑心暗鬼/Paranoid】 ペンドラゴンシャー大公/リペルニアの竜大公イグナティウス 竜族。性別は不明(以下では暫定的に「彼」)。アトリオンの象徴として広く知られた竜で、アトリオンの国章にも使われている(国旗そのうち手直しします)。様々な言語で様々な名がついており、神話好きの間では「百の名を持つ竜」「竜大公」だけで通じる。伝承ではアストラ系がアトリオンに住まう遥か以前からリペルニアの空を自由に飛び、火を吐いて敵を焼き殺し、火山と大地を意のままに操っていたといわれるが、実際に空を飛んだり火を吐く姿は今のところ目撃されていない。各地で確認されている竜族の中でも突出して大きく、それだけの年かさを重ねていると推定されている巨竜で、現在はリペルニアの火山の火口に住み、そこからはほとんど外に出ない。彼は自分以外の翼ある者を嫌うので、基本的に彼の下にたどり着くには火山の洞窟を通って火口に向かうことになる。耐久力は高くうろこは銃砲撃を跳ね返してほぼ無傷、寒いときにはマグマに浸かっていることもあるがそれでうろこが融けたりはしない程度の耐熱性も持つ。知性に関しても長い年齢からくる知識、アトリオン語など人語を解する語学力などからは人間と同等以上のものを持っていると考えられている。 性格は傲慢で気まぐれ、特に古代の伝承では理由なく人間を襲ったとされ、中世アトリオンの騎士道物語でも竜を討伐する騎士というモチーフは頻出である。一方でリペルニア的な学識ある権威への敬意は持っており、中世リペルニア王国においてはリペルニア王の権威を認め、形式的には彼に臣従し、大公位を授けられた歴としたリペルニア貴族。リペルニアの守護者を自認し、リペルニア島への侵略者に対してはリペルニア人と共に戦ったこともある。アルカルのリペルニア征服の挫折も彼を避けるため無理な作戦機動をとったためであり、以後アーカルソン王国のリペルニア征服事業が功を奏さなかったのも同じ理由である。リペルニア生まれでないリペルニア王を認めないという理由でシャーロット1世以降しばらく臣従を拒否していた。しかし第二次ゲアファル戦争でのアトリオン国教会のゲアファルへの苛烈な取り扱いを聞いて満足しアーカルソン=リペルニア王を再び認めたという(そしてその際に合同立憲王政は彼に対してのみ特例的に合同以前の特権を認めた)。そのため彼に関しては領地の不輸不入特権・免税特権・国王の親裁なしに処罰されない(現実的には処罰自体困難だが)特権など、百年以上前に一般のアトリオン貴族が失った特権を未だに有している。それほどゲアファルを嫌う理由として何らかの古い確執があるらしく、単に有翼亜人のみならず亜人一般を嫌い、航空機も彼の領地の上空を飛ぶことは許されていない(…が、金を積むと許してくれる)。なお、ゲアファルの神話においてもこの巨竜によってアトリオン諸島にいたゲアファルは滅ぼされたと伝わっている。 彼の領地ペントラゴンシャーは一応彼の許可がないと入れない(通常の貴族において爵位にある土地が実際には統治権がないのとは対極であり、ある意味では彼のための保護区である)が、地代を払えば耕作等も認められる。地代にはかなりがめつく、基本的に金貨など貴金属を求めるが、たまに書物を求めることもある。その巨体で人間の本をどうやって読むのかは謎に包まれているが、内容について話したり、さらに関連する書物を求めたりするので実際に読んでいるらしい。最近は新聞を定期購読したり、ラジオを聴いたり(電波の知覚能力もあるらしい)もしている模様で、時には女王に手紙を出して国政への意見も行う(貴族であると考えると特段変なことではないのだが)。なお、産業技術の振興や勢力均衡の外交政策など、意外にその内容はまともであるため政府も時に参考にしているが、亜人に対する徹底的に酷薄な待遇を毎回必ず要求することには流石のアトリオン紳士たちも微妙な顔をしている。 【竜大公/Grand Duke of Dragon】【竜族/Dragon】【明敏/Quick】【極めて屈強/Very Strong】【盤戯の達人/Game Master】【狩人/Hunter】【学者/Scholar】【貞節/Chaste】【強欲/Greedy】【憤怒/Wroth】【傲慢/Proud】【勇敢/Brave】【気まぐれ/Arbitrary】【冷笑的/Cynical】 軍人 アリソン・ルイーズ・シュテファン 王立海軍大将。アトリオン本国艦隊提督。アーカルソンの零落した貴族上がりで、家格と国威の向上に熱烈な精力を注ぐ。 大戦に際してはミネルヴァスハーフェン上陸作戦と三度のリントヴルムポリス強襲作戦に参加し、特にアトリオン艦隊が大損害を受けた第一次リントヴルムポリス強襲作戦では巧みな機動を指揮し自らの艦をほぼ損傷なく帰投した数少ない艦長として知られる。 なお、自らの家に(一般家庭には容易に手が届かない程度に高価なはずの)機械式計算機を置いて暇があれば最新の弾道学論文の内容を検証し、時には自ら学会で射爆理論について発表する弾道学マニアの側面もある。しかし、そんなものはアトリオン中流階級のありふれた余暇の過ごし方に過ぎない。 【熟練の戦術家/Skilled Tactician】【基地制圧論/BASE CONTROL DOCTRINE】【卓越した戦術家/Superior Tactician】【海軍改革者/Naval reformer】【屈強/Strong】【学者/Scholar】【戦術家/Strategist】【忍耐/Patient】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】 クリストファー・ミドルトン 王立海軍大将。蒼海洋艦隊提督。アッパーミドル家庭の出身で、愛国者である両親の勧めで海軍兵学校の門をくぐり、航海術や語学・軍事史・地理学などではいつも最優等、その他の科目でも五本の指に収まる成績を修め首席で卒業した秀才。 長年にわたりゴーシュやグラニツァの植民地艦隊で大きな問題を起こすことなく勤務を続けてきた。しかしそろそろ老後設計を考えだす頃になって大戦が起こり、リントヴルムポリス強襲作戦などで海軍軍人が死亡や負傷により退役した結果、中央海艦隊に戦力を抽出され残滓のような有様となったニューリペルニア艦隊を突如任される。さらにヤード艦隊は西海峡を越えて大艦隊を送ることはなかったためにすることもなく臨検により中央同盟側への密輸を摘発していたところ、ムスルマーネンに送られる奴隷の中からアトリオン人捕虜を発見、解放させたり、礼王国での革命ではいち早くスルガに艦隊を派遣し在留アトリオン人を保護するなどした結果本国での評価が本人の知らないうちにうなぎ登りになってしまった。そんなこんなで人間の評価の当てにならなさをこの歳で改めて実感している。 本人は妻と平穏無事な老後を過ごすことだけを望んでいる。しかし、蒼海洋の航路を預からせると彼の右に出る者はいないというのは国内外の共通理解であり、本国は彼が働ける限り働くことを望んでいる。とはいえ、艦上ではなくニューリペルニアに置かれた司令部での地上勤務ではあるため、軍人としての職務における勤勉さと同じ生真面目さで海軍軍人であるために長年あまり傍にいてやることのできなかった妻との時間を過ごすことはできているようではある。 【気弱な仲介者/Naive Appeaser】【外洋理論/OPEN SEAS DOCTRINE】【封鎖線突破の達人/Blockade-Runner】【索敵/Spotter】【古典派/Old Guard】【海洋探検家/Navigator】【端麗/Attractive】【明敏/Quick】【禁欲主義/Celibate】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【親切/Kind】【謙虚/Humble】【臆病/Craven】【充足感/Content】【冷笑的/Cynical】 ウィルステッド侯アルカン・ラースティン アーカルソン最大の貴族ストックトン公爵、リペルニア最大の貴族グウィントル公爵と並ぶアトリオンの三大貴族、フリーディル公爵家の跡取り。アーカルソン陸軍中将。「ミネルヴァスハーフェンの肉屋」として知られるミネルヴァスハーフェン上陸戦の総司令官。 自らも内心では認める無能、お飾りである。個人としては優れた鷹匠であるなど戦士らしい素質も持ち合わせているのだが、多対多の戦いではその意志薄弱が浮き出てくる。しかし性格は抑制がとれており、能力的な問題は副官のアシュリーをはじめとする側近の助けでカバーし、参加した兵卒には内心はともかく表向きのストイックさから敬意を持って遇された。一方でアシュリー大佐やローズマリー野戦病院院長のように有能な側近たちにとっては状況によっては使いつぶせばよい程度の存在(アトリオンでは大貴族すらも伝統的にそうである)と認識され、ささやかな心の均衡は幼少時から自らと共にあったメイドとの手紙のみによって辛うじて保たれていたという。 戦後には「ミネルヴァスハーフェンの肉屋」の悪名で知られつつも、大戦中数少ない上陸戦と橋頭堡防衛の成功者という戦果は一定の評価がなされ、後方勤務にまわった。この状況は適職であると本人も納得し、心の平穏を取り戻せたようである。 【将才なき戦士/Misguided Warrior】【銃とバター理論/GUNS AND BUTTER DOCTRINE】【鷹匠/Falconer】【忍耐/Patient】【臆病/Craven】【内向的/Shy】【野心的/Ambitious】【冷笑的/Cynical】 アシュリー・グラウクス・ニコルソン アーカルソン陸軍大佐。ミネルヴァスハーフェンの梟。眼鏡で未来を占う預言者。ミネルヴァスハーフェン上陸戦における総司令副官。現在は参謀本部勤務。 一度見たものを細部に至るまで描き起こせる完全記憶能力・11ヶ国語をネイティヴと見分けのつかないレベルで操る言語的能力・断片的な情報から大戦全体の戦局を的確に把握する分析力を備えた天才。その驚異的な才能から、家格を重視する陸軍にありながら庶民としては初めて士官学校に首席で入学、卒業まで常に席次は首席であった。 兵を鼓舞することにも長け、「総司令官殿は望んでおられる」から始まる彼女の演説は厳しい戦局の中でも兵を魅了し、最後まで士気を維持した。 【緻密な策略家/Intricate Webweaver】【兵站の専門家/LOGISTICS SPECIALIST】【心理学科/SCHOOL OF PHYCHOLOGY】【兵站管理/Logistics Wizard】【防勢ドクトリン/Defensive Doctrine】【伏撃/Trickster】【工兵/Engineer】【特殊戦/Commando】【反撃戦/Counter Attacker】【規律/Disciplined】【弾性防御/Elastic Defence Specialist】【陸軍組織者/Army Organiser】【天才/Genius】【盤戯の達人/Game Master】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】 研究スキル8:集中実行・諸兵科連合部隊重視・一般装備・各自の勇気・管理・小規模部隊戦術・技術効率・訓練・機動戦術・弾薬 グレアム・モーズリー 王立海兵隊少将。「議会に属する陸軍だと王のために死ねないが王立海兵隊なら王のために死ねる」という理由で王立海兵隊に入ったアーカルソン小貴族の次男。イスティング時代の武勲詩を愛するあまり現代においてそれを実行しようとした狂人。 しかしながらミネルヴァスハーフェン橋頭堡の確保には彼の(剣と弓を携えての)鬼神のような戦いぶりが大きく貢献し、「彼なしには橋頭堡の確保はなかった」(総司令)、「銃弾はまるで当たらず、弾幕にはまるでひるまずに飛び込んできた」(ミネルヴァスハーフェン防衛にあたったリンディスヴァート軍人)と言われる。 【不屈の軍人/Tough Soldier】【決戦論/DECISIVE BATTLE DOCTRINE】【攻勢ドクトリン/Offensive Doctrine】【伏撃/Trickster】【特殊戦/Commando】【古典派/Old Guard】【レンジャー/Ranger】【奇襲戦/Ambusher】【狂気/Lunatic】【屈強/Strong】【狩人/Hunter】【詩人/Poet】【貞節/Chaste】【憤怒/Wroth】【勇敢/Brave】【野心的/Ambitious】【狂信的/Zealous】【軽歩兵リーダー/Light Foot Leader】 研究スキル7:分散実行・各自の勇気・歩兵重視・訓練・海兵訓練 ハルドル・アルナルソン ゲアファル飛行士による空母飛行隊である第6飛行隊の隊長。大戦においては海軍航空隊である第15航空隊に所属、リンディス海軍やヤード海軍との交戦のため度々出撃し、敵艦21隻と敵機6機を撃破したエース。そのために左足を負傷しているが、本人の弁では「ゲアファルの足は飛行機の足。それを使って歩くわけじゃないんだから、思うように動かなくてもとにかく操縦席に座れさえすればいい」とのこと。 【不屈の軍人/Tough Soldier】【海空共同作戦論/NAVAL AVIATION DOCTRINE】【索敵/Spotter】【夜間航空作戦/Night Flyer】【対艦攻撃/Fleet Destroyer】【海軍改革者/Naval reformer】【傷痕/Scarred】【狩人/Hunter】【貞節/Chaste】【勇敢/Brave】 研究スキル7:航空学・爆撃機戦術・空母戦術・諸兵科連合部隊重視・戦闘機戦術・大規模機動部隊戦術・海軍訓練・操船術・戦闘機設計 ローズマリー・アッカーソン・ヘイソーンスウェイト 陸軍軍医少将。医学者・薬学者・疫学者・衛生学者。医学博士(リニス大学)。リニス大学公衆衛生大学院の創設者。ミネルヴァスハーフェンの女神。白衣の聖母。大戦中のリンディス上陸作戦における橋頭堡であるミネルヴァスハーフェンの野戦病院の院長(実際は前半は副長)に任命されたが、保守的で不衛生な野戦病院の実情に驚愕、その疫学知識をもとに本国に告発した。陸軍省・海軍省・医学界を丸ごと巻き込んだ大論争の末、衛生環境を劇的に改善させることに成功。その功績は非常に有名で、ミネルヴァスハーフェンにおける軍人の誰よりも優れた英雄であるとして賞賛されるが、側近は彼女が自らの超人的な努力を他者にも平然と要求する存在であることをよく理解している。 【不世出の軍医/Brilliant Surgeon】【衛生学の天才/Hygienic Genius】【ミネルヴァスハーフェンの女神/Goddess of Minervashaven】【疫学者/Epidemiologist】【陸軍改革者/Army Reformer】【需品将校/Quartermaster】【明敏/Quick】【社交家/Socializer】【行政家/Administrator】【貞節/Chaste】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【正直/Honest】【勇敢/Brave】【狂信的/Zealous】 研究スキル9:分散実行・各自の勇気・管理・数学・小規模部隊戦術・訓練・医療科学 トレイシー・アイアトン 陸軍退役大佐。リペルニア出身の測量家・地図製作者。地学博士(エタブリッシェ大学)。愛国者の両親のもとに生まれ、彼自身も日の沈まぬ国アトリオンの繁栄を奉じる帝国主義者で反共主義者、反共和主義者。 エタブリッシェ大学で地質学と測地学を修めた後、アトリオン陸軍の一員として北ゴーシュやグラニツァ各地で測量に携わり、セント・ミカエル海上城砦の拡張工事にかかわるなど築城にも関与する。その後礼王朝に派遣され清河各地の地図を制作した。清河革命が勃発すると流れに流れてスルガにたどり着き、斎藤ダガタールに招かれスルガ国境付近の要塞線の建設と防衛戦術の教授に尽力した。本国では清河革命でアトリオン大使館を守って戦死したと伝わっており、彼を雇った斎藤ダガタールはアトリオンに彼を雇う旨連絡を入れたものの大戦の混乱下で正しく伝達されなかった(元々スルガに派遣していた者を雇い入れる話だと本国は誤解していた)が、戦後に生存が明らかになると帰国。戦死による二階級特進は清河の地図を持ち帰った功績と友好国スルガの防衛に貢献した功績に読み替えられて大佐として名誉除隊した。清河=スルガ戦争でスルガが清河軍を撃滅したと聞いた時には大いに喜んだという。現在はリペルニアで地図会社を営んでいる。 地図を作る傍ら趣味でプラントハンターもしており、清河奥地で生息する植物の学名にはいくつか彼の名前のついたものがある。現在の彼の家にある温室では彼が各地で採取した植物がいくつも花を咲かせているという。 【熟練の測量技師/Skilled Geodesist】【防衛戦科/SCHOOL OF DEFENCE】【静的防御論/STATIC DEFENCE DOCTRINE】【伏撃/Trickster】【工兵/Engineer】【山岳戦/Mountainer】【高地戦/Hills Fighter】【地図製作者/Cartographer】【屈強/Strong】【植物探検家/Plant Hunter】【庭師/Gardener】【勤勉/Diligent】【忍耐/Patient】【傲慢/Proud】【狂信的/Zealous】 研究スキル7:火砲・分散実行・一般装備・管理・小規模部隊戦術・技術効率・静的防御戦術・弾薬 参考文献 Slack参照。
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【種別】用語 【登場】06話 ルネ・デカルト(1596年3月31日 - 1650年2月11日)は、フランス生まれの哲学者・自然哲学者(自然学者)・数学者。 考える主体としての自己(精神)とその存在を定式化した「我思う、ゆえに我あり」(Cogito ergo sum コギト・エルゴ・スム(ラテン語訳))は哲学史上でもっとも有名な命題の1つである。 (Wikipediaより) コメント 名前 コメント