約 3,488,478 件
https://w.atwiki.jp/gaimu/pages/18.html
全ロックシードリスト ロックシード エナジーロックシード レジェンドライダーロックシード ※シード色はwebカラーネーム(147色)から選んで名前で指定してください。 全ロックシード [部分編集] ロックシード No. LS名 色 入手方法 種類 備考 L.S.-00 ヒマワリ カプセルロックシード02 SLS カプセルロックシード02 SLS メッキVer. SGロックシード3 SLS L.S.-01 マツボックリ DXロックシード 仮面ライダーナックル&黒影セット DX プレミアムバンダイ限定 カプセルロックシード05 SLS カプセルロックシード05 SLS メッキVer. カプセルロックシード13 SLS カプセルロックシード13 SLS メッキVer. L.S.-02 クルミ DXロックシード 仮面ライダーナックル&黒影セット DX プレミアムバンダイ限定 SGロックシード6 SLS L.S.-03 ドングリ DXロックシード 仮面ライダーブラーボ&グリドンセット DX プレミアムバンダイ限定 カプセルロックシード01 SLS SGロックシード SLS カプセルロックシード 凰蓮&鎧武・闇セット SLS 凰蓮ボイスVer. L.S.-04 メロン DX無双セイバー&メロンロックシード DX カプセルロックシード02 SLS カプセルロックシード02 SLS メッキVer. SGロックシード2 SLS SGロックシード9 SLS 貴虎ボイスver. ロックシードばんそうこう SLS L.S.-05 パイン DXロックシードホルダー&パインロックシード DX DX戦極ドライバー&ホルダースペシャルセット DX カプセルロックシード01 SLS SGロックシード SLS ロックシードばんそうこう SLS L.S.-06 イチゴ DXイチゴロックシード DX カプセルロックシード04 SLS カプセルロックシード04 SLS メッキVer. SGロックシード2 SLS L.S.-07 オレンジ DX戦極ドライバー DX DX戦極ドライバー&ホルダースペシャルセット DX カプセルロックシード01 SLS SGロックシード SLS SGロックシード9 SLS 紘汰ボイスver. 仮面ライダー鎧武ベルト型ヒップバッグ SLS アパレルVer. 仮面ライダー鎧武 オレンジロックシード アパレル限定Ver付き長袖Tシャツ SLS アパレルVer. 仮面ライダー鎧武 NEXTPETS起毛トレーナーA(オレンジロックシード アパレル限定ver.付) SLS アパレルVer. 仮面ライダー鎧武 NEXTPETS起毛トレーナーB(オレンジロックシード アパレル限定ver.付) SLS アパレルVer. 仮面ライダー鎧武 NEXTPETS起毛トレーナーC(オレンジロックシード アパレル限定ver.付) SLS アパレルVer. 仮面ライダー鎧武 NEXTPETS起毛トレーナーD(オレンジロックシード アパレル限定ver.付) SLS アパレルVer. 仮面ライダー アクションスタジアム ロック付きパック SLS ナムコオリジナルカラーVer. 仮面ライダー アクションスタジアム ロック・BOX付きパック SLS ナムコオリジナルカラーVer. ロックシードばんそうこう SLS 仮面ライダーチョコビーナッツボール 輝け!!金色のロックシードキャンペーン SLS ゴールドVer. L.S.-08 バナナ DX戦極ドライバー DX DX戦極ドライバー&ホルダースペシャルセット DX カプセルロックシード01 SLS SGロックシード SLS SGロックシード9 SLS 戒斗ボイスver. ロックシードばんそうこう SLS 仮面ライダーチョコビーナッツボール 輝け!!金色のロックシードキャンペーン SLS ゴールドVer. L.S.-09 ブドウ DXブドウロックシード 仮面ライダー龍玄セット DX カプセルロックシード03 SLS カプセルロックシード03 SLS メッキVer. SGロックシード2 SLS SGロックシード9 SLS 光実ボイスver. 仮面ライダーチョコビーナッツボール 輝け!!金色のロックシードキャンペーン SLS ゴールドVer. L.S.-10 スイカ DXスイカロックシード DX カプセルロックシード05 SLS カプセルロックシード05 SLS メッキVer. SGロックシード3 SLS L.S.-11 マンゴー DXマンゴーロックシード DX カプセルロックシード06 SLS カプセルロックシード06 SLS メッキVer. SGロックシード3 SLS L.S.-12 ドリアン DXロックシード 仮面ライダーブラーボ&グリドンセット DX プレミアムバンダイ限定 カプセルロックシード13 SLS カプセルロックシード13 SLS メッキVer. SGロックシード2 SLS SGロックシード9 SLS 鳳蓮ボイスver. L.S.-13 キウイ DXキウイロックシード DX カプセルロックシード07 SLS カプセルロックシード07 SLS メッキVer. SGロックシード4 SLS K.L.S.-01 カチドキ DXカチドキロックシード DX DX極ロックシード&カチドキロックシードセット DX カプセルロックシード14 SLS DX版とは仕様が異なる カプセルロックシード14 SLS メッキVer. L.S.-∞ 極 DX極ロックシード DX DX版のみで販売 DX極ロックシード&カチドキロックシードセット DX L.S.-YOMI ヨモツヘグリ DXヨモツヘグリロックシード 仮面ライダー龍玄・黄泉セット DX プレミアムバンダイ限定 L.S.-DARK 黒のリンゴ DX黒のリンゴロックシード 仮面ライダー邪武セット DX プレミアムバンダイ限定 シド プレミアムバンダイ限定 DXロックシード 仮面ライダーブラーボ&グリドンセット DXロックシード 仮面ライダーナックル&黒影セット W購入特典 DX 発光無し・玩具非連動 L.S.-07 ブラッドオレンジ DXブラッドオレンジロックシード 仮面ライダー武神鎧武セット DX カプセルロックシード10 SLS カプセルロックシード10 SLS メッキVer. SGロックシード5 SLS L.S.-07 ブラックオレンジ カプセルロックシード 凰蓮&鎧武・闇セット SLS L.S.-GOLD 金のリンゴ DX金&銀のリンゴロックシードセット DX L.S.-SILVER 銀のリンゴ DX金&銀のリンゴロックシードセット DX L.S.-TABOO 禁断のリンゴ 【Blu-ray】鎧武外伝 仮面ライダー斬月/仮面ライダーバロン ロックシード版 DX 【DVD】鎧武外伝 仮面ライダー斬月/仮面ライダーバロン ロックシード版 DX PROTO-10 ウォーターメロン DXウォーターメロンロックシード 仮面ライダー斬月セット DX プレミアムバンダイ限定 L.S.-99 レモン 【Blu-ray】鎧武外伝 仮面ライダーデューク/仮面ライダーナックル ロックシード版 DX 【DVD】鎧武外伝 仮面ライダーデューク/仮面ライダーナックル ロックシード版 DX L.S.-MESSIAH ザクロ DXセイヴァーアロー&ザクロロックシード DX L.S.-05 フレッシュパイン 幼稚園 3月号 SLS L.S.-07 フレッシュオレンジ てれびくん 2月号 SLS ROULETTE オレンジ 仮面ライダー鎧武 ルーレットバトル SLS ルーレット仕様 Xmas オレンジ キャラデコクリスマス 仮面ライダー鎧武/ガイム SLS クリスマスVer. キャラデコクリスマス 仮面ライダー鎧武/ガイム(チョコクリーム) SLS クリスマスVer. 仮面ライダー鎧武/ガイム 夢のクリスマススペシャルセット(変身ベルト&キャラデコ&NEXTPETS!) SLS クリスマスVer. 全ロックシード [部分編集] エナジーロックシード No. LS名 色 入手方法 種類 備考 E.L.S.-01 レモンエナジー DXソニックアロー&レモンエナジーロックシード DX カプセルロックシード10 SLS SGロックシード5 SLS 仮面ライダー アクションスタジアム ロック付きパック SLS ナムコオリジナルカラーVer. 仮面ライダー アクションスタジアム ロック・BOX付きパック SLS ナムコオリジナルカラーVer. E.L.S.-02 チェリーエナジー DXチェリーエナジーロックシード DX カプセルロックシード11 SLS SGロックシード6 SLS E.L.S.-03 ピーチエナジー DXピーチエナジーロックシード DX カプセルロックシード12 SLS SGロックシード7 SLS E.L.S.-04 メロンエナジー DXゲネシスドライバー DX カプセルロックシード11 SLS SGロックシード4 SLS E.L.S.-05 マツボックリエナジー DXマツボックリエナジーロックシード DX プレミアムバンダイ限定 E.L.S.-01 ブラックレモンエナジー カプセルロックシード 凰蓮&鎧武・闇セット SLS プレミアムバンダイ限定 E.L.S.-HEX ドラゴンフルーツエナジー DXドラゴンフルーツエナジーロックシード DX プレミアムバンダイ限定 E.L.S.-06 マロンエナジー DXマロンエナジーロックシード&ゲネシスコアユニット DX プレミアムバンダイ限定 全ロックシード [部分編集] レジェンドライダーロックシード LS名 色 入手方法 種類 備考 昭和十五ライダー DXロックシード仮面ライダー大戦セット DX 1号 SGロックシード5 SLS カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS 伝説Ver. 2号 カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS ショッカー カプセルロックシード12 SLS カプセルロックシード12 SLS LEDVer. ショッカー首領 カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS ショッカーライダー カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS V3 カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS ライダーマン カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS X カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS アマゾン カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS ストロンガー カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS スカイライダー カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS スーパー1 カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS ZX カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS BLACK カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS シャドームーン カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS BLACK RX SGロックシード6 SLS カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS 伝説Ver. シン カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS ZO カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS J カプセルロックシード 昭和ライダー伝説セット SLS 平成十五ライダー DXロックシード仮面ライダー大戦セット DX クウガ SGロックシード3 SLS アギト SGロックシード4 SLS 龍騎 カプセルロックシード03 SLS カプセルロックシード03 SLS LEDVer. 龍騎サバイブ SGロックシード7 SLS ファイズ SGロックシード4 SLS ファイズ(ブラスターフォーム) SGロックシード7 SLS ブレイド カプセルロックシード09 SLS カプセルロックシード09 SLS LEDVer. 響鬼 SGロックシード3 SLS カブト カプセルロックシード08 SLS カプセルロックシード08 SLS LEDVer. 電王 SGロックシード2 SLS 電王(クライマックスフォーム) SGロックシード6 SLS モモタロス カプセルロックシード08 SLS カプセルロックシード08 SLS LEDVer. NEW電王 SGロックシード7 SLS キバ カプセルロックシード09 SLS カプセルロックシード09 SLS LEDVer. ディケイド カプセルロックシード06 SLS カプセルロックシード06 SLS LEDVer. W レジェンドライダーDXロックシード ウィザード&W DX W(サイクロンジョーカーエクストリーム) SGロックシード8 SLS ジョーカー SGロックシード6 SLS スカル カプセルロックシード14 SLS カプセルロックシード14 SLS LEDVer. オーズ レジェンドライダーDXロックシード フォーゼ&オーズ DX SGロックシード5 SLS オーズ(タジャドルコンボ) カプセルロックシード07 SLS カプセルロックシード07 SLS LEDVer. オーズ(プトティラコンボ) SGロックシード8 SLS アンク カプセルロックシード04 SLS カプセルロックシード04 SLS LEDVer. フォーゼ レジェンドライダーDXロックシード フォーゼ&オーズ DX SGロックシード5 SLS フォーゼ(コズミックステイツ) SGロックシード8 SLS メテオ ロックシードばんそうこう2 SLS ウィザード レジェンドライダーDXロックシード ウィザード&W DX ウィザード(インフィニティースタイル) SGロックシード8 SLS ビースト ロックシードばんそうこう2 SLS 鎧武 劇場版 仮面ライダー鎧武&烈車戦隊トッキュウジャー MOVIE おもちゃ予約引換券付 先行プレミア前売券 SLS 1万個限定 劇場スペシャルクリアVer. カプセルロックシード アーマードライダーセット SLS バロン カプセルロックシード アーマードライダーセット SLS 龍玄 カプセルロックシード アーマードライダーセット SLS 斬月 カプセルロックシード アーマードライダーセット SLS フィフティーン DXフィフティーンロックシード 仮面ライダーフィフティーンセット DX プレミアムバンダイ限定 ドライブ DXシフトカー&ロックシードセット DX コメント欄 すべてのコメント機能の提供を終了しました
https://w.atwiki.jp/cloudedmoon/pages/31.html
Lv77 ドゥームブリンガー ※このHPは無料レンタルwikiのため強制的に広告が掲載されています (コンテンツ上一部不適切な広告があります) Lineage (R) II and Lineage (R) II the Chaotic Throne are trademarks of NCsoft Corporation. 2003-2008 (c) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Chronicle in Japan . All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/19325.html
ファンシードレス(ふぁんしーどれす) 概要 デスティニー2に登場した服系の体防具。 登場作品 + 目次 デスティニー2 関連リンク関連品 ネタ デスティニー2 女性用の服防具、鎧の一種。防御力+80、回避-4、TP回復+6。 チェリクの装備屋で4100ガルドで買える。 分類 服 備考 - 防御力 80 回避 -4 TP回復 6 固有スロット - 買値 4100 売値 2050 装備者 リアラ・ナナリー・ハロルド 入手方法 店 チェリク・装備屋(未来1) イ ベルセリウム交換(前半:洋服セット・低レベルその1)ベルセリウム交換(前半:洋服セット・低レベルその2)ベルセリウム交換(前半:洋服セット・高レベルその1) 落 リーパー(1%) 盗 リーパー(4%) ▲ 関連リンク 関連品 ネタ 名前は「空想のドレス」という意味。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6322.html
前ページ次ページブラスレイター コンシート トリステイン魔法学院が悪魔の襲撃を受けてから3日が経過した。 学院長室は事件発生時から現在に至るまで、夜中でさえ部屋の明かりが消えないままであった。 オールド・オスマンは、ときおり左手で頭を抱えながらも、ペンを握る右手をほとんど止めずに書類を書き進める。 普段は魔法でペンを浮かせて書類を書くオスマンであったが、ここ数日は無駄な精神力の消費を控えるために自分の手を使わなければ続かない程に処理しなければならない仕事が有る。 いつもは水ギセルを控えるよう口出しする秘書のミス・ロングビルも、この時ばかりは煙が眠気覚ましになるというオスマンの言い分を認めて黙認していたせいで、部屋内は煙が濃く立ち込め司会が微かに白く霞んでいた。 「そろそろ食事の時間です」 まだ処理しなければならない書類は山ほどあったが、だからこそしっかりと食事を取らなければならないとロングビルが促す。 彼女も最低限の睡眠と食事以外はほとんど休憩も取らずに仕事を続けているせいで、目の下に疲労の色が見える。 そんなロングビルの言葉を合図にオスマンから深い溜息が吐き出される。 「そうじゃの」 暇があればロングビルへのセクシャルハラスメントを欠かさないオスマンであったが、ルイズが“伝染病持ち”を召還してしまった日からそんな暇はほとんど無くなっていた。 そればかりか、先日の悪魔の襲撃によって失われた多くの人命を始めとする数々の損害への処理に追われ、心なしか、顔の皺が深みと数を増やしている様にも見える。 オスマンがペンを置くと同時に扉を軽く叩く音がした。 「…お、お食事をお持ちしました」 扉の向こうから聞こえるメイドの声が怯えを含んでいる事に違和感を感じたのはオスマンとロングビルの両名。 どちらからともなく顔を見合わせ、オスマンはロングビルに対し、扉の向こうに声をかけるよう促す。 「どうぞ、お入りください」 貴族に対して畏まる事が身に染み付いてしまっている平民も、メイジではあるものの貴族では無いロングビルが対応するならばいくらかは気が楽になるでであろうとの配慮である。 「食事はそちらの来客用テーブルに置いて頂けますか?」 ロングビルは扉を開き、出来る限り疲労を隠して穏やかな口調と表情を崩さずに、来客用テーブルに食事を置くようメイドに促す。 「は、はい」 対応をしているのが貴族ではない女性だからだろうか、少しは落ち着きを取り戻したらしいメイドはそれでも小刻みに震える手で来客用テーブルに食事の乗ったトレイをなんとか置いた。 食事は先日まで厨房で出されたものとは比べるまでもなく質素なスープと大雑把に野菜を添えただけのサラダ、そして微妙に硬めのパンといった、まるで辺境の村の平民が食するかのようなメニュー。 それでも、マルトーの作る料理に劣るものの、意外と言うべきかそれなりと言うべきか程には美味しくはあるのは救いである。 悪魔の襲撃の際で惨殺現場となった厨房を再び使うわけにはいかず、教師であるミセス・シュヴルーズを中心とした土のメイジによって最優先で一日のうちに厨房自体は新設された。 だが、厨房常勤の全員が今回の事件で死亡した為に、新設の厨房には現在、料理の心得のあるメイド数名が厨房に入っており、今用意されている料理はその彼女達の作ったものだ。 なお、新しい厨房の人員の派遣を要請する伝書を伝令に持参させたのは今朝である。 学院全体に伝染病の疑いが立ってしまった現状、三日目となった今日になってやっと外部に人材要請を始めとした伝令の派遣が出来る状況になったからだ。 そう、『伝染病』だ。 オスマンは、事件発生時は、この部屋で指揮を取りながら『遠見の鏡』で巨躯の悪魔と蒼い悪魔の戦闘を見ていた。 予見できなかった事とはいえ、厨房での悪魔の出現の報を受けるなり教師陣に速やかな撃退という指示を出し、使用人や生徒達の避難をおざなりにした為に、多大な犠牲という大きな失態を『遠見の鏡』を通してつきつけられた。 遅れて生徒や平民の避難を指示する頃には、蒼い悪魔が巨躯の悪魔を倒して逃げ出す姿が魔法の鏡に映っていた。 その後、援助を申請する前に、その理由となるこの過失をどう報告するべきかと頭を悩ましたオスマンであったが、その緩慢とさえ言える行動の為、結果として更なる愚を犯す前に、息をきらせながら学院長室に飛び込んだコルベールの報告で『伝染病』の事を知ったのだ。 コルベールの口から告げられる“人間を悪魔に変える伝染病”などという前代未聞の脅威。そして、それがもたらしたのが今回のこの被害。 脅威の伝染病の存在は、学院にいた多くの貴族の子息や教師に付け足して学院で働く平民の死をはじめとした様々な問題の処理以上に、オスマンの頭を悩ます。 二日の間、伝染病の拡散を抑えるため、学院の人間の外出行動を止めた。 勿論、内部から強い不満が出るだけでなく、更なる混乱の誘発の恐れさえあったが、結局は伝染病の潜伏期間とされる二日のうち、特に大きな問題が報告される事無く三日目を迎えることが出来た事は不幸中の幸いであった。 「顔色が優れませんがどうかしましたか?」 ロングビルの心配そうな声に気づき、オスマンは思考を中断して顔を上げる。 だが、ロングビルはオスマンではなく、そのまま部屋を去ろうとしたメイドに向かって声をかけたのだ。 「貴族のボンクラ生徒どもが悪さでもしとるのかの?」 内心、自分の心配ではないのかと年甲斐もなく少し拗ねたオスマンではあったが、そのメイドの顔色と言うべきか先ほどからの態度は気にはなる所だったので、気遣いの言葉をメイドにかける。 だが、オスマンの言葉にメイドは過剰に反応し、慌てて引き下がろうとするが、そんな彼女の手をロングビルが握ってとめる。 「大丈夫ですわ。オールド・オスマンは貴族と平民分け隔てなく接してくれるお方です」 「悩みがあるならここでひとつ吐き出してみんかね? それで少しは心が軽くなればそれで良いのじゃが」 反応があまりにもおかしい事に内心訝しげにしつつも、あくまで穏やかに接するオスマンとロングビルに対して、メイドは折れるように、すがるように、それでいて何処か安堵するような表情で、ぽつりぽつりと、ここ3日のうち自分の周囲で起こった事を語りだした。 ギーシュ・ド・グラモンが目を覚ましたのは三日目の朝食時間を過ぎた頃だった。 目立つ外傷こそ無かったものの、文字通り精神力を使い果たしていたギーシュが回復するにはそれだけの時間を必要としたのだ。 その彼は、今、女子寮のある一室の前に立っていた。 基本的に女子寮だけに男子禁制ではあるが、ギーシュはこの部屋の主への面会をするよう、部屋の主の友人に懇願されたからだ。 部屋の主の名はケティ・ド・ラ・ロッタ。ギーシュとは一学年下の少女で、ギーシュと交際していた少女であった。 扉の前で俯くギーシュは、目に涙を浮かべ、震える声で謝罪の言葉を呟く。 「ケティ……すまない。君の危機に駆けつけることが出来なかった……ぼくを――」 許してくれ、と口に出しそうになるが、かぶりを振ってその言葉を飲み込む。 許して貰える筈が無い。それ以前に許しを請う事自体、それは自分の恥を上塗りする意外の意味がないとギーシュ自身が自覚したからだ。 ケティは三日前の悪魔の襲撃で犠牲になっていたのだ。 しかも、ケティが存在した事の最大の証となる彼女の躯も、既に浄化の火によって灰へと還って低調に葬られたと聞かされている。 だから、ギーシュは彼女が存在していた事を証明する、まだ手をつけられていないケティの部屋の前で彼女の死を悼んでいた。 (……何が、薔薇は多くの人を楽しませるために咲く、だ!) グラモン元帥の息子、誇り高い軍人の家系の男が聞いて呆れる。 思わずギーシュは歯を食い縛り、拳を変色するまで強く握る。 「ここにいたのね、ギーシュ」 女の声はしたが、その声はギーシュには届いておらず、その声の主の少女が彼の肩に手を置く事で、やっとギーシュはその彼女を認識する。 「……モンモランシー」 声の主はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。 ギーシュと交際している少女である。 「聞いたわ。その子の事」 モンモランシーの口調は、ギーシュへの憤りを含んでいた。 当然だ。重婚制度があるわけでもないトリステインで二股がけなど不埒以外の何物でもないのだから。 「……すまない」 本当に自分が嫌になる。 以前、モンモランシーに対して、ケティとは何も無かったと嘘を告げた。 同じようにケティにも好きなのは君だけだと囁いた。 それは結局モンモランシーとケティに対する不義に他ならず、この場においてギーシュは自分の不甲斐無さに、無力さに、不誠実さに怒る事しか出来なかった。 「でも、ギーシュはわたしを護ってくれた」 モンモランシーは『わたしを護る為に駆けつけてくれた』とは口に出さない。 その言葉はケティという犠牲者に対する『死人に鞭打つ』行為に他ならないからだ。 むしろ、今のモンモランシーの心に浮かぶのは、ケティという少女に対する哀れみだった。 唯、偶然同じ男を想っていただけで、片や護られ、片や孤独に命を落とす。 それが、モンモランシーにとってはケティが享受すべきささやかに幸せになる権利さえも、自分が奪ってしまったように思えてしまったのだ。 そして思う。 確かにギーシュの浮気は許し難い。だけど、それでも自分はギーシュが好きなのだと。 「……ごめんなさい」 だから、モンモランシーの口から、自然とケティへの謝罪の言葉が漏れてしまっていた。 この先、ギーシュの心を自分へ向けさせる事に対して。 「すまない、ケティ」 再びギーシュがケティに謝罪の言葉を向ける。 この先、自分の心がモンモランシーに向けられる事に対して。 「すまない……」 ギーシュがモンモランシーに謝罪の言葉を向けようとするが、そのモンモランシーが彼の口を掌で押さえ、眉を潜めながら今一鈍感な男に諭す。 「ギーシュ、彼女の前よ」 流石にその意味を理解したギーシュは、口をふさいだままではあったが本当にすまなそうな視線をモンモランシーにしばし向け、視線をケティの部屋の扉に向け直した。 しばらくの間、ケティの部屋の前で彼女の冥福を始祖ブルミルに祈った二人は女子寮の外に出た。 そろそろ昼食の時間だったが、お互い食欲は無かったものの、特に目覚めたばかりでまだ朝食すら取っていなかったギーシュ、この三日間、水のメイジという治癒魔法の使い手として生き残った生徒、教師、使用人の為に奔走していたモンモランシーは、お互いの体調を気にした結果、ムリにでも食事を取るという選択を取って、食堂に向かっていた。 最初は無言のままのギーシュであったが、ふと、横に並んで歩くモンモランシーに言い出した。 「モンモランシー、君は優しいんだな」 勿論、モンモランシーへの気遣いや、彼女の気遣いに対する感謝や感心がそこにはる。 が、ケティが死んでしまった事の哀しさから、癒しを求めるように声を出てしまった所が大きいのは、ギーシュ自身は口に出してから漠然と感じた事だ。 「違うわ。優しいわけじゃない。唯、わたしはこんなに哀しい事が許せないの」 返って来たのは、褒められた事への照れ隠しなどではなく、微かな憤りと強い決意の篭る意思を感じさせる言葉だった。 三日前の悪魔の襲撃の後、悪魔に対峙した者は無残な躯となっているか、ほぼ無傷かの両極端であった為、即時的な肉体的な治癒という面では水のメイジはほとんどやる事が無かった。 だが、その直後に伝えられた伝染病の脅威に事前に対処する事や、多くのものを失った事で傷ついた心を癒すのも彼らの役割である。 更なる脅威を未然に防ぎ、良き相談役になり、時には魔法の薬で体を心を癒す。 彼らがいる事で、学院は大きな混乱を誘発しないで済んでいると言って過言では無い。 「わたしは水のメイジ」 モンモランシーの脳裏には、あの日、救えたかもしれない、しかし救えなかった、変貌した教師の姿が、そして、その脅威から自分を護ってくれた少年の姿が浮かぶ。 「だから、私の周りに悲しみがある事が許せないの」 この三日、彼女は自分の力不足への後悔と、自分が救われたことへの感謝を胸に刻み、心の癒し手として奔走した。 「だから癒さなくちゃ気がすまないのよ」 そんな彼女の気丈な振る舞いを、ギーシュは尊敬の念で見つめ、理解する。 つまりは彼女も貴族であり、前線で武器や杖を振るう兵士や騎士とは違う“戦い”に身を投じる癒し手なのだと。 「――――せん!」 突如耳に悲鳴の様な切羽詰った声が微かに届く。 「え!?」 「モンモランシー?」 この三日で、そういったものに過敏になっていたモンモランシーは声の方に振り向いて駆け出す。 何事かと後から追いかけてくるギーシュを尻目に、駆けつけたモンモランシーが見たものは、散乱するティーカップとポットの破片、跪き泣きながら許しを請うメイドの少女、そしてそれを怒鳴り散らす貴族――格好から三年の生徒であろう――であった。 「なんだ、平民が叱られているだけ――」 何か粗相をしてしまった平民が貴族に許しを請うという場面に出くわす事はそう珍しい事では無く、普通ならば程度の差はあれ、貴族が平民を口で注意――あくまで貴族の視点ではその程度の認識でしかない――をする程度で終わる事だ。 大事になるわけでないのならば関係が無い事だろうと、さして気にする事無く視線を外すモンモランシー。 だが、 「メイド相手なんかに杖を向けるなんて、あいつらは何をしているんだ!?」 モンモランシーから少し遅れてそれを見たギーシュが驚愕の声を上げるのを耳にして再びメイドの方を向く。 そこには、威嚇とばかりに魔法の炎でメイドの足元の地面を焼く貴族の姿があった。 「ち、ちょっと!? 本当に何やっているのよ!」 平民に向けて魔法を振るう事は、平民にとっては恐怖を植え付けられる事と同義であり、それにおいては貴族側も多少なりに理解している事だ。 だというのに、謝罪する平民に対して明らかな攻撃魔法を向けるということは過剰の暴力を振るう事に他ならず、既にそれは誰が見ても“注意”の範疇を超えるものだった。 モンモランシーが予想外の事態に驚く側で、ギーシュはすぐさま薔薇の造形をした杖を取り出し、呪文を唱える。 だが、既にその貴族の生徒は再び呪文を唱えており、ギーシュの介入が間に合うかどうかの瀬戸際だった。 (――間に合わないっ!) そして、ギーシュの呪文が完成するかしないかという状況で、メイドに杖を向けた生徒の呪文は完成し、あとは杖を振るうだけとなった、その瞬間。 「――モガッ!?」 その貴族の口に突如として赤土の粘土が詰め込まれ、その突然の事態に彼は法を放つ事も止めて慌てふためく。 ちなみに、メイジが魔法を使う為にはまず杖が必要であり、それと同じく呪文を詠唱しなければ結局は魔法を使う事は出来ない。 つまり、メイジを無力化させるならば、杖を奪う他にも、声を奪えばいいわけで、これによって彼は口の中の粘土を吐き出すまで、魔法を使う手段を遮られた事になる。 「おやめなさい! 力無き民に杖を向けるなど、貴族としてしてはならない恥ずべき行為です!」 無様としか言いようの無い貴族の生徒に対し、よく通る声で杖を向けるのは紫のローブをまとった中年のふくよかな女性。 この学院の教員にして土のトライアングルメイジであるシュヴルーズである。 彼女は日常の授業で騒がしい生徒に使う赤土を口につめるという口封じの魔法をこの場で使い、彼の口を封じたのだ。 突然口に赤土を押し込まれた貴族の生徒は、暫く両手を使いながら必死に口の中の粘土を吐き出し、荒い息を吐きながら口を塞いだシュヴルーズに講義する。 「ミ、ミセス・シュヴルーズっ! お、お言葉ですが、こいつはっ――」 礼節と身分を重んじる貴族の子息が、生徒という立場にありながら明らかな目上である教師を前にしても激昂を抑えず口答えするというのは珍しい。 それこそ、二つ名を汚されたり家名を貶められたといった、名誉を極端に貶められ、日常で貴族であろうと平民であろうと、うかつにそのような事はしないような事態になった場合位のものだ。 例外的に、モンモランシーのクラスでは頻繁に見られる事ではあるのだが、この場では関係ない事だ。 「おだまりなさい! これ以上口答えするならば――」 シュヴルーズの剣幕に、その貴族の生徒は黙って引き下がるが、その顔には強い怒りが浮かんだままで、鋭い視線を相変わらずメイドに向けていた。 「大丈夫ですか?」 シュヴルーズは、その生徒とメイドの間に割って入り、憤怒の表情を浮かべたままの貴族の顔をメイドの視線から遮りながら、手を差し伸べる。 「あ……」 だが、そのメイドはシュヴルーズの差し伸べた手を見て、びくりと身を怯ませる。 「いいのですよ。もうお行きなさい」 だが、そのようなメイドの態度に対してもあくまで軟らかい表情を崩さずに、シュヴルーズは、メイドが逃げるようにその場を去るのを見送った。 「全く失礼な平民ね。ミセス・シュヴルーズに助けられたというのにお礼すらせずに逃げ出すなんて」 その一部始終を見ていたモンモランシーがまず抱いたのは、恩知らずと言っていいメイドの態度に対する不快感。 次に浮かぶのは、シュヴルーズがそれに対してさえ、特に気にするそぶりを見せていない事だ。 モンオランシーは、ふと、この人には貴族としての面子は無いのだろうかとシュヴルーズに不信感を抱く。 「ミセス・シュヴルーズ。少しよろしいでしょうか?」 と、モンモランシーが思案している横で、ギーシュが進み出て声を上げる。 「何でしょう?」 シュヴルーズに向ける、ギーシュの視線は教師に対する視線と言うには微かに鋭い。 何か不審なものを見るような視線だ。 「なぜ、先ほどの平民が何をしたのかさえ問質さずに肩を持ったのです?」 その言葉にモンモランシーは納得する。 場を抑えるにしても貴族側を理由も聞かずに一方的に『悪者』と断じる姿勢は、伝統と名誉を重んじるトリステインでは考え辛い行為だからだ。 「仕方ないのです。今のあのメイドにとって貴族は恐怖の対象でしかないのでから」 そのシュヴルーズの返答に、今一要領を得ずに口を閉じ内心で首をひねるギーシュ。 そんなギーシュに代わるようにして、先ほど粘土を口に込められた生徒が怒鳴り声を上げる。 「貴族は悪魔ではありません! むしろあいつらこそ僕達に悪魔をけしかけた張本人じゃないのですか?!」 どういうことだろうと、ギーシュとモンモランシーが耳を傾ける。シュヴルーズも、今度は彼の言葉を遮ることなく無言で耳を傾ける。 「僕は聞いた! 彼女が厨房の連中が生きていればこんな事にならなかったと呟くのを!」 「はぁ?」 その一言にギーシュは思わず疑問の声を上げて首を傾げる。 最初にその言葉で連想出来るのは、厨房の人間がいなくなったので、食事の質が落ち、それを嘆いている、若しくはなれない厨房仕事に不満を漏らしたものだと思える言葉だ。 ギーシュの脳内では、とてもその単語と悪魔とは結びつかない。 「……」 だが、横にいるモンモランシーは合点がいったという溜息を苦虫を潰した表情で漏らす。 目の前のシュヴルーズもモンモランシーと似たような表情をしている。 「モンモランシー、どういうことだい?」 「件の悪魔は最初、厨房で目撃されたそうなの」 そこでギーシュも合点がいった。 つまり、この生徒は悪魔が厨房から出てきたことから、厨房の人間が悪魔に変化して学院を襲い、メイドが再びそれを望んでいるものと解釈したのだと。 「それは貴方の思い込みです」 シュヴルーズは生徒に対して断言する。 ギーシュもこの生徒は、思い込みが過ぎるのではないかと思うが、逆に考えると仕方ないことなのかと思い浮かぶ。 ギーシュは見たからだ。教師が異形へと変貌する瞬間を。 となれば、むしろ貴族が悪魔となったと思われるのが当然で、そうなればメイドのあの態度も仕方ないのではないかと思い立ったからだ。 「それに、少なくとも彼らは悪魔では無く、普通の平民。ならば私達貴族が護る対象ではあっても、決して杖を向ける相手では無いでしょう?」 流石にその言葉には少々無茶があるとギーシュは思う。 いくら平民とはいえ、明らかに自分達に歯向かう相手だとしたらそれは護るべき対象ではなく敵である。 それ以前に、先ほどの彼女は終始許しを請う普通の平民であり、確かに杖をむけていい相手では無いのだが。 暫くしてシュヴルーズと件の生徒がその場から去った後、その場に立ち尽くすようにして残っていたギーシュとモンモランシー。 二人は、それぞれ、今起こった事と先ほど二人で話していた事とを頭の中で考えていたのだ。 「難しいものね……」 誰にともなく呟くモンモランシー。目の前で起こった出来事を思い返し、先程自分が口にした決意は上辺だけではないのかと重い気分になったものが声になったのだ。 「うん」 だが、ギーシュは理解する。 この言葉は、モンモランシーがそれらと向き合っているからこそ洩れる言葉だと。 だからギーシュの口から、自然と洩れた。 「頑張ろう、モンモランシー。ぼくも頑張る」 食事を終え、メイドが後片付けをして部屋を去った後、オスマンは書類に手をつけようとしながらも手がほとんど動かずに思わず溜息をつく。 「……ふうむ」 問題に問題が増えていく事に嫌気がさしているのだ。 メイドの話を聞き終えたオスマンは、顎鬚をさすりながら今更になって問題が起こっていなかったわけではなく、問題が見えなかっただけだという事を知った。 常々、貴族が平民をないがしろにしている現実を知らないわけでは無い。 だが、自分のいるこの学院で、今回の悪魔の襲撃に関して言掛かりの如く鬱憤の対象にさえされてしまう事態が起こり、なおかつ自分が気づくのが遅れるとは、貴族の堕落ぶりと、それ以上に自分の眼力の衰えをつきつけられるようでもあった。 オスマンが再び溜息を吐くと同時に、扉からノックがかかる。 「オールド・オスマン、シュヴルーズです」 扉の向こうから、中年の女性の声がかけられるのを、オスマンは溜息をする暇も無いのかと、内心うんざりしながらもシュヴルーズに入室を促す。 「入りなさい」 「失礼します」 入室してきた紫色のローブを着た中年女性の教師シュヴルーズは、オスマンの前まで足を進めると、軽く会釈をして口を開く。 「忙しい所を申し訳ありません。ですが、なにぶん急ぎの頼みがあります」 「申してみよ」 「実は――」 「なるほどの」 先ほどシュヴルーズが目撃し対応した、一部の貴族の子息による平民への危害を聞いたオスマンは、先ほどのメイドの言葉が事実である事を再認識する事になった。 シュヴルーズの報告があるということは、問題が教師にも見えるほどに表面化している事に他ならない。 だが、よくよく考えれば仕方無い部分もあるだろう。 悪魔の脅威と正面から対峙したのは貴族だ。だというのに、護るべき対象である平民は貴族への不満を口にし、更に件の巨躯の悪魔も事あるごとに貴族への怨みを口にしていたと言う。 だからこそ、例の悪魔騒ぎ、つまり、この謎の伝染病は、平民が何らかの手段で悪魔と契約して起こしたものではないかという噂まで立ち始めているのだ。 (……何かに原因を求めてしまうのは仕方ないものなのかもしれぬが……浅ましく嘆かわしいの) 原因も判らぬ見えない恐怖に対し、そのはけ口を求めた結果、時として無理やりに原因を“求めてしまう”のは、人の心の弱さが起こす仕方の無い、しかし仕方の無いと言うにはあまりに愚かな行為だと、オスマンは嘆く。 「何か対策を立てなければ、近いうちに罪無き平民から犠牲者が出る可能性が高いのです。この際、一度全使用人を総入れ替えする事は出来ませんか?」 「そんなこと簡単に出来る筈がありません。それこそ伝染病の危険性が有る事を王宮に宣告でもしない限り……」 「ですが、未だ感染症の恐れありと宣告してしまえば、そのまま処分対象になってしまいます!」 「では、どうやってこれだけの人数を追い出してなおかつ新しい人員を派遣してもらうのですか!」 オスマンがさて、どう対応したものかと悩む横では、シュヴルーズとロングビルが言い争いにすら聞こえる討論をしている。 「……ふうむ」 オスマンは顎鬚をさすり、二人の言葉に耳を傾けながらこれからの事を思案する。 今回の発端であるであろう、伝染病の事に気考えを向けたその時だ。 「た、たたた、大変です!」 突然、乱暴に扉が叩くようにして開かれ、頭の禿げた中年男性の教師、コルベールが息を切らせて部屋に駆け込む。 「何事じゃ?」 礼儀も何もあったものじゃない突然のコルベールの来訪に部屋にいた三人は眉を顰めるが、コルベールはそんな事はおかまいなしに息も絶え絶えのまま叫ぶ。 「ミ、ミ、ミス・ヴァリエールの使い魔、い、いえ、感染症持ちのあの男が――」 コルベールの言葉を最後まで聞き終わる前に、オスマンは顔を強く顰める。 名前が出ただけで、既に更なる問題が出た事は間違いないからだ。 そして、コルベールの締めの言葉は、オスマンだけでなく、ロングビルにシュヴルーズの顔を驚愕に変えるに充分なものだった。 「――だ、脱走しました!」 前ページ次ページブラスレイター コンシート
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/31244.html
せんかこんしーる【登録タグ IA NexTone管理曲 せ たかちゅう 曲 殿堂入り 香織】 作詞:香織 作曲:たかちゅう 編曲:たかちゅう 唄:IA 曲紹介 たかちゅう氏 のボカロデビュー作。 都々逸にのせた戀の歌、お聴きください。(作者コメ転載) イラストを 香織氏 が、動画を S.A氏 が手掛ける。ギターを たかちゅう氏 が、ベースを 真夢氏 が、ドラムを ファンキー氏 が演奏。 歌詞 (PIAPROより転載) 巡る世は月にむら雲 日陰に居れど花に風 安らぎを覚えるたび 遮るものばかり 必ずや無下に去りゆく 今を生きれど誰しもが こぼれる梅のように 美しく咲き誇る 募る想いの丈やこの愁いさえ 都都逸に乗せて きっと何も知らないあなたの元へ 届くのを待つわ どんな夜もそばに居たくて そんな言葉言えないままに 糸し糸しと言うこの心 眠れもせず抱きしめている 逢えた日の心のままで 過ぎ行く日々をそう願い 散りゆく花のように 哀しく咲き乱れる 身を焦がしても尚 熱をあげてる 廓言(くるわことば)さえ 話せなくなる程に胸に詰まらせ また自分を知る どんな時も想っていると そんな言葉を信じてしまう 静かな夜もあなたのことを 夢に見れずに夜明けを探す 募る想いの丈やこの愁いさえ 都都逸に乗せて きっと唄うしかないあたしの元へ 戻るのを待つわ どんな夜もそばに居たくて そんな言葉言えないままに 糸し糸しと言うこの心 眠れもせず抱きしめている どんな時も想っていると そんな言葉を信じてしまう 静かな夜もあなたのことを 夢に見れず今宵も咲かす コメント 追加乙です -- 名無しさん (2015-01-29 10 19 25) 和風ロックかっこいいです!! -- なは炉娘 (2015-01-29 22 51 02) これが処女作とは!曲もイラストも調教もすべてが上手!! -- 名無しさん (2015-01-29 23 06 53) すごく良い!!大好きな曲です\^^/ -- もち (2015-02-04 06 41 51) 日本らしい綺麗な音色で、今年の流行曲になって欲しいです・。♪*+o -- 流麗香 (2015-02-09 07 35 26) 良曲 -- 名無しさん (2015-02-14 21 14 28) もうちょいで殿堂入りだ~♪和ロック最高!! -- 名無しさん (2015-02-19 22 27 19) 和ロック最高✨でふ -- ホイップ (2015-02-24 16 16 23) 処女作でこの調教の仕上がりレベルの高さとIAの流暢な歌い方がこの曲にピッタリで二度驚きました! -- けん (2015-03-14 03 36 01) かっこいいな・・・ -- 名無しさん (2015-03-14 09 39 42) 大好きです -- 黒瀬珀 (2015-03-20 19 47 25) 和ロック素敵! -- 名無しさん (2015-03-28 22 48 26) サビが好きDA! -- 名無しさん (2019-03-24 21 08 12) 東方の歌の歌詞も入ってていい -- 名無しさん (2019-03-25 07 13 17) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5839.html
前ページ次ページブラスレイター コンシート トリステイン魔法学院。 トリステイン王国に有る由緒ある学院である此処には、国中から貴族の子息が集い、そして他国からの留学生も迎え、魔法を学ばせている。 全寮制であるこの学院では、貴族達の生活を支える為に、メイドやコックなどの使用人、衛兵等、多くの平民達が働き生活している。 この日の昼過ぎ、夕食の準備に取り掛かっている厨房はいつもより騒がしかった。 「くそっ、今日もあの忌々しい貴族ども料理を作らにゃあかんと思うと腹が立ってくる! そうだろお前ら!」 怒鳴り声で周囲の料理人達を怒鳴りつける、四十過ぎの太った体にたいそう立派にあつらえたコック服を着た平民の男の名はマルトーと言う。 平民であるが、魔法学院のコック長である彼の収入は身分の低い貴族が及びもつかない位に羽振りがいい。 トリステインの平民が貴族に対して抱くのは嫌悪か恐怖、もしくはその両方だ。 マルトーは魔法学院のコック長という地位にいながら、羽振りの良い平民の例に漏れず貴族と魔法を毛嫌いしていた。 いや、むしろ貴族に対して敬意や好意を抱く平民という話自体、トリステインではあまり聞かれない。 「くそっ、貴族、貴族って威張り腐りやがって!」 だが、その日のマルトーの機嫌の悪さはあまりに異常だった。 そもそも、厨房の使用人たちを始め学院内の平民仲間には慕われているマルトーは、確かに大きなミスなどをしたらそれなりに怒りはするが、いつもは、こうも八つ当たり同然に捲し立てたり怒鳴り散らしたりなどしないからだ。 周囲のコックや使用人達は、追い立てられるように作業しながらも、そんなマルトーの姿に違和感を覚える。 「おいおい、マルトーの親方、今日はなんであんなに荒れているんだ?」 「知るかよ。朝からずっとあの調子だ」 確かにマルトーは貴族嫌いではある。 しかし、それ以上に料理人としての自分に対するプライドが高く、彼の仕事であり誇りである料理中にはそれに集中する事を考え、貴族への文句を口にした事はこれまで一度も無かったからだ。 それではそんな彼がここまで不機嫌になる出来事があったであろうか? 少なくとも厨房に用も無く貴族がやってくる事などまずは無い。 魔法学院の子息達にとっては平民のいる場所であって自分達の足を運ぶ所などでは無いという意識は在ったし、マルトーの仕事は学院が彼の今の立場と扱いをするにふさわしい完璧なものであり、これまで料理にケチをつけられた事も無い。 他にもマルトーが学院側と話をする際でも、マルトーの方から出向くのが常でこちらに学院管理側の貴族が来る事は無い。 よって、誰もこの場所で貴族の姿を見た記憶は全く無く、マルトーが貴族に対して何かあったかどうかを知る事が無いのだ。 しかも、一体何がそんなに腹立たしいのかとマルトーに問うても、彼が毎日口に出すありふれた不満が並べられるだけで、具体的な事態が見えないのだ。 「畜生が、一体俺がどれだけ苦心しながら料理を作っているのかっ! 貴族どもは全く理解しちゃいねぇ!」 顔を興奮で赤くしながら、包丁で鶏肉を切るというより既に叩き潰す有様のマルトーの姿に、使用人達は顔を見合わせる。 もしかしたら、学院長のオスマンなら何か事情を知っているかもしれないと思いつく者もいたが、流石に平民が貴族にこの程度の事ででお伺いを立てるなど非常識であるとされ、結局は本人が語らない以上は彼らには何も判りようが無いのだ。 だが、流石にこれでは埒が明かないと料理人の一人がマルトーに近づく。 「親方、少し落ちついて下さい」 「クソ貴族がっ! 俺の仕事場に入るんじゃねェッッ!!」 が、その近づいてきた料理人を、マルトーは半ば魘されるようにその太い腕で力いっぱい振り払った。 「――お、親方っ!?」 突然の暴力に尻餅をついてあっけに取られる料理人の目の前で、マルトーは包丁を持った手を振り上げていた。 「親方っ! 一体何やっているんですか!」 「お、親方を、マルトーさんを取り抑えるんだっ!」 突然に暴力を振るい出したマルトーを周囲の使用人達が取り押さえる。 4、5人が取り囲み折り重なるよう抑える事で、すぐさま興奮するマルトーの動きは抑えられたかのように思われた。 「な!?」 突如、未だに尻餅をついたままの料理人が驚きの声を上げる。 「クソッ! 放せぇっっ! クソッ! 貴族どもがぁ! 俺の前から――」 料理人の目には、先程から振り上げられたマルトーの手が、手にある包丁の持手にめり込むさまが―― いや、マルトーの手の皮がまるで溶けるようにして包丁に纏わり、そのうち包丁と手が一体化するように癒着―― いや、これは実質的に一体化、つまり融合している―― いや、そればかりか、仲間の料理人に遮られマルトーの姿はその腕の部分しか見えないが、その腕が何か禍々しいモノに形を変えていた。 『――消えろぉおおおっ!!』 くぐもったマルトーの咆哮と共に、取り押さえていた料理人達が振り飛ばされた。 「ひ、ひぃーーーーーっ!!」 尻餅をついたままの料理人は、仲間が振りほどかれる事によって姿を晒すマルトーが、いや“マルトーだったモノ”が視界に入るなり悲鳴を上げた。 その料理人は自分の頭上に振り下ろされる、包丁の様な手を視界に映し、最期の瞬間まで悲鳴を上げ続けた。 男が召喚されてから3日経っていた。 2日の間謹慎していたルイズとコルベールには特に異常は見当たらず、男は相変わらず牢で大人しくしていた。 それからコルベールは馬で、王宮への報告に出向き、続けてその足で王立魔法研究所へと協力申請に向かった。 研究所から派遣されたのはエレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールという、金髪長身の気の強そうな女だ。 名前から判るように、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの姉である。 本来ならば、伝染病の事前調査確認の為などに、公爵家のゆかりでもある彼女ほどの立場の者が出てくる事は無い。 だが、学院の特使として派遣されたコルベールの説明で、それが『前例の無い使い魔として召喚された人間』であり、なおかつ『自分の妹が数日前に召喚した』と聞かされれば話は違う。 密書なり使えばいいものを、わざわざ教師であるコルベールがエレオノールの元に足を運んだのは、それらの他者には説明すら出来そうに無い特殊な事情に付け足し、伝染病の事実の隠蔽、伝染病の特定の不可、そして可能な限りの秘密裏にして確実な処理等を考慮してである。 エレオノールは公爵家の長女にして結構な美人であるにも関わらず、次々と相手から婚約破棄される程に、異常な傲慢な女であるとの話ではある。 が、彼女の妹にしてルイズの姉にあたる、カトレアの先天病を治療する為にアカデミーの優秀な研究員となったという話もあり、コルベールとオスマンは、エレオノールないしヴァリエール家の家族への情に頼ったのである。 その目論見どおり、エレオノールは口には出さないものの、妹の為ならばとすぐさま協力を承諾し、大急ぎで秘薬等の必要な用具を持参しながらも、いつもは従者を必ずつき従える彼女がそれを忘れるほどの体で駆けつけた。 だが、そんな彼女ではあるが、いや、そんな彼女であるからこそだろう。 地下牢の格子の向うに立ち、真直ぐにエレオノールとコルベールを見る男に対し、殺意にも似たどころか殺意そのものを向けるのは。 激しい気性ではあるものの優秀な水メイジ、つまりは身体の組成を司るメイジであるエレオノールであったが、 研究所から貴重な秘薬やマジックアイテムを持ち出し、それらを駆使してジョセフの伝染病の正体を見極めようとしたが、結局は『未知の感染症』である事だけが判っただけであった。 己の妹への病の治療どころか、解明も未だに満足のいかない彼女だけに、謎の伝染病など不愉快極まりない。 それだけでなく、出来の悪い末の妹なれどそれでも大切な妹の“初めて成功した魔法”によって召喚されたのが、このような自分達に一利どころか害にしかならない平民の男というのも彼女を更にいらだたせる要因であった。 「平民、名前は?」 お手上げになってから、目の前の平民の名前も知らない事に気付いたエレオノールは、初めて彼に言葉を向ける。 その態度は、手のつけられない家畜に対して見当違いな文句を垂れるのと大差が無いものだったが、男は全く気にするそぶりも見せずに名乗った。 「ジョセフ・ジョブスン」 逆に、男が名乗るなり二人の貴族が驚愕の表情を浮かべる。 「な……」 「……ジ、『ジョゼフ』ですって……あ、貴方、学が無い平民とはいえ、隣国の王の名を名乗るなんて……ななな、なんて不遜!」 コルベールはあまりの突拍子の無さに言葉が出ず、エレオノールも最初は絶句するものの、怒りのあまりに呂律も回らない程でありながらも叫びを上げる。 理由は簡単だ。 このトリステインにおいて、いくら他国のものとはいえ、彼らの信仰する始祖ブリミルに連なる王家の者の名を騙るなど、あまりに恐れ多くて貴族であろうと平民であろうと常識的にありえないからだ。 「いや、『ジョ“ゼ”フ』じゃなく『ジョ“セ”フ』だ」 目の前の二人の激昂の理由を、なんとなくではあるが理解出来たのだろう、“ジョセフ”を名乗る男は訂正を促す。 その彼は、エレオノール達の態度が過剰に映っているせいで少々困惑の表情を顔に浮かべていた。 「平民の癖に口答えなどっ!」 だが、その言葉も、エレオノールの怒りを更に煽るだけであり、激昂に任せるようにエレオノールは杖を引き抜きジョセフに向ける。 確かにエレオノールの気性は荒いが、彼女意外の大概の貴族でも恐らく同じような反応であっただろう。それだけ貴族と平民の立場の差はトリステインでは絶対的と言えた。 「このような始祖ブリミルをも恐れぬ無礼者、即刻処分します!」 「いけません、ミス・ヴァリエール! まだ彼の出身地の特定が出来ていません!」 呪文を唱え始めたエレオノールを、我に返ったコルベールが抑えようとする。 どうやらコルベールは大概の貴族の例からは漏れた存在のようではあった。 だが、エレオノールの呪文はすぐさま完成しており、コルベールの妨害はジョセフの首を刈らんとする水の刃の狙いを逸らす形になった。 刃はジョセフのすぐ横を凪いで、壁に切り裂いたような跡をつける。 だが、ジョセフは魔法という暴力を目で確認しながらも、全く表情を変えずに淡々と彼女達に言葉を紡いだ。 「以前も話したが、俺はこの国の出身では無い。……信じる信じないはそちらに任せるしか無いが」 彼が言いたいのは、疫病がある村は少なくともトリステインには無いという事であり、そうある以上は彼らも直接手が下せないという事だ。 勿論エレオノール達からしてみれば近辺諸国に対して伝染病の警告を促す必要が無いわけでは無いが、彼の話を信じるならばその近辺諸国ですらないらしい。 それならば“東方”の出身なのかもしれないと想像するも、そうなると今度はトリステインないしハルケギニア諸国にとって未到達の地である。 それこそ手の出しようがなくなり、これ以上の追求も無駄でしか無い。 「それでは決まりね」 伝染病の研究は死体にしてからでも構うまいと言わんばかりに、エレオノールはジョセフに杖を向ける。 対するジョセフは杖を向けられる意味が理解出来ていないかのように、全く表情を変えない。 いや、先程魔法を放って見せたので意味が判らない筈は無い。 「まるで、死人ね」 あくまで表情を崩さないジョセフに対し、不可解さから来る不快な感覚を隠そうともせずにエレオノールは吐き捨てる。 事前に聞いた話では己の身元をでたらめに語る事で自分の延命を図っていたとの事だが、実際はまるで自分の命に興味が無いかのように淡々としている。 「まぁいいわ」 だが、エレオノールにとって目の前のジョセフの態度は不可解なだけのものであり、さして興味を惹くものでは無かった。 そして、いざジョセフに必殺の魔法を放とうとしたその時だ。 「――! ―く―だッ!!」 地下牢に届くまでの騒ぎ。しかも、何やら慌しいなどという生易しいものではなく、悲鳴や絶叫、そして魔法が入り混じる、まるで戦場の様な騒がしさだ。 「何事!?」 コルベールとエレオノールが外の騒ぎに気を逸らしたせいで、ジョセフの表情が険しくなっている事には気付かない。 「ミス・ヴァリエール! まずは外に出て状況を!」 「わかりましたわ! ミスタ・コルベール!」 この緊急の事態で、二人は目の前の平民の事など綺麗さっぱり思考から捨て、外へと駆け出した。 彼らの足音が遠のいて聞こえなくなるのを確認するなり、ジョセフは目前の鉄格子を掴む。 格子を掴むジョセフの手が手袋ごと、格子に癒着するようにして侵食を始める。 そのままジョセフに侵食された格子は、格子として用を足さないひしゃけた鉄棒となって彼の足元に転がった。 「どうした? 何があった?」 「な、なんだよこれ……」 「ひ、ひでぇ……」 厨房からの絶叫を聞きつけ、逃げ惑うメイドや使用人達を押し分けるようにして、厨房の出入り口に駆けつけた衛兵達が見たのは、五体が分断されたり潰されたりして原形を留めない使用人達の惨殺死体であった。 「急いで学院長に通達だ!」 厨房に続く廊下の中ほどにいる衛兵の一人が先頭から聞こえる悲鳴にも似た呻きを聞くなり、廊下の先で遅れて駆けつけた衛兵の一人に指示を飛ばす。 「な、なんだあれは!」 入り口前から厨房を確認していた他の衛兵が、飛び散る鮮血で彩られた厨房の中心に立つ人影に気付き驚愕の声を上げる。 そこには、身長が2メイルを超える巨躯に返り血を浴びた異形の人型が立っており、返り血で紅く染まりきった太い腕が振るわれると、声を上げた衛兵の頭をトマトの様に潰した。 「ひ、ヒィッイ!?」 先頭の衛兵が、目にも留まらぬ速さを以って屠られる光景を目の前にして悲鳴を上げる。 その声に呼ばれるようにして、厨房の入り口から大柄な体躯を覗かせた異形が、悲鳴の主を踏み潰すと共に、その顔を衛兵達に向ける。 額の左右から伸びる角、不気味な揺らめきで蒼く光る双眼、頬まで広がる牙だらけの口、そして全身を覆う硬質にして禍々しい甲羅の如き皮膚。 その姿はまさに―― 「あ、あ、悪魔だ……」 衛兵達の悲鳴と怒号と犠牲を合図として、トリステイン魔法学院は戦場と化した。 衛兵の持つ剣や槍は、悪魔の皮膚をまるで傷つけることは出来ず、悪魔が腕を振るうだけで、その単純ながらも恐ろしいまでの怪力で人間の衛兵は成す術無く一方的に嬲殺しになる。 狭い通路の中だけに、衛兵は前から順番に倒されていく。それが悪魔がこの場から離れない少ない時間を作り出す。 「くそっ、だから平民の衛兵などあてに出来んのだ!」 厨房の衛兵達が次々と一方的に殺されていく中、その少々の時間で、真っ先に厨房への通路まで駆けつけた魔法使い<メイジ>の教師が悪態をつきながら杖を振るう。 杖から真空の刃が生まれ、その刃が衛兵達の死体で埋まった通路の中に立ち、手に掴んだ衛兵の首の骨を握り折る瞬間だった大柄な人型を切り刻まんと襲い掛かる。 『グゥウゥ!?』 狭い通路の中、巨体のせいもあり、避ける場所が無い悪魔を直撃する風の刃、兵士の使う剣や槍などよりずっと鋭く疾い魔法の刃は鉄の鎧さえも切り裂く程である。 だが、その刃は悪魔の厚い甲羅の様な皮膚を軽く裂いた程度で消滅する。 「な、き、効かないだと?」 驚愕するメイジの目前で、更にその皮膚が再生を始める。 『き……き、き……』 あまりにもおぞましく恐ろしい悪魔の姿に恐れ後ずさるメイジの姿を見た悪魔は、手に持った首の骨の折れた死体を無造作に投げ捨てるなり、その体躯に合わぬ程の疾さで通路を駆ける。 『貴族がぁあああああっ!!』 叫びながら迫り来る悪魔の姿に半狂乱になりながらも、咄嗟に次の魔法を打ち込もうとメイジは杖を向けるようと腕を持ち上げると同時に、鋭利な刃物でその腕を切り飛ばされ、それを把握する前にメイジは巨大な腕で壁に叩き潰された。 「一体何なんだよあれは!」 広場に躍り出た悪魔の姿を見た小太りの生徒、マリコルヌ・ド・グランドプレは泣きそうな顔で隣の同級生に叫ぶ。 「知るかよかぜっびき!」 声をかけられた生徒も負けじと悲鳴交じりに怒鳴り返す。しかもわざわざ二つ名を言い換えてだ。 しかし、それに文句で返せないほどにマリコルヌは動転していた。 最初は何の騒ぎか判らずに野次馬根性でやってきた、彼らを含む数名の生徒であったが、 彼らの目の前で繰り広げられるのは、学院の教師メイジや生き残った衛兵達と、2メイル以上の体躯の異形の悪魔の『殺し合い』であった。 火メイジと水メイジが『ファイヤーボール』や『アイス・ニードル』の魔法を投げつけて、風メイジが『エア・ハンマー』で牽制する。 土で障壁を創る事でその悪魔を自分達に近づけまいとする土メイジ達。 だが、悪魔はその巨躯に似合わずに“疾い”。 人間の持てる運動能力では絶対に追いつけない身のこなしで地を蹴り、四方から遅い来る魔法を次々と回避していくばかりか、隙を見ては一人、また一人と犠牲者を増やしていく。主に魔法も使えなず飛び道具すら無い衛兵達が目をつけられ絶命していく。 それでも駆けつけたメイジ達の数が数だけに、いくつかの魔法が悪魔の体に命中するも、炎は皮膚を焼くに至らず、氷は貫く前に砕け、真空の刃も、雷も、その悪魔の体をほとんど傷つけるに至らない。 「くそっ! ならこれで――グゲッ……」 業を煮やしたマリコルヌの隣の生徒が、広範囲の魔法を使おうと長い詠唱を始めたが、その途中で蛙が潰れるような声で遮ってしまった。 「お、おい!?」 その奇妙な声に引かれるように振り向いたマリコルヌは目を恐怖で大きく見開く。 その生徒が立っていた所には、細身の異形が彼の頭を足で踏み潰し、こちらに顔の無い頭を向けて立っていたのだ。 「うわぁああっ!? よ、よくもおぉぉおお!」 頭を潰され絶命した学友を見てしまったマリコルヌは、腰を抜かして地面に転がるように座り込むものの、恐怖と怒りとが織り交ぜた絶叫と共に無我夢中で、目前にまで迫った異形の頭に向けて杖を振るった。 瞬間、杖に纏わる風の渦が、鋭い槍となって、そののっぺらとして顔の無い頭に突き刺さる。 高収束度の『エア・ニードル』によって、外に向けて飛び散る血飛沫と共に顔無しの頭は微塵に砕け、残った胴体が地に倒れる前に“崩れた”。 目の前で灰と化し粉々に砕け散る悪魔の末路に、目を見開きしばし呆然とする。 そして、先程の高威力の魔法により疲労を覚え、少しだけ気が静まる事によってマリコルヌはやっと自分の目の前の事態を実感する。 「や……やった……のか?」 そう呟き、自分の中で敵の消滅を認めた彼の精神は緩みきり、全身の力が抜けるようにしてマリコルヌは気を失った。 「一体なんなんだこいつは!」 魔法の連発により、疲労の色が濃くなっていくメイジ達。 「くそ、『眠りの鐘』はまだかっ!」 誰かが悪態をついたその時。 「お待たせしました!」 本塔から『フライ』の魔法でやってきた教師が悪魔の近くまで駆け寄る。 彼の手には学院長から携帯の許可を貰い持参した、秘宝『眠りの鐘』。 名の通り、その音を聞いた者を眠りへと誘う強力な魔法の小さな鐘である。 その小さな鐘を手に持ち、悪魔に向かって振るった。 透き通るような小さな音ではあったが、その音は確かに悪魔の耳に届く。 が、 「眠りの鐘が効かない!?」 だが、その音は届いた“だけ”であり、つまり学園の秘宝である『眠りの鐘』は悪魔の注意を教師に引き付けるだけの結果のみを生んだのであった。 悪魔に目をつけられたそのまま首根っこを折られ、死に至った。 「ミスタっ!」 眠りの鐘が効かない事によって、悪魔への攻撃をそのまま続けるしかなくなったメイジ達が先程より激しい抵抗を見せる中、傍から様子を見ていた生徒のモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシは、彼が死んだ事には気付いてはおらず、いや気付こうともしないで、治癒魔法をかけようと彼に駆け寄る。 モンモランシーが事切れた教師の前まで近づいた瞬間、死んだ筈の教師の体が痙攣を起こす。 その不自然なまでの体の動作に驚いたモンモランシーが思わず足を止める目の前でそれは起こった。 直後、死体である筈の教師の体が、ゆっくりと手で体を支えながら立ち上がろうとする。 だが、地をつけた教師の手が痙攣と共に何やら硬質の皮膚に変化していく様を皮切りに、彼の体がみるみるうちに変態を始め、遂には耳元に沿った双角を持つ、面無しの悪魔の姿へと成った。 「え、ええっ!?」 そのあまりのおぞましい光景に、モンモランシーは無意識に後ずさるが、恐怖のあまりに震えた足がもつれて尻餅をついてしまった。 その音に気付いた異形が、尻餅をついたまま這いずるように後ずさるモンモランシーに、のっぺらとした顔面、いや、その額上あたりで青く光るガラス玉の様な双眼を向けた。 「こ、来ないでっ!」 強がりでやっと出たのは相手を拒否する言葉だけだった。だが、それは合図にしかならず、異形はモンモランシーに襲い掛かる。 目を瞑るモンモランシーめがけ、異形の手が彼女の頭を握りつぶさんと迫るのを、青銅の腕が遮った。 「ワルキューレッ!」 異形とモンモランシーの間に立つ青銅の戦乙女。 それは、この学院の生徒であり元帥の息子である、ギーシュ・ド・グラモンの魔法によって生まれたゴーレムであった。 「逃げるんだモンモランシー!」 ギーシュが叫ぶが、腰を抜かしたモンモランシーは這いずるようにしか下がる事しか出来ない。 「ギーシューッ!」 涙目でギーシュに助けを求めるモンモランシーの姿にいてもたってもいられずに、ギーシュは駆け出す。 「な!? 僕のワルキューレが!」 モンモランシーに駆け寄るギーシュの目前で、ワルキューレの腕が異形に握りつぶされるのを見て、ギーシュは思わず足を止める。 「くそっ!」 薔薇の形をした杖を振るい、新たなワルキューレを生み出す。 モンモランシーの盾となっていたワルキューレが振り払われようとする寸前、新しく生み出されたワルキューレの持った槍が悪魔の脇腹を刺す。 そこで悪魔の注意は槍を持ったワルキューレに完全に逸れた。 「いけっ、ワルキューレ!」 後先は考えずに目の前の化け物を倒す為にワルキューレを自分の精神力の限界まで作り出すギーシュ。 6体の槍を持ったワルキューレはその異形を取り囲み、容赦なく全身を貫く。 体液を流して動きを止めた異形は、青銅の乙女像の囲いの中、灰となって崩れ落ちた。 「大丈夫かい? モンモランシー」 片腕が無くなった事で戦闘をこなせなくなったワルキューレと自分の肩を使ってモンモランシーの両肩を支えるギーシュ。 「ぎ、ギーシュ……先生が、先生が……」 「――!」 涙を流しながらギーシュに訴えるモンモランシーを宥めようと何か言おうとして言葉を止める。 『逃げるんじゃねぇぞ!』 先程までメイジ達と交戦していた筈の巨躯の悪魔が目前に現れたからだ。 「逃げるんだ! ミスタ・グラモン!」 遠くから、誰かが悲痛な叫びを上げる。 だが、その声が届いているのか届いていないのか、悪魔の禍々しい姿に恐怖したギーシュは足を絶えず震わせ、とても逃げられる状態ではなくなっていた。 事実、がくがく音が聞こえそうなまでに震え、ともすれば後は崩れそうな程であった。 が、貴族としての意地が、そして何よりも肩に担ぐ少女を救おうとする勇気がギーシュを支え、戦う意思を引き出す。 「ワルキューレ! この敵を切り刻めっ!」 すぐさまワルキューレは悪魔の周囲を取り囲み、先程と同じように悪魔を槍で突き刺す。 しかし、現実は残酷なまでに淡々としている。 先程の異形の皮膚は通った青銅の槍ではあったが、巨躯の悪魔にはまるで歯が立たずに折れてしまったのだ。 そればかりか、悪魔の腕の一振りで正面側の4体がひしゃけながら吹き飛び、ギーシュに歩み寄る巨躯を止めようと組み付いた2体のワルキューレも子供を振り回すように解いた後、同じようにバラバラにされてしまった。 『貴族、貴族って威張り腐りやがって……』 蒼い目を向ける悪魔のぐぐもった声に、ギーシュは気圧される。 だが、振り上げられる悪魔の腕を見るなり、咄嗟にモンモランシーの肩を支えていたワルキューレを盾として前に立ちはだからせる。 咄嗟に片腕を失ったワルキューレが前に出る事により、その振り下ろされる凶器の如き腕から、モンモランシーとギーシュを護る盾となって砕けた。 だが、それがギーシュに出来る最後の抵抗であり、今や悪魔とギーシュ達を隔てる物は何も無い。 「……くそっ! ワルキュー……レ!」 それでも、どうにかして戦おうと、ワルキューレを再度練成しようとするギーシュだったが、力なく杖が振るわれるだけで、何も起こらず、そのまま限界を迎えたギーシュは気を失った。 それでも、モンモランシーを護るという意思がそうさせたのだろう。 自らの体をモンモランシーの盾にするように、彼女の上に仰向けに覆いかぶさった。 『少し運動した程度でおねんねとは、なんともざまぁないなァ!』 そんなギーシュの姿を見て悪魔は嘲笑う。 「ギーシュ、逃げろ!」 迫る悪魔の先にいるギーシュに向かって、誰かが叫ぶ。 だが、文字通り精神力を使い果たし、気を失ったギーシュの耳には届かない。 その代わり―― 「――えっ……」 その誰かの叫びによって意識を呼び戻されたモンモランシーの目に映ったのは、自分を庇うようにして倒れ込んでいるギーシュの背中。 そして、その向う…… 振り下ろされようとした悪魔の、大包丁と同化した右腕に絡みつく、蒼く光る蛇。 「……ま、また、別の悪魔だ!」 誰かの呻きが引き金となって、モンモランシーはさらに向うに立つ影に気付いた。 『エア・ハンマー』に対してさえほとんど怯む事の無かった悪魔の巨躯が、右腕ごと蛇によって宙に引上げられた。 「な……」 そこには、蒼い蛇を鞭の如く操る蒼い悪魔が立っていたのだ。 前ページ次ページブラスレイター コンシート
https://w.atwiki.jp/ikendokoro/pages/209.html
95 コンシーラー長崎 ◆.ZSd/J1IBk 2007/03/03(土) 19 51 44 ID 1Fh0i7EL 誰だよ
https://w.atwiki.jp/codeofjokerpoket/pages/378.html
Pack 2 カードNo 2-044 種類 ユニット レアリティ UC 名称 バンシー 属性 青 種族 不死 CP 2 BP 3000/4000/5000 アビリティ ■デッド・コーリングこのユニットがフィールドに出た時、【不死】ユニットのカードを1枚ランダムで手札に加える。 いわゆる「CP2サーチャー」の不死版。 青のこのシリーズは雪忍の六花に続き2体目である。 ただでさえ進化素材に困る青にとってこれだけでも貴重だが、青の主力である不死をサーチできるのはかなり強力。 ハンデス要員かつCP3BP6000のタナトス、中盤の頼れる壁役ロキ、切り札となる進化冥王ハデスなど強力な不死ユニットは多い。 多色構成ならプロメテウスでコンボを狙ったり裁きのマーヤで制圧していってもいい。 もちろん単純に自身をサーチして圧縮していくのも他の2コスサーチャーサイクル同様有効である。 バンシーとは、アイルランドやスコットランドに伝わる、家人の死を知らせるとされる女の妖精である。 不死なのにとてもパンクス。ライブオンステージではパンクロックのヴォーカルを担当しているようだ。 とても強烈なシャウトを行うので、ヘッドホンでのプレイでは音量に注意。 台詞 フォイル 召喚時効果 Oh yeah! Rock you! その他効果 - - アタック ? ? コメント ※この入力欄は検索枠ではありません。 各書き込みの冒頭のラジオボタンをチェックしてから書き込むと、その書き込みへのレスになります。 ▼全文表示する
https://w.atwiki.jp/ikendokoro/pages/213.html
http //www.google.co.jp/search?q=◆yydt.6u2.Q 290 コンシーラー長崎 ◆yydt.6u2.Q 2008/02/22(金) 00 40 17 ID vTzt74El0 >>284 俺様を忘れるとはやれやれだ
https://w.atwiki.jp/espada/pages/67.html
コンシス コンシス党(設立2008/3/3) 党名の由来 コンボルブルス・アルベンシスの略 日本名→セイヨウヒルガオ 花言葉は「絆」 皆で一人でできない開拓クエストも皆でやればクリアーできる!みたいな気持ちや、 これから追加するエリアやクエストも一緒に楽 しめればと思って付けてみました。 活動方針 社会人党となっています。 リアル優先で、時間ある時に遊びにくる感覚でいいと思います。 チャットでおばかな話をしたり、ミッションや他党と一緒にPVやイベントなどをしたいと思っています。 コロニー戦に関しては、のちのち参戦しようと思っています。 入党条件 人様に迷惑かけるプレイをしない。←ここ重要 党首が落書きしててINしない時があってもOKな人。 カレーが好き(嫌いでなければOK)。 党員リスト 更新日 家門Lv 家門名 ラダー 備考 08 9/12 33 ウオルター 0/1 党首 20 Seeker 2/0 08 9/30 12+3 Anthem 0/0 エールス マリヴェール 脱党、引退等 名前 コメント