約 126,776 件
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/20.html
「くせぇ」 「え?」 「だから、頭臭いんだよ。分かる?」 「…ぅ」 日常に戻ってからというものの柴田と真山はいつもとなんら変わりない生活を送っていた。 がらんとした弐係のオフィスに惜しげもなく資料を広げてブツブツと朗読している柴田の背後にはヒマそうにタバコをふかしながらも彼女を待つ真山。 柴田の肩に顎を乗せて資料を覗く真山は真っ先にそう呟いた。 「…真山さんだってタバコ臭いです」 「俺はいいの、歯だって毎日磨いてるし?ましてや風呂だって入るしシャンプーリンスぐらいするし」 「………ぅ」 「それに比べてうちの係長は最近余計に“継続事件”に対して余計に張り切りのめり込み、家に帰らず何日目ですか」 「たかが一週間ですが」 「た・か・が?くせぇんだよ」 「痛っ!」 真山は思わず柴田の後頭部をひっぱたいた。 「な、何するんですかーっ!」 「バカ、なぁバカだろ?バーカ、バーカ!」 「そんな耳元で言わなくたっていいじゃないですかー!!」 いつものノリに見えていた、周りからすれば。 事件に集中し過ぎて周りの見えないボケ柴田とそれに対して激しくツッコミをかます真山。 しかし……… 「…お前、仕事し過ぎ。」 「…、……。」 あの“島”から帰ってきた二人にとって現在の自分達はとても不自然だった。 特に、柴田は。 しかしそれも仕方の無い事だろう。 厄神島から脱出、偶然通りかかった船に救出されて警視庁に戻ってきてやっと知った事実はあまりにも残酷だったのだから。 …親友のような存在だった、彩。 …色々と助けてくれた、壷坂。 朝倉の“呪い”に殺された二人の存在は柴田の心に傷を作った。 それを忘れる為なのか柴田は余計に仕事に打ち込むようになったのだ。 「…犯人…、もう少しでわかりそうなんです……」 「へぇー?すごい検挙率ですね係長」 「ありがとうございます」 「褒めてない」 「ぁっ…」 びたん、とまたひっぱたかれると柴田はバランスを崩したのかまるでドミノのように前のめりにぶっ倒れた。 「へ?柴田ぁー?」 ……… …… 柴田は夢の中で彷徨っていた、美しい海岸を歩いて探し物をしていた。 わすれないって、どうしたらいいんですか? わからないんです。 だから、もう一回……もう…一回… 赤い霧が張る中を、ひたすら泣きながら歩く柴田は誰かを探していた。 ただ、何も無い海を足掻きながら…。 「おとうさーん…、麻衣子ー…、彩さーん…、壷坂さーん…っ…。……あ…」 そして、霧の向こうに影が見える。 たくさんの影は手招きをしているように見えた。 …呼んでる、そう思った柴田はその霧の向こうへゆっくり歩き出した。 「今…行きます…、だから…ちょっと待ってくださーい…」 ゆっくり、ゆっくりと進んで近づこうとがんばった。 しかし暫くすると耳元を何かが掠めた。 「……?」 何か、掠めた物は“声”だった。 ボソボソと耳に聞こえる低い声…、柴田は思わず立ち止まり目の前を見た。 「え…?」 手招きをしているように見えていた影は柴田を追い返すように“あっちに行け”という動きをしていた。 来たら、アカン。柴田はまだ、生きていて。 「でも、でも……っ…」 しーばーたーっ。 「あ…、彩さん…?」 真山さんくれてやってん、あの人置いてきたら私が承知せんで? 「……ぁ…っ…」 一瞬、ぼんやりとしか見えなかった影がハッキリと“会いたい人達”に見えた気がした…が、刹那。 柴田はひっぱられるような感覚に襲われ海の中へ吸い込まれた。 「彩さん…っ!…あれ?」 「うぉ?」 慌てて飛び起きると、柴田は柔らかい布団のぬくもりに違和感を感じて辺りを見回した。 何度か入った事のある殺風景な部屋は金魚の水槽が端っこにあって見慣れたスーツがフローリングに脱ぎ散らかされている。 「…、あれ…」 「やっと目が覚めましたか、弐係長?」 「真山さん…?」 「魘されてたぞ、お前。」 ベッドの下にはスウェット姿の真山が背中を向けながら座っていた。 声をかけられ、魘されてたと言われ柴田は思わずぱちくりしながら頬に触れると涙の粒で指が濡れた。 …そうか、自分は泣いていたのか。 そう気づかされた柴田は先程までの夢を思い出して俯くと暫く沈黙した。 「…お前、アホでしょ?」 「……」 「たく…、せめて寝て飯食えよ。そんなんじゃお前死ぬよ?過労死、ダサいよ?」 「…すみません。」 真山のいつものツッコミに素直に謝る柴田。 その間も真山はこちらに見向きもしないで金魚をずっと見つめていた。 真っ暗な部屋で水槽の真っ青な照明だけが二人の形を照らしている…。 「……柴田」 「……はい」 「お前、さ。」 「……」 「そんなんじゃ木戸も他の奴らも、逝くにいけねーだろ」 「……っ」 真山の口から出た言葉は、柴田にとってとても意外だった。 一言告げられ、部屋は沈黙に包まれた。 柴田にはどう言葉を発すればいいかわからなかった。 何を言えばこの人を困らせないで済むかずっと考えていた。 柴田は、真山に心配させない為にひきずってる自分を見せないように捜査に没頭していた。 それがかえって自分の過労によって彼に迷惑をかけて、更に…。 「柴田ぁー、答えろー」 「…すみません」 「謝罪はいいから」 「……、…」 「………柴田」 「…っ」 俯くと急に自分の視界に真山の顔がずいっと割り込んできた。 鋭い真山の2つの眼球が柴田を捉える、なんだか全てを見透かされたような気持ちになって柴田は震えた。 「真山さ…ん…?」 「柴田ぁー…たく、お前は」 「なん…、…っ…」 その時、言葉を封じるように唇を唇で乱暴に塞がれた。 そのまま乱暴に押し倒され、両手で柴田の頬を覆われ、長く長く。 柴田は驚いてパッチリ目を見開いたままキスを受けていた、すると一回唇が離れて額にばちんと一発食らう。 「痛っ!」 「目ぐらい閉じろ」 「でもっ、ん…っ!」 そしてまた噛みつくような真山の接吻に驚いてしまうも長くそれが続くごとに強張った柴田の体の緊張は抜けていった。 瞼はとろんと下がっていき唇の力は緩み、その全てを真山に委ねる。 すると真山の舌が隙をついて柴田の咥内に侵入して舌を絡めあった。 長く濃厚な接吻は何分続いただろうか、やっと舌が離れると唇と唇を唾液の糸が伝っているのがわかった。 柴田から見た真山は暗くて表示が見えない、逆に真山からはだらしなくとろけた柴田の表情がうっすらと青白い照明で見えていた。 それでも、互いに解る。 荒く間隔の狭い息づかいと、いつの間にか繋いでいた掌と掌で。 「ん…ぁ…っ」 「…、柴田…」 「な…なんでしょうか…?」 「…今から犯すぞ」 「はい…、えっ!?」 「今更驚くな」 「いたっ。」 せっかくのムードをぶっ潰すかのように驚く柴田の額をまたぶったたくと真山は柴田の耳元に唇を寄せながら衣服に手をかけた。 「やっ、ま…っ、真山さ…っ」 「うるせー…」 耳たぶを軽く噛みながら器用に真山はカーディガンとブラウスのボタンを外していきあっという間に柴田の下着が露わになった。 病的に真っ白で痩せた肌に小ぶりだがしっかりした胸と…恐らくベージュの色気もないブラジャー。 (なんでパンツが赤のレースなのに上下お揃いじゃねーんだよ…、俺を萎えさせる気が?そうなんですかこの弐係長は?) 心の中でツッコミを入れながら見てられないブラジャーは要らんと言わんばかりにさっさとずらして直に片手で露わになった乳房を弄び始めた。 最初は優しく撫でるように撫で、次第に自分も“柴田なんかで”興奮してるのか強く揉みしだくようにしたり乳首を摘んだりと自分の欲望のままに刺激をし始める…、すると柴田も面白いように艶を帯びた声を漏らして握ってない片手を真山の頭ね延ばしてぎゅっと抱きしめが…。 「こら、柴田ぁ~…」 「な…んですか…っ…?」 「それじゃ乳首舐めれない」 「ぇ…っ?―――…っ!!」 真山に促され抱きしめた腕を緩めるとそのまま貪るように指で弄っているのとは反対の乳房に食らいついた。 乳首を座れながら舌を転がされ、驚きと刺激で柴田は声にならない声を漏らして悶えた。 しかし暫く乳房を弄っていると知識豊富(?)な柴田から意外な言葉が発せられた。 「ま…やまさぁん…っ、んぁ…っ…!」 「んー…、…」 「ぉ…っぱい…っ、ばっか…っ…」 「…っ。お、下も寂しくなった?」 聞いてすぐはその意外さにぱちくりとまばたきをしたがすぐにいつものニヤリとした笑みを零して弄っていた手を離しゆっくりと柴田のスカートをずらして秘部を隠す赤のレースに指の腹で触れた。 「…なんだ、下着までビショビショじゃん」 「…ま、真山さんのせいですっ!」 まぁ考えて見れば柴田だっていい歳の女だし自慰ぐらいするだろう、コイツもしっかりした“女”なんだと確認してなんだかホッとするとそのまま下着を器用に脱がして秘部の奥に指を押し挿れた。 「ァ…っ!」 「でもキツそうだな…」 このまま柴田の中に入って自らの欲望を満たしたいとは思うのだが、万が一柴田が処女だった時を考えて(まぁ確実処女だろうが)気を使って指でねちっこくソコを刺激していくと柴田のナカがきゅうと指をしめつけてきた。 しかし蜜はそれ反して手首に伝う程に溢れてきてグチャグチャと音を立て…。 「や、ぁっ、真山さぁん…」 「んー…?」 「も…ぅ、いいんじゃないで…すか…?きっと…大丈夫…です…っ…」 すると突然柴田から真山に促し始めた、自分からゆっくりと足を開き真山を誘うようにスカートをたくしあげる。 …しかし真山にはわかったいた、柴田が俺を気遣って促してくれてると。 証拠にカラダがガクガクと震えている、涙も溢れて顔をだらしなく汚していた。 「…あのね、子供はそうやって強がんないの」 「子供じゃない…です…っ、柴田で…す…っ…」 「はいはい…」 でも、そんな柴田すら本当は真山には愛しいものだった。 天才の癖に普段はバカな柴田。 オシャレに関心が無くて臭い。 天然の割に実は弱い柴田。 共に捜査して、共に生き延びた柴田。 こんな奴、愛してねーと抱けねーよ。 真山は片手で自らの下半身を露わにすると熱く反りたった自らを花弁に押し当てた。 「…柴田」 「はぃ…っ…」 「……愛してる」 言葉と共に、ズルッとナカに真山が侵入していった。 「―――…っ!!!!!!」 「柴田…っ、力…抜け…っ…」 声にならない悲鳴が柴田から発せられ、ナカがぎゅうっと締め付けられた。 やはり初めてだったのだろう、ギチギチのソコは真山をちぎるかのようだった。 しかし真山もその快感を抑えきれないらしく痛みに悶える柴田をきつく抱きしめながら腰を揺らしていた。 「…はっ、ま…やまっ…さぁん…っ!」 「柴田…ッ、…」 「わ…たし…ッ、私ぃ…っ…!」 次第に柴田の喘ぎ声が快感の悲鳴に変わっていき、響く蜜の音と共に彼女は男の腕の何かを訴えよう何かを言い始めた。 「なんだ…っ?」 「私…っ、私こんなに…ッ…、しあわせでいいんでしょうか…ぁ…ッ…?」 「…っ…、バカな奴……だな…っ」 「ぇ…ッ?…ぁんっ…!だ、めぇッ!飛んじゃいますぅう…ッ!!!!」 「いいぞ、イけ…ッ…!」 「ぁ…ッ!―――――!!!!!!」 ……… …… 情事の後、二人は暫く疲れ果てベッドに横たわりながらもずっと手と手をしっかり繋いで抱き合っていた。 互いにもう離さないように、そう想いながら。 「…真山さぁん……」 「ん…?」 「さっきの返事…、聞かせてくださーい…」 「…ああ、アレね。」 いつもなら誤魔化したりからかったりして柴田をいじめるだろう。 しかし今回だけは真山も素直に口にした。 「お前が幸せじゃねーと俺が困る、それでいいじゃねーか」 「……真山さぁん…」 「だから、お前は俺の為に生きろ、笑え。あと飯食って風呂入れ。」 俺の幸せとお前の幸せはアイツらがくれた幸せなのだから、そう心の中で言い聞かせてまた真山は柴田の額にキスをした。 「ぁ…、……私も…愛してます…」 「ん………」 そして真山は照れ隠しにまた一言呟く。 「頭、くせぇ。」 186 :名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 01 04 51 ID ywwkkr1v 乙です! なんだかせつないねぇ。 しかし臭いままエチできる真山さんスゴスww 187 : 185:2008/05/14(水) 01 16 25 ID mxrp4gHK 186 感想ありがとう! きっと臭い慣れしてるんだよ真山さんだしwwwww でも恐らくこの数分後風呂に連行 ↓ 強制シャンプー&リンス ↓ 強制ビオレu ↓ そのままセクロス だと思うwwwwww 基本的に真山さん絶倫説をごり押ししたい そして時間あったら続き書きたい 今度こそ寝る!おやすみ!!
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/17.html
「今日はそんな気分じゃないんです。」 柴田は申し訳なさそうに顔を背けた。 首筋を這い回っていた真山の唇がぽかんと開き、覗き込むように柴田に視線を遣る。 「生理だっけ?」 「・・・違いますけど。」 視線すら合わせない柴田の頑なな態度に 真山はすっぱり諦めたかのように柴田の胸元から手を離した。 「あ、そ。じゃやめとくか。」 そっけない真山の声と、離れていった手の寂しさに 急に罪悪感と不安に襲われた柴田は 煙草に手を伸ばした真山のYシャツの袖を掴んだ。 「・・・怒ってますか?」 「怒ってないよ。」 真山は滅多に感情を顔に出さない。 いや、何もしていなくても不機嫌に見えるタイプだ。 「ほら、怒ってる。」 不安げに見つめてくる柴田を安心させるかのように柴田の髪をかき混ぜた真山は 大きく開いたままになっていたブラウスの前を合わせてやった。 「怒ってないって。」 いつになく真山に気を遣われてることに腹を立てた柴田はどんどん語気が荒くなる。 「男の人ってやめろって言われて、はいそうですかってやめられるものなんですか。」 「自分からやめろって言ったのに随分突っかかるね。」 「はぐらかさないでくださいよ。」 「はいはい。まあ、できるよ。今もヤリたかったってより惰性で始めたみたいなもんだし。」 「酷い・・・。真山さん、ホントはしたくなかったんだ。」 「んなこと言ってねーだろ。」 「私が下手だからですか?私じゃ満足できませんか?」 「あのな、柴田。」 宥める為に抱きとめようとした真山の腕をすり抜けた柴田は 散乱している荷物をトートバッグに放り込み始めた。 数箇所ボタンが留まっているだけで下着が丸見えになっているブラウスの上に 毛玉だらけのカーディガンを着込み、真山に向き直った。 「ちょっと、私行ってきます。」 「どこにだよ。」 「ちょっと練習してきます。」 「練習?」 「彩さんが言ってました。歌舞伎町には男の人を喜ばせるお店がいっぱいあるって。」 「何それ。」 「女性がナースや女子高生の格好をして、男性と架空のシチュエーションを楽しむお店とか。」 「あー、イメクラ?」 「あと、男の人がお風呂に入って、マットでマッサージしてもらうと気持ちいいそうです。」 「お前、それソープじゃ・・・」 「ちょっと教えてもらってきます。」 この女、どうやら本気らしい。 「待て。あのな、イメクラっていうのはな、ただ病院ごっこやおままごとするわけじゃない。」 「そうなんですか?」 「その後女が男をイかせるんだよ。口とか手を使って。」 「え!」 「ソープもな、ただ一緒に風呂入ってマッサージするだけじゃねえよ。」 「違うんですか?」 「店によっては本番までOKだったりするからな。」 「本番?」 「本当に客とセックスするんだよ。」 「ええっ!そ、それって売春じゃないですか!」 「そうそう。だから俺らのお仲間が摘発するわけよ。」 教えを仰ぐ学生のように真山の話に聞き入っている柴田は大きな瞳で瞬きを繰り返す。 「結局風俗ってのは全部一緒。最後は抜いてもらうのが目的なんだから。」 「抜く?」 「あー、男を気持ちよーくするのがそいつらのお仕事ってわけ。」 「そうなんですか。知りませんでした。それにしても真山さん、随分詳しいんですね。」 嫌味ではなく本当に感心している柴田の尊敬の眼差しに、後ろめたさいっぱいの真山は目を背けた。 「え?・・・・・・あ、あのな、もしお前みたいな世間知らずのお嬢ちゃんがそんな店に見学に行ってみろ。 研修だなんて言って経営者に好き放題ヤラれちゃって、一日何人も客取らされて 本番やらされて、変な病気貰って・・・警察クビだよ、クビ。」 「それは困ります。」 「わかったら変なこと考えるな。・・・な?」 諭すような真山の口調に柴田は小さく頷いた。 「じゃあ私も手とか口でします。」 導き出した柴田の答えは常人には理解できないものだった。 「何でそうなるんだよ。お前はしなくていいの。そういうのはお金貰ってるプロのおねえさんのすることだから。」 「え、でも本には「レッツトライ!」って書いてありましたよ。」 「何でもかんでもマニュアル本鵜呑みにするな。」 「でも真山さんはプロのお兄さんじゃないのにわたしのあそこ舐めるじゃないですか。」 「・・・お前ね。」 女の恥じらいを説くべきか思案に暮れる真山をよそに、柴田はさらに畳み掛ける。 「真山さんばっかりずるいですよ。私にもやらせてください。 真山さんがダメって言うなら、他の人で練習しちゃいますよ。」 「・・・わかったよ。好きにしろ。」 諦めの交じった真山のなげやりな言葉に、柴田はぱっと満面の笑みを浮かべた。 ベッドに浅く腰掛けた真山の足元に座り込んだ柴田は、 昔読んだHOW TO本に書いてあったことを必死に思い出していた。 「大体、その気になれないって言ってた女が何で積極的に舐めようとしてんだよ。」 「さ、脱いでください。」 「ムードも何もあったもんじゃねえな。」 「真山さんもそういうの気にするんですね。」 「お前、すげーむかつくんだけど。」 水槽の青白い光だけの真山の部屋は薄暗く、ぼんやりと浮かぶ真山のシルエットが動いた。 腰の下まで落しただけのスエットに、真山の抵抗が伺える。 「で、どうすればいいんですかね。」 「わからないならやるな。」 「もー。怒らないでくださいよ。じゃ、失礼します。」 柴田の手が恐る恐る真山の股間に触れる。指先の冷たさに真山は思わず腰を引いた。 「お前、手冷たいよ。」 「すいません。えーと、ソフトクリームみたいに舐め上げるって書いてあったな。あれ、どっちが上だ?」 「うっわ」 いきなり柴田の舌が真山の先端に触れた。根元に舌を這わせるとそのまま先端まで舐め上げた。 少しだけざらついた暖かい感触に真山は思わず声を上げてしまった。 「あれ?何か違いますか?」 本のみで得た知識に加え、経験豊富な男からのアドバイスが何一つない状況で 自分の行為に自信が持てない柴田は、真山の些細な反応にもいちいち手を止める。 「いや、おかしくないよ。」 「良かった。」 歯を立てないように、と言い聞かせながら奥まで咥え込み、 唇で撫でるように上下にスライドすると真山が息を呑む気配がした。 ビクビクと動いた真山の先端が柴田の上顎にこすりつけられ、柔らかい頬の肉が吸いつくように真山のものを包む。 先端の窪みに舌を這わせると真山のものを伝って唾液がこぼれ落ちそうになり、柴田が慌てたように指で拭う。 その刺激に喉の奥から呻くような声を漏らした真山を上目遣いで見つめ、根元を親指と中指で扱いた。 空いているもう一方の手で真山の内腿を撫で擦ると、口の中のものがさらに大きくなった。 先走りの苦味に驚いた柴田が思わず唇を抜くと、苦笑いの真山と目が合った。 「気持ちいいですか?」 「うん。」 嬉しそうに微笑んで唇を咬んだ柴田が正座を崩して、再び真山の脚の間に顔を埋めた。 柴田の顔に掛かる長い髪の毛をかきあげて耳にかけてやると、 いつもは白く透き通るような肌が火照って汗ばんでいることを知った。 そのまま首筋を伝い、いい加減にボタンが留められたままだったブラウスの中に真山の指が侵入する。 ブラジャー越しに柴田の胸のふくらみを確かめ、隙間から差し込んだ指で尖った胸の頂を弾いた。 捏ね回すように擦ると柴田が短くため息を吐いた。 「何で触るんですかぁ」 「ん?気持ちいいから。」 困ったような表情を浮かべた柴田の濡れた唇に魅入った真山は、 床に座っていた柴田を抱き上げ、抱き合って跨ぐ様に膝の上に座らせた。 「まだ・・・最後までさせて下さい」 「もういいよ。」 「やっぱり下手でしたか?」 表情を曇らせた柴田に唇を重ね、舌を捻じ込むと 柴田が応えるように細い腕を真山の首に巻きつけてきた。 口内を愛撫するように刺激しながらすっかりそそり立っている自身を衣類越しに柴田に押し付けると驚いたように目を見開いた。 「いれたい。」 耳朶を甘咬みされ、耳元で囁かれ、柴田は腰がぴりぴりする感覚に襲われた。 真山は柴田のブラウスをブラジャーごと剥ぎ取り、完全に露になった白い乳房に唇を寄せた。 「硬くなってる。」 尖って主張しているピンク色の小さな乳首をきゅっと摘み、爪でひっかくと柴田が身を捩った。 口に含んで舐めまわし、舌先で突き、歯で挟んで引っ張るように刺激を繰り返すと 柴田は我慢できないとばかりに胸元に埋めていた真山の頭を掻き抱いた。 膝上まで捲くれ上がったスカートの中に手を突っ込んだ真山は レースの下着の脇から指を滑り込ませ、柴田の下腹部を撫でた。 「ひゃっ」 指先で襞を掻き分けると、柴田がいやいやをするように真山の肩に顔を埋めた。 「まだ触ってないのに、すげー濡れてるよ」 蜜で溢れた中心に指を埋めると、柴田の熱い肉壁がねっとりと絡みついてきた。 「ほら。」 埋めた指を動かすと蜜が指に纏わりついて、くちゅくちゅと音を立てた。 合わさった胸と胸の間で柴田の柔らかいふくらみがつぶれている。 抱き返すと硬くなった胸の先端が擦れたのか、柴田が体を震わせた。 「まだしたくない?」 緩く曲げた指で円を描くように柴田の中を擦り、煽るように耳元で囁いた。 わざと音を立てるように大きく指を出し挿れすると、 息を漏らすように喘いでいた柴田が小さく声を上げた。 「したい・・・」 眉根を切なげに寄せて鼻にかかったような声で求めてくる姿は、 いつもの野暮な柴田からは考えられない。欲情してる女そのものだ。 柴田を抱きかかえたまま履いていたスエットを器用に脱ぎ捨てた真山は 重いウールのスカートを脱がせ、湿った下着を引き下ろし、 柴田を腿のあたりに乗せたままベッドに寝転がった。 「このまま挿れてみ」 促すように脇腹を撫で擦ると柴田が困ったように真山を見下ろす。 「この体勢でするんですか?」 頷いた真山に急かされ、柴田は仕方なく腰の位置を合わせた。 先ほどよりもさらに大きくなっている真山のものにそっと手を添えると 弄りつくされて熱く腫れあがっている襞の奥にあてがった。 恐る恐る腰を落とした柴田の内部が、真山を絡めとった。 「重くないですか?」 「身体預けろよ。」 「でも・・・」 何を遠慮しているのか腰を浮かせ気味にしている柴田の両膝を掴み、そのまま持ち上げた。 腰が沈み、身体の芯を深く突き刺されるような感覚に柴田はひっと息を呑んだ。 「何か、いつもより奥まで・・・」 「痛い?」 柴田はううん、と唸るような声で返事をして首を横に振った。 身体を下から揺すられて、繋がっている部分が疼く。 柴田は自分の腰が勝手に揺れていることに気づいて思わず赤面した。 「いい?」 羞恥心からか快楽に浸りきれない柴田を諌めるように目を細めた真山は 弾んでいる二つのふくらみを下から持ち上げるように揉みしだき、 桜色の頂点に吸いついて緩く歯を立てた。 前のめりになったせいで、柴田の膨らみきった蕾が真山の硬い肌に触れ 悲鳴のような嬌声をあげた。 「ああっ・・・ひっ・・・ん・・・」 目を閉じて切ない声を漏らし、我を忘れたように腰をくねらせ 快楽を貪る柴田はいつになく色香を纏っている。 腰が上下に動く度に繋がっている部分から蜜が溢れ、互いの太股までべっとりと汚した。 出し入れを繰り返す度に ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てているところへ手を伸ばし 濡れそぼった突起を指の腹で捏ねると、柴田の中がきゅうっと締まり、真山を苦しめた。 「まや・・・ああ・・・真山さ・・・いっちゃ・・・いそうなんですけど・・・」 もはや大きく息を吸い込んだだけでも達してしまいそうな柴田は 小さく息を吐くように懇願し、手をぎゅっと握り締めて指を絡ませてくる。 「いけよ」 両手で柴田の腰を支えると、下から激しく突き上げた。 「んぅ・・・あぁっ!」 絶頂の波に翻弄されきゅうきゅうと締めつけてくる柴田に 真山も堪えきれず限界を迎えた。 2,3度大きく突き上げると、そのままびくびくと痙攣しながらたっぷりと精液を注ぎ込んだ。 細かく身体を震わせていた柴田が絶頂の余韻に浸るように大きくため息を吐き そのまま真山の胸に倒れこんだ。 肩に頭を預け、はぁはぁと苦しそうに荒い呼吸を繰り返している柴田の唇を 咥えるように口づけると、舌が探す間もなく絡みついてきた。 まともに息が出来ずに頭がぼうっとしながらも ねちっこい真山のキスにうっとりした様子の柴田は 火照りのおさまらない頬を真山の胸にこすりつけた。 「なんか・・・腰がガクガクしてます」 絶頂の名残で感じやすくなっているのか 汗ばんだ柴田の肌を楽しむように滑る真山の指が柴田の脇腹を辿っただけでも身体が震えた。 柴田の中の真山が急速に力を失っていき、抜け落ちそうになっても 二人は折り重なったまま動かなかった。
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/23.html
ぶくぶくぶく。波風立つ内心を持て余して、柴田は浴槽に張られたお湯に鼻先まで身を沈めた。 白い湯気に霞む、見慣れない浴室。もちろん自宅のものではない。――――真山の部屋のもの、だ。 だからちょうどいい温度のお湯にゆったりと浸かっても、それがリラックスして然るべき状況であっても、柴田はどうにも落ち着かなかった。 そもそも何がどうしてどうなって、今自分は真山の部屋で風呂になど入っているのか。 驚異的な記憶力を持つ柴田にとって、そこまでの経緯を思い出すのは容易い。 継続事件の捜査で、真山を連れて山梨に出向いた。 関係者に聴き込みを続けるうちに夢中になって、定時なんてとっくに過ぎていた。 嫌々を通り過ぎて諦めの入った表情の真山と東京に戻ってきた頃には、夜もすっかり更けていた。 一旦弍係に戻ってから警視庁を出たときには、日付が変わる瀬戸際で。 「今日も1日お疲れさまでした。ええと、それではまた明日」 「……で、どうすんのお前」 「え?何がですか?」 「バス。もう走ってねーだろ」 「……あ」 「お前あれだよね。頭良いけど馬鹿。ね。馬鹿」 「どうしよう……帰れないんだ。あ、そうだ弍係に泊まろう」 「うっわぁー出たよ」 「え、何ですか」 「それでまた調書読みながら失神とかすんだろ?風呂も入らずに?」 「……いけませんか」 「あのね。気になるんだよ一緒に歩いてると。風が吹いた時とかにこう、さ。な」 「……そ、そんなこと言われたって、今日はもう帰れないんですから、」 「じゃあ、ウチ来る?」 「え?」 「貸してやるよ、風呂」 と、そのような会話が交わされて、自分は真山の部屋にやってきたのだった。 到着するなり問答無用で風呂場に押し込まれ、自分はそんなに耐え難い臭いを発していたのだろうかと首をかしげながらもとりあえず体を洗って。 髪も綺麗に洗い、浴槽に身を沈めて今に至り――――そしてようやく柴田は、現在自分が置かれている状況に戸惑いを覚えたのだ。 とにかく風呂に入らなければとそれしか考えていなかったが、このあと自分はどうすればいいのだろう。 バスもない。電車だってもうなくなる。タクシーは既に財布と相談済みで、厳しいという結論が出ている。 つまり帰る手段がない。それならば、選択肢は自ずと一つに絞られるけれど。 ……真山さんは考えてないんだろうか、その、そういうこと。私の気にしすぎか? きっとそうだ、そうに違いないと自分に言い聞かせて、柴田は自らの疑問を振り払おうと試みた。 だって、真山が自分に、なんて。そんなことがあるわけがないと思うし、真山は自分のタイプでもない。 それなのにどうにも落ち着かない、これは――――自分はドキドキしている、ということなのだろうか。 困り果てて、鼻先までお湯に浸かったまま長く息を吐き出す。 自室の質素なベッドに腰掛けて煙草を吸いながら、真山は一人ではぁとため息をついた。 耳に届くのはコポコポという金魚の水槽タンクの音と、ざぁぁというシャワーの微かな音。 後者にいろいろと想像しそうになって、寸前で自分を押し止める。 何やってんだ俺、何やってんだ俺。だってあの柴田だぞ。信じらんねぇ、あぁもう! (――――って、連れてきたのは俺だよ) ふと冷静になって、それまでの自分の思考回路に微かに笑みが込み上げた。 信じらんねぇって、それを言うなら一番信じられないのはそう思った自分自身だ。あの柴田だぞと考えた、その柴田をそういうつもりでここに連れてきた自分自身だ。 ふぅ、と煙草の煙を吐き出す。どうやら自分は自覚している以上に重症らしい。 ここしばらくの自分の葛藤なんて、柴田は知る由もないだろうが。 ……それにしても遅くねぇか、アイツ。 ふと一抹の不安が頭を過るが、いくら柴田でもこの状況で、と思い直す。 いや、もしかしたら、あの女ならあり得るか。どこでも失神する女だし。いつだったか死体発見現場で寝ていたこともあったし。 「しばたぁ?おーい柴田ー」 浴室のドアの前まで行って、声をかけてみた。応答はない。 三度目、四度目と呼び掛ける。そして五度目の呼び掛けの後に、ごぼっとむせる音とばしゃっと跳ねるような音が聞こえた。 それは真山の予想があながち間違っていなかったことを示していた。 「っは、ごほっ、ごほっ!」 「大丈夫か?」 「こほっ、え、あれっ、……あ、すいません寝てました」 ……コイツ。やっぱり追い出してやろうか。 ぶくぶくぶく。泡が弾けて消えていくのを、柴田はじっと見つめていた。 「……あのぅ、真山さん。これちょっと、スースーするんですけど」 風呂から上がってきた柴田を見て、真山は一瞬固まった。 確かに、柴田が柴田である所以でさえあるようなあの服装を変えれば、色気のなさもちょっとはどうにかなるだろうと思ってはいたが。 今柴田が身に付けているのは自分の男物のTシャツ。自分にさえ少し丈の長めなだぼっとしたデザインのものだから、柴田が着ればワンピース代わりくらいにはなるだろうという予想は外れなかった。 下着は洗うように言ったので、身に付けているのは文字通りTシャツ一枚のはずだ。それでもその状態で出てこられるところもまた、この女がこの女である所以と言っていいのかもしれない。 ともかく、そんな格好に、風呂上がりで上気した頬。濡れた髪。いつもの服を取っ払ったことで、元の良さが際立つ。 ……ちょっとはどうにかなるだろう、どころの話ではなかった。予想以上だ、想定外だ。くらりとする。 しかしそんな内心を少しも態度に出さない……とまでは言わないが、少なくとも柴田に悟られるようなことはしない。してたまるか。 彩などに言わせればただの照れ隠しなのだが、それが真山という男だ。 「真山さん、聞いてますか?スースーするんです」 「別に普通だろ。お前が普段ガッチリ着込みすぎてるだけだよ」 「そうなんでしょうか」 「そうなんですよ」 果たして下着も着けていない状態が本当に普通だと言えるのかは疑問だが、柴田が納得してくれればそれでいい。 そうして真山は、とりあえず柴田を視界から外すべく身を翻す。 「あー、じゃあ俺も風呂入ってくるわ」 「あの、私はどうしたら」 「金魚でも見とけば。あ、ドライヤーそこね」 「あ、はい。ありがとうございます」 柴田の声を背に、真山は浴室へと入っていく。 ちょっと頭、冷やすか。いや、暖めるんだけど。 普段と同じように髪を適当に乾かして、柴田は真山に言われた通り水槽の前にぺたりと座り込んでいた。 床が冷たい、やっぱりスースーする。けれど自分の赤の下着はさっき干したばかりだ。だから仕方なく、真山から借りたTシャツの裾を懸命に引き伸ばしている。 どうしても落ち着かない、むしろさっきよりそわそわしてしまう。 目の前で金魚がゆったりと泳いでいるのを見て、柴田はなんとか冷静になろうと試みる。 赤い金魚。真山さんの大切な、真山さんを長い間見てきた、金魚。 真山さんのTシャツ、少し煙草の匂いがする。真山さんの部屋、やっぱり殺風景だ。 部屋の隅の望遠鏡が忘れ去られたような佇まいでいるのは、うれしい。 真山さん。真山さん。真山さん。 (……あぁ~、だめだぁ……) どうしても止まらない思考回路は、どうしたって真山のことに行き着く。 柴田は一人でぶんぶんと頭を振った。それでも足りなくて、じたばたともがいてみた。 こんな、こんなことなら、もっと本を読んでおくんだった。こういう状況ではどういう風にしておくべきなのか、そこはノーチェックだった。 困る。本当に困る。きっともうそろそろ、真山は上がってくるのだろう。 「おい」 律儀に水槽の前に座っている後ろ姿に、声をかける。 振り向いた柴田は普段通りで、しかしどこか神妙な顔をしていた。 そして真山の姿を目に留めて慌てたようにパッと視線を逸らす。 その反応に、ようやく意識したかと真山は思う。 「早かったですね」 「まーお前とは違うからね。ほら、男だから。男」 微妙なニュアンスを含んで言ってやれば、柴田が動揺したのが手に取るようにわかった。 それが面白くて、真山は視線を落としてから声を出さずに笑う。 そして、さてどうしようか、と考える。気は短くはない方だとだと思っていたのだが、今日はどうもそういうわけにはいかないらしい。 ヤられてる。ヤられてるよ俺。まーいいけど。 「柴田」 「は、はい。何ですか」 「ちょっと煙草取って。煙草」 ベッドの上に放ってある煙草とライターを顎で指し示した。 「……自分で取ってくださいよ」と答えるのに「何?追い出されてみる?」とおどけて返せば、柴田は何かぶつぶつ言いながらも渋々立ち上がった。 その背中に、一気に距離を詰めて。煙草に伸ばされた腕、その細い手首を掴む。 驚きに見開かれた瞳が、真山を映す。 「やっぱいいわ。自分で取る」 「……真山さん」 「何」 「あの、この手は、何なんでしょうか……」 「さぁ。何なんだろうねぇ」 目が合ったので、ん?と眉を上げて見せた。柴田がこの仕草を好ましく思っていることは何となく知っていた。 握った手首が、もはや全身が硬直しているのがわかる。面白い。最高に面白い。 だから胸の内からじわじわと湧いてくるこれは、苛虐心。 真山は手首を掴むのと逆の手で柴田の顎を持ち上げると、その唇に噛み付くようにキスをした。 柴田が驚いて身を引こうとするのを、後頭部に手を添えてそれ以上の力で引き寄せた。 口内を舐め回し、貪るようにすれば、柴田から鼻にかかったような声が漏れた。 免疫がないからか、すぐにかくんと膝が折れる。そんな柴田を受け止めるように、ベッドが待っている。 柴田がベッドに腰掛けた形になったのを、キスで翻弄しながらそのままゆっくり押し倒した。 舌を吸って、力が抜けたのを見計らって唇を移動させていく。 首筋。改めて見ると、病的に白い。つーっと舌を這わせて、耳朶をやんわりと噛めば、柴田がびくりと震える。へぇ、耳ね。 「……やっちゃうよ?」 Tシャツの裾に手をかけたところで、言外にいいのかと尋ねた。 ぎゅっと目を閉じていた柴田は恐る恐る目を開いて真山を見る。 短い沈黙。やがて柴田が、小さな声で言う。 「……真山さんは、」 「ん?」 「私のこと、愛してるんですか?」 「……は?」 「これは、純愛ですか?」 至極真剣な柴田に、真山は返す言葉を失った。 それはこの行為がいい加減な気持ちによるものだからというわけではなく、正直に答えるとどうやっても恥ずかしいことになると思ったからで。 そんな真山を、柴田はじっと見つめていた。祈るような気持ちだった。 入浴中に真山は自分のタイプではないと考えたことなど、もはやどこかに消し飛んでしまっている。 ただ、目の前のこのひとが、今の自分と同じ気持ちでいてくれたらいいと。 「……冗談でお前に手出すとかね、怖くてできねぇよ」 「怖い?」 「だってお前呪いそうだもん。実は出来るだろ?」 「……ひどい。私真剣なのに」 「俺も真剣だよ」 「……これが冗談だったら、ほんとに呪いますよ?」 「へぇ。じゃあ俺は、大丈夫だ」 真山なりの極限の迂回路だったが、柴田にはその意味が通じた。 固かったその表情が、ふわりと和らぐ。そうしてふふっと微笑う。穏やかに、うれしそうに。 「それなら、いいです」 本当に、うれしそうに微笑うから。自分の言葉で、そんな風に微笑うから。 馬鹿だねお前、と思う。その裏にあるのはもちろん侮蔑ではなく、いとおしさで。 真山はそのことに気付いているから、いや馬鹿は俺か、とも思う。 ……結局は何でもいい。もう思考など必要なくなるのだから。 「……じゃあ、遠慮なく」 Tシャツ一枚というのは、それを捲り上げれば済むので非常に楽だ。 柴田はその事実を忘れており、捲られた瞬間に小さく声を上げたが、真山はそれに構わず胸の頂を口に含んだ。 もう片方の胸は、手全体でやわやわと捏ね回す。 そのうちに手のひらに固い感触を感じるようになり、真山がそこを指できゅっと摘まむと、柴田が甘い声を上げた。 「……柴田。口押さえるんじゃないよ」 「だっ、て……今なんか、変な声が」 「普通だよ普通。気持ちいい時に出んの。な」 「……あぁ、今のが喘ぎ声か。勝手に出るものなんですね……なるほど」 真山はため息をつきたくなったが、考えないことにして行為を再開する。 柴田の肌はどこもかしこも白く、滑らかだった。 手を這わせているだけで気持ちいい。どこか倒錯的でもある。 吸い寄せられるようにして、真山は片手で柴田の身体のラインをたどりながら、もう片方の手と舌で胸を執拗に愛撫する。 だんだんと柴田の息が上がってくる。その様子を見て、真山は小さく笑う。 その気配に、柴田は羞恥でいっぱいになった。しかしそれも、すぐに吹き飛んだ。 何、これ。何も考えられない。熱い。 真山さん、真山さん。 嬌声混じりに何度も呼びながら、柴田はただ没頭していくだけだ。 真山の指が足の付け根に触れたとき、柴田は跳び上がった。 「ま、真山さん、やっ……」 「や、じゃねぇよ」 くちゅ。入り口を探ると聞こえた音に、柴田はひっと声を上げる。 真山はゆっくりゆっくりと、中指を沈めていった。控えめに動かしていたのを、徐々に掻き回す動きに変えていく。引っ掻くようにしてやれば、柴田がビクビクと震えた。 濡れた音が大きくなる。わざと大きくなるなるように、二本に増えた真山の指が柴田の中を蹂躙する。 柴田はもはや、声を上げ続けるしかできない。体も完全にくったりとしている。 やがて真山が指を抜いた。 「柴田ー力抜いとけよー」 「んん……? っ、あ!?」 ゆっくりとだが、真山の先端が柴田の中に挿入された。 突然のことに、柴田の体が一気に緊張する。 真山は増した抵抗感に、そしてそれすら刺激に繋がることに眉を寄せた。 「柴田、力抜けって」 「む、無理です」 「深呼吸してみろ。ほら」 そう促すも、呼吸音が完全にひきつっている。 目を見開いて、ひい、ひいと苦しげに息をする柴田に、真山は思わず苦笑した。 まぁ、予想していなくもなかったが。 「お前さ、本読んでんだろ」 「ほ、本……?」 「こういうときのための本。カバンに入ってんじゃん」 「……!!覗き見たんですか!?」 「はぁ!?何で俺がお前のカバンに覗くんだよ、お前がいつもカバンの中身ポイポイ散らかすんだろーがこの馬鹿!」 思わずいつものようにべしっと叩くと、すいません、と柴田が小さくなった。 それでリラックスしたのか、身体の力が抜けたので、真山はすかさず腰を沈めた。 「あっ、まやまさ、」 「大丈夫だから」 そう言って、口付けて。柴田の意識をこっちに向けさせるように、舌を絡める。 柴田の身体が徐々に弛緩していく。口付けたままで、真山は更に深くまで侵入する。 中の熱に、浮かされるように。柴田を酔わせるように。深く、深く。 ひたすらに流されて、呑まれて、もう何がなんだかわからない。 自分の上げる声はもはや泣き声のようになってしまっているが、止めることができない。 痛みはなくなった。熱い。何これ。もう何もわからない。 ただ真山を求めて手を伸ばして、その背中にぎゅうとしがみついて、与えられる振動にされるがままに身を委ねる。 真山さん。真山さん。声になっているかはわからないが、何度も何度も、呼ぶ。 「あっ、あ、あ、んっ」 規則的な柴田の嬌声を耳にしながら、真山も小さく呻き声を上げた。 そろそろか、と腰の動きを速める。 すっかり官能の色に染まっている柴田の様子を窺いながら、登り詰めていく。 そうしてやがて、柴田が一際高い声を上げて。その締め付けに、真山も果てた。 真山がはぁはぁと荒い呼吸を整えようと努めながら柴田を見ると、柴田はそのまま眠りに落ちていた。 あぁ、こういうのが柴田だ。 そう思って少し笑ってから、汗ばんだ柴田の頭を一撫ですると、真山もその隣に身体を横たえたのだった。 「……真山さん?」 「ん」 「くっついてもいいですか?」 「どーぞ」 そう答えれば、布団の中で柴田がひかえめに胸に摺り寄ってくる。 単純に触れ合う面積が増えて、温もりが増して。 それに不意に安心感を覚えた自分に、真山は内心驚いた。 こんな風に感じる相手は、今までにいただろうか。過去にはあまり興味がないので、よく思い出せないけれど。 自分はこの女の隣で安らかな眠りを知るのかと、そんな予感がした。 「真山さん」 「何」 「……手、繋いでもいいですか?」 「……ん。ほら」 普段ならかわしているところかもしれなかったが、思いがけない安らぎが、真山の手を動かした。 指と指を絡めて、ぎゅうと握ってやる。柴田が、安心します、と言って小さく微笑ったので、真山は更に手に力を込める。 この手を離すまいと、そう思ったのは魔が差したからだと自分に言い訳をしつつも。 「真山さん」 「何、まだ何かあんの?」 「はい。……素敵ですね、こういうの。知らなかったです」 微笑みを浮かべたまま、しかし真剣な口調で柴田が言い放った言葉に、真山は笑った。 何で笑うんですか、という抗議の声が聞こえたが、それでも笑みは収まらなかった。 可笑しいのか、楽しいのか。はたまたうれしいのか、真山はその理由を敢えて考えようとはしなかった。 そして、柴田も。顔をくしゃくしゃにして笑う、その時の真山がとてもいとしくて、そのことをいつか伝えよう、と思った。 そうして二人はまた、眠りに落ちていく。
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/10.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/19.html
137 :名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 23 14 44 ID mYvQJf2H やっぱ真山さんってセックル上手いのか? 138 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01 49 06 ID bg+ne8jY 柴田「真山さんって意外と…下手なんです」 彩「マジで!?ほんまに??」 真山「しーぃばたぁー!?」 みたいな弐係を想像したじゃねーか 139 :名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 02 05 02 ID XHpy2p6L 柴田 「真山さん、もっと。もう一回してください。」 真山 「待った。ちょっと休ませて…(ゼエゼエ)」 柴田 「もー。おじさんみたいですよ。」 真山 「(ムカッ)お前もちょっとは動けよ、マグロ女!」 柴田 「いててっ。私は魚じゃありません。」
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/16.html
「彩さぁぁん!!」 おはようさん、と弐係に足を踏み入れた瞬間に柴田が泣きついてきたものだから、彩は危うく抱えていた書類を取り落とすところだった。 「わっ、ちょっ、危ないやろ柴田!」 「だって、だって、聞いてくださいよ彩さん~……」 「はいはい、どないしたの。また真山さんにいじめられたん?」 ぐすぐすとべそをかく柴田がコクンと頷く、その後ろでは近藤や遠山らが助けを求めてすがるような視線を彩に送っていた。 一人真山だけが、そっぽを向いて知らん顔である。 その状況を即座に読み取った彩は、小くため息をついた。 柴田を宥めるのはやっぱりあたしの役目なんかい、ホンマに役に立たへん男共やな。 そんなことを考えながらもしかし、実のところ彩もまんざらではない。 今自分に泣きついているこの女は、年上であるにも関わらず、どこか保護欲のようなものを生じさせる性質なのだ。 「あーよしよし、可哀想になぁ。真山さんに何言われたのよ」 「さ、さっき、事件のことで女性の方が相談にいらっしゃったんです。その方が私と同じ年齢で、綺麗な方で、」 「うんうん」 「その方が帰ったあとに、私、綺麗な方でしたねー憧れちゃいますって言ったんです。そしたら真山さんが、」 「あー無理無理。お前は一生あんな風にはなれねーよ。夢見るのもほどほどにして、現実見たら? な」 唐突に口を挟んできた真山の方を見れば、彼は何食わぬ顔でスポーツ新聞に視線を落としたままだった。 それと対照的に、「……また言ったぁ~……」と呟いた柴田の瞳には再び涙が溜まっていく。 その様子に、彩は今度こそ大きくため息を吐き出す。 「真山さん、あんまり柴田いじめんといてよ。泣いてるやん」 「だってさ、ほんとに全然違うんだよ?さっきの人とコイツ」 「何がよ」 「ん?さっきの人、綺麗清潔礼儀正しい常識ありそう。あぁ、色気もあったな。 でコイツ、風呂入らない頭臭い化粧っけもない、オマケにいろいろ変。 ほら、全然違うじゃん。な?無理だよ」 「……別に、私がどう思おうと真山さんには関係ないじゃないですか」 「そりゃあ思ってるだけならな。でも目の前でいけしゃあしゃあと言われると、なんか腹立つんだよね」 「……彩さーん……」 「あー柴田よしよし、もー真山さん!」 なんでこうも素直になれないのだろう、この男は。好きな子いじめるガキかいな。 それが正直な感想だが、そのまま口に出すと真山に撃たれかねないので彩は口をつぐむ。 代わりに、ぐすっと鼻をすする柴田の顔を、子供にしてやるようにして覗き込んだ。 「アンタももう泣かんのよ、ほら」 「彩さん、私悔しい……」 「そーやなぁ……あ、したらあたしがキッチリ化粧したるわ」 「え?でも私お化粧はもうしてますけど」 「えっ?そーなの!?お前が!?」 「社会人としての身だしなみです!真山さん失礼です」 「はっ、どの口が『身だしなみ』なんて言うわけ?」 「もー柴田も真山さんも黙り!柴田のメイクは、ホンマに必要最低限だけやろ。そんなんやったらしててもしてなくても変わらへんわ」 「……」 「せやからあたしがちゃんとしてあげる。柴田はよく見たら元がええから、絶対可愛くなるで。な、そーしよ?」 「いいんですか?」 「そら、係長にいつまでも泣かれても困るしな。ほなそこ座り」 「彩さん……ありがとうございます……!」 そうして柴田の濡れた瞳が感動に彩られていくのを見ながら、ホンマにこの子は手ぇ掛かるなぁ、とどこか姉のような気持ちすら抱き。 彩は自分のバックから、使い慣れた化粧ポーチを取り出したのだった。 * * * 「ほら、どーよ!」 数十分後。 彩にずいっと押し出される形になった柴田は多少困惑顔だが、その顔にはきっちりとメイクが施されていた。 澄んだ強い瞳はアイラインの効果でさらに大きく見え、元々長い睫毛は更に1.5倍ほどの長さになっていて。 オレンジのチークのおかげでいつもよりずっと健康的な雰囲気になり、そしてなにより、唇にのったグロスが、妙に妖艶な輝きを放っていた。 普段のままの服装はともかくとしても、街ですれ違えば思わず振り返りたくなってしまうような美人だ。 近藤や遠山らから、思わず感嘆のため息が漏れる。 「うわー……すごく綺麗ですよ、柴田さん」 「ホンマにこれが、あの東大ちゃんかいな……」 「せやろー?この彩さまにかかればこんなん朝飯前よ!」 「あのぅ……私まだ、自分がどうなってるのかわかってないんですけど。鏡、貸してもらえませんか?」 「もー、鏡くらい自分で持っとき。ほら」 「ありがとうございます。……うわ」 手鏡に映った自分を見て、柴田はぱちぱちと瞬きをした。 そしていろんな角度から自分の顔を興味深げに眺め始める。 「え、すごーい、彩さん、すごいです!プロですね!」 「ふふん、せやろ。ホンマにかわええわ~柴田。な、真山さん?」 話を振られた真山は、しかし先程から柴田を凝視したまま微動だにしない。 「真山さん?聞いてんの?」 「……はは、これ、柴田?嘘だろ、うわ、気持ち悪ぃ」 「ちょっ、気持ち悪いって何ですかー!?せっかく彩さんが可愛くしてくれたのに、」 「やめて、顔近づけないで!来ないで!来ないで!」 「何でですか、え、真山さん?」 「こえー!女ってこえー!!」 「……真山さん、変ですよ?」 「あかん、許容範囲越えてもうてるわ……」 * * * 私は何か変なんだろうか。 定時も過ぎて皆が出払ってしまった弐係で、柴田は一人、不意に調書を読む手を止めて思った。 行動は完全にいつもの柴田だが、顔に施されたメイクは今朝のままである。 あの時鏡に映った自分は、自分で思うのも難だが、今まで見たこともないくらいに綺麗だった。 これで私も大人の女性の仲間入りだと、そう思ったのに。 それなのに真山の反応ときたら全く要領を得ず、柴田は未だに首をかしげるしかできない。 「気持ち悪いって言ったっけ……何が?んー……やっぱりお風呂入ってないのが悪かったのかなぁ。ここ数日忙しかったから仕方ないか」 そう無意識のうちにぶつぶつ呟いていると、背後から足音が聞こえた。 反射的に振り向くと、そこには真山の姿があった。 「あれ、真山さん。もう帰ったのかと思ってました」 「うん俺もね、帰りてぇよ。でもどっかの係長がさぁ、関係者の証言取ってきて報告するように命令しやがったから?」 「あ、そっか私が言ったのか。すいません、忘れてました」 「はぁ!?何だよお前ほんともう、どーでもいいことは怖いくらい憶えてるくせに!ちくしょー!」 「そんなに怒らないでくださいよ~。真山さん、今朝から何か変ですよ?」 真山は柴田の言葉を無視して自分のデスクに腰を下ろすと、一服し始めた。 柴田はその様子に返事を期待しても無駄だと悟ったのか、再び調書へと視線を落とした。 とたんに、弐係を沈黙が支配する。 途中「そういえば、関係者の証言はどうだったんですか」「変化なし。相変わらず調書と相違も矛盾もねぇよ」などといった会話を交わしたが、それ以外は時計の秒針と柴田が調書を捲る音が耳に届くだけだった。 やがて、煙草を指先で遊ばせる真山が思い出したように口を開くまでは。 「お前、まだ落としてねぇの」 「はい?何をですか?」 「化粧。落として寝ないとね、肌荒れるぞ」 「あぁ、大丈夫です。これ読み終わってからちゃんと落とします」 「そんなこと言って、絶対それ読んでる最中に失神とかしてんだろ。な。いい加減パターンなんだよ」 「やめてくださいよ、人をどこでも失神する女みたいに」 「あれ、自覚なし?うわー信じらんねぇ」 「……真山さん、うるさいです」 「……つーかさ、」 「何ですか」 「お前もさ、何も泣くことねーじゃん」 「……真山さんが、散々言うからじゃないですか」 「でもさー、普通泣かないでしょ。部下にちょっと言われたくらいで」 「っ、もうさっきから何ですか真山さん!仕方ないじゃないですか、悔しかったんです!悲しかったんです!」 張り合うつもりなんて毛頭なかったにも関わらず、勝手に美人と比べられて。 せっかく綺麗にお化粧してもらっても、まともに反応してもらえない。 その上に意図のわからない小言のようなことを言われて、柴田は思わず声を荒げた。 そうか、自分は悲しいのだ。 感情の機微に疎い柴田は、その悲しさが相手が真山であることに大きく起因していることに気付くことはないのだが。 柴田にキッと睨まれても、真山は表情ひとつ変えない。 むしろ冷静な目で向かいのデスクの女を観察した。 華やかに色付いた目元。艶やかに強調された唇。……くそ、落ち着かねぇ。 けれどもこの微かな苛立ちの原因は一体何なのか、真山はそれを考えようとは決してしない。 ただ、目の前のこの女に精神面でも振り回されそうになることが堪らなく癪にさわるのは確かだった。 「……それ、取ったら。化粧。柴田に見えないからさ」 「なん、」 「あ、取ってやろうか?」 わけのわからない、わかりたくない苛立ちを押し込めて、真山は『攻撃は最大の防御』を実践すべく煙草を灰皿に押し付けて立ち上がった。 あっという間に机を回り込んで、デスクのチェアに座ったままの柴田の顎をくいっと引き上げて。 そうしてそのまま、その色付いた唇に自分のそれを重ねた。 「っ、ん、んんー!?」 柴田が困惑した声を上げたが、真山はお構いなしにその口内に割って入る。 逃げる舌を探り当て、絡めとり、吸い出して。 自分の唇で柴田の唇を拭うようにもしながら、何度も角度を変えて味わう。 柴田は徐々に頭の芯がぼうっとしてくるのを感じる。 力が入らなくなってきて、チェアからずり落ちそうになれば、それでもまだ逃がすつもりはないと言わんばかりに真山に身体を抱き込まれた。 「……んっ……ふぅ……」 困惑の声が、次第に違う色を帯びてくる。 それを聴いて、真山はうっすらと開いた目を愉快そうに細めた。 そうして完全にくったりとなって自分に身を預けた柴田に満足したのか、仕上げにその唇を舐めあげてから、真山は柴田を解放した。 ずるずるとデスクに崩れ落ちた柴田は、肩で息をしながら涙目で真山を見上げて睨んだ。 グロスが剥がれ、代わりに唾液で濡れて光っている柴田の唇を見て、真山はクッと笑った。 「はい、取れた」 「……っも、真山、さん!」 「息上がってますよー係長。それじゃあ報告もしたり煙草も吸ったし、俺は帰りますかね」 「え、嘘ちょっと、」 「お先失礼しまーす、お疲れさまっしたー」 「真山さん!」 飄々と去っていく背中を追いかけたくても、まだ力が入らなくて立ち上がれもしない。 結局一人弐係に残されて、柴田は未だに整わない呼吸と共に呆然とするのだった。 * * * 「あー柴田、オハヨ」 「あ、彩さん。おはようございます」 「あれ、アンタまたいつも通りやん。何でメイクしてへんの、昨日教えたやろ?」 「いや、えっと……やっぱりこれでいいかなって」 「えー何で?せっかく可愛かったのに勿体無いやん」 「いえ、いいんです、私これで十分なんです」 「……?」 昨日と一変して頑なな、何故か恥ずかしそうでどこか焦ったような柴田に、彩は怪訝な顔をした。 しかしふと弐係を見回すと、鼻歌を漏らしながらスポーツ紙を読む妙に上機嫌な真山の姿が目に入って、あぁ、と納得した。 何があったのかはわからないが、確実に、何かがあったんだろう。 (……アホらし) 妙な脱力感を覚えて、彩は自分のデスクに腰を下ろすのだった。
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/7.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/22.html
「しーばたぁー?」 弐係の薄暗いオフィスで真山が柴田を呼ぶ。返事はない。 溜め息をひとつ漏らし、またか。と小声でつぶやいた真山が、煙草をふかしながら調書が並ぶ棚を奥へと進んだ。 そこにしゃがみ込む柴田の姿が見える。 「おい柴田ー?」 もう一度呼ぶ。しかしまたも返事はない。 顔をしかめた真山は少し苛立ちの交った声で更に呼ぶ。 「柴田ー。」 「あ、真山さん。どうしたんですか?」 ようやく気付いた柴田は何食わぬ顔で真山を見上げた。 「どうしたんですかじゃないよ。お前さ、わかってんの?ねぇ。」 明らかにわかっていない柴田の顔を見た真山は、煙草を消して顔をしかめた。 「お前さー、今何時だと思ってんの?」 真山の問い掛けに腕時計を見た柴田は、呆気らかんとして答えた。 「12時ですが…何か問題でもあるんでしょうか。」 そんな柴田の態度に、真山は苛立ちを隠せなかったが、どうせこうなると、どこかでわかっていた自分がいた…そう考えると力が抜け、苦笑いがこぼれ落ちる。 しかしながら、譲れないことがひとつあった。 「お前さ、昨日もここで調書読み明かしたろ。」 「なんでわかったんですかー?真山さんすごいですー。」 いつも通りの柴田の答えに幾分落ち着いて来た真山だったが、冷静な口調で言い放った。 「たぶんおとといも。その前も?わかるよ。だって服3日くらい変わってないし?そんで、頭臭いし。」 「だって、調書読んでたらいつの間にか朝なんですよー。」 バシッ。 いつものように柴田の頭を叩く。「お前女としての自覚あんの!?なぁ。どうせ今日もここに泊まるんだろ。だったらお前さ、今すぐ署内のシャワー室借りてシャワーだけでも浴びて来い!」 そう言ってまた柴田の頭を叩く。 「いたっ!真山さん痛いですよー。」 「わかったから早く行けよ!」 「もー…」 少し膨れた様子で頭を抑えぶつぶつ言いながら、柴田は弐係を出て行く。 出て行く柴田の背中を見つめながら自分のデスクに腰かけ、煙草をふかしながら真山は考え込んだ。 今日は柴田が目を付けた継続事件の捜査に遅くまで付き合わされた。帰ろうと思えば帰れたのに結局最後まで付き合ってしまった。終電には間に合わない。どこかでこうなることがわかってたはずだ。あの柴田だぞ? そう考えながら2本目の煙草に火をつけた。あの女が隣にいることが最近じゃ当たり前だ。それに少なからず安らぎめいたものを感じてる自分…。真山は煙草を加えたまま小さく笑った。何かが吹っ切れたみたいだった。 「真山さぁーん。シャワーしてきましたー。」 柴田が弐係に戻って来る。 「そういえば真山さん、帰らないんですか?」 柴田が髪を掻き交ぜながら聞いた。真山は立ち上がり煙草を消した。少し歩くと調書の棚によっ掛かる。 「お前がさー、捜査に付き合わせるから終電逃したんだけど。」 「あ!そういえばもうこんな時間でしたね。」 笑いながら言う柴田に、真山は冷静に言い放った。 「責任取ってもらわないとなー。どうしてくれんだよ。」 「あ、じゃあご飯おごりますよー!」と言って柴田はポケットを探る。手の平には100円玉が3つ。「あれー。」 おどけた様子で真山を見上げる。真山は片方の眉を上げ、柴田を睨む。 「だって、私あんまりお金持ち歩かないんですよ。そんなに怒らないで下さいよ真山さーん。明日から3日ご飯おごります!」 「だめ。許さない。無理。」 「じゃぁどうすればいいんですかー!」 また少し膨れた柴田を睨みながら真山がゆっくりと近づく。 「わかんないの?」 「わかりませんよ。」 きっぱりと言い放つ柴田。 そんな柴田に近づき、壁に追い詰めた。 「頭の…悪い、女だねぇ」 柴田の瞳をしっかりと捕えてそう言った真山は、ゆっくりと柴田に唇を重ねた。 触れるだけの軽い行為。驚いた柴田は瞬きも忘れ、真っ直ぐに真山を見上げていた。 「何してるんですか。」 相変わらず瞬きひとつしない。真山は少し笑った。 「柴田、お前さ、なんで今まで事あるごとに俺を守ろうとした?自分が撃たれてまでさー。ねぇ。なんで?普通する?そこまでさ」 意外な質問に、柴田はようやく瞬きをする。 「なんでと聞かれましても…」 そう言いながら真山から目をそらし、頬を赤らめた。 そんな柴田を見て、真山は優しく微笑んだ。 「それでいいよ。もうわかった。俺もお前と同じ気持ちだ。」 そう言うと、柴田を抱えてソファーにゆっくり寝かす。 今度は深く、柴田と唇を交わす。ゆっくりと舌を絡めながら真山は柴田のブラウスに手をかけた。 「柴田、ちょっと背中上げて。」 「…こうですか。」 少しできたソファーとの隙間。真山は起用にブラのホックを外す。「ひゃっ」と悲鳴に近い声をあげる柴田。 真山は間をあけずに柴田の胸の突起を口に含み舌で転がした。もう片方の手でゆっくりと体のラインをなぞった。次第に柴田の口から甘い声が漏れ出す。 「真山さん…」 「なに。」 「なんか…なんか、変な感じです…」 「それでいいの。その変な感じが気持ちいいってことなの、な。わかる?」 「あ…はい…。なるほど…」 真山は苦笑いをこぼし、行為を続けた。段々と熱くなる柴田の身体。重そうな長いスカートをめくり上げ赤いパンティを躊躇なく脱がした。 「そんなに見ないでくださぃー…」 柴田は恥ずかしそうに顔を背けた。 「見えねぇよ。ほら、暗いから。な。」 くちゅっと卑猥な音をたてながら真山の中指が柴田の中にゆっくりと入れられた。 慣らすように優しく出し入れすると、苦悶に満ちた柴田の表情が変わり始める。同時に親指では膨らんだ蕾をこねる。 一層甘い声を漏らす柴田。ドクドクと溢れ出す甘い液体を指で感じながら真山はYシャツを脱ぎ捨てた。 そして柴田の入り口に自身を宛てがう。 「柴田ー、力抜け」 「無理です」 真山は少し笑って小さく溜め息をついた。 「柴田、お前さー、よく未来の旦那様…とか言うけど、どんな人がいいの。」 「…真山さんがいいです。」 意外と真剣な答えに、呆気にとられた真山は、動揺を隠すように続ける。 「俺はお前みたいな頭の臭い女は御免だね。毎日風呂に入るって約束しろ、だったら結婚してやってもいいよ。」 「毎日か…せめて一日おきに…」 とか色々ぶつぶつ言いながらすっかりリラックスしている柴田を真山は見逃さない。隙をついて一気に自身を沈めた。 「あっ・・!真山さ・・」 あまりの衝撃に驚いた柴田に、「いいから。大丈夫だから力抜け。な」 真山はそう答える。 柴田は素直に身体の力を抜き 「・・はい。」 と返事を返した。 そして真山はゆっくりと動き出した。苦しそうにしていた柴田が次第に甘い声を漏らす。 それを見計らった真山が段々と動きを早めた。 「ぁ・・あっ・・ん…真山さ・・真山さん……」 何度も、何度も自分の名前を呼ぶこの女。 「…柴田…」 無意識に、自分も柴田の名前を呼んでいた。 柴田が一層高く甘い声を漏らす。そして柴田の締め付けが一層強くなった。 それを合図に真山も低い呻きを上げ、同時に達した。 ハァハァと息を切らしながらふと柴田をみると、達するのと同時に意識を手放したのが見て取れた。 真山は片方の眉を吊り上げて少し笑い、柴田にそっと毛布をかけた。 そして煙草に手を伸ばすのだった…
https://w.atwiki.jp/keizoku_eroparo/pages/5.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。