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登録日:2024/01/19 (金) 00 40 03 更新日:2024/06/02 Sun 20 41 50NEW! 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 2007年 B級映画 R15+ THE END アクション イーライ・ロス エドガー・ライト エル・パソ オムニバス カーアクション カート・ラッセル キネマ旬報 クエンティン・タランティーノ グラインドハウス コンボイ サイコ サンクスギビング サンゲリア ジェイソン・アイズナー ジョシュ・ブローリン スプラッター スプラッター映画 ゾンビ ゾーイ・ベル ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー テキサス テネシー テネシー州 デス・プルーフ ナイトメア・シティ バイオレンス バニシング・ポイント ビッチ ビッチ萌え ファスター・プシィキャット!キル!キル! フェイク予告 フルボッコ ブラックユーモア ブルース・ウィリス プラネット・テラー ホラー ホーボー・ウィズ・ショットガン マイケル・ビーン マチェーテ マッドマックス ロザリオ・ドーソン ロバート・ロドリゲス ロブ・ゾンビ ローズ・マッゴーワン ローリング・サンダー 一転攻勢 切株映画 吹替のレベルが異様に高い 影なき淫獣 怪作 愛すべきバカ達 才能の無駄遣い 映画 映画秘宝 無駄な才能 無駄に手の込んだ演出 無駄話 無駄話耐久レース 片脚マシンガール 痛快娯楽作品 神作 神映画 神映画? 笑撃のラスト 耐死仕様 豪華俳優陣 豪華声優陣 金玉 黒塗りの改造車 これが本当の“オンナの武器” ドレスコードは、スリルとスピード 概要 『グラインドハウス』(原題:Grindhouse)は、2007年4月6日にアメリカで公開されたオムニバス映画。 日本では、同年8月24日から31日までの8日間限定でTOHOシネマズ 六本木ヒルズとTOHOシネマズ なんばの2館で公開。 その後、分割版の『デス・プルーフ in グラインドハウス』(原題:Death Proof)が9月1日に、『プラネット・テラー in グラインドハウス』(原題:Planet Terror)が9月22日に公開された。 ちなみに北米以外で公開された分割版には本家でカットされていたシーンが加えられている。 カーアクション映画(*1)『デス・プルーフ』の監督はクエンティン・タランティーノ。 ゾンビ映画『プラネット・テラー』の監督は、ロバート・ロドリゲス。 『デス・プルーフ』は作中の大部分が女の子たちの無駄話で構成されている。 タランティーノ映画に慣れてない方には難易度が高めかもしれないが、それだけにラスト20分の壮絶カーチェイスのカタルシスは爽快そのもの。 また、足フェチで有名なタランティーノ自身が撮影も担当しているだけあって、やたら足やお尻を強調したショットが出てくる。 『プラネット・テラー』はグチャドロのゾンビに加え、登場人物変人ぞろいの痛快ホラーコメディとなっている。 二人がこの企画を思いついたのは、2003年にタランティーノの自宅で予告編を挟んだ2本立て上映会を開いた時のこと。 両者が持っていた『Dragstrip Girl』と『Rock All Night』という映画の2本立て興業のポスターの話題で盛り上がっていると、ロドリゲスがゾンビ映画を撮りたい旨を話した。 曰く、『パラサイト』の製作中にそのアイデアが浮かんだが、当時ゾンビ映画が下火となっており、どこにその企画を持って行けばわからないまま宙ぶらりんになっていた。 その後ゾンビ映画ブームが起こったことから、この企画を掘り起こすことを決めたのだという。 「せっかくだから2人で2本立てやろうぜェ……」 「いいぜェ……名前は『グラインドハウス』だ!」 グラインドハウス(*2)とは、お色気やバイオレンスなどを売りにしたB級映画の2・3本立てを流す場末の映画館のこと。 第二次世界大戦後のベビーブームで、中流階級が広い土地や一戸建ての家を求めて郊外の住宅地に移動したことにより、都市中心部は貧困層が取り残された。 そこにあった映画館はグラインドハウス化し、流す映画は評論家に相手にされないレベル。フィルムは20本程度しかプリントされず、各地で使いまわされるためにボロボロ。 客層もお察しで、中にはハッテン場になっているような映画館も…… そういう所に、若い頃のタランティーノは通い詰めていたのである。 しかし上映されるのは独立系の小規模プロダクションの映画だったために「ヘイズ・コード」と呼ばれる表現規制に縛られず、そこから多くの名優や映画監督が育っていった。(*3) グラインドハウスは60年代後半~70年代に隆盛を極め、レンタルビデオの普及や街の再開発で姿を消していった存在だが、本作は当時の熱気と興奮を現代に蘇らせるべく作られた。 そのため、映像が傷だらけになったり、赤っぽく褪色したり、場面が飛んだりなどもわざわざデジタル技術を使って忠実に再現している。 さらにイーライ・ロス(*4)、ロブ・ゾンビ、エドガー・ライトといった有名監督を起用したフェイク予告に、架空のレストランのCM(*5)まで混ぜるという凝りようである。 ……ちなみにロドリゲスは、B級テイストな作風と裏腹に育ちがいいためにその手の映画を観てこなかったので、タランティーノに教えてもらったらしい。 撮影開始から1年。「各々60分ほどの作品を併せて公開」だったはずが結局90分以上にオーバー。 フェイク予告も入れると上映時間は3時間以上…… 加えて、コンセプトがあまりにもニッチすぎたせいか、初登場4位というまさかの結果に。(*6) 3週目には早々にトップ10から姿を消し、各地の劇場で次々と打ち切られていった。 そのため、カンヌ国際映画祭では『デス・プルーフ』のみ出品、以降海外はもとより全米での2次興行もバラ売りに。 つまり、日本で本来の『グラインドハウス』を劇場で観れた方は、非常に幸運と言える。 何たって、当時の映画館の文化や経験をそのまま伝えるというコンセプト上、劇場で観た方がいい作品なのだから。 あらすじ ※『ホーボー・ウィズ・ショットガン』以外、実際に上映された順に並べています 予告 マチェーテ 監督:ロバート・ロドリゲス 「神は慈悲深い。俺は違う」 「悪党を殺すためマチェーテを雇うなら、注意するがいい。自分が悪党にならないように……」 ロドリゲス作品でおなじみの悪役俳優ダニー・トレホ主演で贈る、バイオレンスアクション映画。 主人公の名前は『スパイキッズ』のマチェッティおじさんと同じである。 脚本そのものは1993年に書かれており、本作公開から3年後の2010年に映画化。 続編として『マチェーテ・キルズ』も制作されている。 プラネット・テラー 監督:ロバート・ロドリゲス テキサス州の軍事基地。 そこでは、マルドゥーン中尉と、科学者のアビーとの間で取引が行われようとしていた。 だが交渉は決裂。銃撃戦の果てに、細菌兵器DC2(コードネーム「プロジェクト・テラー」)のガスが噴き出した。 おかげで街の病院は原因不明の体調悪化に見舞われた患者で溢れかえり、次々とゾンビに変異していく。 一方、ナイトクラブを退職したダンサーのチェリーは、元カレのエル・レイと再会するも、ドライブの最中にゾンビに襲われ右脚を食いちぎられてしまう。 絶望に打ちひしがれる彼女だったが、レイから椅子の足を装着され、病院を脱出。 かくして、ゾンビ軍団との生き残りをかけた壮絶な戦いが始まった……! 予告 ナチ親衛隊の狼女 監督:ロブ・ゾンビ グラインドハウス全盛期のみに存在したジャンル、ナチ拷問映画を蘇らせたホラー映画。 出演者がやたら豪華で、将校役はドイツの怪優ウド・キアー、女拷問人は女囚映画『チェーンヒート』のシビル・ダニング、そしてフー・マンチュー(*7)役は何とニコラス・ケイジ…… ちなみにロブ・ゾンビは実際にナチ拷問映画に出演していた女優、ダイアン・ソーンにもお伺いを立てていたが、都合がつかなかったという。 予告 Don't/ドント 監督:エドガー・ライト ホラー映画の老舗ハマー・フィルムや幽霊屋敷を舞台にしたオカルト映画『ヘルハウス』のパロディ。 その内容はタイトル通り「Don't!」を連呼するというインパクトあるもの。 また、エドガー・ライト作品の常連サイモン・ペッグとニック・フロストも出演している。 予告 サンクスギビング 監督:イーライ・ロス アメリカには祝日をテーマにしたホラー映画のジャンルがあるが、これは感謝祭(サンクスギビング)を舞台にしたスプラッター映画。 「クリスマスやハロウィン、バレンタインはもちろん、エイプリルフールや独立記念日にさえあるのに、何で感謝祭だけスラッシャー映画がないんだろ?」 と疑問に思ったイーライがタランティーノに聞いたところ、 「じゃあ、お前が作ればいいじゃん」ということで作られたのが本作。 そして本作公開から実に16年後の2023年に監督により映画化され、続編制作も発表されている。 デス・プルーフ 監督:クエンティン・タランティーノ テキサス州オースティン。 ラジオDJジャングル・ジュリアの誕生日を祝うため、友人たちはレストランや酒場でおしゃべりし続けていた。 しかし彼女たちは不幸にも、黒塗りの改造車に後をつけられていた。 車の主はスタントマン・マイク。その正体は、車が凶器の殺人鬼だった……! 予告 ホーボー・ウィズ・ショットガン 監督:ジェイソン・アイズナー カナダなど一部の劇場でのみ流されていたレア予告。 それもそのはず、これはフェイク予告の中で唯一、本作のプロモ用コンテストで優勝した作品なのである。 2011年に、ルトガー・ハウアー主演で映画化された。 プラネット・テラーの登場人物 チェリー・ダーリン 演:ローズ・マッゴーワン 吹替:岡本麻弥 ナイトクラブに勤めていた元ゴーゴー・ダンサー。 レイからはかつて「パロミータ」(*8)と呼ばれていた。 かつては医者になることに憧れており、退職後は周りから面白いと言われているのでスタンダップ・コメディアンになろうとしていたが、ゾンビに襲われ右脚を失ってしまう。 絶望に打ちひしがれるも、義足としてエル・レイに着けてもらった椅子の脚で再起。 軍に捕まった後はレイプ魔を撃退、さらにその後義足をマシンガンに代えてもらい無双タイムを披露。 どうやって引き金を引いているのかツッコんではいけない しかもラストではガトリングガンにまで進化している。 エル・レイ 演:フレディ・ロドリゲス 吹替:中井和哉 チェリーの元カレの自称解体屋。 前科があるらしく、ヘイグ保安官に目の敵にされている。 作中屈指の強キャラで、中盤は病院やレストランのゾンビ軍団相手に無双し、右脚を失ったチェリーに椅子の脚を装着。 「これで両足揃ったぜ!」 さらに「ボーン・シャック」から脱出するときは、トニーの子供用ミニバイクでウィリーしながら逃げていた。 異常な強さばかりかなぜか細菌兵器について知っていたり、ヘイグから「お前があのエル・レイだったとはな……」と驚かれているが、その理由はフィルムが紛失したため一切不明。 ウィリアム・ブロック医師 演:ジョシュ・ブローリン 吹替:手塚秀彰 病院でゾンビ化した患者を診た医師。 しかし患者にできた潰瘍を押しつぶして顔面に膿を食らったり、ゾンビ化した患者に膿を塗りつけられたりと、医師と思えないほど詰めが甘い。 妻の浮気を疑っており、脳を食われた犠牲者の姿を見た彼女がショックを受けるのを見て、それを確信。 彼女の注射器で麻酔をかけた後殺害しようとするが、部下に呼ばれたことで未遂に終わる。 ゾンビ化した後も、しつこくダコタをつけ狙う。 ダコタ・マクグロウ・ブロック 演:マーリー・シェルトン 吹替:玉川砂記子 ブロック医師の妻の女医。 注射器を「私のお友達」と呼んでおり、黄色いお友達は痛みを取り、青いお友達は感覚を取り、そして赤いお友達は「もう二度と会わなくなる」。(*9) 実は元カノと不倫しているバイセクシャルで、夫との仲は冷え切っている。しかも病院のメモをよく見ると「Kill BiLL」の文字が…… 浮気を知った夫に殺されかけるも脱出したが、麻酔で手を動かせず、車のドアを開けようとした時に足を滑らせ手首を骨折してしまう。 その後生き残った町民共々軍に捕らえられるが、チェリーといい感じの仲になり、注射器でゾンビ化した兵士に反撃する活躍を見せる。 「女友達が言ってたわ……誰しも人生のある時点で、無駄な才能が全部役立つ時が来るって。点が結ばれて線になるように」 トニー・ブロック 演:レベル・ロドリゲス ダコタの一人息子。 ペットに亀はともかくタランチュラにサソリと、かなり尖った感性をお持ちのようである。 ゾンビや頭のイカれた双子のシッター(*10)から彼を守ろうとする母から護身用の銃を渡され、「自分を撃っちゃダメよ」と言われたのだが…… 演じているのはロドリゲスの息子。愛息子にこんな役をやらせるとか鬼すぎる。 アール・マクグロウ 演:マイケル・パークス 吹替:大塚周夫 タランティーノやロドリゲス作品によく登場する保安官。娘のダコタとは確執があるらしい。 妻は長年の喫煙により肺癌で死の淵にいたが、彼女もまたゾンビ化していた…… その後自宅から娘共々脱出し、生き残った住民たちを「ボーン・シャック」へ避難させた。 『デス・プルーフ』では、娘のダコタと息子のエドガーと共に再登場する。 J.T. 演:ジェフ・フェイヒー 吹替:小川真司 開店25周年のバーベキューレストラン「ボーン・シャック」の店長。 テキサスで一番うまい店を自称しており、完璧なソースの研究中だが、弟からの家賃値上げに悩まされている。 店の周りをゾンビにうろつかれても正体に気づかず、街中ゾンビパニックを起こしてもソースの味にこだわるという、胆力があるのか鈍いのかよく分からない人。 「俺のソースに必要なのは塩だったんだ!」 ヘイグ保安官 演:マイケル・ビーン 吹替:佐々木勝彦 エル・レイを目の敵にする保安官。J.T.の弟。 チェリーの脚がゾンビに奪われた件を信じずに彼を逮捕するが、次々に巻き起こるゾンビパニックを目の当たりにして対応に当たる。 「自分を撃つなよ!互いに撃ち合うな。何よりも……俺を撃つな」 なお、フィルムが焼けた後のシーンでトロに誤射された模様 また、兄のレシピにご執心な様子。 トロ 演:トム・サヴィーニ ヘイグの部下の副保安官。既婚者。 ゾンビに襲われ指を食いちぎられる。 その後も患者やヘイグを誤射するというトロさを見せつけている。 アビー 演:ナヴィーン・アンドリュース 吹替:江川央生 限定地域の人間抹殺用の細菌兵器DC2をマルドゥーンに売った科学者にして実業家。 金玉コレクターであり、DC2の交渉の際、被験者3名を逃がしたロミーの金玉を切り取って殺害。 さらにマルドゥーンとの取引の最中、DC2を軍事基地に貯蔵していることがバレて殺されそうになった彼は、それの入ったタンクを撃ちガスを噴き出させた。 こうして見るとすべての元凶なのだが、エル・レイたちに協力する。 マルドゥーン中尉 演:ブルース・ウィリス 吹替:内田直哉 DC2を求めて取引にやって来た軍人。 かつてアフガニスタンの国境付近でビン・ラディンを殺害するという功績を上げたが認められず、代わりに彼の部隊は口封じのためにDC2を浴びせられてしまった。 アビーの売ったDC2を一定量吸い続けることで進行を抑えているが、感染者を増やせば治療法の研究が進むため、生き残った町民を捕らえる。 レイプ魔 演:クエンティン・タランティーノ 吹替:青山穣 身も蓋もない役名の兵士。 チェリーとダコタを連れ去りオタ知識を披露しつつ脅迫、チェリーをレイプしようとするが…… 義足にしていた椅子の脚を目にぶっ刺されるわ、金玉が腐って溶け落ちるわの散々すぎる末路を辿った。 こんな役を嬉々として演じたタランティーノは、自作『デス・プルーフ』ではバーの店主役を演じている。 デス・プルーフの登場人物 スタントマン・マイク 演:カート・ラッセル 吹替:菅生隆之 黒塗りにドクロマークで、スタント用に耐死仕様(デス・プルーフ)に改造されたシボレー・ノヴァ(1970年型)を駆り、女たちをつけ狙う中年男。 名前の通り元スタントマンで、顔に傷を負うまではゲイリー・クラークにそっくりだったらしい。 仕事には深い誇りを持っているが、彼の出ていた映画やドラマはどれも大昔のものばかりで女の子たちは誰も知らなかった。 しかしその中身は女性の乗った車に激突することがセックスの代替行為となっている異常者で、パム、ジュリア、アーリーン、シャナ、ラナの5人を死に至らしめた。 自身も大怪我を負ったが罪には問われず(*11)、14か月後懲りずにテネシー州レバノンで映画関係者の一行に狙いを定める。 この時車はダッジ・チャージャー(1969年型)に変更され、ドクロマークもなくなっている。 念願のダッジ・チャレンジャーを手に入れ過激なスタントを楽しむ一行に襲いかかるが、「最高によかったぜ!」と煽ったのが運の尽き。 やられるばかりと思っていた彼女たちが一転攻勢に出てきたことにより、情けない声を上げながら逃げ回る羽目になるのだった…… ジャングル・ジュリア 演:シドニー・タミア・ポワチエ 吹替:佐古真弓 街に看板が立つほど有名なラジオDJ。お尻の良さが自慢で、レコード・レーベルを持つのが夢。 しかし幼馴染のパム曰く、子供の時から長身で乱暴な性格だったらしい。 朝のラジオでアーリーンについて紹介しており、ロバート・フロストの詩「雪の降る夕方森に寄って」の一節(*12)を諳んじれば、無料でラップダンスをしてもらえるという予告を出していた。 なお、『プラネット・テラー』ではカーラジオから「今は亡きジャングル・ジュリアの思い出に捧げるナンバー」と流れている場面がある。 よって、『プラネット・テラー』の時系列は『デス・プルーフ』の後ということになる。 演者は父に黒人俳優の先駆けの一人にしてオスカー俳優のシドニー・ポワチエ、母に『冒険者たち』のジョアンナ・シムカスを持っている。 アーリーン(バタフライ) 演:ヴァネッサ・フェルリト 吹替:渡辺明乃 ジュリアの友人の一人。 メキシカンレストラン「グエロ」で黒塗りの車に後をつけられていることに気づき、「テキサス・チリ・パーラー」のポーチにタバコを吸いに出た時にもその車がいるのを見つけて戦慄する。 なおその後、彼氏のネイトとカーセックスに行っている その後、スタントマン・マイクが「雪の降る夕方森に寄って」の一節を諳んじたのを見て言い逃れしようとするが、見破られたり丸め込まれたりで、ラップダンスを披露した。 シャナ・バナナ 演:ジョーダン・ラッド 吹替:斉藤梨絵 ジュリアの友人の一人。 「ショーナ」とよく名前を呼び間違えられているらしい。 彼女の父親は湖に別荘を所有しており、一行はそこでバカンスを取るつもりだった。 マーシー 演:マーシー・ハリエル 「グエロ」にいたジュリアの友人で俳優。 ジュリアのラジオでバタフライを知ったイケメンを演じた。 パム 演:ローズ・マッゴーワン 吹替:岡本麻弥 ジュリアの幼なじみ。 彼氏にデートをすっぽかされた挙句、土砂降りで「テキサス・チリ・パーラー」で立ち往生していた所、スタントマン・マイクに助け舟を出される。 しかし彼の車に乗った後、本性をあらわにした彼によって哀れ犠牲者第一号となった。 耐死仕様なのは、運転席だけだったのだ。 ラナ・フランク 演:モニカ・スタッグス 「テキサス・チリ・パーラー」で待ち合わせていたジュリアの友人。 遅れて到着した後はマリファナパーティをやっていた。 ゾーイ・ベル 演:本人 吹替:唐沢潤 『キル・ビル』のユマ・サーマンの吹き替えスタントを務めたことで知られる、ニュージーランド出身のスタントウーマン。 好きな映画は『バニシング・ポイント』。 フィリピンで撮影をしていた時、ふざけて深さ2mの溝に落ちたことがあるが無傷だったらしい。 休暇の目的は、1970年型・440エンジンのダッジ・チャレンジャーをカッ飛ばすこと。そしてシップ・マスト(ベルトを使ったカースタント)をやること。 念願かなってダッジ・チャレンジャーを手に入れた時には、走る車の窓から屋根に上り、そのままボンネットに滑り下りてカーサーフィンを披露した。 こうしてカースタントを楽しむ一行だったが、その様子をスタントマン・マイクが見ていた…… が、彼に何度も追突され吹っ飛ばされるも無傷という強運っぷりを見せつけ、反撃に出ることを決意する。 キム 演:トレイシー・トムズ 吹替:高乃麗 こちらもスタントウーマン。 自分の身は自分で守る派で、銃を携帯している。 ゾーイが他人の車でシップ・マストをやりたいと言い出した時は反対したが、結局丸め込まれた。とはいえ満更でもない様子。 スタントマン・マイクに煽られた時銃撃したことが一転攻勢の呼び水となり、逃げ惑うスタントマン・マイクを煽り散らかしながら壮絶なカーチェイスを繰り広げる。 アバナシー 演:ロザリオ・ドーソン 吹替:高山佳音里 メイクアップアーティスト。 元夫は現在担当中の映画の監督で、彼女の誕生日にダリル・ハンナの代役と寝ていたらしい。 コンビニの駐車場でキムを待っている間、スタントマン・マイクから足を触られるというセクハラを受けていた。 その後ゾーイとキムにダッジ・チャレンジャーに乗るための担保にされそうになっていたが、交渉を買って出る。 リー 演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド 吹替:加藤優子 女優で、現在チアリーダー映画の撮影のためチアリーダーの格好(*13)をしている。 元カレは装置係だったが、彼女が小便する所を見るのが大好きな変態で、現在の彼氏はロック様似の電気技師(*14)らしい。 ダッジ・チャレンジャーに試乗するための担保として、ジャスパーの元に置いて行かれる。 ジャスパー 演:ジョナサン・ローラン ゾーイの憧れ1970年型・440エンジンのダッジ・チャレンジャーの売主。 交渉の後、担保として置いてかれたリーに対し気持ち悪い笑い声を上げていた。 ……その後のリーの運命はお察しだろう。 余談 プラネット・テラー編 〇OP、チェリーのポールダンスを舐めるように映し出すカメラだが、よく見るとカメラや撮影クルーの姿がそのまま背後の鏡に写りこんでしまっている。 もちろんこの詰めの甘さも演出の一つである。 ちなみにチェリーは初期案では、開始早々に脚を失う設定だったらしい。 〇IMDbのトリビアによると、本作のプレミア上映に『ブルース・ブラザース』や『大逆転』の監督ジョン・ランディスが出席していた。 ランディスは『トワイライトゾーン/超次元の体験』にてヘリコプター事故を起こし、俳優ヴィック・モローと子役二人を死亡させるという悲惨な経験をしていた。 が、『プラネット・テラー』ではよりによってヘリのメインローターでゾンビの群れを斬首しまくるシーンがあったため場の空気が凍りつき、観客は一斉にランディスの方を見ていたという…… 〇ローズ・マッゴーワンは、本作、そしてハリウッドを代表する映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ被害者の一人だった。 彼女は『シン・シティ』が上映された映画祭の打ち上げの時、ロドリゲスからどうしてオーディションを受けなかったのかと聞かれ、 ワインスタインのブラックリストに入っているため出られなかったと告白。 さらにその7年前にセクハラ被害を受けていたことを打ち明けた。 「誰にも言ってないの?多くの人が味方するよ。俺だったら少なくともハーヴェイをぶっ飛ばしに行くよ!」 「君は俺の映画のブラックリストには入っていないし、キャスティングで彼に口出しさせない」 こうしてロドリゲスはワインスタインへの“復讐”として『プラネット・テラー』の主演に彼女を起用、男を上げたのだった。(*15) その後 ……ここで話が終わっていたら美談だったのだが、その後がマズかった。 ロドリゲスはローズとデキてしまい、長年連れ添ったプロデューサーのエリザベス・アヴェランと離婚。 さらに2009年には結局ローズとも破局。彼の家族視点では散々な話である…… デス・プルーフ編 〇耐死仕様のアイデアは、交通事故死を恐れたタランティーノが頑丈なボルボの車を買おうとした時、友人のショーン・ペンから、 「2万ドルもあれば車をスタント部に持ち込んで、耐死仕様にしてもらえる」 と教わったことから着想を得ている。 〇冒頭に「ディメンション・ピクチャーズ提供」とロゴが出るが、本作を製作したディメンション・フィルムとは無関係。 ディメンション・ピクチャーズは70年代当時のB級映画配給会社であり、名前が似ていることから拝借された。 また、OPでは『デス・プルーフ』のタイトル前に一瞬『THUNDER BOLT』のタイトルが出ているが、これは昔のB級映画は不入りならタイトルを変えて別の館で上映していたことのオマージュ。 しかし編集が粗悪だったため、一瞬旧タイトルが映ってしまうこともままあったという。 〇「テキサス・チリ・パーラー」は実在の店で、そこに貼ってあるポスターやジュークボックスは、全部タランティーノの私物。 特にジュークボックスには、「エイミーちゃん」と名前を付けており、収録曲のリストも彼が手書きした。 また、ジャングル・ジュリアの名前は、彼のガールフレンドの名前が由来。 〇アーリーンがラップダンスを踊る時に流された曲はザ・コースターズの「ダウン・イン・メキシコ」。 実は本作で使用されたレコードは、1973年に再録音された激レア版で、タランティーノのコレクションの中でも最もレアな逸品らしい。 追記・修正は、当時のグラインドハウスを知る方にお願いします。 参考文献 キネマ旬報2007年9月上旬号 別冊映画秘宝 グラインドハウス映画入門(洋泉社) クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男(フィルムアート社) 『プラネット・テラー in グラインドハウス』DVDオーディオコメンタリー Robert Rodriguez Says Casting Rose McGowan in ‘Grindhouse’ Was an F-U to Harvey Weinstein (EXCLUSIVE) △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 世界一爆笑した「THE END」が見れる映画。 -- 名無しさん (2024-01-19 07 17 31) デス・プルーフのオチでクソほど笑った -- 名無しさん (2024-01-19 08 05 18) 名前 コメント
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324 7 Minutes Of Nausea Agathocles Agoraphobic Nosebreed(アゴラフォビック・ノーズブリード) Anaal Nathrakh(アナール・ナスラック) Anal Cunt(アナル・カント) ※Anal Cunt または AxCx Anarchus Assuck Basket Of Death Bathtub Shitter(バスタブシッター) Benumb Birdflesh Blood Duster Brujeria(ブルヘリア) Brutal Truth(ブルータル・トゥルース) Burnt By The Sun Carcass(カーカス) ※初期 Carcass Grinder Catasexual Urge Motivation Cephalic Carnage(セファリック・カーネイジ) Circle Of Dead Children Cock And Ball Torture(コック・アンド・ボール・トーチャー) CORTECUELLOS The County Medical Examiners(ザ・カウンティー・メディカル・エグザミナーズ) Cretin(クリチン) Cripple Bastards(クリプル・バスターズ) CSSO Deadbodieseverywhere Dead Infection The Dead Youth Deathcount Deche-Charge DxIxE Die You Bastard! Discordance Axis Disgorge (メキシコ)(ディスゴージ (メキシコ)) Disgust Disrupt Dissassociate D-river E-K Excruciating Terror Extreme Noise Terror(エクストリーム・ノイズ・テラー) Fear Of God Force Fuck The Facts(ファック・ザ・ファクツ) Gore Beyond Necropsy Gut(ガット) Haemorrhage Impetigo JIG-AI(ジガイ) Kots(コッツ) Last Days Of Humanity(ラスト・デイズ・オブ・ヒューマニティー) Leng Tch e(レング・タシェイ) Lock Up(ロック・アップ) Locust(ロカスト) Lymphatic Phlegm Machetazo(マケタゾ) Maggut Mankolover Meat Shits MECOSARIO Misery Index(ミザリー・インデックス) Mucupurulent Napalm Death(ナパーム・デス) Nasum(ナザム) 肉奴隷 (Nikudorei) Old Lady Drivers Painkiller Phobia Pig Destroyer(ピッグ・デストロイヤー) Pigsty Princess Army Wedding Combat Red Ran Amber RiseAbove Regurgitate Renegade Repulsion Righteous Pigs Rotten Sound(ロッテン・サウンド) Rotting Christ(ロッティング・クライスト) Satanic Hell Slaughter Self Deconstruction Siege (シージ) SMES S.O.B(エス・オー・ビー) Soilent Green(ソイレントグリーン) Sore Throat Splattered Entrails(スプラッタード・エントレイルズ) Spiral Suicide Silence (スーサイド・サイレンス) Surge line Swarrrm Terrorizer (テロライザー) Total Fucking Destruction(トータル・ファッキン・デストラクション) Unholy Grave Unseen Terror URBAN PREDATOR VULGAROYAL BLOODHILL
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物語を一行もしくは二行程度で紹介しているもの。 「敵の罠に陥った政治家が、復讐で自分が掛かった罠よりも念入りなものを仕掛け、同じ政治家を破滅に追い込む話」 のように書く。 ユーザーには映画を見るか?食事をするか?みたいに、日常生活の中にある無数の選択肢から自分達が考えたものをチョイスして欲しいもので、なるべく惹き付けられるもの作る必要がある。 また口コミで『面白そう』と思わせる魅力も必要。 こうやってログラインを設定したら、そこからシナリオ制作に入っていく。 (シナリオ制作→ログラインの順番ではない。)
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ログライン ログライン アーティスト 夏川椎菜 発売日 2019年4月17日 レーベル ミュージックレイン デイリー最高順位 1位(2019年4月18日) 週間最高順位 2位(2019年4月23日) 月間最高順位 8位(2019年4月) 年間最高順位 54位(2019年) 初動売上 12123 累計売上 13326 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 パレイド 2 ステテクレバー 3 ナイモノバカリ 4 イエローフラッグ 5 gravity 6 キミトグライド 7 フワリ、コロリ、カラン、コロン プリプリちぃちゃん!! ED 8 Daisy Days 9 チアミーチアユー 10 シマエバイイ 11 ラブリルブラ 12 グレープフルーツムーン 13 ファーストプロット ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 4/23 2 新 12123 12123 2 4/30 ↓ 587 12710 2019年4月 8 新 12710 12710 3 5/7 ↓ 322 13032 4 5/14 ↑ 294 13326 関連CD グレープフルーツムーン フワリ、コロリ、カラン、コロン パレイド
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そこは異様な熱気に満ちていた。 薄暗く広い地下室には若者たちがひしめき合い、唸り声とも歓声ともつかない 声をあげている。 地下室の中央には金網で囲まれた『檻』があって、部屋はその檻を中心にやは り丈夫な金網で二分されている。若者たちの熱狂的な視線は檻と、その上に吊り 下げられたいくつかの大きなモニターに向けられていた。 モニターには、自在に動く両肩のスラスターを特徴とする巨大な人型ロボット 『AACV』が2体映し出されていて、荒れ果てた街中で戦っている。しかしあ れはCGだ。本物ではない。 しかしモニターの真下、檻の中のコックピットを模したコントローラーのシー トに座る、観客と同様に金網で分けられた2人のプレイヤーの目付きは真剣その もので、単なるテレビゲームをやっているような雰囲気では微塵もない。 その額には熱気のためだけではおそらくないであろう汗がいくつも浮かび、荒 い呼吸の口元を垂れて下に落ちる。 両の目は見開き、いつか画面に映るはずの勝利への足がかりを必死に見逃すま いとしていた。 ――しかし、やがて、決着がつく。 と同時に今までで一番大きな歓声があがり、檻の金網を震わせた。 勝者の名前と顔がモニターに大きく映される。 そのプレイヤーは脱力し、シートの背もたれに体を預けて大きく息を吐いた。 勝者の名が叫ばれる。 彼は目を閉じ、勝利の余韻を噛みしめているようだった。 観客のテンションはヒートアップしていく。敗者は筐体に突っ伏し、ガタガタ と震えていた。 そして勝者がシートをたつと、敗者の周りを囲っていた金網が引き上げられる 。 遮るものが無くなった敗者がわの観客たちは、一斉に彼に群がった。 悲鳴があがった。 ……暗い部屋で、一人の男が画面越しにその様子を眺めている。 黒い礼服を着た彼は細身だった。部屋にはモニター画面の明かり以外に光源が 無いので、顔はわからない。どうやら彼の後方にもさらにひとり人間がいるよう だったが、そちらは体全体を暗闇が沈んでいて、顔はおろか男女の判別すらでき ない。 モニターに近い方の男が言葉を発する。 「終わったみたい」 その声は老人のようにしわがれていたが、口調は若者のよう。 「遠目から見ても死んでる。処理方法はいつもと同じでいいよね」 後方の人物は黙って頷く。 誰も居なくなった地下室にぼろ雑巾のようになったさっきの敗者が転がってい るさまが、画面には映されていた。 男が携帯電話で連絡を入れると画面の向こうで数人の男たちがその死体のそば にやってきて、それを袋に入れた。 「また、補充しなければいけないね。」 男が言う。 「そっちは任せても?」 「……ああ」 ようやく後方の人物が発した声は奇妙に歪んでいて、男女を判別する手がかり にはなりそうもない。 「なら任せるよ、タナトス」 『タナトス』と呼ばれた人物は、そうして闇のさらに奥へと身を隠した。 それを見送って、残された男はモニターの電源を切る。 部屋に光は無くなった。 『コロニー・ジャパン』――かつて地球に衝突した小惑星のために、人類が逃 げ込んだ地下に築いた都市。その町並みはどこの風景を切り取っても大差のない 均一なもので、人々はそこでかつての地上での営みをなんとか続けている。 そこに住む人々は知らなかった。自分たちの生活が無数の死者たちによって支 えられていることを。 わずかな量で莫大なエネルギーを生み出す『P物質』と、地上で長い間行われ ていた国家間におけるその争奪戦争、その他様々な国家レベルでの犯罪行為―― 隠蔽され続けていたこれらの事実が明るみに出たのが去年のこと。その結果国家 への不信感が爆発し、『自殺』したり、辞任した政治家、官僚の数は数えきれな いほどに上った。 それに伴い進められていた様々な政策は中止になったり、計画が破棄されたり した。そうしてコロニー・ジャパンをはじめとする多くの国の経済力は弱まり、 大量の失業者を出し、治安は悪化していったのである。 ――そんなの、きょーみ無い。 それがマコト・アマギが日本史教師の授業内容にきまって抱く感想だった 。 教室内は今4時限目の授業の真っ最中で、黒板の前では日本史を担当する禿げ たオッサンが教科書片手に黒板に近代のコロニー・ジャパンの状況を図にしたも のを描いている。だけど、本人はアレで分かりやすいと思っているのか? 隣の席の男は机の下で趣味の悪いグロ漫画読んでるし、前の机に突っ伏してる 奴の耳にはイヤホンだ。 そういう自分はというと、ノートは開いているものの真っ白に近く、隅になん だかわからない落書きがしてあるだけなのだが。 窓の外の風景も毎日代わり映えがしない。昨日も明日も、大差無い。 気だるい昼だった。 退屈だ。 こんなの、人生にふさわしくない。 もっとさ、楽しくあるべきじゃないの?セイシュンって。 こんなの、家でゴロゴロしてんのと変わらない。ただ時間が過ぎるのを待って るだけだ。 じゃあどういうのが正しいセイシュンなのかと訊かれれば明確な答えは出せな いけど、とりあえず、こんなのツマンネーよ。 ……ああ、もう何もかも崩れっちまえばいいのに。 とかいって、実際そうなったら困るんだろーなー。 なにこの破滅願望。空から死神のノートでも降ってくんの? ……何かしたい。とりあえず何かしたい。実感のある何かを―― その時、待ち望んだチャイムが鳴ったのを聞いて、マコトは窓の外へ向けてい た視線を教室内へ戻す。 すでに教師は荷物を脇に抱えて部屋を出ていくところだった。 とたんにざわざわと生徒たちは動き出す。早い者はもういつもの仲間と学食へ 足を向けていた。 マコトもノートを閉じて立ち上がり、胸を反らして大きくノビをする。 そうして脱力しようとした時―― 「メシ食いにいこーぜ!」 ――言いながら勢いよく背中を叩かれた。 「うあっ!?」 変な声が出た。 背後から回ってマコトの前にきたソイツは親指で教室の出口を指す。 どこか憎めない笑顔をした、派手な金に髪を染めている、なんかもう明らかに ヤンキーな外見をした彼はユウスケ・コバヤシ。 マコトが自身の背中に手を回して悪態をつくと、ユウスケは笑う。 「ははっわりーわりー。」 反省している様子はゼロだが、まぁいつものことなので気にしない。 適当に流して財布をポケットに突っ込み、2人は教室を出た。 廊下を雑談をしながらダラダラと歩く。 話題は他愛もないことだ。さっきの授業のこと、音楽のこと、ファッションの こと…… ふと、嫌なものが目に入ってマコトは足を止める。 それは廊下の目立つところに貼られていた、一枚のポスターだった。 その上部には「国立大学入学試験難易度表」と書かれている。どっかの予備校 が毎年出しているものだった。 「そうか、もう1年も無いのか。」 「え?あー、そうだな」 マコトの言葉にユウスケが相づちをうつ。 『大学受験』。 高校3年に上がると共に、急に現実味を帯びてきた言葉。 自分はどうすればいいのだろう。推薦とれるほどに成績は良くないし、普通に 受験していい大学に行ける自信も無い。 真面目に勉強するべきなのだろうか。めんどくさいなあ。 ユウスケはどうするつもりなのだろう。 「ユウスケ、お前どっか受けんの?大学。」 「俺か?」 ユウスケは足を止めない。マコトは少し早足になった。 「俺は就職かな。知り合いがゲームセンターやっててさ。そこで働こうかなって 。」 「ゲーセンかよ。」 「給料はいいんだぜ。俺前に、っていうか今もなんだけど、そこでバイトしてん だけどさ、結構いい。」 「時給いくら?」 「いや、歩合制。」 「ゲーセンなのに?」 「なんなら、お前もやるか?」 「どんな仕事?」 「アクションゲームの上手い奴を連れてくる仕事。1人につき十万以上。スカウ トされた側にも金が入るから、結構見つかるぜ。」 「なんだそれ。」 言いながら、マコトは納得していた。ユウスケが最近妙に羽振りが良かったの は、そういうことか。 ふと、ユウスケが足を止める。振り向いて、マコトを見た。 「お前、ゲーム得意だっけ?」 マコトは少し考えて、頷く。 「まぁ、人並みには」 「『グラウンド・ゼロ』ってやったことある?」 「それってたしか……」 『グラウンド・ゼロ』。それはマコトたちの住む地下都市『コロニー・ジャパ ン』のゲームセンターで大人気だったアクションゲームで、内容は高速で飛行す る人型ロボット『AACV』を操ってプレイヤー同士で戦う、といったものだ。 そのリアリティーを追及した、歩行の振動まで表現する独特の筐体と、シビア なゲームバランスが大いにウケ、バージョンアップを繰り返しながら20年以上 も人気を博したのだが、それらはもう、どこのゲームセンターにも残っていない はずだった。 『グラウンド・ゼロ』はその全てが回収されていたのだった。 理由は約一年前の『金眼事件』――さっきの授業で禿げた日本史教師が説明し ていた事件(内容はよく覚えていない)――にあった。 テロリストたちによって暴露された国家ぐるみの数々の犯罪の中に、『グラウ ンド・ゼロを利用したAACVパイロットの選出』というものがあったのだ。詳 しいことは忘れたが、たしかそれが原因で……。 「回収されたやつだろ、それ。」 「ああ。マコトはやったことは?」 「Bクラスプレイヤーだった。懐かしいな。」 「ってことはマジで『人並み』なんだな」 「うるせぇよ」 2人は笑う。 「で、それが?」 マコトが訊く。ユウスケは思い出したように話を続けた。 「俺が連れてくるべき人間の基準がさ、その『グラウンド・ゼロのプレイヤー経 験者』ってのが条件なんだよ。」 「へぇ?」 変なの。 「そのゲーセンはさ、元グラゼロプレイヤーを引っ張ってきて、何させてんの? 」 「さぁ?知らない。」 即答するユウスケ。 マコトは何故か彼のその返答に違和感を覚えた。 「ふーん、そうか。」 しかしマコトは流す。余計なことを訊いて関係を悪化させても何の得も無い。 マコトはふと思い出した。 「なぁ、それってさ、スカウトされた方はいくらくらい貰えるの?」 「え?」 ユウスケがこちらを振り向く。 「さっき言ってたじゃん、お前。」 マコトはポケットに手を入れ、中の革のサイフに触れる。見てくれはそこそこ 立派だが、今のその中身はほぼ無いに等しい。 「ああ……そうか」 説明する前に、ユウスケが理解する。 「まだ、新しいバイト見つかってないんだっけ。」 「まぁな」 先月、コンビニエンスストアでアルバイトをしていたマコトは、ある日やって きた男と口論になり、殴り合いの喧嘩をしてしまったのだ。 舌で奥歯を撫でる。その時からぐらついたままだ。 それが原因でマコトはアルバイトをクビになり、懐も寒くなる一方だった。 なので、手軽にカネが手に入るのなら、ユウスケにスカウトしてもらうのも有 りかもしれない、と考えたのだが。 「……いや、しないよ?」 そう、ユウスケはマコトに言い放った。 「えーなんでだよ」 「いやいや、マジで友達スカウトするとか気まずいって。お前は真面目にバイト 探せよ。」 「なんで?むしろ気が楽じゃね?」 「とにかく、お前はダメだ。」 「あぁ、そう」 マコトは諦める。多分、何か俺を誘えないような事情があるんだろう。『知り 合い禁止』とか、 あり得ない話じゃない。 その時、突然に腹の虫が鳴る。 マコトはユウスケを見た。彼は腹を押さえている。 「つーかさ、急がね?早くしねーと購買のパン無くなるぜ?」 「ああ、そういやそうだな。」 マコトは廊下の先を見据え、床を蹴る。 友人の予想外の行動に一瞬、動きを止めたユウスケの方を走りながら振り向い て、マコトは叫んだ。 「遅れた方がパン1個おごりな!」 「はぁ!?」 慌ててユウスケもマコトの後を追う。 2人の男子高校生の、ありふれた日常の光景だった。 グラインドハウス~グラウンド・ゼロ2~
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Butcher ABC Carcass(カーカス) Cock And Ball Torture(コック・アンド・ボール・トーチャー) DEAD(デッド) Dead Infection Defecal Of Gerbe Disgorge (Mexico)(ディスゴージ (メキシコ)) Exhumed Flesh Grinder General_Surgery Ghoul GO-ZEN GUT(ガット) Haemorrhage Impaled Impetigo JIG-AI(ジガイ) KOTS(コッツ) Last Days Of Humanity(ラスト・デイズ・オブ・ヒューマニティー) Libido Airbag Lymphatic Phlegm Meat Shits Oxidised Razor(オキシダイズド・レイザー) Paracoccidioidomicosisproctitissarcomucosis Regurgitate Rompeprop S.M.E.S Splattered Entrails(スプラッタード・エントレイルズ) Viscera Infest VULGAROYAL BLOODHILL
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プラネット・テラー in グラインドハウス ■概要 2007年のアメリカ映画。 ロバート・ロドリゲス監督によるアクション・ホラー映画。 2本立て映画『グラインドハウス』 Grindhouse の1編「プラネット・テラー」に、 アメリカでの2本立て公開時にカットされたシーンを加えて、1本の作品としたものらしい。 ■川下り テキサスの田舎町。米軍部隊長のマルドゥーンと科学者のアビーはハンバーグの取引 をしていた。しかし、予備の挽肉を隠していることをマルドゥーンに知られたアビー は、実験装置を破壊。噴出したガスにより人々はゾンビ状態のシッコ(感染者)になっ ていった。ゴーゴーダンサーのチェリーは別れた恋人のレイと川下り中に、シッコに片足を食いちぎられてしまい…。
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グラインダーとは、武器の攻撃力を上げるためのアイテムである。 グラインダーを使うとこを磨くと表現し、使うごとに武器の付加値が+1、+2…と上がっていく 付加値が1上がると攻撃力は2上がる また、グラインダーにはモノ・ディ・トリの3種類があり、それぞれ一度に+1・+2・+3上昇する。 モノグラインダーはたまにアイテムショップに並んでおり、DC・PCは2500メセタ、GC以降は5000メセタで買うことが出来る 無論、武器には最大付加が存在し、それ以上に磨くことは出来ない。また、最大付加が0の全く磨けない武器も存在する。 詳しくは各武器のページを参照のこと。 また、グラインダーを使わない方が武器名が美しいからと全くグラインダーを使わない人も少なからず存在する。 その中でも、杖はすべて+0というこだわりを持ってる人は比較的多い