約 1,924,616 件
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/19988.html
聖天の刑事(デカ) トッツァーン C 光文明 (3) ディテクティブ・クリーチャー:ジャスティス・ポリス 4500 ■ポリス・ガード(相手のクライム・クリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーをタップして、相手のクライム・クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい) (ディテクティブ・クリーチャーとのバトルに負けたクライム・クリーチャーは、持ち主の墓地に置かれるかわりに、牢獄ゾーンに置かれる) 作者:ザ=ガーン フレーバーテキスト 奴は大変な物を盗んで行きました…“フィオナの一雫”です!---聖天の刑事 トッツァーン DMDC-01「探偵編 第1章 出動!ジゴロック!〜フィオナの一雫を護れ!〜」収録のジャスティス・ポリス。ジャスティス・ウイングの末裔であり、大都市の平和を守る警察組織なのだとか。 その為ほぼすべてのジャスティス・ポリスがディテクティブ・クリーチャーとなる予定です。 また、専用の能力としてポリス・ガードが登場。クライム・クリーチャー限定のブロッカーであり、普通のブロッカー持ちのクリーチャーと比べると無条件で殴れる者が多く、パワーも高めに設定されています。 なお、ジャスティス・ポリスの命名ルールは基本的に「聖天の(警察内での地位)」という風になっており、このクリーチャーの他にも「刑事」と付くクリーチャーは登場するのですが、こいつのみ「刑事」と書いて「デカ」と読みます。 フレーバーテキストは某とっつぁんの名台詞が元なわけですが、全然深いセリフでもなんでもなくなってますね。なんならただの失態という……。 ところで、ジャスティスじゃないポリスなんて嫌ですよね。 (3/12) エスケープなくしてみました! 評価 色々と設定が凝ってて読んでて面白いです。ブロッカー除去されない能力もいい感じだと思います。ですが、コスト3で攻撃できてエスケープ持ちでパワー4500は若干パワー高めですね。 -- minmin (2017-03-12 19 25 45) コメントありがとうございます!ポリス・ガード持ちのクリーチャーは通常のブロッカーに比べパワーを高めに設定しようかと思っているんですが、確かに仰るとおりですね。むしろエスケープがいらないかも。ちょっと変更してみます。 -- ザ=ガーン (2017-03-12 20 12 58) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/20043.html
詐蟻士(さぎし) オレオレ・サギルン VR 水/自然文明 (6) クライム・クリーチャー:ジャイアント・インセクト/トリックスター 7000 ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■W・ブレイカー ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、各プレイヤーは自身のマナゾーンにあるカードを2枚選び、持ち主の手札に戻す。 ■トリック2(このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンにあるサイコ・パスを2枚選び、表向きにしてもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーは次の[TK]能力を得る)TK―このターンの終わりに、カードを4枚引く。その後、自分の手札を2枚マナゾーンに置く。 (コストを支払ってクライム・クリーチャーを召喚するには、自身のマナゾーンにあるサイコ・パスを1枚以上タップしなければならない) 作者:ザ=ガーン フレーバーテキスト DMDC-01「探偵編 第1章 出動!ジゴロック!〜フィオナの一雫を護れ!〜」収録のクライム・クリーチャーの1枚。登場時に各プレイヤーにマナからのカード回収を強要します。 そのクセ自分はトリック能力で手札を増やしつつマナを回復する……あたりがなんか詐欺っぽいような気がしないでもないような。 関係ない話ですが、公式でも新しい虫が出るそうですね。こちらは旧虫で頑張ろうと思います(何をだよ)。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/21007.html
毒毒 トリガブト UC サイコ・パス(ゼロ)文明 (5) クライム・クリーチャー:ツリーフォーク/トリックスター 2000 ■マナゾーンに置く時、このカードは裏向きにして置く。(裏向きの時も表向きの時も、このカードはサイコ・パスとして扱われる) ■S・トリガー ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを1枚引く。 ■サイコ・トリック2(このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンにあるカードを2枚選び、裏向きまたは表向きにしてもよい。裏向きにした場合、そのカードはマナゾーンにある間、サイコ・パスとして扱われる。表向きにした場合、このターン、このクリーチャーは次の[PSTK]能力を得る)PSTK―このクリーチャーのトリックを使った時、クリーチャーを1体選び、タップまたはアンタップしてもよい。 (コストを支払ってクライム・クリーチャーを召喚するには、自身のマナゾーンにあるサイコ・パスを1枚以上タップしなければならない) 作者:ザ=ガーン フレーバーテキスト DMDC-04「探偵編 最終章 開眼!超探偵!〜ハートに火をつけて!〜」収録のクライム・クリーチャー。プリンやゲラッチョ男爵の能力がサイコ・トリックによる物になったかわりに、キャントリップが付いた感じです。サイコ・パス文明中心で組めば割とトリック2は達成できるだろう、と踏んで。 評価 名前 コメント 関連 《逆転王女プリン》 《ゲラッチョ男爵》
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/21248.html
Dの酩酊 ワンナイト・アルケー・トリック R サイコ・パス(ゼロ)文明 (5) クライム・D2フィールド:トリックスター ■マナゾーンに置く時、このカードは裏向きにして置く。(裏向きの時も表向きの時も、このカードはサイコ・パスとして扱われる) ■自分のトリック能力を使った時、相手のクリーチャーを1体選び、タップしてもよい。こうしてタップされたクリーチャーは、次の相手のターンのはじめにアンタップされない。(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く) ■トリック・Dスイッチ:相手のターンのはじめに、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。そうしたら、このターン、相手のクリーチャーは、すべてタップされた状態でバトルゾーンに出る。その後、自分のマナゾーンにあるサイコ・パスを2枚選び、表向きにしてもよい。そうしたら、このターン、このフィールドは次の[TK]能力を得る。TK―次の自分のターンのはじめまで、バトルゾーンにあるクリーチャーのパワーはすべて、タップされているクリーチャー1体につき−1111される。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される) (コストを支払ってクライム・D2フィールドを展開するには、自身のマナゾーンにあるサイコ・パスを1枚以上タップしなければならない) 作者:ザ=ガーン フレーバーテキスト DM-EX02「嵐を呼ぶ!真夏のデュエル・フェス!」収録の新たなカードタイプ、クライム・D2フィールド?です。クライム・呪文?同様、要するにサイコ・パス版のD2フィールドですね。 新能力のトリック・Dスイッチ?を持つ為、自力でトリック能力使用時のフリーズ効果を発動でき、さらにトリック・Dスイッチのタイミング的に実質2ターン止めることが可能。 また、パワー低下とタップインにより小型クリーチャーの展開を制限できます。コスト的に間に合うかどうかはまた別ですが…。 ちなみに、明記されていませんが「タップされているクリーチャー1体につき」とは、バトルゾーンにあるタップされているクリーチャーの数を参照します。 名前の元ネタはスリーピースロックバンド、ハヌマーンの楽曲「ワンナイト・アルカホリック」+根元を意味する「アルケー」から。 他の投稿者さんのあるカードに触発されて作成致しました。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/20924.html
違法妖精 ソムニン C サイコ・パス(ゼロ)文明 (2) クライム・クリーチャー:スノーフェアリー 1000 ■マナゾーンに置く時、このカードは裏向きにして置く。(裏向きの時も表向きの時も、このカードはサイコ・パスとして扱われる) ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。 (コストを支払ってクライム・クリーチャーを召喚するには、自身のマナゾーンにあるサイコ・パスを1枚以上タップしなければならない) 作者:ザ=ガーン フレーバーテキスト (通常版) 探偵も犯罪者たちも、すべては供物にすぎない。 (MC版) モリアーティー様こそ、犯罪の王にふさわしいお方。唯一にして絶対の、虚空の主なのよ♡---違法妖精 ソムニン DMDC-04「探偵編 最終章 開眼!超探偵!〜ハートに火をつけて!〜」収録のクライム・クリーチャー。完全にサイコ・パス文明版のジャスミンです。 サイコ・パスは無色でありながら実質文明を持ってるのと変わらないじゃん、というわけで全く同じ能力にしてみました。サイコ・パス文明中心のデッキを組む際にはほぼ必須となりそうなカード。 ちなみに、名前の由来はケシの種小名である「ソムニフェルム」から。何気に第1章収録の《イリーガル・ライフ》のフレーバーで、名前だけ登場しています。 評価 名前 コメント 関連 《霞み妖精ジャスミン》 《イリーガル・ライフ》
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/1207.html
血と暴力の国 題名:血と暴力の国 原題:No Country For Old Men (2005) 作者:コーマック・マッカーシー Cormac McCarthy 訳者:黒原敏行 発行:扶桑社ミステリー 2007.08.30 初版 価格:\857 何となくノワールの匂いがするので買ってみた本である。この作者がどういうレベルの作家なのか全然予備知識はなかった。 読んでみて、驚いたのは、期待に違わぬノワール。いや、期待を遥かに上回る迫力のノワールと言うべきか。増してや文体は、心理描写、一切ゼロの、純粋ハードボイルド・スタイルである。淡々とテンポよく進んでゆく血の凍るような活劇。タイトルの通り、バイオレンスに彩られた神なき土地に展開する物語である。 秀逸なのは、行動描写と会話だけで表現する、キャラクター造形である。特に死を目前にした者と、死をもたらす者との間に交わされる、哲学的なまでの会話シーンは、間合いの静寂により、凄まじいまでの緊張感をもたらす。そして理由なく死に至る者たちを見ていると、このテキサスを走るロードノベルの舞台装置そのものが、現代のアメリカ文明にに直列に繋がっていることの異常さに、嫌でも気づかざるを得ない。 過激な暴力衝動に徹するサイコパス・キラーは、まるでターミネイターのような殺人兵器としてこの国に君臨しているかに見えるのだが、彼の手から逃走するベトナム帰還兵が、神に反抗し、彼らのものを持ち去る。さらにこちらの組織とメキシコの組織、など明晰にではなく銃撃の現場を入り乱れるプロフェッショナルたち。彼らを追跡する保安官を主たる語り部に物語りは幕を開け、そして異常な幕の下ろし方をする。 全体を活劇シーンの客観描写と会話だけで成り立たせるが、章ごとに、国や時代を俯瞰する保安官の短い独白が混じる。子供たちはどんどん悪くなり、時代はより血やドラッグにまみれ、暴力的になってゆく。正義は無力化されてゆく。そういった傾向の保安官のシンプルな視点から捉われた鳥瞰図と、砂漠でその混沌の中に叩き込まれ、瞬間瞬間の死線を行き交う者たちの10フィート距離の視野との間には、壮大なズレがあるように思えてくる。 それほど混沌は不条理で、論理性に乏しく、発狂した暴力と、理性のない銃撃の弾薬量だけで語られ、血はポンプのように砂の上に噴出し、炎は何もかもを焼き尽くしてゆく。終章のない物語であると同時に、長い終章は、世界の重心の不在を感じさせもする。 独特の印象深い筆致で、読者を容赦のない修羅の旅に連れ出してゆくこの作家は、実はクライムを発表したのは、これが初めてであり、これまでの作品は『すべての美しい馬』『平原の町』『越境』などで、いずれも青春小説、いわゆる純文学である。コーマック・マッカーシーは90年代を代表するアメリカ作家であるらしい。 そういうデータなしで、このような作品に接すると、何よりもこの活劇慣れした描写に非常に驚かされるのだが、この作品を機に執筆活動をアクティブに再開しているとは訳者後記の情報である。訳者は、この作品をギリシア悲劇に例えて分析してゆくが、これもまた興味深い。いずれにせよ、90年代の巨匠が、21世紀をどのように切り裂いてくれるのか、クライム・ファンとしては、大きな楽しみができたと言える。 (2007/09/16)
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/20997.html
【文明】 サイコ・パス(ゼロ) 【命名ルール】 殲滅者○○ 【多種族冠詞】 なし 【進化冠詞】 なし 作者:ザ=ガーン DMDC-04「探偵編 最終章 開眼!超探偵!〜ハートに火をつけて!〜」より登場した種族。クライム・クリーチャーの中でも、特にジェノサイド能力を持った者のみが持つ。 モリアーティーの部下という設定から、サイコ・パス文明にのみ存在する。 また、クライム・クリーチャー専用の特殊種族の中で、唯一冠詞がついている。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/20052.html
超悪 オダイカン VR 闇文明 (7) クリーチャー:ダークロード 6000 ■このクリーチャーを召喚する時、コストを支払うかわりに、自分のマナゾーンにあるサイコ・パスを2枚タップして、召喚してもよい。そうした場合、バトルゾーンにある間、このクリーチャーはクライム・クリーチャーとして扱われる。 ■W・ブレイカー ■このクリーチャーが自身よりもコストの低いクリーチャーとバトルする時、バトルするかわりに、そのクリーチャーを破壊する。 ■このクリーチャーが破壊された時、墓地に置くかわりに手札に戻してもよい。そうした場合、自分の手札を1枚捨てる。 作者:ザ=ガーン フレーバーテキスト エチゴヤー、お主もワルよのう---超悪 オダイカン DMDC-01「探偵編 第1章 出動!ジゴロック!〜フィオナの一雫を護れ!〜」収録のダークロード。条件付を満たすことができれば、唯一の単色のクライム・クリーチャーになります(今後普通に出て来そう)。 自分より下の立場(コスト)に対しては強く出れるという(略)。 サイコ・パスさえあれば実質2マナで出てこれるので、ビート性能は高め(?)。特に自壊することでサイコ・パスを生み出せる《悪徳 エチゴヤー》や、クライム・クリーチャーを召喚していることがG・ゼロの条件の《ブラッディ・ファージ》とは相性が良さげです。 ちなみに、フレーバーテキストは前述の《悪徳 エチゴヤー》との会話になっています。迸る小物感。 評価 名前 コメント 関連 《悪徳 エチゴヤー》
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/1093.html
悪党パーカー/人狩り 悪党パーカー・人狩り (ハヤカワ・ミステリ文庫 23-1) 人狩り―悪党パーカー (1966年) (世界ミステリシリーズ) 題名:悪党パーカー/人狩り 原題:The Hunter (1962) 著者:リチャード・スターク Richard Stark 訳者:小鷹信光 発行:ハヤカワ文庫HM 1976.4.30 初刷 1999.5.31 5刷 価格:\580 映画がきっかけになり、三十七年も前の作品が日本で改めて書店で平積みになる現象というのは滅多にあることではなく、この本、このシリーズにとっては、何とも幸運なことと言うしかない。手ごろな価格。読みやすい薄手の小説。日頃こうした小説を読まない人々にクライム・ノヴェルの世界を広げるいい機会となったに違いない。 さてぼくはと言えば、悪党パーカーに乗り遅れてきた一人なので大変いいチャンスになった。同じように、これをきっかけにこのシリーズを手に取った(たぶん)多くの人と同様に、このシリーズが、現在でも風化していないことには即座に気がついたのである。 十年近く前に、ぼくはマクべインの<87分署シリーズ>を一気読みした。<87分署シリーズ>はちょうどぼくの誕生した年にスタートし、ぼくと同じだけの年を取っている。もちろんシリーズは未だに生き残り続けているし、ぼくも何とかその持久力につきあっている。<87分署シリーズ>と同じような年齢を経ていながら、二十三年という永いブレイクを食らってしまったのがこちらの<悪党パーカー・シリーズ>。 その最初のとっかかり、要するに三十七年前にこのシリーズがスタートした時点で、初めて悪党パーカーというキャラクターの登場を迎えた読者と同じ体験を、時空を越えて味わえるというのは、いわゆる読書の醍醐味の一つである。 ましてやその主人公たるやど肝を抜くような、ある種、極端な人格であり、ある種、ずば抜けたプロフェッショナルである場合においては。しかも一匹狼のテキストのような境遇で、自分の運命を自分で切り拓いてゆく種類の、タフで強靭なキャラクターであるからには。 主役に会わせて文体も冷徹極まりない。アップテンポのストーリー展開。有無を言わせぬバイオレンス。三人称複数の章立ては、とにかくサービス精神にのっとっているかのようで、読者を引きつけてやまない。中毒になってしまいそうなのに、品薄なところは、シリーズの薄幸さを思い知らせる。巻末で作品リストを紹介するくらいならシリーズ全作、再版してもらいたいところである。 (1999.08.30)
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/1729.html
らせん階段 題名:らせん階段 原題:Some Must Watch (The Spiral Staircase) (1933) 作者:エセル・リナ・ホワイト Ethel Lina White 訳者:山本俊子 発行:ハヤカワ・ミステリ 2003.9.30 初版 価格:\1,200 1946年に公開されたアメリカ映画『らせん階段』(ロバート・シオドマク監督、ドロシー・マクガイア主演)の原作だそうだが、本よりも映画の方が人気が高かったのかもしれない。ポケミス名画座でも、翻訳要望の強さでは『ハイ・シエラ』に続いて第二位という強力さである。しかもその後TVドラマを含めれば三度もリメイクされている。個人的には1975年の劇場版リメイク作品を見てみたい気がしている。ジャクリーン・ビゼット主演だから。 なぜさほどに人気が高いかという理由の一つに、当時ヒッチコックを初めとしてまだ、サスペンス映画が誰にも手をつけられていなかったということがあるらしい。謎解き、ハードボイルド、クライム、警察もの、そうしたものの台頭があったにも関わらず、じわじわと襲い来る殺人鬼の恐怖に脅える力なきヒロイン、といった設定はまだ誕生前であった。少なくとも日本に輸入された映画としては初のサスペンス・スリラーであったのだそうだ。 今、この原作本を読んでみると、サスペンスというよりも三半世紀近く前に作られた古臭いゴシック・スリラーへの興味の方が先に立つ。何となくのんびりとした空気、奇妙過ぎる登場人物たちのデフォルメのやり過ぎ。大袈裟な盛り立てへの空気。まるで今年読んだばかりの『雷鳴の夜』(R・V・ヒューリック著)だ。嵐の夜。荒れ地の中の一軒の屋敷。古臭い住人たち。真夜中を切り裂く奇妙な音。連続殺人鬼の噂。少女の死体。 古い古い時代に書かれた物語にはなぜか闇がある。行間にこめられた気配の深みも、現代小説のテンポと違い、非常に濃密で、いろいろなものをほのめかしているように感じることがある。会話体が古臭く、どこか奇怪なのも、こうした古い作品に共通するものだ。独特の当時流れていた時計の遅さ。たった一夜の恐怖体験を描くのに、こんな書き方があるものなのだな、と改めて新鮮みに驚いたりもする。古い作品ならではの味、というものだろうか。 ゴシック・サスペンスなどはぼくは通常読まないのだが、これだけシンプルに、ストレートに、サスペンスそのものを目的として書かれた作品に触れてみると、当時の作者の狙い目の確かさ、ヒッチコック映画たちが生まれゆく土壌、時代そのものの気配がどことなく漂ってきて、それが楽しい。小説とはまさにタイム・カプセルに他ならない、という気がする。 (2003/11/16)