約 1,167,653 件
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/50.html
神代市久我山にある市立の霊園。 概要 1880年に、江戸時代の武家・久我氏屋敷の敷地跡に開設された墓地。 管理はそのまま久我氏が行なってきたが、その後、神代市に土地所有権を無償で供与した。 現在も神代市が墓地を管理している。 数多くの樹木も植えられており、春には見事な桜を咲かせる。 明治時代から人魂や幽霊の目撃談が数多く存在する。 最近では、白いローブの人影や、犬のような顔をしたバケモノを見たという話も多数報告されている。 所在地 神代市久我山区緋方
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/79.html
PL:500歩年齢:30歳■能力■STR:11 DEX:17 INT:14CON:12 APP:12 POW:13SIZ:13 SAN:-- EDU:16アイデア:70 幸運:65 知識:80耐久力 13 ダメージボーナス:±0 ■技能■ 回避 50%、母国語(日本語) 80% 目星 81%、ほかの言語(英語) 80%、キック 80%、説得 75%、図書館 75% 応急手当 65%、心理学 50%、ほかの言語(ラテン語) 50%、聞き耳 30% 歴史 30% 新進気鋭のミステリー作家。 コミュ力が高いさわやか系好青年。 表には一切出さないが、小さな女の子が好きである(18歳は微妙)。 取材をはじめ、各所に足を運ぶアクティブな面もある。 円城守とは高校時代の友人。
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/64.html
PL:ひがし年齢:27歳■能力■STR:12 DEX: 7 INT:16CON:11 APP:14 POW:10SIZ:12 SAN:-- EDU:16アイデア:80 幸運:50 知識:80耐久力 12 ダメージボーナス:±0 ■技能■ 回避 70%、母国語(日本語) 80% キック 81%、言いくるめ 76%、聞き耳 75%、図書館 75%、目星 75% 追跡 60%、マーシャルアーツ(古武道) 60%、鍵開け 51% 私立探偵。 尾竹探偵事務所を経営している。 現金主義で、オカルトなどの非現実的なものは信じていない。 女性には強くモノを言えないヘタレ。 藤田花音の大学時代の後輩で、振り回される事もしばしば。
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/9.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/15.html
PC あ 阿部川幸村 尾竹夕 尾崎沙織 円城守 か 河合レイ 海樹茜 葛西理 小島恵礼希 片瀬千冬 さ 坂井涼 佐々木操 桜田伸治 猿飛・クレイグ・コリィ た 茶所縁 玉田華 な 夏無あやめ は 藤田鈴花 藤田鈴音 藤田花音 火野川龍 藤宮鈴 北条優一 星玲奈 ま 黛敬一 美作すみれ 松沼一二三 M・F・ルーダー や 八星明 月見里ゆき 結城凛々奈 わ 渡邉舞歌 NPC ◆もっと食べたい◆ 菊池陽介 菊池愛美 浅沼ひより 平木大悟 柴崎佳苗 ◆死の規律◆ 鵜沼孝志 栗山勘二 ◆少女の悪夢◆ 立花琴音 立花響 浅井理沙 ◆凍てつく思考◆ 渡辺鈴 鈴木拓海 小林朱里 ◆とおりゃんせ◆ 桐谷沙耶 生駒若菜 ◆サーカスの怪人◆ 倉橋亘 笠原輝石 柏玲司 チョコ ◆黄金の蝦蟇◆ 財部灼 班目紫乃 ◆好事家のコレクション◆ 宮内喜助 宮内みゆき 小田島 新田 ◆地下の幽霊電車◆ 山下修也 村松裕司 関由希子 可児麻美 ◆ハロウィン・パレード◆ 藤田 ◆ジャックのランタン◆ 吉村圭輔 松前佐紀江 氷川兼造 本田照夫 ◆蛇の道は蛇◆ ◆人魚姫の悪夢◆ 大路正人 秋月仁 姫野真魚 ◆蜘蛛の仮面◆ 相馬麻人 吉岡充 松嶋美加子 ◆雛森村のオカルト作家ツアー◆ ◆絡繰り仕掛けの悪夢◆ ◆奇怪侵食◆ ◆雛の孵る頃に◆ ◆美の追求◆
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/6.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/62.html
河合レイ 坂井涼 桜田伸治 佐々木操 藤田鈴音 目撃者 神代市御園区。 時刻は終電を迎えようとしていた。 繁華街から少し離れた道は、それほど暗くなかったが、街灯もまばらだった。 そこを歩いている人影が3つ。 坂井涼、佐々木操、藤田鈴音だ。 鈴音は藤田鈴花の双子の妹で、用事で行けなくなった鈴花の代わりに坂井と操との食事をしていた。 鈴音 あっはっは!! ごめんね~、姉さん来れなくて~ 1人だけアルコールを飲み気持ち良くなっている鈴音。 操の頭をペシペシ叩く。 操 イタイイタイwww 坂井 鈴音さん、やめたげて~ww そんな他愛無い会話も夜の闇に消えていく。 ふと、気づくと女性が倒れているのが分かる。 周りには血の池が出来ている。 その血が流れ出る先、喉元にはボールペンが付き立てられていた。 鈴音 ひぃ!! あわわわわわわわわ 坂井 うわッ!! 操 ひいいぃぃぃぃ 鈴音 ちょっとアンタ男でしょ何とかしなさいあわわわわ 3人は、その異常事態に狼狽したが、目線の先には白い影を見止めた。 少女がフラフラと走っていくのが見えた。 上等そうなコートを着ていた。 しかし、それよりも目の前の女性をどうするかだ。 坂井は意識を集中して女性の喉に刺さっているボールペンの心理を読み解こうとした。 ・・・・・・・ ボールペンだ!! 鈴音 ひぃぃぃぃぃぃぃぃ アルコールが入っている鈴音が五月蝿く喚く。 坂井 うるさいwwww 坂井と操は鈴音を取り押さえて、女性を観察した。 不思議な事に、死んだ女性の顔には表情がなかった。 右手には血がべっとり付いており、ボールペンを自ら喉に突き立てたと思われる。 なのに、無表情だったのが気になった。 3人はすぐに警察に電話をかけた。 鈴音 お巡りさ~ん、はやく来て~~~ 警察はすぐに駆けつけ、3人は取り調べを受ける事となった。 パトカーで連れられた警察署に待っていたのは、顔を知っている刑事だった。 この事件の担当の栗山警部だ。 操 くりりんwww 栗山 あれ、キミたちは・・・!? 操 ご無事でしたか!? 鈴音 知り合い・・・? 操 あ、ちょっと前に色々ね・・・ 坂井 あのー、オレたちの代わりに戦わせたwww 鈴音 あ、どうも始めまして。 栗山 あれ? キミは、こないだの藤田さん・・・じゃ? 鈴音 あ、もしかして姉ですか? 私、藤田鈴花の双子の姉の鈴音といいます。 栗山 ああ、藤田さんじゃないんですか。 鈴音 “藤田”なんですけどwww 栗山 妹さんね・・・ 鈴音 姉がお世話になったようで・・・ 坂井 すいません、ややこしくて。 栗山 ようやく復帰したと思ったら、こんな事件とはね・・・ こうして事情聴取が進んだ。 被害者は、近くに住むOLの森田多恵。 仕事終わりに同僚と食事を摂り別れた。 凶器は所持していたボールペン。 状況からどう見ても自殺だが、この遺体にも“ためらい傷”はない。 自殺をする者には、痛みや恐怖から傷が浅くなってしまう事がある。 これがない事に、坂井は違和感を覚えた。 さらに、坂井と鈴音は、このひと月で、このような不可解な自殺が他にも2件あった事を思い出した。 はじめの自殺は3週間前。 会社帰りのOL(大庭美咲)が、コンビニで果物ナイフを購入後、近くの路上で頚動脈を切って自殺。 2件目は大学生(日高晃)が、公園の岩に自ら頭を打ち続けて失血死したというものだった。 どちらの件も、自殺の理由は不明のままだった。 こちらにも“ためらい傷”が見当たらなかったはずだ。 探偵事務所への依頼 ここは、河合レイ探偵事務所。 奥のデスクには事務作業の手伝いとして桜田伸治もいる。 と、そこに事務所の扉が開く。 現われたのは、40代ほどの女性。 女性は日高奈美子と名乗った。 自殺した息子の母親を名乗った。 奈美子 相談したいのは、息子の自殺の事なんです。 でも、不審なんで調べて頂きたいのです。 警察に頼んでも全然捜査してくんないし・・・ なので、ことらの探偵事務所に頼もうかと・・・ 桜田 飲み物は何か? 奈美子 ああ、どうも。 桜田 コーヒーでも淹れてきましょう。 奈美子 ありがとうございます。 レイ (何だかんだでいなくなるんだwww!?) えっと、息子さんは、いつ頃亡くなったんですか? 奈美子 2週間前です。 レイ 自殺の方法は? 奈美子 まったく理由がないのに、突然、近所の公園の岩に頭を打ち付けていたんです。 レイ 何か悩んでいる様子とかは? 奈美子 まったくなくて、大学も頑張って行ってたのに・・・自殺なんて有り得ません!! レイ 息子さんのお名前は? 奈美子 日高晃と言います。 と、そこにコーヒーを淹れてきた桜田が戻ってくる。 桜田 どうぞ、コーヒーです。 奈美子 ありがとうございます。 レイ あと、何か思い当たる節は・・・? 奈美子 ないんです。 警察にも行ったんですけど・・・ レイ 警察の見解は、どうなんですか? 奈美子 自殺、としか・・・ レイ なるほど・・・ 桜田 あれ? 何か、似たような事件やってるな・・・ 桜田の視線の先には何気なく付いていたテレビだった。 朝のワイドショーでは、今朝方起きた事件が報道されていた。 --- 本日未明、御園区で女性の遺体が発見されました。 女性は、近くに住むOLで、所持品のボールペンで喉を突かれており、自殺と見られています。 奈美子 自殺・・・? この事件も絶対おかしいわよ!! ニュースを見て、騒ぐ依頼人をなだめつつ、レイは仕事の請負の契約書を仕上げた。 日高奈美子は「お願いします」と言って事務所を出て行った。 レイ さて・・・ 依頼人が出て行くとレイも外出の支度を手早く済ませる。 桜田 何してんの? レイ 日高奈美子さんを尾行します。 桜田 俺は必要か? 俺も行くぞ? レイ んー、取り敢えず大丈夫かな。 そう言うとレイは事務所を出て、日高奈美子を追跡した。 日高奈美子が入っていった家には、「日高」の表札が掲げられている。 レイ ふむ、シロか・・・ レイは再び事務所に戻ると、桜田と相談をした。 レイ どこから調べますかねぇ。 桜田 どこに行くにしろ、一連の事件の現場を書き出してみるか。 レイ そうですね。 桜田 案外、五芒星とか出来んじゃねwww? 地図に一連の“自殺事件”の現場を記していく。 レイ ちょうどテレビでもやってるみたいだし、近くに行ってみますか? 桜田 何も残っちゃいないだろ~ まあ、行くか。 レイ 行きましょうよ。 第1の現場(3週間前の大庭美咲の自殺現場)。 コンビニ近くの路上。 事件が3週間前なので、大体片付けられている。 大量の血が洗い流された跡が残っているくらいだ。 桜田 ふあぁ~ 警察も捜したろうし、こんなモンかな? レイ やる気ないなぁww あくびを交える桜田にレイも苦笑する。 レイ デスクワーク専門ですからね。 次、行きますか。 第2の現場(2週間前の日高晃の自殺現場)。 現場の公園には何も残っていそうにはない。 頭を打ち付けたという岩場だけは、危険ということで規制線が張られたままだ。 桜田 2週間経ってもまだ封鎖とはね・・・ レイ まあ、安全が確保出来ないんでしょうね。 桜田 夜から仕事だし、サクッと行こーか。 レイ !? 夜から仕事なんすかwww 第3の現場(今回起きた森田多恵の自殺現場)。 現場は住宅街の一角。 報道されていたように、警察も捜査をしており規制線が張られている。 野次馬も多く集まっていた。 レイと桜田は、到着するとまず現場を見回した。 ほかの野次馬より頭ひとつ出ている長身の桜田は、現場の警官の目に付いたのだろう。 捜査の指揮をしていたであろう女性刑事がツカツカと2人に近づいてきた。 そして、どこに持っていたのか拡声器を取り出した。 女刑事 そこのデカい人!! 捜査の邪魔になるからウロウロしないでくださーい!! 桜田 あ!? え、あ、あのあのwww レイ !? 拡声器の女刑事に驚き、桜田はしどろもどろになってしまう。 明らかに不審者の挙動になってしまう。 女刑事 ホント、捜査の邪魔なんでどっか消えてください。 野次馬 サッ 見ちゃいけません。 そんなやり取りをしていると、女性刑事に電話がかかってきた。 レイはその電話に聞き耳を立てた。 昨夜の事件の目撃者が警察にいるらしい。 レイ (ここで騒いで警察に連れていって貰った方がいいかwww) 桜田 (このこぶしでwww) レイ (さすがに警官を殴るのはwww) (取り敢えず、その目撃者に会えないかしら?) 2人は女刑事の疑いの目から逃れるためにも、所管の警察署に向かい、目撃者を探すことにした。 5人の合流 一連の自殺事件を所管する御園警察署。 レイと桜田は女刑事から逃げるようにここにやって来た。 と、そこに警察署から出てくる3人を見かけた。 鈴音 いや~、マジ目撃したわ~www 取り調べ長くて疲れた~ 坂井 う~ん、日の光だ・・・ 操 太陽が眩しい~ 鈴音 取り敢えず、マックでも行こうか・・・ 坂井 俺もう帰りたいwww 鈴音 おごるわよ~ 桜田 ・・・ あのちゃらんぽらん3人組が・・・ レイ アナタにだけは言われたくないと思いますよ・・・ 警察署から出てきた鈴音、操、坂井の3人は長い事情聴取で愚痴をこぼしていた。 レイはその3人に声をかける。 レイ ちょっと貴方たち・・・ 鈴音 はい。 何か御用ですか? レイ 貴方たちは、昨日の事件の目撃者なんですよね? 坂井 うへぇ~、はい。 (あ、あたまにカギ付けとるwww) 操 はい。 鈴音 ・・・色々、見ちゃいました。 レイ ちょっと、お姉さんに話してくれない? 操 えっと、ドナタですか? レイ 私は河合レイ、探偵よ。 鈴音 ・・・・・・ 操 ・・・・・・ 坂井 ・・・・・・ レイ あ、あのッwww そうだ、め、名刺ありますよ。 鈴音は名刺を受け取るとレイを観察した。 隣の眠たそうな男はともかく、信用できそうだと判断した。 坂井 俺たちが見たのって死体で、特別なモノをみたって訳じゃないけど・・・ でも、話だけなら・・・ 操 坂井!? 鈴音 まあ、こんな警察署の前じゃなんですから・・・ レイ じゃあ、マックおごるから!! 鈴音 ぜひwwww 坂井 ありがとーございます!! レイさんマジ天使!! 操 坂井・・・ 坂井 やべー、美人だ、チョー美人www 操 坂井・・・美人に弱いからな・・・ 坂井 でも美人にお金を出させる訳にはいかない!! 俺は自分の分は自分で出すぜ。 操 坂井坂井、じゃあ私におごって。 坂井 断るッ!!! 操 えぇッwww!!? 5人はマックに行って自己紹介を含めて情報の交換をした。 目撃時の状況や、レイが依頼を受けて今回の不可思議な自殺事件を調べている事を話した。 坂井 あと、警察には話さなかったんだけど・・・ 女の子がいたような・・・ レイ 女の子? 坂井 お嬢様っぽい良い服着てたんだけど、目が虚ろな感じで・・・ 桜田 ってコトは、会社帰りってコトはないよな・・・ 坂井 おじさんダレっすかww? 桜田 目が虚ろってトコで社畜の共通点を見出したんだが・・・ 坂井 レイさん、この人彼氏ですか? レイ え、違う。 桜田 違うよ。 ただのクライアントだ。 レイ ドライだなーwww 操 あ、あの子、変ー!! レイ !? 鈴音 !? 坂井 !? 鈴音 貴女が一番変よ。 操 そーじゃなくて!! えっと、あんな時間に女の子が1人ってアヤシイの~!! レイ そう言うコトねwww 坂井 そーいや、お2人のコトなんて呼べばいいですかね? レイ レイちゃんって呼んでもいいよwww 坂井 レイさんマジ天使wwww 鈴音 桜田さんと・・・河合さんでいいですかね? 桜田 俺は“桜田門”の桜に、“桜田門”の田で、桜田だwww そっちは操ちゃん、鈴音ちゃんに・・・涼くんか? 坂井 坂井でいいっすよ。 レイ えwwwwww なんで、距離感がwwwww 男に厳しいの!? 鈴音 まあ、こんな社畜から・・・ 坂井 いやいや、涼でもいいっすよ。 桜田 じゃあ、涼!! 坂井 桜田さん、よろしくおなしゃーっす。 5人は再び現場を見に行って少女の手がかりを探す事にした。 丘の上の屋敷 第3の現場では、警察の検分などが続いている。 そこよりも少し離れた場所。 鈴音 河合さん、あれ・・・ 鈴音がキラリと光る何かを見つけ、レイに耳打ちする。 レイが拾い上げると、ヘアピンだった。 赤いリボンの付いたヘアピンで、“たちばな”と書かれていた。 被害者女性の年齢には似つかわしくない。 鈴音 たちばな・・・? レイ これって、アナタたちが話していた女の子の? 坂井 近くに、たちばなって家があるかもしれないな・・・ 鈴音は事件を見に来た野次馬であろう近所の主婦に声をかけた。 鈴音 すいませ~ん、この辺に“たちばな”って家、ご存知ありませんか? 主婦 あら、たちばなって言ったら、丘の上のお屋敷の立花さんじゃないかしら。 操 お屋敷!? 坂井 丘の上!? 主婦 あなた知らないの? 鈴音 ええ、知りませんでしたよ~。 主婦 あなた、何かや~ね~ 鈴音の他人にゴマをする感じの対応に主婦は不審がりはじめた。 そこに桜田が割って入る。 桜田 まったく、ナニやってんだよ。 鈴音 ちょ、桜田さん!! 主婦 あら~、イイオトコねぇ~ ワイルドで長身の桜田は、主婦のどストライクだった。 主婦は気を良くした。 主婦 あらあら~ 桜田 マダム、その立花さん家には、小さなお嬢さんとかいたりしませんか? 主婦 あ、立花さんトコにいますよ~ 有名な音楽家の家なんですよ。 桜田 音楽家なんですか。 主婦 娘さんもピアノ習ってるみたいですよ。 桜田 なるほど、どうもありがとうございました。 鈴音はスマホで“立花 音楽家”と検索する。 すると、御園区の著名人としてトップに立花義和、次いで立花響という人物かヒットした。 調べると立花家の経歴や家族構成、住所なども出てきた。 立花義和氏は、有名なバイオリニストですでに事故で他界している。 立花響氏は、義和氏の息子で有名なフルート奏者。 義和氏の娘に琴音という12歳の子供がいる。 家族の写真もあり、昨夜見た少女のようでもあるが、表情が違っていた。 桜田 屋敷には響くんと琴音ちゃんが2人暮らし? レイ メイドさんとかもいるかも。 坂井 じゃあ、丘の上に行ってみる? レイ 落し物ですよ~って。 屋敷の前までみんなで行きますか。 丘の上の立花邸。 ここに立って鈴音はある事に気づいた。 鈴音 ここ・・・中心では・・・? 先ほど、見せてもらった3つの事件の現場に立花邸を書き加える。 もしかすると、この事件は五芒星を描こうとしているのではないかと察する。 第1の事件から五芒星を描こうとすると、普通に☆を書く書き順が違うことに気づく。 桜田 待てよ、はじめが3週間前で2件目が2週間前・・・ 2週間とんでるよね・・・ レイ その間の1週間は・・・? 坂井 ? 操 ? 鈴音 何かあったけど発見されていない、とか・・・? 操 あー、取り敢えずその周辺に行ってもいいかもしねないね。 坂井 二手に分かれる? レイ それぞれの得手不得手で分かれたほうがいいかも。 結局、立花邸にはレイ、鈴音、操の女性3人、事件現場と思しき場所には桜田と坂井の男性2人で行くこととなった。 桜田 よし行くぞ、坂井。 俺たちは現場だ!! レイ え!? 何で、いきなり熱血系になっちゃったのwww!? 男がいるとやる気になるの? 操 河合さーん、じゃあ行きましょーねー 坂井 ああ・・・オレのオアシスが・・・ 桜田と坂井。 五芒星を描く際の2画目の終点、☆の右下の位置に目星をつけて行ってみる。 そこには公園があった。 桜田 ここは・・・ この公園では、1週間前にある事件があった。 出張中の会社員(真壁公平)が、公園のブランコに自らのネクタイで首を吊って自殺した。 桜田がスマホで検索しても、血が流れていなかったためか、警察は一連の自殺事件と関連付けていなかったようだ。 坂井 やっぱり、ここで人が死んでる・・・ 桜田 遡って検索したけど、4週間前にはそんな事件はないな・・・ まあ、何もなさそうだし戻るか。 場面は戻って立花邸。 周囲の住宅と比べてひと回り大きな屋敷だ。 壁に覆われ、門にはインターホンが設置されている。 インターホンを押すと使用人らしき女性の声が応答する。 女性 はい、何の御用でしょうか。 鈴音 あの、河合と申しますが。 レイ はッwww!? 鈴音 落し物らしきものを拾ったのですが・・・ 女性 落し物・・・ですか? 鈴音 お宅のお嬢さんを見かけた場所で、お嬢さんの物らしいものを見つけたので・・・ インターホン越しにやり取りをする2人を尻目に操は壁を登り始める。 広い屋敷には数人の使用人が家事をしているのが分かる。 少女の姿は見当たらない。 女性 お嬢様は17時頃までピアノのレッスンなんです。 レイ (帰れってコトですね・・・) 鈴音 (じゃあ、メンズと合流しますかね) 立花邸を辞した3人は男性陣に連絡を入れ、駅前のマックで合流した。 坂井 レイさん会いたかったですッ!! 操 坂井!! 桜田 モスが良かったな。 鈴音 カッ!! モスは隣駅なのよwww 結局、成果はあまり得られなかった。 17時に再び立花邸を訪れる事が決まる。 手持ち無沙汰になった操はジャグリングの練習を始めた。 操 坂井、練習付き合ってー 坂井 えー、メンドくさーい。 操 こっちにタイミングよくボール投げてー 坂井 ほいほいほいほい~ 桜田さん、途中で代わってもらえます? 桜田 俺、いま仕事中なんだ。 操 坂井、無理だった。 坂井 レイさん、趣味ってなんですか? 操 はいはい、アンタはこっちね~ 坂井 あぁッwww 鈴音 桜田さん、仕事とか行ってギャルゲーとかやってるんじゃないですか? 桜田 違う!! 俺は熟女にしか興味がない!! レイ 35で熟女ってwww 坂井 かなりいってるなぁ~ レイ 桜田さんって熟女マニアなんですって!! 操 ああああ 鈴音 きゃぁwwww 桜田 い、いや、違う!! そーゆうんじゃなくてだなww 鈴音 ロリコンの熟女マニアなんですってwwww!! 坂井 桜田さんwwww レイ あんなに必死で抵抗してるって・・・ホントなんじゃない? 坂井 ・・・っすかねwww 操 レイさん、スゴイ人雇ってますね。 レイ 私も知らなかった・・・ 鈴音 逆に河合さん、熟女でも幼女でもないから・・・ 坂井 桜田さん!! オレハミカタデスヨ!! 桜田 ・・・俺、寝るわ。 坂井 桜田さんが泥沼化したwww 桜田 俺の冗談、理解してくれ・・・ 桜田の信用が大暴落して、時刻は17時を迎えた。 5人は立花邸に戻ってきた。 様子を窺うために操は再び壁に上る。 レイ 取り敢えず、面割れしてる私たちが行きますか? 鈴音 面というかインターホンなので、声割れですねww レイ 声割れって言うと、声がガラガラみたいwww 桜田 俺たちは、少し離れて待機だな・・・ 坂井 また桜田さんと一緒www 立花邸のインターホンを鳴らす。 ピンポーン。 レイ 先ほどの者なんですが・・・ 女性 ・・・分かりました。 どうぞ、玄関にお通りください。 観念したのか、インターホンの奥の声は2人を敷地内へと促した。 門をくぐると庭が広がり、奥に屋敷が見える。 出迎えてくれたのはメイド服姿の女性。 インターホンで対応していた声と同じ人物だった。 女性 落し物、という事でしたね・・・ 鈴音 あ、はい。 レイ ・・・ 女性 では、お預かりしておきますので。 やり取りしているところに、女の子が通りかかった。 その足取りはおぼつかなく、鈴音は昨夜と同じように感じた。 鈴音 お嬢さん、何か調子が良くないみたいですね。 女性 はい、お嬢様はここひと月ほど体調も優れないようで・・・ 鈴音 ひと月前・・・そーなんですか・・・ 女性 夕べも調子が悪かったみたいなんですけど、今日もずっと上の空なんですよ。 さすがに粘りきれず、2人は屋敷を出る。 壁に登った操は敷地内を見渡した。 庭は広い。 中庭もあり、丁寧に整備されている。 レイと鈴音が門を出て、桜田、坂井と合流すると、操が電話をかけてきた。 操 私、このままいた方が良い~? 鈴音 取り敢えずこの先、ここと、第5の現場になりそうな場所を張っていた方が良いと思うんですよね。 レイ 確かに、1週間ごとに起きてたから、たま1週間後とも限らないし・・・ 操 じゃあ、私は待機してて、動きがあったら連絡するとか。 鈴音 そうね、それで4人で現場を張っている、と。 操 あ、でも、もう1人欲しいかも・・・ レイ 2:3で分かれる? 電話受けて今から追跡に戻る、ってなると後手後手っぽいですもんね・・・ 坂井 じゃあ、オレがここに残るよ。 話し合いの結果、操と坂井は立花邸で様子を観察。 レイ、鈴音、桜田は、次に事件が起きるであろう“☆”の右上に当たる場所周辺を張ることにした。 そして日が暮れた。 立花邸から、フラリと出てくる人影があった。 操と坂井は、立花琴音であると気づいた。 そのまま少女はトトト・・・と小走りで走っていった。 操は鈴音にケータイのメールを送信する。 坂井は琴音の後を追跡する。 操は慌てて壁の上から飛び降りたため、着地の瞬間に足を痛めてしまった。 操 足がジンジンする~ 坂井 あ、後で連絡するから、オレ追いかけるから!! 操 うん!!さ、先行って!! 少女の足取りは早くなかったものの、坂井は見つからないように慎重に後を追った。 坂井 (夜に隠れて幼女追いかけるとか、事案だよなwww!!) 一方、レイ、鈴音、桜田の3人。 操からメールを受信して、待機していた次の事件の発生予測地点。 レイ あれは・・・? レイが人影に気づく。 こちらから見ると、少女がフラフラ小走りする後ろを不審な青年が追いかけていた。 レイ wwwww あれは・・・変質者じゃwww 3人は琴音からは見えない場所に隠れていたが、琴音は3人のところに来る前に立ち止まった。 追いかけていた手前、坂井は琴音に近づいて話しかけようとした。 琴音は突然、坂井の方に振り返った。 坂井 !!? 琴音は一歩足を踏み出したと思うと、そのまま坂井めがけて倒れこんできた。 坂井 回避ッwww!!! 坂井は華麗に身を翻し距離をとった。 琴音はそのままバタンと倒れた。 そこに操が後から追いついてきた。 操 何やってんの!? 坂井 え!? いや、なんか倒れてきたから・・・ その様子を見ていた3人も、その場に駆け寄った。 レイ 大丈夫!? 鈴音 何やってるのよ。 坂井 ごめん、受け止めればヨカッタ・・・ すぐにレイが琴音を抱き起こした。 坂井も携帯用の救急セットで簡単に琴音を手当てする。 坂井 ゴメンよぉ~ すると、すぐに琴音は目を醒ました。 琴音 あれ・・・? お兄ちゃんたちは・・・? レイ (う~ん、どう説明すれば・・・) 鈴音 (どー見ても誘拐犯ですねww) レイたちが言葉に困っていると、屋敷の方角から足音が聞こえて人が近づいてくるのが分かった。 レイ こ、これは・・・やばいかも・・・ 坂井 操、隠れるんだ!! 鈴音 私はレイさんだけ置いて隠れませんよ。 操 じゃあ、早くかくれr・・・ベブシッ!! 慌てた操はそのまま道路に躓いて転んだ。 その操に桜田と坂井も躓いて一緒に転んでしまった。 そうこうしている間に駆け寄って来た人物はメイド服を着ていた。 レイと鈴音は、見覚えがあった。 昼間に立花邸で対応してくれたメイドさんだった。 メイド お嬢様、探しましたよ。 こんな時間に、どうしてこんな場所に・・・ と、いうか、貴方たちは一体!? 一同 (デスヨネーーーwwwww) 琴音 あ・・・ 私を手当てしてくれた人たち・・・ 鈴音 倒れていて、ケガもしていたようなので、手当てをしたんですよ。 メイド そうですか、ありがとうございます。 あれ、貴方がたは昼間の? レイ (メッチャその辺うろついてた感ありますよねww) 鈴音 たまたまなんですよ!! メイド いえ、本当にありがとうございます。 あ、申し送れました。 私、立花家の使用人をしております浅井と申します。 鈴音 いえ、ご丁寧に。 レイ 前にも、こういう事はあったんですか? 浅井 私は知りませんね。 その返答に何かを隠している事を鈴音は感じ取った。 浅井 あ、宜しかったら、こんな場所じゃなくて、後日しっかりと・・・ ねぇ、お嬢様。 琴音 うん。 浅井 時間がよければ、明日にでも。 鈴音 あ~、是非是非。 そういうと鈴音は連絡先として、レイからもらっていた名刺を浅井に渡した。 レイ (ですよねwwww) (すると思ったよwwww) 挨拶を済ませると、浅井は琴音を連れて屋敷に戻っていった。 レイ 自分で名乗るより周りの人が名乗る回数の方が多いんだけどwww こうして怪しんでいた立花邸に立ち入ることとなった。 立花邸のお茶会 招待された5人は翌朝、立花邸を訪れた。 桜田 仕事が残っててツライわー、ツライけど行くわー 坂井 桜田さん、あんま無理しないでくださいね。 操 じゃあ、私は壁に上ってる。 レイ 中の様子は? 坂井 あ、オレがスマホ共有しとくんで・・・ レイ じゃあ、私たちは美味しいお茶を頂いてきますね。 操 はッwwwそっかwwww 鈴音 美味しいお菓子をお土産にでも貰ってくるわね。 坂井 うん、食べてくるわー 操 ・・・・・・!!!!! 立花邸に入った4人は応接室に通された。 迎えてくれた琴音と、脇には浅井が立っていた。 お互いに昨夜のことを話した。 鈴音 お元気そうでなによりです。 レイ あら、これ良いお茶www 坂井 ケーキケーキwww 一方、壁の上の操。 ケータイのスピーカーから流れてくる声にお腹を空かせる。 操 けーき・・・ 美味しそうなのは伝わったよ・・・ 坂井 昨日いたんだけど、今日来れなかったヤツにお土産で少し持って帰ってもいいですか? 浅井 どうぞ、持っていってください。 などと、お茶と会話を楽しんでいた。 しばらくすると、ガチャと扉が開き、一人の男が入ってきた。 黒いスーツに身を包んだ礼儀正しい青年だ。 ネットで検索した時に載っていた顔写真と同じ人物。 立花響だ。 響 どうも、妹がお世話になったようで・・・ 鈴音 とんでもないです。 貴方が有名な音楽家の立花響さんですか? 響 まあ一応、そこそこで演奏会なんかもやらせてもらっていますが・・・ 鈴音 えー、すごーい。 響 私はこれから仕事もありまして、挨拶に伺っただけなので、ゆっくりしていって下さい。 響は一礼をして部屋を出て行った。 一番扉に近かった桜田は、立花響の呟きが聞こえた。 響 急がなければ・・・ 今夜にも・・・ ぐぅ~~~~~ 外では、聞き耳を立てるまでもなく、操のお腹が鳴っていた。 ただ、操の位置からは、響が車で出て行くのが確認できた。 レイ 随分、年齢の離れたお兄さんなんですね。 鈴音 10コくらい? 普通じゃない? 坂井 うん、別にそうだね。 レイ 有り得るけど、聞かれません? 琴音 たまに言われるかな。 後ろに居た浅井は、若干顔を伏せているみたいだった。 桜田 でもホント、昨日は何であんな場所に・・・? 琴音 ・・・よく分かんない。 レイ 覚えてないのね。 坂井 お兄さんって、どんなコトしてるんですか? 浅井 響さまは、フルート奏者です。 演奏会などにも参加しておられます。 ふと、窓に目を向けたレイは思わず二度見した。 壁の上でヒマを持て余した操がジャンプしたりし始めていたからだ。 レイ !!!!!!????? ブッww ゴホッゴホッ!!! 坂井 すいません、オレちょっとトイレに・・・ 話題を逸らすためにも坂井が席を立った。 トイレの場所を教えてもらって坂井が向かったのは2階だった。 向かった部屋には“響”と書かれたプレートがぶら下がっていた。 ドアノブを回すと扉が開いた。 スッと部屋に入って中を見渡す。 机の上には日記帳らしきものがあった。 その脇には真っ黒な金属の四角い物体があった。 ひとまず、坂井は日記帳を開いた。 ■□■響の日記■□■ (抜粋) ○月×日 もっと練習しなくては。俺はまだまだ未熟だ。 父さんにももっと練習に励むように言われている。 ○月△日 琴音のピアノの発表会に行った。 琴音はきっと将来立派なピアニストになるだろう。 ~~~~~~~ ■月○日 父さんと母さんが死んでから1週間が経った。 医者から俺は養子だと聞かされた。 今日は色々あって疲れた。もう寝よう・・・ ■月×日 変なものが届いた。 よく分からない・・・ ■月△日 昨日届いた荷物を開けた。 「貴方の本当の母より」と書かれたカードと、変な本が入っていた。 本は英語で書かれているが、読むと気持ちが悪くなる。 ■月◎日 最近、誰かに見られている感じがする。 何かがおかしい・・・ △月■日 フルートを吹いている時だった。 “虫”に見られていた。 △月▼日 “虫”が話しかけてきた。 「素晴らしい音色だ」と。 “虫”は、「是非とも我らの神にもその素晴らしい演奏を聴かせたい」と言った。 “虫”は“シャン”と名乗った。 以降、日記には“虫”やら“神”といった単語が頻繁に出てきた。 [以下要約] ・“虫”に本を読むように言われた。 ・神のために演奏する。 ・神を召喚するために“古き印”を描く。 ・妹と使用人を生贄に捧げる。 ■□■□■□■□■□■□■ 日記を読んで、これを本気で書いていると思うと坂井は気分が悪くなった。 坂井は、響の部屋の異様さを手短にメールした。 応接室。 ブブブブブブ・・・・ レイのスマホがメール受信のバイブ音を鳴らした。 ピロリ~ン♪ 続いて鈴音のスマホ。 ピピピピピ・・・ 桜田のスマホも受信した。 メールには「2階の響の部屋で謎の黒くて四角いモノが・・・日記は読むな!!一旦戻ります」と書かれていた。 桜田 失礼、俺も腹の調子が良くないのでお手洗いに行ってきます。 応接室から出ると、桜田は窓の外の中庭で穴を掘っているメイドを見かけた。 足元には麻の袋のようなものが置いてあった。 そのメイドはひどく虚ろな目をして、一心不乱に穴を掘り続けていた。 桜田 なんか球根でも植えてるのかなぁ~ デカい球根だな~ 庭仕事も大変だな・・・ と、そこに坂井が戻って来た。 坂井も中庭のメイドに気が付いた。 坂井 デカい球根でも植えてるんですね。 桜田 メイド仕事も大変だな・・・ 坂井 バトンタッチでよろしくお願いします。 坂井が応接室に戻ると、今度は鈴音も部屋を出た。 鈴音 何か変わったコトありました? 桜田 メイドが球根植えてただけかな。 鈴音 球根? 桜田 そーいや、麻袋のまま埋めてたな・・・ 鈴音 !? 桜田 それより、響くんの部屋だ。 黒い物体ってのが気になる・・・ 2人は響の部屋に入った。 桜田 これが、行ってた黒い物体か・・・ 確かに、何だコレは・・・? 鈴音 私に任せてください。 と、鈴音は黒い物体を思い切り蹴った。 黒い物体はビクともしなかった。 鈴音 いった!!! 桜田 先に蹴るんだwwww!!? とはいえ、これは・・・ 分からないな・・・ 鈴音 でもコレ、金属とも石とも似つかないモノですね・・・ 戻りますか・・・ しばらくして桜田、少し時間をおいて鈴音も部屋に戻ってくる。 レイ お兄さんってどんな人なの? 琴音 優しいの~ 坂井 最近って体調が悪いの? 琴音 うん、ずっと悪い夢を見るの・・・ レイ お兄さんは、ずっと仕事? 浅井 響さまは、主に演奏会に参加なさっていて、練習などで家を空けることも多いです。 桜田 因みに夢見が悪いってどんな感じの夢なのかな? 琴音 何だか分かんないけど、暗いトコでふわふわしてるみたいなの・・・ 桜田 ふむ。 坂井 お兄さんは、何か“虫”に興味を持つことってあった? 浅井 どういう事ですか? 坂井 あ、いや・・・ ほかに趣味とかあるのかなーって。 虫という言葉に浅井が反応した事で、坂井は日記に書いてあった事を要約して4人にメールを送信した。 「“虫”に本を読むように言われた。神を召喚するため演奏して“古き印”を描く。そして妹と使用人を生贄に捧げる。」 しばらくすると、琴音が体調を崩しはじめた。 浅井 お嬢様、大丈夫ですか? 鈴音 大丈夫ですか? 浅井 すいません、お嬢様をお部屋にお連れしたいので手伝ってもらえませんか? 浅井を手伝って4人は琴音を部屋に運んだ。 浅井のほかにも琴音を看病するためにメイドが居たが、浅井以外は彼女らも体調が芳しくないようだった。 鈴音 貴女も大丈夫ですか? 体調が良くないみたいですけど。 メイド 実は最近、夢見が悪くて・・・ それで疲れが取れないんです。 様子を見ていたが、琴音はそのまま眠ってしまった。 坂井は、浅井の様子を観察していた。 こちらに敵意はないが、何か隠しているような感じで、焦っているようにも見えた。 一方、外の操。 皆が応接室を出て行ったので壁から敷地内に飛び降りた。 操の場所からも穴を掘っていたメイドが見えていた。 中庭に行くと、麻袋を埋めたと思われる場所の土が盛り上がっていた。 脇には埋めた時に使われたと思われるシャベルもあった。 簡単に掘り返せたのでスグに麻袋は出てきた。 しかし、袋を開けるのをためらった操はシャベルを袋に向かって投げつけた。 シャベルは麻袋にガツッと当たり、そこからは血が滲み出てきた。 操 えッ!!!? 操は急いで麻袋の紐を解いて袋を開けた。 すると中にはシャベルで貫かれた猫がいた。 まだ息はあるようで、にゃあと弱々しく鳴いている。 操 ね、猫ーーー!! ゴメンねーーー!! 操は急いでハンカチを取り出して止血した。 坂井 さて、琴音ちゃんも体調悪いみたいなんで、オレらもおいとました方がいいですね・・・ 鈴音 そうですね、お邪魔しました。 浅井 いえ、こんな状態でお見送りになってしまい、申し訳ありません。 4人が屋敷を出ると、そこには血まみれの麻袋を持った操が立っていた。 坂井 操・・・シュール。 操 かくかくしかじかで、猫が埋められていました・・・ 桜田 あれ、もしかしてソレは球根の袋? 操 もしかしたら死体でも埋めてたんじゃないかと思って掘り返したら・・・ 鈴音 その血は・・・? 操 ・・・ワタクシめが・・・シャベルで刺してしまって・・・ 坂井 え、あ・・・そッ、いや・・・ 鈴音 あらあら・・・ 操 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。 坂井 鈴音さん、その辺にしときましょうよ。 オレも同じことしてたと思う・・・ 操 だって虫かもしんないなーとも思ったし~ うう~~~~(自己嫌悪) 時刻は昼過ぎ。 立花邸を出た5人は情報の共有と意見の交換をした。 今夜にでも何かが起こるとして、再び最後の現場と立花邸を張ることにした。 人員の割り振りも昨夜と同じ人数とした。 意外な協力者 レイ、鈴音、桜田の3人は昨晩と同じ場所に訪れた。 夕べは夜で気付かなかったが、近くには用水路が流れていた。 鈴音は用水路の脇に何かが引っかかっているのを発見した。 鈴音 ちょ、あ、あれ・・・ 見て!! 桜田 嫌な予感しかしない。見たくないー レイ そうも言ってられないでしょ。 近くまで行ってみましょう。 それは顔に見覚えはないが、紛れもない死体だった。 そして、その死体が着ている服は、立花家のメイドが着ていた服だった。 レイ し、死んでる・・・ 桜田 立花家のメイドだ・・・ 3人が立ち尽くしていると、レイのスマホに電話が掛かってきた。 レイが番号を確認すると、知らない番号からだった。 レイ もしもし河合です。 電話口の相手は、立花家の使用人の浅井からだった。 浅井 先ほどはお構い出来ず申し訳ありませんでした。 あの、実はお願いがあって、屋敷の外でお話をしたいのですが・・・ レイ ・・・はい。 分かりました。 えっと、すぐにですか? 浅井 正直、あまり時間はないと思いますが、夕方までなら・・・ レイはスマホに手を当てて、2人と相談する。 レイ 浅井さんから相談があるってコトだけど、どうする? 私だけで行ってもいいけど・・・ 鈴音 ここでの事件は起きてしまったのですから、一緒に行きます。 レイ もしもし? 分かりました。 では、1時間後に駅前の喫茶店で・・・ 浅井 分かりました。 駅前の喫茶店。 レイ、鈴音、桜田が先に奥の席を取っていた。 そこに浅井が訪れる。 席に着いた浅井が話し始めた。 浅井 まず私の身分を明らかにしておきます。 私は、ただの立花家の使用人ではありません。 ひと月ほど前から立花家で働いているのですが、社交サロン『百物語』の芥川龍之介に仕えているエージェントです。 百物語の名前に、探偵であるレイはピンときた。 百物語とは、上流階級の社交サロンのひとつだ。 明治時代に結成され、現在でも特殊な品物や、珍しい出来事を披露するなど情報交流している。 政財界に名を連ねる人物も所属している会員制のサロンだ。 中でも上級会員は、文豪の名前を冠している。 芥川龍之介も、その内の一人だろう。 浅井は続けた。 浅井 立花響は魔術的な儀式を執り行おうとしているのです。 貴方たちが屋敷でこそこそしていたのは知っています。 彼の日記を読みましたか? 明らかに常軌を逸しています。 そう言って響の日記帳を取り出す。 3人は改めて読んだ。 浅井 日記にある“シャン”という虫は人間に取り憑いて自由に操ります。 昨夜、お嬢様がさまよい出て私と屋敷に戻った後、別の使用人が操られて自殺したみたいです。 まだ、発見されていないようですが・・・ レイ シャン・・・って。 浅井 シャンは半分霊体のような存在なんです。 簡単に人間の頭の中に入り込み、自由に操れるのです。 日記にある、古の印である五芒星は完成しました。 おそらく今晩、屋敷にて召喚の儀式が行なわれます。 儀式により召喚されるのは、『白痴なる魔王』アザトース。 我々としては、その召喚を阻止したいのです。 お嬢様を助けるためにも協力してくれませんか? レイ えっと、浅井さんは何を目的としてそこにいるんですか? 浅井 我が主は立花響の持つ魔術書を御所望です。 レイ そっちか・・・ 鈴音 魔術書だけを持ち去ることはできないんですか? 浅井 儀式に使うため立花響がずっと持っているのです。 まあ、アザトースの召喚なんて、阻止できるのなら阻止したいですからね・・・ 鈴音 儀式の阻止って、どうやれば・・・ 浅井 儀式の最終局面で立花響がフルートを演奏します。 その演奏さえ止めれれば。 鈴音 因みに、相手方の戦力的なものは・・・? 浅井 向こうにはシャンがいます。 取り付かれれば虫の意のままに操られてしまいます。 人数は分かりませんが、立花家の使用人が操られている可能性は高いですね。 桜田 じゃあ、俺たちも危険なんじゃ・・・? 浅井 私たちは大丈夫です。 ここに私が魔術で調合した薬があります。 これを飲めばシャンの侵入を防ぐことができます。 私も飲んでいるから、屋敷で働いていてもシャンに取り憑かれずに済んでいるんです。 芥川様から、取り憑かれた者の頭からシャンを取り除く魔術も教わっております。 但し、時間がかかるため、儀式を阻止した後に魔術を行使するつもりです。 レイ う~ん、体調の悪かった人全員操られているとなると大変ですね・・・ 鈴音 虫の退治方法ってその魔術だけなんですか? 浅井 取り付かれた人は気絶させればシャンも操れなくなります。 とにかく時間がありません。 たまたま会った貴方がたに頼むのは無理を承知です。 桜田 響くんの部屋にあった黒い物体って何なんですか? 浅井 あれは、金庫のようなもので、あの中に魔術書が保管されているとい思います。 レイ う~ん、私は協力してもいいんだけど? 桜田 俺も乗りかかった船だしな。 鈴音 そうですね。 え~と、実はあと2人いるんですが・・・ 浅井 昨夜いた子たちですね。 鈴音 それにしても使用人の多さがネックですね・・・ 桜田 警察に通報するか? 用水路の死体が立花家のメイドなら事情聴取とかで何人か引っ張れるんじゃ・・・ レイ ただの入水自殺じゃ事件性がないのでは? でも、時間になると使用人が操られて壁として阻まれそうですね。 浅井 そうなんです、なので人手が欲しいのです。 夜になったら浅井が手引きするといった方向で5人は立花邸に行くこととなった。 こうして坂井と操も合流して対策を練ったが、いい案も浮かばず、そのままで立花邸に向かうこととなった。 召喚の儀式 その夜。 5人は立花邸に向かった。 浅井の手引きにによって敷地内に入る。 そこには、フルートの音が聞こえている。 静かでありながら耳の奥に響く、ひどく冒涜的な音楽だった。 中庭に行くと、立花響が一心不乱にフルートを吹いていた。 その脇には虚ろな目で立花琴音が立っている。 手前には使用人たちが倒れていた。 ふと、立花響が、こちらに気づく。 すると、宙から虫が現れた。 ハエのような姿をしているが、比べるべくもない。 巨大な虫は、鱗に覆われ、10本の足に3つの口を持っていた。 その邪悪な姿をした虫は、倒れている使用人たちの頭の中に入っていった。 すると、使用人たちは意識がないにも関わらず、立ち上がった。 執事服の男性3人とメイド3人は、まるでゾンビのようにこちらに身構えている。 この場自体が異質な空間と化していた。 響 さあ、邪魔者を排除するんだッ!! 響の目はそう語っていた。 響の脇に立っていた琴音が歌を歌いだした。 美しい歌声だが、不安定な音程で心をかき乱される。 桜田 ああ、オレだめだ・・・ こんな社畜死んだ方がマシだ・・・ レイ さ、桜田さんッ!! 目を覚ましてッ!! 桜田 はッ!? オレは一体何を・・・ オレは生きてても良い社畜なんだ!! レイ 私、こんなコトしてる場合じゃないのに!! レイはそう言ってスタンガンをバチバチさせた。 しかし、そのレイの頭に琴音の歌声が響き渡る。 レイ ああ、このスタンガン・・・私に使えばいいんだ・・・ 生きててスイマセン・・・ 坂井 止めて、レイさーん!! うわッ!! レイに振り返った坂井に向かってメイドが殴りかかってきた。 流石に女性の拳をヒラリとかわす。 鈴音 なんか、時間をかけてる場合じゃないですよね!! 坂井 でも女に対して攻撃とかは・・・ 操 そんな場合じゃないでしょ!! 坂井 分かったよ!! 坂井はメイドに向かって拳を構えたが・・・やっぱり殴れなかった。 それどころか足がもつれて転んでしまった。 坂井 うわッ!! 操 ちょっと、ヘタレwww!!! その転がっている坂井に対して執事が蹴りを入れてきた。 受身を取れずに綺麗にみぞおちに入ってしまう。 坂井 ぐうぅぅッ!! (あれ、鈴花さんに殴られたのとデジャヴったww) 坂井の後方では、スタンガンを見つめているレイに浅井が詰め寄っていた。 浅井 河合さん、気をしっかり!! レイ はッ!? 違う、コレはこっちだ!! 自分を取り戻したレイは坂井を取り囲んでいる使用人の一人にスタンガンを当てた。 スタンガンはバチバチと電撃を放つが、使用人は怯んだだけだった。 しかし、さらに鈴音が追い討ちをかけて回し蹴りをかました。 鈴音 し・ねッ!!! レイ く、黒いッwwww 浅井 容赦ないな・・・ 桜田 女性を殴らないといけないのか・・・? 桜田は襲い掛かってきたメイドを殴るというよりも、ぐっと押さえつけた。 しかしメイドに意識はないので返すカタナで思い切り腹に拳を一撃。 さらに平手打ちをかまされ桜田は意識を失いかけた。 桜田 ま・・・じかッ!? レイ メイドに殴られて喜んでるんじゃないわよ!! 坂井 操!! 飛び越えて先に向かえッ!! 操 う、うん!! 大声を上げた坂井に使用人たちが向かっていく。 その隙を突いて、サーカスで鍛えた軽業で操は使用人たちを跳躍で飛び越えた。 そのまま操は響に向かって走り出した。 レイ 坂井くん!! 大勢に囲まれる坂井を助けようとレイがメイドにスタンガンを放つ。 しかし・・・ 一際大きな音と光を放って、レイが手にしていたスタンガンはショートしてしまった。 レイ ちょ!! スパークしたッ!! こんな時にーーーッ!! 鈴音 私は蹴りますよ!! 鈴音は尚も使用人を蹴り伏せていく。 一方、中庭の脇では桜田がメイドに踏みにじられていた。 桜田 や、やばい・・・ 意識が・・・ 浅井 何をやってるんですかッ!? 桜田 す、すまない・・・ 浅井が桜田を踏みつけるメイドを引き離した。 と、再び琴音が歌を歌い始める。 全員の意識が混濁する。 不安になる。 何もかもに絶望したくなる。 だが、この場にいる誰もが絶望したくはなかった。 そして中庭を駆け抜ける人影もまた然り。 操も絶望的で不安な気持ちでいっぱいになったが、がむしゃらに振り払った。 そして、辿り着いた。 立花響に手が届いた。 フルートの演奏に集中していた響は簡単に倒れた。 響は、吹いていたフルートを落としてしまう。 しかし、響の前には大きく歪んだ空間が存在しており、その奥からは冒涜的な音楽が流れ続けている。 そして、その空間の奥からタコの様な触手が伸びてきた。 無数の触手は、立花響に絡みついてきた。 触手に絡まれた立花響の顔には笑みが浮かんでいた。 そして呟きが聞こえる。 響 遂に・・・神に届く演奏が出来た・・・ ・・・父さん、喜んで・・・くれる、かな・・・ 立花響は、顔まで触手に覆われ、最後には“あちら側”の空間に飲まれて行った。 そして、静寂が訪れた。 鈴音 ひぃぃぃ・・・ レイ 終わった・・・のね・・・ 数日後、探索者たちが立花邸を訪れると、不思議な顔をされる。 使用人たちは、無事にシャンを取り除かれていた。 しかし、シャンに取り憑かれていた、ここ一ヶ月の記憶が曖昧になっているようだった。 そして、使用人の浅井と言う人物は消え、その痕跡も残っていなかった。 当主の立花響は行方不明となった。 当主は立花琴音となり、親族が後見人になるという。 と、そこに散歩から戻ってきた少女と出くわした。 立花琴音だ。 琴音 お姉ちゃんたち誰? ウチに用事? 立花琴音も、やはり記憶が消えてしまったのか、5人の事を覚えていない様子だった。 琴音 でも、何だか温かい気持ちがするね・・・ そう言って琴音は屋敷に戻って行った。 もう、この少女は悪夢に悩まされることもなくなるだろう・・・ 付近で起きていた連続不審自殺もなくなるだろう・・・
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/81.html
PL:小川(嫁)年齢:25歳■能力■STR:13 DEX:13 INT:11CON:10 APP: 8 POW:10SIZ:14 SAN:-- EDU:14アイデア:55 幸運:50 知識:70耐久力 12 ダメージボーナス:+1D4 ■技能■ 回避 40%、母国語(日本語) 70% 聞き耳 80%、信用 70%、説得 70%、図書館 70%、法律 61% 目星 55%、隠れる 50%、医学 45% 大学院卒の弁護士。 大学の進路を選ぶ際に医学の道を進むか法律の道を進むか迷った末に司法試験を受けることとした。 まだまだ勉強中だが、真摯な姿勢で信用を得ている。
https://w.atwiki.jp/trpg-coc/pages/22.html
PL:さらら年齢:18歳■能力■STR:13 DEX:11 INT:13CON:12 APP:12 POW:12SIZ:16 SAN:-- EDU:16アイデア:65 幸運:60 知識:80耐久力 14 ダメージボーナス:+1D4 ■技能■ 回避 80%、母国語(日本語) 80% 目星:82%、信用 80%、心理学 80%、こぶし 66%、説得 58% キック 45%、聞き耳 41%、コンピューター 41%、ほかの言語(イタリア語) 40%、組みつき 35% オカルト 26%、頭突き 20% 大学生。 文系の大学に通う学生で、藤田鈴花のサークルの後輩。 火野川龍と海樹茜とは幼馴染み。 佐々木操とは同じ高校で今でもつるんでいる。 不良ぶっているが、意外にヘタレ。