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機体 ガウェイン パイロット C.C.(水着2016夏) 武器 スラッシュハーケン タイプ アタッカー パーツ 3 コスト 18 攻撃属性 通常 攻撃間隔 高速 飛行 ○ 移動速度 普通 / 高速 サイズ S 成長タイプ 普通 地形適応 【空】A 【陸】A 【海】A 【宇】B 総合力 HP 攻撃力 装甲 運動性 無凸最大 9660 5790 3870 3030 3740 無凸改造 12360 7590 4770 3930 4640 4凸最大 11160 6790 4370 3530 4240 4凸改造 14760 9190 5570 4730 5440 +通常モード 必殺スキル ドルイドシステム(攻撃力低下) ×2 属性 通常 範囲上の敵全ての攻撃力をダウン+高確率スロウ ハドロン砲(特大直線) ×3 属性 通常 範囲上の敵全てにバリア貫通の中ダメージ 精神スキル ・不屈 (習得Lv:1) 一定時間、被ダメージを大きく軽減 ・集中 (習得Lv:30) 長時間、命中率中アップ、回避率小アップ ・愛 (習得Lv:60) 一定時間、攻撃力中アップ、回避率、移動速度小アップ アビリティ ・指揮Lv.1(アタッカー) (初期習得) 自分以外のアタッカータイプの味方の攻撃力アップ ・真夏の魔女 自分以外の味方の攻撃力、命中率アップ ・ドルイドシステム効果時間延長 必殺スキルの効果時間延長 ・拘束衣からの開放 WAVEが進むごとに味方全員の攻撃力アップ 【評価】 +アリーナモード 必殺スキル ドルイドシステム(攻撃力低下) ×2 属性 通常 1ターン敵の攻撃力を60%ダウンする ハドロン砲(特大直線) ×3 属性 通常 威力300%の射撃 精神スキル ・不屈 (習得Lv:1) 1度だけ次に受けるダメージを90%減(再使用まで4ターン) ・集中 (習得Lv:30) 1度だけ次に受ける攻撃を回避(再使用まで4ターン) ・愛 (習得Lv:60) 自分を含め、隣接する味方のHP20%回復し、状態異常を解除(再使用まで5ターン) アビリティ ・指揮Lv.1(アタッカー) (初期習得) 自分以外の味方アタッカーの攻撃力、命中率10%アップ、行動力アップ ・真夏の魔女 自分以外の味方の命中率、クリティカル率30%アップ ・ドルイドシステム効果時間延長 行動力アップ ・拘束衣からの開放 状態異常中、攻撃力、命中率、回避率30%アップ、行動力アップ EXアビリティ 【評価】
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ガーウェイン ガウェインの別名。
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ギァウェイン ガウェインの別名。
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ワーウェイン ガウェインの別名。
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ギャウェイン ガウェインの別名。
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ゴールドパラディン - ヒューマン グレード〈3〉 ノーマルユニット (ツインドライブ!!) パワー 11000 / シールド - / クリティカル 1 起【V】【LB4】:[CB2-カード名に「解放者」を含むカード]あなたの山札の上から1枚見て、《ゴールドパラディン》を1枚まで探し、(R)にコールし、残りのカードを山札の下に置く。それがカード名に「解放者」を含むグレード1以下のカードなら、あなたのダメージゾーンから1枚まで選び、表にする。この効果は、相手のメインフェイズ中でも、使用できる。 自【V】:カード名に「解放者」を含むカードがあなたの山札から(R)に登場した時、そのターン中、このユニットのパワー+3000。 永【V/R】:盟主(共通するクランがないあなたのユニットがいるとアタックできない) フレーバー:勇気を鎧としてまとえ。名誉を剣としてふりかざせ。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 使ってみたいと思う 0 (0%) 2 弱いと思う 0 (0%) 3 強いと思う 0 (0%) 4 面白いと思う 0 (0%) その他 投票総数 0 コメント
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年齢:35歳誕生日:翼竜の月19日所在:ベルンハウゼンクラス:術士系使用武器:杖、火術、風術、土術肩書き/通称: 元、レッグフェルト王国の宮廷魔術士で、レッグフェルト王弟イーベルトに仕えていた。 秘密結社『R・C』に属しており、総統クリストフの指示で、イーベルトに王位を簒奪するように甘言する。 レッグフェルト戦役の際には、王都レッグフェルトの城門を内側から解放する。 ---------- 1816年に部下が禁術書『聖剣の断』を発見、アーサー=グラストンベルクの元で術の解析を行なう。 所有AF:
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いつもページ作成ありがとうございます。 -- 2020-07-12 02 26 10 無理ゲー -- 2020-09-20 23 36 51
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「ようこそテセアラへ。お前たちを歓迎する」 「俺の家族に手を掛ける者は何人たりとも許しはしない」 ステータス STR 18 DEX 10 INT 14 CON 16 APP 14 POW 14 SIZ 18 EDU 17 DB 1D6 技能値 プロフィール 読み:- 年齢:35歳 性別:男 身長:195cm 体重:91kg 誕生日:8/14 職業:なし 所属:テセアラ 好きなもの:太刀、鶏肉 嫌いなもの:機械全般 好きな人:テセアラメンバー全員 苦手な人:特になし 尊敬する人:特になし 血液型:O型 あだ名:特になし 夢:ブラティストからの差別撤廃 趣味:太刀の手入れ、筋トレ 概要 『鐘』でテセアラの長として登場。 アシュレイ・エルフィンストーンが行方不明になり、その行方を危惧していた。 一方で、EXITに拉致された凛麻 奈杜理を救うため捜索していた探索者たちと利害の一致で結託する。 家族のような存在であるアシュレイが実験道具にされるかもしれないことを知り、EXITに激高し、ブラティストのEXIT英国支部で探索者たちを妨害するために集まった機械人形200機を、探索者たちに「俺の家族を頼む」、と任せた上でニコラス・オルクス、ウォリック・エルガストルムと共に蹂躙する。 主な関係者 PC NPC その他 関連項目 名前 コメント
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ガウェイン・オークニ。それは最近頭角を現している画家であった。イングリッシュガーデンをメインに風景画を専門として描いている。個展が開かれる程であったが、その人物像は謎に包まれていた。しかし、その実態と言えば…。 「ガウェイン!また、こんなところに…」 「ああ、アグラヴェインですか…そろそろ来る頃だとは思っていたのですが」 「起きていたのは嬉しいが、こんなアトリエにそんな恰好で籠りきりはやめろと何度も…」 縦にも横にも広がった白い部屋に、所狭しとキャンバスが並べられている。その空間の真ん中で筆を握った人物が大きなあくびをしながら今まさに絵具をのせているキャンバスと向かい合っていた。そこへしかめっ面をした生真面目そうな人物がやってきてその有様を叱っている。叱られている人物はブロンドに碧眼そして王子様も真っ青になるほどの容姿を、ぼさぼさに伸ばした髪に輪郭をぼやけさせる無精髭、おまけにカラフルと言えば聞こえはいいが絵具にまみれた簡素な服で全てを台無しにしている。この人物こそがガウェインであった。隣で彼を叱る男は弟であるアグラヴェインである。このずぼらさ故にメディアに露出も出来ない兄を見兼ねて、ガウェインの絵の流通を一手に引き受けている。しかし、良い見てくれを放置するのも怠惰であると事あるごとにガウェインへ忠告をしているが、未だにガウェインの怠惰が直る気配はなかった。 「そんなことより、こんな朝早くから何事ですか?私に用事があったのでしょう?」 「ちゃんと私の言葉を聞いてくれ…。ああ、かなり前だが伯父から頼まれていた式典用の絵があっただろう。その締め切りが近いのでな、その様子見だ」 「ええ、もちろん覚えていますとも。もう仕上げも終わって、ほらそこにあるでしょう?」 今回王立海軍に所属する伯父から身内ということで特別に受けた依頼があった。自分の身なりには頓着の無いガウェインも絵に関する所では途端に几帳面さが出てくる。今回もきっちりと仕上げたその絵をアグラヴェインに指し示して見せた。その完成した絵を見て、アグラヴェインは兄弟でないと分からないほど微かに口元を緩ませ、慎重にその絵を運んでいく。一人きりになった静かなアトリエで、ガウェインはまた絵に向き直った。 ランスロット・ベンウィクは、王立海軍所属の軍人でありその階級は少佐であった。その階級も近々昇進が噂されている。同年代より早いその昇進に妬む者よりも当然と考える者の方が多い事実が、彼の人柄と優秀さを物語っている。 その日、彼は自分の上司である中将に呼ばれて所属基地から離れ、本部へと赴いていた。呼び出しの要件は近日中に軍内部で行われる式典への参加命令であり、中将の付き添いとして動いてほしいとのことだった。この程度の内容であれば別に自分が直参する必要はなかったのではとランスロットは訝し気にそう思った。 「あと、ここからは命令ではなく、私個人のお願いだと思ってほしい」 「はっ…?ご用命であれば、なんなりと」 「いや、別に断ってくれても構わないんだが、今回の式典が始まる少し前に時間はあるかい?ちょっと付き合ってほしくてね」 「その日は一日開けておりますので、その程度のことでしたら拝命致しましょう。いえ、喜んでお付き合い致しますよ」 「ああ、ありがとう、ランスロットくん」 任務拝命中の真剣な顔つきから顔を少し緩ませて中将のお願いを聞き届けたランスロットは、にっこりと嬉しそうに笑う中将に自分の選択の正しさを確認してほっとした。訓練生時代から何かと自分を見てくれているこの上司にランスロットは感謝しているのだ。その方からのお願いはなるべくなら叶えて差し上げたい。同僚や部下から聞かれるとそれは絶対に人に話してはいけないと怒られるような思いこそ、今のランスロットの本音だった。その後、更に日程の調整をした後、ランスロットは中将の部屋から下がった。ここへ来る前に散々今回の件を昇進だ祝いだとからかった同僚と部下にはいい笑い話になると思いながら、緩みそうになる口元を引き締めて、ランスロットは廊下を歩いていった。 そして、式典の日がやってきた。この日の為にいつもよりきっちりと着込んだ軍服を窮屈に思いながら、ランスロットは待ち合わせの場所へと急ぐ。決して遅れるわけにはいかないとゆとりを持ってはいるが、それでも相手が上司である以上足は急いてしまう。そうして、屋内の集合場所に誰もいないことを確認して、漸く足を止められたのだった。初夏も近いこの時期に、汗をかくのは仕方ないが相手を不快にさせるわけにもいかないとランスロットは常備しているハンカチで首筋をそっと拭った。 「やあ、ランスロットくん。待たせてしまったかな」 「いえ、自分も今来たところですので」 そんな定型なやりとりをして、中将とランスロットは歩き出す。目的地は、待ち合わせた場所からすぐ近くにあるらしい。そして、程なくして着いたその場所は、会場となる広間だった。ランスロットも通り道として何度か見たことのある広間は、初めて見る場所のように飾り立てられていた。 「ここに、何か…」 「おや、もう気付いてしまったかな。そう、その絵だよ。今回君に見せたかったものはね」 広間を見渡したランスロットの目が、一点に吸い寄せられた。ステージのように一段高くなっている奥の壁に一枚の絵がかかっている。緑を基調としたイングリッシュガーデンの様だった。 「これが今回の隠れた目玉なのだよ。いや、私がそう思っているだけかもしれないけどね。これは私の甥の作品なんだが、身内贔屓だけでなくいい絵だろう?式典が始まってしまうとゆっくり紹介できないからな。今のうちに…内緒だぞ?」 そう、自慢げに語る中将の声もランスロットの耳を素通りしていく。絵に魅入られたようにじっと立ち尽くすランスロットを、中将は満足気に見ていた。その日、ランスロットは任務中の記憶がほとんどないままに帰宅した。 上層部から期待をかけられている分、増える仕事をランスロットは涼しい顔で片づけていく。そんな彼の殺風景な私室に、最近画集が置かれるようになった。最初はブックスタンドに立てかけた一冊の本が、忙しさに比例して一冊、また一冊と増えていく。そして、とうとう生活に必要な最低限の家具しか無かった部屋に、本棚が出現する。シンプルな部屋に見合うようモノクロカラーの小さなボックス型であり、ランスロットにとって一番大事な条件である鍵付きのものであった。そこへ一冊一冊丁寧にしまい込み、鍵をかけたランスロットは、大事な物のようにその棚を撫でていた。 表面上は何も変わらないまま日々を過ごすランスロットのところへ、彼を気に入るいつもの中将から休日のお誘いが届いた。これは命令ではないよと念入りに押されてランスロットに渡されたものはガーデンパーティへの招待状であった。中将からランスロットへの私生活における誘いはこれが初めてである。休日に特に予定のないランスロットは、中将からの誘いであればと出席の返事をした。 そして当日、カジュアルな場であると言われたものの、気を抜きすぎた格好はできなかったランスロットは柄物のスーツ姿で中将と会った。パーティ会場は、見事なバラの庭園で集まった人々の目を楽しませている。正しく庭園が主役のパーティに浮くことなく溶け込んだランスロットは、最近増えたガーデンの知識を頼りにあちらこちらと見ている。そこへ中将が会わせたい人物がいると声をかけてきた。それに諾の返事を返して自分の格好を見直す。どこにもほころびがないことを確認して安堵したとき、中将がその人物を連れて戻ってきていた。 ガウェインの家は、由緒正しき家柄であり、それに見合うだけのものを持っている。ガウェインが絵画のテーマとする庭園も、熟練の庭師による手入れがなされておりいつどこで誰が見たとしても恥ずかしくないほどの完成度であった。そこで見る目を養いそのまま仕事としたガウェインは、自分の家の庭園だけに留まらず、元々持つコネクションを利用して様々なガーデンを見ては知識の吸収を怠らなかった。今回もその一環で、誘われたガーデンパーティに足を運んだのだった。外出時には髪をセットし、髭も剃って、センスのいい妹に任せて服選びもしてもらい、着こなしも完璧だった。そうして完成したオークニ家長男のガウェインの姿は、普段を知る者からすると二度見するほど見違えた立派な姿だった。 王子様の如き外見で、パーティ会場に到着したガウェインは、その姿に寄ってくる女性たちを躱し、早速庭園の観察に行った。遠目に同じようにじっくり眺める男性の姿を発見してガウェインは仲間のようだと嬉しくなった。そこへ、ガウェインの伯父がやってきた。ガウェインが誘われるようなパーティには大体同じように招待されている伯父は、それでも滅多に参加することがないはずであった。久しぶりにこのようなパーティで出会えた伯父にガウェインは挨拶をする。近況を話した後、伯父から会わせたい人物が居ると言われたガウェインは、この伯父の推薦であれば確かであろうと素直に伯父の後をついていった。彼であればいいと先程見た男性の姿を頭の片隅で思いながら。 ランスロットは、中将と一緒に歩いてくる人物を見て、その格好良さ、高貴さに驚いた。この姿の自分と会っても大丈夫なのかと心配するほどだった。しかし、その金髪の男性は、ランスロットを見るなり目を見張ってその後すぐににこりと微笑みかけてきた。その柔和な笑顔に救われたランスロットは、こちらからも失礼にならないようにと微笑み返す。ガウェインとランスロットをその場で引き合わせた中将は、紹介する前からの二人の雰囲気に既に苦笑いだった。 「あー、いいかな。こちらはガウェイン・オークニ。私の自慢すべき甥だ」 「そして、こちらが私の自慢すべき部下のランスロット・ベンウィクだ」 二人は互いに手を差しだして固い握手を交わした。そこへ、仲介をする中将から二人へ向けた紹介に付け加えた。即ち、ガウェインこそが最近話題の画家であり、ランスロットがそのファンになっている事実である。 「中将!そ、そのお話は…」 「貴方は、私の絵を見てくださっているのですね」 「え、ええ。私のような軍人がファンでがっかりなさったかも…」 「いいえ、とんでもありません。むしろさっきまで熱心に庭園を見る貴方を見てお話をしたいと思っていたのです。こんな私のファンであったのは願ってもないことです」 「ありがとうございます。ガウェインさん。中将が紹介してくださった貴方の絵を見てからというものずっと心から離れなくて。この度はお会いできて光栄です」 「本当ですか、それは嬉しいですね。伯父から紹介してもらったということはあの絵でしょうか」 ランスロットとガウェインの会話は続く。ガウェインはもはや自分の伯父など目に入っていない様子でぐいぐいとランスロットへ距離を詰めていく。ランスロットは自分の上司である中将を気にしていたが、肝心の中将は生き生きとしたガウェインを楽しそうに見た後、ランスロットに笑い掛け、手をひらひらと振りながらパーティのざわめきの中へ混ざっていった。ランスロットは上司に目だけで礼を言い、ガウェインとの話に集中する。 「私の絵が好きだということは、ランスロットも庭園が好きなのでしょうか?先程も真剣に見つめていらした」 「いえ、貴方の絵画から好きになったのですよ、ガウェイン。貴方の画集をいくつか買った時、より深く理解したいと勉強を始めたのです。まだまだ浅い知識でしかないので」 「なんと、それは嬉しいお言葉ですね。では、貴方に庭園の良さを伝導した者としてより深い知識を得る機会を与えたい。ランスロット、貴方と個人的に連絡を取りたいといっても?」 「断るはずなどありません。貴方はあのガウェインさんであるし、何より中将の身内の方だ」 短くも感じられたパーティの時間で、すっかり交流を深めた二人は連絡先を交換し、ガウェインが必ずランスロットを誘うと言ってその日は解散したのだった。きっと社交辞令だと過度な期待を寄せすぎないようにしていたランスロットは、翌日早速ガウェインからの誘いの連絡に携帯を落としかねない程驚いていた。何度も何度も文面を読み返して誤解も送り間違いもないことを確認する。それは確かにガウェインからランスロットへ送られたメールであり、時間のある休日にガウェインの家へ誘う内容だった。 失礼にならないようにと考え抜いた文面で参加の連絡を返したランスロットは、その日を指折りして待っていた。基地ではそんな状態であることを誰にも悟られないまま、休日を迎えたのだった。誰に会っても恥ずかしくないように、ランスロットは朝から衣装ケースをひっくり返している。悩んだ末に選んだ衣服に身を包み、微かな手の震えを抑え込んでハンドルを握る。ガウェインの送った地図の通りに道を辿ったランスロットが着いた場所は、遠く離れた場所に緑に囲まれた豪邸を背景に複雑な模様を描いた門であった。 「ようこそ、よくぞ来てくださいましたね、ランスロット」 「お招きいただきありがとう、ガウェイン」 「今日は屋敷に人が少ないので、私が淹れた紅茶でよろしいですか?」 「貴方に淹れてもらえるだけで、十分に贅沢なので気にしないでほしい」 どんな人がいるのかと心臓を高鳴らせながら、屋敷の門をくぐったランスロットは出迎えがガウェイン一人であり、またこの屋敷にもほとんど人が出払っていて目の前の人物しかいないことを知るとほっと息を吐いたようだった。ランスロットの緊張を感じ取っていたガウェインは、自分一人であることに安堵した彼を見て、皆に半日休暇をやった自分の判断を褒めていた。ガウェインが準備してもらっていたティーブレイクの仕上げをし、二人はしばし美味しい紅茶を楽しんだ。 のんびりと楽しんだ後で、ガウェインはランスロットへ自分の庭園を紹介したいと誘った。ガウェインの絵の原点が見られるとランスロットは内心ドキドキしながら行きたいと返事をした。席を立ちあがったガウェインはランスロットへすっと手を差し伸ばし、私についてきてくださいねと微笑んだ。 二人が並んで向かった先は、色彩豊かな花が咲き誇る見事なイングリッシュガーデンであった。色の調和まで計算された花壇の前に、周りに溶け込むような緑色のベンチが置かれている。そこへ二人は腰掛ける。 「お待たせしました、ランスロット。ここが小さい頃からの私のお気に入りの場所です」 「ここが…ああ、見たことがある。最初に発表したという君の絵だ」 「そこまで、見ていてくださったのですね…貴方に鑑賞される私の絵はきっと誇りに思っていることでしょう」 「……いや、すまない。君の画集こそ持ってはいても、君の絵は一枚も持っていないんだ。…私のような軍人では、今は手が届かなくてね」 悔しそうに唇を噛みつつ、ランスロットはそう答えた。彼の絵のファンになってからというもの少しずつ貯金を始めていたが、悲しいことにまだ届く金額ではない。ガウェイン作の絵画の人気はそれほどに高くなっている。それでも、いつか自分の力で君の絵を手に入れるよとランスロットは笑ってみせた。ガウェインは、考えるようにそっと目を伏せた後、ぱっと顔を上げてランスロットの手を握る。そうして、いいことを思いついたというように笑顔でランスロットに提案をした。 「貴方が私の絵を欲しいと言ってくださることは嬉しいですし、その気持ちに対し私はいつまでも待ちたいと思う。ですが、その間何もないというのは淋しいですから、ラフであれば値段の付くものではありませんし、貴方に差し上げましょう」 「いや、そんな申し訳ないよ。逆にとても貴重なものじゃないか…!私にそこまで気を使う必要は…」 「貴方ならそう断ると思っていました。ですから、私にも益がある形であれば納得してくださいますか?ランスロット」 「私で出来る形であれば、それなら…良いのだろうか?」 「ええ、勿論。ならばまずは今から行く場所へついてきてください」 そう言ったガウェインは、ランスロットを庭園の奥へ奥へと誘う。ガウェインの指定した場所は、可憐な花びらを持つ黄色い花の花壇であった。その花壇の真ん中に立つようにと、ガウェインはランスロットへ指示を出す。不思議に思いながらも従ったランスロットは、ガウェインの手にいつの間にかデジカメが握られているところを目にした。 「えっと、ガウェイン。一応聞くが、もしやその」 「ええ、ここで貴方の写真を撮らせて頂きたい。初めて貴方を見た時からずっと考えていました。ランスロット、貴方にはきっとこの場所が似合うであろうと」 「そうだろうか?いや、私は君よりも大きな男なのだが」 「黙って。創作のイメージが湧くのですよ。直接この写真を絵にするわけではありませんから、素直に撮られてくださいませんか」 「君が望むのであれば…」 ガウェインは本気なのかと疑う気持ちがありありと分かる声でランスロットはガウェインに従った。そんなランスロットにお構いなしのガウェインは一目見た時から、ランスロットに対して想像していたイメージを再現しては写真に撮り、満足気である。 「ありがとうございます、ランスロット。随分と私の我がままに付き合わせてしまいました。これはもはや私の絵一枚分の働きをしたと言えるでしょう、ですから」 「待ってくれ、ガウェイン。確かに割と君の要求は多かったが…それでも私の写真だ。そこまでではないよ。最初の通り、写真で対価を貰えることが嬉しいから」 「ランスロットは慎ましいのですね。ならばその通りに致しましょう。ですが今日すぐに渡せそうなものがありません。後日でもよろしいでしょうか?」 「勿論だとも。ただ、私がその楽しみだけで満足する前には欲しいところだね」 ランスロットはガウェインに気にすることはないと茶目っ気たっぷりにぱちりとウィンクしてみせた。そんなランスロットを見て、ガウェインはニコニコと笑って、そして自然にランスロットの手を取ってまた来た道を引き返すのだった。 ガウェインは約束通りラフを送ろうとして、止めた。ランスロットから聞く限りの話では、彼の私室は物が何もないようだった。だから、そこの装飾として最低限度の基準を満たすものでないとガウェインのプライドに関わるからだ。結局、ランスロットに渡すものとして出来上がったのは、写真サイズの小さな絵であり、あの日ランスロットを連れていった黄色い花の花壇の絵であった。それを渡されたランスロットは、案の定断ろうとしたが、ガウェインの折角の描いた絵なのだからという説得に折れたのだった。 それから、ランスロットの休日にガウェインの屋敷で行われる二人だけのティーパーティは何度も開催された。交通費替わりだと言いくるめ、ランスロットに美味しいお菓子を食べさせることに楽しみを見出したガウェインは、その手の情報収集にはまり始めていた。最初はガウェインが何度も人を屋敷に呼んでは使用人に休暇を与えることに難しい顔をしていたアグラヴェインも、ガウェインの身なりが綺麗なまま一ヶ月を過ぎた時点で積極的に裏方を務めるようになった。 ガウェインの絵を渡されたランスロットは、悩みながらもその絵に合う額縁を買いに行き、部屋に飾った。殺風景な部屋にまた一つ、ランスロットの癒しが増えた。そして、徐々に血色のよくなるランスロットに、良いことがあったのですねと嬉しそうに声をかける部下が増えていた。浮かれているのだろうかと心配そうに顔をペタペタと触るランスロットを、少佐の滅多にない気の抜けた姿だと皆が楽しんでいたことを本人だけが知らなかった。 そして、しばらく二人の交流が続いた頃、ガウェインによる新たな作品が発表された。どこかの庭園の可憐な花に囲まれた花壇の中に、一輪の紫色のグラジオラスが凛と咲き誇っている。ガウェイン作の絵画としてメインの花が存在したものは今までになく、珍しい作品であると大層な評価を受け、高値で取引されたという噂が立っている。 ある日のティーブレイクでのこと。訪れた時からランスロットの顔色が優れなかったことを気にしていたガウェインは、それでも黙っている気でいる友人の姿にとうとう口火を切った。 「ランスロット、何かお悩みのご様子。私では力になれないことでしょうか」 「…すまない、ガウェイン。君に気付かれてしまうとは私も未熟者だね。大したことはないと言いたかったのだが…」 「いいえ、友として隠されることの方が辛いものですよ。特に貴方のような秘め事の多い人相手ですとね」 「そうだったかな…。今日の君は少々手厳しい様だ。……そうだな、言えることはとても少ない。ただ、しばらく君には会えなくなるということくらいだ」 「それは、いったい……ああ」 「分かってくれたようで嬉しいよ。ただ何時とは言わないが私から君に連絡してもよいだろうか?」 「もちろんです。必ずすると約束してください。でなければ、私は貴方にどんなことをするか想像もつかなくなりますよ」 「おお、それは怖いな…必ず、だね。約束するとも」 休暇当日、ランスロットに連絡が入ったのはその朝のことだった。大規模なテロ行為の動きを察知したことによる遠征任務の指令だった。艦長となるはずの中佐が先日の任務で怪我による療養中であり、昇進間近であるランスロットにその長としての役割も回ってきていた。休日は任務の為の支度日へと変わってしまった。ランスロットはガウェインに何も告げず長期出張へ行くのは、あの尊敬すべき友人に対して不誠実だと、そう感じてしまった。そんな訳により、無理に時間をひねり出したランスロットは、ガウェインに対していつも通りのティーブレイクを演出しようとしたのだった。結局、勘の鋭いガウェインの前では徒労に終わってしまう。ランスロットが代わりに出来たことは、身内でもない友として口にできる範囲を話すことだけ。それでも、ガウェインがにっこり笑って送り出してくれたことに、ランスロットは安堵して普段より早い帰宅となったのだった。 自分の部屋から必要な荷物だけをまとめたランスロットは、友人によって増えたインテリアに目を止めた。鮮やかに描かれた黄色の花。いつも癒しを貰っていたその絵に、今日はなぜか彼の金髪が思い起こされて、ランスロットの口元が緩んだ。 次の日の朝。ランスロットはことりと音を立てて額縁を伏せる。そして、見送るものがいなくなったその部屋を黙ったまま後にした。 最初、司令官として任命されたランスロットは、順調に航海を進めていた。彼に従うことに慣れた部下たちの存在も大きかった。しかし、この任務の本番は向かう先にある。気を緩める訳にはいかなかった。かと言って部下に同じだけの緊張感を求めるのも酷であると、ランスロットは彼らの娯楽は積極的に推奨した。 長期の稼働が想定されて設計されたこの艦は、士官に対する個室が与えられている。狭くはあるが多少の私物なら持ち込めたであろうそこに、知っていながらランスロットは何も持っては来なかった。その後の未来を知っていたわけでもなかったのに。 ランスロットが参加するゲームが、接待でもないのに全て彼の勝利になってしまうと部下からのブーイングが出始めた頃。とうとう、目的の海域へと到着した。しかし、目視はおろか、レーダーにも警戒すべき船は見当たらない。数日の偵察が必要かと思われた。 だが、数時間も立たない内に見慣れぬ艦に引き寄せられたように小型の船がいくつも出現する。民間の漁船にも見える船団は、任務上設定された追い払うべき対象だった。 規定通り、こちらからの呼びかけから始まった。その歯がゆさに愚痴をこぼすものも少なくないが、今は任務に務めるだけである。当然のように応じない不審船に対し、進路妨害へと切り替えようとしたその時だった。相手からの銃撃。そこまで来ればやっとこちらも応戦できる。練度はこちらの方が比べ物にならないくらい高いのだから。案の定、あっという間に決着が着いた。相手はもはや無力化された。そのはずだった。漁船に積み込める兵装は高が知れているのが常識で。その中の一隻に沈没覚悟の兵装を搭載しているとは終ぞ聞いたことがなかった。 ランスロットにとっては、銃撃戦の指示の最中のこと。撃てるはずのない砲撃が、艦体に届く。衝撃に揺れ動く艦の中で、ランスロットは被害の状況を確認する。そうして外へ出た瞬間の二度目の爆発音。直撃した砲撃により艦内の燃料へと着火後、爆発したとランスロットが知ったのはこのずっと後だった。艦体に叩きつけられ衝撃を受けたランスロットが、最初に感じたものは静寂で。耳が聞こえるようになると痺れる身体を無理やり動かした。霞む視界で確認したところ艦内にいた部下たちも似たり寄ったりな状況であった。捨て身の攻撃を終えた不審船もほぼ壊滅状態である。もはや任務どころではなく、その必要もなくなっていた。 艦内の状況を把握した後、部下には撤退指示を出し、ランスロットは本国へと緊急の連絡を繋ぐ。被害状況と現在の位置は最低でも伝えなければならなかった。波だけではない振動で揺れ動く中、次々とやるべきことを済ませていく。自分たちの上司を先に逃がそうする部下に、上官命令を使って救命艇で脱出させていく。乗組員の完全なる退避を確認したランスロットは、最後の救命艇に乗り込んだ。そして、上官の心配のしすぎにより顔色の変わった部下たちを漸く安心させたのだった。 多少漂流できる程度の備えはあるボートではあったが、それが慰めになっただろうか。結局部下たちは、冷静に振る舞うランスロットを頼りに平静を保っていた。そのランスロットといえば。服の内側のポケットに厳重に仕舞い込んだ写真サイズの絵を思っていた。絶対に濡らしてしまう訳にはいかない大切な。こんな時には太陽のようなあの人に会いたいと思う気持ちも止められそうになかった。その時、ランスロットの顔に浮かんだ微かな笑みは暗い海の波の中、誰にも見られないまま流れて消えた。 ガウェインは、自分の忍耐強い人間だと思っていた。だからこそ映える構図も、思い描いた色を作ることも、自分で完璧だと確信できる絵を作り出せたのも全てそのおかげである、と。しかし、初めて心の底から欲しいと思った人に対して、ここまで我慢が効かないとは思っていなかったのであった。 ランスロットと話す為だけにしていた髪を梳ること、髭を整えることは真っ先に止めた。気になるはずの庭園も二週間もする頃には、アグラヴェインから行かない方がいいと止められる程になった。結局、気が付けば筆を握っている自分を自覚して、漸く苦笑いをしたガウェインだった。しかも、風景画専門だったはずのガウェインが、キャンバスいっぱいに一輪の花を描く。初めはラベンダーであった。次にアネモネ。そしてチューリップ。どれも紫のものだけ選んで描いていた。そして、ガウェインがライラックを題材に静物画を完成させた時だった。伯父からの連絡が入った。普通だったら教えてもらえないはずの情報を身内可愛さと部下との親しさに目を瞑って教えてくれたのだった。 「私の可愛いガウェイン。ランスロットくんが帰ってきたよ。と言ってもだ。彼は余りに有能で、自分を後回しに部下を優先させてしまうところがある…。それが今回は良くない結果でね」 「なんですって…!ランスロットは、どうなったのですか!?」 「もうちょっと声を小さく頼むよ…。まぁ、待ちなさい。命に別状はないさ。しかし、彼がもう一度軍人として働きたいと言うには、厳しい状況なんだかね。ああ、どこかに傷病によって除隊された軍人が働ける場所があるといいんだかなぁ」 「ならば今すぐ私のところへ来てもらいます!今彼はどこへいるのですか?」 「彼程の人物なのだから好条件で頼むよ。今の君にならそんなこと言う必要もなかったかな」 のらりくらりと、ランスロットの状況を小出しにしながら自分の希望を伝えてくる伯父に、ガウェインは焦れながらもやっとのことでランスロットが入院している病院を教えてもらったのだった。 面会謝絶を伯父の力で通り抜けたガウェインは、目に包帯が巻かれベッドに横たわるランスロットと対面した。前見た時よりも確実に痩せたランスロットの姿にガウェインは震える足を誤魔化しながら近づいていく。眠っているように見えたランスロットの頭がガウェインの方へと傾いた。 「ランスロット?」 「…その声は、ガウェインかな。誰かと思ってどきどきしてしまったよ」 「起こしてしまいましたね」 「いや、起きていたと思う。暫くはこうする必要があるらしくて、自分でもちょっとあやふやになっていてね」 「そうだったのですか。…連絡は伯父から来ましたよ」 「…ああ、約束は果たせなかったみたいだ」 「今回は、特別に誰かを経由しても良かったことにしましょう」 「ありがとう。君の優しさが染み入るよ」 「では、一つ貸しとしましょうか」 「おお、怖いな。君はどんなことを言ってくるのか未だに予想が付かないから」 静かな病室で、ぽつりぽつりと二人の会話が続く。思っていたよりも深刻な様子ではなかったことに安堵したガウェインは、ベッドの上、投げ出されたように置かれたランスロットの手を恐る恐る握った。ランスロットは、その行為に対して何も言わなかった。しかし、全く感じない力と微かな震えが続くその手に、ガウェインは一瞬口を閉じる。 「そういえば、ガウェイン。私はもう一つ諦めないといけない約束があるようでね」 「何かありましたか…?いえ、私という救済措置はいつでも動く準備があります」 「ふふ、違うよ。私が自分自身の力で君の絵を手に入れてみせると言ったことだ。でも、その夢は叶いそうになくてね。君の未来の客を一人減らしてしまった」 「そんなことでしたか。それなら別の職を探せばよいのです」 「君は意外と強情だったのかな。だが、こんなどれほど回復するかも分からない男を雇う優しい職場はさすがに…」 「ありますとも。衣食住全て保証していますし、何なら昼寝もティーブレイクも今なら付く好待遇だそうですよ」 「ほう。それはどんな所だろうか?」 半分は予想のついたランスロットが、面白そうにガウェインへ続きを促した。ランスロットの反応に拒否が見えなかったことに喜びながら、ガウェインは口を切った。 「私のところですよ。私は貴方に来て欲しい」 「それは前のままの私が選べただろう選択肢を含めても、一番嬉しい選択だ。だが、私で本当に勤まる職場かな?足手纏いが君の職場に行くことは、ファンとして許せそうにない」 承諾の返事の様でありながら、本気で断ることも考えているランスロットの言葉に、勢いだけでここに来たガウェインは、この場で必死に考えた。そして、こっそり弟に助言も貰って、ランスロットが納得する条件を提示できたのであった。 「それなら十分な条件だ。でも、本当に私でいいんだね」 「いいえ、ランスロット。貴方が良いのです。貴方が私の絵に惹かれたことは分かっています。その好意に付け込む形になることも。それでも、私は貴方に側にいて欲しい」 「………ガウェイン」 「これこそが私の願いです」 こちらを見れないランスロットに自分の気持ちが伝わって欲しいと願う様にガウェインは、ベッドの側に跪き彼の片手を自分の両手で包み込んで、ガウェインはそう囁いた。ランスロットの包帯の隙間から覗く顔が赤く色付く。今後に期待の持てそうなランスロットの無言の答えにガウェインは嬉しそうに微笑んでいる。 ランスロットが自宅療養に切り替わるその日。彼の私室の荷物をそっくり自分の屋敷へと運んだガウェインが、ランスロットを病院まで迎えに来た。自分の足で歩きながら退院したランスロットは、彼と一緒に屋敷へと帰ることになった。そうして、ランスロットはこの時になって初めて、ガウェインの屋敷に住む他の住人と会ったのだった。職場となる場所と人物の紹介を一挙に受けたランスロットは、最後にガウェインのアトリエへと案内された。ランスロットが何度も来た場所に、見慣れない絵が並んでいる。ガウェインが得意とする絵ではなく、全て花がメインの静物画ばかりだった。 「ガウェイン、これは…?」 「貴方のお見舞いに手土産も持っていけなかったでしょう?ですので、ここに代わりの花束を用意したのです」 「これを…そんな、嬉しい…」 「本当は、一枚一枚、貴方を待つ間に描いたのです。ですから受け取ってくださると嬉しい。色褪せは怖いですが、枯れることはない花束です」 「君は…本当に」 そう言って、続きが言葉にならないままランスロットは口を噤んだ。でも、彼が喜んでいることは確かにガウェインに伝わった。何故なら、ランスロットが今まさに隠そうとしている耳は赤く染まっていたので。 それから少しずつ日々は過ぎていった。初めは何もできないことを嘆いていたランスロットを、彼がいるだけで坊ちゃまが身綺麗になるのだと強弁して慰める使用人たちの姿がよく見られていた。それも、ある程度手が動くようになってきたランスロットがリハビリにと料理を習い始めるまでの話。知っている者でさえも本当にリハビリが必要だったのかと問いたくなるほどのスピードで上達をしたランスロットは、ガウェインの食生活に目を付けた。 ガウェインは菜食主義者であり、同時に食事は食べられれば良いと考える人でもあった。エネルギーが取れるとマッシュポテトばかりを食べるガウェインは、料理人泣かせの主人だったのだ。そこへ正面からその生活は健康に悪いんじゃないかと怒れる人物が現れた。その上、そのランスロット自身は、あっという間にコックとしての腕を上げ、肉無しでバランスの良い食事を考えて作ってしまえるのである。ランスロットがガウェインの専属料理人までの道はとても短かったのであった。 また、それまでアグラヴェインが小言の限りを尽くすか、外出の予定でもない限り、整えられることの無かったガウェインの外見の問題もあった。ランスロットの為に、ガウェインが自らセットをしていたその身嗜みは、ランスロットとの距離が近づくにつれて元のずぼらさへと戻っていった。そんな主人にランスロットが幻滅したらどうしようと使用人一同に心配されていたことも知らず、二人はその問題を解決していた。ランスロットがその手配の一切を買って出たのである。ガウェインの絵は素敵なもので溢れているのに描いた本人にセンスがないのはどうしてだろうと、ランスロットは今日も頭をひねりながらガウェインの服を選んでいるのであった。 そして、二年の月日が過ぎた。どこに出しても恥ずかしくない程外見が整えられたガウェインがアトリエに今日も籠っている。そこへ食事ができたと呼びに行くランスロットは手慣れたものだった。いや、ガウェインを呼ぶ声が裏返りそうになったり、足運びがどことなく軽かったりと少し様子がおかしい。そんなランスロットが今日も可愛いとガウェインは気にも留めていなかった。準備されたディナーは、ここ二年で増えたガウェインの好物ばかりが並んでいる。いつも通りの美味しい食事に感謝をして二人は味わった。しかし、どことなくランスロットの動きはぎこちないままで、食事中の会話も弾まない。さすがにおかしいとガウェインが声をかけようとしたとき、食事を終えたランスロットがごそごそと何かお目当てのものを取り出そうとしていた。 「あー、その。君にまだ、伝えていなかったと思ってね」 かしこまった様子のランスロットが、ガウェインと向かい合って声をかける。そして後ろ手に持っていたものをガウェインへと差し出した。それは、黄色いバラが三本の花束だった。 「……好きだよ、ガウェイン。君の手から生み出されるすべてを──そして、これまでともに暮らしてきてくれた君自身を。愛している」 明日の予定は、ジュエリー店。二人が互いに黙って予約して奇跡的に被ったお店だった。