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Top 書き手一覧 サラシ サラシ けいおんSS書き手の一人。 由来は自身の作品、唯「えっ、あずにゃんってそれサラシ巻いてるんじゃないの?」から。 作品の傾向としては、ほとんどの作品に唯梓描写があり、現在では唯梓書き手の筆頭と言える。 また、作風はストーリーより発想力で勝負するタイプで、SSの域を越えるような独特な作品を次々と作り出し話題となった。 しかし、彼の書く唯梓は独特の世界観を持っているとも言え、彼の作品を唯梓作品と認めたくない読み手も存在する。 また、絵を描けることでも知られ、ゆいあず!にTOP絵を提供している。
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ブラシの機能と効果、用途等についてまとめたページ ブラシの画像をクリックすると、その機能と用途についてまとめてみる。 ※初心者の管理者の勝手な価値観で書かれたものなので注意
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ラシャ 【帯】 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ラシャ.JPG) 基本性能 価値 重量 防御力 耐久度 10 2.6 16 30 装備可能 全職 装備区分 腰装備 必要Lv 20以上 付与効果 器用+5 買値/売値:150貫/取引不可 備考 摂津和泉の堺 紅屋宗陽の店で購入可能(要・取引可能名声)
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武器/メイン武器/アサルトライフル 実用と観賞用は違う。 -- 軽いだけでほかはノーマルAKと変わらないような感じです。 -- フセインのアジトから見つかったのと一緒の銃 -- 軽いのでなかなかいい。AK使えるなら使ってもいいかも・・・課金するほどではないがね -- AKを極めて、武器をAKしか使わない人は買っていいと思われる。 -- これがなかなかいい -- AKの数少ない弱点の重量を軽量化。上記の方の言うとおり普段AK使ってる方にはいいと思いますよ -- SP60000は高いがそれに見合う性能はある。AKの弱点である重量が軽くなってるために、機動力をいかした戦い方が出来るようになる。ぶっちゃけかなり強い。 -- もうちょっとリロ早けりゃね・・・ -- ルックスは悪趣味そのものだが性能は非常にいい。但しAKを使いこなしてる人には払ったSP分の価値を体感できるかは疑問。FAMAS、M4、G36等軽量AR使いにお勧めしたい、カッコさえ気にしなければの話だが。 -- M4好きの俺にはメチャクチャ使いやすくなったAKだと感じた。 -- リロードのために引くとき等、色々助かる場面が多い。けど6万SPの価値があるかどうかは意見が分かれる -- カラシニコフ社で政策、ハンゲ社員の迂闊さにワロタ。 -- 課金するほどでもないのは当然。 昔に作ったキャラで80000SP以上持ってるキャラが10ほど残ってるから遊びで買うのはおkかな。 -- 最近目立つ、どうでもいい自分の情報。せめて、見た人が共有できる情報を書き込んで欲しい。 -- なんかノーマルより玉がバラけるからノーマルのほうが好き重さは何とかなる -- sf集団がm4並にあるきがする -- 普通のAKのほうが強い、騙されるな -- AKを使いこなしてる方のは機動力の面からしてとても役立つ銃だと思います!! -- AKをただ軽くしただけだと思いますが・・・ -- 黄金に輝くがっかりAK -- これ持ちと対戦したけど、P90の動きでAKの性能とか恐怖以外のなにものでもない…… -- 高貴な銃だ、人を撃つ銃じゃない byスネーク -- その銃で俺は殺せない -- 実用と観賞用とは違う -- 買ったけど売りました。ANで十分です -- 30発だ。SSAは6発だ。 ・・・24発もあまってるがな(;´Д`) -- これ買うならレミントン買ったほうが・・・ -- ファマから乗り換えてみたが、なかなか使える。中距離でも戦えるようになったファマって感じで。 -- GOLDなんて飾りです。偉い人にはそれが判らんのです!! -- その銃で俺は殺せない! -- 隠密性は絶望的。やたら目立つ。 -- 富の象徴で買い!! -- 軽くなったAK。使ってみたが、普通のAKより少し移動速度が上がった程度しか実感は無い。 -- SPがあまってるなら買うことを推奨。厨的な色に引き換えトップクラスの性能。 -- 機動力OK -- この色を見た途端、所詮このゲームはリアル志向ではない事を再確認してしまった・・・ -- 普通より軽くなっただけなのに27000はどうかと -- リアルじゃないって言うけどほんとにあるんだよな〜・・・これ(中東の王様の護衛が持ってる) -- 象徴なだけで、実戦では使用されない。 -- ノーマルAK74が下方修正されたため、元のAKの強さを持つこのAKは普通に重量以外も強化版となる -- 性能維持で軽くなっただけでも60,000SPの価値あり、リロードの遅さはサブ武器でカバーだよ。 -- リロードが意外と遅いため対複数戦闘になった場合は素直に引いた方がいい。 -- 軽いってのはかなり大きい。AK使えるなら一考してもいいんじゃないだろうか -- 色がねぇ・・・ -- リロードの遅さはさほど気にならない 要は立ち回り -- 普通のAKより軽いけどリロードが遅く、集弾も悪いような・・・・ -- 走り撃ちを多用する為か、通常のAKよりもSF集弾が酷く感じる。 -- これアサルトの中で使いこなせるなら一番強い銃 -- 俊敏なAK。死角なし -- この銃を批判するような人は、食わず嫌いせず使ってみることをお奨めします。高い火力と機動力に満足すると思いますよ。 -- AKと比較してみたが、個人的にこっちの方が使い易い。 色はちょっと・・・ -- 反動にさえ慣れれば、弱点はリロード時間のみ。立ち回りで克服すること。 -- AK使いからすれば反動がAKより気持ち柔らかく感じる。 -- 見なれて来ると、金色も悪くないですね。AK74に移動速度アップ装備するのなら、こちらで装備なしの方がいいかと。 -- どうでも良いけどカラニシコフ -- 普通のAKよりも使い易いけどリロードが・・・ -- 高貴な銃だ。人を撃つもんじゃない -- Avtomat karanisikov。 -- リロードが少し遅いところが気になる。 -- AK74より使いやすい。AK74が使いにくいと感じる人はこれがオススメ -- リロードをする場所に気を付ければ……やっぱり強いよ -- これいいね!軽いからナイフに持ち替えずに特攻できるし、CTCではかなり活躍する銃ですなぁ -- 74から変えてみたんだが・・・これは74と比べかなり使いやすかった。軽いから走り、ジャンプ撃ちがやりやすい。 -- AKから変えたけど走ったりジャンプすると銃身が左に傾くから何か狙い辛い -- いいんだけど値段が・・・・。ハンゲうぜ -- AK使ってた人が使うとさらに凶悪^q^ -- 階級制限ないのがいいけど高い -- なんか集弾がレティクルから外れてる。 -- AKが軽くなっただけ・・・しかも左にむくためにサッカクが起こるので歩きにくい。 -- パラメーターは軽くなっただけだけど実際に使うと軽く当てやすく(AKシリーズにして)なれ易い(AKより) -- 福袋ミッションでがんばって無課金で買ってみたけど強すぎるな。 -- ノーマルと比べて初弾から左右に偏る感じ。中距離でやられると死ねる -- 5発過ぎたあたりから集弾がメチャクチャになる -- 軽くなったためかなりいい -- ジャンプしながらでも打ててAK74使ってた人にとってはパフォーマンスが広がる -- キルログが豪華に見える -- 普通の47がでてほしかった・・・ -- もう手に入らない銃 -- 運営が言ってた「販売期限には訳がある」と言うのは。この銃が強すぎるから。 -- 最近AKに慣れてほし -- M4並みの機動力を備えたAK。強すぎるだろ・・・ -- AKの唯一の弱点機動力を大幅に克服した銃。最終的にこの銃にたどり着く人が多い。 -- この武器は凶悪ウェポンだね。AKが軽いって。あああ・・・怖い・・・。 -- 欠点といえばもう購入できないってことくらいか。極め甲斐のある銃 -- AKと比べ、初弾から左右にぶれる・レクティルが右上や左上にあがっていくなど悪い面もある銃。だが機動力 -- 反動高くて、俺の運子PCじゃ使えんが、それでも機動力、火力で補い異常な強さを魅せ付けた、幻の銃。{売却済み -- この銃の希少価値はEVLの比ではない。SFで本当に価値のある一丁。 -- これからもっと価値が出てくる銃。 -- ヘッドが出やすいのがAK系の特徴 -- 性能は最高、ルックスは最低 -- また販売してほしいな。。。オールマイティに使える銃 -- 買わなかった人・・・・・・・・・・・・・・・・・・nf -- これ使って上位になれないようなら正直SFやめたほうがいいくらい -- 今や伝説のAR。販売期限を設けた運営は賢明だこれが多く出回ったら・・・ -- UZI以上に強い武器だが、これで強い人はAK同様腕がある人なので納得できる。 -- UZIよりも強いのは確かだ。使うには相当腕がいる -- AKとの変更点は移動速度が速くなった点とリロード速度が遅くなった点。集弾は変わらん。 -- 昨日、クランと団体戦で20mヘッドを測定したら51ダメージって!! -- ゴールドアーカー、それはSFアニバーサリーに降臨したネ甲器。 -- 結局のところFPSは立ち回りとAIMが互角なら武器の瞬間火力がものをいう。 -- その意味ではこれはUZIには越えられない壁を打ち破ることができる貴重な銃 -- M16からAKゴールドに乗り換えました。いまはメインでAKゴールド使ってます。クク -- 一見矛盾するような話だが撃っている時間を短くすることが重要 -- ノーマルAKSを実装してくれ --
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登録日:2014/12/21 (日) 20 41 44 更新日:2024/02/24 Sat 19 13 22NEW! 所要時間:約 13 分で読めます ▽タグ一覧 アントニヌス勅令 カラカラ カラカラ帝 カラカラ浴場 セウェルス朝 ネタ ルキウス・セプティミウス・バッシアヌス ローマ ローマ帝国 世界史 人間の屑 人類共通の敵 弟殺し 放尿 暴君 歴史 無能 皇帝 鬼畜 概要 カラカラ帝(188年4月4日-217年4月8日)とは、ローマ帝国の第23代皇帝である。在位:209年-217年 セウェルス朝の君主としては第2代当主。 本名はルキウス・セプティミウス・バッシアヌスという。 しかし、大多数の日本人、いや、大多数の歴史家、というか当時の人間からはカラカラという風に呼ばれる。 全属州民にローマ帝国の国民としての権利と市民権を与えるアントニヌス勅令を決定し、帝国内での差別を撤廃した有能。 ……かと思いきや、それ以上に数々の滅茶苦茶な行為を行ったローマ帝国屈指の暴君。というか無能。そもそも上記勅令自体も有能とは言い難い。 見過ごせない業績を上回る無能っぷりと死亡理由は今なおネタとなっている。 出生 セウェルス朝の初代君主ルキウス・セプティミウス・セウェルスの長男として世に生まれる。 母親は、セウェルスの後妻である巫女ユリア・ドムナである。 ついでに言うと、カラカラはラテン人とフェニキア人の混血であるというだけではなく、母親がシリアの出自を持っていた。 実弟はプブリウス・セプティミウス・ゲタというカラカラの被害者。 父親が皇帝になると、マルクス・アウレリウス帝の子孫を詐称するなどこの頃から彼の香ばしさが分かる。この時自称した名前はマルクス・アウレリウス・アントニヌス・カエサル。 だが名前を変えても周りの人間に効果は無く、殆どの人からカラカラと呼ばれていた。 カラカラとは、彼が好んで着ていたガリア地方独特の服装のこと。幼少期の頃から好んで着ていたらしい。 ちなみに余談だが、セウェルス朝は蛮族との戦いの最中に皇帝一家を「理想的な家庭」として喧伝していた。実際はどのような結果かは後述のとおり。 このことから彼のみならず、家族全体が微妙にネタ要素が強いのかもしれない… 皇帝への道 弟と皇帝に 209年、父から弟と共に共同皇帝としての指名を受ける。しかし、実質的な権限はまだ持ってはいなかった。 その父親はカレドニア遠征中に属州ブリタニアのエボラクムで病没した。 父の遠征に同行していたカラカラは同じ立場であった弟ゲタと父の遺言に従うこととなった。一緒に実権を掌握して、本格的な統治を開始することとする。 ついでに言うと、父親の死に際での遺言は『兄弟仲良くせよ。兵士に金を与えろ』といった内容だったという。 うーん…なんともまあ………兵士に金は与えたけどさぁ…… この兄弟は即位後に戦争を辞めてとっととローマに帰った。 弟殺し しかしローマに戻った兄弟はさっそく喧嘩。 兄弟でありながら激しく帝国の主導権を争った。内乱すら引き起こし、二人は帝国を二分して統治する計画を立てる始末。 だが、帝国の分裂は母親の努力で何とか防がれる。そんなことをしている最中にも兄弟の対立は深まっていく一方だった。 211年、遂にカラカラ帝は弟を殺す決意を固めた。 近衛兵団を抱き込み、母が用意した和解の場で弟を殺害するという凶行に及んだ。親の前で兄弟殺すって… さらに言うと当初ゲタはカラカラに殺されるのを恐れ、カラカラからの誘いは断っていた。 だがカラカラは、ゲタを殺すために母親を利用し、和解の場を持たせることで殺害を実行させたのである。ゲタは母親からの提案に安心したため、館に向かったのだった。 ゲタ帝は駆けつけた母親の腕の中で息絶えたと伝えられている。この時のゲタは母親の胸の中で必死に助けを叫んだとも言われる。 この光景に兄弟の和解を求めていたマリアは無念であっただろう。しかしカラカラは、 「弟から身を守った。生きるため仕方なかった」 と彼なりの弁明をした。 しかしこの時の状況は、誰がどう見てもカラカラの側が先に仕掛けたのは明白だった。 カラカラ帝の憎悪は凄まじく、弟を殺しただけでは飽き足りなかった。 ゲタ帝とカラカラ帝を共に描いていた通貨や絵画からは全てゲタ帝の姿を削り取る。トロツキーを写真から消すことに懸命になったスターリンおじさんを思い出すね。 今でも父親が作らせた、家族が描かれたものからゲタの顔が削り取られた通貨が残っている。 ゲタ帝に好意的であった貴族や元老院議員も粛清。数多くの人間を処刑した。 ちなみにこの時の一連の流れは、アレクサンドリア市の住民に批判をされたと言われる。…が、彼はこの批判に対してとんでもない弁明を行う。後述。 政策 経済政策 蛮族の侵入に伴い増大する軍事力、肥大化する軍事費。 カラカラ帝は資金確保に躍起になる。 手っ取り速いのは貨幣価値の切り下げ。カラカラはさっそく貨幣価値削減の行動を起こす。 当時流通していたデナリウス銀貨に含まれていた銀量を56.5%から51.5%にまで減らし、代わりに他の金属を混ぜ込むことによって価値を引き下げようと試みる。 また新しい通貨として『アントニニアヌス銀貨』を採用。 2デナリウス(*1)相当の価値に設定した。実際の銀の含有量はデナリウス銀貨の1.5倍程度であった。 さらに造幣するたびに銀の含有量は減っていき、3世紀末にはほぼすべて青銅のものまで造幣されていた。 これらの努力もむなしく彼の行動は失敗。 帝国内では貨幣価値の全体的な低下が進行。インフレーションが巻き起こり、経済は見事に悪化した。 軍事面 世界で余だけが金を持てばよい、そして、余は金を兵士らに与えたい。 カラカラ帝は軍権力を重視した父セウェルスの政策を踏襲して軍事費の増加や兵士の給与増を推進。 軍団兵の年俸は高まり、兵士は豊かになった。また自ら兵士達と食事を取ったり陣地建設で資材を運ぶなどのパフォーマンスで、兵士から親しみを持たれた。 なお、カラカラは多くの胸像を作ったが、その殆どはそれまでの皇帝が好んだ「哲学者風」の装いと柔和な表情ではなく、短髪で厳しい顔つきの物を作らせている。 これも軍人達の人気を考えて作ったものである。学校の芸術の授業などでもおなじみだろう。 カラカラは軍の力を味方に付ける事に成功。これには、民衆や貴族を弾圧し権力基盤を整えるという狙いもあった。 だが軍事費の著しい増大は父親の頃よりも悪化。ただでさえインフレが起きていた帝国の財政にさらにダメージを負わせる。 カラカラの時代に起きた戦争面ではどうだったか。 この頃、西方国境では異民族の侵入が激化。カラカラ帝は属州ゲルマニア・スペリオルのアグリ・ディクマテスに親征を行った。 同地でカラカラ軍は侵攻するアレマンニ軍に勝利。しかしアレマンニ族の本拠地は落とせないという泥沼状態に。 戦争の長期化を嫌ったカラカラ帝は蛮族と講和を結ぶ。 講和は蛮族への和解金・同地からの撤退をという屈辱的な内容だった。なのだが、一応決着をつけたことは評価され、元老院から『ゲルマニクス・マキシムス』の称号を与えられる。 アントニヌス勅令 212年、カラカラは「アントニヌス勅令」を発布。 これにより属州民とローマ市民の間の身分階級が消滅する。ひとまずこれにより『民族・人種による出自差別』は消え去るという功績を生み出した。 文面だけならば、優しい世界を築き上げたこの件はカラカラの数少ない大きい成果に見える。 しかし良い評価をされることは少ない。何故か。 当時のローマ帝国は、正規の国民には相続税や奴隷解放税の納税を義務づけられる点から、この勅令は主に税収の拡大を狙ったとされる。 言い方は悪いが『金目当ての政策』ではある。ただ金目当てであるのは仕方ない。軍事費の増大は現実の問題だったのだから。 だが、一番の目的である『金策』がどうも上手く確保できなかったようである。 ローマの重要な財源であった属州税(*2)が身分制度撤廃により廃止。それは特別税や相続税、奴隷解放税などでは到底埋めきれなかった(*3)。 このため国庫収入は増大するどころか却って減少することになり、カラカラの目論見は外れる。それを補うために以降のローマ帝国は臨時税を乱発することになった。 さらにこの勅令は皮肉にも、ローマ市民と属州民にすれ違いを起こさせたのだ。 勅令以前にも「軍務について全うする」などの方法で一生を賭せば獲得できていた。 しかしこの勅令により全ての自由民に市民権が付与されてしまった結果、ローマ市民権の価値が低下。 その結果「ローマ市民と非ローマ市民」という努力により超えることのできていた身分差は、「ホネスティオレス(上層民)とフミリオレス(下層民)」、「元々の市民権所持者と元属州民」という、個人ではどうしようもないものへと変化してしまった。 旧来の市民権所有者と勅令以降の市民権保有者の間に対立構造を作り上げる。この結果、再び身分差別的な意識が勃発するのである。これらは社会全体の活力を低下させ、帝国の国力を衰えさせていった。 この勅令は結果的にローマ帝国が混乱する『軍人皇帝時代』への間接的な要因になったとされる。 虐殺の繰り返し カラカラは属州で暴れまくった。 東方属州へ移住した213年からその行動はエスカレートしていく。彼の皇帝時代の末期はここでの虐殺と略奪に費やした。 カラカラの暴れっぷりは尋常では無かった。 彼はそこらじゅうに自分の別荘などを作りまくった。この時に資金が無くなると、そこら辺の裕福な人に言いがかりをつけ財産を没収した。 この暴挙に一部の民衆は不満を爆発。 アレクサンドリアの住民は、カラカラがかつて行った弟殺しを批判した。そして、弟殺害の際のカラカラの言い訳をネタにして遊び始めたのである(*4)。 この噂を聞きつけたカラカラ帝はアレクサンドリアへと赴く。 カラカラ「正当防衛ではなく保身のために余の弟を余が殺したなどという余のことを誤解させるような発言が多数なされている!」 彼が言うには、民衆の誤解を解きたいとのことだった。意外に寛大な行動を見せたカラカラ帝に民衆は感心して皇帝の弁明を聞くことにする。しかし彼は 集まった無抵抗の民衆を兵士に命じて虐殺させた。 さらに集会を見物しに来た民衆を殺しただけでは怒りが収まらないカラカラ。 彼は数日間にわたってアレクサンドリア市内を徹底的に破壊して民衆を殺戮。カッシウス・ディオの記録が語るには、犠牲者は二万人ほどとされる。 カラカラ浴場建設 カラカラ浴場の建設は、多分彼の一番の功績である。 カラカラの作ったこの浴場は、多くのローマ市民に入浴の楽しみを感じさせた。 風呂だけでなく水風呂、サウナ、更にはジムのようなものまであったらしい。 水を加熱するためのシステムは1500年以上使われていた。彼の作った浴場の恩恵はローマ帝国が滅亡した後も残ったのである。 ちなみにこの浴場を作った理由は、カラカラが後の世にも名を残すためだったとされる。確かにこの目論見に関しては見事に成功している。ぶっちゃけ基本残ったのは様々な行いによる悪名高さだが さらに言うと、この浴場には入浴以外の目的もあった。 この時代では男性間の同性愛行為がごく自然な性行為と見なされていた。そのため、ハッテン場としての役割もあったらしい。 …………やっぱりホモじゃないか(呆れ) 流石にケツを差し出すような相手はカラカラ帝にはいなかったと思われるが、カラカラ帝の子孫にはわざわざ女装してまで売春をしに出掛けた超絶変態皇帝がいたそうな 暗殺 暴政を繰り広げたカラカラ。 ついに彼にも絶命の時が訪れる。しかし、その死に際はある意味衝撃的な物(100%確証の取れた話ではないが)だった。 遠征準備の為、エデッサに入城したカラカラ。 彼は軍列を途中で引きとめた。すると彼は 道端で失禁立ちションをしだした。 そんなカラカラを見ていた男がいた。ユリウス・マルティアリスという近衛兵である。彼は呑気に放尿しているカラカラの刺殺に成功した。 カラカラを刺した直後、マルティアリスは馬を奪って逃げようとしたが、他の衛兵が放った矢に倒れたと伝えられる。 なお、マルティアリスがこの行動に移った理由はローマの平和を願ってのもの…ではなかった。「数日前に同じ近衛兵であった親族が無実の罪で処罰された」事に対する復讐からの行動だったらしい。 カラカラは立ちション中に暗殺されるというローマ皇帝の歴史の中でも異様といえるあっけない最期だった… 評価 後世での評価は最悪である。 歴史家エドワード・ギボンには『人類共通の敵』とまで称されている。まあ実際それくらい言われてもしょうがないことをしでかしているのだが。 インフレを起こさせたり、民衆を虐殺したり…普通に考えたらとんでもない無能な皇帝である。 だが、一方で評価すべき点もないわけでは無い。 カラカラ浴場建設はアントニヌス勅令とは違い優しい世界に貢献したため、彼の数少ない業績だろう。また銀貨の改鋳も評価されることがある。なんだかんだで民族差別を撤廃させた点も評価されている。まあ現実の結果はアレだが… この点から、一部の歴史家はカラカラの行いを評価している。 さて、我らが日本ではどのような認識か。 カラカラは、世界史を学ぶ際には名前が出てくる。そのため、ローマ皇帝の中では名前が知られている方である。 しかし、教科書などではカラカラの数少ない業績が記載されている程度にとどまっている。 カラカラ浴場の件もあり、歴史家の間で言われているような無能扱いはされていない印象がある。 だが、歴史を奥深く学んだ人からは、やはり無能扱いをされている。 追記・修正は放尿している最中に殺されてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 世界史でも、かなり覚えやすい名前の部類に入ると思う -- 名無しさん (2014-12-21 20 56 43) ふざけた名前して、クッソ外道な皇帝。 -- 名無しさん (2014-12-21 21 22 15) お、ポケモンかな? -- 名無しさん (2014-12-21 21 33 22) 第二のアレクサンドロス目指してたとか何とか -- 名無しさん (2014-12-21 21 33 54) 高校生の時は名前はカラカラなのに浴場作ったのかw 位の認識しかなかった。 -- 名無しさん (2014-12-21 21 37 49) だからなんでひでみたいな断末魔なんですかね・・・(困惑) -- (2014-12-21 21 45 32) カラカラ帝 弟 生きるため 仕方なかった -- 名無しさん (2014-12-21 21 49 26) 追記・修正のハードル高すぎやしませんかねw -- 名無しさん (2014-12-21 22 09 22) 世の中に「悪平等」という概念があるとすれば、アントニヌス勅令はその最たるものだと思うんだ -- 名無しさん (2014-12-21 22 11 42) 俺が呼んだまんがでわかる世界史では1コマ出ただけで主人公(宇宙人)から「なんて野郎だ、戦争がやりたいだけじゃないか」みたいなこと言われてたな -- 名無しさん (2014-12-21 23 18 05) 「お風呂はカラカラ」で覚えろ、って世界史の教師に言われた -- 名無しさん (2014-12-22 10 46 31) アントニヌス勅令しか知らなかった(センター世界史レベルの知識) -- 名無しさん (2014-12-22 10 49 10) ↑×2 唯一の功績なのに何か干からびた様に聞こえるw -- 名無しさん (2014-12-22 12 55 18) まさかこの項目が復活するとは GJ -- 名無しさん (2014-12-23 05 52 22) 塩婆はアントニヌス勅令をローマ崩壊の一因に入れてたな -- 名無しさん (2014-12-23 07 31 05) もしデモンベインの続編が出たら新しい敵幹部として彼の名を持つ敵が登場しそう -- 名無しさん (2014-12-23 09 30 46) カラカラ帝の肖像彫刻は、ローマ彫刻最後の傑作 -- 名無しさん (2014-12-23 16 58 35) 飼い犬に裏切られたのをきっかけに地位も権力も何もかも全て失い、屈辱にも宿敵になぶり殺された新しい血族の王とどっちがマシな殺され方なんだろうね? -- 名無しさん (2014-12-24 23 35 24) これでも一般的な評価はネロよりマシなんだよな…… -- 名無しさん (2014-12-26 03 10 03) 世界史をちゃんと学んだ、あるいは好きという人間でない限り、"名君アレキサンダー"と"暴君ネロ"位しかローマ皇帝を知らないんじゃ -- 名無しさん (2015-01-19 20 08 21) 一応大浴場出るし名前くらいは知ってる人結構いそうだけど -- 名無しさん (2015-01-25 06 50 21) アントニヌス勅令はローマ崩壊の原因だからとても業績とは呼べないんだよなぁ。動機も自体も義憤じゃなくて金目当てだし -- 名無しさん (2015-02-28 04 10 46) ↑さすがにそれは言い掛かりだと思うが -- 名無しさん (2015-07-27 03 18 05) 某弁護士との偶然の一致の凄さに身が震える。誕生日も某コテの特定された日らしい -- 名無しさん (2015-10-22 21 05 56) ↑はい300万円 -- 名無しさん (2016-02-18 19 09 06) アレクサンドロス大王がローマ皇帝とはこれは如何に -- 名無しさん (2016-02-29 21 26 30) これ書いたのなんカスでしょ -- 名無しさん (2016-02-29 21 36 43) なんで資金欲しかったから通貨切り下げたみたいな論調で書いてあんの、金策に走って通貨鋳造しまくってインフレ起きたんじゃないの -- 名無しさん (2016-02-29 21 42 59) カリギュラ・・・? -- 名無しさん (2016-07-28 23 43 49) いなくていい -- 名無しさん (2016-09-08 22 28 34) 唐突な淫夢語録で草不可避 -- 名無しさん (2016-10-05 12 01 40) どうせ淫夢ネタを入れるなら奇跡的なまでな一致がある尊師ネタに変えた方がいいんじゃないですかね -- 名無しさん (2016-10-16 16 58 47) つーか淫夢ネタ消せよ。歴史好きの高校生がふざけて書いたような文章 -- 名無しさん (2017-10-10 07 28 00) 追記・修正のハードルが高すぎる -- 名無しさん (2020-07-08 17 30 46) これとネロとどっちがひどい? -- 名無しさん (2020-09-01 18 32 06) ネロはキリスト教関連でディスひどいだけで、こいつのがやべーと思う。なお、他にも逸材はいる模様 -- 名無しさん (2020-09-01 21 02 12) この子孫にド変態の極みヘリオガバルスがいると言う恐怖 -- 名無しさん (2021-02-28 19 26 15) 立ちションしてたら刺されて死ぬとか太陽にほえろのマカロニかな -- 名無しさん (2021-02-28 19 44 52) 現在でもデッサン像として活躍しているゾ、弟共々 -- 名無しさん (2021-07-07 13 56 30) カラカラ帝 弟 生きるため 仕方なかった -- 名無しさん (2022-04-27 18 47 55) ギボンさんの評価が素晴らしい、この皇帝陛下はヘリオガバルス帝やコンモドゥス帝とタメを張れるダメっぽさ。 -- 名無しさん (2022-04-27 19 15 52) 割りとダメ評価されてる歴代のローマ皇帝の中でも上位に食い込めるんじゃなかろうか。 -- 名無しさん (2022-09-19 19 28 43) あな番の袴田吉彦さんなら追記修正の条件を満たしている件について -- 名無しさん (2022-10-04 08 38 45) アントニヌス勅令が結果的にマイナスの影響を与えたのは確かだが流石に金目当ては言いがかりだろう。本当に金が目当てなら財務省みたく新しい税金を作ればいいだけだし。第一アントニウス勅令で税収が上がったなら兎も角、実際は税収が下がっている分けだからその時点で金目当て説は破綻している -- 名無しさん (2022-12-03 01 45 34) 某英霊召喚作品だとレクイエムで登場して秋葉原に風呂作ってたな -- 名無しさん (2022-12-13 16 59 54) 元老院の被害者なんやろなからの「ダメだ、どうしようもない。」のスーパーコンボやめてたもれ。 -- 名無しさん (2022-12-13 17 11 21) 本人の統治による政治思想からではなく怨恨復讐で死んだってとこで安倍ちゃん彷彿させたわ -- 名無しさん (2023-11-23 00 51 26) 名前 コメント
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No.104/カラカラ ●属性 幼女 ツインテール フェイスペイント 原始人 尻尾 ●一人称 私 ●瞳の色 茶 ●つながり ガラガラ:姉 「恋するウンバボ~君にウホウホ~♪」 原始人っぽい服装をしているが、将来の夢はアイドルになることらしい。 いつもお気に入りの骨をマイクに見立てて自作の歌を歌っている。 「ウンバボ」「ウホウホ」といったワードがお気に入りらしく、歌にちょくちょく出てくる。 歌唱力は意外にも高く、ガラガラのバンドにボーカルで特別参加することもたまにある。 コメント欄 名前 コメント
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ワラシ ワラシの「あなたに幸あれ」発動タイミング
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ラシド htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。 仲間にする方法 深き薄明の森。色は白。 武器 基本性能 攻撃属性: レンジ: 種類: 最大攻撃回数:回 名称変化 →(Lv7)→(Lv13) 攻撃力 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 Lv11 Lv12 Lv13 Lv14 Lv15 Lv16 防具 装備箇所 装備可能防具 頭 軽兜 体 革鎧 腕 重装備 足 重装備 初期装備 装備箇所 装備品 頭 --- 体 --- 腕 --- 足 --- その他1 --- その他2 --- その他3 --- その他4 --- ステータス 初期ステータス HP 攻撃 魔力 直防 魔防 技術 命中 回避 速 運 - - - - - - - - - - Lv60時のステータス HP 攻撃 魔力 直防 魔防 技術 命中 回避 速 運 - - - - - - - - - - レベルアップ時のステータス上昇値 HP 攻撃 魔力 直防 魔防 技術 命中 回避 速 運 - - - - - - - - - - 属性相性 太 火 雷 風 水 土 星 音 聖 闇 斬 突 殴 飛 紋章 個所 開放Lv 備考 額 Lv --- 右手 Lv --- 左手 Lv --- スキル上限 基本スキル 体力 攻撃 防御 技術 丹田 敏捷 魔力 魔防 詠唱 魔法剣 なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし 伝承スキル 獅子奮迅 活殺自在 因果応報 金剛不壊 韋駄天足 風林火山 なし なし なし なし なし なし 乾坤一擲 明鏡止水 破邪顕正 剣禅一如 天地神明 王道楽土 なし なし なし なし なし なし 固有スキル 協力攻撃 名前 パートナー ドレミ ソラシ、ファソラ、ミファソ、ラシド、レミファ オボロ身上調査書 なし
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夢の終わり(前編) ◆ew5bR2RQj. 「ハァ、ハァ……」 肩で息をしながら、急ぎ足で階段を降りるアイゼル。 錬金術の才能はある彼女も身体能力は一般人と大差ないため、四階から全速力で階段を駆け下りるのは辛いものがある。 しかしそんなことを言っている余裕はない。 次元やジェレミアの方が、もっと辛い状況に立たされているのだから。 「ジェレミア卿!」 そうして正面玄関に辿り着いた彼女が見た光景は。 「ア、アイゼルさん!?」 傷口から血を流し続ける五ェ門と、彼の治療を必死で続けるつかさと北岡。 「チィッ!」 冷徹に銃弾を放つゾルダと、それを回避し続ける次元。 鈍器のような剣を振り回す浅倉、そして―――― 「浅倉威ィッ!!」 鬼気迫る顔で浅倉と切り結ぶジェレミアの姿だった。 「…………」 声が出ない。 病院の四階から窓越しに見る戦場と、正面から直に見る戦場はあまりに違いすぎた。 粉塵が舞い、銃弾が飛び交い、怒声が轟く。 彼女もそれなりに修羅場をくぐっているが、ここは全く異質な場所だ。 一歩間違えれば、全てが終わる。 日本刀を五ェ門かジェレミアに渡すつもりだったが、今の五ェ門が戦線復帰などできるわけがない。 そして、ジェレミアは周囲の状況が見えていない。 浅倉がルルーシュの真の仇である以上、彼が憤慨するのも当然だ。 つかさを襲った時とは違い、今は明確な殺意を見せている。 繰り出される剣戟は、全て浅倉を殺すためのものだ。 だが、何故か不安を覚える。 彼の剣は一度も浅倉には届いていないからか。 疲労が溜まっているとか、左腕の剣が使えないとかそんな理由ではない。 もっと根本的なところにあるような気がした。 「ジェレミア卿!!」 アイゼルは再びジェレミアの名を叫ぶ。 その声に、彼が反応することはない (ジェレミア卿……) この不安が杞憂であればそれでいい。 しかし、どうしてもそれを掻き消すことはできなかった。 「え……足音?」 リノリウムの床を蹴る足音。 今四階に残っているのは、奈緒子と詩音の二人だけ。 二人のうちで、こんな危険な場所に赴く理由があるのは一人だけだ。 「奈緒子の奴! 詩音さんを任せるって言ったじゃない!」 間抜けな奈緒子のことだから、おそらく銃を奪われたのだろう。 彼女の予想通り、階段から現れたのは詩音だった。 彼女はそのまま自分たちには一瞥もくれず、カラシニコフを構えて正面玄関を突っ切って行く。 「待ちなさい!」 アイゼルは詩音に声をかけるが、彼女は振り向かない。 それぞれの思惑が交差する中、戦場に新たな闖入者が訪れる。 ☆ ☆ ☆ 剣と剣が衝突する音に紛れ、銃声が鳴る。 それはレイの銃から発射されたもので、銃弾は次元の心臓を狙っていた。 「チィッ!」 発射される銃弾を回避し、返す刀で銃口を向ける。 しかしその時には、既にレイの銃口が次元へと向いていた。 「ったく、連射もできてリロードの必要もないとかいい加減にしやがれってんだ!」 一分間で百二十発ものエネルギー弾を吐き出すマグナバイザー。 それだけでも驚異なのに、さらに装填の必要もないと来た。 やはりと言うべきか、仮面ライダーの相手は手に余る。 下手に接近すればギガホーンで貫かれ、身を隠せばギガキャノンに焼かれる。 そして一発でも攻撃を喰らえば、それはファイナルベントを発動させる隙に繋がってしまう。 「ふざけやがって、よぉ!」 発射された銃弾を横っ飛びで避け、同時にレイへと狙いを定める。 相手もすぐにマグナバイザーを向けてきたが、次元の方が一瞬だけ速い。 これを好機と判断し、次元は発砲する。 狙いはマグナバイザーのグリップを握る右手、これさえ撃ち落せばファイナルベントを発動できなくなる。 次元の勝利条件は、レイを倒すことではない。 ファイナルベントを使用させず、変身を解除させることだ。 だがその銃弾は、レイへ届く前にギガホーンに叩き落とされていた。 先ほどからこの繰り返し。 僅かな隙を縫って発砲しても、躱されるか叩き落とされるかの二択。 これにより弾薬は消費され、残弾数が二発まで追い込まれていた。 (まずいな……ん、あいつは?) 銃弾を避けつつ対抗策を構築している最中、次元の視界にカラシニコフを構えた詩音の姿が映る。 彼女は最初に相対した時、これの扱いは慣れていると言った。 銃火器のプロフェッショナルである自分には劣るだろうが、それでもこの状況での援軍はありがたかった。 詩音は正面玄関の入口を陣取っていて、次元がそれを正面から見る形でゾルダと対峙している。 つまり詩音のいる場所は、レイにとって背後という完全な死角。 奇襲をかけるには、今が絶好のチャンスだ。 レイに悟られぬよう、詩音の射線上から外れる次元。 それを見計らって、詩音はカラシニコフの引き金を引く。 「ッ!」 数十の弾丸が矢のように駆け抜け、命を貪らんと雄叫びを上げる。 そこでようやく気付いたのか、レイは背後を振り向く。 だが、弾丸は既に目前にまで近づいていた。 「ぐうっ!」 くぐもった声が漏らすレイ。 寸前で回避を試みたが、全ての銃弾を躱すには至らない。 数発の銃弾が強化スーツに命中し、内側の肉体に銃創を刻んだ。 いくらライダーの力によって強化されていても、剣で突かれたり銃で撃たれたりすれば負傷はする。 しかしその程度だ。 普通の人間であれば致命傷になる攻撃も、ライダーに対しては致命傷にならない。 その証拠に、レイはもう立ち上がろうとしている。 (タフ過ぎんだろ、だが――――) 一発で足りないなら、くたばるまで撃ち続けてやればいい。 依れた帽子を直し、体勢を立て直す。 そうして銃を構えた瞬間、ふと心臓を直接冷やされたかのような悪寒が全身に走った。 (なんだ……?) 素人の直感はアテにならないが、これは何度も死線を越えてきた男の直感だ。 最後の最後で一番頼りになるのは自分だということを、次元はよく理解している。 彼が感じているのは殺気だった。 (……どいつだ?) レイはまだ攻撃態勢に移っていない。 引き金に指をかけつつ、周囲の状況を確認する。 そうして目に入ったのは、カラシニコフの銃口をレイに向ける詩音。 カラシニコフの銃口を”レイと次元のいる方向”に向ける詩音の姿だった。 「ッ!!」 そう、詩音、次元、レイは再び一直線に並んでいたのだ。 「ぐおぉっ!」 銃を急いで取り下げ、地面にへばりつくように転がる次元。 同時に幾重にも銃声が轟き、彼が数秒前までいた場所を弾丸が通過していった。 (あの女……!) 帽子の下の切れ長の瞳を冷酷に尖らせ、遠方にいる詩音を睨みつける。 あと一瞬でも判断が遅ければ、次元の身体には大量の風穴が空いていただろう。 間違いない、園崎詩音は自分も殺す気でいた。 「チィッ、くそ!」 レイだけでも手に余るのに、さらに遠方からの射撃が加わった。 命中精度が劣るとはいえ、二人同時に相手など勘弁願いたい。 レイの方も上手く回避したのだろう、今は走りながら銃弾を避け続けている。 その射線上に次元はいないためか、今は銃口が向けられることはない。 今後の立ち回り方を考えようと頭を回すが、そこに新たな乱入者が現れる。 「次は俺と遊んでくれよ、偽物さんよぉ!」 乱雑に剣を振るいながら、レイに殴りかかる浅倉。 死角からの奇襲を回避できず、レイはその一撃をまともに喰らってしまう。 肩に装着されていたギガキャノンが砕け、彼は数歩後退させられる。 そんなことはお構いなしに、浅倉は二度目の斬撃を振るってきた。 「チクショウ、あの野郎まで首を突っ込んできやがった!」 悪態をつく次元。 辺りを見回すと、そこには剣を杖に片膝をつくジェレミアの姿があった。 「ぐぅっ……」 ジェレミアと浅倉、ここに来て体力の差が大きく出た。 浅倉は悟史の呼び掛け以来、まともな戦闘は一度も行っていない。 一方でジェレミアは、五ェ門にレイと連戦を行った直後に王蛇との戦闘。 ただでさえ強敵である浅倉に対して、疲弊した身体で応戦するのは無理があったのだ。 「引き下がるしかねぇか……」 二人相手なら辛うじて立ち回れたが、そこに浅倉が絡んでくるなら話は別だ。 まだ浅倉は五分以上の変身時間を残しているし、ライダーの中でもトップクラスの実力を持つと聞く。 それをたった二発で応戦など、蛮勇を通り越して無謀である。 ガンマンとしての矜持もあるが、一番大事なのはやはり命。 こちらの勝利はゾルダのファイナルベントの阻止だから、浅倉が足止めしてくれればそれで問題ない。 そう判断した次元は銃を収め、詩音が陣取っている正面玄関まで後退した。 「おい、嬢ちゃん」 「……なんです?」 こちらに一瞥もくれず、二人のライダーに銃口を定める詩音。 最初に会った時は殺すのを躊躇していたのに、今はしっかりと身体を狙いに定めている。 たった数時間で随分と様変わりしたもんだ、と次元は皮肉げに笑む。 それでも浅倉を相手にするのは不可能と判断したのか、彼が介入してから発砲はしていない。 「お前、俺を狙ったな」 「なんのことです?」 わざとらしい演技で次元の言葉を否定する。 「とぼけんなよ」 詩音の背中に銃を突きつける。 「俺を誰だと思っている? テメェみたいなガキの狙いなんざすぐに分かるんだよ」 次元はあらゆる重火器に精通している。 それは単に兵器を扱えるというだけでなく、それらの対抗手段まで完璧に把握しているということ。 素人に毛が生えた程度の小娘の狙いなど、次元には手に取るように分かるのだ。 「……私はあくまでゾルダを狙っただけですよ、そこにたまたまおじ様がいただけです」 「屁理屈垂れてんじゃねぇよ、今の状況分かってんのか? その銃を渡して、嬢ちゃんは引っ込んでな」 銃口を背中に捩じ込むように押し付け、嫌でもその存在を理解させる。 「ここで撃てば、立場が悪くなるのはおじ様の方ですよ?」 だが詩音は脅迫に屈さなかった。 次元は引き金に指を絡めながら、奥歯をぎしりと噛み締める。 ここで発砲すれば立場が悪くなるのを、彼も理解しているからだ。 もしこの場にいるのが詩音だけだったなら、次元は彼女を殺していただろう。 だがこの場には、詩音以外にも大勢の人間がいた。 特に五ェ門やジェレミアとは、今後も協力関係を保っておきたい。 だがもしここで詩音を殺害してしまえば、次元は彼らから仲間殺しの烙印を押されるだろう。 今は脅迫がバレないように銃を自らの身体で隠しているが、脅迫と殺害はまるで違う。 一度人を殺してしまえば今後も協力関係を結ぶのは困難だし、危険人物として情報を流布される可能性もある。 だから脅迫という姑息な手段に頼るしかなかった。 (このアマ……) 背中に銃口を突きつけられても顔色一つ変えず、逆に次元を脅迫する始末。 大した胆力の女だと、次元は舌を巻く。 帽子の下の双眼を尖らせ、次元は周囲を見渡す。 黙々とチャンスを窺う詩音を、肉弾戦を続ける二人のライダーを。 ☆ ☆ ☆ レイとの戦闘を続行していた浅倉は、言いようのない憤りを感じていた。 先ほどから彼が繰り出す攻撃は、一つもレイに届かない。 本来のゾルダである北岡は、接近戦が苦手でそれを避けている節があった。 彼はそれを理屈で理解していた訳ではないが、本能的にそれを察知して接近戦を仕掛けていた。 だが今のゾルダは違う。 接近戦も難なく熟し、逆に浅倉を圧倒している。 ゾルダのデッキは不治の病に蝕まれている北岡のためか、他のデッキよりもスペックが高めに設計されている。 不治の病という制約が取り払われた今、ゾルダはまさに最強のライダーと化していた。 「貴様ァッ!」 罵声と共にベノサーベルを振り下ろす浅倉。 しかし単調な攻撃故に、回避することは容易い。 横に軸をずらして避けたところで、レイは懐からギガホーンを突き出した。 「おぉっ! クハハ、いいぜぇ!」 二本の角が王蛇に突き刺さり、接触面から火花を散らす。 傍目に見ても相当な威力だと分かるが、この程度で浅倉は怯まない。 仮面の下で狂気の笑いを発し、目の前の仇敵に再び切り込んだ。 浅倉が獰猛な野獣なら、レイは冷酷な機械。 乱雑に繰り出される斬撃を、機械的に回避していく。 そして発生した僅かな間隙を縫って、銃撃や刺突を叩き込む。 だが浅倉が倒れることはなく、動きが衰えることもない。 むしろ動きの鋭敏さは、どんどんと増しつつあった。 「はぁッ!」 そしてついに浅倉の放った一撃は、レイを捉えることに成功する。 今までは回避し続けていたレイは、真上から降ってきた斬撃を受け止めざるを得なかったのだ。 「ハハハハハハハハハハッ!!」 王蛇のベノサーベルとゾルダのギガホーンが拮抗する。 ベノサーベルのAPは3000で、ギガホーンのAPは2000。 数字は絶対ではないが正直だ。 だんだんとレイは押し込まれ、ギガホーンに亀裂が走っていく。 単純な力勝負に縺れ込んだ場合は、やはり浅倉の方に分がある。 「ッ!?」 だが、それはあくまで単純な力勝負の話である。 レイはギガホーンの重心を逸らし、ベノサーベルとの衝突点を角の曲線部分へと持っていく。 力押しに全体重を掛けていた浅倉は体勢を崩し、その隙にレイはギガホーンを勢いよくかち上げる。 するとベノサーベルは浅倉の手を離れ、孤を描くように宙へと投げ出された。 「ぐあぁっ!」 浅倉の脇腹を直撃するレイの回し蹴り。 元から体勢を崩していた浅倉は、転倒して地面に投げ出される。 レイは得物も腕力を要しない銃であり、筋力も特筆するほど優れているわけではない。 だがそれを言い訳にできるほど、彼の復讐は簡単ではない。。 腕力を武器に戦う相手への対処法も、当然彼は編み出していた。 ☆ ☆ ☆ 一連の流れを見ていた次元は、思わず肝を冷やした。 北岡が最強と評した王蛇が、こんなにも呆気なく敗れた。 ゾルダの相手をしていた王蛇が倒れたということは、ゾルダが自由に動ける時間を得たということ。 たった数秒ではあるが、それでもエンド・オブ・ワールドの発動には十分過ぎる。 「次元、あいつを止めろ!」 背後から北岡の声が届く。 五ェ門の治療をしていた北岡も、今の状況のヤバさに気付いたのだろう。 「分かってらぁ!」 詩音に突き付けていた銃口を、即座にレイに向けて引き金を絞る次元。 その隙に詩音が走り去っていくが、もはやどうでもいい話である。 彼が射撃の名手であることは周知の事実だが、その中でも特に優れているのは早撃ち。 0.3秒というその数値は、多くの同業者達に畏怖と尊敬の念を抱かせた。 今の彼が所持している銃は愛用のものではないが、それでも速度が衰えることはない。 レイが転倒した浅倉から距離を取るのを視認した時には、既に銃声は響いている。 銃身から薬莢が吐き出され、銃口から弾丸が飛び出す。 火薬により推進力を得た弾丸は、浅倉が立ち上がるよりも、レイがカードを装填するよりも速い。 ファイナルベントを発動するには、いくつかの行程を踏む必要がある。 これならばレイが装填するよりも早く、銃弾は彼の手からマグナバイザーを叩き落すだろう。 そう、確信していた。 しかし、銃弾がレイに届くことはなかった。 「浅倉威イイイイイイイイイイイイイィィィィィィッ!!!!」 銃弾は浅倉の元に駆けつけたジェレミアの半身に命中し、あらぬ方向へと飛んでいってしまった。 唖然とする次元。 視線の先にいる緑色の戦士が、仮面の下でほくそ笑んだような気がした。 ――――FINAL VENT―――― 認証音と共に、レイの足元の水溜りからマグナギガが姿を現す。 こうなってしまえば、もう止める術など存在しない。 マグナギガの背中にバイザーをセットするレイ。 咆哮とともにマグナギガの両腕が上がり、膝、胸、額の砲門が開く。 エネルギーが全身を駆け巡り、一瞬にして充填が完了する。 「逃げろおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!」 轟く次元の声。 引き金を引くレイ。 そして―――― 「デリート」 再び、世界の終わりが訪れた。 次元大介とレイ・ラングレン。 両者とも射撃の名手であることに間違いはないが、総合的に優れているのは次元の方であった。 多くの銃火器の扱いを熟知しているのはもちろんのこと、決定的に違うのは年季だ。 レイは妻をカギ爪の男に奪われてから数年だが、次元はもう数十年は裏の世界に身を置いている。 いずれレイもその境地に辿り着いたのかもしれないが、現状では次元の方が優れていた。 そんな次元でも、一つだけ持っていないものがあった。 それはたった一人の仇敵の命を渇望する、燃え盛るようなどす黒い復讐心。 復讐に囚われているレイだったからこそ、数秒先の未来を操ることができたのだ。 もし目の前に大事な人を殺した仇敵が倒れこんできたらどうするか? 答えはあまりにも単純で明快だ。 例え致命傷を負っていようが失明していようが、地を蹴ってその喉元に喰らいつく。 復讐者の心理を理解していたからこそ、ジェレミアを盾にするという策を画策できたのだ。 そしてその目論見は見事に成功した。 浅倉をジェレミアの視線の先に蹴り飛ばすことで、彼の復讐心を再起させる。 そうすればジェレミアは浅倉を殺すため、自らの盾になる地点に現れると確信していたのだ。 黒煙が晴れ、総合病院の惨状が露になる。 蔓延する火薬の臭い、焼け焦げた地面、崩れ落ちた柱、散乱する瓦礫の山。 一階は完全に破壊され、二階以降にも大きな損害を齎した。 「ぐぅ……うっ……」 そして、その地に立ち尽くす男が一人。 自慢のダークスーツは無残にも焼け爛れ、露出した肌の至るところに火傷が刻まれている。 男は銃火器の名手であり、その扱い方や対処法を熟知していた。 しかしいくら熟知していようと、それらを一斉に向けられればどうしようもない。 たった一人の人間が、戦争の結果を変えることはできないのだ。 「クソッタレ……」 男――――次元大介は意識を手放し、焼け焦げた地面の上に倒れた。 ☆ ☆ ☆ 「あ~~、どうしよう!」 時間は遡り、詩音が病室を出た直後。 一人取り残された奈緒子は、今後の身の振り方を見出せずに喘いでいた。 外から聞こえてくるのは銃声と怒号の嵐。 恐る恐る覗いてみると、日曜の朝の特撮に出てきそうな緑と紫の奴がジェレミア次元と戦っている。 こんな時にコスプレとはいいご身分だと突っ込みたくなるが、彼らの武器は本物だ。 普通の銃や剣も何度か見ているが、決して見慣れてはいない。 目前に迫っている死の臭いに、彼女の恐怖心は頂点に達しかけていた。 (逃げたい、とても逃げたい、でも……) ここで逃げることは、ジェレミアやアイゼルを見捨てるのと同義だ。 そうした場合、二度と彼らは自分を仲間として認めてくれないだろう。 白髪の男に襲われかけた時、身を挺して庇ってくれたジェレミア。 年が近くて話が合い、そして何よりもうにを持っているアイゼル。 それらを簡単に切り捨てられるほど、彼女は薄情にはなれなかった。 (やっぱり……逃げたらまずいか) ジェレミアとアイゼル。 最初は劇団の人かと間違えるような格好で、言っていることもちょっとおかしい。 でも大切な仲間であり、見捨てることなどはできなかった。 (そうだ、応援をしよう!) 彼女に役立つ装備はなく、連中と戦う力もない。 それでも彼らを応援することならできる。 「こんな美人に応援されたら、男どもは元気になってあんな奴らボコボコにしちゃうに違いない、エヘヘ――――」 「ぐああああぁぁぁぁっ!!」 そうして彼女が改めて窓を見た時に、王蛇に切り倒されて悲鳴をあげるジェレミアの姿が視界の中に飛び込んできた。 「なに、これ?」 硬直する奈緒子。 無敵にも思えたジェレミアの敗北が、彼女には到底理解することができなかった。 「逃げよう」 白髪の男や五ェ門と互角に渡り合ったジェレミア。 それよりも強い王蛇は、彼女にとってはもはや別次元の存在。 そんな相手に一般人である自分に何が出来るというのだ。 呑気に応援をしていて、もし人質にでもされたらむしろ邪魔になってしまう。 ならばここは一旦逃げておくことが、自分にできる唯一の事なのではないだろうか。 「そうだ、そうだよ……」 数々の言い訳を自身に言い聞かせながら、後ずさっていく奈緒子。 そうしてエレベーターの扉に背中が触れた時、彼女はこの場から離脱することを決意した。 「はぁ、はぁ!」 決意してからの彼女の行動は早い。 傍に配置されたボタンを押し、エレベーターが来るのを待つ。 だが上昇してくるエレベーターを待てず、彼女は少し先にある階段まで走る。 そのまま一段飛ばしで階段を駆け下り、一階に到着した後は裏口へと向かった。 (これで……これで良かったんだ……) 湧き上がる罪悪感を否定するように、彼女はひたすら走り続ける。 そうしてすぐに見えてくるのは、ガラス戸で閉ざされた裏口の門。 それを視認した彼女は飛び込むように加速し、そしてついに手前まで辿り着く。 ガラス戸は彼女に反応に自動的に開き、外の世界へと手招きしていた。 「…………」 最後の一歩を踏み出すことを躊躇する奈緒子。 ここを抜ければ、安全地帯に逃げ切ったことになる。 同時に仲間を裏切ったことを意味する。 その罪悪感が、彼女の足を病院の廊下に縛り付けていた。 (ここまで来たんだ、もう後には引けないッ!) 目を瞑った奈緒子は、重い足を上げる。 重心を前にずらし、足を地面へと降ろす。 踏み締めた地面の感触は、リノリウムではなくコンクリートのもの。 目を開けると、そこは外だった。 「やった……逃げ切った!」 危機を脱したことに、奈緒子は諸手を上げて歓喜する。 一面に広がる青空に、燦々と照りつける太陽。 心の片隅に罪悪感は残るものの、今はただ生き延びたことが嬉しかった。 「ジェレミアさん、アイゼル……ごめん!」 最後に謝罪を込めて、一度だけ背後に聳え立つ病院を振り返る。 そして彼女の瞳に映ったのは。 「え?」 炎と光だった。 ☆ ☆ ☆ レイ・ラングレンは警戒していた。 エンド・オブ・ワールドの使用は二度目だが、その破壊力には感嘆するばかりである。 (やはり恐ろしい破壊力だ) ヴォルケインに匹敵する破壊力から察するに、本来の用途はヨロイ等への対抗手段だろう。 人間相手に使用するには、この破壊力は強大過ぎる。 それでもレイは警戒していた。 エンド・オブ・ワールドは絶対的な破壊力を持つが、ジェレミアや浅倉に対してどこまで通用するか分からない。 特に浅倉は一度エンド・オブ・ワールドをやり過ごしている。 盾を召喚して防いだのか、ミラーモンスターの援護で生き延びたのか。 詳細は分からないが、浅倉が生き延びたという事実は無視できない。 だからこそ彼は、ジェレミアをあそこの誘導することで対抗策を講じた。 ジェレミアは次元の弾丸からの盾であると同時に、浅倉の動きを妨害する拘束具でもあった。 ライダーの力を引き出すには、カードの装填が必須である。 だが装填には数秒の時間が必要であり、ジェレミアを差し向けることでその時間を奪った。 いくらライダーといえど、カード無しでは対抗することはできないだろう。 だが、それでも彼は警戒を解かなかった。 ジェレミアや浅倉はまだ息があるかもしれないし、顔を見られた以上この場にいる人間は皆殺しにする必要がある。 完全に死亡しているのを確認して、もしまだ生存しているなら止めを刺す。 念には念を入れて、そこまでしておく必要があるだろう。 そう考えて、レイは一歩ずつ歩き出す。 彼の身体からは、変身時間の終了を示す細かい粒子が立ち上っている。 もうあまり時間が残されていないが故に、彼の歩調は速い。 あくまで冷酷さを保ちつつ、立ち込める黒煙の中に突入した。 その時である。 黒煙が揺らめくと同時に、何者かが飛び掛ってきた。 「ッ!?」 それに気付いた時には、既に相手の身体がレイの身体にのしかかっている。 黒煙で視界が不鮮明だった故に、相手の動きを読むことができなかったのだ。 「邪魔だ!」 もたれかかってきた者を跳ね除けようとするがなかなか離れない。 膝蹴りを相手の腹に叩き込み、起き上がったところに手刀を命中させる。 ここでようやく相手の身体は吹き飛び、数歩よろめいた後に地面へと伏した。 危機を脱したことで、一先ずは安堵するレイ。 だが、ここで彼はもっと周囲に気を配るべきであった。 何故なら彼が油断する一瞬を、虎視眈々と狙う者がいたのだから。 「ぐあぁっ!」 黒煙の中から伸びる拳。 そこには一瞬の間すらもなく、反応した時にはもう遅い。 拳は彼の腹部に深々と突き刺さり、そのまま数メートルを弾き飛ばされる結果となった。 「ぐっ……うぅ……」 コンクリートの地面に激突するレイ。 それは重厚な鎧に身を包んでいても激痛であったが、彼も生半可な鍛え方はしていない。 すぐに立ち上がり、急襲された方向へと視線を向けた。 ほぼ同時期に黒煙は晴れ、そこにいたのは―――― 「キ……サマ……」 全身に火傷を負い、地面に平伏すジェレミアと。 「あぁ……」 傷一つない状態で、その場に立ち尽くす王蛇の姿だった。 「何故……」 今まで数々の修羅場を潜り抜けていたが、この時ほど戦慄した瞬間はなかった。 最初から王蛇というライダーには、いかなる攻撃も通用しないのではないか。 たった一瞬だけ、そんな荒唐無稽な考えが頭を過る。 だが不自然なほどに火傷の多いジェレミアを見て、ある恐ろしい仮定が思い浮かんだ。 かつて浅倉が初めてライダーに変身した時。 初陣の相手は北岡の変身するゾルダであり、その時にもエンド・オブ・ワールドは発動された。 今と何一つ変わらない状況で、その時も彼が負傷することはなかった。 近場にいた仮面ライダーガイを盾にすることで、爆発の衝撃から身を守ったのだ。 「私を……盾に……」 「近くにいた、お前が悪い」 そう、浅倉はジェレミアを盾にして、エンド・オブ・ワールドをやり過ごしたのだ。 「ぐっ……おおおぉぉぉッ!」 必死に立ち上がろうとするジェレミアだが、身体が言うことを聞かない。 強固な爆発への耐性も、世界に終焉をもたらす破壊を前には無意味だったのだ。 浅倉は彼を盾にした後、突き飛ばしてレイの動きを封じる。 そして隙の発生したレイに、鉄拳を叩き込んだのだ。 「邪魔だ」 地面で蠢いているジェレミアを、浅倉は容赦なく蹴り飛ばす。 ジェレミアは無抵抗のままそれを受け、そのまま瓦礫の山に叩き付けられる。 短い呻き声を上げた後、ジェレミアの意識は暗闇の中に沈んでいった。 「フン」 そんなジェレミアに一瞥もくれず、目の前のレイを見据える浅倉。 バックルから一枚のカードを取り出し、それをいつの間にか握り締めていたベノバイザーに装填した。 ――――FINAL VENT―――― その瞬間、空中から浅倉の足元にエビルダイバーが飛来する。 浅倉は素早くそれの背に飛び乗り、高速で駆け出した。 エビルダイバーのファイナルベント――――ハイドベノン。 それは標準的な威力であったが、先の戦いでボルキャンサーを捕食したことにより大幅に威力が向上している。 ライダーとはいえ、まともに喰らえば致命傷は避けられないだろう。 ――――GUARD VENT―――― マグナギガの胸部を模した盾が召喚され、ゾルダの腕に装着される。 この盾は巨大な上に肉厚。 腰を落として重心を低くし、打ち負けぬように力を込めるレイ。 疾風のように空中を駆け抜け、目前の敵を蹂躙しようとする浅倉。 そうして、両者は衝突する。 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 狂ったように笑う浅倉。 同時に凄まじい衝撃が襲い掛かり、レイは数メートルほど押し戻される。 足を置いていた地面は抉れ、足の裏が高熱に包まれる。 超加速したエビルダイバーの突進は、一瞬でも気を抜いたら打ち破られかねない。 それでもレイは必死に体勢を保ち、盾を全面に押し出し続けた。 「ぐ……おおおおぉぉぉぉぉ」 肩が砕け、腰が割れ、膝が潰れる。 そう錯覚させるほどの激痛が、レイの全身を苛む。 意識を失いそうになる彼を支えたのは、カギ爪の男への復讐心だった。 ここで死ぬのならば、どのみち復讐など叶わぬ夢。 これからも数多くの障害が行く手を阻むのだろうし、浅倉も所詮はその一人に過ぎない。 だから、ここで負けるわけにはいかない。 「おおおおおぉぉぉぉッ!!」 衝突してから経過した時間はせいぜい十数秒。 それでもレイにとっては、無限に等しい時間に思えた。 だが、それにも終わりが訪れる。 ギガアーマーに亀裂が入り、一瞬のうちにそれは全体に広がる。 「ぐあぁ!」 そして、盾は砕けた。 レイは吹き飛ばされ、地面へと打ち付けられる。 しかし―――― 「チィッ!」 同時に浅倉とエビルダイバーも弾き飛ばされる。 筆舌に尽くしがたい激痛ではあったが、それでも致命傷には至らなかった。 レイはすぐに立ち上がり、そして動くことができる。 最後の最後で彼の意地が勝り、相殺という形に持ち込むことができたのだ。 (これで……) 踵を返すレイ。 もう変身時間は秒単位でしか残っていないが、浅倉との距離は十メートルほど開いている。 銃で牽制しつつ、民家に逃げ込めば生身でも数分は稼ぐことができるだろう。 何故なら―――― (もう奴にファイナルベントは残されていない!) そう、勘違いをしていたからだ。 ――――FINAL VENT―――― 無機質な機械音声が響いた時、レイが見たのは想像だにしない光景だった。 重厚な雰囲気を醸し出す鋼色のサイに搭乗し、こちらに切りこんでくる浅倉の姿。 既にファイナルベントは消費したのではないのか。 そもそも王蛇の契約モンスターは赤紫色のエイではないのか。 様々な疑問が浮かぶが、その解答が示されることはない。 十メートルの間合いは一瞬で消失し、気がつけば金色の角が目前に迫っていた。 レイの致命的なミスは、王蛇の詳細な能力を知らなかったことだ。 彼らは今までに三回遭遇していたが、その時に王蛇が使役していたのは全てエビルダイバーであった。 中途半端にライダーの知識を身につけていたが故、複数のモンスターと契約できるという考えに至ることすらできない。 三体のモンスターと契約した王蛇という、例外中の例外の存在に気付くことができなかったのだ。 メタルゲラスのファイナルベント――――ヘビープレッシャーが炸裂する。 錐揉み回転しながら空中を跳ね飛ばされ、そして地面に激突するレイ。 それでも勢いは殺し切れず、引き摺られるように地面を転がる。 外塀に衝突したところでようやく停止し、同時に変身が解除されてレイは仮面ライダーから人間へと戻った。 ☆ ☆ ☆ 「うぅ……」 閉ざされた世界。 爆発により発生した光が音が、北岡から視覚と聴覚を奪っていた。 それを皮切りに、他の五感もどんどんと失われていく。 蔓延する火薬と焼け焦げた臭いが嗅覚を。 残り火から発せられる肌を刺すような熱気が触覚を。 口内に侵入した砂利が味覚を。 「……生きてるのか?」 だが、それだけだった。 爆風で吹き飛ばされてはいたが、致命に至るような傷はない。 全身のあらゆる箇所が痛むが、それでもすぐに立ち上がることはできた。 だんだんと五感が回復してきているのも実感することができる。 「北岡さん、五ェ門さん、アイゼルさん……」 「三人とも……大丈夫?」 耳を凝らすと、つかさやアイゼルの声が聞こえる。 どうやら二人とも無事なようだ。 (おかしい……) 命拾いした北岡が感じたのは、不可解な事態への疑問。 エンド・オブ・ワールドをまともに被弾して、生身の自分達が無事でいられるはずがないのだ。 「ん……?」 回復してきた視力が、彼の目に影を映す。 自分達の前に立ち塞がるように、いや、自分達を何かから守るように。 大きな剣を、構えながら。 「五ェ門さん……?」 震えるような声で、つかさが呟く。 ここでようやく北岡も気付いた。 一緒にいたはずの五ェ門の声が、一切聞こえてこないことに。 「五ェ門!」 北岡が叫ぶのと同時に、崩れ落ちる影。 顔面を蒼白に染めながら、北岡はその影の元へ駆けつける。 影の正体は、やはり石川五ェ門その人。 デルフリンガーを手放し、血溜まりの中に沈んでいた。 「そんな……五ェ門さん……」 つかさの瞳から涙が溢れ始める。 おそらく北岡と全く同じ結論に達したのだろう。 五ェ門は自分達を守るため、エンド・オブ・ワールドの盾になった。 だから自分達は生き残ることができたのだと。 北岡は声が出なかった。 五ェ門が死んだのも、元を返せば自分がデイパックを置き忘れたことに原因がある。 カードデッキを奪われなければ、エンド・オブ・ワールドが発動されることはなかった。 詩音に叩き付けられた言葉が、北岡の脳内で何度も再生される。 浅倉の妨害に遭ったせいで助けに行けなかったと言い訳した。 しかしあの時、自分は最初から悟史を助けに行く気などなかった。 五ェ門が勝手に向かったから、嫌々自分も付いて行っただけだったのだ。 (人殺し、か) 当初は否定していたが、今は否定する気力が湧かない。 滅茶苦茶なはずの彼女の言葉が、正当性のあるものに聞こえてならなかった。 「死んじゃいねーよ」 その時だった。 絶望に項垂れるつかさを否定するように、自己嫌悪に陥る北岡を否定するように。 デルフリンガーが言葉を紡ぎ始める。 「どういうことよ? 五ェ門はどう見てももう……」 「言葉のまんまだ、よく見てみろって」 デルフリンガーの言葉を訝しみつつも、五ェ門に視線を向ける北岡。 腹部の傷が開いたのだろうか、うつ伏せで倒れている五ェ門の身体からは血液が流れでている。 「五ェ門さん……火傷がない!?」 一番最初に気付いたのはアイゼルだった。 あれだけの大爆発の盾になったにも関わらず、五ェ門の身体に火傷の痕はない。 さらに言えば、腹部の裂傷以外に新たな負傷もなかった。 「一体どうなってるんだ?」 五ェ門が生きていたことは素直に嬉しいが、やはり疑問は付きまとう。 エンド・オブ・ワールドに巻き込まれて、無事でいられるはずがない。 「少し……ほんの少しだけだが思い出したぜ この俺は魔法を吸収する力があったんだ! この土壇場でその力が覚醒しやがったんだ!」 はしゃぐように語りかけてくるデルフリンガー。 だが北岡は、彼の言葉をいまいち信用することができなかった。 「エンド・オブ・ワールドが魔法だって? そんなことあるわけないだろ」 彼の言葉を総合するなら、エンド・オブ・ワールドを魔法として吸収したことになる。 だがエンド・オブ・ワールドはあらゆる兵器を一斉発射する攻撃であり、魔法とは正反対の科学的な存在のはずだ。 「魔法って言っても色々あってな、ドラゴンのブレスとかも俺の世界では魔法と呼ばれてる」 「おいおい、お前はドラゴンの吐息とミサイルが同じ物だって言うのか?」 「じゃあ逆に聞くけどよぉ、あのでかい牛野郎はミサイルを発射した後どうしてんだ?」 質問に質問で返すな。 普段の彼ならこう返していただろうが、今は言葉を発することができなかった。 デルフリンガーの言葉に、閉口するしかなかったからである。 「俺にはお前さん達の世界の武器のことはよく分からねぇ でもああいう感じの武器は、一度撃ったら弾を込め直さないといけねーんだろ? だったら、あの牛野郎はどうやって弾を込め直してんだ?」 言葉に詰まる北岡。 デルフリンガーの指摘は、非常に的確なものだったからである。 彼もゾルダに変身した際は、何度もエンド・オブ・ワールドを発動した。 しかし弾薬の装填を行ったことはないし、マグナギガが自分自身で装填しているわけがない。 ミラーワールドから脱出して、気が付いたら装填されている。 そう表現するのが、最も適切だろう。 カードデッキのシステムは、間違いなく神崎士郎の開発した科学である。 が、その大元となっているミラーモンスターは、どちらに分類されるのだろうか。 「鏡の世界を自由に行き来する生物……こいつを魔法と呼ばず何と呼ぶんだ?」 マグナギガが銃火器を発射するから誤解していた。 冷静に考えれば、ミラーモンスターはファンタジー側の存在である。 それでも否定したくなるが、五ェ門が生き残った以上はデルフリンガーの言葉を肯定せざるを得ない。 「ちょっと難しい話だったけど……とにかくみんな無事で良かったじゃないですか!」 黙り込んだ北岡を案じてか、つかさが声をかけてくる。 爆撃に巻き込まれた直後であるにも関わらず、まるで緊張感のない声色。 その声を聞いていると、些末事を気にするのが馬鹿らしくなってくる。 理屈は抜きにして、全員無事でいたのだからそれでいい。 そう考え、北岡は自嘲気味に肩を竦めた。 「にしても、ホントにこの兄ちゃんはすげーよ」 「ええ、あんなボロボロだったのに私達を守ってくれるなんて……」 「確かにそれもすげーけどよ、兄ちゃんが凄いのはそれだけじゃないんだぜ?」 「……どういうこと?」 「俺の力はあくまで俺自身に魔法を吸収すること 俺っていうバケツの中に魔法という水を注ぐようなもんだ、限界を越えれば当然溢れちまう」 魔法に疎い面子がいるせいか、デルフリンガーは喩えを交えて説明を始める。 「全部じゃないとはいえ、あの爆発を完全に吸収できたかどうかは分からない」 「でも俺たちは生き残って……」 「そこが兄ちゃんのすげーところだよ、あの兄ちゃんはな、殆どの攻撃を自分で斬っちまいやがった」 「あ、あの爆発を!? 信じられない……」 マグナギガから数々の兵器が発射されてから、着弾するまでの数秒。 その間に五ェ門はデルフリンガーを巧みに操り、爆発する前に斬り落としていたのだ。 切り損ねた弾やレーザーは、デルフリンガーが自身の力で吸収する。 そうすることで、五ェ門はこの場にいる全員守ることに成功したのだ。 「ま、一番すげーのはこの俺様だけどな! さっきから誰も突っ込んでくれねーけどよぉ、錆がとれてピッカピカになったんだぜ!」 豪快に笑い出すデルフリンガー。 彼の言う通り、錆塗れだった刀身はいつの間にか新品のように光り輝いている。 鈍らだった剣が新品のようになったのは、非常に大きな進歩だろう。 きっと爆発を防ぐ際にも、大いに貢献したに違いない。 だが今は五ェ門を労る流れであり、デルフリンガーの発言はいわゆる空気の読めないものに当たる。 つかさだけは呑気に持て囃しているが、残りの二人は冷めた目付きで彼らを見続けていた。 時系列順で読む Back 人形劇 Next 夢の終わり(後編) 投下順で読む Back Calling Next 夢の終わり(後編) 100 云えない言葉 次元大介 105 夢の終わり(後編) 石川五ェ門 北岡秀一 柊つかさ 浅倉威 山田奈緒子 ジェレミア・ゴットバルト アイゼル・ワイマール レイ・ラングレン 園崎詩音
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ヤバイ超ヤバイ。不動産のチラシマジヤバイ。 まず。築五分。これだけでもやばいのに 築五分なんてもんじゃない。 駅から五年。 何処の駅からだよ。 とにかく不動産はチラシだす前に推敲したほうが良いとおもいます。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。