約 1,605,930 件
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/2004.html
【元ネタ】史実 【CLASS】セイバー 【マスター】 【真名】スカンデルベク 【性別】男性 【身長・体重】189cm・87kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運A 宝具B 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 【固有スキル】 護国の鬼将:EX あらかじめ地脈を確保しておくことにより、特定の範囲を"自らの領土"とする。 この領土内の戦闘において、王であるセイバーはAランク相当の『狂化』に匹敵するほどの高い戦闘力ボーナスを獲得できる。 道具作成(立会):B 魔力を帯びた器具を作成するスキル…ではなく道具作成の場に立ち会う事で作成される道具をセイバー専用に調整するスキル。 調整された道具はセイバー以外が使用しようとすると十分に扱う事はできないが、セイバーが使用すると本来の性能を超える働きを見せる。 双鷲のカリスマ:C+ 『叛逆の双翼』によって保持していたカリスマスキルが変異したもの。 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる他、 自身の領土を蹂躙せんとする侵略者と対峙した時に通常以上の効果が発揮される。 解放の将:B 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。 また敵陣営が自陣営よりも強大であればあるほど、自陣営の能力を向上させる事が可能となるが、 セイバーの魔力消費量はその分増大していく。 【宝具】 『覇灼く至聖の剣(スケンデルベウ・フィアーク・シパート)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:20~40 最大捕捉:300人 セイバーが自身に相性の良い剣を作る為、製造の全工程に立ち会い製造されたという剣。 それにセイバーがかつて自軍を鼓舞する為に語った「夢の中で聖ゲオルギウスより授かった炎の剣」の逸話が合わさり宝具となった物。 セイバーの剣は鋼鉄を切り裂くとも言われ、真名解放をせずとも高い攻撃力を持つ。 そして真名解放を行う事でこの剣は灼熱を纏い、対軍規模の炎熱による攻撃を可能とする。 また真名解放後は一定時間の間セイバーの持つカリスマのランクがワンランク向上する。 『叛逆の双翼(スキーポヤディクレネ)』 ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大補足:1人 セイバーの紋章である双頭の鷲が後世の民族運動によって宝具として昇華したもの。 真名解放する事で帝国からの独立の象徴となる二枚の大翼が背に出現。 天を駆ける翼を手にした事で長時間の空中戦闘が可能となり、その様相はまさに異教を征す天使そのもの。 また帝国からの独立、セイバーの存命中にアルバニアの独立を維持し続けたという逸話を取り込んだ事で呪縛、束縛などの効果を無効とする。 【解説】 15世紀のアルバニアの君主。 本名はジェルジ・カストリオティであり、「スカンデルベク」はオスマン帝国に贈られた征服王イスカンダルの名に由来する敬称である。 同時代のフニャディ・ヤーノシュ、ヴラド三世と並び、オスマン帝国のヨーロッパへの拡大を遅らせた英雄と見なされる。 現代のアルバニアでは民族的英雄としてされており、アルバニアの国旗の赤地に黒の双頭の鷲を中央に描いたデザインはスカンデルベクの紋章に由来する。 1405年にアルバニア中部の小領主、ジョン・カストリオティの子として生を受ける。 カストリオティ家はオスマン帝国に従属を余儀なくされ、イスラム教へと改宗させられた。 少年ジェルジはオスマン帝国の人質となったが、成長するとオスマン帝国の将として東ローマ帝国やセルビア、ハンガリーとの戦いに従軍し、 その勇敢さから「スカンデルベク」の名を贈られたのもこの時期だった。 やがて父の領土を与えられてアルバニアに帰国。オスマン帝国の支配下でアルバニアの軍司令官となった。 しかし突如オスマン軍から独断で離脱し、領地に戻ると独立を宣言、カトリックに再び宗旨変えし、オスマン帝国へ反旗を翻した。 オスマン帝国から幾度となく討伐に大軍を差し向けられるも、それらを全て撃退し、1468年に病死するまでの間アルバニアを守り抜いた。 スカンデルベクの死を知った当時のオスマン帝国スルタンのメフメト2世は歓喜したという。 オスマン帝国とは幾度となく戦ったが、その内の一つの第一次クルヤ包囲にはあるエピソードがある。 オスマン帝国に必死の抵抗を行ってきたアルバニアであったが、重要拠点をオスマン軍に奪われ、本拠地クルヤ城が窮地に陥ってしまう。 オスマン帝国スルタンのムラト2世は10万~16万の軍を率い、自ら出馬して親征を開始する。 この状況にアルバニア軍の士気はひどく低下するも、ある時天使を見たとの証言が現れる。 スカンデルベクも「夢の中で聖ゲオルギウスから炎の剣を渡された」と演説し味方を鼓舞。 6ヶ月の攻防の末に勝利をつかんだという。 また剣の逸話は他にもあり、スカンデルベクは自分の剣を作らせる際に自分に相性の良い剣を作るため、材料集めから完成までの全工程に立ち会ったという。 依頼主が剣の製造行程に全てに立ち会うと、その剣は依頼主にとって最強の武器となるジンクスがあるといい、それを実践したと伝えられている。
https://w.atwiki.jp/rowamousou/pages/576.html
被害者名 加害者名 死因 凶器 円谷光彦 白野蒼衣 消滅 目醒めのアリス フレディ・クルーガー ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド 焼殺・概念消滅 バネ足ジャック 神崎蘭子 ライダー(イスカンダル) アドルフ・ラインハルト アーカード 失血死 天魔・悪路の剣 フランシス・ボーモン 不良怪獣ゼットン 焼殺 一兆度火球 ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド フランシス・ボーモン 裂傷による失血死 蹴り 大十字九郎 大十字九郎 魔力枯渇 アルハザードのランプ 神州王 大十字九郎 消滅 レムリア・インパクト零零零壱式 碇シンジ 野原ひろし 刺殺 野原ひろし ストライダー飛竜 斬殺 魔改造バネ足ジャック アーカード ラインハルト・ハイドリヒ 刺殺 アドルフの手裏剣 ラインハルト・ハイドリヒ ライダー(イスカンダル) ライダー(イスカンダル) 藤井蓮 斬首 罪姫・正義の柱 最期の言葉 名前 セリフ 円谷光彦 「僕は……光彦……円谷、光彦だったんだ」 フレディ・クルーガー 「燃える――火――ひひ、ひ……」 神崎蘭子 (わたし……ちゃんと、守れた……か、な……) アドルフ・ラインハルト 「悔いはない。オレは、本物の人生を生きた」 フランシス・ボーモン 「ウォォオオオォォォルタァァアァァア……ッ」 ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド (クロケット野郎。――――みんなを、頼んだぜ) 大十字九郎 「さあ、永劫に戦い続けた始まりの魔を断つ刃にて、今、神をも裁かん!」 神州王 「そのような神は滅ぶべきですね」 碇シンジ 「父さん……」 野原ひろし 「世界にあるのは絶望だけだ!だったら俺自身も絶望になるしかねえじゃねえか!」 アーカード 「……ああ、私は”人間”にこそ敗北したのだ」 ラインハルト・ハイドリヒ 「では、その果て無き夢にこそ――――Sieg Heil」 ライダー(イスカンダル) 「否定して問答無用で消し去るのか、或いはそれとも別の答えを出せるのか。精々あの世からじっくり見ておいてやる」 殺害数 順位 該当者 人数 被害者 生存状況 スタンス 1位 ゾフィー 5人 リチャード・ホーク、キャシー塚本、主人公(パワプロ8)、主人公(パワプロ11)、涼宮ハルヒ 生存 マーダー(無差別) ストライダー飛竜 キング、織田信長、ラハール、ギガゾンビ、野原ひろし 生存 危険対主催 野原ひろし 野原みさえ、クマ吉、ランス、伊藤開司、碇シンジ 死亡 奉仕マーダー(野原みさえ→野原一家) 4位T 綾波レイ(モグ波) 3人 キョン、主人公(パワプロ9)、庵野秀明 死亡 マーダー(無自覚) 五代雄介 綿月豊姫、アーチャー、ケンシロウ 死亡 対主催→暴走 藤井蓮 天樹錬、八雲紫(覇吐と共同)、ライダー(イスカンダル) 生存 対主催 7位T 野原みさえ 2人 やる夫、井之頭五郎 死亡 対主催→奉仕マーダー(野原しんのすけ) ふなっしー せんとくん、ふなっしー 死亡 錯乱→発狂マーダー フレディ・クルーガー 浜渡浩満、窓付き 死亡 マーダー(無差別) 潮田渚 サイタマ、神峰翔太 生存 マーダー(ステルス) アーカード 十叶詠子、アドルフ・ラインハルト 死亡 マーダー(無差別) ライダー(イスカンダル) 神崎蘭子、ラインハルト・ハイドリヒ 死亡 対主催→マーダー(無差別) 大十字九郎 大十字九郎、神州王 死亡 対主催 14位T ブレドラン 1人 巴マミ 生存 ジョーカー ロールシャッハ 綾波レイ(モグ波) 生存 危険対主催 長門有希 長門有希 死亡 対主催→精神崩壊 鬼柳京介 ブラックホール 生存 対主催 ヴァーミリオン・CD・ヘイズ 4527 死亡 対主催 織田信長 ガロン塚本 死亡 危険対主催 ミカエル フィア 生存 主催者 ジン=キサラギ ヴァーミリオン・CD・ヘイズ 生存 限定マーダー 天魔・夜刀 ハザマ 死亡 対主催 サイタマ 天魔・夜刀 死亡 対主催→限定マーダー 剣崎一真 五代雄介 生存 対主催 八雲紫 上条当麻 死亡 危険対主催 坂上覇吐 八雲紫(蓮と共同) 生存 対主催 やらない夫 やらない夫 死亡 対主催→マーダー→危険対主催 白野蒼衣 円谷光彦 生存 対主催 ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド フレディ・クルーガー 死亡 対主催 不良怪獣ゼットン フランシス・ボーモン 生存 対主催 フランシス・ボーモン ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド 死亡 限定マーダー ラインハルト・ハイドリヒ アーカード 死亡 対主催
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/218.html
◆yvUxRPre9c(◆/1LLBq1Ub2)氏が手がけた作品 NO. タイトル 登場人物 0028 一人の夜 桜田ジュン 0041 小鳥の遊び ロロノア・ゾロ、小鳥遊宗太、佐山・御言、蒼星石 0058 ネズミの国 古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、ドラえもん、カルラ 0078 戦いへの想い レッド、ライダー(征服王イスカンダル)、グラハム・スペクター、トニートニー・チョッパー、竜宮レナ 0134 至高の一品 園崎詩音 0146 カツラへの言葉 ミュウツー 0156 知人の奇妙な行動 ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロロノア・ゾロ、ハクオロ 0183 あなたへの手紙 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 登場させたキャラ 2回 ロロノア・ゾロ、ライダー(征服王イスカンダル) 1回 桜田ジュン、小鳥遊宗太、佐山・御言、蒼星石、レッド、グラハム・スペクター、トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、園崎詩音、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ハクオロ、ミュウツー、北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター 作品に寄せられた感想 約半年振りに帰ってきてくれた、ありがたい書き手さん。 大人数の繋ぎが多く、今後も期待。 -- 名無しさん (2009-06-02 00 57 39) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/400.html
【第三回放送】 話数 タイトル 作者 登場人物 0174 第三回放送 ◆SqzC8ZECfY ギラーミン、キース・ブラック、キース・シルバー、キース・グリーン、キース・ヴァイオレット 【夜】 0175 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ◆SqzC8ZECfY ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ブレンヒルト・シルト 0176 世界-The World- ◆YhwgnUsKHs クレア・スタンフィールド 0177 歩くような速さで ◆b8v2QbKrCM 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0178 砂鉄の楼閣(前編)砂鉄の楼閣(中編)砂鉄の楼閣(後編) ◆/VN9B5JKtM ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ 0179 あなたに会いたくて ◆b8v2QbKrCM ラッド・ルッソ、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ 0180 忘れてはならないもう一人 ◆/VN9B5JKtM トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 0183 あなたへの手紙 ◆yvUxRPre9c 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0187 罪と罰(前編)(中編)(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、水銀燈、ロロノア・ゾロ 0188 タイプ:ワイルド(前編)タイプ:ワイルド(後編) ◆/VN9B5JKtM クレア・スタンフィールド、トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 【夜中】 0182 裏表トリーズナーズ(前編)裏表トリーズナーズ(後編) ◆GOn9rNo1ts ラッド・ルッソ、御坂美琴 0184 三つの湖 Side-A ◆tt2ShxkcFQ ミュウツー 0186 首輪物語(前編)首輪物語(後編) ◆/VN9B5JKtM ラッド・ルッソ、御坂美琴、ゼロ 0189 悪魔-The Devil- ◆YhwgnUsKHs トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、ニコラス・D・ウルフウッド 0190 ブラック・エンジェルズ ◆/VN9B5JKtM ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈 0191 彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(前編)彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(後編) ◆OQO8oJA5SE 小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 0192 すくわれぬもの(You can not save me) ◆GOn9rNo1ts 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0193 When They Cry(前編)When They Cry(後編) ◆/VN9B5JKtM ミュウツー、北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0194 キミガタメ(I save you from anything) ◆GOn9rNo1ts ミュウツー、アルルゥ、ライダー(征服王イスカンダル)、ラッド・ルッソ、御坂美琴 0197 悪役(前編)悪役(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 【真夜中】
https://w.atwiki.jp/infinit-fantasy/pages/210.html
目次 アーシア インフィニットファンタジーの世界 二つの大陸と三つの列島ユーラシア大陸ユーラシア大陸の地勢・気候 コロンブス大陸コロンブス大陸の地勢・気候 ジャポニカ列島ジャポニカ列島の地勢・気候 アーシアの国家と政治社会制度 組織 民の暮らし 仕事 アーシアの宗教イスカンダル教 アリア教 各民族の宗教観 アーシアの言語 アーシアの暦 アーシア インフィニット・ファンタジーの舞台である二つの大陸と三つの列島からなる世界の俗称。提唱者はイスカンダル インフィニットファンタジーの世界 『イシ』と呼ばれる特殊な鉱物が存在し、中世~近世程度の文明を持つ 二つの大陸と三つの列島 アーシアを構成する三つの陸地。 三つの列島はまとめて『ジャポニカ列島』と呼ばれ、そこを中心に右にある大陸を『コロンブス大陸』、左にある大陸を『ユーラシア大陸』と呼称する ユーラシア大陸 神聖ブリタニア帝国、ユーラシア合衆国、アッサラーム連邦の三つの国家が存在する大陸 ユーラシア大陸の地勢・気候 内陸は平地が多いが、沿岸に行くほど山々が連なっており、大陸の南は砂漠地帯となっている 北へ行くほど気候は穏やかとなるが冬がやや長く、南へ行くほど熱帯気候となっていく。砂漠地帯は完全な亜熱帯だが、地域によって若干の差が存在する コロンブス大陸 コロンブス連合国、ヒスパニア王国の二つの国家が存在する大陸 コロンブス大陸の地勢・気候 大陸の北は森林が多く点在し、南は草原地帯が多い。山も多く、資源が豊富に取れる 大陸全土基本的に温暖だが、北へ行くほどやや寒冷になり、南へ行くほど熱帯に近くなる ジャポニカ列島 ジャポニカ皇国が存在する列島 ジャポニカ列島の地勢・気候 三つの島から成り立つ列島で、『イシ』を含有している鉱山が多く存在する 北へ行くほど寒く、南へ行くほど暑い アーシアの国家と政治 現在六つの国家と二つの政治体制が存在している 社会制度 『絶対王政』と『立憲君主制』の二つが存在する。社会構造は国毎に異なるが、大まかに『王族』『貴族』『平民』といった身分制度が採用されている 組織 大まかに八つの組織が各国家共通で存在し、他にも国家固有の組織が存在する 共通組織は以下の通り 国政を取り仕切る『王宮』 国家の持つ武力組織『軍』 IDの管理・研究を担当する『IDギルド』 IDギルドの補佐的立場にある武力組織『騎士団』 IDを作成・鋳造する『鍛冶ギルド』 傭兵の管理・仕事の斡旋を行う『傭兵ギルド』 教育機関の管理・運営を行う『教育ギルド』 流通・市場の管理運営を行う『商業ギルド』 民の暮らし 国内のあらゆる仕事に従事する。特権は無いが、成功を収めたものは貴族に勝るとも劣らぬ名誉と年収を得ることが出来る。使命や責任は生まれの段階では特に無いが、成功を収めている一族は貴族のように家系を途絶えさせないようにする傾向がある。識字率は50%程度。平均年収は1000~10万M 仕事 軍兵などの公務員的な仕事や、商店・飛脚・大工など生活に密着したものまで様々。多くは民間で働いている アーシアの宗教 二種類の宗教が存在している イスカンダル教 統一帝国『マケドニア』の初代帝王イスカンダルを、神の遣わした使徒であるとする宗教。統一帝国の崩壊は、全ての罪を帝王が背負い償った為と主張している アリア教 古代王国『アリア』の民こそが全ての人類の発祥、神の御業を授けられた神の子であるとする宗教。ISの正しい使い方を教義として掲げており、統一帝国の崩壊は帝王がISの間違った使用をしたからであると主張している 各民族の宗教観 ブリタニア人:ほぼ全員がイスカンダル教の潜在的な信者であり、極めて自然に信仰している コロンブス人:イスカンダル教の信者が多いが、そうでない者も少なからず存在する。基本的に世界統一を目指す傾向が強く、その為イスカンダル教の教えが合致している事が原因 ジャポニカ人:完全に個人の自由だが、神に対する崇敬の念は強い ユーラシア人:ややアリア教よりだが、個人の自由であるとしている。無宗教者も数多く存在する アッサラーム人:ほぼ全員がアリア教の信者であり、生活様式に当たり前に浸透している ヒスパニア人:アリア教の信者が多いが、独立独歩な所もある為、そうでない者も存在する。強さにこだわる為、自らを鍛え上げる事を推奨する意識が強く、その為アリア教との相性が良い事が原因 流浪の民:完全な無宗教者。神に対する畏敬の念は存在する アーシアの言語 統一言語である『アーシア語』が存在し、共通語となっている 他に各国家毎に言語が存在するが、公用語でしかなく、日常生活などで用いられる事はほぼない アーシアの暦 一年十二ヶ月360日。曜日は月・火・水・風・土・日の六日間であり、これを一週間と呼ぶ。休日は日曜日、職種によっては土曜日も休日である。古代王国時代をアリア暦、その後の戦乱時代をアーシア暦、統一帝国建国以降を王国暦、統一帝国崩壊後を新王国暦と呼ぶ
https://w.atwiki.jp/ninnin2/
宇宙戦艦ヤマト コミック情報 宇宙戦艦ヤマトが帰ってきました。 2013年4月より、また宇宙戦艦ヤマトが放送されます。 今度は、再放送ではありませんよ、新しいプロジェクトが発足して あらたな宇宙戦艦ヤマト2199が始まるのです。 人類滅亡の危機を回避するため、ヤマトがまた銀河の彼方イスカンダルへと旅立つのです。 最新ビジュアルで開始されるので、とっても画像がキレイで、リアル。 ワクワクするような宇宙戦艦ヤマト2199がやってきますね! 西暦2199年、人々はガミラスの総攻撃により人類滅亡の危機へと追いやられていた。 ここで人類滅亡を回避するのは たったひとつの道・・・ 16万8千光年離れた、惑星イスカンダルへ向かう事。 急げ!ヤマト。 人類が生き延びる最後の砦、イスカンダへ。 さて、今回記念すべき「宇宙戦艦ヤマト2199」が発足したので これまでの宇宙戦艦ヤマトを振り返ってみたいと思います。
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/127.html
◆b8v2QbKrCM氏が手がけた作品 NO. タイトル 登場人物 105 エデンの蛇(前編)(後編) ストレイト・クーガー、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一、真紅、橘あすか 109 呼び水 サカキ 111 殺人連鎖 -a chain of murders-(前編)(後編) 御坂美琴、衛宮切嗣、サー・クロコダイル、ライダー(征服王イスカンダル) 113 Give me a power! ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、ミュウツー、ラッド・ルッソ 114 雛鳥ステップ ロロノア・ゾロ、春日歩 118 Survivorこの世のどんなことよりもやさしい力 東方仗助、アルルゥ、クリストファー・シャルドレード、北条沙都子、クレア・スタンフィールド、レヴィ、カズマ、ドラえもん 126 護ること、殺すこと ニコラス・D・ウルフウッド、古手梨花、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一 133 Radical Good Speed (前編)(後編) リヴィオ・ザ・ダブルファング、佐山・御言、小鳥遊宗太、御坂美琴、ラッド・ルッソ、ストレイト・クーガー 139 No Problem 無常矜侍、バラライカ 144 UN-SYMMETRY 御坂美琴、ブレンヒルト・シルト 148 地獄への道 ハクオロ、ライダー(征服王イスカンダル) 155 Deus ex machina ―戦争―Deus ex machina ―殺人―Deus ex machina ―神々―Deus ex machina ―終演― カズマ、竜宮レナ、トニートニー・チョッパー、ラッド・ルッソ、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、バラライカ、無常矜持、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ライダー(征服王イスカンダル)、ミュウツー、 160 Working×Walking×Warning ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロロノア・ゾロ、ハクオロ 162 within spitting distance ロベルタ 163 EPISODE163 疾走 ミュウツー、ライダー(征服王イスカンダル) 168 偶然と必然のあいだ 小鳥遊宗太、佐山・御言 170 バッドエンドは突然に トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、ラッド・ルッソ、橘あすか 177 歩くような速さで 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 179 あなたに会いたくて ラッド・ルッソ、御坂美琴、ブレンヒルト・シルト、ゼロ、真紅 登場させたキャラ 5回 ライダー(征服王イスカンダル)、ラッド・ルッソ 4回 御坂美琴 3回 アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一、ミュウツー、ニコラス・D・ウルフウッド、古手梨花、ブレンヒルト・シルト 2回 ストレイト・クーガー、バラライカ、無常矜持、リヴィオ・ザ・ダブルファング、カズマ、ハクオロ、ロロノア・ゾロ、佐山・御言、小鳥遊宗太、竜宮レナ、トニートニー・チョッパー、橘あすか、アルルゥ、真紅 1回 サカキ、衛宮切嗣、サー・クロコダイル、ナナリー・ランペルージ、春日歩、東方仗助、クリストファー・シャルドレード、北条沙都子、クレア・スタンフィールド、レヴィ、ドラえもん、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロベルタ、グラハム・スペクター、ゼロ 作品に寄せられた感想 ここ1ヶ月(2009年3月13日現在)辺り凄まじい勢いで良作を投下している書き手さん 扱える作品・SSの幅も広く○期待の星と言える 現在の代表作を挙げるならやはり殺人連鎖 -a chain of murders-だろうか -- 名無しさん (2009-03-13 20 11 24) 二月半ばに突然現れ、三ヶ月半で八本ものSSを投下しるという速筆の持ち主。 筆の速さもさる事ながら、大人数を捌ききる腕も持ち合わせた期待の書き手さん。 傾向としては、繋ぎよりも大人数のバトルが多いか。 -- 名無しさん (2009-06-01 22 58 03) 第一回放送後の参加ながらもまさに流星の如く脅威の投下スピードを叩きだしている書き手さん。「Survivor この世のどんなことよりもやさしい力」でのサバイバーを用いた四人乱戦はもう凄いとしか言いようがない!あとは何気に美琴が可哀そうな目に合ってる時には氏の影がちらほらと……w -- 名無しさん (2009-07-05 14 16 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/287.html
◆b8v2QbKrCM氏が手がけた作品 NO. タイトル 登場人物 0105 エデンの蛇(前編)(後編) ストレイト・クーガー、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一、真紅、橘あすか 0109 呼び水 サカキ 0111 殺人連鎖 -a chain of murders-(前編)(後編) 御坂美琴、衛宮切嗣、サー・クロコダイル、ライダー(征服王イスカンダル) 0113 Give me a power! ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、ミュウツー、ラッド・ルッソ 0114 雛鳥ステップ ロロノア・ゾロ、春日歩 0118 Survivorこの世のどんなことよりもやさしい力 東方仗助、アルルゥ、クリストファー・シャルドレード、北条沙都子、クレア・スタンフィールド、レヴィ、カズマ、ドラえもん 0126 護ること、殺すこと ニコラス・D・ウルフウッド、古手梨花、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一 0133 Radical Good Speed (前編)(後編) リヴィオ・ザ・ダブルファング、佐山・御言、小鳥遊宗太、御坂美琴、ラッド・ルッソ、ストレイト・クーガー 0139 No Problem 無常矜侍、バラライカ 0144 UN-SYMMETRY 御坂美琴、ブレンヒルト・シルト 0148 地獄への道 ハクオロ、ライダー(征服王イスカンダル) 0155 Deus ex machina ―戦争―Deus ex machina ―殺人―Deus ex machina ―神々―Deus ex machina ―終演― カズマ、竜宮レナ、トニートニー・チョッパー、ラッド・ルッソ、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、バラライカ、無常矜持、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ライダー(征服王イスカンダル)、ミュウツー、 0160 Working×Walking×Warning ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロロノア・ゾロ、ハクオロ 0162 within spitting distance ロベルタ 0163 EPISODE163 疾走 ミュウツー、ライダー(征服王イスカンダル) 0168 偶然と必然のあいだ 小鳥遊宗太、佐山・御言 0170 バッドエンドは突然に トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、ラッド・ルッソ、橘あすか 0177 歩くような速さで 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0179 あなたに会いたくて ラッド・ルッソ、御坂美琴、ブレンヒルト・シルト、ゼロ、真紅 登場させたキャラ 5回 ライダー(征服王イスカンダル)、ラッド・ルッソ 4回 御坂美琴 3回 アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一、ミュウツー、ニコラス・D・ウルフウッド、古手梨花、ブレンヒルト・シルト 2回 ストレイト・クーガー、バラライカ、無常矜持、リヴィオ・ザ・ダブルファング、カズマ、ハクオロ、ロロノア・ゾロ、佐山・御言、小鳥遊宗太、竜宮レナ、トニートニー・チョッパー、橘あすか、アルルゥ、真紅 1回 サカキ、衛宮切嗣、サー・クロコダイル、ナナリー・ランペルージ、春日歩、東方仗助、クリストファー・シャルドレード、北条沙都子、クレア・スタンフィールド、レヴィ、ドラえもん、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロベルタ、グラハム・スペクター、ゼロ 作品に寄せられた感想 ここ1ヶ月(2009年3月13日現在)辺り凄まじい勢いで良作を投下している書き手さん 扱える作品・SSの幅も広く○期待の星と言える 現在の代表作を挙げるならやはり殺人連鎖 -a chain of murders-だろうか -- 名無しさん (2009-03-13 20 11 24) 二月半ばに突然現れ、三ヶ月半で八本ものSSを投下しるという速筆の持ち主。 筆の速さもさる事ながら、大人数を捌ききる腕も持ち合わせた期待の書き手さん。 傾向としては、繋ぎよりも大人数のバトルが多いか。 -- 名無しさん (2009-06-01 22 58 03) 第一回放送後の参加ながらもまさに流星の如く脅威の投下スピードを叩きだしている書き手さん。「Survivor この世のどんなことよりもやさしい力」でのサバイバーを用いた四人乱戦はもう凄いとしか言いようがない!あとは何気に美琴が可哀そうな目に合ってる時には氏の影がちらほらと……w -- 名無しさん (2009-07-05 14 16 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/195.html
殺人連鎖 -a chain of murders-(前編) ◆b8v2QbKrCM ショッピングモールのテナントには、種々多様な専門店が商品を並べている。 衣料、外食、鞄、医薬品、書店、旅行代理店……数え上げれば限りがない。 御坂美琴はそんなテナントの一角、ドラッグストアのレジで暇をもてあましていた。 本来は会計のために商品を置くカウンターに腰を下ろし、店の奥に見えるスーツ姿の背中に視線を投げかける。 (衛宮さん、何してるんだろ) モールの屋上で協力体制を築いて早三十分。 あれから行ったことといえば、いくつかの専門店を回って品物を拝借してきたことだけだった。 もちろん、モールで危険な輩と鉢合わせないよう、移動には慎重に慎重を重ねてきた。 だが美琴は、切嗣がそうまでして集めた品物が一体何の役に立つのか、全く理解できないでいる。 美琴は暇つぶしがてら、今まで訪れた店と手に入れた品物をを指折り数え始めた。 アウトドア用品店に立ち寄ったときは、有用そうな道具が沢山あるのに、木炭を真っ先に調達。 DIY用品店では配管用の鉄パイプや使い方も分からない装置類。 100円ショップでは統一性の無い雑貨や機械。 ――エトセトラ、エトセトラ。 そしてここ、ドラッグストアに至っては、明らかに役立つはずの医薬品なんかを尻目に、 普段は薬剤師くらいしか入らないような倉庫にさっさと引き篭もってしまった。 (大丈夫だよって言われてもなぁ……) ふぅ、と小さく溜息をつく。 美琴は100円ショップで調達した布製の小袋を、上に軽く放っては同じ手で受け止める行為を繰り返していた。 別に何かしらの意味があるわけではない。 ただ単に暇なだけだ。 小袋が美琴の掌に落ちるたび、じゃらりと小銭のような音がする。 この三十分、美琴もただ徒に切嗣の後を追っていたわけではなかった。 切嗣が用途の分からないものを漁っている間に、必要だと判断したものを独自に調達してきている。 例えば、この小袋に詰まっているコイン。 移動中にちょうどゲームセンターの前を通ったので、コイン交換機から実力行使で頂いてきたものだ。 平時なら補導確実だが、こんな緊急時に細かいことは言っていられない。 それに切嗣の物資調達も立派な犯罪だ。 この場では誰も咎めはしないだろう。 倉庫の入り口付近には、さっきまで散々追いかけて回ったスーツ姿が屈みこんでいる。 美琴は切嗣の背中に向けて、すっと手を伸ばした。 指先にはコインが一枚乗せられている。 貨幣価値すら持たない単なる金属片に過ぎないこれも、彼女が能力の一端を垣間見せるだけで必殺の凶器と化す。 ――絶対に諦めない。 ――絶対に死んでなんかやらない。 ――そのためには、あの背中も――? 美琴は小さく首を振ってコインを握り込んだ。 「そういえば、美琴ちゃんは超能力者なんだったね」 倉庫から出てくるなり、切嗣は唐突にそう切り出した。 腕一杯に、ガラス製のビンやプラスティック製の容器などを抱えている。 美琴にはその殆どが何であるのか分からなかったが、黄色い粉末の入った容器のラベルだけは理解できた。 Sulfur――日本語で言う硫黄だ。 「どんな能力が使えるのか、良ければ教えて貰えないかな。戦力の把握をしておきたいんだ」 屋上からここまで来る途中に、互いについての情報は簡単に交換してある。 美琴は切嗣が魔術師なる存在であることを知り、切嗣は美琴が超能力者であることを本人の口から確認した。 無論、それぞれの世界にある『魔術』と『超能力』は、どちらも正反対と言っていいほどに違っている。 例えば学園都市で研究される超能力は人為的に覚醒させられるものであるが、 切嗣が知る超能力は生まれつき、または何らかのきっかけで自然発生的に生じる能力であり、 人の手が加わることで純粋な超能力とは看做されなくなってしまう代物なのである。 こうした差異こそあるが、似たような能力に似たような呼称を用いていることは、相互理解を容易にする恩恵があった。 しかしあくまで簡単なやり取りであるため、互いに『何が出来るのか』ということまでは知らないのが現状だ。 ――実のところ、切嗣の方は既に美琴の超能力についての情報を手に入れているのだが。 美琴は少し考えてから、カウンターを降りた。 「いいですけど、衛宮さんも教えてくださいね」 「魔術のことかい」 それもですけど、とまで言って相槌を切り、美琴は切嗣が抱えている容器を覗き込んだ。 「まずは、今何をしてるのか教えてくれませんか?」 「……そうだね。とりあえず、今すぐ使おうと思っているのはこの辺かな」 切嗣は幾つかの容器をカウンターに並べた。 容器の一つは硫黄だが、それ以外はどれも聞き覚えの無い名称だった。 「これが硫黄、これが硝酸カリウム。こっちが塩素酸カリウム。 そっちとは別に硝安……硝酸アンモニウムだね」 美琴は口元に手を当てて、切嗣が述べた物質の名称をぶつぶつと反芻した。 ドラッグストアで調達したということは、やはり薬品か何かを調合するつもりなのだろうか。 しかしそうだとすると、今まで集めたモノの使い道がいよいよ分からなくなる。 木炭は同じ店にあった燃料を使えば充分代用できる。 鉄パイプも長さの短いものばかりで、鈍器として扱えるかどうかも怪しい。 工具類なんて薬品の調合には必要ないに決まっている。 「硫黄、硝石、木炭……あっ!」 そういうことか。 美琴は切嗣の意図するところを察し、同時に恐ろしさに似た感覚を覚えた。 さっきまでの専門店巡りは全て一つの目的の為に行われていたのだ。 だがこんな発想を迷うことなく実行するなんて、明らかに普通ではない。 美琴は口ごもり、やがて意を決したように切嗣と視線を合わせた。 「衛宮さん……ひょっとして学生運動とかに参加して……」 「惜しいけど違うよ」 そんなにオジサンに見えるかなぁ、と切嗣は苦笑した。 ◇ ◇ ◇ 場所は大きく変わり、時計の針も少しばかり先へと進む―― 橋上に幾筋もの亀裂が走る。 舗装材を砕きながら突き進むは砂の刃。 直前で身を翻した巨体の脇を直進し、金属製の欄干を叩き割る。 「ふむ、大した切れ味だ」 「感心してる余裕があるのか?」 それが己の身に向けられた刃であったことなど気にする様子もなく、ライダーは空いた手で顎鬚を擦った。 B-4エリア南端、B-2周辺の山から二つの池へと注ぐ川に架けられた橋の上で、二人の男が対峙している。 マケドニア国王、征服王イスカンダル。 "元"王下七武海、サー・クロコダイル。 本来ならば出会うことなど有り得なかった両者は、今、互いの命を狙い合う『敵』として衝突していた。 イスカンダルが持つ木には弾痕が穿たれ、クロコダイルの足元には拳銃が転がっている。 第一手として放たれた弾丸が幹の厚みによって防ぎ止められたため、この相手には役に立たないとして放棄されたのだ。 「牽制ばかりでは余裕も生まれてくるというものよ」 「言うじゃねぇか。王を名乗るだけはあるみてェだな」 次いで脚を狙って繰り出された斬撃を、更に後方へ跳び退いて回避する。 橋という戦場は、クロコダイルにとってみれば望ましい場所ではない。 悪魔の実の能力者は例外なくカナヅチになってしまうことも理由の一つだが、 それに加えて、水はスナスナの実そのものの弱点でもあるからだ。 無論、誤って川に転落する、などという愚鈍なミスは犯さない。 だが戦闘の余波で橋を壊してしまうことも充分考えられる。 クロコダイルの能力を以ってすれば、大技を使わずとも"砂漠の宝刀"のみで圧倒的な破壊力を発揮できる。 悪趣味な能力制限がどれほど邪魔をするのか知らないが、橋を落とすくらいならば造作もあるまい。 また可能性は低いが、弱点のことなど知らぬままに、相手が別の意図で川に引きずり込もうとしてくるかもしれない。 ロギア系の特性上、仮にそうなっても全身を砂に変えて落下を免れることは容易い。 しかし、そうまでして川への落下を忌避する様を見せ付けてしまうのは、自分から弱点を教えているも同然だ。 ――それでもクロコダイルは、目の前の男に敗北するつもりなど毛頭なかった。 「なら……こいつはどうだ!!」 再度、砂の刃が振るわれる。 上から下へと叩き下ろされる、極めて直線的で単純極まりない軌跡。 当然の如く、ライダーに掠ることもなく回避される。 にやり、と―― クロコダイルは不気味に笑った。 「ぬぅ……!」 路面を寸断した直後、大量の砂がライダーの眼前に噴出した。 にわかに発生した砂煙が周囲を包み込む。 同時にクロコダイルは身体を砂に変え、砂煙に溶け込むようにライダーへ迫る。 これだけの粉塵だ。 もはや視覚はまともに働いていまい。 左腕の鉤爪を砂から元に戻し、ライダーの首へ目掛けて振り抜いた。 標的を確実に抉るかと思われた一撃は、翳された木の幹によって阻まれる。 偶然か――? 砂の煙幕を張った上での奇襲を察知され、クロコダイルは眉を顰める。 クロコダイルには知る術もないが、サーヴァントが有する超常の視力を以ってすれば、 人間では視界を封殺されるほどの濃霧であっても容易く見透かすことができる。 この程度の砂煙では牽制にもなりはしなかった。 クロコダイルはライダーの正面に上体を出現させ、首に目掛けて素早く右腕を伸ばす。 スナスナの実の能力にとって、水を吸い取ってしまう特性は単なる弱点ではない。 クロコダイルの右手は、全てに底なしの渇きを与える。 動物、植物、大地、岩石――右手に触れるもの全ては干からび砂となる。 生物が生存に多量の水分を必要としている以上、『乾き』とは命に関わるダメージとなるのだ。 肉体の水分を根こそぎ吸い上げてしまえば、これほどの巨漢といえど耐えられはしない。 「――フンッ!」 右腕がライダーの首を鷲掴みにした瞬間、豪腕がクロコダイルの頭を砕く。 武器として所持している丸太にも匹敵するライダーの腕は、それ自体が明らかな凶器だ。 無論、ただの打撃などクロコダイルには一切通じない。 頭が砂になろうと右腕は狙いを失わず、眼前の巨体から水分を奪い取らんとする。 しかし己を襲う異変の兆候を察するや否や、ライダーは振り抜いた左腕を引き戻し、肘でクロコダイルの右腕を打った。 更に反対の腕で抱えていた木で横薙ぎに払い、クロコダイルの胴体を二つに割く。 クロコダイルが砂になった身体を復元する隙にライダーは後方へ退き、砂煙から離脱する。 「ただ砂になれる、というだけではないようだな」 「まぁ、な。細かいことは自分で推測しろ」 数メートル向こうで首をさするライダーに、クロコダイルは不敵な笑みを見せた。 あれほどの連続攻撃を受けていながら、やはりクロコダイルには僅かなダメージも入っていなかった。 クロコダイルは己の勝利を確信する。 ここまでの攻防で充分把握できた。 イスカンダルと名乗った男の攻撃手段は膂力に頼った単純な打撃のみ。 通じない攻撃を幾ら放たれようとも、ロギア系能力者にとっては痛くも痒くもないのだ。 一方、こちらの攻撃は命中すれば充分に通じるものばかり。 今のところは対処できているようだが、それもいつまで続くことか。 この戦い、自分が負ける要素などない。 攻め続けてさえいれば勝利は揺るがないだろう。 「砂嵐(サーブルス)!」 クロコダイルの腕から砂嵐が噴出する。 爆発的な出力で解き放たれた砂の津波は、橋上を容赦なく薙ぎ払っていく。 沿道の街灯を揺るがせ、車道も歩道も区別せず飲み込み、欄干を軋ませながら滝のように川へ流れ落ちる。 圧縮された砂嵐は逃げ場のない破壊と化し、橋上にあるものを無差別に洗い流してしまった。 「……チッ」 クロコダイルは不満げに舌を鳴らした。 忌々しいモノを見るように、ゆっくりと後方へと振り返る。 直後、ジャベリンの如く投げつけられた丸太を、動じることなく砂の刃で寸断する。 「やはり慣れない得物は使うもんじゃないのぅ」 呵呵と笑い、ライダーは一振りの剣をクロコダイルに向けた。 先程の砂嵐は紛れもなくライダーに対して放たれたものだった。 では何故、無傷でクロコダイルの背後を取っているのか―― 理由はわざわざ解説するほどのものではない。 言葉にすれば明快至極。 砂嵐が解き放たれる直前に、二本の脚で道路を蹴り、クロコダイルの頭上を跳び越しただけだ。 ライダーが握る剣にはクロコダイルも見覚えがあった。 さっき殺し損ねた仮面の男が使っていた代物だ。 ならば――脅威ではない。 クロコダイルは悠然と構え、ライダーに向き直った。 「それくらい強えェなら、殺しまくって勝ち残りも狙えるだろうに。 どうしてあんな餓鬼のお守りなんかしてやがる。仲間だからって理由か?」 「そうだと言ったら、どうする?」 「……クハハハハッ!」 右手で顔を覆い、身を反らして大笑する。 指の間から覗く視線は、明らかな侮蔑の色を帯びていた。 「あの餓鬼を利用してるっていうなら、まだ話も通じたんだがな。 仲間? 信頼? ……下らねぇ。 所詮は手前ェも麦わらの同類だったってわけだ! イスカンダル!」 四つの刃と化した右腕がライダーを襲う。 クロコダイルが今までに繰り出したどんな攻撃よりも速く鋭い。 ライダーは片手に握るガイルの剣を振りかぶり、迫り来る"砂漠の金剛宝刀(デザート・ラスパーダ)"を迎え撃たんとする。 しかし攻撃範囲と数的な制約は簡単には覆せるものではない。 一振りの剣では"金剛宝刀"のひとつを裂くのが限度だろう。 後はどうにか回避するか……あるいは死なないように受けるしかない。 ライダーは正面の刃に狙いを定め、剛力を込めた剣を振り下ろした。 「――ぬ?」 「何ぃ――」 ガイルの剣が振り抜かれた瞬間、四つの刃のうち三つが、不可視の壁に遮られるように弾け飛んだ。 比較的離れた位置にあった最後のひとつだけが、ライダーから大きく逸れて欄干を破壊する。 この場にいる誰もが予測し得なかった展開に、攻撃を防がれたクロコダイルだけでなく、 攻撃を防いだ側であるはずのライダーすらも驚きに目を見開いていた。 真空のバリアフィールドによる物理・特殊双方の攻撃に対する防御。 それこそが、この剣に秘められた力。 「ただの剣じゃなかったらしいな……」 クロコダイルは追撃をせず、じわりと距離を離す。 あの剣に防御機能が備わっていたのは完全に想定外だった。 しかし先ほどの反応を見るに、相手も剣の機能には気付いていなかったとするのが妥当だ。 冷静に考えれば当然だろう。 あの剣は白い仮面の男が所持していたのだから、闖入者であるイスカンダルが剣について知っているはずがない。 「なぁ、クロコダイルよ」 ライダー ――征服王イスカンダルが獰猛に口元を歪める。 それが笑みであることに気付き、クロコダイルは目を細めた。 「仲間を……信頼を下らぬものと言ったな」 語る言葉は、普段の奔放さとは裏腹に厳かなものだった。 怒りや憤りといった情動は感じられず、問い掛けられた問答に応ずるように落ち着き払っている。 「王とは誰よりもヒトらしく生きてこそ王なのだ。 誰よりも高らかに笑い、誰よりも激しく怒り、誰よりも強欲に――な。 臣下はその生き様に魅せられ、民草は『我もまた王たらん』と心に抱く。 それこそが臣下が王に捧げる信の源泉よ!」 イスカンダルは片腕を横に払った。 漆黒のスーツという出で立ちでありながら、まるでマントを靡かせた王者の装いのようだ。 「仲間からの信が下らぬと思うのは、貴様の生き様がその程度だということではないのか?」 「……強欲に生きてこそ、か。王様のくせに海賊みてぇな言い分だが、同意するぜ。 俺もそうやって2000人の社員を纏め上げてきたようなもんだからな」 挑発的なイスカンダルの言葉を、クロコダイルは意外にも平静な態度で受け止めた。 かつてクロコダイルが率いていた秘密犯罪会社バロック・ワークスの社員も、 国一つを掌握せんとする壮大な目的のもとに集った者達だった。 外面だけを見れば、数多くの国家を征服して東を目指した征服王の軍勢とさしたる違いはない。 どちらも正義や善性とはかけ離れた、己の欲望のために国を奪うという侵略行為。 しかし、両者の生き様には決定的な相違があるのだった。 言葉として表現はできずとも、その相違が埋めようのないものであることは、対峙する当人達が一番よく理解している。 「だが、その上で『下らねぇ』と言っているんだ」 「そうか。ならばこれ以上語ることはないな」 抱く主義が決して交わらないことを確かめ合い、男達は口を閉ざす。 先に駆けたのはクロコダイルだった。 姿勢を低くし、疾風のように距離を詰める。 「砂漠の宝刀ッ!」 彼我の距離を急速に縮めながら、前方へ砂の斬撃を放つ。 車道を斜めに横切る一撃を、イスカンダルは半身をずらして回避した。 ――かわして結構。 クロコダイルは重心を僅かに崩したイスカンダルに向けて、左腕の鉤爪を振るう。 奴は"砂漠の宝刀"を回避するために重心を右へ動かした。 ならばその直後に右側面から攻撃を打ち込めばいいだけのこと。 イスカンダルが腕力だけで強引に剣を振るう。 刃は狙い過たずクロコダイルの左腕を切断するも、砂の身体は即座に形を取り戻す。 鈍い音がして、鉤爪の先端がイスカンダルの二の腕に突き刺さった。 分厚い筋肉に阻まれて深くは刺さらなかったようだが、布石としては上々だ。 「こいつは、かわせるかぁ!」 鉤爪で腕を捕らえたまま、密着に近い距離から"宝刀"を繰り出す。 クロコダイルの眼前で肉が裂け、血霧が顔を濡らす。 「ほぅ……小手先の策じゃあ幾ら重ねても捉えきれねぇか」 至近距離からの"砂漠の宝刀"は――しかし標的を切断することはなく、橋の縁を叩き割るに留まった。 視線だけを左へ動かすクロコダイル。 イスカンダルは"宝刀"が振り下ろされるまさにその一瞬、腕に食い込む鉤爪を無視して真横に飛び退いていた。 勿論、それによって二の腕の肉は抉れ、赤い湧き水のように血液が流れ出ている。 しかし当のイスカンダルといえば、血を流す右腕を曲げ伸ばしさせながら、何やら感慨深そうに頷いている。 「うむ、どうも霊体化が出来ぬと思っていたが、やはり受肉しているのか? だとすれば重畳重畳。聖杯を奪い取る手間が省けて良いわ」 にぃっと笑い、剣をクロコダイルに向ける。 腕から伝う鮮血で切っ先までが濡れ、まるで刀身に赤い文様が浮かんでいるようだ。 「ああ、そうかい」 クロコダイルの右手に砂の旋風が巻き起こる。 人ひとりを軽く飲み込み得る砂嵐が次第に収束し、掌に収まる程度の球状へと形を変えていく。 出し惜しみはもう無しだ―― 足場のことを気にして加減をしていては、目の前の相手は斃せない。 「砂嵐『重』(サーブルス・ペザード)!」 右腕を突き出すと共に、圧縮された砂嵐の球が大砲の如く撃ち出された。 秘められたる破壊力が大気を突き破り、直下の道路に亀裂の跡を残す。 対するイスカンダルは両の脚で路面を踏み締め、岩山のように不動の構えを取る。 巨躯に比して短い柄を圧し折れんばかりに握り―― 距離は二十歩――十八―― 正面から叩き切らんと刃を振り上げ―― 十二――――七――――二――――――――――零! 極限の砂嵐と雷霆の如き斬撃が衝突し、条理を超えた衝撃が辺りを破壊する。 イスカンダルの豪放な一撃を受けた暴風の球は、その形状こそは両断されながらも、 即座に二つの嵐と化してイスカンダルに襲い掛かっていく。 道路の舗装を端からめくり上げ、引きちぎり、内部を通る配管までも押し潰す。 欄干も強烈な圧力で押されて根元が露わになり、もはや無残な鉄屑としか思えない。 イスカンダルが振るう剣から生じたバリアフィールドは"砂嵐『重』"の破壊を受け止め、流し、軽減していたが、 それも完全とは言いがたく、防ぎ切れなかった圧力がイスカンダルを襲っていた。 橋梁が軋む。 何発もの"砂漠の宝刀"によって深い断裂を刻まれた橋は、喩えるならば割れかけのガラス細工のようなものであり、 "砂嵐『重』"の爆発的な圧力を受け止められるだけの強度など、もはや持ち合わせてはいなかった。 凄まじい轟音を伴って橋の一部が崩壊する。 側面から剥がれ落ちたコンクリート片が宙に浮き、重力に曳かれて落ちていく。 イスカンダルは崩れかけた道路を足場に、立ちのぼる粉塵の向こうを透かし睨む。 翻るコート。 "砂嵐『重』"では攻め足りぬと見るや、クロコダイルは次なる一撃を加えるべく動き出していた。 弧を描く軌跡の鉤爪と、水平に突き繰り出された刃が交錯する。 金属同士が擦れ合い、火花が散る。 轟音一転、橋上が水を打ったような静けさに包まれた。 ぽたり、ぽたりと、血の滴がひび割れた路面に赤い斑点を残す。 鉤爪はイスカンダルの右肩に突き刺さり、剣はクロコダイルの左肩を穿っていた。 互いに攻撃の軌跡を逸らし合ったのだ。 どちらも深い傷ではあるまい。 クロコダイルの左腕がイスカンダルの右腕を押し退けて、両者の肉から切っ先を抜き取る。 一歩踏み込めば密着するほどの距離。 しかしどちらからも間合いを広げることはなく、静かな睨み合いが続いた。 「ははぁ。砂の身体もこいつには弱いのか」 イスカンダルは刀身に伝う血液を左手の指で拭った。 これはクロコダイルを刺した際のものではない。 鉤爪によって右腕に付けられた傷から流れ出た血液だ。 幾ら斬り付けても通用しなかった砂の肉体が、血に濡れた切っ先にだけは普通の人体と変わらず刺されていた。 これ以上ない『攻略の解答』である。 間髪入れず、イスカンダルは袈裟懸けに剣を振るう。 金属の拉げる音が鼓膜を衝く。 振り下ろされた刀身を、クロコダイルの義手が受け止めていた。 正面から受けたために鉤爪は折れて落ち、義手自体にも刃が深々と食い込んでいるものの、身体には微塵も届かせていない。 イスカンダルの動きが止まった一瞬を突き、クロコダイルは右手で刀身を握り締めた。 ――この右手は、全てに底なしの渇きを与える。 刀身が瞬く間に劣化していく。 べったりとついていた血糊もみるみるうちに乾いていき、黒ずんだ染みに成り果てる。 イスカンダルは咄嗟に柄から手を離し、後方へ大きく距離を取った。 「それが分かったところで、どうする気だ?」 もはや見る影も無くなった刀身を、クロコダイルは容易く握り潰した。 二つに分かれた剣の残骸が、路上に落ちて虚しく音を響かせる。 「やりようはあるに決まっとる。色々とな」 イスカンダルは左手で右腕の傷を押さえると、血液を搾り出すように力を込めた。 そうして血に塗れた左の掌に、右拳を勢いよく打ち付ける。 剣は折れど、武器は尽きず。 クロコダイルは口を歪めて笑い、義手の内部に仕込んでいた両刃の短剣を露わにした。 「面白れぇ……やってみな」 時系列順で読む Back ジャイアントキリング(後編) Next 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) 投下順で読む Back ジャイアントキリング(後編) Next 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) Back Next 方針 御坂美琴 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) 方針 衛宮切嗣 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) limitations サー・クロコダイル 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) limitations ライダー(征服王イスカンダル) 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編)
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/294.html
殺人連鎖 -a chain of murders-(前編) ◆b8v2QbKrCM ショッピングモールのテナントには、種々多様な専門店が商品を並べている。 衣料、外食、鞄、医薬品、書店、旅行代理店……数え上げれば限りがない。 御坂美琴はそんなテナントの一角、ドラッグストアのレジで暇をもてあましていた。 本来は会計のために商品を置くカウンターに腰を下ろし、店の奥に見えるスーツ姿の背中に視線を投げかける。 (衛宮さん、何してるんだろ) モールの屋上で協力体制を築いて早三十分。 あれから行ったことといえば、いくつかの専門店を回って品物を拝借してきたことだけだった。 もちろん、モールで危険な輩と鉢合わせないよう、移動には慎重に慎重を重ねてきた。 だが美琴は、切嗣がそうまでして集めた品物が一体何の役に立つのか、全く理解できないでいる。 美琴は暇つぶしがてら、今まで訪れた店と手に入れた品物をを指折り数え始めた。 アウトドア用品店に立ち寄ったときは、有用そうな道具が沢山あるのに、木炭を真っ先に調達。 DIY用品店では配管用の鉄パイプや使い方も分からない装置類。 100円ショップでは統一性の無い雑貨や機械。 ――エトセトラ、エトセトラ。 そしてここ、ドラッグストアに至っては、明らかに役立つはずの医薬品なんかを尻目に、 普段は薬剤師くらいしか入らないような倉庫にさっさと引き篭もってしまった。 (大丈夫だよって言われてもなぁ……) ふぅ、と小さく溜息をつく。 美琴は100円ショップで調達した布製の小袋を、上に軽く放っては同じ手で受け止める行為を繰り返していた。 別に何かしらの意味があるわけではない。 ただ単に暇なだけだ。 小袋が美琴の掌に落ちるたび、じゃらりと小銭のような音がする。 この三十分、美琴もただ徒に切嗣の後を追っていたわけではなかった。 切嗣が用途の分からないものを漁っている間に、必要だと判断したものを独自に調達してきている。 例えば、この小袋に詰まっているコイン。 移動中にちょうどゲームセンターの前を通ったので、コイン交換機から実力行使で頂いてきたものだ。 平時なら補導確実だが、こんな緊急時に細かいことは言っていられない。 それに切嗣の物資調達も立派な犯罪だ。 この場では誰も咎めはしないだろう。 倉庫の入り口付近には、さっきまで散々追いかけて回ったスーツ姿が屈みこんでいる。 美琴は切嗣の背中に向けて、すっと手を伸ばした。 指先にはコインが一枚乗せられている。 貨幣価値すら持たない単なる金属片に過ぎないこれも、彼女が能力の一端を垣間見せるだけで必殺の凶器と化す。 ――絶対に諦めない。 ――絶対に死んでなんかやらない。 ――そのためには、あの背中も――? 美琴は小さく首を振ってコインを握り込んだ。 「そういえば、美琴ちゃんは超能力者なんだったね」 倉庫から出てくるなり、切嗣は唐突にそう切り出した。 腕一杯に、ガラス製のビンやプラスティック製の容器などを抱えている。 美琴にはその殆どが何であるのか分からなかったが、黄色い粉末の入った容器のラベルだけは理解できた。 Sulfur――日本語で言う硫黄だ。 「どんな能力が使えるのか、良ければ教えて貰えないかな。戦力の把握をしておきたいんだ」 屋上からここまで来る途中に、互いについての情報は簡単に交換してある。 美琴は切嗣が魔術師なる存在であることを知り、切嗣は美琴が超能力者であることを本人の口から確認した。 無論、それぞれの世界にある『魔術』と『超能力』は、どちらも正反対と言っていいほどに違っている。 例えば学園都市で研究される超能力は人為的に覚醒させられるものであるが、 切嗣が知る超能力は生まれつき、または何らかのきっかけで自然発生的に生じる能力であり、 人の手が加わることで純粋な超能力とは看做されなくなってしまう代物なのである。 こうした差異こそあるが、似たような能力に似たような呼称を用いていることは、相互理解を容易にする恩恵があった。 しかしあくまで簡単なやり取りであるため、互いに『何が出来るのか』ということまでは知らないのが現状だ。 ――実のところ、切嗣の方は既に美琴の超能力についての情報を手に入れているのだが。 美琴は少し考えてから、カウンターを降りた。 「いいですけど、衛宮さんも教えてくださいね」 「魔術のことかい」 それもですけど、とまで言って相槌を切り、美琴は切嗣が抱えている容器を覗き込んだ。 「まずは、今何をしてるのか教えてくれませんか?」 「……そうだね。とりあえず、今すぐ使おうと思っているのはこの辺かな」 切嗣は幾つかの容器をカウンターに並べた。 容器の一つは硫黄だが、それ以外はどれも聞き覚えの無い名称だった。 「これが硫黄、これが硝酸カリウム。こっちが塩素酸カリウム。 そっちとは別に硝安……硝酸アンモニウムだね」 美琴は口元に手を当てて、切嗣が述べた物質の名称をぶつぶつと反芻した。 ドラッグストアで調達したということは、やはり薬品か何かを調合するつもりなのだろうか。 しかしそうだとすると、今まで集めたモノの使い道がいよいよ分からなくなる。 木炭は同じ店にあった燃料を使えば充分代用できる。 鉄パイプも長さの短いものばかりで、鈍器として扱えるかどうかも怪しい。 工具類なんて薬品の調合には必要ないに決まっている。 「硫黄、硝石、木炭……あっ!」 そういうことか。 美琴は切嗣の意図するところを察し、同時に恐ろしさに似た感覚を覚えた。 さっきまでの専門店巡りは全て一つの目的の為に行われていたのだ。 だがこんな発想を迷うことなく実行するなんて、明らかに普通ではない。 美琴は口ごもり、やがて意を決したように切嗣と視線を合わせた。 「衛宮さん……ひょっとして学生運動とかに参加して……」 「惜しいけど違うよ」 そんなにオジサンに見えるかなぁ、と切嗣は苦笑した。 ◇ ◇ ◇ 場所は大きく変わり、時計の針も少しばかり先へと進む―― 橋上に幾筋もの亀裂が走る。 舗装材を砕きながら突き進むは砂の刃。 直前で身を翻した巨体の脇を直進し、金属製の欄干を叩き割る。 「ふむ、大した切れ味だ」 「感心してる余裕があるのか?」 それが己の身に向けられた刃であったことなど気にする様子もなく、ライダーは空いた手で顎鬚を擦った。 B-4エリア南端、B-2周辺の山から二つの池へと注ぐ川に架けられた橋の上で、二人の男が対峙している。 マケドニア国王、征服王イスカンダル。 "元"王下七武海、サー・クロコダイル。 本来ならば出会うことなど有り得なかった両者は、今、互いの命を狙い合う『敵』として衝突していた。 イスカンダルが持つ木には弾痕が穿たれ、クロコダイルの足元には拳銃が転がっている。 第一手として放たれた弾丸が幹の厚みによって防ぎ止められたため、この相手には役に立たないとして放棄されたのだ。 「牽制ばかりでは余裕も生まれてくるというものよ」 「言うじゃねぇか。王を名乗るだけはあるみてェだな」 次いで脚を狙って繰り出された斬撃を、更に後方へ跳び退いて回避する。 橋という戦場は、クロコダイルにとってみれば望ましい場所ではない。 悪魔の実の能力者は例外なくカナヅチになってしまうことも理由の一つだが、 それに加えて、水はスナスナの実そのものの弱点でもあるからだ。 無論、誤って川に転落する、などという愚鈍なミスは犯さない。 だが戦闘の余波で橋を壊してしまうことも充分考えられる。 クロコダイルの能力を以ってすれば、大技を使わずとも"砂漠の宝刀"のみで圧倒的な破壊力を発揮できる。 悪趣味な能力制限がどれほど邪魔をするのか知らないが、橋を落とすくらいならば造作もあるまい。 また可能性は低いが、弱点のことなど知らぬままに、相手が別の意図で川に引きずり込もうとしてくるかもしれない。 ロギア系の特性上、仮にそうなっても全身を砂に変えて落下を免れることは容易い。 しかし、そうまでして川への落下を忌避する様を見せ付けてしまうのは、自分から弱点を教えているも同然だ。 ――それでもクロコダイルは、目の前の男に敗北するつもりなど毛頭なかった。 「なら……こいつはどうだ!!」 再度、砂の刃が振るわれる。 上から下へと叩き下ろされる、極めて直線的で単純極まりない軌跡。 当然の如く、ライダーに掠ることもなく回避される。 にやり、と―― クロコダイルは不気味に笑った。 「ぬぅ……!」 路面を寸断した直後、大量の砂がライダーの眼前に噴出した。 にわかに発生した砂煙が周囲を包み込む。 同時にクロコダイルは身体を砂に変え、砂煙に溶け込むようにライダーへ迫る。 これだけの粉塵だ。 もはや視覚はまともに働いていまい。 左腕の鉤爪を砂から元に戻し、ライダーの首へ目掛けて振り抜いた。 標的を確実に抉るかと思われた一撃は、翳された木の幹によって阻まれる。 偶然か――? 砂の煙幕を張った上での奇襲を察知され、クロコダイルは眉を顰める。 クロコダイルには知る術もないが、サーヴァントが有する超常の視力を以ってすれば、 人間では視界を封殺されるほどの濃霧であっても容易く見透かすことができる。 この程度の砂煙では牽制にもなりはしなかった。 クロコダイルはライダーの正面に上体を出現させ、首に目掛けて素早く右腕を伸ばす。 スナスナの実の能力にとって、水を吸い取ってしまう特性は単なる弱点ではない。 クロコダイルの右手は、全てに底なしの渇きを与える。 動物、植物、大地、岩石――右手に触れるもの全ては干からび砂となる。 生物が生存に多量の水分を必要としている以上、『乾き』とは命に関わるダメージとなるのだ。 肉体の水分を根こそぎ吸い上げてしまえば、これほどの巨漢といえど耐えられはしない。 「――フンッ!」 右腕がライダーの首を鷲掴みにした瞬間、豪腕がクロコダイルの頭を砕く。 武器として所持している丸太にも匹敵するライダーの腕は、それ自体が明らかな凶器だ。 無論、ただの打撃などクロコダイルには一切通じない。 頭が砂になろうと右腕は狙いを失わず、眼前の巨体から水分を奪い取らんとする。 しかし己を襲う異変の兆候を察するや否や、ライダーは振り抜いた左腕を引き戻し、肘でクロコダイルの右腕を打った。 更に反対の腕で抱えていた木で横薙ぎに払い、クロコダイルの胴体を二つに割く。 クロコダイルが砂になった身体を復元する隙にライダーは後方へ退き、砂煙から離脱する。 「ただ砂になれる、というだけではないようだな」 「まぁ、な。細かいことは自分で推測しろ」 数メートル向こうで首をさするライダーに、クロコダイルは不敵な笑みを見せた。 あれほどの連続攻撃を受けていながら、やはりクロコダイルには僅かなダメージも入っていなかった。 クロコダイルは己の勝利を確信する。 ここまでの攻防で充分把握できた。 イスカンダルと名乗った男の攻撃手段は膂力に頼った単純な打撃のみ。 通じない攻撃を幾ら放たれようとも、ロギア系能力者にとっては痛くも痒くもないのだ。 一方、こちらの攻撃は命中すれば充分に通じるものばかり。 今のところは対処できているようだが、それもいつまで続くことか。 この戦い、自分が負ける要素などない。 攻め続けてさえいれば勝利は揺るがないだろう。 「砂嵐(サーブルス)!」 クロコダイルの腕から砂嵐が噴出する。 爆発的な出力で解き放たれた砂の津波は、橋上を容赦なく薙ぎ払っていく。 沿道の街灯を揺るがせ、車道も歩道も区別せず飲み込み、欄干を軋ませながら滝のように川へ流れ落ちる。 圧縮された砂嵐は逃げ場のない破壊と化し、橋上にあるものを無差別に洗い流してしまった。 「……チッ」 クロコダイルは不満げに舌を鳴らした。 忌々しいモノを見るように、ゆっくりと後方へと振り返る。 直後、ジャベリンの如く投げつけられた丸太を、動じることなく砂の刃で寸断する。 「やはり慣れない得物は使うもんじゃないのぅ」 呵呵と笑い、ライダーは一振りの剣をクロコダイルに向けた。 先程の砂嵐は紛れもなくライダーに対して放たれたものだった。 では何故、無傷でクロコダイルの背後を取っているのか―― 理由はわざわざ解説するほどのものではない。 言葉にすれば明快至極。 砂嵐が解き放たれる直前に、二本の脚で道路を蹴り、クロコダイルの頭上を跳び越しただけだ。 ライダーが握る剣にはクロコダイルも見覚えがあった。 さっき殺し損ねた仮面の男が使っていた代物だ。 ならば――脅威ではない。 クロコダイルは悠然と構え、ライダーに向き直った。 「それくらい強えェなら、殺しまくって勝ち残りも狙えるだろうに。 どうしてあんな餓鬼のお守りなんかしてやがる。仲間だからって理由か?」 「そうだと言ったら、どうする?」 「……クハハハハッ!」 右手で顔を覆い、身を反らして大笑する。 指の間から覗く視線は、明らかな侮蔑の色を帯びていた。 「あの餓鬼を利用してるっていうなら、まだ話も通じたんだがな。 仲間? 信頼? ……下らねぇ。 所詮は手前ェも麦わらの同類だったってわけだ! イスカンダル!」 四つの刃と化した右腕がライダーを襲う。 クロコダイルが今までに繰り出したどんな攻撃よりも速く鋭い。 ライダーは片手に握るガイルの剣を振りかぶり、迫り来る"砂漠の金剛宝刀(デザート・ラスパーダ)"を迎え撃たんとする。 しかし攻撃範囲と数的な制約は簡単には覆せるものではない。 一振りの剣では"金剛宝刀"のひとつを裂くのが限度だろう。 後はどうにか回避するか……あるいは死なないように受けるしかない。 ライダーは正面の刃に狙いを定め、剛力を込めた剣を振り下ろした。 「――ぬ?」 「何ぃ――」 ガイルの剣が振り抜かれた瞬間、四つの刃のうち三つが、不可視の壁に遮られるように弾け飛んだ。 比較的離れた位置にあった最後のひとつだけが、ライダーから大きく逸れて欄干を破壊する。 この場にいる誰もが予測し得なかった展開に、攻撃を防がれたクロコダイルだけでなく、 攻撃を防いだ側であるはずのライダーすらも驚きに目を見開いていた。 真空のバリアフィールドによる物理・特殊双方の攻撃に対する防御。 それこそが、この剣に秘められた力。 「ただの剣じゃなかったらしいな……」 クロコダイルは追撃をせず、じわりと距離を離す。 あの剣に防御機能が備わっていたのは完全に想定外だった。 しかし先ほどの反応を見るに、相手も剣の機能には気付いていなかったとするのが妥当だ。 冷静に考えれば当然だろう。 あの剣は白い仮面の男が所持していたのだから、闖入者であるイスカンダルが剣について知っているはずがない。 「なぁ、クロコダイルよ」 ライダー ――征服王イスカンダルが獰猛に口元を歪める。 それが笑みであることに気付き、クロコダイルは目を細めた。 「仲間を……信頼を下らぬものと言ったな」 語る言葉は、普段の奔放さとは裏腹に厳かなものだった。 怒りや憤りといった情動は感じられず、問い掛けられた問答に応ずるように落ち着き払っている。 「王とは誰よりもヒトらしく生きてこそ王なのだ。 誰よりも高らかに笑い、誰よりも激しく怒り、誰よりも強欲に――な。 臣下はその生き様に魅せられ、民草は『我もまた王たらん』と心に抱く。 それこそが臣下が王に捧げる信の源泉よ!」 イスカンダルは片腕を横に払った。 漆黒のスーツという出で立ちでありながら、まるでマントを靡かせた王者の装いのようだ。 「仲間からの信が下らぬと思うのは、貴様の生き様がその程度だということではないのか?」 「……強欲に生きてこそ、か。王様のくせに海賊みてぇな言い分だが、同意するぜ。 俺もそうやって2000人の社員を纏め上げてきたようなもんだからな」 挑発的なイスカンダルの言葉を、クロコダイルは意外にも平静な態度で受け止めた。 かつてクロコダイルが率いていた秘密犯罪会社バロック・ワークスの社員も、 国一つを掌握せんとする壮大な目的のもとに集った者達だった。 外面だけを見れば、数多くの国家を征服して東を目指した征服王の軍勢とさしたる違いはない。 どちらも正義や善性とはかけ離れた、己の欲望のために国を奪うという侵略行為。 しかし、両者の生き様には決定的な相違があるのだった。 言葉として表現はできずとも、その相違が埋めようのないものであることは、対峙する当人達が一番よく理解している。 「だが、その上で『下らねぇ』と言っているんだ」 「そうか。ならばこれ以上語ることはないな」 抱く主義が決して交わらないことを確かめ合い、男達は口を閉ざす。 先に駆けたのはクロコダイルだった。 姿勢を低くし、疾風のように距離を詰める。 「砂漠の宝刀ッ!」 彼我の距離を急速に縮めながら、前方へ砂の斬撃を放つ。 車道を斜めに横切る一撃を、イスカンダルは半身をずらして回避した。 ――かわして結構。 クロコダイルは重心を僅かに崩したイスカンダルに向けて、左腕の鉤爪を振るう。 奴は"砂漠の宝刀"を回避するために重心を右へ動かした。 ならばその直後に右側面から攻撃を打ち込めばいいだけのこと。 イスカンダルが腕力だけで強引に剣を振るう。 刃は狙い過たずクロコダイルの左腕を切断するも、砂の身体は即座に形を取り戻す。 鈍い音がして、鉤爪の先端がイスカンダルの二の腕に突き刺さった。 分厚い筋肉に阻まれて深くは刺さらなかったようだが、布石としては上々だ。 「こいつは、かわせるかぁ!」 鉤爪で腕を捕らえたまま、密着に近い距離から"宝刀"を繰り出す。 クロコダイルの眼前で肉が裂け、血霧が顔を濡らす。 「ほぅ……小手先の策じゃあ幾ら重ねても捉えきれねぇか」 至近距離からの"砂漠の宝刀"は――しかし標的を切断することはなく、橋の縁を叩き割るに留まった。 視線だけを左へ動かすクロコダイル。 イスカンダルは"宝刀"が振り下ろされるまさにその一瞬、腕に食い込む鉤爪を無視して真横に飛び退いていた。 勿論、それによって二の腕の肉は抉れ、赤い湧き水のように血液が流れ出ている。 しかし当のイスカンダルといえば、血を流す右腕を曲げ伸ばしさせながら、何やら感慨深そうに頷いている。 「うむ、どうも霊体化が出来ぬと思っていたが、やはり受肉しているのか? だとすれば重畳重畳。聖杯を奪い取る手間が省けて良いわ」 にぃっと笑い、剣をクロコダイルに向ける。 腕から伝う鮮血で切っ先までが濡れ、まるで刀身に赤い文様が浮かんでいるようだ。 「ああ、そうかい」 クロコダイルの右手に砂の旋風が巻き起こる。 人ひとりを軽く飲み込み得る砂嵐が次第に収束し、掌に収まる程度の球状へと形を変えていく。 出し惜しみはもう無しだ―― 足場のことを気にして加減をしていては、目の前の相手は斃せない。 「砂嵐『重』(サーブルス・ペザード)!」 右腕を突き出すと共に、圧縮された砂嵐の球が大砲の如く撃ち出された。 秘められたる破壊力が大気を突き破り、直下の道路に亀裂の跡を残す。 対するイスカンダルは両の脚で路面を踏み締め、岩山のように不動の構えを取る。 巨躯に比して短い柄を圧し折れんばかりに握り―― 距離は二十歩――十八―― 正面から叩き切らんと刃を振り上げ―― 十二――――七――――二――――――――――零! 極限の砂嵐と雷霆の如き斬撃が衝突し、条理を超えた衝撃が辺りを破壊する。 イスカンダルの豪放な一撃を受けた暴風の球は、その形状こそは両断されながらも、 即座に二つの嵐と化してイスカンダルに襲い掛かっていく。 道路の舗装を端からめくり上げ、引きちぎり、内部を通る配管までも押し潰す。 欄干も強烈な圧力で押されて根元が露わになり、もはや無残な鉄屑としか思えない。 イスカンダルが振るう剣から生じたバリアフィールドは"砂嵐『重』"の破壊を受け止め、流し、軽減していたが、 それも完全とは言いがたく、防ぎ切れなかった圧力がイスカンダルを襲っていた。 橋梁が軋む。 何発もの"砂漠の宝刀"によって深い断裂を刻まれた橋は、喩えるならば割れかけのガラス細工のようなものであり、 "砂嵐『重』"の爆発的な圧力を受け止められるだけの強度など、もはや持ち合わせてはいなかった。 凄まじい轟音を伴って橋の一部が崩壊する。 側面から剥がれ落ちたコンクリート片が宙に浮き、重力に曳かれて落ちていく。 イスカンダルは崩れかけた道路を足場に、立ちのぼる粉塵の向こうを透かし睨む。 翻るコート。 "砂嵐『重』"では攻め足りぬと見るや、クロコダイルは次なる一撃を加えるべく動き出していた。 弧を描く軌跡の鉤爪と、水平に突き繰り出された刃が交錯する。 金属同士が擦れ合い、火花が散る。 轟音一転、橋上が水を打ったような静けさに包まれた。 ぽたり、ぽたりと、血の滴がひび割れた路面に赤い斑点を残す。 鉤爪はイスカンダルの右肩に突き刺さり、剣はクロコダイルの左肩を穿っていた。 互いに攻撃の軌跡を逸らし合ったのだ。 どちらも深い傷ではあるまい。 クロコダイルの左腕がイスカンダルの右腕を押し退けて、両者の肉から切っ先を抜き取る。 一歩踏み込めば密着するほどの距離。 しかしどちらからも間合いを広げることはなく、静かな睨み合いが続いた。 「ははぁ。砂の身体もこいつには弱いのか」 イスカンダルは刀身に伝う血液を左手の指で拭った。 これはクロコダイルを刺した際のものではない。 鉤爪によって右腕に付けられた傷から流れ出た血液だ。 幾ら斬り付けても通用しなかった砂の肉体が、血に濡れた切っ先にだけは普通の人体と変わらず刺されていた。 これ以上ない『攻略の解答』である。 間髪入れず、イスカンダルは袈裟懸けに剣を振るう。 金属の拉げる音が鼓膜を衝く。 振り下ろされた刀身を、クロコダイルの義手が受け止めていた。 正面から受けたために鉤爪は折れて落ち、義手自体にも刃が深々と食い込んでいるものの、身体には微塵も届かせていない。 イスカンダルの動きが止まった一瞬を突き、クロコダイルは右手で刀身を握り締めた。 ――この右手は、全てに底なしの渇きを与える。 刀身が瞬く間に劣化していく。 べったりとついていた血糊もみるみるうちに乾いていき、黒ずんだ染みに成り果てる。 イスカンダルは咄嗟に柄から手を離し、後方へ大きく距離を取った。 「それが分かったところで、どうする気だ?」 もはや見る影も無くなった刀身を、クロコダイルは容易く握り潰した。 二つに分かれた剣の残骸が、路上に落ちて虚しく音を響かせる。 「やりようはあるに決まっとる。色々とな」 イスカンダルは左手で右腕の傷を押さえると、血液を搾り出すように力を込めた。 そうして血に塗れた左の掌に、右拳を勢いよく打ち付ける。 剣は折れど、武器は尽きず。 クロコダイルは口を歪めて笑い、義手の内部に仕込んでいた両刃の短剣を露わにした。 「面白れぇ……やってみな」 時系列順で読む Back ジャイアントキリング(後編) Next 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) 投下順で読む Back ジャイアントキリング(後編) Next 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) 方針 御坂美琴 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) 方針 衛宮切嗣 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) limitations サー・クロコダイル 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編) limitations ライダー(征服王イスカンダル) 殺人連鎖 -a chain of murders-(後編)