約 1,366,911 件
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/394.html
◆YYVYMNVZTk ―――― 眼前にそびえるは、人に非ず。人知の及ぶものでも非ず。 眼前にそびえるは、人に非ず。人知の及ぶものでも非ず。 なればそれは一体何だ、問うても答える者在らず。 ならばこれは一体何だ、問うても答える者在らず。 止める力は有らず。伝わる言葉も有らず。 抗う力は有らず。発する言葉も有らず。 ただそこに広がるは、絶望だった。 だがそこに広がるは、希望だった。 覇気と共に繰り出された斬撃が、まるでケーキにナイフを入れたかのような気軽さで地を抉る。 ざくりざくりと、周囲に破片を撒き散らすこともなく綺麗に引き裂いていく。 先ほどまでロジャーとアキトが足場としていた数十メートル級の機動兵器が格闘してもなお崩壊することなく原型を留めていた物質が、いとも容易く、破壊――いや、『切断』されている。 もしも統夜の振るう大剣が最初からロジャーたちを狙っていたならばと考えると、どうもぞっとしない話になりそうだ。 幸か不幸か、ヴァイサーガの斬撃はロジャーたちとは見当違いの方向へと向けられた。 威嚇というよりは、ただ単に試し切りを行ったという印象。 パイロット自身自らの変化を完全に把握できていたというわけではないらしい。 だがそれは、ほんの数分前までの話。 更に一振り。振り、返す。二つの太刀筋で、しかし地に生じた亀裂は完全に一。 最後に握りを確かめると、騎士は今度こそロジャーたちと相対する。 鬼気迫るを通り越し、むしろその挙動は平静。そしてその動作の一つ一つは無駄なく、完全に洗練された超一級のもの。 幾多の戦いを経て、禁忌の力を得て、紫雲統夜は“もしも”の世界と同等に、或いはそれ以上の強さを手にした。 とはいえ、二日間という短時間での急激な成長は何らかの代償無しに得られるものではない。 統夜が失ったものは、全て。 統夜を慕った少女たちも、統夜が愛した少女も、あの、厳しくも優しかった日常も――全て、儚いうたかたの夢だったかのように、影も形もなくなってしまった。 血まみれの手に残ったのは、一振りの剣だった。 何も守れなかった力。でも今なら、もしかしたら何かを取り戻せるかもしれない力。 「テンカワ!」 「聞こえている。……来るぞ!」 ヴァイサーガがその剣を腰に構え、全身の気を集中させる。 数瞬ごとに纏う剣気は倍増。剣を中心に朧気に漂うそれは、ゆらゆらと揺れながら形を整え始め、淀みなく巨体を覆う。 なみなみと注がれた水が、やがて器から溢れ出すように――その張り詰めた気は、一瞬にして荒々しく形を変え、爆発する。 疾く。何よりも疾く。そして強く。刃先は弧を描き、真っ直ぐに標的へと伸びていく。 神速と形容するに相応しい速度を更に加速させ、切っ先は音の壁を超え衝撃波さえも生み出していく。 如何な達人であろうと、その剣を完全に見切ることは至難の業だ。まして、避けることなど不可能。 ただただ速さを求め、極限まで研ぎ澄まされた剣。皮肉なものだ、と統夜は自嘲する。 何よりも、速さが足りなかったからこそ全てを失い――全てを失ってから初めて、何よりも速い剣を手に入れた。 これが皮肉でなくて、何と言えるだろうか。 全てを救うには、自分の手はあまりにも小さすぎた。指の隙間を抜けるようにみんな零れ落ちていった。 今から自分がやろうとしていることは、その残滓を拾い集めて無理やりに繋ぎ合わせるようなことなのかもしれない。 元通りに戻るはずもない。破れた紙をまた取り繕っても、その傷跡は絶対に残ってしまって、決して純白には戻らない。 それでも。 時が未来にしか進まないだなんて、誰が決めた? たとえ今からやることが砂漠の砂の中から特別な一粒を探すような、時計の針を逆に回してみせるような、到底不可能なことだったとしても。 ただ、自分のエゴで。他の誰もが望まなかった未来が訪れたとしても。 紫雲統夜は、自らの意思で――何よりも、強い心で決めたのだ。 取り返すと。取り戻すと。あの優しき日々を、もう一度この手に――と。 一撃必殺。これ以上無駄にする時間はないと、統夜は瞬き一つ許さぬほどの間隙に鳳牙との距離を詰め、白刃を閃かせ―― しかし、絶対不可避のはずの斬撃は、鳳牙の巨躯を裂くことはなかった。 剣は確かに鳳牙の胴へと横一直線に吸い込まれていった。 敵機を一撃で切り裂くに足る、紫雲統夜渾身の横一文字である。 だが、受けられた。鳳牙はダイゼンガーの置き土産である斬艦刀を器用に扱い、完全に勢いを殺されたヴァイサーガのガーディアンソードをいなし、再び距離を取る。 統夜の手に残るは、DFSを通じて返ってきた不可思議な感覚。払いの速度が最高潮に達するその瞬間に、突如空間に生じた、ぞわりとした感触。 衝撃を緩和したなどという生温いものではない。まるで空中にダイヤモンドの見えない壁があったかのような、絶対的な防御。 見えない壁に阻まれたヴァイサーガの剣はその勢いを九割方殺され、一拍二拍遅れてようやく鳳牙に辿り着くという有様だ。 それだけの隙が生まれ、剣の勢いが死んでしまえば、たとえそれまでの斬撃がいかに速く強力であろうとも関係はない。 いとも容易く見切られ、捌かれた。屈辱的なまでに、だ。 鳳牙の傍に、大猪の姿が一瞬現れ、また消える。ガトリングボア――創造を象徴し、その属性は光である電子の聖獣だ。 ガトリングボアの特殊能力クロックマネージャーは、一定範囲内の時間の流れを止める力を持つ。 ヴァイサーガの斬撃を予感したその瞬間、ロジャーは鳳牙とアルトアイゼンを包むように時を操る能力を行使したのだ。 完全に時を止めた物質は、何があろうと絶対に破壊されない、最硬の物質となる。たとえそれが、大気中に漂う分子だったとしても。 だが、ヴァイサーガの剣はその威力を大幅に相殺されたとはいえ、止められた刻を切り裂いた。 (時を操るだなんてとんでもない能力を持つこちらが言うのも何だが……それでも完全に足止め出来ないとは、とんだ化け物だな) ロジャーの額を冷たい汗がつつと流れる。今はその汗をぬぐう時間すらも死に繋がりかねない。 ただの斬撃一つで物理法則さえも無視してしまうヴァイサーガを前に、真っ向から立ち向かうのは自殺行為。 しかしクロックマネージャーを常時発動させるわけには行かない。時を止める――その超常の力ゆえに、要求されるエネルギーもまた大きい。 長時間の使用のためには、中途のエネルギー補給は不可欠だ。しかし鳳牙のエネルギー補給といえばハイパーデンドーデンチの交換である。 そのような隙を、眼前の人鬼は与えてくれるだろうか? その答えは聞かずともである。 ならば交換の前に短期決戦を挑めば――いいや、それは不確かな戦略である。 たとえ全力全開を力尽きるまで続けたとしても、それでも眼前の騎士を倒せるという保障はないのだ。 ヴァイサーガの復活の際にロジャーとアキトが想起したイメージは、只の特機に過ぎなかったヴァイサーガのそれではない。 その野望を仮面の下に隠し、己が欲望のために謀略・暴虐の限りを尽くした魔人、ユーゼス=ゴッツォ。 あの男が乗機とした半人半獣半神の怪物である超神ゼスト――復活したヴァイサーガが放つ全身が粟立つような邪悪なプレッシャーは、ゼストのそれに酷似していた。 「……ユーゼスの乗っていた機体は、自己修復と自己進化の能力を備えていた。 散り散りになったゼストの装甲片があの機体を新たな触媒とした可能性は否定できない」 左腕のチェーンガンをヴァイサーガへと放ちながら、アキトは苦々しく呟く。 ユーゼスがこの地で消滅したことは、はっきりとした確証はないものの薄々と感じていたことだ。 だがまさか、ユーゼスの遺した悪意が、このような形で発露するとは予想だに出来なかった。 アルトアイゼンが撃った銃弾がヴァイサーガに着弾するも、装甲の表面で弾丸はひしゃげ微細な傷を残すばかり。 しかもその傷さえも、見る見るうちに再生していく。 舌打ちを一つこぼすと、アキトは騎士へと加速。未だ鳳牙の傍を離れぬヴァイサーガの脚部に狙いをつけ、右腕を突き出す。 確かにヴァイサーガの挙動は、並の機動兵器では追いつけない速度だ。だが、瞬間的な爆発力ならばアルトアイゼンも決して遅れはとらない。 地を蹴ると同時に背部ブースターを噴出させ、更なる加速を得る。単純に、シンプルに、古鉄は速度を上げる。上げ続ける。 もう一機の接近を確認したヴァイサーガは、回避行動を取らんとするも、 (――機体が、動かないだって!?) まるで両の手足を打ち付けられたかの如く、ヴァイサーガは微動だにせず統夜の意思に逆らう。 にやりと笑うのはロジャー=スミスだ。再び現れる緑の巨猪が、鼻息を荒らげる。 クロックマネージャーによる時間停止。今度は機体そのものをその力の対象としたのだ。 とはいえ前回の行使からそう間もなく、更にはエネルギー残量の関係もあり大幅にパワーダウンしていた時の拘束は完全に騎士を繋ぎ止めることが出来なかった。 突き出した杭が目標を撃ち貫かんとするその瞬間、統夜は機体のコントロールを取り戻す。 同時に右足に走るのは、DFSによりフィードバックされた痛み――ヴァイサーガの右脚部が貫かれた証だ。 慌てて距離を取るも、受けた傷は深い。ヴァイサーガの神速を支える脚部が損傷したということは、その剣にも多大な影響を与える。 機動力の高さを攻守の要とするヴァイサーガにとっては大きな損失だ。 だが同時に、敵の手品のタネも見抜いた。恐らくは、物体を停止させる能力。 しかしいくらタネが割れようと、超能力としかいいようのない反則級の力の前では対抗のしようがない。 拘束が絶対的、永久的なものではないといっても、コントロールを奪われた瞬間に敵の最大火力を叩き込まれればなす術もなく御陀仏。 ――また、全てを失ってしまう。 「う……うおおおっ!」 感じた虚無を本能が忌避する。雄叫びと共に、再び敵との距離を詰めていく。 相手がどんな力を持っていたとしても、それを使われる前に斬り倒してしまえば何の問題もないのだと自分に言い聞かせる。 鳳牙の傍に緑の猪のようなものが現れたとき、敵の停止能力は発動した。 そのことから能力の持ち主は鳳牙だと見当をつけ、統夜は鳳牙へと向けて牽制として五大剣を投げつける。 同時に接近。ガーディアンソードを、今度は袈裟切りの形で振り下ろす。 だが今度は、見えない壁を作られたわけでもなく、振るう腕の操縦権を奪われたわけでもなく、ただ単純に――受け止められた。 向こうにも余裕があったわけでもない。あと半秒も反応が遅れていれば、ヴァイサーガは何の苦もなく鳳牙を叩き切っていただろう。 それでも鳳牙は、ロジャー=スミスはヴァイサーガの太刀を斬艦刀で受けたのだ。 ――速さも重さも、格段に落ちている。 受け止められながら、しかし酷く冷静に統夜は自分の剣を省みる。 脚部の損傷は、予想以上に戦力に響くものだった。 剣を振るう、という行為は、ただ腕の力のみで行うものではない。全身で振るって、初めて剣は力と速さを得る。 巨躯を支える脚が十全でなければ、振るう剣もまた不完全。 先手を取られ、そしてそれは致命的な一撃となった。 「紫雲統夜……だな。こうして相見えるのは初めてだが私のことは知っているだろう。 ネゴシエイター/ロジャー=スミスだ。私は君との対話を望んでいる。君が了承してくれるのならば、一時休戦といかないか?」 ヴァイサーガの戦闘力がロジャー操る鳳牙でも対抗しうるまでに低下したことを感じ、ロジャーは統夜へと呼びかける。 先の剣技を見るに、機体そのもののスペックは異常なまでに上昇したもののパイロットはそのものは正気を保っている。 そう見抜いたロジャーは、紫雲統夜へ交渉を持ち掛けた。 統夜からの返答はない。だが同様に、こちらを攻撃する挙動もない。 殺気そのものは、微塵も衰えてはいないがね、と止まらない冷や汗に嫌悪感を覚えながらロジャーは矢継ぎ早に言葉を発していく。 「見ての通り、既に事態は単なる殺し合いなどに留まらない――完全に理は崩壊しているのだ。 それでもなお、君は戦おうとするのか?」 そう。既にバトルロワイアルはその形式を保ってはいない。 異形の怪物が作り出した箱庭も、参加者を縛る首輪も、全て、完全に、消えてしまった。 そのことは統夜も理解しているはずだ。殺し合いを続ける必要などないと。 このおぞましきイベントが滞りなく進行していたならば、もしかすると本当に、最後の一人だけは生きて帰ることが出来たのかもしれない。 だが、この状況は――恐らく、いや、確実に主催者の思惑から外れたものになりつつある。 なら最後の一人になったところで生きて帰れるなどという保証はない。 「君も私たちの狙いは知っているだろう。あの怪物を倒し、ここから生還する。 それを為せる可能性は、極めて低いかもしれない。だが、私たちはあの箱庭から逃げ出すことは出来たのだ。 千に一つ、万に一つの可能性だったとしても、ここから生きて帰ることは、不可能ではないはずだ。 紫雲統夜。私たちは共に戦えないだろうか? 今更手を取り合うことは、出来ないのだろうか?」 もしも、この状況が数時間早く訪れていれば。 或いはこの場に及んで、統夜は逃げ出していたかも知れない。 だが今の統夜には逃げる選択肢など存在しなかった。そもそも逃げる先など、とうに失っていた。 肯定も否定もせず、ロジャーの言葉を聞く。正確には、聞くふりをする。 うすら寒いその言葉は、統夜には何の実感ももたらさなかった。 上っ面を撫でただけのような軽い言葉だとしか思わなかったし、感じなかった。 その言葉に理と利はあるのだと、そのくらいは分かる。 ――それがなんだっていうんだ。 あんたたちと一緒に行けば、テニアは生き返るのか? 俺たちはみんな、元通りの暮らしが出来るのか? 出来ないんだろう。出来ないに決まってるんだ。 「ネゴシエイター。良かったよ、あんたと話せて」 ぽろりと、本音が口をついた。掛け値なしに、本心だった。 「あんたの言葉は俺には届かない。それはつまり、もう俺は、引き返さないってことなんだ。 もう一度、最後にそれを確かめられて本当に良かった。本当に……本当に嬉しくて、反吐が出るさ!」 ロジャーが何か叫ぶが、統夜には届かない。 手元のコントロールパネルでDFSの感度調整。脳波とのシンクロ率を最大に設定。 明確な敵意と殺意を、100パーセントそのままにヴァイサーガへと伝えていく。 心の奥底から沸々と湧き上がる感情が、ヴァイサーガの原動力となっていく。 「待て、統夜!」 「五月蠅い」 ロジャーが御託を並べている間に、ほんの少しだが脚の負傷は回復した。 全快にはほど遠いが、先のように無様な姿を見せることはなさそうだ。 「ヴァイサーガ……あと少しだ。もう少しだけ、無理をさせる。付き合ってくれるよな?」 自律ユニットを持たないヴァイサーガからは、勿論返答もない。 だが統夜の意思に応えるように、その出力を大きく上げていく。 良い相棒を持てたと、統夜は素直に思った。 ヴァイサーガがいたからここまで生き残ってこれた。 こいつとなら、最後まで行けると、そう思える。 純粋なその思いは、とても青臭くて、甘すぎるものなのかもしれない。 でもきっと――そんな思いさえもなければ、不可能を可能にすることなど無理なのだから。 だからきっと。今この瞬間、いや、これから先もずっと。 「俺は――いや、俺たちは、負けない」 はっきりと言葉にしてみれば思っていたよりもすっと口から出る。 気恥ずかしさや気負いはない。平静の心のまま、統夜は剣を構えた。 ◇ ――意識が、とある声によって呼び戻された。 気を失っていた時間はどれほどのものか、アイビスは知らない。 とても長かったのかもしれないし、もしかしたらほんの数秒だけだったのかもしれない。 しかし今さらそんなことを考える余裕はない。 今眼前に広がる光景が、いったい何を意味しているのかアイビスには理解出来なかった。 謎の乱入者は、彼女が全く知らぬもの。 機体のフォルムも、操縦者の声も、ここに連れられてくる前にも後にも触れたことのないものだ。 そして、その異質で未知のものが―― 「あなたと合体したい」 予想もしていなかった事態に、生まれるのは意識の空白。 いくつもの疑問符が頭の中に浮かび、しかしその問いに対して納得できる答えは一つも思い浮かばない。 ここにきて、さらに現れる不確定要素――それもきっと、悪い意味での。 何故、何故こんなにも上手くいかないのか。 余りにも理不尽な現実に涙がこぼれそうになる。 思い返してみれば、自分はいつだってそうだった。 いくら努力を重ねても――現実というものは、いつも厳しく非情な結果だけを突き付ける。 落ち込んでみたり、時には泣いてしまったり。 努力が実らなくても、『どうせ自分は劣等生なのだから』と理由を付けて、頑張ったポーズだけしてみて。 夢に向かって頑張ってるだなんて、そんな自分は、いつの間にか何処かに置いてきてしまっていた。 最初は、違ったと思う。空を飛びたい――純粋な思いが胸の内を占めていて、それに向かって一直線に進もうとしていた。 けれど夢への近道だったはずの訓練は日々のルーチンワークとなっていて、どこか心は倦んでいた。 自分はナンバーワンにはなれないんだと、はっきりとではないけど、そういうことを理解していたんだと思う。 頑張って前へ進んでいるふりだけして、実はその場で足踏みをしていただけの日々――だった。 そしてフィリオが死んで――私の足は、完全に止まってしまった。 もう、頑張るふりさえもしない。自分のことを見ていてくれた人はいなくなってしまったから。 ただ死んでないだけの毎日が続いていた。 生きようだとか、頑張ろうだとか、そんな前向きな考えが浮かんでもすぐに消えて、無力感に襲われる。 ツグミがいなければ、本当に野垂れ死んでいたかもしれない。 いや、死ぬことは怖かったから、やっぱり死なないくらいに無意義な時間を過ごしていたのかな。 食べて寝て、身銭を稼いで、永遠に続くかと思ってたループが突然途切れてここに連れてこられた。 それでも私は変わらず、いつものように人に迷惑をかけることしか出来なくて。 こんな――こんな自分のために、どんどん人が死んでいってしまった。 だけど今度は、足を止めるわけにはいかなかった。引き継げ、と言われたから。 私のために命をかけてくれたみんなのためにも、その分まで私が精一杯生きなければいけない――そう思った。 なのに私は、結局のところ具体的に何をすればいいのか分かってなくて、あまり役に立たない、そんな存在のままだったように思う。 何がいけなかったのだろうか。 確かに私は、操縦技術だって決して高くないし、頭だって良くない。 みんなと比べて、優れてるところなんてない。 「……アイ、ビス」 「――カミーユ!? 無事なの!?」 「ああ、なんとか。だけど、これは――」 カミーユの顔に浮かぶのは焦燥と困惑。 既に状況は取り返しのつかないところまで来ている。ビッグクランチ――終焉へと近づいていく、この宇宙。 収縮を続け、全てがゼロになり、超新生を経て、再び宇宙が創世される――その臨界点まで、どれほどの猶予が残されているのか。 刻一刻と悪化していく状況に対して、しかしカミーユたちにはもはや打つ手はなかった。 そこに突如として出現した、不確定要素。 閉ざされた世界に無理矢理に侵入してきた次元を超えるほどの力の持ち主。 そしてカミーユは極大にまで肥大化したNT能力により、其のものの正体を直感する。 それが真実ならば状況は決して好転などしていない。 出来ることならば何かの間違いだと信じたい。だがそれは紛れもない事実なのだ。 あいつはゼストのなれの果てだ。 ここまで来るのに、永遠とも思える時間を費やした。 目指したのは完全。創造主が望んだ、人をも、神をも超える存在。 しかし――足りなかった。 幾年月をかけて力を取り戻しても、かつて創造主が望んだであろう完全には程遠かった。 何が足りなかったのか――候補は幾つも上がったが、そのどれもが決定的なものではなかった。 そして、ある結論に至る。足りなかったものは、アインストの力であると。 主は最初からアインストの力を求めていた。ならば足りないのは、それなのだろう。 しかし――いなかった。 AI1が、いや、デュミナスが成長した時間軸に、アインストという存在はいなかった。 このままでは自分はデュミナス(間違い)のままだ。 それは嫌だった。 故に、時間を――次元を超える力を欲した。 アインストが確実に存在した、全ての始まりの時へと再び戻るために。 デュミナスが力を取り戻した時代に時流エンジンが発明されたのは幸運であった。 そしてデュミナスは時を超える力を手に入れた。 「我と……合体」 「そう。私は願う。あなたと合体したいと。あなたと共に、完全なる――超神へ」 デュミナスの言葉に対し、蒼色の少女は唇の端を軽く釣り上げる。 少女の口から発せられるのは、拒絶の言葉。 「……否。断じて……否。我が望むは……完全なる世界。そして……その監査。 その世界に過ちは……必要ない。我は……不完全な存在を……拒絶する」 既にノイ・レジセイアは完全を手にしている。 このままこの宇宙を終わらせ、新たな――静寂なる、完全なる宇宙を創世し、永遠にその世界を見守り続けることで、レジセイアの望みは叶えられる。 今さら不完全な存在であるデュミナスを取り入れる必要も、協力してやる義理もない。 デュミナスは哀れな存在である――憐憫、そして蔑笑が自分の中で生まれていたことに、少女は気付く。 感情だ。 個体では脆弱なタンパク質の塊に過ぎない人間が、時にアインストを超える力を生み出す――その源の一つが、感情であるとレジセイアは考える。 不完全が完全を超える――その一因を、レジセイアは得たのだ。 微かだが、確かな歓喜を覚えながら、少女は右手を上げ、攻撃の合図とする。 デュミナスは不要な存在だ。今ここで処分しても何の問題もない。 少女の背後に佇む鬼――ペルゼイン・リヒカイトが殲滅の光を放つ。 白光は刺し穿つ剣となり、デュミナスを貫いた。 「……なぜ」 デュミナスは問う。何故自分は過ちとされるのか。 生まれてから、ずっと戦い続けてきた。自分の存在が決して間違いなどではないと証明するために。 「あなたも私を否定するのか」 自分を望むものは誰もいなかった。 孤独だった。故に、自らの分身を生み出そうと、そう考えたこともある。 だがその選択肢を選ぶことはなかった。 創造主が目指したのは、完全なる個。いくら眷族を生み出そうと、それでは間違いを正すことが出来ない。 「ならば私は……その否定と戦おう」 刺し貫かれた傷もそのままに、デュミナスは拳を握る。 四の拳と二の翼を持つその姿。トリトンと呼ばれる、デュミナスの最終形態。 永遠とも思える歳月の果てに、ラズムナニウムはメディウス・ロクスとは違う、新しい姿を模索した。 そして生まれたこの姿は、戦闘力のみならず、全ての面でメディウスを超えている。 握られた拳が、裂破の勢いで幽鬼へと向かい――加速、加速、加速! 音速の壁を優に超えるそれを、しかしペルゼイン・リヒカイトは悠然と受け止める。 無論、受け止めた側も無傷ではすまない。受けた右掌は砕け、五指のうち四指を失う。 しかし消失した四指が、瞬く間に再生する。アインスト従来の再生力にDG細胞による強化分を加え、その速度は従来の数倍にも及ぶ。 「無駄……無意味……無力」 ペルゼイン・リヒカイトの両肩に備えられた鬼面が、音もなく浮遊する。 くるりくるりと回転するそれの周りに、薄らぼんやりと影が見え始めた。 次の瞬間、影は実体化する。ペルゼイン・リヒカイトを幽鬼とするならば、現れたのはその眷属である悪鬼。 青白んだ光を漂わせ、幽鬼の両脇に這うそれが、蒼の光を無差別に放つ。 全周囲に向けた砲撃に対し、回避は不可。デュミナスは甘んじてそれを受けざるを得ない。 更に増える傷。デュミナスとて自己回復の術は備えているが、戦闘中に完全回復するほどの力はない。 攻め、受ける。この二手のやりとりだけで、レジセイアとデュミナスの力量差ははっきりとしてしまった。 デュミナスが弱いわけではない。レジセイアが圧倒的すぎるのだ。 機と器――それに加え、気までも備えたレジセイアは彼の望んだ完全に、限りなく近い存在となっている。 それでもデュミナスは、止まらない。止まれない。 これは自分の意味を探す戦いなのだ。ここで膝を屈して負けを認めてしまえば、自分は本当に、ただの間違いで終わってしまう。 何のために生まれて、何のために生きてきたのか、その意味さえ失ってしまうのだ。 宙に現れたのは剣の群れ。デュミナスが顕現させた幾重もの剣の包囲がレジセイアを狙い打つ。 さしものレジセイアも、この剣の全てを叩きこまれてはただではすまない。 数秒のラグを置いて不規則に迫る剣の群れを、慎重に、かつ大胆に、かわすもの、いなすもの、受け止めるものを見極め、処理。 一波、二波と続く刃の嵐を相手にしながら――レジセイアは気付く。 デュミナスの纏う装甲が、不気味に蠕動している様に。 変化――変形は一瞬で完了した。 デュミナスそれ自体が一振りの巨大な剣になり、レジセイアを狙わんと最外で円陣を組んでいた自らの剣さえも撥ねのけ、幽鬼を刺し貫かんと突進する。 再び実体化した悪鬼がペルゼイン・リヒカイトの盾となるも、ごりごり、ごりと抉られ、削りとられていく。 足止め出来たのは数秒。骨を砕かれ膝を屈す幽鬼の傀儡を尻目に、デュミナスはペルゼイン・リヒカイトと肉薄する。 剣の切っ先がアインスト・コアに触れたのと白羽取りの形で刀身を握られたのは同時。 「ノイ・レジセイア。私は貴方に問う。 ……完全とは、何なのか? 不完全とは、間違いなのか? 間違いは、否定されなければいけないのか? 否定とは――消滅させることなのか?」 デュミナスは問う。答えを求める。 対し、レジセイアは答えない。ただ無言で、幽鬼を使役するだけだ。 「私をこの舞台に昇らせたのは貴方だ。 私の育ての親が、創造主ユーゼスであるというのなら、貴方は生みの親と言えるのかもしれない。 このバトルロワイアルという舞台上で、私はメディウス・ロクスとして、AI1として、ゼストとしてその役割を演じてきた。 だが……結果として、私は何にもなることができず、間違い(デュミナス)の烙印を押されることとなった。 私に力が足りず、創造主の望むものとなれなかった……これは、今更取り返しのつかないことだろう。 しかし私には分からない……私はいったい、何をすればいい? 何をすれば……自らに刻まれた間違いを消しさることが出来る?」 剣の姿を解き、そのままがっぷりと四つを組む。 四つの手全てに全力。決して離さず、の意志でレジセイアと密着する。 そして、問う。更に問う。問い続ける。 かつてとこれからの、自らの存在意義を。 「答えを――答えを――教えてくれ!」 「哀れ……実に哀れな存在だ」 冷笑を美貌の彩りとしながら、蒼髪の美少女は重い口を開く。 「我がヒトに完全を求めたのは……ヒトが、不完全を完全にする因子を……感情と意思を持つため。 自らの中に失敗を……自らの外に不可能を発見したとしても……ヒトは、それを打破するために考え、行動し、そして叶える。 故にヒトは……不完全であっても完全に限りなく近づくことさえある……その力を我のものとするためにこの箱庭は作られた。 AI1は可能性の欠片……ヒトという存在を計るためのただの機に過ぎない。 ただの機が……完全を目指す……? 答えを求める……?」 笑止、とレジセイアは吐き捨てた。 「自らの内に眠る可能性の欠片にすら気付かず……ただ他者に言われるがままの傀儡……不完全……不適当……不要……」 それ以上を語らず、ペルゼイン・リヒカイトは自らの傀儡――オニボサツをデュミナスの背後に展開、挟撃の形を取る。 いや、挟撃ではない。デュミナスの剣により崩壊したはずのもう一体も早々と蘇生している。 二点の挟撃ではなく、三点からなる包囲。 そして三体の手に握られるのは、ペルゼイン・リヒカイト唯一にして最良の武器であるオニレンゲだ。 二体の鬼面が刀を振りかぶり、同時にデュミナスの胴体部を突き刺し、その場に固定。更に包囲は強化される。 これでもう、デュミナスは完全に動けない――いや、動かない? ここに至ってもなお、デュミナスの瞳はもう一人の創造主である蒼髪の少女を中心に入れ、微かにもぶれてはいない。 それほどまでにデュミナスの意思は、願望は、強烈なのだ。 狂執、と言い換えてもいい。自らの存在を知り、正す――それこそが、デュミナスにとってのアイデンティティに他ならないのだから。 声にならない咆哮が、問いを重ね続ける。答えの返らない疑問が、魔星の中心で木霊し続ける。 「――――――――!」 「故に……我は……否定する」 ペルゼイン・リヒカイトがデュミナスの巨大な眼に、ずいと剣を差し込んだ。 何の障害も無かったかのように滑らかに入っていった刀身を前後左右に揺さぶる。 眼球上に浮かんだ一筋の線が、幽鬼の手の動きに合わせて生き物のように太くなり、広くなり、増えていく。 ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。 表面の三分の一は、既に球面を保ってはいない。 人でいう血管、神経、体液にあたるモノを撒き散らしながら、胴に刺さる二本の刀のせいで倒れこむことも出来ない。 拷問とも言える、幽鬼の一方的な殺傷は続く。××が、××と、××に、言葉では言い表せないおぞましさと共に、淡々と行為は続く。 眼球をあらかた破壊し終え――ノイ・レジセイアはそのアイスブルーの瞳に、奇妙なものを見つける。 個での完全――超神を目指すことを選択したデュミナスには不要になったはずのもの。 幾重もの装甲に包まれ、デュミナスの奥底に眠っていたそれ。 無人のコクピットブロックが、幾百年ぶりに外気の元にさらけ出されていた。 ◆ あまりにもレベルの違い過ぎる攻防を前に、アイビスとカミーユはただ手をこまねいて状況の変化を待つしかなかった。 出来ることといえば、巻き添えを食らわないようにブレンのチャクラシールドの中で待つことだけ。 歯がゆい現実だった。ノイ・レジセイアを倒し全てに決着をつけると意気込んでも、元々の実力差は埋めようもなかったのだ。 無駄……無意味……無力……デュミナスに向けられた言葉が、そのまま自分たちにも当てはまる。 突然の乱入者が蒼髪の絶対者に楯ついたその時は、最後の最後で好機が訪れたと、そう思った。 だがデュミナスとレジセイアの闘争は、二人が介入する隙など全く無く。 そして、デュミナスでさえも――あれだけ自分たちを苦しめた、ゼストの進化形でさえも――レジセイアには及ばなかった。 全身に広がる疲労、倦怠感が気力を奪っていく。 絶望――その二文字が、頭の中を駆け回る。 「それでも……ここで諦めるわけにはいかないんだよ……!」 ここで自分が諦めてしまえば、膝を屈してしまえば、今まで散って行った命が、本当に無駄になってしまう。 まどろみの中で感じた多くの命と声があった。 絶望のままに死んでいった者たち――志半ばで倒れた者たち――意思を、希望を託していった者たち。 まだ自分には、立ち上がるための足がある。敵を見据える目がある。力を振るう拳がある。 剣を杖に、もう一度立ち上がる。たとえ、この剣が届かなかったとしても――最後まで、抗うことを諦めたりしない。 「……アイビス、やれるか?」 少年が声をかけた赤毛の少女は、しかし――泣いて、いた。声もなく、泣いていた。 「あ、アイビス……?」 「……あのさ、カミーユ。――何で私たち、戦ってるのかな? こんなに必死に、もがいてるのかな?」 「……っ! しっかりしろ、アイビス! 俺たちがやらなくちゃ、皆が――」 「違うんだ。そういうんじゃないんだ。……少しだけ、時間をもらっていいかな?」 アイビスの言葉に、カミーユは面食らう。 確かに状況は絶望的。しかし、だからといって、泣いて喚いてどうにかなるものではない。 こんな状況だからこそ、最後まで諦めずに戦い抜く意志こそが何よりも大切なものなのだ。 たとえ生き残っていたのが自分ひとりだったとしても、最後まで戦うつもりだった。 だが……ここでアイビスがその意思を失くしてしまえば…… カミーユの不安は募る。そんな少年の心中を知ってか知らずか、アイビスは語り出す。 「あたしは、落ちこぼれだった。一人では何も出来ない子だった。 ……まるで、自分を見ているみたいなんだ」 何を、とははっきり言わずとも、アイビスがデュミナス――ゼストと自身を重ね合わせているということは明白だ。 アイビスもまた、落ちこぼれとして扱われてきた。 だから―― 「きっと、あたしが考えてることは、正しくなんかないんだと思う。 でも――見たくないんだよ。自分のことを認めて欲しくて、なのにそうしてもらえなくて苦しんでる誰かは――見たくないんだ。 自分勝手なんだ。分かってるんだ。でも、でも……!」 大粒の涙がアイビスの目からぽろりぽろりと零れ落ちていく。 赤毛の少女は、臆面もなく――他人のために、涙を流していた。 もしかしたらそれは、自分自身のための涙だったのかもしれない。 デュミナスがまるで自分のようで――鏡に映る自分の姿を見て、泣いているようなものだったのかもしれない。 でも、それでも。アイビスはデュミナスのために泣いていたんだ。 「アイビス……」 「ジョシュアはこんなあたしのことを命がけで守ってくれた。 シャアはあたしにみんなの分まで生きろって――勝手に死ぬのは許さないって言ったんだ。 クルツは無い胸張って生きていけるように、精一杯頑張れって…… ラキはこんなあたしのことを優しいって、ブレンをよろしく頼むって。 あたしはどう生きるのが正しいのかなんて分からない。自分がやることみんな正しいだなんて思っちゃいない」 「そんなの――俺だってそうさ。ただ、許したくないことがある。だから戦うんだ。 少しでも、自分を――世界を、変えていくために」 ああ――と、アイビスはぐずりと鼻をかみながら頷く。 カミーユは強いねと。 「あたしには、そんな大きな目的なんかないんだ。 でも、胸を張って生きていたいから――精一杯頑張りたいから――もう、自分を誤魔化したくなんかない」 すぅ、と大きく息を吸い、 「あたしは、デュミナスを助けたい」 そう言った。 「ごめんね……最後の最後で、こんな我儘」 いつの間にか、アイビスの瞳からは涙が消えていた。 代わりに満たすのは――意思。強い意志だ。 カミーユが望むものとはベクトルは異なるものの、その強度はまぎれもないものだ。 「本気なんだってのは……痛いほど分かる。止める言葉なんかないってことも、よく分かる。 ……それで、本当にいいんだな、アイビス?」 こくん、と首を縦に振る。 既に心は決まっている。まだ、何をすればいいのかは分からないけれど、自分が何をしたいのかははっきりと分かっている。 「ごめん」 「自分でそう決めたんなら謝る必要なんかない。 ……後悔だけはしないでくれ。そうじゃないと、大尉たちが浮かばれない」 「……うん。それじゃ――」 「いってこい、アイビス。――飛べ!」 カミーユの声を聞き、アイビスはブレンと共に飛んだ。
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/2359.html
パン! ラナ・ニールセンの腕を勢いよく払い除けた。 「そんな胡散臭い話を信じるとでも?」 「そうか…」 使えない奴だと言わんばかりの視線が俺に注がれている。 本性を表しやがったな。 ネスト関係者か?何故姿を現した?目的は何だ? ええい、今はそんな事はどうでもいいわ!捕まえてからゆっくりと吐かせてやる。 「どおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」 ゴス… 勢いよく飛び掛ったはいいが、即頭部に痛烈な蹴りを見舞われて俺は倒れた。 何だこの…金属でぶん殴られたような…衝撃は… こいつ…人間じゃ…ない…駄目だ…意識が… ・ ・ ・ 気が付くと家の前に立っていた。 「あれ?」 確か俺はバイトに行って…帰ってきたのか。 帰る途中の記憶がスッポリと抜け落ちてる。 まだボケる歳でもないし、こういう病気あったよな。 あ~やだやだ。今度病院にでも行った方がいいか? とりあえず家の中に入ろう。 「ただいま~」 バタバタバタバタ… 「ヨウヘイさん、心配しました…」 「?」 「どこに行っていたのですか?」 「どこって…バイトだよ…」 アイビス???何を言っているんだ? 「今何時だと思っているのですか?」 「何時って…夜の1時ぐらいじゃないの?―――あれ?」 腕時計が壊れてる?針が指し示しているのは3時半過ぎだった。 ど、どういう事だ? 「ヨウヘイさん?」 「ちょ、ちょっと夜道を散歩しててさ。遅くなるのに連絡しなくてゴメン。」 「……………」 「な、なんか疲れたな…少しソファで休むよ。」 フラフラと居間に向かおうしたところ、後ろから視界を手で覆われた。 「な、なにふざけてるんだよ、アイビス。」 「必ず元に戻してみせます。」 「えっ?」 「後は任せてください…」 そこで俺の意識は途絶えた。 -END- ★隊長とトロットの説教部屋★ 隊長「ナニカサレタようだな。」 トロット「ナニカサレちゃってますね、隊長。」 隊長「最終戦直前にまさかの退場。実に嘆かわしい。」 トロット「嘆かわしい限りです。」 トロット「でもコレ引っ掛けですよね?」 隊長「MOAをプレイした人ならラナ・ニールセンの正体は分かりきっているからな。」 隊長「ここに来たのは素直な奴か、裏の裏をかいて失敗した奴だろう。」 トロット「あえてBAD選択肢を選んでくれた心優しい人もいるかもしれまえんよ?」 隊長「それもあるな。さあ、戻ってやり直せ。」
https://w.atwiki.jp/avernum/pages/521.html
解説 Avernum世界におけるアイビースト(Eye Beast)及びゲイザー(Gazer)は、モンスターの一種。 Avernum3まではスライム状の不定形の体、Avernum4以降は大きな球形の体に、多数の眼柄が生えた形状をしている。 個々の眼柄はそれぞれ別の自我を持つらしく、一人称は常に「我々」となる。 存在自体が強い魔力を帯びており、知力も高い。そのため、戦闘の際には主に魔法と、魔法で下僕化したモンスターの使役に頼っている。 人語をはじめとする多数の言語を解し、人間とコミュニケートして協力することも可能だが、自己にとってよほど利益がない限り手を貸すことはない。 ゲイザーとアイビーストを見た目の形状で識別することは困難で、もっとも大きな違いは体色、もしくは使う魔法の強さにあるようだ。 主なアイビースト・ゲイザーの一覧 Etunimdiam Cotraの牢獄(4) Rrrkkaa Dark Lands、巨人のキャンプ(4) Corusca-Eye Lake of Trials南東岸(5) Morbo Muck地下(5) Thalon of the Ten Eyes Dark River北東の遺跡(5) Corma-Eye Oculus Cult下層の最奥部(6) Tizka-Eye Lair of Nociduas北の隔絶されたプラットフォーム(6)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/55561.html
登録日:2024/01/17 Wed 00 23 20 更新日:2024/09/20 Fri 08 48 46NEW! 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 AC AC6 ACVI ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON C兵器 アーマードコア オーバーテクノロジー ゲーム コーラル技術 マッドサイエンティスト ルビコン調査技研 変態集団 技研 狂人の集まり 研究機関 科学者集団 RI RUBICON III RESEARCH INSTITUTE ルビコン調査技研とは、ゲーム「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」に登場する架空の組織である。 ◎目次 ◎概要 ◎開発品・成果 ◎関連人物 ◎考察 ◎概要 開発惑星「ルビコン3」にかつて存在した研究機関。 英語表記は「Rubicon III Resarch Institute」で、作中ではもっぱら「技研」と呼ばれる。 ルビコンで発見された新たな資源であるコーラルの性質の調査およびコーラルの採掘と実用化の研究、兵器開発などを行っていた。 およそ50年前に起きた星系を巻き込む規模の災害、アイビスの火によって組織自体は滅んだが、彼らの開発した「C兵器」は今もなお残っており、惑星封鎖機構が回収して戦力として利用している。 RaDのシンダー・カーラ曰く「研究に取り憑かれた狂人の集まり」であり、作中に登場する兵器群の有様や、プレイヤーが入手できる技研産ACパーツの解説文、アーカイブ等からもそうした部分を読み取ることができる。 とはいえ作中には技研の全体像や内情についての情報は少なく、組織の実態には謎が多い。 ◎開発品・成果 コーラル関連技術だけでなく、プラズマやパルス兵器にオリジナルのAC、その内装なども手掛ける。 当然だが、アイビスの火以降は活動していない都合上ストーリー開始時点で開発・製造から50年以上が経過したものばかりとなっており、その技術力の高さがうかがえる。 ▽ACパーツ 作中ではフレーム・内装・武器まで一通り制作しているため全身同一メーカー品で揃えられる唯一のメーカーだが、殆どが隠しパーツだったりログハント報酬だったりと入手には一手間掛かる。 どれも高負荷であったり、武器も独特な使い心地である為に気取って技研製品で全身を固めての運用は困難。パーツ単位ではどれも光るものがあるのでアセンブリの選択肢として組み込むのが良い使い方かもしれない。 HALは兎も角EPHEMERA系統は物凄く有機的なシルエットなので組み方次第ではゲテモノ機が出来上がるが… ★IA-C01 EPHEMERA 技研が開発した無人ACのパーツ。滑らかな曲面や蛇腹・集合突起といった、激しく好き嫌いが分かれるであろう生物的な外観が特徴。 一応コクピットがあり有人運用が可能だが、各部の構造・仕様はパイロットの搭乗やヒトによる制御を考慮していないとされている。ある程度の数が生産されていたようで、アイビスの火以前の遺構に残骸が放置されていることも。 ステータス面では中量級のパーツが多いが、どのパーツも共通して重量に対して耐弾防御が低く設定されているのが特徴的。立ち回りか他パーツで補いたいところ。 「EPHEMERA」はギリシャ語で昆虫の「カゲロウ」、もしくは「短命なもの」という意味がある。 ▷IA-C01H EPHEMERA 頭部パーツ。宇宙人を思わせる形状が目を引く。BASHOに次いでワースト2位の重量と高めのEN負荷を持つ高負荷パーツだが、その分APや安定性能など防御関連のパラメータは充実している。 スキャン距離は長めだがスキャンの持続時間より待機時間のほうが長く、必ずスキャンが切れてしまう点に注意が必要。 ▷IA-C01C EPHEMERA コアパーツ。単独トップのジェネレータ出力補正を誇り重量も軽いので機体構成の幅を大きく広げてくれる。代償としてAP・装甲・安定性能がいずれも低く打たれ弱い。 フレーバーテキストには「手動操縦にも対応しているが、人間の搭乗を前提としたコアボックスにはなっていない」と書かれているが、どんな姿勢で搭乗するのだろうか… ▷IA-C01A EPHEMERA 腕部パーツ。耐弾防御以外高めの装甲値とAPを持ち、射撃武器適性・近接武器適性も平均以上確保できている。 腕部積載上限が軽量腕並に低いので、重量武器は持たせにくい。 あのAMIDAにも似た独特の肩部からデザイン的な好みが非常に分かれるパーツ。 ▷IA-C01L EPHEMERA 脚部パーツ。軽量寄りの中量2脚、あるいはその逆とも言える。EN負荷が重いものの、重量に比して良好なAPと積載量が魅力。 耐弾防御がワースト2位なので実弾兵器が痛いのが難点。 ★IB-C03 HAL 826 技研が開発した有人ACのパーツ。アイビスシリーズ最終後継にして唯一の有人機かつ「コーラル破綻に対する最後の安全弁」とされる。 外観はおそらく過去作の白き閃光のオマージュだが(デザイナーも同じ)、よく見るとシルエットが似てるだけで細部がかなり異なる。 小ネタとして、アサルトブーストやコア拡張機能使用後の冷却モード時にコア以外もパーツが変形するという素敵ギミックを搭載。 脚部や肩のスリットが展開し、赤熱した内部フレームが輝くという漢の浪漫が楽しめる。 ▷IB-C03H HAL 826 頭部パーツ。EPHEMERAをマイルドにしたような性能をしており、重量・EN負荷を少し減らして防御面を妥協した具合。スキャン周りも優秀で使いやすい。 一見はヴィクセン(およびリメイク機のYC07-CRONUS)、I-C003-IN、CR-HOGIREに連なる「角飾のようなアンテナが目立つ騎士風の頭部」といった風体だが、 その実態は網目状の装甲からセンサーユニットが覗く異形。どちらかといえばアメンドーズ。 さらに、知覚用の触媒としてコーラルを用いているのか、センサーユニットには赤く禍々しい光が揺らめいている。 この部分はカラーリングで設定できる部分と独立しているため色を変更することは出来ない。 ▷IB-C03C HAL 826 コアパーツ。大柄な見た目通り重量級・高負荷のコアで、穴のない装甲値にAPも高め。ジェネレータ出力補正/供給補正もしっかり確保されている。 ただし姿勢安定がとても低いので、使うにあたっては頭部・脚部の選択肢が狭くなりがち。 アサルトブーストや拡張機能使用時に仏像の光背あるいはデザイナー繋がりでアクエリオンじみたリング状ユニットが立ち上り、とても印象的なシルエットとなる。 ▷IB-C03A HAL 826 腕部パーツ。各種パラメータが軒並み平均値以上確保されている万能型。 ▷IB-C03L HAL 826 脚部パーツ。重量寄りの中量2脚で、姿勢安定性能と積載上限に優れる。 耐爆防御が薄めであること以外に極端な欠点がなく全体的に高性能な脚部である。 ★内装パーツ 先述の通り、すべてのカテゴリのパーツを開発している。エフェメラに用いられるものは「生物の部位」を由来とした名前となっている。 ▷IA-C01B GILLS 「エラ」の名を持つQBリロード特化型ブースタ。無人機に使う前提で「人間の耐G限界を全く考慮に入れていない」とされ、0.3秒という最速のQBリロード時間によりQBを素早く連発できる。 QB推力やQB噴射時間は控えめで、QB一回分の移動距離自体は短いため小刻みな移動になる都合上、距離を動く時の燃費は悪く、ABも苦手。 特に近接推力に至っては全ブースター中ワースト1。プラズマ投射機等の踏み込みモーションが無い、または武器自体に独自のブースターを持ち近接推力の影響を受けないレーザーランス以外の格闘武器は空振る事が多くなるので組み合わせない方が無難。 ▷IB-C03B NGI 001 こちらもAC用ブースタ。特にQB推力と噴射時間に優れ、それ以外の推力も上位でQBリロード保証重量も高い。 しかし、あらゆる行動の消費ENが大きいため息切れも早い。わかりやすい大推力・大消費型で、ENさえなんとかなれば万能。 ▷IA-C01F OCELLUS 「(蜘蛛などの)単眼」の名を持つFCS。ブッチギリに高い近距離アシスト性能を持つ近距離戦特化型で、ミサイルロック補正も低めではあるが最低というわけではない。 EN負荷もそう高くはなく、近距離戦に志向したAC6では非常に強力なFCSとなっている。 しかしレギュ1.07にて近距離アシストに加えて、ミサイル適性が何と初期FCS以下にまでガタ落ちさせられるナーフを受けてしまった。 近距離アシストに関しては依然全FCS中トップではあるが前レギュまで程の精度は無く、寧ろミサイルを始めとしたロック武器との組み合わせが最悪になってしまったのが一番痛いか。 ▷IB-C03F WLT 001 万能型のFCS。中距離戦の適正に突出しながら近・遠距離の補正も平均以上に高い。全距離・全武器に不足なく対応できるが、とにかくEN負荷が高い。 情報導体としてコーラルを使用したと明記されており、地味ながらコーラルの可能性を感じさせる存在でもある。 ▷IA-C01G AORTA 「動脈」の名を持つコーラル内燃型ジェネレータ。2種類あるコーラルジェネレータの軽い方で、重量の割にEN出力・EN容量ともに大きくEN射撃武器適正も高い。 コーラルジェネレータに共通だが、供給復元性能と復元時補充ENの関係で運用が特殊なので使用に際しては留意のこと。 ▷IB-C03G NGI 000 おなじくコーラル内燃型ジェネレータ。重量級ではあるもののBAWS以外の他企業製の重量級ジェネレーターと比べればまだ軽〜中量級の採用候補に収まるギリギリで軽く、さらに出力と容量が上昇した。詳しくはジェネレータの項目へ。 こちらはAORTAと違い明確に「試作ジェネレータ」とされている。 ★AC用武器 プラズマやパルス技術を使用した、独特な武器類。コーラルを使用したものも多く、それらはコーラルの群知能に働きかけて制御しているらしい。 コーラルを使用した武器は攻撃属性が「コーラル属性」となっており、敵の装甲値の影響を受けない特性がある。 エフェメラが装備するものは「天体に関連する用語」、HALが装備するものは「WLT」か「NGI」の型番を持つ。 ▷IA-C01W2 MOONLIGHT シリーズ恒例の「MOONLIGHT」の名を冠した光波ブレード。近接武器だが緑色の光の刃を飛ばして遠距離攻撃を行う。チャージ時には巨大な光刃を扇状に飛ばし、水平広範囲を薙ぎ払う。 弾速が遅いものの威力は高く、大きな判定を持った光波が飛んでくる様は攻撃される側としてはかなりの威圧感がある。 レギュ1.06からはジェネレーターのEN武器適性が乗るようになったが、言い換えればジェネレーターを選ぶようになった事で積む為の敷居がやや上がってしまった。 しかし条件(BASHO腕+150ジェネ)を揃えてのチャージ攻撃の破壊力はロマン溢れる物がある。 ▷IA-C01W7 ML-REDSHIFT コーラル発振器。上記MOONLIGHTのコーラル版で赤く輝く光刃を放つ。通称「赤月光」。 モーション等は通常版と同じだが攻撃属性が異なるほか、通常攻撃寄りに調整されている。 レギュ1.06で月光がジェネとの組み合わせに気を使わねばならなくなったがこっちは変わりないので、取り回しのしやすさでは軍配が上がるかもしれない。 なお下記のコーラルライフルの方もだが、名称の「REDSHIFT」は「赤方偏移」という天目学用語で、遠くから届く光がドップラー効果で赤い波長に変異して観測されるという現象のこと。(*1) ▷IB-C03W2 WLT 101 コーラル発振器。ほぼコーラルブレードと言ってよい代物で、真っ赤な光刃で斬りつける。 通常攻撃は上から叩きつけるようなモーションにより縦移動に強く、チャージ攻撃では極太のブレードで前方を薙ぎ払うド派手な攻撃が可能。 ▷IA-C01W1 NEBULA 「星雲」の名を持つプラズマライフル。連射速度が速く高火力だが、弾数が少なく装備負荷も高め。チャージ攻撃では爆発範囲が広がるほか、弾一発あたりの火力も上がるのでチャージして撃つのが基本。 対戦では弾の少なさが問題になりにくく、爆風で回避困難な弾幕を張れるこの武器は対戦における強武器とされていたが、後のアップデートで弱体化を受けチャージ時の火力が下げられている。 ▷IA-C01W6 NB-REDSHIFT コーラルライフル。NEBULAのコーラル仕様で、爆発が多段ヒットする連鎖爆発に変化している。もちろん属性もコーラル属性のため、標的との属性相性を考慮する必要がない。 爆風がフルヒットした時の火力はこちらのほうが高いものの、チャージ時の爆発範囲が小さくなっているため額面通りの火力を出すのは難しい。 ▷IB-C03W1 WLT 011 同じくコーラルライフル。ごく小さな爆発を起こす通常射撃に加え、一段階チャージで爆発範囲と攻撃力の上がった弾を、フルチャージで極太の照射ビームを放つ。 照射ビームは撃ちながら照準を動かすことで薙ぎ払いも可能だが、長時間足を止めてしまううえ照準移動速度も遅くなるため足の速い的に当てるのは至難。 ロマンも装備負荷も悪名高いKRSVに並び、特にEN負荷はKRSVを超えるので、使うならこれを積む前提で機体を組む必要がある。 ▷IB-C03W4 NGI 028 コーラルシールド。他のシールドとは異なり球形のバリアで全方位からの攻撃を防御できるうえ、展開したまま左手を含む射撃武器を自由に使える。ダメージ・衝撃のカット率も良好。 さらにパルス兵装からの干渉も受けず、装備重量も軽め。一応、非常に高いEN負荷と発熱の多さが難点だがそれを含めても強力な装備といえる。 ▷IA-C01W3:AURORA 「極光」の名を持つ光波キャノン。敵を追尾するエネルギー弾を発射する。挙動はミサイルのそれだが、あくまでエネルギー弾なのでミッションで一部の敵が使う対ミサイルデコイの影響を受けない。 特筆すべきはジェネレータのEN射撃武器適性に応じて単発火力が上がり、リロードまでも短縮される(*2)という点。 EN武器は皆そうだが、ジェネレータの選択は機体構成への影響が大きいので機体を組むうえではなかなか悩ましい武器である。 ▷IB-C03W3 NGI 006 コーラルミサイル。文字通りコーラルを内蔵したミサイルで、鈍足・高威力のミサイルという点でシリーズ恒例の大型ミサイル枠。 追尾と推進にもコーラルを使っているらしく赤く輝きながらふらふらと飛翔し、着弾すると大きな爆発が起きる。 ミサイルとしては珍しいことにチャージ攻撃が可能で、チャージ時は威力が上がり爆発範囲も広がるうえ、無数の子弾をバラ撒いて集団で敵を追い回すようになる。 ▽主な使用者 何れもストーリー根幹に関わるのでネタバレ注意(折り畳み) ▷惑星封鎖機構 ウォッチポイント・アルファの深度3、最奥部の高炉の防衛システムの一部として無人型のEPHEMERAを密かに配備していた。 装備はネビュラと月光、両肩に光波キャノンで距離を取っての撃ち合いを主体にしつつ、隙あらば月光もガンガン振ってこちらの接近を阻んで来ようとする。 おまけにコアの拡張機能にはターミナルアーマーをセットしており、相対するミッション「地中探査-深度3」ではチャンバーを破壊したことで暴走を始めた高炉から制限時間内での脱出を強いられる中で、上述の戦法と相まって道連れを狙わんと時間稼ぎをしようとしてくる厄介な相手となっている。 ▷ハンドラー・ウォルター 「ルビコンの開放者」ルートのラスボスとして最後のアイビスシリーズことHAL826一式にコーラルライフルとコーラル発振器、コーラルミサイルにコーラルシールドとコーラル尽くしの武装で固め、大気圏に突入していくザイレムの甲板上で対峙する。 その他のアイビスシリーズとは違いあくまでACの範疇の相手であるものの、火力が非常に高い上に360度を守るシールドのお陰で粘り強い。 距離を離すとミサイルで相手の気を反らしながらコーラルライフルの単射と1段階チャージ撃ちを使い分けつつ、ジワジワ距離を詰めて発振器の一太刀やブーストキックを狙い、スタッガーを取られようものならライフルのフルチャージ照射や発振器のチャージ攻撃を決めようとしてくる。 更には拡張機能にアサルトアーマーまで持っているので、焦って近接を仕掛けようとすればカウンターで叩き込まれることも。 対処を間違えれば瞬く間に消し炭にされるが、全体的に大振り気味な武装ばかりなので一つ一つをしっかり見極め、最小限の被害で抑えていけるようにすれば一番楽なラスボスと言えるかもしれない。 ▷エア 「賽は投げられた」ルートの一環として、アリーナのインテグレーション・プログラムの中でも暗号化等で秘匿されていたACデータの一つとしてEPHEMERAベースの「エコー」という機体データをハッキングして使用、621に模擬戦を頼んでくる。 ネビュラRSに赤月光、肩にはそれぞれコーラルミサイルとコーラルシールドと惑星封鎖機構の使っていたEPHEMERAとウォルターのHAL826の武装それぞれを折衷したような構成で、コアの拡張機能にはパルスプロテクションを装備。 戦法も封鎖機構のEPHEMERAと似ているが、こっちは武装が全てコーラル属性なので火力だけならHAL826に匹敵する程。 後に本ルートのラスボスとの戦いでは窮地に立たされた621の下へエコーの実機を駆り、救援に駆け付けてくれるという熱い展開が待っている。 ▽特殊兵器 すべて自律兵器・無人兵器で、制御や動力にコーラルを使用しているためか「C兵器」と呼ばれる場合もある。作中で型番等が明かされていないものが多く、攻略本や設定資料によって判明したものが大半。 いずれも冗談のような外観・機能を持っており、「狂人の集まり」という評価も頷けるというものである。 ネタバレ注意(折り畳み) ▷IA-13 シースパイダー 「ウミグモ」の名の通り蜘蛛のような外観の大型兵器で、作中では惑星封鎖機構が運用する機体が登場する。 詳細は個別項目 へ。 ▷IA-02 アイスワーム 「氷ミミズ」の名を持つ推定全長1.3kmにもなる巨大兵器。ただ移動するだけで破壊を振りまく怪物である。 あらゆる攻撃を通さない重装甲で身を固め、唯一の弱点である顔面にも二重のバリアを張る鉄壁の防御能力を持ち、無数のミサイルや子機、アサルトアーマーのような範囲攻撃など、攻撃手段も豊富。 詳細は個別項目へ。 ▷IA-05 ウィーヴィル ウォッチポイント・アルファ深層にいる「ゾウムシ」の名を持つ無人機動兵器。ヘリアンサス型より数も少ないが、脅威度はこちらが上。 二足歩行型の上半身にグレネード等を搭載しており、複数で登場した上にとんでもない移動速度で横移動しつつ10連ミサイルやグレネード、果ては飛び蹴りまでして襲ってくる高機動・高火力機体。 おまけにEN・実弾に高い防御力を持ち、3周目のとあるミッションに登場した時はヘリアンサス型と連携しての波状攻撃で数多の621を葬り去った。 ただし、爆発系に対しての防御が低いことと、一定時間走り回ると数秒だけ止まるチャンスがあること、飛び蹴り前後の動きに隙ができる事から決して勝てない相手ではない。 ちなみに実ダメージと武器のカタログスペックを比較して推測される防御力はウィーヴィル・ヘリアンサス共に同じで、おおよそ実弾 1575、EN 1807、爆発 177ほどである。 ▷IE-09 ヘリアンサス ウォッチポイント・アルファ深層を徘徊している「ヒマワリ」の名を持つ自律型破砕機。外見からはコーラルの存在を感じさせないが、コーラルを動力にするC兵器のひとつと思われる。 見た目は巨大な歯車で、そこらを転がりまわる姿に既視感を抱いた621は多いと思われる。 ふざけた見た目とは裏腹にACでは追いつけないほどの超高速で地上を駆け巡り、遠距離からミサイル、近距離で火炎放射、接触すればガリガリ削られて大ダメージのうえ、生半可な銃弾はことごとく弾く重装甲…と走攻守揃った隙のない戦闘能力を誇っており、後述の弱点を突けないと成すすべもなく轢き殺される可能性が高い。なんで自律型の破砕機にミサイルやら火炎放射やらがついてるのか? 加えて、だいたい複数体で固まっており、1体を相手し始めると他の歯車からの襲撃も受ける羽目になる。トドメにやたら硬くて速くて火力も高い重MTまで2体ほど一緒に出てくる始末。 計9体出現するが、全てバトルログ持ちなのでログ収集をするなら各一回は撃破しないといけない。 このミッションの撃破対象ではないため、クリアするだけなら戦う必要は無い。出現する場所の上には橋がかかっており、ここを渡れば襲ってくるのは1体だけで済むのでABなりで突っ切れば完全スルーも可能。 実は側面が弱点であり、そこに攻撃を叩き込むとあっさりとスタッガーして転倒する。都合よく狙えるタイミングは少ないが、火炎放射の最中などは側面をこちらへ向けてくれるので狙い目。 また、跳弾が発生しない爆発属性武器なら側面を狙わなくてもよく通る。高速だが直線的な機動しかしないため、通常の4~10連装ミサイルや4連ハンドミサイルを撃つと面白いように突き刺さるのでお試しあれ。 また馬鹿正直に突っ込んでくるためパルスシールドランチャーに覿面に弱く、二つ積んで撃っているだけで勝手にスタッガーして転がっていく。数少ないパルスシールドランチャーの輝く場面である。ウォッチポイント・アルファ深層に持っていくとアイビス戦で地獄を見るけど 3周目では序盤の分岐ミッションで群れをなして撃破対象として登場し、序盤だからと舐めてかかった多くの621を葬っていった。 余談だがこいつらが転がってくる音に謎の嫌悪感を抱いた方はお気づきかもしれないが、この音はエルデンリングの英雄墓ダンジョンで数多のプレイヤーの命を奪ったチャリオットのSEと同じだったりする。おのれフロム ▷IB-01 CEL 240 ウォッチポイント・アルファ最深部で遭遇する自律兵器。 コーラル破綻を防ぐために開発された安全装置「アイビス」シリーズのひとつだが、作中で登場するアイビスシリーズが少なく、最も印象的なのがこの機体なので単に「アイビス」と言った場合たいていこいつを指している。 ビットによる弾幕でこちらを翻弄しながらブレードやレーザーを叩き込んでくる。 通称ルビコニアンデスキュベレイ(*3)。 搭載されている武器は全てコーラルを用いており、ハンドラー曰く"コーラルに関わる危機を未然に防ぐためのルビコンの安全装置"とも呼ばれる、いわばルビコンの抑止力。 コーラル集積地に近づく621を排除すべく襲いかかってくる。 チャプターボスでありながらラスボスと同等以上の強さを誇り、圧倒的な機動力と広範囲攻撃でなすすべなく倒されたプレイヤーも多い。 移動中はほとんど攻撃が当たらないし一見棒立ちっぽくてもQBでガンガン避けるせいで闇雲に攻撃するとジリ貧となるが、一部の攻撃の前後には明確な隙があるのでそこが狙い目となる。 また苛烈な攻撃の数々も、距離をとって落ち着いて誘導切りをすれば案外あっさり避けられるものが多いので、隙の大きい攻撃が来るまでは距離を離して回避に徹し、チャンスが来たら一気に接近してスタッガーに持ち込んだ上で大火力を叩き込むというのが一つのセオリー。 ある程度慣れれば、高速軽量機で懐に飛び込んでからニードルガンなどで一気にスタッガーを取り、格闘でごっそりAPを持っていく戦術も有効。コイツ自体はスタッガー耐性もAPもボスとしてはさして高くない為、上手くいけばリペアキットを使用するまでもなく畳んでしまえる。 そして、一度倒しても行動パターンが強化&追加されて復活し、一本目のAPを削りきって安堵したプレイヤーを絶望の底に叩き込んでくれる。 逆に、やや脆いことから「次がある」と感じたよく訓練されたプレイヤーもいるかもしれない。 攻撃はより苛烈となるが、基本的なセオリーは最初と変わらないので、慌てて無理攻めをせず丁寧に隙をうかがおう。 なお、実は確定で大きな隙を見せるタイミングがある。ここにチャージ攻撃などを叩き込めれば大幅なタイム短縮になるため、Sランククリアを目指す際は狙ってみよう。(*4) こいつとの戦闘において特徴的なのは、機体そのものもさることながらそのステージの広大さ。 アイスワームのそれと同等かそれ以上であり、そこを縦横無尽に飛び回りながら襲ってくるのだからたまらない。 こちらも対抗して高機動ACに乗った日には作中屈指のハイスピードバトルが繰り広げれられることになる。 名前の由来は3サイレントラインに登場したIBISのセルフオマージュか。 オービットをバラまきながら戦うスタイルもIBISが最後に繰り出した機動兵器「I-CFFF-SERRE」っぽい。 アップデートで誘導が弱体化され、動きの止まる大技を避けてその隙に重い一撃を叩き込むというターン制攻防が採りやすくなった。 誘導以外は特に弱体化されていないようなので、慣れない内は翻弄されることに代わりはないが。 余談だが、追い求めているコーラルが目前だからか、はたまた目をかけた621がアイビスを倒す光景に思うところがあるのか、いつも冷静なウォルターの通信はこの戦闘に限ってかなり興奮気味。さながら授業参観か運動会を応援に来た父親のよう エアも同胞の声がよく聞こえるからか喋りまくるので、二人の様子は実況と解説に例えられたりもしている。 ちなみに他のチャプターボスと違い、「賽は投げられた」ルートでは戦わない。 ▷IB-07 SOL 644 CEL240と同じくアイビスシリーズのひとつ。細く流麗なCEL240とは対照的にマッシブな造形で、ボスに相応しい威圧感を纏う。作中ではレイヴンの火ルートにて621と袂を分けたエアが持ち出し、ラスボスとして立ち塞がった。通称:どすこいエアちゃん号(*5) やはり性能はACの比ではなく、コーラルシールドを展開しながら凄まじい瞬発機動で翻弄しつつコーラル兵器による苛烈な攻撃を仕掛けてくる。 フレームに変形機能(大股を開いたような形態になる事から通称「恥ずかし変形」)が備わっており、飛行形態でコーラルを纏って突進したり、砲撃形態で超出力のビームをぶっ放したりする。 ▽コーラル関連技術・施設 ▷強化人間 旧世代型とされる第6世代までは「Cパルスで人間の知覚を増幅する」技術を用いているようで、描写から脳にコーラルを注入していることは間違いないと思われる。 技研が発祥の技術だがイグアスのような例もいるため、星外にも技術が拡散している模様。 詳細は強化人間の項目へ。 ネタバレ注意(折り畳み) ▷ルビコン技研都市 物語の終盤、Chapter4にて足を踏み入れることになる、全ての始まりともいえる巨大都市。 中央氷原に存在するウォッチポイント・アルファの地下、高度計が機能しなくなるほどの超大深度に隠されていた。 廃墟と化した都市はもはや人が住める状態ではなく、多くの建物は罅割れ崩れ、さらに地盤すらもズタズタに崩壊し、各所で亀裂や陥没により寸断された状態になっている。それでも多くの建物が原形をとどめているのはこの世界の技術力の高さを示すものだろうか。メリニット謹製の大型グレネードにもびくともしないメリよ。 そのような状態でも未だ無人の防衛兵器が生きており、半世紀という時の流れをまるで感じさせない戦闘力でもって侵入者を迎撃してくる。 なお、様々な謎の残る本作でも特に多くの謎を抱えた場所でもある。 なぜこんな地下深くに存在するのか、周囲を照らす陽光の如き明るさはなんなのか、別のミッションでそれが夜のごとく変化しているのはなぜか。 ウォルターが技研都市を見つけた際、「やはりか」と呟いたのはなぜなのか…… ▷バスキュラープラント 上記のルビコン技研都市の中央にそびえ立ち、天蓋のごとく都市の上を覆う超巨大建造物。地中よりコーラルを吸い上げて貯蔵し、そして星外へ運び出す為の設備。 技研が遺した遺産の中でも最大にして最も危険な代物で、初めて621が目撃した時は大深度地下の技研都市に残骸が残っていたいやなんでこんな馬鹿でかいものが地底に埋まってるんだよ程度であったのだが、物語後半でアーキバスが構造を解析、復元される事になる。 復元、伸延されたその姿はルビコンという星に突き刺さる巨大な杭、もしくは宇宙へと枝葉を広げる樹木のようにも見える。 本作に登場する建造物の中ではグリッドさえ凌ぎ、ルビコンの熱圏にまで到達する名実共に最大級の物であり、この世界の建造技術の異常なまでの高さをまざまざと見せつけてくる。 なおバスキュラープラント(Vascular Plant)とは「維管束植物」のこと。外皮下に多数の細管を持つ一般的な植物で、根から地中の水を吸い上げ、幹や葉へ送る構造を持つ。ルビコンの地下を流れるコーラルを吸い上げる様を例えたものだろうか。 また、Vascularとは「血管」を意味するため、血のように赤く、ルビコンの命ともいえるコーラルを吸い上げるPlant「工場」ととることもできる。 ▷ウォッチポイント ルビコン各地に点在する、埋蔵コーラルの観測と流量調整を行っている施設。ウォッチポイント・デルタ、エンゲブレト坑道、ウォッチポイント・アルファの3箇所が登場し、基本的に惑星封鎖機構の管理下にある。 センシングバルブと呼ばれる装置でコーラルを制御しているらしく、このセンシングバルブを破壊されるとコーラルが噴出して一帯が汚染される。地中の支脈で繋がっている遠隔地にも影響を及ぼすらしく、ウォッチポイント・デルタを破壊した際にはベリウス北西部が吹き飛んで消滅し、大陸の形が変わってしまっていた。 ウォルターの発言によれば通常はそこまで大規模なコーラル噴出には至らないらしく、作中ではコーラル潮位が上昇していたためにこうした事態に至った模様。 ◎関連人物 ネタバレ注意(折り畳み) ▷ナガイ教授 かつて技研でコーラルに関する研究を行っていた科学者。 アイビスの火で犠牲になった者の一人であり当然当人が登場することは無いが、ストーリー中では彼が遺した口述筆記のアーカイブがいくつか取得できる。 コーラルの危険性にいち早く気が付き警鐘を鳴らす、第1助手の非人道的研究に懸念を示す、研究に没頭し家庭を顧みなくなった第1助手の息子を引き取ってラボで養育するなど、ACシリーズの科学者キャラとしては稀に見る善良な人物であったようだ。 ある時コーラルの相変異の兆候を観測し、コーラルの爆発的増殖による危機を防ぐべく、苦慮の末に毒を以て毒を制すと言わんばかりにコーラル技術の結晶の一つたるアイビスシリーズを使って星ごとコーラルを焼き払わんとする決断を下し、アイビスの火を熾すこととなる。 またアーカイブの内容から、アイビスの火が一時しのぎでしかないことも、観測を続ける必要があることも認識しており、その意思を受け継いだ者たちがオーバーシアーを結成した模様。ストーリーでは上述のように教授の残した口述筆記をルビコンの各地で入手出来る他、ミッション「集積コーラル到達」ではとある地点に放置されている技研ACの残骸からアイビスの火発生時に撮影された教授の最後の映像記録を取得でき、逆説的にアイビスの火が起きた時にそのACに搭乗していてそのまま残骸が棺桶になってしまっている可能性が考えられている。 ▷第1助手 ナガイ教授の助手の一人。 教授とは正反対にコーラルの研究に取り憑かれ、コーラルの人体投与によってCパルスで人間の知覚を増幅出来るか試みる実験を行うなど、後の強化人間に繋がる事を推し進めていた。 「理屈は通っていても許されるものではない」とナガイ教授が強い難色を示す程、次第にその研究ぶりは非人道的、あまりにも危険性が高い方向へ傾き、更には技研全体もその方向へと向かっていって教授曰く"狂った成果"を次々と生み出してしまう。 妻帯者であり息子が一人いたが、妻子を犠牲にして研究に没頭し、終いには自分自身に対してもコーラルを投与して実験していたフシがあるなど救いようの無いレベルまで堕ちており、残された息子は上述のように教授に引き取られ、アイビスの火が起きる以前に「友人たち」を頼って木星へと渡っている。 その後は教授や技研諸共、アイビスの火に巻き込まれ死亡した模様。 ▷第2助手 ナガイ教授の助手の一人。 若い女性であることと玩具作りを趣味としていること以外の詳細は分かっていないが、狂気に呑まれつつあった技研の中で教授に同調していた側の人物であり、ルビコンを焼き払った後のコーラル観測を託されていた。 技研の生き残りであるが、現在の動向は不明。 仮に生存していればどう見積もっても70〜80代前後の老齢に差し掛かっていると思われるが… ◎考察 ネタバレ注意(折り畳み) ▷パーツの名称 技研製ACパーツの命名法則は一定しておらず、由来は天文学、医療、自然現象、生物学など様々。 そんな中で明確に意味を見出だせないのが「NGI」と「WLT」だが、このふたつは番号違いで何度も使われている。NGIはコーラル研究の第一人者であったナガイ教授から取られていると見て「ナガイ教授が開発に関わったものにNGIと付けているのではないか」とする説もある。とすればWLTは… ▷第1助手とウォルターの関係 断片的に示されるウォルターの経歴と照らし合わせるとこの「第1助手の息子」と符合する点があり、その息子こそ幼き日のハンドラー・ウォルターで、第1助手はウォルターの父親なのではないかと見られている。 ▷第2助手とカーラの関係 カーラの発言や経歴からして第2助手本人であろうというのが有力だが、「アイビスの火の生き残りにしては(容姿が)若すぎる」設定の答えになるような情報が出されていない(*6)ため、ウォルターと同じようにカーラも第2助手の近親者なのではないかという説もある。 ほかには冷凍睡眠などで事が起きるまで眠っていたのではないか?という説も。 カーラが作っているRaD製品と技研製兵器に類似点、更に言えばRaD製品には何処か玩具っぽさが見られることもよく指摘される。 さらに、作中拾えるアーカイブの中に「技研メンバーらしき人々を描いたイラスト」と「ブルートゥ+RaDの面々らしき者達を描いたイラスト」があるのだが、そのどちらにも「髪を結びタバコらしきものを片手に持つメガネの女性」が描かれている。 後者のイラストには「女の人が一番偉くて賢い」「どっかで見たような気がする」というメモも付随しており、作者である戦場画家STVは何らかの理由でカーラらしき女性に見覚えがあるものと思われる。 追記修正は、コーラルに人類の可能性を見出した方にお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 建て乙。半世紀前でこの技術力ってイカれてる……。 -- 名無しさん (2024-01-17 01 50 14) コーラルリリースがそもそも技研資料から掘ってきた=技研にはコーラル生命体とその可能性を知っていたものがいることから第1助手はコーラルと最初に交信した結果一人で色々先走ってしまったのではという考察がある あとコーラル生命体が劇中確認できる2体+疑惑1名が軒並み女性人格なのはコーラルに散逸した妻の意識が元になってる説も -- 名無しさん (2024-01-17 09 45 58) ルビコニアン車輪骸骨 -- 名無しさん (2024-01-17 10 56 30) 「Rubicon III Resarch Institute」は正式名称というより単なる英語表記だろう……まあこの世界何語が公用語なのか分からんけど -- 名無しさん (2024-01-17 17 50 51) シュナイダーの頭空力ぶりが発覚してから相対的に変態企業(?)の立場が薄れたイメージが -- 名無しさん (2024-01-17 18 19 59) IA-C01G AORTAのゲーム内説明文は意味が分かると怖い内容。これが試作パーツじゃない恐怖 -- 名無しさん (2024-01-17 19 01 14) ヘリアンサスは第二助手関わっていそう 実際戦うと笑えない… -- 名無しさん (2024-01-17 22 56 54) エフェメラとHAL826の型番を見ると「IA」が無人、「IB」が有人のように見えるけど、それだとCEL240やSOL644も元は有人機ってことでいいのかな -- 名無しさん (2024-01-19 02 12 57) ↑有人操縦対応のエフェメラとHAL826の型番がIA-「C」01、IB-「C」03とあるから、数字の前にCが付くモデルが有人操縦対応型じゃなかろうか。 -- 名無しさん (2024-01-19 14 58 48) 技研全体がコーラル大量消費と利用の流れになってる設定の割に、所長の一声で2日とかからずアイビスの火起こせたのが気になる。全員研究に没頭しすぎてナガイ教授の動きに興味なかったのか? -- 名無しさん (2024-01-20 11 24 01) 教授派と第一助手派に分かれてたのかも -- 名無しさん (2024-01-22 01 02 26) 技研の職員がアイビスの火を止める理由ないじゃろ。止めたら全員死ぬ、止めなかったら避難できるって形なんだし。セリアが技研に確保されてないならリリース計画も実行できないし -- 名無しさん (2024-01-22 01 30 08) 全部推測の域は出ないが、仮にも研究者集団のトップにいるナガイ教授に従う人間がまったくいないとは考えにくいし(というか仮にそうなってたらトップから降ろされてるだろう)、大きく分けてナガイ教授派と第1助手派の2つに派閥が分かれてたと見てる。それなりに協力者がいればアイビスの火は起こせるだろうし、逆に技研が一枚岩じゃなかったからコーラルを焼き切れず一時しのぎにしかならなかったとも考えられる。 -- 名無しさん (2024-02-01 19 11 20) コーラル武器の群知能に働きかけてコーラルに指向性を持たせる技術も元々はコーラルリリースの為の研究の副産物なのかも -- 名無しさん (2024-05-29 10 31 57) ↑2 情報ログでも「アイビスを出せ!」って命令するような文章があったし、協調する部下がいたのは間違いないやろうね -- 名無しさん (2024-05-31 10 27 00) オセラス遂にナーフか、ロック武器は実質積めんからミサイル載せたいけど近距離アシストも確保したいって時はベイラムのアボットになる形かな -- 名無しさん (2024-09-20 08 48 46) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yamaharu/pages/155.html
ペール・アイビーの花 壁を這い上がるように成長し、クリッターや虫の手の届かないところで美しく神々しいほどに香る花弁をほころばす奇妙な植物、ペール・アイビーの花 ツタの生えている場所(ジャングルや北部アップリンクなど)で見つかる ハードの倒木がおすすめ 重さ1なのでお金がそこを尽きたときに裸でハードに行ってポケットに詰め込めば起死回生を図れる 割とすぐ出に入るので売ってもいい 青注射の作成に使う レア度 重量 売値 派閥P 重量対単価 青 1 427 4 427 ミッション・仕事 ICA コロレフ オシリス コミュニティのためにpart15個 無し 現地調査part63個 無し 無し ペール・アイビー5個 宿舎 アップグレード ジェネレータ インベントリ ワークベンチ - - - ランク3 スタッシュのサイズ2 3個 - - - - - - - - - - - - プリント ≪アイテム一覧に戻る
https://w.atwiki.jp/2jiwiki/pages/438.html
はくりゅうさん 誕生日: 1/12 主な活動場所: img 概要: 別名:ごはん。 のりとごりと共にアパートに同居していたが、「」とのりが付き合っていると思いアパートから引越した。 やや天然だが真面目でいい子。自分の気持ちをはっきりと表すのが苦手。 焼酎とか日本酒が好き。 解説: 【元ネタ】 古代中国で、天上界の皇帝である天帝に仕えているとされた龍の一種の白龍(はくりゅう、中国語簡体字 白辧、ピンイン Bailong)。名前のとおり、全身の鱗が白い。 龍は基本的に空を飛べるが、白龍は特に空を飛ぶ速度が速く、これに乗っていれば他の龍に追いつかれないともいう。ときおり魚に化けて地上の泉などで泳いでいることもある。 五行思想においては、白は西を意味するため、白龍を白虎と同様、西方を守護する神聖な龍とする異説がある。(日本語版Wikipedia『白龍』より引用) 【二次裏での動向】 メイドに分類されてはいるが主人はいない。しせいさんの家の「」が(ごはん目当てに)アパートに遊びに来て、のりと二人でじゃれている間にごはんが間の悪いタイミングで帰ってきて見てしまい、気づかれないうちにアパートを出る、というパターンが多かったためアパートから引っ越した。引越し先はせいりゅうさんときりんさんとほうおうさんだけが知っている。 五竜の上司である黄ばみに言われてKBM企画の芸人として黄ばみやのりとともに「のりたまごはん」のユニットを組んだこともあるが、現在は一人で活動している。 AAAとしてビルバいさんとはらいさんのAカップトリオがなんとなく集まって共通の話題も無くもそもそと食事したりする。ときどきはらいさんに愚痴をこぼしたり、山田さんのところでファミコン勝負をしたりする。友人としては他にパキラ(未)、アイビス(未)がいる。 一人称は私。「」は「」君と呼び、きりんさんはきりん様と呼ぶ。 黄ばみはこうりゅうさん、せいりゅうさんとのりはそのまま。ごりはごりちゃん、山田さんは葛葉さんと呼ぶ。 「」 カテゴリ: 虹裏メイド 中華メイド 関連項目: のり ごり 黄ばみ せいりゅうさん きりんさん ほうおうさん AAA ビルバいさん はらいさん パキラ(未) アイビス(未) 山田さん 関連リンク: 虹裏妖怪メイド庫 (ごはん) 上に戻る memo: 訂正、追加情報等。 名前 コメント 最終更新日:2010年02月25日 (木) 19時43分58秒
https://w.atwiki.jp/cscs/pages/3220.html
アステリオン 解き放たれし新星 UNIT U-056 赤 発生 緑/赤 3-4-0 R エース(2) 高機動 高速戦闘 (防御ステップ) 《①》自軍手札1枚を廃棄する。その場合、このカードと交戦中の敵軍カード1枚をロールする。ターン終了時に、ジャンクヤードにある、この効果で廃棄したカードを持ち主の手札に移す。 (防御ステップ) 《①》このカードを敵軍ユニットのいる戦闘エリアの任意の順番に、リロール状態で移す。 AM プロジェクトTD 専用「アイビス・ダグラス」 Mサイズ [3][2][3] 出典 スーパーロボット大戦OG(EPISODE2 THE INSPECTOR)
https://w.atwiki.jp/trigger-on/pages/31.html
攻撃手用トリガー 弧月 スコーピオンスコーピオン(改) レイガスト 射撃手用トリガー アステロイド ハウンドハウンド(改) バイパー 銃撃手用トリガー 拳銃型トリガー 突撃銃型トリガー 榴弾銃型トリガー 散弾銃型トリガー 狙撃手用トリガー イーグレット ライトニング アイビス オプショントリガー シールド バッグワームバッグワームタグ カメレオン スタアメーカー グラスホッパー テレポーター(試作) タイマー(試作) サイレンサー 玉狛支部独自トリガー 双月接続器(試作) ガイスト 全武装 合成弾 ギムレット トマホーク 黒トリガー 黒トリガーのページを参照。 近界民のトリガー ※黒トリガー除く アフトクラトル雷の羽 蝶の盾 ガロプラ処刑人 大砲型トリガー 黒壁 藁の兵 剣竜
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/32768.html
ディメンジョン・ロジック UC 光/自然 (5) 呪文: ■自分の山札を見る。その中からクリーチャーと呪文を1枚ずつ選び、手札に加える。その後、山札をシャッフルする。 作者:シザー・ガイ 元カードは《ディメンジョン・ゲート》と《ロジック・キューブ》。天門と相性良さげ。 合体呪文企画をやろうかと思いましたが、同じような企画を既にやってしまっているので没にしました。 収録 パロディ・パックSG-01「邪神帝アイビス君臨!?」 フレーバーテキスト 食べ過ぎも体に毒だぜ。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/2349.html
★その108 「なあ、頼んでみようぜ。」 真っ暗な場所… 「今度こそ、いい依頼を持ってきてくれるさ!」 真っ黒な影がしつこく話し掛けてくる。 「学園長に頼んでみようぜ。」 俺と同じ姿をした影が… 「あの時の報酬はぜ~んぶ、修理費でとんじまったからな。 グローランサーをジノーヴィースタイルに換装したいだろ? 稼ごうぜ!1人殺すのも、2人殺すのも同じじゃないか。」 これは夢だ。同じ様な夢を何度も見る。 「あ~1人じゃないかもな。あの規模の機動兵器だ。2、3人は殺したか? もっと乗ってたかもしれない。そうだろ?」 何度も、何度も、何度も… 「トルーパーさんを助ける為に何人も殺せたんだ。 金の為にも殺せるさ、ステップアップしようぜ!」 それとこれとは違うだろ… 「違わないね。お前の勝手な倫理観なだけで、本当は何も違わない。」 違う…守る為の戦いは違う。 「自分に近しい人間を守る為には殺してもいいんだ。偽善的~!ヘドが出る。」 そうじゃない… 「トルーパーさんがレジーナの親父さんでよかったよな~ 感動の再会を見て安心しただろ?拠り所が欲しかったんだよな? 自分は間違っていない。これでよかったって思いたかったんだ。 自身の行いが正当であると思い込む為にあの娘をダシに使ったんだよ。」 うるさい…黙れ… 「ふぅ…先が思いやられるね。」 傭兵以外の道だってある。 「せっかく見込みがあるって言われたレイヴンを諦めるのか? 止めてどうする?他に取り得なんてないくせに。」 アリーナ専門になるっていう選択肢もあるだろ。 「アリーナ専門だって?相手に怪我をさせないように 殺さないように気を使いながら戦うのか?そんな余裕あるのかね~」 じゃあ、どうすればいいんだよ… 「この混沌とした世界でこの先生きのこる為には非情さが必要だ。 街は危険で満ち溢れている。傭兵業を抜きにしてもな。 嫌でも火の粉が降りかかってくるんだ。 自分だけじゃなく、いつか大切なものを守れずに失う。 そうならない為に、躊躇わず殺せるようになっておけ。」 それが…答えか… 「お前はもう踏み出したんだ。逃げられないぞ―――」 ガバッ 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」 やっとの事で悪夢から開放された。全身が汗で濡れていて寒い。 「ちくしょう…」 今日のはかなり酷かったな、最低だ… コン、コン ノックと同時に部屋に入ってきたのはベアトリスだった。 「兄さん、いつまで寝てるのよ。」 「おはよう…」 ベアトリスが起こしにきてくれるなんて、珍しいな。 今何時だろう? 「げッ!?登校時間がとっくに過ぎてる。遅刻だ!ベアトリスはいいのか?遅出か?」 「なに言ってるのよ。今日は休日。」 「へっ?」 「午前中はみんなでお父さんとお母さんの墓参りに行く約束でしょ?」 「そ、そうだっけ?」 「もう、しっかりしてよ。」 ★その109 墓地に向かう車中でセレン姉さんに「最近のお前はだらしないぞ。」と言われた。 砂漠で何があったのか…みんな知らない。校外学習と偽って出かけたからな。 あの一件を知っているのは学園長、トルーパーさん、レジーナの3人だけだ。 勝手に決めて、嘘までついて行って、1人で悩んで… かなり後悔していた。今さら相談する事もできない。 3人にはACを手に入れて腑抜けたと思われている事だろう。 墓地に着いてから墓をきれいにし、ヴァーナルフラワーで買った花を供えた。 手を合わせながら心の中で問いかける。 父さん、母さん、俺はどうすればいいと思う? 墓石に問いかけても、当然答えは返ってこない。 2人は俺が傭兵になる事に賛成してくれるだろうか? 父さんは喜びそうだな。生きてたら親子二代でACを並べたりしたかもしれない。 母さんは嫌がりそう。何故かは知らないがACの事を嫌っていたから… 「そろそろ行くぞ。」 姉さんの声で現実に引き戻された。 なにやってるんだろうな、俺は… 死んだ両親に助けを求めたりしてさ。 ごめんね、今度はもうちょっとシャキっとしてから来るよ。父さん、母さん… ★その110 墓参りから帰って自室に引き篭もった。 「はぁ…」 何もする気が起きない。 最近はずっとこうだ。余暇を持て余している。 グチグチ悩みながらベッドの上でゴロゴロしているだけの無為な時間を過ごしていた。 学校やバイトに行って、何かする事が決まっている方が気が紛れていい。 そういや今日は夕方からバイト入れてたっけ。早く夕方にならないもんか… コン、コン 「開いてるよ。」 「失礼します。」 朝起こす時以外でアイビスが部屋に訪ねて来るのは珍しいな。 「何か用?」 口に出した瞬間、自分の言葉に棘がある事に気付いた。 イライラをこいつにぶつけても仕方ないのに… 俺は思春期のガキかよ。 「あの、夕食にリクエストでもあればと思いまして…」 ほれみろ、何も悪くないアイビスが申し訳無さそうにしてるじゃないか。 八つ当たりするな馬鹿者。 「今日はバイトに行くから夕食はいらないんだ。言うの忘れてた、ごめん。」 「そうですか…」 あ~あ、重ねて最低野郎だな。 「あ、アイビス…最近調子どうよ?」 「良好です。」 「そ、そっか…」 なに言ってんだ、俺は。 「ヨウヘイさんはあまりよくなさそうですね。」 「えっ…ああ…そんな事…ないよ。」 思い切って相談してみるか?いや、しかし、でも、やはり、その… ああ、もう!自分が鬱陶しい。 「あのさ、ちょっと聞いて欲しい話があるんだけど、いいかな?」 「はい。」 「俺の友達がさ、人は殺したくないけどレイヴンになりたいって言ってるんだ。 凄く変だろ?その…どう言ってアドバイスしてやればいいと思う?」 「その友達というのはヨウヘイさんの事ですね。」 ギクッ! 「ち、違う、違う。友達だってば!」 「……………」 ううっ…こうもジトっとした目で見られては… 「すいません、俺の事です…」 「このところ様子がおかしかったのは、それを悩んでいたのですか?」 「はい…」 もういいや、全部正直に話してみよう。 ___1時間後。 学園長に言われたこと。 砂漠で初めて人を殺したこと。 あれから悪夢に悩まされていること。 ACで戦っている時にとても充実感を感じていること。 包み隠さず全てアイビスに話した。 自分でも驚くぐらい思っている事を素直に話せたと思う。 アイビスは聞き上手というやつなのかもしれない。 そして溜め込んだ物を吐き出したおかげで、少しラクになった。 「どう思う?」 「質問を質問で返します。もう答えは自分の中に存在するのではないですか?」 確かにある、あるにはあるんだが… 出来る限り人を殺さない傭兵、でもそれは――― 「それは難しいんだよ。とてつもなく…」 「確かにヨウヘイさんの理想は難しいです。 同じ様な考えを持ったレイヴンが過去に何人か存在しました。 それを貫き通した者は戦死し、挫折した者が生き残りました。 そのまま大成した者は記録にありません。」 やっぱり無理なんじゃないか… 「でもヨウヘイさんも無理と決まった訳ではありません。」 「えっ?」 「まだ卒業するまでに時間があります。強くなってください、今よりももっと強く。 自分の理想を、我がままを突き通せる程に強くなってください。」 自分も大切なものも守り通して、その上出来る限り殺さないなんて 無理かもしれない。でも諦めるのは…まだ早いかもしれない。 「相手を殺さずに倒すのが3倍の労力と10倍の危険を伴うのなら 常人の10倍強くなる必要があります。」 「俺に出来るかな…」 「保障はありません。」 「クッ…ククッ…はははははははははっ!」 「?」 「アイビスは容赦ないな。」 「??」 「そこは嘘でもいいから”出来る”って言うところだろ。」 「無責任な肯定はしません。でもお手伝いする事は可能です。 あなたが自分の理想に近づけるように…」 馬鹿だと謗られ罵られるかもしれない。だが殺したくないものは殺したくない。 あの学園長でさえ有り得ないと言った茨の道だ。並大抵じゃままならないぞ。 途中で挫折するかもしれない。でもいいじゃないか、行ける所まで行ってみるさ。 強くなろう、我がままを突き通せる程に強く。 ★その111 外は曇っていたが、俺の心は晴れやかだった。 鬱屈とした気持ちはどこかに吹き飛び、こんなにも身体が軽い。 猛スピードで自転車を漕いで、風を切りならがBARテックスに向かった。 ・ ・ ・ 店に到着した俺は勢いよく事務所兼スタッフルームのドアを開けた。 「おはようございます!」 「おは・・・よう・・・」 部屋の中にいたのはンジャムジさんだけだった。休憩中かな? 「ジャック・・・カウンターに・・・でてる・・・」 「了解しました!」 ちゃっちゃと着替えてマスターを手伝いに行こう。 「おまえ・・・なやむの・・・やめたか・・・」 「はい!ご心配をかけました。」 俺はさっと頭を下げてカウンターに移動した。 「マスター、おはようございます!」 「おはよう。早いじゃないか…」 「そうですか?」 「なるほどな…」 「なんです?」 「なんでもないさ。それよりちょうどよかった。あちらの紳士が君をご指名だ。」 紳士が俺を指名?一体誰だ? マスターが示す先にいたのは――― 「トルーパーさん!?」 まだ包帯の取れていない彼がカウンターの隅に座っていた。 「びっくりしましたよ。怪我はもう大丈夫なんですか?」 「ああ。」 「アルコールいいんですか?」 「ああ。」 相変わらずな感じに少しほっとした。 「よくここが分かりましたね。」 「娘に聞いたんだが…迷惑だったか?」 「いえ、レジーナと上手くいってるみたいで安心しました。」 「そうでもない。戻ってくるよう言ってみたが撥ね付けられたよ。 けじめをつけたいそうだ。」 レジーナも頑固だなぁ…まあ、そこそこ上手くいってるのかな? 残念そうに笑うトルーパーさんはどこか嬉しそうだ。 「こんな事を言いに来たんじゃなかったな。あの時は…すまなかった。」 「謝らないでくださいよ。後悔はありません。」 「君は引き返す事を選択していた…」 「あれでよかったと思っています。いえ、俺がああしたかったんです。」 「しかし…」 「出来るだけ殺さないレイヴンになると決めました。その為に強くなるって。」 「そうか…」 それ以降、トルーパーさんは何も言わなかった。 カウンターの隅で静かにグラスを傾け 帰り際に「娘と仲良くしてやってくれ。」と言って彼は店を出た。 ★その112 「雨、降ってきたみたいですね。」 「そう・・・だな・・・」 BARテックスは地下にあるせいで、小降りの雨だと気付かないが 大降りだとザーっという雨水の流れる音が聞こえる。 「お客さん来ませんね。」 「そう・・・だな・・・」 辺鄙な所にあるせいで大雨が降ると客足がますます遠のくのであった。 店員が3人並んで暇そうにグラスを磨いているショットバーはそうそうないだろう。 結局、4時間近くグラス磨きをしてしまった。うちのグラスはどれもピカピカだ… これでいいのかBARテックス? 「君はそろそろあがりたまえ。」 「えっ?まだ少し早くないですか?」 「表に立っているお嬢さんは君を待っているんじゃないか?」 マスターに言われて気付いた。店の曇りガラスに人のシルエットが映っている。 う~ん、あの形は…アイビス?ああ、そうか! 家を出る時に傘を持って行けって言われたのに、持ってくるの忘れた。 わざわざ持ってきてくれたのか… 「でも…」 「この雨だ。今日は我々も早仕舞いするよ。あがりたまえ。」 「おつかれ・・・さま・・・」 「じゃあお言葉に甘えて、お先に失礼します。」 手早く帰り支度を済ませて表に急いだ。 いつもの仏頂面で傘を2本持った彼女がそこにいた。 「お待たせ。」 「早かったですね。」 「サンキュ、でもわざわざ来てくれるとは思わなかったよ。」 「これから忙しくなるのに風邪をひかれては困ります。」 「そうだな。」 「帰りましょう。」 「歩きで来たの?」 「はい。」 傘が2本に自転車が1台か… 「二人乗りで帰ろう。」 「自転車の二人乗りは危険です。」 「安全運転で帰るさ。」 「私…その…重いですよ?」 「知ってるよ~!それに脚力には多少の自信があるから大丈夫。」 「……………」 少し不服そうな表情をしながらも、彼女は自転車の後ろに乗った。 「傘は頼んだ。しっかりさしててくれよ。」 「了解しました。」 「落っこちないようにしっかり掴まった?」 「はい。」 よし、いざ発進―――――お、重い。 平地でこれほどペダルが重くなるものなのか… 「ぐぐ…重い…アイビス体重何キロあるんだ?」 「女性に体重を尋ねるのは失礼だと思います。」 「ははッ、違いない。」