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このページは、ジャンル別でSSが一覧となっております。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 ジャンル別ゆっくりについて ゆっくり加工場系 霊夢×ゆっくり系 魔理沙×ゆっくり系・森近霖之助×ゆっくり系 アリス×ゆっくり系 紅魔館×ゆっくり系 レミリア×ゆっくり系・小悪魔×ゆっくり系 美鈴×ゆっくり系 白玉楼×ゆっくり系・幽々子×ゆっくり系 紫×ゆっくり系・藍×ゆっくり系 永遠亭×ゆっくり系 永琳×ゆっくり系 てゐ×ゆっくり系・鈴仙×ゆっくり系・輝夜×ゆっくり系 慧音×ゆっくり系・妹紅×ゆっくり系 幽香×ゆっくり系 映姫×ゆっくり系・メディスン×ゆっくり系 阿求×ゆっくり系 にとり×ゆっくり系・射命丸×ゆっくり系・萃香×ゆっくり系 チルノ×ゆっくり系・レティ×ゆっくり系 ルーミア×ゆっくり系・ミスティア×ゆっくり系 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系・衣玖×ゆっくり系 パルスィ×ゆっくり系 ゆっくりれみりゃ系いじめ ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系・ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系 ゆっくりフラン系いじめ ゆっくりパチュリー系・ゆっくりれーせん系・きめぇ丸系 ゆっくり静葉系・ゆっくりてんこ系・ゆっくりすいか系 その他 シリーズもの都会派ありすシリーズ(作者:キノコ馬) ゆっくりーだーシリーズ(作者:ケラ子) 永夜緩居シリーズ(作者:懲りない男) わがまままりさシリーズ(作者:懲りない男) 俺とゆっくりシリーズ(作者:セイン) gdgd三人組シリーズ(作者:バスケの人) まりさとわたしシリーズ(作者:古本屋) ゆっくりが嫌われるまでシリーズ(作者:古緑) ゆっくりハンターシリーズ(作者:味覚障害の人) 日常シリーズ(作者:ムクドリの人) 僕はこうしてシリーズ(作者:ゆっくりレイパー) ~の生涯シリーズ(作者:ロウ 都会派きめぇ丸シリーズ(作者:118) 守矢神社の核ぱちゅりーシリーズ(作者:NFRP) 騎馬めーりんシリーズ(作者不詳) 新製品シリーズ(作者:複数人) スーパーボールシリーズ(作者:ゆっくりボールマン2世) ジャンル別 ゆっくりについて ゆっくりについて そ ゆっくりについて2 そ ゆっくりについて3 ゆっくり求聞史紀そ ゆっくりについて4 ゆっくり解体新書 ゆっくり加工場系 ゆっくり加工場系1 虐 性 捕 ゆっくり加工場系2 ゆっくり霊夢の生涯 虐 捕 ゆっくり加工場系3 ゆっくり脱出1 虐 ゆっくり加工場系4 ゆっくり脱出2 虐 ゆっくり加工場系5 プチゆっくり魔理沙の生涯 虐 制 料 ゆっくり加工場系6 ゆっくりれみりゃ 虐 ゆっくり加工場系7 ゆっくりいじめプロローグ 虐 ゆっくり加工場系8 ゆっくりれみりゃの生涯 虐 料 ゆっくり加工場系9 幻想郷滅亡の日 復 ゆっくり加工所10削除 ゆっくり加工場系11 ゆっくりの貴重な出産シーン虐家性 ゆっくり加工場系12 ゆとり線香虐 ゆっくり加工場系13 ゆっくり商品開発 ゆっくり加工場系14 地ゆっくりそ捕環無 ゆっくり加工場系15 ゆっくり魔理沙の生涯『加工編』虐機料 ゆっくり加工場系16 小規模加工所でのゆっくり処理虐 ゆっくり加工場系17削除 ゆっくり加工場系18 ゆっくり連環腿虐薬道 ゆっくり加工場系19 水羊羹饅頭虐料無 ゆっくり加工場系20 小規模加工所虐家無 ゆっくり加工場系21 ゆっくり処理場虐無 ゆっくり加工場系22 ゆっくり達の生涯 『加工場脱出編』(前編)虐家機 ゆっくり加工場系23 ゆっくり達の生涯 『加工場脱出編』(中編)虐性機料 ゆっくり加工場系24 ゆっくり達の生涯『加工場脱出編』 (後編)虐環機 ゆっくり加工場系25 ゆっくり農園そ環無 ゆっくり加工場系26 【加工場の一室で】虐家機無 霊夢×ゆっくり系 霊夢×ゆっくり系1 ゆっくり魔理沙の大家族 制家 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐料 霊夢×ゆっくり系3 ありふれた喜劇 虐料性 霊夢×ゆっくり系4 ゆっくりれいむと霊夢 そ 「霊夢×ゆっくり系5は作者さんからの要請により削除しました。」 「霊夢×ゆっくり系6は作者さんからの要請により削除しました。」 「霊夢×ゆっくり系7は作者さんからの要請により削除しました。」 「霊夢×ゆっくり系8は作者さんからの要請により削除しました。」 霊夢×ゆっくり系9 巫女さんの結界栽培 制家共 霊夢×ゆっくり系10 ゆっくり一家の生涯 『博麗神社編』(前編) そ家 霊夢×ゆっくり系11 ゆっくり一家の生涯 『博麗神社編』(後編) 制家料共 霊夢×ゆっくり系12 霊夢の怒らせ方 虐制そ 霊夢×ゆっくり系13 あるゆっくりと霊夢そ性 霊夢×ゆっくり系14 巫女さんの賽銭大作戦制性家共捕 霊夢×ゆっくり系17 霊夢のバイト虐制家機捕 「霊夢×ゆっくり系18は作者さんからの要請により削除しました。by管理人」 霊夢×ゆっくり系19削除 霊夢×ゆっくり系20 ドスまりさの真実制 霊夢×ゆっくり系21 体付きとの違い虐捕 霊夢×ゆっくり系22 どすまりさの失敗 魔理沙×ゆっくり系・森近霖之助×ゆっくり系 魔理沙×ゆっくり系1 ゆっくりいじりそ 魔理沙×ゆっくり系2 普通の饅頭と普通の魔法使い虐そ 魔理沙×ゆっくり系3削除 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 アリス×ゆっくり系 アリス×ゆっくり系1 虐 アリス×ゆっくり系2 復 アリス×ゆっくり系3 お食事タイム 虐 アリス×ゆっくり系4 UNIQQLI 制 アリス×ゆっくり系5 ゆっくりパチュリーの生涯 虐制共 アリス×ゆっくり系6 あなたと合体したい…… 虐 アリス×ゆっくり系7 ゆっくり養成所 虐共環 アリス×ゆっくり系8 アリスのぐちゃぐちゃゆっくり駆除 制 アリス×ゆっくり系9 ゆっくりによるゆっくりいじめ制 アリス×ゆっくり系10 ぼくのかんがえたさいきょうのしてんのう虐性 アリス×ゆっくり系11削除 アリス×ゆっくり系12 変身-Polymorph Loop Junction-虐環 「アリス×ゆっくり系13および14と15は作者さんからの要請により削りました。by管理人」 アリス×ゆっくり系16 アリスのゆっくり水爆弾 制 家 「アリス×ゆっくり系17は作者さんからの要請により削除しました。by管理人」 アリス×ゆっくり系18削除 紅魔館×ゆっくり系 紅魔館×ゆっくり系1 ゆっくりピクニック 制 紅魔館×ゆっくり系2 さらば愛しきメイド長制 紅魔館×ゆっくり系3 冬は中華まん。夏でも中華まん。制料無 紅魔館×ゆっくり系4 紅魔館の憂鬱制料 紅魔館×ゆっくり系5 ゆっくり咲夜虐 紅魔館×ゆっくり系6 がぁおー! 食べちゃうぞー!(前編)虐捕性料機 紅魔館×ゆっくり系7 がぁおー! 食べちゃうぞー!(後編)虐捕性料機 紅魔館×ゆっくり系8 ゆっくりゃバーガー虐 紅魔館×ゆっくり系9 わたしのペットはよいれみりゃ 前編虐制環 紅魔館×ゆっくり系10 わたしのペットはよいれみりゃ 中編虐環 紅魔館×ゆっくり系11 わたしのペットはよいれみりゃ 後編虐捕環 紅魔館×ゆっくり系12 突発ゆっくり茶会制家 紅魔館×ゆっくり系13 れみりゃの越冬虐家共捕 紅魔館×ゆっくり系14 れみりゃは一日しか生きれない虐環 紅魔館×ゆっくり系15 ゆっくり誕生秘話1 紅魔館×ゆっくり系16 ゆっくり誕生秘話2 紅魔館×ゆっくり系17 ゆっくり誕生秘話3 紅魔館×ゆっくり系18 ゆっくり誕生秘話4 紅魔館×ゆっくり系19 加虐性虐 紅魔館×ゆっくり系20 ゆっくりはまさに世紀末 紅魔館×ゆっくり系21 1-1 レミリア×ゆっくり系・小悪魔×ゆっくり系 レミリア×ゆっくり系1 レミリアと森のゆっくり 中編_1虐性薬捕 レミリア×ゆっくり系2 レミリアと森のゆっくり 中編_2虐性薬捕 レミリア×ゆっくり系3 レミリアと森のゆっくり_後編その1_18禁エロ※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ レミリア×ゆっくり系4 レミリアと森のゆっくり_後編その2_1虐性捕 レミリア×ゆっくり系5 レミリアと森のゆっくり_後編その2_2虐性捕 小悪魔×ゆっくり系1 素敵な史書さん2虐料 小悪魔×ゆっくり系2 ある村の冬の風物詩虐家 小悪魔×ゆっくり系3 ゆっくりぱちゅりぃ制 小悪魔×ゆっくり系4 紫饅頭にクイズ出せば自滅してくれる制 小悪魔×ゆっくり系5 パティシエールな小悪魔虐料 小悪魔×ゆっくり系6 パティシエールな小悪魔2虐料 小悪魔×ゆっくり系7 凶 小悪魔×ゆっくり系8 パティシエールな小悪魔3虐料 美鈴×ゆっくり系 美鈴×ゆっくり系1 Y-1グランプリ 虐そ共 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐そ 美鈴×ゆっくり系3 シエスタ 虐 美鈴×ゆっくり系4 美鈴のゆっくりお昼ご飯虐料 美鈴×ゆっくり系5 磔刑虐 美鈴×ゆっくり系6 ゆっくりめいりんと美鈴虐 美鈴×ゆっくり系7 ゆっくりめーりん虐制家 美鈴×ゆっくり系8 美鈴×ゆっくりゃ_18禁_エログロ※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ 美鈴×ゆっくり系9 美鈴と森のゆっくり_前編_1虐家捕 美鈴×ゆっくり系10 美鈴と森のゆっくり_前編_2虐家捕 美鈴×ゆっくり系11 美鈴と森のゆっくり_中編_1虐制性家 美鈴×ゆっくり系12 美鈴と森のゆっくり_中編_2虐制性家 美鈴×ゆっくり系13 美鈴と森のゆっくり_中編_3虐制性家 美鈴×ゆっくり系14 美鈴と森のゆっくり_後編_18禁※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ 美鈴×ゆっくり系15 美鈴と森のゆっくり_後編_全年齢_1虐制性 美鈴×ゆっくり系16 美鈴と森のゆっくり_後編_全年齢_2虐制性 美鈴×ゆっくり系17 めーりんと美鈴虐制性 美鈴×ゆっくり系18 レミリアと森のゆっくり_前編※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ 美鈴×ゆっくり系19 ゆっくりめいりんの恩義_前制 美鈴×ゆっくり系20 ゆっくりめいりんの恩義_後 白玉楼×ゆっくり系・幽々子×ゆっくり系 白玉楼×ゆっくり系1 ゆっくりみょんいじめ 制 白玉楼×ゆっくり系2 月見ゆっくり制性料 白玉楼×ゆっくり系3 ゆっくり弾幕虐 白玉楼×ゆっくり系4 妖夢とみょん 白玉楼×ゆっくり系5 みょんとの出会い 制 幽々子×ゆっくり系1 死を操る程度の能力虐 幽々子×ゆっくり系2 死に呼ぶ虐家原幻 紫×ゆっくり系・藍×ゆっくり系 紫×ゆっくり系1 ゆかりんとゆっくり虐家性 紫×ゆっくり系2 都会のアリスそ 藍×ゆっくり系1 ゆっくりマスター虐そ共 永遠亭×ゆっくり系 永遠亭×ゆっくり系3 頭が哭く日々 虐 永遠亭×ゆっくり系4 作者本人により削除しました 永遠亭×ゆっくり系5 作者本人により削除しました 永遠亭×ゆっくり系6 ゆっくり夫婦の出産-1虐家性共 永遠亭×ゆっくり系7 ゆっくり夫婦の出産-2虐家性共 永遠亭×ゆっくり系8 ずっといっしょ虐制捕性 永遠亭×ゆっくり系9 ちょいワルマタニティー(笑)虐制薬家 永遠亭×ゆっくり系10 仲違虐家 永琳×ゆっくり系 永琳×ゆっくり系1 永琳とゆっくり 虐 永琳×ゆっくり系2 発狂 虐機 永琳×ゆっくり系3 ゆっくり実験室虐共 永琳×ゆっくり系4 選択できる部屋虐環薬 永琳×ゆっくり系5 恋の病虐環薬性家 永琳×ゆっくり系6 の部屋虐そ家薬 永琳×ゆっくり系7 脆い鎖虐家環 永琳×ゆっくり系8 蓬莱饅頭虐制薬 永琳×ゆっくり系9 誰が心、彼知らず虐家無 永琳×ゆっくり系10 実験監獄虐制環機 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス虐そ 永琳×ゆっくり系12 断片の連続そ環 永琳×ゆっくり系13 家族のこれから虐そ環家 永琳×ゆっくり系14 失敗虐そ環家 永琳×ゆっくり系15 幸せな生活虐そ環家 永琳×ゆっくり系16 ゆっくり死に至る虐 永琳×ゆっくり系17 恐怖虐薬 永琳×ゆっくり系18 耐久実験虐 永琳×ゆっくり系19 紅茶と放射線虐 永琳×ゆっくり系20 弱者虐 永琳×ゆっくり系21 説明虐 永琳×ゆっくり系22 はじめ虐環 永琳×ゆっくり系23 怖い制薬 永琳×ゆっくり系24 ゆっくりアリス最後の日制薬 永琳×ゆっくり系25 人間になりたいれいむ虐環 永琳×ゆっくり系26 ゆっくリアン 永琳×ゆっくり系27 忘れもの てゐ×ゆっくり系・鈴仙×ゆっくり系・輝夜×ゆっくり系 てゐ×ゆっくりれーせん系1 制 てゐ×ゆっくり系2 崩壊と嘘虐環共 てゐ×ゆっくり系3 遊ぶ虐環 てゐ×ゆっくり系4 楽園実験虐環 てゐ×ゆっくり系5 酷い暇つぶし虐家 鈴仙×ゆっくり系2 うどんげのゆっくり実験虐家共 鈴仙×ゆっくり系3 うどんげのゆっくり実験2虐共捕 鈴仙×ゆっくり系4 うどんげ実験3虐 輝夜×ゆっくり系2 輝夜の暇つぶし虐環機 輝夜×ゆっくり系3 闊歩虐 輝夜×ゆっくり系4 気まぐれの暇つぶし 輝夜×ゆっくり系5 月に帰らないかぐや姫 慧音×ゆっくり系・妹紅×ゆっくり系 慧音×ゆっくり系1 慧音先生とゆっくり制家 慧音×ゆっくり系2 慧音先生奮闘記_1そ家 慧音×ゆっくり系3 慧音先生奮闘記_2そ家 慧音×ゆっくり系4 慧音先生奮闘記 慧音エンド虐そ家 慧音×ゆっくり系5 ゆっくり奇々怪々(上) 慧音×ゆっくり系6 ゆっくり奇々怪々(中) 慧音×ゆっくり系7 ゆっくろっく (上) 慧音×ゆっくり系8 ゆっくろっく(下) 慧音×ゆっくり系9 ゆっくり奇々怪々(下)制 妹紅×ゆっくり系1 ゆっくりたちのトラウマの夜前篇 制家料 妹紅×ゆっくり系2 ゆっくりたちのトラウマの夜後編虐 妹紅×ゆっくり系3 妹紅のゆっくりいじめ in 川辺虐 妹紅×ゆっくり系4 ゆっくりほーらい虐 妹紅×ゆっくり系5 人食いゆっくり_前虐家 妹紅×ゆっくり系6 人食いゆっくり_後虐家 妹紅×ゆっくり系7 妹紅とゆでたまご虐家 妹紅×ゆっくり系8 もこたんvsドスまりさ制 妹紅×ゆっくり系9 妹紅と虐性家 幽香×ゆっくり系 幽香×ゆっくり系1 制 幽香×ゆっくり系2 性 そ 幽香×ゆっくり系3 教材。虐料 幽香×ゆっくり系4 緑色は何の色?虐共 「幽香×ゆっくり系5 ゆっくりと幽香 リグルの一週間は作者さんの要請で削除しました。」 幽香×ゆっくり系7 ゆっくり後悔し続けてね!制 幽香×ゆっくり系8 ゆっくりメーリン2制 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2制共 幽香×ゆっくり系10 ゆっくり植えていくね!そ 幽香×ゆっくり系11 ゆうかりんfA・大量虐殺ルートそ 映姫×ゆっくり系・メディスン×ゆっくり系 映姫×ゆっくり系1 ゆっくり輪廻転生していってね! 制 映姫×ゆっくり系2 ゆっくりの罪制そ 映姫×ゆっくり系3 地獄で苦しめ制環 メディスン×ゆっくり系1 風下注意制環 メディスン×ゆっくり系2 風上に立つ虐薬 阿求×ゆっくり系 阿求×ゆっくり系1 虐 阿求×ゆっくり系2 ゆっくりしつけてね 制 阿求×ゆっくり系5 阿求の竹林遠征記虐 阿求×ゆっくり系6 少女そ 阿求×ゆっくり系7 ゆっくりと猟師と阿求さん虐 阿求×ゆっくり系8 ゆっくりボール2虐道 阿求×ゆっくり系9 ゆっくり阿求虐 阿求×ゆっくり系10 ゆっくりごーまがん虐 阿求×ゆっくり系11 ゆっくりと焼きましょ虐家 阿求×ゆっくり系12 鋼の糸 阿求×ゆっくり系14 虐待王AQN. にとり×ゆっくり系・射命丸×ゆっくり系・萃香×ゆっくり系 にとり×ゆっくり系1 虐 にとり×ゆっくり系2 しなないゆっくり虐そ にとり×ゆっくり系3 見本市虐機 にとり×ゆっくり系4 のびーる制機 にとり×ゆっくり系5 波乱盤上虐家機 にとり×ゆっくり系7 ゆっくりロケットに乗る にとり×ゆっくり系8 ドスの卵 にとり×ゆっくり系9 火遊び にとり×ゆっくり系10 YUSIN にとり×ゆっくり系11 ほぺミキ 射命丸×ゆっくり系1 カラス虐家 萃香×ゆっくり系1 子鬼とゆっくり 制 チルノ×ゆっくり系・レティ×ゆっくり系 チルノ×ゆっくり系1 虐 道 チルノ×ゆっくり系2 大ちゃんの想い 虐 チルノ×ゆっくり系4 妖精と遊ぼう 虐 チルノ×ゆっくり系5 歌うのをやめないで 虐 チルノ×ゆっくり系6 ハードチルノ制そ チルノ×ゆっくり系7 チルノ助けるそ家 ルーミア×ゆっくり系・ミスティア×ゆっくり系 ルーミア×ゆっくり系1 ルーミアとゆっくり虐家捕 ミスティア×ゆっくり系1 ゆっくりいじめ鰻篇 前編 制 ミスティア×ゆっくり系2 ゆっくりいじめ鰻篇 後編 制 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系・衣玖×ゆっくり系 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系1そ性 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系2 花見ライブin白玉楼そ プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系3 【プリズムリバーのトランペット吹き】制 衣玖×ゆっくり系1 衣玖さんとゆっくり 虐 そ 衣玖×ゆっくり系2 ゆっくりてんこ大虐殺虐家捕 パルスィ×ゆっくり系 パルスィ×ゆっくり系1 秘目 ゆっくりれみりゃ系いじめ ゆっくりれみりゃ系いじめ ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系・ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系1 ゆくりれみりゃとフラン 虐 制 共 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系2 ゆっくりフラン 虐 捕 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系3 れみりゃのトモダチ奮闘記 そ捕共 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系4 スクうーター ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系1 こわいこわい 虐 制 捕 ゆっくりフラン系いじめ ゆっくりフラン系いじめ1 ここほれ うっうー! ゆっくりパチュリー系・ゆっくりれーせん系・きめぇ丸系 ゆっくりパチュリー系いじめ1 ゆちゅりーいじめ虐 ゆっくりパチュリー系いじめ2 あるゆちゅりーの生涯虐捕家 ゆっくりパチュリー系いじめ3 ぱちゅりー ゆっくりれーせん系いじめ1 DXトラップ ゆっくり静葉系・ゆっくりてんこ系・ゆっくりすいか系 ゆっくりてんこ系いじめ1 愛憎のゆっくりてんこ ゆっくりてんこ系いじめ2 てんこを虐待してみた虐無 ゆっくりすいか系いじめ1 ゆっくりすいか その他 ジャンル:その他 一覧ページ シリーズもの 都会派ありすシリーズ(作者:キノコ馬) ゆっくりいじめ系1223 終わらないはねゆーん 前編 ゆっくりいじめ系1253 終わらないはねゆーん 中編 ゆっくりいじめ系1273 終わらないはねゆーん 後編 ゆっくりいじめ系1492 都会派ありすの憂鬱 ゆっくりいじめ系1500 都会派ありす、の飼い主の暴走 ゆっくりいじめ系1512 都会派ありすの溜息 ゆっくりいじめ系1535 都会派ありすの消失_01 ゆっくりいじめ系1536 都会派ありすの消失_02 ゆっくりいじめ系1777 ありふれた喜劇と惨劇 ゆっくりいじめ系1790 あるクリスマスの出来事とオマケ ゆっくりいじめ系2024 都会派ありすの驚愕 ゆっくりいじめ系2025 都会派ありす トゥルーエンド ゆっくりいじめ系2026 都会派ありす ノーマルエンド ゆっくりーだーシリーズ(作者:ケラ子) ゆっくりいじめ系509 紅い弾丸 ゆっくりいじめ系601 ある新人ゆっくりーだーの話(前編) ゆっくりいじめ系647 ある新人ゆっくりーだーの話(後篇) ゆっくりいじめ系807 あるロボットゆっくりーだー達の話(前編) ゆっくりいじめ系844 あるロボットゆっくりーだーの話(後編) 永夜緩居シリーズ(作者:懲りない男) ゆっくりいじめ系278 永夜緩居― 二匹のゆっくり_1 ゆっくりいじめ系279 永夜緩居― 二匹のゆっくり_2 ゆっくりいじめ系384 永夜緩居[ゴミクズ]_1 ゆっくりいじめ系385 永夜緩居[ゴミクズ]_2 ゆっくりいじめ系386 永夜緩居[ゴミクズ]_3 ゆっくりいじめ系476 永夜緩居[胎動]_1 ゆっくりいじめ系477 永夜緩居[胎動]_2 ゆっくりいじめ系738 永夜緩居[ゆっくり ゆっくりいじめ系2319 永夜緩居[三匹のゲス、一匹目-グズ(前編) ゆっくりいじめ系2320 永夜緩居[三匹のゲス、一匹目-グズ(後編) ゆっくりいじめ系2321 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](前編) ゆっくりいじめ系2322 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](中編) ゆっくりいじめ系2323 永夜緩居[三匹のゲス、二匹目-れいぱー](後編) ゆっくりいじめ系2324 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](前編) ゆっくりいじめ系2325 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](中編) ゆっくりいじめ系2326 永夜緩居[三匹のゲス、三匹目-ゴロツキ](後編) ゆっくりいじめ系2327 永夜緩居[三匹のゲス、一人と四匹目 ゆっくりいじめ系2330 永夜緩居6前編-1 ゆっくりいじめ系2331 永夜緩居6前編-2 ゆっくりいじめ系2332 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-1) ゆっくりいじめ系2333 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-2) ゆっくりいじめ系2334 蠢符「永夜緩居」(永夜緩居6後編-3) ゆっくりいじめ系2335 永夜緩居― EX[眠れるゆっくりは饅頭の夢を見るか わがまままりさシリーズ(作者:懲りない男) ゆっくりいじめ系987 僕とわがまままりさのギスギスした朝 ゆっくりいじめ系1037 僕とわがまままりさのギスギスしたおもてなし ゆっくりいじめ系1079 僕とわがまままりさのギスギスしたごっこ遊び ゆっくりいじめ系1152 僕とわがまままりさのギスギスした山登り 俺とゆっくりシリーズ(作者:セイン) ゆっくりいじめ系471 俺とゆっくりの話 1 ゆっくりいじめ系564 俺とゆっくりの話 2 ゆっくりいじめ系579 俺とゆっくりの話 3 ゆっくりいじめ系825 ゆっくりを飼おう gdgd三人組シリーズ(作者:バスケの人) ゆっくりいじめ系1503 雪だるま ゆっくりいじめ系1549 デモ活動 ゆっくりいじめ系1859 帰省 まりさとわたしシリーズ(作者:古本屋) ゆっくりいじめ系2405 まりさとわたし ゆっくりいじめ系2412 まりさとわたし タベモノ ゆっくりいじめ系2434 まりさとわたし スミカ ゆっくりいじめ系2441 まりさとわたし キョセイ ゆっくりが嫌われるまでシリーズ(作者:古緑) ゆっくりいじめ系2348 ゆっくりが嫌われるまで ゆっくりいじめ系2362 ゆっくりまりさが嫌われるまで ゆっくりいじめ系2366 ゆっくりまりさが嫌われるまで2 ゆっくりいじめ系2368 ゆっくりを嫌いになるまで ゆっくりいじめ系2374 ゆっくりを嫌いになるまで2 ゆっくりハンターシリーズ(作者:味覚障害の人) ゆっくりいじめ系323 ゆっくりハンターの生活 ゆっくりいじめ系355 ゆっくりハンターの生活2 ゆっくりいじめ系366 ゆっくりハンターの昔話_1 ゆっくりいじめ系367 ゆっくりハンターの昔話_2 日常シリーズ(作者:ムクドリの人) ゆっくりいじめ系1692 綿棒 ゆっくりいじめ系1712 ストロー ゆっくりいじめ系1760 感謝 ゆっくりいじめ小ネタ375 引越し ゆっくりいじめ小ネタ399 雛祭り ゆっくりいじめ系2576 風呂 僕はこうしてシリーズ(作者:ゆっくりレイパー) ゆっくりいじめ系1526 僕はこうして育ちました ゆっくりいじめ系1632 ボブはこうして出会いました ゆっくりいじめ系1682 僕はこうして出会いました ゆっくりいじめ系1817 僕はこうして学びました ゆっくりいじめ系1978 僕はこうして助かりました ゆっくりいじめ系2067 僕はこうして渡米しました 前半 ゆっくりいじめ系2068 僕はこうして渡米しました 後半 ゆっくりいじめ系2069 僕らはこうして知り合いました ゆっくりいじめ系2168 僕はこうして巻き込まれました ゆっくりいじめ系2169 僕はこうして~番外 ゆっくりいじめ系2224 僕はこうして振り回されました ゆっくりいじめ系2317 僕はこうして懇談しました ゆっくりいじめ系2611 僕はこうして困りました ゆっくりいじめ系2612 僕はこうして過ごしました ゆっくりいじめ系2741 僕はこうして探しました ゆっくりいじめ系2784 僕はこうして探しました -another- ゆっくりいじめ系2841 僕はこうして探しました -after-虐巨無現 ~の生涯シリーズ(作者:ロウ ロウの作品集 都会派きめぇ丸シリーズ(作者:118) ゆっくりいじめ系2117 都会派きめぇ丸 ゆっくりいじめ系2118 裏・都会派てんこ 守矢神社の核ぱちゅりーシリーズ(作者:NFRP) ゆっくりいじめ系1583 ゆっくり信仰を集めてね! 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ゆっくりの思い込み 「ゆ・・・、このたべものおいしいね!!!」 「ゆ!むーしゃ♪むーしゃ♪」 「「しあわせー♪」」 一仕事終わって帰宅した時僕の家は二匹のゆっくりに荒らされていた。 お菓子、ジュース、挙句の果てには僕が育てた野菜まで食い散らされ、部屋中食べカスで散らかっていた。 他にも家具はぼろぼろ、枕も綿を全部抜かれていた。 一匹はゆっくりまりさ、もう一匹はゆっくりれいむだった。 どちらももう少しで大人、バレーボール位の大きさだった。 僕は少し頭にきたがそれを抑え、一応ゆっくり達に話しかけてみた。 「・・・なにをしてるんだい」 僕は口だけで笑いゆっくりに問いかけた。 「ゆ!?おじさん!ここはれいむとまりさのおうちだよ!さっさとでてってね!!!」 「おじさん!でていくまえにたべものちょうだいね!!!」 答えを返さない上に自分の家から出て行けとまで言われた。 普通ならここですぐに蹴飛ばすでもして潰しにかかるだろう。 しかしここですぐ殺してもむなしくなるしもっと苛立つに違いない。 ここは抑えてゆっくり虐めるのがベスト。 そう考えた僕はゆっくり達を1階に残したまま二階へあがる。 「ゆ!?おじさん!!!はなしをきいてなかったの!?ばかなの!?」 「ここはまりさとれいむのおうちなんだからしらないおじさんはさっさとでてってね!」 2つの饅頭ご立腹。 僕は無視して階段を登る。 2段目辺りでゆっくりが体当たりしてきたが3段目を登る時蹴落としてやった。 二匹ともピーピー喚いていたけど聞き取らなかった。 少しして僕は1階へと戻ってきた。 ちょっと用意するものがあったから。 それを持って1階へ戻ると・・・ゆっくり達の姿が無い。 食料が尽きたからだろうか。さっさと出て行ったのか。 しかし移動スピードは名前どおりゆっくり。ドアを開けると「ゆ”っ!!!」と泣き声がした、ドアの手前にいたんだろう。 「れ”い”む”!?霊夢"にな”にずるのぉおお”ぉ”お”!!」 ゆっくりまりさが僕に体当たりしてきたがそれをつまんで吹っ飛んだれいむも脇に抱えて再び家の中へ。 二匹を部屋につれてきた。部屋の大きさは6m×6m×4mくらいかな? 「「に”ゅっ!!!」」 部屋に入れまずは軽く蹴り飛ばす。 二匹とも壁にぶつかり餡を少し噴きだした。 「ゆぅ・・・おじさん!なんでげるの!!!ばかなの!!!」 「おじさんはゆっくりできないんだね!ゆっくりできないならさっさとれいむとまりさのおうちがらででってね!!!」 「おじさんのばーか!」 「ばーか!!!」 2匹はよろよろ体制を立て直しギャーギャー騒いだ。 それが原因で虐められるのを理解できないのか?頭が可哀そうだ。 人間の子供以下だな、子供だってこんな生意気言わないぞ。 「まあ落ち着け、今日からここの部屋はお前達の部屋だ」 「っゆ・・・?」 二匹とも呆気に取られたようだ。しかしすぐに顔を膨らませる。 「ちがうよ!まりさとれいむはここのおうちのもちぬしなんだよ!ここのへやだけじゃないよ!!!」 「でもおにいさんがかわいそうだからここのへやはおにいさんにあげるよ!!!だからでてってね!!!」 どっちだよ。 とりあえず僕は両者無視して2階から持ってきたブツを二匹の前においてやる。 「・・・ゅっ!!!???」 「ゆ・・・ゆぎゃああぁぁああ!!!!」 2匹は泣きながら後ろへ後ずさる。 無理も無い。そのブツとはゆっくりれみりゃだから。 いや、正確にはそのぬいぐるみなんだけれど。 但し質感はそれそのもの。しかもそれは・・・ 『うー♪たーべちゃーうぞー♪』 「ゆうぅぅううぅ”う”ぅうう!!!!」 喋る。 中に何通りかの声を出す機械が内臓されている。 さすが河童印。いいもんを作ってくれる。 二匹はすっかり怯え部屋の隅っこでがたがた震えていた。 「ごめんな”ざいいぃいいいぃいいぃぃ・・・!!!」 「ごごのおべや”でいいがらだづげでええぃい・・・!!!」 ぬいぐるみ相手に怯える様子を見るのはとても楽しい。だからもう少しぬいぐるみを近づける。 「い”や”あぁぁあああ”あああ!!!どぼじでだづげでぐれなびのぉおぉおぉぉぉお!!!!」 「おじざんなんがゆ”っぐるぃぢね!!!!」 「・・・まだ立場が分かってないんだね、おじさんに死ねなんて言うとこうなるよ?」 そう言うと更にじりじり近づける。2m1m50cm・・・ 「う"ぁがりまぢだごめんざいごめんざいぃいい”ぃ”ぃいい”!!!!」 「ぼじざんわでいむだぢよりうえでづぅうううぅう!!!!」 ようやく分かったところでぬいぐるみを持ち上げる。このぬいぐるみも「うー♪うー♪」鳴いて煩い。 「じゃあ確認するぞ?おじさんとれいむたちつよくてえらいのはどっち?」 「おぢだんのぼうがづよいでづう”ぇらいでづぅううう!!!」 「びるじでぇえええぇぇええ!!!!」 「分かったようだね、でもこのにんぎょうは置いておくよ。」 「びゃめでぇええええぇえ・・・・ゆ?」 「ゅ・・・にんぎょう・・・?」 2匹とも硬直する。笑いをこらえるのが必死だよ。 「これ、ぬいぐるみだよ?何に怯えてたの?」 すると二匹は段々元に戻っていき、 「おじさんひどいよ!!れいむたちをだますようなおじさんはゆっくりしね!!」 「おじさんのばぐぉんっ!!!」 あまりにも煩いのでもう一度軽く蹴り飛ばす。 「えらくてつよいのはどっち?」 「おぢざんでづぅううぅううう!!!!!」 「わがっだがらまりざをげらないでぇえええぇえぇええ!!!」 これだからゆっくりは・・・すぐにつけあがる。 もう声も聞きたくないのでちゃちゃっと説明して切り上げよう。 「じゃあちょっとやってほしいことがある。なに、簡単なトレーニングだよ。」 「ゅ・・・?とれーにんぐ?なにそれ?」 「簡単に言うとこのぬいぐるみをこてんぱんにやっつければゆっくりれみりゃよりも強くなったことになるんだよ。ゆっくりゃより強くなりたいだろう?」 二匹は少し間をおいて目を輝かせ、 「うん!ゆっくりれみりゃよりもつよくなりたい!」 「そうだろう?だからこのぬいぐるみを倒して強くなってごらん。勿論ごはんはあげるよ」 「おじさんやさしいんだね!!ありがとう!!」 「まりさにおいしいごはんちょうだいね!!!」 「じゃあ、がんばってね。」 さっきやられたこと全然覚えてない気がするよ。 あとまりさの発言に腹が立ったので部屋を出る前に軽く蹴飛ばしておいた。 部屋に鍵を掛けた僕は近くの森に出かけた。 「おじさん!はやくごはんちょうだいよ!!!」 それから数日がたった。2匹のゆっくりは結構成長した。 バレーボールからビーチボールより少し大きいくらいだろうか。毎日4食与えてやったんだし当然か。 それに態度も一変、再びつけあがるようになった。 「おじさん!こんなおやさいじゃゆっくりできないよ!!!もっとあまいものをもってきてね!!!」 「まりさのぶんはれいむよりもおおくもってきてね!!!」 数日前にされたことをすっかり忘れているようだ。 まあ、そろそろ丁度いいころだろうし、今くらいは聞いてやるか。 「ごめんね、お野菜じゃ物足りないよね。じゃあこれ、ケーキをあげよう」 こう見えても僕は料理やお菓子を作るのが好きだからこのくらいは朝飯前だ、それをゆっくりに与えるのは気に食わないが仕方ない。 「ゆ!おいしい!!けーきおいしいよおじさん!!!」 「でもまだまだだね!!こんなのじゃまりさまんぞくできないよ!!!」 ケーキ作り6年続けてる僕のケーキがまだまだとな。 さすがに少しムカついたから足で頬の先端を踏み潰す。 「い"だ"い"だい”ぃ”いいいぃ”い”い!!!」 「ごめんごめん、足が勝手に」 「からだがふじゆうなおじさんはゆっくりけーきをもってきてね!」 ある程度すっきりした僕はそろそろかと思い部屋を出て籠を持ってくる。 「ゆ?おじさんそれなあに?けーき?」 僕は笑顔で 「ゆっくりれみりゃだよ」 少し2匹の動きが止まるが、少しすると二匹はすぐに元通りになった。 「なんだ!ゆっくりれみりゃなられいむもうたおせるよ!!」 「まりさもつよくなったよ!!ゆっくりれみりゃなんていちころだよ!!!」 そう。 二匹の部屋に置いたゆっくりゃの人形がかなりぼろぼろになっている。 それで二匹は強くなったつもりなのだろう。 にんぎょうよりはつよいだろうけどね 「ゆっくり!?トレーニングの成果を見せる時だよ!!ゆっくりれみりゃをゆっくり倒してね!!」 「らくしょうだよおじさん!!!れいむがいちころだよ!!」 「もうこわくないよ!!!れみりゃよわいもん!!!」 よし、準備OKだ。 そして僕はゆっくりと・・・籠を開ける。 「「う~♪たーべちゃーうぞー♪」」 そこには二匹のゆっくりゃがお腹を空かして待っていた。 しかしぬいぐるみ効果ですっかり強気になったゆっくり二匹。 「れみりゃはよわいよ!まりさがゆっくりたおしていくからね!!!」 そう言い終わるとまりさは勢い良くゆっくりゃに飛び掛る。 しかし 「ガブッ!!!」 「ぎゅっ!!??」 ゆっくりゃはそれを待っていたかのように上を向いてまりさの足に噛み付いた。 そして噛み千切る。 「い"だい"よぼぉぉおおぉぉぉおお!!!!」 「まりさ!!!??れみりゃはよわいのになにやってるの!!!??まりさはよわかったんだね!!まりさのよわむし!!!よわむしまりさはゆっくりしんでいってね!!!」 「どぼじでぞんぎゅぉっ!!!!!!」 『どうしてそんなこというの?』 そう言い終るまでゆっくりゃは待ってくれない。ゆっくりゃは数秒でまりさを帽子だけ残して完食してしまった。 「あーあ、まりさは食べられちゃったね。でもれいむはつよいから二匹相手でもどうってことないよね?」 「もちろんだよ!!まりさはよわいけどれいむはつよいもん!!れみりゃなんかいちころだよ!!!!」 そう言うとれいむはゆっくりゃに体当たりを・・・当てられなかった。ゆっくりゃが素早く避けたのだ(素早くとは言ってもゆっくりの中でだが)。 勢い余って壁に激突したれいむは頭から餡子が少しもれてしまった。 「どおじで・・・どおじでよげるのぉお"ぉお"ぉおお!!!」 「う~♪う~♪たーべちゃーうぞー♪」 「ゔあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・・どごじどおじじゅ」 れいむも同じく数秒でリボンを残し食べられてしまった。 そう、相手は人形であって実際の生き物ではなかった。 ゆっくりの頭ではその程度のことも分からなかったようだ。 「う~♪う~♪」 さて・・・残りのゆっくりゃがうるさくなってきた・・・ 丁度食料が少なくなってきたところだ。今日の昼食は肉まんにすることにしよう。 そして僕は残ったゆっくりゃを丸かじりして今日の昼食を終えた。 その時余った1匹にかじられたので蹴り飛ばしてしまい食べれなくしてしまったのは内緒だ ____________________________________________________________ あとがき ゆっくりを強く・・・ではなく強いと思わせてみました。 しかし思っただけでは強くなることは出来ません。 ちなみに思い込みで強くなるパターン、すなわちれみりゃに勝つというパターンも考えたのですがれみりゃが嫌いな僕は最後自分の手でゆっくりゃに止めを刺したかったのです。 ゆっくりにさせるなんて言語道断。恥を知れゆっくり。 最後に、ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました。 あとこれを読んだ方、出来ればゆっくりゃを全力で虐めたSSを書いてくれるとうれしいです。 このSSに感想を付ける
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ぬるいじめ 初投稿 「まりさがおやさいさんがかってにはえてくるすぽっとをみつけたのぜ!」 「ゆっくちいきちゃい!」 ここはゆっくり一家の住む洞窟。 住んでいるのは親れいむ、親まりさ、赤れいむ三匹、赤まりさ二匹だ。 「おちびちゃん!ゆっくりいこうね!」 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 「おやしゃいしゃんはやくちゃべちゃい!」 「もうすぐつくんだぜ!」 「「ゆっくりついたよ!」」 「「「「「ゆっくちちゅいちゃよ!」」」」」 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 「おい、俺の畑で何してるんだ?」 「ゆっ!にんげんさん!」 「ここはまりさがみつけたゆっくりぷれいすだぜ!」 「あまあまをもってきてくれるならいれてやってもいいんだぜ!」 「あーあ。俺の育てた作物が台無しだ・・・ 最近近所でも被害が多発しているらしいな・・・」 「ゆゆっ!ゆっくりおしえてあげるね! おやさいさんはかってにはえてくるんだよ!」 「おにいさんがそだてるなんてうそなんだぜ!」 「おやしゃいしゃんをひとりじめしゅるにんげんしゃんはゆっくちどっかいってね!」 「「「「どっかいってね!」」」」 「・・・こいつらに農業を教えたら被害が減るんじゃないか?」 男はダンボールにゆっくり一家を入れていく。 「ゆっくりせまいよ!ゆっくりだしてね!」 男は畑を柵で囲い、ゆっくりが出られないようにする。 そして畑を柵で半分に分ける。 ゆっくり一家を畑の半分に入れる。 「いいか。これからお前たちには野菜を育ててもらう。 野菜は土を耕し、種を植え、水をやれば生えてくる。」 「そんなわけないでしょ!」 「そんなむだなことはまりさはしないんだぜ!」 「・・・いま教えたからな。」 そういって男は地面を耕している。 「にんげんしゃんのばーきゃ!」 「「「「ばーきゃ!」」」」 (潰してぇ・・・だが近所のためだ。) 夜になった。 男は家に帰り、ゆっくり一家は「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」と眠っている。 そして次の日。 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「「ゆっくちちていっちぇにぇ!」」」」」 「おにいさん!ゆっくりたべものをもってきてね!それからゆっくりここからだしてね!」 「出すわけにはいかねぇが、食べ物はくれてやろう。」 男はそういうと、リンゴを畑に投げ込む。 「ゆえーん!いちゃいよおぉぉ!」 「おっと。リンゴが赤ゆに当たったか?」 男はそういいながらも無視する。 そのようなやり取りをしながら三日がたった。 男の畑には芽がでていたが、ゆっくりの畑には芽が出ていない。 「ゆゆ!おにいさんのばしょだけめがでているよ!」 「ひどいんだぜ!おにいさんだけがおやさいさんがかってにはえてくるすぽっとをとったんだぜ!」 「じゃあ、場所を交換してやろうか?」 「ゆっくりこうかんするよ!」 そして、さらに三日がたった。 「どぼじでおにいざんのどごろだげおやざいざんがばえでるのお?」 「そんなの簡単だよ。俺は野菜を”育ててた”からね。」 「うぞおぉぉぉ!」 三日後、ゆっくりの畑には芽がでていた。 「おにいさんのいうとおりにしたらおやさいさんがはえてきたよ!」 「おにいさんのいうことはほんとうだったんだぜ。ゆっくりごめんなさいだぜ。」 男はそれを聞くと、野菜の種をゆっくりに渡し、逃がしてやった。 数日後、男は森に行った。すると、洞窟の中から声が聞こえてきた。 男は洞窟をのぞくと・・・ 「だずげでえぇぇ!」 「れみりゃいやぁぁぁ!」 「あまあまおいしいどー!」 「やめちぇぇぇ!」 れみりゃは満足したのか、親れいむだけを半分残して飛んで行ってしまった。 「ゆうぅ・・・おにいさん・・・れいむもおやさいさんそだてたよ・・・でも・・・れみりゃにたべられちゃったよ・・・おやさいさん・・・ゆっくりたべたかった・・・」 そういうと、れいむは息を引き取った。 「あのれみりゃのやつ・・・」 その後、男の家でれみりゃの悲鳴が響いていたそうだ。
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台車に乗せられた檻の中にいるのは10匹の胴体の無いゆっくりれみりゃ。 この最もメジャーな捕食種は、空を飛ぶことでゆっくりとしてはでたらめな速さで移動することが出来る。 その高い機動力と旺盛な食欲を武器に通常種を追いまわし、蹂躙する恐るべき存在。 「うー!うー!」 「ううーーー!」 「ぎゃおー!」 人語を話すことの出来ない彼女達は一見すると楽しそうな笑顔を浮かべながらもここを出せと訴えてくる。 そんな要求を適当に聞き流しつつれみりゃ達をゆっくり達の姿が見えるところまで連れてゆく。 白い牙を光らせて、いっそう元気良く鳴いた直後、れみりゃ達を檻から解き放った。 「うーうー!」「うーっ!」 「れれれ、れみりゃだあああああああ!?」 「れびりゃいやああああああ!」 これが本能のなせる業なのか、生気を失った瞳で怯えていたゆっくり達は蜘蛛の子を散らしたように逃げ始める。 もはや絶望しきって微動だにしないのではないかとも思っていただけに、これは嬉しい誤算だった。 しばらく餌を与えていなかった10匹のれみりゃは涎を垂らしながら獲物めがけて一直線に飛んでゆく。 「うーうー!」 「や、やべでえええええええええ!?」 「ま、まりざああああああ!?」 最初に襲われたのは1匹の成体のゆっくりまりさ。 彼女の頭に食いついたれみりゃは本能の赴くままにその中身を吸い上げる。 そして、まりさが襲われたためについ足を止めて振り返ってしまったれいむ目掛けて2匹のれみりゃが牙を剥いた。 「ゆぐっ!いぢゃ、いだぃい!?やべでね!ゆっぐぢやべでね!?」 「「うーっ!」」 「ゆっぐ・・・やめでよぉ、ゆっぐぢぃ・・・!」 毒による理解不能の死や人間による不条理かつ一方的な暴力とはまた違った恐怖がゆっくり達を包み込む。 毒ならば、人間相手ならばもはや諦めるしかなかった。 しかし、れみりゃならば逃げれば死なずに済むかもしれない。 「ゆっぐぢやべでね!あでぃず、ゆっぐぢぢだいわ!?」 「おちびちゃんはまもるよ!ぷくうううううう!」 「「おかーしゃん!?」」 若いありすが喚く傍らで1匹のれいむが頬を膨らませてれみりゃを威嚇していた。 恐らく子どもを守るためなのだろうが、空を飛べるれみりゃに通常種が一対一で勝つ事は不可能。 1匹のれみりゃが彼女の頭に噛み付いている隙に、別のれみりゃが子ゆっくりに迫る。 「おぢゃああぢゃ・・・ぎゅ!?」 「うーうー!」 「ゆゆっ、おちびぢゃ!?やべでね、ゆっくぢはなれでね!?」 が、そうそう簡単に食うものと食われるもの関係が変わるほど世の中は甘くない。 何とか対抗策を考えようにもそれを仲間に話す前に食われ、よしんば話してもうまく実行できる保証も無い。 ましてや、こんな平坦で開けた場所でれみりゃを相手にするなど自然では愚の骨頂でしかない。 「ゆ゛っ・・・」「まぢざぁ・・・」 「おきゃ、ゆびぃ!?」 「おぢびぢゃあああ、ゆぎぃ!?」 「ごんなの!どかいはぢゃ、ないいいいい!」 そうこうしているうちにも全てのれみりゃが適当なゆっくりを見繕ったらしく、満面の笑みを浮かべて食事に取り掛かる。 彼女達は狡猾にも上から覆いかぶさるようにして食いついているので他のゆっくりから攻撃を受けにくい。 もっとも、幸いにも狙われなかったゆっくり達は離れたところで固まって怯えるばかりなのだが。 「ゆっぐ・・・れいぶのおぢびぢゃ・・・ゆ゛っ」 「ぢんぼおおおおおおおお!?まらっ!?まらっ!?」 「むっきゅううううううう!」「ゆげぇ・・・」 やがて最初に襲ったゆっくりを食べ終えたれみりゃ達は次の標的を探し始めた。 うーうー!と先ほどよりも力強い声で鳴きながらふらりふらりと飛び回る。 それを見たゆっくり達の中には立ち向かおうと頬を膨らませるものもいたが、大半は逃げ惑う。 「ごわいよおおおお!ゆぐっ、おみずざっ、やべっ・・・やべでぇ!?」 「おびずざん、どがいはぢゃないわああああ!?」 「ゆゆっ、やべでね!こっぢごないでね!?」 逃げ惑う最中に柵のあった場所の外側にはみ出してしまい、3匹ほどのゆっくりが落とし穴に落ちた。 それを見た他のゆっくり達は方向転換しようとするが、前が見えていないゆっくり達とれみりゃが行く手を阻む。 こうして思うように身動きが取れなくなったところに更にれみりゃが悠然とゆっくり達の頭にかじりついた。 「ゆ゛っ!や、やべでねぇ!?」 「ゆっぐりぃ!ゆっぐりぃ!?」 「ゆっくりやべでね!ゆっぐぢぢでね!?」 必死になって許しを請うゆっくり達。 しかし、れみりゃ達にそれに応じる理由がない以上、止めるはずがない。 それどころか、悲鳴を楽しむためにいっそう勢いづいてしまった。 「うーうー!」 「やべでー!でいむのあがぢゃああああん!?」 「おきゃああああぢゃあああああ、びぃ!?」 あえて死なない程度に衰弱させてから子どもを狙うれみりゃ達。 身動きひとつ取れない彼女達の前で、必死に助ける子ども達が無残にもれみりゃの中に消えてゆく。 そして、喪失感に絶望する親達は落とし穴の中の水へと落とされた。 「やめぢぇえええええ、びゅ!?」 「あぢずのおぢびぢゃああああああん!?」 「やべでね!おびずざんはゆっぐぢでぎないよ!?ゆぐぅぅぅ!?」 「わきゃりゃに゛ゃいよおおおおお!?」 流石は捕食種とでも言うべきだろうか。 自分とさほど変わらない大きさの成体を含めた相当の数のゆっくりがあっという間に消えてゆく。 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょん・・・いろんな味を楽しむかのように。 「ゆひぃ!こっち、ごないでね!」 「「おきゃあああぢゃあああ、まっぢぇえええええ!?」」 「もうやだ!れいむおかーさんやだあああああ!?」 中には恐怖のあまりに子どもを見捨てて逃げ出すものもいた。 しかし、そういった個体を追うときはあえて子ゆっくりを狙わず、とにかく成体の捕獲に全力を上げる。 恐らく、そうやってじっくり恐怖を味あわせることで甘味が増すことを理解しているのだ。 「ゆっぐ・・・もうやだ!おうぢがえる!?」 「「おきゃーしゃあああああん!」」 「うーっ!!」 こうして次々にゆっくり達の中身を吸い出し、あるいは面白半分に嬲り殺してゆく。 哀れな餌達はなすすべもなく食われ、時には食われることさえなく次々にはかない命を奪われる。 その、傍目には間抜けだが凄惨な宴は10匹のれみりゃが遊びつかれておりに戻ってくるまで続けられた。 「ゆゆっ!なんだかへんなこがいるよ!」 「ゆぅ・・・なんだかゆっくりできないよ・・・」 「りーぐるんるん!」 れみりゃが去って一息ついたゆっくり達に新しい脅威が差し向けられる。 その名もゆっくりりぐる。成体でも赤ゆっくりの半分ほどの大きさしかない希少種のゆっくりだ。 彼女達の特徴はその小ささと、古いゆっくりが持っていたとされる壁のぼりの能力を受け継いでいる点。 そして・・・・・・ 「ゆゆっ、やめてね!?れいむのおくちにはいら・・・ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!?」 「ゆ?・・・れ、れいむ?!」 「やめちぇね!れーみゅ、ゆぐっ!?」 何よりも特筆すべきは相手の体内に侵入し、中から食い破ると言う恐ろしい捕食方法だろう。 真っ先に標的にされたれいむ親子がりぐるの集団に進入を許し、内側から食い破られていた。 泡を吹き、白目を剥いた恐ろしい形相で呻きながらのた打ち回り、やがて赤れいむの皮を破ってりぐるが飛び出してきた。 「りーぐるんるん!」 「おくちをとじるよ!むん!」 「むーしゃむーしゃ!」 そう言ってまりさは思いっきり口を瞑った。 しかし、りぐるは口内で生成される微量の鬼胃酸でいとも容易く皮を破って体内への侵入を試みる。 結局、まりさはその拍子に声を上げてしまい、他のりぐるの口からの侵入を許してしまった。 「ゆぐっ!やべでね!まぢざ、おいぢ、ぢぢ・・・ぢ、ぢ・・・ゆ゛びぃ!?」 「りーぐるんるん!」 「ゆぅぅぅううう!そうだわ!」 その凄惨な光景に驚愕し、多くのゆっくりが逃げ惑う中、1匹のありすが敢然とりぐるに飛び掛った。 圧倒的な体格差に物を言わせてのボディプレス。 平地であることが幸いしたのか、りぐるはくぼみに身を隠して攻撃をかわすことが出来なかった。 「ゆゆっ!いっぴきやっつけたわ!」 「「「「りーぐるんるん!」」」」 「ゆゆっ!どおぢでー!まだいっばいいるよおおおおお!?」 が、解き放たれたゆっくりりぐるの数はおよそ100匹。 あっという間に取り囲まれてしまったありすは、わずかな隙にりぐるに侵入される。 こうなってしまえば後はただ食われるばかり。 「ゆ゛っ!いだっ、いだいいいいいい!?ごんなの、どかいはぢゃないわ!?」 「「「りーぐるんるん!」」」 「や゛べ・・・でぇ・・・」 またたく間にありすの柔らかい皮は外と内から溶かし、食いちぎられてみるも無残な姿になってしまう。 破れた皮からカスタードが漏れ出し、彼女がもはや助からないことを示している。 10秒後、中に侵入したりぐるが飛び出してきたときには、ありすはすでに息絶えていた。 「「「「「りーぐるんるん!」」」」」 「「「りーぐるんるん!」」」 「ゆうううう!ゆっくりしね!」 カサカサと地面を這いながら逃げ惑うゆっくり達に近づいて行くゆっくりりぐるの群れ。 衝動に任せて若いまりさがその群れの中に飛び込んで行くが、2匹ほど潰しただけで大半が健在。 今度はそのまりさに目を付けたらしく、彼女の周りをくるくる回りながら、歯と酸でじわじわと嬲る。 「ゆぐっ!いだいよ、やべでね?!」 「りーぐるんるん!」 「ゆぶぅ!やべでえええええ!?おぐぢさんはまりざのゆっぐぢぷれいずだよ!?」 が、必死の抵抗もむなしく、まりさもまた中と外から食い破られてずっとゆっくりしてしまった。 その後もりぐる達は今までと同じように集団からはなれた個体を襲う戦法を繰り返した。 その度に数を減らしながらも1匹1匹確実に食い散らかしてゆく。 「むきゅ・・・ここまでね。でも・・・!」 「「「りーぐるんる、びぃ!?」」」 「さあ、ぱちぇのおくちにはいってきなさい!」 集団の中にいてこそ力を発揮するはずのゆっくりぱちゅりーが意外な奮戦を見せていた。 どうやら彼女は現在のりぐるの戦法が最善のものでないことに気づき、身をもって仲間に戦い方を示しているようだ。 小さなりぐるがその力を遺憾なく発揮するのは一箇所に固まっている集団の中に潜り込んだその時である。 「む゛ぎゅ・・・」 「「りー・・・ぐ、るん・・・る・・・」」 「「「!!?」」」 何故かぱちぇを食い破って出てきた仲間が虫の息であることを知ったりぐる達は驚愕した。 1匹はぱちゅりーに食われ、もう1匹は彼女があらかじめ含んでいた土を彼女の中で被って痛手を負わされた。 平坦な場所で、死を覚悟して戦えば体の弱いぱちゅりーでさえも5匹は倒せる。 その事実がゆっくり達を励まし、りぐる達を恐怖のどん底へと陥れた。 「れいむ、おちびちゃんのためにがんばるよ!」 「まりさもゆっくりがんばるよ!」 「わかるよー」「ちーんっぽ!」 生き残ったゆっくり達の中でも勇敢な数匹がぱちゅりーの遺志を継いで、りぐる達めがけて飛び跳ねてゆく。 一方のりぐる達は一応抵抗するものの、先ほどまでの勢いは微塵もなく明らかに逃げ腰だった。 「ゆっくりふまれてね!」 「「ゆぎっ!?」」 「「「りーっぐるんるーん!?」」」 れいむの一撃で2匹のりぐるが潰され、続く2度目の踏みつけで更に1匹のりぐるが潰される。 りぐるの攻撃には先ほどまでのキレも統率の取れた動きもなく、それがさらにれいむ達を優位に立たせる。 こうして、たった1匹のれいむを倒すために最終的に9匹ものりぐるが犠牲になった。 「ゆーっ!ありすもいくわ!」 「むきゅ・・・ぱちぇもがんばるわ~」 「りーっぐるんるーーーーん!?」 更に続々と参戦するゆっくり達を前にりぐる達は完全に戦意を失って逃げ惑う。 が、必死の逃亡も逃げられない状況ではジリ貧を招くだけ。 1匹、また1匹と潰されながら徐々にその数を減らし、更に10匹ほどのゆっくりを道連れにりぐるは全滅した。 「ゆふぅ~ん、ゆうかすっきりしたいわ!」 「ゆゆっ!ゆうかだよ!?」 「ゆうかがたくさんいるよ!ゆっくりぃ?」 思った以上に不甲斐なかったりぐるの代わりに、今度は発情しているゆうかを20匹ほど差し向ける。 ゆっくりゆうか。何故か畑を耕すことを好むゆっくりで、一般に捕食種とされている。 しかし、正当防衛でもない限り積極的に他のゆっくりを食べようとしない彼女の捕食種たる所以はあまり知られていない。 「ゆっくりしていってね!ねえ、まりさ、ゆうかとすっきりしましょ?」 「ゆゆっ!?ま、まりさは・・・ゆ、ゆっくりぃ・・・?!」 「まりさのほっぺ、とってもすべすべでゆっくりできるわ!」 本来ここまで積極的な種ではないのだが、すでに発情しているがゆえにすぐにすっきりーを求めるゆっくりゆうか。 まりさはその申し出にためらうが、ゆうか種は総じて美ゆっくりとされている。 このゆっくり出来ない地獄の中でそんなゆうかに積極的に迫られて抗うことなど出来るはずもなかった。 「ゆぅ~ん!ゆ、ゆうかのほっぺもとってもゆっくりしてるよ!」 「す~りす~り」 「す~りす~り・・・ゆっくり~」 ゆうかの美貌を間近で目の当たりにしたまりさはもう彼女の虜。 他のゆっくりの目もはばからずにすりすりに興じる彼女の頬はとてもだらしなく緩んでいる。 今、柵?の中ではそんな痴態が差し向けられたゆうかと同じ数だけ繰り広げられていた。 「ゆぅ~ん、ゆうかおーねちゃんとってもゆっくりしてるね!」 「れいむもとってもゆっくりしてるわ!す~りす~り」 「ゆぅぅうん・・・とってもとかいはだわ!」 最初は軽いスキンシップ。 その行為を徐々に激しくしていくと、頬をこすり付けあう2匹の体から汗のようなものが噴き出す。 汗のようなものをお互いの頬に練りこむように、いっそう激しく頬を擦り付ける。 「ゆ~ん、ゆふん・・・ゆぅぅぅうん・・・」 「ゆぅ・・・まりさぁ~、ゆっくりぃ~♪」 やがて、2匹の頬が赤く染まり、体温も若干上がって本格的にすっきりーの体勢に入る。 と言っても人間の目には今までの頬ずりを体が湿った上体で続けているだけにしか見えないのだが。 それでも2匹にとっては情熱的な愛の舞踏であることに違いはなく・・・お互い、徐々に昂ぶって行く。 「ゆっ!まりさぁ・・・ゆっくりぃいいぃぃい!」 「ゆぅぅぅぅうん・・・ゆうかぁあぁぁ・・・!」 「「すっきりー」」 お互いのゆっくりした気持ちが最高潮に達した瞬間、同時にすっきり宣言をした。 直後、まりさの額からにょきにょきと茎が生え、そこにいずれ赤ゆっくりとなる小さな実が実る。 他のゆっくり達もゆうかでないほうの種がにんっしんっしたらしく、それぞれ額に赤ゆっくりを実らせていた。 「ゆゆ~ん・・・すごくゆっくりしたあかちゃんだよ~♪」 「ゆうかとありすのとかいはなあかちゃんだわ!」 「みんなとってもゆっくりしてるね!」 本人達ばかりでなく、周りに居た他のゆっくり達も子どもの誕生を祝福する。 こんなゆっくり出来ない場所でようやく見つけたゆっくりをかみ締め、分かち合うように・・・。 後のことを考えていないのか、考えたくないだけなのか、ただ目の前のゆっくり出来るものを眺めながら微笑んでいる。 「ゆぅ・・・ゆうか、みんながみてるよ!ちゅっちゅははずかしいよぉ」 すでに公開交尾をしているにも関わらずゆうかにキスを迫られて照れる彼女のつがい達。 しかし、その表情はまんざらでもなくあっさりとゆうかのキスもといちゅっちゅを受け入れた。 「~~~~~~~っ!!?」 「おああああああ!?」 「うあ゛あ゛ーーーーっ!?」 直後、ゆうかと口づけを交わしたゆっくりがろれつの回っていない悲鳴を上げた。 当のゆうかは涼しい顔をしてつがいから引きちぎった舌を地面にはき捨てると、再びパートナーに擦り寄る。 そして、茎を折らないように彼女達をひっくり返すと、底部を容赦なく食いちぎり始めた。 「あ゛あ゛あ゛・・・!?」 「う゛い゛い゛いい゛ぃ!?」 「ゆゆゆっ!や、やめてあげてね!いたがってるよ!?」 周囲のゆっくりはその凶行を必死に止めようとするがゆうかは一向に止めようとしない。 何匹かは力づく止めようとしたが、ゆうかの方が圧倒的に身体能力が高くそれも叶わなかった。 そうこうしているうちにも茎を生やしたゆっくり達の底部は二度と使い物にならないほどに傷つけられていった。 「う゛う゛・・・うい゛ッ!?」 「・・・ゆっくりかんせいしたわ」 「ゆえーん、ぎょわいよおおおお!?」 今や周囲のゆっくり達はゆうかに近づこうとすらせず、遠巻きから様子を伺いながら怯えるばかり。 が、ゆうかは舌と底部を失いただの鉢植えとなってしまったつがいを眺めながら満足げに笑っている。 それから傷を付けすぎて中身が漏れ出している場所がないかを念入りに確認し終えると、大事な鉢植えに頬ずりをした。 「ゆうかのあかちゃん・・・ゆっくりうまれてね」 総勢20匹、もとい20個のゆっくり植木鉢というのは中々の壮観で、虐待家にとっては悪くない光景だろう。 しかし、今回の目的はあくまで虐殺。そんな有様になったゆっくりを生かして嬲るというのは目的外。 と言うわけで、全力で植木鉢どものそばまで駆け寄ると彼女達を踏み潰し、放り投げ、水の中に落として処分した。 「ゆゆっ、ゆうかのあかちゃ・・・ゆ゛っ!?」 「なにするの、ゆっくりやめて・・・ぎぃ!?」 ついでに文句をたれてきたゆうかも処分し、いつの間にやら100匹以下にまでを数を減らしたゆっくり達と向かい合った。 (その5へ?)
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※fuku2325の続きです 一旦部屋を出た隣人が戻ってきた時、その両手にはボウルが抱えられていた。 ボウルは水で満たされており、中央には正方形の小さな木の板が浮かんでいる。 そしてその各辺に向かい合う形で、数センチ離れて4枚の木の板がこれまた浮かんでいる。 そしてその中の3枚は、中央向きの辺に垂直になるように木の板の壁がある。 「これがレベルハード……クォータージャンプ…………!」 「さて、これからルールを説明するぞ」 「うー!うー!」 食事が運ばれてくると思ったら謎のボウルが運ばれてきて、いぶかしげに見る赤ゆっくり達に男と隣人が説明を始める。 「まず、この中央の板に1匹、他の4枚の板に1匹ずつ配置についてもらう。 中央の1匹は目隠しをしてこの4方向のうちのどれかに向かって飛ぶ。見ての通り、壁がないところに飛べればゲームクリアだ。 中央の板との差は数センチ、助走をつけなくても十分飛べる距離だ」 「クリア出来た者には豪勢な食事等、れみりゃと同じ扱いをしてやろう…………」 「ゆ!とべばごはんもらえるの!」 「ゆっくちとばせてね!」 食事と聞いて、赤まりさ達の目が輝き始める。当然だろう、もう丸3日も何も食べてないのだから。 しかし、親まりさと赤ぱちゅりーは不安げな表情だ。 「むきゅ…………でも、ほかのところにとんだら?」 「ああ、それは見ての通り、飛んでも虚しく板の壁にぶつかるだけだ。当然飛べば落下、水の中に落ちる」 「ゆゆ!そんなゆっくりできないこと、まりさのあかちゃんにやらせないでね!」 「心配はいらない。他の4枚の板にもそれぞれ赤ゆっくりがいる。そしてそいつらは、中央の赤ゆっくりに助言できる。 つまりセーフエリアにいる者が『こっちは大丈夫』、他の者達が『こっちは危険』と言えば平気さ。 ついでにサービスとして親まりさ、お前もセーフエリアの情報を教えていいぞ」 「そんなことしていいの!?それならかんたんだね!」 随分と有利な条件を出され、親まりさは完全に安堵の表情である。 赤まりさ達は、早く始めろと言いたげだ。赤ぱちゅりーは……まだ不安げである。 「ククク……それでは配置についてもらおう。では飛びたい者はいるか……?」 「むきゅ!ぱちゅりーがとぶわ!」 真っ先に立候補したのは、意外にも赤ぱちゅりーだった。 この賢いゆっくりは気付いていた。あまりに有利すぎる、何か罠があるに違いないと。 それなら、この危険な役目は自分が引き受けるべきだ。妹達には任せられない、そう思い立候補した。 だが、そんな心は赤まりさ達には知る由もない。 「おねーちゃん、ずりゅいよ!」 「まりさもとびたいよ!ごはんほしいよ!」 「むきゅー!だめよ、きけんだわ!」 赤まりさ達も条件を聞き、それなら楽勝だと我も我もと立候補し始めた。 赤ぱちゅりーが必死に説得するも、全く聞き入れられず、喧嘩を始めている。 このまま見ているのもそれはそれで面白いが、今回の目的はクォータージャンプだ。 男は適当な赤まりさをつまんだ。 「よし、じゃあ今回はお前に飛んでもらうか」 「やった!ゆっくちとぶね!」 「ゆゆ!?おねーちゃんだけずりゅいよ!」 「ごめんね!こんかいはおねーちゃんにまかせてね!」 「むきゅ!きをつけてね!なにがあるかわからないからね!」 つまんだ赤まりさに布の切れ端で作った目隠しをし、方向感覚を失わせるため何回かくるくる回し、中央の板に置く。 そして他の4匹を手に乗せ、ニヤリと笑ってゆっくり達に話しかけた。 「そうだ、一つ言い忘れた。もしセーフエリアに飛べたら豪勢な食事が出ると言ったよな。 あれはあの赤まりさを自分のところに飛ばすことができたゆっくりにも同じ条件を出してやるよ」 「ゆ?どういうこと?」 ゆっくりにとっては難しい言い方だったのだろう、皆きょとんとしている。 「つまり、お前らが『こっちが安全だよ』と言ってあの赤まりさを自分のところに飛ばすことができれば、 そいつにも豪勢な食事など、れみりゃと同じ扱いをしてやるってことだ。 セーフエリアにいなくても、自分のところに飛ばせればOKだ。まぁその場合、あの赤まりさは水の中だがな」 要は、姉妹を殺して自分が食事を得ることができるということである。 少しの静寂のあと、赤ぱちゅりーの顔が青ざめていった。一方、赤まりさ達は目の色が変わっている。 親まりさと、目隠しされた飛び役の赤まりさは少し慌てたが、相変わらず平静を保っているようだ。 この2匹は信じていた。いくら空腹でも、姉妹を殺してまで食べようとはしないだろうと。 赤ぱちゅりーも同様に信じていた…………いや、信じることにした。 「それでは……GO……!」 「うー!」 隣人とれみりゃの合図により、ついにゲームが開始される。 この時、飛び役まりさは安心しきっていた。姉妹が助けてくれると信じていたからだ。 その期待に応えるように、早くも声が聞こえてくる。 「むきゅー!こっちがせいかいよ!」 赤ぱちゅりーの声だ。 実はこの赤ぱちゅりーこそが、セーフエリアに割り当てられた赤ゆっくりである。 懸命に声を振り絞る。それは自分のところに飛ばせて食事を貰おうという気はなく、純粋に妹を助けようとした行為だ。 透明ケースの中で見ていた親まりさも、セーフエリアのぱちゅりーの声に安堵した。 早速飛び役まりさが赤ぱちゅりーの声の方へと慎重に歩いていくが、そこに予想外の声がかかる。 「だまされないでね!こっちがあんぜんだよ!」 「どっちもちがうよ!まりさのほうだよ!」 「おねーちゃん、だいじょうぶだからこっちにきてね!」 飛び役まりさ、赤ぱちゅりー、親れいむはびっくりした。 何せ全員が全員、自分の方こそセーフエリアだと主張しているのだ。 しかし、セーフエリアはただ一つ。必然的に3匹は嘘をついていることになる。 「むきゅー!しまいよりもごはんのほうがだいじなの!?」 「ぱちゅりーおねーちゃんはうそちゅきだよ!きをちゅけてね!」 「まりさのほうだっていっちぇるでちょおおお!!!」 「みんなだまそうとちてるよ!しゃいてーだね!でもこっちはだいじょうぶだよ!」 飛び役まりさはパニックに陥った。 皆でセーフエリアを教えて簡単に食事にありつけるはずが、全く逆の展開だ。 一体誰を信じればいいというのだろうか。 「おいおい、困っているみたいだぞ。お前の出番じゃないのか?」 男が親まりさに耳打ちする。 赤まりさ達の裏切りに呆然としていた親まりさだが、その声で我に返ったようだ。 自分が飛び役まりさにセーフエリアを教えれば、助けることができるのだ。 「せいかいはぱちゅりーのところだよ!おかーさんをしんじてね!」 皆が一斉に親まりさの方を向く。 餡子を分けた自分の子供達、最後には自分を信じてくれると思っていた。 3日前のゲームで姉まりさを助けられず、今まで一人だけ食事を摂っていた親まりさは、飛び役まりさにはもはや信頼を得られなかった。 「おかーしゃんはだまっちぇね!」 「ひとりだけごはんをたべるおかーしゃんは、ゆっくちできないよ!」 「おかーしゃんのいうこちょはむちちてね!」 「むきゅん!ひどいわよみんな!」 「どぼちてえええええ!!!!!!」 愛する我が子に自分の意見が全く信用されないのはどんな気持ちだろうか。 親まりさは必死に泣き叫んでいるが、もはや赤ゆっくり達には雑音でしかないようだ。 飛び役まりさは誰の言うことも信じられず、右往左往するばかりであった。 5分ほど経っただろうか。ついに飛び役まりさは、意を決した。 向かう先は、末っ子の赤まりさ。姉妹の中で最も可愛がっていた最愛の妹である。 きっと自分を騙すことはないだろう。そう思い込み、声の方へと向かっていく。 「そうだよ!おねーちゃん、こっちだよ!」 「まっててね、今行くよ!」 「むきゅううう!!!そっちはだめよ!」 「やめてええええええ!」 赤ぱちゅりーと親まりさ、そして他の姉妹達の警告を無視し、ついに板の縁へとたどり着く。 この先こそが安全に違いない。そう信じ、飛んだ。 そしてその直後、跳ね返された赤まりさは絶望を抱えたままボウルの中へ落ちていった。 「どぼちて…………こんなことに…………」 「やっちゃね!これでおいちいごはんをくれりゅんだね!」 悲痛な表情の赤ぱちゅりーと親まりさ、沈んでいった赤まりさや口汚く罵る赤まりさ達には目もくれず、末っ子まりさは大喜びだ。 「ククク……見事だ、では……」 「ああ、分かってる。それじゃあ仲良くな」 男は末っ子まりさを摘むと、隣人の側にいるれみりゃのすぐ近くに置いた。 れみりゃは末っ子まりさを目の前にし、うーうー楽しそうに唸っている。 「ゆ!れみりゃはこわいよ!ゆっくちできないよ!はやくたちゅけてね」 「いやいや、わしは言ったぞ……れみりゃと同じ扱いにしてやる、と……」 「まずは今まであんな狭い箱に閉じ込めていたから、れみりゃと同じ広い所に出してやらないとな。 喧嘩はほどほどに、な。喰われるかもしれんが、まぁそれも喧嘩の範疇だ」 しばらく末っ子まりさはポカンとしていたが、自分が喰われそうだ、ということは理解できたようだ。 一転、大声で泣き叫び始める。 「ゆううううう!!!!なにちょれえええええ!!!!」 「んじゃー俺らは食事を持ってくるから、それまで仲良くな」 「ククク……もちろん、それまで生きていたらだがな……」 「うー!うー!」 男と隣人が部屋を出て行き、れみりゃが舌なめずりをする。 十分後、二人が戻ってきた時に部屋にいたのは満足そうなれみりゃと泣いている赤ぱちゅりーに親まりさ、そして大笑いしている二匹の赤ゆっくりだけで、末っ子まりさの姿はなかった。 「おやおや……せっかく食事を持ってきたというのに、どこへ行ったものだか……」 「しょうがないな。んじゃれみりゃ、喰うか?」 「うー!」 食事を食べるれみりゃとそれを眺める二人へ、ケースの中の親まりさがか細い声で聞いた。 「おにいさんたち……どうしてこんなことするの……」 「んー……、まぁ、楽しいからかな」 「え……たのしいから、まりさのあかちゃんたちをころしたの……」 隣人がニヤリと親まりさに笑いかける。 「ククク……ゆっくり崩壊のパターンはいろいろあってじつに興味深い…… わしはその様を現場、あるいはTVで眺めながられみりゃと遊ぶのを人生最高の愉悦と感じておる…… ゆっくりが崩壊していく様は、楽しい…………」 パートナーのぱちゅりーを失って悲しみにくれる自分を支えてくれた赤ゆっくり達。 幸せだったあの時は、この二人の人間によって壊された。 それも、自分達が楽しいからなどという勝手な理由で、赤ゆっくり達を殺した。 7匹もいた自分の家族。2匹はこの飼いれみりゃに喰われ、その命を落とした。 1匹はノミで打たれ真っ二つに。1匹は水の底へと沈んでいった。 そして2匹は姉妹の命より自分の食事を優先するようになり、まともなのは1匹の赤ぱちゅりーのみ。 自分達の家族は、たった3日で崩壊したのだ。 「むきゅー……おかあさん、しっかりして……」 赤ぱちゅりーが慰めてくれても、親まりさはただ涙することしかできなかった。 翌日の昼。 隣人は男を招き、最後の仕上げに入った。 「ゆっくち……したいよ……」 「ごはん……まだ……」 「むきゅ……」 再び箱に入れられた赤ゆっくり達には昨日も全く餌を与えず、もう餓死寸前である。 おそらくあと何時間ももたないだろう。 「おにーさんたち……まりさはいいから、あかちゃんにごはんをあげてね」 「ククク、喜べ……今日でお前達は解放してやろう……」 予想外の申し出に、親まりさは目の色を変えた。 それはもちろん、瀕死の赤ゆっくり達も同様である。 「ゆ!ほんとうに!?はやくおうちにかえしてね!」 「いいだろう……それでは、助けたい赤ゆっくりを一匹選ぶがいい…‥」 意味が分かっているのか分からないのか、親まりさは固まっている。 男が補足をした。 「この3匹の中で1匹だけ、お前と一緒に逃がしているからそいつを選べってことだ。 残り2匹はどうなるかっつーと」 「うー!うー!」 「我がれみりゃのランチだ……ククク……」 「そんなのえらべないよお゛お゛お゛おお!!!!!!」 「んじゃ全員殺すか」 「それもだめえ゛え゛え゛ええ!!!!!」 一方、2匹の赤まりさ達は先ほどの瀕死の様子はどこ吹く風。 我先にと親まりさにアピールを始める。 「おかーしゃん、まりさをたちゅけてね!」 「そんなやちゅほっちょいて、まりさにちてね!」 先日まで散々罵倒していたというのに、この変わり身の速さ。 幼いながらもまりさ種といったところだろう。 「おかーしゃん、はやくまりさにちてね!」 「うるちゃいよ!まりさにきまってるでちょ!」 親まりさは大騒ぎする赤まりさ達を困りながら眺めていると、ふとその横の赤ぱちゅりーが目が合った。 赤ぱちゅりーは弱々しい、しかし強い意志を感じる声で言った。 「むきゅ……ぱちゅりーはいいから……いもうとをたすけて……」 その瞬間、親まりさにはパートナーだったぱちゅりーの姿が脳裏をよぎった。 すっきりする直前、親まりさに向けたぱちゅりーの最後の言葉。 「もしぱちゅりーがしんでも、あかちゃんたちをまもってね……」 親まりさは常に自分より他人を優先した、心優しいぱちゅりーを愛していた。 そして今ここに、同じく自分の身より妹を優先する赤ぱちゅりーがいる。もう迷うことはなかった。 「ぱちゅりーを……たすけてください……」 「さいちぇーなおやだね!ふじゃけないでね!」 「ちねえええ!ゆっくちちねええええ!」 もはや死を逃れられない2匹の赤まりさは、最後まで親への罵倒を続けていた。 玄関へ置かれた親まりさと瀕死の赤ぱちゅりーに隣人が問う。 「ククク……あいつらはいいのか……」 「まりさは、ぱちゅりーをがんばってそだてるよ……」 親としての愛情は全く無くなったわけではない。 それでも、最後まで自分を責めることのなかった赤ぱちゅりーとは比べものにならなかった。 「んじゃ、達者でな」 「うー!うー!」 「ごめんね……あかちゃんたち……」 親まりさは歩く体力も残っていない赤ぱちゅりーを口の中に入れ、森の巣へと急いで駆け出した。 あそこなら保存してある食料がある。赤ぱちゅりーを助けられる。 親まりさが出て行った後、隣人の家では。 「「ちね!ちね!ちね!ちねえええええ!!!!!」」 数分後れみりゃに喰われる運命となった赤まりさ2匹が、ひたすら出て行った親を罵倒し続けている。 「それにしてもいいのか?あの親まりさと赤ぱちゅりーを逃がしちまって」 「いいんですよ。今回の目的はあのノミで突くゲームとクォータージャンプですから。 1匹だけ逃がすなんてのは最後のちょっとした思い付きです。目的は果たしました」 ゆっくりへの虐待が一段落し、隣人は平常モードへ戻っていた。 「それもそうだな。あの赤ぱちゅりーも巣まではもたないだろうし」 「あの家族には随分楽しませてもらいました。また何か面白いゲームを考えたら招待しますよ」 「ああ、俺も考えとくさ」 笑いあう二人の周りを、れみりゃが楽しそうにうーうー飛び回っていた。 (もうすぐだよ……がんばってね……) 親まりさは巣への道を必死の形相で走っている。 ただ一人残った、最愛の子。この赤ぱちゅりーだけは命に代えてもゆっくりさせてあげたかった。 口に含んでいるため喋れないが、心の中で強く呼びかけたその時。 (おかあさん……いままでありがとう……) その言葉を本当に口の中の赤ぱちゅりーが発したかは分からなかった。 ただでさえ体が弱い赤ぱちゅりー、喋れる元気があるかも分からない。だが、親まりさには聞こえた気がした。 自然と足が速くなる。この子だけは助けたい、と強く思いながら。 「ついたよ!しっかりしてね、ぱちゅりー!」 口からそっとぱちゅりーを巣の中の地面に置く。 目は閉じられており、安らかに眠っているようにも見えた。 「ほら、ごはんだよ!これをたべてげんきになってね!」 ぱちゅりーの好物だった、でも妹達に優先させて食べさせていた木の実を口元に近づける。 しかし、赤ぱちゅりーが目を覚ますことはなかった。 「ほら、ぱちゅりーのだいすきなものだよ……いっしょにゆっくりしよう……」 赤ぱちゅりーはやはり目を覚まさなかった。 「ぱちゅりー……そろそろおきようね……」 やはり目を覚まさない。 「ぱちゅ……りー……」 何度も何度も、親まりさは赤ぱちゅりーに呼びかける。 しかし、赤ぱちゅりーが目を覚ますことはなかった。 終 あとがき 多分次からは普通の作品で行きます。 福本ネタを続けるとしたら欠損ルーレットあたりか。 過去作 ゆっくり鉄骨渡り ゆっくりアトラクション(前).txt このSSに感想を付ける
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「「「ゆ゛~っ!!!」」」 3匹のゆっくりが竹林の中を必死の形相で駆け抜ける。 ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ、ゆっくりありす。 先頭でルートを選択し、後の2匹を導く、ゆっくりありす。 それに続く、ゆっくりまりさ。 運動が苦手なのか少し遅れているのが、ゆっくりれいむだった。 「がおー! たーべちゃーうぞー♪」 3匹は後方に迫る脅威・ゆっくりれみりゃからの逃走の真っ只中である。 普通のゆっくりなら、こんな状況ではすぐに捕まるところであるのだが、障害物の多い竹林と、それを巧みに利用するゆっくりありすの気転により、3匹はゆっくりれみりゃとの距離を保ったまま竹林を突き進んでいた。 しかし、こういう危機にこそ、アクシデントというものは起きる物だ。 最後尾にいるゆっくりれいむが突然つまづいてしまったのである。 ゆっくりれいむは人間でいうところの運動神経に欠けており、もし、ゆっくりありすの先導が無ければ、自ら竹に突っ込んで破裂してしまうのではないか、という程度の運動音痴ぶりであった。 「ゆ゛っ!?」 ゆっくりまりさが立ち止まり、ゆっくりれいむを助けにいく。 それに気づき、ゆっくりありすも立ち止まって、声をかける。 「れいむ! はやく立ち上がってね!」 そもそも倒れているのと立っているのの差もほとんどないのだが、ゆっくり達の概念的には一応存在しているようだ。 ゆっくりありすは正直なところ釈然としない。 なぜなら、この複雑な竹林の中で、ゆっくりれみりゃに追われながらのルート選択という難問の中においてなお、足元の小石などにも配慮して、なるべく走りやすいルートを選んでいたのだ。 すなわち、ゆっくりれいむは何も無いところで躓いてころんでしまったわけである。 以前から、ゆっくりありすは ゆっくりれいむに対し思うところがあった。 ゆっくりれいむのために危機を迎えたのは今回限りの話ではないのだ。 『もし、れいむがいなければ、もっと楽にゆっくりできるのに。』 正直な所、そう思ってしまうことも多々あった。 しかしすぐに、そんな考えを持ってしまう自分を自ら戒める。 なぜなら、ゆっくりれいむも ゆっくりまりさも大事な友人だから。 3匹は子供のころに、それぞれの親を亡くしてしまっていた。 いずれもゆっくり捕食種の襲撃によるものである。親に守られて何とか命拾いした3匹。いつしか出会い、協力して、どうにかここまで生き延びてきたのである。 そんな3匹にもいよいよ生命の危機がそこまで迫っていた。 ゆっくりれいむは急いで立ちあがったものの、次の1歩で再び転んでしまい、今度は横の竹に激突してしまった。もはや、スタミナ切れで、餡子がもつれているのであろう。 そしてその背後にはついに、ゆっくりれみりゃが口を開いており、今にもゆっくりれいむを食べようとしていた。 「いーただーきまーす♪」 このゆっくりれみりゃは胴なしのタイプである。 これは逃走していた3匹のゆっくりにとって不幸なことであった。 もし胴つきの希少種ゆっくりれみりゃであれば、おそらく竹に激突していたのはゆっくりれみりゃの方であろう。 しかし、ここにいるそれは無駄に人間を模した足が無いために激突する可能性は低い。 飛んでいるゆっくりれみりゃはコウモリの性質が強く残っており、超音波を利用した反響定位によって、複雑な地形と化している竹林の中でも、なんなく進んでいけるのである。 「「「ゆ゛~~~~っ!!!!」」」 3匹のゆっくりは死を覚悟した。 ゆっくりれみりゃが今まさに目の前にいる饅頭を食らおうとした際に、3匹のゆっくり達にとっての救世主が舞い降りた。 「お待ちなさい!」 兎のような耳を持つその少女の、赤い瞳が妖しい輝きを放つ。 ゆっくりれみりゃは その瞳にとりこまれるかのように、その場で静止した。 ゆっくりありすは その一瞬を見逃さず、すかさず声をかける。 「まりさ、れいむ! はやくこっちへ!」 「「ゆっ!」」 駆け出す2匹。 その声に反応して、我に返ったゆっくりれみりゃは再び獲物の追走に入る。 しかし次の瞬間…… ゆっくりれみりゃは頼もしく育った1本の竹に、全速で激突した。 「う゛~? う゛~?」 ゆっくりれみりゃには一体何が起こったのかわからない。 目をぱちくりさせるが、そうこうしてるうちに獲物はさらに遠くへと逃げてしまう。 ゆっくりれみりゃは気を取り直して再び浮遊。そして全速で追走に入り……そして全速で竹に激突する。何度も何度もそれを繰り返した。 「う゛わ゛あああああああ!」 ゆっくりれみりゃは ついにその場で泣き出してしまった。 「まんじゅういらない! おうちかえる!」 獲物を諦めたゆっくりれみりゃは 何十回と竹にぶつかりつつ、竹林を後にした。 さきほどまで すいすいと竹林をかき分けて飛んでいたはずなのに急に竹の位置が正確にわからなくなってしまったのだ。 その原因はあの兎少女・鈴仙の赤い瞳から発せられた妖しい光。超音波を狂わせることで、コウモリとしての能力を奪っていたのだ。 これは鈴仙の、無駄な殺生をしたくないという意向が強く働いた結果の措置であろう。 当のゆっくりれみりゃも、この竹林さえ越えれば いつもどおりに飛ぶことができるようになる。そこまで何度衝突するかは知らないが。 「「「おねーさん! たすけてくれてありがとう!」」」 逃走していた3匹のゆっくりは、ゆっくりれみりゃが飛び去るのを確認して、自分達を救ってくれた救世主にお礼を言いに戻ってきた。 「いえいえ、当然のことをしたまでよ。」 鈴仙はやさしく応えて、そのまま言葉を続けた。 「ところで……ここは危ないでしょうし、よかったらもっとゆっくりできるところまで案内してあげるけど?」 先ほどの逃走劇で疲れ果てているゆっくり達には魅力的な提案。 しかし、ゆっくりありすは考える。 『人間達は嘘をつくから気をつけろって、おかあさんが言ってたな』 実際のところ相手は人間ではないのだが。 ゆっくりありすが この申し出は断ろうと口を開く。 「ごめn」「「ゆっくりしたいよ!! ゆっくりつれていってね!!」」 ゆっくりれいむと ゆっくりまりさが、ゆっくりありすの言葉を遮った。 ゆっくりありすは一瞬唖然とするが、しかし理解も示す。 『あああ……まあ仕方ないかしら……』 ゆっくりれいむは この様子では、しばらく歩けないであろう。 この場で回復を待つにしても、確かに危険が無いわけではない。さらにいえば、辺りに食料も見られない。これに乗らない手も無いのかもしれない。 個人的には行きたくないのだが、2匹とバラバラになるのも心細い。ゆっくりありすも仕方なく了承し、3匹は鈴仙に着いていくことにした。 鈴仙が動けないゆっくりれいむを持ち上げる。 「ゆっ! たかいたかーい♪」「いいなーっ、れいむ」 先ほどまでの危機など嘘のように、ノンキである。 鈴仙は3匹を連れて永遠亭へと向かった。 永遠亭に辿りつくと、入り口で3匹に待つように言う鈴仙。 鈴仙はお使いを頼まれていたのだ。 「お師匠さまー! つれてきましたー!」鈴仙は八意永琳に声をかける。 「ありがとう、うどんげ。地下の庭でゆっくりさせてあげて。」永琳は応えた。 鈴仙は入り口に戻ると、3匹を連れて地下のとある部屋まで案内した。 「「「ゆ~っ!!」」」 部屋に案内され驚くゆっくり達。 その部屋の中は、まるで外の自然と同じ物である。 地面には緑が生い茂り、川も流れている。空も青く、雨の心配も感じさせない。 「すごい!おうちのなかなのに、おそとにいるみたい!」 ゆっくりまりさが興奮する。 「でもごはんはどうしたらいいの?」 ゆっくりありすは未だに疑いを捨てきれていないようだ。 そんなありすの疑いを晴らすかのように鈴仙は言う。 「ごはんは私が後でもってきてあげるから、思う存分ゆっくりしていってね。」 さらに追い討ちをかけるように続ける。 「ここならゆっくりれみりゃとか ゆっくりふらんも絶対こないから安心してね。 夜になったら明かりは消すから、好きなところでゆっくり眠ってね。」 「「「ゆ~っ! ゆっくりしていくよ!」」」 絶対的に保障されたゆっくりプレイスの存在に、ゆっくりありすももはや抗うことはできなかった。 それからの5日間、ゆっくり達はまるで理想郷にいるような生活を送った。 広さには限界があり、風景が変わらない点には、多少の不満はあったのだが、生命の安全と食事が約束されていることもあり、毎日毎日 思う存分ゆっくりすごしていた。 しかしゆっくりありすだけは、その生活にかまけているだけではなかった。 「うさぎさんにめいわくかけられないし、そろそろおそとにもどらない?」 ゆっくりれいむと ゆっくりまりさに提案してみる。 無論、そんな提案にのるゆっくりれいむとゆっくりまりさではない。 「ゆっ!? なんででていかなきゃいけないの?」 「ここはれいむたちのおうちだよ! ずっとゆっくりしていくよ!」 ゆっくり達としては当然の反応。 むしろ ゆっくりありすが変わり者のような扱いである。 翌日、3匹はいつものように食事を終えたあと、川で水分補給をしていた。 並んで川に顔を突っ込む姿は少々滑稽である。 しかし、ここで いつもと違うことが起こった。 水を飲むのを早々に切り上げた ゆっくりれいむと ゆっくりまりさが、水を飲んでいるゆっくりありすの後ろに、しずかに移動した。 「ゆっ?」 影に気がつき振り返るゆっくりありす。 その瞬間、2匹のゆっくりの体重がゆっくりありすへと向けられた。 「ゆ゛っ!?」 何が起こったのかわからないまま、ゆっくりありすは宙に浮く。 そしてゆっくりと川へ落ちていった。 「ゆ゛っ! ゆ゛っ! だずっ…けでっ!」 溺れながら助けを求めるゆっくりありす。 しかし、友人であったはずの ゆっくりれいむと ゆっくりまりさは、川辺で溺れる ゆっくりありすを見てニヤニヤしていた。 「ゆっくりできない ゆっくりありすは、ゆっくりしんでね!」 「これからはれいむとまりさだけで ゆっくりしていくね!」 絶望し言葉を失ったゆっくりありすは、泳ぐ気力も失ったのか、そのまま水没した。 『みんなで生きていくために、がんばったのに。』 『親友、いや……家族のようなものだと思っていたのに。』 実際、ゆっくりありすは3匹の中で一番生存するための技術に長けていた。 それはゆっくりれいむと ゆっくりまりさのため。そして自分のため。ゆっくりれいむと ゆっくりまりさも、それは認識しており、そしてそれを利用していた。しかし、今はもう生存する技術など必要無いのである。 ゆっくり捕食種は襲ってこないし、何をしなくても食事にありつける。 満たされていた ゆっくりれいむと ゆっくりまりさにとって、何にでも疑いを持つ ゆっくりありすは目の上のたんこぶであった。 また、これから家族をつくっていこうにも、3匹では数が合わない。 ゆっくりありすは、ゆっくりれいむと ゆっくりまりさにとって、今後ゆっくりし続けるためには邪魔な物でしかなかったのだ。 ゆっくりありすは いったい何を悔やんでいいのかもわからないまま、水の中で気を失った。 ゆっくりありすは天使の手の中で目覚めた。 「あら、気がついたのね。大丈夫?」 天使が言う。 「ゆっ……!? てんごく?」 ゆっくりありすは、もはや何が何なのか わからない状態である。 「ふふ。残念だけど天使じゃないわよ。」 声の主は八意永琳その人であった。 天使と見間違われたことに、悪い気はしないようだ。 しかしすぐさま真面目な表情に戻る。 「あなた、このままだと死んじゃうわよ。今すぐ手当てしてあげるからね。」 そう永琳は言った。 地下室の庭にある川は、当然ながら自然の物ではない。 流された ゆっくりありすが水を循環清浄している機械のフィルタに引っ掛かっていたところ、それを点検していた鈴仙の手によって発見され、永琳のところへ連れてこられたのだ。 ゆっくりありすは自分が生き残ったことを自覚すると、こう言った。 「いいの……もう……」 子供の頃から連れそった友人達の突然の裏切り。 仮に生き残って、また ゆっくりれいむと ゆっくりまりさに会っても怒りの感情が面にでてしまいそうで、どういう顔をしていいかわからない。 かといって、れいむとまりさが他の場所にいるのに会えないなんていうのは、身を切り裂かれるような想いであろう。 ゆっくりありすは すでにこの世で生きていく気力を失っていたのだ。 「……そう、わかったわ。」 永琳はそう言いながら注射器を取り出す。 「大丈夫、もう1人じゃないからね。あの子達とずっと一緒にさせてあげるから、ゆっくりしていってね。」 やさしくそういって、ゆっくりありすの身に注射をうつ。 ゆっくりありすは その言葉に にこやかな表情を見せて、最後の眠りについた。 翌朝、地下室ではいつものように ゆっくり達が目覚めていた。 「「すっきりー!」」 いつもと違うのは、3匹が2匹になったことだけである。 しかし その事実もまた、残りの2匹のとってはすっきりな事なのであろう。 「ゆ? ゆゆ?」れいむが身の異変に気づく。 「なんだか あたまがかゆいよ! ゆ゛ー! ゆ゛ー!」 特に外見に変化は無い。しかし痒みにもだえる ゆっくりれいむ。 ゆっくりまりさは その姿が心配になり、ゆっくりれいむの頭を掻いてやることにした。 「ゆっ? このあたり? このあたり?」 ゆっくりれいむの頭にのしかかり、かゆみポイントを探りながらごしごしと身をこするゆっくりまりさ。 「ゆ゛っ! ゆ゛っ! ゆ゛っ! 徐々に顔を紅潮させていく ゆっくりれいむ。何かがおかしい。 その様子に気づいた ゆっくりまりさは、ゆっくりれいむの背後に降りる。 ゆっくりれいむは ゆっくりと、ゆっくりまりさの方へ振り返った。 「まっまっまっ、まりさ!!!」 口にするがはやく、今度はゆっくりれいむが ゆっくりまりさへのしかかる。 どうやら先ほどの行為で発情してしまったようだ。 しかし、おかしい。発情期でもないのに。 「や、やめて! しんじゃうよ! ゆっくりしていってね!」 ゆっくりまりさは抵抗する。なにせまだ成体してはいないのだ。 交尾すれば死がまっている。そのことは ゆっくりありすに教えてもらった。 ゆっくりれいむも その事は知っているはずだった。 しかし、ゆっくりれいむは もう止まらない。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛! れいむのあいをうげどっで~!」 運動音痴とは思えないすばやい動きで、その身をこすり上げる。 そしてほどなくすると、その行為は終了した。 「すっきりー!」 ゆっくりれいむだけが そういった。 ゆっくりまりさは苦痛に泣いている。 「ないでるまりさもか゛わ゛いいいいいい」 そう言うと、ゆっくりれいむは第2ラウンドへ突入した。 「う゛わ゛ああああ、もうやめでえええええ」 もうボロボロな状態である ゆっくりまりさは もはや悲鳴をあげるしかなかった。 その後同じような事が5ラウンドほど続き、ようやく我にかえった ゆっくりれいむは目の前の惨状に驚く。 「まりさ! なんでこんなことに!? まりさ~!!」 ゆっくりまりさから応えは無い。その生命はもう尽きているのである。 ゆっくりれいむは その場で凍りついてしまった。 少しすると、ゆっくりまりさの頭から5本の蔦が生えてきた。 ここのところ ゆっくりできていたためか、成体していないとはいえ母体としての役割はある程度備わっていたのであろう。 蔦からは小さい蕾が生まれ、そして小さいゆっくりの形状へと変化していった。 それを見たゆっくりれいむに幸せの表情が戻る。 「ゆ~♪ れいむのこども!」 自分が友人を死なせてしまったことも忘れたかのうように、新たな生命の誕生に胸を躍らせていた。 しかし、赤ちゃんの形がはっきりしてくると、ゆっくりれいむは再び凍りつく。 蕾の半数は赤ちゃんれいむが占めていた。 そして赤ちゃんまりさが少数。 残りの赤ちゃんゆっくりは……赤ちゃんありすだったのである。 「な、なんでえええええ!?」 まさか、ゆっくりまりさは浮気をしていたのか。 ゆっくりありすのいない所で、2匹だけで将来を語り合ったこともあったのに。 信頼していたパートナーに裏切られた気持ちでいっぱいである。 自分のした事を考えれば因果応報なのではあるが。 ゆっくりれいむが固まっているところに、八意永琳がはいってきた。 「あらあら、もうできたのね。」 そういうと、ゆっくりまりさの蔦の下に籠を設置する。 「うどんげ! こっちの子をを治療室につれていって! まだ使うから!」 そういって、固まっている ゆっくりれいむを指差す。 「はーい」 鈴仙がゆっくりれいむを回収してどこかへ連れていった。 そうこうしているうちに、赤ちゃんゆっくりは いよいよ誕生の時を迎えた。 次々と蔦から、設置した籠へとこぼれ落ちる赤ちゃんゆっくり達。 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 総勢20匹以上の赤ちゃんゆっくり達が次々と誕生の挨拶をする。 「はいはい、ゆっくりしていってね!」 永琳のやさしい微笑み。 すべての赤ちゃんが生まれ落ちると、永琳は籠を背負って居間に向かった。 居間には大きめの透明な箱が置いてあり、永琳は赤ちゃんゆっくり達を籠の中から透明な箱へと移しかえてやった。 「「「ゆ~っ! せまいよ! はやくだしてね!」」」 ゆっくり達は不満をもらしているが、永琳が砕いたクッキーを餌にやると途端におとなしくなった。 「う~ん、煩いなー」 その場へと、永遠亭の主・蓬莱山輝夜がやってきた。 「あら丁度よかった。今できたところなんですよ? 試してみませんか?」 永琳はそう言うと、赤ちゃんれいむを1匹とりだして輝夜に手渡した。 「ゆっくりしていってね!」 赤ちゃんれいむは何をされるかもわからず、輝夜を目の前にして言い放つ。 「普通のゆっくりじゃない。これがなんだっていうの?」 つまらなそうな表情で そう言いながらも、赤ちゃんれいむを口にする輝夜。 咀嚼。 次の瞬間、つまらなそうだった表情が、とろけるような表情へと変わった。 「お……おいひー! なにこれ?」 新鮮な味への驚きによって、輝夜の声が弾みだした。 永琳は応える。 「はしたないですよ、もう。……それがあなたに言われていた、新しいお茶受けです。」 最近、永遠亭のお茶受けといえば ゆっくりである。 永琳が研究がてら選別したものを出しているため、味は良いのであるが、さすがに毎日それでは飽きるのも必然であろう。 そこで、輝夜は永琳に新たなお茶受けを用意するように、命じていたのだ。 とはいえ、研究のついでに、しかも安価で手に入るゆっくりはお茶受けに最適であるため、これを利用しない手は無い。 そこで永琳は新しい中身を開発して、味を変化させようと思いついたのである。 あの日、瀕死のゆっくりありすを注射で眠らせた後、ゆっくりありすの頭を開き、カスタードクリームを絞りとった。 火にかけてクリームの水気を少し抜き凝縮させた後、その日の晩の夕食に混ぜた睡眠薬の効果で眠りこけている ゆっくりれいむの頭を開き餡子を少し取り出して、変わりにクリームを入れたのである。 そしてさらに秘密の薬を流し込んた上で縫合し、翌朝を迎えたのである。 翌朝すぐに赤ちゃんができた事は想定外であった。 ゆっくりれいむの頭の縫合がしっかり馴染む前に朝になってしまったのだろう。 しかし、結果的にそれが怪我の巧妙となり、早々の完成に至ったわけである。 通常の赤ちゃんゆっくりにクリームを注入するだけでは、この味は出せない。 縫合面などの影響がどうしてもでてしまうだろうし、カスタードと餡が馴染まない。 その点、出産という一手間を挟むことによってできた、自然な味のカスタード餡ゆっくりは、赤ちゃんであるために身もやわらかく、まさにお茶受けに最適のお菓子であった。 永琳は、後からきた鈴仙にもカスタード餡ゆっくりを手渡してやった。 鈴仙はそれに舌鼓を打ちながら、今回の研究についての感想をのべた。 「なんか だましているようで申し訳なかったけど……」 鈴仙は あの3匹を助けようとして助けたわけではない。 ただ、研究素材に頼まれていた物がたまたまいて、たまたま襲われそうになっていたから、それを守っただけなのである。 鈴仙は続ける。 「でも、ゆっくりできる状況におかれても、仲間を殺すなんて……ゆっくりは本来ゆっくりできない生物なんでしょうか。」 「そうね、だからこそ ゆっくりしたいのかもしれないわね。」 永琳がそう応え、続ける。 「にしても、人格の融和までには至らなかったわねえ。実験は半分成功で半分失敗かしらね。」 秘密の薬は、その辺りの実験も含めて作った物であるようだ。 「本能だけ残っちゃいましたね。」 鈴仙はそう言う。たしかに、あのときのゆっくりれいむは、まるで発情期のゆっくりありすを見ているようでもあった。 見たところ、あのゆっくりありすは発情したことがなかったようだが、それでも本能に刻まれている部分なのであろう。 その発見は今回の実験の1つの成果であるといえる。 2人が実験の感想を言い合っている中、いつの間にか輪に入っていた因幡てゐが、カスタード餡ゆっくりを無言で食していた。 輝夜はその横で2つめのそれに手をつけていた。 透明の箱の中にいる赤ちゃんゆっくり達は、自分達の仲間が食されていく光景を見て、凍り付いている。甘みも一層増すことであろう。 後に永遠亭のお茶受け・カスタード餡ゆっくりは知人の間で話題になり、特に用もない来客がしばらく後を絶たなかったという。 このSSに感想を付ける
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とあるゆっくりありすとゆっくりしゃんはいの夫婦の間に子供が生まれました。 ありすとしゃんはい、ほーらいが1匹ずつ。 3匹が生まれたその日の内に、親は死にました。巨大怪獣の吐いた重粒子ビームに消し飛ばされたのです。 この巨大怪獣は八雲さん家の藍ちゃんが速やかに退治したので、長い目で見ると幻想郷に大した影響は出ませんでした。 問題は短い目で見た場合です。 生まれたばかりで右も左も分らない、目さえ開いていない3匹のいる巣穴は、3匹の目の前で消滅しています。 そこにいたはずの両親は残骸もありません。 訳も分らない赤ん坊は哀れ、このまま怪獣に踏みつぶされる運命かと思われました。 ですが幸いなことに、お隣のれいむお母さんが様子を見に来てくれました。 「ちょくげきだ! やられたか!? ……う?」 断じて野次馬に来た訳ではありません。 そこでれいむお母さんが見た物は、半ばから吹き飛んだ巣穴の中で身を寄せ合って震えている、生まれたばかりの姉妹の姿。 ついこの間まで子育てをしていたれいむお母さんにとって、その光景はとても放っておける物ではありません。 「あわわわわわ。で、でておいで! ゆっくりにげないとふみつぶされるよ!」 「ゅー、ゅー……」 「ぉかーしゃん、どこー?」 「ゅーゅー……」 「どうしよう、どうしよう。ゆー、ゆー……。! そうだ! ゆ! おかーさんはここだよ!?」 おや? とれいむお母さんの方を向く3匹。ここで初めて3匹がれいむお母さんに気付きます。 「おかーしゃんは、さっききえちゃったよ!」 「れいむたるもの、テレポートの1つくらいゆっくりまえさ!! かんいっぱつにげていたんだよ!」 「ゆ! おかーしゃんすごーい!!」 「しゃんはーい!」 「ゆー! ほらーい!」 「さ、はやくおかーさんのくちのなかにはいって! ゆっくりにげるよ!」 こうして親切なれいむお母さんに助けられた3匹は、父親のことも忘れてすくすくと育ちましたとさ。 めでたしめでたし。 『嫌われありすの一生』 1匹で食料調達が出来るくらいにまで成長したありすが、口一杯に木の実を詰め込んで巣まで帰って行きます。 新しく見つけた木イチゴの群生地を皆に報告したくて、帰宅の足はついつい逸ります。 そんなありすが、突然何もないところで転びました。 ぐべ、と地面に突っ伏したありすの上に乗っかってくる影2つ。 細い蔓を使ってありすを転ばせた、ゆっくりしゃんはいとほーらいです。 「しゃんはい! しゃんはーい! (やーいやーい! ありすざまあ!)」 「ほらいほーらい! (おお、みじめみじめ!)」 2匹はありすの上で散々飛び跳ねた挙句、ありすを投げ飛ばしました。 放物線を描いて、ありすは顔面から木に激突します。飛び散る朱い飛沫。 ベチャリ、と地面に落ちてきたありすの体は、真っ赤な液体で染められています。 あ、と硬直する2匹。やり過ぎに気付きました。 「しゃしゃしゃんはーい!! (ちちち、ちがでてるううう!!)」 「ほほほっほほおおお!!! (たたたったいへんだー!!!)」 ありすを濡らすそれが血であるなら、どうみても致死量に達しています。 アワアワと震える2匹が見守る先で、ありすがゆっくりと身を起こします。 「ふおおおおおお……」 「しゃー!!! (ぎゃー!!!)」 「らいらーい!! (ぞんびー!!)」 グロテスクな外見に驚いた2匹が、我先にと逃げ出します。 先に悪戯しようっていったのしゃんはいじゃん! しゃんはいが捕まってよ!! やだね、ぐずなほーらいが食べられればいいじゃん! いやあああ!!! 足下もろくに見ないで走ったせいで、先を行くしゃんはいがもんどり打って地面にダイブしました。 それにつまづいたほーらいも顔面スライディングを敢行します。 「はあああああい!! (したかんだー!!)」 「らあああああ!! (おでこすりむいたー!!)」 後から2匹に追いついた、木イチゴの汁で顔を汚したありすがため息をつきます。 口の中の木イチゴが台無しになったので、2匹を叱ろうと追いかけてきたのですが、 痛みに悶える2匹を見ているとあきれ果て、どうでも良い気分になりました。 「ばかねえ、あんたたち」 せっかくの木イチゴを台無しにしたので、2匹はお母さんれいむにこっぴどく叱られました。 「しゃんはーい…… (ちくしょう……)」 「ほらほらーい…… (ありすのとかいは(わら)め……)」 どうにかして仕返しをしてやろうと巣の近くをぶらついていると、れみりゃの死体を見つけました。 まだ日が高いのではっきり死体だとわかりますが、意外と損傷が少ないので暗くなってくると生きているれみりゃと区別がつかないかも知れません。 2匹は顔を見合わせ、お互いの思考が一致したことを確認しました。 ありすは、木イチゴを集め直しに行っている。帰りは少し遅くなるだろう……。 夕闇が迫る山中を、ありすが大急ぎで走っています。 昼間駄目にした木イチゴの分も挽回しようと欲張った結果がこれだよ!!! しゃんはいとほーらいは木によじ登り、ありすが来るタイミングに合わせてれみりゃの死体を落とそうと目論んでいます。 ありすを驚かせれば、少しは鬱憤も晴れるというものです。 「ほらら (きたきた)」 「うー……よくねむったお」 「しゃんしゃん (それはよかった)」 ……はい? 2匹が真っ青になって振り返った先では、れみりゃが大あくびをしながら伸びをしています。 はい、眠っていただけだったね。 「らあああああい!!?? (はっきりしたいだってわかるっていったの、だれえええ!!??)」 「ははははああい!! (しゃんはいじゃない、しゃんはいわるくないもん!!)」 「うー、ゆうごはんがめのまえにいるお。らっきーだお」 カポ、とれみりゃがしゃんはいの頭に齧り付きます。恐慌状態の2匹は木の上でアタフタするしかできません。 「ほらほらほらほら…… (あわわわ、こまりましたねぇ……)」 「ゆ゛うううううぅうううう!!!」 れみりゃの牙がしゃんはいの頭皮に突き刺さり、髪の毛がむしり取られていきます。 「じゃああんんん!!! (だすけ゛てえええ!!!)」 「うー、うるさいおー」 抵抗するしゃんはいに苛立ったれみりゃが、しゃんはいを地面にたたき落とします。 固い地面に切り裂かれたしゃんはいの顔面から餡が漏れ出し、 しゃんはいを踏みつぶしに落ちてきたれみりゃのプレスに耐えきれなかったしゃんはいの体がザクロのように破裂しました。 あたり一面にぶちまけられるジャムみたいなしゃんはいの残骸。 「じゃ……、じゃ……」 「ペロペロ、うー。おいしいくないお」 ぺー、としゃんはいだったものを行儀悪く吐き出し、木の上で震えているほーらいを引きずり下ろします。 哀れ、しゃんはいの命は2回舐められるだけの価値しかなかったのです。 「ほらああああ!! ほらああああ!!! (はなしてええええ!! たべないでええええ!!!)」 「こいつもうるさいお。しゃーらっぷ!」 れみりゃの鋭い翼がほーらいの口を真横に切り裂き、ついでに切り取られた舌がテロンと零れます。 こうなると、ほーらいの口からは「はふ、はふ」と空気が漏れる音しかしません。 さあ、今度こそ、と意気込むれみりゃの横っ面を重い物が張り飛ばし、れみりゃはゴロゴロと転がっていきました。 ハンマー代わりにしゃんはいだったものを咥えたありすが、鬼の形相で仁王立ちです。 「ゆー! ゆっくりできないれみりゃはやっつけてやる!!」 「うー、うわーん! さ゛くやー、へんなありすがいるどー!」 ありすの迫力に恐れをなしたれみりゃに反撃の意思は最早ありません。 何回もしゃんはいで殴りつけられ、自分の顔を汚しているのが自分の餡なのか、 しゃんはいの餡なのかわからなくなりつつ逃げていきました。 興奮が収まらないのはありすです。 よくもしゃんはいを、よくも。 それだけを繰り返し叫びながら、近くで動くものを殴りつけます。 「なにやってるの、ありす!!!」 そんなありすを突き飛ばしたのは、れいむお母さんでした。 え、助けに来てくれたんじゃないの? 驚いたありすがあたりを見回すと、視界に入ってくるのはれいむお母さんと……。 ボロクズになって息絶えたほーらいでした。 左側頭部は陥没して元に戻らず、破裂した左眼球から漏れた餡は鼻孔に詰まり、 裂かれた口は無惨にアチコチから破れて口の中を晒しています。 最後まで無事だった右目には目垢が大量に固まり、ほーらいがどれだけ長い間泣いていたかを物語っています。 言葉が喋れなくなっていたほーらいは、助けを求める事も出来ずに姉妹に殺されました。 「――ばかね、わたし」 「かぞくをころしたありすは、そこでゆっくりしないでいてね!!!」 「しゃんはいとほーらいはありすとなかよしだったのに、ざんねんだよ!!!」 「ゆー! ちがうの! しゃんはいをころしたのはれみりゃだよ!」 「うそまでつくの!? れみりゃのはがたさえ、しゃんはいにはついてないよ!」 家族を殺してしまったありすは、枯れ木の中の孔に閉じこめられてしまいました。 孔の出入り口は枝や石で厳重に固められ、外の音が何とか聞こえるくらいです。 この後彼女をどうするのか。れいむお母さんやご近所さん達が話し合っています。 「ありすは……うちのちぇんともなかが……」 「まさか……。でも……」 「なんで……。ずっとかぞくでゆっくり……」 孔の中では茫然自失のありすが縮こまっています。 自分は何てことをしてしまったんだろう。ごめん、ほーらい。助けられなくてごめん、しゃんはい。 そうこうしている内に、気疲れもあってありすは眠りに落ちていきました。 「――! ――!」 「――、――♪」 何やら外が騒がしいようです。騒音に目を覚ましたありすが外の様子を伺うと。 「にげでぇえぇぇ!! みんなはやぐううう!!」 「うー♪ あのありすをみつけて、ころしてやるどー♪」 「はい、おぜうさま!」 「かしこまりましたわ!」 「ありす゛はああ! そこのあなのなかだよ!」 「だまされませんわ。あななんてありませんもの」 「うー♪ さすがはさくやだお!」 「いりぐちかためたの、だれええええ!! はやくありすをそとにだし゛でええええ!!」 「ばちゅりいいは、もうしんじゃったよおお!!」 さっきのれみりゃとその家族のさくやが、家族やご近所さんを襲っています。 狙いはありす。どう見ても仕返しです。 しかも、入り口を枝と石で固められた孔に彼女たちは誰も気付きません。 「わだじはここよー! みんなをいじめないでえええ!!」 「う? なにかきこえるど?」 「げんちょうですわ、きっと」 「うー♪ さすがはさくやだお!」 「ありすをひろってあげたけっかがこれだよおお!!」 「おかーさん、た゛すげてえええ!!」 「わかああああああ!」 「ちぼっ、ちぼっ……」 見る間に数を減らしていくゆっくり達。さらに、反撃を受けたれみりゃ達にも少なくない被害が出ました。 さくやの顔面に齧り付いたまま絶命したまりさや、高みの見物を決め込んでいたれみりゃの羽根をもぎ、自分の死体の重さで潰したゆっくりらんは勇敢に戦いました。 最後に残ったのは1匹のさくやと、1匹の赤ちゃんぱちゅりー。 ピーピー泣いているぱちゅりーを、さくやがそっと咥えます。 「かえりましょう……、ぱちゅりーさま」 「むきゅーん……」 「おぜうさまもおまちですよ。うふふ」 「さくや?」 「うふふふふふふ」 この2匹がこの後どうなったのか、誰も知りません。 ありすは巣の中でずっと泣いて暮らしました。干からび、萎びれ、自分の命がどんどん減っているのを自覚してなお、何か行動を起こす気にはなりませんでした。 そしてそのまま死んでいればそれで終わりでしたが、このありすは相当運が良かったのでしょう。 キノコ狩りにきた老人が枯れ木の中でぐったりしているありすを見つけ、持ち帰ってくれました。 老人の手厚い看護のおかげでありすは一命を取り留め、一人暮らしの老人の貴重な話し相手になりました。 そして季節は冬。特別寒さが厳しいその年、幻想郷は一面雪に覆われています。 始めは塞ぎ込み、餌に全く手を付けようとしなかったありすも、老人の絶え間ない愛により少しずつ心を開き、 健康を取り戻しつつありました。 ――飼い始めの頃、自傷行為が見受けられたありすを老人はこう叱りました。 「お前さんの事情は知らん。あのあたりのゆっくりが全滅したのと関係がありそうなのは分るがな」 目をそらそうとするありすの顔をしっかりと掴み、視線を真正面から合わせ。 「お前さんは生き残ったんだ。なら生きなさい。お前さんにはその義務がある」 老人の家の仏壇に飾られているのは、若い女性と幼い子供の写真――が色あせた、ただの白い紙。 「後生だから生きて、私の家族になってくれ。1人はいい加減さみしい」 そう言われたありすは老人の説得に折れ渋々餌に口をつけ、傷の治療を受けたのでした。 少し昔のことを思い出して黄昏れていたありすの元に、夕飯が持ってこられました。 「さ、おこたに入って夕飯をお上がり。私は風呂に入ってくる」 そう言って老人は浴室に向かいました。残されたありすは幸せなような、申し訳ないような気分で餌をつつきます。 今でもしゃんはいやほーらい、家族やご近所さん達の死に様を夢に見ない夜はありません。 正直な話、死んでしまったらどんなに気が楽だろうと思っています。 それでも、あの老人の頼みを無下にして命を絶つのは気が進まなかったので、ありすは今も生きていました。 「ゆ。わたし、いきていていいのかな……」 誰かに許しを貰いたがっている自分に気付き、ありすは自嘲気味にため息を漏らしました。 許しなら、既にあの老人からたくさん貰っているではないか。 「ばかね、わたし」 彼は言っていました。「今私は幸せだ」と。 無い食欲を誤魔化しつつ、ゆっくりゆっくりと餌を食べます。時計の針が一回りをしてもまだ食べ終わりません。 「……おじいさん、おふろながいわね……」 数日後、文々。新聞の片隅にこんな記事が小さく載りました。 『1人暮らしの老人が孤独死 先日、○○村の××さんが浴室で死亡しているのが発見された。死因は心筋梗塞と見られる。 ××さんは1人暮らしが長く、最近は慰めにゆっくりを飼う孤独な老人だった。 近年増加する1人暮らしの老人の孤独死は、てゐさん行方不明の影響であるとの説が有力であり――』 飼いゆっくりの消息は載っていなかった。 PN水半分 なお、作者は『嫌われ○子の一生』を未読・未鑑賞なのでタイトルが似通っている以外の関係はありません。 このSSに感想を付ける
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ペットショップネタ 読みづらいのはいつものこと れいむはれいむお母さんから生まれた。とてもゆっくりしていてお歌も上手だった。 お姉ちゃんや妹もたくさんいてみんなと遊んだり、ご飯を食べたりするととてもゆっくりできた。 このままずっとゆっくりしていたい。 でもそれは突然終わりを告げた。 朝になってれいむが目を覚ましてお決まりの「ゆっくりしていってね!」というとてもゆっくりできる挨拶をすると 近くにいた姉妹たちも目を覚まして「ゆっくりしていってね!」を返す。 でもその日はいつもと違い、お母さんの「ゆっくりしていってね!」はなく、辺りを見回してもお母さんはいなかった。 頑張って探しても見つからない。れいむは寂しくて、ゆっくりできなくて泣いてしまった。 その時、お兄さんがお部屋に入ってきた。いつもれいむたちにゆっくりできるご飯をくれる人間さんのお兄さん。 お兄さんならお母さんがどこにいるか知ってるかもしれないと思い、れいむはお兄さんに尋ねた。 「れいむたちはこれからもっとゆっくりするために、お母さんから離れてここで暮らすんだよ」 そんなことはない、お母さんと一緒にいればゆっくりできる。だからお母さんに会いたい。そうお兄さんに伝えても 聞いてくれなかった。 「あっちを見てご覧」 お兄さんが指差した方にはれいむたちよりも大きいれいむが「ゆっくりしていってね!」と言っていた。 だがそれはれいむたちにむかって言った言葉ではない。そのれいむは透明な壁さんの向こうにいる人間さんに必死に 「ゆっくりしていってね!」と言いながらぴょんぴょん跳ねていた。その様子はゆっくりできているとは思えなかった。 お兄さんはあのれいむを指差しながら 「ゆっくりできるゆっくりには飼い主さんが現れてもっとゆっくりすることができるんだ。だから みんなはゆっくりできている姿を見せてあげてね」 もっとゆっくりできる、その言葉にれいむは敏感に反応した。きっとたくさんのあまあまが食べられる、 ぽかぽかしてふわふわなベッドがある、そして綺麗なゆっくりと一緒になって赤ちゃんをたくさん産んで もっともっとゆっくりできるに違いない。れいむは目を輝かせバラ色の生活に胸を躍らせた。 もっとゆっくりしたい、そうと決まったられいむは我先にと透明な壁さんの向こうにいる人間さんに れいむがいかにゆっくりしているかを教えなければと、れいむは透明な壁さんの近くで一生懸命 「ゆっくりしていってね!」と言った。 お兄さんは大きいれいむを抱えてお部屋を出て行った。きっとあのれいむは飼い主さんが現れたのだ。 次はれいむの番だよ!「ゆっくりしていってね!」 月日は流れ、れいむは今日も向こうにいる人間さんに「ゆっくりしていってね!」と挨拶をする。 周りにはれいむのお姉ちゃんも妹も誰一人としていない。みんないなくなってしまった。きっと今頃は 飼い主さんと一緒にゆっくりしているに違いない。でもまだれいむの飼い主さんは現れない。 「ゆっくりしすぎだよ……れいむもゆっくりしたいよ……」 もう何回寝たかもわからない。それでも飼い主さんは現れない。れいむはこんなにゆっくりしているのに、 どうしてれいむにだけ飼い主さんが来てくれないの?お兄さんに尋ねてもわからないと言われた。 でも今日はいつもと違った。お兄さんがご飯ではなく、たくさんの小さいれいむたちを抱えてきた。 みんな眠っていてとてもゆっくりしている。でもれいむには関係ない。早く飼い主さん来てね! 透明な壁さんの向こうの人間さんにれいむがゆっくりしていることを教えてあげることに集中する。 やがて小さいれいむたちが目を覚ます。関係ない。「ゆっくりしていってね!」 お兄さんが何か言っている。関係ない。「ゆっくりしていってね!」 小さいれいむたちが透明な壁さんの向こうの人間さんに「ゆっくりしていってね!」と言い始める。 れいむも負けじと叫んだ。「ゆっくりしていってね!!」 その時すっとれいむの体が浮いた。「おそらをとんでるみたい!」と自然と声が出た。 気付くとお兄さんに抱きかかえられていた。しばらく考えて思い至った。 やった!ついにれいむにも飼い主さんが現れたんだ!れいむは舞い上がった。 でもゆっくりしすぎだよ!だからその分、たくさんゆっくりしようと考えた。 まず何をしようか、たくさんのあまあまさんが食べたい。その次にふわふわしたベッドで お昼寝しよう。そしてとてもゆっくりしたゆっくりと一緒に赤ちゃんを作ってゆっくりするんだ。 れいむはこれからの生活を思い、喜びに満ち溢れていた。 そしてさっきとは違うお部屋に入った。まず暗い、なんだかゆっくりできない気がする。 「ご飯だよー」 「ゆゆっ?ごはんさんはいらないよ!かいぬしさんのところにつれていってね!」 「あまあまだよーいらないのー?」 あまあま!欲しい!きっとお兄さんはれいむのお祝いのためにあまあまをくれるんだ! それならそうと言ってくれればいいのに、「ちょうだいね!」と言おうとして固まった。 「うーうー♪あまあまー♪」 初めて聞く声なのにとてもゆっくりできない声。その声はれいむよりも上にある木のおうちからした。 そしてそこからピンクのお帽子、ニコニコと笑った顔、そして後ろにはゆっくりしてない黒い羽。 「れ、れ、れみりゃだー!!!」 自然と口から出た。はじめて見るはずなのに。でも体は勝手に動いた。お兄さんの腕から飛び降りて 部屋の隅に逃げる。 「あのれいむ食べていいよ」 「なにいっでるのおおおお!?」 「うー!」 れみりゃがこっちに来た。逃げなきゃ、さっき入ってきた壁さんに急いで跳ねた。でも開かなかった。 「どおじであがないのおおおお!?」 「うーうー」 「ごっぢごないでねっ!ゆっぐりじででっでね!?ゆっぐりじででっでね!?」 ゆっくりしていってね、これでゆっくりしないはずがない。でもれみりゃは止まらなかった。 「ぎゃおーたーべちゃーうぞー♪」 「おにいざんだずげでええええ!!ゆぎゃああああ!!」 お兄さん、いつもご飯を持ってきてくれるお兄さんなら助けてくれるはず。でもお兄さんは何も答えなかった。 れみりゃがれいむに噛み付いた。痛い、ものすごく痛い。こんなこと生まれてから一度もなかった。気が狂いそうだった。 「がいぬじざああああんんんん!!れいむをゆっぐりざぜでええええ!!」 飼い主さんに助けを求めた。飼い主さんはれいむをゆっくりさせてくれるんだ。呼べば必ず来てくれるはずだ。 だが来なかった。 「どおじでええええ!?れいむはごんなにゆっぐりじでるのにいいいい!!」 ゆっくりしてるれいむがゆっくりできないはずがない。なのにどうしてこんな目にあわなければならない。 れいむはこれからたくさんのあまあまを食べて、たっぷり寝て、綺麗なゆっくりと一緒になって、 それから、それから……なんだっけ?もう思い出せない。餡子さんいっぱい吸われちゃったせいかな。 「もっと…ゆっくり…したかった…」 れいむはゆっくりできないまま、絶望と苦痛の底に沈んだ。残ったのは何の表情も浮かず、 何も語らない皮だけであった。 れいむの餡子を全部吸い尽くしたれみりゃはご満悦な表情でれいむの成れの果てから口を離し、 巣である木箱の中へと戻っていった。これだけたくさん食べたのだからもう食べられないのだろう。 まだ食べてもらわなければならないゆっくりはいるのだが次の食事まで待つことにしよう。 このれみりゃは売り物にならないれみりゃだった。一緒に生まれた姉妹たちはゆっくり以外のものも 喜んで食べていた。だがこのれみりゃだけはゆっくり以外を口にしようとしない。ゆっくりを毎回の 食事にしていては食費でとんでもないことになる。ペットとしては失格だった。 だが幸いなことにうちはペットショップであり、廃棄されるゆっくりは毎日のようにでる。 これはあまり綺麗ではないから、これは声が悪いから、これは帽子の形が悪いから。しかし捨てるには 店のイメージダウンになるから普通のゴミに捨てるわけにはいかない。しかたなく業者に頼むが 金がかかって仕方ない。そこでこのれみりゃに処分してもらっているのだ。 あのれいむは子ゆっくりとして売り出した内の一匹だったがその中でも群を抜いて駄目なやつだった。 なんと言うか他人を見下すような態度を取っていたのだ。しかもそれを自覚していない。 こんなのでも欲しがる人はいるかもしれないと思ったのだがやっぱり駄目だった。 ゆっくりしたいという気持ちが面に出すぎていてゆっくりさせることができていなかったのだ。 ただ飯食いの役立たずだったな、と思うがパチンコで負けたと思えばそこまで懐は痛くない。 部屋に箱を持ってきて中身を取り出す。今日追加した子ゆっくりの中で駄目だと思ったのを 抜き出してれみりゃに食べてもらうためだ。腹が減れば勝手に食べてくれるだろう。 「ゆっくりしていってね!」 声をかけてやると皆一斉に「ゆっくりしていってね!」と返す。 残り数時間の生だ。最後までゆっくりするといい。扉を閉めてその部屋を後にした。 終わり ペットショップは全部が全部売れてくれるわけではないのです。 じゃあ売れ残りはどうなるのか?などと考えて書いてみました。微妙。 『オマケ』でした。 このSSに感想をつける
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※fuku2180、ゆっくり鉄骨渡りの設定を引き継いでいます。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」 目覚めの挨拶からまりさ一家の一日は始まる。 森にある、自ら掘って作った巣の中には親まりさ1匹、赤まりさ6匹、赤ぱちゅりー1匹がいた。 「おかあさんはごはんをとってくるから、みんなはゆっくりまっててね」 「むきゅ、ゆっくりまってるわ!」 「ゆっくちぃ〜」 親まりさは毎日、赤ゆっくり達の世話で休む間もないが、親まりさは幸せだった。 「ぱちゅりー…………まりさは頑張るよ…………」 死を覚悟でまりさとすっきりすると同時にこの世を去ったパートナーに思いを馳せる。 大好きだったぱちゅりーの死には大声で泣いたが、その数日後、 「ゆ……ゆっきゅりちていっちぇね!」 「ゆ……ゆっぐり゛じようね゛え゛え゛……」 まりさの頭の茎から一番に産まれた赤ぱちゅりーを見て、再び涙する。 ぱちゅりーの餡子を引いた、ぱちゅりーそっくりな赤ゆっくり。 さらに産まれる自分そっくりな赤まりさ達。この子達を命に代えても守りきろうと強く思った。 「ごはんをとってきたよ!みんなでゆっくりたべようね!」 運のいいことに、今日はクズ野菜が落ちていた。 普段森に生えるものではない。きっと天国のぱちゅりーのプレゼントだろうと思った。 「「「「「「むーしゃ、むーしゃ…………ちあわちぇ〜♪」」」」」」 満足そうにクズ野菜をほおばる赤ゆっくり達を見て、親まりさも笑顔になる。 と、そこに、 「クズ野菜を見つけたゆっくりを追いかけてみれば、こんなところによく作ったもんだな」 「だ、だれ!?」 突如、聞きなれない声がする。 「ああ、俺は虐待お兄さんさ。君達を捕まえるためにやってきてね」 「ゆ!こっちこないでね!ゆっくりでていってね!」 「そうはいかないな、虐待お兄さんだもの。よっと」 巣の中に男の右手が入ってくる。 しかし、巣の奥にいるまりさ一家には届かないようだ。 「こ、こわいよー」 「ゆっきゅりできないわ!」 「だいじょうぶだよ、ここにいればつかまらないよ!」 カタカタ震える赤ゆっくり達を安心させるため、親まりさは力強く言い切る。 内心は親まりさも怖いのだが、赤ゆっくりに不安を与えるわけにはいかない。 それに、現に男の手は届かないのだ。 「もうあきらめてね!ゆっくりおうちにかえってね!」 「うーん、しょうがないな。引っ張り出してくれないか?」 「うー!」 その声と共に、1匹のゆっくりが巣の入り口に姿を現す。 大きな顔と2枚の羽、体無しのゆっくりれみりゃである。 こういう時のために、男が連れてきたものだ。 「れ、れみりゃはこないでねえええええ!!!!!」 「うー!うー!」 れみりゃに喰われるかと思いきや、れみりゃは家族に牙を突き立てることはしなかった。 代わりに、あっという間に全員巣の外に引きずり出される。 「ふむ……赤ゆっくりは合計7匹か。あいつの要求した数より一匹多いから食べていいぞ」 「うー!」 「ゆ゛!」 れみりゃは一匹の赤まりさに喰らいつく。 体の小さな赤ゆっくり。小さな断末魔を上げ、すぐにれみりゃの胃袋に収まった。 「ま、まりざのあがぢゃんがあああああああ!!!」 「むきゅうううううん!」 「まりちゃのいもうとがああああ!!」 「はいはい、お前らはこの箱に入ってお兄さんと一緒に帰ろうね」 男は加工場製透明ケースに親まりさと赤ゆっくり達をポイポイと放り込む。 「これでゲームに必要な6匹、と。じゃああいつの所に帰るとするか」 「うー!」 上機嫌で帰路についた一人と一匹と、まりさ一家の表情は対照的だ。 「まりちゃ達、どうなりゅの…………」 「だいじょうぶだよ!おかあさんがたすけてあげるから!」 できもしないと分かっていても、強がりを言うくらいしかなかった。 男はそのまま人里へ行き、家に入っていった。 そしてまた別の、若干年下気味の男が彼らを出迎える。 「お疲れ様です。わざわざこんな面倒事を頼んですみませんね」 「まぁ俺も今回の虐待には興味津々だからな。この程度の手間は問題じゃないさ」 「そう言って頂けると助かります。お前も行儀よくしていたか?」 「うー!」 さて、この出迎えた男、まりさ一家を捕まえた男の隣人であり、男同様虐待お兄さんである。 そしてこのれみりゃは、この隣人のペットであった。 隣人は男に『赤ゆっくり6匹と親ゆっくりを捕まえて欲しい』と頼み、戦力としてれみりゃも貸し出した。 数々の虐待を共にしてきた仲、れみりゃも男には懐いているようだ。 「さて、それで道具は揃っているか?」 「バッチリです」 隣人は道具を一式、机に並べて男に見せる。 それは工具のノミと、5枚のごく小さな鉄板。 赤ゆっくりが入る程度の底面積の、縦長で透明な直方体の小さな箱を6つ。それらは1から6まで番号が書かれている。 さらに箱の上の方に4辺のうちの1辺だけ鉄板が差し込めそうな切れ目があり、その周囲は黒い紙で覆われていた。 「さすがだな。それじゃあ早速始めようか」 「ええ、この時を楽しみにしていましたよ」 隣人は箱からゆっくり達を取り出した。 親まりさは隣人の頭の上をパタパタ飛び回っているれみりゃに襲われるかと怯えていたが、そんな気配はないようだ。 そして6匹の赤ゆっくり達は6つの箱にそれぞれ1匹ずつ入れられていった。 「ゆ!ちぇまいよ!」 「ここじゃゆっくちできないよ!」 箱のサイズは赤ゆっくりがギリギリ入れる程度。 箱の中は、自由に動き回れる余地は全くない。 「なにするのおにいさん!赤ちゃん達をゆっくり出してね!」 透明ケースに残された親まりさが騒いでいる。 「ククク……そうはいかぬな……これから貴様らには、ゲームをしてもらうのだから……」 「げ、げーむ?」 隣人はいやらしく笑ったかと思うと、急に口調が一変した。 また始まったか、と男は心の中で一人ごちる。 この隣人、普段は真面目な青年なのだが、ゆっくり虐待になると性格が豹変するという困った癖がある。 溜めるような言い方が多くなり、一人称もコロコロ変わったり。 最初は男もかなり戸惑ったものだが、数々の虐待を共にこなしてきた今はもう慣れっこだ。 「説明しよう……わしはこれから一度だけ、この箱の中へノミを振り下ろす…… そんなことをしたら赤ん坊はどうなるか……分かるな?」 ゆっくり達の顔が青ざめていく。 ノミの先は見るからに鋭い。あんなものを喰らえば、とても生きてはいられないだろう。 「や、やめてね!まりさのあかちゃんをころさないでね!」 「ククク……心配無用……そのためにこの鉄板があるのだからな……」 「ど……どういうこと?」 「この鉄板は箱の切れ込みに差し込むことができる……これを差し込めば……」 隣人は説明しながら、箱の一つに鉄板を差し込んだ。 そして右手のノミをその箱目がけて強く振り下ろす! 「「「「「「「ゆ!」」」」」」」 ゆっくり達の悲鳴と共に、キンッという金属音。 隣人の振り下ろしたノミは鉄板に阻まれ、下にいる赤ゆっくりまでは届かない。 「このように……ノミは鉄板に阻まれ赤ん坊は助かるという仕組みだ……」 そして男は親まりさを透明ケースから出し、赤ゆっくり達と同じ机の上に置く。 結果的には大丈夫だったが自分の子供の危機だった、まだ平常心ではないようだ。 「それじゃあ俺達は10分ほどこの部屋を出る。時間が来たらノミを振り下ろしにまた来るぞ」 「ククク……どの赤ん坊を危険に晒すか、ゆっくり考えることだな……」 「うー!うー!」 親まりさと箱に入れられた赤ゆっくり達を残し、2人と1匹は部屋を出て行った。 親まりさは現実を受け入れ切れなかった。 昨日までの赤ゆっくり達との幸せな生活が、いきなりこんな事態になってしまった。 しかも既に1匹の赤まりさがれみりゃの犠牲となっている。 しかし。 「こわいよおおおお!」 「おかーしゃんたちゅけてえええ!」 「まっててね!かならずおかあさんがたすけるからね!」 今自分がやることは、とりあえずこの鉄板を箱に差し込んで子供を守ること。 すぐに頭を切り替え、鉄板を口にくわえようとしたが。 「ゆ……いちまいたりない……」 箱の数は6つだが、鉄板は5枚。 必然的に、子供を一匹無防備にしてしまうのだ。 『どの赤ん坊を危険に晒すか、ゆっくり考えることだな……』 ここに来て初めて、親まりさはその言葉の意味を理解した。 「おかーしゃん、はやくちて!」 「はやくまりちゃをまもっちぇね!」 赤ゆっくり達はそんなことは知らず騒いでいる。 いや、よく見ると3の番号の箱の赤まりさ、それと6の番号の箱の赤ぱちゅりーは黙っている。 この2匹は他の4匹に比べ賢く、既に鉄板が一枚足りないという意味を分かっていたのだ。 「みんな、よくきいてね……じつはいちまい、いたがたりないんだよ……」 「ゆ!どういうこちょなの!」 「だから、ひとりだけまもれないんだよ…… もしそこにあれがふりおろされたら、たぶん…………しんじゃうんだ……」 死ぬ、という言葉を聞いて赤ゆっくり達は泣き叫び始めた。 先の赤まりさと赤ぱちゅりーは相変わらずのだんまりだが。 「まりちゃ、ちにたくないよおおお!」 「たちゅけてええええ!」 「だいじょうぶだから、おかあさんのはなしをきいてね!」 親まりさが必死になだめるも、赤ゆっくり達は騒ぎ続ける。 そんな中、赤ぱちゅりーの一喝が飛んだ。 「むきゅ、うるさいよ!だまってね!」 いきなりの姉からの大声で、赤ゆっくり達はビクッとして騒ぐのをやめた。 「だいじょうぶ、たとえいたがなくても、はこはむっつもあるわ。 おにいさんはいちどだけふりおろすといってたわ。そうそうあたるものじゃないわ」 「で、でも……あちゃることもあるんでちょ……」 「むきゅ……そうだけど、かくりつはひくいわ……」 「じゃあ、まりちゃはいやだよ!ほかのだれかにしてね!」 再び騒ぎ出す赤ゆっくりを見て、赤ぱちゅりーは親まりさ共々頭を痛める。 確かに確率は6分の1とはいえ、死の危険はあるのだ。 死にたいわけではないが、姉として妹達をそんな危険に晒すわけにはいかない。 だからその危険な役目に自分が立候補しよう、と思ったところで、予期せぬことが起こった。 「……そのやくめは、まりさがひきうけるよ!」 そう叫んだのは、先ほど赤ぱちゅりーと共に黙っていた赤まりさだった。 この赤まりさは、赤ぱちゅりーに次いでの2番目の姉である。 赤ぱちゅりーを除けば姉妹でもダントツに賢く、妹達の面倒をよく見ていた。 そして幼いながら責任感が強く、妹達を守るために名乗りを上げたのだ。 「ほ、ほんとうにいいの……」 「おかーさん、これがおねーさんであるまりさのやくめだよ!」 「むきゅ……それならわたしが……」 「いいんだよ!かくりつはひくいっていったでしょ!だいじょうぶだよ!」 「おねーちゃん、ありがとう!」 「これでたちゅかったよ!」 死の危険があるにも関わらず、笑顔を見せる赤まりさを見て親まりさは涙を流さずにはいられなかった。 ぱちゅりー、ぱちゅりーのあかちゃんはこんなにもいいこだよ。 どうか、このこをたすけてあげて。 天国のパートナーに祈りながら、親まりさは箱に鉄板を差し込んでいった。 この赤まりさが入った3の番号の箱を除いて。 「さて、そろそろ終わったか?」 「きたね!いつでもいいよ!」 親まりさが、再び部屋に入ってきた2人と1匹と対峙する。 「ククク……では始めるとしようか……」 隣人がノミを持って机に座り、ついにゲームが始まった。 予想はしていたが、男はゆっくり達のに呆れるばかりだった。 勝負が始まってすぐのこと、隣人が、 「目星はついた……1かな……」 と言ってノミを近づければ中の赤ゆっくり達はおろか、親まりさまで「ゆ〜」と安堵の表情。 賢い赤まりさや赤ぱちゅりーも、まだ幼く表情まで気が回らないようだ。 「いや、2かな……」 ゆ〜。 「ククク……4も怪しそうだな……」 ゆ〜。 「いやいやいや、3も捨てがたい……」 ここで、ゆ!と皆でビクッとする。 ゆっくり達は無意識的にやっているのだろうが、バレバレである。 「それとも……6か……」 ゆ〜。 「いや……やはり3か……」 ゆ! 「む……5のような気がしてきたぞ……」 ゆ〜。 「………………3………………」 ゆ! すぐに振り下ろしても良かったのだが、そこはさすがに虐待お兄さん。 男と隣人は、しばらくそうしてゆっくり達で遊んでいた。 「ククク……散々迷ってきたが、ついに決心したぞ……」 段々飽きてきた隣人は、ついにノミを振り下ろす決心をする。 いよいよか。ゆっくり達の表情がこわばった。 「鉄板のない箱は……おそらく4……!」 叫ぶと同時に、4を目がけてノミを振り下ろす。 助かった、と安堵するゆっくり達。 金属音と共に、悔しがる男達の姿がゆっくり達の目に浮かんだ。 しかし、隣人は箱にノミを突っ込まず、寸止めした。 「と見せかけて実は……これだっ…………!」 隣人がノミを打ち下ろしたのは、すぐ隣りの3の箱だった。 皆が大好きだった赤まりさは真っ二つに切られ、この世を去った。 「おかーしゃんのうそちゅきぃー!」 「たちゅけるっていったくちぇに!」 「ちね!やくたたずのおかーしゃんはゆっくちちね!」 「むきゅ……おかあさんはわるくないわよ……」 「ぱちゅりーおねーしゃんまで、なにいっちぇるの!」 「ごべんね゛え゛え゛えええ!!!!」 4匹となった赤まりさは、箱の中で親まりさを責め続ける。 たまたま隣人が振り下ろしたところを無防備にした親まりさのせいだと思っているようだ。 自分にも責任の一端があるとも知らずに、いい気なものである。 さて、そろそろいいだろう。男はゆっくり達に話しかけた。 「いやぁ、残念だったなぁ。でもお前らのせいでもあるんだぜ」 「ゆ!なんでまりちゃのちぇいなの!」 「まりちゃ、なんにもちてないよ!おかーしゃんがわるいんだよ!」 「いや、それがさ……あの死んだ赤まりさの箱にノミを近づけるとさ。 誰とは言わないがお前らの中で何人か、明らかに怯えた反応する奴がいたんだよ」 本当は全員なのだが、それではこれから期待するような面白いことは起こらない。 「いや〜かわいそうに。お前らの中でバカ正直に反応する奴がいたせいで死んだからなぁ。 まあ誰とは言わないけどさ、そいつらのせいで死んだようなもんだしな」 少しの間、ゆっくり達はポカンとしていた。 が、少しして男の話を理解した赤まりさ達は一斉に喧嘩を始める。 「ゆ!おねーちゃんをちなちぇた、まぬけなゆっくりはまりちゃじゃないよ!」 「まりちゃでもないよ!おねーちゃんでちょ!」 「なにいっちぇるの!わたちたちのなかでいちばんばかなあんたでちょ!」 「そうだよ!このまえだってまりちゃのぶんまでごはんたべちゃって!」 「ちがうよ!まりちゃじゃないもん!」 「(むきゅ……たぶんわたしの……いや、わたしたちのせいだわ……) 「やめてえええ!!!けんかしないでえええ!!!」 「うるちゃいよ!もしかしておかーしゃんなんじゃないの!」 この責任の押し付け合いを見たいがために、わざと『何人か』と言ったのだ。 自分勝手なまりさ種らしく、期待通りの展開である。 「ククク……見ろよ、れみりゃ……」 「うー?」 「仲の良かった者が……些細な誤解……つまらぬすれ違いで………… 仲違い……醜く言い争う様は……いつ見ても…………楽しい…………!」 「うー!」 れみりゃは分かってるのか分かってないのか、隣人の頭の上を飛び回るだけであった。 「今日は仲違いさせるところまでだったな。次は3日後だったっけ?」 「ええ、それまでに準備は済ませておくので、3日後にまたいらして下さい。 れみりゃと一緒にお待ちしていますよ」 「うー!」 虐待していない時は、いつもの正常な隣人に戻っているようだ。 しかし虐待時が最も輝いていると言われる虐待お兄さん、むしろあちらが正常なのかもしれない。 虐待お兄さんにとっては、異常こそ正常である。 男は自宅に帰っていった。その日、隣人は親まりさ一家には餌を与えなかった。 翌朝。 「おーいれみりゃ、ご飯だぞ〜」 「うー!うー!」 隣人がれみりゃに与えたものは、ハチミツを塗った食パン。 それと川で釣ってきた魚を焼いたもの。野生のゆっくりから見れば破格である。 「どうだ、上手いか?」 「うー!」 「ククク……かわいいのう、かわいいのう……」 れみりゃと対照的に、透明ケースに入っている親まりさとまだ箱にいる赤ゆっくり達は空腹に襲われている。 なにせ男に捕まえられた昨日の朝から何も食べていないのだ。 「まりちゃにもそれをちょうだいね!」 「ごはんをくれないおにーちゃんはちんでね!」 「むきゅう……」 「分かった分かった……やろうじゃないか……」 隣人は親まりさのケースにクズ野菜をばらまく。 れみりゃの食べているものと比べれば遥かに落ちるが、ゆっくりの食事としては十分だ。 「ゆ!なんでおかーしゃんにだけあげるの!」 「おかーしゃんにあげるのならまりちゃにちょうだいよ!」 「ククク……貴様らにやる食べ物などないわ……」 冷たく言い放つ隣人。 それを聞いて、赤まりさ達がまたも騒ぎ始めた。 「おなかちゅいたよおおおお!!!」 「ゆっくちできないいいいいい!!!」 この4匹の赤まりさはことあるごとに騒いでいる。 迷惑な存在だが、泣き叫んでいるゆっくりを見て楽しむのが虐待お兄さんである。 「ゆ……まりさはいらないよ。あかちゃんたちにあげてね……」 親まりさはクズ野菜に手をつけずに言った。 昨日は自分の子供に散々罵倒されたとはいえ、やはり親であった。 このまりさはいわゆるゲスまりさではなく、昨日ノミで突かれた赤まりさ同様立派なまりさなのだろう。 「だが……却下っ……!」 「ゆ!な、なんで!」 「そうしたいからさ……食え……食わねば赤ゆっくり達の命はないぞ……」 「ゆ……」 子供の命とは比べられない。 申し訳なく思いながらも、クズ野菜に手をつけ始めた。 そんな親まりさに隣人は、赤ゆっくり達に聞こえないように囁く。 「ククク……それと食事中のいつものセリフ……頼んだぞ……」 「そ、そんあことあかちゃんたちのまえでいえないよ!」 「言わねば……赤ん坊が死ぬだけだ……」 そう言われるとどうしようもない。 涙を流しながら、親まりさは食べ続ける。 「むーしゃ、むーしゃ……しあわせ〜……」 「ゆがあああああ!!!!」 「ちねおかーしゃんはゆっくちちねえええええ!!!」 「むきゅ〜、みんなやめるのよおおお!」 赤まりさ達は親まりさの事情も知らず、口汚く罵る。 親まりさを庇うのは、赤ぱちゅりーだけだった。 ゆっくり一家が捕まえられてから、3日がたった。 再び男は隣人の家を訪れ、そして初めて赤ゆっくり達は箱から出された。 食事は常にれみりゃ豪勢、親まりさにはクズ野菜、赤ゆっくり達は無し。 育ち盛りの赤ゆっくりが3日も何も食べていないということは、かなり餓死に近づいているということだ。 「あかちゃんたち、しっかりしてね!」 「ゆ……ゆっくちちたいよ……」 「ごはんがたべたいよ……」 「むきゅ……」 いい感じに弱っている赤ゆっくり達に向かって隣人は言った。 「ククク……そんなに飯を食いたいなら食わせてやろう……」 「ゆ!ごはんくれるの!」 「ゆっくちもってきてね!」 瀕死なはずなのに、突然のご飯宣言に色めき立つ赤ゆっくり達。 男と隣人はほくそ笑んだ。この程度の元気さはないと面白くない。 「いいだろう……ただし、食いたければ戦え……」 「ゆ?」 「飛んでもらおう……貴様らには……空を……! ククク……そう……!貴様らがこれからするのは………… 生存率25%……クォータージャンプ…………!」 続く あとがき 今回は指きりジャックをゆっくりでやってみました。 次回はクォータージャンプ。さすがに皆殺しの魔女は無理でしょうけど。 過去作 ゆっくり鉄骨渡り このSSに感想を付ける
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とあるゆっくりありすとゆっくりしゃんはいの夫婦の間に子供が生まれました。 ありすとしゃんはい、ほーらいが1匹ずつ。 3匹が生まれたその日の内に、親は死にました。巨大怪獣の吐いた重粒子ビームに消し飛ばされたのです。 この巨大怪獣は八雲さん家の藍ちゃんが速やかに退治したので、長い目で見ると幻想郷に大した影響は出ませんでした。 問題は短い目で見た場合です。 生まれたばかりで右も左も分らない、目さえ開いていない3匹のいる巣穴は、3匹の目の前で消滅しています。 そこにいたはずの両親は残骸もありません。 訳も分らない赤ん坊は哀れ、このまま怪獣に踏みつぶされる運命かと思われました。 ですが幸いなことに、お隣のれいむお母さんが様子を見に来てくれました。 「ちょくげきだ! やられたか!? ……う?」 断じて野次馬に来た訳ではありません。 そこでれいむお母さんが見た物は、半ばから吹き飛んだ巣穴の中で身を寄せ合って震えている、生まれたばかりの姉妹の姿。 ついこの間まで子育てをしていたれいむお母さんにとって、その光景はとても放っておける物ではありません。 「あわわわわわ。で、でておいで! ゆっくりにげないとふみつぶされるよ!」 「ゅー、ゅー……」 「ぉかーしゃん、どこー?」 「ゅーゅー……」 「どうしよう、どうしよう。ゆー、ゆー……。! そうだ! ゆ! おかーさんはここだよ!?」 おや? とれいむお母さんの方を向く3匹。ここで初めて3匹がれいむお母さんに気付きます。 「おかーしゃんは、さっききえちゃったよ!」 「れいむたるもの、テレポートの1つくらいゆっくりまえさ!! かんいっぱつにげていたんだよ!」 「ゆ! おかーしゃんすごーい!!」 「しゃんはーい!」 「ゆー! ほらーい!」 「さ、はやくおかーさんのくちのなかにはいって! ゆっくりにげるよ!」 こうして親切なれいむお母さんに助けられた3匹は、父親のことも忘れてすくすくと育ちましたとさ。 めでたしめでたし。 『嫌われありすの一生』 1匹で食料調達が出来るくらいにまで成長したありすが、口一杯に木の実を詰め込んで巣まで帰って行きます。 新しく見つけた木イチゴの群生地を皆に報告したくて、帰宅の足はついつい逸ります。 そんなありすが、突然何もないところで転びました。 ぐべ、と地面に突っ伏したありすの上に乗っかってくる影2つ。 細い蔓を使ってありすを転ばせた、ゆっくりしゃんはいとほーらいです。 「しゃんはい! しゃんはーい! (やーいやーい! ありすざまあ!)」 「ほらいほーらい! (おお、みじめみじめ!)」 2匹はありすの上で散々飛び跳ねた挙句、ありすを投げ飛ばしました。 放物線を描いて、ありすは顔面から木に激突します。飛び散る朱い飛沫。 ベチャリ、と地面に落ちてきたありすの体は、真っ赤な液体で染められています。 あ、と硬直する2匹。やり過ぎに気付きました。 「しゃしゃしゃんはーい!! (ちちち、ちがでてるううう!!)」 「ほほほっほほおおお!!! (たたたったいへんだー!!!)」 ありすを濡らすそれが血であるなら、どうみても致死量に達しています。 アワアワと震える2匹が見守る先で、ありすがゆっくりと身を起こします。 「ふおおおおおお……」 「しゃー!!! (ぎゃー!!!)」 「らいらーい!! (ぞんびー!!)」 グロテスクな外見に驚いた2匹が、我先にと逃げ出します。 先に悪戯しようっていったのしゃんはいじゃん! しゃんはいが捕まってよ!! やだね、ぐずなほーらいが食べられればいいじゃん! いやあああ!!! 足下もろくに見ないで走ったせいで、先を行くしゃんはいがもんどり打って地面にダイブしました。 それにつまづいたほーらいも顔面スライディングを敢行します。 「はあああああい!! (したかんだー!!)」 「らあああああ!! (おでこすりむいたー!!)」 後から2匹に追いついた、木イチゴの汁で顔を汚したありすがため息をつきます。 口の中の木イチゴが台無しになったので、2匹を叱ろうと追いかけてきたのですが、 痛みに悶える2匹を見ているとあきれ果て、どうでも良い気分になりました。 「ばかねえ、あんたたち」 せっかくの木イチゴを台無しにしたので、2匹はお母さんれいむにこっぴどく叱られました。 「しゃんはーい…… (ちくしょう……)」 「ほらほらーい…… (ありすのとかいは(わら)め……)」 どうにかして仕返しをしてやろうと巣の近くをぶらついていると、れみりゃの死体を見つけました。 まだ日が高いのではっきり死体だとわかりますが、意外と損傷が少ないので暗くなってくると生きているれみりゃと区別がつかないかも知れません。 2匹は顔を見合わせ、お互いの思考が一致したことを確認しました。 ありすは、木イチゴを集め直しに行っている。帰りは少し遅くなるだろう……。 夕闇が迫る山中を、ありすが大急ぎで走っています。 昼間駄目にした木イチゴの分も挽回しようと欲張った結果がこれだよ!!! しゃんはいとほーらいは木によじ登り、ありすが来るタイミングに合わせてれみりゃの死体を落とそうと目論んでいます。 ありすを驚かせれば、少しは鬱憤も晴れるというものです。 「ほらら (きたきた)」 「うー……よくねむったお」 「しゃんしゃん (それはよかった)」 ……はい? 2匹が真っ青になって振り返った先では、れみりゃが大あくびをしながら伸びをしています。 はい、眠っていただけだったね。 「らあああああい!!?? (はっきりしたいだってわかるっていったの、だれえええ!!??)」 「ははははああい!! (しゃんはいじゃない、しゃんはいわるくないもん!!)」 「うー、ゆうごはんがめのまえにいるお。らっきーだお」 カポ、とれみりゃがしゃんはいの頭に齧り付きます。恐慌状態の2匹は木の上でアタフタするしかできません。 「ほらほらほらほら…… (あわわわ、こまりましたねぇ……)」 「ゆ゛うううううぅうううう!!!」 れみりゃの牙がしゃんはいの頭皮に突き刺さり、髪の毛がむしり取られていきます。 「じゃああんんん!!! (だすけ゛てえええ!!!)」 「うー、うるさいおー」 抵抗するしゃんはいに苛立ったれみりゃが、しゃんはいを地面にたたき落とします。 固い地面に切り裂かれたしゃんはいの顔面から餡が漏れ出し、 しゃんはいを踏みつぶしに落ちてきたれみりゃのプレスに耐えきれなかったしゃんはいの体がザクロのように破裂しました。 あたり一面にぶちまけられるジャムみたいなしゃんはいの残骸。 「じゃ……、じゃ……」 「ペロペロ、うー。おいしいくないお」 ぺー、としゃんはいだったものを行儀悪く吐き出し、木の上で震えているほーらいを引きずり下ろします。 哀れ、しゃんはいの命は2回舐められるだけの価値しかなかったのです。 「ほらああああ!! ほらああああ!!! (はなしてええええ!! たべないでええええ!!!)」 「こいつもうるさいお。しゃーらっぷ!」 れみりゃの鋭い翼がほーらいの口を真横に切り裂き、ついでに切り取られた舌がテロンと零れます。 こうなると、ほーらいの口からは「はふ、はふ」と空気が漏れる音しかしません。 さあ、今度こそ、と意気込むれみりゃの横っ面を重い物が張り飛ばし、れみりゃはゴロゴロと転がっていきました。 ハンマー代わりにしゃんはいだったものを咥えたありすが、鬼の形相で仁王立ちです。 「ゆー! ゆっくりできないれみりゃはやっつけてやる!!」 「うー、うわーん! さ゛くやー、へんなありすがいるどー!」 ありすの迫力に恐れをなしたれみりゃに反撃の意思は最早ありません。 何回もしゃんはいで殴りつけられ、自分の顔を汚しているのが自分の餡なのか、 しゃんはいの餡なのかわからなくなりつつ逃げていきました。 興奮が収まらないのはありすです。 よくもしゃんはいを、よくも。 それだけを繰り返し叫びながら、近くで動くものを殴りつけます。 「なにやってるの、ありす!!!」 そんなありすを突き飛ばしたのは、れいむお母さんでした。 え、助けに来てくれたんじゃないの? 驚いたありすがあたりを見回すと、視界に入ってくるのはれいむお母さんと……。 ボロクズになって息絶えたほーらいでした。 左側頭部は陥没して元に戻らず、破裂した左眼球から漏れた餡は鼻孔に詰まり、 裂かれた口は無惨にアチコチから破れて口の中を晒しています。 最後まで無事だった右目には目垢が大量に固まり、ほーらいがどれだけ長い間泣いていたかを物語っています。 言葉が喋れなくなっていたほーらいは、助けを求める事も出来ずに姉妹に殺されました。 「――ばかね、わたし」 「かぞくをころしたありすは、そこでゆっくりしないでいてね!!!」 「しゃんはいとほーらいはありすとなかよしだったのに、ざんねんだよ!!!」 「ゆー! ちがうの! しゃんはいをころしたのはれみりゃだよ!」 「うそまでつくの!? れみりゃのはがたさえ、しゃんはいにはついてないよ!」 家族を殺してしまったありすは、枯れ木の中の孔に閉じこめられてしまいました。 孔の出入り口は枝や石で厳重に固められ、外の音が何とか聞こえるくらいです。 この後彼女をどうするのか。れいむお母さんやご近所さん達が話し合っています。 「ありすは……うちのちぇんともなかが……」 「まさか……。でも……」 「なんで……。ずっとかぞくでゆっくり……」 孔の中では茫然自失のありすが縮こまっています。 自分は何てことをしてしまったんだろう。ごめん、ほーらい。助けられなくてごめん、しゃんはい。 そうこうしている内に、気疲れもあってありすは眠りに落ちていきました。 「――! ――!」 「――、――♪」 何やら外が騒がしいようです。騒音に目を覚ましたありすが外の様子を伺うと。 「にげでぇえぇぇ!! みんなはやぐううう!!」 「うー♪ あのありすをみつけて、ころしてやるどー♪」 「はい、おぜうさま!」 「かしこまりましたわ!」 「ありす゛はああ! そこのあなのなかだよ!」 「だまされませんわ。あななんてありませんもの」 「うー♪ さすがはさくやだお!」 「いりぐちかためたの、だれええええ!! はやくありすをそとにだし゛でええええ!!」 「ばちゅりいいは、もうしんじゃったよおお!!」 さっきのれみりゃとその家族のさくやが、家族やご近所さんを襲っています。 狙いはありす。どう見ても仕返しです。 しかも、入り口を枝と石で固められた孔に彼女たちは誰も気付きません。 「わだじはここよー! みんなをいじめないでえええ!!」 「う? なにかきこえるど?」 「げんちょうですわ、きっと」 「うー♪ さすがはさくやだお!」 「ありすをひろってあげたけっかがこれだよおお!!」 「おかーさん、た゛すげてえええ!!」 「わかああああああ!」 「ちぼっ、ちぼっ……」 見る間に数を減らしていくゆっくり達。さらに、反撃を受けたれみりゃ達にも少なくない被害が出ました。 さくやの顔面に齧り付いたまま絶命したまりさや、高みの見物を決め込んでいたれみりゃの羽根をもぎ、自分の死体の重さで潰したゆっくりらんは勇敢に戦いました。 最後に残ったのは1匹のさくやと、1匹の赤ちゃんぱちゅりー。 ピーピー泣いているぱちゅりーを、さくやがそっと咥えます。 「かえりましょう……、ぱちゅりーさま」 「むきゅーん……」 「おぜうさまもおまちですよ。うふふ」 「さくや?」 「うふふふふふふ」 この2匹がこの後どうなったのか、誰も知りません。 ありすは巣の中でずっと泣いて暮らしました。干からび、萎びれ、自分の命がどんどん減っているのを自覚してなお、何か行動を起こす気にはなりませんでした。 そしてそのまま死んでいればそれで終わりでしたが、このありすは相当運が良かったのでしょう。 キノコ狩りにきた老人が枯れ木の中でぐったりしているありすを見つけ、持ち帰ってくれました。 老人の手厚い看護のおかげでありすは一命を取り留め、一人暮らしの老人の貴重な話し相手になりました。 そして季節は冬。特別寒さが厳しいその年、幻想郷は一面雪に覆われています。 始めは塞ぎ込み、餌に全く手を付けようとしなかったありすも、老人の絶え間ない愛により少しずつ心を開き、 健康を取り戻しつつありました。 ――飼い始めの頃、自傷行為が見受けられたありすを老人はこう叱りました。 「お前さんの事情は知らん。あのあたりのゆっくりが全滅したのと関係がありそうなのは分るがな」 目をそらそうとするありすの顔をしっかりと掴み、視線を真正面から合わせ。 「お前さんは生き残ったんだ。なら生きなさい。お前さんにはその義務がある」 老人の家の仏壇に飾られているのは、若い女性と幼い子供の写真――が色あせた、ただの白い紙。 「後生だから生きて、私の家族になってくれ。1人はいい加減さみしい」 そう言われたありすは老人の説得に折れ渋々餌に口をつけ、傷の治療を受けたのでした。 少し昔のことを思い出して黄昏れていたありすの元に、夕飯が持ってこられました。 「さ、おこたに入って夕飯をお上がり。私は風呂に入ってくる」 そう言って老人は浴室に向かいました。残されたありすは幸せなような、申し訳ないような気分で餌をつつきます。 今でもしゃんはいやほーらい、家族やご近所さん達の死に様を夢に見ない夜はありません。 正直な話、死んでしまったらどんなに気が楽だろうと思っています。 それでも、あの老人の頼みを無下にして命を絶つのは気が進まなかったので、ありすは今も生きていました。 「ゆ。わたし、いきていていいのかな……」 誰かに許しを貰いたがっている自分に気付き、ありすは自嘲気味にため息を漏らしました。 許しなら、既にあの老人からたくさん貰っているではないか。 「ばかね、わたし」 彼は言っていました。「今私は幸せだ」と。 無い食欲を誤魔化しつつ、ゆっくりゆっくりと餌を食べます。時計の針が一回りをしてもまだ食べ終わりません。 「……おじいさん、おふろながいわね……」 数日後、文々。新聞の片隅にこんな記事が小さく載りました。 『1人暮らしの老人が孤独死 先日、○○村の××さんが浴室で死亡しているのが発見された。死因は心筋梗塞と見られる。 ××さんは1人暮らしが長く、最近は慰めにゆっくりを飼う孤独な老人だった。 近年増加する1人暮らしの老人の孤独死は、てゐさん行方不明の影響であるとの説が有力であり――』 飼いゆっくりの消息は載っていなかった。 PN水半分 なお、作者は『嫌われ○子の一生』を未読・未鑑賞なのでタイトルが似通っている以外の関係はありません。 このSSに感想を付ける