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キャラクター:ななこ 名前 黒井ななこ ステータス 知力:3.8(10)運動:3.5(10)幸運:3.8(10)女教師:3.5(10)ゲーマー:3.8(10) 必殺技1 「やってもーた」体力回復、ただし1問行動不能 必殺技2 「熱血教師宣言」往年の名作をほうふつ愛の制裁を与えます※ななこでこなたシナリオ着ぐるみ→わかった キャラ解禁方法 こなたシナリオ着ぐるみ→わかった 必殺2解禁方法 パートナーななこで、こなたシナリオパートナー別EDクリア どらまも~ど第1戦でよく見かけるキャラであり、位置づけとしては最序盤の敵。 そのためかステータス面で冷遇されており、単純なステータス合計値はゆいと並んで最下位である。 一見バランスが取れているように見えるステータスも、単に全部並以下というだけ。 しかし必殺2は、(1~2問と短いものの)ピヨりと多少のダメージを同時に与える悪くない性能。 ステータスも低いとは言え均されているお陰で、なんとかやっていけるだけの攻撃力と耐久力は備わっている。 必殺2を上手く使っていけば、どうにもならないキャラという訳では無い。 衣装 ※パラメータ:S=大幅上昇/A=上昇/B=微増/C=変動なし/D=微減/E=減少/F=大幅減少(初期衣装を基準とします) 名称 パラメータ 入手方法 水着 D D D D D 双子シナリオ 夏スーツ C C C C C 初期 冬スーツ B B B B B 私服 B B A B B こなたシナリオ第1戦 ジャージ B A B B B ゆたかシナリオ メイド B B B B B 双子シナリオ 巫女 C C A C C 双子シナリオ 特殊1(D.CⅡ制服) A A A C C こなたシナリオ 特殊2(アニメ店長) C A C A A ゆたかシナリオ 装備可能アイテム ※パラメータ:S=大幅上昇/A=上昇/B=微増/C=変動なし/D=微減/E=減少/F=大幅減少(装備なしを基準とします) 名称 パラメータ S プラチナチケット +1.7/+1.7/+1.7/+0.8/+1.7 その他 ~オススメ時間割~ 例【】【】【】(説明書参考) ~EDボイス~ クリアやてぇ?やったなぁ、今のアンタはホンマすごいわぁ! ~携帯ボイス~(アイテムの「***の携帯」で聞けるボイス) ウチの悲鳴がアラーム代わりや!くらえ!うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
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キャラクター:あきら 名前 小神あきら ステータス 知力:3.5(9)運動:3.8(11)幸運:3.5(9)アイドル:2.5(14)二等兵:3.5(11) 必殺技1 「おはらっきー☆」体力回復 必殺技2 「あきらに清き1票を」相手を数問の間、行動不能 キャラ解禁方法 双子シナリオを みさお でクリアしてから、みさお以外のキャラでクリアしたあとに難しいであきらが乱入してくるのでそれを倒す。 必殺2解禁方法 パートナーこなたで、あきらシナリオパートナー別EDクリア 自称スーパーアイドル小神あきら。 意外にもと言えば怒られそうだが、アイドル(特殊1)のステータスが極めて高いのが最大の特徴 高めの耐久力を活かして耐えつつゲージを貯め、必殺技2でばんばんピヨらせていけるのがポイント。 計算で無くとも2度必殺技を撃てる場合が多く、1試合最大6問の行動不能は大きくアドバンテージを取ることができる。 ただしあきらに清き1票をは効果上昇しないとたったの1問しかピヨらせる事ができず、 更に元の攻撃力の低さから押し負けてしまう事も多い。 似たタイプのキャラのひかげと比べても不利な点が多く、プレイヤーのスキルと愛を要求されるキャラである。 衣装 ※パラメータ:S=大幅上昇/A=上昇/B=微増/C=変動なし/D=微減/E=減少/F=大幅減少(初期衣装を基準とします) 名称 パラメータ 入手方法 水着 C C C C C あきらシナリオ 制服 C C C C C 初期 アイドル C C C C C あきらシナリオ 私服 C C C C C こなたシナリオ 体操服 C C C C C あきらシナリオ メイド C C C C C ゆたかシナリオ 巫女 C C C C C こなたシナリオ 特殊1(海賊) C C C C C あきらシナリオ 特殊2(召喚少女) C C C C C ゆたかシナリオ 装備可能アイテム ※パラメータ:S=大幅上昇/A=上昇/B=微増/C=変動なし/D=微減/E=減少/F=大幅減少(装備なしを基準とします) 名称 パラメータ S アイドルマイク +2.5/+1.0/+2.5/+3.5/+2.5 その他 ~オススメ時間割~ 例【】【】【】(説明書参考) ~EDボイス~ おめでと~!すごいねすごいねすごいね~。これからも頑張ってね~。 ~携帯ボイス~(アイテムの「***の携帯」で聞けるボイス) おはらっき~!おはらっき~!おはらっき~!小神あきらです~!おはらっき~!!
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マップ:とらのあな 出現条件 最初から ひなた:計算 簡単:最初から 普通: 難しい: 暗算のコツ 2桁+2桁:AB+CD Dを0として先に足しておき、最後にDを足す。49+88なら49+80=129に8を足して137。場合によっては切り上げたものを足してから差分を引いた方が速いことも。98+95なら100+100=200から7を引いて193。 3桁+3桁:ABC+DEF 先にBC+EFで2桁の足し算を済ませておき、AとDを足す。難易度が高いので自信がなければ放置した方が良い。 引き算 基本的には足し算と同様にキリのいい数字にして計算してから差分を足し引きする。 2桁x1桁:ABxC AxCx10にBxCを足す。85x7なら先に8x7x10=560をやって5x7=35を足して595。またはA+1にCを掛けて差分を引く方法も有効。78x6なら8x6x10=480から80-78である2x6=12を引いて468。 2桁x2桁:ABxCD ABxCx10にABxDを足す。ただし難易度が高いのでキリのいい数字以外では放置した方が無難。 2桁÷1桁:AB÷C 九九の範囲内ならそのまま暗算。範囲を超えているなら超えた分だけ計算する。84÷3なら3x20=60を引いて24÷3=8を先に出し、最後に20を足して28。 3桁÷2桁(3桁):ABC÷EF(DEF) CとFを0として大雑把にそれらしい値を考えて、その前後を答えてみる。384÷48なら380÷40として考え、400÷40=10より少し小さいだろう、とアタリをつけ9→8→7と当たるまで答え続ける。 パティ:英単語 簡単: 普通: 難しい: ひかげ:ツンデレ判断 簡単: 普通: 難しい: 連鎖数が稼ぎやすいため、パーフェクトコンボも狙いやすいこのためキャラ乱入を狙うために多用されている模様パターンを覚えてしまうと難しくないため熟練者の解答速度は超高速になっているWi-Fi対戦時は注意が必要
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カオスロワでらき☆すた勢が自重しないということを理由にらき☆すたを目の仇にする 初登場時は会話のみでメンバーはドナルド以外分からなかった 実は空気化しているキャラの集まりで、結構チートキャラっぽいの満載だったりする。 ●過激派 メンバーはカヲル、チルノ、ドナルド、ヴェル爺、ユーゼス。 自分達が空気化しているのをらき☆すた勢のせいにしていたが、 ある放送でらき☆すた勢が大量に死んでも自分達が活躍できることはなかったので、 『目立つキャラを優先的に殺す』ことに目標を変更する。標的はらき勢と書き手勢のようだ。 新たに暗黒長門とディアボロモンを加え、戦力を増強。幕張に向かう。 ギニュー特戦隊との戦いでヴェル爺とユーゼスは死亡する。 幕張メッセ内部での生き残りを殺す予定でいる。 ちなみに暗黒長門とディアボロモンは同盟を利用しているだけ。 692らとハルヒとの戦いに横槍をいれ、ハルヒを殺害。 その後692らと戦闘に入る。そしてチルノやらドナルドやらが死に、 (その後ドナルドはタカヤの体を乗っ取って再び母書き手と再戦するが、 テッカマンを使いこなせず、逆に追い込まれ、母書き手の念仏により成仏させられる) その後カヲルは相羽タカヤを操ってカオスロワで暗躍するも、アナゴとの交戦で死亡する。 さらに暗黒長門は消失、本家とともに合身してしまった。 そして激戦の末、アーマゲモンは死亡。 これにて過激派は全滅する。 だが、テラカオス復活の際にアーマゲモンとカヲルはテラカオスの体を乗っ取っている。 もっとも野比玉子に乗っ取られ、その野比玉子も成仏したから現在はみんな死者スレにいるが。 ●穏健派 衛宮士郎、セイバー、ロジャースミス、ノーマン、相羽タカヤ、キテレツ斎をメンバーとする。 過激派と違い、らき☆すたを越える作品を作るのが目的である。 戦いによって解決しようとする過激派とは違い、平和的にロワを解決しようとしている。 メンバーの1人であるキテレツ斎がアイテムで長門有希を復活させる。 その後彼女は穏健派と行動をともにする 地震によりキテレツ斎とノーマンは死亡。 アンデルセン神父の襲撃に会うが、その際残ったマスコット同盟と協力することになる その後相羽タカヤがブラスター化してアンデルセン神父を撃破したが、彼は廃人になってしまう。 しかもその後長門を殺戮マシーン化させるためカヲルに洗脳され、そのまま長門に殺されるなどかなり不遇な扱い そして士郎とセイバーとロジャースミスはプロシュート兄貴とともに地の福田と交戦中。 その際ロジャースミス、衛宮士郎、プロシュート兄貴という犠牲を出しながらも地の福田を撃破。 その後赤木達と合流した穏健派だが、その際の戦闘でセイバーとアキタケンが死亡。 これにて穏健派は全滅する。 だが、セイバーとアキタケンは遊戯によってカード化されており、 遊戯によって召喚されたセイバーは鷹野三四と交戦していたが野比玉子の攻撃によって死亡。 十代に渡されたアキタケン(ネオス)は海馬らと共闘していたが十代とともに仲間を守って死亡。 その後死者スレで、士郎とドナルドはらき☆すたを超えるストーリーを延々と作成していた。 士郎はディアボロモンがお気に入りらしい。彼らの作ったストーリーはカオスロワ本編で実際に起きたとか。
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服データまとめ [#hc3c8f1a] 泉こなた [#hc7c8498] 小早川ゆたか [#q023f28a] 柊かがみ [#g7d40e04] 柊つかさ [#s76a5231] 小神あきら [#c1298761] 黒井ななこ [#s8cb550c] 成美ゆい [#gd7dde3d] 岩崎みなみ [#zb46e0b8] 峰岸あやの [#v345f2d2] 日下部みさお [#u017330b] 田村ひより [#qad96af6] 宮河ひなた [#m7fe18a4] 宮河ひかげ [#r97bf61b] パティ [#zabaa046] 服データまとめ 服種別:シナリオ(何戦目か 誰戦か、pパートナー指定) 泉こなた 水着:ゆたかシナリオ(4 ゆい戦、pゆい時) 冬制服 夏制服:双子シナリオ(3 中央ルート・みなみ戦) 私服:こなたシナリオ(4 ここにのこるルート・ゆたか戦) 体操服:あきらシナリオ(4 上ルート・こなた戦、pこなた時) メイド:こなたシナリオ(下ルートのあやの戦後しばらくして) 巫女:こなたシナリオ(3 下ルート・あきら戦) 特殊1:双子シナリオ(4 下ルート・ゆたか戦、pゆたか時) 特殊2:ゆたかシナリオ、p別EDルートでpこなた時入手 小早川ゆたか 水着:あきらシナリオ(4 下ルート・こなた戦、pこなた時) 冬制服 夏制服:双子シナリオ(3 中央ルート・みなみ戦) 私服:こなたシナリオ(4 下ルート・ゆたか戦) 体操服:ゆたかシナリオ(1 pななこ) メイド:ゆたかシナリオ、開始後自動入手 巫女:双子シナリオ(4 下ルート・ゆたか戦) 特殊1:あきらシナリオ(4 下ルート・ゆたか戦、pゆたか時) 特殊2:ゆたかシナリオ上ルート、p別EDルートでpこなた時入手 柊かがみ 水着:ゆたかシナリオ(2 かがみ戦、pかがみ時) 冬制服 夏制服:あきらシナリオ(3 学園へ→不毛だルート・かがみ戦、pかがみ時) 私服:双子シナリオ(1 ななこ戦、pななこ時) 体操服:双子シナリオ(4 上ルート・こなた戦、pこなた時) メイド:双子シナリオ(4 下ルート・ひかげ戦) 巫女:こなたシナリオ(4 上ルート・あきら戦、pあきら時) 特殊1:チャイナ:こなたシナリオ(4 下ルート・ゆたか戦、pゆたか時) 特殊2:ゆたかシナリオ上ルート、p別EDルートでpかがみ時入手 柊つかさ 水着:ゆたかシナリオ(2 かがみ戦、pかがみ以外時、表示はかがみの水着だが…) 冬制服 夏制服:あきらシナリオ(3 学園へ→不毛だルート・かがみ戦、pかがみ時) 私服:双子シナリオ(1 ななこ戦、pななこ時) 体操服:双子シナリオ(4 上ルート・こなた戦、pこなた時) メイド:双子シナリオ(4 下ルート・ひかげ戦) 巫女:こなたシナリオ(4 上ルート・あきら戦、pあきら時) 特殊1:美虎衣装:こなたシナリオ(4 下ルート・ゆたか戦、pゆたか時) 特殊2:サクラノ詩制服:ゆたかシナリオ上ルート、p別EDルートでpつかさ時入手 小神あきら 水着:あきらシナリオ(3 上ルート・ゆたか戦、pゆたか時) 制服 アイドル服:あきらシナリオ、聖地へ→イエスで自動入手 私服:こなたシナリオ(3 かがみ戦) 体操服:あきらシナリオ(2 上ルート・パティ戦、pパティ時) メイド:ゆたかシナリオ(4 あきら戦) 巫女:こなたシナリオ(下ルートのあきら戦前後?ストーリー上で入手) 特殊1:海賊服:あきらシナリオ(1 pゆい時) 特殊2:召喚少女衣装:ゆたかシナリオ上ルート、p別EDルートでpあきら時入手 黒井ななこ 水着:双子シナリオ(4 上ルート・こなた戦、pこなた以外時) 夏スーツ:あきらシナリオ(1) 冬スーツ 私服:こなたシナリオ(1) ジャージ:ゆたかシナリオ(1) メイド:双子シナリオ(1) 巫女:双子シナリオ(3 上ルート・ゆい戦) 特殊1:D.C.Ⅱ制服:こなたシナリオ、p別ED直前で pななこの場合 特殊2:アニメ店長衣装:ゆたかシナリオ(4 ゆい戦) 成美ゆい 水着:双子シナリオ(4 上ルート・こなた戦、pこなた以外時) 制服夏:あきらシナリオ(1) 制服冬 私服:こなたシナリオ(1 pななこ) ジャージ:ゆたかシナリオ(1) メイド:双子シナリオ(1) 巫女:双子シナリオ(3 上ルート・ゆい戦) 特殊1:保安官服:こなたシナリオ、p別ED直前で pゆいの場合 特殊2:バーベナ学園冬服:ゆたかシナリオ(4 ゆい戦) 岩崎みなみ 水着:こなたシナリオ(2 着ぐるみ) 冬制服 夏制服:双子シナリオ(2 下ルート・パティ戦) 私服:あきらシナリオ、p別EDで入手 体操服:ゆたかシナリオ(2 上ルート・こなた戦、pこなた時) メイド:ゆたかシナリオ(3 下ルート・みなみ戦) 巫女:こなたシナリオ(4 上ルート・あきら戦) 特殊1:執事服:あきらシナリオ(3 上ルート・ゆたか戦) 特殊2:H20制服:ゆたかシナリオ(3 上ルート・みなみ戦) 峰岸あやの 水着:ゆたかシナリオ(3 あやの戦、pあやの時) 冬制服 夏制服:双子シナリオ(2 みさお戦、pみさお時) 私服:こなたシナリオ(4 手伝いを頼む・ゆたか戦) 体操服:あきらシナリオ(2 下ルート・みさお戦、pみさお時) メイド:ゆたかシナリオ(4 あきら戦) 巫女:こなたシナリオ(4 上ルート・あきら戦、pあきら時) 特殊1:バニーあきらシナリオ(2 下ルート・みさお戦) 特殊2:召還少女:ゆたかシナリオ上ルート、p別EDルートでpあやの時入手 日下部みさお 水着:ゆたかシナリオ(3 あやの戦、pあやの時) 冬制服 夏制服:双子シナリオ(2 みさお戦、pみさお時) 私服:こなたシナリオ(4 手伝いを頼む・ゆたか戦) 体操服:あきらシナリオ(2 下ルート・みさお戦、pみさお時) メイド:こなたシナリオ(2 きぐるみルートのあやの戦戦闘後、pあやの時) 巫女:こなたシナリオ(4 上ルート・あきら戦、pあきら時) 特殊1:マフィア:あきらシナリオ、p別EDで入手 特殊2:卯月:ゆたかシナリオ上ルート、p別EDルートでpみさお時入手 田村ひより 水着:ゆたかシナリオ(3 あやの戦) 冬制服 夏制服:こなたシナリオ(2 資材運び pあやの) 私服:こなたシナリオ(3 着ぐるみ-わかった pパティ) 体操服:双子シナリオ(4 下ルート・ゆたか戦、pゆたか時) メイド:ゆたかシナリオ(3 上ルートのみなみ戦、pみなみ時) 巫女:あきらシナリオ(4 上ルート・こなた戦、pこなた時) 特殊1:狩衣:あきらシナリオ、p別EDで入手 特殊2:虎々衣装:双子シナリオ(4 下ルート・ゆたか戦) 宮河ひなた 水着:双子シナリオ(4 ひかげ戦、pひかげ時) とらのあな制服 着物:こなたシナリオ(2 資材運び) 私服:あきらシナリオ(3 聖地へ!→イエスルート・ひなた戦、pひなた時) アニメイト制服:あきらシナリオ(4 聖地へ!→別の方法でルート・ひなた戦、pひなた時) メイド:ゆたかシナリオ(4 下ルート・ひなた戦) 巫女:あきらシナリオ(3 聖地へ!→イエスルート・ひなた戦) 特殊1(シスター):双子シナリオ(4 家に帰ろう→自分を磨こうルート・ひなた戦、pひなた時) 特殊2(D.C.Ⅱ制服):双子シナリオ(4 家に帰ろう→自分を磨こうルート・ひなた戦) 宮河ひかげ 水着:双子シナリオ(4 ひかげ戦、pひかげ時) 制服夏:こなたシナリオ(2 資材運び) 制服冬 私服:あきらシナリオ(3 聖地へ!→イエスルート・ひなた戦、pひなた時) 体操服:あきらシナリオ(4 聖地へ!→別の方法でルート・ひなた戦、pひなた時) メイド:ゆたかシナリオ(4 下ルート・ひなた戦) 巫女:あきらシナリオ(3 聖地へ!→イエスルート・ひなた戦) 特殊1(魔法少女):双子シナリオ(4 家に帰ろう→自分を磨こうルート・ひなた戦、pひなた時) 特殊2(D.C.Ⅱ/美夏):双子シナリオ(4 家に帰ろう→自分を磨こうルート・ひなた戦) パティ 水着:こなたシナリオ(2 着ぐるみ pあやの) 冬制服 夏制服:双子シナリオ(2 下ルート・パティ戦) 私服:あきらシナリオ、p別EDで入手 体操服:ゆたかシナリオ(2 上ルート・こなた戦、pこなた時) メイド:ゆたかシナリオ(3 下ルートのみなみ戦、pみなみ以外?) 巫女:こなたシナリオ(4 上ルート・あきら戦) 特殊1 ディーラー服 あきらシナリオ(3 上ルート・ゆたか戦) 特殊2:ルテジア衣装:ゆたかシナリオ上ルート、p別EDルートでpパティ時入手
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プロローグ 「魔術を使うには大地から、神々から力を借りなければ行使できない」 その部屋のろうそくには一本しか火が灯っていなく、薄暗い、気味が悪い部屋と化している その部屋の中では、父と娘が語り合っている 魔術に対しての知識を確認しているのだ 「そう、その力を借りることができる人間は生まれつき身体のどこかにアザがある」 「それは動物や魔物も同じ事」 「ここで問題。そのアザは子供たちにも受け継がれる?」 「答えはNO。でも、子供もアザができて生まれる可能性はある」 「正解。じゃあ第二問、その兄弟・姉妹にアザはできる?」 「それも答えはNO。兄弟・姉妹につき、一人にしかチカラは備わらない」 「そう、そしてこれからお前にしようとしていることは、後天的に魔術を行使できるようになる『実験』」 父は実験という言葉を強調し、白い石とナイフを取り出した 「失敗したら……?」 「腕を失う。確実に」 娘は生唾をゴクリと飲み込む。額には尋常ではない脂汗が滲み出ている 「大丈夫、失敗しない。失敗させない。だから、俺を信じろ……!!」 「……うん……!」 この二人の間に、家族を超えた何かが存在しているように思えた 娘は覚悟を決め、右腕を父の方に差し出す 「かなり痛いだろうが、耐えてくれ……!!」 父は娘の腕を取り、ナイフを彼女の右手の甲にあてた 「……行くぞ……!!」 1―1 それから5ヶ月後、少女――泉こなたはアウレ町を歩いていた アウレ町は彼女と彼女の父が住む町。道が石畳で舗装されており、近くの集落の中では一番大きな場所だ 彼女は今、町の図書館を目指して歩いている 彼女の目当ては図書館が貯蔵している魔導書にある 彼女は基本的に勉強が大の苦手だが、魔導書に書かれている文字『魔導言語』を学ぶのは好きな様子 毎日と言っていいほど図書館を訪れていた 「ふふふ、館長さん、今日は封書を読ませてくれるって話だし、楽しみだな~」 彼女は鼻歌を歌いながら道を歩いていく。何が書かれているか気になって仕方がない 封書を早く読みたいがために、足速に通りを歩く 町の武器屋を通り過ぎたあと、近道のために裏路地へと入る 「きゃ!!」 「うわ!!」 裏路地に入ろうとした直前、その裏路地から女の子が出てきた 避けることは出来ず、こなたは女の子とぶつかってしまった こなたはよろめきながらもなんとか倒れることは阻止できた これは彼女が古武術という昔から伝わる武術を習っていた賜物である しかし、ぶつかった女の子はそういうわけにもいかず、石畳に尻餅をついてしまった 「いたた……」 「ごめんね。大丈夫?」 女の子は薄紫色の髪を左右でツインテールにしていて、腰には鞘を差している こなたは女の子に手を差し出すが、その手は払いのけられ、女の子は立ち上がりながらこちらを睨み付けてきた 「あんた、何処見て歩いてんのよ!!」 「ごめんごめん、急いでてさ~」 「……あんた、謝る気ある?」 「あるよ~」 言葉だけで悪びれる素振りも見せないこなたに女の子は大きな溜め息をついた 「……まあいいわ。ところで、『そうじろう』って人はどこに住んでるかわかる?」 「ああ、それなら……」 こなたは裏路地から出て、家々の間にある大きな家を指差した 「あの青い屋根の家に住んでるよ。結構大きいから、すぐにわかると思う」 「わかった、ありがとね」 女の子は裏路地を出て、こなたが指差した方へ歩いていった 「……ん?」 ふと地面を見てみると、そこには光るものがあった それを拾い上げてみると、どうやらそれはロケットペンダントのようだ 「しまった、ぶつかった時に落としちゃったのか……」 女の子が駆けていった方を見るが、もうその姿は見えなくなっていた 「……ま、いっか。家に来てるんだし、帰ってきたら渡してあげよ」 そう言って、こなたはロケットペンダントの中身を見る 中央に先ほどの女の子がいて、両脇に二人の少女がたたずんでいる その中の三人は、笑顔でこちらを向いていた 1―2 「ふ~、少し早く走りすぎたかな?」 こなたはあの後、図書館ま走ってきた 太陽の位置がまだ東の空にあることを確認し、図書館のドアを開ける 「いらっしゃい、こなたちゃん。今日は早いわね」 図書館の館長だ。人手不足により、カウンターで貸し出し業務も並行している 「うん、早く封書が読みたくてね~」 「急がなくても、封書は逃げないわよ」 そう言うこなたに笑いかけながら、一冊の本を取り出し、カウンターに置く タイトルは現代の文字で書かれていないうえに中身まで同じ調子。故にこれまで封書とされてきた本だ 「よし、さっそく読もうかな」 こなたは図書館中央に位置する読書ルームに移動 「……おおお……」 本を開いてすぐ、こなたの目が輝きだした どれくらい時間が経過しただろうか、窓の外はオレンジ色に染まっていた 本来ならお昼頃に本を読むのを一時中断、古武術の修行を行うはずだった しかし、本に夢中になっていたこなたはそれを忘れていた 「ふ~、おもしろかった~」 パタンと本を閉じ、ふと窓の外を見る この時初めて、こなたは時間の経過を悟った 「……マジ?」 こなたのこめかみから冷や汗が流れた 「ま、いっか。今日は休暇ということで」 気持ちを瞬時に切り替え、読書ルームを出てカウンターにいる館長に本を返す 「今日はずいぶん長くいたわね。そんなにおもしろかった?」 「うん。新しい事も知れたし」 「それはよかった。さ、早く帰ってお父さんを安心させなさい」 「う……ん?」 ――お父さん? 何か忘れているような……? 「あ~~~~~~!!」 こなたは絶叫し、疾風の如く駆け出した 「このロケットペンダントを早く返さなきゃ!! 町を出てるかもしれない!!」 そう、あの女の子と出会ったのは朝方 腰に鞘を差していたということは旅の者、下手をしたら、彼女はもう…… 「お父さん!!」 家に着いてすぐにそう叫んだ。全速力で走ってきただけに、肩で呼吸をしている 「おお、どうした? そんな急いで……」 「今朝、女の子が来なかった!?」 「ああ、来たな。薄紫色のツインテールっ子が……」 「その子、今どこにいるか知ってる!?」 「ええっと、今日は宿屋に泊まるって言ってたから、もう宿屋にいるんじゃないか?」 「宿屋……よかった……」 こなたは大きく息を吐き出した。その後すぐに深呼吸、呼吸の乱れを整える 「何かあったのか?」 「うん、朝ね……」 こなたは今朝の話をした。女の子とぶつかったことや、落としたロケットペンダントのこと…… 「そういえば無くしたって言ってたな。友人との思い出の品だとか……見せてもらってもいいか?」 「いいよ」 そう言ってこなたは父――そうじろうにロケットペンダントを渡した 中身を見たそうじろうの顔は一瞬驚きに染まった 「……どしたの?」 「あぁ、いや、なんでもない」 そうじろうはロケットペンダントの蓋を閉じてこなたに返した 「もうすぐで夕飯ができるから、それを食べてから行きなさい」 「うん、わかった」 「そうそう、ちゃんと手は洗えよ」 「わかってるよ」 外にある井戸にこなたが走っていくのを見届けると、そうじろうは呟いた 「……どういうことだ? あの子は確かに人間だった。だが、両脇の二人は……」 1―3 (さて、どうしようかな……) 暗闇の中、こなたは宿屋の前で思案していた アウレ町の宿屋は少し特殊で、宿泊客以外の人間が中に入るには宿泊客の許可を得ないといけない もちろん向こうは自分の名前を知らない。自分も向こうの名前を知らない。これでは会うことはほぼ不可能だ (……仕方ない、覗きみたくなっちゃうけど、窓の外から……) こなたは宿屋と隣の家屋との間に入り、裏手に回る そこは意外と広々としており、夕方なら小さな子供が鬼ごっこをしていそうだ こなたは宿屋の窓から見えないよう、窓の下を通る 中をそっと確認し、目当ての女の子がいないと、次の窓に向けて動きだす。その繰り返し そして、とある窓の下で彼女の動きが止まる 窓の下から目の部分から上だけを出し、中を確認する そこには、薄紫色の髪の女の子が二人いた 一人は椅子に座り、一人はベッドの中で上半身を起こしている 「……つかさ、またひどくなってない?」 椅子に座る女の子の声。横顔しか見えないが、あのツインテールは間違いない、今朝の女の子だ 「ううん、私は大丈夫だよ、お姉ちゃん…」 今度はベッドの上の女の子。どうやらツインテールの女の子の妹らしい、姉と違ってショートカットだ なぜか肩で呼吸をしており、苦しそうにしているが、ここからでは顔がよく見えない 左手にアザがあるところを見ると魔術師であろう 「ほら、あまり無理しちゃだめよ?」 「うん……。少し横になるね」 そう言うと、つかさと呼ばれた女の子はベッドの中に潜り込む 少しだけ身を乗り出してみると、つかさの顔が少しだけ見えた (……!?) 「……この旅を続けてもう一ヵ月だね」 「そうね……でも、つかさの容体は悪くなるばかりね……」 「私の病気って、生まれつきなんだよね……」 「ええ……いろいろなところの医者を訪ねたけど、結局治る気配すらなかったって、お母さんが……」 『それは医者じゃ治らないはずだよ』 「「え!?」」 突然した声に驚く二人。窓の外を見ると、青く長い髪に頭からぴょこんと跳ねた毛 ツインテールの彼女には、それらに見覚えがあった。今朝、ぶつかった女の子だ 「ごめん、話は聞かせてもらったよ」 「あんた、なんでここにいるのよ!?」 彼女が窓を開けて尋ねると、こなたは窓のさんに飛び乗る 「説明は後だよ。まずはつかささんが先決だ」 ひらりと舞い降りて部屋の中へと入る 「お姉ちゃん、知り合い?」 「あ、うん。今朝、ぶつかった女の子よ」 「つかささん、っていったっけ。私は泉こなた。よろしくね」 「うん、よろしくね。私のことはつかさでいいから」 笑顔ではあるが、呼吸は荒く、辛そうにしている 「私は姉のかがみよ。ちなみに名字は柊。それで……つかさが医者じゃ治らないってどういうこと?」 「教えてほしかったら八坂こう(この世界唯一の魔導言語翻訳家)さんのサインを」 ……鈍い音が辺りに響いた 「気を取り直して……」 ドでかいタンコブを頭に作ったこなたはつかさの顔を見てから少し間を置き、 「つかさは多分……呪われてるよ」 『……え……?』 二人は何も言わず、つかさを、自分自身を見る つかさは、自分は、ただ病弱なだけだと思っていた。それがまさか、呪いだったなんて…… 今までの苦労は何だったのだろう、落胆したかがみはうつむいた 「これは……どうやら対象者の魔力を奪う呪いみたい 生まれつきってさっき言ってたから、その時から狙われてたんだろうね。つかさは常人よりも魔力が高いみたいだし」 魔力とは、魔術を行使する際に必要な力であり、すべての命の源でもある。これが尽きると、その者の命も尽きてしまうのだ 基本的に魔術を行使する際に消費され、時の経過により回復していくが、つかさのように呪いによって魔力を吸い尽くされた人間もいるのだ 「……さて、どうする? 一番手っ取り早いのは呪いをかけた張本人を倒すこと」 淡々と、二人にそう説明し、反応を伺う。すると、うつむいたままのかがみが左の手で拳を作った 「……場所は、わかるの……?」 「うん、だいたい予想はついてるよ。一緒にくる?」 かがみは顔をあげ、拳を高く振り上げた 「私も、つかさを救けたい!!」 「……決まりだね」 かがみからつかさへと視線を変え、 「つかさは私の家で待っててくれないかな? 本当は強いんだろうけど、今のつかさだと酷だよ」 つかさは少し考え、憂いを含んだ顔で何も言わずに縦に振った 1―4 翌日、こなたは家の前で待っていた 目的は、前日の柊かがみ、つかさを出迎えるため 父親のそうじろうには、事の次第を全て説明してある 背負ったリュックには松明や薬草、念のための食料も入っているが、武器は一切入っていない。格闘家のこなたにとっては必要がないからだ 「お、来た来た。おはよー!」 行き交う人々の間から薄い紫色のツインテールが見えた 間違いない、柊かがみだ つかさの腕を肩にかけ、つかさ自身の負担を軽くしているようだ 「おはよ!」 「おはよー、こなちゃん」 「こ、こなちゃん!?」 「そ。こなたちゃんだからこなちゃん。ダメかな?」 こなたはガックリとうなだれ、「18」とだけ呟いた 「へ?」 「私……もう18なんだけど……」 二人は、どう受け止めていいかわからないといった様子だった 「ご……ごめんね……」 「いや、いいよ。一度定着しちゃった呼び名は変え辛いだろうし。さ、行こうか」 かがみはつかさを降ろし、こなたと顔を見合わせて行ってしまった 「……無事で帰ってきてね……二人とも……」 町外れの洞窟。ここは、何かあった時のための非難所とされている そんな洞窟の前に、二人は立っていた 幅はそれほど広くなく、狭い通路が延々と続いているようにかがみには見えた 「ここに、つかさに呪いをかけた奴がいるの?」 「多分ね。まずは入ってみよう」 躊躇いもなく入っていくこなたを追い掛ける。何故か楽しんでいるようにも見えた 「アンタ、なんでそんなに楽しそうなの?」 「いやー、私、町から出たことがなかったからね。その点だとかがみ達が羨ましく思えるよ」 ヘラヘラと笑うこなたに、かがみは苛立ちを覚えた 自分たちは、とても大変な思いをしてきたというのに 「かがみってやっぱり剣士なの?」 「え? ああ、私達の家族はほとんど剣士よ。ちなみに姉が二人いるけど、その二人もね」 右の腰に下げた鞘を見る。剣士は利き手の反対に鞘を下げる。つまり、彼女は左利きなのだろう 「つかさは魔術師でしょ? アザがあったし」 「アザ? ……ああ、印(いん)のことね。そうよ、つかさは炎と雷の魔術師なの。つーかアザって……学校で習わなかったの?」 その言葉を聞いたこなたは少しうつむき、 「私は行きたかったんだけどね、学校……。なぜか行かせてくれなかったんだよ」 「え……?」 学校は別に強制的に行かされる場所ではないので、それほど驚くことでもない だが、このご時世、学校に通っていない人間の方が珍しかった 「多分、『賢者の娘』っていうレッテルを貼られるのが怖かったんじゃないな」 「賢者の娘……か」 世界には『三賢者』と呼ばれる人達がいる。こなたはその一人の娘なのだ 賢者とは、過去の事柄を未来に紡いでゆく存在である。また普通の人間にはない特別な力もあり、人々に頼られている かがみ達も、そんな三賢者の力を頼りにアウレまでやってきたのだ 「そうよね。小さい子供とかって、そういうのに敏感なのよね」 「一応、私に勉強を教えようとしたんだけどね。勉強イヤって言ったらやめてくれた」 「おいおい……」 「あ、でも武術はちゃんと習ってたよ」 その場で正拳突きをするこなた。なかなか様になっている 「さ、着いたよ。ここがこの洞窟の最深部……なはず」 話をしているうちに着いたようだ。そこは今までの通路とは違い、ドーム状の広間となっていた 「はずってなによ」 「さっきも言ったでしょ? 私は村から出たことないんだよ。だからここに来たのも初めて」 こなたはざっと広間を見渡し、そして正面を指差した 「あの赤い光、見える?」 「うん……ぼんやりとは……」 不自然に揺らめく赤い光。外からの光はほとんど入らないのに、なぜ…… 反射しているのではなく、自ら発光している? だとしたら…… 「魔物か何か、ね?」 「松明に火を点けようか、あんまり見えないし」 そう言ってこなたは松明に火を点ける。視界が一気に開け、そこに何がいたかすぐに理解できた 悪魔をかたどった石像が意思を持った魔物――ガーゴイルだ 右手には三つ又の槍、背中から生えた翼で低空飛行、額にある宝石のようなモノがキラリと光る 『ギギ……』 向こうもこちらに気が付いたようだ、こちらに向かってゆっくり移動してくる 松明を岩の間に差し込み、 「あれはガーゴイルだね。額の宝石には『死者の魂が宿っている』って言われてて……」 かがみはこなたの声を途中からまったく聞いていなかった 腰に下げた鞘から家宝の剣――シャムシールを抜く 怒りの眼差しで、ガーゴイルを見据えながら 「――!? かがみ、ま……!!」 こなたが制止しようとしたときには、かがみは駆け出していた (こいつが……つかさを!!!) 今のかがみにあるのは激しい憎悪、剣を高く振り上げ、 「――斬魔!」 ガーゴイルに向けて一気に振り下ろす! ……しかし、 『ギ?』 「か、硬い!」 かがみが一閃させた剣をガーゴイルは片腕で受け止めていた 奇声を発して、ガーゴイルはその槍を振りかぶった! 身の危険を感じたかがみはそれが振り落とされる前にバックステップで後退する が、先ほどとは比べものにならないほどのスピードでかがみの懐に潜り込み、左の拳をかがみに食らわせる! 「がっ……!!」 避け切れず、腹部にもろに喰らったかがみの身体は後方へと吹き飛ばされた。このままでは、壁に激突する! 「かがみ!」 何時の間にかがみの後ろに来たのか、こなたがかがみの身体をキャッチ! こなた自身の身体も、かがみの勢いで数mほど後ろに滑ったが、壁に激突する前に止まった 「こなた、ありがとう……」 口から少量の血を流し、息も絶え絶えのかがみ。腹部に激しい痛みを感じ、こなたに体重を預ける 「かがみ……気持ちはわかるけど、無謀だよ」 三つ又の槍を自由自在に振り回すガーゴイルを見据え、 「ガーゴイルは石の魔物なんだ、物理攻撃はほとんど効かないんだよ」 「じゃあ、どうしろっていうのよ……? 私は魔術なんて使えないわよ……」 魔術が一番有効だ、そうこなたは言いたいのだろうがそれは無理な話だ 魔術師にのみ出るアザ――すなわち印は、その者の総合的な力を吸い取って魔力へと変換させるため、魔術師には非力な人間が多いと、かがみは学校で習った かがみを受けとめたあの腕力、魔術師にあれだけの力は普通はないため、こなたはただの格闘家だろう これは――物凄くまずい状況だと、かがみは判断した 「ま、私にまかせてよ」 「え? あ、ちょっとこなた!」 かがみをその場に置き、ガーゴイルに突進していく 「ちょっと! あんただって『ただの』格闘家でしょう!? 太刀打ちできるわけが……!!」 出せるかぎりの声で叫ぶかがみの言葉を無視し、こなたは突進をやめない。右手を大きく振り回し―― 「……え!?」 こなたの右腕に、白い光が収束していく。あんな光、かがみは見たこともなかった 一体、何の光なのか。それ以前にどこからあの光が……? 「――仙光拳!」 直後、こなたの腕はガーゴイルの胴体を貫いていた 『ガ……!?』 どうやらそれはガーゴイルも予想だにしなかった出来事のようで、全く動く気配を見せない 貫いたガーゴイルの穴とこなたの腕の間からは、未だ光が洩れている 「んじゃ、この宝石はもらっとくよ」 余った左腕でガーゴイルの額にある宝石を抜き取り、ポケットの中に入れる 突き刺さった腕を抜き、掌を合わせ―― 「光の中に消えちゃえ! ――フォトン!!」 光がガーゴイルを包み込み、それが消えた時にはガーゴイルは跡形もなく消え去っていた あれは間違いない、魔術だ。しかし、なぜ『ただの』格闘家であるこなたが…… 「こなた……あんた……?」 「あはは、いろいろ疑問があるでしょ」 こなたは笑いながらかがみに近づいてくる 「話は後にしようよ。早くここから出よう」 「ええ……」 かがみはゆっくりと立ち上がり、しかしうまく立つことができずに壁にもたれかかった その光景を見て思い出したかのように、 「その前に回復だね。ちょっと待って」 先ほどと同じように、こなたは掌を合わせ、なにやらぶつぶつと呟き始める。そして…… 「ヒール!」 拳を挙げてそう叫ぶと、かがみの周囲に暖かな光が渦巻いていく それと同時に、腹部の痛みが嘘のように引いていくのを感じた 三賢者の一人――泉かなたの家系に代々伝わる力《治癒術》である 人体の代謝を加速させ、傷の治りを早くする術で、極めれば死の淵にある者さえ生き返らせることが可能になるのだ かがみはつかさを治してもらうべく、アウレにまでやってきたのだが、強力な治癒術を持っていたかなたは亡くなっていた そうじろうからこなたのことを聞いてはいたが、まだ若いために力が弱いという話だったので、昨夜は宿屋へ戻ったのだ 痛みが完全に引いたかがみは、出口へ歩きだすこなたへ礼を言いながらその後を追った 1―5 「お姉ちゃん!」 「つかさ!」 泉家に帰ってきた二人を待っていたのはすっかり元気になったつかさだった かがみはつかさと抱き合い、喜びを噛み締める 「よかったね、つかさ! これでもう苦しまなくて済むよ!」 「うん! ありがとう、お姉ちゃん!」 美しい姉妹愛、こなたは思わず笑顔になった 「まあ、疲れてるだろうし、まずは入りなさい」 「あ、はい!」 そうじろうの言葉を聞き、かがみは家の中に入っていく 「……姉妹、か……いいな……」 こなたはそう呟くと、ゆっくりした足取りで中に入った 「こなた、ありがとね。あんたがいなかったら、つかさは治らなかったわ」 「いやいや、困ってる人を助けるのは当たり前だよ」 家の中で、先ほど洞窟で起きた出来事を話した。さっきからかがみに何度もお礼を言われたため、こなたは少し照れていた 「で、そのことなんだけど、あの光はなんだったの? 見たことなかったけど……」 「その話は俺からしよう」 不意に、そうじろうが喋りだした 「FOE変化って知ってるかい?」 「えふ、おー、いー……変化?」 「ちょっとつかさ、前に習ったでしょ?」 確かに以前、二人は学校でFOE変化について習った 魔術を行使した際に放出される魔力が、武器若しくは身体に流れ込むことをFOE変化と呼ぶ 一時的なものだが、刀剣が炎に包まれたり、拳から雷が発生するといった変化が生じる。もちろん本人にダメージはない ちなみに魔術師が使う武器そのものに魔力を流れ込ませ、FOE変化させることも可能だ 「このFOE変化を利用した武術が古武術で、こなたはそのうちの一つ『光牙流』を会得しているんだ」 「他にもお父さんからいろいろな武術を学んだけどね」 「ち、ちょっと待ってよ! FOE変化って言ったって、じゃあなんでこなたは魔術を使えるの!?」 「そうだよね、こなちゃんには印がないみたいだし……」 印は大抵、というか確実に利き手の甲に浮かび上がるものだ こなたの手を見てみるが、やはり印はなかった ……そう、“印は” 「あれ? こなちゃん、これって……」 「そ。白晶石」 こなたの右手の甲に見つけた、白く光る石――白晶石 晶石とはそれぞれ色に対応した力を秘めた石のこと。赤晶石なら炎の力、白晶石なら光の力を秘めている、といった具合だ 「なるほど」 不意にかがみがうなずく 「いくら魔力を持っていようと、印がなければ魔術は使えない。だから、ソレが印の変わりになってるってわけね」 「そういうこと。五ヶ月くらい前だと思うけど、魔導書にあったのを実験してみたんだ。そしたら見事に大成功!」 「いいなぁ……私も魔術使いたいなぁ……」 右手でVサインを作るこなたを見てうっとりするかがみ。が…… 「すっごく痛いけど、出来ないことはないよ? やってみるかい?」 「い、いえ……遠慮します……」 そうじろうの言葉で一気に消極的になってしまった 「さて、と……明日には帰らないとね。すいません、お礼の一つもできないで……」 「いやいや、別に見返りを求めてたワケじゃないし」 かがみとつかさは必要最小限のお金と薬しか持ってきておらず、お礼に出せそうなものは一つもなかった 「私、かがみ達の村に行ってみたいな」 「えっ、私達は別にいいけど……」 三人は一斉にそうじろうを見た。その顔は困っているようだった 「……そんな顔で見られたら、断れるワケないだろ? とは言っても、女性ばかりは危険だし、俺も一緒に行くからな」 「やた! 他の村に行くなんて初めてだよ!」 こなたはわざとらしくバンザイをする。 「……それにしても、ペンダント、どこ行ったかなぁ……」 「……あ……」 笑顔が一転、しまったというような顔になり、左手で口を覆う そして、服のポケットやら道具袋やらを調べ始める 「あった! はいこれ」 「!! 私のロケットペンダントじゃない!」 かがみはこなたからペンダントを受け取る。……否、奪い取る 「ぶつかった時に落としたみたいなんだよね。いやー、返すのすっかり忘れてたよ」 「よかった……もう見つからないかと思ってたのに……」 「よかったね、お姉ちゃん」 蓋を開いて中の写真を見る。そこにはやはりかがみと二人の女性が写っていた 「つかさはいないね」 「うん。私、この時休んでたから……」 「その二人、友達?」 「ええ。私たちの……親友だった人達よ」 「親友だった?」 ひどく意味深な発言、こなたは言葉を反芻した 「左が日下部みさお、右が峰岸あやのっていって、学校時代の親友なんだけど……三年前から、行方不明なの」 『え……?』 こなたとそうじろうの言葉が被る 「まだ死んだってわけじゃないけど……もう、三年も経ってる。絶望的だわ……」 「……生きてて……欲しいんだけどね……」 声が出なかった。出せなかった。あまりに、重い話だったから 「……さあ、昔話はここまでにしましょ! 宿屋にまだお金払ってないし、今日は宿屋に泊まるから!」 「あ、お邪魔しました~!」 二人はあわただしく、泉家を出ていった (……日下部みさおに、峰岸あやの……間違いない、三年前に来た、あの子たちだ。どういう要件だったかな……) そうじろうは少し考える (……!! そうだ、思い出したぞ! 確か、二人は……) 1―6 「こなたって、魔導言語が読めるのね」 「うん。アウレの図書館には翻訳前と後の魔導書があるからね。それで自力で覚えたんだ。まだ訳されてない魔導書も読みたかったから」 アウレを出て数日が経った。かがみ達の村〈オーフェン〉はアウレの南に位置しており、徒歩で行くには数日の時間を要するのだ かがみは昨日、キャンプでこなたが読んでいた魔導書を横から見たものの、現代語でなかったために驚いたのだ 「昔、絵本は飽きたーって駄々をこねたことがあってな。試しに魔導書を読ませたらすっかり虜になったんだよ」 「え、そんなエピソードがあったんだ……」 昔話に花が咲く。特にこなたは、同年代の友人がいなかったためにとても楽しんでいた 「もう結構歩いたよね」 「そうよね。もうそろそろ着く頃だけど……」 「ん……?」 ずっと先からだが、しろい煙があがっているのが見える 「火事、かな?」 「いや、それにしちゃ煙が出てる範囲が広すぎだ。今日は風もないのに……」 「お、お姉ちゃん! あそこ、オーフェンがあった場所だよ!」 「嫌な予感がする。急ごう!!」 四人は煙の発生地点な向かって駆け出した! 「嘘……でしょう……?」 「村、が……」 オーフェンに着いたこなた達は、目の前に広がる光景に、かがみとつかさは愕然とし、こなたとそうじろうは息を呑んだ ――村が燃えている! 道具屋が、葡萄棚が、学校が、紅蓮の炎に包まれて、火の粉を巻き上げていた 「おかしい」 耳を澄ましていたそうじろうが呟いた 「これだけの惨劇なのに、声がまったく聞こえない」 「もう逃げているとかは? 村の外にいるかも」 「よし、手分けして人を捜そう! 俺はこなたが言ったように村の外に逃げた人を捜す!」 そう言うと、そうじろうは一人村とは反対方向へ走っていった 「お姉ちゃん達が心配だよ!」 「私達は家の方を捜すわ! こなたは反対方向を!」 「わかった!」 かがみは脱兎のごとく駆け出し、その後をつかさが慌てて追った 「お姉ちゃん達、大丈夫かな……」 「つかさ! 悪いほうに考えない! 姉さん達は絶対に大丈夫よ!」 そう言うかがみも、不安を拭えないでいた。これだけの惨劇、もしかしたら…… かがみは首を何度も振り、考えないようにした 「私達の家が……」 「ひどい……メチャクチャだよ……」 自分達の家も周りと同じく、紅蓮の炎に包まれていた。思わず、最悪の事態が頭をよぎる 「か……かがみ……? つかさ……?」 『!!』 不意に、自分達を呼ぶ声がした。それはとても聞き慣れた声で―― 振り返ると、村の中央付近に倒れている人影を発見した。間違いない、あの人は―― 「まつりお姉ちゃん!」 「姉さん!」 「やっぱり……ふ、二人だったか……」 二人は同時に声をあげ、かがみはためらうことなく姉の――柊まつりの体を抱き起こした つかさが目を逸らすほど、彼女の傷はひどかった。明らかな刀傷であり、かがみにはそれが、致命傷であるとわかった 「はは……お、オーフェン最強と言われた私が……ざまあないね……」 「姉さん! 姉さん!」 かがみはひたすら彼女の体を揺らす。つかさは悲しみで立っていることすらできなかった 「む、村はね……ラミア軍にやられたんだ……みんな、連れていかれちゃったよ……」 「じゃ、じゃあ、お姉ちゃんの傷は!?」 「その、ラミアに……抵抗したんだけど、ね……多勢に無勢って……このことなんだね……」 ラミア軍とは、かつて世界を統治していたヴァルア王国直属の軍隊だ 現在は国という制度はないのだがヴァルア城、並びにラミア軍もかつての名残として残っている そのラミアがなぜ、オーフェンという小さな村を……? 「ぐ、軍の奴らは……王国の再建のために、って言ってた……ゴホッ……」 口から大量の血液が、まつりの顔を紅く染める 「かがみ、つかさ……私は、もう……無理みたい……だから……私の、変わりに……村の、みんなを……」 「!? 姉さん! 姉さん!!」 「頼んだよ……二人、と……も……」 まつりは最後の息を唇から漏らし、それきり動かなくなった 「そんな……まつりお姉ちゃん……!!」 「いや……いやぁーーーーー!!!!」 泣き崩れるかがみの悲痛な叫びが、廃墟と化した村の隅々まで響いた 「誰か! 誰かいませんか!?」 こなたは村の中を駆けながら、声をあげる。廃墟と化した建物を調べ、人がいないかどうか何度も何度も確認する 「!」 そうしているうち、建物の陰から、燃え盛る村を哀しそうな目で見つめている女の子を見つけた 栗色の髪、青色に輝く瞳、白いマントが風にたなびいている 左の腰に鞘を差している。彼女も旅の剣士なのだろう 右手の甲に見たこともない印に加え、赤色に光る石――赤晶石 印を持つ剣士はとても珍しい。それに、印を持っているということは魔術を使えるということ。それなのに、わざわざ晶石を付けているところもまた珍しい (……待てよ……?) 晶石を使って魔術を使用可能にする方法はまだ一般には普及していないはず。村には知れ渡っているが 方法が示された魔導書は翻訳されていないうえにアウレに一冊しかないはず 魔導言語の読める旅人がアウレに来たとき、魔導書を読んだのだろうか? そうすると、自分の他にも、魔導言語を読める人間がいたのだろうか? 「……虚しい、デスね……」 女の子は呟いた。というよりも、こなたに話し掛けてきた 自分は彼女の視界には決して入らない場所に位置している。気配だけを感じ取ったなら、かなりの手練だ 「無益ナ争いナンテ……虚しいだけデス」 「あなたは?」 こなたはゆっくりと彼女に近付き、そして問い掛ける 視線を村からこなたへと移し、彼女は喋りだす 「人の名前を聞ク時は、マズ自分から名乗ったラどうデスカ?」 「あ、ゴメン。私、泉こなた」 「泉コナタ……ですね? ワタシはヴァルア城直属の軍隊、ラミア軍隊長のパトリシア=マーティン、通称パティでス」 彼女の喋り方に、こなたは違和感を覚えた。なまりというか、発音がどこかおかしい 「……コノ村は、ヴァルア城の城主「子神アキラ」にヨって破壊するよう命ジられたのデス」 「じゃあ、あなたもこの村を!」 「……いえ、ワタシは軍隊を止メに来たのデス。アキラ様の決定ニは、異論を唱える人も多かったデスから」 彼女は村へと視線を戻し、 「しかし、ワタシは間に合いませんデシタ。建物は破壊サレ、村人はラミア軍の砦やお城に連れテいかれまシタ」 「り、理由は? なんでこの村を襲ったの?」 「ヴァルア王国の再建……ト、兵士達には伝ワっているはずデス。シカシ、それは偽りの目的……」 憂いを含んだ表情で空を見上げる 「信じテくれないかもしれませんガ、私は……」 『いやぁーーーーー!!!!』 「!!」 突然響き渡った悲鳴、二人は同時に声のした方向へ向く 「ナンデスカ!?」 「この声は……かがみだ!」 「カガミ……?」 パトリシアがその名前に反応したのに気付かず、こなたは声のした方向へ走りだす 「かがみ! つかさ!」 村の中央に、二人はいた。二人は誰かの身体に顔をうずめて泣きじゃくっていた 「うう……まつり姉さん……」 「ひっく……えぐ……」 「二人とも……」 こなたは何が起きたのか、瞬時に理解した 姉が、亡くなったのだ。傷口から見て、殺されたのだ 二人の気持ちはよくわかる。自分も、母を早くに亡くしたから 「……二人とも、お姉さん、生き返らせたい?」 「「……え……?」」 二人は顔をあげ、真っ赤になった目でこなたを見た 「どんな願いでも一つだけ叶えてくれる石、『らき☆すたー』。それが、この世界のどこかにあるんだ」 「らき☆すたー……」 「そんな石が……」 二人は顔を見合せ、うなずく 「らき☆すたー……見つけましょう!」 「うん! 絶対に見つけて、お姉ちゃんを生き返らせもらおう!!」 「ソウはさせまセーン!」 突然の声に振り向くと、そこにはパトリシアがいた。右手に剣を、左手に盾を持った状態で 「パティ!!」 「ハーイ、コナタ! ソッチの味方するナラ容赦しませんヨ!」 白いマントを棄てた中は、ラミア軍の紋章が入ったローブ 「こなた! アイツ誰なのよ!」 「ヴァルア城直属の軍隊、ラミア軍の隊長パトリシア=マーティンだよ! なんで剣を抜いてるのさ! ここに来た理由は軍隊を止めるためでしょ!?」 そう言うこなたの後ろで、かがみはシャムシールを抜く。戦いは避けられないと判断したからだ 「ソレとコレとは話が別デース! らき☆すたーを狙う奴らは、我らの理想のジャマとなりマース!」 「ラミア軍もらき☆すたーを狙ってるのか!」 「特に柊カガミ! アナタは抹殺命令が出されていマス!」 「わ、私に!? なんでよ!!」 「オマエ達が知る必要はありマセン!! delete(消えろ)!!」 パティが剣――キャバリアーを構え、突進してくる! 「くっ! 来るなら追い返すまでよ! こなた、つかさ、行くわよ!」 「うん!」 「おけ!」 かがみとパティの剣戟(けんげき)の音が辺りに轟き、それが決戦の合図となった! 1―7 「はっ!」 「ハッ!」 かがみが一気に距離を詰める。パティの剣を防ぐと同時に甲高い音を立てる! (く! なんて重い一撃なの!?) パティの力に圧倒されつつも、なおも剣は交じり合い、お互いの身体へは届かない 「ッ!!」 突如、かがみがバックステップで距離を取った (学校で習った剣技だけじゃ、とてもじゃないけど適わないわ……) 「つかさ、こなた、援護して。素手のアンタたちじゃ、絶対に不利だから」 「うん!」 「わかった!」 こなたは早速両の拳を合わせ、魔術の準備――詠唱に取り掛かる 「見せてやるわ、柊家に代々受け継がれてきた剣術を!」 「!」 「――魔神剣!」 かがみは体をひねって左腕を後ろへ回し、全身の力を込めてそれをまったくの間合いの外から、幻影を斬り付けるかのように空振りした その瞬間、一閃させた剣から発生した剣圧が衝撃波となり、パティ目がけ疾る! 「――シャドウウィスパー!」 「な!?」 しかし、パティもまた、同じ構えから衝撃波を発生させ、それがかがみの魔神剣とぶつかり、お互いを打ち消し合う! 「まさか! 同じ系統の技が存在するなんて!」 「まだまだ甘いデ~ス!」 今度はパティがかがみに向けて走りだす! 「――デルタレイ!!」 直後、拳を挙げたこなたの掌から三つの光球が出現、パティに襲い掛かる しかしそれはパティの振るう剣によってすべてが受け流されてしまった 「今だ! 瞬迅剣!!」 「レイジングエッジ!!」 一瞬の隙が生まれたパティへ走り込み、高速で出した突きが風を切ってパティへ向かう が、それはパティの剣に阻まれ、体に届くことはなかった 「なかなかやりマすね……アレを使いますカ……」 「な……!?」 腕を左右に大きく開き、自らを十字架のようにしたその光景に、かがみは驚いた 間違いない、あれは呪文の詠唱だ! 「……え……?」 そのパティの右手に赤く光る石――赤晶石。加えて、今までに見たこともない形状の印も、しっかりと存在していた 印を持つ者の体力や腕力は、常人よりも劣るのではなかったのか!? 「――プラントウィード!!」 「な!?」 混乱するかがみの足元からツタが発生、身体を絡め取る 「うそ!? 植物!?」 「あんな魔術、魔導書でも見たことないよ!」 未知なる魔術に困惑する二人。植物を生やす術など、今までに見たことがなかった 「な……なに、これ……? 力が……抜け……」 「そのツタは対象者の魔力を吸い取り、そのまま私の糧となりマス!」 かがみの手から、剣が落ちる。それを持つ力が、吸い取られているのだ 「はわわわ!! あのツタをどかさなくっちゃ!! ――ファイヤボール!!」 「「!?」」 つかさの行為に、今度はこなたとパティが驚いた 呪文の詠唱もなしに魔術を行使するほど、高い魔力を秘めていたとは! つかさの声に合わせるかのように、赤い魔方陣が出現。燃え盛る火球が三つ、かがみに絡まるツタへ向かう 「させまセン! ――ジャガーノート!!」 だが、かがみの魔力を吸い取ったパティも自らの魔力は増えている やはり詠唱なしで火球を三つ飛ばし、つかさのファイヤボールにぶつけ、相殺した 「もう! 邪魔しないでよぉ!!」 「そう言われテも困りマス! こっちだって、殺ス気でやってるんデスから!」 パティが余裕の表情を浮かべ、つかさを見る その間にもかがみに絡まるツタは彼女の魔力を吸い取っている。このままでは、かがみの命が危ない! 「――光牙流『心』の奥義――」 「!?」 パティの耳に届いた声。それのする方向を向くと、右手を自分の後方に引いたこなたの姿があった その右手からは、強力な光が発せられていて――それを見た瞬間、パティは危険を察知した 察知したが……動けなかった。その光の圧倒的な威圧感が、パティを動けなくしていた 「『雲散霧消』!!」 叫ぶと同時に右手を前へ一気に突き出す こなたの右手に集まった光が巨大な波動となって飛翔、パティの身体を吹き飛ばした! 「Noooo!!」 その身体は、辛うじて原型を止めていた建物の残骸にぶつかり、瓦礫の中に埋まった それと同時に、かがみに絡み付いていたツタも消え、かがみは地面に倒れこんだ 「よかった、ツタが……」 「つかさ、援護をお願い。先にパティを倒すよ」 「わかった!」 その頃、瓦礫の中でパティは動けないでいた (Shit! まさかコナタも晶石を付けていタなんて!) 口から流れ出る血を拭い脱出を試みるが、体勢が悪くまるで力が入らない その瞬間―― 「ライトニング!」 パティの埋まった瓦礫に小規模の落雷が発生 それは瓦礫を崩し、パティを自由にしただけだった。立ち上がり、剣を握りなおす が、その雷の狙いはパティに攻撃するためではなかった 「What!?」 いつの間にかパティの目の前まで走ってきていたこなた その手にはつかさの放ったライトニングの――雷の魔力が溜まり、しばしば放電していた 「これで終わりだよ! ――ライジンブレイク!!」 雷を纏った拳でパティに渾身のアッパーカットを極(き)める! 「――ッ!!」 声にならない悲鳴をあげ、空中へ投げ出されたパティの身体は重力によって地面に叩きつけられた 「終わった、かな。……! そうだ、かがみ!」 その一部始終を見ていたこなたは思い出したかのように、かがみの方へ走りだす つかさがかがみの腕を肩に回し、なんとかこなたの方へ歩いてくる いつかのかがみとつかさの立場が逆転していた こなたはかがみの胸に右手をかざす。白晶石の力で、かがみの魔力の残量を調べているのだ 「これは……だいぶ魔力が減ってるね。――チャージ!」 叫んだ瞬間、かがみに向けた掌から光の球体が出現。それが粒子となってかがみの身体に吸い込まれていく 「……あ、あれ? なんだか、身体が軽く……」 「私の魔力を少し分けたんだ。時間が経てばすぐに元通りになるよ。かがみは魔術師じゃないから、魔力の消費はほとんどないしね」 つかさから腕を離して自力で大地に立つ 先ほど倒れた時にこびりついた砂を払い、二人に向き直った 「ありがと、二人とも」 「ふふ、お姉ちゃんが無事でよかった」 「そだね」 その時、誰かの足音が聞こえてきた あわてて三人が振り返ると、そこにはボロボロになったパティの姿があった 「あんた、まだ……!」 「NO……こんな状態で戦っテも、たかが知れてマース……」 パティの言っていることは正しかった。それは悪あがきであり、無謀なのだ 「私がもう少し早ク来ていれば……アナタの、Sisterは……これは、止められなかった私の責任デスね……」 三人の後ろにいる柊まつりの死体を見、顔を歪める こなたは、パティが冷酷な人間でないことを知った。ただ命令に従うだけの兵士とは違う、後悔の瞳をしていたから 「軍の隊長とハ言っても……私は一兵士……コレ以上の命令違反は、できまセン……だから、私の変わリに……オーフェンの人間を、助けてあげて下サイ……」 『!!』 パティのお願いに、三人は耳を疑った。今、パティがしようとしてることは、軍を裏切るも同じことだ 「村人タチは……南の『サーバ地方』……北西の『イリジアン地方』にそれぞれある砦……そして、北東にある『ヴァルア城』で……働かセられているはずデス……」 「なんで……そこまで教えてくれるの? お姉ちゃんを狙ってたはずじゃ、なかったの?」 「Yes……確かニ、私達の狙いは柊カガミでしタ……デモ、村人タチは無関係なんデス……このまま捕まってルのは……筋違いでショウ……?」 三人は無言のまま、パティを見つめた。彼女の言っていることは出任せなどではないということを悟ったからだ 「今日ノところは、帰らせテもらいマス……デスが……次に会った時は、こうは行きませんヨ……See you……」 そう言うと、パティはフラフラしながらも村を出ようとした 「ちょ……待ちなさ……」 かがみが引き止めようとするが、その肩を掴みこなたが制止させた 「かがみ、ダメ。パティは確かに襲ってきたけど、最終的には私達に重要な情報をくれたんだ。恩を仇で返すような真似は、絶対にダメだよ」 「くっ……」 歯を食い縛りながらも、かがみは黙ってパティの背中を見送った 「まず、情報を整理してみよう」 村の外から帰ってきたそうじろうが、大方の事情を聞いた後、三人に言った オーフェンから避難した人は見つからなかったそうだ 「まず、オーフェンはヴァルア城直属の軍隊、ラミア軍に襲われた」 かがみが最初に言った 「オーフェンが襲われた理由は、王国の再建のためだったって、まつりお姉ちゃんが言ってた」 「でもそれは偽りの目的」 つかさが続け、更にこなたが付け加える 「本当の目的は……多分、かがみを殺害、もしくは拘束するため」 「私のせいで、村が……姉さんが……」 肩を落とし、落胆するかがみ その様子を見たこなたが、かがみの肩を叩く 「悪いのは、かがみじゃない。本当に悪いのは、小神あきらだよ」 「こなた……」 かがみは頷き、すっかり廃墟と化したオーフェンを見回す 「……村のみんなを、助けなきゃね」 「そだね。パティちゃんは、砦とお城に連れてかれたって言ってたよね」 「ここから一番近いところは南――サーバ地方の砦だね」 そう言ってこなたは、とある方向に顔を向ける 「こなた、太陽の位置からしてそっちは北西のイリジアン地方だ。サーバは南だぞ?」 「う!」 かがみとつかさは小さく笑った後、本当の南を見る 「ここにいても、何も始まらないわね。早速、行きましょ」 「うん」 「あ、それ……」 歩きだそうとするかがみ達をこなたが呼び止める 「私も行っていいかな?」 ――ヴァルア城 国王の間―― 「柊かがみ、見つからなかったんだ……これが世界中に知られたら、私の信頼がガタ落ちだよ……」 「申し訳ありません、あきら様!」 「気にしなくていいですよー。ご苦労様ー♪」 「は、はい!」 玉座に座っていた少女――小神あきらは立ち上がり、報告をしていた兵士の肩に手を置く その顔は、まるで小さな子供のような、無邪気さ溢れる笑顔だった 「この一件は、部下であるあなたの仕業として処刑させてもらうね」 「は……え?」 「――爆裂のヴォルカニックレイ♪」 「う、うわあああああ!!」 あきらの言葉に呼応するかのように局地的な爆発が兵士の足元で発生、次の瞬間には、兵士は影も形も残っていなかった 「ったく、弱いくせによくヴァルア四天王なんかになれたわよね。死んで初めて私の役に立ってくれたわ」 先ほどの笑顔はどこへ行ったのか、今は鬼のような形相で兵士のいたところを睨み付けた 「――フレイムドライブ!」 刹那、あきらは振り返り、天井に向けて火炎弾を飛ばした その火炎弾が天井に当たる直前に、燕尾を思わせる形のマントを羽織った男が天井から飛び降りた 「さすがヴァルア四天王最強とうたわれるだけあるわね、立木。この私にギリギリまで気配を感じさせないんて」 「ありがとうございます、あきら様」 立木と呼ばれた男はあきらの前に膝をつき、頭をさげた 「全て拝見させていただきました。あきら様の命令であるとは我々四天王、及び隊長以外の耳には届いておりません故、ご安心を」 「相変わらず気が利くじゃない。新しい四天王は……その隊長、パトリシア=マーティンがいいわね」 あきらは自分が先ほどまで座っていた玉座へと戻っていく 「……その話なのですが、パトリシア=マーティンが泉こなたという人物にやられました」 「!!」 歩みを止め、そのまま立木に振り返る 「……それは確かなの?」 「はい。今、医務室にて治療を受けています。柊かがみも共にいたと、パトリシアは言っていました」 「……」 親指の爪を噛み、ぶつぶつと何かを呟きながら、あきらは考える 「……仕方ないわね、泉こなたも軍のブラックリストに載せといて」 「は!」 「それで四天王だけど……アイツにしてちょうだい」 その言葉を聞いた立木が驚きで目を見開く 「アイツを……? 正気ですか!?」 「今の軍の中で四天王になり得るのはアイツだけよ。わかったらさっさと伝えてきて」 「……承知しました」 それだけ言うと、立木は設置されているワープ装置を使って国王の間を後にした 「……私のせいで、『柊かがみの旅が早まった』のね。しかも、泉こなたまで加わるなんて……なんとしてでも先に、らき☆すたーを手に入れなきゃ……」 ――あいつの願いを、叶えるために―― 「ダメだ、こなた! 旅なんて危険すぎる!」 「ちょ、離してってばお父さん!」 こなたの肩を掴んでブンブン揺らすそうじろう こなたがそう言った瞬間、そうじろうの手は離れた 「あんたの父さん、よほどあんたが好きなのね」 「私が死んだお母さんに似てるからじゃないかな。過保護すぎて逆に疲れちゃうよ」 耳元でささやくかがみに、こなたは少し呆れ気味に肩をすくめた 「興味本位で行きたいわけじゃないんだよ、お父さん。私はパティを倒したんだから、軍のブラックリストに載ってもおかしくない」 「……そっか、そうなってたら、今度はアウレが襲われちゃうんだね」 「それに二人の旅は、らき☆すたーを探す旅でもあるんだよ。私はいろいろな魔導書を読んでるから、二人の力になれる」 そうじろうは目を瞑り、考える こなたが行く旅はおそらく危険なものだが、こなたの言うことももっともだ それに…… 「……娘の望みだしな。行ってこい」 「ありがとう、お父さん」 「俺はずっと待ってる。だから絶対に、生きて帰ってこいよ」 「もちろん!」 こなたはそうじろうの瞳をまっすぐに見つめ、振り返る 「さあ、行こう! 目指すはサーバ地方だよ!」 「うん!」 「ええ!」 こなたを先頭に、三人は歩きだした 村のみんなを救うために、らき☆すたーを手に入れるために――! 「こなちゃん、そっちは東だよ!」 「はぅあ!!」 「大丈夫かしら、こんなんで……」
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2―1 「暑い……あ~づ~い~……!!」 そう言いながら、フードを被ったこなたがぼやく。エメラルドグリーンの綺麗な瞳は疲労により台無しになっていた 周囲は、見渡す限りの砂漠である。汗が噴き出す傍から蒸発するほど、気温は高い オーフェンを出てから、既に十日は経っている。街道を四日間かけて南に下り、砂漠を見つけ、『あと少し』と意気込んだまではよかたが…… 三人は、完全に迷子になった 砂漠の町〈パフライン〉は大きなオアシスに作られた町で、砂漠に入ってから二日ほどで着く距離にある それは『直線距離で』の話だが 「仕方……ないでしょ……? サーバは……ヴァルカンの影響を……直に受けてるんだから……」 「それは……わかってるけど……」 かがみが言う通り、サーバ地方にはヴァルカン――火を司る神がいる神殿があると言われている その力が強すぎるためにサーバ地方は灼熱の大地になってしまったのだ 「暑い……熱い暑いあつい熱い暑いあつい暑いあつい厚い~~~~!!!!」 そうごねたのはこなたでもかがみでもなく……普段は温和なつかさだった もともと体力があまりないつかさだ。熱に当てられて理性という名のリミッターが外れたのだろう 「つ、つかさ!?」 「落ち着いて、つかさ!! 騒いだら余計に体力が……」 「暑い………あ……つ……」 全てを言い切ることなく、彼女は倒れ……そうになるところをかがみが受けとめた 「うっわ!! 凄い熱!!」 「ヤバい! 早くパフラインを探さなきゃ!!」 それから数時間後に、三人はパフラインを見つけた 広大な砂漠をあてもなく歩き回ったというのに……見つかったのは奇跡に近いだろう 「熱射病ですね。後少し遅かったら命に関わってました」 「良かった……」 「ありがとうございます、先生」 「いえ、それが私の仕事ですから。それよりも……」 ふゆきは、先ほど担ぎ込まれてきた少女がいる隣のベッドを見た 少女は町を出た際に魔物にやられたらしく、その傷は現在の医術ではどうすることもできないほどひどかった しかし今、こなたが治癒術をかけてくれている 傷口はみるみるうちにふさがっていく。完治するまで、そう時間はかからないだろう 「あの子、三賢者の一人なんですよね? 治癒術でこの子を治せなかったんですか?」 「それは……治癒術が効かないからだと、こなたは言っていました」 「効かない……?」 その言葉をうまく理解できなかったようで、ふゆきは首を傾げた 「治癒術は人体の代謝を高める魔術なんです。だからケガをしてもすぐに治りますし、病気も治ります」 「……なるほど……」 ふゆきはしきりに頷き、納得する 「原因が身体そのものにある熱射病は、回復対象に入らないんですね?」 「おそらく……」 「ふい~……ちかれた~……」 こなたが奇妙な溜め息をついてこちらに歩いてきた 少女は気を失っているためにベッドに横たわったまま。だがその傷口は、さっきまで大量出血していたとは思えないほど綺麗に塞がっていた 「魔力を半分くらい使っちゃったよ……」 「貴女がいなくちゃ、あの子は助けられませんでした。ありがとう」 頬を少し紅く染めるこなたを見て、かがみは『やっぱり照れ屋なのね』と思っていた 「ところで、なんでここには大人の男性がいないの?」 「そうよね。私も疑問だったわ」 村に着いた時、出迎えたのは30代ほどの女性。ここまで案内してくれたのは少年。そして病院の先生までも女性だった 尋ねるとふゆきは視線を下げ、ボソッと呟いた 「……南の砦に、連れていかれたんです……」 「「え……?」」 「一ヶ月くらい前、ラミア軍の人間が無理矢理連れていったのよ。砦の更に南にある〈炎の神殿〉への橋を造るためだとか」 町民が働かされているのは、オーフェンだけではなかったのだ その事実を知ったかがみは拳を握りしめ、身体を怒りで震わせた 「許せない……ラミア軍め……!!」 「つかさが起きたら、すぐにでも砦に向かおう!」 「ち、ちょっと待って? 砦に行って、何をする気ですか?」 そこで二人は、事の経緯を全て話した オーフェンが軍に滅ぼされたこと、村人が砦・城で働かされていること、彼らを助けるために旅をしていたということ、そして――らき☆すたーのことも 「……そうだったんですか」 「だから私達は、行かなきゃならないんです」 「村の人達を助けるために、らき☆すたーを手に入れて、かがみの姉さんを生き返らせるために」 ふゆきは引き止めるつもりだったが、その二人の瞳を見て、引き止めるのは不可能だと判断した 「でも、アナタたち三人だけだと少し心細いですね。でしたら……」 その時、町の東側から悲鳴が聞こえてきた。三人は一斉に立ち上がり、病院を出て東を見る 出入口から遥か先、巨大な芋虫のような魔物が砂の中から顔(頭部?)を出していた 先端は口が大半を占めており、牙が無数に蠢いている 「あれは世界最大の昆虫……サンドワーム!?」 「町に男性が少ない理由は、サンドワームにもあるんです。作物を荒らすので退治しに行くんですが、帰ってきたものはだれも……」 視線をさげたふゆきを見て、二人は決意した 「こなた!」 「うん! 行こう!」 二人は走りだし、サンドワームのもとへと向かった! 「……なんなのよ、このサイズは!? 昆虫ってレベルじゃないわよ!!」 砂から頭部のみを出したサンドワームの直径は、3mは軽く越えている。それと比例するとしたら、体長はとてつもなく長い!! 「とりあえず……やるしかないよ!!」 「わかってる!」 かがみは剣を鞘から抜き、サンドワームの真上に飛び上がった 「――空翔斬!」 そこからサンドワームに向けて一気に振り下ろす! しかし、前述した通り、サンドワームの直径は3mは越えている。口の直径も2mは越えているだろう 対して、かがみの身長は約1、6m。すなわち、彼女の身体はサンドワームの口に『すっぽりと収まってしまう』のである 「あ」 かがみの身体は、奈落(サンドワームの口)へと落ちていった 「……は……!?」 「くっそ……やばいわね……」 ここはサンドワームの中。ただ飲み込まれただけなので無傷、しかも腸内が柔らかかったために落下の衝撃もほとんどない だが、このままいると消化液によって溶かされてしまうだろう。早く脱出しなくては 「……ん? 騒がしいわ……ね……?」 その光景を見て、かがみは唖然とした 「レフト、あがったぞ!」 「任せた! ……よし、キャッチ!!」 「ファーストに戻れー!!」 かがみの目の前では、サンドワームに飲み込まれたであろう人間達が楽しそうに『野球』をしていた 「やあ。はじめまして。貴方もサンドワームに飲み込まれたのですか?」 不意に、一人の中年男性がかがみに近づいてきた 「あの……何やってるんですか?」 「何って、野球だよ。見てわからんかね?」 「いや、そうじゃなくて……」 当り前のように言うオッサンを見て、さっきまでサンドワーム退治に燃えていたかがみは少し恥ずかしくなった 「なんでこんなところで野球やってるんですか?」 「いやー、出るに出られないし、どうせ消化されちゃうなら最期くらい楽しい思い出を、ってね。結構、食べ物も入ってくるし」 隣にあるサイドワインダー(ヘビの魔物)の皮を指さしてオッサンは言った 辺りを見回すと、確かに広いスペース。しかも何故かグローブやら野球ボールやらが多数転がっている 「……と、とにかく! ここから出る方法を探さなくちゃ!」 「そうは言ってもね、今までここから出た人間なんて」 「危ない!」 オッサンが言い切る前にそんな声が響いた 打者が打ったボールがかがみに向かって一直線に飛んできたのだ! 「おじさん、ちょっとどいて!」 「おわ!」 かがみはオッサンを押し退け剣を抜き、飛んできたボールに向けて一閃! ボールは真っ二つに割れ、かがみの両サイドを飛んでいった 『おお~~~~!』 その妙技に、一部始終を見ていた人達は歓声をあげる 「……待てよ?」 「か、かがみが……食べられ、ちゃった……」 こなたはサンドワームを見上げ呆然としていた (い、いや……落ち着け、落ち着けよシロ……じゃなくてこなた……かがみは丸呑みされただけで……って) 地響きが起きたと思った時、前方からサンドワームが突進してきた! 「こんな状況で落ち着けるわけないじゃんかぁ~!!」 全速力で走るが、到底逃げ切れそうもない。彼女とサンドワームの距離は縮まっていくばかりだ 「ダメだ……潰される!」 こなたが諦めかけた瞬間、地響きが止み、悲鳴にも似た音に思わず耳を塞いだ 後ろを向くと、頭(?)を天に向け吠えているサンドワームの姿があった その腹部はいつのまにか縦に裂けていて、中から大勢の人間が溢れて出てきた 「な、なに……? あ、かがみ!!」 その人達の雪崩が止み、全員が出てきたと思った時、かがみが飛び出してきた 次の瞬間、サンドワームは地面に潜り込んだ。出てくる気配は見られない 「かがみ! 良かった、ちゃんと出てこれたんだ!」 「まあね、サンドワームの中が柔らかくて助かったわ。さ、戻りましょ」 「うん!」 「……まさか中で生きていたとは、驚きです」 ふゆきは窓の外を見ながら呟いた 妻と対面し喜ぶ者や食べ物を貪る者……反応は皆それぞれだ 「にしても、お腹を切り裂いて出てくるとはエグイねぇ。サンドワームに同情するよ」 「仕方ないでしょ!? そうでもしなきゃ助からなかったんだから!!」 さっきまで死ぬかもしれない状況にいたとはまったく思えない二人のやり取り それを見ていたふゆきは小さく笑った 「そうだ。アナタたち、この子が起きたら南の砦に向かうんですよね。でしたら……」 椅子から立ち上がり、自分の机に歩きだす 引き出しを開け、取り出したのは方位磁石だった 「これを持っていってください。砂漠は広いから、迷ったら大変ですから」 「あ、ありがとうございます!!」 かがみは方位磁石を受け取った 方位磁石は、一個人が持つには高価すぎる代物で、かがみは学校でしか使ったことがなかった 使い方を思い出すかのように方角を確かめた。指針を北に合わせて、現在向いている方向は南南西であることを確認。しっかりと覚えていたようだ ただ、隣から覗き込んでいたこなたにはちんぷんかんぷんだった 「それから……いくら賢者がいるとはいえ三人だけだとちょっと不安ですから」 そう言うと、ふゆきは窓の向こうを見る 「西の方角に、もう一つオアシスがあります。そこに住んでる『高良』という人物を訪ねるといいですよ」 「高良!?」 その人物の名を聞いたこなたは、目の色を変えた 「知ってるの? こなた」 「知ってるも何も、高良家は――」 “契約者、高良みゆきよ。我に何を望む?” デ・ザート砂漠のとある地点で、その『者』は尋ねた。灼熱の巨人と呼ぶにふさわしい、炎の精霊イフリート 「召喚という力を試してみたかったというのが本音ですね。私が召喚師としての力を受け継いだのはつい最近のことでしたから」 その問に、隣にいた高良みゆきが答えた。イフリートの契約者であり、『現』三賢者の一人である 手には、かつて戦女神が使用していた伝説の剣――光剣ワルキューレ。そして彼女の視線の先にいるのは、こなた達が退治したものよりも一回りは大きいサンドワーム 「小さい頃から貴方たちと遊んだりはしましたが、使役するとなると話は別ですからね。実際に召喚できるか、試してみたかったんです」 “確かにな。だが、力を試すためだけに我を召喚したのではなかろう?” 「もちろんです。あの実験を今日、行います」 みゆきは持っていた光剣ワルキューレを、サンドワームに向けた 「契約者『高良みゆき』の名において、炎の精霊イフリートに命じます。私に御身の、炎のご加護を」 “承知した” イフリートの身体から赤い光が出現、みゆきの身体の中へと入って行く 「……『精霊の魔力をもらうことで、印を持たない人間が魔術を行使できるようになる』という、私の仮説は正しかったようですね。私の中に、イフリートの魔力を感じます」 小さく呟いたみゆきのすぐそばにまでサンドワームが来ていた しかしその事態に慌てず、みゆきは魔術の詠唱を開始する 「――フレイムランス」 呟いた瞬間、天空から炎で出来た槍が飛来! それがサンドワームの身体をやすやすと貫き、身体中が炎に包まれた!! 「ご苦労様です、イフリート。もう戻ってくださって結構ですよ」 “承知した” サンドワームが燃え尽き、炭と化す姿を見届けてから、イフリートは陽炎のように消えていった 「……この……力さえあれば……」 砂へと還るサンドワームを見ながら、不適な笑みを浮かべるその姿を目撃した者は誰もいなかった 2―2 こなた達一行はデ・ザート砂漠を西へ向かっていた 目的はもちろん、オアシスに住んでいるという高良家である 「風旋脚!!」 これまでに何度も遭遇したサソリの魔物を文字どおり蹴散らしながら三人は進む 「ふう、これで何体目だろ。町の人からもらったレガースとグローブがなきゃ、手足がボロボロになってたよ」 右手にはめた、町の老人が使っていたグローブを撫でながらこなたは呟いた 「サンドワームから助けてくれたお礼」ということで、老人が昔ラミア軍に所属していた際の武器をいくつかもらったのだ 表面には、ラミア軍の紋章が刻まれている 「やー、人助けって良いものだネ」 「実際に助けたのは私だけどね。あんたは逃げ回ってただけでしょ?」 「はぅ!!」 そのやり取りを見ていた、昨日一日ぐっすりと眠って元気一杯になったつかさはクスッと笑った 「あ、あれじゃないかな?」 つかさの指差した先には、うっすらとだがオアシスらしき影があった 「よっし、もう少しだね」 「行きましょう!」 それから数十分後、三人はオアシスに到着した パフラインよりは小さなオアシス。そのなかに、あり得ないほどに豪華な屋敷が一軒そびえ立っていた 「でか……!!」 かがみ達の暮らしていた村はおろか、アウレにもここまでの屋敷は存在しない 三人はあまりに巨大な屋敷に圧倒されていた 「……と、とにかく話を聞きましょ」 「う、うん」 かがみは屋敷のインターホンを押す これだけの豪邸、出てくるだけでも相当時間がかかりそうだなぁ、とこなたは思っていた すると突然、門の上からガラスのようなものが降りてきた 「わ!!」 「な、なにこれ!?」 そこに、桃色の髪の美しい女性が映し出された 『はい、どちら様ですか?』 「な、なんであんな小さなところに人が入ってるの?」 『すみません、驚かさせてしまいましたか?』 女性は三人に向かってペコリと頭を下げた どうやらこちらの姿も声も、向こうに届いているようだ 『これは投影機というもので、離れた位置の様子を映し出す装置なんです』 「なんだ……びっくりした~……」 「……なんだって言ってるケド……これ、相当な技術力だよ……?」 そう呟いたこなたの姿を見て、女性は一瞬、顔をしかめた そしてにこやかな笑顔に戻り、何かを操作しはじめた 『今、門の鍵を開けました。すぐに迎えにあがりますので、玄関ホールでお待ちください』 出現した時とまったく逆の軌道を描き、投影機が収納されていく 未知なる技術に圧倒されながらも、三人は言われた通りに門をくぐった 「うぅ……苦ぁ……」 「こなたにはまだ早すぎたかしら?」 応接室に通された三人は机に座りながら、彼女――高良みゆきが出した紅茶を啜っていた かがみとつかさは美味しそうに飲んでいるが、こなたは舌を『んべっ』と出した 「おおむね事情は理解できました」 紅茶を啜る三人を見て、みゆきは言った 「パフライン、そしてオーフェンの人々を救うために、私の力を貸して欲しいと」 「ええ、ダメかしら?」 「私達には、戦力が必要なの」 二人の問いに答えず、みゆきは立ち上がって窓際まで歩きだした 「……なるほど、今度はそういう方法できましたか」 「え……それって、どういう……」 こなたが尋ねようとした次の瞬間、かがみとつかさが机に頭を落とした 「か、かがみ! つかさ!」 身体を何度も揺するが、反応はない しばらくして、二人からかすかに寝息が聞こえた 「やはり少量しか飲んでない人間には効き目はありませんか……」 振り返ったその顔には、先ほどまでの笑顔は露ほどもなかった 「何の真似?」 「自分の身を守るためですよ。『ラミア軍の方』」 その言葉に、こなたは面食らった。どうやら彼女は自分達をラミア軍の人間だと思っているようだ あんな奴らと間違われるのは心外だが、反論しても無駄だこなたは悟った 彼女が勘違いしている理由はおそらく自分の武具にあるのだろう、そう思ったからだ なぜならこなたが装備している武具には『ラミア軍の紋章が刻まれている』 「母を連れていき、三賢者としての力が既にないとわかったら私を力付くで連れていこうとして、今回は協力を必要とするフリをする…… そこまでして我が一族の力を手に入れようだなんて、一体何が目的ですか?」 こなたは一言も発せず、ただみゆきを見つめていた ラミア軍の目的――らき☆すたーを手に入れるためだろうが、それだけとは限らないのだ それに、下手なことを言って刺激するよりは、だんまりを決め込んだほうがいい 「……黙秘、ですか。それもいいでしょう」 みゆきは背中に背負っていた鞘から剣を抜き、こなたに向ける その剣を見た瞬間、こなたの目の色が変わった 「あーー! そ、それ、伝説の『光剣ワルキューレ』!! 実物をナマでみられるなんて!!」 「この剣に対する知識はおありのようですね。では、おわかりでしょう? この剣の強さも」 みゆきのえらく冷静な声で、こなたは我に返った そうだった、今は興奮してる場合じゃない! 「お帰りになられるなら、命だけは助けてあげましょう」 「そうはいかないよ。こっちだって事情が事情だからね」 「そうですか……では!」 地面を蹴り、みゆきがこなたに向かって突進、こなたに切り掛かる! そのたびに、こなたは後ろへと飛び、しゃがみ、飛び上がり、剣を回避する 例え反撃をしても、それがガードされてしまえば一巻の終わり。無防備になったところを襲われ、下手をすれば殺される 素手 VS 剣。圧倒的に素手の方が不利だ! 「なかなかやりますね。では、これはどうですか?」 みゆきが高く剣を掲げる。と、その時、剣が炎に包まれた! 「イフリートの加護を受けた、私の魔術を食らいなさい! ――スパイラルフレア!!」 「うそ!?」 一気に振り下ろされた剣から巨大な火の玉が出現、こなたに向かって飛来する! 「く!」 直撃。床に着弾した瞬間、爆風が一気に吹き上げる。終わったと、みゆきは思ったのだが 炭と化しているはずだったこなたは、傷ひとつ負っていなかった 体内にある魔力を周囲に拡散させ、スパイラルフレアの威力をほぼ無にしたのだ 「防御技のひとつ、粋護陣……なかなかやりますね。……ですが」 多大な魔力を放出しなければならないため、粋護陣の使用後は魔力が大幅に減ってしまうのだ その後の戦闘は当然厳しいものになっていく。それに加え…… 「はぁ……はぁ……!!」 「その状態では、もう戦えそうにありませんね」 こなたは魔術師ではない。魔力は通常の人間と同程度、つまり生命維持に必要な魔力くらいしか持っていないのである 前述したが、粋護陣は魔力を多大に消費する技。右手の甲にある白晶石のおかげで常人よりは魔力があるものの、それももう切れかけていた 「終わりにします」 「はぁ……! み、ミラージュアタック!」 こなたとの間合いを一気に詰め、一閃!! しかし手応えはなく、それどころかこなたの身体をすり抜けて壁に激突しそうになった 振り返って見ると、先ほどまでこなたがいた場所にはこなたの形をした白い塊があるだけ こなたの本体はみゆきのはるか後ろにいた。最後の力を振り絞り、自分の分身を作り出したこなたは瞬時に離脱したのだ 「……驚きました。まだそんな力が残っているなんて」 「や……やられる……わけ……には……いかない……か……ら……」 戦いを続けようと構えをとるが、彼女はもう限界にまで達していた こなたの身体は、地面に吸い込まれるように倒れていき、それきり動かなくなった 「……息はありますね……」 ゆっくりとこなたに近付き、脈をはかる 弱々しくではあるが、呼吸もちゃんとしているし脈もある 「どうしましょ……外に放り出すわけにもいきませんし……仕方ありませんね」 そうぼやきながら三人の身体を担ぎ、みゆきは部屋を後にした 2―3 「……う……」 ボンヤリとした意識の中、彼女は目を覚ました だが、まるで自分の身体ではないかのように、指一本すら動かすことができない (……あれ……私達……何してたんだっけ……) はっきりしない頭で、とにかく何があったのか必死で思い出そうとする (あ、そうだ……高良さんの家にお邪魔して……それから……どうしたんだっけ……? 確か、紅茶をいただいて……) そうだ、それまでは確かに覚えている。だが、それ以降の記憶がまったくないのだ あの紅茶を飲んだあと、急に視界がグラリと揺れて…… 「!!!」 頭のボンヤリ感は一瞬で吹き飛び、かがみは飛び起きた 目の前には鉄格子、隣には眠りこける妹の姿、四方は壁に囲まれている 間違いなく……そこは『牢屋』だった 「な……何よこれ!!」 鉄格子に飛び付き、思わず叫んだ 確かに自分たちは応接室にいたはずだ。それがなぜ檻の中!? 「みゆきさんに捕まったんだよ、私達」 突然聞こえた声に振り返り、壁にもたれかかっているこなたの姿を見つけた 腕にはめていたはずのラミア印のグローブはなくなっている そして、自分の腰に差してあるはずの剣も、つかさが持っていたバッグもいつの間にかなくなっていることに気付いた 「こなた……捕まったって、どういうこと?」 「……ゴメン、全部私が悪いんだ」 それからつかさを起こして、こなたはあの後に起きたこと全てを話した。 みゆきの母親がラミア軍に連れ去られたこと、自分たちがラミア軍の人間だと思われていること、みゆきと戦ってこなたが負けたこと 「殺しはイヤだからって理由だけで牢屋に入れられてるんだよ。相手がみゆきさんで良かったね」 「で、これからどうするわけ?」 鉄格子を握りながら、かがみがこなたに聞いた 「とりあえず、ここを抜け出そう。そうしないことには始まらないよ」 「けど、どうやって?」 「それが問題なんだよね……武器は没収されてるし、私は魔力を使い果たしちゃったし、つかさの魔術は鉄格子に効かないだろうし……」 右手の甲にあった白晶石は光を失い、ただの灰色の石と化していた。白晶石の魔力が尽きたのだ 魔力は時間の経過により少しずつ復活するが、完全に復活するにはおそらく数週間はかかるだろう。そんな長い時間、待ってられるはずもない 「あら、皆さん。もう起きてらっしゃったんですね」 かがみが顔を鉄格子に向けると、みゆきが優しく微笑んできた その顔に怒りは微塵もないようで、こなたは胸を撫で下ろす 両手でプレートを持っているが、角度的に何が乗っているか見えない 「皆さん、丸一日眠っていたんですよ? お腹も空いていることでしょうから、食事をお持ちしました」 鉄格子の鍵を開け、みゆきがプレートを持って中へと入ってくる 地面に置いた時、その上に何が乗っていたのか判明した。大量のサンドイッチだった 「……敵のはずの私達に食事を振る舞うなんて、どういう風の吹き回しよ?」 「いえいえ。餓死されても困りますので」 「そんなこと言って、本当は毒とか入ってるんじゃないの?」 互いに目を見つめたまま、二人は微動だにしない かがみ達にとって、これは生死を分ける重要な戦い。本当に毒が入っている可能性も捨てきれないのだ だが……その睨み合いは、横から聞こえてきたムシャムシャという擬音で終結した 「はむ……むぐむぐ……」 「お姉ちゃんも食べなよ。すっごく美味しいよ?」 サンドイッチを口の中に詰め込むこなたと、何の疑念もなくサンドイッチを差し出してくるつかさに、かがみは『がたーんっ!』と音がするくらい激しく倒れた 「あんたらねぇ!! 少しは疑うとかしなさいよ!?」 「はっへぇ~……」 「お腹空いてたから……我慢できなくて……あ、はい」 「あ~も~……」 頭をくしゃくしゃ掻きながら、かがみはつかさからサンドイッチを受け取る 「っふふ、仲が良いんですね」 「こんな調子だからね、こいつら。私がしっかり面倒見なきゃならないのよ」 サンドイッチに群がる二人を横目に、かがみは先ほどつかさから受け取ったサンドイッチを頬張る 毒の類は入っていなかった。と、思われる 「夜が空けたら解放します。それまではここで我慢してくださいね」 そう言ってみゆきは牢屋を出ていった 薄暗い牢屋――おそらく地下なのだろう――だったためにわからなかったが、今は夜らしい 夜中は砂漠の気温はマイナス五十度を超えてしまうらしい。今、外に放り出されなくて本当によかった 「さて、私も二つ目を――」 と、二人の方を見てみると、お腹をパンパンにして仰向けに横たわる二人の姿が 「うぅ……食べ過ぎたぁ……」 「お腹痛い……」 「……あんたらは……」 2―4 「あんたら、なんで私の分まで食べちゃうかなぁ」 「ごめんなさい……」 「腹ペコで、つい……」 牢屋の中で土下座する二人。かがみは腕組みをしながらそんな二人を見下ろしている なんだか珍妙な光景である 「こなたは私達が寝てる時に戦ってくれたから仕方ないけど……なんでつかさまで食べまくってたのよ?」 「あうう……美味しかったから……ごめんなさい……」 涙目になりながら必死に頭を下げるつかさ 「……まあ、いいわ。それなりにお腹は膨らんだし、ダイエットだと思えば」 「ありがとう、お姉ちゃん……」 顔をあげてかがみを笑顔で見つめる 『この笑顔には勝てないな』と思いつつ、鉄格子に手を掛けた 「とりあえず、朝になったら帰れるのよね」 「でも、高良さんは?」 「諦めるしかないわね。言っても信じてくれそうもないからね」 「そうなったら」 いつのまにか牢屋の隅っこにいたこなたが声を出した 「戦力は大幅にダウンするね。私、魔術を使えないし」 「そうなのよね……」 元はと言えば戦力を確保するためにここに来たのだが、逆に戦力はダウンしてしまった この状態でサーバ砦に向かっても返り討ちにあうのが関の山だろう 「武器も返してくれるかわからないしね」 「どうにかできないかな……」 つかさが何気なく扉に手を掛けた、その時…… 「「「へ?」」」 ギイという音がして、扉が簡単に開いてしまった 「……」 「……えっと……」 「鍵……掛かってない……?」 「ふう……」 紅茶を飲みながら、みゆきは小さく息を吐いた 「あの三人、まだ私と同年代くらいの年齢ですよね……」 そう、それがみゆきには疑問だった 軍隊に入るには、あまりにも若すぎる年齢である。なのになぜ軍隊にいるのだろうか? 可能性としては……赤ん坊の頃に軍隊に拾われたか、死の間際にいるところを救けてもらったか 『命を救ってもらい、恩返しとして軍隊にいる』というところが妥当だろう だとすれば……あの三人は騙されている可能性が高い 「……ウンディーネ」 『なんの用ですか? 契約者みゆき』 水色の光が一点に集中し、まばゆい光を周囲に放つ その光が消えた瞬間、水でできたような乙女が現れた 清らかな水の精霊――ウンディーネである 「こんなことで呼ぶのは忍びないのですが……」 『私達は契約者の命令に従う者。気にしなくても大丈夫ですよ』 微笑みながら、みゆきに優しく語り掛けるウンディーネ 火の精霊、イフリートが放つ厳かな雰囲気とはまるで違う印象である 精霊とは言っても、人間と同じでそれぞれに性格があり、ウンディーネは『優しさ』の象徴なのだ ちなみにイフリートは『厳格・強靭』の象徴である 「あの三人なのですが、なにか悪意のようなものは感じられましたか?」 ウンディーネは、人の心を見ることができる と言っても中身を読み取ることはできない。考えている内容を『色』で判断するのだ 黒ければ悪意、赤ければ情熱、青ければ絶望、といった感じだ 『いいえ。少々、黄色く染まっているように見受けられましたが』 「やはり……」 彼女達に悪意はない。つまり……『操られている』 しかし、『黄色』は『焦り』を意味するはず。なにか焦る必要があるのだろうか? 「……まあ、明日聞いてみることにしましょうか。彼女達は悪い人ではないようですし。あ、紅茶どうですか?」 『い、いえ……私は、清流の精霊なので……』 「あ、そうでしたね。すみません」 空になったティーカップを置き、立ち上がる 「ありがとうございました、ウンディーネ」 『いえ。では、私はこれで』 そう言うと、ウンディーネ光の中に消えていった もう寝ようかなと、灯りを消そうとしたその時、インターホンが鳴った 「こんな時間に……誰でしょうか……」 壁に付けられた機械のボタンを押す 真ん中にあるモニターが、玄関にいる一人の男を映し出した 「どちら様でしょうか?」 『すみません、道に迷ってしまって……今晩泊めてくれないでしょうか』 「構いませんよ。どうぞお入りください」 装備は普通の旅人のもの。武器のようなものは見受けられない 危険はないだろうと判断したみゆきは屋敷の門を開けた 「……あら?」 出迎えをしようと玄関に向かう途中で、みゆきは違和感を感じた 今、牢屋にいるあの三人は初めて投影機を見た時、驚いていたはず だが、今の男は驚いたような素振りは一切しなかった (……別のところで、投影機を見たのかしら……) そう自分を納得させ、玄関へ向かう足を速める 「あ、あら?」 玄関ホールには、なぜか『三人』の男がいた 最初に見たのは確かに一人……ということは、残りの二人は隠れていたのか? 「おい、獲物の登場だ」 リーダー格と思わしき男が言った その手には……黄金色に輝く剣が握られていた 「――!!」 「けっ、こうもあっさり侵入できるとはな……」 「頭を使うんだよ、頭を。正攻法で勝てるような相手じゃねぇだろ」 剣に刻まれた紋章は間違いなくラミア軍のもの ということは……仲間を取り返しに来たか、みゆきを連れていくつもりか、そのどちらか おそらくあの三人は偵察部隊か何か……あわよくば、あの時点で連れていくつもりだったのだろう 「さて、どうする?」 「抵抗できないように痛め付けて持っていこう。武器は持ってないし、俺達のが有利だ」 みゆきの剣は、今は武器庫に保管してあるために丸腰。事前にラミア軍の人間だとわかっていれば持っていったのだが…… 精霊を呼ぼうにも、あれは集中する必要がある。つまり……隙だらけとなってしまう 「……ほぉ、やんのか」 拳を握って戦いの構えをとるみゆき だが、肉弾戦はしたことがないうえに相手は三人、武器も持っている。勝てるとは言えないが……やるしかない! 「小娘が。一人だけで俺達にかなうと思うなよ!」 リーダー格の男が剣を振りかざしてまっすぐに突進! それを咄嗟のところでかわすが……挟み撃ちになってしまった。おそらく、『わざと外した』 「な……」 「言ったろ? 頭を使うってな」 下卑た笑いを浮かべてみゆきに剣を突き付ける 部下達はみゆきの背後で『かっこいー!』だの『さすがリーダーだぜ!』だの口々に言っていた 「争いごとは好きじゃねぇ。おとなしく俺達に捕ま……ん?」 その時、男の周りを回る白い球体が二つ現れた 特に何かをするわけでもなく、ただくるくると回転しているだけ 「なんだ、こりゃ……?」 「えいっ! 雷牙掌!!」 声がホールに響いた瞬間、片方の球体がもう片方に対して放電。間にいた男は感電し、びくびくと痙攣しながら地面に倒れていった 白い二つの球体はおそらく持ち主がいるのであろう方向へと戻っていく 「!? あなたたちは!!」 その球体を目で追い、持ち主を特定したみゆきは目を見開いた 「ナイス、つかさ!」 「えへへ」 本来なら、牢屋にいるはずの三人がそこにいた 必死に記憶を掘り返して……そして気が付いた。牢屋の鍵を締め忘れたことに いや、それよりも、この三人もラミア軍の人間だったはず。なぜ味方を攻撃しているのか? 「くそ! なぜお前達がここにいる!!」 「柊かがみ、それに泉こなた!!」 「……え……?」 みゆきは泉というその名字に聞き覚えがあり過ぎた 「みゆきさん、下がって! 武器も持ってない状態でここにいるのは危険だよ!」 「は、はい!」 この三人に危険性はないと判断し、みゆきは一度戦線を離脱。つかさの少し後ろから男達を睨み付ける 「あ、兄貴!」 「ああ! 戦略的撤退だ!」 リーダー格の男を担ぎ上げ、男達は猛スピードで走っていった 「……どこら辺が戦略的なのかな」 「さあ? 言ってみたかっただけじゃない?」 「かもネ」 逃げていった男達を見送りながら、三人はそう口にする 後ろを向くと、みゆきが戸惑ったような顔でこっちを見ていた 「あ、あの、泉さん、だったんですね……私、悪いことを……」 「あ~、いいよいいよ。名字を名乗ってなかったこっちも悪かったし」 頭をがしがしと掻きながらひたすら頭を下げるみゆきに言った 「こなた、どういうこと?」 「『泉』『高良』『宮川』。この名字は三賢者にしか受け継がれないんだ」 「これらの名字を持つ者は子孫を残すために軍や自衛集団に入ることを古来より禁止されているのです。ですから……あなた達はラミア軍の手先ではないとわかったのです」 こなたとみゆきの説明にかがみは納得したものの、つかさは完全に理解しきれないでいた。頭の上にでっかいハテナマークが浮かんだのをかがみが確認 しかし他二人はそれに気付いてなかったのか無視して話を進める。その様子を見て、つかさは理解するのを諦めたようだった 「では……最初に言っていたあれは、全て本当のことだったんですか?」 「説明するのも面倒だし、私の記憶を見せるね。さっきのサンドイッチで少し魔力も回復したし」 そう言って、こなたはみゆきとおでこを合わせる ……と言うよりは、みゆきの頭を引いて自分のおでこと合わせた、と言った方が適切だろう 「――リード」 こなたが呟いた瞬間、こなたとみゆきの身体が淡い光に包まれた それと同時に、みゆきの頭にはこなたの、こなたの頭にはみゆきの記憶が流れてくる 「これ、は……」 「お互いの記憶が見れる……ある意味最強の魔術だよ」 こなたの頭に、みゆきの記憶の断片が流れてくる それに加え、火、水、雷、土……様々な精霊の知識なども伝わってくる もっとも伝わるだけで、それがこなたの知識になるわけではないが そして……二人を包んでいた光が消えた 「なるほど……事情はよくわかりました」 「うん、こっちもわかったよ」 身体を離して、互いの瞳を見つめる 「私とあなた達の敵は同じ……」 「かがみ達の村を滅ぼして、みゆきさんのお母さんを無理やり連れていったラミア軍」 「まず向かう場所は、ここから一番近いサーバ砦ですね」 「これからよろしくね、みゆきさん」 二人は握手をし、互いに協力しあうことを約束した 2―5 サーバ地方の最南端に存在する『炎の神殿』へと続く橋を作るための砦。それが、サーバ砦である その中に……各地の町や村から連れてこられた市民がいるはずである もしかしたら、かがみ達の家族や、みゆきの母親もここに…… 「む、誰――」 扉の前にいた男は、仲間に警告を発することもできずに絶命した 男に向かって突進したみゆきが口を塞ぎ、それと同時に彼女の剣が男の心臓を貫いたのだ 人を殺すのは忍びないが……こちらが加減しても、向こうは殺す気でかかってくる 『自分の身を守るため』 昨日見た、こなたの記憶の中で言われていたこの言葉が脳裏に蘇ってきた 「……人は、《業(ごう)》が深い生き物ですね……」 たとえそれが、自分以外の誰かを守るためであっても、殺される側にとってはそんな理屈は関係ない 『背負う』。それが、剣を取って戦う者の《業》である 「命は命を犠牲にしなければ、人は生きていけないのですから……」 剣についた男の血を見つめながら、みゆきは呟く 悲しそうに目を伏せたその顔を見て、こなたは慰めるようにみゆきの肩を叩いた 「だったら……生きてる限り、《業》を背負い続けようよ。犠牲になった人達のためにも、ね」 「……はいっ」 力強く返事をして剣にこびり付いた血を落とし――二人は無言のまま砦へと突入した その様子を、遠くの高台からつかさとかがみが眺めていた 「……よし、そろそろいいかしら」 「そうだね、行こ……ってお姉ちゃん!?」 かがみは高台を飛び降りて下の地面に見事に着地 その高台を見上げて両手を広げ、 「さ、降りて来なさい。歩いてくると遠回りになっちゃうから」 「え、え~~!?」 高台から下を見下ろして、足が竦んでしまった ここから地面までは相当な高さがあり、つかさでなくとも足が竦んでしまうだろう なぜかがみが飛び降りることができたのか、つかさには疑問で仕方がなかった 「大丈夫よ、私がしっかり受けとめるから」 「うう~……えい!!」 勇気を振り絞り、つかさは高台から飛び降りた だが……その高さは、つかさにとってはやはり高すぎた 「きゃああああああ!!」 「わっとと!」 悲鳴をあげながら落ちてくるつかさをしっかりと受け止め、地面にゆっくりと降ろした 「ふう……ありがとう、お姉ちゃん」 「どういたしまして。じゃ、行くわよ!」 「うん!」 『戦力を二つに分ける?』 その数十分前。かがみ達がいた高台の上で、四人は会議を進めていた どこで入手したのだろうか。サーバ砦の地図を広げて、みゆきがある部屋をトントンと指差す 『風の精霊シルフに調べてもらったところ、この部屋に自爆スイッチがあるようです』 『じっ、自爆スイッチ!?』 かがみが思わず大きな声をあげた 自爆スイッチなんて押されてしまったら、町の人達が吹き飛んでしまう いや、町の人達だけでなく、自分達も…… 『先に町の人達を助けに行くと、自爆スイッチを押される危険性があります。ですが自爆スイッチを無力化に行くと、町の人達が危ない……』 その通りだ。もしかしたら、町の人達を人質として使う可能性がある 『そこで、町の人達を救出に向かう班と自爆スイッチを無力化する班に分ける必要があるんです』 『なるほど……』 そして会議の結果、自爆スイッチの無力化及び陽動はこなたとみゆきの賢者班、町の人達の救出はかがみとつかさの姉妹班となった 『いい? こなた。魔術が使えないからって、みゆきにばっか頼ってちゃダメよ?』 『わかってるってば。それじゃ、行ってくるね』 『手筈通り、私達が侵入に成功したら向かってきてください』 『うん、わかった。死なないでね……!』 コクンと頷くと、こなたとみゆきは高台を飛び降りた そして二人は、サーバ砦を駆けていく 襲い来る軍の人間を切り付け、殴り倒し――場合によっては殺していく 断末魔のそれを振り払うのではなく、背に負って、二人は長い通路を駆け抜ける 「――待ってください!」 みゆきはこなたの腕を掴み、制止させる こなたは慌てて後ろの通路に目を向けるが、人影はない 『追っ手が来たのでは』と思ったが、どうやらそうではないみたいで安心した 「どしたの? みゆきさん」 その問にすぐには答えず、こなたの向こうの扉を凝視する 「……この先は、ちょっとした広場になっています。おそらく、私達の突入を聞き付けた軍の人達が待ち構えているでしょう」 「それじゃ……」 「はい。袋叩きにあう可能性も少なくありません」 みゆきは小さく言うと、剣を床に突き立てて集中を始めた。精霊を呼び出すのであろう こなたは『精霊を召喚する』ところを初めて見る。半ば興奮気味に、集中する彼女を見つめた 「気高き母なる大地のしもべよ……契約者の名において命じます。出でよ、ノーム!!」 「わわ!?」 みゆきの詠唱に合わせ、黄土色の光が空中の一点に集中する それが強烈な光を発し、こなたの目を眩ませた 固く目を瞑ったこなたの瞳に闇が少しだけ戻ってくる。光が消えたのだろう おそるおそる目を開けると……こなたは子供のように目を輝かせた 「の、ノームだ! 魔導書に書かれてた通りの!」 モグラというか狸というか、なんとも形容しがたい姿のノーム 他の精霊達に比べ、やや愛嬌のある体ではあると思うが……精霊というよりは人形みたいである “っは~、まだ魔導言語を解読できるヤツがいたなんて驚きだぜ” 「あらっ?」 どんな言葉を喋るのか、どんな口調で話すのかワクワクしていたこなたは拍子抜けした 無気力な喋り方。しかも精霊とは思えないほどに言葉遣いが悪い 「一口に精霊と言いましても、様々な種類がいるわけですし……」 「そうなんだ……初めてナマで見たのに、なんかガッカリ」 “そこ! 聞こえてるぞ!” こなたに指を差して注意するものの、やはり精霊らしさは微塵も感じられなかった “で、みゆき。俺を呼んだ理由はなんだ?” 「あ、そうでした。実はですね……」 それから数分が経ち、二人に作戦を伝えた後、みゆきが扉に手を掛けた 彼女の左手に握られている剣は、ノームの大地の力を受け取り茶色に輝いている “まったく、精霊を囮に使うとはな……精霊使いが荒いぜ” 「まあまあ。しばらく喚ばれてなかったらしいからいいじゃん」 “まぁな。おかげで退屈しのぎにはなりそうだ” 「では……行きます!」 みゆきが扉を開き、その陰にこなたと共に隠れる 「……なんだ? この生物は……」 「侵入したのは女二人じゃなかったのか!?」 思った通り、扉の中からはたくさんの男たちの声が聞こえる そのどれもが、ノームの姿を見て疑問の声をあげている “大地の力をくらえぃ! グランドダッシャー!!” 突如として男たちの足元に亀裂が走り、その穴から無数の岩塊が噴き上がった それらが男たちに直撃、悲鳴をあげて倒れていく 「……すごい」 陰からその光景を見ていたこなたは、強力な魔術に、それしか言うことができなかった “じゃ、あとは頑張れよ~” それだけ言うと、ノームは姿を消した。亀裂はきれいに塞がり、あとには男達の体が横たわっているだけだ 「泉さん、早く!」 「あ、うん!」 みゆきに急かされ、男たちの間をすり抜けていく。岩塊が二人の体に当たることはない だがしかし、グランドダッシャーの効果範囲外、つまり後ろの方にいた奴らは無傷なのだ その無傷の兵士達が二人に襲い掛かる! 「――グレイブ!!」 みゆきが地面に剣を突き立てると同時にその光が床を流れ、みゆきの目の前でサークル状に広がっていく。この間わずか十分の三秒 サークルの内部が陥没し、上にいた男たちは悲鳴をあげて奈落へと落ちていく 数秒後にその穴はキレイに塞がれた。文字どおり、そこは男たちの墓となった 「ふう……」 「みゆきさん、危ない!」 「!!」 全滅したかのように思っていたが、グランドダッシャーを持ち堪えた男がみゆきの後ろで剣を構えていた 位置関係から……態勢を取り直すことはできない! 「これで終わr」 「そりゃ! ドリルハードキック!!」 こなたが高速回転しながら男のわき腹に足から突撃! 直撃を受けた男は吹っ飛び、壁に背中を叩きつけた後に気を失った 「泉さん、ありがとうござ……」 みゆきがこなたに向かってお礼を言おうとすると、当のこなたはフラフラになっていた 「ふぇ~……目~が~ま~わ~るぅ~……」 「い、泉さん……」 お礼を言うことも忘れ、彼女は仲間の痴態に半ば呆れてしまった 「大変です! 更に何者かが侵入してきた模様! 兵士はほとんどが先の侵入者討伐に出払っており……」 サーバ砦管制室に、一人の男が駆け込んできた。この砦の二番手である すでに管制室にいた大柄な男に状況を伝えるが…… 「くっくっく……」 大柄な男は、壁に埋め込まれた大量のモニターを見つめたまま、不気味に笑うだけだった モニターは、いずれも青とピンクの髪を持つ少女を映し出している 「どうされますか!」 「お前は残ってる兵と共に新しい浸入者の方に向かえ。こいつらは、俺がじきじきに相手する」 「は!」 「ところでお前」 「なんでしょう?」 「衛生班のやつと付き合ってるそうだな?」 「ぎっくぅ!!」 「組織内恋愛はご法度だ! わかったら別れてこい!」 「は、はい!!」 大柄な男に怒鳴られ、その男は管制室を飛び出した 振り返り、また不気味に笑いながらモニターを見る 「くくく……いいぞ、早く俺のもとへ来い!! あのパトリシア隊長をも薙ぎ倒してきたという、伝説の少女『A』!!!」 【元ラミア軍副隊長:サーバ砦最高幹部:ヴァルア四天王“兄沢命斗”】 廊下を駆ける青い髪の少女を見つめる兄沢の目は、紅く燃えていた
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組曲「らき☆すた動画」 くみきよくらきすたとうか【登録タグ:らき☆すた アニメ メドレー 曲 曲く 曲くみ 神前暁】 曲情報 作詞:?? 作曲:?? 編曲:神前暁 唄:?? ジャンル・作品:メドレー アニメ らき☆すた? カラオケ動画情報 オンボーカルワイプあり オフボーカルワイプあり オフボーカルワイプあり オフボーカルワイプあり オフボーカルワイプあり コメント 名前 コメント
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タイトル基本データ 作品番号 LS エクスパンション セット名 セット番号 エキスパンション形式 セット枚数 備考 らき☆すた W05 BP/TD 100+TD限定2 特徴 《メガネ》?《双子》?《保健室》?《オタク》?等の特徴を参照する効果を主軸に戦う。 自ターン限定パンプとバウンス、アンタッチャブルの黄、常時高パワーとストックブーストの緑、 除去に相討ち回収の赤、手札アンコにサーチ、ドローの青と、このゲームにおける各色の特色に素直な効果が目立つ。 カムバックキャンペーン2013にて新たにカードが10枚追加され、 《オタク》?には特徴パンプ+αの効果を持つ優秀な後列、詰め能力を持ったレベル3、 《双子》?には早出しのできる回復を持ったレベル3等がそれぞれ追加、 また特徴限定ではあるがサーチ能力を持ったカードも加わり《オタク》?《双子》?軸がそれぞれ強化された。 また、やりこみ大将 みゆき?が出たターンのみ+51000パンプされるというネタ以上クラスのコンボも手に入れた。 余談だが、今作は参戦当時アニメが放映されていたにもかかわらず原作準拠での参戦というヴァイス史上唯一の珍しいタイトルである。 主なデッキタイプ 【青t黄オタク】 レベル1の高パワーキャラを主軸として、2種類のCXシナジーで手札を補充しながら殴り続ける構築。 速攻型でありながら、絆や豊富な特徴指定+500、分散可能な助太刀で舞台が安定しやすい。 カムバックキャンペーンによって優秀な後列や詰め能力を入手した事で現在の環境でも十分戦えるタイトルになった。 キーカード つっぱしる女こなた サーチ効果のクライマックスシナジーを持つ大型キャラ。 都合上デッキのほぼ全てのキャラをサーチ可能であり、パワーも比較的高いことから安定性が高い。 戦場のこなた カムバックで登場した晴れ着のこなたによりレベル1から8500↑のパワーを常時出せるようになった。 さらにアンコール持ち、絆対象である等オタクデッキの主力カード。 コメント欄 個人的に好きなタイトルだからリニューアルして欲しいなぁ…原作でも山辺さんやら若瀬さんやら増えたしこなた達も大学生になったしww -- (名無しさん) 2011-05-21 02 47 20 ↑激しく同感 -- (名無しさん) 2011-07-20 10 10 43 ↑2激しく同意 -- (名無しさん) 2011-07-21 23 42 51 3激しく同意 -- (名無しさん) 2011-08-18 00 15 07 ↑4激しく同意 -- (名無しさん) 2011-09-30 16 07 59 確かに追加出てのオタク超強化は興味ある。上であげられてる「さらにかわいそうなタイトル」も追加決定した訳だし。ただアニメ化等のきっかけが無いと厳しい。だがらきすたは正直オワコン臭がする。連載あるし俺もコミックス買ってるが今さらアニメ化も売れる気は全くしない。 -- (名無しさん) 2011-09-30 16 25 17 ロボティクスノーツ参戦でオタク増えるね。らき☆すたとあわせてもネオスタンにはならないけど。 -- (名無しさん) 2011-09-30 16 37 30 カムバック期待してる -- (名無しさん) 2012-05-23 13 17 58 メガネまだ強いからリニューアルしてほしす -- (名無しさん) 2012-10-10 22 47 05 外伝アニメ化決定したから追加ワンチャン? -- (名無しさん) 2013-01-09 04 18 02 そういえば、らき☆すたって今年で10周年なんだよね…DCに続いて欲しいです… -- ( ) 2013-01-28 22 52 40 このタイトルせっかくこんな面白いコンセプトなのに勿体無いよな、最近のタイトルみたくバカみたいなパワーを出さずとも得意のCX操作でシナジーをバンバン打ったり、事故回避したりできる!ってアイデンティティを売りに追加したら買うわ自分 -- (名無しさん) 2013-01-29 12 14 23 レベル3でソウル+2CX回収、あとは運任せww -- (名無しさん) 2013-02-01 23 06 57 カムバックキタキタキター! -- (名無しさん) 2013-05-26 23 47 23 公開きたぞ -- (名無しさん) 2013-09-20 14 55 32 双子L3これ早だしあるってことだよね? マジで嬉しいわ こなたもいいけど欲を言えば1/1オバスペの方が欲しかった… -- (名無しさん) 2013-09-20 15 07 28 結局オタクの独壇場に変わりはないな。双子の方があまりにも追加が弱すぎる。5,6年前のタイトルなんだから多少早出し強くしてもいいだろうにw -- (名無しさん) 2013-10-03 07 50 21 オタク強化しすぎた感が半端ないけど結局レベル0の弱さは改善されてないしなー。後列置いてバニラで殴るだけの作業だし -- (名無しさん) 2013-10-03 12 14 07 またオタク強化かい・・・つーかカンフーマスター強すぎじゃね? -- (名無しさん) 2013-10-16 21 58 34 オタクの方が強いけど大好物こなた持ってることが前提やんけ・・・今更4枚集めろとか無理 -- (名無しさん) 2013-11-10 16 31 39 名前 コメント すべてのコメントを見る
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らき☆すた 泉こなた(2) No. SSタイトル 作者名 000 悪夢は突然に。 ◆AgKjRGgzZw 005 あなたは今どこで何をしていますか? ◆tRdu7tPt76 柊かがみ(1) 005 あなたは今どこで何をしていますか? ◆tRdu7tPt76 柊つかさ(1) No. SSタイトル 作者名 003 星空の下で見た夢は ◆AgKjRGgzZw