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注意書き 人間に飼われるゆっくりがいます うーぱっくが登場します さらにうーぱっくは自分の脳内設定全開です あとすこし人間、飼い主虐めな部分もあるかもしれません では、本編行きます 「おにいさん!まりさはゆっくりいってくるよ!!おひさまがしずんだころにはかえるからね!!」 「ああ、ゆっくり気をつけてな」 畑で農業をやっているお兄さんに大切に飼われているこのまりさは毎日朝ごはんを食べた後は夕方、日没まで外で遊ぶのが日課になっていた。 「ゆゆ!きょうもゆっくりたんけんするよ!!」 このまりさは人間に家から出してもらえない飼いゆっくりのために家の外の楽しいもの、面白いもの、怖いものを見聞し、ゆっくり集会で発表するのが楽しみだった。 今日もその集会のネタ探しのために里のはずれの野原まで跳ねていった。 「ゆ~、おひさまがちもちいいね!!」 目的地の原っぱについたまりさは原っぱのど真ん中で日向ぼっこをしていた。 ここは飼いゆっくりや野生のゆっくりがたまに訪れるゆっくりプレイスであり、ここに来る野生のゆっくりは温厚なものが多いため野性と飼いゆっくりの衝突もほとんど起きていなかった。 今日は自分以外のゆっくりがいないな?そうまりさが思ったとき、自分の後ろから声が聞こえた。 「う~、たべちゃうぞ~」 「れ、れみりゃだぁー!!」 なぜ昼間にれみりゃが居るんだ? まりさにはその理由は分からなかったがそこにれみりゃがいることは確か、まりさは全力で森の中へ逃げ出した。 このれみりゃは昨日の夜から餌を探していたが餌が見つからなかった、一日ぐらいなら我慢できたが二日も餌が見つからないと空腹で辛くなる、 そのためれみりゃは本来活動時間ではない昼間も起きて餌を探していたのだ。 ちなみにれみりゃが白昼堂々飛んでいるのを見た周囲一帯のゆっくりみんなが巣にこもってしまい逆に餌が取りにくくなったことは言うまでもない。 まりさは何とかれみりゃの攻撃をかわしていた。 もともとれみりゃは旋回性能が低い、全速力で飛んでるときは致命的なまでに。 河に流されていたれいむを救ったれみりゃが目の前の電柱をかわしきれない…そんな絵はかなり有名なので見たことがある人も多いと思う。 そのためれみりゃは「たべちゃうぞ~」とゆっくり達の恐怖心を刺激し、恐怖したゆっくりは直線コースでしか逃げようとしないためれみりゃにつかまってしまう。 だがある程度成長したゆっくりや、飼いゆっくりはれみりゃの欠点を知っているためれみりゃの進行方向に対し垂直に動くことでれみりゃの攻撃をかわすことができるのだ。 「う~逃げると食べちゃうぞー!!」 何度も自分の突撃をかわすまりさにしびれを切らしたれみりゃは全速力で突っ込んできた。 「まりさはれみりゃになんかたべられないよ!!ゆっくりしね!!」 れみりゃの牙がまりさに刺さる直前、まりさは横にはねた。 「う~?うああぁぁぁぁ!!!」 目の前にいたまりさがいなくなったと思ったら目の前には切り株、れみりゃはよけることも止まることもできずに正面から激突してしまった。 「う~…」 そのまま白目をむいて気絶するれみりゃ、これで一安心だ、しばらくは目を覚まさないだろう。 「ふぅ、これでやっとゆっくりできるよ…ゆ?」 そのとき、まりさはある事に気づいた。 「ここ゛どこ゛お゛ぉぉぉぉ!?!?」 そう、まりさはれみりゃから逃げるのに夢中になり、森の奥深くに入った結果、道がわからなくなってしまったのだ。 さらにもう夕方じゃないか、このまま日がくれればれみりゃの時間になる、もし複数のれみりゃに襲われれば自分は簡単に食われてしまうだろう。 お兄さんとの約束を破って怒られるのは怖くなかった、悪いのは自分だからだ。 でもお兄さんにもう二度と会えないと思うと震えが止まらなかった、れみりゃに食われることよりもお兄さんの方が大事だったのだ。 その時、饅頭に神がいたかどうかは知らないがまりさのすぐ近くを通りがかったうーぱっくがいた、あれに乗ればゆっくりできる!そう思ったまりさはうーぱっくを呼びとめた。 「ゆゆ!そこのうーぱっく、ゆっくりとまってね!!」 「う~?」 「まりさはみちにまよっちゃったの!かえりたいからゆっくりのせてね!!」 「うー!うー!」 うーぱっくから了承を得たまりさはうーぱっくの上に飛び乗った。 うーぱっくが上昇してくれたおかげでまりさはなんとか里の方向を特定した、まりさはうーぱっくに目的地と方角を告げるとうーぱっくの中へ入って行った。 「ゆぅ…これでゆっくりできるよ…」 これで家に帰れる、つく頃には真っ暗になっているかもしれないがそれで怒られるのなら仕方がない。そうまりさは思った。 そういえばうーぱっくにあげるお礼、持っていないな…お兄さんにお願いしなきゃ… そのまままりさはうーぱっくのなかで眠ってしまった、きっと精神的な疲れと肉体的な疲れがどっと溢れたのだろう。 「まったく、まりさのやつ遅いな…いったい何をやっているんだろう?」 お兄さんはそう呟きながら家の前を左右に何往復もしていた。 いままでまりさがこんな遅くまで帰ってこないことはなかった、もしかして怒られると思ってすぐ近くで様子をうかがってるのかもしれない、まったく自分には起こる気なんてないのに… 「おい、まりさー!!出て来いよー!!俺は怒ったりはしないぞー!!」 うん、出てこない。 もしかしたら本当になにかあったのかな?お兄さんは胸騒ぎのようなものを感じた。 その時、満月をバックにこっちに飛んでくる物体が目に入った。あれはうーぱっくだ、あの特徴的なシルエットは鳥とか蝙蝠ではないだろう。 「あの糞段ボール…ついに来たか!!」 男は急いで家の中に「ある物」を取りに行った。 うーぱっくは目的地の人間の家を視界に収めた、載せているまりさのいった特徴そっくりだからあそこで間違いないだろう。 「うー、うー!」 うーぱっくが中で寝ているまりさを起こそうとしたとき、自分のすぐそばを何かが通過した。 「う?」 気がつくとうーぱっくの角が削れていた。 「う、うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ!!」 その悲鳴でまりさも飛び起きた。 「ゆゆっ!?どうしたのうーぱっく、ゆっくり!!ゆっくりしてね!!」 「糞段ボールがぁ!!こっちに来るんじゃねぇよ!!」 パチンコを連射していたお兄さんが叫んだ。 彼は飼っているゆっくりを愛してはいるがゆっくり愛護派というわけでもない、畑を荒らすゆっくりは今まで撃退しているし、罠にかかった野生のゆっくりは加工所に売り飛ばしている。 しかしうーぱっくはゆっくりを載せ、畑のど真ん中に着地、そのまま畑を荒らし、飛んで去っていく。今までの対ゆっくり用の罠の殆どがうーぱっくのせいで無効化されるのだ。 彼はまだこのうーぱっくを使った畑荒らしの被害は受けたことはなかったが、知り合いから話を聞いて何時自分のところにも来るかと警戒していたのだ、 そして対策用ネットの準備が整うまでの間パチンコで迎撃することにしていたのだ。 当然あのうーぱっくの中には畑を荒らそうとする糞饅頭が入っている、お兄さんはそう信じて疑わなかった。 ふつう畑荒らしの際、うーぱっくは野菜を持って帰る個体が随伴する、つまり最低でもうーぱっくは二匹いるのだが…知り合いから話を聞いただけのお兄さんは知らなかったのだ。 「うー!うー!」 「ゆっくり!!ゆっくりしてねー!!」 うーぱっくは何とか体を左右にずらし回避行動をとろうとするが飛んでくるパチンコ玉はどんどん近くを通るようになってくる。 「う、うー!!」 うーぱっくは引き返そうと思った、指定の位置に積み荷を降ろせないことはうーぱっくの沽券にかかわることだがこのままあの家の前に着陸しようものならあの人間に殺されかねない。 中のまりさには悪いが少し離れた所から歩いてもらおう、そう思い、高度を上げて離脱しようとした。 「逃げる気か糞段ボールが!!」 しかし、人間は許してくれなかった。 「直撃させる!!」 なんか額から火花のようなものを出しながら放ったパチンコ玉。 お兄さんの全力全開のパワーを一身に受けたそのパチンコ玉はうーぱっくの後頭部を突き破り、中のまりさの後頭部を突き破り、眉間から飛び出て、うーぱっくの目と目の間から飛び出した。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…」 「まり゛さの゛な゛か゛み゛があ゛あ゛ああ゛あ゛ぁぁぁぁ…」 うーぱっくは飛行能力を失い近くの小川へ墜落していった。うーぱっくのほかにゆっくりまりさの悲鳴も混ざっていたがお兄さんには聞こえなかった。 「ふぅー、すっきりしたぜ!!」 うーぱっくが逃げようとしたときはどうしようかと思ったが撃墜できてよかった、あの高度から落ちたんだ、中のゆっくりも死ぬだろう… 「しかし…まりさは遅いな…」 明日になって帰ってこなかったら、近所の飼いゆっくり達にまりさを見なかったか聞いてみよう、そう思いお兄さんは家の中に入っていった。 結局、飼いゆっくり達の捜索作業にもかかわらずまりさは発見できなかった。 最愛のゆっくりを失ったお兄さんはこの後、堕落していくことになるがそれはまた別のお話 あとがき 自分の脳内設定うーパックについて少し… 内部は空洞、飛行中も中に乗ったゆっくりはうーぱっくの頭の上に乗って周りの風景を見ることができます。 このSS内では説明不足の部分もあるかと思うのでその時は質問してくだされば大抵のことにはこたえようと思います。 8月31日 0111 セイン このSSに感想を付ける
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ゆっくり夢幻 第一夜 こんな夢を見た。 腕組をして枕もとに座っていると、あおむきに寝たゆっくりれいむが、静かな声でゆっくり死ぬよと言う。 れいむは赤いリボンを枕に敷いて、輪郭のやわらかな饅頭顔をその中に横たえている。 真っ白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、口の中は若干赤い。 とうてい死にそうには見えない。しかしれいむは静かな声で、もう死ぬよとはっきり言った。 自分もたしかにこれは死ぬなと思った。 そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いてみた。 死んじゃうよ、と言いながら、れいむはぱっちりと眼を開けた。 勝気なうるおいのある眼で、長いまつげに包まれた中は、ただ一面に真黒であった。 その真黒なひとみの奥に、自分の姿が鮮やかに浮かんでいる。 自分は透きとおるほど深く見えるこの黒眼のつやを眺めて、これでも死ぬのかと思った。 それで、ねんごろに枕のそばへ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。 するとれいむは黒い眼を偉そうにみはったまま、やっぱり静かな声で、ゆっくりしたけっかがこれだよと云った。 じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、ゆっくりみえているよと、反り返ってみせた。 自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。 しばらくして、れいむがまたこう云った。 「しんだられいむをうめてね! 大きなしんじゅ貝であなをほってね! そしておそらから落ちてくる星のかけらをおはかにおいてね! そしておはかのそばにゆっくりまっていてね! れいむはあいに来るよ!」 自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。 「お日さまがでて、お日さまがしずんで、それからお日さまが出て、またしずんで―― あかい日があっちからこっちへ、あっちからこっちへとおちていくうちに―― おにいさんはゆっくりまてる人?」 自分は黙ってうなずいた。れいむは静かな調子を一段張り上げて、 「ひゃくねん待っていてね!」と思い切った声で言った。 「ひゃくねんおはかでまっていてね! ゆっくりあいにくるよ!」 自分はただ待っていると答えた。 すると、黒いひとみのなかに鮮やかに見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。 静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、れいむの眼がぱちりと閉じた。 長いまつげの間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。 自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。 土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂いもした。 穴はしばらくして掘れた。れいむをその中に入れた。 そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。 それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。 長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。 抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。 自分は苔の上に坐った。 これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。 そのうちに、れいむの言った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。 それがまたれいむの云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。 一つと自分は勘定した。 しばらくするとまた唐紅(からくれない)の天道がのそりと上って来た。 そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。 自分はこういう風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。 勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。 それでも百年がまだ来ない。 しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分はれいむにだまされたのではなかろうかと思い出した。 すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。 見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。 と思うと、すらりと揺らぐ茎のいただきに、心もち首をかたむけていた細長い一輪のつぼみが、ふっくらとはなびらを開いた。 真ん丸な赤ん坊れいむが鼻の先でゆらゆらと揺れた。 そこへはるかの上から、ぽたりと露が落ちたので、れいむは自分の重みでふらふらと動いた。 自分は首を前へ出して冷たい露のしたたる、丸いれいむを齧った。 自分がれいむから顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、あかつきの星がたった一つ瞬いていた。 「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 第三夜 こんな夢を見た。 赤ん坊まりさをおぶってる。たしかにまりさの子である。 ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、盲饅頭になっている。 まりさが赤ちゃんの眼はいつ潰れたのと聞くと、ずっとむかしだよと答えた。 声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。 左右は青田である。道は細い。鷺の影が時々闇に差す。 「たんぼへかかったね!!!」と背中で云った。 「ゆっ、どうしてわかるの?」と顔をうしろへ振り向けるようにして聞いたら、 「だってさぎさんが鳴いたよ!!!」と答えた。 すると鷺がはたして二声ほど鳴いた。 まりさは我が子ながら少し怖くなった。こんなものを背負っていては、この先どうなるか分からない。 どこかにゆっくり捨てようと向うを見ると闇の中に大きな森が見えた。 あそこならばと考え出す途端に、背中で、 「ゆゆん」と云う声がした。 「わらわないでね!」 子供は返事をしなかった。ただ 「おとーしゃん、まりちゃはおもい?」と聞いた。 「おもくないよ!」と答えると 「ゆっくりおもくなるよ!!!」と云った。 まりさは黙って森を目じるしにはねて行った。田の中の道が不規則にうねってなかなか思うように出られない。 しばらくすると二またになった。まりさは股の根に立って、ちょっと休んだ。 「いちがゆっくちたっているはずだよ!」と子ゆっくりが云った。 なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。 表には左り日ケ窪、右堀田原とある。 闇だのに赤い字が明らかに見えた。赤い字はいもりの腹のような色であった。 「ゆっくちひだりへいっちぇね!」と子ゆっくりが命令した。 左を見るとさっきの森が闇の影を、高い空からまりさらの頭の上へなげかけていた。 まりさはちょっと躊躇した。 「えんりょちないでね!!!」と子ゆっくりがまた云った。 まりさは仕方なしに森の方へはね出した。 腹の中では、よくめくらのくせに何でも知ってるなと考えながら一筋道を森へ近づいてくると、背中で、「めきゅらはゆっくりふじゆうだね!」と云った。 「だからおんぶしてあげてるでしょおおおお!」 「ゆっ、おんぶありがちょうね! でもばかにしてりゅね! おやにまでばかにされちゃったよ!!!」 何だかいやになった。ゆっくりしないで森へ捨ててしまおうと思って急いだ。 「もうちょっといくとわかりゅよ!――ちょうどこんなよるだったよ!!!」 と背中でひとりごとのように云っている。 「ゆゆっ? なんのこと?」ときわどい声を出して聞いた。 「なんのことって、しってるでちょ!」と子ゆっくりはあざけるように答えた。 すると何だか知ってるような気がし出した。けれどもはっきりとは分からない。 ただこんな晩であったように思える。そうしてもう少し行けば分かるように思える。 分かっては大変だから、分からないうちに早く捨ててしまって、安心しなくってはならないように思える。 まりさはますます足を早めた。 雨はさっきから降っている。路はだんだん暗くなる。ほとんど夢中である。 ただ背中に小さい子まりさがくっついていて、その子ゆっくりがまりさの過去、現在、未来をことごとく照らして、寸分の事実も洩らさない鏡のように光っている。 しかもそれが自分の子である。そうして盲目である。まりさはたまらなくなった。 「ここだよ、ここだよ! ちょうどその杉のねもとだよ!!!」 雨の中で子ゆっくりの声ははっきり聞こえた。まりさは覚えず留まった。 いつしか森の中へ入っていた。一間ばかり先にある黒いものはたしかに子ゆっくりの云う通り杉の木と見えた。 「おとーしゃん! そのすぎの根のところだったね!!!」 「ゆっ、そうだよ!」と思わず答えてしまった。 「ぶんか五年たつどしだったね!!!」 なるほど文化五年辰年らしく思われた。 「おとーしゃんがまりちゃをころちたのは、いまからちょうどひゃくねんまえだね」 まりさはこの言葉を聞くや否や、今から百年前文化五年の辰年のこんな闇の晩に、この杉の根で、一人の子まりさを殺したと云う自覚が、忽然として頭の中に起った。 まりさはひとごろしだったんだねと始めて気がついた途端に、背中の子まりさが急に石地蔵のように重くなった。 第九夜 魔法の森中が何となくざわつき始めた。 今にもスペカバトルが起こりそうに見える。 焼け出された魔理沙が、夜昼となく、屋敷の周りを暴れまわると、それを夜昼となくアリスがひしめきながら追っかけているような心持ちがする。 それでいて森のうちはしんとして静かである。 巣には若い母れいむと子れいむがいる。父まりさはどこかへ行った。 まりさがどこかへ行ったのは、月の出ていない夜中であった。 巣の中でわらじをはいて、黒い頭巾をかぶって、裏口から出て行った。 その時母れいむのくわえていた雪洞(ぼんぼり)の灯が暗い闇に細長く射して、古い檜を照らした。 父まりさはそれきり帰って来なかった。 母れいむは毎日子れいむに「おとーさんは?」と聞いている。子れいむは何とも云わなかった。 しばらくしてから「あっち」と答えるようになった。 母れいむが「いつかえってくるかな!!!」と聞いてもやはり「あっち」と答えて笑っていた。 その時は母れいむも笑った。そうして「ゆっくりかえってくるよ!!!」と云う言葉を何べんとなく繰り返して教えた。 けれども子供は「ゆっくり」だけを覚えたのみである。 時々は「おとーさんはどこ?」と聞かれて「ゆっくち!」と答える事もあった。 夜になって、あたりが静まると、母れいむはリボンを締め直して、小枝を髪の間へ差して、子れいむを背中へ背負って、そっと巣から出て行く。 母れいむはいつでも素足だった。子れいむはこの饅頭の音を聞きながら母の背中で寝てしまう事もあった。 土塀の続いている涸れ川を西へくだって、だらだら坂を降り尽くすと、大きなイチョウがある。 このイチョウを目じるしに右に切れると、一丁ばかり奥に朱塗りの鳥居がある。 片側は田んぼで、片側は熊笹ばかりの中を鳥居まで来て、石段をぴょんぴょん登ると、暗い神社になる。 鳥居まで来て、それを潜り抜けて二十間ばかり敷石伝いに突き当ると、古い拝殿の前に出る。 ねずみ色に洗い出された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下がって昼間見ると、その鈴のそばに博麗神社と云う額がかかっている。 博の字が、ゆっくりした書体にできているのが面白い。 そのほかにもいろいろの呪符がある。 たいていは巫女の手にした呪符を、倒した妖怪の名前に添えたのが多い。 たまには帽子を納めたのもある。 鳥居をくぐるとたまに巫女が掃き掃除をしている。 石畳に饅頭肌の音がぴちゃぴちゃする。 それが拝殿の前でやむと、母れいむはまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんでジャンプをする。 たいていはこの時フクロウが急に鳴かなくなる。 それから母れいむは一心不乱にまりさの無事を祈る。 母れいむの考えでは、まりさがゆっくりしたまりさであるから、ゆっくりの神の博麗へ、こうやって是非ない願をかけたら、ゆっくりかなうはずだと一途に思いつめている。 子れいむはよくこの鈴の音で眼をさまして、あたりを見ると真暗だものだから、急に背中で泣き出す事がある。 その時母れいむは、ゆっくりしていってねと叫びながら、背を振ってあやそうとする。 するとうまく泣きやむ事もある。 またますますはげしく泣き立てる事もある。 いずれにしても母れいむは容易に立たない。 一通りまりさの身の上を祈ってしまうと、今度はリボンを解いて、背中の子を前へ廻して、口にくわえて拝殿へのぼって行って、 「あかちゃん、ゆっくりまっていてね!!!」と自分の頬を子供の頬へすりつける。 そうしてリボンを長くして、子れいむを縛っておいて、その片端を拝殿の欄干にくくりつける。 それから二十間の敷石を往ったり来たりぴょんぴょんお百度を踏む。 拝殿にくくりつけられた子れいむは、暗闇の中で、リボンのゆるす限り、広縁の上を這)い廻っている。 そういう時は母れいむにとって、はなはだ楽な夜である。 けれども縛った子れいむにゆんゆん泣かれると、母れいむは気が気でない。 お百度の足が非常に早くなる。大変息が切れる。 仕方のない時は、中途で拝殿へ上がって来て、いろいろすりすりしておいて、またお百度を踏み直す事もある。 こういう風に、幾晩となく母れいむが気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父まりさは、とくの昔にお兄さんのために虐殺されていたのである。 こんな悲しい話を、夢の中で母から聞いた。 (原案、漱石:夢十夜) ===================================================================== YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 このSSに感想を付ける
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厳しい冬が終わりを告げ、春めいた陽気の日々が続くようになると、山の竹林では一斉にたけのこが生え始める。 この竹林の周辺を住処とするゆっくり達にとっては最高のご馳走であり、冬を生き延びた自分たちへの山からのご褒美とも思えるものだ。 「ゆっゆっゆー ゆっくりしていってね!!!」 「ここに、おいしそうなたけのこさんがあるんだぜ! まりさがとってあげるんだぜ!」 「「「おとーしゃん、ゆっくちがんばっちぇね!!」」」 ここにも、6匹でなかよくたけのこ掘りに興じているゆっくりの家族がいた。 成体の「れいむ」に「まりさ」とれいむ2まりさ2の赤ゆっくり達。 たけのこは、土の中のまだ葉が開いていない物が美味とされるが、ゆっくり達はカサカサと音を鳴らし地を這うようにして動きまわり、器用にたけのこを見つけていく。 ゆっくり達の身体的な特徴は、真にたけのこを探し当てるのに適していた。 「ゆぅぅ〜 ゆぅうううーー・・・!!」 「おとーしゃん がんばっちぇね! おいしいたけのこしゃんたべさせてね!」 「あ! たけのこしゃんのおちりがみえてきたよ!あとちょっとやよ!」 「おかーしゃんすごいね! おとーしゃんすごいね!」 「ふたりちゃりとも ちぇからもちですごいね!」 かわいいわが子達の声援を受けて、両親の作業にも熱が入っていき、見事に土の中からたけのこを取り出すことに成功した。 「ゆぅぅぅうう・・・・・!!!」 「「すっぽりーー!!」」 間の抜けた、掛け声とともにたけのこを抱えたまま二匹は力を入れた方向に転がっていく。 たけのこと一緒にコロコロと2,3回転がった程度で回転は止まり、心配して跳ね寄る子供達に2匹はニッコリと微笑んだ。 「やったぜ! たけのこさんが掘れたぜ!」 「まりさとれいむにかかれば たけのこさんもいちころなんだよ!」 「ゆゆー おとーしゃんやったね!」 「これで たけのこしゃんむーしゃむーしゃできるね!」 「おかーしゃん だいじょうぶ? いちゃくなかった?」 「ゆぅぅ〜 とっちぇも ゆっくりできちょうな たけのこしゃんだねぇー!」 キャッキャッとはしゃぐゆっくりの家族達は完全に、たけのこに気をとられて浮かれていたため、周囲に対する警戒が薄くなっていた。 この時期、たけのこを狙ってイノシシなども竹林によく姿を現すし、ゆっくりにとって「ゆっくりできない」存在である人間なども竹林に入ってくる。 周囲への警戒はしすぎるということがないくらいに、厳にするべきであったのだが、この家族は取ったたけのこをその場で食べ初めてしまった。 「むーしゃ むーしゃ しししししぃーしあわせぇぇーー!!!」 「「「「ちあわしゃへーーーー!!」」」」 「うっめ! これうっめ!」 しかし、この無警戒には理由があった。 この家族がたけのこを取っている場所は、山の竹林の中でもかなり奥まっているし、やや急な斜面をびっしりと成長した竹が覆っている、竹の密集地帯だった。 そもそも、良いたけのこはある程度、竹林を伐採してたけのこの出てくる余地を作ってやって、初めて生えてくるものである。 効率を重視する人間達は、最初から目をつけた竹林に手を入れて、良質な物を手に入れようとする為、竹林の奥までわざわざ入ってくることは稀であることを、この家族は学習できていた。 野良にしては、優秀なゆっくりと言える部類であり、この家族の未来は真にゆっくりしていると言えた。 しかし、そう上手くいかないのが人生・・ もといゆん生である。 この家族の破滅の足音は、頭上50メートル付近で轟音を轟かせた。 バチバチチチッッ パァーーン ビチチチッ!! 「「ゆゆっ!!?」」 ゆっくりとしあわせーを交互に繰り返し、緩みきっていたゆっくり達の下膨れの頬が一気に緊張する。 彼女達からは目視できない、はるか頭上で鳴ったその音は親達ですら生まれてこの方耳にした事が無い音であり、赤ゆっくり達はたちまちパニックを起こしてしまっていた。 「「ゆぅーー このおちょなにぃー??!」」 「「ゆっぐじでぎにゃいよお”お”お”お”お”お”!!!」」 「おちびちゃん達! 落ち着いてね! お母さんにゆっくりついてきてね!」 「まりさが付いてるから安心するんだぜ! おかあさんにゆっくりついていくんだぜ!」 親れいむが子供達を先導し、親まりさはその場にしばらく留まって周囲を警戒した。 緊急時の役割分担すら完璧であり、自分達も初めて遭遇する事態であるにも拘らず、迅速に巣へ引き返し始めた。 先導する親れいむと親まりさにはさまれるようにして、4匹の子供達が安全に巣へ誘導された。 あたりには焦げ臭い匂いが立ち込めていたが、目に見える範囲での明確な出火は確認できず、事態を把握しきれない事に、親まりさは言いようの無い不安を覚えていた。 {何が起きたかはわからないけど、みんなのゆっくりはまりさが守ってみせる!} 心の中で、そう決意しながら家族とともに安全な巣へ引き返していくゆっくり達。 彼女達は知る由も無いことだが、餌場たる竹林の上空には高圧送電線が通っており、伸びきった竹が接触することによって、短絡(たんらく)が発生していたのだった。 そしてこの事象が、今まで人間の進入を拒んできていた竹林に人間を呼び込む原因となることを、勇敢な親まりさは知りようも無いのだった。 ==翌日== 「あーーーあぁ めんどくせぇなぁ」 そんな風に悪態をつきながら、長柄鎌とのこぎりを装備して5人の仲間と一緒に山の斜面をノロノロと登っていく一人青年の姿があった 年の頃は25、6といったところだろうか? ひたすらダルそうにしながら山の斜面を登っていく。 昨日の送電線の短絡事象は、変電所などの関連した設備にはたいした影響は及ぼさなかったが、 再発防止のため、彼らを含む複数のグループが送電線の巡回検査を行う為に山に入り込んでいた。 この青年、いつもはデスクワークなどを専門とし、現場作業にあっては下請け等をこき使う為、周囲からは白眼視されていたが、本人はそんなことは大して気にする様子も無くオフィスで砂糖のたっぷり入ったコーヒーをすすり続けており、入社以来使い続けた椅子はその重量を支えることが難しくなっていた。 シュボ スパスパ フゥーーーー あろうことか、火気厳禁の山林でタバコを吸うこの男は、他の仲間からどんどん距離を開けられていき、目的の竹林近くに到着した頃には、すでに竹の伐採が始まっていた。 「じゃあ、私達は鉄塔のところまでこのまま竹を切りながら向かいますんで、すいませんがこの辺りの竹をお願いしてもいいですかね?」 連れてきた下請け業者の責任者が、そのように申し出ると青年は何も言わずに黙ってタバコを咥えたまま、2,3度頷いた。 他の五人はそのまま、上空の送電線を確認しながら、送電鉄塔を目指して進んでいった。 青年は適当に、腰の辺りまで伸びているたけのこを鎌でつつきながら、2本目に火をつけた。 吸い切った一本目のタバコを、腰を屈めて地面にこすり付けていると、視界にふと、ところどころ齧られた跡のあるたけのこを見つけた。 大きな齧り口もあれば、小さなものもある。 イノシシかなにかとも思ったが、それにしては齧り方が控えめな様な気がした。 もっともこの青年は、イノシシの齧ったたけのこなど見たことが無いので、そんな気がしただけであり、そのうちにそんなたけのこには興味を失ってしまい、ささやかな自分の義務を遂行するために、ゆっくりと立ち上がった。 「もうちっと、””ゆっくりしても””いいかも知んないけどさ〜」などと呟きながら・・・・・・・・。 昨日の不意に起きた、破裂音を警戒して、ゆっくり達はいつもとは違い十分に警戒しながら、餌場に向かっていた。 彼女達の巣は、倒木などで出来た天然の屋根に守られており、夏は涼しく、冬は少しの工夫で寒風を凌ぐことが出来た。 入り口を塞ぐ葉っぱを取り除き、親まりさが周囲を警戒しながらでてくる。 その後に、子供達が続いて親れいむが葉っぱの上にさらにカモフラージュを施せば、出発の準備は完了である。 親達の緊張が伝わったのか、子供達も今日は口数が少ない。 しかし 昨日おなかいっぱいになり損ねた分、今日こそはいっぱいたけのこさんをむしゃむしゃしてやろうと、心は踊っていた。 親達はゆっくり餌場に移動しながら、昨日のことを話し合っていた。 「ねぇ まりさ 本当に大丈夫かしら? 昨日の事もあるし・・・ 今日は他の餌場でもいいんじゃないかな?」 「ゆぅ〜〜ん・・・ 」 「「おとーしゃん れいみゅはたけのこさんたべたいー」」 「「おかーしゃん まりしゃもたけのこしゃんむーしゃむーしゃしたいんだぜ!」」 「「ゆぅぅーーん・・」」 二匹の親ゆっくりは困ったような顔をしながらも、子供達の期待に満ち溢れた、キラキラした目に押される形で、昨日の竹林付近にまで歩みを進めていた。 そしてそこで、腰を屈めて、昨日彼女達が掘り出したたけのこを観察する人間に出くわしたのだった。 すぐさま、木の根元に身を隠した親まりさは、目配せで他のゆっくり達に静止をかけると、親れいむはすぐさま子供達の注意を舌で喚起し、近くの藪に誘導した。 臭い煙を吐きながら、たけのこをまじまじと見つめる姿を、藪の中からじっと見つめる子れいむと子まりさ達。 {しょれは おかーしゃんとおとーしゃんががんびゃってとってくれた とってもゆっくちできるたけのこしゃんなんだよ! ゆっくちかえしちぇね!!} そんな風に、ちいさいながらも憤りを覚えていた。 故に、その後に耳を打った本能を刺激する言葉に素直に、そして大きな声で反応してしまった。 「「「「ゆぅ? ゆっくちちちぇいっちぇね!!」」」」 「あぁ?」 その声に振り返る青年。 その目の前に、成体のゆっくりまりさが飛び出してきた。 「ゆっくりしていってね!!人間のおにいさん!」 この時のまりさは、半分以上死を覚悟している。 とにかく、人間の注意をそらすことのみに、考えを集中させていた、後ろにいる最愛の家族のために、ほんの少しでいい、注意を逸らす事が出来れば・・・! しかし、そんなまりさの想いを無視するかのように、青年は下衆な笑顔を浮かべて、まりさの背後の藪を長柄鎌で横なぎに払った。 間一髪で親れいむが子供達を体当たりで弾き飛ばしたおかげで、子供達は鎌の刃にかかる事は無かったが、れいむ自身は自慢の赤いリボンを巻き込みながら後頭部にザックリと鎌の刃の進入を許してしまっていた。 「ゆ”う”う”っう”−−!!」 「い”や”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ッッッ れ”い”ぶの”か”わ”い”い”お”り”ぼん”がぁぁぁ!!!」 「ははーッ ゆっくりじゃねえかよ こんな所で見つけるなんてツイてるぜ!」 青年はれいむが刺さったままの長柄鎌を手元に戻すと、ドンッと柄の部分の先端で地面を叩いた。 衝撃でれいむがゆっくりと鎌の刃からすべり落ちるように落下する。 と、地面に落ちる寸前で青年が軽くれいむに前蹴りを食らわせようとしたが、むなしく空を蹴った。 「れ” れ”い”む”ぅ”ぅ”ぅ” し”っ”か”り”し”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」 大粒の涙をこぼしながら、まりさは一目散にれいむの元に跳ね寄り、傷口を舌で労わりはじめる。 子供達は体をぶるぶると震わしながら、呆然と眼前の光景を見やることしか出来なかった。 空振りの前蹴りでたたらを踏んだ青年は、悪態を付くと長柄鎌を少し持ち上げて、柄の先端を再び地面に向かって突き込んだ。 無防備にさらけ出されたれいむの後頭部に追撃の一撃を加えるつもりだ。 ジュブゥゥッ!! 最初の一撃で出来た傷口付近に叩きこまれた一撃は、空気を含んだようないやな音を立てて、れいむの後頭部にめり込んで行き、なおも力が加えられたため、完全に地面まで貫通してしまった。 青年はさらにひねりを加えながら、ゆっくりと柄に貫かれたれいむを持ち上げて、藪の近くで震える子供達の前に突き出した。 「で? これお父さん? お母さん?」 「や”べ”ろ”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”!!! れ”い”む”を”は”な”せ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!!!!」 まりさは子供達の方に跳ねていき、庇う様に青年に向き直ると、れいむを柄からなんとか引き抜こうと、奮闘し始めた。 「ねえ どっちなの? 答えてよ?」 「「ゆ”ぅ”ぅ” お”か”ぁ”し”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”ん” や”め”ち”ぇ”ぇ”ぇ” 」」 「こ”ん”な”の” ゆ”っ”く”し”で”き”な”い”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”」 「に”ん”げ”ん”し”ゃ”ん” ひ”し”ょ”い”こ”ち”ょ”し”な”い”で”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」 「ああ そう お母さんかー ありがとね 教えてくれて」 そう言いながら、青年は両の手で長柄鎌を持ち直して、ひどいことをしないでと懇願した赤れいむをそのまま突き刺した。 「し”ゅ”う”!?」 母親が刺さったままの鎌の柄に、ちょうど眉間の辺りを突き刺された赤れいむは、その勢いのまま腐葉土の地面に半ばめり込んだ。 青年が慎重に引き抜くと、親子れいむはちょうど向かい合う形で串刺しになっており、その姿をみた青年は「よかったね お母さんにキスしてもらえたよー」などとおどけた調子で言い放った。 「ゆ”ぅ”ぅ”ぅ” も”う”い”や”し”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”」 「た”し”ゅ”け”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ” お”と”ーし”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”ん”」 「お”か”ぁ”し”ゃ”ん”と”れ”い”む”を”た”し”ゅけ”て”あ”け”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」 その場で絶望を表明するもの、父親に助けを請うもの、なおも他の家族を気遣うもの。 三者三様の反応であったが、共通しているのは、一匹もその場から動こうとしなかった事だ。 なまじ親が優秀すぎ、子供達が幼すぎたのが不運であったようで、三匹は恐怖のあまりその場から動けずにいたのだ。 このような時、とにかく分散して逃げてしまえば、この図体ばかり大きい愚鈍な人間からなら生きて逃げ延びる事が出来たかもしれないが、そのような判断が出来るほど成長してもおらず、危機的な状況に陥ったことが極端に少ない幸せだった赤ゆっくり達は、ただひたすらに恐怖を訴え、救いの手が頼れる父親から差し伸べられるのを待つしか出来なかった。 「お”ち”ひ”ち”ゃ”ん”た”ち”に”て”を”た”す”な”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!」 涙でぐちゃぐちゃになった顔面に光る二つの目には、未だ闘志が灯っていたまりさは、猛然と怒りに任せて青年の膝辺りにまで飛び上がって体当たりを敢行した。 通常のゆっくりには考えられないほどの大ジャンプであるが、地形の高低差を利用した、この優秀なまりさならではの、ひねりの効いた一撃だった。 山登りで足に疲労がたまっていた青年には、一定の効果が在り、無様にもヒザカックンの要領で、青年はバランスを崩してしまった。 「がッ! くそったれ! この腐れ饅頭がッ!!」 「おちびちゃんたち!今だぜ! ゆっくり逃げるんだぜ!!」 その一声で、我に返った赤ゆっくり達は、一斉に後ろの藪に飛び込み、そこから2方向に別れて別々に逃げようとした。 ーーーーーーが、藪と赤ゆっくり達の間に、母と姉妹の体を貫いた長柄鎌そのものが降って来た。 その衝撃に足踏みした赤ゆっくり達に、まず青年の右足が踏み込まれた。 踏み込まれた右足は、なおも地面を擦り上げ下敷きになった赤まりさをすり潰す。 次に振るわれたのはノコギリで、赤れいむの顔面をザックリと裂きながらめり込んで行き、彼女に与えた苦痛の量は、意識を失わせるのには十分なものだった。 最後に残った一匹を、青年は抱え上げると、木の枝に串刺しにし、親まりさに向き直った。 「クソッ 舐めた真似してくれたもんだな?」 青年はなおも右足を地面に擦りつけながら言うと、タバコに火を点けてこう言った。 「お前が俺に体当たりなんかしちゃうからだよ 全員殺しちゃう気なんかなかったんだぜ?」 まりさは答えない。 ただ目の前の光景が信じられなかった。 ついさっきまで生きていた最愛の家族の変わり果てた姿は、まりさから戦意を奪うには十分だった。 「ゆっ ゆ・・・」 その声は、青年のすぐ傍にある木から聞こえてきた。 弱弱しいながらも、生存を主張するその声の方向に向かって、まりさはフラフラと進みだす。 「おちびちゃん ゆっくり待っててね いま まりさが・・・・」 スコンッ! まりさの目の前で、枝に突き刺さった赤ゆっくりの体が両断された。 それから数十分後、伐採を終えたメンバーと合流した青年は何事も無かったように山を降りていった。 あのゆっくりの家族が暮らした竹林には、いま6体のゆっくりの死骸がある。 顔面から背面向けて大きな穴の開いた、物が2つ 顔面にノコギリの刃を受けた後、息があった為に、丁寧な輪切にされた物 木の枝に体を突き刺されたまま体を両断され、奇跡的に皮一枚で枝からぶら下がっている物 地面に黒いシミとしてしか名残を残さない物 そして、家族を守ろうとしてついに果たせずに終わり、その心が折れた物。 4本ほどのタバコの吸殻を体にめり込ませたまま、まりさはただただ焦点の合わない目で見続けた。 今は無い、幸せだった頃の家族の姿を。 このSSに感想を付ける
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パチュリー×ゆっくり系 ゆっくり誕生秘話4 地下室で高らかな笑いを浮かべるはパチュリー・ノーレッジ。 動くけど二つ名は動かない大図書館だ。 そこには奇妙な光景が広がっている。見た目は白い饅頭なのだが、ふてぶてしい瞳、 不敵な笑みを浮かべる口が掘り込まれており、はげ頭の人間を模したようであった。 乾燥を防ぐため透明なケースがかぶされ、全部で8個テーブルの上に並んでいる。 パチュリーがキッチンへ向かうと、翌日の食事の仕込みをしている咲夜に会うことができた。 「パチュリー様・・・どうなさったんです!?」 そう言われるのも無理は無い。実時間にして1ヶ月程不眠不休で実験に勤しんでおり、 目の隈がひどく、小麦粉で服が真っ白な有様だ。 「さすがに着替えて少し休むことにするわ。それとお願いがあるんだけど・・。」 パチュリーは4本の300mL三角フラスコを見せた。それぞれ約3分の1の液体の培地らしき液体で 満たされており、その上に数本ずつ髪の毛らしき物体が入っていて、 R、M、A、Pと書かれていた。「このフラスコ内の時間を早めておいて欲しいのよね。 そして液が減ってきたらこれを足しておいて欲しいの。」 そして緑色の液体で半分ほど満たされた、2L容量フラスコを指差した。 「はっ・・・わかりました。それよりもパチュリー様、早くお休み下さい。」 ふかふかの布団で1ヶ月振りの休息を取る。3日間眠り続けた。 そんなに短くて済んだのは、実験結果が気になって仕方がないからだ。 「どう咲夜・・?頼んでおいたモノはどうなった?」 「これです。」フラスコを差し出した。 中を見ると、Rには黒、MとAには黄、Pには紫の髪の毛がびっしり生えていた。 「さすがにちょっと気持ち悪いわね・・。」 そう言って地下室に戻ると、フラスコ内の残った液体を捨てて滅菌水で洗浄し、 紙タオルを敷き詰めたテーブル上に髪の毛を広げた。 「Mはこれぐらいで、AはMより短くて・・。PはMよりちょっと短めかな。」 『文々。新聞』のバックナンバーを片手に、パチュリーは紙にペンを走らせていた。 「Rが難しいわね・・。長めに作って後で調整しよう。」 髪の毛を忘れ去られていたハゲ頭に植え付けていく。『文々。新聞』の写真記事を 元に、持ち主を再現していく。 「Pは簡単だわね。ここにいるし。 Aはちょっとウェーブ気味かなぁ MとRは・・・整えるのリボンが出来てからにしようかな・・。」 そういうとパチュリーは麻布にペンで一通り下書きを施すと鋏で切り抜いていった。 「こういうのは咲夜が得意そうね・・」 更に飾りを縫い付けていく。 「ようやく出来たわ。」 Rと書かれた箱には大きな赤いリボンと、赤い筒状の飾り Mには大きな白いリボン、内側に白いレースのついた黒い帽子と、小さな赤いリボン Aにはカチューシャ Pには自分とそっくりな、三日月のマスコットがついた薄紫の帽子が入っている。 「Mの帽子が一番大変だったわ・・。」 幸い実物が近くにあったため苦労しないで済んだ。 髪飾りが出来たあとは、取り付けてヘアーアイロンで形を整えていく。 少しずつ切っていき微調整。終わったら薬品をかけて髪形が変わらないようにする。 ちょっとした美容師さん気分だ。 「ふうう・・・。ようやく形が整ったわね・・。」 そこには、幻想郷の英雄たちに似た、ふんぞり返り不敵な表情をした饅頭が4種類×2個の 計8個がテーブルの上に並んでいた。 「ここから最後の仕上げよ!」 「まずは・・・」 もう一つのテーブルで、黒い紙に紫色の筆で六芒星を描く。色はどうでもいいのだが 気分の問題。そして外側の頂点に6本のろうそくを立てて中心に自分の被っていた帽子を 置いた。 「#>$%&‘?☆・・・」 何やら呪文を唱えると、帽子から青白いエクト・プラズムが昇ってきた。 これが主に大切にされたモノに宿る魂だ。 「そおい!」 叫ぶと、魂を2つに分裂させ、自分そっくりな饅頭に送り込んだ。 生命エネルギーは物理的な要因に頼っているので、魂の個数による変化はない。 続いて、リボン、人形にも同じ作業を施した。 ただ魔理沙から奪った帽子だけは、違う反応を示した。 「白いリボンと、黒い本体から別々のプラズマが・・」 ちょうど器は2体あったので、それぞれに送り込む。 「これで遂に完成よ・・!やっとゆっくり寝れる・・!」 あとは起動するだけ。起きてからにしよう、とパチュリーは再び布団に潜り込んだ。 「遂に来たわ・・!」 紅魔の実は動く大図書館、パチュリー・ノーレッジは実にノリノリであった。 と言うのも、苦心に苦心を重ねた実験がようやく功を奏しそうだからである。 おなじみ、薄気味悪い饅頭が並ぶテーブルの前に立つと、彼女は何やら目を閉じて 集中し始めた。 「・・・・・・」 何やら饅頭たちに気を送っているようだ。 最初は穏やかであったが、徐々に手の振るえが大きくなり、表情が険しくなっていく。 祈祷は最終段階のようだ。 「さぁ・・・目覚めよ・・!我がしもべたちよっ・・・・・・!」 「ゅ・・」「ゅ・・」 饅頭どもの目が少し動いたようであった。 「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」 呆気に取られるパチュリー。確かにこんな目つきにしたのは私だけど・・。 実際にしゃべらせてみると煩いことこの上ない。 気を取り直してサンプルRに話しかけてみる。 「あなたのお名前は?」 「ゆっ?わたしのなまえはれいむだよ!!!おねえさんはゆっくりできるひと?」 なんなんだこの物体は・・。こいつらはパチュリーの予想を145°ぐらい下回った 生物に過ぎないのだった。 「私はパチュリー。あなた達の生みの親ってところね。」 「ゆゆっ?まりさたちにはおかあさんなんていないよ?おねえさんばかなの? それよりおなかすいたからはやくごはんもってきてね。」 腹立たしさなら予想斜め上を大幅に更新した。私の苦労は一体・・ 一体・・・・ これじゃあ図書館の守りなどとてもできそうにない。 いくら腹立たしいとはいえ、実作業時間一ヶ月以上かかって作り上げた作品なのだ。 簡単にひねり潰すことなどできるものか・・。 「仕方が無いからデータだけでも集めて、論文だけでも投稿しようかしら・・。」 そうね・・まずは・・。 れいむのほっぺたをひとちぎり。 「ゆ゛っ」 餡と皮に分けて、半分はにとり製作所製ガスクロマトグラフィに放り込み、 半分は口の中に放り込んだ。 「味は・・普通の餡子とかわらないわね。」 成分分析もほぼ元の餡子と変わらないようだ。 番人としての機能は無くとも、食料としての望みはまだあるかもしれない。 「おねえさんなにするの!?ばかなの!!?ゆっくりあやまってよね!!!」 一々気に障る言い方をする奴だ。どうしたらこう尊大な態度が取れるのだ。 とりあえずこいつは無視して、分析を続けることにする。 次はサンプルMだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!おねえさんおなかすいたよ!!!」 なるほど、これは彼ら共通の挨拶のようだ。 次に無言でサンプルMの頬をちぎり、質量分析機放り込む。 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛・・・!!!ま゛り゛ざのほっべだがああああああ ま゛り゛ざのほっべだあああああああ!!!」 そう叫ぶと両目から滝のような涙を流す。 このままでは脱水症状に陥りかねないので、グルコース水溶液を与えて 涙も質量分析に回す。 「そういえば、サンプルMは2種類のエクトプラズムを放り込んだんだったわね。」 今のは白いリボンから取り出したエクトブラズムのものだ。こいつはM1としよう サンプルRと比べると大人しく、弱虫な性格なようだ。 次は黒い帽子からエクトプラズムを抽出したサンプルM2。 予想はついているので無言で頬をちぎる。 「なにするんだぜ!!!まりさのじまんの『ぷるるんっ』なほっぺがだいなしだぜ!!! ゆっくりできないおばさんははやくしね!!!」 おばさんってあんた・・。怒りを通り越して呆れるばかり。 成分、味ともR、M1、M2の間で差は見られなかった。 「れいむのほっぺはやくかえしてね!!!そしてれいむたちのへやからはやくでていってね !!!」 「そうだぜここはまりさたちのゆっくりぷれいすだぜ!!!いたいめにあいたくなかったら ばかなおねえさんははやくほっぺをもとにもどしてゆっくりしね!!!」 更に自分の場所宣言をし始めた。ゆっくり研究した結果がこれだよ!!! さて、ほったらかしになっていたサンプルAに目を向ける。 「あなたのお名前は?」 「わたしはとかいはのありすよ!!!べ、べつに話しかけてもらえなかったからって さびしくなかったんだからね!!!」 何なんだこの性格は・・。本人の斜め上を行き過ぎていて笑いが止まらない。 そしてかまわずほっぺを引きちぎる 「ゆ゛っ!い゛っい゛だい゛っ・・・ なにするのよ!!! ゆっくりできないいなかはの おねえさんはありすにゆっくりとかいはのしょくじをもってきてね!!!」 味はと・・。カスタードクリームの甘みが口いっぱいに広がる。売り出すとしたら 子供や女性向けによく売れそうだ。この生意気さを除けば・・。 最後にサンプルPに目を向ける。 「むきゅっ」 「あなたのお名前は?」 「わたしはぱちゅりーよ!おねえさんはぱちゅりーのためにごほんをもってきてね!!! むりならむっきゅりしんでね!!!」 なんということだ・・。大図書館と呼ばれる私の分身ならば、少しは知恵を持っているのかな とも思ったが、他と大して変わらないようだ。知的好奇心がある以外は。 とりあえずサンプルに死なれても困るので、食事を用意するとしよう。 紅魔館の農園でとれたリンゴを振舞う。 「うめー!めっちゃうめー!!おねえさんははやくつぎのたべものをもってきてね!!!」 「むーしゃむーしゃむーしゃ!!しあわせー!!!」 「あ、ありすはとかいはだからしかたがなくたべてあげてるんだからね!!! つぎはもっととかいはのたべものもってきてね!!!」 「むきゅむきゅむきゅー!!」 おーこわいこわいこわい。 どうしたらここまで威張れるのかが不思議だ。 紅魔館の主達はおろか、スキマ妖怪でも、蓬莱ニートでも、閻魔の山田様でも 無理ではないか。意地汚い上に食べ方も汚い。 彼奴らのいうゆっくりというのは、自分にとって都合の良いことなんだろうか。 ありすの言うとかいはって、全く以って意味が分からない。 しかも自分の分身が最も頭悪そうなのが気に食わない。素直だからよしとするか・・。 「こいつらどうしようかしら・・。粗方データ集めたら外に捨てよう。」 パチュリーは溜め息を漏らした。 「パチュリー様ー!お客様ですよー。白黒のー。」 咲夜の声が地下室まで響き渡る。饅頭どもを段ボールの箱に閉じ込めて。 「せまいよー!!」「くらいよー!!」「ゆっくりできないよー!!」 「はやくまりさをそとにだしてね」「おねえさんははやくしんでね!」 「とかいはのありすにこんなしうちするいなかはのおねえさんははやくしね!」 「むっきゅりしね!!!」 白黒の奴今更何しにきたんだ!と心の中で叫んではいても、左腕にはしっかり 黒の大きな三角帽を握り締めていた。 階段を駆け上がると。二人の金髪の少女、魔理沙とアリスが立っていた。 疲れている様子だったが、二人とも笑顔だった。 「へっへー、パチュリーすまなかったな。本はこの通り読み終えて全て返すぜ。 アリスも苦労させてすまなかったな。お前がいなかったらどうなってたかわからないぜ。」 「べ、べつに友達として当然のことをしたまでよ!」 なんてことだ。私が苦労に苦労を重ねた一ヶ月間は一体・・!? これからはアリスもついているし、好き勝手に本を持っていくことは無くなるだろう。 しかし、寂しい気もしてならない。 それに、苦労して生み出した饅頭ゴーレム達はお世辞にも警備役としては勤まりそうにもない。 尊大な態度、体力も知力も皆無に等しく、食肉用の家畜として飼われるのがオチか・・。 かと言って自分の手で潰すのも嫌だし、紅魔館の住人達にも生み出したのが自分だとは 知られたくない。結局外に放すのが一番のようだ。 「さぁて外もそろそろ暗くなってきたし、帰るとするか。」 「ねぇ・・魔理沙。また遊びに来てくれるよね・・?」 私はうつろながらに問うた。 「あぁ・・。気が向いたらな。」 その瞬間私の心の中で何かが壊れたような気がした。 「これとこれとこれ貸してあげるから!!絶対返しに来なさいよ!! 返す気が無かったら私が行ってでも返してもらうんだから!! 約束しないと、帽子返してあげないんだから!!!」 自分がどんな顔をしているかなんて考えたくも無い。 このまま会えなくなっちゃうような気がして、自分の不甲斐なさに情けなくなって・・。 「ど、どうしたんだよ突然・・。疲れてるんじゃないか・・?」 「ご、ごめんね・・。あなたはアリスに手伝ってもらったとはいえ、 帽子のためにここに来たんじゃない。素直に本を返したいと思ってここに来た。 あなたの表情を見ていたらわかるわ。でも私ったら、私ったら・・。」 気づいたら魔理沙とアリスを抱き寄せていた。 私は魔理沙を追い返そうとしていた。散々苦労して生まれた低俗な饅頭を使って。 それに帽子を返すと約束したのは私ではないか。自分から約束破ろうとしている・・。 私の目から熱いものが、行き場を無くしてとめどなく溢れている。 「はい、約束の帽子よ・・。やっぱ帽子が無いとあなたらしくないから・・。 そしてアリスの人形よ。痛めてはいないわ。」 「んー、確かに私の帽子なんだろうが、ちょっと違う雰囲気がするぜ。」 「・・・・・」 そう言われるのも仕方が無い。私がこの帽子から魂を奪い、あの愚図饅頭どもに 植えつけたのだから。 「何言ってるのよ、このリボンに、このレースに、どう見てもあなたの帽子よ。」 多分幻想郷、いやこの世界中探しても、同じもの1つか2つ見つかるかどうかってところよ。」 いや、彼女は人形の異変に気づいているはずだ。でも弱りきっている私をかばって あんなことを・・。そして彼女のセリフが覆されるまで長い時を要さなかったのは後の話。 「そうだ、アリス!今晩一緒に泊まっていこうぜ!」 「ええっ!でも・・?迷惑じゃないの?」 「歓迎するわ。なんか・・、気を使わせちゃったみたいでごめんね・・。」 「いいってことよ。何があったかよくわからないけど、泣きたくなるなんて誰でも あること。困った時は一人で悩んでちゃだめだぜ。」 そう言うと魔理沙はいたずらっぽく笑って見せた。釣られてアリスと私も笑顔になる。 しかし心の安住も長くは続かなかった。数日後、恐るべき事態に陥るわけだが その話はまたの機会にでも。 私は覚悟を決めてあいつ等を処分しておけば良かったのだ・・。 おまけ 1.ゆっくりれいむ 性格 基本的には能天気で優しい性格。 しかし知能は飛びぬけて低く騙されやすい。 →過去に霊夢がつかっていたリボンから抽出したエクトプラズムを使ったことで、 幼少期の霊夢の性格が色濃く出ていると考えられる。 2.ゆっくりまりさ 性格 ゆっくりの中では体力、機敏さに長けており、 リーダーシップを持つが狡猾で自己中心的。 →帽子の中でも、白いリボンには幼少期の記憶、黒い本体には 抜け目の無い性格が残ったと考えられる。 後にも狡猾なものと臆病者が観察されているとのこと。 結局のところゆっくりに移してしまえば、悪いところしか見えない。 3.ゆっくりありす 性格 プライドが高く、過剰なとかいはの意識。何を意味するのかはよくわかっていない。 基本的に知能は高いが、性欲が大きく(特に対まりさ種)見境なく行為に耽ることもある。 →だいたい本人の性格と似通っている。 それにしても、この人形何に使ってたんだ? 4.ゆっくりぱちゅりー 性格 知識欲は旺盛。しかし体力は弱く、ゆっくりなので知能もそれなり。 知力に対するプライドだけは高い。 →確かに知識欲はあるものの、他のゆっくりと比較しても知恵があるとは思えない。 駄作中の駄作。後に知力が高まっていくことから、代々受け継がれていくものと考えられる。 すみません、ありすの項書きたかっただけですヘ(゚∀゚ヘ) パチュリーにこの人形を渡したのも・・? このSSに感想を付ける
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ゆっくり1 8KB 制裁 自業自得 同族殺し 共食い ツガイ 飼いゆ 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 都会 現代 虐待人間 初投稿です、どうぞよろしくお願いします。 僕らはにわかホームレス 「まりさ…」 「おにいさん…」 俺たち二人、いや俺と一匹はそうお互いに呼びかけた後は。言葉もなくその場に呆然と立ちつくした。 「ゆっ… ゆっくりできないよ」 そうしてまた俺とまりさ、いうまでもなくゆっくりまりさはおなじように呟いた。 なにしろ旅行から帰ったらアパートが全焼していたのだ。文字通りきれいさっぱり跡形もない、全焼優勝…なんちゃって… 「冗談いってるばあいじゃないよ、お兄さん…」 「…すまん…」 もちろん真っ先にアパートを管理している不動産屋に走った、そしてそこでこの世の過酷な現実をさらに思い知った、旅行に出た1週間前通りかかったときは営業していた不動産屋は倒産していた。 近所の八百屋に訊いたところでは夜逃げ同然だったらしい。しかもその後人相の悪い鬼意惨やおじさん数人が黒塗りの大型セダンで現れて一騒ぎあったらしい。 一つだけ判ることはこれで敷金の返還や火事の保証を受け取ることは絶望だということだ。 数少ない友人に電話をかけたがこういうときに限ってどいつもこいつも留守、仕方がなく留守電にメッセージを残し電話を切った。バッテリーが心配だからだ。 途方に暮れて公園のベンチに座り込む俺とまりさ。 こうして俺とゆっくりまりさはホームレスになってしまった。 「まりさ…一つだけはっきりしていることがある」 「ゆ… なに、おにいさん」 「今日から俺たちはホームレスだ、野良人間と野良ゆっくりだ!」 「ゆゆー、ほーむれすさんはゆっくりできないー」 「しかし旅行で金は使い果たした、スーツケースに着替えが入っているのがまだしもだが…洗濯してないけど…」 おれはそうごちるとコートのポケットをごそごそ探る、売店で買った食いかけの天津甘ゆっくりの袋が出てきた。 「喰えよまりさ…最後の晩餐だ…」 「むーしゃむーしゃ、先行きふあんていー」 甘栗を食べつつまりさと俺で呆然としていたらもう夕闇が迫ってきた、冬の夕暮れは早くそして無慈悲なほど寒い。 むかし酔っぱらってベンチで寝ていたら夜中に凍死寸前で目が覚めた経験がある俺は「とりあえず今日の寝床を何とかしよう!おい、まりさ…あれ?」といいながら隣を見るとそこにちょこんと座って甘栗を複雑な表情で食っていたまりさがいない。 「ゆっくりにまで見放されてしまった…」 心底情けないと我ながらそう思う声で呟くと視界の片隅、公園の入り口から逃げたと思ったまりさがこちらに向かって来るのが見えた。いつもの元気にはねる様子とは違い這い進んできた。そして何かを引きずっている。 「まりさ!」 俺は立ち上がるとまりさに駆け寄った。 「ゆっおにいさん!おうちさんをもってきたよ!」 まりさが引きずってきたのはダンボール、ずいぶんむかしこいつが野良だったときのことを思い出したのか。 今日から宿無しときいてまりさは真っ先にすみかの材料を探しに行ったのだった。なんだか俺なんかよりずっと生活力あるな、こいつ。 「どっからもってきたんだ、これ」 「ゆっ、まだあっちにたくさんあったよ」 俺の問いかけにまりさは目線で場所を示した。果たして公園の脇にある歩道にダンボールが幾枚か積んである、ゴミ捨て場ではないところを見ると不法投棄らしい、だがいまは社会のモラルの低下を嘆いている場合ではない。 「うーさみーいい、北風が強くなってきたなあ…」 「はやくおうちさんをつくってゆっくりしようよ」 俺とまりさは震えながら頷きあいダンボールを持てるだけもって、まりさを小脇に抱えるとそのまま公園の奥に小走りに進んだ、もちろんスーツケースも回収して。 この公園は結構広く奥の方は雑木林然とした様子になっていた。その一角なるべく人目に付かないところに立木を利用してダンボール組んで即席のおうちが完成した。広げたスーツケースを支えに大きめの箱状にダンボール立てかけただけだが… 「ゆゆ、ゆっくりできるね」 まりさは嬉しそうに床にあたるダンボールにひいた俺の着替えの上ではねている、適応力の強い奴だ。携帯電話の天気予報ではここ数日は雨が降らないらしいからとりあえずはこれで大丈夫だろう。 俺はといえばコートの下に新聞紙を突っ込んで保温効果もアップした。 明日夜が明けたらもう一度なんとか知り合いに連絡を取って金を借りるなりしよう、さすがに公園で永遠に暮らすわけにも行かない。と、いうかヤダ。 「はら減ったなあ…」 ぼそっとそう呟くと俺の洗濯前のシャツに器用にくるまったまりさがこっちをみていた。 「まりさ…すまんな…だめな飼い主で…」 「ゆゆ、まりさおにーさんといられればへーきだよ、明日朝さんがきたらまりさ狩りにいくよ!」 そういって微笑むまりさ、どこまでもポジティブな奴、でも俺は虫とか喰えないからなあ、まあ朝になったら俺も狩り…じゃなかった、金策と職探に奔走しよう。アパート件ももう一度相談できそうなところに聞きに行かないと。 そう思い横になっていると、眠気が俺とまりさの上におりかかってきた。 その時、外から「ゆゆ!ここにゆっくりぷれいすがあるよ!」「ここをまりさとれいむのゆっくりぷれいすにするんだぜ!」と、耳障りな声が聞こえた。 俺が起き上がるよりはやくまりさが外に飛び出していく、するとまたあの耳障りな大声。 「ゆゆっ!きたないまりさが出てきたよ!」 「ここはまりさとれいむのおうちにするんだぜ、きたないまりさはさっさと死んでね」 「ちんでね、ちんでね」 ああ、どうやらお約束のまりさとれいむのつがいらしい、そしてどうも子供も一緒のようだ。 俺はわざと姿を見せずに成り行きを伺うことにした、果たして外からは「れいむのまりさは強いんだよ!まりさのぷくーをみてこわくてしんでもしらないよ!」とれいむ種特有のキンキン声でわめいている。 「ちんでね、ちんでね」と、頭の悪そうな子ゆっくりの声がそれに追従した。 「ゆふふ、こわくてこえもでないんだぜ、このまりさ、まりさ様のぷくーをくらうといいんだぜ」 どうやらつがいの馬鹿饅頭はあの滑稽以外の何者でもないゆっくり特有の威嚇行動をしているらしい、その証拠に「まりさのぷくーはいつみてもはくりょくあるね!きたないまりさは何にもいえないよ、くずまりさだね、ゲラゲラ」「くじゅーくじゅー」と、やかましい。 その時。俺の飼いゆっくりのまりさは対峙している相手の威嚇行動をじっと見ていた、その顔にはおびえの色は一欠片もない、そしてにこりと微笑むと「鬼意惨、まりさ今夜はほんきだしていいよね!」と姿を見せない俺に叫ぶ。 「ああいいぞ!承認する!」 「ひゃっはー」 「ひゃっはー」 外のまりさとダンボールハウスの中の俺は同時に雄叫びを上げるとお約束の言葉を叫んだ。 『ゲスゆっくりはせいさいだあああ!』 その声を聞きつけた親まりさがため込んだ空気を一気にはき出し叫んだ。 「どぼじてにんげんさんがいるのおおお!」 「ゆ、ゆっくりできないいい!」 「ゆんやああ、きょわいよー!」 人間の声を聴いたとたんそれまでの威勢は何処へやら、親まりさはみるみるしぼみ親れいむは子ゆっくりに「おちびちゃん!ゆっくりしないでゆっくりにげるよ!」と頭の悪いことを叫び、こゆっくりは「ゆっきゅりりかいしちゃよ」と、これもまた馬鹿丸出しの返事を叫んでいた。 俺はといえば片肘突いてダンボールハウスの中で横になったままだ、俺のまりさならこのていどの馬鹿家族など敵ではない、なにしろこの俺、元虐待鬼意惨が自ら仕込んだ攻撃型まりさなんだから。 「ゆぎゃーあああ!」 真っ先に逃げ出した親れいむに通常のゆっくりの三倍のスピードで迫った俺の魔理沙は、ピコピコ動く目障りなお下げをくわえると、そのまま振り回して立木にクリーンヒットさせた。 「ぶぎゃっ!」 無様な声を上げて餡子を吐きつつ地面にたたきつけられて痙攣するれいむ、弱い弱すぎる。十饅酷饅頭。 「おのれー!よくもれいむをーおお!」 つがいを攻撃されて怒り狂い果敢に突っ込んでくる親まりさ、だが俺の魔理沙はそれを「ゆゆ、当たらなければどうということはないよ」と、呟いてひらりと交わし体を捻りざま被っているお帽子をフワリと投げた。 「ゆゆ、きゅらいよー、みゃみゃー」 もそもそと逃げようよしていた子れいむにそのお帽子が被さった。 いきなり視界を遮られパニックを起こし泣き叫ぶ。しかしみゃみゃー(苦笑)はあんよを空に向けて絶賛気絶中だ。 「ゆゆっ!おちびちゃん!ゆっくりたすけるよ!」 親まりさが俺の魔理沙の投げた帽子に駆け寄ったそのとき、横から立ちふさがった俺のまりさがジャンプ一閃、カウンター気味の体当たりを喰らわせた。 「ゆぎゃあああ!」 悲鳴を上げて地面にたたきつけられた親まりさ。何とか力を振り絞り震えながら起き上がろうとしたとき「ぶぎゃあっ!」と断末魔が響く。 俺のまりさがしかけた脳天からのボディプレスで親まりさのあんよが爆発したようにはじけ餡子が底面から飛び散った。 そして素早く押しつぶした親まりさの上から飛び退ると華麗に着地した。 「ふう、ぜんぜんはりあいがないよ」 息一つ乱さずまりさはそういうと。ダンボールハウスの中からはい出してきた俺の気配に気づき振り返ってにっこり笑った。 月明かりに照らされたまりさに俺も笑顔を返す。 「ゆゆっ…」 「みゃみゃーぴゃぴゃー!だちてねだちてね」 呻いている親ゆっくりと泣き叫んでいるお帽子の中の子れいむ、俺がその様子を見渡していると、お帽子を回収して、「ゆゆ、まりさはおうちに戻るよ」といい跳ねていくまりさ。 「さて…」 ダンボールハウスの中にまりさが入っていくのを見届けると「こればかりはあいつも慣れないからな」とつぶやき「フヒヒ、思わぬお夜食さんができましたよ」と、両手をこすりながら瀕死の親まりさと親れいむ、そして恐怖で「こにゃいでね、こにゃいでね、ゆんやああ」と泣き叫ぶ子れいむに近づいていく。 新聞紙の上にてんこ盛りになった餡子をパク突くまりさと俺、同族食いはゆっくりできないまりさだが目の前にあるのはすでに解体済みのただの餡子だ。もう何も無問題だ。 「むーしゃむーしゃしあわせー」 「うん、結構いけるな、やっぱり精神的にも肉体的にも疲れた時は甘い物だな、今夜はともかくこいつを喰って寝よう、俺も明日は朝から走り回らなきゃならんからな」 「ゆっくりりかいしたよ!」 ミカン大の子れいむはというと、輪ゴムでぎちぎちに縛られてコートのポケットの中だ。目の前で親を解体された子れいむは、朝が来る頃には恐怖とストレスででさらに美味しくなって朝食の代わりをしてくれるだろう。 満腹したにわかホームレスの俺とまりさはいつの間にか寝てしまった。 空には月が「ゆっくりしていってね」とばかり煌々と輝いていた。 終わり トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 良い飼いゆっくりじゃないか。ほのぼのしてゆっくりできたよー -- 2010-10-26 22 08 42 脱字の多さが気になった -- 2010-08-26 19 44 44 ほのぼの -- 2010-08-18 23 34 39 輪ゴムで縛るってのも虐待に応用できそうだな -- 2010-07-28 23 31 10 いいね -- 2010-06-12 00 00 24 ダンボールハウスって子供の頃に作ってとてもゆっくりできたよね! -- 2010-06-02 11 30 02
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※変態お兄さんが登場します。すなわちR-18です。 ※変態お兄さん兼虐待お兄さんなのでかなり不快な野郎です。 ※この作品はfuku2091.txtの続きです。 メイドキャップ付きの銀髪三つ編みのカツラを被った変態お兄さん改め鬼畜お兄さんが洞窟最奥がにんっしんゆっくりゃのいる部屋にたどり着くと、そこには生まれたてのゆっくりゃが数匹転がっていた。 また、さきほど先に奥の部屋に行って交尾するように命令しておいた子どもたちが黒ずんで動かなくなっている。 どうやら素直に言うことを聞いて、約束通り姉妹で交尾をして朽ち果てたのだろう。 その死体の頭にはまだ茎が残っていて、中指ほどの大きさしかない体つきのゆっくりゃがまだ数匹そこに成っている。 しかし、どのゆっくりゃも声を発することすらままならずに死んだ魚のような目であたりをきょろきょろ見回しているだけだ。 「ほ~・・・体つきは体つきのまま生まれるんだな・・・」 「なにしにきたんだどー!ここはれみりゃのおやしきだどー!!」 「・・・・・・で?」 鬼畜お兄さんはにんっしんゆっくりゃの文句を聞き流し、周囲にいる生まれたて、それも子ども同士から生まれたがゆえに未熟児同然の赤ん坊ゆっくりゃの様子を伺う。 声一つも上げられないのはやはり未熟だったことと衰弱していることが原因なのだろうか? 「はやくでていくんだどー!!」 「ぎゃおー!たべちゃうどー!!」 「おやしきにいたかったらたべものをもってくるんだど-!!」 勿論、その間もにんっしんゆっくりゃが抗議を続けているが、無視を決め込んで、未熟児ゆっくりゃを回収しているお兄さんには何の効果もない。 「れみりゃのあがしゃんにさわるなーー!!」 「ふむ・・・きちんと生まれたものでも手のひらサイズか・・・」 「しかし・・・流石は痛めつけられると従順なゆっくりゃだな。まさかどっちの頭にも茎が4本も生えるまで交尾し続けるとは・・・」 「未熟児サイズが14匹と茎に残っていた中指サイズが6匹か」 その生まれたての赤ん坊達を回収し終えたお兄さんは、すぐに死んでしまいかねない赤ん坊達の口に母体となった子ども達の中の具を含ませる。 それすらも出来そうにない個体に対しては少し傷をつけてそこから具を流し込む。 「でびりゃのあがぢゃんになにするんだどーーーー!!」 状況を飲み込めないなりにも、突然交尾を始め、死んでいった子どもの残したものを育てようという感傷でも持ち合わせているのか。 それともただそこにいる赤ちゃんは自分のものだと主張したいだけなのか。 どちらなのかは定かではないが、にんっしんゆっくりゃはお兄さんを必死に赤ちゃんから遠ざけようとする。 実はこの行為は救命・延命措置なのだが、ゆっくりゃにそんなことを理解しろというのは恐らく酷というものだろう。 「・・・う?」 「・・・・・・うぅ~?」 「うっう~♪」 「・・・あう~」 その措置が功を奏して赤ん坊達は次々に産声を上げていく。 手の平サイズの未熟児だけではなく、中指サイズの未熟児とさえ呼べないような個体までも意識を取り戻し、ゆっくりと動き始めた。 「あ、ああ・・・あがぢゃんがうごいだどおおおおおおお!!」 叫び声の主はくわっと目を見開いて部屋の中央に鎮座しているにんっしんゆっくりゃ。 流石にこのサイズなら今までに出産経験もあるだろう。 動けない赤ん坊がそこにいるのに何もせずじっとしていたのは経験則からすぐに死ぬことを理解していたからなのだろうか。 もしかしたら、あれだけのコミュニティを持ちながらにんっしん出産をしているのも赤ん坊の生存率を重視しているからかもしれない。 真意を知る術は無いが、赤ちゃんが動き出したことににんっしんゆっくりゃは感極まって涙を流していた。 全員焦点が合っておらず目は機能を果たしていないし、さっきの無反応を見た限り耳も殆ど使い物にならないだろう。 それに今後建って歩けるようになるものは皆無だろうが、母ゆっくりゃはその事実を知る由もなく、ただ赤ん坊達が生きていたことに感涙している。 そんなゆっくりゃの方へ振り返り、お兄さんは優しく微笑んだ。 「これで赤ちゃんたちは元気になったよ」 「うっう~♪おじさん、ありがとうだどー!おれいににれみりゃのめしつかいにしてあげるどー♪」 どうやらこのゆっくりゃはまだ他のゆっくりたちがこのお兄さんに全滅させられていることに気付いていないらしい。 確かにこの部屋からでは入り口付近で起きた惨劇なんてあまり見えないだろうが、あれだけの叫び声を聞いておいてなんとものんきなものである。 「そうか。じゃあ、れみりゃくんが俺の主人なんだね?」 「うー!そうだどー!」 「それじゃ、主人として召使の性処理をしないといけないなぁ・・・!」 一瞬にして今までしぼんだ状態にさせていたお兄さんのモノがむくむくと膨れ上がっていく。 そして鋼の如き硬さを帯びたそれをゆっくりとにんっしんゆっくりゃの前に差し出した。 「うっうー!れみりゃはこうまがんのおぜうさまだどー!めーれーなんてされないんだどー!」 「ごちゃごちゃやかましいぞ!」 「ぎゃ!?」 お兄さんはイチモツを力強く振りかぶると、ゆっくりゃのにんっしんによって普段の倍近くにも膨れ上がった頬を殴打した。 その一振りはビシッと軽快な音を立ててにんっしんゆっくりゃの顔を揺らす。 「なにするんだ、どっ!?」 「君に!」 いきなりの攻撃に対して怒りに任せて抗議しようとするゆっくりゃだが、お構いなしに次の攻撃を打ち込まれる。 バシッ!! 「いだいーー・・・いっ!?」 「与え!」 痛さと理不尽さのあまりに目に涙が浮かんでくる。しかし、お兄さんは止まらない。 ベシッ!! 「ぎゃっ!?」 「られた!」 良く見てみると口から肉汁が滴っている。叩かれているときに喋るから噛んでしまったのだろう。 ズビシッ!! 「やべ、でっ!?」 「選択!」 ついに我慢の限界に達したらしく、涙があふれ出す。もっとも、それは攻撃をいっそう激しくする結果を招くのだが。 ズバシュ!! 「ぎゃっ!?」 「肢は!」 涙に嗜虐心をそそられたお兄さんは加速させすぎてぺにぺにで斬撃を放ってしまったらしく、ゆっくりゃの頬が少し切れている。 ザシュ!! 「いだ、いっ!?」 「咥え!」 2回目の斬撃によってゆっくりゃは反対側の頬にも切り傷をつけられる。さっきの一撃より鋭いそれはゆっくりゃの皮をかなり深く抉っているようだ。 「ぎゃおおお、おっ!?」 「るか!」 自重したお兄さんは斬撃を止め、再びビンタに戻す。しかし、切り傷に触れられるためさっきまでのビンタよりもずっと痛い。 ビシッ!! 「ぎゃっ!?」 「咥え!」 今度はかなり深く切りつけられた頬への一撃。ついでにお兄さんは「赤ちゃんは大丈夫かな?」と尋ねてみる。 バシッ!! 「あがじゃん、がっ!?」 「ないで!」 またしても肉汁が滴っている。赤ちゃんのことに触れられ、喋ろうとしてしまったのが災いしたようだ。 ベシッ!! 「ぎゃっ!?」 「死ぬ!」 涙と肉汁を撒き散らすゆっくりゃ。今度はお兄さんのイチモツによる下からの突き上げが襲い掛かる。 ズビシッ!! 「うぎゃ!?」 「かっ!」 突き上げと同時に跳躍したお兄さんは落下の勢いに任せて白目を剥いているゆっくりゃの頭部へぺにぺにを叩き込む。 ガスッ!! 「でび、りゃっ!?」 「ふたつに!」 着地と同時にお兄さんはゆっくりゃの横を駆け抜けざまにラリアットの要領でゆっくりゃの下あごを強打する。 ガッシ!! 「うぎゃ!?」 「ひとつ!」 そして、座ったままであるにも関わらず勢い良く吹っ飛ばされたゆっくりゃに向かってとどめの突きをお見舞いする。 ボッカ!! 「いだい、ぎゃっーーーーー!?」 「だっ!」 その一撃によってゆっくりゃは洞窟の壁面に後頭部を叩きつけられ、そこからだらだらと具がこぼれる。 「いだいーーーーーーーーーーー!!いだいーーーーーーーーーーーーー!!」 「さあ、どうするんだい?咥えるかい?死ぬかい?」 極上のスマイルを浮かべたお兄さんは再びゆっくりゃにモノを突きつける。そこには平仮名で「ないふ」と書かれている。 「ざぐやあああああああ!!ざぐやああああああああああ!!」 「やれやれ、全く話を聞いていないな」 が、恐怖でお兄さんの話など耳に入ってこないゆっくりゃは必死にいるはずもない従者の名前を呼びながら後ずさる。 「なんでしょうか~、おぜ~うさま~!」 勿論、さくやでも咲夜でもない。声の主はメイドキャップ付きの銀髪三つ編みのカツラを被った全裸の鬼畜お兄さん。 「ぢがううううううううう!!おばえはざぐやじゃないどおおおおおおおおおおおおお!!」 「ひどいですわ~、おぜ~うさま~!」 「ごっぢにぐるなああああああああ!!」 「そんな事いうおぜう様にはお仕置きが必要ですわね~♪」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!?・・・う、うばれりゅ!!?」 散々殴られたせいかどうかは知らないが、いきなりゆっくりゃが産気づいた。 「よし、じゃあ、さっさと産んでお仕置き続行ですわ~♪」 言うが早いか、お兄さんは産道をこじ開け、手を突っ込むと中ですくすくと育っていた子ゆっくりゃを引きずり出した。 「うぎゃあああああああああああ!!いだいーーーーーーーーーーーー!!」 その乱暴な行為が母ゆっくりゃの表情をまたしても歪ませる。 「いぢゃいーーーーー!!」 一方、産道の中の子ゆっくりゃも乱暴に頭を掴まれ、産道から力任せに引きずり出される痛みで泣き喚いている。 しかし、お兄さんは問答無用。空いている手でにんっしんしているゆっくりゃの頬を掴むと勢い良く子ゆっくりゃを引きずり出した。 「ぬぅん!!!」 その一声と同時に子ゆっくりゃは産道から引きずり出され、洞窟の地面に打ち付けられ、3,4メートルほど転がって背中から壁にぶつかり、再び悲鳴を上げた。 「うぎゃああああああああああああああああああああ!!」 「しゃらっぷ!!」 即座に跳躍したお兄さんは着地の際に子ゆっくりゃの両脚を踏み潰すと前のめりに倒れ、手を突いたついでに両腕を破壊した。 「―――――――ッあああああああああああああああ!!」 「でびりゃのあがぢゃんーーーーーーーーーー!!」 唐突に四肢を破壊された子どもと母親の絶叫が洞窟の中にこだまする中、お兄さんは先ほど蘇生させた20匹あまりの赤ん坊を子ゆっくりゃのお腹の上に置く。 「う~」 「おいちいど~♪」 「うっう~」 「むしゃむしゃだど~」 「いぎゃああああああああああああ!!でびりゃをだべるなだどおおおおおおおおおおお!!」 「うぎゃああああああああああああああああ!!」 母と子がいくら悲鳴を上げたところで目も耳も使い物にならない赤ん坊たちには何の意味も成さない。 四肢を失った子どもが体をゆすって抵抗するも、動けば傷が痛むし、思った以上に赤ん坊たちは力強く、なかなか落ちてくれない。 「ざぐやああああああ、だずでえええええええ!!」 「な~んでしょうか~、おぜうさま~♪」 くどいようだが返事をするのはお兄さん。「おばえなんがざぐやじゃないいいいい!!」と喚く母ゆっくりゃにつかつかと歩み寄ると、さっきの連続ビンタで少し腫れてしまった頬を強く握る。 そして、母子の阿鼻叫喚の二重奏をBGMにお兄さんは本命と言っても過言ではない、母ゆっくりゃの産道への挿入を開始した。 慎重に狙いを定め、徐々に閉じつつある産道に「ないふ」と書かれたモノをねじ込んで、再びこじ開ける。 「ぬふぅ・・・こ、これは・・・!」 「ざぐやあああああああああ!!だずげでえええええええ!!」 「用があるなら早く言ってくださいね、お~ぜうさま~!」 そう言いながら問答無用に腰を振るお兄さん。しkし、内心こう思った・・・がばがばじゃないか、と。 「ざぐやい゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ざぐやなんであっぢいげえええええええ!!」 「ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ! ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ! ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!」 思った以上に締まりが悪かったとこに失望した鬼畜お兄さんは始めてしまった以上最後までやらねばという意味の分からない義務感だけで腰を振りつづける。 もっとも、考えてみればアレだけのサイズの子どもが出てくる道が締まりの良い訳がないのだが。 さっさと済ませたい一心で腰を振るお兄さんにはもはやゆっくりゃへの興味など微塵もない。 「ぬんっ!!」 産道に精液を流し込むと、出し切る前に引っこ抜き、さっき四肢を潰した子ゆっくりゃのほうへ歩いていく。 射精してやることを済ましてしまえばこれ以上ここにいる理由はない。 しかし、自分をぬか喜びさせた母ゆっくりゃにはお仕置きをしないと気がすまないお兄さんはさっき生まれた子どもと赤ん坊20匹を産道にねじ込んでその場を後にした。 ついでに赤ん坊を産んだ親の屍骸もねじ込んでから、きっちり産道の入り口を封印しその場を後にした。 鬼畜お兄さんが洞窟を後にしてから数時間後。 「ゆ!ここはすごくゆっくりできそうなばしょだよ、まりさ!」 「ほんとうだね、まりさ!あかちゃんたちもゆっくりついてきてね!」 ゆっくりゃたちの巣の前にやってきたのは2匹のゆっくりまりさ。 1匹は鬼畜お兄さんに子どもを持って行かれた母まりさで、もう一匹はゆっくりゃと何度もすっきりさせられたゲスまりさだった。 2匹の連れている子どもは胴体なしのゆっくりゃが42匹とまりさが51匹のあわせて93匹。 「さっきのおにーさんがここにはたべものもいっぱいあるからすごくゆっくりできるっていってたよ」 「あやまったらまりさのこともゆるしてくれたし、いいおにーさんだったね」 わいわいがやがやとお喋りをしながら巣の中に入る一家。 そのお兄さんが言っていた通り、そこにはたくさんの食料があった。 両手両脚を縛られ、内側から子まりさに具を食べられ続けるしにぞこないのゆっくりゃ。 魔改造によって異常に長い胴体と4本の腕を得てしまった、立ち上がることもままならない赤ちゃんゆっくりゃ。 同じく魔改造によって異様に短いうえに足しかない胴体を与えられ、座ることも出来なくなった赤ちゃんゆっくりゃ。 そして6匹のゆっくりゃ種が連結され、ひとつになってしまったもの。 大量の子どもや赤ちゃんをねじ込まれ、頭部が重くなりすぎた結果、頭をゆかにこすりつけたまま身動きが取れ中なったもの。 動くことのままならない個体が10匹以上。 ここなら餌を取りに行かなくてもずっとゆっくり出来そうだと一家は思った。 ---あとがき?--- 鬼畜お兄さん。虐待お兄さんと違ってゆっくりと交尾します。 また、変態お兄さんと違ってゆっくりを虐待・虐殺します。 言動や思考はすさまじく身勝手で他のお兄さんからも煙たがられています。 俺だってこんな奴とは関わりたくありません。 今度はゆっくりをひたすら魔改造する作品とか書いてみたいな。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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「「ゆっくりしていってね!」」 「……」 男は、無言でゆっくり二匹を抱えて道を急ぐ。 いきなり捕まえられたゆっくりは、口々に「ゆっくりやめてね!」「ゆっくりはなしてね!」などと言うが、男はゆっくりの言う事など聞かない。 それ以前に、これらのゆっくりがどのゆっくりかにすら興味がない男にとっては、ゆっくりが何を言おうと気にもならないのである。 ――ゆっくりれいむとかまりさとかみょんとかちぇんとか、帽子とかリボンとか、そんな個体識別はいらない。ゆっくりはゆっくりで良い。 この男の持論である。 男は、全く融通が利かない上に頑固という、友人の少ないタイプの人間だった。 余談はさておき、男は急ぐ事もゆっくりする事もなく、普通の足取りで自分の家に入った。 『詰め替えゆっくり』 「ユックリシテイッテネ! ユユ! コノユックリタチハユックリデキルコ!?」 (ゆっくりしていってね! ゆゆ! このゆっくりたちはゆっくりできるこ?) 男が玄関口で靴を脱いでいると、ブレて見えるほどのスピードのゆっくりが現れた。 「なにこのこwww ぜんぜんゆっくりしてないよw」 「ゆくりちていてねだってーw なにじんよ(pgr」 二匹にとって、異常なまでのスピードのゆっくりは嘲笑の対象らしく、好き勝手な事を言う。 「ユユ! マリサヲバカニスルコハユックリシネ! シネ! シネ!」 (ゆゆ! まりさをばかにするこはゆっくりしね! しね!) 「ちねだってさ」 「おお、したたらずしたたらず」 あまりに高速で飛び跳ねているために空中に浮いている様に見えるゆっくりを見ても、全く動じないどころかうざい対応をとるゆっくり二匹。 「ヘンナコトヲイウバカナユックリタチハユックリシネ!!」 (へんなことをいうばかなゆっくりたちはゆっくりしね!!) 「ゆぎゅ!? きもいよ! ぎもいよぉぉぉ!!!」 「きもいこはどっかいけ! ごっぢぐるなぁぁぁ!!!」 弾丸の様な速度で二匹のゆっくりに突っ込んでいくゆっくり。 このままぶつかれば、普通のゆっくり達は顔面からアンコを放出させて死ぬ事になるだろう。 普通のゆっくり達は、うざい顔を泣き顔に変えた。 「……」 その時、靴を脱ぎ終わった男が突然素早いゆっくりを踏んだ。 足には絶妙な力加減がかかっているらしく、素早いゆっくりは潰れてはいないものの動けずにもがいている。 「ユギュウッ!? オジザンナニズルノォォォ!?」 (ゆぎゅうっ!? おじざんなにずるのぉぉぉ!?) 「まりさたちをいじめようとしたけっかがこれだよwww」 「きもいこはそこでおとなしくしててね~www」 「「ばーかばーか♪」」 泣いたゆっくりがもう笑ったとでも言えば良いのだろうか。 普通のゆっくり達は反撃できない相手に対して暴言を吐き、素早いゆっくりはその言葉を聞いて男の足から逃れようと必死にうごめく。 目は血走り、口の端からアンコまみれの泡を吹いて凄まじい抵抗をする素早いゆっくり。完全に頭に血が上っている。 「オジザンユッグリバナジデネ! ゴイヅラユッグリデギナグジデヤルガラユッグリバナジデネ!!! ユギュッ!?」 (おじざんゆっぐりばなじでね! ごいづらゆっぐりでぎなぐじでやるがらゆっぐりばなじでね!!! ゆぎゅっ!?) 「うるさい」 もう止められないと判断したらしく、男はため息をついてそのまま素早いゆっくりを踏み潰した。 「ゆ……ゆっぐりじだがっだよ……」 素早かったゆっくりは、最期だけははっきり分かる言葉を呟いた。 「ばーかばーか、きもいこはゆっ!?」 「ゆっくりしたけっかがこれだよぉ!?」 死んだゆっくりへ罵声を浴びせている途中、男がゆっくり二匹を持ち上げた。 中途半端なところで強制的に口をふさがれた形になった二匹は、男に文句を言おうとするが何も出来ず、そのまま奥へ持って行かれる。 奥の部屋では、一般的にはゆっくりれいむ・まりさと呼ばれる種類のゆっくり数匹が動き回っていた。 「「ゆぎゅぅっ!?」」 二匹のゆっくりはいきなり手を離されたため、無防備なまま床に叩きつけられる。 すぐさま起き上がろうとするも、顔面から硬い床に落とされたのだ。二匹は、痛みを訴える様に泣き出した。 「「いだいよぉぉぉ!!!」」 「……」 泣き叫ぶ二匹を無表情で見ながら、男は飾りに何かの印を付け、部屋を後にした。 パタンとドアを閉めた音と同時に、突然二匹は起き上がり、ドアに向かってツバを吐きかける。 「れいむたちがないてるのにぜんぜんこっちみてなかったよ! ばかなじじいだね!」 「ほんとだね! まりさはこんなにかわいいのに、みるめがないじじいだね! しんじゃえばいいよ!」 そう言ってゲラゲラと笑う二匹。ウソ泣きだった様で、その顔は男への嘲笑に満ち溢れている。 ひとしきり男への文句を言い合ってから、改めて二匹は辺りを見渡した。 「たくさんゆっくりがいるね!」 「いち、に……かぞえきれないよ!」 実際は10に満たない数しかいないが、ゆっくりの頭では多数いる様に見えるのだろう。 二匹は、ここに閉じ込められている事すら忘れてしまったように、ゆっくりゆっくりと楽しそうに仲間のいる方に飛び跳ねた。 「「ゆっくりしていってね!」」 二匹はちょうど近くに来たゆっくりに声をかける。相手のゆっくりは、時間をかけて振り返った。 「ゆ~っ~く~り~し~て~……」 (ゆっくりしていってね! こんにちは、あなたたちはゆっくりできるゆっくり?) 「ゆぅ!? すごくゆっくりしてるゆっくりだよ!」 「いいなー、うらやましいなー、いっしょにゆっくりしたいよ!」 やたら素早いゆっくりは嘲笑の対象だったが、遅いゆっくりは尊敬の対象らしく、二匹は目をキラキラさせて擦り寄っていく。 だが、スローゆっくりはたっぷりと時間をかけて嘲りを含んだ顔へと変わっていく。 「ゆ~っ~く~り~や~め~……」 (ゆっくりやめて! ちかよらないでね! ふたりともぜんぜんゆっくりできてないからきもいよ!) 普通のゆっくりにとっては素早いゆっくりが気持ち悪く思う様に、遅いゆっくりにとっては普通のゆっくりが嫌悪感を催すものらしい。 スローゆっくりは、触りたくないとでも言う様にじりじりと後ずさっていく。 追うゆっくりと、避けようとするゆっくり。 先ほどの素早いゆっくりとの一件を、かなり速度を遅くして繰り返している様な状況。 スローゆっくりが嫌がっている事を知ってか知らずか、二匹の前に別のゆっくりが飛び込んできた。 「8zhldwezw,! 3uqqa,8zhlw@gjrt?」 (ゆっくりしていってね! あなたたち、ゆっくりできますか?) 「なにこのゆっくり! ゆっくりわかることばしゃべってね!」 「ふつうのことばしゃべってね! にほんごでおけ!」 「uibk8zhl! 0toue,bsf@0toue9!」 (なにこのゆっくり! わからない、ことばわからないよ!) ゆっくりなのにゆっくりの言葉をしゃべらないゆっくり。 これは、単純に通じないだけなので、別に好悪どちらにも当てはまらないらしい。 最終的には、身振りだけであるていどの会話らしきものをしていた。 無言で伸び縮みを繰り返すゆっくりにはかなりの気持ち悪さがあるが、男には気にならないらしい。 言葉を忘れてしまった様に伸びているゆっくり二匹を抱えて、別の部屋へと歩いていった。 その部屋には、甘い匂いが染みこんでいた。 先ほどの部屋と同じ形でゆっくりが数匹いる事も同じだが、その部屋にいるゆっくり達は、全てが丈夫な縄で押さえつけられ、頭頂部がぱっくりと開いていた。 「ゆ……ゆぅ、ごろじで、もう……ごろじで……」 「ゆふあははははははははははは」 「ぐぞじじい! れいむのあんごがえぜ! まりざのもがえぜ! み”ん”な”を”も”どに”も”どぜぇぇぇぇぇ!!!」 頭に黒い穴が開いた様にぽっかりとアンコが取り出されたゆっくりが、早く楽になりたいと呟く。 奇妙な色の何かを詰められているゆっくりは、壊れたテープレコーダーの様に、平坦な笑い声をあげ続けている。 ほとんど取られていないゆっくりは、目で表情で声で、憎悪を男にぶつけている。 そんな、ゆっくりにとっての地獄絵図を、抱えられたゆっくり達は無言で見つめていた。 先ほどの部屋でボディランゲージに慣れたためではなく、恐怖によって言葉が出ないのである。 男は、怯えるゆっくり達を、他のものと同じ様に縄でくくりつけた。 あまりの恐怖に動く事すらできない二匹は、無抵抗のまま縛り上げられる。 「かっこいいおにいさん、れいむをたすけてください。おねがいします」 「すごくゆっくりしたおにいさん、まりさもたすけてください。おねがい……」 ガチガチと歯を鳴らし、涙を流しながら助けを求める二匹。 人間で言えばあごの下にあたる部分から黒い液体を漏らしている。アンコを失禁している様だ。 だが、男は無言で見つめている。当然、許すつもりはない。 なぜなら、それがこの男の仕事だからだ。 じっと見つめている内にあまりのプレッシャーからか白目をむいて気絶した二匹を眺めつつ、男は仕事を始めた日の事を思い出していた。 「そこの貴方、ちょっと良いかしら」 ある日、男は赤と青の交差した服を着た女に声をかけられた。 男は、ちょっと周囲を眺めてから自分だと気付き、端的に用件を聞く。 男のあまりの無愛想さに苦笑しつつも、女は細い指をちょいちょい、と動かした。 「ちょっとお話があるのだけど……少し時間空けられるかしら?」 女は、笑顔で男を誘う。男は、無表情のまま女に付いていった。 美人だけれど服のセンスは最悪の女。 男の女……八意永琳への第一印象は、その程度のものだった。 「実験?」 「そう、実験に協力して欲しいのよ」 人間の里唯一の喫茶店で、風景にそぐわない怪しい会話をする男女。 二人の前に置かれたコーヒーは、手付かずのままでそこにあった。もう湯気は立っていない。 永琳はまずそうにコーヒーを一口飲み、淡々と話を続ける。 男にある実験の手伝いをして欲しいという事。 実験の内容は、ゆっくりの中身を入れ替えるとどんな変化が起こるのかについてという事。 報酬は、家と金と実験を終えたゆっくりは好きな様にして良い事。 「……ゆっくりの提供はするし、貴方自身が捕まえても良いわ。その代わり、定期的な報告と、新種を作る事に成功したら直接見せて欲しいのよ」 お願いできる? と、胸の前で手を合わせる永琳。 男は、ほとんど間を置かずに承諾した。 それからしばらく、男は送られてくるゆっくりの中身を様々な物に詰め替え続けた。 送られてくるゆっくりは様々な種族だったが、男は特に関心を持たなかった。ゆっくりはゆっくりでしかないからだ。 固体・液体・気体……食材だけではなく、ありとあらゆる物を試し続けた。 時には、わざと腐らせたものも入れてみたが、大体は数分生き延びるかどうかといった所だった。 たまに永琳が様子を見に来たが、順調だという所を見せると僅かに輝く視線を向け「この調子でお願いします」とだけ言って去っていった。 春が来て夏が過ぎ秋を越えて冬が終わり、一年が瞬く間に過ぎていった。 この頃には、一日の半分近くはゆっくりの中身を入れ替えて過ごす事が、男の日課となっていた。 ふと顔を上げると、ゆっくり二匹は口の端から黒い泡を吹き「ゆっ……ゆっ……」とうめくだけの存在に成り果てている。 男はそんなゆっくりを放置し、自分の部屋に戻る。 棚には大量の帳面が置いてあり、中には多数の中身を詰め替えたゆっくりの報告がまとめられている。 河童製だという、ゆっくりのアンコの核部分のみを残して全て抜き取る機械は、既に5台目に突入しているが、それもアンコまみれで酷い状況だ。 6代目への取替えはもうすぐだろう。 詰め替える物置き場は、男にしか分からないほどに雑然としている。 部屋の中は人間の内面を表すと言われているが、それが本当なら、男は相当に混沌とした性格をしているのだろう。 ――さて、あいつらの中は何にするかな。 男は、未だに白目をむいているだろうゆっくり二匹を思い浮かべ、これまでずっと表情のなかった顔に、初めて笑みを浮かべた。 饅頭生命体のゆっくりは中身に左右されるのではないかという考えから発展した結果、こうなりました。 最初は中身を入れ替えるだけの単純な話だったんですが……なぜこうなったんだろう。 感想フォームについてですが、捨てアド用意しましたので何かありましたらこちらにお願いします。最初から用意しておけば良かった……。 319_breeder@excite.co.jp by319 このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス or fuku0708.txt ゆっくり飾りゴージャスの続き。 このssは以下の設定と、それに便乗したオリジナル設定で構成されています。 1.飾りがないゆっくりは苛められる。 2.死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 3.ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 手元に、中サイズのゆっくりまりさの帽子が残っていた。 昨日の残りだ。 確か、これ食えるよな? 「おじさーん。まりさの帽子食う?」 「・・おまえ、それ、どうした?」 「パクった。いや、ちょっと違うか。トレードした」 「そうか、お前はそれに興味をもったか。皮の一種だから、問題なく食べられる。ゆっくりレミリアは残すけどな」 「若干硬いから?」 「たぶんそうだろう。みかんの白いやつと同じようなものだと思え」 そういうものなのか?まぁいいか・・食わずにおいておこう。 ・・ちょっと気になることが出来たので、帽子と油性ペン、あと加工場で余った餡子を袋に詰め、実験場に向かう。 実験場につき、お目当ての奴を探す。・・・いたいた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 昨日の帽子トレード元、ゆっくりまりさシスターズ、総勢8匹だ。 トレードしたやつは他の個体と比べて、帽子がでかいため目深になっている。 パッと見ではわからないが、家族と一緒だと比較しやすいな。 「おじさん、おかあさんしらない?」 挨拶の直後、でかいのがそう聞いてきた。・・あれ?こいつ俺のこと覚えてる? 「しらない。どうしたの?」 「「「ぼうしおいて、いなくなっちゃった」」」 うお、全匹泣きそうだ。 「おかあさんは別の場所でゆっくりしているよ!」 「ほんとー?」「おじさんうそついてないー?」「うそつくひととはゆっくりできないよ!」「ゆっくりほんとのこといってね!」 「ほら、君たちのおかあさんに言われてご飯もってきたぞー」 とりあえず餡子を与える。 「むーしゃむーしゃ」「おいしー」「うまうま」「おかあさんだけずるーい!」「まりさもゆっくりしたいー」 よし、ごまかした。 さてと、 「君と、君と君、ちょっといいかな?」 帽子のでかいのと、大体同じ程度にでかいのを2匹チョイスする。 「まりさもいっしょにいくー!」「まりさもゆっくりしたーい!」「おねえちゃんだけずるーい!」 ・・・まったくこいつらは・・・別にこの場でやってもいいか。 「うーん、わかった。でも」 足で地面にラインを書く。 「この線からこっちにきちゃダメだよ?こっちきたら・・」 「うつとうごく!」 言ってる傍から超えやがった。 さっそく、そいつをこないだの袋に詰めて口をしめた。 「いやあああああああだしてー!」 前回のトラウマが残っているのか、叫び始めるゆっくりと 「やめて!」「そんなことするおにいさんとはゆっくりできないよ!」「ゆっくりかえって!」「ゆっくりしね!」 その他ゆっくりども。あー、つぶしてやりたいです。 「その線を越えたらこうなります。わかりましたか?」 「「「ゆっくりさせて!ゆっくりできないよ!」」」 結局、残り4匹も袋の中にぶち込んだ。 「「「ゆゆゆゆ!」」」 チョイスした3匹が泣いている。うおーうぜー!ゆっくりした結果がこれだよ!! 「わかったわかった・・・ほら」 袋の口を開けて、外が見えるようにしてやる。 「いいか・・・その袋から出るなよ」 「「「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」」」 「・・・・その袋の中ではゆっくりしていいから」 今、自分がどんな表情しているのか理解できない。眉間がひくひくしてるのはわかるんだが。 「「「ゆゆゆ?」」」 「その中では、ゆっくりしていいから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」「Zzzz」 やっと落ち着いたらしい・・・・・・うお、1匹寝てる奴がいる。きっと最初の奴だ・・・・おのれ・・。 「あい、お待たせ」 やっとでかい3匹の方に取り掛かれる。 ・・・待ちくたびれたのか、一斉に叫ぶ。 「「「ゆっくりしたけっかがこれだよ!」」」 上を向いてため息ひとつ。 ・・・ガッ!とおもむろに1匹とっ捕まえる。 「ゆゆゆ!」「ひどいよおにいさん!」「ゆっくりはなしてね!」 「勘違いするな・・・ゆっくりさせりゃいいんだろ」 撫で撫で。 「ゆっ・・・ゆっくり~」「いいないいな!おにいさんまりさも!」「ゆっくりさせていってね!」「「「ゆっくりしていってね!」」」 もういちいち相手にしてられん。油性ペンでゆっくりまりさの帽子と、人間で言う下あご?に【1】と書く。 次のには【2】、でか帽子には【3】と書いた。 「「「ゆっくり~」」」 もうちょっと大きかったら発情するのだろうか・・?ゆっくり3匹にその兆候は無い。 「「「ゆっくりしたいーー!」」」 そして袋の中の5匹。 「いいか・・・袋からでるなよ?」 「わかったよ!」「ゆっくりさせてね!」「ゆっくりしていってね!」「Zzzz」「Zzz・もうたべられない」 昼飯は寝てる2匹にしよう。そうしよう。 さて・・・ 「ゆっ!」「ゆっ!」「ゆゆゆぅ!」「「ゆ゛っ!」」 ナンバリングした3匹の帽子を奪い取る。 「ひどいよ!どうしてこんなことするの!」「ゆっくりかえしてね!」「おにいさんじゃゆっくりできないよ!」 体当たりしてくる3匹と 「「「・・・??」」」「「・・・Zzzz」」 困惑顔の袋の3匹、寝てる2匹。 ここで帽子を3つをシャッフルし、ちょっと遠くに置く。 「ほれ、とってこい」 帽子無しどもをけしかける。 「まりさのー!」「これまりさのー!」「まりさあああああああ!」 必死だな。 帽子を取り返して再度かぶる。そうすると、袋の中の3匹の表情が戻る。 これを10回繰り返す。3匹の表情が、灯ったリ翳ったり。 素直なのはいいことだが・・・もうちょっと可愛らしい表情してください。 さて・・・10回やって、10回とも、ゆっくりの番号と帽子の番号が一致。 こいつら、自分の帽子がわかるようだ。 ナンバリングには気がついていないようだ。ゆっくりだしな。 特に、でか帽子のやつ。でかいからすぐにわかるらしい。・・・いやそりゃそうだろうけどさ。 ここで、帽子を奪った後、でかい帽子と、もってきていた帽子を取り替える。 これで、場にあるのは【1】と【2】と番号無しの帽子・・さっきと同じようにシャッフルしてけしかけてみる。 すると、叫び出したのは、【3】のまりさ・・無論、でか帽子のだ。 「なんでえええええええええええええええまりさのぼうしがないいいいいいいいいいい!!」 「ごめんごめん、この帽子だったね。間違えちゃった!」 「がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 でかい帽子を返すと真っ赤になってぷりぷり怒っている。 「おにいさんはゆっくりできないよ!ゆっくりあっちいってしんでね!」 脳天にビキビキきながらも尋ねてみる。 「それ、お母さんの帽子じゃなかったっけ?」 「ゆっ?おかあさんのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!おにいさんへんなのー!」 何回か試してみたが・・・交換したらすぐにわかるらしい。 【3】のデカ帽子だけじゃなく、普通まりさの【1】【2】に試した回もあったが、結果は同じだった。 「まりざのぼうじどごおおおおおおおおおおおお!!」 「ぼうじがえじでえええええええええええええ!!」 毎回毎回こんな感じで泣き叫ぶ。 ・・・うるせえ。あと絶対嘘泣きだろこれ。 まぁ、死活問題だしな。袋の3匹の怪訝な表情を確認してしみじみ思う。 と、閃くものがあったので、【1】と【2】の帽子を交換した。 「ゆっ!」「ゆっ!」 ・・・・待つことしばし。 「ゆゅ?」「おじさんどうしたの?」「ゆっくりするの?」 ・・・・・あれ?交換したのに気がついてない? 「「「ゆっくりするの??」」」 ・・・試してみるか。 「ああ、ごめんごめん、ゆっくりしすぎちゃったよ」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そして再度シャッフルしてみた。 その結果、【1】まりさは【2】の帽子に、【2】のまりさは【1】の帽子へと向かうようになった。 ・・これは、所有権がいれかわったのか? 【1】のまりさへ、【2】の帽子について聞いてみる。 「あの帽子、君のじゃないの?」 「ゆ?まりさのぼうしだけど、おねえちゃんのぼうしだよ!」 【2】が姉だったのか。いや、それはどうでもいい。 この反応を見るに、盗られても、自分が飾りをつけていれば満足なのか。 1つ、思いつくことがあった。 何度も何度も、【1】【2】【3】の帽子をシャッフルする。そう、大きい帽子も交えてだ。 数十回の試行が終った後、【3】に【3】の帽子を返して、こう尋ねた。 「ねぇ、その帽子、誰の帽子?」 「ゆっ?このぼうしは、まりさのいもうとのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!!」 思惑通りにいったことを知り、愉悦が止まらない。 ああ・・・こいつら・・・母親の帽子だということを、忘れやがった。 ものすごく哀れに思えてきたので、残りのゆっくりまりさにもナンバリングし、1番づつ帽子をずらしてやった。 今手元にあるのは、比較して一番小さかったゆっくりまりさの帽子だ。 もう満足し、哀れな姉妹たちに別れを告げた。 「ありがとう、ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりまた遊んでね!!」」」」 ・・・こいつら、いったいどこまでゆっくりしているんだろう。 満足したので、いったん加工場に戻って昼食にすることにする。 さて、午後の部である。 ゆっくりまりさばっかり構っているのに気が引けたので、もうひとつ気になる方を消化することにした。 ゆっくりれいむの髪飾りについてだ。 あれってさ、リボンだよね? ・・あれをさ、解いたらさ、どう考えても、自分じゃつけられないだろ常考。 「いやあああああああああああああああああれいむのりぼんがあああああああああああ」 思ったときには、すでに行動は完了していた。 「ごめんごめん、手がすべっちゃったぜ!」 「いやああああああああああれいむのりぼんんんんんんんむすんでええええええええ」 「わかったぜ!!」 「できたぜ!」 「もう!ゆっくりきをつけていってね!!」 「わかったぜ!」 プンプン!と去っていく霊夢。風にたなびくリボンが尻尾のようだ。 せっかくなので、「俺より強いやつに会いに行く」スタイルにしてやった。俗に言う鉢巻。 無論、固結びなので、外れることはないだろう。 弾幕出るようにならないかなぁ。回転しながら回し蹴りとか、炎をまとってアッパーもいいよなぁ。 ボインボイン弾んでいく鉢巻れいむを観察する限り、どうやら、何でもいいから飾りをつけていれば苛められないらしい。 調子にのって、ポニテれいむ、たくましいなれいむ、おさげれいむ、鼻鉢巻れいむを作った辺りで飽きた。 個性豊かになって何よりだ・・・って、問題がずれた。 気になるのは、やつらが結べるかどうかだ。 さっそく、ゆっくりれいむを発見。しかも2匹。 姉妹かな?いつぞやのゴれいむサイズだ。大体10cmぐらい・・・よしよし。 まずは声をかける。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」」 スッ、っと1匹持ち上げる。笑顔を絶やさないように。【1】っと・・。 「ゆっ!?おじさんゆっくりできるひと?」「ゆっ?れいむをどうするの?」 ささっと、ペンでナンバリング。【2】っと・・・。 「ゆっ?くすぐったいよ!!」「おじさんゆっくりやめてあげてね!」 もう片方も同様にする。 「ゆっ?なにするの!?」「おじさんわるいひと?ゆっくりできないならやめてよね!」 ・・・2匹共を地面に置く。 「はっはっはっ、ごめんごめん、きみたちがかわいいからついやっちゃったんだ!」 「ゆっ!」「それならゆるしてあげるね!」 「はっはっはっはっ」 2匹の頭を撫で撫でしつつ・・・リボンの片端を確認する。 「ゆっくりー」「ゆっくりー」「はっはっはっ・・・はぁっ!!!!!」 そしてすかさず、2匹のリボンを解き放ち、ダッシュで逃げる!!! 「あああああああああ」「りぼんがあああああああああああ」 全力で逃げて・・・茂みに隠れて観察開始。 どちらも追ってこない。地面に落ちたリボンを咥えて泣き喚く。 「ああああああありぼん!りぼん!!」「むずんで!!むずんで!!!」「」 やはりというかなんというか、結び方を知らないらしい。 「「このままじゃゆっくりできないよーーーーー!!!」」 どーするんだろ。しばらーく観察していたが特に動きがない。 ・・・もう、他の個体で試すか? そう思ったとき、 「ゅっ!」「ゆ?」 【2】が、りぼんを口に咥えてボインボイン跳ね始めた。どっかに移動するつもりらしい。 「ゆっぐりづいでぎでね!」 「ゆっぐりづいでいぐよ!」 そしてどこかに移動し始める。 親元にでも行くのだろうか・・・。 しばらくついていくと、実験上の奥深く、山のふもとエリアまで移動した。 必死なのかゆっくりだからなのか、多少雑な尾行でも気がつかない。 と、前方に1匹のゆっくりがいる。 ・・・って、ちょっと待て。 「ゆっぐり!」「むきゅん?」「ゆっ?」 そんな!?この実験場にゆっくりパチュリー、通称ゆっちゅりーはいないはずなのに!! 「ばぢゅりーー!!」「むきゅん!どうしたの?」「ゆっぐりー!」 えーと、あれは【2】の方か?どうやらとゆっちゅりーと知り合いのようだ。 ゆっちゅりーの方は怪訝な顔をしている。やっぱり識別できないのか。 「りぼんとれちゃったのーー!!」「むきゅん!むすべばいいのね!むきゅん!」「はやくつけてええええええええ!!!」 ゆっちゅりーは、すごい病弱だから、こういう野放しな実験場にはいないはずなんだがなぁ・・・? 「ありがとうぱちゅりー」「むきゅん!ええと、こうりつてきなりぼんのむすびかたは・・・」「ありがとう!ゆっくりむすんでいってね!」 なるほど、ゆっちゅりーが結んでいたのか・・・すげえなゆっちゅりー。メモメモ・・・。 でも、口だけでリボン結びか・・・どーやるんだろ? wktkしながら見守ることにする。 ・・・少し前は、wktkしていた。今ではirirしている。 かれこれ、半刻ほど待ってるが、ちっとも終らねー!! 「むきゅん!むきゅん!ぜー、ぜー・・・むっきゅん!」「ゆっくりがんばってね!」「ゆっくりはやくむすんでね!」 もちろんリボンは唾でベトベト、心なしか、ゆっくりれいむの後ろ頭がふやけてきた気がする。 ああ・・・自分の考え違いを悟った。 ゆっちゅりーはりぼんを結べない。そりゃそうだよな・・・だって自身の飾りがリボンじゃないものな。 自分の目が死んでいるのがわかる。ゆっくりした結果がこれだよ! 帰ろうかな・・・・?と思い始めたとき、待っていたゆっくりれいむ・・・【1】の方がりぼんを地面に置いた。 まさか・・・おまえまさか!!? 「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!」「むきゅん!!!」「ゆっ!!」 や、やりやがった!! 【1】がゆっちゅりーの帽子を、咥えて逃げた!! 「むきゅん!むきゅん!!」「そ、それはぱちゅりーのぼうしだよ!!かえして!!」 【2】とゆっちゅりーが【1】を追いかけ始めた!! ・・・・・・・・・が、ゆっちゅりーあっさり力尽きる。まさにゆっちゅりー。 「ゆっ!ゆっくりまっててね!」「おねがいいいいいいいいい!ぱちゅりーのぼうしがああああああああああ!!」 ボインボインと向こうに去って行く【2】をただただ見つめるゆっちゅりーと俺。 ただただ、しょぼーんとしているゆっちゅりーを見守る。 とばっちりだなぁ・・。かわいそうに。とニヤニヤしながら見守っていると、ゆっくりれいむが帰ってきた。 「ごめんぱちゅりー。ぼうしとられた」「ゆっ!ゆっ!ゆぐうううううううううううううう!!」 崩れ落ちるゆっちゅりー、慰めるれいむ・・・・。 でも、俺は見てしまった。 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 「帽子を盗んだゆっくりれいむを逃がしたのだと思っていたら、帰ってきてたのは帽子を盗んだ方だった」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった… 奪い合いだとか、ミイラ取りがミイラにとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいゆっくりの片鱗を味わったぜ…。 パチュリーは気がついてない。 種族が違うからなのか、飾り無し状態で出合ったからなのか、区別がつかないようだ。 「むきゅん・・・むきゅん・・・」「ぱちゅりー、なかないでええええええ!」 場に残ったのは、2本のリボンとゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 どうするんだろうこいつら。 内心すげーモヤモヤしている。本音を言うと、ぶっ潰してあげたい。 心の中で評議会が開かれ、ぶっ潰そう派が大躍進しているのを感じつつ、ぼーっと微笑ましい様を眺めていた。 ようやく、泣き止んだゆっちゅりーが動く。 「むきゅんむきゅん。ついてきて」「ゆ?」 ゆっちゅりーがリボンを咥えて、ポインポインとどこかに行き始める。 ついていくゆっくりれいむ・・・とはいっても、ゆっちゅりーの移動速度の方が圧倒的に遅い。 どんどん奥の方に向かっていく。そろそろ結界際だろうか・・。 正直、さっきのポルポル現象以上に驚くことはないだろう。物凄い冷めた自分の心を感じながら、ゆっくりついていく。 どうやらさっきの評議会は時間切れになったらしい。 次の議題は「ゆっちゅりーこそ、ゆっくりオブゆっくりである」だった。 評議会が全会一致で可決され、万雷の拍手が脳内に鳴り響く頃、それは現れた。 「むきゅん!ゆっくりしていってね!」「ゆっ!!ゆゆゆっ!!ゆっくり!?」 挨拶するパチュリー。困惑するゆっくりれいむ【1】。そして、 『ゆっくりしていってね!!!』 とてもでかい、ゆっくりれいむが、そこにいた。 昔、1度だけ見たことがある、突然変異体。あれはゆっくりレティと同じサイズだった。おおよそ3m。 それほどではないにしろ、目の前のゆっくりれいむは大きかった。 ゆっくりれいむの成長限界は、世間一般によると「椅子に丁度いいサイズ」おおよそ50cmぐらいだろうか? しかし、目の前のは、俺の身長の半分・・・いやそれ以上、1mほどだろうか。通常の倍ぐらいはある。 こいつなら、赤ん坊を食える。間違いない。 『ゆっ!ぱちゅりーどうしたの!?ぼうしないよ!』 「むきゅん・・・とられたの」「ゆっ・・・ゆっ」 なんという威圧感・・・。 小れいむと俺は言葉も無い。 『ゆっ!ゆるせないよ!!ぱちゅりーのぼうしとったの・・・・れいむー?』 「ゆっ!ち、ちがうよ!!」「むきゅん!やめて、ちがうの!」 心の中で突っ込む俺。 そのとおりですがなにか? 「むきゅん!いいから、むすんでれいむ」 『ゆっ?』「・・ぱちゅりーには、りぼんしかないから」「ゆっ!?れいむもむすんでほしい!!」 『わかったよ!ゆっくりしていてね!!』 そこからの光景は、正直、目を疑わざるをえなかった。 どうして、その、ゆっくり丸呑みおいしいです。と、言えるほどのデカ口デカ舌で、リボンが結べるのですか???? 「むきゅん!ありがとうれいむ!」「ゆっ!ありがとうおおきいおねえさん!!」 『ゆっくりしていってね!』 ゆっくりれいむは、リボンが結べる。 その事実が確認できたものの、俺は衝撃のあまり身動きが出来なかった。 『ゆっ!よるになるよ。ゆっくりとまっていくといいよ!!』 「むきゅん。ありがとうれいむ!!」「ゆっ?ありがとう!!」 ふと気がつくと、夕焼けが目に眩しかった。 もうじき日が沈み、辺りに暗闇に覆われるだろう。 ・・・ゆっくり達が巣に向かうのを、俺はノロノロとついていった。 「「『ゆっくりしていってね!』」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 巣の中に入る大きいゆっくりれいむ・・・・敬意を表して、マザーれいむと名づけることにした。 あとに続くのは、リボンゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 途端に中がにぎやかになる。何匹か子供たちがいるようだ。 ゆっくり達が夕食を迎えているころ、なんとなく、ただなんとなく、周辺を探ってみたところ・・・・見つけてしまった。 結界のほころび・・・木が倒れて結界にもつれ込み、その部分だけ、結界が避けていた。 結構範囲は広く、この分なら、マザーやゆっちゅりーが通り抜けるには十分だろう・・・。 余談であるが、加工場には1つの鉄則がある。 「ゆっくりを育てすぎない」 えさを与えれば与えるほど、ゆっくりはでかくなるが・・・でかいゆっくりは、餡子がパサパサしていて、はっきりいって不味い。 そのため、ある程度以上大きくなったものは、即座に収穫に回されるはずだ。それはこの加工場でも例外ではない。 せいぜいで20cm、初日の親れいむぐらいがせいぜいのはず。 ああ、間違いない。マザーとゆっちゅりーは、外から来た。 結界のほころびを、岩でふさいで、マザーの巣に戻ることにする。 ゆっくりアリスとか来てたら、もっととんでもないことになっていたから、まだよしとするべきだろうか・・。 巣に戻ってきたが、お客様が珍しいのだろうか、まだ騒ぎ声が聞こえた。寝静まるのを待つことにする。 結局、しばらく夜が更けてもまで騒いでいたが、マザーれいむの声が響く。 『ゆっくり眠ってね!』 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!」」」」「むきゅん!ゆっくりおやすみなさい」「ゆっくりするよ!!」 ああ、なんという統率だろう。 加工場のゆっくりしか触ったことがなかったことを、悔やまざるを得なかった。 最後の号令から待つことしばし・・・・おもむろに巣を覗き込み、全てのゆっくりたちが眠っているのを確認する。 【1】とゆっちゅりー。マザーと他、【1】より若干大きいゆっくりたち6匹・・・合計9匹がそこにいた。 全匹にナンバリングする・・・マザーには【M】、ゆっちゅりーには【P】、残りは【2】~【7】の連番だ。 そして、ゆっちゅりーと、ゆっくりれいむ【1】~【7】からリボンを抜き取った。 あとは前回と同じ、ゴージャスゆっちゅりー、すなわちゴゆっちゅりーの出来上がりだ。 内心モヤモヤしたものを抱きつつ、寝ようとするが・・・きっと、前回のようにはうまくいかない。その確信で眠れなかった。 いったん、加工場の方に戻り、餡子と・・糸を、持って行く。色は赤。 使うようなことにならないといいけど・・・と、無駄なことを考えながら、巣の脇でゴゆっちゅりー入りの透明箱を抱いて眠る・・・。 加工場との往復で疲れたのか、どうにか眠ることが出来た。 そして、朝が来てしまった。 「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。 抱きかかえたゴゆっちゅりーも箱の中で目が覚めて、 「ゆっくりしていってね!」 そして連鎖して声が響く。 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」 ざわざわと騒ぎになる。 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」 そう・・・ここまでは、前回と同じだった。 遅れて親れいむが反応する。 『ゆっくり落ち着いてね!』 「「「ゆっくりできないよーーーーーー!!」」」 『ゆっくり落ち着いてね!ゆっくり探してくるからね!ゆっくり待っててね!!』 ああ・・・くそ!!やはりマザーは餡子の容量が違うようだ。前回とは全く違うゆっくりっぷりに、歯を食いしばらざるを得なかった。 このままでは、マザーが表に出てしまう。遅ればせながら、ゴゆっちゅりーを巣の中に差し入れる。 「むきゅん!れいむーーー!」 『ゆっ!ぱちゅりー!』 それに気がつく親れいむと・・・ 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」 リボン無しの子れいむ達。 「むきゅん!!しらないひとがおそとにいるよ!ゆっくりほどいてね!!」 『ゆっ!わかったよ!!ゆっくりほどくよ!!』 「「「「ゆっくりはやくむすんでね!」」」」 ああああああああああああ、なぜゆっちゅりーをチョイスしてしまったのだろう。子れいむか、【1】にすればよかった!! 見ているうちに・・着実に、堅実に、結びなおされるリボン。 結んでいるマザーから聞こえる・・・鼻歌。 『ゆっゆっゆっゆっゆっ~♪ゆっゆっゆっゆっゆっ~ゆっゆっゆゆゆぅ~♪』 ああ・・・その歌を聴きながら、絶望と共に確信した。 ゴれいむは、ゆっくりなゆっくりにしか、加工場で育ったようなゆっくりにしか、通用しない。 俺の、初日の実験は、まったくもって、意味がなかった。 あ、あ、あ、・・・・ああああああああああああああああ!!!! 俺の何かが、音を立てて崩壊していく。 「ゆっくりしろモーニングああああああああああああああああ!!!」 「「「「『ゆっ!!』」」」」 マザーの巣はでかい。人間が入る分には十分だった。 「うおおおおおおおおおおおお!!!」 むすび直されたゆっちゅりーのリボンを真っ先に向かい、そのまま子ゆっくり達からリボンを抜き取る。 「うああああああああ!!」「おじさんゆっくりできないひとだね!!」「ゆっくりしね!!」『でていってね!』 ガフッ!!ぐぐっぐ・・・マザーの体当たりが顔面に直撃する。首がもげるかと思った。 「うおおおおおおおおおおお!!」 『ゆっ!!ゆっくりはなしてしね!!』「「「「ゆっくりしね!!」」」」 足を奥にいれこみ、マザーをがっちりホールドする。手は向かってくるゆっくりれいむ【1】~【7】から着実にりぼんを奪う!! 「「りぼんかえして!」」「ゆっくりできないひとはあっちいってしんでね!!」「ゆっくりしんでいってね!」 ボインボインボインボインと体当たりを食らいながら、奪ったリボンを持ってきた赤い糸で連結していく。分厚く重ねて解けないようにしつつ、雑に結んでいく・・・。 「おかおをねらうのよ!!」 ゆっちゅりーの指示が飛ぶ。 容赦なくアゴや顔を狙ってゆっくり達が飛び掛ってくる。ボイン!ボイン!!ボイン!!!ボイン!!!ゴッ! ・・・今のはいい一撃だった。二段ロケットのごとく、ゆっくりれいむのジャンプを利用し、鼻をめがけて飛んできたゆっちゅりーによって鼻血が吹き出た。 だがしかし、リボン改め、多数連結式鉢巻が完成した!!! すかさず親ゆっくりの頭に巻く!もちろん固結びでこれでもかというほどきつく結ぶ。 「ははははは・・これでも、お前に、りぼんが結べるのか?」 そう告げた。そこに油断はなかった。そのはずだった。 『ゆっくりーー!!!』 ドゴッ!! マザーの渾身の体当たりによって、巣から吹っ飛ばされる。 「うおおおおおおお??ガッ!!」 そのまま転がり、木にぶつかる。頭を打ったのか、一瞬意識が飛んだ。 そこに、 『ゆっくりして逝ってね!』 転がってくるマザー!! ゴシャァ!! いくらゆっくりが柔らかいとはいえ・・・木とサンドイッチされ、後頭部を強かに打ちつけた俺の意識は、あっさりと遠のいた。 「むきゅん!「「「「これじゃゆっくりできないよーーー!」」」」」 遠のく耳に届いたのは、マザー以外のゆっくりたちの声だった・・・。 意識が戻ったときには、すでに日が暮れていた。ものすごい吐き気と・・・自由にならない体。 そこらへんにあるようなツタで、木にがんじがらめに縛られている。きっとゆっちゅりーの差し金だろう。 「おれが遅い?おれがゆっくり??」 もっと準備を整えれば、もっとタイミングを見計らえば・・・。 脳内に、ジワジワとしみこむ、敗北の記録。 「・・・・・・俺は敗者だ!! 負け犬だああああああああああああああ!!!」 流れる涙を拭う事も出来ない。夜が更けるまでただただその場で泣き続けた。 その後だが・・・ 「ぐおおおおおおおおおお!!」 ツタは頑丈で、ほどけやしない。 「うおおおおおおおおおお!!」 無理やり、木と自分とのスキマをつくり、半転。 腕とかかっちり結ばれてたらどうなっていたことやら・・・。 次に、ツタを左右で引っ張って支えとしながら木を上る。 最後に、木からツタを抜き取って、どうにか開放できた。 夜間の作業で、かなり大変だった・・・。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 この間、泣きっぱなし。 意外に血涙にはならないな・・・と、心のどっかが剥離したようにつぶやく。 「ゆるさんぞゆっくりどもめ!!ジワジワと嬲り殺しにしてくれるわ!!!」 涙を止めて、熱い決意と共に、目の前のマザーの巣に入った。 しかし、そこにいたのはマザー達ではなく、 「「「「ZZZZZZZ」」」」 よりにもよって、いつものゆっくり魔理沙シスターズだった。ナンバリングもそのままだった。 たぶん、空っぽの巣を見つけて、住み着いたに違いない。 ・・・ゆっくり理解する。逃げられた。ゆっくりした結果がこれだよ!!! 収まりつかなかったので、ゆっくり魔理沙シスターズの帽子を全部奪いとり、縦に重ね、赤い糸で結んでやる。 これぞ、多連装式ゆっくりまりさ帽子。せっかくなので、【3】のまりさにかぶせてやった。 朝にはまだ遠い・・・巣の脇で泣き寝入りすることにした。 「ぐぐぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」 この屈辱、忘れるものか。 つづく。 今回の実験結果のように見えなくもないオリジナル設定: 1.ゆっくりの飾りには所有権があり、前の持ち主はわかるが、前の前の持ち主はわからない。 このことから、飾りを奪われた場合に「どのゆっくりが奪ったのか」まではわかる。 ちなみに、ゆっちゅりーさんの帽子は、 「奪って」「奪い返された」ので、もうゆっちゅりーさんにはわからない。 2.ゆっくり子れいむはリボンを結べない。成長すると結べる個体がいる。 3.野生のゆっくりはつよい。 4.ぱっちゅんは郊外型実験場ではレア。(病弱すぎるので、主に室内での実験用素体となるため) 5.ゆっくりれいむは加工場では50cmぐらいにしかならない。 すごいゆっくりはその限りではない。 遅くなってしまい、 ゆっくりいじめ系110 髪飾り or fuku0692.txt & fuku0779.txtの兄貴や、 ゆっくりいじめ系104 ゆっくりみじめ or fuku0680.txt の兄貴には申し訳ない。 あと、fuku0845.txt と fuku0779.txt には愛を。 大戦争「異端ゆっくりvsゆっくり」はやろうかと思ったけど、 望んだ結末にもっていけないので悩んでいたんです。 他の誰かがやってくれる。こんなにうれしいことはない。 ちなみに、ゆっちゅりーさんを出す予定は全くなかった。 fuku0787.txt の影響だと思う。いいよね・・・知識あるのに空回りするゆっちゅりーさん。 ゆっくりした結果が(ry このSSに感想を付ける
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ゆっくり探偵~安住を許されないゆっくり一家 まずはじめに夜中にゆっくり一家の巣に忍び込み、一匹だけをまるかじりで無残に食い散らかす。 朝方になってゆっくり共が起き出して事件が発覚する。 パニックになったところで探偵役として参上。 この巣の地下にはゆっくりヤマメが住んでおり、 食べられるだけじゃなく感染症も起きるからこの巣から引っ越したほうがいい、と吹聴する。 馬鹿なゆっくり共は話を真に受け恐怖に怯え安住の地を捨てあてもなく彷徨う。 あらかじめ用意していたGPSを母親ゆっくりの頭部に忍び込ませておくのも忘れずに。 ようやく新しい巣を見つけて安心したその夜に忍び込み、再び一匹を噛み砕く。 翌朝も同じ内容の嘘をゆっくり共に聞かせ、「ゆっぐりでぎないよ!」 「ゆっぐりでぎるおうぢが欲じいよー!」と泣き顔で再び引っ越しを始めるゆっくり一家。 引越し→ストーキング→捕食→引越し・・・の繰り返しで、 一日たりとて安住の地を作らせずに見えない不安と恐怖で真綿を絞めるように 数ヶ月かけてゆっくりとゆっくり一家を絶やす。ゆっくりできなかった結果がこれだよ!
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*警告* 現代物です。 80字改行です。その辺案配していただけると読みやすいです。 うんうんあります。 ↓以下本文 「おねえさん! かわいいれいむをゆっくりさせてね!」 家路を急ぐ私を呼び止めたのは、バレーボールより少し小さい、紅白のおまんじゅう だった。amazonの段ボールにはまりこんだ、ふてぶてしい顔。おでこに『ひろってくださ い』と書かれた紙が画鋲でとめられていて、キョンシーのお札みたい。 「ゆっくりかぁ。拾ってあげてもいいけど……あんた一匹?」 「れいむはひとりだよ! ゆっくりていせいしてね!」 「さよなら」 「まってね! れいむはいっぴきだからいっしょにゆっくりしてね!」 「ふーん」 「おねがいしばず! せっかくだからでいぶをゆっくりさせてくだざいい!」 こうして私はゆっくりれいむを手に入れた。 「ただいまぁ」 「ゆっくりするぶぎゅ!」 靴を脱いでいる間に箱から飛びだそうとするれいむを、慌てて押しとどめた。土足で踏 みにじらせるとかありえない。 「あんた汚いでしょ!」 「でいぶはきたなくないよ!」 「いいからあたしが着替えるまでおとなしくてなさい。箱から出てたら叩き出すわよ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 とりあえず額のお札だけ剥がして、玄関に置いておくことにした。着替える間、意外にお となしく待っていたれいむを箱から取り出す。両手で持ちあげると、落ち着かないのかぷ るぷる左右に震えてる。 「ゆふーん、はずかしいよ!」 まんじゅうのクセに顔を染めないで。キモいから。れいむを小脇に抱えると、お風呂場に 放り込んだ。一応これ、食品でいいのよね。桶にためたぬるま湯で、中性洗剤を適当に薄 める。 「お、おねえさん! みずさんはゆっくりできないよ!」 「あんたが汚いとあたしもゆっくりできないの」 「やべ、やべでがぼっ!」 白目になって歯を剥いているれいむを構わず両手で沈めると、なんかものすごい悲鳴をあ げはじめた。目と口からしみてるんでしょうね。あとでジュースかければ復活するでしょ。 私は痙攣している間に洗ってしまうことにした。 皮を破ってしまわないよう、気を付けて揉み洗い。地面に触れている底はとくに念入り に。ゆっくりだし、髪の毛も洗剤でいいや。ざぶざぶ洗って泡をシャワーで流したらでき あがり。あとは布巾ででも水気を取って、ドライヤーで乾かせばいいかな。 「ゆっ、ゆっ? すっきりー!」 「あたしが洗ってあげたんだからね」 「おねえさんゆっくりありがとう!」 テーブルに置いた布巾の上で白目を剥いているれいむを肴に、湯上がりのおビールを嗜 んでいると、半分くらいになった頃にやっと復活した。奇麗に洗って乾かしたから、寒空 に晒されていた時と比べてなかなかもっちりぷるんぷるんになっている。どういうわけか、 それは自分でもわかるみたい。もにもにと自分を確かめて、嬉しそうな顔をしているれい むを横目で見ながらビールを一口。 「ゆっ! おねーさん、ゆっくりできそうなおかしだね!」 「あ、ダメ!」 私が手を出すよりはやく、れいむはおつまみにしていた柿ピーの小皿に顔を突っ込んだ。 「むーしゃ、むーしゃ、ゆ゙ぎゃ゙あ゙あ゙!」 ガクガク痙攣し始めたれいむの半開きの口に手を突っ込んで、柿ピーを取り出す。ゆっく りは本当に人の話を聞かないのね。こいつが捨てられたのもわかる気がする。口から垂れ ている砂糖水を布巾で拭いて、べたべたする手を洗う。 「これどくだよ! しぬかとおもったよ!」 「これに懲りたら人間の食べ物を食べようとしないことね」 そうは言っても、ゆっくりの餌になるようなものはよく考えたらウチにはないような。 「あー」 そういえば、去年くらいに買ってそれっきりの缶詰のあんこがあったはず。台所をがさが さ探すと、ツナ缶のところにやっぱり缶詰があった。これならゆっくりでも食べられるは ず。別に温めなくてもいいよね。缶切りであけて二掬いくらい小皿にとった。ゆっくりの エサは明日買ってくるとして、それまでこれでもたせよう。 「ほい。おかわりはないからね」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 うわっ、一舐めで食べちゃった。涙まで流して喜んでるみたいだし、これでよさそうね。 このあんこゆっくり100%だから、毒になるってことはないでしょ。置いてある物には絶対 触らないとか、騒がないとかなんやかや教えてる間にうつらうつらし始めたから、段ボー ルに雑巾敷いた巣箱に放り込んだ。下膨れのウザ可愛い寝顔をつつくと、ゆぷー、だのぷ にゅー、だの寝言を言い始めた。おとなしくしていれば、こんなのが部屋にいても別に嫌 じゃないような気がしてくるのが不思議なものね。 「なんであんこが落ちてるんだろ」 「れいむのうんうんだよ!」 なんですとー?! まんじゅうのくせにうんうんとか、しかも床に! 私のどようびー は朝からぶちこわしです。本当にありがとうございました。軽くググったら、ゆっくりに はうんうんと称して古くなったあんこを排出したり、しーしーと称して砂糖水を出す種類 もいることがわかった。そして、簡単にその機能が排除できることも。あんこは拾って捨 てるだけだけど、砂糖水をその辺に撒かれたりしたら、たまったもんじゃない。 「おねえさん、れいむとゆっくりしてね!」 「少し待ってなさい」 足にぼいんぼいん体当たりしてくる柔らかい物体を軽く踏んづける。ぶにょっとした感 触が逃れようともがくのは、なかなか珍妙でくすぐったい。さっき動画で見た通りに小麦 粉を水で練って皮をつくって、昨日あけたあんこ缶を冷蔵庫から出しておく。 「ゆっ、ゆっ?」 「あったあった、これね」 ひっくり返すとそれらしいすぼまりがあった。ゆっくりがまむまむとあにゃると称する 器官のようなもの。ひっかき傷のために犬猫の爪を抜いてしまうのは可哀想だし、何か違 う気がする。飼い主の義務の避妊手術とは違うと思うし。でもゆっくりは生き物じゃない。 人間の都合で飼う、生命の尊厳ある動物とは違うんだから、いちいち面倒につきあうのは イヤ。私はれいむの下膨れのあごのあたりにりんごの芯取りを押しあてる。あんまり気持 ちのいいものじゃないけど我慢がまん。 「おねえさん、なんだかちくちくするよ! ゆっくりやめてね!」 ゆっくりとは、うまくつきあうコツがある。常に強気であたること。理解するまで教え ること。言うことに耳を貸さないこと。どうせ大したことは言ってないから。 「ゆ゙ぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」 じたじた暴れるれいむを押さえつけ、芯取りをねじこむ。皮を突き抜いてしまえば、あと は中身のあんこだけ。いっぱいまで突き入れた芯取りを引き抜くと、皮とあんこが繋がっ てまとめて出てきた。れいむが白目になって固まってる間に、次の処置。昨日のあんこを 際まで指で詰めて、さっき練っておいた皮でふたをして、指の腹で伸ばしてひろげる。 ぎゅっとおさえて張り付けたらできあがり。次は後ろを向けて、あにゃるも同じようにま わりごとくりぬいて、あんこを詰めて小麦粉で塞ぐ。二回目になれば慣れたものです。こ んな技術には習熟したくないものです。 「おねえさん、うごけないよ! れいむをゆっくりおこしてね!」 「今起こしてあげるから、ゆっくり待ってなさい」 朝ご飯のゆっくりシリアルをぼりぼり食べていたら、台所に放置されていたれいむの声 がする。知らなかったけどゆっくりはひっくりかえしておくと動けないみたい。今度何か 悪さしたらひっくりかえしてお仕置きね。 「おー、ぴっちりふさがってる」 「ゆゆっ、くすぐったいよ! おねえさんなにいってるの?」 「こっちの話」 裏返しのれいむのあんよのあたりを撫でてみる。皮は完全に馴染んで、そこに器官のよ うなものがあった形跡はカケラもない。ひっくり返してやると、ぽいん、と飛び降りて、 こちらを向いて嬉しそうに跳ねた。 「ゆっくりしていってね!」 「はいはい、ゆっくりしなさいよ」 以降、れいむがうんうんやしーしーをすることはなくなった。単に塞ぐだけじゃなくて、 そのあたりの中身ごと切除すると、自分がそんなものを出していたことも忘れるみたい。 後日、私が出かけている間にれいむがおうたと称してゆんゆん騒いでいたそうで、目玉 を取り外して手を突っ込んで、左上あたりのあんこを一掴み入れ替えるハメになったのは また別の話。 書いた物リスト 紅魔館×ゆっくり系12 突発ゆっくり茶会 ゆっくりいじめ系464 森に魚を求める ゆっくりいじめ系540 ゆっくり水雷戦 ゆっくりいじめ系1097 アストロン ゆっくりいじめ系1014 どすのせいたい ゆっくりいじめ系1907 品評会 ゆっくりいじめ系2137 朝の光景 ゆっくりいじめ系2200 街はゆっくりできない その他 ゆっくりの手引き ゆっくりいじめ小ネタ259 緩慢しんぼ ゆっくりいじめ小ネタ364 ぱちゅりーにごほんをよんであげよう