約 532,732 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2341.html
ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 20KB 虐待-普通 観察 自業自得 家出 現代 うんしー 雑文なので続きは無いです。 虐待とは言えない内容。 誰も死なない。 人間あり。人間のスカトロ描写あり。 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 本日はとあるれいむを追ってみる事にしましょう。 れいむはいつも野良に憧れていました。 野良は好きな時にお外で遊べる。 野良はいつでも自分のしたいことが出来る。 野良は飼いゆっくりのように生活を縛られない。 野良はとても自由だ。 れいむには野良ゆっくりがそう映っていました。 この家を出よう! そう決心するまでに日数は掛かりませんでした。 ゆっくりは自分の欲に忠実です。 後先よりも、目先を目指してしまう個体が多いのが、 この脆弱な生物の大きな欠点です。 そうと決まれば膳は急げ! 飼いゆっくりの証であるバッヂが汚れていると言って洗ってもらっている今、 空気の入れ替えに飼い主が空けた窓から外に出れば誰も自分を飼いゆっくりとはわからないのだ。 部屋に誰もいなくなった事を確認すると、れいむは窓から外へ飛び出しました。 これで晴れて野良の仲間入りです。 もう家には戻らないとれいむは決心していました。 いえ、この広い世界こそがれいむの家だと思っていました。 しかしれいむを待っていたのは厳しい現実でした。 「ゆー、れいむはおなかがすいたよ。 おねーさん、おかしちょうだ……い?」 家を出ていつもは決まった範囲しか散歩できなかったので、 好きなように街を歩き回った結果、 いつものようにお姉さんと散歩に出かけたと勘違いし、 居もしないお姉さんにおかしを要求していました。 「おねーさんどこいったの? れいむはおなかがすいてるんだよ!?」 れいむのなかでは、 お姉さんがれいむを置いてどこかに行っている事になっています。 これもゆっくり種によくある、都合の悪い事をすりかえるという行動です。 「ゆっくりできないおねーさんはもういいよ! れいむはほかのひとにおかしをもらうよ!」 れいむの知っている人間は全員お菓子をくれていました。 知っているのがゆっくりを飼っている人や、お姉さんの知り合いばかりだからです。 だから人間は全てゆっくりに…自分に食べ物を用意してくれると勘違いしていました。 最初は分をわきまえて生きていても、ゆっくり種は環境に慣れると傲慢になるモノが多いようです。 このれいむも、野良に憧れる前は分を弁えていたようですが、すでに見る影もありません。 しかし、そんなれいむもすぐに現実を知る事になります。 「おにーさん、れいむにおかしをちょうだいね!」 自分の飼い主にもらいなさい。 「おねーさん、れいむにおかしをちょうだいね!」 他人のゆっくりに何かをあげると、 躾に影響があるからそう言う事は出来ないの。 ゆっくりが浸透している現在は、 ゆっくりの躾については大体の人が知っており、 中途半端に他人が他人のゆっくりに干渉するのはよくない事だと認知されています。 「ゆぅ……なんで? なんでだれもおかしくれないの?」 すでに夕暮れ。 お昼ご飯を食べていないれいむはおなかがペコペコです。 「ゆぅ、おうちかえろう……」 自分が家出をし、 居もしないおねーさんを見限った事をすっかり忘れ、 れいむは家に帰ろうと動き出します。 しかし…… 「ゆわぁぁあぁぁぁん!!! ここどこぉおぉぉぉぉぉぉ!!!!」 れいむは動き回ったせいで、 自分の知らない場所に居ました。 距離的にも3km程度家から離れています。 「おねーざぁぁぁん、なんでむがえにぎでぐれないのぉぉぉぉ!!!!」 基本的なゆっくりは人間の幼児と同じ程度の知能です。 それに我欲の強さが重なり、自分の都合で全てを他者の責任へと転換します。 良く言えばポジティブであり、脆弱な生命として生きていくには必須の能力とも言えます。 「ゆぅ……たべものさんさがすよ……」 泣きつかれ、せめて空腹を満たそうとします。 しかし、野良歴四分の一日程度のれいむに、 食べ物がどこにあるかなどという知識はありません。 食べ物は誰かが持ってくる、 持ってこなくても探せば必ずどこかにあるもの、 そういう知識しかありません。 「なんでたべものないのぉぉぉぉ!!!!」 何が食べれて何が食べれないか、 そんな事以前にれいむは家の中と外をごっちゃにしていました。 家の中のように、台所を探そうとしていたのですから、 食べ物が見つかるはずもありません。 「ゆ?どうしたのかしら?」 おや?野良のゆっくりが来たようですよ。 れいむに声をかけたのはゆっくりありすでした。 見た目にも野良とわかる程度の汚れはありましたが、 野良にしては清潔そうな汚れの少なさです。 「ゆぅ、れいむはおなかがすいてるんだよ……」 「あなたはかいゆっくりでしょう? おうちにかえればいいじゃない」 『かいゆっくり』 という言葉でれいむは思い出しました。 自分は野良に憧れて外に出たのだと。 「ゆゆ! ちがうよ、れいむはのらになるためにいえをでたんだよ!」 その結果がこれだというのに、 またしても都合の悪かった事を忘れています。 「なぜのらにあこがれるの?」 「のらはじゆうなんだよ! かわれるとじゆうじゃないんだよ! だからのらになったんだよ! それもわからないの?ばかなの?」 「そう。そのままかわれていればしあわせだったのに……」 ありすは呆れたというよりは哀れに思いました。 このれいむは世界を知らなすぎている。 このれいむはきっと深く後悔して死んでいく。 と。 「かわれるなんてしあわせじゃないよ! ゆ!?わかったよ! ありすはのらがふえるのがやなんだね! じぶんだけがゆっくりしたいだなんて、 ごうまんだね!ゆっくりできないありすはさっさときえてね!」 「そうね、ゆっくりできないのらはさっさといくわ。 わたしもおなかがすいているし」 ありすはゆっくりにしては知性と大人の精神を持っていました。 一般的な通常のゆっくりなら、 今のれいむの態度で激怒していてもおかしくありません。 「ゆ! そうだよれいむもおなかすいてるんだよ! ゆっくりできないありすはれいむにごはんをちょうだいね!」 「のらとしていきるんでしょう? だったらのらはじぶんでごはんをさがすのよ。 だってのらはじゆうなんでしょう? それならごはんをたべることもさがすこともじゆうなのよ」 飼われていた頃は礼儀も良く、 他者を刺激するような事も言わなかったれいむは、 一体どこにいったのかというほどの見る影の無さです。 ゆっくりが潜在的に持つ、ゲスの因子なのでしょうか。 「わけわからないこといわないでれいむにごはんをちょうだ…… まってよぉぉぉ!なんでどっかいっちゃうのぉぉぉ!!!」 ありすはもう聞く耳を持たずにさっさと行ってしまいました。 追いかけようにも、空腹感に弱い飼いゆっくりでは、 空腹を我慢できる野良ゆっくりに体力では勝てません。 「ゆぅ……ゆっくりできないありすのせいでまたおなかがすいたよ!」 責任転嫁もここまでくると清清しさを感じてしまいますね。 おや?近くでゴミを漁る音がしますよ。 「まりさ、きょうはどう?」 「ゆぅ、きょうははずれだったよれいむ……。 にんげんさんがたべれなかったものをすてるのはきょうじゃないみたい……」 「ゆぅ……」 野良のまりさとれいむです。 会話の内容からすると、それなりに野良を続けていたとわかります。 汚れ的にもそれを物語ります。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 れいむはお決まりの言葉で二匹の気を引きます。 この言葉は本能に染み付いた言葉で、 ゆっくり種であれば同じ返事を返さずにはいられない魔法の言葉です。 「いいところであったよ! れいむにごはんをわけてね!」 「ゆぅ、ざんねんだけど、ここにごはんはないよ」 「ごはんがほしかったらほかをあたるといいよ」 「ゆゆ!? のらのくせにごはんももってないの?」 れいむの中の野良の定義、 いつでも好きな時にご飯を食べられる。 それがまだ残っているようです。 この言動で、野良まりさと野良れいむは、 このれいむが飼いゆっくりだと理解しました。 「かいゆっくりならいえにかえってごはんをたべればいいよ」 「そうだよ、れいむたちみたいにうすぎたなくいきなくていいんだよ」 なんと優しいゆっくりでしょう。 先程のありすといい、この街の野良ゆっくりは、 自分達の身の程をしっかりと弁えて生きているようです。 このまま躾が行き届けば、立派な飼いゆっくりになれるかもしれませんね。 「なにいってるの、 かいゆっくりなんてふじゆうでしかないんだよ? かわれたことがないからわからないんだね! せけんしらずなんだね!むちなんだね!」 野良ゆっくりへの憧れが抜けきっていないれいむは野良二匹を罵倒しています。 これが野良ゆっくりの姿であると、まだ気付けずにいますね。 野良に対する自分の言動と、野良となった自分の立場の矛盾にも気づいていません。 「まりさ……」 「わかってるよれいむ。 このこには、のらのきびしさをおしえてあげないと」 おや? まりさがなにやら食べ物のようなものを帽子から出しましたよ? おそらく今夜食べようと思っていた食べ物でしょう。 保存をしておく習慣まであるとは、いやはや野良にしては優秀です。 「ゆ?たべものさんだね! さっさとれいむにちょうだいね!!」 このれいむにつける薬があるとすれば暴君ハバネロでしょうかね。 「これはまりさとれいむがひっしになってみつけたごちそうだよ。 それでもたべて、のらとかいゆっくりのさをしってね」 そう言って二匹はさっさと去っていきました。 れいむは空腹からか、大急ぎで食べ物に飛びついています。 「ゆっ!?」 おやおや? なにやらようすがおかしですね? 「ゆげぇ!! なにこれぇぇぇぇえ!!! くさいよぉ!!! おいしくないよぉぉぉ!!! ゆっくりできないよぉぉぉ! だまじだなぁぁぁぁあ!!!!!」 なるほど、生ゴミでしたか。 飼い生活の長さで舌の肥えたれいむに、 野良のご馳走はやはりゴミなのですね。 「ゆぅ……ゆっくりできないのらがおおいよぉ……。 あのゆっくりしたのらみたいなまりさをさがすよ……」 れいむは空腹が限界ですね。 ナレーションがこういうのもなんですが、 とても惨めで大馬鹿です。 「ゆ?」 「むーしゃむーしゃしあわせぇ!」 おっと、今度は別の野良まりさです。 どうやらご飯にありつけているようですね。 「まりさ、まりさはとってもゆっくりしたのらだね!」 「ゆ? だれ?」 「れいむはれいむだよ! まりさ、たべものさんをわけてね!」 図々しい……誰かハンマーを…… ゴホンゴホン、失礼しました。 本当に失礼なれいむですね。 まりさ、怒ってもいいですよ? 「これはまりさのごはんなんだぜ! かいゆっくりはさっさといえにかえれだぜ!」 おや、このまりさは「だぜ」口調ですね。 なかなか長い野良生活を送っていると見ました。 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉ!! れいむはおながずいでるんだよぉぉぉ!!」 ちょっと誰かハンマー持ってこいや! ……あぁっと失礼。 先程から優良ゆっくりばかりで、 性格悪いゆっくりに対する耐性が薄れてしまいました。 もう大丈夫です。 「かわれてるならさっさといえでごはんをたべればいいんだぜ。 ばかなの?しぬの?」 「れいむはのらなんだよ! かいゆっくりなんてゆっくりできないゆっくりじゃないよ!! まりさこそそんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 これはまりさが襲い掛かってきても仕方ない状態ですね。 ていうか襲え。 「……わかったんだぜ、じゃあこれでもたべるといいんだぜ」 おや、やけにあっさりですね? 「ゆゆ! わかればいいんだよ!」 ………………………………。 「ゆぎゅ、ごれはゆっぐりでぎないよ! べつのをちょうだいね!!!」 「それがまりさのごはんだぜ。 それがたべれないようならのらなんかやめてっさっさといえにかえるんだぜ。 まだまにあうんだぜ。」 なんてこと、このまりさも優良ゆっくりだったなんて!! わたくし、感動いたしました!! そしてれいむには最初からずっとですが、失望しました。 「ゆぐぐぐぐ!! そうやってごちそうをかくすつもりだね!! ゆっくりできないまりさはしね!!!!」 ついに実力行使に出たようです。 ……早く潰されろ。(小声) 「ゆぎゅ!」 おっと、まりさは華麗に回避しましたね。 どうやられいむは、まりさが集めたご飯の中にダイブしたようです。 「ゆぎゃああああ!!! ぐざぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 憧れの世界ではご馳走である生ゴミの中にダイブして臭いとは酷いですね。 「それがまりさのごはんぜんぶなんだぜ。 ぼうしのなかもなにもないんだぜ。」 「うるざぁぁぁぁい!!!! ゆっくりできないまりざはじねぇぇぇぇぇぇ!!!」 もうご飯どころではないようですね。 まりさを殺す事意外頭に無いようです。 「ゆっくりできないのはれいむのほうなんだぜ!!!」 「ゆぎゅぶ!!」 やはり肥えた歴戦の野良の体力には勝てないようですね一撃で吹っ飛ばされています。 「もうくるなだぜ!! かんちがいかいゆっくりのかおはもうみたくないんだぜ!!」 「ゆ、ぐ……」 そこだ、そこで追い討ちだまりさぁぁぁぁ!!! あぁもうじれったい!! 手が出せないナレーションという立場をここに来てようやく呪いました。 「ゆ……ぅ、おねぇざぁぁぁぁん……! どぉじで、だずげでぐれないのぉ……!」 這いずり回っていますね。 醜い。(小声) 家出をしたという事を忘れていますね。 これで何度目でしょう。 おや?また新たな影が近付いてきていますね。 「かいゆっくりがそんなところでなにしてるんだぜ?」 「ゆぅ、れいむはのらだよ……かいゆっくりとはちがうんだよ!」 まだ言ってます。 影の主は野良まりさですね。 「のらにしてはきたなくないんだぜ」 「きょうのらになったばかりなんだよ! そういうまりさはくさくてきたないね! ゆっくりできてないよ!!!」 さっきまで野良の近距離まで近付かなかったから臭いが気にならなかったんでしょう。 普通に考えれば野良は汚くて臭いとわかるものですが。 脳内……いえ、餡子脳フィルターがかかってたのでしょうね。 「へんなかおのれいむにいわれたくないんだぜ」 「ゆ!れいむはへんなかおじゃないよ! ていせいしてね!!!」 「じゃあそこをみるんだぜ」 まりさが示したのは鏡。 自分の姿を見ろという事でしょう。 「ゆ? なにこのきたないれい……む?」 あらあら、固まっちゃいましたよ。 「ゆあああぁぁぁぁぁ!!! でいぶのぎれーながおがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ゆっくりの基準はわかりませんが、 その叫び顔はたしかに醜いですね。 「ゆああああああああん!!!!!」 「きたないれいむにきれいなかざりはふつりあいなんだぜ」 おや、まりさがれいむに近付いていますね。 これは期待通りの展開になりそうですよ! 「ゆ!? なにずるのぉぉぉ!! でいぶのおりぼんがえじでぇぇ!!!!」 「ゆっへっへっへ!! このりぼんはまりさのれいむのためにもらってくんだぜ!!! きたないれいむはこのきたないりぼんがおにあいなんだぜ!!!」 そう言ってまりさはれいむのリボンを盗み、 代わりに汚くボロボロになった、おそらく番のリボンを落としていきました。 何だよもっとやれよ。(小声) 先ほどは正面から生ごみに突っ込んだだけだったので、飾りは綺麗なままなのですね。 「こんなぐざいのいやだよぉぉぉぉお!!!!」 どうやら死臭はしないリボンのようです。 でも、綺麗好きの飼いゆっくりとしてはこの汚いリボンは、 死臭にも劣らないゆっくり出来なさがあるのでしょう。 「ゆぅ……れいむのおりぼん……」 結局れいむはリボンをつけなかったようですね。 プライドだけは高かったようです。 プライドでお腹は膨れないとはよく言います。 「かざりがないこがいるねーわかるよー」 この喋り方はちぇんですね。 しかし攻撃するでも汚らしく見るでもないようです。 「れいむはおりぼんさんをぬすまれたんだよ……。 すごくかわいそうなゆっくりなんだよ……」 「わかるよー、わかるよー。 きれいなかざりはぬすまれやすいからねー、わかるよー」 「じゃあちぇんははやくれいむをたすけてね! あまあまをもってくるだけでもいいからたすけてね! こんなかわいそうなれいむがめのまえにいるんだから、 たすけてとうぜんなんだよ! これはしぜんのせつりなんだよ! わかったらはやくごはんをもってきてね!」 「わかるよーみじめなんだねー。 でもかいゆっくりならいえにかえればいいんだねーわかるよー」 このちぇん、まったく動じないところを見るとおそらく長く生きていますね。 飾りをつけていない事についてあまり言及もせず、 一歩引いた位置から静観しているのも、観察しているという事なのでしょう。 「ゆがああああああああ! なんでたべものをくれないの!? こんなにかわいそうなれいむがたのんでるんだよ!? はやくもってこぉぉぉぉい!!!!」 「わかるよー、みじめなれいむはじぶんでかりもできないんだよねー。 だからだれかにめいれいすることしかできないんだよねー。 そんなだめゆっくりがのらでいきていけるはずないんだよねーわかるー?」 挑発的ですねこのちぇんは。 しかもすごい口数の多さ。 これも生きた長さを示しているんでしょうか。 「ぅぅぅぅぅぅうううう!!! ゆっくりできないちぇんはしねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 「これでせいとうぼうえいなんだねー、わかるよー」 「うぎゅべぁ!!」 ひらりとかわすちぇん。 そして間髪いれずにタックル。 まったくもって喧嘩慣れしていないれいむは餡子を吐きながら転がっています。 それにしてもれいむは堪忍袋がすぐ破裂しますね。 「そんなんじゃ、ぱちゅりーにもかてないよー。 はやくいえにかえるんだねー、わかってねー」 この町の野良は本当に優良ですね。 下手に飼いゆっくりを攻め立てないのは後々の事を考えてなのでしょう。 賢いです。 実に飼いゆっくりに適しています。 「ゆぐぐぐ……ちょっとすべっちゃったけど、もうゆるざないよ……!」 突き飛ばされてから2分経ってようやく立ち上がるれいむ。 おそらくすぐ立ち上がった気なのでしょう。 気絶していたのにも気付かずに。 「ゆ!?ちぇんがいないよ! にげたんだね!ひきょうものだね! れいむのちょーすぴーどについてこれなかったんだね!」 さっきのを自分のミスで転んだような感じで脳内変換しているのでしょう。 なんという餡子脳。 というか、どんどんこのれいむは馬鹿になってきていますね。 そろそろ終わりでいいよこいつ。(小声) 「ゆぅ……まっくらになっちゃったよ……。 おねぇざぁぁぁぁぁんむがえにぎでよぉぉぉぉ!!!」 そうこうしている間に夜になりました。 町の夜とはいえ、民家では街灯だけではあまり明るくありません。 そして現在夜11時。 いろんな危ない者が通る可能性があります。 野良れみりやもいる可能性がありますし、 夜出歩くゆっくりはれみりやレベルの強さを持つゲス系ゆっくりの可能性もあります。 「うっ……まずい飲みすぎた」 あとこんな酔っ払いとかね。 テンプレを期待します。 おっと、れいむも酔っ払いに気付いたようです。 「ゆ!おじさん、れいむをおうちにつれてってね! あとあまあまをちょうだい!」 「あぁぁぁぁ……ん? ゆっくりかぁ……こんな夜に珍しい」 「きいてるの?! れいむをはやくおうちにつれていってね! まったくよっぱらいはこれだからぐずなんだよ! そんなんだからしゅっせできないんだよ!!」 「なんで野良のお前をうちに連れてかなきゃならんのか……うぅ」 れいむは「れいむの家につれていけ」と言い、 おじさんは「おじさんの家につれていけ」と勘違い。 言葉って難しいですね。 「れいむはとくべつなゆっくりなんだよ! だからみんあれいむにやさしくしてれむのいうことをきかなきゃいけないんだよ! そんなこともわからないんだから、まんねんひらしゃいんなんだよ!! ほんとむのうだね!」 「聞き捨てなら無いなぁ。 ようし、いっちょ世の中の厳しさを教えておいてあげよう……うーぷ」 そういうと徐にれいむを持ち上げるおじさん。 「やっとれいむをおうちにつれていくきに……ゆ?」 「うげろろろろろ」 「ゆぎゅあばばばばばばばばば」 流れ出る嘔吐物。 それを大口開けて受け止めるれいむ。 ひどい、これはお茶の間には放送できない。 でもよくやったおじさん。 「うげ……うぎゅえ……きぼじ、わぶい……うぎゅ」 「うげーくっさ。 まぁ、路面汚さなかったしよしとしますか……。 あと俺は部長だ。それに来月また昇進するんだ。 お前みたいな底辺とは違うんだよ……あぁ糞してぇ」 なんとズボンを下ろし始めるおじさん。 そしてれいむの顔を自分の尻の目の前に……ああ、これは……なんという……あぁ。 「ふん!」 プリッ。 「!?!?!??!???!?!?!?!?!!」 見事れいむの口の中にホールインワン。 あーこれは正直同情せざるを得ないですねぇ。 目の前にいたら多分おじさんの方をぶん殴ってますよ。 だってれいむ汚いし。 「すっきりしたぁ……あぁ、拭いたティッシュも食わせとくか」 「がふっ!が、ぎゅぶぎゅ……」 すっきりした表情でおじさんは夜の闇に消えていきました。 れいむといえば、半日ぶりに目いっぱい食べさせてもらって、感謝感激意識消失状態。 完全に死に体ですね、よく生きていると感心してしまいます。 「ゆぎゅり、しだい、よ……」 明くる朝、れいむは夜明けとともに目を覚ましました。 見た目はどこからどう見ても野良。 異臭レベルは歴戦の野良を超えて最強レベル。 夜中、何匹かのれみりゃがれいむを見つけましたが、 その漂う異臭に耐えかねて逃げています。 その異臭は体内の餡子まで侵食しているため、洗った程度では落ちません。 誰も、人もゆっくりも動物も、れいむに近付こうとはしません。 「だれが、だずげでよぉぉぉ……」 異臭は、他者に殺される確率を大いに下げる事に貢献しています。 更に、れいむは気付いていませんが完全に味覚と嗅覚が破壊されているため、 何を食べても味も臭いもせず、どんなものを食べても一応大丈夫になっているはずです。 あとはこのれいむがこれらの事実に気付くことができれば、 野良としては生きていけるでしょう。 それが幸せかどうかは別として。 これが野良に憧れたゆっくりです。 しかし、このれいむは非常に運が良い例です。 もしかしたら、ありすやまりさとれいむの番に殺されている可能性だってあったのです。 人間に出会って、野良として潰されなかったのも運が良いのです。 更にはおそらく駆除以外では殺される事の無い武器も手に入れています。 実はこれだけ悲惨に見えて、実はかなり高ランクな野良になっているのです。 ですが、こんな目に遭いたいですか。 遭いたくありませんよね。 そうです、野良になる事になんの良い事も無いのです。 今これを見ている飼いゆっくりのみなさんは、これを良く覚えておいてください。 今が退屈?いいじゃないですか、苦労がなくて。 だから、飼い主の言う事はしっかり聞いて、無茶や馬鹿な事は考えずに暮らしてください。 それでは、今日はこのへんで。 ゆっくり教材ビデオ。 飼われているゆっくりに様々な境遇のゆっくりを淡々と見せる事で、 自分が如何な立場にいるかわからせるための教材である。 各巻1000円。 プロデューサー・あたいあき ナレーション・あたいあき 製作会社・株式会社GYAKU 挿絵 by儚いあき 挿絵 by儚いあき 挿絵 by儚いあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ナレーションの事ばっかりうるさいよおめーら -- 2016-02-25 23 04 39 ゆゆーん!ナレーションさんは間違ってないよ! -- 2015-10-06 22 28 48 絵のちぇん可愛い -- 2014-06-30 21 47 34 普通にナレーションよかったけどな。 -- 2013-03-04 02 18 35 ナレーションやめて今すぐショップへGO!!! もちろん詰め合わせのゆっくりでww -- 2012-08-03 21 54 08 ナレーションの台詞 鬱陶しいのが多い -- 2012-07-04 11 51 38 これぞ仰天チェンジ! -- 2012-01-04 01 41 38 教材ビデオに出た部長役の人はすごいね 吐くはまだしもうんこするなんて・・・ -- 2011-10-22 20 18 37 文句いうなら自分で書けばいいのに -- 2011-06-30 00 40 55 そうと決まれば膳に急げ!!が吹いたwww面白いwww -- 2011-03-05 15 46 09 ↓そんなことはない -- 2011-01-13 00 41 44 ナレーションさんがフルボッコされているんだが、そんなに粗が目立つものじゃないと思う。 これでダメだったら、教材系のビデオはみんな受け入れられないぜ。 -- 2010-12-21 20 12 09 みんな厳し過ぎだろー 多分、若い作者なんでしょ そのナレーションが笑わせようとする感じとか中高生くらいが書く感じだし、そんなフルボッコにしてやらんでもいいじゃねーかw -- 2010-10-12 23 52 06 感想を書こうと思ったら、もう書いてあったんだぜ ナレーションのネタは半分以下で良かったかな 冗長になってないし、大まかな流れは面白かった -- 2010-09-29 14 54 31 テンプレ(悪い意味じゃないぞ)に設定をくっつける普通のゲスざまあSSなんだけど こうやってナレーションする時は、対象への鬱憤が相当溜まった時を見計らって 読み手の心を読んでるようなつっこみ一回にすれば良いと思う 教材だし、れいむの言動から改心したり捻った話にならずに短くざまあで終わりそうだなーと見てたし、事実そうなった だからこそなんかナレーションだけでネタ作って盛り上げようとしてるのが白けてしまったのが残念 -- 2010-09-19 04 27 11 さすがにれいむよりってのはないわwwww -- 2010-09-10 18 28 18 れいむよりナレーションがうざい -- 2010-09-10 10 43 20 そうだよこれはゆっくりできるいい話だよ。 -- 2010-09-09 17 48 06 みんなもっといいところに目を向けようぜ。れいむのクズさ加減にゆっくりさせてもらったじゃないか。 -- 2010-08-22 19 24 29 設定は面白いのにナレーションが無駄な動きをして設定自体を壊してるな あくまで教材でそれを飼いゆっくりに見せているという設定ならナレーションは余計な事を 言わないほうがよかっただろう……受ける受けないの問題の前に作品の設定と矛盾が生じる気がする -- 2010-07-10 11 25 44
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/807.html
・確実にニーズに応えた内容ではない自信あり ・基本自分設定 ・虐待成分皆無 ・虐成分が欲しい方はウィンドウを閉じる事を推奨 前回と同じかそれ以上の内容が欲しい人には特に ・前回があれだけど一応『教材』を目指す内容 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 本日はとあるまりさを見てみましょう。 「ごはんがたりないんだぜー!」 開始早々の元気な声です。 きっと子ゆっくりから大人ゆっくりの間にいる若いまりさなのですね。 では、見てみましょう。 「十分食べただろ、これ以上は太るぞ」 「うんどうするからいいんだぜ!」 「そう言って運動したためしがあるか。なんと言おうと昼飯はこれで終わり! 少しは量考えろよ、そんなに食わせられるほどうちには金ないんだぞ」 「いやなんだぜいやなんだぜー! もっとたべたいんだぜーーー!!!」 飼い主は聞く耳持たずに餌箱を洗いにいきました。 ここでゆっくりの言う事を聞いてしまうと、躾によくありませんからね。 ゆっくりに愛想を尽かす飼い主の約60%以上が、 躾のミスで言う事を聞かなくなったゆっくりに疲れてしまうのが原因です。 この飼い主さんはまりさが初めてのゆっくりですが、 苦労しながらもこれ以上酷くならないようにがんばっているようです。 犬などと同じように、厳しくしなければなりません。 言葉が分かるから、と言って甘やかすのはいけないのです。 人間の子供だって、甘やかすと我侭な子に育ちやすいですからね。 この飼い主さんはよくわかっています。 「ゆぅ……なんでおなかいっぱいたべられないんだぜ……。 まえはいっぱいたべさせてくれてたんだぜ……」 子ゆっくりの時期は成長期という事もあり、 一般的におなかいっぱいまで食べさせてあげることで、 病気になりづらく、健康な成長を促進します。 しかし、ある程度成長すると、過度の食事は単なる肥満に繋がります。 これも動物と同じです。 でも実際はこれでも子ゆっくり時代より体格比でも多めに食べさせています。 ただ、満腹までの量が変化しているのです。 これはゆっくり特有の思い込み現象が一因とも言われています。 人間だって、『この量は多い・少ない』と思うだけで少しは違ってくるものです。 この場合は、体の大きさと食事の量の比率が子ゆっくり時代と大差はないのが、 まりさに「これはあんまり多くない」と思わせているのです。 「しょうがないんだぜ、ひるねするんだぜ」 少し大きめの体でポヨンポヨンと窓際の日の当たる場所へ移動するまりさ。 実に健康的な見栄えです。飼い主の健康管理の賜物と言えるでしょう。 「ゆぴー……ゆぴー……」 しかしこのまりさ、もう大人ゆっくりの仲間入りしてもいい時期なのに、 子ゆっくりの気分が抜けていませんね。 飼い主さんはそれなりの躾をしているようですが、 このまりさは生来の怠惰性を持っているのか、あまり向上心がありませんね。 この時期のゆっくりは、自立心が強くなり、遊び目的でなく運動目的で外へ出たがったり、 自分の生活スペースを欲したり、進んで飼い主の手伝いを始めます。 それでも家を出ることはありませんが、これは外の脅威を本能で理解しているからです。 飼いゆっくりとしてしっかり育っていれば、自立を目指しても家を出るなどと言う命を捨てるような事はしません。 なので、自立欲求を満たすために、自分で出来ることを探そうとするのです。 がしかし、このまりさはまだ子供のままなのです。 たまにいるんですよ、飼い主がどんなに良くても根っこから怠惰なゆっくりが。 「ゆぴゅわ~よくねたんだぜ~」 現在14時。ゆっくりしてますね。 見てくださいあの緩みきった顔。 ゆっくりしすぎです。 「おやつはまだかなのぜーおにーさーん」 「何がおやつだ、寝て起きたばかりのくせに。 少しは自分の寝床部屋の掃除くらいしてろ」 「そんなのおにーさんがやってくれればいいんだぜ。 まりさはゆっくりしたいんだぜ」 「おまえはいつまでたってもガキだな」 「いっしょうこどもでいいんだぜ」 「俺は5時まででかけるからな。 おやつは帰ってからだ」 「おやつくらいてーぶるにおいていってほしいんだぜ! おやつはさんじってきまってるんだぜ!!」 飼い主さんは溜息をつきながら出かけていきました。 無論おやつはおいていません。 このまりさでは、出かけた途端に食べてしまうでしょう。 「おかしおいていかなかったんだぜ。 さいきんけちんぼなんだぜ。 かってにさがすんだぜ」 まりさの家捜し開始です。 しかし台所にはドアを通らねばなりません。 そのドアはしっかり閉められており、まりさには超えられません。 「あけるんだぜー! どあさんはさっさとまりさをとおすんだぜー!」 わかっていても言わずにはいられない、ゆっくりの性ってやつです。 「ゆっぐ!ゆっぐ!!あくんだぜ!!」 体当たりも始めました。まったく諦めが悪いですね。 この部屋、一応まりさの安全を考えて危ないものは極力無くしてあるので少しくらい暴れても安全です。 結局飼い主さんが帰ってくるまでまりさはドアと喧嘩していました。 「おそいんだぜ!まりさはおなかぺこぺこなんだぜ!!」 「これでも早く帰ったんだから文句言うな。ほら食え」 消化にやさしいゆっくり用お菓子。 「たまには違うのが食べたいんだぜー!」 「おやつでるだけましに思えよ。俺だってそんなに給料良くないんだから。 そんなに食べたいなら自分で虫でも狩って来い」 「むしさんはつかまえるのつかれるからいやなんだぜ」 このまりさ、口は悪くないためなかなか怒りどころが見つからないのも難点ですね。 そして夕食前、まりさはごはん待ちでテレビを眺めています。 「おにーさーんまだなのかぜー」 「まだまだ30分は待て」 「おなかすいたんだぜー」 「少しは片付けとけや。俺が片付けるだけでも食う時間延びるんだぞ」 「おにーさんがはやくつくればかたづけるじかんができるのぜ」 「……塩と胡椒多く入れてやる」 口でいくら言っても無駄なようです。 それでもまだ酷い口答えをしない分マシなんですよね。 世界中の『酷い性格のゆっくり』を集めた映像があれば、 万人の精神に支障が出る内容になる事は間違いないです。 常識のない口の悪い若者がいっぱいいる状況と言えばわかりやすでしょう。 「ゆっびぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! しょっぱいんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 この日、まりさは水の飲みすぎでブヨブヨになりました。 後日、まりさはゆっくりを飼う人が多い公園で遊んでいました。 「ゆふふん!どけるんだぜ、まりさがさきなんだぜ!!」 「ゆえええええん!!」 「この馬鹿子供相手になにしてんだ!」 「ばびゅ?!」 まりさは水飲み場に割り入って子ゆっくりを突き飛ばしました。 知り合い同士の集まりだったから謝って済むものの、 赤の他人の子ゆっくりだったらいろいろ面倒な事になりかねません。 「お前も謝れ!」 「ごめんなんだぜー」 「お前立場わかってんのかぁアァン?」 「いびゃびゃびゃびゃびゃ!ごべんばばいばんだべー!!!」 子ゆっくり同士ならまだ可愛いものですが、 成体に近いまりさでは可愛げも何もありませんね。 飼い主さんは今日の集まりで、 友人からまりさについてアドバイスを貰っているようです。 こういった飼い主たちは飼い方に試行錯誤しているので色々と勉強になります。 飼い主同士のコミュニティもわりと捨てたものではありません。 「ゆはっ!あのれいむちょーかわいいんだぜ!!」 まりさは一匹のれいむに目を奪われます。 髪は綺麗に整えられ、飾り気などなくとも十分な佇まいと雰囲気。 そのれいむ、ゆっくりの目で見なくとも美ゆっくりだと見て取れます。 近くの子ゆっくりたちと楽しそうに話をしている姿は、 れいむ種が特に高いという母性本能を最大限発揮しています。 この美は飼い主の力のみならず、れいむ自身の努力が見て取れますね。 「れーいむー!」 ピョンピョンピョンピョンと大急ぎ。 進行上に他のゆっくりがいてもおかまいなしの勢いです。 誰もいなくてよかったです。また飼い主さんが大変になるところでした。 「れいむ!まりさとおはなしするんだぜ!」 「ゆ?れいむはこのこたちとおなししてるからちょっとまっててほしいよ」 「ちびなんてどうでもいいんだぜ! そんなちびよりまりさとおはなししたほうがたのしいんだぜ!」 「……」 れいむは困っています。 まりさの強引さは、もしかしたら子供たちにまで及びかねないと悟ったのでしょう。 「れいむたちはむこうであそんでるよ!」 「そうだね、まりさたちはむこうであそんでるよ!」 「ごめんねちびちゃんたち」 「さっさといくんだぜ」 子供たちはしっかりしています。それに比べてまりさときたら。 これが赤の他人のゆっくり相手なら、まりさの飼い主さんは恥ずかしくて顔も出せません。 「れいむはだれのかいゆっくりなんだぜ」 「あそこでおはなししてるおにーさんだよ」 「ゆゆ!まりさはそのおにーさんとはなしてるおにーさんのかいゆっくりなんだぜ! これはうんめいをかんじるんだぜ!!」 御目出度いお調子者ですね。 「ゆーん、まりさがあのかいぬしさんのかいゆっくりなんだね」 「そうなんだぜ!おにーさんをしってるんだぜ?」 「よくおうちにくるんだよ。 まりさのことでよくおにーさんにそうだんをしにきてるんだって」 「ゆふ~ん、もしかしておみあいかもしれないんだぜ~。 これはぜったいうんめいじゃないかぜ?」 君のお馬鹿加減の相談なんですけどね。 「ゆふふ~ん、それならそうとおにーさんもはやくいってくれればいいのに~。 まあ、まりさにつりあうびゆっくりはそうそういないけどだぜ」 「そうだね、まりさはたしかにびゆっくりだね」 「ゆっふん!そのへんのびゆっくりていどならまりさにかなわないんだぜ! だかられいむをかのじょさんにしてあげるんだぜ! すごくいいていあんだとおもうんだぜ!」 どこから出てくるのかこの自信。 しかし対するれいむはかなり落ち着いてます。 「おことわりするよ」 「ゆがーん!」 一刀両断。 ざまあみろ。 「なななな、なんでなんだぜ!?」 「れいむはまりさよりあっちのまりさのほうすきだよ。 れいむはまりさのことなにもみりょくてきにおもえないよ」 「なんでなんだぜ! あのまりさはぜんぜんびゆっくりじゃないんだぜ!!」 「あのまりさはやさしいよ。 それにものしりで、じりつしんがつよいんだよ」 ゆっくりは自立心などの、自分だけでできる事が多い相手を好む傾向があります。 美ゆっくり派の面食いも割合多いですが、総合的にはやはり独力の強さが支持されます。 これは野生に生き抜く能力が高い番の方が生存率を高められるからだと考えられます。 外見だけが取り柄のゆっくりは、冬の餌が無い時期に最も死亡率が高いのです。 加えて、まりさ種のような父役が多い種は特に独力を求められます。 その代わりに、まりさ種は母役が少ないためか、番に美ゆっくりを求めやすい傾向にあります。 これは狩りに相当する行動を母役がする必要が無く、家にいる時間が長いためであり、 自慢心が総じて強いゆっくり種にとっては有能なゆっくりか美ゆっくりの番が一種のステータスになるのです。 「でもあのまりさはびゆっくりじゃないんだぜ!」 「でもゆっくりしてるよ。 まりさみたいにゆっくりしてないゆっくりじゃないし、 おにーさんをこまらせたりしてないよ」 「ゆ、ゆぐぅ……」 図星を突かれています。 ここで自覚が出来るだけマシでしょう。 「でも、まりさのかのじょさんになったら、 おいしいものいっぱいたべさせてあげるんだぜ!」 「それはまりさが、じゃなくておにーさんがでしょ?」 「ひろいおへやもあるんだぜ!」 「ただひろいだけじゃおちつけないよ」 「いっぱいあかちゃんをつくれるんだぜ!!」 「いっぱいあかちゃんつくったらかいぬしさんがたいへんだよ」 「そんなことないんだぜ! にんげんさんはあんなにおおきなおうちにすんでて、 いっぱいごはんもたべてるんだぜ! おちびちゃんがいっぱいいたってだいじょうぶなんだぜ!」 「まりさのいえのおにーさんがどうかはわからないけど、 にんげんさんはれいむたちよりおおきいからひろいいえと、 いっぱいのごはんさんをたべるんだよ。 まりさはせつやくってことばをきいたことないの? れいむたちのめんどうをみてくれるにんげんさんは、 まりさみたいにただあそんでるわけじゃないんだよ? そういうことをかんがえたことないの?」 「ゆ、ぅ」 ついに言葉に詰まってしまいました。 今まで好き放題ゆっくりしただけのまりさには、 飼い主の苦労など考えた事もないんでしょう。 散々家の状況を言われていたんですけどねぇ。 「あっちのまりさはおとなだよ。 かいぬしさんのことをかんがえてて、 あいてのゆっくりのことだってちゃんとかんがえてるよ。 まりさはできるの?」 「ゆぐ……で、できるよ!」 「こんきょがないよ。 うそついちゃだめだよまりさ。 じぶんをみとめるのもおとななんだよ」 「おとなおとなって、おとなのなにがいいんだぜ!! おとなになったらじぶんでいろいろしなくちゃならないんだぜ! そんなめんどうなのはいやなんだぜ!」 「じゃあ、なんでかのじょさんほしいの? なんであかちゃんほしいの? じぶんでそだてもしないのに? そんなまりさにほれるゆっくりがいるの? いたとしてもどうせあいそつかされちゃうよ? せきにんとれるの?とれないよねこどもなんだから? おとなになるってそういうことだよ。 じぶんでできることもだれかにやらせてるんじゃ、だれもまりさをすきにならないよ」 正論の嵐。 そのまま人間にお説教してもいいくらい聡明なれいむですね。 こんな人間の嫁さんほしいです。 まぁ私にはそんな良い人もったいないですが。 それはそれとして、まりさはすごい剣幕です。 「ゆ……ゆっがぁぁぁ!うるさぁぁぁぁい!!」 「そうやってぎゃくぎれするのがこどもだっていってるんだよ!」 「ゆぐふぅ?!」 返り討ち。 それもそのはず。 適度な運動と適切な食事を自ら守り続け、自分を磨いて全てにおいて美ゆっくりになったれいむに、 何もせずただ怠惰に生活し、飼い主の努力で外見だけ美ゆっくりになったまりさでは、 基礎能力が根本から違いすぎるのです。 「ゆわぁぁぁぁん!おにぃぃぃざぁぁぁぁん!! でいぶがいじべるぅぅぅぅぅ!!!!」 ついに泣き出しました。 様子を見ていたれいむの飼い主とまりさの飼い主はとりあえず二匹に近づきます。 「でいぶがいじべるんだよぉぉぉ! おごっでよぉぉぉ!!!」 「何言ってるんだお前。 今のはれいむが正しいし、お前のが先に手出しただろ。 いろんな意味で」 「ゆわぁぁぁぁ!! なんべでいぶのみがだずるのぉぉぉぉぉ!!!」 「反省しろ。 れいむたちとお前が一緒だなんて思うな。 お前はあの砂場で遊んでる子ゆっくりたちと同じなんだよ。 あーいや、でかくて聞き分けが悪い分もっとタチ悪いか?」 「ゆわぁぁぁぁぁぁ!!!」 「泣くなバカたれ!」 「ゆびゅ!?」 飼い主さんの平手打ちが張りのある饅頭顔にいい音を鳴らしました。 ただの饅頭ならあんな音はなりません。 「ゆびゃあああ!!ぶっだぁあああああ!!!」 「当たり前だ。聞き分けがないガキは多少手を挙げないと直らないんだよ」 「まびざこどぼじゃなびいいいいいい!!!」 「都合が悪くなると言葉を翻すやつだな……帰ってお仕置きが必要だ。 ……悪い、こいつ連れて帰るわ、れいむにはよろしく言っておいてくれ」 れいむの飼い主さんに詫びると、引きずる様にまりさを家に連れて行きます。 抱えて行かないのは甘えさせないためでしょう。 家に帰ると、ゆっくり専用お仕置き透明箱にまりさは入れられます。 「やじゃあ!!はいりだぐないいいいい!!!」 「反省するまで飯はいつもの半分だ。 ガキじゃないなら少しは大人になる努力をしろ」 「ごはんざんはんぶんにざれだらまびざじんじゃぶびょおおお!!!!」 すごい喚き様です。何を言ってるのかほとんどわかりません。 このまりさ、謝る事がまず浮かんでいないようです。 これでは大人の階段は上れません。 大人の第一歩はまず自分の過ちを認める事です。 「泣くなと言っただろうが」 「ぶびゅぶ!」 強引に箱に押し込められます。 この箱、狭くて頑丈で重石つきのため、中にいるゆっくりの力ではまず動きません。 ゆっくりも人間も基本的に行動が限りなく強制されるとストレスになります。 こうしてほぼ身動き不可能な状態は数日続けるとストレスで病気になりかねないので、 このお仕置きを採用する場合は注意が必要となります。 このまりさは二日後の朝に箱から出されましたが、かなりぐったりしていました。 数日間はほとんど動かず、食事量も減りましたが、一週間もすれば回復しています。 このまりさの飼い主さんは相談の結果、前より叱り方をきつくする事に決めたようです。 初めてゆっくりを飼う人は、こうして試行錯誤していきます。 三匹四匹買えば十分知識もたまり、ほとんどの人がまともなゆっくりに育てています。 ゆっくりは成長が早いですから、試行錯誤しているうちに成体になってしまう事も多いため、 最初のゆっくりは6割以上が言う事をうまく聞いてくれなくなると統計が出ています。 ただ、好き勝手するゆっくりは事故率が三倍以上で交代しやすいので、 飼い主は割合早く二代目三代目のゆっくりを飼う事になる事が多いとも統計に出ています。 このまりさは、果たしてどうなるのでしょうね。 如何でしたか。 これが我侭なゆっくりの扱われ方です。 これを見ているゆっくりの皆さんは、自分の行いを良く考えて下さい。 果たして自分は飼い主さんに迷惑を掛けていないかどうかを。 もしも思い当たる節があるなら、少しずつで良いですから、直していきましょう。 何事も遅すぎることは無いはずです。自覚が出来るのならば。 また飼い主さんは、もしこれでも自覚が無いゆっくりがいる場合、 然るべき対処を取る必要があります。 そのままで良い方は特に必要ありませんが。 完全に言う事を聞かない場合、手を上げるのも辞さない姿勢が必要です。 犬を飼っている人も、駄目な事をしたら叱ったり、少しビンタくらいするでしょう。 最初に申しましたとおり、躾は大事なのです。 ある意味、ゆっくりの躾は子供の躾の練習とも言われています。 現在、若い夫婦の間でゆっくりを赤ゆっくりから育てる事がブームになっているのがそれです。 人ではありませんが、言葉が分かる分簡易シミュレーションが出来るのです。 人間に比べて何倍も早熟なので、妊娠してからでも十分な練習が出来るのが利点です。 ゆっくりについてばかりですが、実際は飼い主さんたちにも言える話です。 このまりさと人間を置き換えてみると、そのまま人間の関係になります。 ゆっくりとは、言わば人間の縮図なのです。 説教くさくなりそうなのでそろそろ終わりにしましょう。 ゆっくりの皆さん。 これからは、飼い主さんのことをしっかり考えられる立派で素敵なゆっくりになってください。 それが円満な家庭を手に入れる第一歩です。 飼い主さんと仲が良いゆっくりは、モテやすいそうですよ。 あわよくば、飼い主さんの好みの飼い主さんの美ゆっくりとお近づきになりましょう。 飼い主さんが、もっと優しくなってくれるかもしれませんよ。 ちなみに、ゆっくりには褒めて伸ばす方法も飴と鞭を使い分ければ非常に有効です。 是非お試しください。 では今日はこの辺で。 ゆっくり教材ビデオ。 飼われているゆっくりに様々な境遇のゆっくりを淡々と見せる事で、 自分が如何な立場にいるかわからせるための教材である。 また、ゆっくりの飼い方を飼い主に考えさせるための教材でもある。 各巻1000円。 プロデューサー・あたいあき ナレーション・あたいあき 製作会社・株式会社GYAKU
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/825.html
虐待とは言えない内容。 誰も死なない。 人間あり。人間のスカトロ描写あり。 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 本日はとあるれいむを追ってみる事にしましょう。 れいむはいつも野良に憧れていました。 野良は好きな時にお外で遊べる。 野良はいつでも自分のしたいことが出来る。 野良は飼いゆっくりのように生活を縛られない。 野良はとても自由だ。 れいむには野良ゆっくりがそう映っていました。 この家を出よう! そう決心するまでに日数は掛かりませんでした。 ゆっくりは自分の欲に忠実です。 後先よりも、目先を目指してしまう個体が多いのが、 この脆弱な生物の大きな欠点です。 そうと決まれば膳は急げ! 飼いゆっくりの証であるバッヂが汚れていると言って洗ってもらっている今、 空気の入れ替えに飼い主が空けた窓から外に出れば誰も自分を飼いゆっくりとはわからないのだ。 部屋に誰もいなくなった事を確認すると、れいむは窓から外へ飛び出しました。 これで晴れて野良の仲間入りです。 もう家には戻らないとれいむは決心していました。 いえ、この広い世界こそがれいむの家だと思っていました。 しかしれいむを待っていたのは厳しい現実でした。 「ゆー、れいむはおなかがすいたよ。 おねーさん、おかしちょうだ……い?」 家を出ていつもは決まった範囲しか散歩できなかったので、 好きなように街を歩き回った結果、 いつものようにお姉さんと散歩に出かけたと勘違いし、 居もしないお姉さんにおかしを要求していました。 「おねーさんどこいったの? れいむはおなかがすいてるんだよ!?」 れいむのなかでは、 お姉さんがれいむを置いてどこかに行っている事になっています。 これもゆっくり種によくある、都合の悪い事をすりかえるという行動です。 「ゆっくりできないおねーさんはもういいよ! れいむはほかのひとにおかしをもらうよ!」 れいむの知っている人間は全員お菓子をくれていました。 知っているのがゆっくりを飼っている人や、お姉さんの知り合いばかりだからです。 だから人間は全てゆっくりに…自分に食べ物を用意してくれると勘違いしていました。 最初は分をわきまえて生きていても、ゆっくり種は環境に慣れると傲慢になるモノが多いようです。 このれいむも、野良に憧れる前は分を弁えていたようですが、すでに見る影もありません。 しかし、そんなれいむもすぐに現実を知る事になります。 「おにーさん、れいむにおかしをちょうだいね!」 自分の飼い主にもらいなさい。 「おねーさん、れいむにおかしをちょうだいね!」 他人のゆっくりに何かをあげると、 躾に影響があるからそう言う事は出来ないの。 ゆっくりが浸透している現在は、 ゆっくりの躾については大体の人が知っており、 中途半端に他人が他人のゆっくりに干渉するのはよくない事だと認知されています。 「ゆぅ……なんで? なんでだれもおかしくれないの?」 すでに夕暮れ。 お昼ご飯を食べていないれいむはおなかがペコペコです。 「ゆぅ、おうちかえろう……」 自分が家出をし、 居もしないおねーさんを見限った事をすっかり忘れ、 れいむは家に帰ろうと動き出します。 しかし…… 「ゆわぁぁあぁぁぁん!!! ここどこぉおぉぉぉぉぉぉ!!!!」 れいむは動き回ったせいで、 自分の知らない場所に居ました。 距離的にも3km程度家から離れています。 「おねーざぁぁぁん、なんでむがえにぎでぐれないのぉぉぉぉ!!!!」 基本的なゆっくりは人間の幼児と同じ程度の知能です。 それに我欲の強さが重なり、自分の都合で全てを他者の責任へと転換します。 良く言えばポジティブであり、脆弱な生命として生きていくには必須の能力とも言えます。 「ゆぅ……たべものさんさがすよ……」 泣きつかれ、せめて空腹を満たそうとします。 しかし、野良歴四分の一日程度のれいむに、 食べ物がどこにあるかなどという知識はありません。 食べ物は誰かが持ってくる、 持ってこなくても探せば必ずどこかにあるもの、 そういう知識しかありません。 「なんでたべものないのぉぉぉぉ!!!!」 何が食べれて何が食べれないか、 そんな事以前にれいむは家の中と外をごっちゃにしていました。 家の中のように、台所を探そうとしていたのですから、 食べ物が見つかるはずもありません。 「ゆ?どうしたのかしら?」 おや?野良のゆっくりが来たようですよ。 れいむに声をかけたのはゆっくりありすでした。 見た目にも野良とわかる程度の汚れはありましたが、 野良にしては清潔そうな汚れの少なさです。 「ゆぅ、れいむはおなかがすいてるんだよ……」 「あなたはかいゆっくりでしょう? おうちにかえればいいじゃない」 『かいゆっくり』 という言葉でれいむは思い出しました。 自分は野良に憧れて外に出たのだと。 「ゆゆ! ちがうよ、れいむはのらになるためにいえをでたんだよ!」 その結果がこれだというのに、 またしても都合の悪かった事を忘れています。 「なぜのらにあこがれるの?」 「のらはじゆうなんだよ! かわれるとじゆうじゃないんだよ! だからのらになったんだよ! それもわからないの?ばかなの?」 「そう。そのままかわれていればしあわせだったのに……」 ありすは呆れたというよりは哀れに思いました。 このれいむは世界を知らなすぎている。 このれいむはきっと深く後悔して死んでいく。 と。 「かわれるなんてしあわせじゃないよ! ゆ!?わかったよ! ありすはのらがふえるのがやなんだね! じぶんだけがゆっくりしたいだなんて、 ごうまんだね!ゆっくりできないありすはさっさときえてね!」 「そうね、ゆっくりできないのらはさっさといくわ。 わたしもおなかがすいているし」 ありすはゆっくりにしては知性と大人の精神を持っていました。 一般的な通常のゆっくりなら、 今のれいむの態度で激怒していてもおかしくありません。 「ゆ! そうだよれいむもおなかすいてるんだよ! ゆっくりできないありすはれいむにごはんをちょうだいね!」 「のらとしていきるんでしょう? だったらのらはじぶんでごはんをさがすのよ。 だってのらはじゆうなんでしょう? それならごはんをたべることもさがすこともじゆうなのよ」 飼われていた頃は礼儀も良く、 他者を刺激するような事も言わなかったれいむは、 一体どこにいったのかというほどの見る影の無さです。 ゆっくりが潜在的に持つ、ゲスの因子なのでしょうか。 「わけわからないこといわないでれいむにごはんをちょうだ…… まってよぉぉぉ!なんでどっかいっちゃうのぉぉぉ!!!」 ありすはもう聞く耳を持たずにさっさと行ってしまいました。 追いかけようにも、空腹感に弱い飼いゆっくりでは、 空腹を我慢できる野良ゆっくりに体力では勝てません。 「ゆぅ……ゆっくりできないありすのせいでまたおなかがすいたよ!」 責任転嫁もここまでくると清清しさを感じてしまいますね。 おや?近くでゴミを漁る音がしますよ。 「まりさ、きょうはどう?」 「ゆぅ、きょうははずれだったよれいむ……。 にんげんさんがたべれなかったものをすてるのはきょうじゃないみたい……」 「ゆぅ……」 野良のまりさとれいむです。 会話の内容からすると、それなりに野良を続けていたとわかります。 汚れ的にもそれを物語ります。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 れいむはお決まりの言葉で二匹の気を引きます。 この言葉は本能に染み付いた言葉で、 ゆっくり種であれば同じ返事を返さずにはいられない魔法の言葉です。 「いいところであったよ! れいむにごはんをわけてね!」 「ゆぅ、ざんねんだけど、ここにごはんはないよ」 「ごはんがほしかったらほかをあたるといいよ」 「ゆゆ!? のらのくせにごはんももってないの?」 れいむの中の野良の定義、 いつでも好きな時にご飯を食べられる。 それがまだ残っているようです。 この言動で、野良まりさと野良れいむは、 このれいむが飼いゆっくりだと理解しました。 「かいゆっくりならいえにかえってごはんをたべればいいよ」 「そうだよ、れいむたちみたいにうすぎたなくいきなくていいんだよ」 なんと優しいゆっくりでしょう。 先程のありすといい、この街の野良ゆっくりは、 自分達の身の程をしっかりと弁えて生きているようです。 このまま躾が行き届けば、立派な飼いゆっくりになれるかもしれませんね。 「なにいってるの、 かいゆっくりなんてふじゆうでしかないんだよ? かわれたことがないからわからないんだね! せけんしらずなんだね!むちなんだね!」 野良ゆっくりへの憧れが抜けきっていないれいむは野良二匹を罵倒しています。 これが野良ゆっくりの姿であると、まだ気付けずにいますね。 野良に対する自分の言動と、野良となった自分の立場の矛盾にも気づいていません。 「まりさ……」 「わかってるよれいむ。 このこには、のらのきびしさをおしえてあげないと」 おや? まりさがなにやら食べ物のようなものを帽子から出しましたよ? おそらく今夜食べようと思っていた食べ物でしょう。 保存をしておく習慣まであるとは、いやはや野良にしては優秀です。 「ゆ?たべものさんだね! さっさとれいむにちょうだいね!!」 このれいむにつける薬があるとすれば暴君ハバネロでしょうかね。 「これはまりさとれいむがひっしになってみつけたごちそうだよ。 それでもたべて、のらとかいゆっくりのさをしってね」 そう言って二匹はさっさと去っていきました。 れいむは空腹からか、大急ぎで食べ物に飛びついています。 「ゆっ!?」 おやおや? なにやらようすがおかしですね? 「ゆげぇ!! なにこれぇぇぇぇえ!!! くさいよぉ!!! おいしくないよぉぉぉ!!! ゆっくりできないよぉぉぉ! だまじだなぁぁぁぁあ!!!!!」 なるほど、生ゴミでしたか。 飼い生活の長さで舌の肥えたれいむに、 野良のご馳走はやはりゴミなのですね。 「ゆぅ……ゆっくりできないのらがおおいよぉ……。 あのゆっくりしたのらみたいなまりさをさがすよ……」 れいむは空腹が限界ですね。 ナレーションがこういうのもなんですが、 とても惨めで大馬鹿です。 「ゆ?」 「むーしゃむーしゃしあわせぇ!」 おっと、今度は別の野良まりさです。 どうやらご飯にありつけているようですね。 「まりさ、まりさはとってもゆっくりしたのらだね!」 「ゆ? だれ?」 「れいむはれいむだよ! まりさ、たべものさんをわけてね!」 図々しい……誰かハンマーを…… ゴホンゴホン、失礼しました。 本当に失礼なれいむですね。 まりさ、怒ってもいいですよ? 「これはまりさのごはんなんだぜ! かいゆっくりはさっさといえにかえれだぜ!」 おや、このまりさは「だぜ」口調ですね。 なかなか長い野良生活を送っていると見ました。 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉ!! れいむはおながずいでるんだよぉぉぉ!!」 ちょっと誰かハンマー持ってこいや! ……あぁっと失礼。 先程から優良ゆっくりばかりで、 性格悪いゆっくりに対する耐性が薄れてしまいました。 もう大丈夫です。 「かわれてるならさっさといえでごはんをたべればいいんだぜ。 ばかなの?しぬの?」 「れいむはのらなんだよ! かいゆっくりなんてゆっくりできないゆっくりじゃないよ!! まりさこそそんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 これはまりさが襲い掛かってきても仕方ない状態ですね。 ていうか襲え。 「……わかったんだぜ、じゃあこれでもたべるといいんだぜ」 おや、やけにあっさりですね? 「ゆゆ! わかればいいんだよ!」 ………………………………。 「ゆぎゅ、ごれはゆっぐりでぎないよ! べつのをちょうだいね!!!」 「それがまりさのごはんだぜ。 それがたべれないようならのらなんかやめてっさっさといえにかえるんだぜ。 まだまにあうんだぜ。」 なんてこと、このまりさも優良ゆっくりだったなんて!! わたくし、感動いたしました!! そしてれいむには最初からずっとですが、失望しました。 「ゆぐぐぐぐ!! そうやってごちそうをかくすつもりだね!! ゆっくりできないまりさはしね!!!!」 ついに実力行使に出たようです。 ……早く潰されろ。(小声) 「ゆぎゅ!」 おっと、まりさは華麗に回避しましたね。 どうやられいむは、まりさが集めたご飯の中にダイブしたようです。 「ゆぎゃああああ!!! ぐざぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 憧れの世界ではご馳走である生ゴミの中にダイブして臭いとは酷いですね。 「それがまりさのごはんぜんぶなんだぜ。 ぼうしのなかもなにもないんだぜ。」 「うるざぁぁぁぁい!!!! ゆっくりできないまりざはじねぇぇぇぇぇぇ!!!」 もうご飯どころではないようですね。 まりさを殺す事意外頭に無いようです。 「ゆっくりできないのはれいむのほうなんだぜ!!!」 「ゆぎゅぶ!!」 やはり肥えた歴戦の野良の体力には勝てないようですね一撃で吹っ飛ばされています。 「もうくるなだぜ!! かんちがいかいゆっくりのかおはもうみたくないんだぜ!!」 「ゆ、ぐ……」 そこだ、そこで追い討ちだまりさぁぁぁぁ!!! あぁもうじれったい!! 手が出せないナレーションという立場をここに来てようやく呪いました。 「ゆ……ぅ、おねぇざぁぁぁぁん……! どぉじで、だずげでぐれないのぉ……!」 這いずり回っていますね。 醜い。(小声) 家出をしたという事を忘れていますね。 これで何度目でしょう。 おや?また新たな影が近付いてきていますね。 「かいゆっくりがそんなところでなにしてるんだぜ?」 「ゆぅ、れいむはのらだよ……かいゆっくりとはちがうんだよ!」 まだ言ってます。 影の主は野良まりさですね。 「のらにしてはきたなくないんだぜ」 「きょうのらになったばかりなんだよ! そういうまりさはくさくてきたないね! ゆっくりできてないよ!!!」 さっきまで野良の近距離まで近付かなかったから臭いが気にならなかったんでしょう。 普通に考えれば野良は汚くて臭いとわかるものですが。 脳内……いえ、餡子脳フィルターがかかってたのでしょうね。 「へんなかおのれいむにいわれたくないんだぜ」 「ゆ!れいむはへんなかおじゃないよ! ていせいしてね!!!」 「じゃあそこをみるんだぜ」 まりさが示したのは鏡。 自分の姿を見ろという事でしょう。 「ゆ? なにこのきたないれい……む?」 あらあら、固まっちゃいましたよ。 「ゆあああぁぁぁぁぁ!!! でいぶのぎれーながおがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ゆっくりの基準はわかりませんが、 その叫び顔はたしかに醜いですね。 「ゆああああああああん!!!!!」 「きたないれいむにきれいなかざりはふつりあいなんだぜ」 おや、まりさがれいむに近付いていますね。 これは期待通りの展開になりそうですよ! 「ゆ!? なにずるのぉぉぉ!! でいぶのおりぼんがえじでぇぇ!!!!」 「ゆっへっへっへ!! このりぼんはまりさのれいむのためにもらってくんだぜ!!! きたないれいむはこのきたないりぼんがおにあいなんだぜ!!!」 そう言ってまりさはれいむのリボンを盗み、 代わりに汚くボロボロになった、おそらく番のリボンを落としていきました。 何だよもっとやれよ。(小声) 先ほどは正面から生ごみに突っ込んだだけだったので、飾りは綺麗なままなのですね。 「こんなぐざいのいやだよぉぉぉぉお!!!!」 どうやら死臭はしないリボンのようです。 でも、綺麗好きの飼いゆっくりとしてはこの汚いリボンは、 死臭にも劣らないゆっくり出来なさがあるのでしょう。 「ゆぅ……れいむのおりぼん……」 結局れいむはリボンをつけなかったようですね。 プライドだけは高かったようです。 プライドでお腹は膨れないとはよく言います。 「かざりがないこがいるねーわかるよー」 この喋り方はちぇんですね。 しかし攻撃するでも汚らしく見るでもないようです。 「れいむはおりぼんさんをぬすまれたんだよ……。 すごくかわいそうなゆっくりなんだよ……」 「わかるよー、わかるよー。 きれいなかざりはぬすまれやすいからねー、わかるよー」 「じゃあちぇんははやくれいむをたすけてね! あまあまをもってくるだけでもいいからたすけてね! こんなかわいそうなれいむがめのまえにいるんだから、 たすけてとうぜんなんだよ! これはしぜんのせつりなんだよ! わかったらはやくごはんをもってきてね!」 「わかるよーみじめなんだねー。 でもかいゆっくりならいえにかえればいいんだねーわかるよー」 このちぇん、まったく動じないところを見るとおそらく長く生きていますね。 飾りをつけていない事についてあまり言及もせず、 一歩引いた位置から静観しているのも、観察しているという事なのでしょう。 「ゆがああああああああ! なんでたべものをくれないの!? こんなにかわいそうなれいむがたのんでるんだよ!? はやくもってこぉぉぉぉい!!!!」 「わかるよー、みじめなれいむはじぶんでかりもできないんだよねー。 だからだれかにめいれいすることしかできないんだよねー。 そんなだめゆっくりがのらでいきていけるはずないんだよねーわかるー?」 挑発的ですねこのちぇんは。 しかもすごい口数の多さ。 これも生きた長さを示しているんでしょうか。 「ぅぅぅぅぅぅうううう!!! ゆっくりできないちぇんはしねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 「これでせいとうぼうえいなんだねー、わかるよー」 「うぎゅべぁ!!」 ひらりとかわすちぇん。 そして間髪いれずにタックル。 まったくもって喧嘩慣れしていないれいむは餡子を吐きながら転がっています。 それにしてもれいむは堪忍袋がすぐ破裂しますね。 「そんなんじゃ、ぱちゅりーにもかてないよー。 はやくいえにかえるんだねー、わかってねー」 この町の野良は本当に優良ですね。 下手に飼いゆっくりを攻め立てないのは後々の事を考えてなのでしょう。 賢いです。 実に飼いゆっくりに適しています。 「ゆぐぐぐ……ちょっとすべっちゃったけど、もうゆるざないよ……!」 突き飛ばされてから2分経ってようやく立ち上がるれいむ。 おそらくすぐ立ち上がった気なのでしょう。 気絶していたのにも気付かずに。 「ゆ!?ちぇんがいないよ! にげたんだね!ひきょうものだね! れいむのちょーすぴーどについてこれなかったんだね!」 さっきのを自分のミスで転んだような感じで脳内変換しているのでしょう。 なんという餡子脳。 というか、どんどんこのれいむは馬鹿になってきていますね。 そろそろ終わりでいいよこいつ。(小声) 「ゆぅ……まっくらになっちゃったよ……。 おねぇざぁぁぁぁぁんむがえにぎでよぉぉぉぉ!!!」 そうこうしている間に夜になりました。 町の夜とはいえ、民家では街灯だけではあまり明るくありません。 そして現在夜11時。 いろんな危ない者が通る可能性があります。 野良れみりやもいる可能性がありますし、 夜出歩くゆっくりはれみりやレベルの強さを持つゲス系ゆっくりの可能性もあります。 「うっ……まずい飲みすぎた」 あとこんな酔っ払いとかね。 テンプレを期待します。 おっと、れいむも酔っ払いに気付いたようです。 「ゆ!おじさん、れいむをおうちにつれてってね! あとあまあまをちょうだい!」 「あぁぁぁぁ……ん? ゆっくりかぁ……こんな夜に珍しい」 「きいてるの?! れいむをはやくおうちにつれていってね! まったくよっぱらいはこれだからぐずなんだよ! そんなんだからしゅっせできないんだよ!!」 「なんで野良のお前をうちに連れてかなきゃならんのか……うぅ」 れいむは「れいむの家につれていけ」と言い、 おじさんは「おじさんの家につれていけ」と勘違い。 言葉って難しいですね。 「れいむはとくべつなゆっくりなんだよ! だからみんあれいむにやさしくしてれむのいうことをきかなきゃいけないんだよ! そんなこともわからないんだから、まんねんひらしゃいんなんだよ!! ほんとむのうだね!」 「聞き捨てなら無いなぁ。 ようし、いっちょ世の中の厳しさを教えておいてあげよう……うーぷ」 そういうと徐にれいむを持ち上げるおじさん。 「やっとれいむをおうちにつれていくきに……ゆ?」 「うげろろろろろ」 「ゆぎゅあばばばばばばばばば」 流れ出る嘔吐物。 それを大口開けて受け止めるれいむ。 ひどい、これはお茶の間には放送できない。 でもよくやったおじさん。 「うげ……うぎゅえ……きぼじ、わぶい……うぎゅ」 「うげーくっさ。 まぁ、路面汚さなかったしよしとしますか……。 あと俺は部長だ。それに来月また昇進するんだ。 お前みたいな底辺とは違うんだよ……あぁ糞してぇ」 なんとズボンを下ろし始めるおじさん。 そしてれいむの顔を自分の尻の目の前に……ああ、これは……なんという……あぁ。 「ふん!」 プリッ。 「!?!?!??!???!?!?!?!?!!」 見事れいむの口の中にホールインワン。 あーこれは正直同情せざるを得ないですねぇ。 目の前にいたら多分おじさんの方をぶん殴ってますよ。 だってれいむ汚いし。 「すっきりしたぁ……あぁ、拭いたティッシュも食わせとくか」 「がふっ!が、ぎゅぶぎゅ……」 すっきりした表情でおじさんは夜の闇に消えていきました。 れいむといえば、半日ぶりに目いっぱい食べさせてもらって、感謝感激意識消失状態。 完全に死に体ですね、よく生きていると感心してしまいます。 「ゆぎゅり、しだい、よ……」 明くる朝、れいむは夜明けとともに目を覚ましました。 見た目はどこからどう見ても野良。 異臭レベルは歴戦の野良を超えて最強レベル。 夜中、何匹かのれみりゃがれいむを見つけましたが、 その漂う異臭に耐えかねて逃げています。 その異臭は体内の餡子まで侵食しているため、洗った程度では落ちません。 誰も、人もゆっくりも動物も、れいむに近付こうとはしません。 「だれが、だずげでよぉぉぉ……」 異臭は、他者に殺される確率を大いに下げる事に貢献しています。 更に、れいむは気付いていませんが完全に味覚と嗅覚が破壊されているため、 何を食べても味も臭いもせず、どんなものを食べても一応大丈夫になっているはずです。 あとはこのれいむがこれらの事実に気付くことができれば、 野良としては生きていけるでしょう。 それが幸せかどうかは別として。 これが野良に憧れたゆっくりです。 しかし、このれいむは非常に運が良い例です。 もしかしたら、ありすやまりさとれいむの番に殺されている可能性だってあったのです。 人間に出会って、野良として潰されなかったのも運が良いのです。 更にはおそらく駆除以外では殺される事の無い武器も手に入れています。 実はこれだけ悲惨に見えて、実はかなり高ランクな野良になっているのです。 ですが、こんな目に遭いたいですか。 遭いたくありませんよね。 そうです、野良になる事になんの良い事も無いのです。 今これを見ている飼いゆっくりのみなさんは、これを良く覚えておいてください。 今が退屈?いいじゃないですか、苦労がなくて。 だから、飼い主の言う事はしっかり聞いて、無茶や馬鹿な事は考えずに暮らしてください。 それでは、今日はこのへんで。 ゆっくり教材ビデオ。 飼われているゆっくりに様々な境遇のゆっくりを淡々と見せる事で、 自分が如何な立場にいるかわからせるための教材である。 各巻1000円。 プロデューサー・あたいあき ナレーション・あたいあき 製作会社・株式会社GYAKU 挿絵:儚いあき 挿絵:儚いあき 挿絵:儚いあき
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2476.html
『ゆっくりがいる日常。』 4KB 観察 駆除 野良ゆ 現代 ジャンルとかのタグ、わりと悩みます ・日常のひとつ、みたいな内容 ・台詞無し試作三作目 そろそろ書き慣れたかも? ・自分で描いた絵を見てたら思いついた短い話 ・台詞がないって書きやすくて良いですね ゆっくりがいる日常。 それは他愛も無く普通の毎日。 青年は早起きだ。毎日の朝はロードワークに始まり、簡単な朝食をとって大学へ行く。 この日も朝からゆっくりを見かける。 野良犬や野良猫は見つけるとどこかワクワクして近づいてみたくなるものだが、ゆっくりは数が多かった。 珍しいと思う以前に、虫よりも良く見かけるのだ。 毎日のようにギャーギャーとうるさいが、ゆっくりたちは朝と夜のみ静かである。 理由はゆっくりの天敵、れみりゃとふらんである。 他にもいるが、メインはこの二種類。この二種類は夜行性で、日光が苦手。 なので、ゆっくりはれみりゃとふらんが動き出す夕暮れから帰っていく早朝まではけっして騒がない。 騒げばどこにいるやも知れない天敵がやってくる可能性があるためだ。 なので、人々は清清しい朝を迎えることができる。 たまに、馬鹿なゆっくりが騒ぎ立てて夜は天敵を、朝は人間を呼び込むことはあるが。 ともあれ青年はロードワークを終えて家に戻る。 父母は朝が早いためすでに居ない。青年は今日午後までは余裕があるのでまったりと過ごしている。 暇なので散歩に出かけてみれば、すでにゆっくりたちは活動を開始していた。 人を避けて進むゆっくり。虫を追いかけるゆっくり。花を食べようとして追い返されるゆっくり。 軽くて脆くて弱い。そんな生物、ゆっくり。 不思議な話だが、車通りが多いところや電車などの付近では逆にゆっくりは見ないという。 おそらく、車の速さが文字通りゆっくりできないからなのだろう。だから、交通に影響が出たなどいう話は基本的に聞かない。 喋る饅頭という特徴を除いて、その生態は町で限定すれば野良動物などと大した変わりは無い。 ただ、喋るという事が可能なために人間に対して不遜な態度をとるゆっくりも少なくないという。 青年の友達の経験では、お菓子をよこせとしつこく迫ってきたらしい。 無論、渡すはずもなく、文字通り一蹴しておいたと言う。 近隣のおばさんが飼っている犬がゆっくりに吼える。なかなかうるさい。 どうやら家に侵入しようとしているらしい。 これもよくあることで、ゆっくりは人間が食べ物を持っていることを知っており、それを狙って家に入ろうとする。 そこで“おうちせんげん”なる行動をし、その家は自分のものであると喚くらしい。 まぁ普通に戸締りをしていれば進入されることもないのだが。 青年はゆっくりと犬の様子を見てみる事にした。 おばさんの家に侵入を試みたゆっくりは、飼われている犬に対抗しようと体当たりをする。 しかしゆっくりはその名のとおり動きが遅い。どんなに速くても成人男性の早足程度である。 そんな速度では迎え撃たれるのが当たり前で、頭から噛み付かれて動きを止められた。 痛みに弱いゆっくりはよく叫ぶ。このゆっくりれいむも、ギャーギャーと耳障りな声を上げる。 犬も五月蝿く思ったのか、ゆっくりれいむを離す。するとゆっくりれいむは自分の力に恐れをなしたと勝手に解釈していた。 これがゆっくりである。なんでも自分の都合のいいように解釈し、自分の立場を考えない。まぁ、ちゃんとそうでないのもいるが。 などとゆっくりれいむがえらそうにしている間に、その連れだった小さなゆっくりれいむは犬に潰されたり噛み殺されていた。 また五月蝿く喚く。しかしその親れいむも、すぐに頭を噛み切られて後を追う。 青年は犬があまりゆっくりを食べないように、潰れたものを回収して捨てた。 よくある事である。 中身が甘いものなため、あまり放っておくと虫がよりつく事がある。動物が食べると虫歯などになる事もある。 だから人々はゆっくりの屍骸をみつければ、できるだけ処分するようにしている。 カラスなどのひき殺された屍骸よりは、よっぽどやりやすい。 時間もいい具合なので、そろそろ青年は帰宅する。 その途中、何かぐにゃりとしたものを踏んだが、気にしない。 どうせそこらを注意せずうろちょろしていた小さいゆっくりだろう。 小さいゆっくりは大きいゆっくりと違い処理が面倒である。なので大体の人はわざわざ片付けようとはしない。 小さいなら、雨が降ればすぐに流される。 小さいなら虫が来てもすぐなくなる。 青年もそんな考えだった。さすがに大きいゆっくりは邪魔になるので片付けるが、小さいものまで気を回していたら、生活ができない。 青年は、帰ったら靴の裏を洗わないと、くらいに思って家に帰る。 そして、いつもどおり支度して、いつもどおり戸締りをして、いつもどおり学校へ行くのだ。 ゆっくりがいる日常。 それでも別に何も変わらない。 ちょっとした障害物が増えたくらいである。 ゆっくりがいる日常。 人々は、今日もまた、いつもどおりに日々を送る。 ~終~ 作 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か? anko2426 ゆっくり研究所 anko2430 ああ、無情。 anko2433 ゆっくりは繰り返す
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/110.html
ゆっくり教 3KB 注意 ※地方によって著しく生態が違うゆっくり(場所によっては何も食わなくても平気で生きられるゆっくりが居る事もある)が居る世界の話です 19××年。 ゆっくりが何処からともなく世界に現れ、人々を困惑させた時期。 「これで金儲けできるんじゃね?」 一人の若者がそう考え、その考えを実行に移した。 『ゆっくりは神の御使いであり、ゆっくりが目で見た物、耳で聞いた事の全てが神に伝わっています』 ゆっくり教なる新興宗教が日本の何処かで出来上がった。 聖書をパク……若者なりの解釈をして、ゆっくりを混ぜ込んだ奇怪極まる宗教。 そのパク……引用して作り上げられた、ゆっくり教の有名な言葉を一つ挙げよう。 『ゆっくりに見せるために、ゆっくりに善行をするよう気をつけなさい。そうでないと、天に居られる我等が神から、報いが受けられません』 ゆっくりをゆっくりさせれば死後に天国に行ける、との因果関係が不可解な教え。 だがこれが流行した?何故か? まだ世間によく知られていない摩訶不思議なゆっくりの生態に加え、日本に終末論が流行っていた事もあったのか? 熱病に冒されたように、ゆっくり教は信徒を増やした。 …………………… 何処かの街にある一つの建物。 ゆっくり教団が構えている教会の一つである。 外から見える部分は簡素で、中から見える所も簡素、取り柄と言えば大きさだけな建物。 中では一人の男性信者が数匹のゆっくりに供物捧げていた。 「そろそろ時間ですね、ゆっくり様。お受け取りください」 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~」 男性信者のゆっくりに対する供物は、ゆっくり教が教える基本的な善行の一つだ。 供物を与えられ、笑顔で食べるゆっくりと、それを笑顔で見る信者。 そこに…… 「ゆはぁゆはぁ…ここがゆっくりきょうかいだね」 「ゆへぇゆへぇ…ここならゆっくりできそうだよ!」 れいむとまりさが現れた。 ゆっくりにしては辛い長旅だったのだろう。息を荒げて疲労困憊の様子である。 ゆっくり教を聞いてやって来たゆっくりなのだろう。 荒げていた息を落ち着けると、信者の目の前にぽよんぽよん跳ねて来た。 「これはこれは…ゆっくり様、遠くからお出で頂……!?」 にこやかに対応しようとした信者の顔が凍り付いた。 原因はまりさの帽子から現れた子ゆっくり達である。 「れいみゅおにゃかすいちゃよ」「おにいしゃんのおうちにもどらにゃいの?」 「いまからあまあまをもらうからなかないでね」 あまあまをもらうと聞いて、表情を更に険しくする信者。 それに気付かぬ母れいむは、愚図る子ゆっくりに優しく語り掛ける。 父まりさは安心させるように子ゆっくりの顔を舐めようとして――― 「なかないでねおぢ!!!???」 信者に踏まれた。 強烈なストンピングに内容物の半分が噴出。床に盛大に餡子を散らしながら絶命。 突然のあんまりにもあんまりな攻撃に、母れいむが絶叫しようとした所を。 「悪魔め!この世から去れ!」 激した信者の言葉と共に踏まれ、父まりさの後を追う事となった。 「ぴゃぴゅ!?」「れいみゅぴゃ!!?」 最後に何かいえた子ゆっくりも親と一緒に床の餡子になった。 「ゆっくり達を真似た悪魔め!地獄で永劫の苦しみを味わえ!」 床に転がる餡子の残骸に吐き捨てると、信者はモップとバケツを取りに行くためその場を去った。 …………………… 来るゆっくりは全て拒まず受け入れる。 それがゆっくり教会だが、例外もあり…… ゆっくり教では、子を産むゆっくりの存在を認めていない。 ゆっくり教の教えでは、神が遣わしたゆっくり達は単体で完結しており、増える事が無ければ減る事も無い。 それに、人間の行いを見て聞くだけのゆっくりは、人間に向かって何かを要求する事も無いのだ。 それから外れたゆっくり達は、ゆっくり教の中では悪魔として定められている。 「ゆっくりを騙り人間を堕落させる存在」 あのゆっくり親子は、その例外だったのだ。 ―――――――― 信者はゆっくりが売られているペットショップを、世界中に悪魔をばら撒いてる所だと認識。 ペットショップにペンキをぶちまける過激派もいるそうな。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 84 暇人二人の旅行』 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 原始ゆっくりが居るのか!? だったら崇拝者がいるのも分かるなww -- 2018-01-24 14 17 14 なかなかイイ新興宗教だww -- 2014-03-18 18 28 25 こいつら迷惑な集団だな -- 2012-12-12 21 44 55 ある意味すげぇwwwww -- 2011-12-23 10 13 46 すごい世界だな -- 2011-05-28 15 13 59
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2463.html
『ゆっくり研究所』 7KB 考証 実験 加工場 現代 独自設定 構想0分の殴り書きですので中身は保障しません ・溢れ出る独自設定!! ・虐無し ・ゆっくりもほぼ出ない ・人間ばかり ・構想0分、内文20分のちょいネタ ・考察とか科学的根拠とか考えてません ・勢いだけで読める人推奨 ・いろいろ書ききれない ここはゆっくり研究所。 職員は日夜ゆっくりの生態や構造を調べている。 今日はそんな彼らの研究を覗いてみよう。 この研究室では、ゆっくりの内臓―――つまり餡子やクリームなどを研究している。 ゆっくりは世間認知されているように、中身が餡子などで満たされた生きる饅頭である。 しかし、表面が饅頭素材なのは百歩譲ったとしても、中身が餡子というのに生きているのは生物的に、科学的におかしい。 そこでこの研究チームが創り出され、数々の実験をするようになった。 ここでは数が多く一般的なれいむを使って研究が続けられている。 「確かに、れいむの中身は餡子だな。味も市販品と変わらん」 「それどころか、恐怖心などで甘みが増すというのも」 「逆にゆったりのんびりストレスのない生活をすると甘みは一定値まで下がるとは」 「まずは生きたままの中身を見てみましょう」 そう言って研究員はれいむを連れてくる。 ふてぶてしい顔がなんとも言えないれいむである。 「ゆっくりしてい……すーやすーや」 喋る前にさっさと眠らせる。 ここは虐待をする場所ではないので、無用なことはしない。 「では、まずは研究所特製麻酔で、と」 研究の一端で出来上がったゆっくり用麻酔を打ち込む。 これで半日は痛みも何も感じなくなる。 「ではまず、頭を開けるぞ。餡子を傷つけないように頭だけ外すんだ」 まるで外科手術。細心の注意を払って餡子に傷ひとつ負わせず薄皮一枚を残して頭を外す。 「いつもながら面白い中身ですね」 中の餡子はゆっくりではあるが、れいむの寝息に合わせて流動している。 「うむ。すこしずつ、だが絶えず中身を動かす事で乾燥や病原体の繁殖を防いでいるのだろうな」 「中枢餡は、このあたりですね」 素人目には見えないが、餡子の流動は不規則ではあるがある一点を中心として動いている。 その中心が俗に言う中枢餡。ゆっくりの核である。 中枢餡はゆっくりの命の源とされており、これが破壊されると、それ以外にどんな外的障害が無くともゆっくりは即死してしまう。 人間の脳と同じではあるが、はっきり違うものがある。それは中枢餡はメモリーではないという事。 ゆっくりは餡子そのものが筋肉や記憶などの役割をすべてになっており、中枢餡はそれを形成するためのものでしかない。 実験によって、餡子がほぼ入れ替わると記憶も運動能力もリセットされる事がわかっている。 「では、次は餡子を調べるとしよう。速やかにな」 衝撃を与えないよう、機材へ載せる。 これは精密なスキャンや顕微鏡など最新技術も使われており、ゆっくりを載せやすいように改造したものである。 「よし、まずは餡子がいかにして内臓の役割を担うか、見てみよう」 顕微鏡の映像がモニターに映される。 見れば見るほどただの餡子が流れているようにしか見えない。 次に、研究員はれいむの口の中に顕微鏡を向ける。 中に入れないのは、ゆっくりは食したものを餡子に変えるという性質があるためである。 しかも、まさかの鉄などまで時間をかけてではあるが餡子に変換してしまうのだから驚きである。 それゆえに、顕微鏡をあまり中に入れるわけにはいかないのである。入れる場合は、すみやかに行動しなければならない。 「よし、何か固形物をいれてやれ」 「了解です」 れいむの口の中にが投入される。 麻酔は効いているようだが、アームを使って喉の奥、つまり餡子の中に突っ込んだ。 続けて顕微鏡も速やかに喉にもぐる。 小さなアームを使い、餡子を掻き分けて飴玉が見えるようにする。 餡子は流動しているのでそれにあわせて餡子を掻き分けねばいけないので、研究員は細心の注意と集中力で操作をする。 一時間が経った。操作する研究員もさすがに二度三度交代で行っている。 もとより消化を見るための実験であるため、長丁場になることは覚悟の上であった。 ―――変化は意外に早く訪れる。 飴玉がどんどん砕けていく。融けるのではなく砕けている。 強い圧力がかかっているわけではない。脆くなって砕けたようだ。 胃液のような物でも出ているのだろうか? そう考えた研究員はアームで飴玉付近の餡子を採取し、大急ぎで顕微鏡を回収、餡子を解析し始める。 「……おかしい、どう見てもいつもと変わらない」 「そうですね。酸でも出ているのかと思いましたが、何も検出できません」 悩む研究員。 そこへ、別の研究員が声をかけた。 「今飴玉が砕けているときの内部餡子のデータが出たのですが面白いですよ」 「ほう、糖分がどんどん引いていっているな」 消化中の体内では、餡子全体の甘みが減っているらしい。 「あの甘さこそが何かの鍵でしょうか?」 「うぅむ……」 「いっそ電流でも流してみれば面白いかもしれませんね」 「おいおい」 軽口を立てはじめる研究員。いつもの事なので特に注意はしない。 しかし、教授は何かを思いついた。 「そうだ、電流だ」 「何がです?」 「いや、まだはっきりとはしないが、人間は脳からの電気信号で動いているのは知ってのとおりだ。 では、もしかすればゆっくりの中身も電気信号が流れているやもしれん」 「え、でも中枢餡にそんなもの無いはずでは」 実験結果ではたしかに中枢餡は電気信号を発信してはいない。 「いや、中枢餡ではなく餡子とされているもの自体が電気信号を発しているかもしれん。 新しく入ったらしい機材を使わせてもらおう。あれなら、どんなに微弱な電波でも拾えるはずだ」 「やりましたね所長。本当に餡子そのものが電気信号を発しているようです」 「うむ」 「ですがなぜ餡子が電気信号など……」 「いや、あれは餡子じゃないはずだ」 「というと?」 「私たちが餡子だカスタードだと言っている中身は、見た目と味だけで判断しただけだ。 成分的にもほぼ同等だろう。しかし、形成しているものが少々違うのだ。 まだわからないが、おそらくあれは餡子に似た何かであるだけなのだと思う」 「すると、教授はあの飴玉が崩れていたのはなんらかの化学反応を引き起こした結果と?」 「そう考える。私たちが餡子の味と思っているのは、食感とあの電気信号のせいかもな。 舌はとても刺激に敏感だ。あの電気信号が舌に作用して、甘さを感じさせているだけにすぎないのだろう。 「ゆっくりが恐怖などを感じて甘くなるのは、行動をおこそうとして過剰に信号が送られたりするからですかね。 逆にゆっくりしていれば信号も活動する必要が無いものだから緩くなると。 しかし、どうしてゆっくりはすべてを分解できるのに毒物や刺激の強いものに弱いのでしょう?」 「中枢餡が問題なのだ。中枢餡はゆっくりの核であるため餡子全体の情報が統括されているはず。 だからこそ刺激の強いものを摂取してしまうとあの小さな中枢の許容量を超えてしまう。 だからこそ刺激物を多量摂取したゆっくりの大半は死に至る。 逆に中枢が大きめなゆっくりは、刺激物にある程度の耐性があるのも確認されている。 そうした仮説でゆっくりの構造を前提とすれば、おそらく大体の謎は解けるだろう。 あとは、それを証明する手段だ」 「なるほど、面白い話です。 ゆっくりのなぞが解き明かされれば、科学は一気に成長を遂げるかもしれません」 「ああ。あの分解能力が解明でき、そして実用可能なレベルになれば、人類の未来はまた少し輝かしくなる」 ゆっくりはなぜ存在するのか。 そんな事は彼らには関係ない。 彼らが必要とするのは、ゆっくりが総じて持っているその体内の物質分解能力。 どんな毒物であっても最終的には分解しきってしまうその能力 ゆっくりが毒物や辛いものに弱いのは、脆弱な中枢餡にダメージを与えないためだといわれている。 この謎が全て明かされれば、もしかすれば産業廃棄物などの問題を一気にクリアできるかもしれない。 道は険しい。しかし、やる価値はある。 人類の未来を輝かしいものとするため、研究所では日夜ゆっくりの研究が行われている。 ~終~ 駄文 なんとなく気になったことを勢いだけで書いたので、まぁ理論とかはおかしいでしょう。 すいません科学に詳しいひとほんとすいません。 記憶は電気信号全体で餡子に広がっているため、多く消費すれば記憶もその部分にたまった電気信号状態の記憶分無くなる、という構想。 かいててまだいっぱい思いついたことはありますが、もう夜勤にいく時間だし面倒なので終わり。 最後まで読んでくれた心の広い方、こんな雑文を読んでいただきありがとうございました。では。 作 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か?
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4155.html
『れいむは、今日もゆっくりしていた。』 7KB 小ネタ 野良ゆ 現代 安西先生、ジャンルが、決めづらいです… ・死も虐もなし。 ・構想0分思いつきのままに。 ・賢い、というわけではないけど愚かキャラではないれいむ。 ・個人的にこの話で書いたあのれいむは好き。 ・予定より大分長くなったかなと。ほんとは5kb未満予定だった。 れいむは、今日もゆっくりしていた。 れいむは元野良で元飼いゆっくりで現野良である。 正確には、元野良から飼いゆっくりとなったが野良に戻ったれいむである。 野良出身だから粗相をしたのか? いいや違う。 れいむは自ら進言して野良の生活に戻してもらった。 これは事実だ。 このれいむ、汚れこそ野良らしいものの、人間が見てもとてもゆっくりしたれいむだった。 人間に突っかかることもなく、人間に関わる事もなく、というよりも無関心に近かった。 だからこそ、逆に人間の関心を買い、先日一人の人間に飼われみないか、と言われたのだ。 れいむはとりあえず飼われてみた。 しかし、落ち着かなかった。 雨風をしのげて騒音もある程度遮断する頑丈な家。 ゆっくり達にとってはとてもとても広い空間。 ゆっくりの雑然とした部屋と違って綺麗に整頓された部屋。 野良からすれば豪勢過ぎる市販のゆっくり用食品による食事。 綺麗に洗浄された自分。 そのどれもが落ち着かなかった。 れいむは三日で野良に戻りたいと言った。別段怒鳴るなどしてはおらず、ただ淡々と。いつものようにゆっくりしながら。 最初は人間も止めたが、れいむが折れないとわかると渋々ながら了承した。 無愛想に近いとはいえ、この三日間、帰れば一言くれるれいむは、一人暮らしの人間にとって良い心の癒しとなったのだろう。 れいむは生粋の野良。 何代も重ねた野良の血統で、いつの時代からここにいるかもしらない。 だからこそか、れいむは窮屈で、脆くて、汚くて、質素以下で、汚れた環境に落ち着きを感じていた。 外は危険がいっぱいである、と人間には言われたが、それでも自分はゆっくりしているから問題ない。 ゆっくりしているのだから。 れいむが一度飼いゆっくりとなった事は近所のゆっくりのほとんどが知っていた。 そんなれいむがすぐに戻ってきた事に興味関心を示さないわけがない。 飼いゆっくりといえば、ほとんどのゆっくりからすれば生きて天国へ行く事と同義である至上の喜びのはずなのだ。 れいむは同属達の質問攻めに、ただただ、人間がゆっくりできてもゆっくりがゆっくりできるようなものじゃない、と答えた。 ぱちゅりーが言う。 ――あのような広い家を独り占め、あるいはひとつの家族で独占するのは間違っている。 れいむは言う。 ――それは人間の大きさと活動範囲の問題。出入り口が硬く閉ざされていている上にゆっくりするためのものが無いから自由が無い。ゆっくりできない。 ありすが言う。 ――自分色に染め上げればいいのではないか。 れいむは言う。 ――それならばもっと自分のためにちょっとした空間があればいいだけだ。あれではただ広いだけで気分を害する。ゆっくりできない。 まりさが言う。 ――あれだけの豪勢な食事を食べられるのは卑怯だ。 れいむは言う。 ――食事の時間、量、食べ方、全てにおいて自由が無いため、味を噛み締める事が出来ない。ゆっくりできない。 れいむは次々に論破していった。 もっとも、これはれいむの主観だっただけなので、否定しようと思えばいくらでも否定は出来たはずなのだが。 そこはゆっくりという種族。目先のゆっくりを見ているこの生物は、れいむの言う事に論理的な反抗ができない。 ほとんどの者はれいむがおかしい、と言ってはいた。 しかし、れいむの堂々とした態度。いつもゆっくりとしている佇まい。何より至上の楽園を自ら放棄してきたという事実が、自分たちの想像する理想郷に疑いを持たせるようになる。 元は飼われていて、粗相をして捨てられた者も中にはいたのでそれに大きく反発したのだが、今は無い過去のゆっくりを喚き散らす者と堂々と今をゆっくりする者、どちらを支持するかはわかりきったことだった。 いつしかその近辺に住むゆっくりは飼いゆっくりになりたいという理想を抱かなくなっていく。 人間に関わる者も、人間の家に侵入するものも減少した。 それで何が変わったのかと言えば何も変わった事は無い。人間からすれば単にゆっくりの被害に少し変化が出ただけ。 だが、野良に生きる者たちは少しずつ減っていった。 野良は半数が人間に飼われる事を夢見て生きてきた者達だ。 その理想が崩れた以上、街にいる意味は無い。生きる意味すら失った者も少なくなかった。 一部は野を目指し、一部は残る。 あのれいむは、そんな事は気に留めず、今日もやはりゆっくりしていた。 別にみんながれいむのようになるわけではなく、ひもじくなれば物乞いをし、苛立ちを覚えれば人間に食って掛かる。 その末路は言うまでも無いだろう。 れいむはゆっくりしている。 その日の糧を得るために走り、辛い思いをし、死の危険と隣り合わせに生きる。だが、それも今ゆっくりするためである。 人間の家は確かに住み心地が良かった。だがゆっくりは出来なかった。 ゆっくりという存在はゆっくりする事を至上の喜びとする。 人間に飼われるというのは、そのための通過点、過程でしかないはずだった。 しかし、ほとんどの野良ゆっくりは、いつしか人間に飼われるという事が終着点となってしまった。 れいむは、そんな中に生まれた限り無く“ゆっくり”と言う種族の本能に忠実に生きられる存在なのだろう。 ゆっくりとは思い込みの生き物であるらしい。 れいむは、人間の家はゆっくりできないと思った。 他のゆっくりはおそらくゆっくりできるだろう。 だが、れいむはそう思わなかった。ただそれだけ。 最近はゆっくりによる屋内被害がめっきり減った。 いつしか野良ゆっくりの間では人間の住居はゆっくりできないもの、と言われるようになった。 それなのに、ゆっくりによる被害件数と言う意味では減少がほとんどなかった。 今度は飼いゆっくりへの執拗な嫌がらせが増えたのだ。 ゆっくり出来ないところに住んでいる哀れなゆっくり、と。 昔は近づこうともしなかったのに、ついには飼いゆっくりに攻撃するという実害まで出すようになった。 おかげでその区画の野良は駆除対象とされる。 人間の家屋に侵入したのならその進入固体だけが駆除対象だが、群れと呼ばれる小さな区を形成しているゆっくりの溜まり場でそれが起こってしまえば、駆除されるのはその区画の全員である。 人間の目にはゆっくりが凶暴性を増したとしか見えないだろう。 あのれいむは、そんな事は気に留めず、今日もやはりゆっくりしていた。 れいむはこれからもゆっくりするだろう。 毎日の辛さも、その後のゆっくりで洗い流すだろう。 もしかしたら明日、いや今すぐ死ぬかもしれないが、それでもゆっくりするだろう。 なに、問題は無い。 だってれいむはゆっくりしているのだから。 ある日、れいむがいる地域で駆除が始まった。 周りのゆっくりたちはあわただしく騒いでいる。 逃げる者、隠れる者、喚く者、様々だ。 そんな時でもあのれいむは、そんな事は気に留めず、今日もやはりゆっくりしていた。 あとがき 感想スレ、いろいろ指摘ありがとうございます。肝に銘じておきます。 ちなみにあのれいむが飼われてみたにんげんさんはその後、ペットショップでそれなりのれいむを買ってきて、一緒にゆっくりしました。 多少躾に苦労したようですが、我が子に言い聞かせるように大事にし、れいむからも信頼され、充実したゆっくりらいふを送りましたとさ。 れいむの住む区画が駆除される事になったのは、このにんげんさんのれいむが襲われたため。一応大事無く済んだけれど、危険視されるという結果に。 裏設定乙。 『anko4107 れいむ』 実は初案だと飼い主さんの策略的な流れにしようかと思ってたり。 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko4106 ゆっくり教材Vol.5『ペットとちぇんと野良と飼い主』 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko2426 ゆっくり研究所 anko2430 ああ、無情。 anko2433 ゆっくりは繰り返す anko2439 ゆっくりがいる日常。 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か? anko4103 ゆっくりと人間は違う anko4107 れいむ
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2470.html
『ゆっくりは繰り返す』 8KB 制裁 自業自得 駆除 現代 台詞なし。かなり読み辛い。 ・駆除 ・台詞なしで書く試作第二号 前作「anko2430 ああ、無情。」以上に試し書きです 終わってみて台詞ありの方がよかったと反省 ・予定より二倍くらい長くなった 台詞なしで長いのは読み辛いと思われます ・書いた本人も読み辛い 致命的 ・言い訳終わり ―――人間さんに近づいてはいけない。 まりさはお腹が空いていた。 ただでさえ食糧事情が悪い野良生活で、ちょっと遠出をしてしまった。 野良の一部はたまに人間に拾われていく。 その日まりさは一匹の飼いゆっくりを見つけ、興味本位で後をつけた。 その飼いゆっくりのれいむは、にんげんさんの家の中に入っていた。 窓の外から覗き込んだにんげんさんの家の中は広くて、いろんなものがあった。 家の中だけでなく、庭にもいっぱいおいしそうな花などがある。 羨ましかった。 お腹いっぱいごはんを食べている飼いゆっくりが羨ましかった。 今の若いゆっくりはそんな言葉だけでしか人間の恐ろしさを知らない。 ゆっくりはみんな親の言う事を信じてにんげんさんとは関わらないようにした。 だが、同じゆっくりなのに飼いゆっくりは違った。 とてもゆっくりした毎日を送る飼いゆっくり。 自分たちと何も変わらないはずの飼いゆっくり。 自分をはじめ、若いゆっくりはいつも疑問だった。 ―――飼いゆっくりは自分たちとは違う。 何が飼いゆっくりは違う、だ。 空腹な事もあって、苛立ちを、鬱憤を晴らすために花壇を荒す。 あまりに派手にやっていたものだから、その家のれいむに見つかり、飼い主にも見つかってしまった。 泣いて謝る。殺さないでほしい、空腹だった、どうしても、どうしても。 その懇願が通ったのか、二度とやらない事を条件に解放された。 ―――にんげんさんの花壇やゴミを荒らすと殺される。 そう言われていたが、実際は違った。自分は許された。 拍子抜けだ。にんげんさんはゆっくりに優しいではないか。 飼いゆっくりというのはただ住む場所を提供されただけで、自分たちと同じなのだ。 後日、友達みんなにこの事を話した。 そうしたらみんな信じた。 だってみんなおかしいと思っている。 同じゆっくりなのに自分たちと違うはずがない。 歳をとったじじばばたちは薄汚い外見だから、綺麗でかわいい飼いゆっくりに嫉妬してるんだ。 若い自分たちがにんげんさんに見つかると可愛いからって飼いゆっくりにするかも知れないのを僻んでるんだ。 そうとわかってしまえば話は早い。 みんなで町に出る。 まるで天国だった。ごはんがいっぱいある。 苦い草ばかりでたまに虫がご馳走で出てくる生活とは違う。 虫をご馳走だなどとレベルが低い。 世の中にはおいしいものがいっぱいあるのだ。 日が何度か昇った。 今日はどこに行こう、そう思った矢先に友達のありすの悲鳴が聞こえた。 ゆっくりできない悲鳴。気になって駆けつける。 そこには――― ―――何か道具を持ったたくさんのにんげんさんが、 ―――たくさんのゆっくりの、 ―――屍骸を集めていた。 おぞましい光景。 まりさは悲鳴を上げそうになって堪えた。 見つかれば自分も同じ目にあうのは目に見えている。 ひっそりと身を隠す。 その屍骸は見知った者たちばかりだった。 友達のありす、喧嘩仲間のちぇん、悪友のみょん……。 するとまた悲鳴が聞こえた。 幼馴染のれいむの声だった。 にんげんさんにもみあげを掴まれている。 れいむが危ない、と思った瞬間まりさは飛び出していた。 小さい頃から一緒のれいむ。 いつも喧嘩したり仲直りしたれいむ。 とってもとっても仲良しのれいむ。 まりさのこの世で一番大切で大好きなれいむ。 見捨てる事なんてできない。 助けないわけにはいかない。 まりさは必死で叫びながられいむを掴むにんげんさんに向かっていく。 れいむもまりさに気付いて叫ぶ。 すると、にんげんさんはれいむを離した。 れいむとまりさの呼び合いに情が動いたのか。 れいむはまりさに向かって跳ねる。 よほど怖かったのだろう、綺麗な顔が怒っているように歪んでいる。 そしてれいむはまりさに抱きつこうと飛び掛った瞬間――― ―――れいむは鈍い声を上げて潰れた。 まりさは目の前で潰れたれいむを目の前で見てしまった。 頭が潰れ、左右に中身が分断され、両の目は押し出され、歪な形の口になり、体が割れて餡子が飛び出る全てを。 頭は真っ白になる。目の前の現実が受け入れられない。何が起きたのかわからなくなる。 我に返ったとき、まりさは大きな声で叫んだ。 なんてことはない。にんげんさんがれいむを離したのはれいむがまりさに気付いて暴れたからだ。 ただ泣き叫ぶだけだったのに不意に暴れるものだから離してしまった。 だから逃げられないようにすぐに潰した。 目の前にはれいむを殺したにんげんさん。 どう考えても、まりさでは勝てるわけが無いのはわかった。 しかし、しかし、しかしどうしてこんな事を――― 人間の返答はいたって単純。 ―――野良ゆっくりが害ばかりもたらすから。 なにを馬鹿なことを、まりさは同じ事をしても許された ―――にんげんさんは、それは運が良かっただけだという。 その家のゆっくりだってにんげんさんのごはんさんを食べてる。 ―――にんげんさんは、それは飼いゆっくりだからだという。 飼いゆっくりとまりさの何が違うというのか。 ―――にんげんさんは、飼いゆっくりは迷惑をかけないという。 まりさたちの何が迷惑だというのか。 ―――にんげんさんは、存在全てが迷惑だという。 駆除ボランティアの青年は呆れていた。 目の前のまりさが大声で怒鳴りちらす。 何がゆっくりの存在全てが迷惑だ、と。 まりさたちも生きている。 飼いゆっくりも生きている。 にんげんさんも生きている。 なのに何がいけないのか。 生きるための行動に何がいけないことがあるのか。 どうして自分たちだけこんな目にあわねばならないのか。 などと答えのわかりきった事を言っているのだ。 青年はまりさを乱暴に持ち上げる。 そして面前まで持ち上げてひとつ教えた。 自分たちの領域を荒らされたらする事はひとつ。報復である、と。 何もしなければこんなことはしなかったのに、人間の領域をゆっくりは荒らしたのだ。 潰したゆっくりによれば、どこぞのゆっくりまりさが何をしてもいいと言ったからやってきたという。 だから青年は言った。 恨むなら、そのみんなを扇動したお前と同じゆっくりまりさを恨め。 死んだものはみな、そのまりさに恨み言を言いながら死んでいったぞ、と まりさは固まった。 そう、それはまぎれもなく自分の事だ。 思い出す。 さっきれいむはすごい形相でまりさの名を叫んでいた。 思い出す。 潰される前、れいむは自分に飛び掛ってきた。 そう、あれはまりさに会えた喜びなどではない。 あれはまりさに対する激しい憎悪だったのだ。 まりさは自分の過ちに気付く。 何が悪いかではない。全てが悪かった。 そう、年寄りたちの言っていた事は本当の事だった。 それを嘲笑い、調子に乗ってみんなを煽った結果がこれだ。 周りの屍骸となった仲間たち。 もう喋るはずも無いのに聞こえてくる。 ―――死ね ―――許さない ―――死ね ―――お前のせいだ ―――死ね ―――絶対許さない ―――死ね ―――みんなお前のせいだ ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね ―――死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね 数日後、この地域のゆっくりはほとんど駆除された。 生き残ったのは一部の年寄りゆっくりと小さなゆっくりたち。 この出来事はまた語り継がれていくだろう。 また今回の魔理沙と同じゆっくりが現れるだろう。 そして同じように一斉駆除が開始されるだろう。 人間からすれば蜂の巣駆除や蟻の巣駆除と変わらない。 やろうと思えばいつでも駆除できるのだ。 ゆっくりは繰り返す。 ―――減った数を戻すために子をつくる。 ゆっくりは繰り返す。 ―――今回の事件を教訓として伝える。 ゆっくりは繰り返す。 ―――世代を重ねる事で事実と恐怖が薄れる。 ゆっくりは、また、繰り返す。 ~終~ 作 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か? anko2426 ゆっくり研究所 anko2430 ああ、無情。 挿絵:にとりあき
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2040.html
注意 ※地方によって著しく生態が違うゆっくり(場所によっては何も食わなくても平気で生きられるゆっくりが居る事もある)が居る世界の話です 19××年。 ゆっくりが何処からともなく世界に現れ、人々を困惑させた時期。 「これで金儲けできるんじゃね?」 一人の若者がそう考え、その考えを実行に移した。 『ゆっくりは神の御使いであり、ゆっくりが目で見た物、耳で聞いた事の全てが神に伝わっています』 ゆっくり教なる新興宗教が日本の何処かで出来上がった。 聖書をパク……若者なりの解釈をして、ゆっくりを混ぜ込んだ奇怪極まる宗教。 そのパク……引用して作り上げられた、ゆっくり教の有名な言葉を一つ挙げよう。 『ゆっくりに見せるために、ゆっくりに善行をするよう気をつけなさい。そうでないと、天に居られる我等が神から、報いが受けられません』 ゆっくりをゆっくりさせれば死後に天国に行ける、との因果関係が不可解な教え。 だがこれが流行した?何故か? まだ世間によく知られていない摩訶不思議なゆっくりの生態に加え、日本に終末論が流行っていた事もあったのか? 熱病に冒されたように、ゆっくり教は信徒を増やした。 …………………… 何処かの街にある一つの建物。 ゆっくり教団が構えている教会の一つである。 外から見える部分は簡素で、中から見える所も簡素、取り柄と言えば大きさだけな建物。 中では一人の男性信者が数匹のゆっくりに供物捧げていた。 「そろそろ時間ですね、ゆっくり様。お受け取りください」 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~」 男性信者のゆっくりに対する供物は、ゆっくり教が教える基本的な善行の一つだ。 供物を与えられ、笑顔で食べるゆっくりと、それを笑顔で見る信者。 そこに…… 「ゆはぁゆはぁ…ここがゆっくりきょうかいだね」 「ゆへぇゆへぇ…ここならゆっくりできそうだよ!」 れいむとまりさが現れた。 ゆっくりにしては辛い長旅だったのだろう。息を荒げて疲労困憊の様子である。 ゆっくり教を聞いてやって来たゆっくりなのだろう。 荒げていた息を落ち着けると、信者の目の前にぽよんぽよん跳ねて来た。 「これはこれは…ゆっくり様、遠くからお出で頂……!?」 にこやかに対応しようとした信者の顔が凍り付いた。 原因はまりさの帽子から現れた子ゆっくり達である。 「れいみゅおにゃかすいちゃよ」「おにいしゃんのおうちにもどらにゃいの?」 「いまからあまあまをもらうからなかないでね」 あまあまをもらうと聞いて、表情を更に険しくする信者。 それに気付かぬ母れいむは、愚図る子ゆっくりに優しく語り掛ける。 父まりさは安心させるように子ゆっくりの顔を舐めようとして――― 「なかないでねおぢ!!!???」 信者に踏まれた。 強烈なストンピングに内容物の半分が噴出。床に盛大に餡子を散らしながら絶命。 突然のあんまりにもあんまりな攻撃に、母れいむが絶叫しようとした所を。 「悪魔め!この世から去れ!」 激した信者の言葉と共に踏まれ、父まりさの後を追う事となった。 「ぴゃぴゅ!?」「れいみゅぴゃ!!?」 最後に何かいえた子ゆっくりも親と一緒に床の餡子になった。 「ゆっくり達を真似た悪魔め!地獄で永劫の苦しみを味わえ!」 床に転がる餡子の残骸に吐き捨てると、信者はモップとバケツを取りに行くためその場を去った。 …………………… 来るゆっくりは全て拒まず受け入れる。 それがゆっくり教会だが、例外もあり…… ゆっくり教では、子を産むゆっくりの存在を認めていない。 ゆっくり教の教えでは、神が遣わしたゆっくり達は単体で完結しており、増える事が無ければ減る事も無い。 それに、人間の行いを見て聞くだけのゆっくりは、人間に向かって何かを要求する事も無いのだ。 それから外れたゆっくり達は、ゆっくり教の中では悪魔として定められている。 「ゆっくりを騙り人間を堕落させる存在」 あのゆっくり親子は、その例外だったのだ。 ―――――――― 信者はゆっくりが売られているペットショップを、世界中に悪魔をばら撒いてる所だと認識。 ペットショップにペンキをぶちまける過激派もいるそうな。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 84 暇人二人の旅行』 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4148.html
『ゆっくりと人間は違う』 9KB 制裁 虐殺 駆除 群れ 現代 二年?振りに ・途中までゆっくり無双っぽい? ・いーらいーらするかも ・台詞は最後当たりまでほぼ無し ・制裁もの まりさはご機嫌だった。 ついさっき、人間を負かしてきたのだ。 少々の傷を受けてしまったが、なに、これもひとつの勲章。名誉の傷である。 無駄だとわかっているのに立ち向かってきた事だけは褒めてやらないでもない。 あの人間はまりさの奴隷だ。あれだけ完膚なきまでに叩きのめしたのだから、当然である。 次来る時にはもっともっと美味しい食べ物を用意しているようにとも言ってある。 まぁ、明日いくわけだが。 もしも用意していなかったらまた制裁してやればいい。人間なんて所詮はゆっくりという上位種の足元にも及ばない劣等種。 せいぜいまりささまのために食料を集めて、まりささまの仕事の時間を多少減らす程度しか出来ない。 それでもいないよりはマシだ。そう、多少なり貢献できるという意味ではむしろ幸福と思って欲しい。 あえて止めを刺さなかったのもまりさの慈悲だ。 そう考えているうちに自分の集落に戻る。 みなまりさの怪我を心配している。 しかし、まりさの武勇伝を聞かせると賞賛の嵐が巻き起こる。 まりさは群れ一番の強者。それに勝てるものなどドス程度のものであろう。そういった認識だ。いや、もしかしたらドスをも超えたかも。 まりさは群れの賞賛の言葉を聞きつかれてそそくさと家に戻る。家に入ると愛しの妻と子供が出迎える。 れいむ、そしてれいむとまりさに似たかわいいこどもたち。 まりさは今日の武勇伝をこどもたちに聞かせ、こどもたちはまりさへの羨望の眼差しを向ける。 れいむはまりさの傷を癒すために献身に身体の傷を舐める。 まりさは体力を回復するために備蓄している食糧のうち、最も栄養の高いものを食べる。 最初はれいむも慌てたが、なに、人間が奴隷になったのだからこの程度の消費はすぐに持ち直す。いや、それ以上が望めるのだ。 まりさは明日、少数の供を連れて人間へ食料の徴収に向かうという。 まりさだけでも十分だろうが、できるだけ威圧を与えて謀反を起こす気を起こさせないようにする、という優れた思考だ。 さすがは、次期長候補筆頭とまで言われるまりさ。れいむはそんな者の嫁になれたことに心底喜びを感じていた。 明くる朝、みょんとちぇんを二名ずつ連れて昨日の人間の元へ行く。 まりささまが戻ったぞ、と人間を呼びつける。 数秒後、間抜けで小さい頭をした人間が現れる。小さい頭のくせに無駄にいきがる、お飾りも持たない下等な顔だ。 人間はいやそうな顔をする。まったく昨日あれだけまりさの力を見せたというのにもうその事を忘れたようだ。 やはり供を連れて来て正解だった。こんな阿呆には徹底した荒療治が必要だ。 しかし、一瞬の油断があった。 供に連れていたちぇんが一名不意打ちを受けてしまった。 まりさは一瞬反応が遅れたが、華麗な身のこなしで回避する。 だが残りのちぇんとみょんは違う。まりさのような機敏な動きができない三名は、人間の不意打ちをまともに受けてしまった。 なんと言うことだ。四名はすでに虫の息。助かる見込みは……無い。 こうなったら仇だけでも討ってやらねばーーーーー まりさは消沈の面持ちで群れに戻る。 人間は徹底的に痛めつけた。みすぼらしく命乞いをしてきた。 まりさは次来るまでに莫大な食料を用意することを条件に人間を解放した。 だが、どんなに人間を蔑もうとちぇんとみょんは生き返る事は無い。本当は殺してやりたかったが、従属させて飼い殺す方が惨たらしくていいと思ったのだ。 群れに戻ったまりさは事の経緯を全て話す。 みょんとちぇんが卑怯な手によって命を落としたこと。 人間は数と道具に頼ってまりさを襲ったこと。 そんな人間を完膚なきまでに倒したこと。 次人間のもとに行くまでに群れ全体に十分な量が行き渡る食料を用意するように言ったこと。 ちぇんとみょんの家族にはすまない事をしたが、その分、明日手に入る食料は多めに渡してやらねばならないだろう。 それでもあの四名の命の対価には少なすぎるが、今はそれしかできない。まりさは少し自分を責めた。 この日はさすがに武勇伝を嬉々として聞かせる気にはならなかった。供が死んだのだから。 それでもこどもたちには色々話してやる。ちぇんとみょんの生き様やまりさの誇らしい強さを。 れいむもそれを聞きながら、まりさを癒し、食料を運んできてまりさを元気付ける。 更に明くる朝。 まりさは五十を数える群れ全員とともにまた人間のもとへ行く。 命乞いを聞き入れてまで作った猶予。これで何もできていなければその場で嬲り殺す。 食料の用意が出来ていても群れまで連れて行き嬲り殺す。すぐには殺さない。あの四名の分まで苦しめた後、まりさたちの気が済むまで生かす。 そしてまた人間を呼び出す。 今度はすぐに現れた。 そして、まりさは約束の食料を出すように命じたーーーー そこは地獄だった。 群れは壊滅。しかし全員が生きている。 ただし、生きているだけーー 「ぐる、じぃ……だずげ、でぇ……!」 「でいぶの、がばいい、おじびじゃ、ん……」 「わがらばい……わがらない、びょ……」 「むぎゅ……ぅ」 大人も子供も全て、飾りが損壊、足は全損、半死半生の外傷、生きているだけでも不思議な怪我ばかりだった。 「だんで、ごんなごどに……」 一際酷い状態のこのまりさらしき物体。そう、これこそがあの群れを率いてきたまりさである。 なんてことない、全てまりさの妄想と虚構jでしかなかったのだ。 そもそも人間に勝ったなどという時点から虚実である。 まりさは人間に追い払われたのだ。それを「自身の力を知って恐れた」と解釈したのだ。 勝ったというのに食料ひとつ持って帰っていなかったのが何よりの証拠だろう。 数と道具、それは人間の手だっただけの話。ゆっくりには胴体というものが理解できていないのだ。だから頭の大きさで相手を判断して高圧的に出る。 そして都合が悪い事は全面的にいいように解釈する。まりさはそれが他のゆっくりよりも酷かった。何度も痛めつけられたのにあのような解釈ができるのはそういないだろう。 まりさは今でも信じられないという気持ちでいっぱいだった。 自分は人間より上であると信じていた。だけど、それを信じているのはもういない。 「ばりざのぜいでぇぇ、ばりざのぜいでぇぇぇぇぇぇぇ…………!」 「ゆるざないわぁ、ゆるざないわぁぁぁ……」 「じね、じね、じね……ゆっぐりでぎないまでぃざはじねぇ……!」 そればかりかこの原因ともなったまりさに呪詛怨嗟を撒き散らす。 このような惨状を作り上げられる最中、何度も何度も人間が言っていた。 『このまりさが人間にはむかっていなければ、今頃いつもどおりゆっくりしていただろうに』 『正直、こういうのは気が進まないんだが、こんなことされちゃあな』 『うらむなら、そこのまりさをうらんでくれよ。成仏してくれや』 『まぁ、ゆっくり相手に何を言っても無駄だってのはわかってるけども』 『ちょっとはさ、わかってくれたらいいな、くらいには思ってたんだが』 群れは壊滅した。たった一人の人間によって。 まりさは最初に捕まえられ、他の仲間が半死半生となる姿をじっと見せ付けられた。 その間、あれほど羨望の眼差しを向けていた群れのみんなの目の、絶望と悲しみと、そして憎しみの感情が、まりさを射す。 それはどれほどゆっくり出来ないものだっただろう。 憎悪の念はまりさを餡子の底から震え上がらせ、今にも死にそう担っている者は更なる負の念を生み、その異形の姿と相俟ってまりさを追い詰めた。 「やべで……ぞんなべでばりざをみないでぇええええええええええ!!!!」 そして、人間は最後の最後にまりさを無残な姿に変える。その姿は他の異形たちと比べてなお異形である。 それでも死なない。これが人間の技。ゆっくりとは立ち位置が違うという表れ。 今、まりさたちは山と人間の集落の間に野ざらしにされている。 近くに住んでいるだろう他のゆっくりに対する警告の意味が込められている。 更に、このゆっくりたちの憎悪の計り知れないゆっくり出来なさは、周辺のゆっくりにとても効果的だ。 こんな惨状の中でも、動けるものは僅かにいる。しかしそのわずかに動けるものはどれも森に逃げようとしない。 「な、なに、やべ、やべで、ごないでええええええええ!!!!!!!」 残り少ない命。そうせ使い切るなら、せめて怨敵を道連れにするのだ。 死屍の畑となった群れの中心に、形容し難い恐怖と絶望の表情をしたまま腐った大きな一個の饅頭があった。 そのまわりには、その饅頭に這いよっていったのだろうこれもまた腐った泥饅頭が綺麗に円を描いていた。 数日後、饅頭の墓地は、そうなるように作られていたのか、雨によって全て綺麗に洗い流された。 人間はゆっくり全てを下等とは見ない。 特に家畜を扱う農村ではゆっくりも自然の一部として境界は弁えている。 相手は人語を解するとは言っても動物の一種。餌が無ければ熊や鹿のように人里に下りてくるだろう。 それはしかたないのだ。だから人間もそれに対処する。ただそれだけのこと。 ゆっくりは人間じゃない。人間はゆっくりが完全に言葉を理解しているとは思っていない。 オウム返しよりは正確で、犬よりは意思が読み取りやすいという程度の認識だ。 今となっては誰もゆっくりに対して弁舌を働かせようと思う者もいない。 ゆっくりと人間は違うのだから。 人間はゆっくりを理解しようとはしない。 ゆっくりと人間は違うのだから。 人間はゆっくりに期待はしない。 ゆっくりと人間は違うのだから。 そしてまたどこかの村のどこかの家にゆっくりの声が聞こえてくる。 「ゆっくりしていってね!」 二年振りに書かせていただきましたよぅ。 絵を描くのもいいけど、SSもね! でもテンプレの台詞は自分で書くとなんかめんどくさくていけない。 愛でるのが好きだけど、虐も書いてこそ愛でに力が注げるというもの。 苦手だからこそ書いてみるのが大事だよね。ゆ虐は公には出来ない事だけど! ああ、さなえを飼いたい。 直径5cm程度のゆっくりを水槽に入れて毎日観察したい。 あのAAのふてぶてしいのでもいいから飼いたい。 夢の中でいいから一度は飼ってみたい。 仕事増えていいからもっとお金稼ぎたい……。 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko2426 ゆっくり研究所 anko2430 ああ、無情。 anko2433 ゆっくりは繰り返す anko2439 ゆっくりがいる日常。