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いうまでもなくこのSSのみの設定です。虐待なし。オリキャラ登場注意 幻想郷の辺境に一人の魔法使いがいた。名前はおろか性別も知られていない。 その行動を見るに、おそらくは格の低い魔法使いなのかと思われる。 その魔法使いは甘味をこよなく愛していた。なかでも和菓子を。 甘味好きが高じて、自作するまでにもなっていたが、魔法使いはとても不精でもあった。 買いに行くにせよ、自分で作るにせよ、その手間を省く方法はないかと長い間考え続けていた。 ひとつの方法として、菓子を作る人形を作ろうと試みたが、うまくいかなかった。 人形は作れたものの、納得できる品質の菓子を作らせることができなかった。 だが、この失敗からひとつの着想を得ることが出来た。 それは人形ではなく菓子の方に生命を付与するという手段だった。 そして、動物のように繁殖させるのだ。元の菓子が美味しければ、子供も美味しいに決まっている。 魔法使いは試行錯誤を繰り返した果てに、植物、動物、饅頭、大福を混ぜ合わせたような性質を持つ、まったく新しい菓子を作り出した。 魔法使いはうぉ~と叫んだことだろう。 生ゴミのような粗末な食物でも育ち、急速に殖えることができ、どのような環境化で育とうとも常に美味。夢の菓子生物が誕生したのだった。 「ゆっくりしていってね!」 生きている饅頭は生れ落ちてすぐさま第一声を放った。 なぜゆっくりなのかというと、おそらくは魔法使いのサボりたい気持ちが移りこんだ結果こうなったのだろう。 バグに近いものだったが、魔法使いはそのままにした。 来客に供された饅頭が「ゆっくりしていってね!」と言ったとしたら、面白いもてなしの趣向ではないか。 食べ物なのだからゆっくりしてくれた方が好都合でもある。作り直すのが面倒でもあったのだろう。 魔法使いはいい加減な性格だったので、この饅頭をそのまま「ゆっくり」と呼ぶことにした。 ちなみに、この原種ゆっくりは饅頭に目と口がついただけのシンプルな姿である。ハゲまんじゅうを想像してもらえればよい。 こうして魔法使いは寝ているだけでも三食甘味三昧の生活を手に入れたが、そこで欲が出てきた。 (売り物にならないだろうか?) 食物兼ペット兼家畜兼玩具として大流行するに違いないと魔法使いは安易に思い込んだのだ。 (これだけでは弱いな……) このままではただの生きている饅頭だ。なにかもうひとつ“売り”になる要素を追加したかった。 そこで魔法使いの目に着いたのが、幻想郷の歴史を綴った一冊の書だった。また、魔法使いは新聞もとっていた。 それらの書には幻想郷で起きた異変や、それを解決した巫女、弾幕合戦のことが書かれていた。 (これだ!) 魔法使いはゆっくりを一種のキャラクター商品として売りこむことに決めた。 ゆっくりを幻想郷の少女たちをかたどった饅頭にするのだ。 まず最初にもっとも有名な二人の人間を題材に、ゆっくりれいむとゆっくりまりさを作り上げた。 とにかく殖えてもらう必要があったので、れいむには強めの母性本能が付与された。 これにオリジナルの神社を守るという設定が組み合わさって、縄張り意識が強まり、“おうち宣言”の習性を得ることになったのだろう。 まりさは偏見込みのモデルそのままだ。野菜を盗むのは、図書館から本を盗むという記述に影響されたのだろう。 こんな調子で、モデルの性質を奇妙にゆがめた(顔面もゆがんだ)幻想郷のゆっくりたちが作られていった。 だがさっぱり売れなかった。 理由はいろいろあるが、やはり喋る饅頭は気持ち悪かったのだろう。 モデルの不興を買うことを恐れたというのもあるだろう。言うまでもなく許可などとっていない。 欲に目の眩んだ魔法使いは大量の在庫ゆっくりを抱えることとなった。 この在庫が意図的に投棄されたか、管理がずさんなせいで逃げ出したのか、 野生化し、増殖し、里に現れ……あとは皆のよく知るところである。 魔法使いは儲けられなかったが、ゆっくりは幻想郷に定着することとなった。 今更出てきて権利を主張することはないだろう。前述の通り、モデルに許可を取っていないし、 方々でゆっくりによる少なくない被害が出ている。 魔法使いは今でも知られざる庵にて、ゆっくりたちと暮らしている。 そこには捕食種、希少種、変異種も含めたすべてのゆっくりたちがいる、ゆっくりの故郷だ。 魔法使いはたまに創作意欲が湧き上がると、新たな種類のゆっくりを生み出して野に送ると噂されている。 これらはすべて人づてに聞いた話である。真偽のほどは定かではない。 ところで、もしこの記述を目にしたゆっくりがいたのなら警告しておく。 この魔法使い、ゆっくりの創造者を探そうなどとは考えないことだ。 「どぼじでー? そのひとはゆっくりのかみさまなんでしょ? きっとそこならすごくゆっくりできるにきまってるよ!」 などと言い返すかもしれないが、この創造者が、ゆっくりを食べるために生み出したことを忘れてはならない。 魔法使いはゆっくりを愛している。だが、それはあくまで甘味としてだ。 書き忘れたが、この魔法使いは大層大食いだそうな。 自分を食べられないためには、ひたすら子供を産み続けるしかないということだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/404.html
ある所に、とてもみじめなゆっくりまりさがいました。 ごはんをたくさん食べて、寝て……まだ小さいので子供はいませんし、家族ともずっと昔に別れてしまいましたが、普通のゆっくりとほとんど変わらないゆっくりライフを営んでいました。 周りのゆっくりとほとんど変わらない生活をすごしているのに、なぜこのゆっくりまりさはみじめなのでしょうか? それは、帽子をなくしてしまったからです。 ゆっくりは、生まれた時から帽子やリボンなど、何らかの飾りを身に付けています。 れいむなら赤いリボン、ちぇんならキャベツ……もとい帽子、みょんならキクラゲ……いや黒いリボン、ゆかりならドアノブ……違う。帽子、そして、まりさならとんがり帽子。 種族によって違いはありますが、必ず何かを付けています。 極めて稀な例で、とんがり帽子をかぶったれいむ等といった奇形も誕生しますが、それにしても飾りを身に付けているのには変わりありません。 ですが、みじめなゆっくりまりさにはリボンや別種の帽子すらありませんでした。 飾りは、ゆっくりが生きていくのに必要な器官ではありませんが、だからと言って必要ないものでもありません。 飾りを身に付けている事で、ゆっくりはゆっくりとして、ゆっくりできるのです。 もちろん、みじめなゆっくりまりさは、本当の意味でゆっくりする事はできませんでした。 そのため、飾りをなくしたゆっくりは、代わりの飾りを探します。 ――飾りさえ持っていれば、もうこんなみじめな思いをしなくて良い。ゆっくりできる。 その思いから、ゆっくりなりに必死になります。 探した結果、自分の飾りが見つかれば良いですが、どうしてもない時は別のゆっくりの飾りを奪ってでも手に入れようとします。 ですが、奪われた方のゆっくりにとっては、たまったものではありません。次にみじめな思いをするのは、奪われたゆっくりなのですから。 奪おうとするゆっくりと、奪われまいと警戒するゆっくり。 本来ならば一緒にゆっくりできる仲間と、そんなゆっくりできない関係になってしまうため、飾りのないゆっくりはみじめなゆっくりなのです。 みじめなゆっくりは、他のゆっくりよりもほんの少しだけ早く起きます。 近くに寝ているゆっくりがいたら、その飾りを奪うためです。 みじめなゆっくりが、洞窟に入っていきました。 どうやら、まだ寝ているゆっくりを見つけたのでしょう。ゆっくりとは思えないほど慎重に、音を立てない様に注意して入っていきます。 「ゆっ……! ゆっ、ゆー!!!」 「ゆっくりしね!!!」「しね!!!」「ゆっくりでていけ!!!」 どうやら見つかったみたいですね。 激怒したゆっくりれいむ一家に追い立てられて、ほうほうの体で逃げていきました。 母ゆっくりは限界までふくらんで、威嚇しています。石を口にくわえて投げつける子ゆっくりもいます。 目の前で子供を殺された時ですら、ここまでの攻撃はしないでしょう。 ゆっくりの飾りを盗むという事が、どれほど重大な問題なのかをうかがわせる光景です。 みじめなゆっくりは、他のゆっくりよりもほんの少しだけ早く食事を終えます。 近くに飾りが落ちてないかどうか探すためです。 先ほど追いかけられたみじめなゆっくりは、へとへとになりつつも食事を探しだしました。 この辺りは、捕食種であるゆっくりれみりゃもゆっくりフランもおらず、エサの量が多いため、みじめなゆっくりでもたらふく食べる事ができます。 「うめっ! めっさうめぇこれ!」 普通のゆっくりまりさと変わらない下品な言葉を発しつつ、たくさんの草や虫を食べていきます。 あらかた食べ終わったみじめなゆっくりは、それほど休まずに動き出しました。 食後の散歩でしょうか? 違います。どこかに飾りが落ちていないか、探しているのです。 みじめなゆっくりは、なめるように周囲を探していきます。 時には、遠出をしてでも見つけ出そうとします。とはいえ、ゆっくりなのでそれほどの距離を移動する事はできません。 みじめなゆっくりが、ゆっくりと戻ってきました。 どうやら飾りは見つからなかったらしいですね。寂しそうにうつむいています。 そんな、落ち込んでいるゆっくりの耳(あるのかは不明ですが)に、別のゆっくりたちの声が飛び込んできました。 ゆっくりまりさとれいむの集団です。このゆっくりたちは、全員帽子とリボンを付けています。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくり……していってね!!!」」」 嬉しそうにあいさつするみじめなゆっくりに対し、姿が見えた瞬間、少し距離を置いてあいさつを返すゆっくりたち。 あいさつをした相手と遊んだ上、そのまま家におじゃまして一緒に寝る事もあるほどに種族仲の良いゆっくりにしては、珍しい光景です。 それもこれも、みじめなゆっくりが飾りを身に付けていないからです。 「ゆっくりあそぶよ!」 「なにしてゆっくりあそぶ?」 「ちょうちょさんとおっかけっこしよう!」 「「「ゆっくりあそぼうね!!!」」」 楽しそうに遊ぶ内容を話し合い、近くに来たちょうちょを追いかけて遊んでいます。 みじめなゆっくりと、普通のゆっくり。 一見仲良く遊んでいますが、実はお互いに非常に警戒し合っています。 「ゆ”っ!?」 「まりさ!」 「……ゆっくりころんだ!」 「だいじょうぶ? ゆっくりおきあがってね!」 「ゆっくり……ゆぎゅぅぅぅ!」 「……ゆっくりおきあがるのてつだうよ!」 「ゆっぐ、いらないから……ゆっぐり、はなれてね!!!」 起き上がるのを手伝おうとしたみじめなゆっくりを、全力で振り払おうとするゆっくりまりさ。 当然です。みじめなゆっくりは、助ける事にかこつけてまりさの帽子を奪おうとしていたのですから。 ちなみに、この時他のゆっくり達はただ眺めているだけです。 どちらのゆっくりが帽子を被るかによって相手への対応が変わるため、うかつに動く様な事はできないのです。 元々のみじめなゆっくりが弾き飛ばされ、木にぶつかって止まったのを見届けてから、また皆で一緒に遊びます。 心配して近づくゆっくりはいません。近づいたら最後、飾りが奪われる可能性があるからです。 ゆっくり達は、遠くから声をかけます。 「ゆっくりだいじょうぶ?」 「ゆっくりこっちにきてね!」 「いたかったら、そこでゆっくりやすんでね!」 「……ありがとう、でもだいじょうぶだからいっしょにゆっくりあそぼうね」 みじめなゆっくりは、優しく問いかける仲間に対してにこやかに返事をしつつ、元気に飛び跳ねながら仲間達の元に行きました。 「ゆっ! おひさまがかくれちゃうよ!」 「たいへん! ゆっくりかえらなきゃ!」 「みんなでゆっくりかえろうね!」 西日が傾いてくると、ゆっくり達は帰宅します。 夜になると、ゆっくりれみりゃやゆっくりフランといった、捕食種が現れるからです。 「ま、まって! もっとゆっくりあそぼうよ!!!」 そんな中、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら皆を引き止めるみじめなゆっくり。 遊んでいる最中はスキを見つけられなかったらしく、飾りはありません。 「ごめんね! でもゆっくりかえらないとれいむがおかあさんにおこられるの!」 「まりさもおこられるから、みんなでゆっくりかえろうね!」 ねー、と声をかけ合うゆっくり達。 みじめなゆっくりが何と言おうとも、普通のゆっくり達は聞き入れず、仲良く帰っていってしまいました。 「まっでー! もっどゆっぐりじようよー!!!」 最後には泣き叫びながら引き留めようとするみじめなゆっくりですが、皆でがっちりと固まって帰ってしまいました。 これでは、帰ろうとするゆっくりの背後から奪い取る事もできません。 結局、みじめなゆっくりは飾りを奪う事はできませんでした。 みじめなゆっくりは、他のゆっくりよりもほんの少しだけ遅く眠ります。 近くにゆっくりが寝ていたら、その飾りを奪うためです。 皆が帰るのを眺めていたみじめなゆっくりも、気を取り直して巣に戻りました。 いつまでもゆっくりしていると、捕食種の餌食になるからです。 ゆっくりと巣に戻り、巣に戻ったらゆっくりして、そのまま眠りに付きます。 「ゆぅ……ゆ……ふぅ……ゆー……ゆっ!」 完全に眠ったと思った瞬間、飛び起きてゆっくり外へと出て行きました。 みじめなゆっくりは、そのまま朝とは別の洞窟に入っていき、何も被らずに出てきました。 自分に合う飾りがなかった様です。 自分と同じサイズのものでなければ、周りから飾りとして認められません。 それでは、奪い取っても意味がありません。 とぼとぼと、みじめなゆっくりが自分の巣に帰ろうとしている最中、話し声が聞こえてきました。 「……よ、ほんとうに……」 「……ね、ゆっくり……」 何事かと恐る恐る覗いてみると、先ほどまで遊んでいたゆっくり達のうち、2匹が楽しそうに談笑していました。 どうやら巣が近くにあった様です。体をくっつけて「ゆぅ~♪ゆっ♪」と歌ったりもしています。 みじめなゆっくりが声をかけようと近づくと、話の内容が聞こえてきました。 「ぼうしないこ、ずっとれいむたちのりぼんみてたよね」 「まりさのぼうしをとろうとしてたよ」 「ぼうしなくてかわいそうだとおもったからゆっくりしてあげたのに、だめなこだよね」 「だめなこだよね、ゆっくりできないこなんだよ、あのこ」 「いやだよね、ぼうしないこはゆっくりしてなくて」 「ほんと、ぼうしないとゆっくりできなくなるんだね」 「きっと、ちかづいたら『ぼうしとるぞー!』っておいかけてくるよ」 「おお、こわいこわい」 みじめなゆっくりは、そのまま動けなくなってしまいました。 昼間に遊んだゆっくり達が、同情のみで遊んでいた事を知ってしまったからです。 その日以来、みじめなゆっくりを見る事はありませんでした。 ――いかがだったでしょうか。 帽子やリボンがないだけで、ゆっくりはこれほど惨めな思いをする事になるのです。 何としても飾りが欲しいと思うゆっくりの思いを理解していただけたでしょうか。 ただ、ここまで見てきて疑問に思われた事があるでしょう。 生きているのじゃなくて、死体から帽子なりリボンを奪えば良いんじゃないか? という疑問が。 確かにその通りです。 ですが、ゆっくりは、どれだけ惨めな思いをしても仲間の死体から飾りを奪う事は決してしません。 それをしてしまえば、皆に殺されてしまうからです。 バレない様にこっそり奪えば良いという意見もあるかもしれませんが、死体の飾りには死臭が付いているため、どれだけこっそりしていても絶対にバレてしまいます。 頭の良いゆっくりが、死臭を消すために肥溜めに落としたりした事がありましたが、そこまでしても死臭を消す事はできませんでした。 ちなみに、そのゆっくりは制裁として肥溜めに落とされ、フタをした上に重石を乗せられました。 ゆっくりにとって、飾りはそこまで重要なものなのです。 だから、ゆっくりにどれだけ腹を立て、殺したいほど憎くても、また、殺したとしても、決して飾りだけは取ってはいけません。 飾りを取った人間に対し、ゆっくりがどれほどの憎しみを抱くか……考えただけで恐ろしくなります。 ゆっくりだから大した事はないと思ってはいけません。 奴らは、飾りを取られた恨みを決して忘れず、どこまでも追いかけてくるからです。 ……なぜ私がここまで怯えるのか、不思議だったり情けなく思ったりする方がいるでしょう。 ですが、これは全て事実なのです。 奴らは、普段は鈍重でボンクラで一匹位いなくなっても気にしない間抜けどもの癖に、飾りを壊した奴の事は決して忘れません。 何が出来る訳じゃない、ただただ攻撃を仕掛けてきて殺されるだけなのに、死体の山を築き上げたとしても諦めずにずっと付いてくるのです。 私は、恐ろしい。 ……あんた、笑ったか? 出来の悪いホラーを見るような態度で笑っただろう。 いや、笑うのも分かるさ。私だって、ゆっくり程度に怯える奴がいたら、笑うさ。 でも、この音を聞いてみろよ。後ろからずっと、返せ返せって呟きながら、べちゃべちゃとついてくる饅頭どもの音をさぁ! 殺すのは簡単だよ、こんな奴ら。無抵抗に近いんだからな。ぶつかってきても痛くも何ともない。 ナイフとかのこぎりとか物騒な器具がなくても、ただぶん殴れば終わるさ。 でも、ずっとついてくるんだよ。返せ、べちゃ、返せ、べちゃ、返せ、べちゃって、ついてくるんだよぉ! 職場でも家でも風呂でもトイレでも、ずっとついてくるんだよぉ!!! ……ほら、今も聞こえるだろう? 奴らの声が。足音が! べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ べちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せべちゃ返せ ――ゆっくりを虐待している皆さん。 ――くれぐれも、奴らの飾りだけは盗られないよう、お気をつけ下さい。 ――さもなくば、彼のようになりますよ。 この話の骨子は、 316のレスを見て思いつきました。多謝。 でもなんで、こんな話になったんでしょうか……自分でも分からないです。 ところで、 863……本当に、怖くないですか?
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1403.html
ゆっくりの加齢 5KB 考証 実験・改造 野良ゆ 赤子・子供 現代 独自設定 ボリュームに欠ける ------------------------------------- 虐待成分ほとんどない、と思います。 作者は設定厨です。俺設定が出ると思います。 今まで書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 326 膨張合体ダイラタンシー ふたば系ゆっくりいじめ 337 YUKURIZONE ------------------------------------- TV番組「ゆっくりずむ」 ドキュメンタリーを中心としたゆっくりバラエティー番組である。 * * 都市部にある公園の一角での情景です。 付近には住宅街があり遊びに来た子供にゆっくりが寄り集まってきます。 「そこのじじい!とっととそのあまあまをよこすんだぜ!」 「まりさはつよいんだよ!いたいめをみないうちに みつぎものをれいむにちょうだいね!」 「じじぃはあみゃあみゃをわたちてぇとっととちんでんにぇ!」 こういった光景はもはや日常的なものになってしまいました。 野良のこういった食物を要求する行動やそれにともなう暴言は全国的に問題となっています。 また一方で、よく躾のされたゆっくりを見てみると。 「おにいさん!おさんぽいこ!おさんぽ!」 「ゆゆ~ん!れいむ!おにいさんはおねえさんとゆっくりしてるのぜ!ゆっくりじゃましちゃだめなのぜ!」 こういったように、前とは違いおにいさん・おねえさんと呼んでいます。 また素行のいい野良の個体もこういった呼び方をすることが知られています。 しかしながら、どちらの例も話しかけられているのは小学校入学前の児童です。 都市部に住むゆっくりの大半が生後2年も経過してはいないとはいえ、 人間としては明確に子供といっていい年齢の子供たちに対して、お兄さん・お姉さんと呼ぶのはなぜなのでしょうか?どうもゆっくりには人間と異なる年齢の判別方法があるようです。 では本日はゆっくりの成長と老化の過程を覗いて、その謎を解明していきたいと思います。 * 「ゆゆ~ん!おちびちゃん ゆっくりしていってね~!!!」 「「ゆっくち!おきゃーしゃんもゆっくちちちぇいっちぇね!」」 「ゆふー!ゆふー!まりさとれいむのおちびちゃんはゆっくりしてるのぜ!」 ゆっくりの誕生は体外型と体内型に分けられますが、誕生直後はどちらもゆっくりのよびかたは「あかちゃん」もしくは「おちびちゃん」です。 「おちびちゃん!おさんぽにいくから ゆっくりおかあさんのおぼうしのうえにのってね!」 「「ゆわーい!おさんぽ!」」 生まれて間もないゆっくりは外皮が大変脆く、地面を飛び跳ねるどころか這って移動することもままならないため、しばらくは巣の中で育てられます。この時期は底部も損傷しやすいため外出する際には親に移動を手伝ってもらわなければ怪我をする危険があり、ときには死に至ることすらあります。 「ずーり!ずーり!」 「ゆゆん!れいむはおそいのぜ!まりさはもうぴょんぴょんできるのぜ!」 「ゆわー!おねえしゃんはすごいにぇ!」 体外型では4日から7日、初めから大きい状態で生まれる体内型では1日程度で支障なく這っての移動ができるようになり、それからおおよそ3日程度のうちには跳ね回ることができるようになります。 跳ね回れるようになるくらいからが一般的に子ゆっくりとよばれる時期で、ゆっくりとしても「おちびちゃん」と「おとな」の間の時期のようです。 「「「「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!!!」」」」 「ごはんさんをたべたら しょくごののーびのーびするのぜ!」 「れいむものーびのーびできるよ!」 「ゆゆーん とってもゆっくりしたのーびのーびなのぜ!」 「れいむものーびのーびするよ!」 「れいむはおとうさんになってもまだまだわかいのぜ~」 「ゆゆ~ん…てれるよぉ」 若い固体はよく「のーびのーび」と呼ばれる体を伸ばす動作で競い合います。ゆっくりのあいだでは「のーびのーび」がうまい「おちびちゃん」は「しっかりしたおちびちゃん」で、うまい「おとな」は若々しいゆっくりという評価がなされます。 より柔軟に伸び縮みできることはゆっくりにとって、運動能力の証明であると同時に若さの象徴でもあるようです。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!とてもゆっくりしたまりさなんだねーわかるよー!」 「ゆゆーん!ちぇんこそとってもゆっくりしたゆっくりなのぜ!」 生後三週間ほどたち順調に「おとな」と呼ばれるほどに成長すると、その後は長期にわたり運動能力や柔軟性の変化はほとんどなくなり、成体のゆっくりの間では年齢は経験の多さを示すだけのものであまり意味を成さなくなります。 ゆっくりどうしの呼び方も、同年代に対する呼び方で統一され、罵るときでさえ「じじい」や「ばばあ」といった年上にむけた言葉は用いなくなります。 * ここまで見ていただいたゆっくりは、すべて人間に対して「おにいさん」「おねえさん」と呼ぶゆっくりたちでした。 ゆっくりたちは、ほとんどの場合あまり大きな数がかぞえられないこともあり、過ごしてきた年月そのものは重要視しないようです。 ではどのようにしてそれぞれの年代を見分けているのでしょうか。この疑問に答えるために大学と共同である実験を試みました。VTRごらんください。 * まず、生後1日・1週間・1ヶ月のゆっくりをれいむとまりさそれぞれに見せて判定をさせます。 「あかちゃん おちびちゃん まりさ だよ! こたえたからあまあまちょうだいね!たくさんでいいよ!」 「おちびちゃん おちびちゃん れいむ なのぜ! ゆっくりできないれいむなのぜ」 つぎに先ほど見せたゆっくりたちと同じ大きさにつくられたゆっくりのぬいぐるみで同じ判定をさせます。 「ぜんぶおちびぢゃんでず! ごだえばしだ!ずびばべんべびば!」 「みんなおちびちゃん?なのぜ!ゆっくりしていってね!」 最後にすべて成体のサイズで素材をかえたもので判定させます。左から順にウレタン・ゴム・プラスティックです。 「おちびちゃん!までぃさ!おばぁでゃんでづ!ゆっぐでぃ!」 「おちびちゃん わかいまりさ ちょうろうになるくらいのまりさ なのぜ」 どうやらゆっくりはその硬さで年齢を判定しているようです。 * ゆっくりたちは、過ごした年月よりもその成長段階における大きさや柔軟性などによって大人と子供を分けるようです。なかでも動きの柔軟性と表面の硬さは大きな部分を占めます。 胴体を付属物として重要視しないゆっくりは、人間を頭部のみで評価します。骨格により一定の形に保たれるわれわれの顔は、ゆっくりにとってはさぞかし年寄りにみえているのでしょうね。 * ゆっくりサイエンスでした。 つづいては、今日のゆっくりです。今日は鶏のお世話をするれいむちゃんです… * * ------------------------------------- 分量が増えなくて没にしようと思ったけど、 他の人の肥やしになればいいじゃないか、と俺の中の我威亞が囁いた。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 面白い考察だった!こういう矛盾しない設定好きだわ~ ゆっくりは視力が実は悪いって設定もあるから、 ・年齢は柔かさ ・美ゆっくり度は匂い ・強さは頭の大きさ で判断していると思ってる。 視力は、お飾りの欠損(キズはワイルド、大きな欠損は障害ゆっくり)程度かな? -- 2018-01-10 00 15 16 興味深い観点だ -- 2014-07-21 19 34 50 目から鱗だな…。素晴らしい着眼点だ。 -- 2013-03-04 16 18 44 この設定は面白い。一般的な描写と矛盾しないし。 -- 2011-07-11 21 27 37 なるほど、骨があるから爺だったのか…凄く納得した^^ -- 2010-10-24 16 13 08 なんと勉強になることだろう -- 2010-10-24 10 47 01
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3239.html
※現代ものです ※かなり無理がある設定だけど気にしない ゆっくりが世にあらわれて数十年経ち、ゆっくりは人々の生活に浸透していた。 愛玩用として、加工食品として、時にはストレス解消用として。 彼らはこの世のものの一部として受け入れられていった。 しかしある日のこと、ゆっくりの加工から研究まで幅広く手がける大手企業に修正不能な問題が発生した。 始まりは社長の汚職事件が発覚したことだった。 この程度ならば、代表たちの記者会見での謝罪と社長辞任で済むはずであった。 しかしそのことがきっかけとなり、その他もろもろのスキャンダルが発覚した。 その中でも痛手だったのは『食品になるゆっくりたちが食べている餌は餓えた豚も食べないようなひどい臭いを放つ劣悪なものである』ということがメディアに知られたことだった。 ゆっくりは栄養や鮮度が悪くてもなんら問題はなく、その餡子も健康に害を及ぼすものにはならない。 このことは科学的にも証明されていることであった。 しかし、一時世間を騒がせていた有害物質を含む食品も餌として使用していたこともばれてしまい、信用を完全に失い、株は紙と化した。 このようなことになり、会社は倒産、研究所は閉鎖、加工場は永久凍結されるのは自然な流れであった。 ゆっくりの一部は他の研究施設に売却されていったがその多くは山へ放たれていった。 加工場や研究所は世界各地にあり、その数は膨大だった。 そして数年後、企業の倒産により、多くの失業者が出たことやゆっくりの不法投棄騒ぎなど世間に騒がれていたが他の話題が出れば、世間は興味をなくし、いつものように人々の記憶から薄れていった。 だが着実に問題は発生していた。 野へ放たれたゆっくりたちは加工場で何世代も過ごしており、野生で生きていくことは不可能だった。 水の危険性、捕食種の恐ろしさ、野生生物の存在、ゆっくりという種族の脆弱さ、全てを忘れていた。 その中で数を減らしながらも経験を経て、やがて野生へと還ることだろう、専門家もそう結論づけていた。 だが、よりゆっくりしたいという浅ましい執念と価値観の違う先住ゆっくりから追い出されることなどを彼らは失念していた。 あるゆっくりは山を降り、人の住む町へと入っていった。 あるゆっくりは恵み豊かではあるが、危険も多い平原へ移り住んだ。 あるゆっくりはもともと住んでいたゆっくりに打ち解け子を増やした。 しかしこれはゆっくりの生活圏が広がり、人と接触知ることが多くなったということでもある。 これにより、各地でゆっくりによる被害が発生した。 もともと自然界のバランスを保っていたゆっくりの数が激増したことにで人以外にも被害が出ることになった。 ゆっくりが家宅に侵入、家財道具が破損した。 ゆっくりに畑をあらされ、収穫できなかった。 ゆっくりが山の資源を食い荒らし、他の生物の個体数が減った。 ゆっくりが大量に溺れて川が汚染されて生物の種類が減り、河の流れ込む海にいたり、海洋汚染にもつながった。 これらは以前から騒がれていたことだがゆっくりが増殖したことにより、目に見えるほどの事態になった。 しかし被害はこれにとどまらなかった。 加工場では繁殖させるため、個体数を増やせるように特殊なゆっくりが使われていたことにより、自然ではありえない速度で増えていき、山は一面ゆっくりだらけになり、他の生物を追い出し、その山は禿山に変わってしまったところもあった。 数が増えていったことにより、ゆっくりは人の生活圏にも侵入し、町のゆっくりも増えていき、 ゆっくりがゴミや死骸を撒き散らすことにより、町にも汚物が溢れることになった。 道路を通行しようとして車に轢かれて、車やバイクがスリップし、交通事故の多発につながった。 研究用として使われたゆっくりには薬物実験にも使われたものもあり、ゆっくりには特に変化がなかったが、餡子の中で変化し、有毒になるものも数多くあった。 渡り鳥が大量死していたり、飼育していた動物が変死したりという事件が起こり、解剖してみるとゆっくりのものと思われる餡子が胃に入っており、その中から人をも死に至らしめる物質も検出された。 このような事件はメディアが放っておくわけもなく、連日報道され、人々は『ゆっくりは人に対して害になる』という考えを抱くようになった。 その流れに乗るようにゆっくりの悪い点ばかりを掲載したような書籍も出版された。 『ゆっくりは総じて人を下であると見ている』 『れいむは愚鈍であり、まりさは薄情、ありすはレイパー、ぱちゅりーは貧弱な愚者である』 『ゆっくりは人類の敵』 このようなことは冷静に見れば何の根拠もない嘘八百であるものばかりであったが、メディアもそれを煽り立てるように報道して、人々はゆっくりに対し悪いイメージを抱いていった。 飼いゆっくりは捨てられ、ゆっくりの加工食品も売上が落ち、月日は流れた。 各国は政府に対し、ゆっくりをどうにかするよう訴えたデモが起こり、加熱していった。 政府も何もしなかったわけではなかったが、駆除しようにも数が多すぎて瞬く間に増えていき、 経費もかさみ、どうにもできなくなっていた。 ゆっくりを捕獲した数に応じて賞金を出す国もあれば、ゆっくりの駆除を義務とした国もあったが思うような成果は得られなかった。 ゆっくりを効率よく駆除できる策や薬品の開発を待つばかりとなった。 ゆっくり対策費用などにより、経済不況が起こり人々は不安な毎日を過ごすようになり、ゆっくりへの憎悪を強めていった。 こうして地上にゆっくりの安住の地はなくなった。 ※※※※※ れいむは分からなかった、どうしてこんなことになってしまったのか。 狭い檻の中、自分のかわいい子供たち、赤れいむ2人赤まりさ1人と一緒に入れられ考えた。 れいむは春に両親ともれいむの間から長女として生まれた。お母さんはとても優しく、2人に 挟まれるととても安心でき、幸せな気分になれた。 みんなで一緒に食べるご飯もおいしく、すくすくと成長した。 長女としてみんなの先頭に立ち、まとめ役としてお母さんの役に立とうとした。 お母さんはそのことをとても褒めてくれて、「れいむが大きくなったらとても いいお母さんになれるね」と言われ、嬉しかった。 季節が過ぎみんな大きくなり、冬が来た。冬の間は狭いおうちの中、みんなで寒くないよう固まっていた。 妹たちはお外で遊びたいと駄々をこねたりしたが、れいむはみんなでくっつきあっているのが好きだった。 お母さんの綺麗なお歌もいつでも聴けたし、穏やかに過ごせた。 一人も欠けることなく春になり、れいむも十分に大きくなって、ついに巣立ちの日を決めた。 お家の前に立ち、みんなに別れの挨拶をした。秋に生まれた妹たちは行かないで大泣きした。 れいむも泣きそうになったがお別れは笑顔でしようとがんばって笑っていたが、今にも泣きそうだった。 お母さんが「辛かったらいつでも戻ってきていいよ」と言ってくれた。 その一言で涙が我慢できなくなった。 今まで育ててくれてありがとう、お母さんみたいにゆっくりしたあかちゃんをうむからね、と みんなにお別れした。 半日ほど跳ねて綺麗なお花さんが咲いている野原についた。 そこではいくつかのゆっくりの家族がお花を食べたり、みんなで歌ったり、 遊んでいたりとみんな楽しそうだった。 家族のことを思い出し、寂しくなったがれいむもお花さんを食べたりした。 日が傾きみんな自分たちのおうちへ帰ろうとしていた。れいむもお家を探そうと森を探索していたとき、1人のまりさと出会った。 ゆっくりしていってね!と挨拶した後、まりさに「何をしているの?」と尋ねられた。 家を探していることを伝えると、「まりさのお家に泊まってっていいよ!」と言ってくれたので 甘えさせてもらうことにした。 次の日も一緒に食べ物を集めたり、ゆっくりしたり、たくさんのことをしてまた泊めてもらった。 そんなゆっくりした日が続き、二人は恋をした。どちらともなく告白し、一緒になることを誓った。 暑い日が続くようになり、ご飯が豊富になってきたころにすっきりをして頭から茎が生えた。 そして3人とも無事に生まれた。茎を食べやすいように噛み砕いてあげた。 「おかぁしゃん、ありがちょぉ♪」赤ちゃんがお礼を言ってくれた。生まれてきてくれてありがとう。 れいむは最高に幸せだったし、これからももっとゆっくりできるだろう。そう信じて疑わなかった。 次の日、まりさは赤ちゃんたちのためにご飯を集めに出掛けた。その間れいむは赤ちゃんたちと す〜りす〜りしたり、お歌を歌ってあげたり、舐めて綺麗にしてあげた。 赤ちゃんたちがおなかがすいたと言い始めた。まりさはそろそろ帰ってくるだろうと待った。 すると、お家を隠している枝や葉っぱがどかされていった。まりさが帰ってきたと思い、ゆっくりしていってね!とお帰りの挨拶をした。だけど見えた顔はまりさじゃなかった。 そして長いものが伸びてきてれいむの頭を掴んだ。痛い、離して、いくらいっても離してくれなかった。 そして外まで引っ張り出された。そして外にいるのは何なのか見た。 れみりゃよりずっと大きく、長い手足がついていた。お母さんから聞いたことがある、 『にんげんさん』だ。 そして、れいむは袋に入れられた。出してと叫んでもだめだった。赤ちゃんたちが何か言っているがうまく聞き取れない。赤ちゃん逃げてと叫んだ。 そのうちくぐもった声になった。きっとれいむのように袋に入れられてしまったんだ。 袋に入れたまま、れいむはどこかへ連れて行かれた。 冷たい檻の中に赤ちゃんたちと一緒に放り出された。赤ちゃんたちは「いちゃぃぃぃぃ」と 泣いていたがぺ〜ろぺ〜ろすると泣き止んだ。 この檻から出られるんだろうか、きっと無理だろう。『にんげんさん』はれみりゃよりずっとずっと怖いとお母さんは言っていた。ここから出れたとしてもまた捕まってしまうだろう。 正直怖くてたまらなかった、今にも泣いてしまいそうだ。けど泣いたら赤ちゃんたちが不安になってしまう。 赤ちゃんにはゆっくりしてほしい。 まりさはどうしているだろう。一生懸命探してくれているかもしれない。助けてほしい、 ここはとてもゆっくりできない。でも助けに来てくれてもまりさも『にんげんさん』には敵わないだろう。 それでも助けに来てくれると思っていないと不安に潰されそうだ。 れいむはもうゆっくりできなくなるだろう。そう思うと楽しかった思い出がよみがえってきた。 お母さんと一緒にいたこと、まりさとのゆっくりした日々、でも二度と叶うことのない夢。 赤ちゃんたちにもゆっくりしてほしかった、楽しいことを何も教えてあげることができなかった。 そう思うと気分が沈んだ。 「おきゃぁしゃん、どぅしちゃにょ?」 暗い顔をしていたのを見られたんだろう、赤ちゃんが聞いてきた。 大丈夫だよと言おうとしたが、ちょっと涙声になってしまった。 「おきゃぁしゃん、どきょきゃぃちゃぃぃちゃぃにゃにょ!?ぺ〜りょぺ〜りょしちぇあげゆきゃりゃ ゆっくちよきゅにゃっちぇにぇ!ぺ〜りょぺ〜りょ♪」 「にゃりゃまりしゃみょ〜♪ぺ〜りょぺ〜りょ♪」 「りぇいみゅみょ〜♪」 ちょっとくすぐったいが、赤ちゃんたちがれいむを励まそうとしてくれているのが分かる。 涙を我慢できなくなった。そして今までにないほどの大声で泣き叫んだ。 それを見た男の感想は「でかい饅頭が泣き叫び、ちっこい饅頭がまわりで気持ち悪い声を出して でかい饅頭を舐めているのは最高にキモい。饅頭は共食いすると言うし、大方腹が減って食おうとしているのだろう。浅ましい奴らだ。」というものだった。 ゆっくり処理場で働く男はさっさと済ませてしまおうと思い、ゆっくりの入った底に キャスターのついた檻を押していった。 れいむが男が近くにいるのに気づき、 「ここからだしてね!」 と言っていたが無視された。 目的の場所に着いて、男は檻を押す手を離し小窓ほどの大きさの鉄の窓を開いた。 そこから目も開けられないほどの熱気が立ち上る。ここはゆっくり焼却炉、ゆっくりを焼却処分するために国が建設した施設であった。 男は檻の上部を開けて赤ゆっくりを捕まえだした。 れいむは赤ゆっくりたちに 「はやくおかあさんのおくちにはいってね!」 と言っていたが男が待つわけもなく、一匹もれいむの口の中に入ることはなかった。 「はなちちぇ〜!」 「おきゃぁしゃん、たしゅけちぇ〜!」 「きゅりゅしぃよ〜!」 赤ゆっくりは男の手の中で悲鳴を上げていたが男は 『ゆっくりは命乞いをするが浅ましい執念で他のゆっくりを身代わりにしてでも生き延びようとする醜い物体である』 とマニュアルに書いてあり、それに従い容赦はしなかった。 そして赤ゆっくり3匹を焼却炉に放り込んだ。 赤ゆっくりは断末魔もなく燃え尽きた。 「でいぶのあがぢゃんがああああぁぁぁぁ!!!」 霊夢は嘆き悲しんでいたが 『ゆっくりは他のゆっくりの死を嘆き悲しむそぶりを見せるが、餌を与えたり、 時間がたてばそのことを綺麗に忘れる』 男はマニュアルを信じ切っていた。れいむに様子を見ても、 これだからゆっくりは嫌いなんだ、と言うことしか思わなかった。 そしてれいむを両手で掴みあげて焼却炉に放り込んだ。 「ゆぎゃあああああぁぁぁぁあづいよおおおおおおぉぉぉぉ!!!」 れいむは思った。どうしてこんな目にあうの?れいむ何も悪いことしてないよ? このままじゃ死んじゃう!助けてまりさ!助けてお母さん! この焼却炉はゆっくりを文字通り“必殺”するために設計されている。 れいむは欠片も残さずに燃え尽き灰になった。 男は次に処分するゆっくりたちを運び込むために、鉄の窓を閉め檻を押しながら離れていった。 実はまりさも少し前に処分されていた。 まりさがご飯を探しているときに捕まり、巣はどこにあるか言わなければ殺すと脅されていた。 最初は抵抗した。しかし、殴られ続けて歯が全部折れ、どうにかしゃべれるような状態になって 白状した。 巣の前まで来るとまりさはまた殴られて、今度はしゃべることもできず、 右目が飛び出した状態にまでされた。そしてれいむや赤ゆっくりたちが入れられた袋とは別の袋に入れられた。 まりさは袋の中でれいむと赤ゆっくりたちが捕まるのを聞いて、心の中で何度も ごめんね、ごめんね、とわび続けた。 れいむと赤ゆっくりが入れられた檻の近くの檻に入れられていた。 しかし薄暗い部屋の中、周りは見えず声だけでしかれいむと赤ゆっくりたちを確認できなかった。 お母さんはここにいるよと言いたかった。でも声が出せなかった。 やがてまりさの檻が運ばれていった。 れいむや赤ちゃんと一緒にいたい、と心で思うことしかできなかった。 そしてまりさは焼却炉に放り込まれた。 痛い、熱い、助けて、どうして、いろんなことが思い浮かんだが声には出せなかった。 まりさは悲鳴を上げることもできず灰になった。 こうしてれいむとまりさ一家は他のゆっくりたちともだが、一緒になることができた。 ちなみにれいむの両親と妹たちも数日前に焼却処分されていたが、灰はすでに書き出されたあとであったため 一緒になることはなかった。 ゆっくりはゆっくりすることが果たしてできるのだろうか あとがき また懲りずにSSを書いてみました。前よりは上達したのかしら。 実は続きも考えてあるんですけど今回はここまでとしました。 続きはまた今度にします。需要あるか知らんけど。 やっぱりゲスよりもこういう無垢なゆっくりを虐めるほうがぞくぞくしますね。 ゆっくりは人間みたいに考えることができるがボキャ貧だから人間に誤解されて ゲスだと認識されたりしているんだと思う。 きっと7,8割は人間に関わることもせず、平和に過ごしているんだと思う。そう思いたい。 まあ何はともあれ、これからもゆっくりを虐めていこう! それでは、また。 こんな駄文を読んで頂きありがとうございました。 書いたSS ゆっくりいじめ系1932 バカは死んでも
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人間と山のゆっくり 古緑 「コレが目を開いてから三日目の写真でな、 コレが初めて喋った時の写真、キーホルダーみたいだろ?」 「えぇ、そうですね」 「なぁA」 「んでこれが初めて牛乳パン食べた時の写真、 こっちの写真はれいむが初めて」 「A!」 「何?B」 「もういいだろ」 「何が?」 「その…それだよ 写真見せたりお前ん家のゆっくりの話するのだよ ちょっと反応に困ってるだろ」 「何で?」 「……いやもういい」 「そんでコレがな…」 僕は今電車の中でA先輩の持ってきたアルバムを見ている(見せられている) 挟んである写真は先輩の飼っている4歳になるゆっくりれいむ。 先輩は地元の家の近くの叢でこのゆっくりれいむを拾って来てから4年間もの間 そのゆっくりれいむを愛し続け、写真ももうアルバム7つ分にもなっているという。 正直その写真を半強制的に見せ続けられるのは少し辛いが、 全く興味の無い事でもない。 これから行く場所には写真の中のものと同じ生き物が数多く生息しているというのだから。 今日も見れるかもしれないとB先輩も言っていた。 電車の向かう先は○○山のある○○駅。 15kg超えのザックを背負い、700gの新品の登山靴を履いた僕は 初めての登山に赴く○○高校登山部の高校一年生だ。 A男先輩は高校三年生の同部活の先輩だ。 今回の山行では A男先輩がチーフリーダー(山行の企画をし、登山時は最後尾で班員を見守る)を務める。 登山歴は中学の頃かららしく、頼れる先輩だ(少し強引だが) B太先輩はA男先輩と同じく二年生で 今回はサブリーダー(登山時に先頭に立ち、班員を導く役割)を務める。 どこかミステリアスな雰囲気(暗くてなんか怖い)を漂わせる先輩だが 普段から優しい人でAさんの親友だ。 あとは僕と同じ一年生が二人。太ってるC君と痩せてるD君。 この一年生親睦山行で仲良くなれると良いんだが。 目的地を告げる電車のアナウンスを聞き、僕達はザックを荷台から降ろしてホームへと降りた。 改札口を出て見えるのはカラフルなザックと登山者風の服装の中高年。 今回行く山はやはり登山者にとって人気の山という事なんだろう。 駅にある水道で2リットル程水筒に水を入れてから バスに乗って山の麓まで行く。 そこからが脚を使う登山のスタート地点だ。 バスの中は人こそ少ないが大きなザックがスペースを取るのでやはり座席は埋まってしまう。 バスが赤信号で止まってる間、 ぼんやりとガラス窓から見える林を眺めていると 赤のリボンと黒いトンガリ帽子の球体が林の方に跳ねて行くのが見えた。 「先輩、今なんか…」 「あ、見てたか?アレがゆっくりだよ」 振り返って後ろの座席にいたA先輩に ゆっくりらしきモノを見たと言おうとしたところ先輩も見ていたようで、 このあたりのゆっくりの説明を受ける事になった(少し後悔した) 山と人の住む場所の境にはゆっくりが良く現れるらしく 特にこの山では多いらしい。 最近は数が減ってきたのか見れる機会は少し減ってきているそうだ。 A先輩の話を聞きながら田んぼばかりの田舎道をバスが青信号を進んで行く。 「ゆっ?れいむ、にんげんがおりてきたんだぜ! おいにんげんども!まりささまにごはんよこすんだぜ!」 「おにいさん!かわいいれいむにごはんちょうだいねぇ~ん?」 目的地のバス停で降りると見慣れない生物が出迎えてくれた。 先に降りた中高年夫婦の登山客にまとわりついている。 先輩二人には見慣れた光景のようで特に気にしている様子はない。 「先輩、アレ…」 「あー酷いだろ アレがここら辺のゆっくりだよ 人の集まるバス停に溜まるんだ」 ゆっくり好きの筈であるA先輩に訊いたところ、 全く興味無さそうに答えてくれた。 「なにモタモタしてるんだぜぇ?はやくよこぶぇ!!」 「ばでぃざぁぁぁああぁあぁ!?」 その時前にいた中高年夫婦の旦那さんの方がトンガリ帽子を蹴ってどかした。 まさかあんな温和そうな人が…と僕はその光景に驚いたが、 B先輩が言うには 「さっきの駅前でもそうだが、バス停付近で人にタカろうとするゆっくりは 後片付けをするならお前等も殺してもいいぞ」 らしい。 この辺じゃゆっくりを殺す事自体は禁止されているそうだが 殺しても誰も咎めないし、誰もそれを守っていないそうだ。 中高年夫婦は後片付けまでする気がないのか ある程度動けなくなるまで踏んだところで山道に入って行った。 B先輩が地図を広げて現在地を確認すると、 B先輩を先頭、一年生を挟み、A先輩を後尾にして5人は一列となって山道に入って行った。 肩に食い込む荷物と、登山靴がしっかりと土を踏み込んで行くのをその足に感じながら、 僕等は今日の目的地であるテント場へと歩いて行った。 「ゆっ?ゆっくりしていってね! ここをとおりたければ『つうこうりょう』をはらってね! あまあまでいいよ!」 「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ! にんげんさんたちはあまあまをゆっくりちょうだいね!」 テント場に行くまでには歩いて数時間かかる。 その間一時間に一本取る十分間の休憩の中でガサガサとどこかからまたゆっくりが現れた。 紅いリボンのが二匹。 どこかさっきのバス停の奴等よりもマイルドな話し方だ(初めて『ゆっくり』というのを聞いた) 「先輩、コイツ等は…」 「あぁ、コレが山の入り口あたりのゆっくりだよ 人間にタカってくるのは変わりないけどさっきのよりはちょっとはマシだろ? コイツ等オレ達のザックの中にメシが入ってる事知ってるんだよ」 B先輩に訊いてみたところ山の入り口のゆっくりは ザックの中の僕等のオヤツやご飯が有る事を知っているらしい。 この時先輩から受けた注意によると、 主に登山初心者がやってしまうミスの一つに、 ゆっくりにカロリーメイト等のお菓子を与えてしまうのがあるそうだ。 与えられれたその味を一度知ってしまったら最後、 町に降りて来たり、人が来る入り口付近等でタカってくるのを止めないらしい。 そういえばこの休憩場所のちょっと向こうにある看板に 『ゆっくりに餌を与えないで下さい』と書いてある。 (この時休憩時間の10分を過ぎたらしく、A先輩が皆にザックを持つよう言いだした) 「山の中の如何なる物に対しても出来る限り人間の影響を残してかないのが 登山者のマナーだと俺は思うんだがね、 まぁコイツ等も所謂人間の被害者って事かな…」 「ゆっくりあまあまをちょぶぇ!!」 「どぼじでごんなごどずるのぉおぉぉぉ!?」 そう言いながらも笑顔でゆっくりを蹴りどかして行くB先輩。 『ちょっとは痛い目に遭った方が人の住む所に近づかなくなる』そうだ。 山に影響を与えず云々とは言っていたが、難しいところだ。 予定通り6時間程歩いた僕等は無事テント場に辿り着いた。 歩いてる間、ずっとA先輩と話していたC君とD君も 疲れているようだが問題は無さそうだ(僕は脚がガクガクだ) テントを建てる前にA先輩達は顧問への電話、 B先輩はテント場管理人への連絡の為、僕等一年生はその場に残されてしまった。 僕は親睦の為の良い機会だと思ったので、テント場にある山小屋で ココアを飲みながら一年生だけでトランプで遊びながら親睦を深めた。 二人とも面白い人みたいで仲良くやって行けそうだ。 夕方5時半にお米をコッヘルで炊いて、レトルトカレーと海鮮サラダを食べ終えた僕らは テントの中で学校の話、倶楽部の話、一年生の話、さっき見たゆっくりの話等、色んな話をした。 その話の中でB先輩がゆっくりを飼っているA先輩以上に 『異様に』ゆっくりの体の構造や習性に詳しい事が分かり、 D君がちょっとした冗談を言った。 「もしかしてB先輩ゆっくり虐待とかしてるんじゃないですか?」 僕もどこかのニュースで『ゆっくりに対して拷問や暴力を働くのを 止められないと言う男』がモザイク付きでインタビューに答えているのを見た。 『ゆっくり虐待』って言うんだな。 そりゃ失礼だろ、とC君がフォローしようとしたその時 「はああぁぁああぁぁ!!?虐待とか無いし!! 俺ゆ虐とか全然興味ねーから!!赤ゆとか大好きだし!!超可愛いし!!」 「「「………………」」」 まるで何百回と口にしたような流暢な発音で出て来た『ゆ虐』とは恐らく 『ゆっくり虐待』を略したモノなのだろうか? 『赤ゆ』ってなんだろう? 踏み込んではいけない領域に踏み込みそうになったので 一年生が沈黙し出すとA先輩がポテチとジュースとUNOを出し始めたのた。 それを見た僕等はこの話をお流れにした。 「ゆっくりしていってね!」 「ン?」 カードを片手にポテチを食い終えようとしたその時 テントの外から例の声が聞こえた。 外を覗くとトイレに行っていたC君の近くにトンガリ帽子がいる。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 「何だ、コイツ?」 またゆっくりだ。 でもさっきの奴みたいに横柄な口を利く事も無く、 ただ『ゆっくりしていってね!』としか言わない。 その姿は見ようによっては少し愛らしくもある(僕はちょっとキモイ生物が好きだ) 「先輩…アレって…」 「あぁ、アレがテント場近くのゆっくりだよ ラッキーだな、色んなゆっくりが見れて 奴等はもう寝てる時間だろうが人の声を聞きつけて来てたんだろ」 B先輩に訊いてみたところテント場には 食べカスを残して行ってしまう人がたまにいるらしく、 それを知っているゆっくり達は『人の近くはゆっくり出来る』と思ってしまい、 夕方の人のテント近くに集まって来る事があるらしい。 「C、ちょっとそのゆっくりまりさ小突いて追っ払ってやれ」 「えっ…」 「いいんだよ、そいつ等の為にもなる それにこれからはお前等がやる事になるんだから」 A先輩が言うにはテント場に集まるゆっくり達も 心の何処かで『人がゆっくりさせてくれる』と思ってしまっており、 人がその状態のゆっくりと関わるのはゆっくりにとって良くない事らしい。 小突いて追っ払えば『人とはゆっくり出来ない』と思ってくれるそうだ。 これは人にとってもゆっくりにとっても良い事だ。 このゆっくりに安易に『人はゆっくり出来る』と思わせてしまうと 多くのゆっくり達が人の住む町に来しまうとA先輩が言っていた。 さっきの山の入り口にいたようなゆっくりに変わってしまうんだろうか? 「ホレ、アッチ行きな」 「ゆっ?やめてね!やめてね!ゆっくりできないよ!」 C君が登山靴から履き替えたサンダルの先っぽで トンガリ帽子(ゆっくりまりさという名前らしい)を小突いて追い返した。 あれでゆっくりまりさは人に近づくのを止めるだろうか。 止めた方がいいのだろう。 あのバス停のゆっくり達や入り口近くのゆっくりの様になってしまうのなら。 それからまた暫く遊んでから僕等は夜の8時には寝袋を敷いて就寝する事になった。 朝の4時半に起床。 最低限の荷物を小さな鞄に持ち替えて、 僕らはテント場から山の頂上まで朝日を見に登って行く。 雲は無いしきっと綺麗な朝日を見れるだろう。 そうA先輩はアキレス腱を伸ばしながら僕らに言うと デジカメをポケットから出してカメラのチェックを始めた。 山の朝はとても寒く、暗い道を頭につけたランプで照らしながら進んで行く。 隊列は昨日と同じ。 だが歩き始めてから一時間と40分程でその隊列は変わる事になった。 馴れない早朝の運動にヘバってしまったのか、休憩を申し出て来た。 「B先輩…ちょっと休憩貰っていいですか…」 「頑張れC、頂上もう見えてるからよ オイA、ちょっとCに先頭行かせるか?」 A先輩が言うには先頭に立って自分のペースで歩かせた方が 疲労感が抑えられるらしい。 B先輩はCにポカリを飲ませるとCとの位置を交換した。 そしてCはゆっくりと自分のペースで山頂までの岩だらけの道を歩き出した。 「おぉーし!お疲れ!C、あそこの平らなトコまで行って休憩だ」 ようやく頂上まで辿り着いたC君は安堵の顔を見せながらも完全にヘバっており、 ホッとしながら死にそうな顔という器用な顔を見せている。 C君はA先輩に言われた通りに平らなところに向かって歩き始めた。 「ゆっくりしていってね!」 「ちょっと…通してって」 どこからかまたゆっくりれいむが現れた。 へとへとにヘバっていたC君は道を阻まれた事で少し苛立ったのだろうか テント場のゆっくりにした様にゆっくりを小突いてどかそうとした。 その時 「待てC!!」 突然B先輩が叫んだ。 休憩場所で容赦なくゆっくりれいむを蹴りつけていた人とは思えないような発言だ。 だがB先輩が叫ぶまでもなく、C君は脚を止めていた。 「ゆっくりしていってね?」 「…あぁ、ゆっくりしていくよ」 C君はザックを背負ったままそのままそこにゆっくりと座り込むと、 丁度出て来た太陽光をその体に浴びて日光浴を始めた。 ゆっくりれいむはその一年生の膝まで跳ねて行くと 膝の上に乗ってその一年生と同じ様に目を閉じて日光浴を始めた。 B先輩が言う。 「今回はツイてるな、やっぱり」 「あのゆっくり、なんか…どっかおかしくないですか? どこから出て来たんですかアレ」 班員の皆も気付いていると思うが、 山頂付近は石や岩ばかりで樹も草も無く、前方の視界を遮る物が無い。 あんな紅いリボンが灰色の道で動いていたら気付かないわけが無い。 あのゆっくりれいむは浮かんで来るように現れたのだ。 「あれが人の影響を全く受けてない山奥のゆっくりだよ 晴れの日の山頂にも稀に出てきてな、落ち着いてない生き物を落ち着かせるんだ 急に現れた様に見えたのは…まぁ『湧いて出て来た』っていい方は変だが そんなところだ。まだよく分かってないらしい 滅多に見られるもんじゃないぞ」 Aさんが解説する。 よく見るとそのゆっくりれいむは丸い体を包み込む様に 僅かな光を纏っている様に見える。 ゆっくりれいむを膝に乗せたC君はまるで 晴れの日に縁側で昼寝をする猫のように目を細めていた(その顔はゆっくりみたいだった) 「二年ぐらい前はそれ程珍しくも無かったんだけどな やっぱ山頂でもエサやる人間がたまにいるからどんどん山を下って行っちまうんだ コイツ等は元々、人の食い物が欲しくて人に近づくってワケじゃないのにな… そうなったらもうコイツ等は別物になっちまう あの肉を持たない妖精のような存在から、昨日見た醜く口汚い生物になっちまうんだ」 B先輩が少し辛そうにそう言った。 「どうしてそうなっちゃうんでしょうね?」 C君を見ながらD君がA先輩に訊いた。 「人と同じなんじゃないかな? 自分にとってとてつもない快楽が手の届くところに有れば どうしてもそれを得ようと必死になっちゃうモンだ 奇妙な事だが、人に干渉出来る様に肉体を持つのもそのせいかもしれない きっとゆっくりも同じなんだろうな」 僕はこの日初めてこのゆっくりと出会い、 班員達はC君の膝の上でゆっくりしているゆっくりれいむの周りで休憩しながら 30分間の休憩の予定を倍の1時間にしてしまった。 僕はゆっくりさせてくれたゆっくりれいむに感謝すると共に あぁ、山に来て良かったな。そう思った。 そして一時間後、十分ゆっくりしていった僕等は ザックを背負って頂上から降りようとしていた。 「またいっしょにゆっくりしようね!」 「あぁ、またゆっくりしに来るよ」 それを聞いたゆっくりれいむは嬉しそうに目を細めると 風景に融ける様に消えて行った。 そして僕等はリラックスした気分でテント場まで下り、 テントを片付けて、バス停まで戻って行った。 その日のスケジュールはハードだった筈だが 何故かこの日は辛いなんて思わなかった。 きっとあのゆっくりの御陰なのだろう バス停近くのアスファルトの道を登山靴で鳴らしながら 僕はまたあのゆっくりれいむに会いたい、そう思った。 「んほぉぉぉぉおぉおぉぉぉおぉ!!!」 「やべるんでぜぇごのぐぞれいばぁあでぃず!!」 「ゆ”っ!かわいそうなれいむにごはんをもってきてね!はやくしてね! なにしてるの?れいむはにんっしんしてるんだよ?もたもたしないでね!」 「つんでれまでぃざがわいいぃぃいちゅばちゅばしであげるわぁああぁ!!!」 「ばぁ~きゃ!とっととあまあまよこちぇじじぃ!」 「「「………………」」」 バス停の前でまた出迎えてくれたゆっくり達を見て A先輩は萎えきった顔になって降ろしたザックの上に座り込んだ。 バスが来るまでの二十分間コイツ等と待ち続けなければならない A先輩はウンザリした顔つきで僕等に向かって言った。 「オイ、昨日も言ったがバス停付近に出てくるゆっくり殺しても 片付けるんなら誰も困んないから、そうしたければ殺ってもいいぞ ゴミ袋もほら、ここに」 僕らを使わないで下さい。 急にそんな事言われても困る。 ウザくてもイキナリ殺すなんて事は 「ん?しょうがねぇな!美しい町づくりの為だからな!うん!」 B先輩だけはノリノリのようで ぷくーっと膨らんで威嚇?するお腹の大きい不細工なゆっくりれいむの方に向かって行った。 「オイB、駅まで水道とか無いから産道に手突っ込んで 中身取り出したりすんなよ、いつもみたいに」 「はぁああぁぁあぁあ!?いつもそんな事してないし!! 子供引きずり出して親に見せつけるとかないし!!」 「「「…………………」」」 ー完ー
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※注意 現代ゆっくりモノ。 オリジナル設定あり。 ゆっくりまりさの中味が黒蜜になっていますが、俺設定です。 SS初挑戦です。 ブザーが鳴り響いた。 ゆっくりたちが目を覚ますと、そこは箱のなかだった。 「……ゆ!」 箱は天井低く、狭く、暗かった。そこに饅頭サイズの子ゆっくりばかりが8匹ほど入れられていた。 箱は横広の長方形だが、壁の一方が外に繋がっている。そこから見える景色は陽光きらめく新緑の森。 外に気づいたゆっくりたちが跳ね寄るが、箱と外界は鉄格子によって隔てられていた。 箱はゆっくりの牢屋だった。 「ここはどこ? せまくてゆっくりできないよ!」 「おそとはゆっくりできそうだよ! ゆっくりだしてね! おそとにだしてね!」 がちゃり、と音がして、鉄格子が自動的に外へと開いた。 「!? ――ゆ!」 「ゆ!?」 顔を見合わせるゆっくりたち。しかし警戒することはなく、自分達の行動が結果に繋がったのだと 結論付け、われ先にと光り輝く草原の中へと飛び出していった。 自分達の背後、先ほどまで入っていた箱牢が、静かに地面に沈みこんだ事に気づかないまま。 ※ 『さあ始まりました全国高校ロボットバトル・準決勝、第一試合です』 『バトルフィールドは森。舗装されていない草原と木立のステージです。二足歩行とローラーダッシュ が移動手段の西日暮里高校には若干不利な状況です』 屋内に作られた人工の森林。天井には青空が映し出され、太陽代わりの照明が森を明るく照らして いる。森のあちこちには状況を確認するための隠しカメラが設置されており、そのうちの数台が森の 地面から浮き上がったゆっくり牢から、ゆっくりの群れが飛び出すのを映し出した。 『各地点でゆっくりがリリースされました。数は合計で31体。れいむ種とまりさ種です。全て同じ親から生まれた姉妹となっております』 『子ゆっくりしかいないのにはなにか理由があるんですか?』 『親ゆっくりですとバレーボールほどにもなりますから、体当たりでロボットが破損してしまう可能性 があるわけですね。それは競技目的からすると望ましくない』 『なるほど。事故による不戦勝は好ましくないと』 『そういうことです。では解説席にお越しいただいている、親ゆっくりまりさ・れいむ両氏にコメントをいただきましょう』 解説の男はそういうと、足元から透明な箱に収まった二匹の親ゆっくり持ち上げ、解説席の上に置いた。 『やべでねぇぇっぇぇぇ!!』 『ゆっぐりじないでね! みんなにげで!』 だくだくと涙を流し、鼻を赤くして自らの子供らを案じている。 『おっほ! これは……』 『キモイですね~。では試合を見てみましょう。最初に群れを捉えるのはどちらになるのでしょうか!?』 ※ 「ゆっゆ~♪」 「ゆっ、ゆ~♪」 子ゆっくりの群れが楽しそうに移動している。 いずれもまりさ種で、心地よい自然のなかをきょろきょろしたり蝶を捕らえたり三つ葉をくわえたりしながら跳ねていた。 『おっとー。鼻歌を歌っている。のんきに鼻歌を歌っているのは? 6番グループのまりさ群ですか?』 『ひーふーみーよー・・・・・・10体? これは多いです』 『よくみると8番グループのまりさもいます。2グループ、2グループいます』 『これは大漁ですね。全体で31匹ですから、三分の一がここに集まっていることになります』 まりさの群れが移動しているのは茂みと茂みの間に不自然にあいた道だ。 獣道でもないのに歩きやすく道が出来ていることに何の疑問も感じないまま、群れは目的もなく進む。 やがてゆっくりたちは開けた草原に出た。 人間にしてみれば狭い、しかしゆっくりにとっては大草原ともいえる空間だ。しかもその中央、木漏れ日の直下には畑がある。 『6番8番がたどり着いたのは、畑。ゆっくりが好む野菜をゆっくりが好んで荒らす畑を模して配置しています』 『状況を把握しているわけがないですから、これは間違いなく喰いつ――、!? あぁっと、これは!!』 嬉々として畑に駆け寄るまりさの群れ。しかし、その畑の作物の間から見える赤白のリボン。 『ゆっくりれいむです! これは2番グループ総勢・・・6匹!』 『これは……』 畑で食事中のれいむ群が、来客に気づく。跳ね寄っていたまりさ達も先客の存在に気づき、歩みを遅めた。 畑のそばに揃って、まりさ種が言った。 「「「おじゃまかな!?」」」 れいむ種は畑を見回し、れいむ種同士で頷きあった。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 にこやかな挨拶が取り交わされ、まりさ種は畑に入ることを許された。 大根を掘り出し、薩摩芋にかじりつき、白菜に包まりながら、暴食の宴が繰り広げられる。 「うっめ! めっちゃうっめ!」 「むーしゃむーしゃ」 「んっがぐっぐ」 「「「しあわせー!」」」 ゆっくりたちはこの世の春を謳歌した。畑の中央にある立て看板「にんげんのはたけ ゆっくりしたらしぬ」には見向きもしない。 『これは思ってもみない展開。この畑に過半数のゆっくりが集合してしまいました』 『総ゆっくり数31体ですからね。この16体が一つのチームに一網打尽にされると、その時点で逆転が不可能になります』 『そしてこの畑はF大付属のスタート地点近く――』 突然、畑近くの茂みが大きく動いた。 その音と動きにゆっくりたちが1匹また1匹と食事を止め、ついには全員が注目しだした。 茂みはなおも揺れ動き、その音を大きくする。まるで何かが隠れているかのよう。 ゆっくりたちは一向に姿を現さない何者かに痺れを切らし、茂みを囲むようにして待ち受ける。 その顔には友好的な笑みがうかんでいる。何かを示し合わせるように互いに視線で合図する。 ついに一匹のゆっくりが茂みから跳び出した。 「「「ゆっくり――・・・・・・」」」 サプライズをねらった子ゆっくりたちが、その闖入者を見上げた。 それは親ゆっくりよりも大きい、バランスボールほどもあろうかという・・・・・・ゆっくりゆゆこだった。 「「「――していかないでねええええぇぇぇ!!!」」」 瞬間、ゆっくりの春は終わりを告げた。 『キターーーー!!』 『F大付属工業高校のメカゆゆこがここで登場です! おおきい! でかい! いたしかたない!』 『下馬評ではゆっくりの警戒心を煽りすぎるとしてベスト16にも残れないと酷評されたメカゆゆこ! しかしふたを開けてみればどうでしょう! 並み居る強豪を押しのけての準決勝進出! ストイックなまでに削減された機能とこだわりぬいたゆっくりゆゆこへの偏愛! 幾重にも織り重ねられた狂気という名の錦が、この準決勝の舞台にも飾られてしまうのか!!?』 『にげでえぇぇぇあがじゃんんんんんんんん!!』 『だずげであげでよ"尾"お"お"おおおぉぉぉぉぉぉおぉ!!』 蜘蛛の子を散らしたよう――――。メカゆゆこを前にした子ゆっくり達の様は、そう表現すべきものだった。 統率もなく、策もなく、ただ泣き叫び散り散りに逃げ出すゆっくり。しかし1匹のれいむが取り残されていた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆ・・・」 地面に仰向けに倒れ、笑顔のままひきつけを起こしている。 その目に光る涙の粒が流れ落ち、土に吸い込まれるかと思われた刹那、メカゆゆこの開きっぱなしの口から 飛び出した銀色の触手が逃げ遅れいむを貫き上げた。 逃げながら後方を窺っていたゆっくり達、あまりの光景に立ち止まる。 触手の先でいまだ痙攣するれいむ。その涙をにじませた微笑みが――、瞬きのうちにメカゆゆこの口内に消えた。 咀嚼の動作を行い、嚥下したような震え。 1匹を飲み込んだ機械仕掛けのゆゆこは、舌なめずるように銀色の触手を口から出した。 見せ付けるように突き出した触手の、餡子にまみれた先端が今、ゆっくりと三股に分かれる――。 「ひぎいいいいいいいいいいいいいいい!」 「い"やべでええぇえぇぇぇっぇぇぇぇぇぇ!!!」 「どうじでぞんなごどずるのおおおおおおおおおお!!」 『これは酷い! ノリノリの精神攻撃! あぁーと! メカゆゆこ動いた。回転しながら高速で移動し、 ゆっくりたちを取り囲む軌道! 徐々に輪を縮めてゆっくりの群れをひとつ所に集めてゆく!! ゆっくりは恐慌状態です!!』 『メカゆゆこの触手ですが、医療用のロボットアームを改造したもので自在に動きます。 現在メカゆゆこが見せている武装はこの触手1本。あとは転がりによる体当たり攻撃のみです。美しいまでのシンプルさ!』 『なんでごんだごどずるのおおおおおおおおおお!!! ・・・・・・まりざだずげであげでっ!』 『ゆっぐううううううううううううううううっ!!』 透明箱の中、おもいっきり膨らんで箱を破ろうとする親まりさ。息を止め顔を赤くし、箱の中で体をほぼ四角形にしながらがんばる。 しかし解説役ふたりが動じることなく実況を続けている事が、箱の信頼性をあらわしていた。 メカゆゆこの包囲旋回によって逃げ場を失ったゆっくりたち。身を寄せ合うようにしてかたまり、 恐怖に身を震わせながら泣き喚いている。その目の前で、メカゆゆこが止まった。土に汚れた顔面は、 ゆっくりたちには目元に影が浮かんだ凶悪な表情に映る。 「ひいいいぃぃぃぃっぃいいい!!」 円陣を組むように集まったゆっくりの群れから、数匹が先んじて離れた。 「まりさはおいしくないんだぜ!」 「そこのれんちゅうとよろしくやってるといいんだぜ!!」 「ゆっくりしね!」 仲間を見捨てたのはいずれもまりさ種。珍しくもない行動だ。 しかしメカゆゆこは見逃さない。閃光となって駆け抜けた触手が、逃げ出そうとした3匹のまりさを滑らかに襲った。 「けぺっ!」「ぉぶろっ!」「ゆっぐ……! やめえええぇぇぇ!」 細身の触手はゆっくりの形状を保ったまま貫いた。 触手はそのまま地面に先端を突き刺し、ずぶずぶとめり込んでいく。 触手のまちまちな位置に刺さっていたまりさたちは地面に押され、一列に並んだ。 そうしてから触手を抜いたメカゆゆこ。まりさ3体を並べるようにして口にくわえると、一気に触手を引き抜いた。 「だずっ、だずげっ・・・ぺええぇ!!」 「おがじゃ! おがぢゃあああぁぁぁぁん!」 「やめえぇ! かえりゅ! かえりゅぅぅぅぅぅぅ!!!」 べそをかき、絶望に塗れ、裏切った仲間達に命乞いをしながら、傷口から黒蜜を垂れ流すまりさ。 そのまりさたちが、ゆっくりとひしゃげてゆく。苦悶、懺悔、後悔。中身と共に流れ出すさまざまな感情。 その全てを絞り抜かれ、まりさたちは絶命した。触手の先が残骸を口内に招きいれ、念入りな咀嚼が始まる。 それが終わると、そこには口元を黒蜜で濡らしたメカゆゆこが残った。 「…………」 子ゆっくりたちは声もない。 あるものは髪と瞳を白く変色させて放心し、 またあるものは涙にまみれた顔をこれ以上ないほどゆがめたまま自身の舌を喉に詰まらせて窒息しつつある。 諦観にくすんだ微笑でその場の草を食む者や、 なぜかヘブン状態に至った者。 違いはあれど、皆逃走への意志を失っていた。 それを確認すると、メカゆゆこは一際おおきく口を開けた。 そのときである。 鉄のかたまりが、横合いからメカゆゆこを突き飛ばした。 『こ、これはーーーー!!』 『これ以上ないタイミングで! そして瀬戸際のタイミングで! かけつけました西日暮里高校、間に合ったーっ!』 鉄塊。 それは無骨なロボットだった。左手にドリル、右手にはサブマシンガン。 足短く、横広で頭部がない。骨格をむき出しにしたような外観はお世辞にもスマートとは言い難い。 その機体の上半身が、ゆっくりと子ゆっくり達の群れを向く。 ほぼむき出しのコックピット。 そこに鎮座しているのは一匹の子ゆっくりれいむだった。 「ゆっくりあんしんしてね!!」 その力強い言葉に、ゆっくり達の瞳に希望が点った。 ゆっくりをのせた機体『テイクイットEZ8』は向き直る。 いましがた突き飛ばした敵、メカゆゆこへ。 いまだ転がり続けている球体は木にぶつかって止まった。逆さまのメカゆゆこ。その両眼が鈍い輝きをもってEZ8を捉えた――。 後編に続く このSSに感想を付ける
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書きたかった事 チル裏ログ198の話題から 『全ての虐待作家の虐ゆっくりが同じ世界にいる設定のssがあったらどうなるだろう。 』 というわけで自作のゆっくりを大集合させてみるよ 注意点 もちろん俺設定注意 貨幣価値をおおよそ現代レベルに設定してあります これまで自分が書いたSSに出てきた変わったゆっくりが出てきてます こちらから読んでも問題ないと思います とってつけたような虐待 作者 チェンマガツ うちではゆっくりれいむを飼っている。 ゆっくり屋と呼ばれるゆっくりに関する物をなんでも揃えている店で飼いゆっくり用として売られていたゆっくりを購入したのだ。 最初の頃の苦労を思い出さなければ、れいむとは概ね良好な関係を築けていると思う。 一匹飼い始めると、二匹三匹を数を増やしたくなるのがゆっくりを飼う人の心理だろう。 もちろんゆっくりの性格や行動から一匹でもつらいという人はいるけど。 最近ではれいむも一人では寂しいと言って止まないので、今日はこうしてゆっくり屋に足を運んでいる。 「いらっしゃいませー」 店に入るとと従業員達の明るい声で迎えられた。 店内は中央に様々なゆっくりグッズ、ゆっくりと遊ぶための道具から虐めるための器具まで取りそろえている。 同じ空間にそれぞれが並んでいるところに人間に対するゆっくりの二面性がよく見て取れる。 うちのれいむにも何か買ってやろうかとも思ったが、今日はこっちのスペースよりも店の奥のガラスケースが陳列してあるスペースに用があることを思い出しそちらに向かう。 店に入ってから騒々しい声が聞こえていたのは分かっていたが、ここに近づくと改めて騒がしいと思う。 口々に「ゆっくりしていってね!!」と言っているのはわかるがどいつが言っているのか全く判別付かないほどだ。 ここには様々な種類のゆっくりを取りそろえてある。 ゆっくりの種族はもちろん、赤ゆっくりから成体ゆっくり、はたまた飼い用や餌用と品揃えはかなり多くなっている。 餌用ゆっくりとはいうものの、実際の所はゆっくりを餌として必要なゆっくりを飼っている人は自分で繁殖させていることが多い。 ということはつまりほぼ虐待用ゆっくりということだ。 余談はさておき近くにいた店員を捕まえて新たに購入する飼いゆっくりについて相談することにした。 「すいません、店員さん」 「いらっしゃいませ〜、なんでしょうか?」長い髪を後ろで一つに束ねた清楚な雰囲気の女性の店員だ。 「今うちに一匹れいむを飼ってるんですけど、もう一匹新しく飼うのに良い奴はいませんか?」 「それはお客さん良いタイミングでいらっしゃいましたね!!」 「どういうことです?」 「今日いっぱい変わった子を入手したんですよ。どの子もかわいいんで案内するんで見ていってくださいよ〜」 「それは良かった是非お願いします」 「はい、こちらからどうぞ〜」 店員さんは変わったゆっくりを紹介してくれるようだ。 たしかに新しく飼うのに普通のまりさなんて飼っていても面白味に欠けるのは明白だ。 少し興味が湧いたので店員さんの後を付いていく事にした。 まず店員さんと見て回ったのは赤、子ゆっくりのケースがならんだコーナーだ。 「この子はたぶんすぐ売り切れちゃうと思うんで早い者勝ちですよ〜」 そう言ってガラスケースから出された子ゆっくりはパッと見ただけだとただのゆっくりちぇんだった。 「こいつは普通のちぇんじゃないんですか?」 そう尋ねると店員さんはそのちぇんの顔をこちらに向けてくれた。 「この子の目をよ〜く見てください。ほら、猫の目してるでしょ!」 「おおお、確かに」 目の前に差し出されたちぇんの瞳はどう見ても縦長で普通の猫の目と同じ形だ。 「それに少し話し言葉も変わってるんですよ。ちぇん、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってにゃー」 「うはあ、かわええ。でもなあ……」 なんだこの破壊的な可愛さは。これは確かに飼いたくなるもとい買いたくなる。 だがしかしこいつを飼い始めると間違いなくれいむはお払い箱だ。 あくまで多頭飼いを目標にしているからそれでは困るんだよなあ。 「ちなみにこいつはいくらなんです?」と恐る恐る聞いてみる。 間違いなく人気商品になるであろう猫目ちぇんだが、せいぜい普通の子ゆっくりの二倍くらいだろうと思っていた。 「この子は15,000円になります」 「なん……だと……」 そこらの子ゆっくりなら300円から高くても3,000円のところを優にその五倍の値段を提示されて驚く。 「人気もあるんですけど、希少価値も含めての値段なのでどうしても高くなっちゃうんですよ〜」 「ぐぐ、それは仕方ない。可愛いけどうちで飼うには可愛すぎて不都合だしな」 「それじゃ、次の子にいきましょうか」 ちぇんはそっとケースに戻される。ちぇんはケースの中でも笑顔でくるくる跳び回っている。 それにしても最後まで可愛らしいやつだったな。 次に案内されたのはケースの棚を背にした位置にあった膝の位置にも届かない低い柵に囲まれたスペースだった。 しかし見たところそこにはぐちゃぐちゃになった毛布しか見当たらない。 「えっと……」 「お〜い、みんなゆっくりしていってね〜」 店員さんはしゃがみ込んで何もいない空間に向かって挨拶をする。 するとどうだ乱雑に置かれていた毛布が動き始めたかと思うとそこからゆっくりらしからぬ速さでゆっくり達が近づいてきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「うわぁ……」一体この気持ちをどう表現すればいいのだろう。 「気持ち悪いですか?」 「わかります?」 「私は、個人的にですけどとてもかわいいと思うんですけどね〜」 そう言って一番手前にいた変わった形のれいむを持ち上げる。 こいつらの姿をどう形容すればいいのだろうか。丁度麦わら帽子の丸い部分がそっくりゆっくりの顔に置き換わったようだ。 その帽子のつばの部分がうねうねと動いている。 「この子達はですね。跳ねなくなった代わりに速く這うようになったゆっくり達なんですよ〜」 にこやかに説明してくれる店員さんには悪いが、正直こいつらは飼いたくないな。 「ちょっと柵を作ってやれば動けなくなるんで飼いやすいですよ?」 「でもこいつと普通のれいむとじゃめちゃくちゃ相性が悪いですよね」 「そういえばそうですね〜。きっとゆっくりしてよーってなっちゃいますね〜」 こいつらの速さならきっときめえ丸との相性は抜群だろう。 だが如何せん気持ち悪い。 「ちなみにこの子れいむは4,500円、そこの赤まりさは200円になります〜」 まあおそらく飼う事はないだろう。 ふと隣のケージを見てみるとこちらの様子とは全く真逆の様相を呈していた。 過剰なまでに高い柵によりすでに檻のようになっているケージの中に子ゆっくり達が眠っていた。 「やっぱり気になっちゃいますよね〜」 こちらの心を読んだように店員さんが話しかけてきた。 「そちらで寝ているゆっくり達も新しく入荷した変わったゆっくり達なんですよ〜」 とはいうものの見た目では普通のゆっくりと変わらないゆっくり達にこの柵は必要なんだろうか。 「そしたら起こしてみましょうか。ゆっくりしていってね〜」 「「「「ゆゆゆゆ」」」」すると次第に中にいたゆっくり達が目覚め始める 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「ここまでは普通のゆっくりですね」 「ええ、そしたらこの子達の特徴を直に見て貰いましょうか」 そう言って店員さんがポケットから棒状のゆっくりフードを取り出した。 そしてそれを腰の高さの位置で柵に固定した。 「ほらご飯だよ〜」 しかしその位置では子ゆっくりにはどうやっても食べる事は出来ない。 飛んでも、跳ねても、舌を延ばしても無理だろう。 ところが目の前の子ゆっくりまりさは一度のジャンプで膝くらいまで跳躍し、着地するとゴムボールのように跳ねてゆっくりフードにかじりついた。 「この子達はさっきの子達と逆にものすごく跳ねるんですよ」 なるほど見てみれば赤まりさも赤れいむも跳ねるたびにその高さを増していっている。 「それにこの子達は衝撃に強いから不意の事故にも強いんですよ〜」 店員さんはケージを開いて、高く飛んでいた一匹の赤まりさに思いっきりデコピンをしてみせた。 普通の赤ゆっくりなら間違いなく致命傷になるレベルの攻撃だ。 いきなりデコピンされたその赤まりさはケージ中をスーパーボールのように跳ね転がった。 「どうじでぞんなごどしゅるのー」 「調子に乗って高く跳ねてたらゆっくりできなくなるって何度も言ったでしょ、めっ」 確かに少々高いところから落ちても平気になったが、高くなりすぎるとやはり死んでしまうくらいのダメージを受けるのだ。 「自滅してたんじゃ世話無いですね……」 「だけど大人になれば家の中じゃ死ぬ要素はほぼなくなりますよ〜」 「それなら飼いやすいかもしれないなあ。この子達はいくらなんです?」 一応買う候補に入れるために値段を店員さんに聞いてみた。 「子ゆっくりなら3,000円で赤ゆっくりで200円です〜」 「それなりの値段か。こいつは候補に入れておこうかな」 「よろしくお願いしますね〜」 「あのちなみにこの赤、子ゆっくりのコーナーで一番高いゆっくりはどいつになるんです?」 「それならあの子しかいませんね〜。見てみますか?」 「絶対買わないだろうけど興味はあるからね」 「ではこちらにどうぞ〜」 連れてこられたのは再びゆっくりが入っているガラスケースが陳列してあるスペースだ。見るからにゴージャスな内装で高級感を醸し出しているケースのなかにそいつはいた。 「生まれたての赤ぱちゅりー……ってゴールドバッジをしているじゃないか」 「生まれながらにして優良ゆっくりに認定された卵生ゆっくり五代目のぱちゅりーです」 何年も人間と一緒に過ごして飼い主とゆっくりがとてつもない苦労をしても簡単には得ることができないゴールドバッジを小さい帽子に光らせながら赤ぱちゅりーは静かにこちらを見ている。 「一人称をわたしに変えることもできます。もちろん呼び名を変えても適応できます。 簡単な漢字くらいまでなら記憶できるそうです。健康状態に至っては言わずもがなとても良好なゆっくりぱちゅりーです。」 店員さんが人間関係のルール云々に触れない辺り、当然ルールは守るということなのだろう。 きっと様々な芸も覚える事だろう。いよいよ末恐ろしい赤ぱちゅりーだ。 「ちなみにいくらです?」おそるおそる聞いてみた。 「十万円になります」 「赤ゆっくりが十万……」 通常の飼い赤ゆっくりが50〜100円で販売されているのを考えればとんでもない金額だ。 「遠慮しておきます」 「わかりました〜」 「このコーナーでは変わったゆっくりはこれくらいですか?」 「そうですね〜。あとは大人ゆっくりのコーナーに三体ほどいますのでそちらも見てみますか?」 「あ、よろしくお願いします」 というような会話をしながら二人で成体ゆっくりのコーナーにやってきた。ここにはガラスケースに納められたゆっくりはおらず、すべてケージに入っている。 よくよく考えたら今更面倒なしつけをするくらいなら成体のゆっくりを買った方がいい。 まあしつけされた分値段が上がっているだろうがあの苦労と比べればどっこいどっこいより値段のほうが勝る。 それにうちのれいむはもう成体なわけだし、番になるようなゆっくりを連れて帰った方が喜ぶかも知れないな。 しかし最初に紹介されたゆっくりはどう見てもありえないゆっくりだ。 「その名もプチドスまりさです。ドスとは名前がついてますがこれ以上は大きくなりません。あとただのでぶまりさとも違います」 目の前にいるのは体長でうちのれいむの二倍くらいあるだろうか。体積ならざっと八倍ある計算になる。 「巨大に変異したわけではなく、ドスになるプロセスの解明によるドスの縮小化と思って貰うとちょうどいいかもしれません。頭も結構良いですよ?」 「しかし普通に家の中で飼うにはでかすぎるな」 「そうかもしれませんね〜。それにただ飼うというよりは闘ゆっくり向けのゆっくりですので」 なるほどと思う。重量級の体当たりをメインとした戦い方をするゆっくりに育てたりするのだろうな。 「それにこの大きさじゃ餌が大変でしょ」 「それがネックなんですよね〜。通常の五倍から十倍は必要と考えてもらわなくちゃいけません」 それ故あまり買い手も付かないのだろう。 仕入れたばっかりのくせに帽子に付けられた値札には五万円の数字に横線で修正され、五割引と書かれ、値頃感を出された価格設定になっている。 「たぶんこの子自体は繁殖用に使われるんでしょうね。ささ、次を見てみましょ〜」 プチドスまりさの説明は簡単に終了した。 次に見たのはこれまたパッと見るとただの成体まりさだ。 「こいつはきちんと教育しているまりさとか芸達者なまりさですか?」 「う〜ん、そういった普通のまりさではないんですよ〜」 ちょっと実演してみますねといって店員さんはケージの柵を跨いで入り、まりさに近づいていった。 「おい雌豚ぁ!!」 何事だ店員さん。いきなりのことに目が丸くなった。 さっきまで笑顔を振りまいていたのを急変させまりさを蹴り上げながらさらに罵る。 「なんでゆっくりしてんだよ。豚は豚らしくブヒブヒ言いながら動き回ってろ!!」 「ゆゆっ、もっと蹴ってぶひー」 「主人に命令するったあどういう神経してんだ!!」 ドゴォッという効果音が付きそうなほどの店員さんのすばらしいローキック。 まりさを宙に浮かすことなく衝撃をすべてまりさに蓄積させる技術には舌を巻くしかない。 「ぶひーぶひー」まりさは涙を流しながらも幸せそうな顔をしている。 「これはひどい」 率直な感想だがまりさはそれにも反応して喜んでいる。 「というようなゆっくりまりさです。ドMまりさってところですかね」 「教育というより調教しちゃったわけですね」 「そういうことです。この子に普通に接したら虐待になっちゃうんで心を鬼にしてやらないとダメなんですよ〜」 それもそれだがと思いつつ需要はあるんだろうなと値札の三万円を見て思う。 「子ゆっくりの躾け用に駄目な事をした本人にはこのまりさを痛めつける様子を見せつけるという飼い方もできますよ〜」 「うちのれいむがまだ子供なら良かったけどもう成体だしなあ。これも遠慮しとこう」 「それでは次のゆっくりを見てみましょうか」 やはり成体ゆっくりは色物が多すぎて購入するとなると度胸がいるな。 れいむの相方がゴムボール子まりさで決まりかけていたときとんだ伏兵が現れた。 「ゆっくりしてるかしらありす〜」 「ゆっくりしてるんだぜ!!」 「だぜ?」 店員さんが呼びかけたのはゆっくりありすのはずだが返ってきたのはまりさの言葉だった。 挨拶のしたほうを見やるとそこにいたのはやはりありすだった。 「どうなってるんですこれ」 「どんどん話しかけて上げるといいですよ。言葉が面白い子なんで」 「ありすをほめてもなにもでないんだぜ」 「本人はありす、だけど語尾はだぜ。こういう風に教育したんですか?」 「いえ、まりさとありすの体を横に真っ二つにして上下を入れ替えた改造種のゆっくりなんですよ〜」 「見たところ上半分がありすで下半分がまりさですか」 「そうなんですよ〜」 「ゆゆっおねえさん、ありすのかみをきれいきれいしてほしいんだぜ」 「はいはい」 店員さんはポケットから櫛を取り出しありすの髪を梳いてやった。 「この子は最近流行始めた『だぜありす』なんですよ〜。性格はありすで口癖がまりさなんです。 綺麗好きでまりさが使うような汚い言葉を好みません。さらに『とかいは』という言葉はありすの口癖なのかこの子は使いません。 またまりさ並の運動能力があるので両方の良いところを合わせたゆっくりと言えますね〜。」 「おにいさんもありすがきにいったならさわらしてあげないこともないんだぜ」 「ツンデレはありすの性格なのでどうしようもないですが」と店員さんは苦笑いをする。 こいつなら飼うにしてもうちのれいむと相性がいいかもしれない。 少なくとも今までのゆっくりと比べればの話だが。 カチューシャに付けられた値札を見てみるとなんと一万円と破格な値段だ。 その気になれば自宅でも作る事ができるのでこの価格になってしまうというのは店員さんの言葉だ。 ただしこの店ではそれなりにいいありすとまりさを使っているので野良のゆっくりで組み合わせたものより品質はいいそうだ。 「なあありす、うちにれいむがいるんだが友達になってやってくれないか」 「ゆゆっ、ありすにぴったりなれいむならいってあげないこともないんだぜ」 「ああきっと気に入ると思うぞ」 「お客さんこの子にいたしますか〜」 「そうだなあ。なかなか変わったゆっくりだし、れいむと一緒に飼えそうだからこいつにするよ」 ありすにれいむを拒否する様子がなければそれでいい。 あっさりと『だぜありす』の購入が決まった。 うちに新しいゆっくりを連れて帰るとさっそく二匹は意気投合し始めた。 互いに美ゆっくり同士だから仲良くなるのも早いのだろう。 最初はれいむはだぜありすの言葉遣いに慣れてなかったが性格や振る舞いの良さを見つけると気に入ったようだ。 発育も良く、餌もふんだんにあり、捕食種に追われない生活を送る仲の良いゆっくり達が次第に愛し合うのは自然な流れだ。 しかし出会って二日目で事に及ぶのはどうかと思うが寛大な気持ちでれいむとだぜありすのすっきりーを見守った。 どうやらにんっしんっしたのはれいむの方で目を潤ませながら喜んでいる。 心配されたありすのれいぱー化も全く変身することはなかった。 どうやられいぱー化はありすの下半身側の問題だったらしい。下半身がまりさのだぜありすには関係ない話なのだ。 「ゆゆっ、ゆっくりできるあかちゃんになってね!!」 「ありすとれいむのこどもだからきっとゆっくりできるんだぜ」 「ありす……」 「れいむ……」 そういってちゅっちゅする二匹。おお、うざいうざい。 にんっしんっは植物型だったためれいむの頭の上で目と口だけの赤ゆっくり達が六匹静かに揺れていた。 れいむのにんっしんっから一週間経った頃問題が発生した。 「どぼじであでぃずのごどもがいないんだぜえええええ」 「なんでばでぃざができでるのおおおおお」 れいむにできた六匹の子供のうち三匹はれいむ種だが、もう三匹はどうみても黒い帽子を被ったまりさ種である。 そうなのだ、だぜありすの下半身はあくまでまりさであり、れいむはまりさの子供をにんっしんっしたのと何らかわらない。 そこそこ頭の良い二匹のため、れいむに出来た子供は二匹の子供であると認識しているし、感情的になって子供や母体を攻撃する事もない。 しかし二匹にとって、特にだぜありすにとっては悲劇である。 「まあそう気を落とすなよありす。かわいい子供じゃないか」 「うわ゛ーん、ありずのあかぢゃんはどごだぜええええ」 「今回は諦めな? もう少し時間が経てばお前の中身が混ざってありすの子供もできるかもな」 いくら慰めてもだぜありすはさめざめと泣くしかなかった。 まったくどう飼っていてもそこら中に悲劇しかない動物だなと改めておもった。 あとがき 走り書き万歳。勢いって大事だよね。勢いしかないけどなSSです。 自分の作品には変なゆっくりが多すぎる事が判明しました。 どうみても既存の設定を生かしきれていません本当に(ry ゆっくり達の値段は観賞魚ベースでこれくらいかなーなんて考えてみました。 血統という概念があればもっと高くなるようなきもする。 気になったゆっくり達はどうか手にとって遊んであげてください。 そうするととてもよろこびます。おもに作者が(*´∀`) 今まで書いたSS ちぇんと猫 (猫目ちぇん) ちぇんと死に至る病 (卵生ぱちゅりー) ちぇんとタチ おれがあいつで (だぜありす) ちぇんと幸福論 そういうプレイ (ドMまりさ) ゆっくりでさっぱり (ゴムボールゆっくり) ゆっくりガラパゴス的退化(はぐれゆっくり) 高純度まりさ(プチドスまりさ) 以上のゆっくりの提供でお送りしました。
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※ あるマンガに出てくる道具あり このSSのキモなんで「ちょwwwwwなんでこれが幻想入りwwwwww」ってなツッコミは無しの方向で一つたのんます 男は香霖堂への道を歩いていた。 無論、香霖堂へ行くためであり、何をしに行くのかと言えば、言うまでもなく買い物のためである。 とはいっても、生活用品を買うためではない。 こんなことを言ってはなんだが、あの店はそういった日用品を買うには、幻想郷一不向きな店である。 男も何か特別必要な物があって香霖堂に行くわけではない。 男の趣味はゆっくり虐待である。 初めのころは、毎日のようにゆっくりを虐待しては一人悦に入り、ゆっくりが死ねば新しいのを補充することを繰り返していたが、最近虐待もマンネリ化してきて、いまいち面白さに欠けてきた。 そこで新機軸を打ち出すためにも、外界の珍しい品物を扱う香霖堂に行くことにしたというわけである。 「ふう、ようやく着いた」 男は小さな店の前でホッと一息ついた。 店も風変りなら、店主もそれに比肩しておかしな人物である。 ここの店主は、自分の気に入ったものは、どんなに金を積まれても売らないことで有名だった。 だったら、客の目に付くところに置いておかずに、倉にしまっておけと言いたい。 それに、まっとうな商売人なら、こんな人通りの無い場所に店を構えるようなことはしないだろう。 誰の目から見ても、変人なことは明らかだ。 まあ、それで売り上げが上がろうが下がろうが、男にはどうでもいいことだ。 面白い品物が格安で手に入りますようにと願掛けをして、ドアを開き中に入った。 「いらっしゃい」 男は、可愛い女の子の声に迎えられた。 「ゆっ!?」 れいむは目を覚ました。 目を覚ました第一感想は、ここはどこだ? というものであった。 れいむのすぐ目の前には、木で出来た壁がそびえている。 一切のゆがみもなく、真っ直ぐなそれは、決して自然界には在り得ないものであった。それがれいむの四方を隙間なく固めていた。 訳が分からず自身の足元を見ると、これまた目の前の壁のように真っ直ぐな木が敷かれている。れいむはその上に座っていた。 これで上も木の壁で覆われていたら、れいむは完全に狭い木の壁の中に閉じ込められてしまう。 恐る恐る上空に目を向けて、ホッと一息つくれいむ。 運がいいと言っていいのか分からないが、上空には木の壁がなかった。 しかし唯一視界の利く上空を見て、れいむは一層自分がどこにいるのか理解できなかった。 そこにはいつも見ていた空や洞窟の天井はなく、やはり見たことのない物体で埋め尽くされていた。 飼いゆっくりならそれが人間の家の天井であることが分かるだろうが、生憎と森から一度も出たことのないれいむには、それが摩訶不思議な物体としか認識できなかった。 れいむは己の理解が及ばないながらも、まずここから出ることを試みることにした。 ゆっくりは広々とした空間を好む傾向がある。 この訳の分からない状況に不安を感じたこともあるが、それ以上にこんな息の詰まりそうな狭い場所に長居はしたくない。 目の前の木の壁は、れいむの身長の二倍の高さと言ったところである。ジャンプすればギリギリ跳び越えられる高さだ。 れいむは足に力を貯え、一気に解放すると、目の前の木の壁を無事に跳び越えることに成功した。 勢いあまって、着地と同時に地面を転がるれいむ。 壁に当たってようやく止まると、れいむはクラクラする頭を振って、周りを見渡した。 そこにあるのは、今までれいむが見たこともない物ばかりだった。 四方八方自然界にはあり得ない真っ直ぐ均一のとれた物体が囲んでおり、出口らしいところは見受けられなかった。 いや、出口はあったのだが、れいむにはそれが“扉”であるということが分からなかったのだ。 すぐ目の前にはれいむを閉じ込めていた四角い木の物体がある。 木箱だ。それがこの空間に3つも存在していた。 見る物触る物すべてが、れいむの常識から外れた物ばかり。 もしかしたら自分はどこか知らない世界にでも迷い込んでしまったのだろうか? れいむは記憶を辿って、思い出せる限り最近の自分の記憶を振り返った。 先日、れいむは晴れて成体の仲間入りを果たし、今まで慣れ親しんだ家から離れ独立することになった。 愛する両親に別れを告げ、新たなゆっくりスポットに適した場所を一匹探し求めた。 三日後、れいむの頑張りもあって、まだ誰の手も付いていない大きな木を見つけると、一目でそこが気に入り、根元に穴を掘り巣を作り始めた。 ようやく工程の半分ほどを終え、ゆっくり一休みしていると、一人の人間がれいむの前にやってきた。 れいむは今まで人間に出会ったことがない。 親であるぱちゅりーからは、人間は粗暴でゆっくり出来ないと耳タコが出来るほど聞かされていた。 それでいて、決して不用意な真似をしてはいけないとも言われていた。 人間はゆっくりより強い。 いきなり暴言を吐いたり、逃げたりしようものなら、不信を買ってあっという間に捕まってしまい、死より苦しい目に遇わされてしまう。 人間に出会ったら、どんな事があろうと殊勝な態度で接しなければならない。決して刃向ってはならない。 家を出る直前まで言われていたことだった。 そんなこともあって、れいむは男を刺激しないように、「ゆっくりしていってね!!」と、元気よく笑顔で声をかけた。 人間もそれに対して返事を返してくれた。 「おや、巣作りかい?」 「そうだよ!! れいむはおとなになったんだよ!! だからおうちをつくってるんだよ!!」 「ほう、それはめでたいな!! それじゃあ、一人前になったお祝いに、お兄さんが美味しい物をあげよう」 「ゆゆっ!! おいしいもの!!」 「ほら、ビスケットだ。ゆっくりお食べ」 「ありがとう、おにいさん!!」 男は、ポケットからビスケットを取り出すと、れいむの前に差し出してくれた。 親であるぱちゅりーなら、ただでゆっくりさせてくれる男の行動に疑問を抱いたであろう。 しかしながら、親ぱちゅりーの言葉に反して、自分をゆっくりさせてくれるこの男は、きっと優しい人なのだろうとれいむは考えた。 決して、目の前に置かれたビスケットの香ばしい匂いに釣られた訳ではない。 ぱちゅりーの助言もむなしく、疑いもなくビスケットに食らいつく。 「むーしゃむーしゃ!! しあわせ〜〜〜〜♪♪」 丁度、巣作りでお腹が空いていたこともあり、ボリボリと溢しながらビスケットを口に入れる。 かつて味わったことのないその味にすっかり心を奪われたれいむは、男にもっといっぱい頂戴と要求した。 図々しい物言いだが、れいむに悪気は全くない。ゆっくりとは、そういう生き物なのである。 やさしい男は、そんなれいむの態度を特に気にするでもなく、更に何枚かのビスケットを取り出すと、れいむの前に置いてくれた。 れいむは、再びビスケットに食らい付く。 しばし至福の一時を過ごすれいむ。 しかし、初めのうちはおやつタイムを存分に満喫していたれいむだが、そのうち急な眠気に襲われた。 「ゆっ? なんかれいむ……ねむくなってきたよ」 「きっと一生懸命頑張ったから疲れたんだね。でも、巣はまだ入れるほど大きくないし、外で寝るのは危険だな。よし、お兄さんがゆっくり寝られる所に運んであげるよ」 「ありがと…う……お…にい……さ………」 最後まで口にすることなく、れいむは睡魔の急襲にあい、意識を失った。 その後の記憶はない。 そして、再覚醒したのが、ついさっきというわけである。 「あのおにいさんが、れいむをここにつれてきたんだね!!」 考えに考えた末、れいむはあの男が連れてきたことにようやく気が付いた。 確かに周りは見たことのないものばかりだが、ここなら冷たい夜風に吹かれることもないし、急な雨もへっちゃらだろう。 何より天敵ともいえるれみりゃやふらん、大型の野生生物がいないため、ゆっくり安心して睡眠を取ることが出来る。 れいむがあの狭い木箱の中に入っていたのは、きっと男が安全策として念には念を押していたのだろう。 男の気配りに、れいむは心の中で感謝した。 しかし、いつまでもこんな場所には居られない。 季節は秋。 この時期、ゆっくりは食料を巣に溜め込み、冬ごもりに向けて餌を溜めこむ重要な時期だ。 言うまでもなく森の資源には限りがある。 餌取りは早い者勝ちであり、怠け者、体が弱い者、要領の悪い者は、満足な量の餌を溜めこむことができず、大自然の驚異の前に次々と地に帰っていく。 れいむは一匹での越冬ということもあって、自分の分の餌を溜めこむだけで済むため、家族持ちのゆっくりほど切羽詰まってはいないが、代わりに住む家が出来ていないというハンデを抱えている。 いつまでもここに長居をすれば、れいむも帰らぬゆっくりの仲間入りを果たすのは目に見えている。 そんなことは死んでもごめんである。 「おにいさ〜〜ん!! れいむ、おきたよ〜〜!! ゆっくりしないでかえるから、ここからだしてね〜〜〜!!!」 れいむは、この出口のない奇妙な空間から抜け出すべく、大声でお菓子をくれた男を呼んだ。 男がどこにいるのかは分からないが、れいむは男がすぐに来てくれるだろうと楽観していた。 元々疑うということを知らないれいむである。美味しいお菓子をくれた人間を完全に信用していたのだ。 しかし、すぐに来てくれるだろうという安直な考えとは裏腹に、男からの反応は全くなかった。 呑気なれいむは、「そっか!! きこえなかったんだね!!」と、ポジティブシンキングを発揮し、特に気にせず再度大声を張り上げた。 腹(?)の底から捻り出すような声量。 これで男が来てくれるだろうと、れいむは自信満々でいたが、れいむの声に対し、思いがけないところから反応が返ってきた。 「ゆ〜〜……まだねむいよ……ゆっくりおおごえをださないでね」 その声はれいむをここに連れてきた人間とは明らかに違っていた。 しかも明らかに自分のすぐそばから発せられたのである。 れいむは周りを見渡した。しかし、声の主らしき者は、れいむの見える範囲には存在しなかった。 「だれなの? かくれんぼなの? ゆっくりこたえてね!!」 声の主に呼び掛けるれいむ。 すると、れいむの呼び掛けに再び返事が返ってきた。 「ゆっ? そっちこそだれなの? ゆっくりせつめいしてね!!」 声の返ってきた方を向くと、そこには木箱が置いてあった。 れいむの入っていた木箱の隣にあった物だ。 れいむはその木箱に近づいていくと、その中にいるであろう者に向かって声をかける。 「れいむはれいむだよ!! このなかにいるんでしょ? だれなの? ゆっくりおしえてね!!」 訳の分からない自己紹介をするれいむ。 例えるなら、「私の名前はれいむです」と言ったところなのだろう。 人間が聞いたら、なんのこっちゃと思うような紹介だが、箱の中の者にはそれで充分だったらしい。 「まりさはまりさだよ!!」 れいむと同じ自己紹介を返すまりさ。 どうやらこれがゆっくりの自己紹介のスタンダードなようだ。 「れいむ!! どうしてまりさのまわりにきのかべがあるの? れいむがやったの?」 木箱の中にいるまりさは、先程のれいむ同様、状況に戸惑っているようだ。 まあ誰だって突然周りを塞がれてしまえば、困惑するのも無理はない。 「まりさ!! うえがあいているよ!! ゆっくりじゃんぷして、きのかべをとびこえてね!!」 「ゆっ? ほんとうだ!! うえにはかべがないよ!! ゆっくりじゃんぷするよ!!」 まりさは、「ゆっゆっゆー!!」の掛け声とともにジャンプすると、木箱の中から跳び出してきた。 ギリギリの高さで飛び越えることが出来たれいむとは対称に、まりさは余裕を持って木箱を跳び越える。 さすがは身体能力に富んだまりさ種である。 無事にれいむの隣に落ちると、れいむのように転がることなくその場に「しゅた!!」と、華麗に着地する。 実に優雅な物腰だ。 箱から出てくるや、まりさはれいむの方に向き直った。 そしてその顔を一目見たれいむは、一瞬で放心にとらわれる。 な、なんて素敵なまりさなのだろう!! それはれいむが今まで生きてきた中で、見たこともないような美ゆっくりであった。 端正な顔立ち、瑞々しくもっちり張りのある皮、艶のある髪、仄かに香る甘い匂い、一切の無駄な皺のないゆっくりとした帽子…… どれをとっても野生のゆっくりではお目にかかれないほどの物であった。 それは人間に飼われているゆっくりでもあり得ないだろうというレベルのものである。 「ゆっ? れいむ、どうしたの? まりさのおかおになにかついてるの?」 そんなれいむの態度が気になったのか、まりさが首を捻って質問してくる。 れいむはそのまりさの言葉でようやく我にかえった。 そして、まりさに見とれていた自分を顧みて、「な、なんでもないよ!!」と精一杯自分の態度を誤魔化した。 独り立ちしたとはいえ、れいむはようやく成体になったばかり。 ゆっくりでいう成体とは、スッキリして子供が作れるようになった個体を指す言葉であり、人間の年齢で例えるなら、12〜14歳という微妙なお年頃である。 要は思春期であり、体は大人でも精神はまだまだ幼稚さの抜け切らない子供なのである。 余談ながら、ゆっくりが成体かそうでないかを見分けるには、ゆーりが来たかそうでないかで判断される。 ゆーりとは、成長したゆっくりなら誰でも体験するものである。 ある日突然、体全体から甘く粘着質な液体が分泌されることで、次代を作る態勢が整えられる。 知識を持たない当事者は、突然自分の体から変な物が出ることに慌てふためくが、同じく経験してきた親や周りの大人たちが、それが危険でないことを説明してくれる。 それは大人になった証であり、子供を作れるようになった証であると。 そしてその日は大抵ご馳走になることが慣例となっている。 ちなみにれいむの居た群れは、成体になってから三か月以内、要は次の季節に移るまでに、生まれ育った巣から出ていくことが習わしである。 理由は、自立心を養わせることと、手狭になった巣を広くするためである。 これは冬場や、余程の切迫した問題がない限り、誰しもが行っている。 とは言え、所詮はまだまだ未熟なゆっくりたちだ。 狩りが不得手であったり、まだまだ子供気分が抜けない者が多く、巣から出るといっても、すぐそばに新たな巣を構える者が大半である。 れいむのように、遠く親元を離れて生活するというゆっくりのほうが稀なのである。 閑話休題 れいむは純朴である。口悪く言えば田舎娘とも言いかえられる。 森で一緒に駆け回っていた友人達は、皆伸び伸びと元気なゆっくりであったが、反面泥臭くスマートさに欠けるゆっくり達でもあった。 最近ようやく色を知り始めたれいむが、優雅で大人びた、見ただけで気品に満ち溢れたまりさを見て、一目惚れしてしまうのも無理のない話であった。 自分を見てモジモジしているれいむを見ても、まりさにはそんなれいむの機微など分からないらしく、自分が何か不味いことでもしてしまったのではないかと、心配そうな顔をしていた。 傍に寄って行って、れいむの顔を覗き込む。 「れいむ!! ぽんぽんでもいたいの? だいじょうぶ?」 そんな美まりさに近寄られて一層心拍数(?)の上がるれいむ。 近寄られて嬉しい反面、こういうことに慣れていないれいむは、自分からまりさとの距離を取った。 「ゆゆゆっ!! だだだだいじょうぶだよ!! どどどこもいたくないよ!!」 「ほんとうなの?」 「ほ、ほんとうだよ!!! ゆっくりしんじてね!!」 「わかったよ!! ゆっくりしんじるよ!! でもなにかあったら、すぐにまりさにいってね!! まりさがたすけてあげるからね!!」 「ゆぅぅ……あ、ありがとう!! まりさ!!」 初めて会ったばかりのれいむに優しく声をかけるまりさ。 余程れいむの態度が気になっていたのか、何でもないと分かるや、ホッと息をもらす。 容姿もさることながら、優しく思い遣りまであるとあって、れいむのまりさに対する親愛度は急上昇していった。 出来ることなら、いつまでもこの時間が続いてほしい。いや、一生このまりさと一緒にゆっくりしていきたい。 乙女心全開のれいむは、まりさとの幸せな家庭を妄想する。 朝起きると隣ではまりさと子供たちが寝ており、れいむがゆっくりと起こしてあげる。 起きたら全員一緒に「ゆっくりしていってね!!」という掛け声とともに、楽しい一日が始まるのだ。 朝ごはんを食べたら、みんなで小川にピクニック。 まりさと寄り添って、子供たちの遊ぶ様子を見守り、お昼はその場でお花や虫さんを食すのだ。 お腹がいっぱいになった昼下がりには、明るい日差しの下でお昼寝タイム。 気の済むまで寝入り、太陽が山に差し掛かる頃起きて、お歌を歌いながら帰るのだ。 帰ったらまりさは狩りに行き、その間れいむは子供たちの面倒を見て、まりさが帰ってきたら全員そろっていただきます。 危険な夜はお家の中で家族団欒の時間を過ごし、子供たちが寝入ったら、今度はまりさと二匹だけの時間。長い夜の始まりだ。 そして疲れた二人は寄り添い合って、静かに目を閉じていく。 いつまでもいつまでも、ゆっくりとした時間が永遠に続いていくのだ。 涎を垂らしながら、妄想を繰り広げるれいむ。 目の前ではまりさが、やっぱり体の調子が悪いんじゃと言った顔をしてても何のその、妄想はどこまでも続いていく。 まりさの好物は何かな? 子供は何匹がいいだろう? お家は大きい方がいいよね!! 場所は小川の近くが…… とここにきて、れいむはハッと現実に戻っていった。 お家。そう、お家だ。 れいむは未だ自分の住むべきお家を作り終えていないのだ。 お家を早く作るためにも、れいむはお兄さんを呼んでいた最中だったのだ。 まりさの美貌に見とれて、肝心なことをすっかり忘れていた。 一旦現実に戻るや、何を馬鹿な妄想を繰り広げていたのだろうと、れいむは自己嫌悪に陥った。 そもそも現実的に考えて、こんな美ゆっくりであるまりさが、自分如きを好きになってくれるはずないではないか。 事実、れいむの体や髪の毛、自慢であるリボンは、巣作りの途中だったせいもあり、汚れに汚れている。 まりさと比べて、あまりにもみすぼらしい格好だ。 しかも自分はようやく成体になったばかり。反してまりさはすでに立派な成体。自分などまだ乳臭い子供でしかないだろう。 欲望や願望に忠実なゆっくりは、明るい未来だけを想像し、暗く辛く苦しいことをすぐに忘れ去る傾向にあるが、親ぱちゅりーから熱心な教育を施されたれいむは、ゆっくりの中では、比較的珍しい現実主義者であった。 妄想は妄想。現実にあり得るはずはない。 「はー……」と盛大に溜息をついて、俯くれいむ。 しかし、落ち込んでいても始まらない。切り替えの早さもれいむの持ち味だ。 夢を見る時間はここまでにして、ここから出るべくまりさと情報交換を始めることにした。 「まりさ!! まりさはどうしてここにいるの? まりさもおにいさんにつれてこられたの?」 「ゆっ!! きゅうにれいむがふつうにもどったよ……」 まりさはと言えば、自分を見て赤くなったり、間抜けな顔で涎を垂らしたり、急に欝になったりするれいむを不思議そうな様子で見守っていた。 いや、この言葉からして若干引いていたらしい。 しかしそこは大人だからか、それ以上れいむの傷を広げようとはせず、質問に答えてくれた。 「そうだよ!! まりさはおにいさんにつれてこられたんだよ!!」 「まりさも?」 「ゆー!! おにいさんはやさしいひとだよ!! まりさにおかしをくれたよ!! いっぱいおかしをたべたら、まりさ、ねむくなってきちゃったんだよ!!」 「ゆゆっ!! れいむとおんなじだよ!! れいむもおいしいものをたべたら、ゆっくりねちゃったんだよ!! そして、おにいさんがつれてきてくれたんだよ!!」 「ゆっ!? れいむもなの!! ゆっくりおそろいだね!!」 「ゆ、ゆっくりそうだね……」 お菓子をもらい、共に食べている最中眠り連れてこられたということもあって、まりさはれいむにシンパシーを感じたようだ。 嬉しそうに、「あのおかし、おいしかったね!!」と、顔をほころばせる。 れいむもれいむで、美ゆっくりのまりさとの共通点を発見し、再度なんとも言えない気分になった。 恋をしている者にとっては、こんな些細な共通点にすら接点を見出すものである。 なぜお菓子を食べて突然睡魔に襲われたのかという重要な疑問は、今の二匹にはどうでもいい事らしい。 「それじゃあ、いっしょにかえろうね!! よるになると、れみりゃがでるかもしれないからきけんだよ!! まりさがゆっくりおうちまでおくってあげるよ!!」 「ゆゆっ!! いいの!?」 「もちろんだよ!! それにいっしょにかえったほうが、ゆっくりたのしいよ!!」 「ありがとう、まりさ!!」 優しい言葉をかけられ、今日何度目になるか分らない温かい気分になるれいむ。 気を抜けばこのまま妄想の世界に再度行ってしまいそうなところを、僅かばかりの理性を持って制御する。 まりさは親切心で言ってくれているだけなのだ。決して自分に気があったり、下心があって言ってる訳ではない。 その言葉通り、成体になったばかりのれいむ一匹では危ないし、二匹でお喋りしながら帰った方が楽しいというだけだ。 頬を染めながらも、れいむは冷静にまりさと話を続ける。 「それじゃあ、さっそくかえろうね!!」 「ゆっ? まりさはどうやってここからかえるかわかるの?」 「わからないけど、おにいさんがつれてきてくれたんだから、おにいさんをよべばいいんだよ!!」 「れいむもさっきおにいさんをよんだけど、きてくれなかったよ!! かわりにまりさがおきたよ!!」 「きっとれいむのこえがちいさかったから、おにいさんがきがつかなかったんだよ!!」 「そうだね!! きっとこえがちいさかったんだね!!」 「そうだよ!! いっしょにおおきなこえでおにいさんをよぼうね!!」 「ゆっ!! ゆっくりりかいしたよ!!」 まりさの「ゆっせいの…」の後に続けて、二匹は大声を張り上げた。 「「おに〜〜さ〜〜〜〜〜ん!!!!」」 二匹は今にもお隣さんが苦情に来そうなほどの声量を発する。 しかし、待ってみたものの、お兄さんはやって来なかった。 再度挑戦する。それでも結果は変わらない。 「ゆぅ……おにいさん、こないね」 「そうだね」 二匹とも喉(?)が破れるのではというくらい声を張り上げているので、声が小さいということはあり得ない。 もしかしたらお兄さんは近くに居ないのかもしれないという結論にようやくたどり着いた二匹は、未練が残りながらも男を呼ぶのを諦めた。 と言っても、ここから出ることを諦めたわけではない。 まりさは兎も角、れいむにはあまりのんびりしている時間はないのだ。 まりさと一緒に居られるこの時間は貴重であるが、いつ来てくれるか分からないお兄さんを愚直に待っていることは、そのまま死につながる危険性がある。 「まりさ!! ここからでるほうほうをかんがえようね!!」 「わかったよ、れいむ!!」 二匹は部屋の中を探索し始める。 出られる隙間はないか? 食べるものは落ちていないか? 使える道具はないか? 注意深く隅々まで視線を落としていく。 “扉”を知らない二匹は、目の前にあるそれを、周りと色の違う壁という認識しか示さない。 もっとも、人間の使う扉が非力なゆっくりに開けられるはずもなく、その存在を知りつつ如何しようも出来ないという敗北感を味わうよりは、ある意味幸運と言えるのかもしれないが。 二匹は注意深く探し回ったが、所詮は狭い部屋。どこにも出口がないことを確認したにすぎなかった。 唯一この部屋にある物は、れいむたちが寝ていた木箱だけ。中に何もないことは、すでに本人たちが確認済みだ。 しかし、ここでお忘れになっていないだろうか? この部屋にある木箱は計三つ。れいむとまりさは二匹。 となると、残り一つに何かが入っている可能性がある。 「まりさ、このきのなかには、なにがはいっているのかな?」 「きっとここからでるためのなにかだよ!!」 「そうだね!! ようやくここからでられるね!!」 「まりさがなかにはいってゆっくりたしかめてくるよ!!」 「がんばってね、まりさ!!」 「ゆっ!!」 既にれいむは、箱の中に役立つ道具が入っていると信じ切っている。 餡子脳とは、実に幸せである。 まりさは盛大にジャンプし、最後の箱に飛び込んでいった。 すると、まりさの着地と同時に、「ゆぎゃあぁぁぁぁ―――――!!!」という声が聞こえてきた。 それはまりさの悲鳴ではなかった。 「ど、どうしたの!? なにがあったの!?」 突然出てきた第三者の悲鳴に、驚き確認を取るれいむ。 その問いに対して、まりさと第三者の問答が答えをくれた。 「い、いきなり、ねていたありすをふみつけるなんて、とかいはのすることじゃないわ!!」 「ゆ、ゆっくりごめんね!! ありすがいるなんて、しらなかったんだよ!!」 「ごめんですんだら、どすはいらないわ!!」 「ゆぅ……」 二匹の言葉を聞く限りでは、木箱の中にはありすがいたらしい。 寝ていたありすを、まりさが思いっきり踏みつけた格好だ。ありすでなくても、怒るのは無理もない。 その後、まりさが何度も謝罪し、どうにかありすの許しを貰うと、二匹は連れだって箱の中から飛び出してきた。 まりさ同様、ありすも上手に着地する。れいむよりも、幾分か運動神経に富んでいるらしい。 れいむは二匹の会話で、木箱の中に誰がいるかは分かっていたが、出てきたありすを見て少しばかり身構えた。 都会派を自称し、一旦タガが外れると問答無用で襲いかかってくるレイプ魔。それが、れいむのありす種に持っているイメージだったからだ。 イメージというのは、実際に見たわけではなく、伝聞によるものだったからである。 れいむの生まれ育った群れには、ありす種は生息していなかった。 しかしながら、知識の塊である親ぱちゅりーは、いつありす種に会っても対処できるようにと、ありす種について様々なことを教えてくれた。 ありす種はぱちゅりー種と並んで頭の良い個体が多く、ぱちゅりー種と違い体も丈夫なため、あらゆる場面で活躍できる多才派だ。 都会派と気取ることが多いが、それ自体は他のゆっくりに迷惑をかけることではないので、気にしなければどうということはないらしい。 しかし、それだけならマルチに活躍できる最高のゆっくりなのだが、ありす種特有の欠点も耳ダコが出来るほど聞かされた。 それが、色情魔、レイプ魔というもう一つの顔である。 ありすは非常に性欲が強く、一度レイプ魔になると、手が付けられなくなるらしい。 普段は、全力を出すのは都会派らしくないという認識で力を抑えているそうだが、レイプ魔となるとその枷が外れ、最強のゆっくりへと変貌する。 それは、場合によっては捕食種であるれみりゃにすら対抗できるほどであるといえば、どれだけ強いか分かるというものだろう。 とは言え、すべてのありすがレイプ魔という訳ではない。 むしろ、レイプ魔のありすなど少数派であり、殆どは多少性欲の強いだけの普通の個体である。 しかしながら親としては、ありすの利点より危険性を重点的に教え込むことは、子供の安全面を考えれば仕方のないことである。 その結果、実物のありすを見たことがないことも併せて、れいむの頭の中では、ありすがレイプ魔であるというイメージが強くなってしまったのである。 「あら、はじめてみるれいむね!! ゆっくりしていってね!!」 「……ゆ、ゆっくりしていってね」 木箱から出てきたありすが、れいむに気付き、声をかけてくる。 ちなみにこの場合の「ゆっくりしていってね!!」は、ここでゆっくりしようねという意味ではなく、「はじめまして」の意味である。 対して多少戸惑いながらも、れいむもありすに返事を返した。 いくらありすに苦手意識を持っていても、このありすがレイパーであるとは限らない。 それに挨拶を返さない子はゆっくり出来ないと、親ぱちゅりーから厳しく躾けられていたからでもあった。 ありすはそんなれいむの葛藤など気付きもせず、部屋の中を興味深げに見まわした。 そして一通り確認を済ませると、れいむとまりさに向き直る。 「まりさ、れいむ!! ここはどこなのかしら? とかいはのありすにおしえてくれてもいいわよ!!」 「ゆっ!? ありすもここがどこかわからないの?」 まりさは驚き聞き返す。 口には出さずとも、れいむも同じ心境だった。 少々疎ましく思いながらも、このありすならきっと出口を知っているに違いない。特に意味もなく、安直にもそんな考えでいたれいむは、大いに落胆した。 それと同時に、元々低かったありす株も一気にがた落ちしてしまう。 ありすにとっては、勝手に思い込まれて、勝手に落胆されただけなので、実にいい迷惑である。 れいむほどではないが、まりさも同じ気持ちだったらしく、若干渋い表情をしていた。 しかし、出口を知らないのであれば、それはそれで仕方がない。 情報交換をすべく、まりさがありすに問いかける。 「ありすはどうやってここにきたの?」 「ゆっ? そ、そうね、ちょっとまってね!! いまおもいだすから!! とかいはをあせられるものじゃないわ!!」 なぜか知らないが、自分が失望されているということは二匹の表情から分かったようで、ありすは失点(?)を取り返すべく、必死でここに来た経緯を思い出す。 「ゆぅぅ!! たぶんだけど、にんげんのおにいさんにつれてきてもらったんじゃないかしら?」 「にんげんのおにいさん? もしかして、おかしをくれたおにいさんのこと?」 「よくわかったわね!! なかなかとかいはなにんげんだったわ!! もりでおかしをたべてたら、きゅうにねむくなってきちゃって、きがついたらここでねむっていたの!!」 「ゆゆっ!! まりさたちとおんなじだよ!! まりさたちも、おにいさんにおかしをもらって、ここにつれてきてもらったんだよ!!」 「そうだったのね!!」 「それじゃあ、ありすもまりさたちといっしょにかえろうね!!」 「しかたないわね!! ゆっくりとかいはのありすをえすこーとさせてあげるわ!!」 ありすも同じ境遇であると知り、それならみんなでここから帰ろうという結論に達したまりさ。 しかし、それが面白くないのはれいむだ。 せっかくまりさと二人きりで帰れると思っていたのに、余計なお邪魔虫が付いてしまった。 とは言え、まりさとありすはすでに一緒に帰る気でいるし、「ありすとは一緒に帰りたくないよ!!」なんて言えるはずもない。 れいむは気落ちしながら、どうやってここから出るかという作戦会議に混ざった。 その2?へ
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どすまりさの話 ちょっと微妙ですが、一応一方的な暴力はあります カーンカーンカーン 「…ああ、もうこんな時間か」 昼の鐘の音が辺りに響いてきたので俺は農作業をやめて腰を上げた。少し痛い。 だがこの時間になるといつもの恒例とも言うべき日課があるのだ。サボるわけにもいかんだろう 「時間だから行ってくるわ」 「おー、いってら」 近くの友人に出ることを伝えると俺は近くの川に行って泥を落とし、いろいろな荷物とごみ袋を持って森に入った。 目的地はどすまりさの集落である。 「おーい、いつものように来たぞ」 「ゆゆっ、おにいさんだ」 『ゆっくりしていってね!!』 群れのいるところに向かうと早速歓迎された。つっても歓迎される理由は単純だが 「おら、餌だ」 『ゆゆ~』 ごみ袋を逆さにして生ゴミを出すとあっという間に群がるゆっくりども。実に浅ましい たぶんこいつらの頭の中だと俺は食べ物を持ってくるへんなやつだろう。実際は全然違うが 「あ、お兄さんいらっしゃい」 少し遅れてどすまりさがやってくる。こいつはゆっくりの中でもかなりまともだ 知的生物として対等に扱うことができる。他はただ本能のままに生きるねずみと大差ないと思う 「ああ、来たぞ。それじゃあ早速教えてもらおうか」 「ゆぅ、最近来たのは…」 俺がどすまりさの所に生ゴミを持ってくるのは伊達や酔狂なんかではもちろんない。 村に害をなすと思われるゆっくりをこのどすから聞いて駆除するためである 群れが近くに引っ越してきたのは去年ぐらいのことだ。 こいつらが近くの森に来たとき、人里ではどうするか話し合った。 ゆっくりの群れというのはかなり増長しやすい。そのため群れたまま里を襲うことがある そうなると畑への被害はとんでもないことになるのだ。 最初は皆殺しにすべきという意見が圧倒的でそのまま実行されようとしたが、 森に来たときどすまりさがある提案をしてきた。 それは人里の頼みを聞くから自分達の群れだけは殺さないでほしいということである。 ゆっくりに頼むようなことはあるとも思えないが、 その自分の立場をわきまえた態度に里の人も関心したのでひとまず生かしたわけである。 そしてその後集まって話し合いが行われたとき、俺がふと思いついた意見が採用された。 それはこのどすまりさにほかの野生のゆっくりの情報を提供してもらうということ。 ゆっくりのことはゆっくりに聞くのが一番手っ取り早い。 できるかぎりあのどすが周囲のゆっくりを管理してくれればそれだけ畑への被害が減る。 後は群れとは関係ないゆっくりを情報を元に効率よく駆除すれば被害はほぼ皆無になる。 それらをこの群れのどすまりさに伝えたところ、このどすはあっさりと受け入れた。 こうして人里とゆっくりの群れの妙な共存が始まったのだった。 共存とはいうが殺さない代わりに他のゆっくりを探し出して差し出すから、実質群れが人里に従属しているというほうが正しい。 ゆっくり相手担当は発案者の俺。ついでに近くのゆっくりを駆除する役目もある。 きちんと働いた分村から給料が出るので心置きなく引き受けさせてもらった。 ちなみにうちの生ゴミを配るのはちょっとしたサービス。 これを配らないと他のゆっくりがさっさと出て行けコールを行うのだ。 群れのゆっくりを傷つけない約束があるので攻撃するわけにもいかないが、かなりうざい。 そのため生ゴミでひとまずどすまりさとの会話を邪魔させないようにするわけだ。 もともと捨てる物だったから有効活用といったところか。できることなら持ってきたくないのだが 「ほうほう、了解。早速駆除するからな」 ちなみに駆除した後畑に被害が出た場合。責任をとってこいつらから仲間を出してもらい、加工所に売り払う。 そのためその情報はかなり正確である。 「それとおにいさんにお願いがあるんだよ」 「あん?なんだ?」 「またうちの若いゆっくりに人間の強さを教えてほしいんだよ」 その言葉に思わずため息がでる。 「…またか」 「ごめんなさい」 「いや、お前が謝ることじゃねぇけどな。なんでゆっくりは自分が一番と思うんだろうな」 「ゆぅ…」 まりさにも分からないといった感じでどすまりさがため息をついた。 しばらくたって平原。ここに群れの全てのゆっくりが集まっていた。 「げっへっへ、きょうはまりさたちがにんげんをたおすきねんすべきひなんだぜ」 「れいむたちはまりさたちのかっこいいすがたをみてるんだぜ!!」 「にんげんなんてひとひねりだぜ!!」 誇大妄想を吐いて他の若いゆっくりから声援をもらうゆっくりまりさ三匹組。 はっきりいって若いゆっくりの中でなら強いほうかもなってだけの普通のまりさだった。 どう考えても人間は倒せそうに無い。 「あいつらをぶっ飛ばせばいいわけだな」 「ゆゆ、後遺症が残らなければ好きなだけなぐっていいよ」 「ほいほい」 どすまりさからぼこぼこにする許可をもらい軽く準備運動する俺。 よくあることだが若いゆっくりは人間なんてたいしたこと無いと思うことが多い。それはこの群れも例外ではなかった。 何度もどすまりさが注意しても聞かず、中には畑を襲おうとするやつも出る始末である。 そのため二回ほど人里と群れの仲が悪くなったが、そのたびにどすまりさが土下座して賠償する事で揉め事を収めていた。 だがそんなことではすぐに限界がくる。群れとしては喧嘩を売りたくは無いのだ。 そのため俺がじきじきに群れのゆっくりの前で若いゆっくりをぼこぼこにして人間の強さを教えるのである。 口で言っても聞かないなら直接経験させるのが一番手っ取り早いというわけだ。 ちなみに授業は決闘形式。普通に戦って勝ったほうに賞品が渡されるというもの。 対等に戦って一方的に負けるのだということを他の若いゆっくりに見せつけなくてはいけないからだ。 たまにどすまりさは苦労症だと思う。 「それじゃあルールを説明するよ!戦うのはこの平原! 時間無制限一本勝負で、武器を使うこと以外はなんでもあり! 相手チームを全部戦闘不能にしたほうが勝ち! 勝ったチームには賞品としておいしい果物が送られるよ!」 『ゆうううううぅぅっっ!!!』 ゆっくりにとって果物はとてつもなく高級品である。何せ簡単にとることが出来るのは背の高いどすまりさだけ。 他のゆっくりは樹に登る技術が必要だし、下手に高いところに登ると落ちて死ぬ可能性もあるのだ。 そしてその希少性と何よりゆっくりできる味のため、すべてのゆっくりがあこがれる食べ物というわけだ。 まあ必ず俺が授業料として持って行くのだが。 「くだものとはふとっぱらだぜ!」 「にんげんひとりあいてならいただいたもどうぜんだぜ!」 「おいじじい!ころされたくないならあやまればいまならゆるすんだぜ!!」 あほ三匹が何かほざいとるが華麗にスルー。もう慣れた。 「それじゃはじめるよ!スタート!」 それと同時にすぐにばらける三匹。戦い方としては悪くない動きだった。 あっという間に半包囲状態になる。 「あれはまりさたちのれみりゃもたおしたひっしょうじんけいだよ!!」 「いっきにかちにいくつもりね!」 若いゆっくりが騒ぎ出す。どうやらこいつらの必殺技のようだ。 普通自分達の数が多い場合、戦術として包囲するのって当たり前なんだが…まあその辺は饅頭だしな。 「ゆっへっへっへ、もうじじいはしんだもどうぜんだぜ!」 「くだものがかかってるからてかげんはしないんだぜ!!」 「いくぜ!まりさたちのひっさつ…」 『じぇっとすとりーむすぱーく!!』 三匹の掛け声とともに同時に飛びかかってくる。 うん、それだけなんだすまない。 …必殺技ちがくね? いや、ゆっくり相手なら必殺なのか。でも三対一になったら普通勝つだろうし…これは何のための技だろう。 少し悩んだがとりあえず俺は少し下がった。 『ぶべし!!』 見事に俺がいた場所で正面衝突する三匹。同時に突っ込んだらまあそうなるわな 「そんな…」 「まりさのじぇっとすとりーむすぱーくをあっさりよけたわ!!」 「わ、わからないよー!!」 騒ぎ出す若いゆっくり達。 この程度でさわぐなよほんとに 「ぐぎぎぎ…」 「このわざをよけるとは…」 「なかなかやるみたいだぜ…」 気づくのおせぇ 俺は立ち上がろうとしているまりさの一匹をつかむと上へと放り投げた。 「ゆぅ!?」 着地の衝撃を和らげるためにとっさに膨らむまりさ。まぁその判断は悪くないな。 そして落ちてきたところを… 「そぉい!!」 「ゆげらぁぁっっ!!」 思いっきり殴りつける。 まりさは吹っ飛ばされ、綺麗に回転しながらどすまりさにキャッチされた。 膨らんでいたので死にはしないが気絶は確実だろう。とりあえず一匹。 「まりさがやられたんだぜ!?」 「こうなったらおくのてなんだぜ!!」 まだあるんだ。 二匹のまりさは(ゆっくり基準で)すばやく集まると同時にジャンプをする。 よく見ると微妙に片方が高めにジャンプしているようだ。 「ひっさつ!!」 「すたーだすとめてお!!」 そしてなんと高く飛び上がったまりさが低く飛び上がったまりさを足場にさらに高く飛んだのである。 『おおおおおおっっ!!!!』 「へぇ…」 曲芸のような技に驚く周りのゆっくり達。さすがに俺も驚いた。 確かまりさ種は自分を優先させることが多いはず。そのまりさ種が連携技をするのだ。 さっきも連携といえばそうかもしれないがこれと比べたら月とすっぽんだろう。 「げっへっへ、このわざをくらっていきのこったやつはいないんだぜ!!」 「さっさとしぬんだぜ!!」 二匹が笑う。が、 「てい」 べしっ 「ひでぶっ!」 高く飛び上がったまりさをはたき落とす。まりさは地面に叩きつけられ気絶した。 こいつらは二匹で協力することで確かに普通のゆっくりより高く飛んだ…のだが それでも俺の身長くらいがせいぜいであった。いや、ちょっと低かったか? ゆっくりあいてだったら強かったんだけどなー 「ゆげげげえええぇぇっっ!!!???なんできかないんだぜ!?」 「お前らが知恵を絞ったって人間には勝てないってことだな」 そう答えながら残り一匹のまりさにゆっくり近づく。 「ゆ、ゆゆっ!!お、おにいさんごめんなさいなんだぜ!!だからいたいのはやめてほしいんだぜ!!」 いきなり土下座(らしき行動)をするまりさ。さっきまでの自信満々な態度とは天と地の差だ。 その行動に周りのゆっくりもあきれている。 「ふーむ。勝てないと理解したなら別に殴る必要もないんだが…」 「ゆゆ、ゆるしてくれるんだぜ?」 「その前に聞いておくが、お前勝負を決めるためのルール覚えてるか?」 「ゆゆ!それぐらいおぼえてるぜ!あいてをたおしたほうのかちなんだぜ!」 「うんうん、それ以外で決着をつける方法はあったかな」 「ゆっゆっゆ、そんなこともおぼえてないの?あいてをたおさないかぎりおわらない…」 ようやくきづいたのかがたがた震えだすまりさ。お兄さんはその餡子脳で気づいてくれてうれしいよ。 「そう、謝ったって勝負はどっちかが倒されるまでおわらないんだぜ?」 そう教えてやると俺はまりさを思いっきり蹴り飛ばした。 「このように人間に立ち向かってもゆっくりできなくなるだけだから、人間の畑に入ってはだめだよ。わかったかな?」 『ゆっくりりかいしたよ!!』 どすまりさの言葉に返事をする若いゆっくり達 理解していたやつは改めて心に刻み、理解してなかったやつは恐ろしいことを考えていたと思うだろう。 よきかなよきかな。 ついでに三匹のゆっくりは試合が終わった後、パフォーマンスとして足の部分をさらに何発か殴っておいた。 腫れ上がってたからしばらくは痛くてはねることもできないだろう。人間にたてつこうなどとは二度と思うまい。 この後俺はどすまりさからもらった果物をかじりながら、近くのゆっくりを駆除していった。 今日も幻想郷は平和のようだ。 ~~~~~~~~~ SSの整理してたら発掘したのでちょっと書き直してうp どうも続きものだったようでこの続きが中途半端に書いてあるけどどうしたものかね 過去作品? 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 ゆっくり駆除ありす まきぞえ なぐる ゆっくりのある田舎 現実的なドスまりさ ゆっくりゃの飼育 崩落 狩人 このSSに感想をつける
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※あんまり虐待してません ※俺設定をひたすら書き綴ってみたくなったので、書いてみました ※ここのゆっくりは、すっきりするゆっくりです タイトル『ゆっくりの光』 ゆっくりゲージの中で、ゆっくりが全滅していた。 幅1メートル、奥行き2メートル、パイプフレームに全面透明プラスチック板を嵌め込んだゲージだ。 天井部分には20センチ四方の蓋が付いており、そこから餌を入れたりできる。 二階一戸建て、その一階の空き部屋にビニールシートを敷いて、その上に設置した。 ゆっくりハウスとして段ボール箱を隅に、その側に水場、対角線上にトイレを置いていた。 全滅したゆっくりはいずれも苦悶の表情を浮かべ口から泡を吹いて死んでいた。 やることのなかった青年は、死因特定のための解剖を行った。 それで何かが判るとも思っていなかったが、意外な発見があった。 未消化な昆虫の外骨格の断片が見つかったのである。 他のゆっくりも、昆虫の断片や木の実などが未消化のままであった。 これは、ゆっくりが餡子化できていなかった、ということである。 悪食なゆっくりは、なんであれ、食べたモノを餡子化できると一般的に考えられている。 しかし、このゲージで全滅していたゆっくりは、例外なく未消化な何かがあった。 ゲージに入っていたゆっくりは、ゆっくりショップを経営する青年の友人から押しつけられたモノだ。 その友人はゆっくりを増産する際、うっかり作り過ぎてしまった。 潰してゴミにする場合、ショップからだと産業廃棄物として処理しなければならないので、手間と費用がかかる。 そこで、両親が海外出張中に自宅警備員として待機している青年に白羽の矢を立てたのだ。 野生で拾ってきてショップで繁殖させてから良種を選別した、20世代目のゆっくりだった。 青年はゆっくりについてほとんど知識を持ち合わせていなかった。 ゆっくりを引き取ったときも、飼育方法など、調べることすらしなかった。 ただ、ネットで検索したとき、「ゆっくりコンポスト」のHPに興味を引かれた。 「ゴミ箱代わりに使えるのか、餡子に変換できるんなら、生ゴミの臭い消しもいらねーな」 自宅警備員だから、外にゴミ出しに行くのは保安上問題がある。 しかし、生ゴミはため込むと悪臭が発生してしまう。 せめて生ゴミだけは何とか処理しないと…。 そこで赤ゆっくりを引き取る条件として、中古のゆっくりゲージを貰いうけた。 ゲージは密閉度が高く、臭いも漏れない。 万が一、ゆっくりの処理能力を上回る生ゴミを投入してしまっても大丈夫だ。 もっとも、インスタント食品中心の食生活をしているので、そんなに生ゴミが出ることはないが。 ゆっくりを引き取ってから、早くも問題が発生した。 餌不足である。 生ゴミの臭い消し代わりに導入したゆっくりだが、餌となる生ゴミが出なければ意味がない。 かといって、愛着のないゆっくりごときのために、ゆっくりフードを購入する気もない。 しばらく放置していたら、ゲージ内に全く見たことのないゆっくりを発見した。 白、緑、黒の斑模様で、何か毛のようなものに覆われている。 「新種発見!まあ嬉しい!」 早速写メを友人に送信したら、返信ではなく電話が直接かかってきた。 「バカ野郎!そいつは死体にカビがはえてんだよ!」 青年は驚いた。 ネットの情報では、ゆっくりは仲間が死体になると、それがゆっくりと認識できなくなり、喰らうとあったからだ。 共食いもせず、餓死死体をカビが生えるまで放置していたとは、なんと冷たい連中だ。 とりあえず青年はビニール袋に手を突っ込み手袋のようにして死体を掴み、そのまま袋を裏返して口を縛り、ゴミ箱に捨てた。 「このままでは生ゴミ処分場が死体生産場になってしまうな…」 自宅警備員である青年は、食料は全てネット注文宅配店で調達している。 ゆっくりごときのために、わざわざ追加発注するのも勿体ない。 このままではゲージ内が腐海になってしまうので、裏山からゆっくりの食料になりそうなものを集めてくることにした。 ネットで調べた結果、野生のゆっくりは主に木の実やキノコ、昆虫を食すらしい。 大きめのゴミ袋を片手に、餌になりそうなものを片っ端から放り込んだ。 ゲージ中央に大きめの紙皿を置いて、そこに先ほど集めたゆっくりの餌をぶちまける。 餌はご丁寧に、ネットで調べた通りの、木の実、キノコ、昆虫の死骸だった。 「ソフトボールサイズだから、こいつらは子ゆっくり。よって、食べやすく潰してやる必要はないな」 しかし子ゆっくり達は食べようとしない。 ペットショップで世代交代を繰り返してきたゆっくりには、目の前の皿に盛られたそれがごはんと認識できないのだ。 青年が「ごはんだよー」と言うのに対し、こんなものは食料ではない、ゆっくりフードをよこせと抗議してくる。 そこで青年は証拠映像を見せてやると、ゲージの壁面に液晶モニタを設置して、ネットで公開されている野生ゆっくりの食事風景ビデオを流してやった。 画面上でまさに眼前に在る木の実、キノコ、昆虫を「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」する野生ゆっくり達。 それを見た子ゆっくり達は、おそるおそる餌を食べる。 あまりの不味さに吐き出してしまう個体もいたが、それ以外の餌を与えられない状況なので、必死に飲み込んだ。 「むーしゃ…むーしゃ…ふしあわせー…」 青年は、文句ばかり言うゆっくりを見て、こいつらがゆっくりできないのはナチュラルじゃないからだと悟った。 人間もジャンクフードばかり食べていたら、イライラする。 日本の若者が荒れているのも、ジャンクフードのせいらしい。 アメリカじゃ、それが原因で暴動まで発生したではないか。 この子ゆっくり達も、ゆっくりフードばかり食べていたから、イライラしているのだ。 今こそ自然食を食べて、ネイチャーゆっくりに回帰するときなのだ! 青年はなんだかよく判らない使命感に目覚め、突き動かされるように山に行っては餌を取ってきてはゆっくりに与えた。 そして冒頭の惨劇につながる。 ゆっくりフードはゆっくりがゆっくりするために研究開発されたもので、それが原因でゆっくりできないことはあり得ない。 しかし、青年のように天動説を信仰しているような人間には、そんなの関係ねぇ。 青年は何故子ゆっくりが全滅したのか考察していた。 同じ食事をしている野生のゆっくりと全滅した子ゆっくりの映像を見比べてみる。 その違いは明白で、「しあわせー♪」と「ふしあわせー…」にあった。 しかも、「しあわせー♪」の時には、『パアァァァ』と光り輝いているように見える。 そういえば、ゆっくり関係のHPにすっきりしている映像もあったが、「すっきりー♪」の時も同様の輝きが見られた気がする。 この光こそが、餡子成分の欠片もないような物質を、餡子変換させる秘密に違いない。 青年はこの光を「ゆっくり光」と名付け、ゆっくりの生命活動の根幹であるとの仮説を立てた。 早速、ゆっくりショップに行って1匹2円の、パチンコ玉より価値のある野良ゆっくりを買い込んでゲージに放り込んだ。 ゲージからランダムに選出したゆっくりれいむを取り出して、別室に連れて行く。 そこで同じくゆっくりショップで買ってきたゆっくりフードを与える。 空腹だったれいむはかぶりついた。 「むーしゃ、むーしゃ、」 しあわせ〜♪を発する前に、青年は手に持った刃渡り60センチのブッシュナイフでれいむを正中線に沿って両断した。 見事に真っ二つになったれいむの口内から後頭部近くにかけてまで、未消化のゆっくりフードが確認できた。 ゆっくりの内臓は発見されていない。 あにゃる付近まで未消化物あることから、この辺りがそうなのだろうと仮定した。 次に、先ほど両断したれいむと同齢と思われるれいむを、同じく別室で食事させる。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 青年主観で『パアァァ』とゆっくり光が出た後、同様に両断した。 れいむの断面からは、未消化物は確認できなかった。 青年はこの結果から仮説を更に発展させた。 ゆっくりが摂取した物質を餡子に変換する際、ゆっくり光を発する 「ゆっくり光」は物質の原子配列変換時に放出される、光子である 以上より、体内で餡子変換を行う「ゆっくり線」の存在が推測される。 ゆっくりが摂取した物質に「ゆっくり線」が照射されると、「ゆっくり光」が体外に透過されるのだ。 青年は更に実験を重ねた。 ゲス個体、とくにまりさ種に良く見られる採餌行動の時はどうだろう。 サンプリングしたゲスっぽいまりさに、大量の高級餌「ゆっくりの缶詰(通称:ゆ缶)」を与える。 「うっめ、これ、めっさうっめ!」 汚く食い散らかすまりさを、れいむ同様両断。 喉らしき部位からあにゃるにかけてバルーン状にたっぷりゆ缶が詰まっている。 予想通り、「しあわせー♪」とゆっくり光を発した後は、全て餡子変換されていた。 「このゆっくり線を自由に使用できるようになれば、すごいことになる」 青年は友人に大量のゆっくり断面写真を見せつけながら言った 「第二次産業革命の始まりだ!地球にやさしくなれるッ!」 「自由に使えりゃ、な」 ゆっくりの餡子変換能力を利用ようと、様々なプロジェクトが立ち上がった。 しかし、いずれも謎の塊であるゆっくりを制御できずに失敗した。 結局、ゆっくりはペットとしての存在価値しかない。 青年もそのことはよくわかっていた。 「うん、ゆっくり線の解明は現在の科学では不可能だろう」 「で?俺を呼んだ理由は?」 「これを見て貰いたい」 青年はテーブルの上にフィールドスコープを置いた。 対物レンズに手作りらしきフィルターのようなものがテープで貼り付けてあった。 「なんだこりゃ?」 「ゆっくり光スコープ、だ」 青年が野良ゆっくり相手に実験中、「しあわせー♪」しているゆっくりを見ている他のゆっくりの目が光った気がした。 そこでゆっくりの目玉を取り出し、板に挟んで引き延ばして円盤状に整形して、フィルターを作成。 フィルター素材の生体部品は乾燥に弱いので、薄いガラスにゆっくりの目玉を挟み込んでキャップに嵌め込み密封してある。 ゼラチン質のゆっくり目玉フィルターを通して見るゆっくりは、ぼやけて見えた。 そして「しあわせー♪」した瞬間、ゆっくりの輪郭が輝いたのが観察できた。 ゆっくり光を青年の感覚ではなく、視覚で捉えることに成功したのだ。 農業地域におけるゆっくり害は深刻化していた。 耕作地に侵入してきたゆっくりは、人間や簡単なトラップで退治できた。 犬を訓練してゆっくりハウンドとして、ゆっくりを狩らせたりもした。 しかし、そうやって高められた選択圧は、ゆっくりの性能を飛躍的に向上させた。 ゆっくりは餡子に記憶を刻み込むため、全体の記憶容量はかなり限定されている。 生息環境によって、生存に必須な記憶を本能として餡子に刻み、次世代に継承させることも必要になる。 強烈な繁殖力を持つゆっくりは、各個体それぞれが膨大な戦略パターンを展開し、人間をも出し抜く個体を出現させた。 巣の迷彩、野外活動時における擬態などが、かなり高度なレベルに進化したのだ。 以前は簡単にわかる巣も、ゆっくりハンターや訓練された犬でさえ発見困難なほどの迷彩を施す。 擬態も高レベルになった。 ある農家が鍬で耕作していたとき、雑草を掘り起こそうとしたら、おりぼんにそれを結び付けたれいむがでてきたのだ。 土に穴を掘って潜り込み、土から露出した部分を草で偽装していたのだ。 掘り起こすまでそれと分からないほどの偽装に、農家は舌を巻いた。 某グリーンベレーのように全身に泥を塗って土壁と同化したり、おぼうしに枝葉をさしてゆっくり畑に接近したりする個体も発見された。 ゆっくりは本来、忍耐力が致命的に欠如している。 おやさいさんがめのまえにあったら、もうがまんできない! だがこの新しい個体群は、苦手であったはずの待機行動を「ゆっくりできる」状態として本能を書き換えることに成功した。 土の中で待つ、泥を体に塗って壁に張り付いて待つ、おぼうしを偽装して待つ…。 それらを実に「ゆっくり」できる行動として、餡子に刻み込んだのだ。 友人はゆっくり害対策について、専門家として意見を求められていた。 だが、ここまで特化したゆっくりを見たことがなかった。 データを集めようにも、巣を見つけることが困難で、発見される個体も死体ばかりだ。 打つ手がないと思われたところに、この「ゆっくり光スコープ」だ。 これが実用に耐えうるものなら、決定的な武器になる。 青年は、このスコープは生体部品を使用しているので劣化が早く、2日しか持たないことと、野生のゆっくりほどゆっくり光感受性が高いことを説明した。 友人は早速この「ゆっくり光スコープ」を借り受け、ゆっくり害が酷い農村へ出向いた。 はたして、スコープを覗いて山を観察したところ、いくつかの光点を確認できた。 さっそく光点の場所へ行くと、迷彩が施され、普通だと絶対分からないゆっくりの巣が発見された。 農村は救われた。 あとがき 読んでいただいた方、ありがとうございます。 ドキュメンタリーっぽく書こうと思ったけど、上手くいきませんでした。 暇を持て余して、一つのことに集中できる環境があると、良いアイデアが出たり発見があったり。 そんな状況にならねーかなー、とか妄想してたら、こんなんができました。 あまり文章が上手くなくてすみません、精進します。 これまで書いた作品 ゆっくり爆弾