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うどんげファーストミッション 「と、言うことです。八意さん、今回も協力していただけますでしょうか。」 「うーん・・・」 鈴仙が客間の前を通った時、このような会話が耳に入った。 どうやら加工所の職員が来ているらしい。 永琳もゆっくりの研究を行っているので、時々協力を持ちかけられることがあり、その時は鈴仙も手伝ったことがあった。 鈴仙は別に気にとめることもなく部屋の前を通り過ぎた。 翌日鈴仙は師に呼び出された。 「お呼びですか?」 「昨日加工所の人が来たんだけどね」 いきなり本題から切り出した。 「ゆっくりをもっと効率よく苦しめる方法はないかって言うのよ」 ゆっくりに苦痛を与えると味が良くなるというのは周知の事実で、加工所では職員達がゆっくりにマニュアルに沿って「加工」を加えている。 しかし、それはかなり手間がかかる工程であり、その過程で他のゆっくりに恐怖を与えるために味が悪いまま殺される(見せしめや子殺しなど)ゆっくりも出るため、商品の等級にばらつきが出るそうだ。 現行の手法が行き詰まっており、永琳に協力を求めたらしい。 「苦痛なんてのは精神から来る物だから、別に直接痛めつける必要はないわけよね」 「つまり精神に働きかければよいと?」 「ご名答。幻覚剤をゆっくりに飲ませてバッドトリップさせてみたんだけど、ちゃんとおいしくなったわ」 「でもね、そんな薬はゆっくりなんかに使うには高価すぎるし、第一残留した時は食べた人間がトリップしちゃうわ。私は平気だけど」 どうやら師匠も行き詰まっているらしい。 「そこでウドンゲ!」 鈴仙に向き直る。 「あなたにこの課題は任せるわ」 「えっ!?」 思っても見なかった言葉にうろたえる鈴仙。 「わたしは本来薬品専門なのよ。精神についてはあなたのほうが詳しいんじゃないかしら」 たしかに自分は狂気の兎。自らの瞳で何人もの人や妖怪を狂わせてきた。しかしゆっくりの精神構造なんてよくわからないぞ、と頭の片隅では思っていたが 「わかりました!やります!!」 ようやく自分を認めてくれた、と言う喜びの方が大きかった。 「じゃあ頼んだわよ」 とやけにあっさり引っ込んだ師匠。しかし鈴仙はいまだに感慨に耽ったままだった。 さて、引き受けはしたもののどうすべきか。 まずその辺のゆっくりを探そうか。 竹藪に入ってしばらくうろつくと、ゆっくりの巣を見つけた。 「ゆー!ゆー!」「ゆっくりごはんにしようね!!」 どうやら何匹かの家族らしい。 「お邪魔しまーす」 勝手に入り込む鈴仙。 「ゆ!」「おねえさんだれ?」「ここはれいむたちのおうちだよ!!おねえさんはゆっくりできるひと?そうじゃないならゆっくりでていってね!!!」 テンプレ通りの言葉が返ってくるが無視する。ざっと見たところゆっくり達はすべてれいむ種で、親一匹、中程度のものが一匹、赤子が二匹と割と小さな家族だ。 「ずいぶん数が少ないけど食べられちゃったの?」無神経に聞いてみる。 するとゆっくり達はたちまち目に涙を浮かべ始めた。やっぱりそうか。 「大変だったわねー」と心にも無いことを言ってみる。 「れいむのこどもたちはれいむのめのまえでたべられちゃったよ・・・だからこのこたちはれいむがちゃんとまもるよ!!」 あっそ。そこでふと思いつく。 (こいつらに私の眼は効くのだろうか?) 思い立ったら吉日生活!先手必勝で親れいむを真紅の瞳で見つめる。 「ゆ?ゆ!Yu・・!?」 どうやら効果はあるらしい。 「い"や"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!おがあざんをゆるしでええええええ!!」 いきなり絶叫した。子供の幻覚でも見ているのか? 「ゆ!?」「おかあさんどうしたの!?」「げんきだして!!」 子供達も母の尋常ではない様子に狼狽している。一匹なにか変だが。 親ゆっくりがいきなり現実に帰ってきたような顔になる。 「ゆうううう!?こんなにけがをしちゃってどうしたの!?」 まだ幻覚を見ている。それはあなたの子じゃなくてあなたが取ってきたエサですよ。 「こいつらがあなたたちにけがさせたんだね!!ぜったいにゆるさないよ!!こんどはれいむがまもるよ!!!」 「ゆ!?」「おかあさん!?」 あーあ。子供に敵意剥き出しにしてるよ。 「ゆ"っ"く"り"し"ね"え"え"え"え"え"!!!」 凄い形相で子供達に飛びかかる。ああこれ基地外の顔ですわ。 「や"め"でお"があ"ざあ"あ"あ"あ"ん」「い"や"あ"あ"あ"あ"あ"」「ごはんに"じよ"う"よ"お"お"お"お"」 やっぱり一匹頭の弱い子がいるがこれは家族を喰われたことによるPTSDなのか? 「じん"じゃ"え"え"え"え"え"え"え"!!!」 親が赤子二匹に噛みつく。 「い"だい"よ"お"お"お"お"お"!!」「や"め"でえ"え"え"え"え"!!」 そのまま咀嚼され、飲み込まれる。赤子達は「ゆ"っ!」「ぐぎゅ!」とか細い断末魔を上げた。 「はぁはぁ・・・うめぇこれめっちゃうめぇ・・・」「ずるいよおかあさんだけおいしいものたべて!!ぷんぷん!!!」 ああだめだこの子。ほっといてもそのうち死んでたな。 「おいしそう・・・」親が一匹残った子に振り返る。もはや目的がすりかわってるあたり流石ゆっくり。 「はやくれいむにもたべさせあ"ぎゃ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 ああ、痛みはちゃんと感じるんだな。と思っている合間に見る見るうちに母の腹に収まる子。母胎回帰できてよかったね。別の袋だけど。 「やっぱりうめえ・・・」と言った後、こんどは自分の子だと思っているらしいエサの方を見る。 「ちょっとたべさせてね!!!だいじょうぶだよ!!いたくないからゆっくりたべさせてね!!」 守るんじゃなかったんかい。 よだれを垂らしながらエサににじり寄る親れいむ。知らない人がみたらただ飢えてるだけに見えるだろうが、こいつは自分が子だと思いこんでるものすら食べようとしている。 「おとなしくまってくれてていいこだね!!!」「むーしゃ!!むーしゃ!!あれ!?まじゅいよ!?」 そりゃそうだ。ただの草や虫なんだから。 「まじゅいまじゅいまじゅい・・・れいむのこどもはまじゅい!れいむもまじゅい!!ぶへひぃひゃふほおおおおっ!!!」 ここにきて本格的に狂いだしたようだ。頭が鈍いと狂気の廻りも遅いのだな。 「ひ"ゃ"ら"ぺち"ょ"ぷげら"あ"あ"あ"!!ぽげらるごおおおお!!おっけーれいむにまかせて!!!」 それはお前の台詞じゃないだろ。 「ゆ"ん"ゆ"ん"!!ま"も"な"く"でんしゃがとおちゃくします!!どぎゅううううんというはっしんおんのあとにおなまえとこうざばんごうをおはなしください!!!」 「しゅっぱつじんごお"お"お"お"お"お"お"!!」 「あ"ーーーーーーーーーーーっ!!ぴちゅううううううううううん!!!」 被弾したような擬音を発して基地外の笑みのまま息絶えた。 「さて」 あまり恐怖を感じてはいなかったようだがとりあえず食べてみよう。 「う"え"っ!?」 何故か塩味がした。虐待の末の発狂は味が引き締まって良いらしいが、直接発狂させるのは駄目なようだ。 その後も何体かのゆっくりに試してみたが、いずれも妙な味になり、さらに発狂の効果も様々で一定では無かったので、狂気の瞳の工業的な利用は難しいという結論に達した。 「あっ!!そもそもこの能力って私にしか使えないじゃない!」 加工所での利用、という前提を忘れていた。 「振り出しに戻る、か・・・」 一方そのころ 「あー面倒な問題がうまく片づいたわー引き受けはしたけど正直もうどうしようも無かったのよ弟子の教育ってことでウドンゲにまかせたことにしたら失敗したっていってもウドンゲは自分の責任にするだろうし私の面子に傷は付かないからいい方法よねまったく私ったら天才ねそれはそうとおなかすいたわね加工所の人が持ってきた菓子折(ゆっくり)でも食べようかしらだいたいゆっくりの醍醐味は自分の手で虐待する事じゃないの別の手段を使おうなんて想像力のない人の手抜きよ手抜きそのへんがわかってないのよね最近の風雅を解さない人間はそもそもゆっくりを虐待する手間もかけずにおいしいお菓子を食べようなんて考え自体間違ってるわまったくもうエレガントじゃないわ機械が勝手に人を殺すぐらいエレガントじゃないわだからお前はアホなのよ」 えーりんが私室で一人いろいろとぶっちゃけていた。 続くかも このSSに感想を付ける
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どうも~猫です。 注意書き 一部下品(虐待要素0ですのでご安心を)な表現があります。 一応現代設定ですが幻想郷ぽい雰囲気があります。 ゆっくりに対する設定はすべて僕ルールです。 -----本文------- ゆっくり農園 突然だが僕の住む村は20才になると少し狭い農地が配布される。過疎化して土地ばかり余ったための有効活用と 農業で生計を立てている村なためその農業の優れた村人の育成のためである。 もちろん管理が悪いと取り上げられてしまうし管理が優れていれば農地拡大もあるためみんな必死だったり最初から権利を捨てた人もいる。 そんな僕ももう20才・・・もちろん受理したが、一人で運営するのは大変だ。 そこで僕は着眼点を変えてみた、この農園のルールは「一人」ですること。 つまりゆっくりにお手伝い・・・いやゆっくりが主役の農園というものもなかなかいい。ゆっくりの単位は「匹」だから何匹住み込ませてもルール違反にはならない。 まずはゆっくりをスカウトするとこからスタートだが、早速問題が発生。 この村とゆっくりは離れて暮らしている。理由は簡単だ。 ゆっくりの棲家は村を出て山を上り山頂付近まで行かないといけないからだ。 人間の足で行くと軽く片道7時間はかかる道のり。 よほどゆっくりがかなり好きか山が好きでなければまず行こうとしない。 僕は確かにゆっくりは好きだが往復14時間かけて向かうほどではない。 ・・・こうして現在ひたすら山道を登っているわけだがかれこれ5時間かかったが未だにゆっくりはおろか人にすら会ってない・・・。 とりあえずは開けた場所に到着したので休憩することにしたが・・・。 「にんげんさんなんてめずらしいね!ゆっくりしていってね!!」と声がした。 僕は嬉しさのあまり「おおおおーゆっくりしていくからゆっくりしていってね!!」と口にしていた。 目の前には麦藁帽子を被ったゆっくりが居た。ゆっくりゆうかだ。 確か・・・このゆっくりは農業や栽培に対して優れたゆっくりだったはず・・・。 神は僕を見捨ててはいなかった!!。 その後ゆうかと一緒にいるゆっくりが数匹居るらしいので巣に案内してもらった。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」巣に入った瞬間超ステレオで声が響いた。 「にんげんさんなんてめずらしいね!」赤いリボンのつけたゆっくり・・・れいむが話しかけてきた。内容はゆうかと一緒だな。 ここに居るゆっくりは・・・れいむとまりさとちぇん・・・そしてゆうかの4匹。 「君たちはこれだけ?」僕は子供とかも居るのかなと聞いてみた。 「そうだよ!むれのみんなからじりつしたんだよ!!」とまりさが答えた。 なるほど・・・要するにこの4匹は独立したということか・・・。 ならば手っ取り早いな・・・。よし!勧誘だ!!。 「ところでさ・・・」僕はゆっくり農園計画を余すことなく語った。 「とってもゆっくりできるはなしだけど・・・」ゆうかがうつむいている。 理由はわかっている、すでに植えてしまった作物が心配なんだろう。 「よしなら植え替えをしよう!!」僕はゆうかに提案した。 今日は提案だけして下山することにした。農地の受領手続きとかあるし。 「それじゃーな!!」「「「「ゆっくりさようなら!!」」」」 それぞれの挨拶をし立ち去った。 翌日・・・僕はバケツを2つ持って山を登っていた。植え替えをしたかったがまずは土を加工する必要があった。 なぜなら僕が受領した農地は長年放置してあったせいで土はぱらぱらで栄養は皆無、ほとんど雑草などが生える荒野のような状態である。 「ちくしょ・・・村長め・・・こんな農地に向かない土地を押し付けやがって・・・」愚痴を言うとき僕は口が悪くなる癖がある。 もちろんゆうかたちには見せない裏の顔だが。そして今に至るわけです。 幸い僕は基礎的な技術を習得しているのでなんとかなるか・・・と思った。 ブツブツとつぶやいていたら巣の前まで来ていた。 ゆっくりたちは僕を見るや否や飛び出してきた。 「ゆっくりしすぎだよ!!ぷんぷん」どうやらずっと待っていたらしい・・・なんか悪いことしたな・・・。 枯葉を2つのバケツいっぱいに押し込んでゆっくりと一緒に僕の配布された農地へ移動した。 「これはひどいね・・・」ゆうかはこれがどんな惨事かを知っている。 ゆっくりであればここで種を植えるのは無駄と諦めてしまうが僕には勝算がある。 「ここを再生させることができる!僕についてきて欲しい!」ハッタリではない。 「ゆぅ・・・わかったわ、どこまでできるかわからないけどゆっくりがんばりましょう」ゆうかが納得し、ほかのゆっくりたちも同意した。 そして僕は昨日のうちに穴を掘っていた(高さ3メートル、幅2メートルぐらいの大きな穴でさらに設置面は鉄板で固めた)。そこに集めてきた枯葉と農場の土を混ぜた。 「・・・こんなのどうするの?」ゆうかは疑問に思って質問してきた。 「もちろん土に栄養を与えるのさ・・・それと君たち、トイレはここでしてくれ」 僕はさらりと言った。 最初はゆっくりたちはびっくりしたが何か考えがあるんだろうと承諾した。 こういった肥料とか土の加工とかの技術は人間か自然しかしないためゆっくりには概念がなかったんだろうな。 そしてかき混ぜたり中身を継ぎ足したりれいむたちが捕獲したミミズを投入したりして数日・・・土は見事に栄養満点に蘇った。 ゆうかは目が丸くなり、ほかのゆっくりたちは喜んで飛び回っている。 さらに数日かけてゆうかが育てていた作物を僕の農園に植え替えた。 僕は初期の状態で人材、作物、肥料を持ったまさにチートモードでスタートするのであった。 続く --------あとがき-------- どうも猫です。 農業についてはあんま知識はありませんがなんとなく書き上げてきました。 リアル農家様が見てたらぼこぼこにされそうなSSですが・・・ゆっくりのSSということで大目に見てください。 農家さんがみていたら、きっとほほえむとおもいますよー。 -- ゆっけのひと (2009-06-03 20 50 54) ゆっくりとの生活か・・・いいなぁ -- 名無しさん (2010-12-01 03 39 36) 名前 コメント
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*警告* ゆっくりは何も悪いことをしていませんが、ゆっくりできません。 ↓以下本文 れいむはとてもゆっくりしていた。大好きなまりさと力を合わせれば、おなかいっぱい ゆっくりできるごはんが集まった。ゆっくり育てた十匹の可愛い子ゆっくりはみんな良い 子で、お姉ちゃんゆっくりはもう一緒にごはんを取りに行くこともできる。妹ゆっくりは おうちでゆっくりお留守番ができる。みんなゆっくり、けんかなんてすることはない。 雨の日も風の日もゆっくりできない日も、家族みんなでゆっくりしてきた。一匹も欠け ることなく育てあげた家族は、れいむの自慢だった。 「ゆ゙ぴぃ!」 その子れいむが弾け飛んだ。ゆっくり一匹分の枠のなかに、照り返しも艶やかなこしあ んの餡子が飛び散っている。ぷにぷにですりすりすればとってもゆっくりできた皮も、す てきなおりぼんも今はあんこにまみれた残骸でしかない。 「お゙ぢびぢゃんどぼじだの゙お゙お゙!?」 れいむは叫ぶ。寒天の目玉をひん剥いて叫ぶしかなかった。叶うならば、今すぐ子れい むの側に跳ね寄りたかった。しかし、どれほど動こうとしても、黒焦げになるまで焼かれ たあんよは言うことを聞かない。 「あ゙ん゙よ゙ざん゙! ゆっくりうごいてね! おぢびぢゃんがたいへんだよ!」 れいむは柔らかいおまんじゅうの身体を必死によじり、跳ねようと身をたわめる。しか しその場でもにもにするばかりで、あんよは決して動くことはない。 「お゙でえ゙ぢゃ゙あ゙あ゙あ゙ん゙!」 一番近くにいた一匹の子れいむが大声で泣き叫ぶ。その子れいむもまた、あんよが炭に なるまで焼かれており、決して近寄ることはできない。そして、子れいむは泣き顔のまま、 一瞬で中身をぶちまけた。跡にはあんこと破れた皮、ボロボロの飾りが残るばかり。 「ゔわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」 わけもわからず、あんよも動かない。一斉に泣き叫ぶ子れいむたち。ゆんゆん絶叫が響 くなか、少し離れた場所が爆発した。 「ゆっぐりでぎないよ゙ぉ゙! も゙お゙お゙うぢがえる゙!」 爆発をきっかけに、一番小さいれいむが大泣きに泣きはじめた。そして、爆発は次第に 子れいむに近づき、二回目の爆発のあと、子れいむは泣き顔の皮をあんこの中に撒き散ら し、生ゴミとなり果てた。親れいむはそれをゆっくり見ていることしかできなかった。 そして再び、少し離れた別の場所が爆発した。 「ゆっ……! みんな! ゆっくりきいてね!」 「ゆ゙ぁ゙……?」 「おがあぢゃあ゙あ゙……?」 「どっかーん、はゆっくりできないよ! でもゆっくりしずかにしてね! ゆっくりしてな いと、おちびちゃんみたいにどっかーんしちゃうよ! ちかくでどっかーんしても、ない たらゆっくりできなくなるよ!」 親れいむの考えは、こうだ。自分たちは白くて広いお部屋にいる。お部屋の床には四角 い模様が書かれていて、その枠はどれもゆっくりひとりぶん。地面の四角い枠からは出ら れない。時々、地面が爆発してゆっくりできない。もし爆発した枠のなかにいたら、永遠 にゆっくりしてしまう。お部屋には他に誰もいないから、爆発する模様はでたらめなのだ。 でも爆発の近くにいて大きな声を出した子には爆発が近づいてきて、最後には永遠にゆっ くりしてしまった。 「やだやだやだあああ! ゆっくりしたいよ!」 「ゆっくりしずかにしていれば、ちかくでどっかーんしてもだいじょうぶだよ! みんな おかあさんのいうとおりにしてね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 まりさと一緒にゆっくり育てた自慢の子ゆっくりでも、近くで爆発したら大声で泣き叫 び、爆発を呼び寄せてしまうかもしれない。それでもあんよを焼かれたれいむには、子 ゆっくりを信じるしかない。 部屋に残っているゆっくりは、親れいむと子れいむが三匹。二匹は既に永遠にゆっくり してしまっている。床の枠が火を噴く。轟音にどの子ゆっくりも恐怖の表情を張りつけて 身動きのとれない身体を震わせる。親れいむの言うとおりに、ゆっくりできないのを必死 に我慢してガタガタ震えていると、先ほどの一番小さいれいむの時とは違い、爆発は誰か に近づいてくることはなかった。でたらめな場所が爆発し、親れいむはゆふぅ、と大きく ためいきをついた。これで爆発しなくなるまでゆっくりできるかもしれない、と。 「おかーしゃんすごいね! どっかーんさんこっちにこないよ!」 それもその次に小さい子れいむがきゃいきゃいと幸せそうな顔で叫ぶまでのことだった。 子れいむの幸せそうな大声に、爆発は一枠一枠、確実に近づいてくる。 「い゙や゙ぢゃ゙あ゙あ゙あ゙! こっちこないでね! れいむ゙はここぢゃないよ゙!」 近づく爆発。動かないあんよ。ゆっくりできない恐怖に、親れいむの言葉も忘れ、子れ いむは涙を激しく流し、金切り声をあげる。そして、子れいむは盛大に爆ぜ飛んだ。周囲 の枠に、あんこが飛び散る。声もなく見つめる親れいむとれいむ姉妹。 怖くて泣かなくても、しゃべったら永遠にゆっくりさせられてしまうのだ。怖くても泣 けず、永遠にゆっくりしてしまった子れいむのためにゆっくりすることもできない。親れ いむは涙を静かにこぼし、声を絞り出した。 「こわくても、ゆっくりしずかにしていてね……おはなしするとゆっくりできないよ」 「ゆ、ゆっくりぃ」 残るは大きめの子れいむが二匹と、親れいむが一匹だけ。爆音と共に、近くの枠が火を 噴いた。恐怖の表情で固まり、ガタガタ震える子れいむ。どんなに怖くても、親れいむの 言いつけを守り、お口をぎゅっとつぐんでしずかにゆっくりしている子れいむを心配そう に見つめながら、れいむは唯一の希望をひたすら待っていた。れいむのすてきなまりさが 助けに来てくれることを。まりさは狩りも上手でかけっこもはやい。れいむたちが動けな くても、必ずゆっくりさせてくれるはずだった。 「ぴゃ゙ぎゅ゙!?」 遠くの爆発に目をぎゅっと瞑って悲鳴を押し殺していた一匹の子れいむが吹き飛んだ。 爆発は遠かったのに。親れいむは信じられない表情で子れいむだった残骸を見つめる。 そして、気付いた。一度爆発した場所は、黒く焦げていることを。そして、まだ焦げてい ない場所は、ほとんど残されていないことを。 「ゆっくりしたいよ! ゆっくりさせてね! ゆっくりしていってねー!」 姉妹が全て吹き飛んで、とうとう恐怖に耐えられなくなった最後の子れいむが泣き叫び はじめた。あんよは動かず、まりさは来ない。親れいむにできることは、もう一つしかな かった。 「でいぶはごごでず! ぢびぢゃんのかわりに! でい゙ぶをどっがーんぢでね゙!」 子れいむの金切り声よりも、もっと大きな声でありますように。声をかぎりに親れいむ は叫ぶ。二匹からだいぶ離れた場所が爆発した直後、子れいむは跡形もなく吹き飛んだ。 「ゆ゙あ゙あ゙あ゙……ゆっくりしたけっかがこれだよ……」 不意に、親れいむの正面の壁が開いた。壁の向こうはれいむのいる部屋と全く同じで、 床に格子の模様が描かれ、どれも黒く焦げている。そして、いくつかの格子にはボロクズ になっても見間違えるはずもない、黒い煤けたとんがり帽子の残骸と、つぶあんだったゴ ミが飛び散っていた。 「ば、ばでぃざあ゙あ゙あ゙?! ゆっくりしていってね!? ゆっくりしていってね?!」 答える者は誰もいない。朝まではみんな仲良くゆっくりしていたれいむの家族は、今や 一匹残らず物言わぬゴミ。あんよの動かないれいむが一匹、家族の残骸を見つめていた。 「おみずざんはゆっくりでぎないよ! がぼっ、やべでね゙! ゆっくりじでね!」 壁の穴から勢いよく流れこむ水が、床にこびりついたしあわせ家族を押し流し、排水口 に消えていく。奇麗に流れたあとは、爆煙とあんこで汚れた床も元通り。遊技場にゆっく り一家がいたことを示す物は、スコア表だけだった。 れいむ:1 まりさ:0 [1P WIN] 森に魚を求める とか書きました。 09/07/20 書き直し このSSに感想を付ける
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ゆっくり水攻め 水が出ない。 幻想卿の外から来たというポンプを買って一週間。 勝手に水を汲んで水を運んでくれる便利なものを買って、とても満足していたがまさかこれほど早く壊れるとは。 決して安い買い物ではなかったそれをどうにかできないかとポンプのある場所にやってきた。 ポンプ置き場に着くと奇妙なことにポンプのスイッチが入ってなかった。 妖怪には見えないようにお札を貼っていたし、押さないようにと注意書きもあった。子供はここまで遊びに来ないはず・・・ そんなことを考えながら他に壊れていそうなところはないかと確認していくと、機械の裏側ですやすやと寝息をたてているゆっくりを見つけた。 こいつがスイッチを押したのだろうか? 起こさないことにはこの疑問は晴れないのでゆっくりにデコピンをかます。 「ゆぐっ!」 まだ子供なのかとても軽く、デコピン一発で機械にぶつかり、「ぶべっ!」とずるずる落ちてきた。 回復する前に両手で捕まえ、ここで何しているのか聞く。 「ゆっくりあそんでたよ!」 ここでどうやって遊んでたんだい? 「ここでとぶとね、ぴかぴかするんだよ!」 とポンプの電源スイッチの上で飛び跳ねていた。ぴかぴかとは電源が入ったことを伝えるランプのことだ。 納得がいった自分は片手でゆっくりを抑えながらデコピンをする。 ここはおじさんのものなんだ。勝手に遊んじゃだめだよ。これは消えると困るんだ。わかったかな?かな? 一文ごとに一発デコピンをかます。食らうごとに痛い痛いと叫ぶ子ゆっくり。 耐え切れなくなったのか。 「ゆっくりはなしてね!これじゃゆっくりできないよ!」 「もうやだ!おうちかえる!」 と、泣き始めた。 とりあえずポンプが故障したわけでは無さそうだが動くか確認がしたい。 さっきこいつは巣があると言っていたのでそこで試そうと、巣を教えてくれれば助けてあげるよと聞いてみる。 野生のゆっくりは警戒心が強いが子ゆっくりなら大丈夫だろう。 すぐに、 「ゆ!ゆっくりおしえるからたすけてね!」 と、笑顔になって案内してくれるのを笑いながらゆっくりにおしえてもらい、巣を見つける。 その巣は木の根元にある穴で草や枯葉で巧妙に隠していたので教えて貰わないと分からなかったかもしれない。 畑や人の家に上がりこむゆっくりは大抵昔飼われていたり、加工場から逃げた奴である。 本当の野生のゆっくりは人にめったに近づかず、このように巣を作って過ごす。 「おしえたからゆっくりはなしてね!」 「いえでゆっくりするからどっかいってね!」 いまだ腕に掴まれたゆっくりが急かすので約束どおりはなしてやる。 れいむはぴょんぴょんと飛び跳ね巣に近づいていく。巣に近づくと先ほどの声に気づいたのか中からもう一匹のれいむが顔を出す。 「「ゆっくりしていってね!!」」 仲良く頬をすり合わせ中に入っていく。どうやら自分のことはもう忘れたらしい。野生で知能があるといっても所詮はゆっくりである。 ゆっくりどもが中に完全に入ったのを確認した後穴に近づき聞き耳を立てる。 「ゆっくりしすぎだよ!おかあさんしんぱいしたんだからね!」 「みんなしんぱいしたんだよ!」「おねーちゃんゆっくりしすぎー!」 「ゆっ!ゆっ!」 どうやら母れいむ一匹と子ゆっくりが3匹、赤ちゃんゆっくりが一匹と普通のゆっくりれいむ一家のようだ。 帰ってこない子ゆっくりを心配していたのか聞き耳を立てるまでもなかった。 子ゆっくりは包み隠さず正直に話した。 「ゆゆ!ゆっくりしすぎてないよ!にんげんにつかまってゆっくりできなかったんだよ!」 「に、にんげん!」 子ゆっくりの発言に母ゆっくりの態度が変わる。 「ゆっくりにげれたんだね!こわかったね!」 「もうあんしんだからね!すはみつからないよ!」 母ゆっくりはにんげんの怖さを知っているのだろう。巣にいれば気づかれず安全と子ゆっくりに言い聞かせる。 しかし、子ゆっくりが言った次の言葉に自分がいままで人間の怖さを教えてなかったのを悔やんだ。 「すをおしえたらたすけてくれるっていったからいったらたすけてもらったよ!こわかったー!」 「「ナ、ナンダッtt-!」」「ゆー!」 この声は子れいむと赤ちゃんゆっくりだろう、人間を見たことない子供達は未知のものに興味をもったらしい。 しかし、怖さを知っている母ゆっくりはさぞかし子供の発言に驚いたのだろう、 「どお゜じでぞん゜な゜ごどずる゜の゜ー!」 と、外に丸聞こえな叫び声を上げた。 「ゆぐっ!」 この声からするに子れいむを突き飛ばしたのだろう。ゆっくりのすすり泣く声が聞こえる。 と、巣から這い出てくる気配がするので巣目の前に移動する。 母ゆっくりが人間が来てないか確認しにきたのだろう。もぞもぞと巣の入り口のものが取り除かれていく。 自分はわくわくしながらゆっくりが顔を出すのを待った。 「ゆ、ゆ、ゆっくりー!!」 まさか巣の目の前に人間がいるとは思ってなかったらしく、驚き叫ぶ母ゆっくり。決して怖い顔だったからではない。 そこで捕まえてもよかったが、今回は見逃してやる。 「そこでゆっくりしててね!」 急いで巣の中に戻る母ゆっくり。ここにいるとゆっくり出来ないのではないかという疑問を抱きながらまた聞き耳を立てる。 「おかーさんどうしたの!」 「そとににんげんがいたの?」 「おがーさんごめ゜ん゙な゜ざい゜~!」 「ゆゆー!」 母ゆっくりの叫び声を子供達は怯えながら戻ってきた母を心配しているのだろう。殴られたゆっくりと赤ちゃんゆっくりはどう思ってるか知らないが。 「そとはあぶないからいっちゃだめだよ!」 「にんげんがいるんでしょ?みたいみたい!」 「だめだよ!にんげんはとってもこわいんだよ!たべられちゃうよ!」 「ゆゆゆゆ!たべられちゃうのい゜や゜だー!」 「おねーちゃんどうしておしえたの゛ー!」 「ご、ごめ゙ん゙な゙ざい゙ー!」 「ゆー!ゆー!」 「だいじょうぶだよ!ここはあんぜんだからね!しずかにしてたらどこかにいくよ!」 よく聞こえる声だ。もっと聞いていたかったがあまり時間をかけるのも面倒なのでゆっくりと遊ぶための準備をしていく。 まずゆっくり共の巣の入り口に土で壁を作る。これからすることから逃げれないようしっかりと固めておく。 準備が終わるとポンプの場所に向かう。ゆっくりは水が苦手にもかかわらず、飲み水のために水場の近くに巣を作るのでホースが届かなくなることはなかった。 そしてポンプの電源を入れる。後はホースのスイッチを押せば水がすぐに出るだろう。 ポンプ掃除用に置いてあった桶にも水を汲み持っていくことにする。 途中で逃げないように声を出してゆっくりが逃げないようにするのも忘れない。声をかけるたび 「こわいよー!」 「ゆっくりどっかいってね!」という子ゆっくりの声と 「だいじょうぶだからね!だからしずかにしてね!」 という声が聞こえた。母ゆっくりの声が少し聞き取り難かったが、それでもいることは確認できた。 必要な分の水を準備し終わり、最後の締めをしようと巣に近づくと、母ゆっくりの声が聞き取り難い理由が分かった。 穴を掘っているのだ。 どうやら別の出口を作りそこから逃げ出そうというのだろう。畑で捕まえたゆっくりはただ震えていただけだったし、子ゆっくりが馬鹿だったので油断していた。 もう少しくるのが遅かったら逃げられていただろう、冷や汗をかきながら少し計画を変更、すぐさま新しい出口になるだろうポイントを探す。 母ゆっくりの姿が見えないので難しいと思っていたが、少し藪を掻き分けたらすぐに見つかった。 ある場所に生えている植物が倒れかけている。どうやら植物の根を食べているのだろう。 しばらくすると「ゆっ!」という声とともに小さな穴が開いた。すぐに穴が広がってゆっくりが通れるほどになるだろう。 自分は急いでホースと桶ををその穴の近くに移動させる。 先ほどのポイントに戻るともう母ゆっくりは穴から出ていた。子ゆっくりたちを外に出せばもう安全だと思ってるのか顔が笑顔だ。 「ここからでればたすかるからね!でてゆっくりしようね!」 「あのにんげんがばかでたすかったね!」 「れいむをだますわるいやつだったね!」 「あのままいりぐちでゆっくりしてるといいよ!」 「ゆっゆっゆー!」 完全に人間から逃げおおせたと思っている。そんなに大きい声をあげたら気づかれるとは思わないのだろうか。 とにかく気づかれないのは好都合なのでそろりそろり母ゆっくりの後ろに水を張った桶を持って回り込む。 母ゆっくりは子供達が出れるように蔦を口に咥えて穴を覗き込んでいて自分が後ろにいることに気づかない。 蔦を口に含み穴を覗き込んだ母ゆっくりの後ろで水を汲んだ桶を持って立つと言う他人が見たら奇妙に思う格好で待っていると 「まずはあかちゃんからだよ!」 「おねーちゃんたちはあとからでるからね!」 「さきにゆっくりしててね!」 「ゆっ!」 姉妹愛かまず赤ちゃんゆっくりが出てくるらしい。母ゆっくりが蔦を引っ張ると少しずつ赤ちゃんゆっくりのかわいらしい顔が見えてくる。 久しぶりの日差しに目が慣れていないのか目をパチパチさせながら、 「「ゆ~♪」」 と母子が言ったのと、自分が桶の水を流し込んだのは同時だった。 「ゆ゙ー!!」 「あ゙あ゙あ゙あ゙ー!!!」 赤ちゃんゆっくりが桶から勢いよく流れた水に流され穴に戻されていく。 すぐ下で次に蔦が降りてくるのを待っていた子ゆっくりたちも赤ちゃんゆっくりとともに流れてきた水に驚き急いで穴を戻っていく。 「「「い゙や゛ー!み゙ずごわ゙い゙ー!!」」」 心地よい悲鳴を上げながら水から逃げ切ったのだろう息を切らした音が聞こえる。 赤ちゃんゆっくりは直撃を受け、皮をぶよんぶよんにして地面にへばりついている。まだ餡子が流れず、息があるのか、 「ゆ゜っ!・・・ゆ゙っ!・・・」 とピクピク震えていた。 もう少しどうなったのか確認しようとすると足に軽い衝撃。どうやら母ゆっくりが体当たりしてきたようだ 「どお゙じでごん゙な゙ごどずる゙の゙ー!!」 おお怒りゲージMAXなのか顔が紅白饅頭の赤い方みたいだ。うるさいので穴をのぞけるように調整して踏みつける。 「ゆぎゅっ!」とか言うが気にしない。餡子が出ない程度に踏みつける。 時間をくったので穴の中では水でふやけた赤ちゃんゆっくりを子ゆっくりたちがゆっくりと乾いた地面へ運んでいるところだった。 「ゆっくりげんきだしてね!」 「すぐにかわくからじっとしててね!」 「ゆっ・・・」 「それまでおねえちゃんがまもってあげるね!」 ポンプのスイッチを押す。 「や゙、や゙め゙でー!!」 「「「ゆ?」」」 子ゆっくりが母ゆっくりの叫び声に気づき振り向く。 そこにはポンプから流れ出る水がゆっくりと迫ってきてるではないか。 「「「い゙や゛ー!!!」」」 「ゆぐゅ!」 先ほどまでの姉妹愛はどこへやら、赤ちゃんゆっくりを放り出し逃げ出す子ゆっくりたち。 赤ちゃんゆっくりは這いずることも出来ず、流れてくる水をみながら、初めて言葉を話した。 「ゆっくりしたけっかがこれだよ!」 子ゆっくりたちは巣の入り口を目指す。後ろからは水が迫ってるから逃げるには入り口しかない。 人間がいるかも、と言う考えは今の子ゆっくりたちには考えられなかった。先ほどの赤ちゃんゆっくりの悲鳴で子ゆっくりたちはパニックになっていた。 「おねーちゃんがさきだよ!」 「おねーちゃんはゆっくりしてね!れいむがさきにいくよ!」 「げん゙がじな゙い゙で~!!」 我先にと争いながら逃げるゆっくり二匹とそれをなだめる一匹は何とか巣の入り口に着いた。ここからなら出られるだろう。 急いで入り口を隠していたものを取り除こうとすると気づく、これまで隠していた枯葉や枝ではなく土が壁となって入り口を塞いでいることに。 三匹は絶望に苛まれながらも母ゆっくりがしていたように少しずつ穴を掘っていく。 しかし、母ゆっくりのように上手くいかず、水が迫る恐怖心から三匹が別々に穴を掘っていた。 もし三匹が協力して穴を掘ってたら助かったかもしれない。しかし子ゆっくりたちはそのようなことを考える余裕はなかった。 「れいむがほったあなにつちをもってこないでね!」 「そっちこそこっちにつちをとばさないでね!」 「ゆっくりいそいでね!けんかしないでね!」 喧嘩を止めようと声を出しているゆっくりも体は自分用の穴を掘るのに必死だ。 死にたくない。死にたくない。死にたくない。 三匹にはそれしか考えられず、懸命に自分用の穴を掘り続けた。 しかし、もう水はそこまで来ている。もう間に合わないのではないか。 一番小さな子ゆっくりはこの状態に耐えられなくなった。 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙だずげでー!」 叫びながら飛び跳ねる。掘った穴が崩れるが気にしない。 「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」 どうやら一番小さい子ゆっくりのせいで真ん中のゆっくりが掘っていた穴も崩れたらしい。真ん中のゆっくりが悲鳴を上げる。 残ったのは一番大きい子ゆっくりが掘っていた穴だけ。 一番大きいゆっくりが後ろの悲鳴に振り向くと二匹が体当たりしてくるのは同時だった。 「「だずげでお゙ね゙え゙ーぢゃん゙!」」 「あ゙な゙がぼれ゙な゙い゙い゙い゙い゙!」 さっきまで喧嘩していたのに図々しく姉に頼ろうとするゆっくり。しかしそのせいで姉ゆっくりは穴が掘れず、最後の希望も潰えてしまった。 追いついた水に三匹仲良く流される。 「「「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」」」 三匹の悲鳴はそれが最後だった。後は少しばかりぼこぼこと空気の音がしたが、それも終わると後は静寂が残った。 ふと、踏みつけていたゆっくりの反応がないので足元を見ると、先ほどの事実に耐えられなかったのか紅白饅頭のように白くなっていた。 持ちあげると口を開け白目をむいたままだったので軽く打つ。 しかしまったく反応がないのでとりあえず木に吊るしてその場を離れる。夜になればれみりゃにでも食べられているだろう。 埋めた入り口まで戻り、逃げてないことを確認し、この場を離れる。 ポンプの故障ではなかったことに安堵し、畑までポンプを戻す。 次からこのようなことがないように罠を仕掛けたほうがいいかなと思った。 このSSに感想を付ける
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ゆっくりと紐 体内受精をしたゆっくりれいむと、それを見守るゆっくりまりさ。 とうとうここまで来たのだなあ、と、感慨深く思い起こす。初めてこいつらと 出あったのは、春の桜が散り切る前のことだったろうか。ゆっくりの家宣言をさ れた俺は、その唐突な内容よりも愛らしい彼女達の仕草に心を奪われてしまった のだ。 だって可愛いのだもの。 毎日のようにご飯を食べさせ、ワガママを聞き、ゆっくりとさせてやる毎日。 頼っているという自覚すらないのだろうが、それでも俺は幸せで、ゆっくりと できた。 冬も間近、二匹の初めての子が生まれた。枝にまるまると実った彼女達は、本 当に幸せそうに笑っていた。俺自身家族が増えたことに大層喜び――その頃には 『おにいちゃん』ではなく、『おとーさん』と呼ばれ始めていた――、さらにゆ っくりとした暮らしを深めていた。 だが俺の稼ぎはそれほど多くはなく、多数の家族を養えるほどではなかった。 ゆっくりの姉達は一様に、父母と新しい子供を養うことを選択し、次の子供が生 まれると、なごり惜しげに皆旅立って行くのだった。 悲しい出来事もあった。 どこからか入り込んだゆっくりぱちぇりーに、生まれたての子ゆっくりが連れ 去られ、多数が行方不明になったこともあった。他のゆっくりが入り込み、子供 たちの何人かが犠牲になったこともあった。それは不幸ではあったが、家族の絆 をより深め、こうして新たな幸せを迎える原動力ともなったのだ。 世の中には、ゆっくりを食べたり、虐待したりする人がいるらしい。見つけ次 第に殺してしまうのも居る。だがどうだ、ゆっくりはこうしてゆっくりしている だけで、果てしなくゆっくりをもたらしてくれると言うのに……。 ・ ・ ・ 「うまでるよ! もうずぐばぢざとでいぶのあがじゃんがうばでるよ!」 顔を真っ赤にして、それでも幸せそうに叫ぶ母れいむ。父まりさと子供たちに 囲まれた彼女に近づいて、出産の手助けをしてやる。 「れいむは出産初めてだよな?」 「う゛? 子供だぢならだぐざん産んだよ?」 違う違うと手を振り、俺は簡単な説明をする。 「枝から生まれる子供と、おなかから生まれる子供は違うんだ。今回みたいにお なかから生まれる場合、何の準備もしないと、危険が危ないからゆっくりできな いんだよ!」 そう告げられた一同は、「ゆっくりしたいよぼおお!」「あかじゃん! まぢ ざのあがぢゃんが!」「ゆっくりなんどがぢでえええ!」などと騒然とし始める。 「でも、これさえあれば大丈夫だよ!」 出産のために用意してきた道具を取り出す。泣き叫ぶ声が歓声に変り、俺はそ の道具を母れいむに巻き付けた。 「おとーさん、これなに? ゆっくりできるもの?」 「ああそうだよ、ゆっくりできるよ……とさて、聞いてくれ」 「何なに?」「ゆっくりする?」 「これはね、『紐』というんだ。出産をするときに、赤ちゃんが勢い良く飛び出 すからね! 怪我をしないように巻きつけてあげるんだよ! みんなも怪我した らいけないから、つけてあげるね」 信頼している『おとーさん』のセリフに、誰一匹疑うことすらなく、『紐』を 体に巻きつけるゆっくり達。 「あ、まりさはこっちに来なさい。ゆっくりと出産を見れるようにしてあげるか らね!」 「わ、わかった! ゆっくり赤ちゃん見たいよ!」 俺は父ゆっくりまりさを、母れいむの目の前に固定した。俺は出産補助装置の 概要を、皆に説明する。 装置に固定された母れいむは、ゆっくりしながら出産することが出来る。そし て出産された赤ゆっくりは、赤ゆっくりゆっくり装置によってゆっくりさせられ る。子ゆっくりゆっくり装置は、母れいむの目前、固定された父まりさのすぐ体 下に設置されている。 「さあそろそろだな。みんな、動くと危ないから動いちゃだめだよ!」 「「「ゆっくりじっとしているね!」」」 「ゆ゛っ! ゆ゛っ! ゆ゛ぐりいいいいい!」 息も絶え絶え、頬を真っ赤にしながら、母れいむの出産が開始された。母れい むに巻きつけた『紐』には多少ゆとりがあるため、この程度で怪我をすることは ない。 「赤ちゃんだ! れいむの妹だよ!」 「違うよ、まりさの妹だよ!」 「ゆっくり! ゆっくり生まれていってね!!」 皆の応援のなか、生まれながら声を上げる赤ゆっくり。 「ゆ、くり、……う?」 違和感に気付いたのだろう、慌て始める。 「ゆ、おかあしゃんゆっくり出来ないよ! お顔がひたい、ひたいよぅ!」 「ば、ばだじのあがじゃん! どぼじだぼおおお!?」 「ゆ、ゆっくりがんばってね!」 だがもう出産は止まらない。勢い良く子供を産み出す母れいむ。 「い゛っ! ゆ゛っ! ぐりじでぶううううううううううう!」 母れいむに巻きつけられた鋼鉄の紐に輪切りにされ、絶命したまま勢い良く飛 び出した赤ゆっくりは、そのまま赤ゆっくりゆっくり装置にその亡骸を晒した。 「う゛あああ! でいぶどぶりぢいいいいいなあがじゃんがああああ!! あが じゃん! あがじゃっ!?」 そのショックが次の出産を早めたのだろう、下腹部が膨張し、新たな赤まりさ が顔を覗かせる。 「うっう……。お、おかあさんがんばって!」 娘達の応援に、今失ったばかりの命を思うゆとりも与えられず、出産を開始す る母れいむ。だがすでに赤まりさの顔には行く筋もの切れ込みが入っており、 「ゆっぐうううああああぶっ!!!」 生を得るのと同時に死に誘われた。 「うばああああああああああああ! あが! でいぶのあがああああ!!」 「あがじゃあああんんんんんんんん!!!」 装置に横たわり、ぴくぴくと震える、赤まりさだったもの。 ゆっくりと生まれ、ゆっくりと育ち、ゆっくりと旅立つはずだった、幸せなゆ っくりとなるはずであった餡の塊は、何を言うこともない。 絶望に染め上げる家族に向けて、僕は慰めの言葉を紡ぐ。 「もしかしたら、産むのが速すぎたのかもしれないな。可哀想に……ゆっくりし たかったんだろうにね」 その言葉にびくりと体を震わせる反応する母れいむ。目の前の我が子の亡骸に、 絶望の表情を浮かべる父まりさ。声すら立てずに涙を流すゆっくり一家。 そんな彼女達の心を癒すために、ビデオを見せてやる。 「おや、あれは何かな……?」 母れいむの、昔生んだ娘達の姿が、そこには映し出されていた。ビデオの概念 を知らない一家は、まるでその中に生活しているように見えることだろう。昔、 唐突に現れたゆっくりぱちぇりーにさらわれたはずの、生まれたての我が子。彼 女達の元気な姿を見せられた母れいむは、彼女達が生きていることに――今の状 況を忘れているわけではないだろうが――歓喜した。 喜びもつかの間、ゆっくりぱちぇりーによっていたぶられ、無残な姿を晒す赤 ゆっくり。その衝撃は、またも出産を早めたようで、何とか赤ゆっくりが生まれ ないように暴れだす母れいむと父まりさ。 「だめ! ゆっぐり! もっどゆっぐりじでえええええ! うばでだいで! う ばれないでぼおおお! ゆっぐりじでよぼおおお!」 「がばんじででいぶ! がばんじだいどまでぃだどでいぶのごどぼがああああ!」 ゆっくり達は気付かないが、装置は時間とともに母れいむを締め付け、出産を 強要する作りになっている。装置に固定されており、そもそも出産をコントロー ルする術も知らないであろう母れいむは、またも生まれながら死に絶える赤ゆっ くりを目の当たりにせざるを得なかった。 ビデオからは延々と、巣立ったはずの子ゆっくり達の断末魔が流れつづけ、生 まれては死んでゆく赤ゆっくりの残骸は増えていった。 ・ ・ ・ 時間を掛ければこんなにも「ゆっくり」させてくれる存在になるのだ。 次回の出産のためにも、信頼を損ねることは出来ないのだが、彼女達の信頼を 踏みにじる時のことを考えると、とてもゆっくりとした気分になれるのである。 このSSに感想を付ける
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最近幻想郷にゆっくりとかいう生物があらわれた。 その体は餡子でできてる故幻想郷の食糧事情に貢献したわけだが1つだけ被害を受けたところがあった。 それは菓子屋だ。 ゆっくり増えるよ!by昔話 そして俺は幻想郷で菓子屋を営んでるうちの1つ 名前はわざわざ言うまでもないだろう さて、どうして恩恵を1番受けそうなところが被害を受けているのかというと・・・ カランっ 「あ、いらっしゃいませ~」 「この店もまだお饅頭高いわねぇ 隣町の○○さんのところなんか~」 「はぁ・・・気をつけます」 「次くる時までに安くしておきなさいよね!」 っとこのとうり値段でしか物事を考えないババアに何かと言われるからだ。 利益目的で饅頭の中身をゆっくりにした菓子屋に 小豆から作っているうちの菓子屋が値段で勝てるわけないだろ 常識的に・・・ かと言ってもゆっくりを使っているところは値段をうちの半額ほどにしている (と言っても以前はうちのところくらいが適正価格だったのだが) そういう訳で物は試し 長い物には巻かれろという言葉もあるとうりうちの店も普通の饅頭の半分の価格の ゆっくり饅頭を作ってみることにした。 まず材料として当然ながらゆっくりが必要だ ゆっくりを捕まえるためのエサはうちの店の廃棄品でいいだろう ゆっくり自体はそこら辺の野原に行けばいる っとみつけた 日光がよく当たる位置でぼーっとしている 数は1匹しか見当たらないが自分で作ってみる分には1匹だけで十分だ 「ゆ?おにいさんはゆっくりできるひと?」 「あぁ、その証拠にあまあまを持ってきたんだ 食うか?」 「ゆっ! ゆっくりたべるよ!」 ほれっ そうやって俺は饅頭を作った時のあまりの餡子を放り投げる 「むーしゃむーしゃ しあわせー♪」 そりゃあうまいに決まってるだろ・・・ お前たちみたいにどこから湧いてきたかわからんような餡子じゃなくて 本物の小豆から作ってるんだからな そう思いゆっくりを計画どおり連れて帰ることにした あまあまをやったかどうか知らないが、簡単についてきたのでうるさく騒がれずにすんだ。 とりあえず・・・次は洗えばいいか 饅頭はもっとあまあまをよこせとかどうのこうの言っているけど無視をして 洗面所で軽く洗う 「ゆ? おふろなんだね! ゆっくりするよ!」 「ゆ~ゆゆ~ゆ~♪ ゆっくり~♪」 そういえば底部も洗わんとな そう思いれいむをひっくり返す 「ゆ~ゆ~ゆぎぇ!」 突然ひっくり返したせいか舌をかんだようだ 「どぼじでぞんなごとするのぉおおおぉおおお!!」 よし、次は餡子を取り出すだけだ 何かと喚いてるれいむを無視し台所まで抱えて行く 「ゆ?なんかあまあまの匂いがするよ! おにーさんかわいいれいむにもってきてね!!」 その前に味の確認をしてみないとな・・・ れいむを横に寝かせ髪など邪魔な物がない底部を切断してみる 「ゆぎゃぁぁぁあああああぁあ でいぶのあ゛んよがぁぁあ゛ああ゛ぁあ」 ん、意外とうまいじゃないか この味ならなかなか売れるんじゃないか? あの後ゆっくりから作った饅頭を売ってみたが意外とよく売れた 評判もなかなかよかったので新製品として取り入れようと思うのだが 問題はゆっくりの入手方法だ 加工所で購入するのはゆっくり饅頭の魅力である安さをなくしてしまう 自分で捕まえるのも毎日休みの時間をつぶしてまでやりたくはない 2匹捕まえて子供を産ませるのもエサ代や育つ時間で効率的とはいえない さて・・・どうしたものか そういえば昨日ゆっくりの餡をスプーンでえぐりとっていた時 たしか3分の2ほどまでとってもわずかに生きていたな・・・ もっとも「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」としか言わない壊れた玩具のようになっていたが そしてゆっくりの傷はオレンジジュースで回復する となれば・・・・ 一ヶ月後 裏庭には小屋が完成されてあった 河童の技術は本当に恐ろしいものがある。盟友でよかった。 それで小屋といっても普段想像するような粗末な小屋ではない 外からの見た目はまさにそのような物であるが中は違う まず扉を開けてすぐにボタンがあり、その足元すぐには階段1段分の段差がある そして床はタイル敷きになっていて水をいっさい逃さないようにしている 排水溝も開け閉めは可能だ そして1番の変化は壁にところどころ穴があることだ この穴が何かは後でわかるだろう ともかく今必要なのはゆっくりである 小屋の完成に合わせてゆっくりを1匹加工所から注文をしておいた 注文といっても何か特別なしつけをしたやつではないのだが どうせなら上質の餡子を持つやつがいい 自分で捕まえにいってもよかったのだが注文をした理由はそういうわけだ。 小屋の中に入り、目を覚まさせるために箱からだし声をかける 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ! ゆっくりしていってね!」 本能に従い目を覚ましたようだ 「ゆゆっ? おにーさんはゆっくりできるひと?」 「あぁ、その証拠におかしがあるのだが食べるか?」 「ゆ! ゆっくりしないでれいむのおかしをおいていってね!!」 適当に持ってきた失敗作をそこら辺に放り投げる 失敗作といっても砂糖が入っているし、食うだろ れいむが生ゴmいや、失敗作をむさぼっている隙を見計らって壁に移動する そう、穴ぼこだらけの壁だ この穴の中かられいむの身長にあわせ真ん中くらいのところの穴に指をいれる 先端がフック状になっており、引っ張ると人間でもよく見ないとわからないような糸がでてきた ピアノ線だ。 これを反対側の壁までひっぱりフックにひっかけると準備は完了だ。 「おにーさんこれじゃあ足りないよ! もっともってきてね!! のろまはきらいだよ!」 と、準備が終わったと同時にれいむは生ゴミを食いつくしたようだ。 そこで隠し持っていたチョコを3分の1ほど割って放り投げてやる 「むーしゃむーしゃ しあわせー♪ おにーさんこのあまあまがもっとほしいよ!」 そこで残りのチョコを見せてみる 「ゆっ! ゆっくりしないでれいむにわたしてね!!」 無視する。 「ゆっくりしないでね! れいむおこるよ!!」 と言って空気を頬に入れプクーっと膨れあがる。 そこでまた無視する。 「もうかんべんできないよ!! ゆっくりもらうよ!」 と、言ってジャンプをして奪いとろうとする それを待っていた。 「ゆっ! ゆっ!」と言いながら奪おうとするれいむをかわし ピアノ線をのりこえてれいむとチョコの中間にピアノ線がくるようにする。 「よし、これを食べれたられいむお前の勝ちだ」 そう言いチョコの位置も今までの人間の手の高さと違いれいむの正面に移動させておく。 「ゆゆっ! こんな高さにするなんてやっぱりにんげんさんはばかなんだね! ゆっくりたべられていってね!」 と言い最後の力をふりしぼり奪い取ろうとする。 がチョコに触れる前にれいむの体に触れたのはピアノ線であった。 「ゆぎゃぁぁあ゛あ゛ぁぁああ でいぶのおめめがぁあ゛あ゛ああ」 どうやら真ん中より少し高くちょうど眼球に位置するところに線はあったらしい それにしても何故まっぷたつにならないんだ・・・?と思いよく見てみるとわかった。 餡子の粘着性のおかげで両断されたのがくっついているだけであったのだ。 ようするに上にのっかっているだけなのだ。 少々遅れて理解し、まっぷたつになったのを手でつかみしっかりと2つに分けて床に置いておく。 そして小屋の外にあるボタンを押す これは維持費に少々金がかかるのだがゆっくりの再生に不可欠なオレンジジュースを 段差の半分ほど満たしておける装置なのだ。 こうして次の日様子を見に小屋にいった。 「「ゆっくりしていってね!!」」 うん、やはり2匹に増えている というか何で一晩ジュースにつかしておいただけで失われた臓器まで再生してるんだよ・・・ 物理的におかしいだろ・・・常識的に とりあえず1匹は捕まえておく すると当然ながらもう1匹の方も反応した 「ゆっ! れいむをはなしてあげてね!! ゆっくりしてないよ!!」 そりゃあ口を押さえているんだからゆっくりおしゃべり(笑)もできないだろ するとれいむの堪忍袋に触れたのかどうか知らないがポインポイン音をたて 足もとにむかって攻撃をしてきた。 「ゆっ! ゆっ! ゆっくりしねぇぇえええ!!」 …こんな饅頭の攻撃に痛みは感じないのだがオレンジジュースがズボンについて正直うっとうしい わざわざ相手にするのも煩わしいのでピアノ線でまた両断させてやることにした れいむの攻撃のタイミングを読み取りうまくピアノ線のところに誘導する 自分が切らないようにうまく足をむこうにどけて…と 「ゆぎぇぇええぇえ!! でいぶのめがぁあ゛ああぁあ どぼじでごうなるのぉぉおおお」 絶叫と共に 双眸は再び裂けた。 そんなわけで本格的に製品化をすることにしたのだが、正直これが売れて売れてたまらない きっとこれは他店に比べると高級店の位置に分類されるうちの店が他の店と同じような値段の新製品を出したことによる ブランド効果もさることながら、事実饅頭の皮と餡子の3分の1は普段使っているようなものと差し障りのない物を使用しているからだろう このことによって他の店と比べ利益率は劣るながらも味の低下は他店よりおさえられることになった これだけやれば例の値段ババアにも喜んでもらえるだろ・・・ 季節が変わりはじめ人々が長い休みを取ることができるような時期になってからそれは起こった。 トゥルルル トゥルルル 「はい? え、もうそんな時期ですか? わかりました… すぐ準備をします」 うちの店では代々店を継いだものは初めのうち数年間は1年間のある時期に1週間だけ 先代の者に教えを請いにいかなければならないという慣習がある これは後を継いだ者が独立したことをかさにして代々の技術を低下させないようにするためのものである そして毎年のことながらこの時期がきたのだ。 そんなわけで例年通りの閉店の準備をする。 一時閉店の張り紙よし バイト君の休暇宣告よし あと食材は・・・適当な菓子にでもしてバイト君へのお土産に持たせればよし 現金は・・・銀行にでも預けておいて あとは店の電気を消すだけで準備は完了。 そして週が変わり・・・ 「ふぅ…」 この日はやっと1週間に亘る技術の確認が終わり店へ戻ることができた日だ といってもまるまる1日休めるわけではなく次の日から再開ができるように準備をしなければならない 張り紙は・・・この日から再開することをかいてあるから問題なし バイト君たちには通達しているはずだが確認のために連絡をしなければならない 食材は・・・全部使い果たしたから改めて今日買わなければならない 現金は預けてあったのを材料費と小銭のためにおろさなければいけない 店の電気は・・・ん? 何で離れ小屋の電気が・・・? 「・・・ぁ・・・い・・・」 小屋に近づいてみると何やら声がする そういえばこの小屋はゆっくりを増殖させるための小屋であったのを忘れていた もしかして店の味の秘密を探るための侵入者であるかもしれない 物音をたてずに扉の前に立ち勢いよく開いてみる この光景はまさに圧巻であった 半身のないゆっくりが幾重にも重なり合い部屋を埋め尽くしている だがそれだけならばまだよかった 部屋の底がゆっくりの再生を促すオレンジジュースの絨毯になっており 再生したと同時に餡子がうごめきあいその衝撃で部屋中にひいたピアノ線で身を裂かれているのだ 「ゆぎぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!!!」 「いだぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「でいぶのおべべがぁあああああああああああああああ!!!!」 「ごべんなざぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「あやばりまずがらぼうやべでぇええええええええ!!!!!!」 「い、いとさんでいぶのどごろにごなぃでねぇえええ!!」 「ゆ゛っゆ゛っ… ぼっど…ゆっぐりじだがった…」 ゆっくりは餡子が結合していれば痛みは共有する このゆっくり達の叫びは無駄だとわかっていても誰かに変わってもらいたいという嘆き そしてこのゆっくりと目があった瞬間触手のようなものが伸びてきて・・・ 目を覚ますと私は店の仮眠室で横になっていた バイトの話によると私は離れ小屋の前で倒れていたようだ 小屋について聞いてみたがバイトが来た時点では扉は閉まっていたようだ あれから一年 あの日私は離れ小屋のボタンを消して以来扉には近づいていない。
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俺は以前から実ゆっくりを使ってヤリタイ実験があった・・・そのためにわざわざ山奥まで行きにんっしんっ!したれいむを3匹ほど連れてきた。幸い1匹のゆっくりから5本ほどの茎が生えていたので材料には事欠かない・・・・ その日は夜遅かったのでわくわくしながら眠りについた 次の日 「ゆっくりしていってね!」 「ごはんしゃんをもってきてね!」 「このくそじじい!」 まー五月蝿い五月蝿い 爽やかな朝を阻害された気分だが我慢しよう 「わかったよ、今持ってくるからね☆」と棒読みで言い三角コーナーの生ごみをあげた しかしこいつらは俺を見ても「おじさん誰なの?」とか言わないあたりかなりのバカだな・・・・まあ扱いやすいからいいけど そんなことを考えている間にも 「うんめっ!めっちゃうんめっ!」 「幸せえええ!!!!」 「ゆっ!ゆっ!」 うぜぇ・・・・・ 蹴りたくなるが我慢我慢 やつらが食っている間に準備は完了した 実験の開始だ! まずは茎ごと実ゆっくりを採る 「でいぶのあ゛がぢゃあああああん!!」 「じねえええ!ごどぐぞに゛んげえええええん!」 「うんめっ!うんめっ!・・・・ゆ?ゆあああああ゛あああ!お゛ぢびぢゃああああん!」 うむ、いい返事だ!・・・1匹遅れた奴いたけど その茎合計10本をそれぞれのある液体に突っ込む 「おちびちゃんがゆっくりできるように最高のあんこを吸わせてるんだよ!」 となりのおばちゃんがうるさい、と言ってきたので親を諭した 「ゆ、ゆっくり理解したよ!」 「どれいのくせによくやるね!」 「ゆっふっふふう、赤ちゃんの美貌にひれ伏したんだね!」 途端に横柄になるゆっくりども 1週間後にはこれが絶望の顔になるんだろう・・・俺は実ゆっくりが見えるのと親ゆっくりの反応を記録するためビデオカメラを設置した 1週間後 結果が出た 素晴らしい結果だ!! ハバネロスープにつけてたのは何ともいい表情で死んでいたし、廃油につけていたのはすべて欠ゆとなって生まれていた 塩水の飽和水溶液はうまれたはいいがなぜか水が飲めなくなっていた。 あとの7匹が楽しみだ 「あ゛がぢゃああああん!ゆっぐりぢでええええ!」 「ゆっぐりじでいっでね!・・・・どぼじでへんじじでぐれないのおおおおお!」 「お゛びずのんでえええええええ!」 続く 作者より 初めてゆっくり虐待SSを書いてみました 中3なので駄文なのは生暖かい目で見つめてやってください 3話に分ける予定です
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幻想郷と呼ばれる、非常識のモノ達が住まう土地がある。 山奥にひっそりと存在するその土地が巨大な結界で外界と遮断されて間もない頃、妖怪達の間で紛争が起こった。 後に大結界騒動と呼ばれるその騒動の間、騒動と無関係であった人間にとっては、妖怪に襲われる心配の無い平和な時期が続いた。 だが、この騒動が終局を迎え幻想郷自体が再び安定する直前、突如として異種生命体が出現し幻想郷全域を襲った。 人間の生首に似た姿をし、支離滅裂な言葉を叫び、最大18メートルという巨体を持つそれらはいつしかゆっくりと呼ばれるようになった。 動植物どころか地面そのものすら食らい尽くし平坦にしてしまうゆっくりを前に、妖怪達は争いをやめ、人間達は一致団結し。 やがて人と妖怪さえも手を結んでゆっくりの脅威に対抗するようになった。 それから100年。幻想郷とゆっくりとの闘いは、未だ続いていた。 始めの数十年間は、ゆっくり達の独壇場だった。 力ある大妖怪や、山に一つの社会を形成する妖怪達等の力で、どうにかこうにか人と妖怪は滅ばずにいられるという状況だった。 ゆっくり達は巨大とは言え、個々の能力は並の妖怪程度でしか無い。だがその数が圧倒的なのだ。 どこから湧いてくるのか、どうやって増えるのかは一切不明だが、一度の戦闘で100万以上のゆっくりが現れる事も珍しくない。 ゆっくり達が戦闘行動を取るのは満月の夜だけ、というのも幸いだったろう。満月の夜は多くの妖怪が最も力を発揮できる時だからだ。 ちなみに、それ以外の時を利用してゆっくりの巣の探索も行われたが、捜索隊は悉く帰って来なかった。 そうした闘いの日々の中、少しずつ幻想郷はゆっくり達の勢力圏に塗り潰され、力ある妖怪も一人また一人と消えていった。 そうした絶望の中に、僅かな光明が見えたのが30年前。 従来の戦い方では滅亡は必至、そう考えた幻想郷の賢者達は戦況を打開できる手段を模索していた。 最重要課題は、何といっても人間が戦う手段を持つ事だ。 重火器を持つ訳でもない人間達は、極々一部の英雄達に守られ、妖怪に庇護されているだけの存在だった。 彼らが戦力にならない事にはゆっくりに勝つ事は不可能。そう考えた賢者達は、人間に扱える武器を創った。 『相手がでかいならこっちもでかくなればいいじゃない』 そんな無茶な思想によって、それらは開発された。対ゆっくり用人型戦車。通称AYT。 外の世界ではとうに幻想となった様々な材質によって構成されたそれは、高さ15メートルというありえないサイズの巨人だ。 完成して直ぐ試験的に実戦投入されたそれらは、開発に携わった妖怪達の予想すら大きく超える戦果を出した。 直ちに大量生産されたAYTは、人型という特性から様々なバリエーションが生み出され、瞬く間に幻想軍の戦力の中心になった。 そして現在、幻想軍はAYT部隊二個連隊を投入した大規模な探索により、とうとうゆっくり達の巣を発見した。 長年の戦いで培われたデータから、奥に存在するコアさえ潰せば全てのゆっくりが活動を停止するだろうという試算も出ている。 後は、次の満月の夜までに戦力を整え、ゆっくりとの決着を付けるだけだ――― 幻想郷と外を繋ぐ博霊神社。その境内入り口の階段に、二人の少女が座っていた。 「魔理沙。とうとうこの時が来たわね……」 魔理沙と呼ばれた、黒い山高帽を被った少女が答える。 「よう霊夢。……ああ、ついに奴らを退治できるんだな」 霊夢と呼ばれた方は、脇の下丸出しの巫女服という、奇怪な格好をした少女だった。 彼女の名は博霊霊夢。この幻想郷を囲う博霊大結界を維持する、人類最強の紅白だ。 そして黒白の方が、霧雨魔理沙という名の、これまた少女。弾幕は火力(パワー)がモットーの普通の魔法使い。 普段はエプロンドレスのような服装を好む魔理沙も、今はパイロットスーツで身を包んでいる。 それでも山高帽を被っているあたりに彼女なりの拘りが感じられる。 「いよいよだ。いよいよあの忌々しい饅頭を倒せるんだ。父さんや母さん、そして兄さんの仇も……」 「魔理沙……」 魔理沙は一家揃ってパイロットだったが、半年前の紅魔要塞攻防戦で戦死していた。 「私も戦えたら良いんだけどね」 「仕方ないさ。お前がやられたら、幻想郷自体が危ないんだろ?戦いは私らに任せて神社の掃除でもやってろって!」 霊夢は生身でも大隊規模のゆっくり軍とも渡り合える戦闘力を保持している。 だが、彼女が出撃する訳にはいかなかった。万が一死にでもしたら、幻想郷そのものの存続に関わるからだ。 最強の人間でありながら決して戦場に立つ事は許されない。そんな自分自身に霊夢は苛立ちを覚えていた。 「……ねえ魔理沙。出撃する時にはこれを持って行きなさい」 「何だこりゃ?お守りか?」 霊夢が差し出したのは『交通安全』と書かれたお守り袋。魔理沙はとりあえず中を見ようとして、霊夢に慌てて止められる。 「何やってんのよ。お守りは開けたら効果が無くなるのよ」 「開けないとどんな効果があるかすら分からないぜ」 口を尖らせる魔理沙に、霊夢は呆れた顔で言う。 「しょうがないわね。……じゃあ、本当に危なくなったら開けて、その中身に魔力を注ぎ込みなさい。そうすれば、何とかなるかもしれないから」 「ははあ。つまりこいつは交通安全と見せかけてお前のお札が入ってるんだな?可愛い奴め」 うるさい黙れ、と呟いて霊夢は立ち上がり本殿の中へ戻ろうとする。 チラリと見えた腋に見とれて顔を赤くした魔理沙は、霊夢の背中に声を投げる。 「ありがとうな!絶対生きて帰ってくるから、お茶淹れて待ってろよ!」 返事は無かったが聞こえたようだ。耳まで真赤にした霊夢は早足で本殿に入る。一瞬、また腋が見えた。 「さて、と。ぼちぼち召集だ。行くとするかね」 最後の戦い、『至高と究極の境界作戦』開始まであと一時間。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「化け物どもめ!陰陽弾を食らえぇ!!」 「この!この!このぉ!!」 「ゆっくりッ!撃たずにはいられない!!」 「ゆ゛っぐい゛じうぼぇあっ!!」 「ゆ゛ぎゅう゛え゛え゛え゛え゛!」 「ひでぶ」 魔理沙が指揮する霧雨小隊は、味方の援護を受けつつゆっくりの巣へ進入しようとしていた。 ゆっくりには絶対的と言ってもいい程強力な対空攻撃が可能な種類がいる。 それらを掻い潜って地下にある巣に突入するには、膨大な戦力による足止めが必要不可欠だった。 実際その為だけに、全戦力の4割が割かれている。 新型の超広域破壊兵器『グレート座薬X』を使用すべしとの意見もあったのだが、あまりの威力から幻想軍最後の自決手段として温存されていた。 霧雨小隊の任務は巣へ侵入し、最深部にあると思われるコアを破壊する事だった。最重要任務である。 突入部隊は援護部隊によって何とか切り開かれた入り口に続々と突入している。 巣の中は、濃い紫色にぼんやりと光っていた。まるで蟻の巣のような構造で、孔の直径は20メートルを越えていた。 しかもそれは入り口付近の話で、深部に潜れば潜るほど直径はどんどん大きくなっていく。 それはつまり、全周囲を敵に囲まれ易くなっていくという事を意味している。 【こちらスターズ1霧雨。よろしく頼むよドールズ1】 【こちらドールズ1マーガトロイド。そんな無意味な通信は止めなさい。命に関わるわよスターズ1】 【まあまあ堅いこと言うなよアリス。先は長いんだぜ?】 【今は任務中よ。コールサインで呼んで頂戴魔理沙。……通信を切ります!】 (相変わらず素直じゃないなアリスは。可愛いぜ……) 不気味ににやける魔理沙。と、その時センサーがゆっくりの接近を感知し警報を鳴らした。 【スターズオール止まれ!敵が近付いているぞ!スターズ3、状況知らせ!】 【こちらスターズ3。音紋から小型種を中核とした部隊かと思われますわ。数は推定2500!】 【そんな奴らあたいが全部氷付けにしてやるわよ!!】 【駄目だよチルノちゃん油断したら。あ、すみませんスターズ1】 【いやいい。気にすんなスターズ10。スターズ⑨、頼もしいな。その調子で頼むぜ】 【あたいを誰だと思ってんのよ!あんなブサイクな饅頭さいきょうのあたいが全部ぶっ飛ばしてやるんだから!!】 【スターズ1、来ます!】 【よォし。総員安全装置解除!今まで散々見過ごしてきた分こいつらにぶつけてやれ!】 【了解!!】 小隊の全員から威勢のいい返事が返ってきた瞬間、およそ500メートル前方の地面が盛り上がり、ゆっくりが姿を現した。 「「「ぎゃおー!たべちゃうぞー!!」」」 ゆっくり軍の戦力の中核を担うれみりゃ種が真っ先に飛び出てくる。 その後から、小型ながら最も多くのパイロットを食べているれいむ種がぞろぞろと湧き出てくる。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 【総員、撃てぇ!!この狭さなら鴨撃ちだ!ドールズ1!小型種は頼んだ!!】 【ドールズ1了解!相変わらず無茶言うわねスターズ1!!】 【へへっ無茶しないと勝てないだろ!】 【違いないわ!】 全機がオプションを展開し、ゆっくりに向かって弾幕を張る。 一つの出口から出てきたゆっくり達は、自由闊達に飛び跳ねることもままならないこの閉鎖空間でただただ撃たれるだけの的に過ぎなかった。 「う゛あ゛ー!う゛あ゛ーん!!も゛う゛い゛や゛だ!お゛う゛ぢがえ゛る゛ー!!」 「ゆ゛っぐり゛じだがっだよ゛ー!!」 無数の悲鳴と共に次々と醜い残骸に姿を変えていくゆっくり達。 幸先は良いが、まだまだここは入り口。この程度の集団を軽くあしらえなくては任務を果たす事など到底不可能だ。 【敵集団の全滅を確認!各自第二警戒態勢に以降し、進軍を再開せよ!】 【了解!】 【ドールズ1、援護感謝するぜ】 【そんなの当たり前よ。貴女達がやられたら私達だって困るもの。それに、こんな事で一々お礼を言ってたらキリが無いと思わない?】 【そりゃそうだ】 言いながら侵攻する魔理沙達。ちょこちょこ雑談するのは、喋ってないとこの不気味な餡子色空間で気が参ってしまいそうだからだ。 事前に知っていたので覚悟はしていたが、まさかこれ程気色悪いとは思わなかった。 壁や床や天井が所々生き物のように蠢いているし、時々声まで聞こえてくる。 コクピットにまで届く甘ったるい匂いは、生身ではとても意識が持たない事を容易に想像させた。 やはりここは、いやこいつこそがゆっくりの親玉なんだなと、魔理沙は強烈な嫌悪感と共に納得する。 ―――そう、このゆっくりの巣その物こそがゆっくり達を生み出した母体。 言うなればオリジナルのゆっくり、軍内呼称『ゆ号標的』なのだった。 辛うじて生け捕りにできた最小種、ゆっくりみょんから蓬莱人の名医が取り出した僅かな情報からこの巣の正体が判明したのだ。 どのように情報を『取り出した』のかは、魔理沙にはとても想像が付かない。 あるいはゆっくりよりも恐ろしいかもしれないかの名医が、生け捕りにしたゆっくりをどう扱うかなんて考えたくも無かった。 例え相手が家族の仇であろうと、心根の優しい魔理沙は残酷にはなりきれないのだ。 何度か敵集団と遭遇しつつも、既に道程の8割は踏破できていた。 この先300メートル地点で繋がっている縦穴を降りれば、コアが居る大広間の入り口がある筈だ。 と、その時何十度目かの警報が鳴り響いた。もう一々命令する必要も無く、部隊全員迅速に戦闘に備えた。 【敵の数、推定10万…13万…駄目です計測不能!!完全にセンサーの測定限界値を越えています!!】 【方角は!?】 【そ、それが特定できません!どうやらこの広い空間で反響しているようで……】 【クソ!円周形に陣を敷け!敵はどこから来るか分からんぞ!】 【了解!!】 何と言う数だ。地上での戦いとは桁が違う。 魔理沙はかつてない数の敵の脅威に震え、同時にいよいよコアに近付いたのだと実感した。 段々敵が接近してくるのが分かる。もうセンサーが無くとも体で振動を知覚できる程だ。 と、次の瞬間 「「「「「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」」」」」 【きゃあああああああああ!!】 【スターズ⑨!畜生やりやがったなぁ!】 【このお化け饅頭!よくも!よくもぉ!!】 【馬鹿野郎スターズ10飛び出すな!死にたいのか!!】 【うるさい!チルノちゃんを…チルノちゃんを返せゆっくりいぃぃ!!】 「ゆ゛ぐう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぃ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「も゛っどゆ゛っぐり゛じだがっだよ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「う゛、う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ぢぢぢぢぢぢーんぼっぼっき!!」 「すぐうたれる……すぐにしぬ……ウフフ」 鬼神の如き勢いで次々をゆっくり達を屠るスターズ10こと大妖精。だが一人で突出しすぎた彼女の命運は今正に、 「「「ゆっくりしね!!」」」 ゆっくり集団が現れたのとは反対側の壁をぶち破ってフラン種が現れた。 頭に血が上っていた大妖精はその集団を避ける事ができなかった。 【スターズ10がやられた!くっそぉ化け物どもめ……!】 【落ち着いて下さいスターズ1!貴女まで逆上してどうするんですか!】 【ああ分かってる!各員フラン種を優先的に撃破しろ!奴らの突破力は邪魔だ!!】 【立て込んでるみたいねスターズ小隊!】 【ドールズ小隊か!?無事だったか!】 【ええ。どうやらここで繋がってたみたいね。結局どの道も大広間に繋がるように出来てるんじゃないかしら?】 【そんな事より今は!】 【分かってるわよ。ドールズオール、前方のスターズ小隊を援護して!】 【了解!!】【シャンハーイ!】【ホウラーイ!】 アリス達の部隊が来た事により、ゆっくり達は完全に挟み撃ちの形に遭った。 だが、その圧倒的な数を切り崩すにはもう一手。 【このままじゃジリ貧だぜ……仕方ない!出来ればコアに取っておきたかったが使わせてもらうぜ霊…】 【馬鹿やめなさい!それは今ここで使う訳にはいかないでしょう!!】 【あ、アリスこの中身を知ってるのか!?】 【あ…い、いや知らないわ!知らないけど、とにかく切り札なんでしょう!だったら使っちゃ駄目よ!】 【でもこいつらを…!】 【……あんた達スターズ小隊は先に行きなさい。ここは私達が食い止めるから】 【そんな無茶だぜ!死んじまう!】 【私を誰だと思ってるのスターズ1?七色の人形遣い、アリス・マーガトロイドよ。撃墜数1位は伊達じゃないわ】 【……了解した!スターズオール聞いたな!?ドールズ小隊がカバーするからとっとと行くぞ!】 【了解!!】 【じゃあなアリス…死ぬんじゃないぞ!】 【お互い様!】 「ゆっくりにがさないよ!!」 「にげるこは、たーべちゃうぞー!!!」 「ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 【あら、死ぬのは貴方達よお饅頭さん。遊んであげるからせいぜい頑張りなさい】 「ぎ゛い゛い゛い゛い゛い゛や゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 「どうぢでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「ゆ゛っぐり゛じぬ゛!!ゆっぐりじぬ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 (魔理沙……絶対に死ぬんじゃないわよ) アリス達に敵を任せて進むとすぐに、門に突き当たった。間違いなくこれが大広間の入り口だ。 総がかりで弾幕を集中させる事数分、漸く門が崩れた。 門をくぐるとそこにはとてつもなく大きい空間が広がっていた。地下とはとても思えない。 大広間全体が鮮やかな紫色に発光しており、その中央には巨大な饅頭が鎮座していた。 体高約100メートルはあるそれこそが、ゆっくり達を生み出した母体『お母さんゆっくりれいむ』の心臓部だった。 【あ、あれがコアなのか……】 【隊長。さっさと壊しましょう】 【ああ。……霊夢。今度こそ使わせてもらうぜ。お前がくれた切り札を】 お守り袋から中身を取り出した瞬間、魔理沙にはソレの使い方がはっきりと分かった。 別の世界での自分がとても大事にしているその切り札(カード)。 決闘ルール等存在していないこの幻想郷に何故そんな物があるのかは知らない。 あるいはこれを託した霊夢自身すら分かっていないのかもしれない。けれど魔理沙は確信する。 これなら、あの怪物を葬り去れると。 小隊の前に進み出て、カードを構え、魔力を込めようとしたその瞬間、頭の中に何かが聞こえてきた。 『ゆっくりしたい』 『どうしてこんな事をするの』 (ど、どうしてだって…!?そんなの、お前達が襲って来るからじゃないか) 『れいむたちはなにもわるいことしてないよ』 『ただゆっくりしていただけだよ』 『だってここはれいむたちのおうちなんだから』 (勝手な事を…!ここは私達の場所だ!私達の幻想郷だ!) 『そう、おねえさんもゆっくりできないひとなんだね』 『ゆっくりできないひとは』 『ゆっくりしね!!』 「御免だね。私にはまだ飲まなくちゃいけないお茶があるんだ。行くぜ。霧雨魔理沙必殺のスペルカード…」 恋符「マスタースパーク」 その瞬間、魔理沙機の前方から巨大なレーザーが放出された。巨大なコアがとてつもない勢いで消滅していく。 完全に消える間際、幻想郷全ての人妖の頭に声が響き渡った。 『もっとゆっくりしたかったよ!!!』 夕日に赤く染められた博霊神社。その境内に霊夢が立っていた。 幻想郷全体が歓喜の声に包まれていた。その声は神社にまで響いてきている。 あの声は間違いなくゆっくりの母体の断末魔の叫びだろう。魔理沙達はやり遂げたのだ。 声が聞こえてから何時間ここに立っているだろうか。高かった日は落ち、幻想郷を赤く染め、空は紫色にその色を変えていく。 太陽が完全に沈む直前、待ち望んでいた人影が階段を登ってくるのが見えた。 霊夢は待ちきれずに階段を駆け下り、人影に抱きついた。 「お帰りなさい、お帰りなさい魔理沙…!」 「おおただいま霊夢。熱い歓迎痛み入るぜ。お茶の用意は、できてるんだろうな?」 「できてる、できてるよ!……良かった。本当に良かった」 「ははは、私がお前の奢りを放り出して死ぬ訳無いだろ?」 「ずびっ……そうよね、あんたはそういう奴だもんね」 「感動の再会をお邪魔して悪いんだけど、私も居る事を忘れないで欲しいわ」 「アリスも無事だったのね!良かったぁ……」 「それだけ?まあいいけど。巫女さんの熱い抱擁よりは熱いお茶の方が好きだし。ほら、さっさと案内してよ」 三人は境内へ向かう。そこには既に人妖問わない大勢の仲間達が今か今かと巫女の音頭を待っていた。 YUKKURI ALTERNATIVE END
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社員ゆっくり ※現在の地球とは少しだけ軸がずれたパラレルワールドだと思ってください ※ゆる虐待は多少ありますが、愚鈍で高慢なゆっくりをボコボコにしたい方には合わないと思います。箸休めにどうぞ。 ※お兄さんと劇中の飼われゆっくりは仲が良いです ※作品中に登場する会社名等は実在のものとは一切関係がありません ゆっくりが出現して20年程、元々は野山に住んでいたゆっくりは徐々に人里に下りていき、街へも進出しだした。 当初はゴミを荒らし、住居に侵入したりとやりたい放題であったが、当然ながらそういったゆっくりは人間によって即処分される。 その結果、(ゆっくりにしては)頭がよく賢い、それでいて比較的気性の穏やかなゆっくりが残り、そして繁殖を繰り返した。 頭がが良く穏やかなゆっくりであれば当然人間に迷惑をかけることも少ない。となると殺されることも少なくなる。 街ゆっくりは今では人間の(それなりに)良きパートナーとして生き残っていた。 「ただいま」 男がそう言い玄関の戸を開けるとまりさが廊下をぴょんぴょん跳ねながらやってきた。 「ゆっくりおかえり!!」 このまりさはもう1年ほど前から男が飼っているゆっくりだ。野良犬に襲われていた横を通りがかっただけなのだが なぜか犬がそのまま逃げてしまいまりさは男のおかげだと泣きながら感謝し、それから懐いてしまったのだ。 どうやら飼いゆっくりだったらしいのだが、飼い主の事情で捨てられてしまったらしい。 変に媚びることもなく淡々と語るまりさを見て最初は「まぁいいか」くらいの気持ちでペットにしたのだが、 実際は一人暮らしの寂しさを紛らわせたかったのだ。 今となってはペットというよりは居候といった感じだが。 「ゆっ!おつかれさま!おみやげは?おみやげは?」 「あ?別に出張でもないし特に何もないぞ。つうかおまえ毎日それだな!」 「ゆぐっ・・・だってまいにちひまだし・・・おにいさんおかねくれないからあそびにもいけないし・・・」 そう言ってまりさは口をとんがらせてすねていた。 人間の社会に入り込んだゆっくりは貨幣の概念を理解している。ゆっくり用のグッズを販売する店や ゆっくり用のレジャー施設も存在し、ゆっくりだけで買い物に行っても極普通に対応してもらえるので お小遣いを与えられたラッキーなゆっくりでいつもごった返していた。 「働かざるもの食うべからずという言葉を知っているか。」 「ゆぅ・・・おにーさんからなんどもきかされたからしってるよ・・・」 「ならそういうことだ。三食屋根付きなだけでもありがたいと思うように。」 この社会にも野良ゆっくりは存在する。昔に比べて賢いゆっくりが増えた分人間もそれ相応の対策はとってある。 ゴミ捨て場などもカラスはもとよりゆっくりにも破られないようにいろいろ改良がなされている。 となるとそこらの雑草や花を食べるしかない。だが賢くなったゆっくりは人間の所有する整備された花や植物を 勝手に食べるとどうなるかは知っていた。よほど危機的な状況ならば分からないが、まずそういった愚挙は犯さない。 まりさはそういった行為をしでかした野良ゆっくりが目の前で潰されたり保健所に連れて行かれた場面を何度か見ている。 そんな生活はごめんだった。 中には人通りの多い場所で物乞いをするゆっくりもいたが、同情を誘うためか酷く汚れていたり、自ら片目を潰したり するゆっくりが大半だ。まりさにはとてもそんなことはできない。 家に置いてもらい食事まで頂戴していることはありがたいとは思っていたが、ゆっくりはゆっくりなりに欲もある。 雑誌を見たりテレビをつければゆっくり用おもちゃの広告やらなんやらでその欲求を無駄に刺激するのだった。 食事を済ませ風呂から上がりパンツ一丁の男はまりさと居間でテレビを見ながらゴロゴロしている。 おやつの笛ラムネを口にしたまりさはピープー音をたてていたので「うるさい」と言われ男に足で軽く蹴られた。 「ゆっくり王国」 まりさが一番好きな番組だ。色々なゆっくりやその生活を取り上げる番組だ。 オープニングタイトルが消えた後スタジオには中に人間が入っている巨大れいむとまりさのきぐるみがドスンドスンと 飛び跳ねている。 その中のコーナーの一つ「ゆっくりお宅拝見!」が始まった。 さまざまなゆっくりが人間の家で暮らしている様子を映し出している。 「この貧乏芸人の家で飼われてるれいむは悲惨だなぁ・・・おい見ろよなんだあの尋常じゃない色の布団のしみは」 「ゆぐ・・・あんなところでねたらかゆいかゆいだね」 「このゆっくり腹話術ってれいむの下から手つっこんでないか?」 「かんぜんにいっちゃってるね!このれいむはもうはいじんだよ!おおこわいこわい」 どうでもいいような話をしながらだらだらする一人と一匹。まりさは笛ラムネを歯で縦に割りバリバリと食べていた。 ボフッ 男が寝たまま放った屁をまともにくらい、「ゆぎゃあ!」と叫び後ろにのけぞるまりさ。 バシンバシンとまりさが尻に体当たりを始める。 「ブーブーはむこうむいてしてっていったでしょ!!!」 ゆっへっへとふざけて笑った男が再びまりさが体当たりしてきたタイミングでブッともう一発おみまいした。 「ゆぎゃぎゃぎゃ!!!」 ごろんごろんと転がるまりさ。 「へこきれみりゃはしね!」 鉢植えの土に敷いていた小石を口に含み男の尻めがけて吹き付ける。さすがに尻への体当たりは危険度が大きいことに気づいたようだ 「こらー散らばすなー、って、おいそんなことよりこのまりさすごいぞ。見ろ見ろ。」 テレビでは既に違うゆっくりが紹介されている。 大金持ちに飼われているゆっくりだった。 お城のような家で飼われているまりさがそこにいた。髪の毛の艶もすばらしく、肌の張りもステキだ。 まりさはテレビを見ながらボーっとして咥えていた小石をぽとりと落としてしまう。 「すごいゆっくりだね・・・まりさのようなしょみんとはべつじげんだよ・・・」 「庶民で悪かったな」 男は貧しいわけではない。むしろ普通より多く稼いでいた。ただ、贅沢を好まない性格なので飾り立てたり 無駄遣いをしないだけだった。単にケチというだけかもしれないが。 ただそれでもまりさ専用の部屋を用意するなどしているあたり余裕がある証でもあるのだが。 テレビの中のまりさは贅沢な装飾品を身に着けたり、高そうな食事を与えられたりしていた。 特注で作らせたゆっくり用天蓋付ベッドでくつろぐ金持ちまりさは優雅に「ゆふふふ」と笑っていた。 「おにーさん!まりさもあんなべっどほしい!!ほしい!!」 まりさは屁のことなどすっかり忘れて飛び跳ねて男に懇願している。 「おまえのベッドで充分だろが、いつも気持ちよさそうに寝てるだろ」 「ゆぐぐぐ!あのくっしょんはおにーさんがすわってぶーぶーするからくさいよ!あんなべっどのほうがいいよ!」 「だめだだめだ、そんなに欲しかったら自分で稼いだ金で買え」 「ゆぎぎぎぎ!」 歯軋りするまりさを無視して男は尻をかきつつテレビを見ている。 お宅拝見のコーナーが終わり次のコーナーへと移っていた。どこかの会社のオフィスらしい。 仕事をしている社員の後ろをゆっくりが歩いていた。 『こちらの会社では社員の癒しを目的としてゆっくりを導入しているそうです。このゆっくりれいむのお仕事は 社員を和ませること。そして簡単な雑務ならこなしちゃうんですよ~すごいですね~広報としてパンフレットにも 登場しちゃったりしています』 レポーターがそう言うと穏やかな顔つきのれいむが 「れいむのおしごとはみんなをゆっくりさせることです!ゆっくりしていってね!」 そう元気よく叫んだ。 場面が変わって休息室でコーヒーを飲んでいる社員がゆっくりの頭をなでている場面が映る。 また別のゆっくりはゆっくり用の台に乗ってコピーまで取っているではないか。 更に別のゆっくりに至っては受付に鎮座し来客に「いらっしゃいませ!」と挨拶をしている。 プレゼン資料を客の数だけまとめてホチキスで留めているゆっくりまでいた。 ひらがなくらいしか読めないゆっくりだが、同じ図柄の紙をそれぞれまとめる程度は出来るようだ。 そのゆっくりはなぜか眼鏡をかけていた。 『なんと!このゆっくり達はこの会社の社員なんです!みてくださいこの社員証を』 リボンについた社員証がアップになり、そこには「れいむ025」と書かれていた。 「このゆっくりは偉いなぁ~ちゃんと働いてるんだね~」 男は少し意地悪くそう呟く。 『しかもこの社員ゆっくりにはちゃんとお給料も出るそうなんです。すごいですね~』 男の意地悪い発言に苦虫を噛み潰したような表情をしていたまりさは「お給料」という単語に反応し、 これだっ!という顔をして叫ぶ。 「ゆゆゆゆゆ!!!!まりさもはたらく!はたらいておかねもちになる!!!」 「おまえが働く?馬鹿言うんじゃないよ。おまえ働くってどういう事かわかってるのか?あ~ん?」 足の先でまりさの頭をぐりぐりしながらからかう男。 「しつれいだね!まりさははたらきたいんだよ!おかねをかせいでおにーさんをたべさせてあげるんだから!」 「ウヒャヒャヒャ!いいねぇ~ゆっくりのヒモかぁ~やれるもんならやってみな~」 相変わらずまりさをからかい続ける男はニヤニヤと笑っていた。 ぷくーっと膨れたまりさはこう続ける。 「やってみなっていったね!?まりさほんきだよ!ほんきなんだからね!!」 男はたわごとだろうと高を括りニヤニヤしたままだった。 「あとおにーさん!ぱんつのすきまからたまたまがまるみえだよ!ぷぷっ!」 まりさの顔に真正面から蹴りが入った。 翌朝 騒がしい音がして男が目を覚ます。 「なんだこんな朝早くから・・・うるせぇな・・・」 眠い目を擦り音のする方を見るとまりさが大量の新聞紙やらちらしを広げて何やらやっている。 「・・・おまえ何やってんだ?」 「ゆっ!おはようおにーさん!まりさはおしごとのれんしゅうしてるんだよ!」 見ると顔の中央に男の足型がうっすらと残ったままのまりさが回収に出そうと部屋の隅に積んでいた新聞とチラシの山を解き、 社会面、スポーツ面、経済面、そして同じような色合いのチラシごとにそれぞれまとめていた。 「きのうのてれびであのこがやってたのとおなじことできたよ!すごいでしょ!」 まりさは腹(?)を突き出すようにしながらフガフガと鼻息を荒くしている。 「ほっほー・・・おまえなかなかやるなぁ。つうか本気で働きたいのか?」 「ゆっきーーー!!ほんきだっていったでしょ!」 体を膨らませ抗議の意を表すまりさ。朝からかなりテンションが上がっている。 「ふうむ・・・よしわかった。そこまで言うなら試してみるか。ただしやるからには本気でやれよ」 まりさの熱意に男が折れた。あっさりと男が働くことを許可したせいかまりさは一瞬ぽかんと口を開けたままで 男を見つめていたが、その意味を理解し次の瞬間パァァと顔が明るくなり、体を縦に伸ばしてクネクネとねじり始める。 「ゆっきゃあああ!!これでまりさもおかねもちだね!!」 どうやら喜びの意思表示らしい。 その様子は少しキモかった。 「さて、んでどこで働くつもりなんだ?」 「ゆっ、きのうてれびでやってたところがいいよ!」 「昨日の?どこだっけ・・・ああ、日本ミラクルか。確か最近青山に自社ビル建てたんだっけかな・・・青山なら通勤途中だし まぁいいか・・・どれどれ」 PCを起動しブラウザから会社のサイトを開き「採用情報」をクリックする。 新卒採用、中途採用、障がい者採用・・・・ゆっくり採用 思わず飲んでいたお茶をブッと噴出す。 わかっていて開いたページだが改めて「ゆっくり採用」などと書かれていると滑稽で仕方が無い。 「ゆっくり採用専用ページ」をクリックすると、微笑んだまりさとれいむが「ゆっくりはたらこうね!」という台詞と 共に表示された。 「ゆっーー!!!すごくゆっくりしてそうだよ!おにーさんはやくはやく!」 いつのまにか机の上に上り一緒にモニタを見ていたまりさが興奮気味に男をせかす。 【職務内容】 社員に対する福利厚生を目的とした活動全般 広報活動へのサポート 平易な雑務(能力による) 【応募資格】 年齢:成体ゆっくり 経験:問わず(労働経験あれば尚可) その他:飼いゆっくり登録済み、穏やかな気性、協調性必須、ありす種は去勢済みであること 【語学力】 ひらがなの読解力(漢字、英語の読解力があれば尚可) 【勤務時間】 3日~5日/週 9 00-17 30 【待遇】 15,000円~/月(昇給あり) 契約社員 「うわぁ、割と本格的だな・・・ところで英語を話せるゆっくりはいるのだろうか・・・?」 「おにーさん!どうなの?まりさだいじょうぶ?」 モニタの横でぼよんぼよんと跳ねながらはしゃぐまりさ。 うるさいので頭を手でぎゅうと押し付けながら詳細を確認する。 「ふうむ・・・一応おまえは条件的にはクリアはしているな。おい、おまえ協調性あるのか?」 「ぐむむびゅ・・・ぎょーぢょーぜいでなあに」 押さえつけられたままのまりさが半分潰れたまま質問する。いつもならこんなことするとすぐに怒り出すまりさだったが 今は希望に満ちているのか気にもとめてないようだった。 「ああ、すまんすまん、ええと他のゆっくりや人間と一緒に仲良くしたり、いう事聞いたりできるのか?」 「もちろんだよ!まりさはともだちのれいむやぱちゅりーとなかよくしてるよ!それにおにーさんみたいな いじめっこのいうこともちゃんときいて・・・」 再び手で押さえつけられてむぎゅうと言って黙る。 「まぁ確かにそうだな、おまえは他のゆっくりとも喧嘩しないし大丈夫かなぁ~って、あ・・・」 【今期のゆっくり採用の募集は終了しました】 「ハイ残念でした・・・・もう募集は終わったってさ。」 「ゆがーん・・・!!!」 ショックでそのまま机の上からぼたっと床に落ちる。 「ゆっくりした結果がこれだったな。」 落胆したまりさはしばらくふてくされて横になり、ぐでっと溶けたアイスクリームみたいになっていたが のそりと起きると男に向かって口の端をゆがめてこう言った。 「・・・はたらいたらまけかなっておもってるよ・・・」 おしまい 続く(のか?) =============== あとがき 虐待らしい虐待がありませんでしたが、まぁこういうのもいいかなと思いました。 斬新な虐待方法が浮かばなかったというのもありますが。 飛び散る餡子を望んでいた方々申し訳ない。 これまでに書いたもの うんうんの報い ゆっくり罠地獄その1 by ゆっくりジェントルマン このSSに感想を付ける
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俺設定入ってます 悪いゆっくりが懲らしめられます。善良ゆっくりは助かります 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 と八百屋の前に現れたのはれいむ、ちぇん、そして赤れいむ3匹、赤まりさ3匹。 れいむの夫はまりさ。ちぇんは彼らの親友である。だから赤まりさがいるわけだ。 ところで、このゆっくり達は野菜をたかりに来たわけではない。この八百屋で働いている、いわばアルバイトさんだ。 「ああ、ゆっくりがんばってね」と八百屋お兄さんが声をかける。 このれいむ達はゆっくりなのに極めて知能が高い。その上物覚えも良く、礼儀正しいときているので客商売をやる上では十分だ。 彼女らはアルバイト代である“おやさい”をもらうために精一杯がんばる。もらえる食糧は微量であったが、 乱暴ながらも自分たちのためにたくさんの食べ物を持ってきてくれるまりさの役に立とうと八百屋で働いているのだ。 「ゆっくりかっていってね!!!」 れいむは主にカウンターでお兄さんと共に客と顔を合わせ、、野菜を袋に詰めたりする。 このれいむは“いちおく”までの数ならわかるので勘定を任せてもいいのだが、万引きが怖いので任せない。 「ゆっくちえりゃんでいっちぇね!!!」 赤れいむ達は看板娘?だ。 「このきゅうりとってもとげとげがするどいでしょ!だからしんせんでおいしいんだよ!わかるねー?」 ちぇんは愛想のよさで野菜を客に勧めたり、世間話をしたりする。 またその身体能力で野菜の積みおろしや陳列をしたり、たくさん買っていった客の野菜を家まで運んだりする。 そんな彼女らがより有効に働けるよう、お兄さんもあるものを発明した。 ゆっくり達でも扱える荷台、その名も「にだィー」である。 良くその辺で見かける運搬用の荷台のハンドルに代わり、スィーが前側に取り付けられている。 荷台に野菜を載せ、取り付けられたスィーの4つのスイッチを踏み分けて前後左右に動き、荷台を引っ張っていく。 これによってちぇんは野菜を客の家まで運ぶことができるし、野菜の陳列も手伝うことで作業効率が向上する。 さらにゆっくりスイッチを押せばゆっくり走るし、ゆっくりしないで押せばゆっくりしない。実に最大で秒速にして10m。 これで客が虐待お兄さんだったとしても、よほどのことがない限り逃げ切れる。ゆっくり達もにだィーを操るため、必死で練習した。 そんなこんなで、この八百屋は「ゆっくり八百屋」として評判になった。 ある日 「おにーさん、まりさがいっしょにはたらきたいっていってたよ!まりさはちからもつよいしたよりになるよ!」 れいむが言ってきた。れいむの夫ならば賢いのだろう。お兄さんはそう信じ、まりさが働くことを許した。 しかし、その期待は裏切られないと始まらない。 まりさの働きぶりはパワフルで素晴らしかった。しかし当然問題点もあるわけで。 「まりさ!どうしておやさいをたべちゃうの!これはおきゃくさんのためのおやさいなんだよ!」 「まりさがたべちゃうとおにーさんもこまるんだよ、わかるねー?」 「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!まりさはおなかがすいてたんだしまりさがはこんだんだからまりさのものなんだぜ!!」 事もあろうにまりさは売り物の茄子に手をつけた。お兄さんやれいむ達はまりさに食べてはいけない、ときちんと忠告しておいた。 だがそれは意味を成さなかった。このまりさは働いているれいむ、ちぇんに比べて著しくモラルに欠けている。 そう理解したお兄さんはれいむに「もうまりさは連れてくるな」ときつく言った。まりさにはしかりながら、一発平手打ちをした。 次の朝。 泣きながられいむとちぇん、赤れいむと赤まりさはやってきた。その背後には昨日のまりさがふんぞり返っていた。 「どうしでまりさをつれてきたんだ!つれてきちゃだめだっていったじゃないか!」 お兄さんは怒鳴る。 「ごべんなざい!ばりざがづいてくるっていっできがながったんでず!!!!!」 「ぢぇんだちじゃばりざにがなわ゛ないんだよ、わかってよー!!!」 どうやらまりさは無理やりついてきたようだ。良く見ると顔のあちこちに争った跡が残っている。 しかし八百屋の朝は早い。オレンジジュースと小麦粉で応急処置を施し、仕事に取り掛かる。 まりさは昨日の茄子の味が忘れられなかったようで、まだ余韻に浸っていた。そして仕事もろくにせず、搬入されてくる野菜を眺めている。 ついに今度はトマトをひとかじりした。感激しているようで、ご満悦の表情で涙を流し、「しあわせー!」とかほざいている。 お兄さんは見逃さない。まりさの髪の毛をわしづかみにする。 「なにするんだぜ!まだとまとをたべてないからはやくはなせくそじじい!!」 無視。そのまま店の裏に連れて行く。 まりさは髪をわしづかみにされたまま、お兄さんとのやりとりが始まる。 「昨日あれほど言ったよね?ここの野菜を食べちゃだめだって。」「しらないんだぜ!まりさはおやさいがたべたいんだぜ!」 「れいむにもついてくるなって言われたはずだよね?」「そんなのかんけいないんだぜ!おいしいおやさいがあるのになんできちゃいけないんだぜ!!?」 もう働くなんてことはまりさの頭から消え去っているようだ。 お兄さんはそのまままりさの頬に平手打ちを食らわせる。何回も何回も。 バシィッ!「ゆびぃ!?」ベシィッ!!「ゆびょおっ!?」ビシィッ!!!「ゆぶぅっ!?」 バシバシィッ!!!!「ゆべべえぇっ!?」ビシイイイイイィィィィィィ!!!「ゆびひいいいぃぃぃぃ!!!???」 まりさの目からは涙があふれ、頬は腫れ、口からは少し餡子がはみ出ていた。 「おに゛い゛ざん…。も゛うゆるじでほじいんだぜ……。」まりさが力無い声で言う。 お兄さんは何も言わず、まりさをボウリングの要領で構える。道はまっすぐ。障害物もなく、このままいけば森へまっしぐらだ。 「もう二度と…、」 高く振りあがるあの腕!貴方は…。 「来るんじゃないいいぃぃぃっっっっ!!!!!」 「ゆあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」 ボウリングの球。まりさは森に向かってものすごい勢いで転がって行った。まりさが止まったのは500m先だったという。 さらに次の日。 やはりまりさは来ていた。今度は自分をゆっくりさせないじじいに見つからないよう、お兄さんが客に話しかけている隙を狙う。 「プラチナが最近暴落しているようですわねぇ。」「自分にゃ関係のない話ですがね。」 (ゆっへっへ!やっぱりあのじじいはばかだぜ!)もはやあの賢いれいむの夫とは思えなかった。 まりさはバックヤード(と言うのか?)に侵入した。 あたりを見ると野菜が棚にところ狭しと積んである。例のにだィーもある。 まりさは早速そのへんの野菜にかぶりつこうとする。が、ちぇんに見つかってしまう。 「まりさ!なにやってるんだよー!おしえてねー!」 ちぇんがまりさに詰め寄る。そこにれいむ、赤れいむ。赤まりさも集まり口々にまりさを責める。 そんな中、まりさの餡子脳では葛藤が始まっていた。 (なんでまりさがやさいをたべるのをじゃまするんだぜ!) (だいたいれいむたちがもってくるおやさいなんてすくなすぎでまりささまのあしもとにもおよばないんだぜ!) (そうなんだぜ!れいむたちはまりさをゆっくりさせないてきなんだぜ!) チーン。まりさの中で結論が出た。まりさは結論に従い、逆ギレした。 「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!まりさをゆっくりさせないくずはゆっくりしね!!!」 「ゆがあっ!?」 まりさはれいむに体当たりする。思いっきり壁に打ち付けられた衝撃で、かぼちゃが棚から飛ぶ。 「どぼじでごんなごどずるのお゛お゛お゛!!!」 れいむがこんなことを言っている間に、にだィーの前進スイッチにかぼちゃが勢いよく落ちた。 そのとき、にだィーはなんと暴走を始めた!その先にはまりさ! ボンッ!「ゆごえぁっ!!??!?!?」 まりさはにだィーにはねられ壁に打ち付けられ、横たわる。しかし倒れているまりさに容赦することなくにだィーは突っ込んでくる! にだィーは壁にぶつかり、タイヤでまりさを轢いた。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!!!!!」高速で回転するタイヤに、まりさは顔からどんどん削られていく! 「だずげででいぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!」 まりさがへこんでいくうちに、断末魔は聞こえなくなった。そして 「ど…じで…んな…どに………。」 まりさはついに真っ二つにされてしまった。れいむもちぇんも白目をむいている。だが赤れいむと赤まりさは違った。 「おとーしゃんをころすゆっきゅりはおかーしゃんじゃないよ!!ゆっくちちね!!!」 「どぼじでぞんなごどいうのお゛お゛お゛お゛!!!!」 れいむはさっきまりさに体当たりされ、にだィーを飛び越えるようにして吹き飛ばされた。そのれいむの前からにだィーが発進したため、赤れいむ達には親れいむが殺した様に見えたのだろう。 口ぐちにれいむをせめる赤れいむと赤まりさ。その時ついにまりさを轢き、空回りしていたにだィーの右タイヤが2つ、飛んできた。それは運悪く赤れいむ2匹に直撃し、そのまま赤れいむは砕け散った。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!」 「ゆっぐぢでぎないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!」 「あがぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!!!」 残った赤れいむ、赤まりさは家族が死んだという恐怖から逃れようと、にだィーの横を通り抜けて逃げようとした。しかしにだィーは左タイヤだけになっている。 さらににげる赤れいむはにだィーの右を通ろうとしていた。ならば・・・。 「どぼじでごっぢにくりゅのおおおおお!!!???」 にだィーは軌道を変え、赤れいむたちに突っ込んでくる。赤れいむの赤まりさも轢かれ、全滅した。 そこに騒ぎを聞いたお兄さんが登場。 「おい!どういうことだ!大丈夫か!!」 「あがぢゃあぁん…。ばりざぁ……。」 「わからないよぉ………。」 お兄さんはとりあえずれいむ、ちぇんを落ち着かせようと話しかける。 「れいむもちぇんも悪くないよ。これは事故。でも家族が死んだ場所で働くのは悲しいだろう。暮らしていける分の野菜はあげるから、もうここには来ずにゆっくりできるところに行っていいんだぞ。」 「おにいさぁん…。」れいむもちぇんも明らかに元気をなくしていたが、最後に一言言った。 「でもわすれないでね…。まりさもあかちゃんたちもわるいこだったけどみんなれいむたちのだいじなかぞくだったんだよ…。」 「わかってよ…。」 お兄さんは静かに頷いた。 このSSに感想を付ける