約 3,545,431 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri/pages/115.html
iヽ、 ____」____ゝ'´/' \ /| ヽ. _/___/___ \/ <Y---r二二二二ハ.フ. ,.L__ | i L-」 l 7> /  ̄' 'ー---─' `ヽ. よく来たな。ここはゆっくりwikiの ./ ,. ⌒ヽ. ', 歴史をまとめておく場所だ。 ,' / / ‐/- i i `ヽ!. 短期間でのwikiの成長ぶりをゆっくり実感してくれ。 i i !/ア!-;!、ハ ハ-!、.i . i. | ハ .! (ヒ_]' レ'ヒ_ン;!、i i | | i レ' !"" ,___, ""/レ'ヽ! | ! .|ハ、 ヽ _ン / | .| | ./i | !>、._ _,,.. イ .| | | ,.、 __ .| ./ !,..-| |'´/ヽ二ン`7ー、| |. | i !,,.-''" ノ |/ / .| |〈 イ V !〉 `i ト、! .! ヽ -=ニ__ .!r〈_ !,ヘ! ヽヘハ ;イノ ;ヽ! ヽ,! ! ‐--,' !.ゝr、__r、i / ハ Y i r/ ヽ ー,--' !/ 、/ヽ; 〈 ハ ', ;イ、_ /! 7`  ̄ .〈 ヽ、/ ヽ/Vヽ、〉 ! !`ー,ヽ-' .レ\ ,.イ`ヽ ハ ハ、 |ノ ゆっくりwikiでの出来事 緑文字 東方project関連での出来事 橙文字 ガイドライン板での出来事 赤文字 初代東方板での出来事 青文字 二代目東方板での出来事 空色文字 三代目東方板での出来事 濃青文字 四代目東方板での出来事 水色文字 ネタ関連の出来事 黒文字 東方板移転騒動 紫文字 その他の出来事 灰文字 ■ゆっくりwikiの歴史一覧■ +2008年前半の出来事 2008/2/2 サイト「2ch全AAイラスト化計画」にてゆっくりが描かれる 2008/2/3 ガイドライン板★初代スレが立てられる 〃 東方シリーズ板◆初代スレが立てられる 2008/2/7 ガ板まとめサイトが設立される 2008/2/8 ガイドライン板★2スレ目 2008/2/10 ガイドライン板★3スレ目 2008/2/12 東方シリーズ板◆2スレ目 2008/2/13 ガイドライン板★4スレ目 2008/2/17 ガイドライン板★5スレ目 2008/2/20 東方シリーズ板◆3スレ目 2008/2/21 ガイドライン板★6スレ目 2008/2/24 ガイドライン板★7スレ目 2008/2/26 ガイドライン板★8スレ目 2008/2/29 ガイドライン板★9スレ目 〃 東方シリーズ板◆4スレ目 2008/3/3 ガイドライン板★10スレ目 2008/3/5 ガイドライン板★11スレ目 2008/3/6 ガ板まとめサイトが規約違反のため停止、しばらく音沙汰がなかった 2008/3/7 ガイドライン板★12スレ目 2008/3/9 ガイドライン板★13スレ目 2008/3/11 ガイドライン板★14スレ目 2008/3/13 ガイドライン板★15スレ目 2008/3/14 ガイドライン板★16スレ目 2008/3/16 ガイドライン板★17スレ目 〃 東方シリーズ板◆5スレ目 2008/3/18 ガイドライン板★18スレ目 2008/3/19ごろ ガイドライン板でwiki計画が提案される 2008/3/20 ガイドライン板★19スレ目 〃 東方シリーズ板、スレッドリセット 〃 東方シリーズ板◆6スレ目 〃 ガイドライン板まとめサイトがfc2へ引っ越し 〃 ゆっくりwikiが設立される 2008/03/22 wiki会議室で東方板との共有化が決定 2008/3/23 ガイドライン板★20スレ目 2008/3/27 ガイドライン板★21スレ目 2008/4/1 ガイドライン板★22スレ目 2008/4/2 アクセス数20000HIT 2008/4/4 wiki会議室でゆっくりAAの蒐集自由が成立 2008/4/5 ガイドライン板★23スレ目 2008/4/6 美鈴にナイフが七本アッー!!! 〃 東方シリーズ板◆7スレ目 〃 アクセス数30000HIT 2008/4/7 春休み終了の影響なのか、ガ板に荒らしらしき人が増える 〃 ゆっくり村が聖火リレーに巻き込まれて全焼する 2008/4/8 ガイドライン板★24スレ目 〃 うどんげミサイルがゆっくり村に突っ込み、村と共に消滅した 〃 美鈴の時報が終了した 〃 東方シリーズ板でキモんげに拒絶反応が出始めた 2008/4/11 第一次東方板移転騒動が始まる(516から) 2008/4/12 「この際東方シリーズ板を潰してしまおう」というVIPPERが現れる 〃 東方シリーズ板がそのVIPPERの事で大混乱になる 〃 「東方Project板」とやらが発見される。しかし管理人が不在のため管理人の物か分からなかった 〃 発見された板が東方板管理人の物と発覚する 〃 第一次東方板移転騒動が鎮まった 〃 東方シリーズ板住人が東方Project板へと移動開始 〃 東方Project板◆8スレ目 〃 アクセス数40000HIT 2008/4/13 ガイドライン板★25スレ目 2008/4/19 ガイドライン板★26スレ目 2008/4/25 ガイドライン板★27スレ目 2008/4/29 「東方緋想天」体験版WEB公開 2008/5/1 ガイドライン板★28スレ目 2008/5/7 ガイドライン板★29スレ目 2008/5/11 アクセス数70000HIT 2008/5/12 ガイドライン板★30スレ目 2008/5/15 東方Project板◆9スレ目 2008/5/17 ガイドライン板★31スレ目 2008/5/18 凛が東方板管理から手を引く事を発表する 〃 第二次東方板移転騒動 〃 三代目東方板「東方幻想板」が設立される 2008/5/19 東方幻想板◆10スレ目 2008/5/22 ガイドライン板★32スレ目 2008/5/24 アクセス数90000HIT 2008/5/25 第五回 博麗神社例大祭にて「東方地霊殿」体験版頒布、「東方緋想天」発表。 〃 ガイドライン板★33スレ目 2008/5/28 真・女神転生IMAGINEの公式HPにゆっくりが登場 2008/5/29 ガイドライン板★34スレ目 〃 アクセス数100000HIT※ 2008/5/30 アクセス数110000HIT 〃 ゆっくりwikiバナープロジェクト始動 2008/6/1 アクセス数120000HIT 2008/6/2 ガイドライン板★35スレ目 2008/6/3 wikiトップページにて比那名居てんこの天気予報開始 2008/6/5 アクセス数130000HIT 〃 ガイドライン板★36スレ目 2008/6/8 アクセス数140000HIT 〃 ガイドライン板★37スレ目 2008/6/11 ガイドライン板★38スレ目 2008/6/12 アクセス数150000HIT 2008/6/14 ガイドライン板★39スレ目 〃 東方幻想板◆11スレ目 〃 ゆっくりwiki代表バナー確定 2008/6/15 アクセス数160000HIT 2008/6/17 ガイドライン板★40スレ目 2008/6/18 アクセス数170000HIT 〃 姉妹wiki 難民AAまとめwiki設立 2008/6/20 ガイドライン板★41スレ目 2008/6/21 アクセス数180000HIT 2008/6/22 ガイドライン板★42スレ目 2008/6/24 アクセス数190000HIT 2008/6/25 東方幻想板◆12スレ目 〃 ガイドライン板★43スレ目 〃 射命丸文の改変 きめぇ丸が大ブレイク 2008/6/27 アクセス数200000HIT 2008/6/28 ガイドライン板★44スレ目 2008/8/16 「東方地霊殿」体験版WEB公開 2008/6/30 ガイドライン板★45スレ目 +2008年後半の出来事 2008/7/1 アクセス数210000HIT 〃 比那名居てんこの天気予報終了 〃 姉妹wiki ゆっくり愛で専用Wiki 設立 2008/7/4 ガイドライン板★46スレ目 〃 アクセス数220000HIT 2008/7/8 東方幻想板◆13スレ目 〃 アクセス数230000HIT 2008/7/9 ガイドライン板★47スレ目 2008/7/12 ガイドライン板★48スレ目 〃 アクセス数240000HIT 2008/7/15 アクセス数250000HIT 2008/7/16 ガイドライン板★49スレ目 2008/7/19 アクセス数260000HIT 2008/7/20 ガイドライン板★50スレ目 2008/7/22 アクセス数270000HIT 2008/7/23 東方幻想板◆14スレ目 〃 ガイドライン板★51スレ目 2008/7/26 アクセス数280000HIT 2008/7/29 ガイドライン板★52スレ目 2008/7/30 アクセス数290000HIT 2008/8/2 ガイドライン板★53スレ目 〃 アクセス数300000HIT 2008/8/5 アクセス数310000HIT 〃 ガイドライン板★54スレ目 2008/8/7 ガイドライン板★55スレ目 2008/8/8 東方幻想板◆15スレ目 2008/8/10 アクセス数320000HIT 2008/8/11 ガイドライン板★56スレ目 2008/8/12 アクセス数330000HIT 2008/8/14 ガイドライン板★57スレ目 2008/8/15 アクセス数340000HIT 2008/8/16 コミケにて「東方地霊殿」発表。新キャラ4名加入 2008/8/17 ガイドライン板★58スレ目 2008/8/19 アクセス数350000HIT 2008/8/20 東方幻想板◆16スレ目 2008/8/21 ガイドライン板★59スレ目 2008/8/22 アクセス数360000HIT 2008/8/24 ガイドライン板★60スレ目 〃 アクセス数370000HIT 2008/8/26 wiki特設ページにて秋姉妹によるオリキャラ姉妹の秋占い開始 2008/8/27 ガイドライン板★61スレ目 〃 アクセス数380000HIT 2008/8/29 アクセス数390000HIT 2008/8/30 ガイドライン板★62スレ目 2008/9/1 アクセス数400000HIT 2008/9/3 ガイドライン板★63スレ目 2008/9/4 アクセス数410000HIT 2008/9/6 NHK-BS2「ザ☆ネットスター!」にてゆっくりAAが登場(約10秒) 〃 アクセス数420000HIT 〃 ガイドライン板★64スレ目 2008/9/8 オリキャラ姉妹の秋占いがトップページに進出 2008/9/9 アクセス数430000HIT 〃 ガイドライン板★65スレ目 2008/9/11 東方幻想板◆17スレ目 〃 アクセス数440000HIT 2008/9/13 ガイドライン板★66スレ目 2008/9/15 アクセス数450000HIT 〃 ガイドライン板★67スレ目 〃 アクセス数460000HIT 2008/9/19 アクセス数470000HIT 2008/9/20 ガイドライン板★68スレ目 2008/9/22 アクセス数480000HIT 2008/9/23 ガイドライン板★69スレ目 2008/9/25 アクセス数490000HIT 2008/9/28 ガイドライン板★70スレ目 〃 アクセス数500000HIT 2008/9/29 東方幻想板◆18スレ目 2008/9/30 アクセス数510000HIT 2008/10/2 アクセス数520000HIT 〃 ガイドライン板★71スレ目 2008/10/4 アクセス数530000HIT 2008/10/5 ガイドライン板★72スレ目 2008/10/6 アクセス数540000HIT 2008/10/8 ガイドライン板★73スレ目 2008/10/9 アクセス数550000HIT 2008/10/11 ガイドライン板★74スレ目 2008/10/12 アクセス数560000HIT 2008/10/14 ガイドライン板★75スレ目 〃 アクセス数570000HIT 2008/10/16 アクセス数580000HIT 2008/10/18 ガイドライン板★76スレ目 2008/10/20 アクセス数590000HIT 2008/10/21 ガイドライン板★77スレ目 2008/10/22 アクセス数600000HIT 2008/10/24 東方幻想板◆19スレ目 2008/10/25 アクセス数610000HIT 〃 ガイドライン板★78スレ目 2008/10/26 ガイドライン板★79スレ目 2008/10/28 アクセス数620000HIT 2008/10/29 ガイドライン板★80スレ目 2008/10/30 アクセス数630000HIT 2008/11/01 アクセス数640000HIT 〃 ガイドライン板★81スレ目 2008/11/03 ガイドライン板★82スレ目 〃 アクセス数650000HIT 2008/11/05 ガイドライン板★83スレ目 2008/11/06 アクセス数660000HIT 2008/11/07 オリキャラ姉妹の秋占い終了 2008/11/08 ガイドライン板★84スレ目 2008/11/09 ゆっくりwiki限定でYbox360専用ソフト『うつほといっしょ』が発売される 〃 アクセス数670000HIT 〃 ガイドライン板★85スレ目 2008/11/11 ガイドライン板★86スレ目 〃 東方幻想板◆20スレ目 2008/11/12 アクセス数680000HIT 2008/11/13 ガイドライン板★87スレ目 2008/11/14 アクセス数690000HIT 2008/11/15 ガイドライン板★88スレ目 2008/11/17 アクセス数700000HIT 2008/11/18 ガイドライン板★89スレ目 〃 AA渡し職人交流所が会議室の議決に基づき、廃止される 2008/11/20 アクセス数710000HIT 2008/11/21 ガイドライン板★90スレ目 2008/11/23 アクセス数720000HIT 〃 ガイドライン板★91スレ目 2008/11/25 アクセス数730000HIT 〃 ガイドライン板★92スレ目 2008/11/28 アクセス数740000HIT 〃 ガイドライン板★93スレ目 2008/11/30 アクセス数750000HIT 2008/12/01 ガイドライン板★94スレ目 2008/12/02 アクセス数760000HIT 2008/12/04 アクセス数770000HIT 2008/12/05 ガイドライン板★95スレ目 2008/12/07 アクセス数780000HIT 〃 ガイドライン板★96スレ目 2008/12/09 アクセス数790000HIT 2008/12/10 東方幻想板◆21スレ目 2008/12/12 ガイドライン板★97スレ目 〃 アクセス数800000HIT 2008/12/15 アクセス数810000HIT 2008/12/16 ガイドライン板★98スレ目 2008/12/19 アクセス数820000HIT 2008/12/20 ガイドライン板★99スレ目 2008/12/21 アクセス数830000HIT 2008/12/24 アクセス数840000HIT 〃 ガイドライン板★100スレ目 2008/12/27 アクセス数850000HIT 2008/12/28 ガイドライン板★101スレ目 2008/12/30 アクセス数860000HIT +2009年前半の出来事 2009/1/2 ガイドライン板★102スレ目 〃 アクセス数870000HIT 2009/1/5 アクセス数880000HIT 2009/1/6 ガイドライン板★103スレ目 2009/1/8 アクセス数890000HIT 2009/1/11 アクセス数900000HIT 〃 ガイドライン板★104スレ目 2009/1/15 アクセス数910000HIT 〃 ガイドライン板★105スレ目 2009/1/17 アクセス数920000HIT 2009/1/19 ガイドライン板★106スレ目 〃 アクセス数930000HIT 2009/1/22 ガイドライン板☆107スレ目 〃 アクセス数940000HIT 〃 Wikiの総ページ数が1000を突破 2009/1/24 ガイドライン板★108スレ目 2009/1/25 東方幻想板◆22スレ目 〃 アクセス数950000HIT 2009/1/26 ガイドライン板★109スレ目 2009/1/28 アクセス数960000HIT 〃 ガイドライン板★110スレ目 2009/1/30 アクセス数970000HIT 2009/1/31 ガイドライン板★111スレ目 2009/2/1 アクセス数980000HIT 2009/2/3 ガイドライン板★スレ一周年 〃 東方板◆スレ一周年 〃 ガイドライン板★112スレ目 2009/2/4 アクセス数990000HIT 2009/2/5 ガイドライン板★113スレ目 2009/2/7 アクセス数1000000HIT 2009/2/9 ガイドライン板★114スレ目 2009/2/11 ガイドライン板★115スレ目 2009/2/14 ガイドライン板★116スレ目 2009/2/18 ガイドライン板★117スレ目 2009/2/22 ガイドライン板★118スレ目 2009/2/25 ガイドライン板★119スレ目 2009/2/28 ガイドライン板★120スレ目 2009/3/3 ガイドライン板★121スレ目 2009/3/3 東方幻想板◆23スレ目 2009/3/7 ガイドライン板★122スレ目 2009/3/8 第六回 博麗神社例大祭にて「東方星蓮船」体験版頒布 2009/3/9 ガイドライン板★123スレ目 2009/3/11 アクセス数1100000HIT 2009/3/12 ガイドライン板★124スレ目 2009/3/15 ガイドライン板★125スレ目 2009/3/18 ガイドライン板★126スレ目 2009/3/20 ゆっくりWiki1周年 2009/3/20 ガイドライン板★127スレ目 2008/3/21 『うつほといっしょ』開発者が同ソフトの終了を宣言 2009/3/24 ガイドライン板★128スレ目 2009/3/26 東方幻想板◆24スレ目 2009/3/31 ガイドライン板★129スレ目 2009/4/5 ガイドライン板★130スレ目 2009/4/9 ガイドライン板★131スレ目 〃 静葉が永遠亭の診療所に入院 2009/4/14 ガイドライン板★132スレ目 2009/4/17 アクセス数1200000HIT 2009/4/18 東方幻想板◆25スレ目 2009/4/19 ガイドライン板★133スレ目 2009/4/24 ガイドライン板★134スレ目 2009/4/30 ガイドライン板★135スレ目 2009/5/1 アクセス数1234567HIT 2009/5/3 東方幻想板◆26スレ目 2009/5/6 ガイドライン板★136スレ目 2009/5/11 ガイドライン板★137スレ目 2009/5/14 東方幻想板◆27スレ目 〃 ガイドライン板★138スレ目 2009/5/16 ガイドライン板★139スレ目 2009/5/18 ガイドライン板★140スレ目 2009/5/21 ガイドライン板★141スレ目 2009/5/24 アクセス数1300000HIT 2009/5/27 ガイドライン板★142スレ目 2009/6/1 東方幻想板◆28スレ目 2009/6/4 ガイドライン板★143スレ目 2009/6/10 ガイドライン板★144スレ目 2009/6/18 ガイドライン板★145スレ目 2009/6/24 東方幻想板◆29スレ目 2009/6/25 ガイドライン板★146スレ目 2009/6/29 アクセス数1400000HIT +2009年後半の出来事 2009/7/2 ガイドライン板★147スレ目 2009/7/8 ガイドライン板★148スレ目 2009/7/14 ガイドライン板★149スレ目 2009/7/19 「東方星蓮船」体験版WEB公開 2009/7/21 ガイドライン板★150スレ目 2009/7/25 ガイドライン板★151スレ目 2009/7/27 東方幻想板◆30スレ目 2009/7/31 ガイドライン板★152スレ目 2009/8/4 ガイドライン板★153スレ目 2009/8/5 アクセス数1500000HIT 2009/8/9 ガイドライン板★154スレ目 2009/8/15 コミケにて「東方星蓮船」、「東方非想天則」発表。新キャラ4名(+1匹)加入 〃 ガイドライン板★155スレ目 2009/8/19 ガイドライン板★156スレ目 2009/8/22 ガイドライン板★157スレ目 2009/8/23 東方幻想板◆31スレ目 2009/8/25 ガイドライン板★158スレ目 2009/8/29 ガイドライン板★159スレ目 2009/8/31 ガイドライン板★160スレ目 2009/9/05 ガイドライン板★161スレ目 2009/9/8 アクセス数1600000HIT 2009/9/10 ガイドライン板★162スレ目 2009/9/16 ガイドライン板★163スレ目 2009/9/23 ガイドライン板★164スレ目 〃 東方幻想板◆32スレ目 2009/9/27 ガイドライン板★165スレ目 2009/10/04 ガイドライン板★166スレ目 2009/10/8 Wikiの総ページ数が2000を突破 2009/10/12 ガイドライン板★167スレ目 2009/10/15 アクセス数1700000HIT 2009/10/21 ガイドライン板★168スレ目 2009/11/04 ガイドライン板★169スレ目 2009/11/17 東方幻想板◆33スレ目 〃 ガイドライン板★170スレ目 2009/11/24 アクセス数1800000HIT 2009/11/28 ガイドライン板★171スレ目 2009/12/6 ゆっくり魔法図書館の総棚数が1000を突破 2009/12/11 ガイドライン板★172スレ目 2009/12/20 東方幻想板◆34スレ目 2009/12/21 ガイドライン板★173スレ目 +2010年前半の出来事 2010/1/1 ガイドライン板★174スレ目 2010/1/3 アクセス数1900000HIT 2010/1/10 ガイドライン板★175スレ目 2010/1/22 ガイドライン板★176スレ目 2010/1/27 東方幻想板◆35スレ目 2010/1/28 ゆっくりし過ぎたキャラの数が20名に 2010/2/3 ガイドライン板★スレ二周年 〃 東方板◆スレ二周年 2010/2/6 ガイドライン板★177スレ目 2010/2/13 アクセス数2000000HIT 2010/2/22 ガイドライン板★178スレ目 〃 東方幻想板◆36スレ目 2010/3/14 第七回 博麗神社例大祭にて「ダブルスポイラー ~東方文花帖」発表。新キャラ1名加入 〃 ガイドライン板★179スレ目 2010/3/19 東方幻想板◆37スレ目 2010/3/20 ゆっくりWiki2周年 2010/3/27 アクセス数2100000HIT 2010/4/1 ガイドライン板★180スレ目 2010/4/10 東方幻想板◆38スレ目 2010/4/26 ガイドライン板★181スレ目 2010/5/14 東方幻想板◆39スレ目 2010/5/17 アクセス数2200000HIT 2010/5/18 ガイドライン板★182スレ目 2010/6/1 アクセス数2222222HIT 2010/6/5 ガイドライン板★183スレ目 2010/6/8 東方幻想板◆40スレ目 2010/6/24 ガイドライン板★184スレ目 +2010年後半の出来事 2010/7/4 東方幻想板◆41スレ目 2010/7/16 ガイドライン板★185スレ目 2010/7/24 アクセス数2300000HIT 〃 キャラ★メル Febriにて「東方茨歌仙~Wind and Horned Hermit.」連載開始。新キャラ1名加入 2010/8/4 東方幻想板◆42スレ目 2010/8/12 ガイドライン板★186スレ目 2010/8/14 コミックマーケット78にて「妖精大戦争 ~ 東方三月精」発表 2010/8/28 東方幻想板◆43スレ目 2010/9/9 ガイドライン板★187スレ目 2010/9/17 東方幻想板◆44スレ目 2010/9/26 アクセス数2400000HIT 2010/10/8 ガイドライン板★188スレ目 2010/10/13 東方幻想板◆45スレ目 2010/10/30 ガイドライン板★189スレ目 2010/11/7 東方幻想板◆46スレ目 2010/12/1 アクセス数2500000HIT 2010/12/3 ガイドライン板★190スレ目 2010/12/7 東方幻想板◆47スレ目 2010/12/31 東方幻想板◆48スレ目 +2011年前半の出来事 2011/1/9 Wikiの総ページ数が3000を突破 2011/1/11 ガイドライン板★191スレ目 2011/1/18 東方幻想板◆49スレ目 2011/2/5 東方幻想板◆50スレ目 2011/2/7 ガイドライン板★192スレ目 2011/2/10 アクセス数2600000HIT 2011/2/26 東方幻想板◆51スレ目 2011/3/20 ゆっくりWiki3周年 2011/3/21 ガイドライン板★193スレ目 2011/3/22 東方幻想板◆52スレ目 2011/4/23 東方幻想板◆53スレ目 2011/4/25 アクセス数2700000HIT 2011/5/8 ガイドライン板★194スレ目 2011/5/18 東方幻想板◆54スレ目 2011/6/3 東方幻想板◆55スレ目 2011/6/17 東方幻想板◆56スレ目 2011/6/29 ガイドライン板★195スレ目 +2011年後半の出来事 2011/7/6 アクセス数2800000HIT 2011/7/14 東方幻想板◆57スレ目 2011/8/12 東方幻想板◆58スレ目 2011/8/16 ガイドライン板★196スレ目 2011/8/29 東方幻想板◆59スレ目 2011/9/16 東方幻想板◆60スレ目 2011/9/22 ガイドライン板★197スレ目 2011/9/17 アクセス数2900000HIT 2011/10/5 東方幻想板◆61スレ目 2011/10/28 ガイドライン板★198スレ目 2011/10/31 東方幻想板◆62スレ目 2011/11/27 東方幻想板◆63スレ目 2011/11/29 アクセス数3000000HIT 2011/12/12 ガイドライン板★199スレ目 2011/12/29 東方幻想板◆64スレ目 +2012年前半の出来事 2012/1/8 サイト「2ch全AAイラスト化計画」のゆっくり魔理沙のイラストが更新される 2012/1/20 ガイドライン板★200スレ目 2012/1/24 東方幻想板◆65スレ目 2012/2/13 アクセス数3100000HIT 2012/2/19 ガイドライン板★201スレ目 2012/2/20 東方幻想板◆66スレ目 2012/3/8 東方幻想板◆67スレ目 2012/3/13 ガイドライン板★202スレ目 2012/3/20 ゆっくりWiki4周年 2012/3/23 ガイドライン板★203スレ目 2012/4/7 東方幻想板◆68スレ目 2012/4/17 ガイドライン板★204スレ目 2012/5/4 アクセス数3200000HIT 2012/5/5 東方幻想板◆69スレ目 2012/5/15 ガイドライン板★205スレ目 2012/6/11 東方幻想板◆70スレ目 +2012年後半の出来事 2012/7/18 東方幻想板◆71スレ目 2012/7/28 ガイドライン板★206スレ目 2012/8/3 アクセス数3300000HIT 2012/8/18 東方幻想板◆72スレ目 2012/9/2 アクセス数3333333HIT 2012/10/4 東方幻想板◆73スレ目 2012/11/6 アクセス数3400000HIT 2012/11/13 東方幻想板◆74スレ目 2012/12/19 東方幻想板◆75スレ目 2012/12/27 ガイドライン板★207スレ目 +2013年前半の出来事 2013/1/29 東方幻想板◆76スレ目 2013/2/19 アクセス数3500000HIT 2013/3/24 東方幻想板◆77スレ目 2013/5/7 東方幻想板◆78スレ目 2013/5/26 第十回 博麗神社例大祭にて「東方心綺楼」「東方輝針城」体験版頒布 新キャラ計4名加入 2013/6/5 東方幻想板◆79スレ目 2013/6/30 東方幻想板◆80スレ目 +2013年後半の出来事 2013/7/1 アクセス数3600000HIT 2013/8/4 東方幻想板◆81スレ目 2013/8/28 東方幻想板◆82スレ目 2013/9/30 東方幻想板◆83スレ目 2013/11/15 東方幻想板◆84スレ目 2013/12/27 東方幻想板◆85スレ目 +2014年前半の出来事 2014/1/11 アクセス数3700000HIT 2014/2/24 東方幻想板◆86スレ目 2014/4/22 東方幻想板◆87スレ目 2014/6/12 東方幻想板◆88スレ目 +2014年後半の出来事 2014/8/12 東方幻想板◆89スレ目 2014/8/12 アクセス数3800000HIT 2014/10/2 東方幻想板◆90スレ目 2014/10/19 ガイドライン板★209スレ目 2014/11/24 東方幻想板◆91スレ目 +2015年前半の出来事 2015/2/22 東方寄書板◆92スレ目 2015/6/7 東方寄書板◆93スレ目 +2015年後半の出来事 2015/10/10 東方寄書板◆94スレ目 +2016年前半の出来事 2016/03/10 東方寄書板◆95スレ目 +2016年後半の出来事 2016/07/18 ガイドライン板★210スレ目 2016/09/21 東方寄書板◆96スレ目 +2017年前半の出来事 2017/05/10 東方寄書板◆97スレ目 +2017年後半の出来事 2017/11/13 東方寄書板◆98スレ目 +2019年前半の出来事 2019/01/19 東方寄書板◆99スレ目 +2020年後半の出来事 2020/09/08 ガイドライン板★211スレ目 ◆第一次東方板移転騒動まとめ◆ 事の発端 スレが勝手にdat落ち扱いになる=スレリセット前と同じ状況 凛レス →板自体が容量いっぱいでもう少ししたらスレが立てられなくなる。 ※「過去ログ倉庫」が満杯であり「スレッド一覧」にはまだ余裕がある →何やら板の挙動もおかしいので、現在の板自体が壊れている可能性がある →よって①過去ログを消してこの板で続ける、②次の板を立てて引っ越す、の二択を凛は提案。 なぜか東方板自体が消滅するという噂が流れる なぜか凛が管理人をやめるという噂が流れる なぜか後継者争い勃発 何やらしたらばに勝手に板が立った模様 スーパー睡眠タイム V…VIPPER!!!→既にスレ立ては停止済み、問題無し 早漏後継者の仕業かと思いきや実は凛の立てたものだった Ω ΩΩ<な、なんだってー!!! ◆※100000HIT達成日、トップページにアクセス集中 5月28日「真・女神転生IMAGINE」の公式サイトで「ゆっくりしていってね!!!」登場。 それが29日にGIGAZINEが取り上げられゆっくりwikiが紹介される。 それに伴ってアクセスカウンターが急増。 トップページへの一日のアクセスが過去最高の9802を記録(当時の次点は例大祭当日。およそ2600)
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1771.html
Aパートを振り返る ユックレス達はかなりの数が倒されたものの、まだまだ数多く残っていた。しかし今現在、神社近辺にユックレス達はいなくなっている。 被害の多さに面食らって一時撤退しているようだ。 その元凶であるディケイネとその仲間のゆっくり・ゆっくらいだー達は神社に集結していた。 「ゆー…みんな、懐かしいね!」 「ちょっとした同窓会気分なんだぜ!」 「みんな…ありがとう。こんな所まで…」 「何を言ってるんですか。『ゆっくりさせたい』気持ち、それはどんなゆっくりも、ゆっくらいだーも同じです」 「たとえそれが違う世界、違う星であっても、だ」 「お姉さんには前に助けられたから、今度はれみぃ達が助ける番だよ!うー!」 「私の場合は『世界を破壊する者』だのなんだの言われて襲ってしまった侘びと…それから、おそらくこの世界にいる、 そんな事を言った奴への仕返しも兼ねてるな」 「俺も、だいたいそんなところだ」 「おっと、お話はそこまでみたいだよ。敵さん再攻撃に入るみたい」 モニターで状況を確認していたにとりが声を上げる。その言葉通り、一時後退したユックレス達は再び陣形を組みなおし、 神社に迫りつつあった。 「相変わらずすごい数だな…」 「ふん、何度何人かかってこようと最強のあたいがいる限り同じ事ね!」 「りぐるだって、あれから強くなったんだからがんばって戦うよ!」 「私だって、強くなったよ!…流石にまだ怪獣倒したり巨大化したりはできないけど」 皆が迎撃の覚悟を決める中、ディケイネが一歩前に進み出た。 「私が敵の大将を叩きにいくわ。みんなは後ろをお願い」 「床次さん、敵将がどこか知ってらっしゃるので?」 「ええ…」 ディケイネは鳥居をくぐり、まっすぐ前を見る。その視線の先にはこのユックレス部隊を率いる、先日紅里と接触したあの「隊長」の姿がある。 「この圧倒的物量でもって正面から叩き潰すつもりでいたんでしょうけど、当てが外れたようね」 その左右にグウヤ、かぐや、えーりんとファイク、193が並び立った。 「そういう事でしたら、私達が道を開きます」 「だから紅里さん、敵の大将はよろしくお願いしやす。後ろの守りは任せてくだせえ」 再び迫り来るユックレスの大軍団。ファイクと193はその全身から雷の力を放出し、一箇所へと集束させる。 「地香、いくわよ!」「いつでも!準備OKですぜ!」 そして二人は、その力をユックレス達へと向けて放出する。 「「ダブルライトニングバスター!!!」」 同時にかぐや、グウヤがそれぞれ5つの神宝の力を解放し、ファイク達と同じように一箇所に集める。後ろに控えているえーりんも そのサポートに回った。 「めぐ、合わせなさい!」「はい!」「バックアップは私が!」 そしてやはり、ファイク達と同じようにその力を前方のユックレス達に向かって放つ。 「「「カグヤ・エクステンション!!!」」」 次の瞬間、2本の極大レーザーが放たれユックレス部隊を飲み込み、蹴散らしていった。 「床次さん!」 「今です!」 「ありがとう!」 ディケイネは先の攻撃で出来た、敵本陣まで到達する道を駆け抜ける。周囲のユックレス達が穴を埋めようと移動してくるが、 ファイクやグウヤ達の妨害によりそれも敵わない。むしろ陣形を崩した事で統率が乱れ、集団としての力を発揮できていない。 左右と後方から迫り来るユックレス達は後方のチルノやりぐる、すいか達やうさ耳ゆっくり・簡略ゆっくり達が抑えており、 ユックレス達は数でこそ圧倒しているものの劣勢に立たされていた。 「狙いは司令部か!?」 「絶対に通すな!撃て!撃てーっ!」 しかし神社から離れ、敵陣深く入り込み、隊長の所まであと一歩というところで敵の守りが厚くなってきた。先ほどの攻撃もここまで 離れてしまえばだいぶ影響は小さくなるらしい。 「ちっ、もうちょっとだっていうのに!」 襲い掛かるユックレスを角でなぎ倒し、弾を避け、反撃しつつディケイネは呟いた。このままでは進撃に時間がかかりすぎる。 もともと数ではこちら側が圧倒的に劣っている。持久戦に持ち込まれては勝ち目は無い。多少強引だが、一気に強行突破してしまおうか、 そう考えたとき… 『スペルライドゥ!罪符「彷徨える大罪」!』 どこからか飛んできた弾幕に、周囲のユックレス達が弾き飛ばされる。 「このスペルは…!」 ディケイネは弾の飛び元を確認する。 「『ゆっくりできない世界』…」 そこにいたのは 「クソくらえだわ。こんな世界ならぶっ壊すのに協力は惜しまないわよ」 世界を巡るもう一人のゆっくらいだー、ディエイキ。 「加勢してくれるの?珍しい」 「さっきも言ったでしょ。私だって気に入らないのよこんな世界は。それに…」 ディエイキは後方を見る。その瞳に映るのは、奮闘するディケイネの仲間のゆっくり達。 「こんなすばらしい光景見せてもらったんだもの。お礼ぐらいさせてよね」 あのゆっくり達は全員ディケイネの味方。となれば、彼女が敵にまわる理由は皆無だ。こいつらしい、そう思ってディケイネはふっと笑う。 「じゃあここは任せたわよ、で子!」 「最終話くらいちゃんと呼びなさいよ!」 『ラストスペルライドゥ!ディディディディエーイキ!』 審 判 「 ラ ス ト ジ ャ ッ ジ メ ン ト 」 ディエイキの攻撃が最終防衛線を貫いた。 「くそっ、何としても通さん!行くぞ!」 「おう!」 「任せろ!」 それでもなお残った3人のユックレスがディケイネに迫る。 「うおおおおおおっ!」 「邪魔!」 最初に突進してきた一人を角でいなし、張り倒す。 「くらえ!」 「だッ!」 間髪入れずに襲い掛かった二人目は至近距離で弾を当てられ弾き飛ばされ、そのまま三人目にぶつかり体勢を崩させた。 「なに!?うおっ!」 「つってんでしょ!」 二人目の影からディケイネはジャンプし、三人目を踏みつけて更に高く跳ぶ。眼下には隊長、そして護衛のユックレスが数人。 「このまま一気に!」 『スペルライドゥ!旧史「旧秘境史 -オールドヒストリー-」!』 隊長らは必死に反撃の弾を撃つが、ハクタクフォームの弾幕はそれらを全て叩き落として敵中枢に降り注ぐ。 「ぐあああああああああああああああああっ!」 『隊長』といえど他のユックレス達と大きく能力に開きがあるわけではない。護衛もろとも、弾幕を浴びて倒れ伏せる。 その傍らに、着地したディケイネが近寄ってきた。 「ぐ……お…ディ…………ケイ…ネ…………この………世界を…………」 そこまで言って、隊長のユックレスは気を失った。 「…壊すわよ。私は、ディケイネだから」 敵の指揮官は倒した。新手が出てくる気配は無い。決着の光景だ。 しかし紅里は変身を解かず、気を抜く事も無い。彼女は知っている、これで終わりではない事を。 「いるんでしょ?出てきなさいよ」 停めてあった車に言い放つ。その陰から出てきた者…それは、ユックレスではなかった。 一頭身ではあるが、しかし、ゆっくりとも呼べるのだろうか。 「ディケイネ、まさかここまでとはな」 探偵帽のようなものを被ったそのゆっくりらしき者は、倒れている隊長たちを一瞥して言った。 「かつて巡った世界から仲間を呼び寄せる。まさかこんな能力を隠し持っていたとはな」 「50点ね」 「何?」 「私は歴史を創り出しただけ。ここと、今まで巡った全ての世界に『この世界と繋がる道が出来る』歴史をね。 でもその道は完全じゃあない。ゆっくりしか通れず、さらには『この世界をゆっくりさせたい』と思っている者しか通れない。 解る?確かにきっかけを作ったのは私の能力。だけど最終的にこの状況を導いたのは、ゆっくり達の、ゆっくりさせたいという思いよ。 …ついでに言うと、隠し持ってたわけじゃあなくて昨夜閃いたというか、解放されたというか、習得したというかまぁそんな感じね」 探偵帽は、少しだけ口元を歪めて笑ったように見えた。 「なるほど。なるほどな。どこまでも私と、この世界の障害となろうというのか、ゆっくり達め…」 「…ところでアンタ、いつまでその格好でいるワケ?もう必要ないでしょ」 探偵帽は、「ほう」、と顔を上げる。 「知っているのか」 「いろんな世界の歴史、ざっと見せてもらったわ。だから知ってるわよ、あんたが裏で色々やってた事。 ある時は学園にゆっくらいだーシステムの技術支援を行い、ある時はケガレを唆し、すいかややまめも騙したり…色々やってくれてたわね。 流石に全部関わってるわけじゃあなかったみたいだけど…アンタのその姿はそーいうちゃちぃ工作を行うための仮の姿。 その正体は…」 そこまで言った時、探偵帽の全身に亀裂が走った。びしびしと音を立てながらどんどんひびが入っていき、そこから真っ黒な煙が噴き出す。 やがて表面がずるりと崩れ落ち、その本体が姿を現す。 そいつの身体は黒と白の二色のみで形作られ、目は黒い部分と白い部分が反転している。そして表情はひどく不健康そうというか…憂鬱そうだ。 「このすがたになったのは、もうずいぶんとひさしぶりなきがするよ…」 気だるそうにそう呟き、深いため息をつく。つられてこちらの気分まで暗くなりそうだ。 「…歴史を見てもわからなかったんだけど、アンタ名前なんてぇの?」 「なまえか…かんがえたこともなかったな」 「じゃあこの私が名付け親になってあげる。そうね…『反転したゆっくり』という意味の『ユックリバース』というのはどう?」 かたかたと、音が鳴った。表情は変わらず、しかし僅かに身体が揺れているところを見ると笑っている…のだろう。 「どうやらほんとうにみたらしいね。このせかいの、わたしのれきしを」 『ゆっくりできない世界』。 今でこそこの世界はこの有様だが、実は昔はそんな事は無い普通の世界だった。 人の心にもゆとりがあって、ゆっくり達も普通にいて、そんなごくごく普通の世界。 だが、いつからだろうか。 『隣の奴より上に!街の奴らより上に!誰よりも上に!』 『もっと権力が欲しい!もっと財力が欲しい!もっと力が欲しい!』 『誰よりも速く!誰よりも強く!誰よりも優秀に!』 それは決して悪い事ではない。他者より秀でていたい、他者より富んでいたい、他者より上に立ちたい。人間であれば当然思う事だ。 だがこの世界のそれは明らかにおかしかった。本来一部の人たちであったり、あるいは一時的に思うだけ、心の底で静かに燃えるだけで あるはずのその感情は深く、広く、まるで伝染病のように世界中に広まり、人々の心に根を張った。 やがて人間たちは常にそれだけを考え、ゆっくりする事をやめていった。 この世界はかつて、そういう病気に罹っていた。 それがこの世界に起きた『異変』。いや、この世界に『起きている異変』。その病気は未だに治る事は無く、遂には世界そのものが ゆっくりできなくなるまで蝕んでいる。 そんな中、ゆっくりする事をやめ、拒絶した人間たちに絶望したゆっくりは一人、また一人と姿を消していった。 『ゆっくりさせてあげられなかった…』 『ゆっくりしてくれなかった…』 『ゆっくりする事を望まれなかった…』 『ならば何が望まれている?ゆっくりしたくないのなら…』 「…消えていったゆっくり達のその無念、怨念とでも言うべきかしら。それらが集まってひとつの形を成したのが…」 「このわたし。『ゆっくりさせるため』のゆっくりがはんてんした、『ゆっくりさせないため』のそんざい。ユックリバースというわけだよ」 この世界から、存在した事実・歴史ごと消えて行ったゆっくり達。代わりにこいつが現れ、その影響はこの世界だけにとどまらず 今や他の世界にまで波及している。 しかし、依代となる存在が現れた事で全ての元凶となった『病気』はこいつと一体化している。 つまり。 「そして、アンタを倒せばこの『ゆっくりできない世界』は破壊されて元々あった『ゆっくりできる世界』を取り戻す事が出来る。 ついでに他の世界がゆっくりできなくなる事もなくなる…とまでは行かないまでも、少なくともアンタの影響で発生する異変は起きなくなる」 「ごめいとう。いまきみは、まさにそのたびのさいしゅうもくてきをはたそうとしているわけだね」 ディケイネはメダルを取り出し攻撃態勢に入る。しかしユックリバースは、はっきりと倒すと宣言され、今まさに攻撃されようとしているのに 回避も防御も行う素振りを見せない。 あの陰鬱な表情のまま、ため息を一つ吐いただけだ。 『スペルライドゥ!転世「一条戻り橋」!』 おかまいなしに攻撃を開始する。圧倒的な物量で展開された弾幕が、次の瞬間にはディケイネに還っていく軌道をとる。 相手にしてみれば後ろから攻撃されている事になり、初見での回避は困難を極める。 だがユックリバースは、もともと回避するつもりなどなかった。 「これは…!?」 「…」 確かに弾は命中軌道に入っている。ユックリバースは微動だにしていない。しかし着弾するはずの全ての弾は、ユックリバースに 当たることなく…いや、実際には当たっているのだろうが。 「わたしはすべてをゆっくりできなくさせるもの。だんまくだってれいがいじゃない。すべてのこうげきは、わたしにふれたしゅんかんに ゆっくりできなくなりくちはてる」 その言葉通り、命中した全ての弾はその瞬間に跡形も無く消滅していっている。 「随分とまあ反則的な能力をお持ちで…!」 『スペルライドゥ!新史「新幻想史 -ネクストヒストリー-」!』 次のスペルを発動させ、弾幕を展開する。しかし嵐のようにばら撒かれたその弾幕も、ユックリバースに触れた瞬間次々と消滅していく。 「ちっ!」 「たしかに、わたしをたおせばきみのもくてきはたっせいできる。でもね」 ユックリバースが、動いた。繰り出してきたのはどこかで見た事のある雷撃。 「ウソでしょ、これってファイクの!?」 「それをはたすことはけっしてできない。なぜならわたしとたいじしたそのじてんで、きみはすでにチェスやしょうぎでいう 『つみ(チェックメイト)』のじょうたいにあったのだから」 ディケイネは放たれる雷撃に驚きながらも次々とそれを回避していく。もともと高かった戦闘力はハクタクフォームへの変身により 更に底上げされていた。 やがてユックリバースは攻撃手段を切り替える。次に撃ってきたのは 「氷!今度はチルノ!?」 チルノの放つ氷の弾丸、似ているというよりもそれそのものの攻撃を放ってきた。 「わたしのれきしをみたのだろう?わたしはこのせかいにかつてそんざいしたゆっくりたちのむねんと、こうかいと、 おんねんがあつまってうまれたそんざい。だから、このせかいにかつてそんざいしたすべてのゆっくりのちからをつかうことができる」 「それって…!」 こちらの攻撃は、奴に当てた瞬間に無効化(ゆっくりできなく)される。そしてあちらはこの世界にいた全てのゆっくりの能力を使える。 「まさに『詰み(チェックメイト)』って事…?でもね!」 襲い掛かってきた真っ黒な魔力の蝙蝠を撃ち落し、叩き落してディケイネは叫ぶ。 「諦めるわけにはいかないの」 ここで私が退いたなら。 ここで私が負けたなら。 世界は…この世界だけではない、自分がもといた世界、後ろで戦っている仲間たちのいた世界、全てがゆっくりできなくなってしまう。 そんな事、許せるはずも無い。 「そうかい」 ユックリバースは抑揚の無い声でそう言うと、9体の人形を出して自分の周囲に配置した。ありすの能力だろう。 そしてその9体+本体から同時に攻撃が放たれる。 紅い槍の投擲、虹色の弾幕、反魂の蝶、結界の束縛、五色の弾丸、不死鳥の炎、御柱、鉄の輪、フレア、無意識の弾幕。 「ぐぁあああぁぁぁぁあああぁぁぁっ!」 「…」 回避できるはずが無い。しかしユックリバースは一切手を緩めず、表情を変えずに攻撃を続ける。 攻撃は次第に激しさを増していく。一回攻撃するごとにすいかの能力で人形ごとその数を増やしているのだ。 10の攻撃が20、30、50、80と増えていく。容赦や加減などは全く無い。 メトロノームのように単調かつ正確なリズムで、ただ淡々と繰り返す。 しばらく…地形が変わるほど繰り返した後、一度手を止める。一体に戻り、人形も引っ込め、土埃が晴れるのを待って 攻撃によりできたクレーターを見下ろす。 「………………………く…………うぅっ………」 「しぶといね」 そこにはボロボロになりながらもかろうじて起き上がろうとしているディケイネの姿があった。 「ヒーローってのは………無敵なのよ…………」 「そんなにまでなって、まだあきらめないのかい?わかっただろう、きみではわたしにかてない。ぜったいに」 ずるずると身体を引きずってクレーターを登る。もはや跳ねる事すらままならない。ユックリバースは冷ややかな目でそれを見ていた。 「なおもたちむかう。わからないね。いじかい?」 「…それもあるわね。私けっこう意地っ張りだから」 クレーターを登りきり、傷だらけのディケイネと傷一つ無いユックリバースは再び対峙した。 「かちめがないのにあがくのは、ただのやけだよ」 「勝ち目が無い?いやー…案外そうでもないわよ」 ぼろぼろのディケイネは、口の端を吊り上げて「にっ」と笑った。その言葉と表情に、ユックリバースの眉がほんの微かに動いた。 「かてるとでも?そんなぼろぼろにされて?かりにきみがわたしのこうげきをなんらかのほうほうでよけられたとしても、 きみのこうげきはわたしにはとどかない。どうしてそうおもうことができるんだい?」 「どうしてって、そりゃアンタ…」 ユックリバースの光無き瞳を見据えてディケイネは言った。 「私がゆっくらいだーディケイネだからよ」 「…りゆうになっていないよ」 「ズーっと考えてた事があったの」 ユックリバースの呆れ声を無視して、ディケイネは続ける。 「ヒーローっていうのは、それを望む誰かがいるから成立するの。じゃあ私を望んでいるのは誰か、って。何個目かの世界の異変を 解決したとき、それは異変に巻き込まれた世界の住人じゃあないかと一応の結論をつけた。確かにそれもあったけど、本当に私を 望んでいる者は他にいた。この世界の歴史を見てようやく解ったの」 「…」 ディケイネはそこまで言って一息ついた。ユックリバースは口を挟む事も無くただ黙って聞いている。 「アンタよ、ユックリバース。ゆっくらいだーディケイネは誰よりも、アンタに望まれて成立している」 「わたしに?」 かたかたと音が鳴る。ゆっくりできる笑い方を忘れたユックリバースの、形だけの偽りの笑いが。 「おかしなことをいうんだね。わたしはいままさにきみをけそうとしているというのに。それだけではなく、いままでもなんどかかんせつてきに きみを、きみたちをけそうとしてきた。そのわたしがきみをのぞんでいる?」 「そりゃあ、私はゆっくりできない世界を破壊する者だもの。そこを守護する者として私を排除しようとするのは当然の事よ。 でもアンタは心のどこかで望んでいる。ゆっくらいだーディケイネを。そして同時に恐れてもいる」 「おそれる?わたしにきずひとつつけられないきみを?ありえないな」 「じゃあどうして、『今まで何度も間接的に私を消そうとしてきた』の?恐れる必要が無いならわざわざ出張ったりせずに、ノコノコやってくるのを 待ってりゃいいじゃない」 ディケイネは一枚のメダルを取り出した。 「こいつで、それを証明してやるわ」 「それで、わたしをこうげきするつもりかい?むだだというのに…」 「違うわ。間違ってるわよユックリバース。これは攻撃するためのメダルじゃあない」 「なに?」 ディケイネの取り出したメダル。どんな攻撃も通用しないユックリバースに対抗できる最後の切り札。 このメダルは、実は最初からポシェットの中に存在していた。 今まで気づかなかったわけじゃない、使い方が分からなかったわけでもない。効果ももちろん知っている。 『使いどころ』がどうしても分からなかった。『使い方』ではなく『使い道』が分からなかった。だから今まで使わなかった。 しかし今、確信している。このメダルを使うのは今まさにこの時で、このメダルでしかこの状況を打開する事は出来ない。 「そしてアンタ、結構抜けてんのね。大事な事に気づいてないわよ!」 ディケイネはそのメダルを掲げ、 「最初『が』最後!これでキメるわよ!」 ディケイネックレスのスロットへ挿し込んだ。 『ファースト・ユックライドゥ!』 「ゆっ!?」 「うー!?」 「これは…」 その時、ディケイネの遥か後方で戦い続けているゆっくり達は何かを感じ取った。ユックレス達には決して分からない何かを。 そして 「ウフフ…ここは任せて行ってらっしゃい」 「レティ…わかった、あたい行ってくる!」 チルノが 「むきゅー!れみぃ!」 「うー!わかった!」 れみりあが 「めぐ、出番みたいよ」 「はい、行ってきます!」 グウヤが 「姉上!レイセン!」 「解ってるわ。気をつけて行ってらっしゃい」 「ご武運を!」 よりひめが 「地香!ここは私に任せてカカッっとダッシュしてくるべき」 「合点!」 ファイクが 「先生!こいし!」 「ああ、急ごう」 「まったく、世話が焼けるわね!」 ゆイタニック号の3人が 「ちっこいゆーぎにパルスィ、わかってるね!」 「ええ」 「うん、行くよ!」 すいか、ゆーぎ、パルスィが 「ゆっ!」 「「「ゆっ!」」」 簡略ゆっくりの中の一人が 「りぐるにも、『言葉』じゃなくて『心』で分かったよ!」 りぐるが 「そうか…ならばこの俺も力を貸そう!」 やまめが 「…そういう事?なかなかわかってるじゃないの!」 ディエイキが そして 「まりさ!」 「真打登場なんだぜ!」 れいむとまりさが、ディケイネの下へと向かった。 「………」 自分の周囲に集結したゆっくり達を、ユックリバースはその光無き目で、つまらなそうに一瞥した。 「なにをするのかとおもえば…」 そしてまた、ふぅ…とため息をつく。 「ぜんいんでいっせいこうげきでもするつもりかい?『みんなのちからをあつめててきをたおす』。 たしかにいいさくせんだ、かんどうてきだね。でもむいみだよ。 ただしぶといだけのあいてならまだしも、わたしにはいっさいのこうげきはきかない。わかるかい?ゼロなんだよ。 いっぱつだろうがひゃっぱつだろうがおなじ」 「『攻撃するためのメダルじゃない』って言ったの、もう忘れたのかしら?みんな、準備はいいわね!」 集まったゆっくり達が頷く。 「いったになにを…」 ここに集ったゆっくり達が、これからやる事はただ一つ。 ファースト・ユックライド。最初からあった、攻撃用ではない、原初のメダル。 ユックリバースは気づいていない。あらゆるものをゆっくりできなくする能力によって如何なる攻撃をも無効化していたが、 声 だ け は 最 初 か ら 素 通 り だ っ た 事 を 。 ディケイネはカバーを閉じ、メダルの力を発動させる。他のどのメダルとも異なり、ロケットから発せられる音声は無い。 ファースト・ユックライド。最初からあった、攻撃用ではない、原初のメダル。その能力。 ゆっくり達の原点。 それはもちろん―――― 「「「「「「「「「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」 たった一言。 この一言を言うためだけに、『ファースト・ユックライド』のメダルはある。 「!?」 戦闘中においては、あまりにも意味の無い行為。ゆっくりする事を捨てたユックリバースにとって、想定外の行動。 だが、それを聞いたユックリバースは、確かに見た。 「あたいったら最強ね!」 今は冬。でっかい雪玉の上で、チルノがふんぞり返っている。 その隣で、チルノのよりやや小さい雪玉に乗ったウィノスがぎゃんぎゃん喚いている。 「でかけりゃいいってもんじゃないのよ!大事なのはバランスと美しさよ!」 「ふふん、大きい方が強いのよ!そんな事も知らないの?ばかなの?オリキャラなの?」 「ウフフフフ…」 雪玉で張り合ってるチルノとウィノスを尻目に、レティは一人黙々と食べ物の雪像を作って悦に入っていた。 そこへ緑色の髪をしたゆっくりが森の方から何かを運んできた。 「みんな、枝とかいろいろ拾ってきたよ!これで飾り付けしようね!」 「でかしたわ!これでさらに最強に!」 ここは図書室だろうか。本棚が所狭しと並んでいる。 「そう、それのもういっこ右…それよ!」 「うー!これだね!」 高いところにある本をれみりあが取り、ぱちゅりーの所へ運んでいく。 「むきゅー、ありがとう」 「あら、こんな所にいたの?」 「うー!お姉さん!」 そこに現れたのは館の主、レイチェル・スカーレット。 「ぱちゅりー。後で構わないからチェスのお相手、いいかしら?」 「望むところよ!今度は負けないわよ!」 「二人ともがんばれー!」 「応援してくれるのはありがたいけど、この前みたいに寝ぼけてチェス盤に体当たりかまさないでよ?」 「う、うー…れみぃもがんばる…」 襖を開けると、縁側にかぐやとえーりんが並んでいるのが見えた。 「ここにいらしたんですか」 「あら、めぐ。いらっしゃい」 「お団子持ってきましたよ。一緒に食べましょう」 包みを開けて、持ってきた団子を3人で食べる。 「綺麗な満月ですね」 「そうね。何度見ても飽きないわ」 「薬の評判はどう?」 「よく効くって好評ですよ。 …苦すぎなければもっといい、とも聞きますけど」 「ああ、あれ実はえーりんが嫌がらせでわざと苦くして」 「良薬は苦いんです!」 誤魔化すような大声に、めぐは「あはは」と苦笑した。 「じゃあ、みんなにはそう伝えておきますね」 「えーりんも自重しなさい」 「…心得ました」 「オーライオーライ…あー、そこ右。もうちょっと右。インド人を右に!」 「ふむ。ここも順調なようだな」 月の都を守る防護壁。その復旧工事現場によりひめが視察に来た。 「お疲れ様です、よりひめ様」 「状況は?」 「現在スケジュールどおりに進んでいます。特に問題は発生してません」 よりひめはその報告を聞いて満足そうに頷く。そこへとよひめも現れた。 「あれ以来、しばらくケガレは現れてないけど…準備は万全にしておかなくちゃね」 「ああ、その通りだ。これまでのように、これからもずっとこの都を守っていかなければならない。気を引き締めていかねばな… …ところで姉上。話は変わるが、私の桃がまたもやいつのまにかなくなっていたんだが…」 「とよひめ様ならそそくさと去っていきましたが」 「姉上ェェェェェェェェェ!」 れみりあ達がいたのとは違う、学園の図書室。その扉が開かれ、一人の少女が入ってきた。 「ゆっくりして…って、地香さんまた怪我してるし!」 「ええ、ちょいと取っ組み合いしちまいやしてね」 「救急箱!救急箱DEATHよー」 「りりー落ち着きなさい。それは救急箱じゃなくてきすめよ」 ゆかりから傷の手当てを受けながら、地香は図書室内を見渡した。以前とは比べ物にならないほど人とゆっくりが増え、 そしてそのほとんどは地香にとって見覚えのある者たちだった。 「ここも随分とにぎやかになりやしたね」 「あなたが見境無く助けたりするからよ。『にぎやかな図書室』って、なんかアレな感じね」 「図書室にとって迷惑な存在なのかー」 ゆかりは絆創膏を貼り、「はいおしまい」と言って治療を終えた。 「女の子がこんな傷だらけになって…でも、やめる気はないんでしょう?」 「ええ。いじめは大分減りましたが、無くなったわけじゃありやせん。見てみぬ振りはもう懲り懲りでさぁ…」 (そんな貴女に、ここにいる皆は惹かれたのよ。助けられたいじめられっ子だけじゃなく、改心した元いじめっ子までも。 すっかり学園のヒーローね。あれ、ヒロイン?) 「おーい、そこの妖怪!ひょっとしてローラか?」 「あれ、先生?久しぶりー」 呼び止められたローラが高度を落とし、海面近くまで下りてきた。 「懐かしいな。元気そうで何よりだ」 「そっちもね。先生はいま何してるの?」 「相変わらず海を漂っているよ。どうすべきかなかなか決まらなくてね…」 「軽いニートだよね」 「うっ…そういうローラはどうなんだ?」 ローラは腕を組んで目をつむり、「むー」と考える仕草をとった。 「こっちも最近ヒマでねー…やはりここはいつぞやみたく、平穏を享受する愚昧な人間どもに終わりなき恐怖の夜を…」 「あー、やめとけやめとけ。酷い目に遭うぞいつぞやみたく」 夕暮れ時、どこかの山中。一人のゆっくりが大木に向かって体当たりを繰り返していた。 「ふん!ふん!…ふぅ、今日はここまでにするよ!」 身体を思いっきり振り回して汗を散らす。それは、朝早くから修行していたゆーぎだった。 「でもその前に…」 ゆーぎは息を整え、右へと向き直った。 「パルスィ、いるのはわかってるよ!」 切り株へと向かって声を掛ける。それに応えて、パルスィの声が返ってきた。 「…よく気づいたわ。山篭りの成果が出てるみたいね」 そう言って、パルスィは姿を現した。 …ゆーぎの背後にある草むらから。 「方向は逆だけど」 ゆーぎの頬が、羞恥で赤く染まった。 月が美しい夜に、山の頂で酒を呑むゆっくり一人。雄雄しき二本の角を持つ、彼女の名前はゆっくりすいか。 「っかー!今夜の酒も美味いねぇ」 ひょうたんを口にくわえ、ぐいっと真上に持ち上げて一気飲み。 ぷはーっと息を吐いて夜空を見上げ、何かを懐かしむような顔を見せる。 「美味いけど…一人酒もそろそろ飽きたな」 そう呟くと、視線を天から地へと落とした。 そこにあるのは、この世界の幻想郷。 「久々に、下りてみるか」 そしてすいかは進み行く。下の連中にどうちょっかいをかけてやろうか考えながら。 日曜朝の公民館。そこには多くのゆっくりと人間の子供達が集まっていた。 「すみません、遅れました」 「ギリギリだね」 大きなスクリーンの前に多くの椅子が並べられた部屋に慌てて入ってきたその人間は、後ろの方にある席に座っている らんの隣に腰掛けた。 「いよいよだね」 「ええ…ありきたりな言葉ですけど、長かったようであっという間だった気がします」 今日はゆっくらいだーディケイネ、最終回の放映日。この町内では子供達のために、公民館の一室を使い 大型スクリーンによる上映会が開催される事となった。 やがてスクリーンに映っている時刻が放映時間の1分前を指し示す。 「しかし町内のこども会レベルとはいえこんな企画をやるなんて、よっぽど思い入れがあるんだね」 「はい…」 その番組も、今日で終わる。この上映会の発起人、かつてディケイネの脚本の一部を担当したこの人間は『あの日』の事を思い出し、 うっすらとその目に涙を浮かべた。 「まだ早いよ」 「…すみません」 そして、放映時間になる。騒いでいた子供たちも一斉に静まり、すべての視線がスクリーンに集まった。 最初に映ったのは番組前のお約束。 『ふぁぁ~~…』 かつてのエピソードで登場した、作中作の脚本家TEN。暗い部屋の中でノートパソコンに向かい、大きなあくびをした後に立ち上がり、 画面外へと消えていく。カメラはノートパソコンの画面を映す。そこに表示されているのは簡略化されたゆっくりのAA。 それが画面から飛び出して、部屋の灯りをつけた。 『テレビを見るときは、部屋を明るくしてゆっくりして見てね!』 最終回が、始まる。 「寒くなってきたなぁ…」 夏の後姿はもう見えない。秋もそろそろおいとましようかという時節。稗榎十紘は寝ぼけ眼のまま布団から抜け出した。 随分早起きしてしまったらしく、他の家人はまだ寝ているようだ。 「…」 とりあえずお茶でも沸かそうと思って火をつけ、それに手をかざして暖をとる。実家に連れ戻されてもう随分経つ。 りぐるは元気だろうか…あの子のいない生活にも少しは慣れたが、こう寒いと心にまで冷たい風が入り込んでくるようだ。 「…ん?」 少しだけあったまって、なんとなくうろうろしていた十紘は、やがてそれに気が付いた。 扉に何か挟まっている。 「なんだろ…」 それを手に取り、ひっくり返す。一瞬驚き、そして顔をほころばせる。 それは封筒。そしてそこにはこう書かれていた。 『えのちゃんへ』 公園の中央にある時計の下に、桶ひとつ。それに入っているのは、少し心配そうな顔をしたきすめ。 (やまめちゃん、遅いな…) そわそわして、何度も時計を見たり周囲をきょろきょろ見回したりしている。 (ひょっとして、時間間違えちゃった?3時と13時を間違えたとか…ううう…) ぐるぐると頭の中で考えが巡り、ぐるぐると目も回ってきた。そんなきすめの背後に、気付かれないようにどこからか下りてきた影がひとつ。 「きすめ、おっ待たせー!」 「ひゃうっ!」 半ば混乱しているところに突然声をかけられたため、変な悲鳴をあげてしまうきすめ。 「待たせちゃってごめんねー。でも時間には間に合ったから…きすめ?」 呼ばれたきすめはぷるぷると震えながら振り向き、泣きそうになっている顔のままやまめに抱きついた。 「…ごめんごめん。お詫び…ってわけじゃないけど、二人でゆっくり遊ぼうね」 全てを見終わったとき、ユックリバースとその周囲にいたゆっくり達は、どことも知れない真っ白なところにいた。 ユックリバースは呆然とした表情で虚空を見つめている。 (なんだ、いまのは…) (なんだ、このきもちは…) 何も無いはずの心の奥から湧き上がる得体の知れない何か。それは次第に膨れ上がり、ユックリバースを苦しめる。 (なんだ…いったいなんなんだ…!) 自分は攻撃を受けていない。攻撃されていない。何の魔力も霊力も妖力も感じなかった。ただ一言言われただけだ。 しかしその瞬間に見えたもの。色々な世界の、『ゆっくり』の光景。 この世界が捨て去った、この世界では消え去った、この世界にはもはや存在しない光景。 (ああ…!そうか!そういうことか…!) 苦しみ続けて、ようやく気づいた。自分の中に眠るゆっくり達の魂が、それを渇望している事に。 ユックリバースの黒の部分にひびが入り、粉々に砕け散る。 (わたしは…私は…) 白のみで形作られた『何か』。それはもはや、ゆっくりできなくする存在…ユックリバースではなくなっていた。 「あ…………ぅ…………ぁ…………あぁ…………ぁ………………」 しかし、まだ足りない。口をぱくぱく動かし、何かを言おうとする。手に入れる…いや、取り戻すには『それ』を言わなければならない。 だが、『そいつ』は一度反転した存在。再び元に戻るためには、以前反転した以上のエネルギーが必要だ。 「…」 周囲にいるゆっくり達は何も声を掛けない。「がんばれ」とも「負けるな」とも。自信満々の表情で、ただ『それ』を待ち続けている。 封じられた『そいつ』の本当の姿を知っているから。『そいつ』が再び元の姿を取り戻すのを信じているから。 「ぅ…………っぅ………………ぃ………………え…………っ………………」 『そいつ』は震えながら、力いっぱい息を吸い込んだ。同時に『そいつ』の真っ白な身体にじわじわと色が戻っていく。 そして、『そいつ』は叫んだ。 自分の存在を証明するように。その魂の命じるままに。 「ゆっくりしていってね!!!」 周囲のゆっくり達は、にっこりと笑い… この世界は、破壊された。 ――そして、ラストパートへ
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1699.html
※容量制限により分割 ディケイネが負けた。 ウィノス、レイチェル、大ケガレ、ファイク、てんこ、ゼットン、巨大ゆっくりと数々の強敵を倒してきたディケイネが最凶最悪の蜂によって。 いや、永遠に勝ち続ける者などいない。盛者必衰の理はどの世界にだって存在するのだ。ディケイネもその時が来たと言えよう。 ただ、あえて言うなら負けた理由はたった一つ。『ディケイネはこの物語の主役ではない』からだ。 確かにこれは『ゆっくらいだーディケイネ』の話である。しかしそれと同時にとあるものの成長の物語でもあるのだ。 0:この物語は悪意と妄想で構築されています。と言う見出しを付けた物語の……………… ゆっくらいだーディケイネ 第18話 「誇り高き虫にも気高き魂を」 あの鼻をやたら刺激するアルコールの臭いで私は眠りから覚める。 眠ってしまっていたのか。どうやらあの診療所の布団と布団のスキマにぴったり嵌るように私の体は寝かされていたようだ。 「…………………そうか、私は…………」 私はあの微聞可燐に完全敗北した。その上私だけが傷つくならともかく私が恐怖に勝てなかったせいでれいむまで巻き込んでしまった。 悔いても悔やみきれず、私はれいむとまりさの安否を確かめようと起き上がろうとしたが腕に力が入らず動かすこともままならなかった。 「あ、起きましたか」 えーりんの声がしてその方向へ振り向こうとすると激しい痛みが私を襲う。 体をあげてもいられず私はゆっくりえーりんと同じ目線で話すこととなった。ある種新感覚である。 「………………逃げ切れたのが不思議なくらい怪我をしてました。とりあえず今日一日安静にして下さい」 「…………………………ごめん」 「………………………村の皆は誰も失望していませんよ」 それは誰も私に期待していなかったという意味なのか。私は唇を噛み締めながら悲しみと怒りを堪える。 床の硬さが余計に私を惨めにしていくように思えてならない。 「………………れいむ。そうだれいむは!!」 私が選んだ道だから私の事はどんなに傷ついたって良い。でもそのせいであの二人が傷つくことはあってはならないのだ。 えーりんは私の包帯を取り替えながら私の後ろの方に視線を移す。 その視線の先を見ようとして体を捻ってみるとれいむが布団に寝かされている。とてもゆっくりした笑顔で涎を垂らしながら眠っていやがった。 「他の皆より症状は軽いようですが、毒に冒されたという点に変わりはありません…………」 「…………………………治療法は?……………医者でしょあんた」 悔しさからほんの少し辛く当たるように言ってしまった。でもえーりんは淡々とした表情で私に言う。 「………………………………あの蜂を倒すこと」 「……………きっついわね、そりゃ」 少し沈黙した後、私は笑いながらそう言ったが少しだけ怖気が走った。 あの針の輝きが未だに私の瞼の裏でフラッシュバックしている。 恐怖は乗り越える物だってれみりゃに言ったのに今の自分はどうだ。自分が情けなくてしょうがない。 「……………………………ね、私の傷、いつ頃治る?」 「う~ん…………………もって1382400秒ね」 「2週間、か。それにしても回りくどい」 今まで一つの世界にそんな長く滞在したことはなかった、恐らく一番長かったのがゆイタニックの時だろう。 でも今回の異変は待ってたって解決されない。誰かがあの最凶最悪の蜂妖怪を倒さない限りは事態の進歩もないだろう。 「待つべきか……………?」 体調万全の時に戦った結果があれだったのだ。せめて身体をちゃんと動かせるほどに回復しなければ敗北は免れない。 そう思いつつ私は辺りを見回し苦しんでいるゆっくり、そしてれいむを見つめる。 これ以上この子達を苦しめるわけにはいかない。 時間と勝利のジレンマだ。 「……………………医者なんでしょ、もっと傷の回復早くならないの?」 「…………………………………気持ちは分かりますけどね、まぁどうしても、と言うなら」 そう言ってえーりんは奥の部屋に行き、タンスの中から二つの薬瓶を取り出す。 ……………………………………遠目からその薬瓶を見ていたけど何だろうあれ。 一つはやたら群青色の何かが瓶の中で蠢いているし、もう一つは橙色と紅と蒼がマーブルに混ざり合った粘液のような物が入っている。 見てるだけで精神的に不安定になりそうだった。何故か目が回る。 「こちらは筋肉超増強剤、そしてこちらは体力回復剤です。かの高名な久波・巽・えーりんが創った物ですからぜひ」 「い、いやいやいやいやいやいやいやいやいやいいやいや!!そ、そんなもの!」 「…………………………失望しました」 こんなんで失望された!!! ここに来て新たなジレンマ登場。はたして飲むべきか飲まざるべきか。己の信念と理性が激しくせめぎ合っている。 「……『私が選んだ道だから私の事はどんなに傷ついたって良い』…………」 「ああもう!飲めばいいんでしょ!!」 やけになって群青色の方の薬瓶の蓋を開けたがとんでもない異臭が鼻に入ってくる。この空間に漂うアルコールの比ではない。 私は腕の痛みを堪えながらその瓶を持ってそのまま見つめる。 飲め!飲めと私の心が叫んでいる。飲むな!死ぬぞ、と私の理性が囁いている。 「…………………………恐怖を……………克服するっ!!」 決心した。私が私であるために時間はあってはならない。 この何とも言えない不快な気持ちを抱え込まないために私はすぐさまアイツを倒さなければならない! そう決心するとこの不気味な薬もなんて事はなく見える。すでに恐怖はなく、私は一気にその薬瓶の中身を飲み干した!! 「が、がっ!!ぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 ……………………………………………………………………………………………… 1秒当たり気絶したと思う。でもそんな事どうだって良くなるくらいの体の変化が私に訪れた。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっしゃあああああああああ!!!!! すげっ!!!なにこれっ!!!わたしってばさいきょー!!」 体の奥底から力が沸いてくるようだ。心も高揚してきて訳の分からない⑨なことも平気で口走れる。 そのまま私は調子に乗ってもう一つの薬瓶の中身も一気に飲み干す。 ブルーハワイとオレンジとトマトジュースが混ざって炭酸飲料になったような味がした。はっきり言ってゲテモノの味だが今の私にはそんな事関係なかった。 体中の痛みが全て吹き飛ぶくらいのエナジー!そしてパワー!!私はさいきょーとなった!!! 「今なら!!アイツをぶっ倒せる!!」 「それならこのスピード増加薬も」 「頂きぃ!!」 えーりんから受け取った試験管に入った薬を飲み干して私は自分が人間を超えたような感覚に支配される。 いや!今なら変身しなくても異変なんてちょちょいのちょいよ!!! 私はやたら無駄に!アクロバティックに!エレガントに!両腕だけの力で立ち上がりそして無駄に有り余ったエネルギーを 無駄に消費するように布団と布団のスキマを音もなく駆けていきそのまま外に向かって飛び出していった。 「オクレにいさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!」 今、私は飛んでいる。I!CAN!FLY!!!!!!!!!!!!!! このまま森の中へ突入してアイツの所へ向かおう。そして出会い頭きっついストレートをお見舞いしてやる!! そして私は空中でやたら無駄に華麗なパフォーマンスをしてそのまま地上に降り立った。 てってれって てってれって てってんてん♪ ……………着地失敗。とある最弱主人公がミスしたような効果音が流れ私は顔から地面にぶつかった。 調子に乗りすぎました。この貧弱さは薬の仕様ですか? 顔についた泥を払い落とし私は肩を落としその場にへたり込んだ。正直言って体の節々が痛い。 「死ぬかとおもった…………」 あれだけフィーバーしていた私の体も残機、と言うか命と引き替えのようにすっかり沈静化してしまった。 まぁ命あっての物種だし身体も大分動かせるようになった。体の傷も薬の効果で治りやすくなっている。 これなら一日で全快しそうだ。 「…………………ふぅ」 …私は一度高揚しかけた精神を落ち着かせる。全快して必ず勝てると言うわけでもないのに調子に乗るのは良くない。 今後必要なのは相手の戦力と弾幕を解析する冷静さだ。あまりにも戦力差がある戦いではそれが要となる。 だが一番大切なのは…………………恐怖の克服だ。 それさえ出来ればあの最凶最悪にも対等に戦えるはずだ。あのレイチェルの時だってれみりゃが恐怖を克服して勇気を出してくれたから勝てたようなものである。 「………………………今度は私が成長する番か」 正義の味方にだってその時期は来るだろう。 私はたるみきった肩や背中を伸ばすため立ち上がって背伸びをする。 「………………………………」 多くのゆっくり達が足元で私を見上げているのに気付いた。考え事している間に集まってきたのだろうか。 「ゆぅ……………おねーさん、大丈夫?」 「ああ、もう走っても大丈夫。………………………ごめんね、倒せなくて」 「きにしてないよ!!」「これからゆっくりがんばっていこうよ!!」「いつかたおせるよー」 「だっておねーさんは正義の味方でしょ!!」「あんな蜂とっととぶったおしてね!」 なんて希望に満ちあふれた目だ。なるほど、失望してないとはこういう意味か。 だけどこの希望の瞳に見合う結果を出せるだろうかと私は少し不安になる。 「………………おねーさん」 「まりさ……………」 多くのゆっくり達を掻き分けてうちのまりさが神妙な顔つきで私の近くへ寄ってきた。 「…………………次は………まりさでファイナルフォームライドしてね!!まりさだっておねーさんの役に立ちたいぜ!!」 「………それは……………れいむをあんな目に会わせたのにその上まりさまで巻き込んだら…………」 「まりさをなめないでね!!!れいむがいない今まりさががんばらなくちゃいけないんだぜ!!」 ふと、まりさの瞳にダイヤモンドのような気高さを持った輝きが見えたような気がした。 これほど真っ直ぐな瞳をしたまりさを見た事があっただろうか。反語だが悪口のつもりで言ったわけではない。 こんなに心が清々しく揺さぶられたのは久しぶりだ。これがギャップ萌えか。 「…………分かった。今度はまりさの力を借りる。逃げたら許さないからね」 「分かったぜ!!!」 私には守る物がある。頼れる味方がいる。背中がかつて無いほど暖みを帯びている! 「……………勝つわよ、まりさ。もう退く為の道はないわ」 「ま、まりさは怯えて逃げたりなんかしないぜ!」 「「「「「ゆっくりがんばっていってね!!!」」」」」 沢山の声援が私たちに希望と自信を与えてくれる。 先ほどまでの根拠のない自信とは全く違う。皆によって支えられた確固とした自信だ! 「明日戦いに行くわ、それまでゆっくりしててね」 「ゆっくりするよ!!」 と、意気込んでふんぞり返るとまりさの体から腹の虫のような音が聞こえた。 皆で笑っていると私の方からも同じ音が聞こえた。 「………………………」 そう言えば私どの位寝てたんだろう。というか逃げた記憶はあるのに何で寝てたんだろう。 寝ている間かなりの時間が経ったようで空を見ると太陽も西に沈みかけている。 「お腹すいたぜ!」 「また、稗榎さんの所でお邪魔することになるのか」 何かこう、たかりに行っているようで申し訳ない。 でもあのカブト虫を食す勇気も自信もないので私たちはのんびりと稗榎さんの家へと向かっていった。 「あ~どうも、またお邪魔になります」 のれんをくぐると稗榎さんがまた一心不乱に筆を動かしている。 よく見ると髪がほんの少し短くなっていたように見えた。多分インクで汚れた髪を切り落としたのだろう。 今度は驚かさないように普通に声をかけるが反応はない。 背中をさすっても軽くこづいても怒ることない。軽くセクハラしてみるも私よりスタイルが良いという事を思い知らされて気が滅入っただけであった。 「ひ~え~の~さん。失礼します……………………ゆっくりしていってね」 「………………くすくす」 まりさに嘲笑された。なんかこの世界に来て全くと言って良いほど碌な事がないような気がする。 しかしここまで集中力が高いと言うのも珍しい。どんな物語を書いてるのか気になり私は原稿用紙をのぞき見した。 「ひゃアアアアア!!姉さん!?」 とその瞬間稗榎さんは驚き、いきなり私の頬にきっつい張り手をお見舞いしてきた。 瞬間、私の体は浮いた。 「どげえええええええええええ!!!!!」 その張り手の勢いは意外にも凄まじく床に何十㎝ほど転がってようやくその勢いは収まった。 「あ、紅里さん……………ご、ごめんなさい」 ちょうど寸分違い無く可燐に殴られたところを叩かれた。顔が余計に腫れて痛い。 一体!!!私が!!!!この世界で!!!何をやったっていうんだ!!!! 「すみませぇん………ついいつもの癖で………姉さんだったら平気で受け止めてくれるので………」 喰らって分かる稗榎さんののハイスペック。一体どんな家庭で暮らしてたんだ? 「?れいむさんはどちらへ?」 「………………………れいむは…………ちょっと熱出ちゃいましてね」 私は当たり障りのない事を言った。下手に嘘付くよりかはこうして事実を小出しにした方が心が痛まない。 ただしその方法は少し追及されると返答に困るという諸刃の剣でもあるのだが稗榎さんはそれで納得してくれたようだ。 「元気になると良いですね!」 「あ、ええ。えと、今日も…………」 「ふふ、分かりました。れいむさんのためにお粥作りましょうか?」 とりあえず私はその心遣いを有り難く受け取ることにした。稗榎さんは原稿用紙を机の中に仕舞い そのままくるくる回りながら奥の部屋に入っていった。 昨日と同じ様に部屋に残されたわけだけど昨日と違ってれいむがいない。まりさも隅っこで一人騒ぐことなく静かに本を読んでいた。 その表情は何処か物憂げ、少しだけ私も切なくなった。 …………………………………こんな静かだと少し退屈だ。やはり少しくらい騒がしいのが性に合う。 とりあえず暇を潰すために私も本棚から一冊本を取り出した。 「……………タイトルからして………ラノベみたいなものかな」 「ぷんぷん!まりさ達が好きな本をラノベ扱いして欲しくないぜ!」 「そ、これ面白いの?」 「おすすめだぜ!」 そう豪語するまりさ。なんか少しだけ信用できないがちょっとだけ興味が湧いた。 そう思って表紙を見てみると作者名が『稗榎 十紘』と書いてあることに気がついた。 「稗榎さんが書いたんだ、これ。ってじゃあ何でまりさ達がこの本の存在知ってるの!?」 「そんな事まりさは知らないし知ったこっちゃないぜ」 無知と無関心ときたか。そんな事悩んでも仕方ないと感じ私はページをぺらぺらとめくる。 ジャンルはファンタジー&ミステリー(成り立つのか?)。文体は三人称と一人称が混ざったようなもので 適度にそれが切り替わっており結構読みやすい文体である。 特徴的だったのが物語の登場してくるキャラの人物像がいやにはっきりしていることだった。 まるで現実をそのまま書いたような緻密さ。ラノベ調でこれは流石に驚いた。 「る、る、るるる。紅里さん、まりささん。出来ましたよ~」 ちょうど一巻を読み終わる頃に稗榎さんは奥の部屋から料理を持ってやってきた。 何とも香ばしい臭いが部屋中に漂い始めた。 「このにおいは………カレーだぜ!!」 「残念、ハヤシライス。それとこっちがれいむさんの為のお粥ですよ」 そう言ってハヤシライスの皿とお粥の皿を置き、私たちはちょっと物寂しい夕食をすることとなった。 「あの本棚の本全部稗榎さんが書いたの?」 「そうですよ、結構大変だったなぁ」 「ま、まりさは大ファンなんだぜ!この帽子にサイン欲しいんだぜ!」 「えっと、帽子真っ黒だから修正液で良い?」 食事も大体片付き食休み。 意外と稗榎さんと話が合い私はれいむのお粥のことを忘れ話に花を咲かせた。忘れちゃいけない事だけど忘れた。同年代と話すの久しぶりなんだもん。 「あ、そうだ。紅里さん。うちのりぐる見ませんでしたか?」 「……………………………ああ」 私はあの後のりぐるの行方を知らない。知ってるのは連行していったまりさとれいむの二人だけだ。 「まりさ?りぐる何処に連れて行ったか知らない?」 「あの後泣いたままどっか行っちゃったぜ!」 「ですって」 稗榎さんはそれを聞いて神妙な顔つきを浮かべるとともに一つの深い溜息をついた。 同居人が帰ってこないのが心配なのだろう。私の場合れいむ達が何日間帰って来なかろうとそうでもなかったが。 「………………………………りぐる………」 「そう言えば何で稗榎さんはりぐると一緒に?」 外にあれだけのゆっくり達がいるのだ。それで二人暮らしというのもみょんな話である。 「……………………似たもの同士なんですよ。りぐるとは」 「どこら辺が?」 「…………………………………劣等感……っていうんですかね。 私もりぐるもそう言うの持ってまして」 稗榎さんは少し影を落として俯き始める。その時の稗榎さんはちょっとだけ生気の無いような顔つきであった。 「え、でも稗榎さんあんなに本出して凄いじゃないですか」 「そう言う事じゃないんですよ。私のは二つ上の姉がいるんですけれど、その姉さんが凄い人なんです。 小説を書かせれば天下一品で、妖怪退治も何のその。私では遠く及びません。勝てるところと言ったら目の良さだけです」 「はぁ」 そう言う力関係とは無関係な世界でのほほんと暮らしていたからあまり想像できない。 それに私は稗榎さんの小説はかなり面白いと感じた、だから稗榎さんの自分への過小評価が少し筋違いにも聞こえてしまう。 「りぐるは……………あの子苛められてたんです。あれとかあのあれとかメタルあれとか莫迦にされて…………綺麗な蛍なのに」 「一度張り付いたレッテルってなかなか剥がれないものよね」 「なにいってるんだぜ?GはGだぜ?」 と、まりさがそう嘲るように言った瞬間、稗榎さんの腕が瞬時に伸びまりさのこめかみを掴んだ。 あまりに速すぎて私は何も出来ず数秒くらい呆然としてしまった。何が起きたの?ってな感じ。 「バカにしないで下さい。今度りぐるをあらぬ妄言で貶めたら、分かってますよね」 稗榎さんの指がどんどんまりさに食い込んでいく、それと共にまりさの表情はどんどん苦痛の物に変わっていった。 「ご、ごめんなさいだぜ!!」 「もう一回」 「すみませんだぜ!もうりぐるをGだなんて言わないよ絶対!!」 そう涙ながらに言ってようやく稗榎さんの指が緩みまりさはぽてんと床に落ちる。すげぇ、跡がくっきり残ってる。 「…………………それで私とりぐるは意気投合して旅にいってここに至る。と言うわけです」 「へぇ……………………」 あの森をよく抜けてきたなと思う。でも先ほどからの行動を見てるとさして苦にもならなかったんじゃないかとも思えた。 「……………………すると今書いている小説は…………」 「あれは小説じゃありませんよ。りぐるを自信つかせるためのおはなしです。決して人に見せられる物じゃありませんって。 厨二病全開です。幻想をぶち壊すとか、○して○して○して○してとか……そんな感じの。」 そう恥ずかしげに謙遜する稗榎さん。そう言われると余計に見たくなる、そしてまりさはそれを素直に体で表していた。 「そう言われると気になるぜ………………」 「だ、め、です(はぁと)」 稗榎さんはそう意地悪そうに原稿用紙が入った机への道をその脚できちんと塞いだ。 …………少しときめいた。 外も殆ど暗くなってしまったようだしそろそろれいむの所へ向かおう。そして明日のためにしっかりと鋭気を養わなければ。 「それじゃ、私たちはれいむの所へ行くから。二日もありがとね」 「いえいえ一人で食べるのって寂しいですし………………………」 そう言って謙遜しているが本心寂しいのだろう。でも私はそれを慰めることは出来ない。 役割が違うのだ。脇役がラスボスを倒しちゃいけないし、主人公とくっついちゃいけないのと同じ事である。 私はれいむの為のお粥を持ち、少し心残りであるけれどそのまま出て行こうとした。 「……………あ」 のれんをくぐろうとしたときヤツはいた。 「りぐるっ!帰ってきたの!?」 「えのちゃん……………」 稗榎さんはいち早く外にいたりぐるに駆け寄った。 りぐるはというと体中傷だらけで触角も半分くらい取れてしまっているなど凄惨な様子だった。 「かえってきたよ………」 「だ、大丈夫!?怪我!ええと」 「大丈夫だよ………もう寝るね」 りぐるはそう言うとふらふらと足取りおぼつかない様子で奥の部屋へ入っていった。 「……………話、聞かせて」 稗榎さんも少し呆然とした様子でりぐるの後を追っていく。途端に部屋が静かになり私は居たたまれなくなってそのまま外に出ていった。 「みぎひだり~ひぎみだり~」 「…………元気そうね」 もっと苦しんでたりうなされているかと思ってたら呑気に歌なんか歌っていやがった。 顔全体はほんのちょっと紅潮してるがほんのり秋色でしかない。ほんとに病気なのかと疑ってしまうほどだ。 「はい、これ稗榎さんが作ったお粥。ちゃんと食べてね」 「ゆっくり食べてくよ!あとマンダム印のリンゴがたべたいよ!」 「そんな高級品持ち合わせていないわよ」 まぁ元気であることは良いことだ。しかしそう楽観視できることでもなく周りのゆっくり達はれいむとは違って顔を真っ赤にしながら苦しそうにしている。 そう思いながらこんなある程度元気なれいむにお粥を食べさせていると奥からえーりんが寝ぼけ眼で現れた。 「あら、帰ってきたのね。貴方たちの布団も用意したからゆっくりしていってね」 「いいの?場所だって」 「寝相が良いのは知ってるからね」 有り難くその好意を受け取るとしよう。と、その前にえーりんの言葉を聞いて一つの疑問が浮かんだ。 「ね、まりさ。私二人を抱えて逃げたはずなのにどうして気付いた時にはここにいたの?」 「木の根にずっこけて頭から木にぶつかったことはまりさの網膜にやきついてるぜ……………」 「一生もののトラウマだよ………あの時のおねーさんの表情………」 ………………こんな役割は私のキャラじゃない。でんこがやるべきなんだ…………… 外の風がのれんを素通りし緩やかに私の体に吹いてくる。 朝は静かだ。まりさもれいむもえーりんも他のゆっくり達も安らかな寝息を立てて眠っている。 そんな中なぜか私はいつもより早く目覚めてしまった。空気が冷たく二度寝する気にもなれないので私は風をもっと体で感じようと外に出た。 清々しい朝。この世界の朝は安心感という意味では宵闇とそう変わりはない。 朝の散歩は意外と気持ちが良い。柵沿いに歩いて森の風を受けるのもなお一層良かった。 「……………………」 森を見ているととある木に蜂の巣がついていたことに気がついた。 私はその時何を思ったのだろう。そのまま柵沿いに走っていき、門番が寝ている間に入り口を通って再び柵沿いに移動しその木を見上げた。 「…………………まだ、まだ足りない……………」 怪我は治りきってはいないけれど体はもう稼働率100%だ。 この調子なら私とまりさは午後辺りにも戦地に赴く事が出来るだろう。だがそれだと一つ足りない。 「…………難しい……な。恐怖を乗り越えるって…………」 ふと今まであった人々がどうしようもなく羨ましくなってきた。 私はただ何もせずその蜂の巣を見上げている。 「………………………」 いつの頃であっただろうか、とある夏の日私は友人に連れられて二人で森に昆虫採集へ行ったのだ。 運が悪かった、というより注意力が足りなかったと言うべきか。うっかり蜂の領域に入ってしまい私は蜂に追われた。 果てしない恐怖を味わって私は刺された。体中、皮膚という皮膚を、体という体を。 「………………う、ううううう」 思い出すだけでも熱に魘されそうになる。でもこの恐怖は絶対に克服しなければならない。 私は足元に落ちていた石を拾いそれを蜂の巣に投げつけた。 石は見事に蜂の巣に当たりそして地面に落ちていく。 ………………克服しようと、って思ったけど………何か今私物凄くバカな事してね? 「…………克服も何も…………やば………」 落ちた蜂の巣からわらわらと大量の蜂が這い出てくる。ミツバチとかそう言うレベルの大きさじゃない。スズメバチ………だ。 「あわああああああ!!!やばっ!!にげっ!やべええええ!!!!」 自虐なんてしてる暇も!後悔している暇さえない!大量のスズメバチたちは私目がけて一直線に突撃し私は必死に逃げた。 何で新たにトラウマ増やそうとしているんだろ、私!!! 「って考えてる暇さえないいいいい!!!」 森から抜け出し私は無我夢中で柵をよじ登る。とは言っても柵は蜂が通れるスキマなんていくらでもあるから意味の無いことなのだけれど。 でもその判断は良かったと思う。蜂たちは柵の目の前に辿り着いた瞬間私を追うことを止めそのまま踵を返していった。 「…………………………はぁ……………………何やってるんだろ」 私は安心感で腰を抜かし柵にもたれ掛かる。こんな事で恐怖なんて克服できるはずがないのに果てしなく自分に嫌悪感を覚える。 結局何もかもがいやになり私は地面に大の字になって寝転んだ。 朝の空はあんな綺麗だったのか。いつもは太陽の光が邪魔をして全体を見回せなかった物だから分からなかった。 ………はっ…………空が綺麗だなんて現実逃避も甚だしい。 そう思っても起きる気力も湧かない。この世界に来て蜂に負けてから私は心が折れてしまったのだろうか。 「…………………………雲」 雲の動きがまるで今の私の心の風景のようだ。ふよふよとしていてとてもゆっくりと、ゆっくりと少しながら変わりつつある。 そんな心のまま私は雲の数をずっと数えていた。 「93……………94………………95」 「ゆっくりしていってね!!!」 「………………数え直し」 村のゆっくりが私に挨拶したおかげで分からなくなってしまった。そう、具体的に表そうとしてもすぐに有耶無耶になってしまう、そんな私の心。 ……………………本格的な現実逃避じゃないの。これ。 「…………………………………」 でもその現実逃避ですら逃げられない。その状況から逃げるきっかけもなく私はただぼんやりと空を見上げていた。 昼まで横になるつもりだった。今見た雲が視界から消えるまで、ずっとずっと………………………………………… ぶううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううん ぶうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううん ぶううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううん ぶーんぶーん。 「……………………………」 この耳にずっと残っている羽音。あの耳障りな0.1ch。聞いてるだけでも怖気がするのにどうして今ここで聞こえるのだ。 そう思って私はようやく体を起こし辺りを見回す。 そして見た、あの蜂の巣が落ちた木の近くにヤツが。あの最凶最悪の蜂が。 「ぬけしゃあしゃあと………」 あの姿を見ただけでも怒りがふつふつと湧いてくる。しかもあそこはもう村の近く、とうとう村を襲いに来たかと思い 私はいつでも変身できるようにペンダントを掴んで柵を乗り越えた。 「!!!」 しかし乗り越えた瞬間に気付かれ私の真横に針が飛ばされる。私はその一瞬の恐怖に立ってもいられずその場にへたり込んだ。 「……………はぁ、あなたですか」 「………………あ、か、き、そ、そっちから来るなんて………村は………‥襲わせない!!!」 「まぁまぁ、別に村を襲いに来たわけじゃありませんよ。フルパワーじゃないし」 よく見ると昨日会ったときよりも若干背が低くなっている事に気付く。髪もツインテールだ。 「…………分身体?」 「正解です」 確かに今目の前にいる可燐はあの三枚目のスペルで現れた分身体の一人と全く同じだ。口調も全然違う。 「…………………なるほど。五人で5方向から襲いに来るわけね」 「…………全く、人を疑うのがお好きのようですね。」 溜息混じりに呆れながら可燐分身体は私を見下す。 私はその高慢な態度に歯軋りさせ、ポシェットからメダルを取り出すが可燐分身体は何の警戒もせずにただ指を空に向かって突きつけた。 いや、空じゃない。見上げてみるとさっき私が落としたはずの蜂の巣が元通り木についていた。 「莫迦な事しないで下さい。あれ、あなたでしょ。小さくても私たちの帰る場所なんですから壊したら来世も来来世も前世も恨みますよ」 「…………………この巣を戻すために貴方はここに来たって………事?」 「ええ、ちなみにあの柵はしっかりと防護がしてあって私たち蜂が入ることさえも許しません」 道理であの時蜂たちが踵を返したワケか。でも蜂の巣の中の蜂たちは未だに私を睨んでいるように見えた。 「弱い物イジメが好きなくせに仲間思いだなんて、傑作よ」 「………………仲間、じゃないです。私自身ですよ」 てっきり『弱い物イジメ』の事で反論されると思ったが思わぬ返答に私は少し困惑した。 仲間でなく自分自身?その言葉の意味が少し分からない。 「…………………ふぅ、説明が必要ですね。私は微聞 可燐。最凶最悪の虫妖怪です」 「そ、そんな事分かってるわよ。この身で味わったし」 「………………でも虫が果たして『最凶最悪』になれると思いますか?」 …………………………………………確かにその通りかもしれない、いやでも虫を人間大まで大きくすれば人間なんてひとたまりもないと聞いた事がある。 虫は自由自在に空を飛ぶ、自分の体重の何倍もの物体を運ぶ、自分の身長の何倍もの跳躍力がある。 そう考えれば最凶最悪の称号だっていとも簡単に手に入るはずだ。 「そんな強さなんて数の前ではひとたまりもありませんよ。あのティラノサウルスだって群れの前ではイチコロです」 「……………じゃああんたは何で『最凶最悪』………………」 ………………………そこで私は理解した。今の可燐分身体の言葉が全てを物語っている。 「そう、私は世界で一番強い軍団、オオスズメバチの群れそのものが妖怪となった姿です。 私が最凶最悪であるその性質は『軍団』にあるのですよ。」 だからこうして分裂が容易に出来るのです、と言って可燐分身体は空を飛んで私の真上に降り立った。 それを振り下ろそうとして私は体を大きく振ったが、その前に可燐分身体は再び空を飛び私にシニカルな笑みを向けていた。 「正直言ってあの空気を凍らせるヤツが一番やばかったんですよ。凍らせること自体は弾幕じゃありませんからバリアも発生しない、 あ、だからといってもう二度と喰らいませんよ」 喧しい羽音を振りまきながら可燐分身体は空を舞った。別段力強くもなく、虫の儚さを表しているようなそんな動きだった。 「……………私には……………あんたが何を考えてるのか分からない」 「それはそうです。だって貴方はこの世界のことを何も知らないんですから」 いつになく真剣な表情で可燐はそう答えた。それがこの世の真理であるかのように少し声を強めて。 「………………そ、そうだけど、それがあんたと何の関係が…………」 「名前も知らなければ理さえも知らない。そんなですから貴方は私に勝てないんですよ。 まぁ知ってても勝てない物は勝てませんけど………敗因を履き違えないで下さいね」 それは、昨日も言っていたような気がする。強さも絆も数も敗因ではないと言った。 では、一体何なのだ? 「…………………ふぅ、とりあえずもう二度とこんな事をしないで下さい。それではまた」 そう言って可燐分身体は友人同士のような挨拶をしてあの喧しい羽音を立てながら森の奥へと戻っていった。 残された私は考えていた。言葉の意味を、この世界の理を。 ずっと握っていたペンダントから手を放し私は柵沿いに歩いて村に入る。門番のめーりんももうすっかり起きていて時間の経過を思い知らされた。 「…………………この森は、この村は、この世界は……………なんなんだろう」 疑問はいくらでも湧いてくる。思えばこの村に来たときその疑問が最初に思い浮かんだはずだ。 悩んでいても答えは出ない。それだったら聞けばいいじゃないか。 稗榎さんなら何か知っているはずだと思って私は稗榎さんの家に足を進めていった。 「稗榎さーん……ちょっと聞きたいことが……………」 「うおォン 私はまるで人間火力発電所だ。」 のれんをくぐってまず目に入ったのが何か野生児みたいな女性が焼きそばみたいな物を食べている光景だった。 もちろん後ろ姿から稗榎さんじゃない。と言うか思いたくない。 「しかしねぇ、この鬱なすってヤツはダメね。ジョジョパロばっかだし人間の独白ばっかでゆっくりちゃんの出番が少ないじゃないの!」 「いや、でも人の悪口は……それと物食べながら本読むのは………あ、おかえりなさい。紅里さん」 奥の部屋から稗榎さんが顔を出して私はほんの少し安心する。 そしてこの野生児っぽい女性の声やゆっくりにちゃん付けをする性根に覚えがある。………………とうとう来たか。 「紅里?ん?あ、あんたもここに来てたんだ」 このすっかりボロボロになっているこの少女は森定伝子、通称でんこ、私と同じゆっくらいだーでHENTAI道を司る一途な少女である。 あの広い凸もぼさぼさになった髪ですっかり覆われていてもう個人認識できるところが声しかない。 しかしこの荒れようは凄まじい。どれくらいあの森で迷ったのだろうか。 「あ~おいし~!しかもこんな森の中で『名探偵RYTHEM』の作者に会えるなんて!」 「ふふ、光栄です。そうだ紅里さん焼きそばいかがですか?」 「………………………………………」 何だろう、何かがおかしい。八月が八回も続くことくらいの違和感を私は覚えていた。 「そう言えばあなたの所のれいむちゃんとまりさちゃんは?」 「…………………まりさは何処行ったかは知らない。れいむは………同じよ」 とりあえず嘘をついた。いくら事実を小出しにしてもコイツはいくらでも追及してくる気がしたからだ。 でんこはそれを聞いてとても絶望に満ちた顔つきで大きく溜息をした。 「………今回の異変は誰かが空間をいじってるのよ。あの森はやばい、やばすぎるわよ!」 「何日迷ったか知らないけどあれ異変じゃないわよ………異変は別の所にあるから」 あれだけ広い森の中にこうして村があることもまた不思議なことだがこれも現実。 改めて思うが自然は偉大だなぁ。 「今回の異変は蜂妖怪よ…………悪いけど手を貸してくれない?今回ばかりは勝つ自信があまりない」 「………………そんな凄い妖怪がいるの?蜂?蜂妖怪は一つしか文献に載ってないからいないって不吉な人が言ってたわよ」 「そんな事言ったらスキマ妖怪だって誰も知らないわよ。とにかく、お願い」 私はでんこに向かって深々と頭を下げる。 こんなの私のキャラじゃないと言う人もいるだろうけどあれだけは本当に全力を持って掛からなければならない。そのために恥や外聞なんてどうでもいいのだ。 でんこは驚いた様子で私を見つめる。やっぱりよほどの衝撃があったのだろう。 「で、その蜂妖怪が…………何?」 「…………アイツは罪のないこの村のゆっくり達を毒に冒してる。それは邪悪と言わなくて何て言うの?」 ゆっくり、と言う単語が出た瞬間でんこは痙攣を起こすような反応を見せた。まぁ予想はついていた。 そしてでんこは焼きそばを地面に置き、勢いよく立ち上がって血走った目つきで私に詰め寄ってきた。 「!!!ねぇ!!どこにいるの!?はやく!早く教えて!」 「ええと、やつは森の奥よ。でも不用意に近づかないことよ。それとアイツにはスペルカードが」 「そうじゃなくて!!!!ゆっくり達の事よ!!!」 次のページへ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/657.html
このSSには以下のものが含まれます ぺにぺに 迂闊で残念なまりさ 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり?」 「ゆっくり!ゆっくり!」 「ゆ?ゆっくり?」 「ゆゆゆっくり!!!」 「ゆっくりしていってね?」 「ゆー!ゆー!」 「なにいってんだこいつ・・・」 畑に向かって林の近くを歩いていくと一匹のゆっくりが飛び出してきた。 噂には聞いていたがこれがあの饅頭妖怪「ゆっくりしていってね」か・・・。 そんな事を考えてしばらく沈黙が続くとなにやら饅頭がふくれっ面で抗議して来た。 「ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりしていってね」 「ゆ!?ゆっくり♪ゆっくり♪」 「・・・・・・・・・・。」 俺の返事に満足したのかそれ以上は何もいわず、その場でくつろぐはじめた。 一様、人間も通る道のど真ん中なのだが、そんなことはお構いなしのようだ。 饅頭相手にいつまでも時間を無駄にするわけにも行かないので、畑に向けて再び歩き出す。 トツ…トツ…トツ… 「ゆっ!…ゆっ!…ゆっ!…」 すると、こちらの歩く速度にあわせて飛び跳ねながら饅頭が着いて来る。 歩きながら饅頭のほうを振り返ると、「ゆっくり!ゆっくり!」と笑顔を返してくる。 結局畑までついてきてしまったが、とりあえず仕事をすることにする。 ザクザクザク、鍬を使って畑を耕していく。 ついてきてしまった饅頭は畑の横で、こちらの様子を伺っていたり、蝶を追い掛け回したり、居眠りしたり、 こっちが汗水たらして働いているというのにいい気なものだ。まったく。 太陽が頭上に差し掛かり日差しも一層強くなってきた頃、 日陰の岩場に腰掛け昼食をとっている俺の前に饅頭がやってきた。 ゴト… 「ゆっくりしていってね!」 饅頭は口にくわえていたものを地面に置くと、俺に何かを求めるようにそういった。 どこから拾ってきたのかバールのようなものを差し出して一体何を求めているのか…。 不思議に思いながらバールのようなものを手に取ると、ゆっくりが嬉しそうに声を上げる。 「ゆー!ゆー!ゆっくり♪ゆっくり♪」 これで何かをして欲しいのか…とりあえず、バールのようなものを饅頭に向けて振り下ろす。 「ゆ゛ご゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」 ドゴォという効果音と共に饅頭が凹の字にひしゃげた。 殴られた饅頭は両目に涙を蓄えて嗚咽を漏らしながら、なにかを訴えるようにこちらを見つめていた。 どうやら「殴る」という選択肢は間違いだったようだ。他に選択肢はないか考えていると、 少し距離をとった場所から饅頭が声をはっした。 「ゆっくり!ゆっくり!」 あー、もう訳がわからない、と考えるのをやめた俺は饅頭にバールのようなものを投げ返してやった。 すると饅頭が、そばに落ちたバールのようなものを口にくわえこちらにもって来た。 なるほど、投げた木の棒を拾ってくるという、そういう遊びなのか。 つい最近まで犬を飼っていたこともあり、その時の事を懐かしみながらしばらく饅頭と遊んでやることにする。 午後の仕事を終え家に帰ろうとすると、来たときと同じように饅頭が後ろをついてくる。 この様子だと家までついてくるつもりなのだろうが、どうしようか…、つれて帰るのならばちゃんと飼ってやらないと そんな事を考えながら歩いていると突然、別の妖怪饅頭が藪から飛び出してきた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 「まりさ!どこにいってたの!あんまりおそいからむかえにきたよ!!」 「ゆ…ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?それよりはやくおうちにかえるよ!とかいはなありすはもうねるじかんなんだからね!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「なにいっているの?まりさ」 どうやら二匹の饅頭は知り合いのようだが、もう一匹の方は普通にしゃべっている事に驚いた。 てっきり「ゆっくりしていってね!」しか喋れないものだと思っていたが、流暢に会話する事もできそうだ。 「おにいさん!とっととあっちにいってね!!まりさ!きょうはすっきりするひだよ!!はやくしてね!!!」 「ん?ああ、じゃあもういくよ。」 その場を去ろうとする俺を、焦ったようにまりさが止めに入った。 「ゆ!!まってだぜ!!」 「なんだ、お前も普通に話せるのか…」 「ま゛っ゛で゛ー゛!!!!!」 必死に呼び止めようとするまりさの声を無視して俺はその場を後にする。 「まりさ!はやくかえるよ!すっきりするやくそくわすれないでね!!!」 「あ゛り゛す゛の゛せ゛い゛だ゛あ゛!!!」 「ゆ?」 「あ゛と゛ち゛ょ゛っ゛と゛で゛あ゛の゛に゛ん゛げ゛ん゛の゛お゛う゛ち゛が゛て゛に゛は゛い゛っ゛た゛の゛に゛い゛い゛!!!」 「お!おちつてね!ゆっくりせつめいしてね!!」 「ゆっく…ゆっく…ぐす、まりさは…まりさのみりょくであのにんげんをほねぬきにしておうちもらおうとしてたんだよ!」 「どういうことなの?だったらさいしょにいってよね!!じじょうをせつめいしないまりさがわるいよ!」 「それもさくせんのうちだよ!にんげんなんてゆーゆーいってればいちころなんだよ!!!」 「でもまりさはありすといたほうがゆっくりできるよ!にんげんなんかぜんぜんゆっくりできないよ!」 「あのにんげんはゆっくりできるよ!ばかないぬっころにまいにちごはんはこんでたもん!!」 「どうせなまごみかなにかをあげてたんでしょ!あんなのぜんぜんおいしくないよ!!」 「そんなことないよ!とってもおいしいごはんだったよ!!」 「なんでまりさがそんなことしってるの!でたらめいわないでね!!」 「ふん!しってるよ!!あんなよぼよぼのばかいぬにはもったいないからまいにちまりさがたべてあげてたんだよ!! とってもおいしいごはんだったよ!!」 「ゆっ!…ごめんねまりさ、ありすしらなかったから…ごべんねまりさ…。」 「ふん!もういいよ!いなかものはしらなくてもしかたないよ!!!」 「ひ゛ど゛い゛よ゛!!ま゛り゛さ゛の゛ば゛か゛ー!!!!」 なるほど、そういうことだったのか…、帰るふりをして気の影から様子を伺っていたが、 「話はすべて聞かせてもらった!」 「「ゆゆ!ゆっくりしていってね!」」 「まりさ、お前家で買って貰いたいのか?」 「ゆ?ゆっくり!ゆっくり!」 「ああ、もう普通に喋っていいよ」 「まりさをおにいさんのおうちにつれてって!!!」 「そうか、飼ってやらない事もないが、働かざるもの食うべからずといってだな、お前はなにか出来るのか?」 「ゆっくりできるよ!あとすっきりも!!」 「そうだよ!まりさのすっきりはすごいんだよ!!ふとくてかたくてあばれっぱなしなんだよ!!」 「なんだそのすっきりというのは?」 「ゆ!まりさのじまんのぺにぺにをみてね!!」 そういうとまりさはグイっと頬を張ってみせた。 「なんだ?そのぺにぺにとやらはどこにあるんだ?」 「おくちのしたをみてね!!」 どれどれ、よーく見ていると頬を張ったことで顎の部分が割れ尻顎になっている。 その部分をくぱぁと開くと人差し指程度の穴とその上に小さな突起物が見える。 その突起物をつついてみるとまりさの体がブルと震えた。 「ゆっ////!それがまりさのぺにぺにだよ!!」 「ほー、これがそうか、で、これをどうするんだ?」 「これをこすりあわせるとすごくすっきりできるよ!!!」 これは饅頭のツボみたいなものか、ツンツンつつくたびに気持ちの悪い声を漏らす。 特に使い道もなさそうだし、飼うのはやっぱりやめにしよう。 考え事をしながらつついていると段々とその突起物が大きくなっていき、 にきびほどの大きさからマツタケほどの大きさまで膨らんだ。 「もっと!もっと!つよくぺにぺにしてね!!」 大きくなったぺにぺにから汁をたらしながらまりさは快感を貪っている。 いい加減この饅頭に付き合うのも飽きてきたので思い切りしごいてやる。 しこしこしこ… 「ぺーに♪ぺーに♪すっき…ん゛っ゛ご゛お゛お゛」 しまった、あまり力を入れたものだからまりさのぺにぺにが根元から千切れてしまった。 「ま゛ま゛ま゛ま゛ま゛り゛さ゛の゛ぺにぺにがあ゛あ゛あ゛!!!」 「すまんすまん、ほら返すよ。」 ちぎれたぺにぺにを、その下の穴につっこんでやる。 「ん!んほおおおおおお!!!」 饅頭が満足そうに脱力したところでその場を後にする。 「…にんげんとはゆっくりできないよ、もうおうちにかえるよ…。」 巣に向かって力なく跳ねていくまりさの前に一匹のゆっくりがあらわれる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね・・・」 「いいにおいがするよ!ちんぽのにおいだね!!」 まりさの前に現れたのはゆっくりゆゆこだ食欲旺盛でなんでもたべてしまう。 「ゆっくりたべられてね!!」 「ちんぽおいしい!いちばんおいしい!!」 あとがき 作中でちょっと説明不足な部分を説明します。 登場するおにいさんは犬を飼っていましたが、つい最近老衰で亡くなりました。 老衰なのでまりさがご飯を盗み食いしていたのはあまり関係ありません。 たべ切れずに残していた分を食べていたのです。 なのでこの犬は苦しむことなく眠るように息を引き取りました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1062.html
関連 れいむ「たいやきさんをたべさせてね!」 271 234 [sage] Date 2009/04/13(月) 00 29 21 ID duxWTXjB 折角成長したれいむの最初の対戦相手に、えらい人をあてがってしまったので、自分で解決しようと思います ―――とは言え、自分の持ちネタでごめんなさい ← ※体内の宇宙基地で誕生日祝いを続行中の面々 \ ♪ハッピバースデートゥーユー / -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄ ̄ ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// `ヽ`フ / .,' /! /! ! ハ ! ',ゝ ( ! ノ-!‐ノ! ! ノ|/ー!、!ノ ,.ゝ ヘ ,ノレ' u rr=-, r=;ァ ir /! ノ ( ノ ! /// /// ! ヘ( ) ,.ハ ''"u 。 ) 'ー=-' ( "。' ! ',ヽ. ,_)__'! ト.。 ,____, u.イ i .ノ __ _____ ______ 「怖いけど戦うよ!!!」 r'"ヽ t、 Y`⌒ヽ-----‐´レヘ ノ( ) . ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 / 、、i/゙ \,ィ\ヽ ( ) ヽ 'r ´ ヽ、ン、 / / ゙i=ョ=ョ=ョ=(^ヽ、_/ ) ,'==─- -─==', i { ノ \ ____ /,) i .| i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | ゝ-,,,_ / `└‐─‐‐ と" ノ イ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | L.',. ヽ _ン U L」 ノ| .| | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / レ ル` ー--─ ´ルレ レ´――シュバッ―― _ __ ,.. -――C○ィ )  ̄ ̄\ // ̄ヽ ゝ○o _ ヽ ぱちぇ 『こんな時こそ、練習した ゆっくりユニゾンよ!!!』 Y //\ / \`L_ ', .,' / ゝ、__,..-、\  ̄`i う) i 「わかったよ!!!」 | / i イ ,ヘ / \ ` し' | レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| ! \ !Y!"" ,___, 「 !ノ i | `T ‐ヽ L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| !_」 _ | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / | {穣} 【ミノリコソウル】 レ ル` ー--─ ´ルレ レ´、 ハ !_ /ノ/ ~ -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// `ヽ` ヽ, / .,' /! /! ! ハ ! ''"´ ̄^ ( ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!´ ヘ , ノレ' rr=-, r=;ァ 葡萄、おいしゅうございます __ _____ ______ ( ノ ! /// /// イ . : ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、: ) ,.ハ ''" )ー- ィ__ ○o、; ゝ○C : 'r ´ .. .、ン、: ,_)__'! ト.、 ( ゝ○Cー- ゝ○C : ,'==─- -─==', i : r'"ヽ t、 `>r--‐´レ ( ゝ○CY`⌒ヽ○ィ,- ); :i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | : / 、、i ヽ__,,/ /゙\, :レリイ〓〓〓/ /〓〓〓| .|、i | / 、、i ヽ__,,/ !Y!".| |/ / / / | |「 !ノ i .| L.',. .| | , --- 、.| |L」 ノ| .| | ||ヽ| | ー'⌒ー' | || ||イ| / レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ _,,...._ |\ ゝ,,,, \| ) )_,,....,,....,,....,.,,. )\ 「まだまだ頑張るよ!!!」 /_,,....,,_\、' U r''''ヽ''ヽ ) _ _..,,-" { ' }r-''''フ {桃}【ヒナナイソウル】 "-..,,_ r''''''''''''''''''''''''''''''''''''''( ( )____ノ - ,, ~ // r ; ! ヽ i ヽ ',' |''"、 i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| ↓ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | L.',. ヽ _ン U L」 ノ| .| | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ __ -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// `ヽフ _ ,ノ ,ヘ、 __ _____ ______ / .,' /! /! ! ハ ! ', /´ ノ `ヽ、 : ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、: ( ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ i/ / ヽ : 'r ´ .. .、ン、: ヘ ,ノレ' rr=-, r=;ァ irノ │ : ,'==─- -─==', i : ( ノ ! /// //// ′ / ,! ', | :i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | : '、 ) ,.ハ ''" )ー- ィ │ ,! :レリイ〓〓〓/ /〓〓〓| .|、i | ,_)__'! ト.、 \ 人 丿 !Y!".| |/ / / / | |「 !ノ i .| r'"ヽ t、 `>r--‐´レヽ 、Y`⌒ヽ <´ ̄ ̄` ー-> L.',. .| | , --- 、.| |L」 ノ| .| / 、、i ヽ__,,/ /゙\,ィ' ヽ、_ヾ ー ´ | ||ヽ| | ー'⌒ー' | || ||イ| / レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; / / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; / / _」`ヽァ'7 _;;;;;;;;;;;;; / / ヽ ;!ゝ''"´_ ____ .`"'ヽ、 Y ´ `ヽ ヽ, _ / / / / i 、 ヽ. \ ';, {妖}【コンパクソウル】 | ハ ,ォ-;、|__ハ/_」__`ハ | | ~ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| !Y!"" ,___, 「 !ノ i | / L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| 「これなら負けないよ!!!」 /ヽ/| ||ヽ、 ,イ| ||イ| / \/ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// `ヽ` ヽ, `/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / / .,' /! /! ! ハ ! ''"´ ̄^/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / ( ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!´ / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; / / ヘ , ノレ' rr=-, r=;ァ / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / __ _____ ______ ( ノ ! /// /// イ ./ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ / : ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、: ) ,.ハ ''" )ー- ィ| /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ , : 'r ´ .. .、ン、: ,_)__'! ト.、 | /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ,,/ : ,'==─- -─==', i : r'"ヽ t、 `>r--‐´レヽ| Y`⌒ヽ、;;;;;;;;;;;;;/ ,,/ :i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | : / 、、i ヽ__,,/ /゙\,ィ;;;;;;;;;;;;/ ,,/ :レリイi (◯), 、(◯) | .|、i .|| : / 、、i ヽ__,,/ :!Y!"" ,rェェェ、 ". 「 !ノ i | : :L.',. |,r-r-| . L」 ノ| |: モグモグ……… : | ||ヽ、 `ニニ´ . ,イ| ||イ| / : : レ ル` ー--─ ´ルレ レ´: -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// `ヽ`フ / .,' /! /! ! ハ ! ',ゝ ( ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ ,.ゝ ズズー ――15分後―― ヘ ,ノレ' rr=-, r=;ァ ir /! ノ ( ノ !''  ̄ '  ̄'' ! ヘ( ) ,.ハ ''" 、_____, " !',ヽ( ) )__'__'!ト.、 | ||「´ イ i .ノ、 r'"ヽ Y`⌒ヽ|||l‐´レ( ) . / 、、i /゙\,ィ\|||| ( )ヽ / / ゙i=ョ=ョ=ョ=(^ヽ、) r―-、 __ . -―, { ノ \ ____ /,) i.| { .゚ . . `´. . . . . . 。. | ゝ-,,,_/ `└‐─‐‐ と" ノイ !゚____/`´`ヽ. . 。/ -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// `ヽ`フ / .,' /! /! ! ハ ! ',ゝ ( ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ ,.ゝ て ヘ ,ノレ' rr=-, r=;ァ ir /! ノ て ( ノ !''  ̄ '  ̄'' ! ヘ( ) ,.ハ ''" 、_____, " !',ヽ( <(体内から) そうやって何もかも食べ尽くして )__'__'!ト.、 | ||「´ イ i .ノ、 r'"ヽ Y`⌒ヽ|||l‐´レ( ) . 友達も誰もいなくなった世界で、生きていけるの? / 、、i /゙\,ィ\|||| ( )ヽ / / ゙i=ョ=ョ=ョ=(^ヽ、) r―-、 __ . -―, { ノ \ ____ /,) i.| { .゚ . . `´. . . . . . 。. | ゝ-,,,_/ `└‐─‐‐ と" ノイ !゚____/`´`ヽ. . 。/ -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// U U `ヽ`フ / .,' /! /! ! ハ ! ',ゝ ( ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ ,.ゝ ズズー ヘ ,ノレ' rr=-,. r=;ァ ir /! ノ ( ノ !''  ̄ '  ̄'U ! ヘ( ) ,.ハ U 、_____, " !',ヽ( ) そ、それは……… )__'__'!ト.、 | ||「´ イ i .ノ、 r'"ヽ Y`⌒ヽ|||l‐´レ( ) . / 、、i /゙\,ィ\|||| ( )ヽ / / ゙i=ョ=ョ=ョ=(^ヽ、) <動揺してるよ!!! { ノ \ ____ /,) i.| ゝ-,,,_/ `└‐─‐‐ と" ノイ ぱちぇ『今がチャンスよれいむ!!!』 _人人人人人人人人人人人人人人人人人人_ ズズーン!!! > 改良あしゅらばすたー!!! < あおおおおおおおおおお!!!  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ ++++++++++++++++++ __ _____ ______ ( ̄\ / ̄) ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 \___) (____/ 'r ´ ヽ、ン、 . | | | | ,'==i/ イ人レ\_ル==', i | | | | i イi (ヒ_] ヒ_ン ) ヽイ i | | | | | レリイ"U ,___, U" .| .|、i .|| | | | | !Y!/// ヽ _ン //// 「 !ノ i | . | V | L.',. L」 ノ| .| . | V | | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / ぶるーめ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ ぱちぇ『なんとか勝てたわね!!! れいむ!!!』 「ありがとう!!! これからも頑張るよ!!!」 ―――頑張れれいむ 負けるなれいむ しかし、恐怖のゆっくり生物シリーズは、まだ11体いるぞ ,! 、!-⌒、λ_L!」⌒_-i、|〉',ヽイ '、 ;' '、 i´ヽ_」ハ / ! ハ、!__ノ ,.イ .! '; i_ノL.イ (ヒ_] ヒ_ン ).!_イ | | ヽ、 ! ,! `!コ7´(ヒ_] ヒ_ン`Y_」 ハ ノ / i イ レ\ ハノ! /i i .r'´ノ\ ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___ 、_ ノ ハ } \ └rイ レイ (ヒ_] ヒ_ン)ハヘ| n⌒i /ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒ `! i ハ / }! i ヽ ,.-‐・ ,.. -‐‐/‐- 、 ,.-‐・ , '´ / ` '、 / , '" ヽ. ./ / /‐-!ハ ハ i , 、 ', ,' / / ,ァ__,.!/ レ' ハ、__-i i ! ! 〈ヘレイ 'rr=-, r=;ァハ ノ| / つぎはれみりゃですね、わかります。 -- 名無しさん (2009-04-14 21 10 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2544.html
初投稿です。よろしくお願いします。(なにを?) まりさがあまりにも馬鹿すぎるけど、そういう設定でお願いします。 ――― 仕事を終えて帰宅してみると、何者かが僕の家に勝手に上がっているようだった。 泥棒か?うちには大したものは無いのだが・・・。 まあ何なのかはわかってているんだけどね。 最近ゆっくりを弄るのにはまってしまって、今日も新しいことをしてみようと思って、 わざと庭に面した窓を開けておいたのさ。 さて、家に上がってみると、ゆっくりどもは居間に集まっているようだった。 室内は荒らされた様子は無い。 ゆっくりがくるとわかっているのでやつらの手の(といっても手は無いが) 届く範囲には物は置いてないからだ。 来るのがわかっているゆっくりに部屋を荒らされることほど馬鹿な事も無いだろう。 床が少し汚れているが、これくらいは雑巾で拭くだけでいいので気にしない。 獲物を確認しておこう。 親はまりさとありす、子はそれぞれが3匹ずつ、合計8匹の小規模の家族のようだ。 比較的若い方なのだろう、親二匹はバレーボール、子はテニスボールくらいのサイズだ。 僕の顔を確認するや否や、 「ゆ!?ここはまりさたちの(ry」 「ゆっくりしたかったらあまあまさんを(ry」 「とかいはなでなーを(ry)」 「まりさはとってもつよ(ry」 「いたい目を見たく(ry」 OK・OK。 テンプレ通りの台詞だ。 もしも分別のある饅頭なら、森に連れて行こうかと思ったが、 これらにはその心配もなさそうだ。 まあ人間の住宅に入ってくるようなやつらは大概そうなのだけどね。 さて、始めようか。脚にぽいんぽいんと体当たりのつもりのものをしてくる親まりさを捕まえ、 今回のために用意したゆっくり拘束用の箱に入れる。 普通の透明タイプのものではなくて、周り4面は黒く塗られていて、天井に当たる部分は、 目の細かい網となっている。 音のやり取りはできるが、視覚を奪い、動きも制限するようになっている。 番のありすや子ゆっくりも同じようにそれぞれ別の箱に入れる。 準備は完了した。あとはまりさが・・・ 「ゆ!ゆっくりできないじじいはまりさたちのゆっくりぷれいすからゆっくりしないで出ていくんだぜ。 まりさはとってもつよいんだぜ!いたい目見たくなかったらさっさとするんだぜ!」 この台詞を待っていた!。計画通りだ! 「そうか!まりさはそんなに強いのか!じゃあ、怖いからゆっくり出て行くね」 「ゆゆ~ん。かしこいやつはゆっくりながいきできるんだぜ!じじいはいいはんだんをしたんだぜ!」 だったらお前は即死じゃないか(笑) 「さっさとしないぐずはきらいだぜ!それとまりさをここから出してあまあまさんをよこすんだぜ!」 「わかったわかった。それじゃ、出てくから、ばいばい ノシ」 そういって僕はドアを開け、閉める。 勿論、言われた通りに出て行くということはしない。 だが、箱の中で視覚を奪われたゆっくりどもにはそれを知る由も無い。 「ゆ?ここから出せって言ってるんだぜ!」 「お兄さんはとっても強いまりさが出てけって言ったのだからいないよ」 「ゆ!そうだったのぜ。うっかりしてたのぜ」 「まりさ!じじいがいなかったら声がするわけないでしょう!ゆっくりだまされないでね!」 おや、親ありすのほうは少し頭が回るようだ。だが、これも想定内のこと。 「ゆ!じじい、やっぱりいるのぜ?」 「そうかな?とっても強いまりさが追い出したんだから、いるはずはないよなぁ。 それとも、まりさは人間1人どうにかできない弱いゆっくりなのか?」 「そんなことはないのぜ!まりさにかかればにんげんなんていちころなんだぜ!」 「じゃあ、お兄さんはいないよね」 「そうだぜ!まりさが追い出したのぜ!」 「それなら箱から出してくれる人はいないな」 「ゆゆゆ?出れないのぜ!?」 ははは。これは面白い。馬鹿をからかうのはやっぱり楽しいなぁ。 姿は見えないし、身動きも取れないから、しゃべるしかすることが無い。 その言葉だって、知能の圧倒的に負けている人間相手にはさしたる効果も無い。 「まりさ!声がするならそこにじじいがいるでしょ!どうにかして!」 「おや、まりさ、君の番のありすは君がお兄さんを追い出したのを信じていないみたいだ」 「ゆ!まりさはつよいからじじいをおい出したのぜ!じじいはいないのぜ!」 「じゃあ声なんかしないでしょおおお!」 「ゆぅ・・・?」 「ああ、きっとこのありすはまりさなんか弱くて人間を追い出せないと思っているんだ。 だから、ああいうふうにお兄さんがいると思っているんだよ」 「そんなわけないでしょおおお!」 「じゃあお兄さんはいるわけないよね。そうだよね、まりさ」 「そうなのぜ!まりさをしんじないとかいはじゃないありすはまりさのはにーなんかじゃないのぜ!」 「どぼじでぞんな゙ごどいうの゙ぉおお!ありすはどがいばよぉおおお・・・・・・!」 おおとかいはとかいは(笑) つーか、森に住んでいるのに都会派とか一体何を考えているのだ? あ、何も考えていないのか(笑) しかも気絶してるし。番に見放されたのがそんなに効いたのか?メンタル弱すぎだ。 「じゃあ、そこでゆっくりしていってね!!!」 「ゆぅ、こまったのぜ・・・」 「おかーさん、ぽんぽんすいたよ。むーしゃむーしゃしたいよー」 お、子ゆっくりどもがしゃべり始めた。いままで静かにしていたあたり、躾は怠っていないようだな。 でも肝腎の親が人間の住む界隈に来ちゃ駄目じゃん。 「ゆ!まりさもなにかたべたいのぜ!おいじじい、なにかよこすのぜ!」 「だから、お兄さんはいないってば!」 「ゆぅ、そうだったのぜ。おちびちゃんたちはゆっくりがまんしてね!」 こんな記憶力で大丈夫なのか?よく今まで生きていられたな・・・。 「やだー!ぽんぽんすいたー。むーしゃむーしゃしたいー!」 「ゆっくりあきらめてね!おかーさんもがまんしているんだよ!」 「ゆううう・・・」 僕も空いてきたな・・・。帰ってきてから何も食べてないから当たり前か。 僕は食べるとするか。 ~お兄さん調理中~ さて、めんどくさかったから、ただの野菜炒めにしたが、ゆっくりどもはどうかな? 「ゆ!?いいにおいがするのぜ!ごはんはゆっくりしないでこっちにくるのぜ!」 ご飯が動くわけ無いだろ・・・。普段どんな生活をしていたんだ? 「まりさがたべてやるっていっているのぜ!さっさとするのぜ!」 「おかーさん、まりさたちもむーしゃむーしゃしたいよ!」 「ゆううう、ゆっくりしっていってね!!!ゆっくりしていってね!!!」 「はぁ、ご飯が動くわけ無いだろ。大丈夫かお前」 「だったら、どうすればいいのぜ!たべたいのぜ!」 「まりさはとっても強いんだろ?考えればすぐわかるんじゃないのか?」 「ゆぅうう、ゆっくりかんがえるのぜ・・・・・・、そうなのぜ!おい!じじい「いないってば!」 ゆゆゆ・・・」 「がんばって考えろ。簡単なことだろ?」 まりさが絞るほどもない知恵を働かせている間に僕も食べてしまうとしよう。 結構腹が減っていたんだ。 「ゆー、じじいはいない、ごはんはうごかない、まりさは出られない、・・・・・・ ゆゆゆ、ゆゆ?ゆゆゆゆゆ・・・ゆーーーーーっ!・・・」 あ、気絶した。 「おかーさん・・・。おかーさん?おかぁーーさぁーん!?」 「しょうがないな、ほら、まりさ、起きろ」 「ゅ、ゅ、ゅ、ゆ?」 「お兄さんがいないなら、来て貰えばいいだろ」 「ゆ!何でそんな簡単なことに気がつかなかったんだぜ!じじい、くるのぜ! とくべつにまりささまがきょかするんだぜ!」 さて、やってみたものの大したことなかったし、飽きたからそろそろ片付けるとするか。 後々の禍根を残さないようにね。 「呼んだ?」 「ゆゆ!まりさをここから出して、ごはんをよこすんだぜ!」 「やだよ。めんどくさい」 「ゆぅ・・・。じゃあごはんだけでもよこすんだぜ!」 「それぐらいならいいか。甘いものでもいいか?」 「がまんしてやるんだぜ!さっさとするんだぜ!」 「はいはいっと」 「ゆ~ん♪おそらをとんでるみゆぎゃぺっ!!」 子まりさを一匹箱から出して、握りつぶす。 「ゆっ?おちびちゃんどうかしたのかぜ?」 「何でもないよ。ほら、餡子だ」 「ゆぅ~ん。あまあまさんおいしいのぜ!もっとよこすんだぜ!」 ふむ、食欲旺盛なのはいいことだ。おかわりをあげよう。 「ゆぎゅっぷ!」「ゆげぇっ!」「とがいばっ!」 「カスタードもあるよ。どんどん食べていいよ」 「ゆ、そうだった、おちびちゃんにもあげるんだぜ!」 「子供にも、「ゆぎゅるぺっ!」あげたいの?」 「そうだぜ!じじいはやくするんだぜ!」 「無理だよ。「ゆぎゃん!」皆潰しちゃったからね」 「つぶしたってどういうことなんだぜ!?」 「そのままの意味だよ。握り潰して、永遠にゆっくり、死なせたのさ」 「ゆゆ!おちびちゃん!?おちびちゃぁん!へんじをするんだぜ!」 「だから、もう死んじゃったって。返事なんか出来るわけないよ」 「ゆゆぅーーう!なんてことするんだぜ!ぜったいゆるさないんだぜ!」 「おまえが甘いものでいいっていったんだろ」 「ゆ?」 「お前が食べた餡子やカスタードが、お前のおちびちゃんだ」 「ゆ、まりさはおちびちゃんをたべないよ!」 「じゃあこれはなんだ?」 まりさの箱にカチューシャや帽子を落としてやる。 「ゆっ・・・」 「これはまりさのおちびちゃんたちの飾りだろ?」 「ゆうううう」 「食べちゃったんだよ」 「おちびぢゃぁああん、ごべんね゙ぇええ!ばでぃざはおちびちゃんの分もゆっくりするからねぇ!」 「その必要はないよ」 「ゆぅ?」 「お前もここで死ぬんだよ」 「なんでだぜ!」 「実はな、僕はお前たちで遊んでたの。それで、その遊びも終わったから片づけしてるんだ」 「まりさはおもちゃじゃないのぜ!」 「別に玩具だろうと何だろうとどうでもいいさ。そもそも誰でも良かったんだ。 たまたま君たちが僕の家に入ってきたから君たちにしただけ。それだけさ。じゃあね」 掴み上げ、潰す。最後には絶望の表情を浮かべていたまりさを。 勿論、番のありすも潰しておく。あの世でも一緒になれるといいね。 さて、次はだんな遊びをしようか。 ――― 最後のほう、特に落ちの部分がすごくぐでぐでになってしまいました。 ss書くのって難しいですね。 筋書きとかが手がかかる。 ここまで読んでいただきありがとうございました。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/sm83/pages/656.html
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2326.html
ゆっくりあやVSきめぇ丸 競争編 byありすアリス さてさてこちらは紅魔館、ここでもゆっくりあやときめぇ丸、どちらが本物なのかを競うための準備が施された所です! 実況は私、図書室の司書をやらせていただいてますしがない小悪魔と解説は 「パチュリー・ノーレッジよ、決してパチェリーとかパチュリー・ウッ!では無いから間違いのない様に」 今回競争するにあたり、両者のコンディションを見ていきます、どうしているのでしょうか? 「相手がどのようなきめぇ丸であろうと、私は勝利をつかみ取り、さらなる高みを目指すだけです!!!」 「おぉ、楽しみ楽しみ、お互いに全力を出し切って後腐れの無い試合にしましょう…」 二人して紅魔館の外観、コースマップを凝視し、ルートを構築している様です そして気になるのがお互いの種族間における仲の悪さがあまり見られない点です 「おぉ、簡単簡単、私達の戦いはあや、きめぇ丸個人としての戦いでもあるのです…」 「種族の関係ににとらわれては、この様な競技を気持ちの良い結果で終わらせる事が難しくなります!!!」 お互いの言い分が清々しいですね、思った以上に正々堂々とした戦いになるかも知れません 今回両雄が行う対決は至極単純、この紅魔館の門からスタートし、先にレミリアお嬢様の部屋に突入した方が瀟洒もとい勝者となります! 既に両者スタートラインにつき準備万端!互いに負けるものかと言わんばかりの闘志を剥き出しにしています! 「じゃあ準備できてるみたいだし、合図を出そうかしら」 なまえをいれてください julius 光あれ! 「「ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥエ!!!」」 さあ両者共に疾走!妖精メイド達が所々ザルな警備をしている館のどこから侵入するか見ものです! 「知らない人の為に説明しておくとこのかなり奇妙かつ形容しがたい走法はドゥエと呼ばれるものよ」 と…言いますと? 「外の世界において長年にわたりドラキュラと戦ってきた一族、確か…ベルモンドと言ったかしら」 「その内の一人がより迅速にドラキュラを葬る為に考案し、一族内外を問わず時を超えて広がり、今も進化し続けている走法なのよ」 「基本的な走り方としては…ゆっくりに適用されるかは知らないけど進みたい方向に跳んだ瞬間に同じ方向に向けて急降下キック」 「これを常軌を逸し、尚且つ適切な速度でひたすら繰り返す事によりただ走るより素早く移動できるってワケ」 移動する時間すら惜しいのでしょうか、まあ百聞は一見にしかず、詳しくは ここ か ここ を見て下さい そうそう、内容は同一のものですからね? 「ドゥドゥドゥエドゥエドゥエ!!!」 「ドゥエ!ドゥドゥドゥドゥドゥエ!!!」 さて、説明してる間にあや選手は正門を強行突破、きめぇ丸選手は二階の窓を盛大にぶち割って侵入しました 互いに妖精メイドを蹴散らしつつお嬢様の部屋に向かって突き進みます この走法は習熟すれば攻撃にもなるため、移動しつつ妖精メイドを蹴っ飛ばしているかたちになっています! もうすぐお嬢様の部屋になります!なお、お嬢様は就寝中です、だって夜行性ですもの、仕方ないね! 「ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥエ!!!」 「ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥエ!!!」 両者一歩も譲りません!妖精メイド達の決死の防御も虚しく遂にお嬢様の部屋の前に来てしまいました! 「大丈夫かしら?おねむの時間を邪魔されたらレミィはすっごく怒ると思うんだけど…」 ただいまドアをブチ破り、お嬢様の部屋に両者が同時に侵入しました!これでは白黒付けられません! 「やりますねぇ、それでこそ私のライバルです!!!」 「おぉ、互角互角、いい汗をかけましたよ…」 「ねぇアンタ達…今何時だと思ってるの?午前10時、良い子はおねむの時間なのよ!?」 おや、お嬢様が起きてしまいましたねぇ、救護班の準備をしないと! 「これも吸血鬼の生活スタイル故致し方なし!!!」 「おぉ、こわいこわい、降りかかる火の粉は払うのみです…」 「「ソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤ!!!」」 「何っちょっ待ッ…」 「「ソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤ!!!」」 「やめろぉ!やめてっ…」 「「ソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤ!!!」」 「いやっお願いだから…痛い!」 「「ソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッソイヤ!!!」」 「………救護班、咲夜が気づく前にレミィの搬送準備を整えなさい、咲夜は私が抑えておくわ」 ま…まあ競技の結果自体は引き分けとなりました、果たしてゆっくりあや、きめぇ丸、どちらの陣営が勝利、そして本物の称号を手に入れるのでしょうか? 「おぉ…再戦再戦…」 「いつの日か、種族どうこうは抜きにしてまた二人で勝負したいものですね!!!」 …あの二人には本物とかどうとか関係なさそうですけどね! ゆっくりあやVSきめぇ丸 暁月の円舞曲 fin おまけ 「へぇ…私が買出しに出かけてる間にこんな催しを行なっていたのですか…」 「えぇ、中々奇妙な走法でしょ、外の世界から来た走法なのよ」 「ですが…この走り方…何か…ッ!?」 「咲夜?咲夜?」 十六夜咲夜は思い出してしまった、自らにも、変態の血、ベルモンド一族の血が流れていることを… あとがき 実はもっと長い話だったんだぜ、これ… みんなも外出時の大雨には気をつけてね! 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/588.html
「厳しいゆっくり」 そのゆっくり一家の様子は、普通とは何かが違っていた。 一家を率いるのはバレーボールサイズのゆっくりまりさ。そこは何もおかしくない。 ついていくのはゆっくりまりさとゆっくりれいむ。数は大体半々ぐらい。そこもおかしくない。 普通とは何が違うのか…その違いは、話しかけてみて始めて分かった。 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの本能を深く揺さぶる、僕の一声。 普通なら、この言葉に反応しないわけがなかった。ところが… 「……ゆっ!」「…ゆ!」 子供たちは皆、少し声を漏らしただけ。 何か言いたげな顔はしているが、『ゆっくりしていってね!!』という元気な返事は返ってこなかった。 「おにーさん!!まりさたちはほかのばしょでゆっくりするからね!! なにもようがないなら、まりさたちはもうゆっくりいくよ!!」 先頭に立っている母まりさが、僕に向かって言ってくる。 こいつからも元気な返事はない。おかしいな…こいつら病気なのか? 試しに、もうちょっと揺さぶってみるか。 「まりさ、どこに行くのか知らないが、お兄さんはもっとゆっくり出来る場所を知ってるよ」 「ゆ!?そうなの!?ゆっくりちゅれていってね!!」「れいむもゆっくりしたいよ!!」 もう我慢できない、と言わんばかりに子ゆっくりたちが口を開いた。 そうそう、それが普通の反応である。だが、母まりさは普通ではなかった。 「ゆ!!そんなこというとゆっくりできないよ!!」 「ゆ゛!!」「びゃっ!!」 何も悪いことをしていないのに、母まりさに突き飛ばされた子ゆっくりたち。 転がるほどの勢いも、皮が破れるほどの破壊力もない、ただ痛いだけの攻撃だった。 子供たちは涙目で何かを無言で訴えてくるが、僕にも母まりさにも…何も伝わらない。 「おにーさん!!わるいけどまりさたちはゆっくりいそいでるからね!!じゃましないでね!!」 そう言い放つと、母まりさはとっとと先へ進んでいってしまった。 子供たちだけが、僕を名残惜しそうに見上げていたが… 「…ゆっくりしすぎだよ!!」 母の一言で、子供たちは飛び上がるようにして母の後を追いかけていった。 あの母まりさ、どう考えても普通じゃない。 『ゆっくりしていってね!!』『もっとゆっくり出来る場所がある』という二つの言葉。 ゆっくりの本能を最も刺激するはずの言葉に、母まりさは釣られなかった。 突然変異なのか、それとも病気なのか… 「こいつは面白そうだな…」 どちらにしても、この面白そうなネタを放っておくわけにはいかない。 僕は先ほどの一家をゆっくり追いかけることにした。 一家の巣はすぐに見つかった。木の根元に、精妙にカムフラージュされた大きな穴だ。 決して大きな穴ではないが、母まりさ+数匹の子ゆっくりなら十分な広さだろう。 僕は静かに巣穴に近づいて、隙間から中を覗いてみた。 「にんげんにはなしかけられても、しゃべっちゃだめっていったよね!!」 「ゆびゃああああぁぁl!!」 「みんな、おかーさんとのやくそくやぶってしゃべっちゃったよね!!」 「ぎゅべぇおおおおお!!」 「やくそくをやぶったわるいこはゆっくりできないよ!!おしおきだよ!!」 「あぎゅあああぁっぁ!!!」 合計5匹の子ゆっくりが一列に並んでいる。 よく見れば子ゆっくりというより、赤ちゃんゆっくりぐらいの大きさだ。 母まりさは、何か言葉を発するごとに子ゆっくりに一匹ずつ体当たりを食らわせる。 その勢いは母まりさの怒りに比例して強くなり…最後に体当たりされた子れいむは、壁にぶつかると口から 餡子を大量に吐き出してしまった。 ゆっくりにとって、命の源である餡子を吐き出すことは一大事だ。 処置を怠れば、死に至ることだってある。それは子ゆっくりもよく知っていた。 「うぶっ!!ゆべえええぇっぇぇえ゛え゛え゛ぇぇぇあ゛あ゛あ゛ぃ!!!!」 「ゆゆ!!おかーさん!!れいむが!!れいむがゆっきゅりできなくなっちゃうよ!!」 「ゆっくりたしゅけてあげてね!!ゆっくりなおしてあげてね!!」 周りの子ゆっくりたちが、必死に母親に助けを求める。 だが、母まりさは鼻で笑いつつこう言い返した。 「ふん!やくそくをまもれないバカなこは、ずっとそうしてゆっくりしてればいいよ!! みんなもやくそくやぶるとこうなっちゃうからね!!ゆっくりりかいしてね!!」 自分の仕事を成し遂げたと思っているのか、母まりさの顔は満足げだ。 それに対して、子ゆっくりたちの表情は完全に沈んでしまっている。 「子供を虐めるなんて…酷い母親だなぁ」 僕はくすくすと笑いながら、そのまま様子を観察し続けた。 母が食料を取りに出かけた後、しばらくして先ほど餡子を吐いた子れいむが目を覚ました。 「ゆ…ゆううぅぅ……!」 「ゆ!ゆっくりおきてね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周りで見守っていた子ゆっくりたちが喜びの声を上げる。 気絶していた子れいむは特に外傷はないらしく、次第に元気を取り戻してゆっくりし始めた。 僕は母まりさがいなくなった今しかないと思い、巣穴に首を突っ込んだ。 「やあ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!」 今度は5匹の子ゆっくり全員が応えてくれた。 やっぱり、普通じゃなかったのはあの母まりさに原因がありそうだ。 「さっきのおにーさん!!どうしたの!?」 「ここはれいむたちのおうちだよ!!ここでゆっくりすると、おかーしゃんにおこられちゃうよ!!」 怒られるというのは…たぶん“やくそく”のことだろう。 先ほどの様子からしてこの子ゆっくりたちは、母まりさと幾つか約束を交わしているらしい。 それらを破ると、先ほどのように罰を受ける…命に関わりかねない罰を。 つくづく理不尽な母親である。自分の都合を押し付けて、破ったら虐待だなんて。 「大丈夫だよ。すぐに出て行くからね。それより、皆に美味しい食べ物を持ってきたよ」 「ゆ!?たべもの!!ほちいよ!!ゆっくりちょうだい!!」「ちょうだいちょうだい!!」 クッキーを放り込んでやると、5匹の子ゆっくりは一斉に群がって貪り始めた。 母との約束という重圧を忘れた5匹は、本能に忠実な普通のゆっくりだった。 「ゆはっ!!うっめ!!めっちゃうっめ!!」「むーしゃむーしゃ!!しあわせー♪」 「じゃあお兄さんはもう行くからね。みんなはゆっくりしていってね!!」 って、食べ物に夢中だからたぶん聞こえてないな。 僕は食事を邪魔しないよう、追加のクッキーを数十枚放り込んで、静かにその場から立ち去った。 後ろからは、クッキーを貪り食う子ゆっくりの下品な声が聞こえてくる。 母まりさが帰ってくる頃に戻ってきて、“あれ”を実行することにしよう。 帰ってきた母まりさは、巣の中の様子に驚愕した。 一面を埋め尽くす見慣れぬ食べ物。それを美味しそうに食べている5匹の子供たち。 「ゆ!おかーしゃんおかえりなさい!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 口の周りに食べかすをつけた子供たちが、出迎えの挨拶をする。 だが、母まりさはそれに応えない。 「これはだれからもらったの!?ゆっくりせつめいしてね!!」 母まりさの疑問は当然のものだった。子供たちが自力で食料を集められるわけがない。 しかも、5匹が食べきれないほどの量だ。母まりさだって、これだけの量を集めるのには2週間はかかる。 つまり当然の結論…『この食べ物は、誰かからもらった』 「ゆ……と、ともだちのまりさにもらったんだよ!!」「そ、そうだよ!!」 「うそをつかないでね!!にんげんからもらったにきまってるよ!!」 「ゆ゛!?」 母が真相を口にした瞬間、子供たちは固まってしまった。 “恐怖”…生まれたときから植えつけられてきた感情、たった一つに縛り付けられて。 約束を破ったことが母にバレた…その次に待っているのは、無慈悲な“罰”であることを知っているから。 横一列に、背を壁に向けて並べられた子供たち。 自分達のこれからを想像して、がたがたと震えている。 されることはいつもと同じ。だが、未だにその痛みに慣れることが出来ない。 「やくそくをやぶったらゆっくりできないよ!!」 「ゆぎゃああ゛あ゛ぁぁ!!」 「やくそくやぶるこは、おかーさんのこどもじゃないよ!!」 「ごみんあじゃあぁぁぁい゛い゛!!」 「にんげんとはゆっくりできないよ!!ゆっくりおぼえてね!!」 「もうゆるじでええぇぇぇぇえ゛!!」 「にんげんはわるいものだよ!!ぜったいゆっくりしちゃだめだよ!!」 「うがやおああおおおおぉおぉぉ!!」 壁と母まりさの身体で挟み撃ちにされる度に、悲痛な叫びを上げる子ゆっくりたち。 何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も。 繰り返し繰り返し、母まりさは5匹の子ゆっくりに順番に体当たりする。 『人間とはゆっくりできない』『人間と一緒にゆっくりしたら二度とゆっくりできなくなる』 全ては理解してもらうため。このことを理解して、覚えてもらうためだ。 自分は母に人間の危険性を教えてもらっても、すぐに忘れてしまった。 そして人間についていったばっかりに、友達を皆食べられてしまった…そんな自分の二の舞にならないように。 子供たちには忘れて欲しくない。ずっと覚えていて欲しい。だってそうしないとゆっくりできないのだから。 「がまんしてね!!がまんしてゆっくりできるこになってね!!」 「げりょうあおあおあおあおああああああ!!!」 母まりさは、何度も何度も、子ゆっくりたちに伝わることを願って…体当たりを続けた。 昼になって、例の巣に戻ってきて見ると…巣の中では再び虐待が行われていた。 母まりさが子ゆっくりに体当たりするたびに、張り裂けんばかりの悲鳴が僕の耳を突く。 「うぎゃあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁ!!!」 「ぎゅええええべべべべええ!!!」 「あばばばばあああああぁぁぁぁあ!!」 何故だか分からないが、母まりさは相当怒っているらしい。 母まりさの言葉は乱れすぎていて何と言っているか聞き取れないが…かなりノリノリである。 待てど暮らせど、虐待の嵐はなかなか止まない…痺れを切らした僕は、釣り針を握るとそっと巣の中に手を 突っ込んだ。 「……よし」 虐待に夢中になっている母まりさは、自分の帽子に釣り針が刺さったことに気づいていない。 子ゆっくりたちも、すっかり怯えきってしまって周りの様子など目に入っていなかった。 僕は、糸を思いっきり引っ張った。それに従って、母まりさの帽子が脱げて瞬く間に巣の外へ飛んでいく。 「ゆ!!まりさのぼうし!!ゆっくりまってね!!」 即座に異変に気づいた母まりさは、帽子を追って巣の外へ。 終わりなき虐待から開放された子ゆっくりたちも、安堵の表情を浮かべながら恐る恐るついてくる。 「おにーさん!!それはまりさのぼうしだよ!!ゆっくりかえしてね!!」 糸にぶら下がった帽子をぶらぶら振り回す僕。 まりさは必死にジャンプしてそれを口で咥え取ろうとするが、ぎりぎり届かない高さに調節しているので、 どんなに頑張っても…帽子まで後一歩、というところで勢いを失ってしまう。 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!ゆっぐりがえじでね゛!!がえざないどゆっぐりざぜであげないよ゛!!」 「あっそう、じゃあ返してあげるよ、ほーれほーれ♪」 上から目線で物を言う母まりさを、僕は満面の笑みでおちょくる。 ぶんぶん振り回される帽子を目で追いながら、あんぐりと口を開けて狙いを済まして… 命と同じくらい大事な帽子を奪い返そうと、必死にピョンピョン跳ね続けている。 「うぎゅうううぅぅぅ!!!いじわるしないでね゛!!ゆっくりがえじでね!!」 ふと、巣の入り口近くにいる子ゆっくりたちに視線を移す。 さっきからじっとこっちを見ているが…母を応援する声は聞こえてこない。 普通の一家なら、『おかーさんがんばってねぇ!!』とか、『おにーさんとはゆっくりできないよ!』の 一言ぐらいあるものだが… つまり、そういうこと。子ゆっくりたちにとって、母まりさは“そういう”存在なのだ。 「お母さんまりさにひとつ提案だよ。子供の帽子かリボンを持ってきたら、この帽子と交換してあげる」 「ゆ!?」 果たして口車に乗って、子供の髪飾りの強奪に乗り出すかどうか… 僕にとっては一種の賭けだったのだが…どうやら僕の勝ちだったようだ。 母まりさは目の色を変えて、巣の入り口に集まっている子ゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりにげないでね!!おかーさんにぼうしとりぼんをちょうだいね!!」 「おがーざんごっじごないでえ゛え゛ぇぇぇ!!!」 「ぞんなごどずるおがーじゃんどはゆっぐりでぎない゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 子ゆっくりにとっても、帽子やリボンは大事なものだ。簡単に取られるわけがない。 母まりさに捕まらぬよう、子ゆっくりたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 「ゆっくりつかまってね!!にげるこはゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「やだあああぁぁぁぁ!!!づがまるどゆっぐりでぎないよ゛!!」 「おがーざんやめでね゛!!ゆっぐりごっぢにごないでね゛!!」 母と子には体格差があると言っても、命と等価のモノがかかっているこの状況では、子供たちはなかな捕まらない。 実のところ、先ほどのクッキーにはゆっくりの運動能力をちょっとだけ強化する薬物が入っていたのだが… 母まりさも、当の子ゆっくりたちもそのことにはまったく気づいていない。 「おがーざんにぼうしどりぼんちょうだい!!そうすればみんなでゆっぐりでぎるよ゛!!」 なかなか追いつかないので、目に涙を浮かべながら子供を説得しようとする。 しかし、そんな言葉で釣られるほど子ゆっくりは愚かではなかった。 「おがーざんうそづいでるよ!!うそづくおがーじゃんどはゆっぐりでぎないよ゛!!」 「ゆっぐりついてこないでね゛!!ゆっくりどっかいってね゛!!」 「ゆぐぐぐぐぐ…どうじでぞんなごどいうの゛!!ゆっぐりでぎなぐなっでもしらないよ゛!!」 まだまだ子ゆっくりたちには追いつきそうにない母まりさ。 僕は母まりさにもっと必死になってもらうために、ライターで母まりさの帽子に火をつけた。 ボオォッ!! 何の素材で出来ているのかわからないが、本当によく燃える。 「ゆぎゃああああーーー!!!まりさのぼうしもやざないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 子ゆっくりを追いかけるのを止めて、燃え上がる自分の帽子目掛けて飛びついてくる母まりさ。 だが、僕がうまく糸を動かして帽子をひょいっと遠ざけたので、母まりさはそのまま地面に激突した。 「ゆぶっ!!やめでね゛!!まりざのぼうじもやざないで!!はやぐひをげしでよお゛お゛お゛ぉぉぉ!!!」 「まぁまぁ焦るなって。結構綺麗に燃えてるじゃないか」 地面に顔から落ちて身悶えている隙に、母まりさの髪を釘に結び付けて地面に打ちつけた。 これで母まりさは、ほとんど身動きが取れなくなった。 「ひをげしで!!うぶゅ!!いだい゛!!いだいよ゛!!がみがひっばられでるううぅぅぅぅ!!!」 帽子を燃やされている悔しさと、髪を引っ張られる痛みで…母まりさの顔は涙でボロボロになる。 痛みにのたうち回ろうとすればさらに痛みが襲うので、下手に動けない状況だ。 それでも母まりさは、何度も何度も助けを求める叫び声をあげた。 「まりさをだずげでぇ!!ごのままじゃゆっぐりでぎなぐなる゛!!」 「おねがいだがら!!ごっがらはなぢでえええぇぇえ!!!あだまがいだいいいいぃぃぃい!!!」 「ぼうじ!!まりざのぼうし!!もやざないでよ゛ぅ!!」 「……らんぼうするおかーしゃんは、ずっとそこでゆっくりしてればいいよ!!」 突然、一匹の子れいむが震えながら力いっぱい言い放った。 するとそれに続いて、次々と子ゆっくりたちが母まりさに罵詈雑言を浴びせる。 痛めつけられる母まりさの姿を見て、子ゆっくりたちの心境に変化が生じたのだろう。 母まりさが動けないことに気づいた、というのもあるだろうが。 「そうだそうだ!!おかーしゃんのぼうしなんか、ゆっくりもえちゃえばいいよ!!」 「おかーさんはずっとそこでゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ばかなおかーさんはゆっくりしねばいいよ!!」 「いや゛ああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!ひどいごどいわないでえ゛え゛え゛ええぇぇぇぇえぇえぇ!!!!」 次々に打ち明けられる子ゆっくりたちの本音が、母まりさの心を深く抉る。 今まで母まりさに虐待され続けてきた子ゆっくりの鬱憤が……ここで爆発した。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「らんぼうもののおかーさんはゆっくりしね!!」 「れいむたちにいたいことしたよね!!だからおかーさんにもいたいことしゅるよ!!」 身動きの取れない母まりさを取り囲んだ5匹は、怒りを爆発させながら集団リンチを始めた。 つい数分前まで母の虐待に怯えていた子ゆっくり…僕がちょっと手伝ってやっただけで、立場は逆転した。 「いだっ!!いだいよ゛!!ゆっぐりやめでね゛!!やめだらゆっぐりさせてあげるよ゛!!」 「うるさいよ゛!!おかーさんのいうごとなんか、もうきかないよ゛!!」 「おかーさんのせいでいままでゆっくりできなかったよ!!ゆっくりしんでいってね!!」 一体どれだけの間、母まりさに虐待されてきたのだろうか…その間に溜めてきたストレスは相当のものらしい。 容赦ない体当たりが、母まりさの身体を深く傷つけていく。 ところどころ餡子が漏れ出し、さらに傷は広がって痛みを誘発させる。 「あぎゃああああああっぁぁぁあぁ!!やめでやめでやめでやめでやめでやめでやめで!!!! じぬ゛ぅ!!じんじゃう゛!!ごのままじゃじんじゃう゛!!おねがいだがらやめでよおおおおぉぉぉ!!」 母まりさの悲鳴を完全に無視し、リンチを続ける子ゆっくりたち。 僕はそんな子ゆっくりたちに優しく話しかけた。 「そろそろ疲れてこない?お母さんの帽子が燃えてるのを見ながら、ゆっくり休憩しなよ」 「ゆ!そうだね!!ゆっくりつかれてきたよ!!」 「ゆっくりやすもうね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「おにーさんあたまいいね!!おかーさんとはおおちがいだよ!!」 そんなことを言いながら、母まりさから離れていく。 取り残された母まりさの姿は…それはもう酷いものだった。 「ゆぶ……どぼぢで…?……まりざはっ…みんなのだめにっ…!!」 目玉は片方が抉られ、口は不細工に引き裂かれ、頬も深く噛み千切られている。 まだ生きているが…このまま餡子を漏らし続ければ、命が尽きるのは時間の問題だ。 「ゆー!きれいだね!!」「ほのおってきれい!!」「ゆっきゅりー!!」 「もえろもえろー♪」「ゆっくりもえろー♪」 炎をあげて燃える母まりさの帽子。それを見つめる子ゆっくりたちの目は輝いている。 やっと母まりさの圧制から解放される。明日からは自由にゆっくり出来る。 掴み取った明るい未来を見据えた…そんな目だ。 僕は糸を木の枝に固定して子ゆっくりたちから離れると、そっと母まりさに近づいた。 「やぁ、気分はどうだい」 「うぎゅ…だじゅげで……ゆっぐりでぎな…いよ…!!」 「でも、子供たちは今までゆっくり出来てなかったんだよ。お母さんである君が虐めていたせいでね」 「うぞだよ!……まりじゃは!…まりじゃは……みんな゛のっ…ために゛…!」 まだ悪あがきを続けている。うねうねと動く母まりさの頬の皮が気持ち悪い。 「みんなのために……ねぇ」 僕はため息をつきながら振り向いて、子ゆっくりたちに声をかけた。 子供たちは糸にぶら下がった帽子が燃えているのを、まだ楽しそうに見物している。 「なぁみんな!!このお母さんどうする?助けてあげる?」 「ゆ?そんなのほっといていいよ!!それよりおにーさんもこっちでゆっくりしようね!!」 「おかーしゃんなんかそのまましねばいいよ!!ゆっくりしんでね!!」 との返答を貰い、そのまま視線を母まりさに戻す。 「…だとさ」 僕は母まりさに向けてニコリと微笑んだ。 母まりさは、僕にとって最高の表情をしたまま…最期の叫び声をあげた。 「ゆ゛っ……ゆぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあがえんrぎなえりおいりあがあrがにrg!!!!」 声にならない叫びをあげたが最後、母まりさは動かなくなった。 子供たちにはずっとゆっくりしてもらいたい。だからこそ、厳しく接してきた。 だが、子供たちには伝わっていなかった。それどころか家族を崩壊させる一因になってしまった。 どうしてこんなことになってしまったのか、自分は間違っていたのだろうか。 母まりさは考える。考える。考える。でもわからない。餡子が足りないからわからない。 子供たちに伝わらなかった想い。伝わらなかった願い。 一生懸命伝えたつもりだった。でも、伝わらなかった。伝えたかったのに、伝わらなかった。 そしてこれからも、その想いと願いは、伝えることはできない… 傍らで笑いあう子供たちの声が、遠くに聞こえる。 母まりさは、ゆっくりと後悔しながら…さいごのいのちを吐き出した。 あとがき この話、本当にかわいそうなのは誰だろう? 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/733.html
「そういえばゆかりんよ」カチャカチャ(皿洗い中) 「なにかしら、おねぇさん?」 フキフキ(更拭き中) 「後一つ……そう、後一つそろえば八雲家三ゆっくりになるとは思わないか?」 カチャ…ン(皿洗い中断) 「ゆかりんもそう思うけどそろったらちぇんの脳内ランキングでおねぇさんの存在感が多分存在が耐えられない軽さになるわよ」(たまっている皿を拭きながら) 「むぅ……それは困る」 「でしょう?」 このような事情からゆっくりらん探し計画は無かった事になった。 名前 コメント