約 952,103 件
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/149.html
575 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/16(月) 11 31 46 [ xdF5Z6rg ] 「ゆうかりんの髪の毛が緑色なのは 青汁を愛飲しているからなんだよ」 とかいう噂を広めてみたい
https://w.atwiki.jp/touhoukeitai/pages/563.html
レベルアップ技 Lv 技名 001 テレポート 001 ねんりき 007 ゆびをふる 011 サイケこうせん 015 ふういん 019 ひかりのかべ 023 リフレクター 027 ねむる 032 ねごと 037 サイコキネシス 042 スキルスワップ 047 サイコブースト 052 スキマ 技・秘伝マシン技 No 技マシン名 06 どくどく 07 あられ 10 よめしゅぎょう 11 にほんばれ 14 ふぶき 15 LUNATIC 16 ひかりのかべ 17 まもる 18 あまごい 19 ギガドレイン 20 しんぴのまもり 25 かみなり 27 おんがえし 29 サイコキネシス 30 シャドーボール 32 かげぶんしん 33 リフレクタ- 36 ポイズンボム 37 すなあらし 38 だいもんじ 39 がんせきふうじ 42 からげんき 44 ねむる 49 よこどり No 秘伝マシン名 05 フラッシュ 人から教えてもらえる技 場所 技名 未実装
https://w.atwiki.jp/014ssoxt/pages/64.html
目次 概要 収録曲 クレジット恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり) しあわせチャンピョン 備考 動画 配信情報iTunes Apple Music Spotify Amazon Music mora mora ハイレゾ 商品リンク 概要 『恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)』は2022年6月1日に発売されたオーイシマサヨシさんのシングル。レーベルはポニーキャニオン。 「恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)」はTVアニメ『恋は世界征服のあとで』OP主題歌、「しあわせチャンピョン」は加藤純一結婚披露宴で書き下ろされた楽曲のバンド・フルバージョンである。 また、「恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)」はインスト含め2022年4月9日に先行配信された。 2022年6月1日放送のTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」にゲスト出演した際の記事はこちら。 2022年6月2日、シングル発売記念インタビューの記事はこちら。 収録曲 1. 恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり) 歌:オーイシマサヨシ 作詞:大石昌良 作曲:大石昌良 編曲:大石昌良 2. しあわせチャンピョン 歌:オーイシマサヨシ 作詞:大石昌良 作曲:大石昌良 編曲:大石昌良 3. 恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり) -TV edit.- 歌:オーイシマサヨシ 作詞:大石昌良 作曲:大石昌良 編曲:大石昌良 4. 恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり) -Instrumental- 作曲:大石昌良 編曲:大石昌良 5. しあわせチャンピョン -Instrumental- 作曲:大石昌良 編曲:大石昌良 クレジット Mastered by Ted Jensen(STERLING SOUND) Sound Product Management: 伊藤中也(F.M.F) 木村優詞(F.M.F) Artist Management: 石井由紀子(CAT entertainment) A R Producer: 伊藤裕史(PONY CANYON) A R Director: 三輪靖史(PONY CANYON) 恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり) Guitar Programming: 大石昌良 Drums: 坂本暁良 Bass: 工藤嶺 Trumpet: 湯本淳希 Sax: ヒロムーチョ Trombone: 川島稔弘 Recorded by 八反田亮太 Mixed Recorded by 中谷浩平 Recording Studio: Victor Studio Studio Jive Mix Recording Studio: inks しあわせチャンピョン Guitar Programming: 大石昌良 Drums: 坂本暁良 Bass: さと Guitar: 奈良悠樹 Piano Strings Arrangement: うたたね歌菜 Mixed Recorded by 大串浩彰 Recording Studio: Victor Sound inn Mix Recording Studio: Brilliant Studio 備考 動画 配信情報 iTunes Apple Music Spotify Amazon Music mora mora ハイレゾ 商品リンク ・恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)
https://w.atwiki.jp/monsterworks/pages/62.html
コスト 戦闘力 属性 HP 攻撃力 防御力 労働力 広告力 霊感 カテゴリ 特殊能力 50万 8000 土 220 100 30 20 1 0 女性 農家 ACT 農家勧誘 農家ユニットの1体。好きな人には 極太の レーザー撃っちゃう年頃です。 任意の1体を農家にすることことができるが、戦闘面はからきしで殆ど何もしない。 同じような能力を持つユニットにニャンコロマンサー鈴音がいるが、 ゾンビにしたユニットを農家に勧誘した場合、ゾンビであり農家でもあるユニットになる。 また、自分自身を農家に勧誘することもできるが、最初から農家なので何の意味もない。 この記事はダウンロード版の物に改めてあります。 攻撃 発動率 技名 攻撃対象 技倍率 ダメージ発生回数 特殊効果/セリフ ? 技名なし - - - 何もしない / ごきげんいかが 火凛です ? 技名なし - - - 何もしない / 農家の娘と 呼んでください ? 農業マスターズパーク 全体 1.2 1回 通常攻撃 / 好きな人には 極太のレーザー撃っちゃう年頃です 上記の技は連撃する。 関連魔法 書きかけ 関連アーティファクト 書きかけ
https://w.atwiki.jp/mimatsu/pages/77.html
花園花鈴:中原麻衣 九条和音:沢城みゆき 九条姫香:下屋則子 烏丸キリオ:浅沼晋太郎 烏丸霧火:甲斐田ゆき 錦織みちる:石田彰 ニャケ(しーちゃん):加藤奈々絵 久我神:鈴木達央 桜井優生:吉野裕行 烏丸リカ:吉住梢 李美永:村井かずさ 鈴音:こやまきみこ 和佐:宮崎羽衣 烏丸妃路:吉住梢 キューちゃん:赤城進 九条の声:志村知幸 和音ーズ:池田千草、小幡記子、寿美菜子、坂元奈月 1話 おばさん:森夏姫 女の子:小幡記子、寿美菜子 3話 親衛隊:池田千草、寿美菜子、小幡記子、坂元奈月 9話 謎の少女:宮崎羽衣 11話 体育教師:赤城進 13話 不良:赤城進 作品一覧 か行
https://w.atwiki.jp/reina5001/pages/28.html
1. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 06 15.52 0 http //s.ameblo.jp/yuuka-maeda-blog/entry-10644838495.html 2. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 06 44.20 0 つかうよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお ゆうかりんんんん 5. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 07 33.77 0 使わせてもらうよ 7. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 08 15.95 0 どこで使えっていうんだw 12. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 09 58.52 0 かわいいよゆうかりん!!!!! 15. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 10 55.66 0 狼では使いまくってるけど 17. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 11 07.81 0 懲りてねえw 19. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 11 35.84 0 ゆうかりんの時代が来てしまったな 25. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 14 30.79 0 素直でよろしい 28. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 16 01.29 0 かわええな 明日からオカンに使ってみるか 30. 名無し募集中。。。 2010/09/10(金) 22 18 13.10 0 整い前田のおかげでちょっと狼が盛り上がってるな 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4052.html
『ゆか PIECE』 26KB 制裁 戦闘 群れ ドスまりさ 希少種 人間なし 失礼します ※ ゆかりん無双 ※ 少年漫画的なパワーインフレあり 「ありったけの~♪ しょうじょしゅう♪ かきあつめ~♪」 小高い山の頂上へと向かう道を、一匹のゆかりが跳ねていた。 よく晴れた秋の日である。 「たからもの、さがしにゆくのっさ~♪」 頭に銀バッジを付けた飼いゆっくり。 実力的には金バッジを取れるのだが、飼い主もゆかり自身も面倒くさがって金バッジ試 験は受けていない。ともあれ、かなり優秀なゆっくりであることは事実だった。 「ゆかぴーす♪」 足を止めて、ポーズを決める。 「ゆん。なにものなのぜ?」 それを狙ったように、周囲の藪からゆっくりが現われた。まりさ、れいむ、ありすの三匹。 タイミングがあったのは偶然ではなく、三匹が出てくる場所に見当を付けていたゆかりが、 その場所で終わるように歌っていたのだが。 「ここはドスのおやまだよ。かってにはいってこないでね。はいるなら、つうこうりょうをも らうよ。あまあまでいいよ。たくさんでいいよ! さっさとよこしてね!」 ゆかりの前に立ちはだかるれいむ。威嚇するようにゆかりを睨んでいた。一目でゲスと 分かる顔立ちである。この山に住むゆっくりはほとんどがゲスである。近々大規模な一斉 駆除が入るらしいが、それはゆかりの気にするところではなかった。 「ゆかりんのいきさきは、ゆかりんがきめるのよ。あなたたち、おにいさんたからものをぬ すんだでしょう? それをとりかえしにきたわ」 家を留守にしていた時に山のゆっくりに侵入され、大事なものを取られた。自分の不注 意に落ち込む飼い主を見て、ゆかりはその宝物の奪還に乗り出したのである。 「げらげらげら。なにばかなこといってるのぜ?」 下品に笑うまりさ。 「まりさたちのものは、まりさたちのものなんだぜ」 「いなかものはさっさとおうちにかえりなさい!」 ぽいん。 ありすの体当たりを受け、ゆかりは後ろに転がった。 「……ふぅ」 ひっくり返ったまま、ため息をつく。ゲスな連中が素直にゆかりの言う事を聞くわけがな い。予想通りだった。予想通り過ぎて、少し呆れるくらい。 「ゆっへっへ」 ゲスな顔でゆかりを見下している三匹。 ゆかりはその場に跳ね起き、ぐるりと身体を捻った。三百六十度ほど。普段の平穏な生 活で鈍った身体をほぐすように一回転させてから元に戻り、まりさを見る。 「ゆかゆかのピストル!」 「ゆがっ!」 勢いよく伸びたゆかりの頭突きが、まりさを吹っ飛ばした。 ゆかり種の特徴である、どんな隙間にでも入り込める異様な柔軟性。全身をゴムのよう に伸縮変形させ、相手を攻撃する。これがゆかりの持つ技だった。 「あ、が、が……」 歯を砕かれ、餡子を吐き出し、まりさが悶えている。 大抵のゆっくりは一発くらうだけで行動不能だ。 「れいむたちにはむかうき!?」 「ゆかゆかの、ムチッ」 「ゆべっ」 鞭のように細く伸びたゆかりが、れいむを真横から一撃する。三メートルほどに伸びて いたゆかりが元に戻った時には、れいむは餡子を吐いて気絶していた。飛び出した右目 が地面に転がる。 「おほおお! このいなかものおおお!」 ぺにぺにをフルボッキさせ、レイパーモードに変身するありす。 だが、ゆかりの敵では無かった。 「ゆかゆかのバズーカァ!」 身体を前後に伸ばしながら、ありすへと接近する。ありすへと体当たりをする直前に、伸 びた身体が勢いよく縮み、体当たりの破壊力を何倍にも跳ね上げる。 「ごばぁ!」 顔面が潰れ、後頭部が裂け、カスタードクリームをぶちまけるありす。ぺにぺには根元 から折れていた。どっちにしろもう使う事はないだろう。 数秒で壊滅した見張り三匹を眺めてから、ゆかりは山頂へと向かった。 「しねみょん――」 枝を咥えて突っ込んでくるみょん。 「あたらないわ。ゆっくりしすぎよ」 ゆかりは枝を躱しながら、みょんの頭上へと跳び上がる。全身の伸縮を利用すれば、ゆ っくりの頭上へと跳び上がることも造作ない。 空中で身体の上下を入れ換え、ゆかりは脚を空へと伸ばす。 「ゆかゆかのおのッ!」 「みょおおん!」 ホワイトチョコをぶちまけ、みょんが潰れた。 その勢いで少し離れた地面に着地する。 そこへ突っ込んでくるちぇん。 「ゆっくりしね。わかれよー」 「ゆかゆかのかね!」 「に゙あ゙あ゙!」 後ろに伸びてから縮む強烈な頭突きをくらい、ちぇんは一回転して地面に落ちた。上下 逆さまのまま目を回し、口からチョコを吐き出している。 「こんなのがうちのちぇんとおなじちぇんなんて、ふしぎだわ……」 家のちぇんを思い出しながら、ゆかりはため息をついた。 山の中腹にある広場。右側は森、左側は小さな崖になっている。崖と言っても渓谷で はなく、二メートルくらいの段差だ。落ちて死ぬ高さではないが、無事でも済まない。 「ゆかゆかの――」 まるでそういう仕掛けのようにわらわらと涌いてくるゆっくりたち。ゆかりの前には十数 匹のゆっくりがいた。全員眼に殺意を浮かべて。 「ガトリング!」 ズガガガガガガ! 「ゆばぁ!」 「いぢゃいいい!」 「ゆやあああ!」 連続で繰り出される頭突きの連打。伸びると縮むを連続で繰り返し、居並ぶゆっくりを 片っ端からなぎ倒していく。ガトリング砲の掃射のように。 およそ五十発の頭突きを放った時には、ゆっくりは全滅していた。 ヒュンヒュン! 「おお、つよいつよい」 聞こえてきた音と声に、ゆかりは振り返った。 山伏が被るような頭巾と、そこから伸びる白いぽんぽん。斜めに構えているためか元 々なのか、微妙に高さの違う赤い眼、薄く開かれた口元。芸術的なまでに人を見下した 顔立ち。 「どうも。キモくてウゼぇきめぇまるです」 ヒュンヒュンヒュン !! 「……きめぇまる」 ゆかりは微かに目蓋を落とした。声に映る緊張感。 こいつは今までの雑魚ゆっくりとは違う。 きめぇ丸。割合よく見かける希少種である。キモイ、ウザイ。どんな相手でも見下すふざ けた態度。色々悪評はあるが、それはどうでもいい。その特徴は速さである。ゆっくり離 れした速度。そして、強い。 「さすがゆかり。そこらのつうじょうしゅとはちがいますね」 ヒュンヒュンと首を振り、ゆかりに倒されたゆっくりを見る。 それからゆかりに視線を戻し、 「だがしかし。このきめぇまるはおやまのゆっくりさいそくッ! このうごきに――」 ヒュヒュヒュヒュヒュン !! 「ついてこられるかな!」 「ゆかゆかのピストルッ!」 相手が動くよりも速く、ゆかりが頭突きを放つ。 しかし、きめぇ丸は余裕で反応していた。 ゆかりの攻撃をあっさり躱し、じぐざぐに蛇行しながら、ゆかりの真横に回り込む。時折 首を高速シェイクしつつ。その速度のまま、突っ込んできた。 「ゆかぁ!」 真上に跳ね上げられるゆかり。速さとは破壊力である。高速で移動するきめぇ丸の体 当たりは、それだけで強力な攻撃だった。 一回地面でバウンドしてから起き上がり、ゆかりはすぐにきめぇ丸に向き直る。 ヒュヒュヒュヒュ !! 真正面から突進してくるきめぇ丸。 「ゆかゆかのバズーカ!」 しかし、当たらない。 「おお、おそいおそい」 ヒュンヒュン! あっさり避けられ、真後ろから体当たりを喰らい、地面とキスをする。 「ゆかゆかのガトリングッ!」 跳ね起きたゆかりは、すぐさま攻撃に移る。ゆかりの速さではきめぇ丸には届かない。 一発では確実に避けられてしまう。ならば、手数を以て当てる! 「かみえ――」 ヒュンヒュンヒュンヒュン!! 風に吹かれる紙のように。 ゆかりの頭突きをことごとく躱していく。 きめぇ丸が後退し、ゆかりは攻撃を止めた。 きめぇ丸はゆかりを見つめ、頷いた。 「これはこれは、うっかりしていました。たいあたりはきかないのですね」 全身を自在に伸ばし縮めるゆかり。その無節操ぶりをスライムに例えるものもいる。そ の柔らかな身体は、大抵の衝撃を吸収し、受け流してしまう。ゆっくりレベルの体当たり はゆかりには全く効果が無いのだ。たとえきめぇ丸でも。 「でも、これはきくでしょう?」 きめぇ丸が取り出したのは、カッターナイフだった。 打撃は効かない。しかし、斬撃は効く。 「きられるのはゆっかりできないわね」 ヒュン! カッターナイフを咥え、きめぇ丸が突っ込んでくる。顔面シェイクしながら。左右じぐざぐに 動き、距離感と位置を狂わせる。それはきめぇ丸のゆっくりさせない性質を、如実に現わ した移動方だった。 薄い刃がゆかりの頬に刺さる。 その瞬間。 「ゆかゆかの……かねぇぇ!」 「おおおおぅ」 頭突きを顔面に喰らい、きめぇ丸が吹っ飛んだ。 だが、あまり効いていない。 すぐに跳ね起き、カッターナイフを構え直す。 「おお、いたいいたい。こうげきのしゅんかんにあわせるとは、さすがゆかり。おお、つよい つよい。しかし、このきめぇまるに、にどめはないですよ?」 ゆかりは舌を伸ばして、頬を舐めた。横一文字の傷跡。中身の納豆の汁が少し漏れて いる。納豆の粘りで傷口はすぐに塞がった。 「きめぇまる。よくもゆかりんのかれんなおかおに、きずをつけてくれたわね……。すこし はんせいしなさい」 ゆかりの身体が縦に伸びた。一メートルほどに伸びてから、一気に縮む。今度はせん べいのように真っ平らに。そして、元に戻った。 「ギア・2〈セカンド〉!」 しぅぅぅ…… ゆかりの身体から薄く湯気が立ち上っている。肌はピンク色に染まっていた。それはで きたての饅頭を思わせる。 きめぇ丸が珍しそうにその様子を眺めている。 「ゆかゆかの――」 ゆかりの瞳がきめぇ丸に狙いを定めた。 ヒュン! それを合図にきめぇ丸が走る。 「JETピストル!」 ドゴンッ! 空気を引き裂き伸びるゆかりの身体。 きめぇ丸の赤い瞳が驚愕に見開かれる。反応はぎりぎりできた。だが、避けることはで きない。きめぇ丸の思考よりも速く、ゆかりの頭突きが顔面に打ち込まれる。 吹っ飛んだきめぇ丸が、後ろに木に激突して地面に倒れた。 「おお、なにごとなにごと?」 顔を上げたきめぇ丸がゆかりのいた場所を見る。 カッターナイフは落ち、口元から中身の練り胡麻が垂れていた。その顔から今までの余 裕は消えている。それどころか、はっきりと焦りが浮かんでいた。 ゆかりの速度はゆっくりとして非常識なレベルまで強化されていた。お山最速を自負す るきめぇ丸をも上回っている。しかも、その速さに合わせて、破壊力も増していた。具体的 に言うと、人間の全力の蹴りくらいに。 「JETライフル!」 ドン! 高速回転頭突きがきめぇ丸を真横から打ち倒した。 なすすべなく地面を転がるきめぇ丸。 「おお、お……?」 眼を回し、激しく息をしながら、きめぇ丸は跳ね起きた。口から吐き出される練り胡麻。ダ メージに身体が震えている。瞳に焦燥を浮かべ、周囲を睨む。 その頭上にゆかりがいた。跳び上がっていたのだ。 「JETスタンプ!」 ズドン! 勢いよく伸びたゆかりの脚が、きめぇ丸の後頭部を直撃する。 「やりィッ!」 再び伸びた脚が、きめぇ丸を襲う。衝撃に身体を仰け反らせ、声にならない悲鳴をあげ るきめぇ丸。口から吐き出された練り胡麻が、地面を少し黒く染める。 攻撃内容が同じなのに、技名が違う事は気にしてはいけない。 顔を伸ばし、ゆかりがきめぇ丸の髪の毛に噛み付いた。 「JETミサイル!」 勢いよく縮んだゆかりが、きめぇ丸の身体をさらに地面にめり込ませる。普通のゆっくり なら既に身体がばらばらに爆ぜているだろう。これほどの猛攻を受けてなお原型を止め ているのは、きめぇ丸はきめぇ丸種としても強いからだった。 きめぇ丸から二メートルほど離れた所に着地するゆかり。 「おお……お……」 咳き込み練り胡麻を吐き出し、きめぇ丸が起き上がった。 「なんという、はやさ。おどろき、おどろき」 帽子はどこかに吹き飛び、髪の毛はぐしゃぐしゃ。左目は潰れているようで、目を開けて いない。吐き出された練り胡麻で顔は黒く汚れていた。あちこち皮が裂け、中身をこぼし ている。呼吸も酷く乱れていた。痙攣も収まらないらしい。瀕死であった。 しかし、その顔から闘志は消えていない。 「だが、このきめぇまる。てきにせはむけない!」 今までと同じ速度で突っ込んでくる。燃え尽きる前のロウソクが一瞬激しく燃えるように。 消えかかった命を燃やし、きめぇ丸は最後の意地を見せた。 同時にゆかりも前へ出る。 「ゆかゆかのJETバズーカァ!」 身体を前後に伸ばし、一気に縮める体当たり。 「おおお……おお……!」 きめぇ丸は全身から練り胡麻を吹き出し、宙を舞う。 そして、声もなく崖下へと落ちていった。 そこから少し昇った木陰で、ゆかりは帽子を地面に起く。 「ちょっとつかれたわ。ごはんにしましょう」 中に入っていたのは、パックの納豆だった。スーパーなどで売っている普通の納豆であ る。あれほどの戦闘を行ったのに中身はこぼれていないし、パックも破れていない。 細かい事は気にしてはいけない。 ゆかりは蓋を開け、匂いを嗅ぐ。 「すばらしいしょうじょしゅうね」 満足げに頷いた。 それから、中身の納豆を食べ始める。 「むーしゃむーしゃ、おいしいわー」 山頂にある広場に、ドスはいた。 「あなたがこのおやまのドスね」 ドスを睨み付けるゆかり。大きさは二メートル半ほどだ。ドスとしては標準的だろう。ドス としては標準的だが、普通のゆっくりに比べれば充分に大きい。 「ゆーん?」 広場の奥に作られた玉座に、ドスは座っていた。大量の葉っぱとゆっくりから奪ったお 飾りを組み合わせ、どこかから持ってきた光ものを置いたもの。大きな鳥の巣と表現した 方が的確だが、ドス視点では玉座である。 「おにいさんのおうちからぬすんだおたからをかえしなさい」 ゆかりが見ているのは、ドスの後方にあるガラクタの山だった。二本の木の間に枝を通 して、簡単な荷物置き場が作ってある。粗大ゴミからステンレス製の食器、箱に入ったお 菓子やレトルトパックまで。山や人里で拾ったり盗んだりしたものが、乱雑に積んである。 お兄さんのお宝もそこにあるだろう。 ドスはそこを宝物庫と呼んでいる。 玉座から降り、ドスは哀れみの視線を向けた。 「ゆーん。なにいってるの? ドスのものはドスのもの、みんなのものはドスのもの、にん げんのものもドスのもの。このせかいはドスのもになんだよ。おにいさんがどこのおにい さんかしらないけど、ドスのものはあげないよ」 「なら、じつりょくこうしよ」 ゆかりは走った。 ドスは動かない。 「ゆかゆかのブレッド!」 一度頭を後ろに伸ばし、ドスの顎の辺りに叩き付ける。普通のゆっくりなら一発で行動 不能になる豪打だ。 「ゆん。かぜがふいたよ?」 ドスはお下げで打たれた辺りを撫でている。 「ゆかゆかのガトリングゥゥゥ!」 「ゆーん、きもちいいよー」 連続頭突きを喰らいながら、ドスはくすぐったそうに笑っていた。 ドスから距離を取るゆかり。 「さすが、ドス。ぜんぜんきいていないわね。ちょっとこころがおれそうよ」 単純な体格差。巨大な身体は相応に頑丈である。普通のゆっくりが全力で体当たりし ても通じない。普通のゆっくりがダメージを与えるには、硬い枝などを咥えて思い切り体 当たりしなけれなならない。それでもダメージはたかが知れている。 「もうおわり?」 小馬鹿にするようなドスの呟きに。 ゆかりは身体を縦に伸ばした。そして、一気に縮める。 「ギア・2〈セカンド〉!」 しぅぅぅ…… ゆかりの身体から薄く湯気が立ち上る。ピンク色に染まる肌。体内の納豆を勢いよく混 ぜ合わせることにより、少女成分を異常活性化させ、限界を超えた力を生み出す。ゆかり の切り札のひとつだ。 「ゆかゆかのJETバズーカァ!」 「ゆあっ」 全力の体当たりに、ドスは思わず声を上げた。それは人間が思いきり蹴るほどの威力 である。普通のゆっくりの体当たりとは比べものにならない。 さすがのドスにもダメージが入る。 ドスの身体を蹴って距離を取るゆかり。 「ゆぅぅ。いまのはちょっといたかったよ! いたかったよ!」 眼に怒りを灯し、ドスがゆかりを睨む。ダメージは入ったが、大きくはない。人間の蹴り のように力を一点に集めれば穴も開くが、ゆかりは全身を使った体当たりである。薄い痣 ができる程度だ。 「JETガトリングゥゥゥゥ!」 「ゆああああッ!」 超高速の頭突き連打に、ドスが蹌踉めく。 しかし、決定打には届かない。 「じょうぶね、ほんとうに」 ゆかりはドスから距離を取り、ギア2を解除した。 ぎりと歯を噛み締め、殺気に満ちた視線を向けるドス。普通のゆっくりはドスには絶対 に敵わない。ドスと普通ゆっくりは住む世界が違う。だからドスはこの世界の王である。 それがドスの信条だった。 ゆかりは、ドスのプライドに小さなヒビを入れた。 「ゲスはゆっくりしねええ!」 「ギア・3〈サード〉――ぷくううううううううっ」 ゆかりの身体が膨れ上がる。ぷくーは頬を膨らませる威嚇だが、ゆかりは自分の全て を膨らませていた。まるで風船のように。帽子から髪の毛、眼や歯も膨らんでいく。 「なにこれ? ドスゆかり……?」 いきなりの巨大化に、眼を丸くするドス。 ゆかりはドス並の大きさになっていた。人間の背丈よりも大きな身体。大量の空気を取 込み、身体を膨らませることでドスの大きさとパワーを作り出す。 ゆかりの切り札の二枚目だった。 「ゆかゆかのギガントピストル!」 勢いよく伸びた頭突きが、ドスを打ち倒した。 一度地面に叩き付けられ、玉座に転がるドス。ドスの巨体に薙ぎ払われ、玉座はあっ さりと壊れた。辺りに枯れ葉やお飾りが跳び散る。普通のゆっくりではドスにダメージを与 えることはできない。だが、ドスが体当たりをすれば、ドスでもダメージを受けるのだ。 目を白黒させながら起き上がるドス。 前後に身体を伸ばしたゆかりが、ドスに突撃する。 「ギガントバズーカ!」 「ゆああああッ!」 吹っ飛ばされたドスが、広場の奥にあった宝物庫に突っ込んだ。詰んであったガラクタ が辺りに飛び散り、木に跳ね返ったドスが地面に倒れる。 ゆかりは地面を蹴ってドスの真上に跳び上がった。空中で逆立ちしながら、脚を真上に 伸ばす。そして、一気に縮める。 「ギガントアックス!」 ドン! 地面に穿たれる丸い凹み。 ドスは直前で横に転がり、攻撃を躱していた。 「ゲスが、ちょうしにのるなあああ!」 「ゆあ」 全力の体当たりがゆかりに炸裂する。 (あら。やばい) ゆかりは身体の中で、何かが外れる感触を覚えた。 プヒュー。 ひゅるひゅるひゅる……。 次の瞬間、口から凄まじい勢いで空気を吐き出し、ゆかりは宙を待っていた。巨大な風 船のように、口から空気を吐き出しながら縮んでいく。 十数秒空中をでたらめに飛び回ってから、ゆかりは広場の横の草陰に落ちた。 「ゆぅ。ゆかりん、ようじょになっちゃたわ」 その身体は子ゆっくりほどの大きさになっていた。 ドス並の体格を作り出す反動で、しばらく子ゆっくりサイズまで縮んでしまう。それがギ ア3の欠点だった。子ゆっくりでは普通のゆっくりも相手にできないので、元に戻るまで隠 れている必要がある。 ゆかりは草陰から広場を眺めた。 「ゆっかりしていたわ」 ドスの周りに飛び散ったガラクタ。勢いに任せてドスを吹っ飛ばした結果、盗まれたお 宝があるはずの倉庫を壊してしまった。壊れたガラクタも見える。お兄さんのお宝も一緒 に壊れているかもしれない。 お宝を壊していたら、お兄さんに謝ろう。 ゆかりはそう決めた。 目に殺気を燃やしながら、ドスは周囲を睨んでいた。ゆかりを探しているのだが、ゆかり は子ゆっくりサイズになり、草陰に隠れているので見つけるのは難しい。 広場を移動し、ぎょろぎょろとあちこちを睨み付けるドス。 「あのクソババァ! どこにいたの! ゆっくりしないででてきてね!」 「あ゙? ババァ?」 みしりと、ゆかりの額に怒りのマークが浮かんだ。 ふと足を止めるドス。 「ゆん。なにこれ?」 その足元に、小さな箱が落ちていた。白い木の箱だった。人間が片手で持てるくらいの 小さい木の箱。蓋が少し開いている。 ゆかりは目を見開く。それはお兄さんのお宝だった。 ドスはお下げでその箱を持ち上げ、直後に思い切り顔を強張らせる。 「ゆああっ。くさい、なにこれめっちゃくさいッ! あっちいけえっ」 泣きながら、箱を放り投げた。 放物線を画いて宙を舞う箱。 そして、ゆかりの潜んでいる茂みに落ちた。 蓋が外れ、中身が転がり出てくる。 「これは」 納豆だった。麦藁にくるまれた納豆。辺りに漂う高級な少女臭。一本二千円もする超高 級納豆だ。味も粘りも匂いも、並の納豆とは違う。ドスが驚いたのもこの匂いが理由だ。 箱を開けた事で、中身の匂いが漏れ出したのである。 だが、ゆかりが見たのは納豆では無かった。 『たんじょうびおめでとう ゆかりへ』 平仮名でそう書かれた紙だった。 「おにいさん」 目元からこぼれる一筋の涙。 ゆかりはぴょんぴょんと納豆藁に近づき、舌で器用に藁を開いた。 「むーしゃむーしゃ。しあわせ――」 「おい、ドス」 声を掛けられ、ドスが振り向いた。 そこにはゆかりがいた。普通のサイズに戻ったゆかり。 ゲスな笑みを浮かべ、ドスはゆかりを見下ろす。 「ゆ、でてきたね。ゲスなゆかりは、ゆっくりころされて――ゆん?」 そこで気付いた。 殺気。息ができなくなるほどに濃い殺気。 ゆかりがドスを見上げている。口元に薄い笑みを貼り付けて。 「しーしーははすませたか? かみさまにおいのりは? どうくつのスミでガッタガタふる えて、いのちごいするこころのじゅんびはOK?」 「ゆ? ゆん」 ただならぬ雰囲気に、ドスは半歩後退する。 ゆかり。希少種であるが、身体能力は普通である。火を吹いたり凍らせたり、そういう 能力も持たない。知恵比べをするならともかく、真正面からの戦いでドスが負ける相手 ではない。だが、勝てる気がしない。戦ったら負ける。情け容赦なく殺される。 赤ゆっくりが成体ふらんと戦うように。 絶対に勝てない。目の前のゆかりにはそう思わせる凄みがあった。 「おまえがおかしたつみはみっつ」 ドスを睨め上げ、ゆかりは叫んだ。 「ひとつ、おにいさんのたからものをぬすんだこと! ふたつ、しょうじょしゅうをくさいとぶじょくしたこと! みっつ、このゆかりんをババァといったことォ!」 ゆかりが跳んだ。ドスの頭を越えるほどに。 余談だが、ゆかりの実年齢は飼い主の納豆大好きお兄さん(26歳)より上である。 「あ、あ……」 ドスは大口を開けてゆかりを見上げた。飛行能力を持たないゆっくりを、ドスが見上げる ことはない。ドスは他のゆっくりを見下ろすことしかしない。だが、ドスは無力に空を飛ぶ ゆかりを見上げていた。見上げるしかなかった。 ゆかりは自分の頭を勢いよく伸ばし。 「ゆかゆかの、ブレッドォ!」 ゴン。 「いっだあああい!」 額から中枢餡まで突き抜ける激痛に、ドスは叫んだ。その場に倒れ、ごろごろと地面を 転がる。普通のゆっくりの攻撃はドスには効かない。そんな事を言う暇すらない、問答無 用の豪打だった。 その威力は、人間が思いきり振り回したハンマーに匹敵する。 超高級納豆とお兄さんへの感謝、そして様々な怒りが相乗効果を生み出し、ゆかりに ゆっくりの限界を遙かに超えた力を与えていた。 「ゆかゆかのバズーカ!」 「ゆがああああ!」 大きく腹を凹ませ、ドスが悲鳴を上げる。目から涙を流し、尻を振り回しながら無様に地 面をのたうちまわる。皮が裂けていないのは、ゆかりが柔らかかったからだ。だが、柔ら かな身体は、衝撃を損失なくドスの体内まで浸透させる。 ドスから距離を取るゆかり。 一度息を吸い込み、勢いよく縦に伸びた。およそ二メートル。まるで丸い柱のように変 形してから、一転して縮む。今度はぺらぺらの紙のように。 そして、元に戻る。 「ギア・2〈セカンド〉!」 全身から立ち上る湯気。ピンク色に上気した肌。 ドスが起き上がる。 「ゆかゆかのJETピストル!」 ドゴォン! 弾丸のような速度で撃ち放たれた頭突きが、ドスの腹に叩き込まれた。それはもはや 砲撃である。ドスは自分の身に何が起こったかも理解できなかった。限界まで口を開き、 目を剥き、声も上げられず、数メートル吹っ飛ぶ。 のたうつ事もできず、激痛に固まるドス。 「JETウィップ!」 「あべし」 鞭のように伸びたゆかりが、ドスを薙ぎ払った。身体をくの字に折り曲げ、十メートルほ ど宙を舞い、頭から地面に落ちる。 上下逆さまで地面に直立するドスに、ゆかりは突っ込んだ。 「JETバズーカ!」 「おぼあぁ!」 腹にめり込んだゆかりとともに、再び十メートルほど宙を舞い、ドスは杉の木に激突した。 幹が激しく揺れ、枯れ枝や枯れ葉が落ちてくる。 ゆかりはドスの腹を蹴って、少し離れた場所に着地した。 上下逆さまのまま、杉の木に寄り掛かっているドス。ぐるぐると目を回し、意識をどこか に飛ばしている。口から少し餡子を吐き出し、おそろしーしーを漏らしていた。ゆかりの体 当たりを受けた腹は、大きく凹んで痣になっている。 しかし、ゆかりは止まらない。 「JETガトリング!」 「ゆばばばばばばっっ」 超高速連続頭突きが、ドスへと襲いかかった。 ドスは普通のゆっくりとは違う。住む世界が違うのだ。だから、ドスはゆっくりを支配する 王なのだ。そんなドスの信条を嘲笑うかのように、ゆかりの連打がドスを壊していく。圧 倒的だった。武器を持った人間がゆっくりを蹂躙するような圧倒的な力。 ふと攻撃を止めたゆかり。 ヒュン! ときめぇ丸のような高速で地面を走り、ドスとの間合いを開く。 そして、言った。 「ドススパークをうちなさい」 「ゆん?」 ドスの意識が少し戻る。 全身が腫れ、自慢の帽子もボロボロ、歯も半分欠けたドス。 冷たい視線を向け、ゆかりは口を動かす。 「まだえいえんにゆっくりするのははやいわよ? ぜんぶだしなさい。おまえのすべてをひ ていしてあげるわ。ゆっかりまってあげるから、はやくおきなさい」 言った通り、待つ。 ドスは地面に倒れ、のろのろと起き上がった。何もしていないのに、身体が左右に揺れ ている。目もそれぞれ別の方向を向いている。口元から流れ落ちる餡子。 数分掛けて意識を引き戻し、ドスはゆかりを睨み付けた。 「ぞ、ぞのぜりふ、ごうかいずるよ! こうがいざぜて、やるよおお!」 地面に落ちていたキノコを口に入れ咀嚼。 その様子をじっと見つめるゆかり。 距離はおよそ三十メートル。 「ドススパークッ!」 大きく開かれたドスの口から、閃光が迸る。小さな稲妻を伴った、光の渦。ドスの持つ 最強の攻撃。ゆっくりを消し去る閃光。 その閃光に向かい、ゆかりが跳んだ。 「ゆかゆかのJET暴風雨〈ストーム〉――!」 ボッ。 回転しながら空中を走り、目にも留まらぬ速度で放たれる頭突き。嵐のような連打が、 ドススパークの閃光を引き裂き、霧に変えていた。全てを否定する。その台詞通り、ゆか りはドスの最終兵器を真正面から粉砕する。 それだけでは終わらない。 「JET攻城砲〈キャノン〉!」 ズンッ! ゆかりは草の上に着地し、振り返った。 ばきばきと耳障りな音を響かせ、幹を削り取られた杉の木が倒れていく。数秒して、轟 音とともに杉の木が倒れた。驚いた鳥が木々から跳び上がり、動物が逃げていく。風と共 に舞い上がる土煙。 ドスの身体に穴が空いている。 正面から背中まで。 「あ……あ……」 呻き声を上げ、ドスがゆかりに向き直る。 身体の中心に風穴を開けられながらも、割と元気に生きている。中枢餡さえ無事なら、 ゆっくりは早々死なないものだ。ついでに、何となく口があれば喋ったりもできる。 プライドも何もかも粉々に粉砕され、ドスは泣いた。 「ゆるじてね……。おにいざんの、おだからがえずから、ドスをゆるじてね」 「あ。おたからはもういいわ」 ドスを見つめ、ゆかりはにっこりと笑った。無垢な少女のような可憐な笑顔で。 あっさり告げる。 「ゆかりんがたべちゃったから」 「どぼじでたべぢゃうのおおお!?」 漫画のように涙を流しながら、ドスが叫ぶ。 軽くのーびのーびしながら、ゆかりは楽しそうに微笑んでいた。 「おにいさんからゆかりへのプレゼントだったから。ありがたくいただいたわ。でも、おたか らはなくなっちゃったけど――」 ふっと、その顔に影が差す。 「ゆかりをババァっていったことはゆるさないわよ。ぜったいに」 ドスが固まる。 「ギア・3〈サード〉! ぷっくううううううっ、うううううううう!」 周囲の空気がゆかりの身体に吸い込まれていく。普通サイズの身体が、大きく膨らみ 始めた。風船を膨らませるように、全身の部位がまんべんなく大きくなっていく。その身体 はドスサイズを越え、さらに巨大になっていく。 「いやだああああ! じにだぐないいいい!」 ドスは逃げた。穴の開いた身体で。 裂けた皮や身体の穴から餡子をこぼし、両目から涙を溢れさせながら。ついでにうんう んとしーしーを垂れ流しながら。とにかく走る。ドスのプライドなど残っていなかった。死に たくない。ただその一心で走る。 行き先は自分でも分かっていない。 「だずげでえええ! だれがだずげでえええ!」 一回跳ねるごとに身体が壊れていくが、それを気にしている余裕は無い。 怖かった。 目の前に現われた絶対的な死が。 「ゆかゆかの――」 ゆかりが跳んだ。 およそ六メートルの巨大ドスサイズ。それが高々と宙を舞う。 「ギガント――」 その身体を勢いよく真上に伸ばした。ゆうに数十メートル。山頂の広場の上空を飛ぶ、 巨大な円柱のような巨大物体。それがゆっくりゆかりだと言われても、信じる者はいない だろう。不気味で奇怪な未確認飛行物体だった。 「JET――」 その照準が、逃げるドスへと向けられる。 「メテオ!」 ひゅぅ。 風が吹き抜ける。 山頂の広場。ドス。ドスの玉座。宝物庫のガラクタ。全部消えていた。 そこには巨大なクレーターだけが残っていた。えぐれ跳んだ地面が、丸く広がっている。 直径五十メートルはあるだろう。周囲の木々は放射状になぎ倒されている。まるで隕石 が衝突したような跡だった。 「ゆかりんったらゆっかりものね。ちょっとやりすぎちゃったわ」 クレーターの縁でゆかりは笑っていた。暢気な笑顔。 笑顔のまま数秒大穴を見つめ、 「あー。ぜったいまずいわよね、これ……」 目を逸らし、囁くように唸る。 だが、すぐに元の笑顔に戻ると、空に浮かぶ太陽を見上げた。風がゆかりの頬を撫で、 金色の髪を揺らす。空はどこまでも青く、太陽はいつもと変らず明るく輝いていた。 「はやくかえらないと、ばんごはんのじかんにおくれちゃうわ」 くるりと身体の向きを変え、ゆかりは歩き出した。 あとがき ドスは色々とイジめ甲斐があります。
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2329.html
期待と不安。 よくあるカップリングであるが、それは例えば合格発表だとか、その後の4月に始まる新生活にこそふさわしいものであって、隣家の客室の大きすぎるベッドにて風邪で寝込みながら抱える感情としては、あまりふさわしいものではない。 それでもみなみの心にあるのは、期待と不安以外の何物でもなかった。注記が必要とすればその比率に関してであり、期待が1、不安が9といったところであったが。 「みなみちゃん」 名前を呼び、幼稚園児みたいなスモックを羽織り、黄色いチューリップ帽を被ったゆたかが客室に入って来るに及んで、みなみの中の期待は2になる。無事に着いたのは喜ばしいことだ。その代わり不安が98になった。何なんだこの幼稚園児ルックは。高熱で錯乱した泉先輩が、無理矢理着せて送り出したのだろうか? いずれにしても危険である。ゆたかの愛玩動物的可愛らしさを、あの人は放っておくだろうか? あるいは…… 「ゆたか、本当に来てくれたんだね……」 「うん。みなみちゃんが心配だもん」 屈託なく笑うゆたかにみなみの心は癒されが、不安は998くらいに膨れ上がる。来てくれたのはありがたいが、心配になるのはむしろみなみの方である。ここまでにあっていると、自分だっていじりたくなる。そういえば、泊まりのための荷物はどうしたのだろうか……? 「高良先輩の部屋においてきたよ。おばさんからは、そこを使ってって言われたの。最初はみなみちゃんの部屋で寝るのかなって思ったんだけど、風邪が伝染るといけないからって」 「……そうだね」 常識的にはそうだが、期待していなかったといえば嘘になる。 「そしたらね、小さい服がたくさん並べてあって、高良先輩が昔着ていたものなんだって。それで私に似合うのを選び始めて……」 着せたというわけか!! みなみは戦慄し、静かに戦闘態勢へと移行した。 園児コスのゆたかは抱き締めてしまいたいほどに愛らしく、思わず触れてみたくなり、みなみは手を伸ばしてしまう。 「はーい、みなみちゃーん。お粥が出来ましたよー」 そこへ何の前触れもなくゆかりが入ってきた。手にしたお盆にはおかゆの入った丼、それを掬う匙、コップと水差しが載っている。 「あらあら……お取り込み中だったかしら?」 ゆかりにはみなみが、ゆたかの頬を包み込もうとしているように見えた。 「あ……こ、これは……。帽子が曲がっていたから……」 みなみは顔面を赤熱させ、慌てて手を引っ込める。ここはゆたかに幼稚園児の格好をさせた事を突っ込むべきであろうに……。 「あら? じゃあ何で直さないで手を引っ込めるの?」 「……」 みなみ、返す言葉なし……。 「うふふ、本当に可愛いわ。お人形さんみたい」 ゆかりはお盆をサイドテーブルに置くと大きすぎるベッドの端に腰掛け、ゆたかを抱き上げて膝の上に座らせてしまった。まるで腹話術の人形……。 「『こんにちは、私ゆたかちゃん。ゆかりおばさんのお人形なの』」 裏声で「ゆたかちゃん」のセリフを口にするゆかり。取りようによっては不穏な内容に解釈できるものだが、ゆかりに悪意はないらしい。 「ほら、セリフに合わせて口をパクパクさせないと」 その証拠に、本当の腹話術人形として(?)の演技指導(?)までしている。 「え、えと……」 ゆかりの膝の上であたふたするゆたか。 「……ゆたかが裏声で喋ればいいのでは」 「その方が腹話術人形らしく見える?」 「う、え……そ、それは……」 出した助け船が、出港直後に轟沈。いずれにしてもゆかりのペースだ。成す術をなくして、みなみは二人を見遣ることしかできない。 純粋に腹話術人形としての出来を見るならば、このまま幼稚園や小学校を訪問し、交通安全の啓発だって出来そうだと思えるくらい様になっていた。 交通安全人形「ゆたかちゃん」。この手の人形がたいてい「太郎くん」である事を考えると、画期的である。 ゆたかって、膝に乗せられるくらい軽いんだ……。 「はい、あーん」 人知れず(幸い顔には出なかった)いずれ自分も試してみようと決心を固めるみなみの口に、お粥が運ばれる。 「あの……自分で……」 食べますから、とは言えなかった。おかゆを乗せた匙を握ったゆかりが、笑顔のまま首を振る。 笑 顔 の ま ま。 「……」 みなみは口を開けたまま固まるばかり。その口にお粥と匙が入って来る。 「おばさん……あの、私が……」 膝に座ったままのゆたかが、みなみの口に匙でおかゆを運ぶ役を志願するが、ゆかりは首を横に振る。 「ゆたかちゃんじゃ届かないわ」 なるほどベッドは無駄に大きく、枕が真ん中に置かれていたため、みなみもベッドの真ん中付近にいる。したがってゆかりの膝の上からでは、みなみの口まで届きそうになかった。 「あーん」 なおもこれ見よがしに、みなみにおかゆを与えるゆかり。ゆたかは焦りを覚え、横断歩道で左右を確認する際の動作を啓蒙する交通安全人形のように辺りを見回し……それを見つけた。 「はーい、みなみちゃーん」 ゆたかが目をつけたのは、サイドテーブルの上の水差しだった。ゆかりの膝を離れるとコップに水を注ぎ、反対側に回ってベッドの上にひざ立ちになり、コップをみなみの口元へ持っていく。 「ゆたか、自分で……」 飲むから、とは言えなかった。水の入ったコップを手にしたゆたかが、笑顔のまま首を振る。 笑 顔 の ま ま。 「はい、みなみちゃん。のど渇いたでしょ」 「……」 みなみは促されるままコップに口をつけると、ゆたかがわずかにそれを傾ける。上唇までが冠水したため、みなみは吸った。飲むというよりは吸うという、何とも不自由な感覚で喉を潤す。 「はい、みなみちゃん」 そこへすかさずゆかりのお粥攻撃。わ ら い な が ら。 「はい、みなみちゃん」 それが済むとゆたかの水攻め。わ ら い な が ら。 「はい、みなみちゃん」 三度お粥攻撃。わ ら い な が ら。 「はい、みなみちゃん」 三度水攻め。わ ら い な が ら。 「はい、みなみちゃん」 その繰り返し。わ ら い な が ら。 「はい、みなみちゃん」 その反復。わ ら い な が ら。 やがておかゆが食器を残して全滅し、ゆかりがそれを下げる為に部屋を後にすると、みなみは疲れ果てたようにベッドに横たわった。対するゆたかは、何かこうとてつもない事をやり遂げたような顔をしていた。 何はともあれ、やっと訪れた二人だけの時間。さあ、何を話そう……。 「ゆたか、学校でのこと聞かせて」 「うん」 ゆたかはベッドに腹這いになり、頬杖を突いて3-Bの教室に呼ばれたこと、会談の模様、そこでの決定事項を1-Dで話したら、ひよりが異常反応を示したことなどを伝えた。 「田村さんが?」 「うん。なかなかおいしいシチュなんだって」 「おいしい……シチュー??」 「……シチュエーションの事だと思うよ」 「あ、ああ……そうだね」 「みなみちゃん」 ゆたかの顔がグイっと迫り、額と額がランデブー。 「まだ熱下がってないみたいだね」 ゆたかはコロコロと笑う。 「そ、そうだね……」 むしろ上がったように感じられる。 ああ、でも心安らぐ瞬間。 病は気からというが、その「気」の方は確実に癒されていくのを感じる。ゆたかが来てくれてやっぱり良かった。みなみは心からそう思った。 そうそう、シチューといえば……。 「ゆたか、夕食は?」 「食べてきちゃった。みなみちゃんの看病に専念できるように」 「それは……ありがとう」 みなみが赤面し、ゆたかがそれに続く。おかしなものだ、と二人は内心で思う。こういう反応は、さっき額をあわせたときにこそあってしかるべきものではないか? おずおずと顔を上げ、目が合ってまた伏せる。隣に、そして一緒にいるのがあまりに自然で、変に意識して初めて甘さを帯びる二人の時間。こういう得がたいものは、得てして長続きしないのが世の倣い。 「はーい、みなみちゃーん」 再びゆかりが入ってきた。その手にはわずかに湯気を上げるぬるま湯を張った洗面器と、一枚のタオル。それにパジャマの替えのつもりと思しき衣類(パジャマではなくネグリジェだったが)まで持っていた。額に濡れタオルを乗せるのなら、ぬるま湯である必要はないはずだ。……ということは? 「体を拭き拭きしましょー」 サイドテーブルに持ってきたものを置き、大発明を大発表する発明家のように両手を広げてみせる。 「……もう昼間に拭きましたよ」 みなみはボソッと言う。 「やったの、みなみちゃん!?」 ゆたか、異常反応。再びみなみに大接近。 「うん……でも、途中で電話がかかってきて」 「そ~なのよ。みゆきったらちょうどいいところでかけてきて」 三角トレードの成立を告げる電話である。それに出るためにゆかりが行ってしまった為、みなみは自分で拭き、電話が終わって戻ってくる頃には後の祭りだったというわけだ。 「よかった……」 ゆたかは胸を撫で下ろす。 「で・も」 ゆかりはというと糸目をアーチ状に和ませ、無駄に嬉しそうな顔でこう言う。 「ゆたかちゃんが来てくれたからいいかな」 みなみは嫌な予感がした。 「というわけでゆたかちゃん」 またもやひょいと抱き上げ膝の上へ。またもや交通安全人形「ゆたかちゃん」状態。 「後でゆたかちゃんも拭き拭きしましょうね」 「ダメ!」 そう言ったのはみなみだった。 「……です。ダメです……」 同じくひょいという感じでゆたかをゆかりの膝から奪回し、体の後ろに隠すと震えるようにプルプルと首を横に振る。 「あら、ど~して?」 ゆかりは、おもちゃを買ってもらえないことを承服しかねる子供のように尋ねる。 「ゆたかは子供扱いすると傷つくから……」 何とも苦しい言い分。 「あらそう……」 ゆかりの糸目は水平になり、一応納得したようではあるが、すぐにアーチ状に戻って、 「じゃあ、みなみちゃんを大いに拭き拭きしましょう!」 「え、え……?」 ゆかりに手を引っ張られ、みなみはベッドに腹這いにされる。抵抗する暇もなくグレーのちょっと男っぽい感じのパジャマの上衣がめくられ、ぬるま湯に浸して搾ったタオルが降りてきた。 「♪ふふふん ふん、ふん~」 何が楽しいのか鼻歌まで出てくるゆかりと、取り残されたゆたか。 「あの、おばさん」 「なあに?」 「私―」 当然「―がやりますから」とでも続くべきところなのだが― 「拭き拭きして欲しいの!?」 そんなこと言わせる間も与えず、ゆかりは自身の欲望を表明する。 「いえ、あの……」 「待ってて! みなみちゃんを拭き拭きしたら、すぐにやってあげるから」 無論聞いてない。 ゆたかは大いに焦った。このままでは、みなみがゆかりのものになってしまう……ような気がする。しかしタオルは一枚だけ。部屋のカーテンが目に入るが、カーテンレールに手が届きそうにないし、届いたとしてもカーテンで拭くのは色々と問題がありそうである。ベッドシーツは二人が乗っているし、自分が被ってるチューリップ帽はちょっと固そうだ。 ええい、ままよ。自分の着ているスモックを脱ごうとした時、不意にそのポケットから一枚のハンカチが零れ落ちた。擬人化された(?)チューリップが満面の笑みを浮かべている何とも微妙な柄であった。幼稚園時代のみゆきが使ってそのままだったのだろうか。約12年の封印より解き放たれ、今ぬるま湯に浸された。 「あらあら……」 ベッドの反対側に上がり、そのハンカチでみなみの体を拭き始めたゆたかを、ゆかりは意外そうな面持ちで見た。 「そんなところにあったのね、それ」 「はい、ポケットに」 「よかった。お気に入りだったのよ」 「じゃあ、高良先輩喜びますね」 「ううん、私のお気に入り」 「おばさんのなんですか?」 「うん、見つかってよかったわ」 そう言いながら、ゆかりは髪を掻き揚げる程度の軽い動作で、みなみのブラのホックを外した。 「ゆ、ゆかりさん!?」 みなみはうろたえるが、ゆかりはアーチ状の糸目で笑い返すだけ。 「ん~、邪魔だったしー。ねえ、ゆたかちゃん?」 「ええ。みなみちゃん、きれい……」 耳朶を舐めるようなうっとりとした声でゆたかが言うと、みなみは抵抗の意思を放棄してしまった。 女性的というよりは中性的、それよりも贅肉も筋肉もついてない美少年的と言った方が適切かもしれない白い背中が、元々無遠慮だった二人に蹂躙される。 「いいなあ、私も昔は……」 なんて言いながら、ゆかりの空いている方の手がみなみの尻を撫で始める。 「ゆかりさん!!」 抵抗の意思が再燃する。本人としては猟犬のように吼えたつもりだったが、ゆかりは子犬をあやすように、笑いながらこうかわす。 「ん~、みなみちゃん小尻でいいなあって」 「「……」」 絶句したのはみなみだけではなく、ゆたかもだった。水を飲ませるくらいなら笑って付き合う(張り合う)ところだが、これにはいくらなんでも、である。女王様のように超然と微笑むゆかりに比べ、自分がまるで小間使い程度の存在に思えてくる。このままではみなみが、ゆかりに征服されてしまうような気がした。だからゆたかは、その上を行く行動に出た。出なければならなかった。 「本当、かっこいい……」 ゆたかの手も、みなみの尻を撫でる。それも準強制わいせつレベル……つまり、手をパジャマの中に潜り込ませ、下着の上から。 「ゆ、ゆ、ゆ……」 首を巡らせそれをゆたかの行為だと確認すると、みなみは諦めたように全身を弛緩させて顔を布団に埋める。 「はい、じゃあ次は前ね」 それをいい事に、ゆかりはみなみをゴロン転がして仰向けにさせる。 「ボタン外しちゃいましょ」 申し合わせたかのように、二人の手がパジャマのボタンを外してご開帳。ブラのホックはすでに外されていたため、それは腕を通して胸の上に乗っているだけの格好になっていた。 「いや……」 みなみは弱々しく呻いて本能的に前を隠そうとするが、その手首を二人の魔手が捉えベッドに押し付ける。 「脇の下が拭けないでしょ」 「みなみちゃん」 叱るように見下ろす二人に、みなみの抵抗は即座に頓挫する。 そして征服される柔肌。肉付きと曲線に乏しい脇腹や鳩尾を、タオルとチューリップハンカチが撫で清めていく。やがてそれは、外れかけて浮き上がったブラの下にも達し……。 「あ……」 みなみが声を上げると、すかさずゆかりが聞く。 「みなみちゃん、気持ちいい?」 「……くすぐったい」 「そう? それは女の子としてとても残念なことね……」 「……ッ」 ベッドの上だというのに、なんだか16tくらいのおもりをくくりつけられ、海底に叩き落されたような気持ちになる。その間に予告通り腋の下まで拭いてしまうと、 「じゃあ次は下ね」 ゆかりはパジャマのズボンに手をかける。ゆたかも慌ててそれに倣う。二人の親指がショーツにかかり……。 「イヤ!」 みなみは脚を閉じ激しく首を振ったが、それ以上はしなかった。 「そう遠慮しないで。着替えさせてあげる」 笑うゆかりの顔が、闇の中で嗤う悪魔のそれに重なる。 「お世話させて、みなみちゃん」 お世話させてくれなければ死んでしまう、とでもいう様な顔で。 まるで自分が加害者であるかのような錯覚に陥る。薄い胸の中で傷むのは良心なのか。この痛みに責めさいなまれるくらいなら……。 「……」 みなみは力を抜いて脚を開く。ゆかりは嬉しそうに、 「さあ、お尻か脚を上げて」 「脱がせるよ」 二人息を合わせて脱がせようとした―その時だった。 ワン ワン ワン 激しく吼える犬の声。 「チェリー……?」 「チェリーちゃん?」 「あらあら」 一応責任者の立場にあるゆかりが、渋々という感じで窓から外を覗く。 「不審者さんかしら?」 「不審者!?」 びっくりしたゆたかも背伸びして庭を見下ろす。みなみも急いで着衣の乱れを正し、チェリーの姿を探す。庭の見下ろせる位置で、チェリーの目が黄色く光る。 ワン ワン ワン みなみの姿を認めたのか、チェリーはさらに激しく吼える。 「そうじゃないみたいです。こっちを見て吼えてる……」 みなみは思い当たるところがあり、ゆかりに尋ねる。 「ゆかりさん、散歩は……?」 「ううん」 ゆかりは口を尖らせて首を振る。 「おばさん、ハーネスのつけ方分かんないもん……首輪ならともかく」 大型犬を操るには首輪よりハーネスの方がいいとイギリスの犬調教番組で言っていたので、みなみもそれに従ったのだ。 「欲求不満……」 みなみはボソッと言った。無論ゆかりのことではなく、散歩に連れてってもらえないチェリーのことである。 「そうだ」 名案の浮かんだゆかりは、ポンと手を打つ。 「ゆたかちゃん、行ってらっしゃいよ」 「え……ええっ!?」 「チェリーちゃんと仲が良いんでしょ?」 「そうですけど……」 「おばさん、みなみちゃんの体を拭き拭きして待ってるから」 ゆたかの中の何かに火がつく。 「おばさんこそ行ってください。もう暗いし、地元じゃないから迷子になったら帰れません。みなみちゃんの拭き拭きは私がやっておきますから」 二人の視線がぶつかり、火花が散る。みなみが人間ではなく導火線だったら、即座に点火完了となっていただろう。 「迷子になっても大丈夫よ。ゆたかちゃん小さいから、チェリーちゃんが乗せてくれるわ」 「おばさんこそ行くべきですよ。迷子になるくらいの方がいい運動になりますよ」 なおも譲り合う(押し付けあう)二人をよそに、みなみはパジャマを脱ぎ、ネグリジェではなく外着にせっせと着替えていく。二人が気付いた時、みなみはすっかり準備完了してて……。 「私が……行きます」 熱に浮かされた赤い顔で、みなみは決然と言う。 新たなライバル出現。よもやチェリーにみなみを取られるわけにはいかず、間髪をいれずに二人は叫んだのだった。 「「私も行く」」 「腐っても鯛」という言葉がある。もし差し支えなければ、今日からそれを「風邪を引いてもみなみ」と言い換えて欲しい。 チェリーは走る。朝から散歩に連れて行ってもらえない欲求不満を発散すべく、彼女は東京の蒼い闇の下で風になる。 みなみはハーネスを握り締め、それに追随する。風邪が完治しておらず、体はだるく、脚の関節も痛むだろう。しかしいざ走らせたら、こなたと同じタイムを叩き出すスプリンターである。だからみなみも風になる。風邪を引いても風になる。 一方、昼ドラ大好きのインドア派セレブマダム・ゆかりと、保健室のヌシ・ゆたか。 この四者が走るとどうなるか? 答えはこうである! 「「みなみちゃーん、待ってぇ~」」 二人はすぐに離されてしまい、チェリーとともに闇に同化したみなみを見失う。 それでも追いかけようとするのだが……。 「きゃ」 ゆたかはあそびにんみたいに足をもつれさせて転倒。黄色いチューリップ帽が外れて道に転がる。 「あらあら……。大変」 ゆかりは荒い息をつきながら、ゆたかを振り返る。 「とっても似合ってるのに……」 ゆかりは引き返し、外れたチューチップ帽を被せ直した。 「おばさん……」 顔を上げたゆたかは、目に涙を浮かべていた。敗北感に打ちひしがれていた。 「大丈夫よ。すぐに戻ってくるわ」 その通りだった。 やがて足音が聞こえ、姿が見え……。 「ゆかりさん、ゆたかを、お願いしま~~~~す」 ドップラー効果を利かせながら、緑と白の風が二人の傍らを吹き抜けていった。 「うふ、みなみちゃんにお願いされちゃった。じゃあ戻りましょ」 ゆかりはゆたかを背負って立ち上がる。 「軽いわ~。みゆきの幼稚園時代を思い出しちゃう。あの子よく転ぶ子で、こうやっておんぶしてあげたわ~」 幼稚園児の格好をしたゆたかは、しがみつきつつ膨れ面で抗議する。 「せめて小学校の頃を思い出してください」 それにしたって志の低い話である。 チェリーはすっかり満足したらしい。みなみ争奪戦からも身を引き、岩崎家から持ってきた犬小屋に素直に引っ込んで行った。 疲れ果てたのは人間たち。ゆたかに至ってはすでに眠りに落ちていた。 みなみはゆかりの背中から下ろしたゆたかを抱え、みゆきのベッドに寝かせると、自分の客間へと下がり、無駄に大きいベッドに倒れこむ。体は十分に温まった。このまま冷やさないようにすれば、熱は下がるだろう。このまま寝てしまおう。 灯りを消そうとリモコンに手を伸ばした時、突然部屋のドアが開いた。見覚えのある(!)ネグリジェに着替え、両腕で園児服のままのゆたかを抱えていた。 「三人で寝られるベッドが他にないのよ」 そんな事を言って、当たり前のようにベッドに入ってくる。なるべく離れようとするみなみを抱き寄せ、「川」の字というよりは「木」の字を作り、そのまま寝てしまうつもりらしい。 一体何なのか。今日のゆかりは、いつもにも増しておかしい。その事を説明できる仮説を、みなみはその時までに見つけていた。 「……ゆかりさん」 「なあに、みなみちゃん?」 「本当は……」 聞くべきか、聞かざるべきか。 「……」 「なあに、寝言?」 「…………はい」 「じゃあ私は寝聞き」 寝聞き? まあ、言わんとすることは分かるので、みなみは続けた。 「本当は……」 「うん」 「みゆきさんの弟か妹が欲しかったじゃないですか?」 迂遠な言い回しだと思う。みゆきの弟か妹といえば、ゆかり自身が産むよりないのだ。それより、これは聞いていいことだったのだろうか? 答えたくなければ、ゆかりはそのまま寝てしまうだろうが……。 「そうなのよ」 意外にもゆかりは至って気楽に答えた。 「あの子、来年は大学生でしょ。子育ても終わりかと思うと……何か物足りなくなっちゃって」 「物足りない??」 みなみには理解しかねる感覚だった。 「うん、みゆきがあまり手のかからない子だから」 「ああ……」 首肯しながらも、みなみには完全に納得がいったわけではない。物足りないとか張り合いがないとか、それらはやはりゆかりに似つかわしい感じがしなかった。 「それで私たちを代わりに……?」 自分だけではなく、ゆたかをもターゲットにしている節があった。だから「私たち」なのである。 「うん。おむつ交換の感覚を思い出したりしてね」 「え゛……」 みなみのパジャマのズボンを脱がせようとしたのは、つまりそういう事だったわけだ。 絶句するみなみに構わず、ゆかりは暢気に提案する。 「明日になったら、三人でお風呂入りましょ。今日は入れなかったし」 「いいですけど……服は自分で脱ぎますから」 「あら、残念……。ふふ、みなみちゃんあったかい」 「風邪、伝染っちゃいますよ」 「いいもーん。みなみちゃんが看病してくれるから」 そんな事を言いながら、ゆかりはみなみを抱き寄せる。みなみもみなみで、ネグリジェの裾をぎゅっと握ったりして……。 やがて二人は互いのぬくもりに包まれながら、ゆたかに続いて眠りに落ちていった。 電話が鳴っても携帯が鳴っても、誰も目を覚まさない……。 …… -追記- みゆきの依頼で高良家の様子を見に行った警備会社社員による 『とある一家への追憶』 あの家に着いたのは日付の変わる前だったか、変わった後だったか……まあ、大体それくらいだったかな。 灯りは消えていたが、何度も呼び出したら、その内眠そうな顔をした緑髪の女の子が出てきたよ。異変はなさそうだったが、上からは何故か家人全員の無事を確認するようにと厳命されていた。なんでも、警察の口添えもあったとか……。 俺はその旨を女の子に話して、寝室に案内してもらった。 ああ、寝室だ。 変な気を起こすはずもないが、意識しなかったといえば嘘になる。その場に男は俺だけだったからな。 寝室じゃ奥さんと別の女の子が気持ちよさそうに寝てた。それが確認できたので、俺は挨拶(礼を言ってそして詫びて、だな)してその場を去った。ただそれだけだ。 でもまあ、あれだ。 のんびり屋の母にしっかり者の長女、甘えん坊の次女ってとこか。 仲の良さそうな親子だったな……。 おわり コメントフォーム 名前 コメント 大仰な文体がいい雰囲気。 しかしまさかゆかりママをここまでメインに出すとは…。その展開はよめなかったw -- 名無しさん (2008-10-09 21 05 12)
https://w.atwiki.jp/hachinai_nanj/pages/1189.html
絶好調の時やけど163出したで - 名無しさん (2019-06-24 11 43 58) 捕手すずわか、絶好調でランナー出して166までは見たことある - 名無しさん (2019-12-13 13 29 09) 基本的には150後半の剛速球で押していく有能ストガイクローザーやな。 - 名無しさん (2019-08-26 20 11 41) たまに打たれて「椎名川ゆかり児www」となることもあるけど9回中継ぎ引っ張るよりはかなり安心できると思うで - 名無しさん (2019-08-26 20 13 53) 配布で150乗るのはええな - 名無しさん (2019-08-27 14 40 13)
https://w.atwiki.jp/hachinai_nanj/pages/851.html
【決意をバットに込めて】椎名 ゆかり (捕) 最終更新日時 2021/08/05 15 58 20 このページを編集 ★ 覚醒前画像▼ 属性 レア 守備適性 - - - ◎ △ 〇 - - - - - キャラ総評 小河原戦スカウトでSRとしてピックアップされた椎名ちゃん。 最終回に代打として、闇を抱えたまま打席に入る場面。迷いながらもしっかりと結果を残すあたりは流石。 スレではまことしやかに「ギータ」と呼ばれたりもする。( 参考画像 ) ステータスはいつもの椎名らしい「高ミート低守備」で、試合終盤での「代打特化」の試合性能として設計されたと考えられる。 しかし実は恒常SRではトップレベルの打撃性能を誇っており、しかも打順起用縛りがない(出塁能力に特化している試合性能や、「起点の極意」を活かす意味では、スタメン時は1番打者での起用が特に輝けると考えられるが)。 そのため、特に無課金、微課金の監督は、正捕手候補として長く重宝できるかもしれない。 試合評価 * ミート パワー 走 力 守 備 備考 素パラメータ 4119 2757 3654 2757 恒常スキル後パラメータ 5119 3257 3754 2957 HR率上昇 ランナー無し +300 - +900 - 2打席目まで - - - - 敵守備デバフ 5回以降負けているとき +300 +300 - - 7回以降 - +300 +300 -100 最終回 +900 +400 - - キャッチャー時 - - - - 投手コントロール+700 最大バフスキル後パラメータ 6619 4257 4954 2857 + チームスキル発動条件 チームスキル発動条件 * チームスキル 発動ライン 限界突破数 信頼ランク ミ パ 走 守 天満月 ミ3200パ3200走3200 - 2 - - 5-2 超万能打線・先鋒 走4200 - - 2 - 7-5 超万能打線・殿 ミ4200 1 - - - - - - - - 4-3 万能打線・先鋒,万能打線・殿はLv100なら凸と信頼度無しで発動する。万能打線・中堅,鉄壁のセンターラインは凸とすこ7では発動しない。 ミートと走力が高いのでクリーンナップ以外での起用がしやすい。 鉄壁発動はどうやっても無理なのでそこはあきらめるしかない。 最終回・ビハインド・2打席目まで・ランナーなしという瞬間火力を達成するには戦術機能を使って代打での起用が必要となる。 デレスト評価 メニュー ランク カード名 属性 力 速 技 効果 練習メニュー ★★ ノック 月 11 11 11 - 追加メニュー ★★★ 瞑想 月 20 20 20 - 追加メニュー ★★★ 総合練習 月 24 24 24 - 新スタンダード、233 スキル解説 ランク スキル名 条件 効果 入手可能デレスト1 入手可能デレスト2 ★★★ 起点の奥義+(条件あり) 打席時/走者がいないとき 自身のミートが大幅に上昇し、走力が超絶に上昇する 絆の結晶(極)1個 「起点の奥義」取得済み ★★ FB革命の秘奥義 なし 自身のホームラン率・ミートが上昇し、パワーが大幅に上昇する 小麦色の世界 21-6-21 綾織の水平線 32-32-32秤を揺らす若葉 28-28-18 ★★ 起点の奥義 打席時/走者がいないとき 自身のミートが上昇し、走力が超バツグンに上昇する 楽しさに潜むもの 0-35-2 一本足打法 5-34-0秤を揺らす若葉 0-30-0 ★ 城塞崩しの極意 打席時/2打席目まで 敵守備の守備を減少させる 楽しさに潜むもの 0-10-0 清城高校 0-10-0秤を揺らす若葉 0-13-0 ★ ミートの極意 なし 自身のミートが大幅に上昇する 楽しさに潜むもの 0-0-3清城高校 0-0-10踏み出す勇気 0-0-10キャプテン代理 0-0-10練習なくして 0-0-8 いつもの二人 0-0-1一本足打法 0-0-11シェイプアップ 0-0-12重なる気持ち 0-0-11秤を揺らす若葉 0-0-11 ★ 捨て身の極意 7回以降 自身の守備がわずかに減少するが、走力・パワーが上昇する シェイプアップ 16-0-0 綾織の水平線 13-0-0秤を揺らす若葉 13-0-0 ★ いぶし銀の極意 なし 自身のミート・守備が少し上昇し、走力がわずかに上昇する 清城高校 0-10-10小麦色の世界 9-2-9 綾織の水平線 9-9-9秤を揺らす若葉 9-9-9 ★ 好打者の心得 なし 自身のミート・走力がわずかに上昇し、パワーがごくわずかに上昇する 楽しさに潜むもの清城高校踏み出す勇気キャプテン代理練習なくして いつもの二人一本足打法シェイプアップ綾織の水平線秤を揺らす若葉 ★ 打球予測の心得 ときどき/守備時 自身の守備・走力がわずかに上昇する シェイプアップ小麦色の世界 綾織の水平線秤を揺らす若葉 ★ 守備の基礎 なし 自身の走力・守備がごくわずかに上昇する 踏み出す勇気 綾織の水平線 ミートバフを中心に、なおも不足するパワーをフラレボで補う構成。 FB革命の秘奥義は強力なスキルだが、起点の奥義とのかみ合わせは微妙。打ってもソロホームランにしかならんで… 柳田もフラレボスイングでサヨナラソロホームラン打ってたし多少はね? 才能 才能名 Lv 条件 効果 期待への返答 7 打席時/9回のとき 自身のミートが超バツグンに上昇し、パワーが大きく上昇する 内野安打◎ 5 なし 自身のミート・走力が上昇する 逆境◎ 5 打席時/5回以降/負けているとき 自身のパワー・ミートが上昇する 癒し系 5 守備時/キャッチャーのとき 味方投手のコントロールがバツグンに上昇する 最終回に打撃能力を大幅に強化する。試合を決める一撃に期待しよう。 キャッチャーとしての投手バフは申し訳程度なのであてにはできない。 セリフ集 + 押すと開きます 状況 セリフ ホーム あはっ、代打として、ここはビシッと打たないとね 大丈夫だいじょーぶ。練習試合だし、気負いすぎずに楽にいくから、まあ見てて〜 …って、ベンチを出るとき言ったのにな〜。なんでみんなそんな本気で応援するかなー まあ大事な場面なのはよく分かるし、私だって小河原高校に勝ちたいって気持ちが無いわけじゃないけど… ふぅ…。ただの練習試合だよ?なのに、どうしてこんなに緊張しちゃうんだろ… 試合 試合前 あはっ、みんな気負いすぎだって〜。もっとゆるゆる〜っといこ♪ 開始 ま、気楽にいこうよ カットイン通常 ばっちり決めるよ! カットインターニングポイント おー、当たった当たった♪ 勝利 あはっ♪たまたまだけど、上手くいったね うんうん、あそこで皆の期待に応えられて、ほんとに良かったよ〜 敗北 うーん…ごめん。ちょっといつもの感じでやれなかったかも デレスト 特訓 うーん…わかった。自分のできる範囲でやってみるよ ま、たまには特別なメニューに挑戦してもいいかもね 椎名 ゆかりのシーンをチェック! アイコンタップ or クリックで各シーンのページへ UR SSR SR シーン名でチェックしたい方はこちら コメント ログを開く 名前