約 1,759,726 件
https://w.atwiki.jp/ringod/pages/58.html
- いやみんな だいじょうぶか お盆だぞ なにしてんだ 今週はじゅんぺのけこんしきだぞ! 戻る コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/maltisekai/pages/78.html
これを呼んだ上で投票お願い致します みんなで開拓世界だと分かりにくいのでみんなで作る無限の世界にするかしないか 忙しくない方は投票お願い致します 締め切り反対は2023/10/1/8 00です 選択肢 投票 賛成 (0) 反対 (0)
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/18942.html
ドラゴンのおまわりさん 人間 ドラゴン 妖怪 コメント タイプ1:ドラゴン 『LINE Digital Frontier』(LINEコミックス)に連載された、 澄谷ゼニコによるウェブ漫画作品。全3巻。 人間 ウインディ:荻原萩 使い手のグリーンと雰囲気が似ているので バシャーモ:真田遥 某ヒロインの名前から ドラゴン リザードン:ヒナギク クリムガン:ウツギ 妖怪 エーフィorニャスパー:十和田ミタマ キュウコン:ツバキ コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/19.html
book_bunko_img03.png ISBN978-4-04-867756-5 本体価格:570円 発売日:平成21年4月10日 帯の推薦コメント 立夏ちゃん(『Baby Princess』) 「桐乃、オニーチャンのコトが好きならハッキリ「Love U」って言っちゃいなヨ」 あらすじ コミケも過ぎて季節は秋。京介は、桐乃と黒猫のアニメ鑑賞会の仲裁役をしたり、麻奈実の家でお泊まり会をしたりして、比較的平穏に過ごしていた。 だがそんな平穏な日々も長くは続かない。12月に入って間もなく、京介は桐乃から新たな人生相談を持ちかけられた。桐乃書くケータイ小説が書籍化されるので、取材の手伝いなどをしろというのだ。 いつものように文句は言いつつも桐乃の頼みを聞いてやる京介。そうして彼は、桐乃のボディーガード役をしたり、取材のためクリスマスの渋谷で桐乃にアクセサリーを買ってやったり一緒にラブホテルに入ったりしたのだった。 そうした京介の協力と桐乃の頑張りによって、ケータイ小説は完成した。 これであとは出版を待つばかり、かと思いきや、桐乃の様子がおかしい。インフルエンザにかかり床に伏せった桐乃に聞くと、彼女の小説は別の人物の作品として世に出ることになってしまっているというのである。 桐乃は、騙されて自分の作品に関する権利を奪われてしまったのだ。 京介の気持ちは、なぜそうなるのか彼自身にも理解できないほど自然に固まっていた。桐乃の小説を取り戻す。 沙織の協力を得て、黒猫と共に出版社に乗り込んだ京介は、桐乃の小説を自分の物にした張本人、伊織・フェイト・刹那と対峙することに成功する。 そうして彼等は、桐乃の小説を取り戻すことに成功したのであった。 その際京介は、自分が桐乃に対して感じていた劣等感を自覚し、今まで無意識のうちに避けていた自分自身の問題と向き合うこととなった。 また同時に、黒猫の内面に触れることにより、彼女との絆を深めたのだった。 これらの行いは桐乃に知られることなく、だから彼女に感謝されることもなかった京介達だったが、彼等にはそんなことは全く問題ではなかった。 ただ、今回の事件を通じて自分の心と向き合った京介には、桐乃に嫌われていることに対する痛みへの自覚が芽生え始める。 そうした時、桐乃は京介に「人生相談、次で最後だから」と告げるのであった。
https://w.atwiki.jp/f_crossbond/pages/32.html
まぁ立ちまわりというか・・・ちょっとしたポイントですわな 残心!! オブジェクト 手榴弾 味方の邪魔にならないように行動しよう 音のについて 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/16.html
book_bunko_img02.png ISBN978-4-04-867426-3 本体価格:590円 発売日:平成20年12月10日 帯の推薦コメント 朝倉音夢 「桐乃さん流石にお兄さんが可哀想ですよ……」 あらすじ 父親に桐乃の趣味を認めさせてからしばらく後、京介が桐乃から受けた新たな人生相談は、R-18指定の格闘ゲームをクリアし自分と対戦しろ、というものだった。試験前にもかかわらず、ぶつぶつと文句を言いつつも慣れないゲームを健気に攻略する京介。 そんなある日、高坂家に桐乃の友人達が遊びに来た。自分を口汚く評する彼女等の会話を盗み聞きして落ち込んだり、半裸の桐乃と絡み合ったりとすったもんだありつつ、その日に京介は、桐乃の友人である清純可憐な少女、新垣あやせと知り合うこととなった。 そうやって妹やその友人達との親交を深めていく京介であったが、そんな中、彼の幼馴染み田村麻奈実にも変化が現れていた。どうも、京介のことを避けているようなのである。 理由を聞こうにも麻奈実は学校を休み、携帯すらつながらない状態。いつも側にいて当たり前の相手がいない状態に、たった三日で麻奈実欠乏症になった京介は、対応策を探る助けにならないかと桐乃に相談を持ちかけた。 結局、会えない間に京介が持った不安のほとんどは杞憂だったのだが、桐乃のアドバイスに従って渡したプレゼントを手に嬉しそうにしている麻奈実を見て、京介は平凡な日常の大切さを再認識するのであった。 さて、そうこうしているうちに季節は夏。オタクの祭典コミケの季節である。 桐乃のパソコンを使ってエロサイトを見ていたことの代償として、「夏休みの思い出を作る」という人生相談として、京介は桐乃をコミケに連れて行くことになった。 沙織のナビのもと初めてのコミケを満喫した京介と桐乃であったが、その帰り道に意外な相手と出会ってしまう。 偶然出会ったあやせに秘密の趣味を知られてしまう桐乃。 潔癖なあやせは桐乃の秘密の趣味を許すことが出来ず、桐乃のことを拒絶したのだった。 一番の親友との仲が壊れてしまい、しかしそれをどうすることも出来ない桐乃。 人生相談はまだ終わっていない。楽しい「夏休みの思い出を作る」ため、京介は立ち上がった。 そして、父親から得た情報による理論武装と、「俺は妹が大好きだあぁ!」という方向はともかくとして突き抜けた勢いの叫びでもって、あやせを言いくるめ桐乃との仲を修復させたのであった。 その後しばらく話もせず、京介がさてこれでここ最近続いていた桐乃との関係も終わったかと思った頃、桐乃が京介に問いかけてきた。 「あのとき叫んだアレ…どの辺まで本心なわけ?」 結局桐乃にからかわれ振り回された京介だったが、また一つ兄妹の絆は深まったのだった。
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/1250.html
冬の厳しい寒さに手がかじかみ、私は白い息を吹きかける。 新しい年、別れの年だった。 神社の境内で私が開いた手帳には、そっと挟んだ写真達。 気付いたら、こなたばかり集めていた。 私って馬鹿だな。 本当にそう思う。 友達に混じってはしゃぐこなたの姿── ──私だけのものならいいのに そんな風に思うなんて、本当に、私は馬鹿だ。 「お姉ちゃん?」 不意にかけられた声に、飛び上がりそうになる。 「おぅわっ?! つかさ、いつからここに?!」 「ついさっきだよー」 「いきなり声かけられたら、びっくりするじゃない!」 「へへ~、ごめん」 つかさは無邪気に笑う。悩みがなさそうでいいな、なんて思うのは、酷いかな? 今日は、初?詣の日だった。 実際には私達は巫女として初詣の日は働いていたので、三が日は過ぎている。 それでも、一緒に初詣がしたい、とこなたが私達に言ったのだ。 それだけで変に期待してしまう私は、やはりどうしようもなく愚かなのだった。 「こなちゃん達、おそいねー」 「まーたどうせ、ゲームで寝坊でしょ」 「でもお姉ちゃんさ~、どうしてこなちゃんの写真、そんなに集めてるの?」 「ぶほぅっ!?」 み、見られていた!? これはもう、こ、殺すしか……。 「お姉ちゃん!? 顔が怖いよ!?」 「……べ、別に集めてないわ。たまたま、あいつと一緒が多いから、そうなってるだけよ」 つかさにも、誰にも、自分の気持ちを知られる訳にはいかない。 私だけの秘密。 「ふ~ん、でもお姉ちゃん、ほんとこなちゃんのこと好きだよね~」 これは、いよいよ殺すしか……。 「目!? 目が怖い!? だってさっきもお姉ちゃん、こなちゃんの写真眺めてたから……」 「そ、そんなことないわよ!」 「お姉ちゃん、よくこなちゃんの話をするし……」 「そんなことない! この話、もうおしまい!」 無理に話を打ち切る。顔が熱い。 しかもそこへ、話題の主がやってきた。 「おーい、かがみん、つかさ~~」 こなたがこっちに向かって走ってきて、その背後にはみゆきの姿があった。 「お待たせ~」 「いや、予想よりは早いぞ。みゆきと一緒だし」 みゆきさんは、うふふ、と笑って私を見る。 「泉さん、かがみさんに早く会いたいと走ってしまわれて、少し汗をかいてしまいました」 「ちょ?! みゆきさん!?」 「なんだか羨ましいです。お二人は仲が良くて」 「も、もう、何してるのよこなた、恥ずかしいじゃない!」 本当は、嬉しい。 「みゆきさん、バラさないでよ~」 「うふふ、すいません。なんとなく漸く発言できたというか、今まで全く台詞が無かったというか、 私と二人きりよりかがみさんに会いたいとか酷いんじゃ? なんて全く思いませんが、バラしてしまいました。うふふ」 出番の無い人間に悲しみは尽きない……! 「「マジすいませんでした……!」」 出番ありまくりの私達は謝るしかなかった。 「いいんです、それより早くお参りしましょう。私、出番が増えますように、って神様にお願いするんです。うふふ」 切実過ぎる……! 私達四人は並んで神社に参拝し、賽銭を投げてお祈りする。 こなたは、何を願うのかな? そして、私は……。 「かがみんは、何をお願いするのカナ~~?」 「ちょ、ひっつくな! あんたこそ、何をお願いするのよ?」 「へへへ」 こなたは、にこっ、と笑った。 「これからも、みんなと一緒にいられますように、だよ!」 そういうこなたは真っ直ぐで、私は自分が嫌になる。 「受験とか祈っておかなくていいのかー?」 「うお?! 新年早々思い出したくないことをかがみが言ってくるよー!」 だって、私の願いは── ──こなたと一緒にいれますように、だから。 新しい年、別れの年が始まる。 新学期が始まる。 私達の高校三年間最後の季節。 私とこなたはまだ、ただの友達だった。 昼間に会えばふざけあい、軽口を叩き合う『親友』 それでいいんだ、って自分に言い聞かせようとしても、動揺する心は消えなくて。 こなた……。 目を瞑ると、こなたの姿が浮かぶ。 いつの間にか、ずけずけと私の心に踏み込んで、すっかり居座ってしまったあいつ。 気付けばこんなにも、好きになってた。 こなた…… どうしても声を聞きたくなると、受話器片手に理由考えて、無理矢理に電話してしまう。 「あ、こなたいますか?」 こなたの家に電話をかけると、ゆたかちゃんがこなたに電話を取り次いでくれる。 「お、どうしたんだい、かがみんや、最近よくかけてくるねー、私の声が恋しいかね?」 「んな訳あるか! 馬鹿!」 「いやいや、かがみんは意外と寂しがりやだからねえ、卒業も近いじゃん?」 「べ、別に、関係ないわよ」 「かがみんは可愛いねー」 「明日会ったら殴る」 私達はいつものように下らない話をする。 からかってくるこなたが辛くて、素直な気持ちをぶつけたくなって、でも、それは出来ない。 こなたはたぶん、私のことを友達としてしか、見ていないから……。 ねえ、こなた。 「かがみ?」 不意に訪れる沈黙。 私、こんなにこなたが好きなんだよ? 途切れる会話の中でこの気持ちに気付いてよ。 お願い。 私の胸が痛みで切り裂かれる前に。 「何でもない」 と私は笑った。 私とこなたは、まだ、親友の形から出る事が出来ない。 伝えたい言葉 たったひとつ 私はあの夜を無かった事に出来ない。 もう、自分の気持ちに気付いてしまったから。 こなたは、女の子同士とか、気持ち悪いのかな。 そういうケはないって言ってたこともある。 望みは絶望的で、私だけがこなたを好きで、どうしようもなくなっていく。 時間が、止まらない。 別々の進路を行く私達の時間はもうすぐ終わろうとしている。 だから私はこの気持ちを忘れなければいけないのだろう。 駆け足で過ぎていく時間の中で、こなたの姿が眩しく目に焼きつく。 どうしていいのか分からない。 私は時間においていかれないように走り出そうとする。 でもこなたへの想いが大きすぎて、私は、走り出す事が出来ない。 このままじゃ、卒業なんて無理だよ。 言わなきゃ後悔する? 言っても後悔する? 答えは、見えないままだ。 それでも、卒業の時は来る。 いつもの朝、制服に身を包んだ私は、結局、自分の想いを心の奥深くに沈める事にした。 女の子に告白されたって、きっと、こなたは困るもの。 だから、我慢するしかない。 「お姉ちゃーん、起きてるー?」 「いま行くー!」 私は今日、陵桜学園を卒業する。 時の流れの速さに逆らう事は誰にも出来ない。 いつもの通学路も、もう通る事のない道だと気付くと違って見える。 私の高校三年間は、不思議なくらい、こなたが傍に居た。 戻れない道、戻らない道。 「今日で卒業だね、お姉ちゃん」 「そうね……」 「楽しかったなー、高校生活」 色んな事があった。 でも、でもつかさの言う通りだった。 「うん、本当に楽しかった」 こなたがいて、私がいて、つかさがいて、みゆきがいた。 この三年間が本当に楽しい宝物だった事は、絶対絶対揺るがない。 きっと、永遠に忘れない。 夢みたいな時間。 「行こ、お姉ちゃん」 「うん……」 この道の先に、こなたが待っている。 私の高校生活を誰かに託すとしたら、それは、泉こなたしか居ない。 泉こなたに始まり、泉こなたに終わる、か。 何だか笑っちゃう。 私は、強く一歩を踏み出した。 卒業式は恙無く終了した。 長い長いその儀式の間、こなたはウトウトして先生に怒られたり、私達はただ黙々と今までの三年間をかみ締めてそこに居た。 貰った卒業証書は驚くほど軽いただの筒で、こなたはそれを引き抜いた時になる、ぽん、という軽い音で遊んでいた。 「私達の高校三年間、案外軽いね」 「そういうもんかもね」 紙一枚だけ入った、ただの筒。 たぶん、本当の卒業の証は、自分の内にしかないのだろう。 「終わっちゃった……か」 もう明日から、この校舎に来る必要は無い。 自分の教室で、桜庭先生の最後のHRを聞いて、それでお仕舞い。 でも私は何故か、立ち去りがたくて、暫くぼうっとしていた。 多分、私には、遣り残した事があるから。 でもそれは、永遠に遣り残すこと。 私の想像の中で、二人の女の子は想いを伝え合い、誰よりも愛し合い二人で居る。 現実では、ただの友達。 「こっちのクラスより、こなたのクラスに居た時間の方が長かったりしてね」 私は席を立ち、こなたのクラスに向かった。 多分もう、この時間なら誰もいない。 私だけが、ここで遣り残した事があったから。 そう思った。 教室の扉を開ける。 春の風の匂いがした。 開けられた窓から入る新緑の風。 長い長い髪がなびいた。 窓枠に腰かける少女がこちらを振り返り、照れたような笑みを浮かべる。 泉こなたが、まだ教室に残ってそこに居て、私を見ていた。 まるで、私とこなたに与えられた、最後の時間みたいに。 「あれ? かがみ、帰ってなかったんだ」 「あんたこそ……」 教室には、私達二人しか居なかった。 中に入って、思わず、鍵をかける。 この時間に、私達以外の誰も入って来れないように。 「なに? かがみ、感傷に浸っちゃった?」 「あんたは、どうなのよ」 「さすがの私も、制服着るのが最後だからねぇ、制服は萌えの固まりなのだよー」 「あんたはいつもそれだな」 軽口をたたきながらも、滲む心は隠せない。 こなたも、遣り残したこと、あるのかな? それが、それがもし、私とのことだったら、と夢見ずに居られない。 私は馬鹿だ。 「かがみんの、最後の制服姿GET!」 「あ、こら、何勝手に写メとってるのよ!」 携帯を取り上げようと、こなたに近づく。 すると、こなたがいきなり抱きついてきた。 「おおー、かがみんは柔らかいなー」 いつもなら、どこ触ってる、と怒って振り払う場面だった。 でも出来なかった。 いつも、いつも、こんな風にからかって。 私が、どんな気持ちだったか……。 「あれ? かがみん?」 私は、こなたを強く強く抱きしめかえした。 「え?え?」 最後の機会。 そう思うと私は、自分をコントロールできなくなっていく。 「覚えてる? こなた、あの、泊まった夜に、私とあんた、キス……したじゃない」 もう、引き返せなかった。 あふれ出した思いを、元に戻す事は、誰にも出来ないんだ。 「あれは……」 「ずっと! 忘れられなかった! なのにあんたは、いつもいつも、私をからかって! 私が、どんな気持ちでいたか、あんたには分かんないでしょ!? 好きになっちゃ駄目だって、ずっと、ずっと思ってたのに!」 ずっと、思ってた。 こなただけを、ずっと。 私達は光差す教室の床に倒れこむ。 「か、かがみ……」 「いつも、こなただけを見てた。一番近くで。優しくされるたびに切なくなって、冷たくされると、なきたくなって、気付いたら、私、こなたのこと……」 きっと私は、必死な顔をしているだろう。 でも押し倒されたこなたも、いつもは見せない焦った顔をしている。 私は、あふれ出した思いに押されるようにして。 こなたに口づけた。 こなたは、抵抗しなかった。 「好きなの、誰よりこなたが好きなの、卒業して、全部忘れようと思ってた。でも、あんたが、いつもみたいにからかうから、私……」 もう、こなたしか考えられない。 「かがみ……私だって、私だって!」 いきなり、こなたが私をはねのけ、押し倒した。 驚きに私は固まる。 「私だって、ずっとかがみが好きだった! どんなにからかっても、いつか彼氏が出来て、笑顔でかがみを見送らなきゃいけないんだって思ってた! あの夜、あんな風になっても、何かの間違いだって、そう思い込もうとしてたのに! かがみがそんな風に言ったら、私……! だって、だって女の子同士なんだよ!? みんなに、気持ち悪いって思われちゃう……」 私はこなたの眼を見た。 揺れる瞳。 私は、もう、迷わない。 「関係ないよ」 「え?」 「みんななんか関係ない。私にはこなたしかいないから……!!」 「かがみ……」 「こなた……」 そして私たちは、それが全く自然なことみたいにキスをした。 忘れることができないくらい優しく、そっと。 抱き合ったぬくもりが、強く強く私たちを包んでいたのを覚えている。 「かがみ……!」 もう、私たちは止まる事ができない。 求め合うのが自然な事みたいに、互いの体をまさぐり、服を脱がしていく。 「こなた……」 興奮に眩暈がして、私は何度も何度もこなたに口づけられながら、互いにその体を撫で、服を脱がしていく。 もう、戻ることはできない。どうしても、できない。 そして遂に互いに生まれたままの姿となった私たちは、互いに貪るように体を重ねた。 「かがみ……!」 「こなた……こなた!」 激しく、どこまでも落ちていくように私はこなたを求め、こなたもまた私を求めた。まるで二頭の獣になったように、私たちはただただ互いを求め合った。 互いの汗で濡れ合い、湿った音を隠しもせず欲情しあう私たちは、際限なく行為に没頭し、名前を呼び合い、口づけた。 そして遂に上り詰めるそのときに、痙攣するように互いに震えながら口づけあい、強く強く抱きしめあって私たちはその充実した幸福な感覚の中に落ちていった。 こうして、私達は、結ばれたのだ。 別々の大学に進学したけど、私達は変わらなかった。 今でもしょっちゅう会うし、仲も良い。 特にこなたに関してはその、恋人、同士だし。 「いやー、卒業すると何か終わっちゃう気がしてたけど、そうでもなかったねー」 「まあな、区切りがあると、変に焦っちゃうよな」 現実なんて、こんなものかも知れない。 「でもそのお陰で、こうしてかがみとラブラブ出来るよー」 「こら、ひっつくな!」 「えー、バカップルになろうよかがみー」 「い・や・よ、もう、油断するとすぐひっついてくるんだから」 いつものような私達。 少しだけ違うのは、もう私達の間にはいかなるひずみもなく、恋人という形に納まったこと。 きっと次にウサギの夢を見るとき、ウサギはキツネと結ばれ、いつまでもいつまでも末永く幸せに暮らすのだろう。 めでたし、めでたし。 だって、それが一番じゃないか? 「かがみ、新しいゲーセンがこんな所に!」 「もう、はしゃぐなよな」 「早く早く!」 私達は変わらない。 幾多の困難があっても、この先も、きっとずっと変わらない。 私はこなたの手を握り返して歩き出した。 今までよりも、ずっと素直な気持ちで。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(´༎ຶོρ༎ຶོ`)b -- 名無しさん (2023-08-24 02 06 44) かがみんこなたと逢い引きですね!この恋続くと良いですね -- かがみんラブ (2012-09-14 22 44 27) 結婚式には呼んでくれー!! -- 名無しさん (2010-06-26 07 56 40) 続きあったんですね! 幸せになれて良かったよー!! -- 名無しさん (2010-06-25 19 51 37) なんかユメにみたシーンでした! すごいドキドキでした!! -- プリン (2010-02-08 20 18 24) 教室のシーンで谷口が再生された俺は負け組 -- 名無しさん (2010-01-22 20 49 16) リリカルで良かったgj! -- 名無しさん (2010-01-10 04 05 37) 作者様、4作にわたる大作ありがとうございます! 涙が止まりませんでした。 -- 名無しさん (2010-01-07 00 52 01) やったーっ、2人に幸あれ。 作者様、ハッピーエンドで泣ける作品をありがとうございます。GJ -- kk (2010-01-05 00 30 30) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2279.html
初夏、或いは晩春。 桜はとうに散り終わり、梅雨の足音もまだ遠い、そんな季節。 だいぶ長持ちするようになった太陽が、それでも傾き始めている夕刻。 私立陵桜学園校門前のバス停のベンチに、私、高良みゆきは一人腰を下ろしていました。 「すっかり遅くなってしまいましたね……」 独り言がこぼれます。 委員会の仕事が予想以上に長引いてしまいました。 本当はもっと早く終わるはずだったのですが、そう思って他の方たちを先に帰したところ、折り悪く 先生から追加の仕事を頼まれてしまったのです。 ちらりと腕時計に目を落とし、時間を確認します。 ……普通に帰っても、お夕飯の時間にぎりぎり間に合うかどうか、といったところですか。 風邪でお休みになっているかがみさんのお見舞いに寄りたかったのですが、断念せざるを得ませんね。 こんな時間ではご家族の皆さんにも迷惑になるでしょうし。 「はぁ……」 ため息がこぼれます。 学級委員長という役職やその仕事に不満があるわけではありません。 むしろ普段は誇りと遣り甲斐を感じています。 しかしながら、このように間が悪いとどうにも遣り切れなさを覚えてしまいます。 やはり格好などつけずに皆さんにも残っていただくべきでした。 ……かがみさんなら、自分から残ると言ってくださったでしょうね。責任感の強い方ですから。 そして彼女の申し出になら、私のほうも比較的素直に頷けたかも知れません。 そうすればもっと早くに仕事が終えられて、かがみさんのお見舞いに伺う時間も……って。 何を言っているのでしょう、私は。そのかがみさんが来ていれば、という仮定の上での話じゃないですか。 「……駄目ですね、もっとしっかりしないと」 思わずもれる苦笑いと独り言。そこに、 「――何が?」 声。 応える形で声がありました。なんとなく、どこかで聞いた憶えのある声です。 「えっ?」 振り返ると、いつの間に現れたのか、一人の女生徒がベンチのすぐ脇に佇んでいました。 通学カバンの他に大きめのスポーツバッグを肩から下げています。 健康的に日に焼けた手足はすらりと引き締まり、肩に届く長さの髪はお風呂上りのように湿っています。 恐らくは実際にシャワーを浴びたばかりなのでしょう。見るからに運動部所属といった立ち姿から、 そのように想像できます。 そして、その顔には、声と同様、やはり見覚えがありました。 「あ……確か、あなたは――」 ええと…… 「ん? あ、なんだ。ちびっ子んトコの委員長じゃん」 あと一歩のところで途切れていた記憶の糸が、相手のその一言で繋がりました。 「――あ、はい。ええと……」 そう。確か隣の三年C組の、かがみさんのクラスメイトだったはず。 ご一緒してらっしゃるところを何度かお見かけしたことがあります。名前は―― 「――峰岸さん、でしたっけ」 「ちげーよ」 「え? あ、あら?」 ぶっつん。 一瞬で不機嫌なものに切り替わってしまったその表情に、繋がったはずの糸が再び切れる音が はっきりと聞こえた気がしました。 「日下部だよ。日下部みさお」 「すみませんでした。本当に……」 バスの中ほどの席に隣り合って座り、改めて名前を間違えた件を日下部さんにお詫びします。 日下部、みさおさん。 憶えました。もう間違えません。 「あー、もーいーって別に。……けどまさかあやのと間違われるとはなー」 「すみません……」 「だからいーって。こっちだって高良の名前覚えてなかったし。考えてみたらあたしらだいたいいつも 一緒にいるし。そーいやあたしも品川庄司のどっちがどっちだかよく知んないし」 「はぁ……」 品川さんと、庄司さん? C組の方でしょうか? いえ、それよりも今のは、フォローをしてくださったのですよね。 気付かずに間抜けな声を挙げてしまいました。 「……すみません。ありがとうございます」 「ほえ? 何が?」 不思議そうに首を傾げられてしまいました。 あ、あれ? 「いえ、その……なんとなく、です」 「ふーん? まーいーや。どういたしまして」 そして浮かべた疑問符もそのままに、小さく頭を下げてくださいます。 なんといいますか……不思議な方ですね。 ともかく、名前の件はもう本当に気にしていらっしゃらないようですし、なにより日下部さんご自身が いいと仰ってくれているのですから、この話はもう終わりにしたほうがよさそうです。 「ところで……日下部さんは、どうしてこんな時間まで残ってらしたんですか」 「ん? うん、部活だよ。陸上部」 話題転換ついでに気になっていたことを尋ねると、概ね想像していた通りの答えが返ってきました。 ですが、 「お一人でですか? 他の部員の方たちは……」 他の、例えば球技などとは違い、陸上競技はほとんどが個人競技になるはずですから、一人でも 練習ができないということはないでしょう。しかし学校のクラブ活動であるという点を考えれば やはり不自然さを覚えてしまいます。 「あー、もちろんみんないたけど……」 私の質問に返事をしかけた日下部さんでしたが、途中で言葉を切ると、大きくため息をつきました。 「みんなヤル気ねーんだよなぁ~」 「……はぁ」 「物足りないからもーちょっと走りたいって言ったらさ、『じゃ、後片付けヨロシク。がんばって♪』って」 言葉の、他の部員の方が仰ったと思しきところで声音が変化したのは、口真似なのでしょうか。 生憎とどなたなのか存じませんので、似ているかどうかの判断はつきません。 ともかく、事情は理解しました。 「そうでしたか」 「そーそー。……別にいーんだけどさぁ。今年は新入部員が不作、ってゆーか一人しかいないし」 突然話が飛びました。 が、一瞬考えて、どうにか関連性に気付きます。 「――通例なら、後片付けなどの雑用は新入部員の方たちの仕事なのですね?」 「そー。そいつ一人に毎日やらせるわけにいかねーから、月水金はじゃんけんで決めてんの。だから 残りたいって言い出したあたしがやるってのもある意味で当然な話だとは思うんだけど、さぁ……」 どうやら当たっていたようです。 そしてまたため息をつく日下部さん。 「そのせいもあんのかなー。士気っての? 低いってゆーか、タンパクってゆーか……」 「……大変なんですね。お疲れ様です」 「ホントにな。最後の夏も近いってのにさー。あーあ……」 私の相槌に頷くと、日下部さんはもう一つため息をつきつつ両手を頭の後ろで組む形に動かします。 こちらの頭に肘がぶつかりそうになって、少し驚きました。 「っと、ゴメンゴメン。あぶねーよな」 すると、思わず肩をすくめた私に気付いたのか、日下部さんは気まずそうに腕を下ろしました。 「いえ、平気です」 「あー、あとゴメンな。なんかあたしばっか喋って。それもグチばっか」 「そんなことありませんよ? 楽しいです」 さらにばつの悪そうな顔をする日下部さんに、微笑んで返します。 もちろん本心です。 確かに、ほぼ初対面ということで多少の戸惑いを覚えたりもしていますが、その分だけ新鮮な 気持ちになれてもいるわけですから。それにクラブ活動に関するお話というのも、普段耳にする 機会がないことだけに、興味深いです。 「そーなの?」 「はい」 「ふーん……」 不思議そうに首をかしげる日下部さん。 あまり良い言葉ではないことは百も承知で、男勝り、といってしまえる言動が目立つ彼女ですが、 こうした細かな仕草をすると「女の子らしさ」が顔を覗かせ、失礼ながら可愛らしく思います。 それに比べて私は、どうなのでしょうね。 女性らしさという点では、まぁそれなりにないこともないと自負していますが、そこに可愛げがあるかと いう話になると、どうにも自信が持てません。 固すぎる、といいますか。分かってはいるのですが、長年の癖はなかなか変えられないものです。 クラスメイトでお友だちの泉こなたさんは「萌える」といって褒めてくださいますが、 「なんか、変わってるよな、高良って」 「そうかも知れませんね。たまに言われます」 よくは分かりませんが、恐らくはそういった意味も含まれているのでしょう。 「ヒーラギとかだったら絶対怒ってるところだよな」 日下部さんが前へと向き直り、独り言のように仰いました。 「柊……かがみさんですか?」 「え? ――ああ、うん。姉のほう」 「なるほど……かがみさんなら、そうかも知れませんね」 陰口のようで少し気がとがめますが。 責任感と思いやりの強い方ですから、容易に頭に浮かんでしまいます。 時に人に厳しくできる、ただ甘いだけとは違う彼女の優しさには、憧れます。 「……やっぱ、名前で呼ぶんだな」 と? 「え?」 トーンの落ちた声に向き直ると、日下部さんは前を眺めたまま、どこか浮かない面持ちに。 「ま、そりゃーそーだよな。妹さんがいるもんな、そっちには。区別する必要あるよな」 「は、はぁ……」 訳が分からず、中途半端な返事しかできません。 仰るとおり、かがみさんの双子の妹である柊つかささんとも親しくさせていただいでいますから、 紛らわしくないようお二人のことは下の名前でお呼びしているのですが…… 「――あぁいや、あたしら妹さんのほうとはあんま交流ないからさ」 声の調子が戻りました。 「だから未だに名字で呼び合ってんだよ。長い付き合いだってのに。まぁ今さら変えるのも変だし、 別に不都合もないから別にいーんだけどな。はは」 言って、日下部さんはにっこりと笑います。 ……気のせいだったのでしょうか。今見えたような気がした、蔭りのようなものは。 「ってゆーか――そーいやさ、高良も一人だよな」 「はい?」 そして急に話題が飛びました。 「委員会だったんだろ? 他のメンツはどーしたんだ?」 「あ、はい。それはですね――」 なんとなく引っ掛かりましたが、さておき、質問されたのですから答えるのが先でしょう。 ということで、この時間まで一人で残っていた事情をかいつまんで日下部さんに説明します。 「――そういった次第で、要するに日下部さんと似たような感じです」 「ふぅん……なんかぜんぜんちげぇ気もするけど……」 話を聞き終えた日下部さんは感心したようなため息をついて、そして訝しげな声をもらします。 「けどよくやるよなー。めんどくさくねぇ? 委員会の仕事なんて」 「いいえ? 確かに時間や手間のかかることもありますけど、楽しいですし、遣り甲斐もありますよ?」 「ふぅ~ん?」 感心、を通り越して呆れたような声。 そのままバスの窓枠に肘を乗せて頬杖を衝き、日下部さんは仰いました。 「たいしたモンだな。ヒーラギなんかしょっちゅうグチってるけど」 ……え? 「かがみさんが、ですか?」 「うん。誰かがすぐサボるとか、モンクばっか言うとか、字が汚いとか」 「……そうですか」 知りませんでした。 日下部さんの言葉は淀みなく、いかにも聞きなれたことを話しているといった様子です。 確かに、委員会活動中のかがみさんは、例えば泉さんやつかささんたちと一緒にいるときのように 楽しげに振舞うことありませんが、それでも他の一部の方たちのように「イヤイヤながら」といった 様子もなく、やる気をもって臨んでいるように見えましたし、またそう思っていました。 しかし、それが私の勘違いだったとしたら…… 「負担……になっているのでしょうか……」 だとしたら。 にもかかわらず、ことあるごとに彼女に頼ってしまっている私もまた、ということになります。 現に先程も、かがみさんがいてくれれば、などと。 「ん~……まぁ、フツーはそーなんじゃね?」 よくわかんねぇけど、と、日下部さんも頷きます。 やはり、そうなのでしょう。 「でしたら……今日、お休みになったのも……」 「へ?」 そういった無理が祟って、と続けようとしたところ、日下部さんが驚いたような声を挙げました。 「それは関係ないんじゃねぇの?」 「……と、仰いますと?」 「ん、あいつって春先になると風邪引くんだよ、昔っから。……っていってもあたしは五年前からしか 知んねぇけど、自分で言ってた」 「そうなんですか?」 「ホントだって。去年も休んでただろ?」 そういえば……言われてみれば、確かに。去年の今ごろ……よりももう少し早い時期でしたか。 風邪でお休みになったかがみさんのお見舞いに行った憶えがあります。 しかし、だからといって、彼女に負担をかけていることには変わりはありませんよね。 「てかさ、『みゆき』ってあんたのことだよな?」 「えっ?」 物思いに沈みかけた思考が、日下部さんの唐突な問いかけに引き上げられました。 「あ、はい。私の名前です」 頷くと、日下部さんも「うん」と頷き返し、そして口を開きます。 「ヒーラギさ、いつも言ってるぜ? 『みゆきがいてくれて助かる』って」 「え……」 思いもかけない言葉に、思わず日下部さんの顔を凝視してしまいます。日下部さんは、そんな 私の視線を平然と受け止めながら、軽い調子で、しかしはっきりと頷きました。 「ホントだって。言われたことねーの?」 「い、いいえ。ないです……」 何かを手伝ったときなどにお礼を言われたことぐらいならありますが、そのような「普段から」 といったニュアンスの言葉は、少なくとも憶えている限りではいただいたことはありません。 「そっか」 前に向き直る日下部さん。 「まぁ確かに、ヒーラギって面と向かって人を褒めたりはしないヤツだよな」 「……それは、確かにありますけど……」 「だろ? でもホントだから。――だからさ、高良がそんな顔する必要は、たぶんねーよ」 そしてまたこちらを振り返り、少し困ったように、笑いました。 「顔、ですか?」 「うん。なんてゆーか……『ごめんなさい』みたいな顔してたぜ?」 「あ……」 とっさに、隠すように頬の辺りを手で覆ってしまいます。 「す、すみません」 「だから、謝んなくていーって」 「はい……」 そうですね。 ここは――今度こそは、謝罪ではなく。 「ありがとうございます、日下部さん」 「どーいたしまして」 にっこりと、歯茎を見せて笑う日下部さんの笑顔は、それはそれは素敵な笑顔で。 夕陽を背負って逆光になっていてなお、輝いて見えるほどでした。 「そーいやさ」 バスから降りて、糟日部駅の改札までの短い道のりを歩く途中、日下部さんが思い出したように 口を開きます。 「高良って委員会やってんだよな? てコトは下級生にも知り合いいるだろ?」 「え? ええ」 「だったらさー、訊いてみてくんないかなー? 特に一年に、陸上部入ってくれそうな知り合いとか いないかどーか」 ああ……そういえば、仰ってましたね。 今年の陸上部には新入部員が一人しかいないと。 「ええ、構いませんよ。私でよければ、協力させてください」 親しいといえるほどの人は多くはありませんが、その程度のことを聞けるぐらいの知り合いなら、 何人か心当たりがあります。 「そっか! ありがと!」 「いえ。私などでお役に立てるのなら、喜んで」 頷くと、早くも肩の荷が降りたとばかりに、日下部さんもニコニコ顔で頷き返してくださいました。 そのまま二人、並んで改札をくぐります。 とりあえず誰から当たってみましょうか。 と、考えながらプラットホームに至る階段を昇りきったところで、 「……あ」 ふ、と。 一人の人物の顔が脳裏に浮かびました。 そうです。 委員会の方たちに伺うまでもなく。 「ん? なに?」 「あ、はい。一人、心当たりがありました」 「え、いんの? 入ってくれそーなヤツ」 「はい。はっきりそうとは言えませんが、私の小さい頃からの知り合いで、ちょうど今年、陵桜に入った ばかりの一年生がいるんです。名前は――」 ☆ みゆきさんの様子がなんだかおかしい。 朝から妙にそわそわと落ち着かない感じで、休み時間になるたびにどこかに姿を消してしまう。 どうしたのかと思って尋ねてみたけど返ってくるのは曖昧な言葉ばかりで、どうにも要領を得ない。 別にはぐらかしてるとかじゃなく、どこから話せばいいのか分からないって感じ。 ふだんあんなにも落ち着いてて理路整然としてるのに、少し慌てるととたんにアホの子みたいに なるよね、みゆきさんって。 分かってるからそれは別にいいんだけど。 ってゆーかむしろそこがいいんだけど。 ともかく。 そんなこんなでつかさと一緒に首を捻りながら迎えた昼休み。 事態はさらなる混迷を極めることとなるのであった。 「……おっす」 チャイムが鳴って少しして、いつものように、けどいつもより若干テンション低めにかがみがやってきた。 昨日風邪で休んでたけど、まだ体調悪いのかな。 でも朝一緒に登校したときはもうすっかり治ったって言ってたし、普通に元気そうだったよね。 ――思っていると、 「妹ちゃん、泉ちゃん。こんにちわ」 かがみの後ろから、長い栗色の髪をカチューシャでまとめたおっとり系のお姉さんが姿を現した。 かがみのクラスメイトで、確か――峰岸さん、だったか。 隣に遊びに行ったときや体育なんかの合同授業で、私もつかさも何度か顔を合わせたり軽く話したり したこともあるから、とりあえず顔と名前ぐらいはお互いに一致する。 けど、かがみと一緒にこっちにくるなんて――いや、そもそも向こうから寄ってくること自体初めてだ。 ひとまず挨拶に応えながらそんなことを考えていると。 その後ろから、さらに二人。 「……え?」 思わず疑問符がもれる。 例によってどこかに行っていたみゆきさんと、かがみのもう一人の友だちの……確か、日下部さん。 まぁ、分かる。 みゆきさんは、むしろ戻ってこないほうがおかしいし、日下部さんも、峰岸さんとセットって印象が強い から片一方だけしか来ないっていうのもこれまた逆に不自然だ。 うん。 分かるよ? そこまでは分かる。――だけど。 なんで二人が寄り添ってるの? どちらかと言えば快活なはずの日下部さんが見るからに落ち込んでいるのは、どうして? みゆきさんがその肩に手を添えて励ましているふうなのも、どうして? 「えっと……かがみ?」 「お姉ちゃん?」 つかさと声が重なった。 それを受けて、かがみは眉根を寄せる。困ったような苦笑いだ。 「いや、まぁ……本人たちに訊いて」 ――で。 言われたとおりに訊いてみたところによると。 みゆきさんと日下部さんは昨日、たまたま帰りが一緒になったらしい。 そしてせっかくだからと駅までご一緒することになって、色々と世間話なんかをしていた中で、 所属している陸上部の人材不足を嘆いた日下部さんに、みゆきさんが知り合いの一年生を 紹介したのだという。 そして今日、日下部さんが午前の休み時間をフルに利用してその相手を口説きにかかった結果、 「断られちゃった、と」 聞くまでもないし言うまでもないことだけどね、この様子じゃ。 全身全霊で『敗北いたしました』って感じ。 「はい」 答えたのはみゆきさん。 「……実は昨日のうちに電話で本人に話を通しておいたんですけど、その時点で断られてしまいまして」 「だったらそう言ってくれよぉ~」 「申しわけありません……」 「いや、アンタいなかっただろ。みゆきはちゃんと言いにきてくれてたのに。私の話も聞こうとしなかったし」 恨みがましく呻く日下部さんにみゆきさんがすまなそうに頭を下げて、そこにかがみがツッコミを入れる。 そっか。みゆきさん、それを伝えに行ってたのか。 「でも、高良ちゃん」 「あ、はい。なんでしょう」 「だったら、その一年生の子のクラスまで行けばよかったんじゃないかしら」 「……」 峰岸さんの言葉に、みゆきさんが静止した。 そしてうつむいて顔を赤らめて、ひとこと。 「……思いつきませんでした」 「天然だ……」 「どんだけぇ~……」 また声が被る。 今日はなんかつかさとシンクロ率高いね。ってか峰岸さんももっと早く言ってあげればいいのに。 「うぅ、そっか……ごめんな、高良」 「いえ、お気になさらず」 「いや、気にしなさい。人の話を聞くクセをつけなさい、アンタは」 「まぁまぁ、柊ちゃん」 「峰岸……アンタがそうやって甘やかすから……」 なんだか忙しそうだね、かがみ。 ふむ、さすがのツインテールキャノンもやわらか戦車の挟み撃ちには手こずるわけか。 「……こなた、なんか失礼なこと考えてない?」 「イエ、ゼンゼン?」 しかしその分レーダーの感度が上がってる模様。要警戒、要警戒。 ってゆーか、なんか賑やかだねぇ。二人増えただけでこんなにも違うものなのかな。 「……なんかさー、保健委員の仕事があるから部活は無理とかでさー。一緒にいた……なんかすっげー 小っさいヤツも勧めてくれたんだけど。なんてーの? ナシノツブテ?」 うん? 保健委員? 小っさいヤツ? 「ちょっと待って。えっと……みゆきさん、その子って何組?」 「一年D組ですけど、どうかしましたか?」 D組。 ゆーちゃんのクラスだ。ということは…… 「ひょっとして、岩崎みなみちゃん?」 「え? ええ、そうですが……」 「こなた、知ってるの?」 知ってるもなにも。 「ゆーちゃんの友だちだよっ。ほら、いつか話したでしょ? ゆーちゃんを助けてくれた人。入試のとき」 「あぁ……そうなの?」 「覚えてるよー。ハンカチの人だよね? ……え?」 私とかがみ、そして一拍遅れて、つかさ。 三人で揃ってみゆきさんのほうを向く。 「え? では、みなみさんがよく仰っている、『小早川さん』というのは……」 「そう! 小早川ゆーちゃん! 私のイトコ!」 「まぁ……そうだったんですか」 目と口をまん丸にするみゆきさん。 日下部さんと峰岸さんが話についていけないって顔しちゃってるけど、そっちはかがみに任せよう。 「みたいだね。――いやぁ、こんな偶然てあるんだねぇ」 「本当、奇遇ですね」 うんうん、ホントホント。 いったいどのぐらいの確率なんだろう。前につかさも言ってたけど、私たちがこうして出会えて 仲良くなれたってだけでも十分に奇跡的なのに。 まさに奇跡と奇跡の合わせ技……三次元も捨てたもんじゃないってことかもね。 「あ、じゃあ私、その人知ってるかも」 お? さらにつかさまでそんなことを言い出した。 「そなの?」 「うん。先々週ぐらいかな? 廊下でゆたかちゃんと仲良さそうにしてるの見たよ」 「ふーん……」 「メガネをかけた、髪の長い人だよね?」 うん? 「いや……それたぶん違うよ。田村さんって人じゃないかな、そっちは」 「あれっ? そ、そうなの?」 「うん」 メガネでロングでゆーちゃんと仲がいいって条件なら、たぶんそうだろう。どっちにしても関係ない。 つかさらしいっちゃらしいけどね。 「みなみちゃんはショートだよ。で、背が高いの。――こんくらい」 手首を直角に折り曲げた腕をいっぱいまで掲げて高さを示す。 すると今度はかがみが頷いた。 「見たことあるかも。なんかクールって感じの子だったけど」 「ソレだ! たぶん」 「ええ、その方だと思います」 「そっか。……うん、確かにやたらと背の高い子だったわね」 三人で頷きあう。 つかさが、なんか寂しそうってゆーか悲しそうってゆーか、になってるけど。 うむ。 悪いとは思いつつ、萌える。 「なんかよくわかんねぇけど……」 と、そこに日下部さん。 「そんな言うほど高かったか? あたしとおんなじぐらいだったぞ?」 「ええっ、嘘? 5センチぐらい違わない?」 かがみが驚いて、首を捻る。 「ねーって」 「私もそんなには違わないと思うよ。ゆーちゃんと一緒のところを見たからじゃない?」 「……なるほど」 一瞬考えて、頷くかがみ。 それを受けて、日下部さんはニッカリと笑った。 「だろ?」 「うん……いや、なんかアンタってあんま大きいってイメージなくて」 「……どーゆーイミだよ」 「まぁまぁ。――でも、私も同感かな」 「えぇー? あやのまでそんなコトゆーのかよ」 「だってみさちゃんて可愛くて元気だから、そっちが目立って背の高さにはあまり目が行かないのよ。 あと、小学校ぐらいまでは私のほうが高かったっていうのもし」 「むぅ……」 「ごめんね? 怒った?」 「いや、いーけどよ……ってか身長っていや、そーいやなんかガイジンがいたぜ。背だけじゃなくて あっちこっちでっかいの」 「変なジェスチャーすんなっ」 「ああ、それはきっと、パトリシア=マーティンさんですね」 「ん? 高良、知ってんの?」 「ええ。みなみさんから聞きました。アメリカからの交換留学生がクラスにいると」 「ほぉー、アレがリューガクセーか。初めて見た」 「あっ! それなら私も知ってるよっ。こなちゃんと同じお店でバイトしてる子だよね?」 「うん。パティだね」 「へぇ? あんなのまで知り合いなのかよ。お前って意外と顔広いんだな」 「まぁねー」 「うん。泉ちゃんって、どんな人とでも仲良くなれそうな感じよね。でも、どっちかっていうと、アルバイト してるってほうが意外かな。どんなお店なの?」 「ん? コスプレ喫茶だけど」 「こす……ぷれ?」 「気にしないで、峰岸。――アンタもそういう単語を堂々と出すな!」 「なんだ? まさかアヤシイ店なのか?」 「シツレイな。ちゃんとした普通の喫茶店だよ」 「アレのどこが普通だ」 「でも楽しかったよ。こなちゃんもかわいかったし。ね?」 「ええ。――喫茶店というよりは、ラウンジといったほうが近いかも知れません。それで、店員の方たちが 漫画などのキャラクターを模した仮装をしているんです。……あ」 「さすがみゆきさん、上手い説明だね。……って、どしたの?」 「いえ、その……ということは、あのときの、あの方が、パトリシアさんだったのですね……」 「? そだよ?」 「まさか、みゆき……その岩崎って子と同じクラスの子だって、気付いてなかったの?」 「……はい。校内では一度もお会いしたことがありませんし、その……」 「そう……まぁ、そういう思い違いって、あるわよね?」 「あるあるっ。でも、ゆきちゃんでもそんなことあるんだ」 「お恥ずかしい限りで……」 「いやいや、むしろみゆきさんならでは、だよ」 「かもなー。高良って知識先行って感じだし、なおさらだよな」 「みさちゃん、それフォローになってないわ」 「あれ? そなの?」 「フォローのつもりだったのかよ」 ――賑やかだ。 悪くないね。 ほんのちょっと違和感みたいなのがあるけど。 あと、みゆきさんを取られたみたいな気が、最初ちょっとだけしちゃったけど。 それでも、悪くない。 いつもより少し――いや、かなり賑やかなお昼休み。 うん、悪くない。 そして、もしかしたら。 明日からは、これが新しい『いつもどおり』になるのかも知れない。 そんな予感を覚えているのは、 「なにニヤニヤしてんのよ、こなた」 「別に? かがみだって笑ってんじゃん」 「……。鼻にチョコ、ついてるわよ」 「え? わっ」 どうやら、私だけじゃないらしい。 コメントフォーム 名前 コメント いつもながら、それ程多くない文章量で沢山のキャラを綺麗に回されてます。 凄いし和むし良い感じ。 -- 名無しさん (2008-08-27 20 47 36) この作品好きです。なんだか新鮮でほのぼのしますね。 敢えてつっこむなら、何故もっと早くこなたの鼻のチョコを 教えない…。 -- 無っ垢 (2008-08-22 08 02 50)
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/48.html
book_bunko_img06.png いつもの(?)日常が戻ってきたかと思いきや……沙織の様子がおかしい!? 人気シリーズ第6弾!! ヤバイ。桐乃ヤバイ。俺の妹マジヤバイ。 まず偉そう。もう傲岸不遜なんてもんじゃない。超居丈高。 「オマエ何様」って妹にきくと、「チッ」って舌打ちするだけじゃなく、その後腕組んで「うざい」って睨みかえしてくる。 スゲェ! なんか遠慮とか無いの。妹なんだから兄貴のことを敬って、もっと仲良くしなきゃいけないんじゃ ── と思っていた時期が俺にもありました。 っていうくらいの勝手気儘ぶり。普通は人間なんだから絶対謙遜とかもする。でも俺の妹は全然平気。凄い。ヤバイ。どれくらい凄いかというと、なんかこの宣伝文、どこかで同じようなのを見たはずなのにそれすら気にしない豪快さ。さすが俺の妹だ、なんともないぜ。 とにかくお前ら、ウチにいる妹のヤバさをもっと知るべきだと思います。そんなヤバイ桐乃と一緒にいる俺、超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。
https://w.atwiki.jp/dmps_fun/pages/302.html
PREV:初級 NEXT:伝説級 ストーリー 次は姉ちゃんか、俺も【プレイヤー】さんと勝負してえな~! 葛葉 葛葉はさんざんデュエルしてたんやん ほら、招待状争奪戦の時とか! 本間ひまわり 委員長のデュエル見てたらひまもやりたくてたまらんのよレジェンドスキルも試したいし… 本間ひまわり ね、ね、【プレイヤー】さん!いいでしょ? 本間ひまわり …お【プレイヤー】さんもやる気ですね! ルピコ そうだひまわりさんはどんなスキルもらったんですか? ルピコ ひまはね~パワーがすっごい上がるんだよ! 本間ひまわり つよそうなクリーチャーたちがも~っと強くなっちゃうからね! 本間ひまわり ほんとはおっきくて強いのもっといっぱい使いたいんやけどそれは難しそうだったからな~ 本間ひまわり 確かに姉ちゃんには重量級デッキが似合うもんな 葛葉 誰が重量級や! 本間ひまわり つーかさそのスキルの効果って闘う前に教えてよかったのか? 葛葉 あっ…! 本間ひまわり ひまちゃんまんまとルピコさんの策にハマりましたね… 月ノ美兎 ルピコさん…意外と油断ならないっすねー! 葛葉 わわわ…ごめんなさい ルピコ 慌てるルピコさんも可愛い…ちょっと写真撮っていいですかねできればメイド服なんか着て… 月ノ美兎 あわわ… ルピコ デュ、デュエルはじまりますよ! ルピコ ひまわりさんも【プレイヤー】さんも準備万端です! ルピコ スキルなんて知られても大丈夫!勝てばええんや…勝てばぁ!ひま軍団のパワー見しちゃる! 本間ひまわり いくで【プレイヤー】さん!デュエマ・スタートや! 本間ひまわり 勝利時 凄いなぁ…【プレイヤー】さんは 本間ひまわり 勝てるビジョンがまったく見えへん! 本間ひまわり …こんだけパワーで押しても軽くいなしちゃうってのはなー 葛葉 やべーな【プレイヤー】さん 葛葉 ほんまやで【プレイヤー】さん 本間ひまわり ねぇねぇ、どうやったらそんなに強くなれるん? 本間ひまわり って、わわ!?なんかいつのまにかまわりにめっちゃ人増えとる! 本間ひまわり 白熱したデュエルに人が集まって来たんですね ルピコ 言ったろ?デュエマシティで注目されるにはデュエルが一番なんだって 葛葉 さてと…【プレイヤー】さんそろそろ俺とも… 葛葉 みなさーん!運営さんから連絡がありました人が集まりすぎて危ないって ルピコ って、ええ…!?マジか~…これで終わり?俺もデュエルしてえよ… 葛葉 ご心配なく!続きはアリーナでやりましょう! ルピコ アリーナってあのでっかい建物? 本間ひまわり はい!観客のみなさんも大きな会場で見たいですよね! ルピコ …うわ、すっごい盛り上がりやみんな、ほんまにデュエマが好きなんやな! 本間ひまわり 楽しいですからね!わたくしにも魅力がわかってきましたよ 月ノ美兎 ひまも!よーし、こうなったら葛葉 本間ひまわり 【プレイヤー】さんを倒せー! 本間ひまわり ウッス 葛葉 敗北時 おーマジか!【プレイヤー】さんに勝ちやがった! 葛葉 いや~まあスキルのおかげやんなスキルなかったら負けてたわ 本間ひまわり いやそれにしてもデュエマめっちゃおもろ! 本間ひまわり ですよねー!わたくしもむちゃくちゃ楽しかったです! 月ノ美兎 だよなぁ…よし、そろそろ俺も… 葛葉 なあなあ【プレイヤー】さん 本間ひまわり もっかいやろ!もっかい! 本間ひまわり うぉーい!またかい! 葛葉 PREV:初級 NEXT:伝説級