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学校の机の中などから手に入るアイテム。 ものすごく安い取引価格ですが、売ることが出来ます。それ以外は効果ゼロ。 │タオルケットをもう一度2(唐揚げタンポポ)│
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踊り狂う道化達/それでも生きていて欲しいから(中編) ◆guAWf4RW62 「――ふっ……はっ……はっ……。流石に此処まで来れば……大丈夫だろ」 新一は戦場から数百メートル程離れた場所まで逃れて、ようやく一息吐いていた。 恐怖から解放された途端に痛みが蘇って、木の根元へと腰を降ろす。 何とか逃亡には成功したものの、新一が被った被害はかなり大きかった。 鼻骨は砕かれ、左耳は消失。 強打された腹部と胸部は、今もズキズキとした痛みを訴えている。 「畜生……痛え、痛えよ……。あのクソ女、散々好き勝手やりやがって……!」 逃がして貰った、という感謝の気持ちなど無い。 有るのは、それ以前に受けた暴行に対する憤りのみ。 自分は只、親友の仇を自らの手で討ったに過ぎぬ。 それは誉められて然るべき行為なのに、何故あのような扱いを受けなければならなかったのか。 妙な方言の女も許せない。 助けに来たと思わせておいて、実際には殺人鬼だったとは理不尽な話。 一度希望を抱いた後に突き落とされたショックは、並大抵のものでは無かった。 この恨みは、何時か必ず晴らさなければならないだろう。 しかし直接仕返しする事は困難だ。 あの二人の実力は、一般的な高校生の範疇を遥かに凌駕している。 正面から挑み掛かっても、返り討ちにされてしまうのがオチだろう。 ならば、どうするべきか。 「そうか……へへへ。あいつらの悪評も、バラ撒いてやれば良いんだ」 力で敵わないのならば、頭で挑めば良いだけの話。 烏月やこのみだけでなく、あの二人の悪評をも広げてしまえば良い。 後は勝手に他の人間が、自分の代わりに復讐を果たしてくれるだろう。 そう結論付けた新一は、次に自身に起きている異変について考察する。 「この手……ハサミ、だよな。それに身体の節々も、貝殻みたいに固くなってやがる」 新一はザリガニのような自身の腕、殻に覆われつつある脇腹を、じっくりと観察してゆく。 何故、だろうか。 身体は最早異形と化しているのに、その事に対してさしたる驚きは無かった。 初めて気付いた時は違和感しか無かったが、改めて眺めてみると、寧ろこの姿が自然なように思えてくる。 もしかすると、精神の方までもが変貌しつつあるのかも知れなかった。 自身の状態を確認した新一は、次に刀子から渡された鞄の中身を調べようとする。 あんな女の道具に頼るのは癪だが、生き延びる為にはあらゆるモノを利用しなければならないのだ。 「このっ、開け辛いな」 ハサミ型の手で四苦八苦しながら、それでも何とか鞄を開く事に成功する。 早速中を覗き込むと、刀子の言葉通り、中には包丁が入っていた。 それは銃に比べれば劣るものの、最低限の殺傷能力は備えた道具。 当面の護身道具にはなるだろうと、思ったのだが。 「何だよ、これ! この手じゃ掴めないじゃねえか!」 ハサミ型の手では包丁を満足に扱えない。 手に取るくらいならば可能だが、五本の指無しでは握り締める事など不可能。 振り回そうとでもしようものなら、包丁は手の中をすり抜けて、あらぬ方向へと飛んでいってしまうだろう。 とても、実戦には耐え切れない。 期待外れであると云わざるを得なかった。 「くそっ、ふざけんな!役に立たねえもんなんて寄越すんじゃねえよ!」 怒りに身を任せて、力の限り木を殴り付ける。 その行動は普通ならば自傷行為にしかならなかったが、今の新一は既に人外と化している。 固い殻で覆われた手には、傷一つ付く事が無かった。 「くそっ、くそっ! 烏月もこのみも、あの女も、人をコケにしやがって!」 何度も何度も、森の中に轟音が鳴り響く。 新一は物云わぬ木に向けて、醜い八つ当たりを続けてゆく。 そして、更に何度か木を殴り付けた時。 新一の目の前で、予想だにしなかった事態が引き起こされた。 「え…………?」 ぐらり、と揺れる木の幹。 高さにして八メートルはあろう木が、新一が殴り付けた部分を中心に折れていた。 支えの無くなった木は、落ち葉を激しく宙に巻き上げながら地面へと崩れ落ちた。 後に残ったのは、無残にも地に倒れ伏せる木のみ。 それは、生身の人間が行えるような破壊では無かった。 新一が成りつつある『深きもの』とは、頑強な船底に素手で穴を穿てる程の怪力を誇る。 マスターテリオンや逆十字には到底及ばないが、人間の限界程度は凌駕していた。 「は…………はは……」 新一は震えている。 その場から一歩も動かないまま、震えている。 自分自身の手によって齎された破壊を目撃し、心の内側から一つの感情が沸き上がって来る。 その感情とは―― 「ははは……ハハハハハハハハハハハハハハハハッ!! そうか、そうだったんだ! 包丁なんてチャチなもん必要ねえ! 俺はもう、十分に強くなってたんだ!」 人外と呼ぶに相応しい力を手にして、新一は歓喜に震えていた。 最早恐怖に怯え、暴力に迫害され、醜く逃げ回る必要など皆無。 烏月にもあの女にも、素手で木を叩き折るなど出来はしない。 このみならば可能かも知れないが、体格で上回る自分の方が強い筈。 後は正義の名の下に己が力を駆使して、理不尽な悪党共を蹂躙すれば良い。 もう自分は何者にも怯えず、堂々と生を謳歌する事が出来るのだ。 「イヒヒ……ヒャハハッ…………ヒャ―ハッハッハッハッハッハ! 殺す、殺す! 俺を馬鹿にした連中、全員ぶっ殺してやる!」 新一の身体は何時の間にか更なる変貌を遂げ、もう人間らしい部分は殆ど残っていない。 足はかろうじて原形を留めているものの、上半身は完全に甲殻類のソレと化していた。 身体の表面は強固な殻に覆い尽くされて、顔からは長い触角が何本か生えている。 最早、彼の知人が現れた所で、この人外が鮫氷新一であると気付くのは難しいだろう。 人外の少年は哄笑を上げながら、一人森の中を歩いてゆく。 その内に、おぞましい殺意を抱えながら。 ◇ ◇ ◇ ◇ 立て続けに鳴り響く駆け足の音。 月明かりの降り注ぐ森を舞台として、蛇の少女と人妖の少女が激しく凌ぎを削り合う。 「せやぁぁあっ!」 裂帛の気合いが乗せられた叫びを上げて、刀子は只ひたすらに前方へと疾駆する。 その気迫たるや、正しく鬼神の如し。 距離さえ詰め切ってしまえば、例え相手が熟練した人妖であろうとも斬り伏せる事が出来るだろう。 しかし不規則な軌道を描く殉逢が、刀子の前進を許さない。 静留の振るう殉逢は、予測不可能な動きで獲物へと襲い掛かる。 「はっ……!」 刀子は全力で左へと飛び退いて、鞭の進路から大きく身を躱した。 紙一重で避ける、と云った芸当は許されない。 鞭の軌道は不規則に変化し、完全に読み切る事は叶わない。 十分な余裕を持って躱さなければ、唐突な変化の前に蹂躙されるだけなのだ。 しかし必要以上に大きく避けるという事は、それだけ次の動作が遅れるという事。 刀子が再び前進を始めるよりも早く、蛇の少女が次なる行動を開始する。 「隙だらけやで、刀子はん」 告げる声は無慈悲に。 静留は殉逢による連撃を矢継ぎ早に、それこそ嵐のような勢いで繰り出してゆく。 一息で放たれた攻撃は、実に四発。 四頭の毒蛇は群れを成して、一斉に獲物へと襲い掛かる――! 「くぅぅ――――」 静留は全身全霊の力で迫る一撃を打ち払う。 続く二撃、三撃は、空中へと跳躍する事で無事にやり過ごした。 だが残る最後の蛇が、宙に浮いたまま身動きの取れぬ刀子へと襲い掛かる。 刀子も咄嗟に刀を盾代わりにして受け止めたが、足場の無い空中では衝撃を押さえられない。 そのまま大きく跳ね飛ばされて、十メートル以上も後方の地面へと着地した。 「あぐ…………は、く…………」 刀子は油断無く古青江を構えながらも、側頭部から伝わる鈍痛に表情を歪める。 戦況は明らかに刀子が不利。 素の実力ならば大きく刀子が上回っていただろうが、脳震盪の影響は未だ残っている。 加えて刀子は、鞭を使う敵と戦うのは此度が初めてだった。 積み重なった悪条件が、刀子と静留の天秤を逆転させている。 しかも悪い事に、両者の差は更に広がりつつある。 猛攻を掻い潜りながら前進しなければならない刀子に対して、静留は無駄に動き回る必要など無い。 自分から射程に踏み込んでくる愚かな獲物を、ただ殉逢で迎え撃つだけで良い。 即ち戦えば戦う程、刀子の体力のみが一方的に削られてゆくのだ。 緊迫感が漂う戦場の中、蛇の少女は息一つ乱さぬまま刀子へと語り掛ける。 「刀子はん、そんな身体でよう粘りますなあ。辛くはないんどすか?」 「……辛いですよ。ですが、私は負ける訳にはいきません。 だから何度でも立ち上がって、何時か必ず貴女に打ち勝ってみせます」 刀子の瞳に、諦めの色は微塵たりとも浮かび上がっていない。 在るのは敵を打倒し、これ以上の惨劇を食い止めると云う意志のみ。 牛鬼の少女は何処までも真っ直ぐな瞳で、未だ見えぬ勝機を手繰り寄せようとする。 「……本当に、強い人やね。せやけど、うちかてこれ以上時間を掛けるつもりはあらへん。 次で決めさせて貰いますさかいに」 完全に優勢であったとしても、蛇の少女は決して手を抜いたりしない。 静留は早々に決着を着けるべく、鞄から回転式拳銃――コルト・ローマンを取り出した。 それは残弾が一発しか無い所為で、今までは温存せざるを得なかった武器。 しかし刀子の粘りを前にしては、最早使用を躊躇ってはいられない。 なつきを守る為には、これ以上此処で時間を浪費する訳には行かないのだ。 「さあ、行かせて貰います。あんたの気持ちと、うちの気持ち――どっちが強いか決めましょうか」 告げられる宣告。 右手に殉逢を、左手にコルト・ローマンを握り締めて、静留は己が想いを爆発させる。 「他人がどうなったってええ……うちがどうなったってええ! なつきさえ守れれば、うちはそれだけで十分なんや!」 その叫びと共に、静留は大きく前へと足を踏み出した。 以前に負傷した左足をも駆使して、蛇の少女は全力で己が鞭を打ち放つ。 その速度、その破壊力は、今までの比では無い。 静留は正しく己が全力を以って、眼前の敵を叩き潰そうとする。 しかし、この土壇場に於いて力を増したのは刀子も同じ。 「人を殺すのが誰かの為になる? 自分を犠牲にする事が大切な人の為になる? そんなの、只の思い違いです!」 飛び散る火花。 不規則な軌道を描く鞭と云えども、何度も繰り返せば次第に慣れられる。 刀子は限界の限界まで殉逢を引き付けて、自身の身体に食い込む寸前で弾き返した。 されど静留の全力を注ぎ込んだ攻撃が、単発で終わる筈が無い。 「思い違い? あんたにそんな事が分かりはるんですか? うちとなつきの事が、あんたに分かるとでも云うつもりですか!?」 一発、二発、三発、四発、五発。 邪魔な雑草や小木を薙ぎ倒しながら、次々に殉逢が振るわれる。 それは近付くだけで生命を削り取られる、死の嵐に他ならない。 だがそんな猛攻を前にして尚、刀子は一歩も退く気配を見せなかった。 「分かります。だって……」 少女は日本刀を握り締めたまま、自ら毒蛇の群れへと突撃してゆく。 退けない。 天地が避けようとも、この身を引き裂かれようとも、此処で退く事など有り得ない。 敵が嘗ての兄と同じ動機で戦っている以上、絶対に退ける訳が無い。 何故ならば―― 「私は兄様にそんな事を望んでいなかった!」 「……………ッ!」 瞬間、刀子は古青江の鞘を左手で握り締めた。 刀と鞘、二刀流による戦いこそが、刀子が本来最も得意とするスタイル。 しかし普段用いている斬妖刀文壱の鞘と違い、古青江の鞘では長時間の戦闘に耐え切れない。 故に、敵の攻撃に目が慣れて来た、この土壇場まで使う訳には行かなかった。 切り札を解き放った刀子は、次々に殉逢を打ち払ってゆく。 「私は兄様に人殺しなんてして欲しくなかった!」 左から迫る一撃は鞘で受け流して、右から襲い来る一撃は刀で弾き返す。 両手に乗せるは、今まで溜め込んできた想い。 刀子は、兄が修羅になる事など望んでいなかった。 自分の為に、人を殺して欲しくなど無かった。 なればこそ刀子は、己が全力を以って眼前の敵を否定する。 「だから、私は貴女を認めない! 兄様と同じ選択をした貴女を、認められる訳がない!」 更にもう一度殉逢を打ち返して、刀子は遂に刀が届く間合いへと侵入した。 しかし静留とて決意を固めた戦士であり、このまま敗北を許容したりはしない。 「でも……せやけど! うちはこんな所で負ける訳には行かへんのや!」 手を伸ばせば届く程の至近距離で、コルト・ローマンの銃口が刀子へと向けられる。 静留は強固なる意志を以って、銃のトリガーを全力で引き絞った。 正しく必殺の一撃だったが、人妖の少女はその必殺すらも凌駕する。 「な――――っ!?」 大きく目を見開いた静留の眼前では、驚くべき光景が繰り広げられていた。 刀子は至近距離で放たれた銃弾を、古青江の鞘で受け止めていた。 それは並外れた反射神経と、そして――迫る死すらも直視出来る程の勇気があってこそ為せる技。 「認めない……他の誰かを犠牲にするのも、自己犠牲も絶対に認めない! だって―――」 「くぅぅ…………っ!」 静留が慌ててその場から飛び退こうとするが、刀子は更に早い速度で追い縋った。 人妖の少女は力強く前に踏み込みながら、全身全霊の一撃を解き放つ。 少女の根底にある想いはただ一つ。 「私はただ、お兄ちゃんに生きて居て欲しかっただけなんだから…………!!!」 兄と共に生きたかった。 それこそが、一乃谷刀子の望みに他ならない。 果たせなかった願いを乗せて、少女は己が得物を一閃する――――! 「……くああああぁぁぁあっ!!」 足を負傷している静留では、二刀流による剣戟を到底躱し切れない。 振り下ろされた白刃は空転したもの、横薙ぎに振るわれた鞘が静留の脇腹を捉えていた。 渾身の一撃は、静留の肋骨に罅を刻み込むだけでは飽き足らず、その身体をも大きく弾き飛ばす。 生じた絶対の好機を見逃さず、刀子が静留の後を追ってゆく。 最早勝敗は決定的。 刀が届く距離になった瞬間、今度こそ刀子は静留を無力化するだろう。 恐らくは、その命を断ち切る事無く。 拘束して自由を奪った後に、ゆっくりと説得を試みる筈だった。 しかし――――そんな結末を、静留は決して受け入れない。 「云われんでも分かっとります…………あの子がこんな事を望んでいないなんて」 その呟きと共に、静留は地面を強く踏み締めて、強引に態勢を立て直した。 目の前には、驚愕の表情を浮かべる刀子の姿。 脇腹の激痛も、朦朧とした意識も、手足の痺れも無視して、静留は殉逢を握り締める。 「それでもうちは! うちだって! 大切な人に生きて居て欲しいんや…………!!!」 なつきを守ると、決めた。 どんな事をしてでも、絶対になつきを守り通すと誓ったのだ。 ならば静留とて退けない、退ける訳が無い。 「だから、うちは…………!!」 狙いは只一人、前方より迫る刀子のみ。 静留は決死の覚悟で殉逢を振り上げて――――― 「え――――?」 瞬間、真上から飛来する巨大な物体を目撃した。 それが長さ五メートル程の木だと気付いた時には、既に全てが手遅れだった。 余りにも絶望的な破壊の音が、森の中に鳴り響く。 振り注ぐ破壊の塊は、確実に静留を蹂躙してゆく。 (なつ、き…………) 最後に愛しい少女へと想いを巡らせながら。 静留の意識は、深い闇の底へと飲まれていった。 「いひひひひっ、ひゃーははははははっ!!」 森の静寂を掻き乱す雑音。 それは人外の愚者が洩らす、歓喜の哄笑だった。 「な、貴方は――――」 突如現れた人外を前にして、刀子が呆然と驚きの声を零す。 ザリガニの如く赤い殻に覆われた胴体部、長い触角が生えた異形の顔。 生身で木を放り投げられる程の、怪物じみた怪力。 普通ならば最早誰なのか判別不可能な所だが、刀子は何とか気付く事が出来た。 少し前に逃がした半人外の少年に似ている、と。 「ひひひひっ……まずは一人。俺にふざけた真似しやがった馬鹿を、ぶっ殺してやったぜ……!」 「貴方は……鮫氷新一さんなのですか?」 聞き覚えのある声にほぼ確信を抱きながらも、刀子が確認するように問い掛ける。 すると、人外が真っ赤なハサミを刀子の方へと向けた。 「ああ……そうさ。俺は鮫氷新一さ。 何も悪い事をしちゃいねえのにお前達に虐げられてきた、復讐者だ」 新たなる力を手に入れた新一は、大人しく逃げ回るような真似などしなかった。 今まで抱いていた死への恐怖は、そのまま自分を虐げてきた者達に対する怒りへと変換される。 実際には半分以上が自業自得なのだが、新一は最早その事実から永久に目を逸らし続けるだろう。 「さあ、次はお前の番だぜ? さっき受けた痛み、百倍にして返してやるからな……!」 赤のハサミが二度、三度と振るわれて、近くの木の幹が切断された。 新一は人外の怪力を駆使して、両腕で木を持ち上げる。 異形の少年が睨み付ける先では、既に静留との戦いで傷付き疲弊している刀子の姿。 実際、刀子は余力を殆ど残していない状態だった。 脳震盪の影響はようやく抜けてきたものの、体力はもう限界に近い。 腹部は未だ鈍痛に襲われているし、頼みの鞘も先程静留を殴打した際に砕け散っている。 対する新一は、人外の自己修復能力によって怪我を治療。 先程砕かれた鼻骨すらも、徐々に治りつつあった。 刀子は苦しげに肩を上下させながら、ゆっくりと声を絞り出す。 「鮫氷新一さん……貴方は殺し合いに乗るつもりですか?」 「ああ、当たり前だぜ。俺はようやく力を手に入れたんだからな。 俺をコケにしてきた連中にも、助けなかった奴らにも、相応の報いを与えてやるのさ!」 「貴方は……殺し合いをしたくないと云っていたじゃないですか。 あれは…………嘘なのですか?」 「そんな事云ったか? 覚えてねえなあ……くけけ」 怯えながら許しを求めていた頃とは、全く反対の態度を取る新一。 最早彼には人間らしい慈愛の心など、ほんの一欠片すらも残ってはいない。 異形の少年は何の躊躇も容赦も無く、傷付いた獲物へと襲い掛かるだろう。 たが――あろう事か。 その獲物たる少女は。 こんな状況であるにも関わらず、唇を笑みの形へと吊り上げた。 「そう――良かった」 「……………………は?」 新一には、まるで理解出来なかった。 ただの獲物に過ぎぬ筈なのに。 何故、少女がそんな台詞を吐いたのか。 何故、少女が哂っているのか。 何もかもが、全く理解出来なかった。 「ええ……貴方が救いようのない外道で良かった。これで私は、もう我慢しなくても良いんですね。 兄様の仇を討っても……良いんですね」 殺意に満ち溢れた烈火の視線で、牛鬼の少女が異形を射抜く。 まるで、自分が負ける事など想像もしていないと云わんばかりに。 その声は、ようやく兄の仇を討てるという歓びに震えていた。 そんな刀子の態度は、桁違いの力を手に入れたつもりである新一にとって、決して見過ごせぬもの。 「ふざけんな、この俺がお前なんかにやられて堪るかよ! 死にやがれえぇぇ!」 激昂と共に、新一が木を全力で投擲する。 破壊の塊が放物線を描いて、刀子へと襲い掛かる。 それは当たり所が悪ければ、命すらも奪われかねない一撃。 しかし正面から刀子を捉えるには、余りにも甘過ぎる攻撃だった。 刀子は横に跳躍して、木の軌道から軽々と身を躱していた。 「……遅い、ですね。こんな攻撃で人を殺せるとでも?」 新一の攻撃は、何の意味も為さずに終わった。 不規則な鞭の軌道にすら対応した刀子が、子供じみた投擲如きに屈する筈が無い。 余程不意でも突かない限り、何度やっても同じ結果に終わるだろう。 「ま、マグレだ! 今度こそ!」 再び投げ放たれる木。 しかしそんなモノ、何の効果も齎さない。 刀子は最早避けようともせず、その場に屹立したまま古青江を一振り。 あっさりと、本当に呆気無く迫る木を両断した。 「無駄です、その程度で私は倒せません」 そう――所詮は『その程度』だった。 鮫氷新一は、あくまでも人外に成ったばかりの存在。 何とか小木を放り投げる程度の力はあるし、身体も硬い殻で覆われているが、それだけだ。 刀子の知人、加藤虎太郎のように、素手で車の突撃を打ち破れはしない。 刀子の兄、一乃谷愁厳のように、四階から飛び降りて無傷でいられる程の身体能力は無い。 苛烈な鍛錬の日々を生きてきた刀子と、偶然人外に身を堕としただけの愚者。 どちらが優れているかなど、考えるまでも無い……! 「う、嘘だ……こんな筈はないんだ……っ」 新一はザリガニのような首を左右に振って、眼前の現実を否定する。 有り得ない、と。 自分は強くなった筈なのに、その力が通用しないなど有り得ないと、必死に信じ込もうとする。 「そ、そうだよ。俺がこんな女に勝てない筈は無いんだ。 大体あの鞭の女は、ちゃんと俺の攻撃で死んだじゃ――――」 「死んだ? それは誰の事どすか?」 「……ッ!?」 背後から聞こえて来た声に新一が振り向くと、そこには先程倒れた筈の静留の姿。 新一が悲鳴を上げるよりも早く、静留は殉逢を横薙ぎに一振りした。 派手な音を打ち鳴らしながら、甲殻類の身体が弾き飛ばされる。 「あごぉぉぉオオ!?」 「やれやれどす……。うちとした事が、あんな下らない攻撃に掠ってしまうなんて。 ちょっとばかし、痛かったで?」 新一が奇襲を敢行した際、静留は直撃を受けた訳では無かった。 咄嗟の判断で木を潜り抜けようとしたが、完全には避け切れず、後頭部を軽く掠められてしまったのだ。 お陰で気絶してしまったが、それもほんの僅かの間。 既に意識は回復して、刀子から受けたダメージ以外は殆ど残っていない。 新一の行った奇襲攻撃は、最高のタイミングであったにも関わらず、その程度の戦果しか挙げられなかった。 「静留さん。一つ提案があるのですが、宜しいですか?」 「……奇遇やなあ。うちも今、あんたに提案しようと思ってた所どす」 刀子と静留は何処か親しげに話しながら、ただ一ヶ所を睨み付ける。 その先でよろよろと立ち上がるのは、化けの皮を剥がされた道化。 「静留さんは未だ引き返せるかも知れませんが、この外道はもう救いようがありません。 命ある限り、罪無き人々を害し続けるでしょう。そして兄様なら、そんな外道を決して見過ごさない筈」 「ひっ…………!?」 牛鬼の少女が刀を構える。 その瞳に宿るのは、燃え盛るような怒りと意志。 「なつきは強い子や。過酷な環境で戦い続けてきたあの子なら、そう簡単に負けたりしない。 せやけど本当はとても優しい子やから……命乞いされたら、あんたみたいな怪物でも殺せへんやろうなあ。 あんたを生かしておいたら、なつきの害になるかも知れへん。第一あんたの生き方、えらい気に食わへんわ」 「ひゃうっ…………!!」 静留が殉逢を両手で握り締める。 その口元に浮かぶのは、絶対零度の殺意が籠もった冷笑。 二人の少女は全く同時に、愚かな外道へと死刑宣告を突き付ける。 「だから私は―――まず貴方から討たせて貰います」 「だからうちは――まずあんたから殺す事にします」 弾け飛ぶ大地。 正しく弾丸の如き勢いで、少女達が獲物に襲い掛かる。 「あああ……ひああああぁぁぁあっ!!」 新一は動物じみた悲鳴を上げながら、形振り構わず全速力で逃げ出した。 一度は収まった筈の恐怖が、心の中で加速度的に膨れ上がってゆく。 折角手に入れた力は、殆ど通用すらしなかった。 殺される。 捕まってしまえば、今度こそ確実に殺されてしまう。 最早土下座しても、泣いて謝っても、許して貰えはしないだろう。 「ち、畜生…………何でだよ……! どうしてまた、俺が逃げなきゃいけないんだよ!」 徐々に殻に覆われつつある両足を酷使して、ただひたすらに走り続ける。 人間だった頃よりも遥かに早い速度で走っていると云うのに、刀子達を振り切れる気配は一向に無い。 恐怖と理不尽な想いばかりが、止め処も無く溢れ出してくる。 自分は強くなった筈なのに。 悪党共を討ち滅ぼせるだけの、正義の力を手に入れた筈なのに。 何故、こんな事になってしまったのだろうか。 脳裏に呼び起されるは、嘗て千羽烏月が云っていた言葉。 『あなたは戦えるようには見えない』 あの言葉を受けた時の屈辱は、今でも決して忘れられない。 出会った直後であるにも関わらず、烏月は新一の事を無力な人間だと判断したのだ。 そう云えば、柚原このみもこんな事を云っていた。 『現時刻をもってフカヒレさんには戦力外通告を言い渡すでありますよ~』 それは、自分より二回りも三回りも小柄な少女に浴びせられた暴言。 だと云うのに、結局自分はこのみに対して一矢も報いれなかった。 やはり自分は、無力なのか。 このみや烏月が云っていた通り、ただ搾取されるだけの弱者に過ぎぬのか。 「違う! 俺はまだ本気を出していないだけなんだ! やれば出来る筈なんだ!」 そうだ、自分は強くなった筈なのだ。 人間の限界を凌駕して、木すらも素手で砕ける程になったのだ。 本気で戦えば、全力でやれば、今度こそ――――そんな想いすらも、嘗てのこのみは否定する。 『やればできる? どうせやらないくせに、やろうともしないで言い訳して逃げてるくせに』 「…………ッ!」 その言葉は当時も、そして今も、新一にとって致命的過ぎるモノ。 やれば出来ると云うのならば、今すぐ踵を返して戦えば良い。 そうしないと云う事は、自分で自分の無力を認めているという事に他ならない。 やはり自分はどうしようも無く無力で、下らない存在なのか。 「違う! 違う違う! 俺は――――」 沸き上がった考えを否定すべく、新一は必死に声を張り上げようとする。 しかし追跡者達は、そんな新一の葛藤など関係無しに攻撃を仕掛けてくる。 「―――ガァァッ!?」 背中に跳ねる強烈な衝撃。 静留の振るった殉逢が、新一の背中を寸分違わず直撃していた。 まるで交通事故に遭ったかのように、人外の身体は大きく弾き飛ばされて、前方の茂みを突き破った。 その先に広がるのは、湖。 高さ三メートル程の崖の下に広がる、大きな湖だった。 重力という名の強大な枷は、愚かな逃亡者を奈落の底へと吸い込んでゆく。 新一は抗いようも無く、湖の中へと飲み込まれた。 そして追跡者である少女達も、直ぐに湖の前まで辿り着く。 「逃がしませんっ!」 「服が濡れるのは嫌やけど……仕方無いどすな」 三メートル程度の高さならば、飛び降りた所でどうという事は無い。 二人の少女が勢い良く宙へと跳躍する。 刀子と静留は欠片程の迷いも持たず、湖に向かって飛び込んでいた。 「…………っ」 水飛沫を激しく撒き散らしながら、刀子の身体が水の中へと沈む。 夜だと云う事もあり、湖の水は肌を刺すような冷たさだった。 刀子は側頭部の傷口に水が染みるのを感じながらも、水中で冷静に周囲を眺め見る。 湖の中は薄暗く、視界は良好であるとは云い難い。 近くに飛び降りたらしき静留の事は直ぐに発見出来たが、新一の姿は何処にも見受けられない。 ならば急いでもう少し広い範囲を探索して回りたい所だが、いかんせん水中で行動し続けるのには限界がある。 まずは酸素を補充すべく、刀子は水上へと顔を出した。 「ぷは…………っ。静留さん、見付かりましたか?」 「まだやなあ。えろう逃げ足の早い事どすって」 息継ぎをしていた静留に尋ねてみると、どうやら彼女もまだ新一を見付けられていない様子。 一刻も早く探し出さねば、このまま逃げ切られてしまうかも知れない。 刀子は大きく息を吸い込んで、再び水の中へと潜り込む。 と、そこで周囲を見渡すよりも早く、背後から何かが近付いてくる気配を感じ取った。 そうして、後ろを振り向いた瞬間。 牛鬼の少女は、高速で迫り来る異形の姿を目撃した。 (な――――) 背中から大きく伸びた胴体程の太さの尻尾と、その先端に付いた尾ヒレ。 赤い甲羅に覆い尽くされた体躯。 特徴的なハサミ型の両手は、以前の倍以上に肥大化している。 それは。 完全なる人外に変貌した、鮫氷新一の姿だった。 否、最早人外という表現すらも適切では無いだろう。 人でありながら人間の範疇を外れたからこそ、『人』外。 今の新一は、最早人間とは何の関係も無い、只の化け物。 ならば人外と云うよりも寧ろ、怪物と呼ぶべき存在だった。 191 踊り狂う道化達/それでも生きていて欲しいから (前編) 投下順 191 踊り狂う道化達/それでも生きていて欲しいから (後編) 時系列順 一乃谷刀子 鮫氷新一 藤乃静留
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元スレURL 絵里「凛と花陽を置き去りにしてきて欲しいの」 概要 りんぱな大好きな国王と家臣たち 二人の将来を案じて、可愛い子には旅をさせよ作戦を実行しようとするも… タグ ^μ’s ^りんぱな ^ほのぼの ^コメディ 名前 コメント
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作詞:デッドボールP 作曲:デッドボールP 編曲:デッドボールP 歌:メグッポイド 翻譯:yanao 請取用翻譯者不要冒著被我發現然後詛咒一輩子的危險改動我的翻譯謝謝合作 希望再次,戀愛 好想戀愛 好想戀愛 再一次的 愛上你 那副笑臉 和那種話語 都是金字塔頂端的 大人的家家酒 「好可愛喔」 和「好好吃喔」 因為都知道是沒有意義的 很可笑呢 很可笑對吧? 在不知不覺間 連像是會話的會話都沒了 那個「喜歡」 和那個「喜歡」 到了現在又算是什麼呢 就這樣一路順暢的 一生與其相依 那樣子雖然就是非常棒的事情了 但那天胸口深處卻焦灼般的 想著 你的名字 就這樣一點一點的遠離 彷彿憎恨著一般 雖然 不是要你變得像 故事中的王子一樣 但如果就只是這樣活著 心就彷彿要腐爛了 好想戀愛 好想戀愛 再一次的 愛上你 這張照片 和那張照片 都是好像很幸福的微笑著的兩個人 那副表情 和那樣的戀愛 明明無法持續到天涯海角 很可笑呢 很可笑對吧? 也並沒有在懷疑永遠啊 我愛你喔 我愛你喔 雖然愛是確實存在的 雖然你聽來會很像是任性的話 但吶,你也懂的對吧? 說些什麼吧? 所以用力用力的抱住我 將背上的翅膀扯下 刺穿胸口深處的空洞 讓我彷彿無法呼吸 將這身體直直貫穿 將身體分成兩半 女孩子啊是若不戀愛 可就會死的生物喔? 好想戀愛 好想戀愛 打從心裡 好想戀愛 好想戀愛 再一次的 愛上你
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発生期間:虚無の城 第三階層 クリア後~本編クリア 発生場所:エネシア研究所 バーテンダー 攻略:スパイスカレーを作るための材料を集めることになります。 最初に材料メモを預かるので、それと照らし合わせてどれが必要かを確認しましょう。 バーテンダーに話しかけることで材料がある場所のヒントを得ることができます。 他人参 → 恵みの森ユーフェリア 一つ目のセーブポイントより北、宝箱の隣 まるっねぎ → 王都エルディア 東部にある畑 頑固イモ → 魔導鉱山エルディア 北のレバー近くの箱 新鮮肉 → 穏やかな街スヴェール キャロからもらう 上三つはイベントサークルがあるので、そこを調べると手に入ります。 すべての材料を集めたら、バーテンダーに話しかけましょう。 ちょっとしたイベントの後、報酬をゲット+スパイスカレーが購入できるようになります。 報酬:トレジャーリング、バトルディスク-A
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「みずぼし」と読みます。 みずたま、くも、お魚たちが住んでいます。 │タオルケットをもう一度3[唐揚げタンポポ]│
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ゲームシステムのひとつ。移動操作中に出すコマンドの中から選択することによって移動する。 色々な箇所で入手出来るアイテム「?のお花」を植えることによって、対応したパラメーターをアップさせることが出来る。 「?のお花(梅)」はオレンジ色の土、「?のお花(竹)」はメロン色の土、「?のお花(松)」はエメラルドグリーン色の土に植えることが出来る。 │タオルケットをもう一度2(唐揚げタンポポ)│
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(変わらない気持ちで) (いつまでもいたい) 1. どこまでも歩く私の趣味のひとつ散歩 この先少しずつあなたに近づいてるといい 頼りない日々を支えてる小さな希望 私にもう少しあの人信じる強さを下さい 重ならないレイヤー あなた私の恋 届かない言葉伝わらない気持ち そのずべてを胸に抱きしめてどこまでも歩いた 私の愛がこの距離を突き抜けて あなたのところに届けばいいのに あなたはいつも遠い時間に追われ 私の心はあなたに届かない (変わらない気持ちで) (いつまでもいたい) 2. いつまでも深く悩み込む私の悪い癖 そのうちうまく答えに抜け出せるといい 頼りない日々を支えてる小さな希望 私にもう少し自分を信じる強さを下さい 晴れ間のないくもり空をにらみつけ 分からない気持ち不安押し返す 明日までにきっと晴れ渡るよう 私の愛がそっとやさしく あなたを包み込めばいいのに そんな自信も持てずに私の愛は 今日もあなたを包めない (変わらない気持ちで) (いつまでもいたい) (私に強さを) (愛する強さを)
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廃線になった路線の中にある駅のホームに表示されている文字。たぶん駅名? │タオルケットをもう一度2(唐揚げタンポポ)│
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プレイレポ/BtS/モンゴル帝国をもう一度/三手目 「兵は拙速を貴び、いまだ巧遅を聞かず」って孫子の言葉だったような。違った? -- 兵は拙速を貴ぶという言葉は孫子の中にはないそうです。少しずつ和訳?が変化して「兵は拙速を貴び、いまだ巧遅を聞かず」となったそうですね -- easttea 「兵は拙速を聞くも、未だ巧みの久しきをみざるなり。」というのが正しい言葉らしいです。使う言葉が間違いじゃないかググった時に出てきたんですけどね( ;´・ω・`)人(´・ω・`; ) -- easttea 斥候(と探検家)はベホマつけられないです・・(; ̄ノェ ̄)コッソリ 移動力2のチャリがよいかも。 -- 斥候でも可能ですよ。 ↑図 -- easttea あ、、すみませんm(_ _)m -- ベホマ探検家は移動コスト無視でいいよね -- レオニダスは仮にも帝王なのに斥候とは泣ける -- ↑×4斥候と探検家が付けられないのはレンジャー3ね。もっともかなり経験値溜まらなければレンジャー3なんてものは付けられんが -- 衛生兵3だけでべホマって言うか? -- 個人的にはチャリに衛生兵Ⅲを付けるな、騎兵だから防御ボーナスなくてやられ難いし、いざとなったらUGを可能だから -- 斥候だと本当に弱いので相手にされません、なのでオススメ。探検家選べるなら探険家がいいと思います。騎乗ユニットでもいいのですが、マルチでは斥候に合体させるのが基本なので、その癖です。 -- easttea