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登録日:2024/05/18 (土) 14 16 01 更新日:2024/05/22 Wed 18 59 21NEW! 所要時間:約 ? 分で読めます ▽タグ一覧 2007年 IFルート alternative おるたの どうあがいても絶望 ぼくらの ぼくらの ~alternative~ みんなのトラウマ ウィルス オルナタティブ ガガガ文庫 ゴジラ ザ・ムーン ノベライズ パラレルワールド ライトノベル 大樹連司 小学館 小説 日本沈没 最後は救われた 最悪の選択肢 核戦争 鬱展開 鬱展開の嵐 鬼頭莫宏 『ぼくらの ~alternative(オルタナティブ)~』とは、小学館のガガガ文庫より発行されているライトノベルシリーズ。全5巻。 月刊IKKIにて連載されていた鬼頭莫宏のSFロボット漫画『ぼくらの』を原作にした小説である。 同作のアニメ版が2007年4月に放送開始されたことを機に、2007年5月に発行開始された。 著者は、後にニトロプラスに所属し『GODZILLA3部作』の前日譚小説等を執筆する大樹連司。 今作は大樹氏の小説家デビュー作であり、文章は若干の拙さが垣間見えるが、原作の小ネタを抽出した構成力の才能が見て取れる。 挿絵とキャラクターデザインは原作者の鬼頭氏が担当。 加えて鬼頭氏は1巻巻末にコメントを寄せ、5巻巻末には大樹氏との対談も果たしている。 概要 今作は、『ぼくらの』の小説版と銘打っているが、内容は「alternative(もう一つの)」の名にあるように原作とは大きく異なっている。 始まりこそ原作と同じだが、メインキャラクターである子供達は4分の1が新キャラであり、またロボットのパイロットとして選ばれるのも原作とは順番が異なる。 それにより、キャラクター達の運命も原作とは一変した者も多い。 更に、パイロットから逃れたと思われた子供も、全く思わぬ形でストーリーに巻き込まれていき、特にある人物の、原作とは別人のような扱いには驚愕した読者も多い。 また、小ネタが原作に比べて非常に多いのも見所の一つである。 原作では断片的に語られた「日乃レポート」「日中和親条約」等の世界観を説明するキーワードの深掘り、過去の鬼頭作品で登場した「トミコローツ」「プッシュダガー」を作中用語への使用、 更には『ゴジラ』『日本沈没』などの特撮映画作品のネタや『ひぐらしのなく頃に』をはじめとした他作品パロなど、何度も読み込みたくなるネタが豊富だ。 そして、今作は原作とは大きく異なるストーリーを辿るが、その多くが非常に陰惨であるのが特徴である。 一言で言えば、「ADVゲームで言うバッドルートをひたすら選び続けた『ぼくらの』」である。 子供達や他のキャラクターが原作とは違う選択肢を選び続けた結果、あれよあれよという間に事態は最悪へと直進していく。 最終巻一歩手前では、どうあがいても絶望としか言いようのない状況に突入し、読者を大きな絶望へと落とし込んだのも事実である。 しかし、最後に残った解決策により、一筋の希望が残って、原作とはまた別の余韻を残した。 紙での出版は2024年現在絶版状態ではあるが、電子書籍であれば購入は可能。原作ファンの方も一読の価値ありである。 ストーリー 南の離れ小島「宇津保島」の自然教室にやって来た14人の中学生と、1人の小学生。 そんな彼らの前にある日、黒服を着た浮世離れした少女が現れる。 「ねえ、あなたたち、世界を救ってみない?」 「ゲーム」の類だと説明された彼らは少女に従って契約を交わす。 しかし、それは地球を襲う敵怪獣を倒すべく黒いロボットを操るという、「本物の戦い」だった。 そして、ロボットを操るとその代償として命を奪われる。 恐怖と混乱。介入と破壊。守るはずが蹂躙されていく地球。 絶望へと突き進む地球に、「ぼくら」に、未来はあるのか……? 登場人物 《人形》=「ジアース」の関係者 倉坂梢/コズエ 小説版オリジナルキャラ。 車椅子に乗る少女。 幼い頃事故で足に怪我を負ってしまい、以来歩けなくなってしまった。 自然教室ではワクに面倒を見てもらう事が多く、彼と親しくなっていた。 最初のパイロットに選出され、歩行ができずにアウェイの地球で惨劇を起こすが、ワクの支えがあって無事戦闘を継続出来た。 その後 戦闘後、自分の足で歩くために《人形》の外に出るが、数歩歩いた瞬間に命を奪われ、《人形》の真下へと落下。 その後遺体は回収もされず、カコの戦闘までは行方不明扱いとされた。 加古功/カコ お調子者で「普通」な少年。 原作通りの、弱者を見下し強者に媚びへつらい死ぬのを恐れる、ごく普通の価値観をしている。 2番目のパイロットに選ばれ、死の運命を知らずに増長し、周囲に傲慢に振る舞うようになる。なお、チズに告白したがあっさり振られた。 だが、ジアースでの戦闘が始まる直前、脅かすつもりで避難中のいじめっ子たちにレーザーを撃ち、周囲の建物や人間諸共彼らを殺害してしまう。 結果パニックに陥って暴れ回り、さらに被害は拡大。敵からの攻撃にも何一つまともに対処できず、キリエから煽られるまで一方的にボロボロにされていくという無様を晒した。 戦闘が終わった頃には仲間からドン引きされていた。 その後 戦闘直後にマーヤとコエムシから死の運命をカミングアウトされ、恐怖と絶望に苛まれた挙句、落ち着かせようとしたワクに首を絞められながら死亡。 「好きな子に殺される権利すら失うとは」と原作の鬼頭氏からも同情される惨めな結末であった。 柊つばさ/ツバサ 快活で他人の面倒見がいい少女。 原作ではモジの幼馴染で片想いの相手として登場し、パイロットではない。 自分の死の運命を知り、幼馴染のモジとナギを遺して死ぬ事に罪悪感を覚えるが、そんな中ナギの告白と諦めを聞いてしまう。 二人に未来を託すために戦いを決意するが、その先にとんでもないものを見てしまう。 その後 戦闘中、半壊した家でモジがナギの薬を奪って間接的な殺人を犯すところを目撃。 戦闘を終えて急いでナギを助けようとするが手遅れだった。自分のやった事が全て無駄だったと悟り、絶望の感情を吐露しながらナギの遺体に口付けし死亡してしまった。 和久隆/ワク 明るくサッカー好きな少年。 原作では序盤の「主人公」と見せかけたミスリード要員だが、本作では1巻分までは彼の視点で進む。 コズエに密かに恋心を抱いていたが目の前で死なれ、カコ、ツバサも死んでいき戦う意味を見失っていたところで自身の番になってしまう。 国防軍のサポートと自分の死の偽装で戦いに備える中でも徐々に精神がすり減っていき、終いにはチズから色仕掛けで戦いを強要される始末。 そうこうするうちに戦闘になるも、更に彼を打ちのめす事実が発覚する。 その後 敵が並行世界の地球だと発覚し、戦いを拒否して味方の戦闘機まで撃ち落とすほどに混乱してしまう。 そして、邪魔と見做したチズが、彼に拳銃を突き付けていた庄治に指をかけて彼を射殺。何一つ決断も行動も起こせないまま死亡した。 本田千鶴/チズ 一見大人しくも苛烈な内面を持つ少女。原作に比べて髪が短い。 原作同様、畑飼の裏切りに遭い集団凌辱を受け強い復讐心を抱く。なお、カコとの絡みはたった一言で振るだけでほぼなし。 原作以上に覚悟が決まっているため、庄治に襲われたという狂言による脅迫(未遂)やワクに裸で迫るなど、自分の体を売るような過激な言動をする。 更に 戦闘を拒否したワクを殺害し、自分の番が来るや否や、庄治から拳銃を奪って彼を脅迫し、凌辱した男達を暗殺するよう命令。 命令に応じなければ味方艦隊を攻撃するという暴挙に出る。その甲斐あってか、次々と男達が暗殺され、計画通りに進む。 しかし、最後の一人の畑飼が乗る車に姉の市子が乗っていると知り、暗殺を中断させるが、間に合わず起こった事故により市子だけが死んでしまい、絶望。 落とした拳銃でコダマから戦えと脅されるが、彼に殺意がないと見抜き、拳銃を奪い返して自殺した。 その後の戦闘は、チズの胎児が半ば強制的に戦闘させられ、辛うじて勝利出来た。 切江洋介/キリエ 一見どんくさいが物事を達観している少年。 カコから自分の優位性を示すために馬鹿にされていたが、小学校時代は仲が良かったエピソードがある。 原作同様、敵が並行世界の地球だと知り、戦う事に悩む。 なお、それが振り切れる田中との対話は原作とほぼ同じ。 その後 自分の為すべき事を自覚し、カコの走りを活かした戦闘で勝利。そして、敵ロボットのコクピットに侵入し、自らの手でパイロットをチズのナイフで刺殺。 本意を成し遂げた最初のパイロットとなった。 畑飼に会った際、彼が市子の死により絶望していると知り、一度は殺そうと思ったが結局チズのナイフを使えなかった。 小高勝/コダマ 選民思想に囚われていた少年。 原作とは代わって、ゲーマーとしての側面が大きく出ている。 当初は原作同様に弱肉強食の選民思想主義だったが、様々な戦闘を経験し、更にはチズを殺せなかった苦い経験も相まって成長。 命の尊さを自覚し、「一般人を可能な限り死なせない」戦術を考えるようになり、マコからも信頼されていく。 また原作での父への過剰な崇拝も自省し、兄(次男)が持っていた伊達眼鏡を受け継ぐ(*1)。 その後 アウェイ戦において、研究したように犠牲者を一人も出さずに完勝。だが、結局敵世界の消滅を引き起こす事となるため、無力感を自覚していた。 阿野摩子/マコ 仕切り屋で軍事関係に詳しい少女。 原作の半井摩子が阿野家で養子として育てられた「IF」の存在である。 そのため、役割としては原作のナカマ、マキ、ダイチの混合となっている。 原作同様、パイロットコスチュームを家事の片手間に制作し、弟の誕生を待ちわびていた。 その後 弟の誕生を待たずして戦闘になり、両親に全てを告白し、紆余曲折の末に送り出される。 その後、《人形》を「ジアース」と名付け、戦闘終了後は両親に看取られた。だが、その現場が写真に撮られ、ニュースに流れてしまう。 徃住愛子/アンコ ニュースキャスターの娘でアイドル志望の少女。 原作同様に「アホの子」寄りのキャラだったが、自分の番が来た際にジアースパイロットの情報が流出。 戦闘では原作以上の被害をもたらしたのも相まって、日本中から憎まれる存在となってしまい、やむなく軍との取り決めで「パイロット情報は自分の自作自演で、責任を取って自殺する」というシナリオで報じられる事になってしまう。 普通の生活が送られなくなったのもあり、父には自分の死を告げる他なく、嘘のインタビューが組まれる事となる。 その後 インタビューの撮影中にアウェイ戦に突入し、一般人を盾にする戦法をする敵に苦戦。 そして、「自分達には後がない」事を通信で相手の地球に伝えながら、覚悟と共に敵を撃破した。結局彼女のテレビ出演はされず、世間のジアースへの憎しみは増す一方だった。 宇白可奈/カナ 唯一の小学4年生で兄・ウシロからの暴力に耐える少女。 原作同様人探しをするが、田中が作中中盤で子供達のお目付け役を降ろされ、依頼は続行不可能となる。 その後も、途中で「未契約者かもしれない」と見做される中でも兄の理不尽に耐え続ける。 実は 原作同様契約しており、自分の番が来た際にコモに頼んで順番を偽装してもらい、悟られないよう振る舞い、戦闘でも平然を装っていた。 だが、ウシロ以外は薄々その事に感づいており、居たたまれない想いが周囲を充満。 そして、「兄」に「ひとりぼっちにしてごめんなさい」と告げると絶命。 その後、遺体は逃げ出したウシロの側に置かれ続けた。 古茂田孝美/コモ 海軍一佐の娘で争い事を嫌う少女。 原作同様、当初は戦いに消極的だったが、徐々に覚悟を決めていく。 そんな中、戦闘中に逃走した敵パイロットのマキが並行世界で自分と親友だったと発覚。 彼女と交流を深め、戦う決意に迷いが生じる。 その後 ジアースを敵勢力と思い込んだ米軍が核攻撃をしたため、マキの《孔雀》と共にそれを迎撃。 そして、コモの世界の存続を望んだマキの願いで、彼女を射殺した。 一之瀬マリア/マリア 小説版オリジナルキャラ。 米海軍少将の娘で日米ハーフの褐色肌の少女。 コモとは対照的に、軍人の娘であることを受け入れ、仮想敵国であるアメリカと日本との関係に悩んでいる。 陽気な性格で一同のムードメーカーに努めていたが、ジアースを巡った日米関係の悪化や溺愛していたカナの死が重なり徐々に殺伐とした態度になっていく。 そして、コモ戦において日米が戦争状態になった際に日本と決別し、パイロットの時になりようやく復帰するが……。 その後 敵の作戦によって殺人ウィルスがアメリカにばら撒かれ、米軍とも戦う羽目になるも、関ら国防軍の捨て身の作戦のため長時間の戦闘を続行。 そして、相手の急所を仕留める事には失敗したものの、関が敵パイロットにウィルスを感染させる事で勝利する苦い結果に終わってしまう。 最期は、敵国同士だった両親の仲睦まじい姿を見ながら希望を抱いて絶命した。 吉川寛治/カンジ 飄々とした態度の大人びた少年。 原作同様、幼馴染のウシロのフォロー役に回り、ダイチやモジが不在なためリーダーシップを執る事が多く若干多忙な日々を送る。 そんな中で、日々状況が悪化した結果心も余裕を無くしていき、カナのパイロット発覚時にはウシロに対して本気で軽蔑するなど心を荒ませていった。 とうとう、母の自殺の原因となった沖天楼の破壊すら、解体工事の進行で叶わなくなり、戦う理由すら失っていく。 その後 日本に対する核攻撃で精神が衰弱する中で、敵の能力で「全員生きている理想の世界」の夢を見させられ、一度はそれに溺れるが、かつての仲間達が抱いた悔恨も希望も思い出し、その世界を拒絶。 敵を撃破後、ウシロに後を託して死亡した。 宇白順/ウシロ 内なる暴力衝動を妹にぶつける幼稚な少年。 原作同様、周囲に無関心なトラブルメーカーとしてツバサ、マコ、マリアからの叱責を受けていた。 だが、原作において重要なイベントをこなさなかったためか、自省する機会を失い、身勝手な振る舞いを続けて徐々に孤立していく。 そして カナの死やカンジからの決別によって絶望してジアースの中でひっそりと自堕落に暮らし、マーヤから愛憎籠った扱いを受け、時として彼女に性衝動をぶつけるも、カンジの言葉で生きる事に希望を見出す。 そして、マーヤの生き様を見た彼は、引継ぎのパイロットとして契約する決意をする。 なお、田中が実の母親とは最後まで知らない。 《教師》 子供達に戦いを教える「最初」のパイロット。原作のココペリに相当する。 マーヤに言われるがまま戦い方を伝授し、次のパイロット達に、自分の地球では果たせなかった希望を託した。 槇島摩耶子/マーヤ 小説版オリジナルキャラ。 黒いゴスロリ風ドレスを身に纏った神秘的な少女で、子供達をロボット同士の戦いに誘う。 そして、時として子供達を煽って厄介事が起きるよう誘発し、それを嘲笑う。言わば原作におけるコエムシの役割も担っている。 更に、畑飼にジアースパイロットの情報を渡し、アメリカ大統領に「ジアースで米国を攻撃する」と吹き込んで戦争を勃発させるなど、戦火を拡大させていく。 名前の元ネタは『ザ・ムーン』の魔魔男爵。 正体 本名は田中未来(ミク)。並行世界の田中美純の娘。 自分の世界で母が《人形》のパイロットとして死に、遺された父も遺族の誹謗中傷で自殺して家庭が崩壊したため、ぬいぐるみを使った世界の剪定のゲームそのものを憎むようになり、ゲームを台無しにするため、「人間が生存不可能な地球」を勝ち残らせるよう暗躍し、数多くの世界を滅ぼしてきた。 今作の場合も、あと一歩のところで目論見は成功したものの、それに気付いたモジに騙されジアースと契約を交わしてパイロットになってしまい、田中の「D2計画」による生存作戦も生じたため計画は破綻。 だが、母やコエムシの自分を想う気持ちで、贖罪として戦う決意をする。 コエムシ 原作とは「別」のコエムシ。 アイマスクをしており、元ネタ『ザ・ムーン』の糞虫により近いビジュアルとなっている。 マーヤを「お嬢様」と呼び、彼女に忠実に働く。 慇懃無礼だが、原作のコエムシに比べると愛嬌と人情のある性格。 マーヤが徐々に邪悪な本性を現していく中で、割とまともな言動になっていく。 正体 別世界のマーヤ(ミク)の使用人で、彼女に恩義を感じて服従していた。ちなみに女性。 だが、徐々に暴走するミクの姿が見ていられなくなり、モジと協力して彼女をパイロットにさせる。 やがて、ミクと和解後は彼女の兄であるウシロの世界を存続させるために全面的に協力する。 原作のパイロット 門司邦彦/モジ 冷静沈着な少年。 ツバサの幼馴染であり、彼女の事を密かに片想いしていた。 なお、心臓の移植適合については検査しておらず、ナギに対しては恋敵としての感情が強め。 ある日、ナギがツバサを好きだと知ってしまい、直後に接触したマーヤから「怪獣災害現場に置き去りにして殺せば罪にならない」と唆される。 その後 自宅付近でツバサの戦闘があった際、自宅が崩壊してマーヤの示唆通りにナギから薬を奪って発作を起こさせ逃走。遂に幼馴染を殺してしまった。 だが、結果ツバサも死んでしまい、絶望して抜け殻のようになってしまう。 そこで、マーヤから今度は「ジアースの偽のパイロットとして表舞台に立ち、戦争を煽れ」と依頼され、世界に嫌気が差していた彼はその依頼を承諾。 だが、日本が核攻撃されジアース内に避難した際にカンジの戦闘で「理想の世界」の夢を見て、自分のやっている事に疑問を抱き、コエムシを問い詰めてマーヤの正体を知る。 そして、彼女を騙して次のパイロットに仕立て上げるという復讐を果たし、罪を償うために崩壊した地球に残る事を決意した。 矢村大一/ダイチ 家族思いで力持ちな少年。 並行世界の住人として登場し、妹達と日常を過ごし、遊園地へ遊びに行く前日に怪獣騒動に巻き込まれる。 その後 ジアースパイロットのコダマの戦術で遊園地は破壊されず、戦死者も出なかったため歓喜したが、直後にゲームの敗退によって世界ごと消滅してしまった。 阿野万記/マキ 軍事に詳しい元気な少女。 コモの戦いにおける敵パイロットとして登場し、戦闘中に逃走する。 自身の世界では遺族からの弾圧によって家族が死んでしまい、世界に絶望しつつあったが、並行世界の親友のコモと出会い、希望を見出していく。 その後 コモと共に日本に向けられた核ミサイルを迎撃し、彼女に後を託して自らの死を望み、射殺された。 町洋子/マチ 本作には登場しない。 その理由 世界間を渡る渡航者である彼女は、兄である原作のコエムシ同様本作の戦いには関与していないためと考えられる。 周囲の人物 田中美純 子供達のメンター役を務める空軍一尉。 原作同様、不安定なパイロット達のサポートに徹するが、パイロットのデータ流出とその対応が後手に回った事を機に、サポート役を降ろされてしまう。 だが、その後裏で暗躍するマーヤの正体に感づき、地球人存続のための計画を立案する。 関政光 同じくメンター役の海軍一尉。 アニメオタクなのは原作と同じ。 原作におけるカンジ戦同様、マリア戦で勝機を見出すために捨て身の作戦に出る。 佐々見 ジアース監督役の空軍一佐。 原作以上に厄介事が増える状況に頭を抱える日々を送る。 多手 佐々見の副官。 庄治邦夫 田中、関と共に配属された陸軍一尉。 原作は即退場したが、本作ではワクとチズの戦闘までは参加。 チズに脅迫される形で彼女の復讐を手助けしたが、その失敗により彼女に撃たれて重傷を負い入院した。 ちなみに死亡した可能性が高い。 ナギ ツバサとモジの幼馴染。 重い心臓の病を抱えており、自身の死期を悟っている。 その後 モジにツバサを託すつもりだったが、彼に殺される形となってしまう。だが、その中でも彼はモジに感謝していた。 畑飼先生 チズの担任教師。 原作同様の畜生だが、本作では思わぬ一面を見せる。 その後 市子を本気で愛しており、彼女の死により世界に絶望してしまっていた。 そして、マーヤからパイロットのデータを渡され、復讐のために世界に流出。 最後は核攻撃で死亡した可能性が高い。 本田市子 チズの最愛の姉。原作とは全く違う運命を辿る。 その内容 畑飼とのドライブデート中に車を狙撃され、事故によって死亡。運転席の畑飼は生存してしまった。 本山和子 キリエの幼馴染で彼の恩人。 廃人化していたところ、カコの戦闘で自宅が火事になっても逃げなかったため亡くなってしまった。 阿野夫妻 マコの育ての両親。 この世界でも養子に分け隔てない愛情を注ぎ、生まれた新しい命が並行世界の娘の希望となった。 半井美子 マコの実の母親。 マコが赤ん坊の頃、友人の恋人との口論で殺されてしまい、彼女は阿野家に養子に出された。 古茂田巴 コモの父で海軍一佐。 娘に対して厳しいが、愛情を上手く示せずにいる。 日本に向けられた米軍の攻撃から娘を守ろうと前線に立つが……。 キース・S・バーナード マリアの父で米海軍の少将。 日本人女性と恋愛結婚し、娘のマリアに軍人さながらの教育を施す。 日本と敵対する事になってしまい、二人に対して複雑な思いをよぎらせる。 ジョージ・ケンネル アメリカ合衆国大統領。 マーヤから日本を代表してジアースによる攻撃を示唆され、日本を敵国と断定し、宣戦布告する。 中田首相 日本国首相。 ジアースを巡る様々な争いに振り回されてしまう。 ぬいぐるみ/トミコローツ 《人形》/アムシペ/ジアース ご存じ、原作と同じ主人公機の黒い巨人のロボット。 スペックとしては原作版とほぼ同じ。 国内でのコードネームは「アムシペ」。 「ジアース」の名前は3巻のマコ戦でようやく付けられ、「Z」には「後がない」という意味合いが付けられた。 《蜘蛛》 《教師》戦の敵。ホーム戦。 原作の「アラクネ」と同タイプの機体。四本の脚で屹立する蜘蛛型。 《猿人》 コズエ戦の敵。アウェイ戦。 原作の「エニグマ」と同タイプの人型機体。二本の巨大な腕で攻撃する。 《風車》 カコ戦の敵。ホーム戦。 風車の羽根から発射したレーザーを収束させることで高威力の砲撃を行う。 羽根部分は切り離して有線操作をすることができ、ケーブル部分で敵を拘束したり、ビットのように飽和攻撃を繰り出したりといった戦法もとれる。 《矛盾》 ツバサ戦の敵。ホーム戦。 二体一組の特殊なトミコローツで、突進攻撃を行う「矛」とレーザーでの牽制・防御を担当する「盾」で構成されている。 《洋梨》 ワク、チズ戦の敵。ホーム戦。 原作の「フィッグ」に似た機体だが、戦法は「ゴンタ」に似ている。 敵を上から拘束し、溶解液を浴びせて攻撃する。 《蜻蛉》 キリエ戦の敵。アウェイ戦。 高速で飛翔し、二枚の翅で敵を斬りつける。 《岩亀》 コダマ戦の敵。アウェイ戦。 四足歩行型のトミコローツ。鈍重だが巨体と質量を活かして戦うパワータイプ。 《白猿》 マコ戦の敵。ホーム戦。 おそらくはジアースの同型機。原作のマキ戦とは逆に、ジアース側が変形戦法を仕掛けられることになった。 《灯台》 アンコ戦の敵。アウェイ戦。 先端からレーザーを発する。自軍の一般人を人質に取る戦術を行った。 《打筒》 カナ戦の敵。アウェイ戦。 原作の「ドラム」そっくりの円筒形の機体。自軍の地球は既に核戦争で滅んでいた。 《孔雀》 コモ戦の敵。ホーム戦。当時のパイロットはマキ。 ジアースに似た外見の人型機だが、戦法は原作の「ハムバグ」と似ている。 背中に生えた羽根のようなパーツから「攻撃肢」という細い触手のようなものを伸ばし、敵のコックピットに直接攻撃を仕掛ける。 《大烏》 マリア戦の敵。ホーム戦。 名前通り巨大な鳥のような姿の機体。機動力は低いが「艦載機」を多数搭載しており、一方的に相手を攻撃できる遠距離戦特化タイプ。 敵地球にウィルスと戦闘機を持参し、アメリカにウィルスをばら撒いて解毒剤と引き換えにジアースを攻撃させようとした。 《紅蝿》 カンジ戦の敵。ホーム戦。 独特の羽音で敵パイロットに幻覚を見せる事が可能。 《水母》 ミク戦の敵。ホーム戦。 浮遊しながら触手を伸ばして攻撃する。 《弦月》 ウシロ戦の敵。アウェイ戦。 ジアースと同型の白い人型をしている。まんま『ザ・ムーン』である。 追記・修正はD2計画を決行してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 原作の政治情勢を深堀考察して話の根幹に据えたり、 -- 名無しさん (2024-05-18 17 36 18) ↑途中送信失礼。ゲームルールを逆手に取った仕掛けとか、原作進行中のノベライズとしてはかなり満足いく内容だったなー -- 名無しさん (2024-05-18 17 37 56) パイロットになる代償を知らないでパイロットになったカコ、知ってからパイロットになったワクとif要素もあるの好き。(どっちも原作より悲惨な結末になっちゃったけど…) -- 名無しさん (2024-05-18 19 38 56) ↑コダマも良かったな。原作だと世間知らずなガキンチョだったが、あんな成長を見せてくれるとは。 -- 名無しさん (2024-05-18 22 02 31) 鬱展開に耐性ある(むしろばっちこい!)な人なら是非おススメしたい -- 名無しさん (2024-05-19 10 32 22) カンジ戦は何回読んでも泣ける -- 名無しさん (2024-05-22 18 59 21) 名前 コメント
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カフェ・リンドバーグ~ぼくらの恋愛心理学2~ カフェ・リンドバーグ~ ぼくらの恋愛心理学2~ タイトル カフェ・リンドバーグ ~ぼくらの恋愛心理学2~ メーカー ein 発売日 2002/8/9 機種 Windows 95/98/2000/Me/XP カテゴリー 視点選択式アドベンチャーゲーム 対象年齢 18才以上対象 CV 一条和矢/請一郎/プログレス/マイケル田中/眞嶋リョウ/増谷康紀/緑川光 …他 備考 修正パッチあり 攻略サイト Half Adder SIGNPOST
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ぼくらの西遊記@wiki 2011/04/27公開 概要 ゲームURL 公式コミュURL 2ch 攻略情報 キャラ火焔B / A / S / S+ / SS 水壁B / A / S / S+ / SS / 土霊B / A / S / S+ / SS
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「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「原作と比較した上での、ストーリーに関する評価点・賛否両論点・問題点の修正」です。 本ページでは『ぼくらの七日間戦争 ~友情アドベンチャー~』、『ぼくらの学校戦争 ~痛快アドベンチャー~』の2作を述べる。判定はいずれも「なし」。 ぼくらの七日間戦争 ~友情アドベンチャー~ 概要 あらすじ システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 ぼくらの学校戦争 ~痛快アドベンチャー~ 概要(学校戦争) 登場人物(学校戦争) システム(学校戦争) 評価点(学校戦争) 問題点(学校戦争) 総評(学校戦争) ぼくらの七日間戦争 ~友情アドベンチャー~ 【ぼくらのなのかかんせんそう ゆうじょうあどべんちゃー】 ジャンル アドベンチャーノベル 対応機種 ニンテンドー3DS メディア ダウンロード専売 発売元 D3パブリッシャー 開発元 グレートワークス、トムキャットシステム 発売日 2015年4月15日 定価(税込) 612円 プレイ人数 1人 セーブデータ 3箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 政治的な主張を含む作品読み物としては不便な点もある 概要 作家・宗田理氏が1985年に発表した小説『ぼくらの七日間戦争』が原作のADVゲーム。1969年に起きた「東大安田講堂事件」に触発されて解放区を作り上げ、大人たちに反旗を翻した中学生たちの7日間の闘争を描く。 はしもとしん氏のイラストがつけられ、シナリオも原作者と角川つばさ文庫編集部の監修のもと書き直されている。スマホといった現代的な道具が出てきたり、エンディングの展開が異なっていたりする。 なお本記事では、原作小説(および実写・アニメ映画版)との違いは特に解説しない。 あらすじ 夏の終業日、中学の1年2組男子が集団で廃工場に「解放区」を設立した。心配する親たちをよそに、中学生達は相原徹をリーダー格として大人からの独立を宣言。学校の先生や保護者、悪い大人たちとの7日間の闘争が始まるのであった。 + 登場人物 中学生たち 学生運動に参加していた父をもつ相原徹が、菊地英治(主人公)を誘ったのが「解放区」の発端。1年2組の男子生徒は、教育体制にみな恨みつらみを抱えているのか結局みんな解放区に参加することとなった。 ひとりだけ、身代金目的の誘拐事件に巻き込まれている男子生徒がいる。物語の中盤は、この男子生徒の救出が物語のテーマとなる。 女子生徒は解放区には加わっていないが、一部の女子生徒には事情を伝えて、誘拐事件の解決を手伝ってもらうこととなった。 瀬川卓蔵 中学生が立てこもった廃工場をねぐらとして使っていたホームレス。 どこか世間からあぶりだされてしまった雰囲気があり、大人(世間)に対して戦争をしかけようとする子供たちの味方をする。 教員サイド 校長、教頭、学年主任、担任の先生をはじめ、下品で暴力的な体育の教員、子供たちの味方をしている養護教諭が登場。 解放区を作った生徒の保護者と何回か会合を開き、生徒達を連れ戻すことを画策するもののいずれも失敗に終わる。 養護教諭は例外的に生徒達を敵視することなく、ちょくちょく差し入れをしにきてくれる。 システム 基本的には物語を読み進めるADVゲームである。 一応、菊地英治(本作の主人公であり、解放区のNo.2)の目線でストーリーが進むが、適宜話し手や視点が切り替わる。 ゲーム構造 「1日目」~「7日目」の章に分かれている。全編キャラボイスはない。 ちょくちょく3択の選択肢が出ることがあり選ぶことになるが、基本何を選んでも問題なく、その直後の流れが大きく変わることは基本ない。エンディングのワンシーンが若干変わる程度。 時折以下のミニゲームがはさまれる。 ミニゲーム 4種類あるが、いずれも60秒の制限時間内に所定のタッチペン操作をすれば先に進める内容。 目玉焼きを焼いたり、マンホールのフタを連打してずらしていったり、ドアノブのネジをタッチペンで回し続けて外したり、花火を空中でタッチして炸裂させる。 特に難しい内容ではない。失敗しても物語が進まないだけで特にペナルティなし。 その他 Lでバックログ確認、R長押しで既読箇所スキップ。 本作に出てくる俗語などにを解説するコーナーが用意されている。割と低めの年齢層を対象として想定しているようである。 評価点 中学生同士の友情・チームワーク 大人に対する関係は始終険悪ではあるが、作中の事件を経て子供たち同士の友情はしっかりと育まれている。 互いに協力して大人たちにどう対抗していくか考えている様は生き生きしている。 + ネタバレ注意 無口だと思っていたクラスメイトと和解したり、お互いの得意分野を存分に活かすことで大人を出し抜いたり、悪人の先生を罠にはめたり、誘拐事件等を解決していったりと、痛快なシーンは多い。 首謀者のカリスマ性 解放区の発案者である、相原徹は各人が大人へ抱えている鬱憤や得意分野を理解し、ひとつの組織としてまとめている。 作中では基本的に子供内同士で喧嘩は起こらないし、解放区に参加しない女子生徒の一部も、きちんと説得してあまつさえ外の情報入手役として懐柔することに成功している。 頭脳担当である中尾和人の発案など、助力を得なかったわけではないが、本作中に実際に起きた誘拐事件の解決に関してもきちんとリーダーシップを発揮している。 相原が「大人の言うことをききたくない」の旨で発起した解放区が彼の親が既にやっていたことなのは若干皮肉に見えなくもないが、彼自身は明らかにそれを意識したうえでことに及んでいる。 本作のメッセージ性 純粋に、子供と大人の二項対立で処理していいような単純なストーリーではないと思われる。子供側も、よくよく物語を読んでいくと単純に大人全体に喧嘩をふっかけているわけではなく、協力者や社会からあぶれた大人にはやさしかったりする。 「子供は果たして親の言いなり・ミニチュアなのか?」「親は子供をどう育てるべきなのか」というメッセージにも焦点が当てられるので、誰しもがぶつかった悩みに関係するテーマが語られる。 一緒に何かに熱意を燃やせる友達がいるかどうか、も本作のテーマになってくるのではないか。 なお、本作をプレイする世代によって、大人と子供のどちらに感情移入したかは意見が分かれそうである。 子供が本作をプレイする上で、わかりにくいであろう単語や俗語は辞書で解説してくる。 背景画、人物画の種類が多い 解放区の中だけでも、屋上やシャッターの入り口など背景画が複数あり、情景がわかりやすい。基本的にどんな場面であっても適切な背景画が用意される。 廃工場を居城とし、サバイバル生活のようなことを送るのだが、どうやって不自由な生活しているかの描写にも力を入れている。 背景画にとどまらず、生徒たちが生き生きと何かを組み立てる様もイラストとして表示され、さらには物語全編が立体視に対応している。 賛否両論点 本作プレイヤーの世代に対する配慮と弊害 3DSを持っている年齢層を考慮し、一部の描写を現代向けにしてはあるが、物語の流れに若干矛盾をきたしていなくもない。 3DSの所持者である親御さんの世代には刺さるかもしれないが、携帯やSNSが台頭していたであろう平成後期以降の世代には、そこまでして解放区を作ろうとする行動理念にいまいちピンとこない可能性はある。 スマホの普及開始がだいたい2008年。スマホが普及している時代に、実際に軍艦で海外にて戦っていた戦争経験者が登場するが、その人が70歳というのは些か若すぎである。また本作ではスマホがあるにもかかわらず子供達に情報戦で出し抜かれたり、誘拐犯相手に相手右往左往してしまう大人というのも少し違和感はある。 + ネタバレ注意 子供達がやんちゃどころではすまない違法行為をする 子供サイドが快楽的に犯罪をするシーンはないが、やってること自体はアウトなものが多々ある。物語の始まりからして不法侵入であるためこの点にツッコミを入れるのは野暮だろうが、火薬を盗むなどの違法行為をしている。大人に対して徹底抗戦をしかけるという面目上リアリティはあるが。 なお彼らは中1(13歳以下)であるため、刑法や少年法上家裁への送致がされることがあっても刑罰は受けない。この点はストーリー中でも意識されている要素である。(*1) 大人サイドの悪さの描写がいまいち足りない 悪人と呼べそうな大人(*2)や、生徒達の解放区に大して頭ごなしに反発する保護者や教員は決して作中では多数派ではなく、本作の事件を俯瞰的に見ている人たち(*3)もそこそこいる。 子供側も大人に対してあまねく喧嘩をふっかけているわけではないが、そんな中で生徒たちが解放区を作ることで、直接関係のない大人たちが巻き込まれている感は否めない。 特に子供達を明確に抑圧していた描写がない担任の先生も、解放区で明確に攻撃にさらされたりしているので気の毒に思える。 子供がこれだけ反発するということは、本作の教育方針・子育て方針に欠陥は多いのだろうが、ではどのように教育すればより良いのかは本作では直接語られない。生徒達も生徒達で大人から完全に独立したまま生きていく事は不可能だろう。 この点に関しては、作中でいうところの 「大人」は単なる子供の対義語ではなく、権力やその横暴 であって、それに逆らうことができない子供達に押し付けられる理不尽や暴力を象徴するものだととらえるべき。原作の時代設定を考慮する必要もあるだろう。 問題点 ミニゲームを挿入したこと こちらは2周目の攻略であろうとスキップ不可。 実質画面をタッチし続けたりグルグルと円を書き続けたりと作業的なものが殆ど。 目玉焼きを作るミニゲームは、「焦げ付かないようにフライパンを時折タッチして動かせ」という指示が入るものの、ビジュアルで目玉焼きの焦げ加減が一切判断できない。 結局目玉焼きの出来は、フライパンを返した回数が8回、塩を振った回数5回でおいしくなり、タイミングは特に重要ではない模様。 マンホールの蓋をあけるゲームでは制限時間内に連打するだけ、花火を炸裂させるゲームでは空中の花火球をタッチするだけときわめて作業的。 主人公(菊地英治)のキャラが迷走しがち ちょくちょく強気なことを言ったり状況をまとめたりはするが、あくまで相原徹の補佐としてであり、周りに流されるだけの存在になっている。 英治の意思決定に関して、プレイヤーが選択肢で介入できるケースが多いので、プレイヤーの意思が反映できると思いきや、場の流れを大きく変えられるわけではない。 周りを寸断する選択肢を選んでも、「ひとりだけ空気が読めない人」みたいな気まずい雰囲気に一瞬なるだけである。 + ネタバレ注意 一部の大人が、当時の学生運動を美化しすぎている 首謀者・相原の父は「安田講堂事件」にも言及しつつ「解放区」について全面的に応援している。保健の先生は最初は子供たちをなだめる立場であったが、最終的に青春を思い出して感動している。 当時の学生運動を牽引した学生たちの思想が決して一枚岩ではなく、教育のあり方に嫌気がさして真面目に学生運動していた層ももちろんいるだろうが、総合的には負の側面も大きい。 当時の政治・教育体制への反感から、当初は世間から学生運動している学生に対して同情の面も向けられるような状態ではあったが、内紛や暴動・殺人に発展して収束するような流れなので決して良い結果で終わったとはいえない。……のだが……。(*4) 終盤の展開 序盤~中盤こそ、子供たちで協力して誘拐事件を解決したり、汚職する教員を懲らしめる気持ちのいいシーンはあるが、最終的なところ、大人と子供が和解しないので、エンディングに対して意見が分かれそうなところである。 子供たちは大人を嫌悪するだけで、彼らから離反してその後どう暮らしていくつもりなのか情報が一切描かれない。 作中でも、外部のホームレスや、保健の先生といった一部の大人から普通に助力を得ていたので、なおさら子供だけでどうやっていくのか不明である。 これは原作の続編にて、子供達は新学期家に戻り、一部教師が騒動の責任や不祥事暴露によって離れた学校で問題児扱いされながらも相原·英治ら一部メンバーが様々な事件と遭遇していく…つまり本作での対立関係や教育問題自体は結局何となく流されてしまったのが影響したと思われる。 その他 大人サイドは責任の押し付け合いやののしりあいだったり、子供サイドは大人を煽ったりなど、読んでいて気分がよくないシーンもそこそこある。 バックログ機能も1ページずつ巻き戻していく仕様なのでいまいち弱い。また40ページ程度しか巻き戻せない。 立ち絵の表情パターンが少ない。明らかに声を荒げているであろう登場人物の顔が朗らかだったりと違和感がある。 主人公の菊地英治が時折、菊「池」英治と表記される。 総評 牧歌的なキャラデザではあるものの、ベースは1980~90年代に軽いブームとなった社会派・青春小説となっている。 子供を主人公とした描写が多いため、内容的には若年層向けに作ってあるものと思われるが、メッセージとしては政治的なものも含み、簡単に答えを出せないような難しいものを取り扱っている。 ADVゲームとしてはバックログ・既読スキップといった機能が弱く、気軽に読み物として読めないところは欠点である。 ぼくらの学校戦争 ~痛快アドベンチャー~ 【ぼくらのがっこうせんそう つうかいあどべんちゃー】 ジャンル アドベンチャーノベル 対応機種 ニンテンドー3DS メディア ダウンロード専売 発売元 D3パブリッシャー 開発元 グレートワークストムキャットシステム 発売日 2015年9月30日 定価(税込) 612円 プレイ人数 1人 セーブデータ 3箇所 レーティング CERO B(12歳以上対象) 判定 なし ポイント システムはおおむね前作から据え置き 概要(学校戦争) 宗田理氏の小説シリーズの第5作、『ぼくらの学校戦争』を題材とした読み物ADV。3DS移植ゲーム化されたものとしては2作目にあたる。時系列は『ぼくらの七日間戦争 ~友情アドベンチャー~』の後の出来事。 今度は、廃校予定の母校の小学校をお化け屋敷として改造し、みんなを驚かせることを画策する。 登場人物(学校戦争) 中学生たち 菊地英治、相原徹、安永宏をメインキャラとする悪ガキたち。面子は『ぼくらの七日間戦争 ~友情アドベンチャー~』で登場した主要なメンバーのままで、特に大きな変更はない。 中学生の保護者は今回特に登場しない。 ミステリーサークル 帰国子女の前川有季と、レストランの息子 足田貢をリーダー格とする小学生たち。 前作の解放区の事件を知っており、菊地英治たちを尊敬している。 本作の事件は、足田貢があまりにも本物のような死体を学校で見つけてしまうことから始まる。 五色商事の面々 表向きは海外雑貨を取り扱う会社だが、カタギには見えない人たち。廃校となった小学校の3F立ち入り禁止区域でなにやら怪しい集会を開いているようだが…。 システム(学校戦争) 前作とシステムはほぼ同一。ゆっくり読んだことを想定しても、長くても2時間程度で読了できる分量と思われる。 1章~5章、終章の構成 今回も視点や話者が切り替わる構成をとっており、3択の選択肢がちょくちょく発生。選んだ選択肢の全体的な傾向からエンディングのワンシーンが少し変わる程度な模様。 ミニゲーム レストランの床で跋扈するゴキブリ「G」をタップして集めるミニゲーム、左右の手で天井裏の狭い空間を這っていくミニゲーム、悪人を縄でぐるぐる巻きにするミニゲームの3種類がある。 いずれも制限時間がある。失敗すると今回も先に進めないだけ。 評価点(学校戦争) お話自体はわかりやすい部類 前作は「大人と子供の関係性」といった、良くも悪くも答えが出しづらいテーマであったが、今作は勧善懲悪ものとしての側面が強い。 + ネタバレ注意 ぼくらシリーズに登場する子供たちはイタズラが好きでロクなことをしないこともあるが、今回はそのイタズラ・私刑の対象が悪人に絞られている。 大の大人を脅かせるどころか折檻できるほどの小道具を集めて準備してきたり、小学校の給食室を活用して羊羹を料理できたりと、子供たちのスペックが年齢不相応に高すぎるような気もしなくも無い。しかしこの設定のおかげで、悪い大人と遜色なく渡り合うことが可能になっており、痛快なシーンにつながっている。 エンディングもワンシーンが分岐する程度のものなので、普通に攻略する分には気負って選択肢を選ぶ必要はない。 中学生陣営の描写 解放区を作っていた頃と比べてはだいぶ性格が丸くなっている。 公式で主人公扱いされている菊地英治については、前作よりもリーダーシップを発揮できる機会は多い。相変わらず選択肢のためにプレイヤーが好きにキャラをぶれさせたりは可能だが。 本編中ではミステリーサークルの一部の子供の活躍が多いものの、中学生たちもミステリーサークルだけに負担をかけないように気を遣ったり、困っているところに的確なアドバイスを投げかけている。 個性的な新キャラ 今作から新登場するミステリーサークルは、頭の回転が速い帰国子女だったり、忍者のような身のこなしで大人をかく乱したりと、前作の登場人物たちにはないキャラ立ちをしている。 イベントスチルの数は前作同様に豊富。物語の場面が切り替わるたびに適切な画像を表示してくる。 問題点(学校戦争) 登場人物の活躍の偏り 登場人物がさすがに多すぎる感はある。本編が決して長くないので、登場しただけで明確な活躍がないキャラもちらほらいる。 中学生をみても菊地英治や相原徹、安永宏以外にほぼ発言の機会がない。それ以外は立ち絵でちょっとずつ出現する程度でしかない。 前作で散々お世話になった瀬川卓蔵についても、今回も協力者として招き入れているはずなのだが、瀬川本人は中盤に、中学生たちを諭すようなことを言った後はパッタリと出番がなくなる。 ミステリーサークルの明確に活躍シーンがあるのは前川有季と、根来ミイ、あとは大京寺アヤカあたり。足田貢も一応物語の進行には重要な役割は果たすが、終盤はかなり空気になってくる。 他シリーズの既読を前提としているところがある ゲーム化されてはいない『ぼくらの天使ゲーム』の設定、登場人物が特に紹介もないまま使われていたりする。 本編には一切登場しない「朝倉佐織」が、「ぼくらの天使ゲーム」の登場人物としてなぜか紹介されている。 本編とは関係のない回想シーンやたとえ話が多い 怪談を友達に披露したり、昔話をするシーンがちょくちょくある。そのお話の頻度やボリュームが異様にあり本編から脱線気味。特に安永宏の父親を茶髪に染める回想シーンは、完全に本編の趣旨から外れている。 お化け屋敷を作るにあたってどんな準備をしているのか、といった肝心な情報が割と曖昧にされている。 ミニゲーム ただ連打すればいいようなものは若干減ってはいるが、相変わらず作業的なミニゲームではある。2周目以降飛ばすこともできない。 床を這い回るゴキブリを30匹タップして捕まえろ、というミニゲームがあるがゴキブリの外観・動き方が妙にリアルすぎる。しかも画面に5~10匹映ることもあり、虫が苦手な人には相当のホラーシーンになりかねない。 総評(学校戦争) 3択の選択肢やちょくちょくはさまれるミニゲームなど、ゲームシステムの面では前作の七日間戦争と特に変わりは無い。ストーリーの面では、前作の七日間戦争の題材が難しく、登場人物も殺伐としていたのに対して、本作はだいぶ登場人物も丸くなっている。超大作ではないものの、勧善懲悪がメインテーマであり読みやすい内容とはなった。
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