約 289,007 件
https://w.atwiki.jp/kowai-neta/pages/1.html
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/279.html
捜索! 土くれのフーケを追え! その① 『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』 それが宝物庫に残されたフーケの犯行声明文である。これにより学院中大騒ぎだ。 学院長室では、オールド・オスマンの前で教師達が責任のなすりつけ合いをしている。 だが責任は全員にあるとオールド・オスマンが納め、ようやくこの場に呼び出された四人の人間に出番が回ってきた。 「で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」 「この『二人』です」 コルベールが答える。 その場にいるのはルイズとタバサ。それにキュルケと承太郎だった。 キュルケはタバサが呼ばれた、という事で勝手についてきて、承太郎もまた自分も事件に関わっているからと一応様子を見に来ていたのだった。 しかしどうやら『使い魔』で『平民』の承太郎は、目撃者の人数に入ってないらしい。 「他にもう一人、ギーシュという生徒がおりましたが、 負傷のため現在病室におりまして、まだ目覚めておりません」 「容態はどうかね?」 「命に別状はありませんし、治癒も完璧です。遅くとも明日までには目覚めるでしょう」 「ほっ、それはよかった。さて……では君達、説明したまえ」 オールド・オスマンが問いかけると、キュルケの視線がルイズに向けられた。 一番最初に現場にいたのはルイズだからである。 ルイズはゴーレムが壁を殴って壊し、その間自分はゴーレムに襲われていた事を説明した。 その間にフーケは破壊の杖を盗み出し、ゴーレムに乗って逃走。 後はタバサが追跡したが、ゴーレムはただの土になって崩れ、フーケの姿は消えていた。 「ふむ……追おうにも、手がかりは無しという訳か。 時に、ミス・ロングビルの姿が見えんが……いったいどうしたのかのう?」 とそこで狙ったかのようなタイミングで学院長室に入室するミス・ロングビル。 緑の髪をし、大人の雰囲気を持つ美女であった。 「遅れて申し訳ありません。土くれのフーケの調査をしていましたもので」 「仕事が早いの、ミス・ロングビル。で、結果は?」 「はい、フーケの居所が解りました」 周りの教師が素っ頓狂な声を上げて驚く中、オスマンは落ち着いた口調で問う。 「誰に聞いたんじゃね? ミス・ロングビル」 「はい。近在の農民に聞き込んだところ、 近くの森の廃屋に入っていった黒ずくめのローブの男を見たそうです。 恐らく、彼はフーケで、廃屋はフーケの隠れ家ではないかと」 ルイズが叫んだ。 「黒ずくめのローブ? それはフーケです! 間違いあり――」 「待ちなッ。その農民はフーケが男だと……顔や性別が確認できる距離まで近づけたのか?」 承太郎が口を挟むと、教師達の目が「黙れ」と言って睨みつけてきた。 ギランッ、と睨み返す承太郎。険悪な空気が一気に場を覆った。 しかしさすがはオスマン、そんな空気を無視して話を進める。 「そこは近いのかね?」 「はい。徒歩で半日。馬で四時間といったところでしょうか」 「すぐに王宮に報告しましょう!」 コルベールが叫ぶが、オスマンは首を横に振る。 「残念じゃが時間が無い。王宮に知らせとる間に、フーケは逃げてしまうじゃろう。 そこで、この件は我々魔法学院の者で解決する!」 ミス・ロングビルが微笑んだ。そうこなくては、というように。 だが、見境無しなのか承太郎はミス・ロングビルまで睨みつけていた。 それに気づいたミス・ロングビルは口元を正す。 「では捜索隊を編成する。我と思う者は、杖を掲げよ」 オスマンが言った。誰も杖を掲げなかった。顔を見合わせるだけだった。 「おらんのか? おや? どうした! フーケを捕まえて、名を上げようと思う貴族はおらんのか!」 うつむいていたルイズが、オスマンの言葉を聞いて――杖を顔の前に掲げた。 ニヤリッ。承太郎が険悪な空気を消して微笑を浮かべる。 「ミス・ヴァリエール! あなたは生徒ではありませんか! ここは教師に任せて……」 ミセス・シュヴルーズが止めようとしたが、ルイズは牙を剥いて怒鳴り返した。 「誰も掲げてないじゃないですか! 私には、フーケを追う『理由』があるんです!」 真剣な目をしたルイズは凛々しく、美しかった。 そしてルイズの掲げる杖を見て、しぶしぶキュルケも杖を掲げる。 今度はコルベールが驚きの声を上げた。 「ツェルプストー! 君は生徒じゃないか!」 「ふん。ヴァリエールに負けられませんわ」 と、彼女の言葉を聞き終えたタバサが同じように杖を掲げた。 「タバサ。あんたはいいのよ。関係ないんだから」 友を案じてキュルケは声をかけたが、タバサは短く答えた。 「心配」 キュルケは感動した面持ちでタバサを見つめ、 承太郎はキュルケがそんな表情もできる女性なのかと評価を改めた。 「ありがとう……タバサ……」 キュルケとタバサが友情を深め合う中、教師達は猛反対を開始した。 だがオスマンが「では君が行くかね?」と問うと、皆体調不良などを訴えて断る。 オスマンは勇気ある志願者三人を見て微笑んだ。 「彼女達は、敵を見ている。 その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?」 教師達は驚いたようにタバサを見つめた。 「本当なの? タバサ」 キュルケも驚いた。 「シュヴァリエってのは何だ?」 承太郎が問うと、教師達は「口を開くな」とばかりに睨みつけてきた。 が、キュルケがすぐに答えて睨み合いが起こるのを妨害する。 「シュヴァリエは王室から与えられる爵位よ。 最下級のものだけど、私達のような年齢で与えられるなんて驚きよ。 しかもシュヴァリエは他の爵位と違って、純粋な業績に対して与えられる爵位。 実力の称号よ。タバサ、あんたったら、何で今まで黙ってたのよ」 「騒がしくなるから」 タバサはまたしても短く答える。 すると、キュルケは納得とばかりに微笑んだ。 オスマンが話を続ける。 「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、かなり強力と聞いているが?」 キュルケは得意げに髪をかき上げた。 さて次はルイズの番と、オスマンは視線を向けて、褒める場所を探した。 こほん、と咳払い。 「その……ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出した、 ヴァリエール公爵家の息女で、うむ、その、なんだ、将来有望なメイジと聞いておる。 しかもその使い魔は、平民でありながらあのグラモン元帥の息子である、ギーシュ・ド・グラモンと決闘して勝ったという噂だが」 明らかにルイズより承太郎を褒めている発現に、ルイズはちょっとムッときた。 だが事実だから仕方ない。 だから当然というか教師達の表情は、ルイズのところで険しくなった。 コルベールを除いて。彼は意気揚々と喋る。 「そうですぞ! なにせ、彼はガンダー……」 「ミスタ・コルベール!」 オスマンが怒鳴って黙らせ、コルベールは慌てて口に手を当てる。 次の瞬間オスマンとコルベールは射抜くような強烈な視線を感じた。 承太郎である。 やばい、どうしよう。何て言おうとしたか質問されたらまずい。 でもまあ平民って事になってるし無視すればいいかな。などと考える。 とりあえずとっとと話を終わらせようと、オスマンは高らかに言う。 「魔法学院は、諸君等の努力と貴族の義務に期待する。 では馬車を用意しよう。魔法は目的地に着くまで温存したまえ。 それからミス・ロングビル、彼女達を手伝ってくれ」 「はい。オールド・オスマン。元よりそのつもりですわ」 こうして四人はミス・ロングビルの用意した馬車に乗り情報の場所へ向かった。 馬車といっても屋根無しの荷車のような馬車だ。 襲われた時に逃げやすいように、という理由があるが。 御者はミス・ロングビルが買って出たが、手綱を握る彼女にキュルケが話しかける。 「ミス・ロングビル・手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」 「いいのです。わたくしは、貴族の名を無くした者ですから」 「え? だって、あなたはオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」 「ええ、でも、オスマン氏は貴族や平民だという事にあまりこだわらないお方です」 「差しつかえなかったら、事情をお聞かせ願いたいわ」 キュルケがそう言うと、ルイズが噛みついてきた。 「よしなさいよ、昔の事を根掘り葉掘り訊くなんて」 「暇だからお喋りしようと思っただけじゃないの」 「聞かれたくない事を無理やり聞き出そうとするのは、トリステインじゃ恥ずべき事よ」 「ったく……あんたがカッコつけたおかげで、とばっちりよ。 何が悲しくて泥棒退治なんか……」 「とばっちり? あんたが自分で志願したんじゃないの」 「あんた一人じゃ、ジョータローが危険じゃないの。ねえ、ゼロのルイズ」 「どうしてよ?」 「いざ、あの大きなゴーレムが現れたら、あんたはどうせ逃げ出して後ろから見てるだけ。 ジョータローを戦わせて高みの見物。そうでしょう?」 「誰が逃げるもんですか。私の魔法で何とかしてみせるわ」 「魔法? 誰が? 笑わせないで!」 喧嘩を始めた二人を無視してタバサは相変わらず本を読んでいる。 一方承太郎はというと、そろそろイライラが限界だった。 「ギャアギャア騒ぐんなら他所でやれ! うっとおしいぞ!」 「はーい、ごめんなさいジョータロー」 あっさり引き下がると同時に、承太郎の腕に絡みつくキュルケ。 それを見てルイズが「私の使い魔に何してんのよ!」と怒鳴る。 それを聞いて承太郎が「誰がてめーの使い魔だって?」と睨む。 そんな感じで数時間、馬車は深い森に入っていった。 昼間だというのに薄暗く気味が悪い。 ここから先は徒歩で行こうとミス・ロングビルが提案し、皆特に異論はないので素直に従い森を進み、開けた場所に出る。 森の中の空き地とでもいうような場所に、元は木こり小屋らしき廃屋があった。 五人は小屋の中から見えないよう、森の茂みに身を隠したまま廃屋を観察する。 「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」 ミス・ロングビルが言うが、人が住んでいる気配はまったく無い。 果たしてどう行動すべきか、ルイズ達は相談を開始した。 そんな中、承太郎がミス・ロングビルに問いかける。 「すまねえが、ちょいと訊きたい事がある。 あんたにフーケの情報を教えた農民についてだ。 そいつはなぜ……こんな廃屋のある場所まで来たんだ?」 「さ、さあ……存じません。何か仕事でここまで来たのでしょう」 「果たして……そんな場所をフーケがアジトにすると思うか?」 「……いえ……。ですが一時しのぎの隠れ家程度になら、とは思います」 「それにしてもマヌケな盗賊だな。平民の農民に姿を見られて気づかないとは」 「め、メイジといえど後ろに目がついている訳ではありませんから……」 ミス・ロングビルがしどろもどろになって答える。 その様子を、承太郎は感情を読ませない目でじっと見ていた。 そしてミス・ロングビルが気がついてみれば、いつしかルイズ達は相談をやめ、 二人の会話に耳を傾けていた。不信感を持った目で。
https://w.atwiki.jp/tamatamab/pages/13.html
勝っても、負けても学ぶことはあります どうすれば勝てるのか?=どうすれば負けるのか?→ああなったのがまずかった ↓ ↓ ああいいときに、もっとこうしたい ああならないにはどうしたらいいか ↓ ↓ こうするにはどうしたらいいか 不利なことはしない ↓ ↓ やってみるーーーーー→反省ーーーーーーーーーー→改善 偉そうな自己啓発の本にありそうですが、暇なときにでも考えてみてください 個人的に思う欠点を挙げると、 地形的に不利なところでがんばっちゃう 不利なところで戦ってもムダです。いったん引くなり、味方に頼るなりしてください。 フラグ映像みたいに不利なところで逆転するのは夢のまた夢 一人で倒そうとする 2vs1で勝てると意気込むのは正気沙汰ではありません。 こんなときこそ仲間が必要なのです 肝心なときに引いてしまう 時間がきたら、イヤでも戦わなくてはならないのです。 怖くなって飛び出す 「ええい!どうにでもなれ!><」 どうにもなりません(笑 沈黙に耐えられない 敵が見えなくて不安なのはわかりますが、見に行くのは危険です 相手も同じなのだから、根くらべですね 音を聞かない 視野以外は聴覚しか頼れません。少しでも情報をあつめてください HSを狙わない デスマッチでは必須のスキルです 諦めている 最後の1キルはほとんど根性です。 仲間を盾にする 高見の見物して、傷ついた敵のキルを貰う人・・・ 仲間を助けない 自分のHPも大事ですが、仲間が生きているのと、生きてないのとでは後々違います 加速をONにしている 狙いにくいです リロード・武器チェンジ癖 あっ!と気づいたときにはもう遅い。敵といつ遭遇するかわかりません 敵と遭遇すると、クリックを連打してしまう AKは落ち着いて2、3点バーストで撃つほうが安定します(個人的に ラジオを活用しない 活用できないと、上位クランとの差が開けます ミッション数を大事にしない あと、1勝がたいへんなのです 時間を見ない 時間を把握できれば、リスクを回避するとこができます
https://w.atwiki.jp/grape/pages/17.html
Grape.メンバーの推測 2017/11/03 午後6時52分 今回のGrape.の落ち度 像の大きさや概要、予算の調達方法やクラウドファンディング自体についての話をしていなかった。 確認の電話と正式な書類の受け取りを待たずに行動した。 日本エージェントを置き、こまめに東部動物園に連絡を入れながら行動しなかった? 録音を取らなかった 引用元 Grape.funding - japanese https //discordapp.com/channels/372409305502318592/372769088377716738 (閲覧するにはグループ参加しなければならない) 加えて、動物園への対応を(翻訳者が居たとは言え)他国の人に任せっきりにしたことも大きい。 情報共有が上手く出来なかった結果、メンバー全員が間違った認識をすることになってしまった。 2017/11/02 午後6時36分 なんで動物園の許可なしに寄付するかなぁ… 2017/11/02 午後6時36分 許可なしというかGrape.側は電話で許可とってるんだよなぁ(おそらく) 2017/11/02 午後6時37分 許可取ったつもり の可能性もある気がします。 2017/11/02 午後6時37分 みんなその「おそらく」でなぁなぁにやってたのかもなぁ 引用元 Grape.funding - japanese https //discordapp.com/channels/372409305502318592/372769088377716738 (閲覧するにはグループ参加しなければならない)
https://w.atwiki.jp/trivialist/pages/79.html
歌唱:初音ミク 作詞・作曲:乱数P VOCALOID殿堂入り 初音ミク名曲リンク なぜか変換できない
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1722.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Time enough for Love 第4章 英国にて 11. 「The Recruitment」 「むぅ……」 インデックスはこめかみを押さえて黙り込んだ。 このことは、清教内の誰からも聞いていない。 それとも誰か何か隠しているのかな? 少なくともこちら側の事情ではない気がするのだけど……。 『私はみんなを守ると神に誓ったんだ』 ――あの時のみことの表情が意味することは……。 ――とうまがもし、みことのことも何もかも捨てて、私を追いかけてきたのなら……。 ――でも周りの人全てを傷つけて、なにもかも捨ててまで、自分の想いを貫くなんて、とうまらしくないんだよ。 ――とうまなら多分、最後の最後まであきらめずに、全てを手にしようともがくはずなんだよ。 『そう……あの時……捨ててきたのは……私の方なんだよ……』 ――でも恋は盲目とも言うし……。 ――とうまが今そうなっても、それはそれで仕方が無いのかも。 ――私だってとうまに未練が無いとは言わないんだよ。 ――だけど今更残してきたものに、心を揺さぶられるほど、私は乙女ではないのかも。 『たとえそれが『ずるい女』の罪滅ぼしでも構わない……』 ――私は『戦う』修道女なんだよ。 ――戦うと決めた今の私に、甘ったるい感情なぞ不必要。 ――私は戦場の真っ只中にいる。 ――ならば…… ――非情な愛情でもって…… ――上条当麻の恋慕(エロス)を、神浄討魔の愛情(アガペー)に変えて…… ――迷える子羊のために使わせることも私の使命。 「いかがしますか?最大司祭……」 ステイルが重ねて尋ねてくる。 彼は彼女の守護者ではあるが、仕事中は部下だ。 こういう場所での物言いは、一応は『慇懃』。 「とうまは……、私を追いかけてきたってことなのかな?」 しかし…… この状況は非常にマズイと思う。 権力闘争のさなかに色恋沙汰のスキャンダルは命取りにつながるもの。 こちらにその心算が無くとも、反対派に都合よく使われてはイメージダウンは必至。 まして宗教組織であるならなおさらだ。 とうまはやっぱりとうまなんだよ……。 「――どうしようか、ステイル……」 「いっそ焼き払いますか……?」 「こんな時の冗談は厳しいかも」 「失礼しました。 ――そうそう、言い忘れましたが、この名刺を彼から預かっております」 そう言って、彼は私に上条の名が記された名刺を寄越した。 ステイルは、最近とみに性格が変わってきたようで。 元々素直じゃない上に、誰の影響を受けたのか、時々私をからかうような『無礼』な態度をとる。 天草式の教皇代理が、いろいろと入れ知恵をするようになってからだろう。 ――かおりと2人、一度キッチリとシメておかないとダメかも…… 預かり物があるならさっさと渡すんだよ……と思いながら、彼から名刺を受け取った。 ステイルから渡された名刺の、見慣れない文字に私は目をやった。 『ミサカ-コンサルタント ロンドン駐在員 上条当麻』 「――ミサカ-コンサルタント?ロンドン駐在員??」 それは上条がロンドンに着いてまもなくの頃だった。 こちらへ来て、衣食住や身の回りのことなど、生活関係の諸々の雑用が落ち着いた頃、上条は父親の刀夜から呼び出しを受けた。 彼が住むカムデンタウンは、元々在倫日本人が多く住む地域であり、一種の日本人街となっている。 おそらく天草式の隠れ家も、この近辺にあるのだろう。 そこの一角にあるパブに出向いた上条は、父親の横にいる見慣れぬ男性に気が付いた。 同時に上条に気が付いた父親、上条刀夜が笑顔で片手を上げた。 「やあ、久しぶりだな、当麻」 「父さんこそ。今日は出張?」 彼の父親は、仕事柄、海外出張が多い。 「ああ……。ついでにお前に会わせたい人もいるんでな」 そう言うと、傍らの男性に目を遣った。 その男性は、何かを値踏みするように、眼光鋭く上条を見つめ、右手を出した。 「はじめまして、かな。御坂旅掛だ」 「上条当麻です。はじめまして、御坂……さん?御坂……!?あの……もしや……」 上条が握手をしたまま固まっている。 「ああ、君が学園都市に捨ててきた女の父親さ」 旅掛がにやりとした。 端正な顔に似合わぬ鋭い目は今も笑っていない。 どこの裏家業の人かと思わせるような服装とあいまって、背筋に冷たいものを走らせるようなオーラを出している。 自分の心の奥底まで抉り出し、引き摺り出されそうなその目に、上条は鳥肌が立った。 その横で刀夜もニヤニヤと笑っている。 なぜこの2人が一緒にということさえもう考えられなくなっていた。 「――ッ!!!」 上条の頭の中がパニックになっていた。 握手した手をあわてて離そうとするところを、旅掛がその手に力を込め離すまいとする。 まるで猛獣と、その爪に押さえつけられた哀れな生贄のようだ。 彼は左手で上条の肩を軽くたたくと、いつしかその瞳にも笑みを浮かべている。 「娘を傷物にした償いに、1杯付き合ってもらおうかな」 不穏な物言いにもかかわらず、その口調には労りが込められている。 そこに自分の逃げ道を見出したように、上条の口が動き出した。 「え、いや、あの、その、まあ傷物というか……」 「否定はしないんだな」 「ひっ……」 さらに畳み掛けられてあたふたする上条の姿を見、さらに不敵な笑みを浮かべた旅掛だった。 そんな旅掛を見ながら、そんなに虐めないでやってくれと言いたげに刀夜が笑い、息子に声をかけた。 「当麻、お前も飲めるんだろう?」 そう言い、刀夜がギネスを3つ注文する。 旅掛は、まだまだ足りんよといわんばかりに、刀夜に笑い返す。 やがて苦笑をうかべた表情で、上条に向かった。 「君の事は妻と娘からよく聞いているよ。 娘はおろか、妻までぞっこんにさせられてはね……、父としても夫としても非常に複雑な気持ちなんだがな」 「は、はぁ……」 旅掛からは、何を言われても、もはやまともに答えられない心理にさせられた上条だった。 「そんなに引かなくても、獲って食ったりはしないから心配するな」 「は、はぁ……」 やっと表情を緩めた旅掛の顔を見て、上条は気持ちを落ち着かせることが出来た。 まあ、その辺で、と言いたげに刀夜が割り込んできた。 刀夜がパイントグラスを2人に渡す。 「とりあえず、乾杯といきますか」 「「「乾杯」」」 黒い液体の、コクと爽やかな苦味が喉を流れ落ちる。 それとともに、上条は先程までの驚きも一緒に、胃の中へ流し込んだ。 さほど冷えすぎず、かといってぬるくも無い。 その冷たさが、自分の逆上せた頭を、程よく冷やしてくれるようでありがたかった。 英国のパブでは、常温で供する店が多いのだが、ここは日本人客が多いためか、そこそこ冷やされたものが提供されている。 緊張で渇いた喉が湿ることで、自分が空腹であることを思い出すほどに、すっかり気持ちは落ち着いていた。 酒より食欲優先の上条はFish ChipsやShepherd s Pieなど出された料理に舌鼓をうっている。 腹が減ってはなんとやらで、今からあの2人を相手取るには、とにかく燃料がいる。 自分の足りない脳みそでも、エネルギーを供給すればなんとか凌げるだろうと思いながら。 この店は日本人スタッフもいるのか、料理の出来も悪くないようだ。 喧騒の中、中年男2人は、上条の食べっぷりを眺めながら、グラスだけを傾け、談笑していた。 「さて、空腹は治まったか?当麻」 「はい、ごちそうさまでした」 「じゃ、本題に入る前に、もう1杯今度は私がおごらせてもらおう」 旅掛が刀夜にたずねた。 「上条さん、Kentish Ale はどうですかな?」 「Kentish……ならば、『 Spitfire 』?」 「さすがですな。『Battle of Britain』にはもってこいでしょう」 「確かに」 そう中年男たちが何事か頷きあっている横で、上条だけがわからないという顔をしていた。 旅掛が注文したエールでもう一度改めて乾杯をした3人だった。 「さて、そろそろ無知で科学な子供にちょっとした忠告をしたいのだが、いいかな、当麻くん」 旅掛がそれまでの穏やかな笑顔を引っ込めた。 最初に会ったときのような真剣な顔を向けると、上条はそこから目を離すことが出来なくなった。 「今回の君たちのやり方だが、このままでは非常にまずい事態を招くことになりかねない。 権謀術数渦巻く権力闘争には、裏の世界だけで争うと言うのは、非常にリスキーなんだ」 最初上条は、旅掛が何を言わんとしているのかが分からなかった。 「君が『あの彼女(最大司祭)』にとっての切り札だということは分かる。 だがこういった権力争いには表の世界で戦うのが一番なのさ。 おそらく暴走したウチの娘が考えたことなんだろうが、権力と言うものをまだ十分には理解していないようでな」 「………」 上条は、なぜ『この計画』が旅掛にばれているのか、という顔をしていたようだった。 いやそれだけではない。 なぜ横にいる刀夜までが腕を組み、うんうん頷いているのか? 俺はどこかでヘマをしてしまったのか? 「――さもなくば、その話を持ちかけた者が、何か事情がある、か……」 刀夜が横で、ぽつりと言った。 「――!?」 ――言いだしたのは土御門と神裂……。 ――しかもこれはインデックスには秘密だと……。 ――なぜ……だ? その顔に陰りを示した上条を見ながら、旅掛が続ける。 「心当たりはいろいろあるようだね。 ま、それは置いておいてだな……。 どこで『この計画』を知ったかは、気になるだろう。 それについては、君たちからではないから、心配することはない。 ま、蛇の道はヘビということで情報源は勘弁してもらいたいが……」 相変わらず旅掛の表情から窺えるものは何も無い。 完璧なポーカーフェイスの見本というべきか。 やがて刀夜が会話を引き継いだ。 「――我々大人の方が、年を経ている分、お見通しなんだ。 普段からそういう世界で生きているんだ。 当麻と美琴さんたちが、何をしたいのか、何をしようとしているのか、わからないでもない。 だが私達にも君たちの世界を守る義務があるのだよ」 上条は刀夜に、愛するものを守ろうとする男の顔を見た。 「父さん……」 あの夏の日に、わだつみで見た父の顔。 旅掛も、同じように父親の顔になって、上条の顔を見ていた。 「私は娘のために、その夢と世界を守ってやりたいと思っている。 だが、いつか親は、子供の手を離さねばならない時が来てしまうんだ……」 上条は、今、自分はどんな顔をしているんだろうかと思った。 「君がいろいろと、娘を助けてくれたことは知っている。 そして今も、美琴の支えになっていてくれることも……。 父親としては、正直複雑な気持ちもあるが、それでも感謝しても仕切れない……」 そう言うと、旅掛は上条に頭を下げた。 「いや、頭をあげてください、旅掛さん……」 「なに、君がこれまで……『娘達』のために、いろいろ手を尽くしてくれたことぐらいは私にも分かっているよ」 「――『妹達(シスターズ)』のことを……ご存知なのですか……」 上条の口から、重い言葉が出た。 この父親なら、そのことを知っていても不思議ではない、という思いが、この状況でも上条を冷静にさせていた。 御坂美琴が抱える闇、『妹達(シスターズ)』。 かつて『量産能力者計画』によって開発され、『絶対能力進化計画』のために1万体以上が殺された美琴のクローン達。 あの夏の夜、上条がその右手でもって救った彼女達。 あの時、俺が救われた少年に守られる彼女達。 今も美琴の心の中に、救われぬ思いを強く残す彼女達。 ――今もおそらく、そしてこれからも、一生、美琴はその闇と戦い、もがき、苦しんで…… ――ああ、確かに彼女は強い。 ――だけど同じくらい儚くて脆い彼女を知っている。 ――美琴自身は割り切ってはいるつもりだろうけど…… ――それでもまだ割り切れていないのも確か……。 ――ならせめて、その闇を少しでも軽くしてやることは出来ないか……。 彼女の心の中は、彼にはどうしようもない。 それでも、上条には何とかしてやりたいという思いがあった。 「私は世界に足りないものを示すコンサルタント業をやっている。 だから私は君に、足りないものを示し、提供することが出来る。 だが私に足りないものは、あいにく私1人では手に入れることが出来ないようなんだ……」 「旅掛さん……」 「そこで、ちょっとしたビジネスの話なんだが……」 そう言うと、旅掛は刀夜の方に目を向けた。 刀夜は、旅掛に向かい両手を広げ、お任せします、といわんばかりに笑みを返した。 それを確認した旅掛が、上条に向き直り、真剣な表情で口を開く。 「君のお父上の了解もあることだし、単刀直入に言わせてもらおう。 君を、当麻くんを、私のビジネスパートナーとしてスカウトしたいのだがどうかね?」 「はぁっ?」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Time enough for Love
https://w.atwiki.jp/wanlie/pages/21.html
なぜか「仕事がうまくいく人」の習慣 【著者名】 ケリー・グリーソン 【読んだ日】 2005/12/20 【ページ数】 237 【およそかかった時間】 60 【感想など】 図書館のベストリーダーになっていたもの。 とにかく仕事を早く終わらせたい想いから選んだ。 7つの習慣は原則的な話が多かったけど、かなり実践的で具体的な取り組み手段が書いてあると思った。明日からでもすぐに取り組んでいきたいと思うようなものが多い。 能力向上プログラムという仕事の手段を根本から考えるプログラムで行っている取り組みが書かれている。 特に一貫して言われていたのが「すぐやる」姿勢。 自分にも思い当たる点があった。メールの返信など、めんどくさいなーとか思ってほったらかしてはいけない。思いついたらもうやりなさいとのこと。 あと時間確保の方法。電話やら会議やら仕事を中断されてしまう事象を90分だけ集中してやる時間を確保する(会議室にこもるとか場所移してやるとか)工夫がいるのかな。 こういう本を読むと、いかに周りが効率悪いサイクルで仕事をしているかよく分かるので全社教育に取り組んでほしいものです。 Step1 仕事ができるようになりたい Step2 能力向上プログラムの元となる考え方は何か Step3 2分 Step4WORD PEP、効率よく、生産性、すぐやる、先延ばし、整理、トレー、ファイルケース、忘れない、Eメール、重要度、インターネット、正しく、計画、優先順位、プロジェクト、ゴール、人生、イメージ、執着する、システム手帳、リエンジニアリング、四つのセイ、コミュニケーション、歩き回り、整備 Step4Qes PEPってどんな考え方?生産性はどうしたらあがる?先延ばしはなぜだめか?重要度はどうやってつける?ゴールはどうやって決める?リエンジニアリングって?四つのセイ?オフィス机のうまい使い方は? Step4RST かわらず Step4SR PEP、すぐやる、整理、整備、計画、ファイル整備法 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/shousetsu/pages/79.html
「ふぅ…彩タンも、うまく『脳内操作』することができたし、今頃はたぶん可南子ちゃんのところに行ってるのかな?」 阿部は密やかにほくそ笑みました。ここは吉野家。例え一人であっても静かにしてなければいけません。それが暗黙の了解なのです。 「デラックス・スーパーパフェおまたせいたしましたぁ~」 それでも、阿倍は吉野家に不釣り合いなデザートを頼んでいました。 どでかい生クリームとチョコの塊をベースにワッフルが挟まり、そして、生クリームの山のテッペンにそびえる一つのサクランボ… 阿部さんは一層ニヤニヤしました。阿部さんはサクランボが大好きなのです。 「いや~!僕、サクランボって、大好きなんですよォ」 阿倍が腰を低くし、サクランボに目線を合わせます。 「はぁ…」 ウェイトレスは、こういう客は嫌いだ、と心の底で思いながら、適当な返事をしました。阿部さんは腰を下げたまま眼をジットリとウェイトレスに向けました。 阿倍さんは何かを思い出したかのように、ぎこちなく『真っ黒な古びた手帳』を取り出しました。 そして、この小さな物語の歯車は回り始めます―― 僕はずっと外に出たことがありませんでした―― むしろ、この世界は、これくらい小さいのが当たり前だと―― 僕は、おばさんに育てられました。パパはいつも研究所にひきこもっています。 おばさんは、お父さんと比べて太っているけど、それでも優しくて、しゃべりかたが面白くて――話せば止まらないくらい、僕はおばさんが好きでした。 でも、この日記を書いてる今の僕は、もうおばさんには会えないんだけどね―― 僕は、お父さんと、おばさんと、テレビっていう箱から出てくる阿倍お兄さんと、そのテレビにわんさか出てくる子供たちしか見たことがありません。 僕は、まだ7歳でした。 お父さんは、毎晩のように研究所にひきこもってます。時々お父さんの顔をちょっと忘れてしまうときがあるくらいでした。 「あら~!カワイイ~~!!」 おばさんが、僕に服を買ってくれました。とてもうれしいです。僕を褒める人はおばさんしかいませんでした。お父さんはまだ研究所…… 僕はたまに『野球』っていうものをしたりしました。 おばさんとやるのは少し釣り合わない感じがしましたが、おばさんがピッチャー、バッターは僕。 ……あの球、僕に打たせるつもりで投げたのかな? 今はもう何もわからない―― 僕の家は広くて…と言っても、僕の家以外の家がどれくらいなのか、全く分からないのだけど、おばさんが言うには、とっても広いらしい。 僕の家はまた、『入ったらダメなところ』があって、そこを僕は『ヒキョウ』と呼びました。お父さんの研究所もまた、ヒキョウでした。『ヒキョウ』というのは「阿部さんが未知の世界探検をする番組」で知りました。 阿部さんが言うには、 「穴があるところは必ず入れなければならない!男のヒキョウは限り知られない。さぁ、きみのヒキョウも探検されてみて…や ら な い か」ということでした。 僕が思うに、ヒキョウというものは探検しなければならないらしい。僕は男の子だから、なおさらだと思いました。 そして、今日はお父さんの研究所に突入するって決めたんです。 お父さんの研究所は、地下にあって、薄暗くて不気味でした。重々しい扉を僕は静かに開けました。 そこには、引きこもりのお父さんが長方形の何かを持って、おでこにつけてブツブツ言ってました。 僕はこっそり陰に隠れて、耳を澄ましました。 「なぜ…なぜあんなものを残して行ったんだ…俺はあんなジャンク必要無いぞ…」 枯れた涙腺からお父さんの涙がかすれて流れる。薄闇の中、頬がわずかに紅潮していました。 『じゃんく』…?聞きなれない言葉が僕の耳を触れました。 「麻生…小沢…なんで離れていったんだ…俺の考えは正しかったはずなのに…」 何かをおでこからお父さんは離しました。 それは、『写真立て』でした。 お父さんはしばらく黙りこみ、そして、暗闇に消えていきました。 僕はソロソロと気づかれないように歩いてその写真立てを手にとりました。 そこには3人の若い男たちと、チンパンジーが檻の中に閉じ込められているのが写っていました。3人は、ベージュの探検隊のような服を着こみ、背景は間違いなくジャングルでした。男たちはニコニコ笑い、チンパンジーは茫然と下を向いていました。 一人はお父さんだとすぐに気付きました。 『ライオン頭』は、昔からでした…髪はまだ黒くツヤかかっていました。 黒い獅子がにこやかに笑っていました。 「ということは、残りの二人が、小沢と麻生という人…」 僕は『この家』という世界からまだ出たことがありませんでした。人の顔なんて珍しい物と一緒―― …その顔をジックリと見つめて、元のように写真立てを置きなおしました。 お父さんは拳に力をこめて、僕の頬を殴りました。 突如として、その衝撃に、埃の溜まったフローリングに倒れこむ僕がいました。 顎が折れ曲がりそうで、僕の視界がゆるみ、ぼやけて映るフローリングが曲がったり波打ったりしました。頬がジンジン痛む…骨が軋み、空気すらも触れることを許しませんでした。自分の顎を動かそうと思えば、それは錆びた車輪のように痛々しい音を立てる―― お父さんは、憤り、わずかな汗をたらし、顔は紅潮し、殴った拳は、なおも強く握られており、その手の骨と骨とを渡る血管が、怒りで赤く染まった皮膚と裏腹に青青く深く浮き出ていました。 「入ったんだろ!?え!?」 お父さんはしきりにそのことばかりを聞きました。 そして、再び僕の胸倉をつかみ拳を上げる―― 隙間から、オロオロとしているおばさんの姿が見えました。 ――どうして? ――どうして助けてくれないの…? その思いを僕は自分の瞳に託した瞬間、僕の目の前は高速に回転し、今度はより強く床にたたきつけられました。 目の前が、数秒真っ白になり、そして、虚ろ。 フローリングには数滴の僕の血が吐き出されていました。 熱い…顔だけが熱い…なんで…なんで殴られるの…なんでおばさんは助けてくれないの…? 僕は頭がそれだけしか回ってきませんでした。 「お前は…さっき嘘をついた…」 お父さんは口を開きました。 嘘――? 痛みと混沌の思考の中でしきりに自分の過去を探す自分がいました。 「お前は、私の研究所に行っただろう!それも私の許可なしに!」 僕には理解できませんでした。確かに、僕はちゃんと写真立てを元に置いておいたはずなのに…出る時も入るときも音を立てなかったのに… 嘘…?僕は何もお父さんに話していない! 「そうやって、真実を黙っていることが、『嘘』というんだ!!ちぃッ…あの糞猿もお前も、俺のことを馬鹿にしやがって…!」 猿…?もしかして、あの写真の…馬鹿だな…お父さん、猿に馬鹿にされるなんて――本当に、『愚か』だ… 痛む口がニヤケを阻みました。 「…そうか、お前は、そう『思う』のか…だったら…」 お父さんの拳の跡が肉体に痛みとして跡となる…気が遠のく。 そして――僕の目の前が真っ暗になった。 僕は暗黒の自分に飲み込まれた―― 『あの男は心が読めるんだよォ!』 高飛車な声が頭で響く。 …僕は…君なの? ぼんやりとする暗い暗い頭を振りかざし、僕は眼を覚ましました。 僕は…君…? 笑う君が、僕の眼に浮かびます。非常に高く笑う僕の声が脳の奥底でこだましていました。 気づけば、僕は猫背になって、押し込められていました。 何に? それは、小さな檻の中に… それを自分と自覚し、急激に僕はおそれおののきました。 そう『思う』――? だったら―― あいつは心が読めるんだよォ―― 気づけば、檻の中で頭をかきむしり、交錯する頭を整理する僕がいました。 僕は…『心の中』でお父さんを――蔑んだから――檻に入れられた…? 心が読める――? 頭の中で一通りの流れができ、さらにそれが、渦と成しました。 しばらく、僕は脳みそが空っぽになりました。天井はただの灰色のコンクリートでしたが、そこには高速で流れる雲が青空に亀裂を作るスクリーン・セーバーが、確かにそこにありました。 そして、僕は激情する―― 「あけてよ!!!あけてよ!!!お父さん!!!やめてよ!!!僕が悪かったです!!!あけてよ!!!」 その訴えは空しく檻の外のコンクリートに反射し、すぐにかき消されました。 赤い瞼の下から、やがて、にじみ出る痛々しい涙。 「…ごめんなさい。」 自ら締まったその苦しい喉を無理やりこじ開け、言葉を苦々しく発しました。 しかし、それもむなしく、すぐに虚につぶされました。 ――不意に自分が、奥歯を噛みしめていることに気が付きました。 「…ごめんなさい…ご…ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさい!!!」 涙を吐きだし、赤面したその、次第に強くなる訴えもまた、絶望に変わり果てました。 垂らす雫はもう涙腺から絞り切られ、自らの涙腺の痛点を痛めつけます。 ふと、目を下ろすと、檻の隅に、毛が詰まっていることに気が付きました。 「毛だ…それも茶色の…人のじゃ…ない?」 その毛を恐れるままに、されど勇気を振り絞り、つまみ上げました。 しかしながら、『その檻』と推理を組み合わせると、すぐに答えは導きだされました。 「…お父さんの捕まえたチンパンジー…そうか、僕は…お父さんをチンパンジーみたいになればいいって…思ったんだっけ…」 時間は短くも、恐ろしく悪戯に長く感じました。 数日が経ち、僕はやせ細った姿になっていました。しかしながら、その姿の顔を見ることは不可能でした。 檻の中の日々―― 僕は哀れにも、その場で用をたし、日に1度もらえる『餌』にありつきました。 それは僕自身が日ごろ食べていたものとは全くの別の食べるものではないものだった気がします。いつもおばさんが悲しそうに、しかし、何も言わずに僕に『餌』を与えました。 頭を振りかざせばフケが飛び、顔をなぞれば骨格が露骨に浮き上がっているのが分かりました。 陽気なもう一人の僕、もこの間一度も会いに来ませんでした。 つまらない以上に不愉快で、懇願以上に、虚無心が勝る―― そしてあくる日、 檻がおばさんの手によってようやく開かれました。 僕は既に飢えによって、喜びというものを忘れていたかも知れませんでした。いや、それよりも―― 「ごめんなさい!ごめんなさいッ!…」 おばさんはしきりに謝り始めました。 その顔は平謝りとは思えないほど、顔を真っ赤にし、すさまじく高い声を上げながら、泣きすすりながらのものでした。 歩くことすらままならなかった小さな檻から僕は、よろけながら出ました。 ――なんで…なんでもっと早くに… 僕はそう未だにそう思っているのなら、反省していないのかも知れません。 しかし、おばさんには僕を救う手立てがいくつでもあったはず… 「お坊ちゃま…小泉お坊ちゃま!『純一郎お父様』は、こうしないと、私めをクビにすると…。」 ――そうじゃない、そうじゃない! 心の中での怒りが煮えくりかえりました。僕の中では分かっていたのです。だけど――! 心の中にしまいこむには限界がありました。 「おばさんらしくないよォ!いつものおばさんは、もっと明るくてたくましい人でしょぉ?ほら、顔上げてくださいよォ!僕?大丈夫ですって♪そうだ!今日はとびっきりな、オムライスが食べたいなぁ~!」 僕はいつの間にか、笑っていました。 そう、それは、僕じゃない僕が…僕が僕にとって換わっていたのです。 しかし、それはすぐに消え去り、僕はさっきまでの怒りにもだえる僕に戻っていました。 おばさんはその言葉を聞いて、しばらくあっけにとられたままこう着しましたが、やがてニンマリと笑い、厨房へと向かいました。 僕はその意向に有無関係なく、そのあとをついてきました。 そして、月日は流れ――僕は虚ろに14歳になる。
https://w.atwiki.jp/kanegon8372/pages/16.html
東京・渋谷区の代々木公園での大量感染に端を発した一連の「デング熱騒動」について、誰もが一度は考えたはずなのに、多くのマスコミがあまり触れてこなかったのが「そもそもなぜ代々木公園で発生したのか?」という部分だ盛岡デリ ヘル。しかし最近になってこの「発生源・発生原因」について、ネット上では不穏な噂が囁かれはじめている。
https://w.atwiki.jp/mh_rifujin/pages/137.html
Q: 423 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/11/26(月) 22 14 06 ID T8U+mBAs なぜギルドフラッグは熱いのですか?意味が分かりません。 A: 424 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/11/26(月) 22 31 13 ID lG8JUbU6 423 ギルドフラッグを山頂にセットすると旗以外に狼煙の煙もあがりますよね? つまり狼煙用の種火も一緒に持っていってるのです 火は暑いですよね? 断熱の容器をギルドが用意してくれればいいんですがそうじゃないのでHPも減るようになってます 425 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/11/27(火) 00 30 23 ID r72CgHEW 423 登頂を願う熱い気持ちが篭ってます。 しかし、その熱すぎる思いが逆にハンターの体力を浪費させてしまうようです。 哀しいですね。 ギルドフラッグ