約 1,304,968 件
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/8755.html
707 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 21 43 52.80 ID ty131yvA0 [1/4] NOの言える人は偉いな 俺も困に長い事絡まれた事あるけど、ハッキリNOと言えれば何とかなるよ(自画自賛) 困のタイプだけど、 693のCとEを組み合わせた奴 俺からルルブや筆記用具を無言で取り上げ、返すときはありがとうも言わず、目の前に投げつける 俺が説明してるときは、携帯をいじりながら、言で指を一本立てる(もう一回言え、の催促) ルールの解釈で譲らない、大声を出して威嚇、コンベのスタッフは召使 こんな困だけど 「もう口プロいいからさ、そんなに喧嘩したいんなら相手なるから。今からすぐ外でようや」 「そこまで言って逃げるんか、男なら根性見せてみろ、叩き回すぞ」 って髪つかんで睨み付けたら 「僕が君に喧嘩で勝てるわけじゃないじゃないですか」 って困が涙目で震えてた ■この話のオチ ・脅したら困が急に俺の事を持ち上げ始めた ・俺も最後のほうは困だった ・コンベのスタッフは、騒ぎを起こす方の味方をする 708 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 21 51 22.17 ID zCit1WEY0 [2/3] 693 ふと、魔窟という言葉を思い出した。きっと、その鳥取内で切磋琢磨して困度を鍛えていったんだろうな。 その鳥取の連中をどっか遠島にでも放逐したい気分だ。 707 で、どうした土下座くらいはさせたか? 以降はビクビクと怯える地蔵にでもなったか? 或いはお帰り頂いたか? 喧嘩を押し売りしてきた以上、結末は喧嘩をするか謝るかのどっちかだろうに。 710 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 21 54 15.81 ID N+yrsG0u0 [4/6] 707 最低にダサいヤツだなそれ… 最後まで貫くとかもできねーのか というかそういう場に俺の友人とかいたら(いい人だけどこういう無礼なヤツにはムチャクチャ厳しい) 報告者がにらみつける前に無言で殴り倒しそうだと思ってしまった… 711 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 22 03 24.89 ID ty131yvA0 [2/4] いや、困が謝って 「握手しようよ」 「僕も老害だからさ、君みたいにしっかりシナリオ作れる人が出てくれて、凄い嬉しい」 と言ってきたんで、もう相手にするのやめた でもそこのコンベとは絶縁になったなぁ なぜかって結局そこのコンベは、困が繁殖しやすい環境だったんだよ つまりは「騒ぎを起こすほうがえらい、そっちの味方をしましょう」って環境 俺が大嫌いな環境だった な、会長のSさん 712 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 22 04 43.55 ID N+yrsG0u0 [5/6] ・コンベのスタッフは、騒ぎを起こす方の味方をする なぜかって結局そこのコンベは、困が繁殖しやすい環境だったんだよ つまりは「騒ぎを起こすほうがえらい、そっちの味方をしましょう」って環境 この意味がわからんのだが なんでスタッフが困の味方をするんだ…??? 714 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 22 09 55.25 ID ty131yvA0 [3/4] 学校でのイジメを思い浮かべて欲しい イジメに対して真摯に取り組む学校があれば、そうでない学校もあるでしょ 「○○君の自殺は、ウチの学校と関係ない」 「○○君は、友達と仲良く遊んでたように思う」 「あれはプロレスゴッコ」 これで済ましちゃう人も凄い多いの 715 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 22 10 43.40 ID N+yrsG0u0 [6/6] 最低最悪のコンベってことじゃねーか!! 地域とコンベ名もYOUさらしちまいなYO!(錯乱) 716 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/12/31(火) 22 14 24.94 ID ty131yvA0 [4/4] 晒すのは出来んが、良いサークル/悪いサークル の所で調べると、似た様な事件が見るかるかも・・・ スレ370
https://w.atwiki.jp/monachatchaos/pages/20.html
もなちゃとを長く続けている人にあたる。いわゆる古参。 「古参」と呼べる基準のもなちゃと暦についてなんか言ってる某喧嘩師さんがいるが気にせず。 しかし、仲がいいはずだが、居てもチャットしてない人もいる。残念ながら。 2012y05m13d_083529421.jpg ↑の画像は2年前くらいだったと思う。轟軍が現役で活動しており、月輝隊のイベントが最も多かった時だったはず。 自分のHNに気になるワードが・・・。 しゃっちゅ 風水 貝柱 ぜーくん(ぜきゅ) この人達は許可を得て、コメントをもらってから書こうと思います。
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/499.html
第395話:今、一人が死んだ 作:◆eUaeu3dols 「サガラさぁーんっ!!」 テッサが声を上げて駆け寄ってくる。今にも転びそうになりながら、必死に走ってくる。 宗介は思わず硬直していた。 (何故……) 問うまでもない。彼女が自分を捜す事は十分に考えられた。 考えるまでもない。彼女が生き残り、自分を捜しているのなら、いつか出会うのだ。 (何故、こんな時に来るのです!? 大佐殿!) だからこの迷いと焦りに満ちた問い掛けは理不尽だ。 それでも、内心では問わずには居られなかった。 気の置けない仲間達が居れば、こんな事にはなっていなかったのではないか。 例えば、優れた指揮官である彼女と一緒であれば何かが違ったのではないか? クルツの死は避けようがなかったかもしれない。 だが、無為に人を殺したり、オドーが強敵と一対一で戦って死んだりするような、 そんな選択ではないもっと適切な判断が出来たのではないだろうか。 かなめを人質に取られて5人もの人を殺さなければならない現状が、 何か違う物になっていたのではないだろうか。 (――何を甘えているのだ、俺は) いつの間にこれほど疲れていたのか。そんな事を考えても意味が無い。 かなめの命が彼の双肩に掛かっている現状も変わらない。 だから、彼女の足下に銃弾を撃ち込んだ。銃声は曇り空の下、思いの外鈍く響いた。 「サガラさん!?」 「大佐殿、下がってください。自分はゲームに乗りました。 自分は、大佐殿を殺したくありません」 単純で残酷な宣言。それだけで十分だと宗介は考えた。 「……嘘」 「嘘ではありません」 もし現実を認めずに信じようとしないならば、撃たなければならない。 それだけだと自らに言い聞かせる。 「いいえ、嘘です」 宗介はテッサが断言した事に気づいた。 テッサは俯きも目を逸らしもせずに、正面から宗介を見つめていた。 強い怯えと共に、何か確信を宿した視線を向けていた。 「もし、サガラさんがゲームに乗っていたなら、私を帰す理由が有りません。 ゲームの勝者は一人だけ。無力な者も力を得るかもしれない。 今、勝者になる為に動いているなら、サガラさんは最初に私を殺そうとしたはずです」 「……………!!」 もちろん、例外はある。 例えば、愛しい誰か一人を勝ち残らせる為にそれ以外の全ての人を殺し、 その上で自害するだとか……そういった道も有り得るだろう。しかし。 (サガラさんがその道を選ぶとしたら、それは……それはきっと) ――それはきっと、千鳥かなめの為に選ぶ道。 「俺を惑わせるつもりなら……貴方を撃ちます、大佐殿」 僅かに震えながらも、銃口をしっかりとテッサに向けて食い下がる宗介。 「必要なら、私を殺せるのですね?」 「……そうです」 宗介がテッサを殺せる。それが事実だとすれば、テッサ自身が深く傷つく事。 テッサはそれを―― 「それなら、どうしてさっきは撃たなかったのですか!?」 ――それを認める事で宗介を返り討った。 「!?」 必要であれば殺せるにも関わらず殺さなかった。 それは勿論、先ほどの状況が必ずしもテッサを殺さずとも良い状況だったという事だ。 ゲームに乗ったと前提するなら、それは有り得ない。 つまり、相良宗介はゲームに乗っていない。あるいは、テッサを殺す事が出来ない。 「サガラさんはゲームに乗っていない」 その二択を敢えて一方と確定する事で、テッサは宗介を追いつめた。 (私は、サガラさんにとって私が殺せない人間であると信じるよりも、 サガラさんがこんなゲームに乗るような人間ではない事を信じたい!) 彼がそんな人間であると信じているから、彼女は宗介の事が好きだった。 それはずっと前に通り過ぎた、今更変えられない事実の再認識。 その冷え切るような切ない想いと、冷静な思考の下に組み立てられた推測が、 彼女に答えを教えてくれる。 「かなめさんに何かあったんですね?」 相良宗介が殺傷力の高い罠を仕掛け、人を殺そうとしていたのは紛れもない事実だ。 そして、相良宗介にとって殺人はそう大した禁忌では無い事もまた事実だ。 だからといって彼は意味も無く人を殺せる人間ではない。 ゲームに乗る以外にその理由が有るとすれば、誰かに強要された事が考えられる。 彼は彼自身の命を重く見ない。誰か他人の命が掛かっていると考えるべきだろう。 クルツが死に、テッサが目の前に居る以上、最も可能性が高いのは誰か? (つまり、この人は他の誰かに良いように使われているわけか) 少年――実は少女である――キノは冷静に話を聞き、思考していた。 (罠を仕掛けていた事から、相手は無差別だ。 他の全参加者を殺せ、というわけではない。でも一人殺せばいいわけでもない。 そうだとしたらもっとボクを襲おうとする素振りが有るはずだ) 冷静に、冷酷に、どの程度利用できるかを考える。 おそらく自分が『一人分』として見られている事も考えに含め…… (まだ役に立つ。だけど、手を切る時は近いな) そう結論付けると、背後方向への警戒を止め、宗介と来訪者達に目を向けた。 宗介は、応える事も出来ずに立ちつくしていた。 テッサは宗介を見つめ、その答えを待っていた。 今にも泣き出してしまいそうな心を懸命に押さえつけながら。 ――いつしか、彼女の代わりに泣くかのように空が水を流し始める。 ぽたり、ぽたりと滴り始めた水滴は、すぐにざあざあと降り注ぐ雨に変わった。 強い風が吹き、役者達に豪雨と泥水を浴びせかける。 まるで大泣きするかのような雨のなかで、宗介はようやく心を決めた。 「……肯定です、大佐殿。 チドリを人質に取られ、自分は参加者達の殺害を余儀なくされています」 銃口を向け、デコッキングレバーに指を掛ける。 「自分は如何なる手段を取ってでもチドリを助けます。それを止めようというのなら……」 「そう。それじゃ、ここからはあたくしが話の続きを引き継ぐわ」 テッサのすぐ後ろから、金髪の若い女性――ダナティア皇女が歩み出た。 「守られるかすら判らない約束に縋って身を落とすより、隙を見て取り返しなさい。 あなたの為に何人もの人が殺されたのだ。そんな業を勝手に背負わせるつもり?」 ぞくりと、宗介の背中に寒気が走った。 「それは……」 「あなたが罪を被れば良いとでも思っていたの? 滑稽だわ。 ただでさえ、自己を犠牲にして大切な人を助ける事は救いにならない。 助けられた者は、助けた者の受けた犠牲を自らが受けたかのように感じるでしょうね。 傷も、罪も。時には実際にそれを受けた者以上に」 「――っ」 それは、相良宗介がしているやり方では、例え千鳥かなめを救えたとしても、 その過程で相良宗介が受けた以上の痛みを千鳥かなめに与えてしまうという事。 「それで助けるだなんて烏滸がましい。 自分こそが、その過程で受ける傷や罪から助けられている自覚は有って?」 更にダナティアは続ける。 自らもそうしてしまう愚か者である事を自嘲しながら、宗介を止めるために。 「もし、誰かを助ける為に死にでもしたら……」 しかし、その言葉は同時に―― 「それは、助けようとした人の心を殺す、自己満足の愚かな行為でしかないわ」 ――キノの根底を揺るがした。 「ッ!」 それは正に神速。 刹那の間にキノはへイルストームの銃口をダナティアの額に定め引き金を引いた。 音速の鉛の塊がダナティアへと……放たれない。 「……ぇ!?」「これは……!!」 宗介はその瞬間にようやく、自分の握るソーコムのデコッキングレバーに 雨露を宿した、針金のような硬質な糸が絡んでいる事に気がついた。 キノの銃にも絡みついたそれは、薄暗い雨空の下でも黄金に輝いている。 ハッとダナティア皇女に視線を向ける。 「髪……!?」 「ええ、そうよ。先ほど、風に乗せてあたくしの髪を巻き付かせました」 強風に乗せ、雨水と泥水に混じった一房の毛髪に気づく事など出来るはずがない。 「勝負は戦う前に決しておくものだわ。あたくしと戦うなんて、百万年早くってよ!!」 裂帛の気合を篭めた叫びはそのまま暴風となり、泥を巻き上げて二人に襲い掛かった。 「下がっていなさい、テッサ!」 「でも……いいえ、判りました。だけど……」 「判っているわ。出来る限りは殺さないつもりよ」 その言葉にホッと安堵の息を洩らし、テッサは茂みの中に隠れた。 それに伴い敵対するものから見えにくくする防護服の機能がテッサを隠蔽する。 ダナティアは敵へと向き直った。 キノは咄嗟に左に跳んで暴風の塊を回避した。 隠れもせずに真っ向から相手を睨み付ける。 (許さない) 手持ちは封じられた銃と、弾の無いカノンと、パチンコと、散弾2発のみのショットガン。 それに折り畳みナイフが一丁だけ。 (ボクはあなたを許さない……) 敵との距離はざっと20m。この近距離でのショットガンは必殺の武器となる。 取り出し、構え、正確に狙いを定める。ここまでを一瞬でこなし、引き金を引いた。 「師匠の死は、ただの自己満足なんかじゃないっ」 宗介はギリギリで右に転がり暴風圏から逃れた。 暴風と水たまりが泥を全身に塗りたくり、宗介の姿を包み隠す。 (どうせ戦いは避けられないのだ。むしろ悩む必要が無くなり好都合だ) いつの間にか姿が消えているテッサに一抹の疑問を抱きながらも、状況を視認する。 キノが瞬時に武器をショットガンに持ち替え、散弾を撃ち放つ。 (武器は封じられたソーコムとナイフが一つ、目標の武装は……!?) 既に攻撃に備えていたダナティアは暴風を呼び、全ての散弾が叩き落とされた。 宗介はナイフを握ると、茂みを駆け抜けた。 ダナティアはぞくりと寒気を感じた。 それは数十回と暗殺の危機に晒され鍛え上げられた危険の感知。 (透視で場所を……いえ、遅い!) 音も気配も無かったが、直感を信じて右前方に跳びながら振り向く。 それと同時に左後方の茂みから宗介が飛び出してきていた。 宗介のナイフが虚しく空を切る。 (流石にやるものね……) ダナティアは内心で冷や汗をかいていた。だが、同時に順調だった。 彼女は超常の力を見せつけるために戦っていた。 圧勝すれば、その力をもって相良宗介に戦いを強要する誰かとの戦いに従わせる。 劣勢になれば、超常の力への恐怖が失われる事で、彼に戦いを強要する者を対処可能と考えさせる。 (問題はあの少年……いえ、ファリスと似た感じがするわ。女ね) 相良宗介からは僅かに距離を置いた。攻撃にも反応できる。もう一人は…… 「なんですって!?」 相良宗介も確実に巻き込まれる射線。 にも関わらず、キノは二発目の散弾の引き金を引いた。 「しまった!?」 宗介は跳びすさりながら腕を上げて顔面を防御する。 しかし、幸運なのか散弾は思ったより飛来しない。 そのまま距離を取り、腕を下ろして状況を確認すると、負傷した目標がそこに居た。 (してやられた!) 咄嗟に暴風を起こしはしたが、相良宗介に当たる銃弾も防いだため、風の壁は最小限となる。 左の二の腕を抉られる。右足首を貫く。脇を掠め、頬を裂き、全身に傷が刻まれる……! よろめき、木に持たれかかったその目に映るのはソーコムを構えた宗介の姿。 レバーに絡みつかせた毛髪は、既にナイフで切り裂かれ力を失っている! 「まずい――――!!」 銃と魔術の両方を知る事で作り上げた優位性は失われ、遂に戦況は五分となる。 宗介がレバーを上げると同時に、ダナティアは全力で風を呼んだ。 宗介が引き金を引くのと同時に、ダナティアは必殺の風の槍を放っていた。 その瞬間に『少女』は気が付いた。 追いつめられたダナティアの表情と余風の強さから、恐れていた事が起きてしまったと。 「!? この馬鹿!!」 ダナティアは失敗に気づき、自分が投じた風の槍を操ろうとする。 既に放った風の槍を曲げるだけ、簡単な事の筈だった。……いつもの彼女なら。 世界の制限を受け、英知の杖を持たないで使う魔術は、決定的な場面で彼女を裏切った。 風の槍が、二人の間に飛び込んだテレサ・テスタロッサを貫いた。 ゴポリと、口から血の泡が溢れる。 見下ろしてみると、胸にポッカリと握り拳くらいの大きさの穴が空いていた。 真っ赤な血が雨に流されて、でも絶える事無く、後から後から溢れている。 (ああ……やっぱりこうなったんですね) 二人の間に飛び込んだテッサは、背後から銃弾に、前から風の槍に撃たれた。 背後からの銃弾は防護服の概念により止められたが、風の槍はどうしようもなかった。 (なのに変ですね。サガラさんに撃たれた背中の方が……ずっと、痛いんです……) 全身から力が抜け、ガクリと膝が落ちる。 「大佐!」「テッサ!」 二人の腕が支えてくれた。 見上げるとそこには宗介の顔が有る。 「良かった……サガラさん…………死ななく……て…………でも……」 テッサは泣いていた。 「ごめ……なさいっ。勝手に…………こ…な……事……」 先ほど、ダナティアは言った。この行為は助けた相手を傷つけてしまう行為だと。 それが悲しかった。 助けたかった。本当にその想いだけでやった事が、同時に相手を傷つけてもしまう。 「構いません、大佐! 構いませんから……」 (構わないから……何と言えばいい?) 死なないで欲しい? せめて泣かないで欲しい? 宗介は、続く言葉を掛けられなかった。 「……ぁ…………」 降りしきる雨の中……テッサの瞳から、光が消えた。 ――ダナティアは、テッサを支える宗介の手を振り払った。 「何を……?」 答えず、ダナティアは印を切り……次の瞬間、二人の姿がフッと消える。 「!?」 そこには大量の血痕だけが残され、それさえも降りしきる雨で、次第に薄らいでいく。 「何を……何故……?」 まるで判らなかった。 風が吹き、茂みがガサリと音を立てた。 「まだよ……まだ、足掻く時間は残っていてよ」 ダナティアはテッサを背負い歩いていた。 右足首に散弾を受けたため、びっこを引きながら、泥の中を歩いていた。 「まだ、死んではいないわ!」 そう、『まだ』死んではいなかった。 テッサの瞳は、もう何も映さず、しかしその唇はぶつぶつと何かを呟いている。 その内容は聞き取れないが、それ自体が生きている証だ。 ダナティアにはこんな致命傷を受けた人間を救う術は無いし、 その術を持っている者と出会える可能性も殆ど無きに等しい。それでも、『まだ』だ。 「感動的な死に様……そんな物に妥協なんてしなくてよ!」 泥に足を取られ、地面に叩きつけられる。 「くぅっ!!」 自分から下敷きになって衝撃を和らげると、すぐに立ち上がり、また歩く。 もう、テッサは何も呟いていない。それでもまだ、歩く。歩く。歩く。 また、何かに躓いた。だが、今度は誰かの腕が二人を抱き留めた。 「誰か?」と問うと、誰かは答えた。 「魔界医師メフィスト」 (俺は……どうすればいい!?) 宗介はダナティアの言った通り、自分を庇ったテッサが受けた痛みを感じていた。 自分のせいで、自分を慕ってくれる誰かが傷つき、時には死ぬという痛み。 それがどれ程に心に傷を付けるのかを噛み締め、恐れていた。 (大佐……!!) そして……どうしようもない悲しみを感じていた。 また、同盟を組んでいるキノも、自らを犠牲にして死んでいったテッサと師の姿が重なり、 更にダナティアの揺さぶりにより、激しい動揺状態にあった。 だから、気づいた時には少しだけ間に合わず――宗介の両腕は宙に舞っていた。 「かはははっ、落とした小説を取りに来てみるもんだ。首を狙ったんだぜ?」 宗介の絶叫と血飛沫を浴びながら、零崎人識は自殺志願を弄んでいた。 教会の地下礼拝堂で、千鳥かなめが悲鳴を上げる。 何かが失われた事を感じながら。 救われた。何の根拠も無く、そう感じた。 目の前にいる男ならば救えると、そう思った。 「メフィスト医師。あなたに看てもらいたい患者が……」 だが、メフィスト医師はダナティアの口に手を当ててその言葉を遮った。 (何故……!?) 視線が合い、気づいた。……その美しい貌が、自らへの怒りに満たされている事に。 「今の私には、死者を甦らせる事は出来ない」 「――――っ!!」 テッサは、今度こそ事切れていた。 宗介は逃げていた。 偶然口に向けて落ちてきた自らの右腕を銜え、腕の無い両肩から血を迸らせながら。 (逃げてなんになる……!?) 判っている。どうせもう、意味が無い事くらい。 銃を失い、両腕を失い、同盟すら失った自分に、最早五人の殺害など出来る筈がない。 キノも、両腕を切り落とされた宗介に銃口を向けた。 いや、それ以前に……両腕を切り落とされてまだ生きている事が不思議なのだ。 あの場から逃げきれた事も、出血多量で意識を失ったりショック死していない事も。 (だが、俺は彼女に命を救われてしまった) それなら、せめて少しでも生きなければ申し訳が立たない。 しかし、冷たい雨と壮絶な出血が高速で余命をカウントダウンしていく。 アドレナリンの大量分泌か、痛覚が完全にマヒしているのが唯一の救いだろう。 (かなめ……テッサ…………すまない…………) 朦朧となる意識の中で――ふいに視界が開けた。 「あなたは……!?」 驚愕の声。目の前にいるのはダナティア皇女。 その姿と声を感じて、途切れかけた意識が再び灼熱と化した。 (そう、どうせ死ぬのならば……せめてこいつを……!!) 銜えていた腕を地に落とし、腰のサバイバルナイフを歯で掴み、引き抜いた。 「フウゥゥゥゥゥッ!!」 雨の中、最後の余力を使い、宗介はダナティアに突進する! だがその突撃もまた、ダナティアの転移と同じ悪足掻きに終わった。 ダナティアに辿り着く事すら出来ず、泥水に足を取られて倒れ伏す。 そこで彼の余力は尽きた。 「……メフィスト医師。せめて、彼の治療を頼めるかしら?」 メフィストは頷き、答えた。 「まだ生きている者ならば、全て治療してみせよう。 この島の参加者全てが私の患者だ。……君は良いのかね?」 ダナティアも散弾を止めきれずに傷を負い、ドレスは紅い襤褸のようになっていた。 その上、雨に体温を奪われ、それ以外の要因も有って血の気の失せた幽鬼の如く青白い顔をしていた。 だが、ダナティアは首を振る。 「彼の後でお願いするわ」 「そうか。私にとっては簡単な手術だが、終君達にも準備を手伝って貰う必要は有るな」 呟きつつ、メフィストは幸運にも彼が運んでくる事の出来た利き腕を拾い上げた。 「では行こうか。この近くに病院を見つけてね。私達はそこで雨宿りをしているのだよ」 そう言ってメフィストは宗介を背中に担ぎ上げた。 ダナティアはテッサを背負ったまま歩き出す。 「何故……だ?」 歩きながら、宗介が問い掛ける。 「何故、俺を生かす……?」 ダナティアは、それには答えず――唇を噛み締めながら、告げた。 「あたくしを憎みなさい、相良宗介」 教会の地下礼拝堂。 美姫に抱かれながら、かなめは泣いていた。 「どうしたのかえ? あの男が死んだのか?」 かなめは首を振る。彼女が知りえたのはその事ではなかった。彼女が知りえたのは…… (……テッサが死んだ。最後に偶然、共振が繋がって……最後に少しだけ話して……) そして、かなめの中で消えていったのだ。 (でも、どうすればいいのよ! 今の私に出来る事なんて、それは……) それは……吸血鬼化に伴い沸き上がる、自らの黒い欲望と戦い続ける事くらいしかなかった。 【B-4/病院/一日目/15:00】 【創楽園の魔界様が見てるパニック――混迷編】 【Dr メフィスト】 [状態]:健康 [装備]:不明 [道具]:デイパック(支給品入り) [思考]:病める人々の治療(見込みなしは安楽死)/志摩子を守る/宗介とダナティアの治療 【ダナティア・アリール・アンクルージュ】 [状態]:全身に無数の傷/体力消耗/精神的にダメージ/[メフィストの治療が施される] [装備]:なし [道具]:支給品一式(水一本消費)/半ペットボトルのシャベル [思考]:群を作りそれを護る。 [備考]:ドレスがボロボロになっている。 【相良宗介】 [状態]:両腕切断/貧血/気絶/[メフィストの治療が施される] [装備]:コンバットナイフ。 [道具]:荷物一式/弾薬/右腕 [思考]:半ば絶望/かなめを救う?/テッサに報いるため長生き?/ダナティアを憎む? 【死亡:テレサ・テスタロッサ】 [装備]:UCAT戦闘服(胸部分に穴が空いている) [道具]:デイパック(支給品一式) 【D-4/森林/1日目・15 00】 【キノ】 [状態]:精神的に動揺している。 [装備]:ソーコムピストル(残弾11)/ヘイルストーム(出典:オーフェン/残弾6)/折りたたみナイフ カノン(残弾無し)/師匠の形見のパチンコ/ショットガン(残弾無し) [道具]:支給品一式×4 [思考]:最後まで生き残る。/目の前に居る人識にどう対処するか。 【零崎人識】 [状態]:平常 [装備]:出刃包丁/自殺志願(マインドレンデル) [道具]:デイバッグ(ペットボトル三本、コンパス)/砥石/小説「人間失格」(少し濡れた) [思考]:惚れた弱み(笑)で、凪に協力する。/落とし物も拾った事だし、凪の所に戻ろうかな [備考]:記憶と連れ去られた時期に疑問を持っています。 【D-6/地下/1日目/15 00】 【千鳥かなめ】 [状態]:吸血鬼化進行中? 精神に傷 [装備]:鉄パイプのようなもの。(バイトでウィザード「団員」の特殊装備) [道具]:荷物一式、食料の材料。 [思考]:吸血鬼化進行による黒い欲望や妄想に抗う 【美姫】 [状態]:通常 [装備]:なし [道具]:デイパック(支給品入り) [思考]:上機嫌 2005/07/16 修正スレ143 2005/07/16 修正スレ156-168 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第394話 第395話 第396話 第452話 時系列順 第425話 第392話 キノ 第397話 第381話 千鳥かなめ 第445話 第392話 相良宗介 第443話 第392話 テッサ - 第375話 零崎人識 第397話 第410話 メフィスト 第464話 第381話 美姫 第444話 第392話 ダナティア 第443話
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/3748.html
507 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/01/22(金) 14 56 09 ID ??? 504 506 ジャミル「気持ちは嬉しいが、ティファは私の娘(のようなもの)だ。自分で看病したい」 サラ「だから休んで看病してあげて下さい。代わりはルチル先生や私がしますから……」 ジャミル「教師としての務めを放棄する訳にはいかん」 サラ「娘が病気ならば仕方ない事です。教師である前に親、ではないのですか、キャプテン?」 ジャミル「懐かしい名前だ。ジャミル先生よりは聞こえがいい」 サラ「はぐらかさないでさっさと帰って下さい。さぁ、さぁ」グイグイ ジャミル「……すまん」 アムロ「子供の病気は辛い所だよな、男親には」 シロー「そう何日も休む訳にはいきませんからね」 アムロ「今ならロランやキャプテンがいるから任せられるがな」 セレーネ「昔はどうしていたの?キャプテンもおらず、ロランもまだ小さい頃は…」 アムロ「ん…分身してそいつに任せていたが」 セレーネ「!?」 508 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/01/22(金) 16 59 55 ID ??? 507 シロー「ま、お隣の、マッケンジーのおばさんには大変お世話になりました」 マイ「そういう事です」 セレーネ「ああ! そっか」ポム アムロ「いやホント、お隣には足を向けて寝られんよ」 クリス「ママってば、『うちには子供が20人居ますから』とか言っちゃってますよw」 ジュドー「おねーたまー」 ガロード「小遣いくれー」 クリス「よぉし、特別にウメボシをあげやう」グリグリ ガロード「あだだだだだ!」 509 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/01/22(金) 18 02 01 ID ??? 508 アムロ「おばさんが忙しい時は・・・ふん!」 アムロ?「えぇぃ、このスイッチだ!」 セレーネ「!?」 アムロ??「リック・ドムは何故だか嫌いだな・・・・」 シロー「あー、久しぶりに見たなぁ。兄さんの分身」 アムロ「こいつらに頼んでな」 セレーネ「んなアホな・・・」 マイ「シャア社長にも赤い彗星のひと、という善人格や実写版の社長がいます。兄さんにそういう存在がいてもおかしくありません」 セレーネ「アニメじゃないんだから・・・」 510 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/01/22(金) 18 03 37 ID ??? ジュドー「アニメじゃないと聞いて飛んできたぜ!」 511 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/01/22(金) 23 03 36 ID ??? 509 セレーネ「それでも駄目なときはどうしてたっけ?」 ドモン「うん…確かにそういう時もあったが…」 シロー「どうしても思い出せないな」 マイ「確か、だれか優しい女の人が看病してくれたような…」 死神「ふふふ……幼い頃はあんなに慕ってくれたのに誰も覚えてくれてないのね」 セレーネ「ていうか、死神は連れてく側でしょ? 看病しちゃ駄目じゃない」 死神「あ」 517 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/01/23(土) 01 47 02 ID ??? シャギア「困ったときには兄弟で互いを助け合う。 素晴らしいことだと思わないか?オルバよ」 オルバ 「全くだね、兄さん」 アムロ 「あんまり聞きたくはないんだが、お前達も病気の時は 互いに看病をしていたのか?」 シャギア「ふむ、残念ながらそれは違う」 オルバ 「程度にもよるけど、片方の気分が悪くなったら、 それが伝わってもう一方も気分が悪くなるからね」 シャギア「結果として両方ともベッドで寝込むことになるわけだ」 オルバ 「まさに一蓮托生だよね、兄さん」 アムロ 「そ、そうか……大変だな」 シャギア「逆に問うが、この家では病人が出た場合にはどうしているのだ?」 アムロ 「そうだな…アルやシュウトの場合なら、念のためにロランかキャプテンに 看病してもらうが、それ以外は空いている兄弟で。と言った感じだが……」 ヒイロ 「体温38.2℃……完璧に風邪だな」 ガロード「ゴホッゴホッ……う~、まさか俺が風邪を引くなんて…」 ヒイロ 「ティファの看病に行ったお前が、風邪を移されてきてどうする? この間のように逆に看病される立場になるぞ」 ガロード「面目ない……。明日までに治るかな?」 ヒイロ 「お前次第だな」 ガロード「……腹減った。下に行って飯を食べたらマズイかな?」 ヒイロ 「食欲がある位元気なら大丈夫だろうが、風邪を移す可能性もある。 お粥と水の用意がしてあるから、それで我慢しろ」 ガロード「熱が酷くなったら?」 ヒイロ 「冷えピタを用意した。マイ兄さんが用意した薬もだ。 本当にやばくなったら使え。効果は保証する」 ガロード「俺の宿題は?」 ヒイロ 「提出日は三日後だ。元気になった後に自分でやれ。 というか、元気になりたければそろそろ休め」 ガロード「ちぇっ。分かりましたよ……」 アムロ 「……よし、ヒイロなら安心だな」 セレーネ「ねえ、ヒイロ『なら』ってどういうこと?」 アムロ 「……看病に向かないのもいるってことさ……」 シロー 「あ、兄さんが遠い目をしている」
https://w.atwiki.jp/rinnen/pages/15.html
Story The World R2 ハセヲPKに殺されオーヴァンに蘇生してもらう。 黄昏の旅団に誘われるが断る。 元旅団メンバーと出会い旅団の目的であるキーオブザトワイライトの事を聞く。 ハセヲが伝説の黒いマルチウェポンとの噂が立ちPKにも狙われるようになる。 TaNの俵屋に助けられTaNにも勧誘される。 黄昏の旅団に入団する。 旅団メンバーがPKされる。 ウィルスコア集めと絡めたTaNの策略によりメンバー内に亀裂。 匂坂がウィルスコアを俵屋に返却し一応の危機は乗り切る。 ウィルスコア探索中にトライエッジの爪痕を見る。 ロストグラウンド、コシュタバウアでの決戦、元メンバーのゴードやBセットも加わり激戦を行う オーヴァン失踪、ゴード、Bセット引退、旅団は解散し匂坂はタビーと新ギルドを作るが結局別のゲームへ移住。 大聖堂で志乃が未帰還者に。 ハセヲ以外みんないなくなって意気消沈するタビーだが、初心者のカシミアとウール兄弟に出会い初心を取り戻す。 元ケストレルの副団長だったクーンもそれに触れ初心者救済ギルドの設立を考えつく。 ハセヲ対フィロ 痛みの森イベント太白がクリアし武器を取得する、ハセヲ3rdフォームへ 藤太登場、リアルマネートレード集団を一網打尽 ハセヲ、PKKをくりかえす 碧に目撃情報を聞きに行く グレーマレーヴ大聖堂でカイトモドキと決闘、データドレインで1レベルになる
https://w.atwiki.jp/touhoulal/pages/65.html
(ゆん=じょう) 「昔の自分を思い出してね。君は立派だったよ。 これからもその心の強さ…大切にね」 キャラクター概要 『LIVE A LIVE』の功夫編に登場するキャラクター。 不良に脅されスリを行っていたが、耐え切れなくなり勇気を出して反抗する。 そんな彼を不良たちが痛めつけようとしたときに心山拳老師が助けに入った。 ユンは老師の強さを見て弟子にしてほしいと頼み込む。 最初は断る老師であったか、彼の熱意に負ける形で弟子にすることとなった。 なお最初に老師が断るのは、決して初期能力が貧弱だからではなく彼の心の強さがあれば自分の下で修行せずとも強くなれると思ったからである。 功夫編には彼のほかにレイ・クウゴ、サモ・ハッカというキャラクターが弟子として登場する。 素早さに優れるレイ、力持ちのサモに比べて、ユンは目立った特徴もなく体力も低いが成長していくにつれて能力が大きく上がっていく晩成型である。 + 後継者について(原作ネタバレ注意) 中盤の修行において最も鍛え上げた弟子だけが結果的に生き残り、終盤の義破門団との戦い及び最終編にて戦うこととなる。 本作においては彼が心山拳を継承したということになっているようである。 過去にユンと同じようにスリとして働かされていた美鈴を助け、彼女の師匠となった。 しかし、妖怪の血を求めて現れたレイ=ジハードから美鈴を守るため彼と戦い、殺された。 回想での台詞から考えても明らかに魔界と化したルクレチアで幾多の魔物と戦った彼が、一人の吸血鬼によって殺されたことに対して動画内で大きな反響があった。 はっきりとは分からないがおそらく老師と同じように体が衰えていたのだろう… 上記の件が関係したのかは不明だが、門番編改では寄る年波には勝てず、ジハードに敗北した描写に変更されている。(殺されてはいない)
https://w.atwiki.jp/saikyoumousou5/pages/280.html
【名前】意味をねじまげる人 【大きさ】成人男性並み 【攻撃力、防御力、素早さ】大きさ相応 【備考】 「自分が最強であるために必要なありとあらゆる全てが真の意味で延々と限りなく書かれてある」 「あまりにも強すぎるため真の意味で書いてあるという形ですら記述できない」 「『あまりにも強すぎるため真の意味で書いてあるという形ですら記述できない』すら瞬殺できてしまうため本来なら参戦できない」 「○○を大きく上回っている」 「このキャラの強さはn。nは○○相当」 「このキャラの攻撃、防御は真の意味でありとあらゆる全てより優先される」 「真の意味でありとあらゆる全てより素早く動け、なおかつ真の意味で『ありとあらゆる全てが生まれる前より前』から真の意味で行動可能」 「ありとあらゆる全てに対し真の全知全能」 「ありとあらゆる全ての自分が不利になるものを火力や手段、優先度を問わず無傷で防げる」 「○○のn倍」 といったありとあらゆる全ての「強さ表現」の意味を「0秒未満で自滅するほどに弱い」に変更する。 無論自分は影響を受けることはなく、「意味をねじまげる人の『強さ表現』に含まれない」「変更されても平気」とあっても問題ない。 しかもこれはルールや考察、テンプレを改変しているわけではないためこれらに耐性を持っていても意味がない。 この意味改変の優先度は「『真の意味でありとあらゆる全てより優先される』より真の意味で優先される」の∞倍であり、 『真の意味でありとあらゆる全てが生まれるよりも前よりも前よりも前…(永遠に続く)』の時点ですでに発動している。 また、相手の持つ攻撃、防御手段とかちあい、ループ状態に陥ってもこちらの意味改変がありとあらゆる全てにおいて真の意味で勝利する。 ◆考察記録--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 364 ◆rrvPPkQ0sA 2018/09/13(木) 22 11 15.49ID Mf2X9sWs 意味をねじまげる人考察 素の防御は成人男性並みなのでゴミレベル 考察人が自滅するかなーと思ったけど考察人にテンプレは要求されないか さて、意味とは何ぞやという議論はチャンピオンを思い出す。 テンプレを解釈する考察人が強さ表現の意味を「こいつは書いてある級に強いんだな」と解釈して初めて強さが発揮されるのだが(赤い稲妻のテンプレ参照) あらゆる全てが生まれる前行動のキャラ・テンプレが書かれる前行動のキャラはそういった表現すら不要で行動しやがる。 任意行動っぽいので死亡後は反応できない。 ×JIN(であったはず) 表現無意味。 ×Tiger King 芯の強さを持っているので、強さ表現などという装飾を必要としていない。 ×-星謳祭- あらゆる全てが生まれる前行動 ×概念超越者 考察を超越しているので、テンプレ非依存の強さか。 〇マイケル少年 意味操作で完勝。 〇♂+♀=X=♂または♀ 意味操作で完勝。 ×"ナマの事実" 非テンプレキャラ。 〇「決定者」 決定前に表現の意味を変える 〇正午子夜 意味操作同士。高優先度+記述不可能級を貫通する意味操作は、零式障壁を貫通する。 意外と表現不要なキャラが多かった。概念超越者>意味をねじまげる人>マイケル少年
https://w.atwiki.jp/mangato/pages/137.html
レーベル:少年サンデーコミックス 作者:コトヤマ ジャンル:料理 概要 のどかな田舎町にある駄菓子屋の息子・ココノツはある日、都会から来た美少女に出会う… うまい棒、ブタメン、ラムネなどなど…駄菓子マニアの美少女・ほたるが繰り出す数々の駄菓子たちに…困惑するココノツ!! こうして、少年×少女×駄菓子のおかしな夏が始まった…!! 個人的評価 所持巻数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 リンク amazon/だがしかし(1)
https://w.atwiki.jp/fate_overheaven/pages/146.html
日は落ち、登った月は雲に隠れて見えない。 外は一面、土砂降りの雨。 校庭のグラウンドに運動部の姿は無い。 雨音がざあざあと鳴る校内の一室。 赤い絨毯にピアノが一台置いてある。音楽室だ。 「きらきらひかる おそらのほしよ まばたきしては みんなをみてる きらきらひかる おそらのほしよ」 音楽室で一人の少女が「きらきら星」を歌っている。 指1本での単調なピアノの演奏。歌声は艶やかなアルトの透明な響き。 黒い基調の制服に身を包んだ、栗毛色の長髪の少女が一人で歌う。 それだけで、まるでその一室はさながら神殿のような趣となっている。 信じた道に身を捧げ、理想を抱き歌うその姿は、殉教者と重なるが故に。 少女の名前は「ファルシータ・フォーセット」。イタリアからの留学生であり、国では音楽学校に通っていた歌手の卵である。 「ファルさん。合唱部が終わった後、いままで自主練やってたんですか?」 歌い終えたファルに、一人の少女から声がかけられる。 「一人で掃除なんて大変だったでしょ。何かファルさんって、そういう嫌な仕事進んで引き受けたがるよね」 もう一人の少女は、気づかうような口調で話しかけた。 「そんな嫌な事ないわよ。掃除を申し込んでおけば、一人で音楽室を使えるから。 全部自分の為にやってるの。歌の練習も含めてね」 そう言うファルの声は、さわやかととれる音色だった。 「あ、そうだ。ファルさん、YoutubeにUPされた噂の『孤独の歌姫』の歌、聞きました?」 「すごいよね。あれ聞いて泣いちゃったよ、私」 「私達じゃ、一生かかってもあんな領域まで行き着けないもんね……」 「そうね……」 ファルは気丈な態度で、笑顔で言った。 「くやしいわね。今の私じゃとても及ばない実力だもの」 「くやしい、って言えるのがすごいですね」 「でも、いつか必ずあの人と同じ場所へ行きたい。行ってみせる」 ――それが私の『夢』だもの。 ファルの目は遥か遠く、だが強い意志を込め、天を眺めた。 「ファルさんならなれますよ、きっと! すごい才能で、努力もたくさんしているんだから」 「うん、そうだよ、きっと。あ~あ、わたしもファルさんみたいな素敵な人になりたいな」 ファルはそう言った少女に微笑み返した。 ――私はそんな人間じゃない。私には何かが欠けている―― その思いを押し殺しながら。 「ファルさん、良ければ一緒に帰りませんか? カラオケにいって歌いましょうよ」 「御免なさいね。ファルさんとは私と先に約束してたの」 何時からその人は音楽室の中にいたのか。横から割り込んだのは、清流の様に澄んだ声。それなのにその言葉は強く、遠くまでよく届いた。 声の主は、ファルシータと同時期に転校してきた少女「比良坂初音」である。 黒く艶やかな長い髪、古風なセーラー服。ファルと共に所属する高校とは異なる制服、同じ黒を基調とした制服だ。 その身に宿す赤い瞳は心を見通されるような深さがある。 「……ええ、悪いけど初音さんと先約があってね。ごめんなさい」 ファルは、出来うる限りの申し訳ないという感情に満ちた表情を浮かべて言った。 「仕方ないですね。じゃあ、また今度という事で」 ファルは孤高さがあっても親しみやすさがあるが、初音は高貴でどこか気押されてしまう雰囲気がある。 そのためか、二人ともあっさりと納得した。 「ごきげんよう。二人ともお気をつけてお帰りなさい。近頃は物騒な噂が流れているのだから」 初音は穏やかに笑いかけた。 「はい、そちらもお気をつけて」 「さようなら。また明日」 「ところでさ、噂っていったら、ここでも――」 話しながら音楽室から二人は出て行き、遠く声が離れていく。 校内のどこか、夕刻に現れ、男を誘い、犯す淫乱な女。 正体は男を食べる魔物。 既に何人かの男子生徒を連れ去り、どこかで骨も残さず食べてしまったという。 そんな噂話をしながら、二人は去っていった。 「で、要件は何? 『キャスター』」 初音に尋ねるファルの表情は一変し、冷たい目で初音を見据える。彼女は「聖杯戦争のマスター」としてのファルシータ・フォーセットになった。 ファルにとって笑顔とは、対人関係を良好に保つため、使い慣れた仮面だ。 「聖杯戦争について、貴女がまだ理解していない事についてよ」 初音もまた「キャスターのサーヴァント」である比良坂初音として答える。 「前にも言ったでしょう? 私は聖杯なんてどうでもいいの。私の夢にとって何の関係も無い事だわ」 それはファルの本音。だが、ファルにはもう一つの思いがある。 世界を、都合の良い奇跡を望む境遇にまで自分を陥れた世界を憎み、そんな自分を変えたい、叶えたい願いがあるのなら。 ――聖杯を望めばいい。例え人殺しが避けられないとしても。 ファルはピアノの椅子から立ち上がり、出入り口に向かう。 「でも、それでは済まないのがこの聖杯戦争なのよ、ファル」 初音はファルと共に音楽室の外に出ながら、ファルの内心を知ってか知らずか、微笑んだ。 「その、ええと……そうるじぇむ? さぁばんとになっても外来語は言いにくいわね。 兎に角、一人のますたぁに一つずつ与えられたその器に、七体のさぁばんとの魂を集めるのが聖杯を出現させる条件よ。 そんな状況で戦う事を諦めたますたぁがどんな目に遭うか……お分かり?」 ファルもそれは理解している。おそらく聖杯を求めるマスターに利用されるだけ利用され、最後は命まで奪われる事だろう。 「脱出の手段はまだ見つからないの?」 廊下を初音と並んで歩きながら、ファルは尋ねる。 「今のところはね。糸を外に伸ばそうとしたり、人を操って調べてみたりしたけど、この町まるごと結界で覆われていて這い出る隙間もないわ。 結界がどういうものか、私を使う貴女なら分かるでしょうけど」 聞き覚えのない結界という言葉だが、どのような効果かは、ファルは初音の作った陣地を見て納得している。 「私は、聖杯なんていらないけど、あなたに願いがあるなら戦いに協力するわよ。その前にまず情報収集が先決だけど。 マスターのスタンスを大雑把に分類すると、戦いに乗ったマスター。乗らないで脱出を目指すマスター。今の状況がわからず準備もしない半端なマスター。 私は脱出派だから同じ脱出派と上手く手を結んで情報を集める事から始めて、後は半端なマスターを利用して乗ったマスターの盾にするか。または情報を売って乗ったマスターを利用できないか……」 「貴女は、人を利用するかどうか、できるかどうかで動くつもりなのね」 「急に連れてこられて、いきなり殺し合いをしろ、だなんてこんな状況で信頼関係がすぐできるわけないじゃない。もっとも、私は誰も信用しないけどね。 それは私達も同じでしょう? でも、あなたは聖杯を捕るのに私が作った優等生という仮面と人脈を利用して、その代り、私はあなたに命を守ってもらう。 そういうお互い利用し合う関係だけで、私たちは十分特でしょ?」 ファルのその考えは、この特殊な状況だけではなかった。ファルが信用するのは、自分の歌の才能だけだ。聖杯戦争に連れてこられる以前から、ファルはそうして生きてきた。 二人は校内にある「茶道室」の前についた。 ここは初音が能力で製作した陣地で、二人の借り宿でもある。 暗示により、初音は高校でただ一人の茶道部の所属となっている。ここは所属した学生が全員卒業した後、そのまま未使用になっていた茶室……という設定の暗示がやはりかけられている。 実体は、入り口も、畳も、白い土壁も、障子も、年期を感じさせる柱も、床の間も、押入れも、全て初音が糸で紡いで造り上げた物である。 ここは初音の『巣』だ。空き教室を使って、そこに造り上げた『巣』だ。 近くにある給湯室、洗面所などやそこに繋がる通路もまた、初音の陣地となっており、普段は生徒たちに影響はないが、初音が少し魔力を通せば人払いの暗示、認識できなくなる暗示が発動できる。 さらに、高校の全敷地は初音の結界に覆われ、内部外部の人間の精神に働きかけ、記憶を操作されている。 例えば、人が一人消失した程度では、誰も違和感を感じないように。 二人は扉を引き、靴を脱いで茶室に入った。 中には一人の少女が、囚われの身となっていた。 両方の手足が蜘蛛の糸で畳に縫い止められ、口は猿轡のように糸で覆われている。 その姿を見て、ファルは唐突に思い出した。 さっき会った二人組は、本当はいつも三人組で行動していたはずだ。 なぜ今まで忘れていたのか? 「気づかなかったでしょう? 私の『巣』に捕らわれた人間は、誰からも忘れられる。 主の貴女も例外ではなくてよ」 振り向いたファルに対し、初音は赤い瞳を向けた。 「実を言うとね。私も聖杯なんて興味ないのよ。召喚されたのはほんの気まぐれ、気の迷いよ」 初音は一つ嘘をついた。初音には気の迷いなどとは言えない、確かな願いがある。だがそれは聖杯に叶えてもらうまでの事ではなかった。 あるいは――叶えたくないと言い換えるべきか。 「だけど、私は仮初の生でも、自ら死を選ぶことはしない。負けるつもりで戦うつもりなんてないわ」 初音の赤い瞳が強い光を灯す。 「だから、主である貴女には、この戦で絶対生き延びるという覚悟を見せてほしい」 「そこで、ファル。貴女に――この子を殺してもらえないかしら?」 ファルは意味が分からず呆然としたが、言葉を正確に咀嚼した瞬間、脊椎に氷柱が入るような戦慄が走った。 初音は懐から匕首を取り出し、刃を掴みファルに柄を向けた。 「何を棄てても、誰を犠牲にしても、生き延びたいという覚悟を見せてほしいのよ。 勿論貴女には断る自由があるわ。もっとも、そうしたら私は貴女を見捨ててしまうけど」 脅迫そのものといえる言葉を、初音は微笑んで口にした。 ファルは初音について、いやサーヴァントという存在について、与えられた知識だけで判断していた。 人類の歴史を進ませた偉人、戦場で猛威を振るった英傑、あるいは暴虐で汚名を得た悪党。そういった善悪問わず偉業を為した者達。その写し身がサーヴァント。 マスターは本来現世に存在できないはずのサーヴァントを繋ぎとめる楔となり、提供する魔力と絶対遵守の効力を持つ令呪でコントロールする。 もっとも、ファルは初めから行動を縛るつもりがなく、初音に自由な行動を許し、願いがあるのなら戦いのために協力し、聖杯も渡す気でいた。 その代り、自分を守り、元の世界に戻す事。これを絶対の条件とした利害関係。そのつもりでいた。この時までは。 「もう一つ言っておくと、先程二人が噂していた話。あれは本当よ。 私が作り出した半妖、贄が男から精を奪い、昇華して私に与えているの。命が失われた死骸は私が喰べたわ。 私は『貴女達』と違って人を殺すのに何の躊躇いも罪の意識も感じないわ。貴女と主従の誓いを結んだのは、そういう『バケモノ』なのよ」 ようやくファルは理解した。目の前で微笑んでいるモノは人ではない。英傑でも、悪党ですらない『バケモノ』だ。 そして利用する、戦いに協力するなどと言った自分に対し、その本当の意味を突きつけ、嬲り、貶めようとしている。 それは、この聖杯戦争がつまるところ殺し合いであるという事。それに積極的に関わる事は、己の意志で人を殺すという事。 サーヴァントという存在も、仮初とはいえ生を得ている故、例えサーヴァントだけを殺させるように指示しても、それを操るマスターもまた殺人を犯すという事。 その上、この『バケモノ』は、既に人殺しをしており、そのマスターである自分もその加害者の側であるという事だ。 衝撃から落ち着いたファルは、初音の言葉とこの状況について考える。 初音とは利用し合う関係だと自分から言った以上、見捨てるという言葉は本当だろう。 では、私は直接自分の手で人を殺せるのか? 聖杯戦争と何の関係も無い、ただの少女を。 これがもし敵のマスターの話なら――私は殺せる。きっと何の躊躇いもなく。 殺さなければ殺される、という理屈ではない。他人の命が自分が戻るため、『夢』のために必要なら、迷わずに奪える。私はそういう人間だ。 そう、私は結局行動を自分の損得でしか判断できず、選択の天秤の片側に載せるのは常に『夢』だ。 しかし、無関係の人間を殺すというのは、リスクや損の方が大きいのではないだろうか。 それでも、サーヴァントが殺さなければ見捨てる、とまでいうのなら、私はこの子を―― ファルは捕らわれた少女を見、少女はファルの瞳を見返した。 その時、ファルは少女の瞳に込められた思いを見た。 二人が何の話をしているのか分からないけど、きっと彼女なら、誰にでも優しく親切なファルさんなら自分を救ってくれる。そんな純粋な瞳。 当たり前の豊かさを何の苦労もなく当然に享受し、幸せに暮らしてきた証拠の無垢な瞳。 ――その瞳は、ファルの心を苛立たせた。 だから、ファルは初音からナイフを受け取った。 思い出したからだ。ファルは死にもの狂いで何かをしなければ、何もできない人間だという事を。 ファルが少女に対し、馬乗りの体勢になり、初音は二人の横に回り込んだ。 初音が手をかざすと、少女を拘束する糸が解れ、口はそのままに片腕が自由になった。 少女はファルに馬乗りにされて、自分が見捨てられたと思ったのだろう。 片腕でファルの服を掴み、引っ張り、突き放し、懇願するような唸り声をあげ、否、実際命乞いをしているのだろう。涙を流し、必死になって細腕に見合わない力でファルを引きつけ、また引き離す。 少女が振り回す腕で、ファルの制服のボタンが胸から引きちぎられ、同時に首から下げていた銀製の羽のアクセサリーが畳に落ちる。 ファルはその銀の羽を見つめた。初めは自分の『夢』の様に光り輝いていた二枚の羽。いつのまにか錆びて薄汚れてしまった羽。 ――この羽は私だ。 「誰もが夢を見る権利があるって聞いたことがあるわ」 ファルは少女に顔を向けながらも、誰を見ることもなく自身の過去に意識を飛ばし、言葉を紡いだ。 それは綺麗な言葉だ。でもそんな現実はどこにも存在しない。ファルはそう確信している。 「でも夢を叶えるにはそれを支える生活や環境がいるのよ。それに、夢を見る事さえできない人間も沢山いるの」 ファルシータ・フォーセットには『夢』がある。一人前のプロの、国一番の歌手として生きていくという『夢』が。 だが、ファルは『夢』のために『夢』とは関係ない過酷な努力をしなければならなかった。 「だって、この世界は残酷だから」 再び、ファルは自分の過去を思い出す。赤子の頃、親に捨てられた自分を。 引き取られた孤児院の中、過酷な労働、僅かな豚の餌にも劣る食事、冬の寒さを防ぐ毛布さえ与えられぬ眠りを。 そんなファルに残酷な世界が、薄情な神が唯一授けてくれた祝福が、歌の才能だった。 孤児院を抜け出て歌の芸で小金を稼いでいた時、たまたま居合わせた貴族に才を見込まれて音楽学校に推薦入学できたのだ。 でも、孤児であるファルには支えてくれる人がいない。夢破れても帰る場所も無い。小学校に通えなかったため、読み書きが満足にできないハンディもある。 学校の学費は無料だが生活費は別に必要だし、歌詞や歌を勉強する本に費やす金も自力で稼がなくてはならない。 プロの歌手という『人並みの夢』を追うためだけでも、いや『人並みの生活』だけでもファルは『人並み』を遥かに超えた努力をし、それ以上に人を利用しなくてはならなかった。 良好な人間関係を持つ優等生という地位を築くために人の嫌がる頼まれ仕事も笑顔で引き受け、寸暇を惜しんで歌の練習に励み、アルバイトで金を稼ぎ、基本的な読み書きや詩集のような音楽に必要な他の教養を習得してきた。 一方で、裏では必要と思った人間を自分に取り込み依存させるため、その人物の悪い噂を流し、講師にさりげなく、恩着せがましくならないよう慎重に取り入り、利用できる男なら誰とでも――醜聞が表沙汰にならないよう――寝た。 ファルは蜘蛛糸にとらわれた少女の恐怖におびえた瞳を見、再び銀の羽に目を移した。 ファルを捨てた親が、彼女へ歌の才能と共に与えてくれたもの。 ファルが『夢』のために多くの者を利用し、裏切り、捨てていく度に。 残酷な世界を憎み、裕福な人間を妬み、純粋無垢な人間を疎み、人と人との関係は、利用し合うだけのものと確認する度に。 無意識に手でまさぐって、薄汚れていった銀の羽。 ――この羽は私だ。私の心の羽だ。 ――いつか錆び果てて『夢』に向かい飛ぶ力を失うかもしれない羽だ。 ――それでも、私はこの薄汚れた銀の羽で、何処までも高く遠く羽ばたき続ける。 ファルシータ・フォーセットは、歌を歌って生きていく。 その『夢』のためなら、何でもできる。 ――例え、人殺しだって。 「ごめんなさい。私は、自分の夢の為なら何でもできるひどい女なの」 その言葉で自分の命運が断たれた事を悟った少女は、絶望の淵でもがき、狂えるように叫ぶ。 ファルはそんな少女を冷たく見据えた。一度決意を固めたら、自身が驚くほどに冷静だった。 そして片手で少女の暴れる腕を押さえ、片手で、ナイフを振り降ろした。 畳に赤い血が飛び散った。 少女の首は、胴と分かれた。 糸によって。初音が手から放った鋼糸によって。 ファルがナイフを少女の喉に突き立てる寸前に。 「…………どうして?」 返り血を浴びたファルが、初音に向かい問いかける。 「……あなたの望みでしょう? こんなことするくらいなら、どうして私に殺させようとしたのよ……」 無言で近づく初音に、ファルは力が入りすぎて震える体で、今にも泣きだしそうな顔で、声で、問いかける。 なぜ震えるのか、なぜ初音に問いただすのか。ファルは自分自身が分からず、涙が出そうになっていた。つい直前まで少女を本気で殺す気でいたというのに。 「さぞ怖かったでしょう、ファル? まるで冬の寒さで凍えているようよ」 全身が固まったファルを、初音はやさしく、ファルの血まみれの手に銀の羽を乗せ、花びらを潰さず摘み取るような柔らかさで両手で覆った。 ファルは一瞬身震いしたが、初音の手のぬくもりに、匂い袋の様な香気に、柔らかな笑顔に包まれ、硬直した躰が解れていった。 「気が変わったのよ。バケモノは気まぐれな生き物なの」 初音は、ファルの掌の上にある、銀の羽についた血を優しく、滑らかに指で拭った。 「貴女の銀の翼は、汚れても尚空を目指すから貴女に似合っている。でも鮮烈な血の赤はそぐわないわ。覚悟を見せてもらえて、私はそれで十分満足よ」 指についた血を初音はなめとり、片方の手で、ファルの髪を撫でる。 「手と顔、それと翼を洗っていらっしゃい。匂いが染み付いてしまうわ」 「ひとつの夢のため あきらめなきゃならないこと たとえば 今 それが……」 ファルは手と顔、そして翼を洗いながら、未完成な新曲の歌詞を唱える。 どんな惨劇があっても、どんなに心乱れても、歌えばファルは自分というものを取り戻せる。その点でファルは非凡な努力と才能の持ち主だった。 放課後の夜、しかも初音の陣地内には最早誰もいない。返り血に汚れた服を人に咎められる心配をする必要も無く、ファルは歌詞を紡ぎ続ける。 「居場所はどこだろう? 私の役割はなに? ずっとずっと思ってた そしてみつけた気がしたの……」 居場所。役割。それはプロの歌手。それも最高の実力と栄誉を得た上での。それがファルの目指す居場所で役割で『夢』だ。 だが、ファルは最近それを思う時、不安が心をよぎる。 ファルが歌を歌い続けるという『夢』を目指すのは、生きる為だけではない。幸せのためだ。 歌のレッスンで、アンサンブルが上手く調和したときは楽しい。演奏会で賞賛されるのは、生きている実感が湧いてきて嬉しい。その時は演技ではない、ありのままの、本心からの笑顔が出るのが心地よい。 だからこそ、生活の全ては歌の修練に集中するためのものだった。さらに上の実力を身に付け、より多くの人々を魅了し、より大きな舞台で歌うのがファルの『夢』であり幸せなのだから。 そうして高みを目指し努力している途中で、ファルは何時しか気づいてしまった。 自分の歌には、歌声には何かが足りない、欠けているモノがある、と。それを自覚してしまった。 自分の歌の才能は裏切らない。努力に応えて力が上がっていく。この歌の才能が有れば、自分一人の力で生きていける。自分の歌だけで『夢』を、全てを手に入れる。それがファルの精神を支える原点。 だが、本当に人間一人では生きてはいけない。だからファルは対人関係では笑顔の仮面を被り、礼儀正しく振舞い、人の信用を勝ち取ってきた。 それでもファルは「全ては自分の為」「自分は人を利用している」「人は互いを利用し合っている」「夢の為には必要な事」と思えばこそ、強く自分という存在を保つ事が出来たのだ。 それを、歌の才能そのものに疑いを抱いてしまっては、ファルシータ・フォーセットという『夢』に向かい飛び続ける生き物は、一瞬で地に墜ちてしまうだろう。 この不安を抱いた時、ファルが想起するのは二人の奏者の顔だ。ファルに足りないモノを支え、実力を高めてくれるであろう音を奏でる二人。 あの二人のうち、どちらかを手に入れれば、私はさらなる上の領域へと到達出来る。 だから私は、二人を利用するために人を傷つけ、人を騙し、朗らかな笑顔で取り入り……。 ふと、ファルは鏡で自分の顔を見かえした。そこに映るのは暗く澱んだ瞳だ。あの少女の無垢な瞳に比べて、自分はなんて薄汚れてしまった事だろう。 だけど後悔なんてしていない。もし、してしまったなら、今まで利用し、裏切ってきた人達全てにどんな顔を向ければいいのか。謝ることさえできない。そんなのは御免だ。 今までの境遇と努力と、利用してきた人たちの顔を思いだし、ファルの瞳は精彩を取り戻してゆく。 「やがて 覚悟が芽ばえていた この夢のためならば 他を捨ててかまわない……」 ファルが部屋から出たのを確認した初音は、畳の上に座り込んだ。膝を両手で抱え、体を小さく折りたたんでみる。 初音のスカートの中から子蜘蛛が大量に産みだされ、少女の死骸に覆い群り埋め尽くした。子蜘蛛は死骸の血を啜り、肉を食み、骨を齧る。 生きている人間の精を直接吸うのに比べれば、死体を、それも間接的な形での摂取は劣るが、それでも若い生娘の肉体は初音に上質な精を提供してくれる。 力が漲る感覚を味わいながらも初音に歓喜の気持ちは無く、かつて経験した事のない感情に戸惑っていた。途方に暮れていたのである。 鬱々として気が晴れない。退屈とは違うこんな気分は初めてだ。 先程、己の主を試そうとしたのは、ファルに人殺しを経験させるのは、心変わりする寸前まで本気だった。 それがなぜ、直前でそれをやめて私自ら殺したのだろうか。残酷で嗜虐的な私がなぜ。 廻々、狂々と頭が茹だるほど悩んでも答えは出ない。元々初音は気まぐれな生き物だ。 「銀……貴方がここに来ることができたなら、一体どうしたのかしら?」 別の事を考えようと、初音は宿敵の名を口にする。その言葉には愛憎が、敬愛と侮蔑と友情と殺意が交錯し、混ざり合っている。 だが、それもサーヴァントとして別世界に召喚された初音には、最早思っても詮無い事だった。 無意味さに気づいた初音は、再び自分の主人となったファルシータと己の事を思い見る。 妖としてあって数百年。人は生まれ、死んでゆき、花は咲き、そして散る。時が移ろう中、私はいつしか瑞々しい感情を失い、ヒトの籠絡と凌辱、それらによって人間が外道へと堕ちてゆく過程に愉悦を見出していた。 今はヒトを籠絡し、感情や道徳を引き裂き踏みにじるのは楽しいし、身も心も凌辱し、快楽と絶望の虜に墜とすのも面白い。化物と恐れられるのも心地良い。 そんな私が、心変わりしたのは――そう、恐らくあの主人を堕としたくないと思ったからだ。直接その手を血で汚させたくないと思ってしまったからだ。なぜだろう。私は狂ってしまったのだろうか。 「なんであの子がこんなに気にかかるのかしら。……かなこ、貴女とは全然違うのにね」 深山奏子。銀との戦いによる傷を癒すため、入り込んだ学校。そこで偶然見つけた倉庫で輪姦されていた少女。 この手の下衆共が嫌いな初音は男達を皆殺しにし、奏子だけは気まぐれで殺さずにしておいたが、彼女は化物の初音を怖がるどころか逆に初音の内側に踏み込んできた。 初音は初め、奏子を遊び相手としか思わず、弄び、嬲っていたが、それでも初音を慕う奏子によって、初音は少しづつ奏子を妹の様に思うようになっていった。 いや、もしかしたらそれ以上、それ以外に思う様に。だから、初音の願いは「元の世界での自身と奏子の行く末を知りたい」である。 奏子のおかげなのだろう。化物の私が、ほんの少しだけヒトの心を持つようになったのは。 でも、それは変わるのと、狂うのとどれほどの違いがあるのだろう? 『やがて 覚悟が芽ばえていた この夢のためならば 他を捨ててかまわない……』 初音の耳にファルの作った歌の歌詞が聞こえてきた。初音は陣地内で糸を通じ、全ての気配、音を感じ取れる。その歌詞を聞いた時、初音は自身の中に芽生えたヒトの心が、未知の思い、そして既知の感情を揺り動かすのが分かった。 この思いは何? 銀への思いとも、奏子への思いとも違うこの思いは何? 全く分からない。だけどファルの歌を聴く度、実感できることがある。それは、私が生を歩み始めたあの頃の……。 思案に暮れる初音に、ファルが部屋へと戻る足音が聞こえてくる。 初音は子蜘蛛を元に戻して立ち上がり、スカートを払って足の甲を床につけ、両膝から畳に腰を据えた。 そこにいるのはいつも通りの女郎蜘蛛の化物「比良坂初音」だった。 ファルが部屋に戻ると、初音は畳の上に鎮座していた。 部屋を見ると、有るべきはずのモノがない。畳に染みひとつ無い。 「あの子の……死体は、どこへやったの?」 「喰べたわよ。骨も残さずにね。貴女には本来魔力を生む資質がありませんもの。 足りないものを他で補うのは、この聖杯戦争では当たり前の事よ」 ファルに魔力の素養が無いことは、ファル自身も知っている。ファルの世界には、演奏者に魔力が無ければ音を鳴らす事も出来ない「フォルテール」という鍵盤楽器があるからだ。 そのフォルテールが見滝原に、この世界に存在しないことが、ファルに記憶を取り戻させる切欠となったのだ。 「確か、あなたは戦いの防具用に、私の服を織るって言ってたわよね。制服の着替えはある?」 ファルは冷静に話題を変える。 「そこの押入れの中よ」 初音は襖を指差した。 「服は多少の魔術や刃物、銃弾程度なら跳ね返すくらいの力を持っているわ。 そして蜘蛛は潜んで獲物を待つ者よ。魔力を隠蔽して、普通の服と全く変わらないよう仕立ててあるわ。 大抵のますたぁやさぁばんとには気づかれない自信はあるけど、私より探るのが上手の敵なら感付かれるから注意なさい」 ファルが着替える為、押入れに向かおうとした時、初音の声が足を止めた。 「着替える前に貴女の歌を聞かせて頂戴。貴女が、貴女自身のために作った歌を」 「それって……『雨のmusique』の事?」 作詞、作曲ファルシータ・フォーセット「雨のmusique」。それは元居た世界で通っているピオーヴァ音楽学校の卒業課題のために作った歌だ。 ピオーヴァ音楽学校の卒業課題は、自分で作詞、作曲し、独唱か演奏者のパートナーを選び、演奏会でその歌を歌うというものだ。 演奏会には講師の他にも、楽団に所属するOBもいる。成果次第では即プロへの道も開ける。 「そんなの、着替えてからでも」 「お願い」 初音の声は穏やかではあるが、有無を言わせない圧迫感があった。 ファルは数秒ほど惑ったが、結局歌う事に決めた。 グレイの空 雨の糸 街中 霧に煙る こんな日は 少しだけ やさしい気持ちになれそうよ 歌えばファルは、いつも通り真摯に歌へ集中する。『夢』の高みへと羽ばたく純粋で誠実な思いを込める。 だが、ファルの歌声は、素人の初音にも分かるほどいつもとは違う。 重く、締め付けるような、まるで逃げ出したくなるような……。 それでも、終わってほしくないような、いつまでも聞いていたくなるような……。 そんな不思議な音色だった。 Look at me Listen to me だれかを愛して 君が必要と言われたなら どんなに… 「必要と言われたなら」。その歌詞で、初音の脳裏に奏子の顔が浮かぶ。『バケモノ』の初音を受け入れ、慕った奏子。 初音は歌うファルに目を向ける。こんな歌を作りながら、人は利用し合うものだと言い切ったファル。 歌うファルを見る初音には、得たヒトの心からまた新たな未知の思いが浮かんでいくのを感じた。 Look at me Listen to me アタシヲアイシテ だれも知らない心 見抜いてくれたら… ファルは歌いながらも、初音の変化した表情に驚いた。 初音から、いや他の誰からも向けられたことのない、全く理解できない表情。瞳の光。 それを見た時からのファルの歌は、ファル自身も知らない全く新しい音色に変化していた。 Look at me Listen to me アタシヲアイシテ だれも知らない私が ここにいるのよ 歌を終えたファルは、顔から一切の表情が消え、呆然としていた。 心臓の音が聞こえる。芯が冷えた頭に、空白な意識に強く、鳴り響いている。 歌声に欠けているモノが埋まった。ファルはそんな確信を得た。 歌がさらなる高みへと指を掛けたというのに、ファルの心には高揚も、感慨も、何も無かった。 あったのは、疑念と、絶望に近い空虚。 私が作ったこの「雨のmusique」は恋の歌。曲調も歌詞も、誰に対しても受け入れられるよう計算して作った愛の歌。 だけど、曲の最後で自分をさらけ出す部分の歌詞は、私の密かな願いが込められている。 優しく親切で、誰からも好かれる『私』じゃない。多くのものを捨て去り、多くの人を利用し、裏切り、薄汚れてしまった『私』。 そんな穢れた『本当の私』を知って、それでも尚受け入れてくれる人がいたのならどんなに……。 あの表情は「私は貴女の全てを受け入れる」という意味だったのだろうか。だとしたら――なんて皮肉。 私が『本当の自分』をさらけ出しても、それを受け入れてくれるのが他の誰でもない、人ですらないこの『バケモノ』だなんて。 それが私の歌に欠けていたモノを埋めてくれるだなんて。 まるで私の心も『バケモノ』同然と言われているようじゃないか。 ――私は、本当に本物の歌手になれるのだろうか。私の歌に価値はあるのだろうか。 急に、ファルは人恋しくなった。『あの二人』に会いたいと思った。 ファルの歌に足りない、欠けているモノを埋めてくれると思えた二人のフォルテール奏者に。 魔力で演奏するフォルテールは奏者の資質、特に強い感情によって音が聞き手の心を揺さぶるほど大きく変化する。 一人は美しくも悲しい、そして受け入れてくれるような音色と朧げな表情に深く惹かれ、もう一人は誰よりも憎く、妬ましいが儚くも強く抱きしめられるような音色に魅了された。 正負の違いはあるが、人との関係を「有用」か「無用」かだけで判断してきたファルにとって「利用価値」以外の強い感情を抱くその二人は、特別な存在だった。 「……着替えるわ」 虚ろな表情で微かな声を発し、ファルは辿々しい足取りで押入れに向かう。 襖を開け、血に濡れた制服を脱いだ。白い肌が外気に晒される。 「ファル」 足音も気配もなく、いつの間にか初音はファルの側まで近づき、肩を掴んだ。 制服がファルの手からすとんと落ちる。 「まだ聖杯戦争について、私について説明が終わってなかったわ」 ファルの耳元で、優しく、甘く囁く。 「私はバケモノだけど、化物退治の英雄達に比べれば弱いのよ」 事実である。宿敵である銀との実力差は圧倒的で、初音が本性を現してもようやく勝算が1、2割程度あるかどうかだった。 「それでも、補う方法はあるの」 初音は薄く、妖しく微笑んだ。 「一つは、人を喰らう事。純粋で穢れなき魂を墜とし、精を吸えば今以上の力を引き出す事が出来るわ」 それはサーヴァントは成長も劣化もしないという原則に反する能力、初音の生き方に由来した宝具によるものだ。 「もう一つは――」 初音はファルをかき抱き、そのまま畳の上に仰向けにして押し倒した。 「貴女と深く繋がる事」 初音はファルの首に歯を立てた。ファルはちくりと痛みを感じ、顔を歪める。 次の瞬間、ファルは動悸が激しく高鳴り、躰が燃える様に熱くなり始めた。 初音の尖った歯、牙がファルに蜘蛛の毒を注入したからだ。 「繋がりをより深く、強くすれば貴女の精を直接吸い取って、私はより強力な力を得られる」 初音はセーラー服を糸に戻して解き、その体をあらわにした。ファルのそれより滑らかで肌理細かい肌。均整の取れた身体。黒々と濡れたように輝いた髪。 同性から見ても羨望に値する肉体。だが、ファルの虚ろな瞳は一点だけに集中していた。 初音の股間には、女性に本来ない器官があったからだ。 繋がりを深くとはこういう事か。ファルはこれから自分に起きる事態を理解した。 他人事のように。無理やり引き出された快楽を、空白な意識で受け流しながら。 「……好きにしなさいよ」 ファルは何もかもどうでもよくなっていた。奈落の底まで落ちたい気持ちだった。 『夢』が見えなくなった、追えなくなった自分に価値なんてない。汚れるならどこまでも穢れてしまいたい。 この『バケモノ』が私を犯すというのなら、いっそ身も心も何もかも壊してもらいたい……。 「自分を見捨てる必要なんてなくてよ、ファル」 自身の心の内を見透かされ、ファルははっと初音を見返した。 「貴女の歌は『バケモノ』の私の心さえ震わせたわ。だったら、人の心に響かないはずがないでしょう? もっと誇りを、自信を持ってもいいのよ」 もう初音は笑っていなかった。ファルにもはっきりと伝わるほど真剣に、本気でファルの心を案じている。 「あなたは……!」 だが、その態度は、逆にファルの逆鱗に触れた。 「あなたは、一体何がしたいのよ! 私に人殺しをさせようとしたり、寸前で自分で殺したり! 無理やり歌わせて、私が歌に自信を失わせるようなまねをして、勝手に励ましたり! ふざけないでよ、私を弄んでそんなに楽しいの!?」 怒りに任せて、灼けつく喉で叫ぶ。ファルがここまで激情を露わにするのは、これまでの人生の中で初めてだった。 「……バケモノは退屈な生き物なの」 そう言って、初音は寂しげに微笑んだ。 「全てが起こり、栄え、滅び、風化して、無為に消えていって、それでも私はそのままであり続けなければならない。世界が私を置き去りにしてゆく。続くのは永遠の退屈よ」 それは木石と何の変わりがあるだろう。いや、初音は人を襲う事を考えれば、時にがけ崩れで人を飲み込む山というべきか。 「そんな私に、貴女の歌は、歌う姿は私に知れない未来の楽しさを、私が生きている事を、私の流れる時を感じさせてくれるの」 私は本来、ファルの様な女に魅惑を感じない。澄んではいない精気、傷ついた魂。それらは私の好む物ではない。 だが、私はファルに単なる欲情、昏い愉悦以外の、それ以上の何かを得たヒトの心に抱いていた。人が抱く思慕や情景とは似て異なる、何かを。 それはファルの『夢』に、歌に対してだ。ファルの真摯さ、誠実さに満ち溢れた歌、歌う姿は私に蜘蛛の妖に生まれたての頃の、世の中の全てが美しく輝いて見えた頃を思い出させてくれる。 理由は分からない。何か魂に通じるものがあるとしかいいようが無い。だが、この感情を蘇らせてくれる事実に比べれば、理由なんてどうでもいい。 まるで思春期を迎えたばかりの少女の様な新鮮な感覚を、未知で広大な世界へ踏み入る感動を、遠い遠い月日が奪い去った鮮やかな景色を。ファルの歌は私にそれらを思い出させてくれる。 歌を改めて聴いてようやく自覚した。私はファルに惹かれている。彼女の乾いてざらついた心に。それでも天上の星を目指す純粋な思いに。人の信義を裏切りながらも、ただ一つのものを求める至誠に。 思えば『夢』を見る事が出来る人間は、私の知る限りごく一部の豊かな人間だけだった。殆どの人間はその日を暮らすのに精いっぱいで、一握りの糧の為互いを利用し合い、その結び付きから外れた者は命まで奪いつくされる。それが私の知る人間だ。 だが、ファルは地を這う虫よりも生きるのに過酷な環境に置かれながら、己の才能と器量を磨き、そして人を利用し人を踏みにじり『夢』を手に掴もうとしている。 『夢』の為に泥を舐め、星を見上げ飛び続ける。この泥と星を同時に見る彼女の稀有な在り方に私は魅せられている。 「ファル。私は貴女が気に入ったのよ。貴女の穢れた心、それでも夢を純粋に追う至情、そして貴女の歌がね。 私が人を喰らい、戦うのは私が生きるためだけど、それ以外に貴女が元の世界へ戻るために力を貸してもいいと思っているわ」 初音はファルの汗ばんだ肌を掌で拭き、甘い息で喉を撫でた。ファルの身体が快感で跳ねる。 「……私の、為に……あなたが力を貸しても……。私は……感謝なんて、しないわよ……。私は……誰にも……感謝なんて、しない……」 毒が回った熱い躰が荒い息遣いで冷気と酸素を求め、思考に靄がかかる最中、それでもファルは強い語気で初音に吐き捨てる。 「……どうせ……人は、利用し合うだけの……生き物だから……」 結局ファルシータ・フォーセットは、そういう生き方しか、薄汚れた生き方以外選ぶことが出来なかった。 初音は華やかに、妖艶に、皮肉気に笑った。その笑みは、ファルには『人』は『私』の間違いじゃないか、と言っているように見えた。 そして初音は、ファルの躰を好きにした。 初音が人を喰らう本気の行為に、ファルは悶え狂い、泣き叫び、果てては蘇り、蘇っては果てる。 結局比良坂初音は、こんな形でしか、化物としてしか情愛を示せなかった。 それでも、この瞬間、まるで『飢え』を満たすかのように二人は互いを求めた。 何に『飢え』ているのか、その正体が分からないまま……。 ――二人は紡ぐ。互いを結ぶ縁の糸を―― 【マスター】 ファルシータ・フォーセット@シンフォニック=レイン 【マスターとしての願い】 聖杯なんていらない。元の世界へ戻る。 だけど、聖杯がなければ帰れないのなら、その時は……。 【weapon】 無し 【能力・技能】 夢に向かう確固たる意思。そのために努力を惜しまず、あらゆる手段を実行に移す行動力。人を裏切る行為や真意を隠す演技力。 それらを支える強靭な精神力が武器といえるかもしれない。 【人物背景】 近代イタリアに似た世界の出身。ピオーヴァ音楽学院の声楽科3年生で、元生徒会長。17歳。 優しく、おしとやかで、誰からも好かれる人物。 夢はプロの歌手で、そのための努力は惜しまず、才能も講師たちから高く評価されている。 非の打ち所が無いところがかわいげがないが、嫌味も感じさせないほど、さわやかでもある。 その裏では、平気で人を利用し、裏切り、捨てていく。 人間関係は互いを利用し合うものと考え、誰にも感謝などしない。 自分が捨てられた境遇を、世界を憎み、貧しさから必死に抜け出そうとしている。 裕福な人間を妬み、自分を孤児院から引き上げた貴族を嫌いだと言い切る。 純粋な人間を疎み、今までしてきた努力や裏の所業を知らずに無垢な瞳で憧れなどと言われると、その人物に殺意さえ覚える。 そんな彼女は、夢に対してだけは限りなく純粋で誠実なのだ。 その実現のためには、どんな努力や忌まわしい所業をも厭わないとしても。 【方針】 自分の様に巻き込まれ、脱出を目指すマスターを探し、本性を隠して手を組む。 戦うか、脱出か、自分から決められないような中途半端なマスターは徹底的に利用する。 戦いに乗ったマスターに対しては、まず情報、特に弱点を探る。 とにかく打てる手段は思いつく限りすべて打ち、自分の利用できる武器はすべて使う。 【クラス】 キャスター 【真名】 比良坂初音(ひらさか はつね)@アトラク=ナクア 【パラメーター】 筋力:C 耐久:D+ 敏捷:C 魔力:A 幸運:B 宝具:C 【属性】 混沌・悪 【クラス別能力】 陣地作成:C+ 自身に有利な陣地を作成できる。 隠蔽に特化し、気配察知に優れたサーヴァントでも探るのは困難。元の場所と違う意匠でも全く違和感を感じさせない。 道具作成:C+ 魔力を帯びた器物を作成できる。 糸で衣服や建物、生活用品などを織り上げる事が可能。やはり隠蔽に特化し、魔力の察知は困難。 【保有スキル】 堕天の魔:B 彼女は堕ち、穢れ、それでも人を魅了する女郎蜘蛛である。 真正の魔獣、魔物でしか持ちえない強い生命力や再生能力、スキルを得ている。 人ではない事で、対人用の精神干渉への耐性も持ち合わせる。 吸精:A 男女を問わず、相手の生命力、精を吸い取る事で幸運を除いたパラメーターをアップさせる。急速な傷の回復も可能。 上昇値は吸精した相手の質と量による。 変化:C+ 文字通り『変身』する。女郎蜘蛛より人間の姿へと擬態している。 サーヴァントの気配、ステータスや魔力を隠匿し、人間『比良坂初音』として認識されるようになる。 手足の一部だけを解き、蜘蛛のそれへと戻すこともできる。この場合、筋力、耐久、敏捷値が上昇する。 怪力:B 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。 使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。 女郎蜘蛛の籠絡:A 男女問わず、心の隙間につけ入り、傷を広げ苛み弄び犯すための魅了の手腕。呪術、暗示も含むスキル。 気を当てられた相手は徐々に初音に魅了されてゆく。逆に気を分け与える使い方なら体調や傷を回復させられる。 他に糸で人の会話を収集したり、糸を付けた相手の記憶や意識を操作し、身体能力の限界まで操る事が出来る。 【宝具】 『他者擬態・蜘蛛乃巣(アトラク=ナクア~ゴーイング・オン)』 ランク:C 種別:結界宝具 レンジ:10~40 最大補足:1000人 初音が生み出した八体の要蜘蛛を用い、糸の結界を張る。 結界は内部、外部の人間の精神に働きかけ、特定の領域を巣として人目につかないよう遮断し、記憶は初音の意図したとおりに改竄される。 巣の中で初音にとらわれた人間は初めから存在しない者として扱われ、それを誰も疑問に持つことは無い。 だが、要蜘蛛を仕留められる度結界は綻び、暗示が徐々に解けてゆく。 戦闘時は無数の糸を吐き出す矛にも、巣と網、糸柱を幾重にも張り巡らす盾や罠にもなる。 『自己変態・女郎蜘蛛(アトラク=ナクア~ヒュージ・バトル)』 ランク:C 種別:対妖(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1体 身の丈十尺を越える女郎蜘蛛としての本性を現す。 魔力と幸運を除いた全ステータスが1ランクアップ。後述する蜘蛛の糸や子蜘蛛の力も上昇する。 吸精によりさらに巨大化し、全ステータスに+補正が付く。 純粋無垢で最上質な魂を数十人も喰らえば、++補正が付くほど強化し、さらなる巨大化を果たすだろう。 『他者変態・妖ノ贄(アトラク=ナクア~アダプション)』 ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:― 最大補足:1人 初音の網にかかった人間を、魔力を用いて不老の半妖(初音は贄と呼ぶ)へと変化させる。 自我はある程度あるが初音に服従し、自らが蓄えた精、他者から奪った精を初音に提供して数十年をかけて滅んでゆく。 本来は人間を初音の同族として造り替える能力である。 以上の宝具は、クトゥルフ神話のアトラク=ナクアとは何の関係も無いのだが、その在り方の類似性から名がつけられた。 【Weapon】 蜘蛛の糸 鋼鉄の数倍の硬度とカーボンファイバー以上の引張応力、瞬間接着剤以上の粘着力を併せ持つ。 蜘蛛の巣のいわゆる縦糸と横糸のように、粘着性が有る粘糸、無い鋼糸とを調整できる。 人間を操る起点にもなる。 子蜘蛛 初音がほぼ無限に生み出せ、人間を喰らう。 人間に仕込めば催淫剤にもなる。 【人物背景】 齢400年を数える女郎蜘蛛。 しとやかで妖艶で古風、凛々しく儚げ、そして残酷で気まぐれに優しい。 宿敵である銀との決戦の果て、重傷を負った初音は傷を癒すため、ある学校に潜伏した。 そこで凌辱されていた少女、深山奏子を気まぐれに救った事で初音の運命は廻り始める。 【サーヴァントとしての願い】 仮初といえど、生を得た以上、それを自ら放棄する気は無い。ただ生き残る。 そして、願わくば自身と奏子の行く末を……。 【把握資料】 両方とも十数年前に発売されたゲームなので、入手は少々手間取ります。 ただ、某動画サイトで全プレイ動画が投稿されているので、そちらなら把握は容易です。 二人とも小説版で過去と心情が深く掘り下げられているのですが、入手困難です。 シンフォニック=レイン HDリマスター版がSteamで販売されています。 アトラク=ナクア 廉価版がamazonで中古で販売されています。
https://w.atwiki.jp/tatuvb/pages/545.html
ST「何の音でしょう?」 まし「さっきゴゴゴゴゴって聞こえたよね?」 じじ「お茶うめぇww」 ST「貴方の後ろに・・・」 じじ「ゴフッ(´3`),*.+」 ST「冗談です」 -- (STー1) 2010-07-10 12 43 52 じじゅ「何の音だろね?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ましゅ「うるさいねwww」 -- (じじゅ) 2010-07-10 15 50 14 たつ「(。´-ω・)ン? ・・・何だかとっても嫌な予感がしてきた・・」 龍「そうか? 俺は特に何も・・・うわっ 嫌な予感してきた・・」 -- (たつ) 2010-07-10 21 40 19 L「560円になります、毎度ありがとうございます」 店長「今日も一日お疲れさん。これ今日の分ね」 L「何とかバイトで命つなげてるけど、時間の問題だし・・・ 早いところあの爆弾で帰らなきゃ」カチャカチャ・・・ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ L「何の音だ!?思いっきり近くから聞こえたぞ!」 -- (L) 2010-07-11 08 07 59 ST「キュピーン(゜A゜)はっこの気配は」 まし「どうしたの?司令官」 ST「Lーーーーーーーーーーさん!!!」 L 「うわっまた何か聞こえたw」 -- (STー1) 2010-07-11 14 17 34 たつ「・・っ ・・司令官はνタイプか・・・・」 龍「よく分からんが・・とりあえず司令官達が居るところへ行こう・・・」 -- (たつ) 2010-07-11 15 02 48 L「な、なんだ・・・いきなりゴゴゴ音がしたら誰かの雄たけびが・・・」 ST「Lさああああああああああああああああ」 Lが振り向くとそこには、偶然片手に包丁をもっているST-1がいた。 Lは無意識に走った。その姿はまるで(リアル)鬼ごっこで鬼に見つかった瞬間と酷似していた。 -- (L) 2010-07-11 21 38 38 闇炎「暇だなぁ・・・・あ、STさんと、Lだ」 L「闇炎助けてくれ~~~~~!」 ST「Lさんを止めてぇぇぇええええ!」 闇炎「だが断る。ホイッ異次元投下~」 L「・・・こっちかよおおお!」 ヒュー ST「・・・・私を放り込めばよかったんじゃないですか?」 闇炎「まぁ・・・・話があるし、戦ってないなと思ったから、『最後』に戦おうと思って」 ST「・・・今何と言いました?」 闇炎「最後だから戦おうと思って・・・だな」 -- (闇炎) 2010-07-11 22 05 07 たつ「龍・・・南方50kmに司令官と闇炎と思われる反応があった・・行くか?」 龍「ん~・・・とりあえず司令官達から20kmの所に居よう・・そこからなら見える」 -- (たつ) 2010-07-12 19 45 43 ましゅ「!?」 じじゅ「どした」 ましゅ「俺らも黙っていられないみたいだぜ?」 ゴゴゴゴゴ そこには、包丁を持ったST像があった。 -- (ましゅう) 2010-07-13 18 44 51 ドサッ L 「いてて・・・ん?」 そこにはチェーンソーを持ったST像があった。 L 「またかwww」 -- (STー1) 2010-07-14 17 53 36 たつ「!?」 龍「どうした?・・・これは」 たつ「司令官の反応が3つも・・・!」 龍「距離はそう遠くない、Lのほうからだ!急ぐぞ!」 --そのころ-- ましゅ「くぅ・・・解放っ!」 じじゅ「なにその新能力!?」 ましゅ「解放によりマシンガンをアルテマドラムマシンガンβに!」 じじゅ「ちょwwwチートwww」 -- (ましゅう) 2010-07-15 18 28 49 ST「あなた方に恨みはないのですが・・・」 じじ「恨みはないってさ。僕関係ないってことだよね?」 まし「おいこら逃げるなww」 じじ「やるしかないのか・・・」 ST「≪紅い悪魔の力≫」 まし「くるぞ」 ---- キュイイイイイイイイイイイイイイイン L 「あぶっ ちょwwタイムw」 ST「問答無用です!!」 L 「俺が何をしたあああっ」 ---- 闇炎「いつかはこの日が来るのはわかってた」 ST「『最後』・・・ですか?」 闇炎「ああ」 ST「・・・そうですか。そこまで言うのなら、断るわけにもいきませんね」 闇炎「司令官、俺と戦おう」 ST「受けて立ちます。ですが、私を甘く見てはいけませんよ!」 -- (STー1) 2010-07-15 19 59 01 ドスッ ドスッ ドスッ じじゅ「ひえー!」 ましゅ「大丈夫か?行くぜ!」 ガガガガガガガ ST「効きませんね~♪」 ましゅ「ならば・・・目!」 じじゅ「!?!?」 ST「くうっ!サブカメラ・・・」 ましゅ「チェンジ-MW-LAILGUN!」 ましゅ「チャァー・・・ジッ」 -- (ましゅう) 2010-07-15 20 36 56 闇炎「ルールはひとつだけ、制限がある。式(悪魔や天狗)などをよぶ悪魔技、スペルカードは使用禁止、1vs1だな。なお覚醒、EX化はありとする。」 ST「あとはフリーですね・・・。分かりました!」 闇炎「天狗覚醒!」 ST「前より格段と…いいでしょう。こちらも本気で!」 たつ「・・・・闇炎の方角のSTが、本気を出そうとしている。みたいのだが・・・」 龍「まずはましゅう、じじゅんぺいたちが優先だな・・・・」 -- (闇炎) 2010-07-15 21 40 19 L「ふっはっほっうわっ」 -- (L) 2010-07-15 22 11 07 たつ「ふぅ•••お茶はいいのぉ••龍••一応ラグナロク2発撃てるようにしとけ••ましゅう達の司令官に狙いを定めてな••• 」 龍「りょ~かい•••」 -- (たつ) 2010-07-16 15 36 18