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元スレURL 【CYaRon!昔話】ルビィ「かぐや姫、がんばるビィ!」 概要 今は昔、竹取りのようちかというものありけり 参考:竹取物語 タグ ^CYaRon! ^Aqours ^短編 ^パロディ ^コメディ 名前 コメント
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「ふたば系ゆっくりいじめ 303 まりさがんばる/コメントログ」 こういう駄目親は子供を作るべきじゃないな -- 2010-10-15 12 50 18 ↓成る程。つまり君はもしも自分の子供が夜に病気と訴えても応急処置もしないで既に閉まっている病院に助けを求めるんだな。 -- 2015-02-08 03 59 34 駄目親ではないねえ。 それまでに経験したことのない規模の災難てのは、 人間でも案外備えてないものでね。後から、なんで こうやっとかなかったんだ、ってのはよくある事。 むしろ子供を救うために命がけの冒険に出ようって言う、 愛にあふれた父親じゃないか。 -- 2016-01-16 17 33 14 元々私達が差別するために生まれてきたゆっくりというコンテンツを批判しないとゆっくりの存在が分からなくなるから取りあえずゆっくりは差別しておこう -- 2016-02-18 21 39 25 イイハナシダナー -- 2016-03-16 13 22 13 親まりさもぱちゅりーもかなり賢い個体だな~(銅~銀バッジくらいか?) 子供のために頑張るのは美しい。(まぁ、鬼威惨な自分は見ゆん必殺だがなww) -- 2018-02-04 21 36 50
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がんばっていこうという意味。 関連項目 がんばって生田
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やんばる一口メモメモ-- [やんばるくいな] はい、コンバンワ。だる〜。。風邪引いたかも〜なやんばるくいなでございます。 えー今回は、巷でビミョーにつかわれてる『やんばれー、やんばってー』についてです。 この言葉、語源は某あかいあんみつ氏によると『まぁ、やる気ないけどがんばるよ』 の略なのでした。 まぁ、ふつうに『がんばれ』で使っても当方はまったくきにしませんよw(あたりまえだ 以上 やんばる一口メモでした。 次回のやんばる帝国はムンリバクイズ回答編 みんなやんばって答えてね〜 もやし日記にかわってるかもしれんが・・・ 「やばんばる、がんばれ!」の意味じゃなかったのか… -- Kengo 名前 コメント
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【カウンターサイド】リセマラ当たりランキング - カウサイ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 終末のアーカーシャ(終アカ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 (2021年12月6日) - エキサイトニュース マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【アイプラ】リセマラは必要?当たりキャラランキング【IDOLY PRIDE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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https://w.atwiki.jp/touhoukeitai/pages/422.html
レベルアップ技 Lv 技名 001 ひっかく 001 にらみつける 007 ナイフなげ 011 にどげり 015 メタルクロー 019 Pスクウェア 023 さつじんドール 027 アイスボール 031 トリック 035 きりさく 039 しんがん 043 スカルプチュア 047 さくやのせかい 技・秘伝マシン技 No 技マシン名 02 ハートブレイク 03 みずのはどう 04 マナチャージ 05 ほえる 06 どくどく 10 よめしゅぎょう 12 ちょうはつ 13 れいとうビーム 14 ふぶき 15 LUNATIC 17 まもる 21 かまいたち 27 おんがえし 28 あなをほる 31 かわらわり 32 かげぶんしん 39 がんせきふうじ 40 つばめがえし 42 からげんき 43 ポイズンクロー 44 ねむる 46 どろぼう 49 よこどり No 秘伝マシン名 01 いあいぎり 06 いわくだき タマゴ技 技名 ミラーコート ぜったいれいど すいめんげり みねうち いっせん ハートブレイク こごえるかぜ クロスチョップ 人から教えてもらえる技 場所 技名 未実装
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2686.html
※fuku1814.txtの続編です。 ※多分、今回も虐待は軽めです。 「ゆっくりしていってくださいですわ!」 今、鬼意さんこと虐待お兄さんの虐待ルームに居るメイドキャップをつけたこのゆっくりはゆっくりさくや。 ゆっくりのクセに面倒見の良く、人の家に上がったときの「ここは~~のおうちだよ」の「~~」の部分が自分の子どもになる変り種。 先日、近所の人からおすそ分けとして貰ったんだが、まだ希少なためおいそれと殺すのももったいない。 しかし、まだ幼いので犯させて増やすのも難しい。なんともフラストレーションのたまる銀色クソ饅頭である。 だから今は生態調査をしつつ、殺さずに他のゆっくりの虐待に利用できないか考え中だ。 とりあえず、今日は森で見かけた大人れいむ1匹、大人まりさ1匹、子れいむ3匹、子まりさ2匹という標準的な家族の中にこいつを加えたらどうなるか実験してみたい。 僕は群れの近くまで行きメイドキャップに小型の集音マイクとスピーカーを取り付けてると、「さくや、あの家族の一員になれ」と命令してからさくやを放した。 「ゆっくりしていってくださいですわ!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「「ゆっくりしちぇっちぇね!」」」」」 れいむたちは家の近くの広場でゆっくりしていた。 5匹の子どもたちは元気に駆け回り、まりさは温かい笑顔でその様子を見守っている。 この辺りにはゆっくりゃはほとんどど出没しないし、他の鳥獣もあまり居ない。 その理由は食べ物がやや乏しいからだけど、時間をかけて集めれば家族が食べる分は十分に確保できる。 ただ、まりさと子どもたち以外に友達がいないのがちょっとさびしい。 そんなたったひとつのわがままを抱えたれいむ一家の前に見たこともないゆっくりが現れた。 そのゆっくりは銀髪にメイドキャップ、それに青い瞳とずいぶん個性的な姿をしていて、目つきが他のゆっくりよりちょっと鋭いような気がする。 サイズはやや小さく、子どもたちと同じ程度の大きさしかなかった。 「おねえしゃんはゆっくりできるひと?」 れいむは見たことのない容姿にとまどっていたけれど、家族以外のゆっくりを始めてみる子どもたちは興味津々。 物怖じしない性格のゆっくりまりさのうちの姉のほうが元気良く話しかける。 「さくやですわ!とてもゆっくりできますわ!」 その言葉を聴いて笑顔をほころばせる子どもたち。 「ほんとうに!じゃあ、れいむたちといっしょにゆっくりあそぼ!」 「さくや!いっちょにゆっくししようよ!」 「かしこまりましたですわ、おぜうさま!」 「ゆ?」 さくやがおぜうさま、という聞きなれない呼称を用いたことに子どもは首を傾げる。 けれど、「さあ、ゆっくりしましょうですわ!」というさくやの言葉を聞くとそんな事はどうでもよくなったらしく、6匹は鬼意ごっこを始めた。 見ず知らずの個体どころか、見たこともない種族のさくやに少し訝しげな目を向けていたれいむも、子どもたちの楽しそうな姿を見ていると細かいことはどうでも良くなってきた。 「きょうからみんなのおうちでいっしょにゆっくりする、さくやですわ!」 さくやは帰る場所がなかったらしい。以前は人に飼われていたらしいが、目を覚ましたら捨てられてしまっていたそうだ。 そんな話を聞いた子どもたちは、さくやをおうちに連れて帰ろうと言い始めた。 「かわいそうだよ。おうちでさくやをゆっくりさせてあげようね!」 「なんでしょうかですわ、おぜうさま!」 なぜか会話の最中に割り込んでくるさくや。かわいそうだ、と言い出した子れいむの顔をキリッとした表情で見つめている。 「ゆ?さくやにはなしかけたんじゃないぜ!」 「なんでしょうかですわ、おぜうさま!」 会話に割り込んできたさくやに首をかしげながら、子まりさが当然のような返答をすると、今度は子まりさをキリッした表情で見つめている。 そんなやり取りを飽きることなく繰り返している子どもたちを微笑ましく眺めながら母れいむは考えた。 きっと、この子は「さくや」と呼ばれると無条件に反応してしまうのだろう。そして、その異常な体質のせいで人間に捨てられたんだ、と。 実際には「さくや」と呼ばれると勝手に反応するのは種族の特性だし、その特性は寧ろ聞き分けのよさにつながるため人間にとっては極めて有益なのだけど、ゆっくり脳でそんな異なる生物の都合まで想像することなど出来るわけがない。 「ゆぅぅぅううう!さくや、いいかげんにしてね!よんでないっていってるでしょ!」 「もうしわけありませんですわ、おぜうさま!」 「ゆあううううううううぅぅぅうううううう!!?」 さすがに名前を呼ぶ→反応するを繰り返しすぎたせいで子どもたちがいらいらし始めてきた。 「これじゃゆっくりできないんだぜ!ゆっくりできないさくやなんてゆっくりしね、なんだぜ!」 さくやの特性に気付いていなかった子まりさが、知らず知らずのうちにあまりにも危険な命令を下してしまう。 「かしこまりましたですわ、おうぜさま!」 言うが早いか、さくやは猛然と近くの岩に突進し、自らの額を容赦なく激突させる! 「さくや、しんじゃだめだよ!」 さくやは運動能力が非常に高いようで、信じられない速さで激突してしまったけれど、一撃で死ぬことはなかった。 でも、割れた額からはプリンがぽろぽろこぼれ落ちている。 「かしこまりましたですわ、おくさま!」 何とか間に合ったらしい。プリンを滴らせながらもキリッした表情のさくやは母れいむの命令にすぐさま従った、のだけど・・・ 「・・・おぜうさまにしかられるぅ~・・・きゅう」 さすがに相当痛かったのか、妙なうめき声を上げて、そのまま気を失ってしまった。 翌朝、まりさが目を覚ますと、新しい家族の姿がないことに気付いた。 一瞬、いろんな不安が頭をよぎる。 もしかして、夜中にふらっと散歩にでも行ってしまったのではないだろうか? もしかして、本当の親が恋しくなって家を飛び出したんじゃないだろうか? ・・・もしかしたら、人間の命令で野生のゆっくりを探していたのではないだろうか? そんな親としての不安と家族を守るものとして欠かせない不信、そして何より家族を疑う自分への苛立ちから、急いで家を飛び出すとさくやはそこにいた。 「“おまえ”!なにをしているん・・・だぜ!!?」 「あら、おとーさま!おはようですわ!」 まりさは驚愕するしかなかった。信じられないことにさくやは夜中に食料を探しに行っていた。 それも、家族全員分の食料を。 しかし、それ以上に信じられないのは並べられている戦利品の数々。 小柄な蛇が1匹、鳩が1羽、ネズミが3匹。あとは食べれそうな木の実がたくさん。 「これ、きょうのおゆはんにしてほしいですわ!」 おゆはんも何もまだ朝ごはんも済ませていない。だけど今重要なのはそんなことじゃない。 「ゆ?」 何も言わずにゆっくりとさくやのそばまで進んでいく。さくやはその様子を首をかしげて見つめる。 それから、ようやくさくやに触れることのできる距離まで近づくと体当たりを仕掛けた。 「ゆっぐ!な、なにをするんですわ?!」 「まりさはね・・・まりさはねぇ・・・そんなあぶないことをしてほしくて“おまえ”をかぞくにしたんじゃないんだぜ!」 「ゆ!?・・・で、でも」 「でももすともれぼもないんだぜ!これからはそんなことはおとーさんとおかーさんにまかせて“おまえ”はみんなとゆっくりしているんだぜ?」 「だ、だって・・・みんなさくやってよんでくれないですわ!」 「それは“おまえ”のだめだ!“おまえ”とかぞぐでいるだめにはじかだのないことなんだぜ!」 感極まって、これ以上の言葉が出てこなかった。 けれど、言葉にならない感情を思いっきり抱きしめる?ことで何とか伝えた。 「ゆっぐ・・・おど-ざん!ご、ごべんですわ!」 その感情は何とか伝わったらしい。さくやはまりさの頬に頬を摺り寄せながら、号泣していた。 「オマエにキミ・・・か」 このゆっくりは非常に良く出来た連中だ。 そこそこに知能は高いし、何より良心に則って行動することが出来ている。 しかし、所詮はゆっくりだ。 「あいつらの腐れ脳みそじゃ名前で呼んでもらえないことがどれだけ辛いかなんて分からないんだろうな・・・」 と、柄にもなく不愉快なことを思い出しそうになったので、別のことを考えて気を紛らわすことにした。 それはあの家族の一員としてのさくやの今後のこと。 きっと、あの家族となら上手くやっていくだろう。うっかり「さくや」と呼ばないように気をつけながらも6匹目の家族と幸せを育んでいくのだろう。 そしてさくやは名前を呼んでもらえない、という不満を抱えながら育っていくだろう。 その事実はどれだけの疑念を、不安をさくやにもたらすだろうか? その疑念とストレスに負けたさくやはどんな風に壊れていくのだろうか? いや、所詮ゆっくりだし、たいしたことはないかな? ・・・なんにせよ、せめて僕と同じくらいのことはして欲しいな。 でないと、あまりに物足りない。 さくやがれいむの家族になってから1週間が経ったある日。 家族の中で一番活発な子まりさがこっそり遠くに出かけてしまった。 「まりさー!!どこなのー!?」 「まりさー!どこだぜー!?」 「まりしゃ!きこえたらゆっきゅりでてきてね!」 「まりさー!どこですわー!?」 家族総出で必死に探したけれど、なかなか見つからない。 そうしているうちに日も暮れてきたので、子どもたちだけでも家に帰そうと、いったん集合したそのとき・・・ 「まりさがあっちにいるですわ!」 何故か瞳を紅くしたさくやが確信に満ちた口調でそう叫び、薄暗い夕闇の中を一目散に駆け出していった。 速いなー・・・いやいや、速すぎる。 1回1回の跳躍距離がれいむの3倍以上はあるし、何よりこの暗さをものともしていない。 「さくや!はやいよ!もっとゆっくりあるいてね!」 「ゆっくりしているばあいじゃないですわ!ゆっくりれみりゃがいるですわ!」 「ゆ!?」 それだけ言うと更に加速していくさくや。 「はっ、はっ・・・はやすぎるよぉ・・・」 れいむが必死に跳ねて、ようやくさくやに追いついた時、さくやはまりさを守りながら3匹ものゆっくりゃと戦っていた。 正確には1匹のゆっくりゃ、それも親ゆっくりゃと思われる一番大きい個体は頭部を完全に破壊されてすでに死亡。 しかも残る2匹の子ゆっくりゃも左右どちらかの腕を失くしている。 「でびりゃのざがらうなんでだばいぎだどー!!」 「ぎゃお゛ーーーーー!!」 何の考えも無しに突進する1匹の子ゆっくりゃを臆することなくぎりぎりまで引きつけると、手近な石を咥えて子ゆっくりゃの足に投げつける。 「う?」 足がもつれて転ぶ子ゆっくりゃの顔面の先にはちょうどさくやの頭があった。 「うー♪ぷっでぃ~ん♪」 子ゆっくりゃはようやく捕らえたと言わんばかりに笑みを浮かべるが、さくやは明らかにそれを狙っていた。 捻転を加えた痛烈な頭突きを無防備な笑顔に向けて放つと、あっという間に絶命させた。 「うぎゃ!?」 子ゆっくりゃの首がもげ、中の具を撒き散らしながら宙高く舞い上がり・・・もう1匹の傍に落ちて、その衝撃で飛び散った。 「うっ・・・!?」 身の程知らずの子ゆっくりゃでも圧倒的な実力差を理解したらしく、顔面は蒼白、表情からは恐怖がにじみ出ていた。 そして助けを求めるようにきょろきょろと辺りを見回す。けれど自分を助けてくれそうなものがいない事に気付くとついに泣きはじめた。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ざぐやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「なんでしょうかですわ、おぜうさま!」 名前に反応してしまったさくやは素早く子ゆっくりゃの足元まで駆け寄るとキリッとした表情で泣き顔を見つめる。 「おぜうさま」と言うのを聞いたときから薄々気にはなっていたことだけど、もしかしたらさくや種はゆっくりゃと共生関係にあるのかもしれない。 「うぅ~?」 一方、子ゆっくりゃは「おぜうさま」と言う言葉に敏感に反応し、さくやのほうをまじまじと見つめている。 まずい。そう思ったれいむは出来れば使いたくなかった奥の手を使わざる得なかった。 「さくや!ゆっくりゃをゆっくりやっつけてね!」 「かしこまりましたですわ、おくさま!」 その掛け声の直後、自分のことを「おぜうさま」と呼んださくやをじっくり見ようと顔を近づけていたゆっくりゃは振り返りざまの一撃を浴びて尻もちをつくことになった。 あまりに無体な不意打ちを喰らった子ゆっくりゃは再び大声で泣き始める。そんなゆっくりゃにさくやは問答無用で下あごに噛み付き、食いちぎった。 「うあああああ!!うあうあうあうあううううあああああ!!?」 もう何を言っているのか全く聞き取れない。これでは従者モードにすることも出来ないだろう。 右腕で下あごを押さえながら仰向けになって泣きじゃくるゆっくりゃを従者モードになってしまったさくやは無機質な表情で眺めていた。 正直に言おう。流石の僕もこれには興奮した。 長年虐待お兄さんをやっていた僕だが、「ゆっくりやっつけろ」を見事に体現するさくやのゆっくりゃに対する虐待は想像を絶するものがあった。 まず、駄々っ子のように手足をばたつかせでたらめに暴れるゆっくりゃの脚に必殺の捻転頭突きを食らわせ、一切の抵抗が出来ないようにする。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 あまりの唐突で理不尽な痛みに白目を剥いて絶叫する子ゆっくりゃ。しかし、下あごのない口ではその絶叫は何かよく分からない音となって響くだけだった。 それでも、この場から逃げようと子ゆっくりゃは残る右腕で必死に這いずる。 「あ・・・あああう・・・ああ・・・」 焦点の合わない瞳で何とか前を見据えながら這いずっていくその先に白い悪魔がたたずんでいた。 凛々しく無機質な表情をしたさくや。何のためらいもなく右腕を食いちぎると、それをもはや口とも呼べないゆっくりゃのかおに空いた空洞にねじ込む。 「・・・・・・・・・・!?!?!?!?」 手を使って引き抜くことは愚か、咀嚼する事さえもままならないいまのゆっくりゃにとって、それは地獄の苦しみにも等しいだろう。 もはや表情を見れば正気を失っているのは明白だった。しかし、さくやの「ゆっくりやっつける」は終わらない。 這って逃げるためにうつ伏せになったのが災いし、今度は背中に生えた羽を引きちぎられる子ゆっくりゃ。 あのまま狂気の世界に突入していれば楽になれただろう。だが、羽をもがれた痛みがそれを無理やり押しとどめた。 「・・・・・・!?!?」 もはや子ゆっくりゃはだるま状態の体をじたばたさせてさくやを振り払おうとする。 が、さくやはその上で飛び跳ね、落下の勢いに任せてゆっくりゃを蹂躙する。 「・・・!?」 その衝撃で腕から、脚から下あごから、そして羽の付け根から中身の具が漏れ出す。 あまりの痛みに体をのけぞらせるゆっくりゃ。しかし、下あごを失った上に腕をねじ込まれた状態では悲鳴さえも上げられない。 「・・・・・・?!!!?」 さくやは再び跳躍すると悶絶するゆっくりゃを見下ろし、さっきより更に高いところから落下する。 「!!?!」 再び体をのけぞらせながら悶絶・・・いや、もはやただの痙攣だった。 それから数十秒ほど、ぴくぴくと痙攣していたゆっくりゃは、気がついたら動かなくなっていた。 その光景は俺にささやかな感動を与えてくれた。 あの不愉快な肉まんが、何かにつけてすがり付こうとする相手に、もしくはそれに似た相手に惨殺される光景は実に美しかった。 そんな感じで僕が悦に浸っている間に、れいむ一家は従者モードから我に返ったさくやと迷子になっていたまりさを連れて、自宅へと引き返していった。 続く? 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まりさがんばる 「ゆぐぅぅ・・・。ゆげぇぇぇ・・・。」 閑静な住宅街のなかの空き地。 どこかの資材置き場なのか土管やドラム缶、木箱にダンボールなどが散乱している。 ずいぶん長い間放置されているのかドラム缶は赤錆に覆われ、あちこちで背の高い草が伸び放題になっている。 おそらく放置されていたであろう木箱に、雨よけのブルーシートが被せられている。 木箱の中にはさらにほぼ同じ大きさのダンボールが入れられている。 その中から人らしき声が漏れている。 しかし、木箱は人間が入れるほど大きくはない。 人間そっくりの声を発する生き物、ゆっくりの巣だ。 「ゆぅぅぅ・・・。」 「おちびちゃん、ゆっくり!ゆっくりだよ!!」 「まりしゃおにぇーちゃん、ゆっくちしちぇ!」 中には大小のまりさが一匹ずつと小さなありすが一匹。 親まりさと、その子ゆっくり達だ。まだ、赤ゆ言葉がぬけない頃だろうか。 ぐったりと寝込んでうなされているのは子まりさ。 あとの二匹がすぐ傍で心配そうに付き添い、ときどき子まりさに声をかけ励ましている。 「ゆわーん、まりしゃおにぇーちゃん!ありちゅのちぇいでまりしゃおにぇーちゃんが・・・」 「ゆっ!ちがうよ!おねーちゃんがびょーきになっちゃったのはおちびちゃんのせいじゃないよ!」 「ぢぇも、ありちゅがおにぇーちゃんのおぼうちをかりたちぇいで・・・」 「ゆぅ・・・、まりちゃは・・・おにぇーちゃんだから、 ・・・いもーちょをたすけるのはあたりまえにゃんだよ・・・・・・ゆぐっゆげぇぇぇぇ」 「おちびちゃん!ゆっくり!あんこさんはいちゃだめだよ!」 「おにぇーちゃんゆっくちぃぃ!!」 姉まりさは病気だった。 ことの始めは二日前にさかのぼる。 折りしも秋の冷たい雨が数日続いていた。 夏から秋にかけては、ゆっくりたちも草花に虫と豊富な食料に恵まれる。 それはこの一家も例外ではなく、十分な食事にありつき、かつ多少の蓄えもすることが出来た。 しかし、断続的に降り続ける雨に狩りにいくもままならない。 蓄えもとうとう尽きてしまった。雨はまだやみそうにない。 自分はともかく、おちびちゃんたちは長く絶食するわけには行かない。 そんなことをすれば、体の小さなおちびちゃんたちは永遠にゆっくりしてしまうだろう。 とすれば、わずかな雨あがりの間に狩りに行って来るしかない。 「ゆっ!おちびちゃんたち、よくきいてね。おとーさんはかりにいってくるよ。 とちゅうであめさんがふってきたら、どこかであまやどりするから、すぐにかえってこれないかもしれないよ。 おとーさんがるすのあいだ、あめさんがやんでもおうちからでちゃだめだよ。」 「でもずっとおうちのにゃかでちゅまんにゃいよ!まりしゃ、おちょとであそびちゃいのじぇ!」 「おにぇーちゃん、おとーしゃんのいいつけをまもりゃにゃいなんちぇ、ときゃいはじゃにゃいわ。」 「そうだよ、おちびちゃん。あめさんは、ふってないようにみえてもまたすぐにふってくるんだよ。 おちびちゃんたちはちいさいから、あめさんにぬれるとすぐにゆっくりできなくなるんだよ。 でも、おうちのなかならあめさんもはいってこないよ。ゆっくりりかいしてね。」 「ゆぅ・・・、ゆっくちりかいしちゃよ・・・。」 「ゆっくちりかいしちゃわ!」 「それじゃいってきます!まりさは、おねーちゃんだから、いもーとのめんどうをちゃんとみてあげるんだよ!」 「ゆん!ゆっくちりかいしちゃのじぇ!」 「おとーしゃん、ゆっくちはやきゅかえってきてにぇ!やくちょくよ!」 「ゆっ!ゆっくりすぐにかえってくるから、おちびちゃんたちもゆっくりいいこにまっててね!」 こうして親まりさは、雨があがったわずかな合間に狩りへと出かけていった。 一時間後 子まりさと子ありすはまだまだ元気に親の帰りを待っている。 「ゆゆーん、おとーしゃん、はやきゅかえっちぇこにゃいかしら?」 「おとーしゃんは、かりのめいじんだから、かえっちぇきたらいーっぱいむーちゃむーちゃできりゅのじぇ!」 「ときゃいはなおはなしゃんもとっちぇきてくれるかちら?」 「おいしいいもむちしゃんもあるかもしれにゃいのじぇ!」 「「ゆゆーん!たのしみなのじぇ(たのしみね)!」」 二時間後 ぽつん、ぽつっ、ぽつっ 少し雨が降り始めた。そのせいでもないだろうが、二匹にも最初の元気がなくなってきた。 「あめしゃんふってきたのじぇ・・・・」 「おにぇーちゃん、おうちのなかでゆっくちまとうにぇ・・・。」 三時間後 びゅーー、ばちゃばちゃ、ザー 雨が本降りになってきた。風も強く、いよいよ大雨といった様相だ。 「ゆぅ・・・おにゃかすいたのじぇ・・・。おとーしゃんゆっくちはやくかえってくるのじぇ・・・。」 「ゆぅぅ、あめしゃんふってきたからあまやどりしちぇるのにぇ・・・。 かぜしゃんもゆっくちしてにゃいわ・・・。あめしゃん、ゆっくちはやくどこきゃいっちぇね!」 びゅうううう ぶわっ 「ゆぴーー!あおいぬのしゃんとんでっちゃたのじぇ!」 「ゆわーーん!おにぇーちゃんきょわいいいーーーー!」 「だいじょうぶなんだじぇ!おうちのなかまではそうかんたんにあめしゃんは、はいってこにゃいのじぇ!」 「ゆぐっゆぐっ・・・。・・・あめしゃん、はいっちぇこにゃいわ!」 「あんしんするのじぇ。もうすこししたらおとーしゃんがかえってくるのじぇ。」 「ゆんっ!ゆっくちりか「ぽたっ」ゆゆぅ?」 ぽたっ、ぽたっ、ぽたたっ 最初のうちは、入口からわずかに雨が入ってくるぐらいだったが、そこは木箱。 ブルーシートの覆いがなくなってしまえば雨が滲みこんできて、 それが内側の段ボールの許容量を超えれば、当然いずれは雨漏りが始まる。 「「なんであめしゃん、おうちにはいってくるのじぇ(はいってくるにょ)ーーーーー!!」」 「ゆ゛っ・・ゆ゛っ・・ゆ゛っ・・ゆ゛ぁぁぁああああ!!おとーしゃーーーん!ゆっくちたすけちぇーーーー!!!」 「ゆゆっ、ありしゅおちつくのじぇ。こっちにくるのじぇ!ここならあめさんこないのじぇ!」 「ゆ・・・。ゆっくちりかいしちゃよ・・・。」 ずーりずーり 「おにぇーちゃんがついてるのじぇ!」 すーりすーり 「ゆーん!おにぇーちゃんありがちょーー!」 すーりすーり 雨がやむ気配はなく、雨漏りは酷くなる一方だ。 「ゆぐっ、ゆぐっ、にゃんであめしゃんこっちまではいってくるにょぉぉぉぉ!!」 「あめしゃん、おうちにはいっちぇきたらゆっくちできないのじぇぇぇ!!」 「ゆっしゅん!ゆっしゅん!おにぇーちゃん、ありちゅおからだがぬれてゆっくちできにゃいよ・・・。」 帽子のある子まりさに比べ、子ありすは体中が濡れている。 まだまだ、体が崩れることはなさそうだが、皮が薄く軟らかい子ゆっくりではいつまで保つかわからない。 それにこの秋の寒さに加え、体を濡らしてしまえば、簡単に病気になってしまうだろう。 「ゆぅ・・・。ゆゆっ!まりしゃのおぼーしをかしてあげるのじぇ!これがあればぬれないのじぇ!」 「ぢぇも、おにぇーちゃんがあめしゃんにぬれちゃうわ。」 「まりしゃはおにぇーちゃんだから、だいじょうぶなのじぇ! かわいいいもーちょにょためにゆっくちがまんするのじぇ!」 まりさは、これまでの経験からこの天候では雨がまたすぐに降ってくるだろうと感じていた。 そのため、短時間で集中して狩りをし、結果、節約して二日ぐらいならば一家が食べつなげる程度の食料が手に入った。 このまりさは、天候の読み方といい、狩りの効率といい、そこそこ優秀な個体のようだ。 しかし、さあ帰ろうと思った矢先、雨が降り始めたので雨宿りしてから帰ることにした。 雨は風を伴って強くなる一方だったが、夕方近くにはやっとやんでくれた。 これでおちびちゃんたちのところに帰れる。 またいつ雨が降り出すかわかったものではない。 そうなる前に急いで帰ろう。 お帽子のなかには子まりさの好きな、いもむしさんもある。 子ありすの好きな、とかいはーなはなさんもある。 きっとお腹をすかせているだろうおちびちゃんたちも喜んでくれる。 「ゆっ、ゆっ、あまやどりしてたらおそくなっちゃったよ!おちびちゃんたちおなかぺーこぺーこだね!」 自然帰りの足も軽くなる。 ぽよんぽよん 「でも、これだけあればおちびちゃんたちもおなかいっぱい、むーしゃむーしゃできるよ!」 ぽよんぽよん 「ゆっ、ゆっ、もうすぐおうちだよ!ゆっくりいそぐよ!」 ぽよんぽよん 「ゆがーーん!どぼちてあおいぬのさんとんでっちゃてるのぉぉぉぉぉ!?」 やっとたどりついたおうちには厳重に掛けて固定したつもりのブルーシートが外れている。 なかのおちびちゃんたちは無事だろうか? 大急ぎでおうちのなかに飛び込んだ。 「おちびちゃんたち!だいじょうぶ!?」 「おとーしゃんっっ!まりしゃおにぇーちゃんがっ・・・!」 「おちびちゃん!?おちびちゃん!??」 雨漏りのなか、妹のためにお帽子を貸してあげた子まりさは全身がふやけて、皮が今にも解けだしてしまいそうだ。 子ありすも全身濡れているが、こちらは問題なさそうだ。 やはりまりさのお帽子を被っていたのが良かったのだろう。 それに比べて、子まりさは虫の息だ。 すぐにでも体を乾かしてやらなければ命に関わる。 「そーっとそーっとぺーろぺーろだよ。」 まりさは、獲って来た食料を床に置くと子まりさから余分な水分を取るため ふやけた皮を傷めないように出来るだけ優しくぺーろぺーろしだした。 次にまりさは自分のお帽子を濡れた床の上に敷いて、その上に子まりさを寝かせた。 そして自分はブルーシートをもう一度木箱の上に被せ直す。 もし、同じことがあれば次こそ子ゆっくりたちの命はないだろう。 今度はブルーシートが飛んで行かないように大き目の石を両側にいくつものせる。 十分にブルーシートを固定すると、おうちのなかにもどる。 そして、心配そうに子まりさの傍に付き添っている子ありすから一部始終を聞きだした。 「ゆぅ・・・。まりさのおちびちゃんはとってもゆっくりしたおちびちゃんだね・・・。」 「ありしゅのせいで、まりちゃおにぇーちゃんがゆっくちできなくなっちゃうわ・・。」 「おちびちゃんのせいじゃないよ。おとーさんがしっかりしてなかったから、おちびちゃんたちをこわいめにあわっせちゃったね。 ごめんね・・・、おちびちゃん・・・。」 それからしばらくは子まりさが目を覚ますのと、体が乾くのを見守るしかなかった。 これ以上子まりさの体に触れれば、体が乾く前に皮が破れそうだったからだ。 途中、子ありすに獲ってきた食料を食べさせた。 子ありすは自分がまりさのお帽子を被っていたことに罪悪感を感じているのか、 子まりさが目を覚ますまで自分もむーしゃむーしゃしないと聞こうとしなかった。 しかし、子ありすにしても冷たい雨に濡れて平気なはずはない。 ただでさえ体力のない子ゆっくりなのだ。 説得の末、子ありすにどうにかむーしゃむーしゃさせると、 やはり体力が低下していたのかすぐに眠りに落ちてしまった。 それからはまりさが子まりさの傍に付き添い、見守り続けた。 「ゆぅぅーん・・・・。」 しばらくして、子まりさがか細いうめき声をあげ、目を覚ました。 「おちびちゃん!おちびちゃん!おとーさんだよ!ゆっくりしてね!」 「ゆぅ、ゆぅぅーん・・・。おとーしゃん・・・。まりちゃ・・・、きぼちわるいのじぇ・・・。」 「おちびちゃん、まっててね!すぐにむーしゃむーしゃさせてあげるよ! おちびちゃんのだいすきな、いもむしさんもとってきたからね!」 「おとーしゃん・・・。ありしゅはぶじなのじぇ・・・?」 「おねーちゃんのおかげでありすはげんきだよ。 ゆんゆん、おちびちゃんもむーしゃむーしゃしようね。そうすればすぐにげんきになるよ。」 「ゆーん・・・。いもむししゃんおいしそうなのじぇ・・・。」 まりさが獲ってきた食料の中でも子まりさの好物のいもむしをもってきてやると、 子まりさはゆっくりと食事を始めた。 「むーしゃむーしゃ、むーしゃむーしゃちあわちぇー・・・。」 元気いっぱいとはいかないが、子まりさがそれなりに旺盛な食欲を見せたことでまりさもほっと安堵のため息をついた。 まだ体が乾ききっていないうえ、あれほどひどい目にあったのだから、 かなり消耗しているのは仕方ないにしても、食欲があるうちは大丈夫なはずだ。 そこは単純なゆっくりの体、食べて寝ることが出来れば持ち直すだろう。 食事を終えた子まりさを再び寝かしつけ、まりさも眠りにつく。 狩りの疲れに加え、おうちに帰ってからも気の休まる暇がなかった。 明日一日はごはんの心配もない。 またわずかな晴れ間を見て狩りにいくべきかもしれないが、 おちびちゃんたちの体調しだいでは一日中付き添ってやらなければならない。 なんにしろ明日になってからだ。今日はもうすーやすーやしよう。 おとーしゃん!おとーしゃん! 何だろう?おちびちゃんが自分を呼んでいる。 まだ眠いが仕方ない。 妹ありすは昨日は自分が帰ってきてすぐ、眠ってしまったから寂しくて早く起きろとうるさいのだろう。 「どうしたの、おちびちゃん?おとーさん、まだねむいよ・・・・。」 「おにぇーちゃんが・・・!おにぇーちゃんがたいへんにゃのーーーー!!」 おねーちゃん? 姉まりさがどうかしたのか? こんなときゆっくりの餡子脳は悲しい。すぐには事に思い至らない。 その上、寝起きでぼんやりした頭でゆっくりと昨日の出来事を思い出していく。 そういえば昨日は・・・・? そうだ、姉まりさは冷たい雨に体が解ける寸前まで濡れて体調をくずしていたんだ! 「ゆぅぅ、ゆぅぅぅん・・・。」 子まりさの方へ目をやると、確かに一目で様子がへんだとわかる。 体は・・・・もうほとんど乾いている。 しかし、顔色が悪いし息も荒い。そっとおちびちゃんの頬へふれると明らかに熱い。 病気だ。おちびちゃんは病気に罹ってしまったのだ。 あれだけ体が濡れて生死をさまよった挙句、冷たい雨で体を冷やしてしまったのが決定的だった。 「おちびちゃん?、おちびちゃん?おとーさんだよ!わかる!?」 「おにぇーちゃん、ゆっくち!ゆっくちしてね!」 「ゆぐぅぅ・・・。おとーしゃん・・、ありしゅ・・、ゆっくち・・ゆげっゆげっ!」 「おちびちゃん!」 「おにぇーちゃん!」 大変だ。子ゆっくりはゆ風邪をこじらせた程度でも簡単に永遠にゆっくりしてしまう。 自分ではどうにもならないかもしれない。 あとで、ぱちゅりーのとこへ行ってみたほうがいいかもしれない。 それはそうと、おちびちゃんたちにむーしゃむーしゃさせなくてはならない。 姉まりさには少しでも体力が必要だし、妹ありすまで倒れたら目も当てられない。 「おちびちゃんたち、あさむーしゃむーしゃしようね。 まりさ、きのうのいもむしさんもまだのこってるよ。いっっぱいたべてね。」 食料は節約しなければならないが、子ゆっくりたちに体力をつけさせる必要もある。 特に姉まりさにはたくさんむーしゃむーしゃしてほしい。 ごはんさんはまたあとで狩りにいくしかないね・・・。 しかし、そんな心配は杞憂だった。 子まりさは余程体調が悪いのか、昨日よりも食欲がなくなっていた。 「ゆぅ・・・。おちびちゃん、もうすこしむーしゃむーしゃしようね。」 「ゆゆぅ・・・。まりしゃもうおなかいっぱいなのじぇ・・・。」 いつもは特に食欲旺盛な子まりさが今日はまるで食欲がない。 まりさはいよいよ危機感を募らせていた。 食欲があるうちはまだ大丈夫。本当に弱っている生き物は食べることさえできなくなるのだ。 本能的にそれを察知したまりさは、子ありすに留守を頼むと小雨の降る中を早々に出かけていった。 「ぱちゅりー!」 「むきゅ!?まりさどうしたの、こんな雨の中を?」 「ぱちゅりぃぃぃぃーーー!!!」 まりさは、近所のぱちゅりーのところを訪ねていた。 このぱちゅりーは賢く、自分で狩りをするほかにその知恵や知識で他のやっくりを助けることでも食料を手に入れていた。 その知識には薬草など怪我や病気にかんするものも含まれていた。 「そう・・・。おちびちゃんがびょうきにかかってしまったのね・・・。」 「そうだよ!ごはんさんもあんまりむーしゃむーしゃしてくれなくて・・・。 もうぱちゅりーにたよるしかないんだよぉぉぉ!」 「むきゅーん・・・。わかったわ、ちょっとまってくれるかしら。」 そういうと、ぱちゅりーはお薬の入った救急セットを引っ張り出してきた。 ぱちゅりーが近くの公園で拾ってきた子供用のポシェットだ。 なかにはぱちゅりー特製の様々なおくすりが入れてある。 「むきゅ!じゅんびはばんたんよ!おちびちゃんのところへいきましょう!」 「ありがとおうぅぅぅぅ!!!ぱちゅでぃぃぃぃぃ!!!」 「おとーしゃん、おかえりなしゃい!」 おうちに帰るなり、妹ありすが駆け寄ってきた。 病気の姉まりさと二匹だけで心細かったのだろう。 「おちびちゃん、おねーちゃんのぐあいはどう?」 「おにぇーちゃんずっとねむっちぇるわ・・。ぢぇもくるちちょう・・・。 こんにゃのときゃいはじゃにゃいわ・・・。」 「むきゅ。おちびちゃん、ここはぱちゅりーにまかせて。」 「ゆゆーん・・。ぱちゅりーおにぇーしゃん、まりしゃおにぇーちゃんのおびょうき、ゆっくちなおしてにぇ!」 「むきゅん!さいぜんをつくすわ。それじゃしんさつするわね。どれどれ・・・。」 ぱちゅりーは熱を測ったり、顔色や呼吸を確認したあとで、 まりさと子ありすにも昨日からの子まりさの容態を聞いてみた。 「ゆ!きのうはこんなにぐあいがわるくなかったんだよ! きょうのあさ、おちびちゃんをみたら、すっごくくるしそうだったんだよ!」 「ゆん!ありちゅ、おにぇーちゃんのくるちそうなこえでめがさめたのよ!」 「むきゅーん・・・。だいたいわかったわ。たぶんふつうのゆ風邪よ。」 「ゆかぜ!それじゃ、おちびちゃんはたすかるんだね!」 「ゆっくち!ぱちゅりーおにぇーしゃんはときゃいはにぇ!」 けれど、ぱちゅりーは深刻そうな表情で続ける。 「そんなにかんたんじゃないわ。 たいりょくのないおちびちゃんが、つめたいあめさんにいっぱいぬれてしまったんですもの・・・。 たいりょくがていかしてとてもきけんなじょうたいよ・・・。肺ゆんをおこすかもしれないわ。」 「ゆゆっ!はいゆん・・・。そんなぁ・・・、おちびちゃんはたすからないの?」 「・・・まだわからないわ。あんせいにして、えいようのあるものをたべさせてあげて。 それと、おくすりよ。ねつがさがって、すこしはらくになるはずよ。」 そういってぱちゅりーは、救急セットのなかから小瓶を取り出してまりさに渡した。 中にはペースト状にすりつぶされた薬草がはいっていた。 「げねつさようのあるはっぱさんに、なんしゅるいか、じようのあるはっぱさんをまぜたものなの。 ちょっとにがいから、おちびちゃんにはごはんにまぜて、むーしゃむーしゃさせてね。」 「ありがとうぱちゅりー!それでおれいのごはんなんだけど・・・。」 「むきゅ!またこんどでいいわ。おちびちゃんがげんきになったらおねがいね!」 「ゆ!ごめんね、ぱちゅりー・・・。きっとおいしいごはんたくさんもっていくからね!」 「こまったときはおたがいさまよ!」 「おとーしゃん、はやくおにぇーちゃんにおくすりのませてあげてにぇ!」 「ゆん、それじゃごはんにしようね!おちびちゃん!おちびちゃん!おきてね!」 「おにぇーちゃん、ゆっくちむーしゃむーしゃにようにぇ!」 「ゆゆーん・・・。ごはんなのじぇ・・・?」 「まりさにはとくべつにえいようのあるおくすりをあげるよ! ごはんといっしょにむーしゃむーしゃしてね!そうしたらすぐにげんきになるからね!」 「・・わかったのじぇ。まりしゃおくすりむーしゃむーしゃするのぜ・・。」 まりさは小瓶のふたを開けると、拾ってきたアイスの棒でおくすりをごはんに混ぜ込んでいった。 ちょっと贅沢なおやさいさんの切れ端やあまいおはなさん、軟らかいくささんに混ぜて 出来る限り苦くないように工夫した。 「ゆげぇ・・・。おくすり、ちょっとにがいのじぇ・・・。」 「おちびちゃん、ゆっくりむーしゃむーしゃしてね!おくすりのまないとゆっくりできなくなるよ!」 「ゆぅぅ・・。まりしゃ、おくすりむーしゃむーしゃするのじぇ・・・!」 食事が終わって子まりさを寝かしつけてしばらくすると、苦しそうだった呼吸も心なしか穏やかになってきたようだ。 「ゆんゆん!さすが、ぱちゅりーのおくすりだよ!これでおちびちゃんもだいじょうぶだね!」 やることはまだまだある。 天気は十分に回復していないが、だからこそわずかな晴れ間に狩りに行かなければならない。 次に雨がやむのはいつになるかわからないのだ。 「おちびちゃん、おねーちゃんをよろしくね! もし、おねーちゃんがどうしてもぐあいがわるいときは、おくすりのませてあげてね!」 「おとーしゃん、かりにいっちゃうにょ? きょうはむーちゃむーちゃしなくてもいいから、おうちにいてにぇ?」 ああ、そうか。昨日あんなことがあっておちびちゃんは自分が家を空けるのが怖いんだ。 自分がしっかりしなかったせいで、おちびちゃんたちを怖い目にあわせてしまった・・・。 「ごめんね・・・。だめなおとーさんで・・・。 おうちはじょうぶにしといたからもうあおいぬのさんとんでったりしないよ。 おねーちゃんのためにもおいしいごはんたくさんとってこないといけないから、 おとーさん、かりにいってくるよ。ありすもなかないでね・・・。」 「ゆん・・・。ありちゅ、ないてなんかいにゃいもん。 ありちゅはときゃいはだきゃら、おるすばんできりゅわ!」 「ゆーん!おちびちゃんはとかいはだね。・・・しんじゃった、おちびちゃんのおかーさんをおもいだすよ・・・。」 「ゆゆ?どうしたの、おとーしゃん!?」 「ゆん!?なんでもないよ!ゆっくりいってくるよ!」 「ゆっくちいってらっしゃい!!」 ぴょんぴょん ゆゆーん!おちびちゃんたちはとってもゆっくりしてるよ! まりさはとってもしあわせだよ! ぴょんぴょん まりさは、昨日にもまして必死で狩りに没頭した。 狩場も昨日よりもおうちに近い。 もし、雨が降り始めたら、すぐにでもおうちに帰れる用ようにだ。 もし自分がもっとおうちをきちんと造っていたら・・・、 もし自分がもっと早く帰っていたら・・・、 こんなことにはならなかったはずなのに・・・。 それに、いくら強がっても妹ありすは雨が降り出せば怖い思いをするだろう。 まだまだ、ほんの小さな子ゆっくりなのだ。 なにより、くすりのおかげで小康状態にあるとはいえ子まりさのことが心配だ。 今日は早く帰ろう。 「ゆっくりただいま!おちびちゃん、おねーちゃんのぐあいはどう?」 「おにぇーちゃん、だんだんくるちそうににゃってるにょ!」 見れば確かに子まりさはくすりを飲ませる前と同じような状態に戻っている。 「ゆぅぅ・・・。おくすりがきれちゃったのかもしれないね・・。 おちびちゃん、ごはんにしようね。おねーちゃんもおこしてね。 おとーさんはごはんのよういをするよ。」 「ゆげっ、ゆげえっ!!ゆぐぅ・・・。まりちゃ、きもちわるいのじぇ・・・。」 「おちびちゃん!だいじょうぶ!?」 「おにぇーちゃん、ごはんさんむーしゃむーしゃしょうにぇ!」 「ゆぅぅ、あんまりたべたくないのじぇ・・・。」 「おちびちゃん、そんなこといわないでちょっとだけでもむーしゃむーしゃしようね。」 「ゆっくちりかいしたのじぇ。ごはんさんむーしゃむーしゃするのじぇ・・・。」 おくすりを飲ませて子まりさを再び寝かしつけると多少は顔色も良くなったように見える。 ただ、気のせいだろうか。朝方よりも具合が悪くなっていないだろうか・・・。 まりさの餡子脳にぱちゅりーの言っていた肺ゆんという言葉がふと過ぎる。 そんな馬鹿な!あんなにゆっくりとしたおとびちゃんが! もし本当に肺ゆんだとしたらぱちゅりーにもどうにもならないだろう・・・。 いいや!違う! 冷たい雨に濡れたせいでゆ風邪を少しこじらせてしまっただけだ。 おくすりも効いているし、寝て起きれば少しは良くなっているはずだ・・・。 まりさは必死に自分に言い聞かせる。 そうして、子まりさを見守っているうちに、自分もうとうとと眠り込んでしまった。 「ゆぐぅぅ・・・。ゆげぇぇぇ・・・。」 まりさは物音で目を覚ます。辺りはまだ暗い。 おそらく早朝といったところだろう。 「ゆげぇぇぇ・・・・っ。」 「・・・おちびちゃん?」 様子が変だ。 暗いなか目を凝らして姉まりさのほうを見てみる。 「どぼちてあんこさんはいちゃってるのぉぉぉぉぉ!!!」 「おちびちゃん!?おちびちゃん!!すぐにおくすりのませてあげるからね!! これいじょうあんこさんはいちゃだめだよ!!」 「ゆぐっ、ゆぐっ!!」 苦しそうな子まりさは、呼吸も荒くまともに返事も出来ない。 まりさは手早くおくすりの小瓶をあけると、アイスの棒で直接子まりさにおくすりを飲ませる。 子まりさは、呼吸が荒いからなのか、おくすりが苦いからなのか、再び戻しそうになってしまう。 「ゆげっ!ゆげぇぇぇ!!」 「おちびちゃん、ごめんね!!」 まりさは子まりさがおくすりを吐き出さないように口を無理やりふさぎ、落ち着くまでそのまま待つ。 しばらくすると、多少落ち着いてきたのか、静かになった。 次に子まりさが吐いてしまった餡子を集め、子まりさに飲み込ませる。 子まりさは、これも嫌がったが無理やりにでも飲み込ませる。 騒がしかったのか、子ありすも起きてきてしまった。 泣き出す子ありすをあやしつけ、子まりさの様子を見守る。 幸い、吐いてしまった餡子はそれほど多くなかったし、それも全部戻した。 おくすりのおかげでしばらくは大丈夫そうだ。 でも、これではもう一睡もすることができない。 少しでも油断すれば、子まりさは永遠にゆっくりしてしまうだろう。 明るくなったら一番にパチュリーのところへ行こう。 ぱちゅりーでも子まりさの容態は手に負えないかもしれない。 でも、自分には他にどうすることも出来ない。 「おちびちゃん・・・。ごめんね・・・。」 辺りがやっと明るくなった頃、早々にまりさはおうちを飛び出した。 雨は降っていない。 一応、子ありすを起こして、ぱちゅりーのところへ行ってくることと、子まりさの世話を頼んできた。 しかし、また餡子を吐くようなことがあれば、子ありすにはどうすることも出来ないだろう。 急がなければ! 「ぱちゅりー!おきてぱちゅりー!」 「むきゅきゅーん・・・。どうしたのまりさ、こんなそうちょうから・・・?」 「おちびちゃんがたいへんなんだよ!」 「・・・おちびちゃんが?」 「すこしまえに、あんこさんはいちゃったんだよ!とってもぐあいがわるそうだよ!」 「むきゅ!それはたいへんね!まってて、すぐじゅんびするわ!」 言うなり、例の救急セットを取り出してきた。 「むきゅん!じゅんびかんりょうよ。さあ、いきましょう!」 「ゆっゆっ、おちびちゃん!!」びょん 「むきゅー・・・むきゅん。」ごろん 二匹が大急ぎでまりさたちのおうちへ駆け込んできた。 「おとーしゃん!!」 「おちびちゃん、おねーちゃんのぐあいは?」 「ゆっくちねむっちぇるよ・・・。」 「むきゅ!そうね、おくすりがきているみたいね・・・。」 「でもぱちゅりー、おちびちゃん、さっきはあんこさんはいちゃったんだよ・・・。」 「むきゅぅ・・・・。そうね、かおいろもこころなしかきのうよりわるいし、やつれてみえるわ。」 「ぱちゅりー、おちびちゃんのぐあいはどう?」 「・・・・。まりさ、ちょっといいかしら。」 ぱちゅりーは、まりさをおうちの外へ連れ出した。 「どうしたの、いきなりおうちからでるなんて?」 ぱちゅりーは昨日にも増して深刻な表情で言う。 「むきゅ、おちついてきいてほしいわ。おちびちゃんはこのままでは、たすからないとおもうわ・・・。きっときょうかあすには・・・。」 「そんな!!なんとかならないの!? 」 「むきゅん・・・。ごめんなさい・・・・。おくすりをのませて、あとはいっしょうけんめいおせわをするしかないわ・・・。」 恐れていたことがとうとう目の前に現実として突きつけられてしまった。 自分のせいで、自分が頼りないばかりにあのゆっくりとしたおちびちゃんが・・・! 「でも、それじゃおちびちゃんはよくならないんでしょ! ぱちゅりー、まりさはどうなってもいいよ!!どんなことでもするよ!! だから、おちびちゃんをたすけてあげてね!!」 「ぱちゅりーにももうどうしようもないのよ・・・。なんとかできるとしたらにんげんさんぐらいしか・・・。」 にんげんさん! そうだ! にんげんさんならおちびちゃんをたすけることができるずだ! 「ゆゆ!にんげんさん!にんげんさんならおちびちゃんをなおせるんだね!?」 「むきゅん。にんげんさんのおくすりならおちびちゃんもなおせるとおもうわ・・・。 でも、にんげんさんのおそろしさは、まりさもしっているでしょ? きけんすぎるわ。」 「それでもまりさはいくよ!ぜったいに、にんげんさんからおくすりをもらってくるんだよ!」 「わかったわ。それじゃあ・・・。」 ぱちゅりーはまりさを説得することが無駄だと悟ると、せめてものアドバイスをしてくれた。 「にんげんさんはとてもおそろしくて、つよいいきものよ。 でも、すべてのにんげんさんがこわいひとばかりじゃないのよ。 なかにはゆっくりにもやさしいひとがいるらしいの。 まりさもきいたことがあるでしょう? にんげんさんとゆっくりが、いっしょにゆっくりくらしてるというおはなしを。」 「ゆ!かいゆっくりだね!きいたことがあるよ! わかったよ! ぱちゅりー、おちびちゃんをかいゆっくりにしてもらえばいいんだね!」 「だめよ、まりさ!にんげんさんにかいゆっくりにしてほしいということは、 つぶされてもいいといってるのとおなじことなのよ!」 「そんな・・・・。じゃあ、どうすればいいの・・・?」 「むきゅん。まずはやさしそうなにんげんさんをみつけるのよ。 ゆっくりをたすけてくれそうなひとよ。 できればかいゆっくりといっしょにくらしているひとがいいわ。 そしたらそのひとにおねがいして、おくすりをもらってくるの。 にんげんさんのおくすりなら、おちびちゃんだってたすかるはずよ!」 「ゆゆ!すごいよ、ぱちゅりー!それでそのおくすりはなんていうの?」 「むきゅん!おくすりのなまえはね・・・・。」 「おくすりのなまえは・・・!?」 「おくすりのなまえは、かぜぐすりと、おれんじじゅーすっていうのよ!!」 こうして、まりさのおくすりを求める旅が始まる。 初めてのSSになります。 続くかどうかわからんです。 ものすごく大まかな次回のストーリーだけ頭のなかにあります。 それとゆ虐がないことに腹がたった人ごめんね。 冒頭の「~があります」って注意書きはネタバレだと思うからやめときました。
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※わりとオリ設定満載気味です ※あんまり虐待されないゆっくりが居ます ※原作キャラが登場します ※fuku1867.txt,fuku1814.txtが一応シリーズになっています 「さくや、とかいはのありすのためにしょくじをよういしなさい!」 「かしこまりましたですわ、おくさま!」 「さくや、まりさのためにふかふかのねどこをよういするんだぜ!」 「かしこまりましたですわ、だんなさま!」 「しゃくや!かわいいありしゅのために(ry」 「かしこまりましたですわ、おぜうさま!」 ここはゆっくりの間でも下種一家として蔑まれ、忌み嫌われているゆっくりファミリーの巣。 家族構成は父まりさに母ありす。子どもは双方の小さいのが2匹ずつ。 不運にもそこに迷い込んだまだ幼いゆっくりさくやは下種一家に散々こきつかわれる羽目になった。 「これだけしかとってこれなかったの?ほんとうにさくやはつかえないわね!」 「なんでしょうかですわ、おくさま!」 「なまえをよぶとすぐにはんのうするし、ほんとうにばかだぜ!」 「「ばかだぜ!」」「「ばかないなかものね!」」 さくやの取って来た食料にケチを付けながら食い漁る下種一家。 しかし、さくやの取って来る食料はゆっくりにとっては破格の量であり、普通に節制の出来るゆっくりならば家族全員がその日食べる分より貯蔵に回す分のほうが多いくらいである。 それをこの一家は一食で平らげる。その甲斐あって父まりさも母ありすも不健康なほどの太っていてゆっくりとさえも動けない。 もちろん、子どもたちも年齢のわりに非常に大きく、しかも当然のように酷い下膨れ顔になっている。 ただ1匹、さくやを除いては。 「あなたのぶんはこれだけよ!ゆっくりたべなさい!」 母ありすはさくやの取り分を投げつける。 その量はありすたちの一食分の1/50にも満たず、この一家以外のゆっくりでもこれでは次の食事まで持たないような量だった。 「あ、ありがとうございますですわ!」 けれど、さくやは文句ひとつ言うことなく与えられた食事を口にする。 正確に言えば文句を言ったところで聞き入れてもらえないし、下手をすれば暴力を受けるからなのだが。 「む~しゃむ~しゃ、しあわせですわー!」 少量の食事をゆっくり味わうさくやを尻目に一家は大量の食料にがっつく。 「うっめ、めっちゃうめ!」 「ふんっ!ま、まあまあね!」 「このはとさんまじやべぇ!」 「とかいはじゃないけど、わるくないわね!」 くっちゃくっちゃと食べかすを撒き散らしながら貪り食うその姿のどこが都会派なのかはさっぱりわからない。 結局、さくやと一家はほぼ同時にご飯を食べ終えた。 「さくや、ゆっくりいそいで朝ごはんをとってきてね!」 「かしこまりましたですわ、おくさま!」 言うが早いか家を飛び出していったさくやはきょろきょろとあたりを見回す。 しかし、家の近くにはゆっくりの食料になりそうなものは全くと言っていいほど見当たらない。 それもそのはず。食料集めをさくやに押し付けられるようになった下種一家は際限なく食べ物を欲しがり、考えなしにさくやに命令を出していた。 その結果、近場の食べられる植物はあらかた取り尽くし、さくやでも捕獲可能な小型の動物たちは家の周辺に寄り付かなくなった。 「・・・」 従者モードのさくやは淡々と職務を遂行する。ため息を漏らすこともなく、ただひたすら食料を探して当てもなく歩き始めた。 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・」 しばらく北に歩き続けているとどこからか肉まんの匂いが漂ってきた。 そして、匂いを追っていくと、その先には瀕死のゆっくりゃが1匹。 右腕がもげ、両脚は根元まで完全になくなっていた。しかも、時間をかけて徐々に千切られたらしく、足だったと思しき肉片がそこら中に散乱していた。 普段の思わずぶん殴りたくなるような愛らしいアホ面は幾度となく執拗な攻撃を受けたせいか、冗談のように腫れあがって、少しはまともに見れる顔になってしまっている。 他にも胸に3本ほど木の棒が突き刺さっていたり、人間の女性器に似た器官がへそまで裂かれていたが、顔の惨状と比べればたいしたことのないもののように思えた。 「・・・しょくりょうですわ」 そう呟くと、体中の傷や損傷に目もくれず、四肢の中で唯一残っていた左腕を引っ張って巣に持ち帰ろうとする。 「・・・う、うぅ・・・さく、やぁ・・・たすげでぇ・・・」 引っ張られたことで意識を取り戻したゆっくりゃは本能に従って生き延びようと、視界に入ったそれに必死に絞り出した声で助けを求めた。 そして、従者モードにスイッチの入ったさくやは確かにその命令を聞き届けた。 「かしこまりましたですわ、おぜうさま!」 「さくや、おそいんだぜ!どれだけまたせるつもりなんだ!?」 実際には30分と待たせていないのだが、下種というのは常識が通じないからこそ下種なのだ。 自分たちが遅いといえばそれが即真理になると思い込んでいる身の程知らずの傲慢。 「なんでしょうかですわ、おくさま!」 普通のゆっくりならこの時点で無駄な反論を試みるのだが、名前を呼ばれてしまった手前、さくやには従者モードへの移行以外の選択肢はなかった。 「おそいっていってるんだぜ、このグズ!すましたかおしてないで・・・ゆ?」 従者モードになったせいか、非常に澄ました表情をしているさくやにお仕置きをしようと近づいていったまりさはさくやの後ろにいたものを見て、驚いた。 「ゆ!ゆっくりゃ!?」 とっさに飛びのくと一目散に(といっても肥え太ったせいで非常に鈍足なのだが)家の奥へと逃げ込む。 「ゆ!ゆっくりゃ!?」 「なんで、ゆっくりゃがいるのよ!?」 「まりさはおいしくないんだぜーっ!!」 ゆっくりゃへの恐怖から必死になってこの一家にとっては狭い家を逃げ惑う。 しかし、現金なもので、室内に放り込まれたゆっくりゃの状態を見ると、すぐに強気になった。 「おぜうさまをたすけてですわ!」 「ぼろぼろ、だぜ?」 「な、なによ!ありすはれみりゃなんてぜんぜんこわくなかったんだから!」 「まったくだぜ!いみもなくおどろかせやがってだぜ!」 「まってくださいですわ!おぜうさまをたすけてですわ!」 そういって、相手が瀕死と見るや否や家族総出でゆっくりゃを暴行し始めた一家を止めて必死に助けを求めるさくや。 「じゃましないでね!」 「じゃまするんなら、おまえもゆっくりしねだぜ!」 案の定そんなさくやなんてお構いなしに、寧ろさくやごと暴行する子どもたち。 しかし、その暴力は母ありすによって制止された。 「わかったわよ。そんなにいうならたすけてあげるわ!ただし、永久に食料としてよ!いいわね、さくや!」 あまりにおぞましい命令だったが、名前を呼ばれてしまい従者モードになったさくやは、抗議することもままならなかった。 「ぶばぁ!?いばいいいいい!!?あぶばーーーーーっ!?」 おそらく「うぎゃ!?いだいいいいいいい!!?さくやーーーーーっ!?」だろう。 しかし、さくやは日課の食料集めに行っているのでそこにはいないし、いたところですぐに従者モードにされてしまうので何の役にも立たないだろう。 「ゆっくりできないいなかものね!」 そう罵倒しながら昨日ここに来たときには無かったはずの右腕に齧り付くのは子ありす。 ゆっくりゃの再生能力はすさまじく、一晩置いておけば大抵の傷は癒えてしまう。 ただし、傷口が壁などに押し付けられていると、新しいものの生える余地がなくなってしまい、再生することなく傷口が癒着し、ずっとそのままになってしまう。 昨晩、母ありすがゆっくりゃを殺さなかったのはそういう理由である。 つまり、現在ゆっくりゃの両脚は壁に押さえつけられてしまっていて、失った脚は再生することなく傷口がふさがってしまった。 さらに、へそまで裂けていた性器から重石をねじ込まれ、それを孕んだまま傷が再生してしまったので、それを取り出すことも出来ない。 加えて、念入りなことに羽までももぎとった上に脚と同様に再生出来ない状態で癒着させ、一切の移動手段を奪い取ってしまっていた。 他にも猿轡、うつ伏せにしたうえで両肩に重石、胸に刺さっていた木の枝は全部そのままという死んだほうがマシな状態でゆっくりゃは生かされていた。 「むーしゃ、むーしゃ・・・ゆ、ゆっくりゃのくせになかなかおいしいわね・・・」 一体誰に対してツンデレっ気を出しているのか。そんなことを気にするものは一家にはいないし、読者だってそのネタは食傷気味である。 「うっめ、めっちゃうめぇ!」 がつがつと身動きの取れないゆっくりゃの両腕を貪る一家。 「ぶばああああああああああああ!?」 「いなかものっぽいひめいね!」 「ありす、それはちがうんだぜ!こういうのはぶたのなきごえっていうんだぜ!」 痛みでもがいては刺さっている木の枝や胎内の重石で自分を傷つけて悲鳴を上げるゆっくりゃを尻目に容赦ない罵倒を浴びせる。 「こうやって、まりささまたちにたべてもらえるだけでもありがたいとおもうんだぜ!?」 「もが・・・もがっ・・・!?」 「いなかものにここまでいしてあげてるんだから、かんしゃしなさい!」 「ぶばあああ!ばぶばああああ!!ばぶべえーーーーっ!!」 暴れた拍子に広がった木の枝の周囲の穴から肉まんの香りが広がり、部屋中に充満する。 しかし、一家の食欲が満たされることはない。両腕がなくなればそこで終わるのだけど、そんなものは何の慰みにもならない。 ゆっくりゃに出来ることは、さくやが少しでも早く食料を持ち帰ってくることを願うことだけだった。 その頃、さくやは始めて出会う強敵(とも)と血沸き肉躍る戦いを繰り広げていた。 まだ幼いとは言え、ゆっくりゃ相手でも必殺級に殺傷力を誇る捻転を加えた頭突きを両腕でガードし、いくら加速しても追いすがって来る眼前の脅威。 その名はゆふらん。主に同じ捕食種であるゆっくりゃ食し、数いるゆっくり種の中でも最強と謳われ、敵対するゆっくりを嬲り殺すことに生きがいを覚える残忍な種族だ。 「ゆっくりしね!」 さくやめがけて一直線に突っ込んできたゆふらんは下段突きに近い攻撃を仕掛けるが、僅かなスウェイバックでたやすくかわされてしまう。 が、そこで怒りながらも我を忘れないのが最強種たるゆえん。こいつを倒したいという欲望だけをたぎらせて、突きを放ったばかりの右手でさくやに裏拳に似た打撃を放つ。 かわしきれなかったさくやは自ら後ろに飛ぶと、背後にあった木を蹴って一気に反攻に打って出る。 カウンター気味に放たれた体当たり。しかし、攻撃に使わず遊ばせていた左手によってたやすく受け止められ、握りつぶしてやるとばかりに圧力をかけてくる。 しかし、さくやとてその攻撃は予測済み。体をねじってゆふらんの手から抜け出すと着地と同時にさっきの木の後ろに隠れる。 「ゆっくりしね!」 当然のように追いかけるゆふらん。しかしすでにさくやはどこかに逃げていた。 きょろきょろと辺りを見回し、さくやを見つけたゆふらんは再びさくやを追いかけるが、投石でひるまされた隙にまた逃げられる。 そんな追いかけっこを7,8回繰り返した後になって、ゆふらんは自分の失策に気付いた。 「ゆ!?」 そこは木と木の間があまりに狭く、うっそうと生い茂る葉が空へ飛ぶことを遮る。 ここでは体のあるゆふらんのほうが不利だ。ここでの戦闘を避けるべきだと判断したゆふらんはおとなしくその場を立ち去っていった。 そうしてゆふらんをまいたさくやは適当に食料を集めると一家のもとへ急いだ。 さくやが下種一家のもとに来て2週間が経ったある日。 今日もいつもと同じように食料を探していたさくやの耳にどこかで聞いたことのある人間の声が聞こえてきた。 その作業はもはや日課になってしまっていたので、今となっては命令されるより先に朝一で家を飛び出し、一家が目覚める前に食料を集めてしまっている。 つまり、今のさくやは従者モードではない。 「おーい、ゆくやー!ここにいるのかー!?」 「・・・ゆ、ですわ?」 さくやは何故か「ゆくや」というのが自分のことのような気がした。 勿論、自分が「さくや」であることは理解している。しかし、「ゆくや」という言葉がどうしても気になった。 幸いにも従者モードでなかったさくやは強い好奇心に流されて、その人間のほうへ向かっていく。 すると、あっさりとお兄さんと目が合った。それから、その人間が自分に向かって微笑んだ。 「本当にこんなところにいたのか、ゆくや。こんなに痩せ細って、みすぼらしくなって・・・」 そういってお兄さんはさくやの頭をなでる。けれど、2週間前に別れた上に当時あまりにも幼かったさくやはその人間のことが思い出せないでいた。 「ゆっくりしていってくださいですわ!」 そしてどう対処すれば良いのか分からなくなったさくやは特に意味もなくお約束の台詞を口にしてみた。 「・・・おまえ、本当に忘れてるのな」 と、お兄さんは眉間に人差し指を当てて呆れるが、すぐに立ち直って、さくやに命令を下した。 「さくや、一緒に家に帰るぞ!家に帰ったら風呂に入るぞ!それからちゃんと飯も食うんだぞ!で、れいむにちゃんとあやまるんだぞ!」 「かしこまりましたですわ、だんなさま!」 勿論、従者モードになった時点で下種一家のことやゆっくりゃのことは記憶から無くなってしまっていた。 さくやが帰って来ないまま一夜を明かした下種一家は我慢の限界に達していた。 それでも、まだゆっくりゃにはせっかくの永久食料だから、と手をつけていなかったけれど、そろそろ我慢できなくなりそうだった。 そんな、一家の葛藤など露知らず、気のふれてしまったゆっくりゃは「あえー」などと虚空を見つめながら鳴いている。 「こんなにおそいってことはきっとどこかでのたれじんだんだぜ!」 「そうね!ほんとうにつかえないいなかものね!」 「しかたないからまりさたちがかりにいくんだぜ!」 この一家が下種と呼ばれながらも退治されなかったのは両親が圧倒的に強かったからだ。 喧嘩はもとより、狩りの腕前にも相当な自信があったし、その上、いざとなれば同属を捕食する猟奇性も持ち合わせていた。 しかし、それはさくやが来るまでの話だ。さくやが来てからの2週間ろくに運動をしていない。 それに加えて、本人たちは気付いていないが、過食と運動不足のせいでゆっくりではなく、でっぷりとでも言うべき醜い塊になってしまっていた。 当時のように俊敏に動き回ることは間違いなく不可能だろう。もっとも、本人たちがそれに気付く気配は全く無いけれど。 意気揚々と家を出て行った一家はまず家の周りの状況を見て愕然とした。 全く食べれそうなものが無い。 「これはいったいなんなんだぜ!?」 「しらないわよ!」 「どぼぢでまりざだちのいえのまわりがごんなにぼどぼどなんだぜ?」 少なくとも家から出る前はもう少しきれいな場所だったし、適当に食べれるものもあったはず。 「きっとさくやのせいよ!」 そう叫んだのは子どもありす。その言葉にほかの家族も追従する。 「せっかくだいじにしてあげたのに、これだからいなかものは!」 「「まったくだぜ!」」 そうやってしばらく口々に文句を言っていたが、いい加減不毛だと悟った一家はゆっくりぽっちゃり歩き始めた。 ようやくいつもの狩場に到着した一家は、再び愕然とする羽目になった。 せっかくしんどい思いをして、今まで以上に時間をかけて来たのに、そこさえも半ば不毛の地と化していたからだ。 勿論、まりさたちの際限の無い食欲が原因ではあるのだが、そんなことを理解できる餡子は持ち合わせていない。 ただひとつだけ分かることは、こうなってしまって今まで行ったことのない場所に行くしかないということ。 ここまで歩いてきただけなのにもう息が上がっている、足が思うように動かない。 「おとーさん、はやくいくんだぜ?」 「おかーさん、とかいはらしくいそいでね!」 まだ体重の軽い子どもたちは余裕があるのだが、それが妙に腹立たしい。 「わかってるよ!ゆっくりだまっててね!!」 苛立ちに任せて怒鳴り散らすまりさ。けれど、そんなことをしても余計に疲れるだけだった。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・どぼぢでごんなのがらだがおおいのおおおお!!」 その重さに耐え切れなくなったまりさはついに泣き出してしまった。 そして、その泣き声に呼応するかのように、雨が降り始めた。 そのことに気付いたまりさは急いで自分をどこか安全な場所に避難させるように誰かに命令しようとする。 が、子どもたち4匹はさっきの怒鳴り声に怯えて先に行ってしまっていた。 そして、ありすは何故かどこを探しても見当たらない。 「ゆ!?ゆぅ!?どぼぢでみんないないのおおおおお!!?」 必死に泣き叫ぶが助けなんて来るはずがない。しかし、自力で移動する体力も無い。 まりさに出来ることは一番頼りになりそうな相手の名前を呼ぶことしか残されていなかった。 「ざぐやああああああああああ!!ざぐやああああああああああああ!!どごなのおおおおおお!!」 けれど、さくやは人間の家で母親と再会し、妹のれいむたちに囲まれて、優しい人間の愛情を受けて幸せに生活している。まりさの叫びが届くはずもない。 徐々に雨足が激しくなる。そして、まりさの足元にちょっとした水溜りを作って行く。 「ざぐやあああああああああああああああああああああああああ!!」 しかし、そんなことを知る由もないまりさは必死に助けを求める。 徐々に帽子が湿気で萎れて行く。体に雨が容赦なくぶつかってくる。 やがて・・・体の一部が水によって破けてしまった。 しかし、雨は一向に止む気配を見せない。 「ゆっぐ!ゆううううぅぅうぅう・・・!ぢにだぐないよおおおお!」 それでも、死を恐れたまりさはじっとしていたことで僅かに回復した体力で木の下への移動を試みた。 「ゆぎゃぶ!?」 が、それは事態を悪化させるだけだった。自分の周囲にあった水溜りの底が妙にぬかるんでいて、まりさの重い体がめり込んでしまった。 「ゆがっ・・・がぶっ!?」 口から水が浸入してくる。呼吸が出来ない。 雨が自分を溶かしていく。はげた皮の下の餡子に直接打ちつける雨が痛い。 「じゃぶばあああああああああああああ!!」 最後まで散々こき使ってきたゆっくりの名を叫びながら、まりさは水溜りへと溶けて行った。 子どもたちはこの世全ての支配者にでもなったような気分だった。 他のゆっくりから恐れられる親を置いていく自分たちはよほど凄いのだろう。そんな万能感に浸っていたさなか、雨が降ってきた。 子どもたちは木陰に隠れて雨を凌ぐことができたけれど、そこにはちょうどゆっくりゃが雨宿りしていた。 「おい、ゆっくりゃ!ここはまりさたちのゆっくりプレイスだぜ!」 「いなかもののゆっくりゃはゆっくりでてってね!」 そして、不運なことに子どもたちは、散々ゆっくりゃを食い続けてきた経験から、勝てる相手だと確信して逃げることをせずに喧嘩を売ってしまった。 「う?」 その挑発を聞いてようやくまりさたちの存在を認めたゆっくりゃはぬぱ~っと笑顔を浮かべる。 「おやづだど~♪」 信じられないほど無防備にまりさに近づいたゆっくりゃは、おもむろに手を伸ばして一匹を抱えあげ、そして・・・ 「な、なにするんだぜ!?」 「いただきま~す♪」 身の程知らずなまりさに元気良く齧り付いた。 「ゆぎゃあああああああああああああ!!?」 手始めに脚をかじられたまりさの悲鳴がこだまする。 「うーっ!まじゅいどーっ!」 「ゆげっ!!ゆぎぃいいいい!!」 白目を剥きながらもまりさは必死に抵抗するが、健康なゆっくりゃの腕力から抜け出すのは至難。 「まじゅいの、ぽいっ!だど~♪」 抜け出す前に放り投げられ、まりさは傷口から大量の餡子を垂れ流して気を失った。 「おまえ、おねーちゃんになにするんだぜ!」 「いなかもののくせに!」 「あんたなんてありすたちがゆっくりできなくさせてやるわ!」 一方、食われずに済んだ子供たちは身の程をわきまえずにゆっくりゃに体当たりを仕掛けている 「う~?」 しかし、幸か不幸かゆっくりゃの関心は子どもたちに向いていなかった。 ゆっくりゃの視線は雨の中、傘を差して歩いてくる一人の女性、紅魔館のメイド長に向けられていた。 「あ、しゃくや~♪」 嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、ばたばたと手を振るゆっくりゃ。 「あら、ゆっくりゃ。そんなところにいたのね」 「さ、さくやっ!?」 ゆっくりゃの言葉に反応した子どもたちがゆっくりゃの視線の先を見ると、そこにはさくやに似た人間の女性。 勿論、あのゆっくりさくやとは別物だろう。しかし、子どもたちたちはその女性に一縷の望みを託した。 「さくや!あのゆっくりゃをゆっくりやっつけてね!」 もっとも、相手が人間でもゆっくりさくやと同じように対応するあたりは所詮ゆっくりか。 「あら?」 自分の足元にまとわり着いて命令をしてくる見たこともないゆっくりたちに咲夜は首をかしげる。 「しゃくや~、そいつらまじゅいの!ぽいっなの~!」 「それはあまり恐怖を感じていないからですわ。きっと甘やかされて育ったのね」 咲夜は笑顔を崩さずに子どもたちを抱き上げると木陰に入り、シートを広げ、そこに腰掛けた。 「本当、丸々と太って・・・可愛らしいわ」 見かけ上の変化はなったが、内に秘めたる感情はいつの間にかまったく別のものになっていることに気付かない子どもたちは・・・ 「とかいはのありすをおこらせたつみはおもいのよ!」 「まりさのほんきをみせてやるんだぜ!」 などなど・・・のんきにゆっくりゃを罵倒していた。 まず、咲夜は気を失っているまりさを抱えあげ、その傷口丹念に調べる。 「なるほど、大きさは・・・・。傷が歯形になっているのは・・・」 その様子を訝しげに見ている子どもたちはいらいらしている。 「ねえ、おばさん!ゆっくりしないであのゆっくりゃをやっつけてね!」 次の瞬間、その言葉を口にしたありすは投げナイフによって脚に当たる部分を完全にそぎ落とされていた。 「・・・?ゆぎょあああああああああああああ!!」 「うるさいわよ。ちょっと黙っていてね?」 ナイフを投げた張本人はずっと笑顔のままなのだけれど、何故か怒っているようにも見えた。 それから、まりさのほうも脚の部分をそぎ落としそこを、さっきのありすの脚の部分とくっつける。 最後に、雨水で2匹の皮の一部を少し溶かしてから伸ばし、癒着させるとあら不思議、結合ゆっくりが出来上がりました! さらに残りの2匹にも同様の処置を施し、先ほどの2匹に結合させる。 この過程の間、ずっとゆっくりたちは阿鼻叫喚のさなかに居たことは言うまでもないだろう。 こうして脚の部分が癒着してしまって全く移動できない、四つ葉のクローバーのような格好のゆっくりが完成した。 「なにこれええええええええ!!」「ひどすぎるぜええええ!!」 「こんなのどがいはじゃないいいいい!!」「ありすのあしがあああ!!」 どのゆっくりも他のゆっくりから離れられないことや、一切移動ができないことに強い恐怖を覚えている。 それから咲夜は全員の目を抉り出し、耳に当たるとされる部分を破壊した。 「「「「・・・~~~~~~~ッ!!?!?!」」」」 感覚は共有しているが、意識は分離している4匹は目と耳を8つ抉られるという通常体験し得ない衝撃に悲鳴すら上げられない。 その痛みから必死で逃げようとするが、足がないのだから動けるはずがない。 しかし、ゆっくりの移動は全身を用いて行われるものであり、移動しようとすればそのために脚以外の部分は動くし、それにつられて中身も動く。 4匹は同時に逃げようとしたのだから、4匹の中身がほぼ同時に上下したことになる。 その、上下した中身が、皮の癒着した場所で衝突するとどうなるのか? ゆっくりにとって餡子は血であり、内臓であり、脳でもある。 そんなものを歩くという全ての生物にとってもっともパワフルな行動に際に生まれるエネルギーを用いてぶつけ合うとどうなるのか? 「「「「ゆっ・・・!!!ゆぎょうぎぃおえああああああああああああああ!!」」」」 答えは実に簡単。ものすごく痛い。 しかも、4匹は感覚を共有しているせいか、全員の痛めに総和を全員が引き受ける。 しかし、音も光も失っているせいで何故痛いのか、その理由を確認することもままならない。 その痛みで反射的に脚に当たる部分を動かそうとしてしまい、また中身同士をぶつけ合う。 「「「「ゆぐひぃあああああああああああああああああああ!!!?」」」」 奇天烈な悲鳴を上げながらのた打ち回る。しかし、その上げているはずの悲鳴が聞こえないことはまた恐怖を増幅させる。 「「「「だ、だれか、っぎゅおあああああああ!!?」」」」 その恐怖に負けてがむしゃらに助けを求めようと動いた結果、またしても中身同士を衝突させてしまう。 そんな愚考を延々と繰り返すゆっくりたちを眺めながら咲夜は柔和な笑顔を作った。 「ゆっくりゃ。あと5分もすれば、甘くて美味しいゆっくりが食べられるわよ」 母ありすは1匹だけ引き返していた。最初からそれが狙いだった。 雨の中で連中がくたばってくれればゆっくりゃを独り占めできる。 万一、生き延びた奴がいたところで適当に「ここにいれば帰ってくると思った」とでも言えば大丈夫だろう。 そう、彼女だけは今の自分には狩りが出来ないことを冷静に把握していたのだ。 「みんなばかないなかものね・・・!」 ようやく重い体を引きずって家の前に到着したありすが扉を開けると、家の中にはゆふらんがいて、ゆっくりゃを食い尽くしていた。 ありすは知る由もないが、そのゆふらんは以前さくやと戦ったゆふらんだった。 実はこの一家が監禁していたゆっくりゃはこのゆふらんが捕獲したもので、あそこに置いていただけだった。 そして、さくやを襲ったのはゆっくりゃの匂いが染み付いていたから。 このゆふらんは食料を探してあちこちを徘徊していたさくやの匂いと、染み付いたゆっくりゃの匂いをたどって今しがたこの家に到着したところだった。 「ゆ・・・!?ゆ、ゆゆゆゆ、ゆふらんっ!?」 一人大きな部屋でずっとゆっくりしよう。 食料も少し物足りないかもしれないけれど自分ひとりで毎日ゆっくりゃの両腕を食べられるなら大丈夫。 すっきりしたくなったらゆっくりゃとすっきりしよう。それから子ゆっくりゃも親と同じようにしてやろう。 子ありすは居ても仕方ないからおやつ代わりに食べれば良い。 そうやって徐々に子ゆっくりゃを増やしていけばやがては満足するまで食べられ、したいときにすっきり出来る最高の環境が出来る。 自分はなんて抜かりがないんだろう。ゆっくりでこれだけのことを考えられるのはきっとありすぐらいよ。 など、先ほどまでずっと脳裏を駆け巡っていた自画自賛の言葉の数々は目の前の最強の捕食者の存在によって粉々に打ち砕かれた。 「ど、どぼぢでゆぶらんがごごにいるのおおおおお!!」 まさか、自分がゆっくりゃを監禁したせいだとは露知らず、悲鳴を上げた。 「ゆ?・・・ゆっくり、しね!」 最悪なことにそのゆふらんはゆっくりゃを食べた後でお腹いっぱいだった。 つまり・・・ゆふらんの目的はありすを嬲り殺すこと、ただそれだけ。 ゆふらんはでっぷりと肥えて殴り甲斐のありそうなありすにのしかかると、手始めに両目を抉り出した。 「ゆっくりしね!」 「ゆぎゃああああああああああああああああ!!ありずのありずのおめめがあああああ!!」 叫ぶありすの右の頬を殴打する。 「ゆぎっ!!やべでえええええええええ!!どがいはのあぢすをばぐらないでええええ!!」 ありすは必死に許しを請うがそれで手の止まるゆふらんではない。 「ゆっくりしね!」 それから左の頬を。 「ゆっぐ!!?だべで!!おべえんばばい!!あばばるがらゆるぢでえええ!!」 それでもまだ命乞いをする。何に対して謝っているのかさっぱり理解できないがそれはゆふらんの気持ちを昂らせているに過ぎない。 「ゆっくりしね!」 「ゆぎゃふ!?」 もう一度、右の頬を。 「ゆあ゛あ゛あああ゛ああ゛ああ゛あ゛あああ゛ああああ゛あ!!」 もはや命乞いをする気も失せたありすは泣き叫ぶ。 「ゆっくりしね!」 更に左の頬を。 「ゆぎゃん!ゆ、ゆぐああああああああああああ!!あぢずのぢろいばが、ばがああああ!!」 殴られた拍子に歯が一本折れ、その痛みで悲鳴を上げた。 それでも、いやだからこそゆふらんはありすを何度も、何度も執拗に殴り続けた。 本人は意図していないのだろうが、その間隔はきっちり5秒に1発。 殴られた直後は痛みが襲ってきて、その後には「また殴られる」という恐怖がありすを容赦なく痛めつける。 殴られ続けたありすはついに吐血、もとい吐カスタードまで流し始め、そこでゆふらんの手が止まった。 もともとぶっくりと膨らんでいたその体は殴られ続けた結果、見るも無残に腫れ上がり、いまや頬の周辺だけが殴られる前の2倍ほどに膨らんでいた。 その体のあちこちが破けてカスタードがはみ出していた。しかし、ゆふらんが手を止めたのは良心の呵責によるものではない。 もっとゆっくり殺さないとつまらない。 そう判断したゆふらんは傷口に土や石をねじ込んで半ば強引に止血を施す。 その際ありすが「ゆぎいいいいいい!!」「ゆぐえぇ!!」「ゆぎぃ!!」などと喚くが当然気にしない。 手当てが終わった頃には、ありすの顔はどこかのゼル○ディ○みたいな感じになってしまっていた。 それでも、ゆふらんの拷問は終わらない。 いったんありすから降りると、もはや空洞だけになっていた目に足を突っ込み、人間で言うところの眉間に腰掛ける。 「ゆっ!?!?っぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!」 もう終わったと油断していたのが災いし、予想外の痛みに絶叫を上げるありす。 ゆふらんはそれを煩わしいと思ったので散々殴られ続け、そのダメージと折れた歯によって外側以上にぐちゃぐちゃの口の中に腕を突っ込んだ。 「むぐっ!!?」 そして、そのカスタードまみれの口の中を腕で思いっきりかき回す。 「ゆっく~りし~ね~!」 「ぶばああああああああああ!!ぶばば!!ぶばぶぼおおおおお!!!!」 元々、ありすの中のカスタードは両脚と詰め込まれた石ころ分の圧迫を受けていた。 そして、その状態で口の中を強引にかき回された結果、逃げ道を失ったカスタードは止血処置を施されていない口内に流れていく。 「あば!?あばい!?あばいおおおおおお!!?」 せっかくの甘みも自分のカスタードでは流石に喜べない。 「うぼあああ!!ばべえええええ!!」 しかし、ゆふらんはお構いなしに腕で口内をかき回す。 「ぶぼおおおお!!」 どんどん流れ込んでくるカスタード。 「あぶふうううううう!!」 徐々に激しさを増して行くゆふらんの腕。 「ば・・・ばあ・・・」 それらはありすの口から呼吸をする機能を奪い取り、そのままありすを窒息させた。 「ゆっくりしね!」 ゆふらんがその遊びに飽きた頃には、口内にカスタードを溜め込みすぎたありすはすでに死んでいた。 その頃、ゆっくりさくや、もといゆくやは飼い主と一緒に風呂に入っていた。 勿論、湯船に使っているわけではない。桶に入って湯船の上にぷかぷか浮かんでいるだけだ。 2週間分の汚れを落としてさっぱりしたゆくやは実にゆっくりしたひと時をすごしている。 湯船に使っている飼い主はゆくやの本能レベルでイラッと来る笑顔が湯船を漂うのを見ていると、なんともいえない感情がこみ上げてきた。 「えいっ!」 「ゆっ!?なにをするんですわ!?」 デコピンをかました飼い主はゆっくりさくやの抗議を聞き流しつつ湯船か出ると、桶ごとゆくやを抱えあげて風呂場を後にした。 ※ゆっくりさくやを迂闊に野生のゆっくりの中に放り込むと他のゆっくりに怠惰が染み付き脆弱化します。 また、ゆくやが過労死することが多々あるので他の種と一緒に買うときは十分に注意してください。 ---あとがき?--- 調子に乗ってゆっくりさくや第3弾。 とりあえず「ですわ」と“従者モード”さえあればもうゆくやでしょう。 戦闘能力が高いのは著者が最初にやったPC版東方が妖々夢だから(後に東方と知らずに夢、怪、幻をやっていた)。 従者モード時の記憶の有無は不明。個体差があるとか、しらを切っているとか、諸説あります。 あと、この作品で登場したゆくやと飼い主は1作目の子ゆくやと飼い主です。 byゆっくりボールマン ゆっくりいじめ系573 ゆさくや3.5 このSSに感想を付ける
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※fuku1814.txtの続編です。 ※多分、今回も虐待は軽めです。 「ゆっくりしていってくださいですわ!」 今、鬼意さんこと虐待お兄さんの虐待ルームに居るメイドキャップをつけたこのゆっくりはゆっくりさくや。 ゆっくりのクセに面倒見の良く、人の家に上がったときの「ここは~~のおうちだよ」の「~~」の部分が自分の子どもになる変り種。 先日、近所の人からおすそ分けとして貰ったんだが、まだ希少なためおいそれと殺すのももったいない。 しかし、まだ幼いので犯させて増やすのも難しい。なんともフラストレーションのたまる銀色クソ饅頭である。 だから今は生態調査をしつつ、殺さずに他のゆっくりの虐待に利用できないか考え中だ。 とりあえず、今日は森で見かけた大人れいむ1匹、大人まりさ1匹、子れいむ3匹、子まりさ2匹という標準的な家族の中にこいつを加えたらどうなるか実験してみたい。 僕は群れの近くまで行きメイドキャップに小型の集音マイクとスピーカーを取り付けてると、「さくや、あの家族の一員になれ」と命令してからさくやを放した。 「ゆっくりしていってくださいですわ!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「「ゆっくりしちぇっちぇね!」」」」」 れいむたちは家の近くの広場でゆっくりしていた。 5匹の子どもたちは元気に駆け回り、まりさは温かい笑顔でその様子を見守っている。 この辺りにはゆっくりゃはほとんどど出没しないし、他の鳥獣もあまり居ない。 その理由は食べ物がやや乏しいからだけど、時間をかけて集めれば家族が食べる分は十分に確保できる。 ただ、まりさと子どもたち以外に友達がいないのがちょっとさびしい。 そんなたったひとつのわがままを抱えたれいむ一家の前に見たこともないゆっくりが現れた。 そのゆっくりは銀髪にメイドキャップ、それに青い瞳とずいぶん個性的な姿をしていて、目つきが他のゆっくりよりちょっと鋭いような気がする。 サイズはやや小さく、子どもたちと同じ程度の大きさしかなかった。 「おねえしゃんはゆっくりできるひと?」 れいむは見たことのない容姿にとまどっていたけれど、家族以外のゆっくりを始めてみる子どもたちは興味津々。 物怖じしない性格のゆっくりまりさのうちの姉のほうが元気良く話しかける。 「さくやですわ!とてもゆっくりできますわ!」 その言葉を聴いて笑顔をほころばせる子どもたち。 「ほんとうに!じゃあ、れいむたちといっしょにゆっくりあそぼ!」 「さくや!いっちょにゆっくししようよ!」 「かしこまりましたですわ、おぜうさま!」 「ゆ?」 さくやがおぜうさま、という聞きなれない呼称を用いたことに子どもは首を傾げる。 けれど、「さあ、ゆっくりしましょうですわ!」というさくやの言葉を聞くとそんな事はどうでもよくなったらしく、6匹は鬼意ごっこを始めた。 見ず知らずの個体どころか、見たこともない種族のさくやに少し訝しげな目を向けていたれいむも、子どもたちの楽しそうな姿を見ていると細かいことはどうでも良くなってきた。 「きょうからみんなのおうちでいっしょにゆっくりする、さくやですわ!」 さくやは帰る場所がなかったらしい。以前は人に飼われていたらしいが、目を覚ましたら捨てられてしまっていたそうだ。 そんな話を聞いた子どもたちは、さくやをおうちに連れて帰ろうと言い始めた。 「かわいそうだよ。おうちでさくやをゆっくりさせてあげようね!」 「なんでしょうかですわ、おぜうさま!」 なぜか会話の最中に割り込んでくるさくや。かわいそうだ、と言い出した子れいむの顔をキリッとした表情で見つめている。 「ゆ?さくやにはなしかけたんじゃないぜ!」 「なんでしょうかですわ、おぜうさま!」 会話に割り込んできたさくやに首をかしげながら、子まりさが当然のような返答をすると、今度は子まりさをキリッした表情で見つめている。 そんなやり取りを飽きることなく繰り返している子どもたちを微笑ましく眺めながら母れいむは考えた。 きっと、この子は「さくや」と呼ばれると無条件に反応してしまうのだろう。そして、その異常な体質のせいで人間に捨てられたんだ、と。 実際には「さくや」と呼ばれると勝手に反応するのは種族の特性だし、その特性は寧ろ聞き分けのよさにつながるため人間にとっては極めて有益なのだけど、ゆっくり脳でそんな異なる生物の都合まで想像することなど出来るわけがない。 「ゆぅぅぅううう!さくや、いいかげんにしてね!よんでないっていってるでしょ!」 「もうしわけありませんですわ、おぜうさま!」 「ゆあううううううううぅぅぅうううううう!!?」 さすがに名前を呼ぶ→反応するを繰り返しすぎたせいで子どもたちがいらいらし始めてきた。 「これじゃゆっくりできないんだぜ!ゆっくりできないさくやなんてゆっくりしね、なんだぜ!」 さくやの特性に気付いていなかった子まりさが、知らず知らずのうちにあまりにも危険な命令を下してしまう。 「かしこまりましたですわ、おうぜさま!」 言うが早いか、さくやは猛然と近くの岩に突進し、自らの額を容赦なく激突させる! 「さくや、しんじゃだめだよ!」 さくやは運動能力が非常に高いようで、信じられない速さで激突してしまったけれど、一撃で死ぬことはなかった。 でも、割れた額からはプリンがぽろぽろこぼれ落ちている。 「かしこまりましたですわ、おくさま!」 何とか間に合ったらしい。プリンを滴らせながらもキリッした表情のさくやは母れいむの命令にすぐさま従った、のだけど・・・ 「・・・おぜうさまにしかられるぅ~・・・きゅう」 さすがに相当痛かったのか、妙なうめき声を上げて、そのまま気を失ってしまった。 翌朝、まりさが目を覚ますと、新しい家族の姿がないことに気付いた。 一瞬、いろんな不安が頭をよぎる。 もしかして、夜中にふらっと散歩にでも行ってしまったのではないだろうか? もしかして、本当の親が恋しくなって家を飛び出したんじゃないだろうか? ・・・もしかしたら、人間の命令で野生のゆっくりを探していたのではないだろうか? そんな親としての不安と家族を守るものとして欠かせない不信、そして何より家族を疑う自分への苛立ちから、急いで家を飛び出すとさくやはそこにいた。 「“おまえ”!なにをしているん・・・だぜ!!?」 「あら、おとーさま!おはようですわ!」 まりさは驚愕するしかなかった。信じられないことにさくやは夜中に食料を探しに行っていた。 それも、家族全員分の食料を。 しかし、それ以上に信じられないのは並べられている戦利品の数々。 小柄な蛇が1匹、鳩が1羽、ネズミが3匹。あとは食べれそうな木の実がたくさん。 「これ、きょうのおゆはんにしてほしいですわ!」 おゆはんも何もまだ朝ごはんも済ませていない。だけど今重要なのはそんなことじゃない。 「ゆ?」 何も言わずにゆっくりとさくやのそばまで進んでいく。さくやはその様子を首をかしげて見つめる。 それから、ようやくさくやに触れることのできる距離まで近づくと体当たりを仕掛けた。 「ゆっぐ!な、なにをするんですわ?!」 「まりさはね・・・まりさはねぇ・・・そんなあぶないことをしてほしくて“おまえ”をかぞくにしたんじゃないんだぜ!」 「ゆ!?・・・で、でも」 「でももすともれぼもないんだぜ!これからはそんなことはおとーさんとおかーさんにまかせて“おまえ”はみんなとゆっくりしているんだぜ?」 「だ、だって・・・みんなさくやってよんでくれないですわ!」 「それは“おまえ”のだめだ!“おまえ”とかぞぐでいるだめにはじかだのないことなんだぜ!」 感極まって、これ以上の言葉が出てこなかった。 けれど、言葉にならない感情を思いっきり抱きしめる?ことで何とか伝えた。 「ゆっぐ・・・おど-ざん!ご、ごべんですわ!」 その感情は何とか伝わったらしい。さくやはまりさの頬に頬を摺り寄せながら、号泣していた。 「オマエにキミ・・・か」 このゆっくりは非常に良く出来た連中だ。 そこそこに知能は高いし、何より良心に則って行動することが出来ている。 しかし、所詮はゆっくりだ。 「あいつらの腐れ脳みそじゃ名前で呼んでもらえないことがどれだけ辛いかなんて分からないんだろうな・・・」 と、柄にもなく不愉快なことを思い出しそうになったので、別のことを考えて気を紛らわすことにした。 それはあの家族の一員としてのさくやの今後のこと。 きっと、あの家族となら上手くやっていくだろう。うっかり「さくや」と呼ばないように気をつけながらも6匹目の家族と幸せを育んでいくのだろう。 そしてさくやは名前を呼んでもらえない、という不満を抱えながら育っていくだろう。 その事実はどれだけの疑念を、不安をさくやにもたらすだろうか? その疑念とストレスに負けたさくやはどんな風に壊れていくのだろうか? いや、所詮ゆっくりだし、たいしたことはないかな? ・・・なんにせよ、せめて僕と同じくらいのことはして欲しいな。 でないと、あまりに物足りない。 さくやがれいむの家族になってから1週間が経ったある日。 家族の中で一番活発な子まりさがこっそり遠くに出かけてしまった。 「まりさー!!どこなのー!?」 「まりさー!どこだぜー!?」 「まりしゃ!きこえたらゆっきゅりでてきてね!」 「まりさー!どこですわー!?」 家族総出で必死に探したけれど、なかなか見つからない。 そうしているうちに日も暮れてきたので、子どもたちだけでも家に帰そうと、いったん集合したそのとき・・・ 「まりさがあっちにいるですわ!」 何故か瞳を紅くしたさくやが確信に満ちた口調でそう叫び、薄暗い夕闇の中を一目散に駆け出していった。 速いなー・・・いやいや、速すぎる。 1回1回の跳躍距離がれいむの3倍以上はあるし、何よりこの暗さをものともしていない。 「さくや!はやいよ!もっとゆっくりあるいてね!」 「ゆっくりしているばあいじゃないですわ!ゆっくりれみりゃがいるですわ!」 「ゆ!?」 それだけ言うと更に加速していくさくや。 「はっ、はっ・・・はやすぎるよぉ・・・」 れいむが必死に跳ねて、ようやくさくやに追いついた時、さくやはまりさを守りながら3匹ものゆっくりゃと戦っていた。 正確には1匹のゆっくりゃ、それも親ゆっくりゃと思われる一番大きい個体は頭部を完全に破壊されてすでに死亡。 しかも残る2匹の子ゆっくりゃも左右どちらかの腕を失くしている。 「でびりゃのざがらうなんでだばいぎだどー!!」 「ぎゃお゛ーーーーー!!」 何の考えも無しに突進する1匹の子ゆっくりゃを臆することなくぎりぎりまで引きつけると、手近な石を咥えて子ゆっくりゃの足に投げつける。 「う?」 足がもつれて転ぶ子ゆっくりゃの顔面の先にはちょうどさくやの頭があった。 「うー♪ぷっでぃ~ん♪」 子ゆっくりゃはようやく捕らえたと言わんばかりに笑みを浮かべるが、さくやは明らかにそれを狙っていた。 捻転を加えた痛烈な頭突きを無防備な笑顔に向けて放つと、あっという間に絶命させた。 「うぎゃ!?」 子ゆっくりゃの首がもげ、中の具を撒き散らしながら宙高く舞い上がり・・・もう1匹の傍に落ちて、その衝撃で飛び散った。 「うっ・・・!?」 身の程知らずの子ゆっくりゃでも圧倒的な実力差を理解したらしく、顔面は蒼白、表情からは恐怖がにじみ出ていた。 そして助けを求めるようにきょろきょろと辺りを見回す。けれど自分を助けてくれそうなものがいない事に気付くとついに泣きはじめた。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ざぐやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「なんでしょうかですわ、おぜうさま!」 名前に反応してしまったさくやは素早く子ゆっくりゃの足元まで駆け寄るとキリッとした表情で泣き顔を見つめる。 「おぜうさま」と言うのを聞いたときから薄々気にはなっていたことだけど、もしかしたらさくや種はゆっくりゃと共生関係にあるのかもしれない。 「うぅ~?」 一方、子ゆっくりゃは「おぜうさま」と言う言葉に敏感に反応し、さくやのほうをまじまじと見つめている。 まずい。そう思ったれいむは出来れば使いたくなかった奥の手を使わざる得なかった。 「さくや!ゆっくりゃをゆっくりやっつけてね!」 「かしこまりましたですわ、おくさま!」 その掛け声の直後、自分のことを「おぜうさま」と呼んださくやをじっくり見ようと顔を近づけていたゆっくりゃは振り返りざまの一撃を浴びて尻もちをつくことになった。 あまりに無体な不意打ちを喰らった子ゆっくりゃは再び大声で泣き始める。そんなゆっくりゃにさくやは問答無用で下あごに噛み付き、食いちぎった。 「うあああああ!!うあうあうあうあううううあああああ!!?」 もう何を言っているのか全く聞き取れない。これでは従者モードにすることも出来ないだろう。 右腕で下あごを押さえながら仰向けになって泣きじゃくるゆっくりゃを従者モードになってしまったさくやは無機質な表情で眺めていた。 正直に言おう。流石の僕もこれには興奮した。 長年虐待お兄さんをやっていた僕だが、「ゆっくりやっつけろ」を見事に体現するさくやのゆっくりゃに対する虐待は想像を絶するものがあった。 まず、駄々っ子のように手足をばたつかせでたらめに暴れるゆっくりゃの脚に必殺の捻転頭突きを食らわせ、一切の抵抗が出来ないようにする。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 あまりの唐突で理不尽な痛みに白目を剥いて絶叫する子ゆっくりゃ。しかし、下あごのない口ではその絶叫は何かよく分からない音となって響くだけだった。 それでも、この場から逃げようと子ゆっくりゃは残る右腕で必死に這いずる。 「あ・・・あああう・・・ああ・・・」 焦点の合わない瞳で何とか前を見据えながら這いずっていくその先に白い悪魔がたたずんでいた。 凛々しく無機質な表情をしたさくや。何のためらいもなく右腕を食いちぎると、それをもはや口とも呼べないゆっくりゃのかおに空いた空洞にねじ込む。 「・・・・・・・・・・!?!?!?!?」 手を使って引き抜くことは愚か、咀嚼する事さえもままならないいまのゆっくりゃにとって、それは地獄の苦しみにも等しいだろう。 もはや表情を見れば正気を失っているのは明白だった。しかし、さくやの「ゆっくりやっつける」は終わらない。 這って逃げるためにうつ伏せになったのが災いし、今度は背中に生えた羽を引きちぎられる子ゆっくりゃ。 あのまま狂気の世界に突入していれば楽になれただろう。だが、羽をもがれた痛みがそれを無理やり押しとどめた。 「・・・・・・!?!?」 もはや子ゆっくりゃはだるま状態の体をじたばたさせてさくやを振り払おうとする。 が、さくやはその上で飛び跳ね、落下の勢いに任せてゆっくりゃを蹂躙する。 「・・・!?」 その衝撃で腕から、脚から下あごから、そして羽の付け根から中身の具が漏れ出す。 あまりの痛みに体をのけぞらせるゆっくりゃ。しかし、下あごを失った上に腕をねじ込まれた状態では悲鳴さえも上げられない。 「・・・・・・?!!!?」 さくやは再び跳躍すると悶絶するゆっくりゃを見下ろし、さっきより更に高いところから落下する。 「!!?!」 再び体をのけぞらせながら悶絶・・・いや、もはやただの痙攣だった。 それから数十秒ほど、ぴくぴくと痙攣していたゆっくりゃは、気がついたら動かなくなっていた。 その光景は俺にささやかな感動を与えてくれた。 あの不愉快な肉まんが、何かにつけてすがり付こうとする相手に、もしくはそれに似た相手に惨殺される光景は実に美しかった。 そんな感じで僕が悦に浸っている間に、れいむ一家は従者モードから我に返ったさくやと迷子になっていたまりさを連れて、自宅へと引き返していった。 続く このSSに感想を付ける